中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会 (第5回)議事録

1.日時

平成22年10月20日(水)午後2時00分~午後4時08分

2.場所

環境省第一会議室

3.出席者

林委員長、磯部委員、井本委員、臼井委員、打越委員、浦野委員、太田委員、小方委員、加隈委員、斉藤委員、野上委員、水越委員、山崎委員、山口委員、渡辺委員、田中総務課長、西山動物愛護管理室長ほか

4.議題

(1)
動物取扱業の適正化
(2)
その他

5.配付資料

資料1
深夜販売・販売時間について
資料2
移動販売・インターネット販売・オークション市場について
資料3
犬猫幼齢動物の販売日齢について
資料4
繁殖制限措置について
資料5
飼養施設について
参考資料1
第2回、第3回動物愛護管理のあり方検討小委員会ヒアリング結果の概要
参考資料2
行政に寄せられる苦情・相談
参考資料3
全国ペットパーク流通協議会規約
山崎委員追加資料
米オレゴン州法House Bill 2470
太田委員追加資料
週齢が及ぼす医療費の状況について
委員限り配付資料
(省略)

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、第5回動物愛護管理のあり方検討小委員会を始めたいと思います。
 本日は、青木委員、小方委員、渋谷委員、永村委員がご欠席です。あと、打越委員が10分程度遅れるということで、事前に連絡をいただいています。したがいまして、18名中13名の方が、現在、出席されておりますので、規定により小委員会は成立しております。
 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。資料の1から5、参考資料の1から3、太田委員からの追加資料と、山崎委員からの追加資料がお手元にあるかと思います。委員限りといたしまして、文献資料の1-1から1-5、文献資料の3-1から3-23、文献資料の4-1から4-5、同じく文献資料の5-1から5-3。なお、文献資料の2は、欠番となっています。あと、加隈委員からの追加資料です。
 資料に不備がありましたら、事務局の方までお願いいたします。
 なお、委員限りと書いてあります資料以外の資料と、議事録につきましては、後日、環境省のホームページにおいて公表されますことを申し添えます。
 それでは、林委員長、よろしくお願いいたします。

【林委員長】 それでは、ただいまから、第5回動物愛護管理のあり方検討小委員会を開催いたします。
 議事に先立ちまして、西山室長からごあいさついただきます。

【西山室長】 動物愛護管理室長の西山でございます。委員の皆様、大変お忙しい中、連日の小委員会にご出席いただきまして、ありがとうございます。名古屋では、生物多様性条約のCOP10が3日目に入っております。現在、環境省自然環境局では、局を挙げて、省を挙げて、この会議の成功を目指しております。自然環境局長も、自然担当審議官も、名古屋の方に月末まで行っておりまして、その留守を預かる総務課長も、先ほどちょっと呼び出されてしまいまして、後ほど顔は出せると思うんですけれども、事務局の方がいささか力不足ではございますが、ご議論いただく内容につきましては、どれも極めて重要なものばかりでございます。昨日は、動物の販売形態などについて、ご意見をいただきました。本日は、引き続き販売日齢、繁殖のあり方などについて、ご意見をいただきたいと考えております。
 以前、小委員会のスケジュール案をお示ししておりますが、一生懸命議論をして続けても、1年ぐらいはかかってしまうかなというふうに思っておりまして、次回以降もたくさんの課題が想定されております。1回1回の会議で、なるべく結論を出していただきたい。積み残しがあると、どんどんまた後にずれてしまいますので、昨日と今日の議題につきましては、できる限り、昨日と今日のこの会議の中で、方向性を見出せたらというふうに思っております。限られた時間の中で、大変重要なたくさんの課題をご議論いただくことなり、恐縮ですけれども、よりよい仕組みにしていきたいと思っております。本日もよろしくお願いします。

【林委員長】 ありがとうございました。ただいまのごあいさつにございましたように、本日は、幼齢動物の販売日齢、繁殖制限措置、それから動物飼養の施設について話し合っていきたいと思います。昨日と同じように、二つに分けて、最初に、幼齢動物の販売日齢について1時間程度、そして、繁殖制限措置と飼養施設がセットで1時間です。最初に、昨日と同じように事務局からご説明をいただき、その後、私たちで論議したいというふうに思います。
 それでは、最初に10分程度、幼齢動物の販売日齢について、ご説明いただきます。

【事務局】 資料3をご覧ください。
 資料3、犬猫幼齢動物の販売日齢についてです。まず、1.現状ですけれども、法律の中でどのような記載があるかということです。昨日と同じように、法の第21条で基本的に定められているものです。それを引っ張りました環境省令の基準が、施行規則第8条です。その中で、第1号に、離乳等を終えて、成体が食べる餌と同様の餌を自力を食べることができるようになった動物を販売に供するとございます。
 それから、同じ規則第8条の一番下、第8号ですが、ここを引っ張りました環境大臣が定める細目が次の細目で、その第5条ホに、幼齢な犬、ねこ等の社会化を必要とする動物については、その健全な育成及び社会化を推進するために、適切な期間、親、兄弟、姉妹等とともに飼養、保管することということでございます。
 同じく、その細目第5条の第2号ハに、ワクチンの記載が若干ございます。疾病の予防等のため、必要に応じてワクチン接種を行うことということでございます。
 それから、次に、(2)ですけれども、前回の法の見直しのときに、中央環境審議会から環境大臣に対して答申がございまして、その中の宿題事項にもなっていた記載が一部あるのですけれども、その1番の中で、幼齢の動物の販売のことがあります。とりわけ、犬及びねこについては、幼齢期における社会化及び飼養環境の変化等に対する耐性の獲得の必要性が高い動物であることから、内外の状況を勘案しつつ、その販売に関する日齢制限のあり方について、検討を加え、必要な措置を講じることということでございます。
 2ページ目、2番、主な論点です。(1)今の細目では適切な期間としておりますけれども、これを具体的な数値規制は必要かどうかということです。
 (2)具体的には、6週齢、7週齢、8週齢などの週齢規制か、あるいは、40日、45日、50日などのような日齢規制か、数値規制をどこにもってくるのかということです。
 (3)規制の対象動物は、ペット全体とするのか、犬猫とするのか、またその理由についてです。
 (4)は、ワクチンですけれども、日齢なり週齢なりを決めた場合に、その間にワクチンを接種する必要があるかどうかということを議論することが必要というふうに考えております。
 それから、3番、幼齢での販売の問題点等ですが、まず、(1)成長後の問題行動。適切な社会化、これは犬同士、猫同士という社会化と、もう一つ、人に慣れるための社会化の二つの方法が考えられますけれども、これがなされていない幼齢な犬猫を販売すると、その後、吼え癖、咬み、あるいは人を恐れて攻撃的になったりといったことの問題行動を起こす可能性が高まるというふうに考えられているところでございます。
 (2)ワクチンの接種時期。適切な時期でワクチンを接種されないと、その個体の感染症にかかるおそれが高まる、あるいは、その個体を通して周りへの感染症の蔓延のリスクが高まるというふうに考えられると思います。
 4番、主な意見。もちろんこれだけの意見ではないですけれども、概要として主なものを申しますと、動物愛護団体は8週齢規制を行うべきだという意見がございます。それから、業界団体は、現在でも行っている自主規制に任せるべきだという意見があり、現在、40日の規制については、ほぼ達成をしているような状況です。なおかつ45日を目指しているということです。
 それから、5番、科学的知見について。2ページ目から3、4、5とずっと幾つか記載しています。まず、犬については、諸説ありますけれども、この科学的知見を学術的に総合して大まかに申しますと、社会化の適期というのは、3週齢から12週齢。その中でも、特に6週齢から8週齢が重要なのではないかと考えられています。さらに、その6週齢から8週齢の中でも、6週齢で離すと、やはり少し早いのではないかという内容になっていると感じます。
 それから、猫についてですけれども、猫は、犬よりも1週間程度早くてもいいのではないかというような学術文献です。具体的には、2週から9週。特に重要な期間が、5週から7週。もちろん、それだけに限りませんけれども、そのような傾向があるのではないかというふうに考えております。
 それから、ワクチンについては、これは主に犬についてやはり諸説ありますけれども、8週齢くらいまでには、1回ぐらい打つ必要があるのではないかというふうに考えられる文献です。
 それから、少し飛びまして、11ページに海外の事例を幾つか掲載しています。
 次に12ページ以降は、犬・猫の流通・販売日齢についてということで、関連の資料を若干つけております。概要を申しますと、まず、事業者さん側に確認をいたしました「販売する日齢はどのぐらいですか」というアンケートです。
 それから、一般市民の方へ確認しました、「購入したときの日齢というのはどのぐらいですか」というのを確認しているアンケートです。
 以上です。

【林委員長】 それでは、この問題について、幼齢動物の販売日齢について、どなたでもご意見、ご質問をどうぞ。はい、野上委員。

【野上委員】 この太田委員の資料について事実関係をお伺いしたいんですが、ブリーダーから、オークションに行く場合、その返品率、つまりすべてオークションで売られるのかどうかということをお伺いしたい。オークションで売れ残った場合は、またブリーダーのところに返品されて、またブリーダーが次の機会に再出品するということはしばしばあるのか。そういう再返品率をお伺いしたい。それから、昨日は、小売業者のもとで、ペットショップでの死亡率が10%というような話が出ていましたが、このブリーダーから小売業者における段階での死亡率というのはどのくらいなのか。そのあたりをご存じでしたら、教えていただきたいです。

【太田委員】 売れ残った犬の資料は、別のページにあったかと思います。

【事務局】 お手元のファイルに、動物愛護管理基本指針の点検(第3回)19ページに、売れ残り動物の取り扱いについて、という資料がございます。

【太田委員】 19ページのこのアンケートの前に説明します。今日、私が配った資料の中の犬・ネコの流通経路についてですが、一番下に、流通外という項目があります。犬が2%、猫が2%、犬が約1万4,000頭。これらの売れ残った犬猫が、保健所等に流れているのではないかというマスコミ等からの指摘がありました。この件で詳細を環境省にアンケート調査をお願いしました。その結果が、19ページでございます。
 この2%の内訳ですが、下の円グラフでオークション市場65.4%とあります。残った犬猫をオークションに出すということが、果たしてどんなものかというご意見もありますが、雌犬に関しては、繁殖用ということで、ブリーダーが欲しがります。大きくなった雌犬に関しては、仕入価格以上で高く売買されることもあります。それが上のグラフの左側、「生産業者(ブリーダー)に譲渡販売した」24.5%。次が、「動物業者(小売、卸)に譲渡販売した」26.4%。雄犬ですと、トリミング学校が、学校の教材として使うとか、ふれあい業者が、ふれあい用として、大きくなった子犬を使いますし、ブリーダーも使います。
 その隣が「自社生産用(ブリード用)として飼育を継続した」。ペットショップはブリーダーを兼ねているお店もたくさんありますので、売れ残った犬を繁殖用として残したなどが、この表でございます。決して売れ残りの2%の流通外が保健所へ行ったわけではありません。
 死亡率に関しましては、前回のヒアリングで当会事務局の赤澤から説明がありましたが、細かい死亡率は発表されませんでした。環境省のアンケートでも今まで死亡率調査はしていません。環境省も事実を調べるのが怖いのか、またペットショップの方でも事実があまりにも恥ずかしい話なので、公表出来なかったのでしょう。前回、ヒアリングの中で深夜営業の死亡率●%、●%が高いのか低いのかという議論がありました。そこで今日の私の資料の裏のページに、死亡率の推移を載せてあります。これは里親を含んでおります。某ショップと書いてありますが、前回、その質問がありました。その後、環境省で講習会がありましたので、そのときにつくった資料です。この某ペットショップというのは、私のお店の資料でございます。
 決して、私のお店の死亡率が、低いとは思っておりません。何人かの同業者にも聞いてみました。こんなものじゃないとか、うちはもっと低いよとかというご意見もあります。ただ、全体的には、この四、五年の間は2.5%で、これには里親も含んでおります。実際の死亡率は2%を切るのではないかと思いますが、私も、現場で一番感じたことは、1999年から急激に死亡率が下がったことです。それまでは、死亡率も高かったんですが、この1999年にハイタイターワクチンが発売されたあと、死亡率が大幅に下がったのは現場の誰もが感じているところでございます。

【林委員長】 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ、水越委員。

【水越委員】 週齢のことでよろしいでしょうか。まず一つ目は、この基準というのが販売の基準なのか、あるいは親から離す週齢なのかということをはっきりしないと、多分議論が出てこないのかなと思います。例えば、販売であれば、その前に、何週間前に親から離すということもありだと思いますので、そうすると社会化という問題は全く議論の場には出てこないと思うんですね。なので、まず、そちらの方をどうするかということが、一つあると思います。
 あともう一つは、やはり社会化ということを考えたときに、親と兄弟といる、これは非常に重要なことであるんですけれども、もう一つ、どれぐらい、やはり人間に慣れているか。人間とともに生活しているかというような点。
 あと、もう一つは、この時期には、排せつの習慣も、犬や猫につきますので、非常に狭いケージの中で飼育されていた場合、適切な排せつの習慣が犬や猫につかないという問題があります。ですので、週齢のことを話すときに、おのずと社会化ということを考えるのであれば、例えばどれぐらいの人数が世話をしているのかであるとか、あと例えば、どれぐらいの広さの場所で飼育されているのかということを、同時に議論することが必要なのではないかというふうに、個人的には考えております。

【林委員長】 ありがとうございます。1つめに提起されているのは、販売日齢について。おっしゃるとおり、母親、あるいは兄弟がいれば兄弟から引き離す日齢というのは、行動学的には非常に重要ですけれども、どうやったらいいのか、非常に難しい。つまりそちらの方は法律になじまないのではないかと思うのです。そうなりますと、繁殖業者に対する制限ということになるので、大変難しいのですが、それが必要だということであれば、そちらの方の論議もいたします。二つめについては、違うことです。今ここで論議しようとしているのは販売日齢で、諸外国の例を言っても、基本的には譲渡するときがいつなのかということで来ていますので、譲渡するときまで一緒にいるか、いないかということは定義として難しい。つまり譲渡の日齢で、それはきっちりそのときまで母親と一緒にいる可能性も高いですが、いない可能性もあるということです。
 はい、どうぞ。

【浦野委員】 昨日の議論でも特に感じたんですが、ペットに対する言葉の定義なんですが、今日の(3)にも出るように、犬猫とするのか、あるいは昨日の議論でも哺乳類全体にするのかという、この取り決めがないまま議論を進めると、特に昨日の後段の話は、犬猫を頭に描いて発言している方と、もうちょっと広く含めて発言している方がおり、ちょっと整理して議論しないとまとまらないなという気がしたので、今日、少しはっきりさせて議論をしたらいいと思うのですが。

【林委員長】 資料3に基づいて、今、論議していただいていますが、このタイトルを見ていただければわかるんですけれども、犬猫幼齢動物の販売日齢についてということですので、前提が犬猫になっています。ただ、いや、犬猫だけじゃだめだよというご意見のときは、そういう旨を発言の中でおっしゃっていただければいいかなというふうに思います。
 ほかにいかがでしょうか。はい、山崎委員。

【山崎委員】 まだ私のところに原本が返ってきていないので、マーキングしてあるところのお話は今は省かせていただきますけれども、この販売日齢、繁殖制限措置、それから飼養施設、主にこういった課題が、我々のこの法改正の作業の中に入ってくる一つの大きな理由というのは、先ほど野上さんからも少しご指摘もございましたように、いわゆる大量繁殖の問題点。それから、それが処分につながっているのではないかという問題点。その中で、家庭で虐待があるのではないかという問題点。基本的にはこの三つの課題というのが、つい最近、実はできたてほやほやのオレゴンの法律を今日、持ってまいりました。これはオレゴン州法でございますが、今、私がお話ししたようなポイントを前文に書き、それゆえにパピーミルと呈されるものに関して、次のような法的な措置を課すという、そういう法律ができました。
 ですから、何日とか何週齢という細かいところを議論するより、全般的に、繁殖をする場合はこことここを守りなさい、繁殖をする場合にはこういったことをやりなさいというように、パピーミルをやってはいけないではなくて、やるのだったら、これが法律ですよというような、かなり完璧ではないですけれども、完璧に近いようなものができているので、私としては、実験動物のこともそうなんですけれども、愛護法の中で、すべてこういった細かいことを入れていくことが可能なのか。そうでなければ、本当に別法的な形で、犬猫の繁殖施設に関する制限措置というよりも、運営規約のような法律をつくるということも一つの手ではないかというふうに思っております。

【林委員長】 ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。これはとても参考になりそうですね。
 はい、どうぞ、打越委員。

【打越委員】 幼齢動物の日齢の件なんですけれども、私自身としてみれば、なかなか結論が出せないなというふうに思っています。つまり数値を入れた方がよいのではないかと考える根拠と、それから、今の山崎委員と同じように、入れないでもっと別のことを議論すべきなのではないかという両面の根拠が自分の中にあるからです。
 まず、数字を入れた方がよい、あるいは入れてみたらどうなってくるかというのを考えたときに、日数なり週齢なり、いろんな議論が出ています。例えば、動物との共生を考える連絡会の青木先生から、8週齢という話も出ているわけです。8週という数字そのものを法律で決めるほどのものではないと思いますが、政令や省令で規定することになると思うんですが、いずれにせよ8週齢という数字をもし決めたら、つまりそれまでの間、ブリーダーはきちんとした形で飼わなければいけないわけです。その結果、ブリーダーのところにいる時点ですごくコストが上がる。その間に、もしかしたら命を落としてしまう犬や猫もいるかもしれません。不良品という言葉は決して使いたくないんですが、不良品でもとりあえず競りに出して売ることで利益がついていたかもしれないのが、全面的にコストが上がって、ブリーダー業が割に合わない職業になってくる可能性がある。かつ、そういう形でコストが上がったものをブリーダーからペットショップが引き受けたときに、8週齢からどんどん子猫・子犬は大きくなってきますので、ペットショップで売るときにも、ケージの大きさそのものも、かなり大きく改めなきゃいけない。
 2カ月まで母犬・母猫のところにいて、それからやっとお店に運ばれて、並べられて、それから売りに出されても、消費者の手に渡るときには、3カ月、4カ月の大きさになっているかもしれない。となると、ますますペットショップで売れなくなってくるという可能性が出てくる。ペットショップとしても、既に大きな子を引き受けるということは、あまり使いたくない表現なんですけれども、ある意味売れ時を逃す、売れる時間が短くなるということで、ペットショップにとってもとてもリスキーです。例えば賞味期限切れが近いものをスーパーなどで購入して仕入れたら、その後、一定の期間内に売れるかどうかわからないと同じように、ペットショップ側にとってもリスクが高まるということになると思います。
 つまり日数規制を思い切り上げれば、ブリーダーにとって大変に手間暇とコストがかかる。それからショップにとっても、売れるかどうかが非常にリスキーな商品ということになる。となると、業の構造そのものも相当に大きく変わってくる。単に、業者にとって面倒で足かせができる規制というレベルではなくて、生体をそういう形で流通させてショップで展示販売するというのは、割に合わず、業として成り立たない構造になってくるかもしれない。
 例えば、イギリスとかアメリカであれば、ブリーダーから直接購入というパターンで、かなり定着しているというふうなお話です。私は直接見ていないのでわからないのですが、そのように、もう思い切って日本の産業の構造を変えていく、それに伴うさまざまな経過措置を考えていくのであれば、数字を入れるというのは非常に強力な力を持つだろうというふうに思います。
 ただ、そこまで産業構造そのものを一気に変えることが難しいのであるならば、数値を入れないというのも、また一つの考えであります。例えば8週齢というふうに、数値を入れないでおいた方がいいのではないかと思う根拠は、本当に質のいいブリーダーさんのところで8週間飼ってもらって、それからペットショップに来て、一般の家庭の飼育者のところに来るのであれば、それはずっとお母さんと一緒にいられて、優しいブリーダーさんのところで育ってよかったねという話になると思うんですけれども、先ほどの水越委員がおっしゃったとおり、母猫や母犬でも、ケージの中でずっと飼われていたりで、床はもうコンクリートのままみたいな劣悪な施設で飼われていると、そのこと自体が気の毒でならない。そうするぐらいなら、一刻も早く我が家においでと言いたくなる気持ちもあるわけでして、そうであるならば、その週齢の規制をすることよりも、ブリーダーの飼育環境を全部明るみに出す。例えばどこのブリーダーさんが繁殖した犬なのか、猫なのかを全面的に公開し、また、そういう活動をしているというところを、常日ごろから視察できる、あるいは公にする。つまりブリーダーの業務を全部明るみに出すという方に力を入れて改善していくというのも、ありなのではないかというふうに思います。
 ですので、日数の規制については、入れるべきなのかもしれないし、かえって入れずにほかのことに力をいれるべきかもしれない。いずれにせよ、ものすごく難しい議論だと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。これまでのいきさつは、資料3の1ページ目にありますように、法律の中の細目でもそうですが、社会化を推進するために適切な期間、親、兄弟、姉妹とともに飼養又は保管することとあります。ここに精神が、ほとんど書かれているんです。具体的数字が書かれていないというだけです。これまでの法律、また法律のもとにある施行規則、細目等に掲げているわけですが、こうした中で、私の知る限り、業界の方が自主的に40日を達成して、45日というところに向かって動いておられるわけで、業界の構造がそれで変わっているわけでは、決してないわけです。来年か、再来年か、法律が変わったらもう業界がやっていけない時期というのはどの辺なのかということは、恐らく太田委員が一番よくご存じでしょうし、何週齢とか何日とかという日齢を決めた場合に、例えば5年あれば、何とか自主的に業界全体が変われるというようなものなのかどうか、その辺は率直に太田委員におっしゃっていただけたらどうか。これは業界の方の立場でおっしゃっていただくわけですが、いかがでしょうか。

【太田委員】 動物愛護管理法が、業者を守る法律ではないというのは、重々理解しています。しかし現状として、私は今回、この資料の中に死亡率の数字も出しました。今までペットショップがあまりにも小さい犬を売っている。その結果子犬が弱く、病気がたくさん出て、死んでいるという前提のもとに、8週齢にした方がいいんじゃないかという議論もあったかと思います。しかし、現在では、この前のブリーダーの中澤さんもおっしゃっていましたが、子犬が死ななくなった。あまりにも死なないために、ペットショップの経験のない人、犬猫を知らない人が業を始めているというのも現状です。
 現在、日本で3本の指に入るあるペットショップは、ネット販売が始まりです。ネットでたくさん売れた結果、在庫を置く場としてお店を持つようになりました。それほど現在の子犬は死にません。
 ここに外国の文献がたくさんありますが、1960年代の実験結果が多く入っています。私も仕事を始めて40年になりますが、30年前に比べますと、現在の子犬は、発育は倍以上早くなっていると思います。大きさにしても、行動にしてもよくなっています。昔の子犬は回虫とか鉤虫とかたくさん寄生虫がいまして、発育がよくなかった。現在、そういう子犬はほとんどいません。医療の進歩や、ペットフードの質の向上、子犬の管理技術がよくなったとかということでもって、子犬の発育は非常に進んでおります。
 ただ、社会化という面に関しては、私たちも今まで勉強不足でした。犬猫に関しては、体も心も健康でなくてはいけない。体が大きくしっかり育っている。心に関しても、健康な子犬は飼育の喜びも増します。私たちも社会化の重要性は認識しなければと考えます。
 しかし、ここでもし大幅に高いハードルが課せられますと、私たちは高いハードルを越える努力はします。そうしないと、業界は残れないという言い方を私たちはしておりますが、あまりにもハードルが急に高くなりますと、越えられず、ハードルの下をくぐることになるのではないかとの心配もしております。例えば、生年月日を5日ずらすとか、1週間ずらすとか。そうなってくると、せっかくいい法律ができても、ザル法にならないか心配です。そういうことは絶対するな、そんなことをしたらもっと信用がなくなると、業界内で言っているんですが、残念ながら業界のレベルの現状もあります。近年ペットショップもブリーダーも、この5年くらいの間に売り上げがほとんど半分になりました。何の業種も今は大変ですが、これ以上厳しくなると、またブリーダーが山へ犬を捨てるのが増えるのではないかと懸念されます。健康な子犬を売るということが前提ですが、現在では死亡率も大分下がっておりますし、発育もよくなっておりますので、もう少し時間をいただいて、次のときには十分クリアできるように、私たちは努力しなくていけないなと感じております。

【林委員長】 ありがとうございました。もうちょっと具体的にお聞きしますので、それに答えていただきたいんですが、まず、今、45日という目標を持って、業界としてやっておられるわけですが、いつまでにという目標は持っておられますか。

【太田委員】 私は、もう次の法改正で45日というふうに決めてもらっていいと思います。私たちの会も、JKCも、日鳥連、中央畜犬、すべて45日と言っておりますので、これが業界の自主規制と考えています。オークションは現在40日ですが、ブリーダーがあと5日我慢して、45日にする。ペットショップも現在、販売の時点で、お客さんにすぐ売っていないんですね。3日様子を見ましょうとか、5日様子を見ましょうとか、目視期間をとっています。現在、法律では、目視期間が2日ですが、例えばこの目視期間を5日にすると、45日プラス5日で50日になります。私は業界として、これはやらなくちゃいけない数字かなと思っています。

【林委員長】 50日とか具体的な日数は挙げにくいですが、例えば8週齢ということになると、業界としてはかなり困難だという判断ですか。

【太田委員】 私の言いたいことは、先ほどの打越委員の意見と同じです。

【林委員長】 はい、わかりました。ほかにいかがでしょう。渡辺委員、そして野上委員、山口委員。

【渡辺委員】 私は、獣医学の専門家でもありませんし、法律の専門家でもありませんし、一飼い主、一消費者として、それから愛護団体の意見というものを代表して、述べさせていただきたいと思います。
 太田委員が今おっしゃってくださったようなことも、非常によくわかります。打越委員のお考えもよくわかります。ただ、現状として、劣悪な繁殖販売がいまだにあるというのは、野上委員の会とか、山口委員の会などにたくさんの苦情の連絡があることが証拠といいますか、全国でやはり起きていることなんです。そして、マスコミに出るのは、氷山のほんの一角であって、程度と規模の差こそあれ、劣悪な飼育をする劣悪な繁殖業者は、いまだにおります。細目がすべて守られれば、本当にそれで結構なことなんですけれども、残念ながらそうではない。ならばやはり、ここは動物取扱業の適正化という議論の場で、ペット販売の健全化に向けて、安易な繁殖販売、それから安易な購入をなくしていくというのが、私たちが目指すべき道だと思っています。
 そして、安易な購入をなくすという部分では、教育、それから啓発活動が必要です。それは愛護団体の人々とか、それから私たちがこれから取り組まなければいけないことです。ただ、その安易な繁殖販売に関しては、やはり業者さんの問題ですので、ここはやはり、数字できちっと入れていただきたいと、私は思っております。そして、その数字を入れるには、海外の事例、それから科学的根拠が必要というふうに言われますけれども、これは環境省の方へ出していただいた資料の中にありますアメリカやイギリス、ドイツ、フランスといった国々の8週齢という数字が出ています。これが7週でもなく、9週でもなく、8というふうに出ているのは、科学的根拠というふうに受け取れないでしょうか。そして、この法律が新しいものではなく、何年もきちんと運用されている。それは市民の、その国民のコンセンサスもとれていることにはならないでしょうか。そういうふうに考えております。
 以上です。

【林委員長】 今おっしゃっているのは、11ページの別表の話ですね。これは科学的根拠ではありませんけれども、科学的根拠に基づいたであろう諸外国の実態というか、実績ですね。ですから、これはもちろんそういう意味での非常に価値の高いものというか、信頼のおけるものだろうというふうに思います。
 不思議なことに、ここに出されているのは、全部8週齢になっています。数字が出ていますので、もうあまり、ここの科学的データを議論しなくても、これで日本の犬は特別な犬だということはありませんし、しかも諸外国、ヨーロッパ、アメリカでも100犬種以上、400頭、500犬種あると言われています。少なくとも人々が飼育している犬種は200犬種近くはあるはずなので、1キログラムぐらいの犬種から、50キロを超えるような大型の犬種まで含めて、8週齢でこれを今やってきている実績があるということが、ここに示されていますので、これは一つの非常に強い実績でしょう
 ほかに、ご意見をどうぞ。ただ、さっきから論議していますけれども、太田委員がおっしゃったように、階段というのはやっぱり高過ぎると上れないということも、事実としてあるので、日本の実態も踏まえた上で、論議を進めてまいりたいと思います。
 次は野上委員。そして山口委員、どうぞ。

【野上委員】 現在の動物取扱業の基準が守られているかということですが、実質、私たちが調査すると、衛生とか施設全体にわたって、ほとんど守られていないことが多いわけです。ここで基準をつくったとしても、それを守らせるための担保があるかどうか。それがないと、恐らく業者は守らないのではないかと思います。先日のヒアリングでも述べましたが、生年月日を偽る例はあると思います。仮に規制をしたとしても、生年月日を偽ってしまった場合に、どうやってそれを調べることができるのかという問題が出てきます。ですので、産まれたものをすべてトレーサビリティをできる仕組みがまず最初にあって、8週齢ということが生きてくると思います。
 トレーサビリティを確立するには、現在の流通業態ではできないというようなご意見がいろいろありましたが、そこに取り組んで、必ずトレーサビリティができて、問題が発生したら、飼い主が問題の発生した時点まで遡って対処できるような仕組みをつくるということが、この全体の中で必要ではないかと思います。
 非常に問題行動が起こるという犬があった場合に、なぜ、どの時点で問題が発生したのか。それを追跡できるような仕組みが必要ですし、それについて情報公開されるような、先ほど打越さんがおっしゃったように、ブリーダーの施設が全部公開されたり、オープンにされて、飼い主や消費者が確認できるような仕組みをつくるという中で、こういう数値規制を設けていくのがいいのではないかと思っています。

【林委員長】 はい、本当におっしゃるとおりだと思います。どういう仕組みがつくれるかということも、また論議を後からしていただきたいと思いますが。山口委員、どうぞ。

【山口委員】 私も同じくで、数値規制は、その仕組みの上で、週齢なり日齢なりということは、今回、やはり入れていただきたいというふうに思います。それで、業界がどれだけ変わるか。あまり変わると業がやっていけないというふうにお話はされておりましたけれども、現在、本当に崩壊ブリーダーがあちらこちらに出ております。その方々の飼育管理状況を見ますと、とても犬を飼育管理するという状況ではありません。そしてそれが、ほとんどそのまま放置されていて、崩壊するまで何の指導も受けていないとか、あるいは、周りから苦情があれば、時々行っても、指導で終わっていて、いつまでもずっと指導のままという、今のこの細目でも、幼齢はだめとか、適切な期間、兄弟等々、いろいろ入っているにもかかわらず、それが全然守られていない。
 ですから、やはり週齢のみならず、ブリーダーさんのところで、どのように飼育管理するかという、その基準、それをいかにまた守らせるかという仕組み、それが一緒にならないと、法律はあっても、絵に描いた餅で、何もならないというふうに思います。
 もう一つ、登録について、ちょっと水越先生から質問があったんですけれども、崩壊しているブリーダーさんは、ほとんど、狂犬病予防法による登録注射もされていません。かつ繁殖犬というのは、3カ月未満であるわけがありません。ということは全部登録注射をされていなきゃならないのに、その法律すら守られていませんし、狂犬病予防法になりますと厚生労働省になってしまいますので、環境省の管轄として、繁殖犬を登録することにする。今あちらこちらで、捨てたのはブリーダーさんじゃないかというふうなことが新聞記事に出ておりますけれども、繁殖犬を登録すればそういう場合も追跡できる。繁殖犬も産まれた子についても、両方ともにトレーサビリティができるようにしていただけたらなというふうに思います。

【林委員長】 今日の論議は、一つは、販売日齢についてで、何週齢、あるいは何日というふうに定めていくのか、いかないのかという話。もう一つは、山崎委員やほかの委員からもお話がありましたが、繁殖の仕方についてです。これはトレーサビリティを考えると、非常に重要なことなんですが、そのトレーサビリティが担保できるようなところも、仕組みとともに考えたい。たまたま、つい最近オレゴン州で出された繁殖の仕方についての規制があります。これには基本的に言葉で言っているところもあれば、しっかり数字を入れているところも混ざっています。
 いずれにしても、繁殖のところは、特に母親からいつ離すのかということが、非常に重要です。兄弟をどうするかというのとはちょっと話を別にします。やっぱり両方とも重要なことなんですが、一緒に混ぜないで、両方ともやっぱり別々に論議していった方がいいということなんですけど。
 こういうふうに動物愛護法を見直していくとき、もし、仮に5年間たって、もっとひどくなっているんだったらば、実態にあわせて後退した方が、実態と本質とが合ってくるんじゃないかという考えすらあるんです。つまり、文章だけがすばらしくなっていって、実態はどんどん悪くなっていくのだったら、これは法律をつくった意味がないですよね。
 例えば業界の方から見て、この5年間、よくなってきているのかどうか。もちろんひどい状態があったとしても、全体として見たらよくなっているのか。それとも全体的にすごく悪くなっているのか。それから、愛護団体から見て、この5年間、全く変わっていないのか。あるいはもっとひどくなっているということだったら、8週齢だの何週齢だの言っているときじゃないんです、もう既に。どうしたらいいかを考えていかないといけないので、実態をまずお話しくださる方がいれば印象で結構なのですが、お話しいただきたいと思います。太田委員、どうでしょう。

【太田委員】 業界のほとんどの人はまじめにやっているんですね。しかし、一部の人は、悪いことをやっている。今回の法改正では、動物取扱業の適正化については、悪い業者はどんどん摘発していただいて、廃業していただいた方がいいと思います。せっかく前回いい法律ができましたが、具体的に営業停止が何件あったのか、疑問です。悪い業者がのうのうとして仕事をしています。昨日の審議会でも話が出ましたが、移動販売、ネット販売、深夜営業、そういう業者には、もうどんどんやめていただきたい。まじめな業者が残り、悪いブリーダーもやめていただきたいと、業界としては思っています。

【林委員長】 臼井委員。

【臼井委員】 もう一度最初に戻るのですけれども、販売日齢、週齢は、私は決めていただいた方がいいと思います。

【林委員長】 数字を出した方がいいということですか。

【臼井委員】 はい、そうです。といいますのは、法律は、ペットショップとか、そういう販売業者のためでもなく、愛犬家とか愛猫家のためではなく、一般市民のためにも必要だと思うんです。
 実は、犬の行動解析システムというのを、麻布大学の菊水先生が日本で始められています。今日、その資料をちょっともらってきたんですけれども、ペンシルバニア大学のジェームズ先生という方が、何週齢で犬を購入したら、どういう問題が起きているかを調べています。特に攻撃性の問題などは、1週齢から6週齢の間に入手するとよくないというデータをもらってきました。7週から9週齢の間に入手すると、攻撃性なり、不安行動なり、いろいろな問題行動が非常に少ないということです。
 そうすると、一般市民の人にとっては、そういう動物が出てきた方が法律として一番いいと思うので、こういうデータをもらってきました。これは1万頭を調査しての結果だそうです。ですから、7週齢ぐらいというふうに、大ざっぱにざっくりと決めていただいたのがいいと思うのです。どの法律も、ザル法でない法律はないと思いますし、法律ってやっぱり、目標としてこうしてほしいということだと思うので、愛護団体や売る方でなく一般市民の人の声なき声といいますか、普通の人の安全も十分考えていただいて、バランスをとって、法律をつくっていただきたいなというふうに思います。
 それなので、具体的に言いますと、7週齢はいかがかなというふうに思っています。

【林委員長】 その7週齢の根拠は何ですか。8週齢というのは、先ほどからどの文献にも出ていますが。

【臼井委員】 業界の人たちの考えをちょっと入れました。

【林委員長】 ありがとうございました。浦野委員。

【浦野委員】 今ほどの林委員長のご指摘は、僕はすごく大切な発言だと思うんですが、すなわち前回の法改正のときに、自主規制という形をどうやってうまく構築するかということを打ち出して、それを実行に移したのが太田委員の組織だと思います。それが中核的な役割を恐らく果たして、今日に至っていると思います。この前のヒアリング等を含めて考えてみると、この自主規制という形が、今のところうまく機能しています。決して100点満点ではないけれども、かなりよく機能している傾向にあると思います。
 数値目標を出すということは、非常にわかりやすいんですが、逆に数字がひとり歩きして、この数字さえクリアすれば何でもありという、もしかしたら自主規制よりも逆行する可能性も否定できない。出してみないとわかりませんが、その可能性も十分に考えられる。そうなると、自主規制という枠組みをもうちょっと改めてきっちり議論して、考え直す必要があるだろうと思います。要は、今回もう少し自主規制という形を充実させるべく動かして、次の法改正時に見直すというのも一つの考えかと思います。
 それから、もう1件は、先ほど太田委員の回答にありましたし、さっきから幾つか指摘もありましたが、現行法の中で法を犯しているということです。法律を、ルールを守っていないという業者がいるということを指摘されましたが、もしそういう業者がいるとすれば、現行法の枠組みの中で、登録制度で動いているわけですから、登録を許可せず、抹消すればいい。そうすると、それができていないということは、その枠組みがうまく機能していないということであって、むしろそこを見直すべきだという考え方も当然成立すると思います。したがって、すべて数字で規制していくというのも、いかがなものかなという気はします。

【林委員長】 磯部委員、そして野上委員、打越委員。

【磯部委員】 最終的には法制度のあり方が問題になるのだろうと思うのですが、法律を専門にしている者として、質問も含めて確認のための発言をします。法学の専門用語として「保護法益」という言葉がありますが、要するにどんな利益を守ろうとしている法律ないし法制度なのかということですね。この動物愛護法という法律によって守られようとしている利益は、動物たち自身の健康とか生命なのか、それともその飼い主など動物を愛護する者たちの主として財産的利益なのか、あるいはその人たちの動物に対する感情も含めての精神的価値というか、そのこと自体に法的に保護されるべき価値があると考えるのか。
 あるいは今ご指摘があったように、一般市民がペットショップに行って、動物を買った場合に、一種の消費者保護的観点から、安全な商品としての動物しか市場に出回らないように、変な商品が出回らないように規制をすることが目的なのかとか、そこに多種多様な法的利益があって、そのどれがどのように法的保護に値するかということが、今、問題になっているのだろうと思います。
 たとえば、動物を市場に出回る商品の一種と見れば、そこに本当に危険な商品が出回って、そのために一般市民が危害を受けるおそれがあるのであるとすれば、そんな危険な商品が出てこないように規制をするということは、それはその業界ができるかどうかという話以前の当然の話であって、規制の必要性は明らかだろうと思います。
 それともそういう話なのではなくて、商品の安全とは異なる、もうちょっとグレーな価値がここには混じっているのかというところを、ちょっと確認したいと思います。環境省としては、ここのところをどんなふうにお考えになって現行法の仕組みとして説明されているのかというのを、ちょっと確認したいと思います。
 それから、もう一つの問題として、今、数値基準を入れるかどうかということが焦点になっていますが、基準といっても単純化して言えば2種類あって、一つは、その基準値以上は出してはいけませんよという規制基準ですね。これは普通、必要最小限の、これだけは絶対守らせるというぎりぎりの数値になるわけですよね。それからもう一つは、目標値基準というものも確かにあるわけです。つまり、すぐには達成できないかもしれないが、将来的にはここまでもっていきたいという目標値ですね。基準にもこういう2段階を設けるという仕組みは、公害行政などでは、排出基準と環境基準として、ごく当たり前に使われているわけです。さらに、基準値に時間軸を取り入れて、段階的に当面はここまでやるが、さらに5年後はその先へ行くというようなやり方も、十分あり得ると思います。
 本当の理想値は○○週なんだけれども、いきなりいくのは非現実的だろうから、とりあえず現実的に一歩を進めるということですね。もっともこのように申しましても、さきほどの一覧表で、いわゆる欧米先進諸国に全部8という数字が並んでいますと、説得力はそちらの方にあるわけで、ちょっとそこは辛いところだと思います。
 それから、先ほど太田委員がいみじくも言っておられたように、よい業者、悪い業者というわかりやすい言葉を使うならば、よい業者は一生懸命やっている。だとしたら、設定されるべき基準の相場はよい業者にとっても決して楽々とクリアできるわけではなく、相当苦労するかもしれないが、しかし頑張れば何とかクリアできる水準というのが常識的に考えてもあるべき姿であって、まじめな、まともな業者がどんなに頑張ってもクリアできないような非現実的な数値を、規制基準としていきなり設けるというのは、やや法政策的には問題があるのかなと思います。
 さらに数値基準を設けることの善し悪しという問題は、常にはあります。数値を設ければ、あの手この手でほんのちょっとでもクリアすればいいのかとか、実質的には脱法行為的なものも出てきますし、いろんな矛盾も生じます。したがって、そういう動きを避けるためには、数値ではなく文章表現で書いておいたほうがいいというやり方ももちろんあるのですが、どうもいろいろお話を伺っていると、ある程度明確な、客観的な数値基準を設けることのメリットの方が、デメリットを上回っているのかなというのが、とりあえずの印象でございます。

【林委員長】 どなたかお答えいただけますでしょうか。

【西山室長】 動物愛護管理法、現在の法律は、ご存じのとおり、理念法的な部分と規制法的な部分があって、理念的な部分は、これは間違いなく命はすべて大事にしましょう、大切にというところなんですね。これは犬猫に限らずですけれども。
 ただ、規制の部分を考えたときに、例えば、昨日もちょっと実は話が出たんですが、この先、もし法改正が必要ということになって、各方面と調整なり説明をしていく中で、必ず憲法で保障された人の権利との兼ね合いというのが指摘されると思うんです。そのときには、人間が迷惑するかとか、あるいは逆に人間がすごく恩恵をこうむるかとか、そちらの方を重視した説明をすることになるんじゃないかと思っています。

【林委員長】 ありがとうございました。今、室長がおっしゃったことと私が座長として考えていますことはほとんど同じで、この理念はやっぱりすばらしい理念で、これはこれとしてこの法律の価値は高いと思うんですが、実際的な恩恵を誰がこうむるかというと、やはりそういう理念のもとに人間と一緒に生活している動物たちにまず恩恵が行くようにというのが一番にあるだろうと思います。二つ目には、動物と暮らしている人たちに恩恵が行くように、つまり、この小委員会の最初のころに出た話で、どなたかがおっしゃったんですが、日本はすばらしいものをつくり続けているのに、どうして犬とか猫だけ、特に犬は粗雑なものしかつくってないんだと。つまり遺伝病が多かったり、日齢があまりにも小さ過ぎたためと考えられる問題行動がかなり起きていたり、程度の差がありますけれども、ある意味では繁殖業界、それから販売業界が、あまりにも小さなかわいい子犬あるいは子猫を欲しがる一般の飼い主に迎合して、粗末なものを売って後に問題を起こしているということになりますから、これは飼い主のためにも、犬猫と一緒に暮らす人たちのためにも、この法律はきちんと規制しながら、そこに対してきちんとしたあり方を提示するものであります。その場合には罰則もちゃんと設ける。そういう二つの意味合いで今回の改正がよりよい方向に行かないかということを考えているんですが、そもそもザル法の程度がますますひどくなるようだと、これはあまり法律としてはよくないんじゃないか。例えば、さっき野上委員がおっしゃったように、8週齢と決めて、ほとんどのところで日数をごまかすようなことが起き始めたら、これはいかがなものかというふうに思っています。

【野上委員】 私は、1999年の法改正のときからこの問題にいろいろと関わってきていますが、その当時から動物取扱業者の規制というのが大きな社会問題になっていました。そして2回の法改正を経て今日に至ってもなお問題が改善されていないので、今回のこういう課題になったというふうに思っています。
 なぜ解決できないのかということですが、規制は以前と比べれば確かに非常によくなってきていますし、これが本当に守られていれば日本のレベルは確実に向上するだろうと思います。それは自主規制ではなく、この規制ができて、基準もできてその基準に合うように業界がアップしてきたことに違いありません。ですから、基準をつくることは非常によかったのですが、一部の悪質業者をなぜ先ほどのお話のように営業停止できないのか、そこに一番の問題があるように思います。その一部の悪質業者が非常に大きく騒ぎになるわけですし、メディアも取り上げますし、私たちのところにもたくさんの情報が寄せられます。その理由の一つは、やはり数値基準がないからです。明確で具体的な基準がないので、行政が調査に行っても判断に迷うということを行政の方々からしょっちゅう聞かされます。行政の側からも、指導するにしても何か具体的なものをもっと入れてほしいということを常に言われるわけです。
 ですので、ここで8週齢という言葉を入れることによって、これからは幼い動物が売られているのが変だと思う消費者が増えてくるに違いありません。そうしてそのことによっていろんな問題が解決されていくような土壌ができると思うんですね。消費者教育としても、そういう具体的な数値を入れて、こんなに幼い子供を売ってはいけないんだということが一般的な知識として広がってほしいなというふうに思っています。ですので、自主規制の云々の前に、やはりきちんとした規制があってこそ全体の業界がレベルアップしていくのだろうと思います。
 それから、パピーミル規制法を別につくったらいいのではないかというお話ですが、それは現状では非常に難しい。今、新しく別の法律をつくるなどということは能力的にもまず難しいので、この愛護法の中で動物全体の飼育方法を底上げしていく中で考えていくべきではないかというふうに思っています。
 以上です。

【林委員長】 わかりました。大変有益なご意見です。ほかにいかがでしょう。

【打越委員】 私は、先ほどの磯部委員のお話がまさにそのとおりだなと思っております。数字を入れるか入れないかという論点と、その数字をどのレベルにするのかという論点は、また大分話が違うのかなと思います。実際に規制する現場の体制を考えたときに、自治体の担当職員が毅然と現場に踏み込んで対応できるためには、根拠となる数字が必要なのではないかという野上委員の意見に、私も賛成です。ただし、数字を入れる場合には、そこに目標まで入れ込むと二重の意味で混乱が起きるので、絶対にこのラインだけは割らせないという、先ほど磯部委員がおっしゃった、最低基準というものを考えるのもありだと思います。最低基準というのは非常にくやしい部分もあるんですけれども、今までは数字も入れず、目標だけは高く細則の中でいっぱい書いてある状況です。だから例えば8週を目標とするという高い数字を書き込んでもいいんですけども、絶対的に守らせる基準というのを決めていくのであれば、やはり今守れる基準、そのかわりそれ以下の悪質な業者は一切認めないという形で数字を入れる方がいいと思います。もし数字を入れないなら、高い目標をまた細則に書き続けるというどちらかになるんじゃないかなと思います。

【林委員長】 ありがとうございます。今のご意見をまとめると、これは守れるという数字、具体的にいうと7週齢とか、50日間というものを入れる。もう一つは、8週齢を一つの基準として入れる。それがなかなか簡単にクリアできないときは、例えば、それを実際に罰則を適用するのはいつにするかとか、猶予期間を設けるということもありますので、二種類の考え方があるということです。8週という書き方をするか、7週という書き方をするか。それはその後どういうふうにそれを扱うかということはあるようですが、今、その二つの意見があるというふうに考えてよろしいですか。具体的に数字を書き込まない方がいいという意見も恐らくお持ちの方がおられるということですね。どうぞ、臼井委員。

【臼井委員】 私、7週と申しましたのは、7週と8週でたった1週間しか違わないだろうとおっしゃるかもしれませんが、実はその間のコストと人手は物すごくかかります。それから、本当に大きくなり過ぎて賞味期限もあるので、業界を考えて50日とか7週というのがいいかなと思っています。

【林委員長】 加隈委員、どうぞ。

【加隈委員】 先ほど臼井委員からご紹介いただいたデータのことで、私も気になってサーベル博士に直接問い合わせもしたのですけれども、結局、科学的知見を幾つか改めて調べたりしましても、7週以上にはなかなか強い数字が出てこないというところがありまして、7週は確実だろうというのが印象でした。ただ、それが離乳なのか、母親との別離なのか、それとも売りに出されるという展示なのかということに関して、それを裏づけるほどの根拠は調査がほとんどございません。そして、今いろいろと話題に出ている社会化期に関しても、1960年代、70年代以上の大々的な調査は、現在恐らく犬の福祉的に難しいだろうと思います。結局、隔離をした状態をつくったときにどういう影響が出るかという実験ができないような現状がありますので、外国でもほとんど実験としてはあまり行われていません。それを考えると、8週齢という数字を欧米の国が出してきているのは、必ずしも科学的根拠だけでもないのかなという印象があります。
 また、先ほど磯部委員からもご指摘があったような、法の構造というか、何を目指す法なのかというところが、諸外国と日本は異なります。日本の法律はどうしても愛護管理、人間の行為に関してのタイトルになっているというところと、諸外国では動物福祉ということで、動物に主体があるような表現をしている法律になっていますので、日本の愛護管理法も、英語名がAnimal Welfare Actになっているのを最近私も知って、そうなのかと思ったんですけれども、どちらを目指すのかによってやっぱり少し考えが異なるとは思います。ですが、あえてここで数値としては、やはり先ほどからお話が出ている7週というところを最低ラインに持っていければと思いますし、行く行くは8週齢、そしてできればその数値をつけることとともに、輸送やその間のケアに関しても少し具体的に規制内容等を盛り込めるのがいいのかと思います。
 以上です。

【林委員長】 輸送等について、また具体的にどうするかというのは置いておいて、7週か8週の中での意見をおっしゃっていただきました。

【井本委員】 この販売というのを、ブリーダーから一歩でも出るところをいうのか、それとも一般の市民に販売することをいうのかというのを明確にしておかないと、ものすごい混乱が起こると思います。それは、恐らく野上委員が言われたようなトレーサビリティをしっかりブリーダーの時点からやるというのは僕も大賛成ですが、それを明確にするためにも、販売という言葉の意味をしっかりすべきだろうと思います。理想を言えば、母親から離れる時点を、8週がちょっと無理にしても7週の方がいいだろうと思います。欧米には8週という数字があるのですが、向こうの犬たちはちょっと大きいですから、日本の小型犬と比べて印象が違うんですね。小型犬の場合には7週でも何とかいけるけれど、大型犬はちょっと7週ではかわいそうだろうという印象があるんですね。そういうことを申し上げているんですが、ここでこの販売というのはどの時点を言っているのかというのをはっきりさせておいた方がいいと思います。

【林委員長】 そうですね。11ページの別表を見ていただいても、アメリカ合衆国の連邦法は、ブリーダーからほかのところに行く、つまり仲介業者に渡されてはならずと書かれていますので、これはブリーダーを離れるところが8週なんですね。ところがイギリスの法律は、犬の飼養及び販売に関する法律について言えば、愛玩動物店もしくは飼養業者に対して以外はと書いてありますから、これは一般の人に渡されるときが8週という言い方になっているんですね。だからもしこのまま読めば、ペットショップに行くのは8週齢前でもいいことになります。
 はい、どうぞ。

【水越委員】 ほとんど井本委員と意見が同じなんですけども、加隈委員がおっしゃったように、いろいろな文献は私も読み、文献的には7週齢ぐらいかなと思ったんですけども、でも、それもほとんどは母親から離れたというようなところで書かれているんですね。販売なのか母親から離したのかどちらのポイントにするかということを、私が初めに質問したときに、販売だというふうにおっしゃいました。じゃあどの時点の販売なのか。太田委員から出た資料にもありますように、ほとんどの場合、ブリーダーからオークションというか、仲介業者を経てまたペットショップに、そして飼い主のもとに行くのが7週齢、8週齢ということだと、その間に一つ二つ入ってますので、当然ブリーダーから離れたときにはそれこそ何週齢になるのか。あるいは本当に、何週齢で離してもいいからとりあえず飼い主さんのもとに行くのが8週齢というと、特に私は行動の方をやっているので、意味がないかなと思います。井本委員がおっしゃっていただいたようにきちんと定義をしないと、この数字というのは生きてこないのではないかというふうに思います。

【林委員長】 それはそのとおりです。ですから、さっきから繁殖のところなのか、それとも販売のところなのかというのを、その販売も一般の方に飼い主に対しての販売と、途中の間でいろいろな販売があるとすれば、どこを言っているのかということです。一番わかりやすいのは本当は行動学的にいうと母犬から離す瞬間をいうのが一番いいんですけども、それはそれでなかなか法律的には難しいのかなという感じがしておりますので、ここの場合は、一般の方に販売するときは8週齢というイギリスの法律ぐらいの感じかなと個人的には思ってます。

【山口委員】 私も同じで、販売のときに8週齢というと、本当にいつ離したかわからない。もっと前の段階で、あのガラス鉢の中に2週間いるかもしれないんですよね。行動学的なことやワクチン接種等のいろんなことをいうのであれば、やっぱり親から離すときが何週齢か、あるいは何日齢かという規定をしないといけない。ブリーダーから直接販売の場合もあれば、間に競り市が入ってペットショップということもありますので、一番わかりやすいのはブリーダーさんところに何日齢、何週齢まで置いておかなきゃいけない、親から離してはいけないということが一番わかりやすいと思うんですけれど。

【林委員長】 そうですね。本当にできるのかどうかですけれども、販売とかというようなことじゃなくて、幼齢犬猫は母親と8週齢までいなければならないという、そういう法律になるということですね。

【山崎委員】 私も同じ意見になるんですけれども、トマトやキュウリみたいなこと言って申し訳ありませんが、出荷年齢、出荷日齢ということになるのかなというふうに思うんです。要するに出たというところで……。

【林委員長】 ブリーダーからですね。

【山崎委員】 生産業者からということですよね。というのは、ペットショップなんか見てみますと、大分自主規制ができているところもあるんですが、非常にきれいなペットショップで、そしていわゆる8週齢未満の子犬が展示してあるんですが、「子犬の福祉のために、この子犬は今お買いになっても何月何日まではお渡しできません」みたいなことを書いて売っているショップにも私は遭遇したことがございますので、そうなってしまうと本末転倒ということになると思います。

【林委員長】 わかりました。資料の3の1ページ目の現状の細目のホに、幼齢な犬・ねこ等の社会化がありますが、ここの適切な期間を7週間とか8週間と書けばこれでおしまいになっちゃうんです。7週間、親、兄弟姉妹とともに飼養又は保管することとすれば、非常に簡単な訂正で終わります。

【井本委員】 太田委員にちょっとお聞きしたいのですが、普通、ペットショップの方がお買いになる前には、母親犬から離れて、大体どれぐらいの日数かかってお手元に行くんでしょうか。

【太田委員】 仕入れの日にちと販売の資料がここにはいっています。

【事務局】 若干の資料であれば、今日お配りしている資料3の12ページに、犬猫流通販売日齢というのがございます。事業者さん側の販売日齢、それから一般の方が購入された販売日齢というのがその次のページからお示ししております。12ページ以降です。
 資料の3は今まさにご議論されている幼齢動物の資料でございます。

【太田委員】 この資料とは別に、前回資料として提出された中に犬猫の流通販売日数がありますが、犬と猫に関しては約5日のずれがあります。犬の方が早いんですね。
 この中で、犬に関してはオークション市場で40日から45日というのが全体の6割。45日から50日が16%というような数字で、平均しますと44、5日くらいです。これがペットショップに入って売られると、平均して約1週間くらいのずれがあります。ですから、早いのは仕入れてから2、3日で売れるのもあるし、遅いのは仕入れてから2カ月たってしまうのもあるというのが現状です。これを猫にしますと、仕入れが40日から45日が38%になっております。しかし、今日の資料と見比べますと、大分数字の差があるんですね。今日の資料を見て、果たしてこれが現状かなと思ったんですけども、例えば猫の仕入れですが、非常に幼齢の猫がここで大きな比率を占めていますね。

【林委員長】 昨日の資料ですね。

【太田委員】 猫は40日以下のものが相当大きな3割とか4割とか占めた数字があると思うんですけども、本当にこれは現状と比べて全くかけ離れている気がするんですね。資料が16ページにあります。

【林委員長】 資料3の16ページに、一般の方が購入した日にちを書いているんですが、トータルで相当な数が39日以下になってます。この数字はどこから出てきたんですか。

【事務局】 この16ページの資料は、一般の方にアンケートしています。一般の方に、まずいつ購入したかを確認して、それが15ページの方に出ています。これは平成14年から21年まで聞いているんです。その次の16ページは、今現在どのくらいの期間の子を買ったかというのがちょっとわからない部分になっています。つまり、15年とか16年に買った人も、当時35日で買ったとかいうふうに。

【林委員長】 わかりました。平成14年、今から8年前ぐらいですか。8年前にはひどい状態があったかもしれないということですね。それがここに含まれているから、こういう39日齢以下のものが出てきているんだというふうに考えれば、つじつまが合います。

【事務局】 例えばここ2カ月で買ったらという前提で聞けば、もうちょっと数値がよくなるかもしれません。

【林委員長】 そうすると、法律が有効に効いているというふうに思えば、大変この法律はいい法律だということになりますよね。

【太田委員】 一つの資料では40日弱が34%。一つの資料では40日以下の猫が0.04%。非常に大きな数字のギャップの差がありますので、この辺は誤解のないような資料じゃないといけません。17ページを見ますと、幼齢動物がうんと販売されているというような錯覚に陥るので、資料の確認はもう1回しないといけないかなと思います。

【林委員長】 はい、どうぞ。

【打越委員】 もとのところに話を戻しまして、数字をどうするか。座長は7週か8週というふうにおっしゃったんですけれども、検討する数字はそれだけでしょうか。

【林委員長】 それ以外の数字が出てきてないからです。

【打越委員】 私は45日。そのかわり目安ではなくて、絶対45日以下で親から離したら営業停止するという、そういう数字です。

【林委員長】 罰則はどうするかですけども、目安というのは本質的には使わないです。だから数字を出すだけなんですけども。

【打越委員】 それで45日ですね。12ページの資料を見ますと、[3]が生産業者から小売業者に渡る、ブリーダーからペットショップに渡るというのがこの[3]のタイミングになりますよね。その[3]の中ですら、売られるのは40から44日というのが犬の場合は半数を占める。猫の場合も3割を占めるわけです。ここを45日以下は絶対に禁止という規制にすれば、ここが全面的に努力をしなければいけないことになってきます。これだけでもかなりの努力を強いるものになるでしょうし、これを7週というふうな話にしてしまいますと、この三つ目のオレンジ色ということになりますので、犬の今[3]に当たっているところ、52%プラス41%、要はほぼ100%全面アウトという形になってしまいます。ですので、目安でなく確実に守らせて、それ以外は許さないというのであれば、45日を規制基準にすることを私は考えます。

【林委員長】 はい、わかりました。目安という意見はないですね。要するに45日か7週か8週かどれか、というご意見でいいですね。
 ほかに何かご意見ありますか。これは、繁殖のつまり母親と切り離すときなのか、それとも販売のときなのかという二つのやり方があるということもありますけど。

【野上委員】 犬猫以外の動物についても、やはり原則として幼齢動物を販売しないということがここに書かれていますが、種によっていろいろ違いがあると思います。ですので、やはりガイドラインをつくって、それぞれの種についても専門的な知見を集めて、ある程度の目安ができるようにしていくというのが今後必要ではないかと思います。

【林委員長】 はい。それは法律改正とは別に専門家にもまず調査が必要ですね。

【野上委員】 もしそういう数値をつくるのであれば、犬猫以外の動物についても当然考えていくということになりますから。

【林委員長】 わかりました。そういう作業が必要だというご提案です。後30分しかなくなったので、もう一つの論議をどうぞ。

【山口委員】 日齢か週齢かについてです。45日というふうにおっしゃいましたけども、臼井委員の方からデータを示されて7週から9週の間というふうに先ほどおっしゃいましたので、やはりデータに基づいて、科学的根拠に基づいて決めた方がよいように思います。

【林委員長】 科学的根拠は先ほど加隈委員がおっしゃったように、7週というのが一番可能性が高い根拠だということです。
 よろしいですか。

【太田委員】 科学的根拠の一例として、現在、日本では、保険が大分進んでおります。現在約50万頭くらいの犬が保険に加入しています。日本で一番大きなアニコムという会社、それと2番目のアイペットという会社が保険で8割方を占めておりますけれども、例えば40日以下の販売した犬と、80日以上で販売した犬の、人をかんだとか犬同士けんかしてかんだとかということを保険で支払った金額の資料が来ています。これを見るとほとんど差がないんですね。科学的根拠の一つとして、その資料が必要というなれば手元にありますので、お配りしたいと思います。

【林委員長】 わかりました。それ以外の問題行動もたくさんありますが、犬の場合は特にかむというのがありますので、一つそういうデータがあるというご紹介です。
 話はこれで大体終わりにしたいのですが、よろしいですか。幾つかの意見が出て、相当深く論議はされたと思います。
 残りが非常に短いんですけれども、次に繁殖制限措置と飼養施設についてご説明いただけませんでしょうか。

【事務局】 それでは、ごくごく簡単にご説明申し上げます。
 資料4と資料5でございます。
 資料4、繁殖制限措置でございますけれども、現在、法律の中では、細目の第5条第3号イで、幼齢の動物、高齢の動物等を繁殖の用に供し、繁殖させないことというふうに書いてあります。それからそのロで、みだりに繁殖させることにより母体に過度な負担がかかることを避けると書いてあります。一番最後に、必要に応じ繁殖を制限するための措置を講じることというふうに記載してございます。
 2番、主な論点でございますけれども、具体的数値規制を設けるか否か。犬猫とするのか。具体的な数値としては、最初の繁殖可能の週齢。繁殖させる年齢の上限。繰り返し繁殖する場合の休止期間。それから一生のうちで何回かといったことが考えられます。
 それから3番、問題点ですけれども、やはり繰り返し繁殖させる場合には母体への健康影響に配慮する必要があること。それから、記載してございませんけども、年齢的に若い、あるいは老齢という場合にも、繁殖する年齢に対しても配慮が必要ということです。
 主な意見としては、動物愛護団体は母体への影響。業界団体は自主規制ということでございます。
 それから、科学的知見を幾つかつけてございます。犬については、品種によって成熟する早さが異なる。小型犬では比較的早い、大型犬では比較的遅い。それから発情周期も品種によって異なるということでございます。
 多くのやり方としては、一度出産した後は1回見送るなどが考えられるということです。
 続きまして、資料5、飼養施設ですが、現状としては、やはり同じく細目の中に(設備の構造及び規模)というところで、ケージ、あるいは職員の数について書いてあるんですが、数値的な規制の記載は少ないわけです。4ページ目の主な論点ですが、具体的な数値規制を設けるか否か。犬猫とするのか。それから、数値規制を設ける項目、ケージの大きさ、動物の数、段重ねについて検討する必要があるのではないかということです。
 それから、3番、主な問題点として、この委員会の中でも先ほども出ましたが、数値規制がないと事業者さんに対する行政の指導の徹底が困難ということがあると思います。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。この点について、どうぞ、打越委員。

【打越委員】 早退しなければならないので、ケージの大きさの件だけ申し上げます。私は、数値を入れてもいいのではないかというふうに思います。数字を入れるということが現場の混乱をなくすならばそれを明記する。そのかわり高い目標数値を入れるのではなくて、最低限絶対にこれ以下は許さないという形で数字を入れることに、私は賛成します。

【林委員長】 ケージの大きさについて数値を入れるということですね。水越委員、どうぞ。

【水越委員】 私もケージの大きさについて数値を入れるのは賛成なんですけども、飼養施設について、いわゆる展示と繁殖というのは別にしていただきたいと思っております。というのは、展示というのは当然1頭というふうに考えていると思うんですが、繁殖に関しては子犬が当然おります。もう一つ科学的な知見として、猫やネズミしか文献はないんですが、妊娠期のストレスが生まれてくる子供の気質等に非常に影響するという知見がございます。それを考えると、やはり繁殖場での施設基準は当然展示よりもより厳しくというか、別途考えるということが必要じゃないかなというふうに思います。
 また、繁殖制限措置については、科学的知見でというのが本当に難しいところではあるんですけども、先ほどの話にもありましたように、繁殖犬の登録というか、どこの繁殖場にどういう繁殖犬がいるのかを把握できるといい。というのは、太田委員からも、山に捨てていっちゃうという発言がございましたように、誰が捨てたらわからないというのは、問題だと思います。これは愛護法との関連からいっても非常に問題だと思いますので、そちらの方を入れていただきたいというふうに思っております。

【林委員長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。はい、浦野委員。

【浦野委員】 打越委員が指摘したケージサイズの件なんですが、先ほどの何週齢でというのは、離乳の時期が相当するであろうということで科学的根拠に基づけると思いますが、ケージサイズについては、僕の知る範囲では適正なケージサイズというのは科学的根拠として打ち出されてない。したがって、打ち出されてない状況の中で数値を出してしまうと、動物の愛護とか管理ということじゃなくて、規制のことだけを考えて数字を出してしまうということで、本末転倒ではないかというふうに思います。

【林委員長】 ありがとうございました。はい、野上委員。

【野上委員】 この飼養施設については、まさに動物福祉の原則である五つの自由の中の行動の自由が非常に問題になってきます。実際、繁殖業者の施設等に行きますと、犬が身動きもできないような狭いところに入れられて、ほとんど一生の間いるようなことがしばしばあります。ですので、ケージの大きさは最低ラインを定める必要があると思いますが、最低であればそれで十分だということで、全部最低ラインになってしまうおそれがあります。かつて動物園の危険動物の基準のときに、中川志郎先生が、「最低ラインを決めるとみんな最低ラインに倣って、それより上の大きさにしようという業者がいなくなってしまった」ということをおっしゃっていました。ですので、最低ラインのほかにも推奨ラインというようなものが別途必要ではないかと思います。
 数値については、例えば、客観的に判断できるものは幾つかあります。騒音とか、明るさとか、湿度とか、悪臭とかはそれぞれ法律もあります。騒音防止法や悪臭防止法、消防法という法律もありますし、建築基準法もあります。さまざまな他法令で規制されているにもかかわらず守っていない業者が非常に多い現状があるので、例えば騒音については騒音計を設置するとか、悪臭についてはアンモニア濃度計を設置するとか、科学的に判断できるものがあります。家畜福祉のガイドラインのときにも、アンモニア濃度計で計るというようなことを言われていましたので、公衆衛生の観点からも適正な数値基準をつくる必要があるというふうに思います。
 最も重要なのは、多頭飼育の制限ということで、1人当たり50頭とか、60頭を飼っている繁殖業者というのはざらにいるわけです。これはいわゆるパピーミルということなのですが、どう考えても1人の人間が50頭、100頭の犬を適正に飼育できるはずがありません。ですので、1人当たりの飼育頭数の制限というのをここで設ける必要があるのではないかというふうに思います。
 それから、飼育環境についても、今は実験動物でも環境エンリッチメントということが言われています。動物園ではもう既に言われていることです。しかし、繁殖用の犬についてはそういうことを全く考慮するものがないというのはおかしなわけです。すべての動物について、行動上の自由と環境エンリッチメントを図ることを明記すべきではないかというふうに思います。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございます。これについては、先ほど山崎委員からご紹介いただいた、オレゴン州のアクトがかなり参考になりますね。

【山崎委員】 数値規制は、動物大中小とさまざまございますので、非常に難しい部分があります。オレゴン州はこれを出してますけれども、アメリカ、英国などでもよく見られる、「動物の体に対して、自由に立ち上がり、首を曲げずに立ち上がり、そして座り、寝転がることができる。寝転がったときには動物の鼻先及びしっぽの先、両前足、後ろ足等がクレートあるいは飼育施設の端に触れない」というような、具体的に動物の体を基準としたものがここに書かれております。複数で入れる場合には、体高が最も高い動物の頭よりも6インチ上とか、具体的に何頭入れるかということよりも、中に入っているものを基準としてやるということです。
 それから床に関してですが、実は大きさ以上に大切です。犬猫だけではなくて、モルモットとかウサギに関しても申し上げられることなんですけれども、網の床は福祉基準として非常に問題があるということで、このオレゴン州のパピーミル法に関しましては、solid floor、つまり網の上では飼育は禁止となっている。もう一つは、高床式の場合には地面から42インチ以上離れてはならないなど、高床式の制限もございます。非常に細かく書かれていますので、具体的な動物の体を基準としてやっていくという方法が一番正確にできるのではないかなというふうに思います。
 繁殖制限に関しましては、一つの施設当たり、避妊去勢してない犬を何頭飼えるかという具体的なルールもございますけれども、それ以外に非常におもしろいのは、一番最後の部分です。最終的な飼養者というか、購入者に対して出さなければいけない情報が列挙されていてそれも大事ですが、最後の列挙しなければいけない情報の一つが、横線の間に入っている。この一つをいずれかにチェックをして渡さなければならないというふうになっていますが、The facility in which this dog was born has producedと書いてあり、1、2、3、4と書いてありますね。この犬を繁殖させた施設においては、この犬が生まれた日から遡ること1年間の間にゼロから2胎児が産まれている。3から4リターが産まれている。11から39リターが産まれている。すなわち、その子犬を出した繁殖業者が1年間に同胎児を何腹出しているかということの情報を添付しなければならない、最後に購入する側がそのあたりの教育を受けるべきであるという概念も書いてあります。
 要するに、総合的に相手も教育する。動物の体に合わせた形でケージ等の大きさというのを決めることも大事だと思いますが、同時に、先ほど水越委員がおっしゃったように、展示、繁殖、出産及び子育て、そしてもう一つは移動が大事なんですね。英国などの動物園法では、動物を移動させる場合にはこれぐらいの大きさ、パーマネント・ステーションをつくる場合にはこれぐらいの大きさというふうに変えてありますので、そういった細目もつくっていく必要があるのではないかなと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。基本的にはこのブリーディングのところの条件が非常に大切で、その一部、例えばケージがどうというのは、その状況の中に適用できるかという意味では、今ご紹介いただいたものが一つの基準になるかなということですね。それから、これは日本の繁殖業界にとってはハードルが高いですか?どうなりますでしょうか。ハードルが高くてもやらなきゃいけないのですが、何がどこまでできるかということも問題です。

【山崎委員】 もう一つ加えておきたいのです。

【林委員長】 はい、どうぞ。

【山崎委員】 レギュラーエクササイズ、運動をさせるべきということもございます。ここには運動の時間もきちっと書かれていますし、運動の定義がされているんですね。primary enclosure、すなわち生活をしている居住空間から出すことが運動であるということと、トレッドミル等を使う場合には、獣医師の指定があったときのみというふうになっています。普通に動かすことが運動なのですが、結構トレッドミルとか使っているところがございますので、それはだめだということです。ただ、獣医師がそういうものを使えと言った場合のみ許可をするということです。

【林委員長】 これは相当困難な高いハードルですけども、できますか。

【太田委員】 理想ですね。

【山崎委員】 理想ですか。

【太田委員】 現状は大変厳しいです。

【林委員長】 ほかにご意見、ご質問ありますか。どうぞ、はい。山口委員。

【山口委員】 私は、繁殖制限に関しましては、やはり母体を守るという観点から数値は入れていただきたい。何回とか、最初はどれぐらいからとか、最終の年齢ぐらいまでは入れていただきたいなというふうに思います。
 それから、飼養施設の方ですけれども、確かに山崎委員のおっしゃったような「五つの自由」をもとに、動物がその中でどう暮らすかということを書くことも必要だと思うんですね。動物のニーズに根差した書きぶりは必要だと思います、ただ、やはり公衆衛生上関係あるようなものについては、数値を入れないとチェックしにくいだろうと思うんです。今、ブリーダーあるいはペットショップさんの方も、周りからの苦情で、臭気や騒音等で寝られないとかで、結局、生活環境汚染で裁判にまでかけられるところがあったりするわけですから、この辺に関してはやはり数値をきちんと入れて、チェックする。数値を入れない限り指導もしにくいだろうと思います。一つのケージなり建物なりにどういう状態で動物がいて、かつ何頭以上はだめというふうなことです。かなり詰め込み状態で飼われていることが多いものですから、その辺も数値は入れていただければ、自治体の人も指導しやすいのかなというふうに思います。
 それからもう一つ。これを決めていただいても、とにかく、いかにそれを守らせるかというシステムを立ち上げない限り法律は動きません。でつくっても無駄ということになりますので、ぜひそれをお願いしたいと思います。

【林委員長】 ありがとうございます。それはまた今日とは別のところで話をしなければいけません。例えば動物愛護推進員がもう何年か前に決まっていますが、動いてないとかいろいろあるわけです。これはまた別の問題ですが、ここは繁殖業界、ペットの小売業界できちっと守るようなものをつくっていただくわけです。一般の飼い主でも、犬にとって非常にアンハッピーな飼い方をしている人がいっぱいいるのではないかと思うんですが、どうやって取り締まるのですか。業界だけが悪いというものじゃないでしょう。

【山口委員】 でも、私たちは逆に業界だけのことを言っているわけではなく、一般の飼い主のひどい飼い方も取り締まるべきだと思ってますし、愛護団体という名のもとで多頭飼育をして、周りに自分はいいことをしているとおっしゃいながらも、周りに大変な迷惑をかけている方々もいらっしゃる。その方々を私は愛護団体とは思いませんので、そういう方々も同じようにやはり規制はされるべきだというふうに思います。

【林委員長】 例えば関西にそういう方がいると私も聞いてますけども、大体において、動物愛護団体は動物取扱業となってないですよ。愛護団体自身がやっぱり動物取扱業になるべきなんじゃないですか。でなきゃ取り締まれないですよ。それはちょっと今日の話とはまた違うんですけども。そういう実態があることは私も承知しています。はい、どうぞ。

【渡辺委員】 数値を入れることは、業界の方にとっては大変なことだと思います。それから山口委員が今おっしゃったように、一般飼い主のことも、愛護団体に対しても規制を設けることは大きなかせになると思います。ただ、それを恐れることなく取り組んでいきたいと思うんです。なぜなら、やはり私たちが扱うのは品物ではなく命なので、ちょっとぐらい高いハードルでも、みんなで立ち向かっていきたいという理想があります。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。ほかにこの件について、いかがでしょうか。磯部委員、そして山崎委員。

【磯部委員】 先ほど来、法の実効性担保の話が出ていますが、性質の違う話が混在しているように思います。一般に罰則というふうにおっしゃいますが、いわゆる刑罰を科すということと、行政的措置として営業停止命令を科すというのでは、全然法的性格が違うわけです。さらに、営業停止を命じたのに言うことを聞かないでまだ営業しているというような場合に、強制的に営業を停止させるための強制措置となると、これはそんな予算も人員も居ない、手足がないという問題もあるでしょうが、法律論的にもかなり面倒なことになるわけですね。とくに行政の現場ではもっと緊急の用事がいくらでもあるではないか、動物愛護の問題にどれほどの緊急性があるのかというようなことになるわけです。
 ですから、この辺のところは規制の実効性担保手段として、何が一番効きそうなのか、よく考えておかなければならないと思います。たとえば、業者性悪説に立つようで恐縮ですが、多少の罰金なんかくらっても平気な業者が多いのか。そもそも罰金というものを含め、要するに刑罰というものは、過去にやったけしからん違法な行為に対する制裁なんですね。だから普通の人ならば、一度罰金を科されると、あるいは自分が科されないでも、他人が罰金刑に処されるのを見ていれば、過去に向かってではなく将来に向けて、自分が罰金をくらったら困るから、やっぱり法を守ろうというふうになるわけですが、なかには違法行為による儲けの方が大きくて、罰金を払った方が安く済むなら、その方がありがたいという人は平気で払うわけです。
 そういう人に対して、将来に向けて法を守らせるための措置というのはまた別途行政的な強制手段が必要でして、そのためには基準を守るまで1日につき100万円払わせるなどの制度があればよほど効果的になるでしょう。しかしそういう間接強制的な制度はなかなかできないことになっております。代執行もできそうもないですし、いったい実効性確保手段として何が効きそうなのかという問題については、また別の機会に一度議論する必要があるかなと思います。

【林委員長】 ぜひこれはこの小委員会でお話ししなきゃいけないなと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。はい、山崎委員。

【山崎委員】 今日はちょっと永村委員が見えていないので伺えないんですけれども。法律の中で繁殖制限をするべきではないという意見ではないのですが、一つの参考事例として聞いていただきたい。たしかオーストラリアのケンネルクラブだったと思うのですが、いわゆるピュアブレッドの非常に品質の高い子たちをつくるためには、連続繁殖では決していい子が産まれないという概念から、たしか血統書を出すのは連続2腹までなんです。3腹目がきたら、もう血統書は出さないんです。要するに3回も連続して発情がくるたびにかけるというのは良質な犬をつくろうとしているブリーダーではないということから、血統書を発行しない。こういう形で、これは一種の自主規制になるのかもしれませんけれども、例えばJKC等がご協力いただくという道も、非常に私は有効だと思います。

【林委員長】 おっしゃるとおりですね。先ほど磯部委員のご質問にもありましたが、本当にこの法律を有効に運用していくためには、例えばペット小売業界が育っていくとか、JKC(ジャパンケネルクラブ)がきちんと登録団体として成長していくことなどが必要ですね。今会員がどんどん減っていって、JKCなどは困っているんですね。そういう意味では、法律を厳しくしていくとそういうところをどんどんつぶして、暗黒の世界にしてしまうようだとかえって逆効果だということも、僕らは考えておいた方がいいだろうと思います。そういうこともぜひ小委員会から要望できるような状態にした方がいいだろうと思います。実際にそれが非常に有効な方法の一つだと思います。
 もう一つ、磯部委員が指摘された点について言いますと、取り締まる行政官がしんどいだろうと思います。手がないというか、本当に今、地方行政も大変ですし、それだけじゃなくて、取り締まる対象者の中に怖い人がいるということがやっぱり大きな要因になっているだろうということも、あまり表に出せない話ですけども、あると思います。
 はい、どうぞ。

【加隈委員】 すみません。今ちょうど林委員長からのお話があったとおりなんですけれども、諸外国の法制度は確かに立派ですばらしく、細かく決められていた内容が、米国の規則などもかなり入っています。例えば私が知っているイギリスの例であれば、RSPCAのようなチャリティー団体がかなり手足となって動ける人がいるという現状があって、また、その場で虐待なり不適切な飼い方をされていた動物をちゃんと保護できる場所があってこその前提で、動物たちが現実にいるときに、じゃあ誰がそれを保護するのかというところまで考えなきゃいけないなというのが、保護団体に規制をかけるということに関しても、問題になると思います。実際、例えば国内でのチャリティー団体が、どこまで関われるのかということと、日本の場合は行政でほとんどやろうとしているということですが、行政でそれができるのかということを、少し行政の方に伺ってみたいなと思っています。

【林委員長】 斉藤委員は行政の代表という形で出てらっしゃいますけども、実際に実効性のことについて論議するときには、ほかの都道府県の方たちのご意見もあらかじめお聞きいただいた上で、どこかでまたお話ができたらというふうに思いますけれども、よろしいでしょうか。

【斉藤委員】 確かに行政的に指導していくという中で、この部分で数値が出ると非常にやりやすいということはそのとおりかなというふうに私も思います。勧告をして改善命令をかけていくというスタイルでいくわけですけども、その中でも根拠というものがしっかりと明確でないと進めにくいことがあるのは事実でございます。
 それから、もう一つは、私たち行政がいろいろなもので規制をする上で数値基準による規制を行っていくことも大事ですけれども、先ほどからお話があるように、推進員を使ったりするなど、いろいろな面で業界を指導していくという両方の体制がないと、このことはなかなか進んでいかないのではないかというふうに思ってます。

【林委員長】 ありがとうございました。この二つの件は、主に繁殖と保管を考えますと、ペットショップといった場所が考えられるわけですが、そこでの制限については課題であります。ほかに何か今まで出た以上のご意見はありますか。どうぞ、野上委員。

【野上委員】 この議論はタイトルを犬猫に限っていますが、現実の政令や告示は、飼養動物全体について言っているわけです。ですので、いずれはさらに動物の種ごとに細かいガイドラインをつくって、適正飼育のあり方を示していくというようなことが啓発普及のためには必要ではないかというふうに思います。

【林委員長】 ありがとうございます。今日は主に犬猫についての話をしていますが、ほかの動物にも共通するところでガイドライン等をつくる必要があるのではないかと、そういうご意見です。今日の議論についてはどこかで整理しなければいけないのですが、今すぐにはちょっと整理できそうもないですので、後から事務局と私の方で整理させていただきたいと思います。

【西山室長】 本当は冒頭にお話ししたとおり、それぞれの会議の中でその会議の結論が出ると一番いいんですけれども、なかなかそうもいきませんので、昨日今日の話は後日事務局の方で合意が得られたところと意見が分かれているところがわかるようにまとめさせていただいて、委員長にご相談の上、各委員の方に直接ご連絡したいと思います。昨日今日の議論をまとめるためだけにまた改めてお集まりいただくということは考えておりませんので、次の小委員会は次の課題ということになりますけれども、その中でこれまでのことについて確認するという場面はあっていいかと思ってます。

【林委員長】 ぜひそういうことで、よろしくお願いいたします。

【事務局】 6回、7回の日程についてご説明申し上げます。次回の第6回が11月8日月曜日、10時から12時まで。第7回が翌日、11月9日火曜日、10時から12時まで。場所はこの会場を予定しております。

【林委員長】 承知いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは事務局にお返しいたします。

【事務局】 それでは、長い時間ご審議いただきましてありがとうございます。これをもちまして本日の小委員会を閉じさせていただきます。ありがとうございました。

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