中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第14回) 議事録

日時

平成21年2月3日(火)14:00~16:05

場所

環境省 第1会議室

出席委員

委員長
森田 昌敏
臨時委員
井上  達 上路 雅子
五箇 公一 白石 寛明
染  英昭 中野 璋代
花里 孝幸 細見 正明
眞柄 泰基
専門委員
安藤 正典 井上 隆信
中村 幸二 根岸 寛光

(欠席は、佐藤委員、中杉臨時委員、山本臨時委員、渡部臨時委員)

委員以外の出席者

環境省
農薬環境管理室長、農薬環境管理室室長補佐、農薬環境管理室室長補佐、農薬環境管理室企画・調査係長、農薬環境管理室主査、農薬環境管理室環境専門員

議題

(1)
水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
(2)
水質汚濁に係る農薬登録保有基準として環境大臣の定める基準の設定について
(3)
その他

配付資料

資料1 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第13回)議事録(案)
資料3 諮問書(写)及び付議書(写)
資料4 水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料
資料5 水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料
参考資料1 中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会(第13回)議事要旨
参考資料2 水質汚濁に係る農薬登録保留基準に関する安全性評価及び基準値設定の方針(平成20年2月22日土壌農薬部会資料)
参考資料3 カルフェントラゾンエチルの作物残留に係る農薬登録保留基準設定資料(平成14年2月25日農薬専門委員会資料)

議事

【農薬環境管理室長】 それでは、ただいまから土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。
 委員の出欠確認の前に、平成21年1月5日付けでの中央環境審議会委員の任期満了に伴い、各委員の任命手続を行ったところでございますが、あわせて2月2日付けで森田委員が農薬小委員会委員長に、委員及び臨時委員が農薬小委員会所属の委員として指名されましたので御報告いたします。
 次に、新たに農薬小委員会に御所属いただくことになりました委員の先生方を御紹介いたします。御紹介の後は一言ごあいさついただければ幸いに存じます。
 まず、御退任となった亀若先生の御後任で、新たに農薬小委員会に御所属いただくことになりました、染臨時委員です。

【染臨時委員】 紹介がありましたように、新委員になりました、染でございます。よろしくお願いいたします。

【農薬環境管理室長】 続きまして、若林先生の御後任で、新たに農薬小委員会に御所属いただくことになりました、花里臨時委員です。

【花里臨時委員】 信州大学の花里と申します。研究室は諏訪湖畔にありまして、専門は、ミジンコを中心とした湖沼生態系と生態毒性学をやっております。よろしくお願いいたします。

【農薬環境管理室長】 次に、井上達委員が専門委員から臨時委員に変更されましたので、御報告いたします。

【井上(達)臨時委員】 改めまして、よろしくお願いいたします。

【農薬環境管理室長】 初めに、委員の出欠確認をお願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 本日の委員の出欠でございますが、佐藤委員、中杉臨時委員、山本臨時委員、渡部臨時委員より御欠席との御連絡をいただいております。したがいまして、本日は15名の委員に御出席いただくこととなっております。
 委員、臨時委員の総数14名のうち10名の御出席をいただいておりまして、小委員会開催の要件である定足数の8を満たしておりますことを御報告申し上げます。

【農薬環境管理室長】 続きまして、本日の配付資料について御確認いただきたいと思います。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 それでは、議事次第の配付資料一覧に従いまして、資料の確認をお願いいたします。
 まず、資料1として農薬小委員会の委員名簿、資料2が第13回農薬小委員会の議事録(案)、資料3が諮問書の写し及び付議書の写し、資料4が水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料、こちらは案でございます。資料5として、水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料、こちらも案でございます。
 資料は以上でございまして、続いて参考資料1として、第13回農薬小委員会の議事要旨、参考資料2として、平成20年2月22日付けの土壌農薬部会資料でございます水質汚濁に係る農薬登録保留基準に関する安全性評価及び基準値設定の方針、参考資料3として、平成14年2月25日の農薬専門委員会資料でございますカルフェントラゾンエチルの作物残留に係る農薬登録保留基準設定資料でございます。
 以上が参考資料でございます。そのほかに、委員のお手元には、審議会や検討会での報告を取りまとめましたピンクか黄色の紙のファイルがございます。こちらは次回以降も使用いたしますので、会議終了後、置いていっていただければと思います。
 以上でございます。

【農薬環境管理室長】 もし足りないものがございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、特にないようでしたら、議事に入らせていただきます。森田委員長に議事進行をお願いいたします。

【森田委員長】 本日は、皆様、御多用中のところ、御出席いただきまして、ありがとうございました。
 本日の農薬小委員会は、議事次第にございますように、主に二つの議題でございます。これらの議題につきまして、慎重かつ活発な御審議をお願いしたいと思います。
 それでは、審議に入る前に、本日の審議の公開の扱いについての確認をさせていただきたいと思います。
 土壌農薬部会の運営方針では、審議中の答申、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料など、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料や、公開することにより特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれのある資料などは、委員長の判断に基づき非公開とすることができるとされております。今回の農薬小委員会では、申請者から提出された農薬の毒性試験報告など企業秘密に当たる資料を使用しないことから、非公開の理由に当たらないため、今回の農薬小委員会については公開とさせていただきたいと思います。
 さて、議事に先立ちまして、前回12月9日に開催いたしました第13回小委員会の議事要旨の確認であります。事務局から御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 承知いたしました。
 中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針では、議事要旨については、委員長に了解いただければ公開できることとなっております。本日の参考資料1の内容で、既に環境省ホームページで公開しておりますので、御報告いたします。
 以上です。

【森田委員長】 よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 続きまして、前回議事録についてであります。こちらは事前にメールで各委員確認済みということでございます。資料2で配付しております。資料2でございますが、特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 なお、これらにつきましては、土壌農薬部会の運営方針に基づき、公開するということになっておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これから議事に入りたいと思います。初めに農薬小委員会の決議の取り扱いについての御説明をさせていただきたいと思います。
 中央環境審議会土壌農薬部会の小委員会の設置についての土壌農薬部会決定によりまして、農薬小委員会の決議は、部会長の同意を得て土壌農薬部会の決議とすることができるということになっております。したがって、この農薬小委員会後には、農薬登録保留基準の設定のための土壌農薬部会は招集せず、土壌農薬部会の松本部会長の了解をいただいて、部会としての結論としていくことになります。
 それでは、議事次第に従って、これから議事に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最初に、諮問書の紹介ということになります。「農薬取締法第3条第2項の規定に基づき環境大臣が定める基準の設定について」の件については、1月23日付けで環境大臣から諮問があり、土壌農薬部会に付議されております。事務局の方から、諮問書についての御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 それでは、資料3を御覧ください。
 平成21年1月23日付けで、諮問第255号により環境大臣より中央環境審議会会長に対して以下のとおり諮問されております。
 農薬取締法第3条第2項の規定に基づき環境大臣が定める基準の設定について(諮問)。
 標記について、環境基本法(平成5年法律第91号)第41条第2項第2号の規定に基づき、次のとおり諮問する。
 「農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件」(昭和46年3月農林省告示第346号)(以下「告示」という。)に基づき、
(1)別紙1の農薬に関し、告示第3号の環境大臣が定める基準を設定すること
(2)別紙2の農薬に関し、告示第4号の環境大臣が定める基準を設定すること
について貴審議会の意見を求める。
 1ページめくっていただきますと、裏のページに別紙1が記載されてございまして、こちらが告示第3号の水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準でございまして、7農薬ございます。
 次のページに別紙2がございまして、こちらは水質汚濁に係る農薬登録保留基準で、1農薬ございます。
 別紙2の裏のぺージにまいりまして、こちらが付議書でございます。同日付けの中環審第490号で中央環境審議会会長から中央環境審議会土壌農薬部会長に対して、ただいま御説明した諮問事項につきまして付議がなされております。
 以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、早速ですけれども、それと関係いたしまして議題1から入りたいと思います。水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定についてであります。
 この件につきましては、農薬小委員会に先立ちまして、水産動植物登録保留基準設定検討会において、基準値の設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や公表文献等の情報の精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等を設定して、基準値(案)を策定していただいております。
 それでは、これから順番に事務局から御説明をいただきたいと思います。

【農薬環境管理室環境専門員】 はい。それでは、資料4に沿って説明させていただきたいと思います。資料4が、水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料です。2枚おめくりいただきまして、1ページ目、スピネトラムから御説明いたします。
 まず、Ⅰ.評価対象農薬の概要ですが、1.物質概要のところにありますとおり、このスピネトラムは、①にありますスピネトラム-Jと②にありますスピネトラム-Lの混合物となっております。それぞれの概要については省略させていただきます。
 続いて2.開発の経緯等ですが、スピネトラムは土壌放線菌が産生する活性物質スピノシンに由来する殺虫剤です。現在、日本では農薬の登録申請がなされております。
 製剤については、粒剤、水和剤、水溶剤が、適用作物は稲、果樹、野菜等として申請がなされています。
 各種物性については、①,②ともに記載のとおりで略させていただきますが、水溶解度のところだけ紹介させていただきますと、スピネトラム-Jが1.00×104μg/L、スピネトラム-Lが3.19×104μg/Lとなってございます。
 以降、次のぺージからが水産動植物への毒性試験の結果となっております。試験は、スピネトラム-Jとスピネトラム-Lの混合物である原体でそれぞれ実施されています。
 まず、1.魚類です。コイを用いて魚類の急性毒性試験が実施されておりまして、その結果、96時間のLC50が3,900μg/Lでありました。この試験は半止水式で行われております。
 異常な症状としては、遊泳異常として、緩慢遊泳、水面浮上が観測されております。
 また、それぞれの試験において濃度が記載されておりますが、それはスピネトラム-Jとスピネトラム-Lの量をあわせた値となっております。
 続いて甲殻類です。オオミジンコを用いた急性遊泳阻害試験が実施されまして、その結果48時間のEC50は3,170超となってございます。こちらは観察の結果、異常な症状は見られておりませんでした。
 また、この試験では、設定濃度のところに飽和溶液とありますが、備考のところに記載しておりますように、水溶解度よりもかなり多めの値を添加、攪拌して溶解した溶液をフィルターで濾過した溶液を用いた限度試験となっております。
 次のぺージ、3.藻類です。シュードキルクネリエラを用いた生長阻害試験が実施されまして、72時間のErC50が1,060となっております。これは暴露期間が96時間で行われた試験ですが、72時間でそれぞれ実測濃度や藻類の濃度等が計測されておりましたので、ゼロから72時間の値として実測濃度に基づくErC50が求められております。
 おめくりいただきまして、環境中予測濃度になります。本農薬の製剤として粒剤、水和剤が稲及び果樹に適用がありますので、水田使用農薬及び非水田使用農薬として環境中予測濃度を算出しております。
 まず、水田使用時の予測濃度ですが、表4にありますパラメーターを用いて算出しております。その結果、水田使用時の環境中予測濃度は0.15μg/Lとなっております。
 続いて、非水田使用時の予測濃度を表5にありますパラメーターを用いて算出いたしました。その結果、地表流出による算出結果が0.0014、河川ドリフトによる算出結果が0.0055となりまして、これらのうち値の多い河川ドリフトによる結果をもってPECTier1が0.0055μg/Lとなっております。
 以上の水田PECの結果と非水田PECの結果を比べて、最も値の大きい水田使用時のPEC算出結果をもって、環境中予測濃度は0.15μg/Lとなっております。
 次のぺージになりまして、Ⅳ.の総合評価です。まず、登録保留基準値案として、各生物種のLC50、EC50から、魚類と甲殻類については10で除し、急性影響濃度を求めました。藻類は、そのまま比較して、最も値の小さい甲殻類の急性影響濃度より登録保留基準値として310を提案しております。
 最後に(2)のリスク評価ですが、環境中予測濃度は、水田PECTier1の0.15となっておりますので、登録保留基準値案の310を下回っておりました。
 8ぺージには、参考資料として、検討経緯と申請者から提出されたその他の試験成績を記載しております。
 以上です。

【森田委員長】 これから御議論いただくのですが、1剤ずつやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、今、御説明にありましたスピネトラムにつきまして、記述を含めまして御意見いただけませんでしょうか。いかがでしょうか。
 では、お願いいたします、白石委員。

【白石臨時委員】 補足だけ、させていただきます。
 検討会の方で、甲殻類のところに設定濃度、飽和溶液と書いてありますけれども、ここで若干議論がありまして、設定濃度はもう少し高いところでやられております。
 水溶解度が3.19×104とか、1.00×104μg/Lということで、実測濃度がそれらよりも低いのですが、これは、塩濃度が高いときに溶解度がそこまで達しないのではないかというコメントで、それを認めております。飽和溶液という書きぶりにいたしまして、この値にしたということになります。

【森田委員長】 どうぞ。

【染臨時委員】 私、初めて参加させていただくので、後々になると聞きづらいかなと思って、お伺いします。
 この試験は、甲殻類の試験結果が最小値となって、それが登録保留基準に採用されるという流れになっているのですが、甲殻類は、助剤なしで飽和溶液試験にとどめておるわけですよね。一方で、魚類の試験は、DMFなどの溶解助剤を使用して、甲殻類より高い濃度まで試験をやっております。そうなると甲殻類も溶解助剤などを用いてもっと高い濃度までやれば、当然、試験結果がもっと大きな数字になって、最後に採用する最小値というのはもっと大きくなるのではないのかなと思うのです。この辺りなぜやらないのか。何か理由があってやらないならば、教えていただきたいと思うのです。
 結果としては、魚類の390μg/Lというのと、甲殻類のAECdの317と大差ないので、そう大きな差にはならないので、この環境のリスク評価の方の0.15を考えればどうってことないのかなと思うのですが、なぜこのような試験になっているのかがよく分からないので、お伺いしたいと思います。

【森田委員長】 これに対しましては、どちらがお答えしましょうか。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 備考に飽和溶液の具体的な調製方法を書いているんですけれども、調製した濃度が被験物質100mg/Lということで、ミジンコ類急性遊泳阻害試験の場合のテストガイドライン上の試験上限濃度が100mg/Lということで、用量自体は最高用量ではございます。ただ、こちら、溶解度が余り高くないものですから、溶けていないため、フィルターで濾過した分、実測濃度が下がってしまったという結果になっております。

【森田委員長】 どうぞ。

【農薬環境管理室室長補佐】 少し追加させていただきます。
 農薬取締法の制度上、申請する者がそれぞれのデータを提出します。その際、日本国内・海外のGLP機関で実施するわけなのですが、その実施する時期だとかラボによっていろいろな仕方がありまして、今回、それぞれ外国でやっているようなのですが、実際のところ、染委員も御指摘のとおり、実際の散布から考えられる予想値よりもはるかに大きいところなので再試験はしていないですけれども、今回、このミジンコについては飽和溶液でやって、十分大きな数字で影響なしという数字があったので、さらに試験はしなかったというように考えられます。
 こういう事例は、いろいろな剤によって頻繁にございます。

【農薬環境管理室長】 農薬メーカーがその試験をさせるときに、そのときの事情によってラボをいろいろ選択するわけですね。オオミジンコについてはドイツの何とかとか、魚類については日本だとか、そのときのラボのやり方によって変わってくるということがあると思います。実質的には、非常に厳密なデータが必要であれば、それなりに考えてやってくると思うのですけれど、このように非常に毒性が低いものについては限度試験という形で、これだけデータが大きいのであれば別に溶解しなくてもいいのではないかという判断があったのではないかと、聞いてはいないのですけれども、というふうに考えられます。

【森田委員長】 よろしいでしょうか。

【染臨時委員】 はい。

【森田委員長】 いかがでしょうか。
 さて、この剤について、ほかに御意見がなければ、原案どおりということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、原案どおりの数値で承認されたということにしたいと思います。
 引き続きまして、第2番目の剤、プロピリスルフロンにつきまして御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、プロピリスルフロンでございます。
 9ぺージを御覧いただけますでしょうか。まず、物質概要でございますけれども、そこの表に書いているような構造式を持った農薬でございます。
 2.開発の経緯等でございます。プロピリスルフロンは、スルホニル尿素系の除草剤であり、本邦では未登録の農薬であります。製剤は粒剤、水和剤が、適用作物は水稲として登録申請されています。
 3.各種物性でございます。その表のようにまとめておりますけれども、真ん中の辺り、水溶解度につきましては9.8×102μg/L、加水分解性につきましても真ん中ほどにpH7、25℃で77から90日、水中光分解性につきましても4.61から5.37日というようなデータがございます。
 続きまして10ぺージでございます。水産動植物への毒性の試験の結果でございます。
 1.魚類でございます。コイを用いた魚類急性毒性試験が実施されておりまして、結果として96時間後のLC50は9,600μg/L超ということでございまして、表1にその試験の詳細がまとめられております。
 被験物質としては原体を用いております。暴露方法としては止水式、96時間、設定濃度は1万μg/L、実測濃度につきましては、暴露開始時・暴露終了時で1万から9,100という結果になっております。助剤につきましては、ジメチルホルムアミド0.1ml/Lという条件で使っております。これから求めましたLC50につきましては9,600μg/L超ということで、結果が出ております。
 異常な症状及び反応というものは、観察の結果、見られなかったということでございます。
 続きまして甲殻類でございます。オオミジンコを用いましたミジンコ類急性遊泳阻害試験が実施されまして、48時間後のEC50が、こちらも9,600μg/L超という結果が出ております。表2にそのときの状況を整理しております。
 被験物質は同じく原体、暴露方法は止水式、暴露期間48時間、その設定の濃度は1万μg/Lで、実測濃度は9,600でした。助剤につきましても、ジメチルホルムアミド0.1ml/Lという条件で使っております。これから求めましたEC50が9,600μg/L超という結果でございます。
 異常な症状及び反応につきましても、ミジンコに対しては見られなかったという結果が報告されております。
 続きまして11ぺージでございます。藻類についての実験でございます。こちらの藻類生長阻害試験につきましては、72時間後のErC50が11μg/L超ということで結果が出されております。
 こちらにつきましても、表3にまとめてあるとおりに、被験物質は原体、暴露方法は振とう培養で72時間、設定濃度につきましては公比2.2で、そこに記載されているとおり0.50から11まで5段階に振られております。実測濃度につきましては、暴露開始時-暴露終了時という書き方でデータが記載されています。助剤につきましては、ジメチルホルムアミド0.05ml/Lという条件で使われております。これから求めましたErC50につきましては、11μg/L超ということで、こちらにつきましては、設定濃度に基づいて求めました有効成分換算値でございます。NOECrの方につきましても1.1ということでデータが出ております。
 異常な症状及び反応につきましては、5μg/L以上のものにつきまして、膨張した変形細胞が見られたというデータが出ているところでございます。
 続きまして12ぺージでございます。環境中予測濃度の計算であります。
 本農薬の製剤といたしましては、粒剤がございます。水稲に適用がありますので、水田使用農薬として環境中予測濃度を算出いたしました。
 2.PECの算出ですけども、水田使用時の予測濃度、第1段階における予測濃度をPECが最も高くなる、以下の表4に示したパラメーターを用いて算出しました。こちらに求められた水田使用時の環境中予測濃度につきましては、1.4μg/Lということでございます。
 13ぺージでございます。総合評価ということで、まず(1)登録保留基準値案でございます。先ほど申し上げてまいりました各生物種のLC50、EC50といいますものは、魚類、甲殻類、藻類ということで、そこに書いてあるように、魚類につきましては96時間後のLC50が9,600μg/L超、甲殻類につきましては48時間後のEC50が9,600μg/L超、藻類につきましては72時間後のErC50が11μg/L超ということでございます。
 これらから、魚類と甲殻類には不確実係数10を用いまして急性影響濃度を求め、魚類につきましては960μg/L超、甲殻類につきましても960μg/L超、藻類につきましては11μg/L超となっております。これらのうちの最小の急性影響濃度から登録保留基準値として11μg/Lを提示させていただいております。
 (2)のリスク評価でございます。先ほど求めました水田PECTier1は1.4μg/Lでありますので、登録保留基準値案11μg/Lを下回っているという結果が出ているところでございます。
 14ぺージは参考資料でございます。
 以上でございます。

【森田委員長】 御説明ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、御意見をお願いいたします。
 白石委員。

【白石臨時委員】 では、検討会の方で議論になった点だけ御紹介しますと、水溶解度ですけれども、これに関してスルホニルウレア系の剤ということで、pHによって溶解度が変わるはずであるということで、pHについて問い合わせております。それでこの値が来ていますが、ほかのpHの溶解度に関しては、多分、情報がなかったのではないかと思われます。ということで、魚類とかミジンコ、急性遊泳阻害試験の溶解度が実測の方で非常に高くなっております。溶解度以上、ここに記載してあるよりも高くなっていますけれども、これはpHのせいであろうというように了解できます。
 あと、藻類生長阻害試験で11超というところが、これがキーになっているのですけれども、なぜ11までしかやらなかったのかという議論になりました。これは成長速度から求めると11超になるのですけれども、面積法で旧来の方法で求めますとこの間に入るということで、面積法により算出された予備試験の結果に基づいて試験がなされていたものであろうというように思います。試験法としては問題ないということで11超という値にしておりました。
 以上です。

【森田委員長】 いかがでしょうか。御質問、御意見ございませんでしょうか。いかがでしょうか。
 参考資料として付けられているものとは、大体傾向として合っていると、そういう判断でよろしいでしょうか。合っていますね。

(発言なし)

【森田委員長】 それでは、特段、御質問も御意見もないようでございますが、この物質につきまして、登録保留基準の設定は原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。
 では、引き続きまして第3剤目に移りたいと思います。ピリブチカルブ、お願いいたします。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 15ぺージを御覧ください。ピリブチカルブでございます。まず、15ぺージの物質概要については、資料に記載のとおりでございます。
 次に、開発の経緯等でございますけれども、ピリブチカルブはカーバメート系の除草剤でございまして、既に登録のある剤でございます。本邦での初回登録は1989年でございまして、製剤は粒剤、水和剤、乳剤の登録がありまして、水稲と芝に適用がございます。
 各種物性については、関連ございます水溶解度だけ御紹介しますと、150μg/Lと非常に水溶解度の低い剤でございます。
 続いて16ぺージの水産動植物への毒性についてでございます。まず最初に、1.魚類急性毒性試験の結果でございますけれども、こちらも先ほど御審議いただいたスピネトラムと同様に、設定濃度の欄については飽和溶液と記載しておりまして、1万μg/Lで調製した試験液について0.2μmのフィルターで濾過した後、試験液として用いている試験でございます。
 LC50の結果は、実測濃度に基づいて算出しておりまして、102超という、調製濃度よりはかなり低い値となっております。
 続いてミジンコ類急性遊泳阻害試験の結果でございます。こちらは5段階の設定濃度で実施しておりまして、48時間のEC50の結果は2万6,000μg/Lでございました。
 続いて17ぺージの藻類生長阻害試験の結果でございます。こちらは7濃度区で実施しておりまして、実測濃度に基づく72時間のErC50の値を算出しております。301μg/Lという結果でございました。
 続いて環境中予測濃度でございます。18ぺージの環境中予測濃度でございますけれども、本農薬の製剤としては粒剤の適用がございます。稲及び芝に適用がございますので、水田使用農薬及び非水田使用農薬として、それぞれ環境中予測濃度を算出いたしました。
 2.PECの算出ですけれども、(1)水田使用時の予測濃度、こちらはまず第1段階で登録保留基準値として提案している値を超えてしまっているので、第2段階の予測濃度を表4のパラメーターに基づいて算出しております。算出の結果、水田使用時の環境中予測濃度は0.12μg/Lという結果でございました。
 続いて19ぺージの非水田使用時の予測濃度でございます。こちらはPECが最も高くなる表5のパラメーターを用いまして、こちらは粒剤ですので、ドリフトによる予測濃度は算出せずに、地表流出のみの結果を算出しております。その結果、0.035μg/Lという結果でございました。(3)環境中予測濃度ですけれども、水田、非水田のそれぞれの予測濃度を比較しまして、最も値の大きい水田使用時の算出結果、0.12μg/Lが環境中予測濃度となります。
 続いて総合評価でございます。20ぺージの(1)登録保留基準値案でございますけれども、各生物種のLC50、EC50は以下のとおりでございました。これらからそれぞれ急性影響濃度を算出しまして、最も小さい魚類の急性影響濃度10.2から登録保留基準値10μg/Lを提案しております。(2)のリスク評価ですけれども、環境中予測濃度は水田PECTier2の0.12μg/Lでしたので、登録保留基準値案10μg/Lを下回っているという結果になっております。
 21ぺージについては、参考資料ですので説明は省略いたします。
 以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきましての御審議をお願いいたします。

【細見臨時委員】 一つだけ。聞きそびれたのかもしれませんが、第1段階の計算結果は幾つになるのでしょうか。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 第1段階は10.5という結果でございまして、基準値案は10ですので、若干超えているという結果でございます。

【森田委員長】 いかがでしょうか。
 では、白石委員。

【白石臨時委員】 気になる記述があるのですけど、17ぺージのErC50のところに「実測濃度に基づく有効成分換算値」という難しい表現があるのですが、これは実測濃度ですよねということで、多分、剤を使って検量線を引いていて、それで換算した方がいいという議論だったと思うのですね。これ、ただ単に「実測濃度に基づく」だけでいいのではないかと思うのですけれども、非常に分かりづらいというか、実測濃度はそのものずばりなのでそれでいいのかなと。例えば検量線で引き方が間違っているのではなかったかという記憶なのですけど、もしもそれでよろしければ、「実測濃度に基づく」だけでいいのではないかと思いますけどね。

【森田委員長】 安藤委員、お願いします。

【安藤専門委員】 先ほどから水溶解度のお話が幾つか出ておりますけれども、ここでの水溶解度は約100μg/Lということかなというように思うのです。魚類の場合は、その実測濃度が102ということです。甲殻類の場合が9,800、約1万ですね。一番最大が10万μg/Lということになってしまうと。そうすると、実際はこういうデータになるのでしょうが、助剤が加えられているとはいいながら、随分、それだけ10の何乗も溶解しちゃうものかなという、若干の疑問があります。

【森田委員長】 これは、検討会で議論はいかがでしたでしょうか。

【白石臨時委員】 具体的には懸濁状態ではないのだろうかと思うのですが、そこでも影響がなかったということなのですかね。そういった感じだと思いますけれども。具体的には、ここに先生方おられるので、覚えていらっしゃったら、御回答願いたいと思います。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 報告書にも、高濃度区ではミジンコの試験は被験物質が溶けずに析出しているというのを観察されておりますので、魚類についてはフィルターをかけているので溶けている分だけ測っているのですけれども、ミジンコについては溶けていない懸濁状態のものを測っているため、数字が、かなり大きく違うと思われます。

【安藤専門委員】 ということは、EC50というのは正確ではないというように考えてもよろしいのでしょうか。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 農薬の場合は、懸濁させても試験液としては有効となっておりまして。

【上路臨時委員】 テストガイドラインがそうなっているのです。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 はい。

【森田委員長】 はい。それで、多分一つの疑問は、何でこんな違う濃度で試験が設計されているのかというのは何となくありますが、何か実際に審議される過程でそのことは余り問題にならなかったのでしょうか。

【白石臨時委員】 これはテストガイドラインがそうなっていて、申請された試験データから判断するということになっておりますので、これ以上のことはできない。

【森田委員長】 これ以上のことは言えない。

【白石臨時委員】 ですので、ガイドラインを変えるなりされて統一されれば、そうなると思いますけれども、ここは事務局側で、加えて、見ていただいた方がいいと思いますけど。

【森田委員長】 はい。
 水生生物への毒性という点で、何か御意見ございますでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 ガイドラインを御説明した方がよろしいでしょうか。

【森田委員長】 いや、ガイドラインよりも、とりあえずこれをどう読むかというのを、委員の先生方から。

【農薬環境管理室室長補佐】 では、皆様の御意見を。

【森田委員長】 ガイドラインの問題も若干あるかもしれませんが、何か五箇委員が。

【五箇臨時委員】 すみません。本検討会の当日、僕自身は欠席していて、審議の場にいなかったので、今、この場での意見になってしまうのですけれども、先ほども安藤先生の方からも御指摘あったように、懸濁液でやっていて正確なのかというところで、特に懸濁した状態ですごく高い濃度でも死なないというのであれば、それはそれで評価してもいいのかと思うのですが。一応これ、EC50が計算されているということは、どこかで死んでいるということになると、影響が出ているということになり、実態を反映した影響濃度として必要ではないかと考えられます。できれば本当は魚のように、例えば実際に溶ける濃度でこのミジンコはどうなのかということが評価されていると、もっとすっきりするのではないかなと思うのですよね。
 特に助剤を使ってでもきれいに溶けているのならまだしも、何か懸濁しているという状態だとすると、全然正しい濃度が測れていない状態になっていると考えられるので、ここで実際に死んでいるという濃度がどの程度の濃度だったのかというところが少し引っ掛かってしまうのではないかなという気はするのですけれども。それで、肝心の登録保留基準値の算定根拠が魚の方の数値を使っているということなので、その魚の方は、逆に102では死ななかったということですよね。死なない方の濃度で登録保留基準値が定められていて、実はよく分からない濃度でミジンコが死んでいるというのが、少し気になるかなというところです。

【森田委員長】 はい。この表2のオオミジンコ急性遊泳阻害というところはEC50になっていますが、これは別に死んでいるわけではないですね。影響が出ている濃度ですね。
 いかがいたしましょうか。何となく、毒性を現す範囲というのは、こういったデータからある程度推測をすることができるので、そこのところで魚の死ななかった濃度をとっておけば、ある程度安全サイドの数値が設定されているのではないかという意見もひょっとしたらあるかもしれませんし、これは先生方から御意見をいただきたいと思いますが。そもそもデータそのものをもう少し大事に扱えという意見があるかもしれません。

【安藤専門委員】 この場で大体の結論を出すのであれば、いずれにしても、魚、あるいはデータが出ている藻類ですか、これでやるのでしょうけども、それとは別に、御議論になりかけた、試験設計としてこれでいいのかなという、そこは別として考えなければいけない話かなというように思います。
 それからもう一つ、甲殻類のEC50を出したというのは、結局9,800でも同じような影響があって、1万8,000でも同じような、3万1,000でも結局同じような影響が多分各濃度群にはあって、そのらしきところとしてEC50が出てきたのかなという気もいたしますので、やはり、これは考えようがあるなという気がいたしました。

【森田委員長】 では、ミジンコの御専門の花里委員、何かこれについて。

【花里臨時委員】 はい。私は確かここに参加していたのですけど、詳しいことは忘れてしまい、もう一回確認なのですが、実測濃度って、これ、懸濁しているものも含めて測っていたというようだったのでしょうか。お分かりになりますか。

【農薬環境管理室室長補佐】 懸濁したものを測っていたのだと思います。

【花里臨時委員】 ということでしたでしょうか。まずは、EC50の場合は半数影響濃度ですけども、このクライテリアが遊泳阻害ですから、言ってみればかなりLC50に近い、ミジンコは多分少し時間がたつと、遊泳阻害を起こした個体も死ぬ場合が多いですから、それに近いものと考えていいというようには思います。
 このときは、すみません、よく覚えていないのですけれども、ただ、懸濁物質まで一緒に測ったというと、やはり確かに問題かもしれないですけれども、これだけ高い濃度だったならば、実際的には問題ないだろうということで、この魚のデータでいいだろうというような判断になったのだろうと思います。

【森田委員長】 多分、安藤委員の方から御指摘があったのは、設定濃度に対してドーズレスポンスがどうなっているかという質問があったように思います。一番下のレベルでも同じように死んでいるのかどうか、そこのところだけは確認をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 すみません。よろしいでしょうか。
 先ほど花里委員がおっしゃられたところを確認すると、懸濁しているということは正確な表現ではなく、低濃度では無色透明ですが、ある一定の濃度から白濁した状態で試験をしているということでした。また、ドーズレスポンスがきちんと出ているような状況でのデータでもあるということでございます。今、この試験成績を見て確認したところ、そのような状況で出されたデータということでございます。

【森田委員長】 よろしいでしょうか。では、とりあえず、2,900ではほとんど影響は出なかったというような形で結果が報告されているという理解でよろしいでしょうか。

【農薬環境管理室室長補佐】 ほぼきれいな対数グラフに乗ったデータが提出されています。

【森田委員長】 いや、確認したかったのは、一番低い濃度では影響が出ていないということなのですが。

【農薬環境管理室室長補佐】 出ておりません。

【安藤専門委員】 余りこれの議論をしたくないのでいいのですが、どちらにしろEC50が2万6,000で実測濃度の最高値も2万7,900で、実は一番高いところがEC50になっているという、それもおかしいなという気もしないわけではありませんが、今の議論はもう結構です。基本的には、ドーズレスポンスに関するお話ではありませんので。

【森田委員長】 よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 登録保留基準値案10μg/Lという数字が提案されていますが、これでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 では、特段異議もないということで、御承認いただいたことにしたいと思います。
 引き続きまして、ピロキロンに移りたいと思います。お願いします。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、ピロキロンでございます。
 22ぺージをお開きいただけますでしょうか。物質の概要ですけれども、そこの表にまとめたような構造式を持った物質でございます。
 開発の経緯等でございますけれども、ピロキロンは、メラニン生合成阻害の殺菌剤であり、本邦での初回登録は1985年であります。製剤では粒剤が、適用作物には稲があります。
 原体の国内生産量は、平成16年度1.9トン、17年度3.4トンというような状況でございます。
 各種物性につきましては一覧表にまとめたとおりでありまして、水溶解度につきましては4.6×106μg/Lというデータがございます。加水分解性につきましては、分解しないというようなデータが出ております。水中光分解性につきましては半減期が280時間とかというようなデータがございます。
 続きまして23ぺージでございます。水産動植物への毒性につきまして、魚類を用いました急性毒性試験が行われておりまして、96時間のLC50が3万3,100μg/Lということでデータが出ております。
 表1にその状況をまとめております。被験物質につきましては原体を用いております。暴露方法は止水式、暴露期間96時間、設定濃度につきましては、公比2で3,000から4万8,000まで5段階に振られております。実測濃度につきましては、未測定というのが二つあるのですけれども、対応する3,000と6,000と1万2,000というところで影響が出なかったということですので、実測濃度につきましては、設定濃度が1万1,700から4万8,000に対応するものが測定されています。助剤につきましては使われておりません。
 これから求めましたLC50につきましては、3万3,100μg/Lということで、これは設定濃度に基づく有効成分換算値でございます。
 異常な症状及び反応につきましては、平衡喪失、活動度の低下といったものが2万4,000μg/L群に見られたということでございます。
 続きまして甲殻類でございます。ミジンコ類急性遊泳阻害試験、オオミジンコを用いた遊泳阻害試験が実施されまして、48時間後のEC50が6万7,100μg/Lというデータを得ております。
 被験物質につきましては原体を用いております。暴露方法は止水式、暴露期間48時間、設定濃度につきましては6,300から10万まで5段階に振っております。実測濃度につきましても、未測定がございますけれども、こちらもコイのときに説明したのと同様に、6,300と1万2,500に対応するところで影響が見られなかったので、6,300の方は測定を省略したということでございます。これらのデータから求めましたEC50につきましては、6万7,100μg/Lということです。
 異常な症状及び反応につきましては、特に見られなかったということでございます。
 3.藻類につきましては、藻類生長阻害試験を実施いたしました結果、72時間後のErC50が9万7,300超という結果が出ております。
 実験の概要につきましては表3にまとめたとおり、原体を被験物質といたしまして攪拌培養が行われています。暴露期間は96時間、設定濃度につきましては2,200から10万まで、これは6段階に振っている実験でございます。実測濃度につきましては2,200の設定濃度に対しては特に行っていないというのは、先ほどから申し上げた理由で影響が見られていなかったということで省略したということでございます。助剤につきましては用いずに試験が行われまして、これから求めたErC50が9万7,300超ということでございます。NOECrにつきましても4万4,800μg/Lという結果が出ております。
 異常な症状及び反応につきましては、特に見られなかったということでございます。
 続きまして、25ぺージの環境中予測濃度の計算でございます。製剤の種類及び適用作物等に関しましては、本農薬の製剤として粒剤がございます。稲に適用がありますので、水田使用農薬として環境中予測濃度を算出いたしました。
 2.PECの算出ということでございまして、水田使用時の予測濃度、第1段階における予測濃度、PECが最も高くなる、以下の使用方法の場合について求めたと。表4にありますパラメーターを用いまして求めた水田使用時の環境中予測濃度につきましては、30μg/Lということでございます。
 続きまして26ぺージ、総合評価で(1)登録保留基準値案でございます。先ほど申し上げてまいりました各生物種のLC50、EC50に関しまして、魚類につきましては96時間のLC50が3万3,100μg/L、甲殻類につきましては、48時間のEC50が6万7,100、藻類につきましては72時間のErC50が9万7,300μg/L超という結果が出ております。
 これらから、魚類と甲殻類につきましては不確実係数として10を用いまして、魚類については3,310μg/L、甲殻類の急性影響濃度は6,710μg/L、藻類につきましては急性影響濃度9万7,300μg/L超ということでございます。これらのうちの最小の急性影響濃度を用いまして、登録保留基準値として3,300μg/Lということで提示させていただいております。(2)リスク評価でございます。環境中予測濃度、水田PECTier1は25ぺージにありますように30でございますので、登録保留基準値の3,300μg/Lいうものを下回っているということでございます。
 27ぺージ、28ぺージは参考資料でございます。
 本剤につきましては以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、このピロキロンにつきまして御意見をいただけませんでしょうか。いかがでしょうか。
 この作用メカニズムはメラニン生合成阻害と書いてありますが、こんな理解でよろしいですか。

【五箇臨時委員】 具体的には、メラニン生合成の途中にありますヒドロキシナフタレンレダクターゼという酵素を直接攻撃しまして、最終的にメラニンの合成ができなくなってしまうということで、菌の細胞成長を阻害してしまうということになります。

【森田委員長】 いかがでしょうか。毒性は、少なくとも96時間で観察される毒性は比較的弱いというように言えると思います。
 井上(達)先生、何か特段御感想はございませんか。

【井上(達)臨時委員】 ええ。

【森田委員長】 ほかに先生方、御意見ございませんか。

(発言なし)

【森田委員長】 では、特段、よろしくないという意見もなさそうでございますので、登録保留基準値は3.3ppmですね、相当高い濃度に設定されますが、この原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。
 比較的順調に進行しておりますので、このまま続けてよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 では、フルトラニルに行きたいと思います。

【農薬環境管理室環境専門員】 はい、29ぺージのフルトラニルになります。
 まず、評価対象農薬の概要ですが、物質概要については1番にあるとおりとなっております。
 開発の経緯ですが、フルトラニルは、酸アミド系の殺菌剤です。日本での初回登録は1985年となっております。製剤は粉剤、粒剤、水和剤、乳剤、油剤が、稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、花卉、芝等に適用がございます。
 原体の国内生産量が150.5トン、386.2トン、124.6トンと、この3年間で推移しております。
 次に各種物性ですが、表にあるとおりなので紹介は省略させていただきますが、水溶解度のところだけ御紹介しますと、6.63×103μg/Lとなっております。
 次のぺージに移りまして、Ⅱ.水産動植物への毒性です。まず、コイを用いた魚類急性毒性試験の結果についてです。表1にありますとおり、半止水式で暴露試験が行われまして、96時間のLC50が3,160となっております。
 異常な症状及び反応としては、活動度の低下、体色暗化、軽度平衡喪失、眼球突出、完全平衡喪失、立鱗が観察されております。
 続いてミジンコ類急性遊泳阻害試験ですが、オオミジンコを用いて試験が実施されております。止水式で試験が実施されておりまして、48時間のEC50が6,800超となってございます。
 異常な症状及び反応としては、底部への局在が観察されております。
 次のぺージに移りまして藻類ですが、シュードキルクネリエラを用いた生長阻害試験が実施されております。こちらは振とう培養で試験が実施されておりまして、ErC50が3,150超となっております。
 異常な症状及び反応は、報告書に情報がございませんでした。
 次に32ぺージ、環境中予測濃度になります。まず、本農薬の製剤としては、粒剤、水和剤が稲及び芝に適用がありますので、水田使用農薬及び非水田使用農薬として環境中予測濃度を算出しております。
 2.PECの算出ですが、まず、水田使用時の予測濃度として、PECが最も高くなる表4のパラメーターを用いて算出を行ったところ、水田PECTier1による算出結果として42μg/Lと、環境中予測濃度が算出されました。続いて(2)非水田使用時の予測濃度ですが、こちらもPECが最も高くなる、表5にありますパラメーターを用いて算出いたしました。結果が次のぺージにありますが、地表流出による算出結果が0.33、河川ドリフトによる算出結果が0.039となりまして、これらのうち値の大きい地表流出によるPECの結果をもってPECTier1が0.33μg/Lとなっております。以上より、水田PECと非水田PECの値を比べまして、値の大きい水田使用時の算出結果をもって環境中予測濃度が水田PECTier1から42μg/Lとなってございます。
 続いて総合評価です。まず(1)登録保留基準値案ですが、各生物種のLC50、EC50をまずあらわしておりまして、これらから魚類と甲殻類については不確実係数の10で除しまして、藻類はそのまま持ってきた値をもって急性影響濃度としております。これらのうち最も値の小さい魚類急性影響濃度より登録保留基準案として310を提案してございます。
 続いてリスク評価ですが、環境中予測濃度は水田PECTier1の42μg/Lでありまして、登録保留基準値案の310を下回っております。
 35ぺージ、36ぺージは参考資料となっておりますので、説明は省略させていただきます。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見、追加の御発言ございませんでしょうか。

【眞柄臨時委員】 よく分からないので教えていただきたいのですが、国内生産量が150トン、386トン、124トンと、年度ごとにばらつきが大変大きいのですが、この農薬はそういう特徴を持っているものなのでしょうか。

【農薬環境管理室環境専門員】 はい。こちらの値については、農薬要覧にある値をそのまま記載しておりますので、詳細は不明ですが、これはメーカーの生産量に依存していると考えられますので、在庫の関係もあったかもしれませんが。あと、この農薬が紋枯病に使われる剤ですので、例えばその病気の発生状況等で左右することもあるかと思います。

【眞柄臨時委員】 違うと思うな。

【花井専門委員】 この数字をどこから持ってきたかによるのですけど、製剤の生産量と出荷量って、農薬要覧にありますよね。製剤の出荷量の方であればこんなにばらつきはないと思います。原体の生産量を引っ張ってこられると、今言われた在庫の関係などで振れるのだと思います。想像ですけど、原体の生産量ではなくて製剤の出荷量の方で計算すれば、もっと、ばらつきがないと思います。

【農薬環境管理室環境専門員】 すみません。こちらでは、原体の出荷量の情報はないため、原体の生産量を記載しております。

【眞柄臨時委員】 いや、今、細かい話ですけれども、こういうものを評価するときに、要するに環境に毎年どれくらい出ているかということが実際のリスクに関係するわけで、生産量なんてと言ってはいけないのだけど、こういう評価をするときに余り意味ないですよね。しかもこの原体、フルトラニル、よく使われている、出荷量も多い農薬ですので、そういう意味では、こういうところの表現について、今後少し工夫をしていただくのがよろしいのではないかと思います。

【森田委員長】 はい。ほかにいかがでしょうか。
 ちなみに、これは、例えばゴルフ場の農薬とか、そういうのである種の指針値が存在しますよね。それは何か情報がありますでしょうか。

【眞柄臨時委員】 いや、いいですよ。また、次から、資料をつくるときに参考にしてください。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、そういった情報を入れられればと思うのですが、出荷量になると、混合製剤とかいろいろなケースがあって、その辺りのデータを最後まで突き止められるかという問題もありますが、先生の御意見を参考に今後は対応してまいりたいと思います。どうもありがとうございました。

【農薬環境管理室室長補佐】 状況を御説明しますと、これは大まかにその原体もしくはその成分が日本国内でどれくらいあるかというデータを、原体の製造若しくは輸入で押さえる、押さえられるところは押さえています。数字が分からないということがよくあるのですが、非常に小さい量の場合は、この統計数値に出てこなくて分からないということもよくあります。申し訳ないのは、出荷だとか販売になると、今度は製剤になって混合であるだとか希釈であるだとかが入って我が国の全体像が見れないものですから、原体の生産の数年分を載せて、大まかに御理解いただくという趣旨で原体生産量を載せてございます。
 今回、たまたまこの剤、在庫に波があったようでこういうことになっていますが、大まかに100トンぐらいつくっているものだな、若しくはキロ単位なのだなというような目で見ていただいて、もし、特に問題がある場合には、御指摘いただければもう少し詳細に、今度は製剤から戻しますと相当時間が掛かるものですから、特に問題があるときだけ御指摘いただければというように存じます。

【森田委員長】 はい。

【花里臨時委員】 環境省が定めるゴルフ場の指針値として、フルトラニルは2mg/Lだったような。

【眞柄臨時委員】 そうですね。濃度が高いですよ。

【森田委員長】 そうですね。
 いかがでしょうか。それでは、御意見が特段ないようであれば、原案どおり310μg/Lという形で基準値を決めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 ありがとうございました。
 もう、続けてやってしまいます。メトミノストロビン、お願いいたします。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 資料の37ぺージを御覧ください。メトミノストロビンでございます。まず、物質概要については資料に記載のとおりでございます。
 開発の経緯等ですけれども、メトキシアクリレート系の殺菌剤でございまして、既に登録がございます。1998年に初回登録されております。こちらは、いもち病の稲専用剤でございまして、製剤は粒剤の登録がございます。
 各種物性については、資料に記載のとおりでございます。
 続きまして、38ぺージの水産動植物への毒性でございます。
 まず(1)魚類急性毒性試験の結果ですけれども、96時間の試験を実施しておりまして、LC50の結果が1万4,800μg/Lという結果でございました。
 異常な症状としては、完全平衡喪失や活動の低下、体色暗化等が認められております。
 続きまして、ミジンコ類急性遊泳阻害試験の結果でございます。オオミジンコを用いて48時間で試験を実施した結果、EC50が4,860μg/Lという結果でございました。
 1ぺージめくっていただきますと、39ぺージが藻類生長阻害試験でございます。シュードキルクネリエラを用いて試験を実施しておりまして、72時間のEC50が4,080μg/Lという結果でございました。こちらは、先ほどのピリブチカルブ同様に実測濃度の欄に「被験物質濃度」という記載をしておりまして、ErC50については「実測濃度に基づく有効成分換算値」という括弧書きで記載しているのですけれども、こちらの記載の説明をいたしますと、魚類とミジンコについてはスタンダードに分析用の標準品を用いて実測濃度を測定しているのですけれども、藻類については被験物質そのものを用いて分析を行っておりまして、実測濃度欄にある数値については、純度換算していない値でございます。その数値に従ってErC50を計算して純度換算した値ということで、「実測濃度に基づく有効成分換算値」という書き方をしておりました。したがいまして、先ほど御意見ございましたので、括弧書きで「実測濃度に基づく」という書き方に修正した方がよろしいかどうか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
 続きまして、Ⅲ.環境中予測濃度でございます。製剤としては粒剤の登録がございます。稲に適用がございますので、水田使用農薬として環境中予測濃度を算出いたしました。
 2.PECの算出でございます。第1段階における予測濃度を表4に基づくパラメーターを用いまして算出した結果、水田PECTier1による算出結果は27μg/Lという結果でございました。
 次のぺージをめくっていただきまして、総合評価でございます。
 (1)登録保留基準値案につきましては、各種生物種のLC50及びEC50から急性影響濃度をそれぞれ算出しまして、最も小さいのが甲殻類の急性影響濃度でしたので、486から登録保留基準値案としては480μg/Lを提案しております。(2)リスク評価です。環境中予測濃度は水田PECTier1の27μg/Lでしたので、登録保留基準値案の480μg/Lを下回っているという結果になっております。
 42ぺージについては、参考資料ですので省略いたします。
 以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 この物質につきまして、御意見。

【白石臨時委員】 先ほどの件ですが、「実測濃度に基づく有効成分換算値」はおかしいと言ったのですけれども、ここの表3の中の実測濃度というものを実測濃度として呼ぶとすれば、実測濃度に基づく有効成分換算値という表現が正しいというように思いますので。

【農薬環境管理室企画・調査係長】 もし、もっとよい記載方法があれば、そのような記載表現に。

【白石臨時委員】 そうです。難しいのですけど、実測濃度のイメージだと、測った濃度というイメージなのですけど、このペーパー上実測濃度というものがここに書いた数値とすれば、「実測濃度に基づく有効成分換算値」という表現が正しいように思いますので、先ほどのもそうなるのかなという気がしますが。一般的な人が見ると少しおかしな表現に思いますけども、この文章上はそうなるのかなと思います。

【森田委員長】 ほかにいかがでしょうか。
 そもそも、水溶解度からすると、助剤を入れなくても溶けているようなことはありませんか。何でわざわざ助剤を入れて、この実験は。

【白石臨時委員】 多分、試験がやりやすいとか、そういったことで入れたと思います。

【森田委員長】 ガイドライン上は助剤を入れなくても十分溶けるケースでも助剤を入れてもよろしいと、そういう形になっているのでしょうか。

【上路臨時委員】 そこまでは示していない……。

【森田委員長】 つまり、助剤のシナジー効果とか、あるいは限度効果とか、いろいろなことを考えなくてよいかという、そんな話ですけれども。

【白石臨時委員】 多分、これはそれほど厳しく考えなくて、溶媒ですので界面活性作用があるとか、そういったものではないので、そこまでここの場合では考える必要はないと思いますし、100ppmまではオーケーということに、現在でも、化審法等でもなっていますので、その辺ではクリアしているのではないかなというように思いますが。界面活性作用のあるものを使った場合には、先ほどのような場合は、注意が必要かというように思います。

【森田委員長】 DMSOは幾ら入れても大丈夫だと。

【白石臨時委員】 大丈夫ではないかと。

【森田委員長】 大丈夫。その議論は。

【白石臨時委員】 それはどうでしょうね。

【花里臨時委員】 ええ。DMSOはいいということになっています。

【森田委員長】 いいことになっていますか。

【花里臨時委員】 いいというか、それほど界面活性作用が高くないので。

【森田委員長】 もちろんそうなのだけど、例えばDMSOを入れると毒性が低く見えるとか、そんなことはありませんかという、そのような話です。

【花里臨時委員】 そうですね。一応、界面活性作用のあるものは低くなる可能性があるということですけども、これはそれほど考慮しなくていいだろうというように、そういう判断になっています。しています。

【安藤専門委員】 私も先生と同じような考え方で、つまり、それはそうなのですね。ただ、そのときの実験系として、もうこれを見た瞬間、DMSOは入れる必要は毛頭ない実験なのですよ。それが入っていること自体が、もう、それが何かおかしいなという、これ一般的に考えておかしいなと、そういうように思ってしまうかなという、そういう疑問です。主要な問題としてはもちろん議論の対象ではありませんけれどもね。

【森田委員長】 いや、ひょっとしたら、この水溶解度として表示されている数値ほどは、実際は溶けないのかもしれないのですけどね。その辺りのつながりが少し見えていないので、なぜ入れられたのかなという、そういう疑問が若干発生したという、それだけですけどね。

【花里臨時委員】 よろしいですか。多分これ、かなり業務的にやっていますので、こういう助剤を入れた方が扱いやすいということもあって、そこまで考慮は余りしていないだろうというようには思います。

【森田委員長】 なるほど。
 ほかに先生方から御意見ございませんでしょうか。どうぞ。

【中野臨時委員】 すみません。単純な質問ですけれども、今までですと農薬、例えば紋枯れとかいもちとかに農薬が散布されますと、においがものすごく強いのですけれども、この、今日、いろいろと討議していただく中は、全部無臭ということになっているのです。これはやはり改良されたからこうなるのでしょうか、どうでしょうか。教えてください。

【森田委員長】 どなたか、分かる方はいますか。においの本体は一体何なのかという問題と若干絡んでくるのだけど。

【農薬環境管理室室長補佐】 このもののデータは見ていないのですけれども、一般的に化学品純品の場合は、ここでよく無臭というのが出てきますが、実際に農薬については製剤化されていますのでいろいろな成分が入っています。それによってにおいがある場合もあるし、逆に薄まっている場合もあるというように御理解いただければと思います。これは非常に化学品、厳密にその性質を述べているので、幾ら溶けますとか、無味ですとか無臭ですとかということが書いてあります。
 すみません、説明になっているかどうか分かりませんけど。

【中野臨時委員】 散布されると、空気中が物すごくにおいがするのですけどね。

【農薬環境管理室環境専門員】 乳剤の場合は、助剤として入っているもののにおいでかなりにおいが強いことがあると思いますが。

【森田委員長】 さてと。いかがでしょうか。
 どうぞ、井上(隆)委員。

【井上(隆)専門委員】 すみません。この剤ではなくて、先ほどの眞柄委員の御意見に対してなんですが、出荷量の計算は大変なのですけれども、PRTRの方で二百何種類というのは環境中放出量が計算されていますので、記載するかどうかは、また御判断いただければいいと思うのですが、PRTR対象物質であるかどうか、ある場合には放出量は幾らかというのは、簡単に手に入る情報だと思います。

【森田委員長】 ありがとうございました。とりあえず、それは参考情報で検討会に少し出していただくことにしたいと思います。今回はよろしいですね。

【井上(隆)専門委員】 はい。

【眞柄臨時委員】 なぜこういうことを申し上げたかというと、農薬の原体の使用量がこの10年ぐらいの間に3分の2ぐらいに減っているのですよね。これはいろんな意味で環境行政が農薬類に対して、有効に適切に利用するような方向性があるのですよ、一般的に。そういう一般的な傾向がある中で、こんなに生産量が増減するというのは、よほど何か理由がなければ、そんなのないので。だから、そういう意味で、僕は伺ったのですよ。だから、そういう農薬に対する環境行政の効果というものを、こういうものを見ていくと分かるわけで、その中でなぜこれがこんなに変動があるのかということをやはり気にしなければいけないから、僕はそういうのを伺ったのであって、ですから、井上(隆)先生が言われるように、生産量と、こちらは農業以外の用途にも使われているので、そういう意味ではPRTRみたいなもので出していただいた方が、広く、どういう形でリスクが今あるのかということを知る上では大事ではないかということを申し上げた。それだけのことですから、余り気にしないでください。

【森田委員長】 はい。大変ありがとうございました。
 それでは、引き続きまして、今議論をいただいておりますメトミノストロビン、これにつきましてはいかがでしょうか。原案どおりの基準値策定でよろしいでしょうか。480μg/Lという基準値案の。

【眞柄臨時委員】 先ほどの物性のところで、白色固体結晶は無臭というのは、原体のことなのですよね。先ほど私が申し上げたように、実際に使われている剤だとどういうものかというのが一般的に言えばみんなが知りたい情報で、こういう化学物質、原体そのものの評価をしようというときに、本当にこの外観というのが要るのかどうなのか、融点とかなんとかというのは、要するに化学的な特性を知る上で必要な情報かもしれないけども、外観とかこういうようなものは別になくてもいいので、剤としては粒剤なのか乳剤なのか、どういうもので使われているかという情報の方がむしろ大事なのかもしれないというように私も思います。

【上路臨時委員】 確かに各種物性のところで、必ずしも外観とか、そういう必要がない。原体としてはね。それもよく分かります。ただ、この剤が粒剤、粉剤とかという、そういう分け方で、非常に単純に、粒剤だからあるいは粉剤だからこういうにおいとかこういうものがあるというように言い切れないところがあるのではないかと思います。それは、同じ原体でも、複数の殺虫剤や殺菌剤と混合してしまったり、あるいは、水稲用でも、箱施用とか散布施用によって、また、助剤である界面活性剤の場合ですと、いろんなものの混合剤として製剤成分が違ってくる可能性があるので、必ずしも単純ではないということだけ御承知いただいて……。

【眞柄臨時委員】 いや、おっしゃるとおり、よく分かります。ここでそういうようにまで書いてくださいとは申しませんが、どこかでそういう情報が分かるようなものを提供していただけるように、工夫をどこかでしていただければよろしいかと思います。

【森田委員長】 ありがとうございました。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 それでは、とりあえずこの剤につきましては原案どおり480μg/Lという基準値案でよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 はい。あと、もう一剤だけ残っていますので、ついでにもうやってしまいたいと思います。
 メプロニル、お願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、43ぺージをお開きいただきますでしょうか。メプロニルでございます。物質の概要につきましては、そこの表に書いているような構造式を持った農薬でございます。
 開発の経緯等でありますが、メプロニルはベンズアニリド系の殺菌剤であり、本邦での初回登録は1981年ということでございます。製剤につきましては、粉剤、水和剤があります。適用作物につきましては稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、花卉、樹木、芝等があります。
 原体の国内生産量は16年度で107トン、17年度は140トン、18年度82トンというような情報がございました。
 各種物性でございます。そこの一覧表の水溶解度につきましては8.23×103μg/Lというようなデータがございます。
 続いて44ぺージでございます。水産動植物への毒性についてのデータでございます。1.魚類急性毒性試験が実施されておりまして、コイを用いまして96時間のLC50が7,440μg/Lということでございました。
 表1にその概要がまとめられております。被験物質としては原体、暴露方法としては半止水式、48時間後に換水するという方法で行われました。暴露期間は96時間、設定濃度につきましては1,000から1万まで5段階に振られております。実測濃度につきましては、そこに書いているような濃度が測定されております。助剤につきましては使われておりません。この条件から、求められましたLC50といいますものが7,440μg/Lということでございます。
 異常な症状及び反応につきましては、5,600μg/L群において上層遊泳、横臥というものが見られたということでございました。
 続きまして、甲殻類につきましてはオオミジンコを用いました急性遊泳阻害試験が実施されまして、48時間後のEC50が4,270μg/Lということでございます。
 こちらにつきましても、表2のとおり、被験物質として原体、暴露方法として止水式、暴露期間48時間、設定濃度につきましては560から1万まで6段階に振っております。助剤につきましてはメタノールを0.1ml/Lという条件で使っております。これらの試験から求められましたEC50につきましては、4,270μg/Lということでございます。
 異常な症状及び反応といいますものは、報告書に特に情報はございませんでした。
 続きまして45ぺージでございます。藻類を用いました生長阻害試験が実施されまして、72時間後のErC50が8,810μg/L超という結果が得られております。
 表3につきましては試験の概要でございまして、被験物質は原体、暴露方法として振とう培養、暴露期間72時間、設定濃度は100から1万まで、こちらは7段階に濃度を振っております。助剤につきましては使用されていないということで、これらから求められましたErC50は8,810μg/L超ということでございます。NOECrにつきましては834μg/Lというデータが得られております。
 異常な症状及び反応につきましては、報告書に特に情報はございませんでした。
 続きまして、46ぺージに環境中予測濃度の計算を示しております。製剤の種類、適用作物につきましては、本農薬の製剤として、粉剤3%、水和剤75%というものがございます。稲及び芝に適用がありますので、水田使用農薬及び非水田使用農薬として環境中予測濃度をそれぞれ計算いたします。
 2.PECの算出がそこに書かれております。(1)といたしまして、水田使用時の予測濃度が最も高くなる、表4にありますパラメーターを使い、求められた水田PECTier1は9.0μg/Lということでございます。他方、非水田の使用に関しましても、予測濃度が最も高くなる、表5のパラメーターを用いまして算出した結果、これは47ぺージに書いておりますけれども、地表流出によるもの0.30μg/L、河川ドリフトによるもの0.035μg/Lということでございまして、非水田につきましては、この値の二つのうち大きい方を採択いたしまして、PECTier1が0.30μg/Lということでございます。
 環境中予測濃度として、先ほど求めました水田と非水田のPECについて、値の大きい方を採択することから、水田使用時のPECの算出結果をもって環境中予測濃度を9.0μg/Lということで設定しております。
 次に48ぺージでございます。総合評価になります。(1)登録保留基準値案といたしまして、先ほどから申し上げてきました、各種生物種のLC50、EC50につきましては、魚類に関しましてはコイにつきまして96時間のLC50が7,440、甲殻類につきましては48時間のEC50が4,270、藻類に関しましては72時間のErC50が8,810超ということでございます。これらから、魚類と甲殻類につきましては、不確実係数の10を用いまして急性影響濃度を算出いたしました。魚類につきましては744、甲殻類につきましては427、藻類急性影響濃度につきましては8,810超ということでございます。これらのうちで最小の急性影響濃度、登録保留基準値ということで、420μg/Lということで提案させていただいております。(2)リスク評価でございますけれども、環境中予測濃度は水田PECTier19.0μg/Lですので、登録保留基準値案の420というものを下回っているということでございます。
 49ぺージにつきましては参考資料ということでございます。
 本剤につきましては以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤につきまして、御質問、御意見ございませんでしょうか。何か追加の御発言はございますか。特にありませんか。
 どうぞ、安藤委員。

【安藤専門委員】 またまた主題から外れるお話で、申し訳ありません。
 このメプロニルというのは、構造から言うとフルトラニルとほとんど同じなのですね。メチル基のところが、そのHが全部フッ素に変わった、それだけなのです。そうすると、これを見ますと、フルトラニルは酸アミド系殺菌剤というのです。こちらはベンズアニリド系殺菌剤と。これ、どちらが、あるいはこういうように言うのでしょうか。教えていただければ。

【五箇臨時委員】 よろしいでしょうか。どちらでもいいといえばどちらでもいいのですが、結局こういった農薬の系列というのも、ある一つの親化合物からどんどんいろいろな会社が特許を展開してつくられていくので、一つの系統樹みたいに系統立っていくわけですね。そうすると、最終的にはもとにあった化合物とは全然変わってきていてもその系列で名前を呼ぶとかしていくので、そういった中では、系列の名前の付け方にも何も決まりもなくて、最初に言った者勝ちみたいな状態のところもありますので、この場合はどちらも正解ということになりますので、特にどれが間違い、どれが正しいということもなく、実は先ほども森田委員長の方からもそういう質問もありまして、全然、言っている系統、この構造式は違うのではないかというのもそのもともとの親化合物がそういう系列から始まってきて、結果的に今ある模倣化された展開化合物が全部その系列で名前を付けられているとかいうことがあって、結構、名前と実際の構造式に矛盾があることも多々あります。

【安藤専門委員】 それで言えば、この言葉は余り意味がない、と。

【五箇臨時委員】 まあ、意味がないと言われると……。何らかの形で、例えば先ほど出てきたメトキシアクリレートであれば、その構造そのものは大体ミトコンドリアの電子伝達系に作用するとか、構造式そのものから大体の作用点というのも類推できるので、ある程度何か系列立った名前で呼んだ方が便利なこともあります。
 ただ、かなり今選択性が増していて、農薬の構造そのものもものすごい細分化されてきているので、確かにおっしゃるとおり、一々系列の名を付けても、もはや意味がないところもたくさんあります。かつての殺虫剤でしたら、例えばピレスロイド剤、有機リン剤、カーバーメート剤と、主立った系列ははっきりしていたのですが、今はもう様々な新規の構造式を持つ剤がたくさんあり、そういった意味では、もう、無数に系列の名前がこの先出てくる可能性もあるということになりますので、こういったところで何々系、何々系という場合には、代表的なものはいいですけど、余り細かいところはもう言ってもしょうがなく、新規構造式とか、新しい構造式とか言った方がいいのではないかなというところは、実情としてはあると思います。

【上路臨時委員】 よろしいでしょうか。非常につらいところを突かれたという気持ちがいたします。殺虫剤と除草剤というのは、比較的構造と作用に相関性があるので、何々系と、案外、言いやすいのです。ただし、殺菌剤に関しましては、いろんな種類の構造があって、その構造と作用が必ずしも類型化、きちんと分けられないというところ、矛盾があります。
 それで、同じ分類をしていても、殺菌剤の場合には構造だけではなくて、例えばエルゴステロール阻害剤とか、そんな言い方もしてしまうのですね、現実に。そういうことで、殺菌剤あるいは除草剤にしても、すべて化合物の系としていくようにという努力はしているのですけども、それができないのが現実であるというように思います。
 それで、ここの、環境省で書く開発の経緯というときにも、私も時々言うのですけども、メーカーは、自分の剤をできるだけ新しいもので、今までと違った作用を持ったものですということを言いたいために、何々系と勝手に使ってしまうのです。たった一つしかないのに何々系ということを言ってしまうものですから、それはやめてくれと。何々構造を持つというような形に直して出していただいていることも今までありました。
 確かに酸アミドとベンズアニリド系はほとんど同じですので、これは多分どちらかに整理していくべきものなのかもしれません。これから私たちも、農薬の作用性と化学構造の関係についてハンドブックの整理をしていますので、またそこで精査していただければと思います。

【五箇臨時委員】 あと追加で言わせていただければ、だから、ここでの開発の経緯等に書かれている記述において大事なのは、むしろ作用特性とか作用点の方であって、系列云々よりも、どういう生き物に対してどういう作用点で効くかという記述があった方が、たびたびそれを説明、僕自身は説明させられている方なので、しなくて済むようになるのではないかなと思っているところもあって、それはそれで発言の機会が減るのはちょっと困るかなというところもあるのですけれども、むしろ知りたいのはそちらの方ではないかと思うのですね。
 逆に、例えばよく出てくるのが、殺菌剤でも呼吸阻害剤があると、これは当然、呼吸作用に作用するとなると、選択性はないわけですから、いろいろなものに効くのではないかということも、疑ってまず見ることもできるとか、そちらの方がむしろ情報としては肝心なのではないかな。逆に、例えば除草剤のALS阻害剤とか、そういったものは動物にはほぼ効かないだろうというのが大体予想できますから、そういった目で見れば、審査もスムーズにいくのではないかなという気もしますし、どちらかというと、こういったところで必要な情報は作用点とか作用機構ではないかなというのは、感じています。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、とりあえず、この後ですけれども、開発の経緯等の中に作用メカニズムみたいな情報を入れていただくということにしたいと思いますが、それで戻りまして、このメプロニルですけれども、これにつきましてはいかがでしょうか。原案どおりでよろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 はい。特に御異議がございませんで、原案どおり御承認いただいたことにしたいと思います。
 それでは、一連の作業を終わりまして、本日、水産動植物の被害防止に係る農薬保留登録基準の設定についての審議は、これで終わりになります。
 さて、ここでこの後、今度は健康影響にかかわるような、そういう保留基準でありますが、いかがいたしましょうか。ここで若干休憩をとりますか。それとも、とらないで突入して、少しでも早く終わった方がいいか。
 では、このまま、まだ2時間たっておりませんので、多分あと20分ぐらいで順調にいけば終わるかもしれません。では、このまま進めさせていただきたいと思いますので、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、議題2です。水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定についての審議です。事務局の方から、資料の説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、承知いたしました。
 資料5を御覧いただけますでしょうか。水質汚濁に係る農薬登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)でございます。今回御説明させていただくのは、表紙に書いてある、カルフェントラゾンエチルでございます。1枚めくっていただきまして、1ぺージから説明を始めさせていただきたいと思います。
 カルフェントラゾンエチルですけれども、物質の概要はその表にまとめたとおりでございまして、お示しした構造式を持った農薬でございます。
 開発の経緯でございます。こちらにつきましては、広範囲の広葉雑草に対して効果を示すトリアゾリノン系の除草剤であり、現在、小麦、ばれいしょ、果樹、芝、樹木等に対して適用があります。平成20年2月に農薬取締法に基づく適用拡大申請が移植水稲に対してなされているという状況でございます。
 各種物性等でございます。こちらにつきましても一覧表にまとめたとおりでございまして、例えば、オクタノール/水分配係数logPowは3.36でございます。水溶解度につきましては、25℃で22mg/Lであるという物質でございます。
 続きまして2ぺージにまいりまして、下の方にございますⅡ.安全性評価でございます。こちらにつきましては、参考資料2を御用意しておりまして、まずこちらの方で1点お断りさせていただきたいことがございますので、参考資料2を御覧いただけますでしょうか。「水質汚濁に係る農薬登録保留基準に関する安全性評価及び基準値設定の方針」ということで、平成20年2月22日の中央環境審議会土壌農薬部会了承という資料でございます。この中で基準値設定の方針をいろいろお認めいただいたところなのですけれども、1枚めくっていただきまして真ん中ほどに「3.食品安全委員会において安全性評価が行われる農薬に係る基準値設定」という欄がございます。この最初には、食品安全委員会において安全性評価が行われる農薬につきましては、食品安全委員会で設定されたADIを優先して用いる、ということが書かれているのですが、ただし書きがございまして、「食品安全委員会による食品健康影響評価が未実施の農薬にあっては、厚生労働省又は環境省が設置した審議会等において設定されたADIを用いて基準値を設定できることとする。なお、基準値設定後に当該農薬に係る食品安全委員会による食品健康影響評価が実施された場合には、必要に応じて基準値を見直す。」と書かせていただいてございます。今回、このただし書きの方針に基づいて御審議いただければと考えております。
 それでは、先ほどの資料5の2ぺージに戻らせていただきまして、安全性評価という箱書きの中に、許容一日摂取量ADIとして0.03mg/kg体重/日と記載しております。こちらにつきましては、注釈のところにありますけれども、本剤は、適用拡大に係る登録申請にあたって食品衛生法に基づく残留基準の見直しが行われないという状況ですので、結果として食品安全委員会による食品健康影響評価は行われていないということでございます。ただし、カルフェントラゾンエチルにつきましては、食品衛生法に基づくいわゆるポジティブリスト制度を導入するにあたり暫定基準が設定されているという状況のため、今後食品健康影響評価が行われる予定になってございます。
ここで一度、箱書きの中に戻っていただきまして、本剤につきましては、環境省の方で平成14年に作物残留に係る農薬登録保留基準を設定するに当たり、安全性評価がを行われたという経緯がございまして、その資料が参考資料3でございます。平成14年2月25日の中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会第4回の資料でございまして、カルフェントラゾンエチルの作物残留に係る農薬登録保留基準をつくったときに出させていただいた資料がこの参考資料3でございます。この中で、環境省においてADIの評価がなされております。
 具体的には、2安全性評価という中ほどの箱書きの中に無毒性量3mg/kg体重/日と記載されております。こちらにつきましては、ラットを用いました慢性毒性/発がん性併合試験が行われておりまして、その結果、4,000ppm投与群の雄で膵腺房限局性変性/炎症が、雌で尿の潜血、赤血球の増加及び色調の変化、ポルフィリンの増加が、800ppm以上の投与群の雄及び200ppm以上投与群の雌で肝ポルフィリン沈着が認められております。こういう毒性結果に対して、不確実係数100を用いまして、一日摂取許容量ADIを0.03mg/kg体重/日と評価されております。この結果を用いまして、今回、水質汚濁に係る登録保留基準値を設定させていただきたいと考えております。
 続きまして資料5の3ぺージでございます。水質汚濁予測濃度(水濁PEC)を求める計算をしております。水田使用及び非水田使用のいずれの場面においても本農薬が使用されるため、それぞれの使用場面について水濁PECを算出し、両者を合算しております。
 (1)水田使用時の水濁PECといたしまして、水濁PECが最も高くなる、下の表に記載された使用方法の場合について計算いたしました。また、(2)非水田使用時の水濁PECといたしましても、水濁PECが最も高くなる使用方法として、下の表にまとめたパラメーターを使って計算いたしました。その結果が、4ぺージの(3)水濁PEC算出結果でございます。水田使用時の水濁PECTier1ですけれども、0.00119――後に数字が続きますが、単位はmg/L、非水田使用時につきましては、地表流出分と河川ドリフト分とに分かれますけれども、それぞれ合算した結果が0.0000180となっております。これら両者を合計いたしまして0.00121と――後に数字が続きますが、この3桁目を四捨五入いたしまして、0.0012mg/Lということで水濁PECを求めております。
 続きまして、総合評価でございます。水質汚濁に係る登録保留基準値(案)でございますけれども、公共用水域の水中における予測濃度に対する基準値として、ここでは0.07mg/Lを提案しております。計算の根拠といたしましては、先ほど安全性評価で採用いたしました0.03というADIに、平均体重53.3kgとADIの配分率である10%を掛け、飲料水摂取量の2Lで除して、0.079という結果を出しております。こちらにつきまして、2桁目を切り捨て、0.07mg/Lという基準値案を提案しております。
 5ぺージ目でございます。真ん中ほどにリスク評価というものが書いてあります。先ほど求めました水濁PECTier1は0.0012mg/Lでありますので、登録保留基準値0.07mg/Lを下回ってございます。
 3.につきましては、農薬理論最大摂取量と対ADI比をまとめております。食品経由と水質経由について、農薬理論最大摂取量を求めますと、食品の方からは0.1562mgと見積もられます。水質につきましては0.14mgということで、両者を足し合わせまして0.2962mgということでございます。先ほど求めましたADIは平均体重53.3kgで計算すると1.599mgでございますので、農薬理論最大摂取量の対ADIの比は18.5%であり、うち食品9.経由8%、水質経由8.8%という結果になっております。
 本剤につきましては以上でございます。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、この剤、そしてここで議論されるべきロジック等につきまして、御質問、御意見ございませんでしょうか。

【眞柄臨時委員】 時間があるようなので、本題でないことをお伺いします。
 先ほどまでは登録保留基準の値はμg/Lだったのですが、これはmg/Lになっています。食品の関係の単位がppmなので、それに合わせてこれについてはmg/Lで、先ほどのものは食品とは関係ないからμg/Lで表すということになっているという理解でよろしいのでしょうか。

【農薬環境管理室主査】 食品との関係というのもあるのですが、水質汚濁の登録保留基準は従来からmg/Lという単位で決めておりますし、環境基準の水質関係の項目も、水道関係も、みなmg/Lで統一されています。おそらくWHOが決めている飲料水のガイドラインなどもmg/Lとなっていて、その単位が一番一般的かと思いますので、そちらでそろえております。
 水産動植物の登録保留基準の方は、これは平成17年か18年ごろから新たに設定し始めておりますが、そのときも最初、mg/Lにするかμg/Lにするかについていろいろ議論があったようですけれども、基準値となる数字の大きさなどを考えた場合にμg/Lの方が収まりがいいだろうということで、μg/Lになったという経緯を聞いております。
 特に食品の方にそろえるために、あえて水産動植物の基準の方とずらしたというわけではありません。

【森田委員長】 よろしいですか。

【眞柄臨時委員】 いいです。そうだったかな。μg/Lの単位をとっているのは、水産動植物の農薬登録保留基準だけですよね。水生生物に係る環境基準の単位はppmだったか、μg/Lだったか。井上(隆)先生、どちらでしたか。

【井上(隆)専門委員】 ppmだと思います。mg/Lだと思います。

【眞柄臨時委員】 ppmですね。そうしたら、環境の、水の関係でμg/Lの単位になっているのはこれだけですね。分かりました。

【森田委員長】 先生方から御意見ございませんでしょうか。ADI0.03mg/kg体重/日から、あとは定例に従ってこういう数値が出ているということであります。
 基準値案として示されておりますのは0.07mg/Lという数字でございますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【森田委員長】 それでは、特段御異議もございませんので、基準値案が承認されたことにしたいと思います。
 それでは、どうもありがとうございました。とりあえず、今日の議題はこれでほぼ終了かと思います。
 事務局から、今後の予定についての御説明をお願いいたします。

【農薬環境管理室室長補佐】 はい、承知いたしました。
 それぞれの議題において御了解いただきました農薬の登録保留基準値につきましては、行政手続法の規定に基づきまして、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施いたします。その結果、もし仮に何か意見が寄せられたという場合につきましては、委員長に再度小委員会で審議を行うかどうかを御相談いたしまして、御判断いただくことにしたいと考えております。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得て、部会報告ということになります。さらに中央環境審議会会長の同意が得られれば、答申という手続きになります。そして、答申後、告示として基準値を公布させていただくと、こういう手順になっております。
 以上です。

【森田委員長】 ありがとうございました。
 それでは、本日の審議が一通り終了いたしました。全体につきまして、委員の先生方から何か御質問、御意見ございますでしょうか。

(発言なし)

【森田委員長】 特にないようでございます。
 それでは、閉会のあいさつを、大友室長からお願いいたします。

【農薬環境管理室室長】 以上をもちまして、土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。委員の皆様、長時間の御審議、ありがとうございました。

【森田委員長】 それでは、どうもありがとうございました。ピンク色の本の資料だけは、次回も使うということでここに残していただければと思います。ありがとうございました。

(了)

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