中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第45回)議事録
日時
平成27年5月26日(火)14:00~15:25
場所
中央合同庁舎5号館 環境省第1会議室
出席委員
委員
白石 寛明(委員長)
臨時委員
浅見 真理
天野 昭子
染 英昭
田村 洋子
築地 邦晃
根岸 寛光
林 岳彦
山本 廣基
吉田 緑
専門委員
浅野 哲
稲生 圭哉
内田又左衞門
五箇 公一
山本 裕史
(欠席は、細見臨時委員)
委員以外の出席者
環境省
川名室長、渡邉室長補佐、林室長補佐、岡野室長補佐、岡係長、松田主査
オブザーバー
農林水産省消費・安全局 農産安全管理課 農薬対策室
独立行政法人農林水産消費安全技術センター
国立研究開発法人国立環境研究所
議題
- (1)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
- (2)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
- (3)その他
配付資料
資料1 中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第44回)議事録(案)
資料3 諮問書(写)及び付議書(写)
資料4 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料5 水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)
資料6 水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について(微生物農薬)(案)
資料7 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値(案)に対する意見募集の実施結果について(案)
資料8 水質汚濁に係る農薬登録保留基準値(案)に対する意見募集の実施結果について(案)
参考資料1 中央環境審議会関係法令等
参考資料2 中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第44回)議事要旨
参考資料3 農薬評価書アシュラム(食品安全委員会資料)
参考資料4 農薬評価書キザロホップエチル(食品安全委員会資料)
参考資料5 農薬評価書トルプロカルブ(食品安全委員会資料)
参考資料6 農薬評価書フルチアセットメチル(食品安全委員会資料)
参考資料7 農薬評価書ベンジルアデニン(食品安全委員会資料)
参考資料8 農薬評価書マンデストロビン(食品安全委員会資料)
参考資料9 独立行政法人農林水産消費安全技術センター微生物農薬検討会資料(委員限り)
議事
【川名室長】 皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
定刻となりましたので、ただいまから第45回土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきたいと思います。
私は、今年の4月1日付で、前任の更田にかわりまして、農薬環境管理室長に着任いたしました川名と申します。よろしくお願い申し上げます。
それと、農薬小委員会の委員の先生に交代がございましたので、まず、ご紹介させていただきたいと思います。
前回の農薬小委員会で森田委員がご退任されまして、新しく、徳島大学の山本裕史委員にご参画いただいております。
まずは、山本委員から一言ご挨拶いただければと思います。
【山本専門委員】 徳島大学の山本でございます。よろしくお願いいたします。
【川名室長】 ありがとうございます。
それでは、本日の委員のご出席の状況をご報告させていただきます。
本日は、細見委員よりご欠席とのご連絡をいただいておりますが、小委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告させていただきます。
【林室長補佐】 それでは、続きまして、本日の配付資料につきましてご確認いただきたいと思います。
お手元に配付資料一覧がございますので、議事次第と一緒になっているA4の1枚紙ですね。こちらをご覧いただければと思います。
資料につきましては1~8まで、参考資料につきましては1~9までとなっております。
資料が大部となりましたため、資料2の前回の農薬小委員会の議事録、参考資料1の中央環境審議会に関係する法令についての資料、参考資料3~8の食品安全委員会の農薬評価書、参考資料9の農林水産消費安全技術センター微生物農薬検討会資料は、お手元のパソコンに電子媒体としてご用意をさせていただきました。
参考資料9は委員限りの資料ですので、委員の方のパソコンにのみ入ってございます。
資料の過不足やパソコンのトラブルなどがございましたら、審議の途中でも結構でございますので、事務局までお申しつけいただければと思います。
なお、オブザーバー及び傍聴者の方々につきましては、お近くの席にファイルにつづったものをご用意しておりますので、そちらをご参照いただければと思います。
また、委員の皆様方のお手元には、ピンク色のファイルにとじた資料が置いております。こちらは、検討会におきます過去の審議で整理いたしました考え方などをまとめたものでございます。適宜ご参照いただければと思います。
なお、こちらは適宜差しかえを行っておりますので、会議が終わりましたら机の上にそのまま残しておいていただければと思います。
【川名室長】 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
これからの進行は、白石委員長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 それでは、進めさせていただきます。
本日は、皆様ご多用のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。
本日の農薬小委員会は、議事次第にございますように、主に三つの議題に関する審議が予定されております。慎重かつ活発なご審議をお願いいたします。
議事に入る前に、委員長代理について指名させていただければと思います。
小委員会の設置についての土壌農薬部会決定では、委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名する委員、臨時委員、または専門委員がその職務を代理するとあります。
私からは、五箇委員を指名させていただけたらと思いますけど、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 では、五箇委員よろしくお願いいたします。
土壌農薬部会の岡田部会長には、事前にご相談しておりますので、あわせてご報告させていただきます。
それでは、本日の議事と資料の公開について、ご説明いたします。
本日の農薬小委員会は、土壌農薬部会の運営方針の非公開とする理由にはあたらないということから、公開とさせていただきます。
資料につきましては、参考資料9は「委員限り」とさせていただいておりますので、参考資料9以外を公開とさせていただきます。
さて、議事に先立ち、前回2月26日に開催した第44回農薬小委員会の議事要旨及び議事録をご確認いただきます。
事務局より説明をお願いいたします。
【林室長補佐】 まず、参考資料1をご覧ください。
議事要旨についてですけれども、土壌農薬部会の運営方針では、委員長にご了解をいただければ公開できることとなっております。
既にこの内容で委員長にご了解いただきまして、環境省HPで公開をしておりますのでご報告をいたします。
続きまして、資料2の議事録についてです。こちらは事前にメールで各委員にご確認をいただきまして、ご指摘ありましたら修正をしたものでございます。
説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
ご意見はございますでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 特段ご意見がないようでしたらば、議事録について、ご了解されたものとさせていただきます。
なお、議事録につきましても、土壌農薬部会の運営方針に基づき公開いたします。
それでは、議事に入りますが、初めに農薬小委員会の決議の取り扱いについて、ご説明させていただきます。
小委員会の設置についての土壌農薬部会決定では、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て土壌農薬部会の決議とすることができるとなっております。
したがいまして、この農薬小委員会で決定いただきましたら、土壌農薬部会の岡田部会長の同意をいただいた上で、部会としての決定としていくことになります。
それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
事務局から諮問書をご紹介してください。
【岡係長】 資料3をご覧ください。こちらが諮問書・付議書となってございます。
まず諮問ですが、平成27年4月21日付で環境大臣から中央審議会会長に諮問されてございます。
それでは、1ページめくっていただきまして、2ページ目が別紙1となっておりまして、こちらが、告示第3号の環境大臣が定める基準であります水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準につきまして、ご審議していただきたい農薬でございます。
今回、5農薬が記載されておりますが、2番目のジベレリン以外の4農薬につきまして、ご審議していただきたいと考えてございます。
続きまして、3ページ目が別紙2となっておりまして、こちらが告示第4号の環境大臣が定める基準であります水質汚濁に係る農薬登録保留基準につきまして、ご議論いただきたい農薬でございます。
今回、6農薬記載されておりまして、全てご審議していただきたいと考えてございます。
4ページ目が付議書となってございまして、平成27年4月21日付で、土壌農薬部会に付議されてございます。
説明は以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
それでは、議事(1)水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
この件につきましては、農薬小委員会に先立ち、水産動植物登録保留基準設定検討会において基準値設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や、公表文献情報について精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等を設定し、基準値案を策定していただいております。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
【岡係長】 それでは、資料4をご覧ください。水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準値案に関する資料でございます。
こちらにつきましては、先ほど白石委員長からご説明いただきましたとおり、水産動植物登録保留基準設定検討会で一度ご議論いただいておりますので、今回の農薬小委員会では、作用機構等と総合評価を重点的にご説明させていただきまして、その後、水産検討会でどのような指摘・審議が行われたかについてご紹介させていただければと思います。
【林室長補佐】 それでは、1剤目からご説明いたします。
資料4の1ページ目をご覧ください。イソフェタミドでございます。
物質概要は表に記載のとおりでございます。
2ポツの作用機構等ですが、本剤は、チオフェンカルボキサミド構造を持つ殺菌剤でございまして、その作用機構は、植物病原菌のミトコンドリアの呼吸鎖電子伝達系複合体Ⅱの酵素活性阻害でありまして、胞子発芽等を阻害することで発病を阻害するものでございます。
本邦では、未登録です。
製剤は水和剤が、適用農作物等は、果樹、野菜、豆として、登録申請されてございます。
各種物性は、表に記載のとおりでございます。
続きまして、2ページ目、水産動植物への毒性でございます。
本剤は、コイ、オオミジンコ、緑藻を用いた試験が実施されておりまして、その条件及び結果は、2ページ目の表1~3ページ目の表3のとおりでございます。
続きまして、4ページ目の水産動植物被害予測濃度でございます。
本剤は、水田使用農薬ということで、表4に示します使用方法及びパラメーターを用いまして算出いたしましたところ、水産PECとして0.026μg/Lとなってございます。
続いて、5ページ目、総合評価でございます。
各生物種のLC50、EC50は、魚類につきましては、コイ急性毒性試験結果より、96hLC50が6,900μg/L超、甲殻類等につきましては、オオミジンコ急性遊泳阻害試験結果より48hEC50が4,700μg/L、藻類につきましては、緑藻生長阻害試験結果より72hErC50が4,400μg/L超となってございまして、これらより急性影響濃度を算出いたしまして、最小の甲殻類等の急性影響濃度を用いまして登録保留基準値案としまして470μg/Lをご提案させていただきます。
リスク評価でございます。
水産PECは、0.026μg/Lでございまして、登録保留基準値案の470μg/Lを超えていないことを確認しております。
本剤は、平成27年3月13日に開催されました、平成26年度水産動植物登録保留基準設定検討会(第6回)でご議論いただきました。
3ページ目にございますミジンコの試験につきまして、今現在、設定濃度のところには、飽和溶液含有率%と書いてございますけれども、検討会のときには、試験液含有率%としていたのですけれども、意味としては、この飽和溶液含有率%というご指摘を賜りましたので、このように修正をいたしております。
そうしたご議論を経まして、登録保留基準値案が認められたところでございます。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 それでは、1剤ずつ進めてまいります。
ただいまのイソフェタミドにつきまして、ご意見、ご質問等ございましたらお願いいたします。
チオフェンカルボキサミド構造を持つミトコンドリアの呼吸鎖電子伝達複合体Ⅱの酵素活性阻害というものですけど、水溶解度が5mg/L程度で、コイ、ミジンコ、藻類。コイ、藻類では影響が認められず、ミジンコでは溶解度付近ですかね。そこにEC50があるというふうなもの。特によろしいでしょうか。
よろしいようでしたら、PECについてもよろしいですか。非水田使用時のPECということで、0.026μg/Lということで。
(発言なし)
【白石委員長】 特にご意見がないようでしたら、総合評価をご確認いただきたいと思います。
甲殻類の急性影響濃度をもとに登録保留基準値を470μg/Lとするということでございます。よろしいでしょうか。水産PECは、これを超えていないということであります。
(異議なし)
【白石委員長】 よろしいようでしたら、これは事務局案どおりというふうにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
次のチオファネートメチルのご説明をお願いいたします。
【岡係長】 それでは、6ページ目からのチオファネートメチルについて、ご説明させていただきます。
まず、物質概要につきましては、記載のとおりでございます。
作用機構等ですが、チオファネートメチルは、ベンゾイミダゾール系の殺菌剤でありまして、その作用機構は細胞分裂(有糸核分裂)に必要な紡錘体系形成の阻害でございます。本邦での初回登録は、1971年でございます。
製剤は粉剤、水和剤、エアゾル剤、ペースト剤が、適用農作物等は稲、麦、雑穀、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、花き、樹木、芝等として登録がございます。
原体の国内生産量と輸入量及び各種物性につきましては、記載のとおりとなってございます。
それでは、8ページ目からの水産動植物への毒性について、ご説明させていただきます。
まず魚類ですが、コイとニジマスを用いた試験が実施されてございます。それぞれの試験条件及び試験結果につきましては、8ページ目の表1と表2に記載されているとおりでございます。
続きまして、甲殻類等でございます。
9ページ目のところですけれども、オオミジンコを用いた試験が実施されてございます。試験結果と試験条件につきましては、9ページ目の表3に記載されているとおりでございます。
藻類につきましては、緑藻を用いた試験が実施されておりまして、試験条件及び試験結果は表4に記載されているとおりでございます。
それでは、10ページ目の水産PECについて、ご説明させていただきます。
こちらの農薬は、水田使用と非水田使用の両場面で使われるものですので、それぞれの場面でPECを算出してございます。
まず、水田使用時につきましては、表5に記載されております使用方法及びパラメーターを用いまして算出いたしましたところ、11μg/Lとなってございます。
続きまして、12ページ目、非水田使用の場面ですけれども、表6に記載されております使用方法とパラメーターを用いまして算出いたしましたところ、0.22μg/Lとなってございます。
これらの結果から、水田使用のPECの方が値が大きいので、そちらを採用いたしまして、水産PECとしまして11μg/Lとなってございます。
それでは、12ページ目、総合評価でございます。
まず、各生物種のLC50とEC50でございます。
魚類につきましては、コイを用いての急性毒性試験結果から、96hLC50が61,800μg/L超、もう一つ、ニジマスを用いての急性毒性試験結果から、96hLC50が1,040μg/Lとなってございます。
甲殻類等につきましては、オオミジンコを用いての急性遊泳阻害試験結果から、48hEC50が5,400μg/Lとなってございます。
藻類につきましては、緑藻を用いての生長阻害試験結果から72hErC50が24,900μg/L超となってございます。
それぞれの結果を用いまして、急性影響濃度を算出してございます。
まず魚類につきましては、値の小さいニジマスのほうのLC50の1,040を採用いたしまして、それを不確実係数の10で除しました104μg/Lとなってございます。
甲殻類等につきましては、オオミジンコの試験を採用いたしまして、それを10で除した値となってございます。
藻類につきましては、ErC50をそのまま採用してございます。
それぞれの結果から、最小であります魚類急性影響濃度の値を採用いたしまして、登録保留基準値案しまして100μg/Lとご提案させていただきます。
リスク評価ですが、水産PECが11μg/Lですので、登録保留基準値案の100μg/Lを超えていないということを確認してございます。こちらの農薬につきましては、平成25年6月19日の水産検討会と平成27年3月13日の水産検討会でご審議していただいております。
水産検討会での審議内容ですけれども、こちらの農薬につきましては、カルベンダジムという分解物ができるということがございます。また、こちらの農薬のみからできるものではなくて、もう一つベノミルという農薬からも同様にカルベンダジムができるということがございます。そのベノミルについては、まだ水産基準が未審議ということもございましたので、水産検討会では、このチオファネートメチルとベノミル、そして、それらの分解物であるカルベンダジムについてモニタリングを実施すべきという旨のご意見が出されたところでございます。
これを受けまして、環境省としましては、まだ、ベノミルの水産基準がまだ未審議というところもございますので、ベノミルの水産基準が決められてから、モニタリングの実施について検討したいというふうに考えてございます。
説明は以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
では、ただいまのチオファネートメチルにつきまして、ご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。
はい、どうぞ。
【内田専門委員】 過去からなのかもしれないですが、10ページの表5、下から5行目は農薬散布量ですね、下から3行目も農薬散布量ですね。
これは次元も違うし、上は散布液量ですね、本当は。言葉だけの修正と思うのですけど。
【岡係長】 わかりました。確認しまして、適切な用語に修正させていただければと思います。
【白石委員長】 お願いいたします。
他は、いかがでしょうか。
よろしいですか。水産検討会では、他に、特にコメントはございませんか。
【五箇専門委員】 先ほど、事務局のほうからも説明がありましたけど、このチオファネートメチルというものが分解物としてカルベンダジムのほうに移行するということで、このカルベンダジム自体は安定性があって、さらに毒性はこっちのほうが高いということもあったので、チオファネートメチル、親化合物というのを、水産PECとしては、こういった値が出るのだけれども、カルベンダジムで、最終的にはカルベンダジムにいくのであれば、そちらのほうのリスク評価も必要であろうと。
さらに、先ほど同じように説明ありましたけど、ベノミルと言われる殺菌剤のほうからも、このカルベンダジムが出てくるということから、2剤、親化合物からこのカルベンダジムが算出されるということから、今後、先ほど説明ありましたように、ベノミル自体は、水産基準すらもまだ設定されていませんから、それが済み次第、このカルベンダジムも含めたリスク評価及びモニタリングのあり方というものについて審議していこうということで、今回につきましては、基準どおり、この設定値、農薬登録保留基準値及び水産PECという形で結論を出しております。
【白石委員長】 ありがとうございます。
共通する分解物については、まだ他にもあって、宿題になっていると思いますけども、これについては、ベノミルの水産基準値を設定した後に、もう一回考える部分なのかと思います。
それで、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 他にコメントは、いかがでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 ないようでしたらば、どうですかね。最後の総合評価についてご確認いただければよいと思いますが、藻類、魚ですか。ニジマスの値から登録保留基準値は、100μg/Lとするということ、水産PECは11μg/Lであり、これを超えていないということでございます。
よろしいようでしたら、事務局案どおりとさせていただきます。
1点、PEC、10ページにつきましては、ご確認の上、修正があればお願いいたします。
では、続きまして、パクロブトラゾールについて、ご説明をお願いいたします。
【林室長補佐】 資料4の13ページ、パクロブトラゾールでございます。
物質概要は、表に記載のとおりです。
2ポツ、作用機構等ですけれども、本剤は、トリアゾール系の植物成長調整剤であり、その作用機構は植物体内におけるジベレリンの生合成阻害であり、植物の内生ジベレリン含量を低下させ、矮化作用を発現させるものでございます。
本邦での初回登録は1989年でございます。
製剤は、粒剤及び水和剤が、適用農作物等は稲、果樹、花き、樹木、芝等がございます。
原体の輸入量及び各種物性は記載のとおりでございます。
続いて14ページ、水産動植物への毒性でございます。
本剤は、コイ、ニジマス、ブルーギル、オオミジンコ、緑藻を用いた試験が実施されておりまして、その条件及び結果は14ページ表1~16ページ表5のとおりでございます。
続きまして、17ページ、水産動植物被害予測濃度でございます。
本剤は、水田、非水田、両方に使用される農薬ということで、それぞれ表6及び表7に示されます使用方法及びパラメーターを用いまして算出いたしまして、大きいほうの水田使用時のPECの算出結果から、水産PECといたしまして、2.7μg/Lとなってございます。
続きまして、19ページ、総合評価でございます。
各生物種のLC50、EC50でございますが、魚類につきましては、コイ急性毒性試験結果より96hLC50が24,000μg/L、ニジマス急性毒性試験結果より96hLC50が27,000μg/L、ブルーギル急性毒性試験結果より96hLC50が21,800μg/L、甲殻類等につきましては、オオミジンコ急性遊泳阻害試験結果より48hEC50が25,500μg/L、藻類につきましては、緑藻生長阻害試験結果より72hErC50が14,100μg/L超となってございます。
これらより、急性影響濃度を算出いたします際、魚類につきましては、3種~6種の生物種データが得られた場合に使用する4を適用いたしまして、算出いたしまして、その中で、最小の甲殻類等急性影響濃度を用いまして、登録保留基準値案といたしまして2,500μg/Lと提案させていただきます。
リスク評価です。
水産PECは2.7μg/Lでございまして、登録保留基準値案の2,500μg/Lを超えていないことを確認してございます。こちらも、平成27年3月13日に開催されました水産検討会第6回でご議論をいただきました。
その結果、主な論点といたしましては、まず13ページに戻っていただきまして、物質概要のところですけれども、ここには、もともと構造式を二つ書いていたのですけれども、それらを含めて、ラセミ体であるかというようなご質問がありまして、確認をいたしましたところ、ラセミ体でありましたので、そのように記載をいたしております。
続きまして、14ページ、15ページにございます魚類の急性毒性試験においてなのですけれども、助剤濃度がテストガイドライン上の上限は100mg/Lでございますけれども、それに対しまして高いということなのですけれども、ご議論いただきました結果、再試験するほどの必要性はないのではないかという結論に至っております。
主な論点といたしましては、以上でございます。
その結果、登録保留基準値案が了承されております。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
では、ご質問、コメントがございましたらお願いいたします。
構造式、不斉炭素が二つありますので、いろんな構造か考えられるのですけども、化学名に書いてあるところのラセミ体であるということであります。
【内田専門委員】 不斉中心は二つですか。光学異性体は本来四つ、二つであれば、ジアステレオマーペアということですかね。
【白石委員長】 そうではなくて、(2R,3R)、(2S,3S)のセットでは、二つしかないということだったらしい。よろしいですね。
【岡係長】 あと、考えられる他のものは、有効成分ではないという扱いで。
【白石委員長】 他にいかがでしょうか。
助剤が高いということですか。DMSOが高いですかね。DMSOであるので、再試験を要求するまでもなくということだと思いますけども、そういうことでよろしいですか。
水溶解度以下ではないですか、水溶解度近辺の試験がされているということ。
いかがでしょうか。PECについてもよろしいでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 特にご意見がないようでしたらば、総合評価でご確認ください。
毒性値がまず、そこそこ似たような数値が出ていますけども、この甲殻類の値から得られる甲殻類等急性影響濃度により、登録保留基準値を2,500μg/Lとするということでございます。
水産PECが2.7μg/Lであり、これを超えていないということでございます。
よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 では、これにつきましては事務局案どおりというふうにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
では、次に、フロメトキンにつき、ご説明をお願いいたします。
【岡係長】 それでは、20ページ目のフロメトキンについて、ご説明させていただきます。
まず、物質概要ですが、記載のとおりとなってございます。
作用機構等ですが、フロメトキンは、キノリン骨格を有する殺虫剤でありまして、その作用機構はミトコンドリア電子伝達系を阻害すると考えられてございます。
本邦では未登録でございまして、製剤は水和剤が、適用農作物等は果樹、野菜等として、登録申請されてございます。
各種物性につきましては、記載のとおりでございます。
それでは、21ページ目からの水産動植物への毒性についてでございます。
まず、魚類ですが、コイを用いての試験が実施されてございまして、試験条件、試験結果は、下の表1に記載されているとおりでございます。
続きまして、22ページ目からの甲殻類等ですが、オオミジンコ、ヌカエビ、ヨコエビの三つの試験がされてございます。それぞれの試験条件及び試験結果は、22ページ目の表2~23ページ目の表4に記載されているとおりでございます。
続きまして、藻類ですが、緑藻を用いての試験が実施されてございます。試験条件と試験結果につきましては、23ページ目の表5に記載されているとおりでございます。
それでは、24ページ目、水産PECでございます。
こちらの農薬は、非水田使用の場面で使われる農薬ということで、表6に記載されております、使用方法及びパラメーターを用いましてPECを算出してございます。その結果ですが、0.0055μg/Lとなってございます。
それでは、25ページ目、総合評価でございます。
まず、各生物種のLC50、EC50ですが、魚類につきましては、コイの急性毒性試験結果から96hLC50が20μg/L超となってございます。
続きまして、甲殻類等でございますが、まず、オオミジンコを用いての急性遊泳阻害試験結果から48hEC50が0.23μg/Lとなってございます。
続きまして、ヌカエビを用いての急性毒性試験結果から、96hLC50が15μg/L超となってございます。
そして、最後、ヨコエビを用いての急性毒性試験結果ですけれども、96hLC50が0.65μg/Lとなってございます。
そして、藻類ですが、緑藻を用いての生長阻害試験結果から、72hErC50が6.3μg/L超となってございます。
それぞれの結果から急性影響濃度を算出してございます。
魚類と藻類につきましては通常の考え方で算出してございまして、甲殻類等につきましては、最も小さいオオミジンコの結果のEC50、0.23を採用いたしまして、また、試験の種類としまして3種の試験がございますので、不確実係数も、通常の10ではなくて、4を採用いたしまして、0.23を4で割りました0.0575と算出してございます。
それらの結果から、最小でございます甲殻類等の値を採用いたしまして、登録保留基準値案としまして0.057μg/Lとご提案させていただきます。
リスク評価ですが、水産PECは0.0055μg/Lですので、登録保留基準値案の0.057μg/Lを超えていないということを確認してございます。
こちらの農薬につきましては、平成27年3月13日の水産検討会でご議論いただいたところでございます。
水産検討会で審議していただいた内容ですけれども、(2)のリスク評価のところです。
水産PECと登録保留基準値案がぎりぎり10倍を超えているというところなのですけれども、こちらの農薬は、まだ、新規の農薬ということで登録されておりませんので、今後、登録後の出荷状況も踏まえて、モニタリングの実施については検討すべきであるというご意見をいただいたところでございます。
環境省としましては、そのご意見を承りまして、登録された後の出荷状況等も踏まえつつ、今後のモニタリングについて検討したいと考えてございます。
説明は以上です。ご審議をよろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
ただいまのご説明にご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
登録申請されている農薬であるということですが、いかがでしょうか。
【築地臨時委員】 確認をお願いしたいのですけれども。
PECの算出のところで、適用農作物を果樹で取り上げていますけれども、一覧を見たときに、お茶で1,000倍液で400L最大散布できるというのがあったのですけれども、そこの確認していただいて。もし、そっちがあれば、そちらのほうが濃度というか、量ですね、多くなる可能性があるかなと思いました。
【岡係長】 お茶の1,000倍ですけれども、PEC計算をいたしましたら、果樹のほうが値としては、ドリフトの違いで大きくなると。
【築地臨時委員】 了解しました。
【白石委員長】 ありがとうございました。
他によろしいでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 では、総合評価をご確認ください。
大分、毒性に特徴があるみたいで、オオミジンコ急性遊泳阻害に高い毒性を示すのですが、ヌカエビの急性毒性は余りないというふうなものでございます。
これらのデータから、甲殻類のデータ、影響濃度を使いまして、登録保留基準値は0.057μg/Lとするということでございます。
水産PECは0.0055μg/Lであり、これを超えていないということですけども、今後の、この剤の使用状況をモニタリングしながら、モニタリングについて検討していくということでございます。よろしいでしょうか。
かなり登録保留基準値が小さいので、モニタリング方法についても少し検討が必要かなという気がしますけども、よろしくご検討ください。
他にいかがでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 特にご指摘がないようでしたらば、この剤につきましても、事務局案どおりというふうにさせていただきます。
ありがとうございました。
以上で、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定についての審議を終了いたします。
続きまして、議事の(2)水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
【松田主査】 お手元の資料5をご覧ください。
水質汚濁に係る農薬登録保留基準値案に関する資料でございます。
作用機構等と総合評価を重点的にご説明させていただきます。
【林室長補佐】 資料5の1ページ目、1剤目のアシュラムナトリウム塩からご説明させていただきます。
物質概要については、表に記載のとおりです。
アシュラムナトリウム塩は、水に溶解すると乖離しましてアシュラムイオンとなりまして、pHにより平衡が異なるということがございます。
この評価書の中では、アシュラム遊離塩基につきまして、ナトリウム塩との区別を明確にするため、アシュラム[遊離塩基]と表記をいたすことにいたしたいと思います。
2ポツの作用機構等でございますが、アシュラムナトリウム塩は、酸アミド系の除草剤でございまして、その作用機構は茎葉部および根部から吸収された後の成長部位における葉酸生合成阻害による核酸合成の低下であると考えられておりまして、その結果、細胞分裂を低下させて雑草を枯死させるものでございます。
本邦での初回登録は、1972年でございます。
製剤は液剤が、適用農作物等は野菜、飼料作物、樹木、芝等がございます。
製剤の輸入量、また原体の輸入量、2ページ目の各種物性等につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
続いて、2ページ目の安全性評価でございます。
食品安全委員会は、平成26年10月21日付で、アシュラムのADIを0.36mg/kg体重/日とします評価結果を厚生労働省に通知してございます。
この値は、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量36mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
続いて3ページ目、水質汚濁予測濃度でございますけれども、本剤は、非水田使用農薬ということで、表に記載されております使用方法及び各パラメーターの値を用いまして算出いたしました結果、0.00085mg/Lと算出されてございます。
続いて4ページ目、総合評価でございます。
ADIは、アシュラムとして算出されておりましたので、これに分子量比を乗じまして、アシュラムナトリウム塩のADIを0.36mg/kg体重/日といたしまして、表に書かれております算出式によりまして登録保留基準案を算出いたしましたところ、1.0mg/Lとなってございます。
参考のところですが、水質に関する基準値等ということで、今回は二つ設定されておりまして、水質管理目標設定項目といたしましては0.2mg/L、ゴルフ場暫定指導指針といたしましては2mg/Lとございますけれども、登録保留基準案との違いにつきましては、用いられているADIの値が違うことに起因すると考えられます。
続いて、リスク評価でございますが、水濁PECは0.00085mg/Lであり、登録保留基準案1.0mg/Lを超えないことを確認しております。
参考の部分ですが、食品経由の農薬理論最大一日摂取量ですが、0.0293mg/人/日ということで、対ADI比が0.1%でございまして、8割を超えないことを確認してございます。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
毒性の部分で、何かコメントがございましたらお願いします。
【吉田臨時委員】 本剤は、アシュラム塩としてなのですけれども、生体内の動態が同じということで評価を行っております。
急性毒性は低いのですけれども、慢性反復投与により、主な影響が肝臓あるいは体重増加抑制というところに出ております。
発がん性として、ラットで非常によく出る、ラットに非常にコモンな褐色細胞腫という副腎の腫がふえておりますが、メカニズムはわかりません。
また、マウスでは余り発生の見られない、精巣の幹細胞腫が、若干でございますが、最高投与量でふえています。また、非常に高い用量でして、1日体重当たり10gという量をマウスに与えたときの結果でございます。
遺伝毒性はなく、繁殖及び催奇形性はございません。神経毒性もございません。
食品安全委員会は、2年間のラットの長期毒性試験をもとにADIを設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
これは酸アミド系なので、ナトリウム塩も体内に入ると同じようなものになるということで、そういった評価がなされているということでございます。
他にコメントはいかがでしょうか。よろしいですか。
(発言なし)
【白石委員長】 水質汚濁に係る登録保留基準値はナトリウム塩として設定するということで、これを換算したものをもとに4ページ目に登録保留基準値1.0mg/Lというふうになっておりますが、よろしいでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 他にコメントはございませんでしょうか。
【稲生専門委員】 水濁PECのところで、PEC自体は問題ないのですけれども、この使用方法なりパラメーターの値の書き方について、前回、水産PECと、整合性をとって整理していただければというコメントをさせていただきまして、それを受けて、こういう形で提示していただいたということだと思うのですけれども、感想としましては、水産PECと横並びで見られて非常にわかりやすくなったかなというふうに思っていますので、まず、お礼を申し上げたいと思います。
それで、1点だけ、3ページの使用方法の3段目のところで、希釈水量というふうに記載されているのですが、水産PECのほうですと農薬散布液量という表記で書かれている場合が多いと思いますので、ここもそろえていただければ。
意味としては同じだと思いますので、そろえていただくほうが混乱がないかなと思いますので、ちょっとその辺もご検討いただければと思います。
【林室長補佐】 ご指摘をありがとうございます。また、少し整理させていただきたいと思います。
【内田専門委員】 ついでですけど、同じ表で、ここでまた「樹木等」と出てくるので、これは、「樹木」でいいのではないかなと思うのですけど。
【白石委員長】 使用方法のところに、「樹木等の周辺地に」というところでございますね。
【林室長補佐】 すみません。こちらについては、もともとの適用表のほうでは「樹木等」という名称になっているので、そのまま引っ張ってきているというものでございます。
【白石委員長】 よろしいですか。わかりにくいかもしれませんけど、もとのとおりの引用であるということで、ご了解いただきたいと思います。
他に、いかがでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 では、表の書き方については少し検討いただくということでしたいと思いますが、総合評価、登録保留基準値につきましては1.0mg/Lとするということ、水濁PECが0.00085mg/Lであり、これを越えていないことを確認されたということでありますが、よろしいでしょうか。
では、ここは表の若干修正があれば修正いただくということで、事務局案とさせていただきたいと思います。
(異議なし)
【白石委員長】 次をお願いいたします。
【松田主査】 それでは、2剤目に移らせていただきます。
5ページ目から始まりますキザロホップエチルをご覧ください。
1ポツ目の評価対象農薬の概要につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
2の作用機構等につきまして、本剤はフェノキシ酸系の除草剤であり、その作用機構は脂質合成阻害による細胞構造または細胞膜機能の急激な変化をもたらすことと考えられております。
本邦での初回登録は、1989年でございます。
製剤は水和剤が、適用農作物等は野菜、いも、豆等があります。
原体の国内生産量及び次のページの各種物性等につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
続きまして、6ページ目のⅡポツの安全性評価のところでございます。
本剤につきましては、平成26年4月8日付でキザロホップエチル及びキザロホップPテフリルのグループADIを0.009mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果が食品安全委員会から厚生労働省宛に通知されております。この値につきましては、キザロホップエチルを被験物質とし、ラットを用いた2年間慢性毒性/発がん性併合試験における無毒性量0.9mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。
なお、食品安全委員会の農薬評価書につきましては、お手元のほうのパソコンに参考資料4として添付しておりますので、適宜ご参照ください。
7ページ目、続きまして水質汚濁予測濃度でございます。
本剤につきましては、水田及び非水田の両方で使用がございますので、表中に記載された使用方法及びパラメーターを用いて水濁PECを算出いたしましたところ、8ページ目に記載しておりますが、0.0013mg/Lと算出されました。
9ページ目の総合評価のところでございます。
本剤のADIが0.009mg/kg体重/日でございますので、表中に記載の式を用いて算出しましたところ、登録保留基準値が0.02mg/Lと算出されました。
また、参考の水質に関する基準値等でございますけれども、本剤につきましては(旧)水質汚濁に係る農薬登録保留基準値が0.2mg/L、水質管理目標設定項目が0.02mg/Lと設定されてございます。
最後に、リスク評価のところでございますけれども、水濁PECは0.0013mg/Lでありまして、登録保留基準値0.02mg/Lを越えないことを確認しております。
なお、参考のところ、食品経由の農薬理論最大一日摂取量でございますけれども、本剤につきましては、キザロホップエチルと、あと国内登録がなく海外でのみ使用されているキザロホップPテフリルの共通代謝物キザロホップの合算値をキザロホップエチルに換算した値ですが、摂取量が0.1121mg/人/日というふうになっておりまして、対ADI比で22.6%と80%を超えないことを確認してございます。
説明については、以上になります。
ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
毒性でコメントがございましたら、お願いいたします。
【吉田臨時委員】 本剤は、先ほど事務局からご説明もあったように、キザロホップエチルとPが含んだものとあわせて毒性の評価は行っております。ほぼ同じ毒性のプロファイルです。
主なターゲットは、肝臓と、あとラットにおいて精巣の委縮等が認められるということです。ただ、発がん性や、その他に対する影響はないということです。
食品安全委員会では、ラットの長期の毒性試験をもとに無毒性量を求めて、それを100で除してADI、0.009という値を求めています。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
他、コメントいかがでしょうか、食品安全委員会が定めたADIが0.009mg/kg体重/日ということで、割と小さな値になっておりますけれども。
【白石委員長】 よろしいでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 特段コメントないようでしたらば、水質汚濁に係る登録保留基準値、9ページ目をご覧ください。ADIをもとに算出したものとして0.02mg/Lを登録保留基準値とするということでございます。
よろしいでしょうか。水濁PECが0.0013mg/Lであり、これを越えていないということを確認したということでございます。
特にコメントがございませんようでしたら、事務局案どおりとさせていただきます。
(異議なし)
【白石委員長】 ありがとうございました。
次のトルプロカルブについて、ご説明をお願いいたします。
【林室長補佐】 それでは、資料5の10ページ目、トルプロカルブでございます。
物質概要につきましては、表に記載のとおりです。
2ポツの作用機構等ですが、本剤は酸アミド系の殺菌剤でございまして、その作用機構は、イネいもち病菌の付着器でのメラニン生合成阻害による感染阻害及び既に形成された病斑上の分生胞子の離脱阻害でございます。
本邦では未登録でございます。
製剤は粒剤が、適用農作物等は稲として登録申請されてございます。
11ページ、各種物性等でございますが、表に記載のとおりでございます。
続いて安全性評価でございます。食品安全委員会は、平成26年11月18日付で、本剤のADIを0.2mg/kg体重/日と設定する評価結果を厚生労働省に通知をいたしております。この値は、ラットを用いた2年間発がん性試験における無毒性量20.5mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。
なお、参考資料5に、食品安全委員会の農薬評価書をパソコン上に添付してございますので、適宜ご参照いただければと思います。
続いて12ページ、水質汚濁予測濃度でございます。
本剤は、水田使用農薬ということで、表に記載の使用方法及びパラメーターを用いまして算出いたしました結果、水濁PECといたしまして0.032mg/Lと算出されてございます。
続いて13ページ、総合評価でございます。
ADIが0.2mg/kg体重/日ということで、表に記載の算出式を用いまして算出いたしましたところ、登録保留基準値案として0.53mg/Lとなってございます。
参考の水質に関する基準値等でございますが、こちらは特段ございません。
リスク評価でございますが、水濁PECが0.032mg/Lでございまして、登録保留基準値案0.53mg/Lを超えないことを確認しております。
参考のところですが、食品経由の農薬理論最大一日摂取量ですけれども、0.1424mg/人/日ということで、対ADI比が1.3%でございまして、8割を超えないことを確認してございます。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
毒性でコメントがございましたら、お願いいたします。
【浅野専門委員】 本剤の毒性試験の結果なのですけれども、急性毒性試験は、いずれの投与経路も2,000mg/kg以上と、非常に毒性としては低い値になっています。
そして、反復投与で認められた毒性所見なのですけれども、主に体重の増加抑制、それから、肝臓では重量の増加と肝細胞肥大。これは、特にイヌの試験でよく認められております。それから、ラット、イヌともに甲状腺で重量の増加、コロイド変性等が認められています。
これで、ラットを用いた代謝試験では、この物質のほとんどが二度の酸化を経て胆汁中または尿中に排泄されまして、抱合体形成はないということから、代謝は第一相酵素の多い肝小葉中心が主体であるということで、特にイヌで顕著に認められた肝細胞肥大というのは、小葉中心性の肥大になっております。
その他、発がん性、それから繁殖能に対する影響ですとか生殖発生毒性、それから遺伝毒性は認められておりません。
食品安全委員会では、これらの試験のうち、最小値のラットを用いた2年間の発がん性試験で20.5mg/kg/日というのが最少NOAELでしたので、これに安全係数100で除して、最終的にADI0.2mg/kg/日を設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
コメントはいかがでしょうか。酸アミド系の殺菌剤で新規登録されているものでございます。いかがでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 よろしいですか。特にコメントはありますか。
(なし)
【白石委員長】 ないようでしたら、総合評価をご確認ください。
食品安全委員会が出されたADIをもとに登録保留基準値を0.53mg/Lとするということでございます。よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 水濁PECは0.032mg/Lで、これを超えてないということでございます。
特段ご意見がないようでしたら、本剤につきましても事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。
では、続きをお願いいたします。
【松田主査】 続きまして、14ページから始まりますフルチアセットメチルでございます。
評価対象農薬の概要につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
作用機構等につきまして、本剤はチアジアゾール骨格を有する除草剤でございまして、その作用機構は、植物体内に吸収された後のクロロフィル生合成経路中の酵素の阻害であり、その結果、雑草を枯死させます。
本邦での初回登録は、2002年でございます。
製剤は乳剤が、適用農作物等は雑穀及び飼料作物がございます。
原体の輸入量及び次のページの各種物性については、こちらに記載のとおりでございます。
15ページの安全性評価でございますけれども、平成26年12月2日付にフルチアセットメチルのADIを0.001mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果が食品安全委員会から厚生労働省宛に通知されてございます。この値は、マウスを用いた18カ月間発がん性試験における無毒性量0.1mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
なお、食品安全委員会の評価書につきましては、参考資料6としてパソコンに添付しておりますので、適宜ご参照ください。
16ページの水質汚濁予測濃度、水濁PECのほうでございますけれども、本剤につきましては、非水田のみでの使用でございますので、表中の使用方法及びパラメーターを用いて水濁PECを算出いたしましたところ、0.00000011mg/Lと算出されました。
17ページ、総合評価のところでございます。
本剤のADIが0.001mg/kg体重/日でございますので、こちらに記載の式に値を代入して算出いたしましたところ、登録保留基準値が0.002mg/Lと算出されました。
なお、参考のところの水質に関する基準値等につきまして、本剤については特段設定されてございません。
リスク評価のところでございますが、水濁PECが0.00000011mg/Lでありまして、登録保留基準値0.002mg/Lを超えないことを確認しております。
また、参考のところ、食品経由の農薬理論最大一日摂取量ですが、0.0002mg/人/日ということで、対ADI比0.4%と非常に低い値であることを確認してございます。
説明については、以上になります。ご審議のほど、お願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
チアジアゾール骨格を有する除草剤ということであります。
原体の輸入量は非常に少ないというものだそうでございますけれども、毒性でコメントがございましたらお願いいたします。
【浅野専門委員】 本剤の特徴としましては、前回のフルミオキサジンと同じように、効果を発揮するときに、このクロロフィル生合成過程の酵素プロトックスを阻害してくる物質になります。
ですから、当然、動物ではヘムの合成阻害が起きますので、毒性の影響としては体重増加抑制に加えて血液系、貧血、これが認められております。それから、肝臓でも変性壊死等が毒性として認められております。
このメカニズム試験を、いろいろやられておりまして、ラット、マウスの肝臓とか膵臓、これに、先ほどのプロトックスを阻害することによってプロトポルフィンを蓄積するというデータを得ています。それから、ラット肝、マウスの肝臓、膵臓、こちらのほうでは過酸化脂質を酵素阻害の影響として上昇を確認しております。
そして、発がん性試験において、この影響もあるかと考えられますけれども、雄のマウスで肝臓の細胞がんの発生頻度が、それから、雄のラットでは膵外分泌細胞の線腫、それからランゲルハンス島の細胞線腫、これの発生頻度の増加が認められております。
ただし、この腫瘍の発生基準は、遺伝毒性はありませんので、遺伝毒性メカニズムによるものではないということから、閾値を設定しております。
その他、神経毒性、繁殖能に対する影響ですとか、生殖発生毒性、それから遺伝毒性は認められておりません。
最終的に、食品安全委員会は、これらの試験で得られた無毒性量のうち、最小値であるマウス18カ月発がん性試験、これの0.1mg/kg体重/日ということを根拠としまして、これに安全係数100で除した0.001mg/kg体重/日、これをADIと設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
非常に低いADIが設定されているようでございますけれども、コメントがございましたら、お願いいたします。
(発言なし)
【白石委員長】 よろしいでしょうか。クロロフィル生合成の酵素阻害ということで、それが動物では血液のほうに影響が出てくるということですね。ありがとうございました。
他に、コメントはございませんでしょうか。
(なし)
【白石委員長】 ないようでしたら、総合評価をご確認ください。
食品安全委員会が定めたADIをもとに、登録保留基準値を0.002mg/Lとするということでございます。水濁PECは、ちょっと非常に小さい値なのですけれども、これを、水濁PECは登録保留基準値を超えていないということを確認されたということでございますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 特段コメントがないようでしたら、事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。
時間が大分先に進んでいますが、休憩入れますか。10分ぐらい。進めますか。皆さんいかがですか、進めてしまいますか。
では、進めさせていただきます。
次のベンジルアデニン又はベンジルアミノプリンについて、ご説明をお願いいたします。
【林室長補佐】 それでは、資料5の18ページをご覧ください。
ベンジルアデニン又はベンジルアミノプリンでございます。
本剤の物質概要につきましては、表に記載のとおりです。化学名が二つございますけれども、どちらも、IUPAC名としては正しいことを確認しております。
2ポツの作用機構等ですけれども、本剤はプリン構造を有する植物成長調整剤であり、その作用機構は生体内の核酸に取り込まれ、RNA合成が誘導されることによるたんぱく質合成促進や成長促進と考えられてございます。
本邦での初回登録は、1975年でございます。
製剤は液剤及び塗布剤が、適用農作物等は果樹、野菜、花き及び芝がございます。
製剤の国内生産量及び、次のページの各種物性等は、記載のとおりでございます。
続きまして、19ページ安全性評価でございます。
食品安全委員会は、平成26年4月8日付で、本剤のADIを0.062mg/kg体重/日と設定する評価結果を厚生労働省に通知をいたしました。この値は、ウサギを用いた発生毒性試験における無毒性量6.25mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
なお、参考資料7といたしまして、食品安全委員会の農薬評価書をパソコン上に添付してございますので、適宜ご参照ください。続きまして20ページ、水質汚濁予測濃度でございます。
本剤は非水田使用農薬ということで、表に記載の使用方法及びパラメーターを用いまして算出いたしました結果、0.000099mg/Lと算出されてございます。
21ページ、総合評価でございます。
ADIが0.062mg/kg体重/日ということで、表に記載の算出式によりまして算出いたしました結果、登録保留基準値案として0.16mg/Lと算出されてございます。
参考のところですが、水質に関する基準値等は、特段ございません。
リスク評価でございます。
水濁PECは0.000099mg/Lでございまして、登録保留基準値案0.16mg/Lを超えていないことを確認してございます。
参考のところですが、食品経由の農薬理論最大一日摂取量ですが、0.0043mg/人/日ということで、対ADI比0.1%でございまして、8割を超えていないことを確認してございます。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
プリン構造を有する植物成長調整剤ということでございます。毒性の点からコメントがございましたら、お願いいたします。
【吉田臨時委員】 本剤は、LD50自体は高いのですけれども、反復投与しますと、どうも大分毒性が強くなってまいりまして、特にイヌでは100mg/kg以下で死亡が出ます。その死亡の原因としては、腎臓の、いわゆる閉塞性腎症と言って、多分尿中に排泄されるので、そのものが結晶化して、それが詰まって死ぬというような腎臓の腎毒性が出ます。
ただ、齧歯類には、このようなものは出ないです。齧歯類では、肝臓への毒性程度です。ただ、やっぱり齧歯類でも数百mgを投与しますと、死亡が出るようです。
長期になりますと、ラットで白血病がふえるのですが、この白血病は、この試験に用いた動物、SLCウィスターという動物ですが、これは、いわゆるフィッシャーラットと同じと言われておりまして、フィッシャーラットというのは非常に高率に、よく出る場合は50%ぐらい特殊な白血病が出るのですが、これがふえて増加傾向にあるということなので、これは、ネズミにとっては何かあるかもしれないけれども、投与の影響というよりも、何か偶発的なものだろうというように評価をされています。
いろいろ反復投与によって毒性が出るのですが、ADIの設定根拠となったのはウサギの発生毒性試験でして、この母動物で認められました一般毒性、これは余り強い毒性ではなくて、体重の増加抑制と摂餌量の低下というエンドポイントをもとにADIが設定されています。
ただ、このADIの設定値の少し上に長期のラットあるいは長期のイヌのADIがありますので、大体同じようなところに無毒性量が来ているのかなというように思っております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
他にコメント等がございましたらお願いいたします。
(発言なし)
【白石委員長】 よろしいでしょうか。特段コメントがございませんようでしたらば、総合評価をご確認いただきたいと思います。
ADI0.062mg/kg体重/日について計算した結果、登録保留基準値を0.16mg/Lとするということでございます。よろしいでしょうか。水濁PECは、これを超えていないということでございます。
(異議なし)
【白石委員長】 よろしいようでしたら、事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。
次が最後になりますが、マンデストロビンについて、ご説明をお願いいたします。
【松田主査】 それでは、22ページ目から、最後の6剤目マンデストロビンについて説明をさせていただきます。
本剤の概要につきましては、こちらに記載のとおりでございます。
作用機構等につきまして、本剤はストロビルリン系の殺菌剤でありまして、その作用機構は病原菌のミトコンドリア内チトクローム系に作用して、その電子伝達系を阻害することによる細胞の呼吸障害というふうに考えられております。
本邦では未登録でございます。
製剤は水和剤が、適用農作物等は、果樹、野菜、豆、芝等として登録申請されてございます。
23ページ目の各種物性等につきましては、表に記載のとおりでございます。 続きまして、24ページ目の安全性評価のところでございます。
食品安全委員会は、平成26年10月7日付で、本剤のADIを0.19mg/kg体重/日と設定する食品健康影響評価の結果を厚生労働省に通知しております。この値につきましては、イヌを用いた1年間慢性毒性試験における無毒性量19.2mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されております。
なお、食品安全委員会の評価書につきましては、参考資料8としてパソコンに添付しておりますので、適宜そちらのほうをご参照ください。
25ページ目の水質汚濁予測濃度、水濁PECのほうでございます。本剤は、非水田のみの使用でございまして、表中に記載の使用方法及び各パラメーターの値を用いて水濁PECを算出いたしましたところ、0.00010mg/Lと算出されました。
26ページ、総合評価のところでございます。
本剤のADIが0.19mg/kg体重/日であることから、このADIを用いて表中の式により値を算出しましたところ、登録保留基準値が0.50mg/Lとなりました。
なお、参考のところに書いてございます水質に関する基準値等について、本剤について特段設定はされてございません。
2ポツのリスク評価のところでございますけれども、本剤の水濁PECが0.00010mg/Lでありまして、登録保留基準値0.50mg/Lを超えないことを確認しております。
また、食品経由の理論最大一日摂取量でございますけれども、2.1234mg/人/日でございまして、対ADI比が20.3%と、80%を超えないことを確認してございます。
説明については、以上になります。
ご審議のほどお願いいたします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
ストロビルリン系の殺菌剤ということでございます。毒性について、コメントがございましたらお願いいたします。
【浅野専門委員】 本剤の毒性の特徴としましては、各種毒性試験の結果から、毒性の影響というのは主に肝臓ですね。これは、ラット、マウス、イヌともに、同様に認められております。肝臓の重量増加、それから肝細胞の肥大、それから甲状腺では、甲状腺の濾胞細胞の肥大が認められています。神経毒性とか発がん性、それから繁殖能に対する影響、生殖発生毒性試験、それから遺伝毒性、これは認められませんでした。ただし、この発がん性試験の中で、一つ、通常の用いられたラットでは、比較的まれと考えられている卵巣腫瘍のうちの生殖索・間葉混合腫という腫瘍が、やや増加していく傾向にありました。
この申請者らは、そのメカニズムの試験の一環としまして、これらの生殖系腫瘍というのはホルモンに影響を受けますので、特にエストラジオールの濃度に優位な差を、濃度上昇を及ぼすのではないかというメカニズム試験を行っておりますけれども、マンデストロビン原体そのものは、性ホルモンに対する濃度の上昇には関与しませんでした。
また、そのレセプターに対して、アゴニストあるいはアンタゴニスト作用があるかという検査もしておりますけれども、これも認められておりませんので、その発生頻度も優位性がないということから、基本的に、最終的に、この食品安全委員会は発がん性なしという結論を出しております。そして、食品安全委員会の決定としましては、各知見で得られた無毒性量の最小値、これが、イヌを用いた、1年間慢性毒性試験の19.2mg/kgですので、これを根拠としまして安全係数100で除した0.19mg/kg体重/日、これをADIと設定しております。
以上です。
【白石委員長】 ありがとうございました。
他にコメントはございますでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 その他、お気づきの点がございましたら、お願いいたします。
(なし)
【白石委員長】 よろしいでしょうか。
ないようでしたらば、総合評価、26ページになりますけれども、ご確認ください。
ADI0.19mg/kg体重/日をもとに登録保留基準値を0.50mg/Lとするとございます。水濁PECは、これを超えていないということを確認したということにさせていただきます。
よろしいでしょうか。
(異議なし)
【白石委員長】 では、本剤につきましても事務局案どおりとさせていただきます。ありがとうございました。
以上で、水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定についての審議を終了します。
事務局より、今後の予定について、ご説明をお願いいたします。
【松田主査】 本日はご議論いただきましてありがとうございました。
本日ご了解いただきました農薬の登録保留基準につきましては、行政手続法の規定に基づきまして、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施いたします。
その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に、再度、農薬小委員会で審議を行うかどうか、ご相談いたしまして、ご判断いただくことにしたいと思います。
再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て中央環境審議会に部会決定として報告を行いまして、さらに会長の同意が得られれば、中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくことになります。そして、答申後、基準値を告示させていただきます。
【白石委員長】 では、続きまして、議事のその他といたしまして、2案件ございます。
まず、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定を不要とする農薬について。微生物農薬(案)について、ご説明をお願いいたします。
【林室長補佐】 それでは、資料6をご覧ください。
本日ご審議いただきたい農薬につきましては、2ページ目をご覧いただければと思いますけれども、バチルス・ズブチリスのMBI600というものでございますけれども、その他にも、このバチルス・ズブチリスがございますけれども、こちらは平成26年3月18日開催の農薬小委でご審議をいただいて、設定不要と整理をいただいたものでございますけれども、本剤は水田適用があるということで、藻類試験が実施されており、本日ご審議いただくこととなったものでございます。
本剤につきましては細菌を用いました殺菌剤でございまして、芽胞と呼ばれる耐久体を形成するものでございます。この芽胞が、生育条件が整うと発芽して増殖する。植物体内での病原菌等の生殖場所及び栄養物の奪い合いをする競合によりまして効果を示すと考えられてございます。
本剤につきまして、環境生物に対する影響試験、中でも淡水魚影響試験、淡水無脊椎動物試験、植物試験の結果より毒性等が認められず、第二段階以降の試験を求めずに登録がなされております。また、人に対する安全性試験ということで、単回経口投与試験、また、その他の試験も含めまして、この結果より毒性等が認められず、第二段階以降の試験を求めずに登録がなされている状況です。
1ページ目に戻っていただきまして、ピンクファイルのほうに、小委の先生方ですと資料15番、水産検討会にもご出席いただいている先生方ですと資料22番に、この水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定に係る微生物農薬の当面の取り扱いについてという資料が添付されてございますけれども、そちらの2ページ目のⅢ番の(2)に示されております部分に該当するというふうに考えられることから、これらの登録保留基準の設定を行う必要がない農薬と整理いたしたいと考えております。
以上です。ご審議をよろしくお願いします。
【白石委員長】 ありがとうございました。
水田適用があるということで、藻類の試験がなされてきたということでございます。
2ページ目の植物影響試験の下のほうに、そのことが書いてありますけれども、当面の扱いのⅢの(2)に該当するということで、水産動植物の被害防止及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準値の設定を行う必要がないという事務局案でございますけれども、いかがでしょうか。
(発言なし)
【白石委員長】 よろしいでしょうか。
特段ご意見がないようでしたら、事務局案とさせていただきます。ありがとうございました。
では、次の議題をお願いいたします。
【松田主査】 お手元の資料の7と8をご覧いただきたいと思います。
本件は、2月26日に開催いたしました、前回の農薬小委員会で審議されました水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準設定の3農薬、また水質汚濁に係る農薬登録保留基準の設定の7農薬について、3月から4月の間にご意見を募集した結果でございます。
ともに提出されたご意見、パブリックコメントはございませんでしたので、白石委員長にご報告いたしまして、基準値設定の手続を進めつつ、今回の委員会で報告をさせていただくことといたしました。
なお、当該基準値を定める環境省告示については、今後、省内での手続を行いまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、当該告示日と同日付で環境省のホームページや電子政府の窓口で公開することとしております。
【白石委員長】 ありがとうございました。
パブコメについては、コメントがなかったということでございます。
大分時間が早いですけれども、本日の審議が一通り終了しました。
全体を通じて、何かご意見等がございましたらお願いします。
(発言なし)
【白石委員長】 よろしいでしょうか。
よろしいようでしたらば、事務局に議事をお返しいたします。
【川名室長】 白石委員長、どうもありがとうございました。
皆様、本日はご審議ありがとうございました。委員の皆様におかれましては、この会議の場だけではなく、我々のほうから事前に資料を送らせていただきまして、事前に、会議に先立って読み込んでいただいていているというふうに聞いておるところでございます。本当に、時間をかけて検討いただいていることに感謝を申し上げたいと思います。
なお、今回は事前に送らせていただきました資料に一部不手際、あるいは発送がおくれるなどの不手際があったことについては、おわびを申し上げたいと思います。
今後、なるべく皆様に事前の検討時間をとっていただけるような形での発送に引き続き努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
また、本日、委員の方からいただきましたいろいろなコメント、特に資料の作成の仕方、表記の仕方、そういったことについてのコメントがございましたけれども、これらのコメントにつきましては、次回、小委員会の際には、皆様のご意見を踏まえた形での修正をして、ご提示させていただきたいというふうに考えますので、またいろいろとご助言いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の第45回農薬小委員会は、これにて終了というふうにさせていただきたいと思います。
次回の第46回農薬小委員会は、7月17日金曜日に予定させていただいております。皆様のご出席をよろしくお願い申し上げたいと思います。
それでは、本日は、どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。