第16回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録

日時

平成20年7月14日(月)14:59~17:38

場所

合同庁舎5号館共用第8会議室6階

議題

(1)
平成19年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価等について
(2)
その他

配付資料

資料1 独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針
資料2 評価シート
資料3 平成18年度における環境省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について
資料4 平成19年度業務実績報告書
資料5 平成19年度業務実績報告書 資料編
資料6 平成19事業年度財務諸表
資料7 平成19事業年度事業報告書
資料8 平成19年度決算報告書
資料9 監査報告書
資料10 今後の予定
参考資料1 独立行政整理合理化計画
資料2 独立行政法人通則法改正案の概要
資料3 独立行政法人評価委員会関係基礎資料
資料4 平成19年度国立環境研究所年度計画
資料5 平成18年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書
資料6 国立環境研究所年報 平成19年度
資料7 国立環境研究所研究計画 平成20年度
資料8 国立環境研究所パンフレット

出席者

委員 磯部 力委員、佐和隆光委員、高木勇三委員、高月 紘委員、西間三馨委員、松尾友矩委員
環境省 大臣官房 小林審議官
総合環境政策局 後藤総務課長
吉井調査官
立川環境研究技術室長
高見環境研究技術室室長補佐
国立環境研究所 大塚理事長
安岡理事
太田理事
柴垣総務部長
松井企画部長

議事

【立川環境研究技術室長】 定刻には若干早うございますが、委員の先生方、皆様お集まりでございますので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第16回国立環境研究所部会を開催したいと思います。
 大臣官房審議官の小林よりごあいさつ申し上げます。

【小林大臣官房審議官】 大臣官房審議官の小林でございます。本日は大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日、環境省独立行政法人評価委員会の第16回国立環境研究所部会ということでございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 洞爺湖サミットも終わりまして、環境政策につきましても、地球温暖化を中心に、生物多様性あるいは3Rなども含めまして、いよいよまた一つステージを上がっていくタイミングにあろうかと思っております。今、こういう節でございますので、また来年度の重点政策あるいは予算などに向けて、庁内でもいろいろ議論しているところでございまして、環境研究所の役割も、またその中で大きなものが期待されるところでございます。そんなことで、大局的観点から各位のご指導をいただければと思っているところでございます。
 一方で、国立環境研究所を含めまして、独立行政法人につきましては、これは政府全体で昨年末に独立行政法人整理合理化計画が閣議決定されておりまして、各法人共通でやっていくべきこともございますし、また、特に個別の課題としてやっていかなければいけない、こういうことも示されているところでございます。また、政策評価、独立行政法人評価委員会からも、これは例年どおりでございますが、いろんな評価結果などが寄せられているというようなことでございます。
 本日、こうしたもろもろの状況を踏まえまして、そういう中でのこうしたご意見、また、平成19年度の業務報告書などにつきましてご説明させていただきまして、年度の評価をお願いしてまいりたいと思っております。もとより、国立環境研究所は環境研究分野のナショナルセンターでございます。こういった環境研究の全国的な牽引的な役割を果たすということももちろんございますし、また、あわせて、環境政策の決定に当たりまして、有効で的確な科学的な知見を示していただくと、そういうことを通じて、政策の具体化推進についても、科学的な面からリーダーシップを発揮していただくと、こういう役割を担っているものと思います。どうぞ先生方の忌憚のないご意見、または活発なご審議をいただければ幸いでございます。
 はなはだ簡単でございますが、ごあいさつとさせていただきます。きょうはどうぞよろしくお願いいたします。

【立川環境研究技術室長】 座ったままで恐縮ですが、説明させていただきたいと思います。
 本日は、委員10名の皆様のうち6名の皆様がご出席いただいております。したがいまして、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定により、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。また、本日のこの国立環境研究所部会でありますが、公開ということで開催させていただいております。
 まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元でございますが、まず、議事次第、議題資料、参考資料等々が書いたペーパー1枚ものがあろうかと思います。順番では、その次に、参考資料1、右肩に参考資料1とある独立行政法人整理合理化計画があろうかと思います。その次に、右肩に参考資料2とありますが、独立行政法人通則法改正法案の概要があろうかと思います。続きまして、資料1、独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針、資料2、これはA3でございますけれども、横で折ったものでございますが、評価シート(国立環境研究所用)、資料3、政委第3号と書いてございますが、中ほどに書いてございますとおり、平成18年度における環境省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果についての意見ということで、政策評価・独立行政法人評価委員会から松尾委員長あてのペーパーでございます。それから資料4、これは冊子でございますが、平成19年度の業務実績報告書、資料5、同じく業務実績報告書の資料編ということで、ちょっと分厚いものでございます。資料6として、財務諸表でございますが、財務諸表の中に、恐縮です、貸借対照表、A4で3枚だと思いますが、とじてあるという構成にしております。引き続きまして、資料7、平成19年度事業報告書、資料8、平成19年度決算報告書、資料9といたしまして、独立監査人の監査報告書、それから資料10、1枚ものでございますけれども、今後の予定。それから、お手元右側に置いてあったかもしれませんけれども、引き続き、ファイルでとじておりますけれども、参考資料3として関連法規、参考資料4といたしまして、19年度の年度計画、参考資料5といたしまして、昨年度おまとめいただきました18年度の業務実績評価書、参考資料6といたしまして、国立環境研究所年報ということで、平成19年度版、参考資料7が研究計画の20年度版、参考資料8が国立環境研究所のパンフレットでございます。
 そのほか、大変恐縮でございますが、資料番号をおこしていないものでありますが、お手元に、研究別予算額一覧ということで、例えば重点研究プログラム、知的研究基盤研究、基盤研究のおのおのの課題に幾らぐらいの予算を充当しているかといったものでございます。単位は100万円でございます。
 それから、先日の機構部会で少し話題がありました、独法の職員の給与水準の一覧でございます。いわゆるラスパイレス指数を示したものがA4、2枚であろうかと思います。
 それから、これも先日の機構部会で少し話題があった環境報告書でございます。このライスパイレス指数の一覧表と環境報告書については、今ご用意できるもの、これが最新版なのですが、もう少したつと、もう1年新しいものが用意できるものですから、それにつきましては、8月の部会ではお配りしたいというふうに考えております。
 それから、多数あって申しわけございませんが、あと、カラー刷りのパワーポイントのハードコピー版といたしまして、1枚ものの第2期中期目標期間の研究体制、それから19年度研究業務報告と。
 以上が、本日用意いたしました資料でございますが、特に過不足がございましたら、事務局までお申しつけいただけたらと思います。
 それでは、また会議中にご指示いただけたらと思いますが、次に、本日ご出席の委員の皆様をご紹介させていただきたいと思います。アイウエオ順ということで恐縮です。
 磯部先生でございます。
 次に、佐和先生でございます。
 続きまして、高木先生でございます。
 続きまして、高月先生でございます。
 続きまして、西間先生でございます。
 続きまして、松尾先生でございます。
 また、先日、長谷川委員が本委員会の委員を辞任されました。その後任といたしまして、本日はご欠席でありますけれども、沖陽子先生が臨時委員から委員に任命されたことをご報告させていただきます。
 続きまして、国立環境研究所の出席者を紹介させていただきます。
 真ん中から、理事長の大塚でございます。
 それから、研究担当の理事の安岡でございます。
 それから、総務担当の理事の太田でございます。
 それから、総務部長の柴垣でございます。
 それから、企画部長の松井でございます。
 それから、環境省の出席者でございますが、先ほどあいさつ申し上げた小林のほか、総合環境政策局総務課長の後藤でございます。
 それから、総合環境政策局総務課の調査官の吉井でございます。
 私、総合環境政策局環境研究技術室長の立川です。申しおくれましたが、どうかよろしくお願いいたします。
 議事に入ります前に、さきに閣議決定されました独立行政法人の整理合理化計画、それから、これに基づきます独立行政法人通則法の一部改正案につきまして、参考資料の1と2に基づきまして、簡単に説明申し上げたいと思います。恐縮です、お手元の参考資料1をごらんいただけたらと思います。
 お手元の参考資料1の最後のページでございますが、一番最後のページに、ポンチ絵で、個別独立行政法人の見直し、考え方と効果といったペーパーがあろうかと思います。これが今般の昨年12月24日に閣議決定されました独立行政法人整理合理化計画の結果の個別の独立行政法人の見直しでございまして、法人の廃止・民営化、これが6法人、具体的には、少し下の破線で囲ったところでございますが、そうした6法人について廃止または民営化といったことがなされます。
 それから、2つ目といたしまして、法人の統合といったことで、16法人を6法人にといったことがうたわれております。具体的には、農林水産省系の研究機関、国土交通省系の研究機関で統合が図られるといったことになっております。
 それから、3つ目といたしまして、非公務員化ということが2法人ということでうたわれております。具体的には、総務省の統計センター、それから厚労省の国立病院機構ということで、20年度に検討といったことになっております。
 それから、主要な事務事業の見直しといったことがほとんどの法人でかかっております。
 それから、1枚前のペーパーに、独立行政法人整理合理化計画のやはりポンチ絵ですが、もっと全体的なことが書いたものがございます。左側に個別法人の見直し、それから右側に横断的事項の見直しというふうになっているかと思いますが、左側の個別法人の見直しは、先ほど説明したとおりでございます。横断的事項の見直しにつきましては、まず一つとして、業務運営の効率化ということで、随意契約の徹底見直し、それから保有資産の売却、国庫返納等、官民競争入札等の導入、給与水準の適正化、こうしたことがうたわれております。
 それから、業務運営の自立化といたしまして、内閣としての一元的関与、それから関連法人等との関係の透明化、適正化、こういったことがうたわれております。これらの多くは、基本的には独法の通則法の改選案、こういったところにも引き継がれておるところでございます。
 引き続きまして、参考資料2でございますが、参考資料2、独法通則法の改正案の概要でございます。こちらの方も恐縮です、最後のペーパー、ポンチ絵がございますが、こちらをごらんいただけたらと思います。
 具体的な改正事項の概要ですが、白丸が5つございます。一つ目の白丸にありますように、一つは独立行政法人の評価機能の一元化ということで、この評価委員会も含めまして、各府省の評価委員会を廃止し、また政独委を廃止し、内閣として一元的に評価する独立行政法人評価委員会を総務省に設置するといったものがうたわれております。
 それから、二つ目の丸ですが、役員人事の一元化ということで、法人の長及び幹事、こういったものについて、主務大臣の任命に際して内閣承認を法定化する。それから、長及び幹事の候補者については公募手続原則の導入をすると、こういったことがうたわれております。
 それから、3点目といたしまして、幹事の職務権限の充実強化、4点目といたしまして、保有資産の見直しのための法整備、それから5点目といたしまして、非特定独立行政法人の役職員の再就職規制、あっせんの禁止等々でございますが、こうしたことがうたわれております。
 こうした法案でございますが、お手元のペーパーのその前のペーパーの最後のところに書いてございますが、第169回国会、ことし1月から開催いたしました通常国会でありますが、内閣提出法案ということで提出されたわけでございますが、本法案については継続審議ということになっております。
 なお、そのちょっと上にあります施行日でありますが、書いてございますとおり、遅くとも2年を超えない範囲内でということで予定されておったところでございます。
 以上で、参考資料1と2の説明を終了させていただきます。
 それでは、議事に入りたいというふうに思いますので、これ以降の議事進行につきましては、高月部会長にお願いいたします。

【高月部会長】 それでは、議事に入っていきたいと思います。
 最初は、まずは評価についての説明を受けたいと思います。すなわち、平成19年度の独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価について、この評価のあり方について、事務局からまず説明を受けてから、また報告を受けたいと思います。
 では、まず最初、よろしくお願いいたします。

【立川環境研究技術室長】 それでは、引き続きまして、資料1に基づきましてご説明申し上げます。お手元、右肩に資料1とあるものでございますが、独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針というものでございます。
 この基本方針につきましては、右上の方に書いてございますが、平成18年の8月23日に一部改正ということで、以降、特に変更しておりません。後ほど評価の基準等々をご説明申し上げたいと思いますが、そういった状況でございますので、以上で資料1については説明を終わりたいと思います。
 それから、次に資料2でございます。先生方のお手元には、A3で評価シートといったものが配られているかと思います。この評価シートも例年と一緒でございますけれども、恐縮です、最後のページをごらんいただけたらと思います。
 最後のページに参考といたしまして、独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価に係る基本方針ということで、抜粋が書いてございますが、その二つ目のアスタリスクでありますが、評価の方法ということで、イの評価基準のところをごらんいただけたらと思います。
 イの評価基準、S、A、B、C、Dについて、Sについては、中期目標の達成に向け、特に優れた成果をあげている。Aは、中期目標の達成に向け、適切に成果をあげている。Bは、中期目標の達成に向け、おおむね適切に成果をあげている。Cは、中期目標の達成に向け、業務の進展がややおくれており、改善すべき点がある。それからDが、中期目標の達成に向け、大幅な改善が必要である。こういったものが評価基準でございます。
 それで、少し評価基準と書いたところの右側に、括弧内で書いてございますが、実は、後で申し上げます平成20年1月31日付のいわゆる政独委の意見といたしまして、評価基準の明確化をより図るようにといったご指摘が各府省共通でございます。そういうこともありまして、今般、ここのS、A、B、C、Dについて「=」より右側のようなことを付記したらどうかということをお諮りしたいと思います。すなわち、Sについては、具体的に申し上げますと、年度目標以上の成果をあげたと評価できる場合、または達成困難な高い目標を満足できたと評価できる場合。それから、ちょっと飛びますが、Bであれば、ごく一部を除き年度目標を満足できたと評価できる場合、または年度目標にわずかに届かなかった場合で、いずれも方向性としては適切な場合等々でございます。
 なお、この評価シートにつきましては、本日の会議終了後、先生方に電子メールでも送付申し上げますが、大変恐縮なんですが、また8月7日まで、評価シートを埋めていただいて、事務局にお返しいただけたらと思っております。本当にお忙しい中、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
 それから、資料3でございます。右肩に資料3とあるもの、これは政独委から、ことしの1月31日に示された意見でございます。
 この政独委からの意見、1枚めくっていただきますと、左側には所管法人共通ということで、環境省だけでなく、各法人共通といったことでの意見が示されております。
 それから、最後の方になりますと、独立行政法人国立環境研究所、最後のページですが、環境研に特化したご意見をいただいております。
 簡単に内容についてご報告申し上げますと、所管法人共通ということで、一つ目は、評価の基準明確化といったことをご指摘いただいております。これは、今、資料2のところでも申し上げましたが、どういったことがご指摘されているかと申しますと、その評価の基準の明確化の最後の方に書いてございますが、評価の基準について、より客観的かつ明確なものになるよう見直すとともに、評価の結果についても、その考え方、理由、根拠等を評価の基準との関係において、よりわかりやすく説明すべきであると、こういったご意見をちょうだいしております。このご意見の前段に対応するため、先ほど申し上げましたが、資料2について、若干の追記をさせていただくことを提案しているわけでございます。
 それから、後段について、すなわち評価の結果についての考え方、理由、根拠等、こういったものでございますが、この点につきましては、昨年の部会においても、少し先生方におまとめいただいた内容について、S、A、B、Cの決め方ですとか、それからコメントの書き方、こういったところについていろいろご議論をいただきましたので、そうした部分も報告書に少し書くといったことがよろしいのかなと考えておりますが、また、部会長と相談して、そうした部会長案についてお決めいただくといったことが適切だろうと思っております。
 それから、2つ目の所管法人共通の意見として、目的積立金、この部分のご意見をいただいております。この目的積立金につきましては、18年度評価後に新たに示された方針でありまして、具体の中身については、国立環境研究所に特化した意見でも出てきておりますので、またその際、ご説明申し上げたいと思います。
 それから、資産の有効活用、官民競争入札等の活用、内部統制と、こういったこともご指摘いただいております。これらにつきましては、いわゆる昨年も業務実績報告書に記載の多い少ないはあるかもしれませんが、書いてあるところでございますが、ことしの評価に当たっては、こうした記載に対応した部分、こうした意見に対応した部分はどこかということをしっかり説明しながら、またご評価いただきたいというふうに考えております。
 それから、国立環境研究所に特定したご意見ですが、最後の3ページ目にありますが、4点いただいております。
 一つ目は、利益剰余金、先方からの意見では、ワープロミスがありますが、利益剰余金の発生要因、これを業務実績報告書等に記載させた上で、業務運営の適切性の評価を行うべきであるといった点を指摘されております。この18年度の状況について、若干補足させていただきますと、18年度当期総利益、約1.4億円が発生したということでございますが、これは自己財源で取得した資産の残存価格の相当額、それから剰余金の3.3億円の発生要因は、当期総利益の1.4億円と自己財源で取得した固定資産の翌年度以降の減価償却費及び棚卸し資産といったものでございますけれども、特にこの1.4億円の部分、これは、実は16年9月に苫小牧の台風で被害を受けたということ、それから、18年4月に研究本館1の3階が火災を出してしまったということ、これらによって損害保険の収入があったというものでございまして、そういった観点で、当期の総利益については経営努力によるものではないということで、目的積立金として整理しなかったというものでございます。こちらの方も今年度の状況といいますか、19年度の状況については、後ほど、資料をもって説明申し上げたいと思います。
 それから2ポツ目、これはいわゆる給与の水準であります。国立環境研究所の研究職職員については、18年度、103.7ということで、国家公務員の水準を上回っているということでのご指摘をいただいております。先ほど追加資料ということで、各法人の状況についてお示ししたところでございますので、資料の具体の説明の際に、そうしたところに立ち返って、国立環境研究所の状況について、再度ご説明申し上げたいというふうに思っております。
 それから、3ポツ目、これは関連公益法人というものについてのご指摘をいただいております。こちらの方につきましては、具体的には、財務諸表の中で関連公益法人、どういったところがあって、どういった状況にあるかといったデータが出てまいりますので、そういった形で、また後ほど説明申し上げたいと思います。
 それから、最後のポツ、これが国立環境研究所の極めて特徴的な意見であったというふうに理解しておりますが、中期目標で掲げられている環境政策立案への貢献を達成するための指標といたしまして、各種会議への参加職員数と、こういったことをアウトプットの指標としておったのですが、先生方にもここの部分、数値目標は達成していないけれども、そういうことで評価するのはおかしいのではないかといったご指摘を実は昨年いただいております。ここの部分について、政独委からもおかしいといったご指摘をされました。
 それで、今年度につきましては、こうした数値目標のほか、具体的にどんな会議に出て、どういった貢献をしてきたのかと、そういったことをこちらの方からご説明申し上げまして、また先生方にご評価賜ればというふうに考えております。
 以上が政独委からの意見でございますが、途中でも申し上げましたが、政独委からの意見、それからまた、先ほどはちょっと具体的には申し上げていないかもしれませんが、いわゆる整理合理化計画の中で、独法の評価委員会に評価してほしいといっているようなことがあります。そうしたことに対応する事項につきましては、本日の説明で、改めてどこの部分がそれに該当するかということを申し上げ、また、8月の検討の際には、こういった取りまとめの方法でよろしいでしょうかということでお諮りしたいというふうに思います。
 以上で、資料1から3までの説明を終わります。

【高月部会長】 ありがとうございました。もう早々と夏休みの宿題の資料で出ておりますけれど、改めて、平成19年度の国立環境研究所の業務実績の報告を受けた後に、全般を通じて、またご議論いただくということで、とりあえず、すぐさま、19年度の国環研の業務実績の報告を受けたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 それでは恐縮ですが、大塚理事長を初め、皆さん方、ひとつよろしくお願いします。

【大塚国環研理事長】 それでは、平成19年度の業務実績評価をよろしくお願いいたします。
 まず、私の方から、研究所の業務を進める上で、根幹にかかわる点について、3枚のパワーポイントを使って、説明させていただきたいと思います。
 既にご説明申し上げているところでございますけれども、これが第2期中期目標期間における研究体制です。研究ユニットは、グレーで示しております重点研究プログラムを担う3つのセンターと1つのグループ、そして、基盤的な調査研究を行っております6つの研究領域とラボラトリー1つ、全体で11ございます。
 各センター及びグループの特徴というのは、異なる専門領域の研究者からなっていることでして、例えば、この左端の地球環境研究センターを例にとりますと、観測・測定の専門家、モデル解析の専門家、ビジョン・シナリオづくりの専門家等々を含んでいるわけでございます。
 この第2期に入るときに私たちが考えた、基本的なモットーといたしまして、この重点研究プログラムに対しては、選択と集中、そして基盤的な調査研究に対しては、継続と挑戦を掲げてまいりました。このような形で、所全体の研究のポテンシャルを高め、戦略性あるいは機動性に富む、そういう体制をつくってきたつもりでございます。
 また、企画を担当するアドミニストレーションのユニットを企画部に昇格させまして、戦略性、機動性の向上という点から、研究系ユニットとの相互作用あるいは共同作業をより充実させてきたつもりでおります。
 第2期中期目標期間におきましては、特に研究所のミッションの明確化を心がけてきました。左側にお示ししておりますのが、一昨年4月に制定いたしました憲章でございます。そして、右側に示しておりますように、業務の戦略的あるいは機動的な発展を目指して、各ユニットがポリシーステートメントを作成して、ユニット外あるいは所外にも明示するということをいたしました。
 一昨年度にこれを始めて、昨年度、平成19年度は、ポリシーステートメントを本格化させるということを行ってまいりました。特に私が重点を置いたのは、各ユニットの年度評価と連動させるようにしたことです。具体的に申し上げますと、昨年度末といいますか、今年の1月から3月にかけまして、平成19年度のユニット評価と平成20年度のポリシーステートメントつくりに、多くの時間を費やしました。
 私及び両理事、そして各ユニット長、そしてユニットのメンバーの間で、さまざまなディスカッションを繰り返すことによって、ボトムアップとトップダウン双方の発想に基づいて、各ユニットの方針の決定、そして業務の遂行を着実なものにしていくということでございます。
 ポリシーステートメントに基づくミッションの明確化ということは、ほぼ軌道に乗ったのではないかと思っています。
 なお、つけ加えますと、ポリシーステートメントに書き込みました各ユニットの使命などにつきましては、ホームページで公開しているところでございます。
 最後のパワーポイントですが、独法評価委員会でもしばしばご指摘いただいておりました人材の活用、そして、特に若手育成について、主なことを説明させていただきます。
 第1は、人件費の毎年1%の削減という中で、NIES特別研究員という、任期付の研究員と実質的に同等の待遇で研究に従事させる、そういう契約職員を採用しています。この2年間に、合計9名を採用したところでございます。非常に優秀な若手研究者を集めることができました。
 第2は、人文・社会系の研究者を増加すべきというご指摘をいただいております。このご指摘は、国環研が例えばビジョン・シナリオ研究等々のより出口側に近い研究にも、今まで以上に力を注ぐようにということだと思います。私自身も、その実現を目指してまいったつもりでおりまして、実際、この2年間における全採用者23名のうち、約4分の1を若干超していると思いますが、6名の研究者は、主として人文・社会系の研究に従事しております。
 あとは時間が足りませんので省略しますが、3番目、4番目には、特に若手の育成に寄与するであろうという制度を実施していることを示したものでございます。
 簡単ですが、以上でございます。

【安岡国環研理事】 国環研常務理事の安岡でございます。研究業務報告をさせていただきます。
 業務実績報告書の方を説明いたしますと、研究の中身等がちょっとわかりにくくなりますので、こちらのパワーポイントを使いまして、二つの部分に分けて説明させていただきます。
 一つ目は、まず、研究体制ということでして、俗に言う人、金、物にどういう体制で研究を行っているかということです。それから、特にその中で、先ほど理事長の方から説明がありましたように4つの重点プログラム、これについてどういう体制で行っているか。特にこれにつきましては、ことし、その中の中核プロジェクトというものについて中間評価を受けましたので、それについて紹介させていただきます。
 2つ目の部分では、まず研究の評価について紹介いたします。私ども外部研究評価委員会というのを持っておりまして、そこで研究の内容の評価を受けております。それについて簡単にご紹介させていただきます。
 最後に、研究成果の発表等というところで、論文数、外部資金、国際共同研究について説明いたします。これは初めに私どもがこれだけのことをやりますと申し上げております年次目標というのがございまして、それが達成できなかったものについて簡単にご紹介させていただきたいと思います。
 まず、研究体制からご紹介いたします。
 まず、これが今、理事長から説明がありましたが、研究所全体の構成になります。4つの重点プログラム、これは目的志向というプログラムになります。それから基盤的なやや長期的な研究を行うことで、基盤的調査研究がございます。この4つのプログラムと7つの基盤研究領域、これで体制を構築しております。
 どういう人員でやっているかということになりますが、これは研究員全体の構成でございます。任期なし研究員、任期付研究員、これは常勤の研究者でございますけれども、約200人。そこに任期付研究員と、それとほとんど同等の扱いのNIES特別研究員という制度を持っておりまして、これを全部あわせますと、大体200余名の研究者体制ということになります。
 下の任期付研究員とNIES特別研究員、ここから任期なし研究員に年に何名かは上がっていきます。ここが任期なしの、いわゆるパーマネントと言われる研究者になります。
 これ以外に、NIESポスドクと呼んでいる研究者たちが約180名。他のフェローと書いてありますのは、これは例えば、JSPSから派遣されている研究者で、私どもの財布から給与が出ていない研究者になります。研究者を全部あわせますと、430名ほどになります。この430名には、NIESフェロー、高度技能専門員、支援スタッフも含んでおります。これ以外に行政系の職員50名、それから事務を担当します、いわゆる俗に言う非常勤事務補佐員の方々の人数を含めますと、両方あわせまして420名。研究スタッフ430、それに事務系420、あわせますと大体850ぐらいの体制で研究を進めているということになります。これ以外に、所外で我々と連携していただく客員研究員という制度を持っておりまして、300名余の外部の客員研究の方々にお願いしております。
 この研究員に関しましては、毎年、業績評価というのを行っております。各研究のユニット長が研究室長等と全員と面接をいたします。それを我々が受けまして、その評価内容をチェックする。そういう体制で、全員の研究者の評価を行うということにしております。
 研究員の中でも、キャリアパスをいかにうまくつないでいくか。特に内部での教育訓練システムというのも構築しております。
 では、今度は資金、研究資金の方になりますが、大きく分けますと、運営交付金と外部資金、この2つに分かれます。これを円グラフにしましたのがこちらでございまして、これは研究費の部分だけを抜き出したものです。こちらにありますちょっと厚い資料編の資料11、12、13というところに、その内訳がございますけれども、運営交付金が約40億円、外部から獲得してきましたものが35億円、両方あわせまして、大体75億円で研究を進めております。この2つの資金が、それぞれの研究に割り振られているということになります。
 内部資金の方は、重点研究プログラム、基盤的調査研究、それから知的研究基盤、ここに割り振られると同時に、所内の特別研究、奨励研究といいました研究所内で用意しているプロジェクト、公募型の研究がございまして、こちらの方に割り振っております。
 その他、理事長枠、これは特に若手の方に頑張れよという形で渡す研究資金でありますけれども、そういう枠組みを設けています。
 それから、地方の環境研究所との共同研究、ここにも少し資金を用意しております。
 これ以外に、大型施設等に資金を充当するということでございます。
 外部資金、これはいろいろなところから外部資金を獲得しております。一番大きいのは地球環境研究総合推進費、これは環境省の研究資金ですが、ここからの研究資金。それ以外に文部科学省の科研費ですとか、さまざまなところからの研究資金を我々は外部資金として得てきているということになります。
 先ほど申しました研究費をどういうところに割り振っているかということになりますが、内側の円が運営交付金、外側が外から来たお金になります。青い色、こちらの方が四つの重点プログラムという部分でして、見ていただきますと、我々が獲得した資金の半分近くが重点プログラムに集中化されて使われていることが判ります。それ以外に基盤研究、それから、これは基盤研究部も運営するための研究資金です。それから、モニタリング等の知的研究基盤、こういう部分に割り振られているということになります。
 所内の研究公募のプログラムでございますが、特別研究、これが大体3分の2ぐらいになります。これは主として基盤研究領域が担当しておりまして、長期的な視点から研究を進めるということで、こういう枠組みを設けております。この特別研究の一例をここにご紹介しました。大体3年計画で、一番左側に社会環境、科学環境、環境健康と書いてありますけれど、これが基盤ユニットの名称になります。こういうところで、重点化プログラムではないものについても資金を投入しているということでございます。
 次に、施設でございますが、つくばにあります施設以外に、苫小牧、天塩、波照間、落石等にモニタリングステーションを設けております。これは我々が施設を管理運営するというものでございます。例えば沖縄にございます波照間のモニタリングステーションでは、人は常駐しておりませんけれども、常にここで得られたデータがつくばに送られるというシステムになります。それ以外に、定期貨物船、これは日本、太平洋を越える定期貨物船です。それから北米路線、ヨーロッパ路線、オーストラリア路線というJALの定期便にモニタリングのセンサーを積ませていただいて、そこから、例えば温暖化ガスの動態を見るというようなことをやっております。これが施設ということになります。これは成田で航空機に積み込んでいるところを写したものです。これ以外にもフィールドを持っておりまして、さまざまなところでの研究を進めているということになります。
 研究の評価ですが、私どもが内部的に持っている研究評価委員会、これは私が委員長を務める環境研究所内の委員会ですけれども、こういうところで所内公募の審査を行うということにしております。
 さらにその上に、外部研究評価委員会というのがございまして、ここには外部資金に基づきます研究、さまざまな研究を評価いただくということにしております。
 この結果が、業務報告書というような形で上がってまいりまして、この独法評価委員会、きょう、ここで開かせていただきますが、ここで評価をいただくという体制になっております。
 次に、研究の内容に移らせていただきます。まず、4つの重点プログラムですが、温暖化プログラム、これにつきましては4つの中核プロジェクトというのがございます。ここに「P」と書いていますが、プロジェクトの略です。まずはモニタリングが必要です。国立環境研究所は、早くから地球環境に対してモニタリングを始めました。そういうこともございまして、さまざまな形でのモニタリングシステムを持っております。中核プロジェクト1では、そのモニタリングを行っております。
 中核プロジェクトの2では、来年の1月に打ち上げられる予定のGOSATという人工衛星がございます。これは環境省、環境研、JAXA、3者の共同プログラムですけれども、そこでどういうデータをとって、どういう解析をして、どういう出力を出すかという研究を中核プロジェクト2でやっております。
 さらに、モニタリングで上がってきましたデータをモデルに入れます。私どもの研究所、さまざまなモデルを開発しております。全地球レベルでは、国立環境研究所と東京大学の気候システム研究センター、地球環境フロンティアセンターと共同でモデルを開発いたしまして、これがIPCCの最新のレポートに使われたということで、かなりの貢献をしたのではないかというふうに自負しております。こういう左側の観測(PJ1、PJ2)と右側のモデル(PJ3)、さらに、将来どういうふうに世界へ持っていったらいいかということで、ビジョン研究というのも進めております。この4つから成り立つのが、温暖化研究プログラムということになります。
 循環型社会研究プログラム、このプログラムでは、今後、日本で非常に重要になってきます循環型社会をどうやって形成していくかということで、やはり4つの中核プロジェクトを構成して、研究を進めております。
 プロジェクトの1は、政策マネジメント、主として評価をするシステムです。それから、中核プロジェクト2、こちらの右下になりますが、これは物質レベルでの循環管理方式を評価します。さらに中核プロジェクト3では、資源循環の技術、環境技術を開発しております。中核プロジェクト4では、国際的な資源の流れ。日本でつくったものがアジアにどう流れて、どういう処理が行われているかというようなことに焦点を合わせて研究を行っております。
 これはすべてのプログラムに共通ですが、中核プロジェクト以外にも関連研究ということで、さまざまな研究が付加的につけられているということになります。当然、それはほかの研究プログラムと協力しながら進められるという体制をとっております。
 環境リスク研究プログラム、これは大きく分けますと3つ、プロジェクトとしては4つございます。曝露評価、健康影響、それから生態影響ということで、この3つの研究を核にして、研究を進めております。これも同じように、それぞれ、さまざまな関連研究プログラムを持っておりまして、それをまとめるということを行っております。
 最後に、4つ目になりますが、アジア自然共生研究プログラム、このプログラムでは、東アジア、東南アジア、西アジアはちょっと弱いですけれども、主として東アジア、東南アジアを中心としまして研究をすすめています。中国、インド、こういう大きな国々が非常に急速な発展を遂げています。それによって、さまざまな環境負荷がアジア地域に起きておりますが、それをどういうふうにモニタリングして評価するかということで、3つのプロジェクトで研究を進めております。
 まず一つは、大気環境、主としてアジアで多く発生したダストもしくは黄砂等がどうやって東に運ばれてくるかというのをモニタリング、モデリングし、研究を進めています。
 2つ目は、水・物質循環ということで、主として長江流域を中心にしまして、水・物質の流れを評価することを行っています。
 3番目は、これは主として生態系になりますが、メコン河を中心にしまして、メコン河の流域でどのような環境変化が起き、それが下流にどう影響を及ぼすかというふうな形で研究を進めております。
 以上、4つの重点プログラムを紹介させていただきましたが、個別のものについては、これから評価のところで紹介させていただきたいと思います。
 次に、評価の点ですけれども、年度評価と中間評価の2つに分かれます。重点プログラム等につきましては年度評価を受けました。それから、重点プログラムの中の、先ほど中核プロジェクトと申しますけれども、これが中間評価の対象になっております。それについて簡単にご紹介したいと思います。
 重点プログラム4つ、基盤的な調査研究4つ、それから、知的研究基盤整備2つということで、今年度の評価を受けました。
 外部評価委員会では、この4つの重点プログラムについては、中間評価を受けています。きょうは時間の関係で、この4つだけを紹介したいと思います。
 地球温暖化研究プログラム、これは先ほどご紹介しましたモニタリング、モデリング、ビジョン研究という4つのプロジェクトで構成しております。これにつきましては、全体として5点満点の4.2という評価をいただきました。一番高い4.3をいただきましたものについてのみ研究の内容を紹介させていただきます。低いやつでなくて、高いやつだけを紹介するというのはずるいと言えばずるいのですけれども、時間の関係で申しわけございませんが、高い方から紹介させていただきます。
 これはサブモデルのPJ3でございますが、PJ3はモデル研究です。全球のモデル、さまざまなデータを利用してモデルを構築しておりますが、このモデル研究の中で、きょうご紹介しますのは、評価の高かった部分ということでございます。これまで国立環境研究所と東京大学の気候システム研究センター、地球環境フロンティア研究センター、この3者が合同で開発してきました全球の大循環モデルに水資源のモデルを組み込みました。ここの部分が新しい成果ということになります。例えば、成果としては、地球上のどこで水が逼迫するかというような予測を行っております。その予測の時系列としてまとめたものが左下の図になります。分布図でいいますと、右上のようなものが得られております。これはIPCCのA1Bシナリオで例示しています。要するに、水資源の分布は、場所によって違いますし、そのパターンも異なるというふうな結果を出しております。
 循環型社会研究プログラム、これは4つの中核プロジェクトから構成されておりますが、これも全体としては3.9という評価をいただいております。中核プロジェクト、それぞれこのような点数になります。ちょっと申しおくれましたけれども、この中核プロジェクトの評点によって、これは去年度の評点になりますが、今年度の研究予算が変わります。もう既にそれが決まっておりますけれども、高いものでは10%アップ、低いものでは5%ダウンというふうな形で、それぞれこの点数によって予算が変わるというシステムにしております。この中核プロジェクトのPJ4が高い評価を頂きました。これは日本でいろんな製品をつくるわけですけれども、それがアジアに対してどのような影響を及ぼしているかということを調べたものです。国際資源循環という形で表現しておりますけれども、例えば、日本でどういうふうに物が動くのか。これは使用済家電の例ですけれども、これが使われた結果として、船等で東南アジアに運ばれます。どういう処理を受けるか、それがアジアに対してどういう影響を及ぼすかということで、研究を進めております。不完全燃焼の率が高くなるというふうな結果が出ています。
 環境リスク研究プログラム、これも先ほどお話ししましたように、4つの中核プロジェクトで進めておりますけれども、中核プロジェクト3が高い評点をいただきました。これは環境中の、ナノ粒子と呼ばれる小さい粒子、例えばディーゼル排気ガス、カーボンナノチューブ、それからアスベスト、こういったものが人間に対してどういう影響を及ぼすかという研究を行っているものです。これは映像の形で出ておりますけれども、例えばカーボンナノチューブが体内にどうやって入っていくかということを映像化した初めてのものでして、こういうふうな結果が得られているということでご紹介したいと思います。
 最後に、アジア自然共生研究プログラムでございますが、先ほどお話ししましたように、大気の変動、アジアで発生した物質がどうやって大気中を伝搬してくるかということ、それから長江を中心として、水、物質がどのように回っているかということ、それからメコン河を中心として、どういうふうに生態系が動いているか。この3つに焦点を合わせて研究を進めております。
 今回、全プロジェクトの中で一番高い評点を受けました(4.8)が、このPJ1というのは、アジアで発生した物質がどう日本に飛んでくるか、もしくは東アジアに飛んでくる、かということをモニタリングとモデリングとで評価したものです。さらに、それに逆推定をいたしまして、どこに発生源があるかというところまでをやろうと、そういうプロジェクトでございますけれども、5点満点中で4.8という高い点数をいただきました。これはアジア地域でライダーネットワーク、スカイネット、エアロネットと呼ばれますようなモニタリングネットワーク、エアロゾルの観測ネットワークをつくっております。それにも一部参加しながら、さらに得られたデータをモデルに結びつけて、そして、例えばここの結果としてお見せしていますのは、黄砂がどのように日本に飛来して、影響を及ぼすかというふうなことになります。観測データ、それにモデルを同化する、アシミレーションと呼ばれていますけれども、そういうことを行いまして、より精度の高い予測結果を出すということでございます。
 黄砂の発生の状況等につきましては、新聞、テレビ等でも紹介されました。これ以外のエアロゾルについても、同様なモデルの開発を行っております。黄砂に対しては、ホームページ上で成果を公開しているという状況でございます。
 以上、上4つの重点研究の部分につきましては、各プログラム全体で、それから中核プログラムにつきましては、2年間の中間評価の結果をご紹介いたしました。それ以外にも、年次評価として、基盤研究領域の中で、ことしはこの4つについて評価をいただきました。昨年、別の4つを評価いただきました。それから、知的研究基盤の整備ということで、スペシミンバンキングの仕事、それからレファレンス・ラボ、こういうふうな基盤研究ラボラトリーというところで行っています仕事、それから地球環境研究センターでやっています地球環境モニタリング等について評価をいただきました。
 これが評価の結果でございまして、これは基盤研究領域の研究でございます。それぞれ、大体四捨五入しまして、4点という評価をいただいています。それから、知的研究基盤に対しても、4.1、4.5という高い評価をいただきました。
 それ以外に、終了いたしました特別研究の評価をいただいています。3つの特別研究が終了いたしました。これは交通特研と言われているようなやつですけれども、4.3という高い点数をいただいています。それから、鳥類の体細胞を用いて子孫をどうやって残すか。例えば、トキみたいなものが代表例ですけれども、そういうものをどうやって残していくかというような特研でございます。それから、化学物質特研、これも4.3という評価をいただきました。
 最後に研究成果等の発表についてです。これはアウトリーチ活動等も含みますけれども、私どもの研究所が得られた成果を皆さんにどういう形で還元し、公開していくかということで、年次目標というのを定めています。多くのものは年次目標をクリアすることができましたけれども、この3つにつきましては、残念ながらクリアできませんでした。それについてのみご紹介いたします。
 平成19年度、丸がついております。括弧の中が査読付き論文でして、査読付き論文につきましては、過去のものすべてクリアいたしました。数がふえております。ただ、全体としての誌上発表の数は少し減っている。口頭発表数はふえていますし、査読付き論文の数もふえているんですけれども、誌上発表としてはやや数が減ったということで、年次目標を達成しなかったということでございます。
 これが誌上発表、それから査読付き論文の数の推移でございまして、誌上発表については、見ていただきますように、少し下がっている。ただし、査読付き論文につきましては、質を上げたと言えばちょっと聞こえがいいんですけれども、少し焦点を合わせた研究成果を出し始めたということも言えるかもしれません。ただ、誌上発表としては数が減っております。ただ、昨年、IPCCがノーベル平和賞をとったわけですけれども、そのノーベル平和賞に貢献したといいますか、IPCCに貢献したということで、貢献した研究者には、こういうある種のサーティフィケートみたいなものが贈られております。国立環境研究所では8枚、8人の研究者にこれが贈られております。OBも含めますと、13とか14という数になっておりますけれども、かなりの数、日本国内としては、もちろん一つの機関としては最高になりますけれど、それだけの成果の発表を行ったということになります。
 外部資金、これが私ども一番頭の痛いところでございます。これは競争的資金を第1期のこの期間の平均値よりも上げるということが目標になっておりますけれども、残念ながら、全体として下がっております。一番大きいのは、ここに書きましたような地球環境研究総合推進費、これが下がっている。それをそのまま受けたような形で推移しているということになります。いずれにしましても、競争的資金の獲得高は減っております。それ以外の資金はこちらの方にありますけれども、オーダーとしてはこれ(地球環境研究総合推進費)が一番ということになります。これについては、我々いろんな評価を内部で行い、今後どうやって競争的資金をふやしていくかということについて、検討を進めています。
 最後に、国際共同研究でございますが、これも1期に比べてふやすということをお約束しているわけですけれども、残念ながら数は減りました。数が減った理由をいろいろ評価いたしましたけれども、第1期が終わりまして、その共同研究契約が終わったというところの谷間に来たということ。それから、例えば、先ほど中国とかいろいろなところでモニタリングのネットワークをつくっているというお話ししました。これは、これまで一国一国と協定を結んでいたわけですけれども、それが国際的なマルチの協定に移ったということがあります。例えばフラックスネットですとか、スカイネットですとか、そういう国際的なネットワークになったために、バイでの協定が減ったということになるかと思います。
 今、ちょっと駆け足でご説明いたしましたが、これは業務実績報告書の中でいいますと、第1番目の我々がやるべきこと、その中の環境研究に関する業務に相当します。ここの部分を少し詳しく話をさせていただきました。
 それから、最後の方でお話ししましたのは、この3番目になります研究成果の提供とか、それの公開、それから環境政策立案への貢献と。これは先ほど立川室長からご紹介がありました。環境研は、例えば審議会の出席者の数等で貢献すべしということが言われておったわけですけれども、本年度は、数としてはクリアしたということで、先ほどちょっとだけしかご紹介いたしませんでした。ただ、中身について、もう少し精査すべしということがございましたものですから、こちらの方のそこの部分につきましては、33ページになりますけれども、具体的にどのような貢献をしたかということについて、記述(更改)をさせていただきました。
 以上、私の方から、研究につきましての発表をさせていただきました。どうもありがとうございました。

【高月部会長】 ありがとうございました。ご苦労さまでした。今、国環研の研究部門を主として報告を受けたわけですけれども、各委員さんからのご質問がもしあれば受けたいと思いますけれども。

【佐和委員】 何点かあるんですけど、今のご報告いただいたものの後ろ側から順番に申し上げていきたいと思います。
 国際共同研究というのは全部で35件なんですが、中身を見ると、中国と韓国が両方あわせて17ということで、過半を占めているのですね。逆に、例えばイギリスなんかの場合1件しかないとか、ちょっと地域的な偏りがあるのについて、どういうふうに評価されているのかということ。
 それから、その上の研究成果の資料25というものですが、これは確かに査読がふえているといっても、実は、和と欧というので比べてみると、欧の方はむしろ減っていて、和が倍増しているという、これはどういうことなのかということ。それから欧文の雑誌でも、もちろん英語で書かれているわけですが、英語で書かれていても、どのぐらいそれが世界の環境研究者の目に触れているのかというのは、雑誌によりけりだと思うんですね。だから欧文の中で、環境関係、いわば雑誌のランキングのようなものがあるのかもしれませんが、その辺の中身について知りたいわけです。
 それから、ちょっと不自然に思うのは、その前のページのアジア自然共生研究プログラムということで、中核プロジェクト1、2、3について、4.8、4.0、3.9と、平成18・19の平均評点としてあって、平成19年度の全体に対する平均評点は3.9と。つまり、この下の数字と、ほかのところは大体合っているんですけれど、ここだけちょっとずれが大きいのはなぜなのかということです。
 それから、2ページ目のところで、人材活用ということがございますが、これは任期付の研究員とか特別研究員を雇用して、そして任期がついているわけですけど、このキャリアパスで、その中で優秀な方はテニュアのあるポジションにプロモートするというような構造になっているわけですが、ここで一体任期というのは何年ぐらいなのかと。それから、この任期付の方々の割合からいって、何%ぐらいがテニュアを与えられるのか。さらに加えて、一体何を基準にして、そういうディシジョンがなされるのか。
 それから、所長がご説明なさった人材の活用、若手育成というところの2のところで、人文・社会系の研究者の採用と書いていますが、6名採用されているわけですが、どういう分野か。例えば学部のときには理科系にいて、そして大学院で文科系に行くというような方が意外と多いのではないかと思います。その辺のもうちょっと内訳について、細かい点をお伺いしたいと思います。
 以上です。

【高月部会長】 かなりたくさん質問がありましたけれど、それでは、逐一お願いします。

【安岡国環研理事】 それでは、初めの方から順番に答えさせていただきます。
 まず初めに、国際共同研究でアジアが多くて、例えば今イギリスという例がございましたけれども、そういう偏りがあるのではないかというお話でございました。それについて、まず答えさせていただきます。
 やはり私ども、共同研究をする際には、我々がアジアにいるということもあって、アジアを重視してきたという、一言で言えば、そのあらわれかなという気がしております。もちろん、欧米との、先ほどお話ししましたスカイネットですとか、いろんな共同観測ネットワークがあります。これはもう国際的なものになっておりますけれども、それでも我々がやはり手を下してやらなければいけない部分はアジアが多いということで、バイで契約を結んでいる部分については、どうしてもアジアが多くなるということになっていると思います。もう少し詳しく精査をさせていただきたいと思います。
 それから、論文数でございますけれども、確かに論文の本数はふえたといっても、ちょっと和文がふえているんじゃないかというのは、これは研究の分野、昨年度出た研究の分野が、そこの部分が多かったというようなこともあるかもしれません。もう少し調べさせていただきます。もう少しインパクトファクター的なものも加味した上で、評価をした方がいいのではないかというご指摘かと思います。地球科学的な研究、モニタリングですとかモデリングの結果というのは、例えばJGRとか、それなりにインパクトファクターの高いものに出ております。それもあって、IPCC等でも採用されたということもあるわけです。それ以外にも環境研究、アジアなどでやったものというのは、やや和文で出ているものもありますものですから、それをできるだけ欧文に上げていきたいと。特に若い人たちは、私ども面接をしますけれども、欧文で出している傾向が高いというふうに最近は思っております。ただ、ここに出ている数字は、確かに先生ご指摘のとおりかなという気がいたします。
 それから、もう一つ戻りまして、アジア自然共生研究プログラムの中のプロジェクトの評価と全体の評価が少しずれているのではないかと。確かに、今、私も気がつきました。

【松井国環研企画部長】 すみません、これはちょっと表がわかりにくかったのかもしれませんが、上のところ、色を変えてございまして、上は平成19年の研究プログラムの評価と平均評価ということで、この数字を上げさせていただきました。したがいまして、下の3つの平均ということではなしに、下のところは、これは18・19の中間年度の評価ということで入れておりますので、この3つの平均が上に来ているというものではございません。

【安岡国環研理事】 多分、先生のご指摘はそれだけではなくて、それにしてもちょっと差が大き過ぎるのではないかというお話だと思います。これは評価の仕方もあるかもしれません。中核研究プロジェクトは、それぞれのプロジェクトリーダーが来て、個別の発表を行います。それとは別の日に、今度は全体評価ということで、プログラム単位で評価をいたします。そのときに、それぞれのプロジェクトはいいことをやっているのだけれども、アジア全体としてどう見ているのだと。何でこの3つのプロジェクトを選んで、アジア全体を見ようとしているのか。例えば、そういうところでの評点の差が出たというふうに我々は理解しております。個別にはいいのだけれども、本当に環境研としてアジア全体をどう見て、どういう戦略性を持ってやっているのだということになりますと、これはプログラム評価になります。ですから個別ではないという意味で、差が出たかなというふうに思います。
 それと、先生のその他のご質問については、大塚理事長から説明をさせていただきます。

【大塚国環研理事長】 それでは、4番目と5番目だと思いますが説明させていただきます。佐和先生の4番目の質問の任期の期間についてですが、任期付研究員、NIES特別研究員ともに5年を任期にしています。なお、スムーズに人事管理をしたいと思いまして、2年前からは、採用日にかかわらず3月31日までの任期としていますので、5年を超さない期間ということで採用しています。
 任期付きの研究員については、昨年度からなのですが、中間評価ということをしています。私と両理事が各研究者と個別に、いろいろな資料を準備していただいて、面接をいたします。任期満了の1年半より前に行っています。審査ではなく評価ということを本人にもお伝えします。やはり100%がパーマネントになるわけでございませんので、よくいろいろなところで問題になっています、任期の直前になって職がなくなるということを避けようという趣旨でやっています。
 何%が残るかというご質問については、過去の全部のデータを持っていませんが、少なくとも最近では、中間評価の結果どおりになると仮定すると、大体9割近いと思います。私の基本方針は、最初の段階でいい人をとるということにできるだけの注意を払っているつもりです。
 それから、最後のご質問の人文・社会系のことについては、先生ご指摘のとおりです。学部の段階で、どの学部を出たかということに基づいてチェックしているわけではございません。6名と私が申し上げたのは、やっていただきたい研究内容が、例えばビジョン・シナリオ研究のようなものということで募集をかけて、実際に来ていただいて、そういうことをやっていただいている方ということです。例えば、先ほどの安岡理事の話でいきますと、重点研究プログラムの温暖化プログラムですとか、循環型社会プログラムなどで雇っている方に多くなっています。出身学部が必ずしも、いわゆる文科系の学部だというわけではございません。ただ、最近、環境と名のつく学部もふえておりますし、かなりバラエティに富んでいると思うのですが、純粋な意味で、出身学部等に基づいて文化系出身者が6名と申し上げたわけではありません。

【佐和委員】 すべて博士なのですか。

【大塚国環研理事長】 学位を持っているか、学位相当という形で公募をかけています。

【佐和委員】 そうすると、そのPhD、院の分野というのは、それはいわゆる人文・社会科学の…。

【大塚国環研理事長】 いえ、例えば工学系で、いわゆる社会工学とか、システム工学をやっておられる方もおられ、予測とかビジョンとかシナリオ研究がキーワードになるような方が6名というふうに申し上げたところです。

【高月部会長】 佐和先生、よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 ほかの先生方は。

【西間委員】 このスライドの番号で言うと、38番、環境リスク研究プログラムの評価の中核研究プロジェクト1、2というのが3.2とか3.4とか低いのですけれど、この理由がよくわからない。その前のスライド番号26番などを見ますと、3.2とか低いのは、これは化学物質曝露に関する複合的要因ですよね。

【安岡国環研理事】 はい。

【西間委員】 この研究は、非常に派手ではないけれども、基本的な研究ですね、このチームの中の4つのプロジェクトの核になるような研究。ほかは4ぐらいいっていて、ここだけ3で低いという理由が普通では考えられない。基本的に、ここがしっかりしておかなければ上のも点数いかないわけだから、ちょっとこの評価の仕方はいかがなんでしょうか。

【大塚国環研理事長】 私から簡単に答えさせていただきます。
 先生のご指摘は、そのとおりだと思います。私のやや個人的な見解も入るかと思いますが、説明させていただきます。PJ1、PJ2では、実際、かなり多くの研究内容が盛り込まれまして、それが評価委員の先生方から、いろんなことをやっているのはわかるけれど、全体としてどうなっているのかという、そういう質問が非常に多くて、その辺の整理がちょっと不十分だったと思っております。私から見ましても、確かにいろいろやってはいるけれども、中核プロジェクトとして、最終的には重点研究プログラムとしての方向性が十分かどうかというところが正直あるのですね。もう少しそれをまとめて、全体としてのプログラムの中で、中核プロジェクトとしてどうコントリビューションするかという認識が足りなかったと思います。例えばPJ1でしたら、中でやっている6つ、7つのいろいろなサブテーマのような研究を全部説明してしまい過ぎたというところもあったと思います。個々の研究自体はそれなりにいっていると思いますので、全体としての大きな方向性の確認と、それをもう少し戦略的にやっていくということが、今後の課題だと思っています。

【西間委員】 つまり、非常に単一なものをずっと分析して、それを発表して、プレゼンテーションにインパクトがない形で出されたので、評価委員からこういう低い成績が出た可能性がある…のではないですか。

【大塚国環研理事長】 半々だと思っています。説明だけが問題だとは申しておりませんけれども、実際、そういうご質問が非常に多く出ました。

【西間委員】 なるほど。わかりました。

【高月部会長】 ほか、松尾先生あたり、特にありませんか。よろしいですか。
この重点の研究プログラム、4つございますけれども、特に1番、2番、3番の辺が、何か連携的なことをやっておられるのか、その辺がちょっと知りたいところなんですけれども。

【安岡国環研理事】 プログラム単位での連携ですね。先ほどの図にもちょっとありましたけれども、もちろん、例えば温暖化の研究プログラムと資源循環研究プログラムとか、こういうものについては、かなり縁が深い。また、資源循環研究プログラムと環境リスク研究プログラムも縁が深いところがありまして、それぞれ連携をとりながら進めております。ただ、今のところは、プログラム単位での成果を出す方に注力をしておりますので、連携の部分での具体的な成果が上がっているかというと、ちょっとまだ弱いかな。ただ、その志向はございまして、この図にも書いておりますけれども、それなりの連携を考えながらやっております。

【高月部会長】 ぜひ、今後のあれに期待したいと思います。
 ほかによろしゅうございますか、ほかの皆さん。

(なし)

【高月部会長】 それでは、きょう、研究の部分はこれぐらいにさせていただきまして、もう一度、業務実績の説明をちょっと受けたいと思います。これは太田理事、お願いできますでしょうか。

【太田国環研理事】 企画総務担当理事の太田でございます。私は、お手元の19年度の業務実績報告書をもとに説明させていただきます。
 業務実績報告書の11ページからご説明をさせていただきたいと思います。
 私の担当は、研究以外ということで、研究所の中の業務で、研究以外の庶務、事務的な問題と、もう一つ大きく情報関係の業務がございまして、環境情報の収集、整理、提供という業務がございます。この業務の部分をまず説明させていただきます。
 研究所におきましては、総合的な情報の提供をするという業務、それから、14ページにありますけれども、環境研究・環境技術に関する情報の提供、それから、16ページにございます環境の状況に関する情報の提供、主にこの3つを情報センターというところで担っておるところでございます。
 まず、最初の総合的な環境情報の提供でございますが、昨年度まで、EICネットというものを置きまして、行政とか研究機関、企業、NGO等の情報を広く提供をしておりました。アクセス数が680万件と、非常に多く利用されていたサイトを運営していました。ただ、この内容自体がかなり、いわゆる民間の中での交流に近いようなものがかなりふえてきたということもございまして、研究所の業務としてどんなものかというご意見もございまして、そこらを踏まえまして、昨年の9月でEICネットを本研究所で行うということを取りやめてございます。
 具体的には、一緒に立ち上げてまいりました財団法人の環境情報普及センターで、現在も提供はしてございますが、研究所としての運用を取りやめさせていただきました。
 そのかわりというのも何ですが、私どもとしては、研究所ということから、環境研究と環境技術に関する総合窓口業務をしっかりしなければいけないということで、そういう新しいサイトを立ち上げました。
 12ページの上に絵が出てございますが、環境研究技術ポータルサイトという新しいサイトを立ち上げさせていただきました。この中で、内外の環境のいろんな研究の動向等を示すニュースとか、いろんなライブラリーへの窓口としてのポータルサイトを立ち上げてございます。立ち上げて半年しかたってございませんので、19年度の利用は、13ページの上の方にございますけれども、約12万件、月で2万件程度にとどまってございます。従来、同じような環境技術の情報もEICネットの中にもあったのですが、それの利用量に比べますと、残念ながら大幅に落ちているというのが現状でございます。それは、どうしてもアクセス方法が違いますし、やはり知名度といいますか、認知度がまだまだありませんので、いたし方ない部分かと思いますけれども、今後、コンテンツの充実を図るとか、知名度、認知度を上昇させるような施策をとって、普及させていきたいなというふうに考えております。
 14ページでございますけれども、これは今、総合窓口のサイトの中で扱っている具体的な情報の話でございます。
 具体的には、内外のニュースのほかに、いろいろ技術レポートといったようなことも充実させていくということで取り組んでございます。14ページの一番下のところにございますけれども、アスベストの除去技術とかCO回収・貯蔵技術だとか、そういうようなトピックスといったものも入れて、アクセスしやすいようにしていこうということも考えているところでございます。
 なお、技術だけに限りますと、アクセス数は月1万くらいのペースで、やはりまだまだ低調ということでございますので、今後とも話題性のある情報提供に取り組んでいきたいと考えております。
 16ページでございますが、今度は環境の状況に関する情報の提供でございまして、これは環境GISという形で、地理情報として提供をいたしております。これの中につきましては、測定結果等をさらに追加して、内容の充実を図っているところでございますが、かなり多くなってきておりますので、使いやすくしようということで、17ページの絵にありますように、トップ画面をリニューアルいたしまして、アクセスしやすくさせていただいておるところでございます。
 また、機能といたしましては、その次のページ、18ページの上に、測定地点マップというのがございますけれども、これは測定地点のマップから、その地点をクリックすると、その地点の測定データがあらわれるというような使いやすさをねらったシステムを新たに導入いたしてございます。
 これによりまして、かなり使いやすくなって、成果を上げてきていると思っておりますが、残念ながら、目標として検索件数を1割以上ふやそうということにしていたのですが、19年度が395万件で、18年度のほぼ横ばいということでございます。原因としては、機能の問題で、データの登録件数もアクセス件数に入っていまして、それを除きますと順調にふえています。そういう目標の立て方に少し問題があるかと思いますので、この辺はもう少し精査した上で、整理していきたいというふうに考えてございます。
 19ページ以降は、基本的に安岡理事の方から説明いたしました研究関係でございますが、一部、全体的にかかわるものがございますので、ご説明させていただきたいと思います。
 20ページの頭のところでございますが、一般的なプレス発表等でございますけれども、目標といたしまして、前中期のときの倍を目標にプレスリリースをしていこうということだったのですが、19年度の実績は30件で、一応目標を達成したということでございます。
 また、その下のところにありますように、新聞報道、テレビ等の出演が144件、前年が54件ですから、3倍から膨れ上がっておりますし、新聞報道も474件、前年が194件ですから、2.数倍ということです。多くはIPCCの発表等がございまして、非常にいろいろなところに呼ばれる機会といいますか、コメントを求められる機会が多かったということもございまして、新聞、テレビ等に出る回数が著しく伸びているという状況がございました。
 もう1点、21ページの真ん中ほどでございますが、研究所全体のホームページの利用の増加を図るというのが目標にあるわけですが、残念ながら、19年度は18年度に比べますと、若干落ちたところです。ただ、17年度に比べますとかなり増えておりまして、そういう意味では横ばいでございます。これも、ある特定の非常にデータ数の多いところで、非常に変動の激しいサイトがございまして、そこの影響をもろに受けております。そこを除くと順調に伸びておりますので、その辺、もう少し詳しく調べまして、全体が評価できるような方法を考えてみたいというふうに考えております。
 あとは、基本的に安岡理事から説明いただいたところでございます。
 あとは、後ろの28、29あたりに、そのほか一般向けということで、公開シンポジウム等を行ったり、あと、施設の一般公開等を行って、多数の参加者が出ている。こういうところを通じましても、研究成果の公表を行っているというところでございます。
 続いて、34ページからはちょっと事務的なご説明になろうかと思いますけれども、ご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、組織の編成でございますが、中期計画の2年目ということで、基本的に1年目と変わらない52室体制で実施をさせていただいてございます。
 その他の組織・体制ということで、特にコンプライアンス関係について、34ページの下の方に記載してございます。特に、研究上の不正行為に関して問題となったことから、これは18年度でございますけれども、研究所の不正行為防止に関する規制等を定め、19年度もそれに基づいて着実に実施していったということでございます。19年度におきましては、研究費の不正使用に係る問題が出ましたので、それにつきましても、35ページの上の2行目になりますけれど、会計業務に係る不正防止に係る規定というのを19年度9月に定めまして、所内の責任体制等の整備をしたところでございます。
 また、研究費の管理につきましても、一部、総務課が管理している部分がございましたが、それも会計課に統一するということで、全般の効率化を図ったということでございます。
 その次の36ページ、人でございます。ここにつきましては、先ほど安岡理事から説明させていただきましたが、基本的には重点分野に人を多く配置している、36ページの表でございますが、重点分野の方に半分以上の人を割いてるということ。
 それから、採用等の状況でございますが、人件費全体の枠がはまっておりますので、余りふやせないということで、19年度を見ていただきますと、転出がマイナス6で、採用が5ということで、研究者についてはマイナス1、これはパーマネント分ですが、職員については1人減ということになってございます。その下にありますように、そのかわり、契約職員は30人の増ということで、かなりの増加を示してございます。
 今度は管理部門の方でございます。一番下に書いてございますが、19年度末で40名ということで、18年度末より2名減ということで、こちらも一応縮小といいますか、削減をかけているということでございます。
 そのほか、いろいろ職務業務評価を実施しておりますので、これに基づきまして、6月期の業務手当てとか特別昇給に反映させるといったようなものをやっておりますし、また、その評価方法につきましても、改善を図っているところでございます。
 続いて、39ページ、財務の方でございます。財務につきましては、一般的な業務費につきましては、業務経費マイナス1%、一般管理費マイナス3%という枠がかかっています。これを考慮いたしまして予算額、当初予算が設定してあるわけですが、予算額より5,000万円ほど下回って、効率的な実施ができたと思っておりますし、人件費もおおむね4,000万弱ぐらい下回って、かなり効率的な運用ができたのではないかと考えております。
 40ページの上に、利益剰余金の話がございます。これは昨年度の評価で問題になったところでございますが、2億2,800万円ほどの利益剰余金が出てございます。この内訳が、前中期目標期間の繰越積立金でございます。これが1億800万円ほどございます。これは基本的に減価償却に充てる部分なので、使えない金額でございますけれども、それがございます。
 そのほか、ちょっと誤植がございまして、その次に積立金というのがあります。これは普通の単なる積立金でございます。これが1億3,500万円ほどございます。
 そのほかに、当期期末の未処理損失、これがマイナス、1,500万円ほどの損失が出てございます。後ほど財務諸表等で詳しくご説明いたしますが、そういう内訳になっております。
 それだけの利益剰余金はあるわけですが、今言ったように、目的積立金を記載してございません。それを出していない理由をコメントするということになってございますので、ここで書いてございますが、ここもまたちょっと誤植があって恐縮ですが、年度計画ではなくて、中期計画でございます。中期計画で定めた事項となる事業がなかったと。中期計画では、こういうものに使いますというのを定めてございますが、それに該当するような事業がございませんでしたので、計上しなかったということが記載されているところでございます。
 続いて、会計システムにつきましては、今後、21年度導入に向けまして、新しいシステムの検討を続けているということでございます。
 受託収入は、先ほど安岡理事から申しましたように、目標を下回ってございますが、今後努力をしていきたいということでございます。
 少し飛ばしまして、41ページの随意契約の見直しでございます。これにつきましても、独立行政法人の整理合理化計画の策定に係る基本方針の中で、随意契約の点検というのを行ってございまして、随意契約の見直し計画というのを19年12月に公表をさせていただいております。これに基づきまして、随意契約を必要なものに絞るという、そういうことを実施しているわけでございます。
 また、20年1月には、随意契約によることができる場合を定める基準の見直し、これは従来、研究所では500万円以下は随意契約ができるとされていたのですが、国の基準は250万とかいろいろありますけれど一般的には100万円以下という基準で、少し研究所が高かったので、これを国と同じレベルに合わせたということでございます。それを19年12月に行っております。
 そのほか、公表基準の見直しも、これも国に合わせて下げてございます。そういうようなことで、かなり制度上の手直しはさせていただいたということでございます。
 その実績でございますが、残念ながら、19年度は、20年1月に改正したものですから、比較対象になりませんので、500万円を超えるもの、昔の基準でやったものだけを比較対象に挙げてございます。これを見ておわかりのように、18年度一般競争が46件だったものが、19年度79件と、かなり件数もふえています。もちろん、それ以下の方がもっとふえているわけなのですが、以上の方だけ見ても、一般競争にかなり回してきたということでございますし、金額的に見ていただきましても、一般競争の方の金額をふやしてきたということでございます。
 続いて、今度は施設の43ページになりますが、効果的な施設の運用という項目がございます。これにつきましても、研究所は大型施設を多く持っておりますので、この施設の運用を適切に図っていくということでございまして、最初にありますように、33件中17件を共用で使うという形で効率的な運用をしてございますし、また、新たな設置につきましても、いろいろ審査をした上で導入しているということでございます。
 また、今ある施設をどのように運営状況を改善していくかという検討をいたしまして、その結果を受けまして、これは本年度の予算からでございますが、4施設について、運用費の改善を図るというような結論も出て、施設の運営についても効率化を図っていくということをやっておるところでございます。
 その下のところには、具体的に何をやっているかということで、主に保守管理としましては耐震関係の工事とか、アスベスト除去関係の工事はかなりやっておりまして、そのほか一般的な更新業務をやってございます。
 もう一つ、スペースをうまく使おうということで、スペース課金ということで、不要になったスペースをまた共用に回して、それをまた再配分するということをやっております。802平米のスペースを再配分させていただきました。
 次に、45ページ、情報関係の効率化でございますが、これにつきましては、情報関係について最適化しようということで、一番上のポツにありますが、コンピューターシステム最適化計画といったものを策定させていただきました。この中で、主に所内のイントラネット、こういうものの改善策についての今後の計画とか、次期スパコンの導入に対する計画といったようなものを内容としてございます。
 もう一つは、情報関係のセキュリティにつきましても研修を行う等の対応をとってきたところでございます。
 次に、業務における環境配慮、47ページ以降でございますが、業務においても環境配慮を徹底して、環境負荷の低減を図るということを進めるわけですが、48ページを開いていただきたいのですが、謝らなければいけないことが生じました。環境研究所でありながら、観測等におきまして、自然公園法の違反という事例を2件ほど起こしていまして、非常に申しわけなく思ってございます。
 具体的には、辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーションでございますが、これは施設の設置に当たりまして許可が必要ですが、申請は出したのですが、許可を受ける前に、誤って工事をしてしまったという事例がございました。
 また、富士北麓のフラックス観測サイトでございますが、これは一応、申請して許可を受けていたのですが、その許可の範囲の他にアンカーを4本打ってしまった。そういうことがあったので、さらに調べたところ、富士では許可を受けずに、根圏観察用のパイプを打ったとか、土壌の採取資料をとったというような、無届でやってしまった違法行為があったということがその後判明したものでございます。
 これが判明しましたので、当然のことながら、関係者の方々にこういう状況を報告いたしまして、陳謝をさせていただきました。そして、必要な書類等を提出させていただいたところでございます。それで一応、了解を得ておりますので、事後としては適切に対応させていただいたと思っています。ただ、これからこのようなことがあってはいけないということで、このような事実があったということを所内に周知をいたしまして、業務に際して今後このようなことがないよう、法令遵守の徹底を図るということを所内に徹底させたところでございます。
 なお、この件については、今年度で作成しています環境報告書の中にも明確に記載しまして、今後このようなことを起こさないということを明らかにしておるところでございます。
 その次に、一般的な環境配慮でございますが、グリーン購入につきましては、当然100%グリーン購入をしているところでございます。
 そのほか、省エネ関係等の記載がございます。49ページの表1に、まずCO関係でございますが、COの量、計のところ、対前年比のところを見ていただきますと、80.5%、19.5%の削減をしてございます。目標が14%でしたので、かなり大幅な達成をできました。これはいろいろな省エネ装置の導入とか、ESCO事業を実施している効果であろうというふうに考えております。
 光熱水量等でございますが、50ページの上の表2に具体的な数字が出てございます。19年度を見ていただきますと、パーセントのところで見ていただくと、対床面積当たりのエネルギー消費量で74.6%ということで、目標は20%削減ですので、かなり大幅に達成してございますし、上水道も50.4%、目標が30%の削減ですので、目標を大幅に超えて達成しているということで、こちらも十分な達成だと思っております。
 廃棄物関係が51ページの上のところに表としてございます。これにつきましても、廃棄物全体の量、25%以上の削減ということでございますが、25.4%ということで、一応目標達成しているということでございます。
 そのほか、化学物質の管理等、アスベストの管理等、適切に実施してきてございます。
 52ページの7番目にありますが、先ほど申しました環境報告書を2007年にも作成してございますし、2008年度もつくってございます。2008年度、まだできておりませんが、今月中、もうしばらくたつとできますので、できましたら、先生方に送らせていただきたいと思ってございます。
 あと、本年度は、環境マネジメントシステム運用規定といったのを新たにつくりまして、マネジメントシステムを19年度から所内で動かしているというところでございます。
 それから、その次のところからは業務の進行状況等ですが、かなり繰り返しのところがありますので、一番最後の60ページまで飛ばさせていただきたいと思います。
 60ページ、これは国環研の給与水準のことでございまして、一番上の行でございますが、国家公務員に対して研究系職員が104.1%、事務系職員が97.0%となってございます。100にならなければいけないというものではございませんけれど、一応100に近いということで、おおむねこのぐらいだとは思ってございます。昨年度は研究系103.7で、少しふえてございますが、これは国との昇給時期とか給与体系の改正でタイムラグがございまして、その関係で少し上がってございますので、実質上はほとんど変わっていないというふうに考えてございます。
 それから、事務系は100を切っておりますので、高い数字であるとは言えない。一般的に研究者、かなり高学歴の人がいるとか、地域的な問題とかを考えますと、ほどほどの水準にあるのではないかと考えているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。

【高月部会長】 業務実績報告書、かなり幅広くご説明いただきましたが、またご質問を受けたいと思います。いかがでしょうか。
 業務実績、これがかなり宿題をするときに教訓になってくるかと思うんですが、一つ一つ、自己評価と今後の対応という欄も設けていただいているようですので、何かご質問がございましたら受けたいと思いますが、どうでしょうか。

【松尾委員】 最近、大学なんかですとFDということが、ファカルティ・ディベロップメントとして、教育の方法などの改善をやりなさいと言われるんですけれど、研究所など、研究の方法に関する職員間の自主的な改善方法等が、さっき評価が職務に反映されるというような言い方がありましたが、どういうことが職務評価に反映するのか。それは何か既に公開されているというか、職員の皆さんは、大体どういうことで評価されるのかということはわかっている格好になっているのですか。

【大塚国環研理事長】 的を十分に得ているかどうかわかりませんけれども、大きく分けて、ユニットの評価と個々の研究員の評価とはかなり違うものだという認識を持っています。
 短い時間で十分ご説明できませんでしたけれど、ユニット評価というものを昨年度から始めました。それは、ポリシーステートメントのときにお話ししたのですが、それぞれのユニットが本来持っている使命に対して、今年度はこういうことに重点を置くとか、そういうことをステートメントしてもらいます。それが1年間にどのぐらい達成したかを中心に評価していきたいと思っています。それはあくまでユニットとしての評価をしたいということです。個々の研究員の評価は、全く別に、それぞれ研究員が各年度の目標を決めて、どういうことにどのぐらいのエフォート率を注ぐかとか、そういうことを含めて、各ユニットのユニット長あるいは室長との間で、面接をしながら行うものでございます。この個人評価はボーナス等々にも反映させるために行われているものですが、今、松尾先生がおっしゃった意味での、それぞれの研究員の能力開発に対応しているようにも思います。ご質問の趣旨は、ユニット単位でなすべきことのようにも感じましたが、その点については特に意識的に行っていません。

【松尾委員】 ユニット単位というか、研究員そもそもの資質の向上というか、研究者として、それぞれの目的に対してどのように対応するかとか、最近、大学なんかでも、学科ごとにミッションをはっきりさせて、そのミッションを実現することをやっているかどうかというところを見ろと言われるわけですけれども、そういう種類の何か研究の方法みたいなものに関して、お互いにディスカッションする機会があるのかとか、大学はお互いに講義を見学し合ったり、授業を見学し合って改善しましょうなんていうこともやるわけですけれども。研究所であればその研究方法についての議論の場みたいなものは、これはちょっとよくわからないけれど、一般論として申し上げているのだけれども、そういう意味で研究所として資質の向上みたいなものに関連して、組織的にやるようなことがあるのかないのか。その辺のことで、ちょっと一般的過ぎるかもしれませんけれど。様子を聞かせてほしいと思います。

【大塚国環研理事長】 ほとんどないという方が正しいと思いまが、英文論文の書き方の講習会を開いたりはしています。また、所としてオフィシャルにしているわけではないのですが、ユニット間の相互刺激などを目指して若い研究員が組織する自主的な勉強会などはあります。私もできるだけそういう会に出ていますけれども、そういうような試みは随分あります。能力開発というよりは相互理解へのウエートが高いかもしれませんけれども、そういうセミオフィシャルな集まりの大事な点と思います。ただ、今、先生がおっしゃったようなことを、所が意識的な取組としてはやっていないと答えるしかないのかなと思っています。

【安岡国環研理事】 まさに、そのとおりなんですけれども、例えばうちの研究所の研究員を見ていますと、例えば地球推進費、それから外部資金の関係で、他の大学の方々との交流が非常に多い。そこの中で、閉じた中ではなくて、ある種、オールジャパン的に人間のネットワークをつくるとか、そういう意味での活動は非常に多いと思っています。それがファカルティ・ディベロップメントになるかどうかわかりませんけれど、個人の資質を上げるという意味では、私は非常に強く働いているのではないかと。それを組織的にサポートしているかというと必ずしもそうではないんですが、実態としてはそれがある。
 それから、個人的には、海外研修制度を設けて海外に若い人も、これは年齢制限設けていませんから、年に何人かという制限はありますけれども、海外に出して、自由に研究させるというようなシステムも一応設けてあるというところぐらいでしょうか。

【高月部会長】 ほかに何か。

【佐和委員】 今、一生懸命探しても見つからないのですけれども、最後にもおっしゃったようなのですけれど、国環研の場合、給与のラスパイレスが103.幾つ。ところが、ぱっと目にとまったのが、経済産業研究所というのが130幾つ。経済産業研究所がなぜそんなに高いのかというのは、恐らく察するに、いわゆる昔流に言えば、指定職に当たるようなポストが結構多いのではないかなと思うんですね。そこのところで、ぐんと高い人がいる。ラスパイレスの場合に、そういう年齢層の人数が、少なくともゼロよりはかなり大きいということの結果だと思うので、余り意味のない比較だと思うんですよね。国環研の場合は、大ざっぱに言えば、仮に若手と50を超えた高齢の方と、つまり、若手の方が格差が少ないというか、どちらかと言えばフラットに近いのか、それともかなり傾斜があるのか、その辺はいかがなんですか。

【太田国環研理事】 ラスパイレス104、そんなに高いわけではないのですが、学歴補正等をしても103ぐらいになります。それでもちょっと高いとのでその原因を探ってきたのですが、やはり理由の一つとしては研究者のレベルが多少高いというのがございます。それはどういうことかというと、パーマネント職員が削減されておりますので、任期付職員、特に下位号俸といいますか、若い人たちを任期付職員で雇っています。したがって、パーマネント職員はほとんど肩書きといいますか、役職についているということがございます。そういう意味で、肩書きのついた役職手当を払わなければいけない人たちが、職員のほとんどを占めているというのが、高くなっている理由の一つではないかというふうに考えております。
 現実問題として、例えば12年、独法になる前ですが、研究系のパーマネントの職員は178人で、任期付の職員が2名しかいなかったのですが、現在、パーマネントの職員が155名ということで、23名減少しています。そのかわりに任期付職員が29名、2人が29名までふえています。この29名は任期付ですから比較的若い層ですが、この方々が任期付ということで、ラスパイレスの対象外になっています。そういうことが効いているのではないかというふうに見ています。
 そういう意味では、103ですが、高い水準になっているという認識は余りとっておりません。

【佐和委員】 関連するといえば関連するし、関連しないといえばしないのですが、先ほどご報告いただいた部分は、研究者の人員の増減がありましたよね、時系列。37ページですね。これを見ると、任期付の人は別にして、例えば18年度などには、11人もがくっときているわけですね。これは転出等になっていますけれど、いわゆる定年制でおやめになった方ではなくて、むしろ、その大部分が大学等の別の研究機関に移転された方が多いのですか。

【安岡国環研理事】 独法化してから、国立環境研究所から外に出る、大学等に転出する数は少し減りました。明らかに減っています。ひところですと、例えば、年に10人ぐらい出ていたのですけれども、最近、その数がやっぱり減っていると。ただ、ここに出ています転出等とありますのは、まさに先生がおっしゃったような大学に出る、定年以外の人間です。その数が最近、例えば19年度ですと5になりますか。これは定年を含んでいます。

【太田国環研理事】 19年度の6人は全員定年です。18年度は9人ぐらいが定年で、10人ぐらいが転出です。

【佐和委員】 その転出される方が、全体的に見て、むしろ非常にリサーチのパフォーマンスがいい方であったりする。であれば、それはやっぱり何かそういうことをプロテクトするような対策を講じる必要があるのではないか。国環研に残った方がご本人にとって望ましいというご判断を下せるような、例えば給与体系にある程度、いわゆる業績を反映させるとか、そういったようなことをお考えなのでしょうか。

【磯部委員】 同じようなことなんですけど、独法化してから、むしろ転出は減ってきたと。国立大学も独法化してろくなことがないから、研究所の方が居心地がいいという判断なのか。ちょっとデリケートですけれど。つまり、一方では、相当かなり競争的環境になっていて、ぎりぎりやっておられるような気がします。国環研ぐらいじっくりと研究できる環境があった方がいいような気もしないでもないんですが、そういう意味では、雰囲気というのでしょうか、研究環境として、ちょっとその辺が大分ダイエットしてきて、そのバランスはいいのだろうかというあたりが気にはなっているところなんですけれど、関連してお聞かせいただければと思います。

【大塚国環研理事長】 非常に難しいことかと思います。一つは、佐和先生も磯部先生もおっしゃったように、国環研とすればあまり出したくないような研究者が出ていくというのが実態としてあったかもしれません。ただ、日本全体の研究を考え、あるいはCSTPなどからも流動性を高める方がいいのではないかというご指摘もあり、国環研としては、研究者を出さないようにはしていません。少なくとも、組織的にはしていません。ただ、流動性を高めようと思いつつ、その流動性の中身について、今、私もいろいろ検討しているところです。いろいろな形があって、いわゆる人事交流ですとか、そういうようなことを含めて、全体として研究組織がいろいろな形で、広い意味での流動性を進めていく方がいいと思っています。ただ、例えば国環研から国立大学法人に移ると、退職金等々の問題がまだなかなかクリアされていないこともあります。国立大学法人等でも定員の問題もあろうかと思うのですが、ある時期より、むしろ人をとりにくい状況が生じているやにも聞いており、少し流動性全体が落ちているような気がします。それを少し違う形で活性化しようと思って、研究所内での人事委員会等でもそのような発言をしていますし、これから具体的に検討していこうと思っているところです。実際問題として、出ていく方が少し減っている傾向にあるというのは、安岡理事が言っているとおりだと思います。

【佐和委員】 私、全く第三者としての意見ですけれども、恐らく国環研というのは、やはり最も人数の面でも、研究費の面でも、非常にインテンシブで恵まれた研究の場だと思うんですね。恐らく大学に移籍された方は、大学ってこんなところかということで、何といっても自分が一緒に共同研究といいますか、一緒に研究できる人数が、どこへ行っても数人しかいないと。大学院生なんかは持ってというような、やや長い目で見ればいい面もあるのかもしれませんが、そういう意味で、研究環境的には、僕は国環研なんてすごく恵まれているところだと思うので、そういうことをもっと所内でもアピールしていただいて、待遇面等でも配慮して、率直に言って、別にお世辞を言うわけではないですけれど、私は、やはり日本の現状では環境研究のメッカであることは間違いないと思いますので、むしろ応募者が殺到し、出ていかれる方ができるだけ少なくなるような方向にかじを取っていただきたいと思います。

【高月部会長】 ありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、実績報告書の方の議論はこれぐらいにさせていただきまして、もう一つございます財務諸表の話にも入っていきたいと思うんですけれども、その前に、先ほどちょっと夏休みの宿題というお話をしましたけれども、この関係で、追加的に、もうちょっとこういうところを聞いておきたいという項目がございましたら、事務局等にご連絡いただくといたしまして、とりあえずは、お配りしましたA3横長の、昨年もやっていただきましたけれども、評価シートをつくっていただくということにさせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
 実は、私は事務局から、8月7日までにこれを出してくださいというご指摘がありましたのですが、かなり厳しいスケジュールですけれども、よろしゅうございますでしょうか。もし何か追加的に、きょう十分聞けなかったということがございましたら、7月24日までに事務局にファクスかメールで出していただくとしまして、先ほどの横長のシートで、おのおのコメントを書いていただいたり、評価をしていただくというものを8月7日木曜日までに事務局へ出していただくというスケジュールでやらせていただきたいと思うんですけれども、この辺、事務局からも何か補足説明があったら、お願いしたいと思います。

【立川環境研究技術室長】 恐縮です。そうしましたら、ちょっと順番が飛んでしまいますが、資料の10という1枚紙を見ていただけたら大変助かります。
 資料10に今後の予定とございますけれども、まだ、財務諸表の説明をまだしておらないところで、今後の予定というのもちょっと変でございますが、表に書いてあるとおりでございまして、追加質問等につきましては、7月24日の木曜日までにお願いできたらと思っています。
 それから、評価シート、これは資料2が相当するわけでございますが、こちらのご提出を8月7日の木曜日までにお願いできたらと思っております。
 いただきました評価シートをもとにいたしまして、部会長と相談をいたしまして、評価報告書の素案を作成いたしまして、8月14日の木曜日には、先生方の方にメール等でお送りしたいと思っております。
 これにつきまして、先生方からご意見をちょうだいいたしまして、それを21日木曜日、すべて木曜日で整理しておりますが、21日の木曜日までにお願いできたらと思っておりまして、それを受けて、評価報告書の案を再度、部会長と相談させていただきまして、8月26日の火曜日に送らせていただけたらと思っております。すなわち、評価シートを8月7日木曜日までに、大変恐縮ですが、事務局までお届けいただけましたら、8月14日の木曜日と8月26日の火曜日、この2回のタイミングで評価報告書の素案、それから評価報告書の案を先生方にお送りして、先生方のご意見をちょうだいしたいと思っております。
 次回の環境研部会は、8月28日の木曜日の午後でございますが、その26日までにいただいた意見をもとにいたしまして、部会としての案をお諮りしたいと思っております。
 なお、評価結果の総務省への提出は、8月中ということになっているものですから、大変恐縮ですが、事務局で当日に意見をいただきまして、29日にまとめられるように努力したいというふうに思っております。
 以上です。

【高月部会長】 ありがとうございます。というようなことなんですけれども、昨年一度やっていただいたので、大変な宿題だと思っておられると思いますけれども、暑いところで恐縮ですけれども、きょう、言っておられた説明、あるいは実績表などを見ていただいて、評価をお願いしたいというように思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
 先ほど、ちょっと事務局からの説明がありましたけれど、S、A、Bの評価の基準に若干具体的な目安みたいなものをつけていただいたのですが、これでも恐らく、なかなか難しいとは思いますけれども、かなり「えいや」の部分があるかと思いますけれども、評価をお願いしたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、最後になりますけれども、財務諸表の議論に入らせていただきたいと思います。平成19年度の国立環境研究所の財務諸表について、まずは事務局の方から説明いただいて、それからご議論を賜りたいと思います。
 それでは、ひとつよろしくお願いいたします。

【柴垣国環研総務部長】 総務部長の柴垣と申します。それでは、資料の6、7、8、それから9に従いまして、財務諸表の関係をご説明いたします。
 独立行政法人ということで、情報開示の一環として、企業会計を踏まえまして、独立行政法人会計基準に基づきまして財務諸表を作成するということでございます。資料7は、今回は、総務省で様式を変えまして、財務諸表の要約と前年との増減みたいなことが書いてございますので、またこれは後ほどごらんいただければと思います。
 それから、資料の8、これは従来の国の予算会計といいますか、官庁会計の予算決算書、これらをつけまして、資料9、1枚めくっていただいた独立監査人、監査法人から6月24日に監査の報告書を受けると。事実上、監査法人の指導・助言のもとに財務諸表を作成し、監査を受けているということでございまして、その報告があり、その後、資料9の1枚目の監事の監査を受けてございます。
 それらを受けまして、6月末までに環境大臣に財務諸表、それから事業報告書、決算報告書を提出して、財務諸表の承認をいただく手続きの中で、本日ご説明をさせていただいて、ご意見をいただくということでございます。
 資料6の財務諸表の中に3枚紙がございます。それに基づきまして、これは直近の3年度の比較ができるように、ちょっと字が小さくて、見にくくて申しわけありませんが、縦に3年分を並べておりますので、特に重要な貸借対照表と損益計算書を中心に、前年との増減について重点を置いて説明をしていきたいと思います。
 まず、貸借対照表でございますけれども、これはもうご承知のように、独法の組織の財政状況ということで、年度末時点の資産のストックをあらわしておって、3年度分を並べておりますので、左右に分かれていないんですけれども、本来、資産の部と、真ん中以下の負債の部、純資産の部が左右対象になっておりまして、それぞれがバランスシートの形になっておって、資産の部が、資産の所在といいますか、どういう形であるか。それから、負債の部と純資産の部が、その資産の出どころといいますか、調達といいますか、そういうものでバランスしておるというものでございまして、全体がとして資産の合計額と負債、純資産をあわせた部分の合計が一致しているというものでございます。
 まず、20年3月31日という部分、一番右側でございます。まずは、流動資産のところの現金及び預金、これが後々出てまいります、3ページ目のキャッシュ・フロー計算書の資金期末残高と一致しておるものでございます。23億余りということで、後で出てきます未収金とか未払金の精算とか、当初の人件費とか研究業務とかということに備えて、20億前後を毎年持っているということでございます。
 それから、※印をつけてございまして、増減について説明が最後のページにつけてありますので、適宜めくっていただければと思いますが、未収金ということで、これは国からの受託研究なるものの精算が年度末で、4月にお金が入るというものでございます。昨年に比べて、1億ぐらいの増がございます。
 次に、ちょっと※印がついておりませんが、機械及び装置のところは、19年3月に比べると、20年3月が7億ぐらいふえておると。これは2ページの損益計算書の臨時の損益ということで、ナノ粒子の健康影響実験棟を17年3月につくったんですが、そのときに建物に登録したものを今回、監査法人の意見によって機械及び装置の方に登録し直したと、訂正したということで、その部分の額がふえておるということでございます。何か新しい大きなものをつくったというわけではないというものでございます。建物の方は、別途、受変電施設の更新までのものもあったものですから、減った分は見えない形になっているということでございます。
 それから、※の2つ目、建設仮勘定、これは後ろにありますように、先ほども出てまいりました研究本館の耐震工事がまだ終わっていなくて、年度をまたいで施工中だということで、ここに上がっております。
 固定資産の合計が381億ということで、前年に比べて15億減、これは新しい大きな何か工事などがない限りは、減価償却の累積によって減っていくものでありまして、そういう意味で、19年度は新しい大きな工事がなかったということでございます。
 全体の資産合計が422億、前年に比べて12億の減ということでございます。
 それから、負債の方に移りますと、流動負債、最初の運営費交付金債務、※印4がついております。9億1,300万でございますけれども、6ページの※印のところを見ていただいて、入札の差額で経費の減少、それから、年度を越えて契約する案件ということで、GOSATのデータ処理運用システム開発業務などがあって、翌年度に繰り越しが出ておるということでございます。
 これと関連してちょっと訂正がございまして、資料6の財務諸表の冊子、13ページを開いていただきまして、3)に運営費交付金債務残高の明細が18・19と表になっております。そこの表の真ん中あたりの部分、上が残高の発生理由及び収益化等の計画というところの4つ目の段ですけれども、同じ間違いなんですが、18年度「運営費交付金残高」とありますが、「運営費交付金債務残高」でございます。すみません。19年度も同じ部分で、運営費交付金残高となっていますが、そこに「債務」を加えていただき、債務残高と。ケアレスミスでございます。
 そういうことで、運営費交付金債務残高ということで、9億円余りの額が繰り越されているということでございます。
 また、1ページ戻っていただきまして、リースの債務が短期と長期というふうに、流動負債、固定負債のところにございます。これは昨年も説明させていただいておりますが、スーパーコンピュータを19年の3月から新しく入れかえておりまして、そのときに、それまでは単年度の賃貸借契約だったものをファイナンス・リース契約にしておりまして、それでリース債務のところ、18年度、19年3月のところからふえております。長期の方も大幅にふえて、それが5年契約のファイナンス・リースなので、長期の方は、今回は1年分が減っておるということでございます。
 それで、また※印の5の6ページ、先ほどの業務報告書の中で、環境研究技術ポータルサイトの話が出てまいりましたけれども、EICネットの代替措置の施設、それのサーバー分を、若干ではありますけれども、ファイナンス・リース契約でリース債務のところに入っておるということでございます。
 それから、※印はありませんけれども、最後の純資産が、昨年は資本の部だったのが会計基準の変更によって、純資産というふうに名称が変わっておりますけれども、そこは独法になったときの建物等の資産が資本金として計上され、独法化以降に取得された新たな研究所の基盤的な建物等が資本剰余金として計上されていますが、その3の利益剰余金のところ、先ほどの説明でもありましたけれども、そこで、19年度の20年3月の積立金、これはその隣の18年度のところを見ていただくと、当期未処分利益というところで、同じく1億3,500万あって、これを利益処分として積立金にして繰り越しているということでございます。その18年度、19年3月の中身として、後でまた損益計算書のところで出てきますが、なぜ未処分の利益が出たかというと、先ほどちょっと話にありました損害保険金などのものがあると。その積立金と、それから前中期目標期間繰越積立金、これが前の第1期の中期計画期間の中で、受託収入によって買った固定資産の償却が計画期間を越えてこれから行われてくる。そのために積み立て金の繰越が認められた部分でございまして、これは毎年減ってくる部分でありまして、それの19年度末に残っている分が1億で、19年度は次の損益計算書に出てきますように、1,500万ほどのマイナスでありますので、それを差し引いて、2億2,800万の利益剰余金でございます。それらを入れて、資産の部と負債、純資産の合計が一致するような形になっております。
 2ページ目の損益計算書でございます。これは19年度、1年間の資産のフローでございます。企業のものとは違って独法でありますので、まず費用ありきということで上に費用がありまして、それに見合う収益を計上すると。原則は損益均衡ということでございます。
 費用の方ですけれども、※印の8、その他給与賞与手当、これは先ほどの説明で30名の契約研究員がふえているということでその分が増になっているものでございます。
 それから、※印の9と10、これは先ほどのファイナンス・リース、スーパーコンピュータの部分でございますけれども、単年度の賃貸借をやめてファイナンス・リースになったということで、賃借料が減って、その分がファイナンス・リースの減価償却の部分、それから財務費用の支払い利息の部分とが、※印の10と11ですが、スーパーコンピュータのファイナンス・リースによる増分でございます。
 それから、収益の方は、特に目立った動きはないわけですけれども、運営費交付金が86億。運営費交付金で買った固定資産の減価償却に対応した収益として資産見返運営費交付金戻入が5億8,000万、受託収入が3億3,800万というものでございます。
 それから、先ほどちょっと言いました臨時損失、臨時利益の部分、※印の12でございます。また6ページを見ていただいて、これもまた正誤がありますけれども、※印の12の部分で、平成17年度に完成したとありますが、平成17年3月、年度で言えば16年度でございます。平成17年3月に完成したナノ粒子健康影響実験棟を建物として登録をしてしまったのですが、正しくは機械及び装置であるということで、耐用年数の差によって減価償却の償却額が違ってくるということで、臨時損失を計上し、それに見合った資産見返りの運営費交付金戻入ということで、臨時利益を計上しております。
 ということで、損益計算書の一番下、総損失として1,480万ということでございます。それが先ほどの未処理損失ということで、貸借対照表にも掲げられたものでございます。
 それで、ちょっと順番が入れかわりますが、5ページ、利益の処分に関する書類、または損失の処理に関する書類ということで、19年度は総損失が出ておるということで、損失を処理しなければならないということでございます。損失の処理ということで、1億3,500万ほどあった積立金を取り崩して損失を処理するということでございます。それによって、次期への繰越欠損金をゼロにするということでございます。ちなみに18年度は、当期総利益は1億3,500万ほど出て、それを利益処分ということで、積立金に積んだというものでございます。2ページに戻っていただきまして、18年度のところを見ていただくと、真ん中でございますが、臨時の損失の部分、それから臨時の利益の部分に災害復旧費、それから臨時の利益の部分に保険金収入ということで、苫小牧の台風、研究本館の火災による被害と、それに伴う保険金収入といったものがあって、総利益ということで1億3,500万ほど出たということでございます。
 以上が貸借対照表と損益計算書の増減の部分を中心に、概要といいますか、要点を説明させていただきました。
 それ以外に、3ページのキャッシュ・フロー計算書、これはいわゆる資金の1年間の流れということでございます。ことしの特徴的なものは、IIIのリース債務の返済による支出ということで5億4,000万ほど、これも先ほどのスーパーコンピュータのファイナンス・リースの関係でございます。
 最後に、資金期末残高、これが最初に言いました貸借対照表の現金預金の現在高に該当するものでございます。
 それから、4ページでございます。行政サービスの実施コスト計算書、これは独立行政法人の財務諸表ならではといいますか、独自のものでございまして、損益計算書ではあらわせない行政サービスのコスト、国民が実際に負担する部分ということでございます。
 業務費用のところも、損益計算書では運営交付金も収益計上してプラスマイナスで見ておるわけですけれども、ここでは自己収入、受託とか事業収益とか寄附金収益というところだけを差っ引くという形になっております。
 それ以外に、損益計算書では出てこない、貸借対照表の資本のところで出てくる研究所の基本的な施設の減価償却であります損益外の減価償却相当額ですとか、それから運営費交付金の中で財源手当をしておりますので、損益計算書には出しておりません賞与ですとか退職金の見積もりですとか、それから、機会費用といいまして、国の財産である土地などを無償で使っていることが、結局は国民の負担になるということで、国債の利率などを勘案した費用として計上するということでございまして、行政サービス実施コストということで118億と、昨年よりも6億円ほど増となってございます。
 ちょっと駆け足になりましたが、ご説明は以上でございます。

【高月部会長】 ありがとうございました。ちょっとなかなか素人にはわかりにくいところもあって、ぜひ、高木さんにお願いしたいと。

【立川環境研究技術室長】 すみません、研究所側に2点ほど補足していただきたいのですが、保有資産の見直しの状況と関連法人等、ここの部分、事務局からの説明が抜けていましたので。

【柴垣国環研総務部長】 すみません、財務諸表の冊子をまた開いていただきまして、それの8ページを見ていただければと思います。保有資産の関係でございますが、そこの減損についてというところでございます。
 これについては昨年の段階でも、奥日光のフィールド研究ステーションにつきましては、減損の兆候はあるけれども、まだ使っている、もしくはこれから使うということもあるので、減損の認識には至らないということでお示ししておりますけれども、また、今年度もその認識は変わっていないということで、昨年よりもより精査した現状が記されておりますけれども、この部分をなぜまた昨年に引き続き記載したかということですが、そこの下から5行の「なお」の部分でございます。昨年の12月に閣議決定されました整理合理化計画の中で、国環研の大型の施設全体について、今年度中に見直し計画を策定すると。その中で、特にこの日光のフィールドステーションについては、できるだけ早期に廃止する方向で検討するということを言われております。そんなこともあって、この奥日光のフィールドステーションについて、再度ここに記し、また、整理合理化計画の内容についても明記したところでございます。
 それから、関連法人につきましては、14ページから15ページでございます。地球人間環境フォーラムという財団法人がございまして、15ページの下から2つ目の表で、国環研の発注の部分が事業収入の66%ということでございます。それと、次の競争契約、それから競争のない随意契約、いずれもフォーラムの決算の関係で、18年度の実績になっておりますけれども、競争契約がまだ金額ベースで7.5%ということでございます。これにつきましては、先ほど説明にありました随意契約の見直し計画の中で、競争契約を増加させるといいますか、特に随意契約によらざるを得ない部分以外は競争契約に移行するということで、19年度は競争契約を件数ベースで40%、20年度は、今現在で60%を競争契約に移行するということで取り組んでおりまして、さらに、残りの年度内にも、70%以上に競争契約になるようにということで取り組んでおるところでございます。
 以上でございます。

【高月部会長】 ありがとうございます。それでは、高木さんの方からコメントをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

【高木委員】 増減の内容のご説明の書類をおつくりいただいたりして、大体、私どもが理解できるような内容にしていただいたということなのですが、いずれにしても、ことしの1月付での政独委からの指摘のところで、国環研についても云々といろいろ書かれていて、冒頭のところで、平成18年度に当期総利益が約1.4億円発生し云々ということが書かれているわけですね。同様のことが環境保全機構のところにも書かれておりまして、環境保全機構などは、このようなことを書く必要は余りないのではないかと、要求する必要は余りないのではないかと思いながら見ておったんですけれども、国環研の場合に、平成20年3月期、千数百万の損ということでありますけれども、金額はそれほど大したことがないのですが、環境保全機構の昨年の例から考えますと、ことしの国環研のところに関しても、また同様の指摘がされかねないというように私は懸念いたしますので、先ほどご説明いただいた内容を文書でおまとめいただいた方がよろしいのではないか。この指摘に備えることになるのではないかというように思っておりますことを意見として申し上げたいと思いますし、また同様な意味で、最後にご説明いただきました財団法人のその他の取り引きに関しましても、なにしろ、実績の方に何も書かれてないようでございますので、これも別途、取りまとめておいていただいた方がよろしいのではないかなと思いますことをちょっと意見として申し上げておきたいと思います。ただ、先ほど、時間もなくて申し上げられなかったのですが、ESCOについての記述が、余りネガティブな話が書かれていなくて、事実関係から考えますといかがなのかなという感じに思っておりますことは、ちょっとあわせて、ついでにという意味で申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。

【高月部会長】 第1点目の方のご指摘はよろしいでしょうか。少しご紹介した方がいいのではないかと。

【太田国環研理事】 当然、昨年度もご指摘を受けたところなので、そこの見解についても少し文章化して、先生方の方にお示しした方がよろしいかと思いますので、文章にまとめさせていただきたいと思います。
 財団フォーラムのことについても同様に、ちょっと最近、特に新しい数字をどこにも書いておりませんので、やはり整理してお見せした方がよろしいかと思いますので、検討して、整理させていただきたいと思います。
 ESCOについての評価というのは、費用がかかり過ぎているということですが。

【高木委員】 雑に申しまして、実績の評価書にネガティブな言及が全くなくて、資料集にあることはあるのですが、上水利用停止による構造変化によりと書かれているところが、これはちょっと、せんだってお伝えいただいたことと違うのかなというふうに思っているというところを申し上げたという次第です。

【太田国環研理事】 上水のところは、実は井戸水を使うことにしていたのですが、予定していた井戸水が使えなくなってしまったということがございますので、そこの部分、そう書かせていただいたということでございます。そこの表現ぶりが適切かどうかということはございます。

【柴垣国環研総務部長】 昨年は減損のところで、兆候ということで書かせていただいた部分で、導入した井戸水によりミジンコがなかなか育たなくなるというようなことで、使えないということだったのですが、別のところで使える部分があるということで、それで構造変化という変な表現になっているということであります。あとは費用と省エネ効果の部分も、まだ費用に達していないということも確かにございます。それはだんだん改善されていくと思います。

【大塚国環研理事長】 一つよろしいでしょうか。高木委員からのお話のとおりだと思いますので、変更を含めて少し考えさせていただきます。

【高月部会長】 ありがとうございます。ちょっと予定していました時間をオーバーしてしまいましたけれども、以上で、きょうの評価委員会のスケジュールは閉じさせていただきたいと思いますが、全体通じて、何かご発言ございますでしょうか。事務局はもうよろしいでしょうか、特に何かございましたら。

【立川環境研究技術室長】 恐縮です。今後の予定は、先ほど申し上げた資料10のとおりでお願いできたらと思っています。ただ、1点だけ修正させていただきたいのですが、8月28日の国環研部会でありますが、時刻は合っておりますが、場所が合同調査第5号館共用第8会議室6階と書いてございますが、ひょっとしたら、場所が変わるかもしれないということでございますので、またそれはご案内申し上げたいと思います。いずれにしても、次回の国環研部会は8月28日の木曜日、14時から15時という予定でございますので、ご多忙中、恐縮ではありますけれども、ご出席の方をよろしくお願いいたします。
 それからあと、本日お配りしました会議資料ですが、大部になりますので、委員の皆様におかれましては、ご退席される際、テーブルの上にそのままに置いていただけたら、私どもの方で郵送いたしますので、どうかよろしくお願いいたします。
 以上です。

【高月部会長】 よろしゅうございますでしょうか。長時間にわたりまして、ご議論賜りましてありがとうございます。
 それでは、きょうはここまでとさせていただきます。ありがとうございました。

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