第15回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録
日時
平成19年8月27日(月)14:00~14:30
場所
合同庁舎5号館共用第8会議室(6F)
議題
- (1)
- 第14回部会における質問に対する説明について
- (2)
- 平成18年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価等について
- (3)
- 独立行政法人国立環境研究所の財務諸表の承認について
- (4)
- その他
配付資料
資料1 | 第14回部会における質問に対する説明資料 |
資料2 | 平成18年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る各委員の評価結果一覧 |
資料3 | 平成18年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価について |
資料4 | 平成18年度国立環境研究所財務諸表 |
資料5 | 今後の予定 |
参考資料1 | 環境省独立行政法人国立環境研究所部会名簿 |
参考資料2 | 独立行政法人評価委員会関係基礎資料(中期計画を含む) |
参考資料3 | 平成18年度業務実績報告書 |
参考資料4 | 平成18年度業務実績報告書(資料編) |
参考資料5 | 平成18年度事業報告書 |
出席者
委員 | 高月 紘委員、松尾友矩委員、佐和隆光委員、高木勇三委員、三橋規宏委員、磯部 力委員、沖 陽子委員、熊谷洋一委員 |
環境省 | 大臣官房 | 石野審議官 |
総合環境政策局 | 吉井総務課調査官 立川環境研究技術室長 高見環境研究技術室長補佐 |
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国立環境研究所 | 大塚理事長 安岡理事 仁井理事 加藤企画部長 村川総務部長 |
議事
【立川環境研究技術室長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会、第15回国立環境研究所部会を開催いたします。
なお、私、7月10日付で環境省の環境研究技術室長を拝命しております立川と申します。どうか、よろしくお願いいたします。
なお、本日は、委員11名の皆様のうち、定足数は6名でありますが、8名の方にご出席いただいております。
環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定に基づきまして、定足数を満たしておりますことをご報告申し上げます。
また、本日の会議は公開で開催させていただいておりますことを申し添えます。
まず、配付資料の確認をさせていただきます。
お手元に、「環境省独立行政法人評価委員会 第15回国立環境研究所部会」と書いた議事次第、それから右上に資料1となったA4、2枚のペーパー。それから右上に資料2とあります「平成18年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る各委員の評価結果一覧」、それから資料3といたしまして「平成18年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書(案)」、それから資料4といたしまして、冊子でございますが、「財務諸表」。それから資料5といたしまして、1枚紙でありますが「今後の予定」。
さらに、参考資料といたしまして、参考資料の1番が委員名簿、参考資料2がピンク色の紙ファイル、関連法規となっておるものでございます。それから参考資料3が業務実績報告書、参考資料4が業務実績報告書の資料編、参考資料5が事業報告書であります。
過不足がありましたら事務局にご指示くださいますようお願い申し上げます。
また、お手元のマイクでありますが、ご発言いただきますときに、大変恐縮ですが、「TALK」というボタンを押していただいて、赤いランプがついていることを確認していただいて、お話しいただきたいと思います。ご発言が終わりましたら、大変恐縮ですが、また「TALK」を押して、ランプが消灯することをご確認いただけたらと思います。
また、会議に先立ちまして、21日に開催を予定していました独立行政法人評価委員会を本日、この部会終了後に開催日を変更し、これに伴い、本部会の会議時間を短くする件についておわび申し上げます。
さらに、8月10日に「独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針」、こういったものが閣議決定されまして、国立環境研究所及び環境再生保全機構の2法人につきましても随意契約の見直しに係る事項を除きまして、8月末までに環境大臣として整理合理化計画を策定し、総務省及び行政改革推進本部事務局に提出することが必要となりました。
両法人とも慎重審議いただきました中期計画の途上でありますけれども、本件について委員会で審議いただくのに先立ち、事務局側の関係者で議論を重ねる必要が生じたことから、勝手ながら委員会の開催日を変更させていただいた次第でございます。
本部会における事務局側の説明は、できるだけ要領よく行うよう心がける所存でございますので、どうかよろしくお願いいたします。
なお、独立行政法人評価委員会の方の先生方のお席でありますけれども、この部会と同じ席になるようにしたいというふうに考えております。
それでは、これ以降の議事進行につきまして、高月部会長にお願いいたします。
【高月部会長】 ということで、今、事務局から、るるご説明がありましたような事情で、非常に短い期間にこの評価をまとめないといけないということになりましたので、ひとつよろしくお願いいたします。
新しく、きょう来ていただいた委員の方々もおられるようですが、時間の関係で、もう、よくご存じの方だということで省略させていただきますが、よろしくお願いいたします。
それでは早速ですが、この議事に入ります前に、前回の委員会で質問があった件等につきまして、国立環境研究所で説明があるということですので、よろしくお願いいたします。
【仁井理事】 総務企画担当理事の仁井でございます。前回の説明で、説明が十分行き届かなかったところにつきまして補足させていただきます。
資料1というものでございます。
個人あての科研費等について、決算上どういう扱いになるのかといったお話がございまして、資料1を1ページめくっていただきますと独法の会計基準、それから、それについての注解というのがございます。一番裏のページのところにございますが、個人あての補助金につきましては、間接費について、いわば組織の収益として扱う。それ以外は、研究本体の費用については預り金として扱うといった、会計基準上の整理がなされております。
これにつきましては独法横並びでの共通でございますので、他独法でもこのような形で処理させていただいております。
なお、議論がございましたのは、いわば外部資金の獲得というところでございますので、決算上の取り扱いはこうであるにしても、個人補助金と、その組織としての外部資金、これらが一覧できるような形での表現を次回の業務報告からは考えたいと思っております。
それから、本件に関連いたしまして、私、思い違いいたしておりまして、個人補助金で雇用されているポスドクについては、その時点では、ないということを前回申し上げましたが、精査の結果、昨年度4名雇用ということでございました。おわびいたしまして、訂正をさせていただきたいと思います。
以上でございます。
【高月部会長】 というご説明でしたけれども、この件に関しまして何かご質問ありますでしょうか。高木委員さん、どうぞ。
【高木委員】 今回の処理につきましては、よく理解できましたのですが、納得がいかないというところもありまして。実は、独法の会計基準に会社法が昨年から施行されたこともありまして、明日から数回にわたりまして会計基準そのもの自体を見直すという、今、スケジュールに当たっていられると思いまして、その事前打ち合わせということで財務省の公会計室の方と打ち合わせしたときに、この件も俎上に上げまして。いきなりということでしたので、ご担当の方もよくその経緯については把握されていなかったのですが、ご本人たちも余り納得いかないねということで、この処理、もしかしますと今後、修正されるかもしれないというようなことでありますが、そのことだけお伝えしておきます。
【高月部会長】 ありがとうございます。
【佐和委員】 関係のない質問なんですけど、例えば「科学技術振興事業団」とか、そういうところから研究費が出る場合は、そのときには組織の長である理事長名で出しますね。そういう場合には、まず扱いが違うというふうに理解していいわけですね。
【仁井理事】 組織として受け入れたものは、組織上の収益として経理しております。
【高月部会長】 よろしゅうございますか。
ということで、ほかご質問等、よろしゅうございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
【高月部会長】 それでは、この件はこれぐらいにさせていただきまして、早速、きょうの議事に入っていきたいと思います。
最初は、平成18年度の独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価についてということで、前回の14回の部会でいろいろご審議いただきましたけれども、この報告につきまして各委員さんに、夏休みの宿題的に評価をいただきました。
その結果が出ておりますので、このことにつきまして、まずは事務局から簡単に説明いただいてからご議論へ入りたいと思います。よろしくお願いします。
【立川環境研究技術室長】 お手元の資料2、それから資料3に基づいて説明させていただきます。
まず、資料2でございますけれども、11名の委員の皆様全員に、この夏休みというか、お忙しい時期に、独立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価をいただきました。本当にどうもありがとうございます。この評価をまとめたものが資料2でございます。
簡単に構成を申し上げますと、1枚目に総括表というものがございまして、各事項別にSの方が何人、Aの方が何人、Bの方が何人といった形で人数分布を書いてございます。
この資料2、1ページめくっていただきますと、事項別評価というところで、各項目、委員名のところが空白になっておりましてS・A・B・C・D、それで各評価の内容といった構成になっております。
一応、委員の方の順番はランダムになっておりますが、上の方から評価が高く、下の方に行くと評価が低目になると、そういった順番で並べております。それで各表の一番下に「平成18年度業務実績の事項別評価」という欄がございまして、ここに先生方のご意見を踏まえて、簡単におまとめいただいた内容がここに書いてあるという構成になっております。
それで資料3が、その先生方にご評価いただいた結果をもとにした評価書の案でございまして、構成及びその書き方でございますけれども、総合評価、一番最初にスクランブルアンケートでAと書いてございまして、そのほか同じような形でスクランブルアンケートで評価の欄がSからBと、そういった形で書いてございますが、このスクランブルアンケートの中のS・A・B・Cは、先生方に評価をしていただいた評価の上限と下限を書かせていただいてございます。
構成としましては、「概評」・「環境研究」・「環境情報の収集・整理・提供」・「業務運営」・「結論」、ここが総括的なことでございまして、それから事項別評価ということで各項目ごとに先生方からのご指摘を書かせていただいてございます。
この資料3の方の事項別評価と資料2の各表の一番下の事項別評価、これは内容としては同じことを書かせていただいている、そういった構成になっております。そういった内容でございますが、資料3に基づいてご説明申し上げたいと思います。
それから、資料3でございますけれども、今、申し上げましたとおり、評価の欄がS、それからA・B、そういったものを書いてございますが、本文をこうやって見ていきますと、例えば3ページでございますけれども、結論というところに書いてございますが、2行目「第2期中期目標の達成に向け、適切に」――済みません、「に」が二つになってしまって申しわけないですが、――「第2期中期目標の達成に向け、適切に成果を上げていると判断し、総合評価は[A]とする」と書いてございますが、例えば、この「適切に」といった修飾語については、この総合評価で何にするか、こういったこととある程度リンケージして、必要な修正を行う必要があるのかなというふうに思っております。
それで、この資料3でございますけれども、1ページの「概評」でございますが、第2パラグラフでございますけれども、「平成18年度は、」というところから始まる文章でありますが、今回の国立行政法人国立環境研究所の業務実績の評価につきましては、第2期中期計画、平成18年から22年度の初年度といった位置づけで評価をいただいたものということで承知しております。
以下、ここの「環境研究」以下につきましては事項別の評価を整理したものでございますので、事項別評価を中心にポイントとなることを申し上げたいと思います。
恐縮です、同じく資料3の4ページをごらんください。4ページから5ページにかけてが、1.環境研究に関する業務ということが書いてございます。
こちらの方では、環境研究では新たに重大な環境問題が発生した場合の取り組み、我が国の環境研究に対する指導的観点での戦略性、人文・社会科学、実学面での強化、関連研究との関連性の明確化、それから低評価――評価が低かった分野のフォローに係る検討、こういったものについて一層の取り組みが必要といった評価をちょうだいしているかなというふうに思っております。
それから、5ページの一番下の方から環境情報の収集・整理・提供に関する業務が書いてございます。環境情報では、今後も成果を上げるためには必要な重点化が講じられることが望ましい、こういった評価をちょうだいしているところでございます。
それから、6ページから7ページ。6ページの一番下でございますけれども、環境成果の積極的な発信というところでございますが、こちらの方では、評価手法として課題がある事項についてご指摘をいただいたと。これは率直に言えば、委員会、審議会への出席の延べ人数でこういった積極的発信の評価をするのはいかがかなということで、こういった点で課題があるというご指摘をいただいたわけでございますが、そういった量的指標にとどまらず、実質的な面での報告の工夫をと。また、一方では研究活動に過度の負担が生じないような工夫の必要性、こういったものをご指摘いただいたというふうに理解しております。
それから、7ページ下の方でありますが、業務運営の効率化につきましては、戦略性・機動性といった観点での組織編成、それから若手研究者の将来的な育成システムについては検討が必要だということ、さらに、自己収入が当初見込み額を下回った件、それから、契約における競争性の確保については、分析と一層の努力が必要との評価をちょうだいしております。
それから、9ページ、Ⅳ.その他業務運営に関する重要事項でありますが、その他業務運営に関する重要事項につきましては、施設整備に係る一層の留意、人事評価に係る留意事項をご指摘いただいたということだと理解しております。
以上をもとにいたしまして、大変恐縮ですが、1ページ目に戻っていただきたいと思うのですが、1ページ目、最初の方に書いてございますように、総合評価としては各先生方からAという評点をちょうだいしてございます。
以上がポイントでございます。
【高月部会長】 ありがとうございました。非常に走って説明を受けましたので、各委員さんが評価されたこと、うまく反映されているかどうか、心もとないところもありますが。
今、事務局から報告がありました資料3に基づいての件、それから資料2の両方を比べながら検討いただきたいと思いますけど。以前ですと、この評価委員会で一つ一つ、項目ごとに「どういたしましょうか」と点数を決めていっていただいたわけですが、きょうは、あいにくスケジュール的にそれができかねますので、少しポイントだけ絞ってやりたいと思いますので、よろしくお願いします。特に評価が分かれているところをちょっと中心に、皆さん方のご意見を賜ればありがたいかというように思います。
先ほどの一覧表を見ていただきたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
まず最初の、「国民に対する提供サービスその他の業務の質の向上に関する事項」ですけれども、この中で、一応、評価が少し分かれていますのが、2の(1)環境に関する総合的な情報の提供、これが少し割れていまして、SとAに分かれているかというふうに思います。この辺、いかがするかということ。それから3の(2)の研究成果の活用促進、これが、やはりAとBに少し分かれていると、それから3の(4)の環境政策立案への貢献というところ、これが主としてAとBに分かれている。こういう状況になっておりますが、別にこれにこだわることなく、何か、この辺に関しましてご意見ございましたらご発言いただきたいと思いますが。
これは、単純に上から下まで、ずっと平均点をとっていきますと、全てAということになっちゃうので、これでは、いろいろ時間かけて皆さん方に評価していただいたのを、みんなAでしたというのは、いささかどうかなというふうに思いますので。その辺配慮しながらまとめたいと思いますが。何かご発言ございますか。
もう少し進みますと、そのIIの「業務運営の効率化に関する事項」につきましても評価が分かれておりますのが、「財務の効率化」が少し分かれておりますし、6番の「業務に関する環境配慮」がSと、かなり分かれている。それから最後の、「その他の業務運営に関する重要事項」というところも総合評価・検討、少し議論いただくところになるかと思いますが、いかがでしょうか。
各委員さん、先生方に評価いただいたのが資料2に順不同になっておりますけれども、ご記憶あるかと思いますので、自分の言った意見がうまく反映されているかどうかも見ながら。
【佐和委員】 3の(2)の研究成果の活動促進というところで、これで言いますと14ページになるのですが、Aが6で、Bが5ということで、先生が先ほどおっしゃった意見が分かれているということに、例として取り上げられると思うのですが、これはコメントのところを見ると「活用促進」ということの意味が、ややあいまいで、人によって活用促進の意味をかなり違う意味に解釈している。例えば一番上に書いてある、文字で書いてある意見だと「国の環境政策への貢献」、これが活用だと。その次もやっぱり「環境政策」。その次は、むしろ「研究成果の着実な活用」。これは「環境儀」の刊行等を通じて、一つの社会に対して研究成果を知っていてもらうと。その次は「特許出願などが研究成果」だというようなことで、非常に活用促進ということの意味について解釈が違って、今、申し上げたのは全部Aについてのコメントなんですが。Bの方について見ても、ほぼ似たような、大きく分ければ政策への貢献というのと、それから研究成果を世の中に広めるというような評価。大体、大ざっぱに分けて、その存在のことで、下の方のBをつけている方の意見を見ても、何か、そんなにネガティブな意見でもないのにBをつけているというような感じなんですけれども。
【高月部会長】 そうですね、何か、この辺で意見が分かれたところでご発言ございますでしょうか。どうも、この評価方法自体が問題になるんじゃないかなという気もしますけど、どうでしょうかね。特許の出願数だけで見ていいのかとか、そういう議論だろうと思うんですけどね。
確かに、余りネガティブな意見はないんですけども、そういう、私自身も評価の方法をどうするべきかというのを迷ったところなんですけれども、どうしましょうかね。
【沖 委員】 私、岡山大学環境理工学部の沖と申します。よろしくお願いいたします。
私も、この活用促進のところ、気になりながらもネガティブな意見をつけた方です。
それで見せていただきますと、やはりAとBが6と5ということでございまして、決してマイナスのイメージではないのですが、期待度からいきますと、ここまでやっていただきたいというのは、下の恐らく5人の方のご意見ではないかというふうに思えるわけです。上の方も下の方も両方とも、大事なご意見だと思います。
ですから、ベスト・ベターではないのでしっかり頑張っていただきたいという意味合いのBというふうな形で、検討していただいた方がいいのではないかと私は思っております。
その後の同じく6・5で財務の効率化がございますね。こちらは割と課題が明確ですね。それに比べて、こちらの方はそうでないということもありますので、その辺をクリアしたような文書で書き直していただければ、と思ったりもしておりますが、いかがでございましょうか。
【高月部会長】 ありがとうございます。
今、こういうご意見をいただきました。
ほかの委員さん、別に分かれているというところだけに限りませんで、ご意見、もしございましたらお願いしたいと思いますが。
【松尾委員】 私、今の研究成果なんかで言うと、この下から三つ目の意見が、多分、私が書いたような気がします。私は、何か、余りに「活用される」とか「審議会に出る」とか、それが本来の仕事ではないんじゃないかというような評価というか、私の個人的思いもあって、ちゃんと研究やってくださいと。もう、余り外に出なくてもいいんじゃないですかという感じで、いろいろ幾つか書かせてもらったことがあったので、そういう意味で、多分、Bの一人は私だと思うんですが。
要するに、何か、余り、みんながそうでなければいけない、みんなが何かやらなきゃいけない、個人個人が環境研の人はみんな、政策に何か言わなきゃいけないということは、やっぱり異常な体質をつくるんじゃないかという感じが率直にいってあります。もっと地道に丁寧に仕事してもらう、研究してもらう、データを出してもらうことの方が長期的には大事ではないかというふうにも思うというようなことがありまして、そういうことで幾つかのところで書いたかもしれません。
ですから、それは決してやらなくていいということではないんだけども、余りにもそれを強調し過ぎる、「そこに成果がありました」となるのは、本来の趣旨と違うんじゃないかというような気持ちですね。
【高月部会長】 ありがとうございます。
【三橋委員】 業務における環境配慮で、Sが6、それからAが5という形ですね。
ページで言いますと22ページになりますか。Sが非常に多いのは、ほかの研究機関と比べてということなんでしょうけれども大学や研究所の業務における環境配慮は、実はかなり企業などと比べると低いレベルが多いですよね。だからSがこんなに多いというのは、私は見て驚きました。
【高月部会長】 いかがでしょうか。
過去のことを申し上げますと、一番評点が低かったのは、いつもこの項目なんですけど、環境研では。今回は非常にそれが高く評価されているのは、そういう過去のことを踏まえて、それ以後、かなり努力されたという、そういう面の点数も入っているかなという印象を持ちました。
いかがでしょうか、ほか。よろしゅうございますでしょうか。
先ほど、冒頭に私が申し上げましたように、平均しますと全てAになっちゃうので、これは、せっかく皆さん方に努力して評価していただいたのを、メリハリがほとんどつかないという状況でございますので、部会長の独断で恐縮ですが、分かれているところはどちらかに少し振るということで、原案を少し紹介をさせていただきますと、一応、分かれている2の(1)のところの5・5・1となっているところですけども、これはSとさせていただいて、それから「研究成果の活用促進」ということで分かれているところはB。それから「環境政策立案への貢献」というところもSはありますが、一応、もう少し努力していただきたいという意味合いを含めてBとさせていただいて、それから「業務の効率化」のところで、やはり分かれているところも同じくB。
そして今、「環境配慮」のところ、ここ、私も迷うところですけれども、もう少し皆さん方のご意見をいただいて、これはAにするかSにするかということで、原案としてはSと思っているのですが、どうも環境研究所的なところと、大学とか、そういうところと企業との努力の違いというのを先ほどご指摘があったので、どう配慮すべきかということなんですが。
【三橋委員】 ここについてつけ加えますと、採点してから時間がたって中身の細かいことは覚えていませんが、例えば京都議定書目標達成計画の2010年ぐらいに対して、業務上CO2の排出量をどの程度削減するかぐらい目標を決めて、それを達成しようとか、そういうものが書かれていれば別ですが。本当はSをつけるならそこまでやるべきじゃないかなという感じがします。
【高月部会長】ありがとうございます。
いかがでしょうか。ここはもう、それじゃあ少し。
【松尾委員】 これA・Bと、こういう書き方しないといけないんですか。何か一つに決めなきゃいけない。
【高月部会長】 やっぱり決めないといけない。
【松尾委員】 決めなきゃいけない。
【高月部会長】 それが悩ましいところなんです。
【松尾委員】 悩ましいんですか。僕は、でも、この書き方の方が非常に合理的だというふうに思って、もう一つの方の分が、一つに決めてあったので、私はあれの方が何かばらつきがあって当然・・・。
【高月部会長】 ええ、もちろんそう。
【松尾委員】 総合評価が出れば、個別のところは幅があるのもよしとすべきじゃないかと思ったんだけど。いや、いいですよ。
【高月部会長】 最初に断っておくべきですけど、今あります資料2の方の各委員さんのご意見とか、この評点等は、もちろん公表されていきますので、決してここだけの資料ということにならないので。あくまでも部署の方に提出する方に、ひとつAとかB、どちらかに決めて出すということですので、一応、分かれていることは当然、情報として出ていくということになるかと思います。はい、どうぞ。
【佐和委員】 さっき、メモをし損ったんですけど、意見の分かれているということで、2の(1)、ここはSとおっしゃいましたね。
【高月部会長】 はい。
【佐和委員】 そして、3の(2)はAとおっしゃいましたか。
【高月部会長】 3の(2)はBにしたいと。
【佐和委員】 つまり、これがBで、そして環境政策立案への貢献も。
【高月部会長】 これもBと。
【佐和委員】 これもBですか。何か、財務の方はいいとして、これを見ると「総合的な情報の提供」がSであって、「活用促進」というのがBであって、「政策立案への貢献」がBというのは、つまり内容的に言いますと、2の(1)というのは総合的な情報を提供して、その情報の中には、例えば政策立案に貢献するような内容の情報もあるし、そして研究成果の活用促進ということに当たる部分もあるわけですね。だから、何かコンシステンシーという感じで、2の(1)がSで、3の(2)と(4)がBというのは。
【高月部会長】 それ、整合性がとりにくいという。
【佐和委員】 何か、僕自身は個人的には「環境政策立案への貢献」は、多分、応分の貢献はやっていらっしゃるというふうに思うんですが。つまりBというふうに採点されたのは、何が足りないというふうに。
【高月部会長】 いや、これは単にこの分布だけでの評価をしているわけですので、こういう評価の分布になったからには、もう少し努力をしていただきたいという声が大きいんだということでの各評価委員の先生方のご意見。
【佐和委員】 つまり、この3の(2)もAとBとどっちが数が多いかというと、多数決で言えばAの方が多いわけですね。
【高月部会長】 そうですね。
【佐和委員】 それから、その次の場合もS+AというのがBを上回っているわけですね。ここも全部Aでいいんじゃないかという気がします。
【高月部会長】 いかがでしょうか。私、別にそれに固執するわけではないんですけども、結果的には全てやっていきますと全部Aになっちゃうんですけども。一つはありますけどもS。
【佐和委員】 業務における環境配慮と二つあるわけですね。
【松尾委員】 それをAが多いのにBの方へつけなきゃいけないというのは、数だけから見てもおかしいからね。
【高月部会長】 そうですか。
【松尾委員】 だって、6と5だったら6の方へ行かざるを得ないんじゃないの。
【高月部会長】 ええ、もちろんそうなんですけども、この評価というのは、そもそも法人に対して、ここをもう少し努力してほしいというものも入っているということで、昔で言いますと、A′とか、そういう位置づけになるかというように思うんですけども。そういう意味で、あえて、かなり票が拮抗していてもB側にあるかなと見たわけですけど。
これはあくまでも評価委員会の結論ですので、皆さん方のご意見に従いますので。やはりAが多いんだからA、ということであればAということで。
【三橋委員】 ちょっと、その「環境政策立案への貢献」、これをBというと。
【高月部会長】 きついですか。
【三橋委員】 環境研そのものがとられるような感じがします。
私はAを入れているんだけど。これは、やはりA評価というような形で問題点を指摘するとかしないといけないのではないでしょうか。実際に、2050年貢献とか、いろいろな形で、昔と比べて政策への貢献というのはしていると思うんですけどね。環境審議会の発言みたいな余計なことを書いたのが、私はむしろ読んでいて印象が悪かったんですけどね。そんなことは当然じゃないかというような印象も持つので。
「貢献」というのは、もっといいアウトプットを出して、それを説明することで説得するとか、そういうようなことなんだろうと思うので、審議会で発言するのをもって貢献みたいな感じではおかしいなとは思います。少なくとも環境政策立案への貢献、B評価というのは、環境研に対してかなり厳しい評価になっているんじゃないかなと思いますけど。
【高月部会長】 ほかの委員さん、いかがでしょうか。どうぞ。
【沖 委員】 我々、大学も同じような今、評価を受けておりますので、非常によくわかるんですけれども。例えば、AとBが6・5ぐらいになりますと、やはり、何か引っ張るBのものがあるということで、この辺の検討はせざるを得ないのではないかというふうに思います。ですから決して悪いのではなくて、要するに2と3とありまして、2というのは「収集・整理・提供に関する業務」ですね。3の方は、「その成果をいかに実用化・応用化しているか」ということの評価で、結局、1の研究が次の段階に来るというところの評価ということで、今、我々求められているのは、ここですよね。
今まででしたら1だけで十分だったと私は考えています。悪いのではなくて、今後のことをもう少し期待してという意味合いで、やや辛口になっても致し方ないのかなというふうに思っております。
【高月部会長】 いかがでしょうか。
【磯部委員】 意見が分かれた場合には、基本的には多数の意見を採用していくというやり方の方が安定感があるのではないかと思います。
もちろん5対5というふうに意見が同数で分かれてしまった場合には、どちらをとるかという判断は残るかと思うのですけれど、どうなんでしょう。2の(1)のように5対5対1という具合に、B評価もあるということであれば、ここはむしろSではなくてAになるのが自然なのかなと思います。しかし、3の(2)はAでしょうし、(4)もSが一つあるのですから・・・。
【高月部会長】 これもAになって。
【磯部委員】 これはAだろうと思います。そして財務の効率化については一緒の総合判断が必要ということで、ここはBとおっしゃったんですか。
【高月部会長】 はい。
【磯部委員】 それはそういうことでよいかもしれませんが、業務における環境配慮の点では、Sが6つも入っているんだからSだと思われます。このようにしても、全部がAになるのは好ましくないという、部会長の方針は達成されることになるのではないかと思います。
【高月部会長】 今、一つの案が出ましたけれども、今、申し上げますと、先ほどの2の(1)のところは、やはりAだろうという判断。それから、3の(2)活用の促進のところも、やはりA。そして、3の(4)環境政策立案への貢献のところもA。そして財務の効率化というところはBということで、最後の環境配慮のところ、これにまた意見が分かれるところですが、今の原案ですとSですけれども、ここもAということに、先ほどの意見ですとなるんですけども。
そうしますと、唯一Bがあるのは「財務の効率化」のところだけということになる形になりますが。何か、余りにもメリハリのない結論になってしまいますが、これはあくまでも評価委員の先生方の評価結果ですので、これで、まとまりますが、いかがでしょうか。
【松尾委員】 よくわからないけど、全く私はきょう今回初めてで、軸が多分ぶれているんですよね。同じことを書いてあっても、それを、いいけども、もうちょっと違うんじゃないかと。特に研究所というのは、もっと審議会なんか行かないで、ちゃんと時間、研究所にいてやったらどうかというのが私の基本的な立場で考えているから、そういうもので見ていると恐らく全然違う、同じ見ていても違う方向を見ていますよね。
だから、それを合わせてやらざるを得ないのがこれだから、全部が平均したらAになるというのは当たり前になるのではないかというふうにも思うんですけどね。だから、Bがなきゃいけないとか、Sがなきゃいけないとかと、そういうふうに考えないで、かなりもうこれは機械的にやらざるを得ないのではないかというふうに思いますけどね。
どうなんだろう、そうすると問題なんですか、どこかで。
【高月部会長】 別にそれは、あくまでもこれは評価ですから、それはそれでいいと思うんです。ちょっと中期目標の1年目の評価としては、えらい全部がAになっちゃっているなという感じがなきにしもあらずで、そういう原案を出させていただいたんです。
わかりました。それでは、一応、先ほど、ちょっと時間も押しておりますので、結論になりました。一つだけ、財務の効率化のところだけがBということで、ほかは一応、全項目Aということで、今回はさせていただくことで決着を図りたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
【佐和委員】 ちょっと済みませんけどね、この3の(2)研究成果の活用促進、これはAになっているんですか。
【高月部会長】 一応、先ほどの皆さん方のご意見ですと、Aということになったんですが。
【佐和委員】 それで結構ですけれども、あえて言うなら、ここはBという評価はあり得るなという感じがしますけどね。
【高月部会長】 そこを、もう一回修正案が出ましたけども、よろしいですか。ここをBということでいきたいということですが、よろしいでしょうか。
【佐和委員】 この評価のフォーマットというかシートというか、これはすべての独立行政法人について共通しているものなんですよね、総務省か何かの。
【高月部会長】 はい。
【佐和委員】 だから、質問が非常にあいまいであったと、だからBがついたのだと、そういう答え方をしておけばいかがですかね。
【高月部会長】 そうですね。
【松尾委員】 問題は、だからAを出している人がBだと、これで変われば、どなたかがAがBになって、Bがふえれば変わるんだけども、この中でAの人は変わらないで、Bの人だけ強い意見、あるいはSの人だけが強い意見を言って、数字が変わっていくとすると、これはある意味で、どうしてそうなったかが、だれもわからなくなっちゃうから。
本来は、来年いるかもしれませんけど、だれが何をつけて、その人が今の議論を聞きながら、じゃあ私はやっぱりSはAにしようかとか、AはBにしようかと。そうすると、AとBの数が変わってきて、それで多数決ではないけど、行く方が非常にわかりやすいですよね。
【高月部会長】 おっしゃるとおりですね。
【松尾委員】 だから、どなたが、だれがSをつけたり、Aをつけたかというのがわかる表が本来は適切なのではないかと思うけどね。そうすると、それぞれ皆さん自分の考え、もしここで変えるのは当然なので、議論を聞きながら、じゃあこういうことも考えていなかったから、私なんかすぐ変わる要素があるんだけども、だったらそうしましょう、BにしようとかAにしようとかね。そうすることによって、ある意味でもう一遍評価し直して、この議論した結果として数字が出てきて、多数決で決めていけば、何か6・5と多いんだけどもBにしようという、その辺が非常にちょっとわかりにくい様子を後々残しちゃう。
きょうはいいですよ、もう今、部会長がお決めになったのでいいけども、この表をつくるときに個人の名前も一緒に入れて出さないと、私は評価する人の個人名を出さないやり方というのは、いずれにしても問題が多くなるケースが多いので。責任持って、我々も一応書いていますから、それで変えればいいと思うんだね、議論しながらね。
【高月部会長】 ありがとうございました。
【松尾委員】 ですから、今回はもういいと思いますけどね。
【高月部会長】 次回に向けての反省点も含めて、配慮しながらやらせていただきたいと思います。
ちょっと時間が押して大変、不手際な進行で恐縮ですけど、一応、きょう先ほど示しました、もう一度申し上げますと、2の(1)がAで、3の(2)もA、それから3の(4)もA、そして、最後の財務の効率化のところのみB、あとはAという形で、一応、皆様方のきょうの結論を出していただいたと思いますので、それで行きたいというふうに思います。
ただし、いろいろ課題が残りましたので、これにつきましては次回以降の評価の仕方自体、十分議論しながら進めたいと思いますので、きょうのこの評価結果の取りまとめにつきましては、こういう形にさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
【高月部会長】 不手際で時間をとりましたけれども、一応、これはここまでにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
というようなことですが、何か理事長さん、この感じを受けとめていただいて、いかがでしょうか。
【大塚理事長】 どうもありがとうございました。もう時間も押しているようなので一言お礼を申し上げますけれども、今、S・A・B・Cのこともさることながら、コメントいただきました、委員の先生からいただいた文章の方をできるだけ丁寧に読ませていただいて、私たちが変えられるところは変える、あるいはより前向きにしていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
【高月部会長】 ぜひ、せっかく書いていただいた文章の方をご活用いただきたいというふうに思います。
それでは続きまして、残りました件を簡単に済ませたいと思いますので、よろしくお願いします。
財務諸表に関しましてのご意見をいろいろ、皆さん方にその後、聞いたところなんですが、特にその後、何か変わったご意見等ございましたでしょうか。事務局側に来たかと思うんですが。
【立川環境研究技術室長】 ただいま高月部会長からお話しいただきましたとおり、7月10日までにご意見・ご質問があればということで、お聞きしていたところでございますが、特に事務局の方にはお寄せいただいておりません。
以上でございます。
【高月部会長】 ということで、高木委員よろしゅうございますかね。きょうは環境委員会のところ済みませんが、ではそういうことですね。
その他ですけれども、特に何かございますでしょうか。
【立川環境研究技術室長】 お手元の資料5でございます。非常に簡単な資料でございますが、平成18年度の業務実績評価は本日の15回をもって終了でございます。
今般、取りまとめていただきました評価結果を8月末までに総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会、それから国立環境研究所に通知するというふうにさせていただきたいと思います。
【高月部会長】 ありがとうございました。
ということで、こちらの方の部会の方は審議賜ります内容はこれですけど、ほか何か、事務局の方からご発言ございますでしょうか。どうぞ。
【立川環境研究技術室長】 特にないのでございますが、大変恐縮です。独立行政法人評価委員会、インターバルが少なくて申しわけないんですが、50分めどで開催させていただけたらと思います。どうも済みません。
【高月部会長】 はい、わかりました。押してしまいまして申しわけございません。
それでは、50分再開ということでよろしくお願いします。