中央環境審議会 水環境部会第16回環境基準健康項目専門委員会 議事録

日時

平成25年12月27日(金)


議事録

午後1時00分 開会

○宮崎課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第16回の中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会を開催させていただきます。
 委員の皆様方には、ご多忙中にもかかわらずご参集賜りまして、誠にありがとうございます。また、少し前回からあいてしまったことをまずお詫び申し上げたいと思います。
 本日は、委員総数14名のうち、今、大塚先生がいらっしゃいましたので、12名の先生の出席が予定されておりまして、ただいま大塚先生がいらして12名のご出席となっておることをまずご報告させていただきます。
 それでは、議事に先立ちまして、環境省の平岡審議官からご挨拶申し上げます。

○平岡審議官 平岡でございます。
 しばらくぶりの会議をこの本当に年の暮れの押し迫った最後のワーキングデイに開くということで本当に恐縮いたしておりますけれども、ご多用のところお集まりいただきまして、まずもってお礼を申し上げたいと思います。
 この健康項目の環境基準は、平成14年に諮問をさせていただいておりまして、順次答申をいただいて見直し、整備を進めてきておりまして、第3次答申というところまでいただいてます。その後、事務局のほうの用意も十分できないということもありまして、少しあいてしまいまして恐縮でございます。
 もう既に環境基準項目は、公共用水域27項目、地下水28項目、また、そのほかに要監視項目も定めていただいておるところでございまして、今回、最近の動向、特に平成23年4月に水道水質基準の見直しがされている、トリクロロエチレンの環境基準の見直し、この辺りのご審議からお願いしたいと思っております。大変ご多忙のところでございますが、ぜひご審議をよろしくお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

○宮崎課長 それでは、続きまして、久方ぶりの委員会でございますので、委員の先生方を一通りご紹介させていただきたいと思います。座席のお座りいただいている順にご紹介いたしますけれども、まず、私の左のほうから早稲田大学の大塚委員でございます。
 放送大学の岡田委員でございます。
 元上智大学の中杉委員でございます。
 それと、今回から新しくメンバーに入っていただいております国立保健医療科学院の浅見委員でございます。
 京都大学名誉教授の内山委員でございます。
 それと、東北大学の客員教授であられます須藤委員でございます。
 続きまして、独立行政法人国立環境研究所の佐々木委員でございます。
 独立行政法人土木研究所の鈴木委員でございます。
 続きまして、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の発生が委員でございます。
 続きまして、国立医薬品食品衛生研究所の広瀬委員でございます。
 独立行政法人農業環境技術研究所の與語委員でございます。
 愛媛大学の客員教授の森田委員でございます。
 以上、よろしくお願いいたします。
 それと、事務局のほうも随分変わっておりますので、事務局のご紹介をさせていただきます。
 ただいまご紹介させていただきました平岡審議官でございます。
 私、水環境課長の宮崎でございます。よろしくお願いします。
 それと、水環境課課長補佐の根木でございます。
 地下水地盤環境室の室長補佐、上田でございます。
 水環境課の岡島でございます。
 以上、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料のご確認をさせていただきます。議事次第が1枚用意してございますけれども、議事次第にありますように、本日は資料1から資料6、参考資料1から3ということで用意してございますので、確認のほうをいただきたいと思います。
 なお、前回、平成23年3月に開催されました第15回のこの専門委員会の議事録につきましては、多少あいてしまったということもありますけれども、既に委員の先生方のご了解を得まして、公表も既にさせていただいておりますので、ご報告させていただきたいと思います。
 それでは、これ以降の進行は須藤委員長にお願いいたします。

○須藤委員長 かしこまりました。
 それでは、第16回の水環境部会環境基準健康項目専門委員会の議事をただいまから開かせていただきます。
 委員の先生方には大変ご多用の中、また、年末の押し迫ったときにお集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。本日も多くの傍聴の皆様においでいただいたことをまずはお礼を申し上げておきたいと思います。先ほど事務局からお話がございましたように、2年ほどこの委員会はあいてしまっておりますが、内容的には連続しているものでございまして、可能であれば本日ご議論いただいて、皆さんの合意が得られれば次の報告案の原案程度は作っていきたいと考えておりますので、委員の先生方、どうぞよろしくご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、今、議事録のことについては宮崎課長からお話がございましたので、早速議事に入って、トリクロロエチレンの公共用水域及び地下水における環境基準の見直しについてということでございまして、まずは資料2、3について事務局からご説明をお願いいたします。

○根木課長補佐 水環境課、根木と申します。
 資料2をご覧ください。
 資料2は、平成14年8月に環境大臣より中央環境審議会会長に対して、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについてということで諮問をしておるということであります。環境基本法の規定に基づきまして、水質汚濁に係る環境基準について告示のうち別表1に定める人の健康の保護に関する環境基準、及び地下水の水質汚濁に係る環境基準についての告示うち別表に定める地下水の環境基準、これの見直しについて審議会に意見を求めるというものでございます。
 諮問理由の一番下のところを見ていただきますと、今説明したことと大体かぶるかもしれませんが、水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準、地下水の水質汚濁に係る環境基準等の見直しについて審議会の意見を求めるものであるというふうに書かせていただいております。
 裏面が同じ平成14年8月に中央環境審議会会長より水環境部会の部会長に対して、付議したものになっております。これに基づいて、これまで1次、2次、3次と答申をいただいておるということでございます。
 資料3をご覧ください。
 今回の審議事項等についてということでありますが、これまでの経緯は平成16年2月に第1次答申、これは塩化ビニルモノマーなど5物質を要監視項目へ新規追加などをしております。21年9月に第2次答申、このときには公共用水域の基準に対して1,4-ジオキサンを追加しまして、地下水の基準としては1,4-ジオキサン、塩ビモノマーなど3物質を追加したと。1,1-助役ロシアロシアエチレンの基準も見直したということであります。また、23年7月には第3次ということで、カドミウムの基準の見直しについて答申いただいております。
 2番で、今年度の審議いただきたい事項でございますが、まず、トリクロロエチレンの公共用水域及び地下水における環境基準値の見直しについてご審議いただきたいというふうに思っております。また、22年度開催の少し時間があいてしまいましたが、第13回、第14回のこの専門委員会においてPFOSの動向などをご紹介させていただきましたが、本日PFOSについても専門的に調査いただきたいというふうに考えております。
 (3)は、(1)で述べたこととほぼ同様でございますが、トリクロロエチレンの環境基準値についてのご審議いただいたことを踏まえて、環境基準のままであるのがいいのかどうかということで調査を専門的に見直しのご審議をいただきたいということであります。また、(4)として要調査項目のリストの見直しについても意見をいただければということで考えております。
 具体的なスケジュール案が3番でございますが、本日ご審議いただきまして、でき得れば本日方向性が問題ないということであれば、第4次の報告案について来年の1月か2月にかけてパブリックコメントを実施できればというふうに考えております。
 裏面を見ていただきまして、次回のこの専門委員会を2月28日に開催したいというふうに考えております。第4次の報告について取りまとめの議論をいただければということもあります。あとは要調査項目のリストの見直しについてということで記載しておりますが、これにつきましては、平成9年に環境省がローリング的に調査すべきものということで、当時事務レベルで整理しておりまして、この専門委員会でご審議いただいたものではないんですけれども、次回リストの改定案のようなものをお示しできればというふうに思っていまして、ご意見をいただければというふうに考えております。平成26年3月以降に水環境部会にて第4次の報告案についてご審議をいただければというようなスケジュール案を書かせていただきました。
 以上でございます。

○須藤委員長 ただいまスケジュールについてはここに書いてあるとおりで、これについて異議があるとかないとかというようなことでもないので、もう次の資料4も説明していただいたらいかがでしょうか。いいですか。あれば伺いますけれども、スケジュールについてはもう従来の継続の話ですので、資料4に直接入っていただいてよろしいんじゃないでしょうか。

○根木課長補佐 よろしければ……。

○宮崎課長 委員長、すみません。このスケジュールは今日のご議論でもう概ね案としてよろしければこの程度ということでありまして、ご異議がございました場合は当然変更になりますので。

○須藤委員長 すみません、急ぎ過ぎたかもしれませんが、資料3について異議なりこのスケジュールではよろしくないということがございますでしょうか。
 従来からそんな準備だったと思いますので、継続してそれでは異議がございませんので、最初の本日の主たる議題であるトリクロロエチレンについてということで、資料4をどうぞご説明ください。

○根木課長補佐 資料4をご覧ください。トリクロロエチレンについてということでございます。
 まず、現行の環境基準につきまして、トリクロロエチレンにつきましては、平成5年の中央公害対策審議会答申において追加すべきということでありまして、これに基づいて環境基準の項目に追加されております。基準値の導出方法でございますが、WHOの当時の飲料水の水質ガイドライン及び米国EPAの根拠データをもとにリスクの多段階モデルを用いまして、70年というライフスパンで発がんリスク10-5という評価によって水質評価値0.03mg/Lという基準値を導出しているということでございます。
 次に、2番でトリクロロエチレンに係る基礎情報ということであります。
 まず、物質情報について下にあります表2のとおりまとめさせていただいております。例えば表1の一番下のほうに生物濃縮性について、濃縮性はない又は低いということで記載をしておるところでございます。
 おめくりいただきまして、2ページも表1の続きというようなことで、トリクロロエチレンの分解性について大気、環境水、土壌における挙動についてなどをまとめております。
 次に、3ページを見ていただきますと、国内外の基準で、まず国内が表2にまとめておりますが、今申し上げたとおり公共用水域の水質汚濁に関する環境基準、そして、地下水の水質汚濁に係る環境基準については0.03mg/Lということでございます。これと整合をとる形で土壌の環境基準なども定められているということであります。アンダーラインを付しておりますが、水道の水質基準につきましては0.01mg/Lということで、平成23年4月に0.03mg/Lから変更をされております。
 あとは、下の表3が諸外国の環境基準値等ということで主なものをまとめておりますが、例えばWHOの飲料水の水質ガイドライン第4版において0.02mg/Lというような暫定ということでありますが、このような値が示されております。
 おめくりいただきまして、4ページをご覧ください。
 トリクロロエチレンのまず主な用途でありますが、従来は衣料のドライクリーニング用ですとか金属機械部品の脱脂洗浄剤、薬品、香料、ゴム、塗料、樹脂等の溶剤などとして用いられてきたと、過去においてはということでありますが、少し最近といっても古くなってしまうんですけれども、最近は表4を見ていただくと、用途使用割合というのが表4にまとめております、代替フロン合成原料、脱脂洗浄剤、工業用溶剤などとして使用されているということでございます。
 次に、下のほうに生産量等ということでまとめております。統計資料によると、トリクロロエチレンの生産量は減少傾向にあるということ、近年は約5万トンが生産されているというようなことが表でもまとめさせていただいております。
 次に、水環境における検出状況等ということで5ページをご覧ください。
 公共用水域においては、過去10年間で現行の環境基準値0.03mg/Lを超過した地点はなかったということでございます。また、地下水については下の表になりますが、10年間で延べ75地点で現行の環境基準を超過しているということでございます。測定地点に対する検出地点数なども下の表に記載しているとおりでございます。
 次に、6ページを見ていただきますと、PRTR制度による全国の排出届出量について記載しております。
 上の表が媒体別といいますか、23年度では公共用水域への排出量2.2トン/年という届出量の合計値であったということであります。大気への排出量の3,196トン/年と比べると、水のほうは小さい数値となっているということでございます。下の表9が業種別の届出排出量ということになっておりまして、公共用水域への排出量については、下水道業を除いては化学工業が最も多くなっているということが下の表を見てもおわかりいただけるかと思います。
 次に、7ページでございますが、国内外の動向ということで、まずはWHOの飲料水の水質ガイドラインでございます。
 こちらについてはガイドラインの値、いろいろ変遷がございましたが、第3版の第1追補、2006年において下の表10のとおりの見直しが行われたということであります。具体的には表10のとおりでありますが、暫定ガイドライン値が0.07mg/Lから0.02mg/Lに変更されたと。TDIが1.46㎍/kg体重/dayというものに変更されております。また、そのガイドライン値の導出根拠としまして、水のアロケーション、寄与率が10%から50%に変更されております。追加コメントということでありますが、各国において室内における換気率が低い場合ですとか、シャワーや入浴頻度の高い場合においては、国の基準値を設定する際に経皮及び吸入の追加的な暴露を考慮すべきというようなコメントもなされているというようなことでございます。2011年に第4版のガイドラインが出ておりますが、この暫定ガイドライン値については変更されていないということでございます。
 次に、8ページでございますが、食品安全委員会においては、トリクロロエチレンについて清涼飲料水の評価としてTDIの1.46㎍/kg体重/dayというような数字が平成20年答申でありまして、さらにそのトリクロロエチレンの水道の水質基準の見直しに当たりまして、厚生労働省は水道水中のトリクロロエチレンの基準改正に係る諮問を食品安全委員会に対して行ったということであります。その食品安全委員会は平成22年9月に清涼飲料水の値と同様TDIを1.46㎍/kg体重/dayという値で答申を行ったと。答申の概要については、表11のとおりであります。中ほどにアンダーラインを付しておりますが、ラットの交配前から妊娠期間の飲水投与における胎児の心臓異常発生というようなところに着目してTDIのほうを設定しているということでございます。
 9ページをご覧ください。水道水質基準のどのような考え方で基準が見直されたかということについて説明をさせていただきます。
 水道水質基準においても、過去においては飲料水の寄与率を10%ということで見積もることを基本としてきたということであります。しかしながら、WHOの第3版の第1次追補において寄与率が見直されたことなどを踏まえまして、原水汚染がある場合の飲料水の最大濃度を全国の浄水濃度の最高値に近い10㎍/Lと仮定した上で、寄与率を入浴時の吸入、経皮暴露分も含むというものとして70%というふうにしております。
 具体的には表12を見ていただけるとわかりやすいかと思いますが、水道水の濃度を先ほど申し上げた理由で10㎍/Lに設定したと。それで、その媒体摂取量として飲用を通常からの2L/dayに加えて、入浴時を3L/day相当分ということで見込みまして、ここから寄与率の70%を出しておるということでございます。
 これを踏まえまして、厚生科学審議会生活環境水道部会では、トリクロロエチレンの水質基準について従来の0.03mg/L以下から0.01mg/L以下に強化したと。これについて平成23年4月に改正省令が施行されたということでございます。水質基準値の考え方について従来からの考え方と同様でございますが、四角の中に入れている式によってTDIに人の体重50kgを掛けまして、寄与率70%を掛けまして、水の摂取相当量の5L/dayというので割り込みまして、0.01mg/Lというような水道の水質基準値を設定したということでございます。
 おめくりいただいて、10ページをご覧ください。
 これらのことも踏まえまして、公共用水域、そして地下水の水質の環境基準の値をどうするかということでございます。新たな基準値案ということで、前段のところは今申し上げたようなことを書いておりますが、トリクロロエチレンの生物への蓄積性は低いと。また、WHO及び水道の水質基準の検討結果を踏まえると、水道水の水質基準値と同様に基準値を変更することが適当ではないかというようなことで案を示させていただきました。式としては、水道の施設でトリクロロエチレンが除去されるということを加味しないでということでございますが、同じ式で公共用水域、そして、地下水の水質の環境基準値案を設定してはいかがという案でございます。
 10ページの下のところから、新たな基準値案に対する水環境中の超過状況について参考までに整理しているというものでございます。こちらについては、具体的にはデータについては11ページのほうをご覧いただければと思いますが、まず、公共用水域については、基準値の案、0.01mg/Lの超過事例は、過去平成15年と16年で1点ずつあるということであります。直近の5年間の中では超過事例が見られないということでございます。また、地下水では超過事例が毎年度ありまして、平成14年度から23年度まで10年間で延べ259地点で超過をしていると。具体的なデータについては表14、11ページの表のとおりでございます。
 説明は以上でございます。

○須藤委員長 どうも簡潔に要領よく説明いただきまして、ありがとうございました。ただいまの根木補佐のご説明に対して、ご質問なりご意見をこれから伺いたいと思います。どうぞどなたからでも結構でございます。
 中杉先生、どうぞ。

○中杉委員 ここでの議論の外でもう既に終わっている話なんですが、水道水の水質基準の設定、9ページのところのちょっとわからない部分があるので教えていただければと思いますが、まず表12の水道水(最大)で10というのは、全国の浄水濃度の最高値に近い値ということでこういうふうに仮定したということだと思うんですが、飲用は1日に2リットル飲むからということなんですが、入浴時は3L/日というのは、これはどういうふうな意味合いですか。3リットル飲むという話であるのか、これは吸入で3リットル飲む分に相当するぐらい吸入、それから経皮で入ってくるという仮定をしているのか。

○須藤委員長 ただいまのご質問は根木補佐、お答えいただけますか。では、広瀬委員、どうぞ。

○広瀬委員 私、ちょっと記憶が正確でないんですけれども、入浴時に吸入する吸入量、気化してそれをガスとして吸入する分と多分皮膚の分、皮膚からの吸収分も全部足した時の体内への吸収量に対してこの濃度の水で口から飲んだ量として換算すると3リットルに相当するという値。

○須藤委員長 それぞれ分けて計算して足し算しているわけですね。

○広瀬委員 そうです。それを足し算しているので、5リットル飲むわけではありません。

○中杉委員 だから、10に抑えておけば大丈夫だよということなんですが、これをそのまま読むと、飲用で飲むよりは入浴時の吸入、経皮で暴露される量のほうが大きいというふうに読むべきなのか、読んでいいのか。

○広瀬委員 一応そういうふうに。

○中杉委員 それも含めて10にしておけば大丈夫だということですね。
 それから、もう一つは空気のほうの濃度が1.0ということになっています。これの設定の根拠は何ですか。

○須藤委員長 これも先生、よろしいですか。どちら、これは。では、浅見先生、どうぞ。

○浅見委員 すみません、これを設定したときの確かに非常にちょっと日ごろとは違う設定をしているんですけれども、情報が限られた中で産総研さんのほうで室内空気と室外空気の調査を非常に多くされているデータの中からこの値が唯一、一般的に使えるものであろうということで、この値を使ったという記憶がございます。先ほどの3リットルのほうも文献のほうからdrinking water equivalentという形でこういうお風呂ですとか経皮吸収のものについて水道水に該当するような量を算出して使うということをこの検討のときに行ったような記憶がございます。
 今の空気のほうは、たくさんの家庭の中で使われているもの、計測されたデータを用いてこの値になっておりまして、本来であればここを最大値とか本当にこの水道水の最大値に相当するときの空気の濃度があればよかったんですけれども、そういうデータがなくて、この値を使ったというのが実際でございます。

○須藤委員長 過去の経緯はそうだそうですが、中杉先生、どうぞ。

○中杉委員 実は大気のほうも基準値を決められていて、その数字はこれよりはるかに大きな数字ですよね。200倍大きな数字なので、実態的にそこまで汚れてはいないですけれども、そこまであれすれば大気のほうは、吸入のほうは大丈夫だよという整理をしているんですよね。ちょっとそういう意味で……

○須藤委員長 差が大きいですね。

○中杉委員 実際には多経路の暴露から大気と水の基準値をこういうふうな整理をすると非常に矛盾が起きてしまうので難しいんですが、今回あえてこれをやられて、こういうふうにしてしまうと、何かそこら辺のところでいろいろ質問が出てこないのかなというのは気になったもので、根拠は何ですかということで伺いました。そういうご説明だということで、もうこれ、とやかく言う話ではないのでわかりましたということにしておきます。
 それから、もう一つあれなのは、6ページのところでPRTRの話なんですが、排出規制専門委員会でも申し上げたんですが、この表8と表9を比べて非常に異常な数字が並んでいるんですね。下水道への移動量というのが平成23年度6kgで、公共用水域への排出量が下水道業から1,800kg、6kgから入っていないのがどうして1,800になるんだという話に単純にしてしまうと、そういうことになります。ちょっとここは排出規制専門委員会でも少し議論をさせていただいたようなことをコメントとして加えておかないと、何でこうなるんだという話になりかねないと思いますので、単純に比較してしまうとおかしな数字で、少々の数字のずれぐらいはあれですけれども、これだけ桁が違ってしまうと何だろうかという話になりかねないので、少し事務局のほうで考えていただければと思います。

○須藤委員長 では、宮崎課長、どうぞ。

○宮崎課長 中杉先生おっしゃるとおりで、排出規制専門委員会でも同様の議論がございまして、これは検出下限以下のデータをどのように扱うかということで大きな誤差を含んだ数字となっているような気がしています。この表9の下に注3として少しは定量下限値未満の測定結果も多く含まれておるとか書いておりますけれども、もう少しわかりやすい表現を工夫したいと思います。

○須藤委員長 ということで補足しておけばよろしいですか。
 それでは、浅見委員、どうぞ。

○浅見委員 申し訳ありません。今のに関連いたしまして、下水道のほうは中杉先生のご指摘で理解をしているんですけれども、廃棄物移動量のほうは逆に廃棄物処分業のほうが非常に少ない値になっておりますのと、一般的に届出排出量で大気に行ってしまっているものというのはあまり計測をされないで、どこに行ってしまったかわからないのでといって大気になっている場合もあるかと思われますので、それからいきますと、この物質についてはあまり挙動が補足されていない部分もあるのではないかなという感じがいたしております。廃棄物のところに関しては、どういう原因が考えられるか教えていただけますと幸いです。

○須藤委員長 そうですよね。では、後で内山先生、中杉先生の後に内山先生。

○中杉委員 多分廃棄物で出したもので、その大部分は処理されています。

○須藤委員長 飛んじゃうでしょうね。

○中杉委員 焼却処理だとか分解とか何かの形で廃油の処理をやって、処理されてそのまま出していることは、水に流したり環境に出していることはないので、廃棄物としてこれだけ廃油として出しましたという計算ですので、これは化管法のほうで出したものはどういうふうな処理方法を採用していますかというのをこの前の改正でとるようになっていますので、そこら辺で見ていくと、その処理方法が大体こういうやり方をしているから、そうしたら、その後環境にどう出てくるかというのが将来的には推測ができるのではないかなと思っていますけれども。

○須藤委員長 ありがとうございます。では、内山先生、どうぞ。

○内山委員 ちょっと確認させていただきたいんですが、9ページの表12で先ほど中杉委員からもあったんですが、媒体摂取量が呼吸量が1日20立方メートルとして計算しているんですが、環境省の大気のほうは1日15でいつも計算していて、この20というのは多分WHOのほうは体重60キロの外国人の平均とすると、体重60キロで20立方メートルというのが普通に出てくるので、日本で体重は50キロと日本のものを使っていらっしゃるので、それとちょっと矛盾が出てしまうので、多目に見積もったということなら、それはそれでいいんですが、同じ環境基準をつくるときに大気と水で何で係数が違うんですかというご質問が出たときにちょっと困るかなと、私のほうがちょっと困るかなと。これは何回かもう日本人の体重は50キロよりももっと大きいんじゃないかとか、もうちょっと呼吸量も多いんじゃないかということを議論されているんですが、一生涯ということで赤ちゃんからご老人までを年齢階級別に平均していくと50キロの15立米で、そんなに間違いではないだろうということで、大気のほうはみんなそれでやっていましたので、そこは多分寄与率を20が15になるので、寄与率がもうちょっと大気が減るんですが、70%と仮定するなら別にそれはそんなに問題ではないので、できればそこを直していただければいいんじゃないかと思うんですが。

○中杉委員 多分私も講義でやるときには15を使っているんですけれども、いろんなとこで、ちょっと違うんですよね。例えば農薬の場合もちょっと違いますし、何かこれはどういうふうにするのかわからんけれども、どこかで統一して整理をしておかないと、あっちとこっちでばらばらという話になると、それぞれの評価が違ってくるねという話になりかねないので、検討課題として行政のほうで少し考えていただければと思いますけれども、どれがという話は議論してこの値がいいだろうということになっていくんだろうと思うんですけれども、これ食品安全委員会でも当然どうだということで決めていますよね。そういうのも踏まえて標準的にはどうするという話をしていかなきゃいけないんだろうと思いますけれども。

○須藤委員長 この場合はどうしておけばよろしいですか。

○中杉委員 これは水道のほうでそうされたんだから、それはそのままで。

○須藤委員長 いいですよね。それを踏襲するならそのままでいいですよね。

○内山委員 20でやっている。

○須藤委員長 20ですよね。50キロでしょう。そうでしょうね。そこに矛盾が先生、ありますね。
 ほかの先生方、いかがでしょうか。はい、どうぞ。

○中杉委員 2ページのところの分解性のところですけれども、ちょっとこれ、そこは議論をしない話に多分なるんだと思うんですけれども、1,2-ジクロロエチレンなどへの分解があると書いてあるんですけれども、この後、その後41から110日間でほぼ分解されたと報告があるとぽんと書いてあるんですね。ちょっとこれ、気になるんですが、実験的にはこういうふうなことが、こういう実験結果があるよということなんですが、実際の土壌、地下水の中にいくと、この日にちできれいになってしまうのであれば、もう今ごろ日本の地下水というのは全部きれいになっているだろうと思います。そういう意味では、そういうところを少し実際の例えば地下水の継続調査地点の結果などを踏まえて、分解するという報告はあるけれども、そう簡単に進まないということは何か記載をしておいていただいたほうがよろしいのかなというふうに思います。

○須藤委員長 どうぞ、根木補佐。

○根木課長補佐 ご指摘を踏まえて記載ぶりを検討させていただきます。

○須藤委員長 そこは多少そういうふうにしましょうね。
 ほかの委員の先生、どうでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ、大塚先生。

○大塚委員 これから先の話になりますので、今日の議題には直接関係しませんが、地下水で結構出ているということなので、多分環境基準を評価すると、地下水の浄化命令の浄化制度の基準も環境基準に恐らくなるので……

○須藤委員長 今後小さくなりますね。

○大塚委員 そのときに今まで地下水の浄化措置命令は、私の認識しているところだと1件もないので、とりあえずあまり問題ないと思いますが、自主的に浄化されている場合があると思うので、その扱いをどうするかという問題はちょっと考えていただいたほうがいいかなと思いますので、今後の問題ですけれども、ちょっと指摘させていただきます。ありがとうございます。

○須藤委員長 そこに何か事務局のほう、コメントありますか。上田補佐のほうからありますか、今の。浄化命令の基準がありますよね。

○上田室長補佐 今のコメントは厳しくなったときに……

○須藤委員長 1桁落ちるでしょう。

○上田室長補佐 再度浄化をすることが求められるという趣旨ですか。

○須藤委員長 そうですよね。

○大塚委員 そういうことですね。再度浄化を求められることになるので、ただ、自主的だからしようがないとも言えるんですけれども、ただ、対応した事業者からすると、ちょっと2度やらされるということにもなるかもしれないので、検討は一応しておいたほうがいいのかなと。

○上田室長補佐 ご指摘ありがとうございます。当然認識してそれは検討しておくということだと思いますが、ただ、法律上は今、大塚委員のご指摘にありましたとおり、浄化措置命令を切ったことというのは実は一度もないわけですけれども、浄化措置命令を背景として指導したり浄化をお願いしたりということは度々行われていまして、そういう意味で浄化基準が厳しくなれば、当然それに応じて指導もされるということは当然厳しくなってくるとは思いますし、なおかつ1度浄化したのにまた厳しくなったから浄化するのかということに関しては、それはそうですということでしかなくて、法制度上そこは厳しくなったからちゃんと浄化してねと、もう一回でも仕方ないから浄化してねというお願いをすることはできるということになっているかと思います。

○須藤委員長 何か大塚先生、いいですか、それで。

○大塚委員 ちょっと行政の信義則とか比例原則とかという話がちょっと顔を出しそうではあるので、環境省としては多分それでよろしいかと思いますが、都道府県としては多分なかなか躊躇されるところかなとは思いますけれども、最終的な整理はそういうことになるかなと思いますし、浄化措置命令が今まで1件も出ていないので、幸いあまり検討をそれほどしなくていいというふうには私も思いますけれども。

○須藤委員長 それでもこういう物質になったとき、わからないですよね。浄化措置命令でするかどうかというのはこれからの問題であるかもしれないですね。わからないですよね。今のところないんですよね。
 どうぞ。

○中杉委員 今の議論は地下水の浄化措置命令については1件もないということで、これからなんでしょうけれども、土壌のほうはそうはいかないので、土壌のほうについてはどう扱うかと。これはトリクロロエチレンの水環境基準値の変更を踏まえて土壌環境基準をどう変えるか、それに基づいて指定基準をどうするかと。そのときにもし仮に変えたときにどういうふうな扱いをするかということに関しては、非常に慎重な議論が必要だろうと。多分地下水の浄化措置命令に対する扱いも上田さんが言われたように単純にやってこなかったという話にしてしまうと、土壌のほうとのずれができてしまう可能性もあるので、仕組みは少し違いますからそれでいいのかもしれませんけれども、あまり整合がとれないようなことにはしていただきたくないということだけ申し上げておきたいと思います。

○須藤委員長 整合性がとれるように考えていただきたいということにしておきましょうかね。
 いいでしょうか。佐々木さん、どうぞ。

○佐々木委員 今の中杉先生のお話に関連して、土壌と密接に関連するということで非常にコスト、エネルギーを使うことになるわけです。人の健康保護に影響する部分とは別ですけれども、場所によってはその地下水を将来にわたって人が利用しないようなところに関しても、土壌のほうでは処理せざるを得ないというような事例もございます。生活環境項目のように類型ということも難しいのかもしれませんが、人が将来にわたって地下水を飲用にしないというようなところは、この基準はかからないというような、そういった発想も一方では必要かなというふうには考えているところです。すぐにどうこうではないんですが、ちょっとご検討いただければと。

○須藤委員長 今後は水の利用形態によってそういうことも変わるあるいは基準をかけないというようなこともあるのかもしれないけれども、現代においてはそういうわけにはいかないですね。事務局、今のコメントについて何かありますか。いいですか、それで。
 はい、ではどうぞ。

○上田室長補佐 お答えになるかどうかわかりませんけれども、浄化措置命令につきましては、健康影響の恐れがある場合にかけるということになっておりまして、つまり将来的にわたっても全く飲用に使わないとか、水源にもその汚染が移動する可能性もないということでしたら、それは健康影響の恐れがないということになりますので、その場合は浄化措置命令をかけないということになるかと思います。実際、そういう事情なんかもあって、結局1件もかけられていないということであるかというふうに理解をしております。

○須藤委員長 はい、どうぞ、大塚先生。

○大塚委員 これは私が言うことではないかもしれませんが、土壌に関しても健康のことしか今考えていないので、要措置区域に関しては健康に影響がある場合だけということになっていますので、実際には水道がひかれていればあまりそこは要措置区域にはなりませんので、ただ、形質変更時に要届出区域にはなりますけれども、特に対策をとるということではないという整理になってはおります。だから、自主的に浄化されているということはあると思いますが、法律上はそういう整理になると思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。ほかの委員の先生方、よろしいでしょうか。あと追加、特にこの全体として異論があるわけではないんですが、さっきの寄与率のところは若干の意見の相違があったような気がいたしますが、そのほかは、それも含めて全体としてはよろしいでしょうか。いいでしょうかね。
 それでは、次に進んで、後で報告案が出るんですよね。そこの部分は後で事務局から意見を伺いますが、今は4まで来たわけですよね。
 では、次の……その前にトリクロロエチレンの分についてはご質問もなくて、この程度の意見でよろしいですか。さっきもまとめましたように、寄与率のところに若干の意見の相違があったような気がしますが、それは報告案をつくるときにもう一回議論……どうぞ。

○中杉委員 寄与率のところ、これは水道水の基準の議論ですので、ここでとやかく言う話ではなくて、淡々とこれを使う話だろうと思うんですけれども、ただ、中身として理解をできなかったのでいろいろご質問をさせていただいて、お答えをいただいたので、ああ、そういう考え方なんですねということで理解をしたということでございますので、これを変えるという話、変えてしまうともとのほうがおかしくなってしまいますので。

○須藤委員長 踏襲するならそのままのほうがいいですよね。ということにしておきましょうか、とりあえずは。何となくさっきから伺っていると、後で2年たって聞いた話になると矛盾が生じているような気もしなくはないんですけれども、報告案のことを議論するときにもう一度そこは確認をさせていただきたいと思います。
 それでは、資料5について、パーフルオロオクタンスルホン酸、PFOSのその塩についてということで、これは前回いろいろ議論して再度議論しましょうとお約束したような気がいたしますので、資料5についてご説明ください。

○根木課長補佐 資料5、「パーフルオロオクタンスルホン酸及びその塩について」についてご説明させていただきます。
 背景・経緯等でございますが、PFOS及びその塩については、その有害性や蓄積性からPOPs条約の第4回締約国会議において21年5月に付属書Bと、製造、使用、輸出の制限という付属書Bへの追加掲載が決定されたということです。その後化審法におきまして、施行令が21年10月に公布されまして、その当時新たに第一種の特定化学物質に指定されております。これが22年4月から施行されているということでございます。
 また、水道の管理体系においては、PFOSにつきましては要検討項目と。毒性評価が定まらない物質や水道水中の存在量が明らかでない物質を対象とした項目で、必要な知見、情報の収集に努めていくべきものと。公共用水域の世界では要調査項目に相当するものかなというふうに理解しておりますが、水道の体系では要検討項目として位置づけられたということでございます。少し具体的に別紙1で紹介をさせていただきたいと思います。
 3ページをおめくりください。
 3ページ、別紙1でまず物質情報について、付表1ということで基本的な物質情報を記載しております。4ページがPFOSの分解性ということであります。基本的に難分解性ということでございまして、生分解性ということで分解の兆候が示されなかったですとか、光による分解という観点でも25℃における間接光の分解の半減期は3.7年以上と算出されたですとか、加水分解性は半減期は41年以上とされたと。体内の半減期、人の場合は約3年から約7.5年という文献があるというようなことで、分解しにくい物質ということでございます。蓄積性についても記載のとおり情報をまとめさせていただいております。
 次に、6ページをご覧ください。
 主なまず用途でございますが、過去においては半導体用の反射防止剤ですとかレジストですとか金属メッキ処理剤の脱脂洗浄剤、消火薬剤、写真フィルムや印画紙、航空機用の作動油などとして使用されてきたということでございます。しかしながら、化審法の第一種特定化学物質として指定された以降は、エッセンシャルユース以外の使用は禁止されたということでございます。
 ②で生産量についてまとめております。最新の年の情報がこの表では平成20年度、化審法施行前でございます。製造が年間5.5トン、輸入が0.3トンということで記載しております。それで、資料に記載できていないんですけれども、情報を紹介させていただきますと、化審法の施行以降は、エッセンシャルユースを認めた以降も製造を輸入する場合は化審法に基づいて許可が必要だということでございますが、現時点まで許可はないということでございます。
 また、以前に在庫で使用していたものを使用するということは、この場合は届け出だということになっておりますが、届け出については平成22年度化審法施行直後に2件あったということであります。これについては、担当の経済産業省が立ち入りをしておりまして、記録もされておりますが、その使用量は22年度で15.7キログラム、キログラムでございます。この表と桁というか単位が違うということでございますが、というようなことで承知しております。ですので、実質は化審法の施行以降使用は桁違いに小さくなっているということで理解しております。
 7ページがPFOSの検討に係る国内外の動向ということで、7ページはPOPs条約への記載ということで書いておりまして、付属書BのところにPFOSとその塩と。その横にペンタルフルオロオクタンスルホン酸フルオクドですかね、これについてはエッセンシャルユースは認めておりませんので、PFOSはエッセンシャルユースを認めたということでございます。
 次に、8ページが化審法の説明になっております。PFOSの塩を初めとしまして12物質、POPs条約の第4回締約国会議で付属書への追加掲載の決まった物質を第一種特定化学物質に指定したと、これが平成22年4月1日施行でございます。ウのところを見ていただくと、平成22年10月1日に例外的に3つの用途について使用を認めたということでございます。エッチング剤の製造、半導体の製造に使用するものに限るという限定もついておりますが、または半導体用のレジストの製造または業務用写真フィルムの製造と、この3つの用途に限って許可を得た場合は使用ができると。先ほど申し上げたとおり、許可はまだ出した例がないということでございます。
 おめくりいただきまして、9ページが厚生労働省における水道水関係の検討について概略をまとめております。平成21年4月1日に水道水に係る要検討項目、従来40項目に加えまして過塩素酸、PFOS、PFOA、そしてN-ニトロソジメチルアミンと4項目が新たに指定されたということでございます。PFOSについては表の真ん中辺りに書いてありますが、WHOで飲料水の水質ガイドライン改訂の対象項目の一つとされていると。今後毒性評価を行うこととしているというようなことも書いてありますが、結論としてはPFOS、PFOAについては水道水の関係ですが、要検討項目というものに位置づけるということになったということでございます。今後はWHOの動向に注意を払いつつ、情報収集を図る必要性があるということになったということでございます。
 10ページは、国内外におけるPFOSの規制等の動向についてまとめております。
 欧米諸国を中心に、過去10年程度の期間に相次いで製造や使用などが禁止されるようになったということでございます。また、海外においてはPFOSの飲料水等に関する基準、次のページの表でございますが、付表7として定められております。これについては11ページの付表7のほうをご覧いただければと思います。基準値等ということで指針のようなものもまとめさせていただいております。
 また、11ページの付表8でございますが、国内において平成23年3月にPFOS含有廃棄物の分解処理に伴う排水等の濃度等の目安というものを示しているということでございます。これは付表8のとおりでございます。
 12ページでございますが、生物蓄積性を考慮してPFOSの環境基準値を設定した海外の事例としては、米国のミネソタ州とオランダの事例があるということでございます。これについては付表9のとおりでございます。
 それで、一度最初のページにお戻りいただきまして、このような状況もありまして第13回、平成22年9月、第14回、ここで12回、13回と書いてしまっておりますが、単純な記載ミスでございます。13、14と訂正していただけると幸いです。13回、14回の環境基準健康項目の専門委員会においてPFOSの基礎情報について紹介をさせていただいたということであります。審議の経緯ということで記載のとおりでございます。
 これを踏まえましてのPFOSの取り扱い方針案について2番として記載しておりまするPFOSについてはこれから述べる理由によりまして、要調査項目に位置づけてはどうかという案でございます。要調査項目について参考資料2というものをつけさせて、この資料、今日の資料の束の一番後ろというか参考資料1、2、3という参考資料2でございますが、要調査項目について説明したものでございます。こちらをご覧ください。
 要調査項目とは、水環境を経由して人の健康や生態系に有害な影響を与える恐れがあるもののその恐れが比較的大きくない、または環境リスクが不明であるというものであるけれども、環境中での検出状況や複合影響等の観点から見て、環境リスクに関する知見の集積が必要な物質ということで、平成9年に先ほど申し上げましたとおり、この専門委員会でご議論いただいたことはなくて、事務的に整理して300物質をリストアップしているというものでございます。こちらについては、近年は年間10物質程度でございますが、ローリングで環境省が自ら大体1物質50ポイントぐらいバランスよく公共用水域の状況を確認するということを行ってきているものでございます。
 選定の基準としては、(1)、(2)、(3)、(4)と下に書いておりますが、いずれかに該当するものを要調査項目選定ということで平成9年に定めているものでございます。改定をしたことはないというのが事実でございます。(1)、(2)、(3)、(4)の条件については記載のとおりでございます。
 実際のリストについては、次のページからのものでご参照いただければと思います。
 こちらについて、また資料5のほうにお戻りいただきまして、要調査項目に位置づけてはどうかということの理由でございますが、1点目としましてPFOSの許容一日摂取量については、諸外国においても評価値が確定していないということでございます。TDIの設定がWHOで評価がなされていないということでございます。英国食品基準庁、COTの毒性委員会ですとか、日本語で言う毒性委員会ですね。EFSA、欧州食安全機関、EPAなどで試みがされておりますが、しかしながら、科学的な知見が十分得られていないと。それで、その3つの機関の状況について13ページをご覧いただければと、失礼しました。15ページですね。15ページをご覧いただければと思います。
 3つの機関でTDIの掃討値の考え方ということで、英国のCOTでは、例えばTDIの考え方として現状のPFOSの薬物動態に関する知見が体内負荷量に関して十分評価できないですとか、EFSAでも書いてあるとおりですが、さまざまな知見の集積が必要と。USEPAでも緊急的に暫定の健康勧告値を設けるなどしておりますが、暫定的な健康勧告値は追加的な情報が入手できた場合には更新され、その評価が可能となるというようなことで、いずれも暫定的な取り扱いであるというふうに理解をしておるところでございます。
 また最初のページにお戻りいただきまして、このような状況でございますので、TDIというものがWHOで評価がなくということで、関連の期間でもあるものも暫定だと。また、国内の水道水の管理体系においては要検討項目として位置づけて目標値を定めていないということ、これが1つの今回要調査項目と位置づけるべきではないかという理由でございます。もう一つが水環境中での検出状況等についてということでございますか、化審法施行後の製造とか使用の状況については先ほど紹介させていただいたとおりでございますが、PRTR制度に基づく届け出についても整理しています。これは22年度に1件と23年度は届け出がないという状況でございます。
 こちらについては、17ページ、17ページはまずPFOSの水環境中での検出状況等についてまとめさせていただいておりますが、付表13が公共用水域中ということでありまして、検出範囲の平均値のところを見ていただくと、平成22年に化審法のお話が改正になっておりますが、23年度は平均値を見ると少し下がっているかなというようなところかと思います。地下水についてはデータが少ないということでありますが、公共用水域と比較して特段に高い傾向はないかなというふうに認識しております。
 届出排出量、先ほどのPRTRの話は次のページをご覧いただければということでございます。先ほど申し上げたとおり、平成22年、こちらは届出量が産廃の処分業の事業所から1件ということでありますが、公共用水域に3.3kg/年ということで1件届け出されたと。23年度は届け出がないということでございます。このような状況を踏まえて繰り返しになりますが、PFOSについては要調査項目に位置づけてはどうかというような案を用意させていただきました。
 以上でございます。

○須藤委員長 どうもご説明ありがとうございました。前回もこのPFOSについては検討して、要調査項目が妥当であろうという程度のところまで検討したわけですが、さらに検討を続けて今のような資料5についてご説明をいただきました。どうぞご意見があれば。ありますか。

○中杉委員 要調査項目というのは動向がどうなっていくかというのを注視しようということで、それを必要であれば要監視項目に持っていってという話なんですけれども。

○須藤委員長 そうでしょうね。

○中杉委員 要調査項目というのは、1回こっきりで整理をするという形で考えて判断をしようと。調査をする必要があるかどうかを平面的に広く見てという形の位置づけなのか、もう少しはっきりさせたほうがいいと思うんですね。PFOSはほかのものと違って、一応エッセンシャルユースはありますけれども、それ以外は一応原則禁止ですよね。PFOAまで含めるとちょっと条件が違うんですけれども、だから、そうなったときに何を見ていけばいいのかというのはもう少し絞れるような感じがするんですね。1回全体にぱっと見ておいて、要調査で全体を見ておいて、その後どこかポイントの高いところについて動向を調べるのかどうか、何かそこら辺の戦略をしっかり立てておいたほうがぽんと上げてほかのものと同じという話ではないような感じがします。
 要調査項目という形で位置づけて一旦広く情報を見ましょうという話もあるし、それともう一つは、PFOSについては化審法でやっている関係もあって、エコ調査で調査地点がそんなに必ずしも多いわけじゃないですけれども、あれでも全国各県やりますから、かなりの数のモニタリングをやっています。これは継続的にやることになります。それとの役割分担を整理しておかないと、外部から見ると、環境省は2つのところで似たようなことをやっているじゃないか、それぞれの位置づけをはっきり説明できるようにしておかないといけないなと思いますので、それも含めて戦略を考えておいたほうがいいだろうと。
 それから、もう一つはPFOSだけでいいかと。今回はPFOSだからPFOSでいいのかもしれませんけれども、今議論されているのはPFOSの仲間は何なんだろうとまだはっきりしていないところもあって、PFOAが少し増えてきているというような話もありますので、水のほうでもそれを注視されて両方やられているんだろうと思うんですね。どうせやるなら、この次にもう一回提案があるのかもしれませんけれども、どうせPFOSを要調査項目として入れるなら、規制をされていないPFOAというのは要調査項目として調べる必要があるだろうと。これは今回の議論の要素だと言われればそのとおりだと思いますけれども、ちょっとコメント的な話ですけれども。

○須藤委員長 どうもありがとうございます。要調査項目のあり方というか、どういう順番でどういうふうにやっていく、取り上げたところはいいんですけれども、さっき10項目というふうに言って、あれから何年たったんですか。ありますよね。その辺のところは今議論しなくてもよろしいんですが、では課長のほうからどうぞ。

○宮崎課長 この要調査項目の考え方そのものについても、先ほど中杉委員からもございましたように、随分前につくってそれきりになっていたという反省を今しておりまして、冒頭の審議の予定でも申しましたように、要調査項目リストの見直しというふうに簡単に書かせていただいておりますけれども、今ある300のこの項目が今の目で見てこれでよいのかということをもう一回整理をさせていただければというふうに考えております。出し入れも当然あるでしょうし、ほかにも今まで入っていなかったものも入ってくるかもしれませんし、既に入っていた中でもういいんじゃないのというのもあるかもしれません。そういう点検をちゃんとしていこうと。
 かつもう一つ私たちがまずいと思っていましたのは、先ほど担当からも申しましたように、専門委員会等の議論を経ずに勝手にと言ったら怒られますが、つくったリストでありまして、これは私、この4月から水環境課に来まして、水環境部会でもほかの話でありますけれども、水環境部会にせっかく専門委員会を設置していただいているのにもかかわらず、専門委員会をすっ飛ばしていきなり部会長のところに走り込んだり、そんなことを間々やっていたようなので、それはまずいと。ちゃんと専門委員会のご議論をしていただきたいというふうに反省しますという発言もさせていただいております。
 それで、考え方についてもう一回再整理をしたいということが中心ですね。ですが、PFOSについては既にこの専門委員会でも2度にわたって議論をいただいておりますので、これを何もしないというわけにも多分いかないだろうと。まずは要調査に位置づけてみて、調査をやってみて、その後結論を出していけばいいのかなというふうに考えているというところです。
 中杉先生からおっしゃられた化審法との役割分担等については、これも課題であろうと思っておりますので、そこは内部でよく相談をしていきたいと思っています。

○須藤委員長 ありがとうございます。どうぞ。

○中杉委員 それで結構だと思うんですけれども、PFOSはほかの要調査項目と性質が違うんだということを頭に入れておいて、今回は要調査項目という枠の中でPFOSをやりますという話なのか、そこのところの整理がこういうものを選びますよという話になると、ほかの項目も入ってくる可能性がありますよね。そこら辺の交通整理をちゃんとしておいていただければと思います。

○須藤委員長 これからその辺は整理してくださるというので、今の要調査項目をそのままにして、その中にぶっ込もうと、そういう意味ではないというふうに座長としても理解していますので、それでよろしいですかね。要するに今後の調査を必要とするということで、それがたまたま近いものに要調査項目があるから、それに準じてというぐらいの意味で、その中に1つ加えればいいという意味ではないということでよろしいですか。
 どうぞ、では大塚先生。その次に浅見先生、どうぞ。

○大塚委員 要調査項目ができたときに私、委員にさせていただいたと思いますので、だから思い入れはあるんですけれども、参考資料2にある選定基準の中で、今回PFOSはどれに当たるという趣旨で要調査項目がされるかということをちょっと確認させていただきたいのと、結論に別に反対しているわけでは全然ないんですけれども、1つはそれを確認させていただきたいのと、2つ目は要監視項目にしない理由もちょっと一応伺っておきたいんですけれども、つまり検出状況が明らかでなくても要監視項目にはなり得るので、そこの整理はどういうふうにされているかということをちょっとお伺いします。
 もう一点は環境基準にすることとあまり関係ないんですけれども、確かに一特になってほとんど使われなく、製造されなくなっていることはいいとは思いますけれども、6ページにありますように、例えば泡消火薬剤には入ったりしているので、これからも排出される可能性はあるんですよ。これ回収はされていないかと思うんですけれども、製造しなくてもちょっとこれからまた出てくる可能性もあるので、そういう意味では少し気をつけないといけないかなとは思います。
 以上です。

○須藤委員長 どうぞ事務局、今のお答え。

○根木課長補佐 要調査項目のリストについては、次回改訂リスト案をお示しできればというふうに考えておりますが、ですので、またそこでご意見もいただければと思っておりますけれども、例えば今の現行の参考資料2ですと、一定の検出率を超えて水環境中に検出されていることというのには、先ほど検出状況をご説明させていただきましたが、残留性がありますので、そこには当てはまってくるのかなといったところはございます。
 あとは、2点目のご質問いただいた件についてですけれども、取り扱いの要調査項目というので、やはりPFOSの取り扱いの(1)のところが大きいかなというふうに思っておりまして、資料5の1ページ目のPFOSの取り扱い方針案の(1)指針値等についてということでございますが、WHOでTDIの設定について評価がされていないということ、そして、そこを踏まえて国内では水道水の管理体系においても公共用水域の要調査項目と概ね同趣旨と認識しておりますが、要検討項目ということで位置づけて目標値も定めていないと、そこのところが大きな理由かなというふうに考えております。WHOを含めてこういった評価のところについては、きちっとウオッチしていく必要があるというふうに思っております。

○須藤委員長 さっきもちょっと説明されたけれども、要検討項目というのは水道のほうの水質基準の我が法でいう要監視項目と考えていいんですか。

○根木課長補佐 そうですね。そのように理解しておりまして、同じページの背景・経緯のところで中ほどに水道の要検討項目で括弧書きで少し説明させていただいておりますが、毒性評価が定まらない物質や水道水中の存在量が明らかでない物質を対象とした項目で、必要な知見・情報の収集に努めていくべきものということであります。

○須藤委員長 いいですか。では、どうぞ浅見先生。

○浅見委員 申し訳ありません。水道の関係のほうでは、PFOSは要検討項目なんですけれども、それに関しましては、まだ情報収集をしている段階ということがありまして、要調査にどっちかというと近いような感じではありますが、毒性の評価も定まっていないのでということで、情報収集はしているような状況です。もう一つの理由が出るところでは出るんですが、出ないところでは薄くは出るんですけれども、あまり問題となるような濃度では全然出ないという状況がございます。この物質に関しましては、特に大きな工場で集中的に生産されて放出されてということが新聞等でも取り上げられまして、それが大きな水系だったこともありまして、社会的に注目をされたという背景があったんですけれども、その後ここ数年で大きく状況が変わっておりますのは、もうちょっと鎖長の短くて濃縮性の低い物質に急激に転換が進んでおりまして、そういう意味で生産量ですとか状況というのが若干変わっているというところがあるかと思います。
 お願いなんですけれども、資料5の6ページの主な用途・生産量のところで、これ平成20年までのものなんですけれども、もう少し新しいものがわかれば追加をしていただきたいという点と、あともう少し鎖長の短いものにかなり転換をしているというところの実情がわかりますと調査等もしやすいのではないかと思います。
 もう一点のお願いが要調査項目に加えられるというところはいいと思うんですけれども、要調査の中でもポイントを何か全国万遍なくぽつぽつと調べても、当たれば当たるし、当たらなければ当たらないというこの物質の特性がございますので、しっかりここで出そうというのが大体何人かに聞けばわかると思いますので、そういうところで長期的に見ているデータも一緒にあわせて解析していただくとか、そういう調査の戦略というのを中杉先生がおっしゃったように、ちょっと方針を決めて整理をするとこの物質をどうやって対処すればいいかというところがもう少し明らかになるのではないかなと思います。恐らくなんですけれども、全国的に物すごく高いレベルで存在しているということではない状況に整理をされるのではないかなと思います。

○須藤委員長 私もそれでよろしいと思うんだけれども、私かつて地方の環境研究機関のお世話をしていたんですが、このPFOS、PFOAについては、それに分類されるものをはからせたんですが、水ではあまり検出されないんですが、底質に結構検出の多かった記憶が今しているんです。それで、分解性が悪いので残渣になるとかそういうお話もあると思うんですが、過去に流出したものが水に再度回帰してくるということもあり得るんじゃないかと思うので、その辺のことについてもご留意いただいたほうがこの物質はいいのではないかなと、こういうふうに思います。
 よろしいでしょうか。はい、どうぞ與語先生、それから長谷川先生といきます。

○與語委員 まず、15ページのところの表があるんですけれども、多分……

○須藤委員長 何ページ。

○與語委員 15ページの表がある、多分漢字の間違いだと思うんですけれども、EFSAの不確実係数の設定方法の試験機関は、これピリオドの期間ですね。それからあと、2009年の同じ不確実係数の2行目ですけれども、外挿(外装)の挿が違いますよね。

○根木課長補佐 大変失礼いたしました。修正いたします。

○與語委員 それとあと、質問なんですけれども、1ページ目の一番下のところでPFOSの公共用水域での検出状況は近年減少傾向にあるというのは別紙4の参照となっていて、別紙4を見たときに下がっていないような気がするんですけれども、どう読めば下がっていると。

○根木課長補佐 地下水のほうがデータが少ないので、公共用水域のデータで見たときに化審法の改正以降の平均値で見るということではあるんですけれども、そこはこの場でもそこの評価も含めてご意見をいただければありがたいというふうに思っております。

○須藤委員長 これだけで上がった、下がったとか言いにくいですよね。
 では、長谷川先生、どうぞ。

○長谷川委員 すみません。同じ毒性情報のところなんですけれども、以前にも実は幾つか指摘をさせていただいて直っていないような感じもしますけれども、13ページの反復投与毒性のところですが、5行目のところにカニクイ、これはカニクイザルにしていただきたいんですが、カニクイザルの26週の試験で、ここでLOELが0.03mg/kg/dayとなっていまして、その後に主な毒性はとなっていますので、このレベルでは毒性が出ているというふうに一般には理解できると思います。ところが、次の14ページを見ていただくとわかりますけれども、先ほどちょっとご紹介ありましたようなこととかEFSAとかUSEPAが一応評価しているもとになった数値は0.03はNOAELとして計算をしています。したがって、多分前のほうの記載のところが少し違うのではないかと思いますけれども、ちょっとこの部分は再検討して、記載を合わせていただきたいなと思います。
 ついでですけれども、COTのところのカニクイ猿、これはやっぱり片仮名で書いてください。

○須藤委員長 カニクイザルですね。

○長谷川委員 漢字になっています、ここだけ。

○須藤委員長 ザルでいいですね。生物の名前は片仮名で書くと。

○根木課長補佐 大変失礼しました。ありがとうございます。

○須藤委員長 今のところの部分は、これはちょっとオリジナルを見ないといけないですよね。それでもしあれがあれば検討して訂正してください。

○根木課長補佐 はい、しっかり確認したいと思います。大変失礼しました。

○須藤委員長 ほかの先生、いいでしょうか。
 では、森田先生。

○森田委員 ひょっとしたらこれ、浅見さんに聞いたほうがいいかもしれないんですが、いろいろ水道のほうで検討されているとは思うんですが、そのときにPFOSというのはご存じのようにオクタン、すなわちパーフルオロオクタスルホン酸で炭素8個の化合物なんですが、現在PFOSというオクタンのものがどんどん使われなくなってというか転換されて炭素数の少ない6個のものとか、そちらのほうに一方が寄せる、それから、スルホン酸からカルボン酸のほうに切りかわってPFOAのほうが増えてくると、それが同じような目的で使われるそちらにシフトされてきているんですが、それに対応した形でどうしようかということは水道のほうでお考えになっていますか。

○須藤委員長 ご質問なので、どうぞ。

○浅見委員 転換して大分鎖長の短いものになってというところで把握はして、伺ってはいるんですけれども、水道で主体となって調査をしているというよりは環境さんとかでいろいろ調査をされているものを拝見すると、そういうような状況かなというのは見ているんですけれども、水道のほうではこれに関して濃度が変わっているのでどうするというところまでは、まだ議論はしておりませんし、逆に水道のほうは短くなって除去性が悪くなりますと、ますます対応ができなくなるので、もう排出源のほうで抑えていただくしかますますなくなるというような状況だと思います。

○須藤委員長 そうでしょうね。ほか、よろしゅうございますか。今の資料5について。

○浅見委員 1点すみません、補足なんですけれども、毒性のほうも短くなると非常に濃縮性も低くなって下がるというふうに伺っておりますので、そうしますと、もうかなり状況としては変わってくるのではないかなと思います。

○須藤委員長 ありがとうございました。情報としてありがとうございました。
 それでは、ただいまのこの問題は、要調査項目に入れるとかという表現だとあまりよろしくないんだけれども、前回と同じように、さらに生産量もほとんどないし、環境暴露もほとんどないしというようなこともあったりして、ただ、まだまだ注意しなくちゃいけないことも多いので、さらにこの物質については前の要調査項目に入れるというよりも要注意項目として監視をしていくと、そんなところにとどめておいていいでしょうか。
 では、そういうことで要調査項目が今度上がってきて、一つの定義ができてこういう順番でこうだというときにもう少しこの化合物をどうするかということは、そのときにどこに入れるかということになるんだろうと思うんですが、今ただ要調査項目に入れちゃうということではあまり適当じゃないので、要するに調査を続けるということにしておきたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、続いて資料6について事務局から説明してください。

○根木課長補佐 資料6が水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて第4次報告の案ということで用意をさせていただきました。これにつきましては、トリクロロエチレンの話について記載をさせていただいておるということでございます。記載内容は資料4とかぶるところなどありますので、説明は概略のみ説明させていただきたいと思います。ご指摘などあれば全般にいただければ幸いでございます。
 はじめにということで経緯などいろいろ書いておりますが、一番下の行、今回は新たな毒性情報が明らかとなったトリクロロエチレンに関する基準値の見直しについて検討し、報告を取りまとめたということで記載しております。
 おめくりいただきまして、検討事項等ということで(1)検討事項、(2)検討に当たっての基本的な考え方といったところを記載しております。これは第1次から第3次まで通じて少し定型的な項目にもなっておりますが、ポイントを記載しておるというつもりでございます。
 3ページの中ほどからが検討結果ということで記載をしております。(1)が水道水質基準の改定等を踏まえた検討と、先ほど説明申し上げたような内容を記載しております。基準値の導出根拠などについても記載をしておるところでございます。
 4ページで先ほどの続きでございますが、TDIとか先ほどの寄与率70%なども記載しておりますが、2)が公共用水域等における検出状況ということでありまして、これらを踏まえてトリクロロエチレンについて新たな基準値0.1mg/L以下でいかがでしょうかというような案でございます。
 測定方法につきましては、トリクロロエチレンについては従来どおりの方法でいかがかということで記載しております。
 あと、おわりにということで今後本報告に続き、残る農薬についても検討を進めると、引き続き適切な水質環境基準検討項目の設定に向けた検討を行うものとするということで記載しております。
 おめくりいただきまして、資料6がこの委員会の委員の皆様方の名簿、さらに7ページが審議経過ということで平成14年8月の諮問から専門委員会、そして、部会答申などについて記載をしております。さらに、別紙としまして資料4で説明した資料の抜粋という形になりますが、トリクロロエチレンの検出状況ですとか、別紙2としましてはトリクロロエチレンの物質情報、そして、生産量なども記載をしております。
 3ページの一番最後のページに基準値とかPRTR制度の移動量とか書いておりますが、恐縮なんですが、例えばPRTRのところ、先ほどの資料で説明したような注がここに入っていないようなことがありまして、こちらについてはきちんとこちらのほうにも注を入れた形ということでいかがかというふうに考えております。大変失礼いたしました。
 説明は以上でございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。この内容については先ほどのトリクロロエチレンの議論の資料3と4と同じなので、それを要約したものでありまして、その後の図表等は前と同じですよね。あと注を入れるとかそういうのが残っているけれども、そういうことですね。同じものと理解してよろしいですね。このとおりでよろしいでしょうか。先ほどのところでちょっと意見があったら、どうぞいいですよ。
 これが答申案の原案と考えてください。答申案じゃなくて報告案の。答申じゃなくてこれは報告案ですよね。当方から水環境部会の岡田先生に報告をしなくちゃいけないんですが、それの報告案の原案と、まだ決めていませんけれども、報告案の原案と理解してください。そうすれば今度は水環境部会で最終的に環境基準になるということで、その注意もこういうところに出てくるわけですよね。ということです。

○浅見委員 ありがとうございます。今回の議論をほぼ網羅していただいているなと思います。3ページの一番下のところに飲料水の摂取相当量も入浴時の吸入暴露と経皮暴露量を含めるというような注釈ももともと入れていただいていたので、わかりやすいのではないかなと思います。全体的にこういう形でいいのではないかと思うんですけれども、すみません、ちょっと最後に小さなところで恐縮なんですけれども、5ページの一番最後のおわりにのところで、残る農薬というものについて鋭意検討を進めるというのがあるんですけれども、これはちょっとこの文面だけ拝見するとよくわからないんですけれども、何を指して今後どうなるのかというところをちょっと教えていただけるとありがたいんですが。

○須藤委員長 これについては私も追加をいっていただいて、一緒に答えていただきたいんですが、毎回この文章を使っているんですよね。それで、委員長としては大丈夫かなといつも思いつつ、最終的には報告案をつくらなくちゃいけないので、この後書きの部分に今後やることということで、今後やることなんですよね。それですが、この農薬を100幾つあるのかな。そんなのをさっと簡単に書いちゃっておいて後で責任とれるのかなという心配があるんですが、それを含めてこの後書きについては、現在同じ質問です。委員長から言うのもおかしいんですけれども、私の心配しているところです。

○根木課長補佐 農薬につきましては、農薬を取り巻く環境がかなり変化しているという一方、この水質汚濁防止法というか環境基本法の基準のほうに変化がほとんどないという状況になっておると思っていまして、いろいろな課題があるかなというふうに認識しておりますが、どのような道筋がいいのか、体系的なところも含めて検討が必要ではないかというふうに考えております。大体この方向性とかいうことを今申し上げられるところではないんですけれども、きちっと検討していく必要があるかなというふうに思っております。

○須藤委員長 どうぞ。

○中杉委員 農薬についてということで、農薬も含めて残るものについてという意味合いだろうと思うんですけれども、農薬の場合は農取法のほうで水質保全目標値みたいなのを決めています。それに合わせるように使い方を決めているという一応評価値みたいなのを決めていますので、それとの整合をとらなきゃいけない。その設定の考え方と必ずしも水環境基準の考え方、水道の考え方とぴったり合っているわけ、先ほどの体重幾つなんていう話も少し微妙な数字をたしか使っていたように思いますので、そこら辺のところ少し整理をしておく必要があるんだと思うんですね。そうしないと農薬の使っているほうではこうだ、環境基準はこうだといって違ったものになると整合がとれなくなってしまいますので、そこら辺は少し考え方を整理しておいていただければというふうに思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。はい、どうぞ、與語先生。

○與語委員 今のことがあるのと、もう一つは逆に今度は水道法のほうでいわゆる……

○須藤委員長 100幾つのものですね。

○與語委員 (環境基準は、農取法と水道法の)総農薬方式でまずは挟まっているような状態になっているのが1つと、それから、要調査項目の中に実は農薬がもう既にあります。それで農薬は季節で使うものですし、それから、どちらかというと点源というより面源的な汚染になってくるというのもあって、そういう意味では今度要調査項目を見直すということですけれども、どう見直すかによると思いますけれども、そういう意味では今後検討しなきゃいけない農薬と、要調査項目にも入っている農薬もあるという状況なので、そこのところも踏まえて検討されたらどうかというふうに思います。

○須藤委員長 ありがとうございます。ほかの先生、いいですか。どうぞ、佐々木先生。

○佐々木委員 測定方法のところですけれども、今回の4ページになりますけれども、トリクロロエチレンが初めて環境基準に定まったころにはここに書かれている測定方法は適切だったかと思うのですけれども、今GCMSの一括分析等も普及している中で、特に5番辺りが必要なのかどうかということについてはいかがなんでしょうか。数値、基準値が強化されて、一方では分析機関などではガスマスが非常に普及もしているので、高精度、高感度に測って判断していくという必要性から見て、測定方法に溶媒抽出、ガスクロマトグラフ法が残ることはいかがなものかなと少々感じました。

○須藤委員長 そこは検討したほうがいいな。どうですかね。森田先生、どうですか、そこは。測定法のところは。そちらでこの測定法の委員会というか検討会があってやったんですよね、これ。ですよね。別途あるんですよね。

○根木課長補佐 ここは基本的に確かに従来どおりのものを入れておりますので、もしよろしければこの場でもご意見をいただければありがたいと。

○須藤委員長 ですから、今もいただいて、これあまり妥当でないというご意見があったので、ご専門家である森田先生とかにもう一回相談されて、測定法のところをどういうふうに改めるか。多分こういう問題のときには公定法だから、測定法の検討会をやった上で出すんですよね、本当は。

○森田委員 ちょっと私もまだ完全にフォローできなかったんですが、今の分析法は大体こうやってつくられていますよね。

○須藤委員長 あまりこれは使われていない、もう一回言ってください。

○佐々木委員 実際にガスマスが普及しているという一方で、これだけ基準強化をしていくときに例えばJISのK0125の5.5できちんとした定量、精度、感度がとれるのかどうかいかがでしょうかということです。

○森田委員 5.5の溶媒抽出、ガスクロマトグラフ法というのは、表現としては少しガスクロマトグラフの検出器のことを書いていないので、ちょっと少し曖昧になっているところは曖昧になっているんですが、ただ、この測定方法というのは結構早いスピードでよくなっていくんですよね。よくなっていくのが一方の側であり、一方で測定することに従事されている分析会社の方たちのところはいろんなレベルが存在をして、それで最新の装置をそろえられるところもあれば、ある程度古い装置でできるんだったらやりたいというところもあって、それをかなり前広に受け止めている形が現在の姿なんですね。

○須藤委員長 そうですね。

○森田委員 それをどこか一つ切ると、その業者さんにはもうやめてもらうということにも一方でなるんですが、どちらかというと今のスタンスは、自然に淘汰されるのを待っていると、そういう格好で今のところ推移しているんですよね。

○須藤委員長 誰も使わなくなったら抜くと。

○森田委員 ええ、そうしたら自然に消滅すると。それは分析のほうのある種の効率さもあります。つまり多成分を同時に分析できるところのほうがより有利になって、そして、そちらのほうに移っていくと、それが起こっているんですね。それで今のものを遮断するかどうかというところは、ちょっと起こる影響を少し評価してやるのかなと、そんな状態ではあると思いますね。

○須藤委員長 では、佐々木先生、それは納得してくださったんですね。恐らくこういうものの分析法の公定法なんかのお世話は森田先生がしてくださっていると思うので、今のように多様な、昔から使われているものはそのまま使う、新たなものを入れていくと、こういう方針なんだと思いますので、それはそれで全国的に考えたら恐らくそれが妥当だろうと思いますので、あまり新しいものに限っちゃうというのは、それはよろしくないんだと思いますよね。いいでしょうか。
 それでは、大ざっぱに申し上げれば、今のこの原案についてはお認めをいただいたとは思うんですが、若干字句の修正を要する部分があるかな、先ほどの注を入れるとか、それは機械的にできるわけですが、生分解性のところなんかのご注意も表現の方法としてありましたね。それは字句の修正でできると思いますし、あとは、寄与率は大体さっきちょっと意見の相違があったけれども、水道を今は見習ってこれでいいでしょうということでよろしいですね。ということでほかの先生も合意していただいたので、中身については、重要な点は合意を得られたということなので、これを字句の直す部分は私にお預けください。事務局と相談して確認をいたします。その上で資料6の内容をこの本委員会の答申案としてご承認いただくということでよろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。それでは、そのようにしていただいて、後の手続は事務局のほうでやっていただいて、パブリックコメントとかそういうのがあるんですよね。ぜひそういうことで、一応この案に修正を加えてからパブリックコメントをかけるということにしたいと思います。
 それでは、そのほかにつきまして、事務局からどうぞ。

○根木課長補佐 第4次の報告案につきまして、必要な修正を加えましてパブリックコメントの手続をとることとしたいと思います。パブリックコメントに対する対応、意見などいただいたものについての対応については、改めて本委員会でご議論させていただいた上で、この委員会の報告としてまとめていただければというふうに考えております。
 次回は来年の2月28日を予定しております。場所と時間については事務局より改めてお知らせをいたします。本日はどうもありがとうございました。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、これで本日の議事を終了いたしたいと思います。委員の先生方には大変ご熱心なご討議をいただき、ご協力いただいたことをお礼申し上げたいと思います。
 どうも本日はお疲れさまでございました。

午後2時47分 閉会