第3回環境省独立行政法人評価委員会 国立環境研究所部会会議録
日時
平成16年7月29日(木)13:06~16:03
場所
法曹会館2階「高砂の間」
議題
(1) | 平成15年度独立行政法人国立環境研究所財務諸表について |
(2) | 平成15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価について |
(3) | その他 |
配布資料
資料1 | 平成15年度財務諸表 |
資料2 | 平成15年度事業報告書 |
資料3 | 平成15年度決算報告書 |
資料4 | 監査報告書 |
資料5 | 平成15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価結果一覧 |
資料6 | 平成15年度独立行政法人国立環境研究所業務実績評価書(構成案) |
資料7 | 今後の予定 |
参考資料1 | 環境省独立行政法人評価委員国立環境研究所部会委員名簿 |
参考資料2 | 環境省独立行政法人評価委員会の運営方針について |
参考資料3 | 独立行政法人国立環境研究所の業務実績に係る基本方針 |
参考資料4 | 独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価に係る質問事項等について |
参考資料5 | 平成15年度業務実績報告書 |
参考資料6 | 平成15年度業務実績報告書資料編 |
参考資料7 | 平成13、14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績の評価書 |
参考資料8 | 平成13、14年度独立行政法人国立環境研究所業務実績に係る評価結果一覧 |
参考資料9 | 国立環境研究所関連法規 |
出席者
委員: | 北野大委員、桑野園子委員、坂本和彦委員 櫻井治彦委員、佐野角夫委員、高木勇三委員 高月紘委員、藤井絢子委員、松野太郎委員 |
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環境省: | 大臣官房 | 桜井審議官 |
総合環境政策局 | 齊藤環境研究技術室長 今井環境研究技術室長補佐 |
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国立環境研究所: | 合志理事長 西岡理事 飯島理事 松村主任研究企画官 柏木総務部長 |
議事
【齊藤環境研究技術室長】 それでは、ただいま実は定刻を過ぎておりますけれども、もうお一方、時間に間に合うように来られるということでしたので少し待っていたのですが、時間も押してまいりましたので、これから環境省独立行政法人評価委員会の第3回国立環境研究所部会を開催させていただきます。
まず、お手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元の議事次第の紙がございますけれども、そこに資料、参考資料とございます。
資料の方ですが、まず資料1から4につきましては、議題1の財務諸表関係の資料ということで平成15年度財務諸表。それから、資料2として平成15年度事業報告書――資料2以下は議題2の方にも当然お使いいただけると思いますが。それから資料3、平成15年度決算報告書。それから、資料4として監査報告書をご用意してございます。それから、資料5が、委員の皆様方に大変作業のお手間をとらせました評価結果につきまして、事務局の方で一覧の形にまとめたものでございます。また、この資料の構成等につきましてはその議題のときに若干解説をさせていただきたいと思います。それから、資料6につきましては、平成15年度独立行政法人国立環境研究所の業務実績評価書の書式といいますか構成(案)につきまして、平成13年・14年度と同様のものを用意させていただいております。それから、資料7として、今後の予定ということで用意をさせていただいております。
それから、参考資料の方ですが、参考資料1の委員名簿以下、評価委員会の運営方針の資料、それから業務実績の評価に係る基本方針、並びに参考資料の4といたしましては、前回の部会以降に委員の方々から幾つかご質問をいただきました。それに関する資料として、質問と回答というのを網羅的にまとめておるものでございます。また、特に参考資料4の後ろの方についております研究評価結果の経年的傾向に関する資料につきましては、多数の委員の方々からご指摘、ご質問等をいただきましたので、事前にもメール等でお知らせしてあるものをそのままつけております。それから、参考資料5以下ですが、前回お配りいたしましたのと同じ資料になりますけれども、業務実績報告書なり、その資料等を用意させていただいております。
また、抜け等がございましたら、その都度お申し出いただければと思います。
それから、配付させていただいた資料のうち、先ほどの参考資料の後ろの方の資料につきましては、前回お渡ししてあるものと同じでございますので、もし必要なければ、部会終了後、そのまま置いておいていただければ回収させていただきたいと思います。
それから、定足の関係なのですけれども、現在のところ15名中7名ということで、若干定足を下回っておりますが、坂本委員につきましては出張先から今こちらの方に向かわれているという状況でございます。また、櫻井委員につきましては間もなくお見えになる見込みでございますので、その時点で会が成立するものと見込まれます。
それでは、これ以降の議事進行につきましては、松野部会長の方にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【松野部会長】 それでは、もう2名の方がこれから来られるということですので、始めていたいと思います。その段階で必要な数に達すれば、物事を決めることができると思います。
最初に、本当は前回やる予定だった財務諸表というのが残ってしまいましたので、それについてのご説明をお願いしたいと思います。では、よろしくお願いします。
【柏木国環研総務部長】 大変恐縮ですが、座ったままで説明をさせていただきます。
資料は、資料1の関係でございます。資料1の中に、過年度と比較できるように資料を別途用意しましたので、それに基づいて説明をさせていただきたいというふうに思います。
この財務諸表でございますが、これにつきましては、適正に表示されていると認められる旨の監査法人の監査証明書それから監事の監査意見書をつけて、6月末に環境大臣に提出をしているものでございます。意見書等につきましては、これは資料4に添付をしているところでございます。
それでは、まずこの3年度分、表になったやつに基づいてご説明をさせていただきますけれども、主に右端の方、15年度を中心に見ていただきたいと思います。まず、貸借対照表でございます。これは独立行政法人の財務状況を明らかにするために、3月31日時点の資産・負債・資本を記載したものでございます。
まず、資産の部でございます。資産の部では、流動資産として、右端の方にありますけれども、50億2,000万円余を計上しております。主な内訳としましては、現金及び預金、これが23億3,000万円余。それから未収金――補助金とか受託収入に係るものでありますけれども、これが24億5,000万円余となっております。それから、未収還付消費税が2億2,000万円余というふうになっております。特に、この中で現金及び預金が前年度に比較しますと17億円の減、それから未収金につきましては逆に15億円増というふうになっておりますが、この主な増減の要因としましては、国からの補助金、受託収入等に基づく業務の多くが年度末にかかって、その結果、これらの収入の受け入れが本年の4月になったためでございます。それから、固定資産でございます。これにつきましては、ずっと真ん中辺の方の右端の方を見ていただきますと、固定資産合計で399億円余を計上しております。前年度は、平成14年度と比べますと、これは390億円余でございますので、8億5,000万円ほど増加をしておりますけれども、これにつきましては、タイムカプセル棟などの整備によって固定資産が増加したということでございます。
以上、資産合計では449億円余というふうになっております。
次に負債の部でございます。負債の部では、流動負債として運営費交付金債務、これが6億8,000万円余計上をしております。中身は、翌年度に繰り越していく交付金ということでございます。その理由としては、契約したけれども工事がまだ完了してない、あるいは業務の予定変更によって研究費が繰り越されると、そういったものでございます。債務負担行為につきまして、特に重要なものについては、資料1の方に財務諸表注記とありますが、その8ページに重要なもの、主なものとして7件ほど掲載をさせていただいております。それから、未払金として48億3,000万円余を計上しております。これは15年度の業務で16年度に支払うということになっていて未払いとなっているものということでございまして、前年度は37億4,000万円余でありますので、11億円ほど増になっておるということでございます。その理由としましては、年度末に完了する工事あるいは請負業務がふえたということでございます。それから、固定負債でございます。固定負債のうち、資産見返負債というのがございます。これは運営費交付金あるいは寄附金などで償却資産を取得する場合などに、その資産の見返りとして計上される負債ということでございます。内訳がいろいろ書いておりますけれども、トータルとしては、15年度28億1,000万円余を計上しております。ちょっとここには数字でトータル書いておりませんけれども、28億1,000万円余でございまして、平成14年度も数字は書いてありませんが合計すると20億9,000万円余ということでありまして、7億円ほどの増ということでございまして、固定資産の増加によってふえたということでございます。それから、固定負債の下の方に長期借入金というのがございます。これが5億3,900万円余ということでございます。平成13年度の補正予算によって、産業投資特別会計からの無利子借入金ということで、タイムカプセル棟などの整備に充てるというものでございまして、これについてはまだ償還をしてないということで、14年度同様の額が計上をされているということでございます。
以上、負債合計として90億1,000万円余を計上させていただいております。
それから、次に資本の部でございます。資本金ということで政府出資金、これは政府から現物出資された土地・建物などでございます。右端の方を見ていただきますと、386億円余ということでございまして、14年度と増減はございません。次に資本剰余金でございます。資本剰余金は、国からの施設整備補助金などで取得された固定資産で、法人の財産的基礎を構成すると認められるものということでございますが、これは8億2,000万円余ということで、前年度と比べて3億4,000万余り増額をしております。それから、損益外の減価償却累計額というものがございます。これは国からの現物出資や施設整備補助金などで取得した償却資産にかかわるものでありまして、収益の獲得が予定されてないということで、その減価償却の相当額については、損益計算書上の費用ということで計上しないで資本剰余金から控除する、減額するということが会計基準上なっておりまして、それにかかわる額が47億5,000万円余というふうになっております。それから、利益剰余金でございます。研究設備等積立金ということで、362万4,000円ほど計上をさせていただいております。これは平成14年度の決算の際に風洞実験施設の貸付料が688万円余りあったということで、この積立金に計上する(案)をお示ししたところでありますが、それが人件費等の所要経費を控除した額ということで、362万4,000円が目的積立金として承認を受けたということでありまして、その額を計上しております。それから、積立金は8億2,400万円余というふうになっております。それから当期の未処分利益でありますが、これが3億5,900万円余ということでございまして、資本合計としますと、359億円余が合計額として計上しているところでございます。
この負債の部と資本の部の合計、それから資産の部の合計、いずれも449億円余ということでなっておりまして、同額ということになっております。
次のページでありますけれども、損益計算書でございます。これは独立行政法人の運営状況を明らかにするために、すべての企業とこれに対応する収益を記載するというものでございます。
平成15年度を見ていただきますと、計上費用ということで、研究関連の業務、それから一般管理費の関係など足し合わせまして、計上費用として140億5,000万円余を計上しております。
一方、計上収益でございます。これは運営費交付金の収益ですとか国・民間などからの受託収入などでございますが、これが計上収益合計ということで、144億円余というふうになっております。いずれも、計上費用・計上収益とも、平成14年度と比べまして8億円増というふうになっております。これは主に政府・民間からの受託業務が増加したためでございます。
その他臨時損失、臨時利益を考慮しまして、一番右下の欄でありますけれども、当期の総利益として3億5,900万円余を計上しております。これは先ほどの貸借対照表の利益額と合致をしているものでございます。
それから、次にキャッシュ・フロー計算書でございます。これは一会計期間における資金の残高に変動をもたらす資金の収支の状況を、それぞれの活動区分ごとに明らかにしたものということでございます。
平成15年度、右端の欄を見ていただきますと、まず業務活動によるキャッシュ・フローということで、ちょうど真ん中より上の方に載っておりますけれども、16億3,000万円余のプラスということになっております。それから、投資活動によるキャッシュ・フロー、これは固定資産の取得とか売却にかかわるものでございますが、これにつきましては32億9,000万円余のマイナスというふうになっております。それから、財務活動によるキャッシュ・フロー、これは資金調達あるいは返済にかかわるフローでありますけれども、これは2,500万円余のマイナスということでありまして、資金増加額としましては16億8,000万円余のマイナスというふうになっております。ただ、期首の残高が40億2,000万円余でありますので、資金の期末残高としましては、右下にありますように23億3,000万円余というふうになっております。これにつきましては、貸借対照表の現金・預金額と合致するものでございます。平成14年度と比較しますと、投資活動によるキャッシュ・フローのマイナスが大きくなっているということでございますが、これにつきましては、有形固定資産の取得による支出がふえたということでございまして、主なものとしてはタイムカプセル棟あるいはナノ粒子実験施設などでございます。また、財務活動にキャッシュ・フローがマイナスになっておりますが、これにつきましては、長期借入金による収入の受け入れが平成16年の4月になったためでございます。
次のページでございますけれども、利益の処分に関する書類(案)でございます。
先ほど来から出ております利益の額、当期未処分利益ということで、3億5,918万4,000円余が当期の未処分利益というふうになっております。この利益の主な要因としましては、一つは未収の還付消費税、これが2億2,000万円余ございました。それから、もう一つは1億3,000万円余でございますが、国の受託事業で購入した固定資産物品の償却の差額が会計上今期の利益として計上されることになっておりまして、そういった要素が含まれて、こういった利益が計上されているということでございます。その利益の処分でございますが、全額を積立金ということで考えております。なお、風洞実験施設の貸付収入でございますが、今期は29万9,000円ということでございましたので、必要経費は上回っているということでありますので、目的積立金とはしておりません。
それから、行政サービス実施コスト計算書でございます。平成15年度の方を見ていただきますと、まず損益計算書上の費用がございます。それから、控除ということで、研究所の自己努力で収入を上げた分、これを引いたものが業務費用ということになっておりますがこれが93億4,000万円余ということでございます。それから、損益外の減価償却等相当額ということでありますが、これは損益計算書に計上されなかった償却資産の減価償却相当額などでございまして、これが17億5,000万円余というふうになっております。それから、引当外退職手当増加見積額ということでございまして、当研究所の場合は、退職手当につきましては全額運営費交付金で措置するということが中期計画に書かれておりますので、引当金の計上は必要ないということでありますが、当期の行政サービス実施コストとして、当期末と前期末の退職給付の見積額の差額から業務費用として計上されている退職給与の額を控除した額、これを当期のコストとして計上するというふうになっておりまして、その額が1億8,000万円余ということでございます。それから、機会費用でございます。これは国の資産を利用することで生じるコストということでございます。中身としては、こちらに書いてありますように、国有財産の無償使用、それから政府出資等、あるいは無利子による融資と。それらによる機会費用でございまして、国有財産の関係につきましては近隣の地代等を参考に、政府出資あるいは無利子融資に関しましては10年物の利付の国債の利回りを参考に算出をしておりまして、合計で5億1,000万円余の額を計上しているところでございます。これらを足し合わせまして、平成15年度の行政サービス実施コストということで、118億円余の額を計上しているところでございます。平成14年度と比較しますと5億円ほど多くなっているということでございますが、主な要因としましては、引当外の退職手当の増加見積額あるいは機会費用の部分がふえているということでございます。これらにつきましては、算定方法の変更あるいは国債利回りが上昇したというようなことで、増額になっているものでございます。
以上が国立環境研究所の財務諸表の概要でございます。
なお、資料1の冊子の方には、7ページ以降に財務諸表を作成するに際しての重要な会計方針や注記、それから附属の明細書を掲載させていただいております。これについては、時間の都合もありますので、割愛させていただきます。
財務諸表の説明は、以上でございます。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
今のご説明に対して、何か質問等ございましたら、どうかよろしくお願いします。高木委員、お願いします。
【高木委員】 財務諸表そのものではないのですが、先ほどのご説明の中で、大気拡散風洞実験の収入に関するご説明のところで、収入額二十数万に対して費用が上回っているというふうにおっしゃられたかと思うのですが、そうなのですか。要は費用より安い単価で貸しているのかという形なのですけれども、いかがなのでしょうか。
【柏木国環研総務部長】 今回のケースは、一つは期間が非常に短かったということがありまして、そういう意味で、私どものいろいろな準備だとか、そういった費用が要するに経費としてかかりまして、そういう意味では、得られた収入と事前準備とを比較しますと利益が出るというような状況ではなかったということでございます。
【松野部会長】 よろしいですか。
【高木委員】 短期間であったがゆえにコストが収入を上回ったということであるのかなというふうに思うのですが、そうしますと、使用貸借についてのご方針というのも今後見直す必要があるのか、あるいは、しょせん固定費だからというふうなところで、収入増はいずれにしてもキャッシュ・フローのプラスに結びつくからやるということであるのか、ちょっとその辺のところのご見解も教えていただければと思うんですが。
【柏木国環研総務部長】 どちらかというと、おっしゃった中では後者の方だと思うのですけれども。要するに固定費用でかかる分についてまず確保して、それから実際に運転をして、使用料として得られる部分で利益を得るというような考え方でございます。
【高木委員】 一応、アドバイス的めいたことを申し上げさせていただいて恐縮なのですけれども、今のようなケースにつきましては、増加するコストが増加する収入を下回るかどうかというところでご判断されるべきであるというふうに思いますので、何か今後のご決定の際には、ちょっと今のようなことをご参考にしていただければと思いますので。
【松野部会長】 佐野委員、どうぞ。
【佐野委員】 行政サービス実施コスト計算書の中の引当外退職手当増加見積額という項目がありまして、これが各年度非常に大きく変動をしていますね。特に平成14年度については、何か特殊要因があったかどうか、あるいはほかのことも何かあったか。その辺、ちょっと伺いたいと思います。
【柏木国環研総務部長】 平成15年度と平成14年度の差なのですけれども、算定の方法が変わっておるというのがございます。平成14年度までは、平成15年度末と平成14年度末の在職者について退職の見積額を出して、その差額をコストとして計上するという計算方法でありましたけれども、平成15年度におきましては、平成15年度末の在職者を対象にして、それが、平成14年度にそれらの者が退職した場合の額を出しまして、その差額を増加見積額に計上するというような考え方をとっているということでございますので、どちらかというと、14年度以前でいきますと、その時々の在職者の構成によって大分額が変わってくる、と。場合によってはマイナスなんていうこともあり得るわけですけれども、今回の15年度から導入された算定方式でありますと、15年度末で固定した14年度末の在職者について、14年度にいたときにかかったであろう退職の見積額を出すということでありますので、そういう意味では基本的にはプラスになる――プラスといいますかコストが出てくるというような計算方法をとっておりますので、そういう点でこのような数字になっているということで。計算方法に従うと、こういうような形になっているということでございます。
【佐野委員】平成13年度はどのようになったんですか。同じ……。
【柏木国環研総務部長】 先ほど申し上げましたように、要するに14年度以前の算定の方法というのは、その時々の在職者で退職の見積額を出しているということでありますので、その時々の構成によって、トータル額として変動をしていくというような形になっておりますので、平成13年度はそういう意味では差額が多く出たというようなことかというふうに思います。
【松野部会長】 よろしいでしょうか。
ほかに何かありますか。藤井委員、どうぞ。
【藤井委員】 すみません。数字の読み取りが大変まずかったら恐縮ですが、未収金、この補助金受託収入が年度末支払いのために大変大きい額になっていると思われますが、にもかかわらず、短期借り入れをしなくて資金繰りがちゃんといけているほどうまく回るのでしょうか。つまり、NPOの場合は、全部、この補助金をもらえばもらうほど全く回らずに、年度の初めに短期借り入れをしないと資金繰りできないのです。国環研はそうではなくて回っているのか。というのは、長期借り入れは、これはタイムカプセル分で、通常のフローのところのものではないというふうに先ほどご説明ありましたが、そこのあたりをちょっとご説明ください。
【柏木国環研総務部長】 すみません。ちょっとキャッシュ・フロー計算書――結論から言いますと、私どもにキャッシュ・フローとして手元に残っているものがあったので、それを充当してやったということなのですけれども、それがキャッシュ・フロー計算書のところに出ておりますけれども、期首の残高というところで40億円ほどありますので、そういうものも活用しながら対応をしてきたということでございます。
【松野部会長】 よろしいですか。
では、どうぞ。桑野委員。
【桑野委員】 すみません。研究員の方の給料のことでちょっとお尋ねしたいのですけれども、2ページ目の損益計算書の中に、職員給与というのとその他給与とございますけれども、常勤の方のふえ方に比べて非常勤、多分、流動研究員なんかの方のお給料だと思いますけれども、そちらの方のふえ方が随分大きくなっておりますけれども、これは今後もこのようなご計画なのでしょうか。
【柏木国環研総務部長】 すみません。確かに職員給与賞与手当、それからその他の給与賞与手当というのがふえているということでありますが、一つは業務といいますか、受託業務だとか、そういったものがどんどんふえてきているということでありまして、それに伴って研究員あるいは非常勤研究員の増とか、そういったことが行われておりますので、さらに業務量等ふえていけば、必ずしも比例してということではありませんけれども、効率化を考えながら必要な人員をふやしていくということになると思いますので、そういう意味では業務量に応じてふえていく可能性はあるということでございます。
【松野部会長】 すみません、どうぞ。
【北野委員】 私、こういうのわからないのだけれども、職員の、特に研究員の研究環境をさらによくしたいということを考えると、例えば海外出張の旅費とか、それから国内外の文献とかコンピューターソフトとか、そういうものの支出というのはどこに入っているのですか。
【柏木国環研総務部長】 損益計算書で見ますと、研究業務費の中のその他というところでそういった経費は含まれると。
【北野委員】 そうなんですか。余り細かいことを言いたくないのですけれど、私としては、年々例えばそういう費用がどんどんどんどんふえて、研究員の方がどんどん海外出張できるとか、そういう形でやはりよりよい研究環境にしていってほしいと思うわけです。その意味では、余り細かいことは要らないですけれど、そういう直接研究にかかわるようなことは別掲して、前年度に比べてどのぐらいふえてきているのだと、1人当たりどのぐらい費用が発生してきているのだという、そんなような資料があった方がよろしいのではないかと思うのですが、来年度以降、検討していただけますか。
【柏木国環研総務部長】 はい。
【松野部会長】 どうもありがとうございます。
今の点は、確かにきょうのこのこういうことではないのだと思うのですが、今のこっちの業務実績の方ですか、このところで、我々大学なんかでも研究をやっていると、大体、そういう旅費とか、あるいはひょっとすると設備費にとか、それから一般の消耗費等のランニングコストに分けて考えて、そういうので研究活動のある程度の見方なんかをやりますもので、そういう費用があるとありがたいということだと思います。来年度から、またよろしくお願いいたします。
すみません、私も先ほど桑野委員のご質問にありました点でちょっと質問したいのですが、キャッシュ・フローの方では、人件費がトータルで40億支出になっていまして、一方、こちらの損益計算書の方ですと、一番最初に職員給与賞与というのが19億ですか、その他給与賞与手当が10億で29億、その後退職手当、この辺もみんな多分人件費に入るのだと思うのですが、それともう一回、一般管理費の中で役員報酬……、これは役員だからいいのです、その後に職員給与賞与手当が4億4,000万というので、この種類分けは、一番上が、僕の推定ですが、定員内職員の人件費で、2番目のその他給与の約10億、これが流動研究員かなと。というのは、たしか250人ぐらいの定員なので、約20億だと1人頭800万ぐらいでそんなものかと思いますし、流動研究員がたしか120人くらいだったので、そのぐらいだと思うと今の10億ぐらいで。最後に、この一般管理費の次の職員給与賞与手当、これはアルバイトというか、4億四千何がしがいわゆる非常勤というのに当たるのかなと。そうすると、非常勤は三百何人もおられるので、1人頭100万円強になってしまうので、そこは随分違うなと思うのですが、それは何がどう分類されて、どうなっているのですか。これは多分、先ほどの桑野委員のご質問の趣旨もそうだったと思うのですけれど、人をどういうふうに――どんなふうな人を雇ってどんなふうに研究を進めていくかというときに、一つの目安になるようなことではないかと思うのですが。
【柏木国環研総務部長】 この区分けなのですけれども、研究業務費と一般管理費と書いてありますけれども、研究業務費の関係は、平たく言うと研究系といいますか研究者にかかわる部分、それから一般管理費というのは管理部門の給与といいますか。
【松野部会長】 ああ、それで分けているのですね。
そうすると、もう流動研究員と非常勤とは区別はしてないし、定員と――待てよ、職員というのが定員内ですか。定員内を研究系と管理系とに分けている。それから、その他というのは、非常勤というのは、いわゆる流動研究員もそれから本当の非常勤も全部両方合わせて、それを研究系と管理系に分けたということでいいわけですね。なるほど、そういうことですか。そういう分け方を、見方をするわけですね、こういうとき。
【柏木国環研総務部長】 そうですね。研究業務費の人件費というのは、研究系にかかわるものということですから、研究者あるいは流動研究員だとか、それから研究にまつわって臨時職員を雇っているとか、そういったものが含まれているということであります。それから、一般管理費というのは管理部門ということなので、役員が含まれますし、それから総務部等の一般的な管理。その中に臨時職員も含めて。
【松野部会長】 わかりました。みんなですね。
【柏木国環研総務部長】 はい。
【松野部会長】 わかりました。先ほどのようなのは、やはりわからないのですね。いわゆる流動研究員というか、制度にのっとったときの人の平均的な給与と、それからいわゆる非常勤という――非常勤というのは余り制度化されてない。NIESフェローとかというのは非常に制度化されているけれど、非常勤というのは随時アルバイト的に雇っているのではないかと想像するのですけれど、そういうのとの間で例えば処遇がどうなっているのかというのは、僕はこれからもしかしたら読めるのかと思ったら、全然どうも見当違いだったので、これはだめだったのですけれど。
どうも、それはまた別の、先ほどと同じように別の観点になりますので。
何かほかにご意見。櫻井委員、どうぞ。
【櫻井委員】 教えていただきたいのは、この損益計算書の委託費というのでございますが、研究業務費の中の委託費の中に、例えば科学研究費等の分担研究者の方に委託すると申しますかお渡しする場合と、それから、もうちょっと部分的な業務を、測定業務をどこかに委託するという場合と二つあるのだろうと思うのですが、そういうのは、こういう、通常、特に分けて書かないのは承知しておりますけれども、どれくらいそういう比率と申しますか、手元に資料がなければ結構でございますが、何となく内容に差があるようにも思うのですね。研究所の一つのパフォーマンスだとは思いますけれども、研究費をとってきたものを分担研究者にまた配分するというのがこういう中に入ってきていると思いますので、どんなものなのかなという疑問があって、今お尋ねしました。すぐお答えいただかなくても結構ですが。
【柏木国環研総務部長】 すみません。直ちにちょっとわかりませんので、また調べてみてご返答させていただきます。
【松野部会長】 そのほか、何かご質問等は。
財務諸表に関しては、研究所から大臣に提出する際に、我々が拝見して何かコメントというか意見があれば、その意見をつけて出すということになるのですが、今のように質疑等はありましたけれども、そういう形での何かをコメントするということがなければ、そういうことで、特に意見なしということでしたいのですが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【松野部会長】 それでは、これは一応拝見しまして、特別これに意見はないということで、我々としてはこれを拝見したということにしたいと思います。幸い定足数は足りていますので、そういうふうに決定したいと思います。
それでは、これは前回残した分が今の財務諸表ということでありましたので、今度は、この前評価についていろいろお話を伺って、そして各人が評価コメント票を持って帰って、それに――月曜日までですか、その他のご意見をいただいた、それをもとに、きょう全体を見ていきたいと思います。
ちょっと、この表の見方等を事務局の方からご説明をいただけたらと思いますが。
【齊藤環境研究技術室長】 はい。
それでは、まず資料5として用意させていただきましたのが、前回、部会のときにお願いいたしました評価シートの各委員から提出いただいたものをまとめたものでございます。これが、まず表紙が評価結果一覧ということで、S、A、B、C、Dの評点のみ集計をさせていただいています。
なお、提出の状況につきましては、15名中14名からご提出いただいたということで、1名、大沢委員につきましては、事前にご提出いただけるということだったのですが、ちょっと海外出張の方に今出かけられておりますので、また後日、事情をご説明してこれに追加をさせていただければと思っております。
表紙がその総括表で、まずここで総括表の順番を、評価項目の大くくりのI、II、III、IVとある中で、まず研究業務という、国民に対するサービスという観点から、このIIを最初のブロックに持ってきております。順次、以下I、III、IVということで、まとめさせていただいています。
1枚おめくりをいただきまして、例えばということでご説明をいたしますと、それぞれ表の形にしてあります中の一番上のくくりが、対応する項目についての平成14年度、昨年度ご評価いただいた個別評価部分の記述をそこに参考のために掲げております。以下、委員名のもと、評点S、A、B、C、Dと、あといただいたコメント――コメントは項目によってご記入あり・なしという多少ばらつきはありますけれども、ご記入いただいたコメントをそのままここに記載をしております。下の欄の平成15年度業務実績の事項別評価、これはちょっと事務局作業用といいますか、またメモ用の欄としてお考えいただければいいと思います。
それで、この資料A3縦長の後に、資料番号なしで、こういう審議の順番と書いたA4の小さな1枚紙がございます。これは、これから事項別にこの個票を見ていただきながらご審議いただく際の順番ということで、昨年度も大分ご苦労をおかけいたしましたが、要は各大項目・中項目・小項目、また枝番号みたいのがありますけれども、それぞれについてS、A、B、Cのご評価並びに特記事項などをまとめていただくということなのですが、どうしても、例えば中事項ですと小事項のご審議をいただいた後で戻るという形をとらせていただく関係で、資料は右側に項目が書いてあって、その左側にページが通し番号で書いてありますけれども、資料はこの順番に並んでおります。ただ、ご審議をいただく順番としては、左の方に少し斜めに数字が並んでおりますけれども、その上から順次1番、2番ということで、また途中で中項目あるいは大項目に戻るということで、例えば1番目のくくりですと、IIの国民に対して提供するサービスその他のという大項目については、3ページから19ページまでのご審議を全体終わった後で総括的にまたご審議いただくということで、ちょっとわかりにくいかもしれませんが、審議の順番が混乱するといけませんので、この紙も参考にしながら審議を進めていただければということで、ご用意をさせていただきました。
以上、資料の説明とさせていただきます。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
今お話しいただいたように、これは見ていく上で大項目・中項目・小項目となっていて、ある意味で、個々のものを見たところで、その後、全体としてのまとめという格好になりますので、今のような見方がいいのではないかなと思います。
それと、全体としてIとIIをひっくり返して、業務運営の効率化に関する事項というのは、この表では先に来ているのですが、提案と、それから研究そのものに関する方をむしろ先に見ていきましょうということで、そういうふうに並べかえていただいておりますので、そういう見方でやっていきたいと思います。
何かのときに申し上げたことがありますけど、実はこれ、ちゃんと最初から評価のポイントというときに順序を逆にしておけば、この順序と逆のままの表が最初からつくれたのですが、この評価委員会、最初から僕もかかわっていたのですが、それがわからずに、独立行政法人の通則法というのですか、それに評価委員さんは何をするかというので、まず第一に業務運営の効率化に関する事項を見なさいと、次に国民に対するサービスの向上をどうやっているかを見なさいと、そう書いてあるので、その順序になったというか、事務局でそういう準備をしてくださったのをそのままにしてあったのですけど、要は中身がそろっていればいいので、実は私が関係しています文部科学省では全部ひっくり返すというか、研究機関がたくさんあるわけですが、まず、やはり研究機関だったらどういう研究をしているかというのを見て、運営に関して効率のいい運営をしているかどうかを次に見るというのが物の考え方としては自然なので、最初に事項をつくるときに何を見るという、そういう順序にしたと。したがって、報告書もそういうふうにつくられているというふうに、うまくできています。残念ながら、我々はもとの評価の仕方をどうすると最初に決めたときに、I、IIはこういう通則法のとおりにしてしまったので、そうなっていると。そういうのが今の背景にあります。
というわけで、まず……。
【佐野委員】 ちょっと異論があるのですけれど、評価のシートが最初に業務の効率化から始まっているというのは、私自身の取り組みも、そちらの方をかなり全力投入というのかな、かなり考えて取り組んで、後の研究の方ももちろん重要なので、当然きちっと評価をしますけれども、やはりそういう配列をここでまた変えるというのは、すごく違和感がありますね。それなら、また何でそういうことを事前に言ってくれなかったかと。それはまた事務方の手落ちというふうに私は判断せざるを得なくなるのですよね。
【松野部会長】 すみません。それはどちらかというと、私自身は、どうも自分自身が研究というものに携わっていてそれに一番興味があるせいか、研究所の評価というのだったら文部科学省の場合はそうなっていたので、やはりそういうことは我々の判断でできるのだということがわかっていれば、最初につくったときに、そういうふうに自分たちでルールをつくったのですね。それは僕らはわからないから、その当時、事務局が準備してくださったのに従って、ああそういうものかなと思ってそのままに来てしまったのですけど。それが私自身としては残念というふうに思っています。ということで……。
【佐野委員】 では、最終の評価書はどういう格好で出すのですか。また、これ、順序を逆にして出すのですか。
【松野部会長】 いや、この順序です。
【佐野委員】 この順序でやるのですか。
【松野部会長】 この順序ではなくて、I、IIです。もともとの順序です。
【佐野委員】 それもまた、私は理解に苦しみます。
【齊藤環境研究技術室長】 すみません。資料6に評価書(案)ということで、13年度、14年度の年次評価と同じ形でございますけれども、用意させていただきました。確かに最初の平成13年度の年度評価のときに、評価委員会の場でその辺の議論が相当あったことを承知しておりますし、資料6というのがありますけれども、ここでは総合評価の記述におきましては、当時、委員長であられました松野現部会長の判断もありまして、研究活動から記述をしようではないかということが一つ合意されております。
それから、後ろの方の事項別評価につきましては、佐野委員おっしゃるように、どちらが前に来ているかによって、委員の方々の印象も、もちろん作業の力の入れ方も変わってくるというご事情もあるかとは思いますが、基本的に各事項とも並列的に重要度を持つという観点から、ここは中期目標・中期計画の流れをくむ順番で並べさせていただいていると。この中庸の形で13年度あるいは14年度、この委員会として合意の上整理をしてきたと我々理解をしておりまして、できますれば、15年度以降につきましても、5年間という中期計画期間の中ではちょっと中途半端な仕切りかもしれませんが、この委員会の意思としては、こういう形でおまとめをいただけるものということで、きょうも資料を用意させていただいた次第です。
【松野部会長】 よろしいでしょうか。
ちょっと、そういう意味では申しわけありません、もとのと違って。最後に出すのは、またやはりそう決めたからというか、わからなかっただけで、自分たちでも最初からひっくり返したものができたはずなのですね。文部科学省でそれをやっていますから。文部科学省の研究所の方では。ということで、こういう順序できょうは進めさせていただきたいと思います。
ということで、中身に入って、最初に一番でかい表で、S、A、B、Cの分布が書いてあって、非常によくそろっているので、これについては割と問題なく進められるのではないかと思いますが、個別に見ていって、いろいろさらにその後のコメントとかおありかと思いますので、それをお伺いしながら進めていきたいと思います。
先ほどのようなわけで、一番でかい国民に対するサービスなんて、これはもう大まとめになってしまいますので、ちょっとそれは置いておいて、IIの3ページ目ですか、環境研究に関する業務ということで、研究全部ですね。いろいろなプロジェクト研究とか政策対応とか基盤研究とか、いろいろありましたが、研究という、研究そのものについての全部をまとめてみたらどうかというところで、A評価が13、S評価が一つということで――Sは鷲谷委員ですが、きょうご出席でないのでちょっとお伺いできませんが――まず、全部いろいろ個別なんかをごらんになったかとは思いますけれども、全体、研究はちゃんとやっているかという、それこそずーっと見ていかれて、全体の評価というので、この辺は、えいやっというのも変な言い方ですけれども、圧倒的にA評価が多いということですが、これも特に問題ないと思います。
そのほか、コメントをまとめていくような観点でいきますと、何かここで、ここに書かれているコメントのほかに、ご意見、コメントされるようなことはありますでしょうか。研究全体のことをずっと振り返ってごらんいただきまして。
【北野委員】 各委員のコメントの字体が違っていますよね。ボールドになっているとか、ゴシックではないのですが。これは意図的にこういうふうにして、上の評価の文章に使った・使ってないという形で、こういうふうにしたのですか。
【齊藤環境研究技術室長】 これは全くそういう意図はございませんで、ちょっとぎりぎりまで作業をやっていた関係で、分担をしていて、最終的にばらばらになってしまったという事情です。申しわけございません。
【松野部会長】 これは総合になりますので、総合として、この場合はコメントというより、もう難しいですね、ありとあらゆる面をみんな見るのだから。全体として、圧倒的にA評価ということをちょっと。まず、このコメントはちょっと置いておいて、A評価ということを確定してよろしいですか。研究そのものを、これからこの研究を論文に書くとか一般に普及するとか、そういう研究活動全部をまとめて見ればAであるということで、これはそういうふうに、環境研究所のあれがほとんど決まってしまうので。
では次のページ、4ページで環境研究の充実。先ほどのさらに研究を、今度は研究そのものですか。論文に書いたりというようなことは研究のうちだと思いますけど、そのほかに普及とか、そういうのはまたもっと別ですし、それから、そういうのを――そうか、論文を書くまでは入るのですね、ここの中に。普及までが入って、環境情報の……、そうかそうか、失礼しました。環境GISとか、そういうやつが別になるので、これ以外の部分ですね。
という全体的なことで、これも……。これは皆さんA評価で、佐和委員がB評価で「社会科学的研究の面で見劣りがする」と。佐和委員はこういうご意見をいただいておりますが、きょうご出席の委員の中で、何かこういう見方、研究全体の中での佐和委員のご指摘は重要な面かと思いますが。評価に違いがあっても、こういうコメントは大事だという方、いらっしゃいますでしょうか。
いや、ちょっとつかぬことを思い出してしまったのですけれど、4月でしたか、内部評価というのですか、朝からずっとあそこのどこかの東京分室でやったのに出席してやりましたときに、ナタの森田さんなんかがやられていた環境税というか炭素税ですか。炭素税をトン当たり3,000円だか何だか、それで補助金にしたケースには経済に非常にプラスになると、そういう結論であるというような研究の成果に対して、鈴木基之さんがこれは本当ですか、と。本当だったら、これは大いに、政府に向かって、社会に向かってどんどん言うべきではないかというコメントがあって、そのとき特に何も返事がなくてということがあったのですけれど、ああいう研究というのはどのぐらいやられているのか。佐和先生なんかが一番本当は専門なのでしょうけども、それが本当であるならば非常にすばらしいことなわけですけれど。それこそ、あのとき返事というか答えがなかったところを見ると、必ずしもそんなに強力に行われていないのかなという感じもしますのですけれど。
【西岡国環研理事】 どうもありがとうございます。
実は午前中も中央環境審議会の政策部会と地球部会の合同部会があったのですけれども、そこでも森田の検討が中心として取り上げられました。今のところ、それが今の環境省が打ち出す一つの材料を提供している。しかも、かなりそれをベースラインとしていろんな案を比較するといった形のものになっております。そのベースになっていますモデル自身は、ほかにもいろんなところに応用されております。中環審のほかの部会でもいろんな形で使われているということです。私どもの方としては、これは10年ぐらいかけてやったものですけれども、いわゆる政策に対する材料を提供するという面では自信を持って、かつ力を入れてやっています。
それから、佐和委員のおっしゃることには、まことに賛成であります。すなわちモデル分析というのは、それは非常に強力なパワーになっているのですけれども、もっとほかに社会的な取り組みをする必要があるのではないか。これはどうしても今中心が温暖化、エネルギーのところばかりに行っていますけれども、そのほか物流の話であるとか、あるいは、さらにいわゆる社会的な話、ライフスタイルみたいな話ですね、こういったものについては、もっともっと中核的にやっていかなければならないと思っております。ここだけを取り上げるとまだやはり足りないなということをおっしゃっているのではないかと思いまして、非常に肝に銘じています。
【松野部会長】 これは、この前いろんなこういう業務実績報告書とか附属資料でご説明いただいたわけですが、あれだと、これは温暖化の中に入るのですか。分析、森田恒幸さんが何かやってらっしゃったのは。そこの中で、そんなには書いてなかったのですね。どういうのかな、その印象。それとも量的……。
【西岡国環研理事】 温暖化のプロジェクトは三つになっておりまして、今は特に吸収の分野が主としてシンクを中心に、かなりお金をかけてやっております。それと、二つ目に大きいのがこの政策関係。そして最後は、フロンティアあるいは東京大学と一緒にやっているいわゆる気候モデルというものです。
【松野部会長】 そうすると、佐和委員がこういうふうに見られたのは、この中で必ずしも十分活動がちゃんとやられている、それはご存じだったのでしょうね。
【西岡国環研理事】 ええ、それはもう十分ご存じだと思います。
だけどここでおっしゃっているのは、温暖化だけではないだろう。もう少し社会システム全体を環境の方に振り向けるサスティナブルデベロップメントであるとか、あるいはライフスタイルをどう変えていくかとか、それから環境を中核とした企業あるいは産業構造の変化であるとか、そういうもっと大きなものに取り組んではどうだろうかということをいつもおっしゃっている。そのことであると私の方は解釈しております。
【松野部会長】 はい、どうも。私自身がその解釈はよくわかっております。このコメントは大事だし、環境研の方でも重要と受けとめておられますので、このコメントは大事に生かしていただきます。
ほかに何かこういう全体的な、今のようなこういったタイプのコメントは、できましたらお願いしたいと思いますが。
【合志国環研理事長】 その社会科学的な研究の面の充実ということも、必要性は十分認識しておるのですけれども、ただ、これは安くできるというふうにちょっととれかねないあれですけれども、人一人というのは大変高価なものであるということだけは、評価委員会でご認識いただきたいと思います。
【松野部会長】 確かに、前回、佐和委員から言われましたね。温暖化なんか、こんなに何でお金かかるのですかと。モデルだけだと。はい、わかりました。
特になければ、この部分に関して、もしかしたらこれはこの部分に入るのでしょうかね。藤井委員にこの前コメントされた中を見ると、いろんな各種の環境を研究している人と協力をとかいうのは、そういうのは、それはどこかでコメントをいただいておりますか――次か。次にあるのですね、重点研究分野のところに。
それでは、その次の5ページのところの重点研究分野、これは重点研究分野の研究そのものがどうかということになると思いますが、これもA、B、C、Dつけると、これも問題なくAになるので、あとコメントを何か、特記すべきコメントというのでありましたら。
先ほどの僕が勘違いしました藤井委員のコメントはここのところでされておりまして。あるいは全体でもいいのでしょうかね。重点というのは、いわゆる重点を置くのですね。もっともこれは言葉の定義というか、現在、環境研でやっている定義は、重点というのはプロジェクトとか政策対応とかあって、そのほかに基盤研究、そういう分け方をしているという、そういうことですね。その環境研用語としての重点。
【合志国環研理事長】 グレードをそんなに細かく分けているわけではありませんけれども、直接、重点研究というのは非常に多数の領域をまたがりながら大がかりに進めることでありますけれども、重点研究自体は、必ずしも極めて大がかりというわけではないけれども力を置いてやっているという。
【松野部会長】 なるほど。
ここは、それではそういうことで、特にコメントがなければ、このままそれでいきたいと思います。追加コメントがあったら、いつでもどうかよろしくお願いします。
6ページ目、これはちょっとわかるのは、研究の構成ということで、構成方法がいいかどうかということですので、これは特に……。これについて問題があれば、多分、今までに何かご意見出ていると思うので、特にはないと思います。
【高月委員】 ここで発言するのが適切かどうかちょっとわからないのですが、研究全体の構成として、先ほどの財務諸表では全く見えないところなのですが、どの研究にどれくらいの予算が配分されているかという件で、以前、西岡理事の方から、大体これぐらいの大枠で、億単位でいろいろな研究に対するものを出していただいたので、それがそうかなと思っていたのですが、研究者さんから出されているこの全体の説明のパンフレットがあるかと思うのですけれども、その中を見させていただきますと、業務経費の中にいわゆるいろいろな研究に関する費用が約59億円ほどあって、そのうち30%ぐらいが、今おっしゃっている重点特別研究とかあるいは政策対応研究、そして環境情報の経費ということで説明がついて、あとの70%ぐらいがその他ということになっているのですが、前回、西岡理事から説明されたときには、重点とか政策対応とか、その辺がもう半分以上、全体のそういう業務経費に使われていたというように理解していたのですが、ちょっとその辺の整合性がどうなのかということと。
それから、例の非常に年間の分厚い報告書がございますけれども、その中の研究の個々のどういう経費でその研究をやっておられるかというのを見せていただきますと、経常経費の研究が非常に多いのが特徴的だったと思うのですけれども、そのあたりの研究は個別の研究というように理解していいのでしょうか。その辺がちょっと、重点領域の研究――領域と言っては変な言葉になりますが――重点研究と、それから重点プロジェクトの研究と、それから政策対応型、そして基盤研究、私的研究という、そのすべてがそこに割り振られるのではなくて、その他個別に皆さん方が領域で研究しておられるのが結構あるのではないかと思うのですが、その辺が、以前からいただいているこの実績報告書の中にはほとんど見えない形になっているので、そこが我々としてはちょっと評価しにくい。かなり予算がそちらに行っているにもかかわらず、その辺の成果が見えないというところがちょっとどうなのかなというような気がしますが、その辺の研究の構成というところでちょっと質問をさせていただきました。
【西岡国環研理事】
前回、こういう絵をお示しいたしまして、前々回にこの絵をお配りしたものですから、ちょっと今手元に皆さんお持ちでないということで説明しにくいところでありますが、まず第一に中期計画で取り組むべき重点分野というのがございまして、これはもう研究課題というより広くて、要するに全体としてこのあたりを我々はやらなければいけないなというような題目が並んでいる。その中で、我々がいろいろな研究をやっております。
研究の分け方といたしましては、重点特別プロジェクトというのがございまして、私の推測では27億円が、そういった重点の6分野の研究プロジェクトに出されている。さらに、今、私一番最初に重点分野という言い方をしましたが、その中で核として六つあるが、その周りにいっぱいやらなければいけないことがまだ残っている。そのあたりを受託研究等々で、領域あるいは政策対応センターでやっていて、この分がやはり30億円くらいお金を使っている。そのほか知的基盤センター等々を含めまして、両方足しまして約60億が研究費として使われている。うちの研究所の費用は、全部で140億と認知しておりますけれども、そのうち60億がいわゆる研究に使われて、人件費が30億で、その他光熱費等々が残るということになっています。
それから、今お話のありました研究のいろいろな課題がいっぱいあるではないかということですが、実を言いますと、経常研究に全体で2億円配分されております。これはもう個人に全部分けてしまって、30万円のところもあれば50万円のところも、ちょっと部によって運営が違いますがございます。それぞれが自分のバックグラウンドで、これまで例えば何か虫の研究をずっとやってきたら、そいつは基礎として続けなさい、しかし30万円しかありませんよというようなことです。そうなりますと多様性の変化における何とか昆虫のありようについてなんていう題目が一つありまして、それをずらっと並べますから大体200、研究員200人いますから、200、ずらずら並ぶということになります。ですけれども、お金としては2億円。研究活動のボリュームとしてはやはり数%ではないか。個人によっては、そこばっかりやっている人もいるし。そういう人は、将来、そういうことで役に立つ。しかしながら、重点特別プロジェクトに入っている人は、ほとんどそれは使っていないという状況だと思います。そんなことで、項目としては非常に多くなっています。
【高月委員】 そうしますと、全体の数値というのは、余りそれを素直にあらわしてない表現になっているのでしょうか。
【西岡国環研理事】 課題数ですか。
【高月委員】 ええ。例えば先ほど重点プロジェクトに関係している経費というのでは、ここでは6億かそこそこの数値しか上がってないですけれども、そうではなくて20数億というお話でしたので、大分違うなというふうに。
【西岡国環研理事】 それは交付金の分だけ、あそこに上がっているのですね。私ども交付金からの研究費が、私のざっとしたのは、いつも30億と言っているのですけれども、それと大体同じぐらいを、競争的資金、外部資金でもらっています。全部で60億になっていますですね。そのうち重点特別プロジェクトに交付金から出ていく分が6億だったら6億、ほかの分はどこへ行ったのかといいますと、重点特別プロジェクトではない方の、私が申しますいわゆるその他の重要部分をそこでカバーしているということになります。
【高月委員】 まあ、ちょっと細かいあれですが……。
【西岡国環研理事】 一言で答えを申しますと、今そこに上がっているのは交付金の中から重点特別研究に使われている分が、今、先生のおっしゃった金額であると。
【高月委員】 ああ、そうですか。しかし、全体が60億になっているのですけれどね。
結構です。余り細かい議論を……。
【西岡国環研理事】 再度申し上げますけれども、競争的資金の方は受託経費の方に入っております。その表から言いますと。受託経費が36億7,800万ぐらいありますけれども、そっちは受託経費の方で、この受託経費の中からも重点特別研究にお金は出しているということです。
【高月委員】 ああ、そういう構造になっているわけですか。
【西岡国環研理事】 ええ。ですから、私、この絵で説明したのですけれども、この受託のお金も競争的資金も交付金も、みんなここに全部ごちゃごちゃになって入れております。
【高月委員】 これは一般の方が見られたら、この重点プロジェクトにどれくらいお金を使われているとか、そういうのが非常に参考になると思うのですけれども、この辺の表現がちょっとわかりにくいですね。
【西岡国環研理事】 今、理事長の方からご指摘がありましたが、資料編というのがございまして、これの一番最後に各プロジェクトの経費一覧というのがあります。一番最後です。参考の1、一番最後から1枚めくったところでございますけれども、そこに各プロジェクトがどこからお金をもらってやっておるかというのが出ておりまして、例えば温暖化研究プロジェクト運営交付金からは2,500万円しかもらってなくて、あとは外から稼いでいると、そういうのもございますし、あるいは環境ホルモンも外で結構稼いでいますね。オゾン層研究ですが、これは衛星の関係がございまして、これは交付金から出ておりまして4億8,000万、これが非常に大きいです。というぐあいに、それぞれのプロジェクトで、バジェットミックスが違うということです。
【松野部会長】 よろしいでしょうか。確かにちょっとわかりにくくて、今回は先ほど西岡さんの方から一等最初に先ほどの絵を見せていただいて、ただし個別にはわからなかったけれども、先ほどもう一度見せてくださったみたいに、たしか収入の方は運営交付金とそれから競争的資金とに分けて、それからこっち側は今度は、今、先ほどの重点とか、それから政府対応とか、そういうふうに分けた、そういう絵を見せていただいたので、それがそれこそどこかに、最初にあるとわかりやすかったのかなと思います。我々はその形で要するに配っていただいたのですけれど。
そういうことで、それも含めてもう一回思い出してみて、適切と、構成というか、構成してさらにそれにどういうふうに力を入れているかということまで含めてということになるかと思いますが、これにコメントは何か。これは今の段階ではわかりにくいというのは、まさにわかりにくいというコメントで。では、よろしいでしょうか。
では、今度はさらに個別の一つ一つのことで、重点特別プロジェクトのそれの研究成果といったようなことでご意見ありましたら。これは個別のことのまとめて。
これもS、A、B、Cの評価からいけば圧倒的にAが多いので、特別のことがなければ全く問題ないと思うんですが。これは時間的な変化を見て、これの外部評価というのですか、第三者評価というのですか、それがちょっと去年よりかえって悪い方にずれるという言い方は変ですけれども、A、Bの割合が、Bの方にちょっとシフトしかねないかというようなことで、後から説明の資料をいただいたりしたいと思いますが。ということで、皆様、適切に進められているということ。
なければ、次に政策対応型の研究について、北野委員、何かご意見ありますか。
【北野委員】 何か外部評価と、どうも内部評価の差があって、BやCが特に目立つのですよね、ここのところは。前のところにも書いたのですけれど、その評価に対して研究者から反論なりなんなりするという、そういう機会はあるのですか。
【合志国環研理事長】 全部、ここでいろいろいただきました評価に対しての研究者側として、表現としては対応という表現になっていて、大変よろしくない表現だと思いますけれども、いずれにしても、こういうことでそういう事態になっている、あるいは改善するとか、そういうような表明の機会というのは、そのたびごとに設けてございます。
【松野部会長】 これは私を含めてほかにもコメントしてらっしゃいますが、循環型社会形成のプロジェクトに対して外部評価ですか、昨年度といいますか14年度では何かちょっといろいろもうちょっと考え直した方がいいのではないかというコメントがついていて、それに対応して、それを考慮に入れていろいろと工夫されたというお話がありましたのですが。今、理事長の方からも何かそういうお話をいただいて。しかしまだ、ということですね。
ということで、その辺のコメントは、ではコメント欄に生かしていただいて、全体としてはA評価ということでいきたいと思います。
今度は基盤的調査・研究というところですが、これは先ほどの2億円というのは、これはこれを含むのでしたっけ。それは別ですね、たしか。特別研究とか募集してやるというのは、先ほど全部に分けるとおっしゃったけれど、あの中に入っているのですか。別……。
【西岡国環研理事】 いや、基盤的というのをもし長期的なキャパシティービルディングということと解釈いたしますと、特別研究及び奨励研究というので、全額約2億円がこれに投入されております。
【松野部会長】 では、その2億がそのまま。同じことだったのですね、先ほど言われた。
【西岡国環研理事】 はい。小さいから言わなかったのですけれど、先ほどのお金の中には入ってない。別枠です。いわゆる調整費といいまして、一度本部の方にお金をためておいて、そこから出しております。
【松野部会長】 たまたま2億という金が合っていましたけれど、1人頭にすれば50万ぐらいになってしまうけれどとおっしゃったけれど、それとはまた……。
【西岡国環研理事】 それよりさらに下のレベルの経常研究と言って個人にまいてしまうというのがあります。競争的に資金を配っていこうというのが、42の奨励課題と特別研究7課題です。
【松野部会長】 ということですが。
私自身は、ちょっと非常に興味のある課題がこういう形で行われているということを知って、ちょっと個人的にいいなと思ったので、そういう意味でSをつけてしまいました。つけてしまったというのも変ですが、何かそういうものが形になるので、ほかにも見てみればもっとわかると思うのですけれど、何か新しい芽になるようなものに、アイデアに対して出しておられると、そういう形のものですか。
【西岡国環研理事】 松野委員のご指摘のように、この酸素と窒素の比率であるとか、そういう先端的なものというのは、若い人がお金さえあればやりたいなと思っているのが幾つかあるわけです。それに我々は、そういうのをぜひ引っ張り上げようと力を入れています。
【松野部会長】 ということで、そういう意味では非常に有効に使われているように私思いましたし、皆さんもそういうところの重要性を言ってらっしゃると思いますけれど。ということで、全体としてのA評価は変わらないと思います。
知的研究基盤ということで、こちらは例の……。これも大分重要なのですけれど、これはA評価が問題でなくて……。
【齊藤環境研究技術室長】すみません。4番の藤井委員のところ、「途方」ではなくて、ちょっとこれはワープロミスで申しわけございません。「地方」ということです。
【松野部会長】 なるほど。
これはスペシメンバンクとかというのがありますけれど、あれはここに入るのですか。急に思い出したのですけれど。
【合志国環研理事長】 それはみんなここの中に入ります。
【松野部会長】 あれだけ、たしか僕の記憶だと、数値目標、数値目標と当初言われたのは、大変うるさいから、論文数なんていうのは1割増しとかなんていうふうに何となく言いかえて、これ、スペシメンバンクだけは何百種とか数を上げたという記録が残っていましたけれど、あれはその後どうなったかと。非常に数値目標をあれは掲げていましたですね。
【合志国環研理事長】 比較的当初の場合の数値だと、十分に達成していると思います。
【松野部会長】 十分に達成していると。そういうことをコメントしなければいけなかったのかもしれませんけれども。
ということで、何かありましたらどうぞ。今のが知的研究ですね。
今度は、研究の次に、研究課題の評価の反映ということですね。これは何でしょうかね、それをうまくやっているかどうかという。これはいろいろな評価の反映という言葉が――待てよ、もともとが、意味が何通りかにとられている。一つは外部評価に対してそれを反映しているか、その問題ととったのと、それから研究員の評価、個人評価をうまく反映しているかどうかという。これはもともとの趣旨はどっちが中心だったのかな。
【齊藤環境研究技術室長】 補足いたしますと、この研究課題の評価・反映につきましては、例えば研究評価実施要領がちゃんとつくられているか、あるいは内部評価・外部評価がちゃんと行われているかどうか、また、その結果が次の資源配分に活用、生かされているかどうかという視点でご評価いただきたいと思います。
【松野部会長】 ということで、こういう観点では……。
【藤井委員】 そこの部分でちょっとよろしいでしょうか。
高月委員が書いていらっしゃること、「内外の評価は十分行われているが、評価のための労力の削減が課題である」、この外部評価・内部評価のそういうところに向けて、研究者が相当そういう労力を使ってやっているとすれば、それがどういうことなのかということを私自身も疑問に思っていたものですから、高月委員のここは、もう少しこんな疑問でコメントしましたということがもしあれば聞かせてください。
【松野部会長】 お願いできますか。
【高月委員】 はい。藤井委員、ありがとうございます。
私も、よく評価、もちろんここの評価委員もやらせていただきますが、いろんなところの評価委員をやっています。また、逆に評価を受ける方の仕事もしているのですが、どうしても評価のためにもうたくさんの時間を費やしてしまって、その資料の整理とかなんとかで、なかなか、特に大学等は若い助教授クラスの先生方に大分そこら辺の労力を、負担をさせてしまっているようです。一番研究で頑張らないといけない年代の人たちに、かなりそういうところの無理を強いているものですから、評価は確かに重要なのですが、もう少し何かいい評価の方法がないのかなというので、ちょっと、紙ばかりたくさんつくってあれするというのではないような方法が効率的にできないかなということをちょっと思っているのですけれども。恐らくこの環境研さんも大変準備のためにご努力されていると思いますので、その辺をちょっと心配しているところなのですが。
【松野部会長】 ここは、これはやはり大変なのですか。
【西岡国環研理事】 評価ということ自身だんだんと定着してきました。昔、環境省のもといたときは、計画があっただけで、その後それに対してちゃんとやっているかの評価も余りなく、それは外でやってもらえばいいよという話になっていました。しかし経営自身が、自由は与えるけど後でちゃんと評価するよということになってきたわけです。私は、この評価の仕組みは非常に大切だとまず思っています。ここにもありますように、大体、システムはできた、しかしながら、まだ定着をしてない。みんなちょっと重複して用意をしたりするというところがあるのではないかなと私は思っています。もう少し合理的にそれぞれが対応していってもいいのではないかと考えます。
一つの例は、例えば先ほどの奨励研究、47題選ぶのには、100題とは言いませんが、それくらいの審査をするわけですね。それで3日ぐらい詰め込んでやってしまいますけれども。そういうのも例えばもっと専門ごとに分科会をつくってやるとか、いろいろな形で省力化が図れるのではないかなと思っています。今、ここで高月委員それから藤井委員がおっしゃったように、正直言ってやや過重です。ですけれど、それは何とか乗り切らねばならないのではないかと私は思っています。
【松野部会長】 かなり、やはり今のところは大変ということで、それは今言われたような対応をされるので、ぜひ、この高月委員のコメントは残していきたいと思います。
では、ここに関しても、判定自身はもうどれもこれも、数からいって問題ないと思います。
では、今度は成果の普及・促進というところで、どなたか。ああ、私自身も何もコメントしてないね。コメントが特に。これはむしろ……。
【齊藤環境研究技術室長】 この項目につきましては、[1][2][3]の各論でかなり委員の方々が。
【松野部会長】 細かい方が、まとめてのあれですね。
では、ちょっとその先の13ページの方を見ますと、ここは例の論文数等々で、これはこれの目標というのは、たしか十分達成できた目標だったとは思うのですけれど、それを十分、もう既に達成しているのではないかと思います。
そのほかの普及というところで、これは何か、「論文等以外の評価軸の工夫も考えたい」というのが、これは大事なコメントと思いますが。何かありますでしょうか。
差し当たり、ここの論文数云々というような、こういうのが出てきたものですから、そこに割と気がかりというか、それに関しては問題ないと。むしろ、もうちょっと別の見方をした方がいいのではないかというようなコメントがありますが。よろしいですか。
どうぞ。
【櫻井委員】 一番上にも書きましたように、目標は十分満足する成果を上げていると思います。欲を言えばということで、「原著論文の早期の公表」という表現の意味は、どうせ何年かかかる場合が多いわけですね。いわゆる英文のオリジナルペーパーとしてパブリッシュは。でも、やはり早い方がいい。過去のがここへ来て発表されているわけですけれど、実際は研究を終了してから公表されるまでに、どれぐらいで公表されているかフォローするぐらいの、ぎりぎりやると大変ですけれども、本来はそういうものだと思うものですから、書きました。
【松野部会長】 では、そういうことでのコメントで、一番は簡単な論文云々に関しては問題ないということだと思います。
では、次のページの14ページに知的所有権云々かんぬんということですが、これは何か。よろしいでしょうか。これはコメントも大体同じようなコメントが多いように思いますので。
それでは、今度は一般への普及活動というのでしょうか、広報・普及活動、これも……。
きょうはおられませんが、加藤委員から何か、「人事異動などで、頻りに変えるのではなく、プロを投入して欲しい」というコメントがありますけれど、これは実際はどうなっていますか。
【西岡国環研理事】 私の見ているところ、それほど頻繁ということではないので、それぞれの部署できちんとやってもらっているというのが私の基本的な認識です。ですけれども、前から加藤委員がおっしゃっていたのは、もっと出版物みたいなものに対して、いわゆるプロのパンフレットをつくったりあるいは本にしたりする人をちゃんと充てなさいということ、まずそれができてないというのが確かに宿題として残っております。
【松野部会長】 はい。
【西岡国環研理事】 一つ余計なことですし、これは15年度の評価ではないのですが、つい数日前に一般公開というのをやった。これまで1日で600人ぐらい入るのがせいぜいだったのですけれども、ことし一度力を入れてやってみようということでやってみましたら1,700人来た。夏休みということもございまして、クワガタムシなどの話もしたとかいろいろあるのですけれども、まだやる余地があるなということを感じました。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。何かありますか。
では、ここは今のような加藤委員のコメントはそのまま残しておきたいと思います。
僕の感じは、独立行政法人さんは割とこういうところに力を入れられるというか、お金の使い方が割と自由だから、その気になればそういうこともできるのですよね。ということで。
次に、今度は環境情報の方ですね。ということで、ちょっと待ってください。
【齊藤環境研究技術室長】 環境情報につきましては、16ページが総合評価になりますが、17、18、19の3項目の総合と考えていただいたらと思います。
【松野部会長】 環境GISとEICネットと、それと環境儀。環境儀というのは、こっちの方になるのですか。いや、こういう分類をしたとき、環境情報の提供に入るのですか。環境儀というのは、何か広報活動のようにも見えるのですけれど。環境情報の提供というのは、いろいろな環境GISとか、それからもう一つ何かありましたね。いろいろな機械的なデータを提供する……。
【齊藤環境研究技術室長】 ちょっと大くくりが環境情報のとはなっているのですけれど、構成要素としては、当然、GISとかそういうのが一義的に思い浮かぶのですが、[3]として研究情報の提供業務というのが実はこの中に含まれておりまして、ちょっと混乱を招いているかもしれません。
【松野部会長】 かなり普及に近い感じのものなのですね。その中では、いわば解説みたいな記事があると、そういう観点ですか。
それから、環境測定データとかというのが何かありましたですよね。何かいろいろな基本的なデータを整理していくという。あれはよくわからないのですけれど、とにかくこれに出ていた、実績報告書にあったのですね。
【西岡国環研理事】 ちょっと説明させていただきます。
現在のところ、環境情報の発信の方は、情報センターの方でやるということになっています。しかしながら、研究者が持っている、あるいは十分よく整合させたデータで公表していいというものについては、研究者が環境情報センターというところと話をして、これをウェブに載せてくださいという形で提供することを最近やっております。ですから、そこを通じて研究者の持っている研究的データが発信されることになっています。
【松野部会長】 いろんな調査した結果は……。
【西岡国環研理事】 たとえば渡り鳥の調査研究を3年やって、大体あっちへ行ったのがわかったというのを、それを全部載せて、ウェブに出そうということです。
【松野部会長】 何か去年――去年ではないのか、ことしか。たしか鳥インフルエンザのとき、あれは環境研、どこがやったのですか、あれは。あのカラスがどこから来たとかというのは。ああいうのは、どこがやっているのですか。
【西岡国環研理事】 昔だと、「所轄外でございます」と言っていればよかったのですけれど。やっておりません。
【松野部会長】 それでは、今の環境情報提供に関して、個別のEICネット、環境GIS、環境儀、それから、それをまとめて環境情報業務、収集・提供業務ということですが、どれもA評価ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
【松野部会長】 では、そこが今の19ページまでで、これの、先ほどちょっと順序を入れかえましたけれども、研究所としての国民に対するサービスということで、研究そのものと、それから、それの普及活動とかあるいは先ほどの知的基盤とか、そういうことを含めての恐らく研究に入るかと思います。全部を通じて、全部を見て、2ページですか、2ページのこれはA評価ということにしたいと思います。まず、皆さんほとんど問題なく一致していると思います。
鷲谷委員は、非常にS評価を割といろんな観点でつけておられますが、残念ながらきょうはお見えになってないので、ちょっとわからないのですが。S評価ですから、Aというのはやっても問題は、逆に全然問題はないということになりますので、これでいいと思いますので。では、これは今のIIの方ですね、そちらは全体でAということにしたいと思います。
あとは、先ほどの順序を逆転してしまいましたけれども、業務の効率化というところに入りますが、しばらくこれを見る時間ばかり続いたので、ちょっと休憩したいと思います。
【佐野委員】 ちょっと休憩の前に。
去年もそう思ったのです。このIIの表紙のいろんな項目がありまして、重複が多いと思うのですよね。特に12の5の[1]の普及とか、それから15の広報、啓発、それから16、17、18、19等は重複が非常に多いと思うのです。特に普及とか広報、啓発、13の[1]と15の[3]、それから18の[3]を含めて、書いてみると細かなところで、どう表現を変えていいかとか。基本の線は同じなのですよね。収集して広報して広く活用して、どうそれを開示していくかと。そのための創意工夫がどうなされているかということなので、ことしは間に合わんでしょうけれど、この辺は再整理をする必要があると思いますが、いかがでしょうか。
【齊藤環境研究技術室長】 前回お配りはしていますが、もともとこの項目分けというのは、中期目標・中期計画の項目立てに沿って分けてさせていただいていまして、その評価の基準につきましては、平成14年の5月ですから、最初の13年度の年度評価をやる前の評価委員会の方で基本方針を決めたときも、この項目立てに沿って、それぞれ評価の方法・視点などを、評価シートの左側に書かせていただいた軸で一応仕切りをしてきました。私も昨年、ことしとやってきまして、ご指摘のようにその辺確かに重複もありますので、評価シートも恐らく非常に書きづらいという部分もあると思いますが、その辺重複している点については、こちらの方ではこういう観点から記述をお願いしたいとか、そういうようなちょっと工夫を、許されるならば来年度ぐらいに少ししてみたいと思います。ご指摘のとおり、昨年もそういう議論があったのも踏まえまして、ことし、ちょっとそこまで踏み込んで事務局として努力しなかったのは申しわけないと思いますけれども、改めてご意見もいただきましたので努力したいと思います。
【松野部会長】 どういうことでしょうか。もう、一たんつくったものは変えられないとかいうことはあるのですか。それとも……。
【齊藤環境研究技術室長】 それは、基本方針自体は変える必要はないと思うのですが、評価をいただくときに重複しているだろうと考えられる点については、少し評価シートを記入いただく段階でわかりやすいように、補足的な説明ペーパーをつくるなりということで、ご趣旨は全うできるのではないかなと考えております。
【松野部会長】 今の16と17、18、19は個別ですよね。ここまで細かくやる必要があるかということに対しては、これは一たん決めたらやるという、そういう考え方なのか、それとも区分けをまとめることが可能かというようなことですけれども。
【齊藤環境研究技術室長】 結果としては、中期目標に、概念的であれ、目標がそれぞれ項目ごとに定められておりますので、結果としては、この項目立てで。
【松野部会長】 は必要だ、ということですね。
【齊藤環境研究技術室長】 ええ、必要だと考えております。ただ、委員の方々に作業をいただく上で、ご疑問、混乱のないようにはしたいと思います。
【松野部会長】 ということで、やはり出発のときに上手にやっておかないと、ちょっと後が難しいと。あとは実際の作業の過程をやりやすいようにしましょうということですので、またお願いしたいと思います。
では、ちょっと5分、10分ぐらい。
【齊藤環境研究技術室長】 そうですね。それでは、3時10分ごろスタートということで、休憩にさせていただきたいと思います。
15時05分 休憩 / 15時13分 再開
【齊藤環境研究技術室長】 では、委員おそろいですので、残りの方をよろしくお願いいたします。
【松野部会長】 では、再開したいと思います。
今度は、先ほどのもとへ戻ってというところで、Iの業務運営の効率化、大くくりは20ページにあります。これは最後に総合ということですので。
【齊藤環境研究技術室長】 すみません。21ページのところでちょっとワープロミスがまたありまして、藤井委員のところ、「人員配置の見直し」です。
【藤井委員】 何か、これ、飲みながら書いたみたい。
【齊藤環境研究技術室長】 決してそういうことではございませんが、申しわけございません。
それからあと、ちょっと飛びますが、32ページのところで、9番目の北野委員のところ、研究者「個」と「が」がちょっと入れかわっておりまして、「研究者が個人として」ということでございます。
また、ほかにも恐らく間違い等、あるいはファクスの転記ミス等もあると思いますので、またご指摘いただければ、直したもので確定をしたいと思います。
すみませんでした。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
では、まず最初は、そういうことで大くくりが20ページですので、先ほどの「の見直し」のところで21ページ、組織の編成ということですが、これも判定そのものはもうほとんど問題なくて、何かつけ加えるコメント等がありましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか……。
【佐野委員】 ちょっといいですか。
【松野部会長】 お願いします。
【佐野委員】 上の総まとめの括弧でくくった中に、3行目、「今後の組織体制の見直し等に当たっては、『効率性』とは何かを、研究活動をはじめ、さまざまな局面について、より明確にしつつ進めることを期待する」とあります。この「『効率性』とは何かを」と、こういうように書いてあるこの意味はどういう意味なのですか。
【齊藤環境研究技術室長】 この部分は、昨年度のご議論を踏まえた、個別、この事項についての記述でございまして、昨年度の議論では、このマトリックス構造というのは、その目的の主たるものとして効率性を目指したものであるということで、適切だという議論はあったのですが、そもそも効率性とは何だろうかということで、かなり議論があったことを踏まえまして記述をいたしております。今のご質問には、ちょっと私の立場で適切にお答えできないかもしれませんが、そういったちょっと概念的な言葉として最終的に記述されたものだと思っております。
【松野部会長】 確かにそういう話題が出たことは……。
【佐野委員】 その話題というのは覚えていますけれども、「『効率性』とは何かを、より明確にしつつ進めることを期待する」となるのですよね。これは文章としては意味不明でよくわからんという、私のような頭の悪いのは、今改めて思っているのですけれどね。
【松野部会長】 研究……、これは前から研究で効率という言葉の概念が当てはまるかというのは一等最初から何回か議論がありましたけど、繰り返し、業務の効率化という言葉を適用した点、何が効率化かということがやはりわからないと――というかをよく考えないといけないというのも事実ですけれど、ただ、こう言ってみても始まらないというか。でも、去年、やはりそれ自身は、佐野委員もご記憶にあるということで、私もそういう議論があったことは覚えていたのですけど、みんなの議論とかコメントをまとめてこれはそのまま記録に残したというか。という。
【齊藤環境研究技術室長】 ちょっと参考として、今の評価シートでいきますと、総合評価の記述式の部分がございまして、33ページのところで、下の方に研究所の運営というのがあります。そこの研究所の運営の一番最初の丸のところの2段落目で、「問題があるとすれば、」ということで、このシステムが人材の効率的活用をぎりぎりまで高めるものであるため、相当、もうゴムが伸びきったような状態であるのではないかと。この観点から自己点検が必要であろうということが、ちょっとこれも概念的ではありますが、総論として最終的に委員長と松野代理の方でおまとめいただいた観点かと思います。
【松野部会長】 これは、昨年度は石井委員長がこの点は非常に強く言われたと思います。いろいろなところでプロジェクトとそれから基盤研究とかというのもいいけれど、一人が何役もしているとか非常に、それから受託が非常に多いというのも、それ自体はいいけど忙し過ぎるとか、そういう問題に関して、この「伸びきったゴムのように」というのは、石井先生は盛んにそういう観点で心配しておられたというか、それは事実です。それは事実ですけれど、「効率性」というのがそれと結びついているかどうかは、ちょっとまた別だと。ただ、研究で効率のいいやり方は何かというのと、それから今のちょっと無理し過ぎているというのは、重なる部分もあるかも……、ちょっと違うかもしれませんが言葉としてはそこがつながるということで、言葉としては先ほどのこととはつながっていますね。
ということで、組織の編成ということと人材の活用という二つの観点からいって、去年の石井先生が主張されたポイントというのは、これはその後どうなっていますか。確かに非常に皆さん立派な成果が上がっているけれども少し忙し過ぎないかということで、それは、だけど組織の編成と直接結びつくかどうかはちょっとわかりません。絶対数が少ないとか、そういう問題はまた別だと思いますので。
【飯島国環研理事】 よろしいでしょうか。
【松野部会長】 はい。
【飯島国環研理事】 全体的に業務運営の効率化という話はあるのですが、ここでは組織の見直しがどう効率化につながるかということを昨年指摘をされました。特に、先ほどありましたように業務報告書にそういった記述が欠けているのではないかというご指摘をいただいたものですから、今回の業務実績報告書では、新しくつくりました温室効果ガスインベントリオフィス、あるいは環境ナノ粒子研究サブグループ、黄砂研究チームを設置したことにより、これは効率化と言えるかどうかは難しいのですが、どういうメリットがあったかといったことを今回のレポートでは書き加えております。
それから、もっと大きな話の、ゴムが伸びきっているのではないかということに対することですが、これは明示的にはございませんが、ある意味で健康面の配慮というのを行っておりまして、健康診断の結果、これは個人情報に属することがあるのでなかなか難しいのですけれども、要再検査とされた方々が再検査をしてない例が多いということがございましたので、今回はユニット長を通じて再検査をしたらどうかといった調査をしてもらいまして、していない人にはぜひ再検査をするように、重ねてそういう指導をするということを行っております。そういう注意を職員の健康配慮という面から徹底して行っているところでございます。
【松野部会長】 ということで、効率的な組織の編成ということに関しては、組織編成が、効率的とは何かというのは確かに難しいところですけれども、報告の方では、今、飯島理事の方からお話がありましたように、参考資料5のところに組織体制の見直しという観点では、お話があったようなことが書いてあります。あとは、それに対して……。
先ほど飯島理事がおっしゃったのは、新しい仕事で新しいチームをつくりましたよということで、見直しというのですかね、何かやり方を変えたということではないのですね。
【飯島国環研理事】 基本的に、この中期計画の間は、昨年も評価をしていただきましたように、基盤的研究部分と重点プロジェクトのマトリックス構造でやっていこうと、こういう基本的な枠組みは変えておりません。ですから、この新しい組織についてはいわゆる実質的な組織ということで、人事異動発令をしないで、全体の組織の枠組みを変えないで機動的に行っているわけでありまして、抜本的な見直しをするのは次の中期計画で必要があればしていくことになると思います。現在の中期計画で抜本的に見直しますと、これまでの継続性も失われますし、せっかく高い評価をいただいているような組織のメリットも生かし切れないと考えておりまして、アドホックにこういったオフィスをつくっているところです。
【松野部会長】 はい。ということで、これ自身はそういうことはそこまでは至らずに、その範囲内での適切な対応をされているかということですので、特になければ、これはそういうことと理解しまして、必要に応じて必要なそういうチームをつくったりしておられるということで、適切だろうということだと思います。どうもちょっと、私も完全に理解できないものですから、申しわけありません。
では、次の22ページの人材の活用、これはなかなか大事なことではあるわけですが、何かありますでしょうか。佐和委員がクリティカルな意見を言っておられますが、ほかには。
高月委員のご意見に関しては、先ほどちょっと……。
【高月委員】 というか、話がありましたので。
【松野部会長】 流動研究員とか非常勤のことはみんな気にしているのですね、その増加を。ということで、前回もそれについてのコメントをしておりますが。今のところは、流動研究員制度とか、そういうことが活用されているという観点でまだいいのだと思いますけれど、だんだんふえてそちらの方にウエートがかかってきたときに、それでうまくいくかどうかですね。多分、これから先がきっと大事なのではないかなという気がしますけど。
去年のそういうコメントはありましたけれど、何か特別にはそういう議論というのはまだやっていないのですか。定員内と、それから、非常勤というか流動研究員等をどういうふうに組み合わせて、どういうふうな位置づけにして、あるいは、その相互の入れかえというのですか、そういうことについての議論というのは。
【西岡国環研理事】 非常にこの流動研究員におぶさるところが非常に多くなっている。しかも、それは私の見ているところでは非常に有効に活用はされている。しかしそれはテンタティブな話でございまして、そろそろ3年目に入りまして、あとをどうするかというのは、領域長の間での、大きな悩みとして上がってきております。私どもの中でできる範囲というのは非常に少ないものですから、今度、総合科学技術会議の方でも非常に重要な一つのポイントとして取り上げていただけるということでございますので、それに期待したいと思います。
基本的に私どもの研究所の定員が決まっていて、それ以上ふやせないという状況でございますので、手足を縛られている中でどうするかという、それぞれの領域長が新しい就職口を見つけるとか、非常に努力をしているように思います。あるいは勝手にいいところを見つけて行ってしまうという例も幾つか出てきております。非常に不安に感じているという状況で、余り対応を十分しているというお答えはできないのですけれども、そんな状況です。
【松野部会長】 わかりました。
ということは、流動研究員はあくまで流動だという位置づけになって、定員がやはり核だという考え方を持っているということですよね。
【西岡国環研理事】 いや、それはそうはいかないと思うのですね。やはりきちんと流動研究員を全体のシステムの中に入れていかなければ。今もそれはかなり確立しているとは思います。流動研究員のところだけに焦点を当てますと、そういう問題がまだ残っていると。
【松野部会長】 基本的には、お金がずっと続けば、そんな違いはなくて、私もフロンティアということで、全く全部流動ばかりでやっているところでいつも心配をしているものですからなのですけれども、これはやはりもう、それ自身がかなり長続きできるようなものに。
【西岡国環研理事】 ええ。完全にシステムとしてそういうふうになっておりますし、言ってみれば、研究をとってくればその分で人を雇えるということですので、非常にみんな効果的に使っていると認識しております。
【松野部会長】 佐野委員、何かご意見はございませんか。
【佐野委員】 いや、ここは特にございません。
【松野部会長】 はい。
【高月委員】 ちょっと、ではせっかくですので。
参考資料の4のところに、前回の委員会でちょっとコメントできなかった部分、質問をさせていただいたのがございます。それが参考資料の方の4の3ページ目に、これは実は私が質問をした部分ですが、ちょっと回答の部分とがうまく一致してないところがあるかと思いますが、今話題になっています流動研究員というのが、確かにある研究プロジェクトが成功するためには非常に役に立つと思うのですけれども、研究が成果主義になって、成果が出ればいいということで、若干、流動研究員のフォローアップが十分できているのかなというちょっと心配をしております。大学では、当然、人材育成というのが非常に重要で、そのことはかなり重要視しているわけですが、環境研究所でも、やはりその時期にいた若い研究者が、ここにいたことによる非常にいろんな糧を得ていると思うのですけれども、この辺がうまく将来に結びついていき、かつ先ほどご紹介がありましたように若い研究者がうまく研究者として育っていくような、そういう仕組みづくりというのがシステム的にできるのかどうか、この辺がちょっと心配をしているところであります。要は研究者のレベルアップがあってこそ研究全体のレベルアップがあるものですから、単に短期間的な研究成果だけに余りとらわれてしまいますとまずいのではないかというようなことで、ちょっと質問をさせていただいたわけです。それの答えは3ページの下のこれではなくて、4ページ目の方の恐らく下の方がそれに相当しているのではないかと思いますが、それでいいのですね。
【西岡国環研理事】 ちょっとすみません。多分、編集間違いをしておりまして、おっしゃるとおりでございます。
ここにありますように、15人のうち9名については何とか就職しています。残りがまだというです。中には大学の助教授に引き抜かれた例もございますし、それぞれ頑張っているようです。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
ということで、むしろ先ほどの西岡理事のお話では、確かにこれは日本全体の研究者のあり方とか研究所のあり方の問題ですので、制度というのですか、人事制度というか。ちょっとここだけでの議論では難しいかと思いますけれども、それなりにいろいろと考えていらっしゃるということです。当面は非常に活用しているということで、A評価というふうにしたいと思います。
【齊藤環境研究技術室長】 先ほどの参考資料4につきましては、ご指摘のとおり、回答と質問がちょっと一致してないところがありますので、また差しかえをさせていただきたいと思います。
【松野部会長】 次は23ページの財務の効率化というところですが、これは高木委員にいろいろとコメントをいただいております。何か特に――高木委員、何かありますか。たくさんコメントをいただいておりますけれども、この中で特に重要なこと、何か国環研を見てきてというお話がありますけど。
【高木委員】 はい。先ほど財務諸表の話でも、もう少しいろいろ研究の関連と結びつけての説明をというようなお話もありましたのですけれども、この財務の効率化の側面のところに関しましても、もう少し実績報告書の方において判断できるような記述をお願いしたいというのが一つ大きく感じるところです。ここで書いてありますことは、要はデータがないので判断しがたいということを述べているというわけでございまして、いや、十分なデータがないということを述べているというわけでございます。
それからあと、この最後の段落のところで書いてあるところは、従前、総務/経理のところが人数が多いのではないかという指摘がありましたのですけれども、私も多いかなというふうに思っておりまして、実際に拝見させていただいて、あと国環研の業務の構造を考えますと、多いのではないかなというのが第一感なのですね。ただ、この辺のところにつきましては、具体的な業務内容を分析してみませんと、必ずしも余剰があるかどうかというのがはっきりわからないのですが、そのような疑念を持たざるを得ないというところでありますので、それに対しての説明責任をもっと果たしていただければというところでございます。
【松野部会長】 それでは、今回についてはそういうことで、今のような問題、管理部門がどんなふうになっているかということの判断できるような資料をいただきたいということで、また今後よろしくお願いしますということで、ほかは一般には外部資金の導入が非常にふえているとか、それからいろいろありますが。
これは何がふえたんでしたっけ。受注ではないな、例の委託・受託がふえていたのですよね。
【飯島国環研理事】 受託費です。競争的研究資金とか、それから環境省からの例の砒素の問題の委託費、そういったものが大きな金額を占めました。
【松野部会長】 ということで、少なくともそういう観点で見る限りは、非常に外部資金の導入というかそういうものがふえていると。運営交付金以外のものとかですね。ということで。柘植委員からは、「業務費の毎年1%削減中期目標は、産業界の標準から見て、甘い目標だった」という表現が。
いろいろとご意見はあるようですが、一つは、とにかく競争的というか外部資金の導入を努力というか、それがふえている点では評価できるということで、あとは佐和委員のような観点というのは、これは多分、確かに大学が余りにも貧乏だから、そこから見ると、これはもう常に出てくるし。あと、それをより何か詳しく調べるためには、高木委員おっしゃったように、もう少し中身がわからないとわからないということかなと思います。今回は、そういう外部資金導入がふえているという辺を大いに評価して、A評価ということで皆さん一致しているかと思います。
今度は、効率的な施設の運用ということで、24ページ。これも評価が、S、A、B、C、Dに関してはもうAということでいいかと思いますけれど、コメントがありましたらお願いします。
【高木委員】 なかなか研究環境としてよろしいかなというふうに思いまして、効率性の観点ではなくて研究対象としては。
【合志国環研理事長】 永年の課題でありまして、やはり全体の敷地そのものに対してのコンセプトであのデザインがされたわけではなくて、これが必ずしも、研究効率が短期的な観点で必ずしもなされないで、ある程度のものが建ってしまったということがありまして、大問題と意識しておりまして、新しいものについては極力その問題が解消するように努力しておるのでありますけれども、8月の半ばにもオリジナルなデザインをされた先生がご訪問いただくというようなことになっておりまして、やや緊張をしております。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。では、高木委員のコメントは、ぜひここはそのまま残しておきたいと思いますが。
【高木委員】 生かしていただいて。
【松野部会長】 そうですか。では、評価自体はこれでAということで。
次に25ページ、環境配慮、これはいろいろ幾つか話題があったところですが。もう環境配慮というのか、今のエネルギーの消費を……、環境配慮という観点もあるのでしょうけれども、むしろ普通の意味での効率だと思いますが、そこの部分に関しては、今回は減ったという話があったのですが、その意味での評価は問題なくて、全員一致でAということですので。
北野委員のご意見、何か、ぜひ一つ。
【北野委員】 研究所の皆さんにどこまで要求するのかという話が出てくるのですね。私も実際にここで言ったかどうかわからないけれど、これはかなりの人数になりますよね。そうしたときに、恐らく皆さんマイカーで通勤されているのだと思うのですけれど、何かやはり環境研究をする人として、そういうプライベートなことにかかわることではあるのですが、ISO14001なんかだと、通勤なんか、全部一応対象に入りますよね。研究所に入ってからではなくて、もう入るまでのところまで。ですから、さすがに国環研の職員だというような、何かそこら辺も、ここまで要求すべきかどうかと私もちょっと考えたのですけれど、ただ、外部の見学者が来たときに、ずらっとRV車なんかが並んでいると、何だ、という感じがしないでもないのかなということで、余り細かいことを言うつもりはないのですけれど、何か国環研の方針として、やはり環境に優しい通勤というのももう考えていくべきかなという。淑徳大学では、学生にはマイカーは禁止しているのですね。要するに事故の問題も駐車場の問題もあるのですが、基本的には公共交通機関でスクールバスを利用して、ただ、そこで言われているのは、ディーゼルを使っているのであれを何とかしろというのがちょっとつらいところがあるのですけれどもね。でも、そこも一応考えようと思っているのですけれど。何かそんなこともご考慮いただければということで、あえて書いてみました。
【松野部会長】 どうぞ。
【合志国環研理事長】 これは私ども研究所に対してのご指摘と考えて対処すべきなのですけれども、ただ、今ちょっとつくば地域である検討が行われておりまして、それにうちのメンバーもコミットしておりますので、ちょっと簡単なご紹介をいたしますと、来年の後半につくばエクスプレスという東京を結ぶ電車が来ますけれども、それに伴って、中のパブリック・トランスポーテーションのシステムというのを抜本的に見直したらどうかというような議論が行われておりまして、我々の研究所は、その当番の研究所になっておりますものですから、検討をしております。その中では、例えばさまざまな公共交通、新しくつくるというよりも、既にいろんな機関が持っているバスをお互いに融通し合うとか、そういうようなところまで踏み込んでやったらどうかということで、今検討をしております。実を結ぶかどうかは、ちょっとまだ何とも言えないのですけれども、そんな状況ですので、全体として何とか対処させていただきたいと思っております。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
あとは藤井委員のコメント、感染性廃棄物の管理等々、実験系廃棄物の管理に万全を期されたい、ですね。
【藤井委員】 余り詳しい記述がなかったものですから、どのぐらい配慮してやるものかを、これは各地域でも感染性廃棄物や実験廃棄物、かなり問題になっているので、率先してここの国環研は見せてほしいなと。ただ、今回の記述を見る限り、そう詳しくは書いてなかったと思われましたので、ご配慮をというふうにしました。進んでいるのでしょうか。
【飯島国環研理事】 今回の業務報告書に書かせていただきましたように、感染性廃棄物については、取扱要領というのを非常に細かくつくりまして、それで環境省の方でも感染性廃棄物のマニュアルを変更いたしまして、要するに疑わしいものは感染性として扱えという形になっておりますので、それに合わせまして、判断がわかりやすくなるように、個々の研究者にとってわかりやすくなるように、取扱要領の改訂をいたしました。これは今年度になってしておりますので、ここでは準備段階ということです。実験系廃棄物につきましても、これはいろんな形がございますので、現在、専門の職員を中心にしてドラフトを作成しているところでございます。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。ちょうどこの機会にわかったということで。では、そこはとにかくA評価ということで。
次は、これは、26ページのは、これは物品一括購入等は別のところでということで、27ページ、業務運営の進行管理ということで、何かご意見ありますでしょうか。これは幾つか問題はというか、コメントはいっぱい書いてありますが、ほぼ同じコメントが並んでいるという感じですので、そういう判断ということでいきたいと思います。
では、今度は29ページ、その他というのですね。その他。
【齊藤環境研究技術室長】 これにつきましては、30ページ、31ページの総合評価になりますので、そちらの方から。
【松野部会長】 ああ、その他というのは――そうか、失礼しました。内訳は施設・設備に関する計画と、それから人事に関する計画ということで。これは何ですかね、施設・設備に関しては、去年は計画どおりに整備されているということで、これを……。
これも、このとおりでよろしいですね。このコメントも、大体、計画どおりとか、順調、不可なく進められているということで、A評価ということにしたいと思います。
人事に関して、これも全員A評価ですが、これは年齢構成のことがたしか一度議論に出て、割と本当の20代は、これはまだまだポスドクの人が多いからというか、流動研究員が多くて、あとが割とそんなに変なでこぼこなんかがないような構成になっているということで、そういう観点では非常に結構だろうというようなことが出ましたけども。
佐和委員は、大学との人事交流……。一般的に、環境研はずっと大学との交流が盛んというのが印象だったのですが、先ほどの人材の活用と同じように、任期付定員というのが非常に重要な問題だと思います。これはそういうコメントは当然だと思いますが。
現状においてはA評価ということで、特にご意見なければこれでいきたいと思います。
ということで、最後は32ページ、改善すべき事項の検討というのは、これは何を言うかというと、これは去年何か言ったことに対するのがどうなっているかという。
【齊藤環境研究技術室長】 基本的には、全体を通して総合評価というのが次に来ますけれども、総合評価というよりは、むしろ個別特記事項的なものが、もしこういう改善を要するのではないかということであれば、コメントいただきたいということです。
【松野部会長】 どうでしょうか。ここで三つご意見ありますね。高月委員は、先ほどの人材の活用のところでもあったかと思います。柘植委員のはこれは先ほどと同じことではありますが、これはどうなのでしょうか。佐野委員なんかはどうお考えですか。1%削減というのは、産業界の標準から見て甘いという。
【佐野委員】 前回にも申し上げましたとおり、間接部門の方が非常に多いですよね、一般企業の研究所と比べて圧倒的に。1割以上というのはあり得ない数字で、しかも過去3年間、総務部員はほとんど横ばいということもあり得ないことだし、そういう点では疑問は残ったままですけれども、それなりの工夫はやってきているという感じで評価しているわけです。
それから、私のお願いした、こういった部分のアウトソーシングですね。派遣とか、いろんな方法がありますけれども、そういうものを利用してやっていくという方法も一つはあると思うし、先ほど数字的な説明が不十分だということもありますけれども、次年度は、特にこの間接部門の経費が、人員のみならず、具体的な項目につきどうなっているかということについても説明いただきたいという感じがしております。
以上です。
【松野部会長】 どうもありがとうございました。
確かにこれは、今のようなご意見は、全体的なことについての全体としてのご意見ということで、これは全体の中でも今のコメントを生かしていきたいと思います。一つは管理部門というか間接部分が多いということと、しかし、それを判断する材料がないということで、これは先ほどの高木委員にもお話があったと思います。ということで、これはそういう一般的なお願いとしていきたいと思います。
ということで、まず全体を終わったのですが、あと総評というのが最後に残りまして、今のどの項目も全部Aですので、全部まとめればAというのはほとんど決まっているようなものですが、改めて34ページを見ますと、皆様の結論は、鷲谷委員以外はAということですので、Aということにしたいと思います。
あとは、これに対応することは、今度は今までのを全部まとめて、また文章としての総合的な評価の報告をつくるということを今度はやっていかなければいけないかと思います。ここはずっと読ませていただきまして、これはまとめるという作業を今度は私がやって、また皆さんのご意見を伺いたいと思います。
ということで、大分、最初はもうみんなそろっているから楽にいくかなと思ったら、結構時間をとってしまいましたが、一通り全部終わりましたので、この個別についてのまとめは、今のように幾つかのコメントをつけて全部A評価ということでまとめたいと思います。
それでは、その後は、これを今度はまとめる作業をどういうふうにやっていくかということで。ということで、これの資料5に基づく作業はこれで終わりにしたいと思います。
まとめる作業について、今度は事務局の方からちょっと、いつまでにどうやればいいのか教えてください。
【齊藤環境研究技術室長】 はい。事前に松野部会長ともご相談をいたしまして、まず、きょうのこの資料5並びにご議論、並びに欠席の委員の方々にも適宜きょうの状況をご報告しつつ、目標として、来週の金曜日、6日ごろをめどに、部会長(案)を柘植部会長代理とともにまず作成をいたし、それを委員の方々に一度お送りをして、ご意見等あれば、そこでまた伺いまして、再度調製したものをご確認いただく、そういう手順を踏ませていただきたいと思います。次回の部会が8月18日に予定をされておりますので、それまでに、できる限り全委員のご意見などを反映した部会長(案)という形でお諮りをさせていただければというふうに考えております。
以上でございます。
【松野部会長】 どうぞ。
【高木委員】 総務省の方の政策評価独立行政法人評価委員会の独法評価分科会の方から、昨年度の個別の独法に対する評価に対して意見が出ていますね。幸いにして、国環研に関しては、一般的な研究所に関するコメントという域を出てないとか、それとも全く標準的な研究所に対するコメントというふうに言えるかと思うのですけれども、その中で、たしか数値目標をもっとふやせとか、若干、いろいろ向こうの注文が出ていたかと思うのですね。私は、必ずしも数値目標をそんなにふやすということは賛成ではないのですけれども、その分科会の方に対する対応というのは、特段用意しておかなくてよろしいのですかね。
【齊藤環境研究技術室長】 当然、事務局の方に対してヒアリングというのがこの年度評価が終わった後実施されますので、その際には適宜対応できるものと考えてはおります。ただ、前回部会の最後にご説明しましたように、ことしは、今の中期目標はあと2年残っているわけですけれども、もうそれに先立って次期に向けての見直しの素案をつくるという作業がありまして、むしろそちらの方の作業が膨大な今宿題を負っておりまして、恐らく総務省も、もちろん今ご指摘のあった観点からのチェック、ヒアリングはあると思いますけれども、プラスそういうこともあるということで、その中で、我々としても適宜必要な対応はしていきますし、できるものと考えております。
【高木委員】 国環研は前倒しの対象になった団体でしたっけ。
【齊藤環境研究技術室長】 前回ご説明したとおり、前倒しの対象になるかどうかは、8月末までに見直しの素案を全法人がつくった上で、それを総務省の方がヒアリングをして、9月末までにどの半分ぐらいを前倒しするかが決められると、そういう手順になっておりますので、今度8月18日並びに8月30日の委員会で、その素案についてご議論をいただいた上で、それを総務省の方へ上げるという形になります。
【松野部会長】 ということで、今度8月18日ですか、そのときには今の前倒しで中期計画の評価を、素案をつくるということで、それの原案は示されて、それを議論するということになっております。
それでは、きょうは大変たくさんの作業をどうもありがとうございました。
先ほど事務局の方からお話がありましたような形で、これはまとめて皆さんにご意見を伺うようにしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
それでは、きょうはこれで終わりにします。
【齊藤環境研究技術室長】 どうもありがとうございました。