中央環境審議会 自然環境部会 野生生物小委員会第3回会議録

日時

平成25年10月30日(水) 10:25~11:58

場所

経済産業省別館1階 108会議室

出席者

(委員長) 石井  実
(委員) 鷲谷いづみ
(臨時委員) 磯崎 博司   小菅 正夫   桜井 泰憲
宮本 旬子   山極 壽一
(専門委員) 高橋 佳孝   広田 純一   福田 珠子
(環境省) 星野自然環境局長
奥主大臣官房審議官
江口総務課長
中島野生生物課長
関根外来生物対策室長
堀内鳥獣保護管理企画官

議事

【事務局】 おはようございます。定刻になりましたので、会議を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、部会所属の委員・臨時委員の先生方13名のうち、7名の先生方のご出席をいただいております。中央環境審議会議事運営規則第8条第5項による定足数を満たしております。本委員会は成立しておりますことをご報告致します。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。お手元に配付させていただきました資料をご覧いただければと思います。まず、議事次第がございまして、その下に諮問の写しがございます。次に、資料1-2として、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の諮問案件の一覧。資料1-3、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の全国地図というのがあります。その次に、資料1-4-1、1-4-2が国指定森吉山鳥獣保護区の関連資料。その次に和白干潟の関連資料が、1-4-3、1-4-4でございまして、次に1-4-5、1-4-6が男女群島の保護区の関連資料でございます。次に、資料の2のほうに移りまして、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略の関連資料ということで、資料2-1、2、3とございまして、付随して参考資料1と2がございます。その次に、資料3といたしまして、現在、ご審議いただいております鳥獣保護管理のあり方に関する検討状況についてという資料。次に資料4として、動植物園等公的機能推進方針のあり方検討会の設置についてという一枚紙の資料を配付してございます。資料の不足等ありましたら、事務局までご連絡いただければと思います。よろしいでしょうか。
それでは、自然環境局長の星野よりご挨拶申し上げます。

【星野自然環境局長】 おはようございます。自然環境局長の星野でございます。本日は、お忙しいところ、野生生物小委員会にご出席いただきましてまことにありがとうございます。
 先々週の16日に、当初予定しておりましたこの小委員会でございますけれども、台風が来たということで日程を変更させていただきました。本日は、7月に続いて第3回目の小委員会になります。
 本日の議事は大きく二つございまして、ご審議いただく諮問の案件、それと私どもから報告させていただく事項に分かれてございます。諮問事項としては、「国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について」という諮問で、3地区の鳥獣保護区等についてご審議をいただきたいと思っております。また、報告事項でございますけれども、ただいまの資料のご確認でご覧いただいたように、5月の会議で構成案をお示しさせていただきました「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」、これのその後の検討状況をご報告させていただきたいと思っております。2点目といたしましては、自然環境部会の中に小委員会を設置して、現在詳細な検討をしております「鳥獣保護管理のあり方」、これについてのご報告でございます。3点目といたしましては、先週、第1回目の検討会を開催したばかりでございますけれども、「動植物園等公的機能推進方策のあり方検討会」、これについての現状のご報告をさせていただくということでございます。
 予定する議事は以上でございます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

【事務局】 この後の議事進行につきましては、委員長の石井先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【石井委員長】 おはようございます。これより議事に早速入らせていただきたいと思います。
 本日の議題は、ただいま星野局長のご挨拶にございましたように、審議事項が3件、それと報告事項が3件となっております。時間がかなり短い会議となっておりますので、円滑な審議にご協力いただきますようお願いいたします。
 では、早速ですけれど、審議事項「国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について」ということで、諮問内容について、事務局からまずご説明ください。

【事務局】 環境省野生生物課計画係長の桝と申します。17日に国立公園課から野生生物課に異動してまいりました。よろしくお願いいたします。
 説明はパワーポイントを使って行わせていただきます。委員の皆様のお手元に打ち出したものもございますので、併せてご覧いただければと思います。
 それでは、座って失礼いたします。
 「国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定について」の説明にあたり、最初に、制度の概要についてご説明をしたいと思います。
 国指定鳥獣保護区は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づきまして、国際的または全国的な鳥獣の保護の見地から、その保護のために重要と認める区域を指定するものです。この地域では、狩猟が認められません。また、鳥獣保護区の中に特別保護地区が設定されており、これは鳥獣の生息地の保護を図るために特に必要があると認める区域について指定され、そこではさまざまな開発規制がかかります。
 鳥獣保護区には、四つの指定区分がございます。1つは大規模生息地でありまして、これは行動圏が広域に及ぶ大型鳥獣を保護するものです。2つ目は集団渡来地でして、集団で渡来する水鳥などの渡り鳥を保護するという趣旨の鳥獣保護区になります。3つ目は集団繁殖地で、集団で繁殖する鳥類などの保護を図るものです。4つ目は希少鳥獣生息地で、環境省が作成したレッドリストで絶滅危惧IA類・IB類、またはII類に該当するような鳥獣や、地域的に絶滅のおそれのある地域個体群として掲載されている鳥獣の生息を保護するものでございます。
 現在、国指定鳥獣保護区の数は、こちらの図にございますとおり、全国であわせると82カ所ございます。
 今回諮問させていただく鳥獣保護区・特別保護地区についてですが、1つ目は森吉山・太平湖の特別保護地区の再指定、2つ目は和白干潟・多々良川河口の鳥獣保護区の拡大、そして、3つ目は男女群島の特別保護地区の再指定です。諮問の対象となりますのは、鳥獣保護区普通地域については、新規指定又は継続にあわせ区域が拡大する場合。二つ目は、鳥獣保護区の特別保護地区の新規指定の他、又は継続期間が終了した後区域を変えずに再指定する場合でも諮問が必要です。
 指定までの手順ですけれども、鳥獣保護法及び通知の手順に従い、利害関係人との調整や公告縦覧、パブリックコメントなどを経て、今回の中央環境審議会の諮問へと至っております。
 もし、今回3件お認めいただければ、鳥獣保護区及び特別保護地区の数はそれぞれ82と66のまま維持され、面積は後ほど説明させていただきます和白干潟の37ヘクタールの拡張分増加するということになります。
 それでは、森吉山鳥獣保護区の森吉山・太平湖特別保護地区についてご説明をさせていただきます。
 場所は、秋田県の北秋田市の一部でございます。当初、昭和48年に指定されまして、今回は平成25年11月1日から平成45年10月31日までの20年間、引き続き鳥獣保護区として存続させることとしており、今回の諮問はその中でも特別保護地区1,570ヘクタールを再指定してよろしいかお伺いするものです。この区域は、他法令の規制として、県立自然公園、国指定の天然記念物に指定されてございます。
 鳥獣保護区の指定区分としては、希少鳥獣生息地で、クマゲラが生息をしております。そのほかクマタカ、オオタカ、サシバなどが生息しております。さらにニホンカモシカ、ツキノワグマもございます。
 この鳥獣保護区の植物相ですが、ブナ林を中心とした広葉樹林です。平均樹齢は大体120年ぐらいの壮齢林が見られます。
 この特別保護地区の中核をなしているのはクマゲラでございまして、日本では北海道と本州の北部のみに生息しております。森吉山区域は、繁殖地としては南限の地域に当たります。指定当時、これは平成15年ですけれども、それ以降でクマゲラの繁殖が確認されたのは、平成18年と平成22年の2回でございます。人間が調査により確認できた範囲だけでございますけれども、それをもとに言えば、4年に1回の確率で繁殖に成功しているということになります。
 ただ、特別保護地区内で繁殖が確認された木が非常に多くありまして、そのほかにも比較的新しい巣穴や食痕が確認されておりまして、本地域がクマゲラの安定した繁殖地になっているということは間違いないものと考えております。
 そのほかの鳥獣ですが、オオタカについては、この区域で平成22年度に初めて確認されまして、それ以降、継続的に観察をされております。クマタカについても、5つがいの繁殖の確認をしております。この5つがいの繁殖が確認されたのは、保護区の外における別の調査によるものですが、保護区内においても年間を通して観察されておりまして近年では観察機会が増加している傾向もございます。
 この鳥獣保護区の管理についてですが、現状では、国指定鳥獣保護区の管理員による巡視や鳥獣の調査、制札の管理などを行っています。拠点施設として、森吉山野生鳥獣センターが環境省により設置をされ、ここを拠点に管理や情報発信などを行っています。ただ、近年、専門家や研究者の皆様からは、人が観察する際、クマゲラに接近することによる弊害が指摘されております。ですので、区域としては現状を維持しますが、関係機関と協力して、鳥獣保護区の管理員による巡視、利用指導、利用者や地域住民の普及啓発を行っていくという点に、今後は力を入れていきたいと思っております。
 最後に、公聴会の結果です。平成25年9月10日に、利害関係人を集めまして、9名に集まっていただき、ご意見をお伺いしました。いずれの方からも賛成をいただいております。
 説明は以上になります。ご審議のほう、よろしくお願いします。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 小菅委員、どうぞ。

【小菅委員】 クマゲラの繁殖のことなんですけども、保護区外で5つがいの繁殖を確認しているという、この地図で見ても北東部のところで丸がついていて、ここで5つがい繁殖を確認しているんですよね。

【事務局】 調査によって繁殖が確認されたのは、別の国土交通省による調査……。

【中島野生生物課長】 クマタカじゃなかったっけ。

【事務局】 ああ、5つがいが繁殖しているというのはクマタカの話です、すみません。

【小菅委員】 クマタカの繁殖が、5つがいの繁殖がここでしていて、先ほど保護区内では個体の見られる頻度が高くなったというご説明でしたけど、保護区内での繁殖実績というのは示されなかった気がするんですけれども。

【事務局】 そうですね。クマタカについて保護区内で繁殖が確認されたという正式な調査結果は現在、持ち合わせておりません。

【小菅委員】 それで、質問なんですけど、保護区外のところで要するに5つがいの繁殖が確認されているとおっしゃっていて、ここの部分を保護区に取り込むという考えというのはないのでしょうか。

【事務局】 この森吉山の鳥獣保護区は、第一にクマゲラの繁殖地ということで指定をされているところでございます。そして、クマゲラが繁殖するような重要な自然環境を有する場所に、クマタカやオオタカとかもあわせて生息しているというところでございます。クマタカの5つがいが確認された少し離れたダム周辺地域について、そのようなセットがそろっているのかどうか、つまり、森吉山鳥獣保護区としての資質がある場所かどうかというのは、まだ確認はできていないというところです。

【小菅委員】 わかりました。メインはクマゲラなので、クマタカは追加というか、これも繁殖していますよという、ランクの違いということなんですかね。

【事務局】 はい。そのようにご理解いただければと思います。もしクマゲラ、クマタカ、オオタカなどがセットで生息し、既存区域との資質が変わらないのであれば、少し考えていかないといけないと思います。

【小菅委員】 クマゲラももちろんすごく大事だけど、クマタカも非常に希少なものだと僕は思うので、こういうところもしっかりと、環境省としてもね。これは国土交通省からの報告として受けるだけではなく、環境省としてもここら辺の情報をしっかりと今から加えておく必要があるのではないかと思いますが。

【事務局】 はい、わかりました。

【石井委員長】 よろしいですか。
 ということなんですけれど、要するにクマゲラをメインに考えていらっしゃるということで、クマタカについては、近年、観察機会が増えているが、繁殖しているかどうかよくわからないということですね。

【事務局】 そうですね。はい。

【石井委員長】 範囲の拡大については、今日の議論では多分無理なので、今後検討していただきたいと思います。
 ほかの観点では、いかがでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【石井委員長】 特にご意見ないようでしたら、この議題に関してお諮りしたいと思います。
 「国指定森吉山鳥獣保護区森吉山・太平湖特別保護地区の指定」について、事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井委員長】 どうもありがとうございます。では、ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることにいたします。
 では、次の件についてお願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。
 引き続きまして、「和白干潟・多々良川河口鳥獣保護区」についてご説明いたします。
 場所は、福岡県福岡市の一部でございます。当初、平成15年に指定されまして、今回は平成25年11月1日から平成35年10月31日までの10年間の指定を考えております。今回の諮問は、和白干潟の254ヘクタールを継続しまして、和白干潟のさらに南5キロメートルのところに位置する多々良川河口の干潟の37ヘクタールを拡張することについて、諮問をさせていただきます。
 こちらの指定区分は集団渡来地となっておりまして、写真にございますとおり、ハマシギ、オオソリハシシギ、ツクシガモなどのシギ・チドリ類、カモ類が渡来をしております。
 生き物の状況ですけれども、和白干潟については、ボラやハゼ類などの汽水域に生息する魚類が確認されております。底生生物は、ハクセンシオマネキなどの甲殻類、貝類、ゴカイ類などが確認されています。多々良川河口につきましては、これら和白干潟に生息するものに加えて、シロウオの遡上やチクゼンハゼなどの繁殖が見られます。
 これまでの管理の状況ですが、こちらも鳥獣保護区の管理員を2名配置しまして、巡視をしたり、飛来数の把握を行っています。また、福岡市東部農業協同組合に管理員を依頼しております。それに加えて、地元の自然保護団体と合同で干潟の清掃を行うなど、連携・協力しながら管理を行っています。こうした状況ですので、引き続き関係者と協力をしながら管理を実施していきたいと考えております。
 今回拡張する多々良川河口の区域についてですけれども、特に河口部はクロツラヘラサギを初めとする渡り鳥の利用が多く見られます。クロツラヘラサギが、多々良川河口を越冬地として利用しているのですが、その理由は満潮時でもおおむね安全なねぐらとなる中州が存在をしているためであると考えられております。
 平成21年から24年までに環境省と福岡市が行った鳥類調査に基づきまして、多々良川河口干潟で12目32科82種、和白干潟で12目33科92種の鳥類を確認しております。両方の地区に飛来した鳥類を集計すると、全体で12目34科98種となっております。
つまり、和白干潟と多々良川河口干潟は、ほとんど同様な種で構成されていて、その種類も多いと考えられます。そのため、これらを同じ鳥獣保護区として一体的に指定して、管理をしていきたいと考えております。この地区は、環境省の「モニタリングサイト1000」の調査地点として、継続的に調査がなされております。この調査の結果によると、ダイシャクシギやミヤコドリなどの定期的な越冬地も全国で数カ所しか知られていないため、この場所は非常に重要な生息地と考えております。近年、各地で減少しているとされているシロチドリも100羽以上――100羽を超える規模の群れが越冬、渡来をしておりまして、主な餌場として和白干潟を利用しているということを確認しております。
 公聴会の実施結果ですが、平成25年9月4日に開催をしました。周辺、市街地に近かったり、農地に近かったりするので、農業被害を懸念する声や、あるいはまちづくり等の開発への影響を懸念する声がある一方で、ラムサール条約の登録湿地に早くしてほしいという意見などいろいろございましたが、7名すべての皆様から賛成をいただいているという状況でございます。
 説明は以上でございます。

【石井委員長】 ご説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明ですけれども、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。
 この件は、多々良川河口にも拡大するという案件になっております。よろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 では、特にないようでしたら、お諮りいたします。
 「国指定和白干潟・多々良川河口鳥獣保護区の指定」につきまして、事務局案のとおり適当と認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井委員長】 どうもありがとうございます。それでは、ご賛同いただきましたので、本件は適当と認めることにいたします。
 では、次の件、お願いいたします。

【事務局】 ありがとうございます。
 それでは、次に「男女群島鳥獣保護区男女群島特別保護地区」についてでございます。
 男女群島は長崎県でございまして、長崎県の五島列島のはるか南に位置をしております。緯度としては、鹿児島県の薩摩川内市や、甑島と同じですが、所属は長崎県です。男女群島は、女島、男島のほかクロキ島、寄島という島々からなっております。当初、昭和48年に指定しました。今回は平成25年11月1日から平成45年10月31日までの20年間の指定を予定しています。この鳥獣保護区は全域特別保護地区になっておりますが、今回の諮問はその特別保護地区を引き続き指定してよろしいか伺うものでございます。他法令の規制といたしましては、固有の自然状態を保持しているということで、天然記念物に指定されております。
 指定区分は集団繁殖地でございまして、オオミズナギドリやカツオドリの繁殖が見られます。そのほかの生息動物としては、アカヒゲ、カラスバト、ミサゴ、ハクセキレイなどが生息しております。
 指定当時からの管理の状況ですけれども、環境省では、専門家の同行のもと、定期的に鳥獣の生息調査を実施しております。女島には灯台がありますが、平成19年以降無人化されているという状況になっています。男女群島は日本有数の釣りのメッカと言われておりまして、週末には遊漁船で多くの人々が男女群島でまき餌などを使って釣りをしております。保護団体の方から、ごみをまき散らす釣り客への対応を求める声もありますので、今後は、特に関係機関と連携を図って、鳥獣の繁殖地や生息地での適正な保全を図って参りたいと思います。例えば普及啓発のポスターを張ったりとか、漁船を通じて呼びかけるとか、遊漁組合との対話ということが考えられますが、そういったことを検討してまいりたいと思っております。
 鳥類の状況ですが、平成17年に行った調査では、カツオドリの繁殖地や休憩地になっている各地点で、合計830羽を確認しております。また、オオミズナギドリにつきましては、斜面におおむね5メートルに一つ穴がありまして、全体の面積を考えると、500個ほどの巣穴があると推定されました。
 もう一つ、この特別保護地区での懸念として、ノネコやイタチ、ハシブトガラスなどの影響が懸念されております。平成17年の調査のときには、灯台にその当時は職員がいらっしゃいまして、その方々の話によると、どうも3~4匹ノネコがいるらしいということでした。平成25年の調査では、ノネコがいることを直接確認できなかったのですが、排せつ物などが確認されておりまして、まだ生息している可能性は非常に高いです。ただ、我々の調査、あるいは様々な関係者からのヒアリングなども通じまして、いずれも大きな被害を及ぼしているというまでは、現時点では言えないという状況ですので、引き続き、これは調査の中で注視をしていきたいと思っております。
 公聴会については、平成25年9月5日に五島市のほうで開催をいたしました。4名の、全員の賛同を得られておるという状況でございます。
 説明は以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明につきまして、ご意見、ご質問がありましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。
 やはり気になるのはノネコですね。先ほどのご説明だと、引き続き注視という言い方でしたけど、そのレベルでよろしいんでしょうかね。

【事務局】 現地からの話では個体数が少ないということ、島に行った際にすぐにでも確認できるような多数がいるとなれば非常に大きな問題ですぐにでも何か対策をとらなければならないと思いますが、そのような状況ではないということです。逆に、現時点の状況において何かよい対策があれば教えていただきたいと思っているところです。

【石井委員長】 捕獲したほうがいいんじゃないかと思いますけれども。
 小菅委員、いかがでしょう。

【小菅委員】 委員長の意見に賛成です。天売島のような状況になってしまったら、もう大変で、本当に手がつけられないという状況になると思うので、ふえ始めたらとても手に負えなくなると思います。今、姿が見えないといって、まだまだ大丈夫だということではなくて、何らかの方法で、例えば餌をちょっとばらまいて食べられるかどうか確認するだとか、写真の糞がネコかどうかはわかりませんが、イタチの糞ではないと思います。でもそれぐらいの大きさのものが生きているということは明らかだから、やっぱり注視するだけじゃなくて、対策を積極的に進めて、事前に手を打つべきではないかと僕も考えます。

【石井委員長】 小菅委員、この写真でノネコって判定できますか。

【小菅委員】 ネコかどうかわからない、それは。ただ、イタチじゃないと思いますね。イタチの糞は、ねじれるように細くぎゅっとなっているので。ただ、ネコかどうか、それはちょっとわからないです。

【石井委員長】 福田委員、どうぞ。

【福田委員】 すみません。釣り人のメッカとなっているということなんですけれども、これはやはり釣る人が島に入ってくるわけですよね。入っていって、中には入らないかもしれないけれども。そうすると、雑菌というか、そういうものをもしかして持ち込んで、それで、それから何かほかのものが繁殖するなんていうことは考えなくてもいいですか。

【事務局】 現時点で釣り人がどういう影響を及ぼしているのか、それによって鳥獣の生息にどういう影響を及ぼしているのかというのは、ちょっとわからない部分もございますので、釣り人がどういう行動をしているのかという観点、まだ実態がどうなっているのかというところから把握をするというところだと思いますけれども、福田委員のご助言を受けて、次の調査では気をつけていきたいと思います。

【石井委員長】 福田委員、よろしいですか。

【福田委員】 はい。

【石井委員長】 では、広田委員、お願いします。

【広田委員】 この特別保護地区の管理のことですが、これは何年かに一遍、調査のときに足を運ぶぐらいのものですか。それとも、釣り船の船長さんとか、その地域に時々出かける人たちから定期的に情報を得ているということなのでしょうか? 【事務局】 これまでは調査に定期的に行くという形が主でした。これからは、釣りによる影響といった話もございますので、遊漁組合とか漁船の方々とかとの連携を強化を通じて、もう少し管理の充実を考えていきたいと思っております。

【広田委員】 それは今説明されている担当者としてのご意見ですか。

【事務局】 九州地方環境事務所とよく協議をして、そのような形になるように進めていきたいと思います。

【広田委員】 ノネコの話も出ましたけれど、これだけ遠いところですし、早いうちに手を打つのであれば、それなりのことをやるべきなのかなとちょっと思ったもので。
 結構です。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 中島課長どうぞ。

【中島野生生物課長】 ノネコについては、もう相当前からいることだけはわかっていたんですけれども、その後、特に増えているという状況ではないということだけは報告としてはあるんですが、心配なことではありますので、ちょっと今回の調査でどういう状況だったのかというのをもう少し事務所と話をしまして、さらに何かしらの調査、あるいは対策をとるべきかどうかということも検討していきたいと思います。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょう。
 特に指定について反対という意見ではないですが、もう少し管理やモニタリングをしっかりしてほしいということだと思います。
 それでは、お諮りいたします。
 「国指定男女群島鳥獣保護区男女群島特別保護区の指定」につきまして、事務局案のとおりと認めてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【石井委員長】 ありがとうございます。それでは、適当と……。

【磯崎委員】 すみません。

【石井委員長】 はい、どうぞ。決をとる前のご意見ということでよろしいでしょうか。

【磯崎委員】 いや……。

【石井委員長】 その後のご意見ということでいいですか。

【磯崎委員】 その後ということで結構です。

【石井委員長】 はい、わかりました。

【磯崎委員】 諮問そのものではなくて、この計画書の書き方です。例えば更新のところで面積のペーパーがあるんですが、前回の諮問のときに、実測してみたら変わっていた、特に湖、湿地だったり、沿岸区域の場合には変わっていましたという例があったんですが、今回は、どうなんですか。

【事務局】 申し訳ありません。今、手元にちょっと資料がございません。どの鳥獣保護区も考え方は同じでして、変更前の面積は10年、20年前の測量によるものですので、より正確な数字があれば更新をして、ここにお諮りするものは、現在確認できる最も精度の高い数値だというふうにご理解いただきたいと思います。

【磯崎委員】 その辺がわかれば、ここに出ていると比較ができるという意味です。

【事務局】 わかりました。以後、気をつけます。

【磯崎委員】 それと、発表資料の中で、今のノネコのように、これまでの管理の実態とそこで出てきた課題についてこうしますというのがパワーポイントのほうで説明に入っていますね。パブリックコメントとかをする場合には、この種の情報は出ていたのでしょうか。

【中島野生生物課長】 パブリックコメントの際には計画書自体により意見を聴いております。今回提示しております説明用の資料は、パブコメの対象にはなっておりません。

【磯崎委員】 はい、わかりました。
 少なくとも、この場で各委員が把握できる形ですが、計画書自体の中には入れていないようです。一般の人向けに必要があるようでしたら、計画書でどこまで書けるかですが、そのような項目はあってもいいのかなと思います。
 あと、同じように、それぞれ3カ所ですが、前にも聞いたような気がします。補償の方針、5番の項目です。保護管理施設を建てたりした場合に補償しますという規定があって、繰り返して同じことが書いてあるだけです。例えば、これまでの指定の間、10年間で保護施設を建てて、その際にこういう補償をした経緯があったかどうか。もしあるとすれば、予算措置で今後の10年間においてそういうことが予想されるのかとか。そのような説明がないと、こういう法律条文がありますで終わっていると、この区域でどうなのかがわかりにくいかなと思いました。その辺のデータもあったら、これは書いていただいたほうがわかりやすいと思います。そこはどうなんですか、3カ所で。

【事務局】 今回諮問した3カ所で、今まで補償の規定が適用されたという事例はないです。

【磯崎委員】 そうすると、ここには書いてあるけど、該当するケースはなかったですという記述があると、わかりやすくなると思います。
 それから、これは私ではなくて、前回、北村委員が指摘をしていて、今回もそういうつもりでよく読むとわかるんですけれども、指定の目的という、(5)に当たります。1番の目的というところで、今日も説明の中で、法令でこういうケースが該当しますとあって、その言葉が目的のところでよく読むと書いてあるんですけれども、この場所は法令のこれに該当していますということが、はっきりと書かれていたほうがいいのではないかという指摘が前回あって、私もちょっとそこは気になりましたので。
  【石井委員長】 ただいまのは、ご意見として伺ったらよろしいですね。今後の計画書づくりにおいて、よろしくお願いしたいということだと思います。

【広田委員】 よろしいですか、一言。

【石井委員長】 広田委員、どうぞ。

【広田委員】 計画書の中に公聴会の調書というのがございますよね。ここら辺は詳しくなくて、質問なんですけれども、本人出席は、森吉山の場合は一人もいなくて、当然、県知事とか市長さんは代理の出席になるとは思うのですが、欠席の方も結構おられますよね。文書で恐らく提出されていると思うんですけれども、こう見てみると、さすがに野鳥の会や保護団体なんかは、単なる賛成・反対ではなくて、理由も書かれていて、きちんとした対応を取られているように見えるわけですけれども、行政の関係は、福岡以外は、ただ賛成ということで、どこの部署の誰が判断しているのかというあたりは、それぞれの地区で決まっているのですか。もしそうであれば、もう少し具体的なところまで書いてもいいんじゃないかと思いました。また、1回の公聴会でいわゆる参加の手続ということを言うのであれば、行政の場合も何がしかの意見も書くべきかと思いました。あるいは、実際には意見を出しているが、ここには反映されていないということなんでしょうかね。

【事務局】 そうですね。書面では出てきていないということですね。

【広田委員】 もちろん行政側が関心のある場所であれば、それなりに意見は出すのでしょうけども、それ以外のところだと、ちゃんとチェックされているのかどうか、よくわからないような感じがするので。

【事務局】 普段のやりとりは、担当部局を明確にして行っております。他方で、例えば、県の中には自然保護の部局もあったり、開発の部局もあったりします。それでは自然保護の部局だけが賛成と言えばいいのかというのではなくて、我々としては、県全体の意思として、組織全体の意思として賛成なのかどうかというのを知りたいという事情もあるので、表面に出てくる段階では、何とか県知事、何とか市長という記載になります。

【広田委員】 ええ、もちろんそうだと思います。

【事務局】 はい。密にコミュニケーションとりながら。

【広田委員】 ちゃんとやっているということですね。

【事務局】 よく考えを聞いてやっているという……。

【星野自然環境局長】 それはすごくもっともなご心配だなと思います。通常、いろんなケースがありまして、中には県の中で河川だとか港湾、それから林業、水産、いろんな部局の意見をまとめて、県としてどうするというのが最終的にこの1行に、簡単なんですけれども、書いてある訳です。その過程では、通常は鳥獣保護の区域にかかわる県の行政の担当部局がそれぞれいろんな議論をして、環境省も必要に応じてそれぞれの部局で説明をしたり、いろいろやっています。これは頭のところしか書いていないですけど、県によっては非常に細かい意見が出てくることもあります。それは例えば知事の名前で港湾部局の意見がずらっと書いてあるような場合もあります。ほかの部局は特に異存がないでしょうけども、賛成はするけれども、こういう点に留意をしてほしいという意見が細かく出てくるところもございます。たまたまここに出てきているのは、知事の名前で単に賛成ということは、ここの区域の鳥獣保護区については何ら異論がなかったということだと思います。意見があれば、必ず出てきます。

【広田委員】 今回のケースは、あまり意見がなかったということですね。

【星野自然環境局長】 ええ。案件どおりということだとは思いますけど。

【広田委員】 そういえば福岡の場合は出てますね。

【星野自然環境局長】 これだと福岡、和白の方ですね。福岡市長からは、見ていただくと、かなり細かい意見が出てきていますね。そういうことでありますので、出ていないというのは、一応合意しているということだと思います。

【広田委員】 わかりました。

【石井委員長】 よろしいですか。
 多分、調書ということもあって、ここに細かい文章を書くと、またかえって逆の誤解を招くのかもしれませんね。
 ほかはよろしいですかね。
 それでは、途中になってしまいましたけど、以上3件ございましたが、今後、事務局において、部会長のほうにご説明しまして、中央環境審議会会長に報告することとさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題ですが、報告事項となっています。5月の本委員会におきまして、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」について説明がございましたけれども、その後、どのようになっているかという状況について、事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【事務局】 野生生物課の荒牧と申します。よろしくお願いいたします。
 資料2のシリーズになります。自然環境部会でご協議いただいている保全戦略につきまして、この小委員会におきましてもご助言をいただきたいと思います。時間の都合上、大変端折って説明をさせていただくことになるかと思いますが、ご了承いただきたいと思います。
 まず、資料2-1でございます。
 これまでの経緯と今後のスケジュールということでございますが、この絶滅危惧種の保全戦略につきましては、23年度に関連する保全に関する点検を取りまとめまして、また、生物多様性国家戦略が昨年9月に策定されたところを受けまして、環境省として戦略をつくっていくということで、昨年から作業をスタートしておるところでございます。その後、自然環境部会から、絶滅危惧種の保全については今後早急にどういったことをする必要があるかということの答申を受けまして、また、6月には種の保存法改正が公布されたということで、この改正等の概要につきましては、7月の小委員会でごく簡単にご紹介させていただいたという状況ではございます。
 参考資料に改正法の概要と、それから法律審議の際に国会のほうから付されました附帯決議を添付してございます。
 せっかくの機会ですので、附帯決議の、関連部分をご説明させていただきたいと思いますが、保全戦略本体につきましても、根本的な考え方をしっかり書いていくということもご指摘いただいていることとあわせまして、5番目、1ページ目の一番最後のところになりますが、当面、2020年までに300種の種の保存法に基づく国内希少種の新規指定を進めていくということ。その際に、この小委員会においてもしっかり議論をして、結果を尊重するということも明記されているところでございます。
 さらに関係しまして、裏ページの9のところには、中央環境審議会に対してもご意見をいただいているところ、ご紹介させていただきたいと思います。
 資料2-1に戻っていただきまして、小委員会で、5月に構成案ということでごく簡単な枠組みについてお示しして、ご意見をいただいたところでございます。その後、今日ご紹介いたします(骨子案)を、8月に自然環境部会でご議論をいただきました。今後、冬ごろ部会を開催しまして、パブリックコメントの後、年度内の決定を目指したいと考えているところでございます。
 資料2-2でございます。保全戦略の構成ということで、概要を簡単にご説明させていただきたいと思いますが、先ほど簡単にご紹介しました、点検からこれまでの流れを示した背景を第1章としまして、2章に目的、3章に現状と課題を整理して、4章に基本的な考え方、ここではどういった基準で優先度をつけて効果的な保全を行っていくのかということと、種の特性や減少要因を踏まえて、さまざまな対策をとっていくということ、それから計画的な実施としてどういったことが大事かということを整理してございます。5章に、施策の展開として環境省としてやっていくことを整理させていただいているところで、大きく情報及び知見の充実、実際の保全対策の推進、それから多様な主体の連携や理解の促進という形で構成をしているところでございます。
 資料2-3でございます。こちらが8月の自然環境部会でご用意をさせていただいた資料ですが、下線が引いてありますのは、昨年の部会でお示しした(骨子案)から、大分、その後の経緯を踏まえて中身を充実・変更してきたということがありますので、その部分がわかるように下線を引いているというものでございます。
 1章につきましては、先ほど申し上げたように背景でございます。後半のほうに下線が入っていますのは、主に法律改正の経緯を整理させていただいたところです。
 目的でございますが、この保全戦略は、絶滅危惧種に特化をして、保全のあり方を整理していくものでございます。国家戦略で示されている希少種、絶滅危惧種に関連する目標、国別目標の実現を図るために、保全を推進することを目的として、この戦略を整備しているというところでございます。目的につきましては、部会のほうから生物多様性の基本的な考えがもう少しわかるようにというご意見をいただいているところ、保全の意義を入れてもう少し充実させていきたいと考えています。
 3章の現状と課題につきましては、昨年度に発表しました第4次レッドリストで絶滅危惧種がふえているといった現状、それから点検で明らかになりました国内の絶滅危惧種の現状を整理しております。点検当時にも、シカの問題を記述していただいていたんですけれども、この骨子のほうに抜けていたので、そこには入れさせていただいている状況になっております。
 5ページに行っていただきまして、現状の三つ目、これまで流通規制、取引に対しての規制については、こちらの保全戦略で扱っていなかったんですけれども、変更の部分は国内希少種についてもかかわるところですので、法律の改正で強化をされたところ等も含めて、今後も取り組みを続けるといったことを整理させていただいております。
 4章は、基本的な考え方ですが、こちらは保全の点検の際に点検会議からいただいた提言をもとに、優先度の考え方等々を整理させていただいているところでございます。
 一つ目が、優先度の考え方で、6ページの二つ目が種の状況を踏まえた効果的な保全対策の考え方ということで、減少要因等も踏まえ、さまざまな保全の手法を活用して、保全に取り組める必要性を記述をしているところでございますが、その保全のメニューといいますか、そういったものがどういったものがあるかということで、図を示しているところでございますが、この点につきましても、非常にわかりにくいというご指摘を部会のほうでいただいております。そのため、書きぶりを含め、少し、再度整理をして、よりどういった保全の枠組みがあるのか、簡単に申し上げますと、生息している場での保全、その場から離れたところでの保全、またさらに種に着目したときの取り組み、場に着目したときの取り組みといったことが大きく考えられると思っていますけれども、よりわかりやすい形で整理をしていきたいというふうに考えております。
 それから(2)、7ページになります。域外保全と野生復帰の考え方につきましては、構成案の際にこの小委員会でいろいろと、ファウンダーへの影響等々ご指摘をいただいたところでございます。それを踏まえまして、留意すべき事項等、書きぶりにも充実をさせていただきました。
 8ページを見ていただきまして、計画的な保全対策の実施の考え方というところにつきましては、構成、少し整理をさせていただきまして、その後の5章の施策の展開に結びつくような形で、機能的な考え方を整理させていただいたという形になってございます。
 それから、5章でございますが、9ページ、30行目からですが、情報及び知見の充実につきましては、大きく種の生息状況等の基本的な情報の収集と絶滅のおそれの評価、レッドリストの作成、場について、特に重要な地域の抽出、それから保全状況がどういうことになっているのか、よりよい保全を検討するための方策として、「絶滅危惧種保全カルテ」の作成といったものを挙げているところでございます。
 それから、2.の実際の保全対策の推進でございますが、国会審議等々の経緯も踏まえまして、2020年までに300種の新規指定を図るということと、そのためにどういった取り組みをしていくのかということを整理をしております。それ以外にも、その他の制度の活用ということと、技術開発の3項目で、この保全対策の推進の項目を今整理しているところでございますが、部会のほうからは、ハビタットの管理ですとか、あるいは持続可能な農作業の推進といったところ、もう少し積極的な記述をする必要があるというご指摘をいただきまして、この2.全体の構成も、変更も含めて、少し検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 11ページに、先ほど申し上げました国内希少種の指定につきましては、この小委員会でお諮りしていくということになってまいります。手続として、国民からの提案を受けるという体制も整備した上で、小委員会におかれましては、候補種の検討をしていただくということを考えておりますので、特にここの部分についてはご説明させていただきたいと思います。
 それから、指定後の保全の取り組みとしまして、保護増殖事業ですとか、生息地等保護区の設定といったことも記述をしてございます。
 また、12ページには、種の回復がなされたときにどういった手順で国内希少種の解除をしていくのかという考え方も今整理をしているところでございます。
 それから、種の保存法以外にも、さまざまな枠組み、本日ご審議ありました鳥獣保護区を初め、国立公園での取り組み、あるいは国際的な枠組みの中での渡り鳥の取り組みといったものも含めて、さまざまなツールを活用していくということを記述しております。
 三つ目としまして、保全手法の技術の開発と普及といったことを挙げさせていただいております。具体的な取り組みとして追加されているところでは、日動水との協力体制の強化といったものを追記させていただいているところでございます。
 最後、3.の「多様な主体の連携及び社会的な理解の促進」というところでございますが、5月の小委員会で、ボトムアップの取り組みとか教育といったことの重要性をご指摘いただいて、それを踏まえて、どういったことが書き込めるかを検討した上で、少し充実をさせていただいております。その上で、多様な主体、連携と社会的な理解の促進というものを二つに分けて整理をしているというところでございます。具体的には、連携のほうでは、里地里山の取り組みの追記をさせていただいたことと、理解促進の関係では、具体的な優良事例についての紹介といったことですとか、飼育関係団体や地域との連携を図るといったこと、また、環境省で行っている表彰制度等を今後も引き続き取り組んでいくといったことを記述をしているところでございます。
 このほか、部会のコメントを幾つかいただいております。例えば減少要因を踏まえて保全を考えていくということに対して、減少要因自体を精査する、それがよくわかっていないことも多いというご指摘でしたり、ほかには絶滅危惧種の保全に当たって科学的視点だけではなくて、社会的な視点の重要性も指摘をしておく必要があるといったご意見をいただいているところで、これらも含めて、より充実した戦略にしていきたいと考えているところでございます。
 簡単でございますが、以上でございます。

【石井委員長】 ご説明ありがとうございました。
 ということで、5月のこの委員会のご報告に続いて、その後の状況についてのご報告ということです。今日は多分、この委員会としては最後になって、自然環境部会のほうで二度ほど審議があり、その間にパブコメが入るという予定のようでございます。
 それでは、この機会ですので、ご意見、ご質問あったら、お願いします。いかがでしょうか。
 鷲谷先生。

【鷲谷委員】 ありがとうございます。
 私、欠席することが多くて、しっかりフォローをしていなかったので、今ごろになってということもあるかもしれませんが、域外保全に対する記述のところで若干気になることがあるんですね。それは保全すべき野生生物にとって、今、環境が悪化の一途をたどっていて、それも異なる空間スケールで作用するような要因が複合的に絡まり合っているものですから、状況を直ちに改善することが難しいケースも多いですし、少なくとも現状を維持するための域外保全とか、保護・増殖みたいなことをしなければならないという現状があるので、域外保全というのは一つの重要な戦略として位置づけられるべきものだとは思うんですけれども、問題点とか落とし穴については、やっぱり網羅的に認識しておく必要があると思います。
 それがちょっと足りないかなという気がしますのは、栽培・飼育下に置いておくと、世代時間の短いものだと、その環境、野外に比べると極めて単純で、餌なども決まったものが与えられるような、そういう環境の淘汰圧のもので適応進化してしまいますし、寿命の長いものでは、行動の上での馴化が起こってしまって、野外では暮らすことが難しい個体になってしまうということがあると思うんですね。そうすると、飼育下・栽培下に置いておいたものというのは、生態学的、行動学的には、野外の集団とは違うものなんですね。そのことを認識して、そういう取り組み、もしくはそれを資源として使って、野生復帰をしていくということが必要だと思います。それは分類群によって異なる効果であり、世代時間の違いや野外と飼育・栽培下の環境の違いに応じても変わってくることなので一概には言えませんが、もう野生生物一般にあり得ること、一番基本的な生物学的な原則から見て起こり得ることなので、それが、認識していくことの重要性には若干なりとも触れていただくといいのではないかと思います。
 以上です。

【石井委員長】 ありがとうございます。
 ほかにご意見はございますでしょうか。
 じゃあ、順番にいきましょう。桜井委員、どうぞ。

【桜井委員】 確認ですけれども、これは自然環境部会で8月29日に出されたものであって、そのときに得られたコメントに対して修正を加えてはいないということでよろしいですか。

【事務局】 はい、そうです。今後、これに修正をさせていただくということで、まだ変更はしていない状況になっております。

【桜井委員】 そうしますと、もう一度、これが修正をされた段階で、もう一度、委員会に諮って意見を聴取するということはあるんでしょうか。

【事務局】 次の段階では、(骨子案)となっているものの骨子を取りまして、文章化した案の形でお諮りして、その上でパブリックコメントをかけさせていただく予定になっております。

【桜井委員】 わかりました。ありがとうございます。

【中島野生生物課長】 それは自然環境部会のほうでということになりますので、この小委員会としてではなくてですね。

【桜井委員】 はい、わかりました。

【石井委員長】 よろしいですか。

【桜井委員】 はい。

【石井委員長】 では、山極委員、どうぞ。

【山極委員】 私も、ちょっと欠席していたことがあるものですから、よく理解していないところがあって、ちょっとお聞きしたいんですが、「絶滅危惧種保全カルテ」という言葉が出てきますね。この発想は大変いいことだと思うんですけれど、例えば絶滅危惧種というのが病体――病気にかかっているというような観念だと思うんですけど、じゃあ、理想としての健康体というのは何に置いているのか。つまり種に置いているのか、生態系に置いているのか、それによって随分話が変わってくると思うんですね。もちろん地域によって随分と生態系そのものの中身が違いますし、種が置かれている状況というものも、種の特性に従って随分変わりますよね。ですから、その部分を、カルテというからには、何か治療目標というものを据えるために、そういう状況調査をして、具体的な目標を立てると思うんですけど、そのあたりの発想の経緯をちょっとだけ教えていただきたいんですけど。

【事務局】 ありがとうございます。
 この戦略では、基本的に種に着目して作成をしておりまして、カルテにつきましても、絶滅危惧種、いわゆる環境省のレッドリストに上がっている種を対象に、特に絶滅のおそれの高いほうから検討をしていきたいと考えております。考え方としましては、なかなか病状を脱するようなところまでを書けるカルテになるのは難しいかと思ってはいるんですけれども、これまで環境省のほうで蓄積してきた情報としましては、まず、絶滅のおそれがどれぐらいあるのかといった評価をしているんですけれども、では、それが今の保全状況がどうなっているのかということが、よくわかっていないという状況になっております。効果的な保全対策を考えていくという上で、今、何がなされていて、どういうことが足りていないのかを整理をしていかなきゃいけないということで、その第一歩として、分析というところまで行ければとは思っていますけれども、どこまでの分析になるかわかりませんが、イメージとしては、保全とのギャップ分析のような形を考えているところでございます。

【石井委員長】 よろしいですか。

【山極委員】 ということは、その種が絶滅危惧という状況から脱するというのが目標であって、例えばそれも先ほど鷲谷さんがおっしゃった域外保全の対策というものとも絡むと思うんですけど、いわゆる生息地の中におけるその種の絶滅回避というものが目標であると考えてよろしいんですね。

【事務局】 はい。

【山極委員】 わかりました。

【石井委員長】 よろしいでしょうか。
 じゃあ、広田委員、お願いします。

【広田委員】 里地里山のことで一つご質問なんですが、9ページに、上から三つのポツに、「里地里山等の二次的自然環境」というふうにあって、「等」がついているんですが、これは里海というものを意識されているのかどうかということです。私、里地里山のほうの委員会にも入っているんですけど、そこで海の扱いというのがいつも出てきて、この「等」というのをアンダーラインを引いて加えていらっしゃるというのは、そういう意図かどうかというのを確認したいんですが。と申しますのは、14ページにも里地里山のことが触れられていまして、上から三つ目のポツに「里地里山を」と、ここには「等」がついていないんですね。これは本来「等」をつけるべきところを落ちているのか、それともこれは区別して敢えて抜いているのか、そこをちょっと、細かい点で恐縮なんですけれども、海にこだわる方がいらっしゃるので、確認しておきたいと思いました。

【事務局】 ありがとうございます。
 そうですね。ちょっと細かい考え方は担当部署に再度、少し確認をさせていただきたいと思うんですけれども、絶滅危惧種という意味で申し上げますと、環境省のレッドリストでは、沿海域までは評価の対象が広がっている状況でございますので、考え方として、そこも含まれるとは言えると思います。実際に、じゃあ、今後数年間、環境省が取り組んでいる取り組みとしてどこまで手が出せるかというところも含めて記述になっていると思うんですが、その辺は、再度、何かできることがないのかということもあわせて検討したいと思います。

【広田委員】 わかりました。この「等」が入っている、入っていないも含めてですね。

【事務局】 はい、そうですね。

【広田委員】 はい。了解しました。ありがとうございます。

【石井委員長】 ほかはよろしいでしょうか。
 小菅委員、どうぞ。

【小菅委員】 12ページの解除のことについてちょっと質問をしたいんですが、多分、何回か前か、前回か忘れましたけども、オオタカのときだったと思うんですけど、指定するときのランク、要するにこの種を絶滅危惧種に指定してやっていきますよというのを決めますよね。保護が成功してそのランクを超えたときに、すぐに指定を解除するのか。いや、その解除はもうちょっと待った方がいいのか。どこまで回復したら解除するのかという議論があったと思うんですけど、ただ一つのランクだけでね、指定するときのランクだけ、同じものを使って、今度は解除ですということを考えているということですかね、このカテゴリーの有無というのは。それでは、僕は、その一本の線だけでは、全然だめで、やっぱりある程度の幅を持って、要するに減ってきた、これ以上減らしたらまずいというところで指定するわけだから、それがうまくいって増えてきたときは、これを超えたらいいということじゃないと思うんですよね。もうちょっと余裕を持ったところで解除されるべきだと思うんですけども、その辺の考え方がここに盛り込まれているのかどうかというのが一つ。
 もう一つあります。もう一つは、保護増殖事業種まで行ったときに、それを絶滅する前に補強とか、いわゆる再導入ではなくて、補強・補充という考え方で、飼育下の個体を野生個体群を維持するために提供していく、放野していくというようなことをやり続けて、ようやく野生の個体群が維持されていったときに、指定は解除するでしょうが、保護・増殖事業自体も解除してしまうのか、せっかく持つことができた飼育下個体群の扱いをどうするのかということも、やっぱりきちんと触れておくべきだと僕は思うんですけれども。
 その辺の2点について、ちょっと質問したいんですが。

【石井委員長】 では、中島課長、どうぞ。

【中島野生生物課長】 最初の点でございますけれども、もともと種の保存法による国内希少種の指定の要件が、絶滅のおそれのある種のうち国内希少種として指定するということになっていますから、科学的に見て絶滅のおそれがあるかないかが、まずは判断基準として基本になると考えておりますので、絶滅のおそれがないと、環境省がレッドリスト上ですね、一方ではそういう認定をしておきながら、法律上は絶滅のおそれがあるものとして取り扱うことは、これは非常に難しいと考えています。ただ、一方で、国内希少種の指定をしていたがために、いろんな保全措置がなされて、絶滅のおそれから脱したという、そういう事情があるわけですから、仮に指定を外したら、そこの保全措置がなされなくなって、また絶滅のほうに傾いてきてしまうというおそれがある場合は、これはその部分を加味しなければいけないと思いますので、その点はちょっとここにつけ加えるべきかなとは思いましたけれども、基本的には、法律で動いていますので、絶滅のおそれがないと判断したものを、いつまでもずっと規制がかかる種指定を続けていくというわけにはなかなかまいらないということでございます。
 それから、後半の話ですけれども、例えばトキのように、今、絶滅危惧種であって、かつ一旦野生絶滅をしたものを、野生復帰をして、当面、60羽の野生下での個体群存続を目指して事業を行っておりますけれども、これについては、レッドリスト上の評価で今は野生絶滅のままでございまして、これがしばらくして野生下での60羽が安定的に、人が放鳥しなくても維持できるようになってくると、CRになったり、ENになったりというような、まだそのぐらいのレベルだと思いますから、人が手をかけなくてもいいようになってからしばらくは、恐らくまだ絶滅のおそれがあるというふうにレッドリスト上は判断されるんじゃないかなと考えておりますので、国内希少種の解除が、そう簡単に――特に生息域外保全をやり、野生復帰をやりというような種については、そう簡単にそういう状態になるとは思っておりませんので、そこは余りご心配はないのではないかなという気がいたします。

【小菅委員】 ありがとうございました。

【石井委員長】 いいですか。
桜井委員、先でしたね。

【桜井委員】 根本的なことなんですけれども、第2章の目的のところですね、1ポツのところで、「2012-2020に基づき、環境省がみずからの取組を中心に策定する」と、ここですけれども、これは国ではなくて環境省がということでよろしいんでしょうか。というのは、一つは所管するレッドリストの載っているものについて、例えば他省庁が所管しているものがあるとした場合に、それは手を出さないということなのか。これは、これ以上言いませんけれども、例えばありますね、いろいろな絶滅危惧種が、それのところの線引きをしているのか、そうじゃなくて、もう少し踏み込むのか、その辺のところだけお聞きしたいんですが。

【事務局】 環境省主体の戦略ということで考えておりますが、ただ、当然、私どもだけでやれることは限られていますので、関係省庁との連携という観点、環境省から見た形で、書き込める他省庁の取り組みというものもいろいろと考えていきたいと思っております。部会のほうでも同様に、特に農林水産省との連携ということをもう少し何とか打ち出せないのかというご指摘もいただいているところですので、そのあたりは、実際にどういったところまで書き込めるか、関係省庁とも話をしつつ、少し充実していきたいと考えております。

【石井委員長】 鷲谷委員。

【鷲谷委員】 国内希少野生動物種ということではないんですけれども、レッドリストから外れるということがもたらす効果なんですが、科学面での効果というのが一番大きいと思います。サクラソウで前にそういうことを経験しているんですけれども、保全活動に――地域によった、保全活動については、もうサクラソウが里山の生物多様性のシンボルみたいな形ができたので、各地域での保全活動が続いていますし、東北地方などではサミットの開催なども結構活発になっているんですけれども、科学ということを考えますと、保全上重要な生物の研究というのは社会的目標に基づくものなので、それがリストに入らなかったら、もう研究者は研究する正当性がなくなってしまいます。
 そういうテーマで研究しようとする人もいなくなるし、研究費もとられなくなるので、研究はそこで停止するということは考えておかないといけないのではないかと。社会的効果の一つですけれども。

【石井委員長】 ありがとうございます。
 では、宮本委員、いかがでしょうか。

【宮本委員】 5ページの絶滅危惧種保全の優先度の考え方という項目に種の存続の困難さと対策効果の大きさの二つで評価して優先度を決めていくと書いてあります。具体的には、レッドリストでカテゴライズされた各グループの中のそれぞれの種について、6ページの上のほうにある効果をランクづけしたような一覧表、あるいは後半に出てくるカルテを整備するとイメージしてよろしいんでしょうか。具体的にランキングとかカテゴリーなどの表を想定されていたらどのようなものか教えてください。

【事務局】 しっかりした資料の形でできてくるかというところは、ちょっと疑わしいんですけれども、作業の過程で、そういったリスト化ということが必要になってくるのは確かだと思います。絶滅の種、カルテもまさにそれにつながる話だと思うんですけれども、ランクと、今、じゃあどういった状況にあるのかといったことを、情報として整理をしてまとめていくという作業は行っていきたいと考えております。

【石井委員長】 ありがとうございます。これは報告案件ということもありますので、この辺で切らせていただきたいと思います。
 それでは、次にまだありまして、「鳥獣保護管理のあり方」についてということで、検討状況について事務局からご説明ください。お願いします。

【事務局】 鳥獣保護業務室、松本と申します。よろしくお願いします。
 自然環境部会に設置されております鳥獣保護管理のあり方検討小委員会におきまして、現在、鳥獣保護管理のあり方に関する検討をしていただいております。その状況について、ご報告いたします。
 資料3をごらんください。
 まず経過でございます。前回の鳥獣保護法の改正が平成19年に行われました。その際の附則に、法の施行後5年を経過した場合、法の施行状況を検討し所要の措置を講ずるという規定がございます。これを踏まえ、昨年の11月に、中央環境審議会に今後講ずべき措置について諮問いたしました。それを受け、「鳥獣保護管理のあり方検討小委員会」を設置いただき、現在検討をしていただいているところです。
 課題でございますが、シカ、イノシシ等野生鳥獣の生息域の拡大、個体数の増加に伴い、貴重な高山植物の食害といった自然生態系への影響や、農林水産業への被害が深刻になっております。その一方、鳥獣捕獲の中心的な役割を果たしている狩猟者の減少・高齢化が著しく、鳥獣捕獲の担い手不足というのが大きな課題になっております。このため、鳥獣保護管理に携わる人材の育成、それから将来にわたって適切に機能し得る鳥獣保護管理体制の構築ということについてご議論をいただいているところでございます。
 簡単に、委員会で出されています委員のご意見をご紹介いたします。まず、鳥獣の管理をさらに一層進めていくという観点から、現行の鳥獣保護法では、シカ、イノシシ等の鳥獣についても、捕獲の規制とその解除という形で、鳥獣の保護の仕組みの中で管理をしてきたところですが、これに加えて、そうした鳥獣による被害を防ぐという観点でのより積極的な管理を図っていく必要があるのではないかというご意見をいただいております。それから、鳥獣の管理については、国、都道府県、市町村、それから農林業者、狩猟者の方々など多くの関係者の方がかかわっている中で、役割分担を明確にしつつ、かつ連携をしっかり図って対策をしていく必要があるというご意見をいただいております。また、有害駆除、被害対策のための捕獲や、個体数を調整するための捕獲等公的な意味合いの強い捕獲の担い手として、鳥獣捕獲を行う事業者というのを育成していく必要があるのではないかというご意見もいただいております。また、捕獲を今後進めていくに当たっては、現行の制度や規制等では対応できないような措置についても対策を議論していく、できるようにしていくことも必要ではないかといったご意見をいただいております。
 今後のスケジュールでございますが、資料の訂正をお願いしたいと思います。次回の小委員会が25年9月になっておりますけども、11月に6日に予定しています。その小委員会におきまして、パブリックコメントにかける取りまとめの案をご議論いただくようにしております。小委員会のご意見を踏まえ、11月以降、パブリックコメントを行い、できれば年内を目途に、今後の作業状況によっては1月になるかもしれませんが、小委員会の取りまとめを行い、部会へ報告したいと思っております。
環境省としましては、部会の答申を踏まえて、必要な措置、法律の見直しなどを含めて、必要な対策を講じていきたいと考えております。
 報告は以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 スケジュールに少し変更があるということでございました。
 何か、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(なし)

【石井委員長】 それでは、どうもありがとうございました。
 引き続きまして、その他ですけれども、事務局から何かございますでしょうか。
 中島課長、お願いします。

【中島野生生物課長】 資料4、動植物園等公的機能推進方策のあり方検討会の設置についてという資料をご覧ください。
 この小委員会でもたびたび生物多様性の行政を進めていく上での動物園などの役割は非常に大きなものがあるというご指摘をいただいてきたところでございます。このたび、動物園、水族館、植物園、昆虫園など、動植物を飼養栽培する施設、これを一応まとめた中で、いろいろひっくるめた形でございますけれども、絶滅のおそれのある希少な動植物の種の保存、あるいは生物多様性保全に関する教育や普及啓発の場としての重要性みたいなことに着目をいたしまして、こういった公的な機能、生物多様性の保全という観点で見た公的な機能について、これを一層推進していくためにどのような措置が必要であるのかということについて、これから検討を進めていきたいということでございます。
 今年度につきましては、この検討会につきまして、主にヒアリングのような形で、今のこれらの飼養施設の現状であるとか、あるいはどういったことが課題になっているのかということを、委員の方々からの話をお聞きしながら、課題の整理をしていきたいと考えておるところであります。先日、第1回検討会が開かれまして、今年度中にあと3回の検討会を開くという予定にしております。また、今年度は課題の整理ということでございますが、それを受けて、来年度以降、またさらに検討を進めていきたいと考えております。
 将来的には、法律等の可能性もございますし、この小委員会で議論をしていただくことも可能性としてはございますので、一応、こんな動きがあるというご報告をさせていただきました。
 以上でございます。

【石井委員長】 ありがとうございました。
 では、ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問はございますか。よろしいでしょうか。
 先般、「ノアの方舟構想」みたいな形で新聞報道されていましたが、この件ですね。ちょっと違う?あれは日動水が出したものですか。

【中島野生生物課長】 はい。呼応しているみたいなところはありますけれども。

【石井委員長】 わかりました。
 それでは、特にご意見がないようでしたら、奥主審議官からご挨拶をお願いしたいと思います。

【奥主審議官】 自然環境局を担当いたしております奥主でございます。本日は、熱心なご審議、ご助言をいただきまして、本当にありがとうございました。
 諮問事項としてご審議いただきました、国指定鳥獣保護区及び特別保護地区の指定につきましては、事務局案のとおりまとめていただきました。今後、事務局において、答申として手続をとらせていただきたいと思います。
 ただ、その審議の過程におきまして、いろんなご指摘を受けたところでございますので、その指摘につきましては、しっかり事務局のほうで受けとめて対応していきたいと思っております。また、報告事項におきましても、それぞれのご指摘をいただきましたので、今後の議論の参考となりますよう、事務局として整理させていただきたいと思います。
 本日は、本当にありがとうございました。

【石井委員長】 では、以上をもちまして、本日の野生生物小委員会は閉会といたします。
 どうもありがとうございました。