中央環境審議会自然環境部会 自然公園のあり方検討小委員会(第5回)議事要旨

開催日時

平成16年3月29日(月)13:01~14:59

開催場所

経済産業省8階会議室(東京都千代田区霞が関1-3-1)

議題

(1) 自然公園法のあり方検討の具体的方向性について
(2) 関連法制度の動向について(報告)
  ・外来生物対策をめぐる動向
  ・景観法案と自然公園制度の関わり
 

議事経過

(1) 事務局から自然公園法改正についての経過や、今後の法施行に向けてのスケジュール等についての
報告がなされた。
(2) 自然公園法のあり方検討の今後の進め方について議論がなされた。
 
 なお、主要な発言は以下のとおりである。

自然公園のあり方検討の具体的方向性について

委員  自然公園の「様々な視点からの評価」では、幅広く内容が記載されており心強く感じたが、「評価ポイント」の項で評価対象を「訪れる利用者」に限定しているのは残念。
委員  今回の中間とりまとめは、環境省内での今後の議論に資するものなのか、他省庁との調整や法改正へとつなげるためのものなのか、またはもっと広く国・社会に対して自然公園をPRする目的を有しているのか。
事務局  今回の中間とりまとめはあくまでも中間的な整理を行うもの。具体的に方向性を定める前段階と認識している。最終的には施策に結びつけ社会的な動きを起こしていくことが目的である。
委員  今回の検討内容はこれまでの懇談会での議論と方向性は同じか。
事務局  自然公園制度ができて70年を迎えたが、当初の目的だった風景地の保護に加えて生物多様性の保全という目的が追加された。様々な状況にあわせて、変化をうまく取り入れていくことも必要だが、将来の方向性については時折整理しながら模索する必要がある。今までのものを全て捨てた上での変更でなく、多くの方向性を有している中で整理することが必要と認識している。
委員  国立公園の指定地の大半は、民有地、国有地、公有地であり、環境省の土地はほとんどない。このような状況下で、今後、国民がどのように国立公園を扱うか、国民が国立公園に対しどのように関係していくべきか、意識のある国民に国立公園を上手に活用してもらうためにはどのようにするのか、といったことについても追加してはいかが。
事務局  今後の検討課題とさせていただきたい。
委員  自分の住んでいた土地が国立公園区域内であったということを知らない学生もおり、国立公園という感覚が地域で受け入れられていない場合もある。当小委員会は「自然公園のあり方」としているが、「自然公園」と「国立公園」に対する国民の認識は混沌としている。これらをなくすためにも、例えば、国定公園という仕組みが生まれた経緯や、大山隠岐国立公園や霧島屋久国立公園のように地域の性格は異なるのに国立公園の数の制限から一つの公園に組み込まれた公園の歴史的背景を踏まえた上で、自然公園の議論がなされるようにするべき。
事務局  地域的な取り組みの問題と市民感覚への対処の両面から、今後検討していく課題と認識している。また、歴史的背景を踏まえた整理についても重い課題として検討させていただきたい。
委員  自然公園の目的が制度発足当時に比べ自然的環境や集落景観にまで守備範囲が広がってきている。自然環境保全法よりも自然公園法の方が一般的に認知されており、自然公園法の枠組みで自然環境保全の役割も果たせるようにして欲しい。
事務局 国立公園の当初の目的である原始的景観の保護から集落景観も含めた保護まで、守備範囲が広がりながら自然公園制度は育ってきたが、法の制定趣旨を逸脱することなく推移してきており、今後もその範囲内で検討したい。他制度との関係をどのように見ていくのかは今後整理すべき課題であると認識している。
委員 土地の改変の抑制、あるいは景観の保護に自然公園法が果たした役割には大きいものがあるが、生物多様性の保全を考慮に入れるとライト・ポリューション(光害)や道路密度等、今の自然公園制度のみの対応では困難なことが多々あろうが、基礎的研究を重ね、得られた知見を基に柔軟な対応が必要。
委員 国民一般だけではなく、我々専門家でさえ、国立公園に行ってもどこから公園区域に入ったのか、特別地域か普通地域か分からない。このような状態で国民に自然公園制度の説明をするのは困難。場合によっては「公園」という語を変更することも検討しなければならないのではないか。自然公園法は、規制による制度だったが、今後はどのように風景を作り特徴づけていくか、環境省が示していくきめ細かさが必要。そのためには、自然再生により規制官庁から事業官庁へと、予算措置等含め対応することが必要ではないか。

外来生物対策をめぐる動向について

委員     これまで使用してきた「移入種」から「外来種」へと言葉が変更されているが、今後は「移入種」や「帰化種」といった用語は使えないのか。また、影響を及ぼしうる種についてデータベース等を作っていくのか。
事務局 言葉については中央環境審議会野生生物部会移入種対策小委員会においても議論があった。生物用語上、自ら移動して入ってくるものと捉えられる「移入」より、人為的に国外、国内の別地域から持ち込まれた生物を指す用語として「外来種」という語が選ばれた。また、影響を生じている外来種については、暫定的なリストを作成している。今後もリストの充実等に努めていきたい。
委員 外来生物を「判定」する制度とはどのような法的手続きが行われるものか。また、学術研究その他の目的とはどのようなことを想定しているか。
事務局 特定外来生物としての判定は、主務官庁が6ヶ月以内に特定外来生物の要件に合致するか検討を行うもの。これは行政が一方的に行うのではなく、法案第2条第3項にあるように専門家の方々のご意見を伺う必要がある。また、 例えば第5条第1項でいう学術研究等の目的では、動物園での展示等教育目的等を考えている。

景観法案と自然公園との関わりについて

委員     景観が法律の目的となることについては、「自然公園」や今後の「自然公園のあり方」とも深く関わるものと思料。景観法でいう景観は各地の有名なスポット的な景観のみを対象とするものか、それとももっと広い範囲での景観を扱うものなのか。
事務局 景観法案では、目的として「良好な景観の形成」とのみ記載。どのような景観を形成するかは地方公共団体が景観協議会等を立ち上げた上で景観計画を策定し、その中で選択していくボトムアップ型手法による。景観計画では建築物の高さや色彩等についてルール作りがなされるが、地方の時代といわれる現在は、地域が自らの地域をどのような景観にするか考える時期であり、国立公園行政に足りなかった点をそれによって補填できることを期待している。
委員 形態規制をしたからといって良い景観は生まれない。景観を扱う困難さは、利便性を追求するという、人が生きる状態を守った上で風景を守らなければならないところにある。それぞれの土地の文化がどのような状態に維持できるかということをサポートする法律であって欲しい。
事務局 地域で議論して整理された場合、自然公園法であれば特例措置を講じる等の配慮により対処していきたい。

今後の検討の進め方(案)について

委員     中間の取りまとめとしてはこれでよいが、議論の中身がすべて実現できるわけではない。分科会で検討するのはよいとして何を最初にやらなければならないのか決めるべき。まず、長期的な視点を踏まえて何が重要か拾い上げる会合を全体で持ってはどうか。

なお、自然公園のあり方検討の具体的方向性については、今後各委員より個別に修正等に係る意見を提出していただいた上で、委員長が
事務局と協議して確定させることとなった。
 また、併せて今後新たに設置される予定の各分科会(案)に係る意見、所属を希望する分科会についても各委員に個別に伺うこととなった。


問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(大代表03-3581-3351)

  課長  笹岡 達男(内線6440)
  課長補佐  牛場 雅己(内線6442)
  課長補佐       河本 晃利(内線6445)
    

資料の公開について

自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会での資料は、請求があれば公開する。
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