中央環境審議会動物愛護部会 第47回議事録

1.日時

 平成30年3月26日(月)14:00~16:30

2.場所

 虎ノ門SQUARE 4階会議室

(東京都港区虎ノ門1-15-10 名和ビル4階)

3.出席者

 新美 育文  中央環境審議会動物愛護部会長

 松本 吉郎  委員      浅野 明子  臨時委員

 打越 綾子  臨時委員    太田 光明  臨時委員

 金谷 和明  臨時委員    木村 芳之  臨時委員

 武内 ゆかり 臨時委員    田畑 直樹  臨時委員

 西村 亮平  臨時委員    藤井 立哉  臨時委員

 水越 美奈  臨時委員    山﨑 恵子  臨時委員

 山口 千津子 臨時委員    脇田 亮治  臨時委員

 

4.議題

(1)愛玩動物用飼料の規格の改正について(諮問)

(2)動物愛護管理法の施行状況について

  ①犬・猫のマイクロチップ(MC)装着等に関する状況

  ②「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」の改訂

  ③動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会

  ④人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト モデル事業報告会

  ⑤犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見について(追記)

(3)動物愛護管理をめぐる主な課題への対応について

(4)その他

  ①成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の概要

  ②一般社団法人全国ペット協会による調査

5.配付資料

資料1  愛玩動物用飼料の規格の改正について
資料2-1 犬・猫のマイクロチップ(MC)装着等に関する状況
資料2-2 「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」の改訂
資料2-3 動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会
資料2-4 人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト モデル事業報告会
資料2-5 犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見について(追記)
資料3-1 動物愛護管理をめぐる主な課題への対応について(論点整理(案))
資料3-2  動物愛護管理をめぐる主な課題(資料集 その2)
資料4-1 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の概要
資料4-2  一般社団法人全国ペット協会による調査(犬・猫などの販売・流通に関するアンケート)

6.議事

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、第47回中央環境審議会動物愛護部会を開催させていただきます。

 本日は、当該部会の委員、臨時委員17名のうち、15名の出席をいただいておりますので、規定の定足数を満たしており、本会は成立しております。

 続いて、配付資料の確認をさせていただきます。お手元の2枚目の裏側に配付資料一覧を記載しております。読み上げでさせていただきたいと思います。

 まず、資料1、愛玩動物用飼料の規格の改正について。

 それから、資料2-1、犬・猫のマイクロチップ装着等に関する状況。資料2-2、災害時におけるペットの救護対策ガイドラインの改訂。資料2-3、動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会。資料2-4、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトモデル事業報告会。資料2-5、犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見について(追記)。

 議事の3関係でございます。資料3-1、動物愛護管理をめぐる主な課題への対応について(論点整理(案))。資料3-2、動物愛護管理をめぐる主な課題(資料集その2)。

 議事の四つ目でございますが、資料4-1、成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の概要。資料4-2、一般社団法人全国ペット協会による調査(犬・猫などの販売・流通に関するアンケート)。

資料については以上でございます。

 なお、本部会の資料及び議事録は、後日、環境省のホームページにおいて公表されますことをお申し添えます。

 それでは、開会に当たり、局長の亀澤よりご挨拶を申し上げます。

【亀澤自然環境局長】 大変お世話になっております。本日はまた年度末のお忙しいところ、動物愛護部会にご出席いただきまして大変ありがとうございます。

 本日、議事として大きく三つ予定をしております。

 1点目は、いわゆるペットフード安全法に基づく成分規格の改正に関する諮問の関係でございます。

 これについては、今後、ペットフード小委員会において農林水産省の審議会と合同で審議いただくことを考えておりまして、本日はその進め方についてご説明いたします。

 2点目として、動物愛護管理法の施行状況についてご報告するとともに、3点目の「動物愛護管理をめぐる主な課題への対応について」につきましては、法のほうの施行状況も踏まえつつ、これまでの部会でご議論いただいた内容、さらには今年度、地方自治体に対して行った法の施行状況に関する調査などを踏まえまして、事務局にて改めて論点を整理しております。

 この主な課題については、いずれ法に基づく基本方針の改正をする際に活用していきたいと考えておりますが、本日はお気づきの点等についてご助言をいただければというふうに思っております。

 主な議題は以上でございます。

 本日も限られた時間ではございますが、忌憚のないご意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、この後の議事進行につきましては、新美部会長にお願いしたいと思います。

【新美部会長】 それでは、皆さん、こんにちは。

 今日は、先ほど局長からありましたように、議事次第を見ていただいてもわかりますように、内容が非常に豊富と申しますか、密になっておりますので、時間も4時半までということで、かなり時間をとっておりますので、ぜひ充実したご議論をしていただきたいというふうに思っております。

 それでは、これから本件の議題に順次入っていきますけれども、第一の諮問案件といたしまして、愛玩動物用飼料の規格の改正について、事務局から説明をお願いいたします。

 よろしくお願いします。

【事務局】 事務局より説明させていただきます。

 資料1をご覧ください。おめくりいただきまして、1ページをご覧ください。

 こちらが、環境大臣のほうから中央環境審議会会長に出している諮問書でございます。愛玩動物用飼料の規格の改正についてということでございます。

 愛玩動物用飼料の安全性の確保に関する法律、いわゆるペットフード安全法と言われるんですけども、ペットフード安全法につきましては環境省と農林水産省、2省庁が所管している法律でございます。

 今般、ヒ素について成分規格を改正する方向になりましたので、諮問させていただいた次第です。

続きまして、3ページをご覧ください。

 2ページにつきましては後でご説明させていただきます。

 今回のペットフード中のヒ素の基準値の見直しの概要でございます。皆様ご承知のとおりかもしれません。ヒ素につきましては有害なものであり、特に有機ヒ素に比べて無機ヒ素は毒性が高いということが言われております。また、魚、魚介類に非常にヒ素というものは含まれる可能性が高く、魚介類で0.5から10%程度という報告がございます。

 また、犬・猫が高濃度のヒ素を含有するペットフードを食べ続けることによって嘔吐や下痢等の症状を引き起こす可能性があるということが言われております。

 現行は、実はペットフード中に総ヒ素という形では基準がございまして、15mg/kgという形で設定しております。平成26年に農林水産省の農業資材審議会飼料分科会飼料安全部会におきまして、無機ヒ素、有機ヒ素に比べて無機ヒ素のほうが毒性が高いということがございますので、無機ヒ素の分析法が普及した段階で、今は総ヒ素でございますけれども、無機ヒ素の基準を検討する方針が必要であるということを言われておりました。

 今般、検査機関であります独立行政法人農林水産商品安全技術センターにおいて、ペットフード中の無機ヒ素の分析方法の策定にめどが立ちました。これを受けて、ペットフード中の無機ヒ素の基準値設定につきまして、現行規制、総ヒ素の基準の扱いも含めて検討していくということで、今現在、農林水産省の部会にて検討しているところでございます。

 今後、この農林水産省の部会で検討が終了次第、中央環境審議会動物愛護部会ペットフード小委員会の開催を予定しております。

過去から、このペットフード小委員会は、農林水産省の農業資材審議会飼料分科会との合同開催でずっと実施しております。本会につきましても、過去5回と同様、農林水産省、環境省同時に開催したいと思っております。

 2ページにお戻りください。

 ペットフード小委員会の設置についてという紙がございます。こちらはペットフード小委員会について定めている事項でございます。

 3番、4番をご覧ください。3番、部会に設置する小委員会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、動物愛護部会の部会長が指名するということになっております。また4番、ペットフード小委員会の決議は、部会長の同意を得て動物愛護部会の決議とすることができるということになっております。

 ページが飛んで申しわけございません。4ページをご覧ください。

 こちらが今後のスケジュールでございます。現在、丸で括らせていただいているところが本日、お話しさせていただいている中央環境審議会の諮問事項でございます。今後、合同会議でペットフード小委員会と農林水産省の分科会を開催させていただきまして、パブリックコメント及びSPS通報、これを行いまして、基準・規格の設定・改正を行っていくことになっていく予定でございます。

現在、農林水産省の部会で審議はまだ続いているところでございます。ペットフード小委員会の開催につきましては、その部会の動向を見ながら進めていきたいと思っております。以上でございます。

【新美部会長】 どうも、説明ありがとうございます。

 それでは、ただいまの説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

 無機ヒ素についての測定方法が確立するという段階になってきましたので、それを受けて小委員会を立ち上げたいという諮問でございますが、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。

 それでは、ただいま事務局から説明のあったとおり、今後、ペットフード中のヒ素の基準が見直されるという予定の中で、本部会の小委員会としてペットフード小委員会を設置するということで事を進めてまいりたいと思います。

 先ほどありましたように、小委員会の設置に当たりましては、部会長が委員の指名及び決議を行うということになっておりますので、この人選等につきましては事務局と私とで相談しながら進めてまいりたいと存じますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、今、申し上げましたような形で手続を進めてまいりたいと思います。

 それでは、続きまして、次の議題の動物愛護管理法の施行状況について、事務局より、まとめて説明をお願いしたいと思います。

 よろしくお願いします。

【事務局】 事務局よりご説明させていただきます。

 資料2-1から資料2-5までございまして、資料2-1、マイクロチップの件と資料2-5、こちら、いわゆる幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見につきましては、法律の附則第7条、第14条に基づいて施行状況を検討調査しているものでございます。

 また、資料2-2から2-4につきましては、先ほど局長の挨拶にもございました環境大臣告示の基本指針に基づきまして調査等を行っているものでございます。

 それでは、資料2-1からご説明させていただきます。1ページをご覧ください。

 犬・猫のマイクロチップ装着等に関する状況①というものでございます。

 こちらは、後ほどご説明しますけれども、「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」というプロジェクトの中で、マイクロチップ等所有明示の推進事業実施自治体が5自治体ございます。この5自治体からヒアリングした状況を書かせていただいているものでございます。いわゆるマイクロチップに関する先進的な意見、5自治体からのご意見でございます。

 自治体での普及啓発方法、課題、あとは仮に販売用に供される犬・猫にマイクロチップ装着が義務化された場合、その他意見ということで書かせていただいております。簡単にご紹介させていただきます。

 まず、この5自治体、自治体におけるマイクロチップ装着の普及啓発方法としましては、イベントや講演の際にマイクロチップ普及啓発のリーフレットを配布したり、もしくは地元の獣医師会と連携しながらマイクロチップの装着を普及啓発しているということを聞いております。

 じゃあ、今、どういう問題があるかというところで、右側をご覧ください。

 飼育者、動物病院の獣医師のまずマイクロチップに対する理解不足というものがあるということを指摘いただいています。

 また、マイクロチップ装着した後における登録団体、前回、資料でお示ししましたとおり、3団体ございますけれども、3団体への未登録、所有者変更等の未手続の飼い主等々が多いということを指摘いただいています。

 また、厚生労働省の法律でございますけれども、狂犬病予防法という法律に規定されている犬の登録制度とこのマイクロチップにつきまして、二重化、二つの責務が重なるというような形が懸念されるということが言われてございます。

 下をご覧ください。仮に販売の用に供される犬・猫にマイクロチップ装着が義務化された場合、自治体としてはどうしますかというところでございます。

 実際に、施設を調査する段階で、装着に関する書類の確認及びマイクロチップを読み取るリーダーというものがございまして、そのリーダーを持ち込んで読み取り確認を行うことになるだろうということを想定しております。

 ただ一方、犬・猫にリーダーを当てて、マイクロチップが装着していないというような状況が確認されたとしても、現行の書き方だと販売時までには装着するという言い逃れができてしまう可能性があるという指摘もいただいております。

 また、昨今、さまざまな新聞記事であったり、いろいろな報道で言われていますとおり、動物取扱業者の遺棄と考えられる事案というのも実情は不明ですが非常に多いというふうに言われております。そのため、販売する犬・猫だけではなくて、繁殖される犬・猫、いわゆる販売はしないけれども、どんどん、どんどん繁殖していく犬・猫についてもマイクロチップの装着を義務づけしていく検討が必要ではないかという意見もいただいております。

 その他の意見としましては、業者にマイクロチップ装着を義務づけする場合には、どの段階、ブリーダーの出荷時がいいのか、店頭で展示するときがいいのか、飼い主に引き渡すときがいいのか、そういうことを考えて、どの段階で挿入するのかを規定してほしいということを言われております。

 また、マイクロチップが実際に入っていて情報が登録されていない、もしくは情報が更新されていないということで、所有者が不明な犬・猫がいる場合についての対処方法、いわゆる所有権の問題等々であると思いますけれども、この対処方法についても一定の方向性を示してほしいという意見がございました。

 こちらが自治体からのヒアリング内容でございます。

 1枚おめくりください。2ページ目でございます。

 2ページ目は、3月に、今度は海外におけるマイクロチップの法規制につきまして有識者の先生からヒアリングした情報でございます。4カ国、イギリス、フランス、オーストリア、スイスと書かせていただいております。

 特徴的なのはフランスでございまして、イギリス、オーストリア、スイスは登録の対象範囲が全ての犬となっているところ、フランスにつきましては猫についても登録対象範囲となっているものでございます。

 また、今度はイギリスとイギリス以外を見ていただくと、規制の目的というところが分かれております。イギリスにつきましては、トレーサビリティ増進による動物福祉の改善、責任あるドッグオーナーシップの改善というのを目的としております。フランス、オーストリア、スイスにつきましては、行方不明の動物の捜索、所有者不明の動物の所有者発見というところをそれぞれ二つ大きな柱として目的としているところでございます。

 このような形でイギリス、フランス、オーストリア、スイスというところでさまざまなマイクロチップに関する法規制をしているところでございます。

 詳細につきましては時間の都合上、ご説明できませんけれども、ご参考いただければと思います。

 3ページをご覧ください。

 続きまして、今度は災害ガイドラインのお話をさせていただきたいと思います。災害時におけるペットの救護対策ガイドライン改訂等に係る検討会というものがございます。

 こちらも、前回、前々回の審議会でもお話させていただきましたけれども、3ページの中ほど、検討会スケジュールと書いてある枠囲みの一番下をご覧ください。平成30年2月に、環境省のほうで人とペットの災害対策ガイドライン、こちらを策定させていただきました。

 次のページをおめくりください。4ページをご覧ください。

 ガイドラインの改訂の主なポイントにつきまして、簡潔ではございますが、ご説明させていただきます。

 今まで、ガイドラインにつきましては「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」という名前でございました。こちらの名前を「人とペットの災害対策ガイドライン」というような形で変更させていただいております。

 基本的には、災害時にまず救うべき対象は人であるということをきちっとした上で、このガイドラインの内容は災害時にも被災者がペットを適切に飼養できるように支援するものという位置づけをもとにタイトルを変更させていただきました。

 2番目です。災害時の対応は飼い主による自助が基本。

 これは、基本的に、なかなか行政でペットに対する公的支援というのは初期は難しい。ずっと時間がたった中でも飼い主が求める100%の支援というのは難しい。まずは自助が基本。自分が飼っているペットについては、ちゃんと自分で責任を持って災害が起こっても飼えるようにしておくということが必要ですよということを明記させていただいております。

 3番目でございます。自治体等が行う災害時のペット対策の意義ということで、災害時に行政機関が行うペットの対策は、被災者である飼い主を救護する観点から、被災者がペットを適切に飼養管理できるように支援するものですということを書かせていただいております。

 5ページ目をご覧ください。

 このガイドラインのペットの対象はどこまでかというお話をいただいておりまして、今回につきまして、災害時に救護対象とするペットの範囲をあらかじめ明確にしておくことが必要ということで書かせていただいております。

 ガイドライン本文には、犬・猫及び小動物についてはこのガイドラインに従ってやっていただくというような形で書いてございます。ですから、もうご承知のとおりかもしれません。特定動物であったりとか、ほかの大きな動物であったり、そういうものにつきましては対象外ということになってございます。

 5番目でございます。同行避難の考え方の再整理ということで、「同行避難」、言葉だけを読むと、じゃあ、一緒に避難をして一緒に生活できるのかというふうに思ってしまうかもしれませんけれども、避難所等において人とペットが同居することを意味するものではありません。同行避難という言葉はそういうものではございませんということを改めて書かせていただきました。

 6番目は広域支援体制の整備、受援の準備ということで、万が一、ある県で震災が起こって、県庁等、実際に指揮管理をする機関が動けないといったときには、周りの自治体等々でフォローしながら行っていく等々、広域支援というのが必要ですよということを書かせていただいております。

 6ページをご覧ください。7番目、最後でございます。

 現地救護本部の事前立ち上げということでございまして、実際に現地救護本部というものも震災が起こったときにはすぐ立ち上げるようにしてほしいと環境省は常々言っておりましたけれども、これにつきましても事前立ち上げを含めていろんな形でスムーズに立ち上げができるようにというようなことで、事前の準備が必要ですよということを書かせていただいております。

 下のほうをご覧いただくと、平成30年2月25日に人とペットの災害対策シンポジウムというのをイイノホールで行わせていただきました。いわゆるガイドラインの周知及び人とペットの災害対策を国民の皆様に広く知っていただくというシンポジウムでございます。

 結論としましては、一般市民、自治体職員、NGO等、約300名の方にご参加いただきました。今月中には、こちらの概要につきましても環境省ホームページに載りますので、ご覧いただければと思っております。

【事務局】 続きまして、動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会についてご説明させていただきます。資料2-3でございます。

 まず、この検討会の趣旨といたしましては、そこに記載させていただいていますように、動物取扱業に係る飼養管理に関する基準及び遵守基準について、汎用性の高い定性的な基準として動物取扱業者が確保すべき飼養のあり方というものが示されておりますが、近年、その円滑な運用に資するためにガイドライン等の作成や数値の設定などによる明確化を図っていくことがいろいろ求められているところです。

 それで、科学的知見に基づいた基準やガイドラインのあり方について、専門的な見地から検討を行いたいということで、今回、検討会を立ち上げて開催させていただきました。

 ご出席の武内委員に座長をお願いいたしまして、以下のメンバーで第1回の検討会を開催させていただきました。

 議事につきましては、動物取扱業に係る動物の飼養管理方法等の制度の概要について。それから今後の検討の進め方ということで開催いたしました。

 裏面、8ページをご覧ください。

 検討の視点といたしましては、動物取扱業者や自治体職員が理解しやすいように、業種、業態、生物種の多様性に応じ、現行基準の細分化、明確化を行うこと、基準の内容をわかりやすく示した資料(図解を盛り込んだガイドライン等)が必要との指摘がございます。

 ちょっと前になりますが、平成23年の動物愛護管理のあり方報告書においては、そのような数値基準は可能な限り科学的根拠に基づく現状より細かい規制の導入が必要であって、そのためには専門的な知識を持つ有識者で構成される委員会において議論すべきという指摘もされているところでございます。

 それから、現行基準の細分化、明確化につきましては、動物園のようなところから、犬のブリーダーや猫カフェなど、業態、業種、あるいは生物種が大きく異なる業に同じ基準を適用するということが妥当かということとか、数値基準については、設定することが適正飼養の確保につながるか。例えば、飼養の施設の基準だけを示した場合に、動物の健康安全の確保の観点がおろそかになるのではないかというようなことを懸念されているところでございます。

 こういうことを視点といたしまして、検討会で出された主な意見としまして、動物愛護管理法は基本的には自治事務であるため、国が詳細を定めることで生じる弊害についてもきっちり配慮すべき必要があるとか、現場のニーズなどをきっちり把握した上で、実効性のある基準とすること。自治体に裁量を持たせるなら、自治体職員に一定の知識・技術を持つよう担保することが前提である。一方、科学的根拠があるなら全国一律の基準を設定してもよいのでは。それから、海外の基準・知見を十分情報収集し、進めるということとか、産業動物では「アニマルベースメジャー」という基本的な考え方があって、ある程度、その他、そのような動物種についても研究の蓄積がある。

 対象とする生物種は多様だが、まずは飼養頭数が多い犬・猫から始めてはということ。爬虫類については、買ったときにすごい小さくても、かなり大きくなる。それから、飼養者が生きている間まで飼えるかどうかというのもいろいろ問題もあるし、獣医学的・疫学的な知見がなかなかないというようなこととかがいろいろ出されたところでございます。

 この検討会については、引き続き来年度以降も続けて開催をさせていただきたいというふうに考えております。

 次、資料の2-4でございます。人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト、モデル事業報告会ということで、参考の裏を見ていただきます。

 平成26年6月に、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトアクションプランというものをつくりまして、殺処分もできるだけ減らすということを念頭に取り組みを進めてきたところでございます。

 表に戻っていただきまして、そういう目的のもとにモデル事業として所有者不明の犬・猫対策、広域譲渡などの譲渡の推進、それからマイクロチップ等の所有明示、それから普及啓発教育活動ということで、19自治体、24事例について、環境省のほうでお願いをしてモデル事業をしていただきました。

 それにつきまして、今日、ご出席の打越委員、金谷委員、水越委員、山口委員にも参加いただきまして、モデル事業報告会を開催させていただきました。

 報告会では、全体的にはこういう各自治体の事業というのはそれぞれの自治体がなかなか知り得ないということで、そういう事業を共有したというのが非常に大きな成果ということは自治体から言われたところでございます。

 今後、モデル事業の事例集は本年度中に公表させていただいた上で、これらのモデル事業の結果を踏まえて30年度以降、ガイドラインを作成し、全国の自治会に配布をしていく予定とさせていただいております。以上です。

【事務局】 続きまして、11ページ、資料2-5になります。

 犬猫幼齢動物の販売日齢に関する科学的知見について、前回の部会資料1-5で、追加で集めた科学的知見のタイトルだけをお伝えしていましたが、要約をつけさせていただきましたので、改めてご報告をさせていただきます。前回、追加した六つの論文について要約をつけております。

 一つ目が、譲渡時の年齢が成犬の攻撃及び回避行動の発生に及ぼす影響について、要約、仮ですけれども、フィンランドで、家庭環境で母犬とともに飼育された犬、およそ3,700頭について、譲渡された日齢(6から7週、8週、9から12週、13から16週)と譲渡先での攻撃及び回避行動の関係性をインターネットでアンケート調査をした結果、8週齢を過ぎてから譲渡された犬が問題行動を示す頻度は、8週齢または8週齢未満(6から7週)で譲渡された犬よりも高いことが示されたという内容になっております。

 この論文の中にグラフがついていまして、六つの論文の中で唯一、6、7週と8週を直接比較しているグラフがありましたが、6、7週のほうが攻撃性が高かったり、逆に8週のほうが高かったりとまちまちな結果になっていました。

 そういった結果も踏まえて、この論文の結論としては家庭環境で育てられた子犬を譲渡するのに最も適切な週齢は8週以内であるという結論になっております。

 続きまして、二つ目。

 二つの異なる年齢で同胎犬から分離された犬の飼い主による報告された行動の発生率について、こちらはイタリアの動物病院を通じて集めた140頭の犬、30から40日齢で引き離された犬70頭と60日齢で引き離された70頭について、電話で調査をしています。30から40日齢の個体群のほうが60日齢の個体群より問題行動を示す割合が高かったことと、30から40日齢でペットショップから購入された犬は60日齢でペットショップから購入された犬よりも問題行動の一部の割合が高かったことから、結論としては、母犬と同胎犬からの早期分離は、特にペットショップでの飼育と組み合わされた場合に、子犬が後年に新しい環境条件や社会的関係に順応する能力に影響する可能性があるという結論になっております。

 続きまして、早期に分離された子犬及び子猫の心的外傷と放棄への介入について、こちらは新しい神経生物学的知見、具体的には専門用語でグルココルチコイドに関する知見と、母犬からの引き離し日齢が5~6週と、8週で比較した場合、5~6週のほうが問題行動が大きかったという、論文を引用してきて、少なくとも8週齢まで子犬は母犬の家で同胎犬と一緒に飼育され、母犬に接触できることを義務づけるべきであるという結論になっております。

 12ページに行きまして、ペットショップを通じて販売され、または商業的な繁殖施設で生まれた犬への行動的・心理的効果について、これも直接調べたのではなくて、公表されている七つの研究データをまとめて結論を得ているものです。

 この七つの論文でそれぞれ調査された犬では、特に非商業目的のブリーダーからの犬と比較して、青年期のさまざまな望ましくない行動の頻度が高いことが示唆されている。この主な要因としては、遺伝的要因、発達早期の刺激剥奪、ストレス、早期離乳及び母子分離、また輸送及びペットショップの関連要因、犬の知識や経験不足等が関連として考えられるということが述べられております。

 五つ目です。スペインにおける犬の家族に対する攻撃行動ということで、こちらはスペインの動物病院において、家族に対する攻撃行動が認められた犬43頭と、過去に攻撃行動を示していない犬50頭を比較したところ、譲渡時の年齢が0から7週齢と7から12週齢と12週齢で比較していますけれども、7週齢以前に引き取られた犬のほうが家族に対する攻撃行動を示す割合が高かったという結論になっております。

 最後に、猫についてです。

 早期離乳による猫の攻撃性及び常同行動の増加について、こちらはフィンランドで猫およそ5,700頭について、離乳日齢、8週未満、8から9週、10から11週、12から13週、14から15週、16週から1歳、成猫になってから、全く離乳していないというふうに分類しまして、問題行動の関係性をインターネットでアンケート調査しております。

 その結論としては、早期離乳(12週未満)の猫は攻撃性を示す傾向にあること、また14週以降の猫のほうが攻撃行動や常同行動を示す割合が小さかったことが見出されたことから、早期離乳(12週未満)が猫の行動に悪影響を及ぼす可能性があることが示されたという結論になっております。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございました。

 それでは、事務局から資料2-1から2-5にわたってご説明をいただきました。以上の説明につきまして、ご意見、ご質問ございましたらご発言をお願いします。

 じゃあ、よろしくお願いします。 

【脇田臨時委員】 それでは、2-1の資料の犬・猫のマイクロチップの装着につきまして、飼い主が最終、マイクロチップの管理をすると思うんですけど、第一に、飼い主にとってメリットがあるかどうかということが義務化に難しいんじゃないかと考えています。

 最終的に、飼い主さんが費用負担も登録とかもしなければいけないということで考えると、飼い主負担の費用が大きいのではないかということも考えられると思います。

 マイクロチップで記録を残しておくことは重要なことだと思って、私どものほうも、そういう記録を残していくことに異論ということではないですけれども、もともと業のトレーサビリティの確保のためにマイクロチップを用いていくということに対して、十分、どういった目的に対してマイクロチップを装着し、登録するかというところが、し尽くされているのではまだないような状況を感じます。

 犬・猫を扱う中で、最近は小さい犬・猫が多いので、余り早く小さい犬・猫に装着するということが適当がどうかというのも考える。

 装着する時期というのは、適切な大きさになって、譲渡していく最終的で言えば50日、60日とかでマイクロチップを挿入し、狂犬病とあわせていくのであれば、一度に登録も管理もできるではないかと考えております。

 あと、いろいろな資料を読ませていただくと、情報をマイクロチップに入れていくということは、記録的には大事なことだとは考えるんですけど、入れることによって誰が登録し、管理していくかということをしっかりしていかないと、情報が漏えいしてしまう。個人情報まで漏えいしていく可能性があるということも懸念されるということを考えております。以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。今の点について、何かコメントございますか。

【事務局】 ありがとうございます。おっしゃるとおりで、飼い主へのメリットにつきましては、ここには直接書きませんでしたけれども、メリットがない限りはなかなか普及は難しいんじゃないか。おっしゃるとおりだと思います。こちらにつきましてもきちっと検討はしていく余地があるのかなというふうに思っています。費用負担につきましてもおっしゃるとおり、メリットがないとなかなか払えないというような意見も一般飼い主の方、前回、一般飼養者あてのアンケート結果を示させていただいたのにもあったと思うんですけれども検討していく必要はあると思います。

 あと、目的につきましては、今後、法的義務化、もちろん議員立法でやっていくという中でどうなっていくかわかりませんけれども、立法されること、目的がございますので、そちらにつきましても議員立法、状況を見ながら、適切に対応していきたいというふうに思っております。

犬・猫への装着時期や狂犬病予防法との二重化の件、こちらは自治体のほうからも課題ということで挙がっていました。また、情報の管理につきましても適切に今後、対応していきたいと思っております。以上でございます。

【新美部会長】 ありがとうございます。じゃあ、どうぞ。

 木村委員、お願いします。

【木村臨時委員】 マイクロチップの件で発言させていただきます。マイクロチップが飼育動物の所有者を明示する上で有用なことは皆さんご存じのことと思います。

 それから、動物の愛護福祉の社会啓発については動物の愛護及び管理に関する法律が制定されて以来、国や地方行政も努力してきた中、動物の愛護・福祉の考え方が国民に理解されてきている社会状況であると思います。

 しかし、一部には動物虐待もあり、不適切な飼育等がより目立ち問題になっています。不適切な動物飼育を行政が指導していく上でマイクロチップは有力な証拠になり有用なものと思います。動物行政における社会的な損失、失費を考えたとき、マイクロチップで管理していれば行政指導も的確にできるという事例が非常に多いと思います。

 それから、家庭で犬猫などを飼っている方にとってマイクロチップにより所有者の明示が出来ることは災害時についても、また、今、室内飼育が多くなってきましたことを考えても、家を飛び出してしまった犬・猫が飼い主のところに返還されることを考えても非常に有用だと思います。マイクロチップの装着について、以前、私は繁殖・販売、それから猟犬と介助犬等には義務化するべきと発言しましたが、今の社会状況を考えますと、飼育される全ての動物に対してマイクロチップの装着と登録を義務化するべきと思います。

 1年以内に装着、登録でなく、例えば動物愛護管理法の改正のように5年を目標として全頭の装着と登録を達成していく法改正が必要であると考えております。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。ほかに。どうぞ、山崎委員。

【山崎臨時委員】 皆さん、マイクロチップ装着に関連してちょっと犬よりも犬の飼い主として疑問を提示させていただきたいと思うんですが、飼い主としては、実は私、マイクロチップを入れておりません。畜犬登録で鑑札はいただいております。

 飼い主として一番関心があるのは、現状における普及に向けた課題というところの、狂犬病予防法に規定されている犬の登録制度との二重化。

 つまり、厚生労働省と環境省の法律の間でのすり合わせというのは今、実際にどれぐらい進行しているのか。果たしてそれが実現する可能性はあるのか。それとも義務化をされたら私は犬の飼い主として畜犬登録で鑑札をいただき、またマイクロチップを入れるという二重の作業をしなければいけないのか。その辺をはっきりさせないと、多分、多くの飼い主さんは納得しないと思うのです。そのあたりはどうなっているんでしょうか。

【則久動物愛護管理室長】 ご承知のように、前回の改正での大きな宿題が幼齢規制とマイクロチップでして、まさに議員立法で国会のほうの各議連等でご議論いただいているところなので、なかなか我々のほうで、どうなりますということが申し上げにくい状況ではあるんですが、そういった場合に、環境省と一緒に厚生労働省も呼ばれておりますので、必然的に必要な調整はしていくことになろうかと思います。

【新美部会長】 ほかにございませんでしょうか。

 私も見ていて、二重化というのは、法の目的が違えば、あって当然じゃないかと思うんですね。

 ですから、我々人間でも、生まれたら出生届をするし、いろんなことをやれば登録というのはやるわけですね。ですから、それを一本化しなきゃいけないというご要望はわかるけれども、一本化することによってそれだけメリットがあってどれだけコストがかかるのか。そういうことも少し考えていく必要があるんじゃないかというふうに思います。

 これは議員立法をする際に、多分そういった議論もなされるだろうと思いますので。二重化、二重化というのは、一方では、一本化できればいいと思いますけども、法の目的が違うということも押さえておく必要があるだろうと思います。

 ほかに、どうぞ、ご意見ございましたら。どうぞ。

【浅野臨時委員】 目的なんですけれども、狂犬病予防法のほうは、どこに犬がいるかというのを把握する、狂犬病発生時とかに。そういう目的で登録しなきゃいけないわけですけれども、今度、マイクロチップの場合に、まさにイギリス型にするのかフランス型にするのかという、つまり、迷子の犬・猫を飼い主に戻すというのを目的にするのか、それではなく、被害犬とか加害犬の飼い主を特定するというトレーサビリティや、イギリスのドッグオーナーシップの飼い主責任ということだと思うんですけども、そちらにもってくるのかによって違うのかなというふうに感じました。

 そういう意味で、先ほど脇田委員もおっしゃっていたマイクロチップを入れる目的についての議論がされていないというのは、まさにそう思うんです。

 私は、ここでする議論なのか、別の委員会にされているのか、それはわからないんですけど、もし、していなくて、ここでするんであれば、本来の狂犬病予防法と目的を変えるのか、効率を考えて重なる部分があるなら一緒にすり合わせをしてもらえるように頑張っていただくかということだと思うんですね。

 迷子の犬・猫というところはいいと思うんですけど、問題は、だからイギリス型にしていいのかどうかということなのかしらと思うんですが、いかがでしょうか。

【新美部会長】 どうぞ。事務局から何か。

【則久動物愛護管理室長】 実はその辺を全部含めて目的をどうするか。多分、いろんな目的の捉え方があるのと、それによって社会的な公益の程度も変わってくる。

 当然、それを達成しようとすると装着の範囲、流通しているものだけなのか、それとも全てなのかという、いろんなものの組み合わせが変わってまいりますので、そこについては、国会の先生方のほうでご議論いただくのかなと思っております。

【新美部会長】 今、ペット法学会でも議論して、マイクロチップの目的をどうするかということの議論があるんですが、これは学会の共通認識ではなくて、法律家としての議論ということでまいりますと、イギリス型もフランス型も実は大差ない。

 所有者であるということを明らかにするのが登録制度であって、あるいは飼い主が誰であるかを明らかにするのであって、飼い主であれば権利の主張もできるし義務の負担もある。それをコインの裏表で議論しているだけなんですね。

 これはちょうど、我々が不動産を持っているときに、この不動産所有者は私であるというのと、不動産の欠陥で事故が起きたら不動産の所有者が責任を持つ。両面があるわけですね。登録制度というのはそういうものだという理解ですので、イギリス型もフランス型もものの言い方がちょっと違うだけで、プラスマイナス両面がある。

 所有者登録というのは非常に大きな効用がある。あるいは、効用というのは権利の主張ができるということと義務は誰が負担するのかということを明らかにする。そういう効能があるということで、登録制度というものが実施されているということです。

 あとほかに、ご意見、ご質問は。

 今、マイクロチップのほうに集中しましたが、ほかのところでも結構ですけど、どうぞ、ご質問、ご意見があればお願いいたします。

 よろしいでしょうか。この問題は前回の施行状況のフォローということですので、また問題があれば、その都度ご意見等を賜ればと思いますので、この議題についてはこれぐらいにさせていただきます。

 それでは、引き続き、これは動物愛護管理行政の主な課題ということで、事務局から説明をお願いいたします。

【則久動物愛護管理室長】 では、3の資料のほうをご覧ください。

 委員の皆さんに事前にお送りしておりますが、結構分量がございます。若干、予定より早く進んでおりますので、丁寧にご説明させていただきたいと思います。

 論点整理(案)と書いておりますが、第44回、第45回、それから前回も若干ご議論いただいたかと思いますけども、動物愛護管理をめぐる主な課題ということで、ちょうど1年前に五つほど論点を掲げさせていただきまして、テーマですね、それについていろいろご意見いただいたものを、その後の自治体の施行状況調査の結果等を含めてまとめることを試みたものでございます。

 この結果につきましては、今後の法制度改正に当たって参考として話題提供を求められればそこで行っていくということと、それから、先ほど局長の挨拶にもございましたが、30年度が動物愛護管理基本指針、つまり、今後の10カ年の動物愛護管理行政の一番基本となる計画をつくるという年の、改訂の年に当たります。

 これは、もちろん法改正作業が入るといろいろスケジュールは変わることもあろうかと思いますが、一応、そこへの反映を想定し、またそれに関連していろんな基準、告示、あるいはガイドライン策定等に当たっての参考として活用していくということを想定しております。

 この整理に当たりましては、従前、個々の課題で取り上げて、それについていろいろご意見をいただいたんですけども、最後のほうには、人と動物が共生する社会の実現を目指すという大きなテーマがあることも鑑みますと、個々の課題は何かを議論していくだけではなくて、現状を概観する。概観といいますと全体の大体の様子を見る、ざっと見渡すという意味になるかと思いますので、実際はこれに当たらないケース、例外もたくさんあるかと思いますし、これでは違うんじゃないかとご指摘もあろうかと思いますが、大まかに見ると、大体こういうことではないかという概観をした上で、その中で全体像を俯瞰して優先的に取り組んでいくべきことを洗い出していってはどうかというふうに考えました。

 ご承知のように、国とか自治体のリソース、予算と人員には限りがございます。動物愛護管理行政は、非常に多岐にわたる課題をご指摘いただきまして、それらに対して取り組むべきだというご意見が多々ございますけども、地域によって状況も大きく異なる面もございますので、なかなか全ての課題に対応していくのは難しい面もあろうかと思います。

 そういった中で、全体の状況を概観した上で、個々の課題について優先順位をつけながら検討していくことが必要であろうと考えます。

 また、法目的に人と動物の共生する社会の形成というのが、前回の法改正で入ったわけですが、これにつきましては当然、行政機関だけではなくて、社会を構成するあらゆる当事者、飼い主の方、動物取扱業者、業界団体、あるいは愛護団体の方々など多様な主体がそれぞれに相応の取組みを講じることが必要であろうと思っております。そういった全体の役割分担についても検討していく必要があるのかなと思っています。

 その下の枠に太い字で、ゴシックで書いているのが、まず運用体制の概観ということでございますが、動物愛護管理法は昭和48年に法律ができましたが、法制定と過去3回の改正はいずれも議員立法で行われてまいりました。その運用実態は、自治事務として自治体が行っております。これは都道府県、政令市、それから中核市となります。

 この場合、生活衛生部局内で担当するケースが多く、多くの自治体では公衆衛生獣医師の職員の方々に実務を担当していただいております。

 この法律は、当初は理念法としての性格が強くて、実務としては法施行当初から狂犬病予防法の運用と並行しまして野良犬や野良猫の発生予防の観点からの飼い主等からの犬・猫の引取りを行ってきたほか、飼い主に対する適正飼養に関する普及啓発等も実施をしてまいりました。

 平成11年の改正で取扱業に関する業務が増加しまして、三度の法改正によって動物取扱業関係の規制は各段に強化されてきております。

 また、平成17年の改正では、特定動物の飼養許可制が導入されましたし、また前回の平成24年改正では、殺処分を減らすための自治体が引き取った犬・猫の譲渡の努力義務が規定されたことに伴いまして、自治体の業務も大幅に増加してきているというふうに言えるのではないかと思います。

 今後は、投入できる行政リソースには限りがございますので、全体を俯瞰して優先順位をつけて地域の実情に応じて取り組んでいくことが重要であろうというふうに考えております。

 次は、五つのテーマでございます。飼い主責任の部分について概観プラス、それからいろんな論点についてご紹介したいと思います。

 飼い主責任の1番目、これは先ほど申し上げました法律の制定当初、これは昭和48年でございますが、適正飼養の取組みなども行ってきたということもございますけども、当時に比べますと一般の飼い主さんの動物の飼い方、飼養管理状況は大きく改善しているのではないかと考えております。

 不妊、去勢の実施ですとか室内飼育の広まり等に加えて、犬・猫に要する支出費の増大とか、ペットの平均寿命の大幅な延伸なども見られまして、現在の飼い主によるペットの飼養管理方法は法施行当初に比べると大きく改善していると言えるのではないかと思います。

一方で、動物に対する価値観の多様化ですとかライフスタイルの変化、あるいはコミュニティ、関係のかかわりの変化もございますでしょうし、生活環境の保全水準に対する期待値の向上も影響していると思われますけれども、吠え癖ですとか悪臭の問題など、犬・猫の飼養管理の部分で住民間のトラブルや議論はなくなっておりません。

 少し古くなりますけれども、平成22年の内閣府の世論調査では、動物愛護管理対策に対する要望としては、飼い主の迷惑行為に対する規制や指導を求める意見が最も多かったということが指摘されております。

 3点目は、法改正の動物虐待に対する罰則も大幅に強化されてきている。

 動物虐待に対する社会的関心も高まってきておりまして、情報化社会の進展もあって、広く情報共有、報道されやすくなってきております。社会的な反響も非常に多くなってきているところでございますけども、虐待行為そのものの絶対数がふえているのか減っているのかということについては、実はそれを把握する数字はございません。

 4点目、多頭飼育崩壊問題、これも近年、非常に関心が高まっておりまして、多くの自治体の方々にお聞きしますと、最も対処が困難な問題であるとお聞きいたします。

 5点目は、大規模災害時のペットの適正な飼養管理、ペットの同行避難、あるいは避難所での受け入れなどについては、これも社会的課題となっておりますが、人とペットの災害対策ガイドラインを検討するための会議の中での議論におきましても、災害時の人とペットの救護を円滑に進めるためには、飼い主の方々に日ごろからしつけですとかワクチン接種等の適正な飼養管理をしていただくことが非常に重要である、それが前提になるというご指摘がございました。

 6点目としましては、近年、非常に人間がペットと触れ合うことの効用、健康寿命の延伸ですとか、子供たちへの教育的な効果なども指摘されておりますけれども、一方で、高齢者の方々はペットの終生飼養の自信がないということで、飼育を自粛する傾向にあるというようなご指摘もございます。

 最後の部分でございますが、外来種の野鳥等については、原則として愛玩のための新規の飼育というのは許可にならなくなっておりますけども、その一方で、海外から輸入した野鳥ですとか、いわゆるエキゾチックアニマルの飼養というのが普及してきている。こうした動物の逸走とか遺棄による外来種問題というのが広く知られるようになってきているところでございます。

 4ページからが、個々の論点となってまいります。

 これは前回までにいろいろいただいたご意見を、事務局のほうで大きく整理しました。

 4ページは白い枠で、5ページのほうはグレーの網掛けの枠になっておりますが、いただいたご意見としては、大きなグルーピングごとに整理いたしまして、本日は時間も限られておりますので、優先的にご議論いただきたい部分を白い枠で示しております。

 まず、適正飼養と不適正飼養については、適正飼養の基本的考え方を示すべきではないかということをいただきました。

 すぐ下に参考として、法律の第7条、飼い主責任に関する規定を書いておりますが、事務局としてのご提案としては、適正飼養の最も重要な点としては、飼養する動物による人の生命・身体・財産の被害や近隣の生活環境保全に支障を生じさせないように動物をしっかり管理するということを改めて明確にしてはどうかというふうに考えております。

 いわゆる動物の愛護、つまり、動物の健康と安全の確保という観点、また、動物による人への被害の防止というのは、当初から飼い主責任として入っていたわけですけども、その後、それに加えて感染症の予防、逸走防止、それから終生飼養、繁殖制限、いろんなものが追加になってきておりますけれども、基本的なところをどう捉えるのかというのは一つの論点になろうかと思います。

 それから、第44回のときにもご意見ございますが、不適切な飼養管理の具体的な例示をしたほうがいいのではないか。また、それに対してどう対策をしていくのかというところにつきましては、不適切な飼養の内容がわかりにくいので、吠え癖や悪臭、衛生害虫の発生、毛・羽毛等の飛散など近隣の生活環境被害を生じさせる行為を具体例として明確化してはどうかと考えております。

 それから、これは委員の方のご意見にもあったかと思いますが、そういった不適切な飼養の問題、多頭飼育につきましては行政は勧告・命令を出す規定もございますけども、多頭飼育じゃない場合での不適正な飼養について、個人の飼い主の責務にとどめておいていいのかどうか。義務とするなり自治体による勧告・指導の対象にするような措置が必要じゃないかといったご意見もあったかと思います。

 これについても、その他いろいろご意見をいただいておりますけども、不適正飼養者の対応に関する自治体職員向けの対応ガイドラインの作成も必要であろうというところもご示唆いただいたところでございます。

 3点目、これは不適切な飼養というのかどうかといいますと、ちょっとレベルが違うかもしれませんが、虐待に対する評価のあり方というところで、動物虐待と遺棄罪というのは構成要件の外延が曖昧であるので、処罰範囲の明確化及び動物の健康と安全の確保の観点から、遺棄・虐待に当たる行為を可能な限り現実として明確化することは有効なのではないか。ただし、これは網羅は難しいと思います。

 ただし、動物虐待罪の保護法益は、動物愛護の気風という良俗の保護(社会法益)でございますので、ここにつきましては時代における動物観の違いにより何を虐待として処罰すべきかの可罰判断が異なってくる可能性があるんではないかなと思ったりもしております。

 めくっていただきまして、5ページのほうは、今度は多頭飼育の話になってまいります。これも前々回、たくさんご意見いただきました。

 多頭飼育崩壊につきましては、まず、未然防止をするために何をしなければいけないか。飼い主の方の知識がないというのが実際のアンケート調査でもわかっておりますが、そこに対してどういうふうに普及啓発をしていくのか。そのためには、各方面の専門家を集めての研修会とか事例研究会も必要であろう。また、届出制というのが有効なのかどうか。そこの検証も必要だとご指摘もございました。

 特に、10頭以下の規模が小さい段階での早期発見、早期解決のために飼い主に対して手放すように説得するコミュニケーションスキルこういったものを自治体の獣医師職員に得ていただくことも必要だといったご示唆もありました。

 ②は、実際に起こってしまった場合の対処方法でして、これは動物行政部局だけではなくて、人間の福祉の観点からも含めまして、非常に多岐にわたるチーム、タスクフォース的な体制をつくってやっていくことが必要ではないか。また、そういった部分でいきますと、社会福祉部局と動物行政部局の連携を進めるために国のバックアップが必要だという形になってまいります。

 ③は、こういった問題の構造につきまして、広く周知をしたほうがいいと、一般の方への普及啓発のご指摘がございました。

 (3)は飼育禁止命令とか動物の没収の観点でございます。①、②は飼育禁止措置が法的にできるようにならないのか。これは難しいのか。このあたりについてのご意見でございます。

 ③というのは、仮に飼育禁止命令ができたとしたときは、動物を受け入れる受け皿の整備が必要だろう。ただ、そこにかかるコストとか手間、これをどういうふうに合意を得ていくのかというところのご示唆もございました。

 ④は、所有権の取扱いでございまして、これは事務局の提案になっておりますけども、より適切な飼い主に早期に譲渡する、あるいは、どうしても病気等で苦しんでいるものに対して安楽殺をせざるを得ないという場合に対しての所有権をどうするのかという観点も一つあろうかと思います。

 (4)は災害時の対応でございます。

 ①は、基本は、日ごろからの適正飼養は大切ですよということで、説明は先ほどさせていただきましたけど、人とペットの災害対策ガイドラインのほうにおいて、かなり詳しく議論してまいりました。

 ②のほうが、犬・猫等の小動物以外の動物の対応でございます。特定動物につきましては、基本的に同行避難を想定しておりません。これは不可と考えております。それ以外のエキゾチックアニマル等については実はその扱いが現在、整理をされていないということになっております。

 また、災害時の学校飼育動物の取扱いについてもご指摘があったかと思います。

 (5)番、これは実は事務局のほうからの提案で、今回、新規の登場になってまいりますが、先ほど概観と申し上げた中で最近、やはりエキゾチックアニマルその他の飼育もふえてきているということもございますが、中でも危険なものとして特定動物に指定された動物の指定のあり方とか、それから現行では交雑種、特定動物同士の交雑個体ですとか特定動物と非特定動物の交雑個体については、種の単位での指定は行われているので、実は今は指定はされていないという構造になっております。このあたりを少し工夫していく余地があるのではないか。

 また、基準についても明確化していく必要があるのではないか。一部自治体では数値基準を減らしているところもございます。

 それから、大規模災害時の特定動物の取扱いについて、これをどうしていくのか。

 同行避難は不可というのを明確化にして、どうしても飼い切れない場合は責任をもってしかるべき譲渡をしていただく。もしくは安楽殺をみずからしていただくということも必要だという部分ですとか、そうなりますと、そもそも災害時の取扱いの困難さ等を鑑みると、愛玩目的の飼養をそもそも認めていていいのかどうかという部分も議論としてはあろうかと思います。

 (6)番のマイクロチップの装着義務化。これは先ほどいろいろご意見があった部分と通じるかと思います。

 最後の7番目は猟犬の話。木村委員からもご指摘ございましたけども、やはり各地の自治体に聞きましても、遺棄された猟犬というのが結構大きな問題になってきているので、これに対する何らかの手だてというのは考えていく必要があろうかと思います。

 続いて7ページをご覧ください。

 動物取扱業に求められる役割と今後のあり方で、まず、概観でございますが、1番目は過去の歴史でございます。

 ②犬・猫を新規に飼養を開始する方のうち、ペットショップとかブリーダーで購入して入手する方の割合は、犬では大体7割から8割、恐らく8割までは行っていないと思いますが、それぐらいの割合。猫は2割程度との推計がございます。残りは自家繁殖とかシェルターからの譲渡、拾得した、あるいは知人から譲り受けた等の非小売流通という形で考えておりまして、犬と猫ともに年間50万頭から60万頭が新規に飼育を開始されている。つまり、合わせますと100万頭から120万頭のうち、半分弱ぐらいがペットショップなりブリーダーから購入するという形の飼育開始になっているのではないかというふうに推定しております。

 ペットショップでございますけども、古くは子犬・子猫は余り売っていなかったとお聞きしますけども、バブル経済期以降に純血種のブーム等に対応して、犬の販売が急拡大したということなどもありまして、動物取扱業の制度が平成11年から導入されてきたというふうになっております。

 平成17年には動物取扱業は登録制度になったわけですが、一般社団法人ジャパンケネルクラブによれば、同会加盟のいわゆるホビーブリーダーの数は激減したというふうにご指摘をいただいております。ただ、動物取扱業の登録数の変化では、この影響が見られませんので、登録をする以前にやめられてしまったということなのかもしれませんけども、このあたりはもう一つ指摘をされるポイントでございます。

 5番目が、現在の販売業、ペットショップとかブリーダーの登録件数は近年、減少傾向にございます。その一方で、ペットサロン、ペットシッター、動物カフェ、老犬ホームなど、動物を取り扱うサービス業、保管、貸し出し、訓練、展示、譲受飼養業などでございますけども、こういったものは人間に対するサービス業に類似する多様な業態に展開しまして登録数は大きな伸びを示しております。

 自治体への聞き取りによりますと、第一種動物取扱業の飼養管理の水準は、平成17年の登録制の導入当初に比べますとかなりよくなってきている、本当に問題がある犬・猫販売業者も実は非常に小さくなってきているといったようなお話を伺います。

 しかしながら、多くの消費者の目に触れるペットショップに比べますと、消費者の目に触れることがないブリーダーの一部については、なお課題を抱えているというご指摘がございまして、いわゆるブリーダー崩壊が発生した場合には、例え1件であっても対応に要する自治体や動物愛護団体の負担は非常に重いものになりますし、多くの命がそこで犠牲になるということもありまして、社会的関心も非常に高いというふうになっているかと思います。

 ペットオークションにつきましては、ペットオークションがあることでブリーダーが無制限に犬・猫を繁殖させてしまう要因になるというご批判がございます。他方、オークションでの競争があることで、子犬の品質が向上したとか、あるいは参加資格を制限することで、ブリーダーの飼育環境と質の向上がもたらされているとの指摘もお聞きすることがございます。

 8番目が、平成24年の法改正によって、犬・猫販売業者からの犬・猫の引き取りを自治体が拒否できるという旨が規定されました。これによって、繁殖を終えた犬・猫について、一部の繁殖業者においては遺棄ですとか悪質な業者の譲渡が行われているといった指摘があるものの、全体の中での発生頻度等、その実態は不明でございます。これらは、ひょっとすると先ほど木村委員からお話がありました繁殖犬にマイクロチップを入れるというのも一つの手だてになるのかもしれません。

 9番目が法改正によりまして、前回の改正でございますけれども、いわゆるインターネット販売を直接規制するのではなくて、対面販売とか現物確認を義務づけたわけですが、これにつきまして、インターネットで取引した上、遠隔地の空港において説明を代行するというような業態が出てきたことによって、インターネットでの販売はむしろ増えているのではないかというご指摘もありますけれども、流通実態等、当該業態の影響については実態がはっきりしていないということがございます。

 それから、10番でございますが、これは小規模なブリーダー、いわゆる犬の繁殖の業者に対しては、海外で自主規制が厳しく行われていますとの指摘がありますけども、日本では同様の民間の任意団体の自主規制の取組みは見られないのではないかというふうに指摘をいただいているところでございます。

 11番が、いわゆるエキゾチックアニマルの販売でございますが、こうした珍しい動物の販売が拡大している。また、販売に当たっては、イベントなどでの移動販売が非常に多いということが指摘されていますけども、流通実態は不明となっております。

 展示業では、大きな動物園、公益社団法人日本動物園水族館協会に加盟させるようなところから、猫カフェやふくろうカフェ、あるいは移動式の動物ふれあいイベントなどの多様な展示業態が存在いたします。これは大きな動物園と、それ以外の展示業では分けて考える必要があるんじゃないかというご示唆もいただいております。

 13番目は、第二種の動物取扱業。

 これは自治体の都市公園などの動物の飼育と愛護団体のシェルターなど非営利のものが対象になっておりますが、急速に数はふえているんですが、全体の届出数で見ますと第一種動物取扱業の2%程度に過ぎません。

 ただ、届出制でございますので、遵守基準に不適合である場合に対しては、勧告・命令をするのですが、業務の継続を停止させることはできません。このことについて営利・非営利の違いをどう考えるのか。これもご指摘をいただくことがございます。

 14番は、自治体が動物取扱業に対して指導監督を一層適切に行えるようになるよう、自治体職員のスキルアップ、それから基準の細分化・明確化、この中には数値基準の策定も含めますけども、こういったものの検討、それから事業者に示せるガイドライン作成等が必要じゃないかという指摘がございます。

 同時に、多くの自治体から、動物取扱業の責任者の研修につきましては、毎年の研修は負担が大きいということと、責任者にとってもどうなのかという観点から、合理化・適正化の観点からの実質的には緩和のご要望などもいただいたりしております。

 取扱業に関しましては、法律による規制措置は法改正により強化されておりますけども、業界の自主的な取組みを促進し、優良な事業者を育成する。業界全体をレベルアップするための経済的手法とか情報的手法による政策が手薄ではないのかとの指摘もございます。

 わかりやすく言いますと、いわゆる「飴と鞭」というところで言いますと、飴に相当するものはなかなかないですねという部分かと思います。

 その下は大きな枠組みごとに書いておりますが、飼養管理方法に関することですが、飼養管理方法については、先ほどもご説明がございましたけども、検討会を開始しましたので、今回は説明を省略いたします。

 それから、幼齢規制についても追加でご意見をいただきましたけども、これも前回ご報告したとおりでございますので、これも今回は説明を省略いたします。

 (2)番が、先ほど申し上げた動物園とか動物触れ合い施設の展示業のあり方。

 大きな動物園につきましては、適正飼養のガイドラインの作成が必要であろうと。これは、通常の展示業、小さい規模の展示とは分けていったほうがいいというご指摘があろうかと思います。

 ②番のほうは、いわゆる動物カフェとか、いろんなふれあい系のイベントでございますが、ここは公衆衛生とか人獣共通感染症対策の観点からも厳しく見ていく必要があるのではないか。

 展示業の基準をできるだけ法律に持ち込むべきだというご指摘もございましたが、これは法律ではなくても省令とか公示でも対応できる話であるのかもしれません。

 めくっていただきまして、10ページのほうが移動販売とかネット販売でございます。

 これは、自治体のほうにもいろいろ課題のほうをお聞きしております。

 参考資料として資料3につけておりますので、ご覧いただければと思いますが、インターネット販売につきましては、代行業者の実態を調査して、違反行為が生じていないかどうかの確認が必要。

 また、移動販売につきましては、動物愛護管理法において措置すべき具体的課題の有無とか、実態についての整理が必要ではないかと思っております。

 例えば、動物を輸送することによる動物の健康・安全への負の影響への懸念なのか、それとも、販売業者と消費者とのアフターケア、消費者保護的な観点なのか、それによって、配慮すべき事項も変わってこようかと思っております。

 (4)番が、繁殖業のあり方でございまして、前回の追加のご意見で、小規模ブリーダー(ホビーブリーダー)のところに対しても、海外に比べて少し規制が厳しいのではないかとのご意見がございました。

 そうしますと、当然のごとく、通常よりも大規模なブリーダー(繁殖業者)に対しては、規模の大きさに起因する特別な課題って何かあるのかどうか、あるのであれば、それに対して手だてをしなくていいのかというところが一つポイントになってこようかと思いますし、また、当然、繁殖を引退した犬猫の終生飼養の確保ですとか、ブリーダー崩壊対策というのは、大規模になればなるほど、よりしっかりした対策が必要になろうかと思います。

 一方、ホビーブリーダーのほうは、小規模なものについて、同じ規制でしかるべきかというご意見もあったかと思いますが、一方で、海外のように小規模ブリーダーに対する自主規制が行われているのかどうか、こういった部分も一つの論点になろうかと思います。

 (5)番は、第一種動物取扱業と第二種動物取扱業。

 今、第二種動物取扱業の愛護団体の方々が、実は自治体の殺処分を減らすために貢献しているがゆえに、状況がよろしくなくても、自治体が厳しく指導できない実態があるのではないかというご指摘がございました。

 この第一種動物取扱業と第二種動物取扱業をどういうふうに取り扱っていくのかが一つの論点になってこようかと思っております。

 めくっていただいて、(6)番は、動物取扱業者と業界団体の主体的な取組みということで、冒頭で申し上げましたが、人と動物が共生する社会をつくるという新しい社会づくりを目指すのであれば、行政だけではリソースも限られておりますので、さらに業者自ら、あるいは業界団体として、しっかり取り組んでいただくべきものもあるのではないかということを書かせていただいております。

 12ページは、今度、行政機関が果たすべき役割となります。

 もう少しお時間をいただいて説明させていただきますが、行政機関の動物行政の原点は、もともと公衆衛生の確保など、どちらかというと動物の管理の観点でございました。

 昭和49年の法の施行当時から、動物の管理の観点から、犬猫の引取りを自治体に義務づけていたわけでございますが、これは狂犬病予防法に基づく捕獲数ともあわせまして、昭和49年は125万頭を引取り、うち122万頭が殺処分になっていたのが、現在(平成28年度)では、11万頭の引取りと5.6万頭の殺処分というふうに、大きく減少してきております。

 この引取り、殺処分数が大きく減少した背景としては、引取り数については、野良犬の積極的な捕獲により母集団を小さくしてきたということと、飼い主の適正飼養の水準が向上してきたということがあるのではないかと思います。

 一方、近年の殺処分率の低下については、自治体による譲渡の取組みの促進、それから、愛護団体の方々による保護とか譲渡活動の大きな寄与というのがあったと思っております。

 4点目として、平成24年の改正におきましては、終生飼養の趣旨に照らして、飼い主からの引取りの拒否ができる規定が設けられました。特に犬猫販売業者ですとか、繰り返し引取りを求める方に対しては、引取りを拒否できることになっておりますが、一方で、所有者不明の場合については、引取り拒否の規定がないんですけども、附帯決議におきまして、「駆除目的に捕獲された飼い主のいない猫の引き取りは原則として認められないが、やむを得ず引き取る際には引き取り後に譲渡の機会が得られるよう最大限努めるよう、各地方自治体を指導すること」という附帯決議が盛り込まれております。

 これを受けまして、所有者不明の猫の引取りついては、自活できないもの、つまり離乳期前の子猫等を除いて一切の引取りを拒否するケースも増えてきておりますが、こういったことにつきまして、恐らくは被害を受けている住民の方々だと思いますけども、環境省に対しても、これは法律違反ではないのかという指摘が非常に多数寄せられているところでございます。

 また、⑤番でございますが、殺処分がなくなることを目指して譲渡の促進に努める旨の規定が前回追加されておりますけども、自治体は引き取った犬猫の譲渡活動を、これに基づき、一層促進していただいております。

 これによって、一般飼い主に加えて、動物愛護団体への団体譲渡がこういった部分に寄与していただいている部分が大変大きいのですけども、その一方で、自治体によっては、殺処分が少なくなることを最優先とした結果、譲渡適性のない個体を譲渡したことによる咬傷事故ですとか、あるいは、愛護団体のシェルターが過密状態になっているなどの問題も生じているなどの指摘もございます。

 環境省では、前回の改正を受けまして、「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を立ち上げました。

 これは社会の多様な主体がそれぞれの取組を行った結果として、将来的に殺処分を行わなくてもよくなる社会を構築することを目的として実施したものですが、目標として、将来的に殺処分がなくなることを目指すということをうたったことで、「殺処分ゼロ」という言葉がひとり歩きしまして、自治体の現場でやむを得ず行っている殺処分に対しても、非常に反対する声が高まる事態を招いてしまった面もあるのではないかと思っております。

 ⑦番目としては、現在、環境省の事務提要における集計区分では、この「殺処分」というのは自治体の施設内で死亡したもの全てを含めておりますが、その中には、傷病とか、あるいは、それから非常に状態がよくなくて譲渡に出せないということで、安楽殺せざるを得なかったもの、それから、健康で性格もいいけども、引取り先がなくて処分せざるを得なかったもの、それから自然死したものなども含めた全ての統計としておりますので、これらを分けていくことが必要ではないかと考えているところでございます。

 ⑧番目のほうは海外の情報ですが、イギリスとドイツ、今回はご報告できませんでしたが、我々の職員を現場に派遣しまして調査した結果としましては、イギリス、ドイツなどにおきましては、民間団体が寄付金等の自己資金を用いて動物の保護・譲渡活動を行っている。これらの国では、野良犬と野良猫はほとんど存在せず、シェルターに収容される動物の多くは飼い主が所有放棄したものが多いということをお聞きしております。

 これに対しまして、日本の場合は、北関東とか西日本を中心に、野良犬ですとか、あるいは全国的にも野良猫の数も多くて、なかなか社会化という面では順化が困難なものも多いというのが、向こうの国々との違いとして一つ認識しなければいけない点だと思います。

 日本国内におきましては、大都市部においては、過去の捕獲の努力ですとか、それから、いろんな愛護団体の方々の協力が得られるためにうまく回っている面もあろうかと思いますけども、他方、西日本の地域では、温暖で餌も豊富なために、多くの野良犬や野良猫が生息・繁殖しやすくて、依然として自治体の収容数が多い地域がございます。

 自治体の置かれた状況が大きく異なってきている中で、大都市部と同様の動物愛護管理手法について、それ以外の地域に要求することは困難な状況も出てきているのではないかというふうに考えます。

 自治体は、動物の引取り・譲渡等の活動のほかに、実は多岐にわたる業務を行っております。例えば一般の飼い主に対する適正飼養の普及啓発や指導、多頭飼育者に対する指導・勧告・命令、それから、大きいのは動物取扱業の登録制度の運用、監視・指導も含みます。それから、特定動物の許可制、動物虐待事案への対応等々ございますけども、公衆衛生の確保など動物の管理の観点からもともと始まってきたというところからしますと、やっぱり動物の管理というのが優先すべき事項ではありますが、近年では、動物の愛護を優先する結果として、動物の管理に関する施策を十分に講じることが難しい環境に置かれる自治体もあるのではないかというような指摘もございます。

 そうした中で、自治事務として動物愛護管理行政を行っていくという観点で考えますと、引取りや譲渡のあり方も含めて、各自治体の実情に応じて、地域に根ざす住民や愛護団体のニーズやリソースを踏まえて、どういうふうに人的、物的な行政リソースを投じていくのがいいのか、各自治体ごとに検討していただくことが必要ではないかというふうになっているのではないか思います。

 論点のほうは、14ページのほうでございます。

 一つは引取りに関することでございますが、犬猫の引取りのあり方というところで書いておりますけども、②番です。所有者からの引取りの課題につきましては、引取り拒否ができまして、下の(参考)の施行規則を見ていただきますと、犬猫販売業者から引取りを求められた場合とか、繰り返し引取りを求められた場合については、拒否することができる規定がございます。

 ただし、その上に書かれておりますように、「生活環境の保全上の支障を防止するために必要と認められる場合については、この限りではない」。つまり、生活環境の保全上の支障がある場合には、引き取らなければいけないというふうになっております。そこのところが、どういう運用になっているのかというのは論点になろうかと思います。

 14ページの下の③番でございますが、一つは、前回、前々回もご指摘がございましたが、35条3項の所有者不明の犬猫の引取り規定は、遺失物法との整合性の確保が必要ではないかという観点から、遺失物法において、所有者不明の犬猫の引取りは、警察が原則として対応して、自治体と連携する旨の規定を追加する等々の措置がいいかどうか。

 これが、35条3項の廃止が難しいのであれば、拾得による持ち込みをごく限られた運用にするような手だてが必要ではないかとのご意見をいただきました。

 その一方、これは事務局からの意見になりますけども、所有者不明の犬猫の引取りを自治体が拒否できる場合というのは、実は法律上では規定されておりませんので、実際には、平成24年の先ほどの附帯決議、下のほうに書いておりますけども、これに基づいて、自治体が法律の運用として引取りを拒否する運用を行っておりますが、法律の規定と乖離した状況が生じてきてしまっていると考えます。

 自治体に対する犬猫の引取りを義務化したという当初の頃は、野良犬と野良猫が増えてしまうことによる、人の生命・身体・財産などへの被害の防止という観点でございましたので、仮に引取りを行わないで済むということであれば、地域猫活動だけではないかもしれませんけども、そういった動物がしっかり管理されていて、こういった被害を出さないように適切な措置は講じられているということが、具体的な対策として必要ではないのかと考えられます。

 めくっていただきまして、16ページが殺処分についてになります。

 殺処分ゼロ目標の考え方というところでは、先ほど概観などで申し上げましたが、全ての殺処分ゼロにするのは、なかなか厳しいだろうということは、過去の部会でも何回かご指摘をいただいております。

 三つ目のポツですけども、事務局のほうからご提案させていただいておりますけども、動物愛護管理行政事務提要の調査を通じましては、譲渡することが適切ではないというものの殺処分、それから、それ以外の殺処分、これは健康で性格もいいのに殺処分せざるを得なかったというものになりますが、それが(2)番、それから、収容後に自然に死亡したものという、この三つの分類のうち、(2)番の部分をなくしていくということが大事ではないかというふうに考えております。この辺りが、論点を整理していく必要があると思います。

 また、殺処分を避けると、収容頭数の増加とか飼養管理日数の長期化によって、収容のキャパシティを超えるときに、飼養管理の質の低下が起こるのではないかとか、地域によって大きな差があるので、全国一律に殺処分がなくなることを目指すのは実態にそぐわないなどの多くのご指摘をいただいたところでございます。

 それから、16ページの一番下のほうは、安楽殺の方法につきまして、これをもう一回真剣に考える必要があるだろうとの指摘です。

 17ページの頭のところで、環境省のコメントを書かせていただいておりますけども、炭酸ガスによる殺処分そのものは、実は安楽死の手法として適当と判断されておりますが、実際に、多くの自治体におきましては、多分8割を超えていると思いますが、炭酸ガスと麻酔薬の安楽殺を併用していて、個体の状況によって使い分けているというふうに聞いております。

 ③番の譲渡の促進に関する課題ということでございますが、譲渡後にもとの飼い主から引渡しを請求される問題等もあるので、所有権が判明しない場合、動物愛護センターに所有権が移る、または、もとの所有者の所有権が消滅するといった規定が法律の中に必要ではないかというご指摘がございました

 また、自治体が殺処分を避けることを優先するあまり、譲渡適性がない個体を譲渡して、咬傷事故を起こしたりとか、いろいろしている場合も見られる。その場合、譲渡した自治体と問題が生じる自治体が異なることも多いということで、譲渡の考え方というのは、全国である程度そろえていくのがいいのか、自治体の裁量に委ねるべきか、ここも論点かと思います。

 また、適正飼養の過去の観点からは、自治体からの譲渡時に不妊去勢措置を行う、あるいはマイクロチップ装着を行って譲渡するのがいいのではないかと、こういった部分も考えられようかと思います。

 (3)番、(4)番は、先ほどの1と2のテーマと関連しますので、省略いたします。

 (5)番は、先ほどもう既に出ておりますが、地域の実情によって自治体の施行体制を変えていく必要があるであろうと。自治体の施行体制の強化と取組みの効率化のあり方というところでいきますと、自治体職員のスキルの向上ですとか、あるいは愛護センターにおける動物愛護に関する教育・普及啓発も必要ではないかと考えられます。

 一方、②番は、先ほども申し上げましたが、自治体ごとの事情はさまざまなので、自治体が解決すべき課題は、それぞれの住民ニーズを踏まえてやっていく。殺処分につきましても、人口が多く協力者の多い東京都の取組みを全国の模範とすることも難しいのではないかなというふうにご意見をいただいたところでございます。

 各自治体には、全国統一的な最低限の取組みを確保してもらう必要もありますけども、地域住民との関係が密接である動物愛護管理行政を推進するに当たり、どこまで国が担うべきかというのも論点となろうかと思います。

 (6)番目は、都市部でのペットの飼養環境の整備に関する事項。公共のスペースで、なかなか犬の訓練にも使うことはできないというような、都市部で動物の飼養環境がないというご指摘。

 (7)番は、学校飼育動物に関しまして、学校での動物愛護教育を、もっとふれあい進めてやっていくべきだというご意見と、一方で、大災害のことなどを考えますと、学校での動物飼育というのは、現実的に、もう厳しくなってきているのではないかと。そういった双方のご意見があったかと思います。

 駆け足で、19ページのほうにまいりますが、これは社会的規範としての動物愛護及び管理の考え方。

 少し大きくなってまいりますが、動物に対する価値観が多様化する一方で、社会的規範となる動物愛護管理の考え方の形成が不十分というふうに基本指針で指摘されております。この社会的規範となる考え方については、普遍性と客観性の高い考え方を、我が国の風土や社会の実情を踏まえて検討していく必要があると指摘されています。

 それから、前回、前々回も活発にご指摘いただきましたけども、アニマルウェルフェア(動物福祉)の考え方が本格的に日本にも導入されつつあると思っております。

 この動物福祉につきましては、動物観の違いなど、その文化的背景も含めて理解することが必要ではないか。また、日本の動物愛護という概念は欧米には存在しないと言われておりますので、動物愛護管理法において本格的に動物福祉概念を取り入れていくのであれば、少し概念整理が必要であろうと。そのような議論をする場がまだ設けられていない。

 特に、動物福祉においては、動物の命を奪うという行為と苦痛を取り除くということのバランスについて、しっかりとした考え方を整理する必要があろうかと思います。

 また、3点目は、当然、これは家畜から始まった話でございますので、産業動物、実験動物、展示動物も広く視野に入れて検討していくことが必要であろうと。実験動物などは、もう既にグローバルな対応が求められているので、既に相応の取組みが自主的になされているともお聞きしております。

 下の枠でございますが、(1)は先ほどの社会的規範の部分でございます。説明を省略いたします。

 20のところの(2)番、動物愛護から動物福祉へと書いておりますが、ここも実は概観の中で申し上げましたようなことでございますが、これは動物福祉という考え方を取り入れていくということになりますと、いろんな考え方について、しっかりした整理を1回しておかないと、なかなか動物愛護管理法の中でこれを位置づけていくということは、円滑にいかない面もあるのではないかというところで、ここに対する問題認識、事務局のものと委員の皆様のものをご紹介させていただいております。

 (3)番は、動物園動物、実験動物、産業動物でございますが、実験動物に関しましては、現状の機関管理とか外部認証をさらに推進し、それから、網羅的といいますか、漏れがないように自主的にしっかりやっていくにはどうしていくのかというのが、一つポイントになろうかと思います。

 産業動物は、やっぱり国際的なアニマルウェルフェアの動向をどのように日本に取り入れていけるのか、これは農林水産省のほうでも今ご検討されていると思いますが、こういった論点があろうかと思います。

 最後は、「人と動物が共生する社会」の将来ビジョンということで、人と動物が共生する社会というのは、前回の法改正でその形成が法目的にうたわれましたが、どうしても動物愛護管理行政というのは、もともと虐待防止と、動物による人間の被害の防止という負の影響を取り除くことから行政がスタートした経緯がございますので、問題だと指摘された目前にある課題に対応することを優先するあまり、全体的なビジョンといいますか、総合戦略の策定ですとか目指すべき社会の将来像の検討は、あまり行われてきていないのではないか。この辺が今後の課題になってこようかと思っております。

 なお、社会を構成する全ての関係主体が自主的に取り組んでいくための協働の仕組みづくりや、さまざまな検討の前提としての科学的・客観的な知見の収集と情報共有のあり方についても検討が必要というふうに考えております。

 (1)番は、「人と動物の共生」という言葉の意味、これは基本原則ではたしか平成11年か17年の改正で、「人と動物が共生する」という言葉が入っておりますが、この「共生」という言葉の中には、動物の利用、つまり命を奪うということも含めた概念として「共生」という言葉を使っておりました。

 それから、(2)番のほうは、前回、いろいろご意見をいただきましたけども、動物が社会において果たすプラスの役割をどう捉えていくのか。

 それから、人間の営みが動物の世界に与える影響については、これは飼養動物だけではなくて、野生動物も含めて、高層ビルとか送電線に鳥たちがたくさん衝突しているというようなことも踏まえて、動物福祉というのをもうちょっと広く捉えていく必要があるであろうと。それから、ONE HEALTHの観点。

 最後は、多様な主体の連携と、それから科学的・客観的なデータの収集と情報共有に関してもご意見をいただいております。

 すみません、時間が少し長くなりましたけども、多岐にわたる論点をいただいておりますが、これは基本指針の改訂に当たって、今後の10カ年の大きな方針の根幹になりますので、今回またご意見を追加でいただきまして、これをもう少しどこかで1回取りまとめをしたいと思っておりますけども、そういったものをベースにしまして、基本指針の本格的議論に入るということを想定しております。

 以上となります。

【新美部会長】 どうもありがとうございました。

 非常に全般をめぐる論点をお示しいただきましたが、今日のご議論の主たる狙いは概観ということ、あるいは基本指針をつくる上で論点として取り上げるべきものが漏れていないかどうかということが一番大事ですが、そのほか、もう少し、めりはりはこうつけろとかということで、個別論点を中にざあっと入って議論するというのは、とても時間がありませんので、そういった意味でオーバービューするという観点からのご意見をぜひお願いしたいと思います。

 どうぞ。じゃあ、ご意見をお願いします。

【打越委員】 たくさんあるので、一つずつ発言して、また後々手を挙げていきたいと思います。

 まず、一番最初に今回の資料を拝読したときに、印象として感じたのは、全体として動物愛護よりも管理とか、動物や飼い主へのクレームに対処するところに重点が置かれているような印象を感じました。

 動物への優しさとか、ボランティアの努力というものよりも、公衆衛生の管理とか、それから、近隣トラブルで被害を受けている人たちの立場の救済というものが、かなり前面に出ているというような印象を感じたので、ただ、この問題って、もう本当にいろんな多様な論点を事務局が拾ってきてくれて、勉強してくださっているとは思うんですけれども、問題の解決に当たっては、現場においてはケース・バイ・ケースで、関係者の心の機微を読んで自治体の担当者は日々作業をしていると思うんですね。

 そういう中で、公衆衛生とか管理とか、クレーム対応のところで、時々、いきなり、所々断定的な書きぶりが見られるというのが、すごく私は気になりました。

 どこがというのは、後日、事務局にきちんとメールでお伝えしようと思うんですけれども、これまで環境省は、動物愛護の姿勢をもって旗を振ってきたわけです。「牧原プラン」を掲げて、最終的には殺処分をゼロにするのを目標とするというふうに掲げてしまったわけですよね。その言葉がひとり歩きしたと言われていましたけれども、それは動物愛護管理室がどうであるかではなくて、環境省として、省としての文書で「殺処分ゼロを目指す」というふうに書いてしまって、その結果、自治体の担当者たちはさまざまな板挟みで苦しんできたわけです。

 私が知っている、ある自治体の担当者さんは、「環境省が憎い」と、「こんなに板挟みで苦しんで」と、涙をぽろぽろ流して私に訴えたわけです。

 ところが、今度の文書を読むと、公衆衛生、管理が優先事項と書いてあったりする。13ページ、公衆衛生、管理こそが優先事項と書いてあったりするわけですね。

 それから、自治体の自治事務で、地域の多様性に配慮すると。野犬や野良猫の数と殺処分は地域によって差があるのだから、自治体ごとの自治事務だと書きながらも、例えば苦情処理が不足しているのは法律違反という声が来ているとか、猫の引取り拒否に関して、これは法の趣旨に反していて、自治体はもうちょっと毅然としろと、そうでなければ法の趣旨に照らして好ましくないと書かれています。

 これでは、多分、自治体の担当者は、どっちに向かって仕事をしたらいいのか悩んでしまうんじゃないかなと、私はすごく気がかりでした。

 私の意見としてみれば、思い切って、自治事務なのですから、環境省にクレームがあったとしても、それは自治体に任せてあると逆に自治体の担当者を突き放してもいいと思います。そして、自治体の担当者は、首長であるとか、地元の地方議会とともに、地域のルールをつくっていく勇気を持つべきだし、それを積極的に支援して、はしごを外すようなことがないようにしてほしいというふうに感じています。

 これが1点目なんですが、しかし、考えてみれば、環境省が何をすべきかというのが、この文書の中に出ていないんですね。動物取扱業者はこうだ、飼い主の責任はこうだと書いてあるんですけれども、じゃあ、環境省の役割は何かというのが十分に書かれていなくて、これは愛護団体によって主張が違いますし、全国統一基準を作るべきという団体もあれば、地域ごとの草の根が大事という団体もあり、自治体の担当者も、ある意味、逃げ口上で、環境省がルールをつくってくれないと動けないと言ったり、あるいは自治体の側も、環境省なんかわかっていないというふうに言ったりとかして、もう周りがみんな環境省に期待をしたり、逆に批判をしたりという中で、環境省の立ち位置も定まっていないのは、これはこれで気の毒なことだというふうに思うんですね。

 ですので、自治体の役割と国の役割、そして環境省はどこに軸足を置くのかということも、私たちは議論していかなきゃいけないんじゃないかなと、そういうふうに思いました。

 長くなりました。

【新美部会長】 どうぞ。

【水越委員】 3点あるんですけど、できるだけ簡潔に話をしたいと思います。

 1点目は、この文章の中にも、法律の中にも、終生飼養という言葉があります。

 終生飼養という言葉というのは、これは飼い主や占有者が亡くなるまで飼養しなさいという意味での終生飼養と法律では書かれているんですけども、そのようなことから引取り拒否があったり、引取り拒否されたことからのネグレクト、つまり飼い切れないので、引取り希望されたけれども引き取ってもらえないことから動物がネグレクトのほうに向かってしまう。また引取業という新しい業が出てきたというのは、終生飼養という言葉が大きかったことによるような気がします。

 個人的な希望としては、終生飼養の終生というのは、動物に係るのではないかと。動物が終生きちんと管理される。別に飼い主が変わっても構わないと思います。「殺処分ゼロ」と同じように、この「終生飼養」という言葉というのが何か弊害をもたらしているのではないかというふうに思います。

 2点目は、この文章の中で、管理という言葉の中にもしかしたら含まれるのかもしれないんですけども、一言も、不妊去勢手術、つまり繁殖制限について何も述べられていないのが非常に私は不思議に思います。

 というのは、譲渡だけで殺処分を少なくするというのは、これはもう無理な話ですし、そもそもすでに頭打ち状態にあるのではないか。また、引取り拒否の理由の中にある繰り返し持ってくるような人、特に子猫の場合、繰り返し持ってくる原因となっているその母猫を避妊してしまえば子猫は産まれないというふうに思います。

 また、災害も含めて、譲渡の推進ということで昨今のセンター等では施設内での長期保管がなされているということを考えると、避妊去勢されていない状態での動物が非常に高密度で管理される、これは攻撃性であるとか、さまざまな問題行動に繋がっていく可能性があります。それこそ譲渡が不適にどんどんなってしまうということも大いに考えられます。

 ですので、譲渡前不妊手術というのが欧米では比較的一般的になっていますけども、譲渡前不妊手術を含む繁殖制限について、もうちょっと議論すべきではないかというふうに考えます。

 3点目は、安楽殺についてです。

 安楽殺について、炭酸ガスではなく麻酔薬でやるべきだというような意見も非常に多いということは理解しております。ただ、私の個人的な話になりますが、20年近く前に、アメリカのシェルターで処分室に、3日間だけですけども、入らせていただいたときに、非常に攻撃的な犬を静脈内注射で処分するというのは、動物にとっても非常に苦痛で、非常にストレスがかかるものだというふうに感じました。

 そういうことを鑑みますと、例えばまた狂犬病発生時なども考えますと、静脈内注射だけで処分というようなことは、本当にいいのかということを考えます。

 現在、単に悪と考えられている炭酸ガスの安楽殺について、もう少し科学的・技術的な情報を皆さんに提示するということができないでしょうか。私自身は炭酸ガスと麻酔薬の併用がいいんじゃないかというふうに思っています。静脈内注射ができる場合はそうすればいいけれども、保定をしたりすることが相当なストレスがかかる動物もいるということも、やはり議論の中に入れていかないといけないと思います。これは実施する側が危険を伴う仕事でもあり、大切なのではないかと思います。

 以上です。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。ほかに。どうぞ。

【浅野委員】 中身に入らないということなので、なるべく中身に入らないようにして、2点だけ。

 先ほど所有者不明の犬猫の引取りのところで、福祉のほうの運用で引取りを拒否することがあるけど、実際は動物の管理の趣旨から、所有者不明の犬猫の引取りを義務化するというようにして、動物管理ということがあったんですけど、そうであれば、もう一つ論点が出てくると思うんですね。

 積極的に行政が引き取るということは、行政、センターが、今は自治事務なんですけれども、動物愛護管理法の中で、センターの位置づけがあまりはっきりしていない。

 つまり、現状、第二種動物取扱業でももちろんなく、自治体で飼養されている状況が、いい場合も悪い場合ももちろんあると思うんですけど、非常に例えば劣悪であっても、それを規制したり監督するということができない。その状態で、自治体に本当に自治事務として広げていいのか。

 例えばパルボが蔓延しているとか、冷暖房がないとか、所有者からの引き取りだからということで即日処分というのがやられている自治体も、なくはないと思うんですね。非常に自治体によって差があり過ぎるので、そうだとすると、センターの位置づけをもうちょっと飼育状況の基準等も含めて動愛法の中で今後は位置づけを規定する必要があるんじゃないかという課題が1個抜けているかなと思いました。

 あと、もう一つは、8ページの爬虫類、エキゾチックアニマル等の移動販売等なんですけど、流通実態等は不明であると書いてあるので、じゃあ、流通の調査をするかどうかという課題で載せているのであればちょっと言いたいんですけれども、むしろ衛生面とか、動物愛護の風紀を保護するという面からも、露店販売というのは、一律禁止すべきではないかと、そういう議論が必要ではないかと思います。

 現状でも、爬虫類をパックで売ったりして、スーパーみたいに、土日に販売しているイベントが多いですけれども、そういうときに通報しても、センターなどや保健所は当然お休みなので、行っていただくこともできないということがよく聞かれます。

 そういうことを考えると、いわゆるエキゾチックアニマルだけではなく、犬猫もそうかもしれませんけれども、露店販売自体に規制をかけていくということをしないと、登録地以外で転々と犬猫やエキゾチックアニマルを販売する側に、全く規制もかけられなければ、実態把握もできないということになるかと思います。その点をしっかりしていただければと思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。ほかに。どうぞ。

【田畑委員】 動物園の立場から意見を言いたいと思います。

 主な課題、9ページの(2)動物園や動物ふれあい施設などの展示業のあり方①については、動物園と、ほかのふれあい施設とは明確に差別化を図り、ぜひとも、早く、そういった意味でガイドラインをしっかり作っていただきたい。

 それと、先ほど委員がおっしゃった爬虫類とか猛禽類とか、こういった野生動物をふれあいに使うということ自体がどうなのかということは、非常に問題が大きいというふうに思います。ふくろうカフェも当然、よく慣れる鳥ではありますけれども、基本的には野生動物ですから、どのように規制するかということは、しっかり議論したほうがいいと思います。

 それと昨今、ちょっと問題になっています、9ページの一番下のところの不適切なふれあい動物園みたいなところだと思いますが、ああいうところも、基本的には野生動物をふれあいに使っているわけです。動物園としても、我々も自主規制しなくてはならないというふうに思っていますけれども、疫学的な観点とか、感染症からの観点からだけではなくて、動物福祉の観点からも問題が大きいと思います。野生動物をどうするか、動物園動物をどうするか、いろいろ議論はありますが、この辺はしっかり区別して考えていったほうがいいのかなというのが私の意見です。

 野生動物、特に爬虫類は、いろいろな観点からやめたほうがいいような気がします。

【新美部会長】 ありがとうございます。ほかに。どうぞ。

【山﨑委員】 先ほどの水越委員がおっしゃったことと、浅野委員がおっしゃったこと、かぶっているんですけれど、まず、終生飼養という言葉がたくさん出てくることに、私もちょっと気になりました。今の動物園のほうの爬虫類とか、そういった専門家がいないところでは飼うべきではないというご意見も含めて、先ほど環境省の説明の中に、爬虫類の中には結構長生きする動物がおり、リクガメなんか100年というお話もありました。

 どうしましょうというところで、終生飼養という言葉というのが、エキゾチックでは、そもそも飼育を許可している中で、終生という言葉で物すごいギャップが生じてしまうんですね。

 これは、実は爬虫類よりも今すごく問題になっているのが、大型のヨウム類なんです。

 私のところに、今、50歳のキボウシがおります。50歳、50年生きています。まだ、あと30年ぐらい生きます。

 今一番有名なのは、埼玉のほうにTSUBASAという保護施設がございますけれど、そこには飼い主が先に死んでしまったキボウシとか、それから、アフリカングレーとか、そういったヨウムがたくさん保護されております。これから恐らく増える可能性もありますので、終生飼養という言葉と、エキゾチックの飼育のギャップをどう縮めていくか、あるいは、そこをどういうふうに対応していくのかというのは、これからエキゾチックが増えるという傾向があるのであれば、やはりどこかで何か手だてを考えなければいけないというふうに思います。

 それから、もう一つは、今、エキゾチックペットは不適切なふれあい云々というご発言もございましたけれど、実は3年~4年ぐらい前に、全米小児学会が、3歳未満の子どもがいる家庭は人獣共通感染症等のアクシデントの関連から、エキゾチックペットを飼うべきではないという意見を学会として出しております。

 さらに、そこでは、ハムスターを含め、ふれあい動物園等に関しても、3歳未満の子どもは参加させるべきではないというふうに、はっきりと小児学会が実は立場表明をしているんです。

 そういうふうに考えたときには、これから、こういったものをもう少し、例えば法律の中でどうするか、あるいは指針としてどうやって出していくかということを考えるときには、人間の医療という観点、確かに動物福祉、動物愛護という言葉は、この法律の中では一番重要な観点ですけれど、実際には、そういった言葉で動かない方々も世の中にはたくさんいます。そういう意味では、人間の医療を全面的に援護射撃の手段として使うということも、これから考えていくべきではないかというふうに思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 金谷委員、どうぞ。

【金谷委員】 2点ございまして、若干中身に入ってしまうかもしれませんけれども、高齢者でペットの終生飼養について自信のない方が、犬猫の飼育を自粛するというところがございました。

 自粛というよりも、場合によっては、高齢者の方が自分のライフステージ、これからどういう生活をしていくのかによって、あえて動物は飼わないという、そういう勇気ある決断というようなことも必要だと思います。実際、私どものほうに、動物の引取りを求められるような事例で、やはり高齢者の方が施設に入らなければならないとか、手術を受けなければならないとか、場合によっては、賃貸住宅の管理者から、ここの独居の高齢者が突然亡くなったんだけれども、犬や猫が取り残されたと。そういうことで引き取るような例もございますので、高齢者に限らず、いろんな年代の方が、ご自身のライフスタイルとか、自分の家族構成とかステージによって、どういう動物を選ぶべきなのか、もしくは飼わないという、そういう決断ということもあるのではないのかなと思いましたので、高齢者に限らず、飼い主の責任のあり方のところに、そういうのを一つ付け加えてもいいんじゃないかなと思いました。

 それから、これまでご説明の中で、2カ所ほど、東京都の取組みがあまり全国一律の参考にならないという、そういうご意見も確かにそうだとは思うんですけれども、東京都も、現状でさまざまな取組みをしておりますが、昔からこういう今の状態ではなくて、長年の取組みによる普及啓発とか、さまざまな対策を進めてきたことによるものなので、ぜひ、そちらは、自治体の実情に合わせて参考にしていただけるところもあるとは思うんですね。

 例えば、私は全国の自治体の動物管理関係事業所協議会の会長も務めさせていただいておりますので、そういうところで直接、他の自治体の方々と情報共有する場合もございますし、それから、ぜひ、ここで環境省にはそういう自治体同士の情報共有とか、そういう施策の情報交換とか、そういう場を設けていただくことをお願いしたいと思います。

 先日ありましたモデルプランの報告会、それから、多頭飼育問題の懇談会は非常にいい取組みだと思いまして、私も大変勉強になりましたので、ぜひとも、環境省には、そちらのほうのご支援をいただきたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見。じゃあ、どうぞ。

【木村委員】 一つお願いですが、いろいろな個々のテーマでいろいろ書かれていますが、飼育動物関係の社会啓発・社会教育で、一つ括っても良いと思います。例えば小学校で子どもたちが動物を理解する。そうすると、次に今度は大人になったとき、何でうるさく鳴いているの、吠えるの、問題点への理解と対策を少し考えてくれるような子どもを育みたい。飼育者の飼育知識の欠落が近隣住民の環境についても動物の健康状態、寿命についても大きな要因になってくると思います。問題となる動物を作らないために行政、公的な指導でなく、その前に、予防的な処置として、飼育教育、啓発活動を方針として行っていく括りが全体的な取組みの中にあるべきだと思います。

 飼育動物に対しての理解者が増えれば、ここで書かれている項目はかなり改善すると思います。項目として、小学校での動物教育とか、それから動物園動物教育、それから一般の飼育者教育、災害時の動物対応など社会教育等を一括りとして取り上げていただきたいと思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 山口委員、どうぞ。

【山口委員】 今までお話しくださった委員の方々と少しかぶるところがあるんですけれども、全体にも関わりますので、個々の問題に入りますけれども、特定動物についてお願いしたいことがあるんです。

 特定動物というのは、許可というのは基本的に不可で、この条件を守ったら飼ってもいいですよということなんですけれども、はっきり言って、動物の福祉の面から言っても、衛生管理の面から言っても、どちらから言っても基準が十分なものではなく、かつ、十分なものでも守られていないというところがあるのかなというふうに思います。

 これは本当に、緊急災害時のときに特定動物は同行避難できませんというふうにおっしゃっていますけど、爬虫類等を箱に入れているのがガサッと崩れてしまえば、あっという間にまち中に出ていってしまったりしますので、緊急災害時のことを考えても、先ほど動物園の方のほうから、野生動物とタッチングするのはかなり危険、プラス動物の福祉からもというふうにおっしゃいました。特定動物の飼養ということに関しましては、外来種問題のこともありますし、そろそろ一旦、ペットとして飼養することを禁止という方向に、そして一旦禁止した上で、次にどうするかというのを考える時期に来ているのではないかなというふうに思っております。

 ただ、禁止というのはこの法律でできるかどうか、別法になるかもしれませんけれども、そろそろ、一旦足を止めて考えた上で、本当にどうしても飼うというのであれば、本当に動物の福祉から、衛生管理の面から、十分な基準を示し、それを確実にクリアした人でないと飼えないという方向に持っていかないと、この問題は、なかなかおさまらないように思います。

【新美部会長】 ありがとうございます。ほかに、どうぞ。

【打越臨時委員】 先ほど、動物愛護的な部分が少し弱くなったのではないかというふうに申し上げましたけれども、それは、動物愛護のボランティア団体の役割という章がないことによるのではないかと思いました。

 今回の文書は五つの項目からできていますけれども、一つ目が飼い主、二つ目が動物取扱業者、三つ目が行政・組織ときて、恐らく四つ目、社会的規範としての動物の愛護及び管理の考え方というところが、概念論の整理になっていますけれども、私は、ここをボランティア団体の役割という章立てにして、彼らの努力とか、現場でのノウハウやスキルというものをここに載せていってもいいのではないかと思いました。

 というのは、ボランティア団体といった場合に幾つかの類型があって、このうち動物を保護したり、動物をシェルターで飼育したり、譲渡活動をしている団体は第二種動物取扱業者として業者の中に入ったんです。

 だから、第2章のところでシェルター運営しているボランティアは入っているんですけれども、実際に地域の中で活動してくれているボランティア団体は、地域猫のマネジメントをしてくれている方々や、普及啓発や情報発信、あるいはいろんなディスカッションをすることで飼い主のマナーを底上げしていこうという、そういう活動をしている方々、あるいは、災害時のサポートであるとか、それから動物介在活動などをやっている方々もいるわけですね。

 また、第二種動物取扱業になったシェルターであっても、そのシェルターの正式なというか、日常的なメンバーではなくて、手伝えるときだけ手伝っているボランティアさんというのもいたりするわけです。

 ボランティアに共通しているのは動物を愛して守りたい気持ちを持っていることだと思うんですが、この人たちが感情的になってしまえば、冷静な制度論や政策論ができなくなる。動物愛護のNPO組織とかボランティアの役割について、その努力を尊重しながら、感情論とか、あるいは精神論、何かしないではいられないからやりますという精神論を乗り越えて、知識を得るべく勉強する必要があるということを明示的に、この第4章で入れていってもいいんではないかなと思います。

 そう思ったときに、第4章の中で、西洋は動物福祉、日本は動物愛護で、もともと動物福祉は産業動物、いずれにせよ非終生飼養の動物の生前の飼育を考えるところから来ていると、対概念として整理しているところがありますけれども、委員の中には社会学者とか倫理学者がいないわけですけれども、英米の倫理学で、まさに感情論で、動物がいとおしくてかわいいから大切にすべきだという、まさに動物愛護的な観点での倫理学が英米でもあるんですね。徳倫理学とかケアの論理と言われるものが正々堂々と英米にもあります。

 実際、動物福祉の概念は、非終生飼養動物に関わる割り切った福祉だけではなくて、集合体として動物を見るんじゃなくて、一頭一頭の個性を見て、いとしい存在として判断して、だからこそ単に愛するんじゃなくて、福祉を考えましょうという動きも英米でもあるところでありますので、感情論とか優しい気持ちというのを尊重しつつ、さらにそこに輪をかけて知識や情報を持っていくことが大事だと思います。

 また、こういうふうに制度を変えれば逆に裏目に出るかもしれない、副作用があるかもしれない、そういうところまで考えて愛護団体の方々が考えていってくださることが、この第4章の底上げにつながると思います。

 ですので、私は今この4章のタイトルを変えて、愛護団体とかボランティアさんの役割、知識の底上げというのをもうちょっと厚く書いたほうがいいんじゃないかなと思いました。

 以上です。

【新美部会長】 ほかにご意見は。はい、どうぞ。

【西村臨時委員】 全体を俯瞰してというお話の中で、感じたことなのですが、適正飼養や動物取扱業などに共通して言えることだと思いますが、日本人の動物に対する考え方というところのレベルアップというところを考えていかないと、規制、規制でやってもうまくいかないのじゃないかな思います。遠回りかもしれませんが、例えば子どものころからそういう教育を積極的にやっていく、そういう10年、20年先を見た方策というのが全体に必要なんじゃないのかなという気がしました。

 2番目として、殺処分の問題ですが、ここにも殺処分とか安楽殺とか致死処分とか、いろんな言葉が使われているんです。これが混乱を招いている気がします。

 例えば野良犬は、僕らはどうするべきなのかというところが決まれば、殺処分にする、あるいは全頭救うかが決まる。そこを曖昧なままにしていると、安楽殺とか殺処分の意味がはっきりせず、いろんな言葉が出てきてしまうと思います。欧米の考え方というのは、おそらく人間社会に危険が少しでもあるなら、もう殺処分していくという、すっぱりした決まり、考え方があると思います。どういう考え方にするのかということが決まれば、どういう言葉を使えばいいかというのかもはっきりするのではないのかなというふうに思いました。

 3番目としては、先ほどから出ている終生飼養ということは、人間でもキャリアチェンジというのが随分行われるようになってきたわけなので、そういうキャリアチェンジということも認めましょうと。それがいいというわけじゃないのかもしれませんけども、認めましょうというスタンスというのが今後あれば、もっとこう、もう少し寛容になっていけるのじゃないのかなと思います。

 最後ですが、先ほども少し話があったのですが、自治体もそうですし、保護団体さんもそうなんですが、実際に活動してみると、横のつながりというのが極めて弱い。

 皆さん、個々にはすごくいいことをやっているんですが、横のつながりがないものだから、社会に訴える力が非常に弱いというところがあると思います。効率も悪いというところもあります。

 ただ、そのときに、じゃあ、どうやって横のつながりをつくるかというと、私設の団体がやるのは難しいと思うので、公的な団体が音頭取りというのをやっていかないと、これはなかなか難しいのじゃないか。環境省がいいのか、あるいは、例えば獣医師会がいいのか、そこはわかりませんけども、そういったところが音頭取りをやらないと、なかなか横のつながりというのは難しいなという実感はしています。そういう視点に立ったやり方というのも考えていけばいいんじゃないかなというふうに思います。

 以上です。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見、ご質問がございましたら。はい、どうぞ。

【山﨑臨時委員】 二つございます。

 一つは、全体の今の課題に関するバランスの話なんですけれど、確かにマイクロチップも、それから業者の管理も、それから今お話があった殺処分というのも非常に重要な課題ではありますけれど、原寸大に捉えると、今の人口比での日本の殺処分率というのは、英国より若干高いだけで、世界に引けをとらない率なんですね。アメリカはそれの6倍ぐらいあります。

 逆に言えば、エキゾチックペットに関してですが、闇も、それから公も含めて、野生動物の日本の市場規模というのは世界第3位なんです。アメリカが第1位です。2位はどこだったか忘れました。

 日本という地球儀の中では小指1本ぐらいの国が世界第3位の市場というのが、これはややグローバルに考えて、ちょっと恥ずかしいかなという観点で考えてみたら、先ほどの山口委員のお話で、これは動物愛護管理法の中で取り扱う問題ではないかもしれないとおっしゃっていましたけれど、全体的な中で、そういった動物に対する国としての体制を考えたときに、ちょっと動物愛護管理法のバランスが少しペットのほうに行き過ぎている感というのが私は最近感じています。もう少し全般的にあらゆる動物の扱いに関する視点というものがあってしかるべきではないかなというふうに考えています。

 もう一つありますが、ちょっと今のここのところのほうが私は主張したかったので、これで止めておきます。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにございますでしょうか。

 今、私もいろんな委員の方の話を伺っていたんですけども、適正飼養とは何ぞやという積極的なメルクマールをどこかで出す必要があるんじゃないのか。

 お話を伺っていると、その動物についての医・食・住はどうなのか。着るものは要らない。私の「い」というのは医療の「医」です。

 医・食・住が充実している、あるいはきちんとしているというのが適正飼養の最低限必要なことなんじゃないのか。そういうようなことをもう少し前面に出して、今ここに書いてあるのは、不適正飼養でだめだよというのは書いてあるんですけども、こういうことを整えるのが適正飼養ですよということの、ミニマムなところでもいいから、どこか出していく必要があるんじゃないのか。そういうお話で、特定動物の場合でも、例えば獣医療で知識がないわけですよね。それを飼っていいのか。あるいは、餌がちゃんと確保できるのか。そういうような観点で、もう少しポジティブに定義していくというのがあっていいのかなと。それは論点の一つとして考えてもいいのかなというふうに、伺っていて、私なりに感ずるところはそういうところでございます。

 あと、ほかにご意見ございましたら、どうぞ。

【打越臨時委員】 今の座長の意見に賛同するとともに、追加で申し上げたいなというふうに思うのは、悩ましいのは、本当に田舎に行くと、猫を結構外に出入りさせている飼い方があるんですね。

 それは感染症の問題や、あるいは野生動物との生態系のバランスのことや、それから、ロードキルのことなんかを考えると、はらはらするわけです。

 ところが、例えばそれがネズミを捕ってくれているとか、本当に車も通らないようなところで、昔ながらの猫の飼い方の、猫がひなたぼっこして寝ているのが何ともいとおしいという人もいる。不妊去勢手術もしている、きちんとやっている、餌もいいものをあげている、ノミ捕り・ダニの首輪もちゃんとつけている、だけど外に出すという飼い方が、田舎に行くとまだまだ数多くあります。

 そういう問題があったときに、座長がおっしゃったとおり適正飼養というものを少しずつ進めていく必要があるなと思うのとともに、先日、新潟県の愛護センターに行ったところ、適正飼養という言葉で住民に向き合うのではなくて、「今どきの飼い方」という言葉遣いをすると聞きました。

 適正飼養というと、これを合致していないと、「まるで俺の飼い方が悪いっていうのか」と言って住民と行政の連携ができなくなるんですが、今どきの飼い方はこうですよという言い方で、ゆっくりやわらかく誘導するんだというふうに新潟県の担当者が言っていたんです。

 適正飼養を進めるのとともに、表現を少しやわらかくしながら、そこの裁量の幅を与えるのが自治体だと思うんです。環境省でこれが絶対というのは、本当に最低基準にしておいて、あとは、例えば東京都のように近隣紛争が問題になるとか、車が多くて交通事故が非常に多い、感染症の問題になるというところは、東京都の判断で、うちの今どきの飼い方はうんとレベルを上げればいいし、本当に農村地域を抱えているところでは、これがベターなんだけれども、今どきの飼い方はこのぐらいにしてくださいって、その自治体ごとの裁量の余地を認めてあげてもいいんじゃないかな。そうやってゆっくり底上げしていけばいいのかなというふうに思っています。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見がございましたら、どうぞよろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

【山﨑臨時委員】 では、あえて先ほど控えさせていただきました2番目のコメントですけれども、西村委員がおっしゃった、要するに横のつながりがないという点は、これはずっと多分、日本がこの分野で抱えてきた課題だと思います。

 別の全く違う分野でステークホルダーミーティングというものを開催してくださった大手の企業がございます。ステークホルダーミーティングを実施すれば、愛護団体も、それから繁殖業者さんも、それから売る側も登録する側も、そして飼い主側も全員が、けんけんごうごうとなるかもしれないけれど、ある程度意見を調整しながらお互いを、お互いの文化を理解するという意味では非常に大事です。あらゆる業種の中で今ステークホルダーミーティングというのは一つのトレンドになっているということが言えると思いますので、これを環境省がやらなければいけないということを申し上げるわけじゃないですけれど、恐らく環境省のような、トップで本当に我々の管轄ですよとおっしゃっている方がやらないと多分成り立たないかなというふうに私も感じております。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見ございますでしょうか。どうぞ。

【則久動物愛護管理室長】 多岐にわたるご意見をありがとうございます。

 実は幾つかのご意見が、心に刺さるというか、多分そうだなと思っていただいていた部分がございました。

 これを週末に読み返していて、打越委員がおっしゃったことなんですが、実は環境省の役割と、それと愛護団体の役割って、たしか書いてないなというのがあって、やっぱりどうしても行政が取り組むことと民間の方がやることって観点とか目的も違ってくるので、全体を概観するという上では、本当はその部分も必要なんじゃないかというのは少し週末にこれを見ながら感じていたところでございました。

 いただいた部分の中でいきますと、管理が全般に強く出ているというのは、管理責任ということを訴求する上では、特に災害時の避難のお話なんかを考えますと、そこが一つの訴求ポイントになるんじゃないかというのはずっと議論の中で経験したものですから、全体に強く出ているかと思いますけども、ただ、一般の方々のペットに対する愛情ですとか思いですとか、そういった部分は決して否定しようとか低いという思いがあるわけではありませんので、ここは、今日いただいたご意見を踏まえてまた修正を加えていきたいと思っております。

 非常に多岐にわたる観点がある中で、全体としてどうなのかというのは、つかんだ上でこの行政をやっていかないと、目前の一個一個すごく難しい課題がたくさん突きつけられていて、そこを乗り越えるためにかかる労力って結構大変なんですけども、それをやっている間にもっと大事なところが抜けてしまったりしているんじゃないかというのが一番の問題認識ですので、今回あえてこういう試みをさせていただきました。

 ご意見もまた踏まえて修正を加えてみたいと思います。

【新美部会長】 それでは、また、これはとりあえず論点の洗い出しということでございますので、環境省としても、今日、皆さんにいただいた意見をもとに、さらに深めていくということでございますので、また引き続きご意見を伺いたいと思います。

 それでは、次に、最後にその他ということで、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 その他の資料の説明に移らせていただきます。

 資料4-1、1ページ目です。

 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律案の概要ということで、先月3月13日に閣議決定されている中身になっております。

 成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づく措置として、成年被後見人及び被保佐人の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、成年被後見人等に係る欠格条項その他の権利の制限に係る措置の適正化を図るため措置を講ずる目的で、以下のような内容になっております。

 成年被後見人等を資格・職種・業務等から一律に排除する規定、いわゆる欠格条項を設けている各制度について、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、各制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定、いわゆる個別審査規定へと適正化するものとなっておりまして、180程度の法律が対象になっております。

 この中に動物愛護管理法も含まれていまして、次のページの2ページになります。第一種動物取扱業者になるときに、登録を拒否する要件がありますが、その中に「成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの」は登録できないという規定がありますので、これについては見直しが必要になってくる。先ほどの方針のとおり、個別審査規定をかわりに置くことになるということとなっております。

 もう一度、1ページ目に戻っていただきまして、いろんな法律の手続の中でこの欠格条項が設けられており、制度別に方針が示されている四つ目の営業許可等の中に、動物愛護管理法も含まれるということで、原則として、この欠格条項の削除を行い、あわせて個別審査規定を整備するという中身になっております。

 施行の期日ですけれども、下のほうに行って、地方自治体に登録していただいていますので、原則として、公布の日から6カ月以内にしなさいと。国会の審議がどうなるかわかりませんけど、6月ぐらいになる見通しのようですので、12月までには整備していく必要があるということで、今後、この十二条については審議会の諮問事項になっておりますので、諮問を経て、12月までに整備していくことになります。あらかじめご了承いただければと思います。

【新美部会長】 何か、この点でご質問、ご意見ございますでしょうか。

 個別審査は、結局削除したら、しないということですか。

【事務局】 かわりに個別審査規定を設けるということで、どういった個別審査になるかをご議論いただきたいということです。

【新美部会長】 ああそうですか、ここでね。はい。

 何かご意見ございましたら。

 取扱業が第一種でやると、基本的にはどんな業務になるんですか。要するに、業務ごとにやるわけですから、何が業務かを見た上でないと認可、許可はできないということになる。できるかできないかの問題になりますが。

【事務局】 いわゆる販売業、譲受飼養業、保管業など七つの業です。

 あとは、本規定は動物取扱責任者になる要件にも引用されていますので、こちらもご議論いただきたいと思っております。

【新美部会長】 どうぞよろしくお願いします。

 基本的には法人組織になったらほとんど関係ないわけですが、個人ですかね。その辺がよくわからないんです。

【事務局】 動物取扱業を登録するときの要件なので、個人として、ペットシッターとかやっている方も当てはまりますし、法人としてやっている方も、両方。

【新美部会長】 法人だと、これは全然関係ないですよね。人格違いますから。役員の規定。役員になっていてもだめです。

 その辺は丁寧に言ったほうがいい。

【事務局】 動物取扱業の申請者は、代表取締役が多いと思いますので、その方が該当しているかどうかというのも関わると思います。

【則久動物愛護管理室長】 4ページをご覧いただきますと、欠格要件に当たらないことを証明するための様式がついているんですが、チェック欄の申請者、それから当該法人の役員、それから動物取扱責任者という、それぞれの者において、この下の事項の1番目の成年被後見人でないことというのが入ってまいりますので、法人であっても役員の方がいてはだめという形になっていますので、そこは個別に審査をしてやっていく。

 こういう規定が各法律にあることによって、逆に、成年被後見人制度が普及しないという問題認識から今回の改正はきているようですので、これに対して動物愛護管理法でも措置が必要になってくる。

 これは諮問になるのかどうかわかりませんが、いずれにしても審議会で1回ご意見を伺うようにしたいと思っております。

【新美部会長】 わかりました。

 これは細かいことですが、法人の役員は受任者になるんで、民法の委任の規定は変わるんですか。

 受任者が破産とか後見人になったら、法律行為が制限されていたら、委任ができなくなるんじゃないか。あるいは承知してやっておればいいのかな。その辺の民法の規定がどうなっているのか。

【則久動物愛護管理室長】 調べて。

【新美部会長】 ええ、それは見ておいたほうがいいと思います。

 基本的には、大もとの民法でどうなっているのかということを見た上で、この取扱いの業者がどういうことをやるのか、その辺を見た上で議論したほうがいいと思います。

 事実行為であったら、それはいいんですけども、委任とかなんとか入ってくると、民法でそれは委任が消滅するとかなんとか、いろいろ規定されていますので、その辺の整合性を見ておいたほうがいいだろうというふうに思います。

 ほかに、どうぞ。

【金谷臨時委員】 今のでいいですか。

【新美部会長】 はい、どうぞ。

【金谷臨時委員】 実際に、自治体において、こういう動物取扱業に関する事務等に携わっている者の立場として申し上げたいんですが、実は、欠格条項の要件が変わると様式類が変わってくるということで、当然、各自治体で事前に事業者に周知したり印刷をしたりとかの事務が発生しますので、それなりの準備期間が必要になります。

【新美部会長】 これが大変なんです。

【金谷臨時委員】 実務にものすごく影響してきますので、内容とか、それから、いつまでにやらなければいけないとか、そういう実務的なことにまでぜひ配慮をお願いしたいと思います。

【新美部会長】 その辺はぜひ丁寧によろしくお願いします。

 それから、今、私が言ったのは、新設、個人の事業で業者として認めたけど、売買ができないというか取り消し対象になっちゃうんですね。そういうようなものを国が大丈夫ですというようなことを認可できるのか。

 要するに、売り買いしても、後になって私は被後見人ですから取り消しますよということを認めるのか認めないのか。これを許可しちゃったら、じゃあ、その被後見人であるということの、いわば特権ですよね、契約取り消しということを諦めるのか、放棄するかどうかということをちゃんとやらないと、ごちゃごちゃになっちゃうなという印象を持ちますので、個人と法人とで違ってくるし、その辺も丁寧に、一律に、決して個別判断基準というだけじゃ足らないと思います。

 業の対応がどうなっているのか。その辺も、かなり厄介になると思いますので、少し丁寧に議論されたほうがいいんじゃないかと思います。

 実務的には、本当に書類が全く変わっちゃうのも大変だというのも、そのとおりだと思います。

 ほかにいかがでしょうか。これは確かに内閣府のほうから、被後見人が不当な差別的な扱いを受けるからなくしたいというのはわかりますけども、逆に、法律そのものの全体系をどうするのかということも絡みますので、こういうふうに変わったということと、動愛法の中でのいろんな許認可の問題が齟齬を来さないように、きちんと詰めていく必要があろうかと思います。

 あと、いかがでしょうか。ご議論はございませんでしょうか。

 これはまたいずれ諮問が出てくるという予測だと思いますので、その辺はぜひよろしくお願いします。

 次の、あれはもう終わりですかね、もう一個ですね。よろしくお願いします。

【脇田臨時委員】 今、資料の5ページ目のご説明をさせていただきます。

 一般社団法人全国ペット協会のほうでとりましたアンケートのご説明になります。

 まず、アンケート数の事業者数有効回答が755件ということでありますけども、これは代表者もしくはそれに準ずる者が回答したということで、事業者数でいいますと、2,478事業者をカバーしている内容になっております。

 その下のところになります。子犬・子猫の販売日齢が45日から49日に変わったことに対して、まず、繁殖業者のアンケート調査の意見としてご報告させていただきます。

 これを見ていただくとわかるんですけども、まず、犬と猫のパーセンテージはよく似ているので一緒にご説明させていただくのですけども、まず、犬・猫に対する①のところ、出産から出荷までの費用、これが45日から49日に、現状の49日になった4日増えたことによって影響したことが回答してあります。

 飼育費用の増加ということで、80%の方がやや増えた、かなり増えたということで増加傾向にあると答えております。

 ②番であります出荷時の子犬の健康状態。

 これは、4日増えたことによりまして、出荷時の子犬・子猫の健康状態が悪化傾向にあるということの中で、どういったことが悪化ということで捉えているのか。

 49日ぐらいになりますと、出荷時の移行抗体の消失時期と重なるということで、ワクチネーションを打つ前の状態で健康状態を害する可能性が高いというような評価になっております。

 ③番、これは犬・猫、これも同じなんですけども、出産から離乳にかけて母犬の健康状態、これの答えを見ていただくと、悪化傾向になったということで答えています。

 この内容としては、50日前後になりますと、門歯が生えて、子犬・子猫が母体に対して授乳の、お乳を吸うときに歯が生えていますので親自体の乳首の障害とか、それから、飼うことによって親が痛いということで授乳を避けるというか、親犬・親猫が怒って子猫のほうを遠ざけると、そういった傾向があるということで、悪化傾向にあるというような評価になっております。

 次のページ、6ページ目になります。

 これは今後の予測ですね。今現状は49日ということですけども、56日になったら、予測として答えている回答になります。

 まず、繁殖業者、上の段ですね、見ていただくと、先ほどの45日から49日になった傾向と、より強い傾向が出ているということのアンケートになっております。やはり犬・猫が、これも同じような状態になっておりますので、①番、出産時から出荷までの費用が80%以上、やはり悪化傾向にあるという形で、増加したということで答えております。

 ②番、出荷時の子犬・子猫の健康状態、これがやっぱり5割以上の方が悪化傾向によりあるということで、予測として考えられるということの回答になっております。

 ③番、これもやはり先ほどと同じように、56日になったということの予測でいいますと、やはり5割以上の方がより49日により56日のほうが悪化傾向をたどると。それは、特に日本犬というのは番犬になるとよく言われますけども、日本犬というのは勘がいいので、子犬を拒絶する、遠ざけることに対して噛んでみたりとか、かなり状況として悪化するであろうということも、その予測の一つに入っております。

 次のページ、7ページにありますけど、マイクロチップの挿入のタイミングということで、これは販売業者のほうで答えておりますので。マイクロチップの挿入の方法ということで、こちらに表にありますように、出荷時、展示前に自社で挿入というところがグラフとして多くありますけども、その他というところ、これに対しては、詳細でいろいろ内容はありますけども、法律で決まってないというような、そういったことも踏まえて、その他のところの内容の中に入れております。

 あと、マイクロチップの挿入タイミングなんですけども、ちょうど販売時以降に挿入するというところが特化して多いというような回答になっております。

 回答数は、事業者数でお話しさせていただくと233答えていますので、全体数で言うと1,000件近いところの回答としてカバーできているというような感じになっていると思います。

 以上でよろしいですかね。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 まだまだ、これからいろんな調査が出ていますが、これを見る限りでは、なかなか有意な情報が入ってきていると思いますので、また、この点について、どうぞ。

 はい。

【打越臨時委員】 先ほどの環境省の事務局からの調査ですと、8週齢のほうが問題行動が減るというような論文、あるいはそうとも言い切れないという論文と両方ありまして、それに対して今のアンケートというのは真っ向それと対抗しようという提案だというふうに思うんですね。

 年齢が上がると子犬や子猫が乳首を噛む。そういう状況が本当にあるのかということを私たちは見ることができない。それから、そういった問題行動になってしまうのであれば、それは飼育スペースがかなり狭いからではないか。もっと広々と元気よく飼えるようにしてれば、そういうことはないんじゃないかというふうに考えても、それを私たちは見せてもらうことができないわけです。

 中には優良なブリーダーもいるわけでありまして、ある意味、動物を繁殖させるということはプロフェッショナルであるべきであって、プロフェッショナルというのは一般の飼い主よりもさらに良好な飼育、模範となる飼育をしてみせる必要があるのではないかと私は考えています。

 ですので、このアンケートをもし信用してほしいということであるならば、ブリーダーの生産の現場というのを、より他者の目が行き届くような仕組みにしていってほしいですし、それは業界同士の自主規制というだけではなくて、他者の目線を入れる、情報の透明性やトレーサビリティや、そういったものを真剣に考えなければ、もはや信頼されるかどうかわからないのだということへの危機感を持っていただきたいと私は感じました。

【新美部会長】 私も伺っていてそう思ったということもありますし、もう一つは、本当に母乳で育てるのが普通なのか、ほかの授乳の方法があるのか、いろんな授乳の方法があるだろうと思うんですね。

 ですから、母犬の、あるいは母猫のほうに害があるならば、そういうことも考えられるし、その辺はもう少し、打越委員がおっしゃったように、どういう育て方をしているのかということもきちんと見た上で、このデータというのは見ていく必要があるのかなというふうに思いました。

 あと、もう一つは、もうこれは非常にシニカル。出産までの費用がかかったら値段に反映させれば済むというのが、これはビジネスの問題ですから、それはあまり理由にはならないんじゃないかというふうに思います。コストの問題ですからね。

 この辺は、今の打越委員の意見を前提に、私の感じたところを話しました。ご批判いただければ、それでも結構です。

 ほかにご意見があれば、どうぞよろしくお願いします。はい。

【水越臨時委員】 ほとんど打越委員と同じといえば同じなんですけども、この結果を見て、本当に、まさに日齢というだけではなくて、環境など周囲の状況を一緒に見ていかなければ議論できないのではないでしょうか。

 幾つか、今日は文献の簡単な訳も含めて提示されました。私もそのうちの幾つかは全文読んでいますけども、それらの論文の中でも、結局、環境によって違うよという結論になっていますし、結果が違うのは、まさに環境が違うからというところなんですね。

 ですので、「8週齢」といった、まさに同じく「殺処分ゼロ」と同様に文言にとらわれているというところがあるような気がするのです。週齢そのものだけではなくて、環境や状況というところも含めた議論というのがまさに必要だということをこの結果から思いました。

 実際、私も昔、複数回、猫を繁殖させていますし、学生時代は犬を繁殖していました。今回のアンケートで出ていた問題は感じたことは一切ありません。授乳が嫌だったら逃げます。母犬、母猫は。

 ですので、単純にスペースの問題もあるのでは、と思いますが、アンケートではスペースについては聞いていないので、ここでは何も言うべきことではないと思います。

 しかし、環境や状況も同時に議論が必要だということは、このアンケート調査で見せていただいたかなというふうに思いました。

【新美部会長】 どうもありがとうございます。

 ほかにご意見等ございますでしょうか。

 はい、じゃあ、どうぞ、脇田委員、お願いします。

【脇田臨時委員】 少し補足させていただくような形になると思いますけども、犬を親とずっとつけるというような、私はこのアンケートとは別な意見というか、自分自身で繁殖も販売もしておりますので、そういった観点から見ていくと、親にずっとつけていくことが利になるかというと、そうでもなくて、やはり35日、30日か離乳をし、親と少し離し、また夜はつけるということを繰り返していくと、徐々にお乳を吸うことをだんだん離れていくわけです。

 その中で、それだけをしていて、子犬・子猫だけで飼っていると、さわろうとしたときに、子猫自体、子犬自体が怒ったりとか、要は警戒するようになってくるんです。

 それに対して、私たちがすごく思うのが、より早く人慣れ、要は飼い主さんとか、私たち繁殖側の者が少しでも子犬・子猫と触れていくほうがフレンドリーになって育てやすい。

 それから、例えばペットショップからエンドユーザーの方にご縁があったときにでも、人になじむからストレスがかかりにくいという、そういうような考えをすごく持っているんです。

 今、私たちがやっているのが、全部をある程度の見解で流通させていく上で、今、ペット関連の複数の業界団体が組織でガイドライン、要は自分たち、こういうふうなことが起こるからこういうふうにしていこうよと。犬・猫の人慣れ、それから、ほかのわんちゃん慣れとか、猫ちゃん慣れするのは、触れていくことのタイミングで、どういうふうにしていくかというのをガイドラインをつくっておりますので、それをある程度皆さんにお知らせできるようになれば、今度は業界自体が、その業界自身に対してこういうふうなということの運び、推進もでき、指導もできるというような形をやっておるのと、もう一つプラス、販売店からエンドユーザーに手離れてしまうと、今度は飼う方の飼い方になっていってしまうので、ここはまた特に私たちも重要視してまして、飼っていただいて以降に、こういうふうに飼うとこうなってくる、例えば災害時にはバスケットに入れて運ぶのには小さいうちからバスケットに入れる習慣をしていただく。移動する場合、病院に行くにしても、どこか出かけるにしても入れ物に入れていくということを習慣づける。そうすると、災害時でもすっとこう移動ができるということもありますので、その辺を今、私たちもそういうCDを使ったりとか、そういったもののガイドラインをつくっておりますので、またそれができ次第、またお知らせさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 ほかにご意見、ご質問はございますでしょうか。

【藤井臨時委員】 じゃあ、ちょっと。

【新美部会長】 じゃあ、どうぞ、はい。

【藤井臨時委員】 問題行動のことは、菊水教授のところでご報告されているので、それはそれといたしまして、ちょうど7週、8週というのが、このブリーダーさんのところからペットショップのところに行く、そういうタイミングになると思うんですね。

 WSAVAのほうでワクチンのガイドラインというのが出ていて、移行抗体が切れる時期を考えて、1回目のワクチンを7週から8週ぐらいに打つことがいいというふうに出ていますので、そのワクチンを打つというタイミングが、ブリーダーさんのところで安定している状態で打つのか、それともペットショップに行って、ある程度、次のご家族が決まるようなタイミングのときに打つのかという健康維持の問題もあると思いますので、そういうことを含めて、7週、8週のことも考えていくといいのではないかなというふうに思っております。

【新美部会長】 非常に大事な視点を指摘していただきました。ありがとうございます。

 ほかにございませんでしょうか。

 はい、じゃあ、最後に打越委員、どうぞ。

【打越臨時委員】 今のご意見のとおりだというふうに思います。

 人慣れの問題も、ワクチンの問題も、それからお乳からフードに切り換えるのも、結局どこでやるのかという問題で、そして、そこに全てコストがかかってくるという状態だと思います。

 先ほど、部会長がおっしゃったとおり、コストがかかるならば、それはエンドユーザーあるいはショップにかけていくという形で、要はかかったものをきちんとお金をかけて、かかったものは最後に、国民みんなで負担していくという発想が大事なのであって、安くて小さくてかわいくて売れるという発想からは、そろそろ卒業していかなきゃいけない。

 それがどこでのタイミングかというのは、もはや特定の誰かの問題ではないというのが今の藤井委員のお話なのかなというふうに感じました。

【新美部会長】 ありがとうございます。

 まだまだこれは議論が続くと思いますが、今日は、先ほど冒頭に申し上げましたように、概観をして論点を整理していただくということでございましたので、さらに環境省におかれましては深めて、広げて、最終形を議論できるようにしていただきたいと思います。

 それでは、以上の議事はこれにて終了させていただきます。本当に長時間、熱心なご議論ありがとうございました。

【事務局】 委員の皆様方におかれましては、ご多忙のところ、長時間にわたりご議論いただきましてありがとうございました。

 以上をもちまして、本日の部会は閉会といたします。ありがとうございました。

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