中央環境審議会自然環境部会議事要旨 (第13回)

1.開催日時

平成23年7月11日(月)14:00~16:00

2.開催場所

経済産業省別館 1028会議室

3.議題

(1)諮問事項

釧路湿原国立公園の公園区域及び公園計画の変更について(諮問)

(2)報告事項

  • 東日本大震災について
  • 最近の温泉行政について
  • 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律について
  • 海洋生物多様性保全戦略の策定について
  • 小笠原諸島の世界自然遺産登録について

4.諮問事項議事経過

諮問事項について審議がなされ、適当であるとの結論に至った。
なお、主要な発言は以下のとおりである。

委員:
釧路湿原の一部の地域で原野商法により売買されていた土地については、森林伐採や土砂流出が進み、湿原の乾燥が始まっている。今回の公園区域の拡大により、このような箇所の自然再生は進むのか。
事務局:
公園区域として拡大された箇所については、丘陵地における森林伐採、湿原の周囲にある湧水地の土地の形状変更を規制する効果がある。なお、釧路湿原の自然再生事業は流域全体を視野に入れて取組を進めているところ。
委員:
公園区域の拡大と保護規制計画の強化、利用施設計画の変更により、それぞれどのような効果があるのか説明して欲しい。
事務局:
公園区域の拡大と保護規制計画の強化により、湿原の保護が一層図られるという効果がある。また、利用施設計画の変更については、利用者に新たな釧路湿原国立公園の魅力を知ってもらい、より質の深い体験をしてもえるように利用を誘導していく効果があるものと考える。
委員:
釧路湿原の湖では富栄養化が進んでいる。宿舎、ビジター、キャンプ場における排水処理について現状の制度の中でどのような制約が課せられるのか。制約を強くしないと、景観を守ることができても生物多様性の保全の実現が図られない。
事務局:
例えば達古武湖等ではヒシが繁茂し始める等、富栄養化が進んでいると考えられる。今後、流入源等を調べて対策を検討していく予定。自然再生協議会で、湿原だけではなく流域の農家等と話し合う機会を持ち、産業の活性化と自然保全について意見交換していく。
委員:
公園区域となることで、NPO、民間、国との関係はどのように変化するのか。
事務局:
普段から、釧路湿原自然保護官事務所の自然保護官が、地元の人びととコミュニケーションをとりながら業務をしており、今回公園区域が拡大することを契機に、よりコミュニケーションが深まり、連携が図られるものと考えている。

5.報告事項議事経過

(1)東日本大震災について

委員:
「三陸復興国立公園(仮称)」については意欲的な取組みで、ありがたいと思っている。今回の震災により、失われた干潟、藻場があるが、新しく干潟や藻場が形成されることもあるかもしれない。それらを十分に調査し、柔軟に保護地域を設定していただきたい。
委員:
震災の写真記録については、日付だけではなく時間及び潮位まで明らかにすべき。また、避難場所については、想定外に津波の被害が及ぶ可能性があるため、さらに高台に行ける避難経路を作るべき。
委員:
「三陸復興国立公園(仮称)」は、利用に比重を置いた内容と見受けられる。これは、従来の保護と利用を両輪とする自然公園制度で進めていくのか、それとも、新しい枠組で進めていくのか。
委員:
他省庁との施策と重複する感がある上、環境省が得意とする生物多様性の視点が入っていないように思われるため、提案を期待したい。
委員:
環境省単独で全部行うように聞こえる。しかし、これは政府全体で行うべきで、その中で環境省らしい観点を盛り込むことが重要。普及啓発を適切に行い、国民の支持に基づく施策となるようにすべき。
委員:
三陸地域は、今回の大震災前にも津波等の被害に遭っている。このような地域の歴史を掘り起こして、自然の驚異を学ぶことができる国立公園として欲しい。
委員:
三陸の美しい海の保全のため、国立公園に海洋保護区をどのように取り込むかが重要。国立公園の海洋保護区の案を広く設定して、そのあり方を個別の地域毎に協議会により考えていくことが大切。
委員:
今回の津波で、里山である松林が大きな被害を受けた。松林の再生を民間企業がCSR活動として行うよう誘導し、それを復興のための民間参画パートナーシップとして位置づけるべきではないか。
事務局:
「三陸復興国立公園(仮称)」は、東日本大震災復興構想会議の提言に示された東北の国立公園等の地域観光資源の活用を通じた復興ということの、具体的な案として、位置付けられるものと考えている。
地域の方々と十分相談しながら進める必要はあるが、その中でも国立公園の再編については、それほど遅くはできないと思っている。まずは、現在の区域をベースとした新しい国立公園の姿を、完全ではなくても早めに地元に示すことが重要と考えている。具体的には、23年度中にビジョンを作り、24年度中に新国立公園の姿を示したい。
なお、岩手県、宮城県の復興計画にも、新しい国立公園構想との連携が明記されており、すでに両県と情報交換を行ったところ。また、委員の皆様の御意見にあったとおり、生物多様性等の環境省らしさをどのように盛り込んでいくのか、地域の意見を入れながら検討していきたい。
海洋保護区に関しては、三陸地域で盛んな漁業の復興と非常に関わりが深く、地域の漁業関係者らと十分話し合い、連携しながら進めていきたい。
震災の記録(モニタリング)については、漁業者に話をしながら一緒に行う体制づくりができないかと考えている。
利用のウエイトが高いと感じる点については、長距離歩道が表に出ているからだと思うが、さっぱ船を活用したエコツーリズム等、各地にある様々な要素をつないでいきたいと考えている。
部会長:
「三陸復興国立公園(仮称)」については、今回の部会では議論が尽くされておらず、さらに部会で議論の場を設けて欲しいと考える。

(2)その他の報告事項について

委員:
地熱ガイドラインについてどのような考えか?
事務局:
再生可能エネルギーの地熱と国立公園の関係については、国立公園の風致景観を阻害しない、斜め掘りによる地熱の利用の検討を始めたところであり、今後ガイドラインを示していきたい。また、小中水力発電も今後検討していきたい。
委員:
小笠原が世界遺産に登録されたとのことだが、今後の利用のあり方についてどのように考えるのか。
事務局:
科学委員会や地域連絡会議の中で、バランスを考えながら十分に検討してまいりたい。

6.問い合わせ先

環境省自然環境局国立公園課(代表03-3581-3351)

課長
上杉 哲郎(内線6440)
課長補佐
田村 省二(内線6443)
専門官
佐々木 真二郎(内線6445)
担当
桝 厚生(内線6449)
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