中央環境審議会土壌農薬部会土壌制度専門委員会(第3回)議事録

1.日時   

平成27年9月24日(木)13:30~15:03

2.場所   

環境省 第2・3会議室

3.出席委員   

委員長  浅野 直人

委  員  岡田 光正     白石 寛明

臨時委員  浅見 真理     大塚  直

      谷口 靖彦     田村 洋子

      細見 正明     和気 洋子

専門委員  碓氷 辰男     梶原 泰裕

      駒井  武     高橋 晴樹

      丹野 紀子     寺浦 康子

(欠席は、小倉臨時委員、染臨時委員)

4.委員以外の出席者

 環境省

  早水大臣官房審議官、秦土壌環境課長、青竹土壌環境課課長補佐、

  市川土壌環境課係長、中村土壌環境課係長、福地土壌環境課係員

5.議題

 (1)1,4-ジオキサン及び塩化ビニルモノマーに係る土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について

 (2)その他

6.配付資料

  資料1   土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項について(第2次報告)(案)1,4-ジオキサン・塩化ビニルモノマー

  参考資料1 中央環境審議会土壌農薬部会の専門委員会の設置について

  参考資料2 土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について(諮問)

  参考資料3 土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて(第2次答申)(案)

〔1,4-ジオキサン塩化ビニルモノマー〕平成26年9月中央環境審議会

  参考資料4 塩化ビニルモノマーの土壌ガス調査に係る採取及び測定方法の確認試験について

7.議事

【秦課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから土壌制度専門委員会、第3回を開催させていただきます。委員の皆様方には、ご多忙中にもかかわらず、ご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日は、委員総数17名中15名のご出席ということでございまして、ただいま15名、既にお集まりをいただいておりますことをご報告いたします。

 本年2月に中央環境審議会の委員の改選がございまして、土壌制度専門委員会も改選がなされてから、初めての開催となります。新たにご所属いただくことになりました臨時委員、専門委員の皆様方を紹介させていただきます。

 まず、大阪府環境農林水産部環境管理室長の谷口靖彦臨時委員でございます。

 続きまして、東北大学大学院環境科学研究科教授の駒井武専門委員でございます。

 続きまして、エンデバー法律事務所弁護士の寺浦康子専門委員でございます。

 また、放送大学教授の岡田光正委員は、今期より土壌農薬部会長に就任をされております。

 なお、元上智大学大学院教授の中杉修身委員、佐藤泉法律事務所の佐藤泉臨時委員、川崎市環境局環境総合研究所の原美由紀専門委員は、前期まででご退任をいただいております。

 なお、委員長は引き続き、福岡大学名誉教授の浅野直人委員でございます。

 最後に、事務局ですが、昨年12月に開催した前回の委員会以降の異動により、私、秦が土壌環境課長となりましたので、よろしくお願いをいたします。

 では、議事に先立ちまして、環境省大臣官房審議官の早水よりご挨拶を申し上げます。

【早水審議官】 大臣官房審議官の早水でございます。土壌制度専門委員会第3回の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 委員の皆様方におかれましては、ご多用のところ、本委員会のご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。

 この専門委員会でございますが、平成25年10月に中央環境審議会におきまして、1,1-ジクロロエチレン等の6物質を対象として、土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についてという内容で諮問をいたしましたことを受けて、審議を進めていただいているところでございます。このうち、土壌汚染対策法に基づく特定有害物の見直し等の部分ということでございます。

 昨年12月にこの第2回の専門委員会を開催させていただいておりますけれども、そこでは1,4-ジオキサン、それから塩化ビニルモノマーの土壌環境基準の見直しに伴います土壌汚染対策法の制度運用の対応についてということでご審議をいただきまして、1,4-ジオキサンについては特定有害物質に追加せず、他方、塩化ビニルモノマーについては特定有害物質に追加する方向で検討を進めるとされたところでございます。

 また、前回の委員会でさらなる検討が必要とされた事項がございましたので、その後、事務局で検討を実施してまいったところでございます。

 本日の専門委員会では、それらの検討結果も踏まえまして、1,4-ジオキサン、それから塩化ビニルモノマーにつきまして、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関して必要な事項に関し、ご審議をいただきまして、できましたら第2次の報告案をこの今日の委員会でおまとめいただければありがたいと考えております。

 今日は忌憚のないご議論をお願いしたいということで、挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【秦課長】 それでは、まず、議事に入ります前に、本日の配付資料についてご確認をいただきたいと思います。お手元に議事次第、配付資料という一覧がございますけれども、まず、資料1でございますけれども、ちょっと厚目の第2次報告(案)というものでございます。これが本日の資料となります。それから、続きまして、参考資料1ということで、専門委員会の設置についてという一枚紙。それから次に参考資料2で、諮問文ですね。2枚の紙でございます。それから、参考資料3といたしまして、土壌環境基準小委員会の第2次答申ということで、少し厚目の資料がついております。それから、参考資料4が塩化ビニルモノマーのガス調査に係る確認試験についてという二枚紙がついてございます。もし、足りないものがございましたら、事務局までお申し出いただければと思いますが、よろしいでしょうか。

 それから、委員のお手元には、こういった黄色いファイルにとじた資料が置いてあるかと思います。こちらにつきましては、土壌汚染対策法の概要ですとか、あるいは法律の条文などをつけさせていただいております。適宜ご参照いただければと思います。なお、こちらの資料につきましては、今後も継続して使用していきたいと思っておりますので、会議が終わりましたら、机の上に残しておいていただければと考えております。

 また、土壌農薬部会運営規則に基づきまして、本会議及び資料は公開とさせていただきます。

 それでは、これより浅野委員長に議事進行をよろしくお願いいたします。

【浅野委員長】 それでは、これから議事に入りたいと思います。よろしくお願いいたします。

 本日、議題の内容ですが、1,4-ジオキサン、それから塩化ビニルモノマーと、この2つの物質について、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質に入れるかどうかということに関する取り扱いでございます。

 この2つの物資につきましては、土壌汚染に関する環境基準、それから土壌汚染対策法に基づく特定有害物質に入れるかどうかということについて、2点が諮問されております。このうち環境基準に関しては、昨年9月4日に開かれました土壌環境基準小委員会で第2次答申案がまとめられております。この答申案の内容については、本日、先ほど秦課長から説明がありましたように、参考資料3にあるとおりでございます。

 それから、この環境基準が変わりますと、これに基づいて、土壌汚染対策法上、それをどうするかということがまた問題になってくるわけでありますが、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しに関しては、この専門委員会で検討をする。専門委員会ですから、あくまでも専門的な見地からの検討をするわけですが、その結果を受けて、土壌農薬部会で、必ずしも学問的な専門分野でない一般の方々、企業の方々にもお加わりいただいて、議論をして、どうするかということを最終的に決定すると。こういうことになっているわけですね。

 昨年12月18日にこの土壌制度専門委員会が開かれまして、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の追加と、それから土壌汚染対策法の運用についてどうするかということについてのご議論をいただきました。

 方向性として、前回ご確認いただきましたのは、1,4-ジオキサンについては、後でまたご説明をいたしますが、どうもはかり方が難しい。それで合理的な規制がなかなかやりづらいということがあるので、この際、環境基準は決まったけれども、土壌汚染対策法としては対象にしないということが方向性としては確認されております。

 これに対して、塩化ビニルモノマーについては、特定有害物質に追加するということで検討を進めることになりました。ただ、塩化ビニルモノマーは副生物として出てくるというのがあるものですから、それが従来とちょっと違っていて、なかなか厄介だなということであったわけです。

 1,4-ジオキサンに関しては、有害物質に追加はしませんけれども、環境基準が何しろ決まっていますので、これ以上のものが土壌環境中にあっちゃいけないということは政策の方向としては示されておりますので、これを何とか維持すべく、運搬方法、処理方法についても特段の扱いをする必要があるでしょうし、それから技術的な助言という形で、実際には事業者の方々にこういうふうにやっていただければいいかなということをお願いするということが必要であろうから、その内容を検討しようということになりました。

 また、塩化ビニルモノマーについては、調査方法がなかなか難しいなとか、運搬、処理についてどうするのかとか、そのほか制度の運用の細かい点について考えなきゃいけないということで、引き続きの検討ということになりました。

 ですから、今申し上げたのは、そもそもこれをもう一回ガラガラポンで、指定物質にしろとか、そんなものを入れるのはだめだとかというような議論は、今日はもうやらないということですね。この蒸し返しはできませんということで、今言いましたような点についてご議論いただきましょうということでございます。

 事務局で検討を重ねてこられまして、今回、第2次報告案がまとまったということです。大変時間がかかってしまって、少々専門委員会としては気になる点があるんですが、この内容はなかなか難しいという問題と合わせて、もう1つ、ぜひ皆さんに知っておいていただかなきゃいけないんですが、環境省は非常に弱小で、人数も少なく予算もないのに、福島の問題を全部どっと全部抱え込んでいまして、みんな兼任、兼任でやっているんですね。ちょっと雨が降るとすぐ袋が流れ出したりして、大騒ぎになって。その間こちらの検討の作業が止まると。こういうような事の次第でございまして、何でも環境省に押しつけるというのはよくないと、今、別の検討会でみんなでほえているんですけども、現実はなかなかそうもいかないものですから、大変、秦さんもかわいそうなので、できるだけ皆さん、いじめないでください。痩せますから。ということで、よろしくお願いをしたいと思います。

 それでは、資料1についてのご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

【青竹課長補佐】 環境省土壌環境課の青竹です。私から資料に沿ってご説明をさせていただきたいと思います。

 まず、資料1をご覧ください。1ページ目から順にご説明をさせていただきたいと思います。先ほど浅野座長からもお話がございましたけれども、今回につきましては、一定の方向性が出ている上で、さらに検討を進めるべきというようなお話がございましたところを中心に、ご説明をさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、Ⅰ番の「はじめに」でございますけれども、こちらにつきましては、土壌汚染対策法の概要と検討の背景について記載をしております。こちらについては、前回よりもあまり大きな変更はないところでございますので、簡単にご説明をさせていただきます。

 まず、1番の土壌汚染対策法の概要ですけれども、(1)番のこれまでの指定基準等の設定の考え方ということで、要措置区域に係る基準として、汚染状態に関する基準と、健康被害が生じるおそれに関する基準が設定されております。この2つの基準に適合しないと認められる場合については、要措置区域に指定されて、汚染状態に関する基準にのみ適合しないというときは形質変更時要届出区域ということで区域に指定されると、そういう考え方で設定されているものでございます。

 汚染状態に関する基準についてでございますけれども、こちらについては、土壌溶出量の基準と土壌含有量の基準と、この2種類が定められておりまして、これらについては、第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)関係、第二種特定有害物質(重金属等)、それから第三種特定有害物質(農薬等)、これらについてそれぞれが定められているというような状態でございます。

 (3)番の調査契機でございますけれども、土壌汚染対策法上、調査契機は4つでございまして、有害物質使用特定施設が廃止された場合、それから一定規模以上の土地の形質変更の届け出があって土壌汚染のおそれがあると認めるとき、それから人の健康に係る被害が生じるおそれがある土地があると認められるとき。そして最後に自主的な調査ということで、4つの調査のきっかけということでございます。

 (4)番の土壌汚染状況調査でございますけれども、第一種特定有害物質につきましては、まず、土壌ガスを採取して調査をして、土壌ガスが検出された地点があるときは、土壌汚染が存在するおそれが最も多いと認められる地点でボーリング調査を行って、溶出量を測定するというような方法がとられております。

 (5)番の区域の指定等でございますけれども、これは先ほど説明したとおりでございまして、汚染状態に関する基準に適合しないと判断されて、かつ健康被害を生じるおそれに関する基準についても合致するという場合には要措置区域、片方の汚染状態のみというときは形質変更時要届出区域ということでございます。

 (6)番の搬出・処理等に関してですけれども、要措置区域等から土壌を搬出し移動させる場合については汚染の拡散をもたらす可能性があるので、事前の届け出が必要となっております。また、搬出先としましては、許可を有する処理施設へ処理の委託をしないといけないということになってございます。

 次に3ページでございますけれども、本検討の背景でございますが、こちらも先ほど冒頭にご説明をさせていただいておりますけれども、平成25年10月に6物質について諮問をさせていただいております。その辺りの資料が参考資料1と参考資料2でつけさせていただいております。

 さらに進みまして、平成26年9月8日の土壌環境基準承認会で、1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーの土壌環境基準の見直しについて審議が行われておりますので、その内容についても簡単にお伝えしておりまして、参考資料3として詳細についてはつけさせていただいております。

 4ページ目でございますけれども、こういった状況を踏まえまして、1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーについては、土壌汚染対策の制度運用等について検討を行う必要があるということになっている状況でございます。

 次に5ページ目の大きなⅡ番のところで、1,4-ジオキサンに係る土壌環境基準及び土壌汚染対策法に基づく汚染状態に係る基準の検討についてでございます。まず、1番目に土壌環境基準の見直しの経緯ということで、先ほどの答申案にも記載されている内容になるんですけれども、水道水質基準の検討状況や水質環境基準等の検討状況についてまとめております。

 6ページ目でございますけれども、これらの結果として、関連基準の設定状況を(3)のところで記載をしているところでございます。

 (4)の1,4-ジオキサンの土壌環境基準(溶出基準)についてということですが、何度も出てきて恐縮ですけれども、土壌環境基準としましては、7ページに記載のあるとおり、検液1Lにつき0.05mg以下であることということで、案が示されているところでございます。

 7ページ目の2番、ようやく土壌汚染対策法に関連してくるところですけれども、まず1,4-ジオキサンの使用実態や土壌汚染状況についてでございます。こちらは前回の専門委員会の際にも整理をしておりましたけれども、さらに情報を更新しておりますので、簡単にご説明をさせていただきます。

 1,4-ジオキサンの使用等の実態なんですけれども、まず、1,4-ジオキサンにつきましては、揮発性の物質で、水に溶けやすく、油にも溶けやすいという性質から、溶剤等として使われているということでございます。8ページ目に進みまして、さらに1,1,1-トリクロロエタンの安定剤として過去に使われていたというような状況でございます。

 現在の有害物質使用・製造特定事業場の関係なんですけれども、使用があるというふうに回答した特定事業場が426事業場、製造があると回答した特定事業場が41事業場というふうになっているところでございます。

 9ページ目でございます。1,4-ジオキサンによる汚染実態でございますけれども、これは前回も紹介させていただいたものになるんですけれども、環境省の調査によりますと、事業場2地点、産業廃棄物不法投棄地4地点で土壌溶出量が地下水環境基準の値を超過する事例が確認されているところでございます。

 次に、3番の1,4-ジオキサンの調査方法及び措置・運搬・処理方法についてでございますけれども、まず、現行の調査方法についてですが、1,4-ジオキサンはその性質上、土壌ガスとしては検出されないというような結果が出ています。

 それから、(2)番目の汚染の除去等の措置の適用性についてなんですけれども、こちらについても前回示させていただいておったんですけれども、10ページの表4にありますように、物によっては適用可能であるというふうに考えられ、一方、一部の物については適用が困難というようなことがわかってございます。

 次に(3)番の1,4-ジオキサンにより汚染された土壌に係る運搬及び処理方法の適用性についてでございます。こちらについては、前回から検討を進めまして、追記を行ってございます。まず、運搬については、フレキシブルコンテナやコンテナ、ドラム缶等、こういった運搬容器を用いて運搬することによって、飛散や地下浸透を防止することは可能であると考えられます。

 また、処理についてですけれども、現行の汚染土壌処理施設での処理の適用の可能性を検討した結果を表5として示しておりまして、第1種特定有害物質の許可を取得している処理施設のうち、こちらの表の中で、丸及び三角で示している処理方法であれば処理が可能というふうに考えられるものです。三角につきましては、処理を行う際の留意点について記載しているものでございまして、例えば洗浄処理ですとか、それから埋立処理施設などでは、排水処理設備を設けている施設の場合に限るとさせていただいております。

 これを踏まえた対応方針が4番でございますけれども、1,4-ジオキサンにつきましては、土壌ガス調査を適用しても、その特性から検出が困難であるため、効率的な調査が行えないということで、第一種特定有害物質と同等の合理的な対策は行うことが難しいという状況です。さらに、これまでの基準がなかったので、汚染実態が不明確な部分もございますので、当面は特定有害物質には指定せず、汚染実態の把握に努め、あわせて効率的かつ効果的な調査技術の開発を推進するとともに、合理的な土壌汚染調査手法が構築できた段階で、改めて特定有害物質への追加について検討することが適当であると考えられます。

 5番が技術的助言ということでございますけれども、この1,4-ジオキサンについて当面は法規制の対象外としますと、法に基づいて調査を求めるということはないことにはなりますが、一方で、土壌環境基準が設定されるということがございますので、土地所有者等が自主的な調査を実施して、その結果、不適合事例が見つかるということが考えられまして、そのときにその対策を講じたいといったような場面が想定されますので、こちらの技術的助言について検討を進めてまいりました。

 技術的助言の内容が33ページの別紙1にございます。具体的な技術的助言の内容をこちらに記載しているんですけれども、まず、測定の方法についてですけれども、1,4-ジオキサンの土壌からの溶出量の測定方法については、環境基準と同様の方法で測定することができます。

 めくっていただきまして、34ページでございますけれども、調査に関する事項ということですけれども、こちらは法対象外なので、調査を求めることはないということと、それから土壌ガスの測定によるスクリーニング調査が適用できないので、開発を今後行っていくということになっておりますということを記載した上で、一方で、その何らかの契機により採取された土壌については、先ほどの測定方法により土壌の汚染状態を把握することが可能であって、汚染の判断については土壌環境基準を用いることが可能であると考えられるということ。それから、ジオキサンについては水に混和することから、地下水の汚染を確認することが土壌汚染の把握に有効であるということを示していきたいというふうに考えております。

 3番の1,4-ジオキサンによる土壌環境基準不適合が確認された場合の対応でございますけれども、こちらについては、原則として、法の第一種特定有害物質への対応に準じて実施することが可能であると考えられております。

 あと、(1)番の地下水の飲用に係る注意喚起ですけれども、1,4-ジオキサンによる土壌環境基準不適合が確認された土地につきましては、まず、周囲の地下水汚染の有無を確認することが望ましく、もし飲用井戸が確認された場合には、使用者に飲用に係る注意を喚起する必要があると考えております。また、地下水汚染より人の健康にかかわる被害が生じ、又は生じるおそれがある場合には、水濁法に基づく地下水の水質の浄化に係る措置命令についても発出が可能であることに留意が必要であると考えられます。

 それから、(2)番目の汚染の対策に関する事項でございますけれども、適用可能だと考えられる対策については、表1のとおりでございまして、これは先ほど説明したとおりでございます。実際の対策に関しては、ほかの物質と同様に、人の暴露の可能性を踏まえて対策を行うべきであるというふうに考えられまして、地下水汚染の到達する可能性の高い範囲を目安とすべきであろうと考えられます。この場合の一定の距離の目安としましては、法の第一種特定有害物質に準じまして、概ね1,000mということが適当であると考えております。人への暴露の可能性があり、対策を講じた方が良いと判断された場合には、現に地下水汚染が生じていない場合については原則として地下水の水質の測定を実施し、汚染が生じている土地においてはその他の措置の実施を検討することが望ましいと考えられます。これらの方法のうち、地下水汚染の拡大の防止で、揚水施設による地下水汚染の拡大の防止等の排水を伴う対策を実施する場合には、排水処理施設を設置して、それぞれの排出先の排水基準に適合させるよう処理を行う必要があることに留意が必要であると考えております。

 それから、(3)番の土地の形質の変更時の留意事項でございますけれども、汚染が確認された場所で土地の形質の変更を行う場合、新たな地下水汚染を引き起こす可能性が考えられるため、そういったことが起こらないように、把握している範囲で適切な対応をとることが望ましいと考えられます。

 (4)番の運搬方法については、先ほどご説明したとおり、フレキシブルコンテナ等の方法で飛散等の防止をすることが望ましいということ。

 それから、36ページの(5)番の管理票の取扱いでございますが、管理票については、1,4-ジオキサンという欄は設けられないわけですけれども、備考欄に汚染状態を記載するなど、1,4-ジオキサンに係る事項がわかるように記載することが望ましいと考えられます。

 それから、(6)番の基準適合土壌の処理方法についてですけれども、これも先ほど説明したとおりの方法について記載をしてございます。これが37ページの表2のところに示してございます。

 (7)番の処理した後の土壌の浄化確認・記録でございますけれども、処理施設での浄化の確認については、1,4-ジオキサンについても実施することが望ましいということでございます。こちらについては、また記録についても行っていくことが望ましいということで、技術的助言としてはこのようなことを考えているところでございます。

 お戻りいただきまして、次に、13ページの塩化ビニルモノマーについてでございます。Ⅲ番の塩化ビニルモノマーに係る土壌環境基準及び土壌汚染対策法に基づく汚染状態に係る基準の検討についてでございます。

 1番の土壌環境基準の見直しの経緯については、先ほどと同様の構成としておりまして、水道水質基準の検討状況、水質環境基準等の検討状況について記載の上、14ページに(3)番として関連基準の設定状況としてまとめております。

 (4)番の塩化ビニルモノマーの環境基準についてですけれども、こちらも環境基準の基準値の案を15ページの表1で示しているというようなところでございます。

 2番目の塩化ビニルモノマーに係る土壌汚染対策法に基づく特定有害物質への追加その他法の運用等に関する方向性についてでございますけれども、塩化ビニルモノマーの使用等の実態について、前回に比べまして追記を行っております。塩化ビニルモノマーについては、ほぼ全量がポリ塩化ビニルや塩化ビニル系共重合樹脂の原料として使われているところでございまして、使用実態としてPRTRの集計結果を追記いたしました。具体的には、塩化ビニルモノマーの取扱いの届出があった事業所は化学工業が31事業所、石油製品・石炭製品製造業、倉庫業がそれぞれ1事業所でございました。

 それから、16ページの(2)番でございますけれども、塩化ビニルモノマーの挙動でございますが、都道府県の地下水測定計画に基づく測定結果及び自治体独自で実施している地下水の水質調査結果によると、塩化ビニルモノマーの指針値の超過事例のほとんどは嫌気性条件下でトリクロロエタン等の分解によって生成したものと考えられているという報告がございましたので、こちらについても追記をしてございます。

 それから、(3)番の塩化ビニルモノマーによる土壌汚染実態についてでございますけれども、こちらは以前のご報告から変更はございません。

 3番の塩化ビニルモノマーの調査方法及び措置・運搬・処理方法でございますけれども、まず、塩化ビニルモノマーの調査方法としましては、第一種特定有害物質と物性は同等であること、それから環境省が実施しました室内試験でカラムによる揮発特性試験で土壌から揮発することが確認されていることから、調査が可能であるというふうに考えてございます。また、土壌ガスの捕集方法のうち、減圧捕集瓶法・減圧捕集瓶を用いた食塩水置換法・捕集バッグ法・捕集濃縮管法の減衰は大きくないということが、これは前回のご報告の以降、確認をしたところでございます。

 それから、「土壌ガス調査に係る採取及び測定の方法を定める件」で定められている分析のほうの関係ですけれども、こちらについても前回以降確認をいたしまして、GC-PID、GC-FID、GC-ELCD及びGC-MSについては、塩化ビニルモノマーの定量下限値である0.1volppmを担保できることが確認されましたけれども、GC-ECDにつきましては、定量下限値を担保できないということがわかりましたので、適用不可というふうにしたいというふうに考えてございます。こちらについては表4にまとめているところでございますけれども、詳細なご報告につきましては、参考資料4のほうに示しておりますので、あわせてご参照いただければと思います。

 次に、18ページの(2)番の塩化ビニルモノマーによる汚染の除去等の措置の適用性についてでございますけれども、こちらについては前回のご報告以降、変更がございませんで、適用可能であるものもございますし適用が難しいものもあるというような状況でございます。

 次に、(3)番の塩化ビニルモノマーにより汚染された土壌に係る運搬及び処理方法の適用性についてですけれども、こちらについては一部追記を行ってございます。運搬につきましては、フレキシブルコンテナ等と同等以上の運搬容器を用いて運搬することにより、飛散や地下への浸透を防止することが可能であると考えられますし、処理の方法については、現行の処理施設での適用性について検討しておりまして、こちらについても先ほどと同様に、丸及び三角ということで処理方法について記載をしているところでございます。具体的には19ページの表6で整理をさせていただいてございます。

 次に、3番の塩化ビニルモノマーの対応方針についてですけれども、こちらについては変更なく、塩化ビニルモノマーにつきましては、汚染状況調査の実施や汚染の除去等の措置が適用可能であると考えられることを踏まえ、特定有害物質に追加することが適当ですと。その際に、物性から第一種特定有害物質に区分することが適当であり、土壌含有量基準を定めず、汚染状態に係る基準及び関連基準を以下のとおり設定することが適当だということでございます。具体的な基準値につきましては、次の20ページの表7として整理をさせていただいてございます。

 次に、(4)番の土壌ガス調査における定量下限値でございますけれども、こちらについては他の第一種特定有害物質と同様に、0.1volppmと考えてございます。

 次に、4番の塩化ビニルモノマーを土壌汚染対策法の特定有害物質へ追加する場合の法の制度の運用に関してですけれども、こちらについても、基本的な考え方については前回ご議論をいただいておりまして、塩化ビニルモノマーの特定有害物質への追加は、新規物質の追加となることから、土壌汚染状況調査の義務が発生した時点で調査対象とするか否かを判断することが適当であると考えられます。したがいまして、特定有害物質の塩化ビニルモノマーを追加した後に変更に基づく手続に新たに着手する場合は、規制対象となりますけれども、既に調査に着手している場合については、調査のやり直しを求めないということでございます。

 21ページの土壌汚染状況調査、具体的にどういった時点で対象とするかどうかということでございますけれども、まず、①番の法第3条関係としまして、有害物質使用法特定施設の廃止の届出時点で入っているか入っていないかということで決まるということでございます。ただし、法第3条第1項のただし書きに基づきまして、土壌汚染状況調査の実施の一時的免除を受けている土地につきましては、確認が取り消された時点で、塩化ビニルモノマーが特定有害物質に追加されていれば、調査の対象物質とすることが適当であると考えられます。

 次に22ページでございまして、②の法4条の関係でございますけれども、こちらにつきましては、形質変更の届出を受けて都道府県知事が調査命令を発出する時点で塩化ビニルモノマーが追加されていれば、調査義務が発生するということでございます。

 次に、23ページの③番の法5条でございますけれども、こちらについては、法5条の調査命令が発出される時点で決まるということでございます。既に調査命令が発出された土地で、塩化ビニルモノマーによる汚染により人の健康に係る被害が生ずるおそれがあるものとして政令で定める基準に該当する土地の場合は、塩化ビニルモノマーが特定有害物質に追加された後に、再度調査命令を発出することについても、できるということでございます。

 24ページでございます。④番の14条の自主的な申請でございますけれども、これは、申請がなされた時点で塩化ビニルモノマーが追加されているかどうかで判断するということでございます。

 それから、(2)番の区域の指定及び解除の関係でございますが、まず、既に土壌汚染状況調査の結果を報告済みである場合は、塩化ビニルモノマーに係る調査のやり直しは求めずに、区域指定の公示を行うことが適当であるというようなことでございます。塩化ビニルモノマーによる汚染が確認されていて、要措置区域の指定に係る、汚染土壌から特定有害物質が地下水に溶出した場合に地下水汚染が到達しうる距離を目安に、健康被害のおそれがあるかどうかを判断する場合につきましては、現行の第一種特定有害物質の値と同様に、概ね1,000mとすることが適当であるというふうに考えてございます。

 その後でございますが、土壌汚染状況調査については、全部又は一部の過程を省略して区域の指定をすることも可能となってございまして、そういった場合については、その指定を解除する際に、省略した調査の過程を改めて実施して、汚染状態を確認した上で、基準に適合しない汚染状態にある単位区画については汚染の除去等を行うということになっておるわけでございますけれども、塩化ビニルモノマーが追加された後にこういった調査を実施する場合については、塩化ビニルモノマーについても対象物質とすることが適当であると考えてございます。

 (3)番の指示措置についての変更はございませんで、既に指示措置をされているものについては、やり直しは求めないということでございます。

 (4)番の搬出に関しても変更はございませんけれども、塩化ビニルモノマーにより区域指定されているところから搬出される場合には、搬出届出書に塩化ビニルモノマーによる汚染状態を記載することが適当でございます。

 (5)番の運搬に関してですけれども、この他の第一種特定有害物質と同様に、フレキシブルコンテナ等で飛散等の防止をすることができます。それから、管理票を交付する場合につきましては、塩化ビニルモノマーの項目に汚染状態を記載することが適当で、塩化ビニルモノマーの項目が記載できるように管理票の様式を変更する必要がございます。

 (6)番の処理でございますけれども、塩化ビニルモノマーにより区域指定された土地から搬出された土壌を処理する場合には、塩化ビニルモノマーへの対応が必要となります。浄化等処理施設においては、全ての特定有害物質について基準適合であるということを確認する必要がございますので、塩化ビニルモノマーを含む全ての特定有害物質について、測定をしていくことになります。また、現在の処理施設では、塩化ビニルモノマーの対応の可否については審査されていませんので、改めて申請を行っていただきまして、塩化ビニルモノマーにより汚染された土壌の処理については、許可を持った処理施設で行うということになります。このために、施行日に適切に対応できるように事前に許可申請を受け付けることが適当であると考えてございます。

 ②番の処理に関する基準でございますけれども、公共用水域と下水道については、塩化ビニルモノマーの基準はございませんので、対象にはなりませんけれども、地下水の水質測定につきましては、地下水環境基準が設定されておりますので、対象とすることが適当であると考えております。

 27ページの待機有害物質の排出でございますけれども、処理施設につきましては、大気汚染防止法に基づく排出基準があるものについては許容限度の遵守義務と測定義務を設けてございます。一方、排出基準はないが環境基準や有害大気汚染物質に係る指針値があるものにつきまして、排出に係る許容限度はないのですが、今後、排出基準が設定される可能性があるものとして、1年に1回以上の測定義務を課してきております。

 しかしながら、許容限度を設定しない物質についての排出濃度の測定は、運転管理及び排出実態の把握のためのものであることから、測定の実施は望ましいものの、義務を課すことまでは必要ないというふうに考えております。このため、許容限度を設定しない物質につきましては、測定の実施の指導にとどめ、処理業の許可の申請時に、排出方法、処理方法及び測定方法を記載した書類の添付の義務を不要とすることが適当と考えてございます。こちらについては、少し検討が不十分なところもございまして、他法令との整合性を再度確認しつつ、方針としてはこちらの方向で行けないかというふうに考えてございますので、この点、ご議論をいただければというふうに思っております。

 塩化ビニルモノマーにつきましては、排出基準や環境基準はございませんので、有害大気汚染物質に係る指針値があるということを踏まえまして、その他の物質と同様に、許容限度を設定せずに、測定の実施を指導していくことが適当であると考えてございます。

 それから、汚染土壌処理施設の表示に関してでございますけれども、特定有害物資を、個別に記載するか、または塩化ビニルモノマーの処理ができる、もしくはできないということが明らかになるような表示とする必要がございまして、例としてこちらのほうに示しているとおりでございます。

 28ページの許可の手続きでございますけれども、塩化ビニルモノマーに係る汚染土壌を処理するための許可申請が必要で、塩化ビニルモノマーによる申請であるということがわかるような記載が必要でございます。許可証の交付についても、わかるような記載が必要でございます。

 許可証の書換え及び返納に関してなんですけれども、汚染土壌処理業者の方で、塩化ビニルモノマーの変更許可申請をしなくて、かつ現状の記載では塩化ビニルモノマーの処理が可能か否か判断ができないような場合については、許可書の記載の変更は必要であるというふうに考えておりまして、このために、書換え申請を都道府県知事に行うことが適当であるというふうに考えてございます。

 最後に、29ページでございますが、分解生成物としての塩化ビニルモノマーの取扱いでございます。こちらは前回以降大きな変更はないんですけれども、第一種特定有害物質については、土壌ガス調査で検出された特定有害物質についてのみ土壌溶出量調査を行い、基準不適合であった場合は区域指定を行い、対策を講じているというような状況でございます。

 一方で、塩化ビニルモノマーについては、水に浸っていない土壌中では土壌ガス調査で検出されますが、分解して生成する場合、水に浸っている土壌中では第一種特定有害物質のテトラクロロエチレン等から、微生物分解等により生成されるおそれのある物質でありまして、その場合には検出されにくいというような知見がございます。このため、分解して生成された塩化ビニルモノマーによる土壌汚染については、できるだけ見逃すことなく調査・措置が行われるようにしていくことが望ましいと考えられます。

 その際には、塩化ビニルモノマー以外にも分解性生物が特定有害物質である場合がございますので、他の分解生成物についても同様の記載をしていくとともに、調査の在り方のみならず、区域指定・指示措置も含めて、土壌汚染対策全般について分解生成物を考慮したものとなるようにしていることが望ましいということでございます。そのために、塩化ビニルモノマーだけでなく、全体として分解・生成に係る科学的知見の収集を行いつつ、より的確な土壌汚染対策の方法を整理して、分解生成物も考慮した合理的な対策スキームの確立を目指して検討を進めるべきと考えられています。

 最後に、31ページの施行の関係ですけれども、1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーについては、新規に規制対象等に追加される物質であることから、対応を求めるには一定の周知期間が必要であるということでございまして、1,4-ジオキサンについては、環境基準の公布時に技術的助言を自治体宛てに周知することが重要であるということで、技術的助言を周知するための期間が必要であると考えています。

 塩化ビニルモノマーについては、法の特定有害物質になりますので、適切な調査、対策及び処理が必要で、特に処理につきましては、施行日以降、汚染土壌の処理に支障を来さないようにするために、事前に許可申請を受け付け、許可申請に必要な処理可能であることを証明する実験結果等の収集や、許可申請に係る書類の審査等に一定の期間を設けることが非常に重要であると考えてございます。

 また、環境基準だけ先行して施行した場合には、取扱いに関して現場で混乱が生じるおそれがあることがございますので、同日に施行することが適当であると考えてございます。

 以上のことを踏まえ、両物質とも、準備期間として1年間の期間を設けることが適当であると考えてございます。

 Ⅴ番目の「おわりに」でございますけれども、このような報告書として、1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーについて取りまとめておりまして、今後は諮問された他の物質につきましても、より詳細かつ実態に即した人の健康保護の観点から科学的な知見に基づき、適切な制度・運用並びに測定方法、精度管理方法の検討を行うこととする必要があるということでございます。

 長くなって恐縮ですが、説明は以上です。

【浅野委員長】 それでは、ただいま第2次報告の案についてご説明いただきました。今日は内容のかなり異なったものが一緒に入っていますので、どこからでもご自由にというような議論をやっていますと、ちょっと混乱が起こるおそれがあります。そこで、あまり私の趣味ではないんですが、まず「はじめに」、それから2、3と順番にやっていきたいと思います。「おわりに」は特にないんですが。

 では、まず、「はじめに」という部分ですね。ご発言、ほかのほうについてのご発言をご希望の方は、しばらくお待ちいただいて、「はじめに」と書かれている1ページ~4ページまでに関して、何かご意見、ご質問がありましたらお出しください。ご発言をご希望の方は、名札を立てていただけるとわかりますので、お願いいたします。いかがでございましょうか。

 初めて委員になられた方、これまでの経過についても、わからなければ、どうぞご遠慮なくご質問をいただければと思います。いかがでございますか。

 よろしゅうございましょうか。私は気が短いので、発言がないと、すぐいいとみなすことにしているんですが、よろしいですか。

 それでは、この部分については特段、ご質問、ご意見はないということにさせていただきたいと思います。後で気がついたらというのは結構です。お出しください。

 では、次は2ですね。1,4-ジオキサンに関する検討ということで、5ページから始まって、12ページまでの部分でございます。いかがでございましょうか。特に問題なのは指導ですね。ということで、どのように助言、指導していくのかというところが前回からの積み残し部分になりますが、いかがでございますか。

 谷口委員、どうぞ。

【谷口委員】 まず、11ページなんですけども、1,4-ジオキサンに関する対応方針で、調査技術の開発を行うということなんですけども、この見通しがあるのかないのかというのをお伺いしておきたいなと思うんです。要は見通しのないものをいつまでも追いかけていっても仕方がないので、その辺を。それから、具体的にどのような調査方法の見通しがあるのか。その1点、質問ということでお聞かせいただければと思います。

 その次に、「改めて特定有害物質への追加について検討することが適当である。」という文章になっているんですけども、これは調査方法が確立できた暁に、また1から検討するということなんでしょうか。それよりも、当分の間は、技術的助言といいますか、行政指導で対応していくということなので、行政指導を根拠に行ったいろんな対策とか調査が、特定有害物質に追加された後、この法律の中でどううまく生かされるのかということをしっかり考えていく必要があると思うんですね。無駄にならないようにということだと思いますけど。そういうところをしっかり検討するということだと思いますので、何かそういうのを書き足せたらいいなというふうに思っています。

 それから、11ページの下で、自治体に相談があった場合に行政指導するということで、特定有害物質に将来追加されるということで、先ほど言いましたように、いろいろやったことが無駄にならないようにする必要があるということで、今の段階で、無駄にならないようにするためにしておくべきことがもしあるのであれば、そういうのを書き込んだらどうかなと思います。

 すなわち、例えば、各都道府県が指導していろんな対策をするんだけれども、そのことについて記録がしっかり残っていなければ、将来それがこうであったというふうにみなすことができないということにもなりかねないわけですので、その辺、記録をしっかりつけるというようなことをルール化したらどうかなというふうに思うんです。

 ですので、都道府県に対する施行通知の中に、そういう記録をしっかりつけましょうねとか、あるいは調査にしても、あるいは対策にしても、何か都道府県への報告というのが、様式が決まっていて、どこの府県でも同じような様式で中身が共通して公布されておると。そういうようなシステムというのもあってもいいんじゃないかなというふうに思います。

 今、申し上げたことは今できることで、将来、特定有害物質に追加されるときには、それを法律上やったというふうにみなすという規定をどこかに入れる必要があるんじゃないかなと思います。

 それで、つらつら昔のことを思い返してみますと、環境影響評価法の附則の第2条だった思いますけども、当時要項で行ったアセスを、アセス法で行ったというふうにうまく乗り換えの規定があったと思うんです。ああいうのはひとつ参考になるのかなというふうに思います。

 それから、12ページの上ですけれども、地下水汚染があった場合に、水濁法の第14条の3の措置命令で対応が可能とあるんですけれども、これは特定事業場だけじゃないかなと思うんです。どんな場合でも対応が可能というわけじゃないと思うんです。ですので、そういう場合もあるということだと思います。

 それから、もう1つは、法律上はこういうことなんだろうと思うんですけども、要は地下水汚染があって、土壌汚染がわからなくて都道府県に相談に来られたといったときに、こういう事情で特定有害物質にしていないわけですから、はかりなさいと、土壌をはかりなさいということは極めて困難なわけです。ということで、具体的に都道府県の窓口でどう対応すればいいのかというのが、もう一つ運用段階で問題かなというふうに思っていまして、できましたら、いろんなケースがあると思いますけども、そういうマニュアルみたいなものを環境省さんのほうで整理していくと。すぐにはできないかもわかりませんけれども、そういうようなことを行って、統一的な取り扱いが全国で行われるようになるように、ちょっと工夫していただければというふうに思います。

 以上です。

【浅野委員長】 ほかにございますか。

 どうぞ。

【碓氷委員】 不動産協会の碓氷でございます。1つ教えていただきたいんですけども、11ページでございます。先ほど谷口委員からもいろいろ話が出ました部分の、技術的助言についてでございますが、この中で、今まで土壌ガス調査をなかなか困難であるとか、という形でずらっと書いてあるんですけども、技術的助言につきましては、その土壌汚染を把握するための調査を求めることはないと。ただ、「土壌環境基準が設定されると土地所有者等が自主的な調査を実施し」と書いてありまして、この土地所有者というのは、例えばジオキサン等々を使用している製造、先ほどの426、それから製造の有無では41というふうに書いてありましたけども、そういう実際に使用している土地の例えば売買がされたときに、その土地に対しては自主的な調査を実施するというような考え方なのか、それともこのジオキサン自身が水に溶解して浸透していくという話になりますと、由来等々も考えられるんですけども、この「土地所有者等が自主的な調査を実施」という言葉が非常に気になるんです。この「土地所有者」というのはどういう人を指すのか、ちょっと教えていただければというふうに思います。

【浅野委員長】 ほかにございますか。

 では、二方からご質問がありました。後のほうのご質問なんですが、この「自主的な調査を実施し」というのは、実施しなさいと言っているんじゃなくて、仮にどなたかが実施されたときはということを言おうとしているのであって、特に、実施しなければならないというのは、全然、前提から否定されているわけですね。しかしながら、現実には調査をなさることがあるでしょうから、そこでもしわかったときは、こういうような手順でやればいいんだということを言っているだけなんですね。ですから、自主的調査のやり方がどうだこうだということは何も触れていないとご理解をいただければと思います。

 それから、谷口委員からのご質問の大前提の部分が実は問題でありまして、ここでこういう書き方をしてはあるんですけども、少なくとも前回までの専門家の議論の中では、当分はまず無理であろうと。つまり、これは今の、よっぽど何かとんでもない技術が開発されない限りは、まず無理だろうなという前提ででき上がっています。ですから、どこかの段階で、そう遠くない将来に、これが指定物質になる可能性がかなり高いということであれば、こういう書き方はしないんですよ。ですから、かなりの部分は谷口委員のご指摘の、運用上のいろんな書きぶりの中でアドバイスをするということはあるかもしれませんけども、多分、もともと前回の専門委員会での議論の流れから言うと、これが、経過措置的なものを今、谷口委員、考えておかなければならないという事態は起こらないという前提で、この文章ができ上がっているんですね。

 ということなんですが、事務局から改めてご説明をいただけますか。今の2点。どうぞ。

【青竹課長補佐】 まず、土壌ガス調査に関わる調査方法の研究開発でございますけれども、現状としましては、土壌ガス調査にかわるジオキサンのスクリーニング方法について、環境研究総合推進費によりまして研究を実施しているということでございます。こちらについては、研究期間としては3年間ということで取り組んでいるところでございまして、こちらについてはまだ着手したばかりということで、まだ見通しまでご紹介できるような段階にはなってございません。

 そういった状況を踏まえまして、技術的な助言としてどういったことを対策としてとるのがいいのかと、もしはかった場合に、測定された場合に、出てきた場合の対応について書かせていただいているところでございますけれども。そういう意味では、なかなかすぐに法律の中に入っていくというようなものではございませんので、当面の間、技術的な助言の中で対応をお願いしていきたいというようなことを考えてございます。

 確かに、この中でやった対策とか測定とかということがあれば、記録を残していただくということは重要ではないかというふうに考えております。その辺り、もう一度精査をしまして、少し記載が足りないようであれば、記録については追記したほうがいいかなというふうに思っているところでございます。

【浅野委員長】 よろしいでしょうか。今のご指摘は記録にはちゃんと残りますので、今後の運用上は参考になると思います。

 それから、地下水汚染云々と書いたのは、どういう文脈でこれが出てきたかというと、結局、この物質を扱うときに、本来土壌汚染として扱うのかな、地下水汚染のほうで扱うのかなという議論をかなり準備段階でやっているんです、専門家の間で。どうも今の法体系そのものが問題を含んでいるという認識がありまして、地下水になると、これは水濁法の世界に行ってしまう。土壌汚染になると土対法で、土壌環境課の仕事になると。だけど実際には両方がダブって出てくる現象が非常に多いのに、全く法的には統一的な扱いになっていないじゃないかと。

 だから、ここは何とか環境省として真面目に考えろというのが前部会長の遺言なんですけど。そういう文脈の中でこの話が出てきています。当面、自治体が、環境基準は決まっているんだけど、土対法上何もないものについて指導するときに、多分、物すごく困られるだろうなということもあって、それで水濁法で適応ができて浄化命令が出せるという場合には、当然そちらのほうが話があるので、そうすると、際限なく浄化を続けなきゃならないという負担と、もともと根っこのところから土壌のほうをきれいにするほうが楽なのかということは、多分、現実の場面では事業者におわかりいただけるだろうから、そのことがあるので、これはもう念のために書いておこうと、こういうことでこの文章が入ってきたという経緯がございます。よろしゅうございましょうか。

【谷口委員】 そういう経緯であれば、こういう文章はそういうことなんだろうという理解はしますけれども、ただ、そういう複雑な状況のもとで、結局、施行通知で何とかしようというところは、ちょっと短絡的なところがあるんじゃないかなと。とりあえずそうしましょうということなので、それを蒸し返すことはしませんけども、もうちょっとレベルの高いところで位置づけたほうがいいのではないかなと。例えば、要項なんて今の時代にできるかどうか知りませんけれども、全国的に統一した運用とかということを考えた場合には、そちらのほうがいいような気がしますけど。できるだけ統一した運用になるように、いろんな場面で事例集などをしっかりつくっていってもらうということじゃないかなと思います。よろしくお願いいたします。

【浅野委員長】 ありがとうございました。今の最後のご指摘は、先ほど事務局もそのとおりだというふうに答えておりますので、今後、考えていく。この報告書の文書については今、少し精査をしたいと、こういう事務局の説明がありましたが。いいですか。

 ここまでの部分で、ほかに何かご指摘、ご意見はございますか。よろしゅうございましょうか。

 それでは、次に塩化ビニルモノマーのほうに移りたいと思います。3でございますね。13ページから始まりまして、こちらのほうは、最後どこまででしたっけ、相当の分量ですね。この部分についてご質問ご意見があれば、どうぞお出しください。いかがでございましょうか。30ページまでになりますから、17ページぐらいありますか。いかがでございましょう。

 これは土対法上の対象物質として入れましょうということで、具体的な基準についてもこの報告には書かれていますね。前回の積み残し部分というのは、主に20ページ以下の法的な取り扱い上の問題点、どうすればいいのかという点ですね。これは前回やりました物質と同じような話なので、言ってみれば移行措置的な話ということになりますね。

 谷口委員、どうぞ。

【谷口委員】 そうしましたら、20ページの一番下なんですけども、塩化ビニルモノマーが追加されたということで、調査のやり直しを求めないということで、これはこのとおりかなと思っています。ところが、後ろのほうで、区域指定解除のところで、解除に向けて省略した調査をこれから実施する場合は、塩化ビニルモノマーもやるということですね。

 それから、もう1点は、認定調査についても、これから知事の認定を受ける場合には塩化ビニルモノマーをはかるということで、既に土壌汚染対策法の世界に入った土地について、これからの調査、済んだ調査はもう遡らないんですけども、これからの調査についてはやってくださいということで、環境を保全する立場からするとそのとおりだと思うんですけども、果たして、実際に、途中から塩化ビニルモノマーを追加するということですけど、これが法律とかの点で可能なのかどうか。ちょっと私、そこはわからないですけど、そこが気になっているということです。

 それから、もう1つは、これは22ページの上に書いてありますけど、例えばVOCによる汚染が過去にあって、掘削状況とか、あるいは鉄粉混合法で対策して、指定解除になった土地があるとしますね。それが、やがて形質変更するということで届出が出てきて、調査命令を出すか出さないかということになるわけですけども、そのときに過去にVOCによる汚染があって、だけどそのときは塩化ビニルモノマーははかっていないから、どうなのかというのがわからないということになっちゃうわけで、汚染のおそれがあるから調査命令をするという選択もあれば、掘削事業で全部のけているんだから、そこは問題なかろうというふうに思って、調査命令をかけないという選択もあると思うんですね。ここのところは非常にやっぱり取扱いが難しいと思いますので、何かその運用が全国的にでこぼこを生じないように、事例集など、整理をお願いしたいなというふうに思います。

 それから、もう1点は、特定有害物質への追加、それから基準の強化、それから基準の緩和、場合によっては特定有害物質から外れるというのもあるのかもわかりませんけども、3つのパターンがあって、今回の第2次報告においては、追加と、それから第1次は緩和でしたか、第1次報告。これからも同様のことが幾つか、物質、出てくると思うんですけども、今回初めてのケースですから、そういう点においては、将来追加とか強化とかということがあったときに、差し支えのないような中身にしておかないといけないと思うんです。具体的にどうすればいいのかというのは、まだわかっていないんですけども、今回はその将来のことも考えて、文章を考えないといけないなという気がしているということです。

 以上です。

【浅野委員長】 ほかにございますか。

 どうぞ、駒井委員。

【駒井委員】 30ページのところなんですが、塩化ビニルモノマーの、現実に地下水汚染で検出される例というのは、私、地下水汚染の調査を専門としていますので、一番やっぱり頻度が高いのが、嫌気環境でのトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンの分解生成物ですね。ですから、ここに書かれているのは、基本的にはこのとおりだと思うんですが、実は2つパターンがあって、1つは嫌気環境の、自然的な分解生成物という言い方と、もう1つはバイオレメディエーション、積極的な浄化活動に伴って塩化ビニルモノマーが残ってしまうという、多分2つのパターンがあると思うんですよね。

 ここでは、全体的に、「土壌汚染対策全般について分解生成物を考慮した」と書いていますので、決して間違いではないですが、もし可能であれば、「微生物浄化対策」とか、あるいは「バイオレメディエーション」という言葉を入れたほうがわかりやすいのかなと思います。逆にそれを入れると、バイオレメディエーションがやりにくくなるという可能性もあるんですが、ちょっとそこは何とも言えないんですが、現実にやっぱりバイレメの生成物として検出される例は、かなり頻度としては高いです。

 以上です。

【浅野委員長】 ありがとうございました。過去分が特に問題であるので、その意味では過去にやられているというときに注意しなきゃいけないということであれば、おっしゃることだろうと思いますね。今後の話はまた別問題で、今後はもうまとめてやらなきゃいけないのが当たり前ですからね。今後やりにくくなるかどうかということはあまり気にする必要はないかもしれませんので。ご指摘はそのとおりかなと思いますが、後でまた事務局に答えさせます。

 大塚委員、どうぞ。

【大塚委員】 先ほど谷口委員が聞かれたところは、法律的に重要なところだと思いますが、私の意見をちょっと申し上げさせていただきますと、水質汚濁防止法でも新しく項目というか物質が追加されてきていて、そのときの扱いは、遡及するという言い方も変ですけども、そのときから追加指定の規制をするということになるので、従来その物質を入れずに規制がなされてきたということを特に重視せずに、新しい物質についても規制するということになっております。

 土壌汚染の場合も、土壌汚染対策法が制定されたときに、従来、土壌汚染対策法制定前にはもちろん何の物質も規制されていなかったわけですけども、過去に汚染されていたというものに関しても対象にしたということがありまして、これは同一法に不真正の遡及という形で扱ってきました。つまり、化学物質の科学的な知見が充実してきたので、新しく対応する必要があってできたということなので、本当の意味の遡及ではなくて不真正の遡及であるということで、規制の対象にするという考え方でございます。

 今般の基準の、というか新しく特定有害物質ができたことに関しての対応としては、原則に従えが遡及も全くできないわけではないと。不真正遡及ということであれば、遡及もできないわけじゃないのですが、それだと事業者さんとか土壌処理者さんの負担があまりにも大きいということがございまして、比例原則の観点と、さらに行政の信義則の観点から、つまり、今までこれでやってくださいというふうに命令等もしたり、いろんなことをしているわけですけども、それをやった上に、さらに後でまたやり直しをするのかということになると、行政に対する信頼は全く失われることになりかねないものですから、その観点から、従来、既に措置をとってきたり調査をしていただいたりしている場合には、そのところを尊重して、新しくやることはお願いしないという、基本的にそういう発想で考えられているということだと思います。

 先ほど、ご説明は全てそれに沿って検討されているということだと思いますが、ですので、新しく、既に塩化ビニルモノマーがない状態で調査とかが進んできていたり措置がなされてきている場合でも、新しい行為をする場合には、行政の信義則の問題は働きませんので、原則に戻って対応していただくと。塩化ビニルモノマーに関しても対応していただくという整理になりますので、その整理で先ほどのご説明は全て説明がつきますので、そのようにお考えいただければよろしいかと思います。

 以上です。

【浅野委員長】 ありがとうございました。

 ほかにいかがでございましょうか。

 丹野委員、どうぞ。

【丹野委員】 すみません。東京都の丹野でございます。1点ちょっと確認なんですけども、結局、分解生成物としての塩ビモノマーの扱いなんですが、例えばガス調査で親物質、トリクロロエチレンですとかテトラクロロエチレンが出た場合は、もう出た場合で、塩ビモノマーが出ていない場合は、そのままでいいと。従来どおり、分解生成物についてのボーリング調査はやらなくてもいいということでよろしいんですよね。

 ちょっと一時期、親物質がガス調査で出た場合は、場合によっては有無を言わさず、ボーリング調査でも、塩化ビニルモノマーもはかるような話が若干出ていたように思うんですけど、それは全くないということで。

 あと、先ほど谷口委員のほうからもあったんですけども、今、大塚先生からもご説明いただいたんですが、結局、調査省略で指定したところについて、改めて調査をし直した場合、その施行と、その調査をした時点というのは、事業場申請のときも申請の時点での調査結果ということになっていたじゃないですか。調査を始めた時点と法の施行との関係というのは、どういうふうに整理すればよろしいんでしょうか。これはもう事業者の方からの申請。

【浅野委員長】 要するに、調査をしないで指定をするというのは、もともと法に基づく調査はなくても、自主的に調査が行われて、そこは汚れているということがわかっているから、そこでもういいやというので調査を省略して指定するわけでしょ。だから要するに、そこは、言ってみれば汚れているとみなしているわけですよね。

【丹野委員】 そうです、そうです。

【浅野委員長】 ということで指定をしていて、本当に汚れていないかもしれないけど、とにかく汚れているとみなして指定をするわけですね。ですから、それを解除するときには、やっぱりちゃんと汚れているかどうかの確認をしないと解除ができないわけでしょ。

 指定の段階では指定物質じゃなくても、解除の段階で指定物質になっている物があれば。

【丹野委員】 解除の申請をした時点で法が施行。

【浅野委員長】 施行されていて、指定物質になっていれば、その段階で指定されたものは全部取り扱わざるを得ないと、さっき大塚委員が説明したように。

【丹野委員】 じゃあ、施行の前までに申請がしていれば、もう塩ビモノマーはいいと。

【浅野委員長】 もうそれは別でしょう、ということになると。

【丹野委員】 同じ考え方ということですね。わかりました。その辺り、やはり事業者の方への周知期間というのはかなり必要かなとも思いますので。

【浅野委員長】 はい。そういうことですね。

 ほかにございますか。

 それでは、大塚委員から少しご説明もありましたが、事務局からお答えがあれば、どうぞ。

【青竹課長補佐】 まず、調査の関係で谷口委員からご指摘をいただいた話については、もう大塚委員にご説明をしていただいたところでございますけれども、基本的に、新たな調査の契機がある場合については、塩化ビニルモノマーを追加した結果とともにご報告をいただいて、その後の対応をとるというようなことでございまして、こちらについては、先ほど丹野委員のほうからご指摘を受けたところについても同様の整理でございます。

 それから、過去に汚染があったところ、親物質になるような物について汚染があって、それが一旦解除されたところについて、さらに何らかの調査の契機があるという場合の取り扱いについてでございますけれども、こちらについては、なかなか一概に整理するのは難しいのかなというふうに思っておりまして、その場所でどういった措置が行われたのかといったところについても、場所、場所で異なっているということもございますし、また土壌の性状等も場所によって異なっているので、どういった状況で分解が進んでいるかといったこともわからないような状態でございますので、なかなか一律に整理をすることは難しいと思いますけれども、事例集の整理についてご要望いただいたところでございますので、検討してまいりたいと思います。

 それから、駒井委員からご指摘のあったバイオレメディエーションの関係ですけれども、ちょっと説明は飛ばしてしまったんですけれども、30ページの(2)番のところで、分解生成物も考慮したより的確かつ法的な対策スキームの検討のところで、下から4行目なんですが、「原位置浄化が行われる場合には、帯水層中での分解・生成により、塩化ビニルモノマー等の分解生成物が生じることが予想される」というようなことを書いてございまして、すなわち浄化等の措置によっても生まれると。自然なものだけではなくて、分解があるというようなことについての記載をしているところでございます。

 以上でございます。

【浅野委員長】 よろしいでしょうか。もともと、さっきの22ページに関して、今、事務局のお話もあったとおりなんですが、一義的には扱いにくいのは谷口委員ご指摘のとおりだろうと思うんですね。ですから、どういう場合にどうなるのかということが自治体でばらばらにならないようにというのは、大事なご指摘だと思いますので、ここは運用上しっかり考えていただくことになるだろうと思います。

 何よりも前歴の調査が一番重要でしょうね。それが出る可能性が全くない前歴の場合と。それから、ある場合と。それから、既に副次的に生じる物質がもともと存在したような場合と、いろんなケースがあって。なおかつ今度はどういう対策だったかと。その組み合わせの中でマトリックスができてきて、この場合はやるべきだ、この場合はやらなくていいんだというのを割合、単純に図式化できるような気もするんですが、あまり単純過ぎますかね。

【谷口委員】 いやいや、今、先生がおっしゃったぐらいの場合分けだと思います。

 実は大阪で、VOCによる土壌汚染があって、鉄粉混合法で処理を、ついこの前、もう2年、3年前になりますけど、したんです。そういったところが、また過去のことがあって調査命令ということになると、その方は大枚のお金を注いで対策していて、これ、またかと。環境部局、信頼が全くゼロになっちゃいますので、できるだけすくえるものはすくってやりたいなという、そういう思いから申し上げたわけです。

【浅野委員長】 事務局は多分理解できているだろうと思います。

 ほかに何か、ご質問、ご意見はございますか。よろしゅうございましょうか。

 どうぞ、丹野委員。

【丹野委員】 地下水の2年間モニタリングの件なんですけども、こちら、2年間モニタリングの途中の現場についても、そのまま物質は加えなくてもいいということでよろしいですか。もう1回目が始まっているところについては、そのまま2年間というか、モニタリング。わかりました。すみません。

【浅野委員長】 それでは、よろしゅうございましょうか。

 では、最後の論点になりますが、4ですね。施行についてということで、準備期間を置かなければならないということですね。これについての事務局の考え方がここに記されておりますが、31ページについて、何か特にご意見はございませんでしょうか。

 つまり、施行については、環境基準とこの規制と同時に施行するべきであろう。しかし、処理施設の届け出については事前に受けざるを得ませんので、施行が2段階になるということですね。そういう形でやらざるを得ないだろうという、そういう事務局案でございますが、いかがでございましょう。

 行政実務上も、これだったらそんなに問題ないですね、丹野さん。即日、施設については受け付けますと。基準そのものが環境基準ともども動くのは1年後ですと、こういうことです。1年で準備ができるかどうかの問題はあるんですが。

【丹野委員】 処理業の許可のほうは公布と同時に施行になって、実際の規制、土対法の規制は1年。

【浅野委員長】 ということです。

【丹野委員】 ということは、各自治体などで独自に定めている要項など、処理業の許可に付随して定めている要綱なども、それにあわせて改正しておかないと、ちょっと厳しいですね。ですので、半年程度の期間を設けて、予告などをしていただいたほうがよろしいかなと。

【浅野委員長】 これでは1年ですね。1年間置こうと。

【丹野委員】 でも、業の許可のほうの。

【浅野委員長】 それはだから公布と同時に直ちにやるんですけどね。

【丹野委員】 ですよね。そうすると、そこまでに各自治体で独自に設けている要綱などについても、あわせて改正しておかなければいけないんですよね。同日施行に合わせて。

【浅野委員長】 法律のほうは決まっちゃったら、独自の要項はそこでもう切れませんか。だめですか。

【丹野委員】 いや、別途ミニアセスをかけていたりとか、そういったものがありますので、その中に項目追加指定とか、そういった。半年の場合は、そうですね。

【浅野委員長】 わかりました。その辺のところはもう少しよく調べて。

【丹野委員】 そうですね。それはちょっと事務的な話なので。わかりました。

【浅野委員長】 はい、わかりました。すみません、何か。こっちだけで話をしていますけど。しゃべっているほうはわかっているつもりなんですが。すみません。

 ほかに何かございますか。よろしゅうございましょうか。

 それでは、本日いただきましたご意見によって、少し修文をしなきゃいけない部分があると思いますが、この部分については私にご一任をいただけますでしょうか。その上で、これはパブコメにかけることになるんですね。

【早水審議官】 事務局から1点だけ、形式的なことを1つ気づきましたが、Ⅱ章とⅢ章の題名に、「土壌環境基準及び土対法に基づく汚染状況に係る基準検討について」という題名になっていますが、確かに記載の中には土壌環境基準の見直しの経緯は入っておりますけれども、この委員会としてご相談しているのは、その部分はある意味で前段になりますので、Ⅱ章とⅢ章のタイトルは、やはり土壌汚染対策法に基づく汚染状況にかかる基準検討ということになると思いますので、その「土壌環境基準及び」の部分は削除したほうがいいかなと思います。

【浅野委員長】 わかりました。確かにこの専門委員会の役割としては、土壌環境基準を決める役割はありませんので、おっしゃるとおりだと思います。

 それから、もう1つ、先ほど事務局が説明はもやもやとやったんですが、27ページのところの真ん中辺りの「しかしながら」からのところに、許容基準を設定していない物質について、測定義務づけが行われるかどうかということについて、やや否定的なことがここに書かれていて、報告書の中にもそのように書いてあるわけですが、これは他の法令で類似の案件があるということがわかりましたので、ここでこれを言ってしまうと、他の法令のほうに響いてしまいますから、ちょっと調整が必要ですので、ここは少し検討させていただきます。これも含めて、私にご一任くださいますか。よろしゅうございましょうか。

(はい)

【浅野委員長】 ありがとうございました。それでは、調整をした上で、早急にパブリックコメントにかけたいと思います。パブコメがまとまりました段階で、それに対する回答についてはまた再度事務局につくっていただきまして、それをもとに部会に対する報告をしたいと思います。もしパブコメをやりまして、かなり大きな修正をしなければならないというような結論が出てまいりました場合には、再度、お手数でも、この専門委員会を部会に先立って開くということにしたいと思いますが、もしそうでない場合には、お任せいただきましたので、部会に次は報告をするというような進め方にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、事務局から、詳細については説明いただきます。

【秦課長】 本日はありがとうございました。今後、ご指摘のあった部分について修正いたしまして、委員長にもご確認いただきます。また、形式的な部分を含めまして再度チェックをいたしまして、報告案を取りまとめ、パブリックコメントの手続にかけることとさせていただきます。

 パブコメ期間の終了後、先ほど先生からもお話があったように、事務局にて回答の原案を作成いたしまして、委員長にご確認をいただくことにいたしたいと思います。なお、委員長からご発言にございましたように、再度専門委員会を開催するかどうかは、またパブリックコメントの意見を踏まえまして委員長にご案内いただきたいと思っております。その後、土壌農薬部会におきまして、パブリックコメント後の専門委員会報告につきまして、浅野委員長よりご報告いただく予定といたしております。

【浅野委員長】 それでは、よろしいでしょうか。

 それから、先ほど谷口委員からご発言がありましたが、我々の仕事はまだ完全に終わっているわけじゃなくて、今日のは追加なんですけども、前は緩和というのがあったんですね。追加がありまして、今度は基準強化というのがまだあるものですから、今までに既に指定して物資としては入れていたけども、環境基準が厳しくなったので、基準が変わって厳しくなってしまうという場合が出てくるんです。これが一番厄介でありまして、とりわけこれまでに対策を立ててくださっていた土壌について、新しい厳しい基準でもう一遍やっていただくことになるかどうかと、厄介な問題がございます。これは引き続きまた、この専門委員会にお諮りすることになりますので、よろしくお願いいたします。

 今日の段階まででは追加のお話とそれから緩和の話ということで、先のことは谷口委員からご指摘、ご心配いただきましたが、それなりに考えて文章はつくっておりますので、次に出てくるときはどうするかということが出てくると、本当に遡及ができないというような問題が出てきたときに、大変厄介な問題が出てきますけども、大体今までの流れの中で、先ほど大塚委員が説明されたような、不真正遡及という考え方をどこまで取り入れるかというような議論になってくるのだろうと思いますが。もうしばらく準備の辺りにお時間をいただきたいと思います。

 ほかに、特に何かございますか。

 どうぞ。

【細見委員】 確認ですけど、谷口委員からいろいろご指摘いただいたことに関して、事例集をこれからつくっていくということで、それはもう確認がとれたということでよろしいでしょうか。特に、例えば1,4-ジオキサンについては、やっぱり地下水汚染があって、その後どうするのかということに関しては、かなり多分、各自治体の対応がさまざまと予想されるので、それなりの事例集というんでしょうか、その土地の対応の仕方みたいなものが、ある程度明示されているほうが、今後の、でこぼこのないというか、各全国での統一的な対応がとれるのかと。それから塩化ビニルモノマーについても、先ほど、浄化した後の問題等について、事例集をつくっていただく方向で検討していただくということでよろしいでしょうか。確認です。

【秦課長】 はい、そういう方向で考えたいと思います。

【浅野委員長】 ということでございます。よろしくお願いいたします。

 ほかにございますか。よろしゅうございますか。

 それでは、予定の時間より少し早うございますが、本日はこれで終わらせたいと思います。ありがとうございました。

【秦課長】 皆さん、大変ご多用の中、ご出席いただき、またご審議をいただきまして、誠にありがとうございました。

 本日の議事録につきましては、事務局にて案を作成し、後日お送りをさせていただきます。ご発言の内容につきましてご確認いただいた後に、公表してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 では、以上をもちまして、本日の第3回土壌農薬部会土壌制度専門委員会を閉会とさせていただきます。ありがとうございました。