中央環境審議会自然環境部会(第6回)議事録

開催日時

平成15年6月30日(月)13:00~14:20

開催場所

経済産業別館9階第944号会議室省

出席委員

23委員

熊 谷 洋 一 部会長代理
安 達 瞳 子 委員
磯 部   力 委員
岩 熊 敏 夫 委員
嘉 田 由紀子 委員
栢 原 英 郎 委員
川 名 英 子 委員
小 塚   茂 委員
佐 藤 友美子 委員
嶋 津   昭 委員
白 幡 洋三郎 委員
瀬 田 信 哉 委員
立 花 直 美 委員
土 屋   誠 委員
服 部 明 世 委員
速 水   亨 委員
毛 利   衛 委員
森 戸   哲 委員
森 本 幸 裕 委員
山 岸   哲 委員
鷲 谷 いづみ 委員
渡 辺   修 委員
和里田 義 雄 委員

議題

  1. 開会
  2. 自然環境局長挨拶
  3. 議事
  4. (1)自然環境部会の所掌等について
    (2)諮問事項
       利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
    (3)その他
       世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について 他

  5. 閉会

配付資料

資料1   自然環境保全制度の概要と自然環境行政の最近の動向について

資料2-1 利尻礼文サロベツ国立公園について

資料2-2 利尻礼文サロベツ国立公園指定書・計画書

資料2-3 利尻礼文サロベツ国立公園変更案説明資料

資料2-4 利尻礼文サロベツ国立公園区域及び公園計画の変更に関する
      パブリック・コメントの実施結果について

資料3   世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について

議事録

午後 1時00分開会

○自然環境計画課長 お待たせいたしました。自然環境計画課長の田部でございます。
 それでは、中央環境審議会の自然環境部会の開会をお願いいたしたいと思います。
 本日は、全所属委員31名のうち、23名の委員のご出席をいただいております。大澤先生は、ちょっと急遽所用でご出席いただけないということでございます。
 それで、本部会は成立いたしておりますので、報告いたします。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
 それで、本日は、委員改選後の初めて開催されます自然環境部会でございますので、部会長にご就任いただいております熊谷部会長にごあいさつを、最初にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いします。

○熊谷部会長 このたび部会長の職を引き受けたことになりました熊谷でございます。ふつつかではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 本部会は、自然環境の保全にかかわる重要な事項、それと自然公園にかかわる重要な事項に関することについて審議することになっております。我が国の自然環境の保全に、大変重要な案件をご審議いただくということになっておりますので、委員の先生方のご理解とご協力を賜りまして円滑な運営に心がけてまいりたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 どうもありがとうございました。
 引き続きまして、このたびの委員改選に伴いまして、自然環境部会委員をお引き受けいただきました方々をご紹介いたします。
 まず、栢原英郎委員でございます。

○栢原委員 栢原でございます。

○自然環境計画課長 次に、佐藤友美子委員。

○佐藤委員 佐藤でございます。

○自然環境計画課長 土屋誠委員。

○土屋委員 土屋でございます。よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 速水亨委員。

○速水委員 速水でございます。よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 毛利衛委員。

○毛利委員 毛利です。よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 森本ヒロユキ委員。

○森本委員 幸裕です。よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 ごめんなさい。幸裕委員でございます。失礼しました。

○森本委員 よろしくお願いいたします。

○自然環境計画課長 なお、中村太士委員にもご就任いただいておりますけれども、本日はご欠席でございます。
 また、部会長の指名によりまして、森本委員、速水委員には、自然公園小委員会、それから、自然公園のあり方小委員会に所属していただくことになっておりますので、ご了解いただいているところでございます。
 それから、栢原委員につきましては、自然公園のあり方検討小委員会に所属していただくということでございます。
 再任されました委員の方々、新たにご就任されました委員の方々には、今後のご指導方、よろしくお願いいたします。
 それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

○熊谷部会長 これより、中央環境審議会自然環境部会を開催いたします。
 本日の審議に先立ちまして、岩尾自然環境局長からごあいさつをお願いいたします。

○自然環境局長 ご紹介いただきました岩尾でございます。
 1月の改選以来、最初の部会ということで、新しい委員にもご出席いただきまして、初めての部会ということで、本日開かせていただきました。
 本日の自然環境部会、利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更についてのご審議をいただくことになっております。
 また、それに加えまして、先般、世界遺産の候補地を、環境省、林野庁が共同で設置した検討会において、検討結果が出ましたので、その経緯などについてもご報告をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○熊谷部会長 どうもありがとうございました。
 本日の部会は公開となっております。したがいまして、本日の会議録は、後ほど事務局で作成いただき、本日ご出席の委員のご了承を得た上で公開することになっております。
 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成いただき、私、部会長が了承の上、公開することでご了承願いたいと思います。
 それでは、早速審議に入りたいところですが、今回から新しく審議に参加される委員の方もいらっしゃることから、審議に入る前に、本日の審議事項に関連して、自然環境保全にかかわる全体的な制度の仕組みや、この審議会の位置づけ等について、簡単に事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

○自然環境計画課長 説明に入ります前に、資料の確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料でございますけれども、次第の後に配付表がございます。配付資料一覧表となっておりまして、資料1から大きく資料3までございます。
 資料1につきましては、これからご説明に使わせていただきます、自然環境保全制度の概要、最近の動向についてでございます。
 資料2-1の前に、本日の審議、諮問案件でございます「利尻礼文サロベツ国立公園の公園計画の変更について」という諮問書を入れさせていただいております。
 その後、資料2-1から資料2-4までございまして、これが審議事項にかかわる資料でございます。
 その後、資料3ということで、「世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について」という資料が入っております。
 もし、不足等ございましたら、事務局の方にお知らせいただきたいと思います。
 それでは、説明をさせていただきますけれども、恐縮ですが座って。
 本日は、委員改選後、初めての部会ということでございまして、自然環境保全に係る制度の仕組み、それから最近の動向について、加えて、当自然環境部会の関わり等につきまして、まず簡単にご説明させていただきたいと思います。
 資料1でございますけれども、1枚めくっていただきますと、自然環境保全制度の概要ということでの総括表のようなものが入っております。
 自然環境の保全のいろいろな施策でございますけれども、基本となっておりますのが、環境基本法ということでございまして、この下にございます環境の自然的構成要素の良好な保持でありますとか、生物多様性の確保、多様な自然環境の保全の体系的な保全、それから、人と自然との豊かなふれあいの確保といったものを、各種の環境保全施策を立案する場合、これに十分配慮していくということでの基本理念が定められております。
 この基本法に基づきまして、環境基本計画、あるいは自然環境保全法に基づく、右の方にございます自然環境保全基本方針でございます。あるいは、生物多様性の条約に基づきます生物多様性国家戦略といった、国が定めます基本的な方針がございまして、この策定に当たりまして、当自然環境部会ではご審議をいただくようなことになっております。
 国土全般の自然環境の保全を図っていくということで、その基本となります自然環境の各種のデータ、現況把握でありますとか、変遷の把握でございますとか、そういったようなことを実施しておりますのが、その下にございます自然環境保全基礎調査でございます。昭和48年から始まりまして、約30年間のデータの蓄積を持っておりまして、これらを基礎に、国土の自然環境の保全について、さまざまな施策の基礎としているところでございます。
 この下に、4つの法律を記載しておりますけれども、特に、我が国の国土の中で自然環境保全上重要な地域につきましては、ここにありますような自然環境保全法、自然公園法、あるいは絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、鳥獣保護法等に基づきまして、地域を指定し、指定した地域における各種の行為を規制することで保護を図っていく。あるいは、地域の指定の中で、保全のための事業を実施していくと、そういった仕組みが取られております。
 具体的には、自然環境保全法に基づく自然環境保全地域、これの総括的な面積が、ずっと下にございますように、四角で囲ってございますけれども、10万ヘクタール強ということで、国土面積の 0.3%。
 自然公園法に基づきましては、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園がございまして、これが国土の14%。
 それから、絶滅のおそれのある種の保存に関する法律、あるいは鳥獣保護法、それぞれ地域指定がございます。
 これらの法律に基づく地域の指定、あるいは保護のための計画の策定、そういったことにつきまして、当審議会におきましてご議論をいただいているところでございます。
 もちろん、こういった指定地域というのは、国土全体から見ると非常に限られた部分でございまして、それ以外の全体の地域につきましての自然環境の保全につきましては、自然の再生でありますとか、森林・緑地・河川等の保全におきましての計画策定に当たりまして、環境保全に配慮していく。あるいは、環境アセスメントの実施等で、自然環境の保全にかかわっているところでございます。
 1枚めくっていただきまして、自然環境の最近の動向というところで、表をつけさせていただいております。
 昨年の3月に、新しい生物多様性国家戦略が関係閣僚会議で決定されております。この戦略は、我が国の生物多様性保全のための中・長期的な方向を示すとともに、各省が連携して生態系の保全策の強化あるいは自然の再生など、ここの枠に掲げておりますような項目につきましては早急に着手、実施すべきという具体的な事項も盛り込まれているところでございます。
 この戦略の策定におきましても、約1年間かかりまして、当自然環境部会と、それから野生生物部会で合同部会を設置していただきまして、ご審議をいただいたところでございます。この表の中段以下でございますけれども、戦略策定以降、この1年間の主な実施事項と検討状況について、お示ししております。左にございます自然の再生の分野におきましては、昨年12月に自然再生法が成立しておりまして、さらに、この4月に基本方針が閣議決定されておりまして、本格運用が始まったところでございます。

 次の縦の欄の生態系の保全のところでは、昨年、自然公園法改正ということでの手続が終わりまして、この4月から運用を開始しております。
 また、その下にありますように、自然公園の基本的な課題につきまして、当審議会の中に小委員会を設置していただきまして、今後の自然公園のあり方ということで、総合的な検討を行っていただいているところでございます。
 それから、次の右の方に、また、野生生物の保護ということで、鳥獣保護法の基本的課題、あるいは遺伝子組換え生物の規制でございますとか、移入種の対策につきましても、野生生物部会の方で精力的にご検討をいただいているところでございます。
 これらの動きにつきましては、全体としての新生物多様性国家戦略の大きな傘の中で動いておるところでございます。この国家戦略では、各省庁が施策の進展状況につきましてフォローアップし、客観的に評価するということが規定されております。
 各省庁の点検結果につきましては、中央環境審議会に報告され、必要に応じて意見を述べていただくということが記述されておりまして、このため、改めて、戦略の点検のための自然環境部会と野生生物部会の合同部会を今後開催させていただくことになります。その時期につきましては、9月ごろを考えておるところでございますので、よろしくお願いいたします。
 それから、部会の位置づけに関する資料等でございますけれども、次の3ページ以下でございます。中央環境審議会、それから当自然環境部会の根拠についてのご説明でございますけれども、中央環境審議会の根拠といたしまして、ここにございます環境基本法第41条に規定がございます。法律の定める事項のほかの必要な事項は、政令に委ねられておりまして、その政令が、3ページから5ページにございます中央環境審議会でございます。
 ここでは、所掌事務とか、組織、委員の任命、任期、議事等の規定がなされておりまして、さらに、議事運営の細則は会長が審議会に諮って定めるとなっております。それが、6ページから8ページにございます、中央環境審議会の議事運営規則でございます。
 この6ページ、4条でございますけれども、13の部会の設置が規定されております。
 さらに、その4条の3項に、合同部会の規定がございまして、先ほど説明いたしました生物多様性国家戦略に関しましては、自然環境部会と野生生物部会の合同部会で検討していただくというような状況でございます。
 自然環境部会につきましては、8ページに、先ほどご説明のあった所掌事務がございます。自然環境部会、それから野生生物部会、動物愛護部会が、自然環境に特に関連する部会でございます。
 当面のご審議いただく事項でございますけれども、先ほどありました国家戦略の点検の審議というのを9月ごろから審議を予定させていただいております。
 また、国立公園関係でございますけれども、これは小委員会を2つ設置させていただいておりまして、自然公園のあり方に関する小委員会、それから自然公園小委員会でございます。自然公園小委員会につきましては、定期的な公園の点検でございますとか、事業の決定とかを実施していただくということで、年2回ほど開催させていただいております。
 それで、本日の部会の諮問案件につきましては、自然公園の区域の変更等でございまして、通常は、小委員会で検討していただくものでございますけれども、規模の大きいものにつきましては、当部会で審議していただくということでございます。
 自然公園の案件につきましての説明は、引き続き国立公園課長の方から行います。

○国立公園課長 国立公園課長の笹岡でございます。
 それでは、引き続き、国立公園、国定公園と自然環境部会との関わりについて、補足をさせていただきたいと存じます。
 今の同じ資料の17ページ以降でございますが、17ページに「国立・国定公園について」というペーパーがございます。
 まず、1の指定ですが、国立公園は、我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地を、環境大臣が都道府県及び審議会の意見を聞いて指定するということになってございます。
 また、国定公園は、国立公園に準ずる優れた自然の風景地を、環境大臣が都道府県の申出により、審議会の意見を聞いて指定するということになっておりまして、これらの指定を解除あるいは変更する場合も、当審議会のご意見を伺うことになってございます。
 また、自然公園には、このほかに都道府県立の自然公園というものがございますが、これは、条例に基づき都道府県が指定することとなっておりまして、当審議会としての関与はございません。
 2番の管理ですが、これは、指定された公園をどのように保護、あるいは整備していくかという段階の話でございます。国立・国定公園の目的は、大きく2つありまして、1つは優れた自然の風景地を保護するということ。もう1つは、自然とのふれあいの利用を推進していくということでございます。
 この2つの目的を達成するために、環境大臣は、公園ごとに計画を策定しまして、その計画に基づき、保護または利用のための規制ですとか、あるいは施設の整備を行うことになります。この環境大臣が策定する計画を「公園計画」と呼んでおりまして、この計画を決定したり、変更する際も、審議会の意見を聞くこととされております。
 公園計画に基づき、保護、利用、それぞれの目的に応じた行為の規制、あるいは公園事業の展開が行われるわけですが、規制の関係では、公園区域の中を、「特別保護地区」、「第1種、第2種、第3種の特別地域」、あるいは「海中公園地区」というようなものを指定いたしまして、これらの地域での各種開発行為を行おうとする際には、国立公園の場合は環境大臣、国定公園の場合は知事の許可が必要となります。
 次に、公園事業ですけれども、公園計画に基づき、保護あるいは利用のための必要な施設を整備する事業を実施いたします。この事業執行に先立ち、事業の位置や規模など、事業概要を決定する手続がありますが、これを事業決定と申しておりまして、国立公園の場合は環境大臣、国定公園の場合は都道府県知事が行うことになっております。国立公園に関する事業決定の際にも、審議会の意見を伺うことになっております。
 国立公園の公園事業は国が執行することになっておりますが、都道府県や市町村、あるいは民間の企業なども、環境大臣の同意、あるいは認可を受けることによって、事業執行ができることになっております。
 3番に管理体制を書いておりますが、国立公園の場合は、全国28の国立公園を11のブロックで分けまして、自然保護事務所を設置、また、この自然保護事務所の出先として、11の支所と67の自然保護官事務所というものを置いております。ここでは、自然保護官、いわゆる「レンジャー」と私どもは呼んでおりますけれども、こうした職員が勤務をしております。現在、自然保護事務所、支所、自然保護官事務所を通じまして 218名の体制で、現地の管理を行っております。
 なお、国定公園につきましては、公園の指定、計画の決定までは国が行いますが、その後の管理は都道府県が行うこととなっております。
 次の18ページには、今申し上げた内容を図解という形でフローで示しておるところでございます。
 次の19ページには、審議会のご審議案件の部会と小委員会の関係を整理してございます。一番左の欄で、公園の指定、公園計画の決定、公園事業の決定という3段階に分けておりますが、例えば公園の指定につきましては、新たな公園指定、それから区域の全面的な解除、あるいは公園区域を部分的に増やしたり削ったりする変更という3つに分かれております。
 これらのいずれもが、審議会の意見を伺うこととなっておりますが、区域の変更のうち、その面積が 1,000ヘクタールを超えないものにつきましては、平成13年の自然環境部会決定に基づきまして、小委員会の審議事項となっております。
 個別計画の決定につきましても、区域の変更面積が 1,000ヘクタールを超えない場合の計画変更につきましては、小委員会の審議事項となっております。
 したがいまして、この自然環境部会でご審議いただく案件と申しますのは、新しい公園を指定する場合、あるいは公園の指定を全面的に解除する場合、及び、面積が 1,000ヘクタールを超える区域の変更を伴う場合について、その区域、計画決定に関するご審議をいただくということになります。
 なお、公園事業の決定につきましてはすべて小委員会での審議案件となってございます。
 最後の20ページに、国立公園と国定公園に関する実務のフローを載せております。国立公園の場合は、素案の作成からすべて環境省で行っておりますけれども、国定公園の場合は、都道府県が素案を作成し、関係機関との調整を行った後に、国に申出をいただきまして、その後の手続を環境省が行うというような仕組みになってございます。
 以上で、国立公園、国定公園の制度と、当審議会でご審議いただくことの概要の説明を終わらせていただきます。

○熊谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、早速審議に入りたいと思います。
 本日の審議事項は、諮問第81号の「利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」でございます。
 諮問書の朗読は省略させていただきます。
 なお、諮問内容に、北海道自然歩道に関する公園計画の変更も含まれておりますが、北海道自然歩道に関する案件は、この後の小委員会で一括審議されることになっておりますので、小委員会に付議したいと存じます。
 それでは、事務局から内容の説明をお願いいたします。

○事務局(横山) 国立公園課の横山と申します。よろしくお願いいたします。失礼して座って説明させていただきます。
 それでは、諮問第81号の「利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」を説明いたします。お手元の資料では、資料番号の2-1から2-4までが関連資料となっております。
 当公園は、全国に28ある国立公園の中でも最北に位置する国立公園です。今回、この国立公園の公園区域と公園計画の変更を行いたく、その内容について、これより説明いたします。
 最初に、説明の流れについてお話しします。まず、公園の概要から説明しまして、変更の概要、公園区域の変更、公園計画の変更、それぞれについて説明いたします。
 それでは、まず公園の概要について説明いたします。
 利尻礼文サロベツ国立公園は、最北の離島である礼文島及び利尻島、また、サロベツの3つの地域から構成されています。
 公園の面積は、2万 1,222ヘクタールで、景観の特徴としましては、山岳や海食崖、海岸砂丘、湿原、森林、湖沼などの変化に富んだ自然となっております。また、地域固有の植物が多いことでも有名です。
 まず、利尻島ですが、利尻島はアイヌ語で「高い山」を意味する言葉が語源となっております。その「高い山」である利尻山は、別名「利尻富士」とも呼ばれ、海上に浮かぶ独立峰で、標高 1,721メートルの、成層火山型の美しい山容が特徴です。次に説明します礼文島と同様、リシリヒナゲシなどの固有植物にも恵まれています。
 次に、礼文島ですが、こちらは利尻島とは対照的に、なだらかな地形が特徴です。西海岸に代表される海岸や、ササ草原が特徴的な景観ですが、種の保存法で、国内希少野生動植物種に指定されているレブンアツモリソウなどの固有植物も多くあります。
 次に、サロベツ原野です。こちらは、先ほどまでの2島とは異なり、日本でも最大規模の広大な湿原景観が特徴です。
 このように、利尻礼文サロベツ国立公園はさまざまな景観的特徴を持っていますが、平成13年度には、年間で約 151万人の方が訪れています。その主な目的は、高山植物や海岸景観の探勝などです。
 この国立公園の過去の経緯ですが、もともと道立自然公園から、2度の格上げを経て、昭和49年に国立公園に指定されました。
 現在、国立公園については、概ね5年ごとに区域等の見直しを行っていくこととしていますが、本国立公園については、最初からこれまで見直しは行われておらず、今回初めて、区域等の見直しを行うものです。
 それでは、今回の変更の概要について説明します。
 今回の変更内容は、大きく、公園区域の変更と、公園計画の変更に分かれます。
 公園区域の変更は区域そのものを変更するものですが、今回は区域を拡張します。
 また、公園計画の変更につきましては、保護規制計画、保護施設計画、利用施設計画の3つの計画について変更します。
 保護規制計画は、公園区域内の規制の制度について定めるものであり、今回は、拡張区域における特別地域の指定や、一部地域の格下げを行う予定です。
 また、保護施設計画は公園内の自然保護のための各種施設を計画するものですが、今回は自然再生施設と、植生復元施設を追加する予定です。
 利用施設計画については、公園利用者が自然とふれあうための情報提供などを行う博物展示施設や園地、歩道の計画の追加、また、既存計画の変更や削除を行う予定です。
 それでは、まず、公園区域の変更と、保護規制計画の変更について説明いたします。
 今回は、2カ所、合計 2,944ヘクタールの区域を追加し、当該地において特別地域等を指定します。
 まず、区域の拡張から説明します。今回拡張する区域は、現在国立公園に指定されている地域の南端部分に当たります。水色の部分が、既に公園になっている区域です。赤色の部分が、今回拡張する区域です。このように、2カ所あります。
 まず、拡張箇所1から説明します。こちらの区域は、昭和49年の国立公園指定当時に、公園指定を保留した経緯があることから、保留地と呼ばれている区域を含んだ地域です。こちらの黄色で示されている区域が、保留地と呼ばれている区域です。
 保留地について簡単に説明しますと、公園指定当時に、天塩川の河川改修計画との調整が難航したため、この区域を公園に指定できず、当時の自然環境保全審議会からは、速やかに公園区域に包含することとのご意見をいただいておりました。しかし、今年2月になって、ようやくこの件について決着がついたため、今回、当該地域を公園区域に編入するものです。
 保留地と、今回拡張する区域の関係は、このようになっております。黄色い線が保留地です。赤い区域が、今回拡張する区域です。一部、地元との調整などの結果、公園区域に含まれていない箇所があります。
 続いて、これらの区域の保護規制計画について説明いたします。
 今回拡張する区域が、赤色で示されています。このうち、こちらのオレンジ色の区域を特別保護地区に指定します。特別保護地区とは、原生的な自然景観を守る地域であり、法律上は落葉や落枝も採取することのできない、最も規制の厳しい地域になっております。
 こちらは、予定地の写真です。当該地域には、このような湿原のほか、森林などもあります。特別保護地区に指定することにより、サロベツでも少なくなった湿原を中心とした自然景観を厳正に保全します。
 次に、第1種特別地域の指定範囲がこちらになります。第1種特別地域は、特別保護地区に準ずる自然の風景地であり、原則、人工物は排除する地域です。今回は、海岸沿いの区域と、先ほどの特別保護地区に隣接する区域を指定します。こちらが予定地の写真です。海岸沿いの砂丘や、海浜植生の見られる地域、湿原と森林の混在する地域となっています。
 次に、第2種特別地域の指定範囲です。4カ所ありますが、特別保護地区の緩衝帯や、比較的良好な海浜植生が残されている箇所などを指定する予定です。こちらが予定地の写真です。
 次に、第3種特別地域です。今回は、砂丘林につながる平地や、人工造林地などを指定する予定です。こちらが予定地の写真になっております。
 以上の、公園区域となる陸域の施設海面は、すべて普通地域となります。これらをまとめて表示しますと、こちらのようになります。
 次に、拡張箇所2について説明します。
 現在、特別保護地区に指定されている箇所が、こちらのオレンジ色の枠内の地域になります。この箇所に隣接する地域を公園区域に編入します。
 先ほどの特別保護地区と同様の湿原植生を有する区域と、また、泥炭採取などが行われてきた区域の2つに分かれますが、泥炭採取跡地の一部では、ミズゴケ類が復元しつつあり、湿原の遷移という観点から学術的価値も高いため、これらを公園区域に含めるものです。
 なお、これらの地域の周辺は、ごらんのようにほとんどが草地や農地に変えられてしまっています。残されたこちらの区域を公園に指定し、保護します。
 次に、先ほどと同様に、拡張地域内の保護規制計画について説明いたします。
 まず、特別保護地区ですが、先ほども説明しましたとおり、当該地には良好な高層湿原が残されているため、特別保護地区に指定します。
 予定地の写真です。湿原地帯となっております。
 次に、第2種特別地域ですが、先ほどの特別保護地区に隣接し、ササの生育する区域を、特別保護地区の緩衝帯として指定します。
 次に、第3種特別地域ですが、先ほどの泥炭採取地の区域について、残された湿原や、回復途上の植生を保全するため指定します。
 予定地の写真です。泥炭採取地は、左側の航空写真にありますように大きな水たまりとなっておりますが、次第に泥炭がたまるなどして、植生の復元が見られております。
 なお、今回は、拡張区域とは別に、現在第3種特別地域である箇所を普通地域に格下げする箇所が2カ所あります。場所は、こちらの稚咲内漁港と、その背後の集落部分です。
 予定地の写真です。集落化が進んでいるため、普通地域とするものです。
 以上をまとめますと、保護規制計画の方はこのようになります。
 以上で、公園区域及び保護規制計画の変更についての説明を終わります。
 続いて、保護施設計画について説明いたします。
 保護施設計画は、公園内の自然の保護のために必要な各種施設の整備を計画するものです。今回の公園計画の変更のポイントとしましては、自然再生施設の追加があります。この自然再生施設の追加の目的は、過去に人為などで損なわれた自然について、その自然が本来の姿に戻るのを手助けするものです。その施設内容につきましては、個別に検討していく予定です。
 公園計画の方では、まず、必要性がある箇所について計画を追加します。今回追加する保護施設計画は、大きく分けて、自然再生施設と、植生復元施設があります。
 このうち、自然再生施設は、上サロベツ、稚咲内海岸、ペンケ沼及び下沼の、計4カ所となっております。
 浜里海岸には、植生復元施設を計画します。
 それでは、各施設、個別に説明いたします。
 まず、上サロベツ自然再生施設。サロベツ原野全体に言えることですが、湿原の乾燥化が進んでおり、湿原内にササが侵入してきております。左下の航空写真では、ササと高層湿原の境界線が示されていますが、黄色い線が1977年の時点、赤色が2000年の時点です。この30年間で、およそ20メートルから50メートルほど、ササの領域が拡大しております。この乾燥化に対処するため、遮水シートによる地下水位の上昇などを検討をしております。
 次に、稚咲内海岸ですが、こちらは対象地が海岸と内陸部の間にある湖沼となっております。こちらでは、周辺より高い位置に湖沼は存在するのですが、下部の農地改良などにより排水が促進され、湖沼の乾燥化などが進んでいるため、この防止を図るものです。
 次に、ペンケ沼です。こちらの写真からもおわかりになりますように、沼が次第に埋まってきております。これは、上流部での河川改修等による集水域の変化や、周辺の農地から流入する土砂が影響していると考えられます。この影響により、沼周辺の湿原植生も影響を受けています。この対策として、沈砂池、砂をためる池の設置などを検討しております。
 次に、下沼ですが、こちらも上サロベツと同様、湿原の乾燥化が問題となっております。
 最後に、植生復元施設である浜里海岸ですが、こちらでは、従来より北海道と北海道開発局などにより、「南サロベツ景観復元プラン」が進められてきています。この内容は、具体的には、建設骨材用の砂の採取跡地を、浚渫残土などによって穴埋めし、草原植生を復元する計画となっています。
 それでは、次に利用施設計画の変更について説明します。
 今回は、利尻・礼文・サロベツの全域について、社会状況等の変化に応じて、必要となった施設計画の追加や、既存計画の変更、また、同様に、現状では必要のなくなった計画の削除を行います。
 利尻島から、島の北部と南部に分けて説明します。
 まず、北部です。
 最初に、追加する施設ですが、島内でも筆頭の観光地である姫沼への車道計画を追加します。路線は、こちらの赤い線になります。既存の道路を公園計画に位置づけるものです。
 次に、先ほどのこの車道の終点となる姫沼において、博物展示施設、ビジターセンターを整備いたします。位置は、こちらの赤マルになります。こちらも、新規に整備する予定です。
 次に、近年、利用頻度の高くなった鴛泊と北麓野営場を結ぶ既存の道路を計画に位置づけます。
 次に、車道計画の追加や、公園利用状況の変化にあわせて、既に存在している歩道の路線計画を一部変更します。
 まず、鴛泊登山線道路ですが、現在のこの緑色の路線について、一部、野営場と結ぶ路線を追加しまして、先ほどの車道計画の追加に伴って不要になった区間を削除します。青い線で示されております。
 次に、姫沼ポン山線ですが、現在のこちらの路線について、先ほどと同様にコースを追加し、車道の追加にあわせて、重複する箇所を一部削除します。
 最後に、既存計画にあるポン山園地ですが、現状から見て不要ですので削除いたします。
 次に、利尻島南部ですが、こちらの区域になります。現在、存在しているポン山線道路、こちらについて、路線の枝線を追加し、あわせて名称も「オタドマリポン山線」に変更いたします。
 次に、礼文島ですが、まず、最北のスコトン岬において、宿舎計画を追加いたします。
 次に、車道のうち、須古屯西上泊線道路について、現況のこの赤い路線の起終点を現状に合わせて整理するために、一部区間を削除します。
 同様に、香深香深井線につきましても、現況の路線から一部を削除します。
 また、次に、香深元地線についても、現況の路線から一部を削除します。
 次に、歩道計画のうち、内路香深井線について、計画区間の一部を、この次にお話しします礼文島縦断線に振りかえまして、名称も変更します。振りかえ路線の部分がピンクで示されています。
 その礼文島縦断線ですが、現行の計画でこのようになっている路線を、実情に合わせて一部を削除、一部を追加し、先ほどの振りかえ路線と合わせる変更を行います。
 最後に、計画の削除ですが、ゴロタ岬園地を削除します。
 また、礼文岳園地についても削除いたします。
 次に、サロベツ地域ですが、こちらは公園区域の拡張に合わせた変更も行います。
 まず、現在園地整備がなされていないペンケ沼について、園地計画を追加します。
 次に、円山に園地計画を追加します。
 さらに、あわせて円山に博物展示施設を追加します。
 さらに、パンケ沼に博物展示施設を追加します。
 次に、拡張区域内を通過する下サロベツ砂丘線歩道を追加します。
 次に、既存計画の車道のうち、抜海稚咲内線について、現行の路線に拡張区域内の区間を追加し、名称も変更します。
 また、円山稚咲内線についても、現行のこちらの路線に拡張区域内の区間を追加します。
 最後に、下サロベツ原野線についても、現行の路線に拡張区域の部分を追加します。
 公園区域及び公園計画の変更に係る説明は、以上です。
 次に、本変更案について実施しましたパブリックコメントについて説明いたします。
 今回、パブリックコメントにつきましては、環境省ホームページや関係機関等から周知し、本年3月31日から4月29日まで実施した結果、19通の意見の提出があり、個別の意見数にしまして44件のご意見をいただいております。
 意見の概要及び当省の回答案につきましては、資料2-4をごらんください。
 このパブリックコメントで寄せられた意見につきまして検討した結果、今回の変更案を変更する必要はないと考えております。
 以上で、今回の利尻礼文サロベツ国立公園の、公園区域及び公園計画の変更についての説明を終了いたします。ありがとうございました。

○熊谷部会長 それでは、ただいまの案件につきまして、ご質問、ご意見をお願いしたいと思います。どうぞ。

○嘉田委員 京都精華大学の嘉田でございます。
 お時間もないので、2点だけお伺いしたいのですが、このような変更のときに、パブリックコメントということで、地域の住民の方のご意見を伺うということは大変大事なことだと思うのですが、いわゆるパブリックコメントのような形で意見を言う人と、そういうのを言わない人たち、つまりかなりサイレントマジョリティーというのでしょうか、さまざまな利害関係を持ったような人たち、そういう方たちの何らかの事前調整というのはなされておられるのでしょうか。
 特に、土地所有者であるとか、さまざまな利害関係があると思うのですが、そのあたりのことを、本来私どもがもっと勉強しなければいけないのだと思うのですが、ちょっと不勉強なものですから、土地所有者なり、何らかの利害関係を持っている人たち、特に保留地のあたりですね、さまざまに過去利用されてきたと思うのですけれども、その辺の人たちとの調整のことを教えていただけたらと思います。
 それから、2点目ですが、自然再生そのものは大変に難しいのですけれども、例えば沼などは、自然に放置しておいてもだんだんに乾燥地化していくというのが、多分生態系の基本的な知識だと理解をしているのですが、どのような目標を持って、あるいはどのような基準を持って、自然再生をするのか。
 何か、大変大きな予算なりお金を入れて公共事業をする、環境を公共事業として新たにお金を入れるためのものなのではないのかというような疑いも一方でありますし、その辺を、どういう基準で、例えば今回の沼を、ササ原を、侵入を防ぐとかいうようなことがなされているのか、そのあたり、基本的なお考えで結構なのですが、お教えいただけますでしょうか。

○熊谷部会長 いかがでしょうか。

○事務局(横山) それでは、まず1つ目のご質問から回答させていただきます。
 まず、意見を言われない方々、特に土地所有者の方々との調整などはどういうふうにされているかというご質問だったかと思うのですが、今回の公園計画の変更案をつくる作業について簡単にご説明いたしますと、まずこちらは、現場の事務所が西北海道地区自然保護事務所というのが札幌にございまして、まずこちらの方で素案を作成してまいります。
 公園区域の指定や公園計画の変更に当たっては、法律上は土地所有者の方々に個別に了解を得なければならないことにはなっていませんが、今回この素案を作成していく中で、国有林、町、農協等の主な地元の土地所有者の方々に対しては事務所から個別に説明してご了解を頂き、また地元の市町村等、関係機関とも調整を進めながら、話し合いをしていきながら案をつくってきておりまして、それを段階的に、まず事務所案として、関係省、本省に上げて、また、そこで関係機関とも調整しながら詰めてきた結果、今回の、ご説明している案となっております。したがって、主な土地所有者の方々とは調整をしてきているということでよろしいかと思います。

○事務局(亀澤) 自然環境計画課の亀澤と申します。
 後段のご質問にお答えをいたしますが、今お手元に整理表をお持ちいたしましたが、自然公園のあり方の懇談会でご指摘されて、自然公園の関係について整理をしたものです。
 その中で載せておりますけれども、自然再生に関しましては、基本的には人為によって失われた自然を取り戻そうという趣旨でありまして、湿原なり沼というのは、自然の水位でも乾燥化したり、沼が縮小したりすることがあると思いますけれども、釧路湿原なりサロベツでは、自然のスピードをはるかに上回る速度で乾燥化が進んでいたり、あるいは周辺の農地開発のために、河川を直線化したことによって乾燥化が進んでいたりということで、人為による影響が明らかなものについて、その人為の影響を取り除くと。その取り除くことによって再生、自然が自然の力で再生をしていく手助けをするというような考え方に基づいておりまして、したがいまして、直ちに何か工事をするというようなことではなくて、自然の復元力に委ねるというような、そういうような方法も含めまして、柔軟に検討をしていきたいというふうに考えております。

○熊谷部会長 いかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、山岸委員、お願いします。

○山岸委員 ちょっとぼっと聞いていて、説明を聞き落としてしまったのかと思うのですが、この拡張の仕方の形ですが、どう考えてもこれは不自然ですよね。真ん中に、くさびのようにずっと空地が入っているのですが、これはどうしてこういうふうになったか、説明されたのでしょうか。

○事務局(横山) こちらのご指摘につきましては、ご紹介は、先ほどの中ではしてなかったのですが、それでは、ちょっと資料の方をお願いできますか。
 こちらの、ご指摘のとおりくさび型に抜けて拡張をするというのは、ここの場所は、昭和49年に国立公園に指定した当時に、河川計画との調整がありまして、その調整がつかなかったものですから、公園に指定すべきでしたけれども指定できなかった、保留地と呼ばれている箇所です。
 それからこれまでに、四半世紀以上が流れて時間がたってきておりますが、現況が、土とり、砂、土をとったりして地形をかなり改変していること。また、現況を見ますと、風力発電の施設が約28基、建っておりまして、大体3キロメートルにわたって風車が並んでいるという状況でして、こちらについては、当初、公園区域への編入ということをこちらとしても検討してまいったのですが、最終的に地元との調整がつかずに、公園区域から抜かざるを得なかったという経緯になっております。

○熊谷部会長 いかがでしょうか。今のお答えでよろしいでしょうか。

○国立公園課長 では、少しだけ補足をさせていただきます。
 ほかの、この国立公園に限らないのですけれども、先ほどの嘉田委員のご質問にお答えしましたように、国立公園の区域を拡張、あるいは新しく指定するときは、早い段階で関係者との調整等を行ってまいります。
 そうした中で、私どもが当初に案をつくるわけですけれども、そのときは、そこの自然の資質に応じた一定の案をまず考えます。それに対して、関係者等の調整をやっていきました結果として、このように最終的には区域への編入を断念するようなケースというのもございますので、そうした流れの中で、このサロベツについても、とりあえずこういう形の、現時点としての決着を見たという経過でございます。

○白幡委員 保留地というのが、余り詳しく知らなかったのですけれども、この利尻礼文サロベツの国立公園について、特にまだ幾つかあるのか。もし、これで当初の利尻礼文サロベツ国立公園の計画というのが一応それなりに完成するのか、また、保留地を再度検討しなければいけないところがあるのか、その辺はいかがか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○熊谷部会長 どうですか。

○事務局(横山) 昭和49年の指定当時に、公園区域に入れることを検討していた地域としては、保留になっていた部分としましては今回の地域のみです。ですから、これ以外にさらに別の場所に保留地があるということではありません。

○熊谷部会長 では、佐藤委員さん、どうぞ。

○佐藤委員 初めてなので、場違いなことをお聞きするのかもしれませんけれども、この礼文のところの利用施設計画で、いろいろ施設をつくられるという話がありましたけれども、この施設をなぜつくられるかという目的とか、今までこういうものがあって、あるいはなくて、例えば不便、不便というのはおかしいかもしれませんけれども、自然についてのいろいろな情報等の供出ができなかったからつくるとか、幾つか目的があるのではないかと思うのですけれども、そのあたりを教えていただけますでしょうか。なるべくだったら、ほかのところもそういうような計画があれば、教えていただきたいのですが。

○熊谷部会長 事務局、お願いいたします。

○事務局(横山) 計画の変更につきましては、新規に追加するもの、変更するもの、削除するものとがございますが、新規に追加するものについては2種類ありまして、それが、例えばサロベツ原野の円山博物展示施設ですと、現在何もない状態の森林なのですけれども、自然再生施設との絡みで、現在、湿原の中にあるビジターセンターを移転するということを検討しております。その移転先として、候補地として計画を追加していると。
 そういった全くの新規の計画もあれば、既に公園利用上、相当程度の利用が見られている、例えばハイカーがたくさん通る歩道ですとか、そういうのが現状ではあるのですけれども、公園計画では位置づけられていなかった施設、例えば歩道ですとか車道ですとか、こういったものをやはり公園計画上、利用施設として把握するために、既にあるものを位置づけるというものが、新規では2つ目になります。
 既存計画の変更については、かなり計画自体が以前につくられたものですので、現状から見て、例えば道路の路線が変わってきているですとか、起終点として見た場合に、本来の起点がもう少し内陸部にあったですとか、そういった場合に、現況に合わせて変更しているというものが、変更の場合はほとんどになっております。
 あと、変更ですと、サロベツですと、今回区域を拡張しておりますので、その拡張区域内に道路が新しく通過している部分を公園計画にしているといったものが、変更の主なものになっております。

○熊谷部会長 では、小塚委員お願いいたします。

○小塚委員 小塚です。私も、頻繁には入っていませんけれども、何回か見ました。非常に国有林の多いところなのですけれども、拡張をしていくという方向については、僕は異存はございませんが、パブリックコメントの12番目にあるのですけれども、管理体制の強化ということで、現地職員をふやしていってくれ、現地の実質的な管理体制を強めてほしいという趣旨のご意見が報告されておるのです。
 対応方向としては、そのとおりだけれども、現状からすればなかなか大変ですよという趣旨の対応方向だと思いますけれども、せっかくこういう自然の森林等に対する世論が高まって、この審議会も1つ1つ真剣に議論を積み重ねているのですけれども、例えばこういう意見があるというのは、相当やはり、地域の人々、あるいは利用者の人たちが見て、お寄せになっている意見だと思うんですね。
 これに答えて、1つ1つ答えていくということが、私はここの委員の皆さんが背景として、特に今の時代ですから、いい条件になるのではないかとこう思いますので、環境省で努力をされていると思いますけれども、かかわる農林水産省とか林野庁の関係を含めて、ぜひ必要な職員、要員は、現地を初めとして確保して、やはりこういう声に応えていくということが非常に今後においても有意義なことではないかと、こう思いますので、特に、人をふやすということについては、いろいろな制約があると思いますけれども、現状どういう努力をされているのか、どういう見通しを持たれているのか、あるいは関連する省庁の関係があるとすれば、どういう協議等をされているのか、少しご説明いただければありがたい気がします。

○熊谷部会長 では、事務局。

○国立公園課長 それでは、今の件についてご説明したいと思います。
 最初の審議の前のご説明で、現在、全国の国立公園を 218名の職員で見ているということを申し上げました。ただ、これは、10年ほど前と比べますと、およそ倍になっておりまして、10年前、平成の最初のころに約 100人ぐらいで同じ28の国立公園を見ていた状況からは、それと単純に比較すれば、倍増を果たしてまいりました。
 この過程では、例えば現地の林野庁の職員の方、部門間配転という制度を使いましておいでいただきましたり、いろいろ、なかなか定員増の難しい状況の中、私どもなりに工夫をして、ここまでやらせていただきました。
 この方向は、今後とも努力をしてまいりたいと思います。結果、利尻礼文サロベツ国立公園につきましては、稚内に2人の自然保護官が常駐しているような状況でございまして、そのほかに、札幌の事務所がサポートしているところでございますが、なかなか行き届かない点、確かにあると思います。そのあたりは、地元の市町村ですとか、北海道の支庁、あるいは林野庁の森林管理署の方々と一緒に、国立公園連絡協議会というようなものをつくらせていただいて、いろいろお力添えをいただきながらやって、パークボランティア、自然公園指導員を委嘱するなどで、現在やっているところではございますが、今後ともご指摘の趣旨を踏まえて努力していきたいと思います。

○熊谷部会長 速水委員が先ほど。お願いいたします。

○速水委員 先ほどのくさび状に抜けていた、風力発電の場所というのでしょうか、そこのことで、今回そういう状況があって抜かれたということは特に私としては問題はないのですが、ただ、ちょっとご説明の中で、今まで土砂採取ですか、土砂とり、それと風力発電が28基できたということと、それと、地元との調整という幾つかの問題があったのですけれども、基本的には、開発が行われていて、現状がふさわしくないから除いたのか、それとも、公園に入れようとしたのだけれどというお話があったのですけれども、本来、そういうものがあっても、国立公園の中に指定していこうというか、今回の指定の中には入れてもいいんだというふうな判断があったのだが、それは地元との調整で、あえて抜いたのだというふうなことによっては、将来に向かってどうしていくかというところが、ちょっと変わってくるような気がするんですよね。その辺のご見解を少し伺いたいと思います。

○国立公園課長 少し舌足らずなところがあったと思いますので、補足をさせていただきたいと思います。
 まず、環境省の案をつくります段階で、現地の状況を、その保留地全般にわたって、現在の自然の状況等を再度調整しまして、ふさわしいといいますか、私どもなりの目から見た自然の資質から案をつくってございます。
 そのときに、最終的に抜かれた部分は、既に土とり等の工事のプラントが建っておりましたり、一定程度の自然の改変がされているというところから、例えば特別地域には相当しないだろうという考えがありました。
 そこで、ただし、周辺の自然の、ある意味で緩衝地帯、バッファーゾーンというような意味合いもございますから、普通地域ではどうだろうかというような案をこしらえたのが最初の段階でございます。
 そうして調整を重ねていく中で、地元の方では、地元のお考えとして、このような風力発電施設が建設されてきたというような事実経過でございます。
 なお、そのことも踏まえながら、地元の町などと調整をしていく中で、普通地域といえども規制がかかるのは少々辛いというようなお話があって、区域への編入は果たせなかったというのが事実経過でございます。
 ですから、私どもとしましては、そういういろいろな形で自然の状況が変わっていく部分もありますけれども、今後、今回の変更の後も、定期的な公園の点検というような作業がございますから、そのときにまた、その時点での自然を再評価して考えていくということはあると思っております。

○熊谷部会長 それでは、鷲谷委員どうぞ。順番にお願いいたします。よろしく。

○鷲谷委員 自然再生施設に関してなのですけれども、先ほどのご説明で、集水域からの土砂や栄養塩の流入が、これがペンケ沼なのでしょうか、その自然劣化の主要な要因というご説明がありました。
 実は最近私もこのあたりへ行く機会があったのですけれども、恐らく湿原の状態がそういうことの影響を受けているように思われるのですが、沈砂池をつくるというのは確かに対症療法として重要で、時間稼ぎにはなるように思うのですけれども、流域全体で現状のような管理のあり方が続いていると、一時的な処置にすぎないような感じがするんですね。流域全体で考えて、湿原がより長く、ちゃんと自然の時間のスケールで維持されるにはどうしたらいいかというようなことも、国立公園の方から今後考えていかれるのでしょうか。

○熊谷部会長 いかがでしょうか。

○事務局(安部) ペンケ沼についてなのですが、まず、サロベツ湿原の流域全体の状況につきまして既に調査をしてまいりました。それで、1947年当時と比べまして、相当な人工林化だとか農地の開発なんかが行われまして、先生がおっしゃるように、流域自体の改変が進んでおることが事実でございます。
 特に、ペンケ沼についてだけ注目しますと、スクリーンの左の方なのですが、ちょっと見にくいのですけれども、赤く円を描いたところを旧流域として、12平方キロの、ペンケ沼自体の自己流域がもともとございましたが、洪水対策等によりまして、本来であれば別のルートで海に流れていく川を、このペンケ沼に直接つなぎ込んでおるということが、過去に行われておりまして、流域面積としては約10倍ほどになっております。
 ですから、1つには当然のことながら流域の、例えば人工林化されたものの複層林化だとか、農地自体からの流出土砂の抑制等を行いつつ対策を進めるのですが、その一方で、やはり10倍ほどの流域面積を持つようになってしまっている現状を考えると、何かしらの、そこに流入する土砂を、この沈砂池という方法が本当に最良のものかということも今後検討しなければならないのですが、ある程度、そういう人為の状況を取り除くことを考えて、総合的に判断する必要があろうかと思っております。

○熊谷部会長 それでは、挙手された順で、土屋委員、それから森戸委員でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○土屋委員 パブリックコメントを拝見しておりまして、お尋ねしたいことが出てきました。1番のところで、さらに拡張地域をふやしてほしいという要請が多々あるように出ておりますが、それに対する環境省の対応方針としまして、原案のとおりとしますとされております。
 これだけ拝見しますと、環境省の対応は非常に冷たいような感じを受けるわけですけれども、恐らく要請に対していろいろ議論が行われて、要請者はもう納得しておられるのではないかと予想するのですが、原案のとおりとするだけではなくて、理由等も記していただくと、この書きものがより効果があるものになるような気がいたしますけれども、状況はどのようなものだったでしょうか。

○熊谷部会長 お答えをお願いしたいと思います。

○国立公園課長 確かにちょっとそっけない書き方であったところは反省いたしますけれども、1つ、今回の公園計画の見直しの作業という中で、我々なりに立てた課題に対しての答えを出していこうということで、それで、1つは保留地の問題、もう1つは、今後この自然再生事業を含めて、やはりまず優先的にあの公園に取り込んでいくべき場所というような観点で案をつくってまいりました。
 そういう点から申しますと、ご意見をいただいているようなところにつきましては、まだ私どもとして十分調査が行き届いていない、あるいは今回の拡張の中で、必ずしも検討していないような地域でありましたけれども、このあたりにつきましては、ここの対応方針に書きましたように、公園は概ね5年ごとに点検を行っていくという考え方でしておりますので、今回1つの区切りをつけさせていただいた上で、また次回の検討課題ということで対応してはどうかというふうに考えている次第でございます。

○熊谷部会長 よろしいでしょうか。
 それでは、森戸委員お願いいたします。

○森戸委員 この指定書、あるいは計画書の本文に記述するというのはこういうことだけかもしれないのですけれども、これで見ますと、要するに線引きをして区域を確定した最後の結果だけが載せられている形で、今いろいろな委員の方から出た途中のいきさつとかそういう部分は、文章上からは抹殺されているわけですね。
 担当者が口頭で説明するという感じなのですけれども、本当は、望むべくは、不自然に区域から外れた部分とかそういうものは、どういう事情でこうなったかということが、何らかの形で、付記とか参考とかさまざまな形で記述されていた方がいいのではないか。5年後には担当の方も変わるだろうし、経過を知っている人からヒアリングするというよりは、ある種の文書としてそういう経過を残す方が親切ではないだろうかと思います。
 だから、文章上、いわば主文に当たる、最終的な結果に対して、その経過をどの程度詳しく書くかは別として、そういうものを説明しておく、そういう仕掛けをこれから考えたらどうかなということが1つです。
 もう1つは、たまたま今回は風力発電施設の話がここに出ていますが、これはもう既にできているから、そこだけは外したというような話で終わっているのか、これからもこの風力発電の拡張の話があって、そういうせめぎ合いがこれから起こるという想定なのか、あるいは今回はここは終わったのでしょうけれども、これから国立公園区域で風力発電施設を既に指定されているところに建てたいとか、そういう問題が起こってくる。新しい施設といいますか、施設の開発と国立公園の自然保護の関係が論点として出てくるわけですけれども、これについて、どういうふうに考えられているのか、その辺のお考えを聞かせてほしいなと思います。
 とりあえず、2点です。

○熊谷部会長 どうでしょうか。

○国立公園課長 すみません、お答えいたします。
 まず、1点目は、例えば公園計画書という今日お配りしている冊子がございますけれども、こういうものなどに、そうしたいろいろな背景、経過を書き込んだらいかがかというご意見、ご指摘かと伺いました。
 我々もこういった、何年かに一度見直しをして、また次に宿題を引き継いでいくということをしておりますから、役所の内部といたしましては、当然に担当者がかわっても引き継ぎをきちんと行っていくという姿勢でやってきております。
 そういう中で、それを計画書にどれだけ書き込めるかということについては、これが1つの法定計画でもございますので、どこまで書けるかということについては、もう少し工夫をするように努力をしてみたいと思います。
 そのほかに、そういった引き継ぎをきちんとやるということ、それから、こうした審議会でのご審議の結果、議事録として保存、公開されますというようなことも含めまして、きちんと話が申し送られていくように努力をしたいと思います。
 2点目の風力発電の件でございますけれども、実は、当国立公園の関係に限らず、現在風力発電が、地球温暖化対策の一環ということもあって、高い目標が掲げられまして、しかも技術的にも実用段階に入ったということで各地で検討が進められております。
 これまで、国立公園の中では、例えば山小屋の自家発電施設ですとか、電源がないようなところの公共施設の関係ですとか、そういったものは幾つか許可になった事例がございますが、このような大規模なもの、しかも多数建つようなところは、国立公園の中で許可したものはまだございません。
 しかしながら、そうした全体的な風力発電の推進という立場と、その適地が国立公園の中にもあるというような状況の中で、これをどう考えていったらいいのか。国立公園の風景論、あるいは自然環境、野生生物という立場からいきますと、やはりその事の善し悪しは別としまして、規模としましては、かなり大規模な工作物でございます。このサロベツの場合でも、一番高いところ、99メートルということですから、およそ 100メートルというような工作物でございますので、これを公園との兼ね合いでどう考えるか、非常にいろいろ難しい問題があると考えておりまして、その辺の考え方を少し明らかにしていこうということで、これから別途、私どもの局の方でも、専門家の先生方、あるいは関係者のご意見を聞きながら検討を進めてまいろうと考えております。
 またいずれ、そうした検討を踏まえまして、ご報告する機会もあろうかと思いますけれども、現在はそんなような検討状況でございます。

○熊谷部会長 いかがでございましょうか。
 大変貴重なご意見をたくさん賜りまして、ありがとうございました。
 それでは、もし何かほかにございますようでしたらいただきたいと思いますが。よろしいでしょうか。
 それでは、特に異議もないようでございますので、諮問第81号の「利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について」は、適当と認めることとさせていただきたいと思います。いかがでございましょうか。
               (「異議なし」の声あり)

○熊谷部会長 ありがとうございます。
 以上で、本日の諮問事項についての審議は終了したわけでございます。
 その他の事項に関して、事務局から何かございますでしょうか。

○自然環境計画課長 冒頭、局長からもご説明しましたけれども、先般、世界自然遺産に関する候補地の検討会議というものがありまして、その結果が出ております。その状況につきまして、少しご報告をさせていただきたいと存じます。座って説明させていただきます。
 お手元の資料3をごらんいただきたいと思います。「世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について」ということでございまして、先般5月26日でございますが、環境省と林野庁で共同設置しておりました世界自然遺産候補地に関する検討会におきまして、今後、世界自然遺産の登録推薦を検討する地域といたしまして、学術的な見地で見て、知床、小笠原、琉球諸島の3地域が選ばれたという状況でございます。ご承知のとおり、世界自然遺産といいますのは、世界自然遺産条約に基づきまして、ユネスコの世界遺産リストに登録された物件でございます。遺跡、記念工作物、建築物のほか、自然地域も該当しておりまして、いずれも人類にとって共通でかけがえのない自然遺跡、あるいは文化的な所産であろうということで、未来の世代に引き継いでいこうというものでございますけれども、そういうことで、3つに分かれておりまして、文化遺産と、それから、地形・地質とか、動植物学的な、自然科学的な価値に注目した自然遺産、それから、文化遺産と自然遺産のいずれもの基準を満たすという、大変えらいものなのですけれども、複合遺産というものがございます。

 世界で今 730あるのですけれども、自然遺産は 144、文化遺産が 563ということで、1対4ぐらいの割で自然遺産が少のうございます。文化遺産の方が多うございます。
 この登録手続でございますけれども、それぞれの条約加盟国が、自国の物件を推薦して、世界自然遺産委員会、これは条約加盟国 176のうち21カ国で構成しておりますけれども、その世界自然遺産委員会で決定されることになります。
 その登録に先立ちまして、自然遺産につきましては、国際NGOのIUCN、国際自然保護連合が、専門的な見地から現地調査を含めて評価もするというような状況でございます。
 日本から登録を推薦する場合でございますけれども、その場合、政府としての決定につきましては、外務省、文化庁、環境省、林野庁、国土交通省でつくっております世界遺産条約の関係省庁連絡会議というところで行います。
 この登録推薦をするという決定に先立ちましては、それぞれの省庁で関係する審議会に報告し、助言を求めるということになっておるわけでございます。したがいまして、世界自然遺産を正式に登録推薦する場合は、本自然環境部会にご報告するという状況になります。
 今回、検討会を設置したところでございますけれども、その背景としましては、最初のわが国の自然遺産が登録されて10年たっておりまして、その間、世界遺産に関する国民的な関心が一層高まってきております。
 文化遺産につきましては、当初、2の遺産でございます。法隆寺と姫路城だったのですが、10カ年でこれは9までふえてきておりますが、自然遺産につきましては、白神山地と屋久島ということで、2カ所のままでございまして、いろいろなところで、わが国において次の自然遺産はないのかといったような議論が起こってきている状況でございます。
 そうした状況を踏まえまして、新たに世界自然遺産として推薦できる地域があるのかどうか、それにつきまして、学術的な見地で検討を行っていただいたのが今回の状況でございます。
 候補地としましては、国立・国定公園、あるいは国有林の森林生態系保護地域などの既存の保護地域のほか、緑の国勢調査、自然環境基礎調査で抽出したいろいろな価値の高い地域を対象として検討いたしましたけれども、この検討会の中で詳細に検討すべき地域を19カ所選定いたしたところでございます。
 その19カ所について、さらに条約上の学術的基準の適合性ですとか、国際的な価値の評価でありますとか、類似の世界遺産があるかどうかといったような状況も詳しく検討いたしまして、その結果として、今回の3地域が選ばれたところでございます。
 選定に当たりましては、世界自然遺産の登録状況が、現在、先ほど申しました 140程度、これは条約加盟国1国当たり 0.8ぐらいでございます。
 それから、OECDに加盟している先進国の中で、自然遺産を4以上持っている国というのは、オーストラリア、アメリカ、カナダといった新大陸に限定されておりまして、なかなか非常にハードルが高いという状況も踏まえて厳選されたところでございます。
 今後の自然遺産についての取り組みでございますけれども、この登録ができるかどうかの基準につきましては、対象地域が学術的に非常に価値が高いということとともに、その対象地域につきまして、それぞれの国が自国の法律の制度で保護される担保がとれている必要があると。さらに、実効性のある保護計画が策定されているという要件が重要になってまいりまして、社会的な側面でございますけれども、それを今回の3地域に当てはめた場合、レベルの差はありますけれども、いずれも現時点では課題があろうというように、検討会でも指摘いただいているところでございます。
 そういうことで、今後これら3地域につきまして、遺産地域としての対象地域をどこまでにするか、地域の確定。あるいは、保護区の設定、既存の国立公園等を拡張するとか強化するとかそういったようなもの、それから、対象地域の保護管理計画等を策定するということで、登録の前提となりますような社会的条件を整備していくことを考えております。その面では、地元自治体等の関係者との調整を鋭意進めていくことにしているところでございます。
 これから、急いで、そういった面で検討を進めるわけでございますけれども、条件の整ったところから順次、当部会にも報告させていただきまして、推薦登録に向けて、必要な手続を進めていきたいと考えております。その際は、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上、報告を終わらせていただきます。

○熊谷部会長 ただいまの報告につきまして、何かご質問がございましたら、どうぞお願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは、特にないようでございますので、事務局より、何かほかにございますでしょうか。

○国立公園課長 特にはございませんが、再度のご確認でございます。
 本日の議事要旨につきましては、後日事務局で作成いたしまして、部会長のご了承を得て、公開する運びとさせていただきたいと思います。
 また、議事録、会議録につきましては、事務局で作成後、一月ほどのお時間をちょうだいするかもしれませんが、ご出席の委員のご了承を得た上で公開ということにしたいと思います。公開は、いずれも環境省のホームページに掲載することとなります。
 また、本日の会議資料でございますが、もしお荷物になるようでございましたならば、後日事務局から郵送いたしますので、お手元の用紙に、資料送付の有無を記入の上、おとめおきいただければと思います。
 以上でございます。

○熊谷部会長 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、本日の中央環境審議会自然環境部会を閉会とさせていただきます。
 ご協力どうもありがとうございました。

○事務局 どうもありがとうございました。


                             

午後 2時24分閉会

ページ先頭へ