中央環境審議会土壌農薬部会 土壌汚染技術基準等専門委員会(第4回)

日時

平成14年9月11日(水)14:30~16:50

場所

環境省第1会議室(22階)

議題

(1) 「土壌汚染対策法に係る技術的事項について(報告案)」について
(2) 「土壌汚染対策法に係る技術的事項についての考え方の取りまとめ案」に関する国民の皆様からの意見募集結果について(案)
(3) その他

出席委員

委員長
委 員
臨時委員
 村岡 浩爾
 浅野 直人
 大塚 直
 中杉 修身
 福島 徹二
 森田 昌敏
専門委員  鈴木 規之
 冨永 衞
 平田 健正
 細見 正明
 三木 博史

委員以外の出席者

環境省: 環境管理局長、水環境部長、水環境部企画課長、土壌環境課長、地下水・地盤環境室長、事務局
オブザーバー:関係省庁等
その他:一般傍聴者(公募による)

配布資料

資料4-1 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会委員名簿
資料4-2 土壌汚染対策法に係る技術的事項について(報告案)
資料4-3 「土壌汚染対策法に係る技術的事項についての考え方の取りまとめ案」に関する国民の皆様からの意見募集結果について(案)
参考資料 中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会(第3回)議事要旨

議事

(事務局) それでは、定刻となったので、ただ今から中央環境審議会土壌農薬部会土壌汚染技術基準等専門委員会の第4回を開催させていただきたいと思う。
本日であるが、眞柄委員及び佐藤委員から御欠席との御連絡をいただいている。また、櫻井委員においては、少し遅れるという御連絡をいただいている。
まだ他にお見えになっておられない委員も一部おられるが、始めさせていただきたいと思う。
それでは、まず本日の配付資料について、御確認をいただきたいと思う。お手元の議事次第の下に本日の配付資料の一覧が掲載されている。それに沿って御確認いただきたいと思う。

(配付資料の確認)
それでは、村岡委員長、よろしくお願いする。

(村岡委員長)
それでは、議事次第に従い議事を進めたいと思う。
まず、「土壌汚染対策法に係る技術的事項についての考え方の取りまとめ案」、これに関して国民の皆様からの御意見をいただいた。その意見の結果について、まず御説明いただく。次いで「土壌汚染対策法に係る技術的事項について(報告案)」について、事務局から資料に沿って説明いただく。
なお、この(報告案)については、考え方の取りまとめ案から一部修正されているが、その修正点を主に御説明願いたいと思う。
それでは、よろしくお願いする。

(事務局) 
(資料4-2、資料4-3に基づき説明)

(村岡委員長) 
事務局からの説明のとおり、パブリックコメントの募集では大変たくさんの御意見を国民の皆様からいただいた。その中では、非常に貴重な御指摘もあったので、それを踏まえて、取りまとめ案のうち今回の報告案になる内容について事務局の方でまず変更点を説明願ったわけである。
パブリックコメントのことについては、後ほどまた御議論いただくが、何しろ非常に細かいところもあるので、まず今、後で説明いただいた資料4-2、別添資料も含めて、この技術的事項についての報告案、これについてまず御議論いただきたいと思う。何かこの報告案について、御意見等あったらよろしくお願いする。

(事務局)
もしよければ、先に少し測定方法のところについて、できればいろいろと御相談をさせていただいた森田委員の方から、少しコメントをいただければありがたいと思う。

(村岡委員長) 
それでは森田委員、よろしくお願いする。

(森田委員) 
幾つかの議論がパブリックコメントの方にもあって、1つはこれまでの含有量試験に相当するような強い酸条件での抽出をやるべきだという意見が一方であり、一方では胃液に相当するような非常に薄い酸で抽出すべきだという意見があり、両方アドバンテージとディスアドバンテージがあるのだが、それらを踏まえた格好で、差し当たり今日の段階ではこういう形でどうだろうかというのが報告案の26頁の別紙3-1に提案されている方法である。
それで、1番目は試料の調整だが、ここについては従来の土壌の分析に用いられてきたサンプルの調整法を使うということで、2ミリメーターの目のふるいを通過させた土壌を、これを分析対象とするというふうに整理されている。
それから2番目、前回のパブリックコメントのときに強酸による抽出方法を採用すると記載されていて、それに相当するものの中身が少し固まってきているという状況である。ここについては、水銀、六価クロム、シアン以外のものについては1規定、1ノルマルという、そういう酸強度の塩酸によって抽出することにしてはどうかということである。どのような強さの酸を使うか、濃度ですね、それによって抽出されてくる結果が異なる。例えば全量分析という方法、例えばアルカリ分解であるとか、ふっ酸を使って、砂の中の、岩石の中の金属も引き出すような方法を採用したときに比べて、例えば濃硝酸を使う抽出方法をやるとほぼ90%が出てくる。しかしながら、0.1規定の塩酸、胃液に相当するような酸で、しかし十分な量、十分な量というのは、現在想定しているのは100ミリグラムの土を食べて、そして1日に出る胃酸が1リットルから2リットルということで、差し当たり1リットルぐらいである、つまり固体と液体との比率を1万倍ぐらいに設定して抽出をすると。そういう作業をやった場合とほぼと同等以上の抽出効率が、1規定の塩酸を、適切な量を採用することによって抽出されてくるということから、1規定の塩酸でどうだろうかという状況になっている。この抽出されてくる量というのは、使う酸の量によって少し変わってくるので、30倍から50倍と書いてあるが、元素の形態が違うかもしれないが、そのぐらいだとおおむね全含有量の50%ぐらいが抽出されてくる感じであるというのが今の認識である。
それから、六価クロムについては水によって抽出するというのが現実的な答えだろうということで、ここに書かれている。それから、シアンについては、弱酸性で蒸留抽出すると書いてあるが、これは遊離シアンを測定するというのが基本的なコンセプトになっているので、遊離シアンの測定法としてかつて飲料水の試験法として存在していた方法を使って、弱酸性下で蒸留をするという方法でどうだろうかということである。この過程で、非常に安定なシアン錯体となっている例えば鉄のシアン錯体などは抽出されてこない、蒸留されてこないということが起こるし、しかし一方で非常に弱い錯体である例えばニッケルのシアン錯体、これはシアンの特有の毒性を有し飲むと死ぬのだが、それはシアンが遊離されてくるわけであって、そのような非常に弱いシアン錯体は弱酸性下でも壊れて蒸留されてくるということになるだろうと思うので、いわゆる遊離シアンというか、シアンの急性中毒をあらわすような指標としては、比較的よい分析方法ではないかなという状況である。
それから3番目、水銀はちょっと特別に書いているが、無機の水銀は1規定の塩酸でいいのではないかということであるが、この方法だけで規定すると、いわゆるメチル水銀などのようなアルキル水銀は実は抽出されてこないということになる。したがって、選択肢としては2つあるのだが、1つはもう形態によらず全量、有機も無機も分析できるような強い酸を、例えば硝酸のような酸を使って壊して分析してトータルを出すか、あるいはアルキル水銀による汚染というのが比較的チャンスとしては少ないと考えられるので、まずは基本的な形としては無機水銀を抽出するような方法でメインを測っておいて、しかし有機水銀があると考えられる場合には、有機水銀に関わるような抽出法を採用して、そこは分析をした後両方を合算するということになるのではないかということである。したがって、ちょっと複雑になっているけれども、丁寧にやった方がより正確な値が出るだろうという、そういう形である。
その他の事項であるが、抽出時の温度管理である。当初、例えば胃液の体内温度に相当する37℃という温度を考えていたけれども、37℃にコントロールをしていろんな抽出操作を行うというのは相当大変な操作になるので、したがって室温で25℃でやってしまってはどうかということである。これは少し緩めているけれども、十分な時間を置けば25℃でもよさそうだという、そういう分析結果に基づいている。
それから、悩ましい部分が1つ残っていて、抽出時の固体と液体の比率である。最初に申し上げたように、私たちは今100ミリグラムの土を食べて、そして胃酸が1リットルとかということに対応した形で、もし0.1規定ぐらいの塩酸を考えるのであれば、固体と液体の比率を1万倍ぐらいにしておくということが考えられる。しかしながら、いろんな土のサンプルを分析しようとすると、土の均一性のところに非常に大きな課題が残っており、100ミリグラムをサンプルをとって1リットルに分散するというのでは、サンプルのとるところの偏りが余りにも大き過ぎるということで、サンプルの量を増やしたいということになる。サンプルの量を例えば5グラムとると、その固液比から考えると、50リットルの水で抽出をしなければいけない。というか、胃酸で抽出しなければいけないということで、その分析の実効性が非常に乏しくなってくるということになる。その結果として、そういうことも考慮して、むしろ少し酸強度を強くして、それによって抽出のボリュームを下げてはどうかということであって、鉛等について、実際の土壌の分析などを備えた分析結果など等を勘案すると、1規定の塩酸を使って、そしてその固体と液体の比率を30倍から50倍程度にしておく分には、0.1規定の塩酸を使った1万倍とほぼ同等、あるいはそれ以上の結果が得られそうだということで、差し当たりここでは30倍から50倍程度をベースに設定するということになっている。
それからもう一つ、これは溶解度に関する理論的な計算からいくと、比較的弱い2塩基酸の不溶塩になっている場合には、酸強度が10倍高まると容積として100倍の効果を持つということになるので、したがって1対50の比率だと0.1規定の塩酸に対して1規定の塩酸は5,000倍程度の固液比の効果を持つということになるし、また抽出時の抽出速度、スピードに関しては多分1規定塩酸の方がはるかに速く達成できるということであるので、まず30倍から50倍というのは、0.1規定の塩酸の1万倍の固液比を十分に担保できるぐらいの濃度だろうということになる。
したがって、大ざっぱにこのようなレベルで実験のやり易さ、あるいはサンプルの不均一さを補うためのサンプルサイズをたくさんとるということが、これによってより容易になるということである。ただ、まだ私たちの方でデータをいただいている状況では、十分な知見がいろんな土壌について完全に集まっているわけではないという状況が続いているので、現在の段階では、この30から50程度をベースにということで差し当たり議論をしていただいて、そしてもう少し数値が決まってくるようであれば、それに従ってここから幾分動かすということが考えられるかなという状況である。
それから、1つだけ少し気になっているのは、ふっ素のところであって、ふっ素については、こういった酸強度で溶解性が決定されるというよりも、むしろ水のボリュームによって決定される。つまり酸強度が薄くても水の量が多ければ飛び出すという、そういうことが若干予想されているので、そこについても、固液比のところで最も人の吸収に相当する、近いような、そういう設計をするのがいいかなと。現在の段階では、1規定の塩酸30から50程度をベースにして考えているのがよさそうということになる。

(村岡委員長) 
ただいま土壌の含有基準に関する測定方法について、森田委員から御説明があったので、まずこのことについて御質問あるいは御意見等あったらお聞かせいただきたいが、どうか。
中杉委員。

(中杉委員) 
今の御説明で、かなり測定を人の胃液に近い形でということで御検討いただいたようであるけれども、1つ確認しておきたいのはこの数字を決めるときに一応測定法についてのある程度の安全率をここで見ているという表現を報告書の中でも入れてあるが、具体的に数字を決めるときにも、そこら辺を少し折り込んだ形での数字の決め方をしているので、そこら辺のところに今の方法で矛盾がないのかどうかということを少し教えていただければと思うが。

(村岡委員長) 
それでは、森田委員。

(森田委員)
分析されたデータの数に限界があるので、まだ断定的なことを言える状況にはないが、予想されているのは一番基準を超えそうなのが鉛であるが、鉛で観察する限り、私どものところで見させていただいたデータで見る限り、1規定塩酸で固液比50でとったものの数値の方が、0.1規定塩酸の1万倍の固液比よりも高い濃度で検出されているという状況であって、その分では少し余裕があるのかなという状況である。
ただ、私たちの消化管で起こっている出来事がどんなものであるかというのは、実は完全にはわからない。胃の中では、確かに1規定の塩酸である程度物を砕いたりいろんなことをして、その後で今度は腸液が出てきて、そこでキレート剤を例えばアミノ酸のシステインを入れて体の方は吸収をしているという、そういうことをやっているので、パーフェクトにそれをシミュレートしたような実験というのは非常に難しくてできていないが、とにかく0.1規定の塩酸の固液比1万倍というのは、比較的リーズナブルなものかなという状況で、それに対して、1規定の塩酸の固液比30~50倍というのはそれよりもやや上回るぐらいの効率が得られていると。それでは、全量分析に比べてどの程度なのかというふうなことで考えると、ほぼ50%ぐらいの平均的な値になるかなという状況で、ある場合はもうちょっと70%行くかもしれないし、ある形態によっては違うことになるかもしれないという状況である。
どの程度セーフティーファクターを分析法の方で求めるかということだが、一応ある程度は求めて、しかしながら十分にというか、非常に大きなマージンを分析側ではとってはいないという状況である。

(村岡委員長)
よろしいか。他に関連した御意見はあるか。冨永委員。

(冨永委員)
今のに関連して、確かに分析法で安全率をとるのはいいのだけれども、例えば今森田委員が言われた鉛だと、実際に鉛を想定すると、大体1対10で溶解度はいっぱいぐらいなのである。そうすると、それの5倍量をとる必要があるかというような議論もまた出てくるだろうと思うので、その辺はこの固液比についても、またこれの振とう時間等についてももう少しデータをとって、その上で議論をしたらどうかなと思う。ある意味、安全率をパッと決めるような話ではないのではないかと。余り過大にとるのもちょっと問題がありそうだし、かといって具体的な提案値を今持ちあわせているわけではない。
もう一つ、実際に分析をやる側からすると、1規定の塩酸を数百ミリリットルを振とうしていくというのは、操作としては実験室でやりたくない実験ではある。それがたくさん振とう器の上に並んで動くというのは、0.1規定ぐらいだったらいいのだけれど、1規定ぐらいになると、やはり濃い塩酸を操作していくというのは、実際に現場でやる方からすると避けたいということになるので、それも考えながら、最終的にはこれはデータをとにかくとるしかないなと。溶出条件とか振とう時間とか、それから最終的に試料をとってpHとかを見てみて、これは逆に溶出時間が長くなったりすると、考えられることは、pHがだんだん上がってきて逆に溶出率が下がるという場合だってあるから、そういうデータをとった上でこの条件というのをちょっと決められたらどうかなと思う。

(村岡委員長)
森田委員、どうか。

(森田委員)
本来なら、今日大体ここの詳細まで固まらないといけないのかもしれないが、今のところまだ完全にこれで大丈夫という確信が持てる状態では必ずしもないということがあるが、しかし大枠このぐらいでよさそうだというコンセンサスがとれるのかなということで、冨永委員の御意見も多分固液比のところをどうするのが一番実際的かという御意見だろうと思う。これをベースにということで今日できれば大略をお決めいただければと思う。さらに詳細なことについては、もう少しいろんな関係機関と連携しながらデータをとって、そしてある程度安全が確保できるような形で最終的に決定をしたい。
それから、先ほどおっしゃった1規定の塩酸を振とうするというのは、実際の現場からは相当つらいという声が相当上がってきている。例えば固液比が1対30でも1対50でもそうなのだが、何百ミリリットルという1規定の塩酸、かなり強い塩酸であるが、それを振るとガラスの容器から漏れてきて、手についてひりひりする、もうちょっと受傷することがあるかもしれないけれど、というのでなるべく酸は少なくしてほしい、しかし一方で酸が少なくなり過ぎると安全の方が担保できないということがあるので、そういった作業の手順を含めて最適化する必要はあるかなという、そんな感じがする。

(村岡委員長)
中杉委員、何かあるか。

(中杉委員)
今森田委員が言われていたのは安全サイドの話を少し担保していただけるということで結構であるけれど、基本的に、実際に分析できるかどうかという話、実行可能性の話も一つあるのと、これは数字を決めるときに測定方法にある程度安全率を見ている形で、それを考慮した形で数字が決まっているというふうに私は解釈しているので、その点どうか測定方法を具体的に検討されるときに忘れないでやっていただきたいと申し上げておく。

(村岡委員長)
データも少ない、そういう実績も少ないということで問題があるようだが、森田委員が言われたように、とりあえずこれをベースにしてということで、この測定方法をまず挙げているという点で御理解いただけたらどうかと思う。
それ以外に、それでは何かあるか。鈴木委員。

(鈴木委員)
最後の続きなのだが、森田委員にちょっとお尋ねというか、コメントみたいなものであるけれど、私の理解では、基本的にこの1回の単発の土壌に対する調査で、ある程度恒久的な措置が恐らくは立てられるというのが多分基本的な枠組みではないかと私は期待しているので、そうすると分析法の方もある程度恒久的な値が得られることが望ましいと思うが、あるいはその後の土地の形質の変更等による例えば金属の存在形態というのが影響する可能性は多分あるのではないかなという気が私はするのだが、そういうときに、結果が後から変動するというようなことがなるべく起こらないような方法であることがいいような気がするのだが、そんなことは心配する必要はないのか。

(村岡委員長)
森田委員、どうか。

(森田委員)
今鈴木委員のおっしゃったことというのは多分あると思うのだが、今回の土壌汚染対策法というのは、それを食べた人が病気になるかどうかということで、その時の形態においてそういう成分を含んでいるかどうかということで議論しているので、したがって土地利用が変わって、結果としてある重金属の化学形態が変わり、そしてそれが吸収されやすい形になるということは、将来において起こり得るシナリオではあるけれども、必ずしも恒久対策に結びつくようなものという形でこの有害性というのは評価できないというのが現状だと思う。したがって現在の方法では、その時点、その時点で吸収し得る有害物質が存在したということの評価であって、将来にわたっての有害性評価を担保するような分析方法にはなっていないし、またそれをつくるというのは、差し当たり、これは土壌環境課の方から答えていただいたと思うのだが、今回の法律にはそうなっていないのだという認識であるが。

(事務局)
今の御指摘のところは、実は25ページのところでも明確に書かさせていただいており、今回は土壌からの対象物質の体内での摂取の実態とあわせて、土壌環境中での化合物の形態の変化も考慮するということになっているので、100%このまま絶対ということまでは言わないが、例えば先ほど鈴木委員から言われたように、ある程度恒久的な部分も勘案するということもここは明確にさせていただいているので、その範囲で、できれば分析・測定方法は決めていただけるとありがたい。これは一応我々もそういう考えで、絶対ということではないのだが、少なくとも措置のレベルが数十年とか100年というオーダーであったとすれば、少なくともその限りにおいては、よほど何か特別なことが起こらない限り、化合物の変化があっても、この測定方法ではある程度拾えるという範囲にはしてほしいという意味で、この文章は実は併記して、双方を考慮してという意味はそこにあるので、私どもとしては、そこは考慮はしていただきたいと考えている。

(村岡委員長)
よろしいか。

(鈴木委員)
いずれにしても森田委員が言われたような測定法になるのではないかと想像してお尋ねしたのだけれども、測定法の能力と、その測定法のデータを使う効力というものをそれなりに連動して考える必要があるだろうと。もし人への摂取を考えるときに、多分、測定は事実上その時点の評価しか技術的には難しいであろうと。測定法はある程度そういうものであると、非常に限界があるということも踏まえた対応をもしかしたら考える必要があるという気がする。

(村岡委員長)
はい、どうぞ。

(浅野委員)
確かに、おっしゃるように、それぞれのパーツの部分の科学的な知見の議論を幾らやってみても、全体としての制度・システムを組むときには、それだけで答えてないというのはおっしゃるとおりだと思う。ダイオキシン法で初めて出てきたわけだけれどもこの直接摂取という形態は従来余り考えてこなかった。しかも今回の直接摂取は、森田委員が言われたように、体の中に入って分解して毒性があってどうだという話である。そうすると、それが少なくとも危険だということが、制度を考えるときには80%から90%ぐらいの確実さがあればいいと思う。その程度の確からしさでわかるという数字があれば、それで決めておいてよいけれどもこれをもとにして完全にクリーンアップしなさいという結論にいきなりむすびつけていったなら、たしかにおっしゃるような問題が出てくるだろう。後の方で出てくる話だが、原則はこの値でということがあって、それよりも極めて濃度が高い、10倍、20倍だという場合に、場合によっては完全なクリーンアップをしなければいけないという話にもっていこうというのであれば、ストーリーとしてはうまく合っているような気がする。汚染された土地を将来堀り返して使いたいときには、もう一回届けなさいということにしているわけであるし、舗装してそれで大丈夫、それ以後はその状態を維持できるというなら、少なくとも巻き上げなどによる経口摂取という危険は抑えられているわけであって、話は大体うまく合っていると思う。

(村岡委員長)
それでは、それ以外のところも御意見があろうかと思うので、お聞かせいただきたいと思う。いかがか。中杉委員、どうぞ。

(中杉委員)
別添資料の土壌ガスのところなのだが、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンが0.10でベンゼンが0.05という数字で、トリクロロエチレンとテトラクロロエチレンが0.10はかなりのデータがあるし、実際に眺めてみるとそんなもので一定程度拾えているだろうと思うけれども、ベンゼンが0.05で十分拾えているか、若干懸念がある。技術的に、今のところ0.05が限度であろうということで、今回はそれで構わないだろうと思うけれど、もう少し知見を集める必要があるかなと思っている。これをまた変えるなんていう話になると、大変な話になりそうであるが。
もう一つ言えば、地下水汚染でベンゼンというのは、地下水の環境基準を超えている例が非常に少ないということもあって、これは溶出だから、そういう意味では少し安全率が見られるので0.05でも現行大丈夫だろうと考えているけれども、もう少し追跡して検討をしていただくということが必要ではないか。確認をしていただくことが今後必要になってくるかなと思うので、その点、お願いをしておきたいと思う。数字としては、これで結構だと思う。

(村岡委員長)
他に何かあるか。冨永委員。

(冨永委員)
別紙5-1、ここでよくわからないところは、もっといろんなケースが考えられそうな気がする。土地所有者等と汚染原因者が別々で、なおかつその希望が違った場合とか、あるいは一方だけが希望する場合、そういう場合に、ここで想定されているのは「ともに希望する場合」であってということで、それ以外にいろんなケースが考えられると思う。そのときにどうするか、だれが調停するかとかというのが一切なくて、原則としてどちらかがはねたときは覆土しかないというようにしか読み取れないような格好になっているような気がするので、このところをもう少しケース・バイ・ケースを想定、何か整理しておく必要があるのではないかなと。別にお答えはいらないのだけれど、何かこれは……。先ほどのパブリックコメントのところでも、かなりこの点に関しての意見があったと思うのだけれど、こちらの事務局のお答えは、別紙のこの1、2に沿った答えでしかなかったのだけれど、実際はそれで対応できるかなというちょっと不安があるのだけれども。一番ここがもめそうな感じがするので、もう少しあらゆるケースを考え、想定して、それに対してこういう措置が考えられるということを何か考えるというか、そういう準備をしておく方がいいのかなという気がしている。

(村岡委員長)
答えはいらないということだけれども、運用の面であるいは問題が生ずるかもわからないので、その辺の考え方はどうか。

(事務局)
とりあえずこの資料の見方なのだが、ここで「土地所有者等と汚染原因者がともに希望する場合」と書いてあるのは、逆に言うとこれは特殊なケースであって、ここは実施を命令された者が土地所有者等であろうと汚染原因者であろうと、ここはこの「ともに希望する場合」と書いてないところは、どちらでどういう状態であってもこの措置をという考え方で、むしろここは逆に特別な場合であって、それ以外は、もうここに書いてあるような状態の場合には、例えば82ページの直接摂取によるリスクに係る措置に関しては、原則として盛土を命ずることである。これは別にどちらにどういう命令があっても、命令する場合はこれを原則としている。ただ、両方がともにというのは、一番いいケースは両方が同じ方で、今後こういう土地利用をするのだけれどというときには、希望があればそれ以外のことができると。これは逆に言うと特別なケースというふうに見ていただいて、これは汚染原因者に対して措置命令が発されようが、土地所有者等にされようが、こういう場合にはこの措置というふうにまず見ていただいて、ただ両方がともに、ほとんどの場合は同一者が私はこうしたいんだと、それはいいよねと、それは構わないという、こういう見方で見ていただければと思う。だから、逆に言うともう特定はある程度させていただいて書かさせていただいている。その場合の考え方として、特別な場合であるとか、こういった支障がある場合には、この原則に代えてこれだよと、こういう見方をする。だから、逆に私どもの意識としては、汚染原因者に命令をして、例えば逆に土地所有者等に命令をして後で汚染原因者に求償をする場合に、土地所有者等は高くてなるべくきれいにしたいと、こう思って高い措置をしたというときに、一体、どこまでそれは求償をできるのだろうかという整理もあって、原則をきちっとした上で、こういう場合には浄化もあるけれども原則はこうだという整理をしている。だから、見方としてはそう見ていただくのがこれの見方だということで、ただ、これから細かな整理をする場合には、もちろん文言の整理とかは当然出てくるだろうと思っているが、原則はそういう見方をしていただければと思う。

(浅野委員)
今、事務局の説明されたとおりだろうと思う。土地所有者等と汚染原因者が別である場合には、利害がぶつかることになる。措置の上の方にとどめればなるほど費用がかからない。しかし、土地の価格は下がる。だから、そこで原因者と土地所有者の間では完全に利害の対立が生じてしまうから、そうすると、おっしゃるように細かい分類をつくるということもあり得るかもしれない。しかし、結局のところ、最後まで不服を感じている者が訴訟で争ってくるという可能性が残される。シンプルな方が訴訟には耐えやすいということであり、立法過誤と言われる可能性もなくはないものの、やはりこれはある意味では割り切りとしてはしようがないのかなと思われる。しかも、措置命令の形を特にとらなければいけないのは、求償についても完全に合意がうまくできていて何の問題もなければ、何も命令しなくても済むわけだが、そこら辺がどうもぎくしゃくしそうだというケースの場合に、措置命令を出すということになるのではないかと思われる。それ以外にも、税法上の問題とかその他のことがあって、措置命令を出してもらった方が有利だという場合があるかもしれないが、概して命令を出してほしいというのは、求償に関する紛争を一度に解決してしまいそれ以上に当事者間で訴訟なんか起こさなくていいようにしたいという配慮があってのことだろうと思う。

(冨永委員)
その場合に、土地所有者等と汚染原因者の求償の措置が、希望が違った場合にはどうなるのか。

(浅野委員)
違った場合は、原則になる。

(冨永委員)
だれが調停するのか。

(浅野委員)
そのときは調停ではなく原則に戻って、知事が所定の命令を出して終わることになるはずである。

(冨永委員)
覆土よりももっといいのをお互いに認めているけれど、違っているというのはどうするのか。一番最悪の、一番原則的な覆土で盛土にもどるとしたら、それは逆に言えば安全からはおかしいと思う。調停するのであればそんな命令は出せないと思う。

(浅野委員)
しかし、命令である以上は何か基準を画一的にしておかなければいけなので、そこに紛争処理的な要素を入れると別の制度が入り込んでしまう。それは制度的には無理だと考える。

(冨永委員)
そこのところが何も書いてなくて、原則、一番いい条件として土地所有者等と汚染原因者がともに希望する場合というのしかないので、それが異なったときはだれが調停されるか。

(浅野委員)
おっしゃることはわからないわけでもないのだけれども、しかし、少なくともここで盛土をして、それがちゃんと行われれば安全は確保できるというのであれば、この法律は国民の健康を守るということが目的なのだから、それから後のことに関してまでこの法律の中に入り込むと、ちょうど立法の段階での議論にもあったけれど、土地の価格が高くなるかどうかはこの法律では決着つけようがないという前提があるわけである。

(冨永委員)
土地所有者等は、財産である自分の土地の地権を守る。ただし、汚染原因者が修復するのだったら、その修復は一番単純な方法だと。土地所有者等にとっては、価値がざっと下がる。下がってしまうのである。自分の土地なので、そこまで厳として主張したいということである。

(浅野委員)
本来の正当な土地の価格を保証してあげるのがこの法律であるならば、そこまでやらなくてはいけないけれど、立法趣旨はそうではない。
それは全く別の問題で、もしそこに文句がある人ならば当事者間で訴訟を起こせばいいわけだし、それは従来からやられてきたことである。

(冨永委員)
そういう対策がとれなくなるのではないかなと。

(浅野委員)
そんなことはないと思う。これはあくまでも国民の健康を守る観点で、ここまではやらなければいけないという、ミニマムなものを考えている。そこではこの基準で、国民の健康は守られることになるということが前提である。仮に盛土では全く国民の健康の安全が守れないというような基準を設けたとすれば、今度はそれでも周辺に被害者が出てきたときに国家賠償で環境大臣が負けるということになるわけだから、そんな基準は我々は作りようがない。だから、あくまでも法律は国民の健康を守るということが目的だということで最初から来ているわけで、それを国会では認めていただいて法律になっているのだから、一応はここら辺で手を打っておく以外にない。
ただ、確かに冨永委員が言われるように、現場の自治体で紛争調停までやらされるという危険性がないわけではないから、これはこの法律の趣旨はこういう趣旨なのだということを徹底的に説明する以外はない。

(冨永委員)
土地所有者等も暴露の対象になっているわけであり、被害者なのである。そうなると非常に複雑になるだろうと思うのである。

(浅野委員)
ここで定められる基準をこえてもうちょっと徹底した汚染防止対策をやりたいが、しかしどこまでやるかということについて意見が分かれるというケースが出たときどうするかは確かに問題として残ると思う。だが、そこまでこの法律では想定できない。要するに、法律は先ほど言ったように健康を守るという観点からこれだということを前提としつつ、合意があるときに、求償のトラブルを防ぐためにこうしようと言う制度としているわけだからである。

(冨永委員)
実際になったときに明快にそれがわかるだろうか。

(浅野委員)
そこは多分解説書をきちっと書いてもらって説明する以外にないだろう。

(村岡委員長)
そこまで解説するのかどうかも問題だと思うけれども、これは不動産の鑑定とか評価の問題にも関わるし、自治体の役割というのは、どこまで彼らがこれから認識するかと。今の問題、当然起こり得るような可能性もあるわけで、でも、確かにこの法律の趣旨から言うとそこまでは突っ込んでいけないという面はあると思うが、非常に重要な御指摘ということで受けとめたいと思う。
他に何か。大塚委員。

(大塚委員)
今日、余り話を広げない方がいいので、適当に限定して申し上げたいが、もともと土地所有者等と汚染原因者とのどちらがその措置をやるかということに関して、都道府県がある程度絡むということが答申とかには出ていたと思うが、今回、この専門委員会の中には、それは余り入っていなかったと思う。恐らくその点は余り変わってないのではないかと私は考えている。今の冨永委員の御質問との関連で言えば、土地所有者等と汚染原因者がどういう希望を出していて、どういう措置命令を出すかということに関して、都道府県がある程度調整をするかどうかはわからないが、関与するということはあり得るのではないかと思う。その辺は、事務局はどういうふうにお考えかをお伺いしたい。

(村岡委員長)
事務局、いかがか。

(事務局)
まず、そもそも論点が、汚染原因者を特定するということからある程度やることをやらなければいけなくなるわけで、その上で土地所有者等に聴聞なり弁明の機会に何をやりたいか、汚染原因者に対しても何をやりたいのか聞くことになると考えている。さらには、土地所有者等に対して自分がやりたいか汚染原因者がやりたいか、それも聞かなければいけない。というようなことを聞くような過程で当然いろんな話をすることとなることから、一定の話し合いはなされると考えている。ただ、もめた場合、調停までする責任を負うわけではなくて、そこはやはり原則がここにあるのだというような形になると思う。

(大塚委員)
それで結構だと思うけれど、調停までしなくても、とにかく両者の希望がわかれば、それを聞いて措置命令を出すということになっていれば、多分うまくいくのではないかと私は思うので、今ので結構だと思う。

(村岡委員長)
他に何かあるか。福島委員。

(福島委員)
こういうような命令を知事が出す場合には、いきなり命令書は出さないから、今お話にあったような形で、全員に不利益処分だから、相手方の聴聞を必ずやる。その中で両者の、汚染原因者もあれば土地所有者等もあると思う。しかし、調停はもちろん知事はやらない。ただ、両者がともに希望するという場合には、まさにここに書いてあるとおりで、もし両者が意見が違っていたら、これはもうここで言っている原則としての覆土をやりなさいという命令を出して、それでおしまいという形になるかと思う。

(村岡委員長)
他にあるか。

(なし)

(村岡委員長)
それでは、「土壌汚染対策法に係る技術的事項について」の報告ということで、事務局の方でいろいろと加筆・訂正されたものを含めて、大体、この専門委員会としてこの内容で合意が得られたものと判断させていただく。
なお、整理の段階でまた細かい字句の修正等が出てくるかもわからないが、そういったことに関しては、私と事務局とで調整させていただくということでよろしいか。
 (異議なし)

(村岡委員長)
それでは、この専門委員会として、この「土壌汚染対策法に係る技術的事項について」というこの報告を、次回の親部会である土壌農薬部会に上げたい。御協力感謝申し上げる。
それでは、パブリックコメントの整理ということで、「土壌汚染対策法に係る技術的事項についての考え方の取りまとめ案」に関する国民の皆様方からいただいた意見の募集の結果、先ほど御説明いただいた資料4-3について何かお気づきの点あるか。これもこの委員会のまとめとして決定しなければならない。
大塚委員。

(大塚委員)
少し細かい点で、先ほど読まれなかった点なのだけれども、19ページの(4)の2のところである。ISO14015というのが去年できたのだけれども、これとの関係なのだが、恐らくほとんど関係はしていないと思うのだが、資料等調査について、今回の技術的基準の中にはほとんど入っていないので重なるところは余りないという理解でよろしいのかどうか。この答え方が、整合がとれないものとは考えていないというだけで、必ずしも余り親切かどうかよくわからないところがあるので、お伺いしておきたい。

(事務局)
今、大塚委員の方から御指摘いただいたように、私どもの理解としては、このISO14015というのは特に資料等調査の中身についてまとめていただいているものであって、書き方がよくなれば少し修正をさせていただこうと思うが、今御指摘いただいたような趣旨で、この土壌汚染状況調査の中での細かな調査方法とは直接は整合を図る必要がないという意味では問題がないのかなと思う。後の方に今の趣旨を書かさせていただいたが、資料等調査を独自に必要に応じてやられる場合にはこれは参考になると考えている。こういうことをいわんとしている意味なので、もし誤解があるようであれば文章を修正させていただく。

(村岡委員長)
他にあるか。三木委員。

(三木委員)
21ページあるいは46ページに再利用物の話が出てきて、46ページのように、再利用物自体は土壌でないから、ここでは対象でなくて、リサイクルを阻害するようなことにならないようにということが書いてあるのだけれども、特に直接摂取の可能性がある土壌でないという再利用物というのはどんなものなのだというときに、ここに書いてある溶融スラグなんかはちょっと土壌と違うなという感じがするけれども、何か再利用物の形状とか、そういったもので直接摂取の可能性が低いとかという何か目安というのはあるのか。もしそれがないと、やはり再利用物についてもこの方法が援用されて、含有量基準が場合によっては目的に反して使われるということも想定されるので、何か再利用物、こういうものは土壌ではないよと、直接摂取のおそれは低いというような目安がもしあれば、教えていただければと思う。

(村岡委員長)
事務局。

(事務局)
後で関係の委員の方から追加をいただければいいと思っているのだが、私どもで先ほど測定方法の方でも書かさせていただいたが、ここでは2ミリ目のふるいを通す際に、中小の礫であるとか木片とかも除く。逆に言うと、それよりも大きなものとして、粗砕して壊れるようなものでなければそもそも分析にかかってこないと、こういう認識でもって、そもそもまず引っかからないと認識しているし、土壌自体ではないという構造物がその辺にあれば、それも土壌でないという整理もできるのだが、一番端的に言ってしまうと、測定として今2ミリ目のふるいを通そうとしているので、それは裏返しにすると、それ以上大きなものは間違っても食べることはないだろうという意味でのリスクという観点でとらえているので、その辺で整理ができるのかなと思っている。もし追加があれば、委員の方からいただければと思う。

(村岡委員長)
何か関連した御意見はあるか。中杉委員。

(中杉委員)
以前、ほう素とふっ素の基準を決めるときにそこら辺の話が随分議論になって、あの場合はスラグが特に対象でやはり同じような議論をしていて、どういうところに使われているものか、ここの範囲は土壌であるか土壌でないかという議論をしたように思うので、あれが一つの判断の根拠というか、一つの今までの事例になるのだろうと思う。細かいところまでは今正確に覚えていないけれども、路盤材までは対象としない。あとは土壌改良をしたときはどうだったか、あれは正確にはどう整理されたか、今は思い出せないのだけれども、幾つかそういうような整理をした経緯があるので、それに、一つの判断の根拠にどういう使われ方をしているか、どこでどういうふうに使われるか、この部分はというような形の整理の仕方をそのときはしたと記憶している。

(事務局)
今の整理を追加で御説明すると、ふっ素、ほう素の土壌環境基準への追加の検討の際には、かなりスラグの問題がクローズアップされたので、一応3つに分けて整理をさせていただいた。
1つは、もう構造物の中に含まれて、コンクリートの中に含まれていたり、建物の一部として使われている場合には、これはもう見た目も土壌ではない。あくまでも溶出の観点での話なので、直接摂取の例示としていいかどうかはわからないのだが、これらについてはもう構造物の中の材料として使われていて、構造物の中に入り込んでいるものそれ自体なので土壌ではないという整理をした。
2つ目としては、路盤材等としてスラグを使っていく場合である。道路の真下に使っていく。こういう場合には、路盤材の中に含まれているスラグ自体の溶出は評価せず、そこに隣接する土壌まで溶出していれば、その土壌をもって判断しようとすることとした。だから、その路盤材の部分は土壌の環境基準は適用しない。こういう整理をさせていただいて、その例示として路盤の下、1.5メートルか2メートルか、その辺に路盤材があるけれども、その空間の部分は適用しない。あるいは地盤改良として、柱みたいなものを打ち込む形で、スラグをぐっと押し込める形で使うような場合もあるので、その場合は、そこら辺の一帯は土壌の環境基準を適用する場所とはしない。その周辺は確認する。こういう整理をした。
3つ目として、これは土壌環境基準を適用すると言ったのは、例えばそのまま細かな砂粒のような形で土壌にまぜて使う。こういった部分がある。これについては、さすがに土壌との区別ができないだろうということで、ここは適用することとした。
こういう形で、利用の方法として大きく3つに分けさせていただいて、そのような形で、前回、実はこれも審議会でおまとめいただいたけれども、そのような3つの整理で、適用する場所というのを整理をさせていただいている。
ただ、あくまでもこれは溶出の観点での整理であるが、そのような形で土壌環境基準を適用する場面、適用しない場面、そもそもこれはもう土壌というものではないというような形で整理をさせていただいた。

(村岡委員長)
他に何かあるか。
鈴木委員。

(鈴木委員)
8ページの7-1、2、3という項目、調査地点のところなのだが、物理的要因によりどうしても土壌が採取できない場合については採取点をずらしてもやむを得ないと考えると。それはある意味もっともだと思うのだが、ただ、一方で、既存建屋等の下の一部、例えば有害物質施設として存在した建屋の下等は必ず調査するというような視点も一方であったような気がするのだが、ここは、ちょっと私誤解しているかもしれないが、そんなに採取してもずらしてとってしまったらどうなるのかお聞きしたい。

(事務局)
ここの部分については、いろいろ状況によって変わってくる部分もあると思うが、基本的には、取れるのであれば真下、あるいはすぐ横と考えていて、どうしてもというのは、実際にプラントのようなものの真下でそこでとるのであれば、プラントあるいは建造物を破壊までしなければならないというような物理的な要因、そういったところまでは不可能だというところであれば、それは少しずらせてとるのかなということである。その場合にも、その周辺の非常に近い部分で取るということになると考えている。

(村岡委員長)
他にいろいろ御意見あると思うが、この意見のまとめというのは非常にたくさんあり、細かいところまで今日この場だけで見ていただいて、これを決定するというのはちょっと無理かなと思う。また、皆さん方のお手元には委員限りということでもっと生の意見が付されているので、もう一度、これは後で見ていただいて、何か御意見があるようであれば事務局に申し出ていただくということにしたいと思う。ついては、余り遅れるわけにいかないので、今週末、金曜日、あさってになるか、13日までに、御意見があったらいただくということにしたいと思う。その上で、御意見に基づいて修文等、これは事務局と私とで確認しながらやるということと、それに関連しては、必要に応じ意見をいただいた委員の先生方とも調整をして、それでまとまったものをこの意見のまとめということで決定させていただきたいと思うが、そういう手順で、この意見募集結果をこの専門委員会の決定事項にするということでよろしいか。
 (異議なし)

(村岡委員長)
それではそのようにさせていただく。

(三木委員)
この委員限り資料というのは、周辺に要望があったら回してもいいのか。

(事務局)
基本的には、絶対にマル秘だということではないのだが、一応資料の方にその部分は全部まとめているので、一般にはこの資料のみを公開させていただこうと思っている。だから、委員の方がこれを見るに当たって、多分、もう少しニュアンスとかその辺を含めて見たいということであれば、生の方へ行っていただくというものである。

(浅野委員)
一般的に、審議会で委員限りと言っているときは、やはり属人的にその委員限りという了解の中で動いている。今回は固有名詞は消してあるけれども、部会によっては固有名詞までみんなあるのを配るから、だから、やはりこれをばらまかれるのは適当ではないと思う。番号が打ってあって、誰が外に出したということがわかるというほど厳密に守秘義務を課す仕組みではないわけだから。それから御理解はいただけると思うのだけれども、しかし、基本的にはこれはどこの会議でもそうである。委員限りと書いてあるものは、公表しないという意味である。

(村岡委員長) 
そのことについて、これから確認しようと思っていたところなのだけれども、本日お配りした資料の中で、この委員限りとされた資料を除いて、公開にさせていただきたいと、このように考えるが、それでよろしいか。
 (異議なし)

(村岡委員長)
他に特にないようであったら、これで本日の議論を終了したいと思うが、何かあるか。

(中杉委員)
いつも委員会の最後に一言言うのは習慣になってしまっているのだけれど、一つだけ、環境省にお願いをしておきたいのは、このパブコメに対する答えで、そのように言っていただいているけれども、この土壌汚染対策法の調査というのは汚染がないことを判定するための調査ではなくて、汚染を見つけて、それを管理していくための調査であると。だから、この調査で汚染が見つからなかったからといって、そこの土地は真っ白な土地であるということを証明しているものではないと。そういうふうな形で我々は調査法自体を考えているので、そこら辺のところはぜひ誤解をしていただかないような形で、環境省の方から周知をしていただくようにお願いをしたいと思う。

(村岡委員長)
それでは、これまで非常に貴重な意見を、あるいは密度の高い意見をいただいて、この専門委員会としてのまとめを仕上げることができて厚く御礼申し上げる。
それでは、最後に事務局の方から何かあるか。

(土壌環境課長)
今回の資料にある搬出した汚染土壌の適正処分に関して環境大臣が定める方法については既に御説明させていただいたとおりであるが、これに関してはいわゆる土壌汚染対策法の施行までに作成することとさせていただきたいと思っている。したがって、この法律に基づく政省令が策定された後に、これらの御報告を兼ねて、改めてこのことに関して本専門委員会の方に御相談をさせていただきたいと思っている。時期としては11月ぐらいになるのではないかなと思っているが、よろしくお願いしたいと思う。
それでは、水環境部長の石原の方から一言、御礼の御挨拶を申し上げたいと思う。

(水環境部長)
村岡委員長を初め、委員の皆様方には、御多忙の中、特にまた夏の暑い時期を挟んで7月から御検討いただいたわけである。内容的には土壌汚染の調査あるいはその措置の方法等、非常に専門的な事項が多く、大変難しい課題にもかかわらず精力的に御検討いただき、大変感謝申し上げる。
この報告を踏まえて、政省令の策定作業を進めてまいりたいと考えている。また、先ほどおまとめいただいた報告の中に、土壌環境課長の方からも話をさせていただいたが、今後、さらにまた御相談をさせていただくことも多々あろうかと思う。引き続き、よろしく御指導・御鞭撻を賜るようお願い申し上げて、御礼の挨拶に代えさせていただく。

(村岡委員長)
それでは、これをもって第4回の技術基準等専門委員会を終わる。

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