中央環境審議会動物愛護部会 第46回議事録

1.日時

 平成30年1月25日(木)14:00~16:00

2.場所

 環境省第1会議室

(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館 22階)

3.出席者

 新美 育文  中央環境審議会動物愛護部会長

 佐藤 友美子 委員      松本 吉郎  委員

 浅野 明子  臨時委員    打越 綾子  臨時委員

 太田 光明  臨時委員    金谷 和明  臨時委員

 木村 芳之  臨時委員    武内 ゆかり 臨時委員

 西村 亮平  臨時委員    藤井 立哉  臨時委員

 水越 美奈  臨時委員    山﨑 恵子  臨時委員

 山口 千津子 臨時委員    脇田 亮治  臨時委員

 菊水 健史  教授

4.議題

(1)動物愛護管理法の施行状況について

  ①幼齢犬猫を親等から引き離す理想的な時期に係る調査について

  ②地方自治体による動物愛護管理法の施行状況調査について

  ③公益社団法人日本獣医師会及び一般社団法人ペットフード協会によるアンケート調査について

(2)動物愛護管理行政の主な課題について

(3)その他

  ①動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザ対応指針の改訂について

  ②実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説について

  ③その他の主な課題の取組み状況について

5.配付資料

資料1-1  犬猫幼齢個体を親等から引き離す理想的な時期に関する調査について
資料1-2  幼齢犬猫個体を親等から引き離す理想的な時期に関する調査の検討結果について
資料1-3  解析結果報告(麻布大学 菊水教授説明資料)
資料1-4  解析結果報告補足資料(麻布大学 菊水教授説明資料)
資料1-5  犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見等について
資料2   地方自治体による動物愛護管理法の施行状況調査について
資料3   (公社)日本獣医師会及び(一社)ペットフード協会による実態調査
資料4   動物愛護管理をめぐる主な課題に対する主な指摘事項
資料5   動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザへの対応指針の改訂について
資料6   実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説について
資料7   その他の主な課題の取組み状況について

---参考資料---
参考資料1 愛犬の行動観察と満足度調査設問集
参考資料2 愛猫の行動観察と満足度調査設問集
参考資料3 ペットショップ飼育環境アンケート
参考資料4 ブリーダー(犬)飼育環境アンケート
参考資料5 ブリーダー(猫)飼育環境アンケート
参考資料6 幼齢犬猫の販売日齢に関する文献(委員限り)
参考資料7 「幼齢犬猫の販売等の制限に係る調査評価検討会」(第2回)サーペル教授発表資料抜粋(委員限り)
参考資料8 動物愛護管理をめぐる主な課題に対する第45回検討会以降の委員意見

6.議事

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、第46回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。

 本日は、当該部会の委員、臨時委員17名のうち15名のご出席をいただいておりますので、規定の定足数を満たしており、本会は成立しております。

 なお、本日は、事前に新美部会長のご了承を得まして、麻布大学の菊水教授に説明者として参加いただいております。よろしくお願いいたします。

 続いて、配付資料を読み上げさせていただきます。お手元の議事次第の裏の座席表の裏に配付資料一覧がございます。

 まず、議事1の関係、資料1-1、犬猫幼齢個体を親等から引き離す理想的な時期に関する調査について。資料1-2、幼齢犬猫個体を親等から引き離す理想的な時期に関する調査の検討結果について。資料1-3、解析結果報告(麻布大学菊水教授説明資料)。資料1-4、解析結果報告補足資料(麻布大学菊水教授説明資料)。資料1-5、犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見等について。資料2、地方自治体による動物愛護管理法の施行状況調査について。資料3、(公益社団法人)日本獣医師会及び(一般社団法人)ペットフード協会による実態調査。ここまでが議事1の関係でございます。

 議事2の関係。資料4、動物愛護管理をめぐる主な課題に対する主な指摘事項。

 次、議事の3関係でございます。資料5、動物園等における飼養鳥に関する高病原性鳥インフルエンザへの対応指針の改訂について。資料6、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説について。資料7、その他の主な課題の取組み状況について。

 参考資料です。参考資料1、愛犬の行動観察と満足度調査設問集。参考資料2、愛猫の行動観察と満足度調査設問集。これ、今申し上げているのは委員限りです。今から参考資料7までは委員限りでございます。参考資料3、ペットショップ飼育環境アンケート。参考資料4、ブリーダー(犬)飼育環境アンケート。参考資料5、ブリーダー(猫)飼育環境アンケート。参考資料6、幼齢犬猫の販売日齢に関する文献。参考資料7、「幼齢犬猫の販売等の制限に係る調査評価検討会」(第2回)サーペル教授発表資料抜粋。参考資料8、これは皆さんにお配りしているものです。動物愛護管理をめぐる主な課題に対する第45回検討会以降の委員意見。

 配付資料は以上となっております。

 さらに、委員の方には、机上に通知あるいは法律の束をファイルにして置いておりますので参考にしていただければと思います。

 なお、今回、議題となる動物愛護管理法の施行状況に関する調査結果ということについては、今回の資料は議事録も含め、後日、環境省のホームページに公表されます。

 それでは、開会に当たり、局長の亀澤よりご挨拶を申し上げます。

【亀澤自然環境局長】 本日はお忙しいところ、動物愛護部会にご出席をいただきまして、大変ありがとうございます。

 本日、幾つか議事を用意しておりますけども、まずは動物愛護管理法の施行状況についてご報告いたします。

 その一つ目は、幼齢犬猫を親等から引き離す理想的な時期に係る調査についてであります。これにつきましては、昨年末に開催をいたしました調査評価検討会において検討結果を取りまとめておりますので、その説明を行います。その中で、本日は解析をお願いした麻布大学の菊水教授にお越しいただいておりますので、菊水教授から後ほど解析結果についてご報告いただくこととしております。

 それから、施行状況の関係では、その後、昨年、地方自治体に対しまして、動物愛護管理法の施行状況調査を行っております。それから、公益社団法人日本獣医師会など2団体によるアンケート調査につきまして、それぞれの結果を報告したいというふうに思っております。

 議事の二つ目の動物愛護管理行政の主な課題につきましては、前回の部会の際、委員の皆様よりご意見をいただいております。その後、いただいたご意見も含めまして、今後、整理を行った上で施策を推進するための基本指針の改正等に活用していきたいと考えているところでございます。

 その他、報告事項も含めまして、限られた時間の中でご議論をお願いすることになりますけども、忌憚のないご意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、この後の議事の進行につきましては、新美部会長にお願いします。

【新美部会長】 新美でございます。円滑な議事進行に努めたいと存じます。どうぞご協力、よろしくお願いいたします。

 それでは、本日の議題でございますが、議事次第に記載されておりますように、大きく議題としては三つ、報告案件がございます。最初に、動物愛護管理法の施行状況についてとして、幼齢調査についてお諮りしたいと思います。

 それでは、まず事務局から説明をよろしくお願いします。

【事務局】 資料、お手元の1-1に基づきまして、事務局のほうからご説明させていただきます。その後、資料1-3、1-4で調査の説明を菊水教授のほうから、その結果を踏まえた評価検討会の結果を1-2の資料に基づきまして、西村委員からご報告いただく段取りで進めさせていただきます。

 まず、資料1-1です。背景としましては、犬猫において、一定の日齢に達していない幼齢個体を親等から引き離した場合、適切な社会化がなされず、特に犬では、咬み癖や吠え癖等の問題行動を引き起こす可能性が高まっているとされていることから、前回法改正時の動物愛護管理のあり方検討会の中でご議論いただきまして、その中で結論としましては、業界団体が目指している45日齢と科学的根拠、ペンシルバニア大学のジェームス・サーペル先生の行った実験結果のある7週齢(49日齢)と、海外に既に規制事例のある8週齢(56日齢)という意見が分かれているという検討結果をいただいております。

 法律では検討結果等を踏まえまして、当時、日齢規制はなかったのですが、初めて日齢規制が明記されまして、本則のほうでは生後56日を経過しないものについては、販売の用または引き渡し、展示をしてはならないとなったところですけれども、附則のほうで、3年を経過するまでの間は45日、その後、翌日から別に法律を定める日までは49日というようになっております。

 この別の法律を定める日までの間については、お手元の2ページ目を見ていただきまして、これも附則のほうで、以下を勘案して検討することとされております。犬猫等販売業務の実態、マイクロチップを活用した調査研究の実施等による科学的知見の更なる充実を踏まえた犬猫と人間が密接な社会的関係を構築するための親等から引き離す理想的な時期についての社会一般への定着の度合い、その科学的知見の業者への浸透の状況、生年月日を担保させるときの充実の状況等を踏まえて決めるということになっておりまして、環境省のほうでは、平成25年から、まずは犬猫幼齢個体を親等から引き離す理想的な時期に関する調査検討会というのを立ち上げまして、その中で、ではどういうふうに調査をするかということを検討していただきました。結論としましては、調査方法につきまして、サーペル教授、先ほど科学的知見があるとおっしゃった、それが一番いいだろうということで、「C-barq」を使った飼い主のアンケートによる評価。猫も「C-barq」をアレンジした方法でやることがいいという結論をいただいております。「C-barq」とは飼い主のアンケート結果100問ぐらいを統計解析することによって、行動特性を数値化するシステムでして、一般の飼い主のアンケートであっても、統計学的に処理すれば、専門家による評価と変わらないという評価をアメリカでは得ております。

 サンプルの収集方法ですけれども、現状に近いデータを確保するため、国内流通の主なペットショップ販売の犬・猫を対象とすること。その際、親等から引き離す日齢の時期によって影響を検証するため、要するに親から引き離された日齢、49日なのか56日なのかを純粋に見るために、ペットショップとかの飼育環境が大きく違うと、そちらの環境のほうの影響が大きく出てしまいますので、なるべくほかの条件が均一なところということで、大手のペットショップを中心にご協力いただき、そこで犬・猫を買われた一般の飼い主の方にアンケートを行うこととしております。

 資料③ですけれども、5事業者約180店舗、大手のチェーン店ですが、その方々の協力を得て、ペットショップを通じて販売された犬猫の飼い主に協力を依頼しました、ペットショップに来たお客で、こういうアンケートを半年後に送りますけど、よろしいですかという承諾書をいただいて、その後、その方々にアンケートをお送りするという手順を実施しました。アンケートの承諾をいただいた方が、25年から29年の間に犬猫合わせて約9,300人、46~49日齢が4,000で一番多い、50~56日齢が2,500、57日以上は700弱と、犬については、という形になっております。

 ④番に行きまして、実際アンケートに答えてもいいですよと言っていただいたんですけど、その後、アンケートをお送りすると、やっぱり返ってこない方はいまして、実際の回収率は60%弱、一般のアンケートからすれば相当大きいんですが、集まったサンプルについては、犬が約4,400、猫が約1,300というふうになっております。その方々からペットの疾患とか記載不備のアンケートを除いた犬4,000頭、猫2,000頭について解析をいただきました。46~49日が犬2,000、50~56日が1,400、57~68日が約400と。57日齢以上等は少ないんですけれども、解析するには問題ないという意見をいただいております。解析につきましては、日齢と問題行動の関係を一般化線形モデルと重回帰分析によって解析いただいております。これについては後ほど菊水教授のほうにご説明いただくことにしております。

 ⑤番に行っていただきまして、補足調査としまして、協力いただいたペットショップとブリーダーというのは紐づけされていますので、そういった方々の飼育環境により何らかの影響がないかというのも補足的にアンケート調査を、麻布大学と一般社団法人ペット協会の協力でやっていただいております。これについても後ほど菊水教授のほうからご説明いただきますが、ペットショップについては100%アンケートをいただいているのですが、問題行動とペットショップの飼育環境の違いについては、日齢間ではほとんど相関がなかったということで、当初想定していたとおり、ペットショップの飼育環境によって、こちらの日齢問題行動の比較には影響を及ぼしてなかったということが裏づけられております。

 最後に、⑥番になります。この調査結果をもとに、問題行動の関係について評価する検討会を立ち上げております。今日ご出席いただいている西村委員、武内委員を初めとしまして、動物行動学の専門の先生等に参加いただいて評価いただきました。9月と12月にそれぞれ検討会を開いていまして、12月の第2回につきましては、C-barqの研究者であるサーペル教授にもご出席いただいて検討いただいております。その際、C-barqによる、アメリカの調査結果についても発表いただきまして、参考資料7として後ほどご紹介させていただきます。この結果を取りまとめたものが資料1-2になりまして、西村委員から後ほどご報告をいただきます。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 それでは、続きまして、菊水教授からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【説明者(菊水教授)】 麻布大学の菊水です。座ったままご了承ください。解析結果を報告させていただきます。

 今回の発表内容ですが、五つに分けてお話しさせていただきます。一つは、C-barqの解析方法と信頼性に関して、2番がイヌデータの詳細、3番、イヌデータの解析手法とその結果、4番と5番は、ネコデータの詳細とその解析方法、結果になります。

 C-barqの解析ですけども、先ほど事務局のほうからもお話がありましたが、犬の飼い主が100を超える質問に回答する形で、そのアンケート結果を、統計的手法をもって行動を、特に問題行動の出方とか、そのパターンを明らかにすることができるというものです。これまで一貫性、信頼性は複数の研究機関、複数の国の実施で担保されておりまして、ここ日本を含むアメリカ、台湾、オランダ、ドイツ、イギリス、イタリアでも使われている非常に有用なアンケートシステムであることがわかっています。動物行動治療の分野でも使われていまして、高い問題行動を示す犬というのは、このC-barqのアンケートに答えることで抽出することができるということもわかっております。その他、行動遺伝学の分野や発達行動学の分野でも応用されてきて、今でも非常に広く使われるシステムになります。

 実際どのくらい使われているかというと、例えばGoogle Scholarという文献検索サーチにかけますと、これまで、これはもう去年のものでちょっと古いんですが、278件の論文が、国際的な論文がC-barqを使って発表されているという実情があります。

 例えば幾つかその論文を紹介しますが、上のほうの論文は、生後1年における犬の行動や経験というのが成長した後の気質を予測できると。つまり1歳児でC-barqを行うと、その将来的な行動というのは大体わかるよということに使われました。下のほうは、犬の行動特性は犬と飼い主の関係性を予測できると。犬の行動を見ると、飼い主とどういうふうにつき合っているかというのが、予測が立つんだということもわかっております。

 次、例えば次のページの上のほうは、子犬工場で飼養されている母犬や父犬ということになるんですが、不安因子が高く、攻撃因子が低いということが報告されています。

 その下のほうは、私たちのほうの研究室で使ったもので、日米の犬の気質比較をしまして、日本とアメリカでは大分気質が違いますが、それはどういうところが違うのかというのを明らかにしてきました。

 実際にどういうアンケートに答えるかという具体例がここに出してあります。例えばこれは犬の行動に関する質問の攻撃性に関わるものですが、例えばQ13、あなたや家族から口頭で注意され、または叱る・怒鳴るなどの罰を与えられたとき、犬がどういう反応を示すかということを、1から5、あるいはこの場面に出会ったことがない、6ということで答えていただくようになっています。通常のアンケートも大体似たような感じになりますが、できるだけその客観性を担保するために、行動の質と量を直接聞くことにしていて、「攻撃的ですか」というような間接的解釈の入ったような質問というのは一つも含まれない形でのアンケート構成になっております。

 これを今回使用しまして、先ほど事務局のほうからあった、犬ではご協力いただいたのは7,184、猫では2,050のアンケート結果の返却をいただくことができました。実際にアンケートに不備があったりとか、記入漏れが多かったりとか、疾患があったりして除きまして、解析に用いた件数に関してはそこに記載させていただいているとおりです。

 犬の4,033頭の内訳をちょっと紹介いたします。雄が2,317頭で、雌が1,716頭ということになっています。店舗導入される日齢、ブリーダーのところから店舗に入る平均の日齢が49.74で、販売が87.54になります。ということは、差し引き店舗滞在日数というのは37.8日ということになります。

 実際に店舗に、その犬たちが親元から引き離された日齢をグラフにしますと、次のページにありますように、こういう形になりまして、46日というところに一つ大きい山があって、47、48、49と減ってきます。また50日のところに山が来ると。恐らくこれは法施行が行われまして、最初のときは46日から親元から引き離すことができたのですが、それが50日になりまして、そのときに恐らくこれがシフトして、50日のところにピークが来たんだろうということがわかります。きれいな分布をしていないということですね。このような4,033頭の分布パターンになりました。

 どういう犬種がその販売ルート、今回の調査の対象となった販売ルートで販売されているかということに、ちょっと文字が小さくて申し訳ないんですが、2犬種は非常に高いです。一番左がトイプードルになります。次がチワワです。ミニチュアダックスフンド、柴犬というふうに来ます。まとめられなかった犬種というのがその他に来ます。雑種、雑種というのは最近はやりのちょっとミックス犬とか、何というんですかね、デザイナードッグでしたっけ、そういうのも雑種の中に含まれてきます。代表的な犬種というのは皆さんご存じだと思うんですが、トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンド、柴犬と、この4犬種が大きいということがわかりました。

 販売日齢、いつ、その犬は売られていきましたかというのをヒストグラムにするとこういうふうになりまして、大体ピーク値が63日です。先ほど申し上げたとおり、大体2カ月ちょっとのところで犬というのは売られていくと。そうすると、店舗滞在日数というのが30日、短い子はもう入荷してすぐに売られているようですが、10日とか2週間ぐらい滞在する子がピークで次第に伸びていくと。導入されているんですけど、長く売れ残った子たちもいまして、その場合というのは、長い場合は一年ぐらいショップに滞在することがわかりました。

 これから、この犬たちのデータを用いて解析を行っていくのですが、幾つかのグループに分けて解析を行っていきます。全頭は3,990頭ですが、そのうちその代表的な4犬種に絞って2,025頭ですが、それに関する統計の値、4犬種ごと、柴、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスでもそれぞれ別個に統計を行っています。大型犬というのはちょっと発達が遅いというのは一般的に知られていますので影響を受けやすいかもということで、大型犬だけを抽出しています。それは121頭です。あと、雌雄各n10というのは犬種のばらつきを少し考慮しまして、各犬種、雄が10頭、雌が10頭いるものだけを抽出して、犬種差というのを少しなくした形の解析です。それが500頭います。次のランダム抽出というのが、先ほど犬のヒストグラムを見ていただいておわかりだと思うのですが、週齢が遅い個体というのは集まった回答数が少なかったわけですね。週齢が早かった個体が一番多いわけですが、そこのばらつきを少し考慮しまして、全体的に同じ週齢が同じぐらいの個体数になるように調節してランダムに抽出したものを統計にかけました。その場合が1,122頭になります。最後の2SDというのは、犬の問題行動のスコアが後で計算されて出てくるんですが、そのうち、標準偏差よりの2倍よりも大きい値、つまり問題行動のスコアが一般的とは考えにくい高い値だけを示したものだけを抽出しまして、そこに離乳日齢の影響があるかどうかというのを検査しています。その対象になったのは188頭になります。

 猫も後で同じようにやるのですけれども、全頭が1,188で、ランダム抽出が606と、2SD以上は46頭ということになりました。よろしいでしょうか。

 では、解析のプロセスです。まず、一般的なアンケート調査で行われるとおり、代替法によって欠損値を補完しました。どうしても穴があいて、答えが書いていないところがありますので、その答えが書いていないのをそのまま全部除外してしまうと非常に数が減ってしまいます。それを代替法ということで予測を立てて欠損値を補完することができます。その方法を使いました。これは常套手段です。

 次に、その多くの答えの中から、犬というのはどういう性格を持っているのかという因子分析と主成分分析を行いました。例えば攻撃性とか不安というふうに犬の気質をそこで抽出して、それごとにスコアを計算するということになります。

 出てきたスコアを用いて、3番ですね、一般化線形モデルと重回帰分析による統計解析を行っています。スコアが一頭一頭、その問題行動のある問題のスコアが出ていますので、例えば親きょうだいからの分離日齢が、そのスコアを高めるとか低めるとか、あるいは雄と雌で違うのかとか、犬種で違うのかというのを調べることが可能になります。その方法として一般化線形モデルと重回帰を使いました。一般化線形というのは、基本的に言うと群間比較です。A群とB群の比較です。なので、今回で言うと、日齢の早い個体、真ん中ぐらい、遅い個体という群間比較をするのが一般化線形モデルになります。重回帰分析というのは、例えば日にちがゆっくりになると問題行動が、例えば下がるとか上がるというふうに傾斜が起こるわけですね、傾き具合。その傾きを計算するのが重回帰分析になります。

 分析対象項目は抽出しています。欠損値が25%を超える質問項目は除外しています。これはなぜかというと、欠損値補完でもかなりデータがおかしくなる可能性があるので対象から外したということです。例えばどういうのが外れているかというと、知らない犬が家に来たとき、その犬に対してとか、家の中に入り込んできた猫やその他の小動物に対して攻撃的になりますかという質問は除外させていただきました。なぜかというと、こういう場面に出会ったことがない犬が多くて、多くの場合、未記入だったということです。これはよくあることで、アメリカでつくられたアンケートですので、リスやウサギを追っかけますかというのがあるんですけど、リスやウサギになかなか出会うことはないので、ほとんどの回答者が出会ったことがないというところにマークをしてしまうので、解析に合わないということになります。そういうものを以下の項目に関しては解析除外になります。

 次に行きます。多重代入法による欠損値の補完です。これは一般的にアンケートで言われる方法で、Predictive Mean Matchingという、大体こういうふうな回答をした人は、きっとここのスコアはこういうふうに書くだろうという予測を立てて欠損値を補完していく方法になります。

 その常套的手段を使った後に、探索的因子分析を行いました。これはどういうことかというと、先ほど申し上げたとおり、C-barqにたくさん100問に近いアンケート項目があるんですが、それを取りまとめることによって、例えば見知らぬ人に対する攻撃性であったりとか、置いておかれることに対する不安、分離不安の行動であったりというふうに、どういう行動項目あるいはプロファイルに対して、どういうスコアがつくかというふうに、その気質を抽出するような方法です。これは抽出方法としては一般化した最小二乗法を使って、反復回数は100で行いました。抽出基準を5あるいは13に固定して行って、回転軸、軸をつくるんですけど、それはプロマックスの回転を行っております。一般的にはアンケートで行われる常套手段を使って因子分析を行ったことになります。

 因子分析を行いますと、その因子一つ一つに点数が返ってきます。例えば右上のところに出てくるグラフでは、見知らぬ人に対する攻撃というものが抽出されました。この抽出された行動、プロファイルですね、行動特性に対してそれぞれの個体、一個体一個体が点数を持っています。その点数はどういうふうにばらつくかというのを示したのが、このヒストグラムになります。ですので、大体の犬が非常に低いところにピークを持っていると。高いピークが見られるのは点数が少ないところですね。だんだんその図が右に行くと下がっていくと思います。個体数が少なくなっていくわけです。まれに非常に高い個体がいるけれども、大多数は見知らぬ人に対する攻撃性はほとんどないですよ、というのがこれでわかります。

 同じように、ここに五つの例が示してありますが、見知らぬ人、新奇なものへの恐怖、不安、興奮性、注意を求める分離への不安とか、家族への攻撃性、専有性、接触過敏、見知らぬ犬への攻撃というふうにスコアが出てきます。これが非常に問題を含むことがわかりました。どういうことかというと、この先の一般化線形のモデルで当てはめる場合、あるいは重回帰するときにはここに条件があります。統計的に充てていいデータでしか充てることが、投入することができません。何が問題かというと、一般化線形も重回帰もこの分布図が曲がっていてはだめなのです。ここに出てくるような、3番目の軸。興奮性、注意を求める、分離への不安、というのは非常にきれいな分布パターンをしているんですが、これを正規分布といいます。正規分布をしてないものを投入しても得られる統計結果の値は信用性がありません。なので、ここでこの因子分析の解析に関してはストップするということになります。ここだけやってもいいんですけれども、ほかのところは信頼あるデータは出ないということになります。

 で、困ったなということになるんですが、もう一つ、主成分分析という手法を使いました。主成分分析の手法というのは、単純構造を探すことではなく、情報の集約を行うことが主成分分析の目的です。因子分析というのは、攻撃とか不安というふうに幾つか項目をまとめていこうという、独立性を担保することが一番の大事な目標になるんですが、主成分というのは、できるだけ一つに情報を集約してみようというプロセスになります。そうすると、一つの第1因子のところに非常に明瞭なアンケート項目の中の攻撃性とか不安が集まるものが得られました。この成分の1というところですね。

 ちょっと次のスライドのほうがわかりやすいんですが、カラーの、お手元はカラーじゃないんですが、すみません。どういうことかというと、この主成分分析で得られた成分1に関して言うと、攻撃性のスコアも入って、この赤のところが入ってくるわけです。恐怖、不安も入ってくるし、興奮性も入ってくるということで、一般的に言われるような問題行動というのは、この成分1の中に集約されるということがわかりました。なので、当初目標としていた、例えば飼い主に対する攻撃性とか、新奇なものに対する不安という一つ一つの行動に関する離乳日齢の影響を見るということはちょっとできなくなってしまったので、逆に問題行動全般というスコアをこれで抽出することができたと。この抽出したものに対して、統計的な手法を充てていこうということを試みます。

 実際にどういう行動がどういうふうにアンケートに答えてもらったかというと、例えば攻撃性がここに例として挙がっているんですが、Q32番、見知らぬ人が家に来たとき、その人に対して高い攻撃とか中間、攻撃なしというふうに分けることができる、ほとんどが攻撃なしになります。こういうものを答えてもらったものを、今後、成分分析に、もちろん成分スコアを計算することになります。その他、Q24、22、20、25というふうに同じようにこういう項目を使って問題行動全般のスコアというのを計算することになります。

 じゃあ、問題行動全般のスコアというのはどういうふうに分布しますか、とつくったのが次の分布図です。ヒストグラムになります。見ていただくと、大体真っすぐきれいな山になって、ちょっと右側に袖が伸びているんですが、この程度であれば一般化線形モデルであったり、重回帰分析に適することができると判断し、以下、この成分スコアを使うわけです。つまり問題行動全般を代表する点数、一個体一個体に点数が出てきます。この点数を用いて統計を行うことになります。

 数字ばかりで申し訳ないんですが、一般化線形モデルの結果、これ犬です。何がわかったかというと、一般化線形、全頭解析で日齢3群、つまり日齢の早かったのを真ん中の群、遅い群というのを比較すると有意差があります。差がありまして、6週と8週、7週と8週、いずれも有意差が得られております。括弧の中がp値ですね。その前の値が傾き具合になります。店舗導入日齢でも同じように出てきます。この差というのは何かというと、日齢3群というのは大きく1、2、3と分けました。6週齢の群、7週齢、8週齢以降の群ということです。店舗導入日齢というのはそれぞれ日にちが出てきますので、日にちごとに1群とみなしました。一つの固まりとみなして統計をかけた場合です。いずれも有意差を得ることができました。ただ、これを4犬種に絞った場合、代表的な4犬種だけでやりますよというと、その有意差というのが消失します。それは日齢3群でも店舗導入日齢でも同じようになります。ということで、ここでわかったことというのは、問題行動全般のスコアについては、導入日齢による変動は、回帰係数で、日齢3群で0.3程度、店舗導入日齢でマイナスの0.019ぐらいということで有意差を得ることができたということです。

 これをグラフにするとどういうことかというと、これが離乳の6週齢群、7週齢群、8週齢群ですが、少しずつ、この横に書いてあるのが中央値になるんですが、中央値が少しずつ右肩に下がっているのがおわかりになるかと思います。これが下がっていたのが有意であるということです。ただ、この傾き度合いというのは非常に微小であって、傾きあるものの小さい影響であるということがわかりました。

 同じような解析を、例えば代表4犬種を分けて行いました。そうすると、一般化線形の日齢3群比較で、ミニチュアダックスで有意差が得られておりますが、これは6週、7週の間ではありますけれども、7週、8週の間では得られませんでした。店舗導入日齢で投入した場合のデータでは有意差を得ることができませんでした。

 次に、代表的な犬種を絞りまして、10頭以上、雄も10頭、雌も10頭以上、アンケートを得ることができた犬種だけを用いた場合と、並びに体重が20キロ、成犬になった場合の体重が20キロを超える大型犬に絞って解析を実施しました。それが次のページのテーブルになりますが、大型犬に絞った場合は、日齢3群においても店舗導入日齢においても有意差を得ることができました。nイコール10、雄も雌も10頭以上登録されているのだけを絞った場合での有意差がないということになります。

 これをグラフに描きますと、先ほどよりはちょっと影響が大きくなっているのがおわかりになると思うんですが、大型犬の場合は、6週齢離乳群に比べて7、8と少しずつ下に集約されていくことがわかると思います。ただ、この8週齢群というのが非常に個体数が少なくて、10もいないぐらいですね、しか得られてないと。ということで、こういうアンケートに資するにはちょっと例数が足りないので統計的にはちょっと、後で説明しますけど、パワーが弱いということがわかりました。ただ、影響は、先ほどの全頭でやった場合よりは大きいです。

 ここまでは一般化線形の結果で、次が重回帰分析の結果になります。重回帰分析というのは、先ほど言ったように全部をプロットして、XY軸にプロットして、そのときの傾き度合いがあるかどうかというのを調べるものになります。全頭解析した場合は、重回帰分析で有意差を得ることができまして、回帰係数がマイナスの0.06。ただ、決定係数のR2は0.009となりました。それは日齢3群でやった場合も店舗導入日齢もほぼ同じような感じで結果が得られており、有意に傾いて少しずつスコアが下がっていくんですが、その傾きというのは非常に小さいということになります。

 4犬種だけを抽出した場合というのは、日齢3群では有意差がありますが、店舗導入日齢を投入した場合には差を得ることができませんでした。

 これは先ほどとほとんど同じなんですけれども、店舗導入日齢、あるいは離乳日齢3群を比較したときの分布パターンです。こういうふうに差が出てきます。同じグラフになります。これが傾きになるわけですね。雄・雌でも差があるんですが、ちょっと差があるといっても、このぐらいしか差がないんですけど、雄と雌で比べると、雄のほうがやや高いスコアになるということがわかりました。

 ちょっとこの辺は少し飛ばします。本筋には関係ないところは少し飛ばします。

 重回帰分析の各犬種でやった場合です。柴、チワワ、トイプードル、ミニチュアダックスの中で有意差が得られたのはトイプードルだけです。ほかのものはありませんでした。日齢3群も店舗導入日齢もいずれも同じです。やはり先ほど一般化線形でも出てきたんですが、重回帰分析でも大型犬というのは割に強い効果を持って有意差を得ることができました。10頭ずつ登録されている犬種を絞った場合というのは有意差を得ることができませんでした。

 次のグラフはちょっと割愛いたします。

 次にやったことというのは、スコアの悪いものだけを抽出して、その割合を比較したということです。つまり一般的にその問題がない犬を対象にしてスコアを比べても仕方がないんじゃないかと。悪いスコアの出現率が増えるんじゃないかというご指摘を中間発表のときにいただきまして、それに従いまして、スコアの高いものだけを選んで、そこに差があるかどうかというのを計算しました。

 SDというのは、そのばらつき具合を示す標準偏差になるわけですが、そのばらつきの2倍より大きいものというのが基本的に外れ値という、普通とはちょっと違いますよという判断で使われるものになります。そうすると、離乳3群の①の分です。6週で離乳された群というのはSD2以上に相当するのは97.8頭います。4.4%に相当します。7週の場合、76.2で5.4%、8週以降の場合は16頭で4.3%ということになって、見ていただければわかるんですが、その出現頻度、というのはその3群間で差がありませんでした。それはカイ2乗検定でも担保されていて有意差はつきませんでした。

 この抽出されたスコアの悪いものだけを使って重回帰分析あるいは一般化線形解析をしましたが、いずれも離乳日齢による影響というのは検出できませんでした。ということで、スコアが高いものは離乳日齢の影響があるかというと、そこは今回の解析では得られなかったということになります。

 分布図を描くとこんな感じになるんですが、この辺に集団がいて、成分スコアが高いのが時々まざってくるんですが、離乳日齢が遅くなれば、この上がなくなるかとか、そういうこともなくて、時々こういうふうに出てきてしまうので、全体としては差がないという結論になります。

 この犬をまとめますと、因子分析による個々の行動因子よりも主成分分析によって得られた「問題行動全般」を表した成分のほうが、比較検討に適切であったので、今回はこちらを用いました。

 「問題行動全般」の成分スコアに対して、一般化線形モデルを実施したところ、問題行動全般のスコアに関しては、店舗導入日齢による変動は、回帰係数で、日齢3群で0.3、店舗導入日齢でマイナスの0.019というふうに有意差を得ることができました。

 「問題行動全般」の成分スコアに対して、重回帰分析を行ったところ、店舗導入日齢による影響は、決定係数R2が、日齢3群で0.009、店舗導入日齢で0.009から0.01ということになりました。

 4番としまして、問題行動の成分スコアが高い個体のみ抽出しても、その3群間の差あるいはその出現頻度には有意差は得られなかったということになります。

 ここまでが犬の解析になります。

 猫も同じようにやりますが、猫の場合は品種を分けて解析するものはないので、少し簡略化された形になります。解析対象になったものは、雄が656頭で、雌が538頭になります。店舗導入の日齢平均値が51.4日で、販売日齢は90日になります。店舗滞在日数は38日というふうになっております。

 どういう猫、品種が多かったかというと、ここも二つ飛び抜けておりますが、スコティッシュフォールドとアメリカン・ショートヘアが多いということです。続きまして、マンチカンやブリティッシュ・ショートヘアが続きます。

 店舗導入日齢なんですけれども、これは犬と同じような分布パターンを示していまして、46日と50日というところにピークが来ていて、それを過ぎるとだんだん山が小さくなるような、ちょっとゆがんだ形の分布パターンをしておりました。

 販売日齢と店舗滞在日というのは、ほぼ犬と同様です。大体70日前後で販売されていて、店舗滞在が10日から30日の間になると。長い場合は1年ぐらい滞在することがわかりました。

 同じように、まず因子分析を行いました。ここに代表的な得られた二つの因子の分布図を描いております。左側が、見知らぬ人や新奇のものへの恐怖不安と興奮で、これは割と正規分布に近いものを得ることができました。

 一方、右側の接触過敏に関しては、先ほどの問題行動の攻撃性と同じで、低いスコアのところに固まっていて、正規分布をしていないので、この後の一般化線形モデルと重回帰分析には不適切と判断しました。

 主成分分析を行ったところ、先ほどの犬と同じように、多くの項目が一つ目の成分に集約されることがわかりました。不安と恐怖に関わるものが青で入ってきて、興奮に関わるものは緑で入ってきます。攻撃性に関わるものも入ってくると。つまり成分1を計算すれば、こういう問題行動というのは、問題行動全般のスコアとして扱えるということがわかりました。

 これで成分スコアを計算して、分布がどうなっているかという非常にきれいな正規分布をとっていることがわかりました。これであれば一般化線形モデルも重回帰も適用可能になります。

 実際にどういうアンケート項目を投入したかという、計算式に使ったかというと、恐怖と不安、大きな音がしたときにどういう反応をしますかと。非常に過度の不安、興奮を示した場合と、何も気にしないと、平静、無事な感じであったというのはこういうふうに分布しています。割に真ん中ぐらい多いというのがわかります。あなたの家に訪問者が到着したときに興奮するものというのはあまりいないけれども、逆に未知の状況に初めて置かれるときはちょっと多いというふうに、こういうアンケートのスコアをそのまま計算式に投入しまして、成分スコアを得ることができます。

 猫で一般化線形を行いました。日齢3群と店舗導入日齢をやりますが、一般化線形の解析の結果としては、日齢による影響というのは検出することができませんでした。

 重回帰分析を行ったところ、日齢3群でも店舗導入日齢でも有意差を得ることができまして、回帰係数はマイナス0.15なのと、マイナス0.02ということで有意差を得ることができました。このときの決定係数(R2)というのは0.015、あるいは0.012から0.017の範囲に入るということになります。

 これをグラフ化しますとこんな感じで、店舗導入日齢によって問題行動のスコアというのは、こうやって右肩下がりですね、少し傾きをもって低下していくことがわかりました。この傾き自体は有意差です。有意な傾きであったということがわかりました。

 有意差はなかったんですが、日齢3群で比べた場合というのは、少し下がっているように見えるんですが、ここでは有意差を得ることはできませんでした。

 猫でも、スコアの悪いものだけ、先ほどの犬と同じように標準偏差の2倍を抽出して、その割合や重回帰、一般化線形モデルを用いて日齢の影響を解析しましたが、いずれも有意になっているところはありません。すみません、少し有意なところがあります。出現率に関しては、1群に関しては、2SD以上が26.2個体で5.5%、7週日齢群が16.6で3.3%、第3群のほうは4個体しか得られないので非常に数が少ないんですが、1.9%となっております。有意差までは至ってないんですが、非常に有意な近い値まで得られています。0.056です。ただ、これ4頭なので、もともとが207頭しかいないので、最後のところはちょっと個体数が少ないかなという印象はあります。重回帰分析では、有意差を得ることはできませんでした。一般化線形に関しては、最後のところは非常に個体数が少ないので、統計の値として計算することができませんでした。

 スコアの悪いものだけを抽出しますと、やはり猫は全体的に母集団の数が少なかったので、こういうふうにすかすかになってしまうんですが、あまり強い影響はないという結論になるかと思います。

 猫のまとめになります。1番、因子分析による個々の行動因子によりも主成分分析によって得られた「問題行動全般」を表した成分のほうが、比較検討に適切であったと。これは犬と同じです。

 「問題行動全般」の成分スコアに対して、一般化線形モデルを実施したところ、日齢導入の影響というのは得ることはできませんでした。

 重回帰分析を実施したところは少し影響がありました。決定係数(R2)が、店舗導入で0.012から0.014、3群で0.015から0.017ということになります。

 問題スコアが高いものだけを抽出して3群比較を行ったんですが、そこには有意差を得ることはできませんでした。

 以上が今回の主たる解析発表になりますが、少し、続きまして、補足のほうのデータをお示ししたいと思います。

 お手元の資料はたくさんあるんですけれども、時間の都合で割愛させていただきまして、二つだけお話させていただきます。3群比較における個体数の補正を行った場合の統計結果です。つまり離乳の6週齢、7週齢、8週齢と比べたときに、6週齢のほうが圧倒的に多くて、8週齢が少ないわけですね。そこの個体数のばらつき、実際これは統計上ここにばらつきがあっても問題ないんです。そこのばらつきは大丈夫なんですが、一応そこのばらつきが影響するかもしれないというので、一番少ない第3群ですね、8週以降に離乳した個体数に合わせて、ランダムに6週離乳群と7週離乳群を抽出しました。それの統計解析と、あと、6番のペットショップの管理形態と行動アンケートの関連性のグラフを、結果をお示しします。

 ランダム抽出しました。ランダム抽出した場合の結果なんですけれども、重回帰分析では、日齢3群では有意差を得ることができませんでした。店舗導入日齢では、傾き具合がマイナス0.008で、p値が0.093ということになっております。一般化線形では有意差が得られないということで、いずれにしても経過は同じで、有意差に近いところはあるんですが、効果としては非常に弱いということがわかりました。ランダム抽出をグラフにするとこんな感じで、確かに少しずつ下がっていくような感じがするんですけど、有意差を得るには至りませんでした。ただ、雄・雌では差があって、雄のほうはやはり少しスコアが悪いということがわかりました。

 同じことを猫で行いました。猫で行った場合というのは、重回帰分析で有意差を得ることができまして、p値は0.002と0.02ですね。傾きはマイナス0.154と0.021ということになっています。一般化線形のほうでは有意差を得ることができませんでした。いずれにしても、先ほどの全体を見たときと大きい違いというのを検出することはできませんでした。それをグラフ化するとこんな感じでございます。特に大きい差というのを検出することはできませんでした。

 次に飛びまして、何ページ目になるんですかね、ペットショップとブリーダーにアンケートに答えていただいて、今回解析した犬たちが、どういう由来のところから来たんだと、ペットショップはどういう飼育形態をしていたんだ、ブリーダーはどういう飼育形態をしていたんだということで、解析を追加しました。ペットショップに関しては187店舗にアンケートをお送りして100%の回収があったんですが、ちょっとブリーダーは非常に少なくて、犬で14%で、猫で13%しか得られませんでした。

 29ページですね。すみません、29ページから説明させていただきます。ペットショップの返却は100%ですが、ブリーダーの場合というのは14%、13%でちょっとこれは低過ぎて信頼のあるデータを得ることができません。アンケートの場合、ある程度の返却率がないと、返却した人しか、何か都合が悪くて返却しない人がまざってくる場合、アンケートの場合というのは、すごく返却にバイアスがかかってしまうので、ブリーダーのものというのは解析に含めることはちょっと難しいと思います。

 ちょっと飛びまして、テーブルがその後出てくるページがあります。

 40ページです。ちょっとだけ説明します。右側のブリーダーというのは、先ほど言ったとおり、アンケートの信頼性が少し低いので、今回は説明いたしません。

 ペットショップのところで関係があったのというのは1日の休息時間です。犬でも猫でもマイナスの係数がついていますが、どういうことかというと、休息時間が長ければ問題行動のスコアが下がります、ということがわかりました。

 その他、例えば社会化のところとかが影響するんじゃないかと思ったんですが、今回のアンケート結果を突き合わせたんですけれども、それは出てこなかったということになります。

 次はもうブリーダーのページになってしまうので、ここはもう割愛いたします。

 補足に関しては、ここだけを説明させていただきました。

 以上になります。よろしいですか。

【新美部会長】 はい、どうもありがとうございます。

 それでは、続きまして、西村委員のほうからご説明をお願いいたします。

【西村臨時委員】 はい、ご説明いたします。

 今までの菊水教授の結果を踏まえまして、幼齢犬猫の販売等の制限に係る調査評価検討会を、中間評価を含めまして2回行いました。その検討結果としては、メーンの結果としては、犬では一般化線形モデルと重回帰分析ともに、それから、猫では重回帰分析で日齢3群間で統計学的に有意な差が認められましたが、回帰係数及び決定係数ともに非常に小さいということで、親きょうだいから引き離す日齢3群の違いと問題行動の発生の間に関係性を証明することはできなかったと、そういう結論を出しました。

 この結果は、多分、医学系とか生物系の人あるいは社会学の統計になじんでいる人にはわかりやすいと思うのですが、有意差があるのに証明できなかったということに関して、ちょっと菊水教授に補足説明をしていただけるとわかりやすいかなと思います。それをお願いできますでしょうか。

【説明者(菊水教授)】 再度ちょっと説明させていただきます。

 まず、途中で分布が正規分布じゃないから使えないんだと言ったのはどういう意味かというと、統計をやるときにモデルをつくるんですが、こういうふうに日齢があって、問題行動スコアがこういうふうに日齢で下がっていたとしても、ある日齢において得られるスコアというのは、ここがこういうふうになるわけで、集団というのはこういうふうに分布するわけですが、この集団、ある日齢あるいは群のデータを取り出して、これを横に並べたときに、ここは正規分布しないと統計に当てはめられないんですね。一般化線形では正の値をとったときというのは、分布をゆがんだものを充てるというモデルは存在するんですけど、今回、成分スコアというのは負の値をとっていて整数でもないので、そういうゆがんだモデルを当てはめる方法が世の中に1個も存在しないです。ということで充てることができないということです。

 ちょっとこの辺は割愛をしていって、どこに行けばいいのかな、ちょっと説明したほうがいいかな。一般化線形モデルで何をやっているかというと、離乳日齢、群間比較をするわけですね。ここには五つの群でやってありますけど、こことここの分布に差があるかと、ずれが生じていますかというのを見るわけですね。ここに出てくるのが回帰係数になるんですけど、この場合、一般化線形って線形なんですけど、1本線じゃなくて、傾きがある曲線も充てることができるので、必ずしもその傾きにはなっていません、ということです。

 重回帰の場合は、今回は線形の重回帰なので、傾きというのはここの、例えば離乳日齢が進むと問題行動スコアが下がるとすれば、ここの傾きのことを言います。これは線形の場合ですね、線形に当てはまるので。

 回帰係数というのはどういうことかというと、例えば犬の問題行動というのは、もちろん離乳日齢以外でも遺伝子であったりとか、お父さん、お母さんの気質であったりとか、おなかの中にいる状態であったり、もういろんなことが重なってくるので、それの総和でしかないわけですね。総和がこういうふうに、総和していくわけです。係数と説明変数を入れていくわけです。これが重回帰の式になるわけですね。今回問題にしているのは、例えばここの離乳日齢X1、例えばここに数字が6週、7週、8週という数字が入ったとき、B1という係数を幾つにすると、このYを説明できますかということになるわけですね。だから、有意差があるというだけじゃなくて、このB1というのがどのくらいの数字かというのを見なければ本当の意味はわからないということです。

 ちょっと割愛して。有意差というのは何かというと、難しいんですけど、標本の観察データと仮説を立てた場合の両者の間にずれがあったかどうかを調べる方法です。その場合に有意水準というのを設定します。この場合、世間一般では5%というふうに有意水準を決めるんですが、どういう意味かというと、ある集団を解析して、A群、B群、違いがありましたと。その有意差を計算すると、p値を計算したときに、5%を切りますというのはどういうことかというと、同じことを20回繰り返したときに、1回ぐらいは本当は差がないのに差があるように見えますよということです。5%というのは。だから、5%と有意差がついたからといって、それは、本当は差がない可能性が20分の1存在するということです。大丈夫ですかね。そのp値というのはどうやって計算されるかというと、データの安定性に依存してくるので、サンプルサイズ、つまり調べた個体数が多くなれば、わずかな差でも検出することが可能になります。例えば同じような分布をしている50人に調べたときに有意差がないんですけど、100人になったら有意差がつくということは非常に多いです。これは社会心理でもそうですし、人の臨床でもそうです。例数さえ集まれば差が出てしまいます。なので、今は論文を書くときに科学的に検証する場合は、p値だけ書いてもほとんどの論文は却下されます。なぜかというと、有意差があるかどうかではなくて、つまり差があるかどうかだけではちょっと足りないと。どのくらいの差なんだということを書かなきゃいけないということですね。それは先ほど西村委員が言われたことになるわけです。どのくらいの差があるかというのを一般的に知られていまして、例えば一般化線形モデルの回帰係数βを比べなさいとか、重回帰分析では決定係数のR2を見なさいというふうに言われます。これは、例えば放送大学のテキストに書いてあるんですが、R2が1と非常に高い、これはゼロから1の間をとるんですけど、0.49より上の場合は高い相関があるというふうに、0.04より小さい場合はほとんど相関がないというふうに言われます。ほかにも効果量というのを計算できるんですけど、これはコーヘンという人たちが1998年につくったもので、世界一般的に使われるものです。つまりその得られた結果というのはどのくらいの効果がありますか、最終的に知りたいものをどれだけ動かす力を持っていますかということですね。これは一般化線形ではまだ議論が続いていまして、世界中の統計学者がその効果量を調べる計算式をつくっている段階です。まだ常套手段というのはありません。重回帰分析は線形なので、もう既に結果を得られることができまして、R2かF2を使うということになっています。それが0.02よりも大きい場合は小さい関係があったと、0.13より大きい場合は中ぐらいの関与があると、0.35や0.24よりも大きい場合はラージというふうになるわけです。

 今回の、じゃあ、そのR2とか効果量ってどのくらいになるかというと、有意差がついた、例えば全頭解析のところは有意差がついています。ただ、R2で言うと、0.009とか0.01あるいは0.0091というふうに0.02を超えるものというのは得ることができませんでした。これは効果が弱い、あるいはないと判断されるところはここになります。個体数は足りているのかということですが、個体数を予測することができまして、この統計に必要な個体数というのは、大体2,000頭あればいいというふうに計算できます。今回は4,000頭近いデータが得られていますので、個体数としては十分だということがわかります。

 じゃあ、どこに一番効果が強く出たかというと、先ほど途中説明したように大型犬です。大型犬のところは非常に強い効果、強くはないです、ほかのものに比べて比較的強い効果が得られていて、0.06、0.07、0.05というふうに0.02を超えるものがちゃんと出てきます。グラフで見ても、傾き具合がかなりシャープだったのを皆さん感じられたと思うんですけど、出てきます。ただ、このパワーとしては少し足りなかったということです。本当は200頭ぐらい欲しかったんですが、得られたデータが121頭でちょっと足りなかったと。特に8週齢のところがすごく少なかったんですね。そのせいで、統計的には有意差が得られるところもあるし、効果量もあるんですが、ちょっと統計としては不足していたところがあったと。なかなか大型犬をペットショップで売ってないという実態があるので、これだけ集めても齢数が集まらなかったというのは、結論にはなります。なので、p値というのは一つ大事な指標であるのは間違いがありません。それが実際に差があるかどうかというのはp値で比較するしかないので、5%を切ったのは非常に重要な意味があるんですが、検討する場合、何かを考える場合というのは、こういう効果量というのをあわせて考えなければならないということになります。

 以上です。

【新美部会長】 では、お願いします。

【西村臨時委員】 ということで、我々の検討会としましては、先ほど申し上げたような結論を出したということになります。そのときに、それで当初の検討内容についてはおしまいだったんですが、さらに、じゃあ重要なのは何なのかというところを、皆さん、意見を出していただきました。問題行動が起こる要因としては、やっぱり犬種とか、犬種といっても遺伝子がかなり絡むと思うんですが、先ほど菊水教授も言われた、母体の状態や出生後の環境、そういったものというのもやっぱりこれからは僕らは検討していく必要があるだろうというディスカッションをしました。

 以上でございます。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 それでは、これに加えて、事務局のほうからご説明いただけたらと思います。

【事務局】 それでは、資料1-5に基づいて、ご説明させていただきます。

 これは幼齢犬猫の販売日齢に関する科学的知見というのを前回、幼齢日齢の導入をするかしないか検討いただいた動物愛護管理のあり方検討小委員会のときに資料をつくっているんですけれども、そのときの集めた知見に、その後加わった知見、すみません、その後というのは、例えば6ページのほうで灰色、網線を加えているところがその後加えた知見になります。これについては環境省にいただいた要望書や関係する先生方に事前にご相談したりして集めた知見の一覧表になります。ワクチンの接種にとっても重要な時期になるということで、前回のときにも予防接種ガイドライン、文献資料1と書いてあるところですけど、英語版は載せていたんですが、和訳がその後出たということで、文献資料のほうに入れさせていただいております。

 そのほか、主に犬になりますけれども、㉑番から㉘番まで、新たな知見としてご紹介させていただきました。各先生につきましては、その文献そのものを、参考資料6のほうにつづってあります。ただ、㉘番の本については、これはもう絶版ということで、山﨑委員からご紹介いただいたんですけれど、もしご覧になりたいという先生がいらっしゃいましたら、ここにありますので、後でお声がけいただければお貸しいたします。

 それから、猫につきましては、9ページのほう、一つだけなんですけれども、「早期離乳による猫の攻撃性及び常同行動の増加について」という論文が新たに出ているということでご紹介させていただきました。全部しっかり読み込んでいるわけではないんですが、7週と8週を比べたものはこの中にはなさそうだと事務局では見ていますけれども、後ほど読み込んでいただいて、何か新たな知見というものがあるようでしたら、また、このご紹介した知見以外に何か知見があるということでしたら、後ほどでも構いませんので、事務局のほうにご連絡いただければと思っています。

 この新たな科学的知見以外に国内の規制の状況ですけれども、二つの市の条例で、これはあくまでも努力義務ということですけれども、犬猫の飼い主の遵守事項として、生後8週間は親子をともに飼養してから譲渡するように努めましょうということが、札幌市と三郷市の条例で定められているという状況になっております。

 では、続きまして、11ページですけれども、後ほどご説明させていただきますが、動物愛護管理法の施行状況について、附則の15条に基づいて、全国の自治体に調査しているもののうち、幼齢犬猫の販売等の制限において何か課題があったら書いてくださいということを自治体にお願いをした結果になります。括弧内の数字が自治体の数だと思っていただければと思います。

 販売日齢の課題として一番多かったのが、業者が台帳をつけていただくことになるんですけど、そこに生年月日が書かれていても、それが本当かどうかわからないと。不正があってもなかなか指導しづらいという意見が一番多くいただいております。

 その次には、57日齢以上するのであれば科学的根拠が必要ではないか。

 または幼齢な動物を好む社会全体の意識改革がそもそも必要なんではないかというようなご意見、課題として、販売日齢を延ばすとまた悪影響が懸念されるという意見もいただいています。パピーミルなど不正な飼養期間、不適正な飼養期間が逆に延びてしまうので、適切な社会化につながらないのではないかというようなご意見もありました。

 また、販売日齢以外の規制が必要というご意見もありまして、例えば十分な社会化を意識した親等との飼養がされているか。要するに、先ほど言ったようにブリーダーのところにいる間にどれだけ適正な社会化がされているかということかと推測しますが、そういったことも必要なんじゃないかと。または近親交配の規制が必要じゃないかということや、また、犬種ごとの検討が必要ではないかということで、日本犬の繁殖業者から、40日以上母犬と同居させると母犬は傷だらけになるとの相談がある、ということが書かれていました。

 続きまして、12ページでご紹介します。自主的に57日齢以上で販売している事例を把握されていましたら、記載してくださいということで、犬猫販売計画に、何日齢以上で売りますというのを計画書で大体書いてきますので、そういった記載内容から、自治体で把握している実情として、そこにたくさん書かれています。この括弧内の数字は、あくまで自治体の数なので、全体の何%が既にそういう取り組みをしているかということはわかりませんが、自主的に60日齢以上だったり、90日齢、70日齢以上で売っているという業者も中にはいらっしゃるということが、これで見受けられます。

 最後、13ページですけれども、科学的知見のほかに、日齢の担保措置の充実の状況についても附則の条文に書かれていますので、犬猫の健全な流通を検討する3団体会議が、日齢の担保措置として、門歯の状態だったり、毛の伸び具合や体の発達具合、歩行の状態等で、本当に日齢が合っているかチェックする活動をされているということで、ご紹介させていただきました。

 以上になります。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 幼齢調査について、全体、ご報告がございましたが、全体を通して、ご意見、ご質問がありましたら、どうぞご発言をいただきたいと思います。

 では、太田委員、どうぞ。

【太田臨時委員】 質問する十分な時間はありますか。

【新美部会長】 予定時間は限られておりますが、そんなにたくさんでなければ大丈夫です。

【太田臨時委員】 報告の23ページですけど、これは有意差があると。サンプルサイズは十分だと。ここのところの検出力は幾つですか。

【説明者(菊水教授)】 検出力は0.9998です。

【太田臨時委員】 随分低い。

【説明者(菊水教授)】 検出力、パワーですよね。1がマックスなので、すごく高いんです。だから、もうこれ以上例数追加は要らないです。

【太田臨時委員】 要らない。

【説明者(菊水教授)】 はい。

【太田臨時委員】 それと、大型犬ですね、29ページかな、大型犬は。これはサンプルサイズは足りない。

【説明者(菊水教授)】 足りないです。220頭ぐらい欲しいんですが、140です。

【太田臨時委員】 これはサンプルサイズを増やせば何とかなるという話ですか。

【説明者(菊水教授)】 もう既に有意差は得られているんですけど、8週齢のところの有意差が得られていないので、それは個体数が少ないせいだと思います。

【太田臨時委員】 もう一点、猫ですけど、52ページですね、これ、3群に有意差はない。これはサンプルサイズは十分ですか。

【説明者(菊水教授)】 猫はやっていません。すみません。間に合わなかったので。多分、足りないと思います。

【太田臨時委員】 そうすると、犬に関しては、3群に関しては、いわゆる自然系では有意差があると。

【説明者(菊水教授)】 はい。有意差はあります。

【太田臨時委員】 そのサンプルサイズも検出力も十分だと。

【説明者(菊水教授)】 はい、そうです。

【太田臨時委員】 それで、3群に、言うならば7週と8週に差がないという根拠は何でしたっけ。

【説明者(菊水教授)】 差はあります。効果量は少ないということです。

【太田臨時委員】 効果量。検出力も十分ですね、これ。

【説明者(菊水教授)】 はい。だから、効果量は少ないということです。

【太田臨時委員】 何かいまいちわかりづらいですけど、わかりました。はい、どうぞ。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。

【太田臨時委員】 はい、大丈夫です。

【新美部会長】 いかがでしょうか。ほかにご質問、ご意見ございましたら。

【則久動物愛護管理室長】 今、事務局からも、関連した、ほかのいろいろな海外知見とか過去に集めたものと、あと、今回追加でいろいろ教えていただいたものをご紹介させていただきました。犬の社会化というと、幼少期の社会化の観点、有益なものだと思うんですが、ぴったり7週、8週に焦点を絞ったというものが、直接的に見当たらなかったので、我々の読み込み不足かもしれませんので、科学者の先生方にもご覧いただいて、アドバイスいただきたいのと、これらの他に知見がありましたら、教えていただければということでお願いしたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

【事務局】 すみません。1点、私のほうからご報告し忘れたのがありまして、先ほど第2回幼齢犬猫の販売等の制限に係る調査評価検討会にサーペル教授をお呼びしましたというご紹介をさせていただきましたが、その際、前回7週齢の根拠となった、4~6週までと7~9週までの間では差があるという調査結果を改めてご説明いただきまして、その4~6週と7~9週の固まりで前回はご紹介いただいたんですけど、日本のこの検討のために、今回は4週、5週、6週、7週、8週、9週と、それぞれ分解して、新たに検討したということでご紹介いただいたものが、委員の先生方の参考資料7としてありますので、ちょっと、教授のほうから簡単にご説明いただけますか。

【説明者(菊水教授)】 これはサーペル教授からデータをお借りしてきたものです。アメリカのほうでは、C-barqが日本より先行して、より多くのデータが集まっていまして、それをサーペル教授が、日本にお呼びしたときに、週齢ごとに分けて、問題行動のスコアがどういうふうに変化するかというのを調べてくださいました。赤いバーが犬に対する攻撃性のスコア、青いほうが知らない人に対する人間に対する攻撃性のスコアです。ピークは3週、4週、5週とかで、アメリカの場合、正確な離乳日齢はわかりません。ただ、ペットショップ経由があまり販売ルートの中心にはないので、飼い主が入手した日というのは大体ブリーダーからいただいた日になるので、ブリーダーのところを出た日というふうなイメージで見ていただければいいと思います。3、4、5週のところは高いですが、6、7週で減ってきまして、7、8、9週はほとんど差がない状態が続いて、11週では差がないと。ちょっとずつ、少し上がっていくような感じです。それは犬に対する攻撃性も見知らぬ人に対する攻撃性もほぼ同じ感じで推移をします。

 これが飼い主に対する攻撃性が青、赤のほうが同居犬に対する攻撃性です。飼い主に対する攻撃性は青なんですが、青も3、4、5週のところは高いんですけど、6、7週にかけて下がっていって、7、8、9、11週が大体同じぐらい、12週でちょっと高いんですけど、それほど上がってくる感じはしません。同居犬に対する攻撃も、3、4週のところは高くて、5、6、7週で減っていきます。9週が少し低いですね。あと、11週が低いと。この辺が少しプラトーになってくる感じがします。統計的に、どことどれに差があるかというのは、サーペル教授のほうでは、今回はやられておりません。

 最後、これが犬に対する恐怖反応が青で、見知らぬ人に対する恐怖性が赤になります。ここの恐怖性は、攻撃性とちょっと違っていて、3、4週のところで高くて、5、6、7週で下がっていって、7、8、9週ぐらいのところはちょっとプラトーなんですが、後半になって上がってくるというのがわかります。14週とか15週では高くなっていくということです。彼の解釈だと、恐らく恐怖というのは社会化をちゃんとする必要があって、ブリーダーのところに長くいるというのは、社会化のチャンスを失っていて、恐怖反応が上がってくるんじゃないかということを言っておりました。

 以上になります。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

 ほかにご質問、ご意見ございませんか。じゃあ、太田委員、どうぞ。

【太田臨時委員】 38ページのスコアの悪いものというのは、これは割合が出ていますけど、これはアメリカのデータと比べてどうなんですか。

【説明者(菊水教授)】 今回、主成分分析になっているので、スコア自体がアメリカと直接比較できるものは得られていないです。

【太田臨時委員】 結局、アメリカのデータはないと。

【説明者(菊水教授)】 アメリカと比較するアメリカ側のデータがないということです。

【太田臨時委員】 わかりました。

【新美部会長】 それでは、打越委員、どうぞ。

【打越臨時委員】 いろいろ意見があるのですけれども、その前に、事務局側に確認させていただきたいことがありまして、動物愛護管理法ということで、最終的に議員立法になるのであれば、今日、私たちがここで検討することは、対外的な参考意見をつくっていくというような趣旨なのかということと、また、このことの検討は今日で最後なのか、それとも3月にもう一回やるかもしれないという話が出ていますけど、そこでもう一度検討できるのか、それによって多種多様な意見を自由に言ってよいのか、結論を出せという会議なのか、その辺りを伺ってから自分の意見を言いたいと思うのですが。

【新美部会長】 よろしくお願いします。

【則久動物愛護管理室長】別に法律で定める日ということになりますので、最終的には、やっぱり国会のほうで、議員立法で考えていくという形になりますので、今回、この審議会で何かの結論を出すということではございません。ですから、ご意見をいただいて、それを整理させていただいて、先生方、国会のほうにお示しをしていくという形になろうかと思います。

【打越臨時委員】 であると、少し自由なディスカッションをしてよいということなのですよね。

 それでは、私のほうで、今回、実は中間報告のときに菊水教授のお話も聞かせていただきましたし、また、西村委員から出していただいた最終的な結論として、日齢3群による違いの影響はほぼないに等しく、犬種、遺伝子、母体の状況、また飼育環境等のほうが、その辺りを考えていかなければいけないというそのご意見を読んで、感じるところをお伝えしたいと思います。

 これまでペットショップというのが、比較的、私たち動物を愛護する立場の人々が目のかたきにする対象で、しかし一般の消費者が実際にそれを見ることができますので、ペットショップの飼育状況というのは、多くの消費者の目線に支えられて少しずつ改善してきたのだと思います。今回の飼育環境調査、アンケートに関しても、ペットショップは187店中100%がアンケートに協力したということで、私たちが、次に考えなければいけないのは、やはり一般の市民が立ち入りできないブリーダーにもっと論点を絞って、規制のあり方を考えていかなきゃいけないんじゃないかと。飼育環境に関するアンケートへの協力が13%、14%、これはブリーダーの、プロフェッショナルとして、動物を扱うプロフェッショナルとしてあまりにもお粗末なんじゃないかと私は感じています。ですので、一層厳しいハードルをブリーダーにどう仕掛けていくかということを考えていくべきだと思うのです。が、それが週齢規制なのかというと難しいというのが、今回の菊水教授と、あるいは検討会の結論なのかなと思います。

 でも、今、政治的に何が議論になっているかと思ったときに、8週齢規制を強く主張する人たちの意図というのは、母親から引き離す年齢が7週では可哀想とか、社会化の観点によって厳然と7週、8週が違うということを意識した上で8週を主張しているよりも、むしろ悪質な業者を駆逐したい、安かろう悪かろうで、幼いうちが売れるだろうといって、売れ筋で生き残っているような業者に出ていってもらいたいという気持ちのその象徴として、私は8週齢規制というのが強く出てきているんじゃないかなと思うんですね。

 ただし、今のまま、ブリーダーの飼育環境がブラックボックスのまま、ただただ規制を強化すると、恐らく動物の体が大きく成長しないように、餌を極小に抑えて、体が成長しない形でブリーダーのところで犬や猫を育てるという可能性があり得ると思います。これは実際餌をうんと少なくしていれば大きくならずに済みますので、8週齢の規制を導入しても、小さな売れ筋の動物として市場に出てきてしまったら、それはもっと虐待というか、悔しいことだなと思います。

 他方で、7週齢のままでいいじゃないかというのは、ペット業界のビジネス側の主張だと思うのですけれども、その背景には、売れ筋の大きさでなくなったら困るという利益減への心配だけでなくて、愛護団体の主張に押し切られるということ自体がいまいましくて、愛護団体の主張をのさばらせたくないというような、警戒心というようなものもあるんじゃないかと思うのですね。

 だから、ある意味、私たちが議論すべきものは、それぞれの価値観や立場のある人たちの意見をもっとしっかり聞いていく、その意見をここの部会に出していくことなのではないかと思っています。

 ただ、私は動物行動学でも獣医学の専門家でもないのですけれども、今後、例えば法改正であるとか、基準を考えるに当たって、はっきりと議事録に残しておきたいと思うのは、ブリーダーを規制する際に問題だというのは、これも自治体の担当者から一杯上がってきていましたけれども、週齢とか血統を客観的に証明する仕組みが存在していないという点が、私は、これは本当に困った点だと思っています。前回の法改正のときにもそれを指摘したんですけど、どうやって証明するんだという議論は、誰もついてきてくれなかったんですね。でも、今回の自治体の動物愛護管理法の施行状況の調査、資料1-5で先ほど事務局が参照してくれたものや、あと、資料2のほうに細かく書いてあるところからは、むしろ業者が申請した書類だけで週齢とか血統書が、それを受けてケネルクラブが血統書をつくっているのだと思いますけれども、それの信頼性がないということが、私は最大の問題じゃないかなと。何人もの自治体の担当者に私も直接聞きましたけれども、これらの記録は信頼できないというふうに、幾らでもブリーダーのほうで修正できるという状況だと思います。

 この客観的な証明性が欠落した文書が商取引の前提になっているということ、行政法学における規制行政とか法社会学的な観点から見て、私はこれは異常なことだと思います。要は商取引の前提となって、これが証明だと言われているものが、業者が自分で書いたものをただ追認するだけの書類が商取引の基軸になっている、これは本当に異常なのだという認識を私たち委員は強く持って、その証明書の信頼性をどうやって高めていくかというのを考えなきゃいけない。それができていないまま、7週だ、8週だという議論をしても、それじゃ規制の前提が存在していないに等しいんじゃないかと思うんです。

 例えばBSE(牛海綿状脳症)のときだって、外国産の牛肉を国産だと偽って買い上げても、証明ができなかったということがありましたけれども、要は週齢の証明ができないというのが、さっき資料1-5にも配られました犬猫の健全な流通を検討する3団体会議で、門歯の状況とか、毛の伸び具合とか、体の発育状況とか、歩行の具合とか、要は何週齢だというのを証明するのを、多くの先生がその立場なので、ちょっと恐縮なんですけれども、獣医学的な観点から科学的に証明しようとだけしているところに限界があって、だから難しいと諦めてきたんじゃないかと。ただ、この中に法学の関係者は3人しかおりませんし、行政法の先生がいてくださらないので、私もちょっと自信はないのですが、法学・政策学的に考えれば、外部の公正な存在が立ち会うことというのが、本来、証明になるはずです。行政が公権力で規制するのではなくて、第三者認証とか、情報開示とか、そういうもので品質の証明にするというのが、HACCP (Hazard Analysis and Critical Control Point)であるとか、あるいはISOなどの国際標準規格だと思うんですね。

 例えば、それこそ実験動物の飼育管理においても、もはや第三者がそこに立ち会うというのが当たり前になってきていますので、週齢を獣医学、動物行動学的な観点から証明しようとすれば、それは個体差もあり……

【新美部会長】 手短にお願いします。

【打越臨時委員】 はい。

 ありますけれども、だから、第三者の立ち入りによる証明を私は本気で考えていくべきだというふうに思っています。

 ただ、その第三者が、自治体の担当者が全部ブリーダーのところに回るというのは、私は無理だろうと。幾ら何でもマンパワーが足りないと思いますので、むしろ、私が力をおかりしたいなと思うのは、獣医師会であります。全国の動物病院の先生方にお力をお借りして、業者規制のあり方を考えていくべきではないかというふうに思うんですね。

 行政法で、京都大学に原田大樹先生という先生がいらっしゃいます。その方は、産業法、経済法、都市法、電波法など、業界における自主規制の研究をしている方です。自主規制をするからには、その証明は業界側に責任があるという仕組みを日本ではもともと多用しているという状況ですので、ブリーダーに対してお伝えしたいのは、自分たちで書いたもので週齢の証明書にするのではなくて、動物病院の医者が、例えば1週間に一度生まれているかチェックに行って、その先生に週齢規制の証明書を書いてもらうような仕組みを私は考えていくべきだと思います。それを獣医師会がボランティアでやるのは違うと思います。きちんとした料金、手間暇をかけた分の料金を請求した上で、その分、かかるのは業者のほうにかかりますので、コストは次第次第にユーザーに、最終的にはエンドユーザーの消費者にかかることになりますけれども、きちんとプロフェッショナルとしての獣医師が毎週生まれた子犬・子猫を見に行く。ただし、そこに必ず料金は発生する。その料金はブリーダーが支払う。支払うけれども、価格に必ずはね上げる。その分、ペットの値段は上がる。それで私はよいというふうに思うのです。

 そういう立ち会いの証明の仕組みがなければ、7週間前にいなかったはずの子犬・子猫が、いつの間にか7週間として売られるのを防ぐことができない。証明がないまま規制行政が行われるということがあり得ないなと思っています。

 業界自主規制というのは、規制強化ではありません……

【新美部会長】 もう、そこでやめてください。

【打越臨時委員】 はい、わかりました。規制緩和という観点から、業界規制……。

【新美部会長】 皆さんの時間をちゃんと考えてください。

【打越臨時委員】 はい、わかりました。申し訳ありません。長くなりました。

【新美部会長】 ほかにご意見。はい、どうぞ。

【脇田臨時委員】 今、打越委員からご意見をいただいた中で、私たちは、今日、この場で、現場に携わっているのが私しかいないので、やはり現場の意見ということも大事かなということを述べさせていただきたいと思うんですけど、私、それを申すのに対して、私もペットショップを45年やっていまして、その中で、繁殖をし、それを離乳をさせて、エンドユーザー、お客様に販売すると。それもやりながら、35年前にオークションを立ち上げて、今はオークションで私はチェックを35年やっております。先ほども申された門歯とか、そういったのも、私たちの意見を携えて、こういうポスターをつくって、これを守っていこうねという自主努力の一つの一環としてやらせていただいておるんですけども、まず、7週か8週かというお話になることに対してですけども、私たちも子犬を育ててきて、大体、子犬の場合だと30日から門歯が生えてきて、それから離乳を始めていくんですけども、やはり門歯が生え、犬歯が生えてくると、長くつければつけるほど、お乳を飲むと離乳というのができないですね。人の子もそうなんですけども。親と離しながら、夜から朝までつけます。また離して離乳をさせるということを繰り返していくんですけど、やはり長くつけた例が私たちもあるんですけども、やっぱり門歯・犬歯が生えてくると親も嫌がってくるんですね。歯が生えてきて。中には、柴犬みたいな警戒心が高いのですと、痛いと子犬をかっと威嚇したりとか、その中で子犬が傷をしたりとか、そのバランスというのは、確かに難しいとは思います。犬種がいろいろある中、大きさもいろいろある中で、一律に何日何日というのは、正直言って、経験上は、線を引くのは難しいのかなと。ただ、それに沿っていくことはできるかなと。

 先ほど大型のデータが少ないというのは、8週まで置いてしまうと、大型というのは、もう体も大きいし、やることもやんちゃで、やっぱり飼う側のお客様も、もうこれは飼いにくいよという形なので、やはり45日とか49日とかでお渡しして、大体1日の3分の2は寝ていますので、寝ている間が大切なので寝ている子を起こさないようにしたりとか、そういう指導ということも、とても大事な部分になってきて、ちょっと話は飛ぶんですけど、例えばおうちの中で犬が外に向かってほえている。ワンワンワン、外から来る人に対して威嚇しているというのは、これは人のお子様に例えて言うことが正しいかどうかわからないです、私もちょっとそういう法律的なことはあまりよくわからないですけども、やっぱり内弁慶になっていて、外で触れていないという、やっぱり外の犬とか人に触れる時期というのが大事かなということで、私どもは、もう49日から1カ月間たって、ワクチンとかをすると、やっぱり今度はワンちゃん慣れ、人慣れをさせるんですね。散歩へ行って、公園で、ベンチで縛っておいてくださいねと。ほかのワンちゃんににおいをかがせてもらう、それから人にさわってもらう。そうすると、とても好きなワンちゃんになると。

 私どものお店に来ていただくとわかるんですけども、45年やっていて、10年ぐらいして気づいたのが、人の気配が入り過ぎちゃうと、子犬ってゆっくり寝られないんですね。やっぱり防音のところをつくって、そこでゆっくり寝かし、起きて御飯を食べ、子犬同士で遊び、それから排便して寝るという。それが、私どもは自分のところで生ませて、自分のところで離乳させ、お客さんに出しますから、例えば兄弟が5匹いれば、違うおうちにご縁があるわけですね。でも、同じ兄弟なのに、片やここのおうちはとても言うことをよく聞いて、しつけもできている。でも、ここのおうちはもうワンワンほえて困ります。やっぱり私どもが説明したことが守れている方と守れていない方というのが、もう歴然とわかって、やっぱり守れている方というのはちゃんとやっていてよかったよ、そうすると、2代目、3代目を買っていただくときに、また、あんたのところでやった子はいいからということで来ていただいて、同じ説明を、だから、30年前と変わらない説明を今もして、ワンちゃんをお渡しする。それは2代目、3代目、もう今だとお孫さんが家庭を持って、また買いに来ていただくようなお客さんというのは、昔、ここで買ったから、よかったからという事例になるんですね。

 ただ、これは現場での声しかないんですけども、やはり数字を決めていく上ではとても難しい。だけど、ペットショップ側も、もう少しちゃんとした説明ができて、お渡しして、子犬の教育というところではなくて、どちらかというと、買う方の教育をさせていただいているのが、失礼な言い方になりますけど、現場なんですね。それができたお店と、できていないお店は、多々あると思います。だから、業界としては、いいことは学んでもらい、悪いことは、先ほどおっしゃったように、ブリーダーも、やはり粗悪なところもあるでしょうし。だけど、本当に数%のところを基準に頑張ってみえる方たちを規制していくというのも、いかがなものかなと思いますね。

 だから、何かがあれば、私たちの現場でやれることは努力して、今後、もっと、今やっているのは、今度、ブリーダーの今レベル差というのをはかろうということ、自分たちで、みんなで協力してもらってデータをとると。それをまただんだん皆さんにお出しして、その中で、点数が低いところは、業界として、もうちょっと指導しようと。

 もう一個、一つ……

【新美部会長】 もう少し簡便にお願いします。

【脇田臨時委員】 言わせていただきますけども、オークションというのは、とてもイメージ的にはよく思われていないところが多いんですけども、あれが唯一基準になるところですね。私もチェックをやっていますけども、例えば歯が生えていると、あれっ、これちょっとあれだな、歯が生えが悪いねというと、やっぱり犬種によってもすごいあるんです。50日たっても、門歯も出てこない、犬歯しか一部出ていない犬種もあったり、シーズーとかシュナウザーとか。だけど、もう35日で歯が生えている犬もあるわけですね。だから、その差というのはとても難しいですけど、やっぱり日齢が守れているかどうかというのは、私たちも見れば毛ぶきとか、歯の生え具合とか、それから歩き方とか、そういったことで判断が、ある程度のところができるので、オークションというのは、そういったところでちゃんとだめだよと返す、健全じゃなさそうな子は、もう一回離乳し直してねということも言えるような、そういったところを一つ基準の目安として、活動の一環として、業界をよくする中の一つの団体としても、見て育てていきたいなとは正直言っておりますので、また今後、何かあれば、ご協力も当然できるし、こういったことをしてねということであれば、逆に協力させていただいて、データとして、数字というのは、生き物相手だから、本当に難しいとは思いますけども、やれることはやっていきたいということはお話しさせていただきます。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。ほかにご意見ございましたら、どうぞ。はい、どうぞ。

【木村臨時委員】 一臨床家として、現在、病院を訪れる子犬の日齢を考えてみますと、やはり生後49日、56日、この法に記載されている日齢の規制があるから、この日齢以降の個体が来院することが多いのだと思います。しかし、まだこの年齢未満で、一月ちょっとというような個体もいます。56日齢に対する評価が、今日の菊水教授の報告で出てくれば非常に良いと思っていましたが、49日齢でも56日齢でも大きな違いはないようですので、実際の売買取引を考慮して行政手腕で、何日齢にすれば動物の愛護福祉上、適切かということになると思いますが、やはりより安全な56日齢がよいと思います。例えば56日齢を決めたとしても、56日齢より早い取引きは必ず出て来ると思います。少しでも個体の安全率を考慮した日齢を検討していただければ、一番良いのではないかと。

 それから、もう一つ、切り口がちょっと違うと思います。どうしても母親の気質、それから繁殖家の程度、飼育環境、遺伝、いろんな要素が関わってくるとは思いますが、ブリーダー、ペットショップですが、ペットショップは人の目に触れて少しずつ改善してきたように、思います。繁殖家は、あまり変わってないと思います。動物取扱業は衛生管理基準を設け、届け出制でなく、許可制にする必要があるかもしれません。許可制であってほしい気がします。それと、新たに動物を飼う人についてですが、飼育開始前の講習、自分が飼いたい動物の特性、飼育方法、病気などの講習を受ける義務があってもよいかと思います。努力義務でよいと思いますが、各自治体が取り組んでいけば、不幸な飼い主、不幸な家庭飼育動物が減少すると思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。 時間も大分押しておりますが、ほかに、あとお一方、お二方。

はい、どうぞ。

【山口臨時委員】 前回の法改正のときの委員会のときにもお話しさせていただいたんですけれども、週齢が決まったらそれでよしではなくて、必ず抱き合わせで飼育管理をどういうふうにするかという基準をつくらないと、週齢だけ決めても、劣悪な多頭飼育は減らないよということをたしか意見として出させていただいたと思います。皆さん、今まで発表してくださった先生方も同じ思いでいらっしゃるように思いますので、ぜひ、今度の週齢のことを決めるときには、必ず抱き合わせで、ブリーダーにおいての飼育管理及び人との関係、動物との関係を入れ込んだものにしていただきたいなというふうに思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 まだまだご意見あろうかと思いますが、ほかにございますか。

 私も、今日、菊水教授、それから西村委員のご発表を聞いていて、やっぱり週齢、幼齢だけが問題行動の因子ではなくて、やっぱり複数のものが複雑に絡み合った、複数の因子が複雑に絡み合って問題行動を出しているんだという印象を受けました。ですから、幼齢が一切関係ありませんよというわけではありません。ただ、データから言うと非常に弱いと。そこまでは今日のご説明でわかってきたと思います。

 今、山口委員がおっしゃったように、ほかの要素をちゃんと目を配るべきだということ、それをどう配るべきかというのは、まだまだ議論をしていかなければいけない問題だと思いますので、とりあえず、この幼齢調査については、今伺った調査の結果については、我々は謙虚に受け止めて、次の議論につなげていきたいというふうに思います。

 ほかになければ、次の議題に。どうぞ。

【則久動物愛護管理室長】 後でご報告の予定ではあったんですが、実は飼養管理のあり方については、武内委員にお願いをしまして、今後、少し検討体制をつくっていこうかと思っております。もともと施設の数値基準とか明確化というところが、議論があったものですが、多分、施設だけではなくて、手間暇のかけ方ですとか、いろんなところをトータルに見ていく必要があるかなというところで、そこについてこちらの結論がどうなるかに関係なく、いずれにしても検討体制はつくっていきたいと思っております。

【新美部会長】 そういうことで、別のほうの対応もしつつあるということですので、またここの場でご議論を進めていただきたいと思います。

 それでは、続きまして、地方自治体による動物愛護管理法の施行状況及び公益社団法人日本獣医師会、一般社団法人ペットフード協会によるアンケート調査について、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【事務局】 資料2をご覧ください。資料2、地方自治体による動物愛護管理法の施行状況調査について、環境省のほうで行わせていただいております。

 趣旨としましては、改正動物愛護管理法が施行されてから3年以上が経過しまして、法附則のほうに、施行状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものという文言がございまして、改正法の施行状況、地方自治体の皆様がどのような形で施行されているかというのを把握するため、自治体へ調査を実施させていただきました。

 調査概要をご覧ください。

 調査対象は、都道府県・指定都市・中核市の計115自治体。動物愛護管理部局全ての自治体に調査をさせていただきました。

 調査期間につきましては、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの昨年度の実績で回答をしていただいております。

 調査内容につきましては、大きく四つ分かれまして、動物愛護管理行政に関する諸課題の状況調査ということで、一つ目、第一種動物取扱業の登録基準及び遵守基準。例えば地方自治体による上乗せ等の条例または要綱の有無等について調査させていただいております。二つ目です。移動販売・展示に関する課題というものがございまして、こちらも同様に、地方自治体による上乗せ等の条例または要綱の有無等について調査させていただいております。3番目です。周辺の生活環境が損なわれている事態等ということで、先ほどお話にもなりました多頭飼育の問題であったり、虐待の問題であったり、そのようなことに関して調査させていただいております。4番目でございます。犬及び猫の引取りということで、引取りはもちろんのこと、譲渡の際の取組み、去勢・不妊の取組みであったり、マイクロチップの装着の取組みであったり、また、殺処分の状況について、調査させていただいております。5点目になります。優良な第一種動物取扱業者を伸ばす工夫・取組みということで、表彰制度等について調査させていただいております。こちらが大きな一つ目の調査内容になっております。

 二つ目の調査内容についてご説明いたします。動物取扱業者への監視指導等実態調査ということで調査させていただいております。1、2ということで、第一種動物取扱業者、第二種動物取扱業者に対する監視、指導状況について、調査させていただいております。3番目ということで、第一種動物取扱業者、第二種動物取扱業者からの報告徴収または立入検査の拒否件数等について、調査させていただいております。4番目です。獣医師による通報、こちらは改正動物愛護管理法で新たに加わった項目でございまして、こちらの状況、数であったり内容であったりについて、調査させていただいております。

 大きな3点目の調査は、第一種動物取扱業、業者に関する実態調査について行っております。1、調査を実施した動物取扱業者ということで、インターネット販売等を含む販売業を含む動物取扱業の地方自治体による把握状況等について、調査させていただいております。二つ目としまして、調査対象とした全ての動物取扱業者の取引状況、例えば対面説明であったり、現物確認等の実施状況等について、調査させていただいております。3点目でございます。犬・猫の販売を行っている動物取扱業者ということで、昨今、先ほどもお話ありましたけれども、広告、インターネット等に掲載して犬・猫を販売する数が非常に増えておりまして、実際にインターネット等に掲載されている犬・猫の販売日齢等について、状況を確認しているところでございます。4点目につきましては、それを踏まえた地方自治体による指導内容、改善状況等についてとらせていただいております。

 大きな項目の四つ目でございます。その他ということで、1点目、2点目、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者について処罰された事例、刑法等により処罰された事例について把握している場合は記載をお願いしているところでございます。3点目、動物取扱責任者の資格要件ということで、地方自治体による全体の登録件数及び主な団体等による資格名について記載させていただいております。4点目が広域的または緊急の調整が必要、国による対応が必要であったと、地方自治体で対応した事例の中で、こういう国による対応が必要であったと考えられる事例について記載いただいております。5点目、6点目につきましては、先ほどご説明させていただいた幼齢規制の調査をさせていただいております。7点目として、マイクロチップの装着を義務づけることについての課題について調査させていただいております。

 駆け足で説明させていただきましたけれども、実際、この調査結果につきましては、今後、それぞれの個別の案件について、動物の愛護及び管理に関する法律の運用のあり方や動物愛護管理基本指針の改定に向けた検討などに活用させていただくこととしておりますので、各個別の数字等につきましては、後ほどご覧いただければと思っております。実は昨日、地方自治体にも通知をさせていただいたところでございます。

 それでは、続きまして、資料3をご覧ください。公益社団法人日本獣医師会及び一般社団法人ペットフード協会による実態調査というものでございます。

 1点目、公益社団法人日本獣医師会による調査です。こちらの調査は、本日出席いただいている木村委員を初め、日本獣医師会のほうに環境省のほうからお願いをさせていただきまして、実際に、各地方獣医師会を通じて会員病院にアンケートを実施、日本獣医師会で実施していただいたものでございます。実際に、動物病院1,164カ所から回答をいただいております。

 参考ということで、農林水産省で出している平成28年の飼育動物診療施設の開設届出状況を見てみますと、1万1,675カ所が小動物病院として登録されておりますので、10分の1程度からは回答いただけたということになっております。

 項目としましては、後ほどご覧いただければと思いますけれども、犬・猫の社会適性状況、不妊・去勢の対応、マイクロチップの装着、獣医師による通報、大きくこの4点につきましてアンケートをとらせていただいて、回答をいただいているところでございます。

 続きまして、一般社団法人ペットフード協会による調査ということで、こちらにつきましては、毎年、一般社団法人ペットフード協会において、全国の犬・猫飼育実態調査というものを行っておりまして、昨年末に、実際、2017年の結果につきまして公表しているところでございます。リンク先も貼らせていただいております。こちらは、一般の方に対してアンケートをとっているものでございまして、6万3,123サンプルの回答をいただいているところでございます。

 この中で、今後、法改正等々、動物愛護管理基本指針の改定等に向けた検討に活用させていただきたいと思っている事項につきましてピックアップしております。マイクロチップの装着、不妊・去勢の対応、動物愛護管理法の認知、飼い主の責務の認知、ペットの震災対策実施状況、こちらにつきまして、表をピックアップして今回お示しさせていただいたものでございます。

 重ねて申し上げますけれども、今後、いただいた資料3につきましても、検討に活用していきたいと考えておりますので、後ほど個別の結果についてご確認いただければ幸いです。

 以上でございます。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 実態調査についてのあらましをお話しいただきましたが、何かこの件に関して、事実確認程度で済ませてほしいんですが、ご質問とかコメントがありましたら、よろしくお願いします。

 では、西村委員、お願いします。

【西村臨時委員】 不妊とか去勢の調査というのは、何を目的にやられたのでしょうか。

【事務局】 不妊・去勢の調査につきましては、多頭飼育の問題につながることであったりとか、むしろ飼い主がどういう意識づけで不妊・去勢をされているかという、一般社団法人ペットフード協会のアンケートであったり、それぞれの立場から、どういうふうに、行政はどう考えているか、獣医はどう考えているか、飼い主はどう考えているかというところで、総合的に今後政策に反映していきたいなということで、とらせていただいております。

【西村臨時委員】 ありがとうございます。

【新美部会長】 ほかにご質問ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、次の議題に移りたいと思います。引き続き、次の動物愛護管理行政の主な課題についてということで、事務局からご説明をお願いいたします。

【則久動物愛護管理室長】 では、私からご説明させていただきます。

 資料4をご覧ください。これは前回と前々回の動物愛護部会におきまして、管理責任のあり方、それから動物取扱業に求められる役割と今後のあり方、さらに行政機関が果たすべき役割、行政機関と民間との連携のあり方、それから、社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方、そして「人と動物が共生する社会」の将来ビジョンということで、大きく五つ論点をお出ししまして、それについて種々ご意見をいただきました。

 本来であれば、これで前回ご指摘いただいたものを踏まえて、また深い議論を今回お出しできればよかったんですが、前半のほうで時間をかなり要するということで、その関係で、次のときに、この辺のさらに充実した議論のほうをお願いしたいと。その際に、先ほどご説明しました資料2及び資料3で得たような、自治体の現場の声なども反映して、こうした資料を用意しまして、またご審議の場を設定させていただきたいと思っております。

 ですので、今日のところは、前回いただいたご意見のうち、その後、文書でお出しくださいということで、追加意見を求めたので、幾つか追加でいただいております。その辺りを中心に、簡単に駆け足でご紹介したいと思います。

 1ページをお開きいただきますと、まず飼い主責任のあり方、環境省のホームページに適正飼養の動画サイトを設置すべきというご意見もいただきました。

 その下の譲渡講習会での適正飼養の徹底と。これはたしか金谷委員からだったかと思います。

 めくっていただきまして、次の2ページのところでは、マイクロチップの関係、それから、マイクロチップをやるのであれば、狂犬病予防法との一体化が可能なのかという観点からも議論はすべきではないかと。また、販売の要する犬・猫への装着の義務化が求められているわけですが、法律のつくりでは、それだけではなくて、繁殖犬、それから猟犬についても検討すべきではないかといったようなご意見もいただいております。

 それから、ちょっと飛ばしながら行きますけども、4ページの中ほどに多頭飼育を予防する規制の検討ということで、例えば頭数の制限とか、そういうことかもしれませんけども、そういった部分もご指摘いただいております。

 ちょっと規制というふうに申し上げましたが、これ実は幅広に、いろいろな課題についてご議論いただくという観点でやっておりますので、場合によっては、中に法律に係る事項もあるかもしれませんし、あるいは基本指針の改定が来年度の時期に入ってまいりますので、主にはそこに反映をしていく。基本指針が変わると都道府県の推進計画も変わりますし、あるいは環境省の省令、あるいはいろんなガイドラインも、いろいろ下に波及してまいりますので、そこに盛り込んでいくような考え方になろうかと思います。

 5ページのほうは、動物取扱業の関係でございます。ここの一番上のところでは、いろんな施設とか飼養管理について、客観的に判断できるような内容のものにもう少ししてほしいと。これについては、先ほども基準の明確化を考えていきますということを申し上げたところでございます。

 その下のほうにずっと来ますと、動物取扱業が多様化する中で、基準の細分化、明確化には賛成だけども、動物園を単なる取扱業で括っていていいのかということで、ご意見もいただいたりしております。

 めくっていただいて、6ページのところ、これは移動販売、いわゆる空港で引き渡して行われる代行業者の問題についてご指摘をいただきました。

 また、その下のところに行きますと、要するに海外ですと取扱業の対象が犬、繁殖期の3頭以上を飼っているといった場合で、ホビーブリーダーは規制の対象から抜けているケースが多いんですが、日本の場合は、子犬を2頭以上売る人はみんな対象になっているということで、ここが少し厳し過ぎるのではないかというようなご意見かと思います。

 それから、7ページのところ、これは行政機関が果たすべき役割でございますけども、大きいところでは、これは浅野委員だと思いますが、35条3項の所有者の判明しない犬猫の引取りの義務について、規定を削除なり廃止してもいいのではないかというご意見で、ただ、理由のほうは、拝見しますと、所有権の消滅の関係で、1回、所有者はいるけれども、わからないだけの犬猫が保護されたときに、1回警察を通って、遺失物法の手続をとっていくべきではないかということと、その関連で、民法の規定で所有権が消滅するような観点が必要なのではないかというご指摘なのかなと思います。ここは所有権の整理という観点で、一つ問題提起というふうに受け止めさせていただきます。

 それから、9ページのところですね、これはやっぱり殺処分ゼロのあり方に対するご意見も追加でいただいております。ここも種々ございます。

 10ページのほうが、現在の学校教育の中で動物を飼育すること、これについては動物福祉の観点からすると、現状ではなかなか厳しくなってきているのではないかと。十分な福祉に配慮した飼育が無理なのではないかというご意見もございました。

 11ページが、もうちょっと概念的になってまいりますが、社会規範としての動物の愛護及び管理の考え方と。これは動物愛護管理法の基本指針の中で、動物愛護管理の社会規範という考え方がまだできていないということを書かれておりますので、この形成に関するご指摘でございますが、そういった部分と、近年注目を浴びている五つの自由(アニマルウエルフェア)の考え方をどう取り入れていくのかということで、一度、動物に対する考え方を整理することが必要ではないかといったようなことでございました。

 それから、12ページは、動物園動物、今、展示動物ということでは、公益社団法人日本動物園水族館協会に入られているような動物園も、それから、いわゆるふくろうカフェ、猫カフェも同じ扱いですので、これはやっぱりしっかり分けていくべきではないかというところかと思います。

 すみません。最後のほうはちょっと省略させていただきますけども、一応、駆け足でございますが、先ほど申し上げましたこれに、先ほどの資料2とか3のような論点なども加えながら、次回、もう少し詳しくご議論いただけるようにしていきたいと思っております。

 以上となります。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 ただいまの説明について、何かご質問、ご意見ございましたらお願いします。はい、どうぞ。

【打越臨時委員】 5ページの動物取扱業のところなのですけれども、適正飼養基準などを今後考えていく、動物福祉的な観点から考えていくというところなのですが、今までの発想のままだと、例えばいい基準ができても、自治体の担当者が全部それをチェックして指導するという体制になってしまうと、結局、実効性がなくなってしまう可能性もありますので、誰がその基準を担保するのか、自治体の担当者が行くのか、逆に言うと、業界の側が自分たちの責任で証明したものを出さないと、業者として運営ができないという形にするのか、また、その間に第三者認証のような形で入れていくのか、規制のあり方、基準のあり方ができたら、それを運用していくのはどういう体制にするかというのも、同時並行で議論する必要があるというふうに思います。

【新美部会長】 よろしいですか。

【則久動物愛護管理室長】 ありがとうございます。実は5ページのところは動物取扱業に関することを書いておりますが、上半分は規制のあり方、下が要するに業の主体的な取組みと書いておりまして、こちらで、行政でやるべきことと、それから、やっぱり業界の自主的な取組みを促したいという考えも持っております。

【新美部会長】 この問題も、今後、どういうふうにしていくかというのは、ご議論の対象になっていきますので、その辺は考えていきたいと思います。

 ほかにご質問、ご意見ございますか。どうぞ。太田委員、どうぞ。

【太田臨時委員】 6ページの動物取扱業の環境省のQA例示というのが、Q&Aの例示になる、「年間2回以上又は2頭以上」というのは、動物取扱業に出さなくちゃいけない、そうなっている。多分、今まで犬の飼育頭数が減っていますよね。その一因に、こういうのがあるんじゃないかという話があるんですけど、その辺の調査とか、因果関係というのは多少勘案されていますか。

【則久動物愛護管理室長】 我々のほうで直接的なデータは持ち合わせてはいないんですが、一般社団法人ジャパンケネルクラブとかにお聞きをしますと、やはり家庭で育てていた方が、何頭か生まれて、その子を販売するときに、そこで業登録をしないとできないということで、ペットショップからも引き取ってくれないし、手間もかかるということで、それで廃業といいますか、単なる趣味に変わっていらっしゃっているというようなことで、小規模な繁殖施設も減ってきている背景ではないかというご指摘は聞くんですが、ただ、そういう関係にあるのかどうかを環境省として評価をしたとか、それが理由であるというふうには、まだ結論づけではおりません。

【太田臨時委員】 犬の飼育頭数が減っているというのは事実ですよね。年間40万頭か50万頭。このままずっと減っていくと、ゼロにはもちろんなりませんけど。

【則久動物愛護管理室長】 すみません。それは自営系の登録されている会員の方のことでして。

【太田臨時委員】 先ほど一般社団法人ペットフード協会の例って、そこには載っていませんけど、少なくとも一昨年から去年ですか、減っていますよね。減り続けていますよね。それの原因も含めて、その中の一因、あるいはいろんな要因があるでしょうけど、その中に、こういった規制の問題があるのではないかというのは、私は思っているんですけど、そういった調査はありませんかということを聞いているわけ。

【則久動物愛護管理室長】 そこは、すみません、今、犬の飼育している方の人数がどんどん減っていることに対して、何がきいているのかということに対して、我々として持っているものはございません。

 ただ、よく言われますのは、今の生産者といいますか、要するにブリーダーの方、ホームブリーダーとか、いろいろ減ってきているからということも言われはしますが、ただ、一方で、日本の人口全体が減少するとか、あるいは人の高齢化が進むとか、あと労働分配率が上がらないとか、要するに若い世代が安定して飼える状況がある社会でもないということも考えますと、生産者側だけの問題で減ってきているとも思いにくいので、ここは少し何が原因なのかは慎重に考えなければなりませんし、たくさん飼っている人がいるのがいいのではなくて、適切に飼っている人がきちんといるということが大事だと思いますので、そこは少し……

【太田臨時委員】 どんどん減っていくので、もちろんゼロにはなりませんけど、少し真面目に考えたほうがいいのではないかということを言いたいわけです。

【新美部会長】 ほかにございますでしょうか。

 ちょっと私気になって、これは今度議論するときにやってほしいんですけども、資料4の8ページのところで、簡単に所有権を奪っちゃえという記載がありますけども、これは憲法問題になって、こんなことが公文書に書いてあると相当批判を受ける表現ですので、注意をしていただきたいと思います。所有権が消せるなんていうのは、今の法制度ではありません。無主物でない限りは無理ですので、ちょっとこれは、記載するのは、このまま書いてあったにしても、ちょっと生々し過ぎるなという印象を持ちます。

これはコメントですけども、ちょっと注意をされたほうがいいと思います。

 あと、ほかにご意見、ご質問ございましたら。よろしいでしょうか。

 それでは、この問題についてはこれくらいにさせていただきまして、予定の時間を過ぎておりますが、いま少し延長をさせていただきたいと思います。

 それでは、今度はその他ということで、事務局からご説明をよろしくお願いいたします。

【事務局】 資料5をご覧ください。まず最初に、国内の動物園における高病原性鳥インフルエンザ、飼養鳥に関するものについての対応指針の改訂についてということでございます。

 平成22年に富山、山口、兵庫で、飼養施設で飼養鳥が高病原性鳥インフルエンザのH5N1に罹患して、病原性が高いものとして発覚しました。それに基づいて、鳥インフルエンザの飼養鳥に関する対応指針というものを22年度、23年度に作成をしました。昨年度のシーズンに、さらに秋田県の大森山動物園、愛知県の東山動物園、京都競馬場、それから伊丹市の昆陽池で、コブハクチョウ、コクチョウを中心として、H5N6という高病原性に罹患をしました。このときは、22年の場合は、公園の池などにいる白鳥と水禽類が感染しただけだったんですが、28年度は、それを施設内に持ち込んで、施設内で二次感染が発生しておりましたので、動物園の管理施設の方から、もう少し環境省のほうの指針を、中身を自治体がいろいろできるように変えてくれという要望がございまして、今般、変更をして、改訂をさせていただいているところです。

 昨年の11月9日に、その後に通知がついていまして、対応指針を改定した指針の本体がついております。先ほど言いましたように、二次感染が今回起こったということで、それに基づき、どういう対応をするか。要するに、施設の中に鳥がいるのに、近くのケージに罹患をしているかもしれない鳥を入れてしまうときには、どういうことを注意しなきゃいけいかというのを、もう少し細かく書き込んで、わかるようにしたものでございます。

 これがまず第1点目でございます。

【事務局】 続きまして、資料6をご覧ください。実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説についてということをご説明させていただきます。

 1ページ目をご覧ください。前回、8月に行われた審議会でもご説明させていただきましたけれども、実験動物飼養保管等基準解説書研究会というものを環境省のほうで立ち上げさせていただきまして、本日ご参加いただいている打越委員にも構成委員のお一方としてご参画いただいておりました。

 1枚おめくりいただいて、2ページ、ご覧ください。研究会自体は計5回行わせていただきまして、昨年の11月の後半に、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説というものを策定させていただきました。本日、委員の皆様のお手元に置かせていただいております。解説書の目次につきましては、ちょっと細かいお話になりますけれども、このような形で、序章から第5章まで組ませていただいているものでございます。

 3ページ、ご覧ください。実際に解説書ができ上がって、環境省として普及啓発をまさにさせていただいているところでございます。1点目としましては、「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説」につきまして、以下の関係省庁8省庁、地方自治体、実験動物飼養保管等基準解説書の研究会の委員の皆様に送らせていただいております。また、環境省のホームページに、実際に、この解説につきまして公表させていただいておりまして、皆様、ダウンロードも可能でございます。また、業界団体等でも、実際、この解説を用いて現在普及啓発をしていただいているところでございまして、環境省からも、実際に講演・説明をさせていただいているところでございます。現在までのところ5カ所で講演・説明させていただいておりまして、今後4カ所でまた講演・説明をさせていただく予定となっております。引き続き、普及啓発に努めていきたいと思っております。

【事務局】 引き続きまして、最後の資料になります。資料7をご覧ください。

 その他の主な課題の取組み状況についてということで、まず第1点目、「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」というものを、東日本大震災を踏まえて作成をして現在ありますが、その後、昨年度、熊本地震が発生しましたので、公助・自助あるいは受援体制等々について、わかる形で、もう少しガイドラインを今改訂をしているところでございます。平成30年2月25日に、近くのイイノホールで、「人とペットの災害対策」ということでシンポジウムを開催させていただきます。基本的には、ペットを助けるという目的だけではなくて、ペットを助けることによって人もきっちり助かる。それから、ペットを助けることによって、そういう社会がよくなっていくというようなことも含めて、ガイドラインの目的としております。

 それから、第2点目でございますが、動物の適正な飼養基準に係る検討に向けてということですが、先ほどから室長の則久からも説明をさせていただきましたが、幼齢規制だけじゃなくて、ほかの方法についてもということで、現在、今年度1回ですが、3月を目処に、この科学的検討会議を開催させていただきたいというふうに考えているところでございます。

 それから、マイクロチップの義務化に係る検討に向けてということでございますが、地方自治体にモデル事業の実施をしていただいています。その状況から、ヒアリングをして、それから海外における犬猫へのマイクロチップの装着の義務化制度の調査。今週末からイギリスに当方の職員を派遣することにしております。あと、専門家からのヒアリングも適宜行うことということで進めさせていただきたいと思います。

 すみません。最後、人と動物が共生する社会の実現プロジェクトという2ページ目になりますが、地方自治体にやっていただいた所有者不明の犬猫対策、広域譲渡、マイクロチップ等の所有名義、普及啓発、教育活動というのを、それぞれの自治体に発表をしていただきたいというふうに、モデル事業の実施を皆さんに広く普及啓発をさせていただきたいと考えているところでございます。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 その他として、資料5、6、7に基づいてご説明をいただきましたが、これらにつきまして、ご質問ございましたら、よろしくお願いします。

 はい、どうぞ。

【打越臨時委員】 資料6の実験動物飼養保管基準の解説書の話ですけれども、作成した後のことは私も存じ上げていなかったので、解説書の送付を中央省庁、各省庁に送っているという、これが実はとても大事なことなのではないかと。今までは、基本指針を持っているのは文部科学省、厚生労働省、農林水産省だけだったんですけれども、動物実験が関係する省庁は、内閣府、警察庁、総務省、経済産業省、国土交通省ということで、もはや動物実験の恩恵を受けているのは全省庁の体制であるということを考えて、実験動物の福祉の向上を全省庁的に考える体制、あるいは連絡のルートができたのであれば、そのこと自体が重要なことなのではないかと思います。

【新美部会長】 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、本日予定した議題については、これにて終了させていただきたいと思います。ご協力ありがとうございました。

 じゃあ、進行は事務局にお返しいたします。

【事務局】 ありがとうございます。

 委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところ、長時間にわたりご議論いただきましてありがとうございました。

 以上をもちまして、本日の部会は閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

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