中央環境審議会自然環境部会(第16回) 議事録

開催日時

平成24年3月1日(木)13:30~16:30

開催場所

環境省第1会議室

出席委員

(23委員)

議題

  1. (1)白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
  2. (2)三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について(とりまとめ)

配付資料

資料1:
白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更に関する資料
1-1:
白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要
1-2:
白山国立公園指定書及び公園計画書(案)
1-3:
白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更に関する説明資料
資料2:
国立・国定公園内における地熱発電事業の取り扱いに関する資料
2-1:
地熱発電事業に係る環境影響検討会
2-2:
国立・国定公園内における地熱発電に係る通知見直しに向けた基本的な考え方(案)
資料3:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について
3-1:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(答申)(案)の概要
3-2:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(答申)(案)
3-3:
東北海岸トレイル(仮)構想に関する意見交換会結果概要
3-4:
グリーン復興プロジェクトに係る取組(案)の概要
3-5:
欠席委員からの書面意見
参考資料:
東日本大震災からの復興の基本方針(抜粋)
参考資料:
東北地方太平洋沿岸の自然公園等の指定状況

議事録

午後1時31分 開会

○司会 定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を開催したいと思います。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数のご報告をいたします。本日は、所属委員34名のうち23名の先生方にご出席いただいております。
 本日の審議のためにお配りしております資料につきましては、配付資料一覧のとおりになっております。確認させていただきます。
 資料1が白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更に関する資料で、1-1「白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要」、1-2「白山国立公園指定書及び公園計画書(案)」、1-3「白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更に関する説明資料」になっております。
 続きまして、資料2が国立・国定公園内における地熱発電事業の取り扱いに関する資料で、2-1「地熱発電事業に係る自然環境影響検討会」、2-2「国立・国定公園内における地熱発電に係る通知見直しに向けた基本的考え方(案)」になっております。
 資料3が三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてで、3-1「三陸地城の自然公園等を活用した復興の考え方(答申)(案)の概要」、3-2「三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(答申)(案)」、3-3「東北海岸トレイル(仮)構想に関する意見交換会結果概要」、3-4「グリーン復興プロジェクトに係る取組(案)の概要」、3-5「欠席委員からの書面意見」、参考資料1「東日本大震災からの復興の基本方針(抜粋)」、参考資料2「東北地方太平洋沿岸の自然公園等の指定状況」になっております。
 配付漏れ等ございましたらば、お申し出ていただければと思います。
 それでは初めに、自然環境局長、渡邉よりごあいさつ申し上げます。

○自然環境局長 自然環境局長の渡邉でございます。本日は、年度末大変お忙しい中、自然環境部会にご出席いただきまして、ありがとうございました。
 東日本大震災から、間もなく1年が経とうとしております。環境省では、昨年3月に震災が起きて以降、三陸の自然公園を活用した再生復興プランを考えていければという思いで、三陸復興国立公園の実現に向けた検討を進めてまいりました。そのあり方、あるいは考え方について、昨年8月に中央環境審議会に諮問をして、この自然環境部会で、これまで9月、10月、12月と、3回にわたって議論を重ねてきていただいております。個別にも、委員の皆さんはじめ、様々な方々からアドバイスをいただいてまいりました。また、現場に入って、関係の自治体や地元の皆さんのご意見やご提案を伺う機会も設けてまいりました。
 本日は、これまでのご議論、そして地域からいただいた意見や提案を踏まえて、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方、この考え方についての答申案を準備いたしました。それをもとに、答申の取りまとめのご議論をお願いしたいと思います。
 この考え方につきましては、三陸復興国立公園の基本となる理念や基本の方針、そしてプロジェクトを進めていく方向性を決めていくものということで、実現に向けて大変重要なステップと考えておりますので、ぜひ積極的なご議論をいただけたらと思います。
 もう一つの諮問案件は、白山国立公園の拡張に関するものでございます。一昨年のCOP10を見据えて全国の国立・国定公園の総点検を行って、新規の指定、あるいは大幅拡張の候補地というものを示してまいりました。昨年12月に諮問しました鹿児島錦江湾の拡張、そして西表島周辺海域の拡張、この二つの拡張に続いて、今回の白山も、この総点検を受けた拡張の案件となります。
 今回拡張いたしますのは、福井県勝山市の小原という地区になります。大変自然性の高い、まとまりのあるブナ林が分布をしていて、そこに猛禽類や大型哺乳類が豊かに生息しているといった地域でございます。今年は、白山国立公園が指定されてから50周年の節目の年に当たります。今回の拡張を契機として、白山の特徴を生かした自然環境の保全と利用のための取組みをぜひ進めていきたいと考えております。
 どちらも大変な案件となりますので、皆さんの活発なご審議をいただきますように、どうぞよろしくお願いいたします。

○司会 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内部会長にお願いいたします。それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 皆さん、どうもお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。今、局長からお話がありましたように、今日は二つの諮問案件についてご議論いただくということでございます。
 一つは、白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更、もう一つは、従前からご審議いただいております、三陸復興国立公園(仮称)に係るとりまとめに関することでございます。それから、この二つの議論の間に、今、非常に話題になっております、いわゆる原子力事故を踏まえての地熱開発に絡んで、国立公園との矛盾を避けて地熱開発をどのように許容していくかということが、今、大きな社会的な関心事になっておりますので、そのことについても報告してもらい、皆さんからのご意見をいただきたいということでございます。
 今日もまた長時間になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の審議会の進め方についてでございますが、白山国立公園に関する諮問案件について審議をさせていただきまして、その後、事務局からの地熱に関する報告、後半は、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてのとりまとめの議論を行うということにさせていただきます。
 部会は、公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。
 会議録は、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員の了承をいただいた上で公開するということにさせていただきます。なお議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開するということで、ご了承いただければと思います。また、会議資料についても公開となります。
 それでは、諮問、白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更についての審議に入りたいと思います。
 それでは事務局から説明をお願いいたします。

○国立公園課計画第二係長 国立公園課計画第二係長の桝と申します。
 白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更について、ご説明をさせていただきます。
 白山国立公園は、石川県、岐阜県、福井県、富山県の4県にまたがり、原生の状態を保った自然性の高い山岳公園です。標高2,702メートルの御前峰を中心とする白山山頂部は、火山の景観を呈しておりまして、ハクサンフウロなどの高山植物の大群落があり、その下の山腹には、日本海型のブナの自然林が広がり、猛禽類や大型哺乳類の宝庫となっております。
 白山国立公園は、昭和37年に国定公園を国立公園に昇格する形で指定されました。面積は、現在4万7,700ヘクタールです。
 利用状況についても、簡単にご説明させていただきます。白山国立公園は、この5年間、利用者数は約110万人程度で推移しています。利用形態は、金沢市外から市ノ瀬に至って白山山頂に至るという登山利用。その次に、金沢方面から白山スーパー林道を使って、白山国立公園を横断し、ドライブや温泉を楽しみながら白川郷に抜けていく、あるいはその逆といった利用が多くなっております。
 登山利用につきましては、メインの市ノ瀬の登山口のほか、大白川や石徹白、今回の小原地区についても、白山の中心部に至る入り口という形になっております。
 経緯についてですが、昭和37年に国立公園に昇格して、公園計画が決定された後、昭和53年に、公園区域と公園計画の全般的な見直し、再検討を行いました。これは、国立公園周辺3カ所を合計1,000ヘクタール拡張するとともに、稜線上の歩道周辺を第2種特別地域に格上げするなど、風致の保護の強化を図ったものです。その後、昭和61年と平成21年の2回、利用施設計画を対象とした点検を実施しました。さらに、平成22年度では、生態系維持回復計画を公園計画に追加し、現在、オオバコなどの外来植物対策に力を入れて取組んでいます。
 今回の変更は、平成22年10月に公表しました国立・国定公園総点検事業に基づき、白山が大幅な拡張候補地の一つに選定されたということを背景といたしまして、白山周辺について、自然や利用の観点から、改めて評価を行いました結果、今回、小原地区について拡張を行うということにしたものです。
 変更のポイントは、スライドに表示しておりますこの3点でございます。
 一つ目は、既存の白山国立公園の公園区域と同等の資質を持つ福井県勝山市小原地区2,200ヘクタールを公園区域に編入します。
 二つ目は、車道及び歩道周辺については、風致の維持を図るため第2種特別地域とし、それ以外は第3種特別地域とします。
 三つ目は、編入した区域を中心に車道、歩道、園地等の利用施設計画を追加します。この追加には、自然環境と一体となった地域の重要な歴史文化資源である禅定道を再評価して、利用施設計画に組み込むという変更も含まれております。
 今回の変更に伴う公園区域の面積の増加は2,200ヘクタールで、第2種特別地域の増加が934ヘクタール、第3種特別地域の増加が1,266ヘクタールです。
 それでは、ここから公園区域と公園計画の変更内容について、もう少し詳しくご説明させていただきます。
 まずは拡張する小原地区の写真でございます。稜線上からの展望に非常にすぐれ、日本海型のブナやチシマサザの群落の植生の状況を見ることができます。稜線より左が拡張区域となります。
 小原地区の位置は、白山国立公園の南西部に位置します。拡張する区域は、大長山、赤兎山、経ケ岳の稜線に囲まれた集水域で、ふもとにある小原集落よりも上流側に位置します。土地所有は、民有林になっております、隣接する既存区域は国有林野になっています。
 この区域の利用状況についてですが、標高550メートルの小原地区を起点とする林道が谷沿いを走っておりまして、標高1,200メートル付近まで至ります。この林道を利用して赤兎山への登山利用が非常に盛んで、その人数は、概ね、年間4,000人程度で、年々増加傾向にあります。
 小原地区では、古民家再生とか、あるいは林業や豪雪体験など、地域資源の保全活用の取組みが非常に盛んに行われていることでも有名です。小原地区の住民からは、国立公園指定が、これからの取組の弾みになるということへの期待がある一方で、ごみの投げ捨てとか、山菜、キノコ、ワサビの採取といったマナーの低下も懸念されるため、国立公園にしてしっかりと保全してほしいという声も聞かれまして、これも、今回の公園区域と計画の変更の背景の一つとなっております。
 次に、保護規制計画についてです。
 拡張区域の大部分1,549ヘクタールについては、隣接する白山国立公園の第3種特別地域と同等の資質を持つものとして、同じく第3種特別地域にします。具体的には、日本海型ブナの自然林、イヌワシやクマタカといった大型猛禽類の生息範囲になっているということや、ヤマネやオコジョといった哺乳類が生息している点を評価いたしました。
 また、大長山から赤兎山、経ケ岳に至る稜線上と、小原地区から赤兎山登山口に至る車道、これらの幅200メートルについては、第2種特別地域として周辺よりも規制を強化いたします。これは車道や歩道の利用者が自然探勝をする空間として、風致を維持する必要性が周囲に比べて高いと考えられるため、その両側の地種区分を一段高くするものです。
 もちろん、これは単純に、車道や歩道周辺だからと言って、機械的に地域区分を上げるというものではなくて、地域住民から寄せられた利用上の懸念というのを解消するといった観点、稜線の景観が優れているという観点、稜線上にある湿原などの特有な植生といった国立公園としての資質の観点から、第2種特別地域とするのが適格であるとの結論に至ったものでございます。
 次に、利用施設計画について、ご説明いたします。
 小原地区の編入、小原地区の新たな編入部分、これを受けまして、関係する車道、園地をそれぞれ一つずつ追加するとともに、もともとあった歩道を再編成して、5つの歩道を6つに再編成いたします。
 まずは車道についてですけれども、小原集落から小原峠のふもとに至る林道を、車道計画に位置づけます。終点は、平たん地になっていまして、車も停めるスペースもあることから、登山の拠点として廻り池園地計画を配置することで、適正な利用を進めていきます。
 さらに、先ほど申し上げました林道の終点の部分から林道の終点廻り池園地を起点としまして、赤兎山への登山、さらには、白山核心部の三ノ峰への登山利用がなされていることから、これを1本の歩道として位置づけます。
 白山登山基地市ノ瀬、この北のほうですけれども、市ノ瀬から赤兎山に至る登山道については、小原峠に至る歩道という形で位置づけ直します。また、福井県勝山市の平泉寺を起点として白山の核心部に向かう歩道については、白山に登拝するための古道、禅定道の一つであったことから、これを越前禅定道線歩道道路として位置づけます。
 なお、禅定道については、必ずしもすべてのルートが詳細に明らかになってはいないため、公園区域を拡張する区域内については、車道と沿うような形で公園計画を位置づけます。
 従来の、先ほどの平泉寺から経ケ岳に至る歩道については、その多くを越前禅定道として位置づけ直したため、その残りの部分については、禅定道と経ケ岳方面に至る歩道との連絡歩道という形で位置づけ直します。
 また、従来の経ケ岳三ノ峰線道路だった部分については、赤兎山部分以降が、先ほどの小原三ノ峰線道路に振りかえられたため、その区間を短縮しまして、公園外から赤兎山に至る歩道とします。さらに、小原峠から新しく編入する区域の稜線上を通る歩道を、公園計画として位置づけます。
 そのほかの利用施設計画の変更です。
 これまで白山の登山基地でビジターセンターが整備されている市ノ瀬集団施設地区に隣接して岩屋俣谷園地があります。この園地は、環境省の所管地となっておりまして、集団施設地区の利用者がそのままこの林内を散策して、白山を眺望するというような利用がなされております。こうしたことから、集団施設地区と一体的に園地を管理するため、園地を集団施設地区に位置づけます。
 最後に、白山室堂(園地)については、園地の事業決定範囲が岐阜県にも及んでおりますが、これまで公園計画上の園地の位置が、石川県のみとなっていましたため、これを機会に、公園計画の位置についての記載を、岐阜県も含むものとして修正をするものです。
 最後に、今回の拡張を受けました白山国立公園の今後の取組みについてです。
 まず、越前禅定道や小原地区を活用して、エコツーリズムの定着など白山国立公園における多様な利用を推進します。エコツーリズムにつきましては、環白山保護利用管理協会、これは、環白山の四つの県の自然保護や環境教育、地域活性化、調査研究をするNGOや自治体などからなりまして、環白山地域の保全と持続可能な地域振興を目指す団体でございます。これが、エコツアーのコンテンツの開発などを、本年度から本格的に始めました。環境省は、さまざまな事業を通じまして、これの取組みに助言や知恵出しをして協力するとともに、核心部に至る歩道や登山道の施設整備を進めることで貢献していきたいと考えております。
 また、白山国立公園の原生的な自然を保全するため、外来植物対策などを引き続き推進していきます。これは白山全体の課題でありまして、生態系維持回復事業検討会を設けて、関係機関で情報共有を進めながら取組を進めていきます。
 さらに、冒頭局長からのあいさつからもありますとおり、今年平成24年は、白山国立公園指定50周年です。これを契機といたしまして、国立公園の管理・運営について、環白山協会や関係行政機関など様々な機関、団体と連携した取組みを一層推進しまして、魅力的な国立公園をつくってまいりたいと考えております。
 諮問内容に関するご説明は以上となります。ご審議のほどをよろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、委員の皆さんからのご意見、ご質問をお受けしたいと思います。土屋委員、お願いいたします。

○土屋委員 外来植物対策を引き続き推進すると最後にありましたが、どういう問題が起きているのか、教えていただけますでしょうか。

○武内部会長 後ほど一括ということで、お願いしたいと思います。マリ・クリスティーヌ委員。

○マリ・クリスティーヌ委員 何度か白山には行かせていただいているんですけれども、今度、このように公園区域が広がることについて、例えば、今、シナノキ平というところの小屋が非常に朽ち果てているような状況であったり、以前から、登山道に木道をつくっているところがかなり傷んでいて、落ちているところもあって、地元のNPOの方々が、それを自分たちに任せていただければ、やらせていただきたい、きれいにしますと言っている。でも、なかなかそういう許可、または仕事として、一般のNPOに対しては、ボランティアとはいえ、少なくても人件費が少しは必要ですので、そういうのはなかなか現実化できない状況にあります。今回区域が拡張されることによって、そういう活動というのはもっと活発になれるような状況ができてくるのか。
 それと、やはり落雷とかいろいろな問題で、そういう朽ち果てているような避難小屋というのを、もう一度整備をし直してもらわないと、なかなか登山するのにもちょっと危ない状況もあるので、今回の公園区域・計画の変更がそういうところにまで及ぶのかをお聞きしたいのです。

○武内部会長 速水委員、お願いします。

○速水委員 ありがとうございます。歩道のところで越前禅定道については、禅定道として確実にわかっていない部分があるとのお話がありました。一つは、歴史的な道として認識するのと、今回の国立公園の中の歩道として確保していくというのと、多分、ある意味二つとらえ方があるんだろうと思うのですけれども。
 こういう古い歩道は後で、こっち側のコースに本来の古い道があったとか、結構後で出てきたりするんですよね。ここで国立公園の歩道としてきちんと決めてしまうと、そういう時の対応ができるのではないか。地元の人たちがそういうものを見つけて、こっちに歩道がありましたよとかいう話があるときに、どういう対応ができるんですかね。ちょっと興味があるので、お教えいただければありがたいです。

○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。よろしゅうございますか。
(なし)

○武内部会長 それでは、事務局から、お答えをお願いいたします。

○国立公園課計画第二係長 それではお答えしたいと思います。
 まず最初に、外来植物についてはどういった問題が、具体的に起きているのかというようなご質問でした。外来植物の問題自体は、昭和50年時点から認識がされております。その後、オオバコなどの低地性の植物が、大体、標高2,000メートルぐらいまで確認をされていたという話が沸き起こっていました。平成13年に、石川県の白山自然保護センターが調査しまして、それから次第に分布状況が明らかになってきました。平成22年には、4県全域で、登山道の沿線とか利用拠点の調査によって33種もの外来植物が生育しているということ。高山域に定着して分布を広げているというような問題。それと、さらに在来植物の交雑、これは白山には白山特有のハクサンオオバコという植物があるんですけれども、それと、下から種を持ち込まれてきた普通のオオバコとの交雑があるのではないかと懸念されている状況で、調査も進めております。
 こうしたこともあって、先ほど申し上げました生態系維持回復事業というのを策定いたしまして、関係機関と連携をして取組を進めてところです。ちなみに、対策としては、これらの植物を除去し、ボランティアなどにたくさん来てもらって、採っていくということ。あるいは種子の進入を防止するという意味で、種子除去マットや種子除去ブラシを設置すること。これは、今ご紹介しました赤兎山も含めてのことです。あと、外来植物の状況のモニタリングを、引き続き環境省でも進めていきたいと考えております。
 また、禅定道のところのお話がございました。禅定道のわかっていない部分はこの車道沿いの区間でして、それ以外の区間は大体明らかになっており、公園計画として位置づけております。
 不明確の区間についても、今後いろいろな遺物とか遺構とかが出てきて調査が進んでいくと思いますので、もしルートが明らかになるのであれば、また審議会にもお諮りして、しっかりと公園計画が禅定道の本来あるべき姿になるような形に、速やかに変更させていただければなと考えております。
 三つ目のシナノキ平の小屋の状況とか、あるいは木道の話、維持管理を自らやりたい団体がいるけれども、なかなか制度的な関係、予算的な関係でできていないという現実があるのではないか、これらの活動を活発にするためにはどうしたらいいのかというところについては、白山国立公園の現場を管理している中部地方環境事務所から野村課長が参っておりますので、ちょっとお答えをさせていただければと思います。

○中部地方環境事務所 中部地方環境事務所の野村と申します。私のほうで白山の国立公園の日ごろの管理、整備等を担当しておりますのでお答えをさせていただきます。
 避難小屋ですとか木道の施設が老朽化しているというところにつきましては、環境省直轄で整備できるものと、地元の県のほうと分担して施設の更新等を進めております。具体的には、昨年の夏に、甚之助避難小屋というところを、環境省のほうで整備をいたしました。それ以外の避難小屋につきましては、今後また地元の石川県ですとか岐阜県、そういった関係県と一緒に、県のほうでも整備をしてくださいというお願いもしております。そういったことで、登山者の安全を図るということは鋭意進めておりますので、ご理解をいただければと思います。
 それから、地元の団体で維持管理を任せられないかというお話につきましては、先ほど桝からお話ししましたように、環白山保護利用管理協会というところが、環境省の直轄で整備した木道の維持管理の仕事などをしております。また、その所属の団体もそういった能力を有しているところはあると、私も承知しておりますので、そういうところにご活躍いただくような取組をやっていきたいと思います。どうもありがとうございます。
 それから、外来植物のご質問について、私のほうからちょっと一つ補足をさせていただきます。桝から、ハクサンオオバコとオオバコの交雑のおそれがあるという話をしましたけれども、実際に交雑したものが、現場にもう生えているということでございますので、そういったところについては優先順位を高くして、駆除の作業を進めております。
 簡単ではございますが、以上です。

○武内部会長 よろしいですか。
 それでは、もし、そのほかご意見がないようでございましたら、本諮問、白山国立公園の公園区域及び公園計画の変更については、適当ということにさせていただきたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

○武内部会長 ありがとうございます。
 それでは、本件については、適当と認めることにさせていただきます。
 それでは、次に事務局から、先ほどの地熱関係の報告事項があるということでございますので、よろしくお願いいたします。

○国立公園課長 国立公園課長の桂川でございます。
 それではご報告事項といたしまして、地熱発電事業に係る検討の状況について、ご説明させていただきたいと思います。資料は、右肩に資料2-1、2-2と書いてあるものでございまして、まず2-1からご説明をさせていただきます。
 こちらですけれども、囲みが二つございまして、平成22年6月の規制・制度改革に係る対処方針についての閣議決定の抜粋、そしてまた紙の中ほどでございますが、23年の11月のエネルギー環境会議のアクションプランの抜粋が書いてございまして、それぞれ地熱についての文言が書いてございます。
 閣議決定では、過去の通知を見直し、傾斜掘削について、個別に判断する際の考え方を明確にするとともに、地表に影響のない方法による事業計画であれば許可できる旨新たに通知する。また、アクションプランにつきましては、閣議決定とほぼ同様なことに加えまして、自然公園の区分や開発段階ごとに、許可が可能となる要件や方法を検討し、明確化する。あわせて、優良事例の形成を図るということが書かれております。
 私どもといたしましては、こうした閣議決定、またアクションプランを受けまして、地熱発電についての自然環境への影響、あるいは国立・国定公園における風致景観上の支障、こういうものがどうなのか、そしてまたその軽減策としてはどのような方策があるのかということについての検討を行ってきたところでございます。
 平成23年の6月から検討会を開始いたしまして、地熱開発側の委員の方3名と、自然保護風致景観側の委員の方3名、それぞれのほうからご意見をいただきながら検討会を進めてまいりまして、さきの24年2月14日、約2週間ほど前でございますけれども、第5回の最終の検討会を終えたところでございます。この検討会におきましては、先ほど申しましたように、地熱発電というものが自然環境や風致景観、あるいは公園利用に対してどのような影響を与えるのか、また、その影響を軽減するための技術や手段としてどのようなものがあるのか、そういうところに着目をして検討を重ねてきたところでございます。
 これにつきまして、基本的な考え方というのを最終回のときに取りまとめをいたしましたのですが、1枚めくっていただきますと資料2-2ということで、国立・国定公園内における地熱開発に係る通知見直しに向けた基本的考え方(案)というペーパーでございます。ただ上に書いてございますように、これはまだ未定稿の段階でございます。最初に申し上げますけれども、この基本的考え方につきましては、委員の方々の意見の一致を見ることがない部分がございまして、結果的に、最後、両論併記というような形で終わるようなことになりましたので、現在委員の方々からのご意見を聞きながら、最終の文案を詰めておるところでございます。
 これをめくっていただきまして、6ページのところをご覧いただけますでしょうか。
 6ページのところに、最終的な取りまとめとして、7.国立・国定公園内における地熱発電事業の基本的考え方というのが書かれております。ここに書いてございますのは、これまでいろいろと自然や風致に与える影響を軽減するために技術の開発や、あるいは対策が図られてはきたものの、依然として幾つかの課題が残されているということを、まず指摘をいたしまして、6ページ目の一番下の方の段落でございますけれども、これらのことから、今後とも地熱発電事業の立地は、特別地域など自然環境保全上重要な地域及び公園利用者に影響の大きな地域は原則として避けるべきである、少なくとも特別保護地区及び第1種特別地域においては避ける必要があるというように、まず記載しております。その上で、6ページ目の一番下の行でございますが、一方、普通地域については、風景の保護上の支障の有無等について個別に検討して、その可否を判断するということを示しております。
 7ページに続きますけれども、坑口をボーリングするサイトを、普通地域もしくは公園外の地表部に置き、傾斜掘削によって第2種及び第3種特別地域内の地下深くの地熱資源を利用することは、地表へ影響を及ぼさないと認められる場合においては容認されるというようなご判断が出されております。
 ここまでは、言ってみますと、委員の意見の一致を見た部分でございます。その後に、さらに今後の課題についての意見ということで、幾つか論点が示されております。
 一つは、地表部に特段の影響を及ぼさない調査、MT法による電磁探査等の取扱いと書いてございますが、例えば、重力を測定する調査や、50センチほどの電極を地中に差し込んで行うような調査であれば、特別地域、場合によっては特別保護地区まで調査を行ってもよいのではないかということについてのご意見。
 2点目が、地熱開発側の行為が小規模で風致景観等への影響が小さなものや既存の温泉水を用いるバイナリー発電などで、主として地産地消のために計画されるものなどについての取扱いはどうだろうかという論点。
 三つ目が、国立・国定公園内の風致景観や自然環境の保全と再生可能エネルギーの利用を高いレベルで調和させるための実証としての優良事例の形成に資するものの取扱いという論点でございまして、こちらは地域における合意形成のあり方や、影響を最小限にとどめるための技術や手法、場合によっては、周辺の荒廃地や廃墟の対応策などのオフセットやミティゲーションの可能性、そういうものを前提とした特別地域における掘削や工作物の設置の可能性、こういうものを論点としてご意見をいただきました。
 調査につきましては、特別保護地区まで含めて、そのような、後に影響を及ぼさないのであるならばよいのではないかというご意見や、その場合であっても慎重に検討すべきであるというようなご意見いただいております。
 また小規模なもので地産地消に向けて行うようなもの、これは実際既に幾つかの温泉街などで、例というのはございますけれども、こうした小規模で、風致景観に与える影響も小さく、地産地消に資するようなものであれば、積極的に推進すべきではないかというようなご意見をいただいております。
 最後の優良事例の形成につきましても、こうした配慮が行われるのであるならば認めてもよいのではないかという意見や、またそれについても、さらに慎重に考えるべきであるというようなご意見をいただいております。
 そのような形で、この検討会につきましては、両論併記というような形でご報告をいただいております。
 また、その後でございますけれども、2月24日でございますが、このことにつきまして自然保護団体等から、地熱開発についてのご意見を聞く場を設けております。そのような形で、現在この検討会で示されました両論のご意見、そしてまた自然保護団体等からのご意見、そのほか各方面からのご意見をお伺いいたしながら、環境省として、最終的にどのように判断すべきか、現在検討しておるところでございます。
 時期の点で申しますと、3月末までには検討を終えまして、新たな通知を発出すると、そのような予定としておるところでございます。
 報告は、以上でございます。

○武内部会長 それでは、ただいまのご報告に関しましてご意見、ご質問ございましたらお願いしたいと思います。
 小泉委員、何かございませんか。専門ですよね。

○小泉委員 地熱発電は、自然エネルギーを活用しようという現在においては、大事なことのですが、環境に与える影響は結構大きいのが難点です。今までのケースを見てみますと、地熱発電所ではくみ上げた地下水を、またもとに戻します。戻すので環境にはいいということになってはいるのですが、どうしてもパイプが詰まったりしがちなので、また新しい穴を掘るということをやらなくてはいけない。それの繰り返しをやっているんです。ですから、一見していると同じようなところでやっているように見えるのですけれども、実は、かなり場所を変えています。
 今度の場合は傾斜掘削ですから、その辺がどうなるか。下手をすると、同じことになりかねないというおそれが多分にあります。ですから、この辺りはかなり慎重にやっていかなくちやいけないなという感じがしています。
 それから、地熱発電の適地はよく地すべりが起こる場所なのです。岩石が温泉変質ということを起こして、亜硫酸ガスや塩酸で粘土化しますから、その意味ではかなり危険なところがあります。今のところ幸い、大きな事故は起こっていませんけれども、これがどんどん波及していった場合、そういうことが起こる可能性は多分にありますから、そこは慎重にやっていただいたほうがいいなという感じがします。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。西岡委員どうぞ。

○西岡委員 現在、低炭素化を図るということで、この地熱発電というのは非常に期待を持っているわけでございますけれども、一方、環境の面からいって、非常に問題もあるということでございます。私の質問ですけれども、一番最初にあります、特段の影響を及ぼさない調査への取扱いと書いてありますが、この内容についてちょっとお伺いしたい。なぜかといいますと、私が委員になっている地球環境部会のほうで、大臣から再生可能エネルギーを最大限に取り入れるべきという指令をいただいておりまして、どれくらいポテンシャルがあるのかとか、それから、どこまで開発するかということも含めて、どれだけそれがアベイラブルであるかということを知っておきたいということもありまして、この調査ということの取扱いで、何が、どういう問題があったのか、ちょっと教えていただきたい。

○武内部会長 じゃあ、今のことについて。

○国立公園課長 まず小泉先生からのご助言でございます。ありがとうございました。
 確かに、地熱発電につきましては、せっかくボーリングをしたところでも、出てくる蒸気が減衰する、あるいは地中に返す還元水のパイプが詰まるといったようなことによって、改めて再ボーリングが必要になるケースがございます。まさに、発電所の状況次第でケース・バイ・ケースでございますけれども、そのように土木工事が繰り返されることにもなりかねないということは承知した上で、ただいま検討させていただいておるところでございます。
 また、今の西岡委員からのご質問でございますけれども、調査ということでございますが、最終的にはボーリングなども必要にはなってくるのですけれども、ボーリング自体に1本2億円ぐらいの費用もかかりますので、業者の方に聞いてみますと、やはりかなり広い範囲で、まず地表の調査をして、ある程度目星をつけたい。その場合の調査としましては、現在私どもが伺いまして想定しておりますのは、一つは、地上の重力の状況をつぶさに調べるということで、これは地面に三脚を立てて調べるというような形ですので、あまり問題はないと思っております。
 もう一つは、地中に約50センチほどの長さの電極を差し込みまして、微弱な電流を流して、その状況を調べるというものでございまして、こちらも、その程度のものでございますし、機器も、人力で運搬可能なサイズでございますので、特に調査のための移動や、調査機器の設置も、あまり問題がない。そのようなものを想定して、これについてはどう見るべきかというような検討をさせていただいておるということでございます。

○西岡委員 両論併記という意見でございますけれども、これはどういう点で論が分かれるということなのですか。

○国立公園課長 今のお話でございますが、調査につきまして、そのような軽微な調査であり、あとも原状復旧が見込めるのであるならば、特別保護地区まで含めて調査を認めてもよいのではないかというご意見と、そうは言っても、特別保護地区については、たとえ学術調査といえども厳しい制約のもとで行われるわけですから、慎重に検討すべきではないか、そのようなご意見がございました。

○武内部会長 マリ・クリスティーヌ委員どうぞ。

○マリ・クリスティーヌ委員 何も聞くつもりはなかったのですけれども、非常に単純な質問かと思うのですが、あえてこの調査を国立公園の中でやらなければいけない理由がよくわからなくて、例えば、今、山形とか蔵王とかいろいろなところに、結局使われなくなってしまった温泉旅館があって、そこには源泉とか、また元があったり、もうボーリングされているというようなところもありますし、むしろ今回の災害によって、今まで温泉が出ていなかったようなところに、急にいろいろな穴からわき出てきたりとかしているような地域もあるわけで、そういうところで調査をされたほうが、国立公園の自然や環境を守っていけるのではないかと思うので、あえて、この国立公園の中でこれの調査をやらなくてはならない理由というのをちょっと教えていただければと思います。

○国立公園課長 そこのところでございますけれども、これまでの知見では、やはり地熱資源といいますのは、やはり火山の周辺にございまして、我が国で火山とその周辺部というのは、国立公園、または国定公園に指定されているところが大変多うございます。いろいろな数字がございますけれども、やはり現在の我が国の地熱資源の大半が国立公園・国定公園の中にあるということから、特に焦点が当てられているのだと理解しております。
 ただご指摘のございましたように、既存の温泉を使って地熱発電ができないかというようなお話もございまして、そのような場合は、大規模な事業用の発電というよりは、むしろ1,000キロワット、2,000キロワット規模の、一つのホテル、あるいはその地域の温泉街あたりの地産地消に向いたようなものなのでございますけれども、こうしたものであれば、自然へのインパクトも小そうございますし、これはまた別の観点で積極的に進めるべきかなというように、委員の方からもご意見をいただいておりますし、私どももそのように考えておるところがございます。ただ、今回の検討会の主眼は、数万キロワットの大規模な事業用の発電所についての検討が主となっておりました。
 以上でございます。

○武内部会長 よろしいですか。
(なし)

○武内部会長 それでは、一応、このご報告ということについては承っておくということにさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、自然環境行政と、それから再生可能エネルギーの利用というのは、これは両方とも大事な話で、いかにそこをうまくつなげていくかというのは、これは環境省でも自然環境局と地球環境局が、やっぱり力を合わせて知恵を出していくことが必要な部分だと思いますので、どちらか一方に偏るのではなくて、かつ、やはり結果としていいものにしていくという方向でやっていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、休憩に入らせていただきたいと思います。
 2時35分まで休憩ということにさせていただきます。
午後2時22分休憩
午後2時35分再開

○武内部会長 それでは時間になりましたので、再開させていただきたいと思います。
 三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてということで説明をいただきますけれども、涌井委員が退室されるということで、意見を述べる場を設けてほしいとのことですので、発言をしていただきたいと思います。

○涌井委員 わがままを許していただいたことに、感謝をいたします。
 大変申し訳ないのですが、お先に失礼したいと思います。私は、この問題は非常に重要な問題だと思っていまして、一言発言をさせていただきたいと思います。
 実は、この三陸について十分資料を読ませていただきましたところ、とりわけ、今、環境省の国立公園、その他地方事務所の問題とも非常に関係するわけでありますけれども、この中で、国立公園を復興公園という形で一体化するという取組みは、ある種の行政の単位を越えて、かなり広域に連携できるという意味で、非常に重要だと大変評価できます。
 特に、東北海岸トレイルというものを考えてみますと、ご案内のとおり、英国には全体がネットワーク化された通行権が付与されたパブリックフットパスというのがございまして、英国人自身がイングランドなり、スコットランドの自然特性にアクセスするという一つの制度があるわけです。まさに、それに近づいてくると。イングランドだけでも約1万6,000キロという長さがあります。そういうことを考えてみたときに、非常に、これは重要な戦略ではないかと思います。
 そして、グリーン復興の考え方なのですけれども、里山イニシアチブというのを我が国が提唱して、多くの共感を得たわけでありますが、これは、私の知っている知見の限りにおいては、例えば北上川から以北の三陸については、どちらかというと隣りの浦と浦の関係よりも、むしろ上下交流、非常に縦長の上下交流というのが盛んであって、今、磯根漁業に従事している方というのは、もともとは炭焼きに従事をしていたと。そういうものが流域に関係してきていると、こういうつながりがあります。
 すなわち別な言い方をすれば、あの地域の自然というのは、人と自然が積極的に関わったことによってつくり上げられてきた自然であると。こういう観点からいって、単に、自然保護のみならず、それを支える社会的な仕組みまで言及されているということについて、高い評価を与えたいなというのが私の意見でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○武内部会長 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○国立公園課 それでは、説明をさせていただきます。環境省国立公園課の佐々木でございます。
 まず資料3-1、A3の大きなものですが、こちらと、それから3-1は概要になっておりますが、それの本文の資料3-2の冊子を開けていただければと思います。これらを使って、今回答申の案ということで整理してきたものをご説明させていただきます。
 まず資料3-2を1枚めくっていただきまして、目次のところになりますが、「はじめに」というところで、今回の答申をまとめるに至った経緯ですとか、基本的な認識となる大震災の影響とか、自然と人との関わり、そういったものについて、まず基本認識として書かせていただいています。それから基本理念、基本方針を経まして、具体的にどういうことをやるのかという方向性について取りまとめたもの、効果的な実施のための必要な事項を整理した上で、答申とさせていただいております。
 まず最初の「はじめに」のところでございます。こちらのほうは、これまでの経緯などが書いてあります。特に重要となってきますのが、1ページ目の真ん中あたりにございますが、平成23年7月29日に、東日本大震災復興対策本部が策定した「東日本大震災からの復興の基本方針」、こちらのほうに三陸復興国立公園の取組みが明記されております。こちらは参考資料1で、復興国立公園に関する部分を抜粋したものをつけております。また参考資料2に地図などもございますので、適宜ご参照いただければと思います。
 復興対策本部が取りまとめた復興基本方針には、東北ならではの観光スタイルを国立公園や自然の風景や食、文化を使って構築していくとか、三陸復興国立公園に再編成して、施設の再整備、長距離トレイルを進める、それからエコツーリズムを進めるということが書かれていたり、自然共生社会を実現していくこと、自然再生の取組みを進めること、それから調査・モニタリングといった事項についての現況がございました。
 この方針を受けまして、平成23年8月4日に、環境省から中央環境審議会に諮問をさせていただいております。それを受けまして、審議会での審議の中身と、それから、環境省が各地域で意見交換会や専門家のヒアリングなども行いましたので、それらの結果をすべて総合しまして、今回答申を取りまとめております。この答申は、環境省に向けてのメッセージ、提言ということにもなりますが、それ以外にも関係する地方公共団体や復興に関わる団体の方々、地域の方々に対するメッセージとして提言していきたいと考えております。
 今回の基本理念でグリーン復興ということで、後ほど詳細はご説明いたしますが、この根底にあるのは、「自然と共生する世界」、愛知目標のビジョンでもある自然と共生するということを目指すものとなっております。自然と共生する社会として震災からの復興が遂げられるということが、愛知目標のビジョンの達成にもつながりますし、世界に対して誇れるものとなると考えます。
 また、国立公園とか、自然環境を活かした取組みということは、結局は大震災からの復興に大きく貢献できるものと考えております。そのようなことが、まず最初の「はじめに」のところに書いてあります。
 それから、次に(1)の東日本大震災による影響のところでございます。
 資料3-2の2ページ目の中段のあたりから始まりますが、こちらには大震災、地震、津波が発生しまして、自然環境に与えた影響として、植生や藻場の状況とか、希少な海鳥の繁殖地へ影響などについての状況を、現時点でわかっている範囲で整理しております。
 それから自然景観ですが、リアス海岸、多島海、奇岩、そういったものへの影響がどうだったのか。それから、砂浜が地盤沈下などの影響もあって狭くなっていることですとか、津波石が発見されていることや、4ページ目になりますが、こちらには一部で地盤沈下により水没して、干潟のような環境が生じている場所があることなどについて言及しております。自然公園の中の利用施設も大きく被害を受けていることや、自然体験のプログラムについても大きく影響が出ていることが書かれております。
 4ページ目の真ん中より下のところになりますが、こちらには、人と自然のつき合い方ということで、これまで自然環境が人間社会にもたらす恵みの面が強調されてきたところもあるのですが、今回の震災を受けて、自然災害というのが人間の手によって完全には制御できるものではない。それから、脅威の側面を持つ自然とどのように向き合っていくのかというのを考え直すきっかけになった、そういったことが書かれております。
 また、復興に向かって立ち上がる人たちの「絆」や「つながり」といったものが、改めて大事なものという共通の認識が出てきたということもあります。
 このようなことで、東日本大震災による影響としましては、自然環境の影響、それから利用施設や体験プログラムへの被害だけではなくて、私たちの価値観やライフスタイルにも大きな影響を与えたということが書いてあります。
 続きまして、(2)の東北地方太平洋沿岸の自然と人との関わりのところでございます。
 こちらは5ページ目の上半分のところには、この三陸地域、それから松島の地域、仙台湾沿岸の地域のそれぞれの地形、地質の成り立ちから見た風景の特徴を書かせていただいております。
 それから、5ページ目の下半分のところには、三陸は世界でも有数の豊かな漁場であるということ、生物生産性の高い海域であるということが書かれておりますし、里山・里海という人々のくらしの中で維持されてきた環境があって、その豊かな恵みが、この地域の農林水産業や観光業、地域のくらしを支えてきたということも書かれております。
 それから、この地域が何度も、過去に、大規模な津波の被害を受けておりますが、自然の脅威というものは津波に限りませんで、「やませ」という冷害をもたらす風が吹いてくることですとか、平野部が少ないという土地利用ですとか、そういったことがあり、津波以外にも厳しい自然環境とともに暮らしてきた地域であって、その中で、それと共存していくために、暮らしの中でも森・里・川・海のつながりも意識しながら、多くの知恵や技術や文化を育んできた地域であることが書かれております。
 そして、6ページ目の基本理念の上のところになりますが、このようなすぐれた自然の風景や豊かな自然環境が、東北地方の太平洋沿岸には広がっておりまして、人々は自然の恵みと脅威という二つの側面の影響を受けながら暮らしを営んできた。その背景には、今回の地震・津波の原因でもありますプレート運動そのもの、それからプレート運動によって形成された地形が、例えば地形が非常に生産性の高い海を支えている要因にもなっているなど、深く関わっているということが考えられております。
 以上が、「はじめに」のところの基本認識の説明でございます。
 続きまして、2番目の基本理念のところでございます。
 基本理念としまして、今回、グリーン復興という言葉を、部会長とも相談して、こちらに書かせていただきました。森・里・川・海が育む自然とともに歩む復興ということで考えております。やはり復興していくに当たって、未来に向けて持続可能な社会を構築することが本当の意味での復興だと考えます。復興に当たっては、自然の恵みを活かすということはもちろん大事なのですが、地域の暮らしを支えている自然環境に配慮をしながら復興していく。また、自然が回復していくということを再生することも含めた「自然と共に生きる」という考え方を大事にしたいと考えております。
 今回の大震災を受けまして、被災した東北地方太平洋沿岸の地域が大震災の経験を広く伝える意味でも、役割は大きいものと考えます。これは、次の災害に備えるために、この地域で今後進む取組みが大きな意味を持つということでございます。そのため、自然の脅威も、自然の恵みとともに活用していく。それから、そういったことが、この地域を訪れて、今後いろいろ公園の利用などで訪れる世界全体の人々にとっても、人と自然の関わり方を見つめ直して、次の災害に備えるということにつながっていくのではないかと考えております。
 7ページ目になりますが、グリーン復興の要約としましては、森・里・川・海のつながりによって育まれてきた自然環境と地域のくらし、それを後世に伝えて、自然の恵みと脅威を学びつつ、それらを活用しながら復興することをグリーン復興と位置づけて、基本理念という形で進めたいと考えています。
 このグリーン復興という言葉ですが、平成16年にスマトラ沖大地震が発生したときですが、WWFのインドネシアが「Green Reconstruction Policy」という形でグリーン復興という言葉を用いております。また、今回の東日本大震災からの復興に当たって、東北大学をはじめとして、その他のNPOなどが連携して活動している「海と田んぼからのグリーン復興プロジェクト」という取組みの中でも用いられている言葉でございます。
 それでは、基本理念の説明を終わりまして、3.基本方針の説明に移らせていただきます。
 基本方針のほうは、(1)自然の恵みの活用ということで、自然の恵み、自然環境だけではなく、地域ならではの自然と共に生きる暮らしや文化というものの活用ですとか、そのための施設の復旧・再整備、通過型の観光から、それに加えて長距離海岸トレイルやエコツーリズムといったような滞在型の利用形態の構築を目指すこと。それから、地域で引き継がれてきた伝統的な技術や地域の木材等の素材の活用、再生可能エネルギーの活用、そういったものも自然の恵みの活用として進めるべきといったことが書かれてございます。
 8ページ目になりますが、(2)自然の脅威を学ぶという点では、今回の地震・津波について正しく理解して、自然の脅威について学ぶことが必要であるとしまして、そのための調査、モニタリングを進めること。それから、被災者の知恵や経験を集めること、津波石などの津波の痕跡とか、被災した公園利用施設も一部可能な範囲で遺構として保存することなどが重要になってくるということが書かれています。また、地震・津波が自然環境にもたらした影響というのが一体どういったものだったのかというのを、しかるべきタイミングで評価するといったことについても言及しております。
 それから、自然の脅威を学ぶために、防災教育や、エコツーリズムなどで語り継ぐための体制づくりや、施設整備による学びの場の整備の必要性についても言及しております。
 公園の利用施設をつくっていくときには、避難路の設定、避難誘導、そういった安全対策を講じることの必要性ですとか、次にまた地震・津波などが来た際に、国立公園などの利用施設を人々の避難場所や避難生活に活用してもらえるような設計に配慮して行っていくといったことも書かせていただいております。
 また今回の大震災で発生した災害廃棄物の一部を、再生資材として公園の利用施設など整備する際に活用するといったことも言及しております。
 それから、9ページ目にまいりますが、(3)森・里・川・海のつながりを強めるといったことで、今回の生態系への影響としましては、陸と海の移行帯に位置する干潟や藻場、そういった環境が大きく影響を受けております。また、里山地域などでは、近年人口減少で管理が行き届かなくなっている場所も見られてきておりますが、大震災によりこの傾向が加速するおそれがあるといったことが心配されています。なので、こういった森・里・川・海のつながりを強めるために、しっかりと保護地域として保存して、後世に引き継いでいくこと。それから、干潟や藻場などの、今回の震災で大きく影響を受けた生態系については、再生の取り組みを進めること。そういったことを通じて、森・里・川,海のつながりを強め、それから自然の恵みである生態系サービスを強化するといったことが書かれております。
 これらの(1)、(2)、(3)の取り組みを進めるに当たって、多くの主体が連携することの必要性についても、最後に取りまとめております。
 次に、具体的取組として、4番のところの説明に入ります。
 こちらは資料3-4のほうに、もう少し具体的に書いたものも準備しております。また、スライドでもご紹介いたしますので、そちらもあわせてご覧いただければと思います。
 今回、グリーン復興プロジェクトということで7本の柱を立てております。自然公園の再編成、施設整備とフィールドミュージアム、エコツーリズム、長距離のトレイル、自然環境の再生と環境教育、自然環境のモニタリングの7本でございます。これらの取組みは、一つ一つ個別に進めるというものではなくて、関係性が高いものなので、相互に連携して補完し合いながら進めていくといったことが、まず最初に書かれております。
 まず最初の自然公園の再編成でございますが、これは、これまでも三陸復興国立公園の中で説明してきた話でございますが、東北地方の太平洋沿岸の自然公園を一つの国立公園として再編成していくということで考えているものです。これまでも地域の自治体担当者や関係者といろいろ相談をさせていただきました中で、まず最初にスタートできるといったところが、青森県の蕪島から宮城県の牡鹿半島とその周辺あたりといったことで、まず最初に、そこを国立公園への再編成の取組みを進めていきたいと考えております。自然公園の区域、それから規制の強さの法管理のための地域区分というものは、基本的に既存のものをベースにしまして、できるところから段階的に再編成をしていくという方針で進めたいと思っております。また利用のための計画として、施設などの計画も見直していきたいと思っております。
 名称につきましては、当面「三陸復興国立公園」としまして、将来のふさわしい時期で、名称を再度検討するという方向で進めたいと思っております。
 スケジュール間隔としましては、今年度、この考え方を取りまとめた上で、平成24年度のうちに、公園計画書の作成や調整を進めまして、可能であれば24年度中に、中央環境審議会に諮問ができればなということを考えているところでございます。その後も、国立公園の、例えば復興の過程で、高台移転をしなければいけない、そういったところに配慮して、公園区域を変更するですとか、例えば海の大事な生態系サービスを支える重要な環境については、豊かな自然環境が広がっていることもありますので、国立公園の区域として拡張していく。そういったことも復興の状況を見ながら、柔軟に対応していくといったことを進めていきたいと思っております。
 それから(2)里山・里海フィールドミュージアムと施設整備でございます。
 地域のほうからは、とにかくまず観光を復興させるために、被災した、これまであった利用施設の復旧・再整備を進めてほしいという要望が多数寄せられております。なので、まず、その復旧・再整備を進めること。それから、自然の脅威を学ぶための施設や、自然の恵みを紹介するような施設整備を進めていくといったことが、まず書かれております。こういう自然の脅威を学ぶ場の整備などは、取り組みが進められているジオパークなどとも連携して進めることが大事だと考えております。
 施設整備の際には、先ほど申し上げたとおり、地域の伝統的な技術、素材、再生可能エネルギーや災害廃棄物の再生資材といったものを活用と、避難路の設定などの安全対策、それから次の震災が起きたときの避難場所や避難生活に活用されることに配慮した設計、そういったものが重要だと考えております。
 施設を点的に整備するというのも、まず復旧で大事なのですが、将来的には、それを広げるという、面的に広げるということで、国立公園の区域を核としまして、その周辺の里地・里山や集落地も含めてフィールドミュージアムとして位置づけて、国立公園の中に核となる施設を整備して、エコツーリズムや環境教育などのソフトの対策を総合的に入れていくことで、地域を活性化するということを進めてまいりたいと思っております。
 その際には、国立公園外のフィールドも含むことですから、地域の人々や関係する団体と連携して計画を策定していく。その後の維持・管理も協働して進めていくという観点を盛り込んでおります。フィールドミュージアムにつきましては、「自然とともに歩む復興」のモデル地域として位置づけることができるのではないかと思っております。
 スケジュールとしては、もう今年度から順次既存の陸中海岸国立公園の施設の復旧には取りかかっているところですが、国立公園の再編が済み次第、新たな編入区域でも施設の整備を進めていく。それから、中長期的にはフィールドミュージアムにそれを発展させていくということを考えております。
 スライドのほうで投影していたり、資料3-4にある平成24年度の予算につきましては、まだこちら承認されてないもので、あくまで予定ということでご理解いただければと思っております。
 それから、(3)の復興エコツーリズムについてでございます。
 こちらは農林水産業と連携して進めて、地域経済にも活力を与える、復興に貢献するといった観点が含まれております。また被災した地域で現在進められている被災者の体験を語り継いだりするガイドツアー、それからジオツアーとも連携してまいりたいと思います。これらの取り組みについて、プログラムを作成したり、ガイドを育成したり、そういったものに対する支援を行っていき、将来的には、地域が自分たちの力でエコツアーを実施していけるような体制の確立に持っていきたいと考えております。当然エコツーリズムを進める上では、安全対策を進めることは当然だと考えております。
 それでスケジュール感覚ですが、今年度さまざまな情報収集行った上で、平成24年度から具体的な地域で、こういった支援を行っていくといったことを進めてまいりたいと思っております。
 それから、長距離のトレイルとしまして、(4)東北海岸トレイルということで、こちらは地域の自然環境、地域のくらし、震災の爪跡、それから利用者と地域の人々、そういったさまざまなものを「結ぶ道」として長距離自然歩道を設定していくことで、歩くスピードによる深い自然体験と、新しい気づきの場というものを提供していきたい。そして滞在型の観光を進めるということを目指していきたいと思います。これは長距離のトレイルは、大震災により改めて認識された「絆」や「つながり」といったものを象徴するようなプロジェクトとして位置づけたいと思っております。
 路線は、これまでも申し上げてきたとおりで青森県八戸市の蕪島から福島県の松川浦までを対象に、既存の道の活用しながら、準備の整った地域から段階的に設定していく。それから、災害時には避難路としても活用できる仕様の検討ですとか、トイレなどの施設の整備、それからメーンルートだけでない枝線の設定ですとか、一部の区間については自転車でも利用できる仕様といったものについて検討を進めたいと思っております。
 これらの長距離自然歩道につきましては、必ずしもすべての区間、環境省が整備できるものではございませんので、地域外も含めたさまざまな主体による維持・管理体制の構築というものを目指すとともに、やはり利用されないとなかなか道として維持・管理ができないものですから、利用を進めるための取り組みというのも重要なものだと考えております。
 長距離自然歩道の名称は、当面「東北海岸トレイル」ということで、仮に置くこととしまして、今後、地域の意見を聞きながら地域の方々にも愛される、ふさわしい名称を検討してまいりたいと思っております。具体的には、24年度からできるところから路線の設定や、管理体制の構築に向けた検討などを進めまいりたいと思います。
 続きまして、(5)の森・里・川・海のつながりの再生でございます。
 こちらは、大きく改変を受けた干潟、藻場、それから、自然環境が地盤沈下などで干潟のような環境になっている場所、こういったところを中心にしまして、まず調査・モニタリングで状況を確認する。それから、再生の手法や、どういう体制でやればいいのかという検討を行った上で、地域の理解が得られたところから、自然環境の回復力を助ける形で再生していくといったことを考えたいと思います。
 また、里山のような人の手が加わることで維持されてきた生態系について、保全管理のための支援を行う、そういったことも重要なものととらえております。
 また、これは地域からも懸念が示されたことでございますが、小流域単位などで、人々がもう別の場所に全員引っ越してしまって、人の関わりが少なくなるような地域が生じてしまった場合に、その地域で理解が得られましたら、その後の土地利用として森・里・川・海のつながりを意識した自然環境の再生や、その場所のエコツアーや環境教育等での利用、活用といったものも進めるべきではないかと書かれております。
 こちらにつきましては、もう今年度から調査・モニタリングが入っておりますが、24年度から、具体的な場所を選定しまして、手法や体制の検討といったものに着手してまいりたいと思っております。
 それから、環境教育のところでございます。ESDと書いてありまして、持続可能な開発のための教育の略でございますが、こちら、これまでも仙台や気仙沼、宮古、そういったところでESDの取組みが進められてまいりました。今回の大震災を経験しまして、今後の人と自然の関わり方を、改めて見つめ直すということで、ESDの推進のあり方を検討したり、また知見を収集したり、それから具体的に、地域での環境教育を環境カウンセラーなどを活用して進めたり、ESDの取り組みを広めるためのワークショップやシンポジウムの開催などを進めてまいりたいと考えております。
 こちらにつきましても、24年度から具体的な事業のほうに進むということで、現在23年度は、その準備のための調査などを行っているところです。
 それから、調査・モニタリングのところでございます。
 こちらは、自然環境への影響の把握、変化し続ける自然環境のモニタリング、それから、環境省だけで調査している部分では情報が十分ではないというところもありますので、研究者などが独自で実施している情報の集約、それから、それをみんなが使えるように整理・公開していくこと、総合的に、将来的には自然環境への影響を評価することといったことが書かれております。
 こちらも、平成24年度から本格的な調査に入る。それから、体制構築に向けて検討を進めていくということで考えております。
 この後の絵ですが、すみません。ちょっとまだ事務局のほうで詰め切れてませんで、お手元には配れなくて、未定稿ということでご了解いただきたいのですが、フィールドミュージアムについては、こんな雰囲気ですといったものを、今回お示ししたいと思います。
 例えば、このような半島のエリアを対象にしまして、国立公園のエリアはこういった風光明媚な崖とか奇岩、そういったところを中心に指定されているわけであります。こういった中で、例えばこういう中核のビジターセンターなどの整備をしまして、そういったところを拠点に、まずは皆さんに集まっていただく。その中で、国立公園の中では、例えば漁船などを使って、農林水産業のほうと連携したようなエコツアーを進めたりとか、一部番屋などの地域のくらしの紹介、そういったものもエコツアーの一環として進めることが考えられると思います。
 またシーカヤックやダイビング、特に三陸では、これまでダイビングの利用というのは、それほど大きくされてきたものではないのですが、近年注目度も上がってきておりますので、こういった利活用を進めるといったことも考えられます。
 一方、里地の地域では、集水域を中心に考えまして、津波石、そういったものが上がっているところの、しっかり保存活用を進めたり、神社で神楽とか、そういう伝統的な芸能とか、子供たちの環境教育や防災教育、それから地域の食の資源の活用、そういったものを総合的に進めるといったことができればいいと考えているものです。
 またトレイルについても、ちょっとイメージの絵を準備しております。こちらは、南北にずっと1本の連なるメーンのルートが設定されており、場所によっては、厳しい場所もあれば、平たんなところもあります。また、拠点となるトイレや展望所の施設、看板の整備が必要になってくるところもあると思います。また野営場に宿泊して、ずっと利用していけるような利用の推進といったことも考えられると思います。これらの中で、もちろん風景を楽しむ、地域の食を楽しむといったこともございますが、地元の人と利用者のふれあい、そういったものも意識することが大事だと思います。
 また、場所によっては、震災のときにさっと避難路として活用できるような避難誘導標識などと連携した、避難路としても活用できる路線設定なども進めるといった絵がかかれております。
 枝線としましては、例えば、このような鉄道の駅と連結させることで利便性を高める、そういったことも考えられるのではないかと思っているところです。
 それでは、5番の、資料3-2の14ページの効果的な実施に向けてというところに戻りますが、県や市町村が策定している復興計画と調和を図ること、ジオパークなどの震災の前、それから震災後に始まった取組み、そういったものと連携すること、他省庁の施策ともしっかりと連携していくということが書かれております。
 また、広く国際的に情報発信をするということは、海外からの旅行者の増加、支援を得ることにもつながりますし、自然環境の保全に関する取組みが自然災害からの復興に果たす役割というものを国際的なモデルとして示していくことからも重要だと考えております。
 また、様々なプロジェクトを進める上で、多くの方々が連携できるようなプラットフォームを構築して、参加・協働型の体制を構築するといったことが書かれております。
 以上で、資料3-1と3-2と3-4の説明を終わらせていただきます。
 続きまして、資料3-3を広げていただければと思います。こちらは、東北海岸トレイル、長距離の自然歩道に関する意見交換会を開催した結果を持ってまいりましたので、こちらの紹介をさせていただきます。今後、このような意見交換会や関係者へのヒアリングなどの結果をあわせまして、この答申に書かれているものよりさらに踏み込んだ、詳しい路線設定の方針などを決めていきたいと思っております。
 出ました意見としましては、今回は、東京の関係者を中心に意見交換を行ったのですが、ルート選定に地元がしっかり関わるべきだとか、トイレをしっかり整備する必要がある、2ページ目以降になりますが、看板の整備や駐車場の整備、それからボランティアを募って維持管理をしていくこと、そういったことが話されております。また、ソフト面では、地元と連携して車の回送サービスを行うべき、現地の食や直売所の活用、地域の女性もしっかり盛り上げていくために大事、そういったことが書かれております。
 また、3ページ目になりますが、完全に歩いた証明書、地元のガイドが大事、みんなからの意見を集められるプラットフォームの形成などが挙がっております。
 4ページ目になりますが、海外からもこのようなトレイルの設定はハイカーが来るのではないかとか、自転車や鉄道との連携、名称も地域に根差したものにしてほしい、そういった意見が出ております。
 続きまして、資料3-5の説明にまいります。
 こちらは、本日欠席している大久保委員から出された意見でございます。大久保委員からの意見としましては、グリーン復興という趣旨に対して賛成する。それから、様々な主体が連携して参加していくことが重要。それから、関係省庁と環境省内が一致団結して協力して進めていくことの必要性が指摘されております。
 また、自然公園の利活用に民間企業の方々が参加する。そういったことが大事であるといったことや、エリアがとても広いので、先駆的なモデル事業として進めることが大事といった指摘がなされております。
 以上で、説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 今回は、全体として復興に向けた国立公園の考え方として、グリーン復興という言葉を前面に出させての提案をさせていただいておりますが、これはご承知の方も多いと思いますけれども、中静委員が、震災以降に、この地域の復興のあり方として提唱されたものでございます。また、最近ではリオ+20で、グリーンエコノミーという言葉が、世界の非常に重要な課題として認識されるようになっております。
 グリーンと言うと、やや再生可能エネルギーみたいな意味で使われたり、スマートグリッドみたいな意味で使われたりすることがあるのに対して、生物多様性に関心のある人たちのほうから、グリーンエコノミーは、本当にその意味でグリーンエコノミーであるべきだと。つまり、生物多様性と調和した持続可能な成長であるべきだという趣旨にも合致するという意味でも、非常にいい言葉なのではないかと考えまして、ご許可をいただき、快くこれを使わせていただくということにさせていただきまして、大変ありがたいと思っております。
 最初に、中静委員から、何かこのことに関してございますか。

○中静委員 私たちもグリーン復興ということで、当初からこういう活動をさせていただきましたが、こういう形で政策としてまとめていただくということで、関わってきた人たちも大変喜んでいます。ぜひ、効果的な復興のあり方として、進めていただければと思います。
 コメントとしては、大体私たちが申し上げてきたことを取り上げていただいているので、ぜひ、進めていただきたいと思いますが、一つだけ補足でコメントします。今回の復興では、多分、宅地開発や何かで斜面を切り開くというような大規模な開発になることが幾つかあると思いますが、そういうときに、今回は復興ですので、時間という制約の中でアセスメントを簡略化せざるを得ないとか、場合によってはアセスメントなしでというようなところが、多分出てくると思います。そういうところで、海に土砂を流すような、流さないで済むような、あるいは、最小限にするようなという、そういうところの監視や指導を、ぜひ、強めてやっていただければと思います。それから、途中のご説明でもありましたが、例えば防潮堤にしましても、大規模な構造物というものが、あまり議論なしにつくられていくというようなことがあり得ると思っていますので、ぜひ、国土交通省や農林水産省との議論を密にしていただいて進めていただくことをお願いしたいと思います。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
それでは、皆さんからのご意見をいただきたいと思います。恐縮ですけれども、札を立てていただけますでしょうか。それでは、鷲谷委員、どうぞ。

○鷲谷委員 この部会の役割として、自然環境の震災による変化を自然科学的な視点からも客観的に分析・評価する姿勢というのを、可能な範囲でもう少し強く出したほうがいいのではないかと思います。今はまだ情報が足りないのであれば、そういう不確実性の視点からの情報収集に努める必要があるということは記しておいたほうがいいのではないかと思います。
 かつても、重要な海岸の自然環境であったところが、一層重要な姿に再生したところもあると思います。そういう自然に再生したシステムを認識することは、特に重要ではないかと思います。
 この考え方では、幾つか砂浜海岸への言及があり、どちらかといえば、負の効果が強調されているような気がしますが、自然の大規模かく乱の効果として、自然環境としては、より完全な形に再生したところもあると思います。詳しい調査はしていないのですが、私が把握しているのは、名取市の広浦ですが、もともと人工構造物がほとんどなく、海から砂浜に続く海岸線があって、砂浜から背後には砂丘のシステムがきちっとありましたが、このたび、砂丘の背後に後背湿地が再生して、海から砂浜、砂丘、そして後背湿地のシステムというのができ上がった。一旦は後背湿地だったところというのは農地として利用されていましたけれども、これから防災ということを考えると、農地として利用したり、宅地として利用したりすることはできないと思いますので、そういうところこそ自然環境の視点、あるいは生物多様性の視点から保全する課題があるのではないかと思います。詳しい調査はこれからですが、絶滅危惧種もかなり多く復活していると思います。メダカが群れをなして泳いでいたり、消えてしまっている水生植物なども随分復活しているように思われます。
 全国的に見ても、海から砂のシステムとして、そこまでそろっているところが、太平洋側には、もうあまりなくなってしまいました。私が学生だったころは、阿字ヶ浦砂丘という茨城県に、そういうシステムがありまして、そこは生態学の研究にもとても重要なフィールドでしたが、残念ながら、その状況は、今はもう失われてしまいました。
 図らずも再生したということで、皆さん認識されていないかもしれません。それから、きっとデータもほとんどないかもしれないですが、ほかにもきっとそういう場所が幾つもあるのではないかという気もしますので、空間として、どこが、どのように変化したかということを、自然環境的な目でしっかり見て、自然と人との共生、人の側の要請とか、希望については、もうかなり十分に把握できていると思います。それで、そこに自然環境として、客観的な生物多様性の現状というのがわかり、その空間的な広がりなどをマップにできれば、どのようにして共生を図っていくか、それぞれの場にふさわしいやり方というものを、より適切、知らなかったために壊してしまって、もう取り戻せないということは起こらなくて済むのではないかと思います。
 それから、砂丘の上などの松林は、植えたという面もありますが、もともとクロマツ林の立地ですので、再生が起こり、若木が多くあったり、実生があったりするんです。ただ、今、そういう松林をつくらなければいけないという人々の思いが大変強いので、そういうところが整地されて植林をする場になってしまったりすると、せっかく自然が自分の力で再生しようとしていることを損なってしまう可能性もあります。現状がどうなっているかを、しっかり押さえて、人がなすべき援助というのは何なのかを見きわめないと、善意がかえってあだになってしまって、皆さんが、ぜひ、いい自然環境を取り戻そうとしてしたことが、結局、自然が自分の力であるべき姿を取り戻そうとしていたことを損なってしまうことにもなるかもしれません。
 また、認識がないままに、今、かなり堤防をつくる計画というのが進行していますが、せっかく、海から陸へのつながりがあり、日本の海岸線を見ても、もうそういうところがあまりないのに、そこが損なわれてしまうということも起こってしまうのではないかと思いますので、不確実性とか、もう少し両面から検討することの必要性を書いておき、これまでの1年間というのは、そういう余裕もない時間で皆さん過ごされたと思いますが、ここでしっかり後の世代のためにということを考えると、間違った選択をしないための科学的な情報をしっかり集める。それで、それに基づいた計画を立てるということが重要ではないかと思います。
 以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。それでは、岡島委員。

○岡島委員 たくさん手が挙がっているので手短にお話しいたします。3点申し上げたいと思っています。
1点は、裏面の2ページあたり、「世界に対して誇れるものになると期待されています」という記述がありますが、もう少しふろしきを広げてもいいのではないかという気がしまして、世界に類のない新しいものをつくるとか、試練をいかに乗り越えて、これからの21世紀の模範となるものをつくるみたいな気概があってほしいと。例えば、10年先、20年先、30年先を読んだ形のものですということが一言欲しい。
というのは、全体計画を見ても、大体今、考えられるようなことが中心です。10年先、20年先のこの世の中を考えてみたら、こういう手を打っておいたほうがいいのではないかというところが、若干少ないような気がするということで、グリーン復興の中に、2ページのところにちょっとありますが、何かこういうところを工夫できないかなと。あまり大ぶろしきを広げてもしようがないとは思いますが、気概として、新しいものをつくるというものは欲しい。
2点目は、エコツーリズムです。北東北は我が国の残された非常に美しい自然なので、私は10年先、20年先を考えたら、国際的にも非常に価値のあるエコツーリズムの場所になり得るのではないかと考えております。
ここにあまり盛られていないのですが、外国の方に来てほしいと。いきなり全部無理でしょうけれども、それに対する具体的な方法のくさびを打っておいてほしいと。
例えば、外国の方が来たときのインフラ整備、看板やバス、宿にしろ、外国の方が来てもいいような形を整えておく、デザインも同じ。勝手につくらないで、きれいな統一したデザインにするとか、いろいろなことを今から考えておく。ビジターセンターも世界中の方が来て、勉強していただける新しい形の観光地として整備することが欲しい。
そのためには、私が一番気になっているのは、ESDのところにも書いてありますが、英語や中国語をきちんと使って、自然を説明できる人が非常に少ないです。何となく英語ができる人は自然が嫌いな人だったり、日本人では英文科の人はあまり自然に行かないような人が多いみたいだけれども、英語ができて、自然の理科の、This is a penじゃなくて、これは生態学的に見て、できたらラテン語の原名ぐらい言えるような形のガイドというのは欲しいです。すごく質問が多いわけですから、そういう人材を育てる、例えば、インタープリターのための英語の1年間の留学生制度だとか、そのようなことをいろいろ盛り込んでおいたら、いかがかと思います。
多分、私が思うには、お客さんは結構来ると思います。あれだけきれいなところですから、新しい形のエコツーリズムというものの一つの先進国である我が国の中でも、エコツーリズムをきちんと世界に向かって発信できるような体制をとっていただけないかと。
第3点は、ロングトレイルですけれども、環境省は、昔から東海自然歩道とか、いろいろな自然歩道をつくってこられましたが、残念ながら、あまり使われていないまま、道が悪くなっているところもあるのですが、今、民間の中で、ここにはちょっとまだ間に合わなかったんでしょうけれども、日本ロングトレイル協議会というのがありまして、二、三百キロの長さで、例えば八ヶ岳一周とか、浅間山麓一周とか、琵琶湖一周とか、そういうのが7カ所ほどできていまして、今、続々と地方自治体を中心としてつくられています。これなんかが三陸と一緒になって連携できれば、非常にいいのではないかと思います。
そして、それを中心に、私もちょっと関係していますが、三陸復興支援体験交流コンソーシアムなんて大きな名前の民間団体があります。いろいろな自然体験の団体、中にはIGESとか、UNU-ISP、プラス石川、金沢と、こういうようなところもみんな一緒になって、SATOYAMAイニシアチブも、33団体ぐらいが今入って、こういうものをしたらいいのでないかということを、一生懸命つくっているところです。そういった民間の自然保護団体のような団体が33団体、現地では登米市と南三陸町、塩竈、亘理が自治体として一緒になって、今、ロングトレイルとか、自然体験を中心とした新しい形の地域おこしをやりたいといったような動きがありますので、ぜひ、皆さんのほうにも、役所にも認識していただきたい。
既に現地では、宮城県を中心として6校の民間の私立の自然学校のようなものができて、現地の方が活躍して一生懸命やっています。私どもも、それを東京からいろいろな形で支援をしていますが、そのような動きもかなりあるということで、ぜひ、トレイルなどを中心に、民間団体、企業等々協働で進めてやっていただきたいと思っております。
以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。大変いい点をご指摘いただいたので、私も少し補足的に申し上げたいと思いますが、国際化というものはとても大事で、そういう中で、言葉だけの問題ではなく、インフラ整備でも地方空港をどうやってうまく使っていくかというようなことも、国立公園の議論の中で考えたほうがいいようなことです。
それから、エコツーリズムで教える人の質の問題も大事です。私もコスタリカに行って、かなり戦略的に教育しています。非常に深い専門的な知識をもって、国際的な訪問客に対して、いろいろな話ができる人材の育成、これがもしかしたら本当に大事な新しい産業にもつながるかもしれません。どうもありがとうございました。
 小泉委員、お願いします。

○小泉委員 よくできている計画だと思います。幾つかお願いしたいことがあります。前回も言いましたが、津波を受けたといっても、場所によって結構違いがありますので、もうちょっと細かい線引きが必要だと思います。例えば、地盤沈下したというところも、ピンからキリまであります。ですから、今すぐ復興させてもいいところもあるし、これはもう放置して干潟にするしかないというようなところもあります。そういった細かい区分をまずやったほうがいいと思います。
 それからもう一つ、さきほど中静委員が巨大な建造物をつくられては困るという話をしていましたが、それについてコメントしたいと思います。宮古湾と、同じ市内で田老という有名な大堤防があったところがあります。両方とも被害を受けましたが、宮古は田老に比べるとかなり被害が小さくて済んだのです。田老とどこが違っていたのかというと、低いのですけれども、宮古の堤防は壊れなかったのです。津波が押してきますと被害が出ます。ただ津波で大きい被害を受けるのは、実は津波が引くときなのです。その時にいろいろなものを運び去ってしまうのです。今回行方不明の人も、そういう形でたくさん亡くなってしまいました。つまり引き波が何とか抑えられれば、被害がかなり減るはずなのです。ですから、堤防はあまり巨大なものをつくるのではなくて、自然環境に負担をかけないような、小さいけれども丈夫な、引き潮を抑えられるような堤防を作るのも一つの案です。そうすると、景観上もそれほど悪くはならないということがあります。堤防の建設は環境省のやる仕事じゃないのかもしれないですが、その辺のことを少し配慮していただきたいと思い、発言しました。
 それからもう一つは、エコツーリズムとかジオツーリズムのことです。さっきから出ていますが、私は頭を使うツーリズムというのが必要だと思います。日本のツーリズムは、行って、ぱっと見て、「ああよかった」といって帰ってきちゃうのが多いのですが、そうではなくて、やっぱりガイドがきちんと解説したり、来た人が頭を使って、「ふーん、こうやってできたの」とか、「ここに植物があるのはどうしてか」とか、いろいろなことを考えて楽しんだりすることが、リピーターを増やす上で、とても大事だと思うのです。ですから、公園の整備に当たってそういった視点が欲しいという気がします。
 それから、さっき岡島委員もおっしゃっていましたが、最近、例えば佐渡島一周というような結構苦労するトレイルがはやっています。退職しても、まだ体力もあるし、それなりにお金もあって、時間もとれてというような人が結構苦労したがるのです。修行みたいなものなのですけれども。ここなんかはすごく長いトレイルがとれるわけですから、全部歩くのに四日、五日かかるとか、あるいは、もっとかかってもいいのですが、そういう長い距離を歩いて、苦労をするというのも、結構、今の時代に逆に受けるように思います。変な提案ですが、お客さんを呼んだりするのに結構大事なことではないかと思います。
 何か作ると、人がわっと寄ってくるのは結構多いのです。ですからそういうこともちょっと頭の中に入れておいていただいたほうがいいような気がします。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。桜井委員、お願いします。

○桜井委員 たくさんいらっしゃるので、簡単にします。5と7に限定してお話をしますけれども、5番目の件で、三陸については、ご存じのように、非常に多様な水産業があります。その中で、一つは、ある湾によっては特異的なある単一の養殖によって環境が非常に過剰な状態になってしまったということがあったわけです。ところが、それが、今回の津波によって壊滅的な打撃を受けて、これからどうしようかというときに、もとに戻そうというところもありますけれども、そうじゃない考え方もあります。
例えば、防潮堤が倒れてしまった、あるいは港が壊れてしまったときに、それをもとに戻したいという人もいました。ところが、また逆の方向では、そこを1年放置したことによって、そこに海藻が生えて、アワビがついたと。そうすると、そこはそのままにしておいてほしいという意見もあるわけです。そういうことを考えていくと、地域によっては、海の生物多様性ということを意識していらっしゃるのです。
その中で大事な点は、今、別の省庁でやられていますが、六次産業化という形とかがありますけれども、この地域は水産に対する加工という技術が非常に進んでおります。そういった部分を活用するとすれば、やはり多様な生物を利用するという考え方が必要になります。
それから、もう一つは、新たな発想としては、何も使っていない海藻類から非常に有効な機能性の医薬品になるようなものがとれるようになりました。これによって新たな産業の創設も起こりつつあります。
そういったことを考えていきますと、今のままのを残すとかということも必要ですけれども、やはり多様な生物があるがゆえに新たな産業が起きる。それから、もう一つは新たな文化的な伝統的なものをもっと生かすことができる。それによって、いろいろな人がそこに来てくれるという仕組みができるかと思います。
ですから、その辺のつながりを、5番目、環境省サイドからすれば、これしか書けないかもしれませんけれども、やはり地域の産業とか地域社会を考えたリンクをつくっていただきたい。そうすると、今は多分、禁句かもしれませんけれども、海洋保護区という言葉は、今いえば、おそらく無理だと思います、間違いなく。それぐらい厳しいと思いますけれども、ただ、海を保全することによって、そこからもたらされるものが、そこに産業が起きる、人が来るということを前提に前に行こうとすれば、どこかで接点ができると思います。
そして、最後に一つ、これは提案ですけれども、それをする場合に、やはり、三陸といえども、地域によって非常に個性があります。ですから、その個性に合わせたプラットフォームをつくる。例えば宮古なら宮古方式、釜石なら釜石方式というような形で、その地域に合わせたつくり方をしていかなきゃだめだろうということで、相当時間はかかるかもしれませんけれども、そういった方向で進めていただきたいと思います。
以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。白山委員、お願いします。

○白山委員 ありがとうございます。私の言いたかったことの一部は既に先生方がおっしゃってくださっているので、少し違う視点の話だけ。
一つは質問でございまして、中に「森・里・川・海のつながり」というのが非常にたくさん何度も出てきますが、では、具体的に何をするかほとんど何も書いていないのです。一体どんなことを考えて、この「森・川・里・海」ということを人々に理解をしていただき、エコツーリズムとして活用し、あるいは、実際につながりの保全のためにどういう活動を環境省としては具体的にやろうとされているのかということを、もう少し具体的に中に踏み込んで書いていただきたいし、実際の具体例で、もし何かお答えいただけるものがあれば、お答えいただけるとありがたいと思います。
それから、人材育成のことで、今、国際化というのが一つありましたが、もう一つは、復興ということから考えると、長い時間のスパンがあるわけですから、次世代、もっといえば、初等・中等教育あたりに、もっと踏み込んだ考え方が必要なのではないかというふうに思います。例えば、今、国全体から考えて、やはり、自然にふれあう機会が子供は少なくて、環境教育そのものが非常におろそかになっているというのは、多分、委員の先生方だったら皆さん危機感をお持ちだと思いますけれども、そこに踏み込むことをぜひお考えいただきたいと。一番いい環境教育をする場所は三陸のあそこなのですというような拠点をつくっていただくということをご検討いただけると、ありがたいと思います。
それから、私の専門が海だということもありますが、トレイルで道をつくるというのはもちろん一つの起爆剤であり、核であることはよくわかりますけれども、今回の津波とか、あるいは三陸の自然ということを理解するときに、海から陸を見るという視点がとても役に立つんです。エコツーリズムの中にオプション的に、海から陸を見るというものに関する何らかのメニューを少し加えるということをご配慮いただけるといいのかなと。
最後に、1点、モニタリングとデータの提供について、ほかの研究者のデータを集めて公開するとおっしゃっていたわけですけれども、逆の、それは何となく上から目線で、データを出させて、まとめて、私たちが出してあげるという感じですが、データを提供するという行為そのものがとても社会に役に立つので、集めて、きちっとまとめた段階でしか環境省はデータを出さないというのではなくて、どんどんモニタリングしたデータを出していくというのをまずやって、いろいろなデータを集めてやるというのは別の二の矢として考えていただければと思います。
以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございます。それでは、田中委員、お願いします。

○田中委員 ありがとうございます。前回、私、この審議会に参加することができませんでしたけれども、前々回のときに提示された案に対しまして、全体のつながりがよくわからないということを発言したかと思いますが、それに比べますと、今回のこの枠組み、全体的な考え方というのが、非常にうまく整理できているというように思います。
2点ほどご質問しますが、一つは、基本理念、先ほどご説明がございましたが、ここでの基本理念と、それから、生物多様性国家戦略がございます。生物多様性国家戦略というのは、生物多様性基本法に基づく基本計画に位置づけられているものです。それとの関連性がどうなっているのか。また、それとは別個に、この枠を設けたこと、その理由は何なのかといったような説明が欲しい気がいたします。
それから、具体的な取組みに関しましては、本日欠席された委員からのご意見にもございますけれども、これは環境省だけではとてもできない項目が幾つか入っております。けれども、これは環境省がリードして、これらのものを、他省庁、それから民間等を含めましてリードしていく必要があると思います。そのための担保をどこかでつくっておかないと、5番の効果的な実施に向けてというのを読んでも、具体性がなかなか見えてこないという感じがします。
それを担保する一つの手だては、やはり予算だと思います。今、ここに提示されている予算を見ますと、箱物については億の単位をつけておりますけれども、そのほか頭を使ってやろうというようなものは、千円単位で出ている予算ですと、とてもじゃないけれども、これではできないと思います。丸をもう一つぐらいは増やすような形で、24年度以降の予算をここにつぎ込むという形で予算確保をした上で、環境省がリードして、この具体的な取り組みというのを、ぜひやっていただきたいと思います。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございます。それでは、土屋委員、お願いします。

○土屋委員 全般的に非常に重要なテーマを整理していただいたということで、アイデアについては全面的に賛成いたしまして、できることがあればご協力したいと思っております。ただ、細部については、これからでしょうから、いろいろ工夫していかなければいけないと感じております。特に最初に部会長がおっしゃったように、資料が公開されるということですから、概要にしても、それから、答申にしても、公開されたときに誤解を招かないような工夫というのは、今後しっかりする必要があるのではないかと感じました。
例えば、三陸復興国立公園の創設の部分では、蕪島から牡鹿半島まで当面考えるという表現があります。当面というのは、おそらく地元の皆さんとの話し合いのもとに考えられてきたものではないかと予想はしますけれども、当面ということがあれば、当然、後回しになっている部分があるということを予想するわけで、これを読む人、東北地方の皆さんでこれを読む人が、何か置き去りにされたようなイメージを持たないような工夫ができないものかという細かいところが気になりました。
それから、トレイルにつきましては、多くの方がポジティブな意見をおっしゃっておりましたけれども、実際これを運用していきますと、管理の面が非常に重要になります。予算にも絡むかもしれませんけれども、本当にスライドでお示しいただいたようなアイデアが実行できるのか、それだけの人員、お金を用意できるのかということになると、ちょっと疑問を感じてしまいましたので、管理の面も、実際、ここにあらわせるものなら表現しながら書いていかれたらいいのではないかと感じました。
3番目の森・川・海のつながりについては、先ほど白山委員が私が言いたいことを全部おっしゃってくださいましたので省略しますけれども、もっと具体的な中身を書いていかれたらいかがかと思います。
最後に、ESDのことですけれども、ESDは日本が提案して、10年計画で、間もなくまとめをしなければいけない時期に来るわけですが、これをきっかけに、このアイデアをより長期的な、もっと進化させてものにするような工夫をこのプログラムの中に取り入れて、すばらしい提案をしているのだとおっしゃったらいいのではないかと感じを受けました。
以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。浜本委員、お願いします。

○浜本委員 強調したいところだけ。この全体的なものを見ましても、先ほどから何人もの委員の先生がおっしゃっているように、特に5番の効果的な実施に向けてのところで「他省庁の施策と連携してプロジェクトを進めることが必要」と書いてありますが、これはあくまで環境省が言っているのであって、ほかの省庁とどのように、どの施策と連携していくのかというところまで、しっかりつけ加えていかないと、自然公園内のことだから環境省ですよね、でも、農地の再生だとか、藻場の再生だとかは、それぞれでやりますとか、今ここで「進めることが必要です」という書き方だと、どうしてもほかの省庁との連携は、近々のようなものだとできるかもしれませんが、中期・長期にわたってくると、それぞれの施策で進んでしまうので、これだけいいものをつくったとしても、具体的なものにはなりにくいのではないのかというのを、すごく感じます。
現に、生物多様性の国家戦略をつくったときでさえ、国家戦略なのにもかかわらず、文部科学省と最後まできちんと連携がなかなかとれないという現実がありました。今回の場合は、農林水産省、国土交通省、文部科学省、特にこの三つの省庁とは、短期から中・長期に向けて、それぞれのやり方のどの部分ときちんと連携してやっていくのかというのを決める必要があります。環境省だからこの視点です、でも、それを進めていくためには、それぞれの省庁と、ここの部分と連携していかなければ、具体的に長期にわたって再生プロジェクトなどがきちんとできないというようなことを、より具体的に、まずは何よりもほかのすべての省庁と一緒の場で会議をするという、かつては絶対になかったようなことを新しいこととして始めていかないと、いい結果は出ないのではないかなと感じます。

○武内部会長 ありがとうございました。速水委員、お願いします。

○速水委員 ありがとうございます。私は、できた状況は違うのですけれども、熊野古道というのが比較的長距離のトレイルとして近年できていて、そこにさまざまな形で関わっているので、そこで気づいたことを何点かお話しさせていただきたいと思います。
 まず、やはり、海外からも多いので、国際的な視点で様々な看板をつくっていくというのは非常に大事ですけれども、もう一つは、看板の統一だとか、それから、看板だけではなくて、地域のもので徹底して地域の資材を使っていくというのは、管理コストも含めて比較的安くなるのです。ボランタリーの方々の協力を得ないと、これだけの距離は管理できない。先ほどの土屋委員のお話でもありますけど、そうなってきたときに、特殊なものが使われてしまうと、全くお手伝いできないということで、本当に徹底して地域のものを使っていく。
もう一つは、そう言いながらも、地域が結構勝手にデザインしたものを置きたがります。三重県、和歌山県、奈良県とあり、三重県だけでも統一しようということで看板を統一すると、しばらくすると、県はすっかり忘れて、かなり立派な看板が突然立って、「何なんだ、あのデザインは」という笑い話みたいな話があって、そういう意味では長期的にそのデザインをどう維持していくのかというのも非常に大事だと思います。
それから、トレイルなので、車で来て、歩いて、さあ、そこから戻るのはどうしようかという話がしょっちゅうあります。先ほど鉄道との連携とか書いてございましたので、その辺も計画の段階でどうしようかというのは、しっかりと議論をしておかなければいけないなと思っております。
また、熊野古道には語り部という表現で、地域の皆様が一生懸命、一声かかると、お金を少しいただいて、説明をするということで、やっぱり、そういう方々がいらっしゃるのといらっしゃらないのでは、歩いた後の感想が全然違いますが、やはり語り部の質というのは、どうしても地域の知識だけに限られてしまっているところがあって、先ほどから何度も意見が出ていますように、環境省がやる以上は、しっかりとした科学的な知識であったりとか、広い視点を持てるようなチャンスをお与えにならないと、育ってこないだろうと思っています。
最後に、これが発表されていくと、じゃあ、ここをつくりたい、ここにつくりたいという議論が出てくると思います。路線の決定というのは、市町村が結構気合いを入れてやられる方が多い。そうなってくると、ある人が一生懸命やると、独善的なコースの設定というのが出てくる。そうすると、どういうわけか、地元の市民が後ろ向きになってしまうというのは、よくある話です。そういう熱心な方であればあるほど自分の思いを語ってしまうので、非常に難しい。私は、熊野古道で森林の中を通っているので、地元民と行政が対立して、様々な問題が起きた時の調整を長い間とらされた覚えがありますが、完全に行政のミスなのです。やっていることはちょっと問題ではあるのだけど、きっかけは行政のミス、思い込みから始まっているのです。その辺を十分注意していただかないと、みんなで盛り上げるという形にはなってこない。どこまでステークホルダーの意見を吸収していくのかというのは、しっかりしていただきたいというのと、最後に、まちを通っていくときの設定の方法というのは、非常に難しいと思っております。
以上です。

○武内部会長 それでは、マリ委員。

○マリ委員 いろいろお話も出たので、重複する必要はないと思いますが、グリーン復興プロジェクトという名前は、とてもいいと思います。ただ、国立公園というのは何なのかという原点を、もうちょっと環境省は考えていただきたいなと思います。これは、ある意味では、国民の心のよりどころだと思うのです。国立公園を使われる方は、本来、別にお金をかけなくても、自然環境を楽しめて、そして、なおかつ自分の国にはこれだけ素晴らしい財産があるということを自覚するためにあるものであって、いろいろな問題点はあると思いますが、いつでもそこに行けば、何か自分が心のケアをされる、自然から得られるものがあるということが、すごく大事だと思います。グリーン復興、括弧して、心の復興みたいな形で、ネーミングを少し変えてもいいかなという感じがします。なぜかというと、やはり、自然環境がもう一度きちっと戻ってくれることによって、地元の方々も、自分たちの心もそうやって戻っているという気持ちになれると思います。
 それと、以前からもずっと話していることですが、例えば、アメリカの国立公園の道路の問題と関連しまして、三陸の地域の道路というのは、ドライビングコースに使えますし、万が一何かあったときのための避難道路にも使えると思います。このトレイルというのが、そのような道路と結びつくものなのか、それとも単なる歩くものだけになるのかということも問題だと思います。歩くということになると、イギリスをはじめとするヨーロッパ、その他いろいろな国に行きますと、海岸線とか山を歩くときには、きちんと舗装されていない道がたくさんあります。ドーバー海峡のところをずっと歩いていきますと、自然侵食されている崖の上に、家が乗っかっているのです。それで、どんどん侵食が進んでいき、崖が家に近づいてくると、機械でその家をもう一回内陸のほうへ引っ張っていくわけです。それだけ自然というものを、どうやって自然に対応しているかということを見せる場所も残っていたりしますし、道もそのままの砂利道のところをずっと歩いていてトレイルになってくれるわけですから、あまり手をかけずに、自然にトレイルができてくるけもの道のように、動物が歩いていたところと同じような形になっています。
そういう意味での公園のあり方というのでしょうか、今回のグリーン復興というのは、どう活用されるかということが大事だと思います。私は、何人か日本人の友達に聞いて、「あなた、国立公園って行ったことがありますか」と聞いたら、国立公園は人に来てほしくないようなイメージがあるというのです。「どうして」と聞くと、「あまり人が入ってこられたら自然環境を守れないから、自然環境を守るために国立公園になっているのでしょう」と言われると、「いや、そんなことない、だれでも行けるもので、ただ入った時に、きちっとした形で自分もそういうルールにのっとって入らなきゃいけないのよ」と。ですから、私は、非常にイメージメイキングというのが重要だと思います。
三陸地域も別に東北の方々だけの地域ではないです。国民一人一人もそこのステークホルダーであるからこそ、私たちは、復興支援していかなければならないという気持ちになっていただかなければいけないので、そういう点では、もう少しきちっとしたPRもやっていただければと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。森本委員、お願いします。

○森本委員 グリーン復興プロジェクトというのは、本当に大変いいネーミングで、ぜひ、これで復興のあり方というのに提起できたらいいなと思います。
その上で、少しだけコメントさせていただきたいと思います。それは、まず一般的な考え方のところで、いわゆる自然には二面性があって、恵みの面も災いの面もあってというような書き方がありますが、基本的にこれでもいいのですが、いわゆる短期的には災いがあっても、それ自体が長期的に恵みを生み出している面があるということと、それから、自然環境でいった時に、生き物だとかという要素と、それから、土地の形なんかのパターンと、それから、もう一つ、動的な環境というか、プロセスというか、三つの性質を合わせて自然環境というみたいなところをきちんと認識して、賢い適応というのをしていくという、そこに向けた復興ということが進められたらいいと思っています。
そのために、幾つか記載の中で気になったのが、防災教育とかが出てくるのですけれども、いわゆる災害というのは防いだらいいという発想ではなくて、自然災害と言われるものも、よく考えると、人災であったという側面も多くあります。むしろ防災ではなくて減災という言葉が正しいということがこの頃言われておりまして、京大の防災研も名前を変えた方がよいのではという議論もあります。
それで、地震のようなすごく一気に変動が起こるような、そういうものがあると、誰でも危機だということがわかるわけですけど、例えば、流砂系、砂が流れている系が日本全国劣化していて、河川の横断工作物で止まってしまい、海に出ていかないものだから、海岸侵食もあってという、そういうゆっくりしたプロセスというのも劣化していく中で今回の震災が起こっているという、そういうことを学んでいくという、そういうきっかけにもなればいいと思っています。
そういうこととあわせて考えると、13ページのESDの推進、これは大変いいことだと思います。これまで、ともすれば環境教育というのが、いわゆる自然体験と、それから倫理感を養うということに集約されるような面がなきにしもあらずだったのですけれども、実は自然のそういった災いももたらすような、そういうシステムと、社会的なシステムの両方合わさったシステム、それをシステム論的、システム工学的にとらえて、今、問題があるとしたら、そのオルタナティブを考えるという、環境リテラシーという言葉がミネソタのほうで言われてから、かなりになりますが、そういうものを学び、人間をキャパシティー・ビルディングしていくという、そういうためのコンテンツを実際につくっていくという、非常にいい教材でもあるし、場所でもあると思いますので、これを推進するということを書かれたのは大変いいことだと思っています。
それから、7番でモニタリングの話が出てきております。これは大変基礎になる大事なことですけれども、ぜひ一歩踏み込んで、鷲谷委員がおっしゃったように、例えば、今、自然再生の適地というものをスクリーニングして洗い出すとか、そういうところまで、次の土地利用にサジェスチョンを与えるようなモニタリングプラスその上の評価、ここまでやっていただけたらと思います。
それから、今後検討すべきところで、自然再生手法、体制の検討とあります。技術ではなくて、おそらく、例えば、その土地をトラストのような形で担保するというようなことが、多分現実的な面も出てくるところもあろうかと思います。そういう体制を、これはどこがどういうふうな具合に考えればいいのか、これは今まで民間でやりたいという人が提案するというようなことがあったかもしれないですが、何かこれをもっとオーソライズされた格好でも何でもいいですけれども、考える枠組みができていけばと思いました。
それからもう一つは、今後の効果的な実施に向けてというところで、連携の話が出てきております。もちろん大切なことですけれども、一つ思ったのは、国土交通省が海岸のほうで景観に配慮した防災、あるいは減災のあり方みたいな検討会をやられているようでして、例えば、先ほど、どなたかがおっしゃいました防潮堤を内陸側で低いのでしっかりしたものをつくれば、より効果的だというお話もありましたけど、海に近いほう、これを可能な限り砂浜を含めた場所を提供していくというのが自然再生に向けた一つのあり方かなと思っています。
ヨーロッパでは「More room for rivers」というようなコンセプトがありますけれども、「More room for ocean」というか、そういうコンセプトもあり得るのではないかなと感じました。
最後に、まだいろいろ合意されていないのでというのは、スライドで見せていただいた中で、少し思ったのですけれども、お神楽の例がありましたけど、これから実際にこういった復興をしていくときに、地域の歴史的な文化を大事にするというのは重要たと思います。それで前も申しましたが、鎮守の森のような社寺林のような歴史的な緑地というのが避難場所、あるいは避難所ですか、そういったことの役目も果たすということで、地域の歴史文化を生かしたような復興というのも国家的な実施に向けて進められればいいと思いました。
以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、あん委員、お願いします。

○あん委員 今までの委員の意見とかなりダブっているところはありますが、四つのポイントがあります。グリーン・リコンストラクションはとても素晴らしいことで、本当に中静委員と東北の皆さんに感銘しているばかりです。コミュニティからの活動をこういう形で取り上げて、21世紀のボトムアップのコミュニティ・エンパワーメントモデルになれたらと思います。
ただ、グリーンだけではなく、ちょっとブルーグリーンになれたらいいと思います。せっかく森・里・川・海のつながりをうたっているプランなので、ブルーがちょっと欠けているように感じています。
白山委員、中静委員、田中委員、浜本委員も言いましたけど、森・里・川・海のつながりが、かなり出たりはしていますが、抽象的で、農林水産省や国土交通省とどう連携をとって、インターミニストリアルな連携がもう少し具体的に出てこなければ、結局、これは紙の上のブループリントで終わってしまう危険性もあるのではないかなと、危機感を感じているところです。
8ページのところで、自然の脅威を学ぶというところがありますが、岡島委員はこの意見は既におっしゃったのですけど、この部分だけではなく、全体を見ると、歴史観が欠けているように感じていて、今を生きる狭い時間軸のプランになっているので、せっかく非常に長い歴史、自然史について書かれているのですが、ここは自然災害地域で、そういう歴史と文化を持っています。それがもう少し出てくるといいかなと思います。
余談ですが、東京で、iPhoneのアプリで今昔散歩というものがあります。江戸、明治、現代という地図が出てきます。そのため、今、霞ヶ関にいながら、それを押すと、じゃあ、江戸時代はどういう風景だったのか、そういったソフトの開発が、例えば、東北海岸トレイルを考える時には、そのように、皆さんモバイルジェネレーションになってしまいましたので、いろいろな看板を立てたりではなく、ペーパーレスとか看板レスの東北海岸トレイルをもう少し工夫して、何か歴史観のある東北海岸トレイルづくりができたらと思います。陸だけじゃなくて、海がもう少し入ってくるといいかなと思います。
三つ目のポイントですけれども、観光業とエコツーリズムが混雑しているように感じます。これは環境省が国立公園の案を出していく上では、やはり、エコツーリズムがもう少しきれいに出てくるといい。観光業を今までのマスツーリズムみたいなものではなく、きちんと信念に基づいたものが大事で、エコロジカル・フットプリントを削減していく中で、地産地消も重視しているようなものが大事と思います。
外国の例ではありますが、イギリスの湖水地方を考えると、別にそこの真似をする必要は全くありませんが、参考にするといいと思います。あそこは本当に看板が少なくて、短期間で、1カ月、2カ月滞在する人たちがいっぱいいる中で、世界中からビアトリクス・ポターの文学の世界を求めて、イギリスの田舎を求めていきますが、ああいうところはなかなかいいなと思います。
エコツーリズムで考えると、私は、ここ3年間、日本の旅のほとんどは海の方へ行っています。ヨットを使って、あちこち行っていますが、ブルーツーリズムがここにあるといいと思います。白山委員からも既に出ましたが、海からの東北海岸トレイルがあってもいいと思います。
今、ほかの省との連携を考えると、水産庁が漁港漁場のところで、大体319ぐらい壊れた漁港の復興を企画していますが、その中でプレジャーボートと漁船との共存の漁港づくりを考えているところもあるようなので、前からある課題でもありますが、そういった連携も考えていったらいかがでしょうか。
最後ですが、これを英語なり外国語に翻訳していくことを考えるときには、もう少し物語性があればいいと思います。生意気な意見で大変恐縮ですけど、非常にまじめに書かれていることは素晴らしいと思いますが、ただ、やはり人の心をつかむためには、コピーライターでも雇って、物語と東北の文化がもう少し出てくるといいと思います。
以上です。

○武内分会長 ありがとうございました。それでは、佐藤委員、お願いします。

○佐藤委員 この基本理念を読ませていただくと、非常に素晴らしいもので、これが実現できればいいと思います。タイトルのグリーン復興、今、あん委員もおっしゃいましたが、グリーン復興だけでは、やはり人のイメージはなかなか湧きにくいと思うので、ここに森・里・川・海グリーン復興なのか、少し何かつけていただいたほうが、よりイメージとして、何をやるべきかということがわかるのではないかと。タイトルからイメージできることというのはたくさんありますから、そこを少し、もし工夫の余地があればやっていただければいいと思います。
 それと、更地になっていますから、これからいろいろな施設をつくっていくということなのですが、何か新しいものがどんどんできてしまって、せっかくのエコツーリズムというようなものと、もしかしたら距離が出てしまうのでないかという危惧を感じます。更地になっているから、トイレにしても、休憩所にしても、何でもつくれてしまいます。その辺、地域とどういうふうにつながっていくかとか、地域にないものであっても、かつてあったものだとか、地域の人が大事にしたいものだとか。さっき速水委員もおっしゃいましたけれども、地域のもので何かつくるとか、一つ一つ大事にしていかないと、つなぐ前に点をどうやって膨らませていくかということを、もう一回きちんとやってあげないと、そこがすごく大事なところなのではないかと。早くつなぐということではなく、一つ一つを個性的なものにして、それをつないでいくというステップが必要ではないかなと。そこをちょっと逆に早く復興しなくてはいけないというのがあるから、少し危惧するところです。
 それと、意見交換の中で、矛盾する考えが出ていて、例えば、生活道路をトレイルのルートにすると問題だという話と、お寺でトイレを使ったらいいかと、矛盾することが出ているわけですけれども、もし、人が行くとすれば、立派なトイレがあるよりは、多分、つながりとか絆という観点からは、割とその場にあるようなものをうまく活用するということが良いのだと思います。
トレイル的なものでいえば、四国のお遍路さんというのが、象徴的だと思いますが、地域の人たちの関わりがどうできるかということを期待していくので、単に見に行くわけではないと思います。その中で普通の人たちから震災のいろんな話を聞かせてもらう、その中に、多分いろんなことを感じることがあると思うので、もちろん専門的なエコツーリズムの解説者も必要かもしれませんけれども、普通の人たちとどう出会っていって、その中で減災とかをどう考えていくのかということを、一人一人が発見するというのでしょうか、そういう場として、この公園ができればいいなと思います。
以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございます。磯辺力委員、お願いします。

○磯部(力)委員 ありがとうございます。簡単に述べたいと思うのですけれども、これから私が申し上げることは少しネガティブに聞こえるといけないのですが、真意ではございませんで、こういう提言をして、こういうことをやっていこうというのは、基本的に大いに賛成ですが、要は、従来の自然公園法という枠組みの中でやれることなんだろうかということが少し心配です。私、専門が法律制度なものですから、現行法の自然公園法の枠組みをそのままにして、その中で三陸復興国立公園という新しい自然公園が、これだけの中身のものを抱えてやっていけたら素晴らしいのですが、少し制度的な負担超過になってしまいかねないのではないかという危惧もあるので、その辺の環境省としても相当腰を据えてかからねばならないのではないのかなということを、ポジティブに申し上げたいと思います。
既に多くの方がご指摘のように、森・里・川・海のあたりの抽象度が高いのではないかとか、あるいは、効果的な実施を図る上で各省庁との連携とか、これは確かにこれ以上はこの段階で書けないと思います。あるいは、復興という概念にしても、復興という中に、これは鷲谷委員が最初にご指摘になったけれども、場所によっては原状回復という意味もあるでしょう。津波などによって新たに生じてしまった、そういう意味で新しい状況をむしろ保全したほうがいいということもあるでしょう。あるいは、それが組み合わさって、非常に個別のローカルな判断においては、何が最適な解であるかということに関して、もちろん公園法的に考えても、ものすごく難しい判断を問われることになるでしょうし、それを国立公園だから国がということになるのか。しかし、地域との連携とか多様な主体との連携、各省庁との連携というようなことになってきますと、一体誰がどういう手続で決めるのかという問題に関して、ものすごい難しい問題を抱え込むことになるのであろう。
そういう意味では、これまでの自然環境の保全と利用と、もともと自然公園法の中には一種の二律背反というか、矛盾はあるのですけれども、その制度の中で一番うまく泳いでいきますということなのか、これまでの様々な自然公園のほかに、今度、復興国立公園という、ある種の特別のカテゴリーができて、三陸復興国立公園法という法律をつくれば、一番よくわかりますが、それも難しいのかもしれません。この辺、私はかくあるべきだという定見を持ちませんが、やはり相当難しい問題をここで提起しているという自覚は持っていたほうがいいということは、一言申し上げたかったということです。

○武内部会長 ありがとうございました。磯部雅彦委員。

○磯部(雅)委員 基本理念方針には私は賛成ですし、ぜひ、具体的取組が実現するといいと思っています。
 今日、ドラフトを見せていただいたところで、気づいたところを6点、なるべく手短にお話をしたいと思います。
まず、1ページの「はじめに」の一番最初のところに、東北地方太平洋沿岸地域というのが括弧つきで八戸から相馬までと定義されていますが、やはり定義されているといっても、そのあと、東北地方太平洋沖沿岸というのが何回も使われていて、これはどうもやはり、さっきも土屋委員からお話が出たと思いますが、下北地方や福島の人たちに、少しかわいそうかなという印象がありまして、最低限、4ページの(2)の下の方に、「東北地方太平洋沿岸の地形は」というあたりは、ここで対象とするとか何かつかないと、太平洋沿岸というと、何といっても東北地方ですから、青森から福島まで全部というところとの整合を、ぜひつけていただく必要があると思います。
 2番目は、3ページの上から2行目のところで、地形変化の話で、「これらのほとんどは地形の変化、底質の変化」とありますが、これは底質の移動による地形の変化、あるいはもっとわかりやすく言えば、底質の移動による海岸侵食とか、そういうことだと思うので、この二つを並列させるべきものではないと思います。
それから、そのページの下のところの二つ目のパラグラフに「浜自体が消失している場所も見られます」というところがあり、ここについては修正意見ではなくて、私のコメントなのですが、蒲生干潟が侵食された、さらには名取川の左岸側、北側であるである井戸浦が侵食されたというのが非常に大きな侵食でありまして、ところが、少し離れてみると、蒲生干潟の反対側、七北田川の反対側の南側は侵食されていませんし、井戸浦についても、名取川のさらに北側、少し離れたところでは侵食されていません。なぜかというと、海岸堤防があったからです。
それで、ここは実は私のこれからの意見は、防災と環境との競合という問題と調和という問題に関わることなんですが、それは今のことで事実でして、もう一つは、仙台湾海岸でも南半分というのは、相当海岸堤防も被害を受けていまして、これは津波前から海岸侵食がひどくて、砂浜がなくて、津波が直接海岸堤防、護岸に当たって、それで被害を受けて、侵食されて、さらに陸域まで海になってしまってラグーン化したところまであるという状況です。
これを見ると、二つのことが言えて、やはり、砂浜を維持していくということは非常に重要なことであるということ。それから、井戸浦、あるいは蒲生干潟などを見ると、自然環境というものをある一定の場所にずっといい環境で保てと人間が言うほうが無理で、やはり、自然の営力によって移動するということは頭に入れなくてはいけないことであろうと思います。これは、書いてある文章自体は何の問題もないと思いますが、そういうことを頭に入れなくてはいけないと思います。
次に、5ページ目で、真ん中あたりに、仙台湾沿岸地域は、旧北上川云々とありますが、この沿岸地域の中に砂浜も入るとすると、ここは常磐海岸の崖が侵食されて北に土砂が運ばれてきたというのが仙台湾の砂浜海岸の非常に大きな土砂の供給源だったわけですので、それを頭に置くか、あるいは、それをきちんと書くとすれば、「堆積物」のあとに、「常磐海岸の崖が侵食された土砂により形成された」と明確に書くか、その辺、砂浜をどのぐらい意識して書くかということによると思いますが、そこは先ほど申し上げたように、仙台湾海岸の南が侵食されているというのは、まさにそこの問題なものですから、書いておいたほうがいいという気がします。それはつながっているということです。
それから、8ページ目にいきまして、下から二つ目のパラグラフで、「利用施設が人々の避難場所や避難生活に活用されることにも配慮して設計されることが望ましい」、まさにこの通りだと思いまして、今の防災の問題と環境の調和ということを考えると、とにかく逃げる場所をつくっておいて、そのかわり、できるだけ構造物は軽微なものにしていくということが一つの調和の方向だと思いますので、ここはぜひ頑張っていただきたいと思います。
その次に、13ページに飛びまして、(5)の森・里・川・海の中のその二つ目のパラグラフで、「里山のように人の手が加えられることにより維持されてきた生態系については、適切な保全・管理」と書いてありますが、おそらく先ほどの私のコメントを生かすとすれば、「自然の営力を理解しながら」というような、つまり自然というのはダイナミックなものなので、一時津波で侵食されることもあって、それがまた長い間に戻ってきてということがありますから、そういうダイナミックに管理していくというようなことも含めて、そんな言葉を追加したらいいのではないかと思います。
以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。下村委員、お願いします。

○下村委員 私は、地域社会の復興という観点から、三つばかり意見を話したいと思います。
国立公園ですから、一番最初に鷲谷委員がおっしゃったように、自然の復興再生の問題と、今回、災害ということで、地域社会の復興という二つの側面を、どのぐらいバランスよく入れられるかというところだと思いますが、それを常に苦労されて、うまく文章化されたという点は評価をしたいと思います。
ただ、そういう点で、先ほど少し言った、地域社会の復興という点からいうと、ちょっと弱くなっているところもあるので、その点をご配慮いただければということを3点お話ししたいと思います。
一つ目は、これは先ほど磯辺力委員からご指摘があったように、国立公園としてはかなり踏み込んだものを提言されています。ただ、地域社会が変わってきている中で、国立公園は徐々にいろいろなあり方が変わってきていますから、何となく成り行き的に変わってきているような印象も受けますが、今回、かなり踏み込んでいるので、その点をもう少し強調された方がいいと思います。
2003年に実は美しい国づくり政策大綱で、他省庁ですが、国土交通省が出されたものの前文はものすごく踏み込んでいて、これまではいろいろ社会資本整備ということをやってきたけど、本当に美しくなったのだろうかというあたりのところをはっきり書いておられるわけです。今回も、先ほど、マリ委員がおっしゃっていたように、これまでのところ、しばらくのニュアンスは割と自然を大切にするということで、地域社会と切り離した島状の保全をしてきたということに対して、今回、地域社会の復興ということで、かなり利用にウエートを置いて書かれているわけです。基本方針の1の自然の恵みの活用というところは、かなりこれまでの利用のあり方を踏み込んだ書き方の概念になっていますので、少し踏み込んだよというニュアンスを、もう少し入れた方が、地域の方にとっても、環境省はこれだけ入れてくれたんだと、概念を社会のために入れてくれたんだというあたりのところが、ニュアンスとして出た方がいいかなというのが1点です。
それから、二つ目は、先ほどから、「当面」という言葉で話題になっていますけれども、段階的に進めていかれる、これも地域にとって非常に重要なことで、スピード感と将来性というのが求められて、今回、そういう点で幾つかのステージを考えられて、スライドの中でもタイムテーブル、ステージプランが示されていましたけれども、そういった段階性をかなり入れているよというところは、むしろポジティブに書いていただいた方が良いと思います。また、当面やれることと、それから、今後の状況の中で考えていくことというのを、しっかり分けてやろうとしているというあたりのところも5番あたりで強調していただくといいと思います。
そのため、視点に関しても、再編成も段階的にやっていくことが、地域にとって、地域のいろいろな大きな現在の要請に対してこたえられることになるというあたりを、むしろプラス面に書いていただくといいと思います。それから、(2)の、先ほど速水委員が言っておられた、地域のことです。地域で徹底してやって、それと同時に、ここに再生可能エネルギーとか災害廃棄物の由来の再生資材の活用という話もあります。復興という視点から、こういう地域性とか、現在抱えておられる廃棄物の再生資材の活用というのは、非常に重要なポイントだと思いますので、再生資材についてはいろいろ難しい点もあろうとは思いますが、もう少し踏み込んで、しっかり地域社会の要請にこたえているというあたりを強調していただく材料にするといいと思います。廃棄物に関しては、環境省さんには大きなテーマですし、それに対して国立公園がしっかりこたえていくということを強調することも重要だと思いますので、その3点です。

○武内部会長 白幡委員、お願いします。

○白幡委員 これでまだ答申を出すわけじゃないですね、この文章で。

○武内部会長 これは今日の段階で修正があるかないかということですけれども、もちろん修正しなければいけないのですが、最終的には私としては、部会長一任ということで、答申ということにさせていただきたいと思っておりますが。それは皆さんにお諮りしなきゃいけないことですけれども。

○白幡委員 少し発言させていただきます。答申案は、とにかく理念はすごく全体的によく検討されていて、できるかできないかは別として、問題のつけようがないという感じはします。いろんな細かい、無理ではないかという意見も出ていましたけれども。
ただ、自然環境部会が、今回の大震災とそして復興に対して、よそにはできないどのような提案をするのかというと、やはり僕は国立公園ではないかと思います。
それで、復興についてのいろいろな会議ができましたけれども、何か新しいことをするという案が希望をもって語られたことはほとんどない。私は、唯一、復興国立公園というのが、新たに、大震災を受けながら、新しいものをつくるという、一つの非常に希望のある提案だったと思います。
それで、まさに国立公園の80周年というか、80年の記念の年に、この災害が起こって、そして、環境省は、これまで国立公園をどのように維持してきたのか。そして、なぜ国立公園がつくられたのかという、これはマリ・クリスティーヌ委員が言われましたけれども、その原点が一番大きい。それで今回の答申についてのキーワードといいますか、中心は、希望のあるテーマであったと思います。
基本理念のところ、グリーン復興という非常に大きな総合的に包摂できるようなテーマはいいけれども、何でグリーン復興なんだというのは、復興国立公園創設グリーン復興という、非常に具体的な形の理念にした方がいいと思います。
そして、特に、資料3―1「具体的取組」の1が、本題が自然公園の再編成というのはまずい。これは何か組織上のテーマであるかもしれないけれども、国民の夢にはならない。自然公園の再編成というのは、夢を持つ人はほとんど担当官しかいないと思います。しかし、三陸復興国立公園の創設といえば、これは国民みんなで一緒にやりましょうとなる。復興地だけではなくて、これまでの国立公園にはない新しいものをつくるという、非常に希望のあるプランが出てくる。これは副題と主題とが逆じゃないかと思う。三陸復興公園の創設のために自然公園の再編成をやるというのではないかと、僕は思います。
全体的に見て、そういう点で、すごくこの間、練り直されたのだけれども、練れば練るほど、役人型になったという感じがします。答申はこれでいい。しかし、主題は三陸復興国立公園の創設。それでないと、自然環境部会で議論して、よそができない復興のための提言のプランを立てたということにならない気がします。
以上です。

○武内部会長 どうもありがとうございました。大変いい意見をいただきました。基本理念もそういう方がいいかもしれません。復興国立公園の創設を通したグリーン復興というような。そのほうが確かにいいように思いますし、自然公園の再編成というのは、これは今の陸中海岸国立公園との関係で考えた論理ですよね。
 本当は、これで、これから質疑応答ということになるわけですけれども、時間も押して、もう既に超過しておりますし、一応、私としては、皆さん方からいただいた意見の大半は、答申案の中に盛り込みうる内容だと思います。私としても、ぜひ、皆さん方のご意見を、あまり役所的文章ではない形で盛り込むように努力をしたいと思いますし、世界に打って出るような文章にしたいとか、もう少し新しい国立公園という概念でのアピーリングな文章にするということが必要。それから、特に森・川・里・海の抽象性、ここをやはり具体的なイメージで、もしかしたら、これは国立公園の事業にならないのかもしれないですけれども、答申は答えですから、別に三陸復興公園でやれることとやれないことを両方書いても、全然この答申としては問題ないので、そこは少し省庁連携でやるような話も含めて幅広に書くということで、あまりこれ自身が三陸復興国立公園だけに限定した答申案だということでないということであれば、多分、磯部力先生のおっしゃったような話もうまくすみ分けられるのではないかと思います。そのため、国立公園の話と、それ以外の話というのを含んで、大きな答えというものについての答申だというスタンスで、少し修文をさせていただくことにしたいと思います。
今、これだけ多くの意見を伺った上で、こういう言い方をするのは大変恐縮ですけれども、お許しいただければ、部会長一任ということで、答申ということにさせていただきたいですが、それでもよろしいでしょうか。
(はい)

○武内部会長 どうもありがとうございます。
それでは、本日の議事をすべて終了しましたので、事務局の方で連絡事項等あれば、お願いいたします。

○事務局 長時間にわたり活発なご審議ありがとうございました。
本日の会議資料は、取り扱いは公開でございますので、よろしくお願いいたします。
本日の配付資料につきまして、先ほど申しましたが、郵送ご希望の委員の先生がおられましたら、お手元の資料のほうにご記入いただければと思います。
本日はどうもありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

○自然環境局長 本当にたくさんの貴重な意見、ありがとうございました。この答申の案の中に部会長と相談して、皆さんのお気持ち、いただいたご意見を盛り込んでいけるように事務局も努力していきたいと思いますし、この答申を受けて具体的な三陸復興国立公園づくり、あるいは、国立公園の周辺でのいろんな取組を進めていく、新年度から、そういう段階に入っていきたいと思っていまして、その中でも、今日、いただいた意見をぜひ反映させて取組んでいきたいと思います。
 具体的に国立公園の指定については、改めてこの審議会にお諮りをするということになります。それに向けて取組を進めて、今日いただいた意見を反映した形での新しい復興国立公園になるように努力をしていきたいと思いますし、国立公園の仕組みが生まれて、ちょうど80年ということで、ぜひ、この三陸から国立公園の新しい役割や仕組みを切り開いていくという気持ちで、これからも作業に当たっていきたいと思います。
 先日、自然環境野生生物合同部会で大臣からも申し上げましたけれども、こういった動き、世界の国々も注目していると見ています。そういうことも受けて、来年、アジアパークスコングレスということで、アジアの自然公園関係者が集まって意見交換をする会議を、できればぜひこの東北の都市で開催をして、ここで議論してきたことを世界にも伝えていけるようにしていければと思います。
 本日はどうも長時間にわたってありがとうございました。

○武内部会長 局長、今度、答申、来年度ありますよね。その間にこの部会で議論できますか。それとも自然公園小委員会の中だけで議論して、すぐ答申となりますか。

○自然環境局長 それはどっちもあり得ますので、部会の皆さんからのご意向もふまえたいと思います。

○武内部会長 私、今日、これで引き取っているので、このまま最終答申で、皆さん、どうですかというには、ちょっとしないほうがいいと思います。ですから、もう一度、国立公園に限定して、少し皆さんと議論させていただいた上で答申に持っていくというような段階を経ることはできないでしょうか。

○自然環境局長 できれば、段階的にということで、今回の答申については、部会長とまとめさせていただいて、個別に委員の方と……。

○武内部会長 今回の答申ではなくて、三陸復興国立公園の指定についての答申です。

○自然環境局長 それはまた次のステージ、第2段階で審議をお願い……。

○武内部会長 そのときに、あまり議論しないでいきなり最終的な案で議論するという話は、今まで過去にはたくさんあったと聞いているので、そういうことをしないようにしてくださいねというお願いです。

○自然環境局長 この三陸の公園は、いろいろな意味で新しい形で審議を進めていきたいと。

○武内部会長 そういう意味です。

○自然環境局長 具体的な国立公園の指定に向けての審議も、今の部会長の意見も踏まえて、皆さんにご相談できる機会をつくっていきたいと思います。よろしくお願いします。
どうも本日はありがとうございました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。

午後4時43分 閉会

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