中央環境審議会動物愛護部会(第26回)議事録

1.日時

平成22年7月15日(木)午前10時00分~午後11時47分

2.場所

環境省第一会議室
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館22階)

3.出席者

林部会長、青木委員、臼井委員、太田委員、藏内委員、佐良委員、菅谷委員、永村委員、兵藤委員、山崎委員*正字(﨑)、渡邉審議官、田中総務課長、西山動物愛護管理室長ほか

4.議題

  1. (1)動物愛護管理基本指針の点検(報告)について
  2. (2)小委員会の設置について
  3. (3)その他

5.配付資料

資料1
動物愛護管理基本指針の点検(第3回)について
資料2
動物愛護管理基本指針の点検(第3回)について 図表資料
資料3
動物愛護管理のあり方検討小委員会の設置について(案)
資料4
動物愛護管理のあり方検討小委員会の運営方針について(案)
参考資料1
動物愛護管理基本指針
参考資料2
「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」
参考資料3
「平成21年度動物の遺棄・虐待事例等調査報告書」
参考資料4
中央環境審議会議事運営規則
部会長資料
動物愛護管理のあり方検討小委員会委員名簿(案)

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、第26回中央環境審議会動物愛護部会を始めます。
 本日は、伊藤委員並びに奥澤委員がご欠席です。加えまして、藏内委員が遅れていらっしゃる予定です。したがいまして、12名中9名の方が出席されていますので、規定により、部会は成立しています。
 本日の資料でございますが、議事次第、委員名簿、続きまして座席表、資料1から資料4まで、参考資料1から参考資料4までです。なお、参考資料につきましては、右肩上に付番がついておりませんが、「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」こちらが参考資料2でございます。あとカラーの報告書、「平成21年度動物の遺棄・虐待事例等調査報告書」、こちらがお手元にあるかと思いますが、参考資料3でございます。よろしくお願いいたします。
 資料に不備等ございましたら、事務局までご連絡をお願いいたします。

【林部会長】 それでは、ただいまから第26回動物愛護部会を開催いたします。
 議事に先立ちまして、渡邉審議官からごあいさついただきたいと思います。

【審議官】 ありがとうございます。おはようございます。環境省の自然担当審議官の渡邉でございます。まず初めに、動物愛護部会の委員の皆様方にさまざまな形で動物愛護管理行政の推進について、日ごろからたくさんのご協力をいただいております。また、本日も大変お忙しい中ご出席をいただきまして、本当にありがとうございます。
 今日の一つ目の議題、動物愛護管理基本指針達成状況の点検結果ということになりますけれども、この点検結果、平成20年度から毎年当部会に報告をしてまいりました。本日は第3回目の点検結果の報告ということになります。事務局からご報告をさせていただいて、皆さんから忌憚のないご意見をいただければというふうに思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、先月開催されました動物愛護部会におきまして、動物愛護管理法の見直しに向けて、その見直しに際しての課題とスケジュールについてご説明をいたしました。本日具体的な議論を進めていくための小委員会の設置、小委員会の運営方針などについてもあわせてご審議をいただきたいというふうに思っています。今年10月に愛知県名古屋市で生物多様性条約のCOP10、国連地球生きもの会議というふうにも呼んでいます。そういった国際会議が行われます。いよいよそのCOP10まで100日を切ったというところまで迫ってまいりました。このCOP10、世界中、オブザーバーの人も含めると1万人近くの人が参加するという大きな会議ですけれども、世界中の多くの人たちが生きものの命の大切さを理解して、命の共生を未来につなげていく、そういった行動を起こしていく、そのきっかけにCOP10をしていけたらと、そういうふうに考えています。どうぞ人と動物が共生できる社会の実現に向けて、皆様のご協力をお願いしまして、冒頭の開会のあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、議事次第に従って進めてまいりたいと思います。1番目は動物愛護管理基本指針の点検です。事務局からご説明いただきます。

【事務局】 それでは事務局よりご説明申し上げます。
 まず、これまでの経緯、それからどういった観点でフォローアップを行っていくのかといったことを簡単にご説明申し上げたいと思います。参考資料1をご覧ください。動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針ということで、略して「動物愛護管理基本指針」と呼んでいるものでございます。動物愛護管理法の第2回目の法律改正のときに、平成17年6月に改正、18年6月に施行されている訳でございますけれども、その改正時に法律の第5条というところで、国は基本指針を作成する、それに基づき動物愛護管理を推進するということになっております。
 それから次の第6条というところに、都道府県は、国が策定しました基本指針に即して、推進計画をつくって、それに基づき実施することということが法律の条文で定められた訳でございます。その後、参考資料1にも一番上の方に書いてありますけれども、平成18年10月31日に環境省告示といたしまして、この基本指針を作成したところでございます。
 この基本指針の中身をすべてご説明申し上げる時間はございませんので、かいつまんでご説明申し上げたいと思います。まず5ページ目をご覧ください。5ページ目の2、施策別の取組というところなんですけれども、「施策別の取組は次のとおりである。関係機関等は、これらの施策について、平成29年度までにその実施が図られるように努めるものとする」ということで、例えばそのすぐ下、(1)普及啓発という項目がございまして、項目毎にそれぞれ[1]現状と課題と、[2]講ずべき施策が記されているという形式になっております。
 まず[1]現状と課題で、動物の愛護及び管理を推進するためには、広く国民が、動物の虐待の防止と動物の適正な取り扱いに関して正しい知識及び理解を持つことが重要である。これに対しまして[2]講ずべき施策といたしまして、国及び地方公共団体は、関係団体等と連携しつつ、学校、地域、家庭等において、動物愛護週間行事や適正飼養講習会等の実施、各種普及啓発資料の作成、配布等により、動物の愛護及び管理に関する教育活動や広報活動等を実施することというふうにされているわけでございます。
 具体的には毎年行っています動物愛護週間の行事を行ったり、適正飼養の講習会などを行ったり、あるいは例えば去年作成したポスターでは、EXILEに出演していただきましたが、こういったポスターをつくったりと、あるいは「ペットフード安全法のあらまし」という冊子をつくったりといった普及啓発活動を行った、ということでございます。
 それから、例えばまた5ページ目、(2)適正飼養の推進による動物の健康と安全の確保ということで、[1]現状と課題に「また、都道府県、指定都市及び中核市における犬及びねこの引取り数は、従前に比べて大幅に減少したが、その絶対数は年間約42万匹であり、そのうち約94%が殺処分されていることから」とございます。
 こういった具体的数値に対しまして[2]講ずべき施策としまして、「犬及びねこの引取り数を半減するとともに」と、「元の所有者等への返還又は飼養を希望する者への譲渡等を進めることによりその殺処分率の減少を図る」ということで、引き取り数を半減するという具体的な数値目標や、返還・譲渡推進、殺処分率の減少といった目標がある訳でございます。
 それからその下「イ 動物が命あるものであることを踏まえ、遺棄・虐待の防止を図ること」という講ずべき施策がありまして、例えば本年度行ったものとして参考資料3「動物の遺棄・虐待事例等調査報告書」を作成して、普及啓発を図っていくと。あるいは平成22年2月にこういった遺棄・虐待の報告書をもとにしまして、こういうことをすると虐待あるいは虐待と言われてしまうおそれがありますよという通知を都道府県等に発出しまして、普及啓発活動に生かしていくといったような活動をしております。
 それから(3)動物による危害や迷惑問題の防止の[2]講ずべき施策としまして、そのアでは、「地域における環境の特性の相違を踏まえながら、集合住宅での家庭動物の飼養、都市部等での犬やねこの管理の方法、所有者のいないねこの適正管理の在り方等を検討し、動物の愛護と管理の両立を目指すことのできるガイドラインを作成すること。」とございます。これに対しまして、例えば参考資料2としてつけております「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」といったものをつくっていくことで、この基本指針に沿った施策を推進している訳でございます。
 というようなことで、講ずべき施策の中で、例えば6ページ目のイというところで、「遺棄・虐待の防止を図ること」、あるいは7ページ目の一番上イ、「有識者等の意見を聴きながら特定動物の選定基準の在り方を検討すること。」あるいは8ページ目に「ウ 国は」とありまして、「有識者等の意見を聴きながら幼齢な犬およびねこの販売制限の在り方を検討すること。」あるいは8ページ目一番下にアとありまして、「国は」とありまして、「産業動物の飼養及び保管に関する基準に反映すること。」ということが書いてある訳でございます。例として申し上げましたこれらのことにつきましては、例えば今後行われる予定の動物愛護管理法を見直すための小委員会の中で、集中してこれらの施策について議論をしていくといった予定になっているところでございます。
 今申し上げましたことが基本指針のこれまでの経緯と大まかな概要でございますけれども、それに対して具体的にどのような現状になっているのかということを、資料1及び2を用いまして引き続きご説明申し上げたいと思います。
 資料1は、すべて文章になっていますけれども、文章よりも図の方がイメージがつかみやすいと思いますので、主に資料2を中心にご説明申し上げたいと思います。資料2をご覧ください。
 2ページ目、動物愛護管理法の一般認知度ということでございまして、上の方に棒グラフがありますけれども、昭和61年世論調査とそれから平成2年、平成12年、平成15年と内閣府の世論調査が続きまして、平成20年、環境省のインターネット調査、それから21年インターネット調査。それから今回、新たな平成22年インターネット調査と、平成22年電話の調査ということでございます。
 調査の方法としてですが、世論調査というのは一般的には面接といいますか、面談といいますか、実際に対面して調査員の方がお伺いして、調査員が記入表にどんどん記入していくという調査の方法でございます。
 それに対しましてインターネット調査というのは、主には例えばいろんなネットのところにアンケートがたくさんあるようなサイトとかがあるんですけれども、そこに動物愛護のアンケートというのを載せておきますと、それに興味を持った方がアンケートをしていく。アンケートしていくとポイントがついたり、図書券が当たったりとか、そういう形で、それぞれ好きなアンケートをしていく形になるんですけれども、ですので、ある意味動物愛護のアンケートにお答えいただく方々というのは、動物愛護に興味を持っている方が非常に多いということが想定されますので、数値は比較的やはり高目に出るんではないかなということが考えられると思います。そういったある程度バイアスがあることを想定できますので、そのインターネット調査だけではなくて、並行して電話調査というのも昨年やったところでございます。
 インターネット調査は回答数2,505となっています。まず、動物愛護管理法の認知度でございますけれども、法律を知っているというのがオレンジです。それから今年度の調査からは、「法律を知っている」、「良く知っている」「ある程度の内容は知っている」「内容は知らないが、名前は聞いたことがある」ということで、回答の選択肢が、今までは知っているか知らないかだったんですけども、知っているにしても、よく知っているのか、内容も知っているのか、名前だけは聞いたことがあるという程度なのかということで、場合分けをしております。
 したがいまして、知っているか知らないかというだけの調査とは少し違いますので、平成21年が79.3%の認知度、22年が67.4%ということで、若干減っています。
 それから電話調査では、回答数が300ということで、なかなか電話にお答えいただく方が難しくて、回答数がなかなか集まらないんですけど、何とか300集めて集計したところ、52.6%の方が、何とか名前までは知っているというような感じでございました。
 こういったデータを見てみますと、おそらく今の国民の5割から6割くらいが、名前ぐらいは聞いたことがあるといったことが想定されるのかなというふうに考えております。ただこれもいろんな方法の調査が必要でありまして、全体としてどの程度の認知率なのかといったことを把握していきたいなというふうに考えております。
 それから、次の下のグラフですけれども、動物愛護管理法の主な規定の認知度、中身をどの程度知っているかということですけれども、例えば一番上、「ペットを最後まで責任を持って飼うように定められていること」、これは第7条の飼養者の責任の努力規定の部分です。平成15年、それから20年、21年、22年と並んでいまして、15年は内閣府の世論調査ですので、直接比較することは困難だと思います。20年、21年、22年を比較しますと、それぞれの項目で若干ずつ増加している傾向が見られるかなというところで、少しずつではありますけれども、中身も認知されている傾向にあるというふうに考えられると思います。
 それから3ページ目お願いします。犬・猫の不妊去勢の措置でございます。上のグラフが犬、下が猫でございます。これも昭和54年の世論調査からずっと下の方、平成22年、インターネット調査というところが最新の結果でございます。
 傾向としましては、増加傾向にあるかなと。このオレンジの部分が手術を受けている、それから薄いオレンジの部分が、一部の犬・猫に手術をしているといったもので、例えば2匹いたときに1匹していますといった形です。黄色が手術していないということですので、黄色の部分ができるだけ少なくなってくると、いい傾向にあるということです。全体としましては、犬は大方4割程度は手術を受けている。猫は大体8割程度が手術を受けているということになります。
 ただ、これもやはり幾つかのバイアスが考えられると思いまして、例えば猫ですと8割程度の不妊去勢率ということではございますけれども、やはりこういうインターネット調査をするときに、人口的には都市部の方が比率としては多いのかなというふうに想定されます。都市部というのはやはり室内飼い、あるいはマンションとかがありますので、比較的不妊去勢というのは徹底がなされていると思います。地方に行けば、まだまだこの8割不妊去勢しているというような率とは違うかもしれませんけれども、ある一定のこういった傾向を見ていくことは可能かと思います。
 続きまして4ページ目です。犬・猫の引取り、返還・譲渡ということでございますけれども、一番上のグラフは犬・猫の引取り数の推移でございます。一番最新の数値が一番右ですね、平成20年度のデータで、犬・猫あわせて31万5千頭という引取り数でございます。オレンジが猫で水色が犬でございます。年次を追ってずっと見ていきますと、犬は徐々に減っている傾向にあるかなと。ところがやはり猫がなかなか下がっていかない。しかもその中身を見ていきますと、7割~8割程度はいわゆる子猫と思われるものですので、今後この猫の部分を減らしていくためには、不妊去勢の徹底ということの普及啓発が非常に必要だというふうに考えております。
 それから、緑色の折れ線グラフは殺処分率です。引取り数から下の表の返還・譲渡をされたものを除くと殺処分数になりますけれども、それを率にして表したものがこの緑色のグラフです。法律が改正された平成17年以降にだんだんカーブが急になってきて、どんどん殺処分率が減少していくといった、傾向的にはいい傾向かなというふうに考えております。
 数値的には、例えば平成17年度、93.1%、平成20年度87.7%と、パーセントで見るとわずかな減少ではありますけれども、これまでの減少率からすると、やはり法律を改正して基本指針あるいは都道府県で推進計画を策定したという効果が徐々に出始めているのではないかなというふうに考えております。
 それから下のグラフですけれども、返還・譲渡数です。これは青が犬、オレンジが猫ですけれども、20年度の返還・譲渡率としましては、約4万1千頭ということでございます。
 それから次に5ページ目ですけれども、今度は全国の犬・猫の殺処分数の推移でございます。引取り数と返還・譲渡数を単純に引きましたものが殺処分数でございます。犬・猫あわせまして平成20年度は27万6千頭ということで、前年度よりも約2万頭減少したということでございます。なお、今書いてある数字は足したり引いたりしてもぴったりにはならないんですけれども、それはもとの数字をそれぞれ四捨五入してあるものですので、この数字を足してもぴったりにならないのです。もともとの下1桁まで出した数字を足すと、ちょうどこの数字になるということでご理解いただけましたらと思います。
 それから次のページにいきまして、6ページ目でございます。6ページ目は多頭飼育に関連した新聞報道事例ということで、これは去年もデータとしてお出ししていますけれども、その前後の事例を加えたものとなっております。ずっと見ていきまして8ページ目をお願いします。番号として20より後ろの部分辺りを今回加えております。例えば一番下、25には、春に話題になりました兵庫県尼崎市のブリーダーのことが記載してございます。
 それから次にいきまして、9ページ目、多頭飼育問題への対応事例ということで、今の事例をさらに掘り下げて、解決に至るまでの参考になる事例ということで、8事例ほど詳しく紹介しております。この8事例をざっと見ていきますと、やはり法律に基づく勧告や命令をしっかり行っていくですとか、自治体あるいは地域の愛護団体、ボランティアの方々、獣医師会、警察の方々などと連携をしていくといったことが解決につながっていくというふうな傾向があると思います。
 続きまして13ページ目、犬・猫の所有明示(個体識別)措置でございます。左の上の折れ線グラフでございますけれども、犬・猫の所有明示措置の実施率、この所有明示の中にはマイクロチップだけではなくて、名札ですとか、鑑札ですとか、あるいは刺青ですとか、そういったものもすべて含まれての数字でございます。平成15年は内閣府の世論調査でございますので、そのまま比較するわけにもいきませんので、折れ線グラフはつなげておりませんけれども、平成20年、21年、22年、だんだんと数値が上がってきております。
 犬が青ですけれども、22年は54.6%が所有明示をしております。猫はオレンジですけれども、36.9%ということでございます。それからこの部分につきましても、電話調査を行っておりまして、回答数は犬で60、猫で26と少ないんですけれども、それぞれ41.7%、15.4%ということで、インターネット調査よりはやはり低く出る傾向があるということで、実際の所有明示率としてはおそらくこの真ん中辺ぐらいになってくるのかなというふうに考えております。これも引き続き何年間かにわたって状況をしっかり把握していきたいというふうに考えております。
 それから隣の棒グラフですけれども、所有明示措置の方法ですね。首輪、名札、鑑札、刺青、マイクロチップということでございます。大きな変動というのはあまり見えていません。マイクロチップの埋め込み、環境省は推進していますけれども、4.4、5.4、7.1と、徐々にパーセンテージは上がっているところではございますけれども、さらに推進したいというふうに考えております。それからマイクロチップの登録数ということで、AIPOのデータを下に掲載しておりますけれども、平成21年度末で約33万頭でございます。ただ民間の犬・猫の飼養数のデータ調査などを見ますと、全国で犬・猫2,300万頭程度飼われている数値からしますと、まだまだ1%から2%に満たない程度というマイクロチップの施術率だというふうに考えております。
 それから次のページにいきまして14ページです。マイクロチップへの賛否ということで、まずペット用マイクロチップの認知度、知っていますか、知りませんかということなんですけども、「よく知っている」、「ある程度は知っている」、「聞いたことはある」この辺までが名前ぐらい聞いたことがあるということです。ここまでがインターネット調査では66%。それから「知らない」が33.9%ということでございます。電話調査だとやはりまた下がりまして、5割程度の方が知っている、その半分の方が知らないということになっております。
 それから隣の円グラフですけれども、マイクロチップの施術に対する賛否ということで、オレンジ色の部分が賛成、どちらかというと賛成。青色の部分がどちらかというと反対やあるいは反対ということでございます。オレンジの部分が約6割、青っぽい部分が約4割、反対が4割ということでございます。それからこの6割の賛成の方々に賛成の理由をお答えいただいたのが下のオレンジの棒グラフでございます。それから青の棒グラフが上の反対の4割の方々に、反対の理由を聞いた内訳でございます。
 賛成の理由としては「飼い主の責任がはっきりするから」「迷子や事故にあった時に、飼い主の発見に役立つから」「盗難にあった時に、飼い主の証明になるから」「名札のように脱落したり、書き換えたり出来ないから」ということでございます。それから反対の理由ですけれども、「痛そう」それから「健康に悪そう」「名札・鑑札をしっかりつければ必要ないから」といったことが非常に大きな理由になっております。それから「費用が高そう」「マイクロチップの信頼性が低いから」といったことも挙がっております。
 続きまして15ページをご覧ください。動物取扱業の登録状況でございます。まず棒グラフですけれども、業種別の登録状況の延べ数ということで平成21年4月現在では合計で約4万6千の登録がございます。それから隣の青いグラフですけれども、施設の総数でございますけれども、21年4月現在で約3万6千ということでございます。
 具体的な数値が下の表でございます。この数値をグラフとして示したものが、上に棒グラフにしたものでございますけれども、販売・保管・貸出し・訓練・展示とありまして、その延べ数が書いてございます。一番下の21年の最新の状況では約4万6千と、この中には例えば販売や保管を両方取っているという業者さんも当然ございますので、延べ数が4万6千なんですけれども、施設数とすれば3万6千ということになってございます。
 それから次のページにいきまして、16ページでございます。動物販売時における事前説明です。今動物取扱業の方々に事前説明の義務がかかっているんですけれども、例えば販売するときにこのワンチャンは何年ぐらい生きますよ、どういう食べ物を食べますよ、どのぐらい大きくなりますよ、ちゃんと不妊去勢してくださいねとか、そういった事前説明をする義務があるんですけれども、ペットを購入したときに説明を受けたかどうか、あるいは業者さんの立場からすると説明を行ったかどうかという観点でございます。
 まず上のグラフが一般市民の方々を対象にしたものでございます。これは法律が改正法が施行された平成18年6月以降のご購入者を対象にしたアンケートでございます。一番上がトータルです。その下が犬、猫、その他哺乳類、鳥類、爬虫類ということで、ここまでが現在の動物取扱業の対象になっておりますので、爬虫類まで書いております。
 トータルで見てみますと、一番上です。オレンジが「文書と口頭で説明を受けた」、その次の薄いオレンジが「口頭のみで説明を受けた」、黄色が「文書のみの送付」、紫っぽいところが「受けていない」、青いところが「わからない」ということでございます。購入した時期が2年前、3年前、4年前ということになりますので、当時説明を受けたかどうかわからないという方も、やはりたくさんいらっしゃるということではございますけれども、説明を文書と口頭で受けたという方々がトータルでは42.2%ということになっております。
 それから下のグラフですけれども、動物取扱業者の方々。この方々全国ペット協会に加盟していらっしゃる店舗にご協力をいただいております。トータルのところを見ますと、文書と口頭で実施というものが89.4%と、それと口頭のみで実施というのが10.3%ということでございまして、基本的にはほとんどすべて販売時には何らかの説明をしているということでございます。
 上の一般市民の意識と下の動物取扱業者さんの実際のご回答と若干乖離はあるかなというふうには見られますけれども、ただそのまま比較することもなかなかやはり難しくて、この下の動物取扱業者さんは、今どうしていますかという、どうしても質問としてはそういうふうになってしまうんですけれども、ですから現時点です。
 ところが一般市民の方々は昔、法が施行された直後に買った人、あるいは3年前、2年前に買った人にも聞いておりますので、どちらかというと若干低目に出てくる傾向は恐らくあるかなと思っております。ですのでこれも年次的にずっと何年か続けて調査をしていく必要があるかなと考えていますけれども、その中である程度の傾向がつかめてくるのかなというふうに思っております。本当は一般市民の方々も、今例えば1カ月間で買った人に、今どうでしたかって聞くと、非常にわかりやすいのかなとも思っているんですけれども、ただ何せ例数がなかなかとれないものでして、今後そういった例数が少なくても、そういった調査を少し加えたりといった工夫もしていきたいなというふうには考えております。
 それから次のページ、17ページでございます。事前説明を受けたとするときに、説明を受けた長さはどのぐらいでしたかということでして、上が一般市民、下が動物取扱業者ということでございます。一般市民はオレンジが10分未満、薄いオレンジが10分から30分未満、黄色が30分以上60分未満なんですけれども、多くが10分あるいは10分から30分というところでございます。一方、動物取扱業者さんとしましては、トータルのところを見ていきますと、「10分未満」、「30分未満」、「60分未満」、「60分以上」ということで、割と60分以上、紫の部分もトータルで41.7%と、かなり時間をかけて説明されているといった傾向が見られます。
 これも先ほど申しましたように、上の一般市民は2年前、3年前買った方もいらっしゃいますので、直ちに比較することは難しいということと、もしかしたら動物取扱業者さんの中で、売るまでに、例えば最初に来られたときに何となく30分ぐらい説明して、でもその方は買わずに帰られた。また何日かして「やっぱり買います」といって来たときに、最終的に契約時にいろいろ説明した、そういうのをトータルで、もしかしたら30分あるいは1時間、1時間半説明していますという認識かもしれませんし、一方、上の一般市民の方が説明を受けたという認識は、実際買うときに文書で示されて説明を受けたときの時間ということも考えられますので、これも今後工夫をできるだけして、できる限り正確なデータになっていくように経時的にとりたいというふうに考えております。
 それから次のページ、18ページでございますけれども、事前説明の満足度でございます。一般市民の方だけです。一般市民の満足度として、オレンジ「満足」です。薄いオレンジが「まあ満足」と。この方々をあわせますと、約8割程度ということで、8割程度の方が「満足」ということでございます。一部トータルのところで「やや不満」という方がいらっしゃるんですけれども、その不満の内容としまして、18ページの一番下にちょっと記載してございますけれども、「事前説明の内容と実際の動物の健康状態が異なっていた」ということで、「やや不満」ということでございます。
 それからその上の棒グラフですけれども、説明を受けて「良かった」という方にお伺いしたところ、具体的には「説明が丁寧でわかりやすかった」「その動物の飼い方や健康状態などがよくわかった」「店員が十分な知識をもっていた」ということが満足の理由ということでございます。
 それから19ページでございます。売れ残り動物の取扱いということでございまして、上のグラフ、青い方が犬、オレンジ色の方が猫でございます。ペットショップあるいはブリーダーさんで売れ残った動物をどのようにしたかということでございますけれども、「生産者に譲渡・販売した」と、それから「動物業者に譲渡・販売した」それから「自社生産用として飼育継続した」この辺辺りが多くを占めております。それから「店のペットとして飼育継続をした」「一般飼養者に無償譲渡した」それから「その他」と、その他も8.1%と割と高いので、それをさらに細かく犬についてその下の円グラフに記載していますけれども、その他として「オークション市場」それから「低価格にて一般の方に販売」「トリミングスクールのモデル犬として」あるいは「レンタル犬として」あるいは「動物病院へ引き取り後、一般消費者に無償譲渡された」ということでございます。
 今回のアンケートにご協力いただいた方々は、恐らく協会に加入しているという方々ですので、比較的意識の高いショップの方々、あるいはブリーダーの方々が非常に多いのかなというふうに考えられますし、その中でも実際売れ残り動物のところのアンケートに答えていただける方々というのは、本当に自信を持っていらっしゃるちゃんとした方々なのかなということも想像される訳ですので、必ずしもこの結果が今の日本のペットショップの結果をすべて反映しているということは全く思わないわけでございますけれども、こういったアンケートというのを引き続きとっていって、一定の傾向というのをつかんでいきたいなというふうに考えています。
 それから20ページでございます。実験動物の適切な取扱ということでございまして、前回改正法で実験動物の3Rが法律に明記されまして、実験動物施設の基準を策定したところでございます。その環境省の基準に即しましてそれぞれの省庁、あるいは日本学術会議がさらに規定をつくっておりまして、それに基づいて現在動物実験施設で実験が行われているということでございます。今回約千団体に、アンケート送付いたしまして、有効回答が654件ということでございます。アンケート方法としては郵送で行っております。
 この回答された654件の内訳としまして、下の円グラフですけれども、化粧品関係の会社が非常に多いです。この理由はもともとアンケートを送付するときに、今回ランダムになかなか送れませんもので、ネットとかで見まして、国立大学の、あるいは公立、私立大学の実験動物の協議会に加入されている大学、あるいは製薬の協会に加入されている方々、それから化粧品の協会に加入されている方々、こういったところを中心に送っております。化粧品の関係のリストが、もともと700~800ぐらいのたくさんのリストがございましたので、必然的に化粧品が多くなっているということでございますけれども、今後もこういった調査を継続してやっていきたいなと思っていますけれども、そのときには、できるだけそういったリスト以外にも、例えば実験を行っているようなところはまだまだたくさんあると思いますが、例えば食品メーカーですとか、大学でも農学部、水産学部、工学部、あるいは心理学といった文系の学部とかでも実験をされていると思いますので、そういったところもできる限り対象にしながら、アンケートを継続したいなというふうに思っております。
 それから次のページから具体的な話に入っていきますけれども、21ページです。動物を用いた実験の有無ということで、今回ご回答いただいた654施設の中で、「実験をしています」とお答えいただいたのが174施設ございました。その内訳としましては、国立大学とかの研究所など、あるいは大学関係は皆実験をしていますというふうにお答えいただいています。製薬関係・化粧品関係が若干少ないですけれども、これらの実験を行っている施設に、その次以降のアンケートを答えていただいております。
 22ページをお願いいたします。実際に実験のためにどのような動物種を使用しているかということでございます。マウス、ラット、モルモット、それからウサギ、霊長類、ブタ、そういったところが比較的高い数値となっております。
 それから、その下の円グラフですけれども、環境省で策定した基準の中身を知っていますかという質問でございます。その施設で全員が本基準の内容の概要を知っていると、細かいところまではなかなかすぐに「知っています」とは言えないと思いますので、「概要」なんですけれども、全員が知っていると。それから「ほぼ全員が、本基準の内容の概要を知っている」、それから「半数程度の人が、本基準の内容の概要を知っている」この辺までが基準をある程度、あるいは名前ぐらいは知っているという方々です。それから水色、青になっていくと「ほとんどの人が本基準の内容の概要を知らない」。「不明」は単に回答がなかっただけなんですけれども、そういった青の部分がなくなっていくということが望ましいあり方ということでございます。
 それから次のページですけれども、基準の内容に即した指針や要綱等の策定についてということで、これは環境省でつくっている基準やそれぞれの省庁で出している、あるいは日本学術会議で出している、そういった基準等に即して、ご自身の施設で自分たちの指針なり要綱をつくっているかどうかということでございますけれども、施設で策定しているとお答えしているところがほとんどでございます。半年以内に策定を予定している、あるいは半年以内に策定を予定していないということもございますけれども、こういった予定をしていないというところに今後適切な指導をしていく、そしてこういったところを少しでもなくしていくということが重要というふうに考えております。
 次の24ページ目、殺処分をする場合の規定が施設にあるかどうかということでございます。これも環境省の基準の中でそういう規定をつくってくださいねというふうにあるんですけれども、実際つくっていますというお答えしているところが92.1%ということでございます。
 続きまして25ページ目、今度は内部で委員会をつくって、客観的に見ていますかというような質問なんですけれども、99.4%の施設で設置しているというふうにお答えいただいております。
 続きまして26ページ目、動物愛護推進員でございます。動物愛護推進員は都道府県で委嘱をするというふうにしておりますけれども、その最新のデータでございますけれども、左の棒グラフ、平成21年度末で50の自治体が動物愛護推進員を委嘱しているということでございます。この母数は現在、47都道府県や政令市、中核市あわせて106なので106分の50ということでございます。委嘱数としては2,556ということでございます。
 それからその隣の円グラフですけれども、これは都道府県に限定して円グラフをつくっていますけれども、47都道府県のうち、オレンジの部分、33が委嘱済みということでございます。それからその下の棒グラフですけれども、動物愛護推進員の構成、どのような方に委嘱しているかということでございます。多いのが獣医師、それから各種動物愛護関連団体ということでございます。その他の内訳は、具体的にその横に円グラフとして記載してございます。
 続きまして27ページ、今のデータの具体的な都道府県別の数値になります。上が委嘱をしている33の都道府県で、下が17の政令市、中核市でございますけれども、具体的にどういう方々に委嘱しているのかや、その委嘱の方法を表しています。
 それから28ページ、動物愛護推進協議会でございます。動物愛護推進協議会の最新のデータとしましては、棒グラフですけれども、平成21年度末で106の自治体のうち、41の自治体が動物愛護推進協議会を設置しているということでございます。折れ線グラフはこれに参画している自治体数ということで、中核市などではみずから協議会を設置するというよりは、都道府県と一緒にそこに参画するということもありますので、そういった自治体も勘案すると、53の自治体が推進協議会に加入しているということになります。
 それから隣の円グラフですけれども、47のうち30の都道府県が設置済みということを示しています。その下の棒グラフですけれども、協議会の参画者の構成としては行政官、獣医師、それから各種動物愛護関連団体員が多いということでございます。
 続きまして29ページ目、これは今度は協議会を設置している県別の表でございます。都道府県が30、それから政令市、中核市が11でございます。協議会の開催数、それからどのような方に参画していただいているのかということのデータでございます。
 続きまして30ページでございます。都道府県動物愛護管理推進計画の実施状況でございます。先ほど申しましたけれども、法律の第6条に都道府県は推進計画を策定することというふうにあります。この推進計画は一昨年度の段階ですべての47の都道府県で策定しておりますので、その進捗状況を各都道府県に自己評価をしていただいております。
 例えば(1)普及啓発という項目で、項目総合評価とあるところがこの普及啓発のトータルの総合評価を示しています。オレンジの部分は「A計画以上に推進」、薄いオレンジは「B計画通り」、黄色が「C計画通り進まなかった」、水色が「D評価が困難」と。この「評価が困難」というのは、例えばポスターをつくりましたと、そのポスターに対してどの程度効果があったかというのは、なかなか定量的には難しいもので、そういうような評価を表しています。それからあずき色は「計画に記述がもともとないもの」ということでございます。
 それぞれの普及啓発の中でも、それぞれ[1][2][3]というふうに項目が分かれていまして、それぞれの細かい項目で自己評価をしていただいています。多くが計画どおり、あるいはそれ以上ということでございます。
 それから具体的な主な事業としてはやはりポスター、パンフレット、あるいはしつけ教室とか、そういったことでございます。特徴的な事業としまして、環境省でもいろいろなマニュアル、ガイドラインをつくっていますけれども、それぞれの県、市なりでもマニュアルやガイドラインをつくったり、ラジオ、テレビでの広報、あるいは屠畜場の見学、学校不適応傾向の児童・生徒に対する動物ふれあい体験による自立支援といったことをされている自治体もございます。
 それから31ページです。今度は適正飼養の推進ということでございますけれども、これも大方計画どおりに進んでいるということでございます。
 それから32ページ、動物による危害や迷惑問題の防止、これは全体で見てみますと、今までの項目に比べれば計画どおり進んでいないというところが若干増えてきております。
 それから33ページで所有明示の推進と動物取扱業の適正化、34ページで人材育成という項目でございます。
 これらの県毎の具体的な評価を、資料1の一番最後に別表で示しています。
 今ご説明しました資料2を具体的に文章でお示ししたものが資料1ですけれども、ほとんど今の説明の中で申しましたので、説明は省略させていただきたいと思います。
 以上でございます。

【林部会長】 ありがとうございました。それではただいま事務局からご説明いただきました内容につきまして、ご意見、あるいはご質問ございましたら、どこからでも結構ですから、お願いいたします。いかがでしょうか。臼井委員。

【臼井委員】 17ページです。もし年間どのくらいの犬猫が販売されているというような、販売数を事務局の方でデータがありましたらお教えください。

【林部会長】 これは、最初にご意見いただいて、まとめて答えていただくことにいたしましょうか。どういたしますか。

【事務局】 そうですね、はい。

【林部会長】 じゃあそういうことで。ほかにご意見、ご質問ありますか。今、年間販売頭数についてご質問いただきました。青木委員どうぞ。

【青木委員】 意見というか確認なんですが、9ページに多頭飼育問題の対応事例の細かい経過が書かれている、鳥取県の事例が下にございますが、その経緯の最後に「動物繁殖業者が県内に転居」ということの意味がよくわからなくて、これは県外の間違いではないでしょうか。最初に県外から転入してきて、最後の帰結の部分に「県内に転居」というのがちょっとよく意味がわからないんですが。

【事務局】 これは県内の別のところに、住所が変わったということでございます。

【青木委員】 ということは、問題がその行政管轄内で終了したという意味ではないんですね、そもそもこれは。

【事務局】 管轄内で終了したということではないです。その方は別のところに住まわれて、新条例の「住民の生活環境を保全するため多頭飼育を禁止する必要があると認める住居が集合している等の地域」から離れていったということでございます。

【青木委員】 わかりました。どうもありがとうございました。

【林部会長】 ほかにございますか。兵藤委員どうぞ。

【兵藤委員】 4ページの全国の犬・猫の返還・譲渡率の推移ということで、猫の返還と譲渡というところが一括して書かれているんですけれども、猫の場合の返還率というのは非常に低くて、0%に近いほどの数字です。譲渡の数は非常に増えてきています。返還のものについては大変犬と比べると極めて低い数字というよりもゼロに近いような返還数、この辺りの数字を把握しているものがございますでしょうか。

【林部会長】 どうですか。

【事務局】 申し訳ございません。返還と譲渡で分けてはおりませんので、ちょっとそこは正確にはわからないといったところが正直なところでございます。

【兵藤委員】 これからもしこういう表が出るときには、必ず返還と譲渡を分けてみてください。非常によくわかると思います。猫が非常に飼っているような、飼っていないような状況の中で、返還というのがまず犬と比べるとほとんどゼロに近いほどというところになりますので。そうすると、これから猫の考え方がまた変わってくると思います。見えるものが見えてくると思いますので、ぜひひとつこの辺りの数字を把握してくださいますと、今後につながってくると思いますので、よろしくお願いいたします。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。山崎委員、どうぞ。

【山崎委員】 山崎でございます。質問なんですけれども、今の兵藤先生の犬・猫の引取り、返還・譲渡の4ページなんですけれども、この引取り、返還・譲渡されたものたちに関して、例えばマイクロチップですとか、あるいは名札をつけていたとか、その犬や猫たちはマイクロチップをしていたので返還がされたとか、何か返還・譲渡されるときに記録をとっていらっしゃるんでしょうか。もし記録をとっていらしたら教えてください。
 それから、マイクロチップの普及が確かに悪いと思うんですけど、例えばマイクロチップがちゃんとしてあったので、これだけ返還されましたよとか、迷子になっていなくなって飼い主が探すんではなくて、飼い主の方にこれだけ連絡が行っていますよとかいう、何か数値と啓発活動がつながっていることがあれば教えていただけますでしょうか。

【林部会長】 いかがでしょうか。

【事務局】 今の2点でございますけれども、どちらも数値としてはすみません、持ち合わせておりません。都道府県に一つ一つ確認すれば、ある程度もしかしたら何件かあるかもしれませんけれども、実際にマイクロチップが返還につながったという事例は、何件かは私も聞いていますけれども、あまりないというのが正直なところでございます。数値的に正確なデータは持ち合わせておりませんが、本当に年間に数件とかその程度でございます。

【林部会長】 永村委員、どうぞ。

【永村委員】 13ページのマイクロチップの登録数という、この棒グラフなんですけれども、平成18年からのこの増加の度合いが、大変急な増加といいましょうか、通常のいろんな普及が進んでくる、いろんな事例があるでしょうけれども、どう見ても大変急激に増加している。この要因というのは一体どういうものが考えられるのか、今日は藏内委員もいらっしゃる訳ですけれども、教えていただければ大変ありがたいと思います。

【林部会長】 じゃあ藏内委員から。

【藏内委員】 確かに急激な増加は見ていますが、先ほどの説明のようにトータルでいけばまだ1%前後しかないという状況だということなんです。平成17年の法改正、あれでマイクロチップで一元管理すると、そういった法律の中に明記をされたことが一つの要因ではないかと。それからペット販売業の方々が販売をするときにマイクロチップを埋め込んで、一緒に売ると、そういうことをおやりになっているのが、一つまた要因ではないかと思います。

【林部会長】 太田委員いかがでしょう、恐らく今の2番目の理由は相当大きいんだろうと思うんですけども、この時期からかなり戦略的にマイクロチップを埋め込んだペットを販売するというような動きが出たわけですね。

【太田委員】 最近大手の複数のペットショップがマイクロチップを埋め込んでの販売事例が増えております。その結果マイクロチップ登録頭数の急激な増加に繋がっています。マイクロチップの登録を今後大幅に増やすには、個人の意見としてはチップの大きさを小さくして欲しいと思います。現状の直径2mm、全長12mmの円筒形の大きさは小型犬主流の日本ではチップが大きすぎてかわいそうという事で飼主も躊躇するようです。チップを小型化し流通の初段階(オークション)で埋込む事が出来れば一年間で50万頭増やす事も可能でしょう。チップの小型化は環境省でも検討して欲しいと思います。
 以上です。

【林部会長】 何か事務局の方からこのことについてありますか。よろしいですか。佐良委員、どうぞ。

【佐良委員】 すみません、引取りや、捕獲にしてもそうですけども、自治体殺処分対象になってしまった動物に対してのマイクロチップの有無を、あるいは入っていれば、その番号の確認をして飼い主をきちんと確定するとか、そういうことはなさっていらっしゃるんでしょうか。

【事務局】 今全国の自治体の愛護センター、あるいは愛護センターがないところは保健所などなんですけれども、ほぼすべてマイクロチップのリーダーが配備されておりますので、必ず確認をしているところでございます。

【林部会長】 よろしいでしょうか。太田委員どうぞ。

【太田委員】 6ページの多頭飼育に関連した新聞報道事例ということですが、ここに約25例載っております。私たち動物取扱業の仲間として、業者がこの中に多数入っているということが非常に残念なことです。しかし2年前の法改正前と後を比較しますと、施行前は取扱業者が全体の6割ぐらいあった。施行後は業者の数が全体の3割以下に減っているというのは、これは法改正が浸透してきた結果かなと思います。
 テレビ等で多頭飼育の悲惨なニュースが流れますと、私たち業者としても大変残念な事ですし、子どもの教育にもマイナスです。業界からは再発する事が無いよう当会でも指導したいと思います。
 以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。兵藤委員、どうぞ。

【兵藤委員】 4ページの犬・猫の引取りについて、少しお尋ねしたいと思います。犬と猫とは引取りの状況が非常に変わってきていまして、犬の引取りの頭数は極めて低くなってきております。それに伴って猫の方は横ばいということで、どうも犬・猫あわせて30万頭とか40万とかという表現が実はなされて、国民的な意識も犬と猫とが分かれて記憶されていないものですから、どこをどういうふうに改善すればいいかということが非常に戸惑うものです。環境省等から何か出す資料がありましたら、犬が何頭、猫が何頭というふうに記載してもらえば。犬の都市部の引き取り頭数は極めて低い数字になってきています。犬と猫をあわせて書いてしまいますと、こういう状況が非常にわかりにくくなりますので、必ずご注意して出していただきたいなと思っております。
 それから引き取る方の自治体の件でございますけれども、引き取るときの条件が各自治体で非常にあいまいです。各自治体がそのときそのときの運用でやっていまして、猫なんかは特にそうなんですけれども、猫の自活不能かどうかというような項目が実は引き取るところにあるんですけども、どこからが自活不能の範囲なのかということがありまして。引き取れば殺処分につながるものですから、この辺りは自治体の頭の痛いところなんでしょうけれども、引き取ることをやめれば殺処分数はかなり減ってきます。グラフを減らすんでしたら、引き取る頭数を減らせばいいことなんです。
 そこで絞ってしまえばいいんですけれども、そうなったときどうなってくるのか。野外で猫がまた増えてしまうんではないかということで、各自治体は捕獲箱を使っての不妊をして、頭数を抑えるとかということをしませんと、口先だけで引き取らないということについては、大変疑問を実は感じておりますので、その辺りは引き取る、具体的に猫の2カ月というのは自活不能で引き取れないのか、引き取るのかと。安易に引き取ることは殺処分につながるものですから、大変難しいところということは僕もわかっているんですけれども、その辺りひとつご注意してくださりますといいですね。
 それから実験動物の殺処分のところに、最終的にはペントバルビタールなどのバルビツール系の麻酔薬を使ってということになるんですけど、何回も言わせていただいているんですけども、安楽死用の麻酔薬が、私、獣医なんですけれども、私たちの病院の中にも安定供給されていません。全国の自治体でもそうだと思います。何を使っているか実はわかりません。私たちの動物病院でも、安楽死の例があるんですけれども、使う薬が実はありません。各先生方が選択して使っているような状態で、できれば終末に動物を殺すときには最大限苦しまない方法を使うのは、今のところペントバルビタールだと僕は思っておりますので。諸外国には安楽死用のペントバルビツール、麻酔薬がもう長い歴史を持って販売されています。日本では全くそれが入っていないところを見ますと、早急にお力をかりまして、その関係のところに働きかけていただいて、安楽死をしている獣医さん、あるいは自治体、各部署には安定的な安楽死の麻酔薬を、極めて早く導入してあげていただければ、殺処分、いわゆる終末を迎えた動物らが安楽に送ることができる。ひとえに、本当に言っているんですけど、なかなか実現しませんので、もう一度言わせていただきましたけれども、ぜひひとつこれを実現させてください。

【林部会長】 この引取り数は犬と猫、分かれて記載されていますよね。

【兵藤委員】 この表を見ますとそうですが、雑誌、新聞、テレビ等、報道されるときに必ず犬・猫あわせて何十万頭と、こうなって報道されちゃうものですから、犬と猫の別のグラフで見て分析する国民というのは非常に少ないですので、その辺りを私は申し上げたところなのです。

【林部会長】 それはマスコミの問題ですよね。マスコミに発表されるときにそうなってしまう。

【兵藤委員】 発表する段階ですね。

【林部会長】 マスコミに発表する段階でまとめてやっておられるのですか。

【事務局】 今おっしゃられたことは、例えばこのEXILEのポスターでも、一番下に「毎年およそ30万頭の犬・猫が殺処分されています」ということで、まとめて書いてあります。ですから、できる限り今兵藤委員がおっしゃられたように、犬は何頭、猫は何頭とわかるような記載もしていきたいと思います。

【林部会長】 青木委員どうぞ。

【青木委員】 全く違う問題なんですが、この審議会に数年間出ていて、いつも感じていることを、改めてこの機会にもう一回言いたいと思います。例えば、この報告書ございますね。こういうものをまとめられて、国民の目に触れ、あるいは研究者の目に触れる形にするのは大変いいことで、こういうのはご努力に対して本当に敬意を表したいと思います。そして、そこを十分敬意を表した上で、できればもう一歩踏み込んでいただけると大変ありがたいという問題があります。
 それは、例えばここで参考資料3のこの冊子見ていただくと、前半が日本のことが書いてあって、後半が参考として英国における問題が書かれていると、こういう構成になっていますね。そして日本のいろんな個別事例集を見ると、何が書かれているかというと、さまざまな動物愛護管理法違反のケースについて、捜査が行われている、あるいは逮捕されたと、告発があったと、こういうレベルの報道を集めているわけです。
 私たち法律家が知りたいのは、その後起訴されたのか、起訴されたとしたら裁判所はどういう判断をしたのか、どういう判決文なのかというところです。しかし実は現在それを知るのが非常に難しいんです。裁判所はもう膨大な裁判を毎日やっていますので、すべての裁判例が調べようと思えば簡単に手に入る時代ではまだないんです。インターネット上のデータベースも随分充実されてきましたけれども、動物愛護管理法違反の虐待事例についての判決文を探そうとしても、ほとんど掲載されていません。研究者が関心があるからという理由だけでは、裁判所は判決文のコピーを送ってくれたりしません。直接くればその場で見せることはできるぐらいの、多分そのぐらいのサービスだと思うんです。
 でも今後、例えば動物虐待罪についての構成要件、条文の書き方のことを構成要件といいますが、構成要件が果たして適切なのかどうかというのは、やはり裁判所がそれをどう解釈して、どう適用して、どのような困難に直面しているのかがわからないと判断できませんから、最後の裁判所の判決文のところまでぜひ欲しいというふうに思います。
 そしてそれが公になることで、研究を触発されるんですよね。今、動物虐待罪を研究直接していますなんていう人は、法律学者にはほとんどいないと思います。それはやりようがないという理由もあるのでして、立法を比較することはできるけれども、法律学の研究では常識になっている判例では、分析のしようが実はないというのがございます。
 この冊子の報告書を見ると、警察統計からの資料があって、例えば平成20年には、起訴が21件あることがわかっているんです。この21件は果たして最終的にどの裁判所で何年何月何日にどのような判決文で、どのような帰結を見たかと。これをもし環境省のネットワークを使って、何らかの形で資料として提供していただけると、非常に緻密な議論ができると思います。
 例えばこれにしても、通常いろんなことをやって起訴されるという人が多い訳ですから、罪名が1個とは限らないわけです。起訴されるときに単独の動物の愛護及び管理法違反で起訴されているとは限らなくて、ほかにもいろんな罪名がくっついている場合があって。例えばそういう場合は当然、刑罰が重くなるということがあって、これは最終の判決の刑罰の重さだけが報道されてもやっぱりわからない。どの罪名で起訴されていて、裁判所がどういう判決文でどういう重さの刑罰を科したか、科さなかったか。ここをぜひ情報として厚くしていただけると、法律学的な分析はずっと進むと思いますので、ぜひちょっと意識してできる範囲でやっていただけるとありがたいと思います。
 以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。事務局から何かございますか。

【事務局】 まさにおっしゃられたとおりでございまして、実はこの今回の報告書も、そこまで踏み込みたいなと思っていたんですけれども、青木委員がおっしゃられましたとおり、やはりその裁判所のその場に行ったり、あるいは検察所のその場に行かないと、なかなか見れないという事情がありまして、これはちょっと間に合わないなということもあり、あるいは旅費の問題とかもあり、今後やっていくことにして、とりあえずこれはこれとして、まとめて報告書にしようということがございました。
 ですので、今後可能な限り一つでも二つでも事例を、最終的にどういう判決になったというところまで調べていきたいと思います。

【青木委員】 ありがとうございます。思いは共有していただいていたということがよくわかったので、ぜひ頑張っていただきたいということなんですが、一つだけ補足しますと、まさにこの冊子の後半の英国は「動物虐待判例」という、裁判でどういう結果になったかという資料なんです。だから前半の日本についての部分も平仄をあわせるということがやはり重要なことだろうと思います。
 これはどうもRSPCAのものだと思うんですが、例えば日本でも告発に関わった保護団体の人が判決文が出たときに、それを入手してニューズレターに載せているというような例を見たことがあるので、そういった方々からの情報提供といったものもネットワークを活かして、なるべくたくさん判決文そのものを見られる状態をつくっていただけるといいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 以上です。

【林部会長】 この件に関しては、今まさに青木委員が言われたように、英国ではNGOがやっています。環境省に余裕があれば是非やっていただきたいのですが、こういった資料の整理は日本でもNGOにやっていただければ政府組織と非政府組織の任務分担がうまくいくように思います。新聞記事を集めるという作業と裁判所の判決を集めるのでは作業量が異なります。将来的に言えば各地の動物愛護推進員が集めた判例を全国の報告集にするとか、既存の動物福祉関係の団体がイギリスと同じようにやられとか、是非ご検討いただければと思います。
 ほかにご意見は。では菅谷委員、そして太田委員ですね。

【菅谷委員】 動物愛護管理法にかかる違反事例が簡略にまとめられ、参考資料に記載され、それぞれの違反の内容とそれに適用された法律が傷害罪や化製場法など紹介されています。
 各自治体では長期化、複雑化する各種の違反事例の解決に頭を悩ます現状ですが、今回紹介された事例に更に詳しい内容を盛り込み情報の共有化が図られるようお願いしたい。それにより問題解決のヒントが得られる場合もあるでしょうかし、また類似事例の自治体間の対応への格差の是正にも役立ち、行政に対する国民の信頼につながるものと考えます。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、太田委員。

【太田委員】 5ページの殺処分の推移ですが、全体で28万頭、猫が約20万頭、猫が全然減らないという話がありました。これは子猫の数字が相当大きな比率を占めているということでございます。全体の7から8割が子猫だということですと、子猫に関してはペットショップがこれに対して里親の協力をするというようなシステムが出来れば良いかなと思います。動物取扱業総数、現在3万6千件あるということですので、仮に一つのお店が年間3頭子猫の里親をしますと、約10万頭半減できると思います。
 それには、各地方自治体の動物愛護推進員は、現在動物取扱業者の割合が5%ぐらいですが、これをもっと各地方自治体で増やしていただき、各地方の行政と取扱業者が一緒になってこの里親制度を協力するような制度ができればいいかなと思います。今度の法改正では年に1度の講習会をもっと減らしたいという話がありましたが、里親制度をしたお店は講習会を免除するとか、積極的に私たち業者が里親に関して協力できるようなシステムづくりができれば理想です。これからの小委員会でも、ぜひその辺も検討してほしいと思います。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかにご意見、よろしいですか。

【兵藤委員】 頭数が、子猫がとても多いということなんですが、これやっぱり自治体のところが問題でして、子猫と親猫の生年月日ですか、どれが子猫であって、どこから上が子猫でないのかというのは、やっぱりばらばらなんです、これが。だから子猫しかつかまってこれないわけなんです、持っていくのは。親はもう自活できていますから、生かせというような方針が一つ出ています。殺すなというものが、一つ出ています。
 持ってくるのは、母猫が産んだ子猫がつかまるものですから、子猫だけしか持ってこない、数字に出てくるのは子猫だけなんです、これ、実際のことを言って。目のあかない、ほとんど哺乳されなきゃいけないようなものを持ってくる、これが自治体が引き取っているというのは、だからここでは里親に、新しい譲渡には出ない子たちなんです、これはほとんどです。
 哺乳をして、じゃあ全部育てるかというと、そこまではなかなか手が届かないものですから、中には一生懸命哺乳からやってくださっているボランティアさんもいるんですけども。子猫と子猫でないもの、先ほど言った自立不能な猫と自活できるものというのはどこなんだということに、非常に根本的なものが乱れていて、はっきりしないものですから、統計上子猫だけという数字がこうやって出てくるんです。
 だからここのところはもう少ししっかりしないと、ずっとこれは行くと思います。このままで置いていたら子猫だけしか引き取れないという。だから当然1年の間に産んだ母猫は2回、多ければ3回産んできますので、ここのところをしっかりしてあげなければ、この統計は絶対に子猫だけしか出てこないということになってきますので。やっぱりよく中身を見ていただきたいなと実は思っていますので、よろしくお願いいたします。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかに。どうぞ、佐良委員。

【佐良委員】 猫というのは非常に安易に飼えてしまう。無責任な人でも飼えてしまう動物なんです。犬というのはほえるだとか、それから、かんだとか、そういう問題が出てきます。狂犬病予防法にもひっかかってまいります。ところが今の段階では猫は狂犬病予防法の登録や注射の対象に入っておりませんので、非常にいいかげんに飼う人が増えております。何とかこの殺処分頭数を減らすためには、やはり猫を飼う人に対する啓発活動をもっと普及しないと、犬のしつけ教室というのは増えております。しかし、猫の飼い主教育というのは全くといっていいほどなされていないんではないかと思うんです。ですから、そこら辺の根本のところから、飼い主教育をもっと徹底してやっていくように、何とかご配慮いただければというふうに思います。

【林部会長】 ありがとうございました。猫の場合大変困難でしょうけれど、何か方法を考えていくということが重要だと思います。
 それでは、そろそろこの論議を終わりにしたいと思いますが、ほかに特にありますか。よろしいですか。どうぞ。

【事務局】 先ほど一番最初に臼井委員がおっしゃられた販売頭数なんですけれども、昨年のこの部会の第2回のデータのときに、販売頭数の推計をしておりまして、それによりますと、もちろん推計値ではありますけれども、犬が約56万頭、猫が7~17万頭という1年間での販売推計値を、平成20年1月なので、年度でいくと19年度のそういう販売頭数の推計値を出しております。このときに、推計値としては数はそのぐらいだということが大まかに把握できましたので、ここで少し問題になったのは、その販売した後、売れ残った動物はどういうふうになるんだろうということがございましたので、今回はそこに焦点を当てて調査したということでございます。

【林部会長】 よろしいですか。

【臼井委員】 はい。

【林部会長】 それではこの第1番目を終わりまして、議事次第の(2)に移りたいと思います。前回6月16日のこの部会では、動物愛護管理法の見直しを今年度から開始すると、また見直しに当たっての主要課題、スケジュール等について論議いただきました。実際の論議に当たっては、この動物愛護部会のもとに小委員会を設置して論議するという方針も了解いただきました。そこで、この小委員会の設置について事務局からご説明いただきたいと思います。

【動物愛護管理室長】 今お話しいただいたとおり、前回の部会で法の見直しを見据えた議論については、施行後5年を待たずして、今年度からすぐにでも開始したいという話と、それからその方法としては、小委員会を部会のもとに設置して、そこで具体的にご議論いただきたいというところまでご了解いただいていると思います。本日はその小委員会の中身、運営方法などについてご提案させていただきます。資料の3と4、それから参考資料4を使わせていただきます。
 参考資料4に中央環境審議会議事運営規則というのをつけさせていただきました。今回考えています小委員会というのは、この議事運営規則の第8条に基づいて、部会のもとに設置する小委員会ということで考えております。まず小委員会に名前をつける必要があるんですけれども、通常小委員会というのは部会の所掌事項のうちの一部を抽出して集中的にご議論をいただくという性質を持っておりまして、例えばこの動物愛護部会のもとにペットフード小委員会を設けているというのはわかりやすい例だと思うんですけれども、今回の場合は一部と言いつつ、動物愛護管理の根幹をなすような部分を議論していただくということになります。
 実は前回の改正のときに、これは審議会の小委員会という形ではなかったんですけれども、やはり検討会というのを設けておりまして、このときの名前が「動物の愛護管理のあり方検討会」というものでした。ほかの部会に設置されている小委員会の事例なども参考にしながら、今回、「動物愛護管理のあり方検討小委員会」という大きな名前にしたいと考えております。
 小委員会設置の際には、「小委員会の設置について」というものと、「運営方針について」というものを文書で定めることにしております。これは中央環境審議会議事運営規則に完全に基づいて、必要最小限のことを文書化するということでして、実はアレンジの余地はあまりないんですけれども、大切な議論を始めるに当たっての枠組みを定める大事な文書でございますので、主なポイントについて読み上げさせていただきます。
 資料3をご覧ください。小委員会の設置についての(案)でございます。
 議事運営規則第8条の規定に基づき、次のとおり決定する。
 1 動物愛護部会に、議事運営規則第8条の小委員会として、動物愛護管理のあり方検討小委員会を置く。
 2 小委員会は、動愛法の附則第9条に基づく平成17年改正法の施行後5年を目途とした法の施行の状況の検討と、その結果に基づいた所要の措置について検討を行う。
 3 部会に設置する小委員会に属すべき委員等は、部会長が指名する。
 …この3番は規則の8条の2項で既に定められていることでありますけれども、ここでも確認したいと思います。
 4 小委員会の決議は、部会長の同意を得て、動物愛護部会の決議とすることができる。…これも規則の8条4項そのままなんですけれども、これにつきましては前回の部会でも話が出ましたとおり、当然この動物愛護部会本体の皆様にも随時ご報告、ご相談しながら進めていきたいと考えております。
 続きまして資料4、運営方針についての(案)でございます。
 1 会議の公開
 (1)会議の公開・非公開
 小委員会は、原則として公開するものとする。ただし、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、特定な者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合には、委員長は、小委員会を非公開とすることができる。…これは大きな4番、資料の公開についても同様でございます。
 (2)公開する場合の必要な制限
 委員長は、会議の公開に当たり、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、入室人数の制限その他必要な制限を課することができる。
 2 出席者
 代理出席は認めない。欠席した委員等については、事務局からの資料送付等により、会議の状況を伝えるものとする。
 3 会議録
 (1)会議録の作成、配布
 [1] 会議録は、発言内容を正確に記載するものとする。
 [2] 会議録の調整に当たっては、当該会議に出席した委員等の了承を得るものとする。
 [3] 会議録は、小委員会に属する委員等に配布するものとする。
 (2)会議録及び議事要旨の公開
 [1] 公開した会議の会議録は、公開するものとする。また、非公開とした会議の会議録であっても、小委員会が認めたときは、公開することができる。
 [2] 小委員会の会議について、議事要旨を作成し、公開するものとする。
 [3] 会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口への備付けにより行うものとする。
 4番については、1の(1)と同様なんですけども、原則公開ですが、非公開とすることもできる。非公開の場合以外の配付資料は、委員会終了後公開とする。
 以上のような方針で今回の小委員会を設置していきたいと考えております。

【林部会長】 ありがとうございました。何かありますか。どうぞ。

【藏内委員】 委員の選任についてありますけど、その委員の総数はどれぐらいをお考えになっておるんですか。

【動物愛護管理室長】 この後、部会長ともご相談した結果の案について、お示ししたいと思いますけれども、お示しする資料では17人を考えております。

【藏内委員】 実は、平成12年の改正のときに、対象とする動物どうするかという論議がございまして、このときに実験動物と産業動物、これについてはいろんな問題があるんで、ペンディングにしようと、こういったことになりました。ところがあれから随分時間も経過いたしまして、例えばヨーロッパでは2012年から鶏のケージ飼い全面禁止と、かなり強硬な措置がとられるようになっておりますので、我が国も何らかの形で推進をしなければ、また批判を受けるんだろうとは思いますが、例の口蹄疫の問題をとってもおわかりのように、この産業動物というのは地域経済にものすごく大きな影響を与えるんです。ですからぜひ小委員会の委員には、産業動物の代表者を必ず1人選任をいただきたいと、そういう思いでありますので。特に委員長の指名みたいでございますから、林委員長、よろしくお願いしておきたいと。

【林部会長】 今回、産業動物について議論するかどうか、それも検討しなければならないと思います。実験動物については議論できる状況はできていますが、今回口蹄疫の発生があり、混乱が続いている中、議論することが適切かどうか検討する必要があると思います。ご意見は承知いたしました。

【藏内委員】 はい。

【林部会長】 ほかに、よろしいでしょうか。

(なし)

【林部会長】 よろしければ、小委員会の設置及び運営方針、これ資料の3と4にお示しいただいていますが、こういう形で行うということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【林部会長】 ありがとうございます。それでは続きまして参考資料4の中央環境審議会運営規則の第8条の第2項にありますように、小委員会に属すべき委員、臨時委員又は専門委員は、部会長が指名するとなっておりますので、私の方で委員を指名して進めていきたいと思います。
 腹案がございますので、これを参考までに皆様にお配りしていただきます。今回の法改正は、基本的にはペット、愛玩動物、伴侶動物と称される動物が主たる対象になるかと思いますが、先ほど藏内委員からもお話しありましたように、ペット以外の動物を対象とすることが起きることも考えられます。また法改正ですから、この腹案にありますように、法律の専門家として何人かの先生方にぜひとも入っていただきたいと考えています。
 それでは、委員の指名につきましては、私にご一任いただきたいと思いますが、もし先生方に特段のご意見、藏内先生のようなご意見のほかにも、もっと具体的なご意見でも結構ですが、ございましたら、追って私の方にお聞かせいただければと思います。最終的に指名させていただく場合の参考にしたいと思いますので、追って私の方にお聞かせください。それでは傍聴者の方にもお配りいただけますね。
 それ以外に何か、委員の皆様で今日お話ししておいた方がいいことというのはありますでしょうか。

(なし)

【林部会長】 ないようでしたら、事務局として何かございませんか。

【動物愛護管理室長】 特にございません。

【林部会長】 審議官どうぞ。

【審議官】 今日、点検結果についていろいろな角度からご意見をいただきました。それの意見の中には、私どもの政策に反映していけるものもあると思いますし、これから今の小委員会を設置して検討していく、その法の見直しの議論の中にも非常に参考になる意見をいただきましたので、今日いただいたご意見を参考にして、今後の議論に生かしていきたいなと思います。ありがとうございます。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、今日の部会をここで終了したいと思います。委員の皆様におかれましては、本当にご協力ありがとうございました。
 それでは、事務局にお返しいたします。

【事務局】 それでは、林部会長を初め、委員の皆様方には大変長時間にわたりご審議いただきまして、ありがとうございます。これをもちまして、本日の部会を閉会といたします。