中央環境審議会動物愛護部会(第22回)議事録

1.日時

平成20年2月20日(水)午後1時30分~午後2時32分

2.場所

経済産業省別館 10階 1028号会議室

3.出席者

林部会長、青木委員、今泉委員、太田委員、大矢委員、佐良委員、 菅谷委員、信國委員、兵藤委員、前島委員、松下委員、 桜井自然環境局長、黒田審議官、奥主総務課長、植田動物愛護管理室長ほか

4.議題

  1. (1)ペットフードの安全確保について(報告)
  2. (2)その他

5.配付資料

資料1
ペットフードの安全確保に関する検討の経緯
資料2-1
ペットフードの安全確保について(中間とりまとめ)概要
資料2-2
ペットフードの安全確保について(中間とりまとめ)
資料2-3
ペットフードの安全確保について(参考資料)
資料3
意見募集(パブリックコメント)の結果概要
資料4-1
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案(仮称)の概要
資料4-1
愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案(仮称)の骨子
参考資料
平成20年度予算案「(新)飼養動物の安全・健康保持推進事業」

6.議事

【事務局】 定刻となりましたので、中央環境審議会動物愛護部会を始めます。
 まず、本日の委員の皆様のご出席について、ご報告いたします。本日は、委員15名中11名出席されておりますので、規定により部会は成立しております。それでは、林部会長よろしくお願いいたします。

【林部会長】 承知しました。それでは、第22回動物愛護部会を開催いたします。議事に先立ちまして、桜井自然環境局長からご挨拶をお願いします。

【桜井自然環境局長】 動物愛護部会の皆様におかれましては、お忙しい中ご出席いただきまして、大変ありがとうございます。
 昨年10月のこの部会でも途中経過を報告させていただきましたが、昨年3月、アメリカでメラミンが混入されたペットフードに起因して、約4,000匹の犬ねこが死亡するという事故が発生しました。このペットフードは日本にも輸入されていましたが、我が国では被害の報告はございません。しかし、そういった危険性は、我が国もアメリカと同様の状況にあるだろうと思っています。そのため、環境省と農林水産省は、共同でペットフードの安全確保についての研究会を設け、検討を進めてまいりました。
 その研究会のご報告を受け、現在、環境省と農林水産省が新しい法律を国会に提出する準備を進めているところでございます。本日は、検討状況をご報告させていただきます。国会へは、できれば来月の初めには提出したいと考えております。
 本日ご出席の委員の中には、研究会の委員としてもご参画いただいた先生もいらっしゃいますが、そうでない方もいらっしゃいますので、ぜひ、ご意見を賜ればと思っております。また、この法律が成立すれば、法律の運用についてもこの部会にいろいろ専門的なお立場からのご指導を賜ることが出てくるだろうと考えておりますので、よろしくお願いします。
 以上、簡単ではございますが、会議開催に先立ちご挨拶をさせていただきました。

【林部会長】 ありがとうございました。それでは、事務局から配付資料について説明をいただきます。

【事務局】 配付資料の確認をさせていただきます。資料1「ペットフードの安全確保に関する検討の経緯」。「資料2-1ペットフードの安全確保について(中間とりまとめ)概要」。資料2-2「ペットフードの安全確保について(中間とりまとめ)」。資料2-3「ペットフードの安全確保について(参考資料)」。資料3「意見募集(パブリックコメント)の結果概要」。資料4-1「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案(仮称)の概要」。資料4-2「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案(仮称)の骨子」。参考資料平成20年度予算案「(新)飼養動物の安全・健康保持推進事業」。以上です。資料に不備がございましたら、事務局までお願いします。
 なお、委員の先生方には、前回議事録案も配付しておりますので、後ほどご確認いただき、訂正等がございましたら事務局までご連絡ください。

【林部会長】 それでは、本日の議題に入ります。ペットフードの安全確保について、事務局から説明をお願いします。

【動物愛護管理室長】 動物愛護管理室長の植田です。よろしくお願いします。
 まず資料1「ペットフードの安全確保に関する検討の経緯」についてご説明いたします。
 先ほど局長からもお話ししたとおり、昨年の3月、メラミンを原料に含んだペットフードを起因とする犬ねこの死亡事件がアメリカで発生しました。我が国でもこれが輸入されておりましたが、幸いすべて回収できました。しかし、こういった危険性があるということが発端となり、日本においてもペットフードの安全性の確保に関する検討を始めようということになりました。検討にあたり、環境省と農林水産省が共同で研究会を設置し、開催をいたしました。
 その研究会は、合計5回開催し、現場の工場など、製造、輸入、流通のいろいろな実態のヒアリングを行い、意見交換を実施しました。その結果を、昨年の11月30日に中間とりまとめとして提言いただきました。その中では、法規制を急ぎ導入すべきというご意見が中心とされていました。
 また、これにつきましては、昨年の12月から今年の1月までパブリックコメントを実施しました。この詳細は後ほどご説明いたしますが、基本的にはパブリックコメントでも、法規制を導入すべきというご意見が多数を占め、するべきではないという意見はなかったという状況です。
 そういった状況を受けまして、環境省と農林水産省ではこの中間とりまとめを踏まえ、ペットフードの安全確保に関する法制化について、今回の通常国会に提出すべく検討中であります。それでは詳細をご説明いたします。

【事務局】 引き続き、事務局から資料に基づきご説明をさせていただきます。まず、研究会の成果ですが、資料2-1から2-3までが研究会関連の資料です。資料2-1が概要、資料2-2が中間とりまとめ本体です。参考資料として、背景情報を書き込んだ資料2-3があります。本日は、資料2-3のこれまでの背景をご説明した上で、資料2-1の概要に戻りまして、ご提言の中身をご紹介したいと思っております。
 資料2-3をごらんください。1ページ目は、ペットの飼育状況として、ペットに占める中で犬とねこの割合が非常に大きい状況であるということと、その犬及びねこの飼育頭数については、平成18年度は2,400万頭で、大ざっぱに日本の世帯数で換算すると、2世帯に1世帯は飼育をしているという状況です。
 2ページ目では、ライフスタイルの変化の中で、ただ、愛がんする動物としてのペットではなくて、家族の一員であるという伴侶動物として扱われる傾向が強くなっているということです。飼う方が増えてきていることをうけ、都市部では新規建設のマンションは、現在74%がペット受け入れ可能という状況になっています。また、犬及びねこにどのようなえさを与えているかということですが、農林水産省と環境省で行った国民の意識調査の結果によりますと、市販のペットフードをほぼ100%与えているという方が犬で67%、ねこで78%という状況です。
 3ページをごらんください。ペットフードの製造、輸入と流通の実態です。ペットの飼育拡大に伴い、ペットフードの市場規模も年々拡大の傾向にあります。平成18年の実績では、およそ80万トンが生産・流通されており、2,400億円の市場規模となっています。ペットフードの出荷総数のうち、約半分は輸入品です。また、種類別に見ると、全体の60%が犬用、34%がねこ用であり、あわせると全体の94%を犬及びねこ用で占めているという状況です。
 4ページにつきましては、ペットフードの輸入量全体の約2割は並行輸入であるということを推計した結果です。
 5ページ、6ページにつきましては、ペットフードへのメラミン混入問題の経緯を示したものです。重複しますのでごく簡単に申し上げますが、米国でメラミンが混入されたペットフードが流通したことにより、およそ4,000頭の犬及びねこが死亡したといわれております。米国は、輸入時に、メラミンについての検査を課し、その安全が確保されない場合は輸入を禁止するという措置をとりました。我が国においては、若干少量ではありますが、並行輸入により同様のペットフードが流入しましたが、事前に回収されたという状況です。
 7ページにつきましては、メラミンの問題も含め、これまでのペットフードのリコール等の事例について整理したものです。
 8ページ、9ページにつきましては、既存の法律の概要です。環境省が所管する動物愛護管理法と農林水産省で所管している飼料安全法が既存の法律としてありますが、それぞれ目的、あるいは規制の対象が異なっており、ペットフードに対しては対象となっていないという状況です。
 10ページにつきましては、ペットフードの安全に対する国民の意識です。調査を行ったところ、調査対象世帯の8割以上がペットフードについて、食品並み、または一般の商品以上の安全確保を進めるべきだと回答しています。国民の方々のペットフードの安全確保に対する強い関心が示されたと考えています。
 11ページは、海外の状況です。国によりその状況は若干異なっており、各業界団体が自主基準を設定したり、独自のガイドラインといったものをお持ちの国々が多いのですが、アメリカ、EUにおいては、法律でペットフードを含む飼料全般について規制を行っているという状況です。
 12ページは、国内の民間団体による安全確保の取り組みを簡単に整理したものです。業界団体であるペットフード工業会では「安全なペットフードの製造に関する実施基準」を設定し、会員の方々が情報を共有してペットフードの安全確保に努めていらっしゃいます。ペットフード公正取引協議会におきましては、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」を策定しており、これに基づいて公正な競争の確保と消費者保護というものを図っておられます。また、日本ペット栄養学会では、ペット栄養管理士の養成等、ペットフードの安全に関する普及啓発等に取り組んでおられるという状況です。
 これらを踏まえまして、資料2-1中間とりまとめの概要~ペットフードの安全確保上の課題と対応のあり方~をご覧ください。基本的な考え方としては、動物愛護の観点から、ペットフードの安全確保は緊急に取り組むべき課題であるということ。製造、輸入、販売等の各段階で必要かつ適切な措置が取られるべきであるということです。
 自主的な取組及び行政との関係ですが、製造業者、輸入業者、事業者の皆様、あるいは民間団体の行う自主的取組が既になされており、また、これらの取組が非常に重要であるということで、行政としてもその取組を推進していくべきであると。それにあわせて、自主的取組ではすべての事業者の取組を担保できないうえ、予期せぬ事故等があったときに緊急に対策を打つことが難しいことから、法規制の導入が必要であるというご提言をいただきました。
 法規制の対象としては、犬及びねこ用のペットフードを当面対象とするということと、製品の製造、輸入及び販売を業として行う者への規制が必要ということであります。
 規定の内容及び方法につきましては、まず有害な製品が市場に出回ることを防止するということ、万が一有害な製品が出回ってしまった場合には、その対応を確実なものとするように対策をとるという観点から、既存の食品を扱っている食品衛生法とか、飼料安全法の規定の枠組みを参考にして、ペットフード独自の製品の特性とか流通の形態などを踏まえて広く理解の得られる制度とすべきである。また、安全確保の観点からは、重要な情報が表示されることも必要であるということです。
 輸入品につきまして何らかの事故が起こった場合については、だれが輸入品について安全責任を持っているのかということを明確化することが重要であるというご指摘をいただきました。
 その他につきましては、規制の適用までにしかるべき期間を設けて、その内容の周知の徹底を図るということ。規制を行っていく際には関連機関の体制の整備をしていく必要があるということです。
 また、規制をする一方で、行政、業者、獣医師等は給餌に関する情報の収集と提供をすることにより、飼育者がペットフードについて正しく理解をして、適正に飼育していくことを促進していくべきであるというご提言をいただきました。
 以上がペットフードの安全確保に関する研究会でとりまとめていただいた中間とりまとめの概要でございます。
 パブリックコメントの結果の概要に移ります。資料の3をごらんください。先ほどの中間とりまとめに関しまして、昨年の12月3日~本年1月4日まで、パブリックコメントを行いました。27通のコメントが来まして、延べ意見数にいたしますと75件のご意見をいただきました。詳細につきましては裏面をごらんいただければと思います。
 細かい字で恐縮ですが、全体としまして、規制そのものに反対するというご意見はありませんでした。
 基本的な考え方のところにあるように、規制の必要性については、7名の方から法律による規制が必要であるというコメントをいただきました。
 そのほか、法規制の対象につきまして、当面の間、犬及びねこと書かれておりますが、犬やねこ以外の法規制も対象とするべきであるとか、原料を輸入する業者、並行輸入等に規制の必要性がある、といったコメントをいただいております。
 規制内容のあり方につきましては、多様なコメントをいただいております。ペットフードに食品と同等の安全を確保すべきという意見がある一方で、実態に合わないような過度な規制が行われると混乱を招く、あるいは安価なペットフードが供給されなくなることを懸念するという意見もあります。また、表示に関しましては、100%の表示を求める声の一方で、実際の状況としては、原材料を含めてすべて表示することは非常に困難であるといったコメントもいただいています。
 表示以外では、行政による抜き打ち検査の必要性や、輸入品が国産品より緩い基準とならないようにしっかりと規制してほしいといったコメントをいただいています。
 その他の事項については、情報の提供が重要であることや、諸外国の制度を参考にしながら諸外国との関係で問題のないような規制とすることなどをご意見としていただいています。これらにつきましては、今後の検討の参考とさせていただきたいと考えております。パブリックコメントの概要につきましては以上です。
 これらを踏まえまして、私どもで現在検討しております新しい法律案についてご紹介いたします。資料4-1と資料4-2を御覧ください。
 ペットフードを日本語に置きかえまして、愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律案ということで考えております。
 法律の目的としては、ペットフードの製造に関する規制を行うことにより、ペットフードの安全性の確保を図り、ペットの健康を保護して、動物の愛護に寄与することと考えています。
 法律案としては、製造方法等についての基準や成分についての規格を設定し、その基準または規格に合わないものの製造を禁止する。また、物質としてペットフードに入ることが想定されないような場合についても、有害な物質が万が一入ってしまった場合は、規格基準がない場合でも、それらの製造、輸入、販売について禁止するということと、実際に問題のあったものについては、国が回収、廃棄の命令をかけることができるという形で考えています。
 具体的に、事業者にはどのような義務が生じるかということですが、輸入業者及び製造業者には、国に対して業としての届け出をしていただくということと、輸入業者、製造業者、及び、小売りを除く販売業者には帳簿を備えつけ、ペットフードを譲り渡した際にその記録をとることを求めております。これにより、何か問題があったときに、どこでどの製品をとめる必要があるのかを把握した上で、禁止をかけることができると考えております。
 資料4-2は、それらのことを文章で示したものです。こちらでさらに細かく書いておりますのは、II法案の内容の(6)というところの、国側が報告徴収、立入検査をすることによって、安全を確保していくということです。
 以上が現在考えております法律案の概要です。
 最後に、参考資料もあわせて紹介いたします。こちらは、法律には直接関係ありませんが、平成20年度予算で現在要求している新しい事業です。飼養動物安全・健康保持推進事業というもので、動物を飼養する人に向けて、適切な給餌のあり方とか、ペットの異常の見分け方及び対処方法等を整理してその普及を図りたいと考えています。以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。
 配付された資料について、ほぼ全部にわたってご説明いただいたわけですが、本日は報告事項ということで、審議事項ではありません。
 ご質問等がございましたらいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 ペットフードの安全確保に関する研究会に、委員として参加された太田委員、何かつけ加えられるところ等はございますか。

【太田委員】 私はペットフードを販売する現場の一人として、委員に指名されたものと思っております。この委員会からは、奥澤委員と私が参加させていただきました。
 ペットフードは今まで雑貨として扱われ、規制の対象にはなっておりませんでした。今回、アメリカで4,000頭近い犬が死に、そのペットフードが日本でも並行輸入されていたということです。現在、並行輸入の量は約2割という話がありましたとおり、日本のペットフードの5分の1は並行輸入されています。並行輸入に関しましては、雑貨のために規制がありません。そのため、例えば、製造年月日とか原材料、賞味期限などが全て英語で記入されており、日本人には理解されないところがあります。
 今回、一部法規制をするということは、ペットフードの安全が確保されますし、動物愛護の面でも一歩進んだと考えています。業界としては、ぜひ早くまとめていただいて、国民の皆さんが安心してペットフードを買えるようにしてほしいです。
 今回、いろいろなお客様から「ペットフードを食べさせても大丈夫か」という質問をいただきましたが、それに対して私たちも的確な答えが出せませんでした。日本ではこの種の事件がなかったということに関しては、もし事件が起きたら大変だったなという気持ちを持っております。以上です。

【林部会長】 ありがとうございました。ほかの委員の方はいかがですか。

【菅谷委員】 具体的なことはまだまだ先の話だとは思いますが、今後、法規制する中で、消費者からの相談・届出が保健所にあった場合などの関係自治体、既存の機関との連携については何かお考えですか。

【動物愛護管理室長】 まさにご指摘のとおり、具体的なところはこれからの検討であります。ペットフード自体の規制について参考にしたのは家畜の飼料の規制の枠組みなのですが、ペットフードは家畜の飼料よりも広域に流通をしているという実態がありました。そういったことから、方向性としては、国のレベルで立入検査や規制をしたり、回収の命令をすることが大事だろうと考えております。
 そうは言いましても、自治体との連携は疎かにしないようにと考えております。いずれにしましても具体的なところは、今後検討したいと考えております。

【佐良委員】 規格外のものを、製造、販売、あるいは輸入販売してしまった会社に対しての罰則などについてはいかがでしょうか。

【動物愛護管理室長】 もちろん罰則も含めて取り組んでいかないといけないと思っております。具体的にどうするかはこれからの検討でありますが、家畜用飼料の場合には、懲役の刑も含めて罰則が入っておりますので、そういったことを参考に、こちらでもある程度担保のあるような形には検討したいと思っています。

【林部会長】 よろしいでしょうか。本当は、罰則がなくても皆さんに守っていただきたいのですが、恐らく動物愛護管理法には最高刑が懲役1年、100万円というのがありますから、そういうものも参考にされるのだというように思います。

【佐良委員】 今、家畜用の飼料のことをおっしゃいましたが、今回の法律は、対象が主に犬、ねこになっていますので、消費者は一般の飼い主になります。一般の飼い主に、ここの会社のこの商品にはこういうものが入っていたので、どれぐらいの罰則であるという情報をなるべく早く開示していただきたいと思います。

【大矢委員】 今、佐良委員がおっしゃったこととちょっとリンクするのですが、家畜用の飼料というのは、輸入業者だけではなく使用する方もプロなので、中身についてかなり詳しいことをご存じのうえで使っていらっしゃる。
 ところが、ペットフードというのは、今のお話のように一般の家庭で使うものなので、先ほど太田委員がおっしゃったようにわからないままに使っているということが非常に多い。
 そういうことで、輸入業者の届け出とか、帳簿の義務づけというのはありますが、実際に現物のサンプリングテストとか、そういったような監視体制というのがどこにも盛り込まれていない。原材料がどこの国で、どのように流通して、どこでつくられたのか不明瞭な時代になってきておりますので、その辺のことも考慮していただきたいと思っております。

【動物愛護管理室長】 少し言葉が足りなかったかもしれません。資料4-1と4-2を合わせてご覧いただければと思います。資料4-2のIIの(6)の立入検査、あるいは報告聴取というところですが、そういった業者に対しての立ち入り検査は、事が起こった後はもちろんのこと、事が起こる前の立ち入り検査も含めて、対象にしていきたいという方向です。資料4-1のポンチ絵でいいますと、フォーク状に矢印が分かれておりますけれども、こういったいろいろな廃棄命令とかのもとになる立ち入り検査というのは、それぞれの業者にきちんとやっていくという方向であります。

【大矢委員】 私が申し上げたいのは、立ち入り検査も大変必要なことですが、ある程度監視体制ができて、抜き打ち的なサンプリングテストのようなものができる方向が見出せないのかということを申し上げておきたいと思います。

【林部会長】 ありがとうございました。青木委員どうぞ。

【青木委員】 食品の安全とか表示の偽装ということに非常に関心が高くなっています。例えば表示について言えば、成分としては正しくても、表示の順番が違うとかなり非難されるという状況があらわれてきています。企業側の「大して違わないんじゃないか」という甘い認識ではもういけないようになってきた感じがします。一方、実施された調査を見ると、家族に食べさせるのとほとんど同じようなレベルで、ペットの食の安全を確保しなければいけないという意識も醸成されている。そうなると品質とか、成分表示等の問題は結構重要だという気がしますが、この法律案の中では表示についての問題は扱わないということなのですか。もしそうであれば何か別の法によって、安全確保のための新しい対策がとられるものなのか。あるいは既に十分とられているというものなのか。その辺について教えていただきたいのですが。

【動物愛護管理室長】 ご指摘のとおり、ペットは家族同然であると思っておられる方も増えており、ペットフードについても食品と同様の規制をしてほしいというご意見もあります。
 ペットフード法の規制については、過剰になり過ぎないようにと思っておりますが、家畜安全のベースまでは上げていく必要があろうと考えております。表示について、家畜用ではすべてを法的に表示しろということにはなっておりませんが、安全性に影響する表示については、法的に表示の基準をつくって明示をすることになっております。
 ペットフードにおきましても、必要最低限の安全性に影響する項目については表示をする必要があろうということで、この基準、規格の設定と書いております中の一つに、そういった表示の項目も入れていくべきであろうと考えております。その中身につきましては、これから詳細に検討していきたいと思っております。

【兵藤委員】 ペットフードの規制については大変賛成です。今までもペットフードについて添加物やいろいろなことで言われてきたのが、やっとここまできたかなと大変うれしく思っております。
 このペットフードの規制というのは、いわゆるペットを守ろうとか動物愛護の普及というところから出てきているものだと思うのですが、動物たちのための規制、福祉、愛護のためであるならば、実験動物も入るような形で考えなければいけないのではないかと思っております。答えは要りません。そのような考え方があると、僕は考えています。

【動物愛護管理室長】 答えは要らないと言われても、あえてお答えをさせていただきます。基本的な考え方は、もちろん動物愛護の観点からでありますので、そういった大きい意味での愛護という方向で、いろいろな詳細な運用などを考えたいと思っています。
 ただ、1点補足させていただきますと、この法律案では、愛がん動物を対象にした飼料、つまりペットフードでありますので、確かに実験動物ですとか、そのほかの目的の動物の飼料は厳密にいうと規制の対象にならないと読めます。ただ、流通の実態を見ますと、実験動物にペットフードとして流通しているものが与えられている。今のところ、それ用というのはありませんので、愛がん動物用のペットフードをきちんと規制することにより、実験動物に与えられるであろうものも、きちんと必要最低限の安全性は確保させるという効果をねらっているところであります。
 また、実験動物については、目的を持った食事を与えるということもあるでしょうから、そういったことまで規制することのないようにという配慮もございます。

【前島委員】 動物愛護部会の議論としては外れるとは思いますが、今の発言に付け加えさせていただきます。今問題になっている農薬の毒性のようなものも、すべて実験動物を使って試験していますので、その動物のえさの中に、例えば毒性試験する対象物が入っていたら、これは大問題になります。そういう意味で実験者は、実験動物に与えるえさについて非常に注意しています。そして、そういうデータも、動物のブリーダー、供給者に要求しております。ですから実際問題として、ペットのえさとは事情が違うと思います。

【林部会長】 ありがとうございました。今泉委員、どうぞ。

【今泉委員】 数日前の新聞に、有害獣駆除でとった鹿の肉とか骨をペットフードにするという記事がありました。そういうのもこれから増えてくると、製造方法の基準などは非常にざっくりしたものじゃないとまずいだろうなと思います。逆に、ペットフードに毒などが入っているということがあり得るので、ざっくりしながらも、毒はないという確実なところを求められると思うので、大変だなという感想をもちました。

【林部会長】 ありがとうございました。
 ほかの委員、よろしいでしょうか。よろしければ、意見交換につきましては、ここまでとさせていただきます。
 もう一つ、その他という議題がありました。事務局からお願いします。

【動物愛護管理室長】 ありがとうございます。何点か、紙の資料はございませんが、ご報告をさせていただきます。
 一つは、新聞等にも一部出ておりましたが、動物愛護管理に関する交付税措置ということで、平成20年度より交付税措置が一部認められたというご報告であります。ご承知のとおり、犬ねこの引き取りを中心としたいろいろな業務は、都道府県や政令市の自治事務であります。その自治体がそのような業務を行うに当たり交付税を活用しやすいように、その積算項目の中に、引き取った犬ねこのえさ代やワクチン代について総務省でも認めていただいたということであります。
 額は、全体の積算で3.5億円であります。必ずしも十分ではないかもしれませんが、環境省で作った基本指針や、都道府県でつくられている推進計画の中でも入ってくるような、殺処分ではなくて譲渡、もっと言えば、譲渡になるような引き取りにならないよう飼い主側の普及啓発をしっかりして、引き取りの犬ねこが減るひとつのきっかけになればと思っております。一つ目のご報告でありました。
 もう一つは、これも先ほどの基本指針の中で目標を掲げておりますとおり、犬やねこの個体識別措置の実施率を上げるということです。その中の一つとして、マイクロチップの装着を推奨しており、19年度の1月、2月現在での状況でいいますと、犬ねこあわせて11万から12万頭に装着されているという状況になっております。この数字は先ほどのご説明のとおり、犬ねこ2,500万頭からすれば、1%にも満たない数字であります。しかし、5年前の装着率は2,000頭だったので、獣医師会や一般の愛護団体も含め、こういった普及活動をみんなで一丸となってやってきた成果が徐々にあらわれてきているなと感じております。そうはいっても1%にないという状況でありますので、今後もこういったマイクロチップの効果の面も一生懸命普及をしてまいりたいと思いますので、委員の皆さん方のご指導、ご協力をお願いいたします。
 以上でございます。

【林部会長】 ただいまのご説明に何か質問、ご意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。

【兵藤委員】 マイクロチップの法整備を進めていただきたいなと思っています。法整備が整いマイクロチップを挿入するようになれば、遺失物として警察のお世話になることもかなり少なくなりますし、保護にかかわる費用もかなり少なくなります。動物愛護、福祉的な見地からもマイクロチップの法的整備を本当に早く望んでおります。
 それから、一番初めに説明のありました3億5,000万円の予算をとれたことは大変うれしいことですし、お金を国が出してくれることについては大変に評価をしているところです。しかし、ひとたび収容されてしまうと、譲渡会を開いてもかなり限られた頭数しか出ません。新聞や地元のテレビで宣伝していただいたり、ボランティアが多方面で新しい飼い主を見つける運動をしているのですが、一向に新しい飼い主が増えないという現状があります。このため、マイクロチップを装着することは大切だと思います。また、できればねこも登録制にしていただきたいということが現場で働いている者の悲痛な訴えです。

【林部会長】 ありがとうございました。確かに大変な現場のお気持ちですが。この3.5億円、これは補正だったですね。

【動物愛護管理室長】 来年度の地方交付税の積算基礎に入るということです。

【林部会長】 来年度の通常予算で。そうですか。

【佐良委員】 今、兵藤先生がおっしゃったことで、私も現場におりますので、ぜひお願い申し上げたいことがあります。この委員会とは話が飛んでしまうかもしれませんが、里親になってくださる方が少ないというのは、マンション業者やマンションの管理業者が余りにも動物に対して無知であるからです。つまり抱っこできる犬ならいいとか、何キロまでの犬とか、何頭までとか、そういうふうになっております。けれども、常識があり、動物に対して造詣の深い人であれば、犬の大きさ等にかかわらず飼えるはずなのです。ですから業者や関係者の教育もあわせてやっていただきたいとおもいます。

【林部会長】 ありがとうございました。まだまだ山積みの問題はありますが、地方交付税、マイクロチップと、この短い時間でも着実に前進しているのは心強いことです。これからもいろいろな課題について部会で話し合ってまいりたいと思います。
 それでは、以上をもちまして、本日の動物愛護部会の議事をすべて終了いたします。ありがとうございました。事務局にお返しいたします。

【動物愛護管理室長】 どうもありがとうございました。林部会長様を初め、委員の皆様方におかれましてはご多忙のところ、ご出席いただきましてありがとうございました。
 ペットフードの安全確保に関しましては、今後も委員の皆様のご協力を賜りたいと思います。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、本日の動物愛護部会を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。

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