中央環境審議会自然環境部会 温泉小委員会(第1回)会議録

開催日時

平成16年 11月22日(月)14:00~15:50

開催場所

中央合同庁舎第5号館共用第6会議室

出席委員

(委員長) 熊谷 洋一    
(委員) 石川 理夫 大野 英市 岡島 成行
  川名 英子 甘露寺泰雄 桑野 和泉
  小原 健史 近藤  勉 桑野 和泉
  津上 俊治 森戸  哲
 
 
(環境省) 小野寺自然環境局長
  福井大臣官房審議官
  伊藤総務課長
  江原自然環境整備課長
  横山自然環境整備課課長補佐
  吉川自然環境整備課課長補佐
 

議題

  1. 「温泉事業者による表示の在り方等について」(諮問)及びその背景について
  2. 温泉に関する表示等の現状について
  3. その他

配付資料

資料1 「温泉事業者による表示の在り方等について」(諮問)等
資料2-1 温泉小委員会の設置について(自然環境部会決定)
資料2-2 温泉小委員会の運営方針について(自然環境部会長決定)
資料3 温泉に関する最近の経緯
資料4 今後の検討の進め方(案)
資料5 温泉利用施設に関する調査結果について(概要)
資料6 温泉表示問題に対する公正取引委員会の取組
資料7 温泉をめぐる最近の指摘・報道(例)
資料8 温泉法(抄)、温泉法施行規則(抄)
資料9 温泉表示に関する自主的取組事例
参考資料 温泉法の概要・温泉法全文
 

議事

【自然環境整備課長】 時間が参りましたので、第1回温泉小委員会を始めさせていただきます。
 本日は、14名中、12名の委員、臨時委員の方が出席されております。小原委員がまもなく来られますので、12名の委員、臨時委員の方々にご出席をいただいております。
中央環境審議会令に従いまして、委員、臨時委員の過半数という定足数を満たしておりますので、本委員会は成立いたしております。初めに、福井大臣官房審議官よりご挨拶をさせていただきます。

【審議官】 局長の小野寺が所用で外出しておりまして、直ちに参加いたしますけれども、代わりまして冒頭のご挨拶をさせていただきます。
本日はご多用のところ、ご参加いただきましてありがとうございます。今年7月以来、温泉につきましては、表示なく温泉入浴剤を添加、使用したり、また井戸水を沸かしたものを温泉と称するなど、温泉をめぐる問題事例が発生をしてまいりました。環境省としては、これらの事例の発生を踏まえまして、9月に全国2万件を超える温泉利用施設を対象とした実態調査をさせていただきました。設問は大変多かったのですが、6割以上の施設から回答をいただきまして、それだけ問題意識が高く、また、利用施設側でも問題を重く受けとめておられるということだと理解をしております。
問題事例の発生を契機に、温泉をめぐり、さまざまな意見、指摘がなされました。広範囲にわたっております。一方では、現地では風評被害が発生するおそれがあるなどのこともあって、なるべく早くそういった混乱は回避したいというのが私どもの気持ちです。
実は、この小委員会委員のうち3名の方にも参加していただきましたが、昨年8月から温泉の保護と利用に関する懇談会を1年間開催していただきました。今年6月に温泉に係る行政上の課題を整理した中間報告が提出されたところです。さまざまな課題を懇談会で整理をしていただいたわけですが、環境省として、まずは全国調査の結果を踏まえまして、特に温泉の表示について必要な措置を講ずるということが喫緊の課題ではないかと考えている次第でございます。
これから年末の慌ただしい時期を迎えますけれども、何とぞよろしくご審議のほどをお願い申し上げまして、冒頭の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【自然環境整備課長】 本日は第1回目の委員会でございますので、委員のご紹介をさせていただきます。お手元に温泉小委員会名簿をお配りしております。
本小委員会の委員長は、本年10月12日に開催されました自然環境部会におきまして、熊谷部会長が務められることとされております。
(各出席委員紹介。)
引き続きまして、自然環境局の幹部の紹介を申し上げます。
(環境省側出席者紹介。)
次に、配付資料の確認をさせていただきます。皆様方のお手元にあります資料をごらんいただきたいと存じます。
資料1、「温泉事業者による表示の在り方等について」(諮問)。
資料2-1、温泉小委員会の設置について(自然環境部会決定)、資料2-2、温泉小委員会の運営方針について(自然環境部会長決定)。
資料3、温泉に関する最近の経緯。
資料4、温泉の保護と利用に関する懇談会(中間報告)。
資料5、温泉利用施設に関する調査結果について(概要)。
資料6、温泉表示問題に対する公正取引委員会の取組。
資料7、温泉をめぐる最近の指摘・報道(例)。
資料8、温泉法(抄)、温泉法施行規則(抄)。
資料9、温泉表示に関する自主的取組事例。
参考資料としまして、温泉法の概要・温泉法の全文。
不備等がございましたならば、事務局にお申し入れいただきたいと存じます。よろしいでしょうか。
それでは、熊谷委員長、以降の進行方、よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 熊谷でございます。
先ほど審議官の方から、あるいは課長の方からお話があったように、自然環境部会の方で委員長をせいということでございますので、進行役を務めてさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、着座して進行をさせていただきます。
まず最初に、去る11月15日、環境大臣から中央環境審議会に対しまして、温泉事業者による表示の在り方等についての諮問がなされましたこと、また、これを受けまして、同日付で中央環境審議会会長から自然環境部会に付議されましたことをご報告申し上げます。
本日は新たに臨時委員に任命された方々がいらっしゃいますので、温泉小委員会の設置の趣旨と運営方針について、事務局から説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【自然環境整備課長】 それでは、資料2-1及び資料2-2をごらんいただきたいと存じます。温泉小委員会設置の趣旨と運営方針について、ご説明申し上げます。
まず、資料2-1、温泉小委員会の設置についてでございます。去る10月12日に自然環境部会におきまして、既に決定されております。
中央環境審議会議事運営規則第8条の規定に基づき、次のとおり決定する。
1 自然環境部会に、議事運営規則第8条の小委員会として、温泉小委員会を置く。
2 温泉小委員会は、温泉事業者による表示のあり方など温泉に関する喫緊の課題等の検討を行う。
3 温泉小委員会の決議は、部会長の同意を得て、自然環境部会の決議とすることができるというものでございます。
続きまして、資料2-2でございます。温泉小委員会の運営方針でございます。これにつきましても10月12日に自然環境部会長決定でございます。
まず、会議の公開でございますが、小委員会は、原則として公開するものとする。ただし、公開することにより、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、委員長は、小委員会を非公開することができるというものでございます。
(2)公開する場合の必要な制限。委員長は、会議の公開に当たりまして、静穏な進行を確保する観点から、必要な制限を課することができるというものでございます。
2 出席者。代理出席は認められておりません。欠席した委員及び臨時委員につきましては、事務局からの資料送付等によりまして、会議の状況をお伝えするというものでございます。
3 会議録。会議録の作成、配付でございますが、会議録は、発言内容を精確に記載をし、調整に当たりましては、委員等の了承を得るものとする。会議録は、小委員会に属する委員等に配付するものとするというものでございます。
会議録及び議事要旨の公開でございますが、公開した会議の会議録は、公開するものとする。また、非公開とした会議の会議録であっても、小委員会が認めたときは、公開することができるというものでございます。
小委員会の会議について、議事要旨を作成し、公開するものとします。
または、公開した会議の会議録及び議事要旨の公開は、環境省のホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口の備え付けによる行うものとするというものでございます。
以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
次に、諮問及びその背景について、事務局から説明をお願いいたします。

【総務課長】 自然環境局総務課長の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。着席してご説明申し上げます。
 私の方から、まず資料1、それから資料3から7についてご説明申し上げたいと思います。資料8と9につきましては、温泉法に基づきます表示の規定あるいは各界の取り組みということで、これは次の議題に関係しますので、まず最初に、1から7についてご説明申し上げます。
まず、資料1をご覧いただきたいと思います。これは環境大臣より中央環境審議会の会長宛になされました温泉事業者による表示の在り方等についての諮問文でございます。環境基本法に基づきまして、温泉事業者による表示の在り方など温泉に関する喫緊の課題について、中央環境審議会の意見を求めますということでございます。
諮問理由につきましては、ここにありますとおり、表示なく温泉に入浴剤等を使用する事例等が判明したことを契機として、温泉事業者による利用者への情報提供についての国民の関心が高まっていると。このような状況を踏まえて、温泉事業者による表示の在り方などを温泉に関する喫緊の課題についての対応について、中央環境審議会の意見を求めるものであるということでございます。
次、資料3をごらんいただきたいと思います。温泉に関する最近の経緯ということで、問題の状況、それから今まで環境省の取り組みをまとめたものでございます。
まず、1の温泉を取りまく最近の問題事例でございますけれども、本年の7月、週刊ポストで、白骨温泉で表示なく入浴剤を使っているのではないかと、こういう報道がなされました。これを契機として、いろいろな問題がマスコミ等においても指摘されてきたわけでございますが、長野県の白骨温泉の施設につきましては、長野県が不当景品類及び不当表示防止法違反、いわゆる景品表示法と通称呼んでおりますが、それの不当表示に当たるおそれがあるとして注意を行った次第でございます。
それから(2)にございますが、そのほかに水道水等を沸かしたものを温泉であるかのように誤認させるような行為がいろいろ出てきているということで、福岡県の公衆浴場、これは公正取引委員会が景品表示法に違反するおそれがあるとして警告を行いました。これはまた後でご説明申し上げます。
それから、群馬県の伊香保温泉など一部施設で、水道水を沸かしていたのを温泉と称していたと。これにつきましても県の方で、景品表示法に基づく立入検査及び注意を行った次第でございます。
それから、温泉であるにもかかわらず温泉法の許可を受けないで利用していた事例、これは作並温泉の施設でございますけれども、これは温泉法違反の疑いで宮城県警が旅館経営者を逮捕しております。
環境省の対応でございますが、先ほど私どもの審議官からもお話し申し上げましたとおり、昨年より温泉の保護と利用に関する懇談会を開催しまして、温泉に関する行政上の課題を中間報告として本年の6月に取りまとめていただきました。
それから白骨温泉などを契機として、いろいろ問題が表面化してきたということを受けまして、今年の9月1日から全国の温泉利用施設を対象とした実態調査を実施し、10月8日に調査結果の概要を公表したということでございます。
(1)、(2)について、さらに後で詳しくご説明申し上げたいと思います。
(3)でございますが、調査結果を踏まえて、特に、加水、加温、循環ろ過装置や入浴剤の使用について表示するなど、温泉事業者による利用者への情報提供を充実していくことが重要だと、こういうふうな考え方のもとに、この表示をどのように進めていくかなど温泉に関する喫緊の対応について、中央環境審議会に検討を依頼したと、こういう経緯でございます。
次に、冊子で、温泉の保護と利用に関する課題についてという温泉懇談会の中間報告を載せております。これにつきましては、1枚おめくりいただきまして、最初の1ページ目、2ページ目に、その骨子をまとめてございますので、これに基づきまして、内容のご紹介をいたしたいと思います。
まず1として、温泉の保護と利用をめぐる状況、主な問題点ということがまとめてございます。これにつきましては、この1ページ目の下の(2)の主な問題点と課題というところをご覧いただきたいと思います。
まず、その問題点として、温泉ブームと温泉開発の進展により、温泉資源の制約が顕在化しているという問題。
それから、2として温泉利用の増加、循環利用等に伴い、温泉の質や衛生面での国民の不安、不信が生じているといった問題があります。それから、次のページをごらんいただきたいと思いますが、国民の温泉利用の多様化により、温泉地の明暗が拡大しているということでございます。
 こういう課題に対する対応の方向ということで、3点、おまとめいただいておりますが、まず1点目は温泉源の保護ということで、温泉は地球の恵み、限りある資源ということを認識して、温泉資源の保護管理が必要であると、こういったご指摘をいただいております。
それから、2番目の温泉利用の適正管理と情報提供という点につきましては、温泉事業者の取組が基本的に重要であって、温泉利用施設の特性を踏まえた衛生管理の励行、温泉利用者への正確な情報提供の普及等が望まれるということ。
それから[2]でございますが、温泉利用者たる国民にも温泉資源保護への理解、温泉入浴マナー向上の協力を求めたいということ、それから3番目として、温泉法に関しても、温泉情報提供に有効な成分掲示の適正化を含め、温泉利用に関する掲示項目や利用基準の見直しの検討が必要。こういうふうなご指摘をいただいております。
それから3番目に、温泉地の創意による取組の促進ということで、国民のニーズの多様化等に対応し、個性的で魅力ある温泉地の形成が重要だと、こういうふうな提言を本年6月にいただいたところでございます。
次に、資料5をご覧いただきたいと思います。これは温泉利用に関する調査結果ということで、今年の10月8日に取りまとめたものでございます。この調査は、温泉を公共の飲用浴用に供するということについて、温泉法に基づき、都道府県知事の許可を得たすべての業者2万件余りでございますけれども、その業者全数に対し調査票をお送りして行った調査でございます。調査全体の回収率は62%、6割を超える回答がございました。
この調査は2種類ございまして、入浴剤等の使用に関する調査、この調査は場合によっては回答者の名前を公表する場合がありますという格好で調査したものでございます。2番目が利用実態調査、これは全国の温泉の利用実態について、その傾向を知ることを目的としておりまして、統計報告調整法による総務省の承認統計という格好で行ったものでございます。この回答率62%という数字は、総務省によりますと、この承認統計でこういった種類の調査だと、せいぜい3割か4割だろうというふうに聞いておったわけですけれども、6割以上の回答を得たということで、利用施設の皆様方にも利用問題・意識が高まっているのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
回答の内容のポイントでございますが、まず、温泉利用施設実態調査につきましては、二つ目の項目ですけれども、掲示してある成分分析結果の経過年数は5年未満が21%余り、5年以上10年未満が18%、10年を超えているものは29.7%という状況でございました。
それから、次の項目ですが、分析した成分の採取場所は、源泉湧出口が68.2%と大半を占めておると。
それからこのページの一番最後の段落ですが、加水をしている浴槽を有する施設は32.5%、うち、加水の表示をしている施設が16%、加水の程度については72.5%の施設で50%未満の加水率と回答しております。なお、加水をしている施設の54.4%が源泉温度が高いこと、21%が湯量の不足を補うことといったことを理由に挙げております。
次のページをご覧いただきたいと思います。一番上ですが、加温をしている浴槽を有する施設は51.4%、うち、加温の表示をしているのは19%、なお、加温している施設の66.7%が源泉温度が低いことを挙げております。
それから、循環ろ過装置につきましては、そういった施設を有する施設は50.4%、このうち表示を行っているのは16%、それからその使用している理由としては、浴槽の汚れを除くが59.6%という状況でございました。
次に、加水、加温、循環ろ過を行っている場合であって、その旨の表示をしていない施設について、今後の予定を聞いたところ、それぞれ4割弱の施設で表示する予定があるというふうな回答でございました。
それから、源泉かけ流しの浴槽の有無については、52.3%の施設で、源泉かけ流しの浴槽を有するという回答がございました。
それから浴槽の湯の入れ替え頻度につきましては、45.2%の浴槽で毎日入れ替えを行っているというふうな状況でございました。
次に、[2]の温泉利用施設における入浴剤等の使用に関する調査、こちらの方は、場合によっては、施設名も公表するという前提で行ったものでございますが、このうち「許可を得た源泉と異なる源泉を使用」しているという事例が17件ございました。これは、ある意味、法律を守っていないのではないかということでございましたので、私ども都道府県を通じまして、それぞれの施設について追加調査を行ったところでございます。そうしましたところ、この17件につきましては、すべて当初、都道府県の知事の許可を得ておったのですけれども、その後、例えば自分のところの町が温泉を掘って、その温泉の湯を、そこから供給を得ることになったと。町から得ているのだから、新たな許可は要らないだろうと、要るなら何か言ってくるだろうと、こう思っていたところ、それを何もしなかったと。実は温泉法上はそういった場合でも再度許可を得なければならないところで、いわばケアレスミス的なものがすべてであったということで、この17件については、ほとんどが再申請をし、既にほとんどの施設が改めて許可をとっていると、こういうふうな状況でございました。
それから、「温泉以外の水しか使用していない」と、そういう施設は今回の回答のあったところにはございませんでした。
それから、入浴剤について「現在も表示することなく」入浴剤を使っているという事例もございませんでした。
以上がこの調査結果の概要でございます。
次に、資料6をご覧いただきたいと思います。資料3で景品表示法に基づく取組について若干説明をいたしましたが、この資料は、公正取引委員会から本日の会議のためにいただいた資料でございます。私の方から便宜的に説明をさせていただきたいと思います。
この景品表示法ではどういった規定があるかということでございますけれども、この資料6の最後のページをごらんいただきたいと思います。この法律の第4条に不当な表示の禁止という条項がございます。この条項では、事業者は自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号に掲げる表示をしてはならないということで、「商品又は役務の品質、規格その他の内容について一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示すことにより、不当な顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれが認められる表示」。こういうことをしてはならない。優良誤認というふうに言われているものでございますけれども、こういう規定がございます。
こういうことがあった場合に、第6条で排除命令とありますが、公正取引委員会は、こういった行為に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その排除の命令をすることができる、こういうことになっております。
また、次の第9条の2、都道府県知事の指示ということですが、都道府県知事も公正取引委員会とは別に、この第4条1項の規定に違反する行為があると認めるときは必要な事項を指示すると、こういったことができるということで、公正取引委員会と都道府県知事がそれぞれこの法律の趣旨を徹底すべくいろいろな行政行為、処分を行っていると、こういう次第でございます。
また、1ページ目に戻っていただきたいのですが、こういう法律を施行する上で温泉表示をどういうふうに考えていくのかということを、公正取引委員会では昨年の7月におまとめになられたところでございます。その内容につきましては、また1ページ、めくっていただきまして、別紙1というところで、温泉表示に係る景品表示法上の考え方ということが示されております。
この1でございますが、源泉に加水、加温、循環ろ過などを行っているにもかかわらず、パンフレット等において「源泉100%」「天然温泉100%」などと、源泉をそのまま利用していることを強調するような表示を行うことは、消費者の誤解を招くおそれがある。
それから、2番としまして、「天然温泉」との表示についても、加水、加温、循環などを行っていない温泉であると認識している消費者は少なくないと考えられることから、消費者に対する適切な情報提供の観点からは、パンフレット等において「天然温泉」との表示を行う場合には、あわせて、加水、加温、循環ろ過装置の利用の有無に関する情報が提供される必要がある、こういった基本的な考え方をまとめられました。
こういう考え方に基づきまして、公正取引委員会では、1ページ目に戻りますが、株式会社天然の温泉村に関する警告を行っております。これは温泉ではなく井戸水を加温しているにもかかわらず、温泉を用いているかのような表示を行っていた事例でございます。その具体的な内容は、別紙に2枚、おめくりいただいたところに公正取引委員会が公表しているペーパーがございます。
この行為につきましては、2に違反被疑行為の概要のところにありますが、この株式会社天然の温泉村は、同社が経営する公衆浴場の周辺に設置した看板、あるいは浴場内の掲示板で「天然の温泉村」、「天然温泉」、「泉質 単純硫黄泉」などと記載し、あたかもこの公衆浴場の浴槽のその温水にその温泉を用いているかのように表示している。こういったことで、一般消費者に誤認される疑いがあるということで警告を行ったということであります。
それから、都道府県におきましても、30都道府県で個別の案件に対する調査を実施し、16県が措置の公表を行っております。その概要は別紙3にあるとおりであります。温泉ではなく井戸水を加温しているにもかかわらず、温泉を用いているかのような表示につきましては、公正取引委員会あるいは都道府県において、この景品表示法に基づくいろいろな取り組みが行われているところでございまして、環境省としましても、公正取引委員会さらには都道府県と連携をとって取り組みを一緒に行っていく、こういう状況でございます。
それから次に、資料7をごらんいただきたいと思います。これは温泉をめぐる最近の指摘・報道ということで、この白骨問題が生じた後のものを中心に私どもの方で取りまとめたものでございます。これはもちろん様々なご指摘がございます。すべてを網羅したものではございませんが、とりあえず私どもとしてこういったことがいろいろ大きく言われているかなということをまとめたものでございます。
分類として、利用者への情報提供に関するもの、2として、法律、(温泉法・景品表示法)違反及びその可能性がある事例、それから3として、温泉の許可に関する問題、4として、温泉資源の保護に関する問題、5として、温泉利用の場づくりの問題、それから6としてその他と、こういうふうな分類で挙げております。
まず、利用者への情報提供に関するものにつきましては、例えば(1)情報開示こそが信頼の源泉である。
(2)情報公開に向けた温泉業界の自主的努力に期待したい。
(3)自分の温泉が「本物の温泉」である誇りをもつ所ほど、温泉情報の公開度が高い。
(4)温泉だけではなく浴槽毎の成分表示も必要である。
(5)浴槽毎の表示を義務付けても検査の時だけクリアすればよい、とごまかせるので無意味、こういったご議論もございます。
(7)源泉の完全放流か、循環ろ過か。源泉の湧出量と温度、実際に使っている場所の温度、自然湧出か、動力揚湯とか、自家源泉か、集中管理方式か、飲泉の可否、浴槽の清掃回数等々いろいろ表示すべきだと、あるいは温泉分析書の有効期限は5年程度にとどめるべき、こういったご議論もございます。
それから、温泉宿のパンフレットにも、せめて泉質名や源泉の泉温が明記されるべきというふうな議論がございます。
(10)公表の仕方によっては利用者に本物の温泉ではないと誤解される恐れがあると、こういったご意見もございます。
それから、2、法律、温泉法あるいは景品表示法違反及びその可能性がある事例としましては、この白骨の問題、それから井戸水を沸かした問題、それから次のページでございますが、源泉かけ流しと言っているけれども、実は循環式のところがあるのではないかといった問題。
(6)「源泉かけ流し」の温泉がもてはやされているが、それがまた偽装の湯を生むとすれば、ブームも罪作りではないか。
(7)相次ぐ偽装温泉、背景に法制度の不備もあるのではないか。
(8)スポイトで浴槽に温泉を一滴たらしただけでも温泉と言えるのではないか。
(10)現行法は欠陥だから改正しろと言うが、温泉は千差万別であって、一つの基準に当てはめようとするのは無理ではないかといった問題。
それから3番目の温泉の許可に関することですが、温泉法の温泉の定義そのものに問題があるのではないかと。これは現在、定義を温泉法、法律そのものに掲げてございまして、具体的には別表で、源泉の採取されているときの温度が25度以上、または一定の物質を含んでいるもの、こういうふうに定義されているわけですけれども、そこに問題があるのではないかと。あるいは温泉法の、同じことですけれども、大きな矛盾の一つは、温泉とは何かということ、なぜ42℃ではなくて25℃以上であれば温泉と言えるのかといった問題。それから療養泉は、現在行政マニュアルにあるだけで、法律に位置付けるべきであるといった問題。
(5)ですが、一定期間毎の分析をやり直すことを義務づけるべきだといった問題。
(7)「廃止」の届け出の義務がないのではないかといった問題が指摘をされていると思います。
次のページ、温泉の資源の保護に関することですが、(1)温泉と偽って表示したり、加水が行われたりする背景にあるのは湯量の絶対量の不足であると。
(2)温泉を公共の財産として見直す必要があるのではないか。
(3)温泉法を改正し、枯渇防止策など権利者の公共的な責任を具体的に明記をすべきではないかと。
 (8)温泉の数を増やし、風呂施設の規模を大きくするために、各地で地下深くどんどん掘削して、温泉を人工的に湧出させている。そのため、温泉の乱開発や枯渇が問題化していると。また、そうやって湧出させられた温泉そのものの変質も見逃せないと、こういったご指摘が出されると思っています。
それから次の5、温泉利用の場づくりということでございますが、(1)温泉の良さは泉質だけで決まるわけではないといったご議論。
(2)地域の魅力の創出が今後の課題だといったこと。
(7)訪れた温泉で複合的な歴史文化資産にふれられるかどうか、これが、温泉を選ぶ際の重要な条件になっているのではないかといったご指摘がなされています。
それから、最後のその他の問題としまして、(1)消費者側の視点で温泉を評価する動きが広がり始めていたご指摘。
(2)省庁の縦割りもチェック体制のあいまいさになっているのではないか。
(3)塩素殺菌するときは、温泉「逆」効能が出てくるのではないか。
(5)温泉療法は飲用の効能など、薬事法と関連し明確化すべき。いろいろたくさん検討課題、ご指摘、この中には若干誤解に基づいているものもあるのではないかなという気もいたしますが、いずれにしても、いろいろな問題が現在指摘されていると思います。
そういった中で、私どもの行政としてまず何をやるべきかということを考えたわけでございますが、また資料3に戻っていただきたいと思います。いろいろご指摘がある中で、現下の喫緊の課題ということにつきましては、一つは入浴剤、これは今回いろいろの騒ぎといってはあれですけれども、温泉に関するいろいろな社会的な注目を浴びた契機となった入浴剤を表示なく入れている問題にどう取り組んでいくか。それから、温泉でないものについて温泉と言っていることをどうするか。あるいは温泉の中身について、いろいろ消費者が知りたいといったことに対応しているかどうかと。温泉事業者がその社会的な信頼を取り戻すために、まず何をすべきかと、こういうふうなことを考えた次第でございます。
この中で、1の(2)にあります、水道水を沸かしたものを温泉であるかのように誤認させるような行為、これにつきましては、既に公正取引委員会を中心として、景品表示法上のもとでの考えた方も示され、いろいろ警告、あるいは都道府県による行政指導等も行われているところでありまして、その問題については、まずこの公正取引委員会と連携して取り組んでいくことが重要ではないかと。さらに、その上で、環境省として考えなければいけないことは、入浴剤を入れたり、あるいは加水、加温、循環ろ過といった、こういったことに国民の関心が非常に高いことについて、ちゃんと事業者によって表示していただくと。こういうことがまさに今、喫緊の課題として我々に求められているのではないかと、こういうふうに考えた次第でございます。
こういったことから、資料1にありますとおり、温泉事業者の表示の在り方を一体どうすべきかと、こういった点、こういった緊急の課題について、ぜひ中央環境審議会でご検討いただきたいと、こういう考えのもとに今回諮問した経緯でございます。よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 ただいま事務局の方から、ご説明をいただきました点について、ご質問、ご意見をお願いしたいと思いますが、繰り返しますけれども、諮問内容は、温泉事業者による表示の在り方など、温泉に関する喫緊の課題とされております。表示の問題を審議することが予定されておりますけれども、本日は最初の会合でもございますので、表示の問題を中心にいたしますが、ただし、それ以外のご関心のことでも結構でございますので、どうか自由にご発言をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございますので、ご自由にご発言をいただけたらと思います。いかがでしょうか。
近藤委員、お願いいたします。

【近藤委員】 私ども行政として、この度の温泉問題について、実際に立入調査を行いまして、現地に入ったわけでございます。その中で、温泉法では、表示についていい悪いという判断が法律上明記していなかったということから、逆に公正取引委員会、不当景品表示法のところの部署と一緒に入っていかざるを得なかった。しかしながら、一方、関係するところからは、私どもの方にすべていろいろな話が上がってくるというふうなジレンマに陥ったわけでございます。そう言いながらも、やはり消費者のために行政はきちっとすべきだというふうなことから、私どもの方では実際立ち入りをしたわけでございます。
そういうわけで、私ども行政としても、ブロック会議という会議もまた一方ございます。そういう中で、やはり話題になったのが、温泉の名称制限というのをどうあるべきかと。要するに天然温泉、何々温泉といろいろな温泉があるのですけれども、温泉法上の温泉と使えるべきもの、それがはっきりしていれば、きちっとひとつまずできると。だけれども、なかなか現状、難しいものもあります。何々温泉という名前がありますが、実際は温泉法上の温泉ではない場合も出てくる可能性が出てきます。そういった場合、温泉の名称というのはどうあるべきか、使うべきか、使わざるべきか。
 それから第2点として、温泉の不当表示問題がございまして、今ほど私が言ったとおり、皆さんジレンマがありましたので、温泉法上では表示については立ち入りの権限がない。そういうことで、温泉法でもそういう表示を法律に上げれば、私らもできるというのが一つございました。
それから3点目ですけれども、先ほどもお話しありましたとおり、温泉の成分分析の期限がないと。指導ではおおむね10年ということになっておりますが、今ほどのこの資料にも10年以上経過しているものがかなりあると。30%弱ぐらいあるみたいですけれども、これらの分析をもう少し、源泉も変わるので、10年だったら10年、5年だったら5年というふうな形で更新させたらどうかという話題。さらには、温泉の利用許可について、今は1回取ればもう永遠にいいのですけれども、これも何か期限を切ったらどうかというふうな話題が今上っているところでございます。そういうことからも、何とか温泉法に表示の義務的なもの、それから温泉分析の有期限化、これらが必要ではないかというふうに行政上は考えているところです。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
今の近藤委員の方から4点ほど、整理をしてご意見をいただいたのですが、これについて何か事務局の方からございますでしょうか。
審議官、よろしくお願いいたします。

【審議官】 最初ですので、私ども7月に違反事例が起きてから、省内では非常に一生懸命ディスカッションをして、その中で県の方々のご意見を聞きながら検討してきた経緯があります。ただ、最初に一つ一つ、これはこう思いますというのもいかがなのかなという気もしますので、ひととおりお聞かせいただいて、最後に、私どものこれまで考えてきたものの中で、参考になるようなことがあればお話をするというようなことでいかがでしょうか。

【熊谷委員長】 では、今審議官の方から進行についてもご希望がございましたので、ご意見、ご質問、どうぞご自由にしていただいて、その場で、ご質問であればお答えをさせていただくというような形で進めたいと思いますので、ご自由にご発言をいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
甘露寺委員、お願いいたします。

【甘露寺委員】 まず、一番基本的な問題というのは、温泉現象というものが案外ちゃんと一般の人にも、それから行政側にもちゃんと伝わっていないという問題が一つございます。先ほど誤解があるようだとおっしゃいましたけれども、僕らが見ていると、ある意味ではかなりの部分が誤解的な要素が非常に強いのですね。そういうものをなくしていくということも非常に重要。例えば今おっしゃいました加水という問題、これは僕らは上に上がったものを加水するということで、一応そういう考え方になっているのですけれども、本来、温泉というのは地下で熱いものと冷たい地下水がまざり合った水増し現象そのものが温泉なのですね。それから川の中で出ているのは、川の水が当然入ってくる。海の近くにあるものは海の水が入ってくる。そういう自然現象というのは、その温泉を取り巻く周辺との水との混合系でできているという、そういう非常に重要な認識がまずあって、それから加水がいけないとか、いいとかという判断をしていかないといけないのですね。ところが、そういうふうにならないで、いきなり加水というのが最初に入ってきちゃうのですね。
もう一つ申し上げますと、例えばかけ流しと循環という問題がございます。これも本当は浴槽の汚れがどういう状態なのかという、本来のちゃんとした科学的な知見があって議論するならいいのですけれども、自分の好きな、例えばかけ流しは大変いいからかけ流しがいいんだと、こういうふうになってしまうわけですけれども、本来は、かけ流しだろうと、循環だろうと、いってみれば、その浴槽の容積に対してどれだけの温泉がそこへ入ってくるか、あるいは循環するかということと、そこへ入ってくる汚れの大きさによって変わるわけなのですね。その浴槽の容積に対してどれだけの温泉を入れるかということと、それから、汚れがどれだけその浴槽に入るか、あるいはくっついている場合もあるでしょうし、いろいろなところから入ってくるわけですが、あるいはばい菌の場合には増殖するということもございます。そういうようなことを含めて考えていかないといけない。例えばかけ流しだったら一番いいんだ、安全だって、そうではないですね。かけ流しだって量が少なかったら、そこへお客がどこどこっと来たのではだめなんですね、こんなことは常識でわかっていることなのですけれども。そういう本来の原理的なものが余りちゃんと検討されないで、いろいろ議論されている。
 浴剤の場合もそうなんです。浴剤ってどういうのかって、恐らくマスコミ、週刊誌でちゃんと取り上げたのがないのですね。医薬部外品に入るもの、それ以外のもの、それから医薬品、要するに浴剤というものと温泉というのはどういうものだ、だから、まぜると、こういうことになったという議論はないのですね。もうまぜてはいかんというような話が一番最初に出てきてしまうのですね。ですから、その辺のところをまず、私なんかはよく考えて議論を進めていただきたい。これ以外にもいっぱいございます。適応症の問題も実はございます。一般的に言われている適応症というのはどういうことなのかというのも、非常にこれは難しいんですね、議論すると。
以上でございます。

【熊谷委員長】 はい、ありがとうございました。
 ほかに。どうぞ、津上委員、お願いいたします。

【津上委員】 旅行会社の者ですから、今の温泉ブーム、火付け役といっていいのかもしれませんけれども、温泉、きょうも二、三種類パンフレットを持ってまいりましたが、温泉を題材にした商品というのは非常に多く今出ています。これも恐らく十数年前からそうなのでしょうけれども、こういう取り組みの中で、旅館さんも含めた、あるいは地域を含めた中で、観光振興に果たしてきたのだろうというのが1個あるのですね。とはいうものの昨年、吉良温泉が実は冒頭出ました。あれは町ぐるみで温泉でなかったけれども、それを言えなかった、言い切れなかったということが根っこにあるようなのですが、白骨もそうですね。白骨も白く白濁しなくなった、そのことで実は温泉の成分が、あるいは効能が落ちたのかというのではなくて、イメージに合わなくなったというところで、あえて白くなる浴剤を入れてしまったというのが現状だろうと思うのですね。
 今回いろいろなところでいろいろな問題が出ているのですが、私たちも昨年度の吉良温泉の情報を受けて、旅行会社がそれぞれ独自の調査をしなさい、これは公的な、公式に入手された温泉の何らかのものがあればいいのですが、個々の旅行会社が、個々に実は昨年度ヒアリングをしました。うちも2,036件ほど実は温泉旅館さんの契約をとっていますが、個々の旅館さんに、おたくの旅館はどうなのですかと、個々の実は浴槽ごとの調査をいたしましたけれども、今回の中で、実は温泉だというご報告をいただいている箇所も入っておったのですね。それをもう一度正しくやっぱり出さなければいけないというのは一つなのですけれども、根っこにもう一度考えていただきたいのは、旅館さんも、温泉だけでは売っていない。食事であったり、おもてなしであったり、あるいは地域のそういったものの中で、トータルで一般の国民といいましょうか、皆さん方に元気になってくれという多分メッセージを発しているのが原点だろうと思います。ただし、そうは言っても、偽りの報告はやっぱりだめでしょうねというのが原点にある。
それから、先ほど甘露寺さんがたまたまおっしゃっていましたけれども、加水とかいろいろなものがございます。加水もいろいろな理由がある。非常に熱い、90度だとか80度、とても入浴に適さない。これは適当な温度にしなければいけませんね。あるいは成分濃度が非常に濃い温泉があります。これはちょっと語弊がありますけれども、一月、二月前でしょうか、テレビを見ていましたら、防毒マスクをつけて、どこかの温泉地かよくわかりません。そこに入って、温泉ハンターだっておもしろおかしく報道された。これ、だれが入るのですか。だれもそれでは入れないでしょう。そういう原点がまずあるのだと。そういう面で、循環もあります。源泉かけ流しだけど、循環させて、汚れた成分を外に出すような努力していらっしゃるところもあります。それは循環が悪いのですか。それは違うだろうと。それぞれの理由があるということを、もう一度見据えていく必要があるのかなというのが1点です。そういう努力を私たちもやりたいというふうに思っています。
それからもう一つ、箱根で入湯税と観光協力金という名目のものがありました。税なのか協力金なのか、非常にファジーといいましょうか、あいまいになっているところが多くあります。それと、先ほどお話がありました、一たん、温泉の利用許可をとったら、もうこれは更新があるのかないのか、紛失しているというところも実は調査するとあったのですが、そういう現実があります。やっぱりある程度の期間を設けて、きちっとチェックといいましょうか、再登録というのは必要なのかもしれません。
それともう一つ、これは根っこでしょうけれども、温泉文化といいましょうか、入浴文化ということを正しくお知らせするという努力をする必要があるのかなと。白骨の例で申し上げますと、白骨の温泉は天候によって色が白濁するケースもあります。白くなるケースもありますということを正しく言っていれば、そんなに問題にならなかったのではないのかなというところで、情報公開というお話が出ておりますけれども、最も大事なのだろうと。私たち旅行会社は、実はそれぞれの会社がそれと同じようなフォームで、表示、情報を調査していますけれども、できれば公的な何らかのものがあれば、それをもとにしてこういった旅行商品に表現できるのかなと。ちなみに来年の4月に向けて、私どもでは加温とか加水とか循環であるとか、理由をつけて表示するようなサインマークを今つくらせていただいている。これは各社も同じような取り組みになろうかと思いますけれども、ご参考までにお話しします。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 どうぞ、小原委員、お願いいたします。

【小原委員】 全国旅館組合でございますけれども、いろいろ事件が起きまして、うちの会員がおったことについては、まず、場は違うかもしれませんが、おわびを申し上げるところでございますけれども、先ほど甘露寺先生、または津上さんからもお話がありましたけど、やはり温泉地ごとに、もっと言うと泉源の穴ごとに、いろいろ泉源ごとに状況が違います。甘露寺先生がおっしゃったとおりでございますが、加水についても、例えば私のふるさとの温泉地は源泉で90度、湯口で80度ありますから、40度前後にするには、極端に言えば水を半分まぜないと入れません。また、かけ流しについては、先生おっしゃったとおりなのですが、かけ流しがえらいもてはやされておりますが、大きな浴槽ではかけ流しをすると、おふろの四隅は循環しないと、いわゆるヘアキャッチャーというのがあるわけですから、ごみがたまって入れないということであります。
 言いたいことは、まとめて言うと、消費者に正しい情報をお示しして、商品内容、サービス内容といいますか、商品内容を正しく示す分については、短期で方向を示さなければいけないと。それがここの委員会の役目かもしれませんが、もう一つ、では、何が温泉かというのとごっちゃごっちゃになっていますので、温度とか成分とか。これの絶対的な価値の表示については少し時間をかけて、よもや二、三カ月の委員会ではできないのではないかと思っております。
消費者に正しい情報を伝えることの基準づくりについては、ぜひ私どもからもお願いしたいと思いますが、ただ、お客様も、例えばこれは超現実的な話をしますけど、うちの温泉あたり、あえて温泉名は言いませんが、どぶっとつかってここまでくると、何だ、塩素臭いなと。これは保健所の指導でレジオネラ対策で殺菌しないといけないわけですね。これもまた厚生労働省に大変ご指導をいただいておりますけれども、あれだけの死亡事故まで出てきたので、あえて言いますと、やむを得ず、非常に厳しい基準の塩素消毒をしなければいけない。ところが、レジオネラというのは朝、大型の浴槽で、これ一杯の塩素をどんと入れると全部消えるのです。その後、10人、20人入ると、もう体にいっぱいついていますから、どんどんどんどん。極端に言うと、おふろ場の入り口に人員カウントのセンサーをつけておいて、それが1人入るごとにピッと塩素消毒を出すようなところまでいかないと完全な殺菌は望めません。ましてや露天ぶろは風とともにどんどんレジオネラ菌なんか入ってきます。ここはレジオネラのあれではございませんけれども。そのように、週刊誌ベースでおもしろおかしく言われたようなことほど甘い問題でもないし、我々現場の旅館では、大多数の旅館、中には不埒で逮捕された人もいますけど、大多数の旅館がレジオネラやいろいろなことで、厚生労働省や保健所の指導で大変お世話になりながら、厳しい温泉についての管理状態をしているけど、どうにも管理監督、コントロールできないという部分も含めて、非常に複雑な問題がございますので、私がご提案したいのは、今国民や消費者の方やマスコミが騒いであるところを、納得できる基準を短期できちっと出すのと、温泉の泉質等々の基準、温泉法自体については、少し時間をかけてやっていただければなと思うところでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか、ほかに。
では、石川委員、お願いいたします。

【石川委員】 利用者の目と、それからメディアとの仲立ちに立つ立場ということになると思うのですが、以前から温泉の情報公開については、ずっと申し上げてきて、周りを見渡しても、とても心細い状況がようやくここまで来たのかなということで非常に感無量に思っております。
 それで、やはりこの間、各県の温泉協会なんかでも発言をさせていただきますけれども、やはり提供者の方々に、情報公開がどこまで進むのかということに不安感があるのはよく感じます。ただ、私が申し上げているのは、やはり温泉の情報公開というのは、これはもう言うまでもございませんけど、食品等と同じように、やはり観光資源であるだけでなく健康資源ですから、安心して利用し選ぶことができるかというのは大前提だと思います。そういう意味では、むしろ情報公開を前向きにとらえて、提供者、それから温泉地の側がもっと誇りを持って、多様な形で温泉を提供する形へ進めればいいと、ただ、表示一般だけがあるのではないというふうに考えております。私自身は、以前から温泉の誇りを持っているところほど温泉情報公開が進んでいるという、そういう法則を勝手に申し上げてきたのですが、そのことがまず説得のかぎになるかと思っています。
それから2番目に、この表示の進め方ですが、非常に関心のある緊急の問題ですから、私自身は今回の問題とは別に、温泉法についての改正ということはずっと申し上げてはいるのですが、ただ、この表示に関しましては、改めて温泉法を見れば、この立法の原点に温泉の保護と利用の適正ということが書いてあります。この立法目的の枠内で、むしろ前向きな行政なりこうした取り組みによって表示問題は前進できるのではないかなというふうに考えています。ですから、温泉法の改正等々はもっと息の長い、また別の取り組みがなされていいかというふうに思っています。
それから先ほど、3番目というのでしょうか、甘露寺先生もおっしゃっていましたけれども、やはり表示イコールそれは取捨選択ということではないと。やはり最初に申し上げたことに、表示というのはあくまでも非常にニュートラルな現実、状況、提供状況を示すことであって、それが何らかの選別につながるということではないということで、既に私もインターネットで拝見をしておりましたけど、中間報告は非常によくまとめられました、この温泉の保護と利用に関する課題についての中でも皆様指摘しておられますけれども、限られた資源をどういう形で、非常にそういう意味では利用者の目というのはわがままですから、そのないものねだりにすべてあれしていると非常に混乱をしてしまいますが、ただ、その中にはさまざまな欲求、ニーズがあります。ですから、その多様なニーズに従う形で情報として提供すると。だから、それが選別等々につながることではないということをもっとはっきりさせていくべきではないかなというふうに思っています。
それから、もう一つ大事なのは、表示というと、最近やはり浴槽問題ということにかなり、当然これはそこが一番遅れているというか、開示がなかったわけですが、同時に、私が非常に危惧しておりましたことは、温泉の基本はやはり源泉、どこで成分分析をするか、いろいろな問題提起は既になされているかと思いますけれども、やはり温泉の分析書をもう少し利用者にわかる形でもっと開示をしていく。すべてでなくてもいいんですが、私が前から特に気にしておりましたのは、湧出形態と湧出量ということが目に見えない。これはやはり循環ろ過の普及という必然的な経過にもつながることだったと思いますが、やはり温泉の基本は分析書にすべてあるわけですから、同時に浴槽の情報表示、公開と同時にしていく。しかも、ただ、今までのように脱衣場で掲げればいいだけではなく、既に公取委のアンケートの中にも書いてありましたけれども、例えば部屋で仲居さんが説明してくださるとか、部屋の中で簡単なパンフレット、冊子でいいですから見せていくとか、もっと国民、利用者、消費者の方にやはりもっと温泉を慈しみ、さまざまな個性をわかっていただくような形の、そういう表示へのプッシュだというふうにぜひしていただければというふうに思っています。
あと最後になるのですが、一つの進め方というか、では、どこまでこの表示について取り組んでいくのかということについては、まだよく目には見えていませんが、各都道府県でのお話をしていますと、随分都道府県単位で取り組みも準備されていた気もいたします。ですから、それはそれで一番の権限を持っているのは各知事段階ですから、そういう都道府県にとっても、余りそれを差しおくようというほどでなくても、ガイドラインになるような形で、浴槽も含めた表示の基本を示していければいいのではないかというふうに考えております。
以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。
どうぞ、大野委員、お願いします。

【大野委員】 私は日本温泉協会の立場でちょっとお話しさせていただきたいのですが、実はこの温泉の問題に関しましては、大変問題になる数年前から、日本温泉協会でも、この問題はやはり何とかしなければいけないというところから、天然温泉表示看板制度というのをつくろうということで、ちょうど今から3年前になりますかね、とにかくそういうものをやろうということがはっきり決まりまして、実際に昨年から2年間試用期間として、今年がちょうど期限になるわけですけれども、そういう看板をつくりまして、それを皆さんのところに配布するというのも大体500カ所ぐらい行っているわけですけれども、この中にはやはり加水・加温の有無だとか、もしくは新しい温泉の注入量だとか、いろいろその基準になるものが幾つかありまして、そういうものをちゃんときちっと提出していた書類を、実は温泉協会の中には学術部会というのがございますので、そこの先生方にお願いをして、その先生方にきちっと審査をしていただいた結果を一つの表示看板としてまとめて、それぞれの温泉の浴槽ごとに掲げていただくと。こういう形で前向きに検討していた矢先なのですけれども、そこにこういう問題が起きてきまして、私どもとしますと、やはり温泉というものに対する関心が非常に深いということがよくわかったということと、これを一つのフォローの風として、大いに温泉に対する消費者の関心ももちろんですけれども、事業者にもやっぱりきちっとその問題というものを認識をしていただくと、こういう形でいかないかんというふうに思っております。
それで、ちょうどこれが今年で試用期間といいますか、試しの期間が終わりますので、また新たにいろいろと研究をして、さらに消費者に非常にわかりやすい表示看板、こういうものの普及に努めていく。こういうような形で現在やっておりますので、できるだけたくさんの事業者の方にも参加していただいて、できるだけはっきりした、また最低限の温泉に対する表示の義務というのを負っておるわけですので、そういう形をやっていくように努めていくというように考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 では、佐藤委員、お願いいたします。

【佐藤委員】 私は利用者の立場ということなのですけれども、表示がいろいろ問題になっていますが、ちょっと新聞の方が騒ぎ過ぎのようなところがあるのではないかと感じていまして、周りの人に、では、温泉を何で選ぶのかを聞いてみると、露天風呂があるとか、結構文化的な要素というのが、全体としての評価でした。学生さんの評価なんかを見ても、温泉そのものの評価という言い方はしているのですけど、でも、どうもそれは温泉のお湯そのものではなくて、もう少し全体の環境を含めて言っているのではないかなという気がいたします。
今回の調査にありましたけど、どれだけ風呂の掃除をしているかみたいなことは、実は結構大事なことで、温泉の水だけではなく、加水されているとか、1週間に一遍しか浴槽を洗っていなかったのかとか、いろいろわかったわけですけれども、全体としての評価をどうやってするかというところが非常に難しいなと思います。例えば温泉教授みたいな形で、どんどん温泉の情報が流されている中で、私たちはもう源泉かけ流しでなきゃいけないんだみたいな、何か一つの神話のようなものを逆に持ってしまっていて、客観的な評価をなかなかできる状況にないのではないかと思います。そういう意味では、今すべてのデータを出していただいても、それをきちっと自分の中で整理して、消費者にとって必要な数字として認識できるかどうかというのは、非常に心もとないなというのが本音のところでございます。そういう意味では、科学的と言えるのかどうかわかりませんけど、評価の大事なポイントみたいなものは幾つかやっぱり示していかないと、ただ、書いてあって、それを勝手に評価しなさいというようなものでもないのかなと。最近出ている本なんかは、自主的に雑誌社の方で、本当の評価の仕方がどうかということで、甘露寺先生もちょっと書いていらして読ませていただいたりしたのですけれども、もうかなり具体的にいろいろ動いている。ただ、キャッチコピーとして、源泉掛け流しみたいなものを使ってしまうというところがあるのではないかと。そのキャッチコピーに踊らされないで、ちゃんと評価するにはどうしたらいいのかというのが一つあります。
 温泉というのは、非常に日本にとって大事な資産だということを忘れないようにしないといけないのではないかなと思います。
それはお台場にできた大江戸温泉なんかに行きますと、実は日本人も来ていますけど、海外の方もいっぱい来ていらして、あれは多分天然温泉という評価になっているのだと思いますけど、多分循環もしているでしょうし、そういう意味では、一般の本当の温泉好きから見たら全然邪道かもしれませんけど、そういうのを楽しんでいる人もたくさんいます。それから地方にも、やっぱりそういう温泉目当てのアジアの方とか来ておられます。海外に向けてもちゃんとメッセージが出せるようなところまで考えておかないと、余り日本だけで完結するような話にしてもいけないのではないかと。その辺二つぐらいは考えたいと 思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
では、森戸委員、お願いいたします。

【森戸委員】 私は利用者といいますか、個人的には温泉愛好家ですけれども、今回の立場でいいますと、実は温泉地のまちづくりといいますか、地域振興と活性化とか、そういうものにかかわってきたという部分もあるのです。個々の旅館ないし施設が商業上の道徳みたいな話、基準を最低満たすということだけではなくて、それぞれの地域は、基本的に温泉地として、あるいは観光地としていろいろなイメージアップを図ろうとしたり、あるいはイメージが落ちるために、やむなくいろいろなことをしてしまうということもあるので、少し地域社会の問題も視野に入れておいた方がいいのかなという気はします。商店街なんかもそうですね。個々の商店の問題だけではなくて、商店街としてどういう方向をとるかと。そのときには全国一律の基準というか、最低限のものは基準があるにしても、あとはかなりそれぞれの地域の個性といいますか、売りといいますか、前向きにそれぞれの地域で知恵を出せるような、そういうことを気にしておいた方がいいのかなというふうには思っています。
幾つか私自身がかかわった中で思ったのは、やはり温泉地の地域社会というのはちょっと普通のコミュニティーと違ったところがありまして、これは全部でないのでしょうけれども、いわゆる源泉を持っている人と、それからそれを使わせてもらっている人だから、簡単にいえば大家さんと店子みたいな関係で、それがやっぱり最初は見えないんですね。いろいろな話を聞いていくうちに、あの人はいわゆる大家さんで、こっちは店子なんだなとわかってくる。そうすると、店子の人はやっぱり発言権は全然弱いですよ。だから、結局何人かの大家さんの意向で、その温泉のいろいろなことが決まる。最近若い人が出てきて、そういうものを壊したり、いろいろな試みをやっていますが、かなりのところは、そういうやや特別な地域社会なのだと思います。どうも報道されているような不祥事的なものは、そういうものが根っこにあって出てきたような面もあるような気がするのですね。そういう意味では特殊な地域社会の側面もある。しかし、地域はそれぞれみんな活性化のため努力しているので、そういう流れを一つ踏まえて方向性を出すというのも大事なのではないかなというふうに思っております。
とりあえず以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
 では、岡島委員、お願いします。

【岡島委員】 今、専門家の方々のご意見をお聞きして、私も事実関係を公開したり、それもある程度期間を設けてやるということは賛成ですし、甘露寺先生がおっしゃったような正確な知識をもう少しきちんと伝えるということにも賛成です。ただ、今回のこの一連の事件に関しては、要するに市民の方からの立場から見ると、お風呂なのですよね。お風呂で、その中に温泉といって体にいいとか、そういうものもあるものであって、基本的にはお風呂でしょう。ですから、お風呂というのは比較的気分で入るものですから、効能はもちろん、飲むと胃にいいとか、いろいろな皮膚病にいいとか、それも大事なことですけど、かなりの人は気分で入っていると思うのですね。佐藤さんがおっしゃったようにですね。一つ一つの成分を見て、これだから入るという人はそんなにたくさんいないので。今回の一番大きな問題は嘘をついたからなのですよ。単純ですよね。福岡の場合だって、伊香保だって、白骨だって、嘘でしょう。だから、怒っているわけですよ、みんな。ただ、それだけのことであってね。ただ、その嘘をつくときに、法律とか成分の表示などがちょっとあいまいだから、ある人はついたつもりもなくてついたとか、その辺のところがちょっとあいまいなので、こういう会議も開いているのではないかと思うのですね。そこのところを少しきちっとしませんと、やたらに数字を並べたり、表示していれば済むという問題ではない。
それからもう1点は、これは本来であれば業界の話ですよね。業界が自分たちできちっとしていなかったから、こんなことが起こったわけであって、それは、ここに業界の関係者の方もいらっしゃるから、その人に文句を言っているわけではないのですけれどもね。お客が来なきゃつぶれてしまうでしょう。だから、嘘を言ったところはつぶれるわけですよね、普通ならばね。ただ、それだけのことであって、そういうことであっては温泉業界も困るから、業界としてはきちんとした基準をつくって、こうしようと、自分たちで全部やりますよね、よその業界だったらね。それでいいのではないかと思うのですよね。それが1点と。
 業界がつくり過ぎだか、掘り過ぎだか、何過ぎだかわかりませんけど、温泉ブームに踊って、おごったというか、嘘をつくような人が出てきてしまったというのが、むしろこれはお客さんではなくて業界が悪いわけですよね。そういうことが出てきてしまったことが。ですから、その辺のところもやはり十分業界の方には考えていただいて、業界の自浄作業といいますか、お客さんに対してですね。ですから、お客さんも自分で判断して、こっちの温泉がいいか、こっちの温泉がいいか、それは温泉の質もそうだけど、サービスもあるし、町もあるし、景色もあるし、いろいろなもので選んでいるわけでして、ですから、嘘ついたという話と、ちょっとごっちゃにしない方がいいのではないか。
もう1点、先ほどからマスコミやメディアの話がありましたけど、私はメディアに長い間いたということから考えましても、問題が起こって騒ぐとメディアが悪いというような言い方で、マスコミが悪いという言い方になるのですけど、もともと悪いのはどっちかというと、嘘ついたやつが悪いのではないかと、そう思うのですね。だから、嘘ついた人たちが、マスコミが悪いということで責任転嫁をしてしまう場合があるのですよ。だから、そうではなくて、マスコミは専門家集団ではないわけですから、温泉業界なり、甘露寺先生も含めた専門家の方々が、何か問題のときは積極的にアプローチして正してもらわないといけないですね。取材なんかしても逃げてしまうときが多いのですよ。後になって間違いが書いてあるとか、そういうことをよく言われることがあるのですけれども、その事の本質は、マスコミだから言うわけではありませんけれども、とかくだれが本当にいけなかったのかということを忘れて、あっちが悪い、こっちが悪い、週刊誌が書き過ぎだとか、そんなことを今さら言っても始まらない話であって、その肝心なところはやはりきちっと見据えておく必要があるのではないか。そういうふうにちょっと感じます。ちょっと言い過ぎましたかもしれませんけれども。

【熊谷委員長】 いかがでしょうか。では、桑野委員、お願いいたします。

【桑野委員】 その業界の者ですが、今6割以上のアンケートでもそうですし、あと今ほとんどエージェントも、また雑誌社も、すべてこういうアンケートをとるようになっていますので、そういう面では、私どもの業界もやはり粛々と情報公開してきていると思いますし、同時に、今挙がっているような加水とか加温とか循環ろ過装置の利用とか、そういう表示もなのですが、そういうことがどういうことであるかも同時に書いていかないと、わからない方も多いのではないかと思います。こういうことも、もう粛々としていくことになっているのではないかと思っています。
あと、関係者が何で嘘をついていくかというと、やっぱり元気がない現状があると思うのですね。そういう中で、その人たちが何か源泉かけ流しが全てではないんだみたいな、この人たちをやっぱり励ましてあげないと、なかなかこのシステムをつくっても、やるところはやり、やらないところはやらないというままにいくと思いますので、何かベースに基本的なものがあって、あとは観光地それぞれがもう頑張っているわけですから、まちづくりの中でつくっていくと。ベースがあった上で、もう都道府県の中でもやっているところはありますし、各温泉地の中でも取り組んでいるところがあるのですが、そういうところに入ってない、日本の中のたくさんの温泉地の中で、やはりこの基準だけは間違いないよというものを消費者の方に伝えることが今一番必要ではないかと思っています。
あと、今回のことで一番思ったのですが、温泉の保護ということに、余りにも私どもは無関心になっているのではないかと。いつまでも温泉というのはあると思いがちなのですが、それは永遠のものではないと。温泉の保護とか、温泉法が持っているような本来の役割というのを、もっともっと私どもも考えていく必要があるのではないかと思っていますし、温泉分析書の話もありましたが、そういうものもあることすら知らない事業者もいる現状があると思うのですね。それであるなら、やはり数年に1回チェックしていくとか、今ある法をもう一度チェックしていくことも重要ではないかと思いました。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。いかがでしょうか。ご発言のない委員の方で、ご発言。
 では、川名委員、お願いいたします。

【川名委員】 もう皆さん、言われたので余り言うことないのですけど、私は利用者の立場ですけれども、利用者には二通りあると思うのです。我々一般に、行って、ああ、いい気持ちだ、おいしいもの食べたい、ついでに温泉入りたい、それから本当に治療目的に行く人がいる。一般的には多分温泉に入って何か安らぎたいという人の方が大半だろうと思うのです。それで、確かにこの業界の人たちは良心的にやってほしい、モラルを向上させてほしいと思いますけれども、何かそういう安らぎたいと思って行ったのに、途端に何か説明を聞かなくてはいけないとか、それを読まなくてはおふろに入ってはいけないというようなムードは、ちょっと何かこう逆行みたいな気がして、全然専門的ではないのですけど、一般的な利用者としてそんなふうに思います。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。大変貴重なご意見をそれぞれの立場を明確にしてご発言をいただきまして、大変私としても勉強になりましたし、問題の整理ができてきたように思います。先ほど申し上げたように、今回の諮問の事項が、一応環境大臣からは、温泉事業者による表示のあり方について審議をせいと、こういうことでございますので、大変今日は基本的な重要なご意見をいただきましたけれども、できましたら、それを踏まえて、その表示のあり方について、意見をさらにいただいていきたいというふうには思っております。
それでは、一応ご意見をいただきましたので、表示に関する現行の温泉法での規定ぶり、あるいは温泉表示に関する自主的取組などについて、事務局から説明をしていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。

【総務課長】 資料8をごらんいただきたいと思います。資料8は、現行の温泉法の体系のもとで、その温泉事業者による表示、具体的には温泉成分の掲示ということでございますけど、それがどういうふうになっているのかといったことをまとめたのが資料8でございます。
温泉法そのものにつきましては、参考資料の方に温泉法の概要というのをつけました。温泉法は、温泉の保護と温泉の利用ということで2大柱としておりまして、温泉の利用の方で、温泉の公共的利用の許可ということで、公共の浴用等に資する場合には、その事業者は都道府県知事の許可を必要であると。なおかつ温泉施設には温泉の成分等について掲示をしなければならないという体系になっているわけでございますけれども、この資料8にございますとおり、温泉法第14条で、温泉を公共の浴用又は飲用に供する者は、施設内の見やすい場所に、環境省令で定めるところにより、温泉の成分、禁忌症及び入浴又は飲用上の注意を掲示しなければならないとされております。
さらに、前項の規定による掲示は、「登録分析機関」の行う温泉成分分析の結果に基づいてしなければならないというふうな状況もあります。
また、その第3項でございますけれども、温泉を公共の浴用又は飲用に供する者は、第一項の規定による掲示をしようとするときは、その内容を都道府県知事に届け出なければならないと、こういう規定が温泉法で決められております。
なおかつこの規定につきましては罰則規定がございまして、第37条でございますけれども、次の各号のいずれに該当する者は、三十万円以下の罰金に処するということで、この2号に、その第14条第一項、これはこの上にある規定でございますけれども、による掲示をせず、または虚偽の掲示をした者に対しては三十万円以下の罰金と、こういうふうな規定がございます。したがって、非常に強制力のある規定になっている次第でございます。
では、環境省令で何を掲示するのかということが決められたのは、この裏にある温泉法施行規則でございます。この第6条に、温泉の成分等の掲示ということで、この法律の規定による掲示は次の各号に掲げる事項について行うものとするということで、源泉名、温泉の泉質、源泉及び温泉を公共の浴用又は飲用に供する場合における温泉の温度、温泉の成分、温泉の成分の分析年月日、登録分析機関の名称、浴用又は飲用の禁忌症、浴用又は飲用の方法及び注意と、こういったことが施行規則で決められているということでございます。
この規定からは、直接その入浴剤をその旨を規定しなければならないというふうな規定にはなってございません。
それから加水、加温、循環ろ過装置等を行った場合についても、今の温泉法の施行規則では、それは別に掲示をしなくてもいいと、掲示すべき事項として求められている事項には該当しないというのが現状でございます。
さらに、資料9をごらんいただきたいと思います。これは今回の問題を大きな契機にして、各地の温泉組合などが中心になって自主的な取組が行われております。決してこれは何かしっかり調査で調べたわけではございませんので、このほかにもいろいろあるかもしれませんが、私どもが承知しているものとして、この5カ所の例をまとめてみました。
伊香保温泉につきましては、加水、加温、給湯方法、入浴剤の有無、それから湯の入替頻度、殺菌処理の有無、それから、その他の表示項目として使用水の名称、黄金、白金、水道水等とあります。これの実施主体は町役場、観光協会等でございます。この水道水等とありますのは、伊香保温泉の場合は、温泉旅館と、温泉を使っていない旅館、両方を対象としているということで、その温泉を使っていないところは水道水というふうに表示しなさいと。それから温泉を使っている業者であっても、浴槽によっては水道水を沸かしているところもある場合には、その浴槽については水道水というふうに書けと、こういうふうな取組みが行われている次第でございます。
それから有馬温泉につきましては加水、加温、給湯方法、それから殺菌処理の有無等々でございます。
それから南紀勝浦温泉、それから芦原温泉、白骨温泉についても新しい表示についての自主的な取組が行われていると、こういう次第でございます。
このほか、例えば長野県におきましては、県における表示の推奨制度について、先般、発表になられていました。いろいろなところで自主的な取組が行われているというふうに思います。
それで、環境省といたしましては、先ほどの資料5、温泉の利用に対する調査結果の発表をした折に、小池環境大臣の方から特に加水、あるいは加温、循環ろ過装置の有無、あるいは入浴剤の使用については表示を進めると。具体的にはこの温泉施行規則の中に、そういった項目を追加していくことになるのではないかというふうに考えておりますが、そういうことが重要だと考えて、環境省の考え方を明らかにしたという経緯がございます。
以上でございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
ただいま事務局のご説明をいただきましたけれども、何か、ご質問、どうぞ。甘露寺委員、お願いいたします。

【甘露寺委員】 その表示というものが、この第14条の禁忌症及び入浴又は飲用上の注意を掲示するというようなことと同等、例えば飲用上の注意及び公益上必要と認められる事項等を掲示しなければならないと、ここに入れるような形で掲示を考えているのか、それともそれとは別の考え方なのか、そこのところが、もしわかりましたら。

【総務課長】 これはまさに審議会の議論も承りながら考えていきたいと思っていますが、今、念頭にありますのは、この一号、二号、三号、四号とありますけれども、これに加えて、第何号として加水をしていれば、そのしていること、その理由とか、その程度とか、どこまであれするかあれですけれども、この五を追加する格好で書くのが有力かなと、現段階で思っていますが、これもまたいろいろご意見を賜りながら考えていければというふうに考えています。

【熊谷委員長】 何かご意見、ご質問ございますでしょうか。はい、どうぞ。

【石川委員】 今の施行規則と実際の、いわば温泉情報の表示の現状なのですけれども、私自身、全国数千カ所の施設や宿を見てきまして、ずっとその分析上、成分やデータの出し方を全部自分のデータに入れているのですが、現実に申しまして、この施行規則に書いてある中で、1982年に当時の環境庁がお出しになった通知に基づく新しい掲示書の形態で、私は非常に簡易な掲示書モデルというふうに申し上げているのですが、源泉名がまず掲げてあるところも少ないのですね。それで、掲げてありますのは大体平均的に泉質です。それから、泉温も実は現在の掲示書では、源泉の温度については掲げられていないところが多いです。これは42度というふうに、使用温度ですね。これがだから、一般の方は42度の源泉なのかなというふうに思ってしまうという状況もあります。さすがに最近はそうではないと思いますが。
それから次の問題は温泉の成分ですが、ここが大体空白になっています。ですから、温泉法自身をいじらないで、現行の今のお話にあったような、もし、もっと情報のというふうになれば、この成分ということは、ある意味では先ほど申し上げましたように、温泉分析書の成分表というあたりをいわば写していけば、本当は非常にわかりやすいことで、これはもちろん多様な利用者のニーズと楽しみ方はあります。ただし、そうはいってもできるだけ源泉の持ち味を、別にかけ流しに限らず、やはり理解をし、味わってもらうことがやはり大きな国民の希望にかなうと思います。この成分のあたりも、もう少しきっちりしていくような形でいかないといけないのではないか。実際は泉質も、新泉質表示と新泉質名と旧泉質名が混在をしています。この辺も非常にわかりづらいことで、恐らくメディア関係ではもう大体混乱をしていますね。それで突然浴用又は飲用の禁忌症と出てきても、なぜこの禁忌症やこれが出るのかがわからないという、要するにその裏づけの成分等が見えてこない。別にだれが見えてくるのかという問題がありますが、そういうことがありますので、やはりこれを、先ほど申し上げたことの一つのだめ押しになるのですが、施行規則にあるような中身、もう少しきちんとその源泉のありよう、要するに持ち味とその提供の仕方、状況について、基礎データは表示するようにという方向に持っていただきたいなと思っております。
以上です。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
はい、どうぞ。

【岡島委員】 この表示の場合、基礎的なものがありますよね。安全とか衛生とか、そういうものと、多分甘露寺先生も先ほどちょっと話した、ここに気分の問題というか、加水するとかそういう問題と衛生の問題はレベルが違うと思うのですね。そういう非常に大事な問題は、もう法律でどんどん罰せなければいけないけど、気分の問題は、どこでやるかというのは難しいと思うのですよ。私なんか個人的には、業界がきちっとそれをやればいいと思うのですけれども、それをこういうところで、きちっとした形で国でやるとなれば、徹底していていいのですけど、僕が業界だったら、そんなものまで国に指導されてはたまらないという気持ちは当然あると思うのだけど、その辺のところ、分けてどうやって考えるかということと、それから、甘露寺先生が先ほど言った知識ですね。例えばこれも、こっちの方はもう業界の努力だと思うのですけど、ポスターみたいなのをつくって、温泉のいろいろとか、そういうのをいろいろなところにつくって配って各旅館が全部それを浴槽のところに張って、お風呂に入る前に、あ、そうか、今言ったように、かけ流しでもいいし、循環でもどっちでもいいんだなあとか、そういうふうに温泉のいろいろが、みんながわかるように。それは温泉に張れば一番いいと思うのですね。それは温泉の基礎知識、そうしたら、マスコミが間違えていても別にだまされないわけだし。そういうように基礎的に絶対大事なもの、それから加水とか入浴剤の問題とか、これもやっぱりむしろ健康的な問題より、嘘をつかれたから腹が立ってこれだけ問題になっているわけで、そういう問題と、それから基礎的なこと、このいつかのところをどこまでが国の規制でやって、どこまでが業界を含めてみんなでやっていくかという、ちょっとしたそんなことも頭の中に入れておかないといけないのではないかなと思っております。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。
どうぞ、甘露寺委員。

【甘露寺委員】 今もおっしゃった、私、分析をやっていまして、本当に気が滅入ってしまうんですよ。いろいろ変なことばかり、分析表がいってみれば案外ちゃんとしていないのですね。確かに色、濁り、臭気、味というのは一応分析表に書くことになっているのですけれども、本来これは最近、石川先生ではないけど、旅館の温泉につきまして、気分とか肌ざわりとか、あるいはその温泉の周辺の環境を含めた、そういうもののよさというものが案外、その表示をするのがいいのかどうか、僕らもわからないのだけれども、その辺のところが今言われたように非常に難しいという問題がある。ただ、研究は最近やられています。色とか、それから臭いとかというのについては、製薬会社とか、あるいは化粧品会社なんかがやっているし、大学の先生もやっています。だけど、非常に難しくて何言っているのか、わからないというのが結果なのですけれども、非常に難しいのですよ、言っていることが。
それで、私、今おっしゃったことを考えて、当面する課題というのが表示というふうに考えて、それからあと中長期的な取り組みを要する問題と、二つあるような気がするのですね。それで、表示の中では、ではどういうことを検討するかというと、僕自身、一応考えてきたのです。これは研究所の連中と一緒にこうやってやった意見でございます。全部これ表示しろというのではなくて、一応検討課題として、かけ流しと循環ろ過、それから殺菌剤と薬品添加。ただし、これは浴槽の衛生管理との関係、厚労省通知との関係がある。それから加水、加熱。それから源泉から浴槽までの輸送方法。パイプ、タンクローリー、ポリ容器、その他。それから衛生管理状態、例えば殺菌するとか、清掃状況。それから浴剤、ハーブ、鉱石、石も使っているのですね、温泉の場合は。ですから、そういうものの使用。それから公衆浴場でのその表示との相違。公衆浴場では、本来は、あれだけ熱いところに入ったりなんかするのだから、温泉と同じように禁忌症というのを掲げてもいいと思っているのですよ、僕らはね。だけど、公衆浴場では、温泉みたいな禁忌症は書いてないのですね。実際、浴槽で結構事故が起きているという実態があるので、その辺もこれは一応やっていく必要があると思ったのですね。それから、内容を的確に把握して、これは言葉の定義も、実はかけ流しと循環ろ過というのもいろいろ種類があるとか、加水もどうするのかとか、いろいろあるわけです。
それから、温泉に適合しない水の温泉表示の禁止というのが、うちの研究所の案で出たのだけれども、こういうことができるのかどうか、僕らもわかりません。その他、現行分析表との関係とか自然湧出、動力揚湯、そういった問題。それからもう一つは、一般利用者、温泉関係者に対する的確な情報の普及と啓蒙。こういうことが当面する課題ではないのだろうかというふうに考えて、一応つくってみたわけでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。かなり次回の検討にも役立つような、具体的かつ非常に科学的なご指摘をいただきましてありがとうございました。いかがでしょうか。
どうぞ、小原委員。

【小原委員】 温泉地の現場に行きますと、さっきどなたかがおっしゃったけど、温泉源のもとがあって、いろいろ先ほど泉源ごとに違うとは言いましたけれども、地域では大きな温泉があって、それをずっと分けているのがありますから、きょうのお話は一貫して、泉源、泉質、温泉自体に対する情報の公開と、それをかけ流しだの循環だのと、また浴槽の構造、ホテル、旅館といいますか、事業者ごとの部分もございますので、それを一発の表示でいいのかなという感じが、ちょっと今してます。分けた方がいいのかなと。業界でそんなことはやるべきだというのはよくわかりますので。
それと、これこそ業界でやるべきでしょうけど、絶対的な表示だけでは非常にわかりにくい。豊かな温泉を楽しむのだったら、いろいろな形であって、この温泉はこの辺のタイプでこういう楽しみ方がいいのだとか、相対比較みたいのをしたら、より温泉を愛してもらえるのかなと。愛してほしいと思います。
それから一つ、お役所の方に聞きたいのですけれども、私も地元の佐賀県で温泉審議員をしていますけれども、レジオネラ菌のときに全国統一の基準をつくってくださいといって、それは知事の裁量だからと、各県で、いろいろ事件があったところ、なかったところ、いろいろありますけれども、温泉行政の基準といいますか、串刺しの部分がどこまでなのかというのがあります。お客さんというのは海外からも来るし、国の境も飛んで来るし、東京、大阪、名古屋の人は全国に行くし、私、九州なのですけど、要するに全国的に、あるいは国際的に温泉というのが関係しますから、お願いの部分かもしれませんけど、この県だけは厳しい、この県だけは緩やかだというのも非常に業界としては公平でないなと思う部分が若干ございますので、知事の裁量でありましょうけど、できるだけ串刺しの部分は、しっかりとこういう場で審議したところは、各県にも満たしていただくようなご指導をいただけないかなと思うところでございます。例えば温泉の枯渇、保護、涵養自体にしましても、泉源から何メーターとか、いろいろな基準がございますけれども、そういうのがばらばらにならないようにひとつ、お願いできないかなと思うところでございます。

【熊谷委員長】 いかがでしょうか。事務局としてはいかがでしょうか。今までのご意見で何か、踏まえて今後も検討を進めていかれるということで。

【審議官】 夏以降ずっと環境省の中でもいろいろ検討して、私どもなりに悩んできたつもりでありますが、やはり出発点は、最初に岡島委員がおっしゃった、嘘をついた事例というのは、これはもうみんな怒るのは当然で、そういうことがないようにしなければいけないですねというのが、最大の私たちも思っていたことです。そういう意味では、温泉法そのものがどこまで接近できるかという問題は別にありますけれども、公正取引委員会とも、よく連携をしながらやってきたところでございます。
それで、3点ほど、ちょっとこれまで私どもが思ってきたことと、表示の関係と接点のところだけ申し上げたいと思いますけれども、甘露寺先生がおっしゃった、かなりいろいろ誤解が多い、よく伝わっていないというのは、実は温泉関係の書物、それから新聞報道、テレビの報道も含めて、私どもあえて今日、いろいろな意見をできるだけ網羅的に整理をしてご紹介をしたつもりですけれども、常に、この意見はこれが妥当なのかなと、それともこれはこう書いてあるけど、ちょっと違うことを意味しているのか、あるいは誤解に基づくのか、クエスチョンマークを頭に置きながら考えてきたつもりであります。
表示の問題との関係でも、表示をしてくださいとお願いする場合に、それとセットで何か特定の価値観がそれに付随しているようなことがもしあるとすれば、表示してもらうこと自体がいい、悪いということを意味しているのではないということも同時に、PRするなりしていく必要性はあるのかなという気がいたしました。
アンケート調査をしている過程で非常に心強く思いましたのは、事業者の方、非常に多くの方が回答していただきました。それで、今後、加水、加温、循環ろ過について表示の予定はありますかという問に対して、4割程度の事業者の方が今後表示したいと思っているという返事をされていて、解釈によると、4割ですかと言われたこともあるのですが、私自身の感じとしては、これまでのどちらかというと、安定的というか、どちらかというと静止したような印象のあるなかで、4割の事業者の方が積極的に表示しようと思っているのは、これは情報提供それ自体に対して、相当意欲的だし、ご理解があるんだなという印象を持ったわけであります。
利用者への情報提供の重要性というのは、一般論としての重要性ももちろんございますけれども、そのときに、もう一つはどこまで国がという先ほどのご意見がありましたが、一体どこまでが規制なり規則で決めて、どこまでが事業者の方がいろいろ創意工夫をしながら、いろいろな情報を提供していただくかというところの見きわめというのが、一つ判断の重要なところではないかなというふうに思います。
何か事細かく全部決めて、全部表示してもらうということがいいのか、あるいは本当に重要なポイントについて、そのガイドポストみたいになることを規則で決め、それ以外のところについては、できるだけ自主的な努力をやっていただくと、そういうアプローチのどの辺を考えていくべきなのかというところが、表示について、私どもが今まで考えてきたところでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。それでは、今後の小委員会の進め方について、そろそろ議題を進めさせていただきたいと思いますが、進め方について、事務局の考え方があればご説明をお願いしたいと思います。

【総務課長】 本日さまざまなご意見を賜りました。これをもとに第2回の温泉小委員会、12月8日の14時から16時を予定しております。次回の小委員会では、本日のご意見を踏まえまして、事務局としての案をできれば整理して提示した上でご議論いただきたいというふうに思います。
今、審議官からお話ししましたけれども、どの程度国がやり、どの程度地域の温泉組合とか、あるいは県がやり、どの程度の個々の事業者がやるのかと、いろいろ考えなければいけない。そういった中で国として、先ほど申しましたけど、罰則つきのところまでやるとなると、どのあたりを視野に入れるべきかということで、今日のご意見を参考にして、踏まえながら内部で議論をした上で、次回にご議論をいただくべく提示をしたいというふうに考えております。
その上で、次回、ご議論をしていただいた上で、可能であれば、次回の後、国民から広く意見を賜るということでパブリック・コメントという格好で、広く意見を集めてみたらいかがかなというふうに考えています。そうしますと、パブリック・コメントは大体1カ月ぐらい要すると思いますので、第3回目については、1月の中下旬にお願いできないだろうかと、今、事務局ではそういったことを念頭に置いて作業を進めたいというふうに考えているところでございます。

【熊谷委員長】 ありがとうございました。今、今後の進め方について、事務局の案をご提示いただきましたけど、いかがでしょうか。次回は事務局の方で案をつくって、それで議論した結果を再度まとめてパブ・コメにかけてという手順のようでございます。そうすると、3回ぐらいで結論が出るということで。

【総務課長】 可能であれば。

【熊谷委員長】 可能であればと。
委員の方々いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
(異議なし)

【熊谷委員長】 ありがとうございました。それでは、そのように進めさせていただきたいと思います。
それでは、ほかに事務局から何か連絡がすることがあればお願いしたいと思いますが。

【自然環境整備課長】 局長をご紹介いたします。小野寺自然環境局長です。

【小野寺局長】 小野寺です。よろしくお願いいたします。

【自然環境整備課長】 冒頭、小委員会の運営方針でご説明申し上げましたけれども、小委員会の会議録は、発言内容を精確に記載すること、その調整に当たりましては、会議に出席した委員の了承を得るものとすることになっておりますので、本日ご出席の各委員の皆様にご確認いただくための会議録案を後日お送りいたしますので、よろしくお願いしたいと考えています。
また、公開した会議の会議録は、公開するものとすること、議事要旨を公開するということになっております。会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び閲覧窓口への備え付けにより行うこととなっております。
以上でございます。

【熊谷委員長】 それでは、長いこと、大変熱心なご議論をいただきましてありがとうございました。
では、一言局長より。

【自然環境局長】 すみません、遅れてきて。さらに追加して申しわけありません。お忙しい中、本当に押し迫ったところを急遽、恐るべきスケジュールのうちに参加していだきましてまことにありがとうございます。にもかかわらず、私はまた遅れまして申しわけないと思っています。
今年は、私の局のことを申し上げますと、年が始まってすぐ鳥インフルエンザというのがきて、夏はこの温泉、7月以降ですね。秋になって少し落ち着いたかと思ったら、今現在クマで振り回されております。その間に外来種法という法律を通常国会でつくったり、今現在、遅れた理由でもあるのですけど、三位一体の話で走り回っているという状態であります。
夏以降、ちょっとマスコミの報道の温泉に関しては下火になっているのですけれども、それでいいということではなくて、やるべきことを着実にやりたいと。なぜかと申しますと、実際現場が混乱しているのがいまだに継続しています。事業者ということもありますし、都道府県の担当ということもあります。それから、それを受けてやっている市町村、本当の担当の人が混乱しているというのはありますし、そもそもの出発点である、利用者が不信感を持ったり、あるいは的確な情報が与えられていないということで、混乱しているというのは、一刻も早く正したいという気持ちでありまして、そういう意味で、必要最小限の制度的な改正をやって、少なくともそこについての混乱は、一番最初の緊急のスケジュールで解消したいということで、いろいろな議論があったわけですけれども、規則改正をして、でき得れば年明け早々にはそういう運びで、以降の現場での進捗を待ちたいということであります。
しかしながら、50年間、実は余りいじっていない法律でありますので、いろいろな問題が出てきているのは各委員がご指摘のとおりであります。そのことについても、この表示の問題とあわせて、次回以降、随時議論をしていただいて、その分についても頭に置きながら、この温泉行政を進めていきたいと思っております。
遅れまして申しわけないということと、今日はありがとうございましたということと、次は8日で、多分1月に、余り遅くない時期にもう一回やることになるのではないかなというふうに思っていますけど、併せてよろしくお願いいたします。

【熊谷委員長】 それでは、どうもありがとうございました。
これで本日の会議を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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