中央環境審議会自然環境部会 自然公園小委員会(第20回) 議事録

開催日時

平成22年10月4日(月)15:00~18:00

開催場所

経済産業省別館10階 1014会議室

出席委員

(8委員)

有路 信  臨時委員
岡島 成行  臨時委員
川名 英子  臨時委員
熊谷 洋一  委員
鹿野 久男  小委員長
田部井 淳子  委員
速水 亨  臨時委員
原 重一  専門委員

議題

  1. 開会
  2. 議事(諮問案件)
    1. (1)国立・国定公園の公園区域及び公園計画の変更について(6公園)
      • ・上信越高原国立公園(須坂・高山地域)[再検討]
      • ・上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)[第4次点検]
      • ・磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)[第5次点検]
      • ・知床国立公園[一部変更]
      • ・白山国立公園[一部変更]
      • ・蔵王国定公園[第1次点検]
      • ・八ヶ岳中信高原国定公園

    2. (2)生態系維持回復事業計画の策定について(1公園
      • ・白山国立公園

    3. (3)国立公園事業の決定、廃止及び変更について(5公園)
      • ・十和田八幡平国立公園
      • ・磐梯朝日国立公園
      • ・上信越高原国立公園
      • ・秩父多摩甲斐国立公園
      • ・富士箱根伊豆国立公園

  3. 報告
    • ・国立・国定公園の総点検について
  4. その他
  5. 閉会

配付資料

○議事(1)及び(2)関係

資料1:
上信越高原国立公園(須坂・高山地域)に関する資料
1-1:
上信越高原国立公園(須坂・高山地域)の公園区域及び公園計画の変更の概要
1-2:
上信越高原国立公園(須坂・高山地域) 指定書及び公園計画書(案)
資料2:
上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)に関する資料
2-1:
上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)の公園計画の変更の概要
2-2:
上信越高原国立公園(妙高・戸隠地域)公園計画書(案)
資料3:
磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)に関する資料
3-1:
磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)の公園区域及び公園計画の変更の概要
3-2:
磐梯朝日国立公園(磐梯吾妻・猪苗代地域)指定書及び公園計画書(案)
資料4:
知床国立公園に関する資料
4-1:
知床国立公園の公園区域及び公園計画の変更の概要
4-2:
知床国立公園 指定書及び公園計画書(案)
資料5:
白山国立公園に関する資料
5-1:
白山国立公園の公園計画の変更及び生態系維持回復事業計画の策定の概要
5-2:
白山国立公園 公園計画書(案)
5-3:
白山国立公園 白山生態系維持回復事業計画(案)
資料6:
蔵王国定公園に関する資料
6-1:
蔵王国定公園の公園区域及び公園計画の変更の概要
6-2:
蔵王国定公園 指定書及び公園計画書(案)
資料7:
八ヶ岳中信高原国定公園に関する資料
7-1:
八ヶ岳中信高原国定公園の公園計画の変更の概要
7-2:
八ヶ岳中信高原国定公園 公園計画書(案)
資料8:
公園計画等の変更及び生態系維持回復事業計画の策定に関する説明資料

○議事(3)関係

資料9:
国立公園事業の決定、廃止及び変更の諮問案件について
資料10:
国立公園事業の決定、廃止及び変更案件の概要(一覧)
資料11:
国立公園事業の決定書、廃止書及び変更書(案)
資料12:
国立公園事業の決定、廃止及び変更案件に関する説明資料

○報告関係

資料13:
国立・国定公園の総点検について

議事録

午後3時01分 開会

○国立公園課長補佐 それでは、お待たせしました。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会を始めたいと思います。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。本日は、所属委員12名のうち、現在7名出席、岡島先生におかれましては、遅れますという連絡が入っておりますので、8名出席ということで、本委員会は成立しております。
 本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、配付資料一覧のとおりとなっております。配付資料一覧でご確認いただければと思います。資料1から7までございまして、資料5だけ資料5-3までございます。
 もし配付漏れ等ございましたら、事務局にお申し出でくださいますようお願いいたします。
 それでは、初めに自然環境局長の鈴木よりご挨拶を申し上げます。
 局長、お願いいたします。

○自然環境局長 本日は、お忙しい中また足元の悪い中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の議題は、議事次第に書いてございますように、公園区域及び公園計画の変更、それから、生態系維持回復事業計画の策定、そして、公園事業の決定、廃止等の変更でございます。3件ともそれぞれ、また後ほどご説明いたしますけれども、国立公園の管理運営上重要なところでございますので、よろしくご審議をお願いしたいと思います。
 また、報告事項という形にはなっておりますが、国立公園、国定公園の総点検のご報告をさせていただこうと思っております。これは、これまで何年かかけてやってきた総点検、特に生物多様性の観点から貴重な地域をどうやって守っていこうかという観点でやってきました結果でございますが、国立・国定公園の新規あるいは大規模拡張の具体的な候補をお示しさせていただこうというふうに考えております。
 あと2週間でCOP10という生物多様性条約締約国会議が開催されるわけですけれども、生物多様性の観点から保護区をどうしていったらいいかというのは、ひとつの大きな議題になっております。特に事務局からの提案になっております、新しいポスト2010年目標の中では、保護区の区域を15%ぐらい確保する必要があるというのが、今、提案になっております。最終的にどうなるかはもちろん名古屋の議論を待たないといけないんですけれども、我が国の場合は、自然公園、県立のものも合わせましても14%ぐらいしかありません。
 そうした観点を踏まえると、これからご報告いたします新規の国立公園・国定公園というもの、あるいは、大規模拡張ということをお願いせざるを得ないのかなと思っております。実質的に新規の国立公園となりますと、釧路湿原をお願いしました昭和62年からもう20年以上やっておりませんので、そういう意味では久しぶりの大きな形での国立公園をお願いしなければいけないのかなと思っております。
 それぞれいろいろ課題もありますし、最終的に線引き等を確定するためには、今後10年ぐらいの年月がかかるのかなとも思っておりますけれども、そうした息の長い中でどういうふうにしていったらいいか、先生方の貴重なご意見もいただきながら、一生懸命やっていきたいと思っておりますので、非常に限られた時間ではございますけれども、よろしくご審議のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。

○事務局(佐藤) 局長、ありがとうございました。
 それでは、これよりの議事進行につきましては、鹿野小委員長よりお願いいたします。
 鹿野小委員長、よろしくお願いいたします。

○鹿野小委員長 それでは、これから司会役を務めさせていただきます。
 ただいまから中央環境審議会自然環境部会自然公園小委員会を開催いたします。
 本日の委員会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方もご出席でございます。
 本日の会議録は、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了承をいただいた上で公開することとなります。なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、小委員長が了承した上で公開するということをご了承願いたいと思います。
 また、本日、席に配られております会議資料につきましてはすべて公開資料となります。
 それでは、早速審議に入りたいと思います。本日の諮問案件は、6つの国立・国定公園の公園区域及び公園計画の変更に関する案件、それから、1つの国立公園の生態系維持回復事業計画の策定に関する案件、5つの国立公園の事業決定、廃止及び変更に関するものでございます。諮問書の朗読は省略させていただきます。なお、議事の(2)にございます生態系維持回復事業につきましては、白山国立公園の公園計画の変更と同時に説明していただきたいと思います。
 それでは、議題の1、「国立・国定公園の公園区域及び公園計画の変更について」及び「生態系維持回復事業計画の策定について」を、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局(佐々木) 今から公園計画の変更に関する説明をさせていただきます。私、国立公園課の佐々木と申します。どうぞよろしくお願いします。それでは、座りまして説明させていただきます。
 本日、公園計画の変更等に関する諮問をさせていただくのは、上信越高原国立公園の須坂・高山地域、妙高・戸隠地域、磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻・猪苗代地域、知床国立公園、白山国立公園となっております。国定公園は蔵王国定公園、八ヶ岳中信高原国定公園の2つとなっております。
 それでは、順を追って説明させていただきます。上信越高原国立公園の須坂・高山地域からご説明させていただきます。
 今、スライドを上映しているものは、お手元の資料8に打ち出したものがございますので、そちらを確認していただければと思います。それでは、上信越高原国立公園の須坂・高山地域の説明をさせていただきます。今回は再検討ということで、この公園区域全域に渡りまして、すべて点検をするという方針でやっておりまして、ポイントとしては、大幅に地種区分を格上げしていること。それから、利用施設について現況に合わせた見直しを行っております。
 それでは、上信越高原国立公園の概要ですが、群馬県と長野県、新潟県にまたがっておりまして、2,000メートル級の山々や高原を中心とした公園となっております。昭和24年に妙高・戸隠地域以外のこちらの地域が指定されておりまして、昭和31年に妙高・戸隠地域が編入されるという経緯をたどっております。
 地域としては、こちらに写してある5つの地域に分かれておりまして、今回は、須坂・高山地域と、後ほど妙高・戸隠の地域について説明をさせていただきます。
 公園の利用としては、全域として、谷川岳などに代表されるロッククライミングのような利用ですとか、草津とか万座とか志賀高原といった温泉やスキーの利用、それから、野尻湖などに代表される避暑地としてのキャンプや自然探勝など、様々な利用形態がある公園で、年間大体2,700万人ぐらいがこの公園を利用しております。
 それでは、須坂・高山地域の概要ですが、こちらは長野県須坂市と高山村からなる地域となっています。四阿山などの2,000メートル級の山々がそびえていて、自然植生としてはシラビソ、オオシラビソ、コメツガからなる亜高山の針葉樹林と、ササの自然草原などがあります。哺乳類では、ツキノワグマ、ニホンカモシカといった大型の哺乳類も生息しておりますし、クマタカ、イヌワシといった大型の猛禽類も生息しております。
 これからご説明させていただく地域は、お手元の資料1-1にA3に拡大した図面がございますので、こちらを見ていただけるとわかりやすいかと思います。
 今回の変更案の概要ですが、再検討ということで、公園区域の明確化を行いました。例えば、道路が新しくできて公園の線が不明確になっているところがあったので、そういったところを精査した結果、出入りがあって結局は27ヘクタールの拡張になっております。それから、普通地域から特別地域に1,765ヘクタール格上げになっております。かなり大幅な格上げを実施することになります。
 それではまず、破風岳・五味池破風高原の地域についてご説明させていただきます。破風岳というのはこちらにございます。こんなような感じのところでして、周辺は風衝地となっていて、ガンコウランとかコケモモの大群落が見られます。ハイマツがパッチ状に生育していて高山植生も見られます。破風岳の頂上からは浅間山や白根山などを望むことができます。これらの地域は、景観として風致が優れているので、第1種特別地域に格上げをしております。
 それから、こちらの土鍋山、五味池、それから、この間に広がっている破風高原についてですが、破風高原の下には100万株とも言われているレンゲツツジの大群落がございます。それから、五味池は爆裂火口となっていて、周囲はミズナラ、ダケカンバなどの落葉広葉樹林に囲まれています。破風高原は、明治のころから放牧が行われていて、牧歌的な風景となっております。ここには高山蝶のベニヒカゲなども生息していることが確認されております。こちらの地域は、牧場をやっているということもありますので、1次産業に配慮して第2種特別地域ということで格上げをしたいと考えております。
 同じく破風岳・五味池破風高原地域の利用施設についてです。こちらはいずれも既存の園地、歩道がございますが、それを今回公園計画として位置付けるものです。こちらの五味池から破風高原を通りまして、破風岳、毛無峠を通って、最後、御飯岳まで続く歩道を追加し、その間に展望や休憩のための園地を整備しているものでございます。
 続きまして、笠ヶ岳と松川渓谷のエリアについてご説明差し上げます。笠ヶ岳は溶岩円頂丘のちょっと変わった形の山容をしているので、本地域のシンボルと言われている山です。この周辺にはイヌワシが生息していることも確認されておりまして、第1種特別地域として保護を図っていこうというものです。
 それから、こちらのこの辺りの線になりますが、松川渓谷というものが流れております。この松川渓谷はあまり大型のダム開発などがされていない、自然の状態に近い渓谷となっておりまして、滝の見どころですとか、紅葉の時期は非常に美しくなるということで見どころとなっております。周囲が2次林と人工林になっているので、こちらは第3種特別地域として保護を図っていく、それから、御飯岳のエリアについては、第2種特別地域として保護を図っていくということを考えております。
 それから、同じ地域の利用施設についてですが、笠ヶ岳の登山線は、現在このルートについては全く利用実態がなくて、歩道もございませんので、削除して、利用実態に合わせた変更を行いたいと思います。
 それから、山田七味線の車道につきましては、ここから先の区間が現在、土が崩れたりしていて危険なため閉鎖されている道路となっているので、その閉鎖区間について削除をします。そして、沿線の滝の見どころとか案内所といった利用のための施設計画を位置付けるものです。
 それから、こちらの車道につきましては、もともと隣の菅平地域の計画として入っていたものを、今回この地域の計画に位置付けけるだけの、スライドとなっております。いずれも既存の施設があるものを、今回、公園計画に位置付けるものとなっています。
 それから、今度は米子大瀑布、四阿山、根子岳の地域のご説明を差し上げます。米子大瀑布は、高さ85メートルの不動滝をはじめとして滝が流れていまして、四阿山の火山カルデラの柱状摂理の断崖を滝が流れ落ちるという非常に見応えのある勇壮な滝でございます。日本の滝百選にも選ばれていまして、周囲はシラカバ、ダケカンバ、ミズナラ、トチノキなどの落葉広葉樹林に囲まれています。特に紅葉の時期は人気が高いという状態になっています。この地域については第2種特別地域として保護を図っていきたいと考えております。
 それから、こちらの根子岳と四阿山ですが、カルデラの外輪山になります。百年生に近いコメツガとかオオシラビソの群落からなる原生的な植生が広がっております。四阿山は百名山にもなっておりまして、北アルプスなどかなり眺望にも優れている山でございます。
 この地域の利用計画としては、米子大瀑布のところにある歩道と、宿舎、園地といった既存の施設を計画に位置付けるということを考えております。
 以上で上信越高原国立公園の須坂・高山地域の主だった公園計画の変更の概要を終わらせていただきます。
 続きまして、上信越高原国立公園の妙高・戸隠地域の説明に入らせていただきます。こちらは第4次点検となっております。
 こちらは先ほどもお示しした図面ですが、妙高・戸隠地域はこちらのちょっと離れたところにある地域となっております。お手元の資料では、資料2-1に先ほどと同様に区域のエリアごとの図面が載っておりますので、こちらを見ていただくとどのような地域かわかっていただけるかと思います。
 妙高・戸隠地域は、長野県の地域となっていまして、北信五岳と言われている飯縄山、戸隠山、黒姫山、妙高山、それから、斑尾山のうち4つを含んでいることになります。妙高山は百名山にもなっております。多種多様な火山と高原、それから、野尻湖、そういったものを含んだ地域となっております。
 今回の点検については、今までこの地域は山岳の登山利用、それから、スキーの利用がメインだったところなんですが、今回、山麓部の歩道の見直しを中心に行いまして、近年利用が増加してきているトレッキングなどに対応していこうというものになっております。
 それでは、妙高エリアの主な変更内容です。妙高エリアは妙高山などがある、妙高・戸隠地域の北部の地域になっています。富士見峠というところがございまして、妙高山から火打山を通って縦走する路線の上にあるところです。焼山というのが近くにあるんですが、そこが2006年まで火山の影響で通行できなかった。そこが通行できるようになったこともあって、富士見峠のほうまで利用できるエリアが広がってきたということを受けて、避難場所としての必要性が高まってきたので、今回、避難小屋の計画を位置付けるものとなります。
 それから、三田原山線ですが、こちらは現在歩道が全くなくて、利用も全くされていないところで、今後整備する計画もないので、削除をしたいと考えているところです。
 それから、笹ヶ峰探勝線とヒコサの滝笹ヶ峰線は、現在の利用実態に合わせて計画路線を見直して、現在の利用されている路線に合わせた形に変更するということをやっています。歩道を変更して公園計画として位置付けて、公園事業として執行することで、草刈りといった管理を充実していくことを今後やっていきたいと考えているところです。
 それから、野尻湖のエリアになります。こちらは、野尻湖を周回する自転車道が当初計画されておりまして、周回はまだできないのですが、一部区間整備されているところもございます。ただ、近年は自転車よりもむしろトレッキングの利用が増えてきているということもございまして、今後、トレッキングのための歩道に計画を変更しまして、整備をしていくということで考えているところです。
 それから、戸隠エリアになります。こちらは妙高・戸隠の南のほうのエリアになります。戸隠奥社線というところがございますが、こちらは非常に高度な技術、経験が必要な区間であるので、公園計画からはそういった区間は削除するという方針でやっておりますので、削除したいと思っています。
 それから、戸隠連峰縦走線の、こちら右ですね、この南側のところの八方睨から小鳥ヶ池の区間も同様の理由で削除します。それから、戸隠縦走線の北部のほうのところは、既存の歩道がないことと、今後整備の計画もないので、利用実態に合わせて削除します。それから、戸隠中社随神門線の辺りですが、この辺りは利用の実態に合わせて、今まで2路線に分かれていたものを統合したり、一部区間を追加削除して、現在の利用実態に合わせて路線を見直して、公園計画として位置付けていきます。これによって山麓部の利用を図っていこうという趣旨になります。
 それから、飯縄エリアの変更内容です。こちらは、今まで有料道路だったところが無料化されたことを受けまして、一般の車道に計画を変更するというものになっております。それから、こちらの飯縄高原線道路につきましては、公園区域外のこちらのほうに新しく市道が通りまして、そちらを多くの人が利用するようになり、飯縄高原線道路は生活道路の色合いが濃くなってきましたので、この度、公園計画から削除するものとなります。
 以上で妙高・戸隠地域の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻・猪苗代地域の第5次点検について説明させていただきます。お手元の資料3-1に図面がございますので、そちらも合わせてご確認ください。
 磐梯朝日国立公園は、山形県と福島県、新潟県の3県からなりまして、大きく出羽三山・朝日地域と飯豊地域と、磐梯吾妻・猪苗代地域の3つの地域に分かれております。今回、磐梯吾妻・猪苗代地域の変更について諮問させていただくこととなります。
 磐梯吾妻・猪苗代地域は山形県と福島県にまたがっております。磐梯山とその北側の裏磐梯の地区、それから、吾妻連峰と安達太良山を包括する吾妻地区、それから、猪苗代湖がある猪苗代地区の3つの地区に大別されます。
 磐梯地区は明治の頃に噴火した磐梯山の荒々しい山肌と、噴火によって形成された裏磐梯の300とも言われている湖沼群が見どころとなっています。吾妻地区は2,000メートル級の新旧火山が連なっていて、天然林が広がっていて、湿原、温泉などが点在しています。猪苗代湖は日本で4番目に大きな湖となっていて、公園の利用としては、自然探勝、登山、スキー、温泉などで、出羽三山、朝日と飯豊を合わせた数ですが、利用者数は年間800万人程度となっています。
 これまでの経緯ですが、磐梯朝日国立公園では今まで4回点検をやってきておりまして、今回は実態に合わせて軽微な変更を行うものとなっております。
 まず公園区域の変更ですが、公園区域を15ヘクタール削除して、こちらは第3種特別地域になっていますので、そこを削除するということで考えています。削除する地域は七つ森地区というところでして、宅地化が進んでおりまして、第3種特別地域としての資質が失われている、それから、道路ができたことによって公園区域線が不明確になっていたこともありまして、今回それに合わせて公園区域線を引き直すということで整理したものでございます。
 それから、単独施設も2つ削除いたします。こちらは金山園地と五葉松平下園地というところですが、いずれも計画のみの施設の計画でして、今後整備の見込みもないので削除するという中身になっております。
 それでは、知床国立公園の変更について説明させていただきます。こちらは一部変更ということで、軽微な変更を考えております。お手元の資料は、資料4-1に知床国立公園の絵が載っております。
 知床国立公園の概要ですが、原生的な景観と火山連峰である知床連山の風景がすばらしいところで、前回の7月の小委員会でも利用調整地区の指定に関する諮問とシカに関する生態系維持回復事業計画の諮問をさせていただいたところでございます。今回は、前回ちょっと調整が間に合わなくて、取り漏らしてしまったところを軽微な変更ということでやらせていただきたいと考えているところでして、羅臼町側のルサ地区というところの変更になります。先ほどご説明させていただいた利用調整地区の指定と生態系維持回復事業の追加ですが、こちらは順調に告示の手続きが進みまして、早ければ今週中ぐらいには告示ができる見込みとなっております。
 それでは、変更案の概要ですが、こちらは公園区域を3ヘクタール、第3種特別地域で拡張するということと、そこに単独施設を1つ、園地を追加するという中身になっております。この拡張する3ヘクタールはルサという地域でして、知床国立公園の羅臼側の入口部にあたるところで、非常に原生的な自然のままの河川が残っておりまして、良好な風致を持っております。こちらには、現在、知床世界自然遺産センターのルサフィールドハウスというものが整備されておりまして、こちらをルサ園地として利用施設として追加するものです。今後は、利用者の休憩、展望、案内、指導等の必要な施設をこの園地で整備していくという流れになるものです。
 以上で知床国立公園の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、白山国立公園の公園計画の変更、こちらは一部変更でして、生態系維持回復事業計画の策定を考えているものです。
 まず、白山国立公園の概要ですが、白山は非常に自然性の高い火山性の孤峰でして、古くから信仰と伝説で有名な山でございます。火山湖ですとか、化石林、噴泉塔など特殊な景観もたくさんあります。それから、山麓部は広大なブナ林に覆われた森林でして、大型の哺乳類、猛禽類などが多く生息しております。
 最高峰は大汝峰のすぐ近くにある御前ヶ峰というところで2,702メートルあるんですが、2,300メートルより上が高山帯で、ハイマツとか、風衝地、雪田、それから、高茎草本が点在するような場所になっています。2,300メートルから1,500メートルまでは亜高山帯となっていまして、ダケカンバ、アオモリトドマツなどが分布しています。それから、1,500メートル以下がブナやミズナラなどからなる豊かな落葉広葉樹林となっています。登山口は大体1,000メートル程度のところにあるのが多いです。
 今回、ここで公園全域を対象として生態系維持回復事業計画を追加して、計画を策定したいと考えているものです。こちらの計画は、外来植物を防除していくというものが目的になっている計画です。白山の外来植物でどういうことが問題になっているのかということですが、近年、登山者が増加しておりまして、外国産の植物、それから、国内の植物なんですが、白山の山頂部にはないような、低地の植物などがどんどん山の上のほうに分布を拡大してくるというのが確認されております。
 これは一つの例でございますが、ハクサンオオバコという、白山の固有種というわけではなくて、ほかの山にも生えている植物なんですが、白山にたくさん生えていることでちなんでつけられた名前だそうですが、そのハクサンオオバコが、在来の我々の普段住んでいるようなところに生えている在来植物のオオバコが山の上に上がってきて、同じ環境で生育することによって雑種をつくっているというのが確認されています。
 こちらがハクサンオオバコで、こちらが普通のオオバコです。在来植物のオオバコと言いましたが、白山の山の上では在来植物のハクサンオオバコと今まで生育していなかった在来植物のオオバコが近接して生育しているということです。このように近接して生育していて、野外で雑種の個体も確認されております。室内実験では、その雑種の個体が種をつくって、それが芽を出すということまで確認されております。このような遺伝的に白山の高山帯の植物が汚染されているということが確認されております。
 それから、登山口のところに外来植物が繁茂していて、こういったものが山の上に運ばれているのではないかと懸念されております。
 こちらはハクサンオオバコとオオバコの分布を調べたデータで、石川県のほうで調べたデータですが、平成19年度の時点で各登山道の標高の低いほうから山の上のほうに向かってこのように、●(資料に示した点)がオオバコですが、オオバコの分布が伸びてきているのがわかるかと思います。ハクサンオオバコが生えている辺りにもオオバコが侵入していることが確認されております。
 こちらは、過去の調査では、例えば2004年の時点では、オオバコは標高2,100メートルのところまでしか上がってきていなかったんですが、翌年の2005年には2,450メートル、こちらの南竜ヶ馬場というところまで分布を拡大しているということが確認されていまして、年々標高が上がっているということが確認されています。
 白山で問題になっている外来植物はオオバコだけではなくて、こちらに写しましたセイヨウタンポポとかフキ、それから、フランスギクといった様々な外来植物が侵入していて、現在17種類ぐらいがかなり問題だということで確認されているものです。例えば、オオハンゴンソウのようなものもございますし、クローバーのシロツメクサとか、そういったものも生えています。
 これらの植物が持ち込まれる経路としては、登山者の靴についている泥などに含まれているものが持ち込まれたり、歩道の修理とかいろいろ工事をするときに、車のタイヤについて上がってきたりとか、もっこと言いまして、ヘリコプターで資材を運び上げるときに網のようなもので資材を包んで持ち上げるんですが、そういったもっこについていたり、あとは土嚢袋の土の中に含まれていたりして山の上まで上がっているということが今まで確認されています。
 このように高山に外来植物が上がっていきますと、高山の花などによる高山特有の景観というものがあるんですが、それがなくなってしまうという問題があります。それから、在来の植物が生育場所を奪われてしまって、外来植物に置き換わっていくという問題、それから、ご説明させていただいた遺伝的な攪乱、このような3つの悪影響があると考えております。
 そこで、今回、白山の生態系維持回復事業計画としてこのような内容を考えてまいりました。共同策定は、環境省のほかには農林水産省の林野庁さん、それから、国土交通省さんとなっております。事業の期間は概ね5年間を想定しています。目標としては、核心地域、高山の部分ですね、それから、利用施設の周辺で外来植物を防除していきまして、白山国立公園の原生的な生態系の維持または回復を図ることとしています。
 区域は白山国立公園全域でして、内容としては、生態系の状況の把握、監視、こちらは調査、モニタリングですね。それから、生態系の維持または回復に支障を及ぼすおそれのある動植物の防除、必要な普及啓発、様々な調査などという4つの項目からなっております。
 それぞれ具体的に説明申し上げますと、生態系の状況の把握、監視ですが、こちらは、被圧されてしまうような在来の植物の分布域ですとか、遺伝的に汚染されていないかを形態による確認、場合によっては遺伝的な確認といったものを行っていきます。それから、どんどん入ってきている外来植物の分布状況などについても監視を行っていくことを考えております。
 また、外来植物、入ってきてしまったものは適切に除去していく、それから、持ち込ませないという対策も大事なので、登山道の入口などに種子を除去する、靴を洗ってもらうようなマットを設置したり、工事の際に持ち込まないように配慮していくといったことを、計画に位置づけております。
 それから、普及啓発の部分ですが、公園利用者の靴を洗ってもらったりしなければいけないので、利用者とか地域の住民に理解と協力を求めていくということが大事なことになってきます。
 また、調査などに関するものとしては、事業の効果が上がっているのか、監視手法を研究したり、どうやって除去していったら効率的なのか、それから、種子の除去マットのいい設置方法を探っていく、それから、効果的な事業の実施に必要な調査研究、実証試験をやっていきたいと思っています。
 また、5年間を目処に計画の見直しを行うこととしています。特に外来植物の除去は人手のかかる作業でもございますので、一般市民へボランティアの参加などを積極的に呼びかけて、連携していくということを書き込んでおります。
 それから、現在実施している事業の概要をご説明させていただきます。例えば、こちらは白山スーパー林道といって、公園の北のほうにある林道ですが、この林道脇にオオハンゴンソウ、フランスギクといった外来植物が生えていますので、いろんな関係者と連携して除去するというイベントをやっているものです。
 それから、こちらは登山道の入口ですが、こちらにマットが敷いてありまして、このマットで足を洗っていただいて種を落とすというようなことをやっております。こちらの横には、ちゃんと足を洗ってくださいねという注意を促すような看板の設置などを行っています。足の裏を洗った泥などはこの横に回収する場所もありまして、回収した泥を調べるとかなりたくさんの種子が含まれているということも確認されております。
 それから、こちらは駐車場の舗装化ということですが、以前はこのように駐車場が舗装されてなかったのでオオバコがびっしり生えていまして、このようなところで登山客が車を下りて、登山靴を履いて、オオバコの種と一緒に登山口までくるということが実態としてありましたので、公園の整備の関係でやったんですが、このように舗装化することで外来植物が拡散しないような対策をとっているところです。
 それから、ほかの主体も頑張っていろんなことをやってきておりまして、石川県の白山自然保護センターでは山頂のほうで、先ほどハクサンオオバコとオオバコが交雑していると言った南竜ヶ馬場の野営場でオオバコ除去のイベントを行っております。もちろん除去した個体は、どのぐらい除去したのか重量計測したり、除去地がその後ちゃんと健全な状態に戻っていくのかというのをモニタリングなどしております。
 また、環白山保護利用管理協会は、県と市町村と民間の42団体から構成される協会ですが、そういった団体の方々も外来植物除去のイベントに参加してくださっています。
 それから、国土交通省では、このように砂防工事をこの公園内でやっているんですが、道路に入る前や山を登る前に、このようなプールでトラックのタイヤを洗いまして、種子を落とすといったような取組もやっております。
 こちらが現在実施している生態系維持回復事業計画の役割分担となっています。環境省、県、その他利用協会とか国交省さんなどがあります。林野庁さんは今まで白山ではそれほど積極的にはやってきていなかったんですが、今回、計画を策定するということを機会に、今後、外来植物の除去ですとかモニタリング、それから、普及啓発などの部分で協力していっていただけるものと考えております。
 以上で生態系維持回復事業計画の件を終わらせていただきます。
 続きまして、蔵王国定公園の一部変更でございます。蔵王国定公園は、山形県と宮城県にまたがる地域となっておりまして、最近では再検討を平成4年にやっております。資料の6-1にA3の概況図がございますので、こちらを見ていただきながら、説明を聞いていただけますとありがたいです。
 地域としては、面白山エリアと書いてある北部の地域、それから、山形蔵王、宮城蔵王と書いてある中部の蔵王のエリア、それから、不忘山や屏風岳がある、ちょっと宮城蔵王という円にかぶっていますが、南蔵王の3つの地域に蔵王国定公園は分けることができます
 蔵王の御釜が比較的手軽に見られることが有名な場所でして、温泉利用とか、冬のスキーの利用などが盛んです。仙台市や山形市から近いこともあって、四季を通じて多くの利用者が訪れていて、年間600万人ほどの利用がございます。近年はスキーの利用が減少してきていて、中高年のトレッキングとか、夏のスポーツ合宿などの利用が増えてきているところです。
 今回の変更では、植生復元の施設を計画することと、歩道の見直しを行うことを考えているものでございます。
 公園区域の明確化ですが、区域線が不明確になっていたところを若干変更するという軽微なものとなっています。
 保護施設計画の追加ですが、こちらは芝草平植生復元施設ということで、芝草平というのは資料1-3の宮城蔵王と山形蔵王に書いてある間に水色で塗られている御釜があるんですが、その御釜の辺り、刈田岳というところから屏風岳のほうに抜ける登山道の周辺にあるのが芝草平の湿原になっています。この芝草平の湿原は蔵王一帯で最大規模を誇る湿原でして、チングルマとかヒナザクラ、ハクサンチドリといった可憐な花が咲き誇る場所でもあり、非常に人気のある場所です。近年登山者が増加していまして、踏圧によりこのように裸地化が進行していまして、植生が荒れてきているということが確認されました。
 なので、まず歩道事業として木道を設置してダメージがないようにということを先行してやってきたんですが、この度植生復元施設としてこのような粗朶を組んで、水が流れる水道を遮断して、土砂が流出しないようにしたり、植生がはげてしまったところに、周囲の植物の種を持ってきて播種して、菰で覆ったりしてちゃんと生えてくるように養生したり、そういった方法で植生復元を行うものです。こちらは、宮城県と地域の協議会などが連携して、今後植生復元に本格的に乗り出していくことを考えている地域です。
 それから、利用施設計画の変更として、集団施設地区の変更がございます。こちらの集団施設地区2地区につきまして、今まで地区だけ指定していて、区域、面積、整備方針が未確定だったものを、今回明確にするというものです。聖山平の集団施設地区は、蔵王山頂を通過する蔵王のエコーラインの線上にございまして、本公園の利用拠点の1つでもあります。なので、こちらは既存のスキー場とか宿舎があるのですが、それ以外のトレッキングとかクロスカントリースキーなどのいろんな利用形態にも対応できるような整備方針を打ち立てて、今後適切に管理していくことを考えております。
 それから、硯石・長老湖の集団施設地区ですが、こちらは南蔵王の玄関口になっているところでございます。長老湖というダム湖を中心に東北自然歩道が巡らされておりまして、蔵王連峰の不忘山などもよく見える場所になっております。なので、整備方針としては、周辺のブナ林を中心として豊かな自然と触れ合える探勝・休養の拠点とすることを考えています。いずれも施設はもう既に整備されておりまして、今後これらの施設を適切に管理していくという方針になります。
 それから、利用施設計画の追加ですが、3つの歩道の追加を考えていることと、運動場を1つ追加することを考えています。
 この股窪線歩道というのは、1-13の写真になるんですが、最近、利用者が増えて登山道の裸地化、土壌浸食が進んでいるので、計画に位置付けて、歩道の管理として土砂が流出しないような対策などを整備していきたいと考えているところです。
 それから、お清水刈田線、こちらの見返峠瀧山線につきましては、利用の現況に合わせて、現在利用されるルートに変更して、今後管理を適切に行っていくというものになります。永野の運動場も既にある施設を計画に位置付けるものとなります。
 それから、かもしか線歩道、長左衛門平戸洞滝線ですが、北蔵王の面白山から尾根線上を縦走してくるときの避難経路としても重要な位置を持っているのが長左衛門平戸洞滝線になります。それから、面白山に最短経路で登れるのがかもしか線になります。こちらの2路線につきましては、計画に位置付けまして、今後事業を執行することで適切に管理を実施していくこととなります。
 以上で蔵王の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、これが最後の公園ですが、八ヶ岳中信高原国定公園になります。お手元の資料は7-1となります。
 八ヶ岳中信高原国立公園は、長野県と山梨県にまたがる国定公園でして、大きく分けますと、こちらの南のほうにある八ヶ岳がすばらしいエリアと、霧ヶ峰と美ヶ原という草原が美しいエリアの2つの地域に分けられます。今回の変更は、この中央部にある霧ヶ峰というところで自然再生のための事業を入れていく。それから、山のトレイルの環境を整備していくことが目的となります。
 まず、霧ヶ峰の自然再生施設ですが、こちらは、古くから牧草地として利用され、二次草原が広く広がっている地域でしたが、最近放牧の頭数が減ったり、牧草の需要が減ってきたということもありまして、二次草原の遷移が進んでいるような場所でございます。また、ここは牧野改良といって西洋の牧草を植えたところなんですが、現在はあまり利用されなくなっているところもありますので、牧野改良をしてしまった外国の牧草が生えているようなところを在来の二次草原の種構成に戻していくものです。
 それから、こちらは昭和33年の頃はつんつるてんの草原だったんですが、今はこのように木が侵入してきて、草原景観ではなくなってきてしまっているので、灌木を除去して、火入れをするなどの草原管理をしていくというのが、自然再生施設の中身となっております。
 それから、利用施設のほうは、歩道の追加もしくは変更ということになっております。資料7-1にはトレイルの名前が書いてあるんですが、霧ヶ峰のほうから美ヶ原に伸びる分水嶺トレイルというのと、美ヶ原を中心に広がっている美ヶ原トレイルという2つの長距離のトレイルを、地元の長和町や松本市が長距離トレイルとして整備することを考えています。こちらのトレイルは尾根線上をずっと伝っていくような形になっていまして、非常に景色がすばらしい、気持ちのいいトレイルとなっております。これらのトレイル線上の今まで公園の歩道の計画が落ちていなかったところに計画を入れたり、それから、路線を見直していくというようなことを今回やりたいという趣旨でございます。
 それから、こちらは、八ヶ岳のほうになりますが、千駄刈の野営場で、この高原の中に非常に手入れの行き届いたカラマツ林がありまして、ここで自然散策とか野生動物の観察を中心とした自然体験プログラムを推進している地域です。NPOが市の委託を受けて施設を管理しておりまして、今後は滞在型の利用を進めていきたいということで野営場を計画に位置付けて、水場とか調理施設を整備していきたいと考えている地域でございます。
 以上、公園計画の変更に係るご説明をさせていただきました。審議のほう、どうぞよろしくお願いいたします。

○鹿野小委員長 ご苦労さまでした。
 ただいま6公園の公園計画について説明がありました。それでは、ただいま説明のありました6つの公園の公園計画に係るご質問、ご意見ございましたら、お願いしたいと思います。どこの公園からでも差し支えありませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
 田部井先生。

○田部井委員 妙高エリアのところなんですけれども、富士見峠のところに避難小屋をつくるということですね。

○事務局(佐々木) はい、そうなります。

○田部井委員 それは焼岳から火打へ行く途中のところですか。

○事務局(佐々木) 焼岳から火打ではなくて、焼岳から反対側のほうに行くルートです。

○田部井委員 反対に下りる。それは焼岳から何時間ぐらいかかるところですか。何キロでもいいですが。

○事務局(佐々木) 確か1時間はかからないぐらいだったと思うんですけれども、ちょっと確認いたします。

○田部井委員 この富士見峠の写真のところにつくるということですか。

○事務局(佐々木) そうですね、そこが予定している場所になります。焼岳から、あ、焼山ですね。

○田部井委員 あ、焼山、ごめんなさい。

○事務局(佐々木) 焼山から下りで1時間程度の場所になります。

○田部井委員 ああ、そうですか。当然トイレもつくりますよね。

○事務局(佐々木) そうですね、トイレの整備も加えてのものとなります。

○田部井委員 それからもう1つ、その下の自転車道路から歩道にするということですけれども、自転車道路から歩道にするにはどこが違うんですか。

○事務局(佐々木) 基本的には現在整備されているところはそれほど大きな変更はないものと考えていますが、今、周回線という名前がついているんですが、必ずしも湖の周りを1周できる状態にはなっていない状態となっていますので、今後必要なところを整備して、そういうのをつなげていくとか、そういったことをやっていきたいという構想になっています。

○田部井委員 そうすると、道のでき方は自然のままになるのでしょうか。

○事務局(佐々木) 今後、整備方針についてはまたいろいろと地域の中で議論をして進めていくことになるので、現時点ではまだ固まっておりません。

○田部井委員 ああ、そうですか。もう1つ、白山のところで、外来種を持ち込まないようにマットを敷くと、登山者にマットの上を歩いていただくという話がありました。この効果についてなんですが、尾瀬でもそれをやっていまして、この間もすごく感じたんですが、多くの人がマットの上を通っていくので、次の人の泥が次の人につくのではないかなという心配がすごくあったんですが、これは誰かが常駐していてマットの土をちゃんと回収するということなんですか。

○事務局(佐々木) そうですね。地域で、もちろん環境省の職員も含めて県の方とかいろんな方が協力しあいまして、定期的に泥を払ったりとか回収したりとかを今まではやってきております。

○田部井委員 これからもするということですか。

○事務局(佐々木) そうですね、これからもできる限りしていきたいと思いますが、なるべくメンテナンスが楽なような構造に改良していくということも今後必要なのではないかと考えているところです。

○田部井委員 そうですね。それと、面積にもすごく、容積というんですか、人が通る、非常に狭い場所だけで、あれだけ多くの人が通っていったら、前の人の泥がみんなついてしまうのではないかという心配が私はすごくあったので、その辺はちょっと考慮していただいてもいいかなと思いました。

○事務局(佐々木) はい、わかりました。

○田部井委員 それからもう1つ、蔵王のところで、芝草平というんでしょうか、ここは植生が復元するまで入山は禁止ということですか。

○事務局(佐々木) いえ、入山の禁止は考えておりません。今、木道が大分できてきておりまして、基本的には利用者には木道を歩いていただきたいと思います。

○田部井委員 木道があるんですか。

○事務局(佐々木) すみません、今回、木道の写真を用意してないんですが、木道の整備が進んでおりまして、木道の上を歩いていただける限りはこれ以上のダメージはないと考えていますので、今後はげてしまったところのメンテナンスをしていくということを考えています。

○田部井委員 わかりました。木道がなかったので、これをまたやったら同じだなと思いまして。ありがとうございました。

○鹿野小委員長 ほかには、どなたかございますでしょうか。

○有路委員 私もちょっと山のほうの関係のことをお聞きしたいんですけれども、妙高・戸隠地域の戸隠連峰の縦走線を歩道の区間から除外するというのがあるんですけれども、これは西岳のほうに行くところなんだろうと思うんですが、あそこは線を引いてないのでわからないんですけれども、以前に比べて荒れちゃって通れないという状況なんですか。

○事務局(佐々木) 必ずしも通れないというほどの状況ではないと思います。

○有路委員 従前と状況が変わっていて外すのであれば、それなりに理解はできるんですけれども、そんなに変わってないんだとしたら、それなりの対策を講じて残されておいたほうがいいのか、あるいは、一般的な登山者は通さないというような意思表示なのかどうかと、その辺りがよくわからないんです。

○鹿野小委員長 公園計画の歩道として地図の上に線を引いていく意味と、今、有路先生がおっしゃったように、現実にはあって数少ないなりに通っている道があるはずだけれども、一体そういうのはどう扱うのかと、その辺りのところをわかりやすく説明してください。
 では、課長から。

○国立公園課長 今回、戸隠の場所に限ってということでご説明したいと思っておりますが、一つは大変危ない部分があるということがありまして、そういう危ない部分の利用というのを、公園の利用としてどう捉えるかということでございまして。今回は地元のほうに、環境省も入っておりますけれども、遭難対策協議会、あるいは、地元の観光協会というのがありまして、ある程度そういう危険な部分を含んでいるルートについては、いわばバリエーションルートであって、一般登山道向きでない場所というふうなとらえ方を地元でもしております。それは例えばガイド付きで行っていただくのがいいのではないかということで、観光協会のほうからガイド付きを推奨するというような位置付けにされております。
 そういう中で、地域、地元の県市も含めまして、いろいろ相談をした結果、公園計画上明確に一般向けだという位置付けにしないほうがいいだろうという議論を踏まえて、今回そういう部分については削除するという形にしております。とりあえず今回は戸隠についてはそういう形で地域との話し合いをした上で整理をしたということでございまして、例えば北アルプスでどうするかとか、そういうことについてはまた個別の山域の特性も見ながら検討していきたいというふうに思っております。

○鹿野小委員長 よろしいですか。

○有路委員 その件についてはわかりましたけれども、あと2点ほどお聞きしたい点があります。
 先ほど田部井さんもおっしゃったんですけれども、白山のオオバコが年ごとに標高が高くなっていくというメカニズムは、環境省のほうでどういうふうに理解されているかというのを聞きたいのと、あとはやはり田部井さんがおっしゃったように本当にマットが効果があるのかどうかみたいな話があるのと、それは通過する人の数にも相当影響されると思うんですが、一般的にいうとこういうマットは別にここだけではなくていろんなところにつけていただいたほうが、山の中はオオバコだらけですから、どんどんしてもらったらいいと思うんですけれども、人数と頻度と何かによって効果が本当に発揮できるかどうかというところがひとつ疑問かなと思います。

○事務局(佐々木) なぜオオバコが年を追うごとに上がっていくのか、もちろん登山者の方が足につけて持っていくというのもありますし、だんだん登山道の脇でも個体が増えていって種をつけていくというのが観察されていて、こういうことを言うとあの登山道の入口で種を落としても意味がないのではないかと言われそうなんですが、足を洗った後にまたついて上がっていくというのもやっぱり問題だなという意識は持っております。なので、登山道の途中途中にそういうマットを設置するようなことも試験的に始めているところでございます。
 そういったふうにだんだん供給される種の量が増えてくるということで上がっているとか、確たる証拠はございませんが、山の上の気温などが上がっていくという、温暖化の影響かまでは断定できませんが、山頂の気温が上がっていくにつれて、低地の植物でも発芽適正の温度に入ってきて発芽したり、越冬できるようになっていったりというような可能性もあります。石川県の白山自然保護センターのほうではオオバコの種子の発芽試験なども行っていまして、白山の山頂は大体、夏場7~8月の平均気温が14℃ちょっとなんですが、オオバコは15℃を超えると非常に発芽率が上がってくるということが確認されていますので、そういった影響もあるのかもしれないと思っています。
 効果についてなんですが、やらないよりはやったほうがましだと思うんですが、例えば、平成19年度に試験的に主要な2つの登山口でマットを設置しまして、1カ月間登山者の方にそこで足を洗っていただくというのをやってみた結果、22種類の植物の種が回収できましたし、1万2,000粒程度の種がその2カ所で回収できております。なので、この数が果たしてどのぐらい全体に効果があるのか、もしくは靴の洗いがどのぐらい完璧に行われているのかなど、これから手法をどんどんよくしていく努力が必要だと思うんですが、こういったデータもとりながら、いい方向に向けて努力してまいりたいと考えております。

○川名委員 白山で生態系維持回復事業をやっていらっしゃるというんですけれども、これはどうして白山国立公園だけなのか、ほかの公園では危険がないのか、そんなはずはないと思うんですけれども。ここに書いてある公園以外でもすべてについて、それとも、これは試験的にやっている、そして、成功したらほかの国立公園もやるということなんでしょうか。ちょっとお聞きしたいと思います。

○事務局(佐々木) 日本の山の国立公園というのは、多かれ少なかれ外来植物の問題というのは起きているものと認識しています。今回、白山で先行して計画をつくったのは地元で、石川県なんかは特にそうなんですが、非常に熱心にデータを蓄積してきておりまして、例えば先ほどハクサンオオバコとオオバコの分布図なんかもお見せしたんですが、あれが幾つもの種類の植物についてデータがとられていて、かなり努力がなされている地域です。試験的に何年も前から地域で関係者が集って外来植物対策をどうしたらいいのかということを話し合うような取組も先行して行っていた、いわば国内のトップランナー的な存在だったわけです。なので、まずそこで計画をつくるということで動き出したものです。もちろんほかの公園でもこのような取組は大事になってくると思いますので、今後ほかの公園でもこういう計画を策定してまいりたいと考えているところです。

○鹿野小委員長 よろしいですか。今のに関連して私もちょっと意見があるんですが。
 外来植物というのはどこも最近はかなり、特に道路などがあるところは入り込んできているんですが、白山のように例えば自然保護センターがあってずっとデータを蓄積しているというところはむしろ公園でもまだ少ないほうなんだと思うんですね。そういった場合に、環境省は国立公園の従来の自然を守るという意味からして、例えばデータがしっかりなくても、外来植物がそこにあるというだけでもう問題であるわけですから、ぜひそういうところでもどんどんこういう事業を展開していく。その後ずっとモニタリングしていけば追跡もできるわけですから、この生態系維持回復事業を、大きな仕組みがなければ着手しないというのではなくて、むしろおかしなものが見えたら、対症療法的でもいいから始めるという意気込みで、外来植物の撲滅に頑張ってほしいと思います。
 ほかに。速水さん。

○速水委員 今のお話なんですけれども、外来植物の部分、しっかりした方針と目標みたいなものを立てておかないと、これはどんどん増えてくるんですよね。目標というものが、今の鹿野さんのお話、そのとおりで非常に難しい、立てにくいんだろうけれども、国立公園の外来植物に対して、今おっしゃられたように、出てきたらともかく徹底的に退治するんだとか、しっかりした方向性を持っていないと、予算づけというのは非常に厳しくなってくるような気がするんですね。何となく外来植物はだめだから例えばここでやってみるとか、そういう方針ではない、しっかりした軸を、外来植物とか外来生物の、特に国立公園に関しては持っていく必要があるんだろうと思うんですね。
 例えば本当にオオバコを退治するんだったら、どこかで必ず防衛ラインを引いて、ここから下は徹底的にまずは退治するよとか、本気になった姿を見せていかないと、何となく頑張っているんだけれども、次第次第に上まで増えてきたよとかという話では通用しないと思うんですよね。こういう方針の中でやっているんだというところを出さざるを得ない。どんどん増えてくるので、どんどん予算をつけざるを得なくなってくる。そのときにしっかりしたものを持っていないと通用しないという話になってくるので。
 最近はちょっと違う立場で予算を見させてもらうことが多いので。そういうところを含めて、これをしっかりしておかないと増えてくるものだと私は思うんですよ。そして、私はこれは絶対たたかなければいけないと思うんですけれども、その方針をしっかりとお願いします。

○鹿野委員長 では、審議官。

○大臣官房審議官 非常に重要な問題なので、こういう計画を立てるところ以外の、ひとつひとつの国立公園ごとに特徴も違いますので、国立公園ごとにどういう管理の目標を設定して、管理の水準を設定して、外来種についてはとにかくここまでは押さえなければいけないと、そういう公園ごとの方針をしっかりひとつひとつの国立公園の管理計画の中でまずは設定していく。その中でこういった事業を優先して進めていなければいけないというところは、この白山に限らず、予算との関係もありますけれども、優先順位を考えて、優先度の高いところからこういった白山の取組を続けて、生態系維持回復事業として積極的に対策を打っていくということで、ぜひ取り組んでいきたいと思います。

○速水委員 ここでもボランティアの参加を図っていらっしゃるので、非常にいいことだと思うんですけれども、環境省として国立公園に関しては大きい意味では外来植物を徹底的に退治するんだというふうな、はっきりした意思表示をすべきだと思うんですね。そういう意思表示の中で個々の公園に対しての個別計画みたいな目標を立てさせていく。順序は、環境省としての国立公園の扱いの中の外来植物はどうするんだということをまずしっかり出しておくということで、先ほど原因として出てきたもっこの問題であったり、土嚢の問題であったり、本来もう少し配慮さえすればどこかで管理ができたのではないかと思うようなところの原因というのは、一番最初の意思の決定みたいなものがしっかりと出ていないと発生してくるんだろうと思うんですね。そっちをしっかりしていただきたいというのが希望です。

○鹿野小委員長 ぜひ頑張ってください。
 私の感じでは、恐縮ですが、確か尾瀬が1番先にこういう外来植物の除去に着手したんだと思いますが、1970年代は確かオオバコがかなりはびこっていた。これだけしつこくやってくると最近あまり見えなくなりましたね。だから、対策を講じるということはやっぱり必要なので、そこは今言ったように断固たる方針を持ってしつこくやっていただきたいと思いますね。希望でございます。
 原先生。

○原委員 尾瀬の対策というのは具体的に何かおやりになったの。というのは、今伺って、マットは少なくとも効果がありそうだというようなことは、ほかの登山道の出入口のところでどんどんやっていったら。そういうふうにして効果を見たほうが、1カ所でやるよりもはるかに意味ありじゃないかなという感じがしたんですけどね。

○鹿野小委員長 それでは、上杉課長。

○国立公園課長 これは白山、尾瀬に関係なくいろんなところで問題になっていまして、我々としては、できるところだけではなくて、それこそ全国問題あるところについて外来植物の問題に対処していくと、そういうことに取り組みたいと思っています。例えば、尾瀬は長い取組で別のほうの問題が見えてきていてということもあると思うんですけれども、白山の場合は車道があまりなくて、登山道対策を中心に考えていいという意味ではモデル的なところだろうと思いますので、どういうやり方が効果的であるかということも、白山の例を見ながらほかの山にも応用できるところはうまく応用して取組を進めていくということを考えていきたいなと思っています。

○原委員 だけど、環境庁の今のそういうやり方だと具体的になるのに20年ぐらいかかっちゃって、その間に現実にこの方法でやれるとわかったときには至るところで侵されているという可能性のほうが高いような感じがするよ、今までつき合ってきた自然保護行政というのかな、そういうやり方で見ると。だから、彼が言っているように、方針をきちっと立てたら、やれることからどんどんやって、予算を増やしていくというか、具体的に施策が施せるように、具体化できるようにしておかないと、植物も黙っていてくれないんじゃない。

○国立公園課長 登山に関わるものでいえば、確かにマット等もう少し展開を、全国的に見てできることについてやっていきたいなと思います。こまめにいろんな管理をするには、予算面でものすごくお金をかけてというよりは、こまめにいろんなところを見ていくというふうな予算措置も最近少しは充実してきているところもありますので、そういう目でやっていきたいと思っております。
 それから、車道にかかる部分について言えば、関係省庁とも検討会というか、研究会みたいなものを設けまして、例えば牧草、何を法面に播くとどういうふうに広がるというようなことで対処するようなことも考えております。そういう意味では外来生物、特に外来植物ということで見ると、両面睨んで全体的に押さえる方式を我々としてきっちりと押さえていきたいなと思っております。

○鹿野小委員長 では、よろしくお願いします。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、説明のありました6つの公園についての公園計画、及び白山国立公園におけます生態系維持回復事業計画、これについてはただいま説明のあった内容で適当と認めるということでご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

 ありがとうございました。
 それでは、6つの公園に関わる本件につきましては、適当と認めることといたします。
 次に、国立公園事業の決定、廃止及び変更について、5つの公園に関わる案件がございますので、説明をお願いいたします。

○事務局(中島) 国立公園課の中島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日、議事(3)といたしまして、自然公園法第9条第1項及び第5項の規定に基づきまして、十和田八幡平国立公園をはじめとします5つの国立公園、17件の国立公園事業の決定、廃止、変更について諮問をさせていただきます。
 本件に関するお手元の資料は資料9から12となっております。資料9が今回諮問する件数の内訳となっておりまして、裏面が今回の諮問案件に関連する国立公園の位置を示した全国地図となっております。資料10が案件の一覧となっております。そして、資料11が、諮問対象となります決定書、変更書、廃止書でございます。各事業の説明につきましては、資料12のパワーポイントを用いて行わせていただきますが、詳細につきましては、資料11を併せてご確認いただければと思います。
 それでは、前面スクリーンをご覧ください。

(スクリーン)

簡単に公園事業制度に関するご説明をさせていただきます。公園計画につきましては、先ほど議題(1)、(2)でご審議いただいたため、説明は割愛させていただきますが、道路、宿舎などの施設計画に基づいて執行される事業を、国立公園事業と呼んでおりまして、施設計画において決められている大まかな位置や整備方針に沿って、より具体的な規模などを定めることを公園事業の決定と言っております。
 右側の地図をご覧いただいて、園地を例にとりますと、この地域に園地が必要であるとして、位置や整備方針が定められた施設計画につきまして、このように公園事業の決定において具体的な区域を定めることとしております。決定すべき施設の規模につきましては、左下の表に示しておりますが、事業種ごとに決められておりまして、例えば車道であれば有効幅員と路線距離、また、宿舎であれば区域面積と日最大宿泊者数となっております。
 事業決定の要件といたしまして、3つ挙げております。1つ目に事業の内容が公園計画に適合していること。2つ目に事業の内容が風致景観の保護上支障のないこと。そして、3つ目に国立公園事業の執行の見込みがあること、という三点を要件にして行うこととしております。
 下に公園事業の決定等の流れを書いておりますけれども、決定した内容について、変更する必要が生じた場合には事業の変更、また、行う必要性がなくなった場合には事業を廃止することとしておりまして、決定・変更・廃止の手続きを行うにあたりましては、中央環境審議会に諮問することとなっております。
 環境省が実施する直轄事業につきましては、事業決定に基づき執行することとなります。また、環境省以外の各事業実施主体につきましては、決定した範囲で環境大臣の認可などを受けて事業を執行することができます。
 先生方には、事業の実施に伴います自然環境への影響評価、また、事業の位置や規模の適切性についてご審議をお願いしたいと思います。また、今回、諮問させていただく案件が17件あるんですけれども、そのうち磐梯朝日の1件、また、上信越の11件につきましては、公園計画の変更に伴って機械的に変更または廃止をするものとなり、議題(1)と説明が重複してまいりますので、この一覧で表示をすることとして、説明は割愛させていただきたいと思います。
 それでは、今からこれ以外の5件について、北からご説明をさせていただきます。
 まず1件目が、十和田八幡平国立公園の焼山青撫山子の口線道路(車道)の事業決定の変更となります。焼山青撫山子の口線道路は、十和田八幡平国立公園の十和田八甲田地域の北東部にありまして、十和田市街地方面から焼山地区を通り、青撫山に至る車道です。
 この車道は奥入瀬渓流と並走します国道102号のバイパスとして整備されまして、奥入瀬バイパスと呼ばれております。現道は黄色で示した奥入瀬バイパスと呼ばれる区間なんですけれども、今回新たに青で示しました区間にバイパスを延伸することといたしまして、路線延長を8キロから13キロに延長しようとするものです。有効幅員6.5メートルについては変更ありません。
 こちらが十和田湖と十和田湖から流下する奥入瀬渓流の写真です。初夏の新緑や秋の紅葉シーズンを中心に、年間300万人近い入込み者数がありまして、十和田八幡平国立公園最大の利用拠点となっております。この奥入瀬渓流は全域が特別保護地区に指定されておりまして、渓流沿いには歩道が整備されています。
 これが歩道の利用の様子ですが、歩道沿いには十和田市街地と十和田湖を結ぶ産業生活の基幹道路となっております国道102号が併設して整備されておりまして、ピーク時には7,000台の通過交通があり、また、最大600メートルにも及ぶ交通渋滞や、路肩への路上駐車などによって、幹線道路としての機能に支障が生じるような状況となっております。また、歩道と車道が位置的にかなり近いものですから、通行車両からの廃ガス、騒音などによりまして、遊歩道の探勝利用者の快適な利用が阻害されている状況にあります。
 また、下の写真でありますけれども、国道102号は狭幅員で、崩落の危険個所も多く、恒常的に小規模の崩落や倒木が発生しておりまして、過去10年間で10回の全面通行止めを起こしております。
 左下の写真は、平成11年の3月に200メートル幅の大規模崩落を起こしたときの写真で、このときは3カ月にわたって全面通行止めとなりまして、産業、観光、生活、あらゆる面で大きな損害が発生しております。
 また、右下の写真ですけれども、バイパスの終点から十和田湖までの七曲と呼ばれる区間は、つづら折りが6キロメートルほど連続しておりまして、大型車両の通行が難しいほか、こちらも崩落等がかなり多い地域になっておりまして、過去10年間で9回の通行止めを起こしています。
 このような状況を打開するために、この国道102号を事業執行しております青森県が、惣辺と十和田湖に近接しております子の口の間の生活産業道路と観光道路を分離する目的で、段階的にバイパス整備をすることといたしまして、第1期として黄色で示しました奥入瀬バイパス、そして、第2期として今回諮問させていただきます青撫山バイパスを整備することとしたものでございます。
 こちらの奥入瀬バイパスにつきましては、既に平成9年に供用を開始しております。そして、こちらの青撫山バイパスにつきましても、平成12年から検討が開始されまして、平成15年は公園計画の変更によって当該区間の施設計画が追加されております。
 次の写真になりますが、これが青撫山バイパスの線形、整備計画でございます。青撫山バイパスの整備計画は、青森県が設置いたしました工法に関する技術検討委員会と、自然環境景観への影響評価をします環境検討委員会との2つの検討会において、平成12年から検討が進められてきました。
 これが今回整備する青撫山バイパスのルートになりますけれども、景観と自然環境の影響ということに鑑みまして、バイパス区間5キロ弱、4,990メートルございますが、そのうちの4,500メートルをトンネルとする計画となっております。このことから、景観への直接影響といたしましては、トンネルへの接続道路と坑口のみということになります。また、その他の環境影響ということにつきましては、トンネルの本体工事に伴います地下水位の低下ですとか、工事に伴って出てくる湧水の処理、また、残土処理などについて、複数案から検討をされてきました。
 まず、景観影響についてご説明をさせていただきます。これが惣辺側ですけれども、起点側の坑口のモンタージュとなります。上が現況になっておりますけれども、惣辺側から見たときに、現在右に入るようになっておりますけれども、これに、左に入る道路をつけまして、この分岐から300メートル程度先に坑口を設ける計画になっております。
 現況は、右の上の写真に示しましたとおり雑木林となっております。
 終点側の坑口ですけれども、遊覧船乗り場などがあります子の口の手前350メートル程度の地点に設置される計画となっております。
 また、十和田湖の遊覧船から見たときのモンタージュになりますけれども、手前に樹林帯があるため、ほとんど望見されません。モンタージュで見ていただきましたとおり、景観への影響に十分配慮された計画であると考えております。
 次に、今回の工事に関して特に議論の対象となったのが地下水の問題です。トンネルの本体を抜きますと、かなり地下水が湧出するということが懸念されておりまして、最初の計画ですと、奥入瀬渓流に流下する滝の流量が減少してしまうのではないかという懸念がありました。
 このことから、ここに挙げましたような滝について、流量の低下に関するシミュレーションが行われました。当初案では、滝流量が最大13%減少してしまうのではないかというようなシミュレーション結果が出ましたので、さらに奥入瀬渓流から離れた線形をとり、また、坑口の位置を上げることで地下水頭を上げまして、滝流量の変化が最大6%、平均では2%程度の減少にとどめることができる計画になっております。滝流量につきましては、季節や降雨量によって自然状態でも相当変化することが知られておりますので、最大6%、平均2%程度の減少であれば、特に景観に影響を与えないものと考えられております。
 また、これらの湧水につきましては、濁水と清水に分けられまして、濁水は適切に処理された上で一般下水道または川に、清水につきましては、湖や川に放流される計画となっております。
 また、残土の問題ですけれども、残土は起点側で7万8,000立米、終点側で35万7,000立米発生する見込みとなっております。処理につきましては、自然環境への影響ですとか、運搬距離、運搬ルートなどを勘案いたしまして、起点側が、上側に示しました第3種特別地域内、終点側が公園区域外になりますが、牧野に埋め立てる計画となっております。牧野につきましては、いずれも表土を保存いたしまして、埋立てをされた後には牧草地として復元する計画になっております。
 この工事は平成25年の着工を目指して現在準備が進められているところでございまして、供用につきましては、平成30年以降となる見込みでございます。
 このバイパス工事に関する進捗に合わせまして、関係機関で奥入瀬渓流の利用適正化に向けた取組も進められております。現在は関係機関で組織いたします奥入瀬渓流利用適正化協議会におきまして、秋の紅葉シーズンの2日間、奥入瀬渓流区間のマイカーの乗り入れ規制を試行的に行っておりまして、今後の利用適正化のあり方について検討を進めているところでございます。現在まだ検討中でございますが、バイパスの供用までには、利用適正化に関する方針を出すことを目標にしています。
 この工事につきましては、有識者の会議によりまして、自然環境の影響が最小限と認められた計画を採用しております。また、奥入瀬渓流の混雑緩和、利用適正化に向けて重要な事業と考えております。
 本件については以上でございます。
 続きまして、上信越高原国立公園の案件2件についてご説明をさせていただきます。
 まず1つ目が5番の戸隠牧場一不動線道路(歩道)でございます。戸隠牧場一不動線道路(歩道)は、上信越高原国立公園の戸隠地域を代表します戸隠連峰に至る登山道として利用されております。
 左の上の写真になりますけれども、長野市が執行しております戸隠キャンプ場がございまして、ここを起点といたしまして、戸隠山、高妻山などの戸隠連峰に至るこの路線は、昭和24年の公園指定以前より多くの登山客に利用されてきていました。近年利用者が増加傾向にありまして、平成21年には年間3,500人程度の利用者がありました。終点には、昭和37年に長野県が整備いたしました一不動の避難小屋がありまして、山岳遭難等の対策にも重要な施設となっております。
 こちらの公園計画につきましては、昭和56年に利用計画として追加をされましたが、その後、事業決定、執行がなされていなかったものです。近年、利用者の増加、また、付近にトイレがないことなどから、終点の避難小屋付近で登山者によるし尿やティッシュの散乱などが問題となっていました。看板を立てるなどして注意喚起を呼びかけてきたんですけれども、事態が改善されないということもありまして、これまで歩道の管理を行ってきておりました長野市が、避難小屋のそばに携帯トイレブースを整備することといたしまして、これを機会に全線事業執行することとしたため、今回事業決定をするというものでございます。
 決定します路線距離3.0キロにつきましては、既存の歩道の規模でございますので、歩道の新たな改変などは予定しておりません。この歩道につきましては、公園事業施設として今後も長野市において整備、維持管理されることで、利用者の快適な利用が確保され、また、周辺自然環境の保全が期待されるものでございます。
 上信越高原、2件目でございますが、山田温泉案内所の事業決定でございます。山田温泉案内所は、長野県上高井郡高山村の山田温泉地区内に位置いたしまして、山田七味線道路、県道66号に面しております。事業地周辺には、山田温泉のほか、松川渓谷温泉、五色温泉、七味温泉などがありまして、この公園を代表する温泉郷となっております。また、雷滝、八滝などの名勝もございまして、紅葉期を中心に多くの利用者が訪れております。平成20年度の年間の利用者数は51万人と報告されております。
 今回、事業決定されます案内所の施設は、地元の高山村が今年、宿舎を譲渡承継いたしまして、案内所として改修をしたものでございます。既に4月下旬にオープンしておりまして、この地域の名所アクセス、宿泊等の案内を行っております。今回、先ほどの議題(1)において利用施設計画、案内所が追加されたため、同時に事業決定をしようとするものでございます。今回事業決定します0.2ヘクタールにつきましては、既存の施設の規模でございまして、これ以上の改変は予定されておりません。これまでこの周辺には案内機能を持った施設がございませんでしたので、温泉郷の玄関口に位置しますこの案内所は、公園利用を促進する上でも重要な役割を果たすものと認められます。
 続きまして、4件目になりますが、秩父多摩甲斐国立公園の奥多摩湖南岸線道路(歩道)の事業決定の変更となります。
 奥多摩湖南岸線道路(歩道)は、秩父多摩甲斐国立公園を代表します景勝地奥多摩湖の南岸にあります、小河内ダムサイトから奥多摩湖岫沢集団施設地区内の奥多摩湖畔公園を結ぶ遊歩道です。現在、この黄色の区間が12キロあるんですけれども、ここを東京都が事業執行しておりまして、今回はこの先の2キロについて事業決定を追加し、路線延長を14キロに伸ばすものでございます。
 ここは周辺の森林は東京都の水源林として保全されておりまして、野生動物ではツキノワグマ、ニホンジカ、ニホンカモシカ等の大型哺乳類をはじめとしまして、タヌキ、ヤマネ、リスなどが生息しております。また、鳥類は年間を通して延べ130種程度が観察されております。なお、この遊歩道は、奥多摩湖の景観がすばらしく、起点、終点の小河内ダムサイトと奥多摩湖畔公園にはビジターセンター、園地、駐車場といった施設も十分整備されていることから、環境学習を兼ねた小学生の団体であるとか家族連れ等、幅広い年代に利用されております。
 これが終点付近にあるビジターセンターですが、今回、終点の山のふるさと村と呼ばれるところからさらに西側に2キロほど伸びる遊歩道につきまして、施設の破損や老朽した箇所の再整備を機に東京都が事業執行することとし、事業決定をしようとするものでございます。もともと施設の管理などは東京都が行っておりまして、事業決定し、事業執行されて以降も引き続き東京都において管理されていくこととなっております。路線全線を東京都が事業執行することで、奥多摩湖周辺の安全かつ快適な利用の確保、また、周辺利用の促進に寄与することが期待されます。
 最後の案件になります。富士箱根伊豆国立公園の八丈三原山線道路(車道)の事業決定でございます。
 八丈島は東京から約300キロ離れた太平洋上に位置いたしておりまして、南東を占める複式火山の三原山と北東を占めます成層火山の八丈富士がラクダのこぶのようにつながって成り立っております。集落の一部分を除く島の大部分が国立公園に指定されております。今回、決定いたします車道ですけれども、大賀郷集落という集落と樫立集落という集落の2つを接続しております町道となっておりまして、三原山の北西部中腹を経由して、三原山山頂へと続く登山道に接続する車道でございます。
 今回事業決定する車道は、三原山の登山とか、鴨川林道の自然観察、また、鉄壁山戦跡といった観光スポットなども来訪者に利用されております大変重要な車道でございまして、昭和59年の公園計画の変更の際に利用計画が追加されたのですが、そのまま事業決定、執行がなされていなかったものです。今回、町道として管理をしております八丈町が舗装などの再整備を行うことを機に事業執行するため事業決定しようとするものでございます。
 今回決定いたします路線距離5.6キロ、また、有効幅員4キロメートルにつきましては、現道の規模でございます。また、今回予定されております改修工事も、機能保全を目的に行われるものでございますので、新たに自然の改変を伴うようなものではございません。公園事業車道とされることで、八丈町において適切な維持管理がなされることが期待されます。
 国立公園の事業決定等に関するご説明は以上でございます。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 ただいま説明がございました国立公園事業の決定、廃止及び変更について、ご質問、ご意見がありましたら、お受けしたいと思います。
 熊谷先生。

○熊谷委員 奥入瀬渓谷の歩道というのは、せっかくすばらしいのにすぐ横を車が通っているのは本当に情けない思いをしていました。今回バイパスでトンネルにされたというのは大英断で、一流の日本の風景を守るためにしっかりと、トンネルを選択された青森県および地域の方々が大変に成熟されてこられたなというふうに感じます。しかし、トンネルにすれば景観的には問題ないとは言い切れません。例えば景観でも坑口のところのモンタージュだけは検討していますけれども、一番の大きな問題というのは、トンネルを5キロも掘ると、そこから出てくるズリ、残土をどこかで処理しなければならないわけです。先ほどお聞きしていたら、40万m3ぐらい出るんですかね。少しは公園内で処理するようですが、それ以外の37万は公園外で埋立てをするということですけれども、現実にはトンネルのズリを埋めたところの景観というのがまたいろんな意味で細心の注意を払わなければいけない。また、ズリを埋めたところの水環境も変わるわけですから、その検討をぜひしっかりしていただきたいと思います。
 それから、牧場みたいなところを埋められるんですけれども、そうするとかなり標高は変わりますよね。表土を保存されると言いましたけれども、その跡地利用をどんなふうにされるのか。そして、できたらその埋立てのところも景観のシミュレーションをするような、そういう事業として指導していただければと思います。大体いつも問題が起こるのは、トンネルそのものではなくて、そこから出てきたズリが後々まで日本の景観を破壊するというか、非常にインパクトを与えることが多いものですから、もちろん検討されると思いますけれども、慎重にやっていただきたいなというのが一つです。
 あとは、毎回そう思うんですけれども、歩道とか車道とか、こういうのを事業として決定というのは大変いいことだと思うんですけれども、何となく国の環境省がそれなりの国立公園の事業としてしっかりと、特にこの審議会でオーケーが出たものに対しては、すべて管理は市町村とか何かに任せないで何らかの形で、事業の内容についてただコメントするだけではなくて、いい意味での指導力を発揮するとか、あるいは、補助金を出すとか、積極的に対応して欲しい。国の事業であるから単に地方自治体に「あとしっかりやれよ」と、そういう時代はもう終わったのではないかというふうにいつも思っているんですが。
 例えば、先ほどの奥多摩のところもすばらしい道路ですけれども、どう見てもあの写真では危なっかしいですよね、何か。腐っている木で、これはどうしても国の一級の公園の中の歩道の柵とは思えない。あるいは、既存の施設の今にも抜けそうな木とか、これを国立公園ということでしっかりと今後整備をお願いするのであれば、それに対して何らかの財政的な補助とか、それから、国のレベルで、国立公園としてはここの公園ではこういうようなデザイン、コンセプトで、こういうような材料とか、こういうような色とか、そういう指導を積極的にするように知恵と財政的な援助をする、そういう方向へぜひ転換していただきたいなと思います。現状でもそういう補助の制度になっているんですかね、何分の一とか。その辺も含めてお願いしたいと思います。
 以上です。

○鹿野小委員長 2つご質問が出ましたが、最初のズリ処理のほうは……。

○事務局(中島) 残土処理についてご説明申し上げます。先ほど申し上げました環境評価に関する委員会におきましても、残土処理については詳細にご検討をいただいているところでございます。複数箇所に関しまして検討がされておりまして、搬出される距離ですとか、そういったものも含めて検討された結果、この2カ所が選ばれたところでございます。先ほど先生がご心配されておりましたけれども、残土はそれぞれの処理位置において大体3メートル程度敷きならす計画となっております。
 この2カ所につきましては、特に公園利用拠点から望見されるようなところではないということでございますけれども、3メートル程度の焦げ茶色の仮囲いをして風致への影響の対策にはしっかり努めたいということと、あと、濁水が流出することのないように最下流部に沈砂池を設けることとしておりますけれども、この池だけでは不十分な可能性があることから、埋立てをする間には引き続き水質に関してモニタリングがされるような計画となっております。

○鹿野小委員長 よろしいですか。
 では、上杉課長。

○国立公園課長 後段部分についてでございますけれども、まず補助金制度についてご説明いたしますと、もともと国立公園の整備について環境省が直轄で整備する以外に、都道府県に対する補助制度がございましたが、平成17年に三位一体改革ということで、地方と国との役割分担の整理がされた際に、国立公園については基本的に全部直轄でやりますと。都道府県に対する補助事業は廃止になりまして、代わりに国定公園の整備に関しては地方自治体に対する自然環境保全整備交付金ということで、45%までということになりますけれども、そういう形で整理がされました。ということで、残念ながら現時点では国立公園内の地方自治体の整備に対する助成をするような仕組みがなくなったというのが現状でございます。
 ただ、片方で公園計画をつくる、あるいは、事業決定をしという中で、環境省として地方自治体との関係は大変重要なものだと思います。一つは、実際の執行に際して協議をしていただく中で、もちろんデザインや安全面も含めていろんなご相談をさせていただくということになるんですけれども、それだけではなくて、公園の利用をきっちりやっていくという意味では、例えば歩道で言えば、一緒になって利用を推進するための協議会的な組織で、自然情報をどういうふうに提供していこうとか、そういう個々の場所での取組については、それなりの体制がある場所と、もちろん十分できていないところとございますけれども、そういう意味で、全部任せっきりではなくて、国としても管理運営面でいろいろ協力できるところをしていくという形での関わりについて、これはしっかり考えていく必要性があるだろうと思っています。
 残念ながら100パーセントすべての場所でというわけにはいっていないと思いますけれども、重要な利用拠点については何らかの形で連携を図りながら、適正な利用を進めるということについて考えていくということをやっていきたいと思っております。もちろん、十和田湖の今回バイパス整備に伴う奥入瀬渓流のマイカー規制についても、地元の協議会がございますので、環境省も中に入って、一緒になって検討を進めるという形で進めていくということにしたいと思っております。

○鹿野小委員長 原さん。

○原委員 今の関連で、トンネルを新しくという話とマイカー規制との関係はどういうふうになっていますか。

○国立公園課長 マイカー規制は、現段階では試行的に秋の2日間だけやっているわけですけれども、これはバイパスが完全にできないと、この七曲というところがなかなか難所でございまして、完全にとめるわけにいかないという前提がございます。将来的には、トンネルが完成しましてバイパスが全部できますと、ある程度マイカー規制ができる前提条件が整うということになります。ただ、工事が数年かかるということで、この後、諸手続きも含めて、着工が平成25年ぐらいが予定されておりまして、そこから数年かけて工事をやるということで、平成30年代前半ぐらいが完成予定とされております。そこを目指してマイカー規制のあり方についても並行して検討を進めるということを今考えております。

○原委員 マイカー規制のイメージとしては、トンネルが完成した後も規制していこうという考え方があるんですか。

○国立公園課長 奥入瀬渓流そのものについては、できるだけ自動車の通過交通を排除するという前提で考えていきたいということになります。

○原委員 わかりました。

○鹿野委員長 ほかにご質問、ご意見ありませんか。
 私からちょっとあるんですが。今の奥入瀬バイパスですが、これから何年かかると言いましたっけ。35年……。

○事務局(中島) 平成25年の着工を目指しておりまして、トンネル工事だけで7年程度が予定されておりますので、供用開始までには10年弱かかるという予定になっております。

○鹿野小委員長 えらい時間がかかるんですね。今、公共事業の抑制でどんどん事業費が減ってきている中でやっていくのは大変だと思うんですが、先ほど来出ているように奥入瀬バイパスというのは前々から話があって、奥入瀬の利用を何とかもっと国立公園らしい利用にしたいというので、前からみんな構想しているわけですね。ぜひこういういい公共事業は、事業者は青森県ですか、これは環境にも役立つんだということを声を大にして、何とか事業費を確保して早くこれの実現ができるよう努力してほしいと思いますね。
 熊谷先生。

○熊谷委員 先ほどちょっと申し上げたのは、せっかく公共事業ということで、今まで監督官庁だった環境省が事業官庁的に非常に力をつけてきたので、監督官庁時代の計画としてそれをここの国立公園の中に事業として線を引きますよとか、丸を置きますよというだけではなくて、例えば、先ほどのような、県が事業決定して、県が管理の責任を持っていたとしても、国立公園についてはその事業を国の直轄事業としてできないかというのが私の本当のというか真の質問なんですね。そういう制度を使っていけば。
 今、国も地方も、管理、メンテで非常に予算をとっていて。そのメンテを、上手に効率よくやっていかなければならないんですけれども、そっちばかり目にいっちゃっていて、大事なものをつくり忘れたりすると非常に大きい影響がでると思うんですよね。ですから、国民のための歩道とか園地とか、そういうものを管理だけ任して、結局、公園事業としてうまくいかないのであれば、その部分については国の直轄として、実施できる仕組みとか考え方でいけば、我々審議会でいろいろ審議した結果も生かされるのではないかなと思うんです。
 また、あまり人が使っていない道路を、事業決定して、国立公園の歩道にはなったけれども、そこで事故でも起きたら大変だから廃止にすることもあるようですが、利用されなくなった理由に、荒れているから利用されていないということもあるので、そういう部分については国が直轄できちっと整備して、できるだけ当初の計画とか事業を存続させていくとか。何かそういうふうな有機的な考え方をやられたほうが。
 本当に要らないものは切っていいんですけれども、荒れたものとか危なくなったものはみんな廃止をし、それから本来やらなければならないものについては全部地方自治体に任せてというのも再考の余地があると思います。もう少し積極的に打って出ていいのではないでしょうか。国立公園とか国定公園を含めて、これは将来の日本の国のいろんな意味での財産ですから、それは国民の理解を得て、税金をある程度投入しても説明ができるような時代になったのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○大臣官房審議官 先ほどの三位一体改革で補助事業が廃止になったときに、従来は国立公園でもかなりの割合が補助事業で整備をされてきた。登山道の整備などは大半が補助事業で、都道府県が事業執行していたんですけれども、補助事業が廃止された際に、今まで以上に直轄事業の割合、また、整備できる範囲を広げました。登山道の整備についても、重要なところから、また、安全確保のために必要なところから、順次、直轄の整備も三位一体改革以来広げてきているところです。
 そういう直轄事業を広げて、直轄事業でやるところは積極的に国として事業をして、それと組み合わせるような形で県なり市町村が、県、市町村の単独事業で、特に従来から事業をやっていたものは、それの改修みたいなものは県単、あるいは、市町村の単独事業でやってもらって、直轄事業と自治体の事業を組み合せして、何とか公園の整備水準を上げていこうと。方向としては従来以上に直轄事業の割合を増やして、従来直轄でやってこなかったことも直轄でやっていこうというふうに変化させつつあるところです。
 ただ、奥入瀬バイパスに戻りますけれども、こういう大規模な車道の事業というのは環境省の公共事業の中ではカバーできないので、ここの場合は青森県の事業ということで今まで進めてきている。鹿野委員からもありましたように、奥入瀬バイパスの話が出たのは相当前で、私もこのバイパスの路線を、最初の踏査のときに一緒に歩いたりしたんですけれども、そのとき国道102号線は先生おっしゃったように車道と歩道が錯綜して、渋滞もして、せっかくいい場所なのに利用の質が上がらない。
 このバイパスで国道102号線の利用環境の改善に向けて切り換えられるという、公園の管理にとって非常に重要な整備が始まった。ただ、なかなか整備が進んでこない、時間がかかったということですけれども、青撫山バイパスまで行かないと本格的な国道102号線のマイカー規制に入れないので、これは十和田の国立公園の利用にとっても相当意味のあることなので、できるだけ早く実現するように、環境省としても青森県のほうにも働きかけをしていきたいなと思います。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 お願いついでにもう一つだけお願いしたいんですが。今度のバイパスで奥入瀬の渓流沿いは車を物理的に止めることも可能になると、そういうバリエーションが広がったわけですね。ぜひこの際に国立公園の本当の利用として、奥入瀬を歩く人たちに、どういうような道路の使い方をしたら、歩く人にとってもすごいプラスになるのかというふうなことを、今からどういう交通規制をするのかいう点と、どうしたら本当にいい利用環境ができるのかという面も含めて、できるまでにぜひ検討を、もう今からやっても早くないと思いますので、ぜひそういうこともやっていただきたいと思います。
 ほかはよろしゅうございますか。

○川名委員 ちょっとよろしいですか。

○鹿野小委員長 ああ、すみません。

○川名委員 ちょっと幼稚かもしれませんが、先ほどいつ始まって何年だというお話があって、そういうことはこの計画書なんかに全く書いてありませんね、ほかのことも。なぜいつから始めて何年計画でというのは明記されないんですか。

○事務局(中島) 決定書に書いて審議会でご審議いただくのは、事業の位置、規模でありますとか、景観への影響というところをご覧いただくことになっております。その後、実際の工事の際には事業者から認可の申請が上がってまいりますので、その際には具体的な工事期間、供用開始予定ですとか、そういったことも含めて認可時には審査をすることになっております。

○鹿野小委員長 よろしいですか。
 事業決定段階では、どこからどこまでというのと、どのくらいの規模のものを整備することにしたいというところで、スケジュールとか事業費とか、そこまでは決定しないということになっているようです。
 ほかに、どうしてもこの際というのはありましょうか。もしあれでしたら、今日はもう一つ案件が用意されておりますので。
 それでは、国立公園事業の決定、廃止及び変更については、ただいま説明いただいた内容で適当ということでよろしゅうございますか。

(異議なし)

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それでは、本件につきましては、適当と認めることといたします。
 以上で本日の諮問事項についての審議は終了しました。ご協力ありがとうございました。
 本日の自然公園小委員会の決議は、後ほど部会長の同意を得て自然環境部会の決議ということになりますので、ご承知おきください。
 次に、国立・国定公園の総点検の取組ということで、事務局のほうから説明がございます。よろしくお願いいたします。

○事務局(佐々木) それでは、「国立・国定公園の総点検事業について」ということで説明をさせていただきます。公園計画に引き続きまして、佐々木が説明させていただきます。座って失礼いたします。
 お手元の資料13を開いていただければと思います。「国立・国定公園の総点検事業について」ということで、私たちは平成19年度から国立・国定公園の総点検事業を実施してまいりました。その背景など趣旨を最初のページにまとめております。
 自然環境に関する科学的な知見が集積されてきたりとか、生物多様性等への国民の関心・要請が高まってきたり、エコツーリズムなど新しい公園の利用が増加したりとか、ここ10年20年の間に国立・国定公園を取り巻く自然環境、社会状況は非常に大きく変化してきていると認識しています。
 国立・国定公園にふさわしい自然の風景地というものについて、改めて日本全国を見直して、評価をするということをやる時期が来ているということになりました。
 生物多様性国家戦略、これは2007年にまとめた第3次、それから、2010、いずれにも総点検を行うという旨が明記されてございます。また、世界的な動きとしては、今度COP10が開かれますが、COP7の時に保護地域作業計画というものが決議されておりまして、その中で「国あるいは地域レベルで生物多様性保全上重要な地域を抽出して、既存の保護地域との差を分析する」、ギャップ分析を行って保護地域を選定しなさいという作業目標が掲げられているところでございます。
 こうした動きを踏まえて、総点検事業を開始しまして、これまでもこの小委員会に2回ほど途中経過を報告させていただいたところですが、自然環境、生態系と地形地質の観点から、日本全国の重要な地域を選び出しまして、国立・国定公園区域との重複状況を確認する、ギャップ分析ですね。今後10年間を目処に新規指定や大規模な拡張を行っていくような候補地を選定しました。
 これらの重要地域に関する情報は、今回、候補地を選定するときに活用させていただきましたが、環境アセスメントですとか、その他の自然環境保全地域ですとか、鳥獣保護区などの他の保護地域制度の指定等、様々な取組に活用されることが期待されます。
 また、このように日本全国を見直して、国立・国定公園の候補地を検討して、公表するというのは、昭和46年以来実に39年ぶりとなります。また、科学的なデータに基づいて日本全国をギャップ分析をするのは初めてのこととなります。
 1枚めくりまして、ギャップ分析の実施ということになります。こちらは数枚めくっていただくと別紙4というものがございます。この別紙4のフローで説明させていただければと思います。総点検事業の流れは、別紙4の一番右のところにございますように、ギャップ分析を行うというところと、そこから候補地を選び出していくという、2つの段階に分かれております。
 まず、ギャップ分析のところを説明させていただきます。陸域と陸水域、それから、沿岸域の生態系の中から重要な地域というものを、既存の公表されている、例えば自然環境保全基礎調査などのデータを活用しまして、日本全国にあるものを抽出してまいりました。これら近くのものを便宜的に地域として統合すると247地域ありますが、これらについて国立・国定公園との重複状況を分析しています。
 また、同様に地形地質の観点で、例えば雄大な山脈ですとか、大きな湖ですとか、そういったものがどこにあるのかというものが88地域抽出されて、国立・国定公園との重複状況を分析してまいりました。この分析した結果が、その1つ前と2つ前のページにある別紙2と別紙3のA3の資料になります。
 まず、別紙2のほうから説明をさせていただきます。こちらは日本地図となっていて、たくさん資源が落ちていて、国立・国定公園の区域が左の凡例の一番上の茶色と黒の線で囲われている地域となります。陸域生態系の中で、森林の大規模なものですとか、植物種の絶滅危惧種が集中しているエリアですとか、大型の野生動物の生息エリア、里山の代表的な生き物の生息エリアなど、鳥、昆虫、両生・爬虫類など様々な分類群の重要地域を抽出しています。
 また、陸水域については、河川・湖沼の中で重要とされている地域、沿岸域ではマングローブから干潟、藻場、塩性湿地、サンゴなど、それから、動物の分布域などを抽出して、すべてをざっと日本地図の上に重ねるとこのような図面になります。
 1枚めくって、地形地質の地図が別紙3になります。こちらは日本列島の形成史、日本列島がどうやってできてきたのか、プレートとプレートがぶつかりあって日本列島が形成されてきているんですが、そういった観点で8つの地域に分けまして、それぞれの地域の中で規模が大きいものですとか、とても優れた景観を持っているものを抽出して地図に落としたものです。独立峰のような火山性の孤峰、非火山性の孤峰、火山性の連峰とか、非火山性の連峰、カルデラ、氷河地形など、それから、海の地形ですと、海成段丘とか、サンゴ礁段丘、多島海といったものまで、日本列島のブロック別に傑出した規模を持っているようなものを抽出したものがこの地図になります。
 いずれも重要地域を抽出して、国立・国定公園の区域との重複状況を確認したところ、国立・国定公園というのは非常に優れておりまして、かなり多くの重要地域をもう既に保護しているということが確認されました。これは国土の9.1%しかない国立・国定公園で多くの資源が軒並みに3割、4割を超えるようなカバー率を見せてくるというところからも明らかになってまいりました。
 そうは言っても、若干まだ穴があるなというのがギャップ分析でわかってまいりました。一番最初の文章の資料の2ページ目の下半分の(2)のところに、ギャップ分析結果の評価というものが書かれております。これの2ポツ目のところで、「一方で」というところから始まるところですが、琉球諸島の亜熱帯林、それから、北海道西部の夏緑樹林、沿岸の干潟、塩性湿地などについては、国立・国定公園に指定されている割合が比較的低いということが確認されております。
 これらたくさんの重要地域が抽出されてまいりましたが、これらのすべてを国立・国定公園で指定して守っていくというのはなかなか難しいところもございます。ここから新しい国立・国定公園の候補地を選び出していくというのが次の作業になります。
 再び別紙4に戻りますが、別紙4のフローをご覧ください。こちらで下半分の候補地の抽出と書いてあるところを説明させていただきます。このような重要地域が日本全国で選ばれたんですが、国立・国定公園とするからにはそれなりのスケール観、規模、それから、どういった利用が想定されるのか、国立公園というからには日本を代表する傑出した風景であるということが前提になりますので、生態系と地形地質の観点で、それぞれ傑出性をどういうふうに評価したらいいのかというのを考えてきたのが、候補地の抽出の一番上の四角になります。
 生態系の観点で傑出していると考えられるものは、日本にしかない生き物がたくさんいるという、固有種が集中している地域。それから、日本列島の地形地質の形成史、プレートがぶつかったり、海の汀線が上がったり下がったりといったことを繰り返しながら形成されてきた日本列島ですが、それを反映して、そこの地域にしかない特徴的な生態系が成立しているような地域、それから、多様な生態系が複合的に一体となって豊かな風景を形成している地域、こちらは例えば湿地と一言で申し上げても、湿原から干潟、藻場とか、潟湖や塩性湿地、そういった様々な湿地タイプが1カ所に複合してぎゅっと集っているようなところですとか、里地里山のようなモザイク状の環境が複合しているようなエリアなども、この辺りに入ってくる考え方だと考えております。
 それから、地形地質の観点でも、日本列島の構造区分を考慮して、その構造区分の中で傑出しているというものをピックアップするという方法でやっております。
 このようにして、日本列島の中で傑出している地域というものを、自然の風景地として傑出性が高い地域として抽出しまして、そのほか国立・国定公園に重要な概念として、地域の意向・熱意があるかどうか、利用のあり方としてどうか、管理としてどういうことが考えられるか、そういったものを考慮した結果、国立・国定公園の新規指定もしくは大規模拡張を行う候補地として18地域を選定しました。
 こちらが次のページの別紙5と別紙6に表と地図で候補地を示したものとなります。別紙6のほうを開いていただければと思います。別紙6のほうは、先ほどの生態系の重要地域と地形地質の重要地域、様々な色であったのを1色ずつで塗りまして、見やすいように加工したものであります。そこにピンク色で新規指定・大規模拡張を行う候補地の線を入れたものです。
 北から順に、図の見方を説明しながらいきますと、例えば、知床半島基部というところがございますが、現在の知床国立公園に指定されているエリアより半島の根元の部分のほうにまだまだ原生的な森林環境が残っていると。こちらは保護の担保がされていないところもあるということで、ここの地域について拡張の候補地としている形になります。
 また、例えば道東湿地群などにございますが、ピンクのレイヤーの下に緑のレイヤーが入っていますが、そのように緑の資源があるところを全体的にくくったような形になっていて、ちょっと濃い緑で抜けているところがありますが、こちらは現在の釧路湿原の国立・国定公園になります。ここはもう既に指定されているので色が抜かれているという状態になっています。
 このような形で日高山脈・夕張山地、それから、三陸海岸、佐渡島、南アルプス、白山、東海丘陵の小湿地群、三河湾、由良川及び桂川上中流域、紀伊半島沿岸海域、瀬戸内海、対馬、錦江湾、奄美群島、やんばる、慶良間、西表ということで抽出しています。
 それぞれの地域の自然の風景地としての評価、それから、今後どういうふうに扱っていくのか、国立にするのか国定にするのかなどをまとめたのが別紙5の表になります。こちらのほうで、例えば知床半島の基部は国立公園の拡張を行いますよとか、道東湿地群については、既存の釧路湿原の周りもありますので、国立公園の拡張も含めた国立の新規指定や国定の新規指定が可能性としてありうるということ。それから、日高山脈・夕張山地についても、現在までの調整段階で方向性が見えておりませんが、場合によっては国立公園の新規指定、もしくは現在の国定公園の拡張をやるというような選択肢になっております。
 そのほかの地域については、大体国立・国定公園の既存のエリアをどんどん拡張していくということになるんですが、次のページをめくっていただいて、裏面になりますが、由良川及び桂川上中流域というのは、現在全く自然保護の地域になっていない地域で、新たに国定公園をつくろうというものです。こちらは京都府にありまして、京都府と福井県、滋賀県の県境にある辺りでして、由良川の源流域に原生的なスギ林がございますが、こちらは京都大学の演習林になっておりまして、そこのエリアを核として、下流のほうに行くに従って、非常に優れた里地里山の景観が広がっている地域です。なので、この辺りのエリアを新規の国定公園にしてはどうかという話になります。
 また、奄美群島とやんばるにつきましては、かねてより生物多様性国家戦略で、国立公園の指定を目指すものとしておりまして、今回も改めてこの分析の中で非常に重要な地域として抽出されて、国立公園の新規指定を目指すという形になっております。
 それから、沖縄本島の西側にあります慶良間諸島ですが、こちらは現在、陸域と周辺の海域が国定公園に指定されておりますが、非常に優れたサンゴの景観が広がっておりまして、さらに現在の国定公園区域よりも遠い海域、沿岸より離れた海域までザトウクジラの重要な繁殖地になっているということも確認されておりますので、海域を拡張することで国立公園の新規指定を目指してみようということになっています。また、西表島とその沿岸海域も拡張ということになっております。
 以上が候補地の具体的な中身でございます。
 文章のほうに戻りまして、4ページのところを確認していただければと思います。4.の今後の取組についてということで、候補地の取扱いですが、今回抽出した候補地は、科学的視点に立って国立公園又は国定公園の資質を有すると環境省が考えている地域で、今後10年間を目処に候補地における様々な調査、検討を行った上で、具体の区域の線引きを行うものと考えています。なので、別紙6で示した地図にくくられた線というのはあくまでまだ概念的なものでして、この中のすべてが公園になるわけではございませんし、この中の線を今後地域の方と検討しながら線引きしていくということになります。
 公園の名称などについても、この中で適切な名称を、もちろん新規の公園は当然でございますし、既存の公園についても拡張などを行っていく中でふさわしい名前を考えていくということになります。なので、今の候補地の名称はあくまで仮称ということになります。
 それから、候補地以外の重要地域の取扱いですが、これだけたくさんの資源が重要地域として抽出されておりますが、中には非常に規模の小さい資源などもございます。なので、国立・国定公園から漏れてしまうものもあるのですが、それらについては他の保護地域制度、もちろん既存の国立・国定公園の周囲にあって連続性があるということであれば、編入ということも考えますし、自然環境保全地域ですとか、鳥獣保護区などの他の制度で保護していくためのデータとして活用させていただきます。
 また、今回のデータについては、生物多様性国家戦略とか、国土レベルの生物多様性とか自然環境に関する計画策定に活用したり、広く一般に公表することで地方公共団体、関係機関などに周知して、環境アセスメント、それから、生物多様性の地域戦略の策定などに活用してもらえるように促していくものを考えています。
 それから、現在指定されている国立・国定公園でかなりの部分を重要地域がカバーしてという話を先ほどさせていただきましたが、現在の国立・国定公園内についても、果たしてその重要地域がそれにふさわしい保護の規制の状況になっているかなどを確認しまして、場合によってはふさわしい規制へ格上げすることも重要だと考えています。また、そういった規制の見直しなどをしていく中で、管理とか利用のあり方も見直していく必要があると考えています。
 それから、今回は重要地域を18地域抽出したのですが、自然環境とか社会環境が変化していく中で、候補地に選んだ地域以外であっても、今後、国立・国定公園の新規指定の候補地となる地域が出てくる可能性は十分にあるものと考えております。
 以上、総点検の取組についてご説明させていただきました。質問などございましたら、いただければと思います。

○鹿野小委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま事務局のほうから報告のございました内容について、何か新しい公園区域の検討ということが入っているようでございますので、これについてご質問、ご意見がございましたら、お願いします。

○岡島委員 すごくすばらしい計画だと思います。壊すだけ壊しちゃったのだから、あとはなるべく残さなければいけないというのは基本的な考えですね。地域振興と言いますか、時代の大きな流れで、高度成長の時代からいろいろ変わってきているわけで、自然があったほうが豊かだというような流れがある。例えば豊岡市ですかね、コウノトリが来てみんなうれしいわけです。同じように地域振興のような形で広げて新しい形の国立公園が大きくなりましたよというようなことがいい。それによって誇りを持ったり、環境教育に役に立ったり、いい形でのエコツーリズムなどが盛んになったりする。そういう方の道筋を少しつける。その次の段階で、何としても急がないとどんどん壊れていくのではないかと思うんですよね。ですから、地域の方が納得して、大げさにいえば、こぞってそうしたいんだというような感じの論理構成というんですか、それが大事だと思うんですね。どちらかというと動物、植物が好きな人が多い環境省としては得意ではないかもしれませんけれども、その辺のところをしっかりとやっていただくとかえって喜ばれる。
 もう一点は、大分進歩したと思うんですけれども、研究とか保全の体制ですね。20年前ぐらいの審議会では、クマが何頭いるかわからないなんて答えていたころから比べれば大変な進歩をしていると思うんですが、それでもまだ大学における研究とか、卒業生、ドクターたちが就職する場所も含めて、研究の厚みが薄いですよね。そういうものを国家として要所々々に配置する。例えば大学の教授クラスが所定の、海なら海はどこ、山なら山のどこというところに拠点を置ける。研究センターが各公園に1個ずつぐらい敷設されるくらいの知見の集積がないと説得力もないと思うんですね。今回ものすごい努力でこれだけのことをまとめていただいたのは大変すばらしいことなので、これを実現し、なおかつそれを維持していくことを同時に考えておくべきではないかと思います。
 以上です。

○鹿野小委員長 田部井先生、似たようなことですか。では。

○田部井委員 今の岡島さんと同じように本当にすばらしいことだと思います。日本の国土の美しさを世界にPRする非常にいいチャンスだと思うので。何年か前に英文でも国立公園のパンフレットをつくっていただいて、あれは非常に良かったです。外国の人から見ると、山と言ったら富士山しか日本にはないのかと思っている方が多いので、あのパンフレットはとてもよかったんですが、今回もぜひ英文でもつくっていただきたいし。
 新しくつくるのもいいんですが、もう既に国立公園としてなったところの見直しというのももう1回きちっとやっていただきたいなと思うんです。私は磐梯朝日国立公園を50年前から知っているんですが、そのときと今と比べると「えっ、これでいいのかな」と思うところが何カ所かありまして。例えば、裏磐梯の遊歩道を歩くと、昔は目の前に瑠璃色の湖がありました。今は瑠璃色は全く見えないで、アシとかヨシが生えているんですね。それから、毘沙門沼だったと思いますが、そこは歩いてくると目の前に50年前は見えました。ところが、だんだんアシが増えてきたら、環境省さんが遊歩道のところに展望台をつくってしまった。こんなやり方でいいのかなと、展望台にいかないと湖は見えないようにしてしまうことが本当にいいのかなと。やっぱりアシは悪しだなというか、善し悪しの悪しだなということがあって、もうちょっと保護の仕方も検討していいのではないかという気もいたしました。
 それから、磐梯山は非常に多くの方に登られています。学生も登っています、子供も登っています、もちろん大人の方もたくさん登っていて、宝の山かと思ったら、今は悪の山みたいに、猪苗代湖の水質がかなり変わってきています。あそこはトイレがないんです。というようなことがある。私、トイレばかり言っていて申し訳ないんですけれども、全国民の水のことを考えると、非常に大事なことだなと思っていますので、新しいところをやるのももちろんいいんですが、既に国立公園になったところの点検もぜひお願いしたいと思います。
 以上です。

○鹿野小委員長 では、最初の岡島先生のほうから。

○国立公園課長 両方併せてお答えをしたいと思っておりますけれども、まず最初に、今回、これはとりあえず候補地ということで出しておりますけれども、もちろん地域の方々、関係者とこれから具体的な公園指定に向けて調整を鋭意進めるということで考えております。もともと日本の国立公園の制度は、環境省が全部土地を買ってということではありませんので、地域の人たちの意識の持ち方が非常に重要な要素だと思っています。そういう意味で地域に期待される国立公園にならないとうまくいかないということがベースだと思っております。
 その際に、従来の大規模の開発というのはもちろんないということなんですけれども、先ほどお話がありましたようなエコツーリズムなどで、地域をいかにつくっていただくかという点を我々も一緒になって考えていく。そういう前提で、今いろんな人が自然に対して求めているようなことに応えられるような利用体系みたいなことを十分考えつつ、国立・国定公園としての指定をぜひ遅れることなく進めていきたいと思っております。今回18挙げているうち、まだあまり十分に地元に説明していないのもありますし、既にある程度地元に話をしつつあるものもありまして、進度の差はもちろん出るんだと思っておりますけれども、とりあえずここ10年でできるだけ指定ができるものを進めていくという気概で、具体的にやっていきたいなというふうに思っております。
 それから、田部井委員のほうからお話がありましたけれども、こういう新規あるいは大規模に新たなところだけではなくて、既に指定されているところについての見直しもきっちりとやっていきたいと思っておりますし、その際に利用の面で、ご指摘があったようなことについて、それも当然併せて考えていく話だと思っておりますが、どんな利用がふさわしいのか、あるいは、ふさわしい利用のために我々として何ができるのかということを十分に考えていきたいと思っておりますし、例えばトイレの汚染の問題みたいなこともやれる範囲で、我々としてとにかく一生懸命やっていく必要性があるだろうと思っています。
 もう一点は研究の蓄積のことですね。これは、今回はいわば一次スクリーニングということで既存データを中心に集めておりますし、必要に応じて専門家のいろんな知見をお聞きしながら整理を進めてきております。本来は国立公園に指定されているところについて、あるいは、指定をするにあたってこれからもちろん調べるんですけれども、管理をするベースとなるような自然環境のデータが大変重要な要素だと思いますので、その部分について、公園の管理サイドでできる話もそうだと思いますし、これもいわば近辺の研究フィールドとして使っていらっしゃる大学の先生方をはじめとする、あるいは、博物館の研究者などもいらっしゃいますので、そういう方々とのネットワークづくりも大変重要だろうと思います。
 そういう意味で、全国の国立公園すべてでその体制が必ずしもしっかりできているわけではないと思いますけれども、例えば最近自然遺産に指定された知床ですとか屋久島などを中心に、データも大変充実してきて体制づくりも進んできています。そういうモデルがありますので、そういうのをベースにしていろんな国立公園において保全をうまく進めるためのベースとなるデータ集めということにも取組を進められるようにしていきたいというふうに思っております。

○岡島委員 すみません、ちょっと一言だけ。私が言ったのは、それと同時に、ないものねだりかもしれないけれども、体制として環境省でも研究体制をちゃんとつくったらどうだと。2、3年前の鳥獣保護か何かのときに、各専門家の先生もいて、体制が全然ないわけですよね、各大学でも。それから、ポストドクターは余っているし。そういうようなことを考えると、職場をつくれというわけではないけれども、そういうようなきちんとしたものを、国家として幾つか国立公園の中にあってもいいのではないかということで。これは大変難しいことかもしれませんよね。だけど、いわば大学の教室1個ぐらいの、昔でいう教授、助教授、何とかかんとかとワンセットが1個ぐらい、何カ所かあっていいのではないだろうかと、そういう意味合いで言ったので。素人がそういうように、役所としてはなかなか難しいかもしれませんけれども、そういう姿勢も少しあったらどうかということだったものですから。

○自然環境局長 ちょっと蛇足かもしれないんですけれども、1つ、最初の岡島委員からお話が出たように、ハードの保護、国立公園とか、そういうような保護地域の指定も大事だけれども、どういうふうに使うかという使い方、エコツーリズムのお話もありましたけれども、その使い方も併せて、国立公園の場合は利用していただいてという問題がありますので、地域の方々のご理解をいただく上でも、利用形態も含めてやらなければいけないのかなと思っています。
 今年の予算の仕組みの中で要望を出せるということでございますので、こうしたエコツーリズムみたいな形で、地域でみんなでこういうふうな利用を考えようという気持ちはあるけれども、どうやっていいかわからないというところについては、コーディネーターの方を派遣することや、一定の施設整備も含めてセットでやる仕組みを要望として今出していまして、現在パブリックコメント中なので、評判が良いか悪いかはちょっとわからないですが、その結果でまた付くか付かないかわかりませんけれども。そういうことで、ハードとともにソフトも一緒に提供して、国民の方に大切な自然を楽しんでいただくということも一緒にやりたいなという気持ちでおります。
 それから、科学的な分析が必要だなと、特に生態系の多様性の話の場合には科学的な分析、我々もなかなか行き届かないところもあるんですけれども、やっぱりこういうのを少し充実していかなければいけないかなと思っていまして。今回、重要地域のすべてのところを国立公園でカバーするわけではないものですから、COP10が終わった後ですけれども、希少種の分布なども含めて、今後どういう形で守っていったらいいかというのも抜本的に検討をするということ、それから、国際的には生物多様性版のIPCCをつくろうという動きもありますので、IPBESと呼んでいるようですけれども、IPBESの設立についても日本として積極的に関わって、アジア地域の生態系の分析などについても寄与したと思っていますので、予算的にどういうふうにうまくいくかというのはまたこれからなんですが、そういうふうな科学的な分析についても力を入れていきたいなというふうな希望でございます。

○国立公園課長 田部井委員がもう一点、最後に国際的にもというお話がございました。手元にこういうコピーを用意しておりますが、実はCOP10で今回のギャップ分析について各国の方にもご紹介したいということで、まだ完成しておりませんが、パンフレットをつくっております。残念ながらまだ英語版しかないんですけれども、こんな形で少なくとも直近のCOP10での取組としては、今回のいろんな作業について各国の人にも日本としてやっているということをアピールしていきたいと思っております。

○有路委員 私も、非常にいい調査をされていて、これがちゃん反映されたらいいかなと思うんですが。冒頭、局長の挨拶にも確かあったと思いますけれども、国立公園、国定公園の保護地域の面積の拡大をするみたいな、国土面積に対してどの程度の目標値があるのかみたいなところが、例えばなんですけれども、今回この18地域をよしんば指定されたとすると、今までのパーセントがどれぐらいに上がるのかということの、目の子の目標みたいなものを持っておられてこの作業をされているのか、あるいは、純粋に資源的に見てこういう線を引いたのかどいうところはちょっとお聞きしたいなと。
 というのは、多分このとおりには現実にはならないんでしょうから、そういうときに、別紙6を見ていると、北海道はまだまだ拡大してもいいかなと素人的には思うようなところがあるのに、何で拡大候補地に入ってないんだろうかみたいな。そういうことから考えると、その辺りの目標なり、ちょっと変な言い方でいうと落としどころを考えた上で、こういう区域、候補地を出されているのか。その辺はちょっとお聞きしたいなと思っています。

○鹿野小委員長 では、課長のほうから。

○国立公園課長 まず、生物多様性条約の特に保護地域作業計画と、もう1つ、今、2010年目標という条約全体を進めるための目標がありまして、それとの関連で言いますと、陸域、海域両方合わせて保護地域、これは国立・国定公園だけではありませんで、保護地域全般で各国10%、国土に対して10%、目標にしましょうというのがございます。これをポスト2010年目標、例えば2020年までにということで、数値の議論は、5月にSBSTTAという会議で議論があったんですけれども、これの結果、陸域については15%又は20%ということで括弧に入った、いわば決まっていない状況にありますし、海のほうはX%ということで、数字すら出ていないという状況で、COP10にかけられるというのが現状でございます。
 冒頭に局長の挨拶にもありましたように、国立・国定公園プラス都道府県立自然公園を合わせますと、大体14・数パーセント、これは陸域ということになりますけれども。細かい数字はここに入っておりますので、また見ていただければと思うんですが。では、これの数字をどうするかということで言えば、明確に何パーセントまでというのを強烈に意識をしている、ある程度拡大をするという意味では当然そうだと思っているんですけれども、現実には、先ほど有路委員がおっしゃった言い方で言えば、個別の国立・国定公園の候補地の中のここまでという明確な線引きができていませんで、重要地域のほうも既存のデータをマクロな形でぱっと貼りつけて見ているという状況がございます。
 これは、個別具体の場所でこれから具体的な線引きに入っていくと、むしろ今出ているなら絞り込んでいく形になるのかなと思っております。そういう意味で、明確に何パーセントぐらいになりますというのを申し上げられるようなデータをまだ十分有していないというのが現状でございます。ただ、国立・国定公園で見れば、これを合わせると9.1%ぐらいになるんですけれども、全ての候補地を指定できた場合は、2桁には乗るだろうなというようなことは期待できると思っております。

○鹿野小委員長 速水先生。

○速水委員 ありがとうございます。これは10年ぐらい先を目指してという話なんですけれども、せっかくここまで調査して選んだのであれば、10年間の保護対策をはっきりと打ち出して、それこそ地元の方々に理解をしていただきたい。岡島委員がおっしゃったように、グリーンツーリズム、アグリツーリズムを含めて、使い方が具体的に見えてくると皆さん保護するんですけれども、すべてがそうはいかないということであるならば、例えば保安林制度を使うとか様々な制度を使って、守るところだけはまずは守っていこうというかなりはっきりした意思を出していかないといけないと思います。
 あと、ほかの国交省等とも調整しながら、海岸事業の中のやり方など、かなりしっかりとした調整を10年間、早め早めにしていかないと、さあ国立公園にしようという段階での自然環境の状態がかなり変わってしまっているとか、劣化しているとか、そういうことだと、国民の財産がある意味失われていくということにもなるので、よろしくお願いしたいと思います。

○鹿野小委員長 よろしいですか。
 確か先ほどの説明で、前回候補地というのが出たのが1971年だったと思いますが、以来で画期的なことなんですが、2年前ですかね、尾瀬国立公園の中に指定された会津駒ヶ岳の地区が1971年の候補地で、ここまで引っ張ってやっと実現できたんですね。だから、とにかくこれを出したらぜひしつこく頑張ってやっていただきたいと思いますね。前回のときも大体10年間ぐらいに相当指定されたんですが、幾つかはそういう積み残しがあって、ずっと頑張っていたというのもあります。頑張っていただきたいと思います。
 はい、どうぞ。

○原委員 それに関してもう1つ、お願いというか、まだ具体的に地域というか現場に落としていないという話でしたけれども、縦の動線で情報を流していくという話もあるんだけれども、例えば北海道の場合で、知事さんのところに話を持っていっても、厚岸の現場に行くにはなかなかという話でいうと、できるだけ現場に近いところに情報を公開しておいて、賛同者というか、そういう人を増やしていくという方法をとらないと。尾瀬の場合でも、「おれ、知らなかったよ」というような、現場に近いところに行くほど、あるいは、普段、山の保護とか管理とかメンテナンスとかいろいろボランティアでやっている人たちのところになかなか情報がいかないということが実例としてはあったということを踏まえて、情報はショットガン方式でできるだけ現場に近いところに流すということが戦略的にも必要ではないかなということを、お願いかたがた……。

○大臣官房審議官 重要なご指摘だと思います。ここに道東湿地群というのが挙げられていますけれども、私も釧路の所長をしているときに道東の湿地群に関わっている人たちと結構コミュニケーションを密度高くしていました。そういうチャンネルも通じて本省と、現場の事務所もありますので、こういう対象地域にこういった情報を早め早めにお伝えしていって。今日も議論がありましたけれども、保全の視点だけではなくて、いかにこういう資源を生かしていい地域にしていくかという点もセットで地域の人と語り合って、具体的な公園指定につなげていくというところはすごく大事だと思いますので、今日いただいたご指摘を受けて、粘り強く実現できるように頑張っていきたいと思います。

○川名委員 もしかしたら余計なことかもしれませんけれども、今聞いたら1970年に計画したことが実現したと。そうなると、世の中のことが、環境が変わっているのではないかと思うんです。今計画するのも50年後、40年後に実現されるんだったらば、私はよくわかりませんけれども、高齢化ですとか、国際化ですとか、情報化ですとか、特に低成長化なんていうと、今必要だからと予算を立てたって、そのときにもらえるかどうかはわからないということもありますし。
 それから、今の人口構成でこのくらいの利用がいるなんて言っても、そのころもうそういう人はみんな高齢化して、今、山に登って年寄りがよく遭難しますけれども、あれは若い人を対象とした山道ができたからではないかとも思いますので、そういう大きな世の中の動きを考慮に入れた国立公園のあり方みたいなものも、ちょっと余計かもしれないけれども、余りにも長期的な計画であるので、思いました。

○鹿野小委員長 ちょっとその前に言い訳させてください。私、先ほど言ったんですが、1971年の候補地はほとんどが10年以内くらいに新しい公園が実現できました。ただ、そういう中で一部は積み残して最後まで頑張っていた例があるということで、何十年ではなくて大体10年で相当部分進みましたので。

○国立公園課長 10年の間にも社会のニーズはすごく変わっていくと思いますので、そういう動向をしっかりとらえながら、それにふさわしい国立公園にしていかなければいけないと思います。その間に、ここでは18地域を候補地ということで挙げましたけれども、社会の保全に対するニーズが高まっていく中で、18以外でも対象地域としてなりうる場所も出てくると思いますので、この18だけということではなくて、18以外のところも社会のニーズをちゃんと見ながら、対象になりうるところは対象にしていくというところも配慮していきたいと思います。

○鹿野小委員長 ほかにどなたかございますでしょうか。
 それでは、大体ご質問、ご意見も出たようでございますので、事務局からの報告についても一応ここで質問等をとめたいと思います。
 いろいろなご意見が出ましたので、事務局としては、こういういい案を出した以上、実現方頑張っていただきたいと思います。
 それでは、本日は長時間にわたりご審議いただき、ありがとうございました。ほかに皆様特段のことがなければ、これで自然環境部会自然公園小委員会を閉会にしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、これをもちまして小委員会を閉会いたします。ご協力、どうもありがとうございました。
 あとは事務局のほうに返します。

○事務局(佐藤) 長時間にわたりご審議をいただきまして、ありがとうございました。
 本日の会議資料の取扱いは公開でございます。
 次に、本日配付の資料につきまして、郵送をご希望の委員の方は、お手元の用紙にご記入の上、机に置いていただければ、事務局から後日郵送させていただきます。
 また、委員の先生方には、今月名古屋で開催されますCOP10関連のバッチ等を置いております。お持ち帰りいただければと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

午後5時52分 閉会

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