中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会 (第22回)議事録

1.日時

平成23年10月18日(火)午後2時59分~午後5時01分

2.場所

環境省第一会議室
(千代田区霞が関1-2-2中央合同庁舎5号館22階)

3.出席者

林委員長、青木委員、井本委員、打越委員、太田委員、小方委員、
加隈委員、斉藤委員、渋谷委員、永村委員、野上委員、水越委員、
山口委員、山﨑委員、渡辺委員、
渡邉自然環境局長、小林審議官、田中総務課長、西山動物愛護管理室長ほか

4.議題

  1. (1)特定動物
  2. (2)学校飼育動物、公園飼育動物
  3. (3)災害対応
  4. (4)その他

5.配付資料

  • 資料1   「特定動物」等について
  • 別添1   特定動物の飼養許可状況
  • 別添2   犬による咬傷事故件数、犬による咬傷事故等状況、犬以外の動物による人身事故状況
  • 別添3   特定犬パンフレット(茨城県動物指導センター)
  • <委員限り>
    • 別添4   咬傷事故及び特定犬について(Q&A)(茨城県提供資料)
  • <委員限り>
    • 別添5   現行特定動物リストと新分類体系対比表
    • 資料2   学校飼育動物、公園飼育動物等の適正飼養の規定
    • 別添1   学校における動物飼育について(文部科学省)学校における望ましい動物飼育のあり方
    • 別添2   学校動物飼育支援活動の標準化に向けて 活動のガイドライン(日本獣医師会小動物臨床部会・学校動物飼育支援対策検討委員会報告)
    • 資料3   災害対応について
  • <委員限り>
    • 別添1   地域防災計画の状況
  • <委員限り>
    • 別添2   平成22年度防災計画等における動物の愛護管理の記載状況
    • 別添3   平成23年度環境省動物愛護週間ポスター「備えよう!いつも一緒にいたいから」
    • 別添4   環境省パンフレット「備えよう!いつもいっしょにいたいから」
    • 参考1   Robert T. Stafford Disaster Relief and Emergency Assistance Act, Public Law 93-288, as amended, 42 U.S.C. 5121-5207, and Related Authorities(抜粋)
    • 参考2   被災ペット対応について
  • <委員限り>参考3 被災自治体におけるペットの救護状況
  • 野上委員提出資料1 定山渓クマ牧場の飼養改善指導ならびに立入調査に関する要望書等
  • <委員限り>野上委員提出資料2 閉園した定山渓クマ牧場の現状と問題点
  • <委員限り>野上委員提出資料3 学校での動物飼育における問題点
  • <委員限り>山﨑委員提出資料 動物とのふれあいが原因と考えられた腸管出血性大腸菌集団感染事例の概要と対応

6.議事

【事務局】 これから第22回の動物愛護管理のあり方検討小委員会を始めさせていただきたいと思います。 しばらくの間、事務局の方で、進行を務めさせていただきます。
 本日の委員の皆様方の出欠の状況ですが、磯部委員、臼井委員、浦野委員、3名の委員の方が、ご欠席になっております。  また、渋谷委員と打越委員から若干遅れると連絡が入っております。以上、過半数の出席がございますので、本委員会は成立していますことをご報告申し上げます。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料1の「特定動物」の中の別添の4、5は、委員限りの資料とさせていただきます。
続いて、資料2の別添の3につきましては、委員限りの資料とさせていただきます。
続きまして、資料3の別添の1,2は委員限りとさせていただきます。
 さらに、野上委員提出の資料といたしまして、資料1から3がございますが、資料2から3につきましては、委員限りとさせていただきます。
 それでは、本委員会のこの資料とこれから議論いただきます議事録とあわせて、後日、環境省のホームページで公表させていただきます。
 それでは、これからの進行は委員長にお願いいたします。

【林委員長】 それでは、第22回になりますが、動物愛護管理のあり方検討小委員会を開催いたします。  議事に先立ちまして、渡邉局長からごあいさつをいただきます。

【渡邉自然環境局長】 22回目となりました小委員会にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。前回が9月28日の開催で、実験動物の福祉について、ご議論をいただきました。
今日は、それに続いて、残されているテーマであります、特定動物、そして学校や公園などの飼育動物、そして、災害時の対応という議題について、ご議論をお願いできればというふうに思っています。
 今日の課題についての議論を行うことで、当初掲げた、さまざまな課題について、一通りのご議論をいただくという形になります。次回以降、全体の取りまとめということになります。
動物取扱業の適正化について、夏にパブリックコメントを行いました。およそ10万件というふうに申し上げてきたわけですけれども、最終的な集計で、12万1,828件のご意見をいただいたという数字になりました。
このパブリックコメントでいただいた意見を整理した上での取扱業の適正化についてのご議論も含めて、掲げてきたさまざまな課題についての全体の取りまとめを、年内に取りまとめるということを目指して、審議を進めていっていただけたらと考えています。
 今日は、特定動物、学校・公園飼育動物、災害時の対応という議題についてのご審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、これから審議に入りたいと思うんですが、局長がおっしゃいましたように、今日は、個別のものは最後になります。特定動物、そして、公園・学校飼育動物、三つ目は、災害対応ということで、時間配分は、特定動物については30分、公園・学校飼育動物について30分、災害対応は、特に重要ですので、1時間を論議したいと考えています。
 それで、これもお約束どおりですが、10月中に予定されている2回の小委員会で動物取扱業の適正化を含む全体についての報告書の案を作り、そして、約束どおり、2度目のパブリックコメントを実施するということでございます。
 そういうことですから、11月にはこの小委員会はございません。12月に最後の小委員会を開催し、ここで報告書を取りまとめると、そういう予定になるというふうに、委員の皆様も、頭の中に入れておいていただくとありがたく思います。
 それでは、最初に、事務局からご説明いただきます。

【事務局】 資料1をご覧ください。「特定動物」について。  最初に、1.現状ですけれども、動物愛護管理法では、第26条で、危険動物を特定動物として、全国一律の規制を設けております。全国で、何頭許可を受けているかということについて、別添1として、統計データをつけております。現行の特定動物リストですけれども、平成11年に作成され、その後、一部の分類群を除き、大きな改定はされていないところです。その特定動物選定の考え方については、資料1の10ページに、特定動物選定の考え方ということで、当時の資料を抜粋しております。  特定動物の取扱いに関しては、様々な手続が必要ですけれども、特に、特定動物の移動に当たって、通過する自治体に対して施行規則第13条第10号の規定に基づく、様式第13による通知が必要とされていますが、これが必要ないのではないかという意見が多いところでございます。こうした意見を受けて、一部の自治体に対して、アンケート調査を行ったところ、通知の平均受理件数は、およそ30件、中には、年間100件以上の通知を受理している自治体も、五つほどございました。 2.論点といたしましては、特定動物移動時の手続の簡素化の検討を挙げております。現状では、移送時に通過するすべての都道府県に通知が必要であることから、高速道路を通過するだけでも、通知されており、出発及び到着地点における手続のみで十分ではないかというご意見がございます。
また、危険犬種の飼養規制の検討につきましては、いわゆる犬種は、国際的な命名規約で担保されているものではなく、生物学的な分類は不可能であることから、特定動物としての指定は困難ではないかと考えております。また、仮に指定した場合、指定犬種であることの確認が困難であり、いわゆる雑種犬についても、現場で判断できないのではないかという懸念がございます。
また、大型犬に関しては、一定以上の体高や体長、体重等での規制は考え得るが、各自治体の職員が個別に計測することは、現実的ではないなどの懸念がございます。
また、咬傷事故を起こした犬について、何らかの規制が必要ではないかという論点もございまして、これは別添2として、犬による咬傷事故件数というものを関連資料として添付しております。
また、事故防止の観点から、犬種や体型、咬傷履歴等により、特定の犬を指定して、おりの中での飼育を義務づけている条例を制定している自治体がございまして、これは別添3、茨城県のパンフレットを添付しております。
別添4に関しては、茨城県の内部資料ということで、委員限りとさせていただいていますけれども、その茨城県で制定している条例に関するQ&Aですとか、何頭指定されているかというデータを添付しております。
また、この茨城県の条例の抜粋は、資料1の10ページ目に、掲載しております。茨城県に確認したところ、この条例に規定される係留義務に違反した場合については、5万円以下の罰金が適用されるということだそうです。
続きまして、当初、特定動物リストに関する施行令の見直しですとか、交雑種の検討についても、検討課題として挙げておりましたけれども、これらについては、個々の野生動物についての毒性や殺傷力等の人間に対する危険性について、専門性の極めて高い分野であるため、こうした知見を持つ有識者で構成される委員会における議論が必要ではないかということで、事務局の方から提案させていただきます。
具体的な議論として想定されることについては、委員限りの別添5に、現行の施行令で指定されている科及び属から、既にこういった変更があるということを示しております。既に、かなりの科及び属に変更があるということをご理解いただきたいと考えております。
また、特定動物をめぐる主な意見については、3.に記載してありますので、ご確認ください。 また、4.参考法令として、廃掃法の抜粋を示しておりますけれども、この一般廃棄物の業者に関しては、運搬のみの業として行う場合にあっては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限って許可を受ける必要があるということで、特定動物移動時の簡素化に関しては、こういった積卸しの事例のように、出発地と到着地だけでもいいのではないかということの参考になるのかということで、記載しております。 特定動物については、以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。野上委員からも、資料提出がございますので、簡単に説明いただけますか。

【野上委員】 ありがとうございます。今年の8月に、北海道の定山渓クマ牧場という施設のクマが、非常に劣悪な飼育環境にあることが、マスコミ等で大きく報じられたところです。
 この施設は、動物取扱業者ではなくて、単にクマを飼育していただけなんですけれども、その管理方法が、非常にずさんであったということで、私どもの方で調査しまして、札幌市に、2回にわたり、要望書を送り、また、環境省に対しても、特定動物に対する基準の改正について、要望をしたところです。これについて、もうお話に入ってもよろしいですか。
 特定動物というのは、危険であるということで、脱出防止が一番の要になっているわけですが、特定動物の飼養保管基準である告示21号、22号を見ましても、特定動物の福祉に関して、適正な生理・習性・生態に関して、適切に飼養することという記述が、一切ありません。そのために、行政が立入調査をしても、そういう観点でチェックすることは、ほとんどないわけです。
今回のクマ牧場のように、クマが十分な給餌・給水もなく、汚物にまみれて、けんかをして傷だらけになっている。辺りには、白骨死体があるというような状態になっていても、行政は5年に1回しか、立入調査しませんので、誰も知らずに放置されていたという事件です。
ですので、現在の特定動物に関する告示の中に、動物福祉に関する記述を入れたものとして、改正していただきたいというのが、私の意見です。
 ついでに、そのほかの部分について簡単に申し上げますと、今回、議論になっている特定動物の移動時の手続を簡素化するということですが、そもそも、この手続は、特定動物を移動させるときに、脱出することが非常に多いということで定められた規則です。
しばしば、移動動物園などが、大型の野生動物を各地に転々と移動させていくときに、その休憩時間ですとか、移動先で脱走してしまうという事件があったために設けられたもので、これの規制を緩和するのであれば、具体的に、そういう事故が減っているのかどうか、ないのかどうかをきちんとチェックして、調査してからでないと、いけないのではないかというふうに思います。
 万一、どうしても基準を緩和するのであれば、少なくても、休憩する場所について、きちんと届け出をすること。それから、現在の施設の施設外飼養については、個体識別装置についての記述欄がありませんので、脱走したとしても、個体識別装置についての確認ができないという状況になっていますので、これについても、告示を改正しないといけないというふうに思います。  それから、次に、意見の中に、特定動物の飼養許可に当たっての手続が煩雑であるという意見が、一部のエキゾチックアニマルの業者の中から出ているようですが、現実には、この手続は、非常に甘いものであって、登録さえしていない業者が幾つもあるわけです。
ですので、この手続が煩雑というのは、間違いではないかと思います。既に、今年の5月に、以前、この集まりでも申し上げましたように、エキゾチックアニマル展示即売会で出ていた出店業者が、2件、種の保存法違反で摘発されています。
私自身も、こういう爬虫類の展示即売会に行きまして、特定動物の幼体ですね、赤ちゃんが売られているのを発見して、行政に通報したことは、何回かあります。
 このように、決して手続が煩雑だというわけではなくて、きちんとした監視体制ができないために、違法行為がまかり通っているわけでして、違反者の取り締まりが、ほぼ皆無と言っていますが、そのようなことは実際にはないと思います。
 さらに、選定基準があいまいで、科学的根拠が希薄という意見があるわけですが、これも業者の意見だと思いますけれども、本来、特定動物というのは、すべて野生動物でして、その生理・習性・生態等については、わからないところがたくさんあります。 そういうものを展示即売会などで、安易に販売して、日本中にばらまくということは、好ましくないと思います。外来種対策の問題からも、感染症の予防の観点からも、もちろん動物保護、福祉の観点からもですが、そのような野生動物をむやみに販売できるようなものは、おかしいというふうに思うんですね。
 現在では、この特定動物の中に、サソリですとか、ドクガエル等は入っていないわけですけれども、こういうものも展示即売会では、多数売られています。現在の法律が、爬虫類までとなっているために、そのほかの両生類ですとか、サソリ類などは、規制の対象になっていないわけですけれども、そういうようなものも、特定動物という範疇で入れていく必要があるのではないかと思います。
 さらに、交雑種の問題です。展示即売会等では、さまざまなヘビ、爬虫類の交雑種が売られています。マニアの方々が、いろんな変わった模様をつくり出すと、そういうことで高く売れるので、積極的に交雑種をつくり出しているわけですけれども、単なる趣味のために、交雑種をつくり出すことは、生物多様性の観点からも、種の保存の観点からも、好ましくないことであると思いますので、原則として、交雑種の作出は禁止すべきであると思います。
 最後に、特定外来生物法との整合性です。現在、動物愛護管理法に基づいて、特定動物の一部が、特定外来生物法に委ねられています。マカク属のタイワンザル、カニクイザル、アカゲザルについては、特定動物から除外されています。それから、カミツキガメ科については、カミツキガメが除外されているわけです。
 これらの種の飼養保管は環境省の所管になっていますが、環境省が、こういう飼育者のもとに行って、適正な飼育を指導するということは、物理的にほとんど不可能で、大体、書類審査だけです。しかし、自治体が特定動物の飼養を許可している現在の状況であれば、例えば、何年に1回であっても、現地調査をしたり、飼育環境を見たり、啓発普及ができるわけですね。  それから、動物福祉についても、一応はできるでしょう。同じ種類のものを飼っているのに、ある特定の種だけが例外とされていて、自治体行政が一切関知しないという状態は、自治体が情報収集をして、実態を把握するという観点でも、不都合を生じています。
ですので、環境省は、現在、除外されている、今までは特定動物に入っていたけれども、特定外来生物として除外した種類については、もう一度、自治体の所轄に戻していただきたいと思います。
 実際に、こういう種類については、ほとんどが動物園や研究機関で飼育されているものであって、ほかの特定動物と同じような施設で飼育されているのが多いですので、それによって、自治体の負担が増えるということはないはずです。
 特定犬については、また別途。ありがとうございます。

【林委員長】 どうもありがとうございました。時間が限られていますので、皆様のお手元にある資料1の論点に沿って確認いたしますけれども、特定動物移動時の手続の問題で、通過点は必要ないのではないかと。出発点及び到着点だけでいいのではないかと。これは私も、一つの合理的な意見だと思うのですが。
今、野上委員から、途中で逃げ出した特定動物が、本当にいないのかどうかの確認のご発言でしたが、ほとんどないようだったら、出発点と到着地点でよろしいわけですね。

【野上委員】 休憩地点は、必要かと思います。

【林委員長】 そこでも逃げ出していないようであればよろしいですね。

【野上委員】 そうですね。

【林委員長】 休憩地点では、人間が休憩するのか、それとも動物を外へ出して、休憩するのかで全然違いますね。

【野上委員】 給餌・給水とか、掃除とかはしなければいけませんので、そこのときに逃げ出した事件があったから、この規定ができていると。

【林委員長】 そうですね。しかしその後に逸走していなければ、簡素化した方がいいに決まっていますので、そこの情報をあるかどうか、後から教えていただければと思います。

【山﨑委員】 多分、爆発物等の危険物を移送するときには、各都道府県知事の許可が必要だと思いますので、特定動物が人間に対して危険であるという定義がある限りにおいては、通過する都道府県のすべて許可を得るべきものだと思います。これは倫理的・同義的に必要ではないかと思います。
 それから、もう一つは、途中、通過地点も、必要としない。例えば、そのままおろさないからという概念であれば、これはもう最近では、家畜の輸送などに関する相当な問題が出ておりまして、長期間の給水・給餌なしの輸送というのは、そもそも動物の福祉に反するものでございますから、いずれにせよ、いわゆる出発地点、到着地点だけ、届出というのは、私は妥当ではないと思います。

【林委員長】 それでは休憩地点も加えるということですね。

【山﨑委員】 爆発物などと同じ扱いでないというふうに言い切れるのであれば、やはり特定動物の中には、かなり危険性の高いもの、毒性の高いものもあるわけですから、いわゆる危険物を輸送するという観点から考えるのであれば、これは一律に扱い、すべての都道府県知事からの許可を得るべきだというふうに、私は思います。

【林委員長】 はい、そういうご意見だということで。 ほかにいかがですか。よろしいですか。 (はい)

【林委員長】 それでは、これについては終わります。
 それから、次は、2番目に論点に上がっていますのは、危険犬種の検討ということで、野上委員は、先ほど、犬の話だけじゃなくて、ほかのいろいろな動物の話だったんですが、ここでは、犬種だけを論議したいと思います。
といいますのは、この小委員会の委員が、どう考えてもボアコンストリクターのことを知っているとは思われない。
私は、5年間、ヘビの研究者でしたから、ある程度のことは知っていますが、これはアメリカでは学校で教育に使われているヘビです。だから、これがどうして危険な仲間に入るのか、よくわからないのですが、そうした議論は専門家に委ねた方がいいというのが、資料1の2ページ目のところにありますので、ここでは、犬種についてだけお話しさせていただきたいと思っています。
 はい、どうぞ。

【山﨑委員】 犬種に入ります前に、基本的な考え方ですけれども、今回の法改正では、無理かもしれませんが、基本的には、ブラックリストを作ることには限界がございます。とにかく、我々が把握していないような毒性の高い生物等がたくさん世の中にいるわけですから、リストを作ったからといって、これがセーフということではない。未来永劫続くようなリストを作るとすれば、ブラックリストではなくて、ホワイトリストを作るという方向に向くということを、私は提案させていただきます。
 この動物のみは、特殊な研究所等を除き、一般でも申請し、特定動物として飼うことができる。それ以外はだめという、ホワイトリスト制にしないと、将来的な安全を確保することは無理だと思います。

【林委員長】 いずれにしても、ホワイトであるか、ブラックであるか、どちらにしても、専門家でないとできない作業なので、専門家に任せるという内容で、皆様の合意がとれるかどうかについてご意見をお願いします。
 異論がないようでしたら、この委員会としては、犬種以外の動物については専門家に任せるという見解を持っているということでよろしいですか。
(はい)

【林委員長】 そうしましたら、犬種について論議を進めたいと思います。ここには犬のことをよく知っていらっしゃる方も多いわけですけれども、オオカミ犬であるとか、いろんな雑種がつくられているものですから、これはどういう形で規制できるのか難しい問題があります。

【永村委員】 いつかの小委員会でも、申し上げたことがございますけれども、アメリカのサーペル博士が調査された事例で、かなりの数の犬種、また、サンプリングをかなりたくさんとって、どの犬が一番、主人をかむかと。他人をかむか、犬をかむかと。この三つの調査をされた例の話をしたと思いますけれども、やっぱり、トップ3は、小さな犬なんですね、チワワとか。
結局、自分がいつも不安な気持ちでいるから、どうしても攻撃的になる。したがって、かむという、この一つのことだけをとって、もちろん、かんだダメージの大きさはもちろん、大型犬の方がはるかに大きいわけですけれども、それだけで、犬種というものを白黒分けるというのは、非常に難しい。
 そもそも、あらゆる家畜、人間が飼いならした家畜の、いろんな品種、牛でも馬でも、このいろんな品種というのは、一つの特性を固定して、一つの品種になるわけですけれども、その品種の平均的な能力の差。
例えば、コリーとシェパードが、どっちが速く走るかとか、そういった能力の品種間の差を比べて、いや、これはシェパードの方が速い、コリーより速いんだという結論をつけても、これはあまり意味がない。といいますのは、コリーの中の最も速いものと遅いものとの差、シェパードの中の最も速いものと遅いものとの差。即ち、個体差の方が、はるかに大きいんですね。どんな品種についても。
 そして、あと、危険であるかどうかについても、これは茨城県の例が出ておりましたけれども、非常に私から見れば、奇異な感じがします。セントバーナードだとか、シェパードだとか、どうしてこんなものが危険犬種という気がするんですが。  いずれにしても、種として危険かどうかであることを指定するのは、いわゆる、品種論・育種論からして、極めて矛盾があることだということだけは、申し上げておきたいと思います。

【林委員長】 ほかに、いかがですか、このことについて。 じゃあ、野上委員。

【野上委員】 茨城県の条例についてですが、これは茨城県で、ここに書かれているような危険犬種が人をかみ殺したという事件があって、できているわけです。実際に、こういう規制をしている自治体は、人身事故が起こり、それについて行政が訴えられたり、犬の取締り条例があるのに、なぜそれをきちんとできなかったのかということで、裁判に負けたりしているわけですね。ですので、ある意味、これは行政が自己を守るために必要なものであるということが言えると思います。  今おっしゃったように、確かに犬種だけでやるのはちょっと、いろいろ問題があるかもしれませんが、少なくとも、闘犬というのは、闘うことを目的にしてつくられてきた犬種であるわけです。
ですので、闘犬種が仮にペットとして飼われていても、人が制御できないような行動を起こすことが、しばしばあります。闘犬種、土佐犬が多いですけれども、咬傷事故というのは、毎年のように、どこかで起こっていますし、実際に人が死んでもいるわけです。
 ですから、闘犬を目的にしてつくられた犬種については、例えば、飼育を許可制にするというようなことも必要ではないかと思います。もちろん、闘犬自体は、止めてほしいと思うんですけれども、ペットとして飼っている犬もいるので、こういうような危険性のある犬については、飼育を許可制にするのが妥当ではないかと思います。
 また、オオカミと犬を交雑させて、オオカミ犬をつくるというような業者もいますけれども、このような交雑種についても、確かに種の指定は、非常に難しいわけですが、オオカミ自体、人間が制御できないという観点から、やはり、こういう犬種、犬についても、許可制にすべきではないかと思います。
 さらに、ちょっと、つけ加えますと、猟犬ですね。猟犬が人を襲うということ、あるいは、ほかの飼い犬を襲うということも、しばしば報じられているところです。
ここで話題になっている茨城県では、非常に猟犬の遺棄が多くて、去年も、猟犬を猟期が終わって引き取った数が、数十頭です。多い年で100頭近く、毎年、猟犬が遺棄されたり、飼い主が引き取りを依頼しています。 猟期が終わって、散弾銃を撃ち込まれて捨てられたという犬もいまして、私どもでは、これを告発したんですけれども、被疑者不詳で、いまだに犯人が見つかりません。
 このように、外に放して猟に使うような犬については、マイクロチップを義務づけるということが必要であると思います。これは動物愛護管理法でやることなのか、鳥獣保護法でやるのかちょっと、わかりませんけれども、このような犬については、個体識別を必ず義務づけるということが必要ではないかと思います。

【林委員長】 山﨑委員、どうぞ。

【山﨑委員】 危険犬種法に関しましては、私、大変関心があって、英国法の1992年以来、追っています。私が、今日、持ってまいりました資料というのは、アメリカのピットブルの専門家が書きました、1864年から1975年までのアメリカの新聞報道に基づいた咬傷事故等の統計を入れた本でございますが、今、永村委員がおっしゃったとおり、犬種に特定することはできません。特定することができるとすれば、歴史上、その時代に特定の犬種が何に使われたかということでありこれは人災として考えられております。
 決して危険犬種を擁護するということではありませんが、英国の法律も、それから今、アメリカで評判になっております、デンバーのピットブル犬種法も、天下の悪法と言われております。 犬というのは、飼う人間によって変わりますし、正直言って、これもホワイトリストでなければ、ブラックリストを作っていくと、切りがないのです。
実は、英国は、もともとは土佐犬とピットブルでしたけれど、追って、さまざまなドゴ・アルヘンティーノ等々、いろいろな闘犬の犬種が入ってきましたので、これもまた、闘犬犬種といっても、切りがないリストになってしまうと思います。
 この本の結論の中だけ、ちょっと簡単に申し上げますと、危険犬種というものに関して、四つの共通点があると。
これは、つまり人間に対して、致命的な事故を起こした犬の四つの共通点としては、まず一つは、人間、飼い主が、マイナスの機能を求めている。つまり、番犬に仕立てる、護衛犬に仕立てる、闘犬に仕立てるなど飼い主がマイナスの意図を持って飼っている。
2番目は、飼い主が、人道的な形で犬の飼育及び訓練を行うことを怠っている。
3番目は、全く監視がない状態で、犬と、未成年者、つまり子どもを一緒に置いておく。
そして、4番目が、その犬の繁殖状況、すなわち不妊・去勢をしているかどうかです。
アメリカでの致命的な、この100年の間の事故の中で、必ずこの四つのうち、複数のファクターが存在するという意味では、危険犬種というくくりではなく、むしろ人間側の責任として、どうやって法律で規制をしていくかということを考えることの方が妥当だと、私は思います。

【林委員長】 水越委員、どうぞ。

【水越委員】 私も危険犬種法について、非常に興味があって調べました。その危険犬種法については、今、山﨑委員の方が詳しくお話をしていただいたので、その点は、時間もありませんので省略をさせていただきます。
 危険犬種法に関して、今アメリカの方でというか、基地でも、既にピットブルと危険犬の飼育が禁止になっております。
私がちょっと、知りたいなと思うのは、沖縄県は、非常に基地が多いですよね。米軍基地内でのピットブル等の危険犬種の飼育は、現在禁止になっておりますので、基地の中で飼われていたピットブルが、家族ごとみんな基地から出ているはずなんですね。
 それを沖縄県等が、どうどのようにとらえているか。基地から出ることでピットブルの飼育頭数が恐らく増えていると思うんですけれども、そういうふうな犬が、例えば住民等、地域等に、どういう影響を及ぼしているかというような、事実を知りたいなというふうに思っております。
個人的には、永村委員、山﨑委員がおっしゃったように、やっぱり犬種で取り締まるべきではないと思うんですが、米軍基地では飼育できなくなったというような点から、闘犬種など、つまりピットブル等が増えている地域は、あるのかなと。  あとは、もう一つ野上委員の方からお話があった、オオカミ犬、いわゆる交雑種については特定動物に入れてもいいのではないかと個人的には考えております。というのは、やはりオオカミというのは、やはり野生動物ですので、犬という家畜側の血が混ざっても、やはり、野生生物の行動等が強く残るということがありますので、これは犬ということと、別個に考えた方がよろしいのではないかというふうに思っております。

【林委員長】 ありがとうございました。 はい、どうぞ、加隈委員。

【加隈委員】 殺傷能力、人に対する、特に、人が殺されてしまうという能力をメーンに考えますと、恐らく、大きさというのは、一つの基準には、どうしてもなるかなとは思うんですね。
私も、今まで、ほかの委員の皆さんがおっしゃったように、犬種によって分けるのは、非常に難しいと思います。世界的にも、いろいろ問題が起きているということもありますので、現時点では、特に犬種については検討する必要はないかなと思います。 地域によって条例で定めていることに関しては、基本的に大型犬になっていますので、それはやっぱり、危害を加える能力の高さ、要は、殺される可能性としては、武器が大きい、口が大きい、そういう部分に関して、やはり可能性は、どうしても否定はできないと思います。
ただ、単なるくくりで、大きさだけで、ほかの犬種まで全部入れるとなると、やはり、事務能力的に大変になってしまうかなという部分で、大きさだけを入れるというのもちょっと、難しいなという結論はない意見です。  もう一つ追加しますと、複数の犬が放たれてしまうという状況、それから、被害者が知識がないという状況。特に、子どもや高齢者、プラス知識がないということ、もしくは、管理者の管理が十分じゃないという状況の改善だけは、管理すること、あるいは対処することによって、かなり何とかなるのではないかというふうに思っております。

【林委員長】 ありがとうございました。ほかにありますか。よろしいですか。
 どうぞ、渡辺委員。

【渡辺委員】 今、皆さんのご意見を伺っていて、やはり犬種ではくくれないのだなというのが、よくわかりました。そうであるならば、やはり、まずは一般飼い主が、畜犬登録をきちんとする。それから、鑑札をつける、狂犬病の予防注射をして済み票をつける大切さをすごく思いました。
 これらは、飼い主の義務であるというように、法律で定められているにも関わらず、きちんとなされていない。そこの部分を徹底することが、まずは一番大事じゃないかなと思いました。

【林委員長】 ありがとうございました。  おおむね、犬種で規制するのは、科学的でも、合理的でもないというご意見だと思います。日本では過去20年間で、犬にかみ殺されるという事例が減ってきていますが、しかし、アメリカン・スタッフォードシャー・テリアが、かなり上位にいますので、茨城県の場合は、さっきのお話でございますけれども、クレームがついた順に並べたんでしょうね。それで紀州犬も入ってきたのだろうと思いますが、その犬種に属する犬がすべて危険だという見方は、科学的ではありません。
2ページ目の最初にあるように、重大な咬傷事故を起こした犬について、何らかの措置が必要ではないかという、これについてはいかがですか。つまり、犬種ではなくて、個体のレベルで何らかの規制をするということです。

【山﨑委員】 その犬等に関しましては、恐らく専門家に評価等を委ねるしかないとは思いますが、それに付随して、例えば、咬傷事故データ等を発表なさるときに、何を発表するか。
先ほど四つの危険ポイントという話をしましたけれど、基本的に、新聞記事も含めて、また、公のこのデータ等を見ても、その犬が、不妊・去勢されていたのか、どういう環境で飼われていたのか。鎖でつながれる、一頭飼い、犬舎飼い、それから、どういう訓練を、どの程度、誰がしていたのか、飼い主がどういう人物なのかというようなデータは公表されておりません。それを全部、公表するという対応が、一番、私は咬傷事故を少なくする方法だと思っております。

【林委員長】 遺伝的な問題も無視できません。これは、まだはっきり全体が明らかになっていませんけど、犬の攻撃性に対する遺伝子というのは、いろいろ研究されていますので、今後、もっとはっきりしてくるだろうと思います。現時点では、単に飼育条件だけではないということは言えます。どうぞ。

【斉藤委員】 咬傷事故の届出なんですけれども、法の中では、特に咬傷事故の届出というのはないんですが、各県の条例の中に、多分、ほとんどの県が、自分の家族をかんだ場合じゃないんですけれど、犬が人をかんだ場合、保健所長に届け出をすることになっている条例があると思います。私どものところにもあります。
 その中に、犬種だとか、登録をしてあるかどうか、狂犬病予防注射がしてあるかどうか、そういうようないろいろな状況も、記録して、届出いただくことになっております。
その後、例えば、保健所の獣医師が、その飼い犬についての健康状態、それから狂犬病等が発生していないかどうか、そういうことを確認するということを、各県でやっていると思います。
 今までの犬種ですけれども、私の感覚だと、一番多いのが、柴犬の雑種が、普通の咬傷事故の割合とすれば、かなり多いというふうに思っています。  以上です。

【林委員長】 大体、よろしいでしょうか、これについては。  はい、どうぞ。

【野上委員】 ちょっと、自治体の条例のことで、お聞きしたいんですが、犬が人をかんだ場合に届出る義務があるというのは、動物愛護管理法ではなくて、狂犬病予防法に基づく措置ですよね。違いますでしょうか。

【斉藤委員】 狂犬病予防法だったですか、すみません。どちらかの条例だとは思います。

【林委員長】 狂犬病予防法に基づくものだと思います。  それでは、大体、論議をしていただいたようですので、次に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (はい)

【林委員長】 次は、公園・学校飼育動物でございます。まず、事務局から、ご説明いただきます。

【事務局】 資料2をご覧ください。学校飼育動物につきまして、ご説明いたします。現状では、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準、平成14年の環境省の告示ですけれども、こちらに基準がございます。
 また、文部科学省の方では、社団法人日本獣医師会の協力を得て、教師用手引き「学校における望ましい動物飼育のあり方」を作成して、全国の小学校などに配布しております。
 これは、別添1としてつけてございますけれども、この内容は、ページ数の関係で、小さく印刷してしまいましたが、11ページから、動物ごとの飼育方法が書かれておりまして、また、53ページになりますと、地域の獣医師会との連携をすることですとか、休日及び災害時の対応について、検討会や学習会を開くようにすることが望まれるといったようなことが、書かれております。
 また、この55ページに、動物の愛護及び管理に関する法律についても、紹介されております。
 また、社団法人日本獣医師会の方でも、学校動物飼育支援活動の標準化に向けてということで、獣医師会と業者の連携のための具体的な方策や事例を紹介するガイドラインを作成しております。こちらは、別添2ということで、つけております。  続きまして、公園飼育動物の方に参りますけれども、基本的には、展示動物の飼養及び保管に関する基準が適用されます。また、別添3として、委員限りとさせていただいておりますけれども、自治体を通じて、公園で飼われている動物に関して調査した結果を、添付しております。
 施設毎に見ますと、動物取扱業の登録を受けているのは、43.7%ということになっております。登録を受けている施設については、施行規則ですとか、動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目の適用を受けます。
 また、その動物取扱業の登録状況を、自治体毎に見てみますと、43自治体から回答をいただきましたが、所管内の公園すべてに登録を受けさせていたのは、43のうち15自治体という状況でございます。
資料2に戻ります。2.主な意見としまして、要望書等で上がってきたものについては、動物を飼育している学校は、飼育に必要な費用を予算化し、動物の福祉を確保するために、学校、PTA、獣医師会、動物愛護推進員等が連携するということが、意見として出ておりました。
 3.論点としては、公園飼育動物については、動物取扱業の登録について、自治体間によって取扱いに差があるが、統一した指針を示すべきか。
 また、学校飼育動物の適正な飼養については、文部科学省や社団法人日本獣医師会によって推進されておりますけれども、新たな対策が必要かということで、ご議論をいただきたいと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。これも、野上委員から、資料が提出されていますので、簡単に説明をお願いします。

【野上委員】 委員限りの資料でお出ししている資料3、学校での動物飼育における問題点ですが、まず、第1は、今回の3.11の大震災で、小学校、学校が非常にたくさん、休校になりました。 その休校になった学校で、飼育動物がどのようになっているかということを、実際、現地に行った方々から聞きますと、ほとんど、見捨てられていて、餓死していたという状況があります。それを、この資料の1番目につけています。
 学校というところが、そもそも動物を24時間体制で飼育できる環境にあるかどうかということを考え直さなければいけないのですが、学校飼育動物の飼育環境について、学校がそれに適切に対処できないのではないか。例えば、寒暑対策については、ほとんどできていないということ等があります。
 それから、飼育を困難とする、学校側の事情もあります。例えば、予算がないことは、もちろんですが、教職員が頻繁に異動になるとか、あるいは教員が、業務過多に加えて、それ以上の雑用が増えて、対処できないですとか、あるいは子どもも、動物の生涯に関わるわけではなくて、進級したり、卒業してしまえば、本当に一時的なものになってしまうということ、などです。
 学校飼育動物の医療体制、医療支援の現実においても、獣医師会が全部できるわけでもなく、獣医師会がないところもあったりして、それは、理想的なふうにはいかないと。
 それから、さらに、教育現場では、動物愛護管理法が適用されないために、適切な指導ができていないという実態も、ここに資料として挙げています。
 さらに、学校飼育動物が、非常に繁殖をしてしまい、また遺伝的な疾患等が出てくるなど、さまざまな問題があると。兵庫県では、行政が、学校で死んだ動物の死体を引き取っているというような状態もあります。あるいは、増え過ぎてしまったために、行政に持ち込むというところもあるようです。
 それから、いろいろ、地域に負担してもらおうということも、確かに、それはいいことではあるんですけれども、地域の人たちが、そういう様々な状態に関わったり、応援できるかどうかという問題もあります。
 さらに、前回、前々回の動物愛護管理法改正でも問題になったんですが、学校の飼育動物というのは、しばしば動物虐待の対象になり、学校飼育動物が襲われる、たくさんのウサギが殺されるという事件が、頻発したという例もありまして、最近でも、31件の事件が、新聞で調べた限りですが、起こっているということです。
 文部科学省の資料として出されているものを見ましても、ある意味、いいところだけが書かれていて、そういうマイナス面については、あまり触れられていないのではないかというふうに思います。
ですので、もう少し、学校飼育動物の実態を適切に把握した上で、進めるかどうかを決める必要があると思います。少なくとも、現在、震災ですとか、大きな事故があった場合に、どこの学校で何匹、どのような動物が飼育されているかは、当事者、学校でさえも、よくわかっていないというような状態ですので、適正飼育を普及啓発させるという意味でも、家庭動物の基準をきちんと適用させるという意味でも、施設を届出制にしておくことが、地域や行政や獣医師会が関与できる根拠になるのではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。最後のご意見のように、野上委員は、今の学校飼育動物の現状は、動物愛護よりも、むしろ動物虐待を教えているんじゃないかというような現状もあり、これは、いろんな条件が、予算がないとか、体制がなかなか組みにくいとか、いろいろあるわけですけど、一つの考え方として、これは取扱い施設という形で、届出されたらいいのではないかという、そういうご意見ですね。  ほかに、ご意見ありますでしょうか。はい、どうぞ。

【事務局】 委員長、事務局から1点ご連絡させていただきます。会議が始まった後に、委員の皆様方に、資料を配らせていただきました。「公シンポ―3 動物とのふれあいが原因と考えられた腸管出血性大腸菌集団感染事例の概要と対応」という資料でございます。山﨑委員の方から、今回の学校や、公園関係の議論の参考になるのではないかということで、資料の提供があり、配らせていただきましたので、報告させていただきます。
 なお、山﨑委員からは、特段ご説明等はないということを伺っていますので、一応、配布のご連絡をさせていただきます。

【林委員長】 それ以外のご意見、ありますでしょうか。どうぞ。

【山﨑委員】 野上委員から、現状を如実に物語る写真をいただきまして、大変ありがたいと思います。 私も、被災地の学校の動物に関しては、いろいろな情報が、ぱらぱらと入ってきておりまして、ほぼ全滅であろうというようなお話も、流れておりますが、それに関しましては、動物福祉の観点もさることながら、やはり、子どもに何のために動物を飼わせるかという観点からも考えるべきでしょう。皆さんもご存じであると思いますが例えばゲイル・メルスン等、発達心理の先生方が、児童と動物の関係に関して、かなり欧米では、論文発表等を行っておりますが、その中で、基本的な意見として、最近定着してまいりましたのは、動物虐待を見せることは、児童虐待であるという理論でございます。
そういう意味におきましては、動物が死んでいる姿、餓死している姿、あるいは放置される姿そのものを、子どもに体験させるということは、これは児童虐待と考えて、精神的な虐待としてとらえるべきであるというふうに思います。これは、動物愛護管理法に関連した問題ではございませんが、意見としては、皆様方にぜひ、知っておいていただきたいことだと思います。 それから、時間がありませんので、詳しく説明はいたしませんが、例えば英国のSCASなどが、学校のペット・プロトコル等を出版しています。かなり学校動物に関して、こういうルールを守ってくださいというものは、いろんなところで出ております。
そういったものを、例えば動物愛護管理法の中に入れるのは難しいとしても、環境省の方から、文部科学省を通じて、あるいは、直接、動物を飼育している学校の現場に、こういった形をとれない場合には、飼育を考える。一度、飼育を止めるのも、一つの考え方であるという、そういう指導があってしかるべきだと、考えております。
やはり、夏場等、チャボが脱水で死んでしまった事例や、モルモットが、網に足をひっかけて、足に潰瘍ができた事例など、私も、子育て中、そして子育て後も、学校動物のSOSに随分と対応し、いろいろな事例を見てまいりました。一言で申し上げることはできないのが残念ですけれど、今、何か手を入れないと、この状態というのは、学校で動物を飼うことに対する社会状況がますますアップビートになっていくということが、私は、一番懸念することです。 子どもにとって、動物はいい、いいと。動物介在教育という言葉がひとり歩きをしているということの危険性を、私はひしひしと感じております。

【林委員長】 ありがとうございました。欧米でも、地域に比べると随分、学校飼育動物というのに、考え方が変わってきていると言いますね。トーンダウンしているといいますか。学校飼育動物には功罪があるということですね。 そのときに、先ほども野上委員がおっしゃったんですけど、功のところは、割と宣伝するけれども、罪のところは、なかなか表に出てこないということがあったりして、ただ、随分、落ち着きつつあるわけですけど。
そのためにも今、一つの提案としては、この学校飼育動物が、把握できるようにしたらどうかという提案だったんですが、それ以外に何か提案があれば、どうぞ。

【山口委員】 すみません。提案というより、先ほど野上委員が、動物愛護管理法は、学校動物に当てはめられていないのではというお話をされたのですが、実際、学校側からそのような発言があったということであったと思います。 動物愛護管理法の下の家庭動物等の飼養及び保管に関する基準の中で、学校動物のことも触れておりますし、適切な世話を与えなかったら、これはやはりネグレクトで、動物愛護管理法の下で、対応できると思うのです。
ですから、これは動物愛護管理法の下で指導ということは、やはり可能だというふうに思いますので、動物愛護管理法が当てはまらないというのは、ちょっと違うのかなと思いました。

【林委員長】 特に、記述がないとか、そういうふうな意味でおっしゃっているんじゃなくて、例えば、先ほどの特定動物だって、特定動物も、哺乳類から爬虫類までは、やっぱり動物愛護管理法の対象ですよ、当然ながら。
だから、そういう意味ではなくて、特に、そういう部分はないというような、そういう意味ですね。

【野上委員】 この資料3の5ページ目に、教育現場で動物愛護管理法が運用されない背景というのを出していますので、ここで中川美穂子さんと、鳩貝太郎さんが書いていらっしゃることを読んでいただければ、わかると思います。 現実に、意図的に、学校教育の中で、動物愛護管理法を指導しているということは、まずないですと。つまり、動物愛護管理法をきちんと適用されると困るのではないか。
適用されると逆に、余りにも、いろんな、さらにやることが増えるので、できないということを言っているわけなんですね。

【山﨑委員】 だから、そもそも私は、動物愛護管理法を適用して、飼えないなら飼わない。そもそも休みがあれだけあるところでは、飼える場所ではありませんので、そこを本当に飼えるかどうかを検証していただくことも必要です。きちんと、届出も、もちろん今飼っているところは、するべきだと思うのですけれども、その辺も、もう一度、考え直して、どんどん学校飼育動物を進めるというのは、一たん止めるべきだというふうに思っております。

【林委員長】 ほかにいかがですか。  はい、どうぞ。

【水越委員】 すみません、今の続いている議論というのは小学校等の学校飼育動物だと思うんですけれども、それ以外にでも、現在、専門学校等で、動物園の飼育係を育成するような学科等が、結構ありまして、そういうところでは、結構、いろんな哺乳類であるとか、いろんな爬虫類であるとかを、いわゆる実習目的で飼育されているようなところが多くなっております。
 やはり、そういうようなところも含めて、やはり、野上委員がおっしゃった届出制というのを考えていただきたいなと個人的に思っているんですね。
というのは、前回、実験動物の施設についての議論がありましたが、やはり、実験動物として飼育されている動物よりも、長期間、実習用に飼育されている動物の方が、やはり、飼育施設等に問題があったりするケースが、多いように感じることがあります。
 ですから、やはり、小学校等の、よく言われる学校飼育動物だけではなくて、専門学校で学校の飼育動物にはなると思うんですけれども、そのような動物についても同じように災害等の問題も絡むと思いますので、届出というような制度に進むといいなというふうに思っております。

【林委員長】 ありがとうございました。先ほどから、その方向のご意見が出ているんですが、それに対する、逆に、いや、それは必要ないのではないかというご意見はないですか。
 どうぞ、斉藤委員。

【斉藤委員】 学校の飼育動物について、実は、私たちも、年間に学校から依頼があって、現場へ行き、業務として指導といいますか、子どもたちに、こんな形でやったらどうかとか、先生方にアドバイスをする、そういう業務をやっております。
 それから、そこに地元の獣医師会の先生方も入って、獣医師会としても、予算的にも配慮をしていただく制度があって、そういう中で指導をするということを、毎年、継続してやっています。
ただ、残念ながら、希望として手を挙げていただく学校が、まだ少ないというところで、もう少し、積極的に私たちも行こうと思っていますし、手を挙げていただける学校が増えればいいなと思っています。
 これは、届出制ということを考えたときに、やはり、それぞれ指導する機関があって、学校の中で、きちっとした管理をする。問題点がないというわけではないと思っていますが、その中でしっかり指導していくということが、まず大事ではないかというふうに、私は思います。

【林委員長】 ありがとうございました。ほかには、よろしいでしょうか。  山﨑委員、どうぞ。

【山﨑委員】 たびたび申し訳ありません。野上委員が下さった資料の中のご発言もさることながら、やはり、一部の獣医師の先生方の間では、子どものためであるから、動物に少々我慢をしていただいてというような考え方が、やや先行気味というのが、今の実情だと思います。
実際に、一昨年の子ども虐待防止学会では、学校動物に関わっておられる獣医師の先生が、そういったご発言を公の場でなさり、かつ、私の関わっている現場でも、子どもがウサギを落として、骨を折ったことがあるけれど、それは仕方がないことだというご発言もありました。
 こういった考え方というものを、いさめていくためには、動物愛護管理法をどう利用できるかということを、やはり考えるべきであろうと思います。

【林委員長】 わかりました。先ほどから、そのご意見が出ていますので。  どうぞ。

【井本委員】 私は獣医師です。横浜市の経験では、20年ぐらい前から、教育委員会と獣医師会が、その問題に関わっています。初めのころ、今から20年ぐらい前の状況では、学校一校当たりうさぎの数が何羽いるかということはわからないぐらいの、言うなれば悲惨な状況でした。
ところが、教育委員会がオスの去勢の予算づけをし、それを10年ぐらい続けていきますと、ほとんどの学校で去勢は済んでいきます。そうしますと、どんどんどんどん数が減っていき飼育環境も改善されていきます。 長いスパンで、こういう物事というのを考えていかなければいけませんので、現状を何とかするために、それはもちろん法律的に何か手当をすべきだと思うのですが、現状の法律でも、やる気のある自治体あるいは教育委員会と獣医師会がタッグを組めば、やれるだろうという気はしています。
しかし、残念ながら今の段階では、動物を飼っている学校は、それを自覚する意味で、届出の方がいいだろうという気はいたします。

【林委員長】 ありがとうございました。私も、昨日は唐津から帰ってきたのですが、唐津で学校飼育動物として馬を飼っていた吉田先生という方のところに行ってきたのですが、その方、退職されて、その馬を引き取って自分でNPOを作ってやっておられる。
だから、本当に、先ほどから悪い例はもちろんたくさんあるのですけれども、いい例がないわけではなくて、教育委員会も学校の先生も、また、あるいは地域の応援を得ながらやっているところもないわけではないわけです。 ただ、小委員会としては、悲惨な虐待をしているのではないかと思われるところから、本当に一生懸命やっておられるところまで、ばらばらある中で、何か今することが必要ではないかという、そういう論議で、おおむね皆様の意見の中でいうと、もしあるとすれば届出制ですね。
ただ、斉藤委員からは、その前に、もう少し皆さんの成熟度が高まることが必要ではないかというようなご意見だったと思うのですが、そういうふうにまとめていいですか。よろしいですか、この問題については。

【渡辺委員】 今はペット飼育禁止の集合住宅に住む子どもも多くて、そういう子たちにとっては、学校飼育動物はとても楽しみな存在である場合もあります。そして今の子どもたちが多くの時間を費やすゲームの中の生き物ではなく、触れれば暖かい動物から学ぶことというのは多いだろうとは思います。
ただ、やはり、私の地元でも、学校飼育動物の係の子が白衣を着てマスクをしてゴム手袋をはめて世話をするというのは、これでは触れ合いどころではないし、やはり根本的に見直さなければいけない点は多々あると思います。
今の学校飼育動物というのは、そこの学校に関心度の高い先生がいる、あるいは地域に目をかけてくださる獣医師の先生がおられることで成り立っているケースが多い。ですから、やはり今の制度を見直すべきだと思います。
 例えば、学級ごとで話し合って、何年か寿命のわかっている動物をちゃんと生徒たちが持ち回りで世話ができるのか、夏休みはどうなのかという、計画的な話し合いをした上で、教室の中で飼うといった新しいタイプの学校飼育動物が出てくるのが理想的ではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。  どうぞ、青木委員。

【青木委員】 学校というのは、大体数が簡単に把握できるというか、誰でもどこに学校があるかわかる。届出制というものを導入するという議論が、いろいろなところで、この委員会でも出ていますが、そのときには、一体、誰がどこで何をやっているかわからないから、届出は、せめてさせて、行政で情報を把握しようと、こういうような文脈から出てくるのだと思うのですね。
そうしますと、学校については、単に、都道府県の行政の担当者が、おたく何頭飼っていますかと言えば、情報把握という点では、済むのではないかという気がいたします。
それを超えて、例えば何らか法文の中に、学校で飼育する場合は届出なければならないというふうにするのであれば、それを超える部分、そうしなければならない部分はどこなのかと。
単に何頭いますか、種類は何ですかと聞くのでは足りない何かというのを、もうちょっと詰めた方がいいような気がします。
 それから、専門学校的なもの、もう既に動物取扱業で入っていると思うので、それは別論でいいというふうに思います。

【林委員長】 初等・中等教育で、動物を飼っているのは、単にそこに好きな先生がいたり、周りに獣医師会で、そういうことで熱心な人がいるからやっているわけじゃなくて、基本的には、指導要領の中に、動植物を育成することによって、自然を愛し、生き物を慈しむ心を育てる、ちょっと正確な文章は忘れましたけれど、そういうのがあるわけですね。
それに従って、小学校は4万校ですか、大分、統廃合進みましたけれども、青木委員がおっしゃったように、小学校は逃げも隠れもしないし、密かにやっているようなものでもないわけで、果たして届出制がなじむのかどうかは、考える必要がありますね。

【野上委員】 届出制などいうものは非常に簡単なもので、例えばフォーマットをエクセルなりに入力して、それをメールで送るくらいでもできるわけですね。
こういう3.11のような大災害が起こったときに、速やかに、緊急連絡体制ができるようなこととか、そういう動物はどこに避難させるべきかという情報ですとか、そういうものの連絡体制ができるということも、届出制のメリットだと思うのです。
根本は、現在の状況では、動物愛護管理法を普及しようにもできない状態であるので、それを普及させる根拠として、届出制というものを位置づける必要があるのではないかということです。 この動物愛護管理法は、すべての飼育動物をカバーしているわけでして、人間の場合には、戸籍制度もあり、そういう連絡体制もありますが、動物については、しばしば見捨てられることが多いわけです。
そういうことをできるだけなくしていくようにという趣旨で、届出制などは最低限必要ではないかということです。それは、次の公園飼育動物についても全く同じことです。

【林委員長】 じゃあ、大体、論議は出尽くしたということで、次に進みたいと思います。
 3番目ですけれども、災害対応。

【水越委員】 すみません、ちょっとごめんなさい、確認で、環境省の方に聞きたいのですけれども、今、先ほど林委員長のほうが、専門学校は取扱業に入っているということだったのですけれど、入っていますでしょうか。私、入っていないというふうに、現行では入ってないというふうに思っていたのですけれども。すみませんけれども、答えていただけますか。

【林委員長】 その論議を、ここでしなかったですか。

【山﨑委員】 次に入れましょうと。

【水越委員】 現時点では。

【林委員長】 現時点では入っていないですね。入れましょうという論議をした記憶がありました。

【青木委員】 その点についての先ほどの私の発言は間違っていました。訂正します。

【林委員長】 それでは、次の、最後の議題は災害対応です。これも事務局からご説明いただきます。  公園飼育動物は、先ほどからの論議では同じ扱いではないですか。

【野上委員】 公園飼育動物については、環境省のアンケートでも、動物取扱業の登録をしていないのが、過半数であるということですが、公園の動物飼育というのは、不特定多数の人に展示するものであり、かつ多くの人が触れ合ったりして、公衆衛生ですとか、感染症の問題とか、あるいは鳥インフルエンザなどが発生すると直ちに処分とか、そういうような問題があるわけです。
現在、公園の飼育動物が動物取扱業に入っていなかったこと自体が問題なのであって、これは直ちに動物取扱業に入れるべきだと思います。有料とか無料とかは関係がないわけですね、業については。
不特定多数の人に展示するという意味では明らかに業なので、今回是非入れていただきたいというふうに思います。

【林委員長】 ほかにご意見ありますか。  特になければ、そういう意見があったということで。それ以外のご意見はなかったということになりますね。  それでは、3番目に行きたいと思います。

【事務局】 それでは、災害対応ということで、資料3をご覧ください。  1.現状については、国及び自治体と個人、所有者等、また民間団体、この三つに分けてご説明いたします。  (1)国及び自治体のところですけれども、動物愛護管理法上に、震災・災害対応に関する規定は、現在のところございません。ただ、第5条に基づいて定められた動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針、この中に災害時対策について記載がございます。
その該当部分を、資料3の1枚目下の四角の中に抜粋しておりますけれども、被災地に残された動物の収容及び餌の確保、特定動物の逸走防止及び捕獲等の措置が、関係機関等の連携、協力の下に迅速に行われるようにするための体制を、平素から確保しておく必要があると書かれております。
また、講ずべき施策として、地域防災計画等において明確化して、体制の整備を図ることとされております。  この地域防災計画等における位置づけの状況ですけれども、自治体に対して行ったアンケート調査の結果については委員限りの別添1に示しております。全国107自治体のうち81自治体が災害対策基本法に基づく地域防災計画や動物愛護管理推進計画といったものの中で、災害時の対策が記載されているということでございます。
また107自治体というのは、政令市・中核市を含みますが、47都道府県のみで見ると、37自治体が地域防災計画に書いていまして、4自治体が動物愛護推進計画等に書いていて、残る6自治体についても、今後地域防災計画に記載する予定であるという回答を得ています。
 また、別添2につきましては、それぞれの自治体の防災計画等における動物の愛護管理についての記載状況を、具体的に、どの自治体がこういったことを書いているというようなことを一覧にしております。
 続きまして、災害対策基本法に基づく防災基本計画の見直しが行われているところでありまして、環境省からも、この検討には参加しております。防災基本計画について、動物に関する記述は、現在、資料3の2枚目の四角に囲まれる内容のみとなっております。
 また、(2)所有者等に関する規定ですけれども、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準に、緊急時対策として、こうしたことをしてくださいというようなことが定められております。
 また、今年の動物愛護週間の中央行事で、「備えよう! いつも一緒にいたいから」ということをテーマとして、別添3で添付しているポスターや、別添4のパンフレットを作成するなどして、環境省を始め、関係団体で、飼養者への普及啓発といったことについても取り組んでおります。
 また(3)民間団体等の取り組みですけれども、阪神・淡路大震災以降、関係の団体によって、緊急災害時動物救援本部というものが組織されております。
 また、災害が発生した現地においては、通常、その自治体と地方獣医師会、また地元の動物愛護団体等によって現地本部が設置されております。今般の東日本大震災で設置された現地本部の一覧を、この資料の中で示しております。
 2.主な論点としてご議論いただきたいことですけれども、既に多くの自治体において、災害対策基本法に基づく地域防災計画の中で、被災動物の救護等に関する事項を明記しているが、改めて動物愛護管理法に規定する必要があるかと。
また、所有者等への普及啓発をどうしていくか、民間団体の取り組みをどう支援していくか、行政と民間団体の協力体制といったことをどうしていくかということが、論点となろうかと思います。
また、参考法令としまして幾つか上げておりますけれども、災害時の計画を立てるべきというような内容でわずかに触れられている程度かと見受けられます。
 また、本日、参考といたしまして資料をつけておりますけれども、参考1が、米国における震災、災害対応の法律でございます。ペットに関係するところを太字で示しておりますけれども、同行避難に関する計画を作ることですとか、シェルターに関する予算配分をきちんとすることですとか、そういったことが記載されております。
また、参考2と参考3として、今回の東日本大震災における各自治体の対応について最新の状況をまとめておりますので、こちらもご覧いただきたいと思います。
 以上です。

【林委員長】 いかがでしょうか。ご意見いただきたいと思います。
 特に、最後の論点にございますように、災害対策基本法に基づく地域防災計画の中で、被災動物の救護等に関する事項を明記してありますが、改めて動物愛護管理法に規定する必要があるかどうかということですね。
これについてご意見をいただければと思うのですが、いかがでしょうか。  じゃあ、水越委員、そして野上委員。

【水越委員】 今、明記されているということだったのですけれど、今の法律だと、防災計画の中に動物も入れたほうがいいよ的な感じのニュアンスで、義務というような感じではなかったかと思うのですけれども、私は防災基本計画等に、家庭動物等を入れなさいとしっかりとした明記が欲しいなと思っています。
もう一つは、また地域防災基本計画というのは都道府県等が作成する思うのですけれども、確か、実際に避難所等になりますと、これは市町村の話になってくると思います。ですので、都道府県の地域防災計画等に入っていても、市の計画の中には入っていないというケースが、結構、見受けられるように思います。
ですので、やはり同行避難というようなことを環境省ベースで言っても、いわゆる市町村レベルでは、そのあたりが計画の中に入っていないケースが多々見られますので、やはりそういう整合性ということを保つためにも、やはり市町村にも、それが可能かどうかはわからないですけれども、やはり入れるようにというような指示があると、非常に整合性がとれるかなというふうに思います。

【林委員長】 ありがとうございました。 野上委員。

【野上委員】 動物愛護管理法の中に、災害時の対応を明記するべきだと思います。それに基づいて、動物行政がきちんと対策を立てることができるようになる、やはり根拠の一つとなると思います。
それから、動物愛護管理推進計画は非常に大雑把なものですので、その他に災害対策に特化したマニュアルのようなものを、自治体が作るべきだと思うのですね。
福島県では、災害時における動物救護マニュアルというのを作っていたのですけれども、全然公表されないで、県民が、やむなく県に情報公開請求をしてやっと手に入れたという状態です。
しかも、それは自然災害用のマニュアルで、原発対応ではないから適用しないというふうに県が言っていたそうです。このようなことであっては、いざというときには何の役にも立ちませんので、より具体的に細かく書いたマニュアルが必要ですし、その場合、自治体によっていろいろな条件が違うと思うので、自治体ごとにそういうマニュアルを作ってほしい。 その根拠となるように、やはり動物愛護管理法の中に、そういうマニュアルを作ることを進めるような条文を入れていただきたいと思います。
現実に、日本は、原発や津波だけではなくて、洪水もありますし、火山の噴火もありますし、平均にならせば数年に1回は日本全国で大きな事故が起こっているわけです。その場合に、常に動物の救護について問題になり、手遅れになり、救える命をなぜ救えなかったのかということが議論になります。
やはり、予防をするという意味でも、日頃から考えておくという意味でも、そのような体制づくりを進めていく必要があると思います。
 それからもう1点は、この動物愛護管理法の対象がペットに限定されているきらいがあるということです。
先ほど、学校飼育動物が見捨てられてしまったということを言いましたが、それは家畜についてもそうですし、実験動物についてもそうです。
特定動物だけは危険であるということで一応エリアに入っているようですが、ペットショップや繁殖業者が大量に飼育している犬や猫なども、なかなか救済の対象になっていないという現実があります。
この動物愛護管理法は、すべての飼育動物をカバーする法律であるわけですから、そのほかの動物についても、やはり最低限は実態把握をしておくということが必要です。そういう情報を自治体が持っていなければ、いざというときに何の対策もできないわけです。
実際に、実験動物についても、電気や水道が止まれば、あっという間に何千、何万という動物が死んでしまうわけですね。そういう意味で、動物の福祉、それから公衆衛生、危機管理の観点、そういうものを含めて、すべての飼育動物をカバーする危機管理対策として、動物愛護管理法の中に、きちんと明記していただきたいと思います。

【永村委員】 今回、特に福島で、災害時にどうするかということを法律に盛り込むという観点から考えた場合、例えば、原発事故で避難しなければいけない人が、自分の飼い犬を開放して逃げるべきなのか、つないでおいて、餌をたくさん置いていって、また今度来るまで生き延びるだろうと思って自分たちだけが避難するのがいいのか。
これは、家畜でも同様なことがいっぱい起きているわけですね。これは、法律できちっと書けるかどうかということも、私は大変微妙で難しい問題だと思うのですよ。
だから、明記すべきだという結論を、ここでお出しになっても、何をどこまで書いていくのかということになりますと、今、判断できかねることが、大変、今回の原発事故ではたくさん起きたということだけは言えると思います。

【林委員長】 では、野上委員、どうぞ。

【野上委員】 法律には、そういう細かい現場の対応については書けないと思うのですね。やはり、基本的なことを書くだけであって、実際は原発についても、津波についても、火山の噴火についても、それぞれみんな対応は違うわけです。
ですから、国の防災基本計画の中でも、災害の態様ごとに分かれて書かれています。同じように、マニュアル程度であれば、具体的にこういうケースの場合はこういうことができると、あるいはこういうふうにすべきであるということが書けるということを申し上げているわけであって、法律にすべて細かく書くということは不可能だと思います。

【林委員長】 山口委員、どうぞ。

【山口委員】 私は、本当にもうどっぷり関わってきましたので、是非とも動物愛護管理法の中に、同行避難を含めた災害時の動物に対する対応を、動物愛護管理法の中ではっきり述べていただきたい。その上で、野上委員もおっしゃったように、いろいろな種類の動物があると。
それから、永村委員が、地域地域によっても違うし、災害によっても違うだろうということは、本当にそのとおりで、今回、福島でも、餌たっぷり上げてきたらよかったかというと、あっという間に、そういうのは底をついてしまい、それから後は飢えるという状況が起こってきているわけですので。
その辺は、主だった骨子は全部法律で決めておいて、あとは、それに基づいて動物愛護管理法の中には基準とかいっぱいあるわけで、その基準自体が、法律としっかり絡むような形で作る意味でも、また専門委員会等を持っていただいて、細かいところをすべて細かく決めていただいた上で、それを市町村にまで徹底しておろしていただくと。
それに基づいて市町村では準備するという態勢づくりと、それから情報公開でないと出ないというのは困るのですけれども、一般の方の、要は飼い主が同行避難をやるわけですから、飼い主の教育も普段からやるということも、その法律の中に入れていただけたらなというふうに思います。
飼い主次第というところは結構ありますので、是非そこは、飼い主教育といいますか、そこはお願いしたいと思います。

【林委員長】 ほかに意見。打越委員、どうぞ。

【打越委員】 私も、動物愛護管理法の中に、災害時の動物への対応について、自治体は何か準備することというのを条文の中に入れるべきだと思います。
もう、山口委員がおっしゃっていた件にも賛同しますが、その前に、先ほど水越委員が、地域防災計画が都道府県レベルだと思うのでというお話があったので、それに関連して。
私は、消防庁の危機管理に関する検討会委員を引き受けたことがあるのですけれども、今、ちょっと記憶が自信がないのですけれども、地域防災計画は、都道府県と政令市レベルでは、たしか策定が義務づけられていて、一般の市町村に関しては、それぞれ任意でというようなことであったと思います。
なので、実際には、もうこの災害が多くなってきているご時世ですので、一般の市町村であっても、地域防災計画を策定しているところがほとんどだと思います。
ところが、その地域防災計画が実際に動けるものになっているかというと、必ずしもそうではなくて、つまりこの環境省の主な論点のところで、災害対策基本法の中で、その地域防災計画の中で動物のことを触れることが明記してあるけれども、重ねてやる必要があるのかと指摘がありますが、私は全然重ねて構わないと思います。
というのは、地域防災計画に載せてもらったから、じゃあその災害対策が動くかというと、実際には全然動かない。自分のところの自治体が被災してみないと、やっぱり自治体の担当者ですら何が起きるかわからないという状況ですので、防災計画に載っているから安心できるものでも何でもない。
そう思うと、また、防災計画に載せてあるのは、やっぱり災害時の緊急対応という全体の目線の中で動物を位置づけてあるだけですので、動物の愛護の観点であるとか、公衆衛生の観点であるとか、そういったものから筋の通った法律の条文になっているわけではないわけです。
そういう意味では、動物愛護管理法で、災害時の対応についてはきちんと規定して、保健所の担当者に伝えていくことは非常に需要だと思います。
その際、問題になるのは、法律の条文で、例えば、犬や猫の引取り等は、都道府県や政令市、要は保健所があるレベルの自治体と分けていますけれども、例えば、法の第34条の動物愛護担当職員などは、何も都道府県・政令市に限定しておらず、地方公共団体はというふうに入れておりますので、山口委員がおっしゃったとおり、すべての市町村に、そういうことをやってもらうためには、地方公共団体は云々というのを入れるべきだと思います。
ただし、作らねばならないという義務の条文にすべきかどうかは、やはりわからなくて、各市町村レベルが、それぞれきちんと判断して、自ら、そういうマニュアルを作るというような表現でよいのではないかと私は思います。
 以上です。

【永村委員】 さっき、私が申し上げたことは、やや誤解を招くかもしれませんけれども、私が申し上げたかったのは、例えば豚とか牛とか、いわゆる同行避難にはとてもなじまない大きな家畜がたくさんいるわけですね。こういう家畜については、およそ近い将来、救済できないという判断がその場でできれば、直ちに安楽死として銃殺を是非させてほしい。 保定をして毒物で殺すなんていうのは、大変な労力と時間がかかるわけですから、ペットでも、とても今、人間と同行避難ができないというときは、何らかの特殊な人に銃を持たせて、どんどんどんどん銃殺をしていくと、安楽死という意味で。
そういうことを法律に盛り込むのであれば、災害時には、今回のような場合でも非常に有効だと思います。もちろん、それが動物愛護にかなうという理解が得られた上でということであります。そういうことです。

【林委員長】 動物愛護管理法は、かなり理念的な面が強いので、今、永村委員がおっしゃったようなことが、もっと下位のレベルでできるようなためにも、何か災害対応、つまり災害についての条文をきちっと入れておくべきだと、こういう意見になるのだろうと思うのですね。
 山﨑委員、どうぞ。

【山﨑委員】 今の永村委員がおっしゃったことの誤解がないように、私の方からもちょっと加えたいと思うのですが。
これが可能になる一つの礎というのが、安楽死方法に関する、きちっとした何かドキュメントをつくるということですよね、獣医師会が。
実際問題として、ボルトガンや小銃を使うという安楽死に関しては例えば英国のRSPCAのインスペクターなども、きちっと一つの選択肢として持っております。しっかりした金庫のようなものを車に積んで、銃を持って歩いております。
ですから、これは決して動物を軽視しているということではなくて、安楽死とは、そもそも何かという礎があった上で、今、永村委員がおっしゃったようなことというのは、我々が考えなければいけないことだと思います。
 それから同行避難に関しましては、一つ問題なのは、実際に防災計画の中で入れる、あるいは動物愛護管理法の中でやりなさいというふうに、あるいは望ましいということを言った場合には、どういうふうにするかというところの、一応、法律では決められなくても、少し先を見越しておかなければいけないということだと思います。
今、東京都でも23区のうち16区は、たしか計画の中に同行避難という言葉が出ているのですが、獣医師会との協定ありとか、それから一部の避難所で受け入れ可能とか、割とあいまいな表現がたくさんあって、実際には、できるのかどうかという疑問があります。
恐らく、このダウンロードされたアメリカの法律はFEМAの法律だと思うのですが、アメリカにはFEMAという緊急時の災害対策の特別省がございます。この省の長官は、この法律を読みますと、事前に地元の自治体などが動物の緊急時災害対策に関するプログラムの資金要請をした場合には、それが長官によって承認されれば、長官から、それに対する助成金を出すことも可能であるというふうに出ているわけですから、ここまでどうやって担保していくかというのは、これは動物愛護管理法の域ではないかもしれません。ただやれといっても、今、自治体に準備をするお金も、人もないとすれば、実際、本当に絵に描いた餅になってしまうという危険性はあると思います。

【林委員長】 ほかに、ご意見よろしいですか。  小方委員、どうぞ。

【小方委員】 かつて、神奈川県の大学で勤めているときに、県レベルで防災の会合が幾度かありました。 そのときに、いろいろな話が出たのですが、その中で、いざ災害があったときに、大学はどう対応するかということが話題となりました。
大学に持ち帰りまして、ちょうど防災訓練の時期がございましたので、大学も是非動物との同行避難を提言しましたが、手間がかかる、今はあくまでも訓練だというふうなご意見で実施の同意は得にくい状況でした。
多分、日本のいろいろな学校でも、同じ状況だと考えます。
実験動物はどうしますかという問題もあります。これは、今まで何となく避けてきている話のように思います。
今、なかなか難しいことでしょうが、こういったことも少しずつ、いろいろな機関で、あるいは行政で検討していくということが求められます。

【林委員長】 ありがとうございました。  今、論議は、動物愛護管理法に何か規定する必要があるかないかということなのですが、今、いろいろなご意見を聞いている限りは、ある程度、規定した方がいいのではないかというご意見が多いのですが、どういう内容を規定するかということになります。
細かいところは、今後の検討なのですけれども、私、一つ、ここに主な論点というのが書かれている中で、所有者等への普及啓発、これは、今日も動物愛護週間の別添3で資料をいただいていますが、こういうことはどんどんやっていただく、今後ともやっていただく。
今回の動物愛護週間も、防災がかなり中心になったのだろうと思うのですが、やはり、どう考えても、動物愛護の場合は、国・地方自治体という公的な施設と同時に、民間レベルのボランタリーな活動がすごく重要で、これをどういうふうに有機的に統合的にできるのかということについて、何か動物愛護管理法の中で触れることができるのかどうか。
それから、先ほどから永村委員もおっしゃっています、牛とか豚とか鶏とか、つまり実験動物もそれに入ると思うのですが、同行避難できない、つまりペットというカテゴリーではない動物たちを、これはおのおのの、農林水産省とか厚労省とか文科省とか、そういうところとの省を超えた協力体制をどうやって作るのかというようなことも、何かもうちょっと、かなり上のレベルで決めておかないと、決めておかなくてもいいですから、何かできるようなものが書けるのかどうか。
これは、むしろ法律に詳しい委員の方、ご意見いただければと思うのですが。
 打越委員、どうぞ。

【打越委員】 どれだけ条文を入れるかによると思います。たった一文だけだと、なかなかやりにくいかもしれないですけれども、現在の法でも、動物愛護推進員と、協議会について定めていますので、民間団体との関係については、既に法律の条文があるわけです。
例えば、災害時対応を法律の条文に入れる場合に、例えば条文一つであっても2項、3項というふうに入れていけば、少し詳細に規定することができます。例えば、本文において災害時に向けての事前の予防とか対応について考えていくことが望ましいという書きぶりをして、その後に、例えば愛護推進員や協議会との連携を常日頃からとることとか、信用できる民間団体との協力を進めておくこととか、既に民間の活動団体のことについて条文がありますので、だから内容次第、何を入れるか次第だと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。何か、渋谷委員、青木委員、ございますか。よろしいですか。  野上委員の前にどうぞ。

【加隈委員】 産業動物の災害対応というのが、やや手つかずと言ったら何ですけれども、なかなか対処が進まなかったように印象を受けているのですけれども。
やはり一つ動物愛護管理法の中で入れられるとしたら、産業動物の基準が古い形のままずっと残ってきていて、実験動物や家庭動物に関しては、かなり、もう少し踏み込んだような書き方を緊急時対策という形で入れられているのに対して、産業動物の方は、産業動物の飼養及び保管に関する基準の第5危害防止の3項に「管理者は、地震、火災等の非常災害が発生したときは、速やかに産業動物を保護し、及び産業動物による事故の防止に努めること。」と書いてはありますけれども、ほかの、例えば実験動物の方であれば、緊急時の対応というのは、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の第3共通基準の中の最後の方になりますでしょうか、3危害等の防止の(4)緊急時の対応というところで、「管理者は、関係行政機関との連携の下、地域防災計画等との整合を図りつつ、地震、火災等の緊急時に採るべき措置に関する計画をあらかじめ作成するものとし、」などと、かなり具体的かつ行政機関の責任というか、関与を具体的に書いてあるということがありますので、この基準を改正するときに、産業動物に関しても、少し踏み込んだ内容にするということは、一つ対策としてできないかなと考えます。

【林委員長】 ありがとうございました。  どうぞ、野上委員。

【野上委員】 先ほど、家畜を同行避難することはできないというお話でしたが、場合によっては、できる場合もあると思いますし、できない場合もありますので、その場合には、やはり先ほどご意見があったように、安楽死の基準について、もう一度見直すということが必要かと思います。
 それから、実験動物については、いろいろ関係機関が連携してといいましても、どこに実験施設があるかもわからず、何が飼われているかもわからない、そういう情報を自治体が一切持っていないという中で大災害を迎えたときにどうなるのかと。ある意味、非常に恐ろしい状態であるわけです。
ですので、実験動物施設についても、少なくとも実態把握をするということは、危機管理の観点からも必要不可欠な時代になっていると思います。
産業動物については、現在の法律の中に産業動物という言葉さえもないわけです。基準にはありますが、産業動物の存在さえ法律の中に書かれていない現状を変えないといけないので、やはり、一番最初に法律で言葉の定義をする。法律の中で産業動物も実験動物も、ともにこの動物愛護管理法の対象動物であるということがわかるようにしていく。それによって、自治体の意識も高まってくるのではないかというふうに思います。

【林委員長】 ご意見は大体出尽くしたようです。  打越委員、どうぞ。

【打越委員】 災害時の対応ということで、特定動物、先ほどの特定動物に関しての条文のところに、災害時の避難に関してという一言を入れてもいいのではないかなと思いまして。
動物愛護管理法の26条が特定動物の飼養または保管の許可の条文なのですけれども、特定動物に関して、文章を添えて提出しなければいけないというものの項目は、例えば、氏名とか住所とか動物の種類とか数とか保管方法とあるのですけれども、災害が起きたときに必ず責任を持って連れていけというか、置きっ放しにするなということを、飼養者に自覚を促すためにも、緊急時の対応というのを一言入れてもいいのではないかと思いました。

【林委員長】 ありがとうございました。  どうぞ、山﨑委員。

【山﨑委員】 今の打越委員のご意見にちょっと加えると、ちなみに東京都の、実際に同行避難の文言を持っている区とか、幾つかの自治体の同行避難という言葉を探してみると、中には特定動物を除くというような注釈がついているところもございます。
要するに、犬猫は、ウサギ等はいいけれど、特定動物となるものは同行避難の対象として、私たちの計画に入れないというような裏があると思います。
それは、もう、もちろんどういう意味で書かれているのか、明らかに避難所に連れてこられたら困るという書き方だと思うのですけれど、じゃあどうするのかと。今、打越委員がおっしゃったような問題というのは、これまた別個、扱うべきだと思います。

【林委員長】 大体ご意見いただいたように思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、このあたりで今日の審議を終えたいと思います。
 どうぞ。

【野上委員】 今回の大震災や福島原発事故の対応を見ていますと、日頃から動物愛護団体と連携して協力をしている自治体は、速やかに動物救護活動を進めているわけです。
例えば、新潟県などは、もう災害発生時から被災地の動物の受け入れをやっていますし、地元の愛護団体も非常に協力していますが、これは急にできたわけではなくて、日頃から常にさまざまなことで協力してきたので、いざというときにも、そういう力がでてくるわけです。
しかし一方、福島県は、地元の動物保護団体等とほとんど連携もせず、動物愛護推進員も存在せず、大変動物行政が遅れていたということが、いろいろな点で手遅れになってきた理由かと思います。
この動物愛護行政というのは、本当に一般市民の協力がなくては推進できないもの、普及できないものだと思いますので、そのあたりについて、災害時についてはもちろんのことですが、そのほかのところにおいても、常に民間団体と協力して進めていくというような条文があってもいいのではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。  どうぞ、山口委員。まだ時間あります、どうぞ。

【山口委員】 災害時でなくてもいいですが、環境省の方に、特定動物のことで、ちょっとお聞きしたいことがあるのです。
 今、各自治体、同行避難をうたっているけれども、特定動物は除くというのがあるのは、トラなんて連れてこられたって保護できませんし、みんな、ワニを抱えて来られても困りますしというところがあるわけです。
そういうことを考えましても、特定動物の飼育できる基準というのを、もう一度、かなり上げていただいて、はっきり言いまして、私は個人、ペットとしては特定動物は絶対飼ってほしくないというふうに思っていますので、きちんとした施設を整えられているところだけを認める形にしてほしいのです。
個人でも、アメリカなんかの場合は、かなり広いところできちんと飼育管理されている方もいらっしゃいますけれども、日本の場合は、本当に動物福祉から考えても狭いところに、おりで囲い込んでしまって動物にとっては劣悪です。 また、先ほど野上委員でしたか、基準の飼い方の中に特定動物に関しては、福祉の話は、トラでさえ危険動物といえども福祉は必要なわけですから、その部分が全くないといわれました。それも含めた、もっとしっかりと高いレベルの基準、動物福祉に配慮した特定動物を飼育する基準にしていただいて、飼育禁止という言葉を使わなくても、個人が飼えないような方法はできないものかと、ちょっと環境省にお聞きしたいのですけれども。

【林委員長】 いかがですか。じゃあ、室長。

【西山動物愛護管理室長】 特定動物については、既に二つの基準(細目)があるわけです。特定飼養施設の構造及び規模に関する基準の細目と、それから特定動物の飼養又は保管の方法の細目。
今のご意見は、例えばそれを、厳しくすることによって、事実上一般の方の飼育を難しくするというような話も含まれるということでしょうか。
今回、この細目を、今すぐに厳しくするとか、変えるとかというのは、検討課題としては、想定はされていなかったのですけれども、そういう必要性が非常に強い、高いというのであれば、この小委員会で、そういったご意見を出していただきたい、委員の方々からのお考えをお聞きしたいと思います。

【林委員長】 打越委員、どうぞ。

【打越委員】 その特定動物の許可に関しての基準を上げるかどうかと、行政側の問題もそうなのですけれども、結局、動物取扱業者から買ってきてしまわれると、買ってきてしまったのだけどという話になってしまうと思うので。 例えば、動物取扱業者の説明責任の中に、災害時の緊急時の管理もできますかと。できないのだったら飼わないでくださいというような形で、その動物の性質や大きくなったときのサイズだけでなく、緊急時の保管の責任についても説明項目に入れるというのは、いかがでしょうか。
行政側の方から行くのもいいのですけれども、業者の側も大事かなと思いました。

【林委員長】 というご提案ですけども。いずれにしても、現在よりかなり高いレベルが必要だということですね、

【山口委員】 特定動物というのは、もちろん動物園とかでもいるわけですけれども、動物園でさえ、いろいろ問題が出ているところがあって、適切な飼育管理できていないところもあるほどですので、家庭であれば、なおさら、そのスペースとか、飼えないところを無理して飼って、いろいろな事件を起こしたりもしているわけです。逃がしてしまったりということで。
ですから、そこをしっかりと厳しいものにしていけば、禁止と言わなくても、事実上、飼えなくなるような形にと思うのです。

【林委員長】 山﨑委員、どうぞ、

【山﨑委員】 山口委員が今おっしゃっていることの実例ですけれど、愛護法ではないのですが、身体障害者補助犬に関する条項のあるアメリカのADA法が今年の春に改正されました。ADA法は以前サービスアニマルという言葉を使っており、どんな動物でも使えていたのですが、犬のみにするように変えました。 ただ、最後までロビー活動が激しくて、結局のところ禁止できなかったのがミニ馬なのです。盲導馬などというとんでもないものをつくっている団体がおりまして、このミニ馬に対する対策として、法律の文言は、特殊な訓練を受けた犬、及び、排せつの訓練を受けた馬ということになりました。
馬には、排せつの訓練ができないので、事実上はミニ馬をサービスアニマルとして、さまざまな施設に連れ込むことはできないという状態になったのです。だから、こういった、ちょっとずるいやり方ですけれど、法律はいか様にも使えるというふうに私は思っております。

【林委員長】 打越委員。

【打越委員】 先ほど、なぜ業者の側への規制の話を出したか少し説明します。もちろん、特定動物を、事実上、一般の家庭では飼えないようにしてほしいという山口委員の気持ちには、私も100%賛同なのですけれども。
特定動物の飼養の基準を見ても、定性的な表現になっています。そして、やはり一般の犬や猫であっても、数値の基準を入れていることができないわけです。
そうすると、定性的な、つまりきちんと適正にやることとしか書いてない基準で、絶対飼わないようにするように厳しくするというのは、実際には非常に難しく、法律の条文の問題ではなくて、自治体の担当者の心意気というか、運用次第だと思うのですね。
そう思うと、今、法律で、特定動物は一般の家庭では飼えないようにするというのを法律の条文をいじって持っていけるかというと結構厳しいので、だからこそ私としては、業者の方が簡単に売らないように、買わないようにというルートが、まずは大事かなと思って、先ほどちょっと論点がずれたように見えたのですけれども、そういう意図で申し上げました。

【林委員長】 ありがとうございました。非常によくわかります。いずれにしても、あまり厳しくなると、恐ろしい社会になるような心配もありますね。  はい、どうぞ。

【山﨑委員】 今ちょっとひらめいたのですけれど、車の車庫証明のように、実際にそういう飼い方をできるのかどうかという、その確認は、例えば、業者さんの責任として、可能なのかどうかということはどうでしょうか。

【林委員長】 太田委員、どうですかね。具体的にはどうなのですかね。

【太田委員】 一般のペットショップでは特定動物は販売していませんので、そこまで考えてないのですね。 私たちも、あまり人に危害の加えるものは販売すべきではないという認識は持っているのですけれども、ごく一部の、そういう販売に関しては、特別なルールを決めることも必要かと思います。

【斉藤委員】 特定動物の場合は、必ず許可を取るというのは当たり前の話なのですけれども、よくあるのは、例えばヘビだとか、こういうのを飼いたいというのを、事前に相談がよくあります。
その構造について、どうしたらいいかということを指導する。これこれこういうケースでなら、こういう構造であれば大丈夫ですよというようなことを、事前に話があって、指導をして作った上で移動してくるというのが、一般的な形では、やっているというふうに思っています。

【打越委員】 山﨑委員の車庫証明の話ですけれども、あの話は、自動車のディーラーさんが、代行で書類の手続をしているだけであって、その証明をチェックするのは行政の担当です。業者がちゃんと設備を持っているかを確認する作業を、民間人に任せるというのは、民間人に公的権力を与えるということで、まずもって難しい話だと思います。

【斉藤委員】 ちょっと今日の内容とはちがいますが、これからの話なのですけれど、一つは、幾つかの自治体の方から私の方へも問い合わせがあったりするケースがありまして。
一つは、今後のスケジュールなのですが、来年、報告書が出て、来年、法改正に向けていくということで、いつ頃、例えば法案ができて国会に出るのか、来年度に向けてのスケジュールを、もう少し明確にしていただきたいという意見があります。 実は今、来年度に向けた予算だとか人員だとか、そういう部分について、各自治体は検討をしています。そういう意味での情報を、ぜひ次回か、あと2回ぐらいありますので、来年度どんなスケジュールで行くのか、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
 それから、来年、法改正が、いつ施行されるかわかりませんけれど、予算的なものだとか、人的な、実際にやる自治体の対応ができるような時期だとか、そういう期間とか、そういうのを是非配慮いただきたいというのが二つ目です。
 それからもう一つは、パブリックコメントで12万、意見が出ているということ、それを集約されているかと思いますけれども、自治体の意見が、その中に隠れてしまうと、ちょっと私としては残念かなというふうに思いますので、ぜひ自治体の意見を、どこかで聞いていただいて、今まで議論してきたことに対してどう考えているかということも、できたら別で意見を集約していただければありがたいと思います。

【林委員長】 これについては、最後にお答えいただければいいと思うのですが、確かに来年のことでは、随分、心配なさっている方が多いだろうと思いますので、是非ご説明いただきたいと思います。 今月はあと2回ですよね。先ほど私ちょっと間違えましたけれど、来週25日と、それから再来週もありますので、その辺も含めて、ご説明ください。
私の方からは、もうこれで終わりにしたいと思います。
 では、局長からですね。

【渡邉自然環境局長】 当面の小委員会の日程は、皆さんと日程調整したスケジュールということなんですけれども、これまでの議論を受けて法律を見直して、最終的にどう取りまとめるかですけれども、その取りまとめを受けて見直す必要があれば、年明けから始まる通常国会の中で、見直しのための法案の審議をしてもらえるようなことを、スケジュールとしては目指しているというのが、一つ目です。
 それから、見直した場合の改正法の施行の時期については、実際、現場を担ってもらう都道府県・政令市などの皆さんの準備の期間、それから動物取扱業を行う人に対しても、見直しがあったことを受けて準備の期間というのが必要になってきますから、そういう、準備の期間を考えた施行、改正後の施行の時期というのを決めていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 パブコメの中で、自治体の意見というのも含まれてはいるのですかということについてパブコメではいろいろな主体の人たちから意見をいただいていて、場合によっては、自治体からも意見が出ているかもしれませんけれども、今の斉藤委員は、それとは別に、最終的な取りまとめに当たって、自治体の意見についても、把握することが必要ではないかということだったと思いますので、自治体あるいは関係団体、いろいろ最終的な取りまとめに当たって意見を伺うようなことは、ちょっと今後やり方を考えたいと思います。
 それから、この小委員会の日程の説明を冒頭したと思うのですけれども、この小委員会の議論を、年内どうお願いしていくかというのは、次回以降、2回の審議の状況を見ながら、また最終的にご相談できればと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。

【野上委員】 法律改正の後に、政省令というか、施行規則とかもいろいろ改正されて、そういうものがすべて整ってから施行されると思うのです。
今回、これだけのことが改正されれば、当然、施行規則と、政省令も改正されて、それについても、またパブリックコメントにかけられるはずですよね。そういうことを考えると、実際に施行されるのは、まだかなり先ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

【西山動物愛護管理室長】 法律全体の施行は、おっしゃるとおり、大分、先になると思います。その前に、緊急性が高くて実施可能なものについて、先行的に何かできる部分がないかというのは、最初からお約束しているとおり、並行して検討したいと思っています。

【事務局】 委員の皆様、活発なご意見・議論いただきまして、ありがとうございました。  なお、次回の委員は、来週の25日、この会場で行いたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。  本日は、どうもありがとうございました。

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