中央環境審議会水環境部会 ダイオキシン類環境基準専門委員会(第1回)議事録

1.日時

平成14年2月5日(火)10:00~12:00

2.場所

環境省第1会議室(22階)

3.議題

(1) ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち水底の底質の汚染に係る環境基準の設定等について(諮問)
(2) 平成12年度ダイオキシン類常時監視結果について
(3) 平成11年度ダイオキシン類実態調査結果の解析結果について
(4) 文献調査結果について
(5) ダイオキシン類の底質除去対策に係る検討状況について
(6) その他  

4.配布資料

資料1   中央環境審議会水環境部会ダイオキシン類環境基準専門委員会委員名簿
資料2中央環境審議会水環境部会及び専門委員会の運営方針について
資料3ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち水底の底質の汚染に係る環境基準の設定等について(諮問)
資料4中央環境審議会水環境部会の専門委員会の設置について
資料5平成12年度ダイオキシン類常時監視結果について
資料6平成11年度公共用水域等のダイオキシン類調査結果等の解析結果について
資料7文献調査結果
資料8ダイオキシン類底質対策について
参考資料1 ダイオキシン類対策特別措置法(抜粋)
参考資料2諸外国での設定事例について(概要)  

5.議事

【田中補佐】 それでは定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第1回ダイオキシン類環境基準専門委員会を開催させていただきます。
 本日は委員14名のうち、既に11名の委員の方々に出席いただいておりますので、委員会開催の要件を満たしております。
 まず議事に先立ちまして、石原水環境部長より一言ごあいさつを申し上げます。

【石原水環境部長】 本日は御多用の中、本専門委員会に御出席を賜りまして、大変ありがとうございます。
 また、日ごろから水環境行政につきましての格別の御指導を賜っておりまして、この場を借りまして御礼を申し上げます。
 ダイオキシンに係る底質の環境基準ということで御論議をお願いするわけでございますが、平成11年に水質部会で水質環境基準の審議が行われた際におきましては、短時日での設定は困難ということで設定が見送られたという経緯がございます。しかしながら、底質がダイオキシン類のストック媒体ということでございますので、底質の環境基準というのは非常に緊要な課題ということになっております。市原港でも見つかったりとか、富山の富岩運河とか、いろいろございます。そういう形での底質にストックされているというような状況もございます。
 環境省では、11年度に得られました測定データの解析をもとに、さらに関連する情報の収集に努めてまいりました。また、12年には常時監視結果を公表したところでございます。さらに、高濃度に汚染された底質が見つかった自治体におきましては、除去等の検討に着手しております。そういう意味での対策の数値目標ということも必要性も高まってきております。このような状況におきまして、昨年の12月、先々月でございますが、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうちの底質の汚染に係る環境基準の設定ということで、中央環境審議会に諮問したところ、本専門委員会で御検討いただくということになりましたので、ぜひ御検討の上、報告をおまとめいただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 簡単ではございますけれども、底質の環境基準の検討についてのお願いを申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。
 ちょっと私、この後すぐ別の件がございまして、大変申しわけございませんが、このあいさつの後退席させていただきますけれども、よろしくお願いいたします。

【田中補佐】 昨年12月25日に開催されました中央環境審議会水環境部会におきまして、このダイオキシン類環境基準専門委員会が設置されております。本日はその第1回の委員会でございますので、まず委員の御紹介をさせていただきたいと思います。
 こちらからですが、左側の先生から御紹介させていただきます。
 酒井委員でございます。
 鈴木委員でございます。
 田辺委員でございます。
 豊田委員でございます。
 村岡委員長にお願いしております。
 中杉委員でございます。
 中西委員でございます。
 細見委員でございます。
 宮崎委員でございます。
 宮田委員でございます。
 山田委員でございます。
 それから、本日は御欠席でございますけれども、この委員会の委員として国包委員、田邊潔委員、森田委員にも委員会の委員をお願いしておることを御紹介しておきたいと思います。
 それから、環境省側もあわせて御紹介をさせていただきますが、先ほどごあいさつをさせていただきました水環境部長の石原でございます。
 それから、今日ここに幹部だけ御紹介させていただきますが、水環境管理課長の仁井でございます。
 ダイオキシン対策室長の関室長でございます。
 次に、議事に入ります前に、本日お配りしております資料について確認をさせていただきたいと思います。
 資料の1枚目に、議事次第の下の方に配付資料のリストがあるかと思いますけれども、資料として8点、委員名簿、運営方針、諮問、それから専門委員会の設置、12年度の常時監視結果、11年度の結果、それから7が文献調査結果、ダイオキシン類底質対策、資料1から8まで。それから参考資料として2つほどお手元に用意させていただいておりますけれども、過不足等ございましたら事務局の方にお申しつけいただければと思います。
 よろしいようでしたら議事に入らせていただきたいと思います。
 水環境部会におきましては、本専門委員会の委員長を村岡先生にお願いすることとなっております。それでは、以下の進行を村岡委員長の方にお願い申し上げます。

【村岡委員長】 委員長を務めさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず最初に取り上げておきたいのは、本委員会の運営方針でございます。これは中央環境審議会におきまして、各部会及び専門委員会の会議の運営方針につき、中央環境審議会の総会の決定によりまして各部会の部会長が定めることとなっております。昨年9月に開かれました水環境部会におきまして、部会の運営方針とあわせ、専門委員会の運営方針につきまして決定されておりますので、これにつき、共通の認識を皆様に持っていただく必要があると考えます。
 まず事務局から説明願います。

【田中補佐】 それでは御手元の資料2をご覧いただきたいと思います。
 資料2の1ページ目、これが13年9月27日の水環境部会長決定でございます。水環境部会及び専門委員会の運営方針についてということで御決定いただいております。
 ここで下の方の2のところをご覧いただきたいのですが、専門委員会の運営方針についてというふうになっております。ここでは、「専門委員会の運営方針は、中央環境審議会議事運営規則によるほか、総会決定1及び2並びに上記の部会の運営方針に準ずるものとする」ということでありまして、つまり水環境部会の運営方針にのっとって専門委員会でも御議論をいただきたいということで、決定をいただいております。
 その水環境部会の運営方針について簡単に御説明しておきたいと思いますが、その資料の8ページ目に、これは中央環境審議会全体の総会決定でございますが、全体の運営方針についてということで、中央環境審議会新審議会が発足して1月15日に総会決定をされているものでございます。
 簡単に御紹介いたしますと、1として会議の公開及び出席者についてということでございまして、(1)のところで、総会は公開であると。部会については原則として公開するものとし、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合、特定の者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれがある場合、または特定の野生動植物の保護に著しい支障を及ぼすおそれのある場合、こういった場合には部会長は部会を非公開とすることができるとされております。
 会長または部会長は、会議の公開に当たり、会議の円滑かつ静穏な進行を確保する観点から、入室人数の制限その他必要な制限を課することができるということになっております。
 代理出席につきましては、これは認めないということになっておりまして、欠席した委員、臨時委員及び専門委員については、事務局からの資料送付等により、会議の状況をお伝えするということにされております。
 9ページの方の会議録等についてでございますが、まず会議録の内容につきましては、会議録は発言内容を正確に記載するものとするとされております。
 また、会議録の調製に当たっては、当該会議出席委員の了承を得るというものになっております。
 また、会議録は当該会議に属する委員等に配付するものとするというふうにされております。
 それから公開の件ですが、公開した会議の会議録は公開するものとする。また、非公開とした会議の会議録であっても、部会が認めたときは公開するという扱いになっております。
 会議録とは別に、総会及びすべての部会の会議について、議事要旨、これは少し簡単なものですが、議事要旨を公開するものとするということになっております。
 公開した会議の会議録及び議事要旨の公開は、環境省ホームページへの掲載及び環境省閲覧窓口への備えつけにより行うものとされております。
 以上の1、会議の公開と出席者について、2、会議録、それから議事要旨、この2点について総会決定されておりまして、これにのっとって審議が行われることになっております。
 それから1ページに戻っていただきたいのですが、今申し上げました総会決定を補足する形で、水環境部会の運営方針というものがこの1ページの上の方のところでございます。
 I、部会の運営方針についてというところでございますが、まず会議の公開及び出席者について、先ほどの総会決定にありましたように、会議を非公開とするときは、部会長はその理由を明らかにするということなっております。
 それから会議録等につきましては、会議録の調製に当たっては、当該会議に出席した委員、臨時委員及び専門委員から明示の了承を得るということにしております。その後、原則として次回の会議において公開するものとするということにされております。ただ、長期にわたって次回の会議が開催されないことが予想される、そういう場合につきましては、次回の会議の開催を待たずに、明示の了承を得た後に公開するということとされております。
 それから、会議録の公開の場合ですけれども、公開する場合には発言された先生方のお名前をあわせて記載するということになっております。
 公開した会議録以外の会議録は、審議会の委員等以外の者は閲覧できないものとされております。
 それから、議事要旨の方ですが、これにつきましては、事務局において作成し、部会長の了承を得て公開するということになっております。
 それから、会議の資料の公開でありますけれども、審議中の答申または意見具申の案文、非公開を前提に収集したデータが記載されている資料、関係者と調整中の資料、その他の公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料、または特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがある資料、これらにつきましては、部会長は「委員限り」である旨を明記した上で、非公開とすることができる。それ以外の配付資料については、部会終了後公開とするというふうに、資料の公開について扱われております。
 以上が総会、それから水環境部会の運営方針でありますが、冒頭申し上げましたように、下の専門委員会の運営方針についてというところにありますように、水環境部会のそれぞれの専門委員会におきましても、以上の運営方針にのっとって、それに準ずるものとして検討、審議をお願いしたいということでございます。
 以上で説明を終わります。

【村岡委員長】 ありがとうございます。
 ただいまの御説明で何か委員の先生方から御意見等ございますか。よろしいですか。それでは、当専門委員会におきましては、この運営方針に従って進めることといたします。
 なお、そういうことで本日は公開の委員会ということで行っております。
 それでは、用意されました議事に入りたいと思いますけれども、議題1は、大臣からダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち、水底の底質の汚染に係る環境基準の設定等について諮問がございまして、これにつきまして本委員会で審議を行うこととなっております。
 まず、事務局からこの諮問の趣旨等につきまして、御説明いただきたいと思います。

【瀬川補佐】 それでは諮問の趣旨に関しまして、簡単に説明をさせていただきます。
 資料3に諮問文をつけております。諮問文は、ダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁のうち水底の底質の汚染に係る環境基準の設定等について、環境基本法に基づき、ダイオキシン特措法に基づく水質汚濁のうち水底の底質の汚染に係る環境基準の設定について、中央環境審議会の意見を求めるというものでございます。
 諮問理由として簡単に示しておりますのは、ダイオキシン類による環境の汚染の防止、これを目的にいたしまして、ダイオキシン類に関する施策の基本とすべき基準、これは環境基準でございますが、これを定めることにより、国民の健康の保護を図ると、こういったことを目的として、そもそもダイオキシン特別措置法が制定されております。水質、大気、土壌といった他の媒体につきましては、既に環境基準が設定されておりますが、水質の御議論のときに、水底の底質については短時日では設定が無理ということで残っておりました。これについて、政府としては法第7条に基づき、ダイオキシン類の水質の汚濁のうち底質の汚染に係る環境上の条件について定める必要がある。
 諮問理由としては以上でございます。
 裏に付議文の方をつけておりまして、中央環境審議会から当該専門委員会にお願いをしております。
 資料4に、専門委員会の設置についてということで水環境部会決定を添付しております。12月25日に既にダイオキシン類環境基準専門委員会の設置につきましては、御了承いただいておりますので、設置要領をここに掲げております。
 簡単ですが、以上でございます。

【村岡委員長】 ありがとうございます。何か御意見等ございますか。ないようですので、それでは次の議題に進めさせていただきます。
 (2)でございますが、平成12年度ダイオキシン類常時監視結果についてでございます。本日、第1回の委員会でございますので、この議題のほか、あと幾つか基礎的な資料の説明が事務局からございますが、委員の先生方、それぞれ御専門の立場からいろいろと御意見を賜りたいと思っております。よろしくお願いします。
 それでは、この議題につきまして事務局からまず御説明いただきたいと思います。

【茂木係長】 それでは、資料5について説明させていただきます。
 ダイオキシン類対策特別措置法に基づきまして、都道府県知事及びダイオキシン法政令市の長は、大気、水質(水底の底質を含む)、土壌のダイオキシン類による汚染状況を常時監視いたしまして、その結果を環境大臣に報告することになっております。
 平成12年度に都道府県等が実施いたしました常時監視の結果、これが環境大臣に報告されたものについて取りまとめたものでございます。
 このうち、公共用水域の水質及び底質に係るダイオキシン類の調査結果について報告させていただきます。
 平成12年度の常時監視結果は、ダイオキシン類対策特別措置法施行後の第1回目の常時監視結果の取りまとめになっております。
 公共用水域の水質及び底質につきましては、環境基準超過地点数、全国の調査地点における平均値及び濃度範囲を示しております。平均値は、各地点での年間平均値の平均値でございまして、濃度範囲は年間平均値の最小値及び最大値で示してあります。
 13ページをちょっとご覧ください。公共用水域の水質測定結果でございます。
 2,116地点のうち、83地点で水質環境基準を超過しておりました。83地点のうち、80地点で河川、2地点で湖沼、1地点で海域で超過しております。また、平成11年度と比較いたしますと、濃度範囲は広がり、平均値は高くなっております。これにつきましては、これまでの環境省が実施してきました調査地点数に比べると約4倍くらい、非常に多くの調査地点で調査されておりしまて、この中に濃度が高い地点も判明しているということでございます。また、過去の調査結果でダイオキシン類の汚染が判明した地点を考慮して、自治体が調査を実施しているところもございますので、この影響によるものではないかと考えております。
 こういうことで、一概に平成11年度の調査結果と比べまして、環境中の濃度が高くなったというようには考えておりません。これまで以上に多くの地点での実態が明らかになったのではないかと考えております。
 15ページをご覧ください。公共用水域の底質の測定結果でございます。
 1,836地点で測定が行われまして、濃度範囲では1,400ピコグラム-TEQ/グラムという極めて高い濃度が検出されております。水質と同様に、調査地点の大幅な増加により濃度範囲は広がり、平均値も高くなっております。これもやはり水質同様なんですけれども、これまでの調査結果から、調査地点を自治体は考慮して選定されていることから、これらの影響によるものではないかと考えております。
 環境基準が超過したような地点につきましては、各地方公共団体において、所要の調査、あるいは対策について検討されております。また、既に対策が行われているところもございます。平成13年以降の常時監視についても、これらの結果を踏まえまして、調査地点が決定されるのではないかと考えております。
 公共用水域の調査結果については以上でございます。

【村岡委員長】 ありがとうございました。それでは何か御質問とか御意見がございましたらよろしくお願いします。

【宮田委員】 河川の方で高いところは、48ピコという数字があるんですけれども、こういう場合には何が一番原因になっているわけですか。汚染源としてはどういうような感じですか。

【茂木係長】 48ピコのところは、福岡県の大牟田川になりますけれども、河床から油玉が浸出していまして、その油玉を福岡県が分析したところ、39万ピコグラム/グラムという、高濃度のものが滲出しておりました。福岡県は、河床の目地止め工事を12年8月に行いまして、その結果、目地止め前は93ピコグラム-TEQ/リットルの環境中の水質濃度でございましたが、目地止めの結果、33ピコグラムに落ちております。この油玉が原因ではないかと福岡県の方では考えております。

【宮田委員】 もう1点よろしいですか。この油玉というのは、PCB由来の汚染みたいな形なんですか。それとも全く別物でしょうか。

【茂木係長】 成分については現在調査中ということになっております。

【村岡委員長】 ほかに何かございますか。

【中杉委員】 直接この資料にはかかわらないのですが、次のところでもう解析結果の議論に入るようなので、少し環境省のお考えを確かめておきたいことが一つあります。
 といいますのは、底質の環境基準の性格をどう考えるかという問題が非常に重要だろうというふうに思っております。これは大気だとか水の環境基準というのは、それが直接口の中に入るという観点で考えるべきだろうと思っておりまして、土壌のダイオキシンの環境基準というのは少し性格をこれとは異にした形でつくられているかと思いますけれども、今回の底質の環境基準というものをどう考えるか、そこら辺のものは最初に少し議論をしておく必要があるんだろうと。同床異夢で議論をしていって、最後に違っているということは非常に不都合ですので、最初にその性格づけをはっきりさせてから議論をしていくのがいいのではないかと思います。次にもう解析結果の御説明をいただくので、それを聞くときにも、そこら辺のところをはっきりさせてから聞かせていただくと、より理解が深まるかと思いますので、環境省の方でどうお考えになっているのかまずお聞かせ願えませんか。

【村岡委員長】 ただいまの御意見は、本来先ほどの大臣の諮問の内容をどういうふうに受けとめるかということの議論かと思います。確かにおっしゃるとおり、後の各資料、調査資料等の内容に入る前に、とりあえず環境省としての取り上げ方について御説明いただきたいと思いますが。

【瀬川補佐】 それでは、現時点で事務局側で考えております内容について説明をさせていただきます。
 もちろん専門委員会の委員の先生方に御議論いただく内容ではございますが、事務局なりに考えた内容ということで紹介させていただきます。
 環境基準というのは、人の健康を保護する上で望ましい基準として定めるものでございますが、実態的には2つの性格を持っております。先ほど、中杉委員御指摘のように、大気や水といった媒体に関しましては、環境基準という環境政策の目標があり、これを達成しているかモニタリングしている。そして、別途規制基準がそれぞれにあって、その規制をしている。いわば、その環境基準を環境のモニタリングに使用していると、そういう意味でちょっと大胆にここではモニタリングのための基準というふうに便宜上呼ばせていただきます。
 他方もう一つ、同じダイオキシンでございますけれども、土壌のようにストック媒体であって、そこから動かないものに関しては、対策をとるための基準として環境基準が設定されている。ですので、環境基準といった場合に、ほかの媒体を見る限りは、その基準の性格としては2つあると。モニタリングのための基準と対策のための基準、この2つがあるということをまず申し上げておきます。
 翻って、底質に関してどう考えるかということなんですが、底質については大気や水に似た性格と、そして土壌に似た性格と両方を持ち合わせております。つまり、大気や水に似ているという意味では、わずかずつではありますけれども、表層に上流から土砂が流入することによって、きれいな土砂であれば底質の汚染がだんだんと低減されていく。そういう意味で、フローの、フローといいましょうか、一次汚染と申しましょうか、そういった性格がある。他方、そこにあって物理的な浚渫作業なり何なりを講じないことには、その汚染が抜本的にはなくならない。そういう意味では、土壌に似た性格を持っております。
 では、具体的にその2つ、どちらの考え方で設定するのかということなんですが、対策基準として設定する場合には、基準超え即対策ということで非常に明確であるということ。これは、もちろん即対策というのは、汚染が見つかったから明日すぐ対策をしてくれということではなく、ここが対策が必要なぐらい汚染されている場所だということがすぐわかるという意味で非常に明確であるということが言えます。ただし、ほかのフロー媒体、フロー媒体とここで申し上げるのは大気や水質といった、先ほど大胆にモニタリング基準と申し上げましたけれども、そういった環境基準とは全く異なる考え方に立つのだということをまずはっきりさせる必要があると思っております。
 対して、モニタリング基準として設定する場合、これは底質でこれぐらいの濃度というものを超えた場合に一体何をするんだろうかということが若干不明確であるという点が挙げられると思います。つまり、対策を講じなければいけないけれども、水や大気といった規制をこれ以上にやっていくのか、あるいは浚渫をしていくのかといった、その規制が若干不明確であること。また、いずれにしろ、土壌のようなストック媒体としての汚染という観点ですと、モニタリングの基準があったとしても、別途対策のための基準が必要になってくると。あるいは、モニタリングのための基準として設定されたとしても、そこまで対策を実施するというようにとられる可能性もあると。
 こういったことを考えますと、やはり土壌に似た点をつかまえまして、対策基準と設定する方が合理的ではないかというふうに考えております。つまり、いかにフロー的な意味合いも持つ媒体であるとはいえ、つまり底質の場合は間接暴露であって、水や、あるいは魚といった2つの経路からしか人の健康に害を及ぼす可能性はないわけですけれども、そういった面を見ますと、そこにあることによって水を汚染する、あるいはそこにあることによって魚に食べられて何らかの影響が出るということを考えると、ストック汚染として考える方が合理的であって、土壌のように対策基準として環境基準を位置づける方が合理的ではないかと、このように現在のところ考えております。

【村岡委員長】 ありがとうございました。底質の環境基準の性格というものを事務局側の意見のまとめとしてお話しいただいたわけです。実は、こういう性格をはっきりさせて、そしてまたその後でいかに環境基準を設定していくかという手法の問題に入るかと思うんですけれども、そのあたりは後ほどまたいろいろと資料を検討した後で、今日できるか、あるいは後日の問題になるかわかりませんが、進めることになろうかと思います。
 今、基準の性格ということで御説明いただきましたが、その辺りで何か御意見ございますか。

【中杉委員】 基本的には私も土壌の環境基準の設定根拠は直接摂取なので、むしろ土壌の環境基準というのは大気と水と同じような意味合いがあるんですけれども、実際には対策基準として出されている。ただ、底質の場合には直接底質を口に入れるわけではない。間接的なということで、暴露を考えるとやはり、いわゆる大気や水の基準とは異なって、水質に影響を及ぼすという点では排ガスとか排水の基準と同じような対策基準というような考え方が適当ではないかなというふうに思います。
 それともう一つ、今事務局の御説明になかった点なんですけれども、大気や水と暴露という面で考えて変わる点というのが、大気や水というのは、もうそのところで暴露されるといいますか、その場所のものをそのまま暴露されるということなんですけれども、底質の場合には、一応魚を通じてということが一つの経路となるということで考えていきますと、魚を通じてというのは必ずしもその場所の魚を食べるわけではなくて、流通をした全国的ないろいろなところの魚を食べる。海外から入ってくるものも含めて、そこら辺を少し考慮して、何かどこか1点で、全部の点でといいますか、どう言ったらいいですかね、ある一定のものを集中的に食べるというわけではなくて、比較的満遍なく食べてくるという、そういうふうな考え方を少し取り入れて議論をしていかないといけないであろうというふうに思います。

【村岡委員長】 ほかに関連した御意見ございますか。

【中西委員】 今、中杉委員から御意見出されましたけれども、ある一定のものを食べるわけではないということも考えなければいけないと思うんですけれども、何よりも、私ども今このダイオキシンだけではなくて、カドミウムとか、その他いわゆる過去の汚染といっていいかどうかわからないんですが、過去の汚染が食物を通して入ってくるという問題はたくさん抱えておりまして、それをどうリスク評価するのかということが非常に大きな課題に、これは日本的な課題になっているというふうに私は認識しております。
 というのは、ある種簡単な、新しいそのものが外へこれから出るというときのリスクの考え方と、既にあって、長いことそれに生産者もかかわり、みんなも食べてきたものを規制するというときの考え方というのは相当違わないとならないということ。こういうリスクの、環境基準を決めるというときには、表には自然科学的な知見だけが出やすいけれども、実際は誰もそういう社会的な影響とか歴史的なものとかを考えているんですね。それを表に出さないために、ある場合科学というものがすごく任意に、非常に信頼を失うというようなことがあるというふうに思うんです。
 私は、やはりこういうようなものは社会的な影響とか何か、費用とか、それからあと今言われている風評被害とか、そういうようなことも含めてやはり考えていくんだということをひとつ入れていただきたいと思うんですね。何かそういうものを全部脇に置いておいて、これが科学ですよと。そうすると、一つの委員会で出てくる科学と別の委員会で出てくる科学が違ってしまうということがあると思うんです。やはりリスク評価というのは、自然科学と人間だとか生活だとか、そういうものをどうやって調整していくかというところなので、是非ともそういう視点が必要だというふうなことを言いたいです。

【村岡委員長】 ありがとうございました。ほかに基準の性格につきまして御意見ありますか。

【鈴木委員】 今、中西委員が言われたのは、マネジメントの観点かなと私は理解したんですが、もう一つ基準設定の技術的な点から考えると、底質とか土壌は2次発生源であり、発生源としての考えが必要であると思います。大気とか水とかはそれ自体が発生源ではなくて、発生を受けた媒体で、完全に環境側の立場ですので、底質とか土壌の2次汚染に関しては、環境に対する規制という観点とともに、それ自身が発生源であるという2次汚染としての観点が入ってくるのではないかなと私としては思っています。それは多分基準の性格の中にある程度反映されてくるという可能性があるのではないかと思っています。

【村岡委員長】 ありがとうございました。いろいろと貴重な御意見をいただきましたが、そういった難しさがあるんだということ、それから取り上げる方法等につきましていろいろ考えないといけない問題があるんだと。そういう認識をとりあえず今していただきまして、また後日詳細な検討のときに今の御意見を反映させていただきたいというふうに思います。
 それでは、先ほどの資料5につきましてほかに御意見ございますか。環境調査ですけれども。結果ですが。

【中西委員】 先ほど、宮田委員の質問に対してのお答えで、異性体についてはまだわからないという話でしたが、わからなくてTEQが計算できるわけがないわけですよね。こういうものが委員会に対して公表されないというのはおかしいと思うんですが、いかがですか。

【茂木係長】 こちらの方で細かい異性体のところまでちょっと自治体の方から報告を受けていなかったもので、御説明不足でございました。

【中西委員】 では、ここで請求するということを決めれば請求していただけるんですか、データは。

【茂木係長】 はい。

【村岡委員長】 これはできると思います。

【中西委員】 お願いします。

【村岡委員長】 わかりました。事務局は今の御説明で、今の段階ではそういうことだということで、それ以上の説明はありますか。

【仁井課長】 今の中西委員のは、48ピコが検出されたという、ここの高濃度の部分についてということですか。

【中西委員】 特に欲しいですが、ほかもどうでしょう、こういうようなもの。少なくともかなり。私は全部出していただきたいんですけれども、だめですか。

【仁井課長】 全部ということになると、多分事務量からしてどうかという。

【中西委員】 そうしますと、ある基準を超えたところというような区切りはいかがでしょうか。

【仁井課長】 ある程度のところということで。

【中西委員】 ある程度の高いところという。

【村岡委員長】 では、その件につきましては、次回にそういったダイオキシン類の内容につきましての調査事項につきまして、資料を御準備いただきたいと思います。
 ほかに調査結果について何かございますか。

【宮田委員】 中西委員が言われたことと関連があるのですが、これから河川等の底質の基準というような対策基準を設定していくこととなります。その場合に、高濃度というのはどの程度の濃度までを指すのかは不明ですが、底質には極めて高濃度のものもあります。このような場合には、汚染源との関連性が重要です。そういう意味で、底質につきましても汚染の組成がわかるような資料があればと思っております。

【村岡委員長】 ごもっともな御意見だと思いますが、特にやはり注目するのは高い濃度だと思うんですけれども、資料の御説明の中で、当然、事務局が把握されている点もあろうかと思いますので、そういう説明も加えてほしいと思うんですが。とりあえず今の調査結果の中で、特に高かったというふうなところにつきまして、その汚染源がどうだとかこうだとか、何かそれにかかわる情報はお持ちでしょうか。まだ整理ができていないというならまた次でお願いしますけれども。

【瀬川補佐】 底質に関しましては、資料6の中で上位約15件ぐらい。これは要するに、全部県に異性体濃度をヒアリングでやらなければいけなかったものですから、15ぐらい選んだというだけで、別にこれが基準になるということではございません。全くそういうわけではないのですが、コプラナーPCBとダイオキシン類、フラン類で分けた表を作成しております。5ページになります。ですので、今のところ事務局で都道府県にヒアリングをして把握しているのがこの表ですので、また別途説明をさせていただきますが、これ以上に何かということでしたらまた承って、次の専門委員会までに用意したいと思います。

【村岡委員長】 それでは後ほどまたこの資料6に触れられるかと思いますので、宮田委員、それでよろしいですか。
 ほかにございますか。それでは、ひとまずこの調査結果にきまして、御議論いただけたということでどうもありがとうございました。
 議題の3に入ります。これは平成11年度ダイオキシン類の実態調査結果の解析結果についてでございますが、まず事務局から御説明いただきたいと思います。

【瀬川補佐】 それでは資料6に基づきまして、平成11年度公共用水域等のダイオキシン類調査結果等の解析結果についてということで紹介をさせていただきます。
 ここの資料につけましたものは解析の中の一部分でございますので、お求めに応じて幾つか別途資料を用意することも考えておりますのでお申しつけください。
 平成11年度の公共用水域調査につきましては、全国の公共用水域の水質、底質、それから水生生物に関して調査を行っております。地点の選び方は各都道府県ごとに環境基準点を基本として、大体10地点程度を選定してくださいということをお願いしており、この時点で底質の汚染については余り明らかではありませんでしたので、結果としてはランダムサンプリングであったということが言えると思います。
 この調査結果、一部平成12年度常時監視結果についても活用しておりますが、幾つか説明をさせていただきます。
 まず2ページ目が底質の濃度分布でございます。底質濃度につきまして、図1にダイオキシン、フラン類、コプラナーPCB及びダイオキシン類に関して分布を示しております。これを見ますと、大体ほとんどの底質というものが10ピコグラム/グラム。これは含有量でございますけれども、の中に入ってきております。なお、コプラナーPCBの含有率は平均値で9.2%、中央値で6.3%ということで、大体の目安としては全ダイオキシン類の大体1割ぐらいがコプラナーPCBと考えていただいていいのではないかと思います。
 次のページが3ページ目ですけれども、この平成11年度の底質濃度を対数表示したものになっております。対数表示をいたしますと、なだらかな山にはなっておりますけれども、対数正規性があるのだろうと推察ができます。ひずみ度、それからとがり度についても統計的に出しておりますけれども、これらを見ても正規性が示唆されるという結果になっております。
 参考に、4ページ目に平成12年度の常時監視結果をやはり対数表示をしてヒストグラム化したものをそこに示しております。こちらの方が山になっている部分というのが明確に出てきておりまして、対数正規性が示唆されるのですが、これは先ほど事務局の方からも説明しましたように、12年度常時監視につきましては、水、底質について、過去に汚染があったところというところもちゃんと測ってくださいというお願いをしております。この結果、やはり高濃度の地点が若干増えていまして、このヒストグラムのグラフでいきますと若干ヒストグラムが右側に寄っている、右側に流れているように見えます。ですので、実際に都道府県の方できちんと比較的高濃度のところを把握していただいたのではないかというふうに思っております。
 次のページ、5ページ目が先ほど宮田委員から御指摘ありましたダイオキシン、フラン、コプラナーPCBの割合についてということです。これは平成12年度の常時監視結果でコプラナーPCBの占める割合を示しております。地点の選び方ですが、全く便宜的ですけれども、150ピコグラム以上の非常に高いところというところで見ております。これは大体地点数が15から20ぐらい拾ってみようかということなので、数字についてその他意はございません。
 これを見ていきますと、例えば上から2番目の富山県富岩運河の地点につきましては、ダイオキシン類のうちダイオキシン、フラン類がほとんどを占めており、コプラナーPCBの占める割合は1.3%にとどまっております。この1,400というのが12年度常時監視結果のうち、最大濃度を記録したところでございます。
 他方、下から3つ目、和歌山、和歌山下津港でございますけれども、こちらは逆にコプラナーPCBの割合が95.9%と非常に高くなっております。
 先ほど、宮田委員ご質問の福岡大牟田川ですが、これについては底質のコプラナーPCBの占める割合を示しておりますので、水にどれぐらい入っているのかということはちょっと把握はできませんが、ちなみにここで申し上げれば、コプラナーPCBの占める割合は5.4%ということで、非常に低いところを通って非常に高いところを通る、底質の高濃度のところについては、ばらばらになっているような印象を受けております。
 次のページが、平成11年度の調査の水質の濃度分布でございます。このときも水質を調べておるんですが、やはり低濃度の方に偏っておりまして、平均値が0.238491ピコグラム/リットルとなっております。
 次のページ、7ページ目が生物中の濃度でございます。平成11年度調査につきましては、水生生物を幾つか漁場で釣ってきておりますので、それを魚種ごとに見ております。このソートの仕方なんですが、下から4つ目のアユまでは河川、あるいは湖沼といった淡水域の魚になっており、その上が海域になっております。海域区分の中、あるいは河川区分の中で、それぞれ脂肪重量を出しまして検討しております。上のコノシロが一番脂肪含有料が高く、海域の一番下のマダコが一番脂肪含有率が低いという形になっております。この中で白く抜けているところがコプナーPCBですが、コプラナーPCBの割合はやはり高く、低いものでマダコの40%、高いものではマアナゴの80%強ということで、かなりばらついておりますが、全体的にはコプラナーPCBが多いという結果になっております。
 次のページ、8ページ目にもう少し細かい情報を載せております。各生物種、魚類ごとに検体数、それから生息域を挙げております。検体数につきましては、少ないものでも河川のボラで10以上を記録しており、一番たくさん検体数がとれたものはマアジでございました。魚介類生息域ごとに相当してみることもしたんですが、回遊魚、底生魚といった区分では余り傾向が見られませんでした。
 次のページが9ページ目になります。ここからが底質と生物と水質の濃度関係ということで、相関関係その他を見ております。
 まず、水質濃度と生物濃度との関係ということで、これは水質の環境基準を設定していただいたときに、水から生物が濃縮を5,000倍から1万倍ということでとっていただいておりましたので、これについてどうなっているかを見たものです。
 図6は生物濃度を水質濃度で単純に割った数値の頻度分布でございます。これは検出限界以下を2分の1、下限値の2分の1として計算をしております。下限値未満を切り捨てにするという考え方もあるんですが、この場合の水質濃度は下限値未満を切り捨てた場合よりも、下限値の2分の1をとった方が高めに計算されます。データとしては高い方にシフトするような感じでございました。
 この図6で見ますと、中央値が2.634、平均値5.361でして、この数字を非常に単純に水質から生物への濃縮をあらわす数字だというふうに考えますと、この1,000倍をしていただきます。水は1リットル当たり、生物重量はグラム当たりですので、単純に1,000倍していただくと中央値で2,634倍、平均値で5,361倍となります。これらは11年に中央環境審議会で水質の基準を御議論いただいたときに設定した5,000や1万よりは小さい数字になっております。
 次が生物濃度と底質濃度の相関関係でして、これは次のページから図7から10に示しております。
 まず最初に傾向を申し上げますと、相関図からは底質濃度と生物濃度との間に相関係数が比較的小さいものではございますけれども、有意な相関関係が認められます。このため、底質のダイオキシン類の汚染が生物の汚染の一つの要因として考えられるということを示唆しているのではないかと考えております。
 まず、10ページが生物湿重量全体と底質のダイオキシン類散布図になっております。6個グラフがありますけれども、左側の一列3つはTEQ換算をする前、右側の一列がTEQ換算後になっております。TEQ換算する前の左側の一番下の図を見ていただきますと、ダイオキシン類で相関係数は0.385、有意水準5%で有意となっております。TEQ換算後はその右側になりますけれども、相関係数は0.324と低くなります。これは上のコプラナーPCBと比べていただきますと、コプラナーPCBの方はダイオキシン類よりも相関係数自体は少しよいような感じがします。
 次のページ、11ページからが河川、湖沼、海域、それぞれに分けた図でございます。つまり、同一水系平均、あるいは同一市町村内平均といったぐあいに整理をしていくともっと関係が明確に見えるのではないかということです。まず11ページが河川の同一水系平均でございます。やはり同じように、左側の列の一番下のグラフを見ていただきますと、相関係数は0.3ぐらいと比較的小さい数字。しかしながら、有意水準は5%になります。TEQ換算をしますと有意水準5%で棄却をされるという形になってまいりますが、ここでもコプラナーPCBに関しては相関が比較的高いという形になります。
 次のページ、12ページ目が海域のダイオキシン類の散布図になります。こちらの方はやはり左側の一番下の列、ダイオキシン類、TEQ換算前につきましては0.6の相関係数になり、コプラナーPCBについては0.7という形になっております。TEQ換算後も比較的よい相関がとれていると思われます。
 13ページ目が湖沼のダイオキシン類散布図になっております。湖沼に関しましては、同一湖沼内ということで平均をとってみたのですが、有意な関係を示したものというのはTEQ換算後のダイオキシン、フラン類、そしてコプラナーPCBなのですが、いずれもTEQ換算前に関しましてはどれも有意ではないという関係になっておりました。
 こうした関係を見ていきますと、繰り返しになりますけれども、底質濃度と生物濃度との間には相関係数が、比較的小さい0.3ぐらいと。相手がお魚でございますので、動き回る相手に対して底質というそのままそこにあるものとの関係を見たデータとしては、相関としてはいい、関係は非常に強いんだろうと思われますが、このグラフからトラディショナルなやり方で相関式をとり、一つの数値、基準値を設定するということについてどう考えればいいのか御意見をいただきたいところでございます。
 また、14ページでございますが、申しわけありません、ここは落丁がございました。先生方のところには差し込みの形になっておりまして、オブザーバーの方々には一番最後の、資料の一番後ろのところに1枚差し込んであると思います。底質濃度と水質1ピコグラム/リットルの超過確率でございます。これは同一地点で底質、そして水質、どちらもはかっていた場合に、底質濃度と水環境基準値では1ピコグラム/リットルの超過出現率を示しております。底質濃度を対数表示をしておりまして、逆にY軸1というのは、例えば水で1検体あって、それが1ピコを超えていれば1になりますし、5検体で5、全部5点超えていれば1となるという、そういう関係になっております。
 15ページが異性体別のLogPowの一覧を出しております。これは一般に水・オクタノール分配係数は生物への濃縮可能性の高さを示す指標としてよく用いられておりますし、またフランスでは底質環境基準を水質の環境基準から外挿して求めております。この際に、Pow、Kowですね、それと有機炭素濃度で補正した分配係数、Poc、またはKocの関係式、これを用いて、また底質有機炭素濃度を仮定して水の環境基準から底質環境基準を導出しております。こういった考え方もとり得るのではないかということでまずご紹介をしておきます。
 15ページに示しました表は、異性体別のLogPowの一覧でして、ダイオキシン類に関しましては6から8ぐらいの間に大体固まっております。本来ならここは溶解度別に分けて検討すべきなんだと思いますが、ちょっと資料間に合いませんでしたので、LogPowだけをここに示しております。
 次のページ、16ページは、それではLogPowがどれぐらいのときに生体に入っていきやすいんだろうかということを検討してみたグラフになっております。ここでは単純に生物中のダイオキシン類濃度を水質のダイオキシン類濃度で割るという作業をしています。これを見ていきますと上が水質、下は底質、底質の場合は、ですので生物ダイオキシン類濃度を底質ダイオキシン類濃度で割ったという形になっております。これは異性体ごとに割っておりまして、異性体ごとに、LogPowごとに示した図になっております。これを見ますとLogPowが比較的高い物質につきましては、余り生物内の濃度が高くなく、しかしながら底質や水のダイオキシン類濃度は高いということで、割合としては非常に低いところになり、山が大体7.1から7.2ぐらいのところに入ってまいります。7.1から7.2ぐらいに入るところは、異性体でいうと何かと申し上げると、コプラナーPCBのペンタからヘキサがちょうどそのあたりに入っていくということでございます。
 ただし、ちょっと不思議なのはLogPow6.9に当たりますのが126のペンタのコプラナーPCBなんですが、これに関しましてはなぜか、なぜかというふうに思うわけですけれども、余り底質ダイオキシンから水質ダイオキシン、あるいは水質ダイオキシンから底質ダイオキシンへの移行が平成11年度調査では余り見られなかったということで、私としても若干不思議だなと思っております。
 11年度の調査結果の解析結果のエッセンスについては以上でございます。

【村岡委員長】 ありがとうございます。解析結果につきまして御説明いただきましたが、いろいろご議論のあるところかと思います。よろしくお願いします。

【宮田委員】 まず、5ページですけれども、非常にダイオキシンが高い底質ですね、これについての解析ですが、コプラナーPCBだけ着目されているようなところがあります。しかし、この汚染源というのは大きく見ましたら4つぐらいに分かれると思うのです。確かにこのようなPCBに着目したような汚染が一つあります。それから、いわゆる漂白パターンというのがあります。ナイロンの原料なんかをつくるときに非常にたくさん発生するベンゾフランを中心とした汚染があります。
 それからもう一つは、焼却由来の汚染があります。さらに、農薬由来の汚染があります。また、その中間型もあると思うのです。そうしますと全体を占めてくるベンゾフランの比率、あるいはダイオキシンに対するベンゾフランの比率、こういうものも大事になってくると思います。このような追加資料があれば汚染源はより明らかになっていくのではなと思います。
 それからもう一つは、最後の15ページですけれども、ベンゾフラン、ダイオキシン、コプラナーPCBのLogPowの値についてですが、コプラナーPCBに比べてダイオキシン、ベンゾフランの方がはるかに大きい数字ではないかなと思っているんですが。出典によって値が変わってくると思います。ダイオキシン、ベンゾフランの方がコプラナーPCBよりも1オーダーか2オーダーぐらい高いデータも報告されております。取り扱う数値により16ページの解析結果が変わってくるのではないかなと思います。
 こちらの方でも幾つかのデータがありますので、お送りすることができると思います。中西先生の方でこのようなことについていろいろと調べられていますよね。

【中西委員】 やっています。

【宮田委員】 以上のように思うのですが、いかがでしょうか。

【中西委員】 私、ちょっとこの数値自体が適切か否かはよく分かりません。この前私ども一覧表を全部出しまして、整理して論文に出しているんですが、まだプリントされていないんですけれども、確かにちょっとこのコプラナーPCBのPowが大きいかなという印象はちょっとあります。ただし、私どものところで東京湾の底質と魚、いろいろな食物連鎖の段階の魚との濃縮ケース、解析いたしまして、Powだけではなくて、これに溶解度を加えると非常によく1本の線の中にのっていくという感じがあります。LogPowだけですと、やはり2つの山になってしまって、ダイオキシン類とフラン類と、コプラナーPCBとでは違った山になるのです。コプラナーPCBはLogPowが同じでも、魚への濃縮率が高いのです。そこに溶解度を入れますと、1本の線にのってくるという結果を得ています。ただ、溶解度自身もPowと関係があるというのが一般的な式ですが、やはり物質によってその式が、相関性が若干違うのではないかというふうに考えています。

【村岡委員長】 ありがとうございます。事務局で今の御意見に対する何かありますか。初めの宮田委員がおっしゃったダイオキシンとフランの内訳というのは、これは出ていますよね。

【瀬川補佐】 ダイオキシンとフランの内訳については、今すぐお見せすることはできないです。11年度の調査につきましては全部データがありますので、再度送付することは可能なんですが、もしサゼスチョンをいただければと思っているんですけれども、要するにのべつまくなしに解析しますと、このファイルで4冊ぐらいのデータを増やすことになりまして、どういう観点でフランとダイオキシンを分け、それを解析していったらいいのか、少し御示唆いただけると事務局としてはありがたいと思っております。
 それから、その汚染源を突きとめていくというときに、確かに異性体パターンでPCBなのか、あるいは漂白パターンなのか、あるいは焼却、あるいは農薬なのかということが突きとめられる場合も確かにございます。港湾内でそういった調査をやった結果というものもありますので、そういった結果などを見ながら、どういう解析をしたらいいのかということは考えたいと思いますが、私どもこれまでやはり魚に濃縮の高いコプラナーPCBはまずちゃんと分けなければいけないということで考えていたものですから、ダイオキシンとフランとを分けてどういった切り口で解析をしていったらいいか、少し教えていただけるとありがたいと思っております。
 それからPowにつきましては、確かに溶解度を考慮しなくてはいけないということで、それについては資料が間に合っておりません。幾つかもう少し文献を集めまして、整理した形で御議論をしていただこうと思っております。

【村岡委員長】 初めのあれで宮田委員、何かありませんか。

【宮田委員】 そうしましたら、こちらで考えているような感じで、幾つかこういうような意味を持つというので、そういうような比率の出し方、あるいはパターンの見方とかそういうことで、こちらから資料をお送りするようにして、そんなことにしようかなと思うんですけれども。典型的に先ほどの4つのことでは、全体に大きく見ましたら濃度的な比率が大きく異なって、もちろん中身の方を詳細に見ましたらさらに特徴があるんですけれども、少なくとも余り膨大なことになっても大変になっていくと思います。恐らく、そういう比率的なことで大体抑えられていくのではないかなと思っております。それで、またそちらの方の幾つか資料をお送りして、そういうような幾つかのとおりでここの汚染のパターンを同時警戒していってもいいのではないかと思ってはいるんですけれども。

【村岡委員長】 では、今の問題はまず宮田委員にいろいろ御指導いただくということで。

【中杉委員】 確かに宮田委員が言われるようなことも重要なのかもしれませんけれども、ダイオキシンの環境基準を考える上でという意味で考えますと、今の底質の汚染を未然防止するという意味では汚染源がどこであるかという原因にさかのぼってそれを解明するということは非常に重要なんですけれども、むしろ底質の中から例えば魚へどう移行するかという、環境基準を考えるとそこはどう汚染されているかということよりも、そこのものがどう動いてくるかということの方が重要なポイントだろうというふうに思います。事務局の方で可能であればやっていただくのがいいのでしょうけれども。全体としては、やはり私はここに書いてあるようなコプラナーPCBの比率がどうなのか、平成11年度についてももう少し比率の頻度分布みたいなものを出していただければいいのかなというふうに思っていますけれども。追加の情報があれば。

【田辺委員】 ここの大きな目的は底質の環境基準を定めるに当たって、底質と水、あるいは底質と魚の間に関係が出てくるかどうかということですので、私はこの程度のまとめ方でよろしいのではないかなと思うんですが。汚染源を見つけようというのが主たる目的ではないと思いますので。

【村岡委員長】 中杉委員もそのようなことで言われましたけれども、おっしゃるとおりではあるんですけれども、基礎資料としていろいろそういう観点で御議論いただいて、御指摘があるということは重要なことかと思いますので、記録にとどめたいと思います。
 何かほかに。

【中西委員】 宮田委員の汚染源を確定、私どももすごくそのことには関心があって、ぜひそういうことがわかるデータが欲しいというふうに常々思っているんですが、ただ今分析されている17の異性体及びコプラナーPCBだけで比率で出したものがどのぐらい正しいかということについては、宮田委員は御自分の責任で発表されるというのは非常にいいと思うんですけれども、委員会がそれをやってしまうとちょっと問題ではないかなというふうに私は思うんですね。まだそれほどその比率で本当に汚染源がこれと言えるほどのものにはなっていないし。大体はわかると思いますけれども。ですから、私はむしろ、必要ないということになればこれは別ですが、高濃度のところで17の異性体及びコプラナーPCBの組成を非常に高いところだけ出していただいて、それを加工するのは宮田委員なり誰々なりというような感じでいいのではないかと。それも必要ないという、あるいは御意見かもしれないんですが。私自身はやはり発生源がどうかなというのは常に興味がありますので、それは私は欲しいと思います。ただ、委員会として必要かどうかはまたそれはお任せします。

【中杉委員】 私も必要ないという話をしているのではなくて、作業の優先順位としてはコプラナーPCBとか、移行する方の解析に重点を置いていただいた方がいいのではないかという意味で申し上げました。

【村岡委員長】 ほかに関連した御意見なければ。

【田辺委員】 一つ質問ですが、先ほどコプラナーPCBの126と169が16ページの図の中で、図12ですか、値が低いというふうにおっしゃいましたけれども、これは検出率が低いとか、何かこの2つの異性体、ほかのダイオキシン類と違うようなことがあったんでしょうか。検出されたデータの数が少なかったとか、そういうような問題はなかったんですか。特に水の中の濃度が低かったとかですね。

【瀬川補佐】 11年度の調査ですと、異性体ごとにすべてありますので見ているんですが、例えばペンタの126について、ほかのダイオキシン類と違った拠点になっているかというとそうではないです。ヒストグラムをちょっと別途用意しておりますので、出せますかね。資料1の……。

【田辺委員】 特に通常と異なる問題がなければそれでいいんですが。もし問題があるようでしたら、それを御指摘いただければと思ったんです。

【瀬川補佐】 オクタについてもかなり出ておりますし、ペンタについてもかなり出ていて、余りほかの異性体に比べて違ったということは見られませんでした。それは水質につきましても底質につきましても同様です。魚も同様でして、ただ魚の場合はちょっと魚種ごとにしているものですから、少しデータが煩雑になりますが、余り違った傾向というのは見られないと思います。

【田辺委員】 169もそうですね、これ。

【瀬川補佐】 はい、そうです。

【田辺委員】 何となくこのコプラナー2種類だけ低いというのに、少し確かに御指摘のとおり違和感があるんですけれども。得られたデータ、特に問題がなければ、そういうものだとして解釈しないとしようがないなと思ったのですが。

【酒井委員】 ちょっと先ほど来の議論で、この資料が2次加工情報としての我々ものを考えさせていただくには非常に貴重な取りまとめをしていただいているんですが、個々にやはりトレースが非常にしづらいということがまず根底にあって、先ほど来の議論になっているんだと思います。そういった意味で、17異性体と12のコプラナー異性体のマトリックス表をぜひやはり御準備いただいて、御提供いただく、それで中西委員がおっしゃられましたように、後それを見てそれぞれがどういう見解を持つかというのは、それはそれぞれの委員の責に処するという、そういう方向での議論がやはり基本的にはいいのではないでしょうか。

【村岡委員長】 ありがとうございました。何かございますか。

【瀬川補佐】 すみません、マトリックスというふうにおっしゃられましたけれども、どのような感じのものを。

【酒井委員】 底質の例えば15地点ございますけれども、それに対する17異性体、ダイオキシン、フランですね、それからコプラナーPCB12異性体、それぞれの濃度、TEQ計算する前の測ったデータと、そういう意味でございます。

【瀬川補佐】 すみませんでした。実は、先ほどちょっと12年度の常時監視結果の話を申し上げたように、現在県からいただいていないものですから、もう一度ヒアリングをかける、ヒアリングというかデータを出してくれということをお願いしなければいけないんですね、12年度の結果につきましては。11年度でしたら、例えば高濃度のところをということで、それこそ1週間ぐらいの間に作業をすることが可能なんですが、12年度というと、ちょっと常時監視のデータを使わざるを得ないので、すぐにマトリックスという形でお出しできないので、11年度の結果を少し御報告させていただこうと思いますが。

【酒井委員】 それは手順に関してはすべてお任せしたいと思いますので、趣旨をちょっと申し上げたまででございます。

【村岡委員長】 ありがとうございました。

【瀬川補佐】 それともう1点、先ほど田辺委員からの御質問でつけ加えたいことがあるんですが、水質、底質の各異性体ごとの濃度分布を平成11年度で見ますと特段異性体ごとに変化がない、ヒストグラムの幅の問題かもしれませんけれども、変化がないのですが、生物で見ますと、例えばブリですとかマダイのデータを見ているんですが、126のペンタについては若干高濃度側振れているようなデータになっています。すぐちょっと出ないかもしれないのですが、高濃度側に振れていますので、これについては後でデータを送付させていただきたいと思います。

【村岡委員長】 ほかに解析結果について。

【宮崎委員】 ごく簡単なことですが教えていただきたいんですが、この資料6の5ページで、底質の高濃度の地点で表がございますが、先ほどから議論になっておりますが、コプラナーPCBの割合が非常に高いところと低いところがあるというお話だったと思います。もちろん、この委員会の目的は最終的には環境基準を定めるということですから、底質と水、あるいは底質と生物とのダイオキシン類の移行ということが一番ポイントだと思いますが、発生源ということもやはり無視はできないと思います。
 そういう意味で、今こういうコプラナーPCBの割合が高い地点ですね、それについては何か例えばまだまだもっと調査をしないとわからないと思いますけれども、何かこういう高い地点については、例えばコプラナーPCBが高くなるような原因という、推測かもしれませんけれども、あるいは何かそういうような情報はお持ちでしょうか。

【瀬川補佐】 12年度の公共用水域の底質、ダイオキシン濃度を上位10地点に関して、それぞれどのような原因なんだろうかということで、ヒアリングをかけていただいているんですが、10地点のうちですけれども、10地点のうち、原因がこれだろうと思われたところは2地点のみ、あとはすべて原因不明となっております。原因不明ということは、継続して監視を実施しなければいけないとしておられるのですが、中にはその原因究明調査、周辺を含めて実施しておられるところもあります。やはり、底質ですと先ほど中西委員もおっしゃられたように、異性体パターンで農薬ではないか、あるいはPCB製品だというふうに推測することはできるんだと思いますが、確実にこれが汚染源だということを同定するのはなかなか難しいのかなと思っております。

【中杉委員】 今の御質問に対して、もう実際に発表されていますのでお話ししてもいいと思いますけれども、一番高い富山については、私も実はかかわって汚染源らしいところを一応解明しました。ここは完璧に八塩化だけ、だけというとちょっと語弊がありますが、八塩化が主ですのでPCP由来だろうということで、これは過去のことははっきりわかりませんけれども、それをつくっていた工場から出てきているものではないかという推測をしています。それだけだというふうには断言はできませんけれども。

【村岡委員長】 ありがとうございました。それでは、いろいろ調査結果と、それから解析につきまして御意見をいただきましたが、要はダイオキシン類の底質の環境基準を決めるためにはどういう資料が必要か、どういう解析が必要かといった辺りについて非常に重要な御意見をいただいたと思っております。
 時間の都合もありますので、引き続きまして次の議題の5に移りたいと思います。ダイオキシン類の底質状況対策にかかわる検討状況につきまして、まず事務局から御説明いただきたいと思います。
 もう一つありますか。

【瀬川補佐】 すみません、こういうデータがありますということで、ちょっとシステムの方を見ていただきたいのですが、このコプラナーPCBには魚中の濃度、ブリのところの頻度分布になっております。これが生物湿重量ベースでありますけれども、ブリにおけるダイオキシン類の頻度分布になっておりまして、これは異例です。ほかのデータを見ますと、例えば169ですと、ヒストグラムが一番小さいところだけに固まっていますので、幾つか魚、あるいは異性体によっては違うパターンが出るんだと思います。こういったデータをまとめておりますので、少し御参考にしていただけるようなものを見繕いましてお送りしたいと思います。

【村岡委員長】 それから私ちょっと先走りましたが、議題の4が残っておりましたので、文献調査結果ということで、事務局からお願いします。

【森係長】 それでは資料の7及び参考資料の2をご覧いただきたいと思います。文献調査結果につきまして御説明いたします。
 平成11年12月に出されましたダイオキシン類対策特別措置法に基づく水質の汚濁に係る環境基準の設定、特定施設の指定及び水質、排出基準の設定等における答申の中で、底質環境基準の設定に係る検討を早急に行うため、課題の一つとしまして底質から水質へのダイオキシン類の微細粒子の巻き上げ、溶出に係る知見について集積することというご指摘をいただいたところでございます。そこで、文献検索によりまして知見を整理いたしました。資料7をご覧いただきたいと思います。
 1981年から2001年までを調査年の対象といたしまして、科学技術全般を対象としましたJICSTファイルから、1ページ目にI群、II群、III群と書いてありますけれども、I群として物質名、II群として媒体名、III群として再懸濁、再懸濁物質というキーワードを用いて検索を行いました。この結果、ダイオキシン類を含みます底質の巻き上げに関する文献はございませんでしたが、一般的な汚染物質に係る底質の巻き上げ等につきましては、9件ほど見つかりまして、JICST文献検索調査票といたしまして2ページ以降に載せてございます。
 内容としましては、微量金属汚染物質の粒子上濃度がTSSの増加とともに高くなることや、底質は再懸濁や再溶出を介して水質汚濁に寄与するとか、化学物質の生物への蓄積は静置状態と懸濁状態に置いた場合とでは異なって、懸濁状態の方が高かった等のものでございました。これらのことから、底質の巻き上げは底質中に含まれる有害物質の水質や水生生物への分配へ影響を与えるという確認はできましたけれども、新たな知見ということでは大きなものは得られませんでした。
 次に、参考資料2の方を御覧いただきたいと思います。
 諸外国におけるダイオキシンに係る底質環境基準の設定状況ということで御説明させていただきます。
 まず1ページ目のカナダですけれども、カナダにつきましてはダイオキシン類について暫定的な底質のガイドラインと推定影響レベルというものがPCDDとPCDFについて定められております。具体的な数値はカナダの説明のところの下から4行目のところですけれども、暫定的なガイドラインについては0.85、推定影響レベルとしては215という数値が定められております。これは淡水域について定められておりますけれども、括弧書きに記載しておりますとおり、海域についても暫定的に淡水域の値を採用しているということです。
 なお、これらの数値ですけれども、魚類のTEFを用いて算出しましたTEQに基づいており、安全係数として10を適用しております。
 次にオランダですけれども、1ページの下の方からオランダの部分が該当しますけれども、底質に係わる基準は国レベルで各種有害化学物質等について設定されております。ダイオキシン類に汚染された底質についての対策の必要性を判断するガイドライン値としまして、2ページ目をごらんいただきたいんですけれども、1987年に100ピコグラム-TEQ/グラムという数字が提案されております。なお、現在ナショナル・ヘルス・カウンシルにおいて底質の基準制定の検討を行っていると聞いております。
 最後に、諸外国における底質浄化基準等ということで、表-1の方にまとめてございます。これは雑誌ヘドロに掲載されているものをここに載せてございます。
 3ページ目を御覧いただきたいと思います。3ページ目にはその中の処理事例としまして、ハドソン川のスーパーファンドプログラム及びニューヨーク、ニュージャージ港のスーパーファントプログラムについて記載しております。アメリカにおいては、底質に関する許容レベルは汚染サイトごとに用途等を勘案したリスク評価を行い判断されており、まずハドソン川の方ですけれども、魚の汚染の低減、下流への移行の低減、底質中のPCB濃度減少、生態への移行低減などを目標に処理方法を検討し、3ページの下の表-2というのがございますけれども、その中のケース4、ケース5に該当する浚渫法が採用されているということです。
 次に、最後に4ページ目のニューヨーク、ニュージャージ港スーパーファンドプログラムでございますけれども、これにつきましては海洋処分の規制強化のために、浚渫した底質の処理というのが問題となっておりまして、処理方法の確立が急務となっているということで、現在その検討を行っているというところでございます。
 なお、先に紹介いたしましたカナダ及びオランダにつきましては、別途詳細な調査を実施することとしておりますので、そのことを申し添えさせていただきます。
 簡単ではございますが、以上で御説明を終わります。

【村岡委員長】 文献調査結果についての御説明ですが、何か御意見ございますか。

【中西委員】 このカナダの基準は、生物に対する基準だということですか。人間の摂取を考慮したものではなくて、生物を保護するための基準だということをちょっと区別しておいていただきたいと思います。

【瀬川補佐】 このガイドラインにつきましては、アクアティックライフのための基準として設定されております。

【村岡委員長】 ほかにございますか。

【中杉委員】 このカナダの基準、一番最後から2行目に書いてある魚類のTEFというのは、御説明いただけますか。

【瀬川補佐】 WHOの方で人の健康の保護に関して考えているTEFとTEFを魚のために設定しているものと分けて設定されているわけなんですが、見比べますとどこが違うかと申し上げると、例えばPCDDから申し上げると、97年WHOでは人に0.1という係数を掛けている1、2、3、4、7、8・1、2、3、6、7、8・1、2、3、7、8、9に関して、人の健康の保護の観点からのTEFは0.1がかかっているんですけれども、対魚ですと、これが0.5、0.01、0.01と若干違うという点がございます。
 それから、PCDFについても同様でして、違う物質は2つございます。2、3、7、8TCDF、それから2、3、4、7、8PCDF、これらについてそれぞれ魚へのTEFの方が人へのTEFよりも小さい数字を掲げています。
 違う点については以上です。

【村岡委員長】 ほかにございますか。

【山田委員】 関連することなんですけれども、確か水生生物に対する影響を調べて作成した基準ですので、TEFを人に対するTEFではなくて、魚類を用いて調べたTEFを使用しているということでしょうか。魚類に対するTEFは、例えばいろいろなパイオマーカーの誘導等毒性を指標として定めている。

【中西委員】 いいですか。もう一つだけ、TEFについて誤解があるといけないので、ちょっとだけもう余計かもしれないですがお話しさせていただきたいのです。哺乳動物に対するものと魚と、鳥に対するものがありますが、魚と鳥に対するものは毒性値、毒性値といいますか酵素反応などで比率が決まっていますが、哺乳動物に対するTEFは毒性値掛ける蓄積性の量で比率が決まっています。だから、人間への蓄積が考慮されたTEFであり、魚や鳥類のTEFは単なる毒性だけのTEFです。ですから、使い方を絶対に間違ってはいけないということです。


【村岡委員長】 どうもありがとうございました。ほかにございますか。
 それでは次の議題に移らせていただきます。底質除去対策に関する検討事項ですが、まず事務局から御説明願います。

【横田補佐】 それでは、ダイオキシン類の底質対策に係る検討状況について御紹介させていただきます。
 現在、底質につきましては、水銀とPCBにつきましては暫定的な除去基準を設けまして、水銀については42で全地区完了、PCBにつきましては79地区のうち、今年度末で78地区が完了見込みとなっております。そういった対策を講じるに当たっての技術的な監視や工事方法などに関する基本的な条件や留意事項等の指針として、現在「底質の処理・処分等に関する暫定指針」を通知しているところでありますが、ダイオキシン類対策に当たっては、当該指針の改定を予定しております。現在、改定の基礎資料とするために、細見先生を座長といたしまして、ダイオキシン類底質対策の検討会を一昨年設けまして、それ以降現行指針の適用性とか技術的な検討を進めているところでございます。
 3の方で検討内容について簡単に書いておりますが、平成11年度は全体の整理といたしまして対策技術の分類・整理をいたしまして、また底質といっても実際現場では川の底、海の底で状況が違いますので、そういった条件を考慮いたしまして、適応性の整理をしたところでございます。
 12年度につきましては、そういった中での現地での封じ込め対策の実施をいたしまして、ラボベースではございますが、コンクリート固化対策の実験をしております。
 また13年度、今年度は浚渫とかした場合は余水処理対策で、現地に隣接するヤードぐらいを念頭に置いておりますが、そういったところでまたラボでの実証実験。また、現在、富栄養化対策で窒素・燐の底泥浚渫が行われておりますが、そういったところでも以前と比べますと結構汚濁の拡散防止対策とられているような状況ありますので、そういったものについての現地での汚濁拡散調査を並行して行っているところでございます。

【村岡委員長】 ありがとうございました。何かこの御説明で御意見ございますか。

【酒井委員】 こういう技術対策をとったときの効果の検証といいますか、特に現場の封じ込め対策を行ったときに、そういう意味では周辺の環境に対する抑止効果といったものがどの程度数値的に検証されて確認されているのかというようなところに関しては、どんな感触でございますか。細見委員に聞いた方がいいのかもわかりませんけれども、その辺は。

【村岡委員長】 では細見委員、どうぞ何か。

【細見委員】 封じ込め、あるいは固化に関しては、やはりまだラボスケールの試験ですので、酒井委員が多分心配されているのは、例えば10年たったり何か経過したときとかも含めて、廃棄物の固化も同じように考えないといけないかもしれませんが、余計に現場で直接やる場合には直接環境と接するわけですので、その辺の考慮はもう少し必要なのかもしれません。今現時点ではラボスケールレベルの溶出試験だということです。

【村岡委員長】 ほかに対策につきまして何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、一応1から5までの議題につきまして、御意見いただきました。大変貴重な御意見でございまして、本日の議論を踏まえましてまた事務局の方でもしかるべき用意を、作業を進めていただくということになると思います。
 これから後の委員会、どういうふうに進めていくかというのはちょっと気になるところ、それも含めましてその他のところで事務局からお話があるかもわかりません。何か御準備いただいていますか。

【瀬川補佐】 次回の専門委員会につきましては、別途日程を調整させていただきたいと考えております。3月中旬から下旬ごろといったことを考えておりますが、先生方のご日程によって決定させたいと思いますので、別途調整をさせていただきます。
 なお、当委員会の運営方針で議事録を作成し、公表することとなっております。後日、事務局から議事録(案)を作成して、各先生方にお送りいたしますので、御発言内容について御確認いただきますよう、お願いいたします。

【村岡委員長】 議事要旨はつくっていただいて、私が承認すれば公開ということですね。

【瀬川補佐】 そうでございます。申しわけありませんでした。

【村岡委員長】 それとちょっとやはり私がさっき言っておりますように、何回かこの専門委員会を開くんでしょうけれども、次回はどういった辺りを議題にするという、そのわかっているところだけでもちょっとお聞かせいただけませんか。

【瀬川補佐】 次回につきましては、環境基準の設定の手法、そして調査方法、それから環境基準を設定するに当たって、その環境基準でどんな評価をしていくのか、あるいは水域としてどんなところに適用していくのか、そういった御議論をしていただきたいと思います。いわば、答申の骨格になるような諸点を御議論いただきたいと思っております。
 本日は基準の性格についてということで中杉委員から御質問をいただき、少しディスカッションをしていただきましたので、その内容を踏まえて骨格になるような事項を御議論いただきたいと思っております。

【村岡委員長】 ありがとうございました。そういうあたりを今度議論させていただくということになろうかと思います。
 ほかに委員の方から特別に何か御発言ございますか。なければ、本日の専門委員会はこれで閉じさせていただきます。どうも貴重な御意見とか御議論いただきまして本当にありがとうございました。これで終わります。
 

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