第11回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録
日時
平成18年7月3日(月)14:30~17:12
場所
中央合同庁舎5号館共用第8会議室
議題
- (1)
- 平成17年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価について
- (2)
- 平成17年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表について
- (3)
- 独立行政法人国立環境研究所役員報酬支給基準の改定について
- (4)
- その他
配付資料
資料1 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る基本方針 |
資料2 | 評価シート |
資料3 | 平成17年度業務実績報告書 |
資料4 | 平成17年度業務実績報告書資料編 |
資料5 | 平成17年度財務諸表 |
資料6 | 平成17年度事業報告書 |
資料7 | 平成17年度決算報告書 |
資料8 | 監査報告書 |
資料9 | 独立行政法人国立環境研究所に係る積立金の繰越承認について |
資料10 | 独立行政法人国立環境研究所役員報酬支給基準の改定について |
資料11 | 今後の予定 |
参考資料1 | 環境省独立行政法人評価委員会国立環境研究所部会委員名簿 |
参考資料2 | 独立行政法人国立環境研究所中期計画 |
参考資料3 | 平成17年度国立環境研究所年度計画 |
参考資料4 | 平成17年度国立環境研究所年報 |
参考資料5 | 平成13、14、15、16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る評価結果一覧 |
参考資料6 | 平成13、14、15、16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書 |
参考資料7 | 平成13、14、15、16年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る各委員の評価結果一覧 |
参考資料8 | 独立行政法人国立環境研究所パンフレット |
参考資料9 | 関連法規 |
出席者
委員 | 石井紫郎部会長、北野 大委員、小池勲夫委員、坂本和彦委員、高月 紘委員、西間三馨委員、長谷川雅世委員、森本幸裕委員 |
環境省 | 大臣官房 | 桜井審議官 |
総合環境政策局 | 田村局長 宇仁菅環境研究技術室長 篠木環境研究技術室長補佐 |
|
国立環境研究所 | 大塚理事長 西岡理事 飯島理事 村川企画部長 柏木総務部長 |
議事
【宇仁菅環境研究技術室長】 定刻となりましたので、ただいまより環境省独立行政法人評価委員会第11回国立環境研究所部会を開催いたします。
本日は、委員12名のうち8名が出席の予定でございますが、2名遅れております。長谷川委員は間もなくお見えになるということでございますが、坂本委員は1時間程度遅れという連絡を受けております。いずれにしましても、環境省独立行政法人評価委員会令第6条第1項の規定によりまして、定足数を満たす予定になっておりますことをご報告申し上げます。
議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。(配付資料を確認)
それでは、まず初めに、総合環境政策局の田村局長よりごあいさつをさせていただきます。
【田村総合環境政策局長】 環境省の総合環境政策局長の田村でございます。
本日はお暑い中、そして何かとご多忙の中、こうして多くの委員の方々のご参加を得まして、まことに厚く御礼を申し上げたいと存じます。
本年度、第1回目の環境省独立行政法人評価委員会国立環境研究所部会ということでございます。最初にご報告させていただきたいと存じますのは、さきの通常国会におきまして、独立行政法人国立環境研究所法の一部を改正する法律案を提出いたしました。ご承知のように、非公務員型の組織に変更するというのがその主な内容でございますが、3月31日に可決成立ということになりました。そして、4月1日から施行されているところでございます。本部会におきましても、この国環研の組織・業務全般の見直しにつきまして、活発なご議論をいただきました。その一つのこととして、非公務員型の法人に移行ということでございまして、この結果を踏まえた改正でございました。感謝を申し上げたいと存じます。
これを受けまして国環研におきましては、新たな中期目標の達成に向けまして、引き続き環境行政の推進に必要な科学的基盤を提供するなど、重要な役割を担う研究所として、まさに新しいスタートを切ったところであると承知をしております。
昨年度は中期計画の最後の年度となったことから、本部会におきましても組織・業務全般の見直しに加えまして、新たな中期目標、あるいは中期計画の策定なども、通常の年度にはない、多くの事項についてご審議を賜りました。石井部会長を初め委員の皆様からさまざまな貴重なご意見、ご指摘を受けまして、心から感謝を申し上げたいと存じます。
引き続きでございますが、国立環境研究所の評価等におきまして、よろしくご指導を賜りますようお願いを申し上げましてごあいさつを終わります。よろしくお願い申し上げます。
【宇仁菅環境研究技術室長】 それでは、これ以降の議事進行につきましては石井部会長にお願いいたします。
【石井部会長】 それでは、議事に入ります。
議題1は、平成17年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価についてというものでございます。事務局からまず説明をお願いします。
【宇仁菅環境研究技術室長】 それでは、資料の1と2を使いまして説明をさせていただきます。
毎年度のことでございますが、独立行政法人通則法第32条によりまして、独立行政法人は主務省令で定めるところにより、各事業年度における業務の実績について、評価委員会の評価を受けなければならないとされております。さらに、独立行政法人国環研の業務運営並びに財務関係に関する省令第5条におきまして、各事業年度における業務の実績について、独立行政法人評価委員会の評価を受けようとするときは、年度計画に定めた項目ごとに、その実績を明らかにした報告書を当該事業年度の終了後3カ月以内に環境省の評価委員会に提出しなければならないとされているところでございます。
なお、その実績の評価につきましては、次回もご議論してもらうことを予定しておりますので、今回は国環研の方から説明などを受けまして、それに対しての質疑を中心に行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは資料1でございますが、平成14年に作成をしていただきました、業務実績評価に係る基本方針でございます。詳しい説明は省略させていただきますが、1番の評価の概要をご覧いただきますと、(1)として、各事業年度に係る業務の実績に関する評価がございます。今回はここに関する部分ということになります。
2番に参りまして評価の方法についてでございますが、(1)の各事業年度に係る評価でございますが、事項別評価がございます。中期目標に定められている事項別に、当該事業年度における実施状況を評価するということでございます。
その下の評価基準をご覧いただきますと、Sから、A、B、C、Dの5段階になっておりまして、例えばSですと、中期目標の達成に向けて特に優れた成果を上げているということでございますが、そういった5段階の評価を行っていただきたいと思っております。
それから、[2]の総合評価でございますが、事業活動全般、業務運営、財務、人事等など、研究所の業務全般について、上記の事項別評価の結果を踏まえて総合評価を行うということでございます。
あとは、これは中期目標に係る評価ですので飛ばしていただきまして、別表をご覧いただきたいんですが、I、業務運営の効率化に関する事項でございます。
評価項目としまして、1番としては効率的な組織の編成というのがございます。ここの評価については、右の欄に書いておりますが、基礎的調査・研究を推進するための研究領域の設定・運営状況等々、幾つかの評価の方法ですとか、視点が書かれております。こういったことを勘案していただいて、評価を行っていただきたいということでございます。
そういった評価項目ごとの方法・視点等がずっと続いておりますので、ご参考にしていただきながら、評価の方、お願いしたいと思います。
続きまして資料2でございますが、大きなA3の表ですが、「評価シート」というのが配られているかと思います。これも昨年までと様式は同じでございますが、左の方から中期目標、これは新しい中期目標ではありませんで、17年度までの中期目標について、ここに書いております。その隣が中期計画でございますが、同じく13から17年度までの中期計画について、この表に整理をしております。
その右の欄が評価項目及び評価の方法、視点等ということでございますが、先ほど説明いたしました、資料1の別紙についておりました項目と、評価の方法、視点をここに並べて整理をしているという表でございます。
それから、その隣が評価、これが先ほど申しました、SからDまでの5段階評価でございますが、これに○をつけていただくということになるわけでございます。
その一番右の欄ですが、左記の評価の理由、根拠等ということでございますが、コピーですとやや薄くなっておりますけれども、網かけをしている、濃い色になっている部分があると思うんですが、そこに評価と、その理由、根拠等をご記入いただくようお願いをしたいと思います。
そういったシートがずっと同じように続きますので説明は省略させていただきますが、16ページに総合評価の欄がございまして、事項別評価を踏まえて、業務実績全体の評価という欄がございます。ここにつきましても評価が5段階になりまして、全体的な評価、理由、根拠等という欄がございます。そこにご記入いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
その下に評価シート記入要領というのを一応お付けしておりますが、先ほど申しましたようなことで、濃い色の部分について、隣にある目標ですとか、計画ですとか、あるいは評価の視点等をご参考にしていただいて、できる限り記入をしていただければと考えております。
最後の18ページ、一番下に書いておりますが、評価シートの方は7月13日までにお願いしますということでございます。
以上でございます。
【石井部会長】 ただいまの説明について、何かご質問はございましょうか。
では、ございませんようでしたらば先に進ませていただきます。
平成17年度の業務実績について、国立環境研究所の方からご報告をちょうだいしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
【大塚国環研理事長】 理事長の大塚です。
田村局長からもご説明がありましたように、この4月から第2期の中期目標期間に入ったところでございます。本年度も評価の方をよろしくお願いいたします。今回は平成17年度の業務実績について報告させていただきます。
私からは、この資料3に基づきまして、最初の6ページに書かれている要点の、そのまた要点をお話しさせていただきます。座ってやらせていただきます。
まず、項目の1ですが、この点に関しまして一言で申しますと、第1期の中期目標期間の最終年度ということを意識して行いました。17年度のまとめとして、特に本年度からの第2期中期目標期間における研究内容・計画に結びつけることに重点を置きました。
2に移らせていただきます。この点につきましては、重点特別研究プロジェクト及び政策対応型調査・研究、基盤的調査・研究、知的研究基盤という三つのカテゴリーごとに、ミッションを明確にして、まとめの研究業務を行うように努力しました。
重点プロジェクトと政策対応型調査・研究は、特に第2期の重点研究プログラム、あるいはその中の中核研究プロジェクトとの関係を意識して行いました。
基盤研究は、文字どおり基盤的な内容が中心ですので、将来重要になるであろう環境研究の発展を視野に入れることを特に重視してまいりました。
知的研究基盤は、具体的には環境研究基盤ラボラトリーと地球環境研究センターが行っているのですが、前者では、特に環境標準試料及び微生物保存株の所外への提供など、後者では地球環境モニタリングと、それに基づくデータベースの構築と運用、それらをしっかりやっていくということに重点を置きました。
3に移らせていただきます。ここでは、企業、大学、地方環境研究所、あるいは国際機関との連携について書かれておりますが、どの対象に対しても連携は順調に進んだと私は考えております。
4の研究員の確保でございます。5年ごとの中期目標、中期計画のちょうど変わり目に当たっていたこととも少し関係すると思いますが、研究者については23名が転出、17名を新たに採用、結果として6名の減ということになりました。一方、研究費によって雇用する研究員は24名増加いたしました。
いずれにしましても、17年度の全体の結果を反映して、本年度の研究が、無事、順調にスタートできたと考えております。
また、職務業績評価と、その結果の反映につきましては、17年度も、それまでの年度と同様にしっかりやれたと思っております。
5番目は、自己収入と予算の効率運用でございます。自己収入につきましては、現在の予算の状況からしますと必要性が非常に高く、この点については目標額を設定して、38億強ですが、そのような設定額に対しまして、若干ではありましたが、上回ることができました。一方、予算の効率的な運用につきましても合理化などに努力し、かなりの成果を上げたと思っております。
続きまして、6は施設の効率的運用です。施設整備につきましては、今、非常に多くの要望があるわけですが、所内公募を原則として、汎用性あるいは緊急性等を重視しながら更新・整備を進めました。
また、以前から行っております、スペース課金の制度を継続いたしました。
7の環境配慮についてですが、この第1期中期目標期間を通して、エネルギー消費量とCO2排出量を中心に取り組んでまいりまして、特に、平成17年7月からはESCO事業の開始により、今、申し上げた事項については目標を大きく上回ることができました。
また、上水使用料も大幅に減少をさせることができました。
しかし、一方で、廃棄物の量が、16年度の結果が15年度に対して増加していること等、評価委員会の先生方からも厳しいコメントをいただいたところです。もちろん、研究所といたしましても、このことに気づいてからはいろいろな努力を重ねてまいりまして、平成17年度におきまして、最終的に5%の削減を達成いたしました。
また、環境配慮促進法に基づく環境報告書は近々完成の予定ですが、昨年度におきましても、そのための準備に多くの時間を充てました。
8の研究成果の社会還元、広報活動に移ります。さまざまな内容が含まれているのですが、簡単にご説明したいと思います。
最初のポツにある大学の教員、客員教員あるいは非常勤教員、あるいは各種審議会・委員会への参画、それから研究所のわかりやすい成果報告書などについては、16年度以上に進展したと考えております。
次のポツにある、職務発明に関するするものにつきましては、環境研究という性格上、それほど多い数字ではありませんが、前進が見られたと思っております。
3番目のポツである研究成果の誌上、口頭発表につきましては目標値を定めておりましたが、それらを達成することができました。
4番目、そして5番目のポツにある、公開シンポジウム、施設公開、これらにつきましてもいろいろな工夫を行いまして、今までの中では最高の参加者を得ることができました。また、そこに書いてありますように、国内外のさまざまな施設視察の方々を受け入れいたしました。
6番目のポツでは、「国立環境研究所友の会」という組織があるのですが、それへの協力のことを示しております。
最後のポツになりますが、マスコミ対応につきましても積極的に行っておりまして、新聞報道だけでも170件ほどございました。
最後になりますが、環境情報の提供等への取り組みです。この点につきましては、評価委員会の先生方からも、さらに向上すべきであるというご指摘があったことと理解しております。最初のEICネット、その次の環境技術情報ネットワーク、そして環境GIS、ともに内容を充実させてまいりましたし、ヒット数もすべて増加することになりました。
研究所のホームページですが、ページビューの件数が、16年度と比較しても30%ほど増加し、1年間の総計で約2,500万件に達しました。今後とも改良する努力を続けなければいけませんが、まずは前進をしたのではないかと考えております。
非常に駆け足ですが、以上でございます。
【石井部会長】 ありがとうございました。
それでは、引き続きまして各論的な部分について、それぞれのご担当の役員の方から報告をお願いしたいと思います。
【西岡国環研理事】 理事の西岡でございます。
研究活動、私どものプロダクトのことにつきまして、17年度の研究活動報告をしたいと思っております。
お手元の報告書でいいますと19ページから43ページに、それぞれの項目ごとには書いてございます。私の話は、必ずしもその項目に沿っていないかもしれませんけれども、それぞれ資料番号が書いてございますので、資料の方もご参照いただければと思っております。
いつものことでございますけれども、研究全体図はここに示してございます。これは評価、研究費、資源と書いてあるんですけど、全部抜けておりますが、全体にここが研究の内容でございますけれども、それに対してお金の面から言いますと、研究所、ここのところは142億が合計であります。それから、人件費30億等々を抜きますと、ここの研究費に相当するところが76億になっております。この76億というのは何から来ているかといいますと、交付金が37億、競争的資金が20億、そして、受託請負というのが19億、掛け引き等が2億ぐらいございますが、これについては計上しておりません。それが資金です。
それから、今度は人の方ですけれども、研究員が203人、流動研究員が154人で、客員研究員が310人、154人が実働という感じで、合計350人ぐらいの人数でやっております。研究の内容といたしましては、領域の研究、それからプロジェクトの研究、それぞれセンターにいろいろ分かれておりますが、それぞれでやっております。
研究の中身でございますけれども、大体、外向けで、競争的資金等々でやっているのはここでやっておりますが、そのほか内部的に、交付金の一部を使いまして、いわゆる基盤的、先へ見た研究へをやろうということで、奨励研究だとか特別研究、経常研究というのをやっておりますが、その額といたしましては大体5億ぐらい、全体76億のうち5億ぐらいがそれに行っている。ほかのお金といいますのは、これからお話しいたします重点特別研究、これが26億、そして諸々の研究で、言ってみれば基盤的な研究あるいは政策対応の研究等々が30億という形でございます。
この研究につきまして、本日、すべての活動について評価していただくわけでございますが、研究の中身につきましては、まず、内部の評価委員会でもいろいろ評価いたしますが、最後には、この外部の評価委員会の方で評価を既にしていただいておるという状況であります。
研究の構成でございますけれども、まず、私ども、社会的要請が非常に強いものにつきまして、六つのプロジェクト、これからご説明いたしますけれども、特別研究プロジェクトということでやっている。
それから、もう二つございますけれども、特に政策的に重要なものといたしましては、循環型社会あるいは化学物質のリスクとございますが、これにつきましてはセンターが二つございまして、それが政策対応型研究ということで、かなり地道なところからトピックス的なところまでやっている。全体を支えるための研究、知的研究基盤、モニタリングだとかデータベース、あるいは技術の伝承とか、そういうことをやっておりまして、さらに、先ほどの奨励研究、あるいは経常研究で基盤研究を進めているという状況であります。
これから本当に駆け足で研究成果のハイライト、まずプロジェクト研究六つで何をやったか。それから、政策対応研究それぞれにつきましてお話を申し上げたいと思っております。
一番最初が温暖化でございますが、温暖化の研究の特徴といたしましては、私どもの研究所はメカニズムから政策まで、一通りやっているということでございます。
そういう中で、17年度のハイライトといたしましては、ここでひょっとしてもうお見せしたかと思いますけれども、地球シミュレーターを使いました非常に細かな予測によりまして、1990年から2100年の真夏日の日にちを日本で計算してみると、あと50年もすると真夏日の日数が倍になるとか、最近、非常に豪雨が多いわけですけれども、この温暖化が進みますと、非常に豪雨の回数が多くなるといったことが出まして、非常に地域的に細かいことができるということで、一つの成果になっています。
それから、これはもう少しインテグレートされた話でございますけれども、モニタリングで海の、我々計測をしておりますが、その分と、それから今度は、大気中の酸素・窒素比を計ることによって、どれだけが海に潜り、どれだけが陸上で吸収されたかということがわかる形になりまして、この分が陸上でもって吸収されたものではないかという推測ができた。これが大体、かなりほかの推測とも合っていますけれども、また独自のやり方でやったということでございます。
二つ目のプロジェクトはオゾンホール。もうオゾンホールの話はかなり済んだなというお考えかもしれませんけれども、まだまだやらなければいけないことがあります。基本的に、私ども、このオゾンホールが将来どうなるかということであります。この三角形がTOMSという衛星で見ました実測値ですね。この赤い方はオゾンホールの面積。多分2000年ぐらいが極大、これからどんどん終息していって、2060年ぐらい、この200ぐらい行ったところ、それぐらいが、オゾンホールが消えたといってもいい値でございますけど、こういう予測ができている。もう一つ、それだけじゃなく、最低オゾン量、オゾンの濃度はどういう変化をするだろうかというと、こういうぐらいに回復していくだろうということがあります。
この研究の特色といいますのは、このモデルをしっかりと作ったということと、それから、そのモデルが、物理的に、このオゾンホールというのは、これは言ってみれば南極の周辺の気象等々の物理的な問題をうまくシミュレートした。一方、科学的に、このオゾンが破壊されていく状況も十分シミュレートできたという二つ点で非常に進歩したと思います。
それから、ILAS-IIという衛星からのデータが、衛星の故障で十分取れなかったんです。取れた分につきましては、このようにアメリカの「ジャーナル・オブ・ジオフィカル・リサーチ」が特集を組みまして、すべてのデータの公開をし終えたというところでございます。これでもってみんなが使えるような状況になっています。
それから、これは次の内分泌攪乱化学物質プロジェクトでございますが、これはどういうメカニズムで、どういう影響があって、それを検定するにはどうすればいいか等々の研究をやっております。
これにつきましては、イボニシをずっと追っかけていて、この原因がようやくきちんとした化学物質がこれに関与しているということを見つけたという話、この前、お話をしたんで、これはそれだけにいたしますが。
もう一つ、精巣重量の低下等がございます。このプロジェクトの中で、研究所と千葉大で共同研究といいましょうか、やったものです。これは解剖の検体から、2万7,000ぐらいの例をプロットしたものでございますが、こっちに出生年代をとっておりまして、ここに年齢というのを切っております。卑近な例でございますが、私、1940年に生まれたわけですが、このあたり、精巣が一番最大になる年齢というのは30ぐらい、ああ、そうか、30ぐらいが元気がよかったんだという話になるんですが。それから、さらにこう行きますと、17グラムというのは普通の重量だそうですけども、それを維持できる年数が50ぐらいで、もうそれはとっくに過ぎたなという話なんです。
それは置いておきまして、大切なことは、1970年代ぐらいに生まれた人の最大重量になる年齢は低いところにある。それは晩婚化で非常に困るわけですけども、そういうグラフが書けたということであります。ただ、これは環境ホルモンとどういう関係があるんだという話になりますけども、この原因につきましては、食料だとか、それから牛乳だという説もあるらしいんですが、そういうぐあいに、この原因については必ずしも確かめられているわけではありません。しかしながら、どうも食料だけでは説明できないんじゃないかということもあって、いわゆる環境ホルモン等々の関与があるのではないかというようなデータも出たというだけの話でございますけども、非常にいろんな意味で深刻な問題があります。
それから、次のプロジェクトになりますけど、生物多様性のプロジェクト。これは野生生物の保全地域設定をするにはどういうやり方でやったらいいかとか、侵入生物の問題、それから、このモデルによる多種共存メカニズム、こういった三つのことをやっておりました。
これもひょっとしてお見せしたかと思うんですが、ちょっと進歩がありました。これはダムが、その河川の魚類層にどういう影響があるかということをモデルを使って計算した例でございます。昨年は、どこにどういうダムがあってというデータが揃ったという話をしたかと思いますが、これで一体ダムができたことによって、どれだけお魚が減ったんだろうかと、そういう減ったポテンシャルというものを推測してみて、この赤い辺りというのは、残念ながら、このお魚が遡上できないということで、相当多様性が減ってきたなというような地図が書けて、ダムの問題点について指摘したということがございまして、今後、いろんな行政に生かしていきたいというぐあいに思っております。
生物種の侵入の問題がございましたけれども、これはオオマルハナバチ、日本のマルハナバチとセイヨウマルハナバチというのは交雑するだろうかどうかということを検証したものでございまして、この在来種の女王蜂の精嚢内精子のDNA分析をしたら、どうも外来のオスと極めてたくさん交雑しているということで、交雑していないから安全だということは言えないという結論を出しております。
次のプロジェクトは、今度は中国へ行きまして、東アジアの流域圏プロジェクトでございます。これは昔から三峡ダムが日本海にどう影響するかなんていうことをやっているというお話をいたしました。
ここでご報告いたしますのは、そういう地域の流達モデル等々を使いまして、洪水が出たときに、この三峡ダムをうまくコントロールすることによって、洞庭湖等々の水位までうまく制御できるだろうかという疑問に対して、一つシミュレーションしてみると、こんな結果が出たということでございます。これが三峡ダムの放流をどれだけするかということでございますが、この赤いのが、余り放流しない、この水色はうんと放流するという形ですが、余り放流しないと三峡ダムの方は貯まって、この辺がちょっと危ないなということはあるんですが、一方、下流にあります洞庭湖は放流がないとかなり助かるけれども、放流がありますと、この警戒水位よりも大分面積が増えているんです。うまくコントロールいたしますと、そんなにこの水位を越えないで済むんじゃないか。しかしながら、この結果、どうやっても洪水のピークのときには洞庭湖が浸水してしまうということで、果たして影響を少なくするために、どういうコントロールをしたらいいかというのは、モデル値をもってコントロールをよりよくしていくことができるようなものができたということでございます。
それから今度は、PM2.5、DEPというのがございまして、これは粒径でいってナノ粒子から、それが集まるまでの間、いろんなことをやらなければいけない。観測したり、毒性がどうだということでやらなきゃいけなかったんですが、そういうことに対して今年は一つわかったことは、このディーゼル排気のナノ当たりの粒径、粒子が、ガソリンから出たものか、それともオイルから出たものかという疑問に対して、いろいろと細かい分化ができるようになった。非常に細かいところの成分が、揮発性のものか、揮発性でないものという形になっておりますけれども、いろんな粒径によりまして分布が違うと。その分布を照らし合わせてみると、これがガソリンの方から来る方、こっちがオイルから来る方の成分のグラフでございますけれども、いろんな粒径の中で、一番細かい粒径のものは、どっちかというとオイルの方によく合っているなという知見で、どうもナノ粒子の起源というのがオイルの方に関係してくるのではないかということが、ようやくのことでわかったということでございます。
もう一つ、交通に関連いたしましては、ロードプライシングということがございまして、ディーゼルの対策を石原都知事がとったわけですが、1998年の対策前はこんな状況だったんですが、規制後は、モデルで計算したら大体こういう非常にいい形になっていると。さらに曝露人口を少なくするために、ロードプライシング、この中は高速道路と同じ料金を普通の道路にもかけてしまえなんていう一つの計算をしてみますと、大体こんな形になって、かなり東京都内の空気はきれいになったということであります。
では、その自動車はどこへ行っちゃったんだろうかということになりますが、この自動車は湾岸の方に流れていくとか、それから初めから諦めて入ってこない。これはロンドンでそういう例があったと聞いておりますが、そういうことがわかってまいりました。
それから、これは循環型社会形成・廃棄物研究センターの成果で、ここのセンターは、言うまでもないことですけれども、物の流れがどういうぐあいに環境に影響してくるだろうかということを調べております。一つは、我々はやっぱり流れ全体を、量を調べなければいけませんけれども、それだけじゃなくて、それぞれの処理がうまく行くか、あるいは処理をしているときに、どういう毒物が出てくるかといったことをなるべく早く検出したり、その手段についても考えたいということでやっております。
二つ、結果がございます。一つは、まずわかりやすい方ですけれども、埋立地から硫化水素が出ることが多くあります。何でそういうものが出るんだろうと調べてみますと、廃石膏ボートが非常に影響していると。これは私どもの大きな廃棄物を模擬した装置がございますが、そいつにごみをたたき込みまして、数週間か、数カ月の結果でわかったことです。廃石膏ボートは含水率、水が多くなればなるほど硫化水素を出していくということがわかりました。これが明らかになったものですから、この安定型処分場への石膏ボード埋立の回避政策がとられるようになったという、非常に実用的な話でございます。
もう一つは、バイオアッセイ、ダイオキシン類の簡易モニタリング法。先ほどもありました埋立地に出すまでの中間処理で、簡単にこれが危険であるかどうかが判定できないかということでございますが、普通だといわゆるケミカルな分析をして非常に時間とお金がかかるのでございますが、これを、ここにありますダイオキシン受容体/レポーター遺伝子アッセイという難しい方法を使いまして、それと化学的なものと比べてみます。いろんな範囲について調べてみたんですけれども、それも大体ケミカルでお金をかけてしっかりやったのと、簡易でやったのと、傾向としては合うということがわかりましたので、この簡易的な計測法を法律に追加いたしまして、割と安く、早くできるようになったということで、この二つは、私どもの研究が非常に現場の役に立っているということのお話であります。
次が、化学物質循環リスク研究センターの研究でございますが、ここでは、化学物質のリスクを検討するために、種々の高度化といいましょうか、例えば子供は非常に感受性が高いだろうし、それから花粉症等々、非常に難しい問題があるんですけど、そういう感受性の問題からやっていこうとか、それから複合曝露、一つのものだけでは効かないけども、それが複合したときにどう効くかなんていうことをやっています。こういったいろんな意味での高度化をするのと、それからもっと簡便化していこうという、二つの方向で仕事をやっているわけでございます。
これは、言ってみれば簡便化の方でございますけれども、なるべく少ない情報で、この曝露評価ができないかということで、いろんな統計データを持ってきまして、それから遠洋漁業の調査だとか、お魚の調査とか、どれだけ消費しているかとか、栄養調査等々、既存の統計で何とか推測する方法を考えます。そして全国でどれだけ、1人1日ダイオキシンを摂取しているかということをモデルを使ってやりましたところ、こういう赤い線が得られたということでございます。では実測の方はどうだということで、これは厚労省のトータルダイエット調査結果というものがございまして、これが青い線で、ちょっと合わないところがございますけども、かなりいい推定ができるようになったということで、これも割と少ない情報での推定が可能になったということでございます。
それから、基盤整備といいまして、いろんなデータの蓄積等々をやっておりますが、これは世界の温暖化モデルのベースを出しているという話ですが、これは霞ヶ浦を25年、観測した結果の珪藻類の種別変化。私、ここで申し上げたいのは、25年という長い間やっておりまして、ようやく、なぜ霞ヶ浦の水質がどう変わったかということがわかりましたし、なぜ変わったかというのは難しいところがあるんですけども、これはまさに継続は力だなと感じさせるデータだと。いろいろとこれは物、種類が、色でごらんになってわかるように、変わっています。どういうぐあいに変わったかというと、1978年から87年代ではリンが増加する時期で、アオコがいっぱい出てワカサギがよく獲れた時期だったんですが、1987年ぐらいから藻の状況が変わってきて、ハゼとかエビとか底に住んでいるようなものしかとれなくなりまして、そのうち建設省の護岸工事が始まりまして、周辺の植生がどんどん減っていったという状況になります。その間に藻の状況はどんどんと変わってきまして、現在工事は終了いたしまして、水位は上昇したので、珪藻類がいっぱい増えてきたということもありますが、ワカサギがいなくなって佃煮の材料に事欠くようになりまして、ブラックバス、ブルーギル、あるいは外国産のものが相当入ってきて、現在、なぜか霞ヶ浦の白濁現象というのが起きている。これは原因がわからなくて、我々、取り組んでいるところですけども、こうやって長い間のデータをとっていくと、いろんなことがわかってきたなという話でございます。
それから環境研究基盤ラボラリー、これはいろんな標準試料等々を使って、あるいは絶滅品種の細胞収集をしているところでございますが、ここで一つ、最近、問題になっている黄砂の標準試料をつくろうと。それぞれの地方自治体で、これは本当に黄砂かというので、いろんなものを調べではそれと比較するための試料がいるわけでございますけども、そういう試料は非常に均一なものでなければいけない。均一であるためには細かい粒にやらなきゃいけないんですが、言ってみれば、うちはそういう細かいことをきちんとやって、非常に均一な試料を作る能力を持っている。他人のことは余り言いたくございませんが、これは産総研でつくったものでございます。これはうちでつくったものでございますが、こちらは量が極端に多いのがございまして、粒径分布をとりますとかなり大きい方に寄っておりまして、やっぱり細かくしなきゃいけないんだなということがわかりました。
以上、非常に駆け足で参りましたけども、これからが非常に大切なところでございますが、外部評価の結果がここに出ております。お手元の資料41から見ていただくと書いてございます。これは5点が大変すぐれているということで、4.8、4.3、4.0ということで、大体4.8ですから優れているか大変優れているの間と。この黄色の方が、普通と優れているの間、まあまあようやったなという辺りがこの辺りであります。いずれにいたしましても、幸いなことに、この劣るの方の評点には行かなくて、どちらかというと3より上、すなわち普通よりはようやっているなという評点をいただいているというところに行ってございます。
研究評価でございますけれども、私ども、研究評価というのは外部の方にもお願いし、ここでもお願いし、かつ中でもやっておりますが、これは非常に研究管理の中核として重要だと思っておりまして、外部評価の結果は内部で、私も入りまして、この先生のおっしゃっていることはこういう点でしっかりやり直そうじゃないかということをやりまして、あと資源配分に反映し、かつ優秀な人には賞をあげる。外部評価委員会をもっとピュアレビュー型にしようということで人数をちょっと多くしましたし、それから、分野別分科会で主査を決めて個別にやっていただくということで、評価をお願いしているという状況になっております。
研究成果でございますけれども、やっぱり査読ありのもので見ていただくのが一番いいと思うんですが、欧文で254、228、242、275、241ということで、ちっとここのところ、減っております。合計でいいましてもやや減っているということがございますが、多分その原因は、我々が業績評価のときにいろいろ面談いたしますと、17年度、次の期を作るということと、それからこの期の間にやっていかなければいけない仕事がたくさん溜まっておりまして、どうも論文を書く時間が余りないということもあって、この辺りからそういう状況になっているということが見えるわけですが、というわけで、全体的にちょっと減っているかと思います。しかしながら、先ほど理事長からも申し上げましたけれども、中期目標で言っているところの、年から12年度の合計の1割増しという目標は、何とか達成したと。
それから、この委員会でもご指摘がありましたけど、インパクトファクターというので、1論文あたりの平均インパクトファクターは若干減少ですけれども、大体平均になっています。
17年度の新たな研究展開ということでございます。当初のプログラム計画以上にいろんなことを始めた。でも、これは次の期への種を蒔いていると思いますが、研究あるいは環境問題に関する超長期ビジョン研究というのがありましたし、地球温暖化では民間航空機によるCO2の観測、超微量分析法の開発等々。それから、特に技術的な面での、エネルギー特会等々を利用いたしましたことも始めようということでございます。ナノテク問題がございます。これは技術の利用、あるいは環境影響についてしっかりやっていこうということで、新しい展開もやっております。
それから、活用でございますけれども、もちろん我々、学会論文ということで、科学の最先端へはこれでやっていますし、それから環境保全への貢献ということで、審議会などへの参画。私どもの参画というのは、単に委員で並んでいるわけではなくて、そのとき、大体宿題が出まして、全部片づけなければいけないことがあります。そういう形で一番やっているかなというぐあいに考えております。
内外研究機関との研究連携強化。これは17年度の一つの目標であったわけですけども、その割りには全体的にちょっと減ってございます。これも、実は中期計画の後ろの方になりますと、先の展望がいまいちはっきりしないところもございますので、そういう面から、ちょっとピークはこの辺で来たなということが読めるわけであります。
大学との研究連携につきましては、それこそ、ウィン・ウィンで行かなければいけない。数は非常に多くなりました。まだまだ要望がございまして、講座、一緒に協力をしてくださいとか、一緒にサステナビリティやりましょうとか、いろんなことがございますけども、これにつきましても、そろそろ質的に見直そうということをやっております。非常勤講師の派遣などというのは多いんですけども、我々の方にどう返ってきているかを考えると。
それから、地方環境研究所と連携いたしまして、みんなで力を合わせて地域環境を守っていこうじゃないかと。私ども、交付金の中から予算を3,350万円計上いたしまして、それぞれの研究所の要望に応じた研究を1対1でやるというのもございますし、あるいは多機関連合型で、ため池がそこらじゅうで問題になっているんだったら、みんなで一緒になってやろうじゃないか。あるいは先ほどのダムのようなものは共通の問題だから一緒になってやろうじゃないかということで、そういう形の研究もやっております。もちろん交流シンポジウム等々で、みんなで共通の問題について検討するということを年に一、二回やっているということであります。
国際貢献でございますけれども、これはもうずっと続けていることが非常に多いものですから、多くは申し上げません。最近は地球観測。GEOSSの観測拠点を連携拠点ということで、他省庁、すなわち文科省あるいは気象庁になりますけれども、等々と連携して拠点を作っていこうかということで、これはGEOSSという国際的な観測結果とのもとにやります。これは諸々ございます。
それから、環境行政、科学技術行政との連携。これは我々の環境研究所として非常に重要な役目でありまして、先ほど申し上げました中央環境審議会、文科省関係の審議会等々に非常に多くの人が出ています。私、数えてみたら、延べ760件ぐらいあるんですけども、ある人に非常に偏ったり、いろいろしておりますけれども、そのあたりは非常に調整をこれからとりつつやっていきます。環境省あるいは総合科学技術会議の方に調整官あるいは参事官等々を出して、日本国全体の環境行政、環境研究につきまして、我々の知見を反映させるよう頑張っているところでございます。
最後になりますが、研究活動に関する広報。これは一般的な、いわゆるパブリックに対する我々の研究の公開でございますけれども、毎年、公開シンポジウムを京都と東京でありますが、両方で昨年は1,272人という人を集めましたし、夏の大公開、これは筑波でいろんな催しをするわけですけども、記録を達成しまして、3,000の人が来てくれました。友の会というのがありまして、フィールドツアー、霞ヶ浦へ行ったり、あるいは海辺にハマグリを見に行ったり、いろいろしております。
これも何度も申し上げておりますが、新しいことといたしましては、メディア等によります新聞掲載が171件、2日に1遍ぐらいは環境研が新聞に載っております。
それから、施設公開、先ほど言いましたように過去最高で1.8倍ということで、もう所員は熱心に、我々、やはり環境の問題というのは一般の人を見方にしなければいけないということで頑張っております。
そういうことで、非常に駆け足でございましたけれども、研究の内容につきましてお話をいたしました。私ども、環境憲章というのを今度新しく定めまして、ここに書いてあるとおりでございますけれども、我々の研究所は何をするべきかということを、所員一同が一丸となってやるために、こういう非常に身近な憲章を定めまして、この目標に向かって次期の計画を進めていきたいというふうに考えております。以上です。
【石井部会長】 西岡理事、どうもありがとうございました。
それでは、大塚理事長とただいまの西岡理事のご説明についてご質問があればどうぞ、お受けいたします。
【西間委員】 今、西岡先生がプレゼンテーションされたことは、私の持っている資料、どれかを見ればわかるんでしょうか。それとも、もしもわからないんであれば、評価シートというのを7月13日までに出せということになっていますが、それまでにスライド等で我々が再点検というか、我々が見ることができるんでしょうか。どうも、この字面だけだったらわかりにくいのが、ああいうポンチ絵みたいだとわかりやすいところがたくさんあって評価しやすいと思うんですけど、いかがなんでしょうか。
【西岡国環研理事】 すみません。ありがとうございます。私、ここで、この研究内容に踏み込んで話をしておりますが、やはりプロダクト自身を知っていただきたいということで、割りと細かいことをやっております。
しかし、これは私の解釈なんですけど、委員会では、こういう研究の内容に関しましては外部評価委員会の方で一たん済んでいるということで、本来この字面の方は、ここで書かれる無味乾燥な話しかありません。私はもちろん、この研究の内容について皆さんに提供するのは全然構わない話だと思っていますので、どういう形にするか考えさせていただきますけども、やりたいと思っています。
【西間委員】 つまり外部評価で、4というようなかなり高得点が出ているんだということを我々にインプットしてくれたと。そういうことですね。
【西岡国環研理事】 やはりちょっと中身を見ないとどうだろうかというので、そういうことでございます。
【西間委員】 わかりました。
【高月委員】 毎年、これはスライドでご説明いただいた資料を我々に提供していただいているような過去の例があったかと思うんですけども、それをぜひお願いしたいんですね。せっかく今、例えば廃棄物の方でも石膏ボードが非常に問題になって、それが政策に反映されたというお話を伺えたんですが、これを見る限りでは、そのことは書いていないですね。せっかく霞ヶ浦、長年やっていて、そのデータが、こういうおもしろい結果になっていましたというのはここに載っていないというようなことで、なかなか我々が実際の、せっかくやっておられることを評価するのは難しい状況にありますので。
それともう1点、一番最初に出された、お金の配分のあのグラフですね。今日、ちょっと議論する時間がなくなったりして見えにくかったんですけど、あの辺ももうちょっとしっかり出していただかないと、我々、せっかく大きなお金を使ってやっておられることを評価する立場にしましては、非常にそこら辺は重要なポイントですので、お願いしたいというふうに思います。
【西岡国環研理事】 お金の予算につきましては、この参考資料の最後に、ページは打ってございませんけども、金額が書かれております。細かく書こうと思うと全体が見えなくなってという、意図があったかと思いますけども。
【高月委員】 これは毎年出ていただいていますか。
【西岡国環研理事】 そうですね。はい、毎年出しております。
【高月委員】 でも、一番わかりやすいのは一番最初のあれが一番わかりやすいので。
【西岡国環研理事】 ありがとうございます。どうしても正確に書こうと思うと、全体が見えなくなっちゃうんですね。
【小池委員】 幾つか重点と、あと政策対応型の評価をしていただきましたけれども、政策対応型の場合というのは、非常に、いわゆる実際の応用例というのは非常にはっきりされていたんですけど、重点の場合というのは、アウトプットすると、例えば、三峡ダムの場合、中国に対してそのような情報はきちんと伝わっているんでしょうか。
【国環研】 さまざまな形で連絡をとり合っております。それで、つい最近も、三峡ではなくて長江の水利委員会というのが中国にあるんですけれども、そちらと再度、研究を共同で進めていくことの調印をいたしております。
【石井部会長】 。
私から一つ、伺いたいんですが、文部科学省では、文部科学省関係の大学とか研究所等における研究開発に関する評価の指針というものを作っておりまして、いろんな研究機関でご利用いただけるようにということで、そういうものを用意して皆様に配っているわけですが、環境省ではそれに対応するような評価指針というべきものは何かあるのでしょうか。
【宇仁菅環境研究技術室長】 例えば、私どもの方では競争的資金制度について、それぞれ評価の指針を持っておりますし、環境省の全体的な指針というのがありまして、それに従って各制度ごとに、「評価要領」という名前だったと思いますが、「評価要領」というものは作っております。
【石井部会長】 それで伺いたいんですが、先ほどインパクトファクターを利用した表の紹介があったのですが、文部科学省の指針においては、インパクトファクターというのは雑誌、ジャーナルの評価のインデックスとしては意味があるわけだけども、個々の論文の評価のあれとしては相当注意しなければいけないという、かなり慎重といいますか、ネガティブな表現を使っていますし、議論している過程では、これは有害であるというぐらいまで書けという先生もあったぐらいですが、まあまあそう言うのはどうかというので、今、申し上げたような表現に落ち着いたところがあるんですが、その点について、今のご報告の中に関連の問題が出てきたので、ご感想といいますか、あるいはお立場を説明いただきたい。
【西岡国環研理事】 資料の47にインパクトファクターを使った評価についても書いてございます。どちらかというと我々、今までやらなかったんですが、先回のこの委員会の方でも、これを使って分析をしているのかというお話がございましたので、やってみたということでございます。
私どもの環境の部門は全体に広い分野にまたがっておりまして、どのジャーナルが本当の意味でのメインストリームかということは、なかなかわかりにくいところであります。私どもは、例えば「サイエンス」とか「ネイチャー」というところに幾つか出しておりますけれども、それが「サイエンス」「ネイチャー」的な意味での評価であって、必ずしも政策インパクトを与えたものでないかもしれませんし、そういうあたりにつきましては、評価の基準は大分違うかと思っています。
私ども、まずこういうことをやってみる必要があると思っておりまして、ここでやってみた結果、どうも全体として減っておるなということがわかったんですが、それで、いまひとつうまく行っておらないということです。
今、石井先生がおっしゃっている、ちょっと疑問といいましょうか、そういうところもあるものですから、これ以上やる必要があるのかなと、私はそう思っております。
【石井部会長】 ほかにいかがでしょうか。
【長谷川委員】 一番最後に、憲章を今年の4月に発表されたと。今までこの委員会では、このお話は上がっておりましたのでしょうか。
【西岡国環研理事】 まことに申しわけございません。私が先走りした話、今年度からこれで行こうということが正式になっております。しかしながら、そんなことは問題ないんですね。昨年度から、どうも今まで5年間を見てみると、やはりみんなが統一して向かっていくには、やはりそういうものが要るだろうと、理事長の発想もございましてやったということでございます。活動の内容として申しました。
【長谷川委員】 私もちょっと記憶が曖昧ですので、ちょっとお尋ねしたんですが。こういう理念を掲げるのは大変よいと思うんですが、割りと非常にシンプルな感じで、世の中、アースチャーターなど、環境だけじゃなくて、社会的な部分も入いると思います。先ほどサステナビリティの研究なども、ほかの大学などと共同してやっていかれるということでしたので、この憲章はすごくシンプルですけれども、ここの中に集約されているとは思うんですけれども、やはりこういう理念をお考えになるときは、そういったようなサステナビリティというようなことも踏まえてお作りになったのかどうか、ちょっと伺いたくて質問しました。
【大塚国環研理事長】 私の方から、一言ご説明させていただきます。
国立環境研究所には、実は「環境憲章」というものが以前からありました。それを、研究所の憲章ができたのを機会に、「環境配慮憲章」という名前に変えることにいたしました。多分、長谷川委員は新たに制定した憲章をご覧になられたと思いますが、このことについて今まで報告をしなかったのは、中期期間の目標に掲げられていなかったこともございます。所内でも、昨年の4月頃から憲章を作ろうという機運が盛り上がりまして、所内でいろいろ議論を重ねてきたということです。
今、ご指摘いただいたサステナビリティとか、もう少し中身に踏み込んだ表現もあった方がよろしいというお話だったと思います。憲章のワーキンググループの議論には、私も大体毎回出席いたしました。全部で8名ぐらいの委員で議論していただいたのですが、少なくとも研究所員が覚えられるぐらい簡潔な方がいいだろうということもありました。議論の過程で、いろいろなキーワードが何度も何度も出され、多くの時間をかけて検討をしていただきました。最終的に、サステナビリティ、あるいは安全・安心とか、多くのキーワードについて、精神を含みながらも簡潔な表現にしようということで、委員全員が努力し所員にも諮った結果、このような形に落ち着いたということです。ご意見をいろいろいただいて考えさせていただきたいと思いますが、しばらくこの憲章を大事にしていきたいと思っております。
【石井部会長】 よろしゅうございますか。ほかに。
【森本委員】 昨年度から実は、どうやって考えたらいいのか、ちょっとわからないままになっているんですけども、一番最初にお金を含んだポンチ絵がございまして、それから、いろいろ上げられた成果と。上げられた成果というのは大変おもしろいのがいっぱいあるんですけど、いわゆるお金の適切の配分というか、効率的な使い方というのが多分、一つ大事な、総合的な見方、評価の視点になろうかと思うんですが、それがどの辺でどういうことを見て、私たちは考えたらいいのかというのが、もうひとつわからないんですけども、これがもし何かうまい、ここを見てほしいというところがございましたら、ご指摘いただけたらと思うんですけれども。例えば外国の研究所とか、類似の例との比較とか、そんなのがあれば、ちょっと僕ら相対的に見えるかなと思ったんですけども。
【西岡国環研理事】 まだ十分やっておらないので、そういう評価も考えさせていただきたいと思っております。今度、新しい計画に基づいてお金の配分の方はしたんですけれども、そういうときも、なるべく研究の方にお金をうまく持っていけるように、さまざまなところで絞るだけ絞って、あとは、山ほどテーマがあるものですから人を集めてきて、それに充当するということで精いっぱいでございまして、申しわけないんですけど、正確な評価指標を持っているというにはまだ至っていません。
【飯島国環研理事】 客観的にどうやって比較できるだろうかということなんですが、今、外国の例を出されましたが、まずその前に、他の研究独法と比較するというのがあります。ただ、全部公開されていませんと比較しにくいのですが、これまでの例では、例えば、運営費交付金以外にも競争的資金をどのぐらい研究者あたりとっているかとか、実はそれは環境研がダントツなんですけど。あるいは重点特別研究プロジェクトのような重点的研究と基盤的研究の割り振りがどうなっているか。これは、重点化ということが言われていますが、私たちは基盤の方にも応分の配分をしてバランスよく配分しているといつも言っているんです。それは重点化してないじゃないかと言われれば、その通りかもしれないんですが、基盤の方にも応分の資源配分をしているというのが我々の特徴だと思っております。
ただ、これは他の研究独法とどう比べるかで、例えば理研と比べると、理研は重点に非常に特化しているわけでしょうし、研究独法といっても性格が違うかもしれません。我々の特徴は、重点化をしながら基盤にも抜けがないように、その両方の配分をバランスよくやっていく、そういう考え方で配分していきたいと思っています。
【坂本委員】 研究の外部評価のところで政策対応型、こういう形である時期から作られた、特に循環型社会形成推進廃棄物管理ですか、このところが非常に今回、評価が4.9と驚異的な点数になっている。これは、これまでの準備の時期があって、立ち上げの時期はやや大変だったところがあって、昨年からその成果が出てきたというふうには見ているわけですけれども、これについてそちらの方でどう解析をされていらっしゃるか。
それから、先ほどの石膏のお話は、まさに環境研独自の仕事なのか、どこかとタイアップしてやっていたお仕事ではないのだろうかと。かつ、あれについては有機物がないと還元が起こらないので、多分そこに紙だとか何かがあって、それで湿ってどうとか、そういう話なのかなというふうに聞いておったんですが、まず一つは、その4.9という形に至ったものをどういうふうに解析されておられるか。これはこの分野だけではなくて、ほかのところについても同様に解析をしていらっしゃるのではないかと思うんですが。それと硫化水素のお話。
【西岡国環研理事】 私ども内部の評価では、この研究の目標を設定するときの困難度であるとか、それに対する平衡とリストと掛け合わせて点数をつけるようなことをやっておりまして、その困難度、これは本当に適切に先を見て、これが問題だというところを設定しないと、後で、実際言ったよりも行っていないじゃないかというようなことになるわけですが、そのあたりのテーマの設定が、今、まさに政策のちょっと先を読む形でできたんだろうと。これは、ほかの点数がいいところもそういうところはあるかと思います。
それが一つと、特にこの循環型センターの場合は、当初、主として廃棄物関係だけをやればいいということになっていたんですけれども、外部評価委員会の評価が、君たち、それだけでいいんだろうかと、もう少し循環型と言われる物のフローまでやったらどうかなんていうことで、この中期計画を書き直さなければいけない状況になった。非常に困難な点があったんですけども、それを乗り越えて頑張って、そこまで広げてやったというところを大いに買われているというぐあいに思っております。
【国環研】 石膏ボードの件ですが、ちょっと完全に正確に私がお答えし切れないところがあるかと思いますけれども。先生、ご指摘のように、有機物がないと発生しないと従来は考えられていたんですけれども、私どもの研究のポイントとしては、石膏ボード単体でも発生するということを突きとめたという点が大きかったと思っておりまして、そのために、従来であれば紙を剥がした石膏ボードについては埋め立ててよいという形の指針が出ておりましたが、それも含めて埋め立てには不適切であるという通知が廃棄物リサイクル部長名で先日通知をされております。それは私どもの研究所がございます模擬埋立層で出た実験であるということで、少し従来の考えと違う部分が出たというふうに理解しております。
【石井部会長】 ほかにいかがでしょうか。
それでは、また後でまとめて議論する機会もあろうかと思いますので、一応、次のご報告を伺うところへ移りたいと思います。
飯島理事、お願いいたします。
【飯島国環研理事】 業務実績報告の残りの部分をまとめて説明をさせていただきます。
今、西岡理事から説明のありましたのは、第2章、国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置ということで、本文の19ページから始まっておりまして、19ページから43ページ、ここまで先ほど説明をされたところでございます。
続けて、44ページ、いわゆる2号業務と言われます、環境情報の収集、整理、提供業務というところから入らせていただきます。
44ページ、ここにございますようにEICネット、それから環境技術情報ネットワークというのがございます。
EICネットにつきましては、いろいろな工夫をして、17年度、新しい取り組みをしておりますけれども、46ページのグラフを見ていただきますとわかりますように、ページビュー件数について、17年度は赤い棒グラフでございますが、非常に伸びております。前年度に比較いたしまして48%増。初年度の13年度に比べると2.4倍と非常に伸びております。これは我々のこのEICネットのコンテンツがよくなったから、皆さんに見ていただけたと考えたいところなんですが、それだけでなく、ここに来て一般にインターネット環境が非常に良くなってきたということがあります。ただ、この結果を見て、3月にご審議いただいた第2期中期計画の目標に、この17年度のページビュー件数がわからなかったときに、その1.5倍、5割増しにするという目標を立ててしまいましたので、これだけ17年度の件数が高くなってしまったので、これからますます頑張らなければ大変なことになるなという実感でございます。おかげさまで17年度はアクセス数が大幅に増えたということです。
同じことが、47ページから始まります環境技術情報ネットワークについても言えることでございまして、47ページの自己評価と今後の課題というところにございますように、EICネットの利用件数は年間4,000万件を超えました。さらに、環境技術情報ネットワークにつきましても前年度より38%の増加ということで、こちらも増えているのは、先ほど申し上げたような一般的なインターネット環境の影響ではないかと思っています。また、EICなどにつきましては、ほかのサイトからリンクされる件数が増えているということも挙げられると思います。
48ページですが、環境GISでございます。これについても、GISのコンテンツそのものにつきましては16年度までにすべてのデータ提供を開始しまして、その後、更新、新しいコンテンツの追加等を行っておりますし、これを活用いたしました、例えばダイオキシンマップなどの公開も行っているところでございます。
GISの画面の紹介がございまして、50ページ、51ページにつきましては、環境省からの委託業務を受けまして、このGISを使ったコンテンツを作っているところでございます。52ページに自己評価と今後の対応がございますが、ここの環境GISにつきましても、ページビュー件数が17年度は49万件と順調に増加しております。今後とも、この活用を図って、ほかの機関の情報と連携したものを作っていきたいと思っております。
急ぎまして申しわけありません。54ページでございます。研究情報の提供業務ということでございまして、ここではわかりやすい情報提供という目標を掲げまして、研究情報の普及に努めております。
55ページには、研究情報データベースのコンテンツのリストが出ておりますが、特に、わかりやすい情報発信ということで、「地球温暖化の予測」であるとか、あるいは「NIES子供のページ」ということで、「いま地球がたいへん!」というのを作りまして、これはさらに丸善から本も出版しているところでございます。
57ページに、国立環境研究所のホームページのページビュー件数の推移が出ています。これも先ほどのEICと同じように、17年度は16年度に比べて非常に増えているという状況であります。
58ページに自己評価と今後の対応ですけども、ホームページも含めまして、先ほど申し上げましたように第2期中期計画の目標が、17年度の5割増としてますので、大変厳しい目標になっておりますが、ぜひ達成するよう頑張りたいと思っております。
以上がサービスの提供のところでございまして、1ページの1、業務運営の効率化というところに戻っていただきたいと思います。1ページの業務運営の効率化、それぞれ細かい資料は、この文章の中に資料ナンバーをつけておりますので、資料編をご参照いただきたいと思いますが。
まず初めに、組織体制の確保ということで、国立環境研究所の組織は資料1のとおりということで、この資料編の1ページに出ております。これは昨年度と比べまして、この組織表自体は変わっておりません。昨年度につきましては、新しくGOSAT研究チームであるとか、GCPつくば国際オフィスとかを作ったという紹介をこれまではしてきたんですが、今回は最終年度でございますので、新しい組織は作っておりません。この組織編成は17年度で終了しておりまして、組織体制の話につきましては、18年度からの中期計画のための検討に時間を割いております。
それから、職員の数はどうなっているか、職員の配分を見ていただきますと、この表が下にございます。基盤領域、重点プロジェクト、政策対応型、それから知的研究基盤の四つに分けて挙がっております。これは併任の数を含んでおりますけれども、13年度から17年度にかけまして基盤領域と重点が100人強、政策対応型が40人強、知的研究基盤が40人強と、こういう体制で行ってまいりました。
それから3ページに移りまして、今度は人の話で、人材の効率的な活用ということでございます。これも冒頭、説明がございましたけれども、17年度末の常勤職員数は260人、うち研究系職員203人ということでございます。これはどういう内訳かというと、17年度に新たに研究系職員を17人採用いたしましたが、23人が転出しております。要するに転出がオーバーで、実員6人減ということなんですが、これは、任期付研究員につきましては定数上17年度末で26人減らさなければいけないという状況がありまして、26人が全員3月末まで勤めてプラスマイナスが合うというのはなかなか難しいわけでございます。その前、1年の間に大学に転出された任期付研究員が多かったわけで、17年度末の数字といたしましては任期付研究員の数は減っております。実際に任期付研究員が一番多かったのは循環型社会研究センターなんですけれども、ここにおきましても6人大学に転出しております。その補充をどうするかですが、この4月から任期付研究員を補充をしておりますが、その前の段階では、循環型センターで流動研究員の数は5人増えております。流動研究員の補充という形で、業務に支障がないような形で運営してきたということでございます。
結果的に、17年度末の任期付研究員の数は目標と同じ13%程度となっておりまして、先ほど申し上げた理由で、任期付研究員を確保するのは非常に難しい状況の中で目標の率を確保したということであります。
それから、4ページでございますが、流動研究員、共同研究員、あるいは高度技能専門員についての表でございます。これは今までご説明したとおりでございますので、省略させていただきます。
それから、3の職務業績評価などの取組でございますが、これは17年度におきましても、16年度の業績を評価いたしまして、その結果を業績手当あるいは特別昇給に反映いたしております。また、NIES賞の表彰も行いましたし、海外派遣研修制度というのも実施しているところでございます。
5ページに移りまして、時間をかけて大変だったのが、この4月1日から始まっております第2期中期計画に関するいろいろな検討でございました。自己評価と今後の対応のところにございますように、先ほど申し上げました流動研究員は130人から154人とさらに増員されております。この流動研究員の研究能力への貢献がどうなっているかというご質問がありましたが、流動研究員の発表した論文は100件強という数で、これで十分かどうかは別にいたしまして、流動研究員の増加にあわせまして論文の数も増えているということでございます。
それから、6ページの財務の効率化でございますが、これは前回、中期計画の審議の時に指摘を受けまして、財務の効率化の一番初めに自己収入の確保があるのはいかがなものかというお話があって新中期計画では順番を変えました。ここでは前回どおりに並べておりますが、自己収入につきましては、17年度当初の見込額38億円に対しまして39億円を確保いたしております。
なお、前回もご質問がございましたが、文科省の科研費、あるいは厚生労働省の厚生労働科学研究費、環境省の廃棄物処理等科学研究費という研究補助金につきましては、この表には入っておりません。いわゆる競争的資金でありますが、個人に対する補助金ということで、ここでは間接経費を除いて研究費に算入しておりませんが、資料13にあるとおりこれらの研究補助金は3億8,700万円ございました。
それから、知的・物的資源の所外貢献でございますが、環境標準試料や保存株、これらは毎年着実に分譲しておりまして、863万円の収入がございました。また、昨年度、環境研から出た発明の特許が実施されて、昨年度は131万円の収入がありましたが、引き続き17年度におきましても、92万円の収入がありました。
それから、事務処理の効率化ですが、16年度に構築した会計システムを使いまして、17年度は本格的な運用を行うことができました。
それから、物品購入につきましては、この表にございますように一括購入を進めまして、契約件数と契約総額を減らすことができました。
4の競争入札による契約でございますけども、228件中21件、まだ10%ですが、一般競争入札を行いました。これにつきましては今般の随契問題がございましたので、18年度からは競争入札の割合をもっとふやすように、随契についての審査、見直しを厳しくしていきたいと思っております。
8ページでございますが、施設管理による経費削減が600万円、それから、光熱水費で3,600万円、これは毎年減らしてきているわけでございますが、さらに17年度も雑巾を絞ることができました。そうした結果、効率化係数1.1%減という予算を組んでおりますが、その範囲内で事業を執行することができました。
それから、9ページの効率的な施設運用でございます。まず、スペース課金制度につきましては5年目に入ったわけですけれども、174m2、これは当初に比べまして随分減ってきているんですが、17年度におきましては再配分のほかに、268m2については、18年度からの新しい組織に配分するための空きスペースとして留保しております。これは資料17に詳しく書いてございます。
また、研究施設につきましては、新しい研究基盤整備を所内の審査を通して行っております。これは資料の18でございます。
10ページに進みまして、資料の19にございますが、大型施設の見直しを行っているところでございます。
11ページ、業務における環境配慮でございます。まず初めに、環境憲章に基づく環境配慮ですが、「環境憲章」というのは平成14年に策定したのですが、これは中身としては環境配慮のための憲章なんですが、環境配慮だけでなくて、国立環境研究所は優れた環境研究をすることが一番の環境配慮だという趣旨のことも書いてあったわけです。これは別途「国立環境研究所憲章」を策定しましたので、今年度に入りまして、「環境配慮憲章」と名前を変えております。
これに基づきましてまず省エネでございますが、資料21、22にございますように、冷暖房の室温設定を夏季28度、冬季19度で行っております。それから、省エネ対策ですが、省エネ型のターボ冷凍機、これは夏季に効果を発揮するわけですけれども、あるいは大型ポンプのインバーター装置を最大限に利用しました。極めつけは昨年の7月から、1年前から準備しておりましたESCO事業を開始いたしまして、その効果が相当見込まれます。ESCO事業は6年間の計画でございまして、設備投資に必要な金額を6年に分けて支払うことができるということと、それから、ESCO事業を行う会社から、研究所が利益の配分を受けるという、仕組みで、この1年間、順調に運転されているところでございます。
その結果、光熱水費の実績は下の表にございますように、電気、ガスの使用料は床面積当たりで12年度の79%、目標が90%ですから、目標を大幅に超える削減ができました。上水の使用料は48%減少ということで、これも目標を大幅に上回る成果を上げられました。
CO2の排出量ですが、これは計画の目標が18年度まで、もう1年先なんですが、13年度比7%削減という目標に対し、ESCO事業の効果が相当あると思いますが、その倍の15%の削減ができました。
それから13ページ、廃棄物・リサイクルの取組でございますが、17年度におきましては、委員会のご指摘を受けまして、コピー用紙の削減等、緊急に対策に取り組みました。その結果、廃棄物の発生量は16年度比5%の減少、それまで増えていたのが減少に転じまして、特に可燃物、実験廃液といった処理・処分しなければならない廃棄物の発生量は14%減少することができました。第2期中期計画ではさらに高い目標を掲げておりますので、引き続き対策に取り組んでいきたいと思っております。
14ページに可燃物、実験廃液、循環資源ごとの数値が出ております。化学物質の適正管理につきましても、資料27、28にありますように、適正な管理を推進しております。
15ページのグリーン調達、これも資料29にございますように、着実に実施いたしました。6のアスベスト対策の実施ですが、昨年の6月以降、アスベストについていろいろ問題が起きました。私ども、国立環境研究所として社会に何か貢献できないかということで、アスベストに関する研究の計画等を検討しました。分析方法とか、あるいはこれから出てくる建設廃棄物のアスベスト対策をどうしたらいいかということで、それぞれの研究を立ち上げたところでございます。所内につきましては、まず一斉の点検を行いまして、その結果リスクの高いと思われる3カ所につきまして、アスベストの除去工事を実施したところでございます。
それから、7の環境配慮の取組状況の公表ですが、これは環境報告書の作成作業を進めてきておりまして、今月中には、この環境報告書を公表したいと思っております。環境配慮につきましては、ESCO事業の導入により省エネ・CO2削減を図ることができましたし、廃棄物についても、16年度までなかなか進まなかったものを、17年度に削減の第一歩を進み始めたということでございます。
次に、業務の運営の進行管理、17ページでございます。これにつきましては昨年度とほとんど同じでございますが、それぞれ研究計画を作成し、重点研究分野の研究の進行管理、重点特別研究プロジェクトの進行管理、18ページに移りまして、各種委員会で定期的に進行管理を行ったこと、それから、監事監査にも適切に対応したことを掲げております。
ここまでが第1の業務の効率化でございます。最後に、59ページ、第3.予算、収支計画及び資金計画でございます。
ここにございますように、17年度予算につきましては、予算額143億円に対しまして142億円を執行しました。この残額につきましては、いろいろ手続を経まして、国庫に返納することになります。詳しくは次の財務諸表のところでご説明させていただきます。
61ページ、その他業務運営に関する事項でございますが、施設・整備に関する計画、これも中期計画に基づきまして適切に行うことができました。アスベスト除去工事につきましては、資料15にもございますが、3施設で実施したところでございます。
62ページ、人事に関する計画。これは先ほどのご説明と重複いたしますので省略させていただきますけれども、特に管理部門につきましては、63ページの表にございますように、14年度70人から現在67人という推移をしているところでございます。今後も管理部門の効率化を図ることによって、研究の規模を縮小することなくやっていきたいと思います。
最後のページは職員の健康管理ということで、これは衛生委員会を中心にいたしまして、健康管理の徹底を図ったところでございます。
以上でございます。
【石井部会長】 ありがとうございました。それでは先ほどと同じように、ご質問をどうぞ。
【高月委員】 資料2で宿題をしないといけないんですけども、実は中期目標に対しての前倒しの評価と言ったらおかしいですけども、委員会でも少し議論させていただいたことがあると思うんですが、それと17年度の評価はちょっと分けて考えないといけないと思うんですが。とはいえ、もう中期目標に対してある程度の評価をした中で、また17年度を評価するという、その辺の割り切りをどうしたらいいか、これはちょっと委員長に聞いた方がいいのかもしれませんけど。
【石井部会長】 非常に悩ましい問題だなと、理論的に考えるとそうなんです。
【宇仁菅環境研究技術室長】 ご指摘のように、昨年、4年間の評価をしていただきました。考えとしては、その4年間の評価に17年度評価を追加しまして、5年間の最終的な期間の評価ということにしたいと思います。恐らく4年間の暫定評価と余り大きく異なることはないと思いますが、17年度は17年度実績についての評価が必要ですので、それはお願いしたいと思います。
【石井部会長】 つまり、改めて実質的には5年分の中期目標期間についての評価を念頭に置くわけではないと。そういうふうに理解していいわけね。とにかく4年分のをやったと。17年度分は、どっちかというと事後的なといいますか、1年後にくっついたものという、そういう感じでやればいいわけですね。
【宇仁菅環境研究技術室長】 そうですね。ただ、この後、今後について説明いたしますが、5年間の全体評価というのは、それはそれでまた作っていただくということになります。
【石井部会長】 形式上、そういうものを作るわけですか。
【宇仁菅環境研究技術室長】 はい。
【石井部会長】 それはどういう…。
【宇仁菅環境研究技術室長】 それはもう4年間のものがありますので、私どもの方で4年間の評価に17年度評価を追加したものを案としてお出ししようと思います。
【石井部会長】 実質的に、一種の合冊。
【宇仁菅環境研究技術室長】 そうですね。はい。
【石井部会長】 そういうことですね。じゃあ、要するにエピローグみたいな形で載せるのですね。
【宇仁菅環境研究技術室長】 そうですね。
【石井部会長】 ということのようですが、それで我々の仕事、意を尽くしたものになるのかどうかということは、こっちが判断することなんですが、いかがでしょうか。
ほかによろしいでしょうか。特にございませんようでしたらば、一応この議題1の報告を伺っての件は終わりにしたいと思います。
先ほど追加の資料が欲しいというご要望がありましたのは、もう既に手回しよく配られたようでございますので、適宜ご利用いただきたいと思いますが。
なお、このほかにも、もし追加のご質問なり、あるいは資料のご要望がございましたらば、7月10日、来週の月曜日でございますが、1週間の間に事務局あてにファクスないしメールでもって、ご注文、ご意見等をお寄せいただければありがたいと存じます。
そこで宿題の提出期限でございますが、7月13日木曜日に、事務局の方ではお願いをしたいということでございますので、お忙しいところ、大変恐縮でございますけれども、13日木曜日までにご提出をいただきますようにお願いしたいと思います。
そして、この評価をいただきましたらば、それを事務局で取りまとめをいたしまして、次回の部会において、委員会としての評価をする作業を行いたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、次の議題に移りたいと思います。第2番目は、財務諸表についてということでございます。ということで、事務局及び国立環境研究所の方から説明をお願いします。
【宇仁菅環境研究技術室長】 最初に私の方から、法律上の規定について説明をさせていただきますが、独立行政法人通則法第38条第1項でございますが、独立行政法人は毎事業年度、財務諸表を作成し、当該事業年度の終了後、3カ月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければならないとされております。さらに同条の第3項でございますが、主務大臣は財務諸表を承認しようとするとき、あらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならないとされております。そういった規定に基づきまして、本日、ご意見を伺いするということでございます。資料につきましては、国環研の柏木部長から説明をお願いします。
【柏木国環研総務部長】 それでは、資料5に基づきまして、財務諸表についてご説明をさせていただきます。
1ページをお開きいただきたいと思います。まず、貸借対照表でございます。これにつきましては、あらかじめ2点ほど、中期目標の最終年度ということもありまして、これまでと違った部分がありますことをご説明しておきたいと思います。
1点目は、従来ですと、負債部・流動負債に、運営費交付金債務ということで次年度に繰り越す交付金というのがありましたけれども、最終年度においては、全額収益化して精算するという会計基準になっておりますので、そういったところは全部収益化したために繰り越すものがないということが違っております。
それからもう1点は、これは会計基準、最終年度の話とは直に関係ありませんけれども、利益剰余金のところ、積立金とありますが、従来は、これに研究設備等積立金という目的積立金が360万円ほどございました。これについては17年度に中期計画の使途に基づいて取り崩して使わせていただいたということで、今回の貸借対照表には表れていないということです。それ以外につきましては、基本的にこれまでと同じというふうに考えてご理解いただければと思います。
まず、左の資産の部でございます。流動資産につきましては、合計で41億9,000万円余ということであります。中身は現金及び預金、たな卸資産、それから未収金というのは、受託収入だとか補助金収入の関係で未収になっている部分であります。
それからもう一つ、未収消費税等が入っております。「等」というのは、地方消費税の部分も含めてということで「等」としております。実は消費税の関係につきましては、16年度、支払いの実績があったということで、17年度は16年度の実績に応じて、中間納税ということで、実績に応じてあらかじめ払うという義務がかかっておりました。そして、3月時点は2ヶ月分1,400万円余の未払金という形になっておりますが、その後最終的に計算したところ、6,100万円の還付となり、払い過ぎていたということになりました。これを貸借対照表上どう表すかということでありますが、そのうち1,400万円は未払金ということで認識しておりました。その後、6,100万、還付ということで入りましたけれども、6,100万については1,400万円の未払い分が込みで入っている数字になっているということで、その未払金の1,400万円と、未収で6,100万に入っている部分を相殺した形で表示をしまして、6,100万から1,400万を引いて4,700万を未収消費税等ということで掲げておるということであります。少しややこしいですが、そういうことで、この未収消費税等というのが入っております。
それから、固定資産でありますけども、有形固定資産については、17年度も固定資産の取得ということで実績がございますが、減価償却の累計額がそれを上回ったということで、6億円ほど減った形になっています。全体で387億円余ということでございます。
それから、無形固定資産とその他を合わせますと、固定資産合計でも387億円、前年度と比べると6億円ほど減った形になっております。資産合計が429億円余となっております。
一方、右側の負債の部でございます。先ほど申し上げました流動負債の関係では、運営費交付金債務が昨年度は7億円ほどございましたけれども、そういったものがなくなっているということがございまして、流動負債については34億7,000万円余となっております。
それから、固定負債でありますが、これについて昨年度は長期借入金というのが18億円ほど計上されておりましたが、昨年度、償還時の補助金をいただいて全額返済したということがございますので、その分がここから抜けているという格好になりまして、結果的には、固定負債については33億1,000万円余となっております。負債合計として67億9,000万円余でございます。
それから、資本の部であります。まず資本金ですけれども、これは政府出資金、政府からいただいた土地・建物でありますが、これについては増減ございません。386億円余ということでございます。
それから、資本剰余金でありますけども、これが45億9,000万円ということで、昨年度よりも20億円ちょっと増えた形になっておりますが、その大部分はタイムカプセル棟の関係でありますけれども、長期借入金で、その後、償還時補助で、施設費補助で充てたというものでありますが、それが資本剰余金のところに振りかえられております。それ以外にも幾らか資本剰余金としてプラスになるものが固定資産としてあったということであります。
それから、損益外の減価償却累計額でございますが、これが82億円余でありました。これは資本剰余金から直接引くということになっておりますので、資本剰余金合計としては36億4,000万円余のマイナスとなっております。
それから、利益剰余金であります。先ほどの目的積立金の360万円は、ここにはもう計上されておりませんが、積立金として11億2,000万円余となっておりますが、これについては前期に損失処理を認めていただいた後の額が、ここに計上をされております。
そして、資産の部、負債・資本の部を差し引きますと、17年度におきましては2,200万円余の当期総利益ということになっております。前年度からの繰越欠損金はありませんので、未処分利益も同額、2,200万円余ということになっております。
次に2ページ目でありますけども、損益計算書でございます。これにつきましては、経常費用の計というのが真ん中辺の右側にありますけども、経常費用としては135億円余ということになっております。
一方、経常収益でありますけども、合計として134億8,000万円ということでありまして、経常損失としましては、差し引き1,600万円余りの損失となっております。
一方、臨時の損益がございます。目新しいところで申し上げますと、一つは臨時損失に遺族補償費というのが3,300万円ほど入っております。これにつきましては平成13年9月にポスドクフェローの流動研究員が中国出張中に死亡し、これの取り扱いについて、人事院に審査申し立てなどがありまして、結局3年後の17年ですね、3年以上過ぎておりますが、17年の3月に人事院から公務災害認定すべきという判定書をいただいたということでありまして、それをもとに私ども、補償の実施機関となっておりましたので、それを認定をいたしまして、これは16年度末ですので、17年度に入ってから、いろいろな諸手続を経まして、9月以降支給を開始したということであります。過去の年金分なども含めてお支払いするということでありますので、こういった額になったということであります。
それからあと、臨時利益のところでありますが、保険金収入が8,000万円ほど計上されております。これは16年9月に台風の被害で、苫小牧のフラックスリサーチサイトという観測施設が損壊したということがありまして、それの損害保険が8,000万円ほど入ったということでございます。
臨時損益の関係は、そういうことで3,500万円ほど臨時利益となっておりまして、経常損失と臨時利益を差し引きますと、当期純利益として1,800万円余になります。それに目的積立金の取り崩し額が360万円ほどございますので、当期総利益としては2,200万円余の総利益ということでございます。これは先ほどの貸借対照表の当期総利益と同額ということになっております。
それから、3ページ目でありますが、キャッシュ・フロー計算書でございます。これは各活動ごとに現金の出し入れの内容を記載するということでありますが、最初の業務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、2億6,900万円余のプラスということであります。
それから、2番目の投資活動によるキャッシュ・フローであります。これは固定資産の取得とか売却に関わっての資金の出し入れということになりますけども、これにつきましては12億9,000万円余のマイナスとなっております。中身としては有形固定資産の取得が多くあったということで、結果的に支出の方が収入を上回ったということになっております。
それから、3番目が財務活動によるキャッシュ・フロー、これは資金の調達及び返済に係るものでございますが、これについては、リース債務の返済の支出ということで900万円余のマイナスということになっております。
これらに今回、差益になっておりますけど、為替差益の関係を足しまして、17年度におきましては10億円余の資金の減少ということでございます。期首が36億2,000万円ほどありましたので、期末の資金残高とすると25億9,000万円余となっております。これについては貸借対照表の現金及び預金の額と一致しております。
次でございますけれども、利益の処分に関する書類であります。先ほど貸借対照表のところで申し上げましたけども、当期総利益が2,200万円余ということで、未処分利益が同額となっております。これについては独法通則法に基づきまして、同額を積立金として整理させていただくということで処分の案を作らせていただいております。
それから、次のページでありますけども、行政サービス実施コストでございます。これは国環研の活動というサービスに関して、どのぐらい国民が負担をしているかということを示すものでございます。
まず、業務費用の関係であります。これは損益計算書の費用から研究所の自己努力で収入を上げた額を引いていくということになっておりますが、17年度は受託収入が減っていることもありまして、これの業務費用については96億2,000万円余ということになっております。昨年度よりも2億円ほど増えたような形でございます。
それから、二つ目が損益外の減価償却等相当額ということであります。これは損益計算書に減価償却費を計上しなくて、直接、資本剰余金から差し引くということでありまして、損益計算書上に費用として表れない部分でありますが、それについて行政サービスコスト計算書に記載するということになっておりますが、これが174億3,000万円余となっております。
それから、3番目が引当外の退職給付増加見積額であります。これについては7,400万円余のマイナスとなっております。これに関しましては、次の6ページでありますけども、財務諸表注記のところであります。6ページの4番、退職給付に係る引当金及び見積額の計上基準というのがありますが、この増加見積額というのは、第2段落目にまた書きで書いてありますけれども、この計算は、事業年度末、当期末に在職する役職員について、その時点で自己都合退職金の要支給額を出します。その方々について、前期末で自己都合退職した場合に幾ら支給額が要るか、それを控除した額から業務費用として計上されている退職給与の額を控除するということになっております。当然、1年先の自己都合退職金の方が多くなりますので基本的にはプラスになりますが、業務費用として計上される退職給与の額を控除することになっておりまして、17年度は退職金の額が16年度に比べて1億1,000万円ほど多くなっている。人数でいきますと、16年度は11人の退職者に対して、17年度は23人になっておりまして、そういう意味で、結果的に7,400万円余のマイナスという表示になっております。
それから、4番目が機会費用であります。これは国の資産を利用することから生ずるコストということであります。政府出資等の機会費用、それから、無利子融資をいただいておりますので、それの費用ということであります。これにつきましては、同じく6ページの6番でありますが、機会費用の計算に使用する利率というのがございます。これは18年3月末の10年利付国債の利回りを参考にして出すということになっておりまして、これが1.770%であります。16年度は1.320%ということでありますので、この利率が高くなっているということも影響して、昨年度よりも1億7,000万円ほど機会費用が多くなっておりますが、これで6億4,800万円余が機会費用でございます。トータルとして、119億3,000万円余が17年度の行政サービス実施コストとなっております。これは16年度と比べると6,200万円ほど増ということでございます。
それから、6ページ以降が重要な会計方針、あるいは財務諸表注記でございます。取り立ててご説明するものはありませんが、9ページの下の方を見ていただきますと、(5)以下であります。積立金の明細、研究設備等積立金については取り崩して使わせていただいたということであります。(6)に書いてありますように、大気拡散風洞の熱源配管改修の費用として使わせていただいたということであります。それから、積立金については、期末残高が11億2,200万円というのは貸借対照表でご説明しましたが、6,100万の損失処理をした後の数字だということでございます。
それから、次の10ページ、(7)であります。中期目標の最後の事業年度については全額、交付金については収益化をするということであります。17年度におきましては、1)にありますように、16年度分が7億1,200万円ほど繰り越したものがございました。
それから、17年度は92億5,000万円、予算でいただいているということでありますが、それぞれについて交付金収益、あるいは資産見返運営費交付金、これは固定資産に充てた部分、それから交付金収益というのはその他の費用に充てた部分でありますが、ご覧のように全額収益化ということで整理しております。その明細について、16年度と17年度分ということで、それぞれ載せております。16年度分については固定資産に充てる資産見返運営費交付金と、その他の費用に充てる分と、それぞれこうした額を充てて、全額を振り替えております。
それから、17年度でありますけれども、これについては、同じく固定資産の習得に充てられる資産見返運営費交付金の部分と、その他の費用に充てられる部分ということで分けておりますが、最後に、会計基準第80第3項による振替額というのが2,400万円ほどございます。これにつきましては、基本的には費用進行基準ということで、振り替えする場合には、費用が発生したものについて、それを使用したものについて運営費交付金を充てていくということでありますが、そういうことで、充てたものが上の計で91億円であります。
それから、それ以外、収益化しておりますけども、具体的な費用に充てていない部分が2,400万円あったと。要するに使い残しの額が2,400万円出ておりまして、これらを含めて全額収益として計上をしているということでございます。
それから、14ページでございますけれども、関連公益法人等ということで、一定規模以上の取引のある公益法人等について情報を開示するというふうになっております。基本的には当該法人の事業収入に対して、独法から出ている事業費が3分の1以上占めるといったようなものでありまして、これについてはこの二つの法人が該当するということで掲載をさせていただいております。いずれにせよ、これは14ページの下の方にもありますけれども、基本財産に出えんしているとか、特別な関係があるというわけではありませんで、先ほどの事業収入に占める割合でみるとこういうのが該当するということで情報を開示させていただいているものでございます。
以上が財務諸表でございます。
そのほかに、資料6、資料7ということで添付資料をつけております。それから、資料8でありますが、財務諸表及び添付書類につきましては環境大臣に提出をさせていただいておりますが、提出に先立って、会計監査人、それから監事の監査を受けておりまして、いずれも適法または適切に表示をされているということで報告書をいただいております。
以上でございます。
【石井部会長】 ありがとうございました。それではご質問、ご意見等、お受けいたします。
【宇仁菅環境研究技術室長】 すみません。あわせまして資料9の方もご説明させていただきたいのですが。
【篠木環境研究技術室長補佐】 議題2の財務諸表に関連しまして、資料の9でございます。独立行政法人国立環境研究所に係る積立金の繰越承認についてという資料についてご説明させていただきたいと思います。
先ほど総務部長の方からお話があったように、各事業年度において損益が発生した場合は、前年度からの繰り越しの損失を埋めたり、まだ残余があるときは、その残余の額は積立金として整理しなければならないということで、毎事業年度、この処理を行っているところでございます。
先ほどの財務諸表の1ページの右下のところにございますが、IIIの利益剰余金、積立金として11億2,200万円、17年度の当期未収処分利益として2,200万円、合計しまして11億4,456万3,452円、これが第1期目の積立金の全体額になります。平成17年度は第1期の中期計画期間の最終年度であるために、独立行政法人にとって言わば区切りの時期となることから、期間中に積み立てられた積立金がある場合には、その処理を行う必要があります。
具体的には、関係法令が5ページにございますが、国立環境研究所法の第12条第1項のところで、積立金のうち、主務大臣の承認を受けた金額を次期中期目標期間に係る中期計画に定めるところにより、業務の財源に充てることができるということになっておりまして、また第3項で、積立金の額から、この承認額を減じてなお残余がある場合は、その残余の額を国庫に納付しなければならないという規定があります。そして第2項で、この主務大臣の承認に当たっては、あらかじめ環境省の独立行政法人評価委員会の意見を聞くとともに、財務大臣に協議することになります。こういった手続が必要になってまいりますので、本日はこの資料9をもちまして、繰り越しの承認に当たって適正であるかどうかのご意見をいただきたいと思っております。
1ページに戻っていただきまして、ちょっと小さいんですけども、先ほどの財務諸表にありました、積立金の額11億4,456万3,452円。そして、次の繰り越しの予定額でございますが、3億7,272万7,191円、この繰り越しの内訳でございますが、その下の表にありますように、二つの種類がございます。一つは受託資産償却損益ということで、これは何かと申しますと、受託費等により取得した償却資産の減価償却費見合の積立金でございます。
もう一つは、棚卸資産、879万2,558円。この棚卸資産というのは、主に廃棄物処理施設関連消耗品とか、切手、はがきなどでございます。これらはどの法人においても共通的に発生するようなものでございまして、環境研究所独自というものは特にございません。いずれも損益計算書の極めて技術的な会計処理により繰り越すものでございまして、別途、財務省との協議においても、特に異存ないという連絡をいただいているところでございます。
この繰越額を除いた残りの7億7,183万6,261円については、平成13年に独法に移行した際に、環境省から建物等の施設、現物出資を受けまして、それによります消費税の還付がありました。これについては繰り越して使うものではなく、国庫に返納するものでございますので、この相当額が国庫納付ということになります。
説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【石井部会長】 それでは、先ほどの財務諸表及び、ただいま説明がありました資料9の繰越承認、あわせて質問、ご意見等をお受けいたします。
【長谷川委員】 特許収入は、この表のどこに含まれていますか。呼び方が違うかもしれませんが、特許の収入が事業説明のときにあったと思いますが、それはどこに含まれてくるものなのでしょうか。
【柏木国環研総務部長】 損益計算書の経常収益の中に事業収益というのがございますが、その中の手数料収入です。100万円ちょっとのやつ、そこに表示しております。
【森本委員】 すみません、不案内なもので教えていただきたいんですけど、行政サービス実施コスト計算書でご説明のあった、損益外の減価償却というのは、具体的にはどんなことなんでしょうか。ちょっと教えていただければ幸いです。
【柏木国環研総務部長】 通常、固定資産を取得した場合には、その減価償却費は、損益計算書上の費用ということで計上するので、それで減価させていくことになるわけですけれども、損益外の減価償却というのは特定の資産、これは難しいんですけれども、その減価に対応すべき収益の獲得が予想されていない特定された資産、特定資産と言っておりますが、それについては損益計算書上の費用に減価償却分を費用として計上するのではなくて、直接資本剰余金から差し引くと独立行政法人会計基準に規定されています。要するに損益の計算上から除くということで整理をされておりまして、これが今、申し上げましたように、損益計算書上では費用としてこの分が表れてこないので、行政サービス実施コスト計算書では、費用の中に減価償却の費用は入っておりますが、今、申し上げた特定の資産についての減価償却分は入っていないので、それを損益外の減価償却相当額ということで足すこととしているものです。
【森本委員】 特定のやつって、どんなものなのかちょっと知りたかっただけで、深い意味はないんです。
【石井部会長】 具体的にどういうものかというご質問ですね。
【柏木国環研総務部長】 具体的には、例えば政府出資に関わるようなものとか、あるいは施設整備費で取得をしたようなもの、そういったものが対象になるというふうに聞いております。
【小池委員】 先ほど臨時利益の中で、北海道でフラックスタワーが倒れたときの保険金が8,000万円というお話がありましたけど、今、ほとんどのそういう施設に関しては保険をかけられているんでしょうか。それから、その8,000万円というのは、大体それでフラックスタワーのリプレースに十分な額になっているのか、その辺を教えていただければと。
【柏木国環研総務部長】 研究所の財産となるようなものについては、もちろん資産台帳に載っているものということになりますけども、そういったものが保険の対象ということで保険をかけて、何かあったら保険金をいただくということで対応しております。
それから、これ自体は16年9月の台風で被災したということがありますので、これは17年度の実績で出ておりますけども、16年度の災害復旧の関係で4,400万円ほど支出をしております。今回の災害復旧というのは費用部分であって、固定資産などを買った部分については別途費用を使っておりまして、全体でありますと、災害復旧の関係は16年度、17年度で1億1,500万円ほど使っております。それに対して保険金は8,000万円ということですので、計数上は3,500万円7ほど持ち出しといいますか、余計かかっているということであります。
【石井部会長】 それは、保険のかけ方が足りなかったということにはならないんですか。
【飯島国環研理事】 今回これが初めての例だったんですが、保険金についてはよくそれだけ出たねと言われるぐらいであります。実はフラックスタワーは苫小牧に2基ありまして、保険では現状回復が前提なので、別の場所に1基作ることについては保険が下りたんですが、もう1基については作りませんでしたので、その分は保険金を返還しなければいけないということで、いろいろ勉強にはなったんですが、基本的に100%出るというのはレアケースで、今回のケースはよくそれだけ出たねと周りからは言われております。
【石井部会長】 じゃあ、保険のかけ方は適正であったと評価せざるを得ないと。
【金井国環研会計課長】 保険は、買ったときの値段を保証してくれるわけですけども、今回、苫小牧で壊れまして、富士北麓の方に建て直したわけですけども、それぞれの機械は最新のものに買いかえていますので、費用的には、やはり保険で出るよりも買った支出の方が多くなっているという状況がございます。
【石井部会長】 バージョンアップしていると、そういうことですね。
【金井国環研会計課長】 はい。
【石井部会長】 ほかにございましょうか。
(なし)
【石井部会長】 それでは、時間も押しておりますので、一応、質疑・応答はこれぐらいにさせていただきますが、なお、追加のご質問、あるいはご意見、資料の要求等がございましたらば、これも7月10日、来週の月曜日までに事務局あて、ファクスまたはメールによって、どうぞお寄せいただきたいと思います。
それからもう一つ、実は今日、ご欠席の高木委員、こういう問題についてのご専門でいらっしゃいますので、高木委員のご意見も部会長としてはぜひ伺ってみたいということで、事務局から別途高木委員に、この財務諸表関係についてご意見を伺うという作業をしてもらいます。そして、皆様方からのものと高木委員のものとをあわせまして、この財務諸表について何らかの意見を我々として、つまりこの評価部会として言うかどうか、法律上意見を求められているわけですが、その意見があるかないかという態度を決めるにつきましては、この部会長である私にご一任いただければ幸いでございますが、いかがでございましょうか。
(はい)
【石井部会長】 では、そのようにさせていただきます。
確認のため繰り返します。これからのご意見、ご質問等を受けた結果、最終的にこの財務諸表等について意見のあるなしを決めなければなりませんが、それについての最終的な判断は、私にご一任いただいたものとして扱いをさせていただきます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。国立環境研究所役員報酬支給基準等の改正についてというものでございます。それでは、事務局及び研究所の方からご説明をいただきます。
【宇仁菅環境研究技術室長】 これも、私からは通則法上の規定についてご説明いたします。通則法第62条の準用規定によりまして、同法第52条第2項におきまして、特定独立行政法人は、その役員に対する報酬等の支給基準を定め、これを主務大臣に届け出るとともに、公表しなければならない、これを変更したときも同様とするとされておりますが、この規定に基づきまして、今般4月1日付で国環研より改定の届け出、役員の報酬支給基準等の改定の届け出がございました。その際、主務大臣は、評価委員会にその支給の基準を通知するとされておりまして、評価委員会はその通知を受けたときは、その通知に係る報酬等の支給の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、主務大臣に対して意見を申し出ることができるとされております。それで、今般、国環研より届け出があったことにつきまして、部会でご意見を伺ったということでございます。資料については柏木部長からお願いいたします。
【柏木国環研総務部長】 それでは、資料10をご覧いただきたいと思います。環境大臣に、私どもの方で改定したものを提出させていただいたもの、それを評価委員会にお諮りするというものでございます。
私ども、この4月から改定ということで施行しておりますけれども、考え方としましては、昨年の12月に行政改革の重要方針というのが閣議決定されておりまして、独立行政法人の役職員の給与につきましては、国家公務員の給与構造改革を踏まえて見直しをするようにというご指摘を受けております。
それから、今般、非特定独法、非公務員型の独法ということになっておりますが、その非公務員型の独法の役員に対する報酬等の基準につきましては、独法通則法で規定がされておりまして、国家公務員の給与、民間企業の役員の報酬等、当該独立行政法人の業務の実績、その他の事情を考慮して定めなければならないとされておりますので、これらを踏まえて、具体的に国家公務員の給与構造改革というのは、給与法の改正が17年11月にされておりますので、この改正給与法に準じた形で、私どもも役員報酬規定を改定させていただいたというのが基本的な考え方であります。
後ろに報酬規程、それから新旧対照表を載せておりますので、新旧対照表を使いながら、中身についてご説明をさせていただきたいと思います。
第5条のところであります。下線を引いたところが変わったところでありまして、まず、俸給月額、それから監事は非常勤役員ということで俸給日額となっておりますが、これについて、ご覧のように減額改定をさせていただいております。基本的に役員の俸給につきましては、給与法の指定職俸給表にならって設定をしておりまして、今般、給与法の指定職俸給表も変わりましたので、その切り替えた号俸の額に改めさせていただいたと、減額改定させていただいたというのが第5条でございます。
それから、第6条でありますけども、これも改正給与法で、従来、調整手当という考え方がありましたが、これが研究員調整手当というのは残っておりますけれども、地域手当という考え方に変わっておりますので、その考え方については第6条、右側にありますけども、職員の給与規程で詳しく規定をしておりますので、役員についてもその規定に準じて支給するというような書き方にしております。
それから、通勤手当の関係、第7条であります。従来は給与法に基づく、通勤手当に準じて支給すると、給与法という言葉が残っておりましたけれども、非公務員化ということで、具体的には職員給与規程の中で、具体的な規定を通勤手当について書いておりますので、その規定に準じて支給するというふうに改めさせていただいております。それから、期末特別手当、これも同じように左の方を見ていただくと、給与法に準じた期別支給割合などにするというふうに書いておりますが、これについても、給与法で規定された期別支給割合、あるいは期間別の支給割合、そういったものを具体的に書いたということであります。
申し遅れましたけども、右側の8条1項でありますけれども、括弧書きが載っております。これは従来も同じでありまして、特別に変わったということではありませんけども、1カ月以内に退職した人についても期末特別手当を支給すると書いてありますけれども、人事交流で、戻った先で国環研の在職期間も通算して支給されるといった役員は対象にはならない、支給しないということを明示したと。従来もそういう扱いでありましたけども、はっきり書いたということであります。
それから、8条の第3項でありますけれども、今、申し上げたのは、こちらからまた人事交流で外へ出る方の話をしましたけれども、人事交流で役員として来られる方につきましては、それ以前の在職期間について通算するというような規定を置いております。これも、従来行われてきたことを明示したということであります。
それから、改正の附則でございます。これは給与法の考え方をそっくりそのまま踏襲しております。2項では、先ほどの俸給表について減額改定と申し上げましたけれども、引き続き同一の役職にある役員については、いわゆるその差額分を支払う、減給保証という考え方が、職員についても、あるいは国家公務員でも、そういう取り扱いをしておりますので、減給保証、差額分を支払うというようなことであります。
3項は、人事交流その他で新たに役員となった方について、現にいる役員との均衡上、そういう差額分を支払う必要があるものについては、それを支給することができるとしております。
それからあと、特別調整手当、あるいは期末特別手当についての算定基礎である俸給については、この差額分を含めるということであります。これも国家公務員と同じような扱いをさせていただいているところであります。
最後のこれは、実は退職手当規程のことを言っているんですけど、入念的に書いてありますけれども、退職手当規程での俸給月額にはその差額分は含まれないんだと。退職手当規程も、素直に読めば差額分は含まれるというふうには読めないんですけども、一応報酬規程で、こういう取り扱いをしていて、誤解が生じてはいけないということで、5項で退職手当規程の関係についても触れさせていただいたということでございます。
以上でございます。
【石井部会長】 役員の報酬について、公務員の給与と同じように必要な額は減らすと。ただ、現職の方については現給保障すると、こういうことでございますが、こういう通知を受けたわけでございますが、これについて特段の意見があるかどうかという問いを発せられているわけですが、いかがでございましょうか。
特に意見なしということでよろしゅうございますか。
(なし)
【石井部会長】 では、そのように扱わせていただきます。
では、一応議題はこれで済んだと思います。その他について、事務局からお願いします。
【宇仁菅環境研究技術室長】 それでは、時間も過ぎておりますので手短に。
資料11でございますが、今後の予定でございます。先ほど申しましたように、7月10日までに追加の質問、意見等をお願いいたしたいと思います。7月13日までに評価シートの提出をお願いしたいと思います。7月25日ですが、次回の部会でございます。評価シートによる評価結果についての議論、取りまとめを行います。
その後、8月3日でございますが、再度、評価書原案の作成をいたしまして、各委員に送付して意見を取りまとめさせていただきます。最終的には8月8日になりますが、ここの部会において取りまとめをしたいと思っています。
先ほど高月委員からもございましたが、8月8日以降、委員会において5年間の評価を行っていただきます。それでまた、5年間の評価シートを記入してとなるとまた大変ですので、それは昨年、4年間分がありまして、それに1年間分をつけ加えて、少し工夫をして対応したいと思います。またご相談させていただきますので、よろしくお願いします。
【石井部会長】 よろしゅうございましょうか。
それでは、これで閉会といたします。どうもありがとうございました。