中央環境審議会水環境部会 環境基準健康項目専門委員会(第2回)議事録

日時

平成15年2月28日開催

場所

環境省環境管理局水環境部企画課

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    (1) 前回議事録(案)について
    (2) 前回指摘事項について
    (3) 基準値の導出方法について
    (4) WHO飲料水水質ガイドラインの改訂について
    (5) 現行要監視項目についての新たな知見について
    (6) その他
  3. 閉会
   

配布資料

 
資料1   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会委員名簿
資料2   中央環境審議会水環境部会環境基準健康項目専門委員会(第1回)議事録(案)
資料3   前回指摘事項について
資料4   化学物質に係る環境基準値の導出方法
資料5   WHO飲料水水質ガイドラインの改訂情報
資料6   WHO飲料水水質ガイドライン対象物質に係る検出状況
資料7   現行要監視項目についての新たな知見
  
参考資料   WHO飲料水水質ガイドライン対象物質の情報

議事録

午前10時01分開会

○瀬川補佐 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会、第2回の環境基準健康項目専門委員会を開催させていただきます。
 本日は、委員14名のうち、現時点で11名の委員の方々に出席いただいておりますので、既に委員会開催の要件を満たしております。
 議事に先立ちまして、吉田水環境部長からごあいさつ申し上げます。

○吉田水環境部長 先生方には、何かと御多用の中を御参集いただきまして、ありがとうございます。私、1月10日に水環境部長に就任いたしました吉田でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
 前回の第1回目のこの専門委員会は、10月16日に開催されております。御承知のように、WHOが飲料水のガイドラインの2回目の大きな見直しの作業中であるということでございまして、その環境基準の性格からいたしましても、常に科学的な知見に基づいて必要な見直しをするという性格のものでございますので、そのWHOの見直し作業を受けて、また国内でも、現行の環境基準のあり方、あるいは環境基準の具体的な数値に至るまでレビューをしていく必要がある。そういう観点で先生方にこの専門委員会に御参加をいただき、御審議を願うわけでございます。
 聞くところによりますと、もう既にWHOの見直し作業は相当進んでおりまして、現在は最終ドラフトがインターネットでも公開をされている、最終の専門家会合は3月31日から4月2日まで開催をされる予定であると聞いております。これにあわせて、私どもも遅滞なくレビューの作業を進めていく必要があると思いますので、何とぞ御慎重な上にも熱心な、しかも、かなり集中的な御審議をお願い申し上げたいと考えております。何とぞよろしくお願いいたします。

○瀬川補佐 次に、議事に入ります前に、本日お配りいたしました資料について確認させていただきたいと思います。
 本日、配付資料は、資料1番から7番まで。また、参考資料を1つつけております。資料1は先生方の名簿、資料2は議事録の案でございます。資料3は、前回御指摘事項についてということで、基準値、あるいは環境基準の見直しに当たっての基本的な考え方をつけております。資料4は1枚だけ、導出方法についてでございます。資料5がWHO飲料水水質ガイドラインの改訂情報、資料6が各物質の検出状況、資料7が現行要監視項目についての新たな知見、その後、参考資料でございます。
 資料の不足はございますでしょうか。
 それでは議事に入らせていただきます。
 議事運営規則に従い、本専門委員会の委員長でいらっしゃいます村岡先生に議事進行をお願いいたします。

○村岡委員長 皆さん、おはようございます。きょうは、何かとお忙しいところお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。
 きょう審議していただきますのは、主に、環境基準健康項目に係る基準値の導入方法、それからWHOの飲料水水質ガイドラインの改訂情報等について御議論いただく予定でございます。ひとつよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 まず、議題の1ですけれども、前回の議事録(案)についてです。資料2に前回の議事録が準備されておりますが、この資料は、既に、委員の先生方のところで御確認いただいた後、事務局で修正いたしまして、再度、各委員の先生方に送付されている資料でございますので、この場でこれを前回議事録としたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、この議事録(案)を議事録として、事務局の方で公開の手続をとっていただきたいと思います。
 次の議題の2でありますけれども、これは、前回御指摘いただいた事項につきまして事務局から説明をいただき、それにつき御討議をいただくというものでございます。それでは、事務局の方で御説明をお願いしたいと思います。

○瀬川補佐 それでは、資料3に基づきまして、前回御指摘事項について説明をさせていただきます。
 前回御指摘事項として1点ございましたのが、環境基準健康項目、要監視項目の今回の検討対象項目として列挙されております中に、その他必要と認められるものということで少しカバーする範囲を広くとってはどうかという御意見がございまして、「[5]その他必要と認められるもの」を追加しております。
 また、2ページ目でございますが、下線を引いておりませんけれども、真ん中、2.でございますけれども、「なお、特に乳幼児期」というのがございます。以前、「幼少期」ということで書かせていただいていたのですが、「乳幼児」が正しいので、そこの部分は訂正しております。
 資料3の環境基準健康項目等の基本的考え方についてはこれでございますが、もう一つ、前回、アンチモンの湖沼における検出状況について御質問がございましたので、それについても補足をさせていただきます。

○森係長 それでは、アンチモンの湖沼における検出状況について、前回の専門委員会においてデータの確認ができませんでしたので、本日、資料は御用意していないのですけれども、データを確認した結果を申し上げます。
 何人かの先生方から検出限界が下がっているのではないかという御指摘をいただきました。その後、データを確認しましたところ、平成8年度までは、多くの自治体で1μg/Lの検出下限値だったのですけれども、9年度以降、湖沼においてアンチモンを測定した自治体のうち、新たに測定を始めた自治体の検出下限値が 0.2μg/Lということで、先生方から御指摘のとおり、下限値が非常に低くなっております。そういった理由により、9年度以降、検出数が増えておりました。
 ちなみに、湖沼におけるアンチモンの検出の最大値は 0.6mg/Lということでした。
 以上でございます。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、御理解いただいたということで、次の議題に進めさせていただきます。
 次は、議題の3でございます。基準値の導出方法につきましてでありますが、事務局からまず御説明いただきたいと思います。

○瀬川補佐 化学物質に係る環境基準値の導出方法ということで、資料4に基づきまして説明をさせていただきます。
 これまでも健康項目の設定においてとってきた考え方でございますが、今ひとたび御議論いただければと思っております。
 飲料水経由の場合、閾値がある場合は、1日に飲用する水の量を2リットル、人の平均体重として50キロ。WHOのガイドラインでは60キロを標準としておりますが、体格の違いなどを考慮して50キロ。飲料水経由の暴露割合を原則10%という条件のもとで、対象物質の1日暴露量がTDI及びADIを超えない値として基準値を導出するものといたしたいと思っております。
 また、閾値がない場合、つまり、発がんのリスクに着目して基準値を導出する場合でございますが、単一の物質、当該物質による水からの摂取について、生涯を通じたリスク増分を10-5以内とすることを基本として基準値を導出するものでございます。外挿法ですが、EPA、あるいはWHOの方でとっておりますマルチステージモデルを基本とするというふうにしております。
また、2番目でございますが、水質汚濁に由来する食品経由の影響ということがございます。PCBなどの検査がこれでございますが、飲料水及び魚介類の通常の摂取量を勘案すると、飲料水として摂取する場合の安全性を考慮した公共用水域の水質の濃度、つまり1.で導出する基準値よりも魚介類の生物濃縮を考慮して、魚介類の食品としての安全性を考慮した水質濃度の方が低い場合、こちらの方が厳しい場合には、後者、食品経由に着目した基準値を導出するものとしたいと考えております。
 資料4については以上でございます。資料4の参考についておりますところは、先ほどの資料3に出しました、前回、第1回の専門委員会で御議論いただいた内容と変わっておりません。
 以上でございます。

○村岡委員長 どうも。
 ただいまの御説明で何か御意見ございますでしょうか。
 どうぞ。

○長谷川委員 今の(2)の閾値のない場合の項の1行目でございますが、ここで、「発がん性のように、毒性に閾値がないと考えられる物質」という表現をとっておられるんですけれども、一応今の取り扱いとしては、発がん性については、遺伝毒性がある場合に、その発がんについて閾値がないというような形で評価されていると思いますので、ちょっとここのところ、文章を少し修正していただきたいと思います。

○村岡委員長 いかがでしょうか。

○瀬川補佐 承知いたしました。

○村岡委員長 それでは、長谷川委員の御発言のように変えていただくということにしたいと思います。
 ほかにございますか。
 どうぞ。

○中杉委員 食品経由も含めた暴露評価の方ですけれども、こちらも閾値がある場合とない場合に分けて考えるんだろうというふうに思うんですが、閾値がある場合のあれで、飲料水と魚介類を両方合わせたときの暴露割合をどう考えるかというのが一つの質問です。
 もう一つは、閾値がない場合に、そこをどう考えるのか。閾値がない場合に、その10-5の増分というのを食品と飲料水と両方合わせた分で考えるのか。そういうふうにすると、上の飲料水だけの場合と少しずれが生じてくるのではないかなというふうに思いますけれども。

○瀬川補佐 現在、事務局で思っておりますことを申し上げるのですけれども、まず、2.のケースを勘案する場合というのは、各物質でBCF、生物濃縮がある程度高い場合について、こちらの方を考慮するということになると思います。
 それから、アロケーションに関しましては各物質によって違うと思われるので、もし、ダイオキシンのように、詳細に各食事からどの程度とっているのかということがわかるものであれば、そのように、現実の食事、あるいは飲料水の摂取の割合からアロケーションを考えることになろうと思いますし、そうでない場合、余り既存のアロケーションに関する知見がない場合については、類似の物質というのでしょうか、そういったものを参考にしながらアロケーションを考えていくのだと思います。その場合には、先生方にも御相談しながら検討していこうと思います。
 それから、10-5のリスク増分ということでございますけれども、まず第1に、お魚に、あるいは植物に濃縮があるというケースになると思います。その場合に、マルチステージのモデルを使った場合に、水だけ、あるいは食事だけ、お魚だけ、植物だけというように計算をして、それをリスクとして足し合わせるのが適当なのか、それとも、一番厳しかったところというのでしょうか、リスクの増加が多かったところに合わせて設定するのか、そこは御意見をいただければと思っております。

○村岡委員長 では、藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 この2番ですけれども、魚介類を対象とされていますけれども、公共用水域からのかんがい用水を引く農産物についても、同じような考え方をおとりになる予定なんですか。

○瀬川補佐 必要があればとるのだと思います。これは、ある種の金属類などを別といたしますと、やはり魚介類への濃縮というのをまず見るのが一番簡単だと思います。

○藤井委員 ただ、日本の場合は、主食は米で、水田で、かんがい用水を使って生産しますよね。だから、魚介類だけというわけにはいかないのではないかなんていう、そういう気がするのですけれどもね。まあ、特にカドミウムは最近ちょっと話題になっているし、CODEX委員会で検討は進んでいるようですし、この点はちょっと考慮した方がいいんじゃないかと、そういうふうに考えているんですけれども。

○村岡委員長 魚介類だけじゃなくて、農産物もあり得るということですが、その辺のとらえ方として、環境省としてはどういうことになりますか。もしあれば、先ほどのように考え方を説明していただければと、こういうことになりますが。
 部長、どうぞ。

○吉田水環境部長 今の御指摘は、恐らく、理屈とすればそういうことは十分あると思います。ただ、今までの環境行政の中でしばしば問題にされてきましたのは、むしろ、油溶性、油にシフトして蓄積しやすい化学物質であったために、魚介類、つまりPCBにしても、ダイオキシンにしても、いわゆる化審法の第一種指定化学物質の性格というものを相当強く念頭に置いて進めてきたということは確かだと思います。ただ、そのことをもって、生物濃縮を通じた人間への健康リスクというものを植物については適用しないという、また排他的な気持ちもないわけでございますから、今後、その実情、実際にそういう問題が起こるかどうかということを見きわめながら、柔軟に考えていくべきだとは思いますが。

○村岡委員長 ほかに関連した御意見のある方。
 どうぞ、池田委員。

○池田委員 前回欠席しましたので、あるいは勘違いしているのかもしれません。2点、お伺いしたい部分がございます。総論風の伺いごとになります。
 既に質問なさった方と若干オーバーラップがあるかと思いますが、1つは、1.の(1)の[3]です。原則10%というのは妥当な数字ではないかと思いますが、分母に何をとるかでかなり変わるのではないか。今御質問がございましたように、この10%の母数になっている部分が、食べ物由来の暴露量なのか、吸入暴露も含めた総暴露量なのか、お伺いしたいと思います。
 もう一つは、(2)の部分で、これも先ほどから議論になっておりました、リスク増分10-5というのは、これは、大気汚染との対応でこの数値が採択されたことは良く知っており、また、大気に限らずに、環境行政一般に10-5という値を採択することになったのか、お伺いしたいと思います。

○瀬川補佐 まず、暴露割合を原則10%というのは、TDI、ADIの10%をアロケーションする。飲料水からは10%とっているだろうということを原則とするということで書かせていただいております。「原則」と書いておりますのは、WHOにおきましても、物によっては50%といったアロケーションを考えておられるところもございますし、また、我が国におきましては、ダイオキシンの水質環境基準の際に、飲料水からの経由は非常に少ないということが既にわかっておりましたので、1%のアロケーションをとったケースがございます。ただ、WHOのガイドラインの中でも、多くの場合、ほとんどの場合は10%とっておりますので、TDI、ADIの10%が飲料水経由と、そういう考え方で書かせていただいております。
 それから、リスク増分でございますけれども、大気の方も10-5ということを一つのメルクマールにしておりますし、また水の方も、これまで発がん性に着目して設定した場合、10-5というのを一つのメルクマールとしておりますので、大気、水については、大体これぐらいのところをねらっているのではないかと思います。

○村岡委員長 どうぞ。

○池田委員 TDIの10%ということは、吸入暴露がある場合は別枠で考えていくという理解でよろしいですか。ありがとうございました。

○村岡委員長 ほかに御意見ございますか。
 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 先ほどの私の質問、事務局から、ここで検討してくれというニュアンスの御返答をいただいたというふうに考えていますので、ほぼそのとおりだろうと思いますので、少し私の意見を申し上げさせていただきます。
 2番目の飲料水と魚類の通常の摂取量について、どのぐらいの割合を当てるか。これも、多分、私の考えでは、飲料水と、それから食品、両方の由来の摂取量を合わせたときに、それがTDIの何%を超えてはいけないという一つの目安が立てられるのではないかなというふうに考えますので、まず、そういう形で数字を出してくるというのも一つの考え方じゃないか。その数字を、飲料水の経由のという、1番の方の10%アロケーションしたのと比較した場合に、よければそっちを使いましょうというのが一つのルールとして考えられる。まあ、入り口ですね。そういうふうにしたときに、飲料水と魚介類を合わせたときの暴露量といいますか、それをTDIの何%までを超えたらという議論をするかというお話ですけれども、通常は、大気、その他もろもろで10%ということをやりますが、とりあえず、一つの考え方として、今、普通に考えている、一般的に考えられているのは、10%を割り当てるというのが一般的な考え方ではないかなというふうに思います。
 それともう一つは、閾値がない場合、どうするかという話ですけれども、これは、上の方では食品の経由を入れないで10-5というふうなことで、下は食品を入れたらどうするかという話になるのですけれども、上の場合は、食品の経由はほとんどないだろうというふうなことを考えて、まずこのようなことを言っているのだろうと思います。下の場合は、両方合わせた形で暴露量を考えて、むしろ水由来で--ちょっと私の言っているのが誤解されると困るので、詳しく言っておきますと、水由来で食品に行って、それがどのぐらいの暴露量になるかという計算ですけれども、それをして、それが10-5を超えるか超えないかという議論をして、同じような比較をすればよろしいのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○村岡委員長 ここで議論するということでよろしいかと思いますが、ほかの関連する意見も伺っておきたいと思いますが、もしあれば。
 では、森田委員、どうぞ。

○森田委員 直接というよりも、もう少し、この環境基準値を設定するに当たっての、例えば、TDIからどういうふうに割り当てるかという議論というのは、今はいろいろな、今までの経緯とかなんかでこういうふうになっていますので、これを踏襲するというのは悪いことじゃないと思いますけれども、そもそもというところにもう一度立ち返ってちょっと勉強して、アロケーションの考え方を少し整理していただくのが大事かなという感じがします。多分、人への暴露を考えると、環境、水、大気、それから土、それから皮膚接触、それから、あるいは食べ物とか、いろいろなルートから全部入ってきて、そこのところの一番根元のところから、少しトップダウン的なアロケーションをどこかで考えておかないといけないと。先ほど池田先生の議論は、大気の分はこの中に入っていないのでしょうかという質問がありまして、今までの流れからいくとそうなっておりますけれども、本当は、そこの割り振りを全部、あるいはその全体を考えるんであれば、環境省さんの方で、こういうふうに考えるべきだという、その思想みたいなものをどこかで示す必要がある。これがまず第1点です。
 それから第2は、2番目に関係してくるんですが、食品経由の影響という議論は、これは非常に重要で、かつて、メチル水銀なんかの基準などもこれと関係して決められたんだろうと思うんですけれども、食品の規格ができないと水の規格ができないということでは決してないだろうと本当は思うんで、そういう意味で、食品の規格のないものについても、食品の安全性を配慮して、考慮して、公共用水域の水質の基準なども考えるような、そういう思想があってもいいかなという感じがいたします。ちょっと今すぐ、今までの流れといった、あるいは今までの約束みたいなところで動いてきたことが多分あるでしょうから、それは踏襲するにしても、少し理想に向かって物事を考え、再構成していただきたいということであります。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 ほかに関連するような……。事務局も、何か意見があったら。ありませんか。
 では、眞柄委員、どうぞ。

○眞柄委員 閾値がある場合のことで、飲料水経由の暴露量を原則10%ということになっておりますが、これは、要するに、全暴露量調査をして、そして各メディアからの暴露の割合がわかっている場合には、それを当てはめるというのが原則でWHOは扱っています。そういう情報がない場合には、水からのリスクをできるだけ高めないようにしようということで、デフォルトとして10%をとっているのであって、原則10%ではございません。これはほかの、今、森田先生等がおっしゃったように、暴露の経路からの割合がわかっているものについては、その割合をとるというのが原則であります。今、WHOのガイドラインで、WHOのホームページに幾つかもう物質が出ておりますが、今、最後の最後までもめているのは、消毒副生成物の関係で、水道水を2リットル飲むことによる暴露と、それからシャワーだとか台所だとか、そういうところから水の中に入っている揮発性の化学物質が揮散して、それを気道吸収する。それをどう扱うかということが今大議論になっていまして、水のガイドラインも決められない状況にあります。ですから、そういう意味では、今おっしゃられたように、環境省として、ほかのルートからの暴露量がわからないときには10にする。もしそれが厳しいというようなことが起きるとすれば、じゃ、ほかの暴露量を調べようじゃないかと。それで暴露量を20%、30%とするということをやはり検討していかなければならないだろうというふうに思います。
 水質汚濁に由来する食品経由の影響でありますが、これに関して言えば、例えば、お豆腐やコンニャクの中の水はどこから来た水かと。あれは実に食品製造の水ですが、食品製造の水は水道の水質基準に該当するということになっているわけでありまして、そういう意味では、濃縮や何かの問題よりも、要するに、水を含んでいる食品自体は、それはやはりどうするかということになるわけですので、そうなると2リットルではないということで、そういう意味では、この10%という数字に全く情報がないときには、もう安全側に立って10%にしようということであるということを今までやってきましたし、実は、そういう情報がないから、やむを得ず10にしてきたんだという現実を理解していかなければいけないし、場合によれば、そういう調査を環境省なり今度できる食品安全委員会の方のお仕事になるかどうか、その辺のデマケーションはぜひ御検討いただきたいと思います。
 それから、発がん物質ですが、リスクの増分を10-5というふうにしておりまして、外挿しましたら、1掛ける10-5も、8掛ける10-5もリスクは全く同じです、科学的に言えば。そういう意味では、要するに、閾値がない発がん物質については、10-5というのは、それはもうそれぞれのメディアで基準のようなものを決めるときに、水でも10-5ですし、食品でも10-5ですし、大気でも10-5でいいわけでありまして、そういう意味では、10-5という、その数字に全体のリスクを合わせようということをしても、それは外挿法の誤差というか、制度の特性上やむを得ないものだというふうに考えてきているのが、WHO、UNEPのEnvironmental Health Criteriaの考え方でありますので、メディアごとに分ける必要は私はないだろうというふうに思っております。

○村岡委員長 須藤委員、どうぞ。

○須藤委員 直接これとは関係ないかもしれませんが、同じ水環境部の仕事で、農薬の水質汚濁性の登録保留基準というのを決めているのです。その場合も、ここに書いてある、そのとおりで、10%という値をとっておりまして、同じ環境省の部の仕事の中で、基本的な考え方というのは、私は、公共用水域も農薬も一致した方がいいと思っております。十分同じ部長のもとでお仕事されるので、ぜひその辺は、基本的な見解というのは一致をさせていただきたいし、それから、今の実務の方の話でいえば、水に流出しやすい農薬があるならば、10%ではなくて、20%にしましょうとか、委員の合意を得ながらそういうことを決めて実務としてはやっております。ということがございますので、直接公共用水域のこの水質基準にはないんだけれども、同じように水質汚濁の基準を決めておりますので、その基本的な見解というのは、今、眞柄先生や森田先生が基本的にその辺を検討されるときには、一緒にぜひお願いしないと矛盾を来してしまうと思いますので、よろしく御配慮いただきたいと思います。

○村岡委員長 いろいろ貴重な御意見をいただきまして、いろいろと勉強しないといけない面もたくさんあったように思います。これは、ここでどういうふうに結論づけるかという問題ではありませんので、いただきました意見を今後の参考にしていただくと、していくということで終わりたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、議題の4でございますが、WHOの飲料水の水質のガイドラインの改訂について、幾つか事務局から御説明があると思いますが、まとめてお聞きした後で、また御議論いただきたいと思います。
 それでは、どうぞ。

○瀬川補佐 それでは、資料5に基づきまして、2月21日、先週末の段階でのWHO飲料水水質ガイドラインの改訂情報ということで説明をさせていただきます。
 2月21日付というふうに申し上げましたのは、実は、今週になりまして、4つ、ホームページに追加がございまして、具体的には、アジピン酸ジエチルヘキシルとモノクロロベンゼンとトリクロロベンゼンとMXの4つでございます。また、WHO事務局の方に確認いたしましたところ、あとまだ2つほど、今日中にそれが追加になりますので、それらは次回に説明させていただければと思っております。
 改訂情報については、表の形でまとめさせていただいております。その表のそれぞれの項目についての説明を最初のページ、1ページ目につけさせていただいております。
既存ガイドライン値というふうに書いておりますもの、物質ごとにそれぞれ書いておるんですが、既存ガイドライン値として書きましたものは、第2版のガイドラインから抜粋をしております。98年の補遺についても入れ込んでございます。
 それから、新ガイドライン値及びガイドライン値の根拠として書きました必要事項については、WHOのホームページに掲載されたガイドラインの案からとっております。中で「ガイドラインが設定されない」と書いてあるものがございます。飲料水中に存在することがまれであるような場合など、ガイドライン値が設定されないというふうにされておるものについては設定されないと書いております。また、農業資材の場合でございますけれども、同様の理由でガイドライン値が設定されないケースがございますけれども、他方、ADIが既にわかっているような場合には、ADIの知見を用いて、健康影響の観点でいえばこの数値ですということをガイドラインも書いてございますので、その場合には、設定されない。ただし、健康影響の観点からは

○mg/Lですというふうに書いております。
 それから、「p」という記号ですけれども、これは、provisional ガイドラインバリューというものを「p」にしてございます。
評価値案でございますけれども、先ほどアロケーションに関する知見がない場合は10%ということで整理していただいたと思いますが、ここは、従前の例に従いまして、とりあえず評価値としてアロケーションを10%で計算した値、基本的に、有効数字1桁で整理したものをお載せし、この後、資料6に基づく検出状況の際の一つの目安としていただければと思っております。
 それから、参考につけておりますのは、現行環境基準値、それから水道水質基準でございますけれども、現行環境基準値については、基準、要監視、要調査とつけております。基準は基準値、要監視についても指針値でございますが、アンチモンにつきましては、現在、要監視項目の指針値が削除されておりますので、横棒(-)であらわしております。要調査項目につきましても、測定データがあるもの、まだ測定していないもの、要調査項目でないものなどを整理しております。
 なお、水道水質基準でございますけれども、現行水道水質基準について記載するとともに、「改正案」につきましてはまだテンタティブなものでございますけれども、本年2月17日に開催されました厚生科学審議会生活環境水道部会の水質管理専門委員会に提出された資料によるものでございますので、今後、変更があり得ると思われます。
 農薬登録につきましては、現時点での農薬登録の有無について

○×をつけております。
 2ページ目にまいりまして、個別項目でございます。WHO飲料水水質ガイドラインの改訂情報は3つに分かれております。まず、自然由来のある物質、それから事業場及び家庭から排出される物質、そして農業関連、農業資材でございます。この中でハッチをかけておりますのは、新規ガイドラインや、あるいはガイドライン値が変更になったものでございます。
 一番最初から見ていきますと、アンチモンにつきましてですが、新ガイドライン値が変更になっております。TDIに関しましては 0.006ということ。ガイドライン値の根拠は、ここではアロケーション10%、ボディーウェイト60キロ、1日消費量2リットルでございます。評価値案と書きましたのは、ここではテンタティブなものでございまして、体重50キロ、アロケーション10%、2リットル消費でまず出したものでございます。
 こうしていきますと、3ページ目にまいりまして、数字が若干厳しくなっておるものがございます。一番最初の項目でございますが、塩化ビニルにつきましては、先ほどの発がんリスクでございますけれども、EPAのIRIS2000におきまして、10-5に相当するリスクとして、新ガイドライン値が1桁下がっております。発がんリスクでございますので、ここはボディーウェイトの変更をせず、そのまま評価値案としてこの場合は書いております。
 それから、4つ目の項目になりますが、1,4-ジオキサンに関しましては、全く新しいガイドラインということでここに出てきております。WHOは新ガイドライン値0.05mg/Lとございます。ボディーウェイトは同様に60キロでございますので、50キロに引き直しますと、評価値としては0.04となっております。これに関しましては、私ども、要調査項目という調査を実施しておりまして、そこに丸をつけておりますけれども、既に公共用水域の存在状況調査を実施しております。
 それから、カドミウム。5番目の項目でございますけれども、カドミウムにつきましては、先ほど藤井先生から御指摘いただきましたように、現在、国際機関において毒性に関する検討が進んでおるということで、水道水質の検討におかれましても、据え置きというふうにこれまでの専門委員会では承っております。このため、私どもといたしましても、今回は対象とはしないということでいかがかと考えております。
 4ページ目にまいりまして、4ページ目、5ページ目からは農薬になります。農薬に関しましても設定されないというケースがありますが、例えば、健康影響の観点から、ADIをもとに数字が出せる場合には、その旨、ガイドラインの中にも書いてありますので、その数字を持ってきております。例えば、3つ目のジフェニルフェノール、これは我が国では農薬登録はございませんけれども、ADIの値はWHOガイドラインにおいても明示をされておりますので、これをもとに評価値案を作るとすると、1という数字ができるということでございます。
 それから、5ページ目にまいりまして、すみません、1点、変更がございます。5ページ目の変更は、2つ目の物質でありますモノクロトフォスでございます。これに関しましては、従前、専門家会合で御検討対象物質となっておったのですが、ドキュメントが現在になっても出てきていないので、これに関しましては資料から削除させていただければと思っております。
 資料5につきましては、簡単ですが、以上でございます。

○森係長 それでは、引き続きまして、資料6、WHO飲料水水質ガイドライン対象物質に係る検出状況について御説明させていただきたいと思います。
 検出状況につきましても、初めに、どういった整理をしているかということを整理しておりますので、その点について、まず御説明させていただきたいと思います。
 1番目に、まずデータソースですけれども、最近10年間の以下の測定結果を取りまとめたということで整理しております。
 1番目としまして、公共用水域の常時監視ということで、都道府県及び水質汚濁防止法政令市で測定された、最近10年間の公共用水域の常時監視結果。
 2つ目として、地下水の常時監視結果。都道府県及び水質汚濁防止法の政令市で測定された、概況調査に係る地下水常時監視結果について整理しております。
 3つ目として、要監視項目汚染状況調査ということで、要監視項目につきまして、水環境中での存在状況について、要監視項目設定後、平成6年度以降の測定結果について整理しております。
 4番目としまして、要調査項目存在状況調査としまして、要調査項目の水環境中での存在状況について、要調査項目設定後、平成10年度以降の測定結果を整理しております。
 地方公共団体独自調査としましては、1及び3、公共用水域の常時監視結果及び要監視項目の汚染状況調査を除いて、地方公共団体が独自に行った調査結果を平成4年から平成13年度ということで整理しております。
 6番目として、化学物質と環境、いわゆる黒本調査ですけれども、昭和49年以降実施している調査のうち、最近10年間に絞りまして調査結果を載せてございます。
 7番目としまして、地下水の実態調査。環境基準項目等に設定されていない未規制物質の地下水における汚染の実態を把握し、地下水質に関する基礎情報を収集することを目的に調査した測定結果でございます。
 次のページをめくっていただきまして、それぞれの項目についてどのような整理をしているかということで簡単に記載させていただきました。申しわけございませんが(1)の次が(3)、(4)、(5)となっていますけれども、これは、(1)の次、(2)、(3)、(4)の間違いですので、修正をお願いいたします。
 まず、検出範囲ですけれども、水環境中に検出された地点ごとの測定値の年平均値を測定範囲として整理し、その最小値、最大値を記載してございます。
 検出下限ですけれども、例えば、公共用水域の常時監視結果ですと、地方公共団体ごとに検出下限値を設定しておりますので、その最小値及び最大値を記載しております。また、要調査項目、あるいは化学物質と環境の調査については、環境省において統一的な検出下限値を設定しておりますので、検出下限値の最小、最大については同じ数字を入れてございます。
 評価値のところですけれども、これは、先ほど資料5の方で説明がありましたので、この中では割愛させていただいておりますけれども、体重50キロ、1日の飲水量を2リットル、飲料水へのアロケーションを、とりあえず10%として計算した結果を基本的に入れております。
 評価値の超過につきましては、評価値を超過した地点数及び測定地点数に対する超過割合を記載しております。
 最後に、10%値超過ですけれども、評価値の10%、つまり10分の1の値を超過した地点数及び測定地点数に対する割合を記載しております。
 今、項目について説明しましたけれども、個々の物質について、3ページ目以降で御説明させていただきたいと思います。
 まず、3ページを御覧いただきたいと思います。基本的に、評価値超過及び10%値超過のある物質についてのみ、この場では説明させていただきたいと思います。
 まず、アンチモンですけれども、現在、要監視項目になっております。評価値超過としましては、要監視項目の調査で、公共用水域で31地点、割合としまして 0.6%。10%値超過で、地点数で 137、割合で 2.8%です。地下水では、評価値超過はございませんが、10%値超過で21地点、割合としまして 1.1%の超過がございます。
次に、砒素ですけれども、砒素は、御存じのとおり、今、健康項目になっております。評価値超過は、常時監視で 216地点、地方公共団体の独自調査で20地点ということで、割合としては 0.3%、 0.4%程度の超過がございます。10%値超過につきましては、右の方を見ていただきまして、それぞれ 3.1%、5.5 %という状況です。地下水におきましては、 470地点で 1.7%、10%値超過で 1,711地点で 6.3%の超過がございます。
次に、ふっ化物ですけれども、ふっ素として健康項目にありますので、ふっ素としての結果をここに記載してございます。公共用水域におきましては、常時監視の結果ですけれども、地点数として5地点、超過割合として0.03%。10%値超過につきましては 3,440地点の22.9%でございます。あと、独自調査においては、評価値超過はございませんでした。10%値超過で 610地点の19.5%です。地下水においては、評価値超過が要監視項目の調査結果で10地点、常時監視の調査結果で28地点、超過割合としてそれぞれ 0.3%です。10%値超過としましては、要監視項目で 440地点、常時監視で 1,109地点、割合としまして13.5%、12.5%です。
マンガンにつきましては、健康項目及び要監視項目にはなっていません。要調査項目として平成13年度に実施しておりまして、公共用水域では、評価値の超過が9地点で18%、10%値超過で39地点で78%となっています。地下水においては、10%値超過で6地点、30%となっています。
 ウランにつきましては、公共用水域で4地点、地下水で2地点超過しておりまして、超過割合は、それぞれ8%と 1.4%。10%値超過は、それぞれ24%と 2.2%になっております。備考の方に、ウランにつきまして、公共用水域での超過地点については、すべて海域または汽水域ということになっております。
銅につきましては、評価値超過はございませんでした。10%値超過としまして、地点数で26、割合として 0.9%、地方公共団体独自調査で超えてございます。
次に、4ページ目を見ていただきたいのですけれども、塩化ビニルでございます。塩化ビニルにつきましては、公共用水域においては評価値の超過はございません。10%値超過にしましては、要調査項目と化学物質と環境の調査がございまして、地点数として、それぞれ4地点、1地点超過しております。超過割合としましては 2.3%、 2.7%となっております。地下水におきましては、地下水実態調査において評価値超過が5地点ございます。超過割合は 1.8%。10%値超過は、15地点の 5.5%。要調査項目では、2地点の 8.7%となっております。
次に、1,1,1-トリクロロエタンですけれども、現在、健康項目でございまして、地下水において評価値超過が3地点ございます。割合としては0%になっていますけれども、測定地点数が3万 6,351地点と非常に多うございますので、割合にしますと0%となります。
 次に、1,2-ジクロロエタンですけれども、現在、健康項目でございまして、公共用水域、地下水において、それぞれ評価値超過がございます。常時監視においては19地点の 0.1%。地方公共団体の独自調査においては2地点の0.05%。地下水においては、3地点の、これも、先ほど申しましたように、地点数が多いので、超過割合としては0%となっております。10%値超過につきましては、上から順に 0.7%、 0.6%、 0.2%という状況になっております。
次に、1,4-ジオキサンですけれども、要調査項目となっておりまして、10%値超過として、公共用水域では2地点、 2.6%超えております。地下水におきましては、評価値超過が1地点、 0.5%ありまして、10%値超過は、9地点で 4.5%となっております。
カドミウムにつきましては、評価値が「10」と入っていますけれども、これは現行の環境基準値と比較しております。評価値超過としまして、公共用水域で8地点の0.01%。10%値超過を御覧いただいてわかりますとおり、常時監視で 0.4%、地方公共団体独自調査で 0.1%、地下水の常時監視で 0.1%となっております。
次に、四塩化炭素ですけれども、これも健康項目となっておりまして、地下水において16地点、 0.1%の超過がございます。10%値の超過につきましては、公共用水域の常時監視で0.03%、地下水の常時監視で 0.6%となっております。
次に、5ページ目を見ていただきまして、トルエンでございますけれども、トルエンにつきましては、要監視項目になっておりますけれども、公共用水域において10%値超過が4地点で、 0.1%認められます。
その下へ行きまして、エピクロルヒドリンですけれども、要調査項目になっておりまして、平成12年度実施結果で、地点数として2地点、 2.6%超過しております。10%値超過としましては、5地点、 6.6%の超過が見られます。
次、6ページ目へ行きまして、上から2つ目の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸ですけれども、公共用水域において地方公共団体の独自調査で、10%値超過が2地点で 0.6%という状況でございます。
 6ページ目につきましては、その他の項目について評価値及び10%値の超過はございません。
 7ページ目、上から2段目、フェニトロチオンですけれども、要監視項目として設定されておりまして、この評価値の「3」というのは現在の指針値でございます。評価値超過としましては、要監視項目として2地点、0.03%、地方公共団体の独自調査で6地点、 0.5%です。10%値超過については、要監視項目で 1.7%、地方公共団体の独自調査で 3.3%です。地下水におきましては、10%値超過で、2地点の 0.1%の超過がございました。
以上で、検出状況の説明を終わらさせていただきます。

○瀬川補佐 最後の参考資料の説明でございます。
WHO飲料水水質ガイドライン対象物質の情報ということで、法律に基づく規制ですとか物理化学的性状について取りまとめをしております。ただ、全部掲載いたしますと非常に膨大な資料になりますので、この中で、2つのメルクマールで切っております。1つは、事業場などから排出される物質などにつきましては、既存調査結果、先ほどその検出状況を報告させていただきましたけれども、評価値や、あるいは評価値の10%値の超過が見られたもの。また、農業資材については、現時点で農薬登録があるものについてまとめております。
 事業場等から排出される物質については、アンチモン、ウラン、以下のとおりでございますが、塩化ビニル、それから2,4-ジクロロフェノキシ酢酸につきましては、文献で追加があったものがございますので、まだ用意ができておりません。次回、必要に応じて提出させていただきたいと思います。
 農業資材についても同様でございまして、次回以降、必要に応じて出させていただくものがあるかと思います。
 1ページ目をめくっていただきまして、見本というのでしょうか、どういった情報があるかということだけ見ていただければと思いますけれども、1ページ目から、アンチモンになります。ここで整理しております情報ですが、例えば、元素記号から原子量といった基本的な性状、物理化学的性状です。融点、沸点、比重、あるいは外観、水溶解度などをまとめております。
 それから、環境中の挙動でございますけれども、WHOのガイドラインや、あるいはDictionary of Substances and their Effectsなどをもとに、専門家の先生方に書き起こしていただいております。
 生産量につきましては、平成12年度のデータについて、14102の化学商品から抜粋をしてきております。用途についても同様でございます。
 また、毒性情報についても、簡単にこれまでの知見をまとめております。例えば、急性毒性、発がん性分類、この2つについてまとめておりますが、各種文献検索、あるいは発がん性分類でございましたら、IARCのモノグラフなどから情報を抽出してきております。 それから、各種基準値につきましても、今現在私どもで持っておりますデータについてまとめております。
 3ページ目にまいりまして、WHOにおける毒性評価。93年ガイドラインの内容をまずここに書いております。
 それから、生物濃縮性ですけれども、BCFについてここではまとめております。BCF、アンチモンについては小さい数字になっているということがおわかりいただけるかと思います。
 4ページ目にまいりまして、2003年ガイドラインでの毒性評価でございます。この毒性評価に関しましては、ガイドラインに掲載されておりますものを専門家の先生方に読んでいただきまして、その上でまとめたものになっております。本日、そのファクトを一通り先生方に説明させていただきまして、いろいろな御意見、御示唆をいただきたいと思っておりますので、これら参考資料につきましても、必要に応じて後で説明させていただければと思います。
 資料については、以上でございます。

○村岡委員長 どうもありがとうございました。
 資料の5、6、それからただいまの参考資料について御説明いただきました。何かコメント、御意見、御質問等ありましたら、よろしくお願いします。
 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 検出状況の話で、この資料6の1ページ目に書いてあるデータソースはある程度限定されて書かれている。この整理としてはこれでいいんだと思うんですけれども、もう少し別な知見がわかっているものがありますよね。例えば、1,4-ジオキサンについては、東京と大阪でしたか、水道原水に使っている地下水で非常に高濃度が見つかったというような情報もありますので、そういうものを少し追加的に拾っておいていただく必要があるのかなというふうに思います。実際に基準を考えるときにどうかというような、ここに上がっている調査というのはある程度限られた調査で、特に地下水の場合には、公共用水域と違って、非常に局所的な汚染がポツポツとある場合がある。そういう意味で、できるだけ広く拾って議論した方がよろしいのかな。
そういう意味でいくと、トルエンもここでは全く問題がないように書いてありますけれども、これは基準にするのかどうかというのはまた別な議論ですが、ガソリンスタンド由来の汚染の現場では、もうはるかに、ここにある指針値といいますか、評価値を超える汚染濃度が見つかっている場合もあります。そういう意味で、少しそういうものをできれば拾っておいて、それに対してどう基準を作る必要があるかどうかというのはまた別な議論だとは思いますけれども、少しそういう情報も拾っていただければというふうに思います。

○村岡委員長 何か、関連した御意見ございますか。
 事務局、何か御意見ございますか。

○瀬川補佐 1点確認させていただきたいのですが、今回まとめましたのは、公共用水域の測定結果としては網羅的なものだというふうに私も思って、自治体さんの独自調査、白書なども拾っておりますので、少なくとも、環境部局が持っているデータとしては一応網羅をしたということでございます。
 地下水について御指摘がありました、1,4-ジオキサンにつきましては、必要に応じて集めたいと思います。
 ガソリンスタンドというふうにおっしゃられたのですが、例えば、私ども、どうしても公共用水域の調査ですと、地点は決まっていまして、位置情報は緯度、経度がわかっているのですけれども、ガソリンスタンドがあるかどうかといった観点だとちょっとなかなか拾いづらいので、こういう調査をしていったらという、何か御示唆がありましたらありがたいんですけれども。

○中杉委員 いや、公共用水域の話で申し上げているんじゃなくて、やはり地下水の話です。ガソリンスタンドで同一趣旨で地下水汚染が起こったときは、ベンゼンが当然高くなりますから、そちらでおさえられるんですけれども、実はベンゼンのほかに、トルエンだとかキシレンも当然のことながら非常に高濃度で入っていますので、そういう事例で公表されているものもありますから。

○丸山補佐 今、ガソリンスタンドの関係の汚染ということでお話がありましたけれども、実は、12年度にMTBEの関係で調査をした結果がございまして、今、先生がおっしゃった、トルエンとかキシレンとかというデータがございますので、必要であれば、次回、参考に出させていただきたいと思いますけれども。
 あと、1,4-ジオキサンについては、ここに出したのは、私どもがやっている、関係している調査結果でございます。水道の方の関係でのデータもございますけれども、必要があれば、また次回、出させていただきたいというふうに思いますけれども。

○村岡委員長 必要があれば参考に出させていただくということですが、取り扱いそのものはどうなっているんですか。公表とか。

○丸山補佐 水道の関係は、当然、厚生労働省の方に確認した上で、公表された分だけについてですけれども、お出しをしたいと思います。

○村岡委員長 何かほかに御意見ございますか。
 どうぞ。

○中杉委員 1つだけ、参考資料の方で質問なんですけれども、ぱっと目についてしまったもんで質問させていただくんですが、参考資料の4ページ目に書いてあるところで、最後に、表現としてどういう意味なのか、ちょっと理解できないんで質問なんですが、「極めて保守的」であるというような、「保守的」という表現がどういう意味なのか。

○瀬川補佐 原文は「conservative」となっています。安全性を見込んだというような、十分見込まれているというような、そういうニュアンスだとは思うのですが、訳しづらかったので、「保守的」とそのまま訳しております。

○村岡委員長 ほかに何か。
 ないようでございますので、貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題は、議題の5でありますけれども、要監視項目についての新たな知見についてということで、資料7がございます。まず、事務局からの御説明を受けたいと思いますが。

○瀬川補佐 それでは、現行要監視項目についての新たな知見ということで、資料7について説明をさせていただきます。
 環境省では、要監視項目指針値設定以来、平成5年設定の際には、当時25項目ございましたけれども、これについて、指針値設定以来、再評価をしてきております。具体的には、関連文献を収集・整理して、知見を整理してきております。
 平成5年設定当時、25項目ございましたうち、比較的検出率が高い13項目、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、ふっ素、ほう素、その他13項目でございますけれども、平成11年に一度、指針値の検討を行いまして、このうち3項目、冒頭から3つの項目については環境基準に位置づけをし、ほかの物質についても必要に応じて指針値の変更を行ってきております。
 今般、残りの要監視項目の12項目、クロロホルム、トランス1,2-ジクロロエチレン、以下12項目でございますけれども、既存文献を収集いたしまして、評価を行いました。評価を行うに当たりましては、調査請負先に検討会を組織いたしまして、そちらの方で指針値の検討を行っております。この中で、具体的には、平成2年度から平成12年度、過去10年分の学術雑誌に掲載された論文で毒性試験の関係論文をまとめまして、現行の設定値の根拠論文やTDIの見直しなどを検討しました。
 検討の結果、p-ジクロロベンゼンについて新たな知見が得られましたので、説明をさせていただきたいと思います。
 2ページ目にまいりまして、p-ジクロロベンゼンでございますけれども、93年時点の毒性評価では、アメリカ、National Toxicology Program の毒性試験に基づき、 0.3mg/Lという指針値を設定しております。試験方法でございますけれども、ラット雌雄各50匹、1群50匹、投与開始時で7週齢。それから、マウスにつきましても50匹でございますけれども、投与開始時は8週齢。これを用いまして、コーン油にp-ジクロロベンゼンを溶解し、週5日、2年間投与するものでございました。ラットについてはコントロールを含めて3群、マウスについてもコントロールを含めて3群でございます。ここで、雄ラットの 150mg/kg/ day以上の群で、腎尿細管adenocarcinomaの発生頻度の増加が認められたので、LOAELとして 150が設定されておりました。
他方、その後、OECD/SIAR、OECD/SIDSのInitial Assessment Report に掲載された論文が1つございます。具体的には、モンサント社の環境保健研究所が実施したもので、96年にオープンになっております。
 ビーグル犬を用いた強制経口投与による反復投与毒性試験の実施でございました。コントロール、それから投与群は3つ、10、50、75と設け、各群雌雄5匹、週5日、1年間投与でございます。この際、75mg/kg/ day投与群で、雌雄に貧血、脾臓髄外造血、胆管の増生、腎尿細管の上皮空胞化が見られ、雌につきましても、血小板数の増加や、あるいは腎尿細管、あるいは肝疾患を疑わせる指標値の上昇、副腎相対重量の増加、赤血球過形成が認められております。また、50mg/kg/ day以上の投与群につきましては、雌雄とも肝重量の増加、あるいは悪性腫瘍を疑わせるALPの上昇、肝細胞肥大などが認められました。こういった結果から、NOAELについて10mg/kg/ dayとしております。
 この結果につきましては、これを用いまして、室内のp-ジクロロベンゼンの指針値の設定なども厚生労働省において実施されているところでございます。
 結論でございますが、NOAELが10mg/kg/ day、週7日でございますので、週7日に平均化。つまり、5日間投与をしておりますので、それを7日間に平均化。また、不確実係数は 100、種差を10、個体差を10といたしましてTDIが出ております。この結果、有効数字1桁をとりますと、指針値が 0.2と、 0.3から 0.2に引き下がることになります。
この計算でございますけれども、NOAELに不確実係数を 100で割って、全摂取量の中から水の寄与率は10%。これにつきましては、既存のアロケーション結果がございませんので、10を置いております。人の体重は50キロ、1日の摂水量は2リットルということで、指針値を 0.2と見ておりますので、先生方がよろしければ、p-ジクロロベンゼンの指針値については 0.3から 0.2に変更させていただきたいと思います。

○村岡委員長 何か御意見ございますか。
どうぞ、長谷川委員。

○長谷川委員 まず記載について、この記載はそちらでお作りになられたんですか。要するに、文章というか。

○瀬川補佐 文章自身は、厚生労働省さんの方で既に室内暴露の指針値を作られたときに御議論いただいた内容にほぼ沿っております。もちろん、あちらは最終的にインハレーションの室内指針値に引き直しており、私どもの方は水なので、最後の結論の部分はもちろん違っております。

○長谷川委員 すみません、今記載の中で、記載上のことですが、2ページ目の結論のところに、「吸入暴露実験の結果に基づき」と書いてありますが、これは、吸入暴露実験じゃなくて、上に記載がありますように強制経口投与です。
 それから、今御説明ありましたように、OECD/SIDSのSIARから出してきたもので、これはオリジナルを1999年にフランスが作成したドキュメントの中に書いてありまして、データソースは多分IUCLIDろうと思うんですが、今御説明にありましたように、これはモンサント社の実験です。実験がまとめられたのは1989年になります。1つちょっと問題点は、ここの中で公表された論文というか、そんな形の書き方をされているので、その意味からいきますと、この1999年のSIARの、これはドラフトに記載されていることでして、少なくともIUCLIDは必ずしも公表とは言えないのではないかと。
 もう1点、OECDで最終的にアグリーメントされたドキュメントをリバイスして、ファイナライズしたものをUNEPの方でパブリケーションするんですが、これはまだ実は出ていないんですよね。そういうことで、公表という意味では、実はちょっと公表とは言えないのではないかということと、それから、いわゆるカンパニーデータをこの状態で採用していいものかどうかという、ちょっとその辺が少し私としては疑問が残ります。
 そのほかに、細かいことを言うと、例えば、種差に関してどう考えるかというときに、通常、ラット、マウスの場合は10を使いますけれども、少しボディーが大きくなってくると、本当に10でいいのかと。いろいろ考え方はあるんですが、PBPKモデルとか、そういうのはなかなか使えないんで、そういうケースだと、例えば、体表面積修正をするということになると、ビーグル犬ですと多分2ぐらいになるんですよね、数字として。そうすると、ここまで数字が落ちなくなってしまうというような、ちょっとその辺の点もあると思います。

○村岡委員長 事務局、いかがでしょうか。

○瀬川補佐 事実関係だけ説明させていただきます。データの公表の関係なのですが、モンサント社から公表されたのが96年でございまして、データとしてはオープン扱いでございます。他方、確かにSIDS、SIARに関しましては、IUCLIDのデータから持ってきている部分が非公表であって、SIARとしては、本日時点でも確かにドラフトのものでございますので、むしろ、ここにはOECD SIDSと書くよりは、モンサント社のということで明示をした方がいいかもしれません。いずれにしろ、ファクトとしては公表扱いのものになっております。

○村岡委員長 今の点、長谷川委員、それでよろしいですか。

○長谷川委員 そのとおりで、SIDSは、今の段階では少なくとも引用できる状況ではないということは確かです。

○村岡委員長 先ほどの事務局のお話で、一番最後の指針値が 0.2mg/L。今までは 0.3だけれども、 0.2として認めていただけるかというふうな御発言でしたけれども、それはここで結論づけるんですか。あるいは、今の長谷川委員の御指摘などを踏まえて、この 0.2というのをここで認めるのはちょっとぐあいが悪いと、こういうことですか。

○長谷川委員 今のこの状態で 0.3から 0.2にする必要はそれほどないのではないかと、私はそう思うんですが。例えば、 0.3と 0.2、ここでこれだけ、実際にいろいろなことを考えると、 0.3から 0.2に下げるのに、それだけの重要性があるんでしょうかということももう一つ踏まえて。

○村岡委員長 中杉委員、どうぞ。

○中杉委員 たしか、p-ジクロロベンゼンは、要監視項目の調査で 0.3を上回るものはずっと出ていない。これは、 0.2を上回るものはひょっとしたらないのではないかなというふうに思いますので、そういう意味でいくと、あえて、慌てて 0.2にする必要があるかどうかというのは少し疑問がある。
それからもう一つ、この場合に、厚生労働省の方で室内暴露の話の基準を作られるという話をしておられる。当然、p-ジクロロベンゼンの一番暴露の高いのはそこだろうというふうに思うんですが、そちらとの整合というのは10%みたいなものを考えているんですけれども、うまくとれるのかどうかというのは、そこも少し考えておく必要があるんだろうなというふうに思います。

○村岡委員長 ほかに何か関連する御意見の方。
森田委員、それでは。

○森田委員 長谷川先生は、厚生労働省の室内汚染の方の決定にはかかわっていらっしゃらない……

○長谷川委員 それはかかわっていません。

○森田委員 そうだと思うんですが、いずれにしましても、ここの一連の流れを見ていますと、厚生労働省の方は、NOAELについての数値をとにかくリバイズして、そして非常に低いところに設定されたと。低いところというのは、恐らく、前がLOAELですので、それがNOAELになったところで少し、3分の2ぐらいになったんだろうと思うんですが、そういうことに対応して、基準値をもう少し明確にしてはどうかという提案だろうと思うんですね。それは、今の議論では、NOAELそのものが適当でないということであれば、多分そうだと思うんですが、そのNOAELがもし10mg/kg/ dayというのでよろしいということであれば、この結論を認めてもよいのではないか。ここのところがまだ不確定で、よろしくないということであれば、この数字そのものの意味というのをもうちょっと議論していただく必要はあるかもしれない。その辺は、関係された先生がいらっしゃいましたら。

○村岡委員長 そうですね。じゃ、林委員、関係されていないですか。

○林委員 私は、多少関係していました。現行の指針値は、雄ラットでNOAELの 150mg/kgを基準にしています。、この値は腎尿細管のadenocarcinomaの発生頻度で決めているので、実際には、人には適用できないようなデータなんですね。この反応は雄ラットに特有な、ものであって、これを、根拠にして人の指針値を作ったということは、これは科学性に乏しいことになります。これは人では関係ないデータですから、今度のビーグル犬のデータは、これは人にも適用できるような反応なんですね。ですから、これを使って指針値を作るということは、これは科学的に正しい。従って今回の問題は、根拠データを雄ラットのデータからビーグル犬のデータに移したということです。

○村岡委員長 わかりました。
それでは、池田委員、どうぞ。

○池田委員 今の議論とは若干焦点が違うのですけれども、先ほど長谷川委員のおっしゃったお話の中で、あるいは事務局から事実関係の確認ということでおっしゃった中で、一般的な原則に関わる部分があろうかと思いますので、お伺いします。つまり、どういうデータをベースに使っていいのかということについて、これはいろいろな国際機関でも時々議論になることですが、公表されていることというのがしばしば条件になります。公表されていることというのは、かつては、例えば、Medlineで引いて出てくることだとかいうことだったのですけれども、最近、電子メディアがどんどん進んでいきますと、公表されているという内容は、だれにでも必要だと思えば入手できるという意味になっている。
 もう一つは、特に国際機関での議論で出てくるのは、ピア・レビューが済んでいるもの。雑誌によって、必ずしもピア・レビューが行われていない印刷物があり得る。これは対象としない。その意味では、ピア・レビュード・ジャーナルであるということが求められる場合が多いと思います。
 あるデータが公表された場合、ピア・レビューが済んでいる公表かどうかという点が問題になろうかと思います。この辺りはどうなっているのか。その関連で、我々は、どこまで済んだものを採用すると考えるのか。そのあたりをお伺いできれば、判断が容易になろうかと思うんですけれども。

○村岡委員長 今の池田委員の御意見に対して、何か、どうなっているかというのは事務局、お答えいただけますか。

○瀬川補佐 まず、原則論とこの論文に関してということで、2つ説明させていただきます。原則論は池田先生がおっしゃるとおりでございまして、環境基準の設定というのは基本的に公表されたデータに基づき、そして、毒性論文などに関しましては、学術雑誌のレビューというか、レフリーつきで通っているものというのを一つのメルクマールとし、MEDLINE、その他のファイルの中から検索してきたものを用いるということでございます。
 それで、この論文でございますけれども、OECD/SIAR自体は文献検索で既にヒットしてしまいますので、ドラフト段階に入っても、その点は入ってくるということでございます。また、もちろん、モンサント社が既に出しているということ、それからOECDのSIARそのものがピア・レビューであるということ。そしてまた、先ほどちょっとよそさまの話なんですけれども、紹介させていただいた、厚生労働省さんの方の室内暴露の指針値に関しましては、既に専門家で組織された委員会で、この試験結果をもとに指針値として公表しておられる。そういう意味では、まさしく、私どもにしてみれば、ピアという意味でのレビューが一通り済んでいるデータではないかというふうに思っております。

○村岡委員長 何か関連する御意見ございますか。

○長谷川委員 よろしいですか。

○村岡委員長 それでは、長谷川委員、どうぞ。

○長谷川委員 ちょっと質問なんですけれども、OECDのSIARがMEDLINEでかかってきますか。

○瀬川補佐 MEDLINEではないです。

○長谷川委員 かからないですよね。

○瀬川補佐 ええ。厳密に申し上げれば、必ずしもMEDLINEだけではなく、文献検索の対象ファイルを広くしているので、MEDLINEでSIARが入るものではありません。

○長谷川委員 要するに、ドラフト段階ではかからないですよね。ドラフト段階でもかかると今おっしゃったのは、どういう意味なんでしょうか。

○瀬川補佐 文献検索してまいりますと、文書段階で引っかかってきます。それはなぜかというと、ホームページなどの検索を一応広くいたしており、このSIAR自身が、厚生労働省さんの室内暴露の指針値の引用文献としてヒットがあるのです。そういう意味でございます。

○村岡委員長 それでは、森田委員、どうぞ。

○森田委員 もちろん、厚生労働省の方がこういうNOAELをある段階でお決めになった、そのサイエンスコミッティーの判断が間違っていないとは必ずしも言えない。そういう意味で、それに依拠しないで、このNOAELの数字そのものをこの委員会がもう一度見るという選択肢はありますが、そうするか、それとも、ある程度、もうそこに依存しても大丈夫だという判断をしてこれを使うか、これはどっちかの選択をすることになると思いますね。やはり長谷川先生はこれじゃおかしいというふうにおっしゃるんだとすると、一度、その決定プロセスをもう1回チェックしていただいて、それで決定をするということになると思いますし、そこまでやらなくてもいいやというのであれば、飲み込むということになりますが。

○村岡委員長 どうぞ。

○池田委員 やはり明確にすべき点が残っていると思います。ピア・レビュード・アーティクルというのは、それが公表された段階で既にピア・レビューであるということです。ある委員会がそれをピア・レビューされて、これはよろしかろうと思われた場合、その委員会がピア・レビューされたことになります。この2つは異なる扱いだと私は理解します。だから、もしも今の森田先生の御意見に従うとすれば、やはり我々もレビューをするべきだろうと思います。ただし、その場合に、ドラフト段階のものを受け入れるかどうかという部分の判断が残ると思います。
 以上でございます。

○村岡委員長 どうぞ。

○長谷川委員 今のドラフトというお話は、今、SIARのお話のときに出てきているドラフトということだと思うんですが、このドラフトははっきり言って全然当てにならないです。実際、自分が作っていましたので、ドラフトというのは、OECDの初期評価会議というのがございますが、今多少現状は違いますが、そこに各国の担当で作って出します。そのドラフトに基づいて、各国のレビューアーが相当細かく見て、間違いとか評価の仕方を変えるとか、いろいろの変更があります。それで最終的に合意されたものがパブリケーションされる。そこのパブリケーションになって初めて認められたものになるんですが、実は、今、池田先生がおっしゃられたような厳格なピア・レビューは行われていません。公式に合意されるサマリーのしっかりしたものについてはピア・レビュー的な文言までちゃんとやっていますけれども、付属の中身については、一般のそういうジャーナルのようなピア・レビュー等は行われていません。少し目的が違うというところがあります。
 それとは別に、今、事務局がおっしゃられたように、モンサント社のスタディーはパブリケーションされていると。ただ、そのパブリケーションの仕方がどういう形かは、今、いわゆる公表ジャーナルとは違うということは確かですよね。一般ジャーナルとは、一般専門誌とは違うと。
 いずれにしても、この値、ここに書いてある記載について、それは適切だろうし、私の考えとしては、最終的な指針値の算出の部分は、これでいいのかなという疑問は残ります。ただ、ここの記載が正しいかどうかというのは、基本的にはオリジナルのものを一応見ないといけないんだろうなと。それは、私は、池田先生の御意見に賛同いたします。

○村岡委員長 事務局、ありますか。

○瀬川補佐 今、手元にモンサント社のドキュメントがないので、正式にレフリーがついているものかどうか、確認をしたいと思います。
 それから、SIARについては、おっしゃるとおり、ドラフトではございますけれども、少なくとも各国レビューは済んでおり、SIARのドキュメントに載っているのは、このモンサント社の実験がそのままで記載されています。ですので、もうちょっと調べさせていただきまして、こちらの専門委員会で再度論じていただければと思います。

○村岡委員長 ありがとうございます。
 いろいろと御意見いただいておるところですが、この議題は、新たな知見についてということで、こういう知見がありますよということについて皆さんから御意見いただいたところです。御意見の主なものは、使ったデータの文献、その他から見て、その事実関係はどうかとか、あるいは引用の信頼性はどうかとかいうことがありましたし、その一方で、林先生ですか、言われましたような新たな知見もないわけではないというふうなことですが、今、事務局がおっしゃいましたように、いろいろこれから調べて、もう一度、専門委員会で御議論いただくということですので、この最後の指針値の 0.2というのも、特に今ここで認めていただく必要もないかというふうに思いますので、専門委員会の方の議論を待って、また次の機会にこの場で議論いただくということにさせていただきたいと。よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、議題の5が終わりましたので、議題の6、その他でございます。その他ですから、多分、次回の専門委員会等々につきまして、事務局の御意見があろうかと思いますので、その辺のことについて、いかがでしょうか。

○瀬川補佐 次回の専門委員会でございますけれども、4月の上旬から中旬を予定しております。先生方の日程、別途お伺いをしておるところなんですが、なかなか調整が難しゅうございまして、また別途、事務局の方から連絡をさせていただければと思います。
 なお、当委員会の運営方針で、議事録を作成いたしまして公表することとなっておりますので、後日、事務局から議事録(案)を作成して各先生方にお送りいたしますので、御発言内容について御確認いただきますようお願いいたします。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 用意しました議題はここまでですが、12時の予定で、まだちょっと時間が早いんで、いつも時間が足らないのも困りますけれども、余るのも--難しいもんだなということですが、何かこの議会に……。
 どうぞ。

○中杉委員 資料7に直接は絡まないんですけれども、要監視項目について、毒性についての再評価というのはこれまでやられていると思いますけれども、要監視項目の調査結果の評価、これは、上に上げて、基準に上げる必要性の議論はやられてきて、これまで3つ上げているということになるんですね。今回も幾つか上げることに、多分なってくるんだろうと思うんですけれども、一方で、先ほどのp-ジクロロベンゼンが一つの例なんですけれども、基準を超えるものがない、あるいは一つのメルクマールとしての指針値の10分の1を超えるものが要監視項目対象だというふうになっていますが、それがずっと継続して出てこないというものについてはどういうふうに扱っていかれるのか、環境省の方のお考えをお聞かせ願えればと思いますけれども。

○瀬川補佐 ちょっと難しい御質問なのですけれども、今検討中の健康項目候補についてどうしていくのかというのは、おっしゃられました検出状況や、あるいは使用形態や、その他さまざまなものを勘案して決めていくのだと思います。他方、一般的に、環境基準や要監視項目にすると、卒業組がないのかなというふうな御質問がございます。環境基準項目であっても、過去に卒業した事例がございます。それは、我が国での生産がなく、公共用水域でも長い間検出がないものについて、環境基準からはずした、卒業させた事例がございます。中杉先生がおっしゃられたように、要監視項目を設定いたしましたのが平成5年。ちょうど来年度で10年を迎えることになります。水環境のリスクというのは、以前に比べるとだんだん減ってきているのではないかということもございますし、また、PRTRのように、事業場から出てくるものをダイレクトにつかまえる情報などもありますので、もう少し、卒業組というふうに一言で言えるのかどうかわかりませんけれども、そういったものも考えて、より実態的なというんでしょうか、必要なところにモニタリング等のリソースを振り向けていくようなことが必要だろうなというふうに思います。ちょっと漠然として大変申しわけないのですけれども。

○吉田水環境部長 すみません、ちょっと付言させていただきますと、先生御指摘、先ほどガソリンスタンド付近のというお話もございました。それで、私、今、もちろん、瀬川が申し上げたように、水の世界というのは、環境基準項目なり要監視項目なり要調査項目がそれぞれ階層的にできておりまして、柔軟に、その汚染物質のリスクに応じて管理ができるようにという、仕組みとしてはよく考えてきているとは思います。ただ、いずれにしても、全国一律で物を考えてことを進めるのが効率的な場合と、むしろ、エピソード的な状況を勘案して、発生源に肉薄した管理というものを考える場合、それは規制という意味じゃなくてですね。その両方の指標というようなものをこれから整備していくという余地もあるんじゃないかな。
 それから、今後の、今回、人の健康に関する環境基準のレビューというお願いをしておりますけれども、その一連の作業の中で、今後の要監視、要調査のあり方ということについても御意見を広く承って、私ども、より柔軟性の高い行政の展開に役立てていきたいと思っているわけであります。

○村岡委員長 林委員、どうですか。

○林委員 一つお伺いします。WHOの飲料水水質ガイドラインは、指針値に、暫定的とかプロビジョナルという言葉を時々お使いになりますけれども、プロビジョナルには、いろいろな意味がありますもんですから、これは水の場合にはどういう扱い方をしているか、お聞きしたい。例えば、安全性のデータが不十分だから、控え目な値を一応指針値にして、それを暫定値とするという例と、もう一つは、本当はもっと対策を進めて、もっと小さい値にしたいけれども、現在の対策の状況ではこのくらいでいいだろうという暫定と、2つあるんですね。食品の場合には、後者の場合には、暫定という言葉、プロビジョナルを使って、前者の場合、データが不十分な場合、これはテンポラリーという言葉で使い分けるんですけれども、水の場合にはどうなのか、教えて下さい。

○村岡委員長 じゃ、眞柄先生の方から。

○眞柄委員 今の林先生の御意見を伺って、4月の上旬に最後のミーティングがありますので、そのときに、この際、テンタティブと使い分けようじゃないかというふうに発言をしますので、ワーキンググループの人たちがどういうレスポンスをしてくれるかわかりませんけれども、確かに、健康影響リスクの不確かさと、それから処理性なり、あるいは測定法上の限界と、両方、同時に使い分けているというのはもうおっしゃるとおりですので、どっちをどっちが維持するかというのは、ちょっとワーキンググループの中で議論してみたいと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。
 それから、ついでに私も一言申し上げたいのは、先ほど長谷川先生がおっしゃったように、要するに、不確実ケースをとるときのルールが、WHO、UNEPと、それからEPAと大分違うわけで、体表面積修正をするかしないかというのも随分大きな議論になって、それもまだ国際的にもセットされていないという状況がありますので、できれば我が国で、要するに、不確実ケースをどうするか、それから体表面積修正をするかしないかというようなことについて、国際的なEnvironmental Health Criteriaにも出ておりますけれども、では、我が国としては、どういう場合にどうするかというようなことをぜひ環境省なり、あるいは今度の食品安全委員会になるかどうか知りませんが、そこらあたりでルールを決めていただかないと、お互い、環境省も厚生労働省も、みんなもう混乱して、困ってしまいますので、それも確かにケース・バイ・ケースはありますけれども、やはり我が国としてのどういう原則に基づいて不確実ケースなり、あるいは体表面積修正をするかしないかとか、その辺のやはりルールを、英語では国際機関のドキュメントとして出ていますけれども、日本語として、役所として出ていませんので、それをぜひ関係のところで御相談をしていただいて、早急に決めることが、将来、環境基準なり、あるいは水道の基準なり、あるいは食品の基準を決めるときに大事なことですので、国としてぜひ取り組んでいただきたいと思いますので、一言申し上げます。

○村岡委員長 須藤委員、ございますか。

○須藤委員 二分で、それじゃ。時間があるとおっしゃったので、ここの議論、この委員会での議論ではないのはよく承知しているんです。一度、前にも申し上げたことがある問題です。今は人の健康についての環境基準を決めているのですが、まだ決定はしていませんけれども、水の中にいる生物保全の環境基準を決める。そういう場合には、当然、ここに出てくるような重金属を初めとして、いろいろな有害物質が出てくるんですが、そのときに、今のような要監視項目なんかももちろんありそうである、環境基準もありそうである。今は決定していませんから何とも申し上げられないんですが、これが、項目が別だったらいいんだけれども、人の健康基準がこうである、生物の保全基準がこうである。生物の保全基準が低いときが、やはりこれは問題になります。それから、類型当てはめを一応考えていますから、全国一律はないんだけれども、要監視項目なんかの場合だったら、もしかしたら全部一律にしなくちゃいけないと。そんなことになったときに、多分、私自身は、現場を預かる立場もあるとすごく混乱をするんではないかなと思います。これは生き物のためよ、これは人のためよと、こうなるんです。項目は同じで基準値が違う。そのときには生物に合わせるのかもしれないんだけれども、要するに、今の段階から考えていただきたい。多分、今年中には生き物の環境基準か、あるいは要監視項目ができるだろう、という前提が必要です。。
 そうなったときに、今のうちから、どうやったらいいのか。基準値はもう既に用意されていますから、これは、その委員会なり水環境部会でよろしいとおっしゃれば、それは当然できるんですが、項目が同じものも多分あるでしょうということになるんです。そういうこともありますので、人のためにこの地球はあるわけではなくて、生物のためにもあるわけなんで、そのあり方を全体的にやはりやっておかないと、多分モニタリングを含めて混乱をするだろうと思いますので、今のうちからぜひその辺のところを、お手伝いする立場から申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○村岡委員長 ありがとうございました。
 いろいろ興味ある御意見いただきまして、どうもありがとうございます。
 それでは、次回は4月上旬ということでございまして、その間、事務局にいろいろと委員の先生方から御指示、あるいは御指導いただくこともあるかと思いますので、そのときにはひとつ御協力のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の専門委員会はこれで閉じさせていただきます。どうもありがとうございました。

午前11時50分閉会

ページ先頭へ