中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会 (第11回)議事録

1.日時

平成23年2月8日(火)午後4時00分~午後6時01分

2.場所

厚生労働省共用第8会議室

3.出席者

林委員長、青木委員、磯部委員、井本委員、臼井委員、打越委員、
浦野委員、太田委員、小方委員、加隈委員、斉藤委員、渋谷委員、
永村委員、野上委員、水越委員、山口委員、山崎委員、渡辺委員、
渡邉自然環境局長、森本審議官、田中総務課長、
西山動物愛護管理室長ほか

4.議題

  1. (1)動物取扱業の適正化
  2. (2)その他

5.配付資料

参考資料1
オークション会場の模様(委員限り)

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、第11回動物愛護管理のあり方検討小委員会を始めたいと思います。まず、本日の委員の皆様のご出欠について、ご報告申し上げます。
 本日は、18人全員の委員の方々に出席していただいております。したがいまして、規定によりまして小委員会は成立しております。
 配付資料につきましては、参考資料1が委員限りの資料ということになっております。
 本小委員会の委員限りとしている資料以外の資料及び議事録につきましては、後日、環境省のホームページにおいて公表されますことを申し添えます。
 それでは、林委員長、よろしくお願いいたします。

【林委員長】 それでは、ただいまから、第11回動物愛護管理のあり方検討小委員会を開催いたします。
 議事に先立ちまして、渡邉局長からごあいさついただきます。

【渡邉自然環境局長】 本当にお忙しい中、第11回目になります小委員会にご参加いただきまして、ありがとうございます。前回から動物取扱業の適正化というテーマについて、中間取りまとめに向けた議論を始めていただいているところです。今回はその2回目ということで、この動物取扱業の適正化に関して非常に多岐にわたる議題、課題がございます。限られた時間の中ではありますけれども、取扱業の適正化に関して、大変多くの重要な課題について、議論を進めていただければというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【林委員長】 ありがとうございました。本日の小委員会は前回に引き続きまして、動物取扱業の適正化に関する16の課題についてです。前回、7番目の飼養施設の途中まで論議が進んだところでございます。お手元の大きなファイルの一番上にありますのが第10回目の小委員会の資料ですが、それの資料1に動物取扱業の適正化における16の課題と、事務局で集約していただいた皆様の意見が載っております。これをご覧になりながらお聞きいただければと思います。
 今日で本当は全部終わってしまいたいわけですが、なかなか難しいと思いますので、一つ一つ進めながら、次回に持ち越すところは持ち越すというふうにしたいと思います。
 それでは、事務局から簡単にご説明いただいてから、論議していきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 まず資料14ページの一番下。7の飼養施設(犬猫のケージの大きさ等の具体的数値規制の検討)というところです。大きなファイルの方では、第4回、第5回の資料5というのが、この議題の資料です。
 前回の議論を大まかに申し上げますと、まずこの飼養施設に関して、例えばケージなどの具体的な数値については、動物愛護福祉の観点から特に重要なので数値を入れた方がいいということ。行政側の立場からしても、数字として書いてあれば、指導する立場からしても非常に指導がしやすいというご意見がございました。
 その一方で、数値の必要性は認めつつも、飼養環境はやはり千差万別だということ。例えば20匹をちゃんと飼っている方もいれば、5匹でも劣悪な方はいる。あるいはペットショップで、広いところでの飼養がなかなかできなくても、時間ごとにちゃんと大きなところで休憩させたり、運動するようなところがあるので、一概に数値規制というのはなじまない。それには反対であるといったご意見もございました。
 ご意見をまとめるような形で最後に出てきたのは、そういった必要性は認めつつも、数値はデータ的なものも今すぐはないので難しいのではないか。今までの問題事例やデータ的なものを今後調べつつ検討していった方がいいのではないかといったご意見が、前回までに出ております。以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、これからご意見をいただきたいと思いますが、これまでの意見をもとにしながら、また、あるいは新たなものも結構ですので、お願いしたいと思います。特にこの小委員会にはペット小売業関係の方もおられますし、獣医師の方、実際に開業されている方もおられ、手術とか、何らかの形でその後に飼養しなければならない施設もあります。動物愛護関係団体でも、必要な場合には保護しなければならないという場合、ケージはどうなっているのかという具体的なことも含めて、お話しいただければというふうに思います。
 ご意見、ご質問でもけっこうです。どうぞ、打越委員。

【打越委員】 今、事務局の方からご説明があった最後に、前回出た意見がございましたが、今日はそこからご相談申し上げたいと思っておりました。数値基準を入れるのは「難しいのではないか」というニュアンスではなく、何か象徴的な数値、例えばケージの大きさも、明るさも、温度も、湿度も、今すべて基準を数値化するというのは難しいかもしれないけれども、動物が飼養されている環境を象徴的に表せるような基準を一つでもいいから定めて、それを数値化するようなことは可能かどうかを検討したいと、前回の最後に申し上げました。
 そのときに私が挙げたのは、臭い、悪臭のレベルで、大きさは犬や猫のそれぞれの動物の種類によって変わってきますし、明るさも、その動物種によっていろいろあるかもしれないので、一律で定めるのは難しいかもしれない。でも悪臭というのは、それこそ衛生的に管理しているか否かを最も端的に表す基準になるのではないかということです。
 その基準を、例えば日本動物福祉協会さんとか、アライブさんで、今までその現場に踏み込んで救済保護活動をしてきたときに、臭いというのが一つの基準、象徴になり得るかどうかというのを聞いてみたいと思います。
 動物取扱業の取消しをできるようにするか否か、という話が後半に出てくると思うのですが、その数値の基準をしっかり定めることによって、取消しするときにこういう理由だから取り消しというはっきりした根拠がある方が、問題のある業者を取り消せるという点では、一つでもいいので、何か象徴的な数値を出せないか。またそれに関する山口委員や野上委員のご助言がないかというのを聞いてみたいと考えて、今日は参りました。

【林委員長】 いかがでしょう。そういうご要望がありますが。野上委員、どうぞ。

【野上委員】 数値基準を一つだけというのは、例えばアンモニア濃度というのは確かに客観的ですが、ほかにも騒音計がありますし、それから温度計、湿度計もあります、いろいろ客観的に計る器具はあるので、そういうものを使って、たった一つとは言わず、できるだけ多角的に数値化した方がいいと思います。
 重要なことの一つは、やはり一人当たりの飼育頭数ですね。一人で50頭とか100頭とか飼っている人たちが結構いるわけですが、これはどう考えても飼育怠慢になってしまいますので、飼育できる範囲を限定した方がいいと思います。
 それから、ケージの大きさですが、確かに種類ごとによって大きさも違いますし、習性も違いますので、一律にということはできないと思いますが、これは法律ではなくて、告示なりガイドラインできちんと定めて、行政の方々がチェックに行くときのよりどころにする。それがないと、指導するにもできないわけですね。
 今、動物行動学などのいろいろな知見があると思いますので、そういう人たちが集まってガイドラインをつくり、それをもとに行政が改善指導できるような仕組みにしたらいいのではないかというふうに思います。

【林委員長】 それでは、山口委員、どうぞ。

【山口委員】 私も、今まで経験したことから考えまして、臭いだけでは不十分だと思います。暑さも結構あるものですから、クーラーが故障して、暑さでどんどん犬が死亡していくということも実際にありましたし、それ以外にもいろいろな要素はあると思いますので、法律にすべてを入れてしまうこと、本文に書き込むことはかなり難しいと思います。ですので、専門家の方々に集まっていただいてその基準をつくっていただく。ただしあくまでも法律と連動して、その基準をある程度まで守っていなければ罰則もありますよというふうな、連動した形でやっていただけたらなというふうに思います。だから、やはり一人当たりの飼育頭数というのは、とても大事だろうと思います。
 狭さも、何センチとか何メートルとかというのは、かなり難しいかもしれませんが、シンガポールの場合には、1頭の体長の何倍とか、体高の何倍とかというふうな書き方をやっていらしたように思うんですね。だから、書き方はいろいろな書き方ができるのではないかなと。それで、シンガポールで裁判になって有罪になっておりましたので、そういう書き方もあるかもしれないなというふうに思いました。

【林委員長】 ありがとうございました。大体、お二人のご意見は同じようなものですね。

【打越委員】 私も、数値はなるべくいろいろな形で多角的に評価した方がいいというのは、全く同感です。ただ、今回の法改正の中間取りの議論を進めていく上で、この短い期間に少しでも一歩前に進めるために、時間的制約の中で1本定めていくのがよいのか、それとも専門家が集まる回数、密度を増やして、短い時間でも多角的に数字を決めた方がいいのか、そこがジレンマかなと思います。委員として、中間取りまとめを出すのに当たって、残っている時間とどういうふうに対応したらいいのかというのを、私は悩んでいます。

【林委員長】 この小委員会でガイドラインをつくることを皆さんが合意すれば、そういう方向に持っていけると思います。どうぞ、山崎委員。

【山崎委員】 数値基準も大事だと思うんですけれど、山口先生の方からもお話が以前あったかと思いますが、英国法には「五つの自由」のチェックリストというものがあります。要するに査察官から見た、ここはチェックが入る、ここは入らないというふうな抽象的な言葉のガイドラインではありますが、それに基づいて何をチェックするべきかというかなりマニュアル的なものがある。「五つの自由」以外にも、例えば動物園の査察をやっている団体には「五つのS」という概念がある。床面、サービストレイ。社会環境つまり単独で飼うべきか複数で飼うべきか。それから刺激、つまりエンリッチメント。それとスペース、居住空間。それからシェルター、隠れ場所。この五つの項目で動物園の動物のチェックをやるという団体もおりますので、こういったものを合わせて何か具体的にする。法律の中で全部書いていくのが難しければ、具体的な、マニュアルに沿っての飼育を守ることというような文言で、基本的に内容はかなりすり合わせをして、本当にどちらの自治体でも簡単に使えるようなものをつくっていく方がいいのではないかというふうに思います。

【林委員長】 ありがとうございます。どうぞ、永村委員。

【永村委員】 今、打越委員の方から、臭い、アンモニアとか、そういったものが象徴的な基準としていいのではないかというお話がございましたけれども、この小委員会の議論は犬だけに限らないわけで、今後、牛・豚、いろいろな畜産の現場にも関わる議論がなされていくと思うんですね。これはご案内のとおり、犬を飼っている場所と、あるいは豚舎・牛舎というのは決定的に臭いが違います。
 犬のことを議論する過程で特定の基準を決めるとなると、どうやって基準を決められるのか私は全く想像できないんですけれども、極めてもう耐えられないような劣悪な環境のものというのは、当然これは論外ですが、通常、牛・豚の健康に何ら影響はなくても、この豚舎・牛舎の臭いというのは、一般の市民の方にとってはかなり不快な臭いがします。その辺のことも十分お考えの上に、検討していただきたいと思います。

【林委員長】 14ページを見ていただきたいのですが、7番の飼育施設は犬・猫のケージの大きさ等という、その「等」はどこまでを言うかというと、今、畜産動物については論議をしないという形でお考えいただいた方がいいのではないかと思います。そこまで行くと、全体の論議が広過ぎますから。野上委員、どうぞ。

【野上委員】 今の件に追加なのですが、農水省が行っているアニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理の検討会がずっと行われまして、既にガイドライン、指針が出ているわけですが、その中ではアンモニア濃度の基準ははっきりと数値として出ています。

【林委員長】 はい、わかりました。ここでは犬・猫等は家庭動物といいますか、ペットといいますか、そのあたりの論議に集中してお話ししていただきたいと思います。犬・猫でもすごく小さいものから大きいものまで、体重で言えば100倍ぐらいの大きさがありますから厄介なんですけれども。動物行動学等の専門家が集まって、きちんとしたガイドラインをつくる。外国にも例もありそうですので、それをつくっていただくよう、この小委員会としてある程度合意するということは、可能だろうというふうには思います。
 ちょっとお聞きしたいのですが、日本獣医師会とか、各都道府県の獣医師会は、入院動物の飼養条件などの基準は持っておられますか。

【井本委員】 ないです。

【林委員長】 わかりました。ほかにどなたかございますか。渡辺委員、どうぞ。

【渡辺委員】 先ほど、ガイドラインをつくるには時間が足りないというようなこともあったんですけれども、必要だと思います。山口委員や山崎委員といった海外の事情に精通していらっしゃる委員がおられますので、皆さんが今まで持っていらっしゃるアイデア、資料を集めれば、そう大変なことではないのではないかと思います。以上です。

【林委員長】 そうですね。ここには必ずしも動物行動学の専門家をたくさんお招きしているわけじゃありませんので、ガイドラインをつくるのは、また別のところでつくっていただければいいのではないかと私は思います。ここの小委員会としては、それを必要と認めるか認めないかというところでお話しいただければいいのですが、いかがでしょうか。
 どうぞ、斉藤委員。

【斉藤委員】 この委員会でなかなかその数字を出すことは難しいと思いますが、私もガイドラインが必要かなというふうに思います。私も行政の一人ですけれども、例えば今の悪臭を測定した状況がどんなところにあるか、騒音とか環境が非常に悪いという状況の中で、何頭ぐらいいて、何人ぐらいでやっていて、非常に難しいとか、問題があるとか、そういう情報というのは、全国の現場の中で持っていると思いますので、ぜひそういう意見も聞いていただきながら、進めていただければありがたいと思います。

【林委員長】 ぜひとも、それも意見として加えたいと思います。

【山崎委員】 資料の方に、具体的数値のほかに、動物の対象動物はどうしようか、ペット全体とするのかという項目というかポイントがあるんですけれど、いわゆる業者さんを含めてのガイドラインとなる場合には、犬・猫以外のペットというのも非常に大きな問題になると思いますし、特にこの中でケージに入れる頭数などに関しましては、むしろ小動物、モルモットとかハツカネズミとか、ああいったものの方が、いなりずしのような状態で置かれているケージがたくさんありますので問題です。
 それからあともう一つは小動物、特に草食獣の場合、置き場所などが非常に大きな問題になります。床に置きますと、上からみんなが見るということは、行動学的に彼らにとって最もストレスがかかる環境ですから。
 私もペットショップをいろいろ見て歩くのですけれど、中には猛禽類の隣にウサギのケージが置いてあるような、もうどう考えてもこれは一生ストレスから逃れないような展示の方法とかもございますし、そういったところをやはり考えていくというのが、この全体的な飼育施設の環境整備だと私は思っております。

【林委員長】 貴重なご意見ありがとうございました。ほかに何かご意見はありますでしょうか。どうぞ、浦野委員。

【浦野委員】 数値化する場合は何か根拠が必要であると、前の委員会でも話しました。その根拠には、学術的な裏づけがやはり必要と考えます。何をもってその動物の愛護にいいのか悪いのかを、あいまいな表現で、「劣悪な環境」というような表現で判断するのは不可能だと思います。何をもって劣悪とするかということが必要です。
 例えば、今、悪臭ということが出ましたけど、臭いの一体どのレベルが、動物のどこのレベルが悪いのかいいのかというのをはっきりさせる。おそらく、私の知っている範囲内では、それを数値化するのは極めて困難な作業と思います。すなわち学術的な裏づけに非常に欠けるということです。
 それと飼養施設、ここでは犬・猫等ということでありますが、例えば動物の犬・猫等を販売している業があり、営む業としている人、それを買った家庭で飼っている犬・猫、家庭でも屋内で飼っている犬・猫、屋外で飼っている犬・猫。それから家庭動物というカテゴリーには、学校で飼育している動物といったさまざまな動物があって、数値の与える影響は極めて広範囲に及ぶかと思います。
 今、例で挙げた、例えば屋内で飼っている場合は、そこの室内の温度がどうなっているか、湿度がどうなっているか、換気回数はどうなっているか、あるいはどれくらいの頭数を飼っているかといういろいろなファクターによって数値がおのずと違ってきます。それを一つの数値の物差しだけで判断していくというのは、極めて危険な作業だと思います。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。磯部委員、どうぞ。

【磯部委員】 ガイドラインという言葉をどう理解するかという問題と、それが法的な規制の根拠や基準になるのかという話とが、ちょっと整理されていないように思われます。ガイドラインという言葉は、普通は、それに違反したら直ちにそれが法規に対する違反行為になるという場合には、むしろ使わない言葉だろうと思います。今までの専門家のお話を聞いていると、非常に事細かに、とりわけ学術的根拠ということを明確にしつつ、きわめて精緻なガイドラインあるいは基準をつくって、直ちにそれを規制権限の根拠にするという印象ですが、そのような精緻な基準を、規制権限行使の根拠にするということは、逆から言いますと、そのような精緻な基準に違反しているのを発見することも大変だが、発見しつつ、でも規制はしないとしたら、行政の不作為の責任も生じてくるわけです。したがって、現実的に考えると、一挙に理想的な精緻なものを、いきなり規制基準にしてしまうのは、大変ためらわれるところもあるのだろうと思います。
 したがってそこはぜひ、規制の仕組みを工夫したらよろしいと思うのです。ガイドラインはできる限り精緻に、科学的客観性をもってつくっておく。しかし、直ちにその数値に違反したら、たとえ1センチでも1グラムでもだめというような硬直的なものではなくて、専門性を持った人が立入検査をして、複数の項目違反を確認するなどの総合的な現場判断として、ますは改善指導・勧告をする、それで駄目なら改善命令を出すというようなステップを踏んでいく。それにもかかわらず、そういう具体的な行政の規制措置に違反した場合には、その悪質性は明らかなので、初めて罰則とか登録抹消とか、そういう制裁的な権限の行使になるというイメージで考えるならば、制度設計として十分に可能かなというふうに思います。

【林委員長】 今までの論議では、ガイドラインと、それから基準というのとを明確にしていないで話をしておりますが、今、磯部委員がおっしゃったような形の流れも、一つの考え方としてあるかなということですが、これについては、またもう少し、ご意見をお聞きしたいと思います。井本委員、どうぞ。

【井本委員】 臭いについてですが、臭い関係の学会もありますし、臭気判定士という国家資格だと思いますが、そういう資格を持った方たちの団体もありますので、その人たちの意見を聞くというのも、一つの方法だと思います。

【林委員長】 臭いについては、既に先ほど野上委員がおっしゃいましたようにOIEの基準があって、アンモニアは、非常に客観的な測定が容易だというので、それでやっていくというのは、一つの考え方としてありますね。
 野上委員、そして山崎委員、どうぞ。

【野上委員】 今のお話の追加ですが、この法律は、動物の管理の側面もあるわけでして、悪臭ですとか騒音など、なぜそれが問題になるかというと、苦情なんですね。年間何十万件もの動物に起因するさまざまな苦情が行政に寄せられているという現実があります。隣の人たちが「もう耐えられない、何回行政に言っても改善できない、何とかしてくれ」という悲鳴が、各地であるわけです。
 単なる「劣悪」ではわからないとおっしゃるんですけれども、この環境省の資料の第1回目に、多頭飼育に関連した新聞報道事例というのが幾つかありまして、この中のかなりの部分が動物取扱業者に起因する苦情とか問題です。やはり、動物と共生するということであれば、適正に飼育していただいて、人に迷惑をかけずにやっていく方法を考えないと、ますますこの問題はこじれてしまって解決できないと思います。
 そういう意味で行政が指導しやすいように、数値基準をつくることで判断しやすい、近隣の住民の方々にも説明がしやすいということを考えていく必要があると思います。

【林委員長】 動物を例えば犬と猫に限ってだけ言いますと、動物取扱業者のところにいる数よりも、各家庭にいる数の方が圧倒的に多いわけですよね。そうした場合、ある程度のガイドラインというのが社会的に認められるようになってくると、動物取扱業者だけではなくて、各家庭での飼育にも将来的に影響を及ぼす可能性はあるというふうに思います。今回論議していますのは、動物取扱業だけの中で課題を16に絞っているわけですけど、今、委員の皆さんがおっしゃっているのは、取扱業に限ってということでよろしいですか、この今の話は。そういうことでよろしいわけですね。
 それでは、ほかにご意見ありますか。山崎委員。

【山崎委員】 数値基準が非常に難しいとか、科学的根拠がないというのは、これはずっと繰り返されてきた議論だと思うんですね。例えば、ウサギなどは25度が上限と言われていますけど、じゃあ26度になったから死ぬかというと、決してそういうわけではないので、そういう意味で数値基準というのは、非常に難しいのは私もよくわかっております。逆に言えば、飼育施設が劣悪というあいまいな言葉で表現されても、それは動物の体に正直に出るわけです。例えばフロアリングが悪く、網の上で長く飼っていれば、確実にウサギとかモルモットは足の裏に潰瘍ができます。潰瘍ができているということが、その環境が悪化しているということの証拠である。皮膚疾患はどうか、それ以外に常同行動はあるか、そういった科学的な根拠を獣医師の方が診断できる形で、ガイドラインという逆の見方というのもあり得ると思います。

【林委員長】 加隈委員、どうぞ。

【加隈委員】 行動学の立場としては、確かにいろいろご意見が出ているように基準を科学的に定めるのは難しい部分も多いと思うのですが、根拠がないわけでもないと思います。例えばケージ飼育をすることの影響などは、犬や猫でも調べられている文献はないわけではありません。先ほど獣医師会の方でも、基準とかは特にないというお話でしたけれども、確かに獣医学の中でこれまでこういう分野は、飼育管理ということに関しての科学的な研究がほとんどなされてきていないというのが、多分、世界的に見てもあると思われます。
 ただ、一方で、欧米などシェルターなどが発達している地域では、最近は獣医師も盛んにそういう分野に乗り出してきていて、科学的な根拠の収集も進んでいると思います。特に飼育施設に関しては、感染症などのこともあって、公衆衛生の面からもかなり研究が進められるようになってきていると思いますので、数値基準を決めること自体は、できなくはないのではないかと思っています。
 獣医学はどうしても、今までの流れとして、病気になったり障害が出てから対処というふうに考えてしまうかもしれないんですけれども、やっぱり出てからというのは、ある意味、遅いわけで、それまでにずっと動物が苦痛を感じている可能性というのがある以上は、普段の飼育管理の中で、先ほどお話も出ました五つの自由などは、かなり科学的に位置づけがつけやすいと思いますので、そういったものを利用した評価方法をつくっていけるといいなと思っております。以上です。

【林委員長】 どうぞ、打越委員。

【打越委員】 今の議論の流れを確認させていただきたいんですけれども、先ほど磯部委員が、規制の基準というか、それを違反した場合にはいろいろなものを取り消すであるとかお話をされました。もともと多分事務局の資料は、規制をどうするかというような話だったと思いますので、規制で、これに反したら法令違反というような話の基準を議論するとともに、先ほど25度か26度かと山崎委員がおっしゃいましたけれども、ガイドラインをつくるのと、両面進めていくというふうに解釈してよいのでしょうか。
 その場合、ガイドラインの場合には、例えばそれに違反したらすぐに登録取消という話にはやっぱりなかなか持っていきにくい。これが望ましいというふうにして、意識の底上げを図っていくためのものがよいかと思います。それに比べて、規制基準というふうになりますと、それに違反したときには自治体の担当者が動いて、現場に立入検査をして、場合によっては取り消しをするというような話になってきます。ガイドラインと規制基準の両面を委員会として進めていくのが望ましいと考えるのか、それとも、どちらかだけにするのか検討が必要だと思います。
 そもそも規制基準とした場合には、先ほど言ったとおり、数値的な科学的な根拠などをいろいろな形でかけ合わせていけば、そういう根拠もできるかもしれませんけれども、きちんとデータを持ってくるという努力が必要になると思うので、両方進めるというと、体力的に我々委員もかなり負担になるというか、頑張らなければいけません。また事務局側も、ほかの省庁とか、国会での説得というのが必要になってくると思うので、そこを私たちはある程度、煮詰めていった方がいいのではないかと思いました。座長の判断にお任せする部分もあります。

【林委員長】 今おっしゃっているガイドライン、あるいは非常に厳しい基準を設けるというのは、どちらもあまり大きな作業ではなくて、要するにそういうことが必要かどうかということの、まず確認です。必要であれば、今回どのような形でそれを提示していくかということだろうと思うのですが、一番緩やかな形はガイドラインをつくることであり、明日にでもすぐ動物のためにやらなきゃいけないというようなことがあるのであれば、それは取消まで含むような措置をするということもあり得ると思うのですが。
 磯部委員、いかがでしょうか。こういうときは最初にガイドラインをつくって、何年間か勧告まではするのでしょうけれど、このガイドラインに違反していますよというような形の立入検査か何かがあった場合は、取消にすぐに結びつくような形にならない進め方のほうが一般的なのでしょうか。どうなのでしょう。

【磯部委員】 どちらが一般的かということは、なかなか一概には言えなかろうと思いますが、物事の順序として、一つの基準にちょっと違反したからといって、直ちに重大な制裁を加えるというふうな展開には、普通はなりにくいのだろうと思います。要は、どうしても総合判断が必要になるからですね。たとえばある飼養施設に関しては、きちんとクリアしている基準もあるけれど、パスできていない基準もこれだけあるというようなケースが普通にあるということです。そういう場合はその違反している基準の性質や違反の程度、安全性に対する侵害の程度などを総体的に判断して、やっぱりこれはきわめて劣悪だとか、あるいは放置できない段階に達しているだとか、指導を重ねていけば足りる程度であるとか、そういう現場における専門的な裁量判断がどうしても必要だろうと思います。
 裁量的といった途端に、それが恣意的な判断になってしまったら、もちろん困るわけで、そういう意味での裁量判断の客観性・の合理性の担保はもちろん必要でしょうけれど、そもそも一切の裁量性を取り除いた絶対的・客観的な仕組みをつくれるかというと、かえって杓子定規な、きわめてぎこちないものになりかねない。したがって、そういう専門的な判断ができ、またかなりの程度でそれに専念できるようなスタッフの確保が、全国の自治体で期待できるような状況にあるのかどうかというところが決め手になってくるかなと思います。

【林委員長】 青木委員、どうぞ。

【青木委員】 今の委員の皆さんのご発言で、いろいろな論点が出たと思いますが、もう一つ、どなたもお触れにならなかったことで、考えなければいけないと思っていることを申し上げますと、科学的な根拠、特に動物福祉という観点から、あるいは動物行動学的な知見から数値が出せるかという問題があるというご発言が、浦野委員からありました。その後、野上委員からは、いや管理という側面、特に近隣の迷惑という観点もあるのだと、こういう流れがありました。その際に、我々は、今話題にしていませんが、動物愛護管理法第25条に多頭飼育の問題についての条文がございます。第25条を見ますと、多数の動物の飼養、または保管に起因して周辺の生活環境を損なわれている事態として、環境省令で定める事態が生じているときは勧告をして、勧告の後、その措置がとられなければ命令を出して、その命令を守らなければ罰則があると、こういう構造になっています。
 そして、環境省令が定める事態というのがどう定義されているかということを見ますと、これは施行規則の第12条に、その環境省の定める事態というのがございます。皆さんの資料ですと、第1回の一番後ろの方の25という数字がついているところに、規則があります。1号から4号まで基準が既にありまして、1号が鳴き声、音。2号が臭気の問題。3号が毛とか羽毛、その飛散。4号がネズミとかハエとか蚊とか、衛生動物が発生していることが、複数の周辺住民からの都道府県知事に対する苦情の申し出等により、周辺住民の間で共通の認識となっていると認められる事態だと、こういう定義の仕方がしてあります。数値ではなくて、いわば多元的かつ質的な基準で、それが守られなかった場合は勧告、命令、刑罰というふうになっていて、これは別に業者さんには限りません。
 今、問題にしているのは、座長の整理によりますと、業者さんに限ってどうかということです。そうだとすると、今持っているこの一般的な、とてつもない劣悪な多頭飼育に対する基準と、今の業者さんに対して守ってもらいたいと言っている基準との中間に、なにか基準をプラスでつくるのかということです。そのときは、浦野委員がおっしゃった動物の福祉という観点からの科学的な知見の根拠にするのか。それとも、とてつもなく迷惑な刑罰までいくような場合ほどではないけれど、業者として管理が悪いというところを入れるのか。こういう論点だと思うんですね。
 だから、この第25条の問題との関係というのをやはり意識しないと、この問題はうまくいい議論ができないと思います。

【林委員長】 非常に貴重なご意見ありがとうございます。論議で一つ一つ確認させていただいた方がよろしいでしょうか。まず、第25条がありますので、今、青木委員がおっしゃったように、質的なレベルで、しかも非常に複眼的というか多元的といいますか、そういう構成になっているわけです。実際に現場で立ち会われたときに、ある程度、量的といいますか、一つのきちんとした数値があると指導しやすい、またそれがないと指導しにくいという現実があるということは、斉藤委員からもお話があったと思います。今やろうとしている、科学的な裏づけに基づいて数値的な部分をまず入れるということについては、誰も反論はないだろうと思います。まず科学的な知見に基づいて、そういう数値をある程度詰めていくということですね。
 ただ、科学的な知見といっても、先ほど山崎委員がおっしゃったように、25度なのか26度なのかといえば大変難しいところがありまして、一般的に我々が論文で探して、この範囲が適切でこれを超えると不適切になるというような事例がもしもあれば、それは科学的知見として採用するということだろうと思います。
 もう一つの論議では、多頭飼育の場合に一人で何頭まで面倒見られるのかというのは、おそらく科学的知見というものはないのだろうと思います。常識的な理解はあり得るのです。どう処理をしたらいいかというのは極めて難しいとは思いますが、例えば今、科学的な知見に基づいてある程度の数値を明示するということには異論はないですか。

【永村委員】 動物の健康状態をどうやって数値で担保するかという話については、非常に身近な例として、血液検査があります。我々はいろいろな血液検査をやりまして、いろいろな数値が「正常な範囲」になります。要するに一つの数字ではなくて、一定の範囲におさまっておれば正常となる。生き物ですから、上限、下限という幅が必ずあるんです。
 そういう意味では、一つの数字を求めるということは生物に対する基準としては非常に不適切だと思っているんです。一定の幅というものを考慮された方が、極めて適切だろうと思います。

【林委員長】 例えばアンモニアの濃度などは、ppmで測るのかどうか知りませんけれども、ある一定濃度以下であれば正常だという言い方をしているのだと思います。つまり、許容できる上限値みたいなものを定めることになるのだろうと思うんです。
 その場合に、当然ながら個体差とかいろいろなことがあります。私はこの辺は論文を見ていませんけれども、幾つかの事例の中で、こういうぐらいの濃度だとこういう異常な状態になるというようなことはあるのでしょうか。加隈委員、どうぞ。

【加隈委員】 家畜に関しては、かなりヨーロッパで大きな予算をかけて、各国での研究者が研究成果を蓄積しての結果が出ていると思います、OIEの基準などですが。犬や猫に関しては、まだそれほどないかもしれません。

【林委員長】 わかりました。どうぞ。

【打越委員】 先ほどから科学的根拠という話が出てきていて、いろいろな数値基準に科学的な根拠が必要なのは本当に言うまでもないところではあるのですが、これも前回か前々回の委員会のときにお伝えしたとおり、例えば日本全国の道路のスピードとかに関して、も完全に全部緻密に調査仕上げて、ここは60キロ、ここは40キロというふうになっているわけではなくて、政策的な方針であるとか、規制取り締まりの執行可能性とかさまざまなことを考慮して、規制の基準は決まってくると思うんです。ただ、実施のときにかなり高い理想を求める基準を取消基準のようなものにしてしまえば、やはり現実的に非常に厳しいという話にはなってくると思うんですね。
 ただ、最低でもこれはもうひどいだろうというものでもいいから、一つ基準を設ければ、それをてこに、自治体の方が現場に立ち入りができるのではないか。そういうような数値に関しては、科学的根拠から見れば幅があるのは言うまでもないのですが、最低基準を決めていくというのは、理想のガイドラインをつくっていく作業とは異なる作業なのではないかと思います。
 それから、そういう最低限の絶対守るべき規制の基準をつくっていくというのと、理想のガイドラインをつくっていくのでは、かけていくエネルギーの場所が違う。理想となるガイドラインをつくるのであれば、専門家の学術研究であるとか、専門家がこれが理想だということをある意味、議論していけばいいのですが、これ以下は許さないという最低限の数値基準をつくるようなときには、科学的な根拠以上に、例えば業界が認めるかとか、政治的にそれが法案として国会を通るかとか、合意形成のための努力が必要になる。そうすると、委員会の委員の仕事だけではなくて事務局側の負担にも関わってくるところだと思うので、やはり分けて議論した方がいいのでないかなと思います。

【林委員長】 どうぞ、太田委員。

【太田委員】 現場の意見としまして、現在の飼養施設に関しては、ケージ等は「個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等の日常的な動作を容易に行うための十分な広さ及び空間を有する」となっております。私は、これで十分と思います。
 施設に関しては、ブリーダーも別に運動場をつくって何時間か遊ばせるという施設もあります。ないところもあります。それを一つでくくると、また問題があるかなと思います。
 先ほど青木先生から、動物取扱業だけにするという話と、今後、多頭飼育のことを考えていくという一般の飼育者の問題がありました。あと、動物が好きで、たくさん集めてしまった人の多頭飼育の問題もあります。私は、この基準はすべて同じでよいと思います。取扱業だけが厳しいとかというものではなくて、動物という立場から考えると、私は一緒の方がいいと思います。
 臭い等の数値に関しましても、山の中でやっている繁殖者と、町中でやっている繁殖者とでは、やはり町中の方が厳しくなくていけないのかなと思います。問題としては、複数の苦情のあった場合という条件がついていますが、現行法をしっかり運用していただければそれでいいと思います。

【林委員長】 山口委員、どうぞ。

【山口委員】 先ほど町の中と山の中とおっしゃいましたけれども、町中は周りから苦情が来ます。同じような飼育管理されていても、山の中では苦情は来ません。やはり動物の状態がどうか、動物福祉上どういう問題があるかということから考えないといけません。周りの苦情だけを考えていたら、全く苦情が来ないところ、同じような状態でも来ないところと来るところになってしまいますから、動物が飼われているところの状態がどうかということを、まず考えていただきたいと思います。

【林委員長】 野上委員、どうぞ。

【野上委員】 第25条に複数の苦情ということがありますが、ここにもう一つ、「繰り返し」という言葉を入れるべきではないかと思っています。というのは、当会がある自治体の動物取扱業者に対する苦情の情報開示請求をして調べたところ、約100件のうちの4分の1が繰り返し複数回にわたって改善指導を受けていますが、その自治体では1件たりとも営業停止になった例がないわけです。
 第1回目はもちろん改善してくださいというお願いになると思います。しかし、3回も4回も5回も行っても改善されない。近所から苦情がいっぱい来るというようなものはやはり限度を設け、その段階で営業停止にするという措置が必要ではないかと思います。

【青木委員】 もう1回ちょっと整理をさせていただきたいのですが、第25条の近隣生活環境の保全に関する多頭飼育の問題に関しては、改善勧告、それから命令を経て刑罰までいく。そうしますと、これは法律学的には「基準は明確であればあるほどいい」ということに多分なると思います。刑罰までいくのであれば、基準は明確であればあるほどいい。
 そのレベルで、例えばとてもひどい飼い方をしていて、近隣から改善要請が繰り返し寄せられるような業者さんであった場合に、なお法がうまく適用できないでうまくいかないというのであれば、その原因は何かを考えなければなりません。そして、もしそれが数値基準がないからであるならば、まずは第25条の問題として数値基準の問題を考えなければいけません。もし、第25条と別に、例えば動物取扱業というプロフェッショナルとして当然守るべき配慮の基準といいますか、業者さんだけに適用される基準をつくるのであれば、そちらに数値があって、刑罰までいく第25条の方に数値がないというのでは、アンバランスな気が私はします。
 そうしたら、山口委員がおっしゃったように、第25条では近隣住民からの苦情がなくて、迷惑が共通認識になっていないような場合は、やはり基準違反に当たらないということになるので、ここは抜けてしまう。そこをどうするかということだと思うんですね。それは動物福祉という観点から考えざるを得ない、誰も迷惑していないではないかということになると近隣への配慮の問題は生じませんから、一番最初の議論に戻って、動物福祉の観点からどこまで科学的根拠が必要かということになるのだと思います。
 我々はいろいろなことを考えなければいけないと思っています。つまりまずは第25条を何らか拡張することによって対処できることなのかどうか。第25条をうけて環境省の定めている基準を変えて、近隣住民の共通了解というようなことがなくても、苦情が寄せられなくても、ひどい飼い方をしている多頭飼育はだめなのだとするなら、そこを変えなければいけない。また、これはこのままにして、別に業者さんの守るべき基準、それが例えば登録取消に結びつくような根拠としての基準を別に立てるか。そういった複数の問題を、同時に考えなければいけないということです。以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。この第25条は、第3節の周辺の生活環境の保全に関する措置の中で定められているものですから、動物のためというよりも人のための条文であるというのがおそらく皆さんの共通認識で、ここでさっきから話されていることは、「動物のための何らかの新しい措置が必要だろう」ということだと思います。第25条については、特にご意見が今出ていないというふうに考えていいですね。
 磯部委員、どうぞ。

【磯部委員】 青木先生の整理で大分明確になりましたが、今、座長がおっしゃったとおりで、第25条は周辺の生活環境保全の問題ですよね。今ここで議論しようとしているのは、第21条ですね。「取扱業者は動物の健康及び安全を保持するとともに、生活環境保全上の支障が生じることを防止するため」とあって、ここにも生活環境が出てくるのですが、皆さんの主たる関心は、「動物の健康と安全を保持する」というところに何らかのもっと厳しい基準を設けたいということですね。これは規則の方だとする。23ページの第8条に現在もいろいろ書いてありますが、これは主として売るときの基準のような書き方であって、飼養段階でのケージの大きさのような話は、おそらくここにはないわけです。そういう意味で、「生活環境の保全」つまり施設の周りの住民が迷惑するかしないかではなくて、「当の愛護動物の幸せや安全のために最低限の必要を本則として設けよう」と、そういう構造の議論になったわけですよね。

【林委員長】 資料の30ページに、動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目がございますが、非常に丁寧にここで論議していることが書かれているんですけれども、これについて、具体的な指導を行うときには数値が必要だというご意見が、かなりたくさんの委員から寄せられているというふうに認識はしています。
 例えば数値が入っているのは、31ページ、第4条ですが、ケージ等の掃除を1日1回以上行うことだとちゃんと数字が入っています。それ以外は数字は特にないと思います。例えばケージは、非常に丁寧に「個々の動物が自然な姿勢で立ち上がる、横たわる、羽ばたく等のこういう日常的な動作を容易に行うための十分な広さ、空間が必要だ」というふうに書かれておりまして、これを具体的に、科学的根拠に基づいて数値にできるところは数値にしたいというようなご意見がかなり多くあったということです。もしやるとすればおらくここの改正になるのかなという感じですが、それについて何か異論はございますか。

【青木委員】 法律の下に規則があって、その下に細目がある。細目は、おそらく磯部委員がさきにおっしゃったガイドラインに近いかもしれません。規則レベルになりますと、現行法の第19条の第5号で、この法律もしくはこの法律に基づく命令、これが規則のことだと前回も議論しましたが、処分に違反したときは、登録取消事由になります。
 ですから、仮に何らかの数値基準を、「動物の福祉あるいは業者としての近隣環境への配慮」という責任義務があると考えて規定し、しかも登録の取り消し等に結びつけようとするならば、規則レベル以上に関係づけて規定しなければ、現行法の条文を前提にする限りはそれはできないということです。そういった規定のレベルの問題がありますので、ただ、細目の改正という議論をしているというのは、必ずしも適切ではないと思います。

【林委員長】 そうですね。おっしゃるとおりです。ここにあるのと、もう一つはその前の18ぺージから、動物の愛護及び管理に関する施行規則があります。

【青木委員】 第21条を受けているのは第8条です。

【事務局】 そうですね。第21条を受けているのは第8条ですね。この施行規則第8条の第8号というのを受けて、細目をつくっています。

【林委員長】 そうすると、やはり今論議しているのはここの施行規則の第8条と、それからそのもとにあるものです。ここにも具体的な数字は入っていませんし、その次の細目にも入っていないわけですが。

【田中総務課長】 少し事務的に補足をさせていただきます。今、ご議論いただいているものは法律を受けて規則があり、今申し上げましたように、規則の第8条第8号を受けて細目をつくっております。全体として遵守基準という体系になっているわけですけれども、座長がおっしゃったように、必ずしも定量的なものではなく、定性的なものとして構成されています。いろいろな事情もあるし、各施設の状況によっても違ってくるのでおそらくこういう書き方をしておりますが、これを前提にして全体としての遵守基準を補うような指針のようなもので、自治体の実施を促進していくというのがまず考えられます。
 それでいいのではないかというご議論と、そもそもそれでは足りないので基準あるいは細目、全体としての遵守基準そのものに少し定量的な要素を入れ込んでいった方がいいのではないかという、もう一つのご議論になっています。可能ならどこまでできるのかというのはありますけれども、「定量的な方がわかりやすいが、そこまでいくのに科学的な裏づけがあるだろうか」というご議論だというふうに、理解をしております。

【林委員長】 指針というのは、どの辺に位置するのですか。

【田中総務課長】 法令上は指針というのは出てこないと思いますけれども、昔で言いますと、通達とかそういうもので解釈を示しておくということです。そういうものが蓄積してくると、だんだんと社会的なルールとなっていくのではないかと思いますが、厳密な意味での基準ではないかということです。

【林委員長】 なるほど。

【磯部委員】 法論理的に言いますと、今であっても、1日に1回ケージを清掃しないと細目違反ですから、第8条第8号で規則違反になって、法律に戻って勧告はできるわけです。1日1回掃除しろと勧告できますし、勧告に従わないとなれば、悪質性が増し、制裁もだんだん重くなって取消しまでいけるという、そういう話です。論理としてはつながってくるわけですね。
 問題は、何が足りないかです。びしびしと規制できるだけのマンパワーが足りないということが決定的なのか。結果として、よほど極端に悪質なケースでなければ制裁をやれないという規制実態があるとすれば、ある日突然、違反はしているけれど、それほど極端なまでに悪質であるわけではない施設を取り締まるとすると、なぜここだけをねらい撃ちでやるのか、平等原則違反ではないかというような議論になるのでしょう。

【小方委員】 さきほどの臭いの例を挙げますと、臭いの発生には当然のことながら幾つかの要因があります。さきほど話していた中では、例えば温度、湿度、頭数といったものが非常に大きく関係してまいります。一つの理由を取り上げると、いろんな要因があるわけです。しかしながら一方、臭いを取り上げたときに動物側の状況から見ますと、温度が低い、湿度が低いとか、これが本当に動物にとっていいのかどうか、その部分をきちんと考えないといけない。もう一つ問題は、やはり動物というのは、本来臭いを発するものなのです。狭いところに入れることによって、異常な臭いになりがちだという点もあるということですね。そういったところもやはり、配慮してあげないといけません。
 動物たちを狭い環境下に閉じ込めること自体、これは実は動物にとって異常な状況です。そういうことも配慮しながらルールをつくることが大切です。数値化も非常に難しい部分があります。数値化もある部分は必要ですが、人サイド、動物サイド両面の判断で柔軟な結果を出すことが、重要なのではないかなと私は思います。

【林委員長】 ありがとうございます。結局のところ、ここの残りをどういうふうに改正するのかというのは、むしろ法律のご専門の方のご意見をお聞きしないといけません。ある意味ではここで皆さんが議論しても、なかなか話にならないわけですね。ただ、今出ているご意見としては、なるべく実効性のある形でより厳しく指導できるようなところで、しかも数値基準を入れられるものは科学的根拠に基づいて入れられるものは入れた方がいいというまとめになりますでしょうか。どこをどう変えるというのは、今この小委員会ではなかなか論議できないのではないかと思います。どうですか。

【加隈委員】 方向性として、青木先生の方からもこれまでたびたびあったところですが、動物の福祉にどこまでフォーカスを当てるのかという部分もあるかなと思いました。そこは今回で結論が出るとも思えないのですけれども、先ほど私は、確かに科学的根拠は大切だというお話を申し上げたのですが、一方で、法律の目的として動物の愛護なり福祉なりという考え方を広めよう、高めようとする。それに誰も異存はないということからすれば、最低ここより下はだめですというものばかりを並べる規定というのは、法律の趣旨と合っていないような気もします。ですので、科学的根拠はおそらく最低ラインとか範囲は出てくると思うのですが、何度もお話が出ているように、それだけにとらわれる必要はないと思っています。
 規則の方を拝見しますと、動物取扱業者の責任者研修のところに、1回当たり3時間という数字が入っています。何で3時間なのだろう、何か根拠があるのか。そのぐらいやれば最低限はいいのかなとも思ったのですが、3時間いても、どれだけ学ぶかというのは人それぞれだったりすると思います。私は法律の専門家ではないのですが、法律はそんなものなのかなとも思いますので、ある程度こんなものだろうというところで決めていく姿勢も、あってもいいのではないかと思っております。動物の愛護や危険防止を高めるということに、皆がある程度、同意できるもので決めていければいいのではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。山口委員、どうぞ。

【山口委員】 先ほどから、磯部先生も青木先生も今の法律で使えるところは使えるはずだというふうにお話しされているのを理解しているのですが、実際に現場では、使えるはずなのに全然適用されていない。この基準、細目ではなかなか指導できないという声が、現場からは上がってきているわけです。ここにもちろん科学的根拠に合った数字を入れる方が使いやすいとは思うのですが、さらに入れても適用できないというのであれば、何のために改善したかわかりませんので、使いやすくかつ使えるシステムを立ち上げることも同時に考えないと、この法律は改正したことにならないような気がするのですが、その辺もお願いしたいと思います。

【永村委員】 先ほどからいろいろなご意見を伺いまして、最低の基準というか、一つの数字を入れた場合、例えば親犬もいれば産まれたばかりの子犬もいる。いろいろな動物がいる中である基準を何かつけて決めた場合、それはきつすぎるのではないかとか、緩すぎるのではないかという議論が必ず出てくると思うんですね。
 今ここでそういった立ち入った議論をするよりも、専門的な方で委員会をつくっていただいて、そういう生活環境、飼育環境をめぐるいろいろな害になるものの数値化に関して、何が適当かというようなことは極めて専門的なことだと思うので、可能な限り定めるのは、構わないと思います。提案です。

【林委員長】 ここで細かいところまで話し合えるはずがないので、もともとそういうつもりでした。どういう方向で話し合いをしてもらったらいいかという意見を、ここで集約すればいいのではないかということを考えておりましたので、そういうことでよろしいでしょうか。この問題については、どういう入れ方をするかという技術的な問題もありますし、法律の専門家にお決めいただき、なおかつ動物行動学的なところでもう少し深い論議をしてもらった方がいいということがあります。ただ、それが必要だという認識を今、この小委員会は持っているということではいかがでしょうか。従来のこの法律、あるいは法律のもとの規則、もとの細則の中では、そういうところがやっぱり今回、遵守させるべき内容だというご意見がある。しかもそれは動物のために、もう少しきちんとした方がいいだろうというようなご意見が多かったということで、よろしいでしょうか。
 それでは、次の話題に行きたいと思います。事務局にご説明いただきたいと思います。

【事務局】 お手元の資料17ページ。8番、業種追加の検討(動物の死体火葬・埋葬業者)。(4)小委員会における主な意見。[1]動物愛護管理法に死体の取扱いを含めることについて。ア)まず法の目的そのものに動物を適正に管理するということがあるので、動物が死んだら動物ではなくなるのかがポイントになる。現に今まで生きていたということを考えると、やはり今、現行の法律に普通に動物の死体を取り扱う業者を入れてもいいのではないかというご意見です。
 それから、イ)これは逆のご意見ですが、現行法で命あるものを取り扱うという観点からすると、死体の取扱いというのは入れるのが難しいのではないか。自治体もこういう意見が非常に多いということからすると、これまでどおり、自治体の状況に応じて条例で規定すべきではないかというご意見。
 次のページ、18ページ。ウ)動物愛護管理法が生命尊重の理念ということを大きな目標にしている観点からすると、葬送はまさにこの中に入ってくるのではないかということ。
 エ)はイ)と少し近いですが、現在の動物愛護管理法は、第2条で動物が命あるものであることにかんがみとしていることから、やはり死体というものを入れるのに違和感がある。この法律はもう少し、「福祉」を推進することが重要なのではないかといったご意見です。
 オ)行政法専門的な観点から考えて、法体系として動物愛護管理法の中に含めることに大きな問題があるとは思われない。
 [2]動物愛護管理法に入れるという前提ですが、現行の登録制規制について、ア)とイ)がございます。ア)既に死んでいるということもあるので、別のカテゴリーを設けることも必要。イ)現行の登録制だけでなくて、自治体の監視体制に配慮する。届出制というカテゴリーも必要なのではないか。
 [3]火葬を行わない葬儀・葬祭の規制について。現在ご意見はないのですが、例えば埼玉の今回の事例というのは、その業者さんは焼くところは別の業者に委託などしているわけです。要は焼くところは持っていない。本当に葬儀・葬祭だけをやるような業者さんを、規制に入れられるかどうか。人では今、葬儀・葬祭の部分は規制がないのですが、人でない部分も入れられるかどうかも、可能であればご議論いただければと思います。
 19ページ、法律上の規制の位置付け。法体系として入れるのは問題がないと考えられる。[5]規制の具体的内容について。死んでいるものなので、別の規定なり基準なりをつくることが必要だと考えられる。以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。業種追加の検討は幾つかこの後にもありますが、まず動物の死体火葬・埋葬業者について。これまでの主な意見を踏まえながら、追加でご意見あるいはご質問があれば、いただきたいと思います。
 特にあまり大きな論議にはなっていないのですが、全体的にはどうでしょう。法律では命あるものとなっていて、命がなくなったものを扱うのかという意見もありましたけど、死んだら生ごみというわけではないように、動物も死体になったから尊厳性がないわけではないという考え方のほうが、前回の論議では主流だったような気がします。ただ、少なくとも生きている状態の動物ではないことは事実なので、登録制のもとでほかの取扱業と同じでいいかということについては、意見が幾つかあったように思います。
 どうぞ、井本委員。

【井本委員】 もし入れるのであれば、やはり細目とか、基準を明確にするべきだと思います。それがないとその規制もないわけで、そのつもりで入れるという意見には賛成です。

【林委員長】 どうぞ、臼井委員。

【臼井委員】 私も入れた方がいいと思います。動物は命あるという冒頭の言葉は、これは要するに、ものではないということだと思います。ですから、死体も含んでいてもいいと思います。というのは、私は開業して40年になるんですけれども、昔は本当に葬儀なんてありませんでした。今は葬儀が当たり前になってまいりました。以上です。

【林委員長】 加隈委員、どうぞ。

【加隈委員】 確認です。犬や猫などの家庭動物、ペットはいいと思うのですが、ほかの種類で利用する、動物の死体を扱う業者というのも存在すると思います。それに関してとの「すみ分け」は、どういうふうにすればよろしいのか、どなたかお願いいたします。

【林委員長】 臼井委員、どうぞ。

【臼井委員】 犬・猫以外というのは、具体的にどういうものですか。爬虫類とかですか。

【加隈委員】 ペットではない動物です。

【臼井委員】 具体的に、先生がお考えのものはなんですか。

【加隈委員】 火葬・埋葬という部分だけということになりますか。処理とか、そういうのは関係なくということでしょうか。

【林委員長】 ここの死体火葬・埋葬業者以外の埋葬とか火葬以外の処理をする業者というのは、どんな業者があるんですか、具体的にお願いします。

【井本委員】 生きている動物をイメージしていただいて、それがなくなったときですね。その場所は、例えばウサギであっても、ペットとして飼っているのは、おそらく普通に葬送をやるでしょう。ところが業者で、ペットとして飼っていない。経済的な立場にいる場合には、それは多分、産業廃棄物か何かになっている。ウサギを食べるということもありますし、そういうことにもなる。ですから、ここで細則だとか基準を設けなければいけないというのは、やはりそういうところにも勘案してくると思います。
 ですから、すべて動物が亡くなったから今まで以上に厳しい葬送をしなきゃいけないとなると、これは業者の方は大変だろうなという気がしますね。
 動物園動物であっても、例えばそれを焼くときに、ゾウなど大きな動物は、幾つかブロックに切らないと焼けないということもありますね。死体に傷をつけるわけです。そういうことも考慮しないといけないわけですから、基準をつくるときに、ちゃんとやっていけばいいだろうなという気がします。

【林委員長】 ありがとうございました。ここではそんなに複雑な基準は必要ないだろうと思います。要するに問題になったのは、一つの環境に配慮しなければいけないというこ
 と。住宅地の近くで異様なにおいを発するような移動式の業者もいるわけですが、そういう業者を初め、依頼した人に対する裏切り行為があり、社会的に問題があったわけですから、そんなに大きな基準ではないだろうと思います。

【山崎委員】 前回も皆さんがお入れになかったということに対して、それを絶対に嫌だとわめくつもりはございませんが、どうしても私はいま一つ、死体をこの中に入れるということが、動物の福祉を守るという法律の中になじまないような気がします。
 同時に斉藤先生のお立場なども伺っていて、ただでさえ、生きている動物を飼育している人の基準を守らせるために奔走されている方々に、さらに別の業者の監視も任せていくとなると、先ほどのこの監視体制の実現性ということを山口先生がおっしゃったので、それがまたさらに遠のくような気もいたします。
 はっきり申し上げて、これは例の埼玉の事件が発端なのです。一部の国会議員さんなども、それに対してお触れになっていました。私は英国の危険犬種法ができたときと同じように、これは集団ヒステリーだと思います。英国の危険犬種法ができて今や撤回できないですが、あれは天下の悪法と言われているわけです。たまたまピット・ブルがものすごい事件を起こしたために、そういった飼育禁止令というのが、一回で国会を通ってしまった。私は、この埼玉の事件というのはそれに等しい集団ヒステリーが社会に起こっているというふうに見ておりますので、果たしてそれに乗っかっていいものかどうかということに対し、個人的には疑問を持っております。

【林委員長】 ありがとうございます。どうぞ、太田委員。

【太田委員】 動物の葬儀ということに関してですが、最近、私の町のお寺が片隅に動物の慰霊塔と納骨堂をつくりました。果たしてこれが動物の葬儀業者に該当するのかという話になってきますと、宗教法人は現在、日本で8万件もあるそうなので、これを業に入れると大変なことになってしまうなという気がしますので、一般の宗教法人、人間を相手にした寺院は、これから外した方がいいと思います。

【林委員長】 これから外すということは、それを専門にやっている方は業種追加したらいいという意味ですか。

【太田委員】 そうです。

【林委員長】 そういうことですね。山口委員と野上委員、どうぞ。

【山口委員】 既に条例で規制している自治体もあるわけですので、まだこれからというところもありますけれども、基本指針のようなものをこの法律の中で決めて、それを条例の中にはこういうものを入れてくださいということを、各自治体にお願いして、それを各自治体の条例に入れてもらう形で、動物愛護管理法の考え方を入れてもらうという形はできないんでしょうか。そうしますと、条例を担当する部局が、同じ動物愛護を担当するところの場合もあるでしょうし、そうではない別の部局が担当するところもあるかもしれないと思うんですね。
 やはり自治体の職員が、これ以上、取扱業が増えて適切な指導に回ることもできないとなると、ほかの部分もすべて手薄になって何もできなくなるのではないかなという心配があります。

【林委員長】 その心配は常にありますね。どうぞ、野上委員。

【野上委員】 前回申し上げたんですけれども、この規制が登録制しかないために、自治体の仕事が増えるのだと思います。ですので、実態把握をするための、あるいは動物愛護法を周知徹底させるツールとして、規制の緩い届出制というものを設けてはどうかというのが、私の提案です。
 それから今、山口委員がおっしゃったように、地方自治体がこの法律に上乗せすることができるという規定は、第9条かと思いますが、確かにあるわけです。周辺環境の問題で、葬送業は非常に周辺環境に悪影響を与えるということで、反対運動が起こることが多い。
 ですので、この第9条とか第25条に葬送業も含めるという形にすれば、葬送業については、地方自治体が条例で上乗せできるようになるのではないかというふうに思います。
 現在は、この葬送業の方々が動物愛護管理法に入りたいと自ら願っているわけです。それを否定する必要もないし、現にまた法律がないという状態で実態も把握できませんし、啓発普及もできない。何が起こっているかもわからないという現状を、とりあえずは一歩進めていかなければいけないと思います。
 そうやって届出制などにした段階でも、まだ問題が解決されないということになれば、改めて別途、新しい法律をつくった方がいいのではないかというような検討に入るのではないかと思います。

【林委員長】 非常に明解なお話をありがとうございました。葬送業の方たちが望んでおられ、取扱業にしてくださいというふうに言っているのは、これまでと違う流れなんですね。これが一つと、もう一つは、先ほど山崎委員のおっしゃったことが非常に明解なんですが、アメリカ、ヨーロッパなど欧米社会のことです。法律の名前からして、本来は動物の福祉のことだけ考えれば動物虐待防止法であるべきですが、日本の場合は動物愛護と言っているわけです。この違いが非常に大きいと思うのです。
 しかも日本の場合、この法律の中に動物の福祉だけではなく、飼い主のためのことがいっぱい入っています。埋葬・火葬業者が「葬儀をしたいという動物の飼い主の強い希望が今どんどんある」というわけですけれども、日本の法律ではこれを、動物取扱業のどういう形で入れるか。野上委員がおっしゃったような方策がもしとれるのであれば、一番簡単ですけれども、日本の特質性としてあり得るかなという感じを持っています。

【斉藤委員】 この規制をしていく内容について、各自治体で条例を出しておりますが、内容を見ると、設置をするときの環境とか周りの方の同意を得るとか、設置場所の排水がいいとか、そういう部分での各自治体での条例ができていると思います。動物取扱業の中に入れたときに、規則、細目などで、どの部分を規制する必要があるのかをもう少し明確にしないといけないと思います。それを明確にすることで、登録業に入れるのか、規則の中にそこまで入れるものでなければ届け出をするのかを考える。届け出をするのだったらそれだけの理由がそこにあって、こういう理由でこれを届出制にする。なにかあった時に自治体の職員が立ち入ることがありますが、例えば、自治体の職員が立ち入るということを届出制にするなかで問題になったときにどう行うか、細かいところをもう少し議論しないと、どういう形で進めていったらいいかが言えないのではないかと思います。
 多くの自治体の意見を聞くと、そういう意味での明確な部分が現状の中でないのではないかと思います。自治体として取扱いにはもう少し慎重にいきたいという意見が多いですね。そういう具体的な内容について、どこに規制していったらいいかというようなことを、場合によっては全国の自治体の担当のところに聞いていただくというような情報収集を、ぜひしていただきたいと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。どうぞ、永村委員。

【永村委員】 委員長がさっきおっしゃいましたけれども、業界が自ら規制をされることを望んでいるという部分は、私には非常に奇異な感じがするんです。大変うがった見方をすると、「おれたちはもう登録された業者なのだから、どこかの苦情に対して非常に強い態度で出られる」というようなことを根拠にすることが仮に意図としてあれば、どう規制してほしいかという、いろいろな方がおられると思うんです。それをどうやって選別をし登録をするかというのは、行政上、大変難しいことじゃないかという気がします。

【林委員長】 私の知る限り、こういうふうに自ら取扱業者になりたいというグループは、その中で悪徳な部分を行政に懲らしめてもらいたいとか、追放してもらいたいとかという願望が非常に強いのだろうと思います。そういう業界であればあるほど、動物取扱業として登録制にしてもらいたいという強い意思を持っておられるという感じがします。
 どの業界にもひどい人がいると思うのですが、山崎委員がおっしゃったように、我々はヒステリーになってはいけないわけです。また斉藤委員がおっしゃったように、どういう人たちがこういうことをやっているかということを、行政として把握しておくということにしか大きな意味はないのかなという感じはしていますが、いかがでしょう。
 よろしいですか、この程度の論議で。特に対立点となるようなものはあまりないのですが。もしよろしければ、この業種の追加はまだまだありますので、これはこの辺で終わらせていただいて、次の業種の追加について、ご説明いただけますか。

【事務局】 続きまして19ページの9。業種追加の検討(両生類・魚類販売業者)。
 20ページ(4)小委員会における主な意見。[1]規制の必要性について。ア)法の目的の中に、「生物多様性の保全」を入れることもこの際必要。その観点から動物取扱業の中に含めることが相当であると考えられる。イ)現状の金魚の扱いを考えると、業に含めていただきたい。ウ)行政側に両生類・魚類に関して、あまり苦情や問題点が聞こえてこないことから、規制の必要を感じない。エ)飼えなくなった場合の放流等の問題や業者サイドの問題ではなく、飼い主側の問題が大きいと考えられる。捨てる大きな問題点として、いろんなところに捨てられてしまう。キ)規制することでどれだけ実効が上がるかどうか、業に含めると自治体の業務量が増える。それよりも、犬・猫などに関して、もっと厳しい仕事をしてもらいたいというようなご意見が出ています。以上でございます。

【林委員長】 両生類・魚類販売業者につきましてはいかがでしょう。野上委員、どうぞ。

【野上委員】 先ほどから議論のある動物愛護管理法の第25条に、動物の飼育者は周辺環境を悪化させないということ謳われているわけです。この法律は愛護のみならず管理の側面があり、適正飼養によって環境を保全するという役割が含まれていると考えます。
 現行法では、周辺環境の悪化の中に、生物多様性への侵害や悪影響というそこまで広げた観点は含まれていないのですけれども、実際には適正飼養することが生物多様性を保全することと深く関わっているということは間違いありません。既にアライグマ問題で、日本は非常に多額の損害を受け、その駆除等にお金と労力を費やしているわけです。もうそういう事態をこれ以上拡大させないということが重要かと思います。
 実は先日、多摩川にある「おさかなポスト」というところを取材したわけですが、ここには年間1万頭を超える観賞魚、魚類が捨てられ、持ち込まれるということです。この代表の方は、「ここで引き取らなければすべての魚類は川に捨てられてしまう。池に捨てられてしまうので、何とか食いとめたい」ということをおっしゃっています。
 特に動物取扱業者に対しては、「魚を売るときに販売責任がある。この魚はどういう習性であるか、どのくらい大きくなるか、何年生きるか、病気になったらどうするか、飼えなくなったらどうするか。そういうことを業者がお客に対して一つ一つ説明をしていくことが、啓発普及にとっては非常に重要だ」というふうにおっしゃっていました。
 そのように動物の取扱業者というのは、一般の消費者に対して、動物の取扱いのプロとして情報を伝達したり、法令の遵守を伝えていく責任があると思います。そういう意味で、「生物多様性の保全」という観点は新しい時代の要請であり、今回、COP10でも、「ペット由来の外来種の経路をきちんと把握する」ということが決議されているわけです。日本の今の現状から見て、魚の取扱いに全く何の法規制もないという現状は大変問題だと思います。今、唯一、魚に対して何らかの対策をとれるのは、この動物取扱業の中に入れることではないかと思いますので、ぜひ観賞魚、両生類の取扱業者を、動物取扱業者の中に入れるべきだという意見です。

【林委員長】 ありがとうございました。この業種の追加というのは、先ほどからも意見が出ていますけど、慎重にやらないと現行の業務すらなかなかできない、そちらの方がおろそかになるという話がある中で、いろいろな業種追加の中で言いますとかなり大きな問題です。両生類・爬虫類業者まで含めるのは、4ページの動物取扱業の登録のところ、法の第10条になりますが、動物(哺乳類・鳥類または爬虫類)に属するものに限り、畜産農業に関わるもの及び試験研究用または生物学的製剤の製造の要、その他政令で定める用途に共通のために飼育し、また保管しているものを除く。ここを大きく変えることになるので、かなり対象が広がります。
 もう一つ、それまでは主として動物福祉から論議してきたわけですけれども、確かに動物の管理の中でこの管理の不始末のせいというか、日本で今、外来種がはびこっているという現状があります。生物多様性の面から、どこかで何とかしなければならないという緊急性も確かにあります。つまり福祉の法律が多様性にまで関わるということで、相当大きな変更になる可能性があるかと思いますが、いかがでしょうか、山崎委員と水越委員。

【山崎委員】 前回、提出資料の中で、零細な金魚等を扱っている業者さんが大変お困りになるのでというような陳情もございましたし、それをさらに攻めていくというつもりは決してないんですけれど、実はこの生物多様性というこの概念を入れてしまうと、本当にパンドラの箱なのです。でも、あけなければいけないパンドラの箱で、ここであけるべきなのかどうかという議論が先行するべきだと思います。
 両生類と魚類以外に、昆虫はもっと大きな問題になっています。昆虫などは、東南アジアで発注してつくらせてそして持ってくるという、その業が非常に大きく成り立っているわけです。そうすると、確かにダニの問題とか日本の古来の昆虫類などがやられていくという問題が、かなり進んでいる。そうすると、生物多様性という概念をここに入れてきた場合には、果たしてどこで対応しようかというわけです。例えば前回ほかの動物の法律で検証されたものは登録ができないとかというのも、非常に大きいものだと思うんです。
 つい先月ですか、カリフォルニアで大阪の男性が二人捕まったんです。カメを50匹ほどキャンディーの箱に詰めて日本にまで密輸しようとして、そのまま米国当局に検挙されたのですけれど、彼らが帰ったときにどうするのかという問題に結局発展してしまうので、「どこで誰が取り扱うべき問題か」ということが、まずパンドラの箱をあける前に、少し確認をした方がいいのではないなという気がします。

【林委員長】 今日は局長以下の自然環境局の中心的な方がいらしていますけれども、この問題については外来生物法がありますね。外来生物法も自然環境局が所管されているということですが、たしかこの罰則の強化の問題がありますね。あの法律は既に懲役3年、300万円になっていて、私どもの法律よりも厳しいですが、この問題はそちらの方でやっていただくということはできないのでしょうか。どうぞ、局長。

【渡邉自然環境局長】 今、生物多様性の大きい議論がありました。生物多様性についての基本法的な性格のものということで、議員立法で生物多様性基本法が2008年に制定されています。その中で外来種の問題が取り組むべき課題として掲げられていて、それを一番正面から受けている外来生物法という法律が動き出しています。魚にしても昆虫にしても両生類にしても、日本の生態系に非常にダメージを与える侵略的な外来生物については特定外来生物に指定をして、それについて、飼うことや野外に放すような一連の行為が規制される仕組みになっていて、当然そういったものを販売している人たちも外来生物法によって規制の対象となり、指導の対象にもなるという形が、一つ基本としてあります。
 なので、両生類、魚類が野外に放たれたときの生物多様性の影響の問題というのをまず、外来生物法で一つちゃんと対応していかなければいけないことがありますし、外来生物法についても、この部会とは別の野生生物部会で議論をし、定期的な見直しをして、どう強化していけばいいかという議論が野生生物部会の方で動いていくという関係になります。
 それとは別に動物愛護管理法で、両生類・魚類について対象に加えることの優先度はどのようなものか。哺乳類・鳥類・爬虫類でも非常に多くの課題を抱えていて、それに加えて対象を広げるということで、現場は大変になるわけです。動物愛護管理法の仕組みの中で、こういうものを加える優先の程度をどう検討するかということでしょうか。
 外来生物に関しては、最初の外来生物法というのがまずしっかり受けとめるべき制度としてあり、その強化を考えていくなかで並行して動いている状況だと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。水越委員。

【水越委員】 生物多様性という概念を入れてしまうと、昆虫とかいろいろな幅が広くなり過ぎてしまうので、入れるということには、非常に違和感があります。
 ただし個人的な印象として、魚でも非常に長く生きるものもいますし、食べ物も違います。私も以前は結構好きで飼っていたのですが、増えてしまうこともあります。そう考えると、やはり購入するときの説明は魚であっても非常に必要な部分ではないかと考えます。
 個人的には、先ほどのいわゆる葬祭業を入れるということよりも、違和感は少ないというふうに思っています。

【林委員長】 野上委員、どうぞ。

【野上委員】 特定外来生物法で指定されている種は、非常に少ないです。例えば「おさかなポスト」に持ち込まれるカメの98%は、ミドリガメ、ミシシッピアカミミガメなのですが、このアカミミガメは特定外来生物に指定されていません。子どもたちが300円や500円で安易に買える動物、そういうものは含まれていないわけですね。
 さらに、外来生物法は環境省の直轄の法律で、現場の地方自治体が関与しない、あるいは細かい現場の問題には対応できない法律だと思います。一方、動物愛護管理法は、地方自治体の職員の方々が実際に現場に行ったり指導したり、あるいは動物取扱業者が飼い主に直結して情報を伝達できるという大きなツールを持っているわけです。これをやはり活用していくことが、とてもいいのではないかと思います。
 それから、動物が捨てられるということですが、今の動物愛護管理法は、理念上はすべての動物を対象としているわけです。その中には昆虫も含まれるというふうに聞いたことがあります。そうであれば、本来昆虫であっても捨ててはいけないわけなんです。そのことをこの法律の中にきちんと明記して、飼い主はいかなる動物であっても終生飼う責任がある。捨ててはいけないということを、罰則は入れないにしてもきちんと明記することは可能ではないかというふうに思います。
 それから、魚の業者が増えると自治体が困るというお話ですが、じゃあ現実に今、日本の魚の取扱業者はどれだけいるのか誰も知りませんよね。おそらく、爬虫類を扱っている業者は、魚も扱っていることが多いと考えられます。ですので、極端にこの業界の数が増えて困るということではないのではないかと思います。
 さらに、どうしても大変だということであれば、第一段階としては届出制にして、実態把握等をするというやり方もあるのではないかというふうに思います。

【林委員長】 ありがとうございました。どうぞ、磯部委員。

【磯部委員】 業種追加の問題に、性質の違うものが幾つも出てくるということですね。

【林委員長】 そうです。

【磯部委員】 野上委員が再三、既に指摘されていますが、届出制というような新たなジャンルを、動物取扱関連のことを業として行うものに対して、法律制度上、導入するかどうかというのは、やっぱりひとつ決断をする段階なのかなとも思います。つまり今までのところは、登録制の動物取扱業は単一カテゴリーで来たわけですよね。動物愛護の対象が理念的には昆虫まで含めた動物すべてであるはずだという理念を重視するならば、かなり実質的で内容的な規制のある旧来の登録動物取扱業とは別に、実態把握のために一段軽いものであるとしても、必要な規制はできるという形にするのがいいのか、そこは工夫の余地はあろうかと思いますけれど、これまでの動物登録取扱業とは違って、準取扱業というか、あるいは届出取扱業というか、もう一つの規制段階を設けて、そこに葬祭業も入り、両生類・爬虫類も入るという整理は可能だろうと思います。
 爬虫類は別なのか、魚類は入るのか、さらに動物愛護団体なども入るのかというとちょっと不思議な感じにはなりますけれども、ともあれそういう二段構えのしくみにした方がよい時代になったと判断するかどうか、そこのところがどちらがよいのかよくわからないわけです。たしかに規制が複雑になるというようなデメリットもあるような気はいたしますが、今までのように単一のカテゴリーしかないと、その他の業態については、そこに入れるまでもないのではないかという議論をなかなか超えられないということになって、一歩を踏み出せないで終わってしまいそうな気がします。

【林委員長】 ありがとうございました。事務局にお聞きしたいのですが、この論議をするためにいろいろ資料を取り寄せられたと思うのですが、やはり実態を知るためには、届出制という軽い形でも、制度になっている方が実態把握は容易でしょうか。
 それともう一つ、先ほどからありますように、どうしても業種が増えていくと「本当にやれるのか」という問題がありますが、日本はその業界をまとめておられる協会に、NGO、NPOの活躍を期待しないと、全体をよりよくしていくというのは難しいと思います。
 例えばペット小売業もそういう形で、急成長をされている協会ですね。それをうまく活用しながら、この法律のもとに何らかの形で現状を見張るというような形の方が望ましいのかどうか。その辺を事務局はどのように考えておられますか。

【西山室長】 届出制のようなものがあった方が全体の把握が容易かどうかということに関しては、当然それは容易になるとは思います。その場合、動物愛護管理法の場合は、自治体が中心にその届け出を受けたりすることになりますので、自治体さんの方で数が増えることと、中身が複雑化することによる業務の量が増加との兼ね合いの方を、より考慮しなくてはいけないと思っています。
 それから、各業界を取りまとめてくださる大きな団体が既にあるところもありますし、現状ではない分野もありますけれど、そうした団体があればいいとの思いは当然あり、それで責任を持っていただいた方がいいと思っています。去年の事件の後に動物の火葬・埋葬業者の方々がある程度まとまり始めて、幾つかに分かれてはいるのですが、その事件以前に比べてすごく大きくまとまり始めているというのは歓迎すべきことだと思っています。

【林委員長】 ありがとうございました。どうぞ、田中課長。

【田中総務課長】 補足です。最近いろいろな法制局などと法制的な議論をいたしますけれども、何らかの目的で、業者の方などからある種の情報を提出させるようなことがよくあります。しかし、それで情報を出すことだけで終わるというのでは、普通の制度として完結していないのではないかという議論がよくあります。
 登録制とは別に届出制をするということは理論的にはあると思いますが、届け出をして業者さんの情報を把握した上で「行政として何を求めていくのか」というところがないと、情報が情報でそのまま死蔵され、全く意味をなしません。そういう意味で、実質的な規範みたいなものが何らかあって、それを求めていくというようなところまでがないと、法制度としては説明がしづらいのではないかというようなところがあります。
 そのやり方としては、今の取扱業と全く同じような罰則までつくようなものだけではないと思います。もっとソフトな形もあるとは思いますが、届け出だけで足りるかどうかという点については、制度的に疑問があるかもしれないということをちょっと申し上げます。

【林委員長】 ありがとうございました。青木委員、どうぞ。

【青木委員】 今の課長のご説明に関連して伺いたいのですが、動物取扱業が登録制になる以前、届出制をやっていましたよね。99年の改正でしたが届出制という時期がありました。その時期の評価はどうでしょうか。それをやったことによってどのような利点があったのか、あるいはもう最初から登録制にすればよかっただけの話で、届出制は何の意味もなかったということなのか。その辺のお考えがあったら伺いたいと思います。以上です。

【林委員長】 どのように総括されているか、非常に知りたいと思います。

【田中総務課長】 そこはちょっともう一度資料を整理して、調べてみたいと思います。

【林委員長】 次に論議したときに、資料があると大変助かります。打越委員、どうぞ。

【打越委員】 先ほどのところに戻って、また全体の議論の流れを受けて考えているのですけれど、野上委員のお話を聞いていると非常に説得力があるというか、おっしゃるとおりだと感じます。
 ところで、1月24日に配られた資料を最初の方から見ていきますと、ペットの深夜販売をどうするのか、移動販売をどうするのか、オークション市場をどうするのか、さらに言えば、繁殖個体についてどのようにするのか、販売に回す動物の日齢、月齢をどうするのか、週齢をどうするのか、老犬・老猫ホームをどうするか、動物愛護団体をどうするということで、つまり「どれだけ社会にペットをめぐる問題があふれているか」を、今ここで一気に議論しようとしているのが、この小委員会なのだなと思います。
 もちろん、すべてを法制度に入れて何とか自治体の体制を整えて、大きく法制度を充実化させたいという気持ちを私も持っており、しかも先ほどのような虐待事例に関して、何とかしてひどい事例をなくすというような基準もつくっていきたいと思います。
 とにかく私たちは、社会の問題を何とかして一遍に解決しようというところで、今、情熱を持って委員の中で議論しているところだと思います。
 ただやはり最終的に、これをすべて通せば自治体の業務量が爆発的に増えるということだけは確実で、そういった意味では一つ一つを煮詰めて議論していくことが大事であるとともに、これだけある課題の中からどれを重点的にやっていくのかという議論をしていかないと、いつまでやっても必要だけどできない、という繰り返しになってしまうのかなと思います。野上委員の意見に反対というわけでも、事務局側の負担の話について賛成だというわけでもなくて、全部今やろうとしている全体像を、私たち自身が実感することが大切なのではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。斉藤委員、どうぞ。

【斉藤委員】 私も野上委員の意見は、なるほどそのとおりだなというふうにお聞きして思いました。魚の部分につきましては、今まで私も保健所にいましたけれど、議論は行政の中ではまったくしていないと思います。先ほどのペット霊園の関係については、行政でもかなり議論をした経過はありますが、魚、両生類についての必要性、どこに問題点があるのか、何を規制していくのか、動物取扱業の中に入れてどういう形でいくのか。そういう議論は今までないのではないかと思います。
 ですから、これを業種として追加をしていくという中で業務量が増えるような部分については、もうちょっと中身をよく検討しながら、行政としての現場の中の意見を何らかの形で環境省の方から全国へ聞くことが必要かもしれません。この部分について自治体の方は、全く議論していないと思います。ですから、そういう意味での情報を提供しながら意見をもらうような手はずも必要ではないかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。野上委員、どうぞ。

【野上委員】 自治体の業務が爆発的に増えるとおっしゃるわけですけれども、現実に今、多くの自治体が既に犬・猫の業務とかを外部委託しているわけです。その方が予算が少なくて済むなどの理由です。ただし現在議論している問題は、社会的な要請が非常に多いから、こうやって議論しているのだと思います。社会が要請するものについては、行政は当然人手と予算をつけるわけです。そのために議員もいるわけですし、予算を回すわけです。ですから、仕事が増えるとか人が足りないからだめだというのではなくて、「社会的に重要だからこそここを重点的にやらなければいけない」という主張をすべきではないかと思います。
 それから、自治体がやらなくても済む部分は、外部委託をするとか、動物愛護団体とか動物愛護推進員とか、そういう人たちを活用して一緒にやっていくという形で、新しい体制づくりをしていくことで、この問題は乗り越えられるというふうに私は考えています。

【林委員長】 どうぞ、太田委員。

【太田委員】 現在、魚の販売店の数なのですけれども、約1500くらいかなと思います。20年前に比べると約半分に減りました。確かに生物多様性という点では問題があると思うのですが、昨年魚の業界の二つの団体が一本化されましたので、外来生物法の中で対応していただき、業界内で自主規制ができるような形ができれば、その方が実際の効果があると思います。

【林委員長】 はい、永村委員。

【永村委員】 どこでお願いしようか、タイミングをちょっと探しかねておりました。時間もあまりありませんので、動物取扱業者の「定義」を明確にしていただきたいというのが、ひとつあります。といいますのは、一般の犬・猫を飼っておられる一般の愛犬家、愛猫家の方々の環境省のデータを見ても、大体、犬は25%が知人からもらうという部分があります。例えば自分の後継の犬や猫を繁殖したいと思っても、今の法律では登録業者の認定を受けないといけない。例えばお隣にあげる、親戚にあげる、自分の家に残す、それ以外の犬はやっぱり多胎動物ですから、どうしてもどこかに引き取ってもらわなければいけない。そうすると、ペット業者に買っていただくという場合も、登録業者の資格がないと販売できないことになっています。
 幾つか出てきましたオレゴン州の州法は、繁殖を目的としている者とは何かという定義なのですが、1年間に8カ月齢以下の子犬を3胎、3腹以上販売、譲渡、交換する者をブリーダーとする。ペットディーラーという概念もあり、これは年間5胎、5腹以上の子犬を販売する者で、こういう具体的な数字があるようですので、例えば日本の動物取扱業者の中に、3胎未満、2胎未満でもいいのですが、1年間に子犬を2胎未満しか繁殖しないものは除くという、定義というか除外規定をつくっていただきたいと思います。
 以上でございます。

【林委員長】 規制の緩和ということも本当に現実的に対応していくときに必要なので、次回の委員会でまた論議させていただきたいと思います。野上委員がおっしゃったように、例えば日本は千兆円の借金があるから、国はもちろん地方自治体ももう新しいことは何もしなくていいということではなくて、必要であれば新しいことはやって、そこの部分に重点的に県費を投与するということは、いかなる場合も主張すべきことであります。前にも言ってもいますが、実際には、階段もあまり高いと上れないし、階段の数があまりたくさんあると実際に現場もなかなか大変だろうと思います。
 今日ようやく半分まできましたが、整理するべき課題は本当にたくさんあります。
 ちょうどここの9番まで来たところで、時間も6時になりました。野上委員、どうぞ

【野上委員】 魚の業界は、約1500くらいとのことですが、今、動物愛護行政を所轄している自治体は110くらいですよね。そうすると、一つの自治体に平均で20業者くらいですので、これが過剰な負担になるというふうには思えません。以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。今日いただいたご意見は、かなり集約されたものもあり、またなかなか集約しにくいものもございましたけれども、次回、10番の追加の検討」から進めてまいりたいと思います。今日は全員が参加されて、毎回このようになるのかはわかりませんけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局から何かございますか。

【事務局】 次回の小委員会のお知らせをいたします。次回、第12回の小委員会は、2月22日火曜日、1時から3時。環境省の22階の第1会議室で行われます。以上です。

【林委員長】 ほかにはよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。

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