中央環境審議会 土壌農薬部会農薬小委員会(第68回)議事録

日時   

平成31年1月16日(水)13:30~17:05

場所   

環境省 第1会議室

出席委員   

委員

白石 寛明(委員長)

臨時委員  

天野 昭子     

五箇 公一

築地 邦晃     

根岸 寛光

細見 正明     

山本 廣基

専門委員  

浅野  哲     

稲生 圭哉

内田又左衞門    

後藤 千枝

山本 裕史

 (欠席は、赤松臨時委員、浅見臨時委員、佐藤臨時委員、田村臨時委員)

委員以外の出席者

環境省

  田中水・大気環境局長、上田大臣官房審議官、庄子総務課長
  小笠原農薬環境管理室長、羽子田室長補佐、服部室長補佐、福澤主査、秋山係員

オブザーバー

  農林水産省
  独立行政法人農林水産消費安全技術センター
  国立研究開発法人国立環境研究所

議題

 (1)生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について

 (2)水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

 (3)水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定について

 (4)その他

配付資料

資料1   中央環境審議会土壌農薬部会農薬小委員会委員名簿

資料2   生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(諮問・付議)

資料3-1  生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第一次とりまとめ)(案)

資料3-2  生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第一次とりまとめ)(案)の変更一覧

資料3-3  生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第一次とりまとめ)(案)に対する意見募集の実施結果について(案)

資料3-4  水産基準値設定の審議に用いた複数魚種でのLC50の比較

資料4   諮問書(写)及び付議書(写)

資料5   水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

資料6   水産基準値案と水産PECの関係及び基準値設定後の対応について

資料7   カルボフランの水質モニタリングデータと当面のリスク管理措置(水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準関係)(案)

資料8   フェンチオン(MPP)の水質モニタリングデータと当面のリスク管理措置(水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準関係)(案)

資料9   水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料(案)

資料10   水濁基準値案と水濁PECの関係及び基準値設定後の対応について

資料11   非水田PEC第2段階の算出方法の訂正について

資料12   水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準値(案)に対する意見募集の実施結果について

資料13   水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)に対する意見募集の実施結果について

参考資料1 農薬評価書インピルフルキサム(食品安全委員会資料)

参考資料2 農薬評価書テトラコナゾール(食品安全委員会資料)

参考資料3 農薬評価書フェニトロチオン(食品安全委員会資料)

参考資料4 農薬登録基準の設定におけるユスリカ幼虫試験の取扱いについて

議事

【小笠原室長】 それでは、細見委員が少し遅れているようですが、定刻となりましたので、ただいまから第68回土壌農薬部会農薬小委員会を開催させていただきます。
 初めに、本日の委員の出席状況をご報告させていただきます。本日は、赤松委員、浅見委員、佐藤委員、田村委員よりご欠席とのご連絡をいただいておりますが、本委員会開催の定足数を満たしておりますことをご報告いたします。
 また、本日は、田中局長、上田審議官、庄子総務課長が出席しております。
 議事に先立ちまして、田中局長からご挨拶を申し上げます。

【田中局長】 水・大気環境局長の田中でございます。
 新年、明けまして第1回目ということでございますが、本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。
 委員の皆様方には、日頃より、農薬を初めとする環境行政の推進につきまして、ご指導、ご尽力を賜っておりますことについて、厚く御礼を申し上げます。
 農薬登録制度におきましては、農薬の安全性の向上を図るため、ご承知のことでございますけれども、昨年6月に農薬取締法が改正をされました。動植物に対する農薬の評価対象について、従来の水産動植物から陸域を含む生活環境動植物に拡大されたところでございます。
 この小委員会では、農薬登録基準の設定等につきまして、これまでもご審議をいただいておりますけれども、昨年7月以降は、環境大臣の諮問があり、生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定についても精力的にご審議いただいているところでございます。
 これまで、昨年の7月に農薬登録基準の設定方法の検討の進め方ということで方針をお示しいただきました。そして、9月、11月には、新たな動植物として水草と鳥類の取り扱いについてご審議、取りまとめをいただいたところでございます。11月に第一次とりまとめ(案)を作成していただきまして、その内容について、11月16日から12月15日まで、パブリックコメントということで、広く国民の皆様から意見を募集してきております。その結果でございますが、後ほどご説明いたしますけれども、430通・566件ものたくさんのご意見をいただきました。今回のとりまとめ(案)に対する国民の皆様の関心の高さが、こういったところに表れているものと考えております。
 本日は、生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定につきまして、パブリックコメントで国民の皆様方からいただいたご意見を確認しつつ、第一次とりまとめの最終案をまとめていただきたいと考えております。
 委員の皆様におかれましては、本日も専門的な立場からご意見、ご指導を賜りますようお願い申し上げまして、冒頭の私のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

【小笠原室長】 続きまして、本日の配付資料の確認をさせていただきます。

【福澤主査】 それでは、資料のご確認をお願いいたします。
 お手元に議事次第と配付資料一覧がございますので、そちらをご覧になりながら確認いただければと思います。資料は1から13までとなっておりまして、資料3には資料3-1から3-4と枝番が振ってございます。参考資料は1から4となっております。
 なお、本日はタブレット端末がメンテナンスの都合上でご用意できませんでしたので、参考資料も紙媒体で配付させていただいております。
 なお、傍聴者の方々につきましては、お近くの席に参考資料をつづったつづりを用意しておりますので、そちらをご参照いただければと思います。
 委員の皆様方のお手元には、すみれ色のファイルにとじた資料がございますけれども、こちらは農薬小委員会におきます過去の審議で整理しました考え方などをまとめたものでございますので、適宜ご参照いただければと思います。なお、こちらは随時差し替えを行っておりますので、会議が終わりましたら机の上に残しておいていただきますようお願いいたします。

【小笠原室長】 それでは、議事に入らせていただきます。
 議事の進行は白石委員長にお願いいたします。

【白石委員長】 では、議事を進めさせていただきます。
 本日は皆様、ご多用のところご出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の農薬小委員会は、議事次第にございますように、三つの議題とその他に関する審議が予定されています。円滑かつ活発なご審議をお願いします。
 初めに、本日の会議と資料の公開の扱いについてご説明します。
 本日の農薬小委員会は、土壌農薬部会の運営方針の非公開とする理由には当たらないことから、公開とさせていただきます。また、資料につきましても公開とさせていただきます。
 次に、農薬小委員会の決議の取り扱いについてご説明させていただきます。
 小委員会の設置についての土壌農薬部会決定では、農薬小委員会の決議は部会長の同意を得て土壌農薬部会の決議とすることができることになっています。したがいまして、この農薬小委員会で決定いただきましたら、土壌農薬部会の岡田部会長の同意をいただいた上で、部会としての決定としていくことになります。
 それでは、議事次第に沿って議事を進めたいと思います。
 まず、議事の(1)番目、生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について、取りまとめの審議に入ります。
 事務局から資料の説明をお願いします。

【小笠原室長】 初めに資料2をご覧ください。
 昨年の7月10日付で、環境大臣から中央環境審議会会長へ諮問がされたものでございます。
 生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定についてということで、環境大臣が定める農薬登録基準のうち、生活環境動植物に係る基準の設定について、審議会の意見を求めるということでございます。これに基づきまして、こちらの農薬小委員会でこれまで審議をしていただいてきました。
 資料3-1をご覧ください。こちらの資料3-1と、それから資料3-2はセットになりますので、両方並べていただければと思います。
 資料3-1は、前回取りまとめていただいたものから、パブリックコメントでのご意見等を踏まえまして、一部で変更を行ったものになります。変更箇所につきましては、資料3-1の本文中に下線を引き、また、資料3-2の変更一覧で整理をしております。
 なお、今回の取りまとめは、現時点における科学的知見に基づくものであり、今後、新たな科学的知見の集積により、さらに審議、取りまとめが行われるとの考えから、第一次とりまとめとしています。
 それでは、おめくりいただきまして、1ページ、第1、経緯のところでございます。資料3-2の一覧表と対になっておりますが、こちらの10行目になります。こちらは、当初、農薬登録保留基準とだけ記載しておりましたが、昨年の12月1日に法律が施行され、こちらも「農薬登録基準」と名称が変わっておりますので、併記させていただいております。
 続きまして、飛んでいただいて4ページになります。2の海外における取組のところで、(2)OECDの取組というのがございます。当初、こちらはOECDとだけ書いておりましたが、これにつきましては、正式名称を追記させていただき、括弧書きで記載しております。
 続きまして、5ページをお願いします。こちらは先ほどご説明したのと同じように、19行目でありますが、当初、農薬登録保留基準としておりましたが、「農薬登録基準」と直させていただいております。
 続きまして、6ページの4行目をお願いします。こちらの「早急に」というところに下線を引いておりますけれども、当初、野生のハチ類に対するリスク評価の方法についても検討を進め、必要に応じ、評価対象動植物に加えるとしておりましたが、こちらについて、国民の関心が高い野生のハチ類の評価に係る検討を早急に行うことを明確にするため、「早急に」という文言を追記させていただいております。
 それから、2の評価対象動植物ごとの農薬登録基準の設定方法、(1)水域の生活環境動植物の18行目でございます。当初、全ての農薬について、魚類のコイ又はヒメダカ、これを必須とするとなっておりましたが、これにつきましては、コイ又はヒメダカは必ずしも感受性が特に高い種類ではないことから、国際的な標準との調和を図り、OECDテストガイドライン203の推奨魚種であれば評価に採用できることにするため、ここを「魚類(OCEDテストガイドライン203の推奨魚種のうちのいずれか1種)」として変更しております。
 続きまして、7ページ、第4の生活環境動植物に係る農薬登録基準の内容ということになります。こちらの32行目も同様に、「農薬登録基準」としております。
 続きまして、8ページの上の枠の中、上から5行目のから[備考]となっておりますが、その2行下のところで「全て」に下線が引いております。これは当初平仮名でありましたけども、字句の適正化ということで、漢字にしております。
 それから、同じく8ページの下の7行目のところで、登録保留基準を「農薬登録基準」にしております。
 続きまして、9ページになります。第5、今後の課題の(1)野生のハチ類の導入についてということで、こちらを19行目のところに、「早急に」というところに下線が引いております。当初は、16行目からになりますが、農薬が野生のハチ類に被害を及ぼすおそれがあるかどうかを評価する方法についても、早急に確立し、陸域の生活環境動植物として評価対象に加えられるか検討を行う必要があるということでありましたが、検討を行う必要があるというところにも「早急に」ということを追記させていただいております。
 続きまして、11ページからが別紙1になります。
 ここは藻類と水草等の取扱いについてでありますが、こちらの14ページになります。14ページの3、藻類、水草等の取扱いについての検討で、(1)試験生物種の追加についてということで、24行目、こちらですが、当初は水草のコウキクサ、珪藻のフナガタケイソウ並びにシアノバクテリアのアナベナ及びシネココッカスを対象とすることが適当であるという記載でございましたけれども、ほかのところで修正がございまして、それとの並びで、こちらのところを「水草のコウキクサ(コウキクサ及びイボウキクサ)、珪藻のフナガタケイソウ並びにシアノバクテリア(アナベナ及びシネココッカス)」ということに修正をさせていただいております。
 続きまして、15ページ、こちらの4行目、脚注になりますが、注2)といたしまして、当初はありませんでしたが、「コウキクサ(Lemna minor)とイボウキクサ(Lemna gibba)はいずれもコウキクサ類に属することから本資料では「コウキクサ」と記載」ということを加筆しております。
 続きまして、17ページ、(3)の不確実係数の設定についてということで、13行目からであります。こちらにつきましては、当初はシアノバクテリアにおけるアナベナとシネココッカスの扱いについて整理しておりましたが、不確実係数の設定におきまして、原案では、藻類等の試験生物種の数によってシアノバクテリアのアナベナ及びシネココッカスの種の数え方が異なっておりましたので、そこを整合させていただくための修正になります。修正後が、この下線を引いたところでございまして、「ただし、シアノバクテリアのアナベナ及びシネココッカスについては、他の試験生物種に比べて感受性が総じて低いことを考慮し、シアノバクテリアとして数えることとする(アナベナ及びシネココッカスの両方の試験が行われた場合も1種として数える)。」としております。
 19行目のところでは、この修正を考慮し、「ムレミカヅキモ、イカダモ、フナガタケイソウ、シアノバクテリア及びコウキクサの5種で試験を行う場合は、不確実係数を1とすることが適当である」という変更をしております。
 続きまして、同じく17ページの下に表4ですが、脚注の注3)がございます。こちらは、当初、コウキクサとだけ書いてありましたが、コウキクサのところに括弧書きで(コウキクサ又はイボウキクサ)をつけております。
 それから、表4ですが、資料の3-2を見ていただきますと、パブリックコメント版のときは、表4は試験生物種が4種の場合の不確実係数だけでございました。その場合には、シアノバクテリアのところでシネココッカスとアナベナを別で表記しておりましたが、変更後は、こちらはシアノバクテリアは一つとして数えることにしておりますので、右のように、シアノバクテリアにつきましては、括弧書きで(アナベナ又はシネココッカス)として扱うようにして整理をしております。変更後の表4では、5種だけではなく、5種の場合、また合計で4種、3種、2種、それからムレミカズキモ1種だけの場合で、それぞれ不確実係数が変わることを表記しております。
 続きまして、19ページになります。こちらは4、薬登録基準の設定における藻類、水草等の取扱いについてでございまして、(1)藻類等急性影響濃度の算定方法です。こちらでは、不確実係数の設定に係るシアノバクテリアの数え方の変更に伴うところでございまして、1~2種の場合は10、3種の場合は4、4種の場合は3、そして5種の場合は1とするとし、ただし書きで、「アナベナ及びシネココッカスについては、シアノバクテリアとして数える」ということで整理をしております。
 続きまして、20ページからが別紙2でございまして、鳥類の取扱いについてになります。
 こちらの、25行目のところに下線がありますが、これまでよりも表記を明確化するということで、従来は農薬取締法による制約があることからということでありましたが、こちらを「農薬取締法では陸域の動植物を評価対象としていないという制約があったことから」ということで、明確化しております。
 続きまして、21ページになります。3行目になりますが、こちらの原案では20ページの21行目辺りから記載されています経緯の中の記載と重複がございましたので、こちらの重複する部分につきましては簡略化いたしまして、このように記載をしております。
 続きまして、22ページでございますが、22行目と24行目のところで下線が引かれてあるところにつきましては、これは次のページの図1、毒性評価が左側、それから右側にばく露評価ということで図が示してありますが、そちらと関係をわかりやすくするために、「毒性評価において」、それから「ばく露評価において」ということを頭につけた修正でございます。
 続きまして、25ページになります。25ページ目の1行目になりますが、こちらは当初はEUでは鳥類急性経口毒性試験は基本的に性差がないものとみなされていることから、性差については特に情報がない限り区別しないとしておりましたが、これではEUのことを言っているのか我が国のことを言っているのか明確ではないため、そこを明確にするために、「鳥類急性経口毒性試験は基本的に性差がないものとみなすというEUにおける知見を踏まえ、同一種における複数のLD50を集計するに当たり」ということで、修正をしたものでございます。
 続きまして、同じページの9行目でございます。こちらは表記の適正化ということで、LD50の最低値という表現はLD50の「最小値」ということで、修正をしております。
 同じページの27行目のところですが、これにつきましても、二次評価のところの記載でございますが、従来よりも、より明確にするために、言葉を足しております。二次評価ではという、当初、そこだけでありましたが、その頭に「初期評価において、簡易に算定した鳥類予測ばく露量に鳥類基準値を超過したシナリオがある場合には、当該シナリオについて二次評価を実施し」ということで、変更しております。
 続きまして、26ページであります。こちらは、25行目から28行目にかけて文章を一部変えております。大きなところは27行目からになりますが、こちらのほうでは、昆虫を餌とする場合の鳥類予測ばく露量の算定におきまして、水田及び非水田のいずれにも適用がある農薬の場合の取り扱いを明確にするということで、両方ある場合には、両方のばく露量を合算するということを明確に記載したところでございます。
 続きまして、32ページになります。こちらの12行目のところですが、評価の対象から除外する条件をより明確にするために、当初、鳥類の忌避を目的として使用されたものという表現でありましたが、忌避以外にもいろいろな目的がある中で忌避があるということではなくて、忌避のみを目的として使用されるという場合に限定するということで、「鳥類の忌避のみを」という表記に変更しております。
 それから、33ページ目の12行目になりますが、これは字句の適正化のため、平仮名であった、とりまとめたというのを漢字の「取りまとめた」に直したところです。
 最後に、33ページの33行目でございます。こちらは鳥類のモニタリングの関係でございますが、胃の内容物を測定するモニタリング方法が適当ではないとの理由について、パブリックコメント版におきましては、捕獲した個体にその種を代表させることが困難であることや、ということを理由の一つとしておりましたが、そこを「胃の内容物中の濃度を測定するには、多くの個体のデータを必要とし」ということで、その理由を変更しているところでございます。
 以上が前回取りまとめていただきましたところから変更を加えたものでございます。
 ここで先に資料3-4をご覧ください。資料3-4は、水産基準値設定の審議に用いた複数魚類のLC50の比較というものでございます。
 ただ今ご説明しました資料3-1の中で、従来は、全ての農薬について、魚類ではコイ又はヒメダカを必須とするとしておりましたけども、こちらについて、必ずしもコイ又はヒメダカが特に感受性が高いわけではないということを申し上げましたが、こちらは、農薬小委員会のこれまでの資料から作成したものでございます。全部で10の農薬名を並べておりますが、コイ、ヒメダカ以外にも、他の魚種でもって提出されたデータを見ますと、ブルーギルであったり、ニジマスであったり、ファットヘッドミノーが最も感受性が高かったりというケースもございますので、こうしたことから、OECDテストガイドライン203で推奨される魚種であれば、その中の1種類を必須とするということで修正したものでございます。
 続きまして、資料3-3をご覧ください。こちらはパブリックコメントの結果になります。
 意見募集期間は、昨年の11月16日から12月15日までの30日間行いました。
 意見募集の対象は、先にご説明をしました生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第一次とりまとめ)(案)についてでございます。
 提出されたご意見の合計は、提出者数で430通、意見の延べ総数は566件になりました。
 資料3-3では、それらのご意見を第一とりまとめの構成に沿って整理をし、概要としてまとめました。
 ご意見の表記、それから表現は、基本的にいただいたご意見の原文のままにしています。
 ご意見に対する考え方(案)では、これまでの農薬小委員会での審議等を踏まえつつ、(案)として整理をしております。
 それでは、ページをおめくりください。
 まず、第3の生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定方法、1の生活環境動植物に係る評価対象動植物の選定、(1)基本的考え方についてです。
 1番が、予防的な取組方法の考え方に基づいて対策を、2番で、水産動植物に限定しない評価対象動植物のリスク評価とすることは意義深い、しかし、被害が予測されることが指摘された場合には、予防的に使用の停止を取り、その間に新たな評価方法を検討できる体制が望ましいとの意見がありました。
 これに対しまして、環境省では、環境基本計画における「予防的な取組方法」の考え方を踏まえ、農薬による動植物への影響調査等により科学的知見の充実に努めつつ、リスク評価を行い、動植物の被害を未然に防ぐための農薬登録基準の設定を行っています。今後も、最新の科学的知見に基づく迅速な評価が重要であると考えます。
 3番といたしまして、農薬リスクに関して、査読誌等で認められた確実性の高いフィールド実験や調査の結果も採用するべきとの意見。
 これに対しまして、具体的な評価方法が確立されていないフィールド実験や調査については、農薬の使用方法や実験環境の違いによって結果が異なることから、農薬登録基準の設定そのものには採用できませんが、ばく露評価手法を検討する上での資料として活用できるものと考えます。
 4番、海外の例から学び、日本が先進的で強い意思のある基準をつくってほしい。
 これに対しまして、生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定に当たっては、海外の評価の状況も考慮しつつ、我が国における自然条件や農薬の使用実態等に基づき行うことが重要であると考えます。
(2)評価対象動植物についてです。
 1番として、水草について農薬登録基準を設定することは、水域の生活環境動植物に対するリスクを適切に評価する上で、大変よい。今後も農薬による生態系へのリスクをさらに低減できるよう登録基準の見直しや設定を行ってほしい。
 これに対しまして、農薬の動植物に対する影響評価の充実に取り組み、科学的知見に基づき、農薬登録基準の見直しを適切に行い、環境へのリスク低減を進めていくことが重要であると考えます。
 2番、ユスリ力幼虫試験を再評価の対象とする全ての農薬にも義務づけ、農薬登録基準値の見直し、設定を行うこと。
 これに対しまして、農薬の作用機構等に鑑み、全ての殺虫剤について、ユスリカ幼虫試験も義務づけることとしましたが、除草剤、殺菌剤等の他の農薬については、直ちに必須とする必要があるとは考えていません。
 3ページ目の3番、野生のハチ類について、「必要に応じ」評価対象動植物に加えるとされている部分について、「早急に」、「直ちに」としてほしい。
 また、4番としまして、野生のハチ類へのリスク評価を早急に導入してほしいとのご意見があります。
 これに対しまして、現在、環境省において、野生のハチ類に関する評価方法についての調査検討が行われており、評価対象に加える必要があるかについては、その結果を踏まえた検討が必要であると考えます。また、検討は早急に進める必要があると考えますので、「早急に」を追加し、修正します。
 5番以降、5から12番まで、評価対象動植物に加えてほしい、また守ってほしいといった、具体的な動植物について挙げられております。例えばトンボやカエル、土壌生物、あとミミズ、土壌中の昆虫、微生物、ほかオタマジャクシ、ドジョウ、こういったものでございます。
 これに対しまして、現在、水草、鳥類及び野生のハチ類について検討を進めていますが、そのほかの動植物についても、まずは知見の集積が必要であると考えますとしております。
 4ページになります。
 13番、散布される農薬のほか、苗の土にあらかじめ施用されている殺虫剤、殺菌剤もあり、規定どおり使用されているとも限らず、認識されていないところで汚染が進んでいるおそれがあるため、節足動物、ミミズ、非標的土壌微生物、その他の非標的土壌生物、非標的植物についてもリスク評価の対象としていくことを検討してほしい。
 これに対しまして、農薬の使用については、農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令第2条において、使用方法に従って使用しなければならない旨規定されています。以下、先に出ました5番と同様でございますが、そのほかの動植物についても、まずは知見の集積が必要であると考ますとしています。
 14番、水系における生物相の調査を実施し、これをもとに、毒性評価すべき生き物を選定すればよい。水系の底質中に残留している農薬やその代謝分解物についての影響評価も十分に行うべき。
 これに対しまして、評価対象動植物の選定では、毒性試験方法が確立され、国内外での既存の試験成績の活用が期待できるものを優先し、さらに導入が望ましいと考えられる評価対象動植物で調査検討に時間を要するものは、引き続き必要な検討を進めることが適当であると考えます。また、水域においては、底質中に残留する農薬や代謝分解物の影響についても検討を進めることは重要であると考えますとしています。
 15番、EUレベルまで評価対象動植物を拡大すべき。
 これに対しまして、農薬の生活環境動植物に対するリスク評価については、欧米等の評価方法も参考にしつつ、我が国における自然条件や農薬の使用実態等を踏まえ、検討を進めることが重要であると考えますとしています。
 続きまして2、評価対象動植物ごとの農薬登録基準の設定方法、(1)水域の生活環境動植物についてです。
 1番が、OECDによる不必要な毒性試験の回避に日本としても貢献し、国際的な標準との調和を目指すのであれば、コイ又はヒメダカを必須とするのではなく、OECD203の試験法に記載されている魚種のいずれかを要求すべきではないか。コイ又はヒメダカが感受性が高いといったような、合理的な理由はあるのかとのご意見です。
 これにつきましては、先ほど資料3-4のデータをお示しさせていただきましたが、これまでの知見により、コイ又はヒメダカは、必ずしも感受性が特に高い種類ではないことから、必須の試験生物種については、国際的な標準との調和を図り、「魚類のコイ又はヒメダカ」を「魚類(OECDテストガイドライン203の推奨魚種のうちのいずれか1種)」に修正しますとしております。
 続きまして、5ページ、2番、藻類成長阻害試験での試験生物種数による不確実係数について、5種の試験生物種を用いる場合、シアノバクテリアであるシネココッカスとアナベナを1種として扱っているが、この理由として両種の感受性が類似しているのであれば、4種以下の場合も同様に1種として扱うべきではないかというものです。
 これにつきまして、試験生物種の数によって扱いを変えることに合理性がないことから、5種の試験の場合に限らず、全ての試験において、シアノバクテリアは1種として扱うよう修正しますとしております。
 (2)陸域の生活環境動植物についてです。
 1番といたしまして、ばく露においては、「同一の農薬が一斉に全面使用されるケースは想定されない」とし、「普及率を踏襲することが適当である。」とされているが、このような考えが「個体の急性ばく露」を模擬した今回のばく露モデルには不適切である。普及率が考慮できるのは、反復摂取による餌場の平均化あるいは個体ではなく個体群としての評価の場合に限るべきであり、個体の急性摂取で導入する根拠が不明である。特に、評価対象の小型鳥類が種子あるいは果実を急性摂取する場合に処理されていない農地と処理された農地のいずれからも採餌するようなケースは想定できないため、見直しが必要であると考えるとのご意見。
 2番といたしまして、毒性指標としてLD50を用い、それを不確実性係数で除した値を鳥類基準値として設定するとされており、生活環境に生息する鳥類の半数が農薬によって死亡してもそのような農薬の使用が許されると理解できる。農薬は年間に複数回使用される結果、その複数回にわたり、半数の鳥が死ぬことが許容されることになり、農薬使用によって、地域における鳥類の種の維持に多大な懸念を覚えるため、見直しが必要であると考えるとのご意見をいただいています。
 まとめまして、鳥類のリスク評価の方法については、個体が一日に摂取する餌の全量に単一の農薬が残留していることとして評価を行います。一方、改正後の農薬取締法では、「農薬の使用に伴うと認められる生活環境動植物の被害が発生し、かつその被害が著しいものとなるおそれがあるとき」に登録を拒否することとされていること、また、地域の鳥類の全てが同一農薬の残留した餌のみを摂取するとすることは明らかに過剰な想定であることから、本リスク評価の方法では、農薬の普及率を導入することとし、農薬の使用実態を踏まえた現実的なワーストケースを想定するものとしています。なお、農薬の動植物に対する影響評価においては、急性毒性では、LD50を用いることが諸外国においても共通した方法となっています。
 6ページです。
 3番といたしまして、日本では、鳥類の接触ばく露や大気中の農薬の吸入ばく露についても考慮すべき。
 これに対しまして、陸域の動植物については、環境媒体が多様であることからさまざまな経路でばく露するおそれがありますが、移動力の高い鳥類においては、農薬散布による大気経由のばく露や直接的な接触ばく露が大きなリスクとなることは想定されません。このため、鳥類の急性影響については欧米の評価方法も参考に、我が国の営農状況も勘案し、最もリスクが高いと考えられる摂餌及び田面水を飲み水とするシナリオを設定しています。
 4番、鳥類の予測ばく露経路は複数あるため、「いずれかのみを1日に摂餌又は飲水する」という仮定は実態にそぐわないのではないか。
 これにつきまして、実際の鳥類において、一日中、評価対象農薬が残留した餌のみを摂餌又は田面水のみを飲水することも起こり得るため、ワーストケースを想定した個体単位での急性毒性評価として行うものです。
 5番、鳥類へのばく露経路として、浸透性農薬については、田面水以外の水滴等からも飲水することを前提としたばく露量を算出すべき。
 これに対しまして、我が国の営農状況を勘案し、飲水として最もリスクが大きいと考えられる田面水の摂取について評価を行います。田面水以外の飲水経由による農薬の鳥類へのばく露については、引き続き科学的知見の集積が必要と考えます。
 6番、製剤によっては非標的生物にも毒性が強く現れる薬品が使われている場合もあり、また、製剤によっては原体が10%程度のものもある。農林水産省では農薬登録申請に際して製剤の試験成績も提出させており、それらのデータも共有して検討すべき。
 これに対しまして、農薬の毒性は主に有効成分によるものが大きいと考えられることから、環境大臣が定める農薬登録基準は、農薬原体を用いた試験成績をもとに定めています。
 (3)水域及び陸域に共通するご意見です。
 1番、急性毒性の評価だけではなく、慢性毒性や繁殖毒性、内分泌撹乱作用、複数の農薬による複合影響も考慮すべき。
 これに対しまして、「第5 今後の課題」で、「農薬の長期ばく露による影響の観点からのリスク評価の必要性や方法について検討を行う必要がある」として整理しており、農薬による慢性毒性、繁殖毒性等に関する知見の集積を進める必要があると考えます。また、農薬による内分泌撹乱作用や複数の農薬等による複合影響についても、情報の収集が必要であると考えます。
 7ページ、2番、不確実係数を水域では1~10、鳥類では(1又は10)としているが、農薬においては種による感受性差が相当に大きい場合もあること、生物種については、リスク評価に必要な種々なデータが圧倒的に不足していること、生態系全体への影響を直接的に把握する方法がいまだ確立されていないことに鑑み、安全側に立って、いずれの場合にも、不確実係数は従来から採用されてきた原則10(又はそれ以上)とすべき。
 これに対しまして、不確実係数は、試験を行った生物種と試験が行われていない種との感受性差を考慮して設定されています。水産動植物においては、従来から不確実係数として10を用い、種の数に応じてその値を小さくしていますが、今般の藻類等においても、不確実係数を10とし、試験を行った種類数に応じて小さくします。また、鳥類においては、諸外国における方法を踏まえ、複数種を用い、その幾何平均を用いる場合には不確実係数を10としますが、複数種の中の最小値を用いる場合には不確実係数を1とします。感受性差は生物種によって異なるため、試験生物の種類数に応じて不確実係数を変えることは合理的であると考えます。
 第4、生活環境動植物に係る農薬登録基準の内容に関するご意見です。
 ここでは、環境基本計画で「予防的な取組方法」を謳うのであれば、環境リスクの可能性のある農薬の使用を暫定停止し、リスクに関する最新の研究成果を参照できる体制を確立すべき。また、環境中の濃度の実測値が登録基準値を超えていないかどうかモニタリングし、超過した場合には、即座に暫定使用禁止もしくは登録取り消しを行える体制が必要。
 これに対しまして、環境基本計画における「予防的な取組方法」とは、長期間にわたる極めて深刻な、あるいは不可逆的な影響をもたらすような環境影響が懸念される問題については、科学的知見の充実に努めながら、予防的な対策を講じるとの考え方です。農薬による動植物への影響調査等により科学的知見の充実に努めつつ、リスク評価により、動植物の被害防止のための農薬登録基準の設定を行うことはこの考え方を踏まえたものであり、適当であると考えます。また、登録基準値と環境中の予測濃度が近接する場合には、当該農薬をモニタリング調査の対象とし、モニタリング調査の結果については公表し、必要に応じて農薬使用者等に対する指導等が行われています。
 8ページ、第5、今後の課題です。
 (1)野生のハチ類の導入についてです。
 1番として、農薬からミツバチ、野生のハチ類を守ってほしい。こちらは158件ありました。
 2番として、野生のハチ類を早急に評価対象にすべき。147件いただいております。
 これに対しまして、農薬の野生のハチ類に対する影響を示唆する知見が得られていることから、現在、環境省において野生のハチ類に関する評価方法についての調査検討が行われており、野生のハチ類を評価対象に加えられるかについては、その結果を踏まえた検討が必要であると考えます。また、検討は早急に進める必要があると考えますので、「早急に」を追加し、修正しますとしています。
 3番が、農薬による亜致死レベルの影響が巣の維持に影響を与えることから慢性影響の評価も早急に必要、また、タイムラインを明記してほしい。
 4番、マルハナバチ類、ニホンミツバチを指標とすべき。
 5番、野生のハチを調査研究の対象から外すべきではない。
 6番、少なくとも繁殖毒性についてはリスク評価を行うべき。
 こうした具体的なご意見もいただいております。
 これにつきましては、現在、野生のハチ類に関する調査検討が進められています。ご意見については、今後、野生のハチ類の評価方法を検討していく上での参考とさせていただきますとしております。
 9ページ、11番になりますが、ミツバチに影響する農薬の規制緩和をすべきではない。
 これにつきましては、生態影響評価の充実に向け、野生のハチ類が評価対象動植物に加えられるか検討を行いますとしています。
 (2)長期ばく露による影響評価の導入についてです。こちらも類似のご意見です。
 1番として、繁殖毒性のリスク評価を追加してほしい。
 2番として、中程度の期間の毒性リスクについても検討すべき。
 3番、長期ばく露による影響評価を実施すべき。
 4番、低濃度の慢性ばく露によって亜致死もしくは致死影響が生じるタイプの農薬のリスク評価が実現されていないため、早急に検討してほしい。
 5番、次世代・継世代に関する長期的なリスク評価も勘案されるべき。
 こうしたご意見に対しまして、現在、環境省において、農薬の長期ばく露に関する調査検討が行われています。今後、調査検討を踏まえ、農薬の長期ばく露による影響の観点からのリスク評価の必要性や方法について検討を行う必要があると考えます。ご意見については、今後の検討の参考とさせていただきますとしています。
 10ページです。
 その他の評価対象動植物の選定に関するご意見について、1番として、水域の評価対象生物として、トンボを追加すること。
 2番でも、トンボの保護を求めるというご意見がありました。
 これに対しまして、環境省では、農薬がトンボ類に与える影響に関する知見の集積を進めています。他方、これまでの知見により、トンボの幼虫に比べてユスリカ幼虫のほうが感受性が高い傾向にあることが明らかになっており、今後、新規登録に加えて再評価の対象となる全ての殺虫剤についてユスリカ幼虫試験の提出を義務づけることとしたことから、トンボ類の保全にも資するものと考えますとしております。
 また、その他のご意見ということでございます。
 (1)個別農薬の規制等に関するご意見で、1番として、ネオニコチノイド系農薬の使用を禁止すべき。
 2番として、海外で使用禁止となっている農薬を日本でも禁止すべき。
 こうしたご意見をいただいています。
 これらにつきましては、まとめまして、個別農薬の規制に関するご意見は、今回の意見募集の対象ではありません。農薬の登録等については、農薬登録制度のもと、科学的知見に基づく評価結果により判断されることが重要であると考えますとしております。
 11ページです。
 10番として、現在、農薬は100円ショップでも簡単に購入できる状況であり、農薬の厳しい規制を求めるというもの。11も同様のものです。
 これにつきましても、今回の対象ではありません。農林水産省へ参考としてお伝えしますとしております。
 12番、これは発達障害児の増加の原因の一つにネオニコチノイド系や有機リン系の農薬が挙げられていることに留意してほしい。
 また、食の安全について将来の子どもたちのことも考えてほしいというご意見です。
 これにつきましては、今回の意見募集の対象ではありません。農林水産省、厚生労働省及び食品安全委員会へ参考としてお伝えしますとしています。
 14番、ネオニコチノイド系農薬の残留農薬基準値を規制緩和するのはなぜか。EU並みの基準値に是正すべき。
 これにつきましては、今回の対象ではありません。厚生労働省へ参考としてお伝えしますとしております。
 続きまして、12ページです。
 15番といたしまして、日本でよく使われる農薬のうちEUで登録がない農薬成分は約160あり、代表的な29農薬について、それぞれ、どのような生活環境動植物・生態系の影響評価が実施され、登録取り消しにつながったかを明らかにされたい。
 また、16番には、開放系での使用が禁止されることになっているネオニコチノイド類について、EU加盟諸国ごとに、どの項目が適用され、使用規制状況がどうなったかということです。
 これにつきましては、EUにおける農薬の登録状況等については、EUがウエブサイト等で公表している以上の詳細な内容は把握していませんとしております。
 (2)その他のご意見であります。ほかの意見は、こちらでまとめております。
 1番といたしまして、農薬の規制を強化してほしい。農薬の使用をやめるべき。農薬を安易に利用する農業を顧みるべきというご意見です。
 これに対しまして、環境省では、公園、街路樹等での病害虫・雑草の管理を行う際には、物理的防除等を優先し、農薬の使用が必要とされる場合でも、より毒性の低い農薬を選択し、飛散の少ない散布方法を検討するよう指導しています。ご意見については、農林水産省にも参考としてお伝えしますとしております。
 2番として、農薬登録の申請者、農薬メーカーに対し、フィールド調査を実施させるべき。
 これに対しまして、フィールド調査には、圃場の確保等の課題があるため、農薬登録の申請者等に対し、必須調査としての実施を求めることは考えていません。
 13ページ、3番として、新たな農薬登録基準設定予定について、タイムラインを入れてほしい。
 これにつきましては、農薬取締法における生活環境動植物に係る規定は平成32年4月から施行され、新たな農薬登録基準の設定が始まります。今後のスケジュールの詳細につきましては、本小委員会の審議を通じて明らかにしていきますとしています。
 4番、植物の授粉を行う生物を大事に扱う、野生のハチ類を農薬から守る、ハチに強く影響する農薬を規制することが必要であり、そのための法律、制度を整えてもらいたい。「養蜂振興法」で農薬使用を規制できるようにすべき。
 これに対しまして、今般の農薬取締法の改正により、農薬の影響評価の対象動植物が拡大されたことから、野生のハチ類についても評価対象に加えられるか早急に検討を行う必要があると考えます。養蜂振興法に関するご意見については、法律を所管する農林水産省へ参考としてお伝えします。
 5番として、大切な地球の生態系を壊さないでほしい。どの植物も昆虫も保護してほしい。
 6番、農薬使用規制の緩和につながる行為には反対する。
 これにつきましては、まとめまして、評価対象動植物の拡大により、農薬の動植物に対する安全性に関する審査の充実を図り、環境の保全に寄与します。
 7番、水産動植物、水域に係る農薬登録基準の設定に際しては、申請者に対し、自然環境やフィールドでの農薬環境汚染調査、環境汚染状況の調査を義務づけるべきである。
 これに対しまして、河川中の残留農薬濃度は、農薬の使用方法、使用される地形等によって大きく異なりますが、環境中の予測濃度は、河川への農薬の流出量が最大になると考えられる使用方法等をもとに安全側に立って算定しています。環境中の予測濃度と基準値とが近接している場合には、当該農薬が多く使用される地域の河川において、環境省が自治体と連携し、モニタリング調査を行っており、申請者に対し、環境調査等の実施を新たに求めることは考えていません。
 8番、農薬などの規制についてEUと異なっており、予防原則を取り入れ、見直すこと。
 これにつきまして、農薬環境行政においては、諸外国の評価方法も参考にしつつ、我が国における自然条件や農薬の使用実態等を踏まえ、生態影響評価の充実に努めることが重要と考えます。
 14ページ、9番、農薬の基準に予防原則を適用し、できる限り基準を引き下げてほしい。
 これに対しまして、動植物への被害を未然に防ぐため、「予防的な取組方法」の考え方による農薬登録制度のもと、科学的知見に基づき、農薬登録基準を適切に設定することが重要であると考えます。
 10番、農薬の注意事項が守られていない。流域ごとに面積に応じて農薬の散布量の上限などは設けられないか。
 これにつきまして、環境省においては、農林水産省等と連携し、農薬を使用する際には、使用方法を遵守するとともに、風の強い日の散布は避ける等の指導を行っているところです。農薬の適正使用に関する指導を徹底することが重要であると考えます。なお、一定の要件を全て備える農薬については、「水質汚濁性農薬」として環境大臣が指定をし、都道府県知事は、これらの使用を流域ごとに許可制にして、地域における農薬の使用総量を規制することができるようにしています。
 11番、日本は世界でも農薬使用量が多く、農薬の規制に対しても欧米に比べ許容基準が緩かったり、規制対応が遅かったりと後手後手なのはなぜか。
 これに対しまして、我が国を初めアジアモンスーン地域では、病害虫や雑草の発生が多いため、欧米に比べて農薬の使用量が多い傾向にあります。農薬の規制水準については、各国における農薬の種類、使用方法、適用作物等に違いがあるため、一概に比較はできませんが、我が国における自然条件や栽培条件、農薬の使用実態等を踏まえ、適切に判断することが重要であると考えます。
 12番、13番は類似のものです。日本の行政は、まず環境保全を最優先項目と考えて行動すべき。それから、農薬に頼らず、あらゆる生物に優しい施策を実施してほしい。
 これに対しまして、環境保全の推進は、我が国における重要課題の一つであると考えます。農薬による生活環境動植物への影響を未然に防止するため、農薬登録制度のもと、科学的知見に基づき、農薬登録基準を適切に設定することが重要であると考えます。
 14番、安心安全な食を支えてほしい。
 これに対しまして、今回の対象ではありません。農林水産省、厚生労働省及び食品安全委員会へ参考としてお伝えします。
 15番、現在の国家予算に占める医療費の高さに、農薬はどのような関連性があるのか詳しく調べる必要がある。農水省はどう考えているのか。
 これに対しましても、今回の対象ではありません。農林水産省へ参考としてお伝えしますとしています。
 15ページ、16番、「生活環境動植物」は個々の生き物のイメージが強く、生態系全体を表記に含め、「生活環境動植物・生態系」とすべき。
 17番が、生態系総体への影響評価も導入すべきという意見。
 それから、18番も同様でして、陸域動植物総体の生態系の影響の評価に資するため、土壌中の生物相調査の手法を確立するというものです。
 これらに対しまして、現在のところ農薬が生態系一般に与える影響を定量的に評価する手法は確立されておらず、また、生態系を保全、評価の対象とした場合には、農薬の標的である病害虫や雑草も対象に含まれます。諸外国においても、生態系の一部を構成する動植物に対する影響の評価を行っているところです。このため、「生活環境動植物」を評価の対象とすることが適当であると考えます。
 19番、専門家だけではなく、国民の手で、登録や適用の可否を決めることを求める。
 これに対しまして、農薬登録基準については、試験データ等の科学的知見に基づき、専門家、学識経験者による検討会、中央環境審議会で審議をし、その過程において、国民への意見募集が行われています。
 20番、養蜂用蜜蜂及び野生ミツバチは、それぞれ<人畜>、<生活環境動植物>のいずれで、どのように対処するか、天敵を、<生活環境動植物>としてどのように位置づけるかというご意見です。
 これに対しまして、養蜂用蜜蜂は家畜として、野生ミツバチについては生活環境動植物として、それぞれ農林水産省及び環境省で検討が行われています。また、野生の天敵については、生活環境動植物の範囲に入るものと考えます。
 21番、水系における生物相の調査を実施し、毒性評価すべき生き物を選定すればよい。水系の底質中に残留している農薬やその代謝分解物についての影響評価も十分に行うとのご意見です。
 これに対しましては、水域における底質中の残留農薬や代謝分解物についての知見の集積を進めることが重要であり、今後の課題として取り組む必要があると考えます。
 16ページです。
 22番が、陸域生物への影響評価の前に、現行の土壌残留の判定基準を改め、ヨーロッパ諸国で実施している、土壌中半減期が3カ月以上、かつ90%消失期間1年以上の農薬を登録しないことを登録基準にすべき。
 23番も同様でして、圃場の土壌残留試験について、代謝分解物の残留も評価対象にすべきというご意見です。
 これに対しまして、土壌残留試試験に関するご意見は、今回の意見募集の対象ではありませんとしております。
 24番が、ヒトが病害虫とする個別の生き物を農薬で殺したり、繁殖を抑える最小濃度と、非対象生物が影響を受ける濃度の関連を明確にしておくべきである。
 これに対しまして、圃場内等での病害虫・雑草を管理するために必要な農薬の濃度等の使用方法については、薬効に関する試験として審査が行われています。他方、環境中における非標的(非対象)生物に当該農薬が影響を及ぼすかについては、効果が認められる使用方法のもとで考えられるばく露として、環境中の予測量(濃度)によって評価が行われます。
 25番が、農薬について、鳥類、花粉媒介昆虫、土壌生物その他の陸域生物への毒性に応じて、それぞれランクづけを行い、「鳥類等危害性農薬」であったり、「陸域生物等危害性農薬」、こうしたものに指定する。最も毒性が強いランクの農薬は登録をしないこととするというご意見です。
 これに対しまして、環境省では、今般の法改正により、農薬の動植物に対するリスク評価の充実を行うこととしており、毒性の強さに関するランクづけは考えていません。なお、現在、農林水産省において、鳥類、ミツバチ等への毒性が比較的高い農薬については注意事項が付されていることから、ご意見については、農林水産省へ参考としてお伝えします。
 26番、個別農薬の登録保留基準の強化一辺倒だけでは、生活環境動植物・生態系への影響を防止しようとすることには限界がある。環境中でのデータを収集することが第一に求められる。
 これに対しまして、環境省では、農薬による環境中の動植物への影響について調査研究を行っており、引き続き取り組むことが重要であると考えます。
 27番、申請者が提出した生活環境動植物・生態系への影響試験データやその他の調査結果は、国民が検証できるよう、原則、データを全て公表すべき。
 これに対しまして、登録基準値の設定に用いた試験データについて、影響評価を行う上での主要な部分については既に公表しているところであり、知的財産の保護の関係もあるため、必ずしも全てを公表する必要はないと考えます。
 17ページです。
 28番が、化学物質(農薬等)はまず、人体・環境に対して有害との前提で、十二分な事前検証が必要であり、影響がないと確定してから導入すべきというものです。
 これに対しまして、化学物質のうち農薬については、人の健康や動植物への被害を防ぐため、農薬登録制度のもと、次、すみません、ワープロのミスがありまして、「試験結果に基づく審査が行われ」ですので、「を行」の削除をお願いします。審査が行われ、その結果、登録が行われたものだけが、製造、輸入が認められ、使用できることになります。また、今般の法改正により、既に登録されている農薬についても、最新の科学的根拠に照らして安全性等の再評価が行われることになります。
 29番につきましては、「取りまとめ」の漢字、それから、以下のところの字句の統一、OECDの当該略語の定義の記載等が必要といったご意見につきましては、適切に修正を行いますとしております。
 ほか、30番以下の7件でご意見をいただいておりますが、いずれも今回の意見募集の対象ではないとして整理をさせていただいております。
 お時間を要して申し訳ありませんでしたが、説明は以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 大変多くのご意見をいただいたので、ご説明の時間も長くなりましたけども、質疑は、まず初めに意見募集の結果について質疑いただいた後に、資料3-1のほうの意見を伺いたいと思います。まず、生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(第一次とりまとめ)(案)に対する意見募集の結果についてということで、資料3-3について、ご質問、ご意見をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。質問とご意見に対する考え方で、これでよろしいかということなのですけど。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 ご説明、ありがとうございました。
 取りまとめるのも大変だったと思います。これは生活環境動植物ということですよね。それは自然界の動植物とはイコールなのか、それとも、そうではなくて少し異なるニアリーイコールなのかで、考え方がかなり違ってきますね、皆さん、それぞれ受け止め方が違うと思うのですよね。化審法から持ってこられたって、環境省のほうから最初のときに説明がありましたけど、化審法で言っている生活環境動植物の定義とは何ぞや。だから、守るべき動植物とは何ぞやというのを明確にしておかないと、こういう意見がいっぱい出てくると思うのです。それが一つ目の私の印象でもありコメントなのです。明確にしないと、自然界全てを守れなんて、とてもそれはできないことまで、この中では上がってくることになる。
 もう一つここで言わないといけないのは、そのときに、例えば水産動植物であったら、あれはあくまで指標動植物を使って水産動植物を守りましょうというような形だったのです。対象と言っていますけど、あれはあくまで指標なのですね。だから、指標と対象をごっちゃにしている可能性があるのです。全生物で試験しろと言われかねないようなことになりかねませんので、その二つは明確に、そして区別しなければいけないと思う。
 例えば農薬でも、農薬取締法で、このように生活環境動植物、この間までは水産動植物だったものの基準ですけども、化審法で言うと、今度は非農耕地の除草剤等も含まれることになりますよね。化審法と同じ生活環境動植物を対象にするのだったら、これはまた不合理があることになる。整合性をその辺で求めておかないと、いろんな意味合いが出てくる可能性があるような気がします。
 だから、その辺、ここでは急には難しいと思うのですけども、しっかりした位置づけをしないと、いろんな形でどんどん広がりを見せるようなパブコメが上がってくるような気がする。今の長い説明をお聞きして私は感じたのです。皆さんはどういうふうに感じられたかなと思うので、ちょっとお聞きしたい。

【白石委員長】 いかがですか、環境省さんから。

【小笠原室長】 まず、生活環境動植物につきましては、法律で定義されておりますが、人の生活に密接に関係する動植物ということで、あまり人の生活に身近でないようなものまでは含めているものではありません。
 また、今回の生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定につきましても、水産動植物とは異なってくるかと思います。個別具体的な評価対象動植物を何にするかということも一つ一つご審議いただきながら決めていく必要があるものと考えております。

【内田専門委員】 化審法で言うと、その生息又は生育、ここは同じ文言ですよね、ここに書かれているのと。ですから、あくまで、その生息又は生育に支障を及ぼす場合には、人の生活環境の保全上、支障を生ずるおそれがある動植物である。だから、これが皆さん方でそれぞれ考え方がばらばらになるのと違うかなと思う。今までの出てきたパブコメもそうではないかなと思ったのです。だから、いろんな局面でパブコメが出てきていて、取りまとめが大変だっただろうなと思った。

【白石委員長】 まとめ方のところで、その考え方は統一されているような気がするのですけど、質問のことですね。国民に対する対外的な説明が少し足りないのではないかと。

【内田専門委員】 そうです。きちんと国民的な合意を得るという意味では、その辺が大事になると思うのです。

【白石委員長】 では、それは今後の説明の仕方ということで、環境省のほうでも生活環境動植物のありようみたいなものを少しわかりやすくというか、理解しやすいように説明する必要があるのかなと思いますけど。化審法とは、またエンドポイントが若干違って、あれは長期毒性を追っている。こちらは、どちらかというと……。

【内田専門委員】 化審法は濃縮性を、そして長期毒性のほうを中心にしている。

【白石委員長】 そうですね。その辺も少し違うというところがあります。
 ほか、ご意見、ご質問、ございましたらお願いします。

【細見臨時委員】 ちょっと一つだけ、単純な質問ですが。ちょっと教えていただきたいのですが、10ページのトンボに対しての答えで、明らかにトンボのほうが感受性が低いというか、ユスリカの幼虫のほうが高い、これはもう、かなり文献とか何かで証明されていることなのでしょうか。

【小笠原室長】 こちらにつきましては、環境省において、トンボ、それから野生のハチ類につきまして、平成28年の11月から平成29年の11月まで、昆虫類検討会というところで野生のハチ、それからトンボについて調査、検討をしてまいりまして、その中で、トンボのヤゴになりますけれども、ヤゴの感受性についてのデータ、それと、これまでのユスリカ幼虫のデータを比べたところ、基本的にユスリカ幼虫の方が、より感受性が高いというのがそのデータからわかったわけでございまして、それをこちらで活用して考え方として示させていただいております。

【白石委員長】 全ての殺虫剤でやったわけではなくて、そういったデータ。サンプリングした幾つかの農薬の中で、そういった傾向があったというデータをもとになっているということでございます。

【小笠原室長】 全ての殺虫剤のデータではありませんが、主に使える殺虫剤等につきまして調べたものでございます。

【白石委員長】 それで、試験を要求していこうということに。ないものについて。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 7ページ上段ですけど、2、この回答の5行目かな。従来から不確実係数として10を用い、としているのは、これは「藻類以外では」と入れたほうがわかりやすいのと違うかなと思うのでね。

【白石委員長】 そうですね。そのほうが正しいですね。

【内田専門委員】 それと15ページの20番の回答のほうですけれども。野生の天敵については生活環境動植物の範囲に入るものと考えますとあります。今度、天敵に対する影響の取り扱いが変わるようなことも聞いているのですけれども、そういったことをきちんと反映されるのか、今後の見込みもここで入っているのかなと気になったりするのですが、その辺確認をお願いできればと思う。

【白石委員長】 何か、ご回答はありますか。

【小笠原室長】 最初にいただきました藻類のところにつきましては、そのように修正をしたいと思います。
 また、15ページの20番のご質問に対しての回答のところで、野生の天敵についてということですが、天敵につきましては、いわゆる特定農薬とされている天敵もありますが、あれは人工的に飼って農薬として使うものでございますが、そうではない地域従来の野生の天敵については、それは他の生き物と同様に生活環境動植物の範囲に入ると考えますということで、現時点で、ここまでしか整理はできないと考えております。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 ほか、ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 私から1点だけ。6ページ目の4番ですけれども、「いずれかのみを1日に摂餌又は飲水する」という仮定は実態にそぐわないのではないかという質問の回答のところなのですが、そこで下から2行目に「個体単位での急性毒性評価として行うものです」の、この部分が要らないのかなと思って。ばく露のことしか聞いていないので、「ワーストケースを想定した評価として行うものです」としたほうがよろしいのではないかと思います。それで、5ページ目の下のほうの回答とちょっと矛盾するような点もあるように見受けられますので、そこの「個体単位の急性毒性」というのを削除したいと思います。よろしいでしょうか。

【小笠原室長】 ありがとうございます。そのように修正させていただきたいと思います。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 小委員会として、この回答を出すということになりますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【白石委員長】 ご意見は出尽くしたようですので、2点、修正がございますけれども、それを修正した上で案のとおりとしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(はい)

【白石委員長】 では、修正いただいた上で小委員会の決議として(案)を取りたいというふうに思います。ありがとうございました。
 では、次に、資料3-1、資料3-2のとりまとめ(案)についてのご質問、ご意見をお願いいたします。いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 送っていただいた資料を読ませていただいたときに気づいた点が、二三あります。1ページ目の5行目かな、公布の日から2年以内、これ、もう日程が決まっているのであれば、日程を入れてもいいのかなと思う。平成32年4月1日。
 それから、3ページ、さっきと同じ質問になるのですが、3ページの下の表ですけれども、天敵昆虫等は、何か、データが要らなくなるようなことも聞いたりしているのですけれども、この辺の整合性が今後、将来的なところで農水省さんのほうと確認が要るのではないかなというような気がします。
 あと、10ページ目。7から9行目なのですけど、ちょっと読みづらかったのです。「農薬が長く環境中に残留することや、繰り返し使用されることによる動植物への慢性影響も考えられることから」と。これでは、あまりにも強過ぎる表現になっている。一部の農薬ではそういう懸念もある、あるいは想定されるぐらいでいいと思うのです。そうなる場合もあるし、そうでない場合も多くあるよということですよね。

【白石委員長】 ありがとうございます。
 3点、ご質問がありましたけれども、いかがでしょうか。

【小笠原室長】 1点目につきましては、2年以内に施行されるというところは、現時点では既に平成32年4月1日施行となっておりますので、そのように変えたいと考えます。
 それから、3ページの表1でございますが、これは農林水産省におけるリスク管理ということで現状でわかっている範囲で整理したものでございます。今後、どのようになるかということまでは、まだ決まってはおりませんので、こちらの表につきましては、あくまでもこれまでの知見の集積というところでございますので、このまま残しておきたいというふうに考えます。
 それから、10ページのところにつきまして、表現について、「動植物への慢性影響を考えられることから」というところで、一部の農薬ではそうしたことも想定されるということにつきまして、委員の皆様も異論がなければ、そのように修正させていただきたいと思います。

【白石委員長】 ほかの委員の方々、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。全ての農薬がこうとは限らない、それは確かだと思いますけど。よろしいでしょうか。ご意見、いいですか。
 はい、どうぞ。

【山本(裕)専門委員】 細かい話で申し訳ないのですけれども、4ページ目のOECDの取組のところで、(2)なんですけれども、23行目にテストガイドラインの話が書かれているのですが、現在247まで公開されているので47かと思ったのですけど、たしか204というのが取り消されているから46の間違いじゃないかなと思うのですけど、ちょっと事務局でご確認をお願いできればと思いました。
 あと、もう一点、せっかくなので。別紙1のところについて、学名と和名についてかなり整理をいただいて、事務局でいろいろ工夫をしていただいているのですけれども、まだ一つだけ学名だけしか書かれていないのが、表2の米国における評価のSkeletonema costatumというのがあるので、これだけはないのか、もう仕方ないのか、わからないですけど、ちょっとほかのところが和名で全部、頑張って書かれているので、少し気になりましたが、どうしてもないのだったら仕方ないですけれども、片仮名で「アナベナ」とか書いているところもあるので、そこのところも工夫されたほうがいいのではないかなとは思いましたが、大した話ではないと思います。
以上です。

【白石委員長】 すみません。先ほどの一部の農薬というところを入れてよろしいですか。

【山本(廣)臨時委員】 一部の農薬の、この最初につくだけですか。

【白石委員長】 ここの、「一部の農薬においては」ですかね。あるいは、その薬剤、影響も一部の農薬では考えられる。何か名指しをしているような感じがしないでもないですが、どちらがいいですかね。このままでもいいかもしれない。いかがでしょう。

【山本(廣)臨時委員】 7行目の冒頭の「農薬が」ということをやめて、「長く環境中に残留したり、繰り返し使用されることによる動植物への慢性影響も考えられる農薬もあることから」とか、何か、そのようにしたらいいのではないですか。それから、その次の「農薬」は取ってしまって、「長期ばく露による」というふうに。だから、「考えられる農薬もあることから、長期ばく露による影響の観点からのリスク評価」とかにしたらどうですか。

【白石委員長】 いいですね。じゃあ、「農薬が」を取って、その「農薬が」を「考えられる農薬もあることから」。「があることから」、「もあることから」。「も」ですかね。

【内田専門委員】 もう一つ。似たような表現なのですけど、別紙2の20ページです。アンダーラインに入れてもらったところですけど、「農薬取締法では陸域の動植物を評価対象としていないという制約があった」と。これでは、すごく意気込んでいるような気がするのです。そうじゃなくて、そうでなかったというだけでいいと思う。制約というのは、そうしなければいけないのに、そういうことができなかったというような印象を与えます。過去の取組が否定的であったような印象を受けるので、よくないと思う。過去は過去として大事な取組をしていたと思います。

【白石委員長】 「してこなかった」ですかね。「してこなかったことから」。

【山本(廣)臨時委員】 これは、ミツバチのほうではないのですか。

【内田専門委員】 そうですね。いずれにしても制約というのは、よくないと思う。

【山本(廣)臨時委員】 いやいや、対象としてこなかったため。カイコやミツバチは陸域じゃないのかな。

【白石委員長】 陸域の生物ですね。野生の動植物。カイコは家畜ですよね。

【山本(廣)臨時委員】 家畜ですよね、カイコもミツバチも。

【白石委員長】 じゃあ、どうしましょうか。「農薬取締法では陸域の野生の動植物を評価対象としてこなかったことから」とか。

【内田専門委員】 していなかったという。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょうか。先ほどの山本委員の4ページ目の46種類じゃないかということは、ご確認いただいて、数字は適切に直していただければよいと思います。
 あと、学名ですか。学名はいかがですか。

【小笠原室長】 適当な表現があるかどうか、再度、確認をしまして、なければ、このままでいかせていただきたいと思います。

【白石委員長】 よろしくお願いします。
 ほか、ご意見、ご質問、お願いします。
 はい、どうぞ。

【後藤専門委員】 12ページの表1なのですけれども、読み返してみると何か、もうちょっと工夫をしたほうがよかったのかなと思われる部分があって。それは、表現の仕方で、「顕著な感受性差が明らかでない」という、この言葉自体にもちょっとひっかかるところがあります。それが、この表としては「ムレミカヅキモに比べ感受性が顕著に高い種」という項目になっているのだけれども、「顕著な感受性差が明らかでない」という記述が多くて、これが10個あるのですね。それに対して種名が書かれたカラムというのが三つしかないということで、そういう意味では、この表は、スマートさに欠けると言ったらいいのでしょうか、そういう気がしました。
 それで、注2なのですけれども、この説明もちょっと読み取りにくいところがあります。「ムレミカヅキモに比べ感受性が顕著に高い種」とは、「調査対象の複数の同系統農薬で同じ試験生物種に対する毒性試験成績が得られたものについて」というふうになっているのですけれども、調査剤数が実は1というところが幾つかあって、条件に当てはまらない、調査剤数1では。じゃあ、ここで考えている条件には当てはまらないというような読み方もできるのではというところがありまして、この表自身の表現というのは、資料としてこれを出すという必要性はあると思うのですけれども、もうちょっとわかりやすい表に修正したほうがよかったのではないかと。今ごろ申し上げて申し訳ないのですけれども、眺めてみると、やっぱりちょっと違和感があるな、というところがあって非常に気になっておりました。これが一つです。
 あと、LD50とかEC50のところで文字が下つき文字になっていない部分が散見されますので、これについては修正をお願いしたいと思います。例えば、13ページは直っているかな。13ページの表2の真ん中ぐらいですね、これの左側のところが「『EC50』の」というような形で、ところどころありましたので、それは後で細かく見ていただいて修正をいただければよいのかなと思います。
 あと、鳥類のほうも一緒に言ってもいいですか。32ページです。下のほうのエの昆虫というところの②なんですけど、「スポット処理等、限定された範囲に処理するもの」という記載があるのですけれども、このスポット処理というのが、こういうときに使っていい表現なのかどうか、あるいは具体的に何を示しているのかが明確に伝わる表現かどうかというところがちょっと気になりました。
 以上です。

【白石委員長】 では、何かご回答があればお願いします。表1、どうしましょうかね、これ。嘘ではないというか。スマートさに欠けるということなのですが。1とかいうのがあるから。どうしましょう。あまりアイデアがなければ、このままでもいいような気がしますが、いかがでしょうか。何かアイデアはございますか。いいですかね。データが一つしかないということも、重要なあれかもしれないので。一つしかないけど……。

【内田専門委員】 「顕著な感受性差」が、がダブっているので、「ない」だけ「明らかでない」だけで良いのかも。

【白石委員長】 じゃあ、ただ単に「明らかでない」にすればいいですか。「顕著な感受性差が」を省く。でも、顕著な感受性差が明らかでないことが明らかなのですよね。

【後藤専門委員】 あるいは、「感受性差を示すデータがない」、「資料がない」とか、そういうことですかね。

【内田専門委員】 対象がないのでしょう。対象除草剤がないというか、対象生物がないかのいずれかですよ。

【白石委員長】 ああ、生物がないということですね。

【内田専門委員】 種がないということです。だから、感受性差はない。

【白石委員長】 種がないのですね。

【後藤専門委員】 項目が「高い種」となっているのに対してでしたら、「ない」ことを示すということなのか、あるいは顕著な感受性差を示す種はないというところでしょうか。でも、1だとすれば、種がないというよりは示す情報がないということなのだとは思うのですけど。

【小笠原室長】 事務局のほうから補足をさせていただきますと、こちらの表は、もともとムレミカヅキモが最も感受性が高い種としてこれまで知られていたということでしたが、実際にはいろいろな除草剤としての作用があるものについて調べたところ、他の藻類等の方でより感受性が高いことが確認できているものは三つあり、それ以外につきましても、これまでの調査、データからでは直ちにムレミカヅキモが感受性が高いとは限らないということがわかったということを示したかったものでございます。

【山本(廣)臨時委員】 この表があるから大変難しいので、前のページの30行目に作用機構分類が、ALS阻害、プロトポルフィリノーゲン酸化酵素阻害など、B、E、F2ですか、その三つの作用機構を持つ除草剤では感受性が顕著に高かったということだけ書けばいいのではないですか。これがあるから、話があっちへ行ったり、こっちへ行ったりしますよね。

【後藤専門委員】 ネガティブなというか、データがないことを表1でいっぱい書くよりも、文章で必要な情報だけ。ムレミカヅキモよりも感受性が顕著に高い種が、このような作用機構分類の薬剤に対しては見つかったということが明記されればよいということで、表の形を必ずしもとらなくてよいという、ご意見に同意します。

【山本(廣)臨時委員】 何種類だったかというのが必要なのかな。特に、そこまでは要らないような気がするけどな。

【白石委員長】 二兎を追っているのですね。今までの不確実係数1だったのがよいということを示すのと、それが足りなかったということ、二つを示したかった表になっているように見えますが。

【山本(廣)臨時委員】 そういうことかな。高いことが明らかになったとか、そういうことでいいのかなと思うけどな。

【白石委員長】 表をドロップしますか。

【山本(廣)臨時委員】 皆さんは、どうですか。ごちゃごちゃ書く必要はないと思うけど。

【白石委員長】 いかがでしょう。あっても特段、問題はないような気もしますけど、ちょっと見にくいのなら「顕著な感受性差が明らかな種は見つからなかった」ということですかね。書くとしたら、そういうことかな。あるいは、まとめちゃいますか。明らかでないまま。作業分類で調べて明らかでないものもあったということをデータとして示しておくことは、悪いことはないという気がしますけれども。このままで。いかがでしょうか。文章だけでもわかるということとすると、B1、E1、F2について、何か文章にすればいいわけですね。

【山本(廣)臨時委員】 ここに書いてある作用機構を書けばいいと。

【白石委員長】 ええ、書けばいいと。については、ということですね。

【稲生専門委員】 一応、これ、出典があって、そのデータに基づいてまとめられた表ということなので、最終的にわかりにくいからネグっちゃうというのもあるかもしれないけれども、この出典からいくと、こういう整理になったということは明確に示す必要があるかなと。わかりやすくしたつもりで、ネグっちゃったことによって、ほかの部分がどうだったかということは明確に示しておく必要があるかなということなので、少なくとも、この表は残しておいても構わないかな。それで、本文中にちょっと補足するというような形のほうが、私はすっきりするかなとは思うのですけれども。
 まとめ方は好みの問題もあるので、いろいろご意見はあろうかと思うのですけど、きちっとした環境省さんがやられた事業で、データに基づいてまとめられたという流れがここでできているのであれば、無理にネグる必要はないかなとちょっと感じました。

【白石委員長】 ありがとうございます。

【山本(廣)臨時委員】 出典は、ここに書けばいいでしょう。前のページの31行目の、それぞれ感受性が顕著に高かった、括弧、環境省の何とか事業報告書。だから、引用先だけが書いてあったら、これを見れば、この表が出てくるわけでしょう。

【稲生専門委員】 それが、すぐに見られる資料だったらあれなのですけれども、これだと公開請求しないと見られないという、要は、ホームページに載っていないような情報なので、それだったら概略すればこうでしたという表を載せたほうがいいかなと。私は、そういう意味で言ったつもりなのですけれども。

【白石委員長】 ほかの先生方、いかがですか。根拠は残しておいたほうがいいのだろうと、私も気がします。すぐ手に入ればいいんですけど、これはちょっと入手しがたいような。手間がかかるかもしれないですかね。ホームページに出ているような資料なのですかね。

【羽子田補佐】 国会図書館などに報告書としては納められていますけれども、複数年にわたってやったものを今回、整理をさせていただいたものなので、この表はここにしか今はないという状況です。

【白石委員長】 では、残しておいたほうがいいような気がします。ただ、「顕著な感受性差が明らかでない」と。ここは、ちょっと文章はカラムの内容とあわせて、「明らかな種はない」とか。「該当なし」ですかね。では、「該当なし」ということで。それでいかがでしょうか。じゃあ、その部分は「該当なし」ということにしていただくと。
 ほか、何かございましたか。

【羽子田補佐】 ご指摘のありました鳥のところの昆虫のばく露のシナリオから外すものというところで、「スポット処理等」というふうに書かれているものでございますが、ここで指していますのはスポット処理、方法としてスポット処理というものがございます。スポット処理ですとか塗布などで、限定された範囲に処理するために昆虫へのばく露がないものということを表現したところでございますけれども、そのように少し正確に書くということでよろしいでしょうか。

【白石委員長】 スポット処理は、具体的には何を指すのですか。

【羽子田補佐】 スポット処理という方法が、限定的な範囲で。

【白石委員長】 あるのですね。

【羽子田補佐】 はい、あります。スポット処理で登録されているものもございます。

【白石委員長】 そのままで通じると。登録があるそうです。よろしいですか。

【後藤専門委員】 もし上に合わせるのだったら、限定された範囲に処理するもの(スポット処理など)とかにしたほうが、表現がそろうかなという気がしますが。
 あと、スポット処理というのが、圃場の一部の作物のみに処理するという意味で使っているということでいいですか、理解としては。

【内田専門委員】 局所施用でしょうね。

【羽子田補佐】 そうですね。樹木ですとか、いろんなケースがあって、全てを今見てはおりませんけれども、限定された局所的な施用のことを指していることは確かです。少し用語の補足をしたほうがよいということでしょうか。

【内田専門委員】 局所施用では1カ所やと思うのですけど、スポットといったら多数あるみたいな印象がするのですよね。局所施用のほうがいいかも知れません。

【羽子田補佐】 では、こちらのほうで表現自体は、どのような施用方法かがわかるように、実際にばく露をしない方法として、どういうものを想定しているかがわかるように表現ぶりを工夫するということで。

【白石委員長】 では、ちょっと修文していただくということで、よろしいでしょうか。

【羽子田補佐】 はい。

【白石委員長】 では、その部分は修正していただくということにします。
 ほか、ご意見、ご質問をお願いします。よろしいでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 特段ないようでしたら、よろしいですか。幾つか修正、修文が入りましたけれども、そちらの修正をしていただくということで。あと、修文の内容につきましては、最終的には私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。

(はい)

【白石委員長】 そういう形で、まとめさせていただきたいと思います。では、修文いただいた上、私のほうで確認して最終案とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 1個だけコメントです。ご参考のために。14ページの11番のパブコメのところですけど。欧米で使用量が少ないのに、なぜ日本とか韓国で多いのだというようなことが書かれているのですけど、以前調査をしたことがあるのですけど、アメリカでもカリフォルニア州だけをとってみると、アメリカ平均の7倍から9倍ぐらいだったのですよ。だから、ここに書かれているように作物とか、そういう気候とか、そんなのだと思うのですけれど、もう少し種別とか、統計のとり方によっては結構近い数値が出る可能性もあるような気がする。かなり前なので出典は忘れましたけど、向こうの教科書にはそういうようなものもあったので、ちょっと。一度、調査されてもいいかなと思います。

【小笠原室長】 情報、ありがとうございます。

【白石委員長】 では、参考情報として。ありがとうございました。
 ほか、よろしいですか。

(なし)

【白石委員長】 では、以上で生活環境動植物に係る農薬登録基準の設定について(とりまとめ)の審議を終了します。
 事務局より、本件に関する今後の予定について、ご説明をお願いします。

【小笠原室長】 本日、取りまとめていただきました第一次とりまとめにつきましては、1月29日に予定されています土壌農薬部会におきまして了承を得て、中央環境審議会会長から第一次答申をいただきたいと考えています。その後、農業資材審議会の意見を伺った上で告示の改正を行う予定としています。また、意見募集の結果につきましては、第一次答申と同日付で環境省のホームページで公開することとしております。

【白石委員長】 今後の予定につきまして、ご質問はございますでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 よろしければ、ここで10分間程度、休憩に入りたいと思います。25分から議事を再開したいと思います。よろしくお願いします。

(休憩)

【白石委員長】 皆さん、お集まりになったようですので、議事を再開します。
 議事の2番目、事務局から、まず諮問書を紹介してください。

【福澤主査】 それでは、資料4をご覧ください。
 こちら、1ページ目からご説明させていただきます。こちらは、平成29年10月に環境大臣から中央環境審議会に諮問された諮問書でございます。
 ページをおめくりいただいて2ページ目の下から2番目、プロパルギット又はBPPS、こちらが今回、水産基準値についてご審議いただく剤になります。
 ページをおめくりいただいて4ページ目、こちらのとおり平成29年10月に土壌環境部会に付議がなされております。
 次に5ページ目、こちらは平成30年7月に諮問がなされたものでございまして、6ページ目の上から3番目、カルボスルファンを今回、水産基準値のご審議をいただくことになっております。
 8ページ目、こちらも、ご覧のとおり平成30年7月に土壌農薬部会に付議がされております。
 次に、9ページ目、こちらは平成30年12月の諮問でございますけれども、ページをおめくりいただいて10ページ目の一番上、フェンチオン又はMPP、またページをさらにおめくりいただいて12ページの別紙2のインピルフルキサム、テトラコナゾール、フェニトロチオン又はMEP、こちらが水濁基準値でご審議いただくものでございます。
 13ページのとおり、平成30年12月に土壌農薬部会に付議がなされております。
 説明は以上です。

【白石委員長】 それでは、議事の2、水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 この件につきましては、農薬小委員会に先立ち水産動植物登録基準設定検討会において、基準値設定の根拠となる農薬登録申請者から提出された試験結果や公表文献について精査を行うとともに、これらのデータに適用する不確実係数等を設定し、基準値案を策定していただいております。
 事務局から、資料の説明をお願いします。

【秋山係員】 それでは、資料5をご覧ください。
 水産動植物の被害防止に係る農薬登録基準値案に関する資料でございます。本資料は、水産動植物登録基準設定検討会においてご審議いただいておりますので、検討会でどのようなご指摘、審議が行われたかについても簡単にご紹介させていただきます。
 それでは、1ページ目のカルボスルファンから説明に移らせていただきます。
 こちら、一度、小委で審議されておりまして、第64回の小委から差し戻しとなった剤でございます。差し戻しとなった理由としましては、水産PEC算出時におけるパラメータ、また非水田PECについて、投下量が最大となる場合における算出値についても確認を求められたことによるものです。今回は、その回答も含めて説明させていただきます。
 物質概要、作用機構等については、変更はございませんので説明は省略させていただきます。
 まず、各種物性についてなんですけれども、1カ所、訂正がございます。生物濃縮性について、こちら、5μg/Lということで記載してありますが、正しくは0.5μg/Lでしたので、訂正させていただきます。
 また、2行目の9.6なのですけれども、こちら、試験濃度が魚類の致死量に近い濃度であり、データとして不適切ではないかというコメントを水産検討会のほうでいただいておりますので、前回の小委の資料からは削除しております。
 続いて、1ページめくっていただいて、水産動植物への毒性についてです。魚類について、LC50は65.4μg/Lということで、前回の小委から変更はございません。
 また、甲殻類についても、EC50は0.703μg/Lということで、こちらも変更はございません。
 1ページめくっていただいて、4ページ、5ページのヨコエビ、ヌカエビについても、前回の小委から変更はございませんので説明のほうは省略させていただきます。
 そして、6ページに移りまして藻類ですが、こちらは訂正がございます。前回の小委員会では有効成分換算値ということでEC50を8,770μg/L超ということで記載しておりましたが、こちら、試験時に原体の純度を考慮して試験溶液を調製しておりましたので、10,000μg/Lに訂正させていただきます。失礼いたしました。
 続いて、7ページに移りまして水産PECについてです。まず、訂正事項としまして、水産PECの算出に用いました水質汚濁性試験が、こちらが実水田において実施されておりましたので、実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験成績ということで訂正させていただきます。よって、より実環境中に近い算出結果ということになりますので、当初、第2段階ということで記載しておりましたが、こちらも第3段階ということで訂正させていただきます。
 また、止水期間についても、前回の小委では3日ということで記載しておりましたが、特段、止水に関する注意事項の記載等がなかったため、こちらも0日ということで、再計算しております。
 なお、前回の指摘事項としまして、使用方法による農薬流出係数、こちらが箱処理ですので0.2が正しいのではないかということでご意見をいただいたところです。事務局で確認しましたところ、実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験については、欄外にも記載してあるとおり、箱処理で実施されているため1が妥当ということを確認しましたので、その旨、報告させていただきます。
 以上を用いて、水産PECを再計算しましたところ、前回の小委では0.0052μg/Lということで記載しておりましたが、こちら0.015μg/Lということで訂正させていただきます。
 続いて、8ページです。こちら、非水田のPECになります。数値に変更はございませんが、前回の小委員会において、適用の中で最大投下量における水産PECの算出値についても確認を求めるようご意見をいただいております。事務局で確認しましたところ、キクへの適用で1ha当たりの投下量が40,000gと、最大投下量ということになっておりました。しかし、処理方法が土壌混和、灌注に該当するため、使用方法による農薬流出係数を0.1として計算しておりますので、水産PECはこちらに記載してあります0.021μgを下回る0.016μgということになっております。以上より、非水田PECについては、前回の小委から特に変更はございません。
 続いて、9ページの総合評価についてです。毒性値については、藻類に変更がありましたが、値が大きくなる変更となりますので、甲殻類の最小値の値を持ってきまして0.04μg/Lを登録基準値案として提案させていただきます。こちらも、前回から変更はございません。
 リスク評価についてですが、こちらも前回から変更はなく、水産PEC、0.021μg/Lを登録基準値が超えていないことを確認しております。
 続いて、1ページめくっていただいて、10ページの参考1についてです。カルボスルファンの代謝物のカルボフランについても水産PECのを算出しております。まず、前回からの修正点としまして、先ほどのカルボスルファンと同じ理由で水質汚濁性試験成績を実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験ということに訂正しております。また、よって第2段階も第3段階ということで訂正しています。また、使用方法による農薬流出係数については、こちらも前回0.2ということで記載しておりましたが、実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験、こちらが箱処理で実施されておりましたので1に訂正させていただきます。なお、剤形及び単位面積当たりの投下量も、カルボスルファンの最大投下量ということで、訂正してあります。以上から、算出結果については0.013μg/Lから0.063μg/Lに変更となります。
 なお、カルボフランの水産PECの算出をするに当たり、こちら、3%粒剤を用いた試験結果を用いて水産PECのほうを算出しておりますが、5%粒剤を用いた実水田を用いた水田水中農薬濃度測定試験のほうも提出されておりまして、そちらのほうの値を用いて同様に水産PECのほうを算出してございます。その結果、0.035μgという値となりましたので、今回、より値が大きくなるほうを記載するということで対応させていただきました。
 続いて、資料6をご覧ください。
 まず、参考なのですけれども、カルボスルファンの分解代謝物のカルボフランについてということで、まとめさせていただきました。こちら、事前送付資料の6に該当する内容を要約したものとなります。
 代謝物としてカルボフランを生じる農薬に、そのほかベンフラカルブがございます。カルボスルファン由来のカルボフランとベンフラカルブ由来のカルボフランの水産PECの合計値、こちらのほうを算出しまして、文献調査より得られたカルボフランの毒性値の最小値、こちらはヨコエビで0.28μg/Lとなりますが、こちらの値と比較しまして超えていないということを確認しましたので、代謝物のカルボフランについても特に問題はないということで整理させていただきます。
 続いて、同じく資料6の2番なのですけれども、水産基準値案と水産PECの関係ということで、カルボスルファンについては基準値が10分の1以上になることが確認できませんでしたので、モニタリングの対象ということにしたいと考えております。なお、こちら、分解が速い化合物ということになりますので、モニタリングの対象はカルボフランとしたいということで考えております。
 以上については資料7番にも記載してございまして、こちら、3ページと4ページに水道統計によるカルボフラン濃度の調査結果を記載してございます。網かけ部分が、水産基準値を超えて検出された地点ということになっております。このように水産基準値を超えて検出されていることと、あと、先ほど申し上げましたとおりPECと基準値が近接しているということから、農薬のモニタリング方法に従いましてカルボフランをモニタリングの対象物質としますということで整理しております。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 では、審議は1剤ずつお願いしたいと思います。まず、ただいまのカルボスルファンにつきまして、ご質問、基準値案についてのご意見、ございましたらお願いします。いかがでしょうか。毒性のほうは審議済みで、若干、数値の修正等がございますけれども。PECのほうですかね。ご意見、ございましたら。

【稲生専門委員】 PECのほうですけれども、結構、混み入っているところを整理していただいたということなのですが、最近、ちょっと事務局のほうでケアレスミスが多いということなので、今回に関しては、私、公開されているエクセルシートで、きちんとデータに基づいて本当に間違いがないかというのを一回確認してみました。
 それで、実水田を用いているということで、0、1、3、7、14日のデータを用いていて、恐らく検出下限値未満の場合は検出下限値を入れているのかなということで計算したのですが、合いませんでした。というのは、恐らく、元データを見ると、0、1、3、7、14以外にも2日、4日、5日、10日のデータがありまして、そのデータを使って計算すれば、この0.015が最大になったということで納得したのですが。要は、この評価書というのは、このデータを使って計算すれば誰でも同じ結果が導けるというような状況で公表しないといけないので、少なくとも使ったデータはここに載せるべきだというふうに思います。それは、カルボフランのほうも同様にすべきだと思います。
 それで、先ほど、本来ならば5%粒剤でやった結果を用いるべきだけれども、3%のほうが高かったのでということなので、これは、今、説明いただいたからわかるのですが、そこを明記すべきかどうかというのは皆さんのご意見もいただいたほうがいいかなと。要は、わざと少ない量のやつで計算しているのではないかという誤解も生じるかもしれないので、ちょっと、そこが気になったところです。
 それと、基準値に近接しているということでカルボフランを分析されるということなのですが、物性からいくと、すぐに分解してということはあるのですが、カルボスルファンの基準値が0.04ppbということで、かなり小さいということなので、本当に親は出てこないのかというのは、やっぱり確認してみないとわからないというところがあると思うので。これ、分析法の問題もありますので、に実際にモニタリングできるかどうかというのはあるのですけど、最初から、これをネグっちゃうというのはちょっと問題かなと。ベンフラカルブからもできるのだったら、ベンフラカルブも同様に分析対象と一応しておくというのが筋じゃないかなと。その上で、こうこう、分析法上、こうでとか、あとはもろもろの使用状況に応じてとか、そういったことで最終的に判断をするということなので、ちょっと、この対応のところは、ここまで書くと書き過ぎかなというふうに感じました。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございます。事務局から、ありますか。

【秋山係員】 では、ご指摘いただいたところなのですけれども、まずPECの計算シートについても、一応使ったデータについては全て記載するということで、訂正のほうをさせていただきます。
 そして、あとモニタリングの対象物質についても、こちら、資料6のほうにはカルボフランのみを分析対象とするということで記載してあるのですが、こちらのほうも、訂正させていただきます。

【白石委員長】 全部、載せるのですか。

【稲生専門委員】 今のは、私がコメントしたことに対してどうするかというところについて考えていただきたいということなので。私は事務局ではありませんので、コメントに対して、どういう考え方に基づいて整理するのかという、そこをお聞きしたかったので、ちょっと何か筋が違うのではないかなというふうに思いました。

【秋山係員】 失礼しました。また整理して。

【稲生専門委員】 要は、情報として欲しいのは、カルボスルファン、ベンフラカルブというのが本当に分析できるのか、できないのかという知見があった上でこうしたのかとか、使用状況も踏まえてこうしたかとか、そういったことを含め、この結論に至ったバックグラウンドがどうだったかというところを確認したかったというところがありますので。何も、委員がこうせいと言ったからではなくて、どういう考えに至ってこの結論が導かれたのかというところを聞きたかったということなのですよ。ですので、そこをちゃんと勉強していただいてから審議にかけていただきたいというのが私の気持ちなわけです。

【白石委員長】 使ったデータを載せるということはいいと思うのですけど、それは可能なのですか。

【内田専門委員】 あるのでしょう。見られているから、あるのですよね。

【秋山係員】 あります。

【白石委員長】 それなら、可能であれば載せたほうが根拠が明確になるので、載せたほうがいいような気がします。
 それと、3%のことが、ちょっと10ページ目がよくわからなかったのですけど。剤形は5%粒剤と書いてあって、だけど3%で実施した、何ですか、実水田を用いた、両方、二つデータがあったのですか。二つデータがあって、高いほうをやったと。上のほうが、でも剤形3%と5%と、ここで書きかえているのが何か変な感じがしますけど。

【稲生専門委員】 私も最初、この表を見たときはすごく混乱しまして。ただ、表6のほうで書く剤型というのは、一番PECが高くなる、要は単位面積当たりの使用量が多くなる使用方法を書くということなので、5%粒剤になると。ただし、実水田を用いたほうは5%でやるのが当然なので、その結果を用いるということなのですが、結果だけ見ると3%粒剤でやったほうが高く出たので、そっちを用いましたと。これも非常に混乱を招くところなので、その辺、事務局に記載の仕方も含めて考えてくれと言っていたのですが、あまりクリアにならなかったというところなので、ここで審議していただきたいなという、そういうことになります。

【山本(廣)臨時委員】 Tier1でやるときに一番高くなる5%でいろんな計算をしていくというのはいいと思うのだけれども、実水田で実際に3%粒剤を使ったTier3。Tier2でもないわけですよね。実水田でやっているということであれば、使った濃度でやり、それから、もう一つ、参考までに例えば5%を使ったときのデータをシミュレーションして出しておくみたいな、そんなような話なんじゃないかなと思うのです。この表だけで、上が5で3を使いましたというのは、ちょっと、やっぱり、見た感じ、これは何をやっているのだろうという感じはしますよね。

【稲生専門委員】 山本先生がご指摘いただいたように、非常に、どっちを直しても混乱するので。結局、これ、上のシナリオで、単位面積あたりの使用量が幾つでも全然、結果は変わらないのですよね。田面水中濃度の実測データを使っているので、変わらないということがあるので、そういうことであれば、もう、この水田水中農薬濃度の試験をやったときの条件を書くというのが妥当かなとは思います。
 ただし、これが最大使用量のところではないですよという、その辺は、やっぱりフォローしておく必要はどこかであるのかなと思ったので。結局、試験成績のほうをフォローアップするのか、それとも使用方法のほうでフォローアップするのかというのは、書き方をうまくやらないと、どちらにしろ何か問題が生じるかなとはちょっと思っております。

【白石委員長】 上の部分は、全部関係なくなるわけですか。

【山本(廣)臨時委員】 そうですよ。

【白石委員長】 必要ない。第3段階のときの表というものが必要になってくるね。

【山本(廣)臨時委員】 そうそう。だから、下の0.0123というところ、その数字だけがあればいいわけですよ。

【白石委員長】 そうですね。

【山本(廣)臨時委員】 どういう条件でやったかということだけを書いておけばいいのです。

【白石委員長】 5%もあるなら、5%も書いておけばいい話だけなのかもしれないですけど。二つあって、そのうちの最大値をとったという脚注があればいいわけですね。それでよろしいのではないでしょうか。
 はい、どうぞ。

【細見臨時委員】 単純な質問で。3%粒剤と5%粒剤の実水田のデータがあるのですね。だけど、5%のほうが本来、高いはずなのに。

【白石委員長】 粒剤によって違うのではない。剤形によって。

【山本(廣)臨時委員】 ただ、まく量が違うかもしれませんね、5%のほうは。

【細見臨時委員】 いや、同じ。

【山本(廣)臨時委員】 一緒なの。

【細見臨時委員】 うん。こういうデータを見せられると、実水田のデータって、本当に具体的にどのぐらいの広さで、どうやってサンプリングされてというのは、何となく疑問を持ちたくなってしまうのですよね。試験水田だったら多分、出口が水口とかと決まっていると思うのですけど、実水田というのはサンプリングをどこで取るかによって、多分、難しいですよね、恐らく。この辺が、ちょっと今、調査方法がどこにあるのか調べてみたのですが、よくわからなかったのです。要は、実水田の試験方法というのは、決められた面積とかやり方とか、あるいはサンプリングの方法とかが決められているのだったら。これ、どこか、事務局、わかりますかね、それは。載っていますかね。ぱらぱらっと見たとき、ちょっと今、見つからなくて。何か決められた方法があって、それにのっとってやったとか、ちゃんと書いていただければ、もうそれでいいと思うのですけど。

【内田専門委員】 箱処理して、その後の実水田濃度だから、結構ばらつきが大きいと思う。

【稲生専門委員】 時間短縮のために事務局をばたばたさせておいて、一応、私、ガイドライン、こういうことも想定して持ってきているのですけど、「十分な面積、5から30a」というふうに書いていますので。当然、この試験がガイドラインを満たしているということは、FAMICさんのほうで恐らくちゃんとチェックされて出してきていると思いますので、そこを疑い始めると切りがないということなのですが、一応、広さも決まっていますし、あまりざる田で水を入れてじゃぼじゃぼ外に流れていくのではなくて、減水深が1cm以内とか、そういったところの規定がきちんと守られている上で試験されているということであれば、問題ないのかなというふうには考えております。
 それで、やっぱり、ちゃんと散布量に依存して濃度が高くなってほしかったなというところはあるのですが、そのときの試験条件ですとかいろんなことでこれぐらいの振れはあるのかなというところで、ちょっと仕方がないかなというふうには私自身も思っています。

【白石委員長】 では、10ページ目は第3段階試験の項目をここに書けばいいという、書いたほうがいいという感じですか。30aだったのか5aだったのか、わからないですけれども、わかっているならば。

【稲生専門委員】 ちょっと事務局に考えてもらって。

【白石委員長】 そうですね。

【稲生専門委員】 我々があまり言い過ぎると、事務局が何も勉強しないので。

【白石委員長】 厳しいですね。じゃあ、ここの表のつくり方については、少し考えていただいて。

【服部補佐】 では、今まで第1段階、第2段階、第3段階と割と同じ様式を使っていた結果、第3段階に向いていない表の形になっているというところがありますので、ちょっと表の書き方について、第3段階とか第2段階というところを、第1段階と同じ書き方ではなくて違う形で今度から用意するかどうか、少し事務局のほうで検討します。今回、ここで了承というのも難しいと思いますので、また次回、第3段階の形でPEC算出の表をもう一度用意させていただいて、そこでご審議いただければいいかなと思いますけれども。

【白石委員長】 それでよろしいですか。

(はい)

【白石委員長】 じゃあ、そのようにさせていただきます。じゃあ、PECのほうは、そう整理を。

【細見臨時委員】 その際に、できれば第1段階ではこう、第2段階ではこう、第3段階でこうなったというのがわかると、変な、表、5%粒剤のところにこだわらなくてもいいかなとは思うのですけど。

【白石委員長】 それも含めて、ご検討いただくと。

【細見臨時委員】 含めて検討していただければと思います。

【白石委員長】 それから、モニタリングのところですけれども、これも、どうしましょうかね。あまり細かく規定するのもできないかもしれないので。

【羽子田補佐】 モニタリングについてでございますけれども、カルボスルファンとカルボフラン、それからベンフラカルブ、これについては、分析機関などにお聞きし、測定はできるということですけれども、何の値と比較するかで定量限界を下げていかなければならないということですので、そのような検出上の課題は幾らかあるということでございます。分解性を勘案しますとカルボフランということで妥当ではないかと思いましたけれども、分解性の関係や、環境中に本当に残らないか、測定できるかなども含めて、代謝物の関係、幾つかの農薬であるかと思いますけれども、これらの何を対象に、どう測っていくかということを、専門家の先生との整理も必要かと思いますので、ここで限定せずに、取り扱いについては残留農薬対策事業などでも検討してまいりたいと考えております。

【白石委員長】 では、特に「なお書き」を削除すればいいですか。「なお、カルボフランについてはモニタリングする」みたいな感じですかね。既に、ベンフラカルブは対象になっているのですよね。モニタリング。なっていなかったのでしたっけ。その辺を整理して、では、モニタリングの仕方については検討していただくということで、よろしいでしょうか。いずれにしても、カルボフランを測定すると。カルボスルファンについては、分析可能かどうか検討した上で測定対象に加えるかどうかを決めるということで、よろしいでしょうか。

(はい)

【白石委員長】 ほか、いかがでしょう。よろしいですか。

 特に、総合評価で修正点は多分ないと思いますので、ここは確認していただいたと思いますが。リスク評価ですが、登録基準値が0.04μg/Lで、水産PECは0.021であり、これを超えていないということでよろしいでしょうか。評価書の細かい修正につきましては、また次回、見せていただくようにお願いしたいと思いますが、評価については、これで確定したいと思います。よろしいでしょうか。

(はい)

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、次に移っていただいて、フェンチオン、お願いします。

【服部補佐】 資料5、11ページ目、フェンチオンをご覧いただけますでしょうか。
 評価対象農薬の概要で、まず1番、物質の概要については記載のとおりとなっています。
 2.作用機構等ですけれども、有機リン系の殺虫剤で、その作用機構は中枢神経系のアセチルコリンエステラーゼ活性を阻害するものとなっています。本邦での初回登録は1960年、製剤は粒剤及び乳剤が、適用作物は、いも、豆、樹木、芝等があります。原体の輸入量は記載のとおりとなっています。
 各種物性は、こちらの表に記載のとおりとなっています。
 水産動植物への毒性についてですが、魚類についてコイを用いた魚類急性毒性試験が実施され、96hLC50は2,400μg/Lでした。
 続いて甲殻類ですけれども、オオミジンコを用いたミジンコ類急性遊泳阻害試験が実施され、48hEC50は0.87μg/Lでした。
 藻類ですけれども、ムレミカヅキモを用いた生長阻害試験が実施され、72hErC50は1,580μg/Lでした。こちらで、表3について記載の誤りがありましたので修正させていただきたいのですが、初期生物量について10,000cells/mLと、ここ、書かせていただいているのですけれども、こちらについて、正しくは対照区では12,000、試験区では10,000というのが正しかったので、修正したいと考えております。対照区で12,0000、試験区で10,000cells/mLが正しかったということで、申し訳ありません、修正をお願いいたします。
 続いて、14ページ、水産PECについてですけれども、製剤の種類及び適用農作物等は先ほど説明させていただいたとおりで、非水田の適用のみですので非水田使用時の水産PECを算出しました。PECが最も高くなる表4に示している使用方法について、第1段階のPECを算出しました。その結果、一番下のところに書いてありますけれども、水産PECは0.059μg/Lとなりました。
 総合評価ですけれども、魚類急性影響濃度については、魚類のLC50(2,400μg/L)を採用し、不確実係数10で除した240μg/L、甲殻類等急性影響濃度については、甲殻類等のEC50を採用し、不確実係数10で除した0.087μg/L、藻類急性影響濃度については、藻類のErC50(1,580μg/L)を採用すると。これらのうちの最小の甲殻類等急性影響濃度より、登録基準値の案としては0.087μg/Lとなります。
 リスク評価ですけれども、水産PECは0.059μg/Lであり、登録基準値0.087μg/Lを超えていないことを確認しております。
 ここで、PECと登録基準が近接しておりますので、資料6のほうをご覧いただけますでしょうか。
 フェンチオンについては、水産PECが水産基準値案の10分の1未満になることが確認できなかったため、水質モニタリング調査の対象農薬としたいと考えております。
 ちょっと資料が飛んで申し訳ないのですけれども、資料8のほうも用意させていただいていまして、モニタリングの実施について検討することとしておりまして、2ページ目と3ページ目のほうに水道統計における原水中のフェンチオン濃度の調査結果ということで、水産基準値案を超える最高検出値が出ているところを網かけで示しております。
 フェンチオンの説明については、以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。では、フェンチオンの基準値案につきまして、ご質問、基準値案についてご意見をお願いします。

【山本(裕)専門委員】 先ほど事務局からご説明していただいたように、藻類生長阻害試験のところで初期生物量が対照区と濃度区で少しずれているというのは、ちょっと試験として、いかがなものかとは思いますが、全体として、この物質自体の藻類に対しての有害影響というのは強くないですし、今、速度法で求めるということなので、その辺りは仕方ないのかなというふうには思いました。すみません。水産基準のところで私がしっかり見ていればよかったのですが、すみません、見落としていました。
 あと、もう一点だけ。元データを見ていて気になったのが、コイの急性毒性試験のところで、これ、助剤対照区は実施されているのですけれども対照区が実施されていないので、これでもよかったのですかというのを、ちょっと。たしか、両方実施されている場合は助剤対照区と比較するというのは聞いたことがあると思うのですけれども、対照区も本来は実施するべきなのかなと思いました。全体的に大きな影響を与えることではないのかもしれませんが、本来としてはそうなのかなと思いましたが、その辺り、ちょっとご確認をいただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 これは、助剤対照区のデータが載っているということですか。

【山本(裕)専門委員】 僕は、多分、載っているのだと思います。これは、元データのほうを少なくとも見れば。元データのほうが手元にないのであれなのですけど、(助剤対照)としか書かれていないので、この0というのが恐らく助剤対照区の値なんじゃないかなと思いました。

【白石委員長】 対照区がないと。ガイドライン上、なくてもよいかどうかというご質問ですね。

【山本(裕)専門委員】 そうです。

【白石委員長】 特に結果に影響を及ぼすようなものではないと思いますので、ちょっと確認して、後でご回答いただければ。
 はい、どうぞ。

【服部補佐】 これまで、このように記載していたかもしれないのですけれども、少し確認して、必要であれば追加させていただきます。申し訳ありません。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょう。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 物性のところですけれども、加水分解性を見ていると、数値が極端に違うのですね。pH7なんかで、5℃では8日、それが25℃では200日とか。この200日というのが、何か奇異な感じがするのですけど。誤って引用したとか、そんなのはないのですか。

【服部補佐】 こちら、水産検討会のほうでもご指摘があったのですけれども、計算方法が違って、223日と200日と151日と、割と長くなっているほうはOECDの試験法に基づいて実施したというのが元データに書かれていて、その他のものについては放射性物質を使って、ラジオアイソトープを使った試験であるということで、細かく試験法が記載されていまして、試験方法の違いで何か差が出たのかなと思うのですけれども。ちょっと、そこで、なぜ、こんなに数字が違うのかというところまでは考察し切れなかったというところでございますが、元データに書かれている数字をそのまま書くと、こういうふうになったということになります。

【白石委員長】 どっちがラジオアイストープなのですか。短いほう。

【服部補佐】 短いほうです。特に長いほうがコールドで、短いほうがラジオアイソトープでやったと。

【白石委員長】 二つの試験に分けて書いたらいかがですか、少なくとも。こちらは、この試験によると書いて。これをまぜちゃうと、わからないですね。今、物性は特に評価にはあまり。毒性評価には使われるかもしれないのですけれども、あまり使わないので。ここで時間を費やすのもあれですので、とりあえず分けて、試験法をちょっとコメントしておいていただくということでお願いします。
 ほか、いかがでしょうか。PECのほうも、よろしいでしょうか。
 はい、どうぞ。

【稲生専門委員】 PECのほうは問題ないと思うのですが、モニタリングと近接しているということなのですが。私の認識では、このフェンチオン、最近まで水田適用、水稲への適用があったと思うのですが、モニタリングのデータを見ると平成28年度までが載っていまして、ちょっと定量下限値も高いので何とも言えないのですが、少なくとも平成28年度までは稲への適用があったと思うので、それから比べると下がっているのかなとは思うのですが、一応、そういうことも勘案して過去のデータも振り返りつつ。今回、芝ということなのですけれども、なかなか芝で適切にモニタリングができる場所があるかというところも結構難しいと思いますので、その辺も含めてモニタリングの実施についてご検討いただければと思います。ただ、近接しているという状況なので、やはり何らかの形でやらないといけないかなというふうには考えております。

【白石委員長】 ご指摘、ありがとうございます。ちょっと調査地域を選ぶのが大変かもしれないというご指摘でございました。ただ、近接しているのでモニタリングの対象にはするということでよろしいですかね。
 ほか、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。

【細見臨時委員】 資料8は関係ないのですかね。

【白石委員長】 資料8。さっき説明された。

【細見臨時委員】 いや、ここで、これ水道で、淀川で値が出ているというのは。

【白石委員長】 これは、水田適用ではないかということですか。

【細見臨時委員】 そうだと思われるのですけど、登録基準値に近いというか、オーバーしているわけですよね。しかも、淀川というのはきっとすごく大きな河川で、その支流というのは、もうちょっと何かいろいろ使い方によっては高いかもしれないというふうに予想されますので、この辺のモニタリング。もちろん、この場合は水田だったかもしれませんけれども、本当に、どのサイトをどういう根拠で調査するかというのを少し稲生委員とか専門の方に見ていただいて、それから調査をお願いしたいなというふうに思います。

【白石委員長】 ありがとうございます。モニタリングは少し難しいかもしれないということで、よく調査を設計していただきたいと思います。
 ほか、いかがでしょうか。

(なし)

【白石委員長】 ないようでしたら、15ページ、リスク評価をご確認いただきたいと思います。近接しているのでモニタリングをするということでございます。よろしいようでしたら、これは案のとおりとさせていただきます。
 では、次、お願いします。

【秋山係員】 続いて、16ページをご覧ください。プロパルギットになります。

 こちらの農薬なのですけれども、一度、水産検討会のほうに上がっておりまして、そのとき藻類の生長阻害試験、こちらが不適切ということで、また再試験を要求して、試験のほうを再提出してもらったという経緯がございます。
 では、まず物質概要についてです。これは、こちらに記載してあるとおりとなります。
 作用機構等についてですが、プロパルギットは亜硫酸エステル構造を持つ殺ダニ剤であり、その作用機構はミトコンドリア内で呼吸・酸化的リン酸化をつかさどるATPアーゼの阻害、及び神経伝達物質である生体内アミン物質を酸化分解するモノアミン酸化酵素の阻害であるとのことです。本邦での初回登録は1967年で、製剤は水和剤及び乳剤が、適用の作物等は果樹等がございます。原体の輸入量については、こちらに記載してあるとおりとなっております。
 また、各種物性についても、16ページから17ページにかけての表に記載されてあるとおりとなっております。
 続いて、水産動植物への毒性についてです。こちら、コイを用いた魚類急性毒性試験が実施されておりまして、96hLC50は67μg/Lとなっております。
 1枚めくっていただいて、18ページで甲殻類ですが、ミジンコ類急性遊泳阻害試験成績が提出されておりまして、48hEC50は13μg/Lとなっております。
 続いて、藻類です。こちら、ムレミカヅキモを用いた藻類生長阻害試験成績が提出されておりまして、72hErC50は241μg/L超となっております。
 続いて、19ページに移りまして水産PECです。適用には果樹等がございますので、非水田、第1段階ということでPECのほうを算出しております。その結果、第1段階における非水田の水産PECは0.044μg/Lとなっております。
 続いて、20ページに移りまして総合評価です。最小の値でありました甲殻類から値を持ってきまして、登録基準値は1.3μg/Lを提案させていただきます。
 2のリスク評価ですが、水産PECは0.044μg/Lであり、登録基準値の1.3μg/Lを超えていないことを確認しています。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 では、プロパルギットにつきまして、ご質問、基準値案についてご意見をお願いします。よろしいでしょうか。物性、作用機作、毒性、よろしいでしょうか。PECのほうも。いかがでしょう。
 特段、ご意見がないようでしたら、20ページの総合評価をご確認いただきたいと思います。水産PECは0.044μg/Lであり、登録基準値1.3μg/Lを超えていないということでございます。よろしいようでしたら、本剤につきましては案のとおりとさせていただきます。
 以上で水産動植物に係る農薬登録基準の設定についての審議を終了します。
 それでは、議事の3、水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定についての審議に入ります。
 事務局から説明をお願いします。

【福澤主査】 資料9をご覧ください。水質汚濁に係る農薬登録基準として環境大臣の定める基準の設定に関する資料案でございます。今回、ご審議いただくのは3農薬ございまして、一つが新規、残り二つが既登録の剤となってございます。また、1番と2番の剤につきましては、以前、農薬小委員会におきまして、水産基準値についてご審議をいただいているものでございます。
 それでは、ページをおめくりいただきまして1ページ目から、インピルフルキサムについてご説明させていただきます。
 まず、物質概要につきましては、そちらに記載した表のとおりでございます。
 作用機構等ですが、インピルフルキサムはコハク酸脱水素酵素阻害剤に属する殺菌剤であり、作用機構はミトコンドリア内膜に存在するコハク酸脱水素酵素(複合体Ⅱ)からユビキノンへの電子伝達を阻害することにより、菌のエネルギー生産を低下させ、生育を阻害するというものでございます。本邦では未登録の新規剤でございまして、製剤は粒剤及び水和剤が、適用農作物等は稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、花き等として申請されております。
 ページをおめくりいただきまして、各種物性等は、そちらに記載したとおりでございます。
 安全性評価でございますが、ADIは0.06mg/kg体重/日となっております。こちらは食品安全委員会で平成30年10月23日付で設定されたものでございまして、この値は各試験で得られた無毒性量のうち最小値6mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものでございます。
 3ページ目、水濁PECでございます。製剤は粒剤及び水和剤が、適用農作物等は稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、花き等として登録申請されておりまして、水田の適用と非水田の適用、両方ございますので、それぞれについてPECを算出して、それを合算したものが水濁PECとなっております。
 水田の使用におきましてPECが最も高くなるのは稲(育苗箱)での適用で、また、ページをおめくりいただきまして4ページ目、非水田の使用での水濁PECで最も高くなるのはそちらに記載した果樹での使用方法でございまして、こちらのパラメータを用いまして水濁PECを算出した結果が4ページ目の下に記載してございますとおり、0.0040mg/Lとなってございます。
 5ページ目、総合評価でございます。先ほどのADI 0.06/kg体重/日を登録基準値の算出式に入れて求めました登録基準値の案は、0.1mg/Lとなっております。
 リスク評価でございますけれども、水濁PECは0.0040mg/Lでございまして、登録基準案0.1mg/Lを超えていないということを確認しております。
 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ありがとうございました。インピルフルキサムについて、まず毒性からご紹介いただけたら。

【浅野専門委員】 本剤の毒性の兆候なのですけれども、主に体重の増加抑制と、それから、この化合物は肝臓で薬物代謝酵素を誘導しますので、びまん性の肝細胞肥大、これが種を越えていろんな動物で見られています。ただし、発がん性ですとか生殖発生毒性、遺伝毒性はありません。本剤で認められた毒性の中で、イヌを用いた1年間慢性毒性試験、これでやはり同じように肝細胞の肥大等が認められていますけれども、そういった兆候が認められませんでした6mg/kg体重、これを無毒性量としましてADIが算出されています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 それでは、PECについて何かございますか。よろしいですか。
 ご意見、ございましたらお願いします。食品安全委員会が通知した0.06mg/kg体重/日をもとに、登録保留基準値を0.1mg/Lとするということです。よろしいでしょうか。PECは0.0040mg/Lであり、超えていないということでございます。特段、ご意見がないようでしたら、これは案のとおりとさせていただきます。ありがとうございました。
 では、次のテトラコナゾール、お願いします。

【服部補佐】 6ページ、テトラコナゾールについて説明させていただきます。
 物質概要は、記載のとおりとなっています。
 作用機構等ですけれども、トリアゾール系殺菌剤であり、その作用機構は菌類の細胞膜成分であるエルゴステロール生合成を阻害するものです。本邦での初回登録は1998年です。製剤は水和剤、乳剤及び液剤が、適用農作物等は果樹、野菜、花き、樹木、芝等があります。原体の輸入量は、記載のとおりとなっています。
 7ページ目、各種物性等ですけれども、こちらの表に記載のとおりとなっています。
 安全性評価ですが、ADIは0.004mg/kg体重/日となっています。この値は食品安全委員会が昨年3月6日付で設定したもので、各試験で得られた無毒性量のうち最小値0.4mg/kg体重/日を安全係数100で除して設定されたものです。
 ページをおめくりいただいて、8ページ目、水濁PECについてです。製剤の種類及び適用農作物等は先ほど説明したとおりで、非水田の適用のみですので、非水田使用時の水濁PECを算出しています。PECが最も高くなる表に記載されている使用方法について、第1段階のPECを算出しました。その結果、8ページの一番下に記載していますように、PECの合計は0.00010mg/Lとなりました。
 総合評価ですが、水質汚濁に係る登録基準値の案としては、先ほどのADI、0.004をもとに登録基準値の算定式により計算し、0.01mg/Lとなります。
 リスク評価ですけれども、水濁PECは0.00010mg/Lであり、登録基準値0.01mg/Lを超えないことを確認しております。
 資料の説明については以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、毒性のプロファイルをご紹介いただけますでしょうか。

【浅野専門委員】 テトラコナゾールの投与による毒性影響は、やはり肝臓で肝細胞の肥大と薬物代謝酵素の亢進、それと腎臓で腎皮質尿細管の上皮の細胞、これは肥大がイヌで認められています。また、頭蓋骨の肥厚等の異常が認められています。遺伝毒性と免疫毒性は認められていないのですけれども、発がん性試験においてマウスで肝細胞腺腫、肝細胞がん、この増加が認められました。これに関しては、やはり薬物代謝酵素誘導というのが長期に影響しているということで、遺伝毒性がないので閾値を設定するということは可能となります。一番最小の無毒性量ですけれども、ラットを用いた2年間慢性毒性試験、発がん性併合試験でNOELが0.4mg/kg体重、これを根拠としまして安全係数100で割った数字がADIと設定されています。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 基準値案について、ご意見はございますでしょうか。ご質問、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。これも食品安全委員会が厚労省に通知した0.004mg/kg体重/日をもとに登録基準値を設定しています。0.01mg/Lということですが、よろしいでしょうか。PECのほうも、よろしいですか。
 ほか、ご意見、いかがでしょうか。
 ないようでしたら、9ページの総合評価をご確認ください。登録基準値0.01mg/L、水濁PECは、これを超えていないということでございます。よろしいようでしたら、これも案のとおりとさせていただきます。
 では、次、お願いします。

【福澤主査】 10ページ目、フェニトロチオン(MEP)についてご説明させていただきます。
 物質概要につきましては、そちらの表に記載したとおりでございます。
 作用機構等でございますけれども、フェニトロチオンは有機リン系の殺虫剤であり、昆虫体内でオキソン体となってコリンエステラーゼと結合することで酵素活性を低下させ、正常な神経伝達機能を阻害することにより殺虫効果を示すものと考えられております。本邦での初回登録は1961年、製剤は粉剤、粒剤、粉粒剤、水和剤、乳剤、油剤、エアゾル剤、マイクロカプセル剤がありまして、適用農作物等は稲、麦、果樹、野菜、いも、豆、飼料作物、花き、樹木、芝等がございます。原体の国内生産量につきましては、そちらに記載したとおりでございます。
 続きまして、11ページ目ですけれども、各種物性等は、そちらに記載のとおりでございます。
 12ページ目、安全性評価でございますけれども、ADIは0.0049mg/kg体重/日となっておりまして、こちらは食品安全委員会から平成29年8月22日付で厚生労働省に通知されたものでございます。この値は、各試験で得られた無毒性量のうち最小値0.49mg/kg体重/dayを安全係数100で除して設定されたものでございます。
 13ページ目、水濁PECですけれども、先ほどのとおりの適用農作物等となっておりまして、水田及び非水田での適用がございますので、それぞれ算出しております。水田での適用につきましては、育苗箱での使用と水田本田での使用の組み合わせがPECが最大となる使用方法となっております。
 また、14ページ目、非水田でのPECにつきましては、そちらに記載しました樹木での使用方法が最も高くなるものとなっております。こちらの各パラメータを用いて水田PECを算出しました結果が、14ページの下にございますとおり、0.0060mg/Lとなっております。
 最後、総合評価でございますけれども、ADI、0.0049mg/kg体重/日を登録基準値の算出式に代入いたしまして、登録基準値の案は0.013mg/Lとなってございます。
 ページの下のほう、リスク評価でございますが、水濁PECは0.0060mg/Lでございまして、登録基準値の案0.013mg/Lを超えていないということを確認しております。
 こちら、PECと基準値が近接しておりますので、資料10をご覧ください。
 こちら、今までご審議いただきましたものも含めて基準値とPECの比較の表になってございますけれども、フェニトロチオン、0.013に対しまして、先ほどのとおり0.0060mg/Lでございまして、こちら、非水田PECのほうはTier1で算出しておりましたので、事務局のほうでTier2まで算出いたしましたところ、水田PECTier2は0.00063mg/Lとなっております。
 こちら、水田と非水田、それぞれのPECでは基準値を超えないのですが、合算した水濁PECになりますと0.0015mg/Lとなっておりまして、ぎりぎりのところで近接しているというような状況でございましたので、下のほうにございます基準値設定後の対応でございますけれども、フェニトロチオンにつきましては、PECが基準値案の10分の1未満になることが確認できなかったため、農薬残留対策総合調査等における水質モニタリング調査の対象とすることといたしたいと考えております。なお、ご説明のとおり、水田と非水田の合算でのPECというところで近接しているというところでございますので、そこも考慮してモニタリングの対象の地域といったものは選定していこうかと考えております。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、毒性プロファイルについて、お願いします。

【浅野専門委員】 フェニトロチオン、有機リン系の化合物の場合ですと、コリンエステラーゼ、この活性阻害というのも毒性試験の重要なファクターとして見ていきます。この剤の場合は、高用量ですと神経系の毒性が出て死亡例、動物死亡例が見られるのですけれども、反復投与毒性試験の場合にはなかなか症状が出てこない、このコリンエステラーゼ活性阻害というのが主要な症状になってきます。発がん性、繁殖能に対する影響、催奇形性等々、あと遺伝毒性、これは認められておりません。そして、各種毒性試験で一番、無毒性量が低かったのがラットを用いた2年間、慢性毒性・発がん性併合試験なのですけど、これも指標としては赤血球及び脳のコリンエステラーゼ活性阻害ということを指標としまして、これが出ないNOELが0.49mg/kg体重、これを根拠としてADIが設定されています。
以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。
 では、基準値案について、ご意見、ご質問、ございましたらお願いします。よろしいでしょうか。

【内田専門委員】 合計値は0.0015でいいのですか。この資料10のフェニトロチオンなのですが、リスク評価のところは0.0060ですよね。この数字がひとつもこの表に出てこないのが、どうかなと思うのですけど。

【福澤主査】 こちらの資料10のほうは、事務局で算出した水田PECTier2と非水田PECTier2との合算値が合計のところに記載しているところなのですけれども、ちょっと表のスペースの問題もございますので、そこがわかりづらくなっているのかなというところもございますので、基準値の審議に用いたPECが、またこの表でもわかるように、何か記載を追加させていただけたらと思いますけれども。

【稲生専門委員】 同じ資料10のところで、下線部が非水田Tier2のほうは引っ張っているのですけど、評価書、算出で用いたのはTier1のほうなので、これ、下線の引き方が間違っていると思うので、それも混乱の理由だと思いますので、その辺もちょっと工夫いただければと思います。
 それと、PECのほうは、基本的にはこれで大丈夫だと思うのですが、先ほど水産のカルボスルファンのほうでちょっとコメントしましたように、水質汚濁性試験、今回の場合はTier2でやっているのですが、この0、1、3、7、14以外に2日、4日のデータが元の資料に記載しておりましたので、もし、それを使って計算されたのであれば、追加で記載していただければと思います。
 それと、あと、どうでもいいことなのですけど、表の中の止水期間のところで括弧して「日」とかを入れておいていただければと思います。単位を入れておいてください。
 以上です。

【白石委員長】 ありがとうございました。今、わかりますか。計算根拠。もしも使っているなら、載せてくださいということです。

【福澤主査】 計算のほうでは、ちょっと。元の資料のほうにはあるようですけど、こちらのPECの計算につきましては、こちらの表に記載してある試験成績のみで計算しておりますので、そのままとさせていただければと思います。
 あと、ご指摘いただいた止水期間の「日」については、追記させていただきます。

【稲生専門委員】 ちなみに、入れた場合と入れなかった場合で値がどれぐらい変わるかというところは、やっておられますでしょうか。要は、それで過大評価になるのであれば問題ないのでしょうけど、過小になっているのだったら使って計算したほうがいいのではないかなというふうにちょっと感じました。

【福澤主査】 一応、それぞれで計算して、一番高くなるもので計算して、こちらの表のとおりになっているということです。

【白石委員長】 結構です。ありがとうございます。
 ほか、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

【細見臨時委員】 試験成績結果とありますね。13ページ、一番下の表がありますが、①と②の違いというのは、これは。

【福澤主査】 こちら、表の最初のほうにございます育苗箱で50%乳剤での試験というものと、あとは稲での3%粉剤というところでの試験ということで、使用方法が違っているということで、それぞれの試験が。

【細見臨時委員】 使用方法が違っているからですか。

【福澤主査】 それぞれで試験がされていたので、それぞれの試験成績ごとに。

【細見臨時委員】 なるほど。これ、何か。そうか。①、②と、全て育苗箱のやつが1番で、稲に直接散布するのが②ということですかね。

【福澤主査】 そうですね。

【細見臨時委員】 これ、1反に4kgも入れるのですかね。すごい量。

【福澤主査】 濃度の違いといったところもございますし。

【細見臨時委員】 4kg。フェニトロチオンだよ。

【山本(廣)臨時委員】 1kg剤とか、いろいろあるけど。3kgは普通でしたよ。

【内田専門委員】 3%製剤です。

【細見臨時委員】 ああ、3%だから。それなら、わかりました。一瞬、瓶を、あんなにたくさん入れるのかと思ったので、とても。個人的にも、ちょっと使わせていただきたいし。ちょっと今のは余計なことです。

【白石委員長】 ほかは、いかがでしょうか。ないようでしたら、若干の文字の修正と資料10のほうですね、資料10のほうは少しわかりやすくしていただくということでお願いします。
 ほか、ご意見、ご質問、ございますでしょうか。ないようでしたら総合評価をご確認いただいて、登録基準値は0.013mg/L、水濁PECは0.060、近接しているということでモニタリング対象とするということでございます。では、これも案のとおりとさせていただきます。
 以上で水質汚濁に係る農薬登録基準の設定についての審議を終了します。
 事務局より、本件に関する今後の予定について説明をお願いします。

【福澤主査】 本日、ご了解いただきました農薬の登録基準につきましては、行政手続法の規定に基づきまして、今後、パブリックコメントを1カ月ほど実施いたします。その結果、もし何か修正等を求める意見が寄せられた場合につきましては、委員長に再度、農薬小委員会で審議を行うかどうか、ご相談してご判断いただくことにしたいと思います。再審議の必要がない場合には、部会長の同意を得まして中央環境審議会長に部会決定として報告を行い、さらに会長の同意が得られれば中央環境審議会決定として環境大臣に答申いただくことになります。そして、答申の後、基準値の告示をさせていただくことになります。
 なお、水産のほうのカルボスルファンにつきましては、もう一度、ご審議いただくということになりましたので、そちらにつきましては、また再度、この小委員会にかけさせていただきたいと思います。

【白石委員長】 それでは、議事4、その他に移ります。案件は2件とのことですが、事務局より説明をお願いします。

【秋山係員】 それでは、資料11をご確認ください。
 非水田PEC第2段階の算出方法の訂正についてということで、資料のほうを用意させていただきました。こちら、第63回の農薬小委員会で一度、了承をいただいております非水田PEC第2段階の算出方法についてなんですけれども、誤りが2点ございましたので訂正させていただきます。
 まず、(1)支川河川の水量なのですけれども、こちらのパラメータ、ページをめくっていただいて5ページの表に記載されてありますとおり、もともと小委で出したときは1×86,400×毒性試験期間ということで記載していたのですけれども、こちら、平水時の水量でございましたので、表面流出発生時の自然河川の水量ということで再度、計算し直しております。その結果、1ページ目の(1)の訂正根拠にも記載してありますとおり、平水時の河川流量と表面流出発生時の河川流量の比から3.7m3ということで訂正させていただきます。
 また、(2)の支川河川の底質量について、こちらも小委に上げた時点では2,000ということで記載していたのですけれども、こちらもPEC算定に用いる環境モデルの概念図に記載されております水田以外の面積に基づき計算し直しましたところ、3,000が正しいということでしたので、こちらも3,000m3に訂正させていただきます。
 そのため、農薬小委員会の第63回で了承されましたイソキサチオンについて、こちらは非水田第2段階ということでPECのほうを算出しておりましたので、そちらの値も訂正させていただきます。
 それでは、別添2をご覧ください。
 こちら、小委に上げた時点では0.011μg/Lということで記載していたのですが、訂正後の算出方法に従いPECのほうを再計算しましたところ、0.0088μg/Lとなりました。PECについては低くなる、小さくなる変更となりますので、基準値については特に変更はございません。大変失礼いたしました。
 説明は以上になります。

【白石委員長】 では、ただいまの説明について、ご質問などございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【稲生専門委員】 基本的には、これでよろしいかと思うのですが、5ページ目の表の中で、先ほど増水時のVW、それを3.7とするのですが、ドリフトでやる場合には依然として1m3/sなので、この部分については場合分けで書いていただければと思います。
 以上です。

【白石委員長】 事務局、よろしいでしょうか、これは。ドリフトの場合は、1とわかるように書いてください。今後、間違いがないように、お願いいたします。
 ほか、いかがでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【白石委員長】 では、ご意見がなければ案のとおりとします。
 それでは、次の案件の説明をお願いします。

【福澤主査】 資料12及び13について、ご説明させていただきます。
 こちら、9月6日、11月6日及び11月9日に開催いたしました第65回から第67回の農薬小委員会で審議されました「水産動植物の被害防止に係る農薬基準値(案)」及び「水質汚濁に係る農薬登録基準値(案)」について、パブリックコメントを実施した結果の資料になっております。いずれの資料につきましても、本件と関係のあるご意見として1件ずつ寄せられまして、いずれも同じご意見でしたので資料12のみを使って説明させていただきます。
 資料12の2ページ目に、提出されたご意見とご意見についての考え方を記載させていただいております。提出された意見の内容につきましては、基準値の設定に当たって複合影響を確認しているのかという趣旨のご意見でございました。こちらのご意見に対する考え方としまして、複合影響については、現段階では国際的に評価手法は確立されておらず、基礎的な検討段階にあることから、現段階では総合的な評価は困難であると考えているということで考え方を整理させていただいております。
 こちらにつきまして、白石委員長にご報告させていただきまして、ご確認いただきましたので、今回、こちらの小委員会で報告させていただくものでございます。
 なお、こちらのほうにつきましては、当該基準値を定める環境省告示につきましては、今後、省内での手続をいたしまして、パブリックコメントの意見募集結果につきましても、当該告示日と同日付で電子政府の窓口で公開することとしております。
 説明は以上でございます。

【白石委員長】 ただいまの説明について、ご意見、ご質問、ございましたらお願いします。
 はい、どうぞ。

【山本(廣)臨時委員】 複合影響のこと、いつも議論になるのですけれども、評価手法が確立されておらず、それから基礎的な検討段階にあるということは、複合影響が何となくありそうだということを前提に書いているような文章な気がするのだけれども、どうなのですかね。もともと毒性学、浅野委員とかがおられますが、基本的に残留農薬レベルとか環境中に対してどうかというのはありますけれども、うんと低いレベルのこういった生理活性物質についての複合影響について、一般的な毒性学会みたいなところでの話としては、何もないのですか。左のような意見は、いつもあるのだけど、今、検討途中で評価方法がないからやりませんみたいな書き方は、私はちょっとどうかなという気がしますけどね。

【浅野専門委員】 そうですね。一応、こういう発がん性、遺伝毒性以外は閾値があるという観点から毒性の評価をしていますので、そういったところからいうと、こうした評価方法、難しいところなのですけれども。すぐ明確な回答はできないのですけれども、やっぱり非常に残留農薬程度のところでの毒性というのは、ほぼないと考えて使われているわけですよね。そういったところから、やっぱり、もうちょっと工夫は必要かもしれない。山本先生がおっしゃるように、毒性ありきの話になっちゃう、とられてしまうというのも、ちょっと難しいところですので。そうですね、総合的な評価が困難であると。現状はそうなのですけどね。ちょっと難しいかなと思うのですけどね。影響がないというのは、ちょっと難しいかなと。

【山本(廣)臨時委員】 だから、「評価手法が確立されておらず」ということの表現なのですかね。「国際的にも議論のあるところであり」とか、何か。議論のあるところといったら、あるという人とないという人がいて。何か、いい表現がないですかね。

【山本(裕)専門委員】 すみません。恐らく、もう国際的な評価手法というのは、ある程度できていると思うのですけれども、ただ、環境中のごく低濃度のものについてというのに関しては、まあまあということなのだとは思うのですが、一方で、環境省のほうでも、たしか保健部安全課か何かで検討されていますよね。どちらかというと、製剤レベルでどうかといったことであったりだとか、グルーピングして足し合わせができるかとか、いろんなアプローチがあると思うのですけれども、全く国際的に評価手法が確立されておらずというと、ちょっと誤りになる可能性があるので、少し、そこは訂正されたほうが。
 それこそWHOだとかでも、一応、そういう複合影響をどういうふうに考えるかという考え方はできているけれども、ただ、農薬の低濃度のものについてはなかなかアプリケーションが十分できていないということなので、現段階で国際的に評価手法が確立されておらずになると、もう全部が何もできていないということになるという、山本廣基先生のご意見にもありましたけれども、それだとちょっとさすがにまずいと思うので、少し書きぶりは変えていただいたほうが正確ではないかなというふうに思いましたので、実際、複合影響を検討されている部署もありますので、そちらとご相談をされて、また検討されてもいいのかなというふうには思いました。

【白石委員長】 どうしましょうか。じゃあ、ちょっと修文案を考えて、事務局と相談して少し変えてもいいかなという気もしますが。何かありますか。国際的に評価手法が確立されていないというのは、まあ事実であるようなないような。「検討段階である」とか。

【福澤主査】 例えば、記載を「環境中で残留するような低濃度での複合影響については」とか、そういった限定をかけるとか、そういった記載にするといった。

【白石委員長】 この「確立されておらず」は、消したらどうですか。「国際的に評価手法は基礎的な検討段階にあることから、現段階では評価は困難である」と。「総合的な」も要らないですね。現段階では評価は困難であると考えていますと。

【福澤主査】 では、環境中での低濃度についての複合影響についてはというふうな限定をかけるというところと、「評価手法が確立されておらず」とか「総合的な評価」といったところの「総合的な」といった記載は削って、もうちょっと、ご審議いただいた基準値の範囲ではといった形にわかるように修文させていただければと思います。

【白石委員長】 先生、いかがですか。いいですか。何か、逃げているみたいですね。

【山本(廣)臨時委員】 いや、何となくね。総合的な評価は、まさに困難なことは間違いないので、そこのところはもちろんいいのだけれども。

【白石委員長】 ああ、いいのですか。

【山本(廣)臨時委員】 いや、総合的な評価は無理でしょう。「困難」というよりも「無理」と書いてもいいぐらいですけれども、前段の部分でね。座長にお任せします。

【福澤主査】 では、修文した案を委員長にご確認いただいて、その後、メールなどでほかの委員の方々にはご報告させていただくという形でよろしいでしょうか。

【白石委員長】 じゃあ、そうします。そう進めさせていただきます。それでは、パブリックコメントの結果につきましては修文を行うということで、ご確認いただきたいと思います。
 それでは、本日の審議は一通り終了しましたので、その他、本日の審議全体につきまして、何かご意見、ご質問ございませんでしょうか。
 はい、どうぞ。

【小笠原室長】 1件、ご確認をさせていただきたいことがございます。資料3-1の6ページの中で魚類の扱いについての修正を事務局からさせていただきました。当初、魚類につきましては、これまでコイ又はヒメダカを必須とするということでありましたが、これにつきましては、OECDテストガイドライン203の推奨魚種のうち、いずれか1種ということで修正することでご了承いただいたところでございます。
 これにつきましては、今後、農薬取締法テストガイドラインの改正に反映していくわけでございますが、こちら、魚類についてですので、平成32年の生活環境動植物の改正まで特に待つ必要がございません。今後、農薬取締法テストガイドラインの改正が順次行われることになるため、事務局といたしましては、来月予定されております水産検討会の場で再度ご検討をいただいた上で、可能であれば、現状のコイ又はヒメダカを必須とするということにつきましては、OECDテストガイドラインのいずれかの推奨魚種にするということにテストガイドラインを変えておきたいと考えますが、よろしいでしょうか。

【山本(裕)専門委員】 現在、OECDのほうでは、淡水魚種だけじゃなくて汽水魚だとか海水魚についてもTG203に入れることも検討されているので、ちょっと、そこは少し慎重に。例えば、淡水魚に限るのかということは、ちょっと、それはあるかもしれないので、そこだけを注意していただければ、それ以外については問題ないと思います。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょうか。では、検討会のほうで検討していただいて、かけていただくと。よろしいですか。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 今のコイ、ヒメダカですけど、今まではほぼ全ての農薬、日本で使われる農薬はほとんど全部、コイとかヒメダカのデータがあるわけですよね。それが断絶する可能性があるということで、ある一つの種で比較できないようなことにもなりかねないことの決定をするということになるのですよね。

【山本(廣)臨時委員】 推奨するのではなかったでしたか。

【内田専門委員】 だから、推奨は推奨で、多分そういうふうにされるところが多いと思うのですけど。そういった意味では、今まで日本はメダカとコイとが中心にありましたからね。そういう決定をここでするのだという重みがあるような気がするので、本当に室長がそういうふうに再度質問されたのは、そういう意味かなと私は思うのです。

【小笠原室長】 事務局としては、方向として、このような形で示させていただいたものを、ずっと32年まで待つかどうか。要は、その間、テストガイドラインを改正しない限りは、海外のデータだけではなくて、改めてコイもしくはヒメダカのデータも求めることになるので、必ずしも求めるものでなければ、今後、近いうちに、そこの部分は外して推奨魚種の7種のうちのいずれか1種ということにしてもよいのではないかと考えます。
 また、これまでもコイ又はヒメダカとしてきましたので、コイもあればヒメダカもあり、どちらかはあるのですが、必ずしも、どちらかの魚種のデータがずっとそろっているわけではないため、そこについては国際調和を図ってもよいのではないかということで考えております。

【白石委員長】 1種だけの試験のほうが、比較はしやすいですけどね。しようがないですよね。重い決定かもしれないですけれども、仕方がないということで。
 ほか、ご意見はございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【内田専門委員】 ちょっと話は違うのですが、モニタリングです。モニタリングのデータが水道の評価結果が結構、出てきていますよね。それと、水濁と水産で測定点というか、基準のポイントが違う可能性がある。だから、水道の結果を水産のデータの参考に使われているというところが、少し気にはなるのです。それはあくまで参考であって然るべきかなと思う。そのときの重みが、掛ける何倍とするのか、あるいは掛ける何分の1にするのかというのは、一度、きちんと議論をしておかないとあかんのと違うかなと私は思うのです。

【白石委員長】 事務局、いいですか。あくまでも、これは参考として使っているので、参考以外の使い方があれば、それはそれでいいかもしれないのですけれども。

【内田専門委員】 それが全部、網掛けがかかっていて、これが結構、重い可能性があるなという印象を与えかねない。

【白石委員長】 しようがないですね。

【小笠原室長】 水道統計については、その調査地点等、詳細については明らかにされていないところもございますので、あくまでも参考ということで、今後、環境省においてモニタリングの実施を検討すべきかどうかということを、こちらの農薬小委員会でご審議いただくための材料ということで提供させていただいております。

【白石委員長】 ほか、いかがでしょう。
 はい、どうぞ。

【細見臨時委員】 ちょっと聞き逃したかもしれませんが、資料11の訂正なのですけど、これは何で今、ここに取り上げられることになったのかというのが。定義みたいな、もし説明できればね。いや、これをやられると、ほかの項目も大丈夫なのかとか。先ほど稲生委員が言われた、計算に使ったデータと実際の表が違っているとかと言われると、信頼度に関わる問題なので、ちょっと参考のために聞かせていただければと。

【秋山係員】 まず、資料11の非水田PECの第2段階の算出方法が訂正になった経緯としましては、単純に事務局のミスという形でして。前回の小委に上げた後に指摘のほうが入りまして、確認しましたところ、確かに指摘のほうが正しかったということでしたので、今回、訂正という形で、この場をかりて報告させていただきました。

【細見臨時委員】 外部から指摘があったということですか。

【羽子田補佐】 こちらにつきましては、非水田のPECの第2段階というのは、初めてこのタイミングで出たのですけれども、そのときに計算式をきちんと出してくださいということで、お諮りをしたものです。継続的にずっとこの計算方法でやってきたというものではなく、このタイミングで初めて計算方法を提示したというものです。これを実際に、計算方法を使おうとした方から、ちょっと違うのではないかというような指摘が入って、改めて見直しをしたというところでございまして、これまでの、ずっとこの計算方法で計算をしてきたというものではございません。外部のほうからの指摘に基づいて、改めて見直したというところになります。

【細見臨時委員】 少なくとも63回目のときには、第2段階というのは、そのときに初めてですか。

【羽子田補佐】 非水田で第2段階というのは、このタイミングで初めて使用したということです。

【細見臨時委員】これ、計算式とか、一応、公表はしてありますけど、何かソフトみたいなものがあるのですかね。幾つかの入力をすると、ぱっと答えが出てくるような。

【羽子田補佐】 そのシートを環境省のホームページのほうで公開しておりまして、それを作る際に気づいたということになります。ですので、まだ第2段階のPECTier2の非水田の計算シートは、公開してはいないということになります。

【白石委員長】 いいですか。

【稲生専門委員】 私も、これ、水産検討会のときに出たときに、ちょっとそこまで確認できなかったというので、私もちゃんとチェックしなかったので申し訳ないのですけれども、やはり、評価書を出したら必ず、そういうエクセルのシートで、Tier2も、この数字を入れれば計算できますよというような状況にしてから評価書を公表しないと、やっぱり本当に大丈夫なのかと疑い出すと、もう切りがないので、早く出すようにということは前々から促していたのですけれども、まだ、いまだに至っていないというところなので、そこは私自身も早く事務局のほうに公開してもらいたいという要望はしております。

【白石委員長】 ほか、よろしいですか。いいですか。

【細見臨時委員】 だから、速やかにというのは、僕もそうだと思います。そうでないと、第三者がチェックできるような体制でないと、やっぱり信頼度は高まらないと思いますので。そのためには、計算シートみたいなものが、誰でも使える状況が必要だと思いますね。

【羽子田補佐】 今回の訂正を踏まえた形で、速やかにシートの公開をしたいと思います。申し訳ございません。

【白石委員長】 ほか、ご意見はありますでしょうか。よろしいですか。

(なし)

【白石委員長】 では、議論も尽きたようですので、事務局に進行をお返しします。

【小笠原室長】 白石委員長、ありがとうございました。また、委員の皆様方におかれましては、長時間のご審議、ありがとうございました。
 本日は、特に大きな議題でありました第一次とりまとめということで、まとめていただいたところでございます。農薬小委員会での決議につきましては、農薬小委員会の決定の取り扱いについてというところで冒頭、白石委員長からご説明をいただきましたが、農薬小委員会で決定いただきましたら、それを土壌農薬部会の部会長の同意をいただいた上で部会としての決定としていくということになります。第一次とりまとめにつきましては、この後、土壌農薬部会においてご審議をいただき、そこで部会長の了承をいただきますが、部会決定という形で中央環境審議会の会長より答申をいただくという手順になりますので、ご承知おきください。
 そして、委員からご指摘をいただきましたが、水産基準に関係する資料において、誤りが続いておりまして申し訳ありません。今後、しっかりと中身を確認した上で、このようなことがないように気をつけさせていただきます。
 それでは、次回は69回になりますが、3月14日の水曜日を予定しております。近くなりましたらご案内を差し上げますので、ご出席をお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして第68回土壌農薬部会農薬小委員会を終了いたします。本日は、ありがとうございました。