中央環境審議会水環境部会 総量規制専門委員会(第6回)議事録

日時

平成16年12月7日開催

場所

環境省水環境部

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 汚濁負荷削減対策について
    (2) 水質汚濁メカニズムについて
    (3) その他
  3. 閉会

配付資料

総量規制調査専門委員会委員名簿
産業界における汚濁負荷削減対策について
指定水域における平成15年公共用水域水質測定結果(暫定値)
指定水域の外洋のCOD濃度の推移
水域面積当たりの汚濁負荷量と水質濃度の関係
燧灘におけるCOD発生負荷量とCOD濃度の経年変化
水質予測シミュレーションについて(経過報告)

   

総量規制専門委員会委員名簿

委員長  岡田 光正  広島大学大学院工学研究科長・工学部長
専門委員  河村 清史  埼玉県環境科学国際センター研究所長
   木幡 邦男  (独)国立環境研究所流域圏環境管理研究プロジェクト
     海域環境管理研究チーム総合研究官
   齋藤 雅典  (独)農業環境技術研究所化学環境部長
   高橋 正宏  国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部長
   中村 由行  (独)港湾空港技術研究所海洋・水工部沿岸生態研究室長
   平沢  泉  早稲田大学理工学部応用化学科教授
   細見 正明  東京農工大学工学部化学システム工学科教授
   松田  治  広島大学名誉教授
   宮崎  章  (独)産業技術総合研究所つくば西事業所管理監
     産学官連携コーディネータ
                 

議事録

午後1時32分 開会


○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは、定刻となりましたので、第6回総量規制専門委員会を開催いたします。
 本日は、お忙しい中をお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。

 それでは、まず最初に、資料の確認をお願いします。
 本日の資料は、議事次第の下の方に「配付資料一覧」とございますけれども、資料1が委員名簿、資料2が「産業界における汚濁負荷削減対策について」、資料3が「指定水域における平成15年度公共用水域水質測定結果(暫定値)」でございます。資料4が「指定水域の外洋のCOD濃度の推移」、資料5が「水域面積当たりの汚濁負荷量と水質濃度の関係」、資料6が「燧灘におけるCOD発生負荷量とCOD濃度の経年変化」、資料7が「水質予測シミュレーションについて(経過報告)」というものでございまして、以上が本日の資料でございます。
 それから、資料7に関しましては、委員の先生方にはもう既に差しかえ済みのものを配付してございますが、傍聴者の皆様には、1枚差し込み用紙を別途お配りしていると思いますので、ちょっとご注意いただきたいと思います。
 それでは、岡田委員長に議事の進行をよろしくお願いします。

○岡田委員長 それでは、皆様方、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございました。
 本日の議事に入ります前に、産業界における汚濁負荷削減対策についてご説明いただくということで、日本経済団体連合会環境管理ワーキンググループの奥村座長並びに各事業団体の代表の皆様方に参考人としてご出席をいただいております。また、水質予測シミュレーションにつきましてご説明をいただくために、独立行政法人国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長の渡辺正孝先生に参考人としてご出席をいただいております。お忙しいところをご出席いただきまして、ありがとうございました。本日はよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 10月4日に行われました第4回の専門委員会で行いましたヒアリングにおきまして、産業界における汚濁負荷削減対策について、経団連の環境安全委員会環境リスク対策部環境管理ワーキンググループの奥村座長並びに事業団体の方々からご説明をいただきました。そこで、委員の方から負荷削減対策として、具体的な技術、それからコストといった詳細な情報を示していただきたい、お教えいただきたいというご意見をいただきました。そこで、今回は前回のご意見を踏まえて、もう一度資料を作成していただいております。その資料に基づきまして、産業界の方々からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○奥村(日本経団連環境管理WG座長) 本日はどうもありがとうございます。先般の宿題ということで、資料を準備してまいりました。私、奥村でございます。それから、日化協の石崎、それから製紙連合の波多江、それから鉄鋼連盟を代表しまして橋本と、この4名でございます。
 では、早速ですので、まず化学からご説明お願いします。

○石崎(日本化学工業協会) それでは、資料の2-1という形で、皆様の資料2の中でお手元にございます。
 ここには、11の事例、A海域、東京湾で5つ、それから瀬戸内で5つ、伊勢湾で1つという格好で、11の事業所の事例がございます。それから、11ページの次のページに12ページというのが1つ横長にございます。これは、前回のご説明のときに、化学業界においては、平成4年度までは日本化学工業協会ではこの作業を取りまとめていないのですが、化学の主たるものが石油化学でございましたので、石油化学工業協会でまとめていたという部分についての詳細なデータであります。これは昭和45年からのデータをすべて、昭和63年まで、これを第1期としてまとめておりますし、第2期は、そこから先にさらに平成10年までの間の第2期のデータ、これもすべての部分を、いわゆる出典を明らかにしてここに掲載をいたしました。この部分も逐次ご説明することにいたしまして、それでは元に戻っていただきまして、資料の2-1、1ページでございます。
 ここは、東京湾で5つの事業所というのを選びましたけれども、これは今回の作業依頼を受けまして、急遽主だった会社の典型的な工場というのをいわゆるランダムにピックアップしたという形で載せています。
 まず、第1ページ目は、この工場の部分は、前回もちょっとお話しをいたしました窒素に関してある程度の負荷を持っていて、そのために苦労した部分を具体的に回答いただいた事例であります。ここでは、CODについては当然総量規制値があるという形でございますが、実は総量規制値はご覧のとおりもともと新増設のたびに排出係数が変わるということもございまして、その係数については、各事業所ともなかなか昔のことについての計算ができないということもございまして、今回の数値については、CODも窒素もりんも、おのおの排出実績として数値化をいたしました。
 ただ、ご承知のとおりこの実績というものは、すべての部分は当然景気の動向、それからプラントの操業の動向と、2つに絡みますので、毎年の数字が一定であるわけでもないし、その数値がこれが最高なのか最低なのか、なかなかわかりにくいということが現実にございます。大体今回の部分につきましては、およそ、非常に古い年度、80年代ぐらいのところである程度のピークの年をベースに、つい最近のところで下がった数値をベースに削減量と率を併記して出しております。
 まず、第1ページの部分は、この部分、先ほどもお話ししましたように、窒素について随分苦労された事業所でございまして、窒素の欄を見ていただきますと、93年には約11トンあったものを2004年には1トン250まで落としたと、ここまで下げたという、削減率にしては9割と、こういう形になります。これは、94年のところに書いてございますように、第3次COD総量規制の適用及び第4次という格好で、これは実際の総量規制は第4次から5次にかけてが窒素を急激に落とす対策のいわゆる具体的年度でありますけれども、この事業所におかれては、94年にトータル窒素排出量削減を目標として排水濃縮焼却設備を入れたと。それから、急冷塔多段化、それから排水濃縮缶設置、廃液焼却炉設置等を行ってございまして、ここのところで大体、これで見る限りは、総投資額は95年からのところも含めて約10億円、こういう金額であります。大体この部分の投資額としての10億円というのは、私も小額な感があるんですけれども、94年、95年、これはANと書いてございますように、アクリロニトリルの関係で具体的に削減された事例でございます。ですから、ここは具体的には窒素という対策を切り口にしておりますけれども、結果的にはそれが大きな投資、それからCODも逐次下がったと、そういういきさつになってございます。
 次のページをお願いします。第2ページ目は、これは典型的な石化の樹脂型の工場でございますので、余り大きな変化はございません。それでも、逐次下がってきておりまして、86年からのところをベンチマークにしますと、2004年度は約33%、もともと0.4トンぐらいのところから0.3トンですから、少ないじゃないかという見方もありますけれども、これはそういう工場もあるというふうにお考えいただいたらいいと思います。
 次に、第3ページ目にまいります。3ページ目は、これは同じ東京湾でございますけれども、これも比較的負荷が少ない、もともと500キロぐらいのCOD、窒素も1トンぐらいあったものを0.7トンぐらいに減らしたということで、大体このぐらいのところで、余り変化がない工場でございます。
 それから、次のページ、4ページ目のDの工場になります。これも非常に、いわゆる樹脂型のところで比較的排出量は少なかったという部分で、それでも84年度に対して2003年度を比較すると、排出削減は5割になっています。ここの部分が大体、94年に13トンのインシネと書いてあります、これは焼却炉ですが、焼却炉を付けた。それから、2002年にも10トンの焼却炉をつけたと。この辺、本当は焼却炉をつければ減るんだというのもあるんですけれども、これ、なかなか操業との関係もありまして、必ずストンと下がるという関係でもない。ただ、濃いものをこっち側で燃やすというのが1つの対策でありましたので、そういう格好で少しずつこういうふうに下がっているということになります。
 あと、5ページ目、これも比較的負荷が低い工場でございますので、これは省略させていただきます。
 次に、6ページ目、6ページ目から瀬戸内海に入ります。瀬戸内海の関係では、6ページ目のところで、この工場も比較的排水負荷が低いんですけれども、89年に第2次総量規制をかけたときに分離装置をつけて、それから、98年に除去塔、これで油成分とかCODの負荷の大きいものをいわゆる排水側に出さないケアをとると、こういう格好をやってございますが、2004年には窒素、りんの総量規制があって、アンモニア回収等を具体的にされたという形であります。
 ただ、ここの工場は見ていただきますように、70年から2003年までには総投資で22億円、工場の中の実質削減で22億円でありますので、これはかなり、実際面では0.6トンから0.3トン、40%削減といえどもかなりの投資をされたという形であります。普通の公共投資と異なりまして、工場の中で設備をやる場合はもろに削減対策設備だけですから、配管等の費用投入は極めて少なくて、実質燃やす、あるいは除去する設備の対策というふうにお考えいただけたらと思います。
 それから、7ページ目、B工場、これはちょっと余りはっきり書いていないんですが、これは84年に約1トンのものが2003年には0.4トンに下がったという工場です。これは、正直申し上げまして私の古巣の工場でございまして、実際75年に総投資25億円ぐらいの排水処理対策をやったという工場であります。これがB工場です。
 それから、C工場、C工場は、これは典型的な工場の負荷の大きなプラントをつぶした事例です。ここでは余り、何も書いていないんですが、91年の4.7トンから2003年には1.8トン大きな負荷を持っている肥料工場をつぶしました。それと同時に、大整理をする関係で窒素、りんも焼却等を実施いたしまして、この工場は窒素対策だけで15億円の金をかけています。これは96年から2003年までにかけて、窒素については11トンから12トンまで、窒素80%削減という対策をしました。これは、97年に活性汚泥運転安定化対策と書いてございますが、実際は活性汚泥を2基から1基にするのに伴って高濃度部分の濃縮操作をいたしまして、第1ページとほとんど同じ設備、いわゆる廃液の濃縮、濃縮缶の稼働、それと分離という格好をしましまて、活性汚泥の安定化という対策を約15億円かけてやっています。ただ、その過程において肥料工場をつぶすという大変な決断をしまして、10トンから2トン、8割削減しました。これも私のもとの古巣の工場です。
 それから、9ページ目、これは逆に非常に小さなものをお造りになっている工場で、窒素の関係をいっぱいお造りになる、それからプラントも次々造成されたという非常に典型的な例です。非常に細かな部分の排水工程で設備対策をなされておりますが、実は2003年度に一時的に過去よりも増えてしまいました。ただ、実際はこれ、窒素対策をやると、新しいプラントを造りながら窒素対策をやるということでして、2004年度には98年に対して約2割ぐらいのCODも減っていくという格好の具体的な削減をしております。もちろんこれ、CODと窒素がリンクしますのでこういうことがよく起こるという1つの例でして、この工場の場合は地区が3つに分かれておりますので、そのうちのA地区で大規模な投資等がなされたと、こういう事例でございます。
 あと、10ページ目は非常に細かい部分で余りはっきりしませんけれども、こんなふうにやっていろいろな発生源対策をやっている、約20億円の投資をかけたデータということでございます。
 それから、11ページ目も比較的それに似ている関係ですが、これはどちらかというと活性汚泥の運転安定化といったことで具体的な対策をなされている例になります。
 これが11個の各工場の事例でございますが、最後に、先ほど申しました12ページの横長のページ、これは平成4年にまとめて、平成2年までの間のデータを45年からまとめた具体的な対策事例でございます。これは、出典は平成4年の石油化学工業協会の中から引用しておりますけれども、1番目に、排出負荷量がキログラム単位で出ております。ですから、45年には約227トンであった、これは3大湾、東京湾、伊勢湾、瀬戸内、全部合わせてですね、それが50年になると81トンになると。そして、60年になると33トンになって、大体その近辺で60年代がずっと推移してきたという事例であります。
 ここまでしか実は第1期、平成4年はやっておりませんが、この年までに、2番目の真ん中にあります一体幾ら投資したのかが真ん中にございます。同じ年度を横に比較していただきますと、昭和45年から63年までの総投資額は1,000億円、1,000億円の総投資額を石油化学はやったということになります。
 一方、経費の部分は3番目の欄にございますが、昭和50年代には大体3大湾で100億円、一番のピークが54~55年であります。このときは200億円かけているという具体的な例が出ております。単年度でありますので、これは先ほど申しましたいろいろな排水処理設備を運転する金額で200億円という金額であります。
 第2次調査結果というのが平成10年に、下の欄に書いてございまして、ここのところはすべてのことを調査する委員会が実は解散して、ボランタリーにやりましたので、89年から94年までのデータをここの間で集計しております。これを見ていただくと、大体負荷量は余り、85年の33トンぐらいから平成8年、96年には約30トンまで、それでも1割下がったということがご覧いただけると思います。それから、その間の設備投資、89年から94年でも約181億円、1,000億円に比べれば少ないともいえますけれども、181億円ぐらいと。それから、年間経費は大体、昔の五十四、五年代で200億円かかっているものが130億円ぐらいに大体なっていくと、こういうのを読み取っていただけると思います。
 ちなみに、一番下の4という欄は、76年から94年までの間、18年間かかっておりますが、その間にどんな対策設備が逐次増えていったかという1つの事例であります。[1]の自然浮上、それから凝集沈殿、ろ過、[5]の活性汚泥とございますが、これ、左の方は比較的古典的な部分です。右の方がいわゆる高度処理型でございまして、吸着という部分、イオン交換という部分もございますが、残念ながら94年で石油化学工業協会はこの調査を終了しましたので、そこから先のデータがございません。日化協の方は、どちらかというとその後、この手の部分の分科会が余り開かれていないものですから調査が増えていないんですけれども、この中でご覧いただける部分は、[11]ですね、液中燃焼というのが76年24あったのが94年には33、多分その後、先ほど[1]から[11]の間でいろいろなことをされておりますから、今現在、40基程度まで増えてきているのではないかなと。結局、含窒素廃棄物というものを処理するのは、この部分にいわゆるウエートが集中していると、こういう事例というふうにご覧いただければと思います。何が増えてどういう増え方をしているのか、この事例が18年間の、10年前までなんですが、その間でご覧いただける結果がこの12ページでございます。
 以上、かなり長くなりましたが、化学のご説明を終わります。

○奥村(日本経団連環境管理WG座長) では、続きまして……。

○波多江(日本製紙連合会) それでは、資料の2-2に基づきまして、製紙業界の総量規制対策についてということでご説明させていただきたいと思います。
 製紙業界は、閉鎖性の3海域に存在する代表的な工場をピックアップしまして、一応A、B、Cということで記号でちょっと記載しておりますけれども、代表的な3工場の第1次から5次までにとってきた、製紙業界の場合には発生源としてはCODということで、窒素、りんというのは、前回の10月4日のヒアリングで説明があったと思いますけれども、活性汚泥に使う栄養剤ということで、それが若干残留して残るということで出るということで、製紙業界の総量規制の取り組みは、CODの削減対策ということに絞られており、過去1次からも絞られてきているということであります。そういうことで、代表的なA、B、Cの工場についてのCOD対策のご説明をさせていただきたいと思います。
 まず、東京湾ですけれども、この工場では、さっき化学の方からも説明がちょっとありましたけれども、1979年、総量規制の導入当時の規制値がどのぐらいだったのかということについて調べてもらったんですが現在不明だということでよくわかっておりません。第3次の総量規制のときにいろいろ調査をして、第4次への対応というようなことで調査しておりますけれども、その時点で1988年のところに書いてございますけれども、そのアンケートのときに過去最大COD負荷発生年度ということで、調査したときにこの工場から記載されてきたものが、2.1トンというのがこの総量規制が始まってからの最大の実績の負荷量であるということであります。
 それ以前に、ですから、1979年に総量規制が始まったときの数量はわかりませんけれども、いろいろな削減対策を打っております前回、製紙業界のCOD削減対策というのは、主に発生源対策と、それから、そこに記載してありますような排水処理をやるということを説明しました。この工場では、主に発生源対策としては1994年のところにケミグラウンドパルプ生産設備停止というのが書いてございますけれども、これは半化学パルプと申しまして、少量の薬剤を加えて木材チップを煮て、そのあと機械的にすりつぶしてパルプ化するというものでございますけれども、この半化学パルプが約80トンの日産設備がついておったんですが、前も申しましたように、このパルプの工程からの排水は非常にCODの負荷が高いということでありますが、その半化学パルプの生産をやめて購入パルプあるいは、古紙に原料を転換するという対策をとってCODの削減を図っております。このA工場での発生源の削減対策としては、これが主なものではないかと思います。
 系外処理としては、そこにありますように、生物の膜ろ過とか、いわゆる活性汚泥の変法ですけれども、そういう生物処理を活用したものを1次から5次にわたってかなり新設・増設を繰り返してやっております。
 それから、申し遅れましたが、もう一つ、2000年に抄紙機を2台止めております。このときに、約3割ぐらいこの工場としては生産が下がっております。
 トータルとして、そこにありますように、1988年の最大負荷に対して、現状は0.33トンで、1.77トンの削減ということで計算しますと、約84%の削減になっております。この間に投資した金額は24億円ということになっております。現在、この排水処理設備を運転するための費用としては、ランニングコスト、それから固定費を含めて、年間約4億円ぐらいかかっております。
 それから、次に、伊勢湾の例でございますけれども、これはB工場ということで、この工場は、いわゆる代表的な化学パルプということで、クラフトパルプというのが最近主流になっておりますが、そういうクラフトパルプから紙までの一貫の大規模工場ということであります。
 これも、そこにありますように、総量規制から最大の1988年までにいろいろな増設をおこなっており排出量が増えておりますが、1988年以降、第2次総量規制の適用というところからいろいろな、それまでも当然ある程度の対策を打っておるわけでございますけれども、そこにありますように、第2次対策というのは凝集沈殿とか活性汚泥、それから、1996年に排水臭気というのが書いてありますが、これは臭気対策の目的でおこなたもので、若干COD除去にも効果があるということです。これはスチームストリッピングという、いわゆる蒸発ドレンをストリッピングして臭気成分を飛ばしてやるということで、蒸発ドレンのCODも下がるし臭気も下がります。その臭気成分の方は、他の工程で焼却しており、そのような対策も打っているということであります。
 第4次以降、そこにありますように、化学パルプの工程でECF化というのが、これは前回も説明があったかと思いますが、これはダイオキシン対策として世界的に進められている漂白法の一つということで、分子状の塩素を使わないということから、エレメンタル・クロライン・フリー(EFC)という漂白法ですけれども、これを採用しております。これを行なえば、若干系外処理において、活性汚泥、もしくは凝集沈殿でのCODの除去率がよくなるというようなことが言われておりまして、必ずしもそうなっていないところもあるようですが、大部分の工場ではそういうふうになっておるということで、そこにありますように、若干CODの排出が下がってきています。1988年の最大負荷から見ますと、そこにありますように5.5トンほど下がっているということで計算しますと、約44%の削減ということになっております。
 投資額としましては、そこにありますような凝集沈殿、あるいは生物膜ろ過とか、あるいは発生源のECF化の工事等を入れますと、150億円というかなりの金額になっております。
 また、この工場の、今現在の排水処理工程の運転費用は、ランニングコスト、及び固定費を含めて年間約10億円ぐらいかかっていると聞いております。
 それから、瀬戸内のC工場ですが、ここも一貫工場で大規模な工場でございますけれども、これは、第1次のところを見てもらいますと、ほかの工場に比べると31.5トンということで非常に高い数字だったわけですが、これはいわゆるSP(サルファイトパルプ)の生産を行なっており、非常にこのSPについては排水の処理がしにくいというようなことがあって、いわゆるC値をご覧になればその実績がおわかりいただけると思いますが、そういうようなことがあったわけでございますけれども、それ以降、順次クラフトパルプに切りかえていったというような発生源対策としての過程がございます。
 第2次の総量規制のところで、年度でいいますと1994年に、第3次の直前でございますけれども、クラフトパルプ製造設備更新というのがございます。これは、この工場は非常に古い、大規模でありますけれども古い工場でありまして、この化学パルプの系統が幾つにも分かれていたものを統合するときに、酸素漂白を全部に導入するとか、そういうようなCOD負荷の少ない漂白設備にして発生源対策を行っているというようなことがあります。
 投資額のところは、330億円というように非常に高い数字になっておりますが、これは今言いました発生源対策のところで、いわゆる生産プラントへのお金と、それから排水処理プラント用というふうにきれいに分けられませんので、ここでさっき言いましたスクラップ・アンド・ビルドではありませんけれども、対環境型のプラントを入れた費用もこの中に入れて計算したためにこの330億円と、高い数字になっております。
 その後、第5次に向けては、2004年、ことしですけれども、クラフトパルプECF化の工事を今始めて、さらにCODの削減を進めておるということでございます。
 なお、この工場の凝沈、あるいは活性汚泥でのランニングコスト及び固定費の費用は、約10億円程度というふうに聞いております。
 私の方からの説明は大体以上でございます。

○奥村(日本経団連環境管理WG座長) では、鉄の方、お願いします。

○橋本(日本鉄鋼連盟) それでは、鉄鋼業の内容につきまして、資料2-3についてご説明いたします。資料は、3ページから成ってございまして、1枚目が総括表として示しておりますので、この総括表の方で説明をさせていただきます。
 まず、1番目としまして、昭和54年以前にコークス安水処理施設、含油排水の処理施設等への投資は実施済みということで書いていますけれども、これは前回のご説明のときにも、この第1次からの総量規制が始まる以前の段階で、50年ぐらいまでの間にほぼ主だった鉄鋼の事業所の建設が終わってございまして、その段階で基本的な水処理対策は実施済みということで、改めてここに記載させていただいています。東京湾で150億円、伊勢湾で50億円、瀬戸内では350億円、このぐらいの規模の処理施設を既に54年以前に投資をして設置をしているということでございます。
 2番目のその下の表ですけれども、これは横に海域ごとに分けまして、縦に第1次から第5次まで、参考に54年以前ということで書かせていただいております。
 それから、その下には、環境省のデータとしまして、各湾ごとのCOD、窒素の負荷量のデータを示していますが、これは前回説明のときにも若干触れましたけれども、東京湾、伊勢湾につきましては、もともと負荷量の数値自体が、鉄鋼業トータルとしてもほかの業界と比べても非常に小さいということがございまして、1次から5次までの段階ごとの変化を見ても、ほぼ横ばいという状況になってございます。
 その上の方の対策の状況なんですが、東京湾、伊勢湾、横に同時に見ていただければ結構だと思うんですが、主だった対策を書いてございますが、表中ハッチングをしているのが窒素対策に関する部分、白抜きの部分がCOD対策ということで色分けしてございますけれども、内容につきましては、CODについては含油排水の処理施設の増強といったものが幾つか実施されている、それから、浄化槽の合併浄化槽化、こういった生活排水系の対策といったもの、それからもう一つは、分析計の設置といったことで、管理精度のレベルアップ、こういった対策が東京湾、伊勢湾の対策に見えると。
 中に伊勢湾の第3次で、次亜塩素酸ソーダの注入装置の設置、あるいは、オゾン酸化設備の導入といったことで、これが20億円ぐらいの大きな投資でございますけれども、これは酸化処理で、これは有機物対策だけではないんですが、有機物も含めて処理の高度化を図ったといった事例がございます。
 東京湾につきましては、この第1次から第5次までのこういった対策の投資の合計としまして9億円強の投資、それから伊勢湾につきましては、先ほどの酸化設備の導入等、これが一番大きいんですけれども、20億円弱といった投資の状況になってございます。
 それから、瀬戸内につきましては、これは下の方の汚濁負荷量の数値を見ていただきますと、ほかの東京湾、伊勢湾と比べますと事業所数が多いということもございますけれども、表の一番上の湾ごとの名称の横に今回調査をしました事業所数を書いてございます。これは、下の汚濁負荷量として鉄鋼業として集計をされているすべての事業所を網羅しているわけではございませんが、一応大規模な鉄鋼の事業所、特に高炉を含む一貫製鉄所を中心に調査をしておりますので、カバー率としてはかなり高いのではないかなとは判断してございますけれども、瀬戸内につきましては、この汚濁負荷量の推移については、第1次の最終年度で20トンぐらい、1日20トンぐらいだったものが第5次で12トンまでということで、ここは明らかな低減傾向が汚濁負荷量のデータとしても見られるということでございます。
 どういったことをやっているかということが上の表でございますけれども、第1次以降で、含油排水のいろいろな処理の高度化といったものも東京湾、伊勢湾同様ございますが、凝集沈殿の状況とか活性汚泥設備の、これは補修と書いていますけれども、要は、きちんとした処理を安定的にやるために設備改善とか、あるいは、さらに活性汚泥の処理化を推進する、こういった、東京湾、伊勢湾と比べるとよりやはり削減に向けた打つ手をとってきているという状況にございまして、投資額につきましても、1次、5次の合計でCODについては44億円弱、43億円強といった投資額の内容になっております。
 その結果、汚濁負荷量については、下の数字から判断しますと、約4割減といった負荷減、全体的にはですね、鉄鋼業としては負荷減というふうになってございますが、前回のときにも生産量との関連があるのではないかといったご質問がございまして、今回調査した範囲では、主に一貫製鉄所が大きな負荷減だろうということで、特にこの瀬戸内につきまして、大規模な事業所の、要は粗鋼生産量、活動量指標としての粗鋼生産量を見てみますと、瀬戸内につきましては、第1次から第5次の間で、生産量としては全体的にはこの間は減少傾向という傾向がございまして、生産量の減少分としては1割強ぐらいの状況という状態です。それ以上に汚濁負荷量としては4割ぐらい減っているということで、単なる生産変動の影響だけではなくて、こういった40億円ぐらいの投資をやってきた効果もきちっと寄与しているんではないのかなと。余り個々の設備ごと、あるいは技術ごとの評価というのはなかなか難しいところがあるんですが、ざっくりとした全体感という意味では、対策の効果はきちっと出ているのではないかなというふうに判断しました。
 それから、窒素対策につきましては、実際の総量規制というのは第5次からということになるんですが、その前から濃度規制等がございますので、第4次のところに窒素対策の色つきの項目がございますけれども、東京湾で廃酸の回収装置の導入、あるいは伊勢湾、それから瀬戸内海につきましても生物処理による脱窒、こういった設備の設置というのが第5次の総量規制の以前から行われていると。さらに、第5次が開始された以降も、アルカリストリッピングの導入、こういった特にコークスの安水系、アンモニアが含まれた排水ですけれども、これからアンモニアをきちっと抜くという、そういった対策を第5次とも強化してやっているという、これは各海域でやっているということです。それぞれ投資額についても、東京湾で25億、それから伊勢湾で3億弱、それから瀬戸内についても15億と、こういった投資をやって窒素対策も進めているという状況でございます。
 あと、2ページ目、3ページ目につきましては、参考として、2ページ目は投資額の積み上げの、累積の状況を積み上げのグラフで示しています。それから、3ページ目については、これは前回御説明した資料ですけれども、工程等を書いていますけれども、今回、参考につけさせていただいております。
 以上です。

○奥村(日本経団連環境管理WG座長) 委員長、宿題はこれで以上なんですが、少し意見を言わせていただいてもよろしいでしょうか。

○岡田委員長 どうぞ。

○奥村(日本経団連環境管理WG座長) だんだん私はこれを考えておるうちにちょっと自分でもわけがわからんようになってきまして、あえてちょっと意見ということでお聞き願いたいんですけれども、我々は今ご紹介いたしましたように、長年いろいろな努力をしてきたと。環境省さんのデータによっても着実に改善はされておると。一方、そもそもなぜこれが始まったのかというのを私、手元の資料を調べた限りではわかりませんでした。これの大目的は何だろうかと考えますと、やはり漁業被害ということであったのではないかというふうに考えます。したがって、それを数字に置きかえたものが環境基準と。それを遵守するようにやってきたと。
 一方、PRTR法というのが施行されまして、実はPRTR法というのが施行されまして、実は社内でもいろいろ試行錯誤でリスクアセスメントなるものをやったんですが、大気中に放出したもの、これ、アメダスのデータや何かで何とかできました。ところが、排水から外へ出す物質、これは生体毒性ということで主に決まっておりまして、すぐに魚に影響があるとかミジンコに影響があるという話なんですが、これをコンピューターのシミュレーションでやれというふうに社内で指示を出したんですが、例えば、潮流、潮の流れといいますか、海流ともあるいは言うかもしれませんけれども、そういった基本的なデータが全然ないと。デジタルにないと。したがってできないというので、適当に類推しまして単純希釈で、一種のごまかしてやっているんですけれども、必ずしもそれは万全とは言えない状況でして、水、湾といいますか港といいますか海は非常に難しいなというのを痛感しておる次第です。
 したがいまして、先般の要望書にも書きましたように、本来の目的ということに照らし合わせていろいろなメカニズム、潮流だけではもちろんないんですけれども、そういったものを検討いただいて、何かよい答えを出していただけたらよいなというふうに期待しておりますので、よろしくお願いします。
 以上です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 では、どうぞ、細見先生。

○細見委員 前回いろいろなお願いをしまして、今回いろいろデータを出していただきましてどうもありがとうございました。
 この今回いろいろな工場、各工場ごとだとか、あるいは業界全体を出していただいておりますけれども、これ、ちょっとお願いというか、また再度お願いというのも気が若干引けているんですが、できましたら、この設備投資額というのは足し算をされているんですが、年度ごとというのは出せるものなのでしょうかというのが1点と、それと同時に、例えばCODの実績とかというところの空白の欄が、もし実績、今最初お伺いしたときには排出の実績データに基づいているということでしたので、多分それは計測されているのかなというふうにも思うんですが、もし実際の設備投資額が、CODの例えば実績、経年的な変化がもうちょっとあらわれて、今のデータを見る限りは幾つかは表れているんですが、すべてきちっと経年的に、ブランクがあったりして、あるいは業全体でまとめられておられるのでちょっとそこはわかりにくいかなと思ったので、一応もう一度言いますと、設備投資額の各年度ごとが出せるかどうかということと、それから、それに対するCODがどれだけ減ったのかというのがわかれば、それだけ努力されたのがわかりやすいかなと思ったんです。
 以上です。

○岡田委員長 はい、どうぞ。

○石崎(日本化学工業協会) これは非常に難しいんです。25年間のデータでございまして、この設備投資に関する帳簿すら、基本的には経理の連中は5年以上のものはもう置かんでいいんだと言われますので、ここから先を追いかけるのは、化学においては非常に至難です。もちろん最近の部分の、5年ぐらいの排出量とかいう、あるいは投資の部分はわかるかもしれませんが、25年分を調べろというのは、はっきり言って全くできない、そういうふうにちょっと残念ながら注釈させていただきたいと思います。

○波多江(日本製紙連合会) 製紙の方は、そういう業界全体というのはなかなかデータ的には集めにくいというようなこともあって、それでA、B、Cという代表的な工場ということで説明しましたが、各年度ごとと言われるとできませんが、各次規制時ごとには次のようになっています。東京湾のA工場については、第4次の適用に11.3億円、第3次の適用に0.2億円、第2次の適用に3億円と、第1次の適用に対して9.5億円ということで、合計で24億円となると聞いております。
 それから、伊勢湾のB工場の150億円の内訳ですけれども、第1次の適用までに6億円、それから、第2次の適用までに54億円、第3次までに43億円、第4次までに22億円、第5次で25億円ということになっております。
 それから、Cの工場につきましては、第1次までには、これはほとんど、先ほどご説明いたしました資料で、発生源対策工事というのが1項目書いておりますけれども、これは0.8億円程度で1億円に達していないと聞いています。第2次の適用までに5.7億円。それから、第2次から第3次の間に、先ほどのKPの設備の更新等あります。それを含めておりますので、264億4,000万となっております。それから、第4次、これは18億円。それから、第5次までに36.2億円ということで、合計約330億円という投資額となっております。よろしゅうございましょうか。

○橋本(日本鉄鋼連盟) 鉄鋼の方につきましては、個別事業所のデータというのがなかなか、代表の事業所で全体感を代表しているようなところというのも必ずしも多くはないということで、それよりもやはり全体感をつかんでいただける方がいいのかなと思いまして、各湾ごとに事業所のトータルの形で今回回答させていただきました。
 投資については、ある程度1次から5次まで、各段階ごとの区切りは設けさせていただいていますけれども、先ほど石崎さん言われましたとおり、過去の投資の内容について、特にこのCOD対策の分だけを抜き出すというのは非常に難しい状態でして、今まで環境対策、あるいは環境の中でも水処理対策、あるいは大気対策で大体どういった投資をやってきたかという基本的なデータは持っていますけれども、さらにその中で、水処理の中でもCODの対策に特化した案件だけを抽出するというのが、はっきり言って手段がないというのが実態でございます。
 今回は、改めて各海域の事業所にアンケート調査を行いまして、わかる範囲でさかのぼって調べてくれということでご回答いただいた内容をここに集計させていただいていまして、その中で、明らかにこれはCODの対策だなと思われる分だけをここに書かせていただいていますので、例えばこの投資額にしても、これがミニマムだと、最低これだけは少なくとも投資していますよと、これ以上に、単にCOD対策のみじゃなくて、いろいろな総合排水の対策というような取り組みもやっていますので、そういった中にも実際にはCODの負荷削減に寄与するものもあるかもしれませんけれども、なかなかそこの判断がつかないようなやつは今回載せていませんので、明らかにこれはCODだなというふうに、確実に寄与するなというものをピックアップさせていただいているので、そういった意味でこれが、最低これだけやっているというふうな、そうご認識いただければと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。
 ほかにございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

○平沢委員 設備の投資という格好でデータが出ているんですが、もう一つ、やはりランニングコスト等がかなりかかっているんじゃないかと思うんです。その辺のデータが、先ほど出ているところもあったんですけれども、それはなかなかやはりCODだけというふうに計算できないから出していないんでしょうか。ランニングコストはやはりばかにならないんじゃないかと思うんですけれども。

○岡田委員長 どうぞ、どなたか代表で、同じようなご意見だと思いますので。

○波多江(日本製紙連合会) 業種によってやはりCODなり、あるいは窒素、りんも同様ですが、内容(排水の性状など)によって対策が、同じ活性汚泥でも、運転の方法とかが違ってくるだろうと思うんですね。あるいは凝集沈殿でもそうだと思います。
 したがって、一概にはなかなか言えないだろうと思いますが、製紙業界の場合は、先ほど申し上げたとおり、単独の工場ですからコストについてはやはり数字で残すというのはかなり抵抗がありましたので口頭で概略の数字を答えさせていただきましたけれども、端的に言いますと、大体製紙業界の場合ですと、非常に高度のといいましょうか、ある意味では凝沈、活性汚泥を一部2段ぐらいかけるとか、そういうようなことを行なっているところですと、高くなり総合排水立方メートル当たり約20円ぐらいかかっているところがありますし、ある程度C値の適用が高い方に設定されているところでは10円ぐらいで済んでいると、立方メートル当たりですね、処理費として。全体的にはそんなイメージとして、製紙業界ではとらえておりますが。
 以上です。

○岡田委員長 何か補足ございますか。同じような……

○平沢委員 じゃ、もう一つよろしいですか。

○岡田委員長 はい、どうぞ。

○平沢委員 こういう費用というのは、何か私は結構お金を使っているなと思ったんですけれども、要するに10年の間ですけれども、億の単位で使われていて、どこもですね、特に瀬戸内なんかはかなりN、P対策もやろうとしていて、かなりのお金を使っているんですけれども、そのお金というのは何か特別な税制措置とか、要するに、いわゆる売り上げがあって利益が出るわけですよね、そのうちの一部を使うわけですけれども、本当にそのままそれを、純利が消えてしまうような形になるんでしょうか。変な質問ですみません。

○石崎(日本化学工業協会) 全く消えます。何ももうかりません、基本的にですね。
 それから、化学の場合、実は石油化学工業協会の時代はこういうことをやっていたんですが、日本化学工業協会になるときに、いわゆるCOD、SOx、NOxの時代ではなく、化学物質の時代だという格好になりまして、今日本化学工業協会の中でCODを集計するという行為を実はやっていないんです。したがってデータがないというんですが、では、経費的にどうなのかというのは集計していません。なぜかといいますと、各社とも集計データをお互いに見られるのは嫌なものですから、出せといっても絶対に出しません。経費というのはそういうものでございまして、お金が幾らかかった、税金で幾ら損しているのかというのは、基本的に出さないですね。そういう集計をやるとなると、理事会で総反対を食いますもので、なかなか難しいというところがございます。

○平沢委員 最近ISO14000とか環境規格とかがあって、CO2排出量とか、それから環境対策費とか、そういうのをかなり社内でまとめるようになっているような気がして……

○石崎(日本化学工業協会) それはまとめているでしょうけれども、それは監査員にはお見せになるでしょうね。監査員は契約のもとに……

○平沢委員 どうもありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 よろしいですか。
 それでは、大変お忙しいところ、非常に詳細なデータを、いろいろ苦労されたと思いますけれども、ご提供いただきまして本当にありがとうございました。
 さらに、前回の産業界の方々へのヒアリングの際に、奥村座長から事業場の現場見学をされてはどうかというご提案をいただいております。経団連と事務局で調整していただいた結果、1月に見学させていただくという予定になりました。見学の際にも大変ご迷惑をかけるかと思いますが、ぜひよろしくご協力のほどお願いいたしたいと思います。
 それでは、本当に今日はどうもありがとうございました。
 それでは、議題の次の(2)にまいりたいと思います。水質汚濁のメカニズムについてというところです。
 前回の専門委員会では、河川と海域における水質濃度の推移について、それから、指定水域の外海のCOD濃度の状況、それから、指定水域の湾灘ごとの水質の状況について事務局からご説明をいただきました。また、それに関しましてそれぞれの委員からご質問、ご意見をいただいたところです。今回の専門委員会では、前回いただいたご質問、ご意見を踏まえまして、さらに詳細な検討を行いたいと思います。
 それでは、事務局からよろしくお願いいたします。

○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは、まず、資料の3をご説明したいと思います。
 環境省では、毎年、全国の公共用水域の水質測定結果を公表しておりまして、平成15年度の測定結果、全国の取りまとめを現在行っております。近々それを公表する予定でございます。今回はその中から水質総量規制の指定水域の部分を抜き出しまして、CODと窒素、りんの環境基準の達成状況を暫定的に整理いたしましたので、それについて最初にご説明したいと思います。
 資料3の1ページ目に表-1と表-2というふうにありますが、表-1の方がCODの環境基準の達成状況でございまして、平成14年度と15年度を比較する形になっております。これをご覧いただきますと、東京湾に関しましては、14年度と15年度、特に変更はないと、同じ達成率になっております。また、伊勢湾に関しましては、B類型のところの達成水域が1つ増えましたので、わずかではございますが達成率が上昇しているということでございます。また、大阪湾については、特に変化はございません。瀬戸内海に関しましては、B類型のところが1つの水域で達成されましたので、わずかながら達成率が上昇していると、このような状況でございます。
 また、窒素、りんは表-2でございますけれども、東京湾、伊勢湾は変化がございません。また、大阪湾に関しましては水域が3つあるわけでございますが、このうちの類型IIのところが平成14年度は達成されていなかったものが達成されたということで100%になっております。また、瀬戸内海、これは大阪湾を含む瀬戸内海でございますけれども、II類型とIV類型のところで新たに達成した水域が出てまいりましたので、達成率が上昇しております。
 経年変化を裏のページにグラフで示しておりますが、上の図-1がCODでございまして、CODに関しては大体横ばいの状況が続いているということでございます。また、下の図-2は窒素、りんでございますが、▲、これが瀬戸内海でございますけれども、平成10年度には80%でありましたものが、最近上昇傾向にございまして、平成13年から90%を超えていると、こういう状況にございます。また、大阪湾に関しましては、先ほどご説明しましたように、平成15年度に100%になっていると、このような状況でございますので、今後総量規制のあり方をご検討いただく際に、このような状況を踏まえてまたよろしくお願いをしたいと思います。
 資料3については以上でございます。

○秋山室長補佐 それでは、続きまして、資料4について説明させていただきます。
 前回、外洋のCODということで、千葉県、神奈川県、静岡県、徳島県、高知県、宮崎県の比較的外洋と思われる地点のデータをご紹介したところですが、それらにつきまして、毎月、あるいは年に4回のデータを1つ1つチェックしましたところ、徳島県の南側、太平洋側のSt.3地点、ここが外洋としてみなせるかどうか検討するのが適当だろうという結論に達しました。ここでは、徳島県St.3地点について、環境省が行っております海洋環境モニタリングの結果と照らし合わせて外洋と判断できるかを検討しました。
 資料4の5ページをご覧いただきたいと思います。資料4の5ページにSt.3地点を載せております。右上が徳島県の水質常時監視地点でございます。青色が海域の監視地点、赤色が河川、湖沼等の監視地点でございます。下から2番目にSt.3地点を載せております。陸域から約3キロ余り離れております。水深は100メートル弱、等深線が入っておりますけれども、100メートル弱です。5ページの一番下に、St.3地点と環境省が行っておりました海洋モニタリング調査の調査地点、それを対比して載せております。C-1及びその北側につきましては瀬戸内海ですので、今回の検討には使用しておりません。C-2、C-3地点と対比して検討しました。
 1ページをご覧いただきたいと思います。C-2、C-3における環境省が行っている海洋環境モニタリング、これは夏季のみ行っております。ですから、St.3地点につきましても、年平均と夏季のみ、6月から8月の分と両方整理しております。それから、St.3地点でのデータといいますのが、表層と水深2メートルのデータしかございませんので、C-2、C-3につきましても表層のみのデータを抽出しております。
 図をご覧いただきますと、青●がSt.3の夏季、青■がSt.3の年平均、○がC-2、△がC-3でございます。大体濃度レベルも同じような傾向を示すのと、濃度の変化、これもSt.3とC-2、C-3に類似点が認められます。特に平成7年度、ちょっとこれはデータが飛んでいるわけですが、夏季のデータがほぼ同じところに来ているということからしますと、St.3といいますのは、CODに関しましてはおおむね外洋のCODのみなせるのではないかと、そういう結論に達しております。
 2ページをご覧いただきたいと思います。それでは、St.3を外洋とみなしたところですが、それ以外に、当然太平洋沿岸に沿って黒潮が北上してまいりますので、それらの地点についてもデータを整理しました。鹿児島県、宮崎県、大分県、高知県、徳島県、和歌山県、三重県、静岡県、神奈川県、これらも太平洋側の常時監視地点のデータを全部平均しました。地点数としましては、図の備考欄にございますが、150地点ございます。それらを全部平均したところ図のとおりになりまして、赤い線が太平洋沿岸の150地点の平均でございます。おおむね徳島県St.3地点と同じように上昇傾向を示しているという結果が得られたところです。
 続きまして、3ページにまいります。これらの濃度の変化に加えまして、瀬戸内海全体の濃度を加えたものが図-3でございます。これも同じように25年間に少しずつ増加するという傾向が見られております。これまでの委員会でご説明しましたように、瀬戸内海といいますのは、東京湾、伊勢湾に比較しましてCODが非常に低くて、水域面積当たりの汚濁負荷量が非常に小さいということで、外洋のCOD濃度の変化が起きやすい水域ではないかというふうに考えられます。このようなことから、瀬戸内海におけるCOD濃度の漸増傾向は、外洋のCODの上昇が一因となっている可能性が考えられたところです。
 4ページへまいります。ちょっとこれは乱暴かもしれないんですが、瀬戸内海全体の濃度と外洋のバックグラウンドとして徳島県のSt.3の濃度、それを差し引きしたものを載せております。差し引きしますと、CODとしましては横ばいか若干の減少を示しているのではないかというふうに考えられます。
 以上です。

○坂川閉鎖性海域対策室長 それでは、続きまして資料5をご説明させていただきたいと思います。
 資料5は、前回の資料と似ているのでありますけれども、水域面積当たりの汚濁負荷量と水質濃度の関係でございます。前回の委員会では、この図-1の青い●に相当するものだけを載せておりました。つまり、最も新しい状況としての、平成11年度以降のCOD濃度の平均と、それから、横軸には水域面積当たりのCOD発生負荷量として平成11年度の数字、その点を載せまして、東京湾、大阪湾は比較的右上の方にあって、伊勢湾、三河湾は真ん中あたりにあって、瀬戸内海は左下の方にありますと、こういうようなご説明をさせていただいたところでございますけれども、その際に、過去からの推移がどうなっているのか、総量規制が始まりました昭和54年から、1次から5次までの総量規制を振り返ってみてどのような傾向を示しているのかこの図にプロットしてみてはどうかと、そういうようなご指摘を受けましたので、今回作業を行ったものでございます。
 ここで、この図の中に書いておりますけれども、赤い◆が第1次総量規制に相当するところでございまして、その後、黄色の▲、緑の■、水色の●、ちょっと濃い青の●と、こういうふうに時代が経過してくるわけでございます。そこで、まず東京湾をご覧いただきますと、一番右上の方からまいりまして、だんだん左側に来るということは負荷量が減ってきているということでございまして、汚濁負荷量が減ってきていると。それに伴って水質濃度も低下傾向にあるということが言えるかと思います。最近少し上下の変動をしておりますけれども、長期的に見れば低下の傾向にあるのではないかと。
 また、大阪湾がその東京湾と一部重なるようにして出てまいりますけれども、大阪湾に関しましても、長期的には右上から左下の方に移動していると、こういう傾向にあろうかと思います。
 それから、伊勢湾に関しましては、三河湾と、それからその三河湾を除く伊勢湾とで分けて図にあらわしております。この中で三河湾のところを見ますと、ちょっと変わった動きをしているわけでございますけれども、三河湾に関しては、第1次総量規制、2次総量規制のあたりで汚濁負荷量がほとんど減少しておりませんで、むしろ1次のときは少し増えたという、赤から黄色い▲に向けて少し右側に移動しておりますので、若干汚濁負荷量が増えたということもあったわけでございます。そのようなこともありまして、水質濃度には大きな変化は見られない、変動はありますけれども、傾向としてはまだはっきりしていないということだと思います。
 伊勢湾に関しましても、大きな水質の傾向ははっきりした形ではないということでございます。
 また、瀬戸内海につきましては、以上の東京湾、大阪湾、伊勢湾などに比べますと、図の中で余り動きがないと、1つのところにまとまっているということでありまして、水質につきましては、若干赤から青にかけて上昇しているわけでございますが、これは先ほど資料4でご説明いたしましたように、この要因の1つとして外洋の水質濃度の上昇というものがあるのではないかというふうに考えているところでございます。
 これがCODについてでございます。
 そして、2ページの図-2が窒素について同様の作業をしたものでございます。窒素につきましては、窒素について総量規制が始まりましたのは現在の第5次からでございますので、そのようなこともございまして、例えば大阪湾の場合には、最初のうち、余り汚濁負荷量も下がっていないということがおわかりかと思います。東京湾については汚濁負荷量が下がってきていると、また、水質濃度も若干ではありますが下がってきているということではないかというふうに思います。また、東京湾、大阪湾、伊勢湾、瀬戸内海、この位置関係については、先ほどのCODとよく似ております。
 また、CODについては三河湾を別にしたのでありますが、窒素、りんに関しまして、以前のデータはなかなかきれいに三河湾と伊勢湾と分けられないものですからここでは1つにまとめておりますので、ご了承いただきたいと思います。
 また、図-3はりんについてでございまして、これにつきましても、大きく見ると右上から左下の方にということでございますが、窒素もりんも、瀬戸内海に関しては大体1つのところに固まっていると、このような状況にあるわけでございます。
 以上、第1次総量規制から5次までの負荷量と水質の変化についてご説明をいたしましたが、比較的濃度が高くて負荷量が多い東京湾、大阪湾などでは、負荷量の減少に伴って水質も低下してきているということがこれを見てわかるのではないかというふうに考えております。

○繁本室長補佐 それでは、閉鎖性海域対策室の繁本でございます。私の方から資料6についてご説明をさせていただきます。
 前回の専門委員会で、瀬戸内海について湾灘別に環境基準点を見ていきました。その結果、環境基準値を超過していない点、あるいは超過している点というのがどういったところに偏っているのかというのが明らかになったわけであります。そういった中で、愛媛県、香川県の前面にございます燧灘につきましては、地先海面でかなり環境基準値を超過する環境基準点がたくさんございましたので、これは一体どういうことだろうかといったことで検討してみました。今回はその検討の途中経過という形で資料の方をご用意しております。
 図-1に示していますのは、折れ線グラフと棒グラフがございますが、折れ線グラフの方は水質のデータでございます。赤い線が公共用水域水質測定結果でございまして、言ってみれば沿岸域、陸に近いところで水質を測った結果です。裏面を見ていただきますと、公共用水域水質測定の行われた場所が点線で囲われておりますので、こういったところの水域が赤い折れ線グラフであらわれているということでございます。
 一方、1ページに戻っていただきまして、青い線があるわけですが、こちらは、沿岸に対しまして比較的湾の中央のところで水質を図っている広域総合水質調査の結果を示しております。同じように、裏面に水質調査地点をお示ししております。図-3でございます。
 水質の傾向を燧灘について見ていきますと、湾の中央部のブルーの線につきましては、COD1から2の間で比較的安定しているのかなと、少し最近上がっている、10年のところで少し上がっている傾向も示しておりますが、赤い線に比べると比較的寝た折れ線グラフになっていると思います。
 一方、公共用水域水質測定結果を見ますと、平成10年度ごろから急に濃度が上がってきておりまして、その結果といたしまして、前回お示しした環境基準のマップがああいった状況になっていたわけでございます。
 同じ図-1のグラフの中には、棒グラフが2種類載せてございます。グレーのグラフが燧灘全体の発生負荷量です。ですから、産業系もあれば生活系もすべて含まれたトータルな負荷量でございます。その経年変化が5本の棒グラフで示されております。一方、ピンクの棒グラフは、そのうち主要な指定地域内事業場を25抜き出したわけですが、25の事業場の負荷を足し合わせたものを載せてございます。
 ご覧いただけますとおり、全体の発生負荷量につきましては、水質総量規制をやってきた結果といたしまして54年から11年まで少しずつ減ってきている状況にございます。これは、総量規制は現在も第5次をやっているわけでございますので、平成16年も恐らく削減された数字が出てくるんだとは思うんですが、近年の地先海面での水質の上昇、濃度の上昇というものを調べるために、主要な指定地域内事業場25についてトータルの負荷をピンクのグラフで見ますと、わずかながら下がっているという結果でございます。
 結果としまして、このわずかな主要な指定地域内事業場の負荷の動きだけで地先の濃度の上昇というのは全部説明し切れないと我々も考えておりますので、今後も引き続き愛媛県、香川県、関係する皆様と相談しつつ検討を進めてまいりたいと思います。
 資料6については以上でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料3、4、5、6を通じてご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 はい、どうぞ。

○宮崎委員 資料3についてちょっとお聞きしたいんですけれども、資料3の1ページの表-2に類型別・環境基準の達成状況ということで窒素・りんの表がございますが、大阪湾と瀬戸内海の方で類型II、あるいはIVで改善されているところがあるということですけれども、これについては何か原因といいますか、その地域でこういうふうな対策をしたからだというふうな特別なことがあるんでしょうか。もしそれがあったら教えていただければと思うんですけれども。

○坂川閉鎖性海域対策室長 これらの地域に関しまして、特に15年度に従来とは異なる特別な対策をしたということは聞いておりません。もちろん窒素、りんの排水規制も、また、総量規制も行っておりますので、そういう対策は当然やっているわけでございますが、15年度に何か新しく特別な対策があったというようなことまでは聞いていないという状況でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。

○平沢委員 これ、何でもいいんですか。どの資料でもいいんですか。

○岡田委員長 どうぞ、結構ですよ。

○平沢委員 すみません、じゃあ、資料の4で、確かに見てみると外洋の濃度と、それから瀬戸内の濃度の上昇時期とか、その辺が何となく似ているような気がするんですが、じゃ、外洋の濃度の汚濁の要因というのは一体どのようなことが考えられるんでしょうか。それが1つ。

○坂川閉鎖性海域対策室長 今回、私どもがこういうようなデータを整理しまして、外洋の濃度がどうも上がっているんじゃないかなということがようやくわかったといいましょうか、最近わかったという状況でございまして、まだ原因が何なのかというところまではよくわからないと、そういう検討はまだ行われていないというのが正直なところでございまして、これはまた別の問題としてちょっといろいろこれから検討していかなくちゃいけないんじゃないかというふうに考えております。

○平沢委員 例えば、アジアの地域から汚濁物質が流れてくるって何かありそうな気がする。特に最近高度成長している国があるので、垂れ流しているとは思いたくないんですが、それが海流に乗ると北上すると思いますので、そういう要因、これはもちろん調べられないとわからないですけれども、そういうのもあるんじゃないかなと私はちょっと危惧をしておりました。それだけです。
 よろしいですか、それでもう一つ別の、資料の5なんですが、これ、私、正直言って坂川さんにクレームをつけてしまった資料でして、こんなのは一緒の同列に載せてはいけないと私は申したのですが、こういうふうに全部まとまってくると、なかなか地域、要するに環境基準というのは全国一律だけれども、地域の特性というのはやはり坂川さんのおっしゃるように見えるなというふうに思いました。
 それから、経年変化みたいのを出してくれと私申したんですが、それもまた結構意味があるような気がいたしまして、例えば東京湾ですと、平成5年までは確かに下がっていて効果が出ているんですが、それ以降は、実は下げても余り変わらない。それから、大阪湾は初め割と下がりめで、やはり平成5年くらいからサチュレートしているという。それから、伊勢湾、三河湾、瀬戸内というのは、下げても余り変わらないというような感じでして、これは先ほど総量規制のあり方というお話をされましたけれども、そういうものを考えるときに非常に重要なデータに、非常に難しいことだと思いますけれども、重要なデータになるのではないかと。意見になってしまいますけれども、そういうふうに私は思いました。
 もう何もないですね、それは、意見は。すみません、自分で言って自分で答えている感じで。

○岡田委員長 いやいや、先生のおかげでいい整理ができましたから、感謝していますが。

○平沢委員 それだけなんですけれども。どうもありがとうございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 はい、どうぞ、中村先生。

○中村委員 中村でございます。
 同じ資料でそれぞれ質問がございますので、まず、資料の4ですね、外洋のCODがだんだん上がってくるということなんですが、データとしてはCODのほかにどういうものがあるでしょうか。例えば水温が多分あるんだろうなと思うんですが、水温の最近のトレンドがこういうふうに少しずつ上がっているということはないのかなというのが1つ、ご質問したいことです。
 それからもう一点は、平沢先生がおっしゃいました資料5の方ですが、これもいろいろな海域、同じような線に乗っていきそうで、抜本的見地から見ると、こういうのはいろいろ解析したいなという気が起こってくるんですが、私がこれをぱっと見たときに思ったのは、平成1年から平成5年、この緑色で示されたの点ですね、ちょっとこの期間だけ常にデータがちょっと低めで、全体のトレンドとしては、だんだん負荷も下げているしCOD濃度も下げているということではないのかなと。何かこの平成1年から5年の間に、例えば気象条件とか、そういったようなことで特異的なものはなかったのかなと。特に顕著なのは、東京湾と伊勢湾がちょっとここはへこんでいるといいますか、濃度が低いので、ちょっとこの期間は特殊な期間だったんじゃないかなというのが私のコメントです。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 事務局、その他のデータと、それから、あと一つのご意見。どうぞ。

○秋山室長補佐 資料4の徳島県St.3地点での水温の件ですが、これについても常時監視地点ですのでデータはございます。整理したところなんですが、やはり若干上昇傾向にございます。夏季のみ、冬季のみ、年平均で整理したんですが、いずれも若干、20年間で1度に満たないんですが、傾向としては上昇傾向にあるということは言えるのではないかなと思います。

○坂川閉鎖性海域対策室長 水温について若干補足しますが、近年、日本周辺の海の水位が上がってきているということがわかっていまして、その原因を気象庁が検討されて、それは、日本近海の水温が1985年以降上昇してきている、それが原因で水位が上がってきているというようなことを去年だったかおととしだったか、そのころに記者発表した資料がございますので、ですから、日本近海が全体的に水温が上がってきているというのは、それは間違いないというふうに思っております。
 それから、あと、資料5について、確かに中村委員おっしゃるように、緑のところが特異的に下がっているというようにも見えるわけでございまして、実はこのところ我々も天候が、気象条件がこの5年が少し違っていたのかなとか、そういうことを考えています。もう少し検討してみまして、何かわかりましたらご報告したいと思います。

○岡田委員長 じゃ、どうぞ。

○松田委員 先ほどの資料4の、平沢先生のご質問にも関係ある、少し外洋的な海域のCOD濃度の変化についてですけれども、基本的にはここの観測というのは塩分がかなり高くて、淡水の流入は直接は考えにくいところですので、基本的にはこのCOD物質を構成する原因となるものは植物プランクトン、基礎生産による植物プランクトン、あるいはその植物プランクトンに基づくデトライタス的なものですので、もしデータがあればこのCODの長年の変化と表層のクロロフィルの値があれば、ないですかね。

○繁本室長補佐 測定項目の中にクロロフィルaはたしかなかったかと思います。CODも限られておりまして、特に近年はないという状況でございます。

○松田委員 ただ、もし本当に検討しようということであれば、表面についてはサテライトの衛星データがありますから、それで一応長年の変化的なことは見れるとは思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。じゃあ、ご確認可能な範囲でお願いします。
 ほかにございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

○河村委員 今の資料4なんですけれども、事務局からのご説明ですと、C-2、C-3とSt3とがかなり濃度的にも、傾向的にも類似しているというお話だったんですけれども、必ずしもそうかなというような感じがしないわけではないんですが。データ的にほかがあまりないということであるとは思うんですけれども、今後こういう結果を何らかの形で利用していくというときにおいて、この委員会がするのか事務局がするのかわかりませんけれども、先ほどの事務局のご説明を納得したというか、その前提で話をするのかという、その辺のところは若干合意を得ておく必要があるのかなという気がするんですけれども。

○岡田委員長 今後の議論でね。

○河村委員 ええ、いかがかなと思うんですけれども。私の方は必ずしもこの辺詳しくないのでなんともいえませんが、これをそういうふうに見ていいのかどうかについて、合意を得ていた方がいいのかなという気がします。

○岡田委員長 これ、どうしましょうか、今日いきなり合意を得る必要はないと思いますから、事務局の方でもう少しその辺のところご検討いただけますか。ほかの省庁のデータもあるみたいですし。そういうことでよろしいですか。

○河村委員 はい。

○岡田委員長 はい。ありがとうございました。
 ほかにご意見、ご指摘ございますでしょうか。
 どうぞ、先生。

○平沢委員 資料の5なんですけれども、これ、水域面積というのは全部の水域面積で割っているわけですよね。特に経年で変わっているものではないですよね。私、これ、もっと影響が見えるようにする手だてというのは、例えばC海域とか、Cって汚いところですよね、それから、東京湾、例えば河川が流れるそばの限られた水域面積当たりのCOD負荷ってやって、その上層のCOD濃度ってやると、ローカルな部分ですけれども、もっと削減効果がクリアになるんじゃないかという気がするわけです。だから、ほかのところは影響が出にくい、多分B、Cは出にくくて、例えば灘とか、下水処理場の流域があるところとか、そういう近郊でやるとすごく削減効果は、要するに、過去例えば3割削減したら3割下がっている、そこが顕著に出るような気がするんで、それは今回必要はないんですけれども、そういうデータもあれば、今までやってきたのが多少近くのところでは効果があったと言えるんではないかと思ったので、それだけ。

○岡田委員長 ありがとうございました。できますかね。ここで議論するよりも、検討してみてください。その方がいいでしょう。せっかくのご指摘ですので、可能なら可能、不可能なら不可能で、それはそういう意味でご指摘いただいたんじゃないと思いますから。よろしいですよね。ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 じゃ、木幡先生、どうぞ。

○木幡委員 今まで議論になっていた資料4のところなんですけれども、松田委員おっしゃるように、粒子状のものもたくさんあるでしょうけれども、ここでは恐らく溶存体のものというんですかね、俗にDOCと言われているもの、この部分の寄与もあると思うので、それにも注意して調べていただきたいと思います。

○岡田委員長 ありがとうございます。これもいろいろなご指摘をいただいていますので、もう一度できる限り調べてみていただけますか。データがないのはもちろん仕方がないと思いますが。
 ありがとうございました。じゃあ、よろしいですか。
 よろしければ、次の水質予測シミュレーションにまいりたいと思います。
 前回までにもご説明いただいております水質予測シミュレーションについて、今まででき上がったところまでの途中経過ということになりますが、事務局からご報告をお願いいたしたいと思います。事務局と申しても、実際には国環研の渡辺先生に大変なご尽力をいただきまして今進めております。じゃあ、渡辺先生、お忙しいところ……、じゃ、事務局からまず、すみません、よろしくお願いします。

○繁本室長補佐 それでは、私の方から資料7について説明をさせていただきます。
 私の説明は、大きく分けて2つの部分がございまして、まず前半でございますが、この水質予測モデルの検証に関する説明でございます。後半の部分は、水質予測計算を行った結果の一部をムービーでご覧いただこうかと思っております。
 では、まず1ページ目でございますが、ここでは水質予測シミュレーション計算を行いました主条件を示しております。これについては、前回といいますか、これまでの専門委員会でもご説明しましたので、簡単に説明をさせていただきます。
 まず、格子でございますが、通常の格子、ずっと同じサイズの格子を使うモデルではございませんで、可変メッシュを用いております。サイズは200メートルから1,000メートルまで、湾奥から湾口にかけて変化するメッシュでございます。
 鉛直方向には、連続10層の分割を行っております。ですから、水深の浅いところが1層当たりの厚さが薄いわけですが、例えば湾口の水深の深いところでは1層当たりの厚さが大きくなっているということでございます。
 計算期間につきましては、平成11年度を基準にしておりますので、その少し前の1月1日から平成12年の3月31日まで行っております。
 気象条件につきましては、気象庁のデータを、東京の観測所のデータを使っております。項目は4にあるとおりでございます。
 潮汐条件につきましては、房総半島の側と三浦半島の側の2つのデータを用いまして整理を行っております。
 初期条件の設定でございますが、6の塩分、水温につきましては、広域総合水質調査といった当方の閉鎖性海域対策室で出しているデータを使っております。
 湾口の境界条件でございますが、これは神奈川県の水産総合研究所の観測データを使っております。
 タイムステップは、水位計算の場合2秒、流速・塩分・水温の場合は40秒のタイムステップで計算を行っております。
 次に、9の淡水流入境界条件でございますが、水温につきましては、常時監視のデータを使っています。塩分は1.0psuとしております。
 2ページ目には、先ほど少しご説明しました気象条件、与えた気象条件の1年を通した動きを、雲量、日射量、湿度、気温、風速について載せてございます。
 次に、3ページに移りたいと思います。3ページでございますが、モデルの検証に用いました観測データがどこで測られたものであるのかというものを一度にお示ししたものでございます。グリーンの点は、国土技術政策総合研究所、これは平成11年からで、実はこのときに国総研というのはまだ存在していなかったわけでございますが、現在の名前でお示しをしてしまっております。集中観測という観測を国総研の方でやっておりまして、7月6日から10月1日までの22日間について、鉛直方向にさまざまな水質項目を測定した結果がこれだけございます。
 イエローの地点は、千葉灯標、東京灯標の位置を示しております。ここでは自動的に水質が連続に観測されておりますので、この連続観測結果と計算結果をちょうど合わせたところをご紹介したいと思います。
 次に、水色の点でございますが、これは環境省庁が平成元年度に行った流動・水温・塩分観測調査の地点でございます。今回のシミュレーションは平成11年度を基準年とさせていただいておりますが、平成元年にも水質予測シミュレーションをやったことがございまして、地形内に流入する淡水でありますとか、さまざまなデータが整っておりますので、この年度でも一度流動計算を行ってみてはどうかというのを、念を入れてチェックいたしております。
 ▲のところは、同じく元年度に行われた青潮の発生機構の解明等に関する調査地点、これも同様に、平成元年でも一度流動を合わせてみましょうということでデータを使用させていただきました。
 4ページに移りたいと思います。ここでは、塩分と水温につきまして地図にお示ししてあります観測地点それぞれについて計算結果と観測データがどの程度合うのかといったことを示した図です。図の中にはグリーンの線と赤の線があるわけですが、グリーンの線は塩分を示しています。赤の線は水温を示しています。線の上に丸い点がついているところがグリーン、赤それぞれにあるわけですが、丸のついているところが計算結果を示しているわけでございます。水深方向に、ここの地図で示してある点について、計算値と実測値を比較しているわけでございますが、非常によく合っているのではないかと、こういった結果が得られております。
 次に、5ページに移らせていただきます。ここでは千葉灯標、東京灯標のst1、2、3の3地点で観測値と計算値を比較しております。比較しているのは水温でございます。2枚1組の図が3組ございますが、それぞれの組の左側は観測値、右側のグラフが計算値をあらわしております。左側のグラフと右側のグラフをお比べいただきますと、この水温が非常に連続的に、6月28日から8月の下旬にかけて非常によく合っている、こういったことが確認できるわけでございます。
 続きまして、6ページに移るわけでございますが、これも同じく千葉灯標、東京灯標のデータで、塩分について観測値と計算値を比較しているわけでございます。観測値の方で少し補足説明をさせていただきたいんですが、例えば一番上にございます2組のグラフのうち、左側を見ていただきたいんですけれども、7月28日ですとか8月の上旬あたりでデータの連続性が失われているところがあるんですが、一度がくんと塩分濃度が下がりまして、その後またぴょっと跳ねている部分があるわけですが、これは千葉灯標なり東京灯標のメンテナンスを行ったタイミングがここのずれのあるところを示しております。メンテナンスによって少し観測値が正常に戻るといいますか、だんだん観測値がずれてきます。この辺のところは詳しいことはよくわからないんですけれども、メンテナンスのタイミングで観測値のずれがあるということでございます。ですから、右側の計算結果と左側のグラフが合わないということではなくて、右側の方は計算値でございますので、これは連続的に計算された値を示しております。ですから、左のグラフのずれを上に戻していただけると、計算値と観測値がよく合っているといったことがお示しできたのではないかと考えております。
 次に、7ページに移りますが、ここでは同じ3地点でDOについてお示しをしております。左側の非常にスパイキーな上下激しく動いているグラフにつきましては、連続観測を行っている関係で、昼と夜の値の差というのが非常に大きく出ているということでございます。昼は光合成が盛んに行われますから、酸素供給が多くあります。夜になりますと、植物プランクトンは呼吸をし始めるわけでございまして、そうなると溶存酸素が減っていると。それを、昼夜大きな変化をそのままあらわしているのが左の図になっています。一方、計算の方なんですが、これは右のグラフでございますが、日平均のアウトプットとしてグラフを書いている関係で、左のグラフに比べるとややなめらかな曲線になっています。
 それで、興味深いのが8月の中旬あたりなんでございますが、例えば、st3、東京灯標の計算結果を見ていただきますと、8月12日の前後あたりから、底層ですね、10層目のDOの計算結果が2を下回るような、長期間2を下回るようなアウトプットが出ているわけであります。これは、st3の地点で貧酸素の水塊が発生して、それが長い間、長い日数連続しているといった、東京湾、この専門委員会の中でも貧酸素というもののデータをお示ししましたが、そういった状況もこの計算結果できちっと再現できているといったことでございます。ですから、マクロ的には非常にDOも、日平均で整理していますが、アップしているといったことでございます。
 以上の説明は、平成11年度の観測値と計算値の比較でございますが、水温・塩分につきましては、過去に揃えたことがある豊富なデータを用いて、同じモデルを使って観測値と計算値との比較を行いました。
 8ページは水温の比較を表してございます。同様に左側が観測値で右側が計算値ですが、非常によく合っている傾向がここで見られます。
 9ページも、連続観測の結果を観測値と計算値で比較しておりますが、これは塩分でございます。計算結果と観測結果が非常によく合っているということでございます。
 次に、10ページでございますが、これはまた塩分と水分の鉛直プロファイルについて幾つかの点で比較を行っておりますが、一番最初に説明したグラフと同様に、丸がついている方が計算結果でございますが、非常に観測値とよく合ってくると。ちなみに、これは9月21日の観測値と合わせてございます。
 以上、このモデルの検証を行った結果のすべてではないんですが、主に水温と塩分につきましてお示しをしました。今後水質計算を行った結果を整理いたしまして、水質の方もきちっと合ってくるといったことも次回の専門委員会以降でお示ししていきたいと考えております。
 それでは、ここで流動について計算をした結果を三次元のムービーでご用意いたしましたので、それをご覧になっていただきたいと思います。
 まず、この三次元のグラフでございますが、東京湾を東京側から見た鳥瞰図でございまして、こういったところに主要な河川の河口があるわけでございます。こっちが東京側でこっち側が千葉側になります。ここが湾口になります。
 ここに凡例がございますが、これは塩分を表してございまして、青い方が淡水に近いものになりまして、赤くなればなるほど塩分濃度が上がっていくといったことでございます。
 それと、このスナップショットが何月何日なのかというのをお示しすることができればよかったんですが、366枚の写真を今からムービーで動かすわけなんですけれども、ここに示していますS1というカウントが1つずつ上がっていきます。1つ上がれば1日経過したという整理でございます。実際にS1が平成11年1月11日の絵をあらわしていますので、ここから1年分の変化をご覧になっていただきたいと思います。
 今、2月に入ったところでございます。
 今、3月1日に入ったところでございます。
 今、4月1日を越えたところでございます。
 今、5月1日を越えたところでございます。ご覧いただいていますように、河口ですね、東京湾に入ります荒川ですとか中川ですとか、淡水が流入していく状況が色の違いでよくあらわれているといったことでございます。主に、この図を見る限りは、東京、神奈川側の海岸線の方に淡水が表層を滑っていると。
 今、6月に入ったところです。6月に入ってきますと、梅雨のシーズンになってきますので、ここから大量の雨が東京湾に入ってくる様子が、7月、8月、9月あたりまでご覧いただけます。まだ6月の状況でございます。
 今、7月に入ったところです。7月は、7月15日に非常に大きな雨がありまして、今、それを見たところでございます。東京湾の内湾の広範囲にわたったところで表層の塩分濃度が下がってきて、グリーンが全体に広がっている様子がご覧いただけるかと思います。
 8月に入ったところです。8月は、8月の半ば、15日あたりに非常に大きな雨がございました。今、ちょうど雨が降った後でございますので、東京湾の湾奥部の部分がかなりブルーになって、それに伴って内湾全体がグリーンになっているという状況です。
 今、9月1日に入ったところです。
 今、10月1日に入ったところです。10月を越えてきますと、雨がかなり少なくなってきます。
 今、11月1日に入ったところです。今、11月の後半ですが、ここのあたりからは雨の降らない日が連続してかなりある時期になります。
 今、12月の中旬あたりです。
 年が明けまして、12年の1月1日以降の動画でございます。
 これで、366日目の絵で終わりでございます。
 資料7に戻っていただきまして、11ページ以降に三次元的な東京湾のグラフがあるわけでございますが、左上、すみません、その前に、このグラフがどこの地点をあらわしているかということなんですけれども、3ページに戻っていただきまして、グリーンの●で示されております東京湾広域環境調査、集中観測地点の4番です。東京灯標が左上の方に黄色い印でありまして、その下にあるこの地点です。この地点を南北方向と東西方向の断面で切りまして、その断面の様子を11ページ以降にお示ししているわけでございます。
 11ページにお示ししていますのは、St.4を東西方向、南北方向に切りまして、塩分の分布がどうなっているかと。この時期は成層期で、雨が降ったときの断面でございますが、表層に塩分の薄い層、淡水の層が流れているスナップショットがここでご覧になっていただけるかと思います。
 12ページでございますが、日が変わりまして、8月3日、同じく成層期でも雨が降っていないときのものでございます。成層期でございますので、いずれの断面を見ましても表層と底層の方でかなり塩分濃度が変わってきて、真ん中あたりでくっきり分かれていると、そういう状況がわかっていただけるかと思います。
 13ページは、8月18日、これは集中観測が実際に行われた日のタイミングで断面を出しております。かなり雨が、8月15に大きな雨が降った後でございますので、やはり表層の、かなり水深があるところまで淡水が入っている様子がご覧になっていただけるかと思います。
 続きまして14ページですが、これは雨がすごく少ない時期のいわゆる混合期でございまして、日付は1月2日でございます。混合期でございますので、全体的に断面を見ましても塩分濃度に差がなく、真っ赤な状態になっているということでございます。
 以上で検証結果の一部と計算結果の一部をご覧になっていただいたわけでございますが、今回、水温・塩分で流動の比較をやりましたが、かなりモデルで現況を再現できているといったことをご報告したいと思います。
 もう一つ、繰り返しになりますが、貧酸素水塊の発生状況というものは、連続的に非常によく再現されている鉛直のモデルでありまして、こういった結果を使えば東京湾の水環境の改善を図る上で非常に大きな有益なヒントが得られるということが言えるかと思います。
 検証結果、水質検査結果いずれにつきましても、次回の専門委員会でまとめてご報告できるかと思いますので、作業を進めていきたいと思います。
 私の方からは以上でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 何か先生の方から、よろしいですか。はい。
 はい、どうぞ。

○平沢委員 この深さ方向というか、メッシュが、高さ方向のメッシュなんですけれども、これ、2、4、6、8とありますけれども、これは高さ何メートルに相当するんでしょうか。深さっていうのは。それ、物によって、例えば、13ページでいいですけれども、高さ、S。

○繁本室長補佐 高さですね、東京湾の深さ方向をかなり大きくしてオーバーに表現しているんです。ですから、X方向、Y方向、全部の三次元の方向について同じ縮尺でこれを表現すると、非常に薄っぺらい東京湾になってしまうんです。深さ方向の変化をよく見るために、深さ方向のスケールを大きく表現しているものですから、この目盛りが少し上がっている……

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) 先生がおっしゃったのは、右側の竹の色が変わっているやつ、これは塩分です。

○平沢委員 じゃ、すみません、深さはどうなんですか。塩分はわかりました。深さ。

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) 深さは、したがって、三次元軸の左側に小さく出ている0、20、40、これが深さです。

○平沢委員 これはメーターですか。

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) メーターです。

○平沢委員 そうしますと、いわゆる、河川水だとか雨水の影響を受けるゾーンというのは、割と浅いところで、東京湾を覆っているような感じになっているって考えていいんですか、淡水的なやつですね。要するに、海水じゃない部分が表層の非常に浅いところで膜を覆っているって考えていいんですか。

○繁本室長補佐 そうですね。これは、今このタイミングではそうなっていますが、これはいずれ、混合期になりますと上と下がひっくり返ってまじってきますので、必ずしもいつも膜が覆っている……

○平沢委員 先ほど見たやつはみんなありますよね、上にふたが。要するに、雨水というか、淡水的なゾーンが必ずありますよね。ということは、流入する負荷ですよね、要するに排水だとか河川水というのは、ほとんど表層に流れちゃってて、要するに、そこの表層の部分はほとんど流れてくる水の影響を受けちゃうというか、だから、負荷が下がればそこだけは下がるというイメージに考えちゃう……

○繁本室長補佐 陸から入ってきます負荷が、表層の膜だけを伝って滑って出て東京湾の外に出てしまえば、貧酸素水塊みたいな問題は起きないわけでありますね。ですが、それが陸から入ってきて、酸素消費を伴う沈降をして、下に積もってもさらに酸素消費を行うわけですね。そうすると、今度それが溶出につながっていくと。そういった鉛直方向にも陸域からの負荷の影響というのが起きているというのが実際の東京湾でございまして、DOの比較を見ていただきましたが、あれはまさに沈降から溶出から全部含めた溶酸素の消費、それによる貧酸素水塊というものを計算した結果を今日ご覧になっていただいたわけです。ですから、表層だけの問題じゃなくて、これは底層にも関係している。

○平沢委員 今言ったのはCODの問題で私は言っただけで、CODの除去効果というか、それは水域全部じゃなくて表層だけに影響しているというイメージに見えちゃいますね、ほとんど負荷が。言ってることわかるかな。

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) 多分表示が、これ、このモデルで計算している流れというのは、非常に三次元的な乱流の渦をまず計算しておりますので、したがいまして、この東京湾、いかなる海域でもそうなんですが、いわゆる沈降域とそれから上昇域という、こういう2つの潮目のようなものがこのモデルではきれいに再現されることになります。したがいまして、水平方向に淡水が行くだけではなくて、まざりながらそれが一部は沈降し、また、一部では上がってくる、上昇してくると、こういう三次元的な渦の塊として水塊が形成されていきます。
 したがいまして、河川及びそれ以外にも点源がこの周りにたくさんあるわけでありますけれども、そこから入ってきたいろいろな負荷は、必ずしもこの今お見せした水温・塩分だけの、いわゆるスカラー的なもので表示できるだけのものではなくて、ベクトル的なものを持って、場合によっては表層に、場合によっては下の方に入っていくということがございます。これは、風とか密度の不安定によって下に行くだけではなくて、当然力学場において乱流が、サーキュレーションが起こりますので、そういう密度の差に伴う循環流によって、場合によっては結果として下に入ってくると、そういう流れを表現しているわけです。
 ただ、ここで検証といった場合に、この国土技術政策総合研究所の方でおとりになった調査期間のデータを使おうとしたときに、残念ながらこの期間では流れの観測というのがないものですから、多分、一部測っておられる部分がございますけれども、そこの部分についてのデータをまだ今回はお示しできなかったわけでありますけれども、そういった複雑な渦まではなかなか表示できないので、もう少し三次元的なディスプレイの技術を向上させることによって、本当はもう少し見えやすくできると理解が得られやすいかなというふうに思っております。
 また、この三次元的な鳥瞰図でありますが、ちょっとこれ誤解を与えるかもしれないんですが、一方から見ている姿で、一方から見たそこに見える表面だけの値が出てしまっているので、本来ならば、人間の頭で考えるべきは、そこを通り越した形でどういうふうに実際に複雑に動いているかということが見えるような技術をもう少し本当は向上させたいなとは思っておりますが、ちょっと今はまだそこまで出てはおりません。ただ、1年間とか2年間のシミュレーションを、例えばΔtを2秒でやるとか44秒でやるとか、非常に細かなタイムステップでもって三次元的に計算したものをすべて同化しておりますので、そういう意味でいくと、膨大なデータをどうやって処理するかという問題も一方で抱えているわけです。
 ここで言えることは、1つは、鉛直の分布をかなり詳細にお示しをしておりまして、大変重要なことは、この鉛直の構造がきちっとまず、絶対値が合う、合わないという問題よりも、まず、あるところで、勾配がきついところはきちっと合うとか、鉛直にまざっているところはきちっとまざっているかどうかという、そういう鉛直構造の姿が記述されるということがこういう海洋構造を理解する上では非常に重要なことでありますので、そこの部分については非常にきれいに再現されているのかなというふうに思っております。
 ただ、当然モデルでございますので、現実にすべての起こっている現象すべてを取り込んでいない部分がございまして、例えば、ところどころで表層の例えば塩分であるとか、それから水温で、絶対値が鉛直構造を見たときに合わない部分があって、その場合によく詳細を見てみますと、実測値の塩分、それから水温ではある程度ミキシングが起こっているんだけれども、計算上ではミキシングが起こらないような形で依然として成層が続いているという、そういう結果が出ていて、そこの部分で合わない部分があると。これは、当然のことながら使っております海表面での風のデータというのは、羽田でのデータ1点を使って全海面における風による鉛直混合というのを表現しようとしておりますので、本来ならば大気側の風の分布といったものまで本来ならば取り込めるということがもし可能だとすると、その鉛直混合、風に伴う鉛直混合もきちっと表現できるだろうというふうには思っておりまして、残念ながらこの東京湾については、そこまでの大気側のモデルというのがまだ完成しておりませんので、そういった点での不一致は1カ所、2カ所見受けられますけれども、基本的な構造はきちっと再現されているかなというふうに思われます。
 また、溶存酸素の件で、ちょっとこのプリントが余りきれいに出ていなくて大変申しわけないんですが、底層の変化というものが、観測値と絶対値において少しまだモデル側がいわゆる完全なゼロになっていないで、1ppm程度にまで溶存酸素が下がっているという、ちょっと絶対値の濃さがまだ残ってはいるものの、全体の挙動として底層での溶存酸素がきちっと追随しているということが確認されておりますので、これは表層での植物プランクトンの時間レベル、要するに、1日の間に昼間は植物プランクトンは光合成を行って、夜間には呼吸を行いますので今度は消費をしていくという、その1日の間の酸素の生産と消費という部分のプロセスが実測値にはきれいに観測されていて、いわゆるスパイキーな日変化を示しているわけでありますが、この、いわゆるマネジメントのモデルに使っております植物プランクトンの場合には、いわゆる1日単位のネットの光合成量という形で計算をしておりますので、残念ながら1日の間の時間オーダーの酸素の生産・消費というところまでは表現できていない。
 ただし、最も重要なことは、日平均としての値がどれぐらい合っているかということと、結果としてそういう植物プランクトンが増殖したものが沈降して底層にそれが堆積して、酸素を消費して貧酸素をもたらすときのある意味日変化程度の溶存酸素の変化がきちっと再現されているかという、ある意味ではマクロとミクロの中間レベルぐらいのスケールでの現象については、ほぼ追随されつつあるかなと。当然まだ次回の委員会までには、ある種のパラメトライゼーションをやっていく必要があるかと思いますけれども、ほぼこの目的とするところについては、おおむね時間的、また空間的な分布についての整合性は見つつあるかなという、そういう印象を持っているところです。

○平沢委員 すごく難しい話でなかなか理解できないんですけれども、プランクトンの移動でお話しされていましたけれども、私、非常に東京湾の浅いところですと、やはり深さが浅くて、しかも泥があるわけですよね。そうすると、そういうところというのはむしろ貧酸素になりやすい、プランクトンというよりは、もともと貧酸素のゾーンがあって、その辺はこのモデルできちっと出るんですか。

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) 貧酸素の部分というのは、むしろ深い湾の中央のあたりの深いところで当然発生するものでありまして、いわゆる青潮という形で、そういう貧酸素水塊が岸辺に上がってきたときに青潮という現象は起こるんですけれども、いわゆるもともとの無酸素水塊が形成されやすいのは、深いところで有機物がたくさんたまっているところで起こりやすい。それは、酸素の供給の収支をとってみますと、この場合には海表面からの酸素のばっ気に伴う供給が1つ。それからもう一つは、植物プランクトンが光合成によって酸素を発生させるという、この2つがいわゆる酸素の供給、実際にそれはすべて表層で起こることですので、浅いところというのはそういう表層での変化とともに、風によるミキシングによって比較的供給されるから、それはすべて表現されております。ただ、深いところまでは表層からの酸素の供給が十分に届かないということで、どうしても貧酸素水塊が形成されやすい。

○平沢委員 すみません、ありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 じゃ、先生、どうぞ。

○松田委員 今回のこのシミュレーション結果は、非常に環境要素の時空間的な変化をかなり全体としてはよく再現していると思いますので、これからさまざまに利用できると思いますけれども、この今回の総量規制、CODとかN、Pとかについて言えば、従来は割合湾に対する総量と、それから湾の水質とかいう内容、今回の検討でも岸よりと沖合いとか、かなり大ざっぱな区分でやったわけですが、今のビデオの映像でわかりましたように、どこの川から入った水が大体いつどこに広がるかってかなりわかるわけですよね。そうすると、かなり、もう少し個別的に流入負荷河川とかポイントごとに、そこの負荷を変えるとどこの海域の水質に直接影響を及ぼせるかということ、もちろん粒状物質もありますから、COD物質や粒状のN、Pが淡水と全く一緒に挙動するわけではありませんけれども、全体的にはそういう、今ので言えば、東京湾のより細かい時空間的な栄養塩レベル、CODレベルの管理をソースに基づいてできるのではないかという、非常に大きく役に立つのではないかというふうに思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかによろしいですか。
 はい、どうぞ、木幡先生。

○木幡委員 今のご説明だと、植物プランクトンによる酸素のサプライとか、あるいは消費という話があったんですけれども、水柱といいますかね、水中以外に底泥でも同じようにやはり酸素の消費があると思うんですが、その辺はどんなふうにモデル化されているか教えていただけますか。

○渡辺(国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長) 底泥での酸素消費については、サブモデルで今回新たに、89年のときの計算とは別に組み込んでおりますので、したがいまして、底泥でのいわゆる2層に切って、いわゆるオキシックなレイヤーとアナオキシックなレイヤーにおける窒素、りん、カーボンの挙動という形でのモデル化がされておりますので、したがいまして、表層から有機物が供給された場合に、そのプロセスに従って酸素消費がされるということは組み込まれておりますので、したがいまして、底層においては酸素の供給はなく、消費だけがそのモデルに従って計算されると、こういう形になっております。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 今回と前回は、今までございましたように、水質汚濁メカニズムについて議論をさせていただきました。まだ検討すべき課題が残されております。したがいまして、次回は今回及び前回ご指摘のあった検討課題につきまして、もう一度事務局で整理していただいて、それをもとにご議論をお願いしたいというふうに思います。
 それから、ただいまご紹介いただきました水質予測シミュレーション、これも次回の専門委員会までにそれなりの計算結果も出していただけるということだと思いますので、その結果についても次回の委員会でご議論をいただければというふうに思います。その際、まことに恐縮ですが、もう一度渡辺先生にはご出席いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 以上でございますが、何か事務局から連絡事項ございますでしょうか。

○坂川閉鎖性海域対策室長 どうもありがとうございました。
 次回の専門委員会でございますけれども、既に委員の皆様方にご連絡しておりますが、2月1日の午後1時半からということで予定をしておりますので、よろしくお願いいたします。場所に関しましては、後日ご案内させていただきます。
 また、先ほど岡田委員長からもお話がありましたが、事業場の現地見学会を行うことにしております。これにつきましても、委員の先生方のご要望を伺いつつ調整をいたしまして、既にご連絡をしておりますが、1月19日の午後に実施をしたいと考えております。詳細につきましては、これも後日ご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から何かほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 よろしければ、第6回の総量規制の専門委員会を以上をもちまして閉会させていただきます。
 本日は、どうもありがとうございました。

午後3時54分 閉会

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