中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会議事要旨 (第23回)

1.開催日時

平成24年6月13日(水)15:00~16:30

2.開催場所

中央合同庁舎第7号館 9階 共用会議室2(904)

3.諮問事項議題

(1)瀬戸内海国立公園(淡路地域)の公園区域及び公園計画の変更について

(2)国立公園事業の決定、廃止及び変更について

4.議事経過

 諮問事項すべてについて審議がなされ、それぞれ適当であるとの結論に至った。
 なお、主要な発言は以下のとおりである。

(1)瀬戸内海国立公園(淡路地域)の公園区域及び公園計画の変更について

 委員:瀬戸内海国立公園の公園区域は広いが、今回の第3次点検において、2箇所の変更以外に問題はなかったのか。

 事務局:瀬戸内海国立公園は非常に広いため、淡路、六甲、和歌山県、香川県、徳島県、岡山県、広島県、山口県、大分県、福岡県の10地域に分けて管理している。今回は淡路島を中心とした淡路地域のみ点検した。その他の地域の現在の動きとしては、山口県地域及び大分県地域において点検を進めており、山口県地域では新たな海域公園地区の指定を目指して、地元と調整している。また、大分県地域においては、今年度の秋審での諮問を予定しており、地元調整中。

 委員:今回の点検対象の淡路地域だけでも範囲が広い。開発が進んでいる地域だが、何か問題はなかったのか。

 事務局:公園区域は淡路島全体ではなく、自然が比較的残っている山の上の方を指定している。確かに開発が進んでいるが、公園区域内に限って見てみると、自然の資質及び利用の形態から判断し、結果的に2箇所の変更のみであった。

 委員:国立公園において、地域の人はどこからが公園区域なのかわかりにくいと思う。GPSでポイントを押さえる等、長期的な視野に立ち、境界をわかりやすくする新しい方針が必要。

 事務局:境界線の管理は現場としても重要だと認識している。国立公園では、一目見てわかるように、大きな沢及び谷等を境界線として設定するのが原則。細かい範囲になると、副図を用意して管理している。今後、管理のための新しい技術も取り入れていきたい。

 委員:阪神淡路大震災で活断層が生じて、野島断層という天然記念物があるが、今回の点検で公園区域に入れる予定はなかったのか。

 事務局:地質の資産としては、日本ジオパークの選定及び世界ジオパークの認定を求める動きがあるが、国立公園と重なる部分も大きい。そのため、ジオの資産と国立公園の取組について、今まで以上に連携を深めていきたいと考えている。また、今回の淡路地域の点検は境界線の明確化のみだったが、本格的な点検を検討していく。

 委員:国土地理院やグーグルなどには、国立公園の区域線が入っていないのか。

 事務局:生物多様性センターからデータをダウンロードし、グーグルアースで見ると、公園区域及び地種区分がわかるようになっている。

 委員:淡路地域ではイノブタが増え、ナルトサワギクが国道沿いに生えている。植生に与える影響は問題になっていないのか。

 事務局:公園区域が展望地に限定されているため、今回の点検を進める過程で、そのような話は聞いていない。今後、公園外にも目を向けて情報を収集していきたい。

 委員:国立・国定公園総点検事業について、どのぐらいの頻度で候補地の18地域の見直しを進めていくのか。

 事務局:通常の点検は5年毎に実施することにしているが、それとは別に、総点検事業で候補地とした18地域については、10年を目途に見直しを進めていく予定。これは自然状況の調査により18地域を抽出・整理し、平成22年10月に公表したが、実際に地元調整をする中で、見直しをするメリット・デメリットを説明する必要があるため、できるところから着実に見直しを進めたいと考えている。

(2)国立公園事業の決定、廃止及び変更について

○日光国立公園
  •  新湯野営場

  意見なし

○白山国立公園
  •  小原峠線道路(車道)
  •  岩屋俣谷園地
  •  伏拝経ヶ岳線道路(歩道)
  •  小原三ノ峰線道路(歩道)
  •  越前禅定道線道路(歩道)
  •  経ヶ岳赤兎山線道路(歩道)
  •  市ノ瀬園地
  •  白山室堂園地

  意見なし

○阿蘇くじゅう国立公園
  •  小里園地

 委員:建物の新築について、地元では管理の観点からコンクリート造を求 められることが多いが、周囲の自然景観への配慮のため、できる限り木造にして欲しい。

 事務局:管理計画でも自然材料を使用することを謳っており、方針に沿った 整備を促す。

 委員:草原学習センターや草原エコツーリズムセンターといった施設が造られるようだが、地域の連携の仕方、地域の方々とどういった形で、この施設を活用していくのか、教えていただきたい。また、施設ありきではなく、何をするために、どのような方法で、どれだけ地域の人々と関わって草原学習を推進していくかをよく考慮する必要があり、その展望を伺いたい。これは小里園地に限ったことではない。

 委員:これまで阿蘇草原再生協議会で行ってきた主だった取組が入る形でお願いしたい。また熊本県知事が、「阿蘇の草原を守るために責任を持って取り組んで行く、担当課もつくる」と言う発言をされた。うまく一緒に取組が進むようにお願いしたい。

 事務局:環境省としても、ハード整備だけでなく、ソフト整備も合わせて行っていく考えである。阿蘇の草原について知ってもらうための、また、紙づくりなどの体験学習をとおして草原再生に興味を持ってもらうための「学び」の場として、学習センターを、地域の方々にも草原再生のための利活用の取組に入っていただくように、赤牛や地場野菜及び農家体験などエコツーリズム商品の販売、農家民泊の斡旋、草原ボランティアの窓口としてエコツーリズムセンターを位置づけ、有機的に両施設を結びつけながら利用されるよう調整している。

○霧島錦江湾国立公園
  •  佐多岬線道路(車道)
  •  白鳥えびの高原線道路(歩道)
  •  白銀坂線道路(歩道)
  •  重富海岸園地
  •  白銀坂園地
  •  高千穂峰山頂避難小屋
  •  高千穂峰山頂宿舎
  •  佐多岬有料道路(一般自動車道)
  •  九州自然歩道線道路(歩道)

 委員:新燃岳の噴火による登山道をはじめとする環境省の施設の被災状況は把握できているか。

 委員:高千穂峰宿舎を廃止して、改めて高千穂峰避難小屋を事業決定することについて、建物には手を加えず、施設に人がいなくなると言う認識でよいか。また、まだ入山規制は継続していると思われるが、規制解除等の目安は如何か。

 事務局:昨年度この地域の調査を実施した。建物等には大きな被害はほとんどなかったが、新燃岳の火口に近いところの登山道は、相当埋まってしまっている状況。火山活動の終息の目処は立っていないと聞いている。利用が再開できる目処が立った段階で、登山者の安全面も含めて、登山道の整備等に着手してまいりたい。
高千穂峰避難小屋については、貴見のとおりである。登山道等含め、施設に大きな被災はないが、火口に近い登山道は相当埋まっていると聞いている。また、遠望調査や衛星写真の解析によっても状況調査を行っている。
入山規制については、現在火口から3km以内がその区域となっているが、今回決定しようとしている高千穂峰避難小屋については、規制が2kmとなれば区域からは外れる見込み。安全性が確認されれば、登山道と合わせて利用に向けて検討していく。その時に備えての事業決定である。

 ○西表石垣国立公園
  •  名蔵アンパル園地

  意見なし

 ○公園事業一般について意見

 委員:事業決定にあたって、宿舎なり、登山道なりの利用者数を情報として提供されることが望ましい。使用圧を判断する根拠になり、公園利用の質を高めるために重要なことだ。

 委員:生物多様性国家戦略等の施策が打たれてきてはいるが、利活用については、まだばらばら。もっと有機的な利活用を推進するためにも、国立・国定公園における利用のグランドデザインを示して行く必要がある。それらをわかりやすく国民に示すことで、国立公園が一段と身近なものになる。

 委員:エコツーリズムの利用者について、どうしても対象が小中学生に偏っている印象が否めない。ビジターセンターの情報についても、大人を満足させる内容が足りない。ジオパークが良い例で、ただ岩を見るだけでなく、その地質の形成過程などについてガイドによる説明があるとまったく印象が変わり、記憶に残る。

 委員:グランドデザインやエコツーリズムの話にもつながると思われるが、海外には国立公園内を歩くことのみ、そのことが目的というツアーがある。日本ではようやく英語版のマップが作成されたりしてきているが、それでも英語だけ。現地の標識にようやく中国語や韓国語が併記されている程度で、とても世界中のお客さんを迎える体制になっていない。公園のクオリティを保ちながら、海外のいいお客さんに、いい情報を提供できる、そういった取組を推し進めていただきたい。

 事務局:本日はたくさんのご意見をいただき感謝している。国立公園課としても保全に加えて利用のあり方を検討する時期に来ている。地域と連携して、その暮らし・営み・文化をどうプログラムし、発信して行くかが問われている。加えて、海外への発信力をどう高めていくかということに関しては、来年度にアジア自然公園会議を日本で開催する予定であり、そこでの成果を踏まえて平成26年度にオーストラリアで開催される10年に一度の世界自然公園会議に向けて日本の取組を発信するつもりであり、準備を進めているところである。本年度は、5月に雲仙で開催されたジオパーク国際ユネスコ会議に合わせて新しい登山道を開通させ、ジオの解説を盛り込んだ案内板を配置するなど、初めての試みにも取り組んでいる。今後も、委員の皆様にはご指導を賜りたい。

5.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長
桂川 裕樹(内線6440)
課長補佐
田村 省二(内線6443)
専門官
佐々木真二郎(内線6445)
担当
桝  厚生(内線6449)<公園計画>
速水 香奈(内線6447)<公園事業>
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