中央環境審議会水環境部会 総量規制専門委員会(第9回)議事録

日時

平成17年4月25日開催

場所

環境省水環境部

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 第6次水質総量規制の在り方について
    (2) その他
  3. 閉会

配付資料

資料1 中央環境審議会瀬戸内海部会における意見等について
資料2 「第6次水質総量規制の在り方について」(中央環境審議会水環境部会総量規制専門委員会報告案)に対する意見募集結果について
資料3 「第6次水質総量規制の在り方について」(総量規制専門員会報告案)


総量規制専門委員会委員名簿

委員長
岡田 光正
広島大学大学院工学研究科長・工学部長
専門委員 河村 清史 埼玉県環境科学国際センター研究所長
  木幡 邦男 (独)国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長
  齋藤 雅典 (独)農業環境技術研究所化学環境部長
  高橋 正宏 北海道大学大学院工学研究科環境フィールド工学専攻
水圏環境工学講座教授
中村 由行 (独)港湾空港技術研究所海洋・水工部沿岸環境領域長
  平沢 泉 早稲田大学理工学部応用化学科教授
細見 正明 東京農工大学大学院共生科学技術研究部教授
  松田 治 広島大学名誉教授
  宮崎 章 (独)産業技術総合研究所つくばセンター西事業所
環境管理技術研究部門計測技術グループテクニカルスタッフ
    (五十音順)

議事録

午前10時02分 開会

○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは定刻となりましたので、ただいまから第9回総量規制専門委員会を開催いたします。本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 最初に資料の確認をいたします。本日の資料は議事次第の1枚紙と、そのあと資料1として中央環境審議会瀬戸内海部会における意見等について。それから資料2がパブリックコメントの意見募集結果についてでございます。資料3が専門委員会報告の案。もう1枚が参考といたしまして指定水域におけるN/P比の推移という図を1枚用意しております。本日の資料は以上でございます。
 それでは岡田委員長に議事の進行をお願いします。

○岡田委員長 はい、おはようございます。それでは早速議事に入りたいと思います。
 前回の委員会におきましては、第6次の水質総量規制の在り方について、総量規制専門委員会の報告案というものをご議論いただきまして、各委員の先生方からご意見をいただきました。その結果を踏まえまして、事務局とそれから私の方で報告案を修正させていただきました。それを4月4日から18日までパブリックコメントを募集いたしました。さらに、去る4月15日に開催されました中央環境審議会瀬戸内海部会におきまして、総量規制専門委員会報告案を私と事務局の方からご説明し、ご意見をいただいております。
 本日、事務局から示されております報告案、これは前回の専門委員会での議論、それからパブリックコメント、さらに瀬戸内海部会からいただいたご意見を踏まえて修正されたというものになります。
 それではまず、瀬戸内海部会からいただいたご意見とパブリックコメントの募集結果、それらの意見に対する専門委員会としての見解案について事務局の方でとりまとめていただいていますので、それを事務局からご説明お願いたします。

○坂川閉鎖性海域対策室長 それではまず最初に資料1をご覧ください。今、委員長からご説明ありましたけれども、4月15日に中央環境審議会瀬戸内海部会が開催されまして、その場で報告案をご説明したところでございます。この総量規制に関しましては中央環境審議会の水環境部会に付議されておりますので、この専門委員会も水環境部会に設置されたということでございますから、最終的には水環境部会に報告をするということになるわけでございます。ただ、この報告の内容が瀬戸内海も取り扱っているということから、瀬戸内海部会にもご説明して、そこでご意見をいただく機会を設けたわけでございます。
 それでは、瀬戸内海部会で出されたご意見を説明するとともに、またその場で環境省から一部回答したものもございますので、その回答の概要と、それから専門委員会としてのこれらの意見に対する対応案につきましてご説明したいと思います。
 番号順にまいりますが、1番といたしまして委員からのご意見は海の環境保全は、海の生物と人間との共同作業によるものである。そういう意味で報告書の11ページに「対策の在り方」がございまして、ここで(1)が「汚濁負荷削減」、(2)が「干潟の保全・再生、底質環境改善等」という状態になっているですが、この順番が逆の方がいいのではないか。こういうご意見がありました。
 これに対してその場での環境省からの回答といたしましては、海域によって対策の重要性の順番はおそらく異なると思いますけれども、東京湾、大阪湾等はまだ負荷量が多く、負荷量の削減が重要である。そして、東京湾のシミュレーションを行っておりますが、その結果としては負荷量削減による水質改善の効果がある。またそれに加えて干潟を再生した場合に、さらに効果があるという結果にもなっていますという説明をしたところでございます。
 専門委員会の対応方法の案といたしましては、このようにまだ東京湾、大阪湾等に関しましては負荷量の削減が重要であるということから、原文のとおり(1)、(2)の順番は元のままということでよいのではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
 2番目でございますが、生物による水質の浄化も重要である。生物の活用の考え方を入れていただきたいというご意見がございました。
 これに対する対応方法の案といたしましては、報告書の9ページの(5)のところで干潟の浄化の記述があるわけでございますが、そこでは干潟に生息する生物による浄化について記述をしているところがございます。そのような意味で、干潟の浄化というのは、干潟に生息する生物というのが大変重要なのであるという趣旨のことは記してあります。そして、12ページのところで干潟の保全・再生を推進することとしております。
 また12ページのところでは、藻場に関しましても、これは多様な生物の生息や繁殖の場であるということと、その水質浄化機能について調査・研究を行いつつ、保全・再生に努めていく必要がある、こういうふうに書いております。このように生物の活用の考え方がすでに含まれておりますので原文のとおりでよいのではないかと考えております。
 3番でございます。燧灘の貧酸素水塊に関しまして、報告案におきましては燧灘の貧酸素水塊は有機物の酸素消費速度が速いということではなく、物理的な影響が大きいのではないかということを書いているわけでございます。これに対する意見といたしまして、それはそのとおりで、物理的な成層が強いことが影響しているというふうに考えられるのでありますが、しかしそれだけが原因なのか。それとも人為的要因によって貧酸素水が起こっている可能性もあるのではないか。そういうことについて、さらに検討する余地があるのではないかというご意見でございました。
 これに対しまして、当日の環境省からの回答といたしましては、おっしゃるように自然的なものなのか、人為的な影響があるのかどうか検討が必要という回答をしたところでございます。そこで対応案といたしましては、報告書の11ページの第2段落を少し修正してはどうかというふうに考えております。そこの表の下に案文がございますけれども、下線部、アンダーラインの部分を追加してはどうかということでございます。
 読んでみますと「なお、瀬戸内海を湾灘ごとに見ると、赤潮により養殖漁業への被害が生じている水域や、近年のCODが上昇傾向の水域、貧酸素水塊の発生が報告されている水域があるので、これらの問題への対応について引き続き検討していく必要がある」ということで、このアンダーラインの部分を追加してはどうかと考えているところでございます。
 次に、裏にまいります。そのほかいろいろご意見、要望などございまして、これらに関しましては今後の対策や課題の検討に際して参考とすべきものと考えるということでいかがかと思っております。
 4番でございます。瀬戸内海は面源負荷が多い。燐の発生負荷量の見積もりが少し低いのではないかというご意見がありました。これに対する回答としましては、面源は原単位を使用して負荷量を算定しておりますが、原単位の精度を上げていくことも今後の課題というふうにお答えしております。
 5番ですが、干潟による水質改善効果はあまり大きくないが、干潟そのものに意味があるとうご意見。
それから6番ですが、もし総量規制がなかったら負荷量の推移が右上がりになっていた可能性がある。瀬戸内海の水質に対する影響要因はさまざまであり、環境保全対策にはいろいろな方法があるが、総量規制は重要なツールである。ただし一方で負荷削減が水質にどのように反映したかが問題であり、目標とすべき水質の検討は重要な課題である。
7番、瀬戸内海を評価するに当たって、さらに地域ごとに見ていくことが必要である。
8番、CODの中身について、生物への影響という観点からの検討が必要である。
9番、それぞれの海域ごとに適切な生物指標がある。指標種を取り上げたモニタリングが重要。これに対しましても、生物指標については今後検討していきたいという趣旨のご回答をしたところでございます。
また10番。生物、漁業にとっては、DOが重要な指標である。また下水処理では塩素処理ではなく紫外線処理を進めていただきたいというご意見です。
11番、CODの環境基準についてC類型の8mg/Lは高すぎる。A類型の基準点が陸に近すぎるので、もう少し沖でもいいのではないか。
12番、普通の人たちが水質改善に向けて具体的に何をすればよいのかということを示すことが必要ではないか。水に触れるということでは、生物調査などは非常にわかりやすい。啓発普及には、身近なことについてわかりやすい指標を設定することが必要であると考えている。
これに対する環境省の回答としては、普及啓発活動をさらに推進していきたい。だれにでもわかるように水環境をアピールするに当たり、いろいろなご意見をいただきたい。こういうようなご説明をしたところでございます。
以上が瀬戸内海部会におけるご意見の概要と、それから専門委員会としての対応案についてでございます。
資料2の方も続けて説明させていただきたいと思います。資料2はパブリックコメントの募集を行いましたので、その結果とそれに対する専門委員会としての見解の案をまとめたものでございます。パブリックコメントを行いましたところ、全部で12件、12名の方からご意見をいただきました。お1人で複数の意見を書いていたケースが多いというか、ほとんどそうでございますので、意見の数といたしましては48件ということになります。
それでは、これを報告書の構成にしたがって意見をまとめておりますので、この順に沿ってご説明させていただきます。
まず、水質総量規制の実施状況に関しましてですが、1番のところ。目標負荷量の算定根拠が不明である。こういうご意見がございました。この目標負荷量に関しましては、現在の第5次の目標負荷量は約5年前に当時の審議会でもって「第5次水質総量規制の在り方について」の答申が出されましたので、それを踏まえて環境省が総量削減基本方針を定め、その中で定められているものである。つまり目標負荷量については専門委員会で特にご検討いただいているものではございませんし、またないということでそこは位置づけが異なるかと思っています。また削減目標量の定め方でございますが、これに関しては関係都府県の人口及び産業の動向、汚水または廃液の処理技術水準、下水道整備計画等を勘案して算定されているものという説明をしております。
2番でございます。総量規制を開始した当初は特に河口近くの水域で効果が見られたが、その後は陸水負荷の顕著な削減が見られていない事実を認識すべきであるというご意見でございます。
これに対する見解案は、指定地域の発生負荷量は図1にあるとおり着実に削減されてきていますということでございます。ご意見の方で陸水負荷の顕著な削減が見られていないということなんですが、陸からの負荷については着実に削減されてきているという見解にしております。
3番ですが、干潟消失面積の記述が誤りではないか。埋め立て面積と消失面積は同じだと思うが食い違っているというご意見です。これに関しまして、干潟消失面積についてはいろいろな数字がございますが、出典については第2回専門委員会の資料3-3に書いてあるということ。それから埋め立て面積と消失面積は必ずしも同じではなく、干潟のないところで埋め立てが行われるというケースもありますので、それは一致しなくてもよいという見解案にしております。
次に4番でございます。太平洋沿岸において、近年CODが上昇している原因を記述されたい。その原因がわからない場合は補正すべきかどうか判断できないというご意見です。これに対する見解案は太平洋沿岸において、近年CODが上昇している原因は究明されていませんが、水質総量規制による水質改善効果をより適切に評価するために、外海におけるCODの変動が指定水域に与える影響を取り除いた場合についての検討を行いましたということでございます。太平洋沿岸のCOD上昇の原因はわかっていないわけでございますが、総量規制による効果というものを評価する場合には、そういう影響を除いた場合についても見てみる必要があるのではないかということでございます。
5番でありますが、太平洋沿岸においてCODと同様に窒素および燐に係る水質濃度が上昇する傾向はないのか。また窒素、燐についてもCODと同様に外海の影響を検討するべきというご意見でございます。これに対する見解案でございますが、閉鎖性海域以外の太平洋沿岸においては窒素、燐に係る環境基準の類型が指定されていないため窒素、燐の濃度データが少なくCODと同様の手法で傾向を把握することができませんでしたという見解でございます。残念ながらデータがあまりないものですから、できなかったということでございます。
6番ですが、ご意見は植物プランクトンなどの生物種は南日本と北日本では異なっており、汚染原因も同じではない。報告書は東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、大阪湾を例として記述しているが、これはあくまで「例」であり、そこで得られた経験をもとに全国一律に同質の指標を設けることは間違っているというご意見でございました。
これに関しましては、今回のご検討いただいたのはあくまでも水質総量規制の対象となる東京湾、伊勢湾、瀬戸内海ということでございまして、そういう制度を検討したということでございますので、これは例というわけではなく、これらの海域についてまさに検討を行ってきたものであるという見解案でございます。
7番ですが、CODの環境基準が達成しない水域において緊急の障害は見られないということでございます。これに対しては、CODの環境基準達成率が低い東京湾等においては赤潮や貧酸素水塊の発生による障害が確認されていますということです。
8番ですが、CODの環境基準の達成状況に関する記述を修正されたいということでございます。修正後のものを読みますと、C類型では57年度からCODが低下し環境基準を100%達成しているにもかかわらず、全体としての達成率の向上に結びつかない結果となっている。このように修文されたいということでございます。
これに関しては、この修文後の文章も必ずしも間違っていないといいましょうか、まさにそのとおりなんですが、ただここの文章の趣旨はCODが改善している水域があるにもかかわらず環境基準達成率が向上していない。それはなぜなのかという理由を記述しておりますので、そういう意味で原文のままとさせていただきたいということでございます。
次に9番です。閉鎖性水域の水質汚濁に影響する主な要因として、「埋め立てによる潮流の弱まり」を入れるべきであるということでございます。これに対する見解案でございますが、水質汚濁に影響する主な要因の1つとして「潮流による海水の移動・撹拌」を挙げているということ。また埋め立てによる地形改変が指定水域の海水の流動や外海との海水交換に及ぼす影響については今後の調査・研究課題として位置づけておりますので、原文のとおりでいいのではないかということでございます。
10番です。「底泥からの溶出」についてシミュレーション結果だけではなく、実測値も踏まえて議論されたいということでございます。これに関しては第2回の専門委員会で実測値につきましてご説明させていただきまして、それを踏まえた議論がなされているということ。また水質予測シミュレーションに組み込まれております底泥フラックスモデルは、溶出に関する実測値をもとに開発されたものでございまして、年間溶出量を推定することができます。一方で実測値は、その1回限りのもの。複数あるわけですが、時期が限られるものでして、そういう意味ではシミュレーションによるものの方がより有効ではないかということでございます。
11番でございます。干潟の水質浄化能力については、さまざまな評価があるため慎重に検討されたい。これはそのとおりでございます。いろいろな研究があります。そういう意味で、その点を十分に踏まえた上で検討を行っています。
12番。流入河川の影響に関する記述については、補正していないCODの結果を用いるべきであるということでございます。
これは図31です。37ページになるんですが、これは流入河川の流量と平均的なCOD濃度の関係を議論していただいたときに作った資料です。ここでCODの方が外海の濃度を補正したCODの値を使っていたんですけれども、そうではなくて補正していないCODの結果を用いるべきではないかということでございます。そこで、ここは確かにおっしゃるとおりではないかと考えまして補正しないCODの図に差し替えてはどうかということを考えております。
13番ですが、水質予測シミュレーションは確立されたものではないため、その結果は参考資料に位置づけるべきというご意見です。見解案は、このシミュレーションはあくまでも検討にあたっての参考とするためにおこなったものではありますけれども、しかし汚濁負荷量の削減による水質改善効果を検討する上で重要であるため、本文中にその概要を記述することにしたということでございます。
14番。2,700haの干潟再生を想定することは、造成費用、用材の確保及び潮流への影響の観点から適切ではないというご意見です。これに関しましては、おっしゃるようなことを考慮していく必要はあると思いますけれども、今回のシミュレーションにおいては今後の対策の前提となるのではなく、水質改善効果を把握するための課程であるという見解案にしております。
15番です。東京湾の干潟に生息する二枚貝に取り込まれる有機物、窒素、燐を見積もっているが、それらが漁獲等により系外に持ち出されることも考慮して計算されたいというご意見です。これも、シミュレーションをよりよいものにしていくためには、そういうことも検討すべきかと思っております。今回はそこまではやっておりませんので、水質予測シミュレーション技術の向上を図るに当たり参考とすべきと考えますという見解にしています。
16番ですが、水質だけ良くなればよいという議論から抜け出ていないことは問題。底生生物が正常に生息できるような海域の健全性を取り戻す視点が重要というご意見なんですが、ここに関しては今回、貧酸素水塊の発生により底生生物が生息しにくい環境となっている問題についても着目をしておりますので、ここは報告書を読んでいただければわかっていただけるのではないかと考えております。
17番。指定水域における水環境改善の必要性を検討するに当たり、環境基準の達成状況だけではなく、貧酸素水塊の発生により底生生物が生息しにくい環境になっているなどの問題にも着目していることを大いに評価する。こういうご意見でして、評価していただいておりますので、見解案は特に書いておりません。
18番ですが、指定水域における貧酸素水塊の発生に関する記述の修文の意見でございまして、「貧酸素水塊が長期にわたり」という、このアンダーラインの部分ですが、「長期にわたり」というのを追加、挿入していただきたいというご意見です。これに関しては確かに長期にわたりということが言えないこともないのかなと思ったんですが、しかし、ある地点についてみれば貧酸素水塊が発生したり消失したりしている。湾全体としても一時的に消失する時期があったりしますので、長期にわたりとなかなか言い切れないのではないかということから、原文のままとさせていただきますという見解案にしております。
 19番。大阪湾における窒素及び燐に係る水質濃度は長期的に改善傾向にあるということから、15年度から16年度にかけて濃度レベルが上昇していることをもって水質改善の必要性があると結論づけるべきではないというご意見です。これに関しては濃度レベルが若干上昇しているということも理由の1つにはしておりますが、決してそれだけではなく、16年度の環境基準が100%達成されない見込みであるということ、それに加えまして大阪湾では大規模な貧酸素水塊が発生している。また水域面積あたりの延赤潮面積も際立っているということから引き続き汚濁負荷量の削減が必要と考えられるという見解案です。
 20番ですが、海域の物理的特性などの水質汚濁メカニズム全体を考慮し、汚濁負荷の削減対策だけではなく、それ以外の対策も含めた総量規制の在り方を提示すべきというご意見です。これについては水質汚濁メカニズムに関する検討も行い、汚濁負荷量の削減対策に加えて、干潟の保全・再生や底質環境の改善等の対策についても記していますという見解案です。
 21番です。レッドフィールド比との関係でございます。削減目標量、つまり汚濁負荷量ということだと思いますが、汚濁負荷量のN/P比がレッドフィールド比に対してかなり高い。指定水域の生態系の健全性を維持するということを目標負荷量を決定する際の議論に入れていただきたいということでございます。
 これに関しては参考の図を用意しておりますので、ご覧いただきたいと思います。指定水域におけるN/P比がどうなってきたかということでございまして、これは広域総合水質調査の結果からそれぞれの水域の平均の窒素、燐の濃度を用いまして、N/P比を計算しました。その推移をグラフにしてみたものでございますが、若干変動はあるんですけれども総量規制が始まった当初の昭和50年代と比べまして近年あまり変わらない。大体同じくらいのレベルであるということでございまして、特に総量規制をすることによってN/P比が変わってきたわけではないということが確認されております。今後ともこのような形でN/P比がどう変わっていくのかということも注意しながら対策の在り方を検討すべきと考えますという見解案にしてございます。
 22番です。第5次からの指定項目である窒素、燐については平成16年度の削減実績に関する評価が不十分であるため、新たな水質総量規制を実行することは拙速であるというご意見です。これに関しては東京湾、大阪湾、伊勢湾に関しましてはCOD、窒素、燐の濃度レベルが高く、貧酸素水塊等の障害が依然として生じていることから、引き続き水環境改善対策が必要です。なお、第6次の実施にあたっては平成16年度の汚濁負荷量の排出実態を把握した上で削減目標量等が設定されるべきものと考えますという見解案にしております。なお、前回もご説明いたしましたが、平成16年度の汚濁負荷量に関しましては、目標値をおそらく達成できるであろうという見込みになっておりますが、今後、第6次の目標負荷量を設定するに当たりましては、その辺しっかりした数字を確定した上で検討していくべきものと考えております。
 23番ですが、ここは第6次の検討に当たりましては生活系及びその他系の汚濁負荷に重点をおいた削減に取り組むべきである。産業系に関しましては、従来の排水対策など各種施策を継続して実施していくこととすべきというご意見です。見解案は、各発生源がそれぞれ汚濁負荷量の削減対策を講ずることが必要です。このため生活系及びその他系の汚濁負荷量の削減対策とともに、産業系についても可能な限り汚濁負荷量削減を進める必要がありますという見解案です。
 24番です。大阪湾奥部、播磨灘北部、広島湾奥部等に関する地域では総量規制基準の対象とならない小規模事業場及び未規制事業場を、総量規制基準の対象とすべきというご意見です。これに対しては小規模事業場、未規制事業場の汚濁負荷量は都府県による上乗せ排水基準の設定等による排水規制、汚濁負荷の削減指導、下水道整備等により削減されてきているため、このような施策を継続すべきと考えますということです。
 25番にまいりまして、瀬戸内海の西部海域では「貧栄養」とも思える状態なので、海の恵みである水産物の生産という食糧問題も同時に議論の俎上に載せていただきたい。コストのかかる生活排水についてはこれ以上削減する必要はないということでございます。これに関しては大阪湾を除く瀬戸内海については、窒素、燐の環境基準がおおむね達成されていることから、その濃度レベルを維持することが適当としています。生活廃水対策は海域のためだけではなく、河川等の水環境改善のためにも必要であると考えますということです。
 26番。干潟の再生に関しては人口干潟がまだ完成した技術ではないことを考慮して、慎重に取り組むべきと記述されたい。これに関しての見解案は、干潟の再生にあたってはご指摘のように慎重に取り組むべきと考えますということです。
 27番ですが、残された干潟は当然保全すべき。干潟の再生・復元については埋立地を海域に戻すことを含めて行政計画の策定、事業スキームの確立及び予算措置による施策の実行を担保されたい。また、干潟に限らず砂浜、浅海、汽水域、藻場などの多様な環境の保全・復元を図られたい。これに対する見解案は、干潟の保全・再生を推進することは必要であると考えており、そのための施策については関係機関により検討されるべきと考えますということです。
 28番。干潟の保全、再生に関する記述でございますが、「小規模であっても」ということを挿入していただきたいということですが、これに関しては小規模なものも当然干潟には含まれておりますので原文のままでよいのではないかと思います。
 29番ですが、大規模な窪地に関する埋め戻しの記述があるんですが、それに関するものです。確かに無酸素水が存在するが、密度が大きいので台風並みの嵐がないかぎり、窪地周辺海域へは上がってこない。このため、窪地の埋め戻しについては反対しないが緊急性が高くないと思われるというご意見です。これに関しましては、大規模な窪地において貧酸素水塊が発生し、そこで底生生物が生息しにくい環境となっていること、それ自体が問題であるということから埋め戻しを進める必要があるとしています。
 30番ですが、藻場に関する記述について、藻場のあとに「アマモ場」というのも加えていただきたいということでございますが、これに関しては一般に藻場には「アマモ場」も含まれるというケースが多いものですから、原文のままでいいのではないかということでございます。
 31番。閉鎖性海域を取り巻くさまざまな環境の変化を踏まえ目標年度を検討すべきということでございます。これに関しては、これまで5年ごとに目標を設定することにより指定水域の状況、汚濁負荷の削減状況をレビューし、実行性を確保しながら総量規制を実施することが可能となりました。このため第6次に関しましても、目標年度を21年度とすることが適当と考えていますということでございます。
 また32番ですが、窒素、燐に関しては平成16年度実績を踏まえた総合的な評価を行い、目標年度を設定すべき。これについては、少し前にも同様のご意見がございましたけれども、第6次の総量規制の実施にあたっては16年度の汚濁負荷量の排出実態を把握した上で、削減目標量等が設定されるべきものと考えますとしております。
 33番ですが、今後の課題については早期に検討を開始する必要があるというご意見です。これに関してはご指摘のようなこともあり、今後の課題については第6次の総量規制の実施に合わせて取り組むべきと記したものですという見解案です。
 34番。今後の施策目標を明らかにし、それを効果的に達成するための閉鎖性海域環境保全に関する長期ビジョン・戦略を海域ごとに提示すべきというご意見です。これに対しては、今回の検討に当たっては環境基準の達成状況に加え、貧酸素水塊の発生等の問題についても着目し対策の在り方を検討いたしました。今後は4-3に掲げられた今後の課題を検討しつつ、より効果的な対策を検討すべきと考えますという見解案です。
 次に35番から41番に関してはまとめて見解案をつくっております。35番ですが、モニタリングの項を追加すべき。水環境のモニタリングは環境基準の把握の基礎となる。水質、特に下層DOの把握に加え、赤潮の発生状況や水生生物の生息状況の把握が重要。36番、水質だけに限らない指定水域の水環境に関する目標を早期に検討すべき。またどの場で、どのような人によってこのような検討が行われるかを示されたい。37番、新たな科学的な知見や、海域の利用状況を踏まえ、CODの環境基準を見直すべき。38番はCODの分析を見直す必要がある。現状のCOD分析方法を採用し続ける場合は、A類型、B類型の基準値をそこにあるように引き上げるべきというご意見です。39番はC類型の環境基準が緩すぎるので、より低い値に変更するか、あとはC類型をB類型に変更するなどの措置を検討されたいというご意見。40番は窒素、燐の環境基準についてですが、IV類型とIII類型の間にIII'類型を設定し、IV類型の水域を順次III'類型に指定変更し水質環境の改善を進められたいというご意見です。
 41番は水域によってはノリの色落ちなど貧栄養化しているところもあるとの指摘もあり、これらの状況を考慮するとCODの環境基準そのものについて見直す必要があるということでございます。
 これに対する見解案でございますが、ご意見を参考として指定水域の目標とすべき水質、評価方法及びモニタリング手法について今後検討を進める必要があると考えます。また環境基準は常に適切な科学的判断が加えられ必要な改訂がなされなければならないものであるため、このような検討は、環境基準の見直しも視野に入れたものになるべきと考えますという見解案でございます。
 42番です。「沿岸域の地形変化が指定水域の海水の流動や外海との海水交換に及ぼす影響」が調査研究課題に入っているが、例えば2003年に完成した南本牧埠頭が東京湾の流動に及ぼす影響の解明に取り組まれたいとうものであります。これについては埋め立てによる地形改変が指定水域の海水の流動や、外海との海水交換に及ぼす影響については今後の調査・研究課題として位置づけていますということです。
 43番から47番に関してはまとめて見解案をつくっております。
 43番は貧酸素水塊を検討する上で底生生物や漁獲生物のデータは重要。汚濁負荷量と生物の関連に関する調査研究を推進されたい。
 44番、底質について漂砂の持つ環境浄化機能の評価検討を進められたい。
 45番、陸域の地下水の海底からの湧出が海域に与える影響について調査研究を進められたい。特に埋立地護岸がこれらの地下水挙動に与える影響について明らかにされたい。
 46番、水質汚濁の進んでいる湾奥部等に関して港湾区域ごとにミクロな対策手法や目標を設定するための調査研究もお願いしたい。
 47番、貧酸素水塊の発生機構とその対策への検討が重要。また次期総量規制の検討まで待つのではなく、毎年の測定結果の公表時に背景データを整備して、自治体や研究者の情報交換を行い、恒常的に検討していくことが肝要。
 これらのご意見に対してましては、閉鎖性海域における水質汚濁メカニズムに関する調査・研究を推進するに当たって参考とすべきと考えますという見解案です。
 48番ですが、少なくとも東京湾に関しては流域の人々が海を目にする機会が少ないことが理解を得られぬ大きな要因となっている。このため、東京湾岸自治体では湾岸マップを作成配布して、海に誘うことを狙っている。環境教室をはじめとした、海に接する機会を増やすことも重要というご意見です。見解案は、指定水域の水環境に関する情報発信、及び普及啓発活動を推進するにあたって参考とすべきと考えます。
 以上、48件のご意見がございましたけれども、これらに対する見解案をまとめてみましたので、ご検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○岡田委員長 はい、どうもありがとうございました。それでは、これからただいまのご説明に対しましてご質問、ご意見をいただきたいと思いますが、その前にここにはいらっしゃらないかもしれませんけれども、これだけたくさんパブリックコメントいただいたことを委員長として、深く感謝いたします。パブリックコメントが何もないということは、関心がない、どうでもいいということにもとらえかねないことになりまして、これだけ真摯なご意見をいただいたことは本当にありがたいと思います。それから、事務局の方でこれを主として見解案としてまとめていただきましたが、本当にご苦労さまでした。
 それでは、この見解案、それから先ほどの瀬戸内海部会でのご意見を踏まえた見解案の内容につきまして、まずご質問、ご意見等をいただきたいと思います。それではご自由によろしくお願いいたします。どなたかございませんか。

○細見委員 資料の2の方の、2ページの10番の項目です。「底泥からの溶出」についてシミュレーションの結果だけではなく実測値も踏まえて議論されたいということの意見に対して、ここも一応議論はしたわけですが、最後に「より有効であると考えます」というこの文章は、そもそもシミュレーションモデルとういのは一応実測値をもとにして開発したものですので、「より有効である」というところが個人的に、やはり両輪でやらなければいけないのではないかと。実測というのも続けて評価していかないと。どうも、役所のやられるときには契約のこともあって、どうしても春先は取れなかったり、秋口ぐらいから取れてくるのでどうしても時期が限られてくるのではないかというふうに少しうがったようにもうかがえるので、どちらかというと底質からの溶出についても実測値を春夏秋冬だけではなく、すべての地域では難しいと思いますけれども、いくつかの重要な地点については1年を通じて測る。それとモデルと、本当に整合性を確かめていくという努力が必要なのではないかと思います。以上です。

○岡田委員長 ありがとうございます。どうしましょうか、この「より有効」を少し弱くした方がいいと。

○細見委員 ええ。

○岡田委員長 では淡々とシミュレーションで溶出を推定しましたという程度にしておこうということですね。いいですか。
 はい、どうぞ。

○坂川閉鎖性海域対策室長 そうですね、それではちょっと修正して、ここの欄の下から4行目くらいのところに年間溶出量という文章がありますが、ここから修正して「年間溶出量を推定することができるためその数字を用いたものです」ぐらいにしようかと思いますが、よろしいですか。

○岡田委員長 わかりました。ありがとうございました。

○細見委員 実測値も踏まえて議論されたいと言っていることですので、今後、実測値が限られているというわけですから、もう少し増やしていきたいという姿勢もあっていいのではないかと思います。これはコメントだけです。

○岡田委員長 はい。では、よろしいですね、今の点は。
 ありがとうございました。ほかにございますでしょうか。はい、どうぞ。

○齋藤委員 瀬戸内海部会での論議についてお伺いしたいんですけれども、一番最初の質問で燐の発生負荷量の見積もりが低いというご意見が部会で出たということですけれども、これは特定の原単位を指して、あるいは何かバックグラウンドとしてそういうことがあって、こういう意見が出てきたんでしょうか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 確かここは、何か特定の原単位についてどうのこうのということではなかったと記憶しております。確か、この発言をされた先生が、ご自分でも見積もりをしたことがあって、それと比較するとちょっと低めですねというご意見だったと思います。

○岡田委員長 よろしいですか。

○齋藤委員 結構です。

○岡田委員長 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○平沢委員 瀬戸内部会のやつで教えていただきたいんですけれども、2ページ目の10番。生物、漁業にとってはDOが重要な指標である。また、下水処理では塩素処理ではなく、紫外線処理を進めていただきたいと、下水のところで今回の話とは関係ないんですけれども、何でこういう話をされているんでしょうか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 「生物、漁業にとっては」から実はつながっておりまして、生物、漁業にとってはまずDOが重要である。それに加えて下水の塩素処理が生物、漁業に対する影響というものを懸念されてのご発言ではないかと想像します。

○平沢委員 それは何か塩素化合物ができる、そういうニュアンスなんですか。有機塩素化合物ですとか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 おそらく塩素そのものではないかというふうに。

○平沢委員 そのものですか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 ただ、そこまではっきり発言されたわけではないと思いますので、断言はできませんけれどもおそらくそういうことかなと思います。

○平沢委員 それは、紫外線だといいということをおっしゃっているわけですか。ちょっと抵抗があるな。はい、わかりました。
 それともう1つだけよろしいですか。こちらのパブコメの方の4ページの21番のN/P比の話なんですけれども、さっきデータお見せいただいてN/P比が変わっていないというお話ですけれども、なんとなくPは下がっていて、Nはあまり変わっていないような気がしていて、これは感覚的にですがN/P比は上昇傾向にあるのではないかと思ったんですけれども。変わらないからいいんだというのが、何か理由をお考えになっているのかと思いまして。変わらない理由、何で変わらないんだろう、ちょっと不思議なんです。Nは硝酸とかになっていても、Nは変わらないので、トータル的には。脱窒素が進んでいるわけでもないし。

○岡田委員長 これはお答えしにくいかもしれない。

○坂川閉鎖性海域対策室長 正直言ってよくわからない部分が多いわけでありますが、結果としてまずわれわれの調査結果から見ればそんなに変わっていないですねということ。それから、窒素も燐も両方を削減してきた。確かに若干削減の仕方は違っていますが、一方がもう一方と比べてものすごく削減してきたというわけではなく、どちらも削減してきたということが影響しているのではないかと想像しております。

○平沢委員 何か、無燐化の時のあれがあって、あれですごく燐が下がっているので、その影響が何か出ているのかなと思ったらあまり出ていないので。以上です、結構です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 もし、コメントがあればどうぞ。

○高橋委員 先ほどの塩素と紫外線のことでございますけれども、確かに下水処理水の塩素では生物に影響を与えるということはあるんですけれども、それは本当に下水処理水が流れの大半を占めるような放流先の話であって、海域のようにかなり薄められるところでは、それほど影響はありません。下水処理水の影響するような特別なところでは紫外線で処理をするということです。紫外線の場合には一時的に殺菌するだけでして、残留物はございません。それで影響がないということもありうるということです。

○岡田委員長 はい、ありがとうございました。では中村先生、どうぞ。

○中村委員 2点ほどありまして、1つは平沢先生から今、窒素、燐比のご指摘がありまして、その点に関する質問というかコメントです。
 最近、東京湾のデータを見る機会がありまして、東京湾の奥は冬場ですと窒素、燐比が顕著に上昇しています。これは事実としてあります。ほかの湾域のデータは私はよく見ておりませんのでわかりませんが、こういうふうに時期を限るとか、あるいは場所を限るということをすれば確かに窒素、燐比がかなり上がっているというのは事実として示されているのであろうと私も思います。その辺を踏まえた見解案にしていただきたい。この最後の補足の参考図面がありますね。これだけで現状変わっていないというのは、ちょっと言い過ぎではないかと私は思います。それが1点です。
 もう1つは、瀬戸内海部会の意見の2項目目ですけれども、部会そのものに私は出ておりませんのでトンチンカンな質問になるかもしれませんが、意見の趣旨が私もよく理解できないんですが、果たして質問の趣旨に真っ向から答えた対応案になっているのかなという懸念がちょっとあります。
 質問、生物の活用の仕方も考えていただきたいということなんですけれども、例えば生物の作用を利用して浄化のシステムを作る。例えば、漁獲とか、漁獲ではないにしても栄養源を吸収させて、そこから取り上げて、例えば肥料とかいろいろなものに再利用するような、こういうシステムを考えていただきたいという質問のご趣旨ではないのかなと私は思ったんですが。もしそうでなければ、それは単なる杞憂に終わると思うんですけれども、もしそうであるとすると対応方法の案がこれは場の再生ということを念頭を置かれていますので、ちょっとずれていないかなという懸念です。それが2つ目です。以上です。

○岡田委員長 どうぞ。

○坂川閉鎖性海域対策室長 まずN/P比の方に関しましては、ご指摘もありましたのでもうちょっと細かく見てみたいと思います。それから2点目ですが、ここは確かご意見もあまり詳しくお話にならなかったように記憶しておりまして、今の中村委員がおっしゃったような趣旨なのかどうか、ちょっとそこはよくわからないものですから、そこでこういうような対応案にさせていただきました。

○岡田委員長 ただ、本日ご欠席になっている松田先生が漁獲によって窒素、燐を取っていく部分は15%。瀬戸内海が大きいということはご指摘になりました。ただ、事務局が今お答えになったように、それについて明確にどうのこうのという焦点を絞って議論したわけではございません。

○河村委員 よろしいですか。

○岡田委員長 はい、どうぞ。

○河村委員 瀬戸内海部会の方で、8番目のところでCODの中身について生物の影響という観点からの検討が必要というコメントがあるんですけれども、これはどういう趣旨で言われたか教えていただけませんか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 はい。ここはちょっと簡単にしてしまったのでわかりにくかったかもしれません。確かこの趣旨は、まずは有機物の性状が酸素消費に少ないものに変わってきているのではないかという記述が報告書案の中にあります。ですから、その部分についてのコメントだったんですが、確かにそういう酸素消費が多いか少ないかというところの検討も必要なんだけれども、それだけではなくて有機物の中身が変わってきたとすれば、その有機物自体が生物にどういう影響があるのか、影響があるのかないのかというところの検討も必要ではないでしょうかというご意見だったと思います。

○河村委員 何か生物に影響があるという知見があって、それをベースにお話をされたわけではないということですね。具体的な例を示されたわけではないんですね。

○坂川閉鎖性海域対策室長 具体的なお話は特にありませんでした。

○岡田委員長 はい、ありがとうございました。よろしいですか。では、どうぞ。

○細見委員 これは簡単な質問なんですけれども、資料1の2ページ目、これは委員からの意見や要望があって、答えたときには答えもあるんですが、ない場合はどういうふうにお考えなのか。例えば具体的に言うと11番なんか、かなり今後のいろいろなことを考えていく上でも重要かなと思うんですが、これは答えていない。どういうスタンスなのか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 右の欄に書きましたのは、瀬戸内海部会の場で環境省が答えたものについては書いたんですが、ただご意見、ご要望として承っておくという趣旨で特にお答えしなかったものもあります。時間の関係もありまして。そういうところを空欄にしているということですので、これらのご意見については今後いろいろな検討課題がございますので、それらを検討していくに当たりまして、環境省としてはこのようなご意見も参考にしながら進めていきたいというふうに考えております。

○岡田委員長 はい、ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、いろいろご意見をいただきましたが、瀬戸内海部会からいただいたご意見、ならびにパブリックコメントでいただいたご意見に対する見解案というものについて、本委員会でご了解いただいたということにさせていただいてよろしいでしょうか。もちろん、シミュレーションの点とか、底泥のこととか、N/P比の点、これは修正するという前提でご了解いただいたというふうにさせていただきます。よろしいですね。
 それでは、事務局より前回ご審議いただきました報告案。これが変更されますので、変更点についてご説明をお願いしたいと思います。

○坂川閉鎖性海域対策室長 その前に1つご説明しておきたいことがあるんですが、大阪湾の窒素、燐の環境基準達成率が平成15年度に100%になりましたけれども、16年度の速報値では100%ではなく67%になりますというご説明を前回させていただきましたが、実は窒素、燐に関しましては環境基準達成率がCODに比べるとかなり変動しているということと、第5次から指定項目に加えましたので、16年度の東京湾、伊勢湾の環境基準達成率がどうなっているのかというのが気になりましたので、緊急に自治体から速報値を集めまして調べてみました。これはまだ速報値ですので確定したわけではないんですが、それによりますと東京湾は15年度の達成率が50%だったんですが、16年度も50%ということで変わらずということになりそうです。窒素、燐の環境基準達成率です。伊勢湾は15年度が57.1%だったんですが、16年度は29%ということで、ちょっとこれは悪くなりそうであるということです。

○岡田委員長 違いますね。

○坂川閉鎖性海域対策室長 伊勢湾には水域が7つありまして、15年度は7分の4だったんですけれども、これが7分の2になりそうだ。ですから伊勢湾が悪くなる可能性があります。これはまだ数字が確定しておりませんので、確定しましたらまた何らかの形でご説明したいと思いますが、いずれにしろ必ずしも急に良くなっているわけではないということのようでございます。ご参考までに説明させていただきました。
 それでは資料3です。これにつきまして、先ほどのところで少し修正したいとご説明した部分の修正と、それ以外に若干単純なところの修正もありますので、パブリックコメントしたものからの修正点をご説明させていただきたいと思います。
 まず表紙の裏に名簿がございますが、実はこの4月に所属、または肩書きが変わった委員の先生方が何人かいらっしゃいますので、新しいものに修正いたしました。万が一間違いなどございましたらご指摘をいただきたいと思います。もう1枚めくりまして、1ページでございます。1-1(1)制度の仕組みの中で、3つ目の段落の最後であります。小規模事業場・農業・畜産農業等という表現がございます。実は前回の委員会では畜産農業は畜産という言葉を使っていたんですが、これを斉藤委員からのご指摘で畜産農業に改めた方がいいのではないかということで、畜産農業に改めました。ただパブコメのときに畜産農業に改めたつもりだったんですが、ここだけがちょっと修正し忘れておりましたので、畜産は畜産農業ということで統一したということでございます。
 3ページの(3)越流負荷量の推計のところなんですが、ここに発生負荷量に対する越流負荷量の割合の数字がたくさん並んでいますけれども、実は事務局の方で計算間違いなどございましてわずかに修正がございます。具体的にいいますと、「それぞれ」の後に15%、4.1%、6.2%とありますが、前の資料では6.2が6.0になっていたんですが、6.0を修正して6.2にしました。その次の行の一番左側、2.0%とありますが、ここが1.7%となっていたんですが、1.7を2.0に修正しました。その次の「それぞれ」のあとの11.2%とありますが、ここは前の資料では10.3%になっていたんですが、ここを修正して11.2%。その次の行の一番最後、0.7%とありますが、これは0.8%になっていたんですけれども、四捨五入の関係で0.7の方が正しいということで、その程度の修正をしております。
 それから、4ページの最後の段落の畜産農業のところですけれども、ここを若干わかりやすいように表現を改めました。例えば管理基準のところは家畜排せつ物を管理する上で遵守すべき基準というふうにわかりやすく表現したのと、その下の最後の行のところ、管理基準に従った適正管理が義務付けられるというところも含め修正を加えております。
 5ページの一番上の行ですが、最後のところで汚水処理の効率化に関する技術開発。これを加えています。この表現が前はありませんでしたので、その程度の修正をしています。
 それから11ページにまいりまして、先ほどの瀬戸内海部会でのご意見を踏まえた修正でありますが、真ん中より少し上の「なお」の段落です。その2行目。貧酸素水塊の発生が報告されている水域、これを加えています。  次の修正は図表の方にまいりまして、19ページです。19ページの越流負荷量の割合の表1がございますが、さきほど文章中でご説明しましたけれども、若干の数字を修正しましたので、この表もそれに合わせて修正してあります。
 33ページでありますが、図の26、東京湾及び三河湾における青潮の発生状況。この図は大分前の専門委員会で使った図そのままなんですが、実は前回の資料でちょっと手違いで間違っておりまして、違う図をつけておりました。実は図の18に赤潮のグラフがあるんですが、それと同じグラフをここに付けてしまっておりまして、大変申し訳ございませんでした。単純な間違いです。
 37ページと38ページですが、ここはパブコメを踏まえての修正でございまして、CODを補正CODではなく、もともとのCODそのものの数字のものにしたということで、図を差し替えています。
 一番最後、44ページでございますが、図の36と表の7、これを今回加えました。総量規制の仕組みとか、総量規制の経緯に関しましては文章中に書いているんですが、文章だけではわかりにくいかもしれませんので、このような図と表を加えたものでございます。パブコメのところからの修正は以上でございます。

○岡田委員長 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、ただいまのご説明に関しましてご質問、ご意見がございましたらお願いいたします。

○宮崎委員 必ずしも今のご説明のところとは一致しないかと思うんですけれども、意見でもよろしいでしょうか。13ページの例えば今後の課題のところで、さきほどのパブリックコメントなどのところでもありましたけれども、CODの測定法のこともありましたし、CODについていろいろ意見が出されているように感じました。それで、この委員会でもCODの内容が変わってきているのではないかということで13ページの(1)の中に書かれているような記述になったと思うんですけれども、これは法律の方で決まっていることだと思うんですけれども、総量規制でCODを対象にするということになっているんだと思うんですが、本当にそういうところをもう1度見直す必要があるのではないかなと個人的には思っております。
 例えば、今後の課題の中にどういう記述になるかわかりませんけれども、CODの1つは測定法もやはり問題があるだろうと前から私も申し上げているところなんですけれども。もう1つはCODではなく、むしろTOCとか全有機体物質をきちんと把握できるものの方がいいのではないか。もちろんCODというのはそれなりに今までの歴史もありますし、意義があることだと思うんですが、しかしやはりそれだけでは十分に把握できないような状況にもなりつつあるということで考えると、TOCがベストかどうかわかりませんけれども、そういう別な指標なりを考えるべきなのではないか。またCODについても、今までのマンガン法で本当にいいのかどうかというところがあると思うんです。やはり国際的ないろいろな統一ということからいうと、日本だけがマンガン法を使っているという状況ではあるわけです。本当にそれでいいのかどうか。
 ですから、具体的には目標とすべき水質の検討のところかどこかに、あるいは(2)でもよろしいんですけれども、少しそういうところを検討する必要があるのではないかという趣旨のことを記述していただけるとありがたいと思います。私の意見でございました。

○岡田委員長 いかがでしょう。なかなか難しいかもしれませんが。

○坂川閉鎖性海域対策室長 そこはまた委員の先生方でご議論いただければと思いますが、環境省の考え方としては、そこはまさに今後の議論ではないかなと思っております。つまり、必ずしもわれわれもCODにこだわっているわけではないわけであります。そういう意味で、ここで指定水域の目標とすべき水質と、その評価方法について検討を行う必要があると書きましたので、その議論の検討の中でCODがいいのかどうかということも含めて検討していく必要があるのではないかと考えております。

○岡田委員長 これは環境省としてもすぐに答えにくいことだとは思うんですが、もっと極端に言いますと、かつて環境省でCODもそれから窒素、燐もやめて、非常に極端な例ですよ、溶存酸素とか透明度という、瀬戸内の委員会でも出てまいりましたが、そういう指標を目標値にした方がいいかもしれない。窒素、燐、CODもしくはTOCは目標値を達成するための手段。要するに廃水処理を管理するための手段として位置づけるというような考え方まであります。さらにその生物指標にしなければけしからんではないかというご意見もございますので、今そこでおっしゃることを書くのはかなり環境省としてもしんどいのではないかと思いますので、それはぜひご勘弁をというか、認識は十分に当然していることと思いますけれども、書き加えるのは今の時点では大変かなと思うので、よろしいでしょうか。

○宮崎委員 はい、結構です。

○岡田委員長 お許しください。

○宮崎委員 了解しました。

○岡田委員長 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 確かに、今、宮崎委員からのご指摘があった点は、今までずっと議論してきた焦点のところでございますので、その辺も踏まえてたくさんご意見をいただいてきておりますので、もう大体よろしいと考えていいでしょうか。
 予定の時間よりはまだだいぶあるんですが、長々とする意味もないでしょうから、特段なければこの報告案というものを本専門委員会の報告とするということでよろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございました。それでは、この本専門委員会は本日を含めまして、本日第9回目でございますので、9回開催されました。その間、委員の先生方には非常に活発なご議論をいただいてまいりました。本日はその集大成、最後ということで、第6次水質総量規制の在り方についてという委員会報告を取りまとめることができたかと思います。これまでの委員の皆様方のご尽力に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。それから最後の点でパブコメをいただいた方にも深く感謝したいと思います。
 今後は専門委員会報告については、水環境部会に報告させていただきます。そこでご了承をいただければ、それが環境大臣の諮問に対する答申ということになります。
 ということでよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 それでは最終報告書、これは今日のこの形のままでいいことになりますね。ですから、これをそのまま水環境部会、来週か再来週だったか忘れましたが、行われますので報告をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
 はい、ありがとうございました。それでは事務局の方から何か連絡事項ございますでしょうか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは、本日はこの専門委員会としては最後でございますので、水環境部長からご挨拶させていただきます。

○甲村水環境部長 水環境部長の甲村でございます。総量規制の在り方につきましてご熱心にご議論いただきまして誠にありがとうございます。今回の第6次の水質総量規制の在り方、私も伺っておりまして、特徴としては1つは負荷量の規制とともに干潟の保全・再生。それから水質環境の改善といういわゆる湾内での環境の浄化能力のアップ、あるいは環境改善を位置づけていただいたということ。それから負荷量の規制にいたしましても、全海域一律ではなく各海域ごとの特性を踏まえて東京湾、伊勢湾、大阪湾と瀬戸内海については考え方が異なったということが非常に大きな成果ではないかと思います。それからまた、さきほど一番最後にも議論ががございました、いわゆる今後の課題として目標とすべき水質の検討、調査研究の推進対策の検討、これは単に海域だけではなくて水環境全体についての大きな課題だと認識しております。総量規制の実施にあわせて海域だけにかかわらず、他の水域についても精力的に検討してまいりたいと考えております。
 今後の話でございますが、先ほど委員長からお話ございましたように水環境部会に報告いたしまして、大臣に答申いただきまして、それをもとに総量削減基本方針を策定してまいりたいと思いますので、またいろいろご協力、あるいはご示唆をいただければと思います。ありがとうございました。

○坂川閉鎖性海域対策室長 どうもありがとうございました。1点ご連絡ですが、水環境部会は5月16日に開催する予定でございまして、その場でこの専門委員会報告をご説明させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。

○岡田委員長 はい、どうもありがとうございました。
 それでは以上を持ちまして、本日の会議を終了いたします。長い間、本当にありがとうございました。

午前11時12分 閉会

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