自然環境部会温泉小委員会(第15回)議事録

【事務局】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第15回温泉小委員会を開会いたします。

 委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。

 本日の出席委員数をご報告いたします。本日は、11名の委員のうち8名の方にご出席をいただいていることをご報告させていただきます。

 それでは、議事に先立ちまして、亀澤自然環境局長よりご挨拶を申し上げます。

【自然環境局長】 本日は、年度初めの大変お忙しい中、温泉小委員会にご出席をいただきまして、大変ありがとうございます。

 実は、この小委員会は、前回の開催が平成26年4月でしたので、3年ぶりの開催ということになります。

 この間、環境省では、温泉行政が抱える資源保護、適正利用、さらには地域振興といったさまざまな課題について取り組みを進めてまいりました。

 本日は、そうした取り組みについて、幾つかご報告をしたいと考えております。

 特に、おととし12月には、温泉地の活性化に力を入れるべく、局内に温泉地保護利用推進室というものを新たに設置いたしました。

 本日は、国民保養温泉地の新規指定など、温泉室設置後の温泉地活性化策について簡単な資料を用意しております。

 また、本日の議題の一つとして掲げております温泉利用施設における硫化水素中毒事故の防止策に関しましては、平成26年10月に発生いたしました硫化水素中毒が疑われる事故、また、浴室外で発生した温泉に由来する硫化水素中毒事故を踏まえまして、新たな基準を別途検討会にてご議論いただいたものを取りまとめたものでございます。

 この基準を踏まえまして、今後、都道府県等とともに新たな事故の発生がないようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 本日は限られた時間ではございますけれども、忌憚のないご意見をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【事務局】 今回の小委員会は、前回の開催から3年が経過しておりまして、また、委員改選後の初めての開催となりますので、本小委員会の委員長の指名について、ご紹介させていただきます。

 中央環境審議会議事運営規則第8条第3項に基づき、本小委員会の委員長に、下村委員に改めてご就任いただいております。

 また、本日より新たに小委員会の審議に参画いただくこととなりました委員の方もいらっしゃいますので、お手元に配付させていただいております資料1の委員名簿に沿ってご紹介させていただきます。

 温泉評論家の石川理夫委員でございます。

【石川委員】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 神奈川県温泉地学研究所研究課長の板寺一洋委員でございます。

【板寺委員】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 公益財団法人中央温泉研究所専務理事の甘露寺泰雄委員でございます。

【甘露寺委員】 甘露寺でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 本日はご欠席ですが、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長の北原茂樹委員。

 株式会社由布院玉の湯代表取締役社長の桑野和泉委員でございます。

【桑野委員】 よろしくお願いいたします。

【事務局】 また、本日欠席でございますが、法政大学法務研究科教授の交告尚史委員。

 同じく、本日は欠席でございますが、追手門学院大学地域創造学部教授の佐藤友美子委員。

 一般社団法人日本温泉協会常務副会長の佐藤好億委員でございます。

【佐藤委員】 佐藤でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 東京大学大学院農学生命科学研究科教授の下村彰男委員でございます。

【下村委員長】 下村でございます。改めてよろしくお願いいたします。

【事務局】 静岡県健康福祉部生活衛生局衛生課長の長岡正喜委員でございます。

【長岡委員】 長岡でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野教授の前田眞治委員でございます。

【前田委員】 前田でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 引き続き、本日出席の自然環境局の幹部のご紹介をさせていただきます。

 先ほど挨拶させていただきました、自然環境局長の亀澤でございます。

【自然環境局長】 よろしくお願いします。

【事務局】 大臣官房審議官の正田でございます。

【大臣官房審議官】 正田でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 自然環境局自然環境整備課長の木村でございます。

【自然環境整備課長】 木村でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 自然環境局自然環境整備課温泉地保護利用推進室長の山本でございます。

【温泉地保護利用推進室長】 山本です。よろしくお願いいたします。

【事務局】 それから、温泉制度管理技術研究官の吉田でございます。

【温泉制度管理技術研究官】 吉田でございます。よろしくお願いいたします。

【事務局】 それでは、次に配付資料の確認をさせていただきます。

 お手元の議事次第に記載がございます資料1から資料5、それから参考資料1から参考資料5。

 それから、ただ単に、右上に参考資料と書かせていただいている資料を2枚置かせていただいております。国民保養温泉地の資料と、源泉数の推移というグラフの資料を置かせていただいております。

 不足等がありましたら事務局のほうに申していただければと思います。

 それでは、冒頭のカメラ撮りについてはここまでとさせていただきます。

 これより、下村委員長に以降の進行をお願いいたします。

【下村委員長】 皆様、年度の初めから早々にお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 先ほど来、ご紹介がありますとおり、これは3年ぶりでございまして、委員の先生方もお久しぶりの先生もいらっしゃるし、初めての先生もいらっしゃるわけですが、また後で詳しいご紹介はあると思いますけれども、昨年度の温泉地サミットで、首長が30名以上お集まりになっておりまして、首長30名というのは、調整も含めてとても大変な作業だと思いますし、あるいは、各自治体の関心の深さというものも非常にうかがい知れるのではないかと思います。

 温泉につきまして、非常にそういう意味で、再度また大きく高まってきているというふうに理解しておりますので、皆様から、またいろんなご意見をいただいて、行政に反映させていただければというふうに思います。

 きょうは幾つか、そこの議事にありますとおり、主に4点ということですが、みんな基本的に報告事項ということですので、気軽にお聞きになって、でも、かつ、いろいろとご質問、ご意見を事務局のほうにお出しいただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 それでは早速、議事を進めてまいりたいと思います。

 まず一つ目の議事でございます。環境省における温泉地活性化について、事務局よりご報告をお願いいたします。

【事務局】 温泉地保護利用推進室長の山本でございます。

 今週着任したばかりですので、目下勉強中でございますけれども、環境省における温泉地活性化策をご紹介させていただきたいと思います。

 横長の資料2をごらんいただきたいと思います。

 1枚めくっていただきまして、まず、現状と課題をまとめております。

 皆さんのご専門の内容でございますので、ごく簡単にご紹介をさせていただきます。

 左上のグラフで示しておりますけれども、温泉旅館等の数や宿泊数は、ともに減少傾向となっております。

 一方で、真ん中のグラフですけれども、温泉利用者数は横ばい、温泉利用浴場数は横ばいとなっております。日帰り利用が多く、宿泊が減少しているということで、特に旅館等での消費額が減少している状況にございます。

 一般的な地方と同様に、地方の温泉地におきましても、過疎化、高齢化の悩みを抱えまして、旅館の廃業等も進んでいるという状況にございます。

 次のページでございます。

 環境省の取り組みについては、上から2番目の黄色に色づけをした四角にございますけれども、まずは温泉法の運用が基本で、資源の保護、災害の防止、適正な利用を図っております。

 また、局長の挨拶にもございましたけれども、温泉法の適切な施行や温泉地の活性化を推進するために、平成27年12月に温泉地保護利用推進室を設置いたしました。その後の具体的な取り組みにつきましては、次のページ以降でご説明させていただきます。

 ページをめくっていただきまして、次のページ、4ページでございます。

 昨年の5月に全国温泉地サミットを開催いたしました。

 第Ⅰ部では、全国温泉地所在自治体首長会議ということで、先ほど委員長からもご紹介いただきましたけれども、全国34の自治体首長、また、首長以外も含めれば、計70自治体にご参加いただきまして、活発な議論をいただくとともに、「温泉を活かした地域活性化・地方創生の推進に係る要望書」が提案され、提出されました。要望書の概要は、この右下の四角の中にあるとおりでございます。

 次のページでございますが、温泉地サミットの第Ⅱ部といたしまして、公開のシンポジウムを開催し、また、その中で国民保養温泉地に新規に指定した温泉地に指定状を交付するとともに、基調講演、パネルディスカッション等を実施いたしました。あわせて、環境省温泉地活性化プロジェクトを公表いたしました。

 次のページに、そのプロジェクトの概要を示しております。

 温泉と自然を活用した地域の魅力を向上するために、「新型湯治プラン」とも言えるような、多様な温泉利用プログラムを提案したり、温泉の大きな特徴の一つであります熱を生かす取り組みを進めるとともに、③ですけども、温泉地に関する産・官・民のコラボレーションを進めるための場づくり、ネットワークづくりなどを方向性として示しております。

 次の7ページ目からは具体的な事例を幾つかお示ししております。

 昨年5月に「温泉を活かした健康づくりに関する協定」を、公益社団法人日本理学療法士協会、長野県の上田市、環境省の3者で締結をいたしまして、利用と温泉地滞在を一体にしたプログラムを行い、環境省ではその普及に協力を行うということとしております。

 次のページ、最後のページですけれども、国民の関心の高い温泉の効能についてのパンフレットを作成・配布いたしましたり、また、各種イベントへの支援や参加、また、関係団体や学会との連携強化、温泉地活性化に有効な予算、事業メニューの取りまとめをして情報発信をするといったようなことですとか、温泉熱の利用に関する補助などの実施を行っております。

 資料2については、ここまでなんですけれども、今後の話として、少し参考資料についても触れさせていただきたいと思います。

 参考資料2と3です。

 それぞれ縦の1枚なので、ちょっとわかりづらいかもしれませんけれども、後ろのほうにお配りしているものでございます。

 まず、参考資料2でございますが、自然等の地域資源を活かした温泉地の活性化に関する有識者会議についてご紹介させていただきます。

 温泉室ができまして一年少したちまして、これまで多くの関係者と話をしながら走ってきたところでございますけれども、このあたりで、この一年の経験も踏まえまして、改めて体系立った施策を進めていくために有識者会議を開催して、今後の進む方向性についての提言を取りまとめていただこうと考えております。

 地域活性化に主眼を置いておりまして、2で示しております有識者の方々にお集まりいただきまして、5月下旬から7月までの3回でまとめていただく予定でございます。

 この温泉小委員会からは下村委員長に入っていただき、座長をお願いすることとしております。

 また、参考資料3でございます。

 昨年初めて開催をいたしました全国温泉地サミットの2回目を、今年も5月に開催することとしております。今後、全国の首長の方々にご案内いたしまして、意見交換をしていただく予定でございます。

 また、今回はイベントスペースでの温泉地のPRや物販なども予定しております。

 それでは、事務局からの説明は以上でございます。

【下村委員長】 どうもありがとうございました。

 さらっと、事務局からご説明をと言いましたけど、推進室は、この委員会ではデビューでございますので、初めてというか、室長からのご報告でした。

 何か質問、ご意見はございますでしょうか。

 最初に一通り説明を受けてから、事務局にお答えいただくという形をとりたいと思います。

 何か質問がありましたら、いつもの恒例に従って、これ(名札)を立てていただいて、あるいは、ご意見がある場合は立てていただいて、まとめてお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。何かございますでしょうか。

 特によろしゅうございますか。

(なし)

【下村委員長】 それでは、まだこれからも幾つかご報告がありますから、その折に、また関連したものが出てきた場合には、ご質問、ご意見等をいただければと思います。

 それでは、二つ目の議題、温泉利用施設における硫化水素中毒事故の防止策についてということで、昨年度に設置された検討会で議論をされまして、公共の浴用に関する温泉利用施設の設備構造等に関する基準の改正案が取りまとめられたということだそうです。

 本日は、これまでの経緯を踏まえまして、改正案についてご説明をさせていただきまして、委員の皆様のご意見をいただきたいということでございます。

 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 資料3と参考資料5を用いまして、ご説明させていただきます。

 資料3のほうからになりますが、温泉利用施設における硫化水素中毒事故防止策というタイトルをつけさせていただいております。

 まず、そもそもの背景なんですけれども、温泉法の15条の第1項におきまして、「温泉を公共の浴用又は飲用に供しようとする者は、環境省令で定めるところにより、都道府県知事に申請してその許可を受けなければならない」とされております。これは、我々は通常、「利用の許可」と呼んでおりまして、いわゆる旅館さんであるとか、公衆浴場で温泉を利用する場合には許可をとっていただくというような、たてつけの法律になっております。

 また、都道府県知事は、同条3項で示す「温泉の成分が衛生上有害であると認める」場合には、当該許可を不許可とすることができるとさせていただいております。また、必要に応じて許可の取り消し等が可能な法体系となっております。

 環境省では、この利用の許可に当たる基準として、温泉の利用基準というものを昭和50年に発出させていただいております。

 こちらは、きょうの議題とさせていただいております硫化水素を含有する温泉のほかに、例えば水銀であるとか、ヒ素であるとか、そういったものについても記載させていただいておりまして、その中の一つとして硫化水素というのが、特に温泉の成分では普遍的なものということで基準を定めさせていただいている次第です。

 続きの資料になりますが、平成18年には、この平成17年末になるんですけれども、秋田県湯沢市の泥湯温泉というところで非常に痛ましい事故が発生して、駐車場に温泉の硫化水素の吹きだまりのようなものができて、そこにご家族の方が次々入って亡くなられたという事故がございましたので、基本的には同じような中身なんですけれども、その昭和50年の通知の基準の一部を見直しさせていただいて、改めて「公共の浴用に供する場合の温泉利用施設の設備構造等に関する基準」というものを、平成18年に環境省告示として発出させていただきました。そちらが参考資料5のほうになります。

 これらを踏まえて、環境省のほうから、各都道府県に対しては、特に温泉法第35条に基づく立入調査または報告徴収といったようなものを用いて、温泉に由来する硫化水素事故の未然防止に努めてきたところでございます。

 ただ、そうは言っても、その後も、温泉法の範囲内ではあるんですけれども、いわゆる貯湯槽、お湯をためるようなところであるとか配管設備、お湯を流すところ、また源泉、そういったところにおいて、温泉の源泉を掃除するであるとか、メンテナンスをするとか、そういった場合において、温泉に由来する硫化水素の中毒事故が幾つか発生したということのほかに、平成26年には、浴室内で硫化水素中毒が疑われる事故が発生したところです。

 こういった状況を踏まえて、環境省では各都道府県に対して、詳細な調査というものを昨年度に行うとともに、設備構造基準の徹底をとにかく促しをさせていただきました。

 また、平成27年度には、事故事例調査というものを行わせていただいた上で、昨年度、平成28年度に、先ほど下村委員長からもご発言がありましたように検討会を設置させていただいて、その有識者会議において、本年2月に「公共の浴用に供する場合の温泉利用施設の設備構造等に関する基準(改正案)」を策定いただき、ご了承いただいたところです。

 新旧対照表にすると見づらいですので、改正案のポイントというものに下線を引かせていただいております。

 次の2ページをめくっていただきますと、改正案というものを載せさせていただいております。

 まず大きく、最初に前文という形で下線を引かせていただいております。

 こちらのほうは、以前の参考資料のほうと見比べていただければと思うんですが、以前の参考資料5では、ある意味、いきなり適用対象というものを載せさせていただいておりましたので、この告示、基準の位置づけというものがなかなか明確になっていないというご意見等もございましたので、その部分を補強させていただきました。

 具体的には、まず、そもそも論にはなるんですけれども、温泉法は、その目的の一つとして温泉利用の適正化を図ることとしております。そのため、先ほどの条文のとおりではあるんですけれども、公共の浴用に供しようとする者は、環境省令で定めるところにより、その許可が必要ですとなっております。

 温泉には種々の成分が含有されています。その利用方法あるいは温泉利用施設の管理等が適切でない場合において、人体に対して健康被害を与える場合がある。本基準は、総硫黄1キログラム中、2ミリグラム以上を含有する温泉を、いわゆる温泉法の利用許可が必要な場合においては事故を防止して、利用者の安全を確保するために遵守すべき基準を示したものである。

 また、都道府県知事並びに、この利用の許可については、政令市または保健所設置市さんに、県知事さんがおろすことができるとされておりますので、そういった都道府県知事等の方は、本基準に沿った適正な温泉利用が行われるように、必要に応じて行政指導や行政処分を行うことが望ましいとさせていただいております。

 また、具体的には、この基準を許可処分の際の判断基準としていただくほか、特に把握をするためという意味で、第34条の報告徴収、第35条1項の立入検査を実施いただいて、必要に応じて行政指導もしくは許可の取り消しということも可能ですということを明記させていただきました。

 このように、こちらの文書は、実は昭和50年の温泉利用基準の通知というところにも同じようなことを書かせていただいていたのですけれども、それを改めて喚起させていただくという意味で記載させていただいた次第でございます。

 以下は、適用対象となる温泉というのは基本的には変えておりません。いわゆる硫黄泉と呼ばれる、総硫黄2ミリグラム以上含有する温泉というものが基本的には対象となっております。

 また、具体的には温泉利用施設の構造について、この基準は考え方を示させていただいておりますので、まずは硫化水素濃度というのを、こちらの基準は変えていないんですけれども、この濃度以下にしなさいということで、浴槽の湯面から上方10センチで20ppm、また床面から上方70センチで10ppmというふうにさせていただいております。

 また、従来からも入っていたんですが、換気孔、いわゆる換気扇であるとか換気窓というようなものを設けなさいということで、2カ所以上設けなさいということを書かせていただいております。

 さらに、浴室が場所場所によって、かなり形がさまざまですので、特に浴室内で、風の吹きだまり、そういったものによって硫化水素が滞留しないような構造にしていただきたいであるとか、例えば、浴室の中で硫化水素が発生するような、「ばっ気」と呼んでいるんですけど、温泉をじゃばじゃばするような設備とアバウトに思っていただければと思いますが、そういったものを設けないようにということを書かせていただきました。

 また、浴槽の考え方については、特にシーンというものは設けていませんが、湯面は、浴室床面より高くなるようにすること。また、浴槽への温泉の注入、温泉を入れるところについては湯面より上方に設けることというふうに書かせていただいております。

 また、浴室等の管理というところなんですけれども、施設をつくった後にしっかりと管理していくこと、把握していくことが重要と考えておりますので、温泉利用許可者――これは、利用許可者というのは具体的には許可、処分を受けた者になりますので、例えば旅館の方であるとか、管理されている方、そういった方々に守っていただきたいというふうに考えております。具体的には、換気状態をしっかり確認するということです。

 例えばなんですけれども、ここにも書いておりますが、極端に換気扇がとまっていないかとか、硫化水素がどうしても電気設備に悪さをする場合がございますので、そういったものがないように日常のメンテナンスをしっかりしていただきたいと、そういったことであるとか、また、雪が多い地域においては、どうしても換気扇の外に雪がたまってしまう場合がございますので、そういったものが、雪がたまったような場合に適切に換気できないことがないようにしてくださいというふうにさせていただいております。

 また、濃度の測定ということで、日々、濃度を測定することがこちらの基準では非常に重要ですので、都道府県知事が必要と認めたような場合には、浴室内の硫化水素濃度を原則として一日2回以上測定をしてください。今までは、どこではかってもよいというふうにさせていただいていたんですけれども、基本的には、安全・安心という観点から、浴室内において最も空気中の硫化水素濃度が高くなる地点というのを書かせていただきました。

 こちらのほうは、昨年度の検討会の実施に当たって実地調査をさせていただいて、温泉注入口付近というのがおおむね高いという結果をいただいておりますので、温泉注入口付近というふうに明記させていただいております。

 ただ、そこはケース・バイ・ケースのこともございますので、「等」というふうにここは書かせていただきました。

 ですので、実際には実地で幾つかはかっていただいた上で場所を決めていただくことが重要だと思っております。

 次のページになりますけれども、測定結果の記録及び保管というところで、きちんと記録については保管していただきたいということです。こちらのほうは濃度とかのように考えております。

 また、浴槽がきちっと温泉が満ちている状態にしていることであるとか、浴室内の状態には常に気を配っていただきたいという旨を記載しております。

 また、温泉法は、本来は浴室というところが法律のカテゴリーにはなってくるんですけれども、こちらは温泉由来の硫化水素中毒事故が、先ほど申し上げた源泉のメンテナンスであるとか、ほかの掃除、そういったところで事故が起きたという例が幾つか続いておりましたので、こちらは、実は厚生労働省さんの労働基準監督署さんのほうが権限をお持ちなんですけれども、ある意味、所掌としてはかぶってしまうところはあるんですけれども、安全・安心の観点から、お互い情報を共有させていただいているところでして、その観点からも、前回から入っていたものではあるんですけれども、揚湯設備、ばっ気装置、そういったところにきちんと立入禁止柵、誰も一般の方が入れないようにしてください、また鍵を設けてください、注意事項を明示した立て札、ここは危険ですとか、そういったものを設けられている温泉地もございます。そういったものを設けていただきたいということと、大きな貯湯槽とかを設けるような場合には、例えば動力による拡散装置を設けるなど、とにかく事故がないようにしてくださいということを改めて明記をさせていただいております。

 このように、基本的に浴室で温泉を安全・安心にお客様の皆さんに使っていただくという観点に加えて、浴室以外の部分でもある程度ご配慮、きちんと事故がないようなことをこちらの基準に記載させていただいております。

 図のほうは、今のものを具体化したものになりますので省略させていただきます。

 6ページになりまして、この検討会のメンバーを記載させていただいております。

 今回、ご出席いただいている佐藤委員、温泉協会のご所属でいらっしゃる遠藤先生、また、中毒の関係のご専門でいらっしゃる上條先生、倉林先生、こちらが温泉療法医の方です。あとは、群馬県の方が自治体として入っております。また、実際の温泉を掘削したり、設備を管理するという民間の方であるとか、火山で硫化水素なり硫黄ガスが出るということで、知見をお持ちの東工大の野上先生、また、先ほど申し上げた労働災害として発生しているケースが幾つかございますので、労働の世界では、酸素欠乏症という、そういったところで、実は有資格者がこういったものは作業しなさいと、これはテキストを用いたりしてご説明しています。

 これは、実は温泉だけではなくて、下水道の関係の工事とか、ああいったものでも事故は起きていますので、そういった観点からアドバイスを中央労働災害防止協会の方にいただきました。このように審議を経て基準を決めたところです。

 今後のスケジュールなんですけれども、この中央環境審議会の温泉小委員会のご意見をいただいた後に、また来週以降にパブリックコメントのほうをかけさせていただいた上で、こちらのほうは、この基準をしっかりと運用していくことが特に重要だと考えておりますので、温泉の担当者会議のほうを、こちらは昨年も行わせていただいたんですが、ことしも改めて開催しますので、ここの中で徹底的に注意喚起をさせていただきたいと思っております。

 また、それを踏まえて、7月ごろになりますが、基準の改正をさせていただいた上で、この基準だけでは足りない部分、例えば、よりこういうところに気をつけたほうがいいとか、先ほど私が、ばっ気装置という、温泉をじゃばじゃばするような装置と申し上げたんですけれども、それってどういうものなんですか、どうしたらつくれるんですかというようなハウツーの部分を加えたガイドラインのほうも8月ごろに策定したいと思っております。

 また、このガイドラインを策定した以降は、こういったものをしっかりと都道府県さんなり、温泉旅館さんなりにご理解いただけるような説明会というものを全国の幾つかで開催をさせていただければと思っている次第です。

 ちょっと早くて恐縮なんですけれども、以上が硫化水素の関係のご説明となります。

【下村委員長】 ありがとうございました。

 では、今の事務局の説明につきまして、何か質問、ご意見はございますでしょうか。

 ここまでを受けて、では、石川委員。

【石川委員】 石川です。

 とても重要な取り組みだと思いますが、一つ提案ですが、1の基本となる、適用対象となる温泉の規定なんですけれども、ここでは一般的におっしゃったように、いわゆる硫黄泉というふうになっております。

 本基準の適用対象となる温泉は、1キログラム中、総硫黄2ミリグラム以上ということで、そうなっているわけです。

 この対象となるのは、単に総硫黄が2ミリグラム以上ではなくて、鉱泉分析法指針にも書いてありますように、主に、より硫化水素の形を主として、総硫黄を2ミリグラム以上含まれる、いわゆる硫化水素泉です。

 というのは、多分これは、統計はないのですけれども、いわゆる硫黄泉の中で3割ぐらいは単純硫黄泉ではないかなと、私の想定ですけれども。それを行政上の、別に全く無視するというわけではないんですけど、ほとんど硫化水素のにおいもしませんし、成分として含んでいませんので、対象の煩雑さを避ける意味でも、これは、そういうふうに硫化水素成分を主として2ミリグラム以上を含む、いわゆる硫化水素泉に、対象を明解にしたほうがいいのではないかというふうに思います。

【下村委員長】 ほかに何かありますか。

 佐藤委員、どうぞ。

【佐藤委員】 佐藤でございます。

 この案件につきましては、利用施設の構造等に関しては、これは建築基準法その他の、そちらの各県の省令とか政令とか、そういうものに、基準といいますか、そういうものを当て込むような基本的なお考えがあるのかどうか。それがまず1点。

 もう一つは、実際問題として、各硫化水素関係の温泉地というのは多々あるわけでございますので、その中で、その施設を管理といいますか、チェックされるのは、各県の保健所の方なんですね、現地の。

 この方が、比較的、このことについてご指導いただけるということになっておりますけども、非常に生死の分かれを決める中身なものですから、そこでついつい、過剰な言葉遣いその他というのが、今までもなかったわけではないんですね。

 ぜひその辺は、丁寧な説明その他を、現場で、また保健所の講習会といいますか、そういうものを各温泉地でぜひやっていただくような指導の中身にしていただけないか。

 つい、1対1でやってしまいますと、どうしても話の中身が厳しくなってしまうということがあるものですから、ぜひその点は、また、各県の温泉協会なり、あるいは旅館組合等々、きょうは全旅連の会長が来ていませんけれども、そういう方々との共同の打ち合わせを事前にさせていただこうと思っておりますが、日本温泉協会とすれば、そういう形も含めて、現場の指導をしっかりとお願いできるようなことを前提に、お願いできないか。そんなことをぜひお願いしておきたいと、そんなふうに思っております。

【下村委員長】 ほかはよろしゅうございますか。

 それでは、前田委員。

【前田委員】 前田でございます。

 今の資料3の3ページ目の下のほうに、濃度の測定がありますが、温泉注入口付近などを含むというふうにあるんですけども、浴槽の種類によっては、かなりいろんな箇所があるので、「注入口付近等」というふうな感じで1カ所だけを指定するんじゃなくて、何カ所を測定したか、そして、そのうちで一番高いところというのは、そういったことは具体的に記載させるべきだというふうに思うんですけども。

 この記載だと、2カ所ぐらいして、温泉注入口のほうが高かった、あるいは低かったということがありますので、もっと換気孔の近くであるとか、もっと浴槽の下流方向というか、そちらの方向のほうが高いところもあると思うんですけれども。

 そういった、何カ所かしていただいて、さらにこの温泉注入口を含むというようなこともしていただいたほうが実際にはいいんじゃないかというふうに思うんですけども、いかがでしょうか。

【下村委員長】 よろしいですか。それでは、事務局、お答えをお願いします。

【事務局】 ご意見をありがとうございます。

 まず、石川委員からご指摘をいただいた件ですけれども、昨年の検討会で出させていただいたデータで、こちらには載せていなかったんですけれども、全国でどのくらい、いわゆる硫黄泉があるのか、都道府県にアンケートという形で調査をさせていただきました。

 全国で、源泉数、温泉数ですけれども、1,204本ございます。

 そのうち硫化水素型と呼ばれるものが409本、差し引き、その他のものが795本というふうにさせていただいております。

 我々としては、全ての硫黄泉、そういうふうに2ミリグラム以上含有する温泉について、今回、基準を対象とさせていただきたい理由は、例えばアルカリ性の温泉とかが具体的には対象になってくるとは思うんですけれども、そういったものであっても――説明がぼわんとして恐縮なんですが、お風呂の浴槽全体からぼわっとわき上がってくるようなケースが、実際に、昨年度の調査で確認をされた次第です。

 そういったもので、最大限、率等を考えさせていただいた上で、今回の基準の対象とさせていただいている次第です。

 もちろん、石川委員のおっしゃるとおり、より酸性のもの、いわゆる硫化水素型と言われるもののほうが硫化水素が出やすいという傾向は承知しているんですけれども、そのようなアルカリ性のものなどを具体的には考えさせていただいている次第でございます。

 また、佐藤委員からご指摘いただいた建築基準のお話でございますけれども、具体的に、建築基準のものに入れ込むとか、そういったものは、こちらのほうは考えていないんですけれども、ただ、基本的には、公衆の浴用に供するというのは、温泉法で許可を皆さん必ずとらなければならないことでございますので、こちらのほうでしっかりと、ある意味、縦割りと言われればそうかもしれませんが、担当させていただければと思っているところです。

 また、施設の管理体制、チェック体制なんですけれども、まず、日々の管理というのは、温泉旅館の方であるとか、公衆浴場の管理者の方にしっかりやっていただきたいというところがございますが、その上で、許認可に当たって、事前の確認であるとか、適切に動いてあるかどうかというところの確認を保健所さんが実際にやられているのは、我々も承知しておりまして、その保健所の方に、我々の環境省の考え方であるとか、都道府県の考え方がしっかりとしみ渡るということを、今回は5月16日の行政担当者会議、また、その先にございますガイドラインの説明会で徹底したいというふうに考えております。

 また、前田先生からございましたが、浴槽の種類はいろいろとあって、我々も、実は昨年度に検体の具体的な調査をさせていただく中で、ここが高いのか、例えば浴槽のへりが高いというような温泉もございました。

 へりというのは、お湯があふれ出てくるところですけれども、そういったところが高いというのは、風の影響とか、そういったものが考えられましたので、幾つかはかるというのは、まさにそのとおりだと思っています。

 そちらのほうは、昨年度の結果、これはホームページにも載せておりますけれども、こういったものを、ガイドラインの中にも、実は、具体的にこういう箇所ではかったら、このくらいの濃度ですというのを例示させていただいた上で、許可の際の参考にさせていただければと思っている次第です。

【下村委員長】 ありがとうございました。

 何か今のお答えに関して、よろしゅうございますか。

【甘露寺委員】 今の皆さんのご質問はもっともな話でございまして、まず一つは、石川先生が言われた、2ミリ硫化水素を基準にするという話、これは、実はかなり前からこういう意見がありました。それで、2ミリ硫化水素をとにかく基準にしたほうがいいんじゃないか、アルカリ性の硫黄泉は要らないんじゃないかと。

 これに対して幾つか問題点も実はありまして、まず、2ミリ硫化水素と、その根本的な問題が一つありまして、その源泉なのか浴槽なのかという問題が出てくるんですね、そこが一つあります。

 それから、もう一つ厄介なのは、僕の経験では、アルカリ性の硫黄泉でも、かきまぜたりなんかすると、かなりガスで出てくるのがある。これはわからないんです、どうしてだか。うちの滝沢君もこれを調べているんですけども、よくわからない。

 それから、もう一つ厄介なのは、加水ということができるようになって、水で薄めちゃうと、アルカリ性の温泉と酸性の温泉を薄めちゃうと、酸性までは行かないけども、ある程度、そういうのを薄めちゃう場合もあり得るんですね。

 ですから、そういう問題があるんで、これは、とりあえず今の段階では、一応、硫黄泉という形でやりましょうというふうに、私は、そうだったと思っているんですよね。

 それで、それ以上議論として、さっき言った浴槽をどこでやるんだとかって、いろんな問題が出てくるんです、これは。それを考えるときに。

 特に、加水・加熱・循環ろ過というようなことがやってくると、またこの辺の問題も、厄介な問題が出てきます。

 僕自身は、ある意味で、もう少し厳しい方向を見ながらやったほうがいいんじゃないかという意見が出て、そういうふうにしたんだと記憶しているんですけど。

 たしか、環境省さんは、そういうことで、これは基準は変えないということでございますね。そういうふうに、たしか私は記憶しております。

 その辺の議論がいろいろとありまして、実はこれは、もう何十年も前に、この基準つくったときの委員会がありまして、そこでいろいろと議論があったときもそれが出たんです。だけど、まずい、やっぱり硫黄泉にしろということで、硫黄泉になったように僕は覚えているんです。たしか、その辺の記録がどこかに入っているはずなんだけど、僕らで探したんだけど、あんまりないんですよね。

 この記録を一番最初につくったときに、いろいろと議論はあったんです、それは間違いなく。それから、「温泉」という雑誌に、その座談会が出ているんだけど、その中でも取り上げていたような気がするんですけども、見たけど、あんまり詳しくは書いてないんです。それで、まあそういうことです。

 それから、あともう一つ、僕が気になるのは、これは、大体、一般的には浴槽を中心に考えてつくられたものなんです、最初から。

 ところが、浴槽じゃなくて、源泉であるとか、パイプの引湯ラインであるとかタンク、貯湯槽であるとか、ポンプ室だとか、いろんなものが出てきて、そして、そういったものに関しても、ある程度いろいろなものを、一応、警告的なことを書いておいてもいいだろうということで、これに書いてあるわけ。

 現在、実は、我々がこれをやった今から30年、40年ぐらい前は、源泉にしても、パイプラインにしても、あんまり神経は使ってなかった、間違いなく。平気だ、硫化水素なんかにやられるのは技術屋じゃねえなんていうような考えもあったんです。

 ですから、平気だった、間違いなく。これやることによって、よりいろんなものが防げるというふうに、僕はそう思っています。

 一番怖いのは、硫化水素を扱う専門のポンプ屋さんとか、それからタンクをつくる人というのは、割に平気なんですよ、硫化水素に。それが一番問題なんです。

 その「平気だ」というのは、僕自身が、昭和28年に、日光で実はひっくり返ったんです、ポンプ室で分析をやってて。

 周りに人がいたから、すぐ助けられて、ああひっくり返ったって。自分じゃ気がつかないんですよ、こうなっちゃうんですよ。それが非常に怖いんですね、硫化水素の場合は。

 ですから、僕自身はいろんな経験で、厳しいほうの――ところが、その厳しいほうの基準をつくると、旅館の旦那さんや何かが文句を言うんですよ。これは、もういつでも同じなんです。僕らも随分言われた。

 硫化水素なんて安全じゃないの、あんなものを何で毒物扱いするのというような意見の方もおられるんですね。これは非常に考えないと。

 それから、もう一つ、実は、これを我々が厳しいって、今から言いますけども、言っている理由の一つは、もう一つあるのは、これは、この会をやって気がついたんですけども、この硫化水素の基準というのが、実は健康な人の基準なんですよ。

 体の調子が悪いとか、ぜんそくだとか、何か病気を持っている人についてやったんじゃないんですね。ですから、うちの滝沢君は厳しい方向をとったほうがいいというような意見が非常に強いんです。基準そのものが、本来は、硫化水素の場合は、特に敏感な人もいるんで、その辺が問題ないわけじゃないんです。

 でも、こういう形で今度動いて、僕が一番心配しているのは、関心がなくて、あまり硫化水素を測定しないという人が多いんですよ。それは困るんです。とにかく測定してください。観測して、そのデータを持っていろんな対応をしてくださいというのが僕らの意見でございます。

 以上でございます。

【下村委員長】 経緯をありがとうございました。

 そういうことを踏まえて、この後も、まだこれをパブコメにかけたり、検討委員会があると思いますので、ご意見等については、またコメントをいただければというふうに思います。

 この議題はこのぐらいにさせていただきたいと思います。どうしても何か追加はございますか。

(なし)

【下村委員長】 それでは、続いて、三つ目の議題に参りたいと思います。

 三つ目が、温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱関係)の改訂案についてということで、これも重要な案件ですので、ご議論いただければと思います。

 まずは、事務局より報告をお願いします。

【事務局】 温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)の改訂の概要ということでご説明させていただきたいと思います。

 まずは、本ガイドラインを、資料のほうは資料4-1、資料4-2を用いてご説明をさせていただきます。

 4-2については、かなりボリュームもありますので、主な変更点のところを黄色で色塗りさせていただいております。説明の中でご紹介させていただこうと思います。

 まずは、本ガイドラインの策定時の経緯であるとかねらいについて簡単にご説明させていただきます。まず、温泉法に基づく掘削の許可等は都道府県知事が自治事務として行っているものでございます。本ガイドラインの位置づけとしましては、一義的には、都道府県の温泉行政担当者が許認可の事務を行うに当たって参考となるように国から示すものということになります。

 また、環境省では、21年3月にも温泉資源の保護に関するガイドライン、「(地熱発電関係)」がつかないものを策定しておりまして、今回、改訂案を取りまとめた本ガイドラインは、その分冊という位置づけということになります。

 温泉資源の保護に関するガイドラインは、この21年につくったものでございますけれども、こちらは、主として浴用・飲用への利用を目的とした温泉の掘削を対象としておりまして、地熱発電の開発のための温泉の掘削についても対象として捉えてはいますが、具体的な対応は21年当時の知見では言及することが困難であったということで、それを除いた構造となっているところでございます。

 しかし、21年度版のガイドライン策定以降に、我が国においても温室効果ガスの削減目標であるとか、規制改革等の動きといった背景のもと、温泉資源の保護を図りながら再生可能エネルギーの導入が促進されるように、平成24年3月に、この「地熱発電関係」というガイドラインを策定することとなったところでございます。

 なお、21年に策定した「地熱発電関係」というのがつかないガイドラインについても、26年度に改正しているということを申し添えさせていただきます。

 次に、本ガイドラインのねらいについてですが、先ほども申し上げましたとおり、本ガイドラインでは、温泉資源の保護を図りながら再生可能エネルギーの導入が促進されるよう、地熱発電の開発の各段階における掘削等において、温泉法における許可または不許可の判断基準の考え方を示しているものでございます。具体的には、各段階に実施される掘削行為等による温泉資源への影響を判断するために、必要な資料と、それに基づく判断の方法を示しているというものでございます。

 これにより、地熱発電の開発のための温泉の掘削等について、今後は、都道府県において本ガイドラインを参考に、温泉法における許可の運用に当たることによって手続の早期化が期待できるというふうに考えているものでございます。本ガイドラインのねらいとしては、そういうことになります。

 資料4-1の1ポツの今回、改訂をするに至った背景でございますが、平成24年3月に策定した本ガイドライン、「(地熱発電関係)」とついているものでございますが、見直しの目途としております5年が経過したところでございます。

 また、当該ガイドライン策定以降も、自治体において地熱発電に関する条例等の制定が進んできているなど、地熱発電をめぐる国内の動向とか、環境省で平成27年度に実施した地熱発電と温泉地の共生事例調査の結果も踏まえて、今回、温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)の改訂検討会を立ち上げまして、そこでの議論を経て、改訂案の取りまとめをさせていただいたところでございます。

 2ポツのガイドライン改訂に向けたスケジュールでございますが、改訂検討会において、平成28年12月より、最後が2月28日でございますが、3回にわたる議論をいただきまして改訂案の取りまとめを行いました。

 今後は、パブリックコメントの実施を4月初旬から1カ月程度行わせていただいて、5月の中旬にあります全国温泉行政担当者会議、に示させていただき、ご意見をいただいた上で、5月下旬に改訂版を確定して、都道府県に対する技術的な助言としての通知をさせていただこうと考えております。

 1枚おめくりいただきまして、2ページ目の上段でございますが、参考といたしまして、改訂検討会の委員名簿を掲載させていただきました。

 本小委員会の委員でもあられます板寺委員、甘露寺委員、交告委員、佐藤委員もご参画いただき、改訂案の取りまとめをいただいたところでございます。

 3ポツの改訂案の概要(ポイント)ということでございますが、基本的な許認可に係る部分の改訂は行っておりませんで、明確に書くべきことをしっかり書いて、拡充すべきところをしっかり拡充したというのが今回の改訂の主なところでございます。

 簡単にポイントだけ説明させていただきます。

 まず、(1)ガイドラインの目的、位置づけの明確化ということですが、そもそものガイドライン策定の目的でもある持続可能な利用ということを、そこの部分を改めて明記させていただいたというところでございます。「温泉を将来の世代に引き継ぎ利用できるよう、持続的な利用を可能とするための資源保護のあり方を示すものとして策定。」ということで、資料4-2でいいますと、3ページの部分になります。

 また、地熱発電の開発のための温泉の掘削については、各都道府県において、本ガイドラインと、先ほどお話ししました「(地熱発電関係)」の付かないガイドライン、の両方を参考にしていただいて、温泉法における許可の運用に当たることを期待しているということを改めて明記させていただいたということでございます。

 こちらはガイドライン4ページに書かせていただいております。

 続きまして、(2)の地熱発電の各段階における掘削許可の判断に有益な情報等の扱いの明確化というところでございます。

 今後、都道府県等の担当者が、本ガイドラインを参考に温泉法における許可の運用に当たることを期待しているものではありますが、参考にしていただくに当たって留意点もあるということで記載させていただいているところであります。

 その一つといたしまして、地域の温泉資源等の状況を考慮することが必要であるという点でございます。

 地熱発電、それ以外についても、地域の温泉資源の状況に応じて、本ガイドラインで示す資料に加えて、さらに資料を収集するとか、あるいは、本ガイドラインで示す資料の一部を省略するといった対応など、個々の実情に応じて取り組みを行っていただく必要があるということで、その部分をしっかり書かせていただいたということでございます。その部分については、資料4-2ガイドラインでいいますと、4ページあたりになります。

 それから、本ガイドラインについては都道府県の担当者向けのものなんですが、法律上の許認可以外の部分で関係者に求められる取り組みというのも記載しております。

 これは、地熱開発が法律上の手続だけではなかなか円滑に進まないという事情もございますので、温泉事業者、地熱開発事業者、さらには自治体の果たす役割というところにも言及しているものでございますが、そのあたりの記載を拡充させていただいたということで、(3)(4)と書かせていただいているところでございます。

 まず、(3)でございますが、定期的、継続的なモニタリングの重要性とその実施方法等に関する記載の充実ということでございます。

 温泉と地熱発電との影響を見るときに、まず一番最初にわかるのは、温度であるとか水位であるとか、その変動だと思いますので、そこは平時よりしっかりモニタリングをやっておくことが重要だということで、改めて記載を充実させていただいたところであります。「温泉のモニタリングについては、井戸自体の健康診断といった意味を持つため、当該温泉源を利用する者が中心となって調査を行うことが原則であるものの、状況に応じて判断すべきである。」という文言を追加させていただきました。資料4-2では30ページに当たるところでございます。

 こちらは、実際に4-2を見ていただいたほうがわかりやすいと思いますので、お開きいただきたいんですが、30ページの下段から、31ページ、32ページにかけてでございますけれども、モニタリングの重要性を書かせていただいておりまして、さらにそこで何回程度やるのか、どういう項目をやるべきなのかということを、このガイドラインではっきり決めて書くのは難しいという事情がございますので、今回の改訂にあわせて、温泉事業者、それから地熱発電事業者にアンケート調査をかけさせていただきました。その結果を31ページに載せさせていただいておりまして、一つの参考にしていただければと思っているところでございます。

 それから、31ページの一番下の段落のところからでありますけれども、資源エネルギー庁においても、地熱発電に関するFIT認定申請、その際の要件を定めている「事業計画策定ガイドライン」でも、モニタリングの記載がございます。

 このように他法令においてもモニタリングについての記載がございますので、それらも参考になる可能性があるということで、その旨の記載もさせていただいたところでございます。

 続きまして、(4)の合意形成の仕組みの重要性と適切な実施方法等に関する記載の充実というところでございます。こちらは地熱開発を進めるためには地域での合意形成ということが重要ということで、その旨の記載を充実させていただいたというところでございます。

 「地域協議会等は、温泉資源の活用やその他、地域固有の課題を話し合う場である」ということを改めて明示させていただいたというところ。

 それから、「合意形成の仕組みは、調査・開発の段階や地元の状況に応じて適切な形をとることが必要である。また、状況によっては、関係者の個別説明や住民説明等の開催なども考えられるが、いずれの方法であっても地方自治体と連絡・相談を密にすることが肝要である」という記載を追加させていただいたということです。

 それぞれの地域ごとにあるべき協議会の姿、また、協議会に限らないんですけれども、合意形成の姿というのはいろいろあると思いますので、そのあたりの記載を充実させていただいたところでございます。

 具体的には、資料4-2の35ページをご覧いただきたいのですけれども、新たに協議会体制の構築例②ということで追加させていただきました。

 今までも、34ページにある図は構築例として記載させていただいておりまして、地域ごとに最適の形があると思われますので、必ずしもこうした体制がベストであるというものではないというふうに考えております。

 それで、さらに柔軟な考え方ということで、図7-2、35ページにあるものですが、こちらも追加させていただきました。

 コアメンバーである温泉事業者、地元自治体、地熱開発事業者、ここがコアメンバーであることは変わりないのですが、地域の実情に合わせたメンバー構成とすることもあり得るということで、例えばファシリテーターを活用するとか、その他、学識経験者を入れるとか、環境保護団体を入れるとか、そこは地域の実情に応じて柔軟な体制をとることが必要だと考えているところで、追加させていただいたところであります。

 こちらも、あくまで協議会というのが、必ず協議会をつくればいいというものではなくて、あくまで一つの参考例として記載させていただいたというものでございます。

 それから、冒頭にお話しさせていただきましたが、平成27年度に地熱発電と温泉地の共生事例調査というのを環境省のほうで行わせていただきました。

 そこで得られた結果というのを整理させていただきまして、ガイドラインでいいますと62ページになりますが、載せさせていただいております。

 わかりやすいのが65ページだと思いますけれども、表形式で事例のまとめをさせていただいております。

 こちらは、地熱発電が設置された例、それから頓挫した例、それぞれ調べさせていただきまして、協議会の設置があったのかどうか、協定書の有無があったのかどうか、交渉等ですね、それがあったのかどうか。それから、モニタリングの有無、モニタリングをすることになっているのかどうかというところを、ヒアリング等を通して調査させていただきまして、その情報を参考として載せさせていただいたというものでございます。

 こちらも一つの例として自治体の担当者が参考としていただければいいのかなと思っているところでございます。

 それから、(5)その他といたしまして、冒頭でも、近年、自治体において、市町村レベルですけれども、地熱発電に関する条例等の制定が進んでいるということをお話しさせていただいたところでございますが、そちらも、資料4-2ガイドラインでいいますと73ページからになりますが、幾つかの事例を整理して載せさせていただいたところでございます。

 具体的には、75ページ以降で項目ごとに整理して掲載をさせていただいております。

 例えば、持続可能性に関する規定が書かれているのかどうか。冒頭お話ししましたとおり、本ガイドラインでは、地熱発電と温泉との共生、温泉資源を保護しながらの持続可能な利用ということが目的であるということをお話しさせていただいたとおりであり、そういう記載があるかどうか。それから、モニタリングの重要性もお話しさせていただきましたが、モニタリングに関する規定があるかどうか。それから、温泉法の外の話ではあるんですが、地域の合意形成というのはやはり重要ですので、そのあたりの規定があるかどうか。そのあたりを整理させていただきまして、参考資料として追加で載せさせていただいたというものでございます。

 今回は量が多いので個々のご説明は省かせていただきますが、地熱発電をめぐる最新の情報などもアップデートさせていただいています。

 簡単ではありますが、説明は以上となります。

【下村委員長】 ありがとうございました。

 ある期間、5年をめどとした見直しではありますけれども、この間に随分状況が変わってきたということ、それから、改めて強調したほうがいいというようなことも出てきたということを含めて、改訂をご検討いただいているということです。

 何かご意見がございましたら、また、まとめてお受けして、答えていただこうと思います。いかがでしょうか。

 では、まずは板寺委員。

【板寺委員】 これからパブリックコメントをやられるということで、やると、多分いろんな立場の方からすごく幅広の意見が出て、ご苦労の様子が想像できるんですけども、恐らく、これだけのボリュームのものに全ての方が満足するような中身というのは難しいと思いますし、このガイドラインは、まだ温泉の科学的な知見にしても全然足りない段階ですから、絶えず見直しをして最新のものにしていくという努力は必要なのかと思います。

 そういった意味で、今回の見直しで、例えば、今ご説明いただいた、資料4の(3)(4)の、モニタリングというのはどういうふうにやられているかというアンケートの結果ですけども、そういったものを載せていただいたり、共生、うまくいっている事例というのはどういうものなのかとか、先進事例でどういうルールを取り入れていますかというのを載せていただいたというのは非常に意味があるなと思っています。

 今後また、これを材料にして、地熱開発の事例が増えていけば、また新たな事例が、うまくいく事例、うまくいかない事例もあると思いますけども、増えていくと思いますので、それは、ぜひフォローしていただきたいなというのが1点と、あと、今後、ガイドラインを改訂しましたということで、都道府県の担当者にご説明の機会があるかと思いますけれども、ご承知のとおり、都道府県の担当者というのは二年、三年でかわっていくものですから、そこら辺は、ぜひ粘り強くフォローしていただければいいかなと思います。

 以上です。

【下村委員長】 ほかに何かご質問はございますか。

 佐藤委員。

【佐藤委員】 一つは、私は、この前、岐阜と、それから、つい先週ですが、八幡平に、例の理解促進事業等々に関することで講師として呼ばれて、いろんな相談を受けてきたときに、たまたま、ちょうど今、(3)番にFIT法の記載がありますけども、これの改定を今やられているんです。FIT法改正という。

 それは、私も資料としては見たことはあったんですけども、現実に、例えば現場に当てはめたときに、今回のFIT改正法に基づく中身というのは、このモニタリング関係が非常に強い口調で書かれているんです。

 それはそれとしていいと思うんですが、ただ、こちらで検討させていただいたほうのガイドラインの中身と、FIT法の改正の中身の、モニタリングその他の中身が若干違うのかなと。

 これは、実はJOGMECの担当者から私どものほうに、その講演会の中で、実は逆に質問が上がったものですから、そんなことなのかなと。

 その辺の整合性も含めて、私も勉強不足で申しわけないんですが、FIT改正法の中で検討されているモニタリングの、いわゆる設置条件というんですか、そちらのほうが何か厳しくなっているんです。

 だから、私ども、温泉を利用する立場からすれば、それはありがたいことなんですけども。そうすると、今までこちらでやっていたガイドラインの目的の中身よりも、向こうのJOGMECさん、その他で検討されていたFIT法の改正のほうが強いということで大丈夫なんでしょうか。

 その辺の整合性さえうまくいけばいいとは思うんですが、そんなことが現場では気になっていた案件なものですから。

 それと、もう一つだけ。八幡平の場合にもう一つ問題だったのは、JOGMECさん、それから県の担当者、その他下のメンバーは全部出ていたのですが、地元の鹿角市だけがその会議にお出になってなかったんです。

 そうしたら、いずれにしても、優良事例という、一度、私はガイドラインのときも質問しましたけども、その優良事例となる、ならないという、その差はどこにあるんでしょうかという。優良事例とは、どういう条件を満たしたときに優良事例の地熱開発と言えるのかどうか。

 この辺が、現場では、鹿角市という市が出てこないものについては優良事例化はしにくいと、こういう発言もありましたので、そうすると、地元の自治体が出ないものについては優良事例にはならないのかというようなことの、その判断は誰がどこでどういうふうな基準でしていくのかなというのは気になりましたので、きょうのこの課題に合うのかどうかはわかりませんけども、そんなことが現場では少し気になった次第でございます。

 以上でございます。

【下村委員長】 ほかはよろしゅうございますか。

 それでは、お答えをいただきたいと思うんですが、それと、これのパブコメのかけ方もあわせていただければと思うんですけど、これの全文をまた全てかけられるのか、修正するところへのご意見ということで求められるのか。

 既に、これは以前も出てきたようなものをまた蒸し返されたりという可能性もあるので、それもあわせてお伺いできればと思います。

 コメントはいかがでしょうか。お答えが難しいというか、情報が十分でないものもあるかもしれませんけど、よろしくお願いします。

【事務局】 まず、板寺委員からご発言いただいた件については、恐らく、パブリックコメントでいろいろな意見が出てくると考えております。

 その点については、私どもで困る(科学的な言い回しなど)ところは、ご相談させていただきたいと思っているところでございます。

 それから、事例のフォローですね。

 今後、地熱開発がガイドライン改訂を契機に進んでいくとした場合に、その事例について、しっかり環境省でもウオッチしていきたいと考えております。

 それから、自治体の担当者についても、まずは5月の担当者会議で説明させていただきます。恐らく毎年、少なくとも1回は実際の担当者に集まっていただく機会はございますので、そのときにはしっかりご説明させていただいて、内容を理解していただくということで努めたいと考えております。

 それから、佐藤委員の言われたFITでのモニタリングのところでございますが、アセスの網にもかからないような規模が小さいところ、そういうところが非常にふえていて、実は環境省といたしましても、資源エネルギー庁といたしましても、問題の認識は共通しているところでして、そこをどうにかしなくてはいけない。そういうことで、最低限守るべきものとして資源エネルギー庁さんのほうは設定したというふうに聞いております。

 よって、これが全て、これでいいというわけでもなくて、それから、環境省のガイドラインも、これを参考にすることもできるのではないかということで、これでいいというふうに言っているわけではないということをご理解いただければと思います。

 それから、優良事例についてですが、なかなか答えにくいところがあるのですけれども、まず、環境省といたしましては温泉資源の保護、そこに影響がないということが大前提で進めていただくことなりますので、そこはしっかり守っていただく。そのためには、モニタリングの必要性、それから、地元との合意形成の必要性というのは、しっかりアナウンスしていきたいと思っているところでございます。

 それから、最後に下村先生の言われたパブコメのかけ方ですけれども、実はまだしっかりこうしようというのは決めているわけではありませんが、おっしゃるとおり、全てをかけてしまうと、今回、検討会でも全く触れていないところにも意見が出る可能性は当然あると思っております。ですから、そこは今回の改訂した点を、わかるような形にして、パブコメはかけさせていただきたいと思っているところでございます。

【下村委員長】 という事務局のお答えですが、よろしゅうございますか。

【佐藤委員】 私のほうはオーケーです。

【下村委員長】 では、改めて何か。前田委員。

【前田委員】 パブコメをかけられるということなんですけども、今の説明に戻っちゃって申しわけないんですけども、このガイドラインの3ページというか、将来の世代に引き継ぎができるようにというふうなところはクローズアップして書かれているように思うんですけども、そもそもの話なんですけども、5ページに図が下の段にありますけれども、生産井から引き込んで、地熱発電をして、還元井へ戻して、いかにもぐるぐる回っているように書いてあるんですけども、実はこれはあまり正しくないというようなことを周知したほうがいいんじゃないか。

 例えば還元井で戻すときに、違う層で下向きに矢印が描いてありますけども、これは必ず下向きでもないし、それから、還元井のところは、もともとの生産井からとったものとは全く違うものが出て、還元井へ戻すということであれば、地下の自然は変わってくるということも、みんな知っているのかなというふうな、そういった非常に懸念があります。

 それから、あと、熱だけをもらうというふうなことで再生可能だというふうに言っているんですけども、諸外国の事情からいっても、例えば硫化水素がいっぱいで、汚染物質がいっぱい出るしとか、そういったこともありますし、そういったことが、こういったパブコメの中にはあまり強調されていないような感じがしますので、均等な立場から言うと、プラスもあり、マイナスもありというようなこともパブコメの中では出てきて、それも検討課題には挙げたほうがいいんじゃないかというふうに思います。

 医学的な立場からは、結局、こういった地熱発電をすれば、熱だけを得られるんじゃなくて、いろんなもの、物質が出てきて、そして地下の水系は壊しというような――壊しというわけじゃないけども、変えるというようなことも、人間にとっていいかどうかというのも問題点として出てきて、その後、こういったパブコメの中ではあらわしたほうがいいかなというふうに思います。

 経産省のインターネットのホームページなんかでは、かなりいいことばっかり書いてやっているんですけども、プラスの面も、マイナスの面も、一緒に書くべきだなというふうに思っておりますので、ぜひそういった点のご配慮と、それから、あともう一つは、経産省のほうのもあったんですけども、地熱の発電所というのは、決してコストパフォーマンスのいいものではないということも、改めて表示したほうがいいんじゃないか。

 例えば生産井だと、すぐ、スケールと言いまして、中にパイプにこうできて、すぐかえなきゃいけない。もちろんパイプもそのまま使えなくなったのは、地下にそのまま埋めてそのままにしておくとか、そんなこともある。

 そういったことから考えると、地下の状態というのは変えてしまうんだというようなことも、こういったパブコメの中では述べておく必要性があるというふうに思っております。

 以上です。

【下村委員長】 はい。どうでしょうか。

【事務局】 ご意見ありがとうございます。

 まず、参考資料4-2の5ページのところの概念図なんですけど、あくまで概念図ということはご了解いただければという前提ではあるんですけれども、確かに前田先生のおっしゃっているとおり、還元井がこのとおりきれいにいくかどうかというのは、まさにケース・バイ・ケースで、やってみないとわからないという部分は重々承知しているとおりです。

 ただ、現実としては、今、還元井として戻している、大規模な地熱発電所ほど、こういう形態をとらせていただいていますので、書かせていただいております。

 こちらのほうは、参考として書かせていただいていますので、特に生産井として今とってきた水が、そういったものの科学的に分析すればどこから由来かということもわかってくる段階には来ておりますので、しっかりそういったものは、地熱発電所さんも基本的に、大規模なものほどモニタリングをされている傾向は多いということは確実に言えますので、そういったものはデータとして蓄積していくことが必要だと思っております。

 地熱発電所においても、温度が下がってしまっては発電所が回らなくなるという部分も確かにありますので、そういった意味では気をつけられている部分もあるとは思います。

 また、前田先生のおっしゃった、いろいろな資源の保護以外の部分の地熱発電所のデメリットという点なんですけれども、それは確かに我々もお話は聞いておりまして、また、そういったものは別なところでは確かにいろいろとご提示させていただいております。

 例えば、人が入っているとか、例えば、これは直接、温泉資源という話ではないんですが、場所によっては、住宅の真横にできてしまって洗濯物が乾かないとか、においがひどいとか、高速道路に蒸気が流れてしまって交通事故が起きるとか、そういったおそれもふえてきているのは重々承知しています。

 ただ、このガイドラインには、あくまでも温泉法第3条にかかわる掘削の許可に関するガイドラインになっていますので、あくまでも、それについては地熱発電全体を俯瞰しているものではないということはご理解いただければと思います。

 その他の排水であるとか、例えばにおいであるとか、においについては臭気の法律が、環境省の別の部局にはなりますけれども、持っておりますので、そういったところでまた対処させていただきたいと思っております。

【下村委員長】 パブコメの中でまた関連したご意見も出てくる可能性も、なくはないんですけど、今のご指摘の、これは今までも検討されてきているし、これからもご検討を続けていかれることだと思いますが、適正な表現はどこへおさめるかという点につきまして、また工夫をいただければというふうに思います。

 ほかに、よろしゅうございますか、ガイドライン関係。

 はい、どうぞ。

【石川委員】 すみません。全般的なものになるんですけれども、ガイドラインを以前に設定してから、実感としては、温泉小委員会という場よりは、閣議決定も含めて、オーバー・ザ・ヘッドのような形で大きく進んでいます。

 例えば、この間の保護利用推進室の中でも、とてもいいことだと思うんですけれども、温泉熱の有効利用とか、恐らく、この目線というのは、あくまでも温泉地も含めた温泉地域の目線で正しくこうしたものを利用していこうじゃないかというものが語られていると思うんですが、このところのガイドラインは、閣議決定もそうですが、非常に大規模な、いわば国規模というんでしょうか、または地域を越えた規模での、5万キロワット、9万キロワットとか大きな開発なんですね。

 私は、これは今言ってもしようがないんですけれども、個人的には、温泉熱の利用やこういう地熱の利用というのは、あくまでも地域主体であるべきではないかというふうに考えているんですが、そうやって、こうやってガイドラインができています。

 そこで、ひとつその辺を、環境省の自然環境局としては、何らかのバランスをとって、むしろ主体的にそういう温泉の熱は、日本の場合は、地熱の大半はこの数千年の歴史をもって温泉地という形で利用されてきましたので、そうしたバランスをとるという視線もどこかに反映していく必要があるのではないか。

 ただ、これを、今、事務局からご指摘がありましたように、あくまでもガイドラインの前提は、その温泉法の限定された情報に基づいているというふうになっていますけれども、そういう視線を将来のために、国民のため、利用者のためにも、一定のメッセージを流していく必要があるんじゃないかな、ガイドラインでできなくてもですね。

 ということは、非常に何かどんどん進んでしまっているという感じが、もうここで、きょうの、例えば小委員会ですぐパブコメといっても、前のガイドライン以降、どういう形でその意見を反映していいものやら、非常に無力感を感じるんですけど。

 あと、もう1点、ぜひ、そういう目線というか視線を環境省さんとしてとっていただきたいなというふうに思うのが一つと、あと、質問ですが、このガイドラインでは別に今回のパブコメの対象にはなってないかもしれませんが、結局、この間の論議や別の委員会の中で、温泉ゆう出目的以外については温泉の掘削の許可申請は不要であるという形になってきましたので、ちょうどそれをフォローする形で、この例えば資料で言うと、40ページから41ページの温泉の保護について、いわゆる温泉の第12条の採取制限命令とか、第14条による措置命令規定、他目的掘削に対する措置、これは例えば、質問なんですが、各都道府県の温泉審議会、審査部会等で諮るものでしょうか。都道府県知事の行政命令だけで済むものなんでしょうか。もしその辺もわかれば教えていただきたいんですけれども。そうなると、ガイドラインにかかわってきますので。

【下村委員長】 ほかは、もうよろしゅうございますか。

 では事務局より回答をお願いします。

【事務局】 まず、石川委員にご指摘いただいた採取制限命令、他目的掘削に関する措置命令についてなんですけれども、基本的には都道府県温泉部会を経なければならないというか、聴聞するというものではございません。

 あくまでも、行政手続法上の聴聞といったものは必要になる場合もございますが、基本的には必要があれば都道府県知事が行政処分として発出することが可能な法体系となっています。

 また、先ほど、地域主体といったご指摘もございましたが、この温泉資源のほうに関するガイドラインでは、あくまで地域主体でどうのこうのということは、法律の解釈、運用の基準ということで示していないんですけれども、先ほど山本のほうからもご説明させていただいた温泉地サミットの場等においては、温泉熱の有効利用ということで、例えば、場所の名前を言って恐縮なんですけれども、古来から利用されているような野沢温泉の料理に対する利用であるとか、これは別府とかでもされていますけど、観光資源として温泉の蒸し料理、そういったものを提供するとか、古くからあるような形も有効利用として、これもある意味、CO削減にもなりますので、そういったものも我々はグッドプラクティスとして提示させていただきたいと思っています。

 また、今回、明示していませんが、ご意見はあるかもしれませんけれども、地域住民の方が合弁会社をつくって発電所をつくったような熊本県小国町のような例もちょこちょこ出てきています。

 また、災害時の非常電源として、兵庫県の新温泉町のバイナリー発電とか、そういった形の新たな利用形態も出てきていますので、多様な地産地消のエネルギーとしての側面も出てきている面は確かにあるとは思っています。

【下村委員長】 利用推進室という形になっていますので、総合的に施策を展開される中で、今、石川委員がご指摘いただいたようなこともカバーをしていけるように頑張っていただけるんだというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 3については、これぐらいにしたいと思います。

 続きまして、四つ目の議題、国民保養温泉地の新規指定等についてということで、これも事務局からご説明をお願いいたします。

【事務局】 では、資料5と参考資料として日本地図を配らせていただいていると思うんですが、こちらのほうでご説明させていただきたいと思います。

 こちらの国民保養温泉地なんですが、皆さん、委員の方々もお詳しいと思うんですけれども、もともと温泉法の第29条に基づき、環境大臣が指定をするものと、地域指定するものとして発祥された、当時は厚生省ですが、スタートしたものになります。

 もともとは保健休養に重要な役割を果たす温泉地について、国民の健全な保健休養の場としての役割が十分に果たせるように、昭和27年に、いわゆる昔の基準、旧基準が定められて、昭和29年以降になりますけれども、概要の一番下に書いてあります、青森県の「酸ヶ湯温泉」、群馬県の「四万温泉」に、栃木県の「日光湯元温泉」、こちらは今、名前を変えまして「奥日光湯元温泉」としておりますが、そういったものを指定させていただいて、平成28年5月20日までに94カ所を指定させていただいた次第です。

 温泉地の特徴としては、概要にも書いてあるとおり、国立・国定公園内、また、県立自然公園も含めますと、多くの温泉地が、いわゆる自然の豊かなところに存在しているということと、あと、泉質がかなり多様にあるということ、また、湯治文化と温泉療養といった長期滞在を目的とした温泉地もまだ現在も多くあるというところと、あと、ひなびた温泉地ということで温泉情緒を満喫できるというところになっております。

 具体的な手続等のプロセスなんですけれども、環境省が、観光協会さんや市町村、都道府県さんと協議をさせていただいて、次に書いてあります選定標準についての記載をしていただいた計画書をつくっていただいて、環境大臣に提出していただいた上で指定させていただいている次第でございます。

 過去に、平成24年になりますが、選定の基準というのを見直しをさせていただきました。先ほど申し上げたとおり、昭和27年から選定の基準が変わっていませんでしたので、一定の発展を遂げてきたというものの、我が国の社会情勢等で、また、温泉業種のニーズ等が大きく変化しているので、現在の実態に即した変更をさせていただくというので、計画書の改定等を現在実施しているところです。

 こちらのほうは、平成29年度までに、当時91カ所だったんですけど、そちらのほうを見直すということで、現在、半分ぐらいの温泉地が見直しなりという状況には来ています。

 選定の基準なんですけれども、簡単にこちらに書かせていただいています。まずは温泉に効能があり、湯量が豊富である。第2、自然が豊か、温泉街の歴史がある、すぐれた気候、祭りといった文化、そういったものもある。第3に、医師または医療施設との連携がとれるということ。これは過去、医師が常駐しているというふうにしていたんですが、昨今の医療制度の状況を鑑みて、なかなか医師が常駐というのは難しいということで、連携というふうにさせていただきました。

 将来的には、例えば、きょういらっしゃっている前田先生のような温泉療法医の方が常駐していただくのが理想的だとは思っているんですけれども、そこら辺については、将来的にうまくできるように、課題等を考えております。

 また、第4として、温泉資源の保護、衛生面の対策、また、災害防止といったことも計画に記載させていただいております。

 前回の中環審の開催以降、実は、次のページになりますが、新規に指定させていただきました。こちらのほうは、先ほど申し上げたとおり、観光協会さん、市町村さん、都道府県さんが主体となって計画をつくっていただいて、また、その計画を実行していただくということで、基本的には地域からの申し出というのがベースになっているんですけれども、実は平成27年に箱根で、神奈川県で初めての国民保養温泉地なんですけれども、芦之湯温泉を指定させていただきました。

 概要については省略させていただきますが、非常に単純硫黄泉ということで、すばらしい温泉という、歴史のある温泉となっております。文化人の方であるとか、俳句とかが有名な温泉です。

 次の竹田温泉群というふうに書かせていただいたんですが、これは、実は長湯温泉ということで国民保養温泉地として過去に指定させていただいたんですが、地図を見ていただいてわかるとおり、長湯温泉が、字が小さくて恐縮なんですが、右上のオレンジ色のところでして、実はここの地域だけを指定していたものを、竹田市全域の温泉に広げたいということで、地域を拡大・拡充指定しました。

 これによって、今まで長湯温泉とその周辺だけであった地域が、例えば阿蘇・くじゅう国立公園が含まれる久住高原とか、下に写真がありますけど、こういう雄大な自然をより満喫できるような形で地域の拡充をさせていただきました。また、竹田式湯治というような市独自の取り組みも評価をさせていただいている次第です。

 次のページになりますが、二岐・岩瀬湯本・天栄温泉という福島県の天栄村のほうを新規に、こちらは昨年度させていただいた次第です。こちらのほうは、福島県の真ん中といったらあれなんですけど、そのあたりにある、温泉としてもそうなんですが、自然が非常に豊かなところで、私より、実は佐藤委員がお詳しいと思うんですが、ご地元でいらっしゃいますので、ぶらりと、私が言うのも恐縮ですが、非常に自然豊かな場所と存じ上げております。

 また、新潟県の阿賀野市の五頭温泉郷なんですけれども、こちらのほうは、三つの温泉を合わせて五頭温泉郷というふうに呼ばせていただいております。新潟県の中では、実は昔からある古い温泉なんですけれども、村杉温泉、今板温泉、出湯温泉という放射能泉で非常に温泉の効能があるということと、あと、いわゆる里山的な雰囲気、五頭山麓の夜明けという、見づらいんですけれども、水田に映るような朝焼けであるとか夕焼けであるとか、また、その雲海であるというものが非常に楽しめる。またトレッキングコースなども非常に充実しておりまして、そういった点が評価をさせていただいた次第です。

 また、最後のページになりますけれども、鳴子温泉郷ということで、宮城県の大崎市のほうを拡充指定させていただきました。

 こちらは過去に、旧東鳴子温泉、鬼首温泉といった、そういった一部の地域を窓口のような形で指定させていただいたんですけれども、こちらも、先ほどの竹田市と同様、市全体の温泉をもっていろいろとやっていきたいという大崎市さんの熱い思いもございまして、我々もそれは非常にいいことだというふうに考えておりますので、鳴子温泉郷という全体を指定させていただきました。

 書いていますが、いわゆる松尾芭蕉も歩いたような非常に歴史ある温泉ということで、また、泉質も非常に豊かな温泉ということで、今後もこういったものをしていきたい、新規の指定等も考えていきたい次第です。

 具体的には、今年度は2カ所程度、今、新規の温泉について指定を考えているところです。5月ぐらいにそちらのほうはできればなと思っているところで、今、最後の調整をさせていただいているところです。

 駆け足で恐縮ですけれども、国民保養温泉地は今のような現状になっております。

【下村委員長】 国民保養温泉地の新規の指定ということでご説明をいただきました。何かご質問。

 今のお話ですと、補足説明がこちら側からある感じに近いかもしれません。何かご質問、ご意見等はございますでしょうか。よろしゅうございますか。

(なし)

【下村委員長】 それでは、この議題はこれまでにさせていただきたいと思います。

 その他とありますけれども、何か事務局のほうはございますか。

【事務局】 特にございません。

【下村委員長】 それでは、本日の議題はこれで全て終了いたしましたので、会議も終了させていただきたいと思います。

 事務局にお返ししますので、ご連絡事項等あればお願いいたします。

【事務局】 本日は、議題が多く、大変駆け足での説明となり、申しわけありませんでした。

 本日の会議の議事録につきましては、事務局にて案を作成いたしまして、委員の皆様にご確認いただいた後にホームページでの公表をする予定としておりますので、よろしくお願いいたします。

 なお、本日配付させていただいた資料につきましては、郵送をご希望の委員の方は、お手元の附箋紙に「郵送」と書いていただいて机の上に置いておいていただければ、事務局から後日郵送させていただこうと思います。

 これで会議は終了となります。本日はありがとうございました。

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