中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会(第1回)議事録
日時
平成19年9月5日開催
議事次第
開会
- 議事
(1) 水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについて(諮問)及び水域類型の指定の見直しの経緯 (2) 今後の見直しの方針(案)について及び見直し検討対象水域の概要について (3) その他 - 閉会
配布資料
資料1 | 中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会 委員名簿 |
資料2 | 中央環境審議会水環境部会運営方針等 |
資料3 | 諮問文・付議文 |
資料4 | 水質汚濁に係る環境基準水域類型指定見直しの経緯 |
資料5 | 水質汚濁に係る環境基準水域類型指定の考え方及び今後の見直し方針(案) |
資料6 | 検討対象水域の概要 |
資料7 | 陸域環境基準専門委員会スケジュール(案) |
参考資料 | 関係法令等 |
中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会名簿
委員長 | 岡田 光正 | 広島大学大学院工学研究科教授 |
専門委員 | 天野 邦彦 | 独立行政法人土木研究所上席研究員 |
専門委員 | 井上 隆信 | 豊橋技術科学大学建設工学系教授 |
専門委員 | 小倉 久子 | 千葉県環境研究センター水質地質部 水環境研究室長 |
専門委員 | 尾崎 保夫 | 秋田県立大学生物資源科学部生物環境科学科教授 |
専門委員 | 風間 ふたば | 山梨大学大学院医学工学総合研究部准教授 |
専門委員 | 木幡 邦男 | 独立行政法人国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長 |
専門委員 | 田尾 博明 | 独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門副部門長 |
専門委員 | 長岡 裕 | 武蔵工業大学工学部都市工学科教授 |
専門委員 | 花里 孝幸 | 信州大学山岳科学総合研究所山地水域環境保全学門長 |
専門委員 | 藤木 修 | 国土交通省 国土技術政策総合研究所下水道研究部長 |
専門委員 | 古米 弘明 | 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授 |
議事録
午後 1時30分開会
望月課長 それでは、中央環境審議会水環境部会陸域環境基準専門委員会第1回を始めさせていただきたいと思います。
最初に、審議官からごあいさつをさせていただきます。
白石審議官 ご紹介いただきました白石でございます。久しぶりの委員会ということでございますが、実は私も先々週に審議官を拝命いたしまして、私もその意味では初めてでございます。いろいろ聞きますれば、平成14年5月と、それから平成15年2月に見直しの指定の答申をいただいてきておりますが、その後前回まで、そのときまでの答申段階ではいろいろ十分な情報がまだ入手できていなかったような水域とか、あるいはその後のいろいろな状況の変化で新たに見直しをするべき要件をそろえたという水域が生じておるのではないかというのが、私どもの認識でございます。皆さん方に釈迦に説法でございますけれども、今までの間に河川で108の水域、湖沼で25の水域について類型指定を行っておりますが、全般的な方向としては水質の改善は進んでいるものの、まだそうでない、まだまだ余地があるところというというのがあります。でも、ここで今回いろいろご議論いただきたい部分というのは、現在の指定よりも上位類型の環境基準が既に達成されているというふうなところが中心でございまして、類型指定の見直しが必要だなというふうなところが多くございます。そういったところにつきまして、専門的観点から皆さん方にご審議いただきまして、見直しの是非、またどういう見直しがいいかということにつきまして、ご審議いただければと思います。
きょうは、台風が近づいている中、お忙しいところ、本当にありがとうございます。
なお、あいさつをしながらで恐縮でございますが、大臣、副大臣、政務官、あるいは、国会の環境委員長であるとか、いろいろな異動がありまして、私はそちらのご説明その他で中座させていただきますのをあらかじめご了承ください。
どうもありがとうございます。
望月課長 遅くなりましたが、きょうは12名の委員のうち7名ご出席でございますので、委員会開催の要件を満たしていることをご報告したいと思います。
それでは、この委員会、初めてでございます。ご案内いたしますと、19年4月18日に開催されました中央環境審議会の水環境部会の中で、この陸域環境基準専門委員会が設置されまして、本日が第1回目の委員会ということになっております。ですので、きょう初めてでございますので、全委員のご紹介をさせていただきたいと思います。
それでは、天野先生からご紹介をさせていただきたいと思います。
天野委員 独立行政法人土木研究所水環境研究グループ河川生態チームというところの上席研究員をやっております天野邦彦と申します。よろくお願いします。
小倉委員 千葉県環境研究センターの小倉でございます。よろしくお願いいたします。
尾崎委員 秋田県立大学の尾崎でございます。生態工学を担当していまして、昔はつくばの農水省におりました。どうぞよろしくお願いします。
岡田委員長 広島大学の岡田でございます。私も昔は公害研、環境研にいました。よろしくお願いします。
田尾委員 独立行政法人産業技術総合研究所の環境管理技術研究所の副部門長をしております田尾と申します。中央環境審議会の委員は初めてです、新米でございますので、どうぞご指導をよろしくお願いいたします。
長岡委員 武蔵工業大学の長岡と申します。上下水道が専門です。よろしくお願いします。
藤木委員 国土交通省の国土技術政策総合研究所下水道研究部長の藤木でございます。どうぞよろしくお願いします。
望月課長 ご欠席の先生方をご紹介しておきます。井上先生、豊橋技術科学大学建設工学系の教授でございます。
それから、風間先生、山梨大学大学院医学工学総合研究部准教授でございます。
それから、木幡先生、独立行政法人国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長でございます。
それから、花里先生、信州大学山岳科学総合研究所山地水域環境保全学部門長でございます。
それから、古米先生、東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授ということでございます。
きょうはこの5名の方が欠席でございます。
また、環境省からもご紹介させていただきます。最初に、私、水環境課長の望月でございます。よろしくお願いいたします。
先ほどごあいさついただきました審議官でございます。
辻原課長補佐 課長補佐をしております辻原と申します。よろしくお願いいたします。
奥田係長 環境基準係長をさせていただいております奥田と申します。よろしくお願いいたします。
安達主査 水環境課で担当しております安達と申します。よろしくお願いいたします。
望月課長 それでは、資料をお手元にご用意させていただいておりますので、事務局から説明に際しまして資料等の不足がございましたらお申し出ください。
それでは、議事に入らせていただきます。
本専門委員会の委員長につきましては、本年4月18日に開催されました第17回水環境部会において、松尾部会長からの指名がございましたので、水環境審議会議事運営規則に基づきまして、岡田先生に委員長をお願いいたしております。それでは、以下の進行は岡田先生お願いいたします。
岡田委員長 松尾先生が前のこの専門委員会の委員長をされておりまして、須藤先生の後、水環境部会長にかわられたということで、後がまということで私がご指名ということで議事進行を務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず、本日台風がきているみたいで、なかなか大変そうですけれども、ご出席いただきまして、本当にありがとうございます。まず、委員会を始める前に委員会の運営方針ということを取り上げておきたいと思います。中央環境審議会の各部会、それから専門委員会の運営方針でございますが、中央環境審議会の総会の決定により、各部会の部会長が定める、こういうことになっております。これにつきまして、初めての先生もいらっしゃいますので、共通の認識を持っておく必要があるだろうというふうに思いますので、最初に事務局からご説明をお願いいたします。
辻原課長補佐 では、事務局からご説明をいたします。
資料2をごらんいただきたいと思います。運営方針についてということで、平成13年9月27日、水環境部会長決定というものでございます。
内容につきましては、基本的に会議の公開であるとか、あるいは会議録の公開、資料の公開、そういったことについて規定をしてございます。
まず、会議の公開でございますけれども、原則として公開ということでございますけれども、非公開とするときには理由を明らかにするということになっております。その際の理由でございますけれども、考えられるものとしては、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合であるとか、特定の者に不当な利益もしくは不利益をもたらすおそれがある場合、こういった場合に不利益に当たるということで非公開ということが総会決定の1(1)①というところに規定がございますので、そういった場合には非公開となる場合もございます。
次に、会議録についてでございますけれども、この会議録、会議ごとに調製をすることになっておりますけれども、中身につきまして、委員、臨時委員、また専門委員からの明示の了承を得た上で、次の会議において公開をするということにしております。ただし、長期にわたって次回の会議が開催されない。これは最終回の会議ということになるかと思いますけれども、そういった場合には次回の会議の開催を待たずに了承を得た後に公開をするということになっております。
それから、会議録の公開に当たりましては、発言者の名前を記載するということになっておりますので、どなたがどういう発言をされたかということがわかるような記載になります。
次に、会議録の公開でございますけれども、会議で公開した会議録以外の会議録につきましては、審議会の委員以外の者は閲覧できないということになっております。
次にいきまして、議事要旨でございますけれども、事務局において作成をしまして、部会長または委員長の了承を得て公開をするということになっております。
それから、資料の公開でございますけれども、審議中の答申または意見具申の案文であるとか、非公開を前提に収集したデータ、こういったものが記載されている資料、あるいは関係者と調整中の資料、その他公開することで公正かつ中立な審議に支障を及ぼすおそれがある資料、または特定の者に不当に利益を与え、あるいは不利益を及ぼす、こういった資料につきましては、部会長あるいは委員長の権限で委員限りということで明記した上で非公開とすることができることとなっております。
大まかな内容は、以上でございます。これに従ってこの委員会も進めていきたいと考えております。
岡田委員長 ただいま運営方針をご説明いただきました。何かご質問等ございますか。
よろしいですね。特段珍しいことはないかと思いますので、では、ご了解いただいたということで、今、ご紹介いただいた運営方針に従って進めるということにさせていただきます。
それでは、早速本日の議事に入りたいと思います。環境大臣から水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の水域類型の指定の見直しについてという諮問があります。これについて、本委員会で審議を行うということになっております。そういうことで、事務局から諮問の趣旨、それからそれに関連するこれまでの経緯について、あわせてご説明をお願いいたします。
辻原課長補佐 それでは、資料の3と資料の4に基づきまして、ご説明をしていきたいと思います。
資料の3でございますけれども、諮問文です。平成13年9月25日に、環境大臣から中央環境審議会会長あてに出された諮問でございますけれども、諮問理由をごらんいただきたいと思います。こちらに経緯も書いてございますので、そういったことでご紹介をしたいと思います。
ご存じのとおり、環境基準でございますけれども、生活環境項目に係る環境基準につきましては、各公共用水域につきまして、利用目的に応じて環境大臣または都道府県知事が水域類型の指定を行うということになってございます。こういったことで、昭和45年から多くの水域、先ほどございましたけれども、陸域であれば180水域ございますけれども、こういった水域について、順次指定を行ってきております。
ただ、この指定を行った後、長らく見直しが行われていなかったという状況がございまして、先ほど審議官からもご説明ございましたけれども、その間に水質の改善が見られたといったところもあったわけでございますけれども、ずっと類型の見直しということがなかったということでございます。
こういったことで、平成9年5月14日、審議会に諮問が初めてなされまして、この機会に初めて見直しが進んでいったということでございまして、平成9年のときの見直しでは、中川下流域6河川、それから小河内ダム等の6湖沼水域について水域類型を見直したということでございます。
このときの見直しにつきましては、類型と現状の水質が非常に乖離をしていたところ、あるいは利水障害があったところ、こういったところを中心にやっております。ただ、実際に見直しをしなければいけない水域というのがここだけではなくて、それ以外の水域にもあったということで、平成13年9月25日の諮問におきましては、これ以外の水域で見直しをしていかなければならない水域、こういったものについても引き続き水域類型の見直しを行っていく必要があるということで、水域類型の指定の見直しについて意見を求めるということで諮問をいたしております。
今回の見直しにつきましても、基本的にはこの内容は変わらないということで、平成13年9月25日の諮問を受けて見直しをしていくということになっております。
次に移りまして、資料4でございます。水質汚濁に係る環境基準水域類型見直しの経緯というものでございますけれども、経緯につきましては、先ほどの諮問文の中にもございましたとおりでございますので、これにつきましては割愛をさせていただきたいと思います。
(2)をごらんいただきまして、これまで平成9年、平成13年の際の見直し、どういった水域を行ってきたのかというものを全部挙げております。まず、河川類型の見直しでございますけれども、16水域ございます。以下挙げているものでございますけれども、こういったものがございました。
それから、河川類型から湖沼類型の見直しを行ったものが20水域ございます。これにつきましては、中を見ていただきますとわかりますとおり、主にダム湖です。ダム貯水池、こういったものを従前は河川類型を当てはめていたというところがございました。こういったところ河川類型でございますけれども、湖沼と同様の状況を呈しているということで、利水障害等も見られるというところもございまして、これを湖沼類型に当てはめていくというふうな作業をいたしました。これは20水域ございました。ということで、これまで合わせて36水域の見直しを行ってきたところでございます。
資料3と4の説明は以上でございます。
岡田委員長 それでは、ただいまの諮問と、それから経緯につきまして、何かご質問等ございますでしょうか。
今のところはよろしいですね。それでは、具体的な内容に移りたいと思います。
それでは、議事2の今後の見直しの方針(案)というものが出ております。これについて、ご説明をお願いしたいというふうに思います。普通ですと、見直しの方針と、それから各水域の状況というのを別々にご説明しようかと思っていたんですが、事務局案として、個別の水域の状況もあわせて見ていただくという方が、多分委員の先生方に、具体例が幾つか出てきますので、ご理解いただきやすいということで、今回は事務局非常に大変なんですが、説明が長くなると思いますけれども、資料5と、それから資料6の両方のもの、すなわち見直しの方針(案)と、それから見直し検討対象水域の概要、この両方をあわせてご説明いただいて、それから先生方にご議論いただきたい、こういうふうに考えております。よろしいですね。
では、そういうことでお願いいたします。
辻原課長補佐 それでは、資料5と、その次の資料6に基づきまして、ご説明をしていきたいと思います。
まず、資料5をごらんいただきたいと思います。水質汚濁に係る環境基準水域類型指定の考え方及び見直し方針というものでございます。
中身は1.と2.がございますけれども、1.はこれまでの水域類型指定の考え方ということで、告示等に書いてある内容をご説明するというものでございます。
中身でございますけれども、まず全体の考え方、これにつきまして、環境基準の類型指定をどういうふうに行うのかといったものを告示から抜粋をしております。この告示につきましては、一番最後に参考資料ということでつけておりますので、また関係のところで見ていただきたいと思います。まず、①のところでございますけれども、告示の第1の2の(2)に書いておりまして、類型指定を行う際の基本的な考え方が示されております。その基本的な考え方がア、イ、ウ、エ、オとございます。
読み上げてみますが、ア、水質汚濁に係る公害が著しくなっており、又は著しくなるおそれのある水域を優先すること。イといたしまして、当該水域における水質汚濁の状況、水質汚濁源の立地状況を勘案すること。ウ、当該水域の利用目的及び将来の利用目的に配慮すること。エ、当該水域の水質が現状よりも少なくとも悪化することを許容することとならないように配慮すること。オといたしまして、目標達成のための施策との関連に留意し、達成期間を設定することというふうに書いております。
こういうことでございまして、かいつまんで言いますと、水域類型の際には、利用目的、あるいは将来の利用目的をまず勘案してくださいということになっておりまして、先ほどの参考資料の告示を見ていただきますと、類型表というのが一番最後のページに載っております。それぞれ、河川、湖沼の類型表が載っておりますけれども、それぞれ表の中に、一番左にAAとか、Aとか、Bとか、Cというふうにございますけれども、これがランクの名前でございまして、その次に利用目的の適応性ということで、この中に利水目的が書かれております。例えば、表のAAのところを見ていただきますと、利用目的の適応性というところで、水道1級・自然環境保全及びA以下の欄に掲げるものというふうな説明がございまして、表の下の注書きのところに、それぞれ自然環境保全とはどういうものか、水道1級とはどういうものかというふうな説明をしております。こういった利水目的を勘案して、類型指定をしていくということになります。
それから、現状の利水状況よりも水質の状況がよい場合、こういった場合には利水目的等にかかわらず、上位の水質を確保していくということで、上位の類型を当てはめていくというふうなことをやるということが書いてございます。
次に、湖沼のご説明をいたしたいと思います。資料5に戻っていただきまして(2)をごらんいただきたいと思います。湖沼に係る類型指定の必要性の判断というところでございますけれども、まず、湖沼の定義というものがございます。これも先ほどの告示別表の2の1(2)のところに定義が書いてあるわけでございますけれども、その抜粋が下の四角の中に書いてございます。天然湖沼及び貯水量が1,000万立方メートル以上であり、かつ、水の滞留時間が4日以上である人工湖、こういった人工湖も含めて湖沼というというふうに定義がなされております。
次に、②というところでございますけれども、こちらは全窒素及び全燐に関する環境基準についてというものでございまして、湖沼の場合にはCODとかSSとかDOとか、pHであるとか、河川類似のもの以外に、窒素と燐の類型指定も行っているということになっております。その際の考え方でございますけれども、それは四角の中に書いてございます。湖沼の場合には燐が制限要因になっているだろうということで、燐につきましては、すべての湖沼で類型指定を当てはめしていくということになっておりますけれども、窒素につきましては、一定の条件のもとに類型指定をしていくということが四角の中に書いております。その条件につきまして、3行目の括弧書きの中にありますけれども、全窒素/全燐比が20以下であり、かつ全燐濃度が0.02ミリグラム/リットル以上である湖沼、こういったものについて、燐だけではなくて、窒素の類型指定も行っていくということが告示の中に書いてございます。
次に移りまして、(3)のところでございます。ページをめくっていただきまして(3)でございますが、暫定目標の設定に関する考え方というものを記載しております。後ほどまたご説明いたしますが、今回の見直しの水域の中に、13年の答申を受けた見直しの際に暫定目標を設けたものがございます。それにつきまして、今回見直しをするということで、その見直しの基準といったものの抜粋をつけております。四角の中でございますけれども、暫定目標を設けた場合ですけれども、おおむね5年ごとに必要な見直しを行うということでございまして、平成13年から既に5年以上経過しておりますので、こういったものについて今回見直しをしていくというふうなことでございます。
以上はこれまで告示に記載をされておりまして、こういうふうにやっていくんだと、あるいは通知に書いておりまして、こういうふうにやっていくということが明確に決まっているというものでございます。
2.に移りまして、今回の水域類型の指定の見直し方針ということで、今回どういった河川あるいは湖沼を対象に見直しをしていくのかといった考え方と、それから湖沼類型の見直しに際してどういうふうに考えていくのかといった考え方をお示ししております。これにつきましては、基本的に平成13年あるいは15年の見直しのときの考え方をそのまま引用したものとなってございます。これに従って今回も見直しをしていきたいというのが、事務局の案でございます。
とりあえず中身についてご説明をしたいと思います。
まず、(1)の河川見直し方針でございますけれども、まず、見直しを検討する水域、これにつきましては、上位類型の基準を満足している水域ということでございます。この上位類型の基準を満足している水域の考え方でございますけれども、2)の中に書いてございまして、①、②というところになりますけれども、原則として5年間以上安定して上位類型の基準を満足しているB類型以下の水域ということでございます。B、C、Dといった類型を、それより上のA、B、Cといったものに上げていく際には、最低5年間安定的に上の類型の基準を満たしている、そういったものを上に上げていくということをこれまで行ってきております。
②でございますけれども、今度A類型です。A類型をAA類型に上げる際の考え方でございますけれども、原則として10年以上安定してAA類型を満足しているA類型、これを上げていくということをこれまでやっております。
それから、3、4につきましては、付随的にこうしてきたといったようなものを書いてあるわけでございますけれども、水域類型の見直しに当たりましては、BODの測定値、あるいは湖沼でいえばCODということになると思いますけれども、こういったものの測定値を基本に検討していく。その他の項目については、必要に応じて考慮して進めていくものとするということになっております。
これにつきまして、どういうことをいっているのかということでございますけれども、先ほどごらんいただいた告示の類型表がございますけれども、河川のBODであれば、pHであるとか、SS、DO、大腸菌群数、こういったものとあわせて類型が決まってきているわけでありまして、本来であればこういったものを一律全部満たしているといった場合に上の類型を満たしているということでございますけれども、考え方としては、基本的にBOD、あるいはCODを見て、そこの水質が上位類型を満たしているというものを検討していく、そういったことをここで説明をしております。
それから、④でございますけれども、湖沼の見直しを行うときということでございまして、この湖沼の見直しを行う際には、同時に河川の見直しを行うというふうなものがあった場合には、河川の類型の見直しと湖沼の類型の見直しをあわせて行っていこうといったことを今までもやっております。
以上が河川の見直しの考え方でございます。
次に、湖沼の見直しの考え方をご説明いたしたいと思います。まず、見直しを検討する水域でございますけれども、これは先ほどご説明したとおり告示に定義がございまして、この定義に合致する人工湖、これは湖沼の類型当てはめを検討していくといったことをこれまでやっております。
ちなみに、1,000万立方メートル以上、かつ水の滞留時間が4日間以上といった人工湖でございますけれども、全部で27貯水池ございまして、今まで20見直しをしたということでございますので、7つ今残っているということでございます。
この見直しの考え方でございますけれども、湖沼類型の視点の当てはめにつきましては、1の1.の(2)、告示等に示されている考えを踏まえまして検討を行っております。これはある意味湖沼の類型ということでは初めて指定をするということでございますので、原則に従って当てはめをしていくということでございます。
②でございますけれども、こちらが前回の検討会、平成15年の検討会の中で示された考え方、これに沿って今回も検討していきたいという一応の案でございますけれども、こういったものをお示ししております。その前回の、第5回になるわけですけれども、その際の考え方というのが次のページに抜粋をしております。大きな四角の中に1)から4)まで書いておりますけれども、湖沼類型指定の際の考え方ということで、こういった考え方を前回お示しをしております。ただ、これにつきましては、告示に書いてあるとか、あるいは通知でこういうふうにというふうに明確に書いているものではございませんで、前回の整理としてはこういったことを勘案して整理をいたしましたというようなものでございます。
中身でございますけれども、まず、1)でございます。下流の河川水域で上水道の取水がなされている湖沼の扱いということでございます。この際の扱いでございますけれども、前半いろいろ理由が書いてございますけれども、端的に言いますと、当該取水地点における水質保全を図る上で、ダム貯水池の水質と密接不可分の関係にある場合、下流に水道の取水があって、そういった取水地点でダムの水質が密接に絡んでいるといった場合には、ダムの利水目的として下流の上水の取水といったものも含めて考えていくといったことを書いてございます。
もちろん、ダム湖直接取水をするといった場合もあるわけでございますけれども、こういった場合には、当然のことながら水道利水がある湖沼ということになるわけですけれども、そうでなくて、下流で取水をしている場合には、水質的に密接に関係がある場合に利水目的の中に入れていこう、そういったことをいっております。
次に、2)でございます。水産利用に関して考え方を示しております。水産業、これまでは漁業権の設定等を踏まえまして、その漁業権の中に書かれている魚種を機械的に利水目的というふうに考えてきたわけでございます。これにつきましては、また告示を見ていただきたいと思うんですけれども、告示の別表の中に利水目的という説明が注書きでございます。例えば、湖沼の一番最後を見ていただきまして、アの表の下の注を見ていただきますと、水産につきましては、1級、2級、3級というのがございまして、水産1級であればヒメマス等の貧栄養湖型の魚である。水産2級であればサケ科魚類及びアユ等の貧栄養湖型の魚である。それから、水産3級ということであればコイ、フナであるというふうに定義をされておりまして、それぞれ魚種によって類型が変わってくるということになっております。ということですので、そのダム湖で、あるいはその湖沼でどういった魚をとっているのかということで、AAになるのか、Aになるのか、Bになるのか、そういった違いが出てくるということでございます。
そういった上で、これまでは漁業権、魚種を見て決めていたということでありますけれども、前回の整理としては、漁業権を踏まえつつ、指定権者が地域の意見も十分聴取して指定すべきであろうということで、一律の判断をするということではなくて、実態を踏まえて、この辺の魚種、利水目的を考えていくといったことをやっております。
3)に移りまして、自然環境保全というところでございます。この自然環境保全でございますけれども、こういったところはAA類型になるという、一番厳しいところになるわけでございまして、自然公園等が設定されているようなところにあるダム湖、湖沼、これまでは機械的にAAといったような当てはめをやってきたわけでございますけれども、前回の整理といたしましては、人工湖の場合にはもともと自然が大きく改変された場である、そういったことで、厳然たる自然地には当たらない。しかし多くの人に親しまれる親水空間でもあるということでございまして、こういったことを踏まえて、可能な限り良好な水質を維持する必要がある。端的にいうと、本来はAAだけれどもAにしたという湖沼が前回はございました。
それから、4)でございます。これは、ある意味今までもやってきたことでございますけれども、利水目的の適応性から判断する類型よりも、現状の人工湖の水質が上位の類型に相当する水質、こういった場合には上位の水質を担保するような類型の当てはめをやっていこう。非悪化原則ということでございます。これは告示の中に書かれている内容でございますけれども、それをもう一度確認をして整理をしたということでございます。
以上が、今回の見直しに当たりまして、こういった考えで見直しをやっていきたいという事務局の案でございます。
次に、ページをめくっていただきまして、4ページでございますけれども、それでは、今回どこを見直しの対象にしていくのかといったものの一覧をつけさせていただいております。
まず、河川類型の見直しというものでございます。そこの表にございますとおり、淀川水系の猪名川、それから、筑後川水系の筑後川、利根川水系、江戸川と旧江戸川、利根川水系の渡良瀬川、荒川水系の荒川、相模川水系の相模川、天竜川水系の天竜川といったものでございまして、その隣に水域の名称を書いておりまして、猪名川上流であるとか、筑後川(3)、こういった部分を見直しをしていくということにしております。
初めての方もいらっしゃるかもしれませんのでご説明しておきますけれども、川も上流から下流までございますので、水質状況が違うということで、幾つかの流域といいますか、水域に分けて指定をしております。その中で、今回猪名川であれば猪名川の上流、筑後川であれば筑後川の(3)という部分を見直しをしていくといったことでございます。
達成状況につきまして、一番右側につけております。猪名川であれば現況Bでありますけれども、括弧の中、Aを9年間達成と、こういうふうに読んでいただきたいわけですけれども、B類型がAを5年間以上達成しているということでございますので、先ほどの基準でいいますとこれをAに上げていく水域に該当するということでございます。以下、それぞれ達成状況をつけておりますので、ごらんいただきたいと思います。
詳細につきましては、その次の別紙1に全部の一覧表をつけております。これは国の類型の当てはめをやっている108水系すべて一覧となっておりまして、これをごらんいただければ、それぞれどういう状況であったのかといったことがおわかりになるかと思います。
次に移りまして、(2)でございまして、河川類型から湖沼類型の見直しを行うものでございます。先ほども少し先走ってご説明をいたしましたけれども、人工湖で、告示にある定義を満たす湖沼というのは27湖沼ございます。そのうち、これまで20湖沼につきましては、既に河川から湖沼への類型の当てはめ変えというものをやっておりまして、残されているものが7水域ございます。ということで、今回下にあげておりますこの7水域の見直しをやっていきたいということでございます。
左から3つ目の行に、滞留時間、滞留日数というものをつけておりまして、須田貝ダムであれば9日間といった計算をいたしております。またこの辺の個別データにつきましては、次回以降詳細なデータをお示ししたいと思いますので、その中でご確認いただきたいと思います。ただ、渡良瀬貯水池につきましては、現在調査中ということでございまして、今回の資料の中には検討中といったことで記載をさせていただいております。
次に移りまして、暫定目標の見直しでございます。暫定目標が設定され、5年以上が経過した場合には見直しをしていくという原則でございます。これに当てはまっておりますのが以下の4水域ということでございまして、川治ダム、弥栄ダム、深山ダム、土師ダム、この4つにつきまして、それぞれ平成13年に指定をしているわけでございますけれども、その際暫定目標が設定をされております。今回5年を経過したということで、この見直しを行うということにいたしたいというふうに考えております。
以上が今回の見直しの基本的な考え方と、それから今回の見直しの対象ということでございます。
そこで、ちょっと長くなりますけれども、資料の6をごらんいただいて、実際にどういう水域なのかといったところをご説明をしていきたいというふうに思います。
安達主査 それでは、引き続きまして、資料5の4ページのところに、当面の検討対象水域がございます。資料6につきましては、当面の検討対象水域につきまして、(1)、(2)、(3)というふうに、見直しの種類ごとに整理されており、この種類ごとに対象水域の概況についてご説明申し上げさせていただきます。
なお、詳細な説明につきましては、次回の専門委員会のところで具体的な資料をお示ししましてご検討いただくことにしておりますので、ご了承いただきたいと思います。
では、早速、お手元の資料6の2ページを開いていただきたいと思います。まず、河川類型より上位類型見直し対象水域でございます猪名川の概要について、ポイント的なところをご説明申し上げます。
まず、猪名川につきまして、この流域は、大阪府、京都府、兵庫県の2府1県にまたがる河川でございます。流域面積については383平方キロメートル、流域延長については43キロメートルの河川でございます。
続きまして、この猪名川上流の範囲につきましては、3ページのところに概要図を載せておりますので、こちらをごらんいただきながらご確認いただきたいと思います。まず、左側に猪名川下流(1)、下流(2)があります。そのたもとのところに箕面川合流点というのがございます。この箕面川合流点から上流部分にかかるところが猪名川上流の範囲になっております。
また資料に戻りまして、1.3のところにございますけれども、先ほどの基本的な考え方のところで、利水目的については非常に重要であるということがございますが、、この猪名川上流の利水状況についてご説明申し上げます。
水道用水と農業用水について、こちらに利水実態がございます。この状況は、川西水道、兵庫県水道等々の上水道の利水がございまして、実際の概況図のところに、上水道のポイントであるとか、農業用水のポイントであるといったところを示しておりますので、こちらもあわせてご確認いただきたいと思います。
水産につきましては、こちらに漁業権が設定されておりますけれども、実態につきましては今後調査して精査をしていこうというふうに考えております。
続きまして、1.4猪名川上流の水質になります。、こちらの銀橋の地点におけるグラフを見ていただきますと、この猪名川上流というのは、現在河川類型B類型が当てはめられておりまして、水質の経年変化を見ていきますと、平成9年から17年まで、9年連続上位類型のA類型を満足しているといった状況です。。
先に進みまして、概況図の次に、1.5の猪名川下流の概況です。ここで発生負荷量の現況をお示ししております。既にご承知のとおりだと思いますが、このフレームというのは、人口であるとか面積、家畜頭数、排水量等の指数の統計データをもとにこのような発生負荷量の計算をしておりまして、生活系、家畜系、土地系、産業系、観光系とございます。補足的に説明しますと、土地系につきましては、田畑、山林、市街地、こういったような指標が土地系の中に含まれております。猪名川上流の発生負荷量につきましては資料のとおりになっております。
続きまして、5ページにいきまして、筑後川(3)の概要について、ご説明申し上げます。
筑後川につきましては、九州にございまして、その流域については、福岡、大分、佐賀、熊本の4県にまたがっております。流域面積につきましては2,860平方キロメートル、流路延長については143キロに及ぶ、九州の中でも大きな河川であります。
筑後川(3)の範囲につきまして、6ページをごらんいただきたいと思います。こちらに概況図を載せておりますけれども、上から松原ダム、下流は有明海まで抜けていきます。その中で筑後川(3)というのは、点線に矢印のところがありますが、ちょうど瀬ノ下のところ、豆津橋より下流に当たる部分が筑後川(3)になっております。参考までに、松原ダムが国指定の湖沼になっておりまして、この水質は今回概況図から漏れていますが、湖沼類型のA、湖沼のⅢ類型になっております。
続きまして、5ページに戻っていただきまして、筑後川の利水状況につきまして、ここも水道用水、農業用水がございます。水産につきましても漁業権設定の箇所がございまして、これについても漁業権の実態につきましては調査中ということでございます。
参考までに、水道用水等の位置につきまして、6ページの概況図の中のちょうど瀬ノ下の真ん中あたりのオレンジのポイントのところがありますけれども、そこの部分のちょっと下のところで上水道、農業用水を取水しているといったような状況になります。
5ページに戻っていただきまして、筑後川の水質なんですけれども、ここにつきましては、現在の類型につきましては、河川類型のB類型が当てはめられております。この水質の経年変化のグラフから見ますと、平成9年から16年の間、8年間上位類型のA類型を満たしておりましたが、17年が2.2ミリグラム/リットルということで、若干上位類型を満たしていないといったような状況になっております。
次に、7ページの筑後川(3)の概況になります。ここにつきましてもそれぞれのポイントで排出負荷量の現況を出しておりまして、ごらんのとおりになっております。
(2)の留意点ですが、これにつきましては、先ほど直近の平成17年度が上位類型を満たしていなかったということで、佐賀県にヒアリングしました。17年度につきましては渇水ということがございまして、実をいうとそういったような原因でもしかしたら上位類型を満たしていなかったのではないかといったようなことをおっしゃっておりました。これは参考情報ということでお伝えいたします。
続きまして、8ページの相模川下流につきまして、ご説明申し上げます。相模川につきましては、山梨県と神奈川県の2県にまたがる河川でありまして、流域面積は1,680平方キロメートル、幹川流路延長につきましては109キロメートルということで、これについては下流で相模湾に注いでいるといった河川になります。
相模川下流の範囲につきまして、ページは打っていないのですけれども、8ページと9ページの間に入れております。これにつきましては、まず上から相模ダム、城山ダムとございまして、さらにその下にいきまして寒川取水堰というのがございます。寒川取水堰より下流の部分が相模川下流といったところになります。
続きまして、相模川下流の利水状況です。ここにつきましては、現時点での確認情報によりますと、水道用水、農業用水の利水はございません。ただ、水産につきましては、漁業権の設定があるということで、今後その実態について調査してまいりたいと思っております。
1.4の相模川下流の水質になります。現在の類型につきましては、ここはC類型が当てはめられております。グラフの経年変化を見ていきますと、平成7年から17年の11年間、上位類型のB類型を満足しています。
続いて、9ページの相模川下流の概況につきまして、生活系、家畜系、土地系、産業系、こういったところで発生負荷の現況がございます。
3番目のその他になりますけれども、相模川につきましては、上流部分に今回の検討対象としております相模ダム、城山ダムがございますので、このダムと一緒に検討していくということで考えております。
続いて、10ページにいきますけれども、渡良瀬川(2)ということで、渡良瀬川の概要について、説明申し上げます。
渡良瀬川につきましては、桐生市、足利市の中心を南東に流下していきまして、藤岡町で渡良瀬遊水地に注いでおり、流域面積につきましては2,621平方キロメートル、幹川流路延長につきましては107キロ、利根川水系の河川とです。
渡良瀬川(2)の範囲につきましては、11ページをごらんいただきたいと思います。上から渡良瀬上流(1)(2)とありまして、、桐生川合流点から袋川合流点までの範囲が渡良瀬川(2)になっております。
続いて、利水状況です。、10ページの1.3のところにございます。水道用水については桐生市水道、太田市水道、工業用水の利水情報を得ております。水産につきましては、漁業権の設定がございまして、これについては詳細を今後調査してまいりたいと思っております。
なお、水道用水についても詳細についてまだはっきりしていない部分もございますので、引き続き水道用水等の利水状況についても調査してまいりたいと考えております。
続きまして、13ページの荒川中流に移らせていただきます。荒川中流につきまして、荒川の概要につきましては、1級水系である荒川水系の本流である埼玉県及び東京都に流れる1級河川でございます。延長につきましては173キロ、流域面積につきましては2,940平方キロメートルということで、ここにつきましては川幅が小名木橋付近で2.5キロということで、日本最大の川幅を持っている河川という特徴がございます。
荒川中流の範囲につきましては、15ページをごらんいただきたいと思います。上流部から荒川上流(1)、荒川中流、荒川下流とございまして、荒川中流の範囲につきましては、上流部の熊谷から下流部の秋ケ瀬取水域までがの範囲になっております。
荒川中流の利水状況ということで、1.3に戻りますと、利水状況については水道用水がございまして、東京都水道局と、埼玉県にあります大久保浄水場がございます。具体的なところにつきましては今後調査して精査していく予定としております。農業用水、工業用水についても今後調査していく予定としております。水産につきましては、この区域の中で漁業権が設定してございますので、今後実態についてもさらに調査をしていくというふうに考えております。
続きまして、1.4荒川中流の水質につきましては、現在河川類型のB類型が当てはめられておりまして、グラフの経年変化を見ていきますと、ちょうど平成9年から平成17年、9年間上位類型のA類型を満足しているといったような状況でございます。
先にいきまして、次は江戸川下流(2)、16ページになります。江戸川につきましては、これは茨城県の五霞町、千葉県野田市で利根川から分かれまして、茨城県、千葉県、埼玉県、東京都の境を南下して東京湾に注ぐ、流路延長約10キロ、流域面積200平方キロメートルの河川でございます。江戸川下流(2)の範囲につきましては、17ページになりますけれども、上から江戸川上流、江戸川中流、ここで二またに分かれており、江戸川中流から真っ直ぐ降下する河川が江戸川下流(2)になりまして、江戸川水門より下流の部分になります。
続きまして、利水状況につきましては16ページの1.3です。ここでは水道用水については確認をしておりません。工業用水、農業用水については、今後調査していく予定としておりまして、また、水産につきましても、この区域は漁業権設定ありといったような情報を得ておりますので、今後実態について調査していきたいとい考えております。
続いて1.4の江戸川下流(2)の水質につきましては、現在は河川類型のC類型が当てはめられております。このグラフを見ますと、ちょうど11年から17年、7年間上位類型のB類型を満足しているといったような状況でございます。 江戸川下流は以上でございます。
上位類型見直し河川の最後になります天竜川(5)の説明を申し上げたいと思います。18ページに移りまして、天竜川というのは、長野県から愛知県、静岡県を経て太平洋へ注ぐ天竜川水系の本流でございまして、1級河川でございます。流路延長につきましては213キロメートル、流域面積については5,090平方キロメートルになります。
天竜川(5)の範囲なんですけれども、これにつきましては、19ページをごらんいただきたいと思うんですけれども、上から天竜川(1)(2)(3)(4)(5)というふうになっております。天竜川(5)につきましては、最下流の鹿島橋より下流の部分、静岡県の部分についてが、天竜川(5)の範囲となります。
続いて、利水状況です。18ページの水道用水、農業用水、工業用水につきましては現在調査中ですが、利水実態情報を得ておりますので、この情報をもとに今後調査をしていくといったような形になっております。
水産につきましては漁業権の設定がございますので、その実態についてさらに詳細なものを今後調査していくというふうに考えております。
天竜川(5)の水質状況は、現在は河川のA類型が当てはめられておりまして、このグラフの経年変化の状況から見ますと、平成6年から17年の間、12年間、上位類型のAA類型を満足している状況になっております。
以上につきまして、上位類型見直しの対象水域の説明について終わらせていただきまして、続きまして、20ページ以降の河川類型から湖沼類型の見直し水域について、引き続きご説明申し上げます。
最初に、須田貝ダム貯水池につきましては、まず概要ということで、先ほど資料5での留意事項を踏まえ、そのような観点から説明申し上げたいと思います。
概要につきまして、有効貯水容量につきましては2,200万立方メートル、年平均滞留時間につきましては9日といったことで、1,000万立方メートル、かつ4日間、要件は満たしたものとなっております。
続きまして、須田貝ダムの利水状況につきましては、これは発電を目的としたダムとして、昭和34年に竣工されたダムでございます。場所につきましては群馬県利根郡みなかみ町に位置をしております。
続きまして、須田貝ダムの利水等の現状です。水道用水、農業用水、工業用水ともにございません。水産につきましては、漁業権の設定がございますので、これについてはその実態について今後調査をしてご報告させていただきます。
続いて、22ページの概況図につきまして、上流に、以前、国指定の河川類型から人工湖の湖沼類型の見直した水域がございます。上流部から八木沢ダム、奈良俣ダム、やや下流のところに藤原ダムとございます。ちょうど、奈良俣ダムと藤原ダムの間にあるのが須田貝ダムになります。参照情報として、以前指定をした湖沼の類型を載せておりますので、ここら辺の整合性等も今後ご検討いただきたいポイントというふうに思います。
続きまして、須田貝ダム貯水池の水質ですけれども、平成16年度につきまして、特にポイント的に説明しますと、N/P比は24.0になっています。と
水質状況につきましては、グラフ上でご確認いただくと、まずCODにつきましては、75%値で評価しますので、緑色の線に注目いただき、現況は、湖沼A類型を平成6年から16年にわたり満足している状況になっております。
次に、全窒素です。全窒素の場合は平均値により評価しますので、青色の線を見ていただきたいと思います。これにつきましては、ちょうど0.4ということで、9年連続して湖沼Ⅲ類型を満足している状況になります。
続いて、23ページに移りまして、全燐の水質の経年変化の状況です。これについても平均値ですので、この青色の線のところを見ていただくと平成12年が飛び抜けていますが、平成12年度を除きまして、湖沼Ⅲ類型を満足しています。今、湖沼ⅡとかⅢといっていますけれども、これにつきましては、先ほど補佐から説明がありました参考資料に類型指定の表がございますので、これとあわせながら見ていただくとわかりやすいと思います。
続いて、須田貝ダムの集水域の概況ということで、まず発生負荷量の現況です。ここにつきましては、大部分が土地系の排出負荷量の現況になっておりまして、さらに土地系の中でも89.3%は山林ということになっております。
続いて、味噌川ダムの説明を申し上げます。味噌川ダムにつきましては、これは長野県木曽郡木祖村に位置をしておりまして、平成8年に竣工した、洪水調節、水道用水、発電等を目的としました多目的ダムになっております。有効貯水量につきましては5,500万立方メートル、年平均滞留時間につきましては208日ということで、人工湖の湖沼の要件を満たしています。
続きまして、味噌川ダムの利水等の現状につきましては、水道用水がありまして、岐阜県水と愛知県水と名古屋市水道等、利水地点についてもお示ししています。ただ、これは利水ポイントがかなり下流域に位置するといったようなところも確認しておりますので、そこら辺の下流域のどれくらい距離があるところかも含めまして、今後調査しましてご報告させていただきます。
工業用水についても以上のようにございます。 水産につきましても、漁業権の設定がございまして、漁業権の実態について今後調査していく予定にしております。
25ページに移りまして、味噌川ダムの概況図は以上のようになっております。
続いて、1.3の貯水池の水質につきましては、N/P比は13.9となっておりますので、ここはN規制もかかってくるといったような値になっております。
続いて、COD、全窒素、全燐の水質の経年変化の状況です。まずCODの75%値は、緑線を見ていただくと、ちょうど8年連続A類型を満足しているといった状況でございます。
次に、全窒素です。これについては青線ですが、8年連続Ⅲ類型を満足しているといったような状況になっております。
26ページに移りまして、全燐数値で16年度が突出していますが、平成9年から15年度までは湖沼のⅡ類型を満足しているといった状況です。
続いて、発生負荷量の現況についてご説明します。ここも、土地系の占める割合でほとんどを占めておりますが、土地系の中でも94.8%は山林といったような状況になっております。
続きまして、長沢ダムに移ります。27ページになりますけれども、長沢ダムにつきましては、
高知県吾川郡いの町に位置しておりまして、昭和24年に竣工しました発電を目的としたダムとなっております。有効貯水量につきましては2,843万平方メートル、年平均滞留時間につきましては41日ということで、人工湖の要件を満たしているといった状況になっております。
続きまして、長沢ダムの利水の現状です。ここにつきましては、水道用水、農業用水、工業用水については利水の実態はないといった確認になっております。水産につきましては漁業権の設定がございますので、詳細な実態は調べていこうと考えております。
続いて、28ページに移りまして、概況図です。ここも長沢ダム、次に説明をします大橋ダム、さらに早明浦ダムということで、早明浦ダムにつきましては前回検討したときに指定した人工湖です。長沢ダム貯水池の水質につきまして、N/P比は22.9となっております。COD、全窒素、全燐、水質の経年変化ですが、まずCODにつきましては緑線のところを見ていきますと、平成6年から16年の間、湖沼A類型を満足しているといった状況になっております。
続いて、全窒素の経年変化については、青線になりまして、ちょうど平成12年度を除いてⅡ類型を満足しているといった状況になっております。
続いて、29ページの全燐の経年変化ということで、これも青線を見ていただきますと、平成6年から16年にかけまして11年間、湖沼Ⅱ類型を満足しているといった状況になっております。
長沢ダムの発生負荷量の現況につきましてもほとんどが土地系ということで、土地系の中でも山林が87.9%を占めているといった状況です。
続きまして、30ページの大橋ダムですが、ここは長沢ダムの下の方にありまして、同じく高知県にございます平成14年に竣工した発電を目的とした発電ダムでございます。大橋ダムの概要につきましては、有効貯水容量が1,900万立方メートル、年平均滞留時間につきましては21日となっております。
大橋ダムの利水の現状ですが、ここも長沢ダムと同様、水道用水、農業用水、工業用水はありませんが、漁業権の設定がございますので、この実態については今後調査をしてご報告をさせていただきたいと思います。
31ページの図につきましては、先ほど長沢ダムで説明しましたので割愛させていただきまして、大橋ダム貯水池の水質ということで、N/P比につきましては17.5ということになっております。
次に、COD等の水質の経年変化になりますけれども、まずCODにつきましては、緑線ということで、平成6年から16年にかけまして11年連続A類型を満足しているといったような状況になっています。
続きまして、全窒素につきましても平成6年から16年にわたりまして湖沼のⅡ類型を満足しているといったような状況になっております。
続いて、全燐についても全窒素と同じように、平成6年から16年にかけまして、湖沼Ⅱ類型を満足しているといったような状況でございます。
大橋ダム貯水池の発生負荷量の現況につきましては、ここも大半を土地系が占めておりまして、土地系の中でも86.8%が山林というふうになっております。
続きまして、33ページに移りまして、相模ダム貯水池になります。相模ダムにつきましては、神奈川県の相模原市相模湖町に位置しておりまして、昭和22年に竣工しました、発電、水道用水、工業水道用水、農業用水等を目的とした多目的ダムになっております。
有効貯水容量につきましては4,820万立方メートル、年平均滞留時間につきましては13.52日になっております。
相模ダムの利水状況の現状になりますけれども、水道用水、農業用水、工業用水等がございまして、水道用水につきましては川崎市水道、横浜市水道等がありますが、ここの水道用水の利水状況がかなり複雑になっております。そこら辺の細かな精査を今後していきまして、ご報告させていただきたいと思っております。
自然探勝につきましては県立自然公園が指定されておりますので、自然探勝実態がございます。
続きまして、34ページですけれども、上流部は山中湖からきているのですけれども、真ん中あたりのところで相模ダム、続いて、次に説明をします城山ダム、先ほど河川のところで説明したのが一番下流の相模川下流、こういったような水系の概況になっておりまして、導水のところの矢印、ピンク色の矢印、赤い矢印のマーカー箇所が導水ポイントになっておりますので、これについてもあわせてご確認いただきたいというふうに思います。
続いて、35ページに移りまして、相模ダムのN/P比ですけれども、これについては14.0というふうになっております。
続いて、相模ダムについては若干情報が多くて、かなり代表的なものに絞ったところで、COD等の説明をさせていただきたいと思いますけれども、湖央東部の状況で、まずCODにつきまして、これはCODが75%値になりますので、真ん中の右側のところになりますけれども、湖央東部につきましては水色の線になっております。この水色の線を見ますと、平成13年度を除きまして、平成6年度から平成17年度につきましては湖沼AA類型を満足しているといったような状況になります。
次に、全窒素につきましてはちょっと数値が悪くて、湖央東部につきましては、12年連続して湖沼のⅤ類型も満足していない状況になっております。
続いて、全燐ついては12年連続して湖沼Ⅴ類型を満足しているといったような状況になっております。
続いて、36ページに移りまして、相模ダムの発生負荷量の現況です。ここについては、生活系、土地系、産業系といったところで数値が出ております。土地については8割弱が山林ということと、生活系につきましては、生活排水ということで下水道等の利用がされております。流域の産業活動の概況については、ここに象徴的なものをまとめておりますので、ごらんいただきたいと思っております。
続いて、37ページ、城山ダム貯水池です。ここは相模ダムの下流にございまして、同じく神奈川県に位置しております。昭和40年に竣工しました水道用水、工業水道用水、発電等を目的としました多目的ダムというふうになっております。有効貯水容量につきましては4,810万立方メートル、年平均滞留時間につきましては13.52日になっております。
城山ダムの利水状況につきましても、先ほどの相模ダムと同様、横須賀市水道等々利水状況がございまして、これについては38ページの概況図の赤線でそういった状況を示しておるのですけれども、若干どういうふうに移り変わっていくのか複雑ですので、これについては再度確認をさせていただきまして、ご報告させていただきたいと思っております。
自然探勝につきましては、先ほどの相模湖と同様自然公園がございます。
続きまして、39ページの城山ダムの水質につきまして、17年の状況は、N/P比が19.7というふうになっております。
続いて、COD、全窒素、全燐の状況になりますけれども、ここについても若干ポイントが多くて、代表的な湖央部の経年変化を見ていこうと思いますけれども、まず、真ん中の右あたりのCOD75%値、湖央部の状況につきましては、17年を除きまして、湖沼A類型を満足しているといった状況になります。
続いて、全窒素の水質状況につきましても相模川同様数値が高くて、平成9年から連続しまして湖沼のⅤ類型を満足していないといったような状況になっております。
続いて、全燐の水質の経年変化については、平成6年から17年の間湖沼のⅤ類型を満足しているといったような状況になります。
40ページに移りまして、城山ダムの発生負荷量の現況になります。ここにつきましても生活系、土地系、産業系というふうにございまして、これは相模ダムと同じように、流域土地利用の特徴、生活排水処理の環境、流域での産業活動がございますので、ご参考いただきたいというふうに思っております。
以上につきましてが、河川類型から湖沼類型に見直す対象となっている水域の説明になります。
奥田係長 引き続きまして、41ページから、今度は人工湖沼ですけれども、暫定目標値が定められていて、その期限がきて、再評価をする湖沼が載っております。4湖沼あります。続けて説明させていただきます。
42ページをお願いいたします。まず最初に、深山ダム貯水池ということです。深山ダムは、栃木県那須塩原市に位置しました発電等を目的としたダムということになっております。有効貯水容量としましては2,090万立米ということで、年平均滞留時間64日、ダムの当てはめられている環境基準としては湖沼のAA類型と、窒素、燐については湖沼のⅠ類型、ただし全窒素は除く、こういう形になっております。
暫定目標につきましては、全燐に対して平成18年度までということで、0.011ミリグラム/リットルということで定められております。
ダムの利用目的としましては、農業用水、水道用水、発電ということになっておりまして、表の1.2-3、下にいきまして、利水等の状況としましては、水道用水としましては栃木県水道での使用があり、またそれに以外にも農業用水についても利用実態がありということになっております。工業用水につきましては、発電用水としての使用のみがあるということです。水産に関しましては、漁業権の設定がありますけれども、詳細は調査中ということでございます。自然探勝ということで、国立公園内に位置しているということがございます。
ダムの周辺の概要図としましては、続いて43ページの図1.2-1というところでごらんいただければと思います。色の塗りは河川と湖沼でも同じ色になりまして少し見にくくて恐縮ですけれども、深山ダムの前後の河川としましては那珂川(1)というような水域になっていまして、河川でのAA類型が前後に集まっている、そういった立地状況になってございます。
続きまして、深山ダムの水質ですけれども、平成17年度のデータによりますと、N/P比としては54ということになっております。
続いて、CODの経年的な変化についてです。評価に使います75%値、緑のグラフをごらんいただければ、湖沼のAA類型については直近、平成15年から17年までは達成しているという状況にございます。
窒素につきましては、類型の基準の当てはめの設定がされておりませんが、こういった横ばいの状況で推移しております。
ページをめくっていただきまして、44ページ、一番上、深山ダムの全燐の経年変化です。これにつきましては、0.011というところで暫定基準が設定されていますけれども、これにつきましては、過去3年間、平成15年から17年まで3年間の達成になっております。さらに、類型指定になっているⅠ類型というところで見ましても、16年、17年、2年間は達成しているというような状況になってございます。
続いて、1.4の深山ダム貯水池集水域の概況ということで、(1)発生負荷量の状況としましては下の表に示しているとおりでございます。ごらんいただいてわかりますように、土地系の負荷が突出しております。そのほとんどが山林の負荷ということになっております。
続きまして、45ページから川治ダム貯水池に移ります。川治ダムは、栃木県日光市川治温泉の川治に位置しております多目的ダムです。有効貯水容量としましては7,600万立米で、年平均滞留時間は243日、当てはめられている環境基準の類型としましては湖沼のAA、及び湖沼のⅡという類型です。
この川治ダムにつきましては、COD、窒素、燐ともに、平成18年度までの暫定目標値が設定されております。CODにつきましては2.0ミリグラム/リットル、全窒素につきましては0.32ミリグラム/リットル、全燐につきましては0.021ミリグラム/リットルということになっております。
次に、表の1.2-1ですけれども、表題がミスタイトルになっておりまして、申しわけありません。川治ダムの利用目的という表にさせていただいております。川治ダムの利用目的、表1.2-1を示しております。こちらをごらんいただきますれば、洪水調整、流水機能維持、農業用水、水道用水、工業用水というような利用目的が設定されております。
続いて、表1.2-2ということで、利水等の現状です。水道用水としましては、宇都宮市水道、栃木県、宇都宮市、真岡市、高根沢町、芳賀中部上水道企業団といったところで水道用水の利用がございます。その他、農業用水の利用及び工業用水といったところにも利用がございます。水産につきましても、漁業権が設定されておりますので、さらに詳細に調査しております。自然探勝としましては、日光国立公園内ということでございます。
ページをめくっていただきまして46ページの概要図でございます。今回の検討いただく川治ダムというのは、この図の中央部近くにございます川治ダム貯水池というところでございます。このダム自体は鬼怒川1という河川の流域の中央部に位置しておりまして、鬼怒川1の河川の類型当てはめとしてはAA類型、そして、川治ダムの上流部に川俣ダム、こちらにつきましても湖沼の類型が当てはめがされておりまして、湖沼のA類型及び湖沼のⅡ類型ということで、当てはめられております。
続きまして、水質についてです。水質につきまして、N/P比につきましては平成17年度のデータでいきますと66.7、経年的なデータを見ますと、まずCODにつきまして75%値、緑のグラフデータでいきますと、平成13年、14年、17年につきまして暫定目標値達成できておりませんが、その他についてはすべて目標値達成という形で推移しております。
隣の全窒素につきましてですけれども、これについては平成10年、11年のみが暫定目標値達成という形で推移してございます。
ページを進んでいただきまして47ページの全燐です。これにつきましては、平成13年のみ暫定目標値を達成できませんでしたけれども、その他の年につきましては暫定目標値達成という形で推移しております。
続いて、発生負荷量の状況ですけれども、全体の概要としましては、下の表に示しているとおりでございます。この川治ダムにつきましても、山林からの負荷というのがかなりのウエートを占めていると考えております。CODで96%ぐらいになろうかと思っております。
続きまして、48ページから土師ダム貯水池ということで説明させていただきます。
土師ダムは、広島県安芸高田市に位置しております多目的ダムということでございます。有効貯水容量としましては4,110万立米、年平均滞留時間は43日ということでございます。
環境基準の類型当てはめは湖沼のA及び湖沼のⅡということになっております。窒素、燐につきまして、18年度までの暫定目標値が定められており、全窒素につきましては0.43ミリグラム/リットル、全燐につきましては0.020ミリグラム/リットルということでございます。
ダムの利用目的としましては、下の表にありますように、洪水調整、流水機能維持、農業用水、下水道用水、工業用水、発電ということになってございます。
ダムの利水の現状としましては、下の表に示しております。水道用水としましては広島市水道、呉市水道等であるということになっております。また、農業用水、工業用水につきましても利用の実態あり、水産につきましては、漁業権の設定があるということで、詳細は調査しております。自然探勝につきましては、特に設定されているものはございません。
49ページに移りまして、概要図でございます。前後の河川としましては、類型指定としましては河川のA類型ということで設定されている中に位置しているということでございます。
続いて、水質ですけれども、平成17年度データで見ますと、窒素、燐、N/P比については30.5ということになっております。また、経年的な変化を見ていきますと、CODにつきまして、平成10年から12年まで、これにつきましては環境基準の達成ができませんでしたけれども、その他につきましては湖沼のA類型を達成しております。右にいきまして、全窒素でございますけれども、これにつきましては暫定目標値0.43ミリグラム/リットルに対して、平成7年から17年度においては達成ができていなかったという結果になってございます。
ページをめくっていただきまして50ページ、全燐ですけれども、全燐につきましては、暫定目標値0.020に対しまして、評価で使います青色のグラフですけれども、その前後を上がったり、下がったりというような状況が続いてございます。最終的な目標の類型のⅡ類型につきましては全く達成できていない、こういった状況になってございます。
続きまして、発生負荷量の状況でございます。発生負荷量につきましては、この下の表に示しているとおりでございます。ここにつきましては一定生活系なり、産業系なりというところの排水も入っているということになっております。
続きまして、51ページから弥栄ダム貯水池でございます。弥栄ダムは広島県大竹市に位置しております多目的ダムでございます。有効貯水容量としましては1億60万立米、年平均滞留時間としましては168日、環境基準の類型当てはめとしましては湖沼のAA及び湖沼のⅡになっております。COD、窒素、燐ともに18年度までの暫定目標値が定められており、CODにつきましては2.6ミリグラム/リットル、全窒素につきましては0.32ミリグラム/リットル、全燐につきましては0.010ミリグラム/リットルということでございます。
ダムの利用目的につきましては、洪水調整、流水機能維持、水道用水、工業用水、発電ということがございます。ですので、利水の現状としましては、水道用水としては広島県水道、柳井地域広域水道企業団等で利水あり、工業用水につきましてもありということになってございます。水産につきましては、漁業権の設定がありますので、詳細に調査をしております。自然探勝につきましては、特に位置づけられたものはないということになってございます。
52ページに移っていただきまして、ダムの周辺の概況図です。今回の検討いただく弥栄ダムというのは、この概況図のほぼ中央付近になってございます。周辺の河川としましてはAA類型がついております。上流に小瀬川ダムが湖沼としての当てはめをされておりますけれども、こちらについては湖沼のA、及び湖沼のⅡということで、当てはめられてございます。
続きまして、水質ですけれども、平成14年度データで見まして、N/P比の66.7ということになってございます。
続いて、経年的な変化を見ていただきます。CODにつきまして、暫定目標値について、平成10年から平成12年まで、達成ができてございません。その他の年につきましては達成しているということでございます。
また、全窒素につきましてですけれども、これにつきましては平成8年及び平成10年のみが達成できているというような状況になってございます。
続いて、53ページの全燐です。全燐につきましては、平成9年と11年が達成できておりませんでしたけれども、その他の年につきましては目標値達成ということで推移してございます。
続いて、発生負荷量の状況ですけれども、下の表に示したとおりでございます。この弥栄ダムにつきましても、生活系なり家畜、産業系負荷が入ってきているということになってございます。
以上が暫定目標値の設定されている見直し対象の湖沼ということでございます。
続いて、54ページにその他ということで、一部年平均滞留時間について調査中ということで、現在まだ詳細に調べております渡良瀬貯水池(谷中湖)につきまして、その他ということで別に分けて示させていただいております。55ページでございます。
渡良瀬貯水池につきましては、栃木県下都賀郡藤岡町・野木町に位置しているダムということであります。洪水調整、流水の正常な機能の維持及び水道用水を目的としたダムでございます。
有効貯水量としましては2,640万立米ということでございます。滞留時間については現在調査中ということでございます。
利用目的としましては、洪水調整、流水機能維持、水道用水という目的が当てはめられております。利水の状況としましては、水道用水についてのみありということで、北千葉広域水道企業団、東京都水道等、幾つかの水道利用ということが設定されてございます。これらの情報につきましても、あわせて精査をしておりますので、また次回の検討におきましては詳細な情報につきましてまた議論を進めていただきたいと思っております。
長くなりましたけれども、以上でございます。
岡田委員長 たくさんの資料をまとめて要領よくご説明いただきました。ありがとうございました。
それで、本日の議論でございますが、本日資料6の詳細について、要するに検討対象水域の概要とほぼまとまっております。まだ十分ではないところがありますが、これについて細かい議論をいただくということは予定しておりません。それは次回以降になります。この資料6の細かい議論を今後していく上において必要なのが、資料5の考え方と見直し方針案というふうに思います。見直し方針案だけですと、ずっと読めばそうかなと思われるかもしれません。ところが、資料6のご説明をいただきますと、方針案のとおり簡単にいくか、いかないかというと、なかなか難しいところがあるということが、多分委員の先生方おわかりいただいたかと思います。そのために資料6をあえて今日ご説明をいただきました。そういう意味におきまして、資料5を中心に、もちろん資料6を踏まえながら、いろいろこういう問題があるのではないか、それから今後こういうことを次回以降のために調べてほしいというようなことがあるかと思います。そういうご意見等を各委員の先生方から順番にいただいて、事務局からすべてここでお答えいただいて議論するよりも、できる限りコメントをたくさんいただいて、次に備えた方が多分効率いいかと思います。もちろんご質問についてはさっと答えられるものは答えていただくということで進めたいと思います。
では、藤木先生から。
藤木委員 改めて資料5の水域の類型指定の考え方等を拝見いたしますと、なるほどなと思うところもあるんですが、実は、下水道のような対策の事業をやっている立場からすると、常に環境省との間に、このように環境基準を設立したり、あるいは見直したりするのはいいんだけれども、対応策はどうお考えですかということ、対応策とは必ずしもリンクしていなくてもいいのかという問題意識がある。資料5の類型指定の考え方についても、水質汚濁源の立地状況を勘案するということでは、必ずしもなくて、まさに利水目的などを勘案されて、設定されたり見直しをされたりする。これが本来の立場だろうと思っておりますが、それだけでいいのか。
実際にこういった審議会等の場で案をつくったりする場合には、後の資料7にもありますが、パブコメをやられたり、手続もおやりになるのでしょうけれども、例えば地元の県や市町村とか、あるいは下流側の利水者、そういった皆さんの声をお聞きになることがどれくらいあるのか。これは正式でなくても、非公式にそういうことがどれくらい行われるのか。その辺を、差しさわりのない範囲でお聞かせ願えればありがたいなと思います。
と申しますのは、例えば今回の湖沼のようにかなり上流側でほとんどポイントソースのないようなところを湖沼の水域に当てはめをしたり、あるいは見直したりする場合には、ダムなどは本当は人がどんどんいなくなって、そこでダムに例えばどんどん観光客を誘致して、それをもとにして地域振興を図ろうと考えている地域もあるわけでして、そのときに、より厳し目のものがセットされると、それに対する対策費がかさんで地域振興の妨げになるとか、そんなことをお考えになる地元の市町村の皆さんもおありになるのではないかと思いまして、それはもともとそういうことを考えて設定するものではありませんというのもなかなか理不尽なところもあるような気もします。あるいは、下流側の利水者の声、水道水源としている自治体等からかなり詳しく個別具体に、環境基準の見直しを何としても行ってほしいというような要望があるのでしょうか。
もっと具体的にいえば、我が地元のパワー、ふるさとのパワー、今はBなんだけれども、ぜひAとか、あるいはAAに格上げしてほしい。実際に既設定の環境基準をほとんど達成しているので、AとかAAにしてもらって、地元の誇りにしたいというような、例えばそんな声が実際にあるものかどうか。その辺をもし要望としてあるのであればお聞かせいただければなと思います。
以上でございます。
辻原課長補佐 簡単にお答えできるところをお答えしたいと思います。
まず、設定の仕方をどのくらい関係者の意見を聞くのかというところでございますけれども、皆様ご存じのとおり、特に公聴会等今までも開いてきたということではございませんので、意見の反映の仕方といたしましては、各県関係を通じて現状なり把握するとか、あるいは各省にも事前にご相談に伺うこともありますので、そういったところをご意見等を酌み取っていくというふうなことをやってきたのかなというふうに思っております。今回もまたそういった進め方をさせていただきたいというふうに思っておるわけでございますけれども、ただ、先ほども少しご説明したところでございますけれども、今までかなりしゃくし定規に、利水目的だけ決めますというふうなものを、平成13年ぐらいまではやってきたわけですけれども、平成15年、湖沼の見直しといいますか、河川類型を湖沼に見直したときに、多少柔軟な考え方を入れてきたというのが、資料5の3ページのところでございまして、こういった考え方も踏まえながら、今回の実情からやっていくのかなといったことかと思います。
やはり利水目的であればこうだというものはあっても、実際に達成できないと、どういうふうな手だてを講じても達成できないといったものをどういうふうにやっていくのかとか、そういった問題点もあると思いますので、その辺については留意していきたいというふうに思っております。
それから、もう一つは我が町の名物にしたいということで、どうしても上に上げていくということなんですけれども、ここは今までそういったやり方をしたところは国の当てはめでは少なくともないということだと思います。原則としては利水目的があって、それを見て守るべき水質を決めていく。ただ、現状それよりも上にいっているところは悪くしないということで、それを確保する類型を当てはめていくというふうなことでやってきたというふうに考えております。
岡田委員長 今のご指摘の点は、当然考慮しながら次に進むということでお願いいたします。
長岡委員 資料5の、特に3ページ上の1)で、ダム下流域の利水もダム貯水池の利用目的に含めるということが書かれているんですが、それは私も正しいと思うんですが、先ほどのダム貯水池の見直しの説明で、利水目的のところを説明しているんですが、あくまでも水利権の設定のことをおっしゃっているので、あくまで下流で取水する可能性があるかどうかということに言及されていない。ですから、水利権ではなくて、そういう実態を踏まえて議論しなければいけないというのが一つ。
それから、そういう意味で言うと、湖沼の水質も、もちろん通常はN/Pなんですけれども、ジオスミンとか、2-MIBとか、そういう臭気物質についてのデータも示す。それで現状はどうかということを議論することも必要なのではないかというふうに思っております。
それから、利水でいうと、一番最後の基準の利用目的の適応性のところで、水道1級・2級・3級があって、処理方法が3つぐらいあるんですが、これは実際何なのか、昔から私はよくわからなかったんですが、それは置いておいても、現状として水道事業体がどういう処理をしているか。例えば活性炭を入れているとか、そういう状況もヒアリングされて、事業体の情報、そういうことを吸い上げることが必要と思っております。
岡田委員長 私も、特に上水の技術、何を今適用しているかというのは調べておいてください。そんなにバラエティーはないと思うんだけれども。
田尾委員 2ページのところの、大腸菌を考えていたのですけれども、BODを基本にして、その他の項目を必要に応じて考慮するということですけれども、河川の指標がそれぞれメカニズムを判定していると思いますので、BODを基本にしながらも、ほかの指標に関しても、今回資料6で個別を見させていただきましたけれども、ほぼ満足しているということで、現実問題として、今、メカニズムから理論的なことから少し違うと言いましたけれども、現実問題としてBOD以外の指標で確認をされているということで確認しましたけれども、ほかの指標に関してもほぼ満足しているということですか、その辺のところはどうなんでしょうか。
岡田委員長 pHとか、ほかの項目で変なことがないかだけは、多分ないだろうと思うんですが、確認はしておかなければいけないですね。変なことになってしまう。
田尾委員 3ページの、ダムの下と不可分の関係にあるという、この辺が非常に定量的に評価するのは難しいかなという気がするんですけれども、単にダムの下何キロに水源があるとか、そういうことではなくて、もう少し利用効率まで考えた上で、どの程度の影響があるかということを定量的に評価する必要があるのではないかという感じがします。定量的というのはなかなか本当の意味で難しいかもしれません。
資料6はきょうは議論しないということですけれども、次回議論するときに、ちょっと気になった点がございましたので述べたいのですけれども、特に22ページですと、湖水の燐とか窒素のデータが河川に比べてかなり古い。14年度ぐらいまでしかないんですけれども、平成19年ですから、15、16、17あたりは多分出ているんだと思うんです。その辺を少し出していただけますか。
暫定基準の見直しですけれども、暫定基準、何らかの理由があって暫定基準がつくられたと思いますので、その理由が明確にありましたら、その理由等もお示しいただければと思います。
もう一点は、私は初めてなものでわからないところがあるので、もし可能でしたら資料を出していただきたいのですけれども、生活系とか、家畜系とか、産業系とか、観光系とかございますけれども、具体的にどういうものがどういう、下にどういうカテゴリーがあるのか、資料としてもらえますか。それがもしあれば教えていただきたいと思います。
以上です。
岡田委員長 これは機関によって多少ずれたりしていることがありますから、誤解を与えるといけないので、先生のご指摘のとおりだと思います。
今の点はよろしいですね。お願いいたします。
尾崎委員 3ページ目のところなんですけれども、例えば水産利用のところで、漁業権を踏まえつつ指定権者が地域の意見を十分に聴取して指定を決めていくという説明がありました。この点はどういうふうに調査されるのか。最近は、漁業も割とだんだん衰退してきていると思いますが、それを生活にしている方もいらっしゃると思いますので、その点配慮いただきたいなと思います。
それともう一つ、先ほどのデータの中で、相模湖などは窒素1PPMを超えているところがありますけれども、この辺は環境省として今後どういうふうな対策を考えていらっしゃるか、また検討いただきたいと思います。
岡田委員長 これも調査をお願いいたします。個別のときに議論すればいいですね、窒素が1.4とか。
辻原課長補佐 漁業権の関係ですけれども、これにつきましては、これからまた調査をやっていくわけですけれども、やはりまず県を通じて、必要に応じて漁業組合等がある場合にはそういった関係者の方にもヒアリングをしていきたいと思っております。
小倉委員 私は現場に所属しますので、愚痴っぽくなってしまうのですが、利水目的で上位の基準に設定されております印旛沼というところで、非常にいろいろ苦慮しているところにおります。
目標値や基準値を下げるということが、聞こえが悪いといいますか、難しいことだとは思いますが、絶望的な基準値を達成するということで、非常に苦慮しておりますことをご理解いただきたいと思っております。
河川のBODを指標にした場合と、湖沼のCODを指標とした場合に、若干基準値は異なっておりますけれども、改善の仕方といいますか、非常にCODは改善しにくいということがありますので、その点を考えて、基準値の決め方になりますが、達成できるような、やる気の起こる基準値をつくるかどうか。その辺を少し、根本的なところになると思いますが、現場サイドからはお考えいただければいいと思います。
河川も関係するかと思いますが、特に湖沼のCODで評価した場合と、pHとか、DOとか、これはこの場合ですとpH8.5以下、それから特にDO、多い分には構わないというように受け取れる基準値のつくり方、それは湖沼のメカニズム、水質のメカニズムを考えた基準値の設定方法ではないと思いますので、それは考える必要があるのかと常々思っています。
それから、これも直接は関係ないんですが、河川の評価をBODで見ているわけで、ほかに健康項目で見ておりますが、千葉県の河川で硝酸性窒素の数値が特に近年上昇傾向にあるということが大きな問題になっております。大ざっぱに言いまして、硝酸性窒素の高い河川というのはBODが低い河川が多うございまして、見た目は問題ないような河川で硝酸性窒素が高いということが往々にしてございます。それも川の見方としてずっと気をつけていかないといけないと思っております。
岡田委員長 では、課長から。基準の本質的な話はここでは必ずしも議論する対象にはなっていないと思いますが、環境省でも検討を全く無視しているというか、知らない顔をしているわけではないと思いますので。
望月課長 今、ここで話すのが確かかわからないですが、環境基準の見直しというのを実はやっております。これと別な場所なんですけれども、三十数年前に基準ができまして、そのときというのは、単純に言うとし尿を海洋にまくような、そういう時代で、川には魚は死んでいるみたいな、そういう有機物も非常に出ている状態だったわけです。実際に印旛沼の場合でもそうなんですけれども、CODが下がってきて、それ以上下がらなくなる状態が起こるのです。ところが、目標としては非常に低いところにあるということで、琵琶湖でも今3ぐらいなんですけれども、1という目標があったりしています。その辺のメカニズムが実はよくわかっていなくて、一つは難分解質といいますか、下水処理水を入れれば入れるほど難分解質がどんどん入ってきてしまっているんじゃないか。結果としてどんどん高くなっているというようなことがあるかもしれません。ですから、昔非常に悪い状態から今はかなり水質的によくなった状態になってみると、昔想定しないことがかなり出てきている。それが指標も含めて昔ながらのところがあるものですから、今、先生の言われたような問題が起こっているのを解決していかなければいけないということで、昨年からいろいろな懇談会で議論をしています。こちらは宿題として持っているものですから進めていますが、今、先生の言われたような課題については、別途議論をしながら、解決方向、単純に言うと本当にCODはいつまでやっても横ばいだ、これをどうするのかというようなことについても、何らかの方向性を出したいなということでやっておりますので、また別の機会にこの場でご報告させていただこうと思っております。
岡田委員長 ということで、ご不満はあるだろうと思いますけれども、多分先生方みんなどこかに思っておられることは百も承知ですので、今、小倉先生の指摘に対して課長からお答えいただいたわけです。ありがとうございました。
最後になりましたけれども、では天野先生、よろしくお願いします。
天野委員 私がまずお伺いしたいのは、2つ目の河川から湖沼への類型指定の変更ということなんですけれども、かいつまんで言うと、私は初めてですので教えていただきたいのが、そもそも湖沼指定をすることによって、何を主にねらっておられるかということなんですけれども、私はちょっと思いましたのは、まずは河川ではBODを基準にしようということで、先ほど課長もおっしゃいましたけれども、若干議論はあるけれども、有機物的なものの濃度ということで評価をする。今度湖沼の場合はCODになりますね。そうしますと、類型の同じAAでもAでも、当然数値も違いますし、BOD、CODの関連というのは、当然河川によって違うというのがあって、先ほど資料の5を見せていただくと、既に決まっている湖沼の中でAAがAになっているものとAAになっているものと、幾つかあって、この辺の議論がどういう議論のもとに決まったのかというのが一つ教えていただきたいという、質問です。
その際に、例えば有機物の指標だとしても、ダム湖の場合、私は仕事がらダム湖の水質をよく見るのですが、CODを決めているものが相当出水時の森林からの有機物由来のものであって、何を言いたいかと言いますと、人が努力したことによってなかなか変えづらい指標であるというのが大きくて、必ずしも湖沼、ダム湖における生産由来の生産物がCODの高さに必ずしも一致していないように見えるというところがありますので、湖沼指定にしたとして、何がアドバンテージがあるのかというのが、ちょっとわかりづらいので、教えていただきたい。
もう一つ、私が思ったのは、湖沼指定することによって、窒素と燐の基準というのが入りますので、ある意味CODが必ずしも指標としていいかどうかは別にして、ダム湖における位置づけを減らす方向に、例えばいろいろな手法にシフトするということによって、いいダムになるのではないかなと推察するところなんですけれども、その際に、一方気になりますのは、資料6にもありましたけれども、燐の濃度で、ある年だけ大きなものが出ていたと思うんですが、これは事実を見ていただければいいと思うんですが、ダムの場合は、よほどのダムでない限り、余り窒素、燐の測定をしていなくて、例えば年4回程度しかやっていないというのがざらにありまして、そういうところですと、例えばちょっとした大きな台風後の出水の後にデータを取られていると、そのデータが非常に高くなっていて、実際の水質を必ずしも代表していないのではないかと思われるところがありまして、そのあたり、窒素、燐の流域での対策を目指そうとする割には、今回見せていただいたデータのばらつきを見ると、十分なデータがとられていない場所があるのではないかと思われるので、そういう場合に今までとっていないというのは、管理者として余りお金が入っていないようなところであるかもしれないので、そういうところの場合、類型指定はしたんだけれども、その後の実態の把握というのにつながるかどうかというところに、若干の疑問が残るのではないかと思いました。全部ひっくるめて言うと、そもそも湖沼指定することによって、どういいことがあるということをシナリオとしてお持ちなのか、かいつまんで言うと、そういうことを教えていただきたいというのが質問です。
もう一つ、1ページ目の天然湖沼及び貯水量が1,000万立米以上で、滞留時間が4日以上である人工湖沼という定義があって、私は不勉強で、水の滞留時間が4日以上である人工湖というのが入っていたのを知らなかったんですけれども、滞留時間4日間というのは、どういう根拠で決められたかという話をお伺いしたいんですが。これは余り本質的ではない話なんですが。
岡田委員長 2番目の質問は簡単だと思うんですが、1番目の質問は大変難しいご質問だと思いますので、どういたしましょうか。答えられる範囲なり、次回に整理してお答えした方がいいかもしれませんし。
辻原課長補佐 4日ということなんですけれども、これは歴史がございまして、もともと4日という条件はついてはいなかったんですけれども、平成15年のときの、この前の当専門委員会の前の専門委員会でこのあたりが検討されまして、細かい話は私も今ご説明できないんですけれども、また次回必要であれば資料、コピーをおつけしたいと思うんですけれども、かなりいろいろご議論があったようで、初めは10日とか、20日とか、そういったものもあったんですけれども、富栄養化を防止するという観点で、水がたまりやすいものはどういう条件なんだろうかといったところで、そのときの総意としては4日間ぐらいでいいんじゃないかということになったということかなというふうに理解しております。ということで、直接的には富栄養化を防止するということで、こういった4日というふうな条件がついていることかと思います。
望月課長 1つ目の御質問は、森林が大半の原因だとすると、そのために人間は何もできないではないか。そのためにやるのかということがあって、確かにおっしゃるとおり、人為的な作用があるから人為的に努力して水質をよくするということはあるんですけれども、バックグラウンドとして森林があるとどうするかというのは、三十何年前にできたときには、余りそこまで気が回っていないときもあって、そういう意味ではちょっと問題点が出てきております。相当の濃度が入っていて、におうような、泡がたつような、そういう河川や湖沼状態が起こっていた時にできた基準でありますので、今、言われたことは確かに問題としてありますので、少しこれについては議論した上で、もう一遍お答えをしなければいけないと思っていますし、今のご質問は非常に的を得ているご質問かと思っております。
岡田委員長 予定の時間近くになっていますので、まだあるかもしれませんが、次回までの間にいろいろお気づきの点、ご質問等、特にご要望ですね、今の小倉先生と天野先生の両方のご質問は、ここの範囲を越えて答えにくい質問があるかもしれませんが、そういうことはとりあえずは余りお気にされないで、いろいろ事務局にコメント、それからご質問、指示をいただいて、次の検討のために準備するという手順をとりたいと思いますが、よろしいでしょうか。特に今ございますか。
望月課長 審議会からは基準どおりにやりなさいというのが出ているんですが、やはり現実を見て、一番専門委員会の先生ですから、そういうところから矛盾点があって、やはり基準がおかしいのではないかという疑問があるのであれば、それはこちらから出していただいた上で、それをまた逆に向こうの基準を考えるところへフィードバックさせたいなと思っております。今は基準は基準でつくらなければいけないというのがあるものですから。
岡田委員長 ここはある意味ではハウスキーピングみたいにやっているので、直接具体的な問題に当たりますので。
望月課長 ですから、ここでご意見をいただくと、こちらも非常に勉強になると思います。
岡田委員長 では、そういうことでよろしいでしょうか。
それでは、とりあえず今いただいたご意見を踏まえて準備すると同時に、本日出されました資料5の1ページ、2ページ、3ページ、これをとりあえず作業の見直しの方針の基準として今後の作業を進めていくということにさせていただきたいと思います。個別水域の話は次回以降詳細にご議論いただくということにさせていただきたいと思います。
ちょっと細かいことで、忘れないうちに、この資料の参考資料の6ページの一番最後の湖沼のイ、表の全窒素と全燐が逆ですね。これは直しておいてください。
先ほどご説明の中で、代表的な地点が環境基準を満たしているとか、満たしていないとかという説明があったんですが、よく覚えていないですが、湖沼の場合は複数点があった場合はすべてを満たしていたら満たしているとするとか、海の場合は平均値の平均値でしたか。何かいろいろ複数の環境基準点がある場合、要するに代表値の取り方が結構錯綜しているんですね、というふうに、うろ覚えで記憶しているので、そこはご確認いただきたい。ですから、1点でも超えていたら、湖心であろうと、何であろうと、超えていたら全部だめと見做すとか、たしかあるはずです。それをお願いします。
それでは、時間も過ぎましたけれども、次のことがございますので、今後のスケジュールについて、事務局から説明をお願いいたします。
辻原課長補佐 今後のスケジュールでございますけれども、資料の7をごらんいただきたいと思います。今後のスケジュールを書いてございますけれども、まず大きな方針といたしまして、この専門委員会は2カ年にわたって続けていきたいというふうに考えておりまして、この専門委員会としての報告も2回に分けて出していきたいというふうに考えております。まず、2.のところで平成19年度につきまして、ここに挙げております8水域、そして平成20年度につきまして残りの10水域ということで進めていきたいというふうに考えております。若干実情を説明いたしますと、後ろのものはかなり検討が必要なものが入っておりまして、我々も整理に時間が必要ということで、来年度以降またやっていきたいというふうに考えております。
それから、今年度の進め方でございますけれども、きょうは第1回目ということでございますけれども、資料には下旬と書いてございますけれども、次回12月の中・下旬で開かせていただきたいというふうに考えております。その結果、特に問題なしということであれば、パブリックコメントを1月ぐらいに実施いたしたい。その結果を踏まえまして第3回目を2月の下旬ぐらいに開かせていただきまして、その結果を踏まえて一次報告を出していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
岡田委員長 今のスケジュールですが、よろしいですね。
それでは、議事3のその他に移りますが、事務局から何かございますか。
辻原課長補佐 その他につきましては、特段ございません。
岡田委員長 それでは、次回は12月中・下旬ということになっておりますので、よろしくお願いいたします。 議事録の件はよろしいですか。
辻原課長補佐 議事録につきましては、作成次第各委員にお送りいたしまして、内容のご確認をいただき、当初ご説明しましたとおり次回の検討会に提出をいたしたいというふうに思っております。
岡田委員長 多分メールでお送りするかと思いますので、ぜひよろしくご協力のほどお願いいたします。 それでは、以上をもちまして本日の委員会を終了させていただきたいと思います。
午後 3時38分閉会