中央環境審議会自然環境部会(第4回)議事録

開催日時

平成13年12月18日(火)13:02~13:52

開催場所

東條インペリアルパレス5階「曙の間」

出席委員

21委員

熊 谷 洋 一 部会長代理
安 達 瞳 子 委員
磯 部   力 委員
岩 熊 敏 夫 委員
奥 山 文 雄 委員
川 名 英 子 委員
小 塚   茂 委員
白 幡 洋三郎 委員
鈴 木 継 美 委員
瀬 田 信 哉 委員
仙 田   満 委員
立 花 直 美 委員
服 部 明 世 委員
藤 原 一 繪 委員
三 澤   毅 委員
森 戸   哲 委員
山 岸   哲 委員
養 老 孟 司 委員
鷲 谷 いづみ 委員
渡 辺   修 委員
和里田 義 雄 委員

議題

(1)諮問事項
   大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更について

(2)その他

配付資料

資料1大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更案の概要
資料2大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)指定書及び公園計画書(案)
資料3大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更に関する
パブリック・コメント実施結果について
 

会議録

(開会午後1時02分)

田部国立公園課長
 お待たせいたしました。国立公園課長の田部でございます。
 それでは、中央環境審議会自然環境部会の開会をお願いいたします。
 本日は、所属委員30名のうち現在18名の委員のご出席をいただいておりまして、さらに4名の方が遅れられているようでございますけれども、本部会は成立しております。
 辻井部会長が所用によりご欠席ですので、部会長代理の熊谷委員に議事進行をお願いいたしたいと思います。
 それでは熊谷委員よろしくお願いいたします。

熊谷部会長代理
 それでは、中央環境審議会自然環境部会を開催いたします。
 審議に先立ちまして、小林自然環境局長からご挨拶をお願いいたします。

小林自然環境局長
 自然環境局長の小林でございます。本日は審議会委員、部会の委員先生方、本当にお忙しいところ、年末のお忙しいときにご参集いただきまして、本当にありがとうございます。
 本日の部会におきましては、大山隠岐国立公園の公園区域及び公園計画の変更についてご審議をいただきたく思っております。
 この区域の変更は久しぶりなんですけれども、大山隠岐国立公園の隣接する毛無山という地域がございますが、これを編入するということで、割合大きな面積の区域の拡張がございます。
 毛無山というところは中国地方でも貴重なブナ林がまとまって存在するところでございまして、そういう天然林を交えた特徴のある森林景観を国立公園に編入するということで、後でまた写真などでご紹介いたしますけれども、毛無山は大山蒜山一帯の山々が見渡せる山岳リクリエーションの格好の地でございます。
 そういうことで、今後の国立公園の発展のために大事な案件でございますので、よろしくご審議をいただきたいと思います。
 なお、実は私、審議官もそうですけれども、ちょうど20日の財務省の来年度予算の内示を控えて、今ちょうど予算が山場に差しかかっていまして、出たり入ったりいたします。ご無礼をお詫び申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。

熊谷部会長代理
 ありがとうございました。
 本日の部会は公開となっております。したがいまして、本日の会議録は、後ほど事務局で作成いただき、本日ご出席の委員のご了承を得た上で公開することになります。
 なお、議事要旨につきましては、事務局で作成いただき、私、部会長代理が了承の上公開することでご了承をお願いしたいと思います。
 それでは、審議に入る前に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。

田部国立公園課長  
 配付資料でございますけれども、お手元の部会議事次第の後に委員名簿、配席表、その後に本日の案件の諮問書が入っております。
 その次に配付資料の一覧、そして審議会資料ということで、資料番号は1から3までございます。
 以上資料でございます。もし不備がございましたら事務局の方にお申し出いただきたいと思います。

熊谷部会長代理
 よろしゅうございますでしょうか。――それでは早速審議に入りたいと思います。
 本日の審議事項は、諮問第26号の「大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更について」でございます。
 諮問書の朗読は省略させていただきます。
 事務局から内容をご説明ください。

阿蘇品公園計画専門官
 失礼いたします。国立公園課で公園計画を担当いたしております阿蘇品と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、諮問第26号「大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更」についてご説明いたします。お手元にお配りしています資料とスライドとを用いましてご説明いたします。
 本日の説明内容ですけれども、「これまでの主な経緯」「公園の概要」「変更案の概要」の順にご説明いたします。
 それでは、これまでの主な経緯ですが、昭和11年2月1日に大山国立公園として指定され、その後、昭和38年4月10日に隠岐島・島根半島・三瓶山・蒜山地域を編入し、名称を現在の大山隠岐国立公園に変更いたしております。
 昭和50年9月13日に大山蒜山地域の公園区域及び公園計画の全般的な見直しを行った後、幾度かの点検を経て現在に至っています。
 今回は、鳥取、岡山両県を初め地元からの要望を受け、調査や関係機関との調整を行い、公園区域を拡張するものでございます。
 次に、公園区域の概要でございます。
 本公園は、山陰地方に位置し、中国地方の最高峰大山ほか蒜山までの火山を中心とした山岳・高原景観からなる一帯と、海蝕が著しい外海多島海景観の島前・島後の隠岐諸島、隆起・沈降海岸景観の島根半島の海岸部及びトロイデ火山と牧野景観からなる三瓶山一帯の4地域からなり、その面積は3万1,927 ヘクタールです。そのうち大山蒜山地域は1万8,891 ヘクタールとなっています。
 今回は、大山蒜山地域を一部拡張することになるため、以下この地域の概要についてご説明いたします。
 大山蒜山地域の景観の特徴といたしましては、中国地方の最高峰大山を初め、矢筈ケ山、勝田ケ山、船上山と連なる山岳景観と大山の南 側に位置し、蒜山三座のすそ野に広がる高原景観が挙げられます。
 大山は、成層火山特有の優美な姿をしており、伯耆富士として知られる一方、崩落を続ける北壁や南壁は荒々しいアルプス的容貌を見せ、山頂からは中海、宍道湖あるいは島根半島などが一望できます。
 次に、この地域の動植物でございます。植生は山麓のアカマツ林からミズナラ・シデ林へ移り、さらに高度上昇とともにブナ林へと移行いたします。
 高木限界を過ぎるとヤマヤナギやオオイタヤメイゲツなどの低木林帯へ移行し、大山山頂西側にはキャラボクの群落が発達いたしております。
 自然性の高い森林植生を有するため、ヤマネやノウサギのほか、昆虫や鳥類も多く、鳥類は特にオオルリ、キビタキ、ヤブサメなどの49科 234種が知られています。
 また、蒜山周辺地域の水系には、国指定の天然記念物であるオオサンショウウオが生息いたしております。
 次に、利用形態でございますが、大山蒜山地域の利用拠点である大山寺、鏡ケ成、蒜山高原は、いずれも登山基地であるとともに、良好な自然環境を有するため、春から秋にかけては自然探勝、キャンプ利用が盛んです。また、秋のもみじ狩り、冬季のスキー利用が盛んで、年間を通じて数多くの利用者が訪れ、平成11年の利用者数は 390万人を数えております。
 それでは、今回の変更案の概要についてご説明いたします。
 今回の変更は、中国山地では貴重なブナ林がまとまって残る毛無山地区及び地域の信仰の対象ともなってきた宝仏山地区を公園区域に編入するとともに公園計画を変更するものでございます。
 航空写真で見ますとこのような地形になっております。手前から朝鍋鷲ケ山・白馬山・毛無山・宝仏山がこのように並んでおります。
 編入面積は 3,126ヘクタールで、編入後の大山蒜山地域の面積は 2万 2,017ヘクタールとなります。
 次に、編入区域の保護計画についてご説明いたします。
 まずは特別保護地区となる毛無山南斜面でございます。山頂付近は、強風や乾燥などのため、密生したチマキザサに混じってヤマヤナギ、ブナ、ミズナラなどの風衝低木林となっております。その下部から山腹一帯にかけては、中国地方では貴重なまとまった面積のブナを主体とする自然林が広がっています。ブナ林の中部から下部にかけては、天然杉の分布が見られ、ブナと混交または一部純林を呈しております。また、沢沿いには、サワグルミ、トチノキの大木も見られます。
 こうした豊かな自然環境が維持されいることから、イヌワシを初めとする猛禽類やオオルリ、ブッポウソウ等の鳥類を初め、多くの動物が生息しております。
 このようなすぐれた景観を厳正に保護するため、 262ヘクタールを特別保護地区とするものでございます。
 次に、第1種特別地域でございます。
 毛無山の北斜面は、南斜面に比べて急傾斜地となっており、林床をチマキザサに覆われ、ブナを主体とする自然林が広く分布し、極めて良好な風致を維持しております。これら自然林の風致の維持を図るため、68ヘクタールを第1種特別地域とするものでございます。
 次に、第2種特別地域でございます。
 1カ所は田浪地区で、集落の北側の採草跡地で野営場等の利用施設の整備が計画されている地域でございます。利用施設周辺の風致の維持を図るため、第2種特別地域とするものでございます。
 もう1カ所は、鳥取県と岡山県の県境でございます朝鍋鷲ケ山から白馬山にかけての鳥取県側の稜線部です。この地域は、保護林帯としてブナを主体とする自然林が残されており、良好な風致が維持されております。これら良好な風致を維持するため、第2種特別地域とするものでございます。2カ所合わせまして 186ヘクタールです。
 なお、岡山県側の稜線部は、以前森林施業が行われ、森林景観として劣ることから、第3種特別地域とするものです。
 次に、第3種特別地域でございます。
 先ほどご説明しました特別保護地区、第1種特別地域及び第2種特別地域のバッファーゾーンとして指定するものでございます。一部、杉、檜の人工林や揚水用のダム等が含まれておりますが、これら風致の維持を図るため第3種特別地域とするものです。その面積は2, 130ヘクタールです。
 以上が特別地域に係る場所で、その他の区域は普通地域となります。480ヘクタールあります。
 次に、保護施設計画についてご説明いたします。
 白馬山・ウド山から毛無山にかけての稜線沿いには、ユリ科のカタクリが自生していますが、一部登山者の踏圧などによって衰退しかけていますので、植生の復元を図るため植生復元計画を決定するものです。具体的な整備につきましては、これまで地元で保護活動をされている方々と相談しながら進めることといたしております。
 次に、利用計画についてご説明いたします。
 単独施設が7カ所ございます。園地計画を5カ所、野営場計画を2カ所追加いたします。
 鳥取県側からの毛無山登山の基地である俣野に展望、休憩等のための園地を整備するために園地計画を決定するものでございます。
 七段の滝探勝のために園路や標識等を整備するため、園地計画を決定いたします。
 次に、金持神社等歴史的風景鑑賞、休憩等のための園地を整備するため、金持に園地計画を追加いたします。
 さらに、岡山県側からの毛無山登山の基地である田浪集落に、散策、ピクニック、自然観察等のための園地を整備するため、園地計画を決定するものです。
 最後が、土用ダム周辺の展望、散策、自然観察などのための園地を整備するために園地計画を決定するものでございます。
 次に、野営場計画でございます。
 田浪及び土用ダムに自然とふれあうための野営場を整備するため、野営場計画を決定するものでございます。
 次に、歩道計画についてご説明いたします。歩道路線8路線を追加いたします。
 毛無山周辺の登山道は、ブナ林の美しい魅力的な登山道となっており、既に多くの利用者を引きつけております。一部地元などによって整備が図られ、利用されている歩道を中心に計画を決定するものでございます。
 具体的には、朝鍋鷲ケ山登山線、朝鍋鷲ケ山白馬線縦走線、俣野毛無山線、毛無山登山線、朝刈毛無山線、宝仏山登山線、坊主山登山線、金ケ谷山登山線、以上の8路線でございます。
 これで大山隠岐国立公園の公園区域及び公園計画の変更に係るご説明を終わらせていただきます。
 なお、お配りしてございます指定書及び計画書について若干補足させていただきたいと思います。
 資料の2でございますけれども、冊子になっております。最初の緑の表紙がございますその後に、今回区域を拡張いたします3,126 ヘクタールの区域の概要が書かれております。
 その次、8ぺージから9ぺージですけれども、今回の区域拡張を含めまして大山蒜山地域の全体の面積を記載したものでございます。
 それから、薄い緑色の中表紙の次に公園計画が記載されております。16ぺージから特別地域の順に整理されております。今回区域を拡張いたします特別地域は2,646 ヘクタールになっております。
 18ぺージから、それぞれ、特別保護地区あるいは第1種特別地域、第2種特別地域、第3種特別地域、あるいは普通地域というふうに区別してございます。
 ちょっと飛びますけれども、30ぺージをごらんいただきたいと思います。今回の区域拡張に伴いまして、岡山県真庭郡新庄村というのが新たに行政で公園の区域に入ってくるということになります。
 32ぺージが植生復元を行うための保護施設計画をあらわしたものでございます。34ぺージに利用施設のうち、単独施設計画を記載いたしております。36ぺージ、37ぺージに、今回の歩道計画を記載させていただいております。最後の右のところに旧計画との関係ということで、すべて新規というように記載されております。これは新たに路線を整備するという意味ではございませんで、計画として新たに追加するということです。路線につきましては既に既存の道等が整備されているものも一部ございますので、そういった路線を今回計画に位置づけるものでございます。
 以上が指定書及び計画書でございます。
 それから、最後に資料3ということで、今回の変更に関しますパブリックコメントを行っておりますのでご報告いたします。
 環境省のホームぺージ等に掲載いたしまして、30日間意見を募集いたしました。電子メール等によりまして2通の意見が寄せられております。
 内容を整理いたしますと5件ほどに分かれるわけでございますけれども、毛無山・宝仏山地域の公園化に賛同するといったご意見が1件来ております。
 それから、造林地における除間伐や針広混交林化を図るなど、適正な管理を希望するという意見。
 それから、展望台やトイレを設置する場合には、景観が悪くなったり、動植物の生息や自然生態系に影響を与えないようにしてくださいという意見。あるいは登山道の危険個所の整備を希望されております。それぞれにつきまして適正な対応をとっていきたいというふうに考えております。
 それで、先ほどもご指摘がございましたが、こういった形でパブリックコメントを求めておりますけれども、非常に回答数が少ない状況にございます。現在環境省のホームぺージに掲載し、意見の募集をいたしております。今後は、環境省のホームぺージに掲載すると同時に、各地方にある地区自然保護事務所等を通じまして、地域のマスコミ等にこういった情報をお流しして、広く意見を求めていきたいというふうに考えております。
 以上で今回の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどをよろしくお願いいたします。

熊谷部会長代理
 ありがとうございました。
 それでは、この案件につきましてご質問、ご意見をお願いいたしたいと思います。では藤原委員お願いいたします。

藤原委員
 今まで毛無山が指定地域に入っていなかったのが大変残念でしたので、今回は入るということでは大変うれしく思いますし、またコアゾーンだけを指定するだけでなく、バッファーゾーンも入れていただいたという意味では大変うれしく思っています。
 一つ質問です。このウド山から毛無にかけてのカタクリの植生の復元、これは具体的にどのようになさるか、決まっていたら教えていただきたいのですが。

阿蘇品公園計画専門官
 詳細にはまだ決めておりませんが、5月から7月にかけてカタクリが咲きますので、そういった登山の時期に踏み荒らさないように、立ち入りの防止柵を整備したりといったことになろうかと思います。細部につきましては、地元で保護活動をなさっている団体がいらっしゃいますので、今後地元と調整しながら、より適切な方法で対応してまいりたいというように考えております。
藤原委員 
 ありがとうございます。自然の中ですので、そういう回避策、特に踏圧による土の固結を防いでいただくことをお願いします。かたくりは光の加減で大いに花を咲かせるものです。ときどき皆さん植生復元というと移植などを考えたりなさいますが、自然の中では移植をしないということだけは基本的に守っていただければと思います。回避という策ですぐに回復していくと思いますので、そのあたりを注意していただければと。
 たしか鷲谷先生が専門的に研究していらっしゃったと思いますが。

熊谷部会長代理
 ほかにどうぞご意見あるいはご質問をお願いいたしたいと思います。はい、渡辺委員お願いいたします。
渡辺委員 
 すみません、イロハの質問なんですけれども、かねて懸案の地域がこのように編入をされるに至るまでには、経緯をちらっと拝見したところでは非常に長年月かかっているのじゃないかと思います。所有者の区分けがどうなっていて、県や自治体が入っているのかもしれませんが、そういう方々との協議の経緯などについて簡単に教えていただければ。
 それから、そういう自治体なり県から指定を広げるに当たって同意書を取るとか、そういう手続きは要らなかったのですかね。ちょっと自信がないのですけれども。

熊谷部会長代理
 事務局お願いいたします。

阿蘇品公園計画専門官
 お答えいたします。
 岡山県側につきましては基本的に民有林でございます。岐阜県の森林所有者の方が大半を所有いたしております。今回特別保護地区にいたしますこの地域は262 ヘクタールほどございます。既に岡山県が 170ヘクタールほど、県単独で、ブナ林の非常に貴重なところということで買い上げいたしております。残りにつきましても、環境省の民有地買い上げ制度を活用して、岡山県が今後公有地化を図るという形になっております。それ以外の民有地につきましては、岐阜県の山林所有者の方の承諾を得たということで、バッファーゾーンとして公園区域に編入するものでございます。
 なお、鳥取県側につきましては、稜線沿いは国有林になっております。その部分につきましても、国有林さんとの調整を行った上、今回公園区域に編入するということになっております。
 それから、宝仏山一帯につきましては民有林でございます。これにつきましては地元の日野町ですとか江府町さんのご理解をいただきまして、山林所有者等の了解を得た上で今回公園区域に編入するという形になっております。
 その上で、鳥取・岡山県の両知事さんの同意書あるいは関係市町村長さんの承諾書等をいただきまして、今回公園区域に編入するという手順を踏んでおります。

熊谷部会長代理
 ほかにご質問、ご意見をお願いいたします。鈴木委員よろしくお願いいたします。

鈴木委員 
 もう事務局の方でお話があったのですが、今回パブリックコメントがわずかに2件しかなかった。環境省のホームぺージに意見募集を発表して、座して待っていて来ないという今のような状況では、パブリックコメントを大事にしようという姿勢は、結局実際的には意味を持たなくなってしまいますね。これは別に自然公園の問題に限ったことではなくて、どんな場合でも同じだと思います。今のようなパブリックコメントのやり方だけじゃだめだということはわかっているわけですけれども、そこのところをこれからどう考えていったらいいのか、事務局の方に何かご意見がおありでしょうか。

田部国立公園課長
 この件につきましては、午前中の小委員会でもご指摘をいただいたところでございます。情報を出す出し方についてのいろんな検討も進めていかないといけないと考えておりましす。また自然公園は地域制の公園ですので、自然公園のいろんな運営面を進めていく上で、地域あるいは住民の方々、あるいは利用する方々との連携を図っていく上でも、情報の交換、意見の交換のやり方をもう少し検討を進めていきたいと考えているところでございます。今のままでいいというわけではないということは認識しておるところでございます。

熊谷部会長代理
 よろしゅうございますか。他にご質問、ご意見はありませんか。岩熊委員お願いいたします。

岩熊委員
 すみません、聞き漏らしがあったかもしれませんが、特別地域に隣接している日野町側はどういうふうにお考えなんでしょうか。特に指定がないのですけれども。

熊谷部会長代理
 事務局お願いいたします。

岩熊委員
 拡張区域の南西側に相当します。

阿蘇品公園計画専門官
 すみません。先ほどの説明の中で、指定書、計画書の31ぺージの新庄村だけをご報告いたしましたけれども、日野町の部分も新しく編入することになります。343ヘクタールが第3種特別地域になるということになっております。あわせて普通地域が 326ヘクタール、計 669ヘクタールが日野町内で公園区域になります。宝仏山を中心とした地域でございます。

熊谷部会長代理
 よろしゅうございますか。山岸委員お願いいたします。

山岸委員
 1点。主に歩道など変更する部分についてのご説明があったのですが、既存の道とどのように続いて、どのような利用が予想されるのか、もし説明できたらご説明ください。

熊谷部会長代理
 事務局お願いいたします。

阿蘇品公園計画専門官
 今回8路線を計画に追加するわけでございますけれども、いずれも既存の歩道があるところを今回計画に追加するものでございます。

山岸委員
 ちょっと質問の仕方が悪くて、そうじゃなくて、今までの区域の道とどのようにつながるかということです。

阿蘇品公園計画専門官
 現在の大山蒜山地域とですか。

山岸委員
 そうです。
阿蘇品公園計画専門官
 指定書、計画書の一番最後のところに、今回の利用施設計画の変更図がございます。現公園の利用計画が入ってなくて申しわけございません。(図示しながら)朝鍋鷲ケ山、ここは県境がずっと走って、北の方に三平山というのがございます。ここに既存の歩道が走っております。ですので、既存の大山国立公園とは朝鍋鷲ケ山で三平山から来た歩道と接続するような形になります。

熊谷部会長代理
 和理田委員お願いいたします。

和里田委員
 この公園だけではないのですが、いずれにしてももろもろの施設の整備をすることになっておりますが、これらの事業主体はだれかということ。それから私もときどき山等を歩きますが、施設がつくられたり、あるいは登山道等の道路の整備をされているところが、雨裂が入って崩壊の原因になっているというようなことが多々ありますので、施工の際には、あるいは設計の際には相当注意することが必要だろうと思います。その辺よろしくお願いいたします。

田部国立公園課長 
 今回、利用計画ということで計画を位置づけますけれども、この時点では、まだだれが施工するか決まっていないような状況も多々ございます。基本的には、営利的な施設じゃない場合は地方自治体がやったり国が一部やったりします。日本の公園制度のでは、事業は国や地方自治体も執行できますし、民間事業者も認可を得てやることができるというような仕組みになっています。、いろんな人が公園事業者となり、直接お客さんと接する施設を運営するということになりますので、その辺連携をうまくとらないと、統一感がないとかいった問題が出てくるのじゃないかと思います。
 それから登山道の整備。これは午前中の議論にも出ましたし、今我々も一番問題だと思っているところでございます。登山道に人が集中することで穿掘がされ、そこが水道になって登山道が荒れていく、さらにそれが広がっていくというような状況が多々ございます。どういう形の登山道をとればいいかの技術的な検討とか、それから施設をつくるだけでなくどう管理運営すればいいかとかいったソフト面での対応といったものも検討し、現在マニュアルをつくったり、試験的な実施をしたりといったようなことをやっております。登山道は、自然公園の中でも非常に重要な施設ということで、維持管理に力を入れていきたいと思っているところでございます。

和里田委員
 大概のものは、施設もそうですが、地元の小さい企業が施工いたしますので、その施工管理やその他について、それぞれの事業者に注意をしていただいて、万全を期していただくようにお願いします。相当荒っぽい施工の跡というのも見受けることがございますので。

熊谷部会長代理
 他のご意見等いかがでしょうか。鷲谷委員どうぞ、お願いいたします。

鷲谷委員
 採草地の跡地への園地の整備ということが計画にあったと思うのですけれども、それは採草地としての景観とか管理の持続とか復元なども考えていらっしゃるのでしょうか。それとも全く違うようなタイプの場所としての計画なんでしょうか。それを伺いたいと思います。

熊谷部会長代理
 事務局お願いいたします。

阿蘇品公園計画専門官
 お答えいたします。
 採草地を利用しながら、その下方のところに平らな部分がございますので、採草地とあわせ持った利用を考えながら整備を考えていきたいというふうに考えております。

熊谷部会長代理
 いかがでしょうか。何かご発言がいただければと思いますが。
 私からちょっとご質問させていただきたいのですけれども、3, 120ヘクタールというと、ものすごく大きな区域拡大ですよね。多分小笠原が7,000 ぐらいですから、一番小さな国立公園の半分近くを区域拡大するということは大変なことだと思うのですが、過去何番目ぐらいの拡張になるのですか。非常に細かいのはときどき、削除したり、増
減というのはあるのですけれども、これだけまとまった面積というの
はあまり記憶にないので。

田部国立公園課長
 先般の屋久島のご審議をいただきましたが、約2,200 ヘクタールの区域拡張ということでございました。この部会にかけさせていただく案件の基準を「区域の拡張面積が1,000 ヘクタール以上の場合」としておりまして、今回のように1,000 を超えるとちょっと広いかなと思います。今回の拡張は大山隠岐国立公園の既存区域の1割まではいきませんけれども、少しその公園の資質に影響があるかなというような感じです。1, 000を超えるものについては部会でご審議をいただいているというような状況とあわせて、今回の3,120 というのは割とそういう意味で意味があるというようにご理解いただけるとありがたく思います。

熊谷部会長代理
 ありがとうございました。藤原委員お願いいたします。

藤原委員
 バッファーゾーンとして今回第3種の指定を行いました地域は、「杉、檜の人工林を主体とした良好な風致の森林」とされていますね。管理は最寄りの営林局、営林署の方でずっと続けていただけるのでしょうか。今まで各地で管理ができなくて悪化している植林地が多いものですから、きちんとそのあたりの合意を得ていませんと、せっかく良好な風致の森林やそういう植林地帯となっているところも、悪化する可能性もあります。管理という面では一応合意を取りつけておかれた方がよろしいと思いますが。

熊谷部会長代理
 事務局お願いいたします。

阿蘇品公園計画専門官
 国有林につきましては、この地域は林業県ということでよく管理が行われております。今後ともいろんな機会を通じまして国有林さんとの調整を図りながら、そのような管理が行われるように努めてまいりたいというふうに思います。

熊谷部会長代理
 よろしゅうございますか。ほかにございませんでしょうか。服部委員お願いいたします。

服部委員
 今の藤原委員の質問に関連してなんですけれども、人工林も自然公園の要因としてすぐれた景観というふうに見るのかどうかですね。例えば、段々畑とか棚田なんかは極めて人工的な景観なんだけれども、すぐれた自然的景観だというふうに言えます。山の場合でも人工林をすぐれた景観というふうに言えるのかどうかということですが、そのあたりどうなんでしょうか。

田部国立公園課長
 自然公園の風景とか風致とか景観とかをどう評価していくかということがこれまでもあったろうかと思います。それは少しずつ変化しているような気もいたしまして、特に現在は、先ほどの二次林的なものの生態系あるいは生物の多様性の意義というのを高く評価していくといったようなことがあろうかと思います。
 それで人工林の中でも非常に手入れがよく行き届いた美林といったようなものは、「風致上よい」というような評価をしてきているところもございます。さらに、放置して管理が悪くなり生態系的な面でのレベルが低くなった人工林でも、ただ遠くから風景として見た場合はそれほど違わないじゃないかというような意識もあろうかと思います。
 そういうことで、人工林は通常施業が伴っておりまして、場所によっては2ヘクタールであるとか10ヘクタールであるとかいうように木を切られるということが決まっており、ずっと「緑ではない」というような扱いもあり得ました。したがって人工林については、通常2種であるとかあるいは3種であるとかという特別地域、いわば林業との調整を図っていく地域というように位置づけてきているというところでございます。
 ここは3種ということですので、3種は制限を設けないといいますか、ある程度の大きめの面積まで切っても許容されるというような位置づけになっているところでございます。したがいまして先ほど言われたように、管理の中身まで詳しくチェックできるとか、許可の対象としてチェックできるところではないのですけれども、そこは林業をされる方々との連携ということで、調整していきたいと考えているところでございます。

熊谷部会長代理
 服部委員どうぞ。

服部委員
 午前中にもちょっと議論がありましたけれども、それじゃ人工林だけじゃなくて里山の景観とかも、すぐれた景観ということで、自然公園を広げていく用意ありというふうに理解しておいていいですよね。
田部国立公園課長 
 その辺がきょう3時以降に予定しております「あり方委員会」の中でご議論いただくような喫緊の重要な課題の中に入っているところじゃないかと思います。ここにはその小委員会の方々もたくさんいらっしゃいますので、そういった点もよろしくお願いしたいと思います。

熊谷部会長代理
 藤原委員お願いいたします。

藤原委員
 ただ今いろいろなご議論があるのですけれども、生態学的に見まして、植林地でも、ある程度安定してきますと斜面崩壊防止にも役立ってくるのですね。
 植林が若いとき、10年から12年以内ですと、どうしても集中した管理を行わなければ美林を育てるためにもいきません。それから林床もほとんどない状態で放置しておきますと、本当に汚い状態になってしまいます。でも安定してきますと、京都の北山杉のように、どなたがごらんになっても「わあ、きれいだな」と感じられます。
 その感覚がやはり一般の方々には大事だと思いますし、そういう安定さは、全くないところよりも、ある程度は環境保全林として役立っております。
 そういった意味で、私はそういう一般的な、里山も含めて植林地も、第3種というところ入れてよろしいと思います。が、ただ景観的に見たときには、管理が伴いますので、そういう連携が重要だと思います。管理をしていくことでかえって保全林としての機能が出てきます。
 あと、もっと詳しいことはさらに小委員会の方で話していただければと思います。

熊谷部会長代理
 ありがとうございました。はい、どうぞ。事務局の方から。

阿蘇品公園計画専門官
 服部先生のご指摘なんですけれども、今回の区域のとり方について、補足させていただきます。三平山からの既存の大山蒜山地域が、今回の拡張区域に朝鍋鷲ヶ山でつながっておりまして、朝鍋鷲ケ山から宝仏山までの山塊が一体的にございます。今回この山塊を公園区域に含めるということで作業を行いました。その中で非常に自然植生のすぐれている毛無山ですとか白馬山稜線部、そういったところの保護強化をまず図り、その山麓部にあります人工林が全体的に見ればその風致を維持しているということで一つの山塊を公園拡張区域に含めました。人工林もどんどんこういうふうに区域に入れていくということじゃなく、今回の場合はこの一つの山塊を公園区域というようにとらえて、その中でランク分けをしていったということでございます。

熊谷部会長代理
 ほかにございますでしょうか。特にございませんでしょうか。
 では、特にご異議もないようでございますので、諮問第26号の「大山隠岐国立公園(大山蒜山地域)の公園区域及び公園計画の変更について」は、適当と認めることといたします。
 以上で本日の諮問事項についての審議は終了したわけでございますが、その他の事項に関して事務局から何かございますでしょうか。

田部国立公園課長
 先ほど先生からもお話ございましたが、ことしは2件、部会にかかる大きな公園計画に係る案件を審議していただきましたことに、御礼申し上げたいと思います。
 この後「あり方委員会」というのがございますので、その先生方につきましては引き続きよろしくお願いいたします。
 本日の会議資料ですけれども、後日事務局より郵送させていただきますので、お手元の用紙に資料配付の必要性の有無についてご記入をお願いいたします。

熊谷部会長代理
 ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして本日の中央環境審議会自然環境部会を閉会といたします。どうもご協力ありがとうございました。
 

(閉会午後1時52分)

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