遺伝子組換え生物等専門委員会(平成30年度 第1回) 議事録

1.日時

平成30年7月11日(水)14:00~16:00

2.場所

経済産業省別館2階 231会議室

3.出席者

  (委員長)      磯崎博司

  (委員)       大塚直

  (臨時委員)     柴田明穂

  (専門委員)     明石博臣、穴澤秀治、伊藤元巳、大澤良、佐藤忍、山口照英

  (関係省庁)     財務省後藤調整係長、文部科学省廣谷専門職、

             厚生労働省稲角課長補佐、農林水産省吉尾課長補佐

             経済産業省上村課長

  (環境省)      永島総務課課長、堀上野生生物課課長

             北橋外来生物対策室室長、八元外来生物対策室室長補佐、岡本移入生物対策係長

4.議事

  1. カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会の設置について

  2. その他

5.議事録

○八元室長補佐 皆様、お待たせいたしました。予定の時刻になりましたので、中央環境審議会自然環境部会遺伝子組換え生物等専門委員会を開催させていただきます。

 本日の専門委員会は、平成27年8月24日、自然環境部会決定、遺伝子組換え生物等専門委員会の運営方針についての1(1)に基づき、一般傍聴の方も含む公開の会議となっております。議事録につきましても、委員の皆様にご確認いただいた上で公開となりますので、ご承知おきくださいますようお願い申し上げます。

 それでは、本日の審議に先立ちまして、永島自然環境局総務課長よりご挨拶申し上げます。

○永島課長 自然環境局総務課長の永島です。委員の皆様方におかれましては、本日はお忙しい中、そして大変お暑い中、本委員会に出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 前回の専門委員会は2年前の平成28年8月に開催されまして、先生方には、名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置のあり方やカルタヘナ法の施行状況などについて、ご審議をいただきました。その結果、カルタヘナ法等の改正については、無事、昨年4月に公布、本年3月に施行することができました。この場をかりまして、改めて、御礼申し上げます。

 それから2年あまりがたちましたけれども、近年、ゲノム編集技術が急速に発展してきておりまして、世界各国で、さまざまな分野での活用が期待されております。一方で、ゲノム編集技術により得られた生物がカルタヘナ法で規定する遺伝子組換え生物に該当するのか、その取り扱いをどのようにするのか、課題があるところでございます。

 これを受けまして、本年5月28日に開催されました中央環境審議会の自然環境部会におきまして、ゲノム編集に係る検討を行うことが了承されました。本日のこの専門委員会、及び本日立ち上げ予定のカルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会で、これらの課題について議論していただきたく考えております。限られた時間ではございますけれども、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

○八元室長補佐 報道関係者の方、カメラ撮りのほうはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いします。

 それでは、初めに事務局より、本日、ご出席の先生方をご紹介させていただきます。

 右手から、明石博臣委員。

○明石委員 よろしくお願いします。

○八元室長補佐 よろしくお願いします。文部科学省に係る第二種使用について、審査にご協力をいただいております。

 続きまして、穴澤秀治委員でございます。

○穴澤委員 穴澤でございます。よろしくお願い申し上げます。

○八元室長補佐 経済産業省に係る第二種使用について、審査にご協力をいただいております。

 続きまして、伊藤元巳委員。

○伊藤委員 伊藤です。よろしくお願いします。

○八元室長補佐 農林水産省及び弊省に係る第一種使用について、審査にご協力をいただいております。

 続きまして、大澤良委員でございます。

○大澤委員 大澤です。よろしくお願いいたします。

○八元室長補佐 文部科学省、農林水産省及び弊省に係る第一種使用について、審査にご協力いただいております。

 続きまして、磯崎博司委員でございます。

○磯崎委員長 磯崎です。よろしくお願いいたします。

○八元室長補佐 国際法をご専門とされておりまして、本委員会の委員長も務めていただいております。よろしくお願いします。

 そして、大塚直委員。

○大塚委員 大塚でございます。よろしくお願いいたします。

○八元室長補佐 カルタヘナ法の制定時から環境法のご専門家として、ご尽力をいただいております。

 続きまして、佐藤忍委員。

○佐藤委員 佐藤です。よろしくお願いします。

○八元室長補佐 農林水産省及び弊省に係る第一種使用について、審査にご協力をいただいております。

 続きまして、柴田明穂委員でございます。

○柴田委員 柴田です。よろしくお願いします。

○八元室長補佐 中央環境審議会自然環境部会の臨時委員でもあり、国際法をご専門とされております。

 続きまして、山口照英委員でございます。

○山口委員 山口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○八元室長補佐 厚生労働省及び弊省に係る第一種使用について、案件の審査にご協力をいただいております。

 皆様、今日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

 なお、本日、鎌形洋一委員と五箇公一委員がご都合によりご欠席されております。

 また、本日、事務局として進行を務めさせていただくのは、7月に外来生物対策室に着任いたしました室長の北橋と

○北橋室長 よろしくお願いします。北橋でございます。

○八元室長補佐 私、室長補佐の八元でございます。

 それから、係長の。

○岡本係長 岡本でございます。よろしくお願いします。

○八元室長補佐 どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。お手元にお配りしております、まず表紙がありまして、めくっていただきますと座席表と委員の名簿がございます。それから、資料一覧がございます。資料1、資料2、資料3、4とありまして、その後、参考資料が1から4までございます。不足している資料がございましたら、途中でお気づきになった時点でも構いませんので、事務局にお申し出いただきますようお願いいたします。

 それでは、磯崎委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○磯崎委員長 改めて、こんにちは。この委員会ですが、先ほど紹介がありましたように、2年ほど前にカルタヘナ法の実施、それから名古屋・クアラルンプール補足議定書への対応という、その際に議論をして、それから、しばらく時間がたっています。ただ、そのときにも、実は、参考資料の2のように平成28年8月に検討したときに、このような形で将来に課題が残っていたということです。それを受けて、今回、このような形で委員会を開くという、そういう経緯になっています。という形で、よろしくお願いいたします。

 そうしましたら、早速、議題に入りたいと思います。まず、議題の1について、これは資料の1に基づいての説明になりますか。これは、事務局。それでは、お願いいたします。

○岡本係長 それでは、私、岡本から説明させていただきます。

 まず、資料1の前に、資料一覧の次に委員名簿というのを入れてございますが、今回、区分、所属等、少し変わっているところがございますので更新したものを入れております。

 それでは、まず、検討会の設置に係る資料1から3について、説明させていただきます。

まず、資料1につきましては、本委員会を開催することになった経緯と委員会で実施していただきたいこと、それから今後のスケジュールについて、1枚にまとめましたので、ご説明させていただきます。

 ご存じのとおり、近年、簡易に迅速に遺伝子改変することができる「ゲノム編集技術」というものが急速に発展しておりまして、さまざまな生物種や分野においての利用が期待されているところです。これらの技術によって得られた生物につきましては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制に係る生物多様性の確保に関する法律という、いわゆるカルタヘナ法というものに規定されています遺伝子組換え生物に該当しないものもある可能性があると言われています。

 ですので、カルタヘナ法を適切に運用する観点から、カルタヘナ法の対象なのかどうなのかというところを本日、整理していただくべく、まずは詳細、細かく検討していただく検討会を設置していただきたいということで、本年5月に中央環境審議会自然環境部会におきまして、本委員会で検討会を設置しましてゲノム編集技術の概念整理を行うことが了承されたところです。つきましては、本委員会において、カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会を設置していただき、ゲノム編集によってつくられたものがカルタヘナ法の対象になるかどうかというところを整理するとともに、その他、留意すべき事項等があれば、そういったところも検討し提案していただくということを考えております。

 検討委員につきましては、後ほど資料3のほうでご説明いたします。

 今後の予定につきましては、本日、専門委員会をスタートいたしまして、検討会が設置されたとして、この後、検討会を2回開催し、しっかりと整理をしていただいた上で専門委員会のほうに取りまとめ結果を報告し、専門委員会で、もう一度議論していただき、最終的に取りまとめられたものについてパブリックコメントを行いまして、自然環境部会のほうに報告をするという流れを考えております。具体的なスケジュールは、ここには記載しておりませんが、今年度中には何らかの方針を明確にしたいと考えているところでございます。

 検討会での検討事項につきましては、ゲノム編集によってつくられたものがカルタヘナ法の対象かどうかというところを整理するという、まず一つ大きなことがあるんですけれども、本日、その他についても何か留意事項があれば検討していただいて、追加すべき事項等があれば追加していただきたいと考えております。

 それでは続きまして、資料2について説明いたします。

 資料2は、検討会の設置について案ということと、その次のページの運営方針案についてです。これは、基本的には専門委員会と同等な内容となっております。検討会で実施することを資料2の2番に具体的に記載しております。これは、先ほども申し上げたものと同じです。検討会の委員及び座長につきましては、専門委員会委員長が指名するということにしております。

 次のページに行きまして、運営方針につきましては、検討会は原則として公開を考えております。

 出席者につきましては、委員の代理出席は認めません。また、会議録、議事要旨につきましては、発言者を特定しない形で公開することとしたいと思っております。

 続きまして、資料3です。資料3に記載しております13名の委員の方は、各関係省庁から推薦がありまして、それをもとに関係する分野から網羅的に選出させていただいております。本委員会の委員である5名の先生も推薦させていただきたいと考えております。

 また、座長につきましては、先ほどの資料2の設置についての4のとおり、委員長に一任させていただければと考えております。

 資料1から3の説明につきましては、以上になります。

○磯崎委員長 ありがとうございます。今の議題の1に関連して、資料の1から3について、何か委員の方で疑問、質問などございますか。

 はい、どうぞ。

○大塚委員 この運営方針の3の(2)のところに、会議録に関して発言者を特定しない形で公開というのは、ちょっと多分、かなり特殊ではあると思うんですけれども、これは、一番上に書いてあるような、公正かつ中立な審議とか特定の方に不当な不利益を及ぼすとか、こういう観点というふうに考えればよろしいのでしょうか。一応、お伺いするということです。何か批判をしているわけではなくて、ちょっとお伺いしたいということです。

○北橋室長 1番に書いておりますように、支障がある場合についてはそもそも非公開ということでございますので、公開のほうについても、会議録につきましてはある程度まとめた形で公開というふうにしたいということでございます。

○大塚委員 だから、その理由を聞いているんですけども。ほかの会議との関係があるので、一応、環境省のスタンスをお伺いしておく必要があるなということで伺っているだけです。

○北橋室長 そうですね。個別の委員のどの方のご発言というよりは、委員会全体としてどのような議論があったかということを正確に記録しておきたいという趣旨でございますけれども。

○大塚委員 環境法の観点からは、こういうのはできるだけ公開したほうがいいというのが一般的にあるので理由を説明していただいたほうがいいかなということで申し上げているだけなんですけど。いや、そんなに難しいことを聞いているつもりはないんだけど。

○経済産業省(上村課長) 先生がおっしゃっているのは、公正かつ中立な審議というのがここでも書かれているので、その範囲の中ということでお考えになっているのではないかと思います。

○北橋室長 そうですね。なるべく自由闊達にご意見がいただけるように、公正なご判断がいただけるようにという趣旨でございます。

○大塚委員 わかりました。

○磯崎委員長 さっき室長が委員会と言っていましたが、検討会のことですね。

○北橋室長 すみません。

○磯崎委員長 そのほかいかがですか。どうぞ。

○伊藤委員 単なるミスだと思いますけど、資料1の最初のパラグラフの後の米印のところなんですけど、異なる分類学上の「科」というのは、これは「種」の間違いだと思います。

○北橋室長 「生物」じゃなくて「種」ですか。

○伊藤委員 「科」じゃなくて。「科」でオーケーだったら、大変なことになりますよね。

○北橋室長 はい、失礼いたしました。

○磯崎委員長 そのほか。穴澤委員。

○穴澤委員 ここの定義に関わるところの中で、全く同じ部分なんですが、「遺伝子組換え生物等」(※)になっていて、異なる分類学上の「科」ではなくて「種」でいいんでしょうか、同じ種に属する生物の細胞から取り出された遺伝子を導入された生物でよろしいんですか。導入以外に、例えば欠失とか置換とか、そういうことまで組換え生物等に入るのかどうか。法律に書かれているんだと思うんですけれども。

○磯崎委員長 参考資料の4。

○北橋室長 資料の最後になりますけれども、参考資料の4のところの定義、第二条の2ですけれども、法律上の定義としては、「次に掲げる技術の利用により得られた核酸またはその複製物を有する生物」となっております。

○磯崎委員長 穴澤委員。

○穴澤委員 これだと導入されたものが欠損したものとか、新しい遺伝子が加わったものとか、そこのところがはっきりしていないですよね、この法律上の文章ですと。ですから、欠損したものがこれに入るのかどうかというのがよくわからないので、資料1の「取り出された遺伝子を導入した生物」と言っちゃうと、欠損とか、そういう場合はどうなのかなというところがいまいちよくわからないというような気もするんですが。

○北橋室長 そうですね。正確に言えば、法律上のものをコピーしたほうがよろしいということですよね。参考資料につけておりますとおりの文章に修正するというふうにさせていただいてよろしいでしょうか。

○穴澤委員 それで十分進められると思います。ありがとうございます。

○磯崎委員長 ちょっと短めにしたために出た問題かもしれません。

○北橋室長 そうですね。すみません。少々舌足らずでした。

○磯崎委員長 はい、どうぞ。

○堀上課長 すみません、補足というか訂正ですけれども、先ほど「科に属する」を「種に属する」というふうに、ということですが、法律上は「科に属する生物」ということで整理をしておりますので、これは、このとおりで、カルタヘナ法上の整理ということでいきたいと思います。

○伊藤委員 細胞を融合する技術。細胞融合ですよね。

○堀上課長 そうですね。

○伊藤委員 科のほうは、導入の場合は、多分、科で……。

○堀上課長 ちょっと、そこは確認をして。

○伊藤委員 もうちょっと正確に書かれたほうがとてもいいと思います。

○堀上課長 はい、整理をします。

○磯崎委員長 そうですね。「種」か「科」というところも、短めにしたために出てきた問題ですので。この法律に基づくというところがはっきりわかるようにすればいいかと思います。

 そのほか、いかがでしょうか。資料1から3、全体についてですが。

 先ほどの説明で検討会のスケジュール、それからパブコメとか委員会のスケジュールについても簡単に触れられていたんですが、実は、これも、さっきの参考資料の2の下、二つの枠の中に書かれています。特に一番下の枠ですが、2018年度中に明らかにするということが、イノベーションに関する戦略調整会議との関わりで提言されています。これに沿って、この委員会と検討会についても運営したいということです。非常に短い時間で重要なことを決めていくような形になっているんですが、これとの関わりであるということでご理解いただければと思います。

 そのほか、1から3についてはよろしいでしょうか。

○柴田委員 柴田です。ちょっと議事のこれからの進み具合がちょっとよくわからなくて。資料の4はまだですよね。他方で、資料の1から3までを審議して、今、ここで決定をするということは、この委員も全て、ここで今、決まるという、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

○磯崎委員長 議題の1が、この委員会のもとに検討会を設ける点、これは自然環境部会のほうで決まっていることです。それを受けて、今日、この委員会のもとに検討会設置をするというのが議題の1ですので、ここに今、検討会の候補者名も含めて、資料の3で出ています。今の段階、この議事ではこのような形でのメンバーの検討会、それから、その検討会の目的と運営方法、これを審議するというのが現在です。

○柴田委員 わかりました。それでは、ちょっとコメントと、それから、そうですね、修正案までいかないんですが、サジェスチョン、示唆として、少しコメントさせていただければと思います。

 ゲノム編集という新しい技術がカルタヘナ議定書ができたころ、したがって2000年ですけれども、そのカルタヘナ議定書を担保するためのカルタヘナ法でも想定されていなかった技術が新しく出てきたけれども、国際的な動向及び技術の性質からして、カルタヘナ法が対象としている遺伝子組換え生物と比べて、特にカルタヘナ議定書及び、それを担保しているカルタヘナ法で目的としている生物多様性の保全に対して、どのような意味を持つのかという、そういう議論が今、始まっているというふうに理解をしております。

 確かに、ゲノム編集という技術が既にあるカルタヘナ法の定義の部分に当てはまるかどうかという、極めて技術的、字面の議論ではあるんですが、他方で、このカルタヘナ法は大きな趣旨、目的がありまして、単なる技術論だけではなく、先ほど申し上げたように生物多様性の保全という、そういう観点からしてこの新しい技術をどう扱っていくかという法政策の、恐らく根幹の部分にも関わるような議論が始まるよというふうに私は理解しております。

 そういう観点からも、ですから、資料でいきますと、先ほど説明のときにも、少し触れられましたが、新しい検討会の検討事項としての二つポツがあって、一つ目は、まさに技術について、整理をするということで技術的なところを議論していただくとともに、そのほかの中身もある程度、この専門委員会で検討会に対して、こういう議論をしてほしいという、そういうサジェスチョン、示唆もある程度必要ではないかなというふうに、私は理解しております。

 その観点から、ぜひ検討会の検討の対象にしていただきたいのは、私が先ほど申し上げたような、カルタヘナ議定書をめぐる国際的な動向を踏まえて、それを担保するためのカルタヘナ法の趣旨、目的に照らして、新しいゲノム技術編集をこの法律の中でどのように扱っていくべきなのか、もし、その中に入らないんであれば、さらに、それに対して、どういう対応を検討したほうがいいのかという、そういうところまで、ぜひ議論をしていただきたいというふうに考えております。

 そういう観点からしますと、今度は資料の3のほうになるんですが、委員会の委員のメンバーが、まさに科学技術を専門にされている先生方でありまして、これは大変いいメンバーだと思うんですけれども、同時に、私が先ほど申し上げたように、科学技術の議論をしていただくんですけれども、それを法政策、カルタヘナ法が持っている法政策の趣旨や目的という観点から、その議論を聞いておられるような委員がいらっしゃってもいいんではないかなというふうには思っております。今の段階から新しい委員を足すことは難しいのかもしれませんが、もし可能であるならば、そういう先生、そういう背景を持った先生にも、場合によっては、この議論を聞いていただいて、その先生から専門委員会のほうにも、その先生の立場でご意見を聞きたいというふうにも私は思っております。

 というような形で、もし事務局として、そういうような先生方をここに追加する可能性があるのか、現実性もあるのかどうかということも含めて、少しご意見をいただいて、その可能性があるのであれば、ご検討いただきたい。その委員の先生が入るか入らないかにかかわらず、先ほど、最初のほうに申し上げた検討事項のそのほかの部分については、もう少し具体的な方針を専門委員会のほうから出していただいて、それを検討会のほうで検討いただくと、そういう形で進めていただければというふうに、私は思っております。ありがとうございました。

○磯崎委員長 特に、資料の1、それから検討会に関連する2番、資料の2ですね。具体的な検討項目との関わりで、特に、その他との関わりでは、この委員会から、そこをはっきりさせたほうがいいのではないかというのが1点です。

 それから、もう一点目は、検討会のメンバー構成との関わりで、あるいはメンバー構成そのものでなくても、自然科学面、技術面の委員以外の参加です。具体的には、一番わかりやすいのは、この委員会のメンバーの中でということも考えられると思います。検討会メンバーには含まれていないこの委員会のメンバーが参加するというような可能性について意見がありました。

 このような意見について、ほかの委員の方でいかがでしょうか。ほかの方では、特にないですか。あるいは、そこまでする必要がないとか、逆に、そのとおりであるとか。

 はい、どうぞ。

○山口委員 確かに、サイエンティフィックなゲノム改変技術とか、そういうことの委員だけでなくて、それを使ったときに、いわゆるカルタヘナ法上にどういう対応が必要かというような国際法との関係、あるいは国内法との関係で、そういう法律の専門家とか、そういう方に入っていただくのがいいんではないかなというふうには思います。

 それから、もう一点の技術的要素について、全て検討会に全部お任せするのか、技術的要素の中でも、参考資料のほうで少し、こういう技術があって、これをどうするかという話があるんですけれども、その辺について、上のほうで、まず整理をしてこういうふうな考え方を示してほしいというふうな、それもありだろうというふうには思います。

○磯崎委員長 上のほうでとおっしゃったのは、この委員会でということですね。

○山口委員 はい。

○磯崎委員長 ほかの方、いかがでしょうか。

 今のをお聞きした上で、事務局としてはどうでしょうか。

○北橋室長 そうですね。その他で具体的に何を議論すべきかということの明確化というのは、なるべく本日の専門委員会の中で議論いただければありがたいなと思います。

 一方で、カルタヘナ法とゲノム編集技術の整理以外の部分の中では、検討会に当てはめられる部分とスケジュール的なことも含めまして、検討会の議論の中におさまり切れない部分も、ひょっとしたらあり得るのかなというふうに思っておりまして、そこについては、引き続きの、この専門委員会、もしくは別の場も含めて、議論するということも選択肢としてはあり得るのかなというふうに思います。

○磯崎委員長 今、前半の説明にありましたように、恐らくですが、議題の2のところで柴田委員の触れた最初のポイントは取り上げることになると思います。

 それから、今、室長が触れた後半のほうも、議題の2で取り上げられるかと思います。

 メンバーのところなんですが、この委員会と検討会をきれいに切り離すというのではなくて、この委員会のもとの検討会ですので、私から言っていいのかわからないんですが、この委員会のメンバーは希望すれば検討会のほうにも出席、参加できるというような形。その位置付けは事務局に考えてもらいたいんですが。つまり、その場合でもオブザーバーであって、通常の傍聴者と同じなのか、あるいは、そうではなくて、委員会メンバーとして、検討会にも検討会の委員と同じ立場で出席なのかですが。そこを確認できればいいかなと思うんですが、どうですか。

○北橋室長 親委員会に当たるものでございますので、ご希望がございましたら、テーブルに座っていただいて、同じ議論に入っていただくということは構わないかと思います。

○磯崎委員長 柴田委員から指摘のあった検討会のメンバーが専門分野として狭められているということとの関わりでは、今、事務局から説明がありましたように、この委員会のメンバーが検討会メンバーでなくても出席し、検討会の委員と同じレベルで参加ができるという、そういう方向で考えるということですが、柴田さん、それ以上は。もう、それで。

○柴田委員 はい。

○磯崎委員長 ほかの方も。それでは、柴田さんが指摘をしていたように、自然科学系、限定しないですが、ぜひ、社会科学系の人は参加してほしいというようなこともありましたので、それをちょっと留意しておけばと思います。

○北橋室長 ちょっと補足させていただくと、あくまで現時点では、検討会のほうで議論すべきことというのが当然念頭にあって関係省庁から候補者を出していただいていますので、それに加えて本日のご議論で特別にこの話もということであれば、それは、また踏まえて、少し検討する必要があるかなというふうに思っています。

○磯崎委員長 そうですね。そうやって広がったときには、ちょっと、そこも考えるということですよね。

 どうぞ。

○経済産業省(上村課長) ありがとうございます。関係省庁として、ぜひご審議をお願いしたいこととして、今のご議論に関連することといたしましては、まず、先ほどご指摘のあったカルタヘナ法、あるいは、それ以外のことについては、私ども一関係省庁としての経産省の理解は、カルタヘナ法の範疇内の話をまず中環審の下のこの委員会で行う。ただ、それ以外も、おっしゃるように論点として、法の対象か対象外かがまずあって、対象外でも何か必要なことがあるかどうか、その部分が「その他」だろうと理解しております。

 その上で、できれば科学的な議論というのをお願いできればと思っておりまして、その意味で、専門委員会のもとの検討会につきましては、技術的なところが書いてあった、その部分かと思います。ただ、そこも含めて、ここでの今のご論議も踏まえて、関係省としても事務局の環境省とも議論しながら、いい方向になるようにしていきたいと思っています。そういう理解でいるということを申しあげておきます。

○磯崎委員長 そのほか、1から3、検討会の設置に関する事柄についてのご意見、その他、よろしいでしょうか。

(なし)

○磯崎委員長 そうしましたら、資料の2、それから3に基づいて、このような形で検討会を設置するということ、それが了承されたと考えます。

 その次なんですが、このような形で、特に資料の2が了承されたということは、資料3に載っています検討会メンバー、その中から検討会の座長を選ぶ必要があります。これは、今、委員長に一任されたということになります。それで、その上でなんですが、この検討会の座長ですが、大澤委員に。大澤委員ですが、先ほど紹介のところにもありましたが、ゲノム編集の分野で活動されている、それから同じようなことを、実は日本学術会議でも検討していて、そこの議論、それから、これまでも生物多様性に関するカルタヘナ法の関わりでの評価、その辺りにも精通されていらっしゃいますので、大澤委員にお願いしたいと思います。

 このような提案をしたいと思いますが、委員の方で何かご意見は。賛同いただけますでしょうか。

(異議なし)

○磯崎委員長 という形ですが、大澤委員、それでは、お引き受けいただけますか。

○大澤委員 はい、引き受けさせていただきます。ご協力よろしくお願いいたします。

○磯崎委員長 それでは、先ほどのようなちょっとタイトなスケジュールで検討会、お願いすることになるかと思います。

 さて、それでは、この後の議題の中で、先ほどの検討会に依頼する、委嘱する検討事項の中身ですが、それについても後で議論しますが、それを含めて、大変な作業をお願いすることになるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

 それでは、時間の関係もありまして、次の議題です。資料の4に基づいて、ゲノム編集という技術、あるいは、それから作出される生物についてです。それらとカルタヘナ法、また、その元にあるカルタヘナ議定書との関わりということです。参考資料の4で関連する法律や規則、議定書の条文が書かれてありますので、随時、それも参考にしながらということでお願いいたします。

 それでは、資料の4の説明を、岡本さんですか、よろしくお願いします。

○岡本係長 それでは、資料4について説明させていただきます。

 資料4では、まず1としてゲノムを編集するための道具、いわゆるゲノムを切るためのはさみなんですけれども、その種類及び導入方法について紹介いたします。

 次のページの2として、ゲノム編集技術の利用方法には3種類あるんですけれども、それについて紹介いたしまして、最後、3番目として、法律上の整理をすると、どう考えられるかというところを説明させていただきます。検討会におきましては、この資料4をもとに、より科学的に明確に整理していただきたいと考えているところです。

 まず、その前に参考資料の4を見ていただいて、まず法律が実際どうなっているのかというところを簡単にご説明させていただきます。参考資料4です。

 一番上のカルタヘナ法の抜粋のところでして、二条の2項に「遺伝子組換え生物等とは」というところで、一、二とあるんですが、一、細胞外において核酸を加工する技術であって主務省令に定めるもの、及び、二として、異なる分類学上の科の属する生物の細胞を融合する技術であって主務省令で定めるもの、によって得られた核酸または複製物を有する生物という定義がされています。

 主務省令で定めるものは何かといいますと、その下の施行規則に書いてございます。ここでは、細胞、ウイルスまたはウイロイドに核酸を移入して当該細胞を移転させ、または複製させることを目的として細胞外において核酸を加工する技術となっておりまして、さらに以下のものは除くとされています。

 以下のものが何かといいますと、一のイのところで、当該細胞が由来する生物と同一の分類学上の種に属する生物の核酸ということで、いわゆるセルフクローニングと言われまして、自然状態でも起こり得る自分の中の変異については除きます。もう一つ、ロのところで、自然条件において当該細胞が由来する生物の属する分類学上の種との間で核酸を交換する種に属する生物の核酸、いわゆるナチュラルオカレンスといいまして、自然環境下でも自然の状態で交配が行われる、そういったものについては除くとされています。

 その下のウイルス、ウイロイドについても同じく、自然条件において行われるものというのはカルタヘナ法の規制の対象からは除かれているという状況です。

 これを踏まえまして、資料4に戻っていただきます。

 「ゲノム編集技術とは」というところで、DNAを切断する酵素である人工ヌクレアーゼというものを用いまして、任意の塩基配列を改変する技術と言われています。この技術を利用することによりまして、無作為ではなく狙ったところだけを、塩基を置換したり挿入したり欠失させたりという変異を誘導することができる技術とされています。これによって得られた生物が、カルタヘナ法の今、申し上げた第二条2項に規定する「遺伝子組換え生物等」に該当するか否かというところを、これから整理したいと思います。

 まず、(1)、ここでは、どういったはさみがあるのかというところを紹介します。大きくは二つ、(1)と(2)、2種類ございます。(1)というのは、宿主のDNAの結合部分と、それとDNAを切断するはさみの部分、この二つの要素によって、はさみはできているんですけれども、これが両方ともタンパク質によるもの。これは、いわゆるZFNとかTALENと呼ばれているもので、要するに、このはさみの構成要素は全てタンパク質でできているものです。

 続きまして、(2)は、DNAとの結合部分は核酸でできています。RNAの核酸でできていて、はさみの部分、切断する部分はタンパク質という、核酸とタンパク質が両方含まれているもの、これが、いわゆる最近できましたCRISPR/Cas9と呼ばれるものです。

 これらのはさみを改変したい生物の中に入れ込むんですけれども、それをどうやって入れ込むのか、その導入方法にもいくつかございます。その下に行っていただいて、人工ヌクレアーゼを宿主に導入する方法としましては、まず大きくは三つぐらいありまして、一つは直接、細胞の中に導入する方法と、もう一つはベクターという運び屋さんの中にはさみの遺伝子を組み込みまして、それを宿主の細胞に入れ込む、もしくは宿主のゲノムにはさみの遺伝子を組み込んで導入するという、こういった方法がございます。特に、植物につきましては、ベクターの利用や宿主のゲノムへの組み込みによって、ゲノム編集を行うことが一般的とされております。

 次のページに行きまして、では、それらのはさみを使って、どういったゲノム編集技術があるのかと申しますと、大きく分けると三つ、SDN-1、SDN-2、SDN-3というものがあるとされています。SDN-1というものは、この下の図を見ていただけるとわかりやすいかと思うんですけれども、宿主の標的塩基配列を切ります。切って、以上。あとは自然修復によって、その際に塩基の欠失や挿入または置換といった変異が発生することを期待している技術でございます。

 続きまして、SDN-2につきましては、これは簡単に申しますと、人工ヌクレアーゼを作用させる際に、宿主の標的塩基配列と相同な配列の一部を変異させたDNA断片を宿主の細胞の中に入れます。標的塩基配列を切断し、その後、移入したDNA断片を鋳型として切断部位が修復される際に、外からの核酸またはその複製物が導入されるというものなんですけど、要するに、はさみで切った後に、外から細胞外で加工したDNA断片を、このときは数塩基の変異をさせたものを入れ込むというのがSDN-2になります。

 SDN-3というのは、同じことなんですけれども、DNAを切断して外で加工したDNA断片を入れるんですけれども、入れ込むものが塩基ではなくて遺伝子という、もうちょっと大きいものを入れ込むというのがSDN-3になります。

 なので、SDN-1は切るだけ、外からは何も入れなくて、SDN-2、SDN-3については切って外でつくった核酸を入れ込むという、大きく分けると、そういったものがございます。

 これを踏まえまして、3番、法律上の整理はどうなるかというところを整理しました。先ほど申し上げましたカルタヘナ法の第二条2項及び施行規則に基づいて整理をしますと、まず(1)のSDN-1につきましては、人工ヌクレアーゼを直接、細胞に移入する場合、1の(1)、先ほどの(1)のはさみのほう、タンパク質しか含まない場合につきましては、直接、細胞に移入した場合、細胞外で加工した核酸を移入していませんので、この場合はカルタヘナ法の遺伝子組換え生物には該当しないと、規制の対象外であると考えられます。

 続きまして、はさみの(2)のほう、核酸とタンパク質を持ったはさみを直接導入した場合につきましては、細胞外で加工したRNAが宿主のゲノム中に移転されますけれども、RNAというのは基本的には不安定で消えてしまうということで、ゲノムの中に移転または複製されない、または短時間で分解されてしまうということで、カルタヘナ法の規制の対象外であると考えられます。

 続きまして、②はさみを、ベクターを使って入れる場合です。その場合は、対象生物の細胞内で対象生物のゲノムに組み込まれていない状態で一過的に発現させる場合は、細胞外で核酸を加工する技術を利用しているんですが、ベクターで入れた場合というのは、宿主のゲノムには組み込まれないと考えられています。このため、カルタヘナ法の対象外と考えられます。ただし、ベクターで入れたものが宿主のゲノムに組み込まれないというのは、一般的には考えられていますが、そこは必ず確認していただく必要はあると考えています。

 3番目に、宿主のゲノムに直接、はさみの遺伝子を組み込む場合です。その場合は、細胞外で加工した核酸が組み込まれていますので、遺伝子組換え生物となりますので、カルタヘナ法の対象になるんですが、例えば植物ですと、従来育種で行われているように戻し交配等によって導入した遺伝子を除去するということが可能です。その場合は細胞外で加工した核酸を最終的には有していないことからカルタヘナ法の規制の対象外と考えられます。なので、直接組み込んだもの自体は対象なんだけれども、次世代、戻し交配をして核酸を取り除いたものについては、法律上は対象外になるのではないかと考えられるということです。

 続きまして、SDN-2、SDN-3につきましては、先ほど申し上げたとおり、明らかに外で加工した核酸を移入しておりますので、この場合は遺伝子組換え生物であると考えられるため、カルタヘナ法の規制の対象だろうと考えられます。

 今、技術は急速に発展していますので、こういったものだけではなく、これに類似している、同等であると考えられる技術については可能な限り、今、申し上げたとおりの考え方で整理できるのではないかと考えております。

 注意事項としましては、これまでやられています突然変異を誘導する放射線ですとか化学物質によって誘導している技術等につきましては、カルタヘナ法の対象外となっております。

 また、注の3番目のところです。技術としてはSDN-1とSDN-2というのは、明確に外から入れているものと入れていないものと分かれるので違うんですけれども、最終産物を見たときに塩基が一つ置換、欠損、挿入されているだけというものについては、結果だけを見ますと区別することは困難であると懸念されるところもありますので、こういったところも、今日、一緒に議論していただければと思います。

 最後のページは、今、申し上げたことを簡単に表にまとめたものとなっております。

 本日は、専門の先生方がたくさん来られていますので、適宜、補足したりしていただければありがたいと思います。

 それから、あと、参考資料の3を見ていただきまして、参考資料の3にはゲノム編集技術等の利用によって得られた生物の取り扱いに関しまして、海外の取組状況を簡単にまとめさせていただいています。簡単に紹介いたします。

 カルタヘナ議定書の締約国としましては、まず、ニュージーランド。ニュージーランドは、1998年以降の技術の利用によって作出されたものは規制の対象とすると言っております。ブラジルにつきましては、細胞外において加工した核酸の残存がないことが確認できれば規制の対象外ということですが、必ず申請はしてもらうという、申請が義務のような形になっております。EUにつきましては、現在、まだ欧州司法裁判所の法務官の法的な解釈だけではあるんですが、組換え核酸分子、要するに、遺伝子組換えに当たらないものであれば、規制の対象から外れる、突然変異技術であれば規制の対象から外れるという法的な整理はされていますが、ただ、加盟国が独自に規制することを妨げるものではないとしています。

 また、締約国以外でいいますと、アメリカでは農務省のほうが、農務省はあくまでも病害による影響として、それが危ないのであれば規制をする、遺伝子組換えだからという観点ではないようです。また、FDAの食品のほうでは食品の安全性評価のための、行動計画を発表する予定ということで、FDAの方では何か規制をしようかと検討しているようです。

 豪州におきましては、明確にSDN-1は対象外、SDN-2、SDN-3については対象とし、今現在、パブリックコメントをして、その後、まだ公表はされていません。

 カナダにつきましては、技術にかかわらず、最終的な産物を見て、形質が変わっていれば規制の対象とするということになっております。

 事務局からは以上ですけれども、本日、来られていない2名の先生から事前にコメントをいただきましたので、そちらを読み上げさせていただきます。

 それでは、まず鎌形委員からのご意見、4点ございます。

 一つ目、検討会では、まず各分野の委員の科学的知見に基づき議論がなされるべきと考えておりますということが1点目。

 二つ目、SDN-1については、カルタヘナ法対象外とみなし得るとの見解を支持したいと考えています。もしカルタヘナ法対象外とした場合のものについても、国が事業者に何らかの情報を求める場合には、その法的論拠及び科学的な論拠を示しつつ、妥当かつ合理的なものでなければならないと考えますというのが2点目。

 3点目。我が国だけが厳しい措置を講ずることは国益に反することになり、慎重な議論をお願いしたいところです。

 そして最後、4点目。カルタヘナ法に抵触しない従来技術、いわゆる変異剤による変異、放射線、イオンビーム等による育種がゲノム配列にどのような影響を与えているのかについても、既存の研究例を解析しつつ議論すべきと思います。従来法による広範な欠失、部分変異が容認されるのであれば、ゲノム編集による複数の塩基置換・欠失等も容認し得るのではないかという一歩推し進めた議論も客観的に行うべきではないかと思われますというご意見をいただきました。

 もうお一方、五箇委員から1点。法的規制対象の枠組みは概ね正当と判断する。ただし、SDN-1など規制対象外となる分子遺伝学的技術を用いた生物の取り扱いについては、今後も情報収集を継続し、適宜、問題点があれば議論を行い、順応的に対応を検討できるシステムを準備しておくことが国民の安心・安全という観点からも、生物多様性の保全の観点からも重要と考えますというコメントでした。

 以上です。

○磯崎委員長 欠席の方のコメントも含めてですが、特に法律条文との照らし合わせで、二点あります。バイオテクノロジーという技術に該当するかどうかということと、それから、それを利用して作成される生物がカルタヘナ法の定義している新たな改変生物というのに当たるのかどうか、その2点について検討したというのが、先ほどの資料4です。

 それに基づいて、SDN-2とSDN-3は、技術という点でも、それから作成された生物という点でも、法律に該当するのではないかということ。

 それから、SDN-1については、ちょっと複雑に書いてありましたけれども、技術自体として該当しない場合。それから、技術としては、外部で改変、加工した人工核酸を入れるので、該当する場合もあること。しかし、その場合であっても、ページが次のところの②、③とかで書いてありますが、新たな生物の中に組み入れた核酸を含まないため、生物として該当しないので対象外ということです。そのように、SDN-1については一段階で決まる場合と、二段階で決まる場合とに分けて説明がされています。

 さっき説明者からも依頼がありましたけれども、委員の中で、実際にこの組換えやゲノム編集をされている方で、先ほどの岡本さんの説明に、その専門的観点から何か追加するようなことがありましたらお願いしたいんですが、いかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

○山口委員 まずなんですけれど、正直申しまして、この法律が少し古くなってしまっていて、技術に追いついていないところがあるんだろうというふうに思っております。

 というのは、細胞外で核酸を加工する技術の中に、例えばmRNAは恐らく今入ってないと思うんですね。それから、人工的なRNAも恐らく、例えばsRNAとかアンチセンスになったら入っていないと思います。

 ですから、そういう意味のものを入れたか、入れていないかによって、判定するというところが、もうゲノム編集ができたときにもうこういう法律の中で整理し切れなくなっているんだというふうには思っております。

 とにかく、特にCRISPR/Cas9はもうタンパクを入れるだけですので、あとは、そういった人工核酸、化学合成できる人工核酸を入れるだけなわけですね。そうすると、対象とするさまざまな、もちろん形質だけではなくて、ほかの技術、入れるときには、homologou recombinationを起こすための対象となるDNAを入れたりしないといけないんですけれども、そういう意味では、少し法律的に、最新の技術にちょっと法律が追いついていないなという、ちょっと気がしております。

 それからもう一つは、SDN-1なんですけれども、これ、考え方のときに、広げればいいというか、広げたいという話ではないんですけれども、意図している改変と、意図していない改変、要するにオフターゲットをどう考えるかというところをやっぱり整理する必要があるんだろうと。オフターゲットが非常にたくさん起きてきて、ただ、いわゆるradiusのradiationとか、そういうので起きている話と、ゲノム編集で起きているやつは、ある一定の配列をターゲットにして、それと類似した配列が割とオフターゲットが起きるんではないかというふうに言われているんで、アトランダムに起きるというわけではないというふうには思います。

 だから、そういう意味では、少し従来のradiationとか、そういうものの変異と、ちょっと違うというところは、やっぱり考える必要があるんだろうというふうに思います。

 それから、もう一つ、そういう意味では、SDN-1に関して、本当の一変異だけで済むのか、それとも、そこの部分だけじゃなくて全く違うところの想定されていないところに、いっぱい変異が起きたときに、現実の解析方法としては、多分、解析できないだろうというのが言われております。要するに、どれだけDeep sequenceをやっても、多分どこにどこまで入ったかというのは、かなりわからないだろうというふうには思います。

 それから、もう一つSDN-3の件なんですけれども、もちろんhomologou recombinationをすれば、ある特定の遺伝子を入れるということになるんですけれども、ただし、例えば疾患モデルをつくるためにヒトの、例えば実践型の筋ジスをつくるという場合には、それが動物の中であればという話ですけど、同じそういうような形で入ったとしたら、疾患モデルをつくっただけになって、いわゆる実際に起き得る疾患変異という可能性も、いわゆるナチュラルオカレンス的に考えることもできるかもしれないと。

 今の技術のこういう分け方が本当に妥当なのかどうかもちゃんとやっぱり議論していただきたいと思いますし、もう一つは、今は切らないdead Casみたいな形で、もう切らずに例えばデアミナーゼを掘り込んで違う核酸に変えていって、それも、しかも複数変えていくような話になると、外来遺伝子が入るか、入らないかという話では、僕はないような気がします。要するに新たな遺伝子の変わったものをつくってしまうという、そういうことも、やっぱり想定すべきだというふうに考えます。

○磯崎委員長 そのほか、委員の方でそれぞれの専門の分野からいかがですか。

 それでは、このゲノム編集の技術的な観点からの説明で、今、山口委員からも実際の場面、専門的な観点からの追加意見をいただきました。

 山口委員から、カルタヘナ法自体が現実の技術の進歩や、その利用状況に必ずしも対応できていない、遅れているのではないかという指摘がありました。それ自体は、実は、この委員会の今回の検討の幅からいうと、少し広い課題です。先ほど説明しましたように、前回の2年前の委員会でこういう事柄についても検討をする必要が残っているという指摘で、それを受けて、今回、この委員会が開かれています。恐らくですが、まだ最終報告ではないですが、今のようなご意見について、報告の中に記して、今後、必要であれば、そういう観点での検討もしなければいけないという形で残したいと思っています。

 それでは、今の資料4に関連して、それから参考資料4との比較で行われた説明、大まかな形でいきますと、SDN-1は対象外となる可能性がある、一方でSDN-2とSDN-3は対象になるという、そのような大きな整理が今説明されました。この点について、委員の方々で意見や見解などいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

○大塚委員 ちょっとお伺いしていいですか。基本的なことかもしれない、申し訳ないですが、3ページの③のところで、このただし書きのところで、従来品種との戻し交配等によって導入遺伝子を除去した場合はということで、対象外になるということなんですけれども、チェックをしていない場合というのはどうなるのかというのをちょっと教えてください。

 それから、もう一つ、参考資料3との関係で、中国とかの関係も多分かなり気になるところではありますが、中国はどういうふうになっているかを教えていただけますか。

○岡本係長 1点目につきましては、外からの核酸を入れて、それが宿主に組み込まれた状態のものについては、遺伝子組換え生物に該当すると考えます。

 2点目についてなんですが、中国の状況について、どなたかご存じの方は情報をお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか。

○大塚委員 じゃあ、ごめんなさい、それはいいです。

○磯崎委員長 じゃあ、それは調べて。

○大塚委員 最初のほうですけれども、残っている場合というのは、ただ、あまりケースとしては、多くないということなんですよね、きっと。

○大澤委員 これに関しましては、メンデルの遺伝と同じで、つまり、ヘテロの状態で残っている場合、もう一度交配して分離したときにそれが残っているものと、残っていない個体が生じます。残っているほうは遺伝子組換えのままです。残っていないほうは、これをnullsegregant(ヌルセグリガント)と言っておりまして、それには残存していないと。残っているほうは遺伝子組換えのままです。

○大塚委員 その場合は、対象になるという。

○大澤委員 残っているものを何か利用しようとするのであればですけども、常に働いてしまいますので、常に編集が起きている状態になります。そうすると、それは実際には使えないということに。

○大塚委員 そうなんですね。

○佐藤委員 開発の途中で一過的に存在するけれども、それは、普通は使わないと。

○大澤委員 それは、要するに外には出さないということでございます。

○大塚委員 ありがとうございます。

○大澤委員 中国の状況ですけれども、中国についての情報は、細かく正式に聞いては、まだおりませんので、ちょうど機会はあるんですけれども、この検討会の中で、もし可能であれば、そういう精通している先生もいらっしゃいますので情報を入れて、この検討会の中で、また、世界的な調和という意味で情報を入れて検討できればいいなと思っております。

○磯崎委員長 そのほかいかがでしょうか。特にSDN-1と、それからSDN-2、SDN-3とを区別できるという考え方なんですが。

 はい、どうぞ。

○佐藤委員 質問いいですか。法律の専門の方に伺いたいんですが、先ほどの1塩基置換ですけども、それがナチュラルで起こったのか、組換えによって起こったのかというのが検証できないという現実があると思うんですけども、そういうこと、検証できるか、できないかということは法律的にはどういう位置付けになるんでしょうか。

○磯崎委員長 では、大塚先生。

○大塚委員 先生のほうがお詳しいと思います。

○磯崎委員長 これは、要は使った方法のほうから見ているので、それで対象となるという位置付けを法的に解釈し適用している。ただ、それがわからないものが、もし目の前にあったとしたら、それは、その現物の、その生物のほうから追っかけるのは難しいという、そういうことです。

 ですから、この技術を使って、こうやって製造したということは通常はわかっているので、それだから対象になる、ならないという、法律上はそういう判断をします。突然見つかったこれがどうだったかということを法的に確認せよというと、技術的に追跡ができない限り、それは難しいということです。

○佐藤委員 我々、現場的にというか、感じでは、結局はできたものがどうなのかということを主に考えていて、その途中でどのような技術を使ったのかということは検証できないのでどうなのかというのが、例えばさっきので交配によって抜いたという場合には、そのプロセスで抜いているわけですね。途中で組換え体を経由しているけれども、じゃあ、それができたものはどうなのかということになると思うので、プロセスと、そのできたものというのはちょっと分けて考えているところがあると思います。

 大澤さん、どうですか。

○大澤委員 SDN-2の場合、ちょっとぶれる部分があるのかなというふうに思います。それで、また少しこの中で議論できればいいのかなと思いますけども、今、佐藤委員が言われたような最終的なプロダクトだけを見ると、全く判別できないと。でも、委員長が言うように、全てのプロセスがわかっているという前提ですと。そのときの判断でも、その最終プロダクトはどっちかわからないと。多分一番悩ましい状況、それは検討会の中で、それをどういうふうに考えていくか。多分、1塩基だったらわからない、2塩基だったら、3塩基、4塩基、5塩基、10塩基だったらどうだというような話になってしまうと、今のところ、私自身も、それをどこまでだったら。

○佐藤委員 それで、だから我々は自然界で起こるようなことが起こっているのか、起こり得ないようなことが起こっているのかというのが、一つの判断基準になると思いますね。例えば、いわゆるdeletionというのは、自然界で頻繁に起こっていることなので、そのこととか、1塩基の挿入とか、そういうレベルは組換え体とか、というふうに捉えないというふうに主に考えていると思います。でいいですか。

○大澤委員 多分、議論の中でナチュラルオカレンスというものをどういうふうに捉えるかというのが非常に重要だと思います。あり得ないものが、やはり意図的なものなのか、そういうのは自然界で起こり得ることが起きたのか、そこは一つの多分判断、私、今全部答えるわけじゃないので、これから検討会を始めますので、そこも大事な観点かなというふうに思います。

○山口委員 多分、意図していないところについては、なかなか解析ができないというふうに思います。ただ、ちょっと要するに検討会で考えていただかないといけないのは、いわゆるランダムに起きるのではなくて、ある程度、配列specificに起きている可能性が高いんで、そうすると、今ゲノム編集をやっている方たちは、ある程度その変異を受けやすいところ、要するにオフターゲットで変異が起きやすいところを見つける技術というのを今、一生懸命開発されているんですけれども、現時点では多分ない。Deep sequenceでやっても多分無理だというふうなことだと思いますので、そういうpossibilityをもって考えていただく必要があるのかなと。要するに検討していただく必要があるのかなと。

○大澤委員 先生がおっしゃることは、これまでもいろいろ議論されているところかと思いますけれども、ただ、オフターゲットが起きるかどうかということと、どういう核酸を持っているかという、非常に技術的な判断とまた別の問題で、その技術によって生じたものがいろんな変異が起きた場合に、それは果たしてカルタヘナ法のもとにおいて、判断できるのかというと、それはまた違うのかなと。

 私、今、個人的に、また、これからいろいろ議論が始まると思いますけれども、あるターゲット以外の遺伝子、ランダムにもし起きたとした場合に、でも入れている遺伝子は一つ、また、それが抜けたとして、一過的なものであるとしたならば、変異がいくつか入っていたとしても、それは対象になるのか、ならないのか、多分ならないのではないか。ただ、オフターゲットを心配する、懸念するということと、今の技術的にどうであるかを分けたほうがいいのかなというふうには、現時点では思っています。

○柴田委員 柴田です。

 ぜひ、検討会のほうで、先ほども少し申し上げたそのほかに入ってくる部分かもしれませんけれども、常に留意していただきたいのは、先ほど申し上げたように、このカルタヘナ法の上にカルタヘナ議定書があるということですね。カルタヘナ議定書は、前文でこういうふうに書いてあります。現代のバイオテクノロジーが急速に拡大していること、で、そのバイオテクノロジーが生物多様性に及ぼす可能性のある悪影響について、懸念があるからというふうに書いてありまして、まず、当時はこのバイオテクノロジーとして考えられたのは遺伝法だけでしたけれども、今はそうなっていないというので、この議論が出てきているという意味では、当時の国際社会の懸念が引き続き、新しい技術が出てきたことによって、今、目の前にあるので、それに応えていかなきゃいけないという意味でのバイオテクノロジーの一つをやはり扱っておられるという意味で技術的にカルタヘナ法の字面だけを見れば、これは入る、入らないという議論ももちろん大事で、それは今(1)のほうで議題になっているわけですけど、それに加えて、カルタヘナ議定書が想定している、そういうバイオテクノロジーを使った新しい生物が生物多様性に悪影響を与えるのかどうかという、こここそが多分一番大事といいますか、私のような社会科学をやっている者が知りたいところでありまして、技術だけでこっちは入らないという、それだけではなくて、こっちが入らないにしても、それは仮に生態系、生物多様性に悪影響を与え得るような可能性があるのかどうかというところまでも含めて、ぜひ科学技術的に議論していただきたい。

 それをカルタヘナ法に含めるかどうかは、後の議論ですので、それはまた別のところでやるかもしれませんけれども、科学技術的にカルタヘナ法の字面だけでA、B、Cと分けて、どこからどこまでのみならず、カルタヘナ議定書の趣旨、目的に照らして、その技術をどういうふうに考えていくべきかというところまでぜひ見込んで科学技術的なご議論の結果をいただきたいなというふうに思っております。

 そういう観点からしますと、このカルタヘナ議定書は、そもそもバイオテクノロジーに対しては、価値中立的でありまして、伝統的な遺伝子組換え生物であったとしても、生態系への悪影響がなければ、このカルタヘナ法の対象にしなくてもいいという規定があります。そういうふうになったものはないんですけれども、そういう意味では、この技術とかを使っているから、必ずカルタヘナ法で対象にしなければいけないというわけでもないわけですね。生態系への悪影響がないということがはっきりしている、それはもう除外してもいいわけですので、そういう意味でも包括的に議定書の趣旨、目的を勘案しながら議論をしていただければというふうに思います。

○大澤委員 よろしいですか。

○磯崎委員長 はい。

○大澤委員 ありがとうございます。議論のときに一番重要なのは多様性影響で、遺伝子組換えに関しましても、今まで生物多様性影響評価ということで、ずっと我々、このメンバーの中にもそれで議論しております。それは遺伝子組換えだからということではなくて、それがadverse effectがあるかどうかということが一番重要である。それが世の中に出るかどうか、そういう観点は一番忘れてはいけない観点なんで、もちろん、技術だけで、もういいだろうという、そういう単純な議論にはならないだろうというふうに思っております。

○磯崎委員長 今いろいろな方から、まだ発言なさっていない方で、このSDN-1、それからSDN-2とSDN-3、その間に区切りをつけられるのではないかという整理、この委員会としてなんですが、議定書の条文と法律の条文との関わりで、そのような方向での整理が可能ではないかというところです。この観点で。

 はい、どうぞ。

○伊藤委員 確認なんですけど、SDN-2のところなんですが、1~数塩基の変異を導入と書いてありますが、これ、セルフクローニングだったら、これは、こういうふうにはならないということですか。変異を入れなくて、自然界にあるものを調製して、ここに要するに組換えさせるということですけど。

 法律上、セルフクローニングは、組換えであってもカルタヘナ法の対象外になっているんだけれども、これ、全然、変異を導入せずに自然界のものをそのまま入れた場合、これは、このSDN-2に入るかどうかということです。

○岡本係長 同じ種のものを導入する場合でしょうか。

○伊藤委員 はい。

○岡本係長 同じ種であれば、対象外です。

○伊藤委員 外ですね。

○磯崎委員長 そのほかはいかがでしょう。

 はい、どうぞ。

○穴澤委員 カルタヘナ法の上位概念に対して、遺伝子組換え等のリスクをどう考えるかという点について、予想し得ないリスクが生じる可能性があるか、ないかということの1点だと思っています。

 この分野の基本的な技術の開発は、全て予想がつくようにしようという流れで技術開発がされています。ですから、一番の昔から行われています、いろいろな手法によるランダム異変は、どこに何が入るか、どういう変異が入るかわからない、ただ単に目的の形質だけで変異体を選んできたという手法に比べて、どの部分に遺伝子変異を入れるか、どの部分の遺伝子を改変させるかということを設計デザインするという技術が、これまでの全ての改良されてきた技術の流れにあるわけです。

 したがって、ある面でいえば、予想し得ないことが起こる確率をどんどん減らして、つまりリスクを減らしている技術開発だと言えると思っています。

 そういう面でいうと、今この時点ではっきりある今のルールにのっとったような形で、SDN-1、SDN-2、SDN-3に分けていくと、今はこういう規制、ここまでは規制対象外と考えられるという立場でいえば、この分け方は極めて妥当じゃないかなというふうに思っています。

 産業界の立場から申し上げさせていただきますと、この技術を使ってもどこに変異が入るかわからないケースも当然あり得るとは思いますけれども、ランダム変異に比べれば、全然低いわけで、全部デザインしてつくっているわけですから、どこに変異が入るかわからない可能性ありますけれども、ランダム変異よりは、ずっとましだという大前提に私どもは考えております。

 それと、もう一点は、極めて重要なのはどういう手法で、どういう実験手法で、この細胞、生物をつくってきたかというデータを残しておくというのは極めて重要です。どこかの省庁では情報がなくなることがよくあるらしいんですが、事業者は、そんなことは絶対にあり得ないですね。唯一あるのは、その事業者が合併されたときとか、買収されたときです。逆に言えば、私のやつはそこのところのルールをちゃんとつくらなきゃいけないと思うんですけれども、それは余計な話です。どうやって、その細胞をつくったかというデータはきちんと残さなきゃいけない。それを提出するかしないかは、また法律上、あるいはルールの上の問題だと思いますけれども、データはちゃんと残しなさいと。で、責任はちゃんと負いなさいと。どこへ行っちゃったかわからないとか、誰がやったかわからないというのは、絶対に許されないというルールさえあれば、私はよいのではないかというふうに思います。

 ちょっと余計なことまで申しましたけれども、基本的な流れとしては、今の技術開発は、リスクをどんどん減らそうとしている方向で進んでいるというふうにご理解いただければというふうに思っております。

○磯崎委員長 そのほか、この議題ではいかがでしょうか。次の議題の話も一部出てはいるんですが、法律上、ゲノム技術を使って作出された生物で、その観点からSDN-1は対象外で、SDN-2、SDN-3を対象内と考えるという整理の方向性です。

 もちろんなんですが、先ほどから指摘されているようにSDN-2の場合、後から追っかけられないこととか、あるいは実際のナチュラルオカレンスと違いがないみたいな状況とか、それをどうするのか、これはまさに検討会でそうした技術的観点から検討してほしいという事柄になります。

 それでしたら、この資料4に基づいて、方向性として、SDN-1を対象外で、SDN-2とSDN-3を対象内として、それから作出された生物の取り扱いというのも、それを前提にして考えるということ。それが最終決定ということではなくて、その方向性を前提にして、検討会に技術的・科学的、特に実際に携わっている、また、実際に行っていてという、その立場から検討してもらうという、そういう検討項目の1番をそこに設定するということでよろしいでしょうか。

(異議なし)

○磯崎委員長 それでは、検討項目の、これは最初のほうで柴田委員からご指摘されたことですが、資料1です。先ほど設置が承認された検討会ですが、その検討事項というのが資料1、真ん中より少し下に出ています。そのうちの最初の黒丸については、今触れましたように明記はしていないですが、SDN-1それとSDN-2とSDN-3、その間での区別を前提にして、その方向性で整理を考えてもらうという、今の議題項目です。

 もう一つの議題項目ですが、この点が特に柴田委員が指摘している事柄、あるいは、欠席されている委員の中でも指摘があったところですが、このような形で対象外と考えるSDN-1についてです。SDN-1を利用する、あるいは利用して作成された生物は、もちろん先ほどから議論しているように、それ自体が、もしカルタヘナ法の遺伝子組換え生物等に該当するというときは、その最終プロダクトとして対象になりますが、そうならない場合です。そのようなときに何もしなくていいのか、あるいは、何か対応をする必要があるのかどうかという課題が、この「その他」とだけ、黒い二つ目の丸では書いているんですが、その中に含まれるということですが、これについてどうでしょうか。「その他」だけでもいいんですけれども、何が「その他」かよくわからないので、今のような事柄が含まれているということを明記するかどうかなんですが、いかがでしょうか。

○佐藤委員 ちょっと伺いたい、ちょっと確認なんですけど、今のSDN-1でつくられた生物がどういうことを検討するということ、具体的に言うとどういうことですか、ちょっとそこがよく。それが環境に対する悪影響が生じる可能性があるかと、そういう観点ですか。

○伊藤委員 恐らく、これを無条件に許可してしまうのか、あるいは報告義務を課すのかという、そういうような検討だと思います。

○磯崎委員長 もちろんですが、カルタヘナ法の対象外である技術の面でも、それから利用して作出される生物の面でも、通常は、SDN-1を利用した場合は、カルタヘナ法の対象にはならないという前提に立っていますので、それに対して何か法規制があるということは考えられません。ですから、対象外であれば法律規制の対象外であるという、そこは変わりません。

 その場合であっても、何か心配する必要があるのか、ないのかについて、特に検討会ですのでメンバー構成からしても科学的・技術的観点で検討すること、そのあるなしの度合いとの関連で何か実際の利用に関して、今、伊藤先生からも発言がありましたが、何か見つけたら報告をしてもらうというようなことについて考えることを、検討会に委嘱する必要があるかどうかをここで決めたいということです。

○北橋室長 さっき前のほうの説明で磯崎座長からもお話をいただきましたけれども、参考資料2の過去の議論の資料、平成28年8月に中央環境審議会の遺伝子組換え生物等専門委員会の報告をしたときに、科学的知見の集積に関する指摘事項として、案件によっては指導ができるような体制を確保すべきであるというようなご指摘をいただいているということですので、これをどこまで忠実にするかというのはともかくとして、科学的知見を集積するようにというようなご指摘をいただいたのかなというように思っております。

○磯崎委員長 はい、どうぞ。

○大塚委員 先ほど、座長がおっしゃったこととの関係では、先ほど柴田さんがおっしゃったこととも関係しますけれども、生物多様性影響という観点から、その法律の外に報告を求めるかというのと、自主的に求めるかというようなことを考えるかどうかという話ですので、生物多様性影響に関するリスクの度合いを、このSDN-2とかSDN-3とかと比べてSDN-1にもそれなりにはあるかもしれないということであれば、やっていただいたほうがいいと思いますし、非常に差があってSDN-1に関しては、そういうリスクは考えなくていいというようなことであれば、やらなくていいということだと思いますし、多分、その辺の状況をちょっと教えていただく必要があるかなということなんですけど、あるいは、先生方によっても違うのかもしれませんけど、いかがでしょうか。

○磯崎委員長 この場でそれがわかるかどうかが今一つです。それを科学的・技術的な観点から、SDN-1について、SDN-2やSDN-3、あるいは、その他何かとの関わりで、SDN-1を利用した場合についても情報の収集であるとかという、そのような必要があるのかどうか、これを検討会で検討事項にしてもらうということです。もし、この委員会で、その議論ができるのであれば、この委員会だけでもいいかと思います。恐らく、ただ単に心配だ、あるいは何もないと言えないだろうみたいな議論をしても、あまり意味がないと思いますので、心配をする必要があるような科学的・技術的状況、それを検討会で議論してもらうという、そのような位置付けではないかなと考えています。

 そのほかの方ではいかがでしょうか。

 はい、どうぞ。

○明石委員 今、検討会で検討する内容についてでも構わないですか。

○磯崎委員長 はい。

○明石委員 そうしたら、今、お話が出ているように、恐らくSDN-1の問題点というのは、セルフクローニングだとかナチュラルオカレンスに相当するから問題ないというお話なんだと思うんですけれども、セルフクローニングであるとか、ナチュラルオカレンスというのは、一体、何者なのかというのを、我々それをもとに審議なんかをしているわけですけれども、人によって、必ずしもその認識というのは一致しているわけではないので、できれば、この検討会で、じゃあセルフクローニングとは何なのか、どういう技術を使ってどういうふうになったらセルフクローニングなのか。ナチュラルオカレンスというのはどういうふうになったらナチュラルオカレンスか、それをきちんと決めていただきたい。そうすると、我々の審議でも非常に楽になるので、それをよろしくお願いしたいと思うんですが。

○磯崎委員長 それはどうでしょう、大澤委員。

○大澤委員 今の明石先生のご発言は、そういうところもあるかなと思いますけれども、現時点で例えばセルフクローニング、ナチュラルオカレンスという定義は、ある程度できていると思うんですね。ただ、それがコンセンサスをこの委員会の中で、そういう考えですねということをどこかで1回とりながらじゃないと、最後に、また、いろいろごちゃごちゃになる可能性もありますので、その検討会の中ではコンセンサスをとりながら、まず最初に、こういう理解でよろしいでしょうかというようなピン止めをしながら進めさせていただくということでしたいと思います。

○明石委員 それをお願いしたい。

○磯崎委員長 はい、どうぞ。

○岡本係長 先ほどもご説明したんですけれども、参考資料4にあります施行規則のところで、こういった技術は除外しますというところで、施行規則第2条1のイに当たるところが、いわゆるセルフクローニングだという大まかな定義というのは、ここに書いてあって、ロのところで、これがナチュラルオカレンスだろうという大枠はここで決められております。

○明石委員 これは重々承知した上で言っております。

○磯崎委員長 今、明石委員も触れたように、まさに法律条文との照らし合わせだけでは、細かい点ではっきりしないようなところがあり、あるいは、先ほどの鎌形委員からのコメントにもあったように、ナチュラルオカレンスやセルフクローニングとの関わりでゲノム編集技術を、SDN-2とSDN-3の場合も含めてなんでしょうが、考える必要があるのではないかという意見も出ています。そういう観点でセルフクローニングやナチュラルオカレンスについても実際に生じていること、もしかすると法律や規則と少しずれがあるところ、それも念頭に置いて、検討会で議論してもらうという、そのような整理になるのかと思います。

 そのほかいかがですか。

○大塚委員 さっき穴澤委員がおっしゃったこと、ちょっと気になったんですけれども、ゲノム編集でということだけじゃないと思うんですけれども、細胞をつくったときのデータを残しておく必要があるんじゃないかという問題が恐らく一般的にはあって、生物多様性影響があるというのも、そこからの、後からいろいろたどっていけるようなデータになってくるんじゃないかと思うんですが、これは、だから環境問題だけじゃないんですけど、こういうのはどういうふうになっているんでしょうか、今、ほかの法律になるんでしょうか。事務局、お願いします。

○北橋室長 各省のそれぞれ持っている法律の関係で、今日もいろいろな省庁の関係者がご出席ですけれども、農業への影響ですとか、あるいは健康への影響ですとか、それぞれについては、それぞれの所管する法律で安全性と言いますか、そういうのを見ていて、カルタヘナ法では、外部へ出るところ、生物多様性への影響について見るという、そういう二重の。

○大塚委員 多分、安全性の話に行く前にどういうふうにつくったかというところが、結構、大事じゃないかと思って、安全性の評価は、多分、その先に進むということじゃないかと思うんですけど、もとのデータがないと、多分、10年、20年たつとわからなくなるとか、そういうことが先ほどのお話だと、結構出てきそうなんですけど。だから、環境省だけでおさまる話ではないんじゃないかと私も思っているんですが、国としては、多分、そういう先のことまで考えて行動していただくことが、結構、必要じゃないかと思うので、もし、この議題に入れていただければ大変、頭出しだけでもしていただけるといいかもしれませんが、ちょっと環境省が仕事を増えて嫌だと言うかもしれませんが、国としては、どこかでやっていただく必要があるんじゃないかと思って伺いました。

○穴澤委員 各省庁様がそれぞれルールをつくっていると思います。科学技術庁でルールを作っていたと思います。それから、実質的に一番重要なのは、大学の先生の場合は論文発表というのがありますし、もっと企業にとって重要なのは、特許というのがございます。こういうのは中身がなくなることはないですし、特に自分たちがつくったものについて、権利を主張したい場合には、きちんとそこの登録の段階で残ります。

 ですから、ちゃんと世に出て役に立つものに関してはきちんと残っているというふうに考えていいと思っております。

 ただ、これを残しなさいというルールがすべてにあるわけではなくて、事業者が事業者の都合でやっているという部分がありますので、それを法律で規制するかというと、全般的にカバーされた法律で規制するか、また別に議論が出てくるかもしれません。もしも、そこまでやっちゃうと、書類仕事の増加や機密保持など、非常にやりにくいようになる可能性もあるだろうというふうに思っています。

 ですから、この組換えのルールづくりも、もうリスクがないよと、大丈夫だよという実績が、どんどん蓄積されてくれば、だんだんルールも軽く薄めていくというのが重要で、世に役に立つ必要な情報だけを残していくことにしないと、情報はパンクするという時代になっていくということです。

○経済産業省(上村課長) 一般的な法体系、規制との関連で理解しておりますのは、まさにリスクなり、何らかの悪影響が安全面なり、生態系であるときに法律をつくらせてもらって、それによって、事業者さんの権利義務を縛って何か文書を残してくださいとか、その保存義務にもとる場合、あるいは、それに対して改善命令とか、何かを指導したときに問題がある場合に、さらに何らか対応させていただくということだと理解しています。

 したがいまして、ここでご論議いただいているように、SDN-1、SDN-2、SDN-3について、それぞれ技術的・科学的にどうか、それらについてリスクがあるのだとすれば、その程度を判断するためにはどういう材料が必要で、また役所側ではどういう観点から科学的にこれをチェックし得るのか、そのために必要なデータがあるのであれば、それをどのように求めていくのか、このような議論を科学的観点も踏まえつつ、国際的な動向も踏まえながら専門的なお立場でご検討いただければありがたいと考えております。それを踏まえて、行政側は必要なルールを考えていく、こういうことだと理解しております。

○磯崎委員長 そのほかの方で、この「その他」という項目の中に何が含まれているのかを少し明らかにしておいたほうが検討会は行動しやすいということですが、口頭での理解だけでいいか、「その他」のところに文章で明記する必要があるかどうかということについてですが。今までに出てきたポイントは、カルタヘナ法の対象外とされた技術や、それから作出される生物に何かリスクがあるのかどうかについて、そして、そのようなリスクがある場合に、あるいはリスクの判断のためにどのようなことが行われるべきであるのかについて科学的、技術的観点で検討してもらうという項目が一つです。もう一つは、SDN-2の場合であっても、ナチュラルオカレンスであるとか、法律の規則のもとで除外されているような技術と結果が同じようになる場合はどうするのか、あるいは実際、そういうことを考えなければいけないことが起きるのか、起きないのかというような項目が出ていると思うんですが、どうですか、事務局でまとめていますか。

○北橋室長 今日ご議論いただいたところですので、事務局でこれといって案としてはつくっていないんですけども、今、委員長にまとめていただきましたような形で紙になりますと、次の検討会のほうで話が進めやすいかなと。もちろん、この委員会議事録については、そのまま検討会のほうにも提供させていただきますけれども。

○磯崎委員長 その文案を固める必要がありますか。今、この場では難しいとすると、原案を事務局でつくっていただいて、委員に、要するに、その他で括弧のような形で、その他の中身を具体化、明確化するような文章案を後で出してもらうということで。

○北橋室長 承知いたしました。

○磯崎委員長 じゃあ、そんな形で。今のような形で、その他の中身をはっきりさせてということは、今日は時間的に難しいので、事務局案を回して、それぞれ確認をしていただく、あるいは、そこで修正していただくなどのプロセスをとりたいと思います。

 検討会が設置され、そして、検討会で検討していただく項目が大きく二つで、二つ目の項目については、今のように、もう少し中身を文章的に整理します。対象外のものについてどうしたらいいのかを技術的・科学的に検討し、同じく技術的・科学的に対象に含まれていることになるものについても、必要があれば検討するということです。この二つに限らず、今日、指摘があったような事柄を含めて検討会では、その他に含めて、必要があれば、当然議論してもいいわけですので、そのような形で検討会に検討を依頼するという、そういうことにしたいと思います。

 委員の方から、今日、全体を通じて何か追加で意見や何かございましたら。よろしいですか。

 それでは、ちょうど4時ですか。それでは、事務局へマイクをお返しいたします。

○堀上課長 遅れて参加をしました野生生物課長の堀上です

 本日は、長時間にわたりまして熱心なご議論をありがとうございました。

 カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会を立ち上げるということと、それから、カルタヘナ法におけるゲノム編集技術の整理の方向性について、ご議論をいただきましたので、これを技術的・科学的な観点から検討する検討会のほうで、さらに整理をしていただきたいと思います。

 先ほど、いただいた宿題も整理をして、またお諮りしますので、それを整理した上で検討会にかけるということで、今後、非常にタイトなスケジュールで検討会の委員の方には、大変ご面倒をおかけしますが、よろしくお願いしたいと思います。

 検討会の結果につきましては、また検討会の終了後、改めて、この委員会でご説明をしてご議論をいただくということになろうと思います。

 また、引き続きご指導、ご協力をいただければ大変ありがたいと思います。本日はありがとうございました。

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