中央環境審議会課動物愛護部会(第3回)議事録

日 時

  

平成14年2月12日(火)午前10時01分~午後12時09分

場 所

  

環境省第1会議室

出席者

竹内 啓    部会長
池田 隆政   委員
大槻 幸一郎 委員
杉山 公宏   委員
中川 李枝子 委員
前島 一淑   委員
山下 喜弘   委員
    中川 志郎部 会長代理
    今泉 忠明   委員
    小川 益男   委員
    関   哲夫   委員
    兵藤 哲夫   委員
    丸山 務    委員
松原 審議官
神田 動物愛護管理室長
  塩田 総務課長  
  岡部 室長補佐  

議 題

(1) 犬及びねこの飼養及び保管に関する基準の見直しを含めたペット動物の飼養及び保管に関する基準の素案について
(2) その他  

配布資料

動物愛護部会名簿

資料1  家庭動物等の飼育及び保管に関する基準(素案)
資料2 「基本方針」と「家庭動物等の飼育及び保管に関する基準(素案)」の対照表
参考資料1  動物の愛護及び管理に関する法律について
参考資料2犬及びねこの飼養及び保管に関する基準 外
参考資料3平成14年度動物愛護管理関係予算(案)の概要  

議 事

【神田動物愛護管理室長】 それでは定刻になりましたので、本日の動物愛護部会を開会
したいと思います。
 まず、本日の委員の皆様のご出席についてご報告をいたします。所属委員数15名のうち、現在までの出席者が12名でございます。出席者が所属委員総数の過半数を上回っておりますので、現時点で本部会は成立しております。
 それでは、竹内部会長、よろしくお願いいたします。

【竹内部会長】 おはようございます。竹内でございます。いろいろとお忙しい中を大勢の委員の方々、あるいは関係者の方々お集まりいただきましてありがとうございます。
 ご承知のように、新しい動物愛護法が成立しましてから相当の期間が経過しました。その間に関係者の方のご努力もありまして、今度新たに設けられた協議会、あるいは推進員の活動も、地域によってもちろん温度差がありますが、徐々に活性化されてきているというのは大変うれしいことだと思います。
 さらに、ご承知のように、私どもといたしましては、付帯決議にあります基準の見直しに入っているわけでございますが、五つあります基準の中でも、今回の法改正が大きく関係することになりました犬、ねこあるいはその他の家庭で飼う動物についての基準の見直しを始めさせていただいているわけでございます。
 本日は、この前のご検討を踏まえまして作っていただいた案をもとに、また活発なご審議をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは最初に、配付資料の確認をさせていただきます。事務局の方でお願いします。

【岡部室長補佐】 それではお手元に配付しております資料の確認をお願いいたします。
 まず、表紙が中央環境審議会第3回動物愛護部会議事次第となっております。次に、2枚目が中央環境審議会動物愛護部会委員名簿、これが1枚となっております。その次が資料1、家庭動物等の飼育及び保管に関する基準(素案)ということで、1ページから7ページまでとなっております。次が資料2、「基本方針」と 「家庭動物等の飼育及び保管に関する基準(素案)」、これが1ページから6ページまでとなっております。次に参考資料1といたしまして、動物の愛護及び管理に関する法律について、これが1ページから7ページまでとなっております。次に、参考資料2、犬及びねこの飼養及び保管に関する基準外、これが1ページから8ページまでとなっております。最後に参考資料3、平成14年度動物愛護管理関係予算(案)の概要、これが1枚となっております。資料の過不足等がございましたら、事務局までお申しつけ願います。

【竹内部会長】 ありがとうございました。以上でございますが、いかがでしょうか、お手元にそろっておりますでしょうか。
                ( な  し )

【竹内部会長】 よろしいようでございますね。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。まず、議事1、犬及びねこの飼養及び保管に関する基準の見直しを含めたペット動物の飼養及び保管に関する基準の素案についてであります。非常に長い名前がついておりますが、間もなく、これをどのような名前にするかという話が出てまいりますので、しばらくこの名前で進みたいと思います。
 この件につきましては、昨年12月14日に開催されました第2回の本部会におきましてご審議をいただきました。そしてその結果、決定していただいた基本方針に沿いまして、前回のご説明にありましたように、事務局の方で基準の案をまとめていただいたところです。それがお手元にある資料でございます。
 それでは事務局からこの素案につきましてご説明をいただきたいと思います。

【神田動物愛護管理室長】 それではご説明いたします。
 まず、「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」の見直しを含めたペット動物の飼養及び保管に関する基準の素案として策定いたしました、「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」の素案についてご説明を申し上げます。お手元の資料1が素案でございます。
 本素案につきましては、見直しの基本方針に沿いまして、事務局におきまして、先回ご説明いたしました検討会の委員のご意見を伺いながら作成いたしましたものでございます。なお、本素案につきましては、法令的な審査をまだ経ていないものでございまして、その点で用語等の厳密な吟味がなされていない素案であることを申し上げます。
 また、資料では、現行規定からの主な変更部分につきましては下線を引きまして、それを示しているところでございます。
 資料の説明につきましては、基準素案とそれから先回審議いただきました基本方針との対照をしております資料2を参照いただきながら進めさせていただきます。資料2の1ページをごらんください。
 まず、基準の名称でございますが、基本方針で示されました新たな基準で対象とするところの動物の定義の規定に照らしまして、家庭動物等という名称を当てております。
 次に、第1、一般原則につきましては、現行規定を踏襲しながら動物愛護管理法に即しまして、法改正で新たに基本理念につけ加えられました、「命あるものである動物」「人と動物との共生に配慮」等の文言を加えたものとしてございます。
 『第1、一般原則。(1)家庭動物等の所有者または占有者(以下「所有者等」と言う)は、命あるものである家庭動物等の適正な飼養保管に責任を負う者として、動物の本能、習性及び生理を理解し、愛情を持って家庭動物等を取り扱うとともに、所有者が家庭動物等を終生飼養するよう努めること。
 (2)所有者等は人と動物との共生に配慮しつつ、人の生命、身体または財産に対する侵害を防止し、及び生活環境を害することのないよう責任を持って飼養及び保管に努めること』でございます。
 第2、定義につきましては、基本方針に沿いまして、本基準の対象であります動物の定義を行ったものであります。
 『第2、定義。この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 (1)動物。哺乳類、鳥類及び爬虫類に属する動物を言う。
 (2)家庭動物等。愛玩動物または伴侶動物(コンパニオンアニマル)として家庭等で飼養されている動物並びに情操の涵養及び生態観察のため学校、福祉施設等で飼養されている動物等を言う。
 (3)管理者。情操の涵養及び生態観察のため動物を飼養保管する学校・福祉施設等において、当該動物及び飼養保管施設を管理する者を言う。』
 続きまして、第3、飼養保管に当たっての配慮でございます。第3、飼養保管に当たっての配慮につきましては、飼養開始に当たっての責務を重視するという方針に基づきまして、また今回の基準の対象が犬及びねこのみならず、幅広い動物を対象としていること、家畜化されていない野生由来の動物等も対象に含むということから、新たに盛り込むこととしたものでございます。
 『第3、飼養保管に当たっての配慮。(1)家庭動物等の飼養に当たっては、その飼養に先立って、動物の本能、習性及び生理に関する知識の習得に努めるとともに、将来にわたる飼養の可能性について、住宅環境・家族構成の変化も考慮に入れ、慎重に判断するなど、終生飼養の責務の実施に支障が生じないよう努めること。
 (2)特に家畜化された動物でない野生動物等については、一般にその飼養のためには当該動物の本能、習性及び生理に即した特別の飼養保管のための諸条件を整備、維持する必要があること。譲渡が難しく飼養の中止は容易でないこと等を飼養に先立ち慎重に検討すべきであること。さらにこうした動物はひとたび逸走等により自然生態系に移入された場合、生物多様性保全上の問題が生じるおそれが大きいことから、飼養者の責任は重大であり、その点を十分自覚する必要があること。』
 2ページをお開きください。第4の共通基準でございます。共通基準は、本基準で対象といたします動物の飼養保管に共通する事項を挙げているところでございます。ここでは特に今回の基準が、犬、ねこ以外を含みます家庭動物を広く対象としていることから、その点を踏まえまして、健康及び安全の確保、生活環境の保全、繁殖制限、動物の輸送、逸走の防止等の規定の変更・追加を行うとともに、法律改正に伴うものとして、所有の明示、動物に起因する感染症疾病対策等の項目の追加もあわせて行っているところでございます。
 まず、項目として新たに所有の明示を盛り込んでおります。これは改正法で新たに規定されました所有者明示の責務が、飼養者において適切に実施されるよう、動物の生理、生態に即しまして、また、耐久性があって、安定的な識別、表示方法によること、さらにはそのための具体的方法を記したものとしております。
 『所有の明示。家庭動物等の所有者は、飼養者としての責任の所在を明らかにし、また逸走時の発見を容易にするため、名札、脚環、マイクロチップ等を装着するなど、動物の種類を考慮して、容易に脱落、消失しない適切な方法により、その所有する家庭動物等が自己の所有であることを明らかにするための措置を講じるよう努めること。』
 次の健康及び安全の保持につきましては、基本的には現行基準を踏襲いたしておりますけれども、その中でも動物の保管施設に関しまして、日照、通風、温度、湿度等、適切な環境管理等について新たに規定、記述をしているところでございます。下線部分がそれに当たる部分でございます。
 また、次の生活環境保全の規定につきましては、動物の汚物のみならず、動物の毛、羽毛等につきましても適正処理を求める規定としているところでございます。
 次に、適正な飼養数の項でございますが、これにつきましては、近年、動物の多頭飼育に伴います近隣の迷惑害等が問題とされていることを踏まえまして、飼養する適正数の考え方を示そうとするものでございまして、『適正な飼養数。所有者等はその飼養または保管する家庭動物等の数を適切な飼養環境の確保、家庭動物等の終生飼養の確保及び周辺生活環境の保全に支障を生じさせないよう適切な管理が可能となる範囲内とするよう努めること』との新たな規定を設けたところでございます。
 続きまして、3ページをお開きください。さらに、繁殖制限の項でございますが、現行基準にかえまして、『繁殖制限。所有者はその飼養または保管する家庭動物等が繁殖し、飼養数が増加しても終生飼養の確保または適切な譲渡がみずからの責任において可能であると見込まれる場合を除き、原則としてその家庭動物等について去勢手術、不妊手術、雌雄の分別飼育等繁殖制限の措置を講じること』といたしまして、現行の基準では、繁殖を希望しない場合としておりました繁殖制限の実施の要件をより強化しまして、所有者の責務を明確にするというものとしてございます。
 次の動物の輸送の項目につきましては、必要な休憩時間の確保、輸送時の環境管理等についての配慮等、一部の修正を行っております。下線部をご参照いただければと思います。
 次に、動物に起因する感染性の疾病対策の部分でございます。これにつきましては、改正動物愛護管理法におきまして、所有者または占有者の責務といたしまして、その正しい知識習得が規定されたところでございます。その点を踏まえまして、本素案では、『動物に起因する感染症の疾病対策。(1)所有者は、その所有し、または占有する家庭動物等に起因する感染性の疾病について正しい知識を持ち、その飼養に当たっては、感染の可能性に留意し、適度な接触にとどめるなど、自らへの感染のみならず、他の者への感染の防止に努めること。
 (2)家庭動物等に接触し、または家庭動物等の排泄物を処理したときは、手指等の洗浄を十分行い、必要に応じ、消毒を行うこと』を規定したところでございます。
 引き続きまして、逸走の防止等でございますが、これにつきましては、基準の対象動物の拡大を踏まえまして、飼養動物自体の保護上の問題だけではなくて、特に野生由来種などにつきましては、逃げ出した場合の生物多様性の保全上の影響が大きい場合が多く、飼養者責任において適切に対処すべきであることから、新たに規定として設けるものでございます。
 なお、この部分の規定につきましては、家庭動物等全般にわたります一般事項を定める規定という意味合いでございまして、次の危害防止の項につきましては、そのうちの危険動物を飼養する場合の特別な対策を規定するという整理にしてございます。
 『逸走の防止等。所有者等は下記事項に留意し、家庭動物等の逸走防止のための措置を講じるとともに、万が一に逸走した場合は、みずからが速やかに捜索し、捕獲すること。
 (1)施設は、家庭動物等の逸走防止に配慮した構造とすること。
 (2)施設の点検等、逸走防止のための管理に努めること。』でございます。
 4ページをお開きください。次の危害防止につきましては、人に危害を与えるおそれのある動物の飼養保管についての規定でございまして、現行の規定を基本といたしまして、逸走防止、逸走時の万全の措置等について追加修正しているところでございます。追加修正部分は下線部でございます。
 それでは、緊急時対策でございます。緊急時対策につきましては、現行の規定をもとにいたしまして、さらに近年の災害時における対応を踏まえまして、また、先進的な自治体の条例等の規定の内容を参考にいたしまして、『緊急時対策。所有者等は地震、火災等の非常災害に際してとるべき緊急措置を定めるとともに、移動用ケージ、非常食など、避難に必要な準備を行うよう努めること。非常災害が発生したときには、速やかに家庭動物等を保護し、及び家庭動物等による事故の防止に努めるとともに、避難する場合にはできるだけその家庭動物等の適切な避難場所の確保に努めること』としているところでございます。
 続きまして、第5、犬の飼養及び保管に関する基準の項でございます。ここでは共通基準以外で、犬の飼養保管に関し、よるべき基準につきまして、現行の基準「犬及びねこの飼養保管に関する基準」を継承しながら、必要と思われる修正を行ったところでございます。
 (1)の放し飼い防止につきましては、『犬の所有者等は、柵等で囲まれた自己の所有地、屋内等、その他の人の生命、身体もしくは財産に害を加え、または人に迷惑を及ぼすことのない場所において飼養する場合を除き、犬の放し飼いは行わないこと』といたしておりまして、都道府県での係留義務についての条例規制の一般化という状況を勘案いたしまして、現行の基準に比べ、強い書きぶりの規定としております。現状の都道府県の条例の規制を踏まえたということでございます。
 (2)けい留につきましては、現行の基準のとおりでございます。
 (3)しつけ及び訓練につきましては、現行の規定におきまして記述がございますのは、危険防止に関してのみの観点からと言えるわけでございます。その点につきまして、飼養に関する迷惑事例の大きな割合を占めております、ふん害防止を考慮したしつけについても、その対象に含めるという趣旨で、『犬の所有者等は適当な時期に飼養目的に応じ、また人の生命、身体もしくは財産に害を加え、または人に迷惑を及ぼすことのないよう、適正な方法でしつけを行うとともに、特に所有者等の制止に従うよう訓練に努めること』としたところでございます。
 5ページとなりますけれども、(4)、(5)につきましては、基本的に現行基準のとおりとしております。(6)の譲渡に関する規定につきましては、新たに子犬の社会化への考慮を盛り込むということといたしまして、『(6)犬の所有者は犬の譲渡に当たっては、特別な場合を除き、離乳前に譲渡しないように努めるとともに、その社会化が十分に図れた後に譲渡するよう努めること。また、譲渡を受ける者に対し、社会化に関する情報を提供するよう努めること』としているところでございます。
 第6、ねこの飼養及び保管に関する基準の部分でございます。これにつきましては、犬の基準と同様に、共通基準以外でねこの飼養及び保管に関しよるべき基準について、現行の「犬及びねこの飼養保管に関する基準」を継承しながら、修正を加えているところでございます。特に、ねこの健康、安全の保持、あるいは適切な繁殖のコントロールによる行政への引取数の抑制、迷惑害の防止等を、総合的に推進するための現実的な飼養保管の方向性として、基本方針に沿いまして規定をしているところでございます。
 『(1)ねこの所有者等は、周辺環境に応じた適切な飼養及び保管を行うことにより人に迷惑を及ぼすことのないよう努めること。
 (2)ねこの所有者等は、ねこの疾病の感染防止、不慮の事故防止等健康、安全の保持の観点から、屋内飼養に努めるものとし、屋内飼養以外の方法により飼養する場合にあっては、屋外の疾病の感染、不慮の事故防止に十分な配慮を行うこと。
 (3)ねこの所有者は、繁殖制限に係る共通基準によるほか、屋内飼養によらない場合にあっては、原則として、去勢手術、不妊手術等繁殖制限の措置を行うよう努めること』としてございます。
 続く(4)につきましては、基本的に現行基準としているところでございます。
 (5)譲渡に関する規定につきましては、犬の場合と同様に新たに子ねこの社会化への考慮を盛り込むこととした変更を行っているところでございます。
 続きまして、6ページでございます。第7、学校、福祉施設等における飼養及び保管につきましては、動物の飼養及び保管を行う組織、機関といたしまして、その飼養目的に照らしまして、社会的に重要な役割を果たし、また、期待されていることを踏まえまして、基本方針に沿って規定しているものでございます。
 『第7、学校、福祉施設等における飼養及び保管。(1)管理者は、動物の飼養・保管が、獣医師等十分な知識と飼養経験を有する者の指導のもとに行われるよう努め、本基準の各項に基づく適切な動物の飼養及び動物による事故防止に努めること。
 (2)管理者は、飼養保管する動物に対して飼養に当たる者以外から食物等が与えられ、または動物が傷つけられ、もしくは苦しめられることがないよう必要な予防のための措置を講じるよう努めること』としてございます。
 さらに、第8、その他といたしましては、飼養動物につきましては、社会的に真の意味での認知がなされ、社会的に適切な位置づけを確保することが必要だという観点から、人間と同様に動物につきましても生物多様性の保全等、今日的な社会的要請にも十分対応させるべきという観点から、その点を確保するための飼養者としての責務を踏まえた記述としているところでございまして、『所有者等は動物の逸走、放し飼い等により、野生動物の捕食、在来種の圧迫等の自然環境保全上の問題が生じ、人と動物との共生に支障が生じることのないよう十分な配慮を行うこと』としているところでございます。
 最後に、第9、準用でございますけれども、この項は現行規定を変更するに当たりまして、現行規定の考え方を踏襲する上で必要な規定としております。といいますのは、現行基準「犬及びねこの飼養及び保管に関する基準」は、犬・ねこすべてを基本的に対象とする形を形式上とっております。その一方で、必要に応じまして飼養目的により適用除外を規定するという形をとっていたわけでございます。
 今回、「家庭動物等の基準」の素案につきましては、動物の飼養目的により対象動物を規定することにしておりますことから、先ほどご説明しました第2の定義で規定されているように、愛玩用、伴侶動物用、情操の涵養及び生態観察用になるわけでございますが、それ以外で飼養される犬・ねこにつきましては規定の対象から除外され、現行基準の扱いと差異が生じる可能性を踏まえまして、『第9、準用。第2(2)に該当する以外の目的で飼養及び保管される犬ねこについては、当該動物の飼養保管の目的に反しない限り、本基準を準用する』として、現行基準の考え方とを踏襲できるよう規定したものでございます。
 以上、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準、素案についてご説明をいたしました。最初にご説明させていただきましたとおり、本素案につきましては、先回ご審議いただきました基本方針に沿うことを第一に作成したものでございます。法令的な用語、形式の統一等の審査はまだ経ていないということがございます。
 また、基準の決定に当たりましては、法律で規定されている関係行政機関との協議がございますが、これもこれから行う必要があるという段階にある案であることを申し添えさせていただきます。よろしくご審議のほど、お願いいたします。

【竹内部会長】 ありがとうございました。今、最後におっしゃいましたけれども、これは部会、さらには事務局で設けられました検討会の意見を聞きながら、事務局でまとめてくださった素案でございますので、ぜひ忌憚のないご意見を皆様方からいただいて磨き上げた後で、法律専門家などの手を経て、完成したものに持っていくことにしたいと思います。
 ご意見をいただきたいのですが、大変長いものですから、幾つかに区切ってご意見をいただくようにしたいと思います。
 最初に、基準の名称、第1の一般原則から第3の飼養保管に当たっての配慮、この辺までを対象にご検討をいただきたいと思いますので、どうぞこの辺につきましてご意見がありましたら、ご自由にお願いをしたいと思います。いかがでございますか。ございましたらどうぞ。

【山下委員】 この名称なのでございますけれど、家庭動物等という名称は、このような基準にうまくなじむのかどうかという点です。ご承知のように、家庭の定義とは一体何かという話が一方であるわけですね。例えば、独身者が飼っているものもたくさんあるでしょうし、それは等で読めるではないかということかもしれませんが、この名称に至った考え方をお伺いしたい。

【神田動物愛護管理室長】 まずは今回の基準の対象をどのようにするかということで、現行基準を整理してまいりますと、まず、現行基準では、犬及びねこに関する基準、それから展示動物に関する基準、産業動物に関する基準、実験動物に関する基準があり、展示動物等の基準の中には、実は愛玩動物の一般の基準が含まれております。こうやって並べて見てみますと、犬及びねこの基準以外はすべて目的によって規定をする、対象とするという形になってございました。かつ愛玩動物が展示動物の中に含まれているという、見えない形になっているということでございまして、その辺、犬とねこ、それから愛玩動物を目的として整理する方が、その他の基準との対照からよろしかろうということで考えたわけでございます。そのときに、まず第一に対象となるのが、ペット動物・愛玩動物ということになるわけでございますけれども、ペット・愛玩動物というのはもともとあったかと思いますが、それが現在ではもう少し位置づけが高まりまして、伴侶動物という形に広がっているということがあります。さらに、それが飼われている場というところに着目いたしますと、これは家庭という言葉が適当であるかどうかというのは、まさに法令的なところで、これから吟味しなければいけないのですけれども、一般的な言葉であらわしますと、まずは家庭であると考えるわけです。
 それから、等ということになりますと、家庭以外でも職場みたいなところで飼われる場合もあるだろうということでつけております。そのようなことを踏まえまして、先回、基本方針におきまして対象としてまとめ、資料2に書いてございますのが対象とする範囲でございました。この基本方針に沿いまして、それを総くくりする名前として、一番一般的に理解されやすい言葉ということで、家庭動物という言葉を選んだわけでございます。現時点で私どもとしては一番ふさわしいといいますか、意味するところを表現できる言葉ではないかということで、何人かのご専門の先生からもご意見をいただきながら、この名称を使わせていただきました。ほかによることができる用例があるかといいますと、実はまだないかもしれません。今回のこの定義が初めてということになろうかと思います。

【竹内部会長】 大分苦心なさっているところですが、家庭の崩壊が叫ばれております今日、家庭動物というのは、確かにこれまたいろいろと皮肉られるところがあるかもしれませんが、動物を中心に家庭がまとまってくれれば大変結構なことです。
 それからまた、家庭で基本的に飼う動物という形で置いておきますと、後ほど出てまいりますが、例えば学校とか福祉施設で飼うのも、結局、家庭で飼うものの延長といいますか、家庭で飼えないものをそういうところで飼うということですから、位置づけとしては家庭動物なので、目的論からいけば、ほかにいい言葉があればいいのですが、とりあえずは何とかなるのかなと私も感じております。何か建設的なご意見があれば、ぜひ伺いたいのですが。特にはございませんでしょうか。
 では、名称はとりあえず家庭動物等でよろしゅうございますかね。中川先生、何かありますか。

【中川(志)部会長代理】 家庭犬という言葉も、割と一般的になっているところもありますので、以前にもこれに関することで、包括していい名前がないかということで考えたことがありますけれども、なかなかないのですね。
 それで家庭犬という呼び方、ハウスドッグという呼び方も一つのカテゴリーとしてはあり得ると考えると、家庭で飼うのと、それから家庭の延長線上のある場所で飼うものを包括して家庭動物と呼ぶのは、比較的穏当な呼び方かなという気がいたしますので、よろしいのではないかなという気が私はしています。

【竹内部会長】 ほかに何かご意見ございますか。
 では、名称はこの素案にございますような家庭動物等というのを使わせていただくことで進めさせていただきたいと思います。
 それでは、そこのところも含めましてでも結構ですが、一般原則から第3番目の飼養保管に当たっての配慮、そこまで、どうぞご意見いただけましたら。

【兵藤委員】 家庭動物の中の愛玩動物及び伴侶動物ということですけれども、コンパニオンアニマルの中に、家庭で飼われている馬はこの範疇の中に入るのでしょうか。ちょっと馬の場合には例外というか、何か余りはっきりしない部分があるのですけれども。ミニホースという状況の中で飼われているところもあるし、ポニーを家庭で飼われていることもありますし、これからふえてくるのではないかと思います。
 それから、馬の養老院等が出てきていまして、これは畜産とはちょっと逸脱したものかと思います。これは飼い主さんが預けて、養老の意味で、死ぬまでそこに預けようということでございました。そこには、飼い主さんが何日かおきには必ず見に行くという状況の中で、この範疇でコンパニオンアニマルの中に入るのかどうかという、そのあたりをお伺いしたいのですが。

【竹内部会長】 そうですね。今の最後のところ、福祉施設の動物ではなくて、馬の福祉施設、なかなか複雑でございますが、わざわざここにコンパニオンアニマルという言葉を入れましたのは、伴侶動物という言葉を日本で使われる場合は、すぐ犬、ねこになってしまうのですが、本来これはコンパニオンアニマルの苦し紛れの略であるわけですね。決して正しいとは私は思いませんが。
 コンパニオンアニマルというのは、国際的に言えば馬が入るのが常識ですので、そういう意味で、あくまでもそのような目的で馬を家庭で飼う場合というのは、まだ少ない事例でしょうけれど、この対象に入ると思います。
 例えば、豚を飼う場合でも、それはあくまでも哺乳類、鳥類ですから、これは一般原則からすれば、家庭で飼う場合ということで対象になると考えてよろしいのではないかと私は思いましたが、事務局、いかがですか。

【神田動物愛護管理室長】 前段の部分の、この目的において飼われれば、この規定のまさに定義するところでございますので、対象になると思います。後段の方はよく勉強しておきませんと、まさに目的で分けるということですので、産業動物の目的とこちらの動物と、どの辺にあるかということを判断することになるのかなと思います。

【竹内部会長】 そのほかいかがですか。2番、3番、またがって結構でございますが、1番目の第1のところは特別にはご異存がないかと思います。よろしゅうございますか。
 第2の定義でありますが、これも先ほど少しご発言がございましたが、家庭動物あるいは管理者というところの定義でございます。

【関委員】 意見というより質問なのですけれど、この基準ができると、いろいろとこれが大きな役割を果たすかと思います。というのは、例えば動物を飼っている人がちょっと怠慢だったために、動物がほかの人に危害を及ぼしたという場合は、民法による不法行為責任ということになると思いますが、その場合にこういう基準ができると、民法と直接リンクはしないまでも、裁判所は非常に重要な参考資料にすると思うのですね。例えば過失を認定する場合とか。そうすると、ここで定義も相当きちんとやっていただかないとまずいのかなと。
 私もちょっと不勉強でよくわからないのですけれど、ここに出てくる愛玩動物とか、伴侶動物というのは、これは定義は何かほかでしっかりとできているのでしょうか。質問なのですが。

【神田動物愛護管理室長】 最初に申し上げましたとおり、法令的な吟味が十分でございませんが、わかっている範囲で申し上げます。愛玩動物につきましては、定義がなかったと思いますけれども、先ほどお話ししました、参考資料2の第8で、愛玩動物の所有者等への準用という規定が既にございまして、そこで1ケ使われているという事実がございます。
 今回ここで使った愛玩動物は、既に使われている展示動物等の基準の用例で同等という意味合いを持っております。
 伴侶動物につきましては、厳格な定義をまだ持っているわけではございません。お答えになっていないかもしれませんが。

【関委員】 それで、法律の方では動物という言葉が出てきて、一応定義されている形になっていますし、それからもう一つ、愛護動物というのも後から出てきますね。そのほかにまた、家庭動物、愛玩動物、伴侶動物、いろいろ出てくるのですけれども、非常にたくさんの、まぎらわしいというか、難しい概念が出てきて、この辺を少し交通整理をしていただいた方がいいのではないかと思うのですね。
 というのは、先ほど申し上げたように、ほかの領域に対する影響がかなりあると思うのですね、これは。ですから、その辺がはっきりしないと、裁判所なども解釈上困るのではないかと。できればもうちょっと厳密に定義ができないかなと考えております。

【竹内部会長】 ありがとうございました。関委員、今の愛玩動物にしても、あるいは伴侶動物にしても、あるいは違う呼び方で、大動物とか小動物とかいうのですが、この定義というのは、正直言ってどこにもないのですね。やはりいろいろなところから問い合わせを受けたことがあるのですが。
 したがって、定義するとすれば、今後この基準の中でやることになりますが、それでほかの民法などの関係では十分でございますかね、ご意見としては。今おっしゃっていることは、ここでもう少し動物の種類を、家庭動物等という以外に、愛玩動物とはとか、そういうふうに規定をしたら、それでよろしいのではないかと。

【関委員】 もう少し厳格な定義を与えた方が、いろいろこれからほかの社会に与える影響を考えますと、妥当ではなかろうかと思います。

【竹内部会長】 ほかにはどうもないみたいなのです。私どももいろいろ問い合わせを受けて、調べてみたのですが、慣用的に使ってはいるのですけれど。

【関委員】 これが1回できますと相当権威を持って、ひとり歩きをすると思うのですね。

【竹内部会長】 ありがとうございます。事務局、よろしゅうございますか。もう少しほかの部分の言葉の整理、定義をというご意見ですが。

【神田動物愛護管理室長】 今後の法令的な審査、吟味をする中で、できる限りやっていきたいと思います。
 これまでの産業動物と実験動物の基準のところに同様の規定がありまして、それとのバランスを見ながら、かつ法令といいますか、省の決定として耐えられるレベルのものにするように調整をしていきたいと思います。

【竹内部会長】 その場合に、やはり恐らくそう簡単ではないかなと思います。ほかの事例はないものですから。そう思いますのは、例えば愛玩動物とコンパニオンアニマルをどうきれいに文章の上で分けるかというのは、なかなかこれは苦しいところだろうと思いますね。飼っている人の精神的な問題もあるものですから。したがって余りクリアにできないかもしれませんけれど、一応ご検討いただくということにしましょうか。

【中川(志)部会長代理】 今の定義の問題が、非常に悩ましい問題だと思うのですね。ただ、事務局が言ったように、今度の基準の整理が目的論的になったということで、非常に整理しやすくなったという感じがするのです。
 この前、議論になったように、動物の種類によって分けるというのを、他の基準が全部そうしていませんので、先ほど部会長が申し上げましたように、同じ種類の動物でも、その目的によって、その対象とする基準が違ってくるということが十分に起こり得るのですね。 先ほど、兵藤委員が馬のことを言っておられましたけれども、犬、ねこ、馬というのは、例えば、ヨーロッパなどでは、部会長がおっしゃったようにコンパニオンアニマルとして通っているということもあるので、そういう意味では、愛玩動物、あるいは家庭動物という名前があったとしても、目的論的に考えていけばある程度整理ができるのではないか。
 この基準の中でそれらを明確に規定することは非常に難しいけれども、しかし、今後恐らく基準の解説というものが出るのだろうと思うのですけれども、そういう中では少しそこまで踏み込んだ解説が必要ではないかなと、そういう気がいたしますけれども。

【竹内部会長】 そうですね。第2の定義のところをごらんになりますと、家庭動物等と書いてありまして、この基準はあくまでも家庭動物等を対象にしようと。その家庭動物とはどういうものが入るかというときに、愛玩動物または伴侶動物という、ここはちょっと一般の文章と違うので、言葉がやむを得ず足りないと思いますけれども、伴侶動物という名称のもとに、家庭等で飼われているという意味で、いろいろな言い方があるという意味にとっていただければ、余りこの定義をしなくてもいいのかなと。もし、その定義が難しければ、そういう考え方もあるのではないかと思いますが。
 ですから、人によっては同じ動物をペットと言うだろうし、人によってはコンパニオンアニマルと言うだろう、というニュアンスにとっていただければ、これはよろしいのかなと。そして、その対象が哺乳類、鳥類、爬虫類であると考えていただければ、統一がとれそうに思いますが。
 今、中川委員がおっしゃいましたように、実際これは一つの大きな骨格でありまして、さらにそこに肉をつける部分が解説書ですから、その中ではさらに踏み込んだ、具体的な表現や説明が入ってくるのではないかと思いますが。そんなところでいかがでしょうか。

【関委員】 確かに解説書でやるのは昔から一つの手法として、巧妙な方法だと思います。

【竹内部会長】 ありがとうございます。そのほか、ほかの事項でも、第3番までは結構でございますが、いかがでしょうか。

【中川(志)部会長代理】 第3、飼養保管に当たっての配慮の1ですけれども、これは言葉だけの問題なのですが、本能という言葉が使われていますね。動物の本能、習性及び生理と書いてあるのですけれども、余り本能という言葉をこういうところで使うのはいかがでしょうか。恐らく皆さん、ご検討の上これを使ったのだろうとは思うのですけれども、普通本能というのは余り使わないと思うのですけれど、どうなのでしょうか。

【竹内部会長】 本能というのを分けると、個体維持の本能と、それから、家族維持の本能と、あと種族維持ですか、そのようなものを考えたときに、動物によって、そういうものを維持するのは違うからという意味なのでしょうかね。

【中川(志)部会長代理】 あとで続いてくるのが、それに関する知識の習得ということなので、行動習性ならわかるけれども、本能というのはどうでしょう。

【竹内部会長】 いかがでしょうか。この辺は検討に加わった、小川委員、今泉委員、少しご意見があれば。

【今泉委員】 これは生得的行動ということなのですが、一般的に非常になじみのない言葉になってしまったのですね。だから、一般的な単語として、生得的行動を本能と言うことになったのだと思います。

【竹内部会長】 そういう意味で使われたということで、できるだけ、動物の非常に広い範囲の行動を入れようということなのだろうと思いますけれどね。

【小川委員】 もう一つ、関連すると思うのですけれども、本当に習性だけで全部カバーできるだろうかという微妙なところがどうしても残ってくると思うのですね。ですから、それをカバーすると考えたのです。

【竹内部会長】 そうですね。本能、習性、行動という名前がわかりにくいかもしれませんが、その辺の言葉を使いながら、その辺のものを全体カバーできないかというご意見かもしれませんね。
 特段ご意見ございませんでしょうか。中川委員としてはよろしいでしょうか。それではいかがでしょう、ほかにないようでしたら、先へ進んでよろしゅうございましょうかね。
                ( 異議なし )

【竹内部会長】 それでは、第4の方へまいりましょうか。第4の共通基準ですね。

【前島委員】 ちょっと伺ってよろしいですか。この生活環境の保全に汚物だとか、悪臭、衛生昆虫というのが出ているのですが、騒音といいましょうか、鳴き声については何も議論がなったのでしょうか、教えてください。

【竹内部会長】 いかがですか、事務局。鳴き声です。確かにこうやって見ると、書いていないみたいですけれども。あるいはご議論の上で、やはり難しいので書いていらっしゃらないのかとも思いますが。

【神田動物愛護管理室長】 まず、1の方は、これはどちらかというと公共施設の云々というところなので、そこはちょっと考慮の外になりました。
 それから、2のところでその議論もあったのですけれども、その点はちょっと並びがとりにくいということだったと思います。ここは衛生といいますか、そのようなもので整理いたしました。それと基本的に考えられるものについて、例えば犬の場合につきましては、犬のところで迷惑害防止のしつけというところを今回加えましたので、これまで危険防止のしつけというところにとどまっていたところを、迷惑害防止を含めたしつけというところを勘案したということで、鳴き声はそちらに含めております。
 一般論、共通的なものとしての声といいますか音は、あり得ることかと思ったのですけれど、そこまでは書き込むことはしていませんでした。この等で読むのは、清潔だからちょっと入らないかと思いますけれども。一番考えられる犬については、個別のところで対処いたしたという考え方でございます。

【前島委員】 今、しつけの問題が出ましたけれど、これは個体の問題ですね。かみつくこともそうなのですけれども。環境上、騒音公害と言われるくらい、それは大事なことなのですけれども、いわゆるにおいなど、そういう人の感情の問題ではなかなかいかないのですね。吠える、むだ吠えする、これをしないようにするしつけというのは、自分が責任を持って糞の後さらいをすればいいということとちょっと違うところがあって、扱い方としてはちょっと難しいところがあると思うのですね。騒音が大事だということは出たのですが、その難しさで、ちょっと議論が足らなかったところはあると思います。

【竹内部会長】 何か具体的に、ここにこういうふうに書いたらいいのではないかというご提案はございますか。ここにないので、ちょっと不思議に思われたとは思いますが。悩ましいところなのですね。

【神田動物愛護管理室長】 ちょっと説明が不足しましたが、ご指摘のとおり、一つの可能性があるということですが、それに対する対策の可能性を考えたときに基準等には盛り込めなかったところです。犬に関してはしつけという手法があり、それはむだ吠えを防止するような形がとれるということがございましたので、先ほど言ったように、個別基準のところで、特にそういうものを読み込めるような変更を今回いたしたという次第でございます。

【竹内部会長】 これは確かに程度の問題であるだけに、非常に難しいと思うのですね。先ほどの本能を考えれば、鳴くのは本能という気がするのですね。それを鳴くなというわけにはいかないし、コミュニケーションの道具をとってしまうわけですから、結局程度問題であるだけに、ここに書くのは大変難しいかもしれませんね。という気がいたします。

【丸山委員】 ただ、保健所あたりに来る苦情を伺うと、やはり今の前島先生のお話が大変多いと聞いているのですね。ですから、ここにではなく、例えば第5ですか、こういうところに何か盛り込むようなことを考えられないのかなという感じがいたしますが。

【竹内部会長】 わかりました。それでは第5の部分で検討いたしましょう。あるいはまた解説書の方でということもありますけれども、鳴き声も確かに大きな公害ではあるわけですから、触れることができれば、それはよろしいかと思いますけれど。
 では、犬のところでもう一遍検討してみることにしましょう。

【丸山委員】 もう一つ。解説書の方になるのかどうかをお伺いしたいのですが、今の生活環境の保全(2)のところですが、適正な処理という言葉が出てまいりますが、排泄物から起因する病原体の拡散などということは、かなり重要な問題だろうと思うのですね。ですから、ここには適正な処理となっていますが、例えば漏出の防止だとか飛散の防止だということをやらないと、ただ、適正というのは何を言うのかということが大変あいまいなような気がするのですが、このへんは解説書でもって説明していくということで、ここのところは適正な処理という表現にならざるを得ないのでしょうか。

【竹内部会長】 今のところだけを見ると、いろいろなところに出てくるのですけれどね。これは多分おっしゃったような方針だと私は思っておりますが、事務局、いかがですか。

【神田動物愛護管理室長】 ご指摘のとおり、適正な処理の具体的な説明というものにつきましては、本基準を本年度つくっていただきましたら、来年度そういうものを含めた解説書をつくっていきたいと考えております。そのような考えでございます。

【竹内部会長】 これは告示でございますので、全部具体的な話になってしまうと、かなり長くなってしまうということも多分あるのではないかなと思いますが。ぜひまた、解説書を作るときにいろいろご協力をいただけたらと思いますが。あとはいかがですか。

【中川(志)会長代理】 第4の共通基準の中で所有の明示というのが今回改めてここへ出てきたわけですけれども、これは非常によかったと思うのですね。よかったと思うのは、今まで犬・ねこ、特に犬ですけれども、そもそも登録するという法的根拠というのも狂犬病予防法で、どちらかというと人間社会に害を及ぼさないということが基本的な考え方で、登録となっていたわけですけれども、今回のこの基準の所有の明示はどちらかというと動愛法に基づく、動物そのものの幸福というか福祉も考えて、所有の明示がここではうたい込まれたのではないかという気がするのです。そういう意味では、そういう所有を明示することの意味が、今までの登録事業とは基本的に違うというところで、今回の場合は非常によかったのではないかという気がするのです。
 それからもう一つ、そのための名札、脚環、マイクロチップ等と明らかに明示されたことも非常に具体的でいいと思うのですね。
 ただ一つ、ここまで書いたならば、通常海外などを見ますと、タトゥーイングというのは必ず入っているのですね。そうすると、装着になじまないということがあるのですけれども、やはりここまで三つ出てくるならそれも出てこないと、ちょっと片手落ちかなという感じではないかと思いますので、それほどこだわることではないのですけれども、入れた方が良いかもしれないという気がいたします。

【竹内部会長】 それは恐らく検討会でご検討になったと思いますね。私が陪席させていただいたときも、たまたまその話が出ていたと思うのですが、結局どのような経緯で、この入れ墨は消えたのでしょうか。

【今泉委員】 結局、消えやすいということがありまして、それで消えていったと思います。

【竹内部会長】 入れ墨については、確かにいろいろな報告がありまして、大体1年間に20から30%は消えていくのではないかと言われています。そのぐらいすれば大体消えてしまう事実があります。

【神田動物愛護管理室長】 今、検討会での話をご説明いただきましたとおりでございます。現在の方法としては、入れ墨という手法もあるし、海外でも正式に使われている場合もあるということで、全く否定するものではなく、この場合は、等に含まれているということなのですが、明示をするに当たって、条件のところに書いてございますけれども、動物の種類を考慮する、どういう行動をするかとか、どういう形態であるかというのを考慮して、個体識別の手法を考えなければいけないという点と、それから、容易に脱落、消失しないということからすると、やや管理が必要になるといいますか。入れ墨を複数できるかどうか私はわからないのですが、その辺でやや改善すべき点があるというご意見があったわけです。決してそれではいけないというつもりではございません。制度上、ほかの国でやっている例があるようでございますので、それを真っ向から否定するものではないのですが、やや明示の適切な要件からすると、少しマイナスポイントがある方法かなということで明示はしていないところです。

【竹内部会長】 もう一つ入れ墨の場合は、情報量が少ないといいますか、結局、誰がどのような体制でやるかという問題があります。たくさん飼っているところなら番号をつけるのは簡単なのですけれども、その番号をどこかで統括するところがないと、番号を見ても誰の犬なのか調べようがないなど、いろいろな問題があってのことかもしれませんね。ですから、等のところに入っているということで検討結果を尊重したいと思いますが、そのほか、よろしゅうございますか。

【兵藤委員】 多頭飼育の件につきまして、実際私たちがちまたで活動しておりまして、適正数というのを逸脱し、かなり集めてしまうという状況がみられますが、最終的には面倒みきれなくなりまして、それを動物ボランティアさんが一生懸命努力しまして、里親に出したりして解決をしているのですけれども、なかなかこれがやみません。実際のことをいって、どこまで増やしていいのか。感情的に負けてしまう。動物を助けようという一心な優しい気持ちがそうさせるのでしょうけれども、またそこにたくさんの人たちが持ち込むということで、これは業としてやっているわけではないので、届け出する必要もないわけです。このあたりに関しては、諸外国、動物先進国と言われるところでは、動物愛護団体すら届け出制になっているという話を聞くのですね。この適正な数を逸脱して、年中どこかでこういう問題が起きているということで、このあたりの届け出制というところまで発展していただくといいかなと思っておりますけれども、いかがでしょう。

【竹内部会長】 この段階では苦しいですか。

【神田動物愛護管理室長】 ご承知のとおり、多頭飼育といいますか、多数の動物を飼育することによって起因する生活環境上の支障が生じた場合には、今回、改正法で、行政が勧告、命令ができるという措置が加わったばかりでございますというのが、まずございます。

【兵藤委員】 これが近隣に迷惑がかかっていないのですよ。山の中で、周りに家がないというところに問題がございまして、気がつくのは、やはり相当の時間が経って、亡くなっていった動物たちの死骸の山とか、近づいたら悪臭があるとかということであって、近隣に家がない場合が往々にあるのです、これが。そこでは縛れないということがあるのですね。届け出をしていただくことにすれば、無届けであれば指導が簡単にできるのではないかと私は考えているのです。

【神田動物愛護管理室長】 そういった問題点を踏まえて、制度を考えるということも選択肢としてはあるわけでございますけれども、今回のこの基準につきましては、そういった規制とか届け出とかという制度上のものを検討していくことは、ちょっと次元が違い、この基準におきましては、そういうことが起きないようなガイドラインとしての要件、適正飼養数の要件をここに挙げたところでございます。
 もちろん先生がお話のような規制措置につきまして、まだ、これが本当に必要であるかどうかにつきましては、まだアイデアはございません。場合によっては、そういう方向につきましては、現行法制度におきましても、条例等で対処可能であろうかなと思います。しかし法律として全国一律に行おうということについては、現時点ではまだ考えておるところではございません。
 今回の基準につきましては、そういうものはかなり特殊といいますか、末期的な状況になると思いますので、その前に当たって、やはり数ということについても、動物にとっての適正な取り扱いの意味で、かつ生活環境の保全上の意味で重要であるということをここで新たに打ち出したいと考えたところでございます。これまでこの点の基準がございませんでしたので、一つの方向として、この基準の中で可能な範囲内の対応をいたしたいというのが、趣旨でございます。

【竹内部会長】 そのほかはございますか。
 大したことではないのですが、気になりますのは、逸走防止等というところがありますが、そこで所有者等は云々とありまして、万が一に逸走した場合は、「自らが速やかに捜索し、捕獲すること」というのは、自分でやれという話になってしまいますが、「自らの責任において」とすればどうでしょうか。実際には、みんなに助けを求めなければならない部分もありますが、自らがと言うと、何か一人でやらなければならない。その責任の重さを痛感してもらうのにはいいのですが、どうなのですかね。

【神田動物愛護管理室長】 部会長がご指摘のところは、趣旨は本当に今おっしゃっていただいたとおりでございまして、自らの責任というものがあるということを自覚して、結果として捜索し、捕獲されればよろしいので、その点はちょっと考えさせていただきたいと思います。独力でやりなさいという趣旨ではございませんので。そこは誤解の生じないような表現はあろうかと思っております。

【竹内部会長】 自分が中心になる必要はあるのですけれどね。言葉じりで申しわけないのですが、少し気になりましたので、ご検討いただけたらと思います。
 では、ないようでございましたら、先にまいりましょう。第5、犬の飼養及び保管に関する基準にまいります。
 先ほどの鳴き声のお話がここに入らないかというところですが、丸山委員、それから、前島委員、どうですかね。この中のどの辺のところにどのように入れたらなじむでしょう。

【前島委員】 犬だけの問題ではなくて、ねこのいわゆる繁殖期の問題、それから、豚を飼うとか、オンドリなども飼っているところもある。そういうことだと犬だけではない方がいいように私は思います。

【竹内部会長】 なるほど。やるならば全体のところ、共通事項がいいと。そうすると共通事項のところに入るかどうかですね。検討も含めて、少し難しいような気もするのですが。

【神田動物愛護管理室長】 基本的には飼い方の基準というところになっておりますので、具体的に対応の方策をどうしても片方で考えざるを得ないところがあります。犬の場合は何とかしつけという方法で、個人の場合、コントロールする可能性があるということなのです。ほかの動物の場合、豚などの場合、それをコントロールする方法がないといいますか、まさに飼うか飼わないかというところに行き着いてしまうことになるかなと思います。

【竹内部会長】 一つ一つ考えると悩ましいですね。オンドリが鳴くのをやめろというわけにもいかないし、これをこういうところに盛り込むのは難しいですね。
 ちょっと今の段階では難しいかもしれませんが、確かにおっしゃるように、犬だけでほかの動物はいいのかという話になってしまうといけませんし。ということで、共通事項の中に入れられるかどうか、ご検討済みのことだと思いますが、再度ご検討いただきたいと思います。大事なことなのですが、苦しいですね。
 そのほかございませんでしょうか。第5の犬のところです。

【兵藤委員】 (6)に社会化という言葉が出てくるのですけれども、これは多分母犬が産んで、その子どもを育てるときに、母親からあるいはその周辺の仲間、あるいは兄弟等からいろいろなことを学ぶと、このようなことが社会化なのでしょうか。それとも、人間になじむ、なじませるという意味なのでしょうか。

【神田動物愛護管理室長】 先生お話の前段の部分でございまして、親犬、それから、仲間犬といいますか、兄弟犬等による若令時代の経験が犬として、ねことしての本来の習性を身につけるためには必要である、もしくは問題行動を生じさせないために必要であるという観点で社会化というのは重要であるということでございました。
 これにつきましては、別の基準でございますけれども、動物取扱業の遵守すべき基準というのがございまして、販売業者の遵守すべき基準の中に、販売に当たっての社会化への考慮という文言が既にございましたものですから、それを使わせていただいているということでございます。

【兵藤委員】 大変すばらしいのが入ってきたなと、私は思います。
 それで今現実に行われている、東京あたりの大型のペット屋さんの現状を見ますと、やはり生後35日ぐらいで市場で買い上げてくるという実例が多いですね。40日、50日待ちますと、もう仕入れが困難だということで、非常に社会性ができていない動物を現実において市場の方から買ってくるということがありまして、十分業者さんの方をご指導していただきたいなと思っております。社会性が入ったこと、大変喜んでおります。

【小川委員】 もう一つ、人間への社会化ということも意識の中に入れて討論が行われました。先ほどのご説明の中でニュアンスがちょっとご理解しにくかったかもしれませんので、追加させていただきます。

【中川(李)委員】 ちょっとお聞きしたいのですけれども、離乳前というのはどれぐらいの日数をいうのですか。私、全然わからないのですが、3カ月とか、そういうちゃんとした基準があるのでしょうか。

【小川委員】 そのことが議論となりました。具体的に期間を示した方がいいのではないかという意見もありましたが、なかなか示し得ないところもあるようです。哺乳期間は個体によっても違うようですが、7週令までには終わるだろうということでした。

【中川(李)委員】 では、犬の種類によって違うのですか。

【小川委員】 余り違わないのではないかということでした。

【兵藤委員】 犬のおっぱいが上がるのが大体35日ぐらいで、普通はお母さんから離れていくのです。それで離乳期が始まってもまだ2週間という時期は、おっぱいを飲む、あるいは離乳食を食べています。一方、初乳を飲んだ子犬は、大体2カ月ぐらいで母体の抗体が切れますから、犬同士の感染予防に十分配慮するには、本当はこのあたりまで置かないといけません。2カ月以上はやはり親のところに置いて、ワクチンを打って、そして感染を予防できる年齢まではそこに置きたい。そのことによって、犬同士の感染による事故がなくってくるのではないか。犬のことを考えてあげれば良いのですが、やはり商売優先させてしまって、免疫のまだ未熟であるのを持ってきて、ウィンドウに並べるということは大変危険ですし、失敗もたくさん出ています。
 ですから、本当はきちっと2カ月と入れてしまえばよろしいのでしょうけれども、いろいろな問題があるので、諸外国を見ても、幼弱動物の販売を禁止という語句は出ますけれども、具体的な数字はちょっと出てきていないような感じがあります。

【竹内部会長】 ただ、今の離乳時期を考えることも大事なのですが、社会化を考えると、もう少し後になるのですね。

【兵藤委員】 4カ月ですね。

【竹内部会長】 そうです。大体3カ月半というのが、国際的によく理解されている基準なのですが、これは取扱業の方に、この前の審議会でも話題にでましたけれども、社会化の終了まで書いてしまうと、日本の繁殖業者の方がつぶれてしまうという話がありまして、現状そのまま認知せざるを得ないだろうということで、そこは書いていないのですが。実際に海外のきちんとしたブリーダーは、大体3カ月半前は、ヨーロッパなどでは子犬を出さないというのが普通のようですね。それが実際に望ましいのだと思います。今回の対象は業者ではありませんので、個人でお飼いになって人に譲られるときは、望ましいのはそういうところと明記された訳です。。この辺は恐らく解説書の中で少し具体的に書かれたらいいのではないかなと思います。よろしゅうございますか。そのほかはいかがでしょうか。
 これももう多分検討されたのだと思いますが、この犬の係留のところ、あるいは放し飼い防止のところなのですが、これは狂犬病予防法並びに地方条例とも関係があります。この辺との整合性はもう十分検討されているわけですね。

【神田動物愛護管理室長】 この放し飼いの防止の部分、けい留の部分につきましては、部会長ご指摘のとおり、関連する法令がございまして、現状で申し上げますと、説明の方でも申し上げましたが、地方自治体の条例で、基本的には犬の放し飼いは禁止され、けい留義務が課されているという現状がございます。それは狂犬病予防という立場ではなくて、危害防止、まさにここにあるような動物の管理、人に対する生命、身体、財産の侵害防止という立場は条例でつくってございまして、その点を意識して今回記述したということでございます。
 前回の記述が、どちらかというと緩やかな基準でございまして、放し飼いをしないよう努めることという非常に緩い話だったのですが、実態問題、条例では放し飼いはできないことになっておりますので、その辺をきちんと書かせていただいたということでございます。
 狂犬病予防法につきましては、厚生労働省と、先ほど申しましたように基準案の協議を今後やるわけでございますけれども、今、知り得る範囲で申し上げますと、狂犬病予防では通常事態においてけい留の義務は課しているものではないと理解してございます。けい留の義務が課されているものは地方自治体の条例であるということでございます。

【竹内部会長】 ありがとうございました。そのほかいかがでございますか。
                ( な  し )

【竹内部会長】 ないようでございますから、先に進ませていただきまして、第6のねこの飼養及び保管に関する基準に入りたいと思います。こちらについてどうぞご意見いただきたいと思います。

【杉山委員】 (3)ねこの所有者はというところなのですが、ねこについての繁殖制限、これは非常に大事でありまして、これが守られていないために社会問題が頻発していると思います。
 そこでこの文を見ますと、2行目、原則として云々となっております。この原則としてというものを削除した方が、私はよろしいのではないかと思います。と申しますのは、ここをとりまして、いろいろな理由づけが講じられてしまう。そういう心配があると思います。したがいまして、要は繁殖制限というものを大いに強調していただきたいということであります。以上です。

【大槻委員】 関連してよろしゅうございますか。今ご指摘ありましたところの共通基準の表現ぶりにつきましては、措置を講じることという表現ぶりになっていますが、ここでは努力規定に格下げといいますか、努めるようにと表現が一段落ちているような感じがしているのです。その辺の差、なぜそのように表現ぶりを変えたのかという点が理解しがたいところであります。
 ここでは屋内飼養によらない、繁殖が積極的に屋外にいくような、それについて努めることという格下げ的表現になっていて、ダブルで理解しがたいところがあるのです。その言葉の使い方をあえて本則の方で、いわゆる共通基準のところでは断定的に表現なさっているのを、努めると落した。その辺のいきさつをお伺いしたいと思います。

【神田動物愛護管理室長】 趣旨で申し上げますと、大槻委員のご指摘のところについては、特段表現上で意味合いを変えたということではないのですが、結果として最初に申し上げました、全体を通しての表現ぶりの統一という点が、まだ十分行われていない結果とご理解いただければと、大変申しわけございませんが、そう思っております。
 この基準に関しては、全体的に努力義務という中でいかに記述するかという点で少しずれが出ているということと思いますので、その辺は整理してまいりたいと思いますが、特にここで緩くしているということではございません。共通基準においては、繁殖を行う場合というのは、自らの責任を持って飼養もしくは譲渡ができる場合であるということ。それから、ねこを屋内飼養以外で飼われる場合は、これは繁殖のコントロールが基本的に飼い主にできないわけであるから、その場合の屋外飼養の要件として、こういう形を基準として盛り込むという趣旨、その二つでございまして、それ以上の意味は持たせたつもりはございませんことをご説明申し上げます。

【竹内部会長】 先ほどの杉山委員、それから今の大槻委員、両方のおっしゃっるところ、かなり共通していると思うのですが、このところの縛りはかなりきつくした方がいいのではないかということも含まれているのかなと思うのですが。
 共通の事項のところで、講じることとなっているわけですよね。今のご質問はそうだと思うのですが、ねこの方で、そこは努めることではなくて、講じることとしたのは、やはりぐあいが悪いというニュアンスがあったのでしょうか。
 というのは、今、大槻委員がおっしゃったこともそうだと思うのですが、共通基準で言っておいて、その中でまた犬とねこは特に取り上げている。そこで、ねこについて努めることとしたというのは、ねこの場合は、講じるよりは努めることの方がふさわしいということでしょうか。それとも単にそこまで考えていなかったということで、場合によっては全部講じることにしても、差し支えはないと。
 杉山委員のおっしゃった原則というものも、原則としてというところを取るか取らないかということも絡めて、その辺の表現の強さをどれぐらいになさるかということだと思うのですが、それについて小川委員も何かご発言があると思います。

【小川委員】 これは強くするということで、皆さんの姿勢は一致していたと思います。第6のねこのところで強くしようということで、屋内飼養によらない場合にあっては云々ということで、今までになかったものを加えたことによってかなり強くしたいう意識があったのですが、論議が進むにつれて、だんだんもう少し厳しい姿勢が必要ではないかということで、どちらかというと、共通基準の方が後で表現を強められた感じがあるのですね。特段、意味があってということではなく、私どもが急ぎすぎてうかつだったことをお詫びいたします。

【竹内部会長】 表現だけの問題ということで。

【池田委員】 こういうことをお決めになるというのはいいことだと思うのですけれど、外ねこの問題そのものをもっと片づけていかないと、これでは、これだけの基準ができたからといって、ねこをうまくコントロールできないのではないのかなという感じがします。
 と申し上げるのは、だれが飼っているかわからないのだけれども、その辺にいるねこというのはたくさんいるわけですから、その所有者がきちんとしていない場合、管理をしろとか、避妊手術をしろとか、一体だれがするのか。個人の所有ではない、共同所有の外ねこがいっぱいいる問題等をもっと整理しないと、せっかくこういうことをお決めになっても、効果が出てこないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

【竹内部会長】 それは前回もご議論いただいたところで、その整理の上に立って、できるところからやっていこうという話が根本にあろうかと思うのですが、この辺については事務局、あるいは検討委員の先生方、いかがですか。

【神田動物愛護管理室長】 先回もこのねこの話につきましては、当初出ましたのは、所有者のいないねこのいろいろな対策が講じられているし、問題も生じていることについて、どのようにこの基準で対応するのだという話がございました。そのときにもご説明したつもりでございますけれども、今回の基準は法律第5条に基づきまして、動物の所有もしくは占有する者のよるべき基準をもとにした基準でございます。
 この基準の扱うところは、所有もしくは占有が明確である動物に関しての基準であるということで、まずは所有もしくは占有している責任の所在がはっきりしている者の責務をきちんとやっていただくためのガイドラインをつくりましょうというのをこの場で考えたいということでございます。
 それ以外の部分、現在発生してしまっている部分についてどのようにするかというのは、これはこれとして問題があるわけでございますが、ちょっとこの土俵といいますか、俎上にのせるには、先ほど言ったような制度的な枠組みから外れてしまいますので、できないかなと考えております。
 それから、所有者のいない動物、ねこの場合についての取り扱いというのは、そう簡単な話ではないということもよく承知しておりまして、いろいろなご意見、いろいろな地域の実情によって、それぞれ違うということがございます。その辺は別途、いろいろ地方自治体等でいろいろな取り組みをされているようでございます。その辺の進展状況を踏まえながら、地方自治体にお任せするのがいいのか、また全体で考えたらいいのかにつきましては、別の枠組みで考えていかなくてはいけないかなと考えているところでございます。

【竹内部会長】 ご説明とおりの流れでございまして、じれったいかもしれませんが、長期的に考えれば、今の繁殖制限を厳密にやっていくことによって、所有者のいないねこの数は減るであろうという期待を込めてのことであります。そこでどれぐらい、今の繁殖制限の話を強く出すかというご議論をいただいているわけですね。
 これについて、まず、杉山委員がおっしゃった原則は外せないかどうかという話はいかがですか。それと、それから今の努めることというのは努力義務になって少し弱くなるので、講じることにそろえた方がいいのではないかというお話かと思いますが。

【神田動物愛護管理室長】 共通記述の整合性について図らせていただきたいと思います。
 それから、その中で考えていくべきことになると思いますが、原則としてという言葉についてですが、これはなかなか共通基準といいますか、一律基準にするものですから、どうしても例外というものを絶対的につぶしてからつくるというのが難しいという、この種の記述の現実がございまして、例えば、いろいろな地域があるだろうというものに関してどう答えるかというものがあります。非常に都市部から山村なりという、人間が疎の場合もあるでしょうし、ねこも疎の場合もあるかもしれませんが、そういったこともちょっと考えざるを得ないかなと思います。なかなか原則外しというのは、すべてのケースのつぶしをしませんとできないということに、この種の場合はなりますので、前との整合性を図る観点で、いろいろ書きぶりは工夫させていただきますが、かといって原則がなくなるかという点については、自信はございません。

【竹内部会長】 先ほど来、一般原則にあわせて、例えば講じることとなれば、原則としてが入っても、かなり強くなるのかなという気はいたしますけれどね。その辺でいかがでございましょうか。

【大槻委員】 共通基準で講じることと表現しておいたのに加えて、ここで屋内飼養によらない場合にあってはという、特例的といいますか、何か引き出ししているわけですよね。ですから、基本的にきちんとやるのであれば、共通基準そのものでいいのではないかという見方もあるかと思います。ここであえて特出しで、屋内飼養によらない場合にあってはという表現ぶり、裏返すと屋外でということだと思うのです。初めて議論に参加しているものですから、既にそういう議論が挙がっているということがあるかもしれません。仮に屋外で非常に繁殖の頻度が高いというところをとりわけ引き出して、きつくしっかり去勢手術等の措置を行う必要性をここで強調するのであれば、原則であるところの措置を講じることに加えて、原則は講ずる、さらに徹底した表現ぶりを何かかぶせて表現するやり方が一つでしょう。もしくは本則の方で措置を講ずるということはしっかりとそういうことはやるのだということであれば、ここであえて(3)の特出し的な表現は要らなくなってくるのではないかと理解しますが、それはこれまでの議論の経緯もあろうかと思いますので、お任せしたいと思います。

【竹内部会長】 ねこの場合は、ご承知のように屋内飼育が望ましいけれども、屋外飼育を禁止するわけにはいかないわけですね。それで一般共通のところでは、これは繁殖をきちんとコントロールできる場合を除いて、去勢、避妊をするようにと書いてあるわけですね。ですから屋内飼育の場合は、それは一応コントロールできると考えて、そうでないときにあっては、ぜひそれは去勢、避妊をするべきであると、こういう考えだと思うのですね。そこをねこの習性といいますか、あるいは飼養の形態の特徴を考えながらここへこうお書きになったのではないかなと想像いたしましたけれど、いかがでしょうか。

【小川委員】 要するに社会に迷惑をかけない形でしっかりと飼っている者に対しても、動物の体にメスを入れてまで避妊をしなければいけないということはできないと思うのです。
 ですから、原則としてという言葉がこの前段でも入っているわけですね、共通基準でも。ねこのところも、原則としてということで、両方の整合性を図らなければいけないと思います。そういうわけで、やはりこれは原則とせざるを得ないと思うのですけれども。

【竹内部会長】 ありがとうございました。そのようなところで、事務局でおまとめいただくということにしたいと思いますが、事務局、よろしゅうございますか。検討できる範囲ということになると思います。原則としてはわかりましたので。

【神田動物愛護管理室長】 今のご意見をもとにしまして修正をしたいと思いますが、つけ加えさせていただきますと、ここのねこのところで特出ししておりますのは、一般原則のところについては、繁殖によっても自らの終生飼養なり、譲渡ができるという書きぶりをしておりまして、室内飼いの場合は共通基準以外にも考えられるケースがあり得るという考え方もございましたので、特出しに記載させていただきました。例えば、メスの場合はわかるのですけれども、オスの場合、外で飼っていて、繁殖能力があれば外で繁殖して、オスは基本的に子どもを連れて参りませんが、外のところでコントロールできない繁殖があり得ると考えられるので、この共通基準のところの言いぶりとは、別の世界が若干あるかなと思います。ほかの動物に関しては、基本的には室内飼いもしくは係留されている動物でございますけれども、ねこに関しては必ずしもそうなっていないという特殊性を踏まえて、今回、一般共通基準以外に記載させていただいているということもございます。

【竹内部会長】 よろしゅうございますか。大体ご理解いただけたということにいたしまして、先に進めさせていただいてよろしゅうございますか。
                ( 異議なし )

【竹内部会長】 それでは、第7の学校、福祉施設等における飼養及び保管についてでございますが、これについてはいかがでございましょうか。特に(1)のところは、完全に新たに入った部分ですが。
 これはご承知のように、今回の法律の改正の際に、付帯決議としてこの部分についても考えるようにとされておりますので、この部会としては、この分野についての配慮をしなければならないのです。特段、ご意見ございませんか。

【中川(志)部会長代理】 一つ質問です。これは文部科学省等との事前の協議というか話し合いというか意見聴取というか、そういうものは行われているのでしょうか。

【神田動物愛護管理室長】 先ほどご説明しましたように、正式な協議はこれからでございますが、実態等につきまして、若干の意見交換はしてございます。ただ、この文言についての正式協議はこれからということになります。

【竹内部会長】 これはほかの先進国というのでしょうか、ほかの国で、学校の飼育動物というのは、要するに実験ということではなくて、飼って生態を観察するとか、あるいは飼う経験をさせるということを、家畜を含めてやっている国はたくさんあります。そういうところではやはりアニマルウェルフェア・フォー・アニマルズ・イン・スクールという形で、学校での動物というもので、動物愛護の観点からの委員会ができて、そのガイドラインがかなりきちんとできているということがあります。そういう実態やこの付帯決議のことも考慮しますと、ここできちんと書く必要があると思います。
 ただ、学校飼育動物のほかの部分は、ほかのところでいろいろ規定されているわけですね。衛生に関してもそうですし。ですから、ここではやはり動物の福祉、愛護という、愛護法に関する部分にある程度限定して、明記をしていくという必要があるのだろうと思います。

【中川(志)部会長代理】 今回、学校動物を1項設けて取り上げたのは、初めてのことだし、良いと思います。これについては基本的に学校飼育動物についてはほんとど何ら規制もないということで、その実態は非常にミゼラブルものが多いということを我々も見聞きしているのです。それについて、やはり今、部会長が言ったように、動物愛護の観点からこれをどうするかということについては、所管は文部科学省ですけれども十分協議されて、本当に動物がハッピーに飼われなければ共生には成り得ないということもありますので、そこらあたりは今後の問題ではあるのですけれども、大いに力を入れてやっていただきたい部分だなと思っています。

【竹内部会長】 ありがとうございました。そのほか、いかがでございますか。
 これについては、中川委員、今これに二つほど書いてあるだけなのですが。とりあえず告示の段階ですから、これぐらい出しておいて、あとは、解説書の段階だと思いますが。こういうところで、今おっしゃったようなこと、あるいは私が申しましたようなことの趣旨が生かされていれば、それでよろしいのかなと思いますが。
 ではよろしゅうございますか。
                ( な  し )

【竹内部会長】 ではないようでございましたら、時間の関係もありますので、その他というところにまいりたいと思います。これは先ほどご説明もありましたように、特に野生動物の問題がここに入ってまいります。最近かなり環境問題としては大きなことになっているわけですね。環境省としても、ここのところは特に関心の強いところではないかなと思いますが、いかがでございましょうか。この第8のその他というところについて、ご意見ございませんか。

【中川(志)部会長代理】 この問題は非常に重要で、環境省が動愛法を所管するということの意味の一つの大きな柱だと私は思っております。この問題の中で、私がすごく気になっているのは、業者の説明責任というか、動物の愛護、福祉の観点からその動物の飼い方とか、そういうことについて購入者に説明責任があると。それを十分にやるようにという規定があるわけですけれども、このエキゾチック・アニマルに関する限り、それをもし仮に一生懸命やって、一生懸命飼う人に説明するということになると、逆にそのエキゾチック・アニマルを飼うことを奨励するような結果になってしまうという危険性があります。現実にもそういうことが行われていて、あそこの人は、この飼い方をよく知っていて、よく説明してくれるということで、そこでたくさんのエキゾチック・アニマルを輸入して、売るということになってしまう。
 この業者の説明責任というのは非常に重要なのですけれども、このエキゾチック・アニマルに関する限り、そういうことが法の趣旨とは逆になってしまう危険があるのですよね。これは非常に悩ましい問題で、どうしたら防げるか。要するに爬虫類も今度入りましたけれども、爬虫類などで、この前、池田先生もご指摘になりましたけれども、動物園などに捨てられるものがすごく多いわけですよね。それは大きくなるとか、危険になるとかということを知らずに飼っているということが一つある。もう一つは共通項の中でもあったのですけれども、毒を持っている爬虫類というのは結構いるのですよね、毒蛇を中心にして。そういうものを、例えば血清なら血清の存在も全くなしに飼うということもあるので、この生物多様性の問題というのは環境省の非常に重要な柱なのですけれども、それとの関連も非常に大きくて、日本はエキゾチック・アニマルの輸入大国なのです。これをどうするかというのは非常に重要で、これはこの前、小林局長も盛んにこれから大きな問題になるとおっしゃっていましたけれども、先ほど申し上げた、ペット業者の説明責任と、説明責任の範囲が好ましい飼い方だけに偏ってしまうということの危険性というか。その業者は飼い方の説明をすると同時に、やはりその動物が生物多様性なら多様性というベースの中で、どのような位置にあるかということも知っていただかないと、どうもその辺が難しいかなという気がしているのですけれどね。

【竹内部会長】 そうですね。説明責任が逆に痛しかゆしの形になってしまっているというところがあるわけですね。ですから、これは終生飼養とか、そういうことを今回のこの基準の中ではかなりうたい上げているわけで、それがそこに適用されるのだろうとは思いますけれどね。何かコメントございますか、事務局として。

【神田動物愛護管理室長】 販売業者の説明責任ついては、中川委員のご指摘のとおり、改正動物愛護管理法の第6条で新たにうたわれまして、これをしっかりとやっていただかなければいけないと。やっていただくときに、一方的な、いいとこだけという話でも困るという話であります。その辺につきましては、本日参考資料3で、予算の資料をお付けしております。この3の裏に、新規事業の説明が書いてございます。動物の適正飼養推進事業費というところ、増額になっている部分がございまして、この増額になっている部分で、来年度から適正販売推進事業で、そういった説明すべき事項をしっかりとまとめることとしています。多様性の問題等々も含め、かつ今回、第3のところでうたいました、飼養者としての責務もあるわけでございます。その裏返しで、販売者としてその部分をしっかり説明していただくというマニュアルづくりに着手しようと考えております。
 こういう販売業者で説明をするというマニュアル作成とともに、今回の基準の第3の方の飼養者としての責務の方でも、そういうものをきちっと自覚していただく、習得していただくという責務を今回設けるということで、両面からエキゾチック・アニマルといいますか、基本的に野生由来であって、飼い方が非常に難しい、終生飼養が難しい動物に対して、その両面から対応していきたいという考え方を持ってございます。

【竹内部会長】 ありがとうございました。その成果を大いに期待したいと思いますが。
 それでは先にまいりまして、最後の第9の準用でございます。これについてはいかがでしょうか。

【関委員】 先ほどこの準用の意味についてご説明をいただいて、よくわかりました。
 それで、つまり家庭動物等以外についても基準というものが一応準用されて、広がっていく。もしそうだとすると、このタイトル、家庭動物等とやらないで動物とやった方が論理的ではないですかね。というのは、法律の方も動物になっているのですよね。ここでぎゅっと狭めているのだけれど。それは準用されていくなら、法律と合わせた方が良いのではないかと思います。

【竹内部会長】 確かにそうなのですが、動物となると、当然、産業動物も入りまして、終生飼養となると産業が成り立たなくなってしまうという部分があるという問題もあって、動物とはこの場合、この基準に関しては言いにくかったのかなと思うのですが、どうですか。

【神田動物愛護管理室長】 今、部会長からのお話があったのですけれども、今回、目的を持って基準を整理するということで、既に産業動物の基準、実験動物の基準、展示動物の基準という形がある中で、それを全部包含する基準をつくってしまうと、例えば動物という基準でも行けるかもしれませんが、その並びで非常に言い尽くせない部分もございます。今回はそれを最大限表現する用語といたしまして、用語としても、法律的ではございませんが、通称家庭動物、家庭犬とか、そういうことで幾つか用例もあるようでございますので、この言葉で最大限を表現し、あとは解説、それから定義のところでその説明をしていくという考え方をとらせていただければと考えています。

【関委員】 わかりました。さらに将来、このほか基準を拡充して、またさらに新しい基準が出るか、あるいはまたこれと合体して、動物に関する基準になるかもしれないと。今のところはほとんどこれで尽くされているということなのですね。わかりました。
 それでもう一つ、今、ちょっとお話の出た、この基準はどういう方式でおつくりになるのですか、予定としては。旧基準は告示ですよね。

【神田動物愛護管理室長】 法律上環境大臣が決定するということなので、環境大臣の決定として、環境省告示という形で出る予定でございます。

【竹内部会長】 そのほかご意見はございませんでしょうか。

【兵藤委員】 2月11日の朝日新聞なのですけれども、飼い方の基準、環境省が作成、珍獣、うようよ続くペットブームということで、本日の検討はこれでよろしいですけれども、どこかでやはり輸入規制をしていかないと、根本的には環境省全体の保全の問題になると思います。ここで飼い方を、本日の会議の中ではこれでよろしいかと思いますけれども、どこかで絞らない限り、これは続いていくし、将来、日本の在来種初め、幾らでも問題が出てくると思います。水道が壊れたら水道の元栓を閉めるしかないと思いますし、水道でしたら閉めればいいのですけれども、池に放されたいろいろな生物はそこで繁殖をしていくということもございますので、どこかの法律で、どこかで規制ということを考えていただいた方がより良いのではないかと思います。以上です。

【竹内部会長】 関連のご発言と考えていいですね。きょうは飼い方の基準なものですから。しかし、それだけでは不十分であろうとのご意見で、このようなことも環境省としてはぜひ考えていただきたいということだと思います。何かご発言ございますか。

【塩田総務課長】 移入種の規制のあり方については、別途自然環境局長の検討会を設けて検討しておりまして、その検討結果を待って対応したいと思っております。
 それから、政府に置かれております、総合規制改革会議というのがございますけれども、そこにおきまして昨年末、移入種の規制について何らかの政府としての対応をするべき提言をいただいておりますので、そういうことも検討しながら、今後の課題として検討したいと思っています。

【竹内部会長】 期待しております。どうですか、よろしゅうございますか。

【関委員】 基準は告示の形式で作成されていますね。そうなると、正規の法令ですよね、告示というものは。やはりそうなると、定義などもきちんとやっていただいた方がいいのではないかなと。
 地方分権一括法で通達というのは廃止されて、通達であれば法令でないから、指揮監督ですから、多少緩やかでいいと思うのですけれど、正規の法令になると、きちんとやらなければいけないのかなという気がします。
 それで、また分権一括法で地方公共団体との関係も変わってきていますので、先ほどの解説で処理するというのは、通達時代の知恵で、巧妙なやり方なのですけれど、今の段階では合うかどうか。やはりそういう正規の法令でないもので補うのは余りよくないのではないかと。巧妙ではあるけど。それだけちょっと意見として申し上げておきます。

【竹内部会長】 ありがとうございました。事務局、ございますか、ご意見として伺っておくということでいいですか。

【神田動物愛護管理室長】 今回の提出しましたのは素案ということでございます。これを案にする段階で、いただきましたご意見をまとめまして、形をとってまいりたいと考えております。

【竹内部会長】 そのほかはよろしゅうございますか。
                ( な  し )

【竹内部会長】 それではいろいろご意見いただきましてありがとうございました。時間もまいりましたので、議事の1番につきましてはここで終了したいと思います。
 事務局におかれましては、今回のこの審議、ご意見の結果を踏まえまして、必要な修正を行っていただいて、答申のための基準案を次の部会でご提示いただきたいと思います。
 それでは、議事の2、その他ということになりますが、今後の日程などを含めまして、事務局からご説明をお願いしたいと思います。

【神田動物愛護管理室長】 その他につきましては、今後の日程についてご説明をいたしたいと思います。
 まず、次の部会は、各委員にご都合をお聞きしたところ、3月22日がご都合がよろしいということの方が多いようでございまして、一応3月22日に開催予定といたしたいと思います。
 次回部会におきましては、本日審議いただきました点を踏まえまして、素案を修正いたします。さらにパブリックコメントの募集という手続までやらせていただきます。また、各省協議も法律に基づき行いまして、それらをさらに取りまとめました基準案としてご検討いただき、ご答申いただければと考えておりますので、一つよろしくお願いをいたします。

【竹内部会長】 次回までそう期間がありませんが、おやりになることは事務局としてはかなりたくさんあるようで大変だと思いますが、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それでは今回、用意させていただきました議事は全部終了させていただきました。
 以上をもちまして、本日の動物愛護部会を閉会したいと思います。委員の先生方、大変ありがとうございました。それからまた、長時間ご一緒にいてくださいました関係者の各位の方々、心から御礼申し上げます。
 それではこれをもちまして終了したいと思いますが、今後ともどうぞよろしくご支援のほど、お願い申し上げます。