中央環境審議会自然環境部会(懇談会) 議事録

開催日時

平成23年9月5日(月)10:00~12:00

開催場所

経済産業省別館 825会議室

出席委員

(14委員)

議題

  1. (1)三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(諮問)
  2. (2)検討の進め方について
  3. (3)その他

配付資料

資料1-1:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(諮問)
資料1-2:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(付議)
資料2-1:
東北地方沿岸の自然公園等の指定状況
資料2-2:
東北地方沿岸の震災前の自然環境の状況
資料3-1:
東北地方沿岸の自然環境の被害状況
資料3-2:
公園事業施設等の被害状況
資料3-3:
自然体験プログラムの被害状況
資料4:
検討の進め方(スケジュール)
資料5:
中央環境審議会自然環境部会(第13回)での議論のポイント
参考資料1:
東日本大震災からの復興の基本方針(抜粋)
参考資料2:
岩手県東日本大震災津波復興計画(抜粋)
参考資料3:
宮城県震災復興計画(最終案)(抜粋)
参考資料4:
中央環境審議会自然環境部会(第13回)の議事概要(東日本大震災関連部分)
参考資料5:
新「三陸復興国立公園(仮称)」を軸にした地域の復興
(中央環境審議会自然環境部会(第13回)資料2-3)

議事録

午前10時00分 開会

○事務局 お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を始めたいと思います。
 開会に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。本日は、所属委員34名のうち、14名の委員の先生方にご出席をいただいております。
 本日の審議のために、お手元にお配りしております次第に続きまして、配付資料一覧のとおりとなっております。確認をさせていただきたいと思います。まず、委員名簿、配席表で、続きまして、資料1-1から資料の5、参考資料1から5までが一式になっております。資料1-1、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(諮問)。資料1-2、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(付議)。資料2-1、東北地方沿岸の自然公園等の指定状況。続きまして、資料2-2、東北地方沿岸の震災前の自然環境の状況。資料3-1、東北地方沿岸の自然環境の被害状況、続きまして、資料3-2、公園事業施設等の被害状況。資料3-3、自然体験プログラムの被害状況。資料4、検討の進め方(スケジュール)。続きまして、資料5、中央環境審議会自然環境部会(第13回)での論議のポイントとなっております。
 続きまして、参考資料ですが、参考資料1から、東日本大震災からの復興の基本方針(抜粋)。参考資料2から5までがそれぞれ、岩手県東日本大震災津波復興計画(抜粋)、宮城県震災復興計画(最終案)(抜粋)、中央環境審議会自然環境部会(第13回)議事概要(東日本大震災関連部分)、新「三陸復興国立公園(仮称)」を軸にした地域の復興(中央環境審議会自然環境部会(第13回)資料2-3)です。
 以上になっております。配付漏れ等ございましたら、事務局にお申し出下さい。
 それでは、初めに、自然環境局長の渡邉より、ごあいさつを申し上げます。

○自然環境局長 おはようございます。本日は、大変お忙しい中、また台風の影響が続く中、そして急な開催にも関わらずに、自然環境部会にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 前回、7月に開かれました部会で、東日本大震災への対応として、三陸復興に寄与する国立公園づくりについて、ご報告をいたしました際に、この部会でさらに議論を行っていくべきというご意見をいただきました。そのご意見を受けて、従来は国立公園の指定、あるいは変更の最終段階で、審議会への諮問を行ってきていますけれども、今回は、構想の段階からご意見を伺おうと考え、本日の部会の開催になりました。
 東日本大震災の発生から、間もなく半年が経とうとしております。震災からの復興が、最重要の課題となっていますけれども、政府の復興対策本部で、復興の基本方針が7月29日に策定され、その中で、陸中海岸国立公園などの既存の自然公園を再編して、三陸復興国立公園(仮称)を創設していくことが、位置づけられたところです。その三陸復興の国立公園の中心になりますのが、陸中海岸国立公園になります。昭和30年の指定ですけれども、指定のきっかけになりましたのは、昭和8年3月の三陸大津波です。ちょうど昭和9年の我が国第1号国立公園指定の前の年ということになります。
 当時の宮古町長が、大津波の被害調査団に浄土ヶ浜を国立公園に指定してほしいという陳情を行ったことが、後の沿岸一帯の国立公園指定につながったという経過でございました。昭和30年の指定以降、地域の皆さんに支えていただきながら、管理運営を進めてきた国立公園が、今回、甚大な被害を受けた三陸沿岸地域の復興に、どのような形で貢献していくことができるかが、問われていると思います。
 今回の三陸復興の国立公園づくりの中で、傑出した海岸計画という従来の国立公園のテーマに加えて、漁業を初めとした一次産業や地域の生活・文化を国立公園の重要な要素として、積極的に位置づけて、そうした営みを支える森・里・川・海の連環や生態系の再生に寄与していくことができるような国立公園を、地域の皆さんとともに考えて、ともにつくっていけたらと考えております。
 日本に国立公園が誕生してから、80年近くが経ちますけれども、これからの国立公園づくりの方向性を三陸から提示をして、発信をしていこうという気持ちで、私たちも取り組んでいきたいというふうに思います。
 来年10月にインドで開催されますCOP11までに、COP10で合意された愛知目標を受けた生物多様性国家戦略を策定していくべく、今後、この自然環境部会と野生生物部会の合同部会で、ご審議をいただく予定になっております。その国家戦略の改定の中で、時に厳しい災害をもたらす自然とどう、私たちは共生していけばよいのか。災害リスクを減らす国土管理と生物多様性の向上をどう両立させることができるのかといった点についても、示していく必要があるというふうに思います。この新しい国家戦略とあわせて、具体的な取組として、三陸復興の新たな国立公園についても、COP11の機会に、世界にも伝えていけたらと考えております。
 この部会には、政府の復興対策本部を初めとした関係省庁の皆さん、そして、地元の関係自治体の皆さんにも参加をしていただいています。また、このたびの審議会の諮問を受けて、自然環境局内と東北地方環境事務所内に、三陸復興国立公園(仮称)の検討推進チームを設けました。そのメンバーも、この部会の議論に参加させていただけたらと思います。
 今日は、第1回目の会合となります。限られた時間でありますけれども、ぜひ、さまざまな角度から多くのご意見やご提案をいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

○事務局 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内部会長にお願いいたします。武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 皆さん、おはようございます。暑い中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 今、局長からお話がございましたように、前回の部会で、この三陸復興国立公園(仮称)についての議論がございまして、委員の皆様から大変貴重な、さまざまなご意見をいただいたということで、計画の熟度の低い段階から、さらにご意見をいただいて、この計画をよりよいものにしていきたいということで、こういう機会を設けていただくことになりました。今後3回の開催を予定しているのでしょうか。

○自然環境局長 はい、年内に3回です。

○武内部会長 年内に3回ぐらい、皆さんに議論いただける機会がございますので、ぜひ活発なご意見をいただければと思います。
 この三陸復興国立公園構想については、おかげさまで政府内でも、あるいは、該当する各県においても、大変好意的に受け止めていただいているように思います。この非常にユニークな国立公園構想を、ぜひ、これからの一つの復興計画のモデルとして生かしていくような方向で、これを考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 また、COP11の話がございましたけれども、おそらくこういう形での復興に貢献する国立公園の概念というのは、かなりユニークな、国際的な発信力を持ったものにもなり得るのではないかと思っておりまして、私は、できれば早い段階で英語にしていただいて、こういう議論を世界に発信していけばいいのではないかと思っておりますけれども、そんなこともあわせて考えながら、皆さんと一緒にこの問題を考えていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、幾つかの事柄について申し上げます。本日の懇談会、今回、急に開催をお願いしたということもありまして、部会の過半数の方がご参加できませんでしたので、懇談会ということで行っております。また、報道関係者や傍聴の方も同席しておりますので、その点、ご了承いただきたいと思います。
 議事録ですけれども、後ほど、事務局で作成し、本日、ご出席の委員の方々のご了承をいただいた上で、公開をするということになります。
 また、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開することとさせていただきたいと思いますので、ご了承していただければ幸いです。
 また、会議資料につきましても、公開になります。
 本日の諮問案件は、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてということでございます。事務局より議事1について、説明をお願いいたします。

○国立公園課長 国立公園課長の上杉でございます。よろしくお願いいたします。座ったまま、ご説明をさせていただきたいと思います。
 では、お手元の資料の1-1、それから参考資料の束になっておりますけれども、これをご用意いただければと思います。最初に、参考資料からご説明いたします。
 ずっとめくっていただいて、参考資料5、今回の三陸復興国立公園(仮称)の構想を簡単にまとめた資料でございます。これは前回の部会でも簡単にご説明いたしましたけれども、再度、確認の意味を含めまして、ご説明をさせていただきたいと思います。
 新三陸復興国立公園(仮称)を軸にした地域の復興ということでございます。この右側の上の図にございますように、東北地方の太平洋岸には、陸中海岸国立公園を初めとしまして、南三陸金華山国定公園、それから、北のほうから、種差海岸階上岳、気仙沼、硯上山万石浦、松島、松川浦県立自然公園があり、かなりの範囲をさまざまな自然公園でカバーをしている地域でございます。この三陸海岸の自然環境、自然景観、海岸美などを生かした取組がされてきました。
 この陸中海岸国立公園につきましては、昨年の10月に公表した国立・国定公園の総点検事業の中で、特にこれは北のほうを意識して、三陸海岸という形での大幅な拡張を予定していた場所でもございます。そういう準備をしているさなかに大震災が起きました。
 また、地元では、例えば岩手県では、三陸ジオパーク構想を進めようという動き、あるいは、長距離歩道の整備を進めようという動きがございましたし、既に地域において、漁業と連携したようなエコツアーも実施をされてきたような場所です。
 こういう場所について、今回の震災を受けまして、北のほうだけではなくて、この三陸地域全体の沿岸域を見て、新たな国立公園としての再編成をしていきたいと考えておるところでございます。その際の大きな考え方として、具体的取組の三つの考え方を打ち出しております。一つは、この地域は、大変水産業の盛んな地域でございますので、そういう水産振興とうまく連携をして、海岸美というだけではなくて、里地あるいは里海、こういったさまざまな地域の取組とうまく連携をした形での国立公園というものが考えられるというのが、1点でございます。
 それから、二つ目としまして、縦に長い、既に今の陸中海岸国立公園でも、南北で180キロに及ぶ大変長大な国立公園で、これは、なかなかアプローチが難しゅうございますけれども、縦に歩道でつないでくるような、そういった形で地域の利用を進めていくことが考えられないか、また、復興を進めていく上でのシンボルとなるような森づくりもできないかというものが2点目でございます。
 それから、3点目といたしまして、この地域では、過去から津波の災害が繰り返されてきた場所でもございますけれども、そういう被災を記録し、継承し、国立公園の現場をそのようなことを学んでいく場にできないかということでございます。
 また、あわせて今回の津波が自然環境に大変大きな影響を与えておりまして、そういう自然環境の変化状況をずっと追いかけていくモニタリングについても、しっかりと取組ができないかということでございます。
 今申しましたようなポイントについて、次のページから簡単な絵を用意してございます。森・里・海のつながりについてですが、この気仙沼地域は、「森は海の恋人」運動の発祥の地でもございます。豊かな森が、川・里を通じて栄養分を海にもたらし、そして豊かな海が形成される。そういう地域の生態系のつながりという観点を、どのように取り入れるかがポイントとなります。
 それから、続きまして、海岸の長距離歩道でございますけれども、この南北をつなぐ歩道は、自然美をめでるものでもございますけれども、各地には、小さな集落を含めて、さまざまな生活、あるいは文化がございます。そういったものもつないでいく。あるいは、災害が起こったときには、こういう集落から裏山へ逃げていくための防災の避難路としても使えるようなことも検討したいと考えております。
 それから、被災を記録し、あるいは、それを学ぶ場として、長距離歩道の拠点を活用し、そういう取組ができないかということを考えてございます。また、我々は、長距離歩道を八戸市から福島県の相馬市の松川浦までつなげていくことができるといいのではないか考えております。
 さらに、その次のページでございますけれども、利用者の避難場所ともなる展望の丘づくりです。これは沿線のさまざまな利用を進める際に、一つは、津波等の緊急時に逃げることができる、避難広場としての機能を持つような、展望もできるような丘づくりをしていこうということでございまして、その際に、例えば、今回発生した災害の廃棄物について、分別をして安全なリサイクル材料として、それを活用するというふうなことも考えられないかという考え方でございます。
 それから、次のページが、被災を記録・継承するための学びの場とモニタリングということでございまして、自然環境、今回、植生や地形、あるいは藻場、動物分布など、さまざまな形で変化しておりますので、これを記録し、モニタリングをしていく。
 あるいは、今回の津波の状況を伝えるような自然物などをしっかり記録をしていくということ。あるいは、被災者の体験や知恵を伝えて、生の声なども集めて、いろんなところで、それをご紹介できるようなことができないかということを考えていきたいということでございます。こうしたものをうまく整理をして、学びの場を現場、現場でうまくつくっていく。さらに、それをエコツーリズムなどのプログラムの中でうまく活用して、皆さんに伝えていく、こういう取組が考えられているということでございます。
 このような構想をベースに、政府内での復興構想会議、あるいは震災復興対策本部の中でも、さまざまな検討の場で、環境省として説明をしてまいりました。その中で、7月29日に、東日本大震災復興対策本部で策定いたしました、東日本大震災からの復興の基本方針、参考資料1にございますけれども、この中で、この三陸復興国立公園構想の大まかな考え方について、位置づけをしていただいたところでございます。
 復興施策の(3)地域経済活動の再生の[6]観光の中で、一つは、自然の景観豊かな文化・「食」・国立公園・世界遺産などの地域の豊かな観光資源を活用した、東北ならではの観光スタイルを構築するということでございまして、その具体的な中身の一つとして、陸中海岸国立公園などの既存の自然公園を再編し、三陸復興国立公園(仮称)とし、防災上の配慮を行いつつ、被災した公園施設の再整備や長距離海岸トレイルの新規整備を行うことについて検討する。
 また、農林水産業と連携したエコツーリズムの推進など、各種事業を行うということでございまして、先ほどご説明しましたような三陸復興国立公園(仮称)の考え方について、具体的に位置づけをされてございます。
 それから、[10]環境先進地域の実現の中でも、森・里・海の連環を取り戻すための自然の再生の考え方も位置づけられておりますし、記録や教訓の収集・保存、あるいは、自然環境の現況調査と経年変化状況のモニタリングについても、基本方針に位置づけられております。
 1枚めくっていただきまして、参考資料2には、岩手県の復興計画、それから参考資料3に、宮城県の復興計画の抜粋をご用意いたしておりますけれども、この中でも、三陸復興国立公園との連携について、位置づけをしていただいているということでございます。
 以上のような背景を踏まえまして、また、先ほど局長のごあいさつにもございましたように、7月の自然環境部会で、大変さまざまなご意見をいただき、引き続き審議会の中での議論を深めていくべきというお話を受けまして、8月4日に、中央環境審議会に対して、「三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について」という諮問をさせていただきました。これが資料の1-1でございます。これについては、読み上げさせていただきます。
 環境基本法第41条第2項第2号の規定に基づき、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について、貴審議会の意見を求める。
 諮問理由。東日本大震災により、東北地方沿岸の自然公園については、自然環境が大規模に変化するとともに、公園事業施設等に対して甚大な被害が生じている。
 東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生を図ることを目的とした、東日本大震災復興基本法第3条等に基づく「東日本大震災からの復興の基本方針」では、「陸中海岸国立公園などの既存の自然公園を再編し、三陸復興国立公園(仮称)とし、防災上の配慮を行いつつ、被災した公園施設の再整備や長距離海岸トレイルの新規整備を検討する。また、農林水産業と連携したエコツーリズムの推進など、各種事業を行う」「地域に根差した自然との共生の知恵も生かしつつ、森・里・海の連環を取り戻すための自然の再生などによる自然共生社会を実現する」及び「津波の影響を受けた自然環境の現況調査と経年変化状況のモニタリングを行う」ことが位置づけられた。
 これらのことから、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について、貴審議会に意見を求めるものである、ということでございます。
 本案件については、自然環境部会に付議がされてございます。
 以上をもちまして、今回の諮問の背景についてのご説明を終わらせていただきます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。本日は、東日本大震災復興対策本部事務局の中島参事官にお越しいただいておりますので、特に復興基本方針について、補足説明をお願いしたいと思います。

○中島参事官 東日本大震災復興対策本部事務局の中島でございます。よろしくお願いします。
 基本方針に関しまして、今、国立公園課長さんからご説明いただいたとおりでございまして、私は、基本方針ができる前の復興構想会議でどんな議論がなされたかとか、そのあたり、周辺状況について、若干コメントをさせていただきたいと思います。
 まず、復興構想会議で、三陸の国立公園の話題が、多少出たというぐらいですけれど、そのときの議論の流れで、雇用復活、あるいは産業の再生というような文脈の中で、観光が大事だということになりました。そして、観光振興には、国立公園というのが大事なブランド力があるものとして活用できるのではないかという議論があり、国立公園の話が出されました。
 復興構想会議の下に設けられました検討会の中では、国立公園の話というよりは、むしろ森・里・海の連環の話が、かなり議論されました。ここで、これまでずっと活動されてきた方の活動のことを取り上げて、こういったことが将来像として目指すべきものではないかというような議論がなされたところでございます。
 復興構想会議の議論としては、そのようなものでございまして、あとは環境省さんのご提案がございまして、最終的に政府の基本方針の先ほどのような記述になったということが経緯でございます。
 それから、復興対策本部事務局としてお願いをしたいことがございますが、復興の主体は常に市町村であり、一番の主体であると考えておりまして、市町村がその復興計画をつくっていくときに、県なり国が、それぞれにバックアップできるのかということを常に考えていこうというのが、復興対策本部事務局の基本的な考え方のスタンスであります。
 今回、ここの国立公園の議論がなされるわけですけれども、そのときに、地元の自治体がどのように考えているのかということを、ぜひこちらの審議会としても把握をしていただきまして、よく意見交換をしていただいて、地元の意見を踏まえた国立公園の考え方になるようによろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 この後、事務局から、自然環境の被害状況、今後のスケジュール等をさらに詳しく説明がございまして、その後、質問、ご意見をお受けしたいと思いますが、もし今の段階で、何か聞いておきたいこと等がございましたら、お願いしたいと思いますが。

(なし)

○武内部会長 よろしいですか。
 それでは、引き続き、議事の2について、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 国立公園課の佐々木です。どうぞよろしくお願いします。座って説明させていただきます。
 まず、お手元の資料2-1から、順番に説明させていただきます。まず、東北地方沿岸の自然公園等の指定状況になります。こちらは資料2-1、A4判のものと、あと図面のA3判のものの両方ございますので、両方を広げて見ていただければと思います。
 まず、図面ですが、3枚組になっておりまして、八戸から宮古のあたりまでのものと、それから、1枚めくると大船渡、石巻のあたり、それから松島から松川浦のあたりまでという3枚構成になっております。それぞれ、国立公園と国定公園と県立自然公園、それから、一部見にくいですが、国指定鳥獣保護区の場所も示しております。
 それでは、資料2-1について説明させていただきます。まず、沿岸の自然公園の指定状況ですが、一番大きいものは陸中海岸国立公園になっております。こちらは、岩手県の沿岸のかなりの部分を占めておりまして、一部、宮城県の気仙沼市にも区域がございます。
 指定の経緯としては、昭和30年に当初の指定がなされまして、その後、南部区域の拡張、それから北部地域を拡張して、現在の姿となっております。南部区域の拡張のときには、その当時、昭和23年に指定されていた県立自然公園気仙沼という宮城県の県立自然公園の区域を少し編入するという形でも、南部区域の拡張がなされております。年間の利用者は699万人ということで、国立公園の主な景観の特色としては、海食崖、海の際にある崖の景観が大変すばらしいということが、中心的な指定理由となっております。
 それから、南三陸金華山国定公園ですが、こちらは、先ほど陸中海岸国立公園が海食崖の景観がメインと説明させていただきましたが、メインはリアス式海岸の景観、非常にひだひだになった海岸線が景観の特徴になっております。こちらは昭和50年の指定ですが、その前身となるのは、現在はなくなってしまったのですが、宮城県の県立公園である牡鹿半島の県立自然公園と、南三陸海岸県立自然公園でした。こちらのものを南三陸金華山国定公園として指定するという形になっております。区域としては、宮城県の石巻、気仙沼市と、登米市、女川町、南三陸町ということになっております。年間利用者数が102万人でして、主に、特に牡鹿半島のあたりの利用というものがあるのと、それから、神割崎という海の地形がすばらしいところもありまして、そこの利用がメインとなっております。
 それから、続きまして県立公園ですが、まず、北の青森県の種差海岸、これは階上岳(はしかみだけ)と読みますが、階上岳県立自然公園。こちらは昭和28年に指定されておりまして、蕪島というウミネコの一大繁殖地がございます。それから、鳴き砂ですね。きれいな砂浜があるのと、そのすぐ内陸側に天然の草地、芝生の非常に美しい景観の場所がございます。こちらは青森県の八戸市と階上町になっておりまして、海岸部の種差海岸のエリアと、それから少し内陸にある階上岳という、なだらかな形をした山で構成されている県立公園です。
 それから、宮城県の県立公園ですが、県立自然公園気仙沼というものがございます。こちらは、資料2-1の2枚目のところを見ていただくとわかるのですが、ちょうど陸中海岸国立公園と南三陸金華山国定公園の真ん中のところに位置している県立公園です。こちらは気仙沼湾の景観と、それから気仙沼湾のところに大理石海岸というのがありますが、そのあたりも名勝として指定されているものです。
 それから、硯上山万石浦県立自然公園、こちらも宮城県の県立自然公園ですが、こちらは女川と石巻市のところにございます。こちらは、硯上山という非常にリアス式海岸を見るのに適した山と、それから万石浦という、ちょうど牡鹿半島の南の端、三陸海岸と言われているエリアの一番南に位置しているところでございます。
 それから、県立自然公園松島、こちらは日本三景の松島ですが、多島海景観として、県立自然公園になっております。
 続きまして、国指定鳥獣保護区の指定状況です。このエリアでは国指定鳥獣保護区を3カ所指定しておりまして、貴重な海鳥の繁殖地として日出島と三貫島が指定されています。仙台海浜では、蒲生干潟とか井土浦で干潟環境があります。ここは、渡り鳥にとって非常に重要な生息地となっております。
 次に、東北自然歩道の整備状況です。東北自然歩道は、平成2年から8年にかけて整備されたもので、路線の延長は4,300キロ程度です。東北の青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の各県に整備されていまして、「新・奥の細道」というテーマで策定されたものでございます。東北の豊かな自然で、特に文化的なものを意識して、それらの見どころとなる場所で大体1日で歩くのに適当なコースを229選びまして、それを既存の車道とか鉄道といった公共交通機関でつなぐというくくり方をしているものです。
 長距離自然歩道は環境省で全国に整備を進めておりますが、東北自然歩道は最も利用者数の多い自然歩道となっていて、年間で6県合わせて1,000万人程度が利用しているという状況になっております。
 4ページ目には、自然歩道のつくり方のイメージを掲載しています。見どころがたくさんあるところを1日コースの利用拠点として、まず1日のコースを設定して、それを公共交通機関でつなぐというイメージをまとめたものになります。
 それから、5ページ目には、東北自然歩道の全路線を掲載しております。こちらを見ていただきますとわかるとおり、宮城県の松島のあたり、内陸から松島のほうに入りまして、牡鹿半島まで伸びております。それからまた内陸の盛岡のほうまで伸びます。その途中で、宮古の海岸線に伸びる場所、それから八戸のあたりで、また海岸線に出るという形になっておりますが、三陸の地域、それから仙台湾の南の部分は、現在は海岸線に自然歩道が設定されていない状態となっております。
 それから、資料2-1の6ページ目には、これはあくまで参考ですが、東北地方沿岸の市町村の位置を示したものを掲載しています。
 以上で、資料2-1の自然公園等の指定状況の説明を終わらせていただきます。
 引き続きまして、資料2-2でございます。震災前の自然環境の状況として、台風・津波の浸水範囲と自然公園等の指定状況の関係、それから自然公園等の指定と植生自然度との関係を表示したものです。植生自然度というのは、日本の植生を人為の関わりの程度によって10段階に分けたもので、その色の塗り分けと、公園の重複状況などが示されております。
 それから、藻場と干潟の状況、それから水域界、水系域ということで、川がどこに走っていて、単位流域がどこに、どのような規模で設定されたのかということをまとめております。
 最初から順を追って説明させていただきます。津波の浸水範囲については、青森・岩手の各県では、海岸線の小さな湾が浸水するという形になっておりますが、全体的に山がちな海岸線なので、それほど内陸部にまでは津波の被害が及んでいないというのが見てとれます。一方、宮城県の特に石巻では非常に内陸のほうまで、帯状に津波が浸水したという状況が見てとれると思います。
 特に、仙台湾のあたりは海浜になっておりますので、海浜と、それからクロマツの植林地、それから内陸の水田地帯が大きく被害を受けております。
 それから、植生自然度の図になりますが、こちらは、全般的に三陸地域の沿岸部は、二次林、植林地が多くなっております。海岸線でも、植林地がありますが、それは高田松原のクロマツの植林地も、この植生自然度6の植林地に含まれております。内陸に目を向けると、早池峰山あたりに自然度9とか自然度8の極めて自然性の高い森林が分布しているのが見てとれます。
 それから、三陸の南部のほうですが、牡鹿半島のあたりにまで行きますと、金華山のところにまとまった植生自然度9の自然度の高い森林がございますが、多くは植林地と二次林で構成されております。仙台湾になりますと、多くの農耕地が沿岸部に広がっているという状況が見てとれると思います。
 それから、藻場と干潟の状況ですが、こちらは自然環境保全基礎調査のデータを使っております。三陸の沿岸というのは藻場がずっと入っておりまして、それから松島の湾内というものも、非常に藻場が多いということが見てとれます。
 干潟につきましては、三陸の沿岸のところに規模の小さい干潟が、湾奥にぽつぽつとあるというような状況です。東北大学の先生に伺ったところだと、もう少したくさん、各湾の奥ごとに小さな干潟があるということがわかっておりますが、基礎調査のときには、そこまで細かいスケールの干潟は拾えていないようです。なので、もう少し湾奥ごとに、小規模な干潟がぽつぽつとあるというようなイメージを持っていただければよいかと思います。
 それから、仙台湾になりますと、蒲生干潟のあたりですとか、阿武隈川の河口にある鳥の海ですとか、松川浦というところに、まとまった干潟がございます。
 それから、水域界と水系域ですね。こちらは単位流域がどうなっているのか、川がどういうふうに入っているのかということを示しておりますが、三陸の特に沿岸というのは、割と崖地が海の近くまで迫っているということもありまして、非常に大きな閉伊川のように、早池峰からずっと海に注ぐという大きな河川も、何本か入っているのですが、それ以外は、割と規模の小さな河川がたくさん、びっしり入っているというような状況になっております。こちらは牡鹿半島のほうまで、基本的には同じようなスケール感で流域が構成されています。
 仙台湾になりますと、もう砂浜の海岸ですので、割と内陸から入り込んだ状態で、河川が大量に流れ込んでいるという状況が見てとれると思います。
 以上が、主に自然環境保全基礎調査などの既存のデータを整理したもので、震災前の自然環境の状況の資料となります。
 続きまして、資料3-1の説明をさせていただきます。まず、植生の被害状況ですが、こちらは、先ほどの自然環境保全基礎調査の植生図のデータを各県ごとに分析しまして、津波の浸水範囲と重ね合わせて、どういう植生のタイプが津波の被害を受けたのかというのを整理したものでございます。
 基本的には、GIS上で整理をしたものですので、現地では木がなぎ倒されているのかとか、それから、植生が根こそぎなくなっているのか、それとも残存しているのかなどといった詳しい調査は、現段階ではまだできておりません。
 エリアとしましては、青森県が三沢市から階上町まで、岩手・宮城・福島は、沿岸の全市町村を対象に行っております。調査対象地域のうち、4万7,000ヘクタール程度が浸水しているのですが、その多くは耕作地と市街地等被災しておりまして、全体の80%以上を占めております。
 これらのほかに、牧草地、ゴルフ場、芝生地という人工的なところを除きましたところ、被害が大きかったのが植林地。こちらは、高田松原のようなクロマツ林も含まれております。
 それから、湿原・河川・池沼の植生。こちらは、ヨシ原といったものが含まれる植生、それから二次草原、砂丘の植生、この沿岸ですとハマナスなどが多く見られる場所です。それから、落葉広葉樹の二次林が、浸水の被害が目立った植生となっております。
 1枚めくったところに、各植生の解説を載せております。3ページ目に、各県の植生の被害状況を載せております。やはり宮城県、福島県というものが、非常に浸水のエリアとしては大きくなっておりまして、多くの地域が水に浸ったということがわかります。各県別に見ましても、上位には植林地、砂丘の植生、二次草原、湿原・河川植生が出てきます。多少、各県に土地の利用の状況ですとか、地形の状況に応じまして、順位の入れかわりはありますが、被害を受けている植生タイプとしては、大体どれも似たような形になっております。
 それから、3ページ目の下半分のところにございますデータは、地盤沈下によって、標高が0メートル以下となってしまった植生のタイプでございます。こちらは、地震の後に、地盤沈下をした標高のデータが、宮城県については、現在、国土地理院から配信されていますので、こちらを使って宮城県内だけ、とりあえず分析してみたものです。耕作地がやはり非常に多く、標高0メートル以下になっておりまして、次いで市街地、あとは湿原・河川・池沼ですとか、海岸断崖地の植生など、沿岸部にやはり分布する植生タイプというものが、全体として多くなっているということが、見てとれます。
 4ページ目にまいります。今まで紹介したデータは、保護地域などの指定の状況を考慮せず、沿岸すべてを対象に分析したものですが、これは、自然公園などを対象としたものです。こちらを見ますと、やはり松島の県立公園ですとか、松川浦、リアス式海岸といった南部の地域の自然公園の多くの土地が、3割以上が浸水しているということがわかりました。
 傾向としては、やはり耕作地、市街地などの浸水被害が多く、全体の傾向とあまり変わらない状況となっております。
 陸中海岸、南三陸金華山の公園などは、どちらかというと崖地に公園区域が指定されているところが多いので、被害面積としてはそれほど大きくないという状況になっております。ただ、やはりポイント的に、利用拠点にもなっているような砂浜などは、多くの場所が被害を受けているという傾向になっております。
 それで、5ページ目が、公園ごとに見た地盤沈下による標高0メートル以下になった植生の分析でございます。こちらを見ていただきましても、やっぱり松島の県立自然公園の公園区域の8.5%が0メートル以下になるなど、非常に多くの被害が出ていることが予想されます。その半分ぐらいは耕作地となっております。
 それから、面積として見ますと、やはり南三陸金華山国定公園が377ヘクタールということで、かなりの面積が浸水している。水深0メートルが、標高0メートル以下のところになってしまっているというのがわかりました。
 続きまして、6ページ目になります。国指定鳥獣保護区の被害状況ですが、こちらは7月11日の審議会でも概略をご報告させていただきましたが、その時点と同じデータとなっております。第2回目の調査は波の影響でまだ入れていませんが、7月11日よりもう少し詳しく、資料を作成しております。
 日出島と三貫島ですが、いずれも貴重な海鳥の繁殖地は、それほど津波の影響も、地震の影響も見られておりません。例年とそれほど変わらない個体数が確認され、巣穴の利用状況も確認されております。これから、また第2回目の調査などに入っていく予定ですので、また継続的に状況を押さえていく予定です。
 それから、7ページ目が、仙台海浜の鳥獣保護区の状況です。こちらは新聞報道などでもよく出ていますが、津波の被害によって干潟が一時期すべて埋まって、干潟の前面の砂浜が持っていかれる、なくなってしまうというような状況が確認されました。その後、5月の国土地理院の空中写真では、干潟が戻って、それから砂浜も戻ってきているというような状況が、確認されております。
 最近、7月になって、七北田川という蒲生干潟の南部にある川が、河口が全部砂で閉塞されたという状況も確認されておりまして、今後、さらに地形が変化し続けていくという状況が予想されております。環境省では、地方環境事務所が主体になりまして、1カ月に1回程度、鳥類と地形の状況のモニタリングを進めているところでございます。
 それから、1枚めくりまして、8ページ目ですが、先ほどの蒲生干潟も対象となっておりますが、生物多様性センターで実施しているモニタリングサイト1000の速報が上がってきておりますので、その状況のご報告です。東北の沿岸、シギ・チドリの渡りの状況調査は、毎年、春、4月、5月に実施しておりまして、蒲生干潟と福島県の阿武隈川河口の鳥の海、それから松川浦でサイトを設置しております。今年度は、4月に蒲生干潟と鳥の海で行いましたが、松川浦では、残念ながら被災がひどくて、調査が実施できませんでした。それぞれ蒲生干潟と鳥の海の過去4年間の調査の結果と比較しております。
 個体数は、調査の日によって、渡り鳥ですので大きく変動が見られるものなので、参考程度ということで載せておりますが、出現種数、それから種の構成というものは、それほど大きな変化が見られておりません。ただ、後ほどご報告いたしますが、干潟の環境、特に底生動物などは大きく変わっているということも報告されているので、今年はとりあえず、種組成などはあまり変化がなかったですが、今後、長期間にわたって、しっかりと追跡していくことが大事ではないかと考えております。
 続きまして、9ページ目ですが、松川浦の干潟の調査の状況です。こちらもモニタリングサイト1000の速報に基づくものです。干潟、松川浦も、蒲生干潟と同様に、非常に大きく底質のかく乱などがありまして、底生動物も多く持ち去られた模様ということで、報告が上がっております。松川浦の2地点で調査を行いましたが、干潟そのものは残っているのですが、底生動物も30種以上ということで確認されているのですが、個体数が非常に少なくなっているというのが、この地域の特徴として報告されております。
 今後、個体数も、ある程度、種は残っているので、回復していくことを期待したいところですが、干潟環境は非常に変化が激しいというのも、蒲生干潟の例を見ているとわかりますので、こちらも継続的に調査を行っていきたいと考えています。
 続きまして、10ページ目ですが、志津川湾の藻場、アラメ場の調査状況です。こちら志津川湾に浮かぶ椿島というところの近くで、定期的に調査を行っているもので、こちらのアラメは、岩盤にくっつくようなタイプの藻場ですが、資料の3つ目の段落のところに、群落の景観が著しく変わった場所はなかったということで、藻場自体に、それほど大きな変化は見られなかったということで、報告されております。
 一部で茎が折れたような形の個体が、数個体見られましたので、津波の影響自体は、やはりありますが、群落全体としてみれば、それほど大きな変化は見られないというのが、この志津川の藻場の状況です。
 藻場は、基本的にこの藻場、海草藻場のアマモ場がございますが、アマモ場のほうは、私たち、今、一生懸命情報収集しているのですが、多くの場所で海底の砂がかく乱されまして、アマモ場が被害を受けているのではないかというような、速報的な情報が多く寄せられております。
 藻場のほうは、岩盤がめくれ上がっていないような場所というのは、割とこちらの志津川湾のように、藻場が維持されているところも結構あるのではないかというようなことがわかっておりますが、津波の影響で岩盤ごと転がってしまったようなところというのは、藻がなくなっているというような報告も上がってきております。
 以上が、自然環境の状況の報告となります。
 続きまして、資料3-2の公園事業施設の被害状況になります。陸中海岸の国立公園の被害状況は、前回も少しご報告いたしましたが、全壊、半壊、一部被害がそれぞれ17%、11%、22%ということで、半分以上の施設が、何らかの被害を受けているという状況になっております。
 傾向としましては、やはり波をかぶった場所の被害が大きい。波をかぶっていないところは、それほどでもないというような状況です。
 国立公園では、集団施設地区といいまして、国立公園の利用拠点として、整備を集中して行っていくという場所を設定しておりまして、陸中海岸には7カ所の集団施設地区が設定されております。順番に見ていきますと、普代の集団施設地区は北の普代村というところにありまして、キャンプとか国民宿舎などがありまして、滞在拠点としても利用されていますし、海岸景観の鑑賞などの日帰り利用も多くされているところです。こちらは、施設の多くが標高の高いところにあったということもありまして、被害はそれほどないという状況となっております。
 続きまして、田老の宮古姉ヶ崎、それから浄土ヶ浜ですが、こちら田老と姉ヶ崎というのは、滞在型の拠点と、自然観賞、海水浴などの両拠点ですが、いずれも非常に甚大な被害が出ております。田老の写真をこちらに持ってまいりましたので、スライドで現地の状況を見ていただければと思います。
 こちらの田老の集団施設地区は、まだアクセス道路が閉鎖されている状態で、4月に写真撮影した以降、忙しくて、現地に行けていないのですが、このように、非常に壊滅的な状態になっております。こちらは園地の状況ですが、もう跡形もないような状況になっております。
 こちらはトイレです。建物の屋根もなくなっていますし、被害を受けております。宮古の姉ヶ崎も、こちら中の浜の野営場というところですが、もともと木がいっぱい生えていて、非常に美しいキャンプ場ですが、そういったものもなくなり、管理棟などの施設も大きく被災を受けている状況です。
 浄土ヶ浜ですが、こちらは陸中海岸国立公園の中で一番利用者数が多い利用拠点で、多くの年齢層にわたって、自然観賞が行えるように整備を行っているところですが、こちらも、被害が大きかったのですが、既に観光客の方が来られたりしているところでございますので、一部、迅速に復旧をしようということで、危険な場所はこのように立入禁止などの暫定的な措置を行ったり、それから、仮設のトイレを設置するなどして、対応しております。
 民間の事業者さん、観光船の観光利用も既に再開がされている状況となっております。
 こちらは、奥浄土ヶ浜といいまして、浄土ヶ浜のメインの場所ですが、ごみなどは、地域のボランティアの方々が入りまして、非常にきれいに整備されまして、それからレストハウス、その奥に見えている建物ですが、2階まで全部水が入ってしまったんですが、とりあえず板張りで保護して、これから復旧するかどうするかというのを、現在、宮古市と環境省で相談して、協議しているところでございます。このような田老宮古の姉ヶ崎、浄土ヶ浜などは、非常に甚大な被害が出ているところでございます。
 それから、資料3-2の3ページ目になりますが、碁石海岸の集団施設地区、こちらもキャンプとか、海水浴などのレクリエーションの滞在拠点として整備を行っているものですが、こちらは、施設そのものの被害は大きくございませんでした。ただ、碁石海岸、碁石のようにきれいな石がたくさんたまっている浜ですが、浜が地盤沈下の影響か、波で持っていかれたのか、かなり狭くなったねというのが確認されております。
 この浜は、ここにずっと巨大な防潮の堰堤が入っていたのですが、それがすべて浜に倒れて転がっていたのですが、それらはもうすべて撤去されて、徐々に環境がよくなって、きれいになっていっているという状況でございます。
 それから、気仙沼大島の集団施設地区ですが、気仙沼湾の陸中の公園の中では、唯一の有人島の気仙沼大島の利用拠点です。こちらにはキャンプとか海水浴場などがございまして、利用の整備を進めているところですが、こちらも半壊の施設などがございまして、海岸線の施設が割と被害を受けている状況です。
 十八鳴浜は先日、天然記念物にも指定されましたが、このようにごみが散乱しておりますが、この後に、ボランティアで海岸清掃などが入っておりますので、ごみ自体は大分減ってきている状況が、報告として上がってきております。
 こちらは気仙沼大島の田中浜ですが、こちらを見ていただいてわかるとおり、現在は、ごみの仮置き場となっております。このように国立公園の集団施設地区は、ごみの仮置き場ですとか、仮設住宅のための用地提供として活用していただいているような状況となっております。ただ、このあたりのごみなどは、大分こっちの仮置き場に地元の方が整理して持っていくなど、区域全体としてはきれいになっていっているという状況です。
 それから、唐桑御崎集団施設地区の状況です。4ページ目になりますが、こちらも園地や駐車場などが若干被害を受けているという状況です。
 そのほか集団施設地区以外の利用施設として単独施設というものも公園事業としてやっておりますが、それらの一覧表は4ページに載せているところです。
 続きまして、南三陸金華山国定公園の被害状況ですが、こちらは特にリアス式海岸の岬の先端部ですとか、牡鹿半島に利用施設が多く整備されております。しかし、これらの地域の多くが、依然としてまだ交通規制のため調査できない状況となっておりまして、我々が調査に入れていない地域が15地域ほどございます。今後、道路の開通状況に合わせて被害状況の把握を行っていきたいと考えております。
 南三陸金華山国定公園、二つの集団施設地区が指定されています。一つが、石巻市の神割崎、それからもう一つが、牡鹿半島の山鳥渡集団施設地区でございます。こちらも現在調査に入れていない状況となっております。
 調査に入れたのは、6ページの(2)の単独施設のところですが、やはり全壊・半壊という施設が多くを占めていまして、場所によっては、そもそも現地に何があったのかすらわからないような壊滅的な状況となっております。種差海岸階上岳県立自然公園は、かなり詳細に被害状況が把握できております。こちらにつきましては、公園事業として執行されている施設以外にも、公園事業相当の施設として幅広に調査を行っております。一部修正がございまして、八戸市の一部被害のところ、7という数字になっております。これは6の間違いでした。申し訳ございません。修正していただければと思います。
 それから、県立自然公園気仙沼の被害状況ですが、こちらは大理石海岸のところについて調査を行っておりまして、トイレ・歩道などが被害を受けている状況です。
 以上が自然公園の事業の被害状況です。
 資料3-3にまいりまして、自然体験プログラムの被害状況です。こちらは、4月から8月にかけてパンフレット及びサイトなどを情報源にしまして、一部で電話でヒアリング、現地訪問での聞き取り調査を行って、青森県八戸市から福島県相馬市まで自然体験プログラムの被災状況を調べました。この地域、やはり海の近くということで遊覧船とか、サッパ船-これは小型の漁船ですが、それらでめぐる海上遊覧、シーカヤック、漁業者がガイドとなった漁業体験、歴史、生活文化の体験といったものが、震災前は多くやられていたところでございます。これらの213のプログラムのうち、半分近くが何らかの津波の影響、震災の影響を受けてございます。そのうちの22%ぐらいは復旧のめどが立たないというような状況で、多くのところは、そもそも施設、例えば港が壊れて船が出せないとか、船自体が流されてしまったというハード面での問題、それから、プログラム提供者自体が生活を再建するのが優先になっていて、まだ体験プログラムを提供するような状況ではない。これら二つの理由から、多くのところで復旧のめどが立っていない状況となっております。
 その中でも田野畑村、宮古市、気仙沼市などでは、震災前に行われていたツアーが再開されるといったことが報告されておりまして、今日は、そちらのチラシとかウェブサイトの切り抜きを持ってまいりました。また、一部の地域では、地震・津波の被害の現状を現地の方々が現地を案内しながら伝えていくという語り部的なガイドツアーやプログラムといったものも徐々に開始されているという状況です。
 以上で被害状況などのご報告をさせていただきました。

○国立公園課長 続きまして、今後の検討の進め方の考え方につきまして、少しご説明させていただきます。資料4に、三陸復興国立公園の検討スケジュールの資料をご用意いたしました。
 今日は9月5日ということで、第1回目の自然環境部会を開催いたしまして、この後、年内に3回、その後、年度内でいいますと2月にもう1回ぐらいといたしまして、今、年度内3月までに、三陸復興国立公園(仮称)の基本的な考え方を示したビジョンを策定できないかというふうに考えております。
 ただし、審議会のご議論と並行いたしまして、地域の意見聴取ということを考えております。これは、先ほど復興対策本部事務局の中島参事官からも市町村、地元の意見をよく聞いた上で、また、そこでの取組をどう支援していくかということを中心に検討をお願いしたいという話もございましたが、三陸復興国立公園(仮称)に関しましても、当然ながら地元の市町村の復興をどのように考えていくのかと、そういう取組とうまく連携を図っていくことを考えていきたいと思っております。そういう意味で、地元の市町村の復興計画に関する情報収集ですとか、あるいは地域の関係者のヒアリング、あるいは各地における意見交換会、意見の収集、あるいは行政担当者との打ち合わせということを並行して進める予定でおります。
 特に、地域における意見交換会の際には、できれば審議会の委員の先生方にも分担して現場に行っていただくようなことも今後検討したいと思っておりますので、その際はまたよろしくお願いしたいと思います。
 今考えておりますのは、3月のビジョンの策定を受けまして、平成24年度中に三陸復興国立公園(仮称)の区域の指定と公園計画の策定を目指すことです。この時点で最終的な姿まで一気に行くのは難しいかもしれないと思っておりますけれども、とりあえず第1弾として、復興の方向性を示すという意味で、来年度中には何とかできないかと考えております。その際、この公園区域と公園計画の策定につきましては、別途、来年度がもう少し近づきましてから審議会に諮問をさせていただきたいと考えております。
 それから、資料5でございますけれども、これは前回7月11日の自然環境部会でたくさんのご意見をいただきました。それについて、こちらで簡単に整理をさせていただいて、項目として示させていただいたものでございます。
 一つは、[1]でございますけれども、全体、あるいはスケジュールに関することといたしまして、この三陸復興国立公園(仮称)の構想自体は、復興構想会議で当時は議論されていたものでございますけれども、それの具体化を図るものであるということ。それから、地域の人たちと十分相談しながら進める必要性があるということ。それから、スケジュールについては、今ご説明しましたようなことでございます。
 それから[2]としまして、これは大変たくさんご意見をいただいたところでございますけれども、生物多様性、あるいは森・里・川・海のつながりについてでございまして、前回ご説明をした際に、利用に比重を置いた内容のように見受けられるということでございますけれども、保護と利用の両輪である自然公園制度そのものでいくのか、あるいは、新しい枠組みなのかというご質問がございました。
 それから、環境省としては生物多様性の視点を重視して進めていくべきではないかというご意見、それから、松林の再生について、民間企業がいろんなCSR活動等で取組もあるということでございますので、そういう民間参画をパートナーシップとして位置づけていく、そういうことも考えられるのではないか。
 それから、干潟、藻場に関しましては、もちろん失われてしまったところもありますけれども、新しく形成されるようなこともあるかもしれないので、それは十分に調査をした上で、柔軟に保護地域の設定を考えていくべきではないかというご意見。
 それから、海洋保護区を国立公園の中でもしっかり取り組んでいくことが重要ではないかということ。それから、海洋保護区に関しては、当然、地元の漁業の関係者と連携をしながら進めることが必要であろうということでございます。
 [3]としまして、利用あるいはエコツーリズムの観点でのご意見がございました。一つは、長距離歩道を今回一つの利用の機軸として打ち出しているわけでございますけれども、それについては、もう地元で行われているサッパ船を利用したエコツーリズムなど、さまざまな要素をつないでいくことが重要であろうということでございます。
 それから、避難場所について、想定外に津波の被害が及ぶ可能性もあるために、高台に行ける避難路について十分に考えるべきであろうというご意見がございました。
 それから[4]でございますけれども、関係者との連携ということでございまして、他省庁の施策と重複する部分があるだろうということでございまして、そのことについては環境省単独で全部行うのではなくて、政府全体で取り組むべきであると。その中で環境省は環境省としての視点・観点で取り組むことが必要だろうということでございます。
 再掲の部分は先ほど説明しましたので省略をいたしまして、被災の記録については、漁業者などと一緒に行っていくと。震災の記録、モニタリングについては漁業者と一緒に行う体制づくりなども必要であろうということでございます。
 [5]としまして、震災の記録・モニタリングでございます。震災の記録でございますけれども、これは日付だけではなくて時間や潮位、そういうこともちゃんと見た上で扱っていくべきであろうということがございます。
 それから、過去さまざまな津波の被害、経験がございますので、地域の歴史も掘り起こして自然の驚異を学ぶことができる国立公園づくり、そういうことも考えたらどうかというご意見でございました。
 以上、これは今後の議論、さまざま入れまして、中身を進めていきたいと思っております。以上でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。皆さんからのご質問をお受けする前に、論点を私のほうで整理させていただきたいと思います。
 特に、東日本大震災からの復興基本方針の中で、私どもがこれから議論すべき内容が相当書かれているわけですけれども、その項目によって全体としての議論の枠組みを整理すると、まず、一つの点が、これは三陸復興国立公園(仮称)そのものにまつわる構想の話、これについては中身が三つあって、一つは、既存公園施設の防災上の配慮も行った再整備のあり方、2番目が、長距離海岸トレイルの新規整備のあり方、3番目が農林水産業と連携したエコツーリズムのあり方というように論点整理ができるのではないかと思います。
 それから、2つ目の点が、どう言っていいかわかりませんが、ある種、環境モデル地域事業の推進といったことじゃないかと思うのですが、これは、もしかしたら国立公園外も含めて考えるべきことになるかもしれません。
 この中の一つの大きなテーマが、森・里・海の連環を通じた自然共生社会の実現で、それ以外に、多分この文脈から言うと、バイオマス等の再生可能エネルギーの活用方策というのも、里山管理のかかわりで、少し関係があるかなと思います。
 もう一つが、リサイクル資源を用いた自然環境の創造というのですか、ここの中では何とかの丘と書いてありましたよね。その話もあるべき姿について語るというのはあると思います。
 それから三つ目の大きな塊が、これもざっくり言うと環境モニタリングと環境教育という話です。この中には、現況調査とモニタリングのあり方、それから2番目としては、三陸ジオパーク構想との連携、それから、もしかしたら三つ目ぐらいに、その他の文化政策との連携といった話が少しあるかもしれません。例えば、松島、文化庁の指定の範囲と、今回公園として議論する範囲が少しずれているように思います。そこがばらばらに従来議論されてきたのだけれども、そこはやっぱり地域振興という観点からいくと、連携は少なくともしなくてはいけない。一体化するかどうかは別にしてですね。それから、多分、文化庁で文化財の被災状況を調べていると思うのですよ。ですから、そこも自然の枠の中の被災状況じゃなくて、やっぱり地域が一体ですから、そういうことでも少しモニタリングや何かでも連携を図るという話があるのではないかと思うのです。
 今のような感じでやっていただくと、それぞれテーマで皆さんにお話を伺うときに、話が整理されていいのではないかと思うので、今日のいただいた最後の議論のポイントは、ややそこがあいまいなので、次回にはそのような観点で少し再整理していただいて、今日いただく論点も踏まえて資料を用意していただくというようにしていただきたいと思います。
 それでは、お待たせいたしました。ご意見、ご質問ということで、それぞれについてのコメントは事務局から、時間の関係がありますので、まとめて最後にということにさせていただきますので、ご意見、ご質問のある方は札を立てて、私に見えるような形でお願いいたします。
 それでは鷲谷委員。

○鷲谷委員 基本方針を見せていただいて、ご説明を伺っての印象ですけれども、自然環境の観点が薄いというか、あまり入っていない印象を受けました。
 大震災とその後の自然環境の変化を人間の思惑などにとらわれず客観的に眺めますと、自然の動きを抑えていた人間の活動や作用が弱まって、自然が自らにふさわしい姿をとろうとしているというようなこともできます。例えば、地形的に見て、かつて塩性湿地が広がっていただろうと思うような場所には、その条件が戻ってきているようなところも少なくないですし、自然自体がもう動いているところもあると思います。利用を重視した公園を考える際にも、人の都合だけ考えると、もしかすると失敗をしてしまうこともあるかもしれませんので、自然がどのような形をとりながら安定な状態に戻ろうとしているのかをよく見極めて、それぞれの場所にふさわしい利用保全の計画を立てていくことが重要ではないかという気がいたします。
 その際に調査とかモニタリングがとても重要ですけれども、ここでモニタリングという言葉も出てきましたが、あまり目的がはっきりしない、何か漫然としたモニタリングの印象を受けますが、賢明な利用、持続可能な利用ということを図っていくに当たって、地域と情報を共有しながら議論をしていける、そういうデータをしっかりとるということが今一番求められているのではないかと思いました。
 以上です。

○磯部委員 今、武内部会長よりまとめていただいたのは、とてもわかりやすいと私は思いました。その関係で言うと、2番目と3番目の環境モデル事業と、環境モニタリングに関係するのだと思いますが、蒲生干潟のことに限って意見を述べさせていただきます。
 蒲生干潟については、侵食が非常にひどかったということですけれども、私が見たところですと、皆さんよくわかっているのは、七北田川の右岸側は侵食されていなくて、左岸側である蒲生干潟が侵食されたと。どこまで侵食されたかというのを見ると、右岸側については海岸堤防があって、それが砂を運ぶのを阻止したために、海岸侵食が起こらなかった。むしろ押し波によって沖から砂が運ばれてきたというふうにも見えるようです。これは、あまり証拠はありません。そんなふうに見えます。
 蒲生干潟については、侵食されたのですが、それがどこでとまっているかというと、新しく護岸がちょっと奥につくられていて、今日お示しいただいた写真でもわかると思いますけれども、そこまでが地形変化が激しくて、それの陸側に小高い丘とかがありましたけれども、そこのところは比較的地形変化が小さかったというふうに思います。つまり、力学的に考えると、やはり背後に護岸のようなものがあることによって、そこで地形変化をとめたという面があると思います。
 それで、侵食はされましたが、地形が戻りつつあるというお話で、ここの蒲生干潟の部分は、仙台海岸の一番北端に位置していて、すぐ北は仙台港がありますので、もうこれ以上は漂砂が行かない。しかも仙台海岸というのは、基本的な漂砂方向は南から北です。ですから、南から運ばれてくる漂砂が蒲生干潟のところでとまるというか、そこで全部堆積するという状況になっていることと、もう一つは、先ほど申し上げたように、津波で右岸側もそれなりの地形変化を示していて、これまで波でつくってきた平衡地形と、津波がつくった地形とは相当断面も違っています。
 したがって、今度、波が働くようになると、先ほども鷲谷委員からもお話が出ていましたけれども、新たな平衡に向かって砂が相当、特にここ近日中といいますか、近いうちに相当有意に変形する可能性があって、その中に蒲生干潟の砂が南から運ばれて増えて、それで地形が回復するということがある部分期待できるのだと思います。
 そういう認識からすると、質問も入りますが、蒲生干潟のモニタリングをするというふうにおっしゃった部分で、蒲生干潟の何測線かを深浅測量して砂が増えているかどうかということが、砂のボリュームとしてわかるようなモニタリングをやっていますかという質問でもあるし、もしやっていなかったらぜひやっていただきたいということがありまして、それによって蒲生干潟の今後のあり方というものが、相当、具体的に議論できるのではないかというふうに思います。

○田中(正)委員 復興に向けた具体的取組の1番目に関係してくることだと思うのですが、今回の1番目の特徴は、森・里・川・海のつながりという考え方を踏まえて国立公園の指定を考えていく。これは、水の循環だとか物質の循環ということで、循環という考え方が国立公園の指定に当たっても取り入れられている、こういうところが非常に重要と思います。
 この循環という観点からいきますと、その空間的な基本単位は、流域が基本単位になってきます。そうしますと、国立公園の指定に当たって、そうした流域という概念を考慮しつつ、指定範囲を決めていくのかどうかということが重要なポイントになってくるのではないかと思います。従来も、そういう循環という視点で湿地の保全とかというものがあったわけですけれども、今回はよりそれが強く主張されていくというところで、従来の景観とか地質だとか、そういうものに視点を置いた国立公園の指定範囲、空間分布ですね、これがかなり違う形になってくるのではないか。その辺をどのようにお考えになっているかということと、これから指定していく場合に、そういう視点が非常に重要ではないかということを意見として言っておきたいと思います。
 その次に、これからいろんな考え方に基づいて、新たな三陸復興国立公園(仮称)というものを再編していくと思うのですが、その考え方が一体どの法律に基づいているものであるのかということを明確にしていく必要があると思います。特に生物多様性に関しましては、平成20年に、基本法が制定されまして、それの基本計画に相当するものとして、生物多様性国家戦略2010がつくられているわけですが、そのどれに該当しているのか、どれを重点的に考えのもとにしているのか、そういうことがきちっとわかるようにした上で説明していくことが必要ではないかというふうに思います。
 以上です。

○桜井委員 まず一つは、今回の国立公園の枠組みが、従来で言えば県立自然公園とか国定公園とか国立公園がありますけれども、これをどういう形でかぶせていくかということ。先ほどの質問とダブるかもしれませんが、もう一つはあいている部分、かぶせ切れない部分、これをどのように位置づけるのか。つまり、どういうかというと、今回の場合、三陸については流域生態系と、海岸から沿岸の川・海の連環の非常に大きな場所なので、これについてどのような網をかぶせていくのかということをお聞きしたいことです。
 それからもう一つは、ここは自然が非常に豊かだけれども、人間活動が重要ですので、どうやって共存するかという点では、各地域の特性はかなり違うと思います。それについて、どういうような枠組みをつくってやっていくのか。
 もう一つは、自然公園法が改正されて、従来の景観だけではなくて海面下についても、公園の枠組みができるわけですけれども、その場合に、例えば今回も非常にがれき等が多いですが、そういったものを使って、逆に公園の中の整備ということで地域にメリットがあるようなやり方ができないのか。これは、環境省だけではなくて国としてそういったものをかぶせる以上は、それを地域再生に、復興再生にうまくメリットがあるようなものとして、地域が歓迎できるものをできるかどうか、これが非常にキーになるのかなと思いますので、これは海洋法の概念も含めてですけれども、お聞きしたいと思いました。
 以上です。

○白幡委員 国立公園が被害を受けて、国立公園が再編される。国立公園制度ができたときの当初の意図、その当時になぜこういう地域を指定したかという原点が問われるかもしれないと思うんですね。
 私は大きくわかりやすく言うと、景観と生物と利用というので、初期の国立公園はつくられたように思います。そして、地元が、必ずしも産業とかそういったものとは別に、景観の美しさみたいなものを非常にわかりやすい形で評価しているのを追認したということがあったと思います。
 これは、資料4でしたか、この議論のポイントの中で、利用について少し及び腰みたいな感じなのです。これまで自然や生物について守るということが、より大きく活動の中に位置づけられてきた環境省だけれども、初期の国立公園では大きく利用ということを考えていた。これは、国民にその価値を共有してもらうためには、利用がなければいけないということであったと思います。今回、整理していただいた議論は、国立公園の設置の趣旨を復興とか産業ということに置き、これまでの国立公園とイメージが随分違いました。根本的には何を目的にするか。復興とか産業というのは、取り立てて国立公園が担わなきゃいけないことではないですよね。たまたまそういう時代の要請があるということに、どれくらい応えられるかということは非常に大事ではありますけれど、基本的に国立公園という制度のあり方の根本は、今回の震災と重ね合わせると何なんだろうというのは、考え直さなければいけません。これは部会長の発案で3回とか4回ぐらい議論をやったら多分出てくると思うのです。他の国立公園と違うというのか、あるいは新たに国立公園のあり方も大きな枠組みとして考え直すということであれば、もう少し何か出てきてもいいのではないかなというふうに思います。
 私は、基本的に広い意味での観光というものは欠かしてはならない。これは初期の国立公園の意図にあったわけで、価値というか意義の共有ですね。国民的共有の制度としてあるのであって、それをどう保護するかというものは、学者や一部専門家の理解でやられるという部分を含みながら、やっぱり広く一般の人がよくわかるし、多くの人が訪れてくれるような形にするということだと思うので、その辺を議論したいなというふうに思っております。
 以上です。

○土屋委員 ありがとうございます。最初の点は、独り言的なこともありますけれども、復興に関しましては極めて短期的に対応しなければいけない事柄から、中期的あるいは長期的に対応しなければいけない事柄、幾つかに分けて考える必要があると思っております。
 極めて短期的なことは、どなたもお考えのように、今まさにそこで生活しておられる方々の支援、復興を考えることですけれども、それはもちろん中央環境審議会の枠外のことですけれども、そうであっても、私たちのメンバーが安心して議論ができるような環境がつくられることを大いに期待したいと思います。
 私自身は、今日、ご説明いただきました蕪島から松川浦まで、もう30年前になりますけれども、全部歩いていろいろ勉強した人間でございますので、その時代の情報から、まだ野帳まで残っているつもりですので、それが何らかの形でお役に立つのであれば、大変うれしいと思っております。
 特にモニタリングの話については、被害を受けた直後の状況を正確に把握しておかないと、どのように変化していくのかということが正確に把握できません。私自身も3月下旬から4月に関して、何かできないかと思って仙台のメンバーと連絡を取り合ったのですが、とてもそんな状況ではございませんでしたので、今日に至ってしまいました。1年半前のチリ地震のときには、5カ月後にはいろんな雑誌に論文が出まして、被害の情報が整理されたりしていたのを見ますと、状況がかなり違うという印象を受けましたけれども、いずれにしましてもモニタリングに関しては、今の状況を把握する必要があろうかと思います。
 それから、他省庁との連携がどういうふうになっているかというのは、今後話題として出てくると思いますが、今日は環境教育のお話をいただきました。教育に関しては、文科省と、あるいは海洋関係は水産庁とのさまざまな連携も考えられますけれども、三陸海岸ということを考えますと、計画ができた段階で、私たちがどのようにそれに対応して、この復興に向けて考えを整理していくのかということが非常に大きな課題であろうと思いました。
 それから、最後にもう一つ、多くの先生方がおっしゃいましたように、森・海・川・里の連携をどのようなアイデアを持って、これから議論をしていただけるのかというのは、次の集まりあたりで恐らく情報も整理されるのだろうと思って期待しているところですけれども、流域の問題は、北のほうから一帯までの共通の課題でございますので、ぜひいいアイデアを出していただいて、あるいは私たちが出して、議論が続けられればと思っております。
 以上でございます。

○浜本委員 新しい三陸復興国立公園というところの考え方に基づきますと、特に国立公園の今後の利用という視点から考えると、今までですと、先ほどもほかの先生方もおっしゃいましたけれども、観光や、それに伴うエコツーリズムというもので、外からもしくは内外からそこの場所の利用が国立公園はほとんどだったと思いますが、今回の場合を申しますと、持続可能なそこに住んでいる人々の暮らし、生産活動が公園の今後の維持管理、もしくは、そこの生物多様性にも大きく貢献する、させていくというところが、もしかすると新しい国立公園の考え方や姿勢、あり方になっていくのではないかなというのを強く感じております。
 前回も申し上げたと思いますけれども、この三陸の地というのは、海があってすぐそこの内陸に短い耕地があって、その裏がすぐ森という場所がほとんどで、大きな震災を受けたほかの地域のように、そこに大きな平地が広がっていて、そこが都市部になったり、広大な耕地というところが、この三陸海岸沿いには、仙台とかの一部ぐらいしかないところです。そういう特色的なところも考えますと、公園内の特に再生が不可能なのではないかと思われるところのほとんどが、耕作地であるような場所もたくさんありますので、そこに住んでいる方たちは、農林水産業を持続可能にしていくことが公園の維持管理にも大きく貢献しているという考え方を、ぜひとも農林水産省の考え方や視点と整合性をしっかり持って進めて欲しいと思います。例えば、耕地をどんなふうに再生させていくのかとか、林業や漁業というものにどのような形の、今までの単なる保護とか、保護の手をかけるとか、水・土の利用にある程度の縛りをつくるというのではなくて、利用していくことのあり方というものに、ほかの省庁の考え方とも立派な整合性をもって、長期に及んで50年、100年かけて新しい国立公園や、そこの土地のあり方、生物多様性をこんなふうにして復興させてきましたよという、そういうあり方というものを検討していくべきではないかなというふうに感じております。

○大久保委員 非常にユニークな発想で期待していますし、興味があるのですが、そういう中で、この1年半ぐらいの生物多様性の絡みで、東南アジアのいろんな政府機関あるいは団体とも接触した中で、やはり里山イニシアチブに対する期待といいますか、日本がどういうモデルを出してくれるのかということに対する期待があるように感じております。東南アジアというのは、みんなどこもある意味では里山あるいは里海という形で、なりわいと自然との調和を図っていっている。その中でどういうモデルを出してくれるのかという興味が、非常に彼らに強いという印象を私は持っておりまして、そういう意味で、先ほど武内部会長からお話があったように、一つの環境モデル地域としての定義というのは、ぜひ中心に置きながらやっていただきたいなという感じがしております。これが1点。
 もう一つは、私ども経団連という立場もあるのですが、民の力をどう活用するのかという仕組みが今のところ全く見えない。やはり国・県・市町村というような官の行政区分の問題もありますし、その中にどういう形で本当に入り込んでいって、かなり時間も何年間かかかるわけで、ボランティアであるとか寄附であるとか、そういったものをどういう形で結集して力にするのかという視点をもう少し入れていただきたいなと。
 それから、3点目は、これはもう本当につけ足しのようなものですけれども、こういう自然災害のアーカイブは日本各地にございますけれども、50年後、100年後を見据えて本当にいいものを、災害についていいものというのも変ですけれども、本当に根本的な意味で参考になるようなものをつくるという覚悟で取り組んでいただきたい。その3点でございます。

○中村委員 ありがとうございます。三つぐらいありますが、一つは、今現在、生物多様性の地図化を環境省としてもやっているということで、先ほどの震災後の被害状況について、自然区分的なものしか書かれていないのですが、ほかにもさまざまなデータを持っているし、その中で具体的に地図化して議論していく必要があります。例えば、他の防災計画との整合性を図るときに、統計的な資料ではなく、やはり地図として落としていくというのは重要だと思います。どこを守らなくちゃいけないか、どこならば事業を進めてもいいのかといった、そういった議論も、地図化によってより整合性のあるものになってくるのではないかと感じました。
 それから二つ目は、私自身、森・川・里・海の議論というのは重要だと思ってますし、私も流域の問題を取り扱ってきました。ただ、どうもこれを前に出そうとしたときに、震災・津波との兼ね合いがいまひとつ私の中ではっきりしてこない。津波という今回の自然かく乱が、森・川・里・海の連環にどういう影響を及ぼしたのかが理解できれば、その再生に必要なことは何なのかということが見えてくると思うのですが、今のところ何となく三陸沖で議論されてきた森は海の恋人的な、そのスローガンの中で扱われていて、私としては、今回の災害との兼ね合いがいまひとつ見えなくなっているというふうに思います。そういう意味では、それを明らかにすることが具体的に進める上で重要ではないかと思いました。パワーポイントの中では、森が栄養塩を供給するというふうに書かれていたのですが、本当かなと思いました。むしろ農地のほうが栄養塩を供給しているはずじゃないかというふうにも思いました。
 最後は、災害との絡みで国立公園をどう捉えていくかというのは、火山防災関係では今までいろんなことをやられてきたのではないかなと思います。例えば、北海道でいうと有珠山が70年代と90年代で2回噴火して、その中で多様性を保全していく、もしくはかく乱と遷移の見本として、国重視していくとか、避難する場所の防災空間として確保するとか、学校等も移転して何とか両立を図っていくような、そんな仕組みも市町村から意見を聞きながらやっていったというふうに記憶しています。津波はもちろん火山噴火と違うのですが、国立公園内でどうやってそういう整合性をとっていくかということでは、地域の復興も含めて、参考になるのではないかという感じがしました。
 以上です。

○小泉委員 地域再生計画に関してお話しします。現地で聞き取りしましたら、早く家を建てたいのだけれども、規制があってできないというのが結構多いですね。それは、国の方向がそうなっていまして、高台に移転するとか、そのためにあまり勝手に家を建てたりするなという話になっているのですが、その計画に対してもうちょっときめの細かい復興計画が必要だと思います。
 今、地図化の話が出てきたのですが、実は地域の被害状況を見ていますと、場所による差が非常に大きいですね。リアス式海岸ですから、突出したところはあまり被害がでていません。国立公園では景勝地がそのままの形で維持されているところが多いです。これはだめになったのではないかというような岩がちゃんと残っていたりして、そう大きく被害は受けていない感じがします。ただ、北茨城の五浦海岸は六角堂という名所が流されたりしていまして、場所によっては被害があるのですが、全体としては突出部は被害が小さいですね。低地部は被害が非常に大きいのですが、よく見ると、一律に全部大きいというわけではなくて、場所によってかなり差があります。国土地理院が資料を出していますけれども、今回の巨大地震で、地震の震源に向かって、つまり太平洋に向かってですけれども、かなり水平移動しました。大きいところは何メートル分か動いたはずです。動いたために、海岸地域が沈下してしまいました。これも大きいところは1メートルを超えています。それから岩手の内陸部や松本といった、内陸部で地震が起こったりしました。
 低地でも被害に違いがあった一つの原因は、流域の地形です。例えば大きな川があって、流域が大きくて、そこから土砂が出てきて沖積地が減るようなところ、例えば宮古とか大船渡とか気仙沼あたりですけれども、山のほうから下っていってもしばらく被害はありません。これは、川沿いの沖積地だからです。海に近づいた途端に被害が出てくる。また同じ海に近い場合でも、被害が比較的小さいところと、かなりひどいところが出てくるのですが、これを表現するにはかなり細かい地図をつくっていかないとだめだと思います。単に津波がここまで来たという地図だけではなく、家がちゃんと残っているようなところ、それから全面的に流されちゃったところ、いろんな段階があると思いますけれども、その段階に応じて地図をつくって考えていく必要があるだろうと思います。
 それから、流域がほとんどなく大きな川もないところでは、地盤沈下が非常に強く出ているような気がします。陸前高田とか南三陸、大槌あたりがこれに当たります。そこには今まで市街地だったところが海面下に没してしまって、とてもここは市街地だったとは思えないような場所もあります。そういう場所は流域が狭く、山が背後に迫っているという特徴があります。そのためもろに津波を受けた上、地盤沈下がそれに追い討ちをかけたことになってしまいました。
 復興計画を立てたり、それから、森・里・海のつながりと考えたりするときに、今述べたように流域があるのか、ないのかとか、地盤沈下がどうなっているかとか、そういうことをちゃんと踏まえていく必要があるように思います。さっき紹介したように、元の場所に早く家を建てたいという希望が強くあります。まだ国全体の方向がはっきり決まっていないので、住民は困っています。自分の家がここだという場所がある、そこに住みたい。でもオーケーが出ない。だけど、その中には今建ててもそんなに問題ないところも、もちろんあるわけですね。そういうところを早くしないと、地域の復興にならないのです。
 今すぐに家を建てて特に問題ないようなところもありますし、それから埋め立てて土地を造成してからでないとだめだというようなところがある。中にはもう完全に海に戻ってしまっていて、ただ放置するしかないのではないかと思われるような場所もあります。これはもう国で買い上げるか何かしてやっていくしかない気がします。いずれにしても、いろいろなケースがありますので、復興計画を立てるときは、そこまできめ細かい地図を作って考えていかないと全然進みません。大風呂敷をかけてしまうと、とてもだめだという感じがします。
 その辺のことを考えると、環境省の場合も、たとえば森・里・海のつながりを考えるときには、そういうふうに細かく見ていく必要があると思います。沈下して海になったところは、放置した後、そこはどうなっていくのか、まさにモニタリングが必要だと思います。藻場になっていくのか、あるいはだんだん干潟化していくのかとか、その辺りを見ていくことが必要だという感じがします。
 次にジオパークのことについて述べます。たとえば大きな津波で巨大な船が陸上に上がってしまった。あれは確かに津波のせいですから、当面、見る度に心が暗くなるということがあると思います。しかし何年かすると、そういう記憶がだんだん薄くなって、逆にアーカイブというか、津波を記録する重要な遺物になっていくのではないかと思います。ですから、何から何まですぐに片づけてしまうというのではなく、多少は記録として残しておくことが必要じゃないかというのが一つです。
 それから、もう一つ蛇足ですが、国立公園に行きますと、ちょっとだけ崩れたくらいのところに立入禁止が増えています。立入禁止にしたがる気持ちもわかりますが、何でも立入禁止にしてしまうと、やっぱりこれは具合が悪い。危険なところは危険だということを言った上で、それを承知で行きなさいというようにしていただきたい。前の奥入瀬渓流の裁判のことがありますから、なかなか強く出られないのだと思いますけれども、要するに、これから先は自己責任で行ってくださいということを明記した上で、立入禁止ではなく、ちゃんと行けるところは行けるようにしていただきたいというのが一つの希望です。危ないところが景勝地だったりすることがよくあるんです。そこに行くなということになってしまうと、「私は国立公園のこれを見に来たのに行けないじゃないか」ということになってします。早く復旧するか、あるいは自分の責任で行けという形にするか、どちらかだと思いますが、立入禁止にする前にまず検討していただきたいということです。
 以上です。

○下村委員 答えていただく時間がだんだんなくなってきたので、大体皆さんのご意見と重なっているのですが、一言ぐらい言ったほうがいいかなと。
 2点あります。一つは、白幡委員がおっしゃっていたように、今回復興ということで割とぱっと出されていますけれども、公園内容について、かなり大きく踏み出しておられるところがあります。ただ、それは割と時代の流れに合っていくもので、基本的に世の中の資源性が変化してきている中で、守り方もあるいは利用の仕方も大分変わってきているということだと思うのです。ですから、それを制度的にどういうふうにちゃんとサポートしているかというところと結びつけていかないと、恐らくもともと地域振興とか復興と関係のない概念ですので、それと結びつかないと思います。
 ですから、公園計画とか管理計画とか、あるいは事業をどういうふうに結びつけるかということとか、そういう観点の立て直しをしないといけない。しっかり資源性が変わってきて、制度も改定していくのは、タイムラグの問題があると思いますが、それを認識する必要があるということが一つです。
 それから、二つ目は、それとも関係しますけれども、さっきから出ている地域指定をどうするかと。時間的な問題がありますので、とりあえずのものと、それからあと、行く行くどこまで指定を広げるかというのと、それからもう一つは、武内部会長がちょっとおっしゃった環境モデルの中で恐らくネットワークという話があると思います。特に東北の沿岸域は内陸部と結びつきが非常に難しくて、街道なんかも、実は浜街道があったり閉伊街道があったりとか、ブロック系になっているわけですね。僕は宮古を調査したりしているのですが、見ていると、古い絵の中に早池峰が描かれています。ですから、そういうところの結びつきをネットワークというような概念をどう入れるか、地域指定と同時に、地域指定は時間の問題があるでしょうし、それにさらにネットワーク概念みたいなものも入れて復興と結びつけていくというようなことが必要なのかなと。

○武内部会長 どうもありがとうございました。今までのご意見、大変貴重なご意見が多かったわけですけれども、これを踏まえて、私が先ほど申し上げた1、2、3に加えて0というのをつくるとすると、0というのは、要するに基本的な考え方の整理です。何かというと、そのうちの1番が国立公園という概念の検討、これは特別だというのか、あるいは少し踏み込んで国立公園という概念を少し拡大するような方向で、それはやっぱり大事だと思います。
 それから、森・里・海の連環というものについて、もう少し具体的な中身についての議論です。これがどうしても必要だと。若干観念が先行という感じです。具体的にどうするか、どういう観念にするか。
 それから、三つ目が、民間とのパートナーシップという問題です。それらあたりは諮問の内容を少し超えているかもしれませんが、こういう場で議論するに値する内容だと思いますので、それも踏まえて次回以降、検討していきたいというふうに思います。
 大体そんなところで、皆さんよろしいでしょうか。
 それでは、まず、局長からお話をいただけますか。

○自然環境局長 1回目の会合ということで、大変いろんな角度から貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。今、武内部会長からもお話をいただきましたけれども、今回の三陸の国立公園づくりの検討を進めていく中で、私たちとしても国立公園のこれからの役割というのでしょうか、どういう枠組みとして国立公園を考えていけばいいのかということにつながるような議論ができればなというふうに思っています。
 その中で、地域の生産活動をどう位置づけていくのか、あるいは、民の力を活用する枠組みをどうつくっていくのかというようなことも含めて、国立公園の枠組みなり役割というのも考えていけたらというふうに思います。
 そして、環境モデル地域というようなこともありました。おそらく国立公園だけがそういうのを担うわけではなくて、各省のいろんな施策も含めて、この三陸あるいは東北の地域が環境モデル地域としての取組を発信していく、そこにつなげていくことがとても大事だなというふうに思いました。ネットワークという話もありましたし、国立公園の内外にわたって、いろんな施策とどう結びつけていくのか、そこもすごく重要な点になるのではないかなと感じたところです。0、1、2、3という整理もいただきましたし、いろんなご意見もいただきましたので、今日いただいた意見を踏まえて、事務局で次回の会合に向けて材料をつくって、さらに具体的な検討をしていけるようにしていきたいというふうに思います。
 また、スケジュールの関係もありますけれども、現場に詳しい方のお話をヒアリングするようなことも、場合によっては3回の年内の会合の中で組み込むこともできたらと思っています。次回会合に向けて事務局が準備していく中で、個別に皆さんにいろいろアドバイスをいただくようなご連絡をさせていただければと思いますので、よろしくお願いします。今日はたくさん意見ありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。国立公園課長、何かございますか。

○国立公園課長 先ほど部会長におまとめいただいた話と、局長からお話をしたとおりでございますけれども、特にこれと並行して、市町村との関係も大変重要だと思っています。今回、関係県の方に来ていただいておりますけれども、先ほど小泉委員のお話もございましたように、地域によって相当被害の状況に違いがあって、スピード感も全然違うというのがありまして、そのあたりの扱い方というのは、我々としても苦慮している部分がございますが、いずれにせよ、一発で全部姿を見せなきゃいけないかもしれませんけれども、いい考え方を、とにかく最初は整理をしていただきまして、それをどういうスケジュール感で実現をしていくのかと、そのあたりがうまく盛り込めるようなことを考えていければいいのではないかなと考えております。
 また、これは磯部委員からモニタリングの関連で、砂の堆積のご質問がありましたけれども、環境省ではそこまではやっておりませんで、むしろ国交省のサイドでやっている可能性もありますが、調べてみたいと思っております。

○武内部会長 どうもありがとうございました。今日、特にご質問の部分で、まだ具体的にお答えをしていないと思いますが、今日の議事録を踏まえて、次回にはご質問の内容について、それを反映した形で資料を用意していただくということにさせていただきたいと思いますので、ご了承いただければと思います。
 それでは、事務局にお返しします。

○事務局 長時間にわたりご審議いただきましてありがとうございました。本日の会議資料、取扱いは公開でございますので、よろしくお願いいたします。
 委員の皆様ですが、本日配付の資料につきまして、ご郵送をご希望の委員の方がおられましたらば、お手元に用紙を用意しておりますのでご記入の上、机の上に置いていただければ、事務局から送付させていただきます。
 本日は長い間、どうもありがとうございました。

午後0時00分 閉会

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