中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会第17回議事録

日時

平成16年 6月8日(火)14:00~16:46

場所

中央合同庁舎5号館共用第8会議室

議題

(1) 土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定について
(2) その他

配布資料

資料1中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会委員名簿
資料2第16回農薬専門委員会議事要旨(案)
資料3 第16回農薬専門委員会議事録(案)
資料4 土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定について
   
参考資料1 農薬の登録申請に係る試験成績について
参考資料2 新規化学物質等に係る試験の方法について

議事

(早川室長)
 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会土壌農薬部会第17回農薬専門委員会を開催させていただきます。
 委員の先生におかれましては、お忙しい中ご出席いただきまして、どうもありがとうございます。
 本日の委員のご出欠でございますけれども、櫻井委員、眞柄委員、伊東委員、井上委員、北原委員、廣瀬委員、及び米谷委員よりご欠席とのご連絡をいただいております。
 次に、本日の審議に入ります前に、吉田水環境部長からごあいさつがございます。

(吉田部長)
 先生方には、平素から大変お世話になっております。また本日もご多用の中ご参集をいただきまして、まことにありがとうございます。本日は第17回の専門委員会でございます。
 本日は、前回開催されました第16回の専門委員会におきまして、POPs条約なり諸外国の規制というものを踏まえて、今後我が国での農薬についての分解性、あるいは生物蓄積性といった考え方をどうインボルブしていくかということについて、ご検討もいただきました。そのときに出されましたさまざまなご意見を踏まえまして、本日この専門委員会では土壌残留と水質汚濁に関する登録保留基準の改定の考え方について、事務局としての案をお示しさせていただいております。これについて突っ込んだご審議、十分なご審議を賜りたいというふうに考えております。
 さらに参考情報として申し上げれば、今お話し申し上げました農薬の登録保留基準の改定にも深くかかわってまいっておりますが、いわゆるPOPs条約、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約でございますが、この条約が5月17日に国際的に発効いたしたわけでございまして、有害化学物質についての世界的な取り組みというものが、これで一段と充実していくだろうというふうに考えております。
 残留性や濃縮性の強い化学物質についての規制というのは、顧みますと昭和47年に我が国が世界に先駆けて化学物質審査規制法をつくったのが最初でございますけれども、こうした国際的な動向というものが今や追いつき、あるいは追い越されようとしているという面もあろうかと思います。引き続き我が環境省といたしましても、化学物質の安全な利用というものを目指しながら行政を進めてまいりたいと思っておりますし、農薬の議論もその一環でございますので、そんなこともご考慮の上、ご審議を賜りたいというふうに考えています。よろしくお願いいたします。

(早川室長)
 それでは、具体的な審議に入ります前に、本日の配付資料の確認をいただきたいと思います。

(更田補佐)
 それでは、私の方から確認をさせていただきます。
 本日お配りいたしております資料ですが、まず1枚目に議事次第と配布資料一覧のペーパーがございます。1枚めくっていただきますと、座席表があります。それから資料1といたしまして、中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会の委員名簿でございます。資料2といたしまして、前回の4月6日に開催いたしました第16回専門委員会の議事要旨(案)でございます。その次が資料3でございまして、同じく第16回の専門委員会の議事録(案)でございます。その次が本日ご議論いただくメインの資料ですが、資料4といたしまして、土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定についてというものでございまして、本体資料から別添まで一連でとじたものでございます。
 その後ろに、参考資料としまして農薬の登録申請に係る試験成績について。これは農薬登録の際の農薬試験のガイドラインでございまして、農水省の局長通知の抜粋でございます。さらに参考資料2といたしまして、新規化学物質等に係る試験の方法について。これが化審法のテストガイドラインの、これも同じく抜粋でございます。
 一応本日お配りさせていただいている資料は、以上でございます。

(早川室長)
 何か不足している資料がございましたら、お申しつけください。もしないようでありましたら、議事に入りたいと思います。
 須藤委員長、議事進行をよろしくお願いいたします。

(須藤委員長)
 かしこまりました。
 先生方にはご多用の中をお繰り合わせ、農薬専門委員会にご出席いただきまして、どうもありがとうございます。また、事務局の皆様にはいろいろ資料をきちんと整理をしていただきまして、お礼申し上げます。さらに、本日も傍聴の方がたくさんおいでくださいまして、どうもありがとうございます。
 さて、環境省では5月17日より執務室での軽装が励行されているとのことでございまして、本委員会でも同様に軽装を励行したいと思います。私も委員長でございますので、最初から上着をとらせていただきました。どうぞ皆さんも、きょうはそれほど暑くはないんですが、どうぞ皆さんも、事務局の皆さんもどうぞ上着をとって会議に臨んでいただきたいと思います。
 それでは議事に入ります。本日の議題は先ほど吉田水環境部長がおっしゃいましたように、土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定についてということでございまして、前回は4月6日の専門委員会において、先ほどこれもお話がございましたように、POPs条約等を踏まえた農薬の登録保留基準の改定についてということでご審議をいただいたところでございます。先生方のご審議を踏まえまして、事務局で改めて資料を整理し、再度議論をいただくものでございます。
 まず議事に先立ちまして、資料2、どうぞごらんになってください。第16回農薬専門委員会議事要旨(案)と、資料3の議事録、両方とも案でございますが、その確認でございます。議事要旨(案)、議事録(案)とも委員の先生方のご了解は一応得られてはおりますものの、本部会で運営方針に基づき公開の手続をとることになりますので、この場でご確認をいただければと思います。まず議事要旨についてはいかがでございましょうか。一応ご確認はいただいているものの、これでよろしゅうございましょうか。

(な  し)

(須藤委員長)
 特にご意見がないようでございますので、議事要旨についてはこのとおりにさせていただきます。
 次に議事録でございますが、議事録についても事前に事務局から配付をいただき、確認をいただいていると存じますが、ここで改めてお認めいただくということで、よろしゅうございましょうか。
 では中杉委員、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 20ページのところなんですけれども、再度事務局からお尋ねいただいて、この議事録で「?」印がついているところなんですが、上から8行目ぐらいですね。ADIのところです。これはそのときの話で少し不確かなところですが文章の流れから言えばADIで間違いないというふうに私は考えておりますので、「?」をそのまま取っていただければ結構です。

(須藤委員長)
 この「?」を取ればよろしいんですね。クエスチョンマークを取るということで。

(中杉臨時委員)
 ペルメトリンのADIが2000というのは、これ、そこは間違っているかもしれませんけれども、発言としては「ADI」で正しいと思います。

(須藤委員長)
 「ADI」が正しい。はい。ということでございますが、今微修正ではございますが、その「?」マークを取ってほしいということでございますので、これを修正して、あとそのほかよろしゅうございますか。

(な  し)

(須藤委員長)
 それでは、今の点だけ修正をいたしまして、お認めをいただいたということにさせていただきます。
 それでは、早速議事を進めたいと思います。土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定についてということでございまして、まず事務局の方から資料のご説明をください。
 室長補佐、どうぞお願いします。

(更田補佐)
 それでは資料につきまして、説明をさせていただきます。
 前回4月6日の第16回農薬専門委員会のときは、「POPs条約等を踏まえた農薬登録保留基準の改定について」ということで、タイトルをつけてご説明をさせていただきましたが、POPs条約の中のスクリーニング基準を農薬登録保留基準に当てはめていくというような感じに受けとめられるのではないかというようなご指摘がありましたので、国際的動向も踏まえて我が国の農薬登録保留基準をどう充実させていくかという趣旨が明確になるよう、題名も「土壌残留及び水質汚濁に係る農薬登録保留基準の改定について(案)」ということにさせていただいております。
 まず背景でございますが、我が国の環境行政の基本は環境基本計画でございますので、まず環境基本計画の位置づけからご紹介させていただいております。
 まず別添1、9ページですが、そこに環境基本計画の抜粋が出ております。これは、平成12年12月に改定された新環境基本計画でございます。その第3部の第1章第5節に化学物質対策の推進というのがありまして、まず1番目の現状と課題では、「現在の社会経済は、多様な化学物質の利用を前提としておりますが、その反面で、化学物質の開発、普及は20世紀に入って急速に進んだものであることから、極めて多くの化学物質に人や生態系が長期間曝露されているという、歴史的に例を見ない状況が生じています。今後、将来にわたって持続可能な社会を構築していくためには、その化学物質の有用性というものを基盤としながら、他方で有害性による悪影響が生じないようにすることが必要です」、というような現状認識が述べられています。
 続きまして、2の目標でございますけれども、「化学物質による環境リスクを科学的に正しく、可能な限り定量的に評価するとともに、社会的な合意形成を図りながら、多様な手法により環境リスクの管理の推進を図ることにより、持続可能な社会の構築の観点から、許容し得ない環境リスクを回避する」ということが環境行政の目標として掲げられています。施策の基本方向としましては、「1992年(平成4年)の地球サミットにおいて採択された、環境を保護するために予防的方策を広く適用すべきであるという原則を踏まえて取り組む」と書いております。
 本文に戻っていただきまして、このような環境基本計画というものの位置づけを踏まえまして、我が国でも国内外において蓄積された知見ですとか国際的な取り組みを考慮して、リスク管理の充実を図っていくことが必要だろうと述べています。その国際的な取り組みの一つとしましては、POPs条約というものがございます。この条約は環境中で分解されにくく、生物体内に蓄積しやすい物質である残留性有機汚染物質、こういったものはいったん環境中に排出されますと、地球上で長距離を移動して、人の健康や環境に悪影響を及ぼすおそれがあることから、国際的に協調して規制していこうということで、でき上がった国際的な枠組みでございます。また、諸外国の農薬規制ですとか国内の他法令でも、その環境中における残留性とか、生物濃縮性の観点が重視されてきております。このような動向を踏まえまして、農薬取締法に基づきますリスク管理措置であります農薬登録保留基準につきましても、環境中における残留性ですとか、生物濃縮性の観点を考慮して、その運用の充実を図っていく必要があるだろうということございます。背景としては以上です。
 2に移りまして、環境中における残留性や生物濃縮性の観点からの化学物質及び農薬の規制に関する国内外の動向ということでございまして、まず1番目がPOPs条約ということでございます。POPs条約も予防的な取り組みに留意しまして、POPsから人の健康や環境を保護するということを目的にできたものです。この条約ではPOPsの定義というものは明確にされていないのですが、新たに条約で規制すべき物質というものをスクリーニングしていく基準というものが、附属書Dにございまして、これに該当するものはPOPsと解されているということでございます。別添3、13ページにPOPs条約附属書D1に掲げるスクリーニング基準がございまして、(b)の残留性の観点から、次のいずれに掲げる情報を提供するとあります。具体的には化学物質の水中における半減期2ヶ月を超えるですとか、土壌中における半減期が6カ月を超えることと、こういった数値が基準となっております。それから(c)の生物蓄積性でございますが、生物濃縮係数もしくは生物蓄積係数が5000を超えること、またはオクタノール/水分配係数が5を超えることとなっています。それから次のページに行ってみまして、(e)の悪影響でございますが、この条約の規制対象になる化学物質とすることについての検討を正当とする、悪影響を示す証拠と、こういったものがスクリーニング基準となっております。
 資料の2ページに戻っていただきまして、このD基準の中で環境中における残留性及び生物濃縮性ありの基準、先ほどもご説明しましたとおり、土壌中半減期が6カ月以上など、それから生物濃縮係数が5000以上などといったものがありまして、これに該当するものはPOPs条約の規制対象となる可能性があるというふうに考えられております。
 (2)の諸外国の農薬規制の現状ということでございまして、諸外国の農薬登録制度におきましても、環境中における残留性ですとか生物濃縮性の観点というものから、厳しい規制がなされております。EUでは「植物防疫剤の販売に関する理事会指令」というものの附属書等に基づきまして、リスク管理がなされているということでございます。これは前回もご説明しましたけれども、復習ということでもう一度、別添資料の15ページから「農薬の土壌残留及び生物濃縮性に関する諸外国の規制の現状」に基づいて説明します。
 まず土壌残留性の観点からEUにおける規制でございます。対象となるリスクは後作物を通じた人への健康リスク、それから農作物に対する薬害ということでございます。提出を要求される試験としましては、室内試験としまして室内での半減期を出す試験と、室内での90%消失期間を求めるための試験でございます。さらにその下のほ場試験でありますが、[1]土壌消失試験、これは野外条件下での有効成分の半減期と、90%消失期間を求めるための試験でございます。これが要求されるのは室内での半減期が60日以上の場合などとなっております。それから、[2]で土壌残留試験でございます。これは野外の条件下で収穫時または後作物の播種時における土壌の農薬の残留量というものを算定される試験でございまして、室内での半減期というものが農薬散布から収穫までの期間の3分の1以上、かつ後作物にその農薬が吸収される可能性があるものの場合に、この試験を求められるということでございます。ただし、その輪作作物に許容できないよう残留が生じないことを実証できる場合は除くというような規定になっております。[3]が土壌蓄積性試験でございまして、これは野外条件下で、有効成分、代謝物などが残留する可能性を評価するための試験でございまして、試験が要求される場合は野外における90%消失期間が1年を超える場合、かつ当該農薬の連用が考えられる場合は、土壌中での残留蓄積性の可能性を平衡残留量についての試験が要求されることになっております。
 次の16ページに登録保留基準がございまして、具体的には、有効成分などが野外試験における90%消失期間が1年以上かつ半減期が3カ月以上の場合などは登録が保留されることになります。ただし、下に※印の注意書きがありまして、「ただし後作物が許容できない残留物が生じたり、後作物に薬害影響が出たり、環境に対して許容できない影響が及ぶような濃度で、土壌中に蓄積しないことが科学的に立証される場合を除く」というようなことでございまして、登録保留基準に該当してもこの除外規定により別途登録の道は残っているというような規定になっております。
 続きまして17ページがオランダでございまして、オランダでは室内試験で好気的条件及び嫌気的条件での土壌中半減期、それから90%消失期間というものを出す試験を求めます。さらにほ場試験としましては、[1]土壌消失試験は、ほ場での90%消失期間を求める試験でございますが、これは室内試験における半減期が60日を超える場合に要求されることになります。それから[2]土壌残留試験というものが室内での半減期が散布から収穫までの期間の3分の1より長く、かつ後作物に吸収が生じるような場合に求められます。それから[3]土壌蓄積性試験ですが、これもほ場での90%消失期間が1年以上、かつ栽培期間中またはその翌年以降に当該農薬の連用を考える場合というようなときには、この試験が求められることとされています。
 次のページに行きまして、登録保留基準でございますけれども、室内試験での半減期が90日以上あるいは室内試験において100日後に初期農薬量の70%以上の土壌結合残さが形成され、100日間の無機化率が5%未満である場合は登録が保留になります。ただし、以下の場合を除くという除外規定がございまして、フィールドでの半減期が90日未満であるというような場合等、あるいは、その剤を使用した場合に、許容できない土壌への蓄積を引き起こすことがなく、非標的生物の多様性及び肥沃性に影響を与えないこと、であって、かつ施用2年後において上部20センチの土壌中において、土壌生物及び土壌生物に依存する生物への最大許容濃度を超えていないことというような場合は登録される道が残っているということです。フィールドでの半減期が90日以上の場合でも、同様な観点から検査しまして登録される道が残っております。ただし登録保留基準としては半減期が90日以上の場合となっているということでございます。
 続きまして19ページの生物濃縮性でございますけれども、EUでございますが、対象となるリスクが水生生物への影響でございます。提出を要求される試験が生物濃縮係数(BCF)を求めるための試験などです。試験が要求される場合は、logPowが3以上の場合です。登録保留基準は水生生物への曝露の可能性がある場合であって、生物易分解性の有効成分についてはそのBCFが1000以上の場合、易分解性でない場合は100以上の場合に登録が保留されるとなっております。その易分解性の判断基準はここの括弧の中に書いてあるようなものでございます。その下に※印がありまして、「ただし適切なリスクアセスメントによりほ場条件下で申請された使用方法に基づき使用した場合に、曝露された生物種の生存能力に、許容できない影響が生じないことが実証される場合を除く」というようなことになっております。
 その次がオランダですが、オランダも同じようなことです。
 カナダでございますが、カナダも同様にBCF5000以上がクライテリアとなっています。ただしカナダの場合は5000以上一つだけで登録保留ということではなくて、残留性、生物蓄積性、毒性など、四つの基準にすべて該当する場合は、Track1物質として実質的な撤廃を進める、すなわち、登録されないという扱いになっているということでございます。ドイツとか英国とかスウェーデンなどは、EUの基準と同左ということになっています。
 以上が諸外国の農薬規制の現状ということでございます。アメリカの基準も調べてみたんですが、明確に文書化されたもの、きちっとした公式の紙になったものがなく、わからないところもありまして、資料としてはおつけしておりません。一応明確なペーパーで示されたものはEUということでございましたので、EUを中心とした資料を添付させていただいたということでございます。
 本文の2ページに戻ってきまして、続きまして(3)で他法令における規制の現状ということでございます。我が国においては化学物質を規制する制度として、農取法のほかに主なものとして化審法がございます。化審法では自然的作用による化学変化が生じにくい(難分解性)、それから生物の体内に蓄積されやすい(高蓄積性)、それから[3]としまして、継続的に摂取される場合に人の健康を損なうおそれがある(人への長期毒性)又は動植物の生息又は生育に支障を及ぼすおそれといった性状を有する化学物質による環境汚染を防止するために、事前に審査をいたしまして必要に応じ製造・使用等の規制を行っているというものでございまして、化審法では環境中における残留性と、生物濃縮性の観点が考慮されているところでございます。
 3ページですが、難分解性か否かの判断については、活性汚泥を用いた分解度試験を用いまして、高蓄積性か否かにつきましては魚類を用いた濃縮度試験をもとに判断が行われております。その具体的な運用につきましては、21ページからの別添5「監視化学物質への該当性の判定等に係る試験方法及び判定基準」に記載させていただいています。化審法を所管しています厚労省、経産省、環境省3省連名で策定されたものでございます。
 22ページでございますが、(2)に濃縮度試験というのがございまして、高濃縮性というものは濃縮倍率が5000倍以上であること、濃縮性でないというのは、濃縮倍率が1000倍未満であること、またはオクタノール/水分配係数が3未満であることとなっております。濃縮倍率が1000~5000の範囲に入ったものはどうするかとしますと、それは[3]でございまして、必要に応じまして排泄試験、部位別の濃縮倍率といったものを考慮しまして、高濃縮性かどうかを総合的に判断するということでございまして、5000倍未満であっても濃縮性ありに判断される可能性があるということだそうでございます。
 それから(1)が分解度試験でございまして、これは三つの試験容器のうち二つ以上がBODによる分解度が60%以上等と、こういったことで判定をいたしておりまして、土壌中半減期という観点からの試験とは異なることから、農取法の登録保留基準とは違う運用がされているということでございます。また資料に戻っていただきまして、3ページ目ですが、そういったことで化審法でも濃縮性ありの判断基準についてはPOPs条約等も踏まえまして、原則として濃縮倍率5000倍以上ということとされております。
 続きまして、3が現行の農薬登録保留基準の運用上の課題ということでございます。我が国における農薬の規制は、農取法に基づいて行われています。農薬は農林水産大臣の登録を受けなければ製造、販売等ができないこととされております。登録するか否かの判断基準は10項目ございます。それが別添6でございまして、27ページでございますが、1)~10)までございます。1)申請書に虚偽がある。2)は薬害です。3)は散布者の危害防止でして、4)から7)が登録保留基準です。まず、4)が作物残留に係るもの、5)が土壌残留に係るものでございまして、土壌残留につきましては申請書の記載に従い、当該農薬を使用する場合に当該農薬が有する土壌についての残留性の程度から見て、その使用に係る農地等の土壌の汚染が生じ、かつ、その汚染により汚染される農作物等の利用が原因となって人畜に被害を生ずるおそれがあるとき、となっています。
 6)が水産動植物の被害防止でございまして、7)が水質汚濁でございます。これは農薬がその相当の普及状況のもとに申請書の記載に従い一般的に使用されるとした場合に、その使用に伴うと認められる公共用水域の水質の汚濁が生じ、かつ、その汚濁に係る水、それからその汚濁により汚染される水産動植物を含むとなっていますが、水と水産動植物の利用が原因となって、人畜に被害が生ずるおそれがあるときとなっています。8)は名称が不適切、9)が薬効が劣るとき10)が公定規格に適合しないとき、となっていまして、こういった場合には登録保留するとなっています。
 本体の資料3ページに戻っていただきまして、環境中における残留性と生物濃縮性を考慮したものとしては、土壌残留と水質汚濁に係る登録保留基準が該当すると考えられます。その運用と課題なんですが、まず(1)といたしまして、土壌残留に係る登録保留基準でございます。この基準は土壌へ残留した農薬によって農作物等が汚染され、それが原因となって人畜に被害を生ずるおそれを防止する観点から定められております。具体的にはイ、ロ、ハとありまして、資料本文はイ、ロ、ハ、の要約ですが、正確に書いてあるものが別添7で29ページにつけてあります。29ページを見ていただきますと、農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかの基準の抜粋でございますが、2号が土壌残留に係るものでございまして、そのイとしまして「当該農薬の成分物質等が土壌中において二分の一に減少する期間がほ場試験及び容器内試験において一年未満である農薬以外の農薬」と対象農薬が規定されています。ですから、ほ場試験、容器内試験、いずれかで1年超えたものはここに入ってくるということでございます。そして「法第二条第二項第三号の事項についての申請書の記載に従い当該農薬を使用した場合に、その使用に係る農地において通常栽培される農作物が当該農地の土壌の当該農薬の使用に係る汚染により汚染されることとなるもの」とされています。ですから、土壌に残った農薬により農作物が汚染されてしまったら登録を保留するときていされています。ただし、その農作物の汚染の程度が微弱であるなどの場合は除く、となっています。
 ロが1年未満の農薬です。これにつきましては「その使用に係る農地においてその使用後一年以内に通常栽培される農作物の汚染が生じ」とあり、次に「かつ」がありますので汚染が生じているだけでは登録保留にならず、かつその汚染に係る農作物が食品衛生法第11条第1項の規定に基づく規格に適合しないもの、この規格がいわゆる食品規格というものでございますが、食品規格に適合しない場合に登録が保留になります。ですから汚染があるだけでは登録は保留にならないのですが、食品規格に適合しなかったらだめですよということでございます。そういった基準になっています。ハは家畜経由のものはちょっと省略させていただきます。
 本体3ページに戻っていただきまして、この基準の現行の運用において、土壌中半減期、1年以上の農薬については原則として登録を保留することとされています。しかし、POPs条約の附属書D基準の環境中における残留性の基準が半減期6カ月を超える場合とされております。また、EUでは半減期が3カ月を超える場合などは、原則として登録保留とされていることなども踏まえますと、近年の環境中における残留性に関するクライテリアの傾向を踏まえ、特にPOPs条約が発効したことを契機として、この土壌残留に係る登録保留基準についても再検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
 続きまして4ページ目に移っていただきます。これは水質汚濁に係る登録保留基準でございます。この基準は農薬により水質汚濁が生じ、汚染した水と、それからその汚濁した水により汚染される水産動植物の利用が原因になって人畜に被害が生ずるおそれを防止する観点から定められています。これまでの運用については、飲料水経由の悪影響のみに考慮してきたのですけれども、国際的にも生物濃縮性の観点が重視されて、具体的なクライテリアというものが明確になってきました。こういったことも踏まえまして、水質汚濁に係る登録保留基準について、農薬が魚類中で濃縮され、その魚類を利用することによる人畜への悪影響についても考慮する必要があるのではないかというふうに考えております。
 4番目が農薬登録保留基準の改定の考え方でございます。以上のような状況を踏まえまして、土壌残留及び水質汚濁の登録保留基準については、環境中における残留性、生物濃縮性の観点から、より適切なリスク管理を行っていくため見直すことが適当だと思っています。
 (1)土壌残留でございます。どのように見直すかといたしますと、まず[1]でございますが、現行の土壌残留に係る登録保留基準における半減期のクライテリアにつきまして、POPs条約、EU、いろいろありますけれども、一応国際的に合意されたものがPOPs条約でございますので、この附属書D基準というものを重視しまして、現行の1年から6カ月にするということでございます。
 [2]といたしまして、現行の登録保留基準では、ほ場試験及び容器内試験の二つの試験結果を併用して半減期を出しておりまして、いずれか一つが半減期のクライテリア、現状では1年なんですけれども、それを超えたならば、農作物等に汚染が生じたら登録保留という厳しい告示第2号イに該当するということで、双方の試験結果を同等に評価してきたところでございます。しかし前回の専門委員会でもこの点を論点として挙げさせていただきましたところ、ほ場試験を重視すべきではないかというような結論が得られたというふうに我々は認識しております。したがいまして、容器内試験はここにありますように時間が経過するにつれて微生物活性が衰えて半減期が長くなり、実態と乖離した試験結果になるおそれがあるが、ほ場試験については結果にばらつき傾向があるものの、実環境に近い条件で行われることから、ほ場試験の結果のみに基づいて半減期を算出することとしてはどうかと考えております。
 5ページにまいりまして、[3]でございます。現行の登録保留基準の運用では、1年を超えるものについては原則として登録保留ということにしてきましたので、通常栽培される農作物が当該農地の土壌の当該農薬の使用に係る汚染により汚染されるものになること、つまり散布した農薬が土に残留して、その土壌中に残留した農薬が農作物を汚染するということの判断基準が明確に示されていませんでした。一方、食品衛生法が改正され、厚生労働大臣は、農薬が食品中に残留しても「人の健康を損なうおそれのない量」というものを定めることとなりました。
 こういったことを踏まえまして、汚染されたことの判断基準を「おそれのない量」以下という規定を置くということにより、明確化できないか、明確化することが適切ではないかというふうに考えております。ちょっとそこら辺のことをもう少しかみ砕いてご理解いただくため31ページの別添8をごらんいただきたいと思います。
 31ページは改正されました食品衛生法の一部を改正する法律の抜粋でございまして、第11条第3項ということで、農薬が人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める量を超えて残留する食品は、これを販売の用に供するために製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、又は販売してはならない。ただし、当該物質の当該食品に残留する量について第一項の食品の成分に係る規格、いわゆる食品規格が定められている場合は、この限りではないと、こういった規定に基づき、「おそれのない量」を一律な基準として設けると聞いております。
 続きまして別添9、33ページでございますが、「土壌残留に係る登録保留基準において農作物が農薬に汚染されたことの判断基準等について」でございます。1に趣旨とありまして、現行では半減期1年をクライテリアとしまして、1年を超える場合はその栽培した農作物が汚染される場合は登録を保留。1年未満の場合は汚染が生じても食品規格に適合していない場合は登録を保留する、すなわち、汚染が生じても食品規格に適合する場合は登録されるというようなことになっています。この1年未満の場合は後作物試験というものが既に農水省の農薬登録申請ガイドラインに明確に試験としてガイドライン化されているのですが、この上の汚染されているかどうかの判断基準といいますか、方法がないということでございます。
 2ですが、告示第2号イにおける汚染の有無の判断基準ということでございまして、汚染がされたことをどう見る評価方法としてはちょっと両極端な案でございますけれども、[1]としましてはその農薬を連年施用される場合もありますので、連年施用し平衡に達した場合の土壌中農薬存在割合に見合う農薬が含まれている土壌で試験を行って、それが食品規格に適合するかどうかを確認する方法です。[2]といたしまして、後作物試験を行って農薬成分が検出されるかどうかというのを確認する、すなわち、農薬成分が検出された場合に汚染があったと判断する方法があると思っております。
 34ページに、参考としまして土壌中半減期の長さによって、連年施用した場合の理論上の残留量というものを出してきます。これは式がありまして、毎年毎年連年施用すると。例えばある半減期1年の農薬につきまして、散布して1年後は散布量が50%減りました。その状態で農薬を散布すると150%になり、さらに翌年はそれが75%に減少するというようなことで、連年散布し続けますと平衡に達しまして、頭打ちになります。その平衡割合がその下に書いてあるとおりでして、例えば半減期3カ月であればほぼ100%です。6カ月ですと133%、1年ですと200%ですから、通常の散布量の2倍の状況になるということです。それが2年、4年となりますと341%、628%になるということでございます。しかし、後作物試験では前年に農薬を散布して、その土を持ってきまして後作物には農薬を被験物質には散布しない状態で栽培しまして、それが食品規格に適合させないかというチェックをするということでございますので、仮に1年後の土壌で栽培したということでありますと、上段の残留量の50%の土で栽培して大丈夫かということを見ているわけでございます。ただし、当該農薬をこの連年施用すると、最大200%まで残留します。仮に、4年だと628%となってきますので、後作物試験をやって、食品規格に適合しないということだけを確認することだけでは、土壌半減期が長いものについてはリスク管理としては不十分ではないかというようなことを参考として書いてあります。
 33ページに戻っていただきまして、では連年施用して確認するといった場合にはいくつか問題があります。まず2の一番上のポツですが、土壌中の農薬濃度は散布した農薬の全量のうち作物に付着した物を引いて、落下した量により決まります。しかし生育段階で植物の大きさも違ってくるから、農薬の散布量、土壌への落下量ともに変わってきます。従って、同じ作物であっても一律に土壌への落下量を定めることが困難だという問題があります。2ポツ目は、栽培している農作物の種類によっても土壌への落下量が千差万別になるのではないかと言う問題点です。3ポツ目は、逆に後作物の方ですが、どんな作物が後作物として栽培されるかということも可能性としては多数あり、これを逐一確認することは現実的でないということでございます。
 一方、後作物試験はもうガイドラインとして策定済みですので、2のとおり後作物試験を行って、農薬が検出されたといった場合に汚染があったと判断するのが適切ではないかと考えられます。ただこの汚染があったという判断についてはおそれのない量というものが別途厚生労働大臣により定められるので、この値を準用してはどうかということでございます。
 次のページの3に行きまして、そういったことでございますので、現行の土壌残留登録保留の括弧内で、その残留量が極めて微弱であること云々かんぬんといった除外規定が設けられているのですが、汚染の判断基準を明確化するということですので、こういった除外規定は、不要になるのではないかというふうに考えているところでございます。
 また本文に戻っていただきまして、5ページの(2)の生物濃縮性でございます。[1]といたしまして魚介類の中の農薬の含有量を、基準値と同一の水中濃度に生物濃縮係数を乗じた値として求めまして、従来の飲料水及び作物由来の摂取とあわせて曝露量がADIの範囲内におさまるように基準値を求めるということでございます。式としましてはまず飲料水経由でございますが、これは従来とおなじでございまして、基準値×国民の1日当たり飲水量となります。それから魚介類経由については基準値にBCFと、魚介類の摂取量になります。水と魚を足しましてそれが農薬のADIに平均体重を乗じたものに配分係数を乗じたもの以下になるようにするということでございます。具体的には式は6ページの上の方に掲載されております。
 この式は前回の4月6日の農薬専門委員会でお示しさせていただいた式、それと全く変更はございません。魚介類の摂取量でございます。魚介類の摂取量は13年度国民栄養調査だと94グラム、過去においてもおおむね95グラム程度だったということでございます。ただし、魚介類の生産部門というのは、遠洋、沖合、沿岸、内水面いろいろあるということでございまして、その内訳は35ページ、別添10に載せてあります。これは農水省の統計情報部のデータでございますが、海面漁業、それから内水面漁業、内水面養殖業とありまして、それぞれの生産量の割合が出ております。申し上げますと沿岸と内水面と海面養殖業を足したものが平成13年度で47.6%となっているということです。ただ、この割合は平成3年、10年前では34%ぐらいでして、ここ4~5年も年々1%ぐらいずつふえていっております。養殖ですとか沿岸沖でとれたものの生産量割合がふえていっているという状況でございます。
 本文に戻っていただきまして、そういった状況になっております。注1の括弧書きの中でございますが、水質汚濁に係る登録保留基準値の算出に当たって考慮する魚介類の摂取量というものは、当該基準が水質汚濁防止法の規定に基づく公共用水域を保全対象とすることを踏まえまして、沿岸と内水面で漁獲された魚介類の量、95グラムに47%乗じて算出した数字としてはどうかということでございます。配分係数についてですが、これは従来から農薬は農作物等に栽培に使用されるものでございまして、農作物経由が大宗を占めることから、従来より80%を農作物に配分してきましたので、これとの整合性をとるということから、従来の水の配分係数10%というものを基本としてはどうかというふうに考えております。
 こういったことで基準値をつくった場合、では実際、数値はどれぐらい今と変わっているかということについて、前回中杉委員の方からもシミュレーションが要るのではないかという指摘がございましたので、37ページから若干シミュレーションしております。新たな水質汚濁登録保留基準の算出方法に従った基準値と現行の基準値の比較ということでございます。式の出し方は本体資料に載せたものと同じものが出ています。まず生産部門別シェアを考慮しない場合、94グラムを当てはめた場合ですが、これが39ページの表1ということになっていまして、濃縮係数が5000の農薬については、従来の飲料水経由のみを考慮した基準値の1/240ぐらいになるということでございます。この黒く塗っているところが検出限界以下になるのではないかなと思われるようなものでございます。表2が内水面、海面養殖及び沿岸と、いわゆる先ほどの47.6%を考慮した場合でございます。この場合ですと濃縮係数が5000の場合ですと、ADIが10%ですと一番上の表ですが、右側にありますように1/114というぐらいの値になるということでございます。逆に今度内水面だけを考慮した場合が表3でございまして、これですと5000農薬の今の1/6程度になります。シミュレーションとしてこんな状況だったということでございます。
 続きまして、また本文に戻っていただきまして、6ページの[2]からでございます。現行の水質汚濁に係る登録保留基準では、水田利用農薬だけが規制対象だったのですが、前回の会議でもご説明しましたように、環境中での検出状況を見ますと、非水田農薬も水とか魚から検出されている例があるということですので、非水田農薬も規制対象とするということでございます。[3]ですが、非水田農薬も規制対象ということでございましたので、曝露量に用いる農薬の濃度としては現行の水田の水準及び150日間の平均濃度の10倍希釈濃度を用いる方法から、当該農薬を使用する場合の公共用水域における予測濃度(PEC)を用いる方法に変更するということです。このPECについては、平成17年4月から施行する水産動植物に係る登録保留基準において採用しているPEC、これは短期曝露のものですけれども、この算出方法をベースに、長期曝露を考慮して算定する方へ変更するということにしてはどうかということであります。したがいまして、先ほどシミュレーションで数字が小さくなるということを申し上げたんですが、一方、このPECのとり方によってどうなるかというのも、またまた今後のいろいろ検討していかなければならないということでございまして、例えば1/100になるからそれですぐほとんどないから使えなくなるとか、そういうことではなく、また別途このPECとの兼ね合いになってくると思います。
 [4]が生物濃縮性を考慮する対象農薬ですが、生物濃縮性のクライテリアにつきましては、国際的に合意されたPOPs条約、附属書D基準、諸外国の規制、化審法とありますが、こういったものを考慮しまして濃縮係数が5000を超える場合に、濃縮性を考慮して水質汚濁に係る登録保留基準を設定する、要は濃縮係数5000を超える農薬についてのみ[1]の式で基準値を出すこととしてはどうかと考えております。濃縮に係る試験はOECDのガイドラインと、我が国では化審法のガイドラインがありますが、こういったものに準拠してやってはどうかということでございます。
 それから前回、論点で、農薬は特定時期に集中して使用されることから、工場の排水とは異なりいったん濃度が上がっても減衰していくので、排泄性を考慮すべきということ論点に挙げさせていただきました。排泄性を考慮すべきだろうという意見を審議会の場でもいただいたと認識しております。ただし、その後事務局でもいろいろ検討しまして、この[3]にありますようにPECについては長期曝露を考慮する、つまり長期間の平均値として求めることを考えています。従って、魚介類はその環境水中において長期間の平均として求められた農薬濃度に曝露され続ける状態を想定したモデルで基準値を設定することになります。したがって、その排泄性を考慮することと長期間曝露することとどう整合させられるかということもあります。また、排泄性についてはどのように考慮することが適切かについては、また慎重に検討する必要があるということで書いておりますが、これは、注2にありますように、化審法の判定基準では、生物濃縮計算5000未満のものであっても、排泄性を考慮して高濃縮性ありに判定される場合があり得るということでございます。こういった逆の観点から活用しているということでございます。農薬取締法は化審法の適用除外ということになっておりまして、化審法の運用との整合性というものも考慮しなければならないということでございますので、排泄性をどのように考慮するかという場合、こういった化審法の運用も踏まえて、どのように考慮するか検討する必要があるというふうに考えております。
 それから注1ですが、濃縮係数5000とクライテリアを設けるのですけれども、実は現行の登録申請試験ガイドラインでは、生物濃縮性の試験を登録申請者に課しておりません。ただしオクタノール水分配係数に関する試験の成績は義務づけているというところでございます。したがいましてlogPow3以上の場合、EUも同様でございますが、3以上の場合に生物濃縮係数の試験を求めていますので、こういったことも踏まえまして我が国でもlogPow3以上の農薬について、生物濃縮性に係る試験の提出を義務づけることとしてはどうかというふうに考えております。
 5番目、告示改正後の施行に向けた課題でございます。(1)の生物濃縮性を考慮した水質汚濁に係る登録保留基準値との比較に用いるPECの算出方法の検討ですが、この、4(2)[3]におけるPECについては、以下の点を踏まえて適切な算定方法となるように検討する必要があるとございます。[1]環境水中の農薬濃度については散布直後に高くなり、その後減衰すること。[2]散布時期についても、散布時期とか方法、それは農作物の種類によって変わってくるということ。それから今回の登録保留基準は、人の健康保護に関する環境基準、健康項目に該当するものですと。水産動植物PECの場合は、水産動植物の急性毒性試験に対応した評価期間の中で濃度を算定し、かつ散布したほ場のすぐそばではなくて、散布後2日から4日後の期間における、ちょっと離れた環境基準点というようなところでの予測濃度というのをモデルとしておいて、そこで評価するということにしていますが、今回のPECは健康項目に対応する項目であるということから、小河川などの公共用水域も含めるという必要があるのではないかというふうに考えています。
 (2)生物濃縮性が5000以下の農薬への対応でございますが、5000以下の農薬であっても、例えば1000以上5000未満というような場合については、国において魚介類に農薬が蓄積しないかというモニタリングを行いまして、検出状況によっては必要な措置というものも構築等検討しなければいけないのではないかということを課題として挙げさせていただいております。
 長くなりましたが、一応以上でございます。

(須藤委員長)
 どうも、要領よく適切にご説明をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方からご意見をいただきたいと思いますが、資料4の今の各部分のところ、後半に行くと、例えば4のところです。農薬登録保留基準の改定の考え方、順番に土壌残留とか生物濃縮性がありますので、それぞれ個別に議論をいただきますが、まず全体として、今の背景等を含めて全体的にいかがでございましょう、ご質問なりご意見なりまずいただいて、個別のそれぞれのところの議論は、それぞれ項目別に進めたいと思いますので、ご協力をいただきたいと思います。それではどうぞ先生方、この考え方で、特にどちらかというと全体的なご質問の方がよろしいかもしれませんね。個別のご意見というのはそれぞれのところでお伺いしますので、全体的にいかがでございましょう。
 どうぞ、石井委員。

(石井専門委員)
 評価の流れ、流れはどのようになるのかという、これをちょっと流れ図のようなもので少しかいておいていただいた方が、皆さんに理解しやすいかなと思うのです。各項目の考え方はそれぞれ説明されたので、それはそれでよろしいんですけれども、最終的にこれはこういう審議会で評価するのか、あるいはどこか検査の過程というもの、行政的に判断されるのかとか、そういう全体的な判断のやり方。

(須藤委員長)
 判断のやり方ね。これについては室長さん、よろしいですか。今のところ。

(更田補佐)
 では次回もう一回やろうと思っていますので、ちょっと検討させていただきたいと思います。

(須藤委員長)
 まだ、今は用意されていないけれども。

(更田補佐)
 今はここにある資料がすべてですので、絵をかくとなるともう一回かかないといけないものですから、またそれは用意させていただくように検討していきたいと思います。

(須藤委員長)
 今日の議論を踏まえて、もう一回この問題についてやろうと思っています。貴重なご意見だと思いますが、わかりやすくどういうふうになっているかというところをぜひ次回のとき。
 では室長、どうぞ。

(早川室長)
 その絵をかくのは次回にしても、今とりあえずご説明できるのは、石井委員がおっしゃったどういう形で、例えば環境省と農林水産省の役割分担がどうか、そういうことだと思います。

(須藤委員長)
 そうですね。

(早川室長)
 土壌残留性につきましては、これは改正したとしても、今の運用と同じように環境大臣が基準をつくって、農林水産省の方で検査するということになります。水質汚濁の登録保留基準の方は今水田農薬について個別に基準をつくっていますけれども、ああいう形で水田農薬及び水田以外でお使いの農薬について、さらに濃縮性を考慮した基準値をこの審議会でつくることになります。それを踏まえて農林水産省の方で検査をすると、こういう役割分担になると思います。ただし現在の水質汚濁の登録保留基準をつくっているときに先生方にご議論いただいているように、基準値そのものはADIとか、今後は濃縮性の程度によっては魚なりの濃縮性を考慮した、そういう基準値を決めるわけですけれども、その段階で片や曝露はどの程度であるかということもみつつ、例えば現在はライシメーター試験でどうか、150日平均濃度がどうかということも横目で見ながら、この基準値でちゃんと使えるということを確認しつつ基準値をつくっているというふうにやっておりますけれども、同様のやり方でやっていくということで、基本的には今までの役割分担等を変更するものではないというふうに考えております。

(須藤委員長)
 もう一回確認すると、今までの役割分担は変わらないわけですよね。ということでよろしいですね。

(早川室長)
 そういうことです。

(須藤委員長)
 ということで、石井委員、流れ図はそれはもう一度整理をしていただこうと思います。項目もふえるわけですからお願いしたいと思います。
 ほか、いかがでございましょうか。どうぞ。

(山本専門委員)
 よろしいですか。私の勘違いかもしれないのですけれども、これ前回この関係を議論したときには、POPs条約に対応するという形で、そういう形でこれをやろうということだったように、私、だから勘違いかもしれないのですけれども、思っておったのですが、きょうのこの話になってきますと、POPs条約が発効するということを契機に、この農取法の中でもう少し登録保留の基準について付加しましょう、こういう議論になってきていると思うのですけれども、そういうふうに変わったというか、もともと変わっていないというのでは。

(須藤委員長)
 ではどうぞ、室長お願いします。

(早川室長)
 もともと、事務局としては今山本先生がおっしゃったような趣旨で考えていたのですけれども、ただ前回の資料のつくり方が、確かにPOPs条約が前面に出てきていまして、それでかなりの混乱がありまして、複数の先生方から要するにPOPs条約に対応するために、あるいは内容を一致させるために登録保留基準を変えるのではないかということであれば、そこに齟齬が生じているのではないかというご指摘がありました。それに対して、前回私の方からも本来の趣旨を説明させていただいて、それは違うのだと、POPs条約とか、要するにそういう残留性、濃縮性の高い化学物質をできるだけ世の中からなくしていこうという世の中の流れ、あるいはよその国で既に農薬の中でやっている環境残留性なり濃縮性に関する規制を踏まえて、現在の農取法の登録保留基準の運用が必ずしも適切でないので、そういう流れ、その中にPOPs条約が一つ重要な要素として入ってきますけれども、そういったものを踏まえて農薬登録保留基準そのものをどういうふうにやっていくかを検討するということです。ですから例えば濃縮性の話などは、POPs条約とは関係なく10年近く前からこの専門委員会でも指摘されてきていましたし、そういうことを踏まえつつ、POPs条約も大きな要因の一つとしてそういうことを踏まえた上で登録保留基準をどうしていくべきかということでやっていこうと考えております。ですから前回の資料分のつくり立てがちょっとそういうことで混乱してしまったので、前回の須藤委員長の取りまとめでも、次回はもう少しそういうことの趣旨が誤解のないようにきちんとわかるような構成にすべきであるというご指摘もいただいて、今回のこういう資料にさせていただきました。ということで、趣旨は山本先生が整理していただいたとおりでございます。

(須藤委員長)
 山本先生ご指摘のとおり、前半の説明でPOPs、POPsというところで、POPs条約のことが余りにも説明が強過ぎて、それを踏まえてこの登録保留の話が始まったものだから、先生おっしゃったような議論になってしまったのです。特に議事録を見たら前半がそうなのですよね。だけど、途中から多分修正して、もう一度再度整理したのがこのペーパーだということですから、先生は決して誤解されたわけではないんです。が、議論の流れがそういうことで始まったということで、一応修復はしましたということでございますので、よろしゅうございますか。どうぞ。

(岡田臨時委員)
 私も同じような間違いをしていました。

(須藤委員長)
 そうですか。では、どうぞおっしゃってください。

(岡田臨時委員)
 現在の規制下で、現在使っている農薬で、環境汚染が起こっていて、それによって人体への健康影響が出ているというふうにはみていないので、そういうことも十分考えて対応していただきたい。今回の検討はPOPsから始まって、POPs以上の規制強化に持ってきているのではないかというふうに感じています。ちょっと長くなるかもしれませんけども……。

(須藤委員長)
 どうぞ。意見ですから、どうぞ。

(岡田臨時委員)
 私も時間に余裕が少し出てきまして、つくば、牛久、土浦の田舎にいるものですから、少しばかりの畑をつくって、果樹、桃・栗・柿・無花果・梅、その他数種類を1本から4本、普通の人が食べるアブラナ科野菜を中心に色々な野菜類や珍しいマイナー作物、ルッコラ、ヤーコン、バヤン、ズッキーニ、オカノリ、ヤマクラゲ、ツルナ、ニガウリ、山芋などを作っています。それらに雑多な病害虫が発生して防除に苦労しています。私は売るつもりはないし、穫れなくてもあきらめますが、農業も産業ですから、販売するための産物を収穫しようとする人は大変だと思います。環境を守り、人の健康を守る上で必要な規制はしないといけないと思いますが、必要以上のことは控えていただきたいと思っています。

(須藤委員長)
 岡田先生、どうもご意見ありがとうございました。
 では中杉委員、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 化学物質の審査の方にも私はかかわっているものですから、この前そちらの方でケルセンの話が出たのです。ケルセンの話が出て、今度使用禁止にしましょうという話で動いていたのですが、そのときに化学物質の審査をやっている先生方の感想は、こんなものまだ使っていたのかと、非常に驚きだということを言われたのです。そういう意味では農薬というのは私自身がかなり管理して使っているということで、かなり危ないものを使えるのだという認識はしておりますけれども、世間的な一般的な意味では、ただ物をつくるという重要な役割だとはいいながら、非常に感覚がずれているところがあるのです。だから農薬の方もかなりしっかり管理して使わないといけない。そうであるからといってほかのところと比べたときに、ものすごくそういう意味では違う形でやっているというのは事実です。私もそのとき、いやそれはそうだけど農薬というのはちゃんとほかの化学物質とは違ってしっかり管理して使っているから、こういうのも使えるのだというふうに考えていますけれども、それにしてもやはりそういうふうな一般的な感覚であるということは十分理解しておかなければいけないのだろうと。それから健康被害というのは、今見えないというのは、これは見えてはいけないのです。そういうものが起こってからやるということ自体がもう既におくれていますから、そういうことは実際はほとんどない。たまたま神栖のような事件が起こりましたけれども、そういうことになるとリスク管理をやっていませんので、そういう意味では過剰ではいけないと思いますけれども、やはり必要なものはやらなければいけないだろう、こういうふうに思います。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。化学物質ですから、当然予防原則に立つということで、もちろん今中杉先生がおっしゃったように、何か本当に顕在化してからでは遅いので、岡田委員もおっしゃっているように、それは非常に規制はやり過ぎてはもちろんいけないのだけれども、その辺のバランスをどうとるかというのがここの考え方なんだろうと思いますので、ほかに今の全般の議論で、どうぞ亀若委員お願いします。

(亀若臨時委員)
 私もこの資料を送っていただきまして、ああこれでよくわかったという感じを実は持ちました。それはもう山本先生の確認されたのと同じでございまして、当初はともかくPOPsということでandだとかorだとかいうことで、それにどうもひっかかって物事を考えていたんですが、そうではなくて今回の資料で行きますと、このPOPsの基準に照らして登録農薬の場合もその基準のどれ一つをとっても、その基準をクリアしたものにしておこうと、こういうことだということで理解をしてよろしいですよね。

(須藤委員長)
 よろしいと。今のは整理して、そういう意味でよろしいね。わかりました。どうぞ。

(亀若臨時委員)
 それで今の安全性といいますか、そういう点でかかっているのは、ここの15ページ以下の横長の表に外国の例がいろいろあるのですが、先ほどのご説明でアメリカがどうもないのだというお話なのですが、実は消費という立場に立つと、圧倒的に農産物というのはアメリカから来ているのですよね。だから本来は中国だとか韓国だとかというのが欲しいのですけど、それはちょっと無理かもしれませんけれども、先進国でやはり日本との関係を考えたときに、アメリカが一体どうなっているのかというのが知りたい。これはブロッコリーにしろ、アスパラ、果物、いろんな農産物がみんな日本国へ入ってきているわけですよ。そのアメリカが、この間の話では批准はしたという話なのですが、これについてどういうふうな考え方に立っているのかというのは、ぜひとも知りたいなと思うのです。今のところデータとしてはっきりしないという話だったのですが、別の基準を持っているのか、あるいは特にあそこは州によっていろんな基準が違いますので、そこら辺もうちょっとアプローチを、もう一回やられるのであればお願いをしたいなと。
 それからもう一つは、この中でカナダ。カナダは確かにこれはアメリカほどではありませんけれども、日本へかなりのものが入ってきています。20ページの生物濃縮のことなのですが、有害物質管理指針に基づき云々というのがあって、それで括弧の中にこれがPOPsと同じ四つのアンドでつながるような考え方になっているのですが、この運用は左側の表側に合う登録保留基準の運用のときにこういうやり方をとられるのかどうか、ちょっとこの辺のご説明よくわからなかったので、補足的にご説明願えればと思うのですが、これは質問です。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、最初の方のアメリカの話については、先ほど、何かやってはいるのだけれどもまだペーパーとしてなっていないとか、そんなようなこともおっしゃっておられたので、さらにアメリカのことについて州でもいいのですが、お調べいただきたいというか、その情報をいただきたいというのが1点。それで今のカナダについては20ページの。どうぞお答えください。

(更田補佐)
 カナダにつきましては、18ページと20ページ両方見ていただくとあれなのですけれども、例えば18ページですとこの残留性、土壌中半減期182日以上とかありまして、これに該当すれば残留性ありとなります。ただそれだけで登録保留ということではなくて、あわせ技でして、[1][2][3][4]で評価しまして、これにすべて該当する場合はTrack1物質として実質的な撤廃を進めることになります。その中の[2]の生物蓄積性は20ページの方に出てきまして、BCF5000以上ということになっているということでございます。

(亀若臨時委員)
 わかりました。そうすると、四つというか、すべてが適合した場合に……。

(更田補佐)
 した場合に、一番厳しい規制の対象になると。Track1というか、実質的な撤廃というのに使えないというものが対象になります。

(亀若臨時委員)
 その表側の左に書いてある登録は保留されるというか、そういう同じ概念と考えてよろしいですね。わかりました。

(須藤委員長)
 それは四つすべてのときだね。それはいいのですね。
 では、どうぞ中杉委員。

(中杉臨時委員)
 亀若委員に関連してですけれども、カナダはこれは有害物質管理指針に基づきというと、農薬だけを取り出しているわけではなくて、その他のもの一緒にということで、農薬は特別扱いに何か別な形で管理しているということではないということですか。

(須藤委員長)
 化学物質一般なんですか。

(中杉臨時委員)
 多分トキシックサブスタンスの方の管理指針は全般だろうと思うのですけれども、農薬だけを取り出すとこうなるのか。というのは、さっき申し上げた化審法と農取法で別な管理をしていますよね。

(須藤委員長)
 どうぞ。マイクを、ごめんなさい。

(沖本環境専門員)
 農薬だけということではなく、化学物質一般として農薬も規制されているということです。

(須藤委員長)
 そういうことね。

(早川室長)
 今の18ページの資料の先ほどのカナダのところ、ちょっと下の方で見にくくて恐縮なんですが、括弧書きのところで、「また、Track1物質に該当する新規有効成分を含む農薬については、DIR99-03により、許可されないこととなっている。」とありまして、出典のところを見ていただきますと、ここに"The Pest Мanangement Regulatory Agency´s Strategy for Implementing the Toxic Substances Мanangement Policy"、要するに農薬の規制についての根拠文書なのですけれども、この中で有害物質管理指針のTrack1物質に該当するものは、この農薬のレギュレーションによって許可されないことになっているという、そういう引用関係というか、こういう相互関係になっているということでございます。

(中杉臨時委員)
 実は、もう一回あれですけれども、リスクの評価自体は有害物質全体でやるけれども、それに応じての管理だけはアメリカは別にしていると、そう解釈してよろしいですか。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは……。

(中杉臨時委員)
 もう一つだけ。今の諸外国のところなのですけれども、これを見せていただくと、人の健康と環境とそれぞれ違うのですよね。ここで挙げているのは人の健康リスクを対象にしたものと、それから環境を対象にしたものとがあるので、やはりそれちょっと区別しておいた方がいいのだろうと思うのです。農薬取締法の場合にはそれ両方やるということになるのですけれども、諸外国の例は一応これ見ると、この資料だけですけれども見るとそこら辺分かれているので、少しそこら辺は分けて書いておいた方が正しいのかなと。全部あわせてというようなことで考えられると、やはり少し問題があるのかなというふうに思いますので、若干微妙な違いが出てきたりすると嫌らしいから、そういう意味では裏資料というのは最初の方で附属資料になるのですけれども、そこら辺は少し細かく書いておいていただいた方が誤解がなくていいのかなというふうに思います。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。その辺が再整理できるかどうかは、ちょっと作業もあり得るのですが、本日は一個一個の4のところについて、一応議題の中では一つ一つの議論をするということになっておりますので、全体的な議論があればそのときにおっしゃっていただいてもよろしいのですが、まずはこの順番でいくと、土壌残留のところを、4の最初ですよね。土壌残留のところの項目について、どうぞご議論をいただきたいと思います。ご意見をどうぞお願いいたします。順番に一つ一つ取り上げていって、またあれば。全体的なことをおっしゃってくださっても結構でございます。どうぞお願いいたします。
 どうぞ、石井先生。

(石井専門委員)
 4ページの4(1)[1]です。土壌残留の(1)[1]の理由のところに下線が引いてあるところで、「国際的に合意された」とあるのですけれども、やはりPOPs条約がこうだから、これもこうするのだというのではなくて、それぞれの理由で書かれた方がいいと思うのです。やはりどうしても先ほどからPOPs、POPsにひっかかって、これはやはり農薬なんてシーズン性のものですから、1年で半減期半分では次の年に影響は与えるであろうから、やはりもうちょっと短く見た方がいいだろうなということにおいては別に異議はないのですけれども、POPsが6カ月だから6カ月だという言い方ではない方がいいと思うのです。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 では続いてどうぞ、行本委員。

(行本専門委員)
 土壌残留、この[1][2][3]、どれでもよろしいですか。

(須藤委員長)
 はい。どうぞ、土壌残留。

(行本専門委員)
 土壌残留に関して。[3]にある土壌中半減期1年、これからは6カ月になるわけですね。現在は1年ということで、その場合にこの告示第2号の今イ、ロ、ハというのは、1年を超えても次のような場合には考えるというふうに解釈してよろしいのですか。今までこういうものは除くというのが明確にされていなかったということは、1年を超えるものでもということですね。今後は6カ月以上になりますけれども。ここでイ、ロ、ハでイの方、従来のイの方を一応原案としては採用するということですね。それで、ここでまたもう一つお伺いしたいのですけれども、後作の試験を行いまして、残留量が「おそれのない量」、これ今後食品衛生法で決められるものだと思うのですけれども、既に食品規格が決められたものもあると思うのですけれども、この「おそれのない量」というのは食品衛生法で決まったものも含めて。全部一律にするわけですか。食品規格で決まったものでも。

(更田補佐)
 告示ロの土壌残留の短い農薬は、汚染があってもよいが、食品規格に適合しない場合は保留となっていまして、食品規格の基準までは残留してもいいとなっているのです。ですから食品規格でみるのはイではなくてロの方ですので、6カ月未満の農薬については食品規格を満たせばいいというような扱いになるという案でございます。

(行本専門委員)
 6カ月未満の場合は食品規格以下であればいいということで。

(更田補佐)
 そうです。

(行本専門委員)
 6カ月を超えるものは。

(更田補佐)
 それは「おそれのない量」以下となります。

(行本専門委員)
 「おそれのない量」になるのですか。

(更田補佐)
 はい。

(行本専門委員)
 それはどういう理由。

(更田補佐)
 従前から、資料の29ページ別添7にありますように、イとロとありまして、イの方はその使用に係る農地において通常栽培される農作物がその農薬の使用により汚染されたら登録が保留されるとの規定になっています。汚染が生じたらだめというのがイなのです。これの1年を6カ月にしようというのが今回の提案でございます。ロの方もその使用に係る農地において1年後に栽培される農作物に汚染が生じ、汚染が生じただけでは登録保留になりませんが、汚染が生じても食品規格に適合しないようになるという場合は登録保留です、ですから食品規格まで残留してもいいというのはロでして、イは汚染してはいけない。ロは汚染が生じてもいいけれども、食品規格を超えたらだめですということですが、ロより厳しい検査をするのがイなので、その汚染されたらだめという規定になっています。このため、汚染されたかどうかの判断基準を「おそれのない量」以下、普通だったら検出されてはならないというのが「汚染されてはならない」ことの判断基準とすべきかもしれませんが、食品衛生法の方でそういった「おそれのない量」というものが定められるということですので、そういった値をこの土壌残留登録保留運用で活用することとしてはどうかということで、資料にまとめてあるということでございます。

(行本専門委員)
 ちょっとよくわからないんですけれども、「おそれのない量」というのは、そうすると食品規格で決められているものも考慮しないという意味ですね。

(更田補佐)
 イ号であれば、「おそれのない量」以下です。食品規格が例えば5ppmとなっていて、「おそれのない量」は0.01ppmとなったとしますね。それで3ppm検出された場合は登録保留です。イの残留性のあるのはですね。

(行本専門委員)
 ただし使っていいのは6カ月を超えないもの。

(更田補佐)
 ええ。6カ月未満であれば同じ3ppmであれば、いいということです。

(須藤委員長)
 意味はおわかりになりましたか。

(行本専門委員)
 そうすると意味はわかりました。要するに6カ月超えるものと超えないものとの差ですね。そうすると6カ月土壌残留していても後作物を植えて食品規格以下であっても、もう6カ月超えただけでその「おそれのない量」だからぐっと少なければいいという意味ですね。決められた量、仮に0.01とか。そういうことなのですね。

(更田補佐)
 「おそれのない量」ではなく、判断基準について検出されてはならないとするやり方があるのでしょうが、そういうような基準ができるので、それを活用してはどうかということです。

(行本専門委員)
 従来は1年ということで、1年を超えても食品規格以下ならばよかったのですか。

(更田補佐)
 いいえ、従来は基本的には1年を超えるものは登録が保留されます。

(行本専門委員)
 もう初めから全然だめだったわけですね。そういう整理になったわけですね。

(更田補佐)
 ですからその6カ月にして、6カ月を超えたらそのまま登録保留ということですと、農取法ではリスクを見てということになりますので、やはり残留性だけで見るのではなくて、そのリスク評価を行おうということです。そのリスク評価の判断基準として「おそれのない量」以下ということにしてはどうかということでございます。

(行本専門委員)
 それから、これ後作の試験を義務づけるのはどのくらいから。これ、土壌残留の結果から決められるのですか。今の後作の試験は、2種類以上とかってやっていますね。

(更田補佐)
 農水に聞いたところでは、半減期100日を超えるものは後作物試験を課すというふうに聞いております。

(行本専門委員)
 それで2種類やったとしまして、その数字で例えば6カ月以下の場合に選ばれた作物で分析をやりまして、それが食品規格以下ならばいいわけですよね。その代表的な作物が出てきたとした場合に、そのほかの一般的な後作物はどのように対応する……。

(更田補佐)
 後作の試験につきましては、参考資料1にその試験ガイドラインがついております。

(行本専門委員)
 2種類選ぶと書いてあると思います。

(更田補佐)
 そうですね。

(行本専門委員)
 2種類だけで、もう後作、それによってすべて。

(更田補佐)
 ですから作物の種類としては足りないかもしれませんが、最初別添資料でも説明しましたように、すべての作物に後作の試験をやるというのも現実的ではないので、そこはそういった限られた後作として植えられる蓋然性の高いものを植えてみていただいて、そのかわりその基準としてはおそれのない量で判断するということで、安全性は確保できるのではないかということでございます。

(行本専門委員)
 わかりました、この土壌残留性と後作の。

(須藤委員長)
 先生は大体この意見で、特に土壌残留については日ごろからいろいろとおっしゃってくださっているのですが、まあいいかなという感じですか。それとも……。

(行本専門委員)
 大体いいとは思うのですけれども、ただ6カ月を超えても、これ、先ほどの目的にもよると思うのですけれども、EUの場合は農作物を通した人への健康リスクと、それからあとは農作物の薬害ですね。そういう面から考えますと、例えば、半減期が6カ月以上(1年未満)であったとしても、後作の方に被害がなく、残留量が食品規格以下であれば、いわゆる除外規定ですか、それを考えてもいいというふうに私は考えるのですけれども。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。これもご意見ですので。
 では山本先生、どうぞ。

(山本専門委員)
私も全く同じように思うのです。これその6カ月以上が残留性があるからやめましょうというのであれば、もうこういう除外規定を設ける必要がなくて、食品というか作物を通して人の健康被害云々というような話になってきますと、今この汚染がある場合ということ、せっかくこの間生態影響のところで曝露評価やったわけですよね。その量と質の両方を見てというような話に議論がやっとリスク評価がなってきているのに、あるレベルで区切ってしまってやってしまうということには何かすっきりしないというか、やはり食品を通した後作物による人の健康被害という点で見るのであれば、今行本委員が言われたように、食品規格があるものについてはその食品規格を使うということでよろしいのではないかというふうに思います。汚染を微弱な量ということの意味がちょっとよくわからないです。
 ですから、残留成分のということであれば6カ月なら6カ月ということで、それを超えるものについてはもう長期残留の懸念があるのでやめましょうという話になっていけばいいと思うのです。

(須藤委員長)
 それはすっきりしますね。

(山本専門委員)
 そこで除外規定を何とか設けようというような話だと思うのですけれども、ただ理由としてはイもロも同じような話にしないと、何か理屈が通らないという感じがいたしますけれども。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 では、これは室長の方からお願いします。

(早川室長)
 行本先生と山本先生のご意見に対して、今の段階でちょっとクラリファイということでご説明いたしますと、1年と6カ月の話はとりあえず置いておいて、イとロの違いですけれども、何でイの方はもう痕跡程度というか、微量、要するに汚染しないというふうに厳しくて、ロの方は例えば残留、食品規格があるところまで認めるのか。一言で言うと、イもリスクであれば食品規格まで認めればいいのではないかということだと思うのですけれども。
 ここでイとロと違いますのは、イは今の半減期1年でみますと、1年を超えるということは制限がないわけですよ。ということは、極端に言うと、考え方としてどんどんどんどん連年施用すると土壌中にたまっていってしまうと。1年以下であれば先ほどの算式にもありましたけれども、当初施用量の2倍が上限で、これ以上はたまらないわけです。こういうのがまずバックグラウンドとして違うわけです。ということになりますと、要するに1年を超える、すなわちリミッターが外れているものについては、無限とは言いませんけれども、どんどんどんどん際限なくたまっていくというような、こういう状況においてはできるだけその作物におけるリスクを小さくしておかないと、どんどんどんどんたまっていってしまう。ここはゼロリスクと言っているわけではございませんで、ゼロリスクだったらとにかく先ほど申し上げましたように、1年超えたらアウトということになる、これがゼロリスクですけれども、ゼロリスクではなくて問題ない量ということでとめているわけです。
 片や、上限としてこの程度までしか、例えば半減期1年だったら当初施用量の2倍までしかたまらないということがわかっているものについては、それは土壌残留としては限度はあるのだけれども、限度があるからこそそれについてはそれ以上は行かないので、それは食品残留基準、このぐらいまで食物で残ってもいいというところまで見ておいてもいいのではないかと。逆にそれを半減期1年を超える農薬と同じレベルで規制するのは、これは余りにも過剰ではないかと。片や、繰り返しになりますけれども、リミッターがない、限度がないものについてを、それを単年度で食品規格まで認めるということになると、それがどんどんどんどん蓄積していったときに、気がついてみたらすごく土壌中に蓄積してしまっていると。こういうことを防ぐために、当時、登録保留基準を考えられた方はそうだと思うのです。
 ですから、今回も半減期1年を6カ月にしますけれども、ただし6カ月以上のものについては、やはりそういう意味では上限がないわけですから、そこのところで歯どめをかけるためにも作物に問題ない量以下になるように押さえておかなきゃいけないと。それで先ほどちょっと申し上げましたように、特に後作は何を植えるかわからないということを前提としますと、そこで個別にこの後作だったら1ppmねというふうにやるというのも、またリスク管理としては非常に不安定であると。特に6カ月を超える、土壌残留が長いものという意味ですけれども、というものであればやはり当初の考え方を踏襲して汚染されることのないレベルにすべきということです。ただしここのところがあいまいだったわけです。どの程度だったら汚染されることがないか、この括弧書きで「微弱である」とか、こういったところが今まではっきりしなかったものは、今度食品衛生法の方で、ある程度一律で汚染のない量というのは決まりますので、ここにより明確化しておく必要があると。そういうところで運用の幅というのは余り出ないようにしておくということで、きちんと安定した規制基準にしておこうということです。

(須藤委員長)
 どうぞ、山本先生。

(山本専門委員)
 今の室長の話は、1年を超えるときには、1年に1回曝露してという話で2倍を超えないという話ですよね。これは半年でいきますと最大1.1以下ですよね。

(更田補佐)
 資料の34ページに載せてあります。

(山本専門委員)
 ですから、そういうことで言うと6カ月で基準を設けてとやると、基本的にそんなどんどんどんどんたまっていかないのですよ。

(更田補佐)
 それは6カ月を超えるものが。

(山本専門委員)
 ええ、超えるもの。

(早川室長)
 超えると、ですから……。

(山本専門委員)
 ですから、例えば半減期が10年ぐらいのものが出てくるというような話の、非常に拡大解釈的になり過ぎはしないですかね。1年以下でも6カ月から1年の間のやつだと、今までの感じでいくと恐らくロでいけたわけですよね。さっきのご説明ですよね。2倍以上たまっていかないということで。それで今回6カ月にしてやるということになると、僕はこのロならロ、あるいはイならイでもいいですけれども、食品規格というようなことを入れたところでよろしいのではないかと思うのですけれども。それは2年で出てきたらどうするか、3年で出てきたらどうするかという話にはもちろんなるのですけれども。

(須藤委員長)
 どうぞ。

(早川室長)
 そうすると、もう6カ月という数字は何も関係なくなってしまうわけですね。土壌残留性というのは要するに後作物試験をして、その後作物が食品規格を超えなければいいという、そういうのが土壌残留の基準になってしまうように。

(山本専門委員)
 すみません、よろしいですか。基本的に一番最初に言ったように、長期残留ということの視点からいけば、6カ月であれ1年であれというような、一つ出てきて、その後作物による健康被害というような視点からは、土壌残留の視点というのは、この試験がある限り、食品規格以下になれば何年でもよろしいのではないかというふうに思いますけれども。極端な話ですけれども。

(須藤委員長)
 だから、土壌残留というのはよろしいのですね。それはまだいいのですね。

(山本専門委員)
 ええ、長期残留という視点から見れば、6カ月なら6カ月ということで考えてもいいのではないかというふうに思いますけれども。

(須藤委員長)
 それと組み合わせたところに問題があるわけね。わかりました。
 どうぞ、中杉委員。

(中杉臨時委員)
 多分今これ先ほど私の申し上げた人の健康と生物、環境影響という両方の観点がありました。今土壌残留は議論としては作物残留のことだけしか言っていないのです。生物への影響も当然考えられるし、それからもう一つあるなら、畑作なんかですとそれが流れていって魚にというあとのもう一つの濃縮の方の話もあるので、このPOPsの数字というのは、6カ月というのは、そこら辺も全部込みでやっている話だろうと思うのです。ですからそういう意味で、長期残留があるといろいろな意味で問題があるから、長期残留性はよくないよという整理の方がよくて、その後で後作試験をやってという話でやってしまうと、ある部分しかまた見ていないことにならないかなと。それでこの別添9のお話も、資料で先ほどご説明いただいた後作物試験と連続施用の話がありましたね。連続施用の試験は、後作物の試験では濃度はそこまでいきませんよ、だからまずいですよという説明をされておいて、これは後ろの参考のところには書いてあるのです。前の方の本文のところには連年施用の試験はまずいよということだけしか書いてなくて、それでは後作試験での問題がある部分はどこに消えてしまったのだろうかというのが私の印象なのです。これは濃度はこのままふえますよという、だからそこら辺のところを踏まえて先ほどのような議論があるのかもしれませんけれども、ちょっと別添9だけ読ませていただくと、少し2[2]の下に連年施用による濃度が一律に決めることが難しいと言っておきながら、後ろでは仮定をして計算をして、それでこのごろやっている後作試験ではまずいですよと言っているところあたりが少し論理矛盾になってしまいかねないなというような感じがいたします。
 私、最初に言いたかったのは、最初の部分で、この土壌残留というのはそういう意味では作物残留の話だけで議論が進むのかな。ほかのものもあるのでそういうふうな整理でやれば、土壌残留、一つの、それが1年にするのか6カ月にするのかはともかくとして、そういう観点で土壌残留の長いものはよくないですよという判断はできるのではないかというふうに思いますけれども。

(須藤委員長)
 それでは、大分時間も進行してきたので、
 生物濃縮性の次の項目まで含めて、どうぞご意見ください。一応きょうは最大限5時までということにしておりますので、途中で少し休憩もとりたいと思っておりますので。先生方がおっしゃっているのは、共通している部分があるのですよね。行本先生、山本先生、それから中杉先生。そういう意味で土壌残留が半年が問題だと言っているわけではないのですよね。ですから作物の残留の部分、作物への吸収の部分との関連で議論されているので、その部分のところでこれはもう一回検討が必要なのかもしれません。ですから先生方共通のご意見で出ていますので、どうぞまた後で整理していただけるのなら、議論を整理してみてください。
 どうぞ、今の生物濃縮性まで入れてご意見ください。ここで前々からこの生物濃縮性、ではどうぞ若林先生、お願いします。

(若林臨時委員)
 やはり物すごく複雑と言ったらいいのでしょうか、全体が全部を整理し直さなければ本当はいけない問題なのかなという気はいたします。先ほどの残留性の話にしましても、確かに残留性が非常に高いというだけでやっていいのかという話はあると思うのです。残留性が高くて、しかも濃縮性が高いという、いわゆるPOPsにかかわるものだったら無条件にそれは規制すると。そうじゃなければリスク評価の考え方を入れなければいけないという山本先生のお考えも納得できます。ただ、そこまで全部大整理をしなければというか、できるのかということを考えますと、私もむしろ生物濃縮性の方が関心が高いのですけれども、5000で本当に切っていいのかというところに関しては、若干疑問があります。
 ただこれについてもどこに配分するかとか、それから摂取する魚の量とか、そういうものを全部かなりきちんと組み立てを変えないと、踏み込んでやるというのは非常に難しいので、ある意味では、先ほど否定されましたけれどもPOPsにやはりそこはもうどうしてもそこまでは対応しておかなければいけないというところを私は重視しまして、とにかく5000を超えるものを対象にすると。それでlogPow3というのは5000とはかなり違います。だけど安全側でそこで試験をさせますと。それで1000を超えたものについてはモニタリングをして、実際に水域で出たときに、何らかに対応をするという組み立てになっていますので、それでよろしいかなと。残留性の方も当面それでやっておきまして、ある時期全体をきちんと組み立て直さなければいけないかなという気がいたします。基本的にはこの線でいいかなというふうに思っています。

(須藤委員長)
 基本的には、ですからこの線ぐらいで大体今整理しておいてもよろしいのではないかと、こういうことですよね。
 中杉先生、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 確認なのですけれども、39ページからの表が幾つかあって、そこに網掛けの部分は、これは検出下限以下の濃度であるというご説明があったかというふうに思うのですが、そういうことでよろしいですか。

(更田補佐)
 すみません。表をつくったときはそのつもりでつくったのですけれども、ただよくこの後ろの、一番最後についています黒本調査なんかの検出限界を見ますと、0.1μg/Lが検出限界になっているのもあります。これですとミリグラムになりますので、0.00001mg/L位が検出限界になりますので、網が掛かっていても実は検出されるだろうというのがあるかもしれないということです。つくった段階ではこれが検出限界かなと思って色を塗ったんですけれども、よくよく見たら0.00001という場合でも、検出可能な場合もあるかもしれないというふうに思っております。

(中杉臨時委員)
 多分一つの考え方として、検出できるかできないかということは環境中に出た後管理ができるかできないかということの一つの判断基準ではあるんですね。環境中に出て検出できなくても、生物に影響が出るということになると、それはもう環境基準を出したら検出下限以下でも問題があるのだよということは、これはコントロールできないという話になるのですね。一つの考え方としてそれでいいかどうかはともかく、一つの考え方としてそういう判断基準があり得るので、逆に言うと毒性の強いもの、ADIの小さいものについては5000では本当に大丈夫か、この前も私申し上げたような形で計算をしていくと、結構厳しくなるのではないかと。これは10%に押し込んでしまっているからというところが非常に大きいのですけれども。そのところを少し考える必要があるのかなというふうに思いますけれども。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 ほか、どうでしょう、生物濃縮性。行本先生、どうぞ。

(行本専門委員)
 この生物濃縮性のところで、基準値というものがつくられようとしている。従来の水の基準値をそのままここでは使うのですか。それとも、新たに考え直すわけでしょうか。といいますのは、飲料水経由の水の方ですけれども、今まではADIの10%でしたか、もうそのまま平行移動して使っておりました。そうなりますと実際に試験をしまして、それ以下であれば150日間の平均というところですけれども、以下であればオーケーということで、それを超える場合はというような考え方をしていたと思うのですけれども、ここでは濃縮性の高いものでしたら当然魚からたくさん出てくると思いますので、同じように飲料水の方に割り当てておきますと、非常に問題が出てくると思うのですけれども、その辺はまた別のやり方で考え直して、この基準値Xというのを考えられるのかどうかというのをちょっとお聞きしたいのですけれども。

(須藤委員長)
 それはどうぞ、両方から来るわけですので、説明してください。

(更田補佐)
 5ページの(2)[1]に式が出ているのですけれども、これ従来ですと左側の飲料水経由のところだけです。プラス魚介類経由というのはなかったわけです。左側の飲料水経由の式だけで基準値ができていたわけです。新しくしますと、この右側の魚介類経由のものが入ってきて、これを加えることになりますので、従来の水の基準値は小さくなるというふうになるということでございます。

(行本専門委員)
 そうすると、今後はそういうことも考えて、やり方が変わるというわけですね。

(更田補佐)
 もちろん、これらについては出す式が変わるということです。

(行本専門委員)
 そうですね、はい。

(須藤委員長)
 そこは多分この式で理解していただけると思います。
 ほかに。どうぞ、石井先生お願いします。

(石井専門委員)
 やはり濃縮性の問題を取り上げるときに、この式に魚の摂取量を入れることは違和感があります。魚の摂取量から来る曝露の問題ならば、やはりその基準をつくるべきです。いや、だから濃縮性のある農薬が魚に取り込まれて、それを人が食べるということを想定して、水の場合はそのまま飲みますので、それは足し算して濃縮係数掛けてやるということに対しては非常に違和感がある。というのは、もしそんなに魚からの曝露が問題ならば、魚の基準をつくる。そういう基準がないのかと思って、きのうちょっと厚生労働省のホームページを見てみたら、魚は結構つくっておられるのです。これは暫定というふうに言っておられますけれども、そういう例があったりして、本来この式で計算すると曝露評価が大き過ぎてくるのではないかと思っているのです。魚からの問題があるのならやはり魚をちゃんとやるべきです。ただこれ10%の範囲内でやろうとしている、何か印象を見ますと環境省の取り分と厚生労働省の取り分の中で基準をつくっているように見えるのですよね。やはりそれは余りよくないのではないかなと。
 ではどうするのかということなんです。そうすると、やはり濃縮性の問題ですから、例えば基準を濃縮性だけでつくるのはなかなか難しいのですけれども、例えば使用場面を限定するような水質汚濁性農薬に指定するとか、何かそういう手がないのかなと思ったりしていて、私もだから事務局が提案された案に対して、こっちの方がいいよという案はないのです。ないのだけれどもやはりこのままでは何となく違和感がある。そういうふうに思っております。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。どうぞ更田さん。

(更田補佐)
 この水質汚濁の登録保留基準は、あくまでも公共用水域の水の基準として決めるものなのでして、直接魚の比較で決めるものではないということです。ただその水の基準を決めるときにこの魚の曝露というものも考慮して、公共用水域、水の基準として決めようということで今考えているものでございます。あと先ほど出ました食品規格の暫定基準で魚が云々ということだったのですが、あれは農薬だけではなくて動物医薬品なんかも含めてのリストになっていまして、厚生労働省に聞きましても魚の養殖に使うような動物医薬品については直接魚を適用対象としているので、基準としては置くということで、諸外国のものを持ってきているのですが、農薬が魚へということでの規格として置いているものはないだろうというふうに認識しております。

(須藤委員長)
 今の……。どうぞ、山本先生いいですよ。

(山本専門委員)
 ちょっと話が違いますけれども、もちろんこの生物濃縮のところですけれども、きょうは何かいろいろ聞いて申しわけありません。
 これ、具体的にPECの算定方法が示されていないので何とも言えないのですけれども、6ページから7ページにかけてですけれども、課題のところにPECの算出方法の検討ということで、とらえられておるのですが、具体的に例えば公共用水域でのPEC、どういうふうに算出するかと。それから長期曝露を考慮して算定する方法というようなところが具体的なのがどうも余りよくわからない。今のところですね。これから検討するということかもしれませんが。
 そうしますと、その6ページの上の方の摂取量の沿岸海域及び内水面、全体のうちの約半分、46グラムですか、これを対象にして考えるということなのですが、例えばこの間の生態影響のところで言うと、河川の環境基準点のようなところというようなイメージで話が進んでおって、これ急性の短期曝露のPECの出し方なのですが、そういうふうな基点でのPECをベースに考えるのであれば、内水面の魚の摂取量ということになってくるでしょうし、沿岸域まで入れるということになれば、沿岸域でどのぐらいの濃度になるのかということが出てこないと、どうも片や河川の基準点、片や食べる方は沿岸海域までということになってくると、ちょっと内容的に矛盾が生じるのではないかという感じがいたしますけれども。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございます。
 行本先生、どうぞ。

(行本専門委員)
 それから排泄性を考慮すべきという考え方もあるということで、これは7ページの一番上の方にも「慎重に検討する必要がある」ということで、検討されるのだろうと思うのですけれども、これはここに「排泄性を考慮すべきという考え方もある。しかしながら」というところを読んでみますと、結局150日という、ならしたところで水質汚濁の登録保留基準をつくっていたので、魚の方も平均値として、という考え方のようなのですけれども、ただ魚の方の排泄ということを考えますと、農薬が一般に一時期ふえてあと減衰していきますね。減衰していくそういう状態で魚でどういうふうに農薬が濃縮されるのかということと、平均した濃度の状態でどうかというのとは違うことだと思うのです。そういうことも検討されて排泄性というのを考慮するかどうかということは、今後十分検討していただきたいと思います。

(須藤委員長)
 具体的にはいろいろ今のようなお願いというか、具体的に実行する場合にはそういう問題も多分含まれるのでしょうが、今はとりあえず考え方ということの基本をお願いをしているわけでございますので、どうぞ中杉先生。

(中杉臨時委員)
 今の環境濃度の予測ですけれども、これも農薬の種類で水田使用農薬ですと、そのとき一時期にぽーんと高くなって、ドリフトがありますから、ドリフトが高いのかもしれません。一方、畑で使う農薬というのは流出形態がかなり平滑化して、かなり長期にわたるのではないか。そうするとまた、それでも濃度のパターンが大分変わってくるのだろうな。そういう意味でそこでどう考えるかというのも一つの問題になる。先ほどの土壌残留は多分非常にそういうことにも効いてくるだろうというのが今のようなところから申し上げているのですけれども、だからいろいろなパターンがここで考えなければいけないので、かなり複雑にはなってこざるを得ないのかなというふうに思いますけれども。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。ほかはよろしいですか、どうでしょう。
 本来ですと、ここで事務局から10分程度お休みをとは言われているのだけれども、先生方、続行してしまってよろしいですか。あと残すところは全体的に今後の課題とか、今言った問題点を事務局に整理してお渡ししなくてはいけないというようなことになるわけですが。ではとにかく続行します。休んだ方がいいですか。続行しましょう。少しでも早い方がいいでしょう。ここで休んでまたやるよりは、一応皆さんのご賛同を得られたということで私は続行させていただきます。
 では、どうぞ。

(亀若臨時委員)
 生物濃縮の環境は、前回にも伺いまして、今もお話が出ていたように、何で食品規格の方でお魚が入っているのにそこで考えていかないのかねということで、早川室長さんのご答弁をいただき、また議事録の段階でよくよく読ませていただいて、どうもよくわからない。だから今でも私はやはり生物濃縮という面での規制なりなんなりはあっていいのではないか。だけど健康被害ということについては、やはり食品規格の中で物事をちゃんと整理すべきではないかという感じは今でも持っています。それを今の話が出ていましたように、10%が環境省の方に与えられているテリトリーなんだから、その中で勝負しようというのは、どうも理解がまだ通じません。
 そこで、そういうことがあるので、さらにそのままで議論がとまってしまってもいけないんですが、もうちょっと別の視点でお魚の量、これに対応するお魚の量を沿岸域まで含めての割合で換算していますけれども、これ沿岸漁業というものの定義はちゃんとお調べになってやっておられますか。

(須藤委員長)
 どうぞ。

(更田補佐)
 この統計の解説といいますか冒頭のところに、沿岸漁業の定義が出ています。それによると、船の大きさで決めています。

(亀若臨時委員)
 そうなのですよ。だから皆さんのイメージの中には日本の河川が流れていって、そこでやはりそこには汚染があって、いわゆる国内で生産にかかわった農薬の汚染があってという、そういうふうにお考えになるのだけれども、この沿岸漁業というのは漁船のトン数10トン未満というふうになっているのです。なぜ10トンかというの、これちょっと聞いてみたら、200カイリを超えない。200カイリを超えるおそれがあるのは10トン以上なので、登録されている。ところが10トン未満というのは登録しなくてもいいのだと。多分200カイリは超えない。だけど、では200カイリの半分の100カイリと考えても、これ1カイリというのは1.85キロメーターですよね。180何キロメーター先まで行くのですよ。沿岸という概念と随分違うのです、これ。例えば新潟から佐渡の両津までの間というのは50キロあるのです。185キロメートルといったら、とんでもないところなのです。そこまで大体行ったお魚の漁獲。定義上はほかに地引網だとかいろいろありますけれども、そういうのはほとんどもう数量的に載ってこない。さらに沿岸ということをもっと地理的に考えても、例えばオホーツクの漁場なんかについてみれば、ほとんどアムール河から流れてくる流氷の水ですよね。だから、そういうところまでこの問題の観点を広げていくとこの意味が非常におかしなものになっていく。
 それから、内水面だったかな……。

(須藤委員長)
 内水面。

(亀若臨時委員)
 内水面漁業といっても琵琶湖だとか霞ヶ浦だとか、そういうのはみんな内水面漁業の中に入れているのですよね。だからそれはそのぐらいの広がりを持ったものなのです。そして有明海だとか瀬戸内海は、海面養殖になってくるのかな。ですから、相当広がりを持っている場だというふうにお考えになっていただいてこの辺を考えていただかないと、非常におかしな議論になってしまうのではないかと思いますので、それは一つ申し上げておきたい。

(須藤委員長)
 では事務局から、先に今の問題について。

(更田補佐)
 そういったことで、この線を引くときに例えば魚の種類とか、それで引けないかとかいろいろ検討したのですけれども、例えばアジといってもすぐそこの防波堤で釣れるアジもあれば、船で行って釣るアジもありますし、そこら辺どちらだったかということでやはりPCBの規制のときの理由とかいろいろ見たのですが、沿岸域、統計の線を引くというのが使える数字としては一番使いやすいのではないかということで、とりあえずここに持ってきたということでございます。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 では、どうぞ森田先生。

(森田臨時委員)
 先ほどからいろいろな意見を聞かさせていただいたんですが、もともともう一回この問題の原点に戻りますと、一つはPOPs条約を初めとするような残留性の問題に対応した形で、いろいろな問題を考えなければいけないというのが一つあり、それからもう一つは農薬の水質基準の業務の中で、飲み水だけではなくて生物濃縮を含めたものを反映させる必要があるのではないかという意見がもう一つあったと。それから恐らく3番目はあらわに少し出にくくなっていますが、エコロジカルなイフェクトに対応したような形で農薬も考えなければいけない。この三つが実は本当はここに全部組み込まれてくるという構造なのだろうと思うのです。
 最初の二つがやはり人の健康にかかわるような要素でありまして、相当複雑に多分なっているのですが、一つは多分一番単純化するのは、カナダがやったように半減期が非常に長い、幾つかのクライテリアを満たしたものは、まずそこで入り口でシャットダウンする。だから6カ月以上の土壌中の残留、底質での残留、それからあるいは水中での長期残留とか、そういうものをまずシャットダウンしてしまって、それよりも低いレベルのものをどうするかということを主体に考えた方がいいのではないかという感じはします。
 例えば3ページに土壌の登録保留基準、「土壌中半減期が1年以上の農薬については、……」とありまして、問題はこの1年をしたがって6カ月に読み変えてしまって、あと全部運用すればそれで済むような感じがしますが、これがまず第一の直観です。そのときに事務局は少し運用上不明確な部分をこの際整理したいと考えられて、そこをもう少しクリアにされるということを努力されたのですが、多分クリアにされようとすればするほど、何ていうか、いやいや矛盾ではないです。結構難しい批判的な意見にさらされるような場面があるかもしれません。余りクリアにしないというのも一つですが。それがまず第一です。それから、そのときに1年を6カ月にしたときに、どういうふうな副作用が農薬を使う場合にはあるかということがあります。いろいろお調べいただいた方がいいと思うのですが、存外そんな農薬も既にもうなくなっていて、案外ないのではないかという感じもちょっとします。
 それから2番目の議論は、水の基準を決める、水質の環境基準とかそういったものを考える上で、食物連鎖系、魚系からの摂取量を含めて考えるべきではないだろうかと。そのときに並行してあったのは濃縮倍率幾ら以上であればそれを考えた方がいいかという議論が一緒にあったのだろうと思うのです。そのとき、まず5000以上のやつは、つまり土壌残留が長くて、しかも5000以上の濃縮倍率を持っているようなやつは、最初からもうないよということにしておけば、その議論は余りなくて、むしろ1000から5000ぐらいのボーダーをどうするかという議論に多分なってくるかなという感じがします。
 実際に例えば1000ぐらいの濃縮係数であっても、水が2リットルしかならないのに対して、魚ももし数十グラムの魚をとるとすると、1000倍というとそれはそのまま数十リットルというオーダーの換算になりますので、水よりはるかに多くの量が魚から結果的に入ってくると。それに対する手当てが要らないのかというのは、実はまだ残っているわけです。ここの、今事務局の方からご提示していただいた案の比較的弱い部分は何かというと、ADIの10%のところを魚を含めてそこに読み込もうとしているところにちょっとつらさがあるかなという感じはしますので。しかし、一方で、食品規格の側は環境経由の非意図的な残留みたいなものについてどういうふうにするかということについては、いろいろ食品規格の設定が簡単にできないような局面もあるのだろうと思うのですが、もしそうだとすると環境サイドの方がそれを真剣に考えなければいけないという。それは一体どういう数字になるのだろうかというのが今の課題だろうと思います。配分係数の10%を魚介類を含めてというと、少しつらくて、例えばかつてのPCBあるいはメチル水銀の基準については、やはり環境省の魚から計算したという要素が多分あると思います。10%が環境省で90%が厚生省というのは考えないというのは、そこはジャンプしてもいいかなという感じはします。
 それから多分第3のエコの要素がまだ少し煮詰まっていなくて、どうしたらいいかというのが残っていると思います。例えば今、魚の濃縮とかいう議論ももちろんありますが、長寿命の生物、例えば鯨の仲間とかそういったものについては食物連鎖の上の方にあるために、魚の実験で示されるような濃縮係数よりもはるかに高い濃度で濃縮していくというのが一方の側で現実でありまして、そこまでを含めてどういうふうに考えるかというのは、ちょっといろいろなエビデンスベースで考えるのは必ずしも容易ではない。容易ではないのですが、魚の係数みたいなものにある種の安全係数を掛けなければいけないようなこともあるかもしれない。その辺でどこで折り合うかというのがある種の決定のメカニズムになるかなという、そういう感じがします。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 中杉さん、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 5000という数字は、化審法の並びと考えるというと、化審法で必ずしも並びではないんですけれども、これ農薬以外のものについて多分ケルセンが今回そうですけれども、同じような形で例えば5000以上のものについては農薬以外のものを使っているとすると、途端に化審法の方で農薬ぐらいのADIのものであれば、ほぼ分解性は濃縮性がこのぐらいあれば、間違いなく特定第1種に入ってくるものだろうと。そうすると、これはまた農薬にはね返ってくるという形になる。そういうバランス感覚から言うと、一つの判断基準ではあるかなというふうに思います。
 あと、もう一つ下で1000から5000をどうするかという話は、実際にはいろいろなやり方があるのだと思うのですね。ここで環境中であるものをはかる。これは飲料水から環境基準を決めるときもよくやる手なのですけれども、ほかの径路からの曝露の実態をはかろうと。食品からどのぐらい来ているかというのをはかって、それでは食品からが少ないからこのぐらい割り当てようというようなことでやるのですけれども、今回の場合は作物の方でとってしまって、食品規格をつくってしまっているので、実態的には小さくても途中で割り込めないというところが非常につらいところだと思うのです。
 私自身も石井委員や亀若委員が言われるように、それは食品の規格なのだからその中で両方やってもらうべきだというふうには思いますけれども、それはそうしていただかないと非常につらいのだろうと思いますが、それができないとしても、そこら辺のところ少しはかりながら考えるというのは、ある程度妥当な線だと思う。そういう意味で先ほどちょっと申し上げたのは、はかれないという話は非常につらい話になるので、そういうものについてはコントローラブルではない。森田委員が言われたように、例えば鯨みたいな話までいくと、もうとてもじゃないけど環境中をはかれなくても土壌には入ってくるという話になるので、そこまで考えればという話になるのですけれども、ちょっとどこまで考えるかというのは難しいですけれども、そんなことがあった。
 それからもう一つ、亀若委員が言われた外の話の方も確かにあるのですが、もう一つの要素、逆の要素としては魚を食べる個人差がある程度ある。例えば水俣病で漁師の方というのは通常人が食べる数倍の魚を食べていたという事実もありますので、生物の場合は変わった生物個体はいいよというのですけれども、人の場合は必ずしもそうはいかないわけですから、ある程度の個人差を考えなければいけない。だからこの「46」という数字は平均的なところを見ているということは一方である。その要素も少し頭の中に入れて議論をしていかなければいけないだろうというふうに思います。
 それからもう一つ、今の絡みの話でlogPowの話なのですけれども、化審法の方で今3以上というのを3.5以上にしようというふうなことで、もうほぼ合意ができていますので、それを少し確かめていただいて、あっちが動いてからこちらを古いのでというのは少し合わないと思いますので、チェックをしていただければと思います。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございます。
 では安藤先生、どうぞ。

(安藤専門委員)
 各先生と大体意見は同じなのですが、やはり前回の委員会のお話を踏まえて、いろいろ検討した結果だんだん複雑になってきてしまったと、こういうお話かなと。そこでどうしても食品衛生法まで入ってきてしまうというお話になってきてしまったということがちょっと問題かなというふうに私も思います。食品衛生法では残留農薬で多分今いろいろ規制をつくっている最中です。食品の場合は水とは違って相当検査方法は難しくなってしまうということが出てくるだろうと。一応システムとしては可能かもしれないけれども、実質測かれないという状況がいっぱい出てくるだろうというふうに思います。ここでは実際には魚の摂取量と、それが沿岸になるかあるいは内水面だけにするのかそれは問題として、あとはBCFというのは、これは何かのモデル実験から出したデータと、こういうことになるわけですから。それにその値を掛ける。ですから、そういう意味では実態から出したデータではないと、こういうことになるのです。いずれにしても食品衛生法との絡みというのはどうしても不明確な面が出てくるのではないかなという気がいたしてしようがありません。ですからそこで複雑さをどういうふうにカットするかということ、そこの議論として内水面だとかあるいは食品法をカットしてしまうかと、そういうお話とも絡んでくるのかなというふうな気がいたします。
 それから、もう一つちょっとだけ確認させていただきたいのですが、15ページで最初のところで対象となるリスクというところで、二重丸があって、2番目で「農作物に対する薬害」というのは、これは薬害というのは何を想定しているのですか。そこをちょっと。

(更田補佐)
 栽培している農作物自体が枯れたりとか被害が生じるということです。

(安藤専門委員)
 ああ、そういうことですか。

(須藤委員長)
人間ではないという。

(安藤専門委員)
 これは人間ではないのですね。

(更田補佐)
 人間ではないのです。

(安藤専門委員)
 いわゆる作業環境のお話ということとは別と。

(更田補佐)
 植えている作物に農薬をかけたら、せっかくつくろうと思っている作物が枯れてしまったというような話です。

(安藤専門委員)
 そういうことですか、わかりました。

(須藤委員長)
 植物に対する薬害。

(安藤専門委員)
 わかりました。

(須藤委員長)
 どうぞ、まだご意見ありますでしょうか。後ろの部分まで含めてやりましょう。先ほど私、水質、生物濃縮性というところだけに限定しましたけれども、その後のずっと説明していただいた部分、今後の課題、今、先生方、今後の課題も一緒におっしゃっていただいているのですが、そこも含めて総括して本日のところは、これで終わるわけではございませんが、その生物濃縮性あるいは水質汚濁というような、あるいは土壌残留、これをすべてまとめてご議論いただきたいと思います。何かどうぞございましたら。基本的な部分は私も司会をしながら伺っていて、例えば6カ月にするとか5000以下にするとか、そういうようなところはそんなにご反対もあるわけではないのだけれども、どうも論理を組み立てたりの部分に少し先生方に違和感があるというのが率直な部分だろうと、こう思いますので、もう少し簡潔にされるなり、あるいは割り切るなりという部分が必要なのかもしれません。ではどうぞ若林先生、それからもう一人、森田先生に行きましょう。

(若林臨時委員)
 質問になるのですけれども、今水生生物の方で登録保留基準の改定で検討が行われていますね。それでそちらの方は急性毒性、急性のPECというふうな形でやっています。これの資料を見させていただくとオランダとか、EUはちょっと余り詳しく見ていないのですけれども、生物濃縮性の方でエコの方のリスクを対象としているということで、今後の課題だと思うのですけれども、どういうふうに慢性的なエコの方については考えていかれようとしているのか、こちらの延長で考えられるのか、また向こうの方を進めて今は急性だけど慢性という形でやられるのか。

(須藤委員長)
 あっちの中に、この基準が入るでしょう。今度、あちらというのは急性の方は入りますよね。

(若林臨時委員)
 そうですね。

(須藤委員長) 
 ですから、これとまた別なのですよね。

(若林臨時委員)
 時間があればで結構ですけれども、ちょっと、要するに今後の課題の中でどう取り組まれるのかなというのが。

(須藤委員長)
 今度は慢性についてですね。

(若林臨時委員)
 ええ。慢性というのは濃縮性も入りますので。

(須藤委員長)
 はい。ですから、慢性毒と言ったらいいですか、今の濃縮部分ではなくて。今は急性でやっていますよね。

(若林臨時委員)
 それで、今回の生物濃縮性というのは、今回の議論では基本的にはヘルスの方で。

(須藤委員長)
 そうです。だから、生態影響ではないですよね。

(若林臨時委員)
 ええ。だけど生態影響でも今後問題になるでしょうから、その辺にもしお考えがあればということです。

(須藤委員長)
 森田先生がおっしゃった3番目の問題が多分それだったと思います。
 では森田先生、どうぞそういう点。

(森田臨時委員)
 魚介類経由の分をここのところは厚生労働省とのつなぎが残ってしまっていますので、ここの生物濃縮性に関しては食品規格がない場合にはこういう形で計算しますと。食品規格がある場合はそちらの方で考えますと、そういうふうに、できれば整理していただいた方がいい。

(須藤委員長)
 はい。

(森田臨時委員)
 食品規格がない場合は、環境の側で考えないといけないのでこういうふうな計算になりますという整理はできないから、ちょっとご検討をお願いしたい。それとあわせて、食品規格がない場合に相当しますが、そのときに魚介類経由の部分と飲料水経由の合計がやはり多分全体としてのクライテリアになる構造には基本的にはなるのかなという。10%を水に振り、食品側に90%というのはむしろ全部基準値X×1+BCF×何とかという構造で、一元化されないと何となく筋が通っていないというのがあります。これは後でまたご検討をお願いします。今のところ、考え方のロジックだけちょっと。
 したがって何人かの先生がおっしゃったのは、魚介類経由の摂取を含めて水の基準を考えるのであれば、それは食品規格をベースにすべきだろうというのは、多分そのとおり。食品規格がない場合はこういう計算をやりますというので両立し得る構造ではないかなと、そういう感じです。それで多分ここで難しいのは、BCFが小さい場合どうするのかと。小さいというのは100とか数百、あるいは1300とか、そういうちょっと中途半端な数字があって、なおかつ結構それが大きくなったときにどうするかということと、それからもう一つ魚介類摂取量、この議論もちょっとありました。46グラムって一体よいのでしょうかという議論がありますが、これももう、何かある種の割り切りで、PCBの基準を決めたときに内湾業は3ppmで外は1だというふうな、0.5だっけ、あのときの配分を多分一たん援用しておくしか、なかなかいい答えはないかもしれません。ただこれは非常にテクニカルな話で、テクニカル過ぎるかもしれませんが、それは一つの考えです。

(更田補佐)
 内湾系が26%で、遠洋系74%であります。

(森田臨時委員)
 ええ、3対1ぐらいなんですよね。

(更田補佐)
 3対1ですね。

(森田臨時委員)
 3対1ですね。大体それが一つの。それからちなみにこの魚介類の摂取量そのものも、水産庁はもうちょっと多いのですよね。全体が130グラムです。やはり魚をもっと食べてほしいという立場からそういう数字を今でも使っていらっしゃる。

(亀若臨時委員)
 ちょっと本筋と外れるのですけれども、供給量ベースでいく場合と摂取量ベースでいく場合とがあって、厚生労働省の場合はまさに摂取量でやっているわけです。それで農林水産省でいろいろな食品の摂取量を出していますが、すべて、あれは供給量ベースでやっている。ですからそこにはかなりの差があります。それはもう、当然の話です。それからちょっと先ほど中杉さんの話で、人による云々というものの幅というふうにおっしゃられたのですが、それは私は94グラムの幅でいいのですけれども、むしろ先ほど沿岸で云々という話は、その中に取り分の率としては、議論としておかしいという話を申し上げているので。

(須藤委員長)
 どうぞ。

(中杉臨時委員) 
 私もそれはそのとおりで、同じ議論で総摂取に幅があって、それに掛けるのは幾つか掛けなければいけないと、そういうことです。それから今のあれは森田委員からPCBの話が出ていて、ダイオキシンのときにこの理論、中はどのぐらいでという、内水面がどうのという計算をしています。それが一番大体同じようなものを引いていますけれども、新しいのかなと思います。整合をとる意味ではそれがある。
 ですから、ちょっと話がずれてしまうのですが、これ最後に公共用水域における検出状況というデータが、これは主に黒本の調査の結果で出されているのですけれども、これ自体が黒本の調査でこのごろ農薬をやるときには農薬をやめましょうということにしたのです。農薬自体は黒本の調査の時期では検出しない時期に調査をすることになるので、不適切だということで、もう今は農薬は黒本の調査の中から一応外しましょうと。昔の残留農薬みたいな形のものはやっていますけれども、そういう意味でいくとこの調査自体がかなりそういうふうな経緯を踏まえた調査結果であって、やはりもう少しそういう意味でいくと農薬の環境の状況というのを改めてどのぐらい残るのかというのを少しはかってみる必要があると思うのです。これも魚だからかなり排泄されてしまえばそんなには長く残留することはないと思いますけれども、魚の中の濃度も場合によったら少し小さくなるかもしれませんし、少しそこら辺のところのデータも集めるというとまた大変になりますけれども、これは1回動かしてからでしょうけれども、集める工夫をしていただく必要があるのかなというふうに思っています。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 それでは行本先生、それから金森先生と行きましょう。では、どうぞお願いします。

(行本専門委員)
 きょうの議論、初めから私、資料を読んだときからはっきりしなかったのですが、いわゆる土壌残留もそれから水質の方もそうなのですけれども、結局人の健康にどうかというものと、それから生態影響というのがあると思うのです。今議論をいろいろお伺いしていて、やはりそれは分けて考えた方がすっきりすると思いまして、今回確かに生態影響というのが始まります。土壌の場合も生態影響の部分はもうそちらの方で……、今回、水だけでしたよね。ですから、ちょっとその辺があるのですけれども。

(須藤委員長)
 そうです。水生生物。

(行本専門委員)
 ですから今までの土壌残留がもともとは人への健康というので始まった問題ですし、ここの海外のEUもやはりそういう観点でこういう試験をやって登録保留基準をつくるということがありますので、土壌残留性もそれから濃縮性も、一応人への健康というのを頭に置いてどういうふうにするかということを考えて、生態影響はそれもまた重要な問題ですので、今回の水の方は既にスタートをする準備は整っているし、土壌の方もどこで考えるのかというのがあるのですけれども、そちらの方で考えて。今回のこの土壌残留生物濃縮の方も、生態影響を全く無視するということではないのですけれども、その辺を一応リスクが何かということを頭に置いてまとめられた方がわかりやすいかなと思います。

(須藤委員長)
 今の先生のご意見は、土壌残留のところは生態影響としてとらえた方がよろしいという意味ですか。ではなくて、人の健康はそれでよろしいわけですね。

(行本専門委員)
 これは人の健康です。

(須藤委員長)
 それはよろしいのね。

(行本専門委員)
 はい。濃縮性も一応人への健康というもので、魚を食べるからということもありますし、それから飲料水ですからいずれも……。

(須藤委員長)
 人の健康ですね。

(行本専門委員)
 ええ、人の健康です。だから、そこで生態影響も考えるとどうかというふうに入れていきますとちょっと複雑になりますので、その辺は分けて考えた方が。

(須藤委員長)
 例えば慢性毒なんていうのも考えたときにはそれは生態影響で、若林先生が言われる今やっているのは急性毒から評価をしているわけですが、そういう慢性毒なんかやる場合には、そちらで生態影響と二つを、やはりわかりやすく分けて考えてくださいよというのが先生のご意見ですね。

(行本専門委員)
 はい。

(須藤委員長)
 わかりました。ありがとうございました。
 では金森先生、行きましょう。お願いします。

(金森専門委員)
 これまで個別農薬の審査の際にいろいろと登録保留基準に関連して問題になっていた事項は、やはりどこかで見直さなければいけないという必要性があったわけです。ですから、先ほどご意見がありましたけれども、私はPOPsなどへの対応をきっかけに、見直していくことはいい機会ではないかと思います。ですから、今回の提案につきましては、個々にはまだいろいろご意見があるようですけれども、全体としては非常に必要性の高い作業であると思うのです。これは従来どれだけ農取法や登録保留基準に対する問題意識があったかどうかによって、大分違ってくるのではないか。そして第1段階から完全にできなくても、とにかく前進しようというような取り組みでやらなければ、最初から理想のものというのは難しいのではないかと先生方のお話を伺っていても感じました。
 それで、従来から問題意識が高かったところですが、土壌残留につきましても生物濃縮性につきましても、まあまあの線と先ほど委員長がおっしゃいましたけれども、私も同感です。もともと農取法の仕組みと食品衛生法などの仕組みとは違っているわけですから、先ほど全部を見直すというご意見もありましたけれども、今までの流れや、あるいは枠を全然無視して組み立てるということは無理なのではないかと思うのです。ですからその枠の中で環境省としてできる範囲のことからやっていくということでは、私は原案は非常によくできていて、評価できるのではないかと思いました。ただし、現実的には、先程も申しましたが、例えば事業者の方と生活者の方とで現状に対する問題意識が違っていたとすると、どこまで合意が形成できるか。
(須藤委員長)
 これに改定した場合ですね。

(金森専門委員)
 そうです。そこのところを考えながら段階的にやらざるを得ない部分もあるのではないかと思っています。POPsの国際整合化については、業界の方に対しても非常に説得力があるわけですからとりあえず取り込みながら、環境省として可能な範囲で枠を広げていく形を工夫せざるを得ないのではないか。いずれにしても、従来不明確だったところが、明確化するということなども非常に透明性が高くなり大事なことではないかと思っております。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございます。
 この農薬専門委員会が、従来というのは個々の農薬についての審議をしていまして、いろいろな問題点が出てきたわけですよね。例えば今の濃縮性の問題とか残留性の問題とか、出てくるたびにこれは後回しにしましょうということで、ずっと先送り、先送りにしてまいりまして、そして前回、その前ぐらいを迎えてまいりまして、私はいずれこの問題を、本当の意味で農薬専門委員会というのはこういうことを議論していただくのが大切だと思っておりましたのですが、何となくそれがその抄録のとおりでいいかどうか、基準値はこれでいいかどうかというのを、ADIから始まってずっとやってきていただいたわけです。そういう中でやっとこういう議論が始まって、これでまだ2回目ですか、その前に特定農薬の部分なんかがあって、とにかく本質的な議論を始めて、多分先生方ずっと長く委員をしていただいているんですが、私は初めてこういう議論をやったような記憶をしております。
 そういう意味で、前回も今回もそうなのですが、大変幅広くいろいろな観点からご主張なり、いろいろ考えていること、大ざっぱにはおっしゃっていただいたろうと思うのですが、基本的な部分について、形としてはPOPs条約があるのだけれども、それにも十分満たせるような改定がこの登録保留基準にはあり得る、なされているという意味で、多分いろいろな問題点が残されていると思います。なんだけれども、行政には継続性があるので、全部がらがらぽんにしてしまって新しい登録保留基準をつくるというのであれば、またそれなりのつくり方があるのでしょうけれども、今までのやっていた中で、どこを少しでも改定をしていけばいいのだろうかというところで、改定する部分については多分先生方の合意は得られたのだろうなとは思うのだけれども、その考え方とか一つ一つのデータのフォローとか、そんなことになっているとまた非常に不十分だと。だから、論理の組み立てもちょっと不十分だというようなところが、多分先生方のご指摘かなと思うのですが。
 私のまとめが不適切かもしれないのだけれども、そんなところで事務局がこれを作業していただいて、とにかくある程度の改定案にしなくてはいけない。それをこれはここの委員会が最終決定ではないんです。中央環境審議会の土壌農薬部会で、我々はこういうふうに専門委員として考えてきましたよということをお諮りしなくてはいけない。そちらの先生方のご審議をいただいて、ご了解もいただかなくてはいけない。そういうステップもあるわけです。そうしますと、ここまで来て余り長々と議論ができないので、次ぐらいにはもう少し今のいろいろな先生方の意見のすべてを私は取り込めないと思うのだけれども、ある程度の行政の継続性ということを含めて、まとめたものをつくっていただくということになろうかと思うのですが、室長、それでよろしいですか。どうぞ何かご発言があれば。

(早川室長)
 ありがとうございます。今須藤委員長におまとめいただいた形でまた次回出したいと思いますが、各先生からいただいた意見で、その幾つかについて前回の中で議論が出て、今回もまたそういうご意見をいただいたところで、とりあえず私どもの考えを改めて、幾つかについて申し上げたいと思います。
 まず1点につきましては、そもそも論としまして、冒頭申し上げましたように、今こういう世の中の国際的な流れ、10年前では考えられなかったように、できるだけ残留性や生物濃縮性のあるものを排除していこうという、こういう流れになってきたというのが一つ大きな点です。もう一つは生物濃縮性について典型的なんですけれども、須藤委員長が言われたようにずっと農薬専門委員会で課題になってきたものが先送りにされてきたということ。こういったようなことを契機としまして、この基準改定を行おうというのがそもそものきっかけでございます。
 具体論に入りますと、特に今問題として提起されました魚の濃縮性の話なのですけれども、要するに魚の濃縮性まで含めた水質汚濁の登録保留基準をつくるということのところで幾つかご意見があったと思います。一つはそもそも人の健康ではなくて、生態、エコの方ではないかというご意見と、先ほどの魚まで考慮するのであれば、その魚の残留基準なりそういう食品としての摂取量というものを考慮すべきではないかというのが二つ目、これらが大きな論点であると思います。前者につきましては、特によその国なんかは生態毒性の観点で濃縮性というのを規制に取り込んでいます。これは資料にあるとおりです。ただ我が国において現在の環境大臣が定めている四つの登録保留基準を見た場合に、そういう生態毒性に関するところは水産動植物の毒性というところで、これは前回もちょっと申し上げましたのですけれども、その基準の中で検討してみたのですけれども、そこで濃縮性を取り込んだ場合に、濃縮性があることによって水産動植物にどういうようなリスクがあるのかと。リスクまでいかない場合はハザードだけで規制というのは適切でないという趣旨で農取法ができていますので、リスクまでいったときに濃縮性があるということで、どういうリスクになるかというところが不明確なままで規制することは、農取法の中でなかなか難しいということが1点。
 片や、水の基準ということで水質汚濁の登録保留基準、これは資料にも書いてございましたように、人の飲料水として飲むダイレクトの考え方だけでなく、汚染された水で水産動植物が汚染されて、それを摂った場合ということがちゃんと立法の時点で書いてある。これはその時点でもそういうような濃縮性みたいなものを考慮した規制ということを念頭に置いた規定だと。それを運用してこなかったというのがあるのですけれども、そういう法律の趣旨・背景を考えた場合に、そこでやはり人健康の観点から考えていくのが一番とりあえず素直ではないかと。また、昔のPCBの話もございますし、あるいは化審法を見ても、化審法の濃縮性についてもあれはどういうリスクかというと人の健康リスクであるわけです。
 水産動植物のリスクというのは先般改正した水産動植物被害防止に係る登録保留基準により規制が始まりますけれども、濃縮性というのは人の健康リスクの観点で化審法でも規制の対象にしているということを考えたときに、そういう濃縮性を、そういう我が国の他法令の考え方と農取法で今措置されている規定の中で見た場合に、7号の水質汚濁に係る登録保留基準の中で見ていくのが法律上妥当であると考えています。では魚の基準をつくるかどうか、これは食品衛生法の観点になりますけれども、ただ先ほどちょっと申し上げましたように、魚の基準をつくるということになりますと、農薬をこういうふうに例えば生けすへまいたときに、魚にこのぐらいに残るから、こういうまき方をしたらこういう数値以下になるという、こういう曝露の評価と管理が同時にできないと、基準というのはつくれない。ですから、魚について農薬として基準があるというのはそれは本来の農薬の用途ではなくて、水産動物用医薬品として同じ化学物質が使われている場合に基準ができていると聞いております。それは例えば生けすに1回まいたらこのぐらい魚に残るということで、では3回まいたらだめだけど、2回まいたらいいというような、いわゆる農薬の使用基準と同じようなものによりリスク管理できるという前提で、ああいう基準ができているわけです。
 片や、こちらは農地にまいたものが最終的に農薬ではなくなって一般有害汚染物質として川を流れて魚に取り込まれるというふうに考えられるわけです。そういうことでやはりそれは農薬による水質汚濁の防止という観点から水の基準に入れて、そういう濃縮性があるものは厳しく管理することによって、濃縮性のある農薬を管理していこうという趣旨でこういう形の基準にしたらどうかと考えているわけです。ですから、もし魚の残留基準というお話にまでなると、今度は農薬をこう使ったら魚にこのぐらい残留するということを確認するための実態調査をして、農薬と魚の関係をダイレクトに決めて、まさに魚への農薬の使用基準みたいなものというか、農作物に3回まいたときに魚にこのぐらい検出されるから2回にするとか、そういう形で決めなくてはいけなくなってきて、それはもちろん食品規格で決めていただかないとできないのですけれども、そういうこともあるので、環境省の権限の範囲内で、水のまさに川上のところで抑さえることによって、できるだけそういったものはなくしていこうというふうに考えたわけでございます。そういうようないろいろな制約条件のある中で、そこを縫うように来たものですから、先生方からもいろいろとご指摘があったのですけれども、先ほど最後に金森先生が言われたように、その中で当面できることをどうやっていこうというのが我々の考え方でございます。最終的に農薬という、いわゆる生産資材を他の化学物質等と、もしくはそれ以上にきちんとした形で管理することによって、いろいろな意味で問題をなくしていこうという趣旨でございますので、また次回いただいたご意見を踏まえさせていただきますけれども、先ほど委員長のお話にもありましたように、改めて全く白地から議論すべきということになると行政の継続性もございませんので、資料4を整理いたしまして、今度もう少し具体的に告示の改正案という形でお示ししまして、議論していただければなというふうに思っております。

(須藤委員長)
 その際、今日のところは余り具体的な部分が少なかったので、先生方からちょっとご批判いただいたのがあるので、もう少し削る部分は削って、具体的にどこがどういうふうになるのかということをお示しいただいた方が、先ほどの最初の石井先生の流れなんかも含めて、ちょっと整理をしていただいた方がよさそうに思いますので、そこだけ十分注意していただいて、私も先生方がおっしゃるとおり、すべてやったらもうこれ何年かかっても、もしかしたらずっとかかるのかもしれないので、そうはなかなかできないので、改定するところは最低限ここなのよということをクリアに示していただいた方がかえっていいのではないかと、こう思いますので、ぜひ作業を。それで、先生方からはどうぞ、またご専門の先生でいらっしゃるのでご意見をお寄せください。それから、そちらの作業する方々もそれぞれの先生の専門をわかっておられるので、もしご意見をお聞きするのでしたら専門委員会だけでは不十分かもしれませんので。ということで、作業を進めていただきたいと思います。
 それではよろしいですか。少し強引に最後の議事をまとめましたが、そういうことでございますので、大体の予定した時間になりましたので、どうぞ水環境部長。

(吉田部長)
 大変熱のこもったご議論をいただきまして、まことにありがとうございました。先生方のご指摘は逐一ごもっともだと思います。ただ私どもも事務方からの説明を通じて最終的にはご理解いただけたと思いますが、POPs条約というものはきっかけではあると同時に、今後の世界の潮流であろうと思いますし、国内においても化審法の世界ではその流れが形づくられてくると思います。そのときに農薬の世界だけがそのディスクレパンシーが生じてはまずいということが基本にございます。
 それからもう一つは、やはり非常に化学物質の規制に関する法体系というのは厳格にできておりますというか、ロジックが非常に複雑になっていると思います。そういう意味でどうやって、先ほど金森先生がおっしゃってくださいましたけれども、建て増しをするときに消防法で言うマル適マークがもらえるかどうかという、テクニックの面でやや頭をぶつける、足をぶつけるという場所があるかもしれません。その辺は一方で環境保全というマインドの中で、どうやって先生方の意思統一を図っていただいて、合理化していただくか、割り切りをしていただくかということもまた非常に重要であろうかと思っておりますので、次回もう一度きょうのご意見を踏まえまして、いい形で改定案をお示しをしたいと思っております。
 それから須藤先生、先ほどこの専門委員会の上にさらに部会があるとおっしゃってくださいましたが、ただ私どもとすれば、まず専門委員会でコンセンサスを得られるということが重要かと思っておりますので、次回よろしくお願いいたしたいと思います。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました、部長。まだ先生方おっしゃりたいことがたくさんあるだろうと思いますが、こういうものは時間の都合もございますし、それから作業もしていただかなくてはいけないと思います。ということで、議題1については不十分ながら一応これで審議を終了させていただいて、先ほどのようなコメントを含めて事務局でさらに改正案というか改定案を充実させていただきたいと、こういうことをお願いしておきたいと思います。ということで、あとその他等あると思いますが、どうぞそちらで何かあるのでしょうか。ないのですか。
 それでは、本当にきょうはご熱心なご討論いただきまして、どうもありがとうございます。時間は十分にあったつもりですが、やはりまだまだ不足しているので、もうちょっと議論しなくてはいけない部分があるのかなという気もしておりますが、先生方のおっしゃっていることも多分皆さんごもっともだと私も理解しておりますので、少しでもいい改定ができればというふうに考えていますので、事務局は頑張って作業してください。
 以上をもって終了いたします。どうもお疲れさまでございました。

(早川室長)
 資料の公開、非公開は……。

(須藤委員長)
 資料の公開、ごめんなさい。最後の部分、失礼いたしました。最後に本日の資料の取り扱いについて説明いたします。土壌農薬部会の運営方針では、調査中の報告の案文、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料、関係者と調整中の資料、その他公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料については、委員長は委員限りである旨明記した上で非公開とすることができる、とされています。本日配付した資料はいずれもこれに該当しないことから、公開といたします。
 以上をもちまして、本日の農薬専門委員会を閉会といたします。
 長時間にわたりましてご審議いただきましたこと、御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

ページ先頭へ