中央環境審議会動物愛護部会 第44回議事録

1.日時

 平成29年3月17日(金)14:00〜16:00

2.場所

 三田共用会議所 大会議室

(東京都港区三田二丁目1番8号)

3.出席者

 新美 育文  中央環境審議会動物愛護部会長

 浅野 明子  臨時委員    松本 吉郎  委員

 打越 綾子  臨時委員    池永 肇恵  臨時委員

 金谷 和明  臨時委員    太田 光明  臨時委員

 武内 ゆかり 臨時委員    木村 芳之  臨時委員

 藤井 立哉  臨時委員    西村 亮平  臨時委員

 山﨑 恵子  臨時委員    水越 美奈  臨時委員

 脇田 亮治  臨時委員    山口 千津子 臨時委員

4.議題

(1)動物愛護管理行政の最近の動向について

(2)動物愛護管理行政の課題について

(3)その他

5.配付資料

資料1   動物愛護管理行政の最近の動向について

資料2-1 販売される犬猫へのマイクロチップ義務化に向けた検討について

資料2-2 犬猫の親等から引き離す理想的な時期に関する調査について

資料2-3 実験動物について

資料3   被災ペット対策について

資料4   動物愛護管理法をめぐる主な課題と主なキーワード

参考資料1 マイクロチップの現状と課題(第43回動物愛護部会資料)

参考資料2 災害時におけるペットの救護対策ガイドラインについて

参考資料3 環境省主催シンポジウム動物の愛護と管理と科学の関わり

6.議事

 【事務局】 定刻となりましたので、第44回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。

 本日は、所属の委員・臨時委員17名のうち、15名のご出席をいただいておりますので、規定の定足数を満た  しており、本会は成立しております。

 続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。

 まず皆様のお手元に中央環境審議会部会第44回というペーパー、その後に参考資料1、その後にシンポジウム のしおり、ここまでが傍聴者の方にお配りしております。審議員の先生方にはプラスアルファで、中央環境審議会関係法令と法律などが入っている冊子と事務提要をお配りしております。もし落丁等がございましたら、事務局にお申し出願います。

 それでは、委員等の紹介に移らせていただきます。本年2月に本部会の委員及び臨時委員の改選がありましたので、当部会に所属する委員及び臨時委員をご紹介させていただきます。

 まず、部会長の明治大学の新美委員です。

 日本医師会の松本委員です。

 日本愛玩動物協会の浅野臨時委員です。

 滋賀県副知事の池永臨時委員です。

 成城大学の打越臨時委員です。

 東京農業大学の太田臨時委員です。

 東京都動物愛護相談センターの金谷臨時委員です。

 日本獣医師会の木村臨時委員です。

 東京大学の武内臨時委員です。

 東京大学の西村臨時委員です。

 日本獣医生命科学大学の藤井臨時委員です。

 同じく、日本獣医生命科学大学の水越臨時委員です。

 日本優良家庭犬普及協会の山﨑臨時委員です。

 日本動物福祉協会の山口臨時委員です。

 全国ペット協会の脇田臨時委員です。

 このほか、本日欠席の追手門学院大学の佐藤委員及び日本動物園水族館協会の田畑臨時委員、以上17名になっております。

 それでは、開会に当たりまして局長の亀澤よりご挨拶を申し上げます。

【亀澤自然環境局長】 本日は大変お忙しい中、中央環境審議会動物愛護部会にご出席をいただきましてありがとうございます。動物愛護管理法につきましては、平成24年の改正から5年目となりまして、そろそろ次の改正に向けた関心も高まりつつあるという状況かと思っております。特に社会的関心の高い犬猫の殺処分数につきましては、自治体や民間団体のご尽力により平成24年度の16万頭から27年度には8万頭あまりにまで半減できた一方で、自治体の現場におきましては、いろいろと課題も生じていると聞いております。

 また昨年の4月には熊本地震が発生し、環境省も現地で被災ペット対策に取り組みましたが、今後に向けては幾つかの課題もあると考えております。

 本日の動物愛護部会はおよそ1年ぶりの開催になります。久しぶりの開催ということもありますし、また今年から新しく委員に就任いただいた方々にも多数ご出席をいただいておりますので、本日は今申し上げたようなことも含めまして、まずは前回の法改正以降の主な動きや動物愛護管理行政を取り巻く最近の状況等について、概要をご報告いたします。

 また動物愛護管理法の目的である、人と動物が共生する社会の実現に向けましては、多岐にわたるさまざまな取組を多くの関係者の方々と連携・協働して進めていくことが重要と考えております。

 後半は、そのようなことも念頭に動物愛護管理行政をめぐる主な課題につきまして、事務局なりに整理したものを用意しておりますので、それをご説明したいと考えております。それに対しまして、今後、いろいろな取組を進めていく上で、あるいは法改正の作業を進めていく上でのアドバイスをいただければと考えております。限られた時間ではございますが、忌憚のないご意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 では、この後の議事進行につきましては、新美部会長にお願いいたします。

【新美部会長】 新美でございます。新しい体制でこの会議を進めていくということになりますが、先程亀澤局長からお話がありましたように、動愛法の改正から5年、見直しの時期を迎えるということで、精鋭の皆様が委員になってくださったと伺っております。できるだけ多方面からしっかりと議論を交わしていただいて、よりよい改正法、ないしは見直しの方向を示していただきたいと思います。

 私は司会進行ということで、できるだけ議論が多方面にわたり、かつ、うまく収斂していくように努力いたしますので、皆様方も是非よろしくご協力をお願いします。

 それでは手続的なことを申し上げます。

 まず部会長代理の件でございますが、中央環境審議会令に基づきまして、部会長代理は部会長が指名することができるとされております。私からは太田委員を部会長代理として指名させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 会議録は後程事務局で作成いたしまして、本日ご出席の委員の皆様にご了承をいただいた上で公開するという手順で進めてまいりたいと思います。

 また、議事要旨につきましては、事務局で作成いたしましたものを、私が部会長として了承した上で公開することをご了承いただきたいと存じます。また、会議資料につきましても公開ということになっておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、これより議事に入らせていただきます。

 本日の議題でございますが、お手元にある議事次第のとおり、報告案件が2件となっております。

 その概略は先程局長のご挨拶の中にもあったところでございますが、議事次第を見ていただきたいと思います。

 それでは、最初の議題であります「動物愛護管理行政の最近の動向」について、事務局からご説明をお願いします。

【事務局】 動物愛護管理室長の則久でございます。私と補佐の今西、田口、3名から分担してご説明をさせていただきます。

 では、まず資料1をご覧ください。今までの法改正の歴史等、ご確認いただければと思っております。2ページをご覧ください。

 「動物の愛護及び管理に関する法律の歩み」と書いております。昭和48年、この法律は「動物の保護及び管理に関する法律」として制定されました。保護動物の虐待遺棄の防止、あるいは普及啓発、動物による人や財産への侵害の防止を目的としまして、自治体による動物、犬、猫の引取りの義務化などもこのときに盛り込まれております。

 当時は遺棄・虐待、罰金3万円の刑罰でございましたけれども、この当時の保護法益は「動物を愛護する気風」という公序良俗を守るということで、これは今日までずっと続いてきております。

 その後は、平成11年に改正されまして、保護が愛護に変わりまして、現在の「動物の愛護及び管理に関する法律」に変わりました。このときに、「動物は命あるもの」ということが基本原則に明記されております。

 また動物取扱業に関する規制もこのときから始まりまして、爬虫類もこの平成11年から規制対象に追加されております。

 平成17年の改正では、動物取扱業の規制強化、届出制から登録制に変わりました。それから特定動物、いわゆる危険動物の飼育許可制の導入も行われております。

 平成24年、前回の改正では、法の目的に「人と動物との共生」という言葉が入ってまいりました。また終生飼養の明文化、それから動物取扱業の規制強化に関しましては、特に犬猫の販売に関する部分について、いろいろな規定が追加になっております。

 また、昭和48年から自治体による犬猫の引取りの義務化が行われておりましたが、このときに悪質な引取り要求のケースがあるということで、自治体が引取りを拒否できる例外規定が追加されております。罰則も順次規制強化されておりまして、みだりな殺傷の場合は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となっております。この法律の制定、それから過去3回の改正はいずれも議員立法により行われております。

 続いて3ページをご覧ください。これは法律の概要でございます。

 法律の目的、一番上段でございますけれども、「動物の愛護」それから「動物の適正な管理」これらを通じて人と動物が共生する社会の実現を図るということになっております。

 基本原則、法律の第2条でございますが、この中で「動物は命あるもの」であるということで、動物愛護の考え方をうたうと同時に、前回の改正では第2項としまして、取扱う動物に対する適切な給餌・給水、種類、習性等を考慮した飼養環境を確保するということで、いわゆるアニマルウェルフェアの考え方も入ってきております。

 動物の飼い主及び動物販売業者の責任ということで、動物の飼い主にはいろいろな責務規定、努力義務を負っております。みだりな繁殖の防止、感染症の防止、逸走防止措置、それから動物の終生飼養、所有明示など、多岐にわたる努力義務がかかっております。

 また、これに関連しまして、動物の飼養及び保管に関する指針、ガイドラインを国で策定しております。この中では家庭動物、いわゆるペットと、展示動物、これは動物園の動物になります。それから畜産動物と実験動物の4つに区分いたしまして、この飼養保管基準を策定して公表いたしております。

 この法律、平成11年の改正から動物取扱業の適正化ということで規制が始まってきておりますが、現在の法の下では、この「第一種動物取扱業者」これは営利事業者でペットショップ、ブリーダー、あるいは動物園などが対象になってまいりますが、こちらは都道府県知事への登録制となっておりまして、さまざまな基準の遵守、あるいは動物取扱責任者の選任、その他、自治体による登録の取消しですとか、命令の対象などとなっております。

 また、この動物取扱業者の中で、販売をする販売業者につきましては、現物確認、対面販売、などの義務がかかってきております。さらに「販売業」のうち犬猫を販売する事業者につきましては、犬猫の健康安全計画の策定、獣医師との連携の確保、終生飼養の確保、幼齢の犬猫の販売の制限、それから個体の帳簿の備えつけなどの規制もかかってきております。

 また、前回の改正では、非営利事業者に対しまして、この第二種動物取扱業という制度が設けられました。これは基準の遵守などは第一種動物取扱業に準じるわけですが、都道府県等への届出制となっておりまして、これは主に民間の愛護団体のシェルターですとか、自治体の公園の施設などが対象となっております。

 4ページをご覧ください。その他の規定でございますが、一つは前回の改正で周辺生活環境への保全等ということで、いわゆる多数飼育による問題に対して、自治体が勧告や命令を出せる規定が入ってまいりました。

 それから、平成17年の改正のときに、特定動物、危険動物の飼養の許可制が入ってきております。この特定動物につきましては、個体識別として、マイクロチップの装着も義務化が既にされております。

 犬及び猫の引取りの関係、これは昭和48年からございますけれども、前回の改正では、悪質な場合には引取りを拒否できるようになりました。

 それから、その次の規定は、これはいわゆる実験動物の関係でございますが、動物実験の3R、代替措置、使用数削減、それから苦痛の緩和に関して、配慮事項、もしくは努力義務としての規定が盛り込まれております。

 その下が、国や地方公共団体の取組となりまして、いろいろな普及啓発、あるいは動物愛護週間での行事の実施、さらに国の方では基本指針を定め、都道府県におきましては動物愛護管理推進計画を策定していただくということで、このような国や地方公共の取組も規定がされております。

 罰則は先程申し上げましたように、みだりな殺傷の場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となっております。

 続いて5ページのほうに参りたいと思います。これは前回の改正でございます。

 目的の改正で、「人と動物の共生する社会の実現」が入ったということと、「生活環境の保全上の支障の防止」が法目的に入ってきております。それから所有者の責務、この「生活環境の保全上の支障の防止」も同じですけれども、逸走防止、終生飼養、繁殖制限についての責務が追加になっております。

 それから前回の改正では、この動物取扱業を第一種動物取扱業と第二種動物取扱業に分けたというよりは、第二種動物取扱業が新たに設けられたわけですけれども、第一種動物取扱業に対して犬猫の販売を中心に先程申し上げましたような規制がいろいろ追加になっております。

 それから、多頭飼育の適正化、引取りの拒否規定も前回の改正のポイントでございます。施行が平成25年9月1日ということになっておりまして、これでいきますと平成30年9月、来年の夏でちょうど施行後丸5年になってまいります。

 次のページをご覧ください。これは幼齢の犬猫を親から引き離す理想的な時期と書かれていますが、これは前回の改正法の附則に基づきまして、大きく宿題が3点ございます。法律の附則ですけれども、これにしっかり基づいて行っていかないといけないのですが、現在幼い犬猫を親から引き離す時期が早いと社会化の点でいろいろ問題行動が起こるということで、法律の本則では56日を経過しなければ販売してはならないとなっていますが、経過措置として、現在は49日までの日が施行されております。

 この本則を発動するためにはもう一回別の法律で定める日が必要になるのですが、この日を検討するためには、犬猫販売業者の業務の実態、マイクロチップを利用した科学的知見のさらなる充実を踏まえて、一般社会への定着度合い、または犬猫販売業者への知見の浸透の状況、それから生年月日を証明させるための担保措置の充実の状況等、このようなものを5年以内に検討し、その結果に基づいて、「別に法律で定める日」つまり本則を適用する日を定めましょうとなっております。

 もう一点の宿題は、この販売される犬猫へのマイクロチップの装着義務化に向けた検討ということで、これについても現在モデル事業等を行っておりますけれども、これは一般的な普通の飼い犬ではなく、まずは販売される犬ですので、観点はどちらかというとトレーサビリティだと思うのですけれども、そのような観点からの装着義務化に向けた検討が求められております。

 最後は一般的な規定ですが、前回の改正事項の検証を行うということで、これも今年の4月以降、各都道府県、政令市等にヒアリング等を行いまして、実態調査を行っていきたいと思っております。

 そして7ページの環境省の予算措置の関係でございます。ソフト事業のほうが来年度1億3,000万、それからハード、これは自治体がつくる動物愛護センターなどで犬猫の譲渡をする機能、設備をつくる場合の補助金です。これが1億2,000万ほど要求させていただいております。

 今回はこの左下です。災害時のペット対策ということで、これを新規に大きく増額させていただいております。

 8ページをご覧ください。8ページ、9ページ、10ページが、「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」でございまして、平成25年度からこのプロジェクトに取り組んできております。これは殺処分をできる限り減らし、最終的にゼロにすることを目指そうということで、当時はこの16万頭が殺処分されていたわけですが、先程局長の挨拶にありましたように、現在はその半減まできております。

 ただ、これは一切の殺処分ということではなくて、不必要な殺処分をなくしていくという観点にたっておりまして、このポイントといたしましては、どうしても返還・譲渡という部分に皆さんの関心がいくのですが、その前提としては、飼い主からの引取り数を減らす、またそのためには何よりも飼い主の責任、その普及啓発をしっかりしまして、飼い主の意識向上を図っていくということで、飼い主が適正に飼うことによって引取り数を減らしていく、それによって返還・譲渡もさらに促進させることで殺処分を減らしていくということを考えております。

 これにつきましては、9ページでございますが、現在幾つかの自治体にモデル事業を行っていただいております。10ページでございますが、今年度モデル事業を行っていただいているのは、この16自治体、18テーマという形になります。過去3年ほど行っておりまして、いろいろなケースが出てきておりますが、これらのモデル事業の成果も踏まえまして、各テーマ別にこのガイドラインを策定していこうと考えておりますが、現在、平成29年度以降ガイドラインを作成し、と書いてありますけれども、今後もし法改正の作業が入るのであれば、作業量もございますので、もう少し時間をかけてしっかりと練りながら作っていきたいと思っております。

 11ページ以降は引取り数、殺処分数の推移になります。11ページが引取り数で、法律が施行されました昭和49年、これは狂犬病対策が大きいのですが、120万頭以上が収容されておりました。これが現在では13万7,000頭。特に犬の数が顕著に減少してきております。ちなみに動物愛護管理法の基本指針では唯一数値目標がございまして、平成16年を基準として、平成35年に引取り数を75%とする、概ね10万頭を目指すというようになっておりますが、もう現在の段階で13万7,000頭ですので、この目標は遠からず達成できそうだと思っております。

 12ページでございます。これは犬と猫の引取り数の内訳でございますが、実は飼い主からの引取りは15%前後しかございません。犬の場合、成熟と書いてありますが、これは狂犬病対策で積極的に捕獲した個体が多いのですが、一方猫は幼齢が多いのですが、これは、いわゆる軒下で野良猫が子猫を生んで困ったので引き取ってくださいという、そういうケースが多いと思うのですが、いずれにしても所有者不明のものが85%前後ございます。これらの中には捨て犬、捨て猫、迷子犬、中には悪質な業者が遺棄したものもあるのかもしれませんが、実質的にこれらの多くは、東京都にいるとあまり実感がないのですが、全国的に見ますと、まだまだ野良犬、野良猫が多く、それが大半を占めると考えております。

 15ページをご覧ください。これはいわゆる殺処分の数、これが平成27年度ですと、8万3,000頭、犬が1万6,000、猫が6万7,000という形になっておりますが、今回各自治体にご協力をいただきまして、分類を行ってみました。

 分類の①が、譲渡することが適切ではない、つまり、治癒の見込みがない病気であったり、攻撃性が非常に強いような動物ということで、ある程度やむを得ない、むしろ殺処分、安楽殺が必要になってくる動物でございます。

 ③は、引取り後に病気等で死亡したもの。②がそれ以外の動物、例えば、引取り先がなく殺処分せざるを得なかったという場合などが②になっております。

 これで見ていただきますと、犬と猫を合わせますと、8万3,000頭のうち、まだまだ5万頭あまりがこういった②のような犬猫があるということで、先程のプロジェクトで目指していますのも、この②の部分をまずゼロにすることを目指していくということになろうかと思っております。

 16ページに、自治体に引き取られる犬猫の動きと書いております。全体の今の数のフローを落とし込みながら、一部ペットフード協会さんの平成27年のデータも使わせていただいておりますけれども、一番右端の殺処分数を減らしていくという観点で、真ん中にございます飼い主への返還、それから新たな飼い主への譲渡、これをさらに促進しましょうということが、今法律でも求められておりますが、やはり殺処分を減らすための返還・譲渡の促進よりも、この左端から入ってくる2本のラインです、所有者からの引取り、それから拾得者等、この場合は拾った、もらった、その他捕獲したというのも入ってまいりますけれども、野良犬ですとか、迷子犬、このような部分の対策をしっかりやっていく、この入りの数が一番大きいですので、ここをしっかり行っていくことが非常に重要かなと考えております。

 それから17ページは現在の動物取扱業への現状、それからその法令に基づいて、動物取扱業に対する立入検査あるいは勧告命令などを出した件数を一覧にまとめております。勧告数7件で、業務停止件数、登録取消件数が非常に少ないではないかというご指摘もございますが、大体勧告命令を出した段階で、自主的に廃業されるか、あるいは適正化されるケースが多いと聞いております。

 全体の概況については以上となります。

【事務局】 引き続き環境省でやっている調査等、詳しく説明をしたいと思います。

 資料の19ページからになります。まずはマイクロチップの義務化に向けての検討ということで、マイクロチップ自体は、昔は結構大きな1.6ミリから2ミリくらいで長さが12ミリくらいの大きなものが主流だったのですが、最近はかなり小さなものまで開発されておりまして、1.6ミリから長さが8ミリという形で、実際注射器を見ても、それほど痛くなさそうなくらいまで小さくなってきているのかなということと、もう一つは、これまではガラス、生体適合ガラスが多かったのですが、例えば生体適合性の樹脂で覆われたような形で、生体内の移動が癒着をすることでしにくくなっているなど、さまざまなものが開発されているというような状況で、実際マイクロチップは特に何か発信するわけではなく、その中に15桁の番号が含まれていて、3桁が日本、それで犬猫のようなペットという愛玩動物の番号、それからメーカーと、個体番号としては8桁の番号が入っているという形になります。

 このマイクロチップについては獣医師が装着をするということになっておりまして、登録についても今は獣医師会で、AIPOというところでの登録が主になっております。

 今の登録状況ですが、日本獣医師会に確認をしたところ、3月8日現在で大体150万弱となっております。

 このマイクロチップについては、先の法改正の附則の第14条で、いわゆる販売される犬猫に対するマイクロチップの義務化ということについての検討に関する附則が設けられております。

 環境省の対応になりますが、まずはこういったマイクロチップをしっかりと周知をしていかなければいけない。それはやはり熊本地震でもありましたが、震災対応で、首輪が取れるなど、そのようなことも考えられますので、マイクロチップを入れていただきたいという普及啓発を行うとともに、実際、マイクロチップというものがどれくらいしっかりとやられているのかということについても調査を行っております。

 具体的には一つはモデル事業という形でやっておりまして、参考資料をつけておりますが、これは実は前回の第43回動物愛護部会の資料にもなるのですが、神奈川県と香川県でモデル事業をやっております。この参考資料を1枚めくっていただいて、やはり装着していないという方が、まだたくさんいらっしゃいます。特に神奈川県の場合、マイクロチップを知らなかったという方が9.4%に対して香川県は46.2%が知らなかったということで、やはり地域の差はかなりあるのかなと思いまして、啓発をしっかりしていかなければいけないと考えているところです。

 また、今回販売される犬猫ということになりますので、そのマイクロチップのいわゆる動物取扱業の状況を調べておりまして、3枚めくっていただければと思いますが、円グラフのものになりますが、こちらは昨年度、環境省で調査したものになりますが、1,500業者を無作為で抽出いたしまして、販売する犬についてマイクロチップを装着していますかと聞いたところ、13.3%が装着しているというのが犬の現状になっております。

 2枚めくっていただくと、今度は赤色のほうになります。こちらは猫になりますが、同じように1,500業者を抽出いたしまして、マイクロチップの装着を聞いたところ、33%が装着しているということで、若干猫の装着のほうが割合としては多いという形になっております。やはりこういった販売する犬猫についてのマイクロチップの装着ということも推進していかなければならないというのが現状になっております。

 次に、本資料に戻っていただきまして、資料2-2で、先程室長から説明がありましたが、親等から引き離す理想的な時期に関する調査ということになります。こちらについては、附則で、いわゆる本則の56日というように決められたものに対しては、経過措置で段階的にということになっております。

 今現在は、49日齢で規制されているところですが、これが56日ということについては、別の法律で定めるというようになっているところです。こちらについては、環境省では、この附則にあります科学的知見の充実というところで、環境省で調査をしているということになっております。

 調査の内容については後ろの22ページになります。この調査の方法なのですが、新たに犬猫を購入された方に協力をしていただきまして、実際に半年くらい家で飼っていただき、その後にアンケートを送って、アンケートに答えていただくという形の調査になっております。ですので、平成25年度からそういった協力していただける方のサンプル収集ということで、犬猫幼齢個体を親兄弟等から引き離す理想的な時期に関する調査手法等検討会を開いておりまして、現在、麻布大学の菊水先生、細井戸先生、堤田先生、小島先生、筒井先生という方で検討会をやっております。

 現在、約1万個体、飼い主の協力を得るということで、サンプル収集をやっているところであります。実際、今年度もサンプル収集をしておりますので、今年度サンプル収集をさせてもらった飼い主の方は大体半年くらい飼っていただくということになりますので、今年の夏頃にアンケートをとるということになります。

 ですので、実際にデータを解析して評価をするということについては、来年度新たな科学者等からなる委員会を立ち上げて、親等から引き離す時期と問題行動の関係を評価し、別に法律で定める日の検討材料とするという形で考えているところであります。

 続きまして、資料25ページを説明させていただきたいと思います。こちらについては、実験動物についてであります。実験動物については先程室長から説明のありました昭和48年の動物の保護及び管理に関する法律のときから、いわゆる科学上の利用という形で法律でも入っておりました。こちらについては、平成17年の法改正のときに、いわゆる3Rということで、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用する、できる限り利用に供される動物の数を少なくする、それから苦痛を軽減する、3Rの原則が法律で追加されています。

 この平成17年の改正を踏まえて、それぞれ、環境省は「実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準」というものを作り、文部科学省、厚生労働省、農林水産省はいわゆる研究機関等、もしくはその所管する実施機関を対象として「動物実験等の実施に関する基本指針」を作っています。

 実際の基本指針を詳細に示すということで、ガイドラインを日本学術会議のほうに厚生労働省と文部科学省が依頼し、日本学術会議が「動物実験の適正な実施に向けたガイドライン」を作っています。これが平成17年の改正から平成18年の体制になっております。

 前回の平成24年の改正では、先程あった基本原則の中に動物福祉の考え方というところで入っている内容、こちらについては実験動物にも当てはまるということで、そういった基本原則の部分を踏まえて、基準の改正を行っているところです。

 実はこの基準を開設という場合は、もともとは昭和48年の法律ができた後に、昭和55年に基準ができているのですが、そのときに解説書を作っておりまして、今手元に持っているこれが解説書ですが、これ以降、改定をしていないというところもありまして、当然ながら状況が変わっているということで、今この解説書の改定で、27ページにある先生方で研究会を立ち上げていまして、現在の国内の制度、国際状況等を踏まえて、内容について検討しているところであります。

 解説書についてのこのような作業をしているということで、ご説明させていただきました。

 以上で私からの説明になります。

【事務局】 引き続きまして、熊本地震における被災ペット対策をご説明いたします。昨年の熊本地震の前に環境省ではいろいろな対策を準備してきておりまして、この最初の資料29ページの上の四角にあるように、災害時のペット取扱の基本的な考え方として、動物愛護管理法に基づく基本指針や各自治体の地域防災計画、これは基本になるのが防災基本計画になりますが、このようなもの。それから、環境省が策定しております「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を平成25年につくっておりまして、この中で、それまでの災害で非常に重要だと思われた点である、ペットを同行して避難するということ、それから避難所でのペットの受入れなどを推奨してきました。

 そうこうしている間に、昨年4月14日、それから16日にかけて、熊本で地震が発生しまして、それへの対応として、ペットを連れた被災者の方への支援ということで、環境省から職員が派遣されました。震災後すぐの4月19日から派遣されていまして、延べ29名が参加しております。

 活動の内容に入りますが、最初に行われたのが熊本地震ペット救護対策本部の設置ということで、熊本県、熊本市、県の獣医師会により、ペット救護対策本部が5月27日に設置されました。その活動の支援をしております。

 それから、その後九州動物福祉協会や熊本県の動物愛護推進協会も参加した活動の中で、同本部が熊本の地震ペット救護センターというのを大分県の九重町につくりまして、そこへの被災ペットの受入れを開始しております。これが6月5日から始まったところです。

 2番目の活動としまして、避難所等における被災ペットの対策としまして、避難所等におけるペットの受入れ態勢の整備ということで、九州、沖縄、ほかの各県及び政令指定都市から派遣された獣医師ですね、これは環境省が要請したのですが、獣医師の方々の応援を得まして、1日当たり約16名にご参加いただいて、熊本県内の避難所を巡回指導いたしました。

 その後、熊本市における避難所の再編にあわせまして、ペットの屋内受入れのためにペット用ケージ120基を提供しました。それから益城町の総合運動公園において、避難者のペット飼育専用施設、これは冷房つきのコンテナハウスが3基、ケージを50基置きまして、運用を開始したのが5月16日です。NPOの方に運営をお願いして、ここに飼い主による「家族会」というのが設立されまして、運営されてきました。これは10月の末で運用を停止しております。その後益城町を中心に、ペット同行避難者等にたいして、避難生活の実態把握調査を実施しました。

 この右の写真がその益城町に設置された施設の写真になっております。

 次のページにいきまして、3番目に、仮設住宅での被災ペット対策としまして、ペットと一緒に住める仮設住宅の確保について市町村へ要請しております。全ての市町村で、順次、ペットとの同居が開始されたのが6月12日からということで、この際、丸川珠代前環境大臣が熊本市長や益城町長にも直接要請をしております。

 4番目になりますが、被災ペットの一時預かり、これは自治体等が連携した緊急的な一時預かりのための体制を整備するということで、熊本市では、避難者の健康上の理由等により一時無償預かりをするための体制を市の動物愛護センターと合同で整備しました。これを運用したのが、5月9日から10月末までということになっています。

 先にも少しお話しましたけれども、益城町では総合運動公園の指定管理者であったYMCAの方と合同で、避難者用のペット飼育専用施設での無償一時預かり体制を整備して、運用しております。これが5月16日から10月末までです。

 最後に5番目になりましたけれども、実は時系列的にはこれが一番最初に行われていまして、迷子ペットの対策として、動愛センターが迷子ペットをきちんと収容できるように、震災前に収容されていた保護犬猫を近畿中四国の自治体に、一般社団法人全国ペット協会等の協力によって移送しました。それが4月27、28日辺りになっています。

 また保護動物の飼い主への返還のために、自治体のHPに環境省のHPからリンクを設定して周知したということがあります。

 今後の動きですけれども、最後の四角になりますが、災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの改訂を来年度に予定しております。現在行っていることですが、今年度中に、熊本地震への対応を検討するための対応記録集の草稿といいますか、案を作成します。来年度にそれをもとにして、またそれと一緒に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を改訂しまして、記録集も完成させるという方向で動いております。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問がございましたら、ご発言お願いします。

 打越委員、どうぞ。

【打越臨時委員】 3番目に出てきた災害対策のところに関して、ガイドラインを考えるということでしたので、質問といいますか注文といいますかリクエストをさせていただこうと思うのですけれども、熊本地震の検証というのが非常に重要であるとともに、熊本地震というのはある意味、被災者は本当に気の毒なことではありましたが、規模としては比較的局所的なものであり、またいわゆる阪神・淡路大震災のような大規模火災が起きるような都市型地震とも違います。また、災害の種類によって、例えば地震で家が半壊になって家にいられないから、避難所に行くというタイプの避難という意味合いもあれば、土砂災害などのように災害が起きるまでに時間がかかる、むしろそのときにどうやって避難するかが難しいタイプの災害もあると思うのですね。ですから、避難所での動物をどう管理するかということが動物救護や避難という意味だけではなくて、まず自宅から避難所まで移動するのが災害の種類によって違うということをご検討いただきたいと思います。

 それから都市と農村では違うということ。特に今後災害マニュアルを作るのであれば、首都直下地震が大きな問題になってくると思います。そうなったときには、自家用車に乗せて、犬や猫を連れて行けるとは限らない、ガレキが道路を塞ぐ、渋滞が発生する、それから緊急車両を優先しなければならない、そして車両火災が起きる可能性があることを思うと、動物を入れたバッグを持って徒歩で移動しなければいけないリスクもある。つまり同行避難というのが決して簡単なものではないということを実感すべきと思います。例えば、災害政策の専門知識を持っている方にヒアリング等を行って、要は避難所での動物の飼育管理の観点以上のものが、首都直下地震のときには求められるということを、是非ご検討いただきたいと思います。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 今の点について事務局のほうで何かありましたら。

【事務局】 打越委員がご指摘の部分は今回熊本で実際現場に我々も初めて入ったということもございまして、見聞きしている中でやはり感じた部分はございます。今回同行避難をした方の割合はかなり多いのですが、これは最初、このガイドラインが普及啓発された結果かというような勘違いもあったのですが、実際のところはむしろ夜間に発生したことで、皆さん在宅のときだから一緒に連れて逃げたというのが結果でして、これが日中に起こればやはり離れ離れということも当然起こります。

 今回やってきたことは、そもそも何のために災害時に被災ペットを救護しなければいけないのかという、そこからもう一回洗い直す必要があるなというところで、これも被災者の救護の観点からで、動物愛護の立場であまり言う言葉ではないかもしれませんが、やはりかわいそうな犬や猫を救うというよりは、ペットをきちんと扱ってあげなければ被災者が救えないという観点かと思っております。

 その観点でいきますと、今後のこのガイドラインの改定にあたりまして、やはり人の防災といいますか、そちらの政策との整合性がとれなければいけませんので、この改定作業に当たっては内閣府の方ですとか、防災の専門の方にもご助言をいただきながら、改定作業を進めていきたいと思っておりますので、打越委員のご指摘の点も十分に反映していきたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 それでは、ほかにご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いいたします。

 太田先生、どうぞ。

【太田臨時委員】 15ページの殺処分ですけれど、先程説明がありましたように、②の①以外の殺処分を減らしていく。これは新しい飼い主を見つけるということですか。もう一つ質問がありますが、まずそれから。

【事務局】 これは全部飼い主を見つけるというよりは、当面はまだ現実的にはこのような犬たち猫たちでも、スペースの関係その他で処分をせざるを得ない状況のある自治体はたくさんあるかと思います。ですから、引取り数を減らす、つまり飼い主の意識を変えるほうをしっかり行うことによって、この②に当たるものは出てこない状況を作り出すということをやっていきたいと思っています。

【太田臨時委員】 もう一つですけど、①は殺処分をせざるを得ないという意味ですか、これ。結構な数がいますけど。要するに、自治体とは言いませんけれど、殺処分ゼロということをアピールしている団体もいるし、要するに①がある限り不可能ということですよね。①は、数が多いのですが、ここに書いてある治癒の見込みがない病気や攻撃性があるものが、こんなにたくさんいたのですか。

【事務局】 この区分でもって、昨年度一年間、各自治体に分類をしていただきました。多少自治体によってそこの考え方と、メルクマールが少し違っているところもあるのですが、基本的にやっぱり病気が重いものですとか、非常に人間に対して攻撃性が強いといいますか、社会性がないといいますか、そのようなものが譲渡に向かないので、これについてはやはり安楽殺ないしは殺処分という形での処理は現実には行われているという形になっております。

【太田臨時委員】 この①の内訳については詳細なデータはお持ちですか。

【事務局】 それは病気がどうか、そういう部分ですか。

【太田臨時委員】 それはあまりないですか。

【事務局】 基本的にはこれは事務提要で聞いておりますので、各自治体から数字をいただいて、それを取りまとめていますので、それぞれの自治体の数字について我々は数字だけいただいていますので、個別となる場合、各自治体に聞いていかないと難しいと思っております。それで、当然この犬の数が多いということもあると思いますが、実は先程室長から説明したとおり、犬というのは狂犬病予防法での捕獲が自治体には義務になっておりますので、しかもその中で野良犬が多い自治体がまだ結構あるというのを考えた場合、やはり野良犬というのはなかなか譲渡が難しい、非常に人に馴れないということもありますので、この数もそれぞれの自治体が自分たちの自治体の状況を見ながら考えていくというのが重要だと思っております。

【太田臨時委員】 ありがとうございました。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。ほかに。はい、どうぞ。

【金谷臨時委員】 東京都の金谷です。今の自治体における殺処分、譲渡の話がございましたが、東京都では平成27年度に殺処分した数が全部で816頭、その内訳ですが、先程ご説明がありましたように、引き取ったり、収容したものの中で保管管理している最中に死んでしまったり、それから負傷した動物を搬送している間に残念ながら死んでしまうというものもあります。

 ただ、これはこれまでの環境省への報告では、これも殺処分数の中に入っておりまして、ここでいう引取り後の死亡や、③に相当するところだと思いますが、このようなものもありますし、これが東京都の場合は314頭ですね。それから①に相当するもの、東京都では動物福祉等の観点から、殺処分せざるを得なかったものが299頭でございます。

 こういうものは、やはり殺処分をできるだけ減らしていくことが必要ですけれども、例えば入ってきた時点で、非常に重篤で苦痛が著しく治療することもできない、いたずらに苦痛を引き伸ばすことが逆に動物愛護の観点から問題ではないかということで、殺処分せざるを得ないものというものも実際にございます。そうでないものが昨年度の実績で現在203頭あるのですが、それをできるだけゼロにしていくことに取り組んでいるところです。

 これまでも東京都では、まず私どもが引き取らなければならないような、例えば飼い主が手放すとか、町の中で傷ついた動物が収容されるとか、そのようなものを減らしていかなければなりませんし、あわせてまず元の飼い主がいる場合は返還する。元の飼い主が現れない場合は、できるだけ譲渡をしていくことを強化してきました。

 残念ながらそうでないものにつきましては、殺処分せざるを得ない場合もありますけれども、できるだけまずは引取りを減らす、そして譲渡を進めるということで、殺処分ゼロに近づける取組をしているところでございます。

 先程もありましたように、東京都はこれくらいのところまできておりますが、自治体によってはまだまだその対応状況がさまざまでございます。是非全国的に殺処分が一層減っていきますように、是非自治体に対してさまざまなご指導、ご支援をこれからもよろしくお願いしたいと思います。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 ほかにご質問。はい、どうぞ。

【松本委員】 実験動物についてですけれども、今回の熊本の災害のときにこの実験動物の飼養・保管等に対して、何か大きな差しさわりはなかったかということと、そういった災害時のときに実験動物の飼養・保管に対して、対応とか対策をそれぞれの飼育者とか、センターがお持ちになっているのがほとんどなんでしょうか、その辺りのところをお聞きしたいと思います。

【事務局】 熊本の場合は、どちらかというと熊本市で考えた場合は熊本大学の医学部などが実験動物に関わっているところだと思いましたので、その辺りは、国立大学法人動物実験施設協議会といいまして、要するに国立大学をまとめている実験動物の団体がありますので、そちらに熊本の大学はどうですかと聞いたところ、特に地震の後は問題はないということを伺っているところで、こちらで何か対応はとっていないのが現状になっております。

 当然ながら、日本という国である以上、地震ということはやはり考えていかないといけないということで、そのような地震への対応ということについても、各施設においてマニュアルの作成等をやっていただいているものと思っておりまして、解説書でもその辺を考えて作っているところであります。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。ほかに、ご質問、ご意見がございましたら。

 私から、テクニカルなことですが、伺います。マイクロチップの件ですが、動物を譲渡したときには、所有者の書き換えというのはどうなっているのでしょうか。

【事務局】 今のやり方は、日本獣医師会でやられているのですが、例えば次の方に譲渡をするという場合は、その段階で書き変えてもらうと。もちろん引っ越しも含めて書き換えてもらうということが大事になっていますので、実は今、愛護センターなどで犬猫マイクロチップ、見つかることもあるのですが、そのときによく飼い主が見つからないというのがまさにそれで、要するに書き換えがされていないということがありますので、この辺りはマイクロチップを入れるとともに、住所が変わったらもう一回書き換えなくてはいけない、譲り渡したらその書き換えをしなくてはいけないということも周知していかなくてはいけないというのが現状になります。

【新美部会長】 ありがとうございます。マイクロチップを制度化するときには、その辺りもきちんと議論していかないといけないところだと思います。将来、もしそうなるとしたら。

 ほかに何かご質問、ご意見、では打越委員。

【打越臨時委員】 実験動物の飼養保管基準の話が出ましたので。解説書を作るのは大切なことであり、そこに関係省庁が加わってくださっているというのはとても心強いことだと思うのですが、今どのくらいの進捗状況であるのかをお聞かせいただけるでしょうか。

【事務局】 27ページに委員の先生方の紹介をさせてもらっておりますが、実は打越委員も委員の中に入っていただいているところですが、当然ながら各先生、専門ということもありますし、実際に基準も内容は多岐にわたっておりますので、それぞれ専門の先生の方で今、項を立てて書いていただいているという現状になっております。一度書いたものを全体的に集まって議論はしたのですが、なかなか難しくて、まだ、議論をして、それでまた修正等をやっているというのが現状になっておりまして、こちらとしてはなるべく早く形にして示したいのですが、いかんせん日にちが経っておりますので、書き直す部分、加えるもの、たくさんあり、恐らくボリュームは3倍とか4倍くらいになるのかなと思っておりますので、その辺りを今少し検討ということで作成中になっております。

【新美部会長】 ほかに、ご質問、ご意見がございましたらお願いします。

 どうぞ、池永委員。

【池永臨時委員】 ありがとうございます。今の27ページの解説書で、昭和55年以来の改正ということなので、大変膨大だとお察しいたします。ただ、年数が経っている中で、大きく言って、どのような点が改正のポイントなのか、動物の種類であったり、扱いであったり、いろいろ研究も進歩している中で、その辺りの大きなポイントを教えていただければと思います。

【事務局】 大きなポイントといたしましては、やはり透明性の確保というのがあると思います。ですので、今実験動物施設で動物実験をする場合は、委員会をその施設の方で立てて、その委員会がそれぞれの実験計画を見て、承認をしてから初めて実験をする。実験の終わった後は報告をして、その報告がしっかりされているのかどうかということを、それぞれの実験動物の施設で行うということですが、そういったことを自ら内部で評価をしていただいて、それを公表していただくということと、その内容については外部の方々が検証を務めることという形で、今基準がなっておりますので、そのような透明性の観点というところが、実は環境省の基準だけではなくて、文部科学省、厚生労働省、農林水産省の基本指針であったり、学術会議のガイドラインにも書かれておりますので、そういうところが大きな点になると思っております。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご質問。はい、どうぞ。太田委員。

【太田臨時委員】 21ページ、22ページ、23ページ、24ページの中で、いわゆる調査をすると。そのときのサンプルの構成ですが、これは例えば49日より前とか、そういったものがどのくらいいるかということがわからないのですか。わかるのですかね。

【事務局】 実は実際には49日齢で規制がされているのが去年の9月からになっておりますので、その49日齢以降のものについては今年度サンプルを収集しているところですが、すみません、データがまだこちらに来ていないので、その数はわからないのですが、49日齢以降は、今年度しっかり取っているところです。

 ただ、どうしても56日以降については、サンプルを収集するのが非常に難しい部分もあるのですが、その辺りはいろいろ委員の意見をもらいながら、収集をやっておりまして、具体的にはまだデータがきていないので、サンプル状況はわかりませんが、頑張って収集しているところであります。

【太田臨時委員】 それとこれ、C-BARQ(Canine Behavioral Assessment & Research Question:犬の行動分析システム)で全部サーペル先生が作ったものですが、それを日本語に訳しただけのものですか。それとも日本の、アメリカのC-BARQとは違うものが入っているのですか、項目として。

 この、何とか委員会があって、5人かな、この中で話し合いは何回されたのですか。

【事務局】 基本的にC-BARQの部分については、今日本でライセンスというか、そういった権限を持っている菊水先生の方で作成されたものを使用しているところではあります。

【太田臨時委員】 わかりました。いずれにしても、24ページにいろいろなことがわかるよと書いてあるのですが、ここに攻撃性というのがないので、どのようなものかなと。それで少し気になったのです。ありがとうございます。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。ほかにご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いします。

【木村臨時委員】 マイクロチップのところでのお願いですが、マイクロチップの宿題、前回の法改正の宿題がありますが、その中でマイクロチップの装着がしてあっても登録がしていない個体がほぼ大半なのが現状です。ですから、所有者を明示する上で装着の義務化と登録の義務化の両方とが必要だと思われます。その点を考慮した検討をお願いします。

 それともう一点、日本では、狂犬病予防法がございます。犬は登録の鑑札を首に着けて所有者を明示する方法がとられています。ぜひ国内で所有者の明示方法を統一して欲しいと思います。マイクロチップで明示をするのであれば、鑑札を使用しない検討を、環境省、厚生労働省で統一した表示方法を調整することが必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。

【新美部会長】 ありがとうございます。マイクロチップの制度化に向けてはまだまだいろいろなところで議論をしなければいけないところがあるかと思いますので、是非今後とも議論を進めていただきたいと思います。

 ほかに、ご質問、ご意見がございましたら、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。現状についてのご説明をいただいて、皆様からの質問、ご意見をいただいて、ほぼ今後の我々の議論の方向も少しばかり浮かび上がってきたかと思います。

 続きまして、議題の2、「動物愛護管理行政の課題について」、お諮りしたいと思います。それでは事務局からよろしくご説明をお願いします。

【事務局】 資料4をご覧ください。これは1枚だけの資料でございますが、動物愛護管理をめぐる主な課題とキーワード(たたき台)と記しております。この議題の法目的では、この動物愛護管理法の目的は動物の愛護と管理、そして前回追加になりました人と動物が共生する社会の実現を目指していくということになるわけですが、その際に有しておくべき課題と認識についてリストアップとして試みたものでございます。

 この議題では、動物愛護管理行政の課題となっておりますけれども、実際は課題は行政だけではないと思います。ですから幅広い視点から動物愛護関連の主な課題と、それに関わるキーワードを取り上げていきたいと思っております。まだ事務局段階でのたたき台でございますが、本日のご意見も含めて今後ブラッシュアップしていきたいと思いますが、今大きく5本の柱を立てておりますので、それぞれについて少しご説明をさせていただきたいと思います。

 まず上の3つは主体別の課題を書いております。これは法律の条文に出てくる主体別でもあるのですが、1つはまず飼い主、動物の所有者、占有者ということになろうかと思いますが、飼い主責任のあり方。法律の第7条におきましては、いろいろな所有明示ですとか、逸走防止対策、さまざまな飼い主の責務が規定されております。こういった辺りについて、どのような課題があるのかが一つの論点になろうかと思います。

 それから前回の改正では、生活環境保全上の支障の防止が法目的にも入り、責務規定にも入ってまいりましたが、このような生活環境被害の観点、例えば大型犬が鳴くと、かなり大きな、公害レベルの騒音という規模にもなってまいりますので、こういった鳴き声ですとか臭いについては、飼い主がきちんと管理をしていかないといけない。このような部分が十分できているのかどうか。

 また、多頭飼育の問題、これは各地で現在問題になってきておりまして、自治体に集まっていただいて会議をしますと、むしろこの動物取扱業の問題よりも多頭飼育の問題に皆さん頭を悩ませているという状況でございます。これはそのような飼育状況になる方々の状況を見ますと、むしろ社会福祉政策との連携が必要というご指摘もいただいておりますが、このような部分、前回の改正では届出、勧告命令規定もございましたが、もう少し社会全体で考えていくことも必要ではないかというご指摘もあろうかと思います。

 また、災害時の同行避難、今回熊本地震もいろいろ拝見いたしましたけれども、日常から適正に飼っておいていただかないと、予防接種をしているかどうか、クレートというケージに入るトレーニングをされているかどうかという部分で、いざというときに避難所の中で受け入れることができるか。あるいは一時預かりの施設を造ったときに、そこにすぐに入れることができるか、そのような部分でいろいろ変わってまいります。

 まだまだ飼い主さんにやっていただくべきことも多々あるのではないかというところで、これに限らず、等という部分にもたくさんあるかと思いますが、そういった部分もお気づきの点があれば課題としてご指摘いただければと思っております。

 2番目が、動物取扱業に関する部分です。ここは先程からも何度か出ておりますが、この幼齢規制の議論、マイクロチップの装着義務化、それから報道等でもよくご存じかと思いますが飼養施設や設備の基準の明確化、いわゆる数値基準の部分ですとか、それとセットで議論すべきこととして、動物の飼い方、適正飼養のあり方もあろうかと思います。この辺りの明確化について、さらに進めていく必要があるのではないかというご指摘もございます。

 また、逆に動物取扱業、ペットショップなどにおいても飼い主教育といったような業者の方々が果たすべきプラスの役割、そして何があるのかというところもあろうかと思います。それから、第二種動物取扱業といいますと、民間のシェルターですとか、自治体の公園で飼っているような施設になってまいりますが、このような部分につきましても、いろいろ改善が必要ではないかというご意見を聞いたりもいたします。

 それから3点目は、行政機関が果たすべき役割、民間との連携のあり方と書いております。一つは犬猫の引取り・返還譲渡・殺処分と書いておりますが、これは先程の殺処分ゼロの考え方、あるいは適正譲渡という部分につきましても、殺さないことを優先するあまり、無理な譲渡をして咬傷事故が起こってしまうということもお聞きしておりますので、この辺りの考え方をどうしていくのか。特に海外の施設との比較で日本の動物愛護センターが比較されるのですが、海外は大体民間事業であるのに対して、日本では公共の機関がやっている事業であったり、海外ではそもそも野良猫、野良犬が保護の対象外であったりするのですが、日本の場合はそれらを保護して譲渡に回そうという努力もしているというところで、状況も随分違う面もあろうかと思います。

 また、所有者不明の犬猫対策が今、野良犬、野良猫の問題でございますし、最近は地域猫という取組も出てまいりました。また民間との連携・役割分担、あるいは、大規模災害時のペット受入れ体制、個々の飼い主の方に日常から適正飼養をしていただく必要もありますが、一方、行政側は万が一のための受入れを想定した準備も必要だということ。それから近年では命の教育ということで、これは実は家庭動物に限らず、産業動物なども含めてかもしれませんが、大切さを教える教育活動なども求められてきているということで、行政にも求められる役割は多々あるのですが、一方で限られた行政資源という制約もございますので、何に優先順位をつけていくべきかという論点もあろうかと思います。

 次は横断的課題と書いております。これは一つは④、社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方と書いておりますが、これ、実は動物愛護の基本指針において、まだ社会的規範としての動物愛護管理の考え方を、これから形成していかなければいけないということが書かれております。中身は何かと申し上げますと、一つは動物に対する人々の考え方、人と動物の関わりに対する基本的な、少し難しい言葉でいいますと、哲学といいますか、そういった論点が一つ必要なのかと。例えば、この動物は命なのか物なのか、という問いかけがあるかと思いますが、動物愛護管理法では命と書いておりますけれども、実はやっぱり法令上はどうしても物でしかないと。そこのギャップをどう乗り越えていくのかという部分なども、この考え方の違いを理解しておかなければいけないと思います。

 また日本と西洋の動物観・生命観の違いという部分も、例えば動物愛護、動物福祉、いろいろな考え方があろうかと思いますが、いろいろな日本と動物、海外でのいろいろな仕組みを導入すべき、海外に習うべきというのであれば、海外の動物観と日本でどう違うかもわきまえておく必要があるだろうと。その辺りがはっきりしないということが、実はこの実験動物と動物愛護管理法との関係性が、少し曖昧な部分があるのではないかと思っております。

 それから5番目は、法目的に前回入りました、人と動物が共生する社会の実現というのがございますが、これについてはあまりじっくりと議論されたことはございません。実際どのような社会を目指していくのかということで、実は環境省自身、自然と共生する社会、低炭素型社会、それから循環型社会、最近はその三つをあわせて3社会合同ということも言っておりますが、将来目指すべき社会を掲げて、それに対して何をやっていくかという議論を行っているのですが、実はこの動物愛護管理法の中で書かれている人と動物が共生する社会については、これから考えていく必要があろうかなと考えております。

 多様な主体の役割、本当に飼い主の方、自治体の方、動物取扱業の方、それから愛護団体の方、いろいろな方々の共同によって取り組むべき部分があろうかと思いますので、こういった部分についても多々いろいろな論点があるのではないかと思っております。

 1から5と、とりあえず5本柱ということで書きましたが、実際は6番目、7番目があるかもしれませんし、入っている場所が違う、こういうキーワードもある、と、たくさんご指摘があろうかと思います。今日はその辺りの忌憚のないご意見を聞かせていただいて、それを踏まえてまたこちらで肉づけをしまして。

 冒頭で実は、部会長からも法改正と話もございました。これは法改正にとどまらない、もう少し大きな話も入っているかと思います。むしろ改正に関係あるのは一部かもしれませんけれど、よりよい人と動物の関わりの社会を目指すとしたときにやはり論じていかなければいけない部分、考えていかなければいけない部分は非常に多岐にわたるということで、まずそれを幅広く棚卸しをしたいという観点で作りました。いろいろなご意見をお聞かせいただければと思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ただいまの説明について、これはかなりワイドレンジなテーマでございますので、いろいろなところから、ご指摘、ご意見があろうかと思います。ご自由にまずご発言をいただきたいと思います。たたき台でございますので、遠慮なくご意見お願いします。

 どうぞ、太田委員。

【太田臨時委員】 1から5までありますけど、かなりの部分、適正飼養というのはキーワードとして出てくると思うのですが、こういうことに関して、具体的に何をするということは考えておられますか。まだこれから考えるのですか。

【事務局】 既にもう各自治体でかなりいろいろなことをやっていただいている部分もあろうかと思いますけれども、足らない部分ですとか、より効果的にできる部分が何かを探していく努力もこれから必要だと思っています。そこは、これからというところで、いいアイデアがありますか。

【太田臨時委員】 何か具体的な、ゴールとは言いませんけれど、目標がないと、こういうものは決してうまくいかないような気がするのです。僕も長い間口をすっぱくして適正飼養しなくてはいけない、適正に飼わなくてはいけない、適正とは何だということも含めて、なかなか浸透していかない。大学教育の中で学生に言っても、ほとんどそれは実践されていない。それを、飼い主、国民といいますか、皆さんに理解してもらうためには、何か具体的な目標がないと大変難しいのではないかと思うのですが、そういうものもないですか。

【事務局】 現時点ではむしろいろいろな具体的な目標を作るべきというご意見をいただいて、またその目標の中身をいろいろお聞かせいただければと。

【太田臨時委員】 例えば電車に乗れるとか、バスに乗れるとか、今すぐは絶対に無理ですけど、5年後にはそういった社会にするとか、何か具体的なものがないと、多分、要するに議論だけして、何も成果がないということになると思うのですよね。だから、是非、具体的な目標を国がつくれば多分うまくいくと思います。是非、頑張ってください。

【新美部会長】 今のご指摘はある意味で政策を進めるときに大事な点ですので、共通目標をどうするのかということは、この議論の中で詰めていけたらいいかと思います。

 それから、もう一つ今のご指摘との絡みで私も感じたことを申し上げますと、適正飼養ということでこれが望ましい、となると、なかなか合意が得られない。「これは適正とは言えません」というところから、いわば外堀から埋めていくというほうが仕組みとしてはやっていきやすいのかなと感じました。そういう観点でいきますと、不適正飼養が①のところで出てきて、このようなやり方でだんだん外堀を埋めていくと最後は適正とは何ぞやということになっていくのかと思いました。今、太田委員のおっしゃったことが、ある意味で最終ゴールだとするならば、そのステップとして不適正なものは何なのかということを少しずつ詰めていったらいいのではないかと思いました。これは施策ということを考えたときのやり方だと思いますけれども、今後皆様と議論しながら詰めていきたいと存じます。

 最終ゴールは外国で暮らし経験したところの、犬も平気で電車に連れて乗りますし、公園で赤ちゃんの隣に大きな犬がいても皆さん何の心配もしていないという社会。そういう社会はなかなかいいなと思います。そうした社会にするためにはどうしたらいいのかということを、議論していくとよろしいのではないでしょうか。

 これは大きなテーマだと思いますので、今後しっかりとご議論していっていただきたいと思います。

 ほかにご意見がございましたら、よろしくお願いします。

 では、打越委員。

【打越臨時委員】 不適正飼養やその虐待の問題を検討するというのは、大いに賛成しますので、新美部会長のおっしゃるとおりと思います。

 私は③の行政機関が果たすべき役割のところですけれども、法律が伴わないとできないことと、それから法律ではなくて、自治体ごとの条例やオリジナルな施策、予算措置でできることというのを、これからさき腑分けしていく必要があるのではないかと思っています。

 というのは、どうしても5年ごとの法改正のたびに、何となく会議の回数も増え、また関係者からの意見提示も増えるのですけれど、現実には、自治体によって様々な課題の相違がある。例えば都市部の自治体か農村部の自治体かによって、飼育の仕方というのも違いますし、また協力してくれるボランティアの数というのも違いますし、また暖かい地方と寒い地方では、野生下で繁殖してしまった犬や猫が増える、増えない、それは持ち込まれる、殺処分の数にも影響があって、その寒い地方で減ったから暖かい地方でもできるだろうという単純な話ではありません。

また、それぞれの自治体の首長、知事や市長ですとか、それから議会の状況ですとか、さまざまな業界団体、例えば獣医師会さんと行政の関係などによって、政策手法も違うと思うのですね。

 例えば外猫の問題が顕著な地域などで、餌やり禁止というような規制の手法で問題を解決していこうという自治体もあれば、予算措置をして、補助金をつける形で去勢手術を進めて地域猫普及啓発をする自治体もある。つまり首長とか議会とか行政職員そして地域住民のカラーによって、規制でいくか助成でいくか、政策手法も違ってくる。ここまできますと、やはり動物愛護管理の施策も大分充実してきて、地方分権と言われる時代ですので、法律で何かを一律に決めるというより、その自治体ごとの条例や、自由な判断を任せる、それを単に自治体に丸投げするという意味ではなくて、支えながら自治体のオリジナルな発想を生かしていく、そのような国と自治体の役割についてもきちんと議論していく必要があるのではないかと思っております。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。今の点について何かご意見等がございましたら。まさに行政のことですが、何かございましたら。

【事務局】 そうですね、本当に地域よって随分差があるという、打越委員のご指摘はまさにそのとおりでして。東京都とか神奈川ですと、やはりほとんど野犬がいない。もし放浪している犬がいれば、基本的に誰かから逸れた犬、捨てられた犬であるというような地域もあれば、おそらく外にいる犬のほとんど全てに近いのが野良犬か放し飼いの犬みたいな地域もあったりします。特に野良犬が多い地域だと、なかなか難しい部分があります。また、猫についても北の方ですと多分年に1回くらいしか繁殖が成功しないけれども、南にいくと年3回くらい繁殖ができてしまうという状況の違いもあります。

それから収容する動物も純血犬といいますか、西洋の洋犬であれば人に馴れやすいのですけれども、日本犬のミックスの雑種ですと非常に懐きにくくて、特に日本の野犬にはそれが多いものですから、譲渡のハードルがなかなか高い。地域によってあまりにも差が大きいものですので、これはいろいろなところで国が強力に一律に規制をすべきというご意見もいただくのですが、むしろそれは地域の実情に応じた取組を地道にしていただく部分も必要な面があろうかと思っております。

 これはやっぱり国として全国的に支援なり、仕組みとして応援していく部分と、各地域の実情に応じてやっていただく部分をうまく見極めながらしていくということが必要かと思っているところです。

【新美部会長】 ありがとうございます。はい、どうぞ。

【事務局】 少しだけ補足しますと、動物愛護管理法、環境省で所管しておりますけれども、環境行政、環境基本法という体系の中で考えると、従来の公害関連法といったナショナルミニマムをしっかりと維持するという観点から、地方で統一してやっていただくというようなものを進めるというのと、動物愛護の世界というのはかなり違ってきて、より自治というか自治体の住民の方に近い現場への行政ですから、当然国と地方の関係というのは変わってきて、より地方の自主性、例えば環境の視点というよりは住民福祉の視点から、この問題を考えようというところもあって、しかるべきだと思いますし、今ご指摘いただいた国と地方の関係というのは、環境行政の分野の中でもかなり自治体によったものというように進めていくことになるのかと思っております。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見、ご質問がございましたら、お願いします。はい、どうぞ池永委員。

【池永臨時委員】 すみません、私は専門の先生と違って、少し知識がないので、教えていただきたいことが二つあります。

 一つは、近隣生活環境被害、吠え声や、臭いといったときに、ペットのしつけという観点からいって、今飼い主の全く自由に任されているのか、これは飼い主がしっかりとしつけをするという部分が大きいと思うが、その辺り、管理といったときに、飼い主に対して何か体系的な教えるような場があるのか、そのようなことが推奨されているのかというのが質問の1点目です。

 2点目は、将来ビジョンに関係するのかわからないが、先程バスに乗れるようになるといったときに、動物が社会の中で役割を果たすようなアニマルセラピーや高齢者のお年寄りに対して介護の現場で使われるという、積極的な役割を動物が果たす観点があり得るのかどうか、全然的外れな話なのか、その点が二つ目の質問です。よろしくお願いします。

【新美部会長】 ではお願いします。

【事務局】 まずしつけですが、特にしつけをしていないから何か罰則があるとかいうような形ではないですが、恐らく脇田委員の方から説明していただいたほうがいいのかもしれませんが、いわゆるペットショップで犬を飼い始めたり、また愛護センターなどで譲渡を受けたりというようなときは、やはりしつけが大事なのだということは、しっかり説明をしながら、飼い主の方にしつけということを受けていただくというのもあると思います。

 中には自治体ではそのようなしつけ教室のようなものを設けて受けてもらうということを行っている自治体もあるという話になっております。

 いずれにしてもしつけというのも動物を扱う方になりますので、そのしつけ教室を営利的にやられるという場合は、動物取扱業の登録を取っていただくのが現状です。

【新美部会長】 よろしいでしょうか。

【事務局】 あと動物の積極的な役割といいますか、ポジティブな位置づけというのですか、これはまさに太田委員ご専門の部分でもあるのですが、動物が介在することによるいろいろな効果というものもございます。この辺りについてどうするかは、どちらかというと動物愛護管理法が、動物による迷惑を何とかしましょうという観点が強いものですから、ポジティブな部分が弱いところがあるのですけれども。先程言った将来ビジョンというのも、人が動物と一緒に暮らすことの負の部分を極力最小化するだけではなくて、メリットも大きく捉えていくというような考え方もあっていいと思います。一方、それによって逆に動物に負担をかけてもいけないところがあると思いますから、そこをどのように目指していくかは、これからの議論の部分として残っていると思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。では、木村委員、よろしくお願いします

【木村臨時委員】 ③の行政機関が果たすべき役割、民間との連携のあり方の中に小学校での教育活動というのがございます。今年度、文部科学省で小学校教育指導要領が改訂となり、その中に学校での動物飼育、動物介在教育が書かれています。是非動物愛護管理法の理念を次の世代の子どもたちに理解していただくためにも、子供たちに動物とふれあう実体験を通して動物のぬくもりを感じ、動物に命があること、動物を思う優しい心が育つことを願う活動の検討を取り上げて頂きたいと思います。現在、小学校や動物園でも実施されていることですが、次の世代を育てる、動物愛護というテーマの中で長い目線でみて検討に加えて頂きたいと思います。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 どうぞ、浅野委員。

【浅野臨時委員】 すみません、抽象的な話になってしまうのですけど、人と動物が共生する社会の目指す社会というのは、多分動物との適正な距離ということだと思うのですが。どうしても、ここでは愛玩動物をベースにしてしまうのですけれども、一応動物愛護法は1条で全ての動物を含んでいるので、そういう意味では本来野生動物とか、どちらかというと補助犬、厚生労働省の方ですけれども、あと作業犬とか警察犬とか、本来そういうものも考えていかなければいけないし、もっと言うと、飼い主だけでなくて動物を飼っていない人の方が圧倒的に数としては多いわけですから、その人たちに対して、動物との適正な距離、動物との共生する社会というのはどういうものかというのを啓蒙していかなければいけない。それをそろそろ考えなくてはいけないと思います。

 ハード面とソフト面があって、ハード面としては、バリアフリーとか、やはり補助犬サイズの大型犬が、それこそバスに乗ったり、町を歩けたり、そのようなことをまずそろえることも必要だと思いますし、飼い主の責務として訓練、しつけがあるのですが、特に東京都市部では訓練、しつけができる場所すらない。それで訓練、しつけをきちんとしろと言われても、それはもう前提からして難しいかなと。

 そのようなハード面をそろえていくときに、ここは環境省ですけれど、やはり国土交通省の道路の管轄とか、それから小学校でのという話になってくると文部科学省とか。それから、そもそもマイクロチップという話になってくると、狂犬病予防法と絡んできますから、厚生労働省と。そういう縦割りの中で、どう横断的にやっていくか、そこも少し考えなければいけない時期かなと思います。

 ソフト面については、やはり飼い主に何らかの努力義務なり、スイスのように許可制まで必要かという議論があるとは思うのですが、何かそのような知識を義務化する必要があるかどうかとか。あと飼っていない人にも適正な取り扱い、公衆衛生を含めて適正な距離の取り方、怖がり過ぎない、だけど近寄り過ぎないという、その辺りも衛生状態も含めて考えていく必要があるかなと。少し抽象的ですが、そう思います。

【新美部会長】 いえいえ、ありがとうございます。特に最後の⑤のところになるかと思いますけれども、この辺りをどのように構築していくかというご意見だと思います。これは大事なことだと思います。しつけをしろといっても、しつけをする施設がなければ対処しようもないじゃないかという指摘が非常に耳の痛いご指摘だと思います。その辺りを少し考えていく必要があろうかと思います。

 どうぞ、山﨑委員。

【山﨑臨時委員】 山﨑でございます。

 先程太田委員が目標ということを幾つかコメントなさったので、私は少し具体的な目標という話を少しここに絡めてご提案させていただきたいと思います。

 まず一つはしつけに関しましては、現在おそらく私より水越委員の方がご存じだと思いますが、日本はほとんど小型犬がペットになっておりますので、しつけの必要性を飼い主が感じていないので、しつけ教室は大変今低迷しております。それが一番の問題です。

 ですからこれはしつけをしろということよりも、先程太田先生がおっしゃったように、いきなりバスというのは難しいかもしれませんけれども、例えば公団、公的な住宅などで、例えば一定のしつけ、避妊・去勢等をしたら飼えるよというような、いわゆる馬の鼻先のにんじんという策を考えていかないと、誰もしつけもしないと思います。

 これは、以前にも提案させていただきましたが、結局接種率とか登録率も今小型犬が増えているので、実はあまり上がっていないと感じております。これを公共住宅と絡めてアップさせていこうという策をとれば、非常に私は効果があるのではないかと思います。

 それからもう一つは、飼い主責任の中で多頭飼育とか、災害時の同行避難という話がございますけれど、どうしてもそこに関わるのは、人間の専門家なので。結局ソーシャルワーカーさんや、特に多頭飼育の場合などはむしろソーシャルワーカーさんよりPSW(Psychiatric Social Worker:精神保健福祉士)が入っていかないと、どうしようもないような状況がほとんどでございます。国家資格であるPSWやソーシャルワーカーの認定の一環として、動物に関する情報提供というものは必要だと思います。現在は社会福祉、日本社会事業大学も含めて社会福祉の現場においては動物というパラダイムに対しては全くカリキュラムの中には一切入っていません。

 私どもが多頭飼育の現場でソーシャルワーカーからお尋ねをいただくことが多々ございます。ですから、国家資格の中で本当に動物を扱わなければいけない現場に遭遇する可能性がある、そういったところに動物と遭遇したらどうするべきかというところを入れていくというのが必要であると思います。

 災害時の同行避難に関しましては、これは実はちょっと全体的に皆さんの議論が非常にペット偏重になっていると思います。例えば先ほど木村委員がおっしゃっていた学校動物に関しては、おそらく皆さんご存じだと思いますが、3.11のときにはほぼ全滅状態でございました。つまり学校で動物を飼え、優しくしろといっても、基本的に何かがあったときに誰がどうするというような対策が現状ではとられていない。それはやはり実験動物、それから動物園動物も同じですけれど、学校動物もその枠の中に入れていかなければ、適切な優しい心を教えるというところに到達しないのではないかと思います。

 動物取扱業に関しましては、非常にペット業界、それからブリーダーというのが、前回の法改正からどんどん攻められる立場になってきていると思うのです。ほかのいわゆる占有者に関しましては、非常に社会の目が甘い。例えば、現在、おそらく私より山口委員のほうがご存じだと思いますけれども、公益社団法人日本動物福祉協会に海外の観光客からくるクレームはほとんど動物園です。おそらく殺処分に関して海外の団体から日本は遅れているとか、そのようなコメントをいただくことは全くございません。

動物園に行ってみますと、つい先日も少し査察をさせていただいたところで、施設名は申しませんけれど、非常に小さな展示施設でヒグマを4頭展示していて、餌は何と学校給食の残りを集めてあげていると。これはもうどう考えても適正飼養の域を大幅に逸脱しているわけですよね。そういったところに関して、社会の目がどうやって向けられなければいけないのかというのが、動物愛護管理法の中で何とかならないであろうかと考えるわけです。

 動物園それから専門学校です。それから補助犬の訓練施設、ここは実は専門学校は、中の学生から動物の飼い方が悪いという告発が出た事例もたくさんございますし、それから補助犬の訓練施設に関しましても、いわゆるペットショップの基準以下で、補助犬をたくさん、訓練犬を飼っているような団体も実はなきにしもあらずでございますので、そういったところに動物取扱業としての厳しい規制というものをやはり課していくというのは、むしろペット以上に早急な課題ではないかと考えております。

 それから、横断的課題の社会的規範として云々のところでございますが、この4番に関しましては、確かに西洋とそれから日本の考え方というのは、歴史的にも環境的にも違ったものがございますけれど、そろそろ、やはり国際的なスタンダードというものを日本の法律の中でも文化論を取り除いて、もう少し単刀直入に扱う時代がきたと思います。これはOIE(国際獣疫事務局)、OECD(経済協力開発機構)や各種学会等を見てみますと、アニマルウェルフェアという言葉がキーワードになってきております。日本もOECD、OIEに積極的に参加をしている国としては、そういった路線の中で動物愛護管理法をどう考えていくかという流れに乗っていくのは必要ではないかと思っております。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 非常に多岐にわたるご指摘をいただきましたが。いずれもこの5つのテーマを柱にして考えたときには重要なご指摘だと思いますので、是非その点も踏まえた今後の議論を進めていっていただきたいと思います。

 特に、複眼的なものの見方をすべきだという意見だと私は受け取りましたので、その辺りは是非心がけてまいりたいと思います。

 ほかにご意見、どうぞ。

【打越臨時委員】 今の山﨑委員がおっしゃるとおりだと思っていまして、今日田畑委員がお越しでないので、動物園の問題を議論できる方がいらっしゃらないので。今、動物園が置かれた状況というのは、犬や猫だけは大切にする飼い主が増えているのに、自分たちの地域の中で動物園で動物が飼育されていることに目を向けない動物愛好家がすごく多くて、しかし公共施設として大きな動物を飼っている限り、殺処分でもできない限り、その動物たちはそこで暮らすわけですから、そういった動物に関しても配慮を持てる市民性というか、国民性を育てていかなくてはいけないと常々感じています。

 ところが、この(中央環境審議会)動物愛護部会であるとか、あるいは動物愛護管理のあり方検討小委員会であるとか、法改正が近くなると非常に頻繁に会議が開かれるのですが、法改正がないときは1年に1回、あるいは何か検討しなくてはいけないときに開かれるのですけれど、そうすると何かあるたびに法改正だけを論ずることになってしまうので、そうではなくて、先程、法律でできることとできないこと、というのをお伝えしたのはそういうことでありまして、法改正時に単に会議を増やして盛り上がるというよりも、平時から動物を取り巻く社会問題があれば、その関係者をお招きしてヒアリングして、今何が困っているのかということを、ここの会議の情報に載せる、議事録に載せる。そうすればメディアがまた気がついてくれます。法改正ができますというように、空手形を切ることは全くできませんけれども、日常的にそういう関係者をお招きして議論する場を、もう少し積極的に設置できないものかなと感じております。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。非常に耳の痛いご指摘だと思います。行政にとっては大事なご指摘だと思いますので、今言ったように尻に火がついたときだけではなくて、日頃からしっかりと目を向けなさいというご指摘だと思いますので、これはそれこそ動物愛護管理室の人はぜひ肝に銘じていただきたいと思います。

 多分常日頃やりなさいというのは、なかなか体制からいってできないにしても、いろいろな現象について気配りをして、適宜に、是非皆さんのお知恵を借りるようにしてほしいということだと思います。今後の心構えということで、ご注文があったということで扱わせていただきたいと思います。

 ほかにご意見がございましたら、どうぞ。よろしいでしょうか。

 私が伺っていて感じたのは、動物愛護に関して大事な情報というのは分断されているなということです。どこかでうまくリンケージが作れるような体制を考えていったらいいように感じました。そういう印象で皆さんのお話を伺っていました。では、どのようにしてリンケージを作るのかというのは、まだまだこれからの課題でしょうけれども、一つずつ作っていく必要があると思いました。

 例えば、動物取扱業に対して飼い主教育というのですけれども、これ、飼い主が聞く耳を持たなければ教育にもならないのですね。これは消費者契約などでも同じです。消費者に対する説明義務といっても、説明を聞いても知らんぷりという消費者が出てきたら、説明する意味がないわけです。物が商品でしたら、買主は自分の判断説明を聞かなかったからしようがないといって済ませることでもいいかもしれませんけれど、動物という生き物が取引対象になったときには、買主には、説明を聞く義務があるというくらいのところまでいかないにしても、説明をきちんと受け止めなければいけないという、努力義務くらいはあってもいいように思います。

 今後いろいろなところで適正飼育とは何ぞやという話になってくるときに、何が適正なのかが明確でなければ、説明もできないし、受け止めるほうもわからないということになります。ですから、そういう議論を是非今後していっていただきたい。その中で制度化ができるものは制度化していくという方向に進めたらいいなと思います。

 その中で横断的課題も浮かび上がってくると思います。どこかで糸口が出てくるだろう感じました。

 どなたか、どうぞご意見がおありでしたらお願いいたします。

 はい、どうぞ。

【山口臨時委員】 適正飼育の件ですけれども、今でもずっと適正飼育は言われてきているのですが、実際自治体の方々が指導に行かれるときでも、基準というのは一応あるのですが、それを示して、こうだから、ここをこう改善しなさいという、示して改善させる基準になるものが、もう少ししっかりあってもいいのかなと。それがないと、自治体の方々も指導に行って、なかなか指導がしにくいという部分もあるとは思うのですね。

 ですから、英国の法律などの場合は動物福祉の面についても、各動物について、このように変えなさいという細かいガイドラインが決められている。それに従って指導し、ある程度まで満たされなかったら罰則もあるよという形になっていますので、ある程度やはりそれくらいのものがないと、なかなか適正飼育というのは進んでいかないのかもしれないです。

 もちろん、バスで一緒に乗れるようにと。そのためにこれだけのことはしなさいよという目標もいいことだとは思いますけれども、そういう実際に書いたもので、示せるようなものが、あったほうが進むのではないかなと思います。

 飼い主については、結局、結構飼い主責任のあり方というところは、ほとんど個人飼い主のことが書いてありますけれども、動物取扱業にしても実験動物の方々にしても、自分の手元にいる動物の飼い主、所有者、占有者ですので、飼い主責任というのは本来的には全てがかかると思うのですね。ですから飼い主責任というものをもう少し大きく捉えてもいいのかなと思います。

 それから、法改正も必要ですが、今ある法律でもできる部分ができてないというところもあるのですね。ですから、今ある法律をもっと効率的に、適用していけるような体制等も考えねば、法改正してもまた結局法律は改正しました。でも、なかなか実施できませんということになってしまいますので、それも同時に考えていかないといけないところかなと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。きちんとしたガイドラインは必要だというのは非常に大事です。同感です。それから、今もう一つ目からうろこが落ちたのは、動物取扱業者も飼い主だという点です。これは非常に大事な視点だと思いますので、その辺も今後しっかりと捉えていきたいと思います。

 あとほかにご意見、ご質問がございましたら、どうぞ、お願いします。いかがでしょうか。

 太田委員、どうぞ。

【太田臨時委員】 ここに立派なシンポジウム(環境省主催シンポジウム:動物の愛護と管理と科学の関わり)のパンフレットとは言いませんが、抄録みたいなのがありますが、ここに書いてある3ページ目、開催趣旨というのはよくわかるのですが、これで得られるものはあったのですか。

 西村委員、得られるものはありましたか。

【新美部会長】 どなたか、これについて。

【西村臨時委員】 私は参加させていただきましたけれども、環境省が久しぶりにこういうのをやられたということなのですが、これ、すごく僕は効果があったと思います。やはり社会に向けてこういう情報発信をするということをしないと、もう情報が本当にどこに行ったらそれが見られるのかとわからない状況なので、このように社会にどんどん発信していくということは、非常に重要かなと思いまして、質問もたくさん出ましたし、そこで議論が結構されましたので、このようなことを積み重ねていくというのは、非常に大きな、もしかすると法律をいろいろいじるよりは効果があるのかなというくらいは思いました。

【太田臨時委員】 僕もそう思いますけど、僕は聞くことができなかった。だから、これが例えばインターネットか何かで見られるようになっていると、録画して見られるので。実際に来たのは300人余ですよね。だから300人余は実際に生で聞くことができたのでしょうけど、ほかは聞けないので。だから、そういったことも含めていろいろな広報もしてほしいなと思います。

【事務局】 今回事前に広報をしなかったので、公開用の映像とまではいかないのですが、一応会議録などは全部通していまして、成果と言いますか完成品は手元に59ページの会議録がきていて、文言チェックが今大変なのですが、確か文字で7万字を超えるディスカッションの成果があって、それを先生方に確認していただいて正確性を増した上で、全部公表しようと思っています。

 スライドも出してよいものは、一応いただいてアップしたいと思いますので、おそらく読もうとする方のほうがかなり大変な作業になると思うのですが。

【新美部会長】 それを要約版なりに、わかりやすいものを作らないと。

【事務局】 一応それも年度内に頑張って要約版も作りたいと思っております。一応できるだけ、こういう機会、今回科学というテーマでしたけれども、例えば災害とペットの関係とか、いろんな切り口で、我々の体力が続く範囲においてやっていきたいと思います。

【新美部会長】 期待しておりますので、是非よろしく。体を壊さない程度に頑張ってください。

 ほかにご意見ございましたら、どうぞよろしくお願いします。

 はい、どうぞ。

【打越委員】 時間があるようですので、2ページですね。課題についての話ではあるのですけれども、2ページのところに、これまでの法律の制定と改正は全て議員立法によるというところがあります。今すぐに法改正の話をするわけでないからこそ、議論、あるいは意識しておいたほうがいいのかなと思うのですけれども、多くの場合、国会議員さんたちが国民の価値観を反映して議員立法を作るときというのは、やはり政策の大枠を定める理念法を作っていただくというのが議員立法の一番大きな役割だと思うのですね。

 ですので、環境省に関わるところでは、それこそ生物多様性基本法とか、そういったものを議員さんにという形になってくるとは思うのですけれども、もともとは動物愛護保護管理法はたった13条の法律で、とても理念的なものだからこそ、議員さんたちが立ち上げてくれたことに大きな価値があったと思うのです。しかし、実際に自治体で現場で運用し、場合によっては動物愛護管理法違反ということで、刑事罰も与えるような、かなり緻密な行政運営に関わる、あるいはその裁判にも用いられる法律になってきているということを考えると、内閣法制局審査を受けて出す法律であっても、議員立法であっても構わないのですが、法改正のプロセスにきちんと透明性がなければならないと思うのですね。

 誰が、どこで何を発言して、どの業界団体がどういう意見書を出して、だから今こういう法律の条文になっているというような、やはり法制度のプロセスの透明性が問われると思うのですが、どうしても議員立法ですと、その辺りのところの議事録であるとか、細かいところがわからない。

 前回の2012年の法改正のときには、動物愛護管理のあり方検討小委員会で25回も議論したのですが、そんな話題出てきたっけという話題が最後の法改正になって条文になったら入ってきて、委員一同、あれ、これ議論したっけということが結構入っていたと思うのです。もちろん動物を愛護する方向に転がったわけですけれども、逆だってあり得る。つまりせっかく委員会で議論したのが全部保守的に戻ることだって、例えば議員立法の場合にはあり得るのですが、それを検証する議事録とか細かいものがないというのは、私は公共政策のあり方として問題だと思うのですね。

 ですので、次、法改正するのかしないのか、もうそれこそ先程の山口委員がおっしゃったとおり、法改正しても動かせないような状況になるなら、法改正する必要がないということに、あるいはしても仕方ないということになってしまうのですけれども、いずれにせよ法改正するのであれば、議員立法であるのか、閣法であるのか、それをきちんと意識して、その政策改正のプロセスというのが後から誰もが見られる。論文で書けるくらいの透明性というのを確保していただきたい。これは国会議員さんにも課せられた使命であると私は思っています。

【新美部会長】 なかなか大変だと思いますけど。

【事務局】 今、法律の話が出ましたので、一言申します。

 今のところ、我々の方でこの法律を閣法でやるのか議員立法でやるのかというのは、意見は特にございませんが、ただ事実として、制定のとき、またこれまでの改正は全て議員立法でやられているということ。また、既に5年ということであれば、来年くらいが節目の年になるのですが、各党におかれては、積極的にかなり来年を目指して議論も進められているということがあります。我々としては、そういった議論の中に呼ばれて、どう認識しているのか、何が課題なのかと問われたときには、しっかりとした答えとデータが出せるようにということで、本日例えば現状であり、新たに出したのが2枚目の課題というところで、まずはキーワードだけ、課題を詳しく掘り下げていくのは、またこれ以降ですけれども、まず課題認識の範囲がどこまでなのかとか、課題の認識の仕方がこういうものでいいのかというところから、今日は入らせていただきました。国会でのそのような議論と並行して、我々としては、自らやるのか、それとも議員立法になるのかは、これから見据えていくわけですけれども、どちらにいこうとも、まずこうした議論に十分な整理ができるような体制を整えていくと。そのためにこちらの場でも時に応じてご議論いただく体制で進めていきたいと思っております。

【打越臨時委員】 例えば国会議員さんのワーキングチームに行ったときに、どんな議論が出て、どんな資料を説明してというのを国会議員さんたちは好むか好まないかはわからないのですが、少なくともどういう議論がなされたのかというのは、やはり明らかにしていってほしい。政策論議された経緯というのは、余程個人情報に関わるとか、特定の団体の内部情報に関わるというものであれば、非公開で情報を表に出さないというのはあるとは思いますけれども、政治家が議論する場面というのも、もう本当に表に出してほしい。それを環境省の事務局に宿題を出しているつもりではなくて、この議事録をいつか国会議員さんが見てほしい。どうして前回の法改正のときに、動物愛護管理のあり方検討小委員会で議論したこととは全く違うものも入り込んでいたのかを検証のしようがないということを国会議員の方々にも理解して、是非積極的に情報を出していただきたいと思っている、そのような次第です。

【新美部会長】 これは国会議員に対する注文ですので、どこかで。我々の報告書において、この報告書の主旨を十分咀嚼(そしゃく)してくださいというような注文をつけるということもあり得るわけですので。それをどういう形で出すかは考えていきたいと思いますが。

 ほかに何かご意見、ご質問、ございますでしょうか。

 どうぞ、はい。

【西村臨時委員】 今後いろいろな議論をしていく上で、やはり感情と感情があるところで、どこかで決めていかないといけないということは多々出てくると思います。

 この間、シンポジウムに参加したときに思ったことは、議論を何に基づいてやるかということについて、科学的なデータというのは非常に重要な役割を果たすなということは強く感じましたので、今後もこの環境省として、そのような科学的なデータを、議論のもとになるようなデータを積極的に集め、公表していくという方向が非常に重要じゃないかなと思います。

【新美部会長】 特に環境の分野では科学的な知見が大きなベースになると思いますので、この動物愛護の問題もデータは非常に大事だと思います。それをもとに、どのような施策の中で、どうその事実を生かしたのか。あるいはその辺りはパスしたのかということは明確にしておく必要があると思います。それがまさに今日ここに出た5つの論点を示していただいたところの一つの肝でもあると思います。

 この論点ペーパーそのものは皆さん共通でご認識いただいたと思いますので、これをもとに、それぞれの1から5までのところの関係もあるかと思いますので、それは是非今後も深めていっていただきたいと思います。幾つかご議論の中で補足していただきましたが、この柱とすることはこのような方向で今後我々は議論していくということでよろしいでしょうか。

 それでは、何か事務局からございますか。

【事務局】 そうですね。西村委員からご指摘のあった部分も含めてですが、一番下で、正確な情報の収集と共有と書いてあります。まずは科学的知見、これは科学だけではないと思うのですね。いろいろな文化的な部分ですとか、実際それを実行するためのマンパワーとか、行政資源がどれだけあるかとか、いろいろな観点であると思うのですが、やはり実際、正確なものをできるだけ把握し、それに基づいて判断をしていくということが多分非常に大切になってくると思いますので、これも体力のある限りということになりますけれども、できるだけ努力はしていきたいと思います。

【新美部会長】 

 ほかにございませんでしょうか。どうぞ、藤井委員、お願いします。

【藤井臨時委員】 藤井と申します。

 私はどちらかというと、今までペットフードの安全性のほうをやってきたのですけれども、そちらも法律を作ったり省令を作ったりの中で、有害な物質であったりするものを法律や省令の中で規制をするというようなことをやってきました。

 そのときに、今科学的なということが出ましたけれども、科学的なデータをもとに何をやっているかというと、リスクの大きさを科学的な手法をもとに評価をしているということになります。

 リスクが非常に大きいものに関して、社会的、それから健康上の影響が大きいものに関して、規制をしていくということになると思うのですけれども、そのときに必ずしも科学的な安全性だけではなくて、例えば食品の中には発がん性があるものがあっても、例えばお酒とかは、それなりに発がん性があるのですが、やはり人生を豊かにするために認められているものもありますので、皆さんの心情ということも加味をしながらやっていくということがあると思います。その中でやはりこれは規制をしたほうがいいというものであれば、規制をしていくと。

 一方では今適正飼養ということでたくさん出ていましたけれども、適正なものに関しては、考え方をしっかり示していくということが重要で、その考え方を示されたものに対して、一般の飼い主の人、それから事業者の人もその中で創意工夫をしていくということが非常に重要になってくると思いますので、考え方を示すということと、取組を奨励するということが重要になってくるのではないかなと考えています。

【新美部会長】 ありがとうございます。ほかにご意見はございませんでしょうか。

 時間もそろそろ参りましたので、以上で本日の議論は終了したいと存じます。どうも熱心なご議論、ありがとうございました。新しいメンバーの初回の会議としては非常にきっちりと示唆のあるご意見をいただいたと思います。

 それでは、議事進行を事務局にお返しします。

【事務局】 委員の皆様におかれましては、ご多忙のところご出席いただき、ありがとうございました。

 事務局の方から、その他としてスケジュールを簡単にご説明したいと思います

【事務局】 今日はどうもありがとうございました。今後のスケジュールでございますけれども、本日は今まさに部会長からご紹介がありましたように、部会のメンバーが新しくかわられたこともございましたので、主としてこの動物愛護管理行政を取り巻く現状をご報告させていただいたということで、開催させていただきましたけれども、あわせて今後の施策の推進に当たって参考とするために、まさに課題認識、いろいろなご意見をいただいたところでございます。

 次回の(中央環境審議会)動物愛護部会の開催につきましては、まだ明確な想定があるわけではないのですが、さまざまな取組の進捗状況を見まして、恐らくは夏頃を目途に、また開催させていただきたいと思っております。その際には今日いただいたご意見を踏まえて、先程の資料4がもう少しバージョンアップしたものとして、お出ししたいと思っているのですけれども、その開催をすることになった場合はできるだけ早目に日程調整をさせていただきたいと思いますので、是非また次回ご参加をお願いしたいと思います。

 以上となります。

【新美部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、本日の委員会をこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

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