中央環境審議会動物愛護部会 第2回実験動物小委員会議事録

1.日時

平成17年10月26日(水) 午後2時00分~午後4時07分

2.場所

環境省第一会議室

3.出席者

林 良博 委員長
清水 弟 委員      前島 一淑 委員
池田 卓也 委員 浦野 徹 委員
鍵山 直子 委員 柏木 利秀 委員
篠田 義一 委員

山口 千津子

委員
泉 総務課長

東海林 動物愛護管理室長

<ヒアリング関係者>

国立大学法人動物実験施設協議会

筑波大学生命科学動物資源センター教授 八神 健一氏

日本製薬工業協会
医薬品評価委員会 基礎研究部会長 佐神 文郎氏
基礎研究部会

務台 衛氏

社団法人 日本実験動物協会
常務理事 宮本 伸昭氏
福祉専門委員会委員長 田口 福志氏
福祉専門委員会委員

日柳 政彦氏
*正字(栁)

動物との共生を考える連絡会

代表 青木 貢一氏

4.議題

(1)
実験動物の飼養及び保管等に関する基準の改定に関する意見聴取について
(2)
その他

5.配付資料

資料1 ヒアリング対象団体一覧
資料2

各ヒアリング対象団体の意見概要等

6.議事

【事務局】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから動物愛護部会第2回実験動物小委員会を開催させていただきます。
 本日は、委員9名全員が出席しておりますので、規定により部会は成立しております。
 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。
 中央環境審議会動物愛護部会第2回実験動物小委員会という資料1のついた資料、それと、資料2、各ヒアリング対象団体の意見概要等の資料と座席表になっております。資料2につきましては、ページ13と14ページが差しかえになっておりますので、ご確認をお願いいたします。もし資料に不備がございましたら、事務局までお申しつけ願います。
 それでは、林委員長、よろしくお願いいたします。

【林委員長】 はい。それでは、ただいまから、第2回になりますが実験動物小委員会を開催いたします。
 本日は、実験動物の飼養及び保管等に関する基準の改定を検討するに当たって、関係団体の皆様からご意見を賜りたいと思います。
 それでは、まずヒアリングの進め方について、事務局からご説明いただきます。

【事務局】 はい。進め方でございますが、まず、関係団体の発言者の方から20分程度意見表明をいただき、その後、各発言者と委員の先生方との間で10分程度、質疑応答や意見交換を行ってくださるようお願いいたします。
 各関係団体の発言の順番及び時間配分につきましては、資料1に示したとおりでございます。ご発言等が終了した団体の皆様につきましては、恐れ入りますが、次の団体の皆様に席をかわっていただくようお願いいたします。
 なお、前回、小委員会でお示ししました関係団体のうち、全国動物管理関係事業所協議会につきましては日程が合わなかったため、4団体からのヒアリングとなります。
 以上です。

【林委員長】 はい。よろしいでしょうか。

(了承)

【林委員長】 それでは、ヒアリングを始めたいと思います。
 最初に、国立大学法人動物実験施設協議会、筑波大学教授でおられます八神さんからお願いいたします。どうぞ、前の方に。

【八神氏】 国立大学法人動物実験施設協議会を代表しまして、意見を述べさせていただくことにいたします。筑波大学の八神と申します。よろしくお願いします。
 まず、このような席にお呼びいただきまして、私どもの意見をお聞きいただけることになりまして、そのことに感謝申し上げたいと思います。
 お手元の資料を用意したのですけれども、今回、先の小委員会で公表されました基本的な考え方(案)というものに対して、対比させて意見をまとめてみました。
 これだけ見ると見にくい部分がありますし、重複があるのですが、委員の先生方には前回の資料の3にあります実験動物の飼養及び保管に関する基準の改定の基本的考え方(案)、これに沿って見比べていただければ幸いかと思います。
 まず、全体的な指摘事項を2点ほど挙げさせていただきたいと思います。
 第1に、生涯飼育動物である家庭動物の基準あるいは展示動物の基準、それから、生涯飼育することなく動物の生命を犠牲にして人の生活や健康維持に役立たせる産業動物や実験動物では、使用目的が全く異なると思われます。家庭動物の基準や展示動物の基準とは別に実験動物に特有な事項の差別化を図り、むしろ産業動物の基準との整合性が必要になってくるのではないかと考えております。
 それから、2番目としましては、実験動物の95%以上がマウスあるいはラットといった、げっ歯類の動物です。主に家庭動物に属する犬とかねこ、あるいは主に展示動物に属する霊長類、これらは0.5%に満たないという事実があります。ですから、今回の基準を策定するに当たっても、こういったげっ歯類がほとんどであるということをぜひ考慮していただきたいと思います。これは全体的な指摘事項です。
 次に、改定の背景及び必要性というところです。個々に意見として書かせていただきましたけれども、時間も限られておりますので、特に強調したい部分を太く、あるいはアンダーラインをつけてございますので、このあたりを中心に意見を述べさせていただきたいと思います。
 改定の背景及び必要性の部分では家庭動物の基準や展示動物の基準との整合性の確保となっておりますが、先ほど申し上げたとおり、動物福祉の基本理念で整合性を図るのは当然ですけれども、その使用目的が異なり、人との共生のあり方が異なる実験動物や産業動物に対しては、むしろその特殊性、あるいは家庭動物や展示動物との相違を明確にしていただきたいということです。
 それから、改定案の主なポイントの事項におきましては、実験動物生産施設における繁殖方法等を挙げたいと思います。実験動物や産業動物は合目的に繁殖する動物でありまして、家庭動物や展示動物でとかく問題とされる、偶発的な繁殖を制限する、つまり、家庭動物では原則として繁殖制限という立場をとっていると思いますけれども、これらの立場とは根本的に異なると思います。実験動物においては計画的な繁殖をするのが前提であり、それがきちんと達成できれば繁殖制限の規定は不要と考えております。
 それから、転用動物の使用上の配慮を追加することです。これは非常に難しいことですが、実験動物として本来生産された動物以外、つまり家畜からの転用とか野生動物からの転用というのが、非常にわずかではありますが現在もあります。転用動物の問題は今後少し検討を加えないと、規定することはなかなか難しいかと思いますが、これを機会に少し検討してはいかがかと思います。転用動物の定義自体の問題もあり、時期尚早という考えもあるかと思いますが、委員会でご議論いただければと思います。
 次のページにいきまして、輸送時の取り扱い。これは、特に休憩時間の確保という点が実験動物にとってはなかなか理解しがたい部分です。一般的な趣旨としては理解できるのですが、一般的な休憩が動物にとって休息になるとは限らない。特に実験動物の大半を占めるげっ歯類動物を想定すれば、輸送の途中に休憩時間をとったところでほとんど意味がない。むしろ、短時間のうちに早く輸送した方が動物にとってはストレスは少ないということです。休憩時間の確保は、実験動物の場合、当てはまらないケースが多いだろうということを指摘したいと思います。
 それから、改定案の骨子の基本的な考え方。この中には、例えば動物実験の意義とか実験動物の必要性についても書いていただいてはどうかと考えました。
 特に今回、強調して意見を述べさせていただきたいところは、その下の普及啓発の部分です。ここでは委員会とか指針の制定という部分に触れているのですが、これは、例えば「各機関およびそれらの業を所管する行政機関は関係団体と連携して、本基準が達成できるよう、必要な体制の整備に努めること」、こういったことを明記していただいてはどうかと考えました。というのは、委員会とか指針の制定という具体的な記述につきましては、むしろ今後作成される統一ガイドライン等で規定すべきであり、ここでは各省庁が連携してその体制をつくることの方が重要ではないかと考えた次第です。
 参考までに、その下に囲みをつくりましたけれども、これは遺伝子組換え生物等の使用等の規制に係る法律に基づいてつくられた各省庁合同の告示であります。この中には遺伝子組換え生物等の取扱いに係る体制の整備に関する事項がありまして、少し長いのですが、太字のところだけを読みますと、「遺伝子組換え生物等の使用等をする事業所等において……遺伝子組換え生物等の安全な取扱いについて検討する委員会等を設置し、……経験を有する者の配置あるいは教育訓練、事故時における連絡体制の整備」こういったことに努めること、と規定されています。すなわち、これらのことを全部まとめて、「体制整備」という言い方をしています。この基準で、委員会や指針と限定してしまうよりは、いろいろな関係団体あるいは行政機関が連携して一連の体制を整備する。そうすれば、今後検討されるであろう統一ガイドラインも、しっかりした基準の中での位置づけが確保できるのではないかと考えました。ですから、私たちは委員会や指針自体を否定するものでは全くありません。むしろ、これはぜひ必要だと思っているのですけれども、このような書き方をしていただいた方が日本全体として実効力のある委員会あるいは指針が制定できるのではないかと考えました。
 それから、その下の定義の部分、ここに機関の長の定義と責任の範囲がございません。実験動物の飼養・保管施設、これはそれぞれの機関の中で役目を担って存在するわけですので、機関の長の責任・定義をはっきりさせていただきたいということです。
 それから、施設の構造等において。この中に「日常的な動作を容易に行うことができる広さと空間の確保」、こういった書き方があります。基本的にこれに異存はないのですが、今後恐らく文書がつくられたときに、展示動物とは少しニュアンスが違うのかなと思いまして、あえて書かせていただきました。つまり、展示動物では生涯の生活の場であるのですけれども、実験動物の場合は正常な成長や生理機能に影響を及ぼさない範囲を逸脱しなければよいであろうと。つまり、実験の期間というのは、一生涯飼育するわけではないということをご理解いただければと思います。
 その下の実験動物管理者の教育訓練。これについては、実験動物管理者は「実験動物に関する知識や経験を有する者」と定義されておりまして、各機関において実験動物の適正管理に関して指導的な立場にある者だと思われます。したがって、実験動物管理者に対して機関内で教育・訓練をするより、行政的あるいは関係学・協会などが実験動物管理者を教育・訓練する制度が必要ではないかと思います。機関内で教育・訓練を実施する対象は実験動物管理者ではなくて、むしろ実験実施者及び飼養者であると考えます。
 それから、その下の動物の記録管理の適正化。これも基本的には異存はないのですが、この記録がどこまで具体的に求められるようになるのか、そのあたりが私どもとしては非常に気になるところでありまして、実験動物では個体管理する動物種と飼育ケージ単位で管理する動物種がございます。ですから、特定動物や特定外来生物で既にこういった個体識別とか個体ごとの管理というものが規定されているものに限定するのであれば、全く問題はないと考えております。
 次に、実験動物生産施設のところで、幼齢・老齢動物の使用制限、繁殖回数の適正化という問題があります。これは、実験動物では家庭動物や展示動物で問題となるような、偶発的な繁殖の問題はなく、基本的に計画的な繁殖が行われれば問題ないのではないかと思います。むしろ、非常に特殊な動物では、幼齢であっても、あるいは非常に繁殖が困難な動物であっても、今はそれを補助する技術、いわゆる生殖補助技術がありまして、体外受精や胚移植など、人為的に繁殖を図る操作も可能になってきています。ですから、一律にこういった規定をしてしまうと、そういった手段が取れなくなるという事情がございます。
 最後に、既に決められました家庭動物等の飼養及び保管に関する基準、それから展示動物の飼養及び保管に関する基準、それと対比させて実験動物の骨子案を並べてみました。基本的に、展示動物とほぼ同じ構成になっています。ですから、それぞれ骨子案のところに出てきている追加・変更事項も、概して展示動物の文章がそのまま入れられるのではないかと心配しています。先ほど来申し上げましたように、実験動物特有の問題を組み入れた文章としてまとめていただければと思います。
 以上です。

【林委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのプレゼンテーションに、委員の皆様からご質問あるいはコメントをいただけたらと思います。
 前島委員。

【前島委員】 非常に一般的なことを伺います。
 前のヒアリングのときにも国立大学法人動物実験施設協議会の説明があったので、改めて私が触れるまでもないと思いますが、これはいわゆる国立大学の医学部系の施設管理者がつくっている連合組織だということで伺います。国立大学では農学や理学部、あるいは文学部の心理学科等のいろいろなところで動物実験が行われています。それから、大学には公立大学や私立大学もあります。一般に大学全体の動物実験施設の管理者、担当者は大体国立大学施設協議会と同じ方向に意見が集約していくだろうという予想があるのでしょうか。それとも、これは自分たちの施設協議会だけでつくったので、ほかの組織の方向についてはそれぞれに聞いてくれ、というお考えでしょうか。

【八神氏】 立場上、非常に難しい質問ではあるのですけれども、私ども国立大学法人動物実験施設協議会は、ふだんから公・私立大学実験動物施設協議会という別組織とも日ごろから意見交換をしております。ですから、公・私立大学の状況についてもほぼ把握できていると考えております。
 また、医学部以外の農学部とか理学部、これも例えば私どもの大学では、動物実験の規程は全学の規程で、委員会も全学でやっております。ですから、医学系以外についてもほぼ把握できている。それから、今回いろいろ意見を一緒に議論させていただいた国動協の会員も、いろいろな立場で農学部あるいは理学部等の動物実験にかかわっておられる方が大勢見えますので、ほぼ意見は反映できていると考えております。

【前島委員】 ありがとうございました。似たようなことをあと二つほど伺いたいのです。もちろん八神先生も動物施設の管理者の立場と同時に、非常にアクティブに動物実験をされていて、一面として、動物実験者という立場があると思うのです。大学というのは、大部分は動物実験だけをしている研究者です。そうしますと、今後、今の国動協の結論というのは、管理者的な発想からすればこうだけれども、管理ということを考えないで動物実験だけを一生懸命やっている人たちも大体この方向にいくというふうに予想がついているのですか。それとも、それは動物実験者に聞いてくれ、ということになりそうですか。答えにくくて、えらく困ったような顔をされているのですが、いかがでしょうか。

【八神氏】 今回は実験動物の飼養及び保管等に関する基準ですので、基本的には実験動物の飼養・保管に限定した部分だと考えています。動物実験については別途、これから統一ガイドライン等で詳細が決められていくと思いますので、そのあたりの切り分けは、管理者であろうと、あるいは実際に実験を行っている研究者であろうと、ほぼ合意ができていると思います。

【前島委員】 もう一つは、動物実験委員会というのは、各大学にもう実際にはでき上がっていると思うのです。もちろん、先ほど八神先生が動物実験の基準ではないのだというようなことを言われましたけれども、実際問題として、この中ではある程度動物実験に踏み込んでいるわけです。それで、恐らくこれから文科省がつくるガイドラインにしても、恐らく環境省がこれから検討する省令にしても、やはり動物実験に絡んでくるでしょう。そうしたときに、今後の各大学の動物実験委員会は、国動協のこの案に大体近い線で意見が合意できると思いますか。もちろん、個々の委員がいろんなことを言うのは別問題として、大学の委員会としてこの問題をどういう方向にいくとお考えでしょうか。そんなことは答えられないというのだったら結構です。

【八神氏】 確かに委員会の委員というのは、普通、それぞれの選出母体がありまして、そこから選出された方が委員になりますので、委員会として組織化されたものではないと思うんですね。ですから、多様な意見があって当然で、委員会の考えを私が答えるのは非常に答えにくいのですが、私も自分の大学の委員会の他に学外の数カ所の委員会にも参加させていただいており、どの委員も、動物の福祉の問題が非常に重要であるという認識は高くなっていると思います。それから、関連する法令がどんどん改正され、今後統一ガイドラインができていくだろうということで、むしろその動向を注目していると。それが決まれば、もう、すぐにでも自分たちの委員会をそれに合った形に変えていかなければならないという認識を持って見守っている状況だと思います。

【林委員長】 はい。ほかにいかがでしょうか。山口委員。

【山口委員】 この動物実験委員会で動物実験の承認という、その中には学生の実習も含まれているのでしょうか。

【八神氏】 すみません。すべてを把握しているわけではありませんけれども、例えば私の大学ではすべての学部の学生実習も含んでいます。

【山口委員】 そうしますと、すべて学生実習はどこでどういうふうな、医学部だけじゃなしにほかの学部も含めまして、どういう実習がなされているかということは把握されているということと……。

【八神氏】 委員会の方で。

【山口委員】 はい。学生に対して動物実験に対する姿勢等、いろんな、まずは教育ですよね。そういうこともなされているのでしょうか。

【八神氏】 そこまでは、組織的には行っていません。それぞれ動物を使う実習がある場合、最初のオリエンテーションで何らかの形で教官が触れることになっておりますけれども、農学部とか理学部とかいろんなところで実習をやっておりますので、実際にどの程度のオリエンテーション、指導がなされているのかというところまでは把握できていません。

【山口委員】 先生の大学では把握されているということですが、これが国動協に参加されている大学すべて同じと考えてよろしいでしょうか。

【八神氏】 いや、それはそうじゃないと思います。

【山口委員】 はい。ありがとうございました。

【林委員長】 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。清水委員。

【清水委員】 この「95%以上がげっ歯類動物であり、」というところですけれども、犬・ねこ・霊長類に対して個別に配慮事項というのは、例えばどのようなことをイメージというか、どうでしょうか。

【八神氏】 例えば霊長類と犬とかねこというのは、人との信頼関係が築ける動物種です。だから、家庭動物にもなり、あるいは展示動物になることも多いかと思います。そういった意味で、一つだけキーワードを挙げるということであれば、順化が非常に重要だと思います。順化という言葉は基準の中にもどこかで出てきたと思うのですが、犬やねこや猿では、げっ歯類の動物に比べて順化という問題が非常に重要かなと思っています。

【林委員長】 よろしいでしょうか。鍵山委員。

【鍵山委員】 八神先生のご説明の内容にちょっと戻りたいと思うのですが、質問というよりは感想になりますが、これは実験動物の飼養・保管基準でございますので、ほかのカテゴリーの動物からきちっと差別化することが非常に重要であると。これは前回のこの委員会でも申し上げたとおりでございますので、先生の第1ページに書かれました「『実験動物』に特有な事項の差別化を図り、」と、この部分に関しては同感いたします。
 それから、次に、先ほど来質問になっております2ページ目の中ほど、普及啓発のところ、ここに委員会の話が出てまいりまして盛り上がっているわけですが、これは「本基準が達成できるよう、必要な体制の整備に努めることを明記する」と書かれていらっしゃいまして、この基準というのは飼養・保管でありまして動物実験に関する基準ではないという意味からすれば、一番大事なことは、やはり動物福祉に関すること、そのファンクションがきちっとそこでもって発揮されるようにするということで、その機能を発揮される一つの手段として委員会を設置するという、委員会はある意味でツールでございますから、ですから先生がご提案なされましたような、「本基準が達成できるよう、必要な体制の整備に努めることを明記する」という書き方が、そういった面では大変に私は同感できるわけでございます。
 ちなみに、例えば委員会というふうに具体的に書きますと、それは大学等におきましては容易なことであろうと思いますが、隣にブリーダーの代表もいらっしゃいますけれども、私が知る範囲で大きなブリーダーあるいは数人のブリーダーというところがあれば、委員会を設置するということを規定するよりは、むしろその本来の目的、ファンクションが発揮できるようにということをこの基準では書かれるのが結構じゃないかと思います。
 最後に、大事なのは自主規制の徹底ということでございますから、そういった意味ではその飼養・保管にかかわる責任の、機関の長の話がありましたが、その機関の長の責任をきちんとこの中で規定することが必要であろうと考えます。
 以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。

(なし)

【林委員長】 それでは、これで国立大学法人動物実験施設協議会からのプレゼンテーション並びに質疑を終わります。
 どうもありがとうございました。

【八神氏】 どうもありがとうございました。

【林委員長】 ご説明いただいたこと、また論議しましたことを今後の議論に生かしてまいりたいと思います。
 それでは、続きまして、日本製薬工業協会からお願いいたします。

【佐神氏】 日本製薬工業協会からまいりました佐神と申します。私、基礎研究部会長を務めております。それともう一名、務台と申します。私どもの基礎研究部会の中で、動物実験の適正化にかかわるタスクフォースのリーダーを担当しております。本日は、私どもにこのような機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、私どものこの基準の改定に関するご意見を申し上げたいと思います。
 ご存じのように、私ども日本製薬工業協会は新薬の研究開発を目指している企業の団体でございます。我々の主たる任務は、いかに早く患者様に医薬品をお届けするかということが団体を含めて大きな使命と考えておりますので、医薬品の開発におきましては、研究開発におきまして動物実験は不可避でございます。そういう観点で、今回、この基準の改定に対する、私どもそういう立場でコメントさせていただきます。
 このたびの実験動物の飼養及び保管等に関する基準の改定につきましては、先般の第1回小委員会におきまして示された基本的な考え方に対して、私どもとして基本的には異存はございません。ただ、以下の3点について、今後、ご検討の際にご配慮をお願いしたいと存じます。
 まず第1点は、先ほど来少し出ておりましたが、現在、関係方面で動物実験に関する統一ガイドラインの検討が進められております。この統一ガイドラインは、自主規制を支えて、自主規制についての社会的な理解を促進するために必要なものであると考えております。こういったことから、今回のこの基準の改定に際しましては、前記統一ガイドラインの動向を踏まえて、重複をできるだけ避けて、適正な動物飼養及び管理に重要な配慮事項に絞るようにお願いしたいと存じます。
 第2点ですが、実験動物の飼養及び管理の基準を検討するに当たっては、当然、科学性というのは重要であると思いますが、あわせて経済性にも配慮していただきたいと存じます。このような観点から、飼養及び保管の方法、施設の構造につきましては、科学的合理性と経済性を考慮して定めていただきたいと存じます。もちろん動物愛護の観点というのは非常に重要でございますが、それのみではなくて、こういう点もご配慮いただきたいと思います。特に動物の施設の構造等につきまして、「動物が日常的な動作を容易に行うことができる広さと空間の確保」という案がご提案されておりますが、これにつきましても、まだ科学的に広く合意を得た、そういう数値的なものというのはまだ十分に徹底されていないのではないかと思います。そういった意味では、この辺もご配慮をお願いしたいと存じます。
 第3点目は、実験動物は動物実験を目的に生産・飼育されているものでございますので、当然、終生飼育を目的としない点がペットや展示動物と異なっております。この提示されました基準案には実験終了後の措置が規定されておりますが、終了後の措置以外にも措置が必要な場合がございますので、このようなケースにつきましても対応できるような規定の整備をお願いしたいと存じます。
 例といたしましては、実験処置あるいは疾病または創傷等によって回復の見込みがない障害を被っている場合や苦痛が著しい場合、あるいは実験研究上の理由がある場合、あるいは実験不使用個体または退役個体が実験に適格でないと判断された場合、あるいは災害等の緊急事態により飼育・管理の継続困難あるいは逃亡の恐れが生じた場合など、こうした点も考慮していただきたいと存じます。
 私どもの意見は、以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまのプレゼンテーションにご質問、ご意見。浦野委員、どうぞ。

【浦野委員】 [1]の中ほどにあります「統一ガイドラインの動向を踏まえ、重複をできるだけ避け、適正な飼養及び管理に重要な配慮事項に絞るようにお願いします」ということについて、第1回のときの改正案の幾つか出ていますが、具体的にはどの辺をこれは指しているのでしょうか。

【務台氏】 必ずしも第1回でお示しなされた案についてというコメントではございませんで、今後、この委員会の中でいろいろ討議がされると思うんですけれども、そのときにこの点についてお願いしたいということでございます。

【林委員長】 よろしいですか。

【浦野委員】 ご存じのように、統一ガイドラインの方では主に動物実験の方を規制していこうという動きかと思いますが、そういう目からすると、この飼養及び保管に関する基準については、その重複部分というのはどこら辺に出てくるかなというふうに。漠然とでもいいのですが、ご意見があればと。

【務台氏】 漠然と、ということでございますと、先ほども話が出てまいっておりましたけれども、委員会の問題であるとかその辺が、我々の認識しています動物実験委員会というのはあくまで動物実験を自主管理していく委員会でございまして、飼養・管理はまた別の組織でやっている飼育施設も数多くございますので、委員会という組織体で飼養・管理と、何ていうか、委員会という組織体を考えるときに、飼養・管理の問題と自主規制で動物実験をやっていくというところが何か議論が重複してしまう、錯綜してしまうと困るかなと考えております。

【林委員長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。前島委員、どうぞ。

【前島委員】 ここに経済性と書いてあります。企業ですから当然のように経済性、その中には新薬の開発、企業の秘密とかいうことも含めて言われておられるのだろうと思うのです。私の両隣に福祉協会と新聞記者がおられます。恐らくこのお二人は日ごろ感じていることでしょうが、大学に比べて企業の研究所に何か問い合わせたときに、なかなかお返事をいただけないということをよくこぼしておられます。
 先ほど言いましたように、企業ですから当然だということはよくわかるのですけれども、製薬工業協会の今回のヒアリングの前に、このことについての情報公開だったら受けてもいいというような議論があったのでしょうか。もっと具体的に言いますと、せめてどういう種類の動物が1年間にどのくらい使われたかという問い合わせとか、あるいは、社内規則に定めて自主的に管理を進めておりますと書いてあるように、それでは、その基準を見せてもらえるのですかという取材なり問い合わせがあったとき、それはすべて企業秘密だと言って門前払いするというお考えなのですか。そこのところの議論があったかどうかということだけ教えていただきたいと思います。

【佐神氏】 それにつきましては、確かに議論はございました。ただ、あくまでも私どもの団体は各社の自主的な対応に基づいて行っておりますので、まだ製薬協として、全体としてそういう方向性ということは、確認しておりません。それぞれ各社の、企業によっては動物種を公開することで非常に試験の内容がすぐにわかるという企業もございますので、そういった意味では統一したものはございません。

【林委員長】 ほかにいかがでしょうか。山口委員。

【山口委員】 製薬協で、日本国内にある製薬会社すべて加盟しているのでしょうか。

【佐神氏】 いえ、最初にもちょっと申し上げましたように、新薬の研究開発を志向しております製薬企業でございまして、例えば既に開発されたものを新たに製剤的な技術だけで開発するとか、いわゆる動物実験は必要ない、研究開発がほとんど必要ないような企業につきましては、製薬協には加盟しておりません。現在、80社弱、合併等で大分減りまして75社。

【山口委員】 75社ですか。それ以外のところは、ほとんど動物実験はしていない会社と思っていいのでしょうか。

【佐神氏】 とまでは言えないと思いますけども、されている企業もあるとは思いますけれども。それと、私どもの加盟企業の中も外資系の企業等も入っておりますので、そういう企業にありましては動物実験も行っておりません。ですから、75社中のどのぐらいですかね。

【務台氏】 ごく大ざっぱに申しまして、75社中の60社程度が実際に動物実験をやっているということだと思います。
 あと、後発医薬品の開発をなさっている会社は製薬協には加盟されていないわけですけれども、そちらの方はどちらかというと発熱性試験とか、そういう製剤のバイオアッセイで動物実験をやられている場合はあるとは思いますけれども、余り大きな設備は多分お持ちでないと想像しております。

【山口委員】 この加盟されている75社というのは、私、日本全国でどれだけ製薬会社があるのか知らないものですからお聞きするのですけど、何%ぐらいなのでしょうか。

【佐神】 製薬企業は結構多いとお聞きしておりますので。申しわけございません、ちょっと……。

【山口委員】 ありがとうございました。

【池田委員】 補足させていただきます。いわゆる製薬といっても、古くからの配置薬とか、漢方的などを家族だけで製造している小さな会社は別として、医療用医薬品の製造企業は約500あると言われています。そのうち製薬工業協会に加盟しているのは、いわゆる新薬の開発をし、厚生労働省に申請をするステップを踏む企業とお考えになっていただければよいかと思います。

【林委員長】 ありがとうございました。清水委員、どうぞ。

【清水委員】 先ほどの動物実験に使われている動物の数ですけども、各社のものはわからなくても、業界全体としての総計も出ないのはちょっとわからないのですが。どこかが――出ていましたっけ、ちょっと私、知らないのですが。それは出るのじゃないかという感じはするのですけど、そういうものを出そうという話はないのですか。

【佐神氏】 各社でいろいろと意見がございまして、それを私どもの業界として強制的にできるというところは、弱いところもございますので、最終的には公示したくないという企業もございますし、公示してもいいという企業もございますので、そういった意味では全体は、残念ながら私どもとしては把握はしていないのが現状でございます。

【林委員長】 ほかにご質問あるいはご意見ございませんか。よろしいでしょうか。

(なし)

【林委員長】 それでは、どうもありがとうございました。ただいまの論議を今後の議論に生かしていきたいと思います。
 それでは、3番目になりますが、続きまして、社団法人日本実験動物協会からお願いいたします。

【宮本氏】 紹介いただきました日本実験動物協会ですが、本日は3名参りました。私、名簿のところにございますように、常務理事の宮本でございます。それから、隣の方が、私どもの協会の福祉専門委員会の委員長をしてもらっています田口です。それから、その隣が福祉専門委員会の委員で中心的に活動してもらっています日柳ですが、日本実験動物協同組合の理事長もされております。よろしくお願いします。
 それでは、これから協会の説明をさせてもらいますが、このような機会を設けていただきまして、大変ありがとうございました。今までの経緯を聞いておりますと、少し最初に、大変貴重な時間ですが、二、三分ほど協会の概要を説明させていただきたいと思います。
 この協会は、正会員であります実験動物生産者を中心とした団体ですが、製薬会社等の研究所も賛助会員等入っておりまして、現在、正会員36社、賛助会員45社、こういう構成となっておりまして、ちょうどことしで創立後20周年記念を迎えました。
 協会は公益法人ですが、主な目的は、実験動物の技術者に対して技術とか知識の普及向上ということを目的としておりますけれども、その中で実験動物1級と2級の技術士の認定をしております。現在、1級が600名の登録者がおりまして、2級で4,000名近くなっております。
 それから、今回の動物愛護管理法の改正でございますが、やっぱり実験動物の福祉という性格を強めたといいますか、それが特化したように受けとめておりますし、それから、実験動物の扱いにつきましても、今後自主管理といいますか、セルフコントロールが非常に大切になってくるという感じを受けております。
 このような観点から、協会としましては従来から、どうも自主管理というのは生産者みずからが自主管理でやっていくというのが最も効果的かつ効果のある方法というふうに基本方針を持っておりまして、先ほど申し上げました福祉専門委員会でいろいろ福祉対策について立案・実施をしてもらっておりまして、我々の協会活動の非常に重要な柱の一つというふうになっております。
 これまでさまざまな福祉対策を実施してきておりますけども、例えば福祉憲章をつくりましたり、動物の輸送ですね、実験動物の輸送とか安楽死に関する指針をつくったり、扱いの手引書をつくったりしておりますし、それから、時々アンケート調査で実験動物の飼養の実態を調べて、これをどんなぐあいか検証するというようなこともやりました。特にここ、去年からですが、実験動物の福祉の実態をやはり第三者評価機関で検証してもらうということでないと、自分たちの中でやっているだけではよくないのではないかということで、協会みずから第三者評価機関を立ち上げまして、これはまだ試行段階ですが、調査を実施してきております。会員等を対象に、まだ事例数は少ないのですが、それを積み上げて、できるだけ早く、ひとりよがりでない、世間で認められる第三者評価システムを確立したいというふうに考えております。
 このような観点から、私どもこれから分担して要望なりご意見を申し上げますけれども、自主管理ということを中心に、この基準等についてもご意見を申し上げるということになると思います。よろしくお願いいたします。

【田口氏】 それでは、私、田口の方からは、ご意見に対します基本的な考え方について2点、さらに要望のポイント4点につきまして、ご説明させていただきます。
 まず、改正基準に対する基本的な考え方についてでございますけれども、まず第1点目でございます。実験動物と家庭動物、展示動物と、その目的に大きく異なることがありますから、終生飼養すべき動物と区別するべきである、と。展示動物等の基準との整合性にこだわりますと、実験動物のアイデンティティーが損なわれる結果となることが懸念されます。
 それから、第2点目でございますが、第1回実験動物小委員会で環境省の方から改正案のポイントとして示されました基準の構成(項目立て)でございますけども、この整理につきましては、私どもとしては意見を差し挟むところはないものと思います。
 それから、要望のポイントでございます。
 第1点でございますが、委員会の普及啓発の項目で求められております実験動物委員会の設置に当たっては、小規模な生産者に配慮しまして設置に努める、いわゆる努力規定にしていただきたいと、そのように考えております。2点目でございます。実験動物の飼養・保管上考えるべき福祉はリファインメントについて配慮すべきであり、代替・削減の2Rの動物実験上の配慮事項と考えられますので、当該基準にはなじまないものと、そんなふうに考えております。それから、3点目でございますが、実験動物の輸送に関しまして、動物種あるいはロケーション、輸送手段等が非常に多様なために、画一的な、あるいは詳細な内容にまで今回は言及すべきではないだろうと、そのように考えます。それから、4点目でございますが、施設の構造等におきましては、今回の基準で考えられております、いわゆる実験動物委員会等の決定にゆだねるべきだろうと、そんなふうに考えております。
 以上が概略でございますが、次に、おのおのの細かい事項につきまして、ご説明させていただきます。

【日柳氏】 それでは、7ページの下の方ですが、まず、前回示されました改正の基本的な考え方の中の追加・変更事項等々を、それぞれ各構成案の条項に従いまして我々の方で検討し、今回の意見を述べさせていただくことになりました。
 まず、第1の一般事項でありますが、現基準で一般原則として、「実験動物の習性等」の部分と、それから「科学上の利用」というところが併記してばさっと書いてあるということもありますので、この辺は「実験動物の生理・習性」、それから「愛情を持って」という動物福祉の概念と、それから、いわゆる動物実験をするというところの部分を、次の導入に当たっての配慮というのも上に挙がっているようでございますので、その辺を別立てで、併記しないで条項を立てていただければどうだろうかというふうに思っております。
 それから、第1-3の普及啓発でありますけれども、先ほどポイントとして申し上げましたように、実験動物の私どもの生産者の中には、やはり二ちゃん的な、あるいは三ちゃん的な、非常に小さい規模で、数人で営んでいる生産者もあることは事実でありまして、このようなところに実験動物の管理委員会とか倫理委員会的なものを設置することは事実上は困難である。そういうことから、先ほど鍵山先生がおっしゃいましたように、同等の機能、要はその委員会的な機能を果たす役割の、そのような組織・形態も認めるべきではないだろうかと。あるいは、具体的には他のいろんな機関である委員会または外部の先生、個人的にもよろしいかと思うのですが、そういう先生方のアドバイスをいただきながら、要はファンクションといいますか機能が大事なので、その辺を認めるべきじゃないかなというふうに思っております。
 それから、共通基準のところでございますが、まず、3-1の飼養及び保管の方法等で「異種又は複数の動物の飼養」云々とありますが、これは現行の展示動物の基準がございますが、3の1-1というところでありますが、その程度の表現でよろしいのではないだろうかと。
 それから、(2)の施設の構造等でありますけれども、原則的には施設の構造というのは、先ほど冒頭、田口の申し上げたとおりでございますけれども、こちらの追加あるいは変更事項の中に丸に三つの条項が検討事項として書かれておりますが、その括弧の中、「いずれも実験等に支障を及ぼさない範囲に限られる」ということになって、これは動物実験のことを指したこの三つの条項として解釈してよろしいのか。生産者としてこれは及ばないのかというところを十分ご確認いただきたいというふうに思っております。
 それから、もしそれが生産者に及ぶとすれば、やはり実験動物というものは種々多様な動物を相手にしておりますので、習性あるいは目的等によって施設等々がかなり違ってまいります。そういう意味で、もしこれを書かれるとすれば、その書き方については慎重を期していただきたいというふうに思います。その中で一つ、実は「温度、湿度」とか「通風」とかいろいろ書いてありますが、その通風、風通しというところがありますが、これについての文言というのは、閉鎖環境で飼っているケースがほとんどであるというところからなじまないものもあるので、一概には言えないのではないかというところでございます。
 それから、1-(3)教育訓練等については、これは私どもとしては必要であろうと思っておりますし、また、文言については展示動物の基準の現在の基準の中身でよろしいのではないだろうかと。
 それから、危害の防止等につきましては、まずこの辺も、ちょっとこれ、ミスプリントで、「現行の『展示動物の基準(第6)』と書いてありますが、「(3-3)」でございます。ちょっとご訂正いただきたいと思うのですが、「(第6)」は「(3-3)」ということでご訂正ください。
 それから、有害動物の使用・保管の点でありますが、これらのものについても展示動物の基準程度でよろしいのではないだろうかと。
 それから、逸走時の対策でありますけれども、これもやはり展示動物の基準を参考でいただければと思っております。
 緊急時の対応も同様でありますけれども、特にこの中で行政との連携というところでございますが、これは人に危害を与える恐れのある動物、いわゆる特定動物――猿だとかそういう類のものに対して行政との連携、またカルタヘナ法にありますような遺伝子の組換え動物等について、この部分が行政との連携というところでも限定すべきではないだろうかと。
 次に、時間の関係でちょっとあとは飛ばしていただきますが、輸送時の扱いの点でございますけれども、これは冒頭田口が申し上げたとおりでございますが、その中で一つ、先ほども八神先生から出ておりましたが、休息時間というものが現実に展示動物等も明記されているわけでありますけれども、これはどういう動物、すべてに当たるものなのかと。我々としては、犬、猿、豚、そのような大型実験動物を指すのであれば、これは休息ということは、ちょっと実験動物にはなじまない。「輸送中動物の観察等による健康状態の確認」という文言にすべきではないだろうかと。それで、先ほど来ありましたように、げっ歯類等の動物には休息時間というものはもう必要ではないと。要は、むしろ、実験動物というものは極力短時間に輸送されることが望ましいと思われます。
 それから、温度・湿度というところの部分もあるのですけれども、これは輸送時に温度管理というものは現行、今現在としてもやられておるわけでありますし、これは守れるのではないかと、ある程度は理解できるのですけれども、湿度管理という部分についてはこれは無理である、と。現行の車両の製造のレベルにおいても、庫内の湿度管理は技術的なレベルで非常に困難であるということで、これは削除していただければと思います。
 それから、個別基準の中に入りますが、その前の施設の廃止というところに言及しますが、これは展示動物の表現で、と思います。ただし、殺処分の実施というものは、獣医師に限定をされれば非常にやりにくいと。「獣医師の指導のもとに」とか、あるいは「監視下のもとに」ということの表現の方がよろしいのではないかと。
 それから、個別基準でありますけれども、事後措置ということでございますが、この事後措置の中に、現行の基準には頚椎脱臼も入っておりますけれども、その頚椎脱臼というのは、現在におきましては国際ガイドラインでは条件付き容認されてしまっておりまして、基本的にはこれは削除してもいいのではないかと思いますが、許されるのであれば「適切とされる物理的方法」という形で変更していただければと思います。
 それから、生産者の状況でありますが、生産施設というところであります。これにつきましては、基本的には生産施設の条項を上げることについては了解できるものと思います。ただ、この中に追加事項として、幼齢とか繁殖回数等々が入っているわけですけれども、ここに記載しましたように、幼齢動物というものについては、自然交配をする中では幼齢動物を無理に使うということについてはこれは望ましくはないわけでありますけれども、自然交配がなかなかできないような疾患モデル動物、また、そういう疾患モデル動物については体外受精だとかあるいは胚移植等々も必要と思われますので、この条項については要らないのではないだろうかと。それから、繁殖回数の適正化という点につきましても、極めて繁殖率あるいは繁殖能力の低い、悪い系もあることは事実でありますので、そういうことも考慮して、この条項は不要ではないかと思われます。したがって、一律または画一的に定めることにつきましては、生産施設はもとより、実験動物全体の施設としてこの部分にはなじまないのではないかと思われます。
 以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、前島委員からどうぞ。

【前島委員】 いつもしゃべって、申しわけありません。
 ちょっと昔ですが、昭和55年につくられた基準で、実験動物の生産者というのは特殊なカテゴリーだということで、実験動物生産者のとるべき基準云々ということは別項になったのです。その後、別項にすると何となくおさまりが悪い、あるいは、実験動物の生産者であろうが動物実験者であろうが同じ基準に統合した方がいいだろうと私も思っていたのですけれども、今の日動協のお話を聞きますと、やはり別項にしておいた方がいいのではないかというご意見のように私はとりました。例を挙げれば、7ページの「 II  要望のポイント」というところに、生産者というのはRは一つだけだ、他の二つのRはまあ無関係であるというようなことも書いてあるところから始まって、今のお話をずっと聞いていますと、やはり生産者のとるべき態度というのは別にした方がいいのではないかととったのですが、いかがなものでしょうか。

【日柳氏】 この件に関しましては、それぞれの生産者の二つの団体等々でいろいろ意見の調整をいたしました。いろんな意見がありまして、この条項の中身そのものというのは、その前段の基本・一般原則等に書かれているものであると。したがって、もう今ほとんどレベルが上がってこの条項は要らないのではないかと、そういう意見もあります。ところが、反面、今まさに先生がご指摘されたように、3Rというものは、これは基本的に生産者も守るべきものであったとしても、代替だとかそういうものは全く我々に関係がない。それから、数の削減、リダクションについても、これは動物実験をする上ではやはりなるべく少ない方がいいけれど、実験動物は要求に従って極力計画的に生産するものであって、削減をすべきものというのは、品質管理上病気にかからないとか、いろんな意味での削減の方法はあるかもわかりません。概しての動物実験の概念がどうしても差があれば動物実験に入ってしまうということから、やはり実験動物の生産者は別な考え方の方がいいのではないだろうかということから、これは残しておくという意見も大勢ありまして、このままにさせていただきました。

【前島委員】 どうもありがとうございました。それから、もう一つ、いわゆる自主管理をしている、例えば輸送のガイドライン等を策定した、あるいは第三者機構の査察を受けるということだと伺いました。少なくとも実験動物に関しては、動物愛護管理法の精神において、自主管理ということが非常に強く、色濃く出ているものだと私は思います。そうしますと、こういう問題はもう公表していると言われますけれども、例えば輸送の基準があるとか、第三者機構の査察はまだ試行錯誤の段階だからということをあいまいに言っておられました。しかし、こういうものをむしろ積極的に外へ出して、そういうことを背景に、例えば実験動物の輸送について日動協としてはこう考えるというように強く表明された方が、少なくとも私には気が楽になります。そんな感想を持ちました。

【林委員長】 ありがとうございました。池田委員。

【池田委員】 前島委員のご意見に私も賛成です。最終的に外部の方は、自主管理がどのように担保されているかが非常に気になる点かと思いますので、積極的に協会の姿勢をアピールされた方が良いと思います。
 それから、普及啓発に関しては、実験動物(倫理)委員会については外部機関にその機能を求めることも可とすべきであると私も考えます。例えば、動物を使っているのは製薬企業だけではなく、実際、化粧品会社もあれば、最近は我々が想像もしなかった企業が、小規模ながら結構動物を使っております。また、学校においても、大学だけではなく、高校や専門学校なども動物を使っています。こういう機関についても、何らかの形でサポートしないと、基準として実際面の運用はなされないと思います。今回、実験動物協会として要望をこのようにお書きになったということで、もし協会として具体的な取り組みがある、あるいはこれから取り組もうとされているのであれば、お教えいただきたいと思います。

【宮本氏】 先ほどのお二人の委員の方のあれですが、私ども第三者評価機関を立ち上げて、一日も早くシステムを構築したいのですが、今2年間やってきた情勢等はLABIOという私どもの機関紙に大きく報道しておりまして、大方の方に認識していただいているのではないかと思っています。
 それから、いろいろ手引きとか憲章とかいろいろつくっておりますけれども、今回、この管理基準が改正されますと、それを見ながら今までつくったものを改めていきたいということを福祉委員会の方で話しております。それで、どういう形でそれを世の中に出すかということも福祉委員会でよく議論してみたいと思っております。
 それから、先ほどの、具体的に小さな規模の方たちをサポートするかということについては、これも今、福祉委員会で検討している最中です。例えば、大学の先生方に加わってもらったグループで面倒を見るとか、あるいは製薬会社さんあたり、大きな組織の方との連携でチェックといいますかをしていくだとか。私どもまだ模擬といいますか試行の段階ですが、その第三者評価機関あたりでもお手伝いすることができればというような感じは持っておりますけど、まだ、具体的にどのような外部の組織が非常に効果があるかということについてはこれからの議論になると思います。

【林委員長】 ほかにどうでしょうか。鍵山委員。

【鍵山委員】 2点ほど、これも同感だということです。
 一つは、8ページ目の中ほどに第3、共通基準とありまして、「異種又は複数の動物の飼養又は保管」云々という組み合わせの話がありますね。このことに関しましては、ご提案の内容を私は理解いたしまして、それぞれの機関が定める問題ではないかというふうに考えます。理由ですが、動物種によって共通の感染症が違う。例えばモルモット、ウサギはかなり近い動物だけど、ウサギとマウスはそれよりは遠い関係である。ですから、共通する感染症は動物種によって違う。それから、今度はそのインパクトというのが実験の期間あるいは目的によって違うということで、それは機関ごとに判断しなければならない。さらに、もっと言うならば、逆に同じ動物種であってもブリーダーが異なれば腸内のフローラが違うので、その影響が実験に出てしまう。ですから、同じ動物種でも由来が違うと同じ部屋に入れられない。こういうこともありまして、これはもう、本当に各機関が判断しなければ、ほかに基準あたりで決めるような内容のことではないだろうと。それが1点。
 それから、2点目は、9ページの中ほどに輸送時の扱いがありまして、休息時間です。実験動物は通常、温度管理されたような状況で輸送されるわけです。欧米の状態をいろいろ議論を聞きますと、休憩を入れることではなくて輸送時間をいかに短縮するかということで議論が白熱しておりますし、それが世界的な考え方、実験動物の世界でのポイントであると思いますので、ここのところに関しましてもご指摘は理解しております。
 以上です。

【林委員長】 山口委員。

【山口委員】 輸送のところでも皆様ご自分たちである程度基準をお持ちということですけれども、輸送の場合はいろんな輸送機関とのかかわりもあると思うのですね。ご自分たちのところの車でお持ちになる場合もあるでしょうけれども、やっぱり飛行機輸送ということもあると思います。その輸送機関との調整とか、輸送機関にもその基準をお見せしてこれでというふうな、ご自分たちの基準を相手に納得していただいてということで契約をなさっているのかどうか、その辺の現状をお話しいただけますでしょうか。

【日柳氏】 確かに飛行機を使うケースはあります。結構、地方ですと多いかもわかりません。一番困るのは、パッセンジャーが乗るまでの間に貨物を積んで、そしてパッセンジャーが後ほど乗るというケースがあって、その間の待機時間というのが、冬であればよろしいのですが、夏になるとその間に動物がまいってしまうケースも多々あります。我々、それぞれの業者については極力その部分を、契約という形ではとっていないケースがと思うのですが、極力申し入れをして、補償は航空会社はやってくれないものですから、温度・気圧については補償しないと、はっきり明記されておりますので。したがって、我々としてはその補償のないもので、相手の過失によってむだに死んでしまうということは、非常にこれは動物福祉の観点からいっても問題であろうというふうに思います。そういう意味では輸送機関についても我々自身が、契約じゃなくて非常に強い意向でお願いをしている。なるべく飛行機が飛ぶ前に乗せてくださいと、それから、到着するときは速やかに一番におろせという形で、個々の企業がお願いをしているというのが現状です。

【林委員長】 ありがとうございました。浦野委員。

【浦野委員】 最初の前島委員の発言にちょっとまた絡ませたいのですが、今回の動物愛護管理法の改正によって、基本的には変わらないのですが、基準というのは動物の飼養及び保管に関して基準を定めることが1点、根拠としてですね。いま一つは、三つのRのうちのリファインメントについて基準を定める。それ以外の二つのRについてはあくまでも配慮事項であって、そういう意味では基準としては踏み込まない的なニュアンスだと思うのです。そういうことからすると、先ほど説明があった二つのR、これは生産業者としてはなじまないので、ゆえに一番最後の別項としてくくったくくりは外さないでそのまま残すべきというところには当たらないのではないかと。むしろ僕は、あれは全文削除して同等に見ていいのではないかと思います。と同時に、二つのRについては生産業者としては配慮していないとおっしゃいましたけど、例えばリダクションということについて考えてみると、動物実験の場合とはちょっと違った感覚で実験動物を計画生産している。これはある意味、リダクションにつながると思うのです。だから、別の形でのそういう配慮もしている。話の最初としては、別項に今現在のくくりをとってもいいのではないかとやっぱり思うのですが、どうでしょうか。

【田口氏】 確かに先生が今おっしゃられたような形で、我々ブリーダーもむだなものをつくらない。例えば、最近では発生工学なんかもかなり進展していますので、ちょっとはしていますから、注文があったらつくるというような形で、従来とは違った形のいわゆるむだなものをつくらない。その辺のことはかなり進んではきていると思います。進んではきているのですが、残っているこの条項に、すべてがその辺のところだけでクリアできるものがないなという感じがしたものですから、今回はこの条項については削除するというような形の意見は出さなかったのですが。その程度ですけど。

【浦野委員】 僕は、そういう理由で削除していいのではないかということなんですが。

【宮本氏】 そういう議論もあったということは事実です。

【林委員長】 私もちょっと。今、浦野委員から話が出ましたからお聞きしますけども、実験動物にとって不幸なのは、実験にも使われないで過剰生産が起きたり、ある齢数が過ぎて単に殺されてしまうという、その数をリデュースするといいますか、減らすというのは非常に大切なことで。ここは生産者の方にもかかわってくることだろうと思うのですね。私は実態を知りたいのですが、一般原則から言えば、大きな生産能力を持って大きな供給能力を持っている方が効率的なのか。つまり、そういう、ある意味むだ死にをさせないような仕組みになっているのか。随分、数人でやっておられる業者もおられると言いましたですね。これは全体的に全体の生産の中で、各動物実験をする施設のところに来るまでの間でのそういうむだな死を遂げる動物というのはどのくらいいるかというのは、こういうものは調査されているものですか。

【日柳氏】 ご指摘の事項については、調査は現実にやっておりません。あくまで販売量調査ということで、実験動物学会にリンクして3年に1回やっているだけでありまして、それ以前の、販売の前に淘汰されるものというものはやっておりません。ただ、やはり動物実験をされる製薬メーカーあるいは大学のその時々の種類によりましては、確かに雌等が使われないということで、非常に我々としてジレンマに陥る面があります。
 我々としては、できる限り合目的に生産された動物については全うしてあげたいという気持ちは全体的には変わらない。ただ、その実験によってはほとんど雌が使われないものがあるということも事実です。その辺については、我々、逆に指摘したいと思っております。

【林委員長】 そうですね。大体、研究者というのはせっかちですから、5週齢のマウスが欲しいといったときにすぐ持ってきてもらわないと、5週間待つという気持ちは全くないだろうと思うのですね。そうなると、ちょうどマクドナルドのハンバーガーと同じようにずっと用意した状態で、注文がなかったらこれは要らなくなってしまうと、こういう仕組みが、もちろん、雄・雌の性別で使われる、使われないがあります。それから、そういう年齢を過ぎてしまった場合にはもう使われなくなる。この問題は、やっぱり僕は、生産者とやはり研究をする、つまり動物実験をする側がもう少しきちんと考えるという意味では、リダクションはこれは共通の問題として考えておいた方がいいのではないかと。ここのリダクションは相当大きな問題ではないかというのが一つですね。
 それから、ちょっともう一つ申し上げますが、8ページの逃げ出した場合、これ、人に危害を加える恐れのある動物に限定するとおっしゃっているのですが、人と動物の共通感染症を媒介する、もう一つの方で、例えば出血熱などもですね、ネズミで言えば。そのこともありますから、危害を与えるというのをどういうふうにとらえるかなのですが、そういう逃走という問題があり、なおかつ生物多様性を、固有種を守るために変なものが逃げ出してその辺でふえてもらっては困るという問題もありますね。そういう意味では、これは余りこういうことに限定しない方がいいのではないかという。今度、政省令を改正しようとしているのは、もともとの動物愛護管理法は二つの意味があって、一つは動物の愛護という側面と、そこがかなり強まったことは事実ですが、前からも人の安全ということを言っているわけです。ここで、人の安全のために動物をきちんと管理する。これが法律の二つの柱のうちの一つで、そこは大きくは変わっていませんけれども、今度政省令を変える機会にこれまで不十分だったところを補強するというのがあれば、こういう施設問題でもう少しきちんと踏み込んで、こういうふうにきちんと管理しなさいと。これは人の安全を守るためにそうするんですよというところが私はあっていいのではないかなと思っているのですが、いかがでしょう。

【日柳氏】 委員長おっしゃるとおり、それは非常に大事なことだと思いますし、ほかの法律においても輸送についてかなり厳しい制限の条項がございます。ただ、一般論として、実験動物として人に特に危害を及ぼすというものは、特定動物、先ほど申し上げましたが、一つは先ほどご指摘された危害の別に感染症という話がございますが、実験動物の一般的な考え方としては、我々実験動物を生産する側も、あるいは動物実験をする側も、動物からの感染症が起こっては困るし、そういうものがないということを大前提にしているわけでして、生産者の立場からは、例えばげっ歯類だとかいう中にも、そういう人への感染症あるいは人への安全というものを冒すような感染症はまずないというふうな解釈で、これはいいのではないかというふうな感覚です。

【林委員長】 はい。では、前島委員と、まずは柏木委員の方から。

【柏木委員】 ちょっと一言、二言、コメントを。
 委員長のお話にもございましたけれども、一つは規模の大きい、小さいでリダクションにつながるか、つながらないかと。大変難しい問題だと思うのですが、規模が小さければ、逆に言うと研究者の方から何匹いただきたいといったときのロット管理がなかなか難しくなって、かえってむだが出るというケースもございますでしょうし、大きいと需要動向によって大きく処分せざるを得ないというようなケースもあって、一概には言えないのではないかと。
 もう一つは、最近の風潮といたしまして、私もそんなに長いこと、何十年もこの仕事に携わっているわけではないのですが、特に若い研究者の方々は、もう実験動物というのは相当ブリーダーの方が勉強し、水準も上げてきて、あたかも試薬棚から試薬を持ってくるがごとく、きょう注文すればあした来るというふうな感覚でとらえている方が極めて多くなってきた。これは大学の教育のゆゆしき問題ではないかと、逆に思うのでございますけれども。ぜひぜひその辺のところは、根本になる動物福祉ということをきれいごとで言わないで、生き物を扱うのだという心構えを特に教育機関で教え込むということが今求められているのではないかと思います。山口先生がそこにいらっしゃいますけれども、そういうことではますますご助力をお願いしたいと。ブリーダーの方からも応援させていただきたいと思いますけれども。多分、大学の中でもその風潮があるのではないかと思います。ひどい場合には、前夜8時か9時に電話をかけて次の朝一番で持ってこいというようなことも、ないわけではない。それに対応する生産体制あるいは配送体制ということになりますと、研究者の方がどうしても必要だと言っているのだから何とかしましょうという体制になれば、大きく見ればリダクションに本当につながっているのかということは、やはりベースに戻って考えていくべき問題ではなかろうかと思います。
 若干のコメントでございます。

【日柳氏】 専門委員の先生にサポートをいただきまして、ありがとうございました。

【林委員長】 では、前島委員。

【前島委員】 黙っていようと思ったのですが、先ほど日柳さんが、逃げ出した動物のことについて問題は少ないだろうというような発言をされたので、一言意見を。
 私は、人に危害を与える恐れというところはもっと真剣に考えていただきたいと思っています。といいますのは、私、話が長くなりますが、新宿区の箱根山というところに厚生省の感染症研究所があります。昔は目黒にあったのですが、それが引っ越ししました。それで、地元の反対運動が大変強く起こりました。それは当然でありまして、そこではペストのワクチンをつくっておりますし、エイズの研究もやっております。今は西ナイル熱ウイルスも扱っておりますし、鳥インフルエンザウイルスの研究もやったりしています。ですから、そこに住んでいる住民にとっては、ある意味では火薬庫のそばに住んでいるような気分になるのは当然だと思うわけです。それで、そのために非常に強い反対運動があって、結局は地元の住民と感染症研究所の人たちの間で、前は二月に一度ぐらい、今は年に二度、会合を持っております。
 最近はなくなりましたが、よく出てきた話題の一つに、ネズミが逃げ出しているということがありました。もちろん、必ずしも実験用のマウスが逃げ出しているとは限りませんけれども、そのような例もないわけではありませんでした。研究者がまず最初に言ったのは、これはいわゆる病原体フリー(SPF)で、健康な動物だから逃げても大丈夫だというようなことでした。しかし、もちろんそんなことは説明にならないのでありまして、外へ逃げ出したマウスが感染して病原体を増幅して新たな感染源になる可能性が、確率は低いにしてもあるという住民の不安を消すことはできないわけです。そういう観点からすると、「人に危害を加える恐れのある特定動物」などと言えば、すべての動物が該当することになってしまいます。私はそういう意味でもう少し慎重に考えた方がいいと思います。
 それからもう一つ、林委員長からの「動物の余り」の問題です。逃亡動物について感染症研究所で実際に調査したところ、いわゆるブリーダーが送ってくるときに、万一のロスとか数え間違いがあってはいけないので数匹余分に輸送ケージに入れてくる、ところが、研究所側ではそれが実は何匹入ってくるかよくわからないから、動物を移すときに、もう全部移したと思ってチェックせずに輸送箱をそのまま外に出すというようなことが多分原因の一つだろうという事例が間々ありました。実験動物関係の皆さんはご承知だと思いますが、その結果、感染研では50匹送るといったら必ず50匹にしてくれ、50匹以上入れることはしないでくれということに改めました。最初は、もし輸送の途中に死んだり何かがあったらどうするかという発言もあったのですが、感染研はこの3年くらい何の問題もありません。少なくとも、ここにおられる優秀なブリーダーの方が送ってくる動物だったら問題ないということになって、今は非常に厳しくやっております。実験動物のリダクションという意味においても、すべてのブリーダーが送付数を厳格に守っていただきたいと、私は思っております。

【林委員長】 はい。前島委員がおっしゃいましたから、私、このことは言いたかったのですが言わないでおいたのですけども、これはブリーダーの方の問題だけじゃなくて、やっぱり研究をする、あるいは教育に使うユーザー側の問題でもあって、ここのやっぱりおまけをつける商いの習慣だけはやめていただきたい、特に生き物については。やはり50匹は50匹、100匹は100匹という、それでないと何のためにこの政省令を検討しているのか。政省令にはそんなことまで書けないのですよね。書けないけど、それがやはり常識だろうというふうに私は委員長として思いますので、ぜひこの機会にそういうふうに、ユーザー側とそれから生産者側でお話しいただけたらいいなと思います。
 よろしいでしょうか。

(なし)

【林委員長】 では、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、動物との共生を考える連絡会からのプレゼンテーションをいただきたいと思います。

【青木氏】 動物との共生を考える連絡会の青木でございます。今日はどうもありがとうございます。
 今までヒアリングに来られた団体の方々のお話を聞いていますと、私は知らないことばかりだったなと。具体的な細かい部分なんていうのは知らないで、聞いているわけですね。その中で、動物実験とそれから実験動物の福祉というものをやっぱり考えていかなくちゃいけない部分としてあります。特に輸送の問題なんかも初めて知りまして、それから、ブリーダーの世界が、いわゆる人数の少ないところでつくっている部分もあるというようなことは余り知りませんでした。でも、何であれ、動物実験に使われる動物というものが悲惨な状態に陥らないようになってもらいたい。なぜかというと、マウスだとかラットの中でも、ペットとして飼っている人がたくさんいるのです。実験動物に使っているラットは特別だという扱いというのが、どうもきょうお話を聞いていた上での違和感としてあります。何であれ、生きている動物、いわゆる生涯にわたって飼われる動物でないから全く別個だという考え方をどうも皆さんに求めているのかなという感じがしたのですが、これはやっぱり、私から見ますと異常な世界です。生きている間はきちっと飼っていただきたいし、世話をしていただきたい。その間の問題だということです。そのことでちょっとお話しさせてもらいたいと思います。
 ここのレジュメには、動物の法律なんかが、ちょっと余計なことが書いてありますけども、連絡会としての考え方というのが、基本的な概念というものがございまして、それをちょっと皆さんに知っていただきたいなと思います。
 動物愛護管理法が、人以外の全ての動物を守り保護できるようにするために、除外規定をなくし、あらゆる角度から法律制度等を検証し、改善に向けての提案をすること。そして、動物と人間がより良い関係を保って共生する社会を目指して、様々な啓蒙活動を行っています。連絡会の考え方の根底には、国際的な動物福祉の共通認識となっている、飼育動物に対して5つの自由(5Freedoms)を保証しなければならないという概念を基本的な理念としています。この5つの自由を保証しない飼育管理のあり方は、動物虐待の第一歩といえるもので、愛玩動物、産業(畜産、農場)動物、展示(動物園等)動物、実験動物、その他飼育下に置かれている全ての動物が対象となるわけです。飼育管理者の責任と義務が問われることになります。
 5つの自由というのは、[1]飢えや渇きからの自由、[2]身体的不快や苦痛からの自由、[3]外傷や疾病からの自由、[4]恐怖や不安からの自由、[5]正常な行動を表現する自由、この5つが保証される飼育管理を義務付けることによって動物への虐待が防止されると思っていますので、施策にこれらを組み込んでくださることを願っています。
 動物実験に関わる法律と実験動物の福祉について、実験動物についても当然この5つの自由を保証した飼育管理の下で、その福祉が図られなければなりません。動物愛護管理法の改正に向けての議論の中で、関係省庁が動物実験の実態を全く把握できていないことが明らかになりました。今回の法律改正に向けて、動物愛護管理法に連絡会が願う動物実験に関する項目の何処までが法律に組み入れられるか、繰り返し討議されました。残念なことに、元々あった1R(苦痛の軽減)、2R(代替法、数の削減)を加えて、3Rの理念の配慮事項のみに留まりました。他の項目についてはこの法律になじまないとされてしまいました。しかし、今でもこの動物愛護管理法が本物の動物福祉法あるいは動物虐待防止法を目指しているのであるならば、実験動物の福祉がわかる仕組みを考えるべきであり、下記の要望事項のいくつかは法律に組み込まれるべきであると考えております。
 連絡会は、動物実験が3Rのみでなく、その他の項目を含んだ世界に誇れる法律の下で行っていただきたいと願っています。今回の法律改正に関わった私達は今回の結果に、我々の力のなさが明らかになったことで自責の念にかられているところであります。しかしながら、この議論の過程で速やかに統一的動物実験の指針(ガイドライン)を制定し、それに基づいて動物実験が行われることが約束されました。連絡会は、このことに一定の評価をしたうえで、今後に期待しているところであります。
 改正動物愛護管理法は、動物実験に3Rの配慮事項が明記されましたが、動物実験の実態のチェックもできませんし、情報の開示義務もありませんので、実際に動物の福祉が図られているかを明確にする仕組みがありません。それゆえ、統一的動物実験の指針の制定にはこのことを加味して、下記の10項目を含めて実態が分かるようにすべきであると考えております。
 動物実験の実際というものを改めて指摘させていただきたいと思っております。ご承知の通り、動物実験は文部科学省、厚生労働省、農林水産省、その他の省庁に関係する科学者、研究者によって様々な研究実験、安全性や毒性の試験が行われています。研究や試験の内容は多岐にわたっており、医学、歯学、薬学、獣医学、農学、工学、理学、その他多くの学問や目的で動物実験が行われ、国公立系の研究機関、国公立大学、私立大学、民間研究所、民間会社などで行われています。これら以外に、技術の開発、技術の研修と向上のために動物を利用し、あるいは教育用、実習用の教材として動物が使われています。
 実験動物が飼育・管理されている場所は、実験施設を備え、空調設備が完備され、外気を遮断した一見立派な施設、(?)がつけてありますが、これは我々福祉関係者から見るとちょっと異常な世界なのかなというご指摘をさせていただきます。動物の種類に合わせた飼育場と飼育舎、異種動物混在の飼育舎、研究室の一部(廊下や通路などを含む)などです。実験等に使われる動物は、猿類、牛、馬、山羊、豚、犬、ねこ、鳥類、兎、ラット、マウス、魚類、その他、水生動物や昆虫類も供されることが考えられています。
 先の文部科学省の動物実験指針検討作業部会では、医学系の研究者の意見が多く述べられ、自主管理体制の維持と科学者自身による指針の作成、専門的立場からの第三者評価などが提案されました。
 動物実験に関係する協議会や協会、先ほどのヒアリングで述べられた団体等に所属されている方達は、予てから動物福祉について十分討議されています。これらに所属している科学者・研究者達はこのことを充分承知されていると思いますが、未加盟の組織や機関、それから、そこに所属する科学者・研究者については、残念ながら全く分かりません。連絡会はこれらを考慮に入れて、関係省庁、関係するすべての学問や研究が横断的に活用でき、しかもある程度の強制的な仕組みを含む統一的な動物実験の指針を望んでいます。そこで、3R以外に下記の項目について確実に実行されることを願っています。このことで実験動物の福祉が保証され、実態が把握できるものと確信していますので、統一的動物実験の指針制定についてこのことを充分考慮してくださるようお願いします。今回の場所では実験動物の飼養及び保管等に関する基準ということになっておりますが、これらの部分について、可能な限りここに反映していただければなと思っております。
 次、まことに申しわけないのですが、先ほど皆さんのお手元に差しかえていただきたいという文書がございますので、そちらを見ていただければと思います。
 実態把握と動物福祉に配慮した質の高い動物実験のために。1の――「物」になってしまいましたが、これ、「動物実験施設」ですね、この届出。この届出というのは、もう既に一部の自治体で実施されていますので、ぜひ自治体への届出制を義務付けていただきたい。これは実態把握するときに絶対的に必要であると、我々は思っております。
 2番目、動物実験倫理委員会の設置と実質的審査。各動物施設(機関)内に実験計画等を審査する動物実験倫理委員会の設置を義務付ける。この委員会は、実験計画の適否の審査のみならず、飼育管理されている全ての実験動物の状況を把握し、動物福祉について評価し、3Rを具現化すること。実験動物の生理・生態を理解し、自然な行動がとれる――この「撮れる」も間違っておりますので、改めていただきたい――環境で飼育され、健康と安全が保持されているかをチェックします。
 3番目、動物実験倫理委員会の委員。この動物実験倫理委員会は別にこの名前でなくてももちろんいいわけですから、その点ご承知おきいただきたいと思います。研究者以外に獣医師と動物福祉関係者を加えること。このことで、透明性が増し疑念をなくすことになり、動物福祉が確かなものになり信頼性が高まっていきます。
 4番目として、自治体担当職員及び/あるいはそれに準ずる第三者による立入り調査。実験動物の飼育管理状況や倫理委員会の活動状況などの調査を行う。調査員は、専門性が要求されるために、研修と有資格者としての任命が必要だと思います。また調査員に研究者自身がなると、馴れ合い調査による可能性があり、これについては疑問に思っております。
 5番、実験動物の入手先の限定化。猿などの野生動物、捕獲されたり自治体に引取られた犬やねこの使用を禁止する。潜在疾患、感染症などにより実験動物としての質の問題に疑問があり、研究結果に対する信頼性が疑われます。自治体からの払い下げは、現在殆ど行われていないという現実からも、禁止すべきであると思います。実験研究者は、実験動物の由来が分かる入手先を実験計画書に記録する。
 6、記録の保管と情報の開示。実験計画書などの関係記録を保管し、自治体への報告を義務付ける。第三者機関による実態調査と評価を受けることも義務付ける。実験計画書、倫理委員会の評価、動物の入手先、飼育管理の記録、動物の最終処分の方法、実験終了報告書などが、ここに記録として残していただければと思っております。
 それから、7番目として、可能な限り、実験動物の個体識別の管理をしていただきたい。実験動物の逸走や事件を避けるためと事例発生時の特定のために必要だと思っておりますが、実際にそれができない種類もあると思いますので、その辺はできるものというふうに位置づけておいていただければと。
 それから、8番目、3Rの確認。この確認は、実験計画書に3Rのことを記入していただいて義務付けていただきますということです。
 それから、9番目、実験研究者の自覚と資格。実験研究者の資格は問いませんが、研究者は実験に先立って関係法令や基準、動物の健康、動物の福祉、生命尊重などを充分理解していること。研究者の独善的で自分勝手な判断での実験を阻止するため、機関、組織に所属し、動物実験倫理委員会の指示に従うこと。
 10番目として、これはちょっとここには載せにくい部分としてあると思いますが、法律に組み込むべきことと思っておりますが、繁殖業者、販売業者を動物取扱い業にという項目です。これは当然、先ほど来から議論されていますように、実験動物の質を高め、安定的な供給のために、その専門性が高まり、信頼性が高まっていくことがわかっております。繁殖記録、導入記録、販売先、販売数などを記録し、自治体への報告を義務付けてください。
 これらがガイドラインに組み込まれて確実に履行されることで、その研究が国際的にも質の高い研究であると評価されることになり、その結果、国民の利益、健康、福祉に貢献し、科学者、研究者の名誉と名声を高めることになるものと思っています。
 基準に、動物実験はたくさん要るのだからとか、先ほどの議論の中で一頭一頭のチェックよりもまとめてのチェックみたいな発想がちょっと議論されているような感じがありましたので、我々としてはできるだけ一頭一頭の福祉というものを考えているわけです。ですから、個体に対する配慮というものをどう担保していただけるかということが大切じゃないかなと思っています。生涯飼育される動物ではないからその辺はいいんだというような考え方は、やめていただきたいと思っております。当然、最適な環境で、当然なことにそれらの配慮が望まれているわけです。
 それから、その特化という表現は、余りそれをされますとどうも違和感を感じてきまして、特化によって特別に何かやってもいいんだよみたいに受けとられる可能性もありますので、余りにもそういうことは言っていただきたくないなと私は思いました。
 以上でございます。

【林委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまのプレゼンテーションに。どうぞ、前島委員から。

【前島委員】 私は青木先生と昔からの長いおつき合いで、こういう問題についてかなりざっくばらんにいろいろ話をしておりますので、青木先生の言われることはよくわかっているつもりでおります。ここに書かれていることについては、私は大概のことはもうやられているよというようなことを何回も説明しているつもりなのですが、なかなか青木先生は信用してくださらない。それはそれでいいのです。情報公開の問題とかいろいろな要素がありますし、立場もありますし、見方が違えばいろいろ疑いもあると思います。とにかく、私はここに書かれていることは基本的に全部、もう既にほとんどが行われていると考えています。動物実験倫理委員会の中に動物福祉関係者が入っているかというと、現在の日本の少なくとも医学部の動物実験委員会では、多くのところでは入っていません。そういう個々のことでの指摘はあると思うのですが、基本的には問題は少ないと思います。
 それでも、これらを完全に履行させるためには、やはり罰則規定を入れていかないと完全履行は難しいでしょう。そこが大問題だと青木先生言われるかもしれませんけれども、しかしながら、日本の動物愛護管理法の精神からいって、罰則規定ではなく、多くは自主規制あるいは啓蒙活動を通じてという方向でいるわけです。青木先生の提案を罰則規定なしで基準に全部盛り込めば実行されると予想されて、先生は満足されるというのでしょうか。

【青木氏】 罰則規定については、実は私たちの方は入れたいとは思っております。しかし、今までの議論を見ていますと、自主規制で何とかしたいという願いが非常に強いわけですね。その部分で言いますと、どうしてもその自主規制が本当にやっているか、やっていないか、そこがわかる仕組みになっているかどうか、そこが問題だと思うのですね。そこら辺が十分でないと、私は思っております。
 改正運動のときの議論の中で、ここの部分の情報開示の部分とか、そういった部分にやっぱり不足を感じておりますので、これが十分でないために批判がいつでも渦巻いて起こってくると思っています。

【前島委員】 もう言わなくてもいいことですが、多分そのような情報開示が不十分だということは、私の両隣におられる清水さんと山口さんも、そうだそうだと思っておられるのではないかと思います。けれども、私は動物福祉にいろいろ関係している立場で、同時に動物実験もやってきた立場からしますと、そんなに疑われるほどひどいことを研究者がやっているとはとても考えられません。例えば、ここで青木先生が五つのフリーダムということを言っておられますが、えさが与えられないような状態ということは、少なくとも動物実験の場は、まずあり得ないことだと思います。もう少し信頼関係を保って対応してもいいのではないかと私は思っております。

【青木氏】 その件については、ここにご出席いただいている協議会の方だとか何々協会の方とかというのは、私は信頼しております。そこはもう、まず間違いないと思っております。しかし、そこに参加されていない、協会に所属していない人たちや研究者あるいはグループ、そういったところについては、残念ながら見えていない部分があります。問題はそこなんですね。そこがわかるような仕組みをやっぱりとるべきであろうと、つくるべきであろうと思います。

【林委員長】 どうぞ。

【柏木委員】 家庭用動物と実験用動物も同じだというお考え、終生かある期間かということの違いだけであって、飼養期間中には最大限の配慮をすべきであるというお考えというのは頭では理解できるのですけれども、もう一つは、前島先生が、相互に理解し信頼をし合わない限りはこの話はうまくいきませんね、みたいなニュアンスのことをおっしゃられたんですけれども、ブリーダーの立場から申し上げますと、むちゃをやればお客様といいますか研究者の方は使わない。相手は専門家です、と。ペットの場合に、今いろいろな形でマスコミをにぎわしているインターネット販売とか、販売者が隠れてしまうというふうな状況が実験動物であり得るのかと。その辺のところは十分実態を見ていただいて、私はよく言うのですが、一番怖いのはやっぱりお客様です、と。お客様がトップサイエンティストで、変な動物を出せば、あるいは変な生理のものを出してしまえば、実験に使えない、あるいは実験結果がおかしくなるので、すぐフィードバックがかかってくるという状況を十分ご理解いただきたい。その辺のところは、逆にペットの場合に、おかしいよと言ったときにフィードバックする先がないという状況だろうと思いますので、いろんなことが起こっているのではないかと私なりに推測いたしますけれども、それこそブリーダーと研究者というのは、そういう意味での信頼関係がない限りは商売ができないということを十分ご理解いただきたいと。
 それからもう一つ、6番目のところに、自治体への報告と第三者の評価を両方受ける、義務づける、と。この辺のところが、私には全く理解できません。なぜここに自治体が出てくるのか。第三者評価機関は今できていないということは現にありますけれども、これこそ自主規制を担保する最たるものが第三者機構だと私ども思っておりまして、何もここに、官がどうして出てくるのか私には理解ができないということだけコメントさせていただきたいと思います。

【青木氏】 よろしいですか。

【林委員長】 どうぞ。

【青木氏】 官がここで出てくるのは理解できないというのは、もう、当然、私もその辺のところは理解します。しかし、そこでやっぱり実態を把握するという部分になりますと、自主規制でそれができるのだろうかという疑問がありまして、あえてそこに官の、自治体、特に兵庫県みたいなものがありますから、そういったもので届出とか何かというのはそう目くじら立てるほどのものでもないのじゃないかなということがありまして、載せさせてもらいました。

【柏木委員】 委員なのか、意見陳述者なのかわからない状態になりまして申しわけないのですけれども。いつも、大体、コンフュージョンを起こしていますのでお許しいただきたいと思うのですけれどもね。
 実験動物協会なり組合なり、そういうところへ顔を出しますと、一部の方からは当然のこととして、自治体に届出さえすればごちゃごちゃ言われないならそっちの方がいいよという生産者も、いないわけではありません。自主規制というのは、ある意味では身を削るような思いをしない限りはお認めいただけない、世間からあるいは研究者の方からお認めいただけないという、ある意味ではイバラの道だというふうに私どもは考えておりまして、その辺のところを私どもの方の切ない気持ちをぜひご理解いただきたいというように思います。
 自主規制をしっかりやっている、しかも第三者の評価機関はまだ十分ではありませんけれども、そういうことの担保を得るというのは、ある意味では非常に制度的にも、皆さん方からのご理解を得る点においても、そう簡単な道ではない、と。あえてそれをやるということは、自分で自分の身を律するということの方が、動物福祉推進あるいは向上のためには一番いい道だと思っております。何らかの罰則規定、何らかのレギュレーションのもとでやれば必ず抜け道等々やってくるというのが、ペットの業界では、こういうことを言ってはあれですけれども、実例がないわけではないと思います。イバラの道をやっているのだというふうに温かい気持ちで認めていただきたいと思います。
 単純なコメントですから。

【林委員長】 どうぞ、鍵山委員。

【鍵山委員】 ちょっと整理しておきたいと思うのですが、後段でご説明いただいたことというのは、これは統一ガイドラインに関する要望もしくは次回の法改正のときに検討する内容じゃなかったかなと私は思いますので、ここではやはり、このたびの改正法と、それからそれに従って見直すべき基準の話をしているのではないかと思う。
 そのように考えたときに、青木先生のおっしゃられました、非終生飼育動物といえども生きている間はきちんとしなければならない、それは私も大賛成ですね。そのきちんとという部分が、ペットと実験動物と、私はやっぱり違うような気がする。ペットの場合は単純に5フリーダムスという言葉で説明できますけれども、実験動物の場合はもし5フリーダムスが当てはまるとしたらば、実験、目的を超えたそのような、フリーダムの逆ですから束縛ですか、そういうことをしたらまずいと思うのですね。それはわかるのですが、そこに合目的性というものがあるから、ペットと同じように5フリーダムスを根っこから、ずぼっと、実験動物に当てはめるということはちょっと違うのではないかなと。それはやはり、ペットはペット、それから実験動物は実験動物で、人間が――特に実験動物は人間がつくり出した動物ですから、そこにある意味では使命を与えた、それを全うさせる責任があるのだという考え方に立ってきちんと、というところを実行すべきだと思います。
 愛護団体さん的な言葉で表現するならば、もし動物に心があるならば、マウスやラットやモルモット、そういうものは悲しませてはいけないと思うのですよ。痛い、痛くないじゃなくて、悲しませては。だって、実験に使われるということで使命を与えて生み出したのに、感染症を蔓延させて使われる前に殺してしまうとか。それは産業動物でも一緒で、食卓に上る前に鳥インフルエンザやらBSEだといって焼却処分するというのは、これはやっぱり悲しませることだと思うのですよ。私はそれはやってはいけないと強く自分の心に誓って、感染症の仕事をやっているのですけど、ちょっと違う角度から見ますと、そういうことが一つあります。

【青木氏】 その件については十分理解しておりますし、また、一頭一頭の、一匹一匹の実験動物に対して、いい子いい子、かわいいかわいいなんていったらやっていられないし、また、そうやるべきだとは思いませんので、その辺りは、当然、理解をしております。

【林委員長】 はい。

【浦野委員】 この基準をもとに委員会をつくっていくかどうかはまたこれからの議論になると思うのですが、いずれにしても、どこかの段階で委員会というのは必要になるかと思います。その場合、先生の3番に書かれている委員会の組織形成というか、「研究者以外に獣医師と動物福祉関係者を加えること」と。先生からの意見でしばしばこの「動物福祉関係者」という表現が出てくるのですが、獣医師というのは、私も獣医師で、国家試験もありますし、はっきりとこの人は獣医師ということはわかるんですが、「動物福祉関係者」というのは一体どういう方を指すのでしょうか。お教えください。

【青木氏】 動物福祉関係者は、自称を含めて、めちゃくちゃいるわけです。ごくそこら辺にいる愛犬家や愛猫家の人たちもその一員かもしれません。問題は、ここでいっているのは動物実験というものの実態をある程度理解している人の中で、このことを動物福祉、いわゆるさっきの鍵山先生のおっしゃるように、5フリーダムスを理解している人。しかし、飼われている環境だとか飼われている動物によってその辺のところの差というのは、当然あるわけですよね。ですから、その辺のところをある程度判断できる方というふうに理解をしていただければいいのかなと思いますけれども。

【浦野委員】 そうすると、大学の中で考えると、大学の中にも先生の今言われたカテゴリーに当たる方が随分たくさんおられて、そういう方でももちろん構わないという判断でよろしいのですね。学外、部外者である必要性はないという……。

【青木氏】 願わくば、いわゆる動物愛護団体とか何かに所属されている方がいいかなと思っております。

【浦野委員】 ありがとうございました。

【青木氏】 自称だけじゃないので、そこは。

【林委員長】 よろしいでしょうか。ほかに、ご意見。
 私の方から1点だけ、この5番目に実験動物の入手先の限定化というのがあるのですが、野生動物、それから捕獲された犬や猫、これはうんとかわいそうな動物たちですが、これをもう使わないとなると、2倍の動物が死ぬことになりますね。これらも処分される。それから、新たに実験動物として飼育された動物たちも、実験が終わった後、処分されることになる。つまり、これを徹底すると、2倍の動物を死に追いやることになりませんか。

【青木氏】 その考え方というのは確かにあるというのは理解しています。しかし、私どもが犬やねこを、特に今まで家庭で飼われていた動物がそのままもう不要になったから実験に使ってもいいんだよという考え方はちょっとするべきではないという理解のもとでやっているわけです。ですから、実験動物は実験動物として生産され、それに使われるというものであるならばやむなしと。渋々やむなしなんです、動物福祉関係者は。全部が渋々の部分になっていると思って、考えてください。

【林委員長】 はい、わかりました。
 ほかには。もう、よろしいですね。

(なし)

【林委員長】 それでは、どうもありがとうございました。きょうお話しいただいたことは、今後の論議に生かしてまいりたいというふうに思います。
 これが議題1でしたが、このあと、議題2のその他とありますが、何か。ございませんね。

【東海林動物愛護管理室長】 ございません。

【林委員長】 委員の皆様から、特に議題で追加というのはございませんか。

(なし)

【林委員長】 ないようでしたら、今後の日程等について、事務局から連絡をお願いしたいと思います。

【東海林動物愛護管理室長】 はい。委員の皆様、それからヒアリングにお越しいただいた関係団体の皆様、今日はどうもありがとうございました。
 次回の日程ですが、12月5日、月曜日になります。場所は今日と同じ第一会議室を予定しておりますけれども、議題あるいはその内容等につきましては、追ってご連絡をいたしたいと思います。
 第3回になりますけれども、次回の小委員会では、今日のヒアリングあるいはこれまでのご審議を踏まえまして、具体的な基準の改定案、改定素案といったものをご提示してご審議いただきたいというように考えているところでございます。
 今日は、どうもありがとうございました。

【林委員長】 それでは、以上をもちまして、本日の動物愛護部会小委員会を閉会いたします。どうもありがとうございました。

ページ先頭へ