中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会 (第7回)議事録

1.日時

平成22年11月9日(火)午前10時00分~午後12時07分

2.場所

環境省第一会議室

3.出席者

林委員長、青木委員、井本委員、打越委員、浦野委員、太田委員、加隈委員、斉藤委員、渋谷委員、野上委員、水越委員、山口委員、鈴木自然環境局長、田中総務課長、西山動物愛護管理室長ほか

4.議題

(1)
関係者ヒアリング(動物園水族館関係者等)
(2)
その他

5.配付資料

資料1
ヒアリング調査の実施について
資料2
トラフィックイーストアジアジャパン 石原明子・金成かほる説明資料
2-1:
「動物愛護及び管理に関する法律」についての要望書
資料3
徳島県動物愛護管理センター 久米明徳 説明資料
3-1:
動物取扱業の登録取消について
資料4
(社)日本動物園水族館協会 土居利光 説明資料
4-1:
事業概要2010
4-2:
パンフレット(「社団法人日本動物園水族館協会-その組織と活動-」)
4-3:
情報誌(「どうぶつえんとすいぞくかん 2010 AUTUMN」)
4-4:
動物の愛護及び管理に関する法律の改正に向けての要望の趣旨
資料5
日本鳥獣商組合連合会 佐藤光雄 説明資料
5-1:
意見書(「現行動物愛護管理法に対する日本鳥獣商組合の現況」)

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、第7回動物愛護管理のあり方検討小委員会を始めたいと思います。
 本日は、磯部委員、臼井委員、小方委員、永村委員、山崎委員、渡辺委員がご欠席です。18名中12名が出席されているので、規定により小委員会は成立しています。
 次に、本日のヒアリングにお越しの皆様方をご紹介申し上げます。
 トラフィックイーストアジアジャパン代表の石原明子様は、都合によりご欠席ということで、金成かほる様がおみえになっています。
 続きまして、徳島県動物愛護管理センター主査の久米明徳様、社団法人日本動物園水族館協会副会長の土居利光様、日本鳥獣商組合連合会専務理事の佐藤光雄様です。
 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。資料ナンバー1番から5番までです。その中で、資料4のみ4-1から4-4になっています。
 それでは、林委員長、よろしくお願いいたします。

【林委員長】 ただいまから、第7回、動物愛護管理のあり方検討小委員会を開催いたします。議事に先立ちまして、鈴木局長からごあいさつをいただきたいと思います。

【鈴木局長】 昨日に引き続きまして、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日は、登録制度の前提の中で違法行為等があった場合にどういうふうに対処するか、それから幾つかの問題について、現在の規制のあり方を少し緩めるべきではないかというご意見もあるもので、そうした点についてヒアリングをしていただきたく、ご検討いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

【林委員長】 それでは、これからヒアリングを開始いたしますが、1団体当たり大体30分。説明を10分程度いただき、その後、20分程度の質疑ということで進めてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、最初は金成さんからですね。前の席にお移りください。

【金成かほる氏】 トラフィックの金成と申します。今日はよろしくお願いします。
 お話を始める前に、トラフィックの紹介を少しさせていただきたいと思うのですが、トラフィックというのは、世界30カ所ぐらいに拠点を持っておりまして、主にワシントン条約で取引される野生の動植物の取引の調査や監視を行っている団体です。日本でも、ワシントン条約に日本が加盟した2年後の1982年から、トラフィックイーストアジアジャパンというのが立ち上がりまして、それ以降、調査や監視を続けております。特に、希少な野生動植物の取引について、今まで調査や監視をしてきたという経験から、動物愛護管理法に関するお話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 お手元の資料の資料2-1、カメの写真をご覧いただきたいんですが、本日は、二つポイントがあります。一つは、ペットとして取引される生きた動物たちの現状と、動物愛護管理のあり方がどういうふうにギャップがあるかということ。もう一つは、違法な取引に関わる動物取扱業者が、しばしば違法行為を繰り返していることに関して現状の事例を挙げてお話しさせていただきたい。その二つから、取引に関する法律と動物愛護の管理法というものに「連携」を求めるお話をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、1.背景のところ。日本は、生きた哺乳類や鳥類、爬虫類、それ以外にもたくさん魚類とか両生類など多種多様な動物を海外から大量に輸入している輸入大国です。これはトラフィックが調査をしている中でも、日本はいろいろな種の動物の調査の中で、いつも上位に上がってくるような有名な輸入大国であるということが言えます。ワシントン条約の対象になっているような希少な野生の動植物、特に動物ですが、生きたままでペットとして取引されるということがある、世界の中でも有名な国です。
 一部では、残念ながら密輸とか違法な取引のターゲットになってしまっている事例が、今でもずっと続いております。ワシントン条約に違反して入ってきた場合には、国内の施行法である関税法とか外為法と呼ばれるのですが、外国為替及び外国貿易法という法律の違反ということで、差し止めが行われるか、もしくは国内に入ってきた後には種の保存法という法律で裁かれることになります。
 このように、密輸とか違法な取引によって取引されている動物は、輸送の環境などがよくないため、密輸で差し止められたもののうち半分が死んでしまっているとか、少したったら全部死んでしまったような事例が、かなり多く見られます。
 次の3ページ目に、実際にどういうような状況で運ばれてきたかというような事例を載せておりますので、後ほどそれはさらっていこうと思います。
 2番目に、要望内容ということで書かせていただきました。今申し上げたように、違法に取引されたものに関して、動物愛護管理法とどういうふうに連携するかということですが、動物愛護管理法は、動物取扱業の登録を規定している唯一の法律です。今申し上げた、関税法・外為法・種の保存法という三つに違反して違法な取引を行った業者に関しては、動物取扱業の登録が拒否される要件と、登録の取り消しが行われる要件というところに加えるということを、トラフィックから要望させていただきたいと思っております。
 3番目、その次のページに、理由を載せさせていただいたんですが、今お話し差し上げたとおり、不正なルートで入手される状況というのは取り扱いが不適正な場合が非常に多い。差し止められた個体の、少なくとも一部あるいは全部が死亡しているというケースが多く見られます。これは動物愛護管理法の基本原則、あるいは目的そのものに反するということで、動物愛護管理法の方で処分を行ってもいいと私たちは考えているからです。
 それから、取引に関する法規制に違反する場合、例えば種の保存法に違反している場合は、同時に動物愛護管理法に違反しているケースも見られます。ということで、取引に関する法律への違反と、動物愛護管理法への違反が密接に関わっているといえると考えて、動物取扱業の登録を定めている唯一の法律である動物愛護管理法は、これらの取引と関係した法律と連携することによって、動物に対する不適切な取り扱いを排除して、適切な取り扱いを推進する効果を高めるべきであるというふうに考えております。
 3ページ目に、事例ということで、幾つか印象的なものというか、頭に残るのではないかと思われるものを挙げたのですが、まず最初の事例1。取引に関して違法な行為をする業者は、しばしば何度も同じように違反を繰り返しているという事例です。コモンマーモセットという猿の子どもを靴下の中に入れて密輸しようとした業者が、実は以前にアジアアロワナとか、ホウシャガメなどの違法な取引に関わったことがある常習者であったという事例です。ほかにもたくさん、こういう事例があります。
 それから、事例2。密輸は動物にとってどれだけ負担の大きいものなのかということで、幾つか載せたのですが、例えば最初の2006年のスローロリスの事例では、37頭のうち27頭が、密輸が見つかったときに既に死んでいた。2003年の事例では、ビロードカワウソとかコツメカワウソというカワウソですが、見つかった子ども9頭のうち5頭が既に死んでいて、非常にまだ小さな動物だったということです。
 2005年のスローロリスの事例では、検疫所で保護したときには、40頭全部が生きていたのですが、状況が非常に厳しく、悪い状況で、その後すぐに十数頭が死んでしまいました。大体こういう取引や密輸が行われるときは、小さな箱とか小さな袋に隠して入れて運んでくるので、動物にとっては非常に負担が大きい状況があるということです。
 事例3。新聞の記事を載せたのですが、右側の方にあるのは、種の保存法に違反したことがわかって自分にも捜査の手が及ぶのが怖いからと、その対象になっていたカメを冷蔵庫の中に入れて殺してしまった。種の保存法と動物愛護管理法との関連性、しばしばそうやって両方に違反するようなことが起こってしまうという事例です。
 以上が、トラフィックからの報告です。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは浦野委員、どうぞ。

【浦野委員】 トラフィックという組織を実は存じ上げないので、まずそこから聞きたいのですが、この組織は、何らかの権限を持っているような組織なのか、それともボランティアで構成されているのでしょうか。

【金成かほる氏】 ボランティアではないのですけれども、NGOです。

【浦野委員】 世界に30カ所の拠点ということは、どこかに中心的な役割を果たしている国があるのでしょうか。

【金成かほる氏】 本部がイギリスにあり、ワシントン条約の会議のときには、トラフィックはこういうことが得意だからということで、事務局から調査を特別に受けたりとか、そういうことをしております。

【浦野委員】 すみません、もう一つだけ。調査、監視をやっているということですが、その調査、監視した結果はどのように活用しているのでしょうか。

【金成かほる氏】 レポートとして出版して、それを皆さんに知っていただく形です。調査はそういうことから初めています。

【浦野委員】 何らかの行政組織と結びついて、実効性を持たせるというような活動はしていないということですか。

【金成かほる氏】 その調査結果をもとに、もちろん政府の方に提言をするところにつなげることを常にやっております。

【浦野委員】 わかりました。

【林委員長】 ありがとうございました。資料の2-1の一番上のところに、WWFもIUCNも載っていますが、それと並ぶような国際的な組織です。私はWWFの自然保護委員会委員長をやっていますので、ぜひともこういう組織に頑張ってもらうのはありがたいと思っています。もちろんNGOで行政的な権限はありませんが、今度のCOP10でも、WWFをはじめこういう非政府組織、NGO組織が国と一緒に頑張ったという経緯がありますから、相当、活躍している組織だろうというふうに思います。
 ほかにどうぞ、野上委員、山口委員。

【野上委員】 希少動物の取引というのは、まさに絶滅危惧種を取引するわけですから、法に違反して取引するということは、外国の種の絶滅にも加担するわけですし、自然保護や生物多様性の保全上、極めて重大なところだと思っています。
 日本では、税関で密輸が摘発される例を私どもの会でも調査しているのですが、毎年ほとんど減らず、コンスタントに一定数の密輸が摘発されています。これはなぜ減らないのか。あるいは税関で摘発されるのは、もしかしたら氷山の一角であって、簡単にすり抜けてしまうケースが非常に多いのではないかと危惧しているわけです。今の税関の体制ですと、保護・収容された動物が動物園等に移されるに至る間に死亡するケースが非常に多いということですが、そのあたりの対策について、何かお考えはありますか。

【金成かほる氏】 ありがとうございます。すごく難しいご質問です。違法な取引が終わらないということについて、どこに一番大きな原因があるのかというのは、すごく申し上げにくいというか、いろいろなところにいろいろな原因があって、違法な取引が続いてしまっているのかと思います。トラフィックとして、どのような働きかけをさせていただいているかを、ちょっと申し上げたいと思います。
 そもそも税関の方々は生き物に専門性が高いわけではなく、ありとあらゆる輸入されるものを見なければいけない組織です。その方々は、例えばカメの種類などがワシントン条約に掲載されているとか、されていないとかということを識別する大きな役割があるのですが、その役割を、トラフィックでトレーニングというか研修をさせていただき、その機能を十分に高められるような手助けをさせていただいております。
 それから、水際で防ぐことは非常に重要だと思うのですが、それ以外に、国内に入ってきてからどういうふうに管理するべきかということも重要です。国内の管理がきちんとしていなくて、いったん入ってきたら素通りというようなことでは困りますので、国内でどのように管理したらいいのかについても、提言をさせていただいたりしております。

【林委員長】 それでは、山口委員、どうぞ。

【山口委員】 もう大分前になるんですけれども、ある専門家の方々からこんなことをお聞きしました。今日、事例に挙げていただいたのは日本での水際で捕まった事例なんですが、逆に爬虫類を輸入しようとして輸出国で密輸で捕まって、そちらの法律で罰せられた方が、罰金を払うより刑務所に1年入ってまた日本に帰ってきて同じ商売をやるというふうに言っていらした方がいらっしゃるというお話でした。それでは何にもならないではないかと思ったんですね。
 トラフィックの方々のほうには、日本でなく海外で、「出すときに捕まって、向こうの法律で罰せられる」というような情報は、結構入ってくるものなのでしょうか。

【金成かほる氏】 はい、それはたくさん入ってきます。例えばタイとかアメリカとかで日本人が捕まり、そちらの法律で裁かれたというような事例も、かなりよく耳にはします。

【山口委員】 本当に、また同じ商売をやるよというふうにうそぶいていらしたということですので、やはり私は、トラフィックの方々がおっしゃっているように、関連法で違反した業者は取り消すべきであるし拒否すべきであると思っているんですが、国内でだけじゃなく、海外の法律に違反した方々についても適用していただけたらなと思っています。そういう情報は、日本の政府の方々は全部把握していらっしゃるものなんでしょうか。

【金成かほる氏】 これは環境省の方にお聞きした方がいいんですよね。

【林委員長】 それはぜひ、局長もいらっしゃいますのでお聞きしましょう。外国の法律に違反して捕まった日本人について何らかの情報が環境省にも入ってくるのでしょうか。

【鈴木局長】 偶然そういう事例を知るということはもちろんありますが、システマティックにそういうものがすべて情報として入るという仕組みにはなっていないと思います。

【林委員長】 ということです。室長、どうぞ。

【西山室長】 役割分担で言うと、国をまたいで日本に入ってくるところまでは経済産業省の管轄になって、国内での流通については環境省が見ています。ですので、国内流通の場合は、もちろん全部把握しているつもりです。入ってくるところで問題になった事例については、経済産業省から連絡が来るようになっているのですが、その前の時点というのは、必ずしも全部は把握していません。

【林委員長】 国内法の別の法律に違反しているものを、動物愛護管理法を適用して自動的に取り消しを発動させることは法解釈的に問題ないのか。また、外国の法律に違反した場合はどうなるのか。この2点について教えていただきたい。

【鈴木局長】 その辺は、最終的には法制局で詰めた上でお答えする方がよいと思いますし、法律の先生がおられるので、その方に伺った方がいいのかもしれませんが、基本的に、国内法については、他法令で違反した事例を登録要件の拒否事由にするということは、法律的には我々は可能だというふうに思っています。
 ただ、それぞれの法律には目的がございますので、その目的との関係で、認めた方がいいのか悪いのかというのはまさに政策判断ということになろうかと思います。
 それから、基本的には外国の法律というのは、必ずしも日本の法律と同じようにできているわけではないものですから、通常は海外の法律をもって何かの国内法の適用を何とかするというのは、原則はあまりない。もちろん立法例としてそういうことができないかどうかよく調べてみる必要がありますが、基本的には、それは非常に少ないと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。

【山口委員】 ありがとうございました。

【林委員長】 それでは、打越委員、ぜひ法律的なこともおっしゃっていただくとありがたいんですが。

【打越委員】 それは青木先生の方が、よりプロフェッショナルだとは思うんですけど。鈴木局長のおっしゃるとおりで、ほかの法律でそれをきちんと動物愛護管理法の中に位置づける根拠さえできていれば、可能だと思います。ただ外国の法律は日本の国民がつくった法律ではないので、日本の国民がつくった法律ではないものに日本の国民が縛られるというのは、なかなか認められないんじゃないかと思います。
 質問の方、言っていいですか。

【林委員長】 はい。

【打越委員】 私も、できれば関税法、外為法、種の保存法、その他こういった要件を入れて、野生動物の密輸入を厳しく取り締まっていくというのに賛成でございます。
 ただ、この条件を入れたからといって根絶できるわけではなく、いろいろな方法で密輸を根絶していかなければいけないと思います。いろいろ現状をご存じのようですので、せっかくなので伺ってみたいことが2点ございます。
 この審議会でペットオークションの話が出たときに、良質なオークションの場合には、仕入れ先も明記して取引する努力を自主的にしているというお話があったと思います。犬や猫についても、ブリーダーさんからオークション、ショップを経て飼い主のところに至るまで、食肉のようなトレーサビリティシステムまでつくるのは難しいにしても、きちんと仕入れ先を明記するのが好ましいという法律の条文や規則を作っていき、仕入れ先を明記することを入れ込んでいく。悪質な方法で輸入してくる業者は、またうそ偽りを書くかもしれませんが、一つの抑止力として、仕入れ先を明記させるというのが有効になり得るかどうか、現状はそういう仕入れ先等を明記しているかどうか。そういったことを伺いたいのが、1点目でございます。
 2点目なんですが、ホウシャガメとかちょっと珍しいカメとか蛇とかを置いているようなペットショップが時々あります。スローロリスやビロードカワウソまで置いてあるペットショップがあったら、私は入ってびっくりすると思います。こういう密輸動物を売っているペットショップというのは、どういう店構えなのでしょうか。あらかじめ展示して誰でも見られるようにしているのか、そもそも店舗があるのか、インターネット販売なのか。どういう方法で一般の消費者に売っているのか。そもそも消費者も買うなと言いたいですけれど、そういう店構えについて、情報をご存じであれば教えていただければと思います。

【金成かほる氏】 まず仕入れ先の明記ということなんですけれども、それは非常に有効だと思います。特に、きちんと効力というか、必ず書かなければいけないというふうにすることは非常に有効だと思います。なぜなら、野生の動物だと、例えばインドネシアが輸出を禁止しているとか、原産国によって輸出を禁止しているケースが結構多い。先ほど原産国の法律という話がありましたけれど、取引の全部の過程で違法なことをしていないことを証明するためにも、原産国を明記するというのは、非常に有効だと思います。
 現状なんですけれども、生きた野生の個体だと、比較的書いてあるケースはあります。全部ではなく、満足のいくレベルではないですけれども、たまに書いてあるケースというのはある。なぜかというと、どこどこの国のこの個体というふうに言うことが、その個体の価値を上げる可能性があり、明記されているケースがあるというのが現状です。でも、すべての個体にどこから来たものかを書かせるのは、非常に有効な対策方法だと思います。
 それから、密輸のものを売っているペットショップは、大体多くのケースが、最初は誰でも入れるようなペットショップです。よくあるケースは、最初入ったところはペットショップで、奥に入ると違法なものがある。でも特別な人しか入れないというようなケースが多いのではないかというふうに思います。
 インターネットなどでも、逆に一般的な人が誰でも見られるようなウェブサイトには、違法なものは売っていなくて、売ってはいけないような種類の動物をそのままの名前で売るということはあまりなくて、何か違った方法で、暗号を使うなり何なりというような方法で売っているケースがあるのではないかというふうに思います。

【林委員長】 はい、ありがとうございました。青木委員、どうぞ。

【青木委員】 簡潔に言います。先ほど局長がおっしゃった問題で、この法律の枠内の目的規定との関係ということで言えば、先ほどトラフィックの方からご説明があった事例の多くは、動物愛護管理法自体にも違反しているようなケースが多く、だから虐待だと、こういう論理が前面に出ていました。動物愛護管理法自体に違反していれば、それ自体がもう既に取り消し事由になっているわけです。ですから、先ほどのカメを殺したようなケースは、まさに動物愛護管理法違反で取り消せばいい。だからそのような場合は現行法のもとで、取り消しをちゃんとやればいいだけだという論理になると思うんです。
 我々が検討すべきは、完璧に動物に配慮した、福祉を本当によく守って十分元気な状態で密輸した人、これを動物愛護管理法の枠内で動物取扱業の取り消しができるかという論点だと思います。それについて、何かご意見があればお聞かせいただきたいと思います。

【金成かほる氏】 私の意見としては、完璧に福祉に配慮して輸入とか取引をしたとしても、その動物を違法な個体にしてしまったということ自体が、愛護に反するというふうに思います。

【林委員長】 ついでにお聞きします。動物愛護管理法は、哺乳類から爬虫類までですけど、両生類以下の動物は適用されませんね。以下とか以上とかという言い方はおかしいですが、この法律で対象としている動物以外の動物の場合には、この法律では基本的には取り締まれないだろうと思うので、その場合でも、トラフィックとしては結構だということですか。両生類、魚類で法律に違反した場合は、私たちの法律では取り締まれないわけですけれども、それでよろしいんですね。

【金成かほる氏】 どういうふうに連携させるかにもよると思うのですけれど、ほかの法令で、例えば種の保存法に違反した者を、動物愛護管理法で動物取扱業の登録を消すということがもし実現されたとすると、種の保存法には両生類とか魚類も入っていますので、私たちとしては爬虫類で切るというのは、また別の議論です。けれども、どんどん今後、両生類とか魚類にも展開されていくのではないかという期待がありますので、法令に完全に違反した者は動物取扱業の登録を消す、ということであれば、両生類とか魚類の違反もその範疇に入るのではないかというふうに思います。

【林委員長】 そう考えておられるわけですね。どうぞ、野上委員、そして太田委員。

【野上委員】 昨日の議論でも観賞魚の議論があったのですが、観賞魚が捨てられ、外来生物化してしまうという懸念が出されているわけです。この法律の目的の中に、生物多様性の保全ということを入れていけば、そういうものはすべてカバーできると思います。種の保存法は、絶滅危惧種の保護に関わる法律ですし、また特定外来生物法、鳥獣保護法という法律もあります。野生のメジロやホオジロを密猟して売買するペットショップはずっとあり、何回摘発されても営業停止にならないということで、鳥獣保護や密猟対策に取り組んでいる団体からも、ぜひ営業停止にしてほしいという要望が出ています。ですので、COP10を受けた形でこの法律の幅をもう少し広げて、「人が飼育するすべての生き物について関わっている」という観点から見直す。何といっても、この自然環境を保全してこそ私たちの生存があるわけですので、そういう観点で見直していく必要があるのではないかと思います。
 同じ自然環境局でカバーしている法律なので、お互いに動物を取り扱っている関連部分で、ぜひ連携がとれるようにしていただきたいと思っているのですが、そういう点ではいかがでしょうか。

【金成かほる氏】 連携がとれればいいなというふうに思っています。

【林委員長】 わかりました。ありがとうございました。では、太田委員。

【太田委員】 今日、また動物取扱業に非常に問題があるということで、私も業界の一人として、大変恥ずかしい思いをしています。ワシントン条約に関しては、経産省の関係ですよね。本来、水際作戦がしっかりしていれば、こういう問題は起きないと思います。しかし現実に輸入して業としている人がいる。この動物愛護管理法の動物取扱業に関しては、今まで日本でも現在、3万6,000件くらいの業者がいるわけですけれども、その中で本当のごく一部、おそらく100に満たない業者のために、業界全体が常に悪く言われている。悪い業者は徹底的に取り締まってほしいと思います。いい業者は伸ばしてほしいと私はいつも言っているのですが、現実には、同じ業者が何回も問題を繰り返す。これは完全に動物愛護管理法違反で、私は事業の取り消しができると思います。
 過去にもオランウータンを密輸した業者の社長が、今でも他店舗のペットショップを営業している。会社の代表の名前を変えて業を続けることは、本来あるべき姿ではないと思います。いくら社長や代表者がかわっても、はっきりと業の取り消しをする。悪い業者は徹底的に排除する。あとは、罰則の中で払えないくらいの高い罰金をつけて、金額の面で厳しく取り締まるというのも、一つの方法かと思います。まじめにやっている業者をぜひ一緒につぶさないように、お願いしたいなと思っています。以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。では加隈委員、短くお願いします。

【加隈委員】 あまり詳しくないので教えていただきたいのです。密輸されて、国に入れないところでストップされていても、その時点で半分ぐらい死んでいたり、具合の悪い状態の動物たちがいると思うのですが、この動物たちはどこの法律で守られるのかがちょっと気になりまして。そのまま飼い続けるのも、また元に返すのも難しいのかと思うんですけれども、実態としては、今どんなふうにされているのか。あと、ほかの国の様子とかも見ていて、どういうふうにそういう動物たちは扱われるのでしょうか。

【金成かほる氏】 今、その問題が非常に大きな問題として、あちこちで問題になっています。違法に連れてこられてしまったものは行き場がないケースが多く、措置としては生きたものであれば動物園に引き取っていただくケースもありますが、例えば飼育するのにもお金もかかりますし人手も必要です。それが十分にできていない問題などもいろいろあります。原産地に帰すということも選択肢としてはあるのですが、実際に行われることはほとんどありません。受け入れ側の準備ができていないため、帰されることもあまりなくて、ある意味で行き場を失ってしまう。そこで差し止められた動物は行き場を失ってしまうということ。それが、密輸されてしまった動物の非常に苦しいというか、悲しい現状なんですけれども、そういうことが今、大変問題になっています。

【林委員長】 ありがとうございました。時間が大体過ぎておりますので、ここまでにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、配付資料の3-1をご説明いただくことになりますが、徳島県動物愛護管理センターの久米さん、お願いいたします。

【久米明徳氏】 久米でございます。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 資料の方は3-1になりますが、ご説明の前に、1点訂正をさせていただきます。裏面の一番最後の行、7月9日、動物愛護推進協議会主催譲渡会というのがありますが、これは7月31日に訂正してください。
 それでは説明させていただきます。お手元の資料に書いてあるとおりでございます。本年3月15日、付近住民から犬の声に係る苦情が寄せられ、動物愛護管理センター担当職員が直ちに調査したところ、飼養施設の定期的な清掃等が実施されておらず劣悪な環境での犬の飼育が認められた。こうした動物取扱業者がいたということでございます。
 早急な対応が必要なことから、事業者に対して週1回程度の立入調査と指導及び行政処分勧告命令等を実施してきましたが、事業者の高齢化等もあり改善がなされなかったため、6月17日、事業者に対して業務の停止命令、全部停止命令。さらに、7月8日に登録を取り消したというのが概要でございます。
 事業者は、動物取扱業者、種別(販売)、82歳男性、住所は徳島市内でございます。登録年月日は平成19年5月31日、飼養頭数は、最多飼養時、6月17日段階だったと記憶していますが、92頭でございます。
 3番の違反内容でございますが、動物愛護管理法第21条第1項の基準遵守義務違反、動物の管理の方法等の細目になりますが、これが遵守されていない。これによって勧告と命令をしましたが、2)法に基づく命令、または法に基づく処分に違反するということで、法第23条に基づき措置命令を行ったが、これに違反したということでございます。
 裏面が、行政処分に係る経過でございます。3月15日の苦情からでございますが、二重線の四角が、動物愛護管理法に基づく行政措置、一重線が行政手続法による措置でございます。初回の指導が4月8日で、まず23条第1項に基づき、4月30日に勧告しております。改善するよう勧告をした期限は5月14日に設定してございます。これを措置命令を見据えていましたので、措置命令に係る弁明機会の付与通知を同時にしております。
 5月20日は措置命令に関わる弁明の提出期限ですが、提出はございませんでした。この段階で、告発に関して警察当局と協議しております。
 もとに返り基準遵守義務違反法第21条ですが、これは取り扱う動物の管理の方法と環境省令で定めた基準8条第8号です。動物取扱業者が遵守すべき動物の管理方法等の細目として規定されております。具体的な飼養施設の管理はあるか、動物の管理等がここの細目で規定されて、この基準に遵守しないということで勧告命令を法第23条によって行う。勧告や命令に違反した場合には、法第46条で30万円以下の罰金となっております。
 行政としては、ここで告発手続を行う段取りになります。それにつきましては警察と協議し、協議が不調に終わりました。警察の受け方としては、こういう形にすれば捜査・立件、検察送致もしますが、罰金が低額であるということでした。いわゆる、山が低いと彼らは言います。そして事業者が高齢である。こういった場合は、罰金になったとしても、略式起訴で罰金10万円ぐらいでしょうと。今回は支払い不能の見込みがありましたので、そういった場合にはこの82歳の老人の事業者を投獄するような話になる。山は登ったが、どこへおりるのですかということです。
 もう1点の問題は、もし罰金を払えばまた事業が継続できるという話です。
 虐待についても、この段階で検討しました。非常に不適切な飼養だったので、糞の中で犬がいるような状態です。警察の考えとしては、こういった形を虐待とはほとんどとらえていません。こういった場合、警察がとらえる虐待というのは、えさをやっていなくてやせこけているとか、たたいたり、殺したりするとか、そういったものを虐待として考えています。こういったところまでは、まだ虐待としてとらえている部分が非常に少ないのが、警察の現状です。
 あわせて狂犬病予防法の立件も検討しましたが、罰金20万円以下。登録注射ができていないと罰金20万円以下です。そういったこともあり、この告発については見送らせていただきました。
 そこで、業務停止、取り消しへと移行しています。法第19条は2号で業務の内容及び実施の方法が省令の基準に適合しなかったとき、あるいは3号で構造、設備、あるいは管理の方法が省令の基準に適合しなくなったときについて、業務の停止や登録の取り消しができることになっています。
 ところが、こういった不適正な基準遵守義務違反としての取り消しの項目がございます。今回どうやって、この取り消し、業務の停止をしたかといいますと、勧告に係る命令に違反した、つまり第5号の法に基づく命令・処分に違反したときとして、業務の停止と登録取り消しをしています。つまり2段階にやっているということです。直接な遵守義務違反に直接かかった形で、業務の停止と登録の取り消しをしたわけではないという形になります。
 今回、環境省さんのお招きでこういった説明をさせていただきましたが、もっと容易にそういった取り消しなどをするようにしたいという話なのだろうと思います。直接的には、そういう形にするようにすれば、それはいいと思います。
 繰り返しますが、不適正な飼養や基準遵守違反で業務停止や取り消しに至ったのではなくて、不適正な飼養等の基準遵守違反に対する勧告に係る改善命令に違反したという、回りくどい、ストレートでない形の登録の取り消し、業務停止という形になっております。
 直接関係はございませんが、表の方に返りますが、問題になるのは、動物の救済対策でございます。多頭飼育の崩壊、あるいはこういった動物、今回は取り消ししたわけでございますが、残るのは動物でございます。このときに、動物をどうやって救済していくか、これが一番大きな問題になります。今回は行政として、こういった取り消しの手続を進める一方で、動物愛護の観点から、劣悪な環境からの犬の救済対策が必要であると判断して、本県動物愛護推進協議会に諮るとともに、獣医師会さんや動物愛護団体さんと協力しながら、動物の救済対策を実施しました。
 動物の一時避難場所は、私どもの動物愛護管理センター、動物愛護推進協議会を主体として譲渡会や、動物病院等を通じて譲渡に努めました。先月、31日現在で、未譲渡数は1頭になっています。これも昨日、決まりかけているような話を聞いております。
 課題は、先ほど申しましたように、動物の救済対策が大きな懸案事項であります。そして、先ほどもお話ししましたが、不適正な飼養により、第21条第1項の基準遵守違反となる場合、法第23条に基づき、勧告命令を措置することになります。また、この命令に違反した場合、法第45条に基づき、罰金30万円以下と処するとされております。これは司法の方にゆだねることになりますが、今回はそれが不調ということです。罰金が低額であることも一つの要因だと思っております。
 行政の目的は、あくまでも登録の取り消しではなくて事業者における動物の適正な飼養のための改善、またそれができない場合の動物の救済でございます。今回、事業者が廃業の意向がなく、動物の所有権にこだわったことから、最終的に登録の取り消しまでに至りましたが、取り消しが直接的にできるようになったとしても、行政目的が達成できるか、その事例によってさまざまな事例がございますので、必ずしもそれが有効に効果が作用するかどうかは、それは未定のところが多いと思います。要は、その法律の運用といいますか、使い方になると思います。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見をお願いします。打越委員、どうぞ。

【打越委員】 動物取扱業者の登録の取り消し、お疲れさまでした。2点伺いたいと思います。まず、3月15日、付近住民から苦情という経緯ですが、おそらくその前からもいろいろあったんじゃないかと思います。こういう事件がある場合には結構長いスパンがかかっているんじゃないかと。取り消しして、救済のために譲渡会まで開いて、その間には行政職員さん、獣医師職員、現場職の職員さんといろいろいらっしゃると思いますが、その肉体的、精神的な負担がどういうものであったのかを伺いたいというのが1点目でございます。
 もう1点目は、経費についてです。今回のケースは法律違反で、相手の業者が100%悪いわけです。罰金は取れなかったわけですけれども、その救済にかかった経費、譲渡会を行ったり、あるいはボランティアさんなどが犬を引き受けてくださるというのにも経費がかかってくるわけです。そうした救済に関わる経費を、違反者に補償させられないかなというふうに考えました。
 実際に相手がどういう資産を持っているかによって、ない袖は振れぬという可能性もあるかもしれないのですが、救済にかかる経費を違反者に直接支払わせるというか、補償させたいというふうに考えた理由が2点あります。
 まず住民サイドから見ますと、法令違反をした、ある意味犯罪者がやったことの尻拭いの経費を、なぜ住民の税金から払わねばならないのか。そういうような形で、住民から訴訟を起こされてもおかしくなくて、訴訟を起こされた場合には、場合によっては行政の方が負ける。争わないかもしれないですけれども、住民から見れば、何で犯罪を犯して不法なことをした人の経費を住民の税金から払うのかというような訴訟が起きる可能性もあります。また事業者から見た場合、この人は廃業の意向がなかったということですが、「事業を継続しようと思っていて売れ残った犬のえさ代やワクチン代をちょうどいい形で行政が請け負ってくれた、おかげさまで不用品の在庫処分ができた、また新しい子犬や子猫を仕入れればちょうどよく、かかる経費がかからずに済んだ」というふうな悪質業者をのさばらせてしまうかもしれません。かつ、もしこれで登録取り消ししなければ、また営業できるわけですから、そういう意味では、この救済や処理その他に関わる経費を違反者に補償させるべきではないか、あるいはできるのか、そういったことを伺いたいと思います。
 以上2点です。

【久米明徳氏】 まず1点目でございますが、私ども職員の肉体的、あるいは精神的な負担について。4月の初回の指導から7月31日まで、ほぼ3カ月間ですが、超過勤務は確かにありました。ボランティアさん、あるいは獣医師会さんが継続してくれて健康診断もしてくれるし、糞まみれの犬のカットとかシャンプーとかをボランティアさんがしてくれました。92頭だったんですけれども、結局、動物愛護管理センターに引き取られたのは45頭でした。これの毎日のお世話、夏の暑い時期に、職員が交代で一生懸命やりまして、肉体的にもしんどかったですが、精神的にはもう着々と行政処分をしていく、粛々とやっていくんだということで、特に、私は感じなかったですね。こいつをつぶしてやろうぐらいの話でいっていましたので。そんなところがまず1点目です。
 それと、救済にかかった経費を違反者に補償できないかという話ですが、今回の事例の場合、この82歳の男性の奥さんは85歳で非常に高齢化し、体の調子もあまりよくないこともあり、この不況で売った犬が返されたとかいろいろな中でどんどん犬が残っていき、犬も高齢化して、こういった形になっていきました。最終的に、この人に犬を手放させるために登録取り消しもしたんですが、生活保護のお世話も、実は裏でさせていただきました。(罰金を)払えるような方じゃないんですね。
 法的にそういった位置づけをつくったとしても、それが払える人と払えない人がやっぱりいるので、住民からすれば、こういったことに税金を使うのは非常を的を射た質問だと思いますし、業者サイドから見れば、在庫処分をしてくれて助かったとなる。これは両方、私どもは非常に考えました、これは必ず批判を受けるぞと。ただ、私どもも行政なもので、ちゃんと動物愛護推進協議会にかけて、そこの部分を動物愛護団体さんと協力してやってきたところで、そういった批判、あるいは報道への資料の提供の仕方で工夫して、そういった批判はまずは受けてございません。
 ただ、業者サイドの処分というのは、この業者も確かに頭の中にあったと思います。だから取り消した。取り消した部分には、その部分もあります。取り消すと2年できない話ですね。2年というのが長いのか短いのかよくわからないですけど、その登録の期間が5年なので、その半分ぐらいで2年という話のつくり方なのかもわかりませんが、そういった在庫処分をしていただけるという使い方をする業者も、これからは出てくる可能性はあると思います。そこの部分は、税金を使っている私たちとしては、非常に慎重にしないといけない部分だと思います。

【林委員長】 ほかに、ではお二人、まずは斉藤委員、そして野上委員。

【斉藤委員】 大変貴重な事例をありがとうございます。まずお聞きしたいのは、行政としてはかなり何回も指導、立ち入りしてどんなケースでもやるわけですけど、二十数回ということで、なかなか本人が改善できなかった理由が幾つかあるかと思います。どんな点で改善が難しかったかなということと、それから、そのときに、最初から警察も一緒に指導というか、一緒に入って、この事例について対応をしたかどうかということですね。
 勧告してその措置命令をし、最終的に19条の5で取り消しをするわけですけど、その勧告の内容と措置命令というのは非常に大事だったと思います。多分、かなり検討した上で進めていっているのではないかなと思うのですが、例えばそういう中に動物の頭数とか、具体的な改善をされたか。どういう点で勧告、命令をかけたかということを幾つか教えていただければと思います。
 それからもう1点。こういうケースのときに、行政の流れの最後に所有権を放棄していただくということで、いろいろな道が開けて、頭数を減らしたり、改善させるということが具体的に目に見えるんですけど、所有権を放棄するというのは非常に難しい。そのときの状況などを教えていただければと思います。

【久米明徳氏】 長野県の動物愛護センターの所長で、私どもの業界の方なので、非常に鋭いところを突かれていらっしゃると思います。改善できない理由は先ほどもお話ししましたけれども、この人は非常に高齢化しています。それがまず大きな点で、体もあまり丈夫じゃなくて、90頭のお世話をするのは年老いた体の調子の悪い夫婦では、1日かかってもできない。できないことがだんだん2年、3年とたまっていって、こういった形になったのだろうということです。それと、この人の性格もあると思います。資質と申しますか、そういった部分も大きいかと思います。
 警察の関与ですが、長野県さんはどうなのかわかりませんが、徳島県の場合は、こういった動物のことは、「動物は動物愛護センターのことでしょう、警察は知りませんよ」というスタンスです。
 話は変わりますけど、遺失物法の改正もあったりして、警察がだんだん動物の保護から引きだしています。そういったところもあって、今回、所轄の警察署の生活安全課の課長さん、担当の係長さんと協議させていただいたようなスタンスです。
 それと先ほど言ったように、罰金が低いこともあって、山は低い、小さいでしょうというスタンスがやっぱりあります。警察は最初から入っていません。告発することを見据えて、その段階で警察と協議します。これは警察の徳島県警本部の方から話を回しまして、所轄の方で話をしましたけれども、スタンスは変わりません。
 勧告の内容ですが、頭数の具体的な設定していません。適正に管理できる頭数にしなさいという勧告の仕方はします。それから適正な清掃、保守点検、いわゆる法の細目に関わる部分については、してくださいよといった形で勧告しています。つまり勧告書を別紙で、細目の部分を抜き出して、勧告の中に入れている形になります。
 それと所有権の放棄ですが、4月の当初から7月まで約3カ月間、毎週、週1、2回の形で、この業者さんに接触しているわけです。立入調査もしましたし、愛護センターの方をお呼び出しして申しています。変な話ですけど、人間関係もできています。信頼関係というとおかしいのですが、そういった形の中で、所有権を放棄させるような方向に持っていきました。82歳でご高齢の方で、この仕事しかしたことがない方ですので、非常に頭がかたいといいますか、職人かたぎといいますか昔の方ですけれども、人間関係をつくっていきながら、所有権の放棄(を勧める)。所有権の放棄は誰に対してするのかというので、動物愛護推進協議会長と動物愛護管理センターと両方に書かせました。これがテクニックというか、そんなところです。

【林委員長】 それでは野上委員、どうぞ。

【野上委員】 徳島県で起こった事例は、全国の都道府県で起こっていることなのですが、発生から4カ月で営業停止に至ったというのは、非常にスピーディーで、ほかの県では何年もかかっても解決できないことが多いです。
 例えば佐賀県ですと、県も動物愛護団体も告発したにもかかわらず、警察が受理しなかったり検察が起訴しなかったということで、検察審査会にかけて強制起訴になったというケースさえあるわけです。警察がなぜ対応してくれないかということの理由に、罰金が低いということがありましたが、罰金を引き上げれば解決するのかということ。環境省が動物虐待についてはこういうことが考えられるという通知を出していますけれども、そういうのを警察に見せても、なお警察に理解していただけなかったのでしょうか。
 それからもう一つは、廃業してもまた再開するというケースが非常に多いわけです。この業者はかなり年齢が高齢化していますが、ほかのケースですと、所有権を放棄してさっさと廃業して、また別の人の名前で始めてしまうことがある。その県でなくてもほかの県に行ってまた再開することもありますので、ある意味、モグラたたきのように、一つが倒れてもまた次に同じことが起こる、ということをどうしたら防げるかということですね。
 3点目には、こういう崩壊や劣悪飼育が事件になる前に未然に防ぐ方法を、やはり今後考えていかなければいけないと思いますが、現在の動物取扱業者の遵守の政省令とか、告示とか、そういうもので十分なのかどうかということについて、お伺いしたいと思います。
 以上、3点です。

【林委員長】 どうぞ、お願いいたします。

【久米明徳氏】 まず1点目の、罰金を引き上げればこういった問題が解決できるのかという話なんですけれども、抑止効果は当然期待できると思います。例えば環境省さんの所管の廃掃法とかでも、今1億円とかですよね罰金が。そうるすと業者がだんだん言うことを聞くようになってくる。罰金が高ければ業者が言うことを聞くようになる。それは一つの議論として成り立つと思うんです。
 そこで警察が取り扱うかというと、取り扱ってくれると思いますね、ある意味では。先ほど言いましたように、警察にはどうしても「動物のことは保健所、動物愛護センターのことでしょう」というスタンスがやっぱりありますので、その部分はやっぱり完全に否定できないと思います。
 環境省さんが、虐待の事例集とかを出していただいてますけど、先ほど言いました話は、環境省さんの見解とは別に、虐待としてとらえていないですね。糞の中に犬がいるということです。だから、やっぱりたたいたとか、殺したとか、えさをやっていないとか、そういったことが虐待ですというとらえ方を本件のケースはしていました。
 あと、廃業後の再開の話ですけれども、これは委員がお話しのように、よその県で2年すればできるし、名前を変えればできます。未然に防止する方法で、うちの所員の中でも議論したんですけれども、今は登録制ですね。先ほど業務の停止、登録の取り消しの部分にも2号、3号というのは、登録時点の話のことで違反するという話です。だから、そこの登録の部分の基準を上げるというか。許可制にするとか交雑するにしてもきっちりしたものをつくっていくというような、登録されること自体のハードルを上げるような方法は、一つの方法になると思います。あと、法的に罰金を上げること。
 それと、これは行政側の話になるんですけれども、本県はこれを契機に、動物取扱業の監視計画というのを策定して、その飼養頭数に応じて5段階レベルに分けて、100頭以上とか、50頭以上とか、10頭未満とか、5段階に分けて、監視回数を5年に1回、2年に1回、1年に1回、1年に2回以上とか、昔の食品衛生法のような形のものをつくって、監視するようにしています。ただ、職員もこればかりやっていられないし、職員も不足しています。監視は日ごろから把握しておくという、非常に重要なツールにはなると思います。

【林委員長】 それでは、浦野委員、どうぞ。

【浦野委員】 都道府県の最前線におられるということで、大変興味深く拝聴させていただきましたが、今回の事例は徳島県内で起きた事例で、このことを調査するのに6カ月程度、かなり全力を投じて肉体的な負担も大きいということでした。ちょっと最初の方のヒアリングにも関わるのですが、例えば最初のヒアリングで、関税法・外為法・種の保存法等に違反した人たちについて、都道府県の人たちがどこまで実務面で規制をこなすことができるかということになると、動物愛護管理法の守備範囲をどんどん広げてしまうと結果的には都道府県に対する負担が大変大きくなっていくと思うんです。そこで実効性ということがかなり気になり始めました。太田委員も言いましたが、問題のある業者を罰する。これは大いに結構なんですが、逆にあまり広げ過ぎると、実効性の面において、判断の仕方がかなりあいまいになってしまって、結果的には問題のない業者にまで影響を及ぼす危険性もありやしないかなということで、ぜひ都道府県の最前線の方の意見をその辺の角度からお伺いしたいなと思います。

【久米明徳氏】 この事例は、3カ月程度で解決しています。半年はかかっていないんですけれども、先ほどの議論の中にあった外為法であるとか種の保存法であるとかというのは、目的が違うというか、私たちの守備範囲じゃないような気がしています。
 先ほどの方の説明があったように、法的には可能だという議論もございましたが、それをどうやってうちが把握してどういうふうに適合させるかというと、どこかからの情報を得ないと、種の保存法に違反している動物なのか私たちがちょっとわからない部分もあります。その税関で引っかかった人を逐次、経産省さん、環境省さん、県を通じて私どもの方に来て、それを一々照らし合わせてなど。おっしゃるように、非常に広くはなっていくこともあって、私どもの業務でも大変な部分は出てきます。答えになっていないかもしれないですが。

【林委員長】 それでは、渋谷委員、どうぞ。

【渋谷委員】 告発のことでお尋ねしたいんですけれども、告発しようとして検討したのは、狂犬病予防法違反と虐待と、あともう一つ、何かありましたか。二つだけですか。

【久米明徳氏】 狂犬病予防法も虐待も、その主ではない。主は動物愛護管理法です。動物愛護管理法の基準遵守違反でもってということです。

【渋谷委員】 それは動物愛護管理法の46条の4号の命令に違反した者としての罰則が適用できないかなと検討したんだけど、結局それは告発もできなかったということですか。

【久米明徳氏】 警察が受けてくれないですものね。

【渋谷委員】 受け取ってくれなかったということですか。

【久米明徳氏】 警察は告発すれば受けますよ。捜査もしますと言います。でも、それほどの事案じゃないでしょうというスタンスです。本来は、動物愛護管理法の命令違反をしたということで、46条に該当しますが、合わせ技というのが警察は好きで、それに狂犬病予防法、これはもちろん登録とか注射ができていませんので、これと虐待も合わせられないかと、そういう検討はさせていただきました。そういうことです。

【林委員長】 水越委員、どうぞ。

【水越委員】 よくわからないので教えていただきたいんですけれども、先ほど登録の方もハードルを上げるとおっしゃいました。私も、それもありだなと思っているんですけど、例えばこの事例で言うと、80を超えているご夫婦で、登録年月日が平成19年と新しいということは、もうその時点でかなり高齢ですよね。おそらくその時点で、相当な数の犬を飼育している。夫婦だけで従業員もいないとなるとかなり大変だろうと普通の人でも思うような状態であっても申請されればそれは受けなければいけないというのが、行政の見解なんでしょうか。

【久米明徳氏】 年齢制限はございませんし、登録の要件がそろえば、それは登録しなければならないんです。

【水越委員】 飼育頭数はどのくらいでしょうか。

【久米明徳氏】 当時、飼育頭数は30頭です。

【青木委員】 口頭でおっしゃられたことと資料との間で、ちょっとずれているような感じがしたところがあるので、確認をさせてください。
 資料の3-1の3の違反内容のところには二項目書いてあって、動物愛護管理法違反の基準遵守義務違反と、それに基づいた命令に違反したとあります。口頭でのご説明では後者、つまり基準に違反していてそれに対して改善を命令したけれど、その改善命令に従わなかったということを根拠に取り消しに至ったと、ご説明をなさったように思います。これは先ほども話題にしました19条にある直接的な基準違反を、登録の取り消し事由にはあえてしなかった、ということなんでしょうか。

【久米明徳氏】 基準遵守違反で登録の取り消しにはならないですよね。

【青木委員】 いや、でも法律違反ですよね。19条1項5号の読み方ですが、「この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこの法律に基づく処分に違反したとき」というのは、文理上は、この法律に違反したときは、当然取り消せるように、私には読めるんですね。むしろ環境省の見解を伺っておきたいです。基礎的な理解の問題なので。

【林委員長】 そうですね。これは非常に重要なポイントで、今日、お答えにならなくてもいいのですが。つまり、違反しているだけで取り消すということだって当然あり得るわけですが、そういうふうには読まれなかったわけですね。それで改善命令を出して、なおかつそれに従わなかったということで取り消されたということですけれども、この文章の読み方次第では改善命令を出す前に、最初に法律に違反しているんだから取り消すという判断だってできるということをおっしゃりたいわけですね。

【青木委員】 そう読めるような気がするんですが、むしろ渋谷さんや打越さんのご意見も伺った方がいいかもしれないですし、後で議論してもいいことだと思います。

【林委員長】 そうですね。今日はもう時間がないですけど、非常に重要なポイントです。ただ、今回どういう方法で取り消しに至ったかというのは、よく理解できました。
 それでは、このことについては終わらせていただきたいんですが、よろしいでしょうか。
 久米さん、遠いところからおいでいただきまして、どうもありがとうございました。

【久米明徳氏】 ありがとうございました。

【林委員長】 それでは、続いてお話しいただきたいと思います。先ほどは、どちらかというと、登録の強化、取り消し強化という問題ですが、逆に業種の緩和といった論議をやっていこうということでお呼びしているのだと思います。東京都の多摩動物公園長であり、今日は日本動物園水族館協会副会長の立場で、土居さんにお話しくだいます。どうぞよろしくお願いします。

【土居利光氏】 多摩動物公園の園長をしていまして、今、日本動物園水族館協会の副会長をしています。そういうこともありまして、北村専務理事も同席させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 当協会の資料につきましては、事業概要等を添付させていただきましたが、資料4-4の要望の趣旨が書いてありますので、それに沿って内容をご説明したいというふうに思います。
 当協会は、全国の主要な89の動物園と、67の水族館を有しています社団法人になっています。動物に密接に関係した団体として、今、林委員長からご指摘がありましたように、業種の緩和に向けての基本的な立場と、具体的な内容について、ちょっとご説明させていただきたいというふうに思っています。
 ご存じの方もいらっしゃるので、釈迦に説法みたいな話になってしまいますが、今日の動物園・水族館の役割というのは、大きく分けて四つあるというふうに思っています。一つは、従前からのことですが、収集した動物の展示・飼育を通じて、来園者に知的なレクリエーションを提供するということ。また、こうしたことを通じて、自然への関心を高める教育を行っていくということ。また、動物学等の研究を行っていくということと、最後に飼育繁殖動物の野生復帰などによって、自然保護に寄与していくこと。こういう大きな四つの役割があるということが定説になっています。
 また、関係者の基準の解説の中におきましても、動物園等は、ただ動物を飼養して展覧する施設だけでなく、現在は、絶滅のおそれのある野生生物の種の保存の場、あるいは地球や地域の環境を学ぶ環境学習の場としての役割が大きくなっているというふうに言われておりまして、また、人間性の回復やいやしの場としての役割も重要になっているという指摘もされています。歴史的にも、野生動物を中心とした展示動物の福祉の向上をはじめとして、正しい知識の普及など、社会に貢献する立場を確立して進めてきたというような基本的な考え方を持っています。
 そういう中で、現行法の中において、当協会に加盟する有料園館につきましては、動物取扱業の登録等の義務づけがあるということ等がありますので、幾つかの点について要望したいというふうに考えております。
 まず、動物愛護管理法関係につきましては、第10条の動物取扱業の登録についてということなんですが、該当施設から外していただきたいというのが第1点になっています。
 また、第2点は、第26条の特定動物の飼養、またはほかの許可についてということですが、これにつきましても不要にしていただきたい。
 また、第22条、動物取扱責任者に関しては、これもまた不要にしていただきたいということを考えております。
 また、施行規則の部分につきましては、第13条第10号の通知義務については、出発地と到着地のみにしていただきたいと。ちょっと細かいことになりますが、そういうような内容の要望をさせていただきます。
 その理由は、裏に記載しておりますが、まずは法の登録の意義というのは、実態の把握、及び基準の遵守など、実効性の確保ということがあるというふうに思います。
 また、都道府県とか地方、区市町村など地方公共団体は、法においては、基本的には動物の適正な取り扱いを行うべきという責務があるということと、また、動物の飼養及び保管について指導すべき立場になっている観点からすると、国が直接的に関与する団体とか、地方公共団体が設置する動物園・水族館が基準を当然守っていくというのは当たり前の話ですし、動物園・水族館をつくってきた設立趣旨に関しても、適切な運営を図っていくということは当然というふうに思っています。東京都を例に見れば、今は名称が変わっていて、以前は東京都の動物の保護及び管理という条例になっておりましたが、そこの部分では、やはり動物取扱業の規制などが図られていましたが、国、または地方公共団体が使用する場合を除くという規定になっております。
 また、この規定を見ても、法が想定している対象動物というのは、主に違法なペットということとか、また対象者は、そういう違法なことをする可能性がある関係業者さんというふうに考えています。
 当協会で、加盟園館のうち、設置者が自治体のものが60%を占めているということになっていまして、昔で言えば公の施設というふうに言われたものが、一律に業者の範疇として扱われるのは、いかがなものかというのが、当協会の立場になっています。
 また、当協会は、環境省からは、「環境省域外保全の基本方針」に基づくモデル事業というような受託も行っているほか、ワシントン条約の関連の緊急保護についても、受託契約を結ばせていただいているということもありまして、単なる業者という立場とは違う協力関係にあるというふうに認識しています。
 また、有料と無料の動物園があるんですが、無料の動物園につきましては、業ではないということから取扱業者になっていないですが、有料の場合は登録が必要となります。多くの動物園・水族館で、例えば中学生以下と、小学生は無料とか、65歳以上は無料とかの措置をとっていまして、当多摩動物公園で言えば半数が無料ということになっていまして、そういう意味では、教育的な意味を持たしてそういう措置をとっているわけですから、有料・無料に関わらず、一定の社会的機能を果たしていくという点で、ここの部分は緩和していただければというふうに考えています。
 また同様に、当協会に加盟している民営の動物園・水族館につきましても、当然、中で意見交換、動物交換等をやるということもありまして、適正な管理ということで、まとめてやっていくというふうに行っておりますので、その部分も考えていただければというふうに思っています。
 次に、26条の特定動物の飼養または保管の許可ということですが、この規定というのは、基本的には動物が人の生命とか身体とか財産に危害を加えることを防止するというのが基本的なことで、それを知事が許可を出すということを定めたものだというふうに、内容としては考えているところです。そこで動物園の役割の一つに、健全で知的なレクリエーションの提供ということで、簡単に言うと特定動物とか外来生物を展示して見ていただくということがあるんですが、それによって、種の多様性とか教育的な効果を求めているわけで、もともとこうした目的で設置されていますので、この法が想定するような状況にはまずならないです。安全にはかなり気を使ってやっていますし、そういう歴史的な経緯があるわけです。ですから、この部分についても緩和していただきたいということと同時に、特定の基準だけ完全に当てはめてしまいますと、教育的見地から見てもらうということに関して、逆に支障を起こすおそれもあります。ですから、基準の適用の仕方についても、例えば、もともと柵が1.5メートル絶対になくてはいけないというのではなく、いろんなやり方があるわけですから、そういうような技術的な部分をちゃんと判断できるような動物園・水族館でありますので、ぜひその部分を緩和していただくようにお願いしたいと、そういうような内容になっています。
 また、動物取扱責任者の要件についてですが、この要件というのは、法律上の規定は、たしか四つぐらいあって、種別ごとに半年以上の実務経験があるとか、専門の学校を卒業しているということ、公平性、専門性を持った団体が行う客観的試験による資格があるということがあるはずなんですが、基本的に動物園・水族館の業務を行っていく上で、こうした要件を満たす職員がいるのは当然のことです。そうじゃないと適正な動物の飼育はできませんし、逆に言うとその動物取扱責任者講習の講師を動物園、水族館から出しているというような状況にもなっておりますので、そういう点も考えていただければというふうに思っています。日本動物園水族館協会では、動物医師資格認定試験等を実施しています。例えばカンガルーの飼養をほかの民間の獣医さんがやれると思いませんので、そういうような内容も含めて、動物園の中でレベルのアップの試験ということもやっておりますので、そういう点も勘案していただければというふうに思っています。
 最後に施行規則の部分ですが、動物園とか水族館の移動というのは、基本的にはブリーディングローンとか、保存、繁殖を目的とした移動でやっております。ですから、法が想定しているような移動というよりも、種の円滑な繁殖のための移動ですので、その起点と終点じゃなくて、その中間地点もすべて許可をとらなくちゃいけないというのは、実態上、かなり厳しい部分がありますので、その部分につきましても、緩和していただければというような趣旨で要望申し上げております。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。それではご質問、どうぞ、野上委員、そして山口委員、そして浦野委員。

【野上委員】 動物園といっても、ピンからキリまでありまして、ふれあい動物園とか子ども動物園、移動動物園、さまざまな動物園があります。日本では動物園についての確たる定義がないので、どんな動物園でも、人でも、動物園を名乗ることができるという現状がまずあります。今日のご趣旨は、この別記の1、2、3に該当するところは規制緩和してほしいということですけれども、その中で、国または地方公共団体とありますが、この地方公共団体というのは、市町村立の動物園等も含むわけですね。これについては、市町村立の動物園というのは極めて劣悪なところが多くて、もう本当に悪質動物業者そのもののような、あるいは責任者もいないようなところがたくさんあるという実態があります。
 それから2番目の博物館法ということですけれども、博物館法というのは、施設についての基準を定めてはいますが、動物の取り扱いについての基準は何もないわけです。ですからこれはちょっと該当しないのではないか。
 それから、3番目の日動水の会員の施設ということですが、日動水の会員の施設であっても、今までに学術研究の名目で、ワシントン条約違反の動物を違法に輸入したり、あるいは種の保存法で摘発された動物園もあります。それから、有害駆除されたニホンザルを動物実験施設に売っていた動物園もあります。チンパンジーをショーに出演させていて、環境省から種の保存法違反ではないかという改善指導を受けている動物園もあります。そういうふうに動物園でも違法行為をやっている部分があるということは、認識しておられると思います。
 それから、もう一つは、公共の施設に対しては、例えば情報公開法で情報公開請求ができますが、民間の施設に対しては、開示請求できないわけですね。そうしますと、その部分は、住民や市民がアクセスできなくなってしまうということがあります。
 上野動物園と悪質動物園を一緒にするというのは、確かに問題があると思うんですけれども、基本的には、日本に動物園についての法律がないということが原因の理由ではないかなと私は思っています。例えば、EUですとか、イギリスとかでは、動物園の法律があり、動物園の使命というものが定義され、その一つには生物多様性の保全に寄与するということも書かれています。しかし、日本の現実の動物園を見て、果たしてそういう方向に行っているのかどうかということを、疑問に思うわけですね。私たち市民が動物園に対してアクセスするためにも、やはり今の制度は残しておかなければいけませんし、そうでなければ新たに動物園法なりを動物園業界の方々が自ら運動して、つくられるようにするのがいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【土居利光氏】 ご指摘のような部分もあるかもしれませんが、ただ日本動物園水族館協会では、倫理規定を設けて、極力その中で違法というか、不適切なことはやめていこうと努力していますし、先ほど博物館のことをおっしゃいましたけど、博物館も望ましい施設の基準ということで定めていますので、なるべくそれに近づけてやっていこうという努力はしています。
 ですから、そういう意味では、本来は動物園法みたいなのがあればいいんだというふうに、個人的には思いますが、そういう状況ではない。ただ、先ほど申し上げたように、適切以上にやっているところもあるのを、一緒にするという法体系はいかがなものかというのは、私はそれは最後まで残りますけれども。

【野上委員】 そうしたら悪質な、劣悪な動物園や違法行為をする動物園に対しては、どういうふうにできるんですか。日動水に入っていない動物園もいっぱいありますから。

【土居利光氏】 失礼いたしました。日動水に入っている動物園ということで申し上げているわけで、今回の要望も日動水に入っている動物園ということで、ご説明をしています。

【野上委員】 日動水に入っていても、民間の動物園が登録から抜けてしまいますと、やはりそういう法的なアクセスができなくなってしまいますが、その点についてはいかがお考えですか。

【土居利光氏】 法的なアクセスというのは、例えば動物の数とかそういう状況のことをおっしゃっているんでしょうか。例えば経営内容のことをおっしゃっているんでしょうか。

【野上委員】 これは動物愛護管理法で定められている基準ですね。適正飼育ですとか、施設基準といったものです。それと、あとは違法行為を犯している動物園が、私たちの調査でわかったわけですが、それも情報公開によってわかるわけですね。そういう仕組みがなくなると、やはり社会的に無責任な状態になってしまうと思います。

【土居利光氏】 ちょっと見解が違うのかもしれませんが、今おっしゃった情報公開でわかったということと、登録とか施設の基準というのは、ちょっと意味が違うのかなというふうに思いますが、それはそういう仕組みが構築されればいい話でありまして、当協会の中の会員相互で、それは情報交換とか、ここはまずいよという話はもちろんしていますが、基本的に登録という意味では、逆に言うと動物園が登録するという意味が、東京都の場合はともかくとして、動物園を登録する意味というのを、じゃあ逆に言うと、どのようにお考えになっているのかというふうに思います。

【野上委員】 登録をするというのは、社会に対して、適切にやっているという情報を公開するという意味ですね。私たちがそれについて判断できる根拠があるということです。実態把握もある程度できるということを意味しています。

【土居利光氏】 先ほど申し上げているように、公立の動物園については、情報公開ですべてオープンにしていますし、当然、資料請求が出れば出していますから、どんな形でも見られるようになっています。動物の種類から、施設の内容からみんな出せるようになっております。

【野上委員】 登録から外れると、民間の動物園の実態がわからなくなるということを言っているんです。

【林委員長】 山口委員、どうぞ。

【山口委員】 先ほどのお話の中に、無料施設だから登録はしていないというお話がございましたよね。そういう施設が、私も別のところから10カ所ほどあるというふうに聞きましたけれども。これは環境省の方の判断をお聞きしないといけないのかと思うんですが、無料、有料にかかわらず、継続反復して業をしていれば、これは登録に値する取扱業だというふうに、私は判断していたんですけれども、その辺の判断はいかがなんでしょうか。

【林委員長】 つまり無料の場合には、業としてみなさないのかどうかということですね。これは環境省の方ですぐお答えいただけることだと思います。

【山口委員】 そういう登録していないところで、飼育管理はかなり劣悪というところもありますので、登録させることで、基準を守らなきゃならないということで、やはり適切な飼育管理につながるのではないかなというふうに思います。

【林委員長】 そういうご意見ですね。先ほどのご質問に対するお答えは、後からいただきます。

【浦野委員】 土居園長さんの意見に僕はかなり共感するんですが、要は、ごく一部の違法行為をしていると思われる動物園等を取り締まるために、この動物愛護管理法をどんどん強化していくという姿勢は、僕はいかがなものかなという面は持っております。
 それで、具体的に言えば、届け出制ではなく、登録制に過去移行した経緯があろうかと思いますが、これは、その違法行為をするような水族館等、動物園等を取り締まるために、そういうふうに強化されたという経緯があるんでしょうか。届け出と登録制というのは、かなり意味合いが違うと思うんですが。

【林委員長】 これは別に動物園・水族館だけじゃなくて、他の業種に対しても登録制にしたわけです。

【浦野委員】 ただ、何らかの問題点がない限り、届け出を登録制に移行する。あるいは登録制を許可制に移行するという縛りの度合いを高めるということを無制限にやってしまうと、どんどん強化されてしまう。要は、水族館・動物園のように、かなり専門性の高い領域について、これも先ほどの実効性ということなんですが、都道府県の方たちが、そういう専門性の高い領域にまで踏み込んで、届け出、登録、許可という判断を下すことができるのかなというのが、これは実効性としての大きな疑問点です。かなり専門性が高い領域だと思いますし、むしろこの協会が、例えば違法行為をしている組織、この協会に入っていない組織に対して、指導していくという姿勢をもっと鮮明に、僕は出していくべきだろうなと思いますが、その辺はどうでしょうか。

【土居利光氏】 今、社団法人から公益法人へ行くということで、内部で検討しておりまして、その中で柱の一つが種の保全と、人材の育成、あと情報公開というのを掲げて、今、組織改革を進めているところとなっています。
 当団体の構成員に対しては、指導とか、いろんなことはかなりやれる、一緒に考えたりできるんですが、正直申し上げるとさすがに協会に入っていない団体につきましては、そこまでやれないというのが現状ですけれども。

【林委員長】 それでちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほど野上委員から話がありましたが、協会に加盟しておられる方で、何か違反した例があるのかどうか。それと提出していただいた資料の4-1事業概要の59ページに、新入会員の入会審査要綱があり、非常に厳しい入会の要綱を持っておられるわけで、かなりきちんとした入会の手続をとって、なおかつ変な動きをしたところについては、例えば除名するとか、そういう措置というのは、これまで行われたことがあるのか。それをお聞きしたいと思います。

【北村健一氏】 北村でございます。発言させていただきます。直近の例でございますけれども、私どもは倫理要綱というものを持っておりまして、皆さんのお手元の事業概要の56ページに倫理要綱というのがございまして、それの5に「展示」という項目がありまして、「5-1 展示は最新のデータに基づき、その種の本来持っている習性や形態が、正しく理解できるものであり、かつ生態系の中で果たす役割が理解されるように入っていること」というふうな要綱となっております。実は日本テレビで「志村どうぶつ園」という番組をやっておりまして、あそこにチンパンジーが出ておりまして、我々から見てもあまりにうそでして、チンパンジーは確かに賢いんですけれども、あんなには賢くないものですから、服も着ていませんし、あれはいかがなものかということで、倫理委員会を何回も開きまして、改善勧告等をいたしました。それで、いろいろお話し合いは申し上げたんですけれども、結局、折り合わなくて、うちの協会から退会なさったというのが、つい二、三年前の事例であります。まだテレビに出ていますよね。

【林委員長】 今回の法律改正によって、地方自治体にとって新たな任務が加わってくる可能性がありますから、本当にここはもう問題ないというところは、法の対象から外していかないとバランスがとれなくなるというおそれもありますので、もし社団法人日本動物園水族館協会がかなり高い倫理性をもって運営されているとしたら、適用除外するということもあり得ます。しかしながら、私もよく知らないのですけれど、さきほど野上委員が指摘されたように地方自治体、特に市町村立の動物園というのは、かなり劣悪という感じがあるのかどうか。専門の立場から見られてどうなんでしょう。

【北村健一氏】 私も全部把握しているわけではないです。よく報道関係の方から、日本に動物園・水族館は幾つあるんでしょうかというご質問を多くいただき、私どもの会員はいくつですよとお答えはしていますけれども、ちょっといいかげんな話で恐縮ですけれども、この倍くらいはあるのかもしれませんねというようなお話はしているだけで、申し訳ありませんが、実態はよくわかりません。

【林委員長】 そうですか。それでは、野上委員。具体名を挙げるのは大変でしょうけど、国とか県立の動物園でおかしなところというのは、そうないと思うのですが、おっしゃっているのは、やはり市町村立のことなのですね。

【野上委員】 そうですね。特に市町村にはたくさんの小さな動物園があります。公園の片隅等にあって、もう街の人も忘れてしまっているようなうらびれた動物園がたくさんあって、そういうところの情報が私どもの会にもよく来るわけです。地方公共団体というと、そういうのも全部含まれてしまいます。そういうところには、動物取扱責任者もいませんし、大体、公園の清掃係がえさをやる程度のところが多いです。そういうのも一律除外するというのは、どうかなという気がします。
 本当に日動水の加盟で、きちんと倫理規定が行われていることが確かで、情報公開もすべて行われているなら、しかも、その使命、目的がここに掲げられているように生物多様性の保全とか、動物福祉とか、社会貢献がきちんとされているのであれば、それは問題がないと思います。

【林委員長】 ほかにご質問、ご意見は。では、山口委員。

【山口委員】 専門家ということでお聞きしたいことがあるのですけれども、移動動物園とか、ふれあい動物園など、いろんな動物園があります。動物を移動させて、展示して、また元のところへ帰すのですが、その元の基地のところでは、ほとんど移動ケージと変わらないような中に閉じ込められたままという状況の動物園等がある。その移動動物園について、専門家としてどのように考えていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。

【土居利光氏】 移動する動物園については、何の動物をやるか、持っていくかとか、どういう目的で、その移動動物園をやるかということにかかっているのかなというふうに思います。当園でも、ふれあいコーナーを持っているわけですが、それは一定のルールで、野生動物をさわらせるわけじゃなくて、家畜ないしペットというふうに一般的に言われているものに対して、さわってみたり、持ち方とか、扱い方を教えているわけですね。そういった理由があってやっているわけです。ですから、単純に移動させるから悪いとか、そういうわけではなくて、そのやり方と持っていく動物の種類と、通常飼育しているときの環境、その三つが適正に行われていれば問題ないというふうに、私は思います。

【山口委員】 では、基本的に野生動物ですね、猿とか、危険動物も含まれておりますけれども、そういう動物を移動動物園として移動して、展示することに関しては、いかがかなというふうに思っていらっしゃるわけですか。

【土居利光氏】 個人的な意見になりますけれども、私は、少なくとも、うちの園ではやらせませんし、野生動物はやはり適正に管理していくというのを基本にしています。ですから、それをやっていかないと、何でもさわっていいとか、何でも扱っていいというような誤解を与えるおそれもあるので、そこら辺はちゃんと説明して扱ってもらうというのが基本だというふうに、私は思います。

【林委員長】 先ほど言われたことは、移動に適さないような動物は、絶対移動動物園では扱うべきじゃないという個人的にご意見を持っていらっしゃるということですか。
 はい、どうぞ。

【北村健一氏】 ちょっと話は違いますけど、先ほどのお話の中で、ちょうど私どもの資料がありますので、ワシントン条約の緊急保護動物はどうなっているのかと、さっきお話がございましたが、私どもの事業概要の40ページをご覧いただきたいんですが、この真ん中辺に、平成20年度中に引き継いだ受託動物で、下に点数の内訳が書いてありまして、哺乳類95、鳥類69、爬虫類800という、1,000点近くが日本の動物園、私どもの会員も施設で扱っている点数でございます。
 この感染症法等がちょっと変わりましたので、現在、経済産業省さんとの間で、お預かりできるのは爬虫類、魚類等でございまして、哺乳類、鳥類等はすべて検疫で証明書がついていませんから、全部処分されております。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、大体時間になりましたので、終わらせていただきます。
 じゃあ、最後のご説明をいただきたいと思います。これは販売時説明義務について、これは緩和できるかどうかという問題ですが、日本鳥獣商組合連合会の佐藤さん、どうぞよろしくお願いいたします。

【佐藤光雄氏】 日本鳥獣商組合の専務理事をやらせてもらっています佐藤と申します。
 資料は5-1の1枚だけです。一応、概歴みたいなものをちょっと書かせてもらっていますが、現在はもう本当に情けない話ですが、最盛期の5分の1程度の会員になりまして、一時は社団法人である日本愛玩動物協会を設立するなど、すごく活発に諸先輩がやっていたわけですが、現在はそういう状況に至っております。一般の組合ということだけで、資格というものは何もありません。
 販売時の事前説明について意見を述べます。
 犬・猫みたいに説明に1時間とか2時間かけるというのは、なかなか500円、1,000円ぐらいの動物にまでということは、ちょっと無理です。人畜共通伝染病や日常の手入れの方法など必要な部分は、当然説明をするべきだと、考えております。
 説明事項は18種類あります。品種は当然、平均寿命、給餌、給水の方法も説明すべきだと思います。性別というのは、ブンチョウなどは本職であっても、完全に雄・雌の識別が100%とはいかないわけです。絶対にということは言えないと思うんですね。
 それから、産地ですが、例えば五、六羽の小鳥を仕入れたとして、全部産地が違えば、産地別に管理をしなければなりません。何とか産地はおおよそのところで勘弁願いたいと思います。それから、生年月日もしかりですね。血統書があるわけでなしに、何もありませんので、そこらは多少、大目に見ていただきたいと思います。
 それから、鳥に対しての病気の説明ですけど、やっぱり本格的には獣医さんでなければわからないわけで、中途半端な説明をしたのではしようがないと思いますので、なるべく小鳥を扱っている獣医さんを早くに、見つけてもらうように説明をしています。
 それから、体重は、これはちょっと無理ですね。量りようがないですね。はかりに乗っけられないし、人間が持ってはかりに乗っても、表示でわかるほどのものじゃないから、体重はわからない。持った感じで胸の肉のつき具合とか、重量感で判断するようにしています。あとは、不妊治療とか、そういうものは小鳥に関しては除外になると思います。
 あとは、ペットリンなんかを一時開発して、テトラサイクリンが微量に入った飼料をつくったりしていたわけですが、その当時は許可を得てやっていましたが、我々の組合の中から、抗生物質の常習性の問題があるから、やめるべきだと厚生労働省さんに申し入れた人がいまして、現在ではもう廃止になっております。が、小鳥屋としては、その時々に少しの量の薬というわけには、なかなかいきかねるので、その分でも大変困るという状況ですね。それは例のオウム病の発生したときに、この薬は50年代にこさえたものだったわけですが、現在は、薬入りのものは販売していません。
 我々、ペット全体の5%ぐらいを扱っている団体のところに、こういう説明の機会をいただいて、ありがたく思っているんですが、小鳥・小動物の場合は特定の業者に販売する場合は、業の資格がなくても販売できるように、ぜひしてもらいたいと思います。それは、小・中学生が小鳥を飼育していて、五、六羽のひなが生まれて面倒みきれないときに持っていき場がないためです。大変不合理だと思うので、ぜひこのことだけは大目に見ていただきたいと思います。販売資格の面に関しては、聞かれてはいなかったんですが、これはぜひご配慮いただければというふうに思っております。
 以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。ご質問、ご意見、いかがでしょうか。

【野上委員】 販売時の説明責任を緩和してほしいということなんですが、ほかの協会が出している販売時の説明書というのは、動物種類ごとに全部できているかと思います。そういうものを実際にお使いになればいいだけの話ではないかなと思うんです。それに、犬や猫について一、二時間もかけているようなペットショップは、そんなにないです。実際は、きちんとその書類なりに基づいて説明していると思うんですね。500円や1,000円のものだから説明は緩和したいというのは、ちょっと理屈に合わないように思います。どんな小動物であっても、その生理とか習性、生態に基づいて適正に飼育するということをきちんと飼い主に伝えなければいけない。また、そういうことをしないから、やたらに無意味に死なせてしまったり、捨てられたりするわけです。値段や動物の大きさ等に関わらず、きちんとした説明責任が業者の側にはあるのではないかと思いますが。
 それからもう1点は、産地ですけれども、先ほどのトラフィックのお話にもありましたが、野鳥ですとか、外国産の小動物がものすごくたくさん日本に輸入されてくるわけですね。そこの産地のところをきちんと明記しておくこと。そしてトレーサビリティができるようにするということは、その動物の個体保護の観点からも、生態系の保全の観点からも必要不可欠なことなので、それを外すことはできないのではないかと思っています。

【佐藤光雄氏】 販売説明に対しては、書類ではやっていますけど、口頭でやるのを長々というのは、実質上、ちょっと無理があるということだけです。用紙はちゃんと大体の方が使って、販売をしております。読むようには言っていますが、全部その方たちが読むとは限らないから、必要な点は説明はしていますけれども、そんなに長くはできないという意味のことです。

【野上委員】 そうしますと、わざわざ規制緩和ということではなくて、現状でいいということになると思いますが。

【林委員長】 現状とそれでは変わらないんではないですかということですか。いかがですか。

【佐藤光雄氏】 それはそうなんですが、その説明が文書の説明で、それで構わないということであれば、もう一向にそれで構いませんが、一応はそれを使って、大体のペットショップというか、小鳥屋は販売はしておりますので。
 産地と輸入される鳥というのは、もうほとんど限られていて、うちの店なんかではもうほとんど扱っていないし、入らないという状況ですから、外国から入った鳥という感覚は、もうほとんどないんですね。売っているのは、ジュウシマツと、それこそインコ、ブンチョウ、キンカチョウと、そういったような国産の種類だけということがほとんどです。ごく一部の方は、それは輸入されたあれも販売されてはいるんでしょうけど。ですから、犬も販売されている方もいらっしゃいますし、そういう外国から入れたような、例えばオウム類なんかは、今は25万円も繁殖したのも扱っている方もいますが、30万前後の品物は、90%以上の小鳥屋では売っていません。ですから、そういうのは犬に準ずる説明は当然必要だとは思いますけれども、だからインコ、ジュウシマツとか、そういうもの関してのことをお願いしているということです。

【野上委員】 そうしましたら、あくまで鳥に限定して緩和したいということですか。

【佐藤光雄氏】 そういうことです。だから、犬・猫に関しては、そこにいらっしゃる太田さんの組合さんと社団法人さんの全国ペットショップ組合さんと一緒に申請はさせていただいておりますけど、今日、ここへ来させていただいたのは、小鳥だけのことで説明させていただいております。

【野上委員】 その小鳥もブンチョウとかカナリヤとかで、野生由来の鳥ですとか、希少な野鳥は含まないということをおっしゃっているわけですね。つまり、どこかで線引きをしたいということですね。

【佐藤光雄氏】 そういうことです。大半の小鳥屋さんが、もうほとんどその状況のものを売っているから、そこのところは。だから文書で出せばいいということであれば、もう一向に意見はないわけですけれども。

【野上委員】 その文書で出せばというのは、普通、取引するときは、その文書をもとに説明をするでしょうということを言っているわけです。いろんな取引でも文書を読みながら説明をして、これでいいですかということをやるわけですね。だから、はい文書を渡して終わりということではないと思いますが。

【佐藤光雄氏】 ですから、犬・猫の場合は、その全部を説明する。ワクチンなんかのことも、それは説明があるでしょうけど、鳥にはそういうものもない。重要な日常手入れとか、病気に関してということだけは一応さっき申し上げたようにありますが。やっぱり体重といっても計りようがないものをどう説明するかというよりも、握った感覚でこのぐらいのおなかのあたりに肉が十分ついていれば健康なんですよという話はすることで、説明を終わらせてもらいたいという観点なわけです。

【林委員長】 そうしたら、加隈委員、そして太田委員、山口委員。

【加隈委員】 質問というよりは意見でして、これまでの販売の説明に関してのお話がいろいろありましたので、種で分けるというのはどうなんだろうというのは、私は個人的には思うんですけれども。むしろ、はっきりしていなかったことは、文書の扱いというか、口頭での説明責任がどこまで必要なのかということなのかというふうに、私は犬・猫も含めて思っているんですが。
 私個人的には、文書を渡すことは非常に大事だと思っています。口頭説明もある程度必要だし、動物を目の前にするという責任というのはすごく大事だと思うんですけれども、文書がないと逆にたどれないというか、買うときはみんな興奮していて、説明を聞いていないんですよね。思い出せないのであれば、口頭で幾ら長々説明されても、それはあまり意味のないことになってしまうと思いますので、きちんと動物が何であるかということも含めて文書を渡す方が、飼育者にとっても、それを読むということを責任にするということかなと思います。

【太田委員】 前回の法改正のときに、犬・猫、鳥、爬虫類は分けないということで、18項目の説明責任が決まったわけですが、現実には、犬・猫と鳥、爬虫類は全然違いますので、私は分けるべきだと思います。
 犬・猫に関しては、しっかり18項目説明する。例えばインコに関しては10項目でいいとか、ミドリガメに関しては8項目でいいとかというものをつけていかないと、現実にはそぐわないと思います。例えばインコに関しては、この項目を説明したいという資料を逆につくっていただいて、提案していただくことも一つの方法かと思います。
 動物愛護管理法を厳しくすることが、国民と動物との間を離れさせているのではという意見も一部あります。動物を飼えないようにさせていると。今まで商店街の中に鳥屋さん、金魚屋さんがたくさんありました。しかし、最近は皆さんの町中を見渡してもらったらわかると思いますが、町中に今、金魚屋さん、鳥屋さんは全くなってしまいました。
 昔は子どもがペット屋に大勢来ていました。最近子どもたちはペット屋には来ません。ペットを飼うよりもゲームに熱中です。果たしてこれでいいのかなと、長い目で見て思います。ペットにはペットの効用があります。情操教育の面でも、やっぱり生きているものをさわって、見て、そこから命の尊さとか、いろいろ学ぶものもあると思います。
 動物愛護管理法の今回の改正で、業の見直しが取り上げられておりますが、あまりにも理想的なものを細かく決めると、本質的なものを見失ってしまうのではないかと心配します。今回も業の追加ということで、火葬業者とか、いろいろ入りそうです。そうしますと、先ほど徳島の行政の方が言っておりましたけれども、行政の方は、今でも大変なのに、また仕事が増える。行政の第一線の方は、これだけやればいいわけではなく、食品関係を扱ったり、いろいろ兼業でやっているわけですね。そういう中で、行政の方が何年かで担当が変わる。現実にどんどん仕事が増えることが、果たして動物愛護管理法の改正の趣旨にのっとっていくのかということを、懸念しております。
 2週間ほど前になりますけれども、環境省の方から、ペット業界の現状を説明しろということで、地方行政の窓口の担当者の講習会に参加させていただきました。1時間半の講習でしたが、皆さん、非常に熱心で、終わってからも30分以上、いろいろな質問をいただきました。これでは地方行政担当者は大変だなと感じましたが、今回の法改正法は、犬・猫関係の販売、ブリーダーの問題、これを中心として、その仕事に専念できるようにすることが、今回のこの動物愛護管理法改正の狙いと考えます。

【林委員長】 太田委員からご意見をいただきました。それで、山口委員。

【山口委員】 説明の時間のことを結構気になさっているということですけれども、私の考えといたしましては、時間を気にするよりも、その動物が買われていって、本当に適切に家庭で飼育管理されるか。動物が苦痛のないように、環境も整えられて飼われるかという、そこが確保できるように説明していただけるということをポイントにしていただけたらなというふうに思うんです。ですから、文書を手渡すということは、先ほど加隈委員がおっしゃられたように、動物を目の前にしますと、どうしてもテンションが上がって聞いていないということは多いと思いますので、文書を手渡されることは、とてもよいことだろうなというふうに思います。
 それと、ほとんどがジュウシマツとか、セキセイインコとかだとおっしゃっていましたけれども、でもほとんどがということは、一部はそうではなくて、ハムスターとか、カメとか、ここにもミドリガメ等のことが書いてございますけれども、そういう動物も販売していらっしゃる組合員の方もいらっしゃるということですから、やはりきちんとした説明を、鳥であれ、ハムスターであれ、ミドリガメであれ、適切に飼育管理されるように、それが確保されるように、売る側は説明すべきだというふうに思っております。額が500円だからとか、30万円だからとかではないと思います。

【林委員長】 では、打越委員。

【打越委員】 大切なヒアリングの場なので、意思表明ではなく、質問をさせていただきたいと思います。資料を見ると、理事長の河野さんが、小鳥、小動物について緩和してほしいというふうに書いていらっしゃるんですけれども、佐藤さんは、今、小鳥のことだけですというふうにおっしゃいました。そこを私たちはどちらの要望だとして受けたらいいのか。また基本的に、小動物と小鳥を、ある意味の位置づけにして売っていらっしゃる方が多いのか。小動物の議論がすっぽり抜けていますので、そこの位置づけをもう少し明確にご説明いただくか、次回までにきちんとそこを整理した資料を提出し直していただきたいと思うのですが。

【林委員長】 そうですね。おそらくこれは、先ほど太田委員から、追加のご説明があったような形で、きちっと整理していただいた方がいいと思いますね。おそらく私の理解では、小動物を含んで、しかもそれはすべて同じような説明の仕方でない形にしてもらいたいという要望だと思います。

【打越委員】 小動物の中でもハムスターの場合とウサギの場合には、大分大きさは違いますので、やっぱり小動物とは何ぞやというのは、私たちも議論していくべきだと思います。

【林委員長】 でしたら、さきほどの太田委員は、動物の種類ごとに違っていいのではないかというご意見だったのですね。そういう旨の内容にきちんと変えていただいた要望にしていただくと、それはいいとか悪いとかという話ができるのだろうと思います。

【青木委員】 今の佐藤さんのご要望の論点は、動物の愛護及び管理に関する法律施行規則第8条4号に列挙されている項目を、動物ごとに変えてくれということだと思いますので、どの動物についてはどの項目にしてくれと、こういう提案がなされると議論がしやすいと思います。

【林委員長】 おっしゃるとおりですね。それでは、野上委員。

【野上委員】 ペット産業は、この不況にもかかわらず、非常に市場が大きくなっているわけで、決して国民が動物とふれあう機会が少なくなっているわけではないと思います。私が一番関心を持っているのは、この業界があまりにも悪質行為や違法行為が多いということにあるわけです。鳥獣商組合なんかでも、かつては繁殖証明書を偽造したり、使い回しをしたりしたことが指摘されていますし、やはりいかにしてそういう悪質違法行為を排除できる仕組みをつくるかということに議論の重点を置くべきだと思っています。普通の善良な業者をすべて規制するべきだとは、一切言っておりませんので、ぜひ誤解のないようにお願いしたいと思います。

【林委員長】 おっしゃるとおりです。
 それで、最後に動物園が有料か無料かで取扱業か、取扱業でないのかという点はどうなんでしょう。

【事務局】 現状では、有料か無料かという観点だけではなくて、それを含めた営利性、社会性、反復性、そういったものを総合して動物取扱業に当たるかどうかということを判断しておりますので、動物取扱業から外れる部分も出てきますし、愛護団体なども業に入る部分も出てきたりするということが現状でございます。

【林委員長】 ということでよろしいでしょうか。これについては、例えば数羽のインコをお小遣いにしている高齢者の方が、動物取扱業になるのかどうか、それはしなくていいのではないかという要望もあります。また例えば、農業者でも、規定でいうと、幾ら以上の販売をしている者を農業者と言い、自分でお米をつくっている者をすべて農業者とは言わないのです。つまり、販売額で分けている。だから、自分の家で飼っているインコが子どもを産んだから、それを小鳥屋さんに500円で売ったというのは、これはその高齢者の方が動物取扱業になるのかどうかというところを、それは反復性などを勘案して、今後の論議の中で深めていきたいというふうに思います。
 それでは、大変長くまでお時間をいただいたことに、感謝申し上げます。

【佐藤光雄氏】 どうもありがとうございました。

【林委員長】 ありがとうございました。
 最後に議事録に残していただくために申し上げておきたいと思います。今日もヒアリングでお呼びしている方々は、素晴らしくいい方たちで、とても参考になるご意見をいただきましたけれども、ちょっと心配していますのは、ここのヒアリングに呼ばれたということで、うちのお店は、うちの活動は、環境省からオーソライズされた、正当と認められたと喧伝している方がいると聞いています。そういうことでは決してないといいますか、環境省がオーソライズするためにお呼びしているわけではなくて、私たちの議論の参考とするために、動物取扱業や動物愛護の活動をとりまく状況や問題点などを聞かせてもらうためにお呼びしているということを申し上げておきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、以上でヒアリングは終了ですが、事務局から何かございますか。

【事務局】 それでは、次回、次々回の小委員会の日程の連絡をいたします。
 次回、第8回小委員会は、11月29日、月曜日、9時半から、場所は三田共用会議所で開催いたします。第9回小委員会は、12月6日、月曜日、10時から、環境省第一会議室で開催の予定となっています。

【林委員長】 それでは、次回は11月29日、月曜日に開催しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、今日の小委員会の議事を終了いたします。

【事務局】 どうもありがとうございました。本日も、長時間にわたりまして、ご審議ありがとうございました。これをもちまして、本日の動物愛護管理のあり方検討小委員会を閉じさせていただきます。

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