中央環境審議会自然環境部会(第15回) 議事録

開催日時

平成23年12月22日(木)13:30~18:00

開催場所

環境省第1会議室

出席委員

(24委員)

磯部 力 臨時委員
磯部 雅彦 臨時委員
大久保 尚武 臨時委員
岡島 成行 臨時委員
敷田 麻実 臨時委員
柴田 明穂 臨時委員
下村 彰男 臨時委員
白山 義久 臨時委員
高村 典子 臨時委員
武内 和彦 部会長
田中 正 臨時委員
辻本 哲郎 臨時委員
土屋 誠 臨時委員
中静 透 臨時委員
中村 太士 臨時委員
西岡 秀三 臨時委員
橋本 光男 臨時委員
浜本 奈鼓 臨時委員
堀内 康男 臨時委員
マリ・クリスティーヌ 臨時委員
宮本 旬子 臨時委員
涌井 史郎 臨時委員
鷲谷 いづみ 委員
あん・まくどなるど 特別委員

議題

  1. (1)国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
    • 霧島錦江湾国立公園(仮称)及び屋久島国立公園(仮称)の指定について
    • 西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
    • 越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について
  2. (2)市民参加による干潟調査の取組

配付資料

資料1:
霧島錦江湾国立公園(仮称)及び屋久島国立公園(仮称)の指定に関する資料
1-1:
霧島錦江湾国立公園(仮称)の指定(案)の概要
1-2:
屋久島国立公園(仮称)の指定及び公園計画の決定(案)の概要
1-3:
霧島錦江湾国立公園(仮称)指定書及び公園計画書(案)並びに屋久島国立公園
(仮称)指定書及び公園計画書(案)
1-4:
霧島錦江湾国立公園(仮称)及び屋久島国立公園(仮称)の指定に関する説明資料
資料2:
西表石垣国立公園に関する資料
2-1:
西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要
2-2:
西表石垣国立公園 指定書及び公園計画書(案)
2-3:
西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)に関する説明資料
資料3:
越前加賀海岸国定公園に関する資料
3-1:
越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要
3-2:
越前加賀海岸国定公園 指定書及び公園計画書(案)
3-3:
越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(案)に関する説明資料
資料4:
アジア国立公園会議準備会合の結果について
資料5:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方について
5-1:
三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(骨子)
5-2:
地域における意見交換会の概要

議事録

午後1時30分 開会

○司会 それでは、定刻となりましたので、ただいまより中央環境審議会自然環境部会を始めたいと思います。
 開催に先立ちまして、本日の出席委員数をご報告いたします。本日は、所属委員34名のうち23名の委員の先生にご出席いただいております。
 本日の審議のためにお手元にお配りしております資料につきましては、配付の資料一覧のとおりとなっております。確認させていただきます。
 まず、資料1が霧島錦江湾国立公園(仮称)及び屋久島国立公園(仮称)の指定に関する資料で、1-1「霧島錦江湾国立公園(仮称)の指定(案)の概要」、1-2「屋久島国立公園(仮称)の指定及び公園計画の決定(案)の概要」、1-3「霧島錦江湾国立公園(仮称)指定書及び公園計画書(案)」「屋久島国立公園(仮称)指定書及び公園計画書(案)」、1-4「霧島錦江湾国立公園(仮称)及び屋久島国立公園(仮称)の指定に関する説明資料」になっております。
 続きまして、資料2が西表石垣国立公園に関する資料で、2-1「西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要」、2-2「西表石垣国立公園 指定書及び公園計画書(案)」、2-3「西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更(案)に関する説明資料」になっております。
 資料3が越前加賀海岸国定公園に関する資料で、3-1「越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(案)の概要」、3-2「越前加賀海岸国定公園 指定書及び公園計画書(案)」、3-3「越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更(案)に関する説明資料」になっております。
 続きまして、資料4「アジア国立公園会議準備会合の結果について」になっております。
 続きまして、資料5が三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてに関する資料で、5-1「三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(骨子)」、5-2「地域における意見交換会の概要」、5-3「陸中海岸国立公園及び南三陸金華山国定公園の景観評価」、5-4「東北地方太平洋沿岸の自然風景の特徴」、5-5「自然公園等整備事業の概要」、参考資料「東北地方太平洋沿岸の自然公園等の指定状況」になっております。
 配付漏れ等ございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは初めに、自然環境局長の渡邉より、ごあいさつ申し上げます。

○自然環境局長 自然環境局長の渡邉でございます。本日は、年末の大変お忙しい中、自然環境部会にご出席いただきまして、本当にありがとうございます。
 今日の自然環境部会では、大きく二つの議題についてご審議いただければと思います。
 一つ目は国立・国定公園の拡張についての諮問でございます。昨年10月の生物多様性条約第10回締約国会議で採択されました愛知目標の中で、陸域、海域におけます保護地域の拡充に関する目標が掲げられました。先週末には、国連大学、生物多様性条約事務局、環境省、石川県などの主催で、国連生物多様性の10年の国際キックオフ会合が金沢市で開催されました。その会合の中でも、各国政府がさまざまなステークホルダーとの協働のもとに、この愛知目標の達成に向けた取組を積極的に進めていく必要性が強調されました。今回の国立・国定公園の拡張の諮問におきましては、特に海域の区域拡大に力点を置いています。愛知目標を受けた海域の保護地域の拡大のための重要な第一歩と位置づけていきたいと思っています。
 また、自然公園法の改正によって平成22年4月から施行されました、海域公園地区制度によります初めての海域公園地区の指定もございます。
平成19年には日光国立公園から尾瀬地区を分離の上、区域を拡張して尾瀬国立公園を創設いたしました。こういった国立公園の分離、再編の二つ目の取組として、今回は霧島屋久国立公園について、錦江湾を大規模に拡張した上で、火山の景観を中心とする霧島錦江湾国立公園と、島嶼の生態系の景観を中心とする屋久島国立公園の二つに再編成をしたいと考えております。そして、それぞれの公園の特徴を活かした施策や事業の展開につなげていければと考えているところです。この案がご了承いただけますと、日本の国立公園の数が29から30となります。また、新しい国立公園の名称についても、本日ご議論いただきたいと思います。
 また、西表石垣国立公園ですが、西表島と石垣島の間の石西礁湖、サンゴ礁の海域を含めて大幅に海を拡張して、海域公園地区をこれまでのおよそ12倍の面積に増やすことなどにより海域の保全の強化を図っていきたいと考えております。これは、奄美・琉球諸島の世界遺産登録に向けての大きな一歩と位置づけていきたいと思っています。
 こうした今回の国立公園の拡張につきましては、昨年度の審議会の中で、国立・国定公園の全国の総点検事業の成果をご報告させて頂き、全国18の候補地域で国立・国定公園の新規の指定や大規模な拡張を行う方針を打ち出したところですが、それを受けた最初の成果となります。加えて、越前加賀海岸国定公園についても、大規模な海域公園地区の指定と、ラムサール条約湿地の登録を目指している中池見湿地の編入なども含めた公園計画の変更に関して、ご議論をいただければと思っています。
 そして、二つ目の大きな議題が三陸復興国立公園のビジョン策定に向けた検討になります。9月の第1回以降、今回で3回目の議論となります。前回の審議会以降、環境省は、三陸地方の地元の自治体や地域の方々との意見交換を進めてまいりました。本日は、こうした地域からの声もご報告をさせていただけたらと思います。その上で、これまでのこの審議会でのご議論を整理して作成しました三陸地域の自然公園を活用した復興の考え方の骨子案、これをたたき台として、議論をさらに深めていただければと考えております。
 たくさんの議題、そして、長時間にわたる審議になりますが、いずれも大変重要な案件と考えておりますので、さまざまな観点から活発なご審議をどうぞよろしくお願いいたします。

○司会 それでは、これよりの議事進行につきましては、武内部会長にお願いいたします。それでは、武内部会長、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 お忙しいところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。長時間になっておりますが、いろいろと審議することがあるということで、よろしくお願いしたいと思います。
 今、局長からお話がございましたように、この直前の週末に、石川県金沢市で「国連生物多様性の10年」のキックオフイベントを開催することができました。生物多様性条約のジョグラフ事務局長もその場に直接来ておられました。ちょうど2011年から2020年までというのは、愛知目標の短期目標と合致する期間でございまして、この間に愛知目標に定められた項目についてどれだけ達成されたかチェックされます。従来の目標ですと生物種の減少を食い止めるというようなものだけだったわけですが、愛知目標では、そういう状態をチェックするだけではなくて、人々の参加、それから何が原因でそうなっているのか、さらには、どのようにすると生物多様性の減少を食い止め、さらに生態系の回復という方向に向かっていけるのかという項目がいろいろと出されておりまして、我が国は、この目標達成を議長国として他の国に先駆けてこれを実現していくことに向けた努力が必要でございます。今回の国立公園の拡充については、そうした愛知目標の実現とも符合する形の我が国の取組だということですので、ぜひ皆さん方にはそういう観点も含めてご審議いただきたいと思っております。
 また、これとは別途、生物多様性国家戦略の見直しにもいずれ着手をするということになっておりまして、これは今日の議題ではございませんけれども、いずれそのことについても皆さんにご審議いただくということになろうかと思います。復興に貢献する国立公園という、これまで数回にわたってご議論いただいたことに加え、さらに愛知目標実現に向けたさまざまな取組について、皆さん方の活発なご議論をお願いしたいと思います。
 本日の部会は公開で行いますので、報道関係者や傍聴の方も同席しておられます。会議録については、後ほど事務局で作成し、本日ご出席の委員のご了承をいただいた上で公開をすることとなります。なお、議事要旨につきましては、事務局で作成したものを、私、部会長が了承した上で公開するということになっておりますので、ご了承いただきたいと思います。また、会議資料についても公開ということになります。
 それでは、早速、議題に入らせていただきたいと思います。
 霧島錦江湾国立公園及び屋久島国立公園の指定等について、ご審議をいただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○佐々木(国立公園課) 国立公園課の佐々木でございます。よろしくお願いいたします。
 まず、霧島錦江湾国立公園(仮称)と屋久島国立公園(仮称)の指定の件でございます。使います資料は、資料1-4にスライドを印刷したものがございます。それから、資料1-1に全体の地図などが入ったものがございますので、そちらもあわせてご覧いただければと思っております。
 それでは、早速、中身に入っていきたいと思います。
 まず、霧島屋久国立公園についてですが、霧島屋久国立公園は、霧島地域と錦江湾地域と屋久島地域の大きく分けて三つに分かれております。霧島地域は、鹿児島県と宮崎県の県境のところにある霧島地域を指定しておりまして、たくさんの火山が集まっているということが特徴であることと、火山の影響を受けた自然の原生的な植生が残っていることなどが特徴になっています。韓国岳、高千穂峰を初めとする登山の利用、自然探勝、キャンプ、それから温泉、霧島神宮も国立公園の区域に入っていまして、それへの参拝といったものが主な利用形態になっています。こちらの写真で写しておりますのは、今年の1月19日に噴火をいたしました新燃岳でございます。現在も火山活動は続いておりまして、火口から3キロは立入禁止の措置がされております。
 続きまして、錦江湾地域でございます。錦江湾地域は一般的には鹿児島湾と呼ばれているエリアで、その中央にある桜島の地域と、それから薩摩半島の南にある指宿の辺りの地域、それから大隅半島の南にある佐多岬の地域の三つから構成されております。錦江湾地域も、桜島、それから開聞岳といったような火山の地形が特徴になっておりまして、池田湖もカルデラ湖ということで、火山と非常に関係の深い地域となっております。こちらの地域は、ドライブなどの風景探勝、登山利用、温泉利用などが主な利用の形態となっております。
 それから、屋久島地域でございます。屋久島地域は九州の最高峰の宮之浦岳が一番高く、海岸からその宮之浦岳の頂上までの植生の垂直分布、それから縄文杉などの巨樹など島の生態系が評価されて、世界遺産にも指定されているものです。利用は、宮之浦岳の登山や縄文杉の探勝のほか、海水浴、魚釣り、ダイビング、ウミガメの産卵行動の観察など、さまざまな利用が行われている地域でございます。
 この霧島屋久国立公園の経緯ですが、昭和9年に日本で初めての国立公園の一つとして、霧島地域がまず国立公園に指定されました。その後、昭和30年に錦江湾が国定公園として指定されております。昭和39年にこの錦江湾国定公園と屋久島の地域を編入し、霧島屋久国立公園という一つの国立公園に編成されております。この昭和39年の編成のときは、屋久島地域と錦江湾地域が亜熱帯性の植生ということで連続性があったりとか、霧島、錦江湾、屋久島が鹿児島を中心にして利用としての一体性が活発になることを期待するという観点で、一つの国立公園にしていこうという判断が当時なされております。ただ、この再編成の際に、霧島屋久国立公園という名称となったために錦江湾という地域を代表する名前が、、国立公園の名称から消えてしまいました。霧島屋久国立公園は、その後、平成19年に見直しをして、屋久島の西隣にある口永良部島を編入しております。公園全体の利用者数は平成21年で1,100万人程度で、近年は微増傾向にあります。屋久島の地域は平成22年で34万人が島に来ているという状況でございます。霧島屋久国立公園の公園計画などを見直した部分につきましては、昭和60年代と平成に入ってから、3地域とも全般的な見直しを行っております。また、公園計画の点検なども行っておりまして、現在の公園面積は、海と陸を合わせて8万4,000ヘクタール程度となっております。この霧島屋久国立公園を、今回、局長の挨拶の中にもありましたが、再編成することを諮問させていただきたいと思っております。
 まず、背景ですが、霧島屋久国立公園の錦江湾地域で戦略的運営プログラムを環境省が策定しております。こちらは、九州新幹線の鹿児島ルートの開設など、利用の動態が近年大きく変化すること、それから、ジオパークをはじめ、歴史文化的な資源への関心の高まりなど、地域の社会的な状況も大きく変化しておりますので、魅力のある国立公園をつくっていこうということで、有識者や関係者の方々のご議論をいただいて、錦江湾地域を今後どうしていくか、そういった基本理念などを取りまとめたものでございます。このプログラムの中で、錦江湾地域は我が国で一番大きい海域カルデラを持っていて、自然資源、これは姶良カルデラという錦江湾の桜島の北部の湾になっている部分ですが、そこの資源、それから火山と一体となった、火山の影響を受けて成立してきた植生、火山と一体となった人々の生活・文化、そういったものを最大限に生かしていくことが確認され、火山活動などの「地球の時間」、植物などの「生物の時間」、それから人々の暮らしの「人の時間」、この三つをキーワードにして取組を進めることで話がなされております。
 また、もう一つの背景として、平成22年10月に国立・国定公園の総点検事業の成果を公表しまして、桜島の北部にある姶良カルデラが国内でも随一の海域カルデラを持っていることで、この地形を大規模に拡張して国立公園の区域に含めることが方針として示されたところです。この総点検事業の中で、今後、国立公園の大規模な拡張などを行う際に、もう一度国立公園の地形や生物の特徴を踏まえて、また、管理の体制なども考慮して、自然公園を適切な単位で分離・統合していくといったことも検討していこうということが取りまとめられております。その結果を受けまして、この度この錦江湾の姶良カルデラを大規模に拡張することを踏まえて、もう一度地域の資源を見つめ直した結果、霧島と錦江湾は火山活動がやはり中心になっているため、そういった地形や植生が中心の景観の単位であろうと考えております。屋久島のほうは、島の独特の生態系が優れているということで、二つの国立公園に分離するということを事務局で考えているものでございます。
 霧島錦江湾国立公園と屋久島国立公園という仮称の名称でございますが、こちらは地域の方々の意見も聞いた上で、環境省として仮称ということで提案させていただくものでございます。
 今回の変更を受けまして、面積の増減でございますが、霧島地域と屋久島地域に分けまして、今回、区域の出入りがあるのは錦江湾地域のみでございます。陸域は358ヘクタール、海域は2万ヘクタール程度を新たに編入することになります。
 それでは、これから個別の地域ごとに変更の中身について説明させていただきます。
 まず、錦江湾地域の変更のポイントでございます。奥部の姶良カルデラを公園区域に編入し、海域公園地区の新規指定を行います。また、既存の海域公園地区の拡張を行い、錦江湾を眺望する主要な展望地を編入します。それから、利用施設の計画を変更するという中身になっております。
 まず、錦江湾の西側にある重富干潟と白銀坂です。重富干潟は錦江湾の中でも最大規模の干潟でして、ハクセンシオマネキですとかクロツラヘラサギ、ミサゴといったような、環境省のレッドデータブックでも掲載しているような生物が生息している重要な場所でございます。地域のNPOの方が運営するビジターセンターがあって、調査・観察会、環境教育などの拠点として活用されているほか、海水浴場としても活用されております。この干潟の部分と、干潟のさらに海側にある海藻が茂っている場所、こちらも含めて海域公園地区に指定したいと考えています。園地、それから博物展示施設などを計画として追加しまして、今後、エコツーリズムの拠点としても活用できるような施設整備の検討を進めていきたいと考えているところです。
 それから、南側の白銀坂があるエリアになります。ここを脇元地域と呼んでおりますが、姶良カルデラの外輪山、カルデラ壁の部分の地形となっています。こちらを第2種特別地域として編入して保護を図っていくことで進めたいと思っております。こちらの地域は、日本たばこ産業株式会社のほうで「JTの森」として整備を進めているもので、会社が森林の管理を行ったり、調査を行ったり、歩道の管理、園地の管理を行っております。また、この布引の滝という落差20メートルほどの滝がございます。こちらのほうは地元の姶良市が、既に園地を整備していますので、公園事業に位置づけて適切に管理をしていきたいと思っております。また、この園地をつなぐ歩道、白銀坂線歩道ですが、こちらは以前、江戸時代に遡りますが、そのころに鹿児島から熊本までをつなぐ歴史的な街道だったところでございます。今でもこの石畳の道が残っているところで、公園の歩道として活用していくことを考えております。
 それから、今の脇元地域のさらに南側に寺山園地を追加したいと思っております。こちらも姶良カルデラのカルデラ壁の上にある展望台でございまして、錦江湾、桜島など、さまざまなところが見渡せる展望地です。こちらも既に鹿児島市が展望台を整備しましたので、今後は公園事業に位置づけて、連携して適切に管理を行っていきたいと思っております。
 続きまして、桜島と神瀬の海域公園地区でございます。こちらは桜島の西側の西南のほうにある地域で、まず、こちらの桜島海域公園地区(1号)というところですが、こちらは桜島の大正溶岩が海に流れ込んで、複雑な起伏に富んだ海底地形が見られるところです。ウミトサカ類、ウミウチワ類、サンゴなどが見られ、ダイビングやシーカヤックでも利用されています。こちらの南にある桜島の海域公園地区の第2号ですが、こちらは多くのサンゴが見られるほか、ガラモなどの藻場も発達しているところで、ダイビングで利用されております。こちらも北部を拡張するということで考えています。あと、この神瀬の海域公園地区は、藻場とサンゴが混生している場所でございます。ダイビングでも利用されているところなので、海域公園地区に指定したいと思っております。それから、その上のほうにある第3種特別地域ですが、宅地化が進んでしまったことによりまして特別地域としての資質が失われましたので、普通地域にするということを考えております。
 続きまして、東側の北側のところにある若尊鼻というところです。この若尊鼻は、今まで公園区域外だったところを第2種特別地域にしますが、こちらも姶良カルデラのカルデラ壁の一部の地形となっております。こちらを編入いたしまして、そこの中に九州自然歩道が通っておりますので、それを利用施設計画として位置づけます。その前面の海域100メートルのところですが、陸域の若尊鼻の風景と一体となった海上景観を保全するという意味で、海域公園地区に指定したいと考えております。
 また、その南側にある若尊海山海域公園地区ですが、こちらのほうは水深が80メートルから100メートルほどのところにありまして、円錐の形をした海底丘陵がございます。ここには世界的にも珍しく、比較的浅い海で熱水が噴出している場所がございます。そこにサツマハオリムシという、環形動物といってゴカイとかミミズの仲間ですが、チューブワームという生き物が生息していて学術的に非常に貴重であるということと、こちらから熱水が噴き出すときに火山ガスも出ておりまして、それが「たぎり」と地域では呼んでいますが、それがボコボコ出ているという自然現象が観察できます。そのため、シーカヤックなどでそういった自然現象を観察するという利用がなされているところですので、海域公園地区に指定したいと考えているところです。こちらが先ほど出てきましたサツマハオリムシと「たぎり」の写真でございます。サツマハオリムシは、大体この環の太さが直径8ミリメートルぐらいで、長さは50センチから1メートルぐらいになるのが一般的です。このように熱水のところで硫黄酸化細菌と共生しておりまして、硫化物を使ってエネルギーを生み出して生活しているという生き物でございます。
 続きまして、錦江湾の北部にあります神造島でございます。こちらは火山活動によって形成された島でして、姶良カルデラや桜島などとも関わりのある地形となっております。島自体を第2種特別地域として指定しまして、その周辺にサンゴなどもございますので、海域公園地区として指定して一体的に保全をしていきます。今現在は大規模な利用などはないですが、今後、利用が見込まれることから、園地や野営場などの計画を位置づけて、必要に応じて整備することも検討していきたいと思っております。
 それから、今度は桜島の東南のところにあります高峠でございます。高峠は錦江湾を広く見渡すことができる展望地でございます。霧島連山や薩摩半島なども見えるような非常に眺望に優れたところでございまして、現在は高隅山県立自然公園として鹿児島県が指定している公園ですが、こちらを錦江湾との一体性があるということで、錦江湾地域のほうに編入するということを考えております。こちらにはもう既に高峠園地として垂水市が整備をしてきた駐車場などの施設がございますので、それを公園事業として引き継いで管理をしていきたいと思っております。
 それから、今度は指宿と佐多岬の地域でございます。こちらの第2種特別地域から外すところ、第1種特別地域から第2種特別地域に変更するというのは、宅地開発などの原因で特別地域としての資質が下がってしまったところや、既に資質が失われてしまったところを変更するという形になっております。池田湖の東部園地のところですが、こちらは、池田湖は西部のほうに利用する拠点があったものですが、今後、東部のほうも眺望に優れているということで、必要に応じて利用拠点として利用の分散化を進めることを検討していきたいと思っているものでございます。それから、こちらの九州自然歩道の路線変更ですが、これは以前、鹿児島県のほうで九州自然歩道の路線変更の計画を定めたものに合わせて、国立公園の計画の路線を少し実態に合わせた変更を行うものでございます。佐多岬の地域ですが、大泊港の係留施設につきましては、今後の整備の見込みがないこと、またニーズもなくなってしまったということで、公園計画から削除したいと思っております。また、佐多岬線道路ですが、こちらは有料道路ではなくなってしまったので、一般の車道事業に変更したいと思っております。
 続きまして、霧島地域でございます。霧島地域は、今回は区域の変更はございません。ただ、地域では火山に対する認識が非常に高まって、ジオパークの活動などの機運が高まっているところでございます。環境省としてもそのような動きと連携しながら、火山景観の探勝に必要な歩道を追加したり、利用の実態に合わせて歩道の計画を見直すことを今回行いたいと思っています。また、公園計画に生態系維持回復事業計画を追加することについて、午前中の自然公園小委員会で具体の中身を審議いたしましたが、ニホンジカの対策を進めたいと思っております。
 こちらが霧島地域の歩道の計画でございます。基本的には、先ほど申し上げたとおり、利用上の実態がないものを削除し、よりふさわしい路線に変更していくということを考えております。また、高千穂峰のところにある宿舎ですが、社会環境、社会状況とかアクセスの状況が変わりまして宿舎としてのニーズが下がってしまっておりますので、今後は避難小屋として位置づけて、利用者の安全のための施設として運営していきたいと考えているもので、計画を変更したいと思っております。
 それから、ニホンジカの話でございます。これは日本全国の問題でございますが、霧島地域もシカが非常に増えて林床の植生が衰退してしまったり、固有のノカイドウとかの貴重な植物が食べられてしまったりといった被害が出ております。また、この地域では観光客による餌づけなども行われており、接触して人が被害を受けるといった人とのあつれきも心配です。また、農作物の被害も生じておりますので、生態系維持回復事業としてニホンジカの防除、餌やりの禁止などの普及啓発を行うなど、生態系の維持回復を図るためのシカの対策を進めるという計画を位置づけたいと思います。
 さて、このような形で霧島錦江湾国立公園として再編成するに当たりまして、今後これをどういう公園にしていきたいのかということですが、一つは、もう一度火山の資源というものに注目して、そのテーマを生かした自然、それから、人々の暮らしなども含めた資源の保全と利活用を進めていきたいと思っています。その一つがエコツーリズムの推進などの形にも現れておりまして、利用拠点の施設といったハードの対策、それから、ガイドの育成とかプログラムの作成の支援といった形のソフト支援の両方を入れていくことで、この地域でのエコツーリズムを積極的に進めていくということがこれからの課題になっています。また、新しく海域公園地区を拡張していきますので、マリンワーカー事業により海域の管理、ごみの清掃、調査といったものを進めながら、海域の管理を充実させていきたいと考えております。
 続きまして、屋久島国立公園の件でございます。ポイントとしましては、屋久島を国立公園に指定して、区域は現行のとおりとし、公園計画に、先ほどの霧島と同様に、生態系維持回復事業を追加したいと思っております。
 屋久島のシカの問題ですが、こちらでもやはりシカは非常に増えておりまして、貴重な植生などが、世界遺産の選定理由にもなっているような生態系に大きな影響を及ぼしておりますので、関係機関と密接に連携をとりながら対策を進めていくという中身で考えております。具体的にはシカを獲ったり、調査を行うことが大きな柱になりますし、公園の区域外との連携も行います。
屋久島国立公園を受けた新たな取組としましては、ヤクシカによる生態系への被害を初めとした、世界遺産に指定されている国立公園としての管理を、世界遺産の枠組みなども活用しながら幅広い関係者と取り組んでいくことが挙げられます。また、縄文杉への歩道の過剰利用など、自然環境に悪影響が出ているようなところもございますので、地域の関係機関と協議会の場なども持っておりますので適切に議論をして、よりふさわしい利用といったものを進めていくことを考えております。
 本件の審議に当たりまして、今回、非常に大規模な案件ということで、事前に中央環境審議会の委員の方々に錦江湾地域の現地の視察を行っていただきました。当日はこのような形で、重要な場所を確認していただいたり、部会長には取材の対応もしていただきました。ありがとうございます。
 以上で、最初の霧島錦江湾と屋久島の件の説明を終わらせていただきます。審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、この件について、ご質問、ご意見のある方はこの札を立てていただければと思いますが、いかがでしょうか。それでは、磯部先生。

○磯部(雅)委員 私はご説明いただいた変更案に賛成です。それで、こういう変更をする際に、中でエコツーリズムというご説明もあったわけですけれども、それを実質的に進めていくためには、レンジャーのような自然のインタープリターというのが非常に重要なことであると思うので、もし機会をとらえてこういうことが強化できるのであれば、ぜひ努力をお願いしたいと思っています。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、高村委員、お願いします。

○高村委員 国立公園だけではないですが、シカというのは、将来的にも植生に対しては大きな影響を与えるということが予想されますが、シカの採食の影響緩和というのは具体的にどのような政策を考えておられるのか、ございましたらお聞きしたいと思います。

○武内部会長 回答は後ほど一括ということで、とりあえず質問を最初に全部お受けしますので、土屋委員、お願いします。

○土屋委員 今回、霧島錦江湾国立公園と屋久島国立公園を新たに計画するという内容はわかりましたし、どのような計画をお持ちかということもわかりました。ただし、屋久島国立公園については、今の公園を拡大するわけではないということですので、分けるのであれば、屋久島として独立して国立公園として十分であるというような説明がないと不十分ではないかという気がします。錦江湾については、こういう内容があって、十分な内容は持っているという説明がありましたので理解できましたが、屋久島についても、独立して十分であるという説明がどこかで必要ではないかという感じを受けました。
 それから、錦江湾で、海中に生息する生き物について、いくつか説明がありましたが、その詳しいリストなどはこの公園計画書にあるのでしょうか。どういう生き物がいるか知りたいと思いましたので、ぜひ勉強させてください。
 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、あん委員。

○あん委員 この変更に関して大いに賛同していますが、特に海域が増加していくということは、愛知目標を達成していくためには、非常に意義のあるものではないかと思います。質問ですが、海域公園地区を増加していく中で、漁業権と関わっている漁場のようなものがありますでしょうか。

○武内部会長 ありがとうございます。辻本委員。

○辻本委員 ありがとうございます。高村委員の質問に関連しますが、シカの増加について問題になりましたけれども、過剰利用であるとか餌づけであるとか、そういったものが挙がっていましたけれども、シカが増える原因について、それぞれ場所によって違うと思いますが、どのように考えられているのかということと、それが生態系の悪化を招くということを一言書いてありますが、どのような生態系悪化の仕組みとかプロセスみたいなものを考えてやっておられるのか。すなわち対症療法で対応するのか、それとも、そういう因果関係を明らかにして、できるだけ減らしていくような根本的なものを考えられているのかということが質問でございます。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。柴田委員。

○柴田委員 全般的には特に異議はございませんが、もう少し詳細を教えていただきたいということで、若尊海山海域公園地区、特に熱水噴出孔を今回海域公園地区に指定するということについてお伺いしたいと思います。ご存じのとおり、熱水噴出孔につきましては、国際的に大変関心が高くなっておりまして、今回の指定は内水ですから特に問題はないですが、国家の管轄権を越える深海底等に見つけられている熱水噴出孔周辺の生物多様性をどう保護していくかという問題が、国際法も含めて現在議論がされております。そういう意味で、今後の国際的な動向にも影響を与えるかもしれない日本の国家の実行として、どのように政府としてお考えになっているのかをお伺いしたいということですが、まず一つは、この熱水噴出孔を中心として海域の公園指定をするのは、過去に日本として先例があったかどうか、初めてのケースなのであるかどうかということが第1番目。第2番目は、今回これを指定する主な理由が、その周辺の生物多様性ないしはその貴重な動植物であるのか、その熱水噴出孔であるということ自体であるのかという指定理由の詳細。第3番目に、指定された場合の、例えば、今後発見され得るような、もしくは既に発見されているような生物ないしは鉱物の資源について科学調査活動ができるのかどうかということと、また、資源開発ができるのかどうかということ。第4番目は、少しこの具体例とは離れまして、こうした海域における指定に関する政策の話でありますが、例えば、このような沿岸地域に近いところではなくて、日本の大陸棚、したがって、少なくとも200海里まで延びているわけですが、大陸棚においても発見され得るようなこうした熱水噴出孔を、日本として今の法律上、海域公園地区に指定できるのかどうかということをお伺いしたいと思いました。よろしくお願いします。

○武内部会長 ほかにございませんでしょうか。
 それでは、一括して回答をお願いいたしたいと思います。

○佐々木(国立公園課) それでは回答させていただきます。
 まず、屋久島として独立するに十分な理由があるのかということでございます。先ほど時間の関係もありまして、少し省略させていただいてしまったのですが、屋久島は、平成19年に口永良部島という隣の、同じく島の生態系を有している地域を編入しまして大規模に拡張を行っておるところでございます。このように、今回、錦江湾地域も姶良カルデラを大規模に拡張して、貴重な、国を代表するような大規模な地形の風景といったものを取り込んで充実をさせました。屋久島の地域についても、口永良部島という隣にある島も含めて一体的な保全を図っていくという形で保護の強化を図った経緯がございます。それに加えまして、屋久島は世界遺産としても世界的にもその島嶼の生態系の価値が広く認められているということもありまして、そのような背景も踏まえて、今回、霧島錦江湾地域と屋久島地域を分離したいと考えているところでございます。
 それから、海域の部分の漁業権の件でございます。こちらは漁業権は設定されております。地域の漁業者の方々と調整をいたしまして、このぐらいのエリアで、このぐらいの規制の中身であれば問題ないという合意をいただいてからの指定手続を踏ませていただいております。
 それから、シカの問題でございます。シカが増える原因としましては、いろいろ言われておりますが、冬の積雪が減って死ななくなったとか、人間の捕獲圧が下がってきたとか、そういったものが主な理由として挙げられているところでございます。シカの個体数全体として見れば、やはり明治以降の大規模な狩猟というものが盛んになった時期に個体数がぐっと一気に減り、分布域も縮小しましたが、それがどんどん増えていっているという状況でございます。シカが増えると、具体的には植物、絶滅危惧種の植物が食われてなくなってしまうといった直接的な原因もございますし、森林の下に生えている小さなこれから育つ幼木などの芽が食べられてしまうことで、森林更新がなされなくなるといった危険性、それから、本当にひどい場合になると、大きな木も樹皮を食べられて枯れていって、森林そのものが崩壊して、下層植生もなくなって、山の斜面が崩壊していくといったような場所も、現在実際に生じているところです。このようにシカが過剰に増えていくことで生態系への影響が出るということは、日本のあちこちで実際に生じておりまして、今回、生態系維持回復事業計画では、そのような背景も踏まえて、なるべく戦略的にその地域の個体群をコントロールしていくといったことを目標にしております。
 例えば、屋久島を例に挙げますと、高密度な地域と、それから今個体数が増えていっている最中の地域と、個体数が低密度で保たれている、三つの地域に分けることができております。これらを地域の関係者、特に世界遺産の科学委員会の下部組織であるヤクシカワーキングというところで対策の方針を検討していまして、そこで、今一番増えつつある場所をみんなで一気にたたこうとしています。それがうまくいったら、その手法も開発し、それを広げていこうというような方針でやっております。このときに、当然シカはもともといる在来の動物でもありますので、とり過ぎて絶滅させてはいけないので、定期的に調査をしてモニタリングをしながら、適正な数に落ちつけていくような方針で進めているところでございます。
 それから、若尊海山の件でございます。熱水噴出孔をこれまで海域公園地区で指定したことはございません。初めてのケースとなります。今回の指定の理由ですが、サツマハオリムシを初めとする希少な、独特な重要な生物がいるということも理由の一つです。また、この熱水噴出孔から上がってくる「たぎり」という火山現象ですが、これが海上で観察できるというのは非常に珍しい場所だと私たちは考えておりまして、今回の錦江湾の戦略的プログラムの中でも、そういう火山の地球の営みが感じられるところを運営、実際に体験できるといったことをしていきたいと考えております。つまり、国立公園の観点としましては、もちろんその貴重な生物などを守るという観点もありますが、今回のケースは、その自然現象を観察するという公園利用の観点も含めての指定となっております。
 鉱物資源の調査につきましては、基本的には調査したいということで申請していただいて、それが、許可の基準に適合するものであって、公益性があるといった理由が認められる場合につきましては、許可をとっていただいた上で調査を実施できるものと考えております。
 資源開発の件ですが、現在、指定理由になっている生物、それから自然現象といったものにどの程度影響があるのかということを総合的に判断しながら、どこまでだったら折り合いがつけられるのかといったものを調整していくことが重要なのではないかと考えております。また、国立公園外の話ですが、外洋のほうの深海の資源につきましては、基本的には国立公園の海域公園地区の指定は難しいと思っております。というのは、先ほども申し上げましたとおり、国立公園は、その保護をするだけではなくて利用もするという両輪の制度となっております。非常に深いところの海にある資源につきまして、見ることができないとか、皆さんのアクセスもできないといったことになると、国立公園としてはなかなか難しいところがあるなというのは感じております。そのため、国際的な保護の要請に対するスキームをどうしていけばいいのか、また、そういった重要な海域をどうやって抽出していくのかというのは、現在、環境省の中でも検討を進めているところでございます。

○土屋委員 錦江湾の動物のリストは。

○佐々木(国立公園課) すみません。錦江湾の海中の動物のリストでございますが、動物のリストは、資料1-2の245ページに、海域公園地区として指定する捕獲などを規制する動植物種のリストがございます。今回、その海域の点検に合わせまして、どのような海の中の生物がいるのかという調査をやっておりまして、その中でこのようなリストを作成しております。この中には含まれていないものなども、もちろん漁業対象種の生物などもございますので、そういったものは除いたリストになっていますが、バックデータとして、どういう生物が確認されているのかというもののリストを持っているところでございます。
 以上で説明を終わらせていただきます。

○武内部会長 はい、どうぞ、局長。

○渡邉局長 二つほど補足ですが、最後の海域の保護の話で、政府全体といたしまして、海洋基本法に基づいて海洋政策に関する政府の本部組織が動いています。その中で、MPA、海洋保護区の設定を進めていく、拡充していくというのが大事な課題になっていて、半年ほど前に海洋保護区の定義を定めたり、それに担う日本の保護地域制度としてどういうことが当たるのか、生態系の保全や資源の持続可能な利用のための制度としてどういうことが当たるのかというような整理がなされたところであります。その一つが国立公園で、私たちとすれば、この国立公園の仕組みをできるだけ有効に使って、国立公園を指定できるところはぜひカバーを広げていきたいというのが大きな方針であります。あわせて、先ほど外洋の方はという話もありましたが、環境省で、範囲としてはEEZまで含めて、生物多様性の面で重要な海域としてどういうところが挙げられるのかという重要海域の特定の作業を今始めたところで、3カ年ほどかけてそういった重要な海域、沖合も含めた生物多様性の面での重要海域の特定を進めていきたいと思っていまして、国立公園を指定できるところは国立公園、国立公園を指定できないところは違う仕組みを考えていくという対応を、今後検討していきたいと思っています。
 それから、体制の面、これは私たちも大変重要な課題だと思っていまして、この今回の霧島錦江湾から屋久にかけての地域について見ますと、えびのが一番早くて、昭和31年に現場にレンジャーを置いてきました。屋久島には昭和50年に置いて、鹿児島には平成12年に置いて、人数も少しずつ増やしてきました。それに加えて、非平成17年から自然保護官を補佐する非常勤の職員アクティブレンジャーも順次増やし、現場の管理の体制を少しでも充実させていきたいと思っています。
 以上でございます。

○武内部会長 ありがとうございました。
 事務局からの説明に関して、補足・追加的に、ご意見・ご質問のある方はおられますでしょうか。

○土屋委員 よろしいですか。

○武内部会長 はい、どうぞ。

○土屋委員 最後にご説明いただいた生物については、規制すべき生物については、リストは見つけましたけれども、どんな生き物がいるかということを勉強したいという質問でしたので、また機会がありましたらお教えください。
 それから、国立公園の要件というのがきっとあるのだろうと思いますが、どこかの法律に規制されているのがあって、それをもとに屋久島が十分要件を満たしているということが説明されるべきだとは思っておりましたけれども、要件が簡単に説明していただけるのであれば、なるほど、大丈夫だと理解できますので、もしわかればお教えください。

○佐々木(国立公園課) まず、リストにつきましては、追って情報提供をさせていただきたいと思っております。
 要件について説明を失念しておりました。申し訳ございません。国立公園の指定の要件は、定性的な要件と定量的な要件がございまして、定性的な要件としましては、我が国を代表する傑出した自然の風景地であるといったことになっています。それは、例えば、火山地形の織りなす風景が非常に大規模であるとか、または美しくて感銘を受ける、非常に豪壮であるとか、感動的だとか、そういった、ある意味あまり数値ではかれないようなものも含めた代表性、傑出性といったものを評価しているところです。そういった要件を満たすところを国立公園にしていくということになりますが、面積要件などもございまして、基本的には3万ヘクタールを超えるものということで基準が設定されています。また、核心地域として、その原生的なエリアを2,000ヘクタール以上持っていることといったものも要件に入ってございます。今回、屋久島につきましても、霧島錦江湾につきましても、3万ヘクタールは超えておりますので、それらの数値的な要件はすべてクリアした上での諮問となっております。

○武内部会長 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、(諮問)霧島錦江湾国立公園の指定及び屋久島国立公園の指定については、国立公園の名称も含めて適当と認めることにご異議ございませんでしょうか。
(異議なし)

○武内部会長 ありがとうございます。
 それでは、本件については、適当であると認めることといたしたいと思います。ありがとうございました。
 続きまして、西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更についての審議に入らせていただきます。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○佐々木(国立公園課) それでは、西表石垣国立公園につきまして説明をさせていただきます。
 西表石垣国立公園は、西表島の地域と石垣島の地域、それからその両島の間にある石西礁湖というサンゴ礁の景観といったものが評価され、国立公園になっている地域でございます。具体的には昭和47年に指定がなされたものでございます。面積は7万ヘクタールです。西表島と石西礁湖のエリア、それから石垣島のエリアに分かれていて、今回、この海域、石垣島と石西礁湖、それから西表島の主に南東部の海域を強化するということと、この西表島の南にある有人島としては最南端の波照間島、それから鳩間島、この二つを公園区域に編入するということを諮問させていただきたいと思っております。
 概要でございます。最初に指定されたときは、昭和47年で、これは沖縄の本土復帰の際にあわせて国立公園に指定されております。その本土復帰の直前に、琉球政府の政府立公園として西表の国立公園が指定され、その直後に復帰して西表国立公園になるという経緯を踏んでおります。その後、平成15年に全般的な見直しを行い、平成19年に石垣地域の編入を行いました。当初は西表島と石西礁湖のエリアだったのですが、平成19年に石垣島のエリアを編入して、名称も西表石垣国立公園に変更しております。西表島、石垣島ともに亜熱帯の生態系というものが非常に特徴的で価値のあるものとして評価されていまして、イリオモテヤマネコを初めとする固有種ですとか亜熱帯の原生林、自然状態を残す河川とマングローブ、それから連続しているサンゴ礁などが評価されて国立公園になっているものでございます。
 今回の変更のポイントは、先ほど申し上げましたとおり、海域の区域拡張を大規模に行うことで、約1万7,000ヘクタール、海域公園地区を8カ所から20カ所にして面積を12.4倍に増やします。それから、鳩間島、波照間島を公園区域に編入して、その優れた風景、自然環境を残し、保全するとともに、利用も推進していきます。それから、石垣島の島内の公園区域の細かい変更などを行います。面積としましては、変更後は陸域が1,300ヘクタール、それから、海域が1万7,000ヘクタール増加します。
 こちらが全体の絵でございます。海域公園地区は、この濃い青で塗ってあるところが新規の指定でして、拡張などもこの中に描いてあります。
 それでは、個別の地域の説明に入らせていただきます。
 まず、石垣島の北東にあります平久保・平野のところでございます。まず、この海域公園地区を900ヘクタールほどですが指定したいと考えております。こちらはサンゴ礁のリーフが発達しておりまして、非常に色彩の美しい鮮やかな海上景観が広がっていて、連続する砂浜も大変美しいということになっています。公園区域外に位置するのですが、こちらに平久保灯台がございまして、こちらから眺望するという対象にもなっております。そのほか、ダイビングでも利用されているほか、環境省の調査の「モニタリングサイト1000」でもサンゴ礁の調査を行っていまして、非常に高被度のサンゴ群集が確認されている地域でございます。それから、こちらの陸域の変更部分ですが、こちらは公園区域線がやや不明確になったところを明確にするということで、少し整理をさせていただきたいと考えているところでございます。
 続きまして、石垣島の北西の辺りにある米原・川平・御神崎の地域でございます。こちらは、まずこの公園区域外から第3種特別地域に編入する地域、ちょっと図が小さくて申し訳ないですが、ここの辺りのエリアになりまして、ここは底地ビーチという海水浴場に隣接する地域でございます。そういう利用があるということと、河川沿いにマングローブ林などもありまして、自然環境も優れたところとなっていますので、公園区域に編入したいと考えております。また、外部から特別保護地区に編入する部分と、外部から第3種特別地域に編入する部分がそれぞれ、この辺りとこの辺りになっております。こちらは八重山の固有種のセミの一種であるイシガキニイニイという非常に個体数の少ないセミの生息が確認されている地域で、これまで公園区域から外れておりましたので、今回、公園区域に編入しまして、その生息地も含めて守っていくということにしております。それから、こちらの海域公園地区の米原プカピーですが、こちらは高被度のサンゴ群集が確認されていまして、陸域からの人為の影響も少ない地域ですので、長期的に安定した良好なサンゴ群集であるというふうな位置づけになっています。ダイビングの利用も盛んに行われています。それから、こちらの川平と御神崎のところですが、こちらのほうは発達したリーフ、それから多様な海底地形なども見られるところで、サンゴも非常に発達しているところです。また、陸上からの展望などもできる場所ですので、海域公園地区として守っていきます。
 それから、今度は石垣島の東側の北のほうですが、明石という地域でございます。こちらも非常に海の色が美しい、鮮やかな海上景観が特徴でして、この辺に久宇良岳という山がありますが、パラグライディングが非常に盛んに行われておりまして、その際に、この海と砂浜と牧場の景観なども含めた、陸と一体となった海上景観を楽しむということができる場所でございます。こちらの海域はシュノーケルでも利用されていて、白保に次ぐ大規模なアオサンゴの群落が確認されているところでもございます。
 そこから少し南に下がったところで玉取崎というところでございます。こちらの玉取崎も展望台がございまして、こちらからの眺望の対象となっている非常に美しい海上景観がある場所です。こちらはちょっと波の影響でダイビングにはあまり適していないので、海中の利用はそれほど盛んではないのですが、優れた海上景観を保全する観点も含めて、海域公園地区にしたいと考えているところです。
 続きまして、今度は石西礁湖の内部になります。こちらはいずれも優れたサンゴ群集が広がっておりまして、ダイビングやシュノーケルの利用などもされているところです。石垣の地域では自然再生事業を行っておりまして、そういう中でいろいろ調査なども進みまして、新しくここのサンゴも非常に重要だということがわかってきたりとか、こっちにすばらしいサンゴ礁があるということがわかってきたり、また、過去の白化現象から回復してきている場所などもわかってきたりなどしていまして、そういったサンゴ礁を今回新たに海域公園地区に指定するものです。
 続きまして、今度は西表島の海域の説明になります。
 こちらは後良川という川の河口域にあるところで、そこの中にある島、後良川小島という島と、その河口域に広がる干潟の部分を保全するものです。後良川の河口、マングローブ林と海浜と干潟がセットになっておりまして、ミナミコメツキガニなどの多様な底生生物が生息している場所です。また、イリオモテヤマネコもこちらに出てきて、生息域として使っているといったことも確認されております。こちらは道路から眺望する利用のほか、カヌーでの利用などの自然観察なども行われている場所でございます。また、この後良川小島、こちらの小さな島でございますが、地域では「御獄(ウタキ)」として信仰の対象として親しまれている亜熱帯照葉樹林の広がる島でございます。
 そこから少し南に下がったところが、西表島の仲間崎です。この仲間崎の湾をちょっと遡ったところにある仲間川というところは、日本最大のマングローブ林があるところでございます。そこの河口干潟の一部を、今回、海域公園地区として指定したいと考えております。こちらも先ほどの干潟と同様に非常に生物が豊かな干潟になっておりまして、遊覧船やカヌーなどの利用も行われているところです。また、仲間川は西表島の中でも非常に大規模な河川の一つでして、亜熱帯照葉樹林の源流部から河川が連続してこの干潟まで続き、さらにその干潟から石西礁湖まで続いているという一連の生態系のつながりの中の重要な場所の一つとなっているところでもございます。
 それから、今度は西表島の南西のところにある鹿川中瀬というところでございます。こちらは非常に高被度なサンゴが確認されていて、タカサゴとかイスズミといった魚類、ナンヨウマンタの回遊が見られるところで、主にダイビングの利用が盛んなところでございますので、海域公園地区として指定したいと考えております。
 西表島の北部にある鳩間島でございます。鳩間島は、まず陸域を公園区域に編入しまして、島の中央にある標高34メートルほどのそれほど高くない展望地なのですが、島自体が低いので非常に眺望は優れておりまして、西表島も見えますし、それから、この鳩間島の南に「バラス」と呼ばれるサンゴの砂れきが堆積した干出する場所がありますが、そこもこの展望所から見ることができるものでございます。このバラスのところは非常に青い海と白いバラスのコントラストが美しくて、シュノーケル、グラスボートなどのマリンレジャーも非常に盛んでございます。このバラスの部分と、その周辺の海域を含めて海域公園地区として指定したいと考えております。また、この鳩間島には、現在、バラスに向かうためのマリンレジャーの拠点として港のターミナルにトイレがありますが、こちらに園地の計画としまして、海域公園地区の情報提供を兼ねた施設、シャワーなどの休憩の施設なども含めた園地の施設を入れることで、海域公園地区の利用などを含めてこの地域の利用を支援していきたいと考えているところです。
 続きまして、西表島の南にある波照間島でございます。こちらも陸域を公園区域に編入しまして、まずこの南側のところですが、特別地域に指定するところは高那崎という海食崖の地形が約1キロにわたって続いている地形のところを特別地域に指定していきたいと思っています。この周辺には海浜植生も広がっておりまして、非常に風景として優れたところになっております。それから、この西側のほうのこちらはニシ浜、ペー浜という砂浜の美しい海岸でございます。グンバイヒルガオなどの海浜植生やミズガンピの群落、そういった貴重な海浜の植生といったものがありますし、波照間島で唯一の海水浴場にもなっております。それらを保全するために第2種特別地域に編入して、両方に園地の計画を落とします。今ある施設が老朽化していたり、やや利便性が悪いところなどもございますし、探勝歩道などがないといったこともありますので、それらを一体的に整備してこの地域の利用を支援していきたいと思っております。それから、その前面の海域部分につきましても、海域としての海水浴の利用などもございますし、ダイビングなどの利用もありますので、海域公園地区として指定していきたいと思っております。
 今後、西表石垣国立公園において、今回の拡張を受けてどのような取組を進めるのかということでございますが、まずは、今までも続けてまいりましたが、自然再生事業でサンゴの再生や、陸域からの土の流入の問題などを含めて一体的に取り組んでいくことが重要かと考えております。また、今回、海域公園地区を大規模に拡張いたしましたが、一部ではダイビング、シュノーケル、グラスボートなど、利用が非常に集中している地域もございます。そういったところで、既にもう先行着手はしておりますが、地域の関係者と現地の自然保護官で協議の場を持っていきまして、どうやったら問題が解決していくのか、利用を適正化していくためにはどうしたらいいのかという対話を始めております。その中であるべき姿というものを見つけて、この地域が快適に自然を守りながら利用できるといったものを目指していきたいと思っております。また、現在は候補地として扱われていますが、奄美・琉球の世界遺産の登録に向けて、西表島の特に陸域の亜熱帯の照葉樹林を含めて公園区域の拡張を進めていくための検討をしていきたいと考えているところでございます。
 以上で、西表石垣国立公園の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 それでは、本件について、ご意見・ご質問のある方は、札を立てていただきたいと思います。それでは、磯部委員。

○磯部(雅)委員 西表島の北にバラス島がありますが、これは海岸工学的に見るととても珍しい、サンゴれきが波で堆積してできた島で、指定するのはとても適切だと思いますけれども、歴史的に言っても数十年というオーダーで、大きくなったり小さくなったり、二つになったり、動いているので、指定した後は地形の今後の変化を、よく見守っていただきたいと思います。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは次に、白山委員、お願いします。

○白山委員 私も鳩間島周辺が一つ気になって、線引きについてですけれども、この海図から見るとリーフエッジの点線と思っていますが、微妙に外れている場所があったりして、この地域の決め方について、もう少し広い範囲を決められるほうが合理的な感じがしましたので、ご説明をいただけるとありがたいというのが一つ。
 それから、もう一つは、西表、波照間とかが入ってくると、与那国島はどうなるだろうということが気になるのですけれども、与那国島について、今後、どのようなことを考えていらっしゃるのか、教えていただければありがたいと思います。

○武内部会長 それでは、田中委員、お願いします。

○田中(正)委員 後良川河口の海域の拡張のご説明がございましたけども、ここの図面を見ますと、これの陸側に河口付近を含めてかなり湿原ないし湿地が広がっていることが読めますが、ここが既に国立公園に指定されているのかどうかです。指定されていないとすれば、この陸域を含めた地域を国立公園にしていく必要があるのではないかと思いますが、その辺の見解についてお聞かせいただければと思います。

○武内部会長 それでは、土屋委員、お願いいたします。

○土屋委員 今回、石西礁湖に新たに重要な地域を設けるというご計画で賛同いたしますけれども、石西礁湖の中や鳩間島、波照間島周辺を含めて、相当部分が漁業の対象地域になっており、漁師さんのいわばテリトリーがすき間なく並んでいるような状況ですが、こういう指定をするときに、漁業との折り合いがうまくいくのかどうか、あるいは既に議論がされているのかどうかお尋ねいたします。

○武内部会長 それでは次に、敷田委員、お願いいたします。

○敷田委員 ご説明ありがとうございました。基本的に海域公園地区の拡大については賛成ですが、海域公園地区の指定の際に、海域の生態系は陸域と密接に影響し合うので、その関連が重要だと思いますが、この区域を指定する際に、陸域の生態系と海域の指定でどのように検討されたかという方針を教えてください。実際、石垣島の北部の西側の海岸が指定されていないということとも関連して質問をしたいと思います。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、マリ委員、お願いします。

○マリ委員 今までの流れのお話に関連しますが、一番最後に説明していただいた地元の方々とのこれからの話し合いで、いろいろ決めていくという話でした。しかし、このように国立公園に指定されてしまうと、皆様方が今まで生活してこられた場所、または外部の力を借りずに、食べていくために自分たちで考え発見したりして、いろんな方々をエコツーリズムとして連れていった場所とか、そういうものも国立公園に指定されて、例えば、入っていけなくなってしまったりすることがあるのではないでしょうか。また、その活用についても、とても大事に活用されている方々もいる中で、国立公園に指定されることでかえって、大きな開発業者が入っていっていろいろな形で開発しているところもあるわけですから、今後指定されることによって、地元の方々にとって本当にちゃんとした生活がしていけるような状況になるかどうかがとても心配なので、そこのところをどのように考えていらっしゃるかお聞きしたいです。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、中静委員、お願いします。

○中静委員 私は意見ですが、最後の今後の取組のところで、今回拡張されたところも含めまして、この地域は非常にサンゴ礁というのが非常に大きな価値を持っていて、今後、危惧される問題として、海洋の酸性化ですとか、温暖化の影響というのは非常に大きなものがあるので、ここに今、モニタリング等による取組を一層推進すると書いてございますが、特にその辺の監視は強めていただきたいと思います。以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、下村委員、お願いします。

○下村委員 今、地元との関係の話が幾つか出てはきていますが、このように海域指定がかなり充実してまとまったものになってくると、環境省でも所管されているエコツーリズム推進法で、地元のいろいろな利用に関して、全体構想を進められているところもあると思います。あるいは、それをむしろ促進することで、先ほど来出ている利用の過密なところの調整のルールづくりの話ですとか、資源管理をより充実させるというようなことも連動させ得ると思いますが、そうしたエコツーリズム関係の計画との調整というか、そういったものも進められているのかどうかという状況をお伺いします。

○武内部会長 それでは、あん委員、お願いします。

○あん委員 今までの幾つかの意見とダブっているかと思いますが、海域保護地区が増加していく中で、それが陸と海との資源管理保全にとって、どういうポテンシャルがあるかがもう少し出てくればいいのではないかと思います。また、こういう冊子の中でもう少し細かく書いてあるかもしれないですが、人にとってどういうベネフィットが生まれるかということが気になります。エコツーリズム関係のお話が説明の中でいろいろ出てきたりはしていますが、どちらかというと、外から来る人たちにとってのベネフィットが強調されているような気がして仕方がないですが、マリ・クリスティーヌ委員の意見とはほぼ同じだと思いますが、島民にとってそのベネフィットは何であるのか、そこは観光客にとってのベネフィットより重要ではないかなと思います。

○武内部会長 ほかに、よろしいでしょうか。
 それでは、事務局のほうからご回答をお願いいたしたいと思います。

○佐々木(国立公園課) それでは、回答したいと思います。
 まず、バラスの地形が非常に珍しいもので、変化していくものなのでということなので、私たちのほうでも注意して追いかけていきたいと考えております。
 鳩間島の海域の線の取り方についてでございますが、ご指摘のとおり、地図を見ると、はみ出ているところがあり、あと、特に西表島側のところにつきましては、今後、西表島の陸域の拡張と合わせて、北部と西部の沿岸域の……

○武内部会長 ちょっと地図を出して、具体的に説明していただけますか。

○佐々木(国立公園課) すみませんでした。こちらが地図でございますが、鳩間島はこちらにございまして、今回、この西表島の南部と西部の辺りの海域を中心に検討を進めました。あと、鳩間島の周辺ということで進めました。今後、この西表島の陸域と、その北部から西部にかけての海域というものを検討してまいりたいと思っております。その中でさらに精査をして、検討を進めていきたいと思っております。
 それから、与那国島の件でございます。与那国島は、西表のさらに西のほうにございます。今回の点検の中では、与那国島は行政区がちょっと市町村の区切りが違うということもありまして、まず、この西表の竹富町のエリアということで先行して着手をいたしました。今後も与那国のほうにつきましても、どういった支援があるのか、地域の方々はどう考えられているのかを含めて検討を進めていきたいと思っております。
 それから、後良川の河口の部分でございます。こちらは、後良川の河口は、現在、陸域が公園区域から外れております。こちらにつきましても、今後、陸域を全体的に見直していくことを考えておりまして、その中でこのような重要な湿地の部分というものは評価が上がってくると考えております。そういった中で含めていきたいと思います。
 陸域との関係、特に石垣島の海を守るために、陸との関係ということでございます。陸域は非常に今後の課題だと思っております。特に土砂が入ってくる問題ですとか、そういったものに対して今後も粘り強く地域の方々と相談をしながら、適切に守っていくためにどうしたらいいのかというのを我々も考えていかなければいけないと思っております。西表島のほうは、今後、陸域の大規模な拡張を考えておりまして、その中で海との連続性も含めて拡張としていくということを考えていきたいと思っております。特に、あん委員からの島の人にとってのメリットは何なのだというところに少し絡むのですが、やはりこのサンゴですとか美しい海というものはこの地域の宝であると私は考えております。それが多分、外から来る人はそれを観光資源、また、利用して自然を楽しむというメリットとしてとらえるのだと思いますが、島の人たちは、それが地域の宝であって、それが地域の誇りであるといったものであるべきだと私は思っております。そういった中で、地域の人たちが海のすばらしさなどをしっかり認識していただければ、陸域のほうの合意形成といったものも、徐々にではあるかもしれませんが、進んでいくのではないかと期待したいところでございます。
 それから、温暖化などの海域の監視の件ですが、自然再生事業の中での調査、モニタリングサイト1000の調査などで、環境省としてもこの地域のサンゴの調査は力を入れてやっていっております。今後も引き続き充実させていきたいと思っているところでございます。
 それから、エコツーリズムの全体構想の絡みなどにつきましては、ふれあい推進室長の堀上から、また、漁業対象地域の漁業者との調整とか住民生活との折り合いは、現地から保護官が来ておりますので、これまでの調整の過程も含めてご説明させていただければと思います。

○自然ふれあい推進室長 自然ふれあい推進室長の堀上です。
 エコツーリズムの全体構想をつくって地域のルール化、あるいはその資源の保護ということを進めていってはどうかというお話でした。西表につきましては、かつてからエコツーリズムの先進地域と言われておりまして、エコツアーが非常に盛んに行われ、なおかつガイドの方も非常に多いというところでございます。一部においてはエコツーリズム協会もできていて、いろいろな参加者の方々がそれぞれ話を進めています。ただし、それが全体の構想としてできているかというと、まだそうではないという認識はしております。こういった国立公園の拡張をきっかけにそういった動きが広がるように、私どもは、エコツーリズム推進法を進める立場からも、少しその調査を進めていきたいと考えておりまして、今後、国立公園を陸域にも広げていくという中でも、エコツーリズムのことは非常に大きく役割が出ると思いますので、こちらとしても注視していきたいと考えております。

○石垣自然保護官 石垣自然保護官事務所の千田と申します。
 漁業権との調整についてですけども、石垣と西表にかかるこの海域というのは、八重山漁協という漁協組合さんが管轄していまして、それで漁業権がいろいろと設定されているのですが、基本的には漁業対象種を海域公園の指定動物には指定しないという形の方針で合意形成を得たというところではあります。ただ、漁業組合さんにきちっと説明をして、同意書を得る形で合意形成をとって、この海域公園の指定というのを進めたところであります。

○渡邉局長 1点だけ補足なのですけれども、あん委員やマリ委員から、地元の暮らしとの関わりというのが大事ではないかという指摘をいただきました。私たちもそこが非常に大事な点だと思っています。冒頭申し上げた愛知目標の中でも、保護地域を拡大するということと合わせて、一番の長期のビジョンに「人と自然の共生する世界の実現」というのが置かれていて、私たちとすれば、ぜひこういう国立公園で自然を守る水準を高めることと、地元の暮らしを豊かにすることを両立し、それによって国立公園からその共生のモデルを示していけるような国立公園づくりをしていきたいと思っていて、エコツーリズムの取組、あるいは里山・里海の施策と国立公園をうまく連携させることで、そういった共生のモデルを提示できる国立公園づくりができたらと思っています。今年はちょうど国立公園の仕組みが生まれて80年の年にあります。そういう節目のタイミングで、そういった共生のモデルを示すという国立公園の役割についても、ぜひ進めていくことができたらと思います。

○武内部会長 それでは、奥田室長。

○生物多様性地球戦略企画室長 生物多様性地球戦略室長の奥田でございますけれども、7月まで3年間、那覇自然環境事務所の所長をしておりまして、一言だけ地域との関係を補足させていただきたいと思います。
 土屋先生にさらに補足していただけたらいいと思いますが、手続的には、今、自然保護官から説明したとおりですが、ご承知のとおり、サンゴ礁というのは漁礁として魚を増やす場所としての役割も持っていて、例えばオニヒトデの駆除みたいなものに関しては、地域の方々、例えば漁業組合の方たちにもお手伝いしていただいたり、むしろ地域の方々、漁業組合とかダイビングの関係者の方々が積極的にボランティアでも関わっていただいているところです。ですから、そういう意味では、この石西礁湖と呼ばれている地域ですけども、ここはまさに住んでいる人たちも自分たちの大切な資源として考えていただいているということで、ダイビング等の利用の側面と漁業の場としての側面の二つの側面において、今来ている現場のレンジャー(自然保護官)は、常にそういう方々ともお話をさせていただきながら、合意形成を図っているということでございます。その中でも、自然再生事業の話が出ましたけれども、自然再生協議会という協議会組織をつくり、土屋先生に会長をやっていただいております。説明の中には農業者の方、陸域の方もいらっしゃいます。そして、土を流さないようにすることに、どうしたら協力できるかとかいうことも話し合いをしていて、その地域のいろいろな方が参加して、サンゴを守っていくことをどうしていこうかということを皆で考えてやっていくために、その事務局を環境省と国交省の港湾との間でやっているというような取組もあります。実は、竹富町は全域を国立公園にしてほしいというのは町のほうから出た要望でございまして、地域との関係に関しては、もちろん細かいところではいろいろご不満とか、不安な方もいらっしゃると思いますけども、かなり地元の要望を踏まえた計画づくりをしてきたということは自信を持って言えると思います。

○武内部会長 それでは、委員の方から。はいどうぞ、マリさん。

○マリ委員 今の説明はよくわかります。私は、石垣、竹富、宮古島などに、行かせていただき、地元の方々といろいろな話をしていますが、こういう法律ができた場合、それを上手に利用できる方々と、上手に利用できない方々がいらっしゃると思います。上手に利用できない方々の中には、昔から地元にいらして、外から戻ってこられたりとか、外から来られた方々のほうが、上手に活性化させたりする能力や知恵を持っています。竹富島などがそうです。 国立公園、自然再生、エコツーリズムといったパッケージが利用可能な状態になったとき、本当に上手に、昔から地元にいらっしゃる方々とそれらを上手に活用できるブレーンの存在が重要です。国立公園の指定等によって、何かすごく自分たちが搾取されたという気持ちにならないように、やっぱり人をきちっと送り込むということがすごく大事だと思いますので、そういうところをぜひ注意をしながらやっていただけるといいなと思います。
 マングローブのこともそうですが、赤土を流すなと言われて、農業の方々にとってみれば、自分たちがいたから島が繁栄してきたという気持ちを持っている方もいらっしゃるわけですから、それを今から、今さらというか、何年か前からは、もう赤土を流さないように何とか頑張ってくださいとか言われても、素直にうなずけないような意識を持っている方々がかなりいらっしゃいます。私たちは、生物多様性の中でも、里山の生活が非常に持続可能で循環型の社会であるということを示そうとしているわけですから、そういう意味でも、地元にある持続可能な生活の仕方も含めて、考えていってほしいなと思います。

○武内部会長 ありがとうございました。ほかに。

○土屋委員 先ほど奥田室長のほうからすべてご紹介いただきましたので、つけ加えることはありませんが、今のご質問に対して少し情報をお届けしますと、自然再生協議会も多くのメンバーが関わって議論をしておりますが、私などが那覇から出かけていって議論するのではなくて、八重山の皆さんで積極的に議論してほしいということを前々から申し上げておりましたところ、もう地元の皆さんで積極的に議論していくような体制ができつつあります。成果については、またいつかご披露して、ご批判いただくかと思いますけれども、体制はでき上がりつつあるということをご報告いたします。

○武内部会長 ありがとうございました。
 それでは、ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
(なし)

○武内部会長 それでは、本諮問案件、西表石垣国立公園の公園区域及び公園計画の変更について、についてでございますが、適当と認めることにご異議ございませんでしょうか。
(異議なし)

○武内部会長 ありがとうございます。それでは、本件についても、適当であると認めることといたしたいと思います。どうもありがとうございました。
 引き続きまして、越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について、に関して、ご審議いただきたいと思います。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。

○佐々木(国立公園課) それでは、越前加賀海岸国定公園の件を説明させていただきます。
 資料としましては、資料3-1のほうに全体の地図なども入っておりますので、そちらをご参照ください。
 それでは、説明に入らせていただきます。
 越前加賀海岸国定公園ですが、石川県と福井県にまたがる海岸線を指定しております。日本海に面している海岸段丘や海食崖などの、また砂浜も含めて、非常に変化に富んだ海岸線が優れた自然の風景地であるということで指定されておりまして、福井県の東尋坊などは非常に有名な景勝地となっているところでございます。
 越前加賀海岸国定公園の経緯でございますが、指定は昭和43年で、面積は1万8,000ヘクタールとなっております。こちらは石川県側でこちらが福井県側になりますが、この石川県のちょっと出っ張った辺りに片野鴨池がございます。こちらは国定公園の第1種特別地域にもなっておりまして、1993年にラムサールの登録湿地にもなっているところです。冬期に数千羽のガンカモ類が飛来する渡りの中継地や越冬地としても非常に重要な場所で、オオタカ、オジロワシなども生息しております。数百年前から続く灌漑用水池としての利用と水田管理といったものが非常に重要な地域となっているところです。このような海岸と内陸にある里山的なところも含めて越前加賀海岸国定公園は指定されておりまして、公園の利用者数は平成21年度で660万人、これは指定の当初からの考え方ですが、基本的にはこの沿岸を車道がずっと海岸線に走っていまして、そこをドライブで楽しむという利用が中心になっていて、近年では、それに自然風景の探勝というようなこと、それから、里地・里山の体験、ふれあい交流といったものが新たな利用形態として加わってきているところでございます。昭和43年に指定して、平成5年に大きな見直しをしています。
 今回の変更のポイントでございますが、石川県の加賀市橋立から片野の地先の海面、600ヘクタール程度ですが、陸域が特別保護地区になっている非常に美しい海岸があるので、そこと一体となった海域の景観を保全していくということで海域公園地区の指定を考えております。また、里山の地域を公園区域に編入したり、東浦海岸という敦賀湾の東側の海岸の海域と陸域を公園区域に編入したり、それから、冒頭の局長の挨拶でもございました、今後、ラムサールの湿地を目指している中池見についても、公園区域に編入していくということを考えております。面積としましては、陸域が500ヘクタール程度、海域が1,500ヘクタール程度増加するということになります。
 それでは、まず最初に、具体の地域に入っていきますが、加賀海岸の海域公園地区について説明をさせていただきます。先に地図を説明させていただきますと、石川県のこちらの加賀海岸というところがございまして、この海岸線沿いに特別保護地区が入っているところでございます。そこの海岸風景と一体となった海域を海域公園地区に指定します。それがこの濃いブルーで囲われたエリアで、それにあわせてバッファーとして普通地域も1キロ拡張するということで考えています。風景としましてはこのように非常に変化に富んだ海岸地形が見られるところで、約5キロにわたってこのような風景が連続しております。長距離自然歩道も通っていて、このような探勝利用といったものもできるような地域でございます。それから、こちらが片野鴨池のところなんですが、この片野鴨池の集水域にもなっているこの山の部分ですね、こちらを普通地域に指定して大規模な開発から守っていくといったことを考えております。落葉広葉樹林が広がっている地域でございます。
 それから、第2種特別地域に編入する橋立地域でございますが、こちらにございます。こちらは、現地の写真はこのような感じで、今は加賀市が整備している橋立自然園というふうな形で、2011年7月にオープンした公園でございます。もともと雑木林のところだったんですが、そこを公園として利用するということで、オープンして間もないんですが、自然観察体験学習などで活用されているところでございます。大きくするとこのような感じになっております。面積が29ヘクタールの第2種特別地域への編入ということで考えています。
 それから、今度は加賀市のほうの新保町のところでございます。こちらはこのような砂浜海岸の内陸側にある、もともとは田園地帯だったところでございます。ただ、そこが開発が進みまして、このような写真でもそうなんですが、建物がいっぱい徐々に建っていきまして、特別地域としての資質が失われてしまったので、今回、普通地域にするということを考えております。
 それから、今度は敦賀湾のほうの地域になります。こちらは福井県のほうの地域になりまして、敦賀湾の、こちらが地図になります。敦賀湾がこのようにぐーっと入り込んでいまして、敦賀市がこちらにあります。こっちの西側の海岸は若狭湾国定公園になっておりまして、こちらの東側が越前加賀海岸国定公園になっております。ここまでが越前加賀海岸の国定公園の区域だったんですが、今回、こちらのほうのずっと湾奥のほうまで含めて海域を普通地域で拡張しまして、この内陸側の山肌、山の斜面のところを国立公園の区域に編入することで、この敦賀湾の風景を隣の若狭湾国定公園と一体的に保全していこうということで考えているものでございます。具体的には、このような山の斜面のところを第3種特別地域で編入していくということと、砂浜海岸になっていて海水浴などでも利用されているところは第2種特別地域で編入していくというようなやり方で考えております。こちらも、南側の地域ですが、同様に山の斜面のところを第3種特別地域で、浜のところを第2種特別地域でという形で考えているものでございます。
 これらの地域につきましては、先ほど、冒頭の説明で道路公園、道路からの景観をメインの利用としてとらえている公園と申し上げましたが、国道8号線という大きな道路が走っておりますので、それが風景探勝にも利用されますので、公園事業道路として位置づけていくということを考えています。また、既存の海水浴施設につきましては、公園事業として位置づけまして、国定公園の事業として適切に管理をしていきたいと考えております。また、南部のほうには海水浴場のほかに野営場もございますので、同様にしっかりと管理をしていきたいと思います。
 続きまして、中池見の湿地でございます。先ほど説明させていただきました東浦の海岸のさらに南側の内陸部に中池見の湿地はございます。中池見の湿地自体はこの部分になりまして、面積が大体25ヘクタールぐらいある湿地なんですが、今回はその周辺の斜面の集水域も含めて公園区域に編入して、一体的に保全が図るものでございます。
 中池見の状況ですが、このような形で周りは斜面に囲まれて、中に湿地があるというような立地になっております。非常にたくさんの生き物が生息しておりまして、野生生物3,000種を超えるとも言われております。トンボ類も、日本のトンボは大体190種程度いるんですが、この中池見だけで70種程度確認されるというように、非常に生物が豊かな湿地として注目されている地域でございます。
 中池見の成り立ちなんですが、非常に特別な地形を持っていると言われておりまして、袋状埋積谷という地形になります。もともとは、これが中池見の湿地の部分になるんですが、ここに断層が走っていまして、約10万年前かもうちょっと前だと思うんですが、そのころに断層で地形がずれまして、こちらの西側の部分が総体的に沈下しました。そうすると、こちらのもともとこのように川が流れていたところの上流域が沈下したことになりまして、ここが水がたまって湿地になるというような地形の成り立ちをしております。ここに泥炭が堆積しているのが確認されておりまして、約40メートルの深さにわたって非常に厚い泥炭がたまっていて、過去の植物の花粉とかも含めた記録がそこに閉じ込められている非常に貴重な場所とも言われております。こちらの地域は江戸時代に新田開発された経緯がございますが、戦後になって徐々に休耕田になっていった経緯がございます。もともと水田になったり、低湿地であったり、休耕地になったりということが繰り返される中で、モザイク状に植生が入り込んでいって、多様な生物が生息するようになったのではないかとも言われております。近年になって民間企業が開発するという話もあったのですが、結局は開発はされないということになりまして、現在はラムサールの湿地の登録に向けて保護の体制を強化して、適切に利用していくということが話し合われているところです。そのような地域の湿地の部分は第2種特別地域で指定しまして、その周囲のところは第3種特別地域で守っていく。一部、普通地域でも守るというようなことで考えております。
 この貴重な湿性の植物がございますので、水田の水路管理ですとか、水田管理といった事業を行うために植生復元施設を入れるのと、それから、もう既に「人と自然のふれあいの里」という形で敦賀市が整備しているんですが、ビジターセンター、駐車場などがございます。あと、木道などもございますので、そういった施設を公園事業として位置づけていって、適切に管理をしていきたいと思っています。こちらの道路につきましても、既存の歩道と車道を公園計画に位置づけるという性質のものでございます。
 今後の中池見湿地の管理のことなんですが、日本自然保護協会が音頭を取りまして、平成23年10月から地域でワークショップを開催しております。行政機関だけでなくて、専門家とか、地域で保全活動をされている団体の方々などをみんな集めまして、保全行動計画というものを今後策定していくという流れになっております。それを受けまして、敦賀市が中池見湿地の管理計画を定めていくということが予定されております。また、環境省のほうでも、今回の保護担保措置の強化というものができました先に、ラムサールの条約湿地としての登録というものに動いていけたらなということで考えております。そういうこともありまして、平成22年9月に環境省のほうでラムサール条約の登録湿地になり得る潜在候補地というものを選んでおりまして、その中に中池見湿地も含まれているものでございます。
 以上で中池見湿地を含む越前加賀海岸国定公園の説明を終わらせていただきます。ご審議のほど、よろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、本件について、ご意見、ご質問のある方、お願いしたいと思いますが。
 それでは、敷田委員ですかね。

○敷田委員 ご説明ありがとうございました。
 多少細かい話ですが、越前加賀海岸国定公園の加賀市の片野鴨池周辺の指定のことで質問があります。指定の、今、拡充をする普通地域、先ほど集水域に当たるのでというお話をされていましたが、既にその集水域の集水先のため池部分は指定がされていると思うのですが、今回は集水域というよりも、等高線でいうと反対側まで拡張していて、それも普通地域での拡張で、さきの指定の第3種とは地域指定が違うんですが、その背景を教えていただきたいと思います。

○武内部会長 それでは、高村委員。

○高村委員 中池見湿地を指定していただいて大変喜んでおります。どうぞよろしくお願いします。それとあと、質問なんですが、幾つか、これだけじゃないんですが、区域の指定がダウングレードしているところが、例えばこの加賀市の新保町というんですか、そういうふうなところというのが、幾つか、霧島にも宅地が入ってダウングレードするというふうな指定になっているところは、どういうふうな経緯でそういうふうになったのかというのを少しお教えいただきたいと思います。

○武内部会長 浜本委員、お願いします。

○浜本委員 私も先ほどの質問と一緒になってしまうんですが、片野鴨池周辺のこの集水地域の指定に関すること、この池そのものだけではなくて、その周りの集水地域というものを指定するということ自体は、とてもこれからもいろいろな地域で必要になってくるだろうとは思っておりまして、このあたりはいい事例になればいいなとは思うんですが、同じ池なんですけど、中池見湿地のラムサールの登録に向けてのところにはとても詳しい説明及び背景を説明していただいたんですが、この片野鴨池の集水地域についても、今現在、どんなふうな利用をされているのかとか、水系がどちらに流れていて、それに対する里山の利用というのがありましたけど、水利権などはどんなふうになっているのかとか、ちょっとそのあたりのところを詳しく教えていただきたいなと思います。

○武内部会長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 それでは、柴田委員。

○柴田委員 ありがとうございます。また国際法の観点からなんですが、ラムサール条約に基づく湿地登録、ぜひ積極的にやっていただきたいと私も思っておりますが、若干そのラムサール条約をめぐる外交に携わったことがありまして、基本的に日本政府はラムサール湿地への登録には大変慎重であるというふうに考えております。つまり、そのラムサール条約に基づく湿地登録可能なものの中でも、かなり慎重に選ばれてその登録をされていると。これは当然でありまして、単なる国定公園ないしは国立公園ではなくて、ラムサール湿地にいたしますと、国際的な管理のもとに入りますし、特にその変更等をするのにかなりハードルが高くなるということで、当然ではあるんですが、ここでお伺いしたかったのは、今回、こういう形で積極的に、単なる国定公園指定のみならずラムサール湿地への登録まで頑張ってみようというふうに思われた背景とか、このあたりをぜひ教えていただきたいと思いました。よろしくお願いします。

○武内部会長 ほかにございませんか。
 それでは、ただいまのご質問、ご意見に関しまして、お答えをいただければと思いますが。

○佐々木(国立公園課) それでは、回答をさせていただきます。
 まず最初に、指定した地域のダウングレードの件でございます。これは地域制の国立公園制度を持っている宿命とも言うところなのかもしれないのですが、一般の民有地なども含めて規制をかけて指定をするということをさせていただいておりまして、ただ、そうは言っても、一切さわるなというのも非常に難しい話でして、例えば、小規模なものでしたら許可をして、建物を建てたりとか、土地をちょっと変えたりとか、そういったものをやっていただくというふうな形で運用しているものです。ただ、一件一件は小さな許可であっても、それが積み重なっていくと、何十年もたつと大きく風景が改変されてしまって、資質がなくなるといったようなことが起こってしまう場所もございます。そういったものに対しては、なるべく現地で管理をする自然保護官なりが、ご理解をいただく範囲内とかでそういうことが起こらないようにという配慮をしていくことになるんですが、どうしても長い間積み重なったものなどがありますと、そういったことをやらざるを得ない場所も出てきてしまうというのが実情でございます。
 それから、ラムサール条約の湿地に向けた背景でございます。こちらは先ほどもちょっと説明をさせていただいたんですが、平成22年9月に日本のいわゆる湿地環境というものを科学的に見直しまして、ラムサールの潜在候補地という形で、どこがラムサールの登録湿地としての価値を持っているのかという洗い出しを行っております。この中で160カ所程度が選出されておりまして、それぞれ、例えば、鳥がこのぐらい来るとか、貴重な生き物がいるとか、そういった観点で候補地が選定されております。中池見につきましては、貴重な植物などを含めた生物の観点での候補地としての基準をクリアしたということになっています。これらの潜在候補地につきましては、ラムサールに登録するためには、自然の資質だけではなくて、やはりその保護の措置がきちっと図られているかどうかといったことも重要な観点になりますので、地域の方々の合意と、それから保護の担保措置がとれたかどうかということの二つがそろうと、ラムサール条約湿地としての登録に向けた作業が開始できるという性質のものです。今回、中池見につきましては、そのような形で地域の方々もその方向でということでご理解いただいて、保護の担保も国定公園としてとるということで、進めていきたいというふうにとらえているところでございます。
 片野鴨池の普通地域、なぜ第3種特別地域ではないのかというところなんですが、こちらは、こういう話をすると非常にあれなんですが、私たちも、自然公園の地種区分というものは、当然、その守るべき対象に対して、それにふさわしい規制の強さというものを指定したいと考えております。例えば、木をもう1本も切ってほしくないところはやっぱり特別保護地区じゃないとだめだとか、そういったふさわしい規制のレベルというものがございます。ただ、一方で、自然公園は民有地などで土地所有者の方の合意なども必要になってまいりますので、そういった調整の中で、本来であれば、この程度の基準がふさわしいと、指定する管理者が考えていても、どうしても、調整の結果、そこまで到達できないといったことが生じてしまうことがあります。ただ、そういった中でも、私たちは、例えば、例を出すとこの間の小笠原、2年ほど前に大規模に再検討をして大幅に地種区分を変更し、規制を強化したことがございますが、時間がたつにつれて地域の方々の意識も変わっていったりして、指定に向けて、規制の強化に向けて新しい話ができるような糸口もつかめてまいりますので、また引き続きそういった観点で、折を見て定期的に国立公園、国定公園の計画は見直しておりますので、トライしていきたいというふうに考えているところでございます。
 すみません。片野鴨池の周辺の水利権の話とか、ちょっと私、知識を持ち合わせておりませんで、もしよろしければ県の方から説明をいただけるとありがたいのですが。

○弘津(石川県自然環境課) 石川県の自然環境課、弘津と申します。
 今の鴨池の集水域の部分なんですけども、こちらにつきましては、鴨池が、ガンカモ類が餌場とするための田園地帯を移動するときに飛行ルートの一部となっているとともに、鴨池や水田地帯は水を供給しております下福田の貯水池、既に第3種特別地域になっているところなんですが、そこへ向けての集水域ということと位置づけられております。

○奥野(加賀市) 石川県加賀市、奥野といいます。
 集水域、この水利権等は、地元生産組合というのがありまして、そこが持っているかと思います。ただし、水が必要なのは田んぼでありますので、春から夏までで、冬場は片野鴨池のほうへ水が回るようになっているかと思います。

○武内部会長 ありがとうございます。
 ほかに何か説明はございますか。
 それでは、委員の皆さんから追加的な質問、ご意見、もしございましたら、よろしくお願いしたいと思いますが。よろしいでしょうか。
(なし)

○武内部会長 それでは、本諮問案件、越前加賀海岸国定公園の公園区域及び公園計画の変更について、についてでございますが、適当と認めることにご異議ございませんでしょうか。
(異議なし)

○武内部会長 どうもありがとうございました。それでは、本件についても、適当と認めることにいたしたいと思います。
 お陰様で非常に順調に今進んでおります。ちなみに、私、皆さん方の質問を全部受け止めるためにメモをしておりますが、霧島錦江湾及び屋久島国立公園についての質問は6件でございました。西表石垣国立公園についてのご質問は9件でございました。それから、ただいまの越前加賀海岸国定公園については4件ということで、大体皆さん方の、委員の方々のご関心がどの辺にあるかということが、これで大体わかるわけでございますけれども、特に私、西表石垣では、やはり地元に住んでおられる方にとって、この国立公園というのが本当にどういう意味があるんだろうかということを、もう少し我々として考えていくということが必要であるというふうな、そういう趣旨のご意見だったかと思います。かつては、国立公園というのは、まさに国が決めるということで、トップダウンであったわけですけれども、最近ではいろいろなステークホルダーが関わってくる中で、地域の住民の何よりも将来につながるような、未来につながるようなやはり国立公園であるということが、この時代にはとても大事なことではないかと思いますし、今後、皆さんにご議論いただく三陸復興国立公園(仮称)については、まさにそのことが一番大きく問われるということになろうかと思います。そういうことで、三つの大きな案件についてのご審議をいただいて、すべてご了承いただいたということで、大変ありがたく思っております。
 それでは、4時まで、15分ちょっとございますが、休憩とさせていただきたいと思います。
午後3時42分 休憩
午後4時00分 再開

○武内部会長 それでは、時間になりましたので再開させていただきます。
 事務局から報告事項があるということですので、よろしくお願いいたします。

○国立公園課長 国立公園課長の桂川でございます。
 それでは、私のほうから報告をさせていただきますが、お手元にお配りした資料のうち番号の4番、資料の4をご覧ください。アジア国立公園会議準備会合の結果についてというお知らせでございます。
 この準備会合でございますけれども、アジア地域におけるパートナーシップ、国立公園関係のパートナーシップの現況と課題について議論を行い、文化的・自然的条件において共通点が多いアジア地域における保護地域に関するパートナーシップのあり方を検討することを目的としました準備会合を、11月3日から7日にかけまして、環境省、それから世界保護地域委員会の日本委員会及び国際協力機構等の共催により開催をしております。会合にはアジア地域から18の国、地域の代表及び国際自然保護連合や研究機関の専門家など約70名が参加をしております。
今回の会合では、平成25年、再来年でございますけれども、第1回目のアジア国立公園会議を開催すること、これについて全会一致で決定をされました。世界国立公園会議、国立公園と訳すのが正しいかどうかわかりませんけれども、World Parks Congressというのが概ね10年に1回、開催をされておりまして、次回が平成26年に、多分オーストラリアで開催されることになろうと思います。それで、その1年前にアジア地域で会議を開いてはどうかと、そういうお話でございます。これまでアジアリージョンでそういう会議を開いたことはございませんでしたので、これが最初の試みということになります。
また、それをどこで開催するかということにつきましては、参加者からは日本政府、環境省に対しまして、日本で開催して、あわせて三陸復興国立公園を通じて保護地域というものが復興に対して果たす役割、あるいは地域社会との協働による効果的な国立公園管理のあり方、そういうものについても日本から紹介していただくような機会としてはどうかと、そういうようなお話をいただいたところでございます。現在、こちらにつきましては、私どものほうとして準備を始めたところでございます。まだ具体の内容、その他について決まっているというものではございませんけれども、三陸復興国立公園、来年度には指定の運びに入るものというように考えておるわけでございますけれども、その成果なども見ていただきながら、最初に申しましたとおり、アジア地域における国立公園を初めとする保護地域のパートナーシップというものを確立していくための会合を、ぜひ日本で開催できるようにしていきたいというように考えておるところでございます。
 以上、ご報告でございます。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、引き続き議題を進めさせていただきたいと思います。三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についてということで、事務局から説明をお願いいたしたいと思います。

○佐々木(国立公園課) それでは、三陸の自然公園等を活用した復興の考え方につきまして、事務局より説明をさせていただきます。
本日、お手元にお配りさせていただきました資料は、資料5-1が三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方(骨子)というものでございます。こちらは、これまで審議会において委員の先生方から承ったご意見などを項目ごとに整理するという趣旨のもので、今後、これを徐々に肉づけしていって、審議会からの報告事項として取りまとめていきたいと考えているものでございます。
そして、資料5-2のほうは地域における意見交換会の概要ということで準備させていただいたものです。こちらは、三陸復興国立公園、環境省のほうで年度末にビジョンを取りまとめていきたいということで考えているのですが、中央環境審議会の議論と地域の方々のご意向、ご意見などの両方を踏まえて策定したいと考えておりまして、それを皮切りとして地域で意見交換を行ってきた結果の報告になります。
 それから、資料5-3が、現在、指定されている陸中海岸国立公園と南三陸金華山国定公園が、どのような風景としての特徴を持っていて、どのような観点で指定されてきたのかというものを取りまとめたものでございます。
 資料5-4が、東北地方太平洋沿岸の自然風景の特徴としまして、今回、我々が検討しております八戸市の蕪島から仙台湾のエリアまでを含めて、どのような自然風景の特徴があるのかを整理しております。
 それから、資料5-5で自然公園等整備事業の概要といたしまして、私たちが今、国立公園や国定公園など自然環境の観点で施設整備などを行うことができる仕組みについて、ご説明させていただきます。
 参考資料で地図を配布しておりますので、こちらは適宜、ご確認いただきながら議論を進めていただければと思います。
 それでは、まず資料5-1の説明から順にさせていただきます。こちらは、前回は骨子の検討資料ということで出させていただいたものでございますが、今回、骨子という形で少し肉づけをしてまいりました。
 まず、目次につきましては、少し重複する部分などもありましたので、僭越ながら事務局のほうで少し整理をさせていただきまして、基本的な考え方として全体に係るような総論的な部分を、2番で三陸復興国立公園(仮称)の構想として、国立公園、長距離自然歩道、エコツーリズム、調査・モニタリング、民間とのパートナーシップという項目出しで整理して、国立公園とか自然環境の豊かな地域以外の、都市といったところまで含めて、周辺地域も含めて取り組まなくてはいけない問題につきましては、環境モデル地域ということで項目出しをさせていただきました。
 中身につきましては、前回からの追加部分は10月に審議会でご議論いただいた点につきましては、アンダーラインをつけて追加させていただいたところでございます。それから、文章につきましても、前回、簡略な箇条書きスタイルで整理していましたが、今回は、もう少し文章としても肉づけをした形でお示ししております。こちらのほうは後ほど議論の中心になるところでございますので、ご確認いただければと思います。
 それから、続きまして、資料5-2の説明に移らせていただきます。
 こちらは、先ほども申し上げましたとおり、地域で意見交換会を開催しまして、その結果となっております。被災地域、非常に広大ですので、今回は3地域で意見交換というものを開催してまいりました。岩手県の北部にある田野畑、それから宮城県の北部にある気仙沼と仙台、それぞれ12月の上旬に開催いたしまして、20名から30名程度の参加をいただきました。来ていただいた方々は、東北地方太平洋沿岸の市町村で震災被害を受けた市町村に声かけをしまして、その市町村の担当者の方々、それから市町村から紹介がありました地域で活動されている観光関係者や自然環境の保全活動などをされている方々にお集まりいただきまして、三陸復興国立公園の構想につきまして事務局より説明してご意見をいただいたものでございます。
 具体的にどんな意見が出たのかというのを、かいつまんでご紹介させていただきます。
 1ページ目の3.(1)、3ポツ以降の項目につきましては、資料5-1の目次と同じ整理でさせていただいておりますので、対照して見ていただければと思います。基本的な考え方で、そもそも三陸復興国立公園はどういうテーマでやるのかとか、そういう根本的な整理が必要ですよねといったそもそも論的なところもございましたし、三陸復興国立公園、4番目のポツのところにございますが、市町村の復興計画などに位置づけて地元としても協力する体制を整えてきたのですけれども、結果的に10分の10の補助になる復興交付金などのメニューにも自然公園の施設の再整備などは含まれていなくて、もっと具体的に環境省のやりたいこと、事業に対する財源の確保など、そういったものが必要なのではないかというご意見もいただいております。それから、仙台湾沿岸の地域につきましても、もっと積極的な支援を期待しているといった意見もございました。
 2ページ目に参りまして、上から2番目の意見でございますが、利用者の中には被災して困っていて大変な場所に遊びに行ってもいいのかというようなことを考えている方もいて、被災地を思う気持ちはありがたいのですが、地域が復興していくためには多くの利用者が来ることが大事なので、とにかく環境省からもどんどん地域を利用して大丈夫だという声を出していってほしいというような、早く利用を再開して地域の観光をされている方々の生計を支援する、そういった活動が求められているという意見もございました。
 また、(2)の①の1)のところでございますが、国立公園の指定、特に指定区域を拡大するということになった場合につきましては、行為規制といったものが地域の復興や活性化の妨げになるようなことも懸念されるという意見が出ております。これは、既存の自然公園地域であっても、現在、普通地域にしか指定されていないようなところにつきましては、今後、特別地域の指定などを考えていくといった際には、同様に行為規制を懸念する声が聞かれたものでございます。
 それから、そこの1)の4番目のポツにも、利用促進のための、とにかく津波で壊れた施設を復旧するための施設整備の予算確保が必要だという声が出ております。
 また、2)の2番目のポツですが、さまざまな特徴を持つ地域といったものが太平洋沿岸にはありますが、それぞれを全部一くくりにして一つの国立公園として再編成する際に、各地域が持っている独自性といったものが埋もれないようにしてほしいというような心配もしているというふうな声をいただきました。
 下から2番目のポツになりますが、先ほど国立公園の指定は行為規制が心配だという声があるという紹介をしたのですが、その一方では、復興というテーマに基づいて、仙台湾の沿岸なども含めた南部の地域を大規模に編入していくといったことがあってもいいのではないかという声も聞かれました。
 それから、次のページに行きまして、国立公園の名称についてですが、「復興」という言葉は、今はとても重要な価値を持っている。ただ、やはり復興していって地域が復興を果たした後、ずっと「復興」というのが名称に付いているのはどうなのかなという意見もありまして、一定の時期が来たら外すことも検討できないのかといった声がありました。また、特に陸中海岸国立公園の、今、指定されている地域の市町村の方々は、これまでもずっと陸中海岸から三陸海岸国立公園に名称変更したいというような希望を持っていたところが多くて、それで調整を進めてきた経緯がございます。なので、三陸は一つのブランドとして定着しているので、三陸海岸国立公園という名称がやはり妥当なのではないかという声もありました。また、もしも松島の地域を編入するのであれば、名称に松島というブランドを活用してほしいといった意見もございました。
 それから、4)の施設整備の観点ですが、上から4番目のポツのところで、もちろん被災した施設の復旧といったものが大事で、そのための予算や制度というものの設計をちゃんとやりなさいという指摘もあって、その上で国立公園の施設、特に環境省が整備できる施設だけでは適切な利用環境というのは生み出せなくて、民間の事業者の方に今、お願いしている宿泊施設ですとか飲食、そういう営利を目的とするような施設、それから交通・港湾などの基本的なインフラの整備といったものが必要になってくるので、幅広くやってほしいといった意見も聞かれております。
 また、②番の長距離自然歩道のところですが、2番目のポツのところで、特に、後ほど環境省の持っている施設整備のスキームをご紹介いたしますが、国立公園に指定されていない地域の長距離自然歩道に対しては、環境省は45%の補助をすることができるような仕組みになっています。ただ、今回、震災ということで、やはり45%の補助ということでは地域が困る、国立公園に編入されない長距離自然歩道についても国直轄で整備ができないのかといった声が出ております。なので、従来どおりの施設整備のスキームだけではない新しい仕組みが必要だという声も出ております。
 4ページ目に参りますが、特に仙台湾の沿岸の地域の方々から多く聞かれた意見として、長距離自然歩道には自転車道も含めて検討してほしいというような意見が出ております。仙台湾の沿岸は非常に平たんな土地が多く、また、これまでも震災前に自転車道が割としっかりとあった。自転車を使って地域を活性化しようという動きがあったので、自転車道も検討してほしいというような意見が出ております。
 エコツーリズムのところでございますが、ガイド育成などソフト支援も含めてやってほしいというようなことが出ております。それから、エコツーリズムが地域の雇用にもつながっていくといった意見も出ております。
 それから、一番最後の③エコツーリズムの一番下のポツのところでございますが、もともと陸中海岸国立公園の指定のときは、海から見る利用というものが非常に重要視されていた背景がございます。海面から雄大な海岸の海食崖の景色とか、そういったもの、ダイナミックさを体験するというものが陸中海岸のだいご味というところがございまして、ただ、それが時代の流れで、やはり車が中心になったりとかして、観光船とかが徐々に運航が少なくなってきているという地域の現状がございます。なので、陸からの歩道を使った利用などを活性化するのも重要なのですけれども、海からの利用、特に、観光船だけではなくて、最近は小さな漁船を使った体験型の利用ですとか、シーカヤック、ダイビング、そういったものを三陸沿岸でも徐々にこれから増やしていこうという機運があったところで震災が来ておりますので、そういった海の利用も積極的に進めたい、そのための支援をお願いしたいという意見が出ております。
 それから、調査・モニタリングですが、記録をとっておくことが非常に重要で、津波が来たという証拠、そういったものをしっかり押さえていくということが大事だという話が出ていたり、特に、湾の中に油がたまっている、まだ海底のほうに油がたまっているのではないかとか海の中のがれきをどうしたらいいのだろうか、そういった声が出ております。また、地域によっては、自然公園内でもそうなのですが、地震の影響で非常に地割れが発生しているところもございます。そういったところについて、安全性の観点での調査などを希望されているところもございました。
 5ページ目に行きまして民間とのパートナーシップですが、地域の人々が国立公園の管理に積極的に参加できるような施策の実施が必要であると。どうしても、こういうことはあまり言ってもあれなのですが、環境省のレンジャー、陸中海岸国立公園でも2名体制でやっておりまして、面積はそれほど大きくない公園ではありますが沿岸に長いということもありまして、なかなか地域の方々ときめ細かい対話というものが難しいという事情もございます。ただ、地域の方々からは、しっかりとレンジャーと対話をして国立公園の管理に地域の人々も参加していきたい、国からもそれにふさわしい支援というものがいただきたいというふうな意見が出ております。
 それから、環境モデル地域の項ですが、森・里・川・海のつながりといった観点については、地域の方もそういう観点は非常に重要だという認識を持っておりました。三陸海岸の特徴というものを、なぜ魚がおいしいのかとか、そういったことも含めて、森・里・川・海のつながりというものを地域の人たちが理解をして、それを観光客に伝えていく、それが地域の物産の付加価値の向上などにもつながっていくという意見が見られました。
 また、リサイクル資源を活用した自然環境の創造では、私たちは、どちらかというと災害廃棄物のリサイクル材ということを考えておりましたが、宅地造成の残土なども使えるのではないかというような意見も出ております。
 以上が地域で聞かれた意見の主な概要でございます。
 具体的に国立公園の再編成を進めようと思ったときに、どこの地域の自然公園をどういう観点で編入していくのか。先ほど議論した屋久島国立公園で、土屋委員から、そもそも指定の理由とか根拠というものがあって、それにふさわしいのかどうか、そういったご質問もございましたが、そういったところも見つめ直す必要があろうかと考えておりまして、資料5-3で、今の国立・国定公園がどういう根拠で指定されているのかというのを整理してまいりました。
 お手元の参考資料のA3の地図を見ながら確認していただければと思いますが、陸中海岸国立公園は、このA3の資料でいいますと茶色に塗られている沿岸部のところでして、岩手県の沿岸と宮城県は気仙沼市の部分の沿岸が指定されております。
こちら、今回、資料5-3では、過去に公園の指定などを行ったときの公園の指定書、計画書の抜粋という形で、どういう評価がされてきたのかを整理しております。陸中海岸国立公園は、結論から言いますと、風景地として評価されているのは海食崖、つまり、海岸にある崖の景観が評価されております。これは、指定当初の昭和30年の公園計画書でも、海食景観の優れている部分が国立公園になっていると書かれています。当時は釜石までだったのですが、その後の昭和39年に、さらに南の気仙沼まで拡張するのです。この釜石から気仙沼という地域は、地形としてはリアス式海岸の地形ではございますが、リアス式海岸の岬の先端にある海食崖が優れている地域を公園区域に編入するということで、海食崖景観というものを評価して編入しております。また、昭和45年に久慈まで北部を拡大したときでございますが、こちらのときも基本的には海食崖の景観が優れているということで拡張しておりまして、一貫して海食崖景観を評価して、これまで陸中海岸国立公園は指定を行ってきたという背景がございます。
 国立公園の指定の仕組みですが、このように我が国を代表する傑出した風景としてのタイプとしては「海食崖の景観」になりまして、海食崖の景観が広がっている地域を、まず公園の区域の候補地と指定します。それの連続する周りの部分について、特に自然環境が優れているような部分、それを景観要素と言っていますが、景観要素を含めて国立公園にするというふうな仕組みで運用しておりまして、中心にはならないけれども、周辺にある優れた自然の風景の場所、景観要素は、1ページ目の下のほうにある(2)のところで拾っております。
 これを見ますと、地形、地質の観点で、非常に古い地質があって化石の保存状態がよくて優れている場所があるとか、潮吹穴とか、そういった自然現象が見られる、海岸には奇岩がある、そういったようなことが拾われていたり、砂浜などもその中で評価されています。また、植生につきましても自然植生が評価されているほか、寒流と暖流がまざり合う場所ですので、北方系と南方系の植物の両方が見られるのが特徴的だとか、海の藻場が優れているので海中公園地区に指定しているといったような記述が出てまいります。また、野生動物の観点では、希少な海鳥も含めた海鳥の繁殖地といったものも景観要素として拾っております。また、文化景観としては、漁業者の養殖いかだなど、そういった漁業風景といったものが評価されております。
 一方、南三陸金華山の景観評価は、リアス式海岸の景観ということで評価がされております。これが国内でも傑出した規模を持っている、非常に代表性が高いといったことで、指定の根拠になっております。
その周辺にある景観要素としましては、地形、地質の観点では、先ほども古い地層があると陸中海岸のほうで言ったのですが、南三陸金華山のほうもやはり古い地層がございまして、特に化石がいっぱい出るといったような特徴がある。それから、植生としても、やはり暖地性の植生と寒地性の植生がまざっている。野生動物、自然現象では、特に金華山のニホンシカ、ニホンザルといったものですとか海鳥の繁殖地といったもの、昆虫のチョウの仲間、そういったものが評価されていたり、あとは、南三陸金華山は、特に金華山の神社など、文化景観もかなり幅広く拾っております。こちらに挙げましたさまざまな神社、それから行事、山には、「たつがねやま」とイは読みますが、そういったところにも仏教的なものがあったりとか、それから昔の番所跡みたいな、そういった文化的な資源といったものも評価されて、公園区域に編入されているところでございます。
これまでは、こういうふうな評価で国立・国定公園というものが指定されてきたというところでございますが、では、今後、三陸の復興国立公園として、どのような形で整理をしていくのかということに対して、まず今回は資料5-4で自然風景の特徴というのを整理してみたいということで、事務局が、特に地形、地質の観点から、東北沿岸の自然風景の特徴を整理しております。
国立公園の制度が始まって以来、ずっと一貫したポリシーとして、自然の風景を形づくっているのは地形であるという考え方があります。まず、大きな地形がランドスケープをつくっていて、それに植生などの地被というようなものが彩りを添えていくというふうな思想が基本的にはございます。なので、今回も、それに基づきまして、地形、地質の観点でまずは大きく分類してみようということでやってみました。特徴を取りまとめるに当たって、本日は残念ながら欠席ですが、審議会の委員の小泉武栄先生が地形の専門家でございますので、小泉武栄先生にもこの資料に問題がないかなどを確認していただいた上で、今回、準備をさせていただいております。そのほか、岩手のジオパークに関する取組をやられている方々からのヒアリングなども踏まえての取りまとめとさせていただきました。
まず、1番目の八戸市蕪島から牡鹿半島までの地域ですが、こちらは今の自然公園でいいますと種差海岸階上岳の県立自然公園から陸中海岸国立公園と気仙沼の県立自然公園、それから南三陸金華山の国定公園と硯上山万石浦の県立自然公園まで入るエリアでございます。この地域はいわゆる三陸海岸と呼ばれている地域で、地史としては北上山地がずっと隆起をしていって、また海水面のレベルが上がることで沈降(沈水)するという過程を経て形成された地域です。北上山地は非常に古い地質でして、数億年前というオーダーの地層を持っています。
見た目の風景としては、宮古市の辺りから北部の海食崖、宮古市から北を見ていただくと、海岸線がリアスではなくて、のっぺりと真っすぐになっているのが確認していただけると思うのですが、そういう海食崖の景観と、その海食崖の上にある海成段丘、平たんな土地というところの合わさった風景になっています。それから、宮古以南のリアス式の海岸の風景、入り組んだ、のこぎり状になった海岸景観というものがございます。リアスの海岸と海食崖というのは、最近、岩手のほうでジオパークの動きなどもあって検証されてきたことではございますが、もともとは北上山地という一つの地層としては同じものがあって、それが断層の入り方などによって海との作用で削られ方が違うので、断層が入ったところは川ができてリアスの地形になっていって、断層がないところは真っすぐながけになっていくというふうな、削られ方の違いによって風景が分かれているというふうにいえるというふうな形で現在は考えられております。
陸中海岸国立公園は、もう既に国立公園に指定されているとおり、海食崖景観は我が国を代表する傑出した風景であるといえると思います。また、三陸海岸南部のリアスの海岸景観も、国内で最も規模が大きく、三陸といえばリアスというぐらい典型的なものでもございますので、傑出性が非常に高い地域だと考えております。
これらのことから、三陸海岸というのは、北上山地が太平洋との作用で、関わり合いによって形成してきた海岸景観というのが一つのまとまりとしてあって、それが削られ方によって海食崖とリアスというふうに分かれるのですが、いずれも傑出した規模を持つ景観であるというふうにとらえることができようかと思います。
続きまして松島の地域でございますが、松島は仙台湾に突き出すようにして、松島丘陵という大体200メートルぐらいの高さの丘陵地帯が出ております。東の端の部分が海に接しておりまして、そこが海との作用で沈水して形成されたのが松島の島々です。先ほど三陸が数億年前のオーダーだという話をさせていただきましたが、松島は数千万年前の地質で構成されていまして、島が点在していることから内海多島海という風景のパターンになってまいります。内海多島海というのは、これまで国立公園としては瀬戸内海とか天草、英虞湾などが指定されているところでございます。
裏に参りまして、仙台湾沿岸の地域でございます。仙台湾沿岸の中で、松島はちょっと特徴的なので、それ以外の部分についての説明ということになりますが、こちらは旧北上川とか七北多川とか名取川などの比較的大きな河川が入っておりまして、その堆積物によって形成された沖積平野でございます。地質の年代としては数万年前という、かなり新しい地質のものでございます。風景の形としては砂浜海岸になっていまして、海岸部に砂丘が見られて内陸部に平野が広がるという特徴を持っています。日本の大規模な平野の多くが沖積平野でして、砂浜海岸として国立公園としては、これまでサロベツや鳥取砂丘などが評価されて、特に砂浜海岸と内陸側の自然性が高い地域を国立公園にしてきたという傾向があります。一方で、九十九里浜、遠州灘など、仙台湾沿岸よりも同等以上の規模を持つ砂浜海岸も国内各地に存在しておりますが、これらは国立・国定公園にはなっていない、評価はそこまではいっていないというようなことになっております。
 以上が、今回の対象としている地域の風景の特徴をまとめたものでございます。
 資料5-5が自然公園等整備事業の概要でございます。こちらは、先ほどの地域の意見交換会の中でも多数意見が見られたところでございますが、やはり被災した施設をどのように復旧していくのかというのが地域の非常に関心の高いところでございます。環境省の直轄でできる事業としては、国立公園の直轄事業というものがございまして、いろいろと、どういう地種区分でないと直轄事業をできないとか、条件はあるのですが、国立公園の中であれば環境省が10分の10の費用負担で整備を行っていくということができるというふうな形になっています。また、国指定鳥獣保護区についても、こちらは利用施設というよりは、むしろ鳥獣の生息地の保全・保護といった形の事業ですが、直轄での整備を入れることができます。
 一方、国立公園以外のところにつきましては、自然環境整備交付金制度というものがありまして、基本的には、環境省が45%を上限に都道府県に交付して、その中で都道府県が残りの裏負担を準備して、もしくは市町村が裏負担を準備して施設整備を行っていくという仕組みに現在ではなっております。
 以上で資料の説明を終わらせていただきます。
 ちょっと補足があるみたいなので。

○自然ふれあい推進室長 すみません、自然ふれあい推進室長の堀上です。少し説明について補足をさせていただきます。
 これまでの部会におきまして、いろいろご意見をいただいておりました。特に、復興の考え方につきましては、国立公園等の再編成について、風景についての評価のお話が幾つかございました。その点で今回、その部分の説明をちょっと詳しく事務局なりにさせていただいたというところでございます。
 それと、もう一つは、地域の意見交換会をしまして、地域の方から復興に支援をしていただきたいという声がかなりあり、施設整備のこと、あるいはソフト支援についてもご意見をいただきましたので、ぜひ、そのことを踏まえて審議会の中でもご意見をいただければということで、今回、いろいろと説明をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、三陸地域の自然公園等を活用した復興の考え方についての前にご報告がございましたアジア国立公園会議準備会合について、何かご質問、ご意見が、もしあるようでしたら、先にお受けしたいと思いますが。

○土屋委員 情報ですが、桂川課長には情報を一つお届けしたことがありますが、平成25年10月に世界のMPAの会議がフランスで行われます。その会議には環境省からの参加も大いに期待されておりまして、これとアジア国立公園会議が重なると困るなということがございましたので、ちょっとご記憶されていただけると助かります。

○武内部会長 ありがとうございました。ほかに。
(なし)

○武内部会長 それでは、もしないようでしたら、次の三陸地域の復興の考え方についてという部分についての質疑応答に移らせていただきたいと思います。ご意見、ご質問のある方は、札を立てていただきたいと思います。
 それでは、マリさん、お願いします。

○マリ委員 この中にエコツーリズムとかは出てくるのですけれども、オートキャンプとか、そういうものは、もうなくなってしまったのですか、国立公園から。欄というか、項目としては。

○佐々木(国立公園課) ございます。ちゃんと残っておりまして、キャンプ場の一つの形としてオートキャンプは残っておりまして、それは目次でいいますと2番の三陸復興国立公園(仮称)構想の中の(1)の三陸復興国立公園という項目の中で、国立公園の施設整備という形で、そのようなキャンプ場も含めた施設整備という話を整理していきたいと思っております。

○マリ委員 エコツーリズムというのはツーリズムの一つであって、オートキャンプと同等のレベルに並ぶものです。エコツーリズムをこのように出して……。本当だったら、では、エコツーリズムも2番の中に入るのではないのですか。

○自然ふれあい推進室長 エコツーリズムというのは一つの考え方あるいは活動というふうにとらえておりまして、地域の自然資源を活用して利用し楽しむと。それを解説し、お金を得ることで地域経済にも資するという考え方ですので、結構広いお話になっていくと思います。その中には、当然、キャンプ場を活用した自然体験活動も入りますし、一方で、国立公園の利用施設の整備といったときに、そちらのほうにもキャンプ場あるいはオートキャンプ場が入っていくと、そういう整理だと思います。

○武内部会長 よろしいですか。

○マリ委員 ちょっと考えます。ありがとうございます。

○武内部会長 それでは、鷲谷委員、お願いします。

○鷲谷委員 一つ質問と、もう一つ意見を述べさせていただきたいと思いますが、質問は、国の方針に関するようなことなのですけれども、復興に関する法律ができて復興の基本方針というのが策定されていると思います。それを見てみますと、私たちの感覚からいうと経済一辺倒のようにも読めて、自然環境に関することとか生態系、生物多様性はゼロというか考慮されていない復興の基本方針というのがつくられていると思うのです。それで、ここの復興国立公園というのを、これから構想して現実のものにしていくに当たって、復興の方針に入っていないことをやることにはならないだろうかと。基本方針を見てみましたら、若干関わりがあるのは、都市的な緑の確保みたいなことだけは入っていました。ただ、復興国立公園で考えようとしていることは、本来は重要なことですから復興の基本方針の中に位置づけられるべきことだと思うのですけれども、それが位置づけられていないこと自体が問題だと思うのですが、やや不整合があるような気もするのですけれども、それをどうしたらいいか。復興の基本方針自体を変えていただくような働きかけというのは難しいのでしょうかという、それが一つの質問です。
 それから、意見に関してなのですけれども、資料5-3と5-4というのは、私がものを考えるのにとても役に立つ資料だったのですが、これを見ながら、この場で私なりにギャップ分析というのをしてみました。それで、どういうことが結論されたかというと、これまで国立公園の中で景観としての重要性が評価されていたのは海食崖などが主です。そういう場というのは、もともと開発になじまない条件の場所であって、でも景観はすばらしいので、国立公園にはしやすかった場所ではないかと思うのです。それで、海と陸のつながりとして大切な自然生態系やそのつながり、海と陸のつながりというのはいろいろなあり方があるのですが、それらは国立公園の中にもあまり位置づけられていないだけではなくて、日本中から、もうかなり失われてしまっているのです。震災後に、そういうつながりの自然の回復の兆しが見られるようなところも、きっとあるのではないかと思います。
ギャップ分析の結果です。5-4の仙台湾の沿岸でしょうか、その辺りに砂丘のこととかが出ていましたけれども、例えば、日本の海と陸のつながりの中で大幅に失われてしまったものとして、砂丘とその背後の後背湿地のシステムというのがあると思います。砂丘が、ある意味では、ちょっと水の動きをとめるような面もあって、湧水群から流れてきた水が湿地をつくっているようなシステムです。生態学的にもよく研究されていたのは、茨城県の阿字ヶ浦の砂丘辺りなのですが、そういう場所ですから、農業にも利用できる場所なので、その谷地を使ったような小規模な農業など、人と自然との共生もあったような場だと思うのですが、そういうのは、残念ながら今ほとんど残っていませんし、汽水域の自然や塩の影響がもっと大きい塩性湿地なども極めて少なくなっている自然なのです。そういうところを、もし確保して、地域の人たちにも利益のあるような形で活用することができれば、日本の生物多様性や生態系保全再生上の意義も大きいと思いますし、地域社会の持続可能性を確保することにも貢献するのではないかというふうに思うのですが。
判断していくに当たって必要なこととして、物理的条件としては戻りつつあったとしても、生物そのもののほうは、しばらく開発されてから時間がたっていたりしますと、不可逆的に失われている場合もあるかもしれませんし、移動できる生き物だったら、物理的条件が整いつつあるので、もう既に周りに供給地があれば戻ってきていたりする可能性もあります。それで、希少種とか絶滅危惧種のモニタリング、きっと、まだ系統的にお役所でモニタリングというのはないとは思うのですけれども、志のあるボランティアの方たちがモニタリングデータを集めていらっしゃったりすれば、そういうものがあると、もう少し具体的にその重要性を社会にアピールしたり計画に取り入れることの妥当性を、自然科学の面から裏づけたりすることというのもできるのではないかと思います。
私が若干知っていることは、月刊「むし」という雑誌に志の高い方がモニタリングした結果をエッセイ風に書いていらっしゃって、その中にヒヌマイトトンボの話が出ています。その結果というのは、私たちが保全生態学という立場から、絶滅というのはどういう条件のもとで起こりやすいと、逆に大きなイベントがあっても絶滅が起こらないのは、どういう条件が確保されているからというふうに理論的に考えていたことが、そのまま当てはまるようなモニタリング結果なども出ているのです。もちろん物理的な条件から見ていくことは重要ですから、今日、整理していただいた資料というのは大変役に立つのですけれども、それに加えて、生き物がどう応答しているかの情報をこれから集めることができるものもあると思いますけれども、そのようなものがあると証拠をもって、社会に「ああ、こういうことが必要だ」ということを訴えていきやすいのではないかと思います。
以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。回答については、後ほど一括ということでお願いしたいと思います。敷田委員。

○敷田委員 全体的な話になりますが、復興の考え方(骨子)の中についてです。基本的な考え方の中には理念のような内容と具体的な施策のようなことも含まれておりますが、これを実際にどのようにして実現をしていくかというプロセスの設計が組み込まれていない。つまりマネジメントの部分が抜けているので、せっかく高い理念と内容が出てきても、それが実現していくことを視野に入れられないのではないかと思います。民間とのパートナーシップのところにプラットフォームという提案をしていただいていますが、実際には、この広い南北に長い地域を、先ほどレンジャーは2人というふうに、たしか、おっしゃっていたと思いますが、それでこれだけのいろいろな民意を酌み上げたり、地域の事情を勘案しながら事業を進めていくことというのは、不可能に近いと思います。
そういう面からいえば、国立公園、新しい試みとして、例えば、公園計画のようなものをつくる前の段階のマスタープランづくりを、地域の方々が参加をして公園運営会議のような新しい仕組みを入れる以外は、なかなかバランスをとりながら実現していくということが難しいように思いますので、それをご考慮いただきたいと思います。そういう面からいえば、地域社会の方々や専門家も含めて、国立公園の方針を決めていくという一段階がここであっていいように思います。現在の自然公園法の中には、そういう枠組みをお持ちでないとは思いますが、せっかくの新しい提案ですので、そこまで言及することが、実際、皆さんが提案していらっしゃることの実現に近づけると思います。
広い意味では、国立公園の地域のガバナンスの再構築のようなところがありますが、そうすれば、この政策実施についてもかなり順応的にやっていける。最初に決めた理念や考え方というのは、当然、地域の事情の変化や、やってみてうまくいかないということで変更を迫られると思うのですが、こういう審議会レベルに達する前の段階で、地域の段階で、それが検討できて提案ができればいいかなと思います。そういう面では、知床の世界遺産や小笠原では、科学委員会、それから、それと地元との関係の連絡会議のような仕組みもほぼでき上がっていますので、それが逆に自然公園法の中で組み込めるとすごくいいことになると思いますが、いかがでしょうか。冒険的な提案かもしれませんが。

○武内部会長 どうもありがとうございます。では、中静委員。

○中静委員 ありがとうございます。私、今回、この資料で注目させていただいたのは、資料5-2の資料で、地域の方々のご意見の中でこういう意見が出てきたというのは、非常に私はうれしいなと思っている点が幾つかあります。一つは、うれしいというよりは問題点なのですが、5-2の2ページ目の(1)の最後のところで、防潮堤の整備は関係省庁とのすり合わせを行うことが必要というのは、これは本当にそうでして、例えば、本当に住民の方が知らないうちに防潮堤の整備が計画として進んでいるということが現実にあって、例えば自然を回復したいと思っていらっしゃる住民のご意見があるにもかかわらず、そういうことが動いているというようなことが現実にあるので、やはり、そこは省庁間でいろいろなオプションを考えながら提案していくというような姿勢を持っていただけるといいなというふうに思うのです。
 そういう意味で、例えば同じ2ページの、区域の再編・統合についての中で、震災被害の大きな海岸集落については、将来、集落ごと撤退せざるを得ない場合も出てくると。それは本当に現実的にそうだというふうに思っていますし、こういう意見を被災された方の前で言うのは、かなり勇気が要ったり、ちょっと注意しなければいけないことなのですけれども、実際には、そういうことは現実問題として起こるだろうし、場合によると三陸の小さい集水域の中全部が撤退されるというようなこともあり得るのだと思うのです。そういうときに、多分、いろいろな自然修復のオプションというのが考えられて、そういうところを自然度の非常に高い自然として集水域ごと復活させるというようなことも考えて、それを逆に今度はエコツーリズムとして使うというような資源の使い方もあると思うのです。
 あるいは、先ほどの防潮堤の話では、田んぼが地盤沈下で水没されたところがものすごくたくさんあって、そういうところの中では、もう本当に農業をやっていらっしゃる方も高齢化されていますので、防潮堤が5年後、10年後にできたとしたら、そのときは70、80歳になっているというような事態がまじめに起こることが予想されていて、そこに本当にもう一回、防潮堤をつくることがいいのかという議論を、やはり僕は、環境省さんが音頭をとるのでもいいのですが、農水とか、それから国交省と議論を始めていただいて、住民の方に、農業をやるオプションもあるし、防潮堤をつくっていくというオプションもあるし、やはり、そこを自然回復して、こういうオプションもあるのだよということを。国立公園はその中の一つとして、そういうオプションを提示するような形で進めていただけるのが、一番復興を早めるのではないかなというふうに思います。住民の人たちも、自分たちがどういうふうにやっていけばいいかというのは本当に模索状態でおられる方が多いので、そういう何か、こちらで幾つか、こういうオプションがあるということを提示していくような、その中の一つとして国立公園があるというような形で持っていかれるのがいいのではないかなというふうに思います。

○武内部会長 それでは、あん委員、お願いします。

○あん委員 先ほどの中静先生の意見には大変賛同しています。やはり漁村で見たりすると、沿岸海域でどんどん、もう一度、コンクリート海岸をつくっていこうという動きが早く現れてきましたので、チャンスを逃さないように、国立公園づくりに当たって、もうちょっと再生に多様な公園の活動が地元で貢献できればと思います。
 2点あるのですけれども、先ほどエコツーリズムのお話が少し出てきたのですけれども、環境省が以前、審議会をつくったときに、そのメンバーの1人として参加させていただいたのですけれども、先ほどのエコツーリズムの定義を聞いたら、あら、ちょっと違うのではないかなと思いました。エコツーリズムはマスツーリズムのリパッケージではなく、エコロジカルフットプリントを削減していくために、さまざまなガイドラインをつくったはずです、国では。それを踏まえた上で、私の個人的な意見にすぎないですけれども、もう一度申し上げたいのは、環境省がエコツーリズムガイドラインをつくったときに、マスツーリズムの色合いがかなり出ていたような気がしていて、この際、もうちょっと本来のあるべき姿のエコツーリズムの姿がここで出せたらと思います。コスタリカとか、私の出身であるカナダの西海岸にあるクイーンシャーロット列島とか、そういったところを参考にした上で、三陸国立公園のエコツーリズムの部分を、ぜひ、もう一度、考えていただけたらと思います。
 地元の意見をいろいろ伺っていて、スタートとしてはとてもすばらしいと思いますが、ちょっと物足りないような気がするのです、3カ所だけで。もちろん、限られた時間の中で限られた予算の中で、こういうパブリックヒアリングを設けていくのはなかなか大変なことだと思うのですが、しかし、やはり第一次産業、農業者、漁業者を中心としたパブリックヒアリングとか、もうちょっと多様性のある、場所的にもうちょっと複数のところで少し開いてもらったらどうかなと感じています。
 以上です。

○武内部会長 辻本委員、お願いします。

○辻本委員 概念として、復興国立公園というのですか。復興から自然共生へという流れの中でいろいろなことをやっていこうという概念は、幅広くて、なかなか興味深いところなのですけれども、それだけにやはり難しさもあると。例えば、エコツーリズムも、本来的には多分、本来の意義があった。でも、復興というところにひっかけてみると、マスツーリズム的なところを加えて、最初のうちは復興ステージで、そのうち自然共生型に向かうところへアクセルチェンジしていくということなのかもしれないし、もう一つは、最初から、もう少し自然共生とか環境の本来的なものを考えたドライブをしていくのか、ハンドルを切っていくのかというところが非常に見えにくいので、皆さんが戸惑っているところがあるのかもしれない。ここをしっかり議論する必要があると思います。
 それから、復興そのものについては、やはりいろいろな省庁なり機関が協力し合ってやらなければならないということは確かです。それから、それが日本のこれからの経済を維持していくとかいろいろな国力を維持していく中でも、復興がまずありきだという概念がどうも固まっているようで、それに国立公園の面から、あるいは環境の面から、どう貢献するのかという考え方も私はあってもいいのかなというふうな気がします。
 それから、景観要素でいろいろ、海食崖と言われているところ、リアス式海岸、それから名取川周辺のいわゆる干潟とか砂浜海岸、さまざまなところで人との関わりも違ってきます。例えば、陸中海岸だと、まさに風景のところだけ、海岸線に沿ったところだけが、どうも国立公園。一方、砂浜海岸とか干潟とかになりますと、かなり人の営みとの関わりが出てくる。そういうところをどう考えるのかというところも、大事な視点になってくるのではないかなという気がします。そうしますと、人の関係のあるところでは、先ほどからも話題になっている防潮堤の問題が非常に大きな話になってくるし、さらには高台移転の話、こういった関連が大きなものになってくるときに、そのときに環境あるいは自然環境の面から、どんなことを置いて、そこの地域を考えるか。
これには、一つの方法は、自然再生事業と組み合わせる。先ほど石西礁湖のお話もありましたけれども、自然再生事業というもので、国立公園とリンクさせるかさせないかは別として、かなりそういうところに発展性が出てくるだろうという気がします。一方、地先景観だけを守っているところに、実は、どんなことが起こっていたのだろう。いわゆる景勝地になるような自然海岸が、今回の津波と地震でどんな被害を受けたか、あるいはどんな変状があったかということをつぶさにきちんと調査が出ているかというと、人の営みがあった防潮堤の被害に比べれば非常に少ないです。一方、陸中海岸等の海岸線観光地国立公園では、道路沿いに整備したところがかなりやられている。これは、自然の海岸線がかなり変状したために、今後、どうしていかなくてはいけないか非常に難しいところで、防潮堤がなかったために、いわゆる国立公園の施設がやられているというふうな、遊歩道、あるいは売店、いろいろなものがやられているということもあって、そういう自然景観を持つ海岸線の変状にどんなふうに対応していくかということが非常に大きな問題で、もう少しきめ細かく復興と自然共生への道というものを、二つの論点をしっかり踏まえながらやっていただきたいなという気がします。
それから、復興が日本の国の方針と決まっている、何がそれを決めているのか、よくわからないのですけれども、多分、社会資本整備審議会でも、計画部会とか環境部会とかいろいろなところで議論しています。これで必ずしも社会基盤、インフラを整備していくだけではなくて、日本の国としての環境政策の三つの柱である低炭素であるとか循環型社会であるとか自然共生型に注意しながらということは書き込むようになっていますし、例えば、必ずしも基本方針の中で、もし環境の面が忘れ去られていたとしても、これから整備する重点計画の中では復活しています。ということで、やはり中環審であるとか社整審とか交通政策審議会であるとか、さまざまな審議会のところで出てくる意見は、国の基本的方針と相まって、多分いい方向が見出せるように我々が努力しなければいけないのかなという気がします。
以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。涌井委員。

○涌井委員 私は、実は、これは非常に、いわゆる従来の自然公園法の枠組みを大きく越えるコペルニクス的転換だというふうに歓迎をしているのです。それは、どういうことかといいますと、今、現地で何がどう進行しているのかというのは、当面の経済復興と、そして当面の世代のための、要するに経済構造をどう構築するのかと、こういう議論に終始をしていて、持続的な未来をその地域で本当に担保できるのかという社会的なシステムについて、なかなか足を一歩踏み入れられないという特殊な事情があると思うのです。そうしますと、従来の、自然を保全し保護するという一つの地域性を敷いていくという公園制度から、実は、今回の考え方というのは、全く先ほど申し上げたように、方向を転換して、予防的規制措置という概念が非常に重要ではないかという気がするのです。
 すなわち、大変、被災された方々は、もう今までの大きな痛手がありますから、少しでもよりよくということで、そのよりよくという水準がなかなか見えにくい。そうすると、どうしても構築物的な見えやすい構造といいますか、ポジティブストラクチャーのほうに走りやすくて、本当に地域を支えている地の部分の、ネガティブストラクチャーと言っていいのでしょうか、ベーシックなもの、これが浮上してこないという、これはもう現実だと思うのです。そういうところに、どうしっかりとした予防的な規制措置を施しながら、本当にこの地域が人口減少が例えば50%以下になる。
例えば、具体的に言うと、資本ストックの被害額というものを見てみますと、岩手県は37%で宮城県が21%なのです。金額は、どちらかというと逆転して、岩手が3.5兆円で宮城が4.9兆円と。一人頭になると、岩手が1,245万円で宮城が499万円。これが一体、何を表しているかといえば、いかに生業としての地域の、例えば磯根漁業なのか大規模な漁業なのかと。すなわち地域と自然との関連みたいなものが、こういうものではっきり分かれてくる。そうしたときに、とりわけ三陸の地域では、そういう基盤を考えていくと、私が一番心配しているのは、奥尻の津波復興の姿、パターンのようなことが起きてくるということは、非常に具合が悪いというふうに考えています。ですから、そういう方向を制度改正まで踏み込むのか、今の読み方を拡大して解釈をしていくのかという、そこに至るまでのプロセスみたいなものも非常に重要だと。
もう一つ指摘をしておきたいのは、先ほどのアジア国立公園会議の結論であります。すなわち発展途上国の方々が三陸復興の方向性というものを、ある種のモデルとしてとらえていると。なおかつ愛知目標の7番目には、農業、養殖業、林業が行われる地域が持続可能に管理されると、これが目標の一つでありますから、この目標やそれらのことを考えていったときに、従来の延長線上の方向に置くという手法もあるのだろうと思いますけれども、もう少し前提としての理念なり、復興公園をこういう思想でつくるのだというところの強化が必要なのではないかなと、こんなふうに思います。
以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。土屋委員。

○土屋委員 何人かの委員の方と重複する部分がありますので、それを避けながらコメントをさせてください。
 今回、3カ所の会場で被害を受けられた方々の意見を集められたというご努力に敬意を表しますが、おそらく、もっと多くの場所に情報を届けられて、ここに集まったというふうに理解しますけれども、今後は、先ほど、あん委員はもっと多くの場所でとおっしゃいましたけれども、そうではなくて、すべての市町村に行くような意気込みで情報を収集して、今後の活動に生かすべきだというふうに思っております。
 一つの例ですけれども、私、石巻にかなりの知り合いがおりまして、情報が頻繁に届くのですが、石巻市は既に被害を受けた場所をこういうふうに回復させようというような計画をお持ちで、図面ができております。そうすると、ひょっとしたら多くの市町村でそんな計画があるのではないかという気もするのですが、中央環境審議会の公園計画と早くすり合わせをしつつ、どういう方向を模索すべきかを議論すべきだというふうに感じます。この公園計画もかなり早くに東北地方には届いているわけですから、今後、どのような議論が行われるべきか、いろいろな形で議論をすべきだろうと思いますので、これは非常に大きな問題としてとらえて、我々委員も関わるような形での今後の進め方が期待されると思っております。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。下村委員、お願いします。

○下村委員 私も、これまで出てきたご意見とかなりオーバーラップするところがあるのですが、私なりの表現で二つばかり、ご意見というか、質問と絡んだような意見をさせていただきたいと思います。
 1点目は、ぜひ、海と陸とをつなぐとさっきもありました。暮らしでもそうですし、それから生態系という点でもそうなのですけれども、海との関わりを重視するような側面というのをしっかり出していただいたほうがいいだろうということです。先ほどの防潮堤もそうですし、それから高台移転に関しても、人の暮らしと海とが非常に離れてしまうような傾向があって、夏場に出された国の構想ですとか各県の計画も、ほとんど安全を重視するということで、沿岸部の海との関わりについてあまり書かれていないのです。そういった点を、せっかく環境省のほうで出されている復興の考え方ですので、ぜひ強く出していただきたいなというふうに思います。
 具体的には3点ばかり、その中にあって、一つは、先ほど自然再生という言葉が出ていましたが、午前中の自然公園の小委員会の中で、自然再生施設というのが結構おもしろいパターンで出てきて、例えば、琵琶湖の国定公園は湖畔の全域をヨシの復元ということで自然再生施設の計画に入れたりとか、それから支笏洞爺のケースでは、ヒメマスの養魚施設というか、それを、実は、どうやら漁業関係というか、そういったものと絡んでいるという話を聞きましたけれども、やはり自然再生施設という形で出てきていると。前回の東北大の鈴木先生のお話の中で、随分、やはり沿岸域に干潟だとか藻場、特に藻場なんかも結構あるようなお話でしたけれども、そういう藻場の回復というか再生というのを先ほどの自然再生施設と絡めたような形での設定ができないのかなと。里・海の話も随分出てきている中で、漁業関係者の方も、そういう漁業資源と自然環境との関わりというものの重要性はかなり理解してこられているというふうに思っていますので、そういったことを自然再生、あるいは具体的には施設とかと絡めるようなことができれば、一つ、おもしろいのかなと思います。
資料5-1の公園構想の中に、そういう意味では自然再生の話が出てきていなくて、項目としては一つ、やはりあってしかるべきなのかなというふうに思います。
 それから、三つ目は暮らしとの関係なのですけれども、ロングトレイルなんかも、私、実は宮古に調査に行っておりまして、20集落ぐらい調査をしているのですけれども、今の状態というのは、旧来の津波とかの関係もあって住居なんかも上がり下がりをしていて、既に、以前の津波のときに高台居住をされている方たちもたくさんおられて、そういう暮らしのパターンを見ていると、基本的に二重型の生活をされているのが、あそこの海との関わりの特徴ではないかと思うのです。やはり海食崖というかリアス型の地形ですので、海岸に近いところに作業小屋が、前回の田野畑のように番屋がすごく大きく発達しているというのが一つ特徴だと思います。集落は上にもあるのですが、分析をしますと、みんな海が見えるのです。可視分析をしますと、大半の上の集落というのが海が見えるところに立地していると。つまり、あそこの海とのつながりというのは視覚上でつながっているという、ある種のパターンがあると思います。
海とのつながりというのは地域性がいろいろあって、京都の伊根の舟屋のような形でオーバーハングしているような近いところもありますけれども、あそこなりの暮らし方というのがやはりあって、そういうことを使えば。それから、道も、今の国道はほとんど海が見えませんけれども、旧来からの道はほとんど海が見えるところに設定されているのです。ですから、道路の具体的にロングトレイルをつくられたりとか、それから歩道をつくられたりとかというようなときにも、そういう海との関わりというのを重視して入れていただいたりとか、それから、場合によると番屋なんかの修復も、今のような生活パターン、自然と関わってきた暮らし方のパターンだよというような話をうまく使えば、そういったところに補助をしていくようなこともできるのではないかなと思うのです。ですから、ぜひ、海との関わり、あそこの関わり方の特徴というのをベースに、自然との共生とか自然の再生というのを項目の中にしっかり入れていただいて強調していただくといいのかなというのが1点です。自然再生施設というのは何かおもしろいなというふうに今朝は思いましたので、活用の仕方がないかなというふうに思いました。
 それから、あと二つ目は、先ほどお話が出ている公園外のエリアのところです。なかなか45%というような補助率では、地域にとってはほとんどメリットがないだろうと。仙台域というのは大半ですから、そうですし、それで国立公園に入れていくには、これからも時間がかかります。先ほど涌井委員がおっしゃっていたように、公園が新しい踏み出しをしていったり指定をしていくというのは時間もかかるものですから、ある種のスピードの中でどう対応するかということを考えていかなくてはいけないと思うのですけれども、そういうときに、例えば、先ほど見ると鳥獣保護のエリアとか県の自然公園とか、それから自然環境保全地域なんかもありますね。ですから、そういったものと先ほどの自然再生事業とか、あと里海創成の事業も環境省さんはお持ちですから、そういったものを組み合わせたときに、復興型だともっと補助率が高いとか、新しい合併型の環境省さんならではの仕組みと自然環境の保全地区との関係を組み合わせたような制度をつくっていただけないのかなという。ちょっと素人っぽい、制度を詳しく知っているわけではありませんので、そういうのができないかなという質問絡みの意見です。2点。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、田中委員、お願いします。

○田中(正)委員 どうもありがとうございます。私も皆さんのご意見と同じような意見だと思いますけれども、ちょっと自分の意見を言っておこうと思います。
 これまで審議会で議論を重ねてきまして、基本的な考え方、それから国立公園の構想、環境モデル地域というような形で、それぞれのところにはかなり新しい視点も加えられたようになっていると思いますが、具体的に、では、ここに書かれたものを集めて復興国立公園というのをどう設定していくかとなったときに、やはり、どうやってやるのだろうなということが疑問になります。特に、基本的な考え方に盛られているものを2番の構想にどう結びつけていくのかと。それから、2番のところで、私は、調査・モニタリング、3番のところの森・里・川・海のつながりを通じた自然共生社会というようなものは、かなり新しい考え方で入っていると思いますが、三陸の復興国立公園の全地域にこれを生かしていくということは非常に難しいことではないかと。ですから、例えば、そういうものができるところを特定して、この部分はこういう考え方のもとで国立公園というものを設定したのだというような、そういうめりはりをつけたようなもの、その視点が何であるかというのが一般の方々にもわかるような形のものをつくっていく必要があるのではないかと。先ほどからプロセスが見えないというご意見がかなりあったと思いますが、もう、この段階に来て、そろそろ、そういう方向性みたいなものをつくっていただく必要があるのではないかなというふうに思います。
 以上です。

○武内部会長 ありがとうございました。それでは、マリ委員。

○マリ委員 今回は、自然公園をどう活用するかということが一番大きな課題だと思うのです。私も、毎週ではないですけれども、隔週、この間の日曜日も、ちょうど雄勝町の今、学校のあるところの山田町にも行ってきたのですけれども、皆さん、非常に困っていることは何かというと、結局、何も動かない中で、小学校をもう一回そこにつくり直すのか、別の場所としたらどこでつくるかという議論をしなければならないことです。小学校ができないと、人々は住みに戻ってこない、だけど、教育委員会側は、住む人たちがいないと学校はつくりたくないという、非常に変な、何というのでしょうか、まるで神経衰弱みたいなことをやっているのです。私は、今回の国立公園に関して、復興公園ということの中で、前回も話しているのですけれども、国立公園のいろいろな規制をどう下げるかとか、または、どう変えるかがすごくポイントだと思うのです。
こういう災害が起きたときに国立公園を活用する上において、ここの部分を一般の方々に開場しますよと、開放しますよということが大変重要であって、また守りの体制にこういう危機のときに入ると、何もまちづくりとか地域づくりもできませんし、先ほどお話もありましたように、高台に移転するかしないかの中でも、下にいたい方もいれば国立公園の地域の中に移転したいと言われる方もいる中で、では、そこで規制をどうやって緩和したり取り下げていくか。前回もお話しさせていただいた、例えば、アメリカのポトマック川の周辺のアメリカの国立公園の中は道路が走っていて、そこに、もうちゃんと許可をしているわけです。国立公園の中に道路整備をきちんとすることができるのならば、もっと人々が動いたり来てくれたりするわけですから、そういう意味での国立公園の今あるいろいろな規定や法律の中をどう緩和していきながら、こういう危機が起きたときに、どう国立公園を使っていくかということが一番大きな議論ではないかと私は思うのです。
例えば、先ほどのエコツーリズムの話にまた戻ってあれなのですけれども、エコツーリズムというのは、もう環境省は当たり前のことであって、環境を守ることが環境省の一番大きなポイントであるわけなのですけれども、私が先ほどから聞いている、なぜオートキャンプとか、そういうところがここにもっと大きく出てこないのかという理由は、オートキャンプが設置してある国立公園の設備がちゃんと整っていれば、地震とか災害のときに、そこに人々が生活できる水と上下水道が完備されるわけですから、そういう点ではインフラがそこにできているので、そこをもっと活用することはできると思うのです。ですので、下のモデル地域をつくるということに関しては、非常に重要なことではあると思うのですけれども、国立公園法というものの中で規制されて、そういう動きができないでいる地域を、こういう災害がどこかで起きたときに、国立公園が近くにあったらば、こういうふうに国は法律を変えて、皆さんが早くに復興しやすいようにしますよという、そういうメッセージがすごく重要だと思うので、ここに見えないような気がするのです。
この間、能登半島の地震のときに、非常に輪島が早くに復興できた一つの理由は、県が皆様の土地を借りて、その土地代で住まれていた方のために町民住宅をつくったのです。町民住宅は、借り上げた土地代で、地元のそこの土地に住んでいた方々が家賃で町民住宅に生活できるようにして、たしか、あん委員のほうがよく知っていらっしゃると思うのですけれども、10年借り続けると、それを払い下げするということになって、早くに復興できたのです。国立公園の中で、何らかの形で、等価交換ではないですけれども、下に土地を持っていた方が国立公園の中での土地に移転をしてくれるならば、あなたの土地を借り上げますよとか、何か、そういうバーター的なことも考えられるのではないかと思うので、いろいろなメニュープランニングを各地域に対して、してさしあげることによって、早くに国立公園を使って復興できるようになるかと思うのです。その後で、どうやって国立公園を国民のプレジャー、国民の余裕として活用していくかということが、次のステップではないかなと思うのです。

○武内部会長 ありがとうございました。ほかに。どうぞ、鷲谷委員。

○鷲谷委員 ご議論を聞いていて、もう一度、発言させていただきたくなったのですけれども、二次的な自然域、里山の自然の要素みたいなものですけれども、それを含む自然域というのは防災・減災に役に立つ空間です。少なくとも緩衝帯として役に立つという認識は、生態系サービスという概念が広く使われるようになったきっかけでもありますし、今は世界的に共通認識になっているのではないかと思います。それを実現するための自然再生は、特に、ヨーロッパではグリーンインフラストラクチャーという言葉とともに、今では生物多様性政策の中でもかなり重点が置かれる分野になっているのではないかと思うのです。
愛知目標との関係で見ていきますと、EUが5月に公表した新しい生物多様性戦略、それは愛知目標を踏まえた戦略なのですけれども、EU地域での重要性から、ターゲットは六つに絞られて、大変わかりやすく合理的なターゲットが設定されているのですが、その中で生態系とそのサービスを維持・強化する目標というのが2番目のターゲット2に位置づけられています。具体的には、2020年までにグリーンインフラストラクチャーを確立し、劣化した生態系の15%を回復させることにより、生態系とそのサービスを維持・強化するというターゲットなのです。こういうことというのも世界的な一つの流れですので、参考にする必要が。ちょっと先進国の中でも、どうやって防災をするかというようなことに関しては、日本は遅れているのではないかという印象がありますので、発言させていただきました。

○武内部会長 どうもありがとうございました。
 事務局のほうでお答えしていただく前に、私のほうからも、ちょっと、今日の全体の議論を聞いてコメントしたいと思うのですが。議論がまだ熟度が低いので、こうなっていると思うのですが、若干、今日の事務局の説明と皆さん方のご意見の間には、少し齟齬があったように思います。
一つには、新しい国立公園の概念を、今回の提案を機に打ち出していくのだということに比べると、今回の資料は、やや、全体として旧来型の評価をして、その結果でこうだというふうな資料の出し方がされているということと、もう一つは、復興との関係が必ずしも明示的に示されていないということで、幾つか例を挙げますと、今の自然再生というのをもっと積極的に取り上げて、それをむしろ国立公園に編入していくような、その結果として、困っておられる地権者の方が、そのことでもって助かるし、同時に、それが新しい地域の価値を生み出していくのだというような、そういう大胆な発想がもっと必要だと思います。
それから、今、お話があったように、私も気仙沼大島で集団施設地区が、実は仮設住宅の建設の場所に非常に役に立っているという現場も見させていただきまして、改めて国立公園の集団施設地区等の役割も再評価したわけですが、そういう観点で、日常的にはそういうレクリエーションに供され、そして災害時にはさまざまな減災及び避難の機能を発揮するような、そういう観点での公園の整備を進めていくというような、まさに、そこが今回、復興あるいは防災というものと関連づけて国立公園を提唱していくことの意義だと思いますので。
これは、次回、中間取りまとめということになりますので、それまでの間に、若干、その辺の委員の皆さん方の考えておられるものと事務局で用意された資料との間のギャップを、少し埋めていただく努力をしていただきたいなというふうに私のほうからもお願いしておきたいと思います。
 それでは、説明をお願いいたします。

○自然環境局長 最初に何点か、私のほうからお話ししたいと思います。
 まず、今日、改めて三陸復興国立公園構想の内容を深めていく上で、いろいろな貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。今、部会長からありましたように、今年度中に、3月に向けて国立公園の考え方、ビジョンというのを、報告として部会としてまとめていくことに向けて、今日いただいた意見、最後にいただいた部会長のご指摘も含め、今後の作業に反映させて、次回の議論につなげていきたいなというふうに思います。
 具体的に幾つかいただいたもので、まず、震災からの復興の基本方針のお話がありました。これは、復興構想会議での議論を受けて、政府として具体的に各省の施策として何をやるかということを復興の基本方針ということで、7月の末に復興対策本部の方でまとめました。その中で幾つか復興国立公園の議論につながる要素が入っておりまして、一つは、地域経済活動再生の中で、観光というところで三陸復興国立公園づくりについて直接的に触れているということが一つと、環境先進地域の実現という中で、地域に根差した自然との共生の知恵も生かして森・里・海の連関を取り戻すための自然の再生などによる自然共生社会を実現、自然再生ということも含めた共生社会の実現ということが一つ、要素として挙げられていて、もう1点は、記録・調査という意味で、津波の影響を受けた自然環境の現況を調査・モニタリングということの重要性が挙げられておりまして、こういったことを受けて、国立公園構想の検討も進めていければというふうな関係として、私たちとしてはとらえていければと思っています。
 それから、ここでいろいろ議論したことを実現に結びつける手段、予算の面も含め、また体制の面も含めて、そこをしっかり考えないといけないという意見が多かったように思います。管理体制の面で、今、陸中海岸には2人、宮古と大船渡にレンジャーを置いているのですけれども、これは新しい三陸の復興公園の実現と合わせて、北側、南側に拡大していくということで、レンジャーのほうもしっかり増員をして体制を強化していけるようにしていきたいというふうに思っています。
 それと同時に、敷田さんのお話にありました検討の場というか、いろいろな意味で新しい展開をしていく、そのかぎは協働型の管理だということで、やはり地域での検討、提案の仕組みをどうつくるかということで、国立公園のどういう形をつくるかはこれからだと思いますけれども、国立公園の運営について、地域の関係者が意見交換するような仕組みをどうつくるかというのは、かなり大事ではないかなというふうに感じました。
 また、たくさんの意見があった、今、地域でまさに、防潮堤や高台移転も含めて、どういう町にしていくかという議論が、地域地域で非常に突っ込んだ議論が行われている最中だと思います。そういった地域の議論に国立公園の立場から何かオプションを提示していく、長期的に見て持続可能な社会をつくっていく上での国立公園の側からのオプションの提案、具体的には自然再生であったり、それとエコツーリズムをつなげたり、あるいは先ほどありました減災や避難にも役立つ国立公園整備、運営というようなことを国立公園づくりの検討から地域の議論にオプションを示していけるような形に持っていくことが大事だなというふうに感じたところです。
 今回の新しい役割を担う国立公園の、そういう意味で、どういう利用、エコツーリズムのあり方にもご意見がありましたけれども、地域でどういうプログラムをつくって利用を展開していく、その利用の中身をしっかり考えることが非常に重要かなというふうに思います。
 具体的な実現していく上での手段に関わるところで、下村委員からもありました、いろいろな国立公園の事業そのものをどうするかということに加えて、国立公園の事業以外の事業との連携、あるいは各省の事業とどう手を組んで、ここで考えたことを実現するか、あるいは国立公園の区域の外側と積極的に手を組んで、ここでの考えたことを実現していくか。そういう意味で、具体化するための手段として、そういった事業展開のあり方というところも、今後、さらに事務局としても検討を進めていく必要があるなと思いました。
 民間の協力という意味で、涌井先生も関わって、今、経済界が生物多様性の民間参画イニシアチブというのを立ち上げて、既に484の企業が参加をしましたけれども、こういった民間が国立公園づくりにどう関わってもらうかという仕組みも、そういう中であわせて考えることが大事かなというふうに思います。
 この審議会で、まだあまり議論が出ていませんけれども、国立公園構想の中で、長距離トレイルも一つの重要なモデル的な象徴的な事業にできないかなというふうに考えていて、今日の一連の議論の中で、このロングトレイルをどう展開していけばいいかということも考えていきたいというふうに思います。
考え方の面での強化がまだまだ必要ということと同時に、現場でいろいろ議論されていること、現場からの声なり提案なり現場の知恵を丁寧に丹念にもっともっと拾い上げていくべきだ、その両面から努力をさらに進めるべしという意見をいただきましたので、そういった点、事務局のほうでもさらに作業を進めて、先ほど第一部のほうでも申し上げましたけれども、国立公園の仕組みが生まれて80年、改めて国立公園の場というのが人と自然の再構築を考える場、共生のモデルを示す場としての役割を果たせるように、この三陸の国立公園づくりの検討から切り開いていけるような検討をさらに進めていきたいというふうに思います。
幾つか補足をメンバーのほうから追加したいと思います。

○国立公園課長 それでは、若干重複することがあろうかと思いますが、私のほうからも少し申し上げさせていただきます。
 先ほどの国立公園の指定拡張についてのご審議をいただいているときにもお話があったわけですけれども、公園の規制というものが地元の人にとってどうなのか、国立公園になるということが規制ばかりになるというようなイメージであってはならないというようなお話がございました。国の宝だから我々は我慢するのだと、そんなような国立公園であってはならないというのは当然なのだろうと思います。そういう意味で、やはり地域の人にとってどんなベネフィットがあるのか、地域の人の、大げさに言えば夢を実現するために、国立公園に何ができるのか、そういうことを我々としては考えていかなければならない、おそらく、そのよいチャンスが三陸復興国立公園なのだろうと私としては考えておるところでございます。
 そうなりますと、やはり取組の仕方としても、何人かの先生方からお話のありました協働型の、本当に地域のステークホルダーを取り込んだ形で進めていくということが望ましいのでありましょうけれども、事務方として若干申し上げますと、本当に根底からきちんとやろうと思ったら、おそらく法律改正まで持っていかないといけない。ところが、それだけの時間がない。では、今、何ができるのか。そういうようなところが、今の我々にとっての苦しみなのかなと思っております。ただ、本当に、そういうところについては、地域の方々ご自身が、防潮堤についてどうあるべきか、あるいは集落や道や学校をどこにどう配置すべきなのかということでお悩みになっていらっしゃるという状況がございます。公園あっての集落ではなく、自治体あっての公園というところもございますので、一緒に我々も苦しみながら考えていくということが必要なのかなということを思いました。
 また、先ほどのアジア国立公園会議準備会合の関係でございますが、実は、そのときの会合の中でのメインのお話ではないのですが、やはりインド洋大津波のお話というのが出まして、そのときに、特に保護地域として確保されていた海岸林というものが、減災にかなりの役割を果たしたというお話は何人かの方から伺ったところでございます。また、日本国内でも実際に海岸防災林、防潮林がかなりの効果を発揮したというお話もございまして、そういうところで、もう少し、我々としても、そういうことも含めて考えていかなければならない。
 ただ、一方では、実は、インド洋大津波の後の復興の際に、やはり一時的に規制を緩和してでもというような動きがある中で、それがあまり思わしくない結果につながってしまったという反省点もあるというようなお話がスリランカやタイのほうの話として聞いたこともございまして、ちょっと、そのあたりも少し目配りをしながら考えていきたいというように思っております。
 また、鷲谷先生のほうからお話のあった仙台湾のお話なのですけれども、確かに、この資料に書いているのは、まさに旧来の景観型の風景の評価というような形で資料はまとめさせていただいております。三陸復興国立公園のコンセプトの一つにもございます里地、里海、里山というような概念から見ればどうなるかというのは、また別のお話もございまして、仙台湾沿岸地域というのは、渡り鳥の集団渡来地として国指定の鳥獣保護区にもなっておりますので、そういうようなところからの発想はどうなるのかというのは、またちょっと別のこととして考えさせていただければと思っております。

○自然ふれあい推進室長 いろいろなご意見をいただきましたので、事務局のほうで一度整理をさせていただきまして、次回は3月上旬を予定させていただいておりますので、考え方の案という形で再整理をいたします。先ほどの国立公園の概念も含めて。その上で、一度、先生方に先にメールが郵送かでお送りしまして、ご意見をいただきたいと思います。その上で再度整理をして、次回の部会に上げさせていただくということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

○武内部会長 まだ説明はありますか。よろしいですか。多分、皆さんのお話の中で、少し私は回答漏れがあるように思いますけれども、議事録を確認して、漏れているところは次回の資料の中に反映をさせていただくということで対応させていただければと思いますので、ご了承いただければ幸いです。
 それでは、少し早目ではあるのですけれども、今日は、もう大変な長時間、議事審議をしておりますので、わざわざ6時までするという必要もないかと思いますので。今、ご説明があったように、次回、部会としての中間報告の取りまとめの議論をさせていただくということで、その際に、また、いろいろとご意見をいただければと思います。
 それでは、次回は3月のいつですか。

○自然ふれあい推進室長 3月1日を予定しております。場所は、この第1会議室で行います。時間は午後ということで、まだ時間自体は未定です。

○武内部会長 ということで、また次回、活発なご議論をお願いしたいと思います。
 そのほか、委員の皆さんから何かございますか。

○マリ委員 3月1日ですと、いつ、これ中間発表をするのですか。というのは、3月11日が1年目ということになるので、その前に何らかの形でなっていないと、皆さん、期待していると思いますので。

○武内部会長 報告の公表時期。

○自然ふれあい推進室長 次回の部会で取りまとめということにさせていただいて、そのとき、いろいろご意見があれば手直しはあると思うのですが、その後、あまり時間を置かずに発表ということになろうかと思います。

○武内部会長 多分、本報告書というよりも、何か記者会見資料のようなもの、1枚か2枚の、その中に皆さんから言われたような骨子が盛り込まれていて、それを場合によったら部会長が説明をするとかというふうな機会があったらいいのかもしれませんね。ちょっとお考えください。大変貴重なご意見、ありがとうございました。確かに、3月11日という大変重要な日に間に合えば、社会的なインパクトもあろうかと思います。ちょっと、そういう、今、せめぎ合いのところが政府内でもありますので、そのあたりについてのご配慮もあったほうがいいように思います。
 それでは、大変長時間にわたりました本日の自然環境部会を閉会させていただきたいと思います。どうもご協力ありがとうございました。
 事務局のほうで連絡事項等ございましたら、どうぞ。

○司会 本当に長い間、ご審議いただきましてありがとうございました。
本日の会議資料、取り扱いは公開でございますので、よろしくお願いいたします。さきにもお願いしましたが、資料のほう、郵送をご希望の方は、お手元の用紙に記入していただければ、後日郵送いたしますので、よろしくお願いいたします。
本日は、本当に長い間、どうもありがとうございました。

○武内部会長 どうも、長時間、ありがとうございました。

午後5時44分 閉会

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