中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会第15回議事録

日時

平成16年 2月16日(月)14:00~18:25

場所

経済産業省1020会議室

議題

(1) 水質汚濁に係る農薬の登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について
(2) その他

配布資料

資料1中央環境審議会土壌農薬部会農薬専門委員会委員名簿
資料2第13回農薬専門委員会議事要旨(案)
資料3 諮問書(写)及び付議書(写)
資料4 水質汚濁に係る農薬の登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料
資料5 水質汚濁に係る農薬の登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定について(報告案)
参考資料1 食品安全委員会によるEPNの安全性評価の変更について
参考資料2 農薬登録保留基準値設定における作物群分類
参考資料3 作物群別一日食品摂取量の中分類及び大分類の対比表
参考資料4 作物残留基準一覧(平成16年2月16日現在)
参考資料5 食品安全委員会発足に伴う登録保留基準設定の運用の変更について
参考資料6 食品衛生法に基づく残留農薬基準の設定(予定)及び農薬登録失効に伴う登録保留基準の変更について
参考資料7 食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)について
参考資料8 「特定防除資材(特定農薬)指定のための評価に関する指針」(案)等に関する意見の募集について
参考資料9 農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令の一部を改正する件(案)について
参考資料10 住宅地等における農薬の使用について(通知)
参考資料11 水産動植物の被害防止に係る改正登録保留基準施行に向けた課題及び取組状況
参考資料12 ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る平成14年度水質調査結果について
参考資料13 平成15年度に新たにリスク評価に取り組む物質について
参考資料14 国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約(PIC条約)の概要
参考資料15 「水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について」
参考資料16 改正化審法の施行について

議事

  (早川農薬環境管理室長)

 定刻に若干早いのでございますけれども、先生方おそろいになりましたので、ただいまから中央環境審議会土壌農薬部会第15回農薬専門委員会を開催させていただきます。
 委員の先生におかれましては、お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございます。
 本日の委員のご出欠でございますけれども、廣瀬委員、米谷委員、櫻井委員からご欠席とのご連絡をいただいております。
 それでは、審議に入る前に、吉田水環境部長からごあいさつをお願いいたします。

(吉田水環境部長)
 どうも、吉田でございます。また、先生方には、大変お忙しいところ本日もお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 この専門委員会、昨年の7月から、実は農薬の登録と同時に食品衛生法に基づきます暫定農薬の基準を設定するというのが既に始まっております。このために、今後、専門委員会におかれましては、作物残留に係る登録保留基準の設定につきましては環境大臣が農薬ごとに個別の基準値を設定する必要がなくなってはおりますけれども、一方で水質汚濁に係る登録保留基準の設定につきましては、引き続き環境大臣が設定をするという役回りになっております。本日のこの専門委員会におきましても、水質汚濁に係る農薬の登録保留基準の設定につきまして、5種類の農薬についてご審議を賜りたいというふうに考えております。先生方には、委員長を初め皆様方、大変しんどい仕事でご迷惑をおかけいたしますけれども、何とぞよろしくお願いをいたしたいと思っております。
 それから、前回会合を開かせていただきましてから、やや時間があいております。この間に、農薬行政にかかわる幾つかの新しい動きもございます。それらについて、本日、あわせてご紹介、ご報告を申し上げさせていただきたいと思います。
 環境省といたしましても、今後、先生方のご指導を引き続きいただきながら、農薬の安全性の確保に鋭意取り組んでまいりますので、何とぞよろしくご指導のほどお願いをいたします。

(早川室長)
 それでは、具体的な審議に入ります前に、本日の配付資料についてご確認をいただきたいと思います。

(高橋農薬管理専門官)
 それでは、配付資料をお願いします。
 まず、お手元の資料でございますけれども、議事次第がございまして、その次に座席表がありまして、資料1、中央環境審議会農薬専門委員会の委員名簿がございます。資料2といたしまして、前回、第13回専門委員会の議事要旨(案)。資料3といたしまして、諮問、付議の公文書の写しでございます。資料4といたしまして、水質汚濁に係る農薬の登録保留基準として環境大臣が定める基準の設定に関する資料。資料5といたしまして、同基準の報告案でございます。
 その次が参考資料の1でございまして、食品安全委員会におけるEPNの安全性評価の変更について。参考資料2といたしまして、登録保留基準値設定における作物群分類。参考資料3が、作物群別一日食品摂取量の分類の対比表でございます。参考資料4といたしまして、横組みの表でございますけれども、作物残留基準値一覧でございます。参考資料5が、食品安全委員会発足に伴う登録保留基準の運用変更について。参考資料6、食品衛生法に基づく残留農薬基準の設定(予定)及び農薬登録失効に伴う登録保留基準の変更について。参考資料7、食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)についてでございます。次、参考資料8でございますが、「特定防除資材(特定農薬)指定のための評価に関する指針」(案)等に関する意見の募集についてでございます。参考資料9といたしまして、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令の一部を改正する件(案)についてです。参考資料10でございますが、住宅地等における農薬の使用についてという通知文の写しでございます。参考資料11が、水産動植物の被害防止に係る改正登録保留基準施行に向けた課題及び取組状況。参考資料12が、ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る平成14年度水質調査結果についてでございます。参考資料13が、平成15年度に新たにリスク評価に取り組む物質についてということで、これは内分泌攪乱化学物質問題検討会の資料の抜粋でございます。参考資料14が、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約(PIC条約)の概要でございます。参考資料15が、「水生生物の保全に係る水質環境基準の設定について」。参考資料16が、改正化審法の施行について。
 以上でございます。

(早川室長)
 不足している資料が特にないようでございますれば、議事に入っていただければと思います。
 須藤委員長、議事進行、よろしくお願いいたします。

(須藤委員長)
 かしこまりました。
 それでは、本日は、大変ご多用の中を専門委員の皆様、環境省、関係省庁の皆様にはご出席をいただきまして、どうもありがとうございます。
 まず、本日予定をされている農薬の審議の公開の扱いでございます。従来より、農薬取締法第3条第2項の規定に基づき、環境大臣が定める基準の設定に係る審議につきましては、中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針に照らし、「公開することにより、特定の者に不利・不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合」に当たることから、従来より非公開の扱いとされておりました。しかし、昨年7月に食品安全委員会が発足し、同委員会が食品健康影響評価を行い、農薬のADIの設定を行うこととなりましたので、この農薬専門委員会では、食品安全委員会で設定されておりますADIに基づいて、基準設定について検討することとしております。そのため、今回の農薬専門委員会においては、農薬の毒性試験データ等企業秘密にかかわる資料を使用しないことから、非公開の理由に当たらないため、今回の農薬専門委員会については公開とさせていただきます。
 このため、たくさんの傍聴者の方がご参集いただいているわけでございます。お礼を申し上げます。
 それでは、議事に先立ちまして、農薬専門委員会単独で開催しました第13回の議事要旨の確認であります。これらについては、事前に配付いただきご確認いただいていると思いますが、何か修正すべき内容がございますでしょうか。
 なお、第13回農薬専門委員会の議事要旨につきましては、中央環境審議会土壌農薬部会の運営方針についてに基づき公開することとしておりますので、この場でご確認をいただけたらと思います。ごらんいただいて、ちょっと記憶が薄くなっているかもしれませんが、どうぞよろしくお願いをいたします。一度確認はいただいているつもりでございますが、先生方、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

(な  し)

(須藤委員長)
 特にご意見がないようでございます。では、議事要旨については特にご指摘がございませんので、お認めをいただいたということで進めさせていただきます。どうもありがとうございました。
 議事次第によれば、先ほど吉田部長からご紹介いただきましたように、まず、水質汚濁に係る農薬の登録保留基準の設定についてご審議をいただくことになっております。早速、議事を進めさせていただきたいと思います。
 議事次第にございますように、(1)ということになります。水質汚濁に係る農薬の登録保留基準として環境大臣の定める基準の設定についてということでございますので、あらかじめ、先ほど5農薬とご紹介もいただきましたが、上程されている農薬について、事務局からご説明ください。どうぞ。

(高橋専門官)
 それでは、ご説明させていただきます。
 本日の審議予定の品目についてですが、資料3をごらんください。資料3の諮問書、1枚めくっていただきまして、2ページにあります5農薬でございまして、EPN、こちらは食品安全委員会におきましてADIが変更されましたことを受けて、本日、基準の変更をご審議いただくものでございます。残り4農薬、ピリダフェンチオン、キャプタン、ダイアジノン、XMCにつきましては、新規に基準を設定するものでございます。
 以上、5農薬が本日ご審議をお願いする品目でございます。

(須藤委員長)
 よろしいですか、それまでで。
 ありがとうございました。
 それでは、順番に審議をいただきたいと思います。
 基準を変更するEPNの検討に入ります。事務局、どうぞご説明ください。

(高橋専門官)
 それでは、ご説明させていただきます。
 資料4をごらんください。資料4が、各農薬についての資料でございまして、1枚めくっていただきました1ページからEPNでございます。
 まず概要といたしまして、このEPNは水質汚濁に係る登録保留基準の変更ということでございまして、用途は殺虫剤。分子式等につきましてはここに記載のとおりでございます。登録されております製剤といたしましては、45%乳剤と1.5%粉剤がございまして、適用といたしましては、稲について適用がございます。適用につきましては、水質汚濁基準に係る適用のみをこの資料では挙げさせていただいております。
 安全性評価でございますが、2ページ目の頭でございます。新たに食品安全委員会で定められましたADIが0.0014でございます。その下に経緯を少し説明させていただいておりますけれども、平成15年9月18日、食品安全委員会は、厚生労働省の審議会におけますEPNの安全性評価を受けまして、これを妥当として厚生労働省に通知したというものでございます。それで、従前のADI0.0023に比べまして少し厳しい値で0.0014という値に変更されたというものでございます。
 これに関連しまして、参考資料1をごらんください。参考資料1は、食品安全委員会の公表資料でございます。
 まず、1枚めくっていただきましたところ、1ページが食品安全委員会におけます資料でございまして、食品安全委員会が、食品安全基本法に基づきまして厚生労働省よりEPNの基準の改正に係る食品健康影響評価について意見を求められたということがございまして、厚生労働省より、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会の毒性部会・残留農薬部会の合同部会の報告が提出されたということが記載されております。
 その厚生労働省の審議会におけます報告書が2ページ以降でございまして、事実上、ここで細かなEPNの安全性の評価がなされたというものでございます。詳細は省略させていただきますけれども、動物・植物の代謝、3ページ目に行きまして、反復投与/発がん性試験等の評価がなされております。繁殖試験、催奇形性試験、それで5ページでございますけれども、遺伝毒性試験等も踏まえまして、5ページの下の方、6番、ADIの設定の設定というところでございますが、無毒性量をラットの試験から0.14mg/kg/dayといたしまして、安全係数100をとりまして、1日許容摂取量ADIを0.0014mg/kg/dayとしたものでございます。
 この報告書が食品安全衛生委員会に提出されまして、食品安全委員会におけます審議の結果、これを妥当といたしまして、厚生労働省にその旨通知したという通知文が14ページでございます。
 15ページにこの通知の別紙がついておりまして、この15農薬について通知されたわけでございますが、一番上にEPNといたしまして0.0014mg/kg/dayという新しい値がここで公式に決まったというものでございます。
 それでは、資料の4に戻ってご説明いたします。
 このようなADIの評価の変更によりまして、0.0014と定められましたので、資料4、2ページの一番上でございますが、これを体重53.3kgを掛けますと0.0746mg/人/dayということになります。
 基準値でございますが、2ページの真ん中の(2)のところでございます。基準値案といたしまして0.04、規制対象成分はEPN本体を提案させていただいております。算出式は、その下に書いてございまして、先ほどのADIの値0.0746mg、これは1人1日当たりの数字でございますが、それの10%配分ということで0.1を掛けまして、1日の水の摂取量2Lで割るということ、それから希釈倍率を考慮しまして10を掛けるということをいたしまして、0.0373となります。これを四捨五入いたしまして、0.04という基準値案を提案させていただいております。その下の試験水田におけます消長試験結果を見てみますと、4種類の試験がなされておりますが、この中で一番右のカラムでございますが、150日間平均濃度を計算いたしますと、この中で一番大きい値は0.0148ということで、基準値案0.04を下回ってございます。
 また、次のページにまいりまして、理論最大摂取量と対ADI比といたしまして、基準値案より算出した農薬の理論最大摂取量の積み上げがございます。食品規格設定作物経由の部分が0.0527mgという計算になりますので、それから水質経由といたしまして、先ほどの基準値案0.04をもとに希釈倍率と飲料水摂取量を掛け合わせまして求めた量といたしまして0.0080、合わせますと対ADI比は81.4%と計算されます。このうち作物経由につきましては70.6%におさまってございます。
 EPNの概要につきましては、以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのEPNの基準値案0.04でございますが、ご説明について、ご質問なりコメントなりございますでしょうか。
 では、中杉先生、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 この流れの説明自体は結構だと思うのですけれども、log Powが非常に高いので、前から申し上げていることでちょっと気になって、濃縮係数を正式な係数を入れて計算をしていまして、うっかり体重当たりでADIを入れているのかと思って勘違いして、大丈夫かなと思っていたのですが、体重当たりで1日総量で見ているので、計算してみますと、BCFはこのデータの中にはないのですが、1,500という数字がございます。それを用い0.04で10分の1で1,500でというふうな計算をしていって、魚は90gというふうな計算をしますと、EPNの摂取量、魚経由の摂取量が0.54mgという数字になってきます。これは、この前の専門委員会のときもやったので、内水面の魚の量をどのぐらいとるかという議論ももちろん入りますけれども、それがやはり100分の1ぐらい、1%ぐらい内水面魚を食べるということであるとおさまってしまうのですけれど、それが10%だとADIを超えてしまうということですね。そんな議論になります。実質的には0.04よりは低いところですから、実際問題としてはないのだけれど、こういう基準値をつくるときに、そこら辺を考慮しながらつくらなければいけないのではないかと。今のルールとしてはこういうことなのですけれども、そういうことをあらわしてもよいのではないかというふうに思います。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 中杉先生、日ごろからこの問題については強くおっしゃっていられる問題でありますので、今のルール上でそうであるからとか、例えば内水面の魚を全体の魚の何パーセント食べているか、今、10%だと危ないのですか。というようなことでありますので、今後の一つの検討課題ではあると思うのですが、これ自身については、先生、これはこれで、こういう問題があるということをよく認識をしておくと。まず、我々としても今後の検討対象にするということでよろしいですね。

(中杉臨時委員)
 はい。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 では、どうぞ、眞柄先生。

(眞柄臨時委員)
 食品安全委員会の資料にも書いてありますように、この農薬は植物中でも環境中でもオキソン体に変わります。それで、毒性評価は、食品安全委員会の結論、そのとおりで全く正しいと思います。ただ、水質汚濁性に係る登録保留基準を設定する農薬で、基準値案で対象にするのが、今の原案ですとEPNの本体になっておりますが、環境中には、EPNの本体以外に分解物である毒性はほぼ食品安全委員会が指摘されていらっしゃるようなオキソン体などができますので、規制の対象としては、EPNの本体だけではなくて、それの環境中の分解物も加えるべきではないかというのが私の意見でございます。森田先生に、これはもう少し専門的なお立場でご意見をいただければありがたいと思います。

(須藤委員長)
 分解物も同じように規制にのせてという眞柄先生のご指摘なので、本体以外も入れるべきだというので、いかがでございますか。

(森田臨時委員)
 難しいですが、中杉さんの件と若干関係しますが、生物濃縮係数をどう考えるかという部分がありまして、多分、EPNに関して言えば、もちろん水-オクタノール分配係数はすごく大きいのけれど、生物濃縮みたいな形で実際には実験をやってみると、多分、体内で代謝濃縮が起きてもう少し小さくなっている可能性があるので、オクタノール-分配係数はある種の指標ですけれども、もしわかるのであれば魚の濃縮係数みたいなものも配慮して、その場合にはきちんと人畜毒性の判断材料に使った方がいいかというご指摘ですね。
 第2は、オキソン体は有機リン化合物に共通の課題だろうと思いますが、しかも有機リン化合物を人体などになるべく行かないようにし、かつ殺虫効果を持つという、ある種の選択毒性をつくり出すために、わざわざ硫黄という元素を入れてつくってきているというのが一つの製薬側のテクニックだったと思うのですが、しかし、一方でオキソン体ができているとか、そういうことがありますので、もしそれが、測定はそんなに変わらないと思いますけれども、測定をして、一緒に入れることができるのであれば、そうした方がいいと思います。僕は多分、食の安全の基準と足並みをそろえた方がいいという、そういう感じがいたします。つまり、水だけにするのではなくて、食品の側がそういうふうに動かせるのであれば、水も一緒に並んだ方がいいという。

(須藤委員長)
 わかりました。では、これはちょっと事務局に相談をしましょう。
 今の問題はどうですか。やはりここだけ単独で代謝物を一緒に入れるのは問題なので、食品の安全の方と合わせて、そちらがそうなっていればということだったのですが、いかがですか。

(高橋専門官)
 こちらにつきましては、食品の方では原体を基準に設定するということで、支障がないということでしておりますので、今のところでは、一本化した方がよろしいのかなとは思っておりますが。

(須藤委員長)
 はい、どうぞ、眞柄先生。

(眞柄臨時委員)
 食品安全委員会の方はADIの設定をされるのであって、そのADIのこの数値は、動物実験の過程で本体と代謝物と同時に見ているから、もともとの本体だけのADIで結構ですというのが安全委員会の結論で、それは非常に科学的に正しいと思います。そのとおりだと思います。
 ただ、水の方の水質汚濁というやつは、今度は環境サイドが水の中ではかるわけですから、はかるときに両方ある現実に同じぐらいの毒性のものがあるのだったら、両方合わせた方がいいのではないかという考えでして、ですから食品安全委員会のADIの数値とは違ってくると思います。

(須藤委員長)
 そうでございますね。
 その辺は、中杉先生、いかがですか。どうぞ。

(中杉臨時委員)
 先ほども森田委員が言われた話ですが、最初の1,500という数字は一応私が調べて、BCFとして1,500という数字を拾ってきたということです。それから、今の話で言いますと、むしろEPNが要監視項目で測られている、そのときにどういうふうに測っているかということ等の方の整合をとらなければいけないのではないかというふうに思います。

(須藤委員長)
 EPNの要監視項目ですね。
 では、安藤委員からいきましょうか。
 どうぞ。はい、安藤先生。

(安藤専門委員)
 水道では、EPN、オキソン体、4月1日までの話、今のになりますと、4つの有機リンがありまして、その有機リンについてはオキソン体は全部はかっています。表向きはEPNで代替する、そういう流れです。ただ、検査方法を見てみると、実はその中に全部入っています。例えばダイアジノンとダイアジノンオキソンと、EPNとEPN系のオキソン、それもスタンダードに入っている。つまり測って、それも合計上のEPN、あるいはダイアジノン、こういうふうにやっています。

(須藤委員長)
 それは今水道の摂取量。

(安藤専門委員)
 水道の摂取量ですね。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 そうすると、要監視項目の方は、どなたかわかる人おられるかな。
 太田課長、環境の方はだれもきょうは出てられないかな。

(太田土壌環境課長)
 ちょっと要監視項目は確認する必要がございます。

(須藤委員長)
 そうですね。どうはかっているかはね。
 どうしようかな。要監視項目の測定方法のところを見ていただければいいわけですよね。それと計算根拠を見ていただければよろしいので。
 では、それ以外にご意見を伺っておきましょう。これは、眞柄先生は、これを本体以外に代謝物は入れなさいというご指摘なので、それは同じ測定法でできるわけで、同じあれを見ればいいわけですね。わかりました。
 そこ以外のご意見、ございますか。
 はい、では中杉先生。

(中杉臨時委員)
 仮に含めるとしたときに、試験水田における消長試験結果自体が、多分、オキソン体を含めてないのであろうから、この基準で達成できるのかどうかという、またこれがわからないことになりかねないというふうに思います。

(須藤委員長)
 そうですね。消長試験は、多分、これは本体で測っていますよね。多分ね。

(高橋専門官)
 多分そうだったと思います。

(須藤委員長)
 それはそうですよね。

(眞柄臨時委員)
 事務局でお調べになっているから、有機リン系以外の農薬を先にやって。

(須藤委員長)
 先にやりましょうか。
 では、ここはサスペンドして、ほかにご意見ないので、入れるか入れないかだけの結論ですよね。どっちかにすればいいのですよね。ですから、それは最後でもいいと思いますので、入れるか入れないかというだけ。それ以外のところは、皆さん、ご意見ないということでよろしいですね。
 では、代謝物を入れるか入れないかということだけで残して、次へ進んでおきましょう。これは、この農薬の最後の部分のときに、もう一度、そのご意見をいただきます。
 それでは、2番目のピリダフェンチオンをご説明ください。

(高橋専門官)
 それでは、2番目、ピリダフェンチオンについて説明させていただきます。
 ピリダフェンチオン、4ページでございますが、こちらは水質汚濁に係る登録保留基準の新設定でございます。用途は殺虫剤でございまして、分子式からlog Pow等につきましては、記載のとおりでございます。登録製剤といたしましては、40%乳剤から2%粉粒剤まで5種類がございまして、水濁の基準に係ります適用といたしましては、稲とイグサがございます。
 安全性評価につきましては、従前、安全性評価の数をとりまして、0.0085mg/kg/dayと。不確実係数は200となってございます。
 水田水中濃度の基準値案といたしまして、0.02mg/Lと。こちらはADIの0.00085に体重53.3kgを掛けまして、それの10%配分で求めた値が0.02ということになります。規制対象成分の案といたしましては、ピリダフェンチオン本体ということで提案させていただいております。試験水田におけます消長試験の結果でございますが、4種類の試験がございまして、そこから計算した150日間平均濃度がございますけれども、一番右のカラムでございますが、その最大のものが0.0139mg/Lということで、基準値案を下回るというものでございます。
 理論最大摂取量の対ADI比につきましては、水質経由は0.004mgと。作物経由と合わせまして0.0388mgとなりますので、対ADI比は85.7%、うち作物経由は76.9%となります。
 ピリダフェンチオンについては、以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、どうぞご質問、コメントありましたら。いいですか。よろしいですか。
 きょうは、説明まで入れますと、かなりの量の審議をいただかなくてはいけませんので、もしあれば、最後に今の1番の問題を残しておりますので、ご意見をいただくということで、一通りやらせていただきます。
 3番目、キャプタンであります。どうぞ、ご説明ください。

(高橋専門官)
 それでは、3番目、キャプタンでございます。
 7ページでございます。こちらも、基準は新規設定となります。用途は殺菌剤でございます。登録製剤につきましては、80%水和剤が登録されておりまして、基準設定に係ります適用はレンコンでございます。
 安全性評価は従前の値がございまして、0.125mg/kg/dayと。不確実係数は100で設定されております。
 この値から基準値案を求めたのが8ページの3番の(2)でございまして、3mg/Lと、規制対象はキャプタン本体ということで提案させていただいております。試験水田における消長試験でございますが、150日間平均値の最大のものが0.00012mg/Lとなってございます。
 理論最大摂取量でございますが、食品規格と作物残留の基準と合わせまして、さらに飲料水経由の0.6mgを合わせますと4.1615mg。この対ADI比を計算いたしますと、62.5%になります。うち作物経由は53.5%に相当します。
 キャプタンについては、以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 今のキャプタンについてのご説明に対して、何かご意見なりコメントはありますか。
 この基準値でよろしいですね。
 では、先ほど申し上げましたように少し先を急がせていただきますので、4番目、ダイアジノンであります。
 どうぞ、お願いします。

(高橋専門官)
 では、ダイアジノン、説明させていただきます。
 10ページでございます。こちらも基準の新規設定でございまして、用途は殺虫剤でございます。登録製剤といたしましては、ここに6剤挙げさせていただいております。40%乳剤から3%の粒剤、粉粒剤。このほかにも用量が下回る製剤がございます。この基準設定に係る適用といたしましては、稲とイグサがございます。
 安全性評価につきましては、ADI、既存の値がございまして、0.002mg/kg。不確実係数100で設定されてございます。
 このADIをもとに基準値案を計算いたしますと、0.05mg/Lで、規制対象成分はダイアジノンの本体ということで提案させていただきます。試験水田におけます消長試験結果ですけれども、150日間平均値の最大のものが0.0376になりまして、基準値案0.05を下回っております。
 次のページでございますが、理論最大摂取量の積み上げでございますけれども、作物経由といたしまして、作物残留に係る登録保留基準を用いた理論最大摂取量と食品規格経由の理論最大摂取量を合わせまして、さらに水質経由の理論最大摂取量といたしまして0.01mg、これを合わせますと0.1020mg。この対ADI比を求めますと、95.7%になります。うち作物経由は86.3%という値になってございます。ただし、このダイアジノンにつきまして、作物残留に係る登録保留基準の部分に関して、これを登録作物だけで計算してみると、これはちょうど作物経由の部分が80%になるという状況でございます。ただし、作物群として足し上げてしまいますと、数字の上では80%を超える、86.3%になるという状況でございます。
 ダイアジノンについては、以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に対して何かご質問なりご意見ございますか。いいですか。
 0.05というのが基準値案でございます。いいですか。
 それでは、次に進めさせていただきます。
 一応、先ほどの5農薬ということがございましたので、これが最後に、1つは留保してありますけれども、最後になるわけですが、XMCについてご説明ください。お願いします。

(高橋専門官)
 それではXMC、14ページでございます。こちらも基準の新規設定でございます。用途は殺虫剤でございまして、登録製剤といたしましては3%粉剤。このほかにも有効成分含有量が低い製剤があるということでございます。基準設定に係る適用といたしましては、稲の適用がございます。
 安全性評価につきましては、ADI0.0034mg/kg/dayの値が従前よりありまして、この不確実係数は500ということで設定されております。
 このADIを用いまして基準値案を計算いたしますと、15ページでございますが、0.09mg/L、規制対象成分といたしまして、XMC本体を提案させていただいております。試験水田におけます消長試験結果を見ますと、最大のものが0.0669ということでございまして、基準値案を下回っております。
 理論最大摂取量と対ADI比の計算でございますが、作物残留に係る登録保留基準の基準値を使った理論最大摂取量と、先ほどの水濁の基準値0.09mg/L、この基準値案を用いた理論最大摂取量を足し合わせますと0.1422mgとなりまして、対ADI比は78.5%、うち作物経由は68.5%という値になります。
 XMCついては、以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのXMCについてのご説明について、ご意見なりコメントありますでしょうか。いいですか。
 基準値は0.09ということでございます。
 それでは、特にございませんので、2番から、一緒だから。
 では、どうぞ。

(森田臨時委員)
 ちょっと先ほど私ぼけておりまして、食品と関連の高い、あれは間違いですので、むしろ水道と関連が高い。そういう意味で、EPNを、当然、オキソン体を含めた合計でということですとよさそうな感じがします。

(須藤委員長)
 先ほど森田先生は、ちょっと違っていたのですね。

(森田臨時委員)
 間違いです。修正させていただきます。

(須藤委員長)
 はい、わかりました。

(森田臨時委員)
 EPN、それからピリダフェンチオン、それからダイアジノン、この3つの薬品は。

(須藤委員長)
 3つは、そうですね、一緒ですね。

(森田臨時委員)
 オキソン体を入れる形で。

(須藤委員長)
 原体だけでなくて、オキソン体を入れるということですね。

(森田臨時委員)
 それがよさそうな感じがします。

(須藤委員長)
水道自身はというのは、表現はそうだけれども、実際の測定はそうであると。そういうことですね。

(森田臨時委員)
 表には出てきてないけれど……。

(須藤委員長)
 はい、わかりました。

(森田臨時委員)
 だから、それに関して、スタンダードもそういうふうに今のは用意して。

(須藤委員長)
 なるほど、わかりました。
 調べるのに時間がかかっているようではあるけれども、この問題は、それを入れるということで、この3つの農薬について、有機リン系はその方が、当方の要監視項目がどう測られているかはちょっと定かではないのだけれども。

(更田農薬環境管理室長補佐)
 今、調べておりますので。

(須藤委員長)
 そうでしょう。
 どうぞ。

(眞柄臨時委員)
 たしか事務局で3月までにもう一回専門委員会をするよという、何か日程調整が来ておったようですが、もし時間的な余裕があれば、有機リンについて事務局サイドでどうするかお考えいただいた方がいいと思います。とにかく有機リン系というのは非常にたくさん使われていますので、一つそれをやってしまうと、すべてそういうふうに対応しなければならないことになりますので、ですから、できれば私は次回までに事務局としてどういう方針でいくかというのをご検討されて……。

(須藤委員長)
 農薬だけやっておいてね。

(眞柄臨時委員)
 ええ、そうです。有機リン以外のやつはやっておいて、それ以外のものは次回までに事務局の方で関係方面と協議をされて、この方針でいくというのをお出しなされた方が私はいいと、私はそちらの方をお勧めします。ただ、やっている人間とすれば、オキソン体も入れていただいた方が、今度はまさに水質汚濁性の問題ですから、その方がいいとは思いますけれども、ただ、今までとは大分違いますので、ですから、やはりちょっと参考……。

(須藤委員長)
 水道の手続、それからルール、いろいろありますから、その辺をここで拙速して決めることにも問題があるかなと私も思うのですが。
 早川室長、どうぞ、コメント。

(早川室長)
 今までのルールを申し上げますと、一般的に作物残留と水質汚濁の登録保留基準を一緒につくっていますので、作物の代謝試験でそういう今おっしゃったようなオキソン体が出るような、要は作物経由で口に入るような場合には、当然、規制対象ということにし、水質の規制対象のオキソン体を含めてやってきたと思います。それが一つのルールだったと思います。
 今回の例えばEPNは、これは今確認したところ、作物残留の登録保留基準において、オキソン体が規制対象となっていないということなので、規制対象としては、水質の基準も本体のみということで同じに並べてきたと思います。
 水についてのお話は、私も過去の議論をちょっとひもといてみますと、やはり水道の問題、要は一般水というよりも浄水過程で塩素処理等によって特にオキソン体が出るということで、ある意味では作物ではなくて水道という浄水過程に特有の現象だということで、ある農薬については、たしか私の着任の前だと思うのですけれども、そういうオキソン体の話が議論になったように伺っております。その辺については、オキソン体の毒性の話と、あと最終的にモニタリングでオキソン体がどのくらい出ているかということを確認するということで、とりあえず了承されたと。
 今、眞柄先生がおっしゃったように、これは有機リン全体のお話なので、もし作物残留に関係なくオキソン体を全部水として測り込むということであれば、これは、今回の2農薬だけでなくて、すべての有機リンについて、水質汚濁の登録保留基準はこれまで全部で百数十決めてきましたけれども、このうちの有機リンについて考え方、基準をもう一回見直すなりしなくてはいけない。しかも、今回のこの試験は、すべて実際のところそういうオキソン体を測っていないので、このデータそのものが評価に使えないのですね。ということになると、非常に大きな方針の変更ということなので、もし、そういうふうに変更するのであれば、改めてもう一回見直しをしなくてはいけないということになります。ただし、もしここで、先ほど先生が言われましたように、これは私どもだけでなくて、いろいろなところに影響しますので、そこら辺、拙速はやめて、改めてきちっとその考え方を整理した上でどうするかというふうなご示唆もいただきましたので、きょうのところは、申しわけないのですけれども、そういうことで、そういう方針を改めて今後検討させていただくということにしたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

(須藤委員長)
 私は、とりまとめの役でございますのですが、先生方のお話を伺っていて、上程されてから新たなことをここに導入すること自身は、手続上、やはり問題があるので、今のことは全部まとめて一度議論をして、これはたしか農薬は3年に一遍再登録ということになりますね、ですからそのときに、私が意見を言うのも問題ですが、そのときにそれを今度入れるからということをやることが一つ。
 それから測定については、これはモニタリングならやりますよね。そのときにはちゃんとコメントを出して、オキソン体を測りなさいと。この今の3つについては、もうこれはあらかじめ言っておくということが、それ自身が大切ではないかと、こう思いますので。それは言えますでしょう。

(早川室長)
 言えますね。

(須藤委員長)
 そういうふうなことをコメントしたらいかがでしょうかね。
 ということでまとめさせていただくのでいかがでしょうか。だから、これに決めておいて。

(早川室長)
 ということは、今までの運用にのっとってとりあえずこの基準値案はのままでご了承いただき、それで改めて全体の考え方を取りまとめると。

(須藤委員長)
 だから有機リンは、全部で幾つあるか、150ですか。

(早川室長)
 いやいや、ちょっと調べてみないとわかりません。

(須藤委員長)
 知らないでしょう。そんなにないと思うけれど、とにかくあるでしょう。その問題は、多分、眞柄先生からこのオキソン体の話で前からご指摘いただいているのですよ。それなので、改めてこれは別にどうするかということと、それから環境影響評価とか残留試験とかというのは、それはやらなくてはいけないではないですか。入れてないでしょう。ですから、例えば今、先ほどのご意見にもあったように、残留試験はもう一回やり直さなくてはいけないということが起こってしまうのですよ。それは余りにも、途中まで来て、それはやはりルールとして、これを出された方に対しても非常に不公平な部分も起こるのではないかと思うので、とりあえずは、不公平を起こさないためには、これで決めておいて、新たに今度は再登録のときにはそれを入れるとか、それは早目に審議をしなくてはいけませんよね。それとモニタリングは、後からの申請者には気の毒だけれども、これについてはモニタリングをしなさいということだけは、オキソン体もモニタリングしなさいということを申し添えるというのでいかがでしょうか、というのが委員長としてのまとめですが、いかがでしょうか。
 それでよろしければ、先生方、ご意見がなければ、そういうことでまとめさせていただきます。ただし、別途きちんとこの専門委員会でどうすべきかということを議論をしなければいけない。ですから、データなしで議論をしても余りしようがないので、そういうデータも多少そろえていただくとか、そういうことにして、同じぐらいの毒性があるとかというのをおっしゃっておられるのだけれど、そうなのか、そういうのを見せていただくとか、塩素消毒をやれば出てくるのか、塩素消毒をやらなければ出てこないのか、私もその辺不十分だけれども、その辺のところ、眞柄先生からも、以前にこのご意見をいただいているのですよ。ですから、いつも同じご意見になって、では積み残し、積み残しで、次から次へ行くのはよろしくないので、ここで、せっかくこの委員会が水質汚濁性とか、次は生態影響、来年ころからやりますよね、そういうことにも環境影響が主になるので、その部分のところを食品安全委員会とは別に、議論の考え方を別な議論を組み立ててもよろしいのではないですかと。
 こういうことでよろしいですか、眞柄先生。

(眞柄臨時委員)
 はい。

(須藤委員長)
 ということで、多少強引な部分はありますけれども、まとめさせていただいて、この5つの農薬については、とりあえずはそういうことにして、このとおりにしていただいて、ただし、有機リン系についてはモニタリングをしていただくと。オキソン体についてしていただくということを申し添えましょう。
 ということで、次に進んでください。
 では、この取り扱いについてどういたしましょう。どうぞ、お願いします。一応は決めましたので。
 では、どうぞ、山本先生。

(山本専門委員)
 今の委員長の結論で、私も、そういうことだろうと思います。今までの分と整合性も確かにあるので。
 ちょっとこれは話がそれるかもしれませんが、モニタリングしてくださいというのは、どこにですか。

(須藤委員長)
 いやいや、いろいろなところで測ることがあるでしょう、この農薬については。

(山本専門委員)
 はいはい、環境省とかいろいろありますね。

(須藤委員長)
 はい、環境省。

(山本専門委員)
 基本的には国の話ですよね。モニタリングでの。

(須藤委員長)
 はい、そうです。モニタリングをするときにオキソン体も一緒にしてくださいと。水道と同じような意味でですね。

(山本専門委員)
 監視しましょうと。

(須藤委員長)
 そうです。そういう意味です。別に、特別にこれだけ取り出して監視をしてくださいという意味ではございません。測るときには、それを入れてくださいと。
 はい、どうぞ、森田先生。

(森田臨時委員)
 まず、今、もし決定しろと言われれば、多分、須藤先生のお答えなのかもしれませんが、何がわかっていないかというと、一つは環境中で光分解を受けなかったとして、ほかの物質に変わっているのですよね。塩素化だけではなくて起こってきていますので、それをどう考えるかということと、それからもう一つは、水道水とずれてしまってよいのかという議論もちょっと残っています。水道水の基準と、それから環境の基準が分離してしまうということが、一時的にしろ多分起こる構造になると。そのことをちょっと考えると、少なくとも非常に早い時期に見直しがきちんと埋め込まれていないといけないと思いますし、それから、ひょっとしたら次の専門委員会で、須藤先生のご提案のおまとめになるのかもしれませんが、それまで必死に作業していただいて、どんなことが起こるかというのをちょっと見ておいた方がいいような気もするのですけれどね。いずれにしてもやや根本的な問題であり、かつ今まで積み残しになってきた要素がある。
 それから、多分、水道の方は、もちろん塩素処理された末端の水についての分析もされていると思いますが、同時に原水の分析という形で、環境水分析をどれぐらいやっているかと。その辺についても情報は多分相当お持ちだろうと思いますので、それもちょっと見ておいて。
 それから、多分、この問題は、実は今水の方だけで言っていますが、空中散布とか、そういうことを議論されるたびごとにオキソン体が結構あるよという話も、解けてないというので、実は水部だけではなくて管理局全体の話でもあるという構造もちょっとあります。化学物質の方から出ています。
 皆さんが賛成されるのであれば、差し当たりそれでいいと思いますが、ちょっと、どういうふうにされるかは……。

(須藤委員長)
 そうですね。確かに水だけの問題ではないのですよね、この問題は。だけれども、ここで取り扱っている範囲は水質汚濁性ということだけでやっているので、おっしゃられるだけでも、これはなかなか環境本来のことで議論を始めると、農薬専門委員会ではないよと、いや、専門委員会の中でも水質汚濁性をやっているので、ほかのところのことは考えなくてもいいよというのは、それは非常に無責任なのだけれども、だからといって、すべてその辺のところを取り込んだことをやり出すと、またこれも限度があるので、やはりどこかで区切りをつけて整理をしながらやらなくてはいけないだろうと私は思いますので、先ほど申し上げたようなところでとりあえずまとめておかないと、それがこの次の4月だか5月だかに、事務局が、早川さんが一生懸命やってくれて、今のことを一応提案をしていただけるかどうかはともかくとしても、可及的速やかにやると。私が作業するものでないから、森田先生に、いや4月早々にやりましょうというお約束はしかねるけれども、私の方からは事務局にそうお願いをしておきますので、いいですか。
 はい、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 多分、一番あれになるのは、使い方が、こういう使い方で守れるかどうかというところが一番ポイントなのですね。それが消長試験で必ずしも確かめられているかどうかというのはわからないと思うので、いいのだけれども、その辺については、実際に環境省の方でこういうふうな形でやられているということで、内面水をどこかで測っていただいて、確かに今の使い方で、オキソン体も含めて測っていただいて、問題がないよねということを確かめていただければ、それでいいのではないかというふうに私は思いますけれど。

(須藤委員長)
 ですから、今、我々の頭の中だけで考えているわけだけれども、この値も実際には本体だけ測った値ですよね。ですから、それに加えて、早い時期に測っていただくと。それで、このぐらい、非常に微量であるというのであれば、こんな心配をしなくてもいいのだけれども、その辺のところも含めて課題が非常に多いので、きょうはとにかくこの5農薬のことだけにとどめておかないと、過去の分も含めて有機リン系はやらなくてはいけないですから、そういう意味では、要するに再登録もあるので、そのときにはぜひ入れていただくということにして、きょうのところは、いろいろ貴重なご意見をいただきましたのですが、先ほど申し上げたような取り扱いでとりあえずさせていただいて。というのは、いろいろ事務局としても手続もありまして、これからお話をいただくのだけれども、すべて設定されていると、それが設定されていても間違っていたらいけないのだから、それはやりますけれども、とりあえずそういうこともございますので、よろしいですか、とりあえずそんなところで。どうしてもと言われたら、またこれも困るのだけれども、そんなところで、森田先生、眞柄先生、今のようなことは必ずやってくださると、こういうこと、これは議事録にも載りますので、私らの発言も議事録に載りますので、そういうことでよろしゅうございますか、とりあえずは。

(異議なし)

(須藤委員長)
 ということで、何とか、いずれ検討していただき、いずれというか、可及的速やかに検討していただくということで、今回の部分については、要するにもう上程されている部分でございますので、本体ということにとどめていただいて、今のような、先ほど私が申し上げたようなことで、おさめていただくということにさせていただきたいと思いますので。

(眞柄臨時委員)
 ちょっと、先生、ほかの件で。

(須藤委員長)
 ほかの件、はい。

(眞柄臨時委員)
 さかのぼってしまいましたけれども、ダイアジノンの食品規格経由と作物経由というのが、ご説明がよくわからなかったので、参考資料7の後ろの方にダイアジノンが今ずっと出ているのですが、参考資料7を見ながら、この4の理論最大摂取量の作物経由と食品規格経由のところ、ご説明をもう一度していただけますか。すみません、お願いします。

(亀若臨時委員)
 今、私、同じようなことで疑問に思ったのですが、先ほどのご説明で登録対象作物だけにすると80%というご説明があったのですけれど、ここではルールとして80%以上作物経由では採れないというルールで来ていますよね。そこで、この専門委員会の責任の範囲ということで考えますと、作物の方は、食品規格の方でいくのだから、今後80を超えていようとどうしようと我々専門委員会では関係ないというふうに理解していいのかどうか。いや、食品規格の方もやはり80でいくのか、あるいは全然別の部分で考えているのだというふうにおっしゃるのかですね。このダイアジノンについては、非常に高い。こんなに高いものがあったのかなと疑問に思っていますので、ちょっと説明していただきたい。

(須藤委員長)
 眞柄先生と亀若先生のを両方含めて、今、ダイアジノンについてのご説明をください。

(高橋専門官)
 参考資料7は、これはちょっとまた新しい基準の話ですので、ちょっとこれは置いておいていただいて、参考資料の4でございます。参考資料の4に基準値案というのがございまして、あと参考資料の2に作物群分類というのがございます。ダイアジノンにつきましては、参考資料の4の2ページ目の、ちょっとお待ちください。参考資料の4の表は、ちょっとダイアジノンが抜けてございます。恐縮です。ちょっと資料に間違いがあったようでございます。ダイアジノンにつきましては、食品規格と、こちらの作物残留に係る登録保留基準の両方が設定されているものでございまして、ダイアジノンについては、これがですね、すみません、ちょっと先ほどの資料が壊れておりましてあれなのですが、これが野菜ということで、例えば0.1というふうに大分類でたしか設定されていたはずでございます。ちょっと先ほどの資料は壊れておりまして、この点の資料はないのですが、個別の基準値をその大分類内で、中分類でも同じことなのですが、全部並べて計算するということになりますと、例えば参考資料2のところに作物群分類のリストがございますが、要は、果実ということであれば、例えば第二果実類ということですと、ネクタリンから西洋梨、日本梨、全部入るわけでございますね。曝露量に関して、登録があってもなくても、基準があれば、その作物群に属するそれぞれの作物の摂取量全部を足し上げて計算しますので、非常に過大な値になると。我々が今までやってきた曝露量の計算に関して、まず、作物群でもって基準を設定しているということによる過大な推計の部分があったということがまず一点と。
 それからもう一点は、EDI方式というのと、うちが用いていますTMDI方式というものの違いがございまして、うちは一応基準値の値目いっぱいまで残留があったと仮定して、それで曝露量を計算していますので、その2つの意味において、かなり過大な評価になっていたと。
 ダイアジノンは、一応、麦、雑穀、果実、野菜、豆類、サトウキビということで、それぞれ0.1ppmで設定されております。果実、野菜につきましては、もう大分類で設定されておりますので、かなりの部分が広く入ってしまうということで、実際の登録のない農薬まで含んで曝露量の推計をしてしまうことになると。その方法で計算しますと、確かに作物経由の曝露量というのは対ADIで86%までいってしまうと。ただ、これはあくまで今後適用がそこまで拡大された可能性を、そういうことも考慮に入れてということで、今までそういうふうに作物群ということでやってきたのですが、今後は、この考え方は、事実上、もうそういうやり方では設定せず、食品規格に移行しますので、作物ごとの設定になります。そういう流れを考えますと、今後、基準を変えるということをしないで、どんどん登録が拡大されるということは見込みがないということから考えますと、それぞれの作物ごとの計算で足し上げますと、その方が今後の流れということから考えますと妥当な計算になるかなということで、その計算をしますと、ちょうど80%になるということでございます。

(早川室長)
 ちょっと混乱をさせてしまってすみません。私の方で説明させていただきます。
 今までの登録保留基準のルールは、登録保留基準は、今までは新規の農薬ですから我が国で初めて登録になるわけですので、当然、登録申請作物をベースに、作物残留の登録保留基準というのは作物群で決めていました。作物群毎に基準をつくるというのは、仮にその後作物に適用拡大があってもその都度個別作物の基準をつくらずにすむようなフレキシビリティーがあるものでして、過大な曝露評価かもしれないのですけれども、逆にフレキシビリティーのある基準だと。それは初めて登録するのでありますので、先生方もよくご存じのように、8割というのは一つのメルクマールとして、それ以下に抑えるような形でリスク管理をしていこうというルールで来たわけでございます。実際問題、基準値案で8割以下であっても、実際に登録の対象となる作物とか、そういったものになるともっと低くなるというのは、前回、5月の農薬専門委員会のときに私どもの方から資料を出して、実際とこんなに違うのだということをご説明させていただいたと思うのですけれども、そういうのが登録保留基準だと。
 これに対して、例えばダイアジノンについて申し上げますと、これは食品規格が決まっている農薬です。食品規格というのは、今後は新たに我が国で初めて登録する際に設定されることになりますが、今まではどういうことかというと、登録になっている作物及び、例えば諸外国から入ってくる作物も考慮して基準を決めると。その場合には、当然、我が国で登録がない作物も、輸入農産物としてそこにその農薬が使われていればそういう基準を決めなくてはならない。そういうことになりますと、いわゆる先ほど申し上げましたTMDI方式で食品規格も決めていきますと、当然、8割は超える可能性があるわけです。ただし、厚生労働省の方の考え方として、基本的には、新規についてはやはり私どもと同じように8割という線は守るのですけれども、そういう形で、いろいろな形で、諸外国の基準等も含めて、仮に理論最大摂取量が8割を超えてしまったとしても、先ほどちょっとEDIと申し上げましたけれども、それは基準値ぎりぎりではなくて、実際、皮は食べないものであれば、皮をむいた評価とか、そういう、EDI、エスティメイティッド・デイリー・インテイクと言いますけれども、いわゆるもう少し実態に近い評価方法でやって、問題なければそれでいいのではないかと、そういう評価手法も取り入れてやっていくのが実際ではないかという考え方があると。
 それで、私ども前回ちょっとご説明しましたけれども、もう一回私も確認しましたら、この専門委員会においても、私どもの方も厚生労働省が、食品規格の設定方法をTMDIからEDI方式にするというふうに方針変更したときに、私どもの方でも、きょうご欠席の櫻井先生を座長として検討会をつくって、同じような検討をして中間報告を出しております。中間報告は、この専門委員会で報告があったと思うのですけれども、ああいう形で、実態に即して、必要以上に過剰な曝露量評価は、必要があればEDI方式でやっていったらいいのではないかというような中間の結果なのです。
 そういうことを踏まえまして、ダイアジノンについて申し上げますと、要するにダイアジノンというのは非常にグローバルな農薬でありまして、我が国では登録がないものでも基準値は置かれているわけですね。実際、それで曝露評価をすると、今申し上げましたように、さらに登録保留基準も部分的には野菜というふうになっているので、理論最大摂取量からいくと過大になって、通常のルールを機械的に当てはめますと、作物を削るか、水の基準を、ADIの10%を例えば数パーセントに減らすかというルールになって、ルール上はそうなるのですけれども、今申し上げましたように、それは実際の登録のある作物とか、そういったものにすれば8割でおさまるところを、わざわざ登録作物を例えば減らすとか、あるいは水の基準、既に要監視項目となっており、また水道水質目標値、これらも10%配分でつくっておりますが、こういった数値を、あえてをもっと配分を減らして基準値をつくる必要があるかということです。実際にADIの100%を超える可能性が非常に高いということであれば、それはもういたし方ないのですけれども、実際にはこの程度の曝露量なので、今回は例外的にそういうふうにせざるを得ないのではないのかなということです。
 それともう一つは、亀若委員からお話がありましたように、今後はどうするのだというお話につきましては、今後、登録と同時に食品規格が決まっていくと。そのときに、世界的に我が国で最初に登録されるような農薬であれば、多分、それは通常どおり8割という線を一般的に考えていくと。ただし、もう既によその国で当然使われていて、我が国に申請作物ではないのだけれども輸入等で入ってくる可能性があるということになれば、当然、諸外国の基準も置かれていくわけですから、そうすると、いわゆる理論最大摂取量といったところは8割超える場合も当然出てきます。そういったものについては、実際のEDI方式も併用して考えていくということが非常に現実的ではないかということです。また、食品規格私どもが基準をつくるのではなくて、厚生労働省の方でそういう基準をつくっていただき、我々はその基準を登録保留基準として準用しているという制度上の位置づけなので、それは我々がタッチできないといいますか、所管していない基準ということになってしまうと。ただし、繰り返すようですが、それで実際上安全性に問題があるかというと、それは問題ないレベルでリスク管理されていくとということでして、このダイアジノンはそういう特殊なケースということにご理解いただきたいと。

(中杉臨時委員)
 そこら辺のところ、かなり微妙になってくる点、先ほど私が申し上げた魚への話につながる、ダイアジノンは非常に魚の濃縮係数は小さいです。一応、調べたら53という数字が出ました。非常に小さい数字ですけれども、この基準で加えて計算して、100%、だから内水面でなくて100%にすると、足してしまうと、この数字そのもの、計算だけですけれども、ADIを超えてしまいます。そういうものは必ず出るので、濃縮係数が低いものについてもそんな議論が出てくるので、そこら辺の考え方はもう少し整理をしていただかないと、こちらを議論をするときにそんなことを考え始めると、やたらといろいろなことを、規制をかけないといけない話になってしまうので、少し、厚生労働省の話だというふうなことで、食品安全衛生委員会の話だということで投げてしまわないで、少し検討いただいておいた方がいいだろうと思います。

(早川室長)
 投げるというわけではないですけれども、我々が食品規格を直接決める権限がないものですから、それを実際厚生労働省の方で実態に即したEDI方式で評価し、作物経由の曝露量がADIの例えば8割以下であれば、当然、今までどおり10%の配分で水の基準値を決めていくということを申し上げておるわけでございます。

(須藤委員長)
 先ほどの亀若先生のことについて、お答えはそれでいいのですか。今の80何パーセントで、この委員会の責任の範囲はどうですかと。

(早川室長)
 ですから、もう既に登録保留基準、我々もこの専門委員会で作成いただく登録保留基準というものもつくらなくなってしまうということであれば、もう我々として、それについてはもう仕事の外になってしまうということですね。ただし、繰り返しになりますけれども、既によその国で使われているとかというのではなくて、新たに我が国で初めて使われる農薬、極端に言うと世界で初めて我が国で使われる農薬の基準値をつくるとかということになってきた場合には、当然、厚生労働省の方と、もうやはり8割という線は、理論最大摂取量で作物経由で8割という、そういう線は当然念頭に置いてつくられるというふうに認識しております。

(須藤委員会長)
 では、眞柄先生から。

(眞柄臨時委員)
 確認なのですが、ダイアジノンで、今、食品規格経由で0.0597mgというのが出ていますよね。この食品というのは、作物経由である麦、雑穀、果実、野菜、豆、サトウキビ類というのは、この食品規格の中に包含されているという理解は間違っているのですか。ですから、食品規格経由がトータルで60%ぐらいだからという、そういう論理は成立しないのですか。

(高橋専門官)
 食品規格と作物残留の基準がどちらかに包含される関係ではなくて、まだ食品規格が全部に設定されていませんので、食品規格からはみ出しているところと重なっているところとあるのです。それで、ここでの計算は食品規格が定まっているものをまず足して0.0597と。それで、今度は作物残留の基準のうち、食品規格と重複する部分は、それを除いて足し上げています。ちょっと複雑な計算ですが。

(眞柄臨時委員)
 ああ、そういうこと。

(高橋専門官)
 はい。ですので、これは重複は外しています。

(眞柄臨時委員)
 だから、食品規格の中に作物経由のやつは食品の規格に入ってないのだと。だから、その分をここへ別計で足して、それで合計するのが最大の摂取量になるからというお考えでつくっていると、そういうことですね。

(高橋専門官)
 はい。

(眞柄臨時委員)
 わかりました。

(高橋専門官)
 それで、一つの例で、上の作物群というところは、食品規格は除いています。

(眞柄臨時委員)
 大分類だから多目になっているよと。

(高橋専門官)
 そういうことです。

(眞柄臨時委員)
 わかりました。

(須藤委員長)
 はい、どうぞ。

(中杉臨時委員)
 ちょっとよろしいですか。
 先ほどの10%の割り当てということなのですけれども、実は先ほどから私申し上げている魚というのは食品なのですね。その10%の中に飲料水も、魚も入れてしまうのかどうかと、この議論が、問題になります。これは食品の規格の方で、それを踏まえて80にしていただけるのなら、こっちは純粋に10%でもうやれるのですけれど、そこら辺のところのいやらしさがあって、向こうが農作物だけで8割のほどんどもらう、あと残りで全部魚も含めてやりなさいという話になると、非常につらくなってしまうところがありますね。

(須藤委員長)
 ああ、そういう意味ね。

(中杉臨時委員)
 はい。ダイアジノンの話で、これは先ほどの新しい基準という資料(参考資料7)の中でしたか、何か見せていただいたら、肉の基準案はあるのですけれど、魚のそれがないものですから。ほとんどないというふうに考えていいのかもしれませんけれども、実際にそこら辺はどう考えておられるのか。こっちは逆にそこを一生懸命考えなければいけない話になるので。10%と言ってしまわれると、そこをどうするかというのが非常に悩ましいところで、少し環境省の方で考え方を整理しておいていただければというふうに思います。

(須藤委員長)
 現状がどうであるかということですね。それは今後の課題、もし入ってなければ今後の課題になるのかもしれないし、食品に入っていれば水だけ考えればいいということですよね。
 どうぞ。

(早川室長)
 この専門委員会の最後に、次回のスケジュールのときに申し上げようと思ったのですけれども、かなり議論が濃縮性の話になったのでちょっと申し上げますと、次回の専門委員会に、そのような今までいろいろな課題になっていたものを含めて検討しようと思っています。そのときに、濃縮性とか、そういった話も含めた登録保留基準のあり方というものを検討していくと。そのときに、ADIの水の配分率である10%の中に入れ込むのか、食品として魚の濃度といいますか、そういったものをみていくというのは、これは厚生労働省の食品規格の案の決め方も参考にしつつやっていこうということを今検討中でございまして、今申し上げました、きょうのこの時期にこうしたいとか、こうでなければならないというところまでいっておりませんので、次回、じっくりとまたご議論いただければと思います。

(須藤委員長)
 それも先ほどと同じように可及的速やかに、これは4月にやってくださるというお約束をいただいているようですので、その検討はそのときにしましょう。
 ということで、よろしいですか。
 ちょっと無理のある部分もなくはないのですけれども、やはりこういう制度、手続を審議する委員会ですので、前へ進めなければならないという部分もありますので、とりあえず本日のところは先ほどのようなまとめにさせていただいて、次に進めていただきたいと。
 はい、どうぞ。

(金森専門委員)
 今の基準のところではないのですが、EPNの水質に関する基準等の中に、ゴルフ場の暫定指導基準がないですね。EPNの場合ですね。これは先ほど使われ方という問題がちょっと出ましたけれども、これが設定されなかったのは、現状では余り使われなくなったからということで解釈してよろしいですか。
 わかりました。

(須藤委員長)
 ということで、ありがとうございました。
では、今後のこの手続についてご説明ください。

(早川室長)
 どうもありがとうございました。
 ご審議いただいた基準値案は、資料5の形で、3月24日開催予定の土壌農薬部会にご報告いただき、答申が得られましたら、告示の手続を行いたいというふうに考えております。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 先ほどお約束した点、今の濃縮性まで含めて結構多いので、順番に、できるところからはかっていただいたり、資料をまとめていただいたり、さまざまなお仕事が起こり得ると思いますが、特にEPNの件については、実際の測定なんかもあればそれにこしたことはないので、オキソン体をあわせてはかっていただくようなことをぜひ早目にやっていただきたいと、こういうふうに思います。
 それでは、今、何とかご了解いただいた資料5の形で、当専門委員会の報告を3月24日に開催されるところに報告をさせていただくということでございますので、そのように私の方から報告をいたします。
 では、その他に入ります。順番にいきましょう。
 では、お願いいたします。

(高橋専門官)
 それでは、報告事項として、参考資料5以降が報告事項でございます。
 それでは、まず参考資料5から16まで12点ございますが、まず、5から8まで説明させていただきます。
 参考資料5、食品安全委員会発足に伴う登録保留基準の運用変更について。
 先ほど一番冒頭に部長からのあいさつにもございましたように、昨年7月から食品安全委員会が発足いたしまして、それに伴って、農薬の登録保留基準の運用が少し変わると。まず、冒頭のところに挙げております告示でございますが、これが裏面にある告示でございますけれども、この中で食品衛生法の基準が定められている場合、これは通称残留農薬基準と言われておりますけれども、この規格が定められている場合にはこれを用いると、それがない場合に環境大臣が個別に定めるということが定められております。
 それで、昨年の7月以降、農薬の登録と同時にこの残留農薬基準が設定されるということになりましたので、作物残留に係る個別の基準については環境大臣が定める必要がなくなったということで、水質汚濁に係る登録保留基準のみ引き続き環境大臣が設定していくと。個別の基準値は、引き続き環境大臣が設定するということになります。その際には、あわせまして食品安全委員会の方でADIができますので、そのADIをこちらで活用していくということになりました。また、関連いたしまして、平成17年4月からは水産動植物の被害防止に係る個別の基準値の設定も始まると。これはそのためということでございますが。
 それで3ページに、一応新しい運用の概念図がございます。まず、一番右上の農林水産省のところに農薬登録受付というのがございまして、農薬メーカーから登録受付が出てまいりますと、まずは食品規格をつくります、残留農薬基準をつくります厚生労働省にその連絡が行くわけですけれども、あわせまして環境省にも連絡が来るということになっておりまして、我々も、この残留規格の設定の動きを逐一フォローするという形になってございます。そして、厚生労働省で、この資料を農水省から入手いたしまして残留農薬基準を設定するわけですが、その間に、一番左の食品安全委員会にリスク評価に関する意見聴取を行うと。これは食品安全基本法の第24条に基づくものでございます。そして、そこで設定されますADIを用いまして、厚生労働省さんの方で残留基準の基準値を決めると。それの基準が施行されますと、厚生労働省のところの一番下でございますが、これが実際に施行されますと、先ほどの登録保留基準の告示に基づきまして、自動的にこれが登録保留基準となるということで、その間、我々環境省としては、厚生労働省食品安全委員会での審議を逐一フォローするということをいたしまして、登録保留基準になりますと、その基準値を用いまして、農水省において登録検査が行われ、農薬の登録に至るという流れになります。また、環境省といたしましては、作物残留の従前の基準とダブるものにつきましては、従前の基準を削除するということをその都度行うということになるわけでございます。これが新しい食品安全委員会の発足に伴います登録保留基準関連の運用の変更ということでございます。
 その次、参考資料の6でございます。
 こちらは、先ほど食品安全委員会に、一番最初にEPNも含めて15農薬の安全性評価というのが厚生労働省より意見を求められたということで、ADIが設定されたわけですけれども、それを受けまして、この参考資料6の5ページ以降が厚生労働省の審議会の答申書になるのですけれども、その15農薬につきまして、それぞれ6ページ以降のとおり残留農薬基準を設定するのが適当であるという旨、答申が出されたと。これを受けまして、厚生労働省さんの方で、現在、基準値設定の準備をされているという状況でございます。これを受けまして、当方の作物残留に係ります登録保留基準と重複いたしますものについて、その削除等を行うというものでございます。
 参考資料6の冒頭のところに少し説明を書かせていただきましたけれども、当方の基準は作物群で設定されてございますので、そのうち作物群の中の個別の作物について、厚生労働省の方の残留農薬基準が設定された場合、それは登録保留基準が無効になると。ところが、作物群の中のすべての作物について基準が設定された場合には、これは混乱が生じないように、当該作物群の登録保留基準を削除するという必要があります。
 その対比表が、1ページから4ページまでの対比表でございまして、それぞれ、オキサジクロメホンですと、残留農薬基準値案といたしましては、米に0.1ppm、現行の登録保留基準といたしましては、米0.1ppmがございますので、これは完全に重複しておりますので、登録保留基準は、一番右のカラムですけれども、改正案といたしまして削除と。ジクロシメットについても同様でございます。また、テプラロキシジムにつきましては、例えば一番上のところですが、枝豆1ppmということで厚生労働省の方の基準は定められる予定でございますが、こちらは、さやつき未成熟豆類という作物群に入りまして、これは作物群の中を全部網羅しておりませんので、当方の基準値としましては変更なしと。ところが、次のページに行っていただきまして、同様に削除するか変更なしかということで一覧表でございますが、2ページの一番下、フルアジナムのところでございますが、小麦、ミカン、これは重複するので削除されます。その次なのですけれども、ミカン以外のかんきつというのが、当方の基準でございますが、食品規格の方に夏ミカンの果実全体からレモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライム、その他のかんきつということで、ここの分類につきましては、全部、当方の基準の作物群を網羅しますので、これについては、ミカン以外のかんきつという当方の基準を削除ということで対応したいと思います。
 このように、それぞれ厚生労働省の新しい基準案と当方の基準を対比いたしまして、4ページまでのこの対応表のとおり、こちらの基準を厚生労働省の基準と合わせまして、削除あるいは一部分削除ということを対応したいというものでございます。
 また、あわせまして4ページの2.でございますが、既に農薬登録が失効したものがございますので、そのものにつきましては、あわせて登録保留基準を削除するということで、ここに該当する農薬を挙げさせていただいております。
 参考資料6は、以上でございます。
 参考資料7でございますが、食品中に残留する農薬等の暫定基準(第1次案)について。これは厚生労働省の意見募集がなされたということの報告でございます。
 これは、厚生労働省の食品衛生法に基づきます食品残留農薬基準のポジティブリスト化でございますが、それに対応するために、暫定的な食品規格、残留農薬基準を設けるというものでございます。昨年、15年5月30日に食品衛生法が改正されまして、ポジティブリスト制といいまして、基準が設定されていない農薬等が一定量以上含まれている食品の流通を原則禁止する制度というのが、法改正から3年以内、平成18年の5月までの間に施行されるという運びになっております。要は、現在までは、リストに載っているもの以外は野放しだったのですが、今度は逆に、リストに載っていないものは一定量以上はだめということで、原則禁止に近いような形になりまして、リストに個別に数字が記載されたものだけは、その数字まで許されるという、ちょうど網の目が逆になるような制度になるわけでございます。
 現在設定されています残留農薬基準につきまして、このままポジティブリスト制を導入した場合には、不必要に食品の流通が妨げられるおそれがあるということから、農薬取締法の登録保留基準ですとか、あるいは国際的な基準でありますコーデックス基準等、そういった科学的な基準が設定されているものを取り入れまして、暫定的な基準値のリストをつくるというものでございます。
 作成方法といたしましては、6ページのチャートを見ていただくとわかりやすいかと思います。まずはコーデックス基準があるかないかで原則分けまして、コーデックス基準がありの場合には、原則的にコーデックス基準を用いるという考えでございます。コーデックス基準がないものについて、国内登録保留基準がある場合には、登録保留基準を原則的に使用すると。それがないものにつきましては、諸外国の基準ということで、これは在京の大使館に通知いたしまして、協力の申し出があった国といたしまして、米国、カナダ、EU、オーストラリア、ニュージーランド、この5カ国の基準値を用いるという考え方に基づいて基準値を設定するというものでございます。
 7ページにポジティブリスト制導入に係る暫定基準の規則というのがございますが、その3番のところに、食品中の農薬等残留基準一覧というのが定められるとなっていまして、この別表2というのが、その後ろにちょっと例示としてダイアジノンのものだけ挙げさせていただきましたけれども、こういったように、一番左のところが新たな暫定基準の案でございますが、その右に、そのもととなったそれぞれのデータが並べてございまして、コーデックスの基準ですとか登録保留基準、あるいは米国、豪州等のぞれぞれの基準ということで、この中から、先ほどのルールに基づきまして新たな基準をピックアップするという形で作業が進んでおるという状況でございます。それで、昨年の10月からことしの1月にかけて第1次案というのが、意見募集が出まして、さらに現在作業が続いているという状況と聞いております。
 それが参考資料の7でございます。
 それでは、次に参考資料8でございます。

(更田室長補佐)
 参考資料8につきまして、私の方から説明させていただきます。
 特定防除資材につきまして、農薬専門委員会の先生方におかれましては農水省の農業資材審議会特定農薬小委員会の合同会合の場でいろいろご指導をいただきありがとうございました昨年6月にご審議いただきまして、若干時間があきましたので、ちょっと簡単に経緯を復習させていただきます。この特定防除資材につきましては、無登録農薬問題に対応した農薬取締法改正に伴いまして新たに導入された制度でございます。これは、農薬登録を必要としないというものでございます。農水省の方で調査いただきましたところ七百数十資材の候補資材があげられ、これらにつきまして、農薬専門委員会と農業資材審議会特定農薬小委員会で、いろいろご議論をいただきました。その結果、重曹、食酢、それから同一都道府県内において採取された天敵の3種類は特定農薬としてご指定いただきました。しかし、多くの資材につきましては、データが不足していて客観的評価ができないということで、しっかり客観的な基準に沿って評価をしていくべきであるということになりまして、そのための評価指針案というものを、農薬委員会と資材審との合同会合でご議論いただきました。その指針案につきまして、パブリックコメントの募集を行い、いただいた意見に対する当方の考え方をとりまとめ公表したので、その資料を参考までに配布させていただいております。
 パブリックコメントは、評価指針に加えまして、ご議論いただきました「登録農薬を使うべき」であるといったリストの整理。それから、物理的防除であるとか、薬効のないものなど「農薬でない」とされるもののリスト、それから特定農薬として指定された際に、どのような使用方法の情報提供を行うべきかどうかというような点についてご議論いただきましたものをとりまとめた資料につきまして、すべてパブリックコメントを募集いたしました。
 意見募集期間が8月4日から9月3日まででして、いただいた結果が、次のページから載せられているということでして、全部はご説明いたしませんが、例えば1番ですと補助成分も特定農薬として指定されるべきではないかというご意見をいただき、それにつきましては、薬効がないので農薬には該当しないというような考え方の整理をしてございます。それから、食品添加物については、もう安全性が確保されているので、データはいらないんじゃないかというようなご意見がございました。それにつきましては、食品添加物でありましても、農薬として使用した場合、環境ですとか農産物への影響がどうなっていくかということを、いろいろな文献も含めて情報を集めまして評価していく必要があるというようなでまとめています。
 以上、時間も限られておりますので一々ご説明しませんが、この特定防除資材につきましては、そういった評価指針を策定いたしまして、評価をすすめていくこととしておりまして、私ども環境省と農水省でそれの予算要求し所要の経費を確保いたしております。実際、4月になりまして、予算が執行できるようになりましたら、両者で連携してデータを作成しまして、データがそろった段階でまた合同会合の方でご審議いただくということを考えていますので、その際にはよろしくお願いいたしたいと思います。
 以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 ただいま4点につきまして、資料8までですね、5、6、7、8とご説明いただきました。何かご質問なりコメントございますでしょうか。
 はい、どうぞ、行本先生。

(行本専門委員)
 ちょっとお聞きしたいのですが、参考資料6の登録保留基準の削除に関することですが、具体的なところで、例えばお米というのは、中分類でもお米一つですから、これが食品規格が決まった場合に削除というのはわかるのですが、中分類でたくさん、第二果菜類とか、そういうのがありますね。その中で、ここにも例がありましたけれども、全部が決まった場合は分類として削除はわかるのですが、そのうちの一部が決まった場合に、例えばもともと登録申請がすべてになくて、例えばリンゴならリンゴにだけ登録があって、リンゴだと第二大粒果実ですか、そういう場合には、残留農薬基準が決まるのは多分リンゴだけと思うのですけれども、そのほかのところも登録保留基準としては生かしておくのかどうかというのは、ちょっと先ほどの説明でよくわからなかったのでお聞きしたいと思います。

(須藤委員長)
 どうぞ、お答えください。

(高橋専門官)
 システマティックなこれまでの対応といたしましては、基準としては生かしておくということで、その中で要は、何といいましょうか、虫食い状態というのでしょうか、そういう形になります。登録はあるなしにかかわらず、基準としては残ります。ただし、これも先ほどご説明いたしました食品規格のポジティブリストに移行する段階で、すべてこちらの個別の基準値というのは消えるということになります。

(須藤委員長)
 よろしいですか。

(行本専門委員)
 はい、わかりました。

(須藤委員長)
 ほかに、ご質問ございますか。よろしいですか。非常に重要なことも書いてあり、審議の途中の部分もあるようですが、では一通りやりましょう。
 次、残りの4点についてご説明ください。

(更田室長補佐)
 では、参考資料9につきまして、私の方から説明させていただきます。
 農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令の一部を改正する件(案)についてというものであります。
 農薬使用基準、これも農取法が改正されまして、新たに規定されたものでして、使用基準に違反して農薬を使用すると罰則がかかるということで、大変厳しいものでございます。これにつきましても、環境省と農林水産省、両省で共同で定めるということになっておりまして、この使用基準につきましても、昨年、この農薬専門委員会と農業資材審議会の使用基準小委員会、合同会合でご議論いただきまして、その結果をもとに省令として定めております。
 今回、その省令の中で、農薬の総使用回数が遵守基準として位置づけられております。その書きぶりにつきましては、現行の使用基準ですと、「当該食用農作物等の生産に用いた種苗のは種(果樹、茶、その他の多年生の植物から収穫されるものにあっては、その収穫の直前の収穫)から当該食用農作物の収穫に至るまでの間」、と規定されています。
 しかし2の改正の概要にありますように、イチゴとか栄養繁殖のものは苗を植えつけるわけです。そうしますと、は種という表現は必ずしも当を得てないのではないかというような問題があります。それから、(2)の農薬の有効成分の種類ごとの総使用回数の遵守ということで、この総使用回数ですが、ちょっと1枚めくっていただきまして、このようにA剤・B剤の例があります。剤としての使用回数は1回ですが、有効成分としては3回まで使用できるとなっているのですが、この有効成分の総使用回数というのですが、Aに対してだけではなくて、同じ有効成分を含む他の剤も含めて有効成分は3回までにするとなっています。ですから、その3回を超えて使用はできないんですけれども、定植時はそれぞれ1回しようできることになっております。この書き方のままですと、定植時にA剤もB剤もそれぞれ1回使っても問題ないことになってしまいます。このような問題が生じないよう記述を明確化をしようということでございます。ですから、表示の例として、横にキャベツのアブラムシのものとあるのですけれども、これにつきましては、総使用回数を3回、定植後は2回以内となっていたものを、改正後は3回以内、定植時は1回以内、定植後は2回以内と、それぞれ明確に規定するといった、技術的な省令改正を行うということです。
 4ページをごらんいただきますと、諮問書がありますが、「農薬の使用回数を守るべき期間について、は種又は植付けのための準備期間を含むこととするとともに、農薬の総使用回数について、有効成分の種類ごとの総使用回数(使用時期又は使用の態様ごとに区分された場合にあっては、当該区分ごとの総使用回数)を超えて農薬を使用してはならないこととする」と改正しようということであります。これにつきまして、2月3日に農業資材審議会農薬分科会が開催されまして、諮問どおりの内容を改正素案とするという答申をいただいております。
 本来であれば、使用基準でございますので、また農薬専門委員会と資材審の合同会合を設けていただく事項なのですが、これは既に合同会合で出した方針の内容に沿ったものを一部明確化したということですので、合同会合は省略いたしまして、法律上の諮問・答申に引き続きだけでやらせていただいたいうことであります。これにつきましては、今後、パブリックコメント等を実施しまして、また法律的な省令の書きぶりを検討した上で、また共同省令として出していくというふうにしております。
 以上でございます。

(高橋専門官)
 次、参考資料10でございますが、こちらは住宅地等における農薬使用についてといたしまして、自然環境局総務課長から、環境省の自然保護事務所長ほか国民公園のそれぞれの管理事務所等に出された通知でございます。
 これは、そのもとが4ページ以降の農林水産省からの通知でございまして、この住宅地等における農薬使用についてという、この通知を受けまして、我々環境省におきましても農薬使用に関係する部署がございますので、そこに通知を出したと。国民公園の管理事務所等に通知を出したと。そういう次第でございます。
 この通知、何かと申しますと、農薬の飛散によりまして人畜への危害を及ぼすおそれがあるということで、特に近年、学校、保育所、病院、公園、街路樹、住宅地周辺の作物栽培地等において、使用された農薬が飛散して、それによるという健康被害の訴えというものが聞かれるようになったと。こういった状況を踏まえまして、農水省の消費・安全局長から各地方農政局に出された通知というものでございます。
 4ページの1でございますが、学校、保育所、病院、住宅地に近接する公園等につきまして、まずは病害虫の発生や被害の有無にかかわらず、定期的に農薬を散布することを廃止することですとか、また、やむを得ず農薬を使用する場合につきましては、農薬が飛散して、住民、子供等に健康被害を及ぼすことがないよう最大限配慮することについて述べられております。
 具体的内容といたしまして、5ページのところに、なるべく散布以外の方法、塗布ですとか、そういった散布以外の方法を用いること。あるいは散布する場合には最小限の区域に限ることですとか、使用方法を使用上の注意を守ってくださいということ。また、近隣に影響が少ない天候や時間帯を選ぶということですとか、散布に先立ちまして周辺住民に十分周知すること、あるいは散布中の立ち入り制限等について細かく規定しております。
 また、2番といたしまして、住宅地内及び住宅地に近接した農地につきましても、そこにおきます農薬使用についても規定しておりまして、まず、人手による害虫の捕殺等、農薬使用の回数及び量を削減すること、あるいは使用方法、使用上の注意を守ってくださいということ、また、剤形等、飛散が少ない形状の農薬、あるいは飛散を抑制するノズル等を使用すること、あるいは近接への影響の少ない天候の日ですとか時間帯を選ぶべきこと、その他近隣の住民への周知等について、同様に規定されているというものでございます。
 また、あわせて6ページ目、最後のところですけれども、農薬の使用が原因と考えられる健康被害の相談が住民から地方公共団体にあった場合には、関係部署は連携して適切に対処することということが述べられております。
 そういった通知が農水省から出されまして、当方、環境省といたしましても、国民公園等農薬使用に関連する部署がございますので、そこに通知を出したということでございます。

(神谷農薬環境管理室長補佐)
 それでは、続きまして参考資料の11について説明させていただきたいと思います。
 農薬による水域生態系への影響防止に関するリスク管理措置ということでございますが、これは本専門委員会でもご審議いただきまして、平成15年3月に農薬登録保留基準を改正いたしましたところです。この結果、今まで一律の基準から、魚類、甲殻類、藻類の毒性試験に基づく農薬ごとの基準値を定めて、個別の農薬ごとの環境中予測濃度との比較によって農薬登録の可否を判定していくと、こういうスキームを導入したわけでございます。この新制度が平成17年の4月から施行されることになっておりますが、まだ試験ガイドラインの整備等の技術的な課題がございますので、その検討を今進めておるところでございます。
 1つ目は、曝露評価に関しまして、試験方法、それからモニタリング方法の策定ということでございます。今回のスキームの中で位置づけられております高次のPEC(環境中予測濃度)を算定するための試験方法のうち、非水田における地表流出試験、それから水田農薬の実圃場での水中濃度試験等、こういったものはまだガイドラインがつくられておりませんので、これを整備していくと。それから、既登録農薬につきましては、一般環境中でのモニタリングをもってこのPECに代えて曝露評価を行うということを導入しておりますので、このモニタリング方法についても決める必要があるという課題がございます。これらにつきましては、平成15年の10月から委託先に検討会を設置し、東京農工大の細見先生に座長にご就任いただきまして、試験方法等に関するガイドライン案を検討中でございます。今年度の末までに検討会を4回開催いたしまして、来年度の初頭に試験ガイドラインの策定、関係者への周知を行うこととしております。
 それから、2番目としましては、毒性評価に用いるより実環境に近い試験系による試験方法の開発ということでございます。生態影響を考慮した基準値の設定というのは、当面、標準的な藻類、甲殻類、魚類の代表種への毒性試験に基づいて基準値を定めるということにしておりますけれども、これらの試験方法よりも、より実環境に近い試験系による試験方法、追加生物種による試験ですとか、個体群影響試験、それから溶存ウ有機物共存下での生物利用可能性を考慮した試験、マイクロコズム試験、こういったものがございますが、こういった試験方法について早急に検討を行って、国際的に整合がとれたものが確立した場合には導入を検討する必要があるということでございます。これにつきましても、平成15年10月より、委託先の検討会を設置しまして、若林委員に座長にご就任いただきまして、各試験法について導入の可能性、導入するべき試験法の策定、それから基準値をどのように定めていくか、こういったことについて現在検討中でございます。今年度内に検討会を4回開催いたしまして、16年度、試験ガイドライン整備、関係者への周知、それから専門家による基準値を設定するための評価委員会等の体制整備を行っていきたいと考えております。

(更田室長補佐)
 では、参考資料12、ゴルフ場暫定指導指針対象農薬に係る平成14年水質調査結果につきまして、簡単にご説明させていただきます。
 環境省では、過去にゴルフ場で使用された農薬により水質汚濁が生じるといった事態を受け、平成2年5月に、ゴルフ場で使用される農薬に係る水質調査の方法や排出口での遵守すべき農薬濃度の目標値を定めました暫定指導指針というものをつくりまして、都道府県に通知しております。各都道府県におきましては、その指針に基づきまして、水質調査をしていただいており、それを報告いただき、平成2年度以後毎年取りまとめ、公表しているところであります。
 平成14年度につきましては、1,539カ所のゴルフ場を対象に約8万検体について水質調査を実施いたしました。その結果、1検体、フェニトロチオンという殺虫剤だけが基準値を超過したということでして、次のページ、上から10番目にフェニトロチオンについて指針値が0.03mg/lなのですが、0.098mg/lというのが検出されているということであります。その後、該当県ではいろいろ原因調査をしております。その結果、調査は5月に実施されましたが、当該ゴルフ場ではその前年の9月以降、フェニトロチオンを使用した実績はなく、また、ゴルフ場の倉庫内にも在庫はなく、また、その周辺地も荒れた檜林ですとか休耕田があるだけで、農薬を散布するような場所でもなく、また、その後7回にわたりまして再調査といいますか、同じところで調べたのですが、いずれもフェニトロチオンが検出されなかったということでありました。従って原因はわからないとうことで、コンタミであったのではないかなという感じはしております。この調査結果につきましては、昨年12月5日に環境省として公表させていただいているところでございます。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 ただいまの4点につきましてのご質問なり、あるいはコメントありますでしょうか。
 いいですか。せっかくの機会なので、若林先生、何か、順調にいっているでも何でもいいのですけれども、コメントして。いいですか。順調にはいっているのですね。
 では、よろしいですか。

(な  し)

(須藤委員長)
 そしたら、次の4点。
 きょうはたくさんありますので、ごめんなさい、もう少しかかりますので。
 次の4点についてご説明ください。

(高橋専門官)
 それでは、参考資料の13でございますが、平成15年度に新たにリスク評価に取り組む物質について、こちらは平成15年度の第2回内分泌攪乱化学物質問題検討会の資料でございます。要は環境ホルモンの絡みの検討会でございます。
 経緯といたしまして、こちらに記載されていますように、「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」というリストに掲載されている物質について、順次、その有害性評価等リスク評価を進めてきたということでして、今年度に新たにどの物質を調査するかという検討を行ったというものでございます。
 6ページをごらんください。6ページにございますリストは、SPEED'98に掲載されます内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質の検討状況ということで、この物質につきまして、この表に挙げられましたように、平成12年度、13年度、14年度と、それぞれ評価がなされてきたと。このように順繰りに評価をしてきたところ、平成15年度にリスク評価に着手する物質の候補といたしまして、表の左下の方の部分にある16物質と、右上の方に20物質ありますけれども、これは農薬取締法に基づき農薬登録されている物質ということで、この20物質と、これらが残ったというものでございます。この中から今年度の対象物質を絞り込んだというものでございます。
 それで、この調査の全体像といたしまして、それは9ページのフローチャートでございますが、まず、候補物質の中から、文献調査と信頼性評価を行いまして、優先度の検討というのを行うと。左上の[1][2]でございますが、これによって物質を絞り込みまして、それで実際にスクリーニング試験といたしまして動物試験を行うと。個別の物質ごとに適切な組み合わせで行うということでございますが、哺乳類の試験と魚類の試験を行うということになってございまして、その結果から、内分泌攪乱作用の有無、これは毒性としての内分泌攪乱作用がどうなのかということをまず評価すると。そこでもし疑いありということになった場合には、今度リスク評価に進むということで、[6]番の曝露評価とあわせましてリスク評価をし、必要であればリスク管理に進むという、こういったスキームの調査でございます。
 それで、今年度の物質の選定ということで、2ページ以降、ちょっと文章が長うございますので簡略に説明させていただきますけれども、先ほど申しましたリストのうち、左下の16物質と農薬登録のある20農薬の計36物質が現在残っているということで、この中から選定するということになりまして、3ページの上のところに事前調査とありまして、文献調査と。どういった文献があるかと。あるいは環境実態調査の結果ということで、環境中の濃度の検出があるかどうかと。全く検出がないものについて、試験の候補にするということは避けておりますので、そういったものを総合的に勘案した結果、4ページの下の方でございますが、4ページの(3)、平成15年度にリスク評価に取り組む物質ということで、ここに挙げました8物質が結局残りました。それで、農薬も含まれるわけですけれども、この8物質の中の一番最後のケルセン、マラチオン、ペルメトリン、この3剤につきましては、現在、農薬登録がある生きている農薬でございまして、今回、このスキームで順繰りにやってきた結果として、この3剤が生きている農薬の中では初めてこのスキームでの評価を受けるという段取りになったということでございます。さらに残りの物質につきまして、また来年度以降の調査スキームでどういったものをやるかということで、順繰りにやっていくという状況でございます。
 参考資料13は、以上でございます。

(更田室長補佐)
 参考資料14、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約の概要です。
 これにつきまして、先進国で使用が禁止されたり著しく制限された化学物質というものが、開発途上国に輸出されて有害性を認識しないまま使われてしまうというような事態を避けるために、あらかじめ物質の性に関する情報を相手国に知らせ、輸入国も知った上で輸入をするというような取り組みの条約でございます。1998年にロッテルダムにおいて採択されたものであります。
 条約の概要ですが、附属書IIIというのがありまして、ここに化学物質がずらっと並んでいるのですけれども、そこに掲載されている化学物質や駆除剤の輸入に同意するかを事前に締結国は事務局に通報します。この情報を事務局はすべての締結国に伝え、輸出締結国は関係者に伝えます。また、締結国は、ある化学物質について最終的な使用規制措置というものがとられた場合、その旨を事務局に通報します。事務局は、複数の地域といいますか、これは大陸になるのですけれども、そこから通報を受け取った場合は、その物質を新たにリストに加えるかどうかというものを検討した上で、締結国会議で決定します。また、締結国である発展途上国や、経済移行国で危険な駆除剤によって問題が起きた場合、付属書IIIへの記載を事務局に提案して、附属書IIIに加えるかどうかの検討が行われます。それから、リストに載っていなくても、自国において使用禁止または制限する物質につきましては、それを輸出する際は輸入国に必要なデータを添付して輸出を行うことが求められます。それから、附属書IIIに載っているものや、最終規制措置をとった化学物質等につきまして、その有害性を表示するラベルを張っておくというようなことが求められるといったことを定めているものであります。
 1枚めくっていただきますと、PIC条約附属書IIIの化学物質一覧があります。農取法上では法第9条第2項の規定による販売禁止された農薬になりますと、農取法の規定に基づきまして使用も禁止されるというものですので、これが農取法上の最終規制措置になるというものであります。それから、その後、登録が失効している農薬が幾つか載っかっているということであります。
 このPIC条約につきましては、まだ発効してないのですけれども、既に自主的に暫定PICというものが進められていまして、その暫定PICでは、この27物質以外に、下の※にあります物質が対象になっていまして、これが第1回の締約国会議において、付属書IIIに今後追加されることになるだろうという予定になっております。
 この中で、エチレンオキサイドというのは今登録があるのですが、これは駆除剤ですけれども、ここ5年ぐらい非常に出荷が少ないということで、農薬要覧にも出ていないようなものが、一つ登録があるということであります。
 今後の予定ですが、今50カ国を超えておりまして、2月24日に発効するという予定になっています。日本はまだ入っていませんが、これは条約担保策として、経済産業省が貿管令の政令を変えて、その対象物質を経済産業大臣の承認を得ないと輸出できないようにするというようなことをしなければいけないのですが、政令改正は条約の発効とほぼ同時にということでちょうど改正されたところですけれども、最終的な通報といいますか、日本国として、この締結国になりますという通報がまだなされていない状況だということでございます。ただ、もう近々なされて、この57カ国の中に日本も入っていくという予定をしているということでございます。
 以上でございます。

(市原企画課環境基準係長)
 続きまして参考資料15、水生生物の保全に係る水質環境基準の設定についてご説明いたします。
 この水生生物保全環境基準につきましては、平成14年11月に中央環境審議会に諮問をいたしまして、水環境部会でご審議いただいたものでございます。この水生生物の基準につきましては、須藤先生を専門委員長といたしましてご審議をいただきまして、平成15年9月12日に答申をいただいております。同年、平成15年11月5日付で、全亜鉛を環境基準項目として設定する告示を行っております。また、同日付で、クロロホルム、フェノール、ホルムアルデヒドの3項目につきまして、要監視項目として設定する旨、関係地方公共団体あてに通知を行っております。また、この基準の設定につきましては、我が国で初めてであるということにかんがみまして、基準の設定に伴い、今後推進されるべき施策を効果的なものとするために、引き続き水環境部会内に小委員会を設置いたしまして、環境基準の運用、また環境管理等、水生生物の保全に係る重要事項について審議するということといたしまして、昨年12月に第1回の小委員会を開催したところであります。今後、この小委員会における検討が終了次第、具体的な水域の類型当てはめ、あるいは環境管理施策の検討を行っていくという予定にしております。
 基準の概要につきましては、具体的な基準値等を裏面の別表に記述してございます。環境基準項目といたしましては、全亜鉛の1項目のみ。淡水域とありますが、河川、湖沼を含めまして淡水域とします。それと海域に区分します。類型を生物A、B、特A、特Bというように、生息する生物あるいはその特徴によって分類しまして、その類型ごとに基準値を適用すると、こういう考え方になっております。要監視項目についても、同様の考え方で指針値を設定しております。
 水質環境基準は、健康項目と生活環境項目の2つに基準は分類して設定しておりますけれども、生活環境項目に位置づけるものとして設定します。このため、健康項目は全国一律に適用されるという基準でございますが、生活環境項目ということでございますので、水域ごとに類型を当てはめて、その基準値を適用することになります。ですので、実際の適用ということになりますと、国または都道府県が水域ごとに環境基準の類型の指定を行い、類型ごとに定められた基準値を適用します。具体の水域の類型当てはめ後に基準値が適用となります。
 以上でございます。

(木村化学物質審査室長補佐)
 改正化審法の施行について、ご説明させていただきます。
 化審法につきましては、平成14年の後半ごろから、関係の審議会における審議結果を踏まえまして、昨年の5月22日に国会で改正法が成立しておりまして、28日に公布されております。
 内容でございますけれども、1枚めくっていただきまして、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律についてというペーパーがございますが、そこの2.のところ、改正法の主な内容をごらんいただければと思います。大きなポイントといたしまして、環境中の動植物への影響に着目した審査・規制制度の導入ということで、動植物への毒性を化学物質の審査項目に新たに今回加えております。難分解性でありまして、かつ動植物への毒性があると判定された化学物質については、製造・輸入事業者に製造・輸入実績数量の届け出を求めるなどの監視措置を講じまして、必要な場合には製造・輸入数量の制限などを行うことができる制度を新たに設けるということにしております。
 5ページのチャートのところをごらんいただければと思いますけれども、難分解性で、それから高蓄積性でなくて動植物への毒性があるもの、これは藻類、ミジンコ、魚類の急性毒性試験での毒性があるという意味ですけれども、そういったものにつきましては、右側のところにありますが、第三種監視化学物質というものに指定をします。これは現行の化審法における指定化学物質と同様の管理措置を行うということになっております。第三種監視化学物質に指定された後に、その後、被害のおそれが認められるような環境残留がある場合には、有害性調査指示というものを事業者に対して行いまして、事業者から、藻類生長阻害試験、あるいはミジンコの繁殖試験であるとか、魚類の初期生活段階毒性試験といったような、慢性の試験も実施していただきます。その結果、毒性、それから一定の環境残留があり、リスクがあると認められた場合には、第二種特定化学物質に指定して管理を行っていくということになります。それから、難分解性で、かつ高蓄積性の化学物質の場合には、高次捕食動物への毒性について審査を行います。これは哺乳類の繁殖の関連の試験、それから鳥類の繁殖の試験を想定しておりますけれども、それで有害性があるというふうに判断された場合には、第一種特定化学物質に指定いたしまして、製造・輸入の事実上禁止といったような厳しい措置をとることとなっております。
 4ページのところに戻っていただきまして、その他の改正点でございますけれども、既存化学物質につきまして、安全性点検というのを行ってきておりますけれども、難分解性かつ高蓄積性の場合には、毒性があれば第一種特定化学物質に該当するということで厳しく指定をしていくというようなものでございますけれども、毒性の有無が明らかでない段階におきましても一定の管理措置を講じていただくということで、第一種監視化学物質という制度、5ページのフローチャートで言うと左側のところになりますが、そういった類型を設けまして、これに指定をしておき、それらの製造・輸入実績数量の届け出義務等を課すということになっております。
 それから、環境中への放出可能性に着目した審査制度の導入、(3)番のところでございますけれども、これまでは環境中への放出可能性にかかわらず化学物質の審査を義務づけてきたわけですけれども、例えば中間物でありますとか、閉鎖系の工程でのみ用いられるようなものの場合には、環境中への放出可能性が極めて低いということを事前に確認をし、それから事後にもそういった状況にあるということを監視することを前提としまして、製造・輸入ができるような形の制度を新たに導入することとしております。それから、[2]のところですけれども、高蓄積性でないと判定された化学物質につきましては、製造・輸入数量が、我が国の全事業者の年間の製造数量が10トン以下であれば、毒性試験を行わずに、その数量までの製造・輸入ができるということ、こういった新たな制度も設けております。
 それから、(4)のところですけれども、事業者が入手した有害性情報の報告の義務づけということで、通常は新規化学物質の審査のときに試験データ等を事業者から国に報告することになっているわけですけれども、それ以外の、審査が終わった後にも、あるいは既存化学物質等で審査が求められていないようなものについて、事業者が有害性の情報を入手するというケースもございますので、そういった場合には、入手した情報を国へ報告することを義務づけるという制度を新たに導入することとしております。
 本改正法は、ことしの4月1日から全面施行ということになっておりまして、順次準備を進めてきております。
 1ページにお戻りいただきまして、2.の政省令の準備状況及び今後のスケジュール等ということですけれども、昨年の5月28日に改正法が公布されておりまして、9月19日に改正法の施行令の一部を改正する政令、例えば先ほどの新化学物質の審査の特例に該当する場合、あるいは意見を聞くべき審議会等を定めるといった内容の施行令の改正を行っております。それから[2]のところですけれども、施行期日につきましては、16年4月1日とする政令を同時に出しております。それから、昨年の11月21日ですけれども、そこに[1][2]とあります2つの省令を出しておりますけれども、これは動植物への毒性の判定等に必要な試験項目を定めるということで、先ほどの届け出時に急性の藻類、ミジンコ、それから魚類の毒性試験の3点を求めるということのお話をさせていただきましたが、それらの項目でありますとか、高蓄積性の場合の鳥類の繁殖試験を求めるといったようなお話、それから、有害性調査試験におきましては、生活環境動植物の慢性毒性試験等を要求するというような、そういった中身の省令でございます。次のページに行っていただきますけれども、具体的な試験項目についての試験方法、それから試験施設が遵守すべき基準、これはいわゆるGLPのことですけれども、これについては局長通知で規定を同時にしております。それから、12月の19日には、経過措置に関する政令を出しております。それから、1月19日には届け出・手続等に関する省令を出しております。そのほか、改正法の完全施行までに幾つか、有害性情報の報告事項及び手続、あるいは有害性調査指示の手続、輸出専用品の審査の特例に係る輸出先国、白物質を公示するまでの期間等の省令を制定することといたしております。4月1日から全面施行になると、こういった状況で進んでおります。
 以上でご報告を終わります。

(須藤委員長)
 どうもご説明ありがとうございました。
 最後の4点につきまして、何かご質問なりコメントございますでしょうか。
 おおむね、この問題については先生方が既にご存じであり、一緒におつくりになるのに加わっていただいた方も多分たくさんいらっしゃるようにお見受けしておりますので、よろしゅうございますか。

(な  し)

(須藤委員長)
 それでは、一応、これは報告でございますので、皆さんご了解というか、ご確認をいただいたということで、次に移らせていただきます。
 ほかに何かありますでしょうか。事務局、どうぞ。

(早川室長)
 それでは、どうも長時間ありがとうございました。
 それで、報告事項は以上のとおりでございますけれども、先ほどもう既に基準値検討の中でお話をさせていただきましたけれども、次回の農薬専門委員会の予定について、ちょっとご報告したいと思います。
 それで、平成14年に水環境部長の委嘱として須藤先生に座長をお願いしました農薬環境懇談会、当面の中長期的な課題を検討した懇談会でございますけれども、この報告書の中で、残留された有機物による新たな環境汚染が生じないように、POPs条約の内容を踏まえて、現行の登録保留基準の見直しが必要であるという宿題をいただいております。
 ちょっと時間がたっておりますので、簡単に背景をご説明いたしますと、平成13年5月に採択されたいわゆるPOPs条約では、新規の化学物質を規制する制度を持っている国では、附属書Dの基準を考慮して、POPsと同様の、特性のある新化学物質の製造・使用防止措置をとることが求められているということで、この付属書Dのスクリーニング基準には定性的な基準もありまして、どのような対応をとるかというのは、最終的には各国の判断に任せられているというふうに解釈されると思いますので、これらの基準を新規の化学物質を規制する制度にどのように考慮すべきかというのは自主的に検討することとなっていたということでございます。
 ということもありまして、条約に入るときにはそのような検討は必要なかったのですけれども、改めて農薬取締法に基づく登録保留基準についても、この制度が新規の化学物質を規制する制度でありますので、POPs条約のいわゆるスクリーニング基準等を踏まえて検討しなければいけないと。これもありますし、先般からいろいろなお話が出ておりますし、濃縮性の話、この辺もPOPsとはまた別に前からの議論でもございましたし、まさにきょうもそういうご議論があったということもございまして、次回の農薬専門委員会では、このPOPs条約を踏まえて農薬登録保留基準の見直しということに絞って、少し広範かつ深い議論をしていただければありがたいなと思っております。
 今回の基準値の議論で、先ほどのオキソン体の議論も出てきましたので、それを次回どうするかというのは、またちょっと事務局の方でも検討させていただきますけれども、それも先ほどできるだけ速やかにということでありますので、そちらの検討についても、できるだけ早くやりたいと思います。
 当面は、予定としましては、事前に先生方のご都合を事務方で伺わせていただきましたところ、4月6日の午後が先生方のほとんどご都合がいいのではないかということでした。したがいまして仮置きとしまして4月6日の午後に次回の専門委員会を開催し、POPs条約を踏まえた登録保留基準の見直しについてのご検討をさせていただきたいということで、多数の先生のご出席を賜れれば非常にありがたいなと思っております。ご予定に入れておいていただければありがたいと思います。
 以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 先ほどのいろいろな議論の中にもあったわけですが、難分解性の蓄積性物質について、POPs条約を踏まえて、それについて農薬保留基準の見直しを行うということで、中杉先生、従来からずっとおっしゃっていただいているのですが、今度、大丈夫ですね。4月6日は。大方の先生方はいいというふうに私伺っていましたので、これで開催していただきたいと思います。
 それから、最後にちょっと一つだけ、せっかく企画課の方、調べてくださったのですよね。先ほどEPNの件、これで審議の内容が変わるわけではないのですけれど、調べた結果、せっかくお勉強されたので、ぜひ、ご説明下さい。オキソン体が分析対象に入っているや否やというところの部分だけで結構です。

(市原係長)
 要監視項目の測定方法については、平成5年に初めて要監視項目を設定したときに、通知を出しております。その方法の中には、オキソン体をどうするという具体的な記述はございません。GCマスで測定するイオン等を見ますと、オキソン体のことを考慮したものとなっていないようでございますので、その物質のみ、つまりオキソン体を考慮した形にはなっていないということでございます。

(須藤委員長)
 そのときの通知ではね。はい、わかりました。
 では、せっかく調べていただいたので、ご紹介だけまずいただきまして、あとの審議は、この問題を審議する次回か次々回かでやらせていただきたいと、こういうふうに思います。
 それでは、4月6日に農薬専門委員会を開催するということに決定をさせていただきます。ぜひ、ご参集いただきたいと思います。
 最後に、私の方から、本日の資料の取り扱いについて説明をさせていただきたいと思います。
 土壌農薬部会の運営方針では、調査中の報告の案文、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料、関係者と調製中の資料、その他公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれのある資料については、委員長は委員限りである旨を明記した上で非公開とすることができるとされております。本日配付した資料は、いずれもこれに該当しないことから、公開とさせていただきます。
 以上をもちまして、本日の農薬専門委員会を閉会といたします。
 長時間にわたりご審議いただきましたことを、お礼を申し上げます。どうもお疲れさまでございました。