中央環境審議会自然環境部会(第6回)議事要旨

    開催日時

    平成15年6月30日(月)13:00~14:20

    開催場所

    経済産業省別館9階944号会議室
           (東京都千代田区霞が関1-3-1)

    議題

    (1)自然環境部会の所掌等について
    (2)諮問事項
       利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更について
    (3)その他
       世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について 他

    議事経過

     自然環境部会の所掌等について事務局が資料に基づき説明を行った。利尻礼文サロベツ国立公園の公園区域及び公園計画の変更についての審議がなされ、適当であるとの答申がなされた。世界自然遺産候補地に関する検討会の結果について事務局が資料に基づき説明を行った。

     なお、審議における主要な発言は以下のとおりである。

    委員 パブリックコメントの募集を行っても、意見を言う人と言わない人がいる。言わない人について、例えば地元の人など利害関係を持っている人たちとの調整は取られているのか。
    事務局 土地所有者等一部の関係者とは、現地事務所が公園計画の素案を作成する時点で、事前に調整を行っている。
    委員 湿原は自然に放置しておいてもだんだんと乾燥していく。このような人為によらない変化についても自然再生の対象となるのか。どのような基準を持って自然再生というのか、基本的な考えについて教えてほしい。
    事務局 自然再生に関しては人為によって変化したものを再生しようという趣旨。今回のサロベツ湿原では自然のスピードをはるかに上回る速度で乾燥が進んでいるので、人為の影響が明らかなものについて再生の手助けをする。直ちに工事をするものではなく、調査研究を行っていく。
    委員 地図を見ると一部が楔形に拡張区域から除かれており、大変不自然に思うが、これは何故か。
    事務局 この周囲は河川部局との調整により保留地となった部分の一部だが、今回の変更にあたって改めて現状を把握したところ、土採りなど自然が改変されており、また風力発電施設が28基建設されているという状況だった。当初環境省としては区域に編入する方向で調整したが、地元との調整がつかなかった。公園区域の拡張にあたっては、早い段階で関係者との調整を行うが、その結果、最終的に断念する場合もある。
    委員今回の変更以外にもまだ保留地があるのか。
    事務局 昭和49年の指定時に保留地とされたものは今回示したもので全て。これ以外にはない。
    委員施設の追加が多いが、目的を教えてほしい。
    事務局 今回の施設の新規追加には2種類のタイプがある。ひとつはビジターセンターの移設に伴って現在は何もない場所に新たに作るケースで、もうひとつは既にある既存の施設を計画上位置付けるケース。当初計画はずいぶん前に決定されており、現況にそぐわない部分について、今回変更する。
    委員 パブリックコメントに現地職員を増やしてほしいとある。このような地元の意見に応えて、ぜひ必要な職員を増やしてほしい。人員を増やすことには制約があると思うが、関連する省庁との調整を図るなど方法はあるだろう。環境省としてはどう考えているのか。
    事務局 現地職員は約200人と10年前に比べ倍増している。これまでも林野庁から職員に来ていただくなどしており、今後もこの方向は努力していく。また、現地の事務所で行き届かない部分は道、町、林野部局、協議会等でフォローするなどの体制を整えたい。
    委員 今回風力発電施設がある地域を編入しなかった理由は、風力発電施設があったため、土取り跡地であったため、地元調整の結果のどれなのか。現況から判断して除いたのか、このような施設があっても入れようとしたが地元の反対により無理だったのかをはっきりとさせておくべきである。今後、同じような状況が生じた際、検討の方向性に影響を与える。
    事務局 特別地域にはふさわしくないが、バッファーゾーンとして普通地域ならばどうだろうかと考えた。しかし、地元の考えは普通地域としても規制がかかるのはつらいと言うこと。我々の考えとしては、今後公園計画を見直す時点で、自然を再評価するなどして判断していく。
    委員 土砂や栄養塩の流入に対して、沈砂池を作るのは時間稼ぎにはなるが、流域全体で考えると対症療法でしかない。国立公園としてどのように考えているのか。
     
    事務局 これまでサロベツ全体に対して調査をしてきた。流域全体の環境が変化していることも事実だが、ペンケ沼に着目すると洪水対策等が進みペンケ沼にそそぐ流れが増え、流域が約10倍になっている。それに対しては、沈砂地を整備するなど緊急に土砂流入防止対策をし、加えて総合的な対応を検討していく。
    委員 パブリックコメントとして公園区域のさらなる拡張が多く寄せられているが、環境省のコメントは冷たい。議論が行われて原案のとおりとなったのだろうが、理由等も記すなどしてはどうか。また、どういった状況だったのか。
    事務局 今回の公園計画の見直しは、保留地の問題、自然再生の問題に絞っている。そのためご指摘の箇所は調査が行き届いておらず、資質等の検討をしていない。今後の点検の課題として対応したい。
    委員 計画書には調整の経緯などは一切なく、変更案の最終的な結果だけが記述されているが、5年後には担当者も変わっているだろうし、経過などの説明を何らかの形で文書として残しておく仕組みが必要なのではないのか。
    事務局 今回の議論の内容は議事録として記録、公開していくこととしているが、今回の変更の経緯や次回見直しへの課題をどのような形で残すのがよいのかを含め検討していきたい。
    委員 風力発電施設について、既にできているから外したというだけの話なのか、せめぎあいがあったのか、今後このような例が合った場合に、どうするのか。
    事務局 風力発電は地球温暖化対策の一環として、また技術的にも実用段階に入ったことから各地で検討が進んでいる。国立公園ではこのような大規模なものが多数建設される案件を許可した例はなく、今後大規模な工作物を公園の風景との兼ね合いの中でどう判断するかが課題である。これから別途検討を進めていく考えである。


    問い合わせ先

    環境省自然環境局国立公園課 (代表03―3581―3351)
       課長   笹岡(内線6440)
       課長補佐 阿蘇品勉(内線6443)
       計画係長 横山昌太郎(内線6489)

    資料の公開について

    *中央環境審議会自然環境部会での資料は、請求があれば公開する。

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