中央環境審議会水環境部会総量削減専門委員会(第8回) 議事録

議事録

午前10時00分 開会

【山田係長】 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第8回総量削減専門委員会を開会いたします。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中ご出席いただきまして誠にありがとうございます。

 議事に先立ちまして、高橋水・大気環境局長からご挨拶を申し上げます。

【高橋水・大気環境局長】 皆様、おはようございます。この度、7月末の異動で水・大気環境局長を拝命しました高橋と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 第8回総量削減専門委員会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。まず、皆様には平素より環境行政の推進とご理解とご協力、ご指導を賜っておりますこと、また、本日は大変ご多忙の中ご出席を賜りましたこと、誠にありがとうございます。

 閉鎖性海域をめぐる最近の話題として1つご紹介したいと思うんですけれども、今、国会のほうに瀬戸内法の改正法案が議員立法で提出されてございます。この改正法案が参議院環境委員会の審議を経て、先週金曜日に参議院の本会議で可決されたということで、これから衆議院の審議に入るところでございます。環境省といたしましても、今年2月にこの法案の理念をある程度取り込んだ形で、新しい瀬戸内海環境保全基本計画を閣議決定いたしました。これに基づきまして、きれいで豊かな瀬戸内海に向けた取組を、引き続き関係省庁あるいは関係府県等と連携して進めてまいりたいと思っております。

 さて、今日の専門委員会は、第8次の水質総領削減の在り方について、これまで7回にわたりましてご審議いただいている議論の取りまとめということでございます。これまで水質総量削減の実施状況でございますとか指定水域における水環境の現状、あるいは干潟・藻場の機能、水質将来予測など、多くの項目につきまして活発なご議論をいただきました。また、関係省庁、関係都府県、産業界、NPOの皆様にご協力をいただきヒアリングもさせていただきまして、さまざま貴重なご意見をいただくことができたと考えております。

 本日はこれまでのご議論を踏まえまして、第8次水質総量削減の在り方につきまして、総量削減専門委員会報告案をご用意させていただきましたので、この内容につきましてご審議をお願いしたいと考えております。どうぞ忌憚のないご意見を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

【山田係長】 本日の出席状況でございますが、委員16名中、現在のところ13名のご出席をいただいております。

 委員の皆様につきましては、お手元にお配りしております名簿をもってご紹介にかえさせていただきます。

 本日は、細見委員、鈴木委員からご欠席とのご連絡をいただいております。

 また、河村委員は遅れて来られるようです。

 また、事務局にも異動がありましたので、ご紹介いたします。

 今回の異動で江口総務課長が着任しております。

【江口総務課長】 江口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山田係長】 続きまして、資料の確認をさせていただきます。

 議事次第、配付資料の次に資料1と資料2となっております。資料2につきましては、2-1として本文、2-2として図表と分けております。

 不足がございましたら事務局にお申しつけください。よろしいでしょうか。

 本日の会議は、「中央環境審議会の運営方針」に基づきまして公開とさせていただいております。

 プレスの皆様は、これ以降の写真撮影等はお控えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 それでは、この後の議事進行につきましては岡田委員長にお願いいたします。

【岡田委員長】 おはようございます。

 委員の皆様におかれましては大変お忙しいところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 早速ですが、議事に入りたいと思います。

 本日の最初の議題は、第8次水質総量削減の在り方についてです。

 事務局より、まずは資料2の第1章についてご説明をお願いいたします。

【石川室長補佐】 それでは、資料2のご説明をいたします。

 資料2は、2-1と2-2に分かれております。適宜資料2-2の図表もご参照いただきながらご説明を差し上げたいと思います。

 資料2-1を1枚めくっていただきますと、目次になります。この目次につきましては、前回の専門委員会で構成案ということでお示ししております。その内容と変わりはございません。

 このうち第1章、水質総量削減の実施状況のご説明をいたします。

 こちらの実施状況につきましては、これまでの専門委員会の中でご審議、またご意見いただいたものを踏まえて取りまとめております。

 それでは1ページ、水質総量削減制度の概要ですけれども、こちらは今回、時間の都合もありますので割愛させていただきたいと思います。現在、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を対象として水質総量削減を実施しているということでございます。

 2ページ、(4)削減目標量の達成状況でございます。こちらについても特段の説明は割愛させていただきますが、これまで第6次までの水質総量削減制度、計画どおり目標を達成してきている状況でございます。

 1-2、汚濁負荷量の状況について、図表等を見ながらご説明したいと思います。

 資料2-2の4ページをご覧ください。

 図3、指定地域における汚濁負荷量の推移を見ていただきますと、各海域、指定水域ともにCOD、窒素、りん、いずれも着実に減少してきている状況でございます。

 5ページ以降は、各海域それぞれの汚濁負荷の状況についてグラフを整理しております。

 5ページの円グラフで東京湾を見ていただきますと、COD、窒素、りん、T-N、T-P、いずれも生活系の割合が多いことが特徴でございます。

 6ページには伊勢湾の状況を示してございます。伊勢湾につきましては、CODについては比較的生活系の割合が高く、T-Nについてはその他系の割合が高いということが整理されております。

 7ページの大阪湾は、東京湾と同じような状況でございまして、いずれも生活系の割合が高くなってございます。

 8ページには、大阪湾を除く瀬戸内海の状況を整理しております。こちらについては特にT-N、T-Pでその他系の割合が高い、CODについては産業系の割合が高いということで整理しております。

 本文の7ページをご覧ください。

 1-3、汚濁負荷削減対策の実施状況ということで整理してございます。

 (1)生活系汚濁負荷量の削減対策であります。

 こちらは図表集の2ページをご覧いただきたいと思います。

 表2の右端に指定水域の汚水処理率を整理してございます。これを見ますと平成21年度、東京湾では94%、伊勢湾では71%、大阪湾では92%、大阪湾を除く瀬戸内海では71%、いずれも平成16年度に比べて向上しているということであります。

 高度処理率というものも整理してございまして、こちらは11ページ、表10に整理しておりますけれども、高度処理率も各海域で進展が見られるということであります。左2つが平成16年度末の状況、右2つが平成21年度末の状況になっております。

 本文の8ページ、(2)産業系汚濁負荷量の削減対策であります。

 産業系の部分につきましては、総量規制基準の適用ですとか窒素、りんの排水基準、それから都府県、政令市による削減指導、さらには工場、事業場における実質的な取組によって、これまで取組が進められてきております。

 こちらも産業界の団体の方々からヒアリングを実施させていただきましたけれども、近年は、これまでの取組に加えて、従来の施設の増強ですとか安定的な処理によって効率的な汚水処理に取り組まれているといった状況をご発表いただいたところであります。

 (3)その他系汚濁負荷量の削減対策でございます。

 農業分野につきましては、化学肥料ですとか化学合成農薬、そういったものを低減するようなエコファーマーの取組ですとか、生物多様性の保全に効果の高い営農活動に対する支援などが行われているとか、畜産の分野につきましては管理基準に従って適正な管理が行われていること、家畜排泄物の適正処理のための施設整備等に対する支援が実施されていること等を、こちらもヒアリングの中でご説明いただいたところであります。

 養殖漁業につきましても、平成24年3月に水産基本計画が変更されておりまして、環境負荷の少ない持続的な養殖業の確立が掲げられ、それに基づいて漁場の改善計画が策定されているような状況でございます。

 9ページの1-4、汚濁負荷削減対策以外の対策の実施状況を整理してございます。

 まず(1)干潟・藻場の保全・再生・創出であります。

 現在、残された干潟・藻場の保全に配慮されていること、失われた干潟・藻場の再生、それから浚渫土砂などを活用した造成などの取組が進められているということです。それから港湾のエリアですけれども、全国の港湾71カ所で干潟・藻場の造成が行われているとか、それから、こちらは水産庁さんからのヒアリングの状況ですけれども、漁業者などが行う藻場・干潟の保全活動などに対する支援が実施されているような状況であります。

 (2)底質の改善であります。

 平成26年度末時点で東京湾、大阪湾、三河湾の3海域で合計約5,000万 m3の深掘り跡の埋戻しが行われています。また、瀬戸内海については、海砂利採取に対して各府県により採取禁止等の対応がなされているという状況になっております。

 10ページの(3)その他の取組であります。

 今回、ヒアリング等でいろいろご発表いただいたところを踏まえてまとめております。

 まず1段落目でありますけれども、東京湾、伊勢湾、大阪湾、広島湾で実施されている全国海の再生プロジェクトを初め、ヒアリングの中でも愛知県さんからご発表ありましたが、愛知県が主体となって三河湾の再生に向けた取組をいろいろな関係者の方々と連携して進められている。そういったところを踏まえて、国や地方公共団体、民間団体等の関係者が連携して水環境の保全・再生に向けた取組が進められているということを整理しております。

 2段落目、こちらも港湾の状況ですが、港湾45カ所で生物共生型港湾構造物が整備されているという状況。

 3段落目は、東京都さんにご発表いただいた中で整理させていただきましたが、東京湾では昭和61年から魚類、底生生物、プランクトンなど水生生物に着目した生き物調査が実施されているということ。

 大阪湾を除く瀬戸内海では、栄養塩類に着目した下水処理場における季節別運転管理、これはノリの養殖などが本格的に行われる冬場における規制の範囲内での窒素排出量増加運転でございますが、そういった湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じた試行的な取組が行われているということでございます。この取組につきましては、この委員会の中でもいろいろご意見をいただきましたけれども、このような取組を進める際には、順応的管理の考え方に基づいて、その効果や影響についてモニタリングを行い、科学的な知見の蓄積を進めていくことが重要であると整理させていただいたところです。

 以上、第1章の説明を終わります。

【岡田委員長】 ただいまの実施状況の部分について、ご意見、ご質問等がございましたらお願いいたします。

 特段よろしいですか。

 それでは、後でお気づきの点がございましたらまた戻ってご発言いただく時間をつくりますので、とりあえず次に進ませていただきます。

 第2章、指定水域における水環境の状況について、事務局からご説明をお願いいたします。

【石川室長補佐】 10ページの中ほど、第2章、指定水域における水環境の状況についてご説明いたします。

 2-1、水質濃度の状況でございます。

 こちらもこれまでのご審議の中で資料を提示しまして、ご議論いただいた内容を取りまとめたものとなっております。この取りまとめのデータでありますけれども、環境省が実施しております広域総合水質調査の結果をもとに整理したものであります。

 (1)CODでございます。

 図表の17ページ、指定水域別のCOD濃度の推移をご覧ください。

 こちらで昭和53年度から平成25年度までの推移を見ますと、東京湾、大阪湾ではやや低下傾向が見られて、伊勢湾ではほぼ横ばい、大阪湾を除く瀬戸内海ではやや上昇傾向が見られるということであります。

 また、18ページ以降では総量削減が開始された当時と近年の水平分布図を比較しておりますけれども、左側が昭和57年度から59年度の平均値、右側が平成21年度から24年度の平均値でございます。左と右の図を見比べていただきますと、東京湾と大阪湾では湾奥部で汚濁域の減少が見られ、湾央部から湾口部にかけては濃度の低下が見られるということ。

 それから18ページの下の図ですけれども、伊勢湾では湾奥部の一部で汚濁域の減少が見られますが、その他は大きな変化は見られません。

 20ページ、大阪湾を除く瀬戸内海では、大きな変化は見られないという状況になっております。

 21ページのグラフには、CODと同様に全窒素、T-Nの推移を整理しております。こちらを見ますと、東京湾、伊勢湾ではやや低下傾向が見られる、大阪湾では低下傾向が見られる、大阪湾を除く瀬戸内海ではほぼ横ばいで推移しているという状況であります。

 22ページ以降も同じく水平分布図、過去と近年の状況を比較した図を整理しております。これを見ますと東京湾、大阪湾では湾奥部で汚濁域の減少が見られる、伊勢湾では湾奥部の一部を除いて全体的に窒素濃度の低下が見られる、大阪湾を除く瀬戸内海では大きな変化は見られないという整理となっております。こちらは24ページです。

 (3)りんですけれども、こちらは25ページのグラフをご覧ください。

 東京湾ではやや低下傾向が見られる、大阪湾では低下傾向が見られる、伊勢湾及び大阪湾を除く瀬戸内海では、ほぼ横ばいで推移しているという状況になっております。

 26ページ以降でも、過去と近年の水平分布図の比較を整理しております。こちらでも東京湾、大阪湾では湾奥部で汚濁域の減少が見られる、伊勢湾では湾奥部の一部を除いて全体的にりん濃度の低下が見られる、大阪湾を除く瀬戸内海では大きな変化は見られないという状況になっております。28ページの図でございます。

 (4)底層DOでありますけれども、こちらは29ページから、過去と近年の夏季の底層DO─底層の溶存酸素量でありますけれども─の水平分布図の比較をお示ししております。東京湾では湾奥部の一部で底層DO濃度が上昇した水域が見られるものの、湾奥部全体として底層DO濃度は低下傾向にある。大阪湾、伊勢湾及び大阪湾を除く瀬戸内海では、上昇した測定地点も低下した測定地点もありまして、全体的に大きな変化は見られない状況になっております。

 32ページからは、透明度を整理しております。透明度につきましては、東京湾では湾奥部で透明度が上昇した水域が見られるものの、湾奥部の一部には依然として透明度の低い水域が存在している。伊勢湾では、湾央部を中心に透明度の上昇が見られる。大阪湾では湾奥部から湾央部にかけて透明度の上昇が見られる。大阪湾を除く瀬戸内海、34ページでありますけれども、こちらでは大きな変化は見られないという状況になってございます。

 続きまして本文の12ページ、2-2、環境基準の達成状況でございます。

 こちらは図表の35ページ、36ページにCOD、窒素及びりん、それぞれの環境基準の達成状況を整理しております。

 まずCODの平成25年度の状況でありますけれども、東京湾では63.2%、伊勢湾では56.3%、大阪湾では66.7%、大阪湾を除く瀬戸内海では77.3%となっております。窒素、りんですけれども、36ページでございます。東京湾では83.3%、伊勢湾では85.7%、大阪湾では平成22年度から100%、大阪湾を除く瀬戸内海では98.2%となってございます。

 2-3、障害の状況として、赤潮などの状況も整理しております。

 図表の39ページに東京湾と伊勢湾の赤潮発生件数の推移を示しております。東京湾では現在までほぼ横ばいで推移しています。伊勢湾では平成5年までに年間50件程度にまで大きく減少して、それ以降、近年はほぼ横ばいで推移している状況であります。

 図表の40ページ、瀬戸内海の状況を整理しております。一番上のグラフが瀬戸内海全体の状況、その下が湾・灘ごとに整理してみたグラフであります。全体の状況としては、長期的には減少傾向にありまして、近年は年間100件程度の横ばいで推移しています。

 それを湾・灘ごとに見ていきますと、一番上のグラフでありますが、大阪湾、紀伊水道、播磨灘では長期的に減少傾向にある。真ん中のグラフは備讃瀬戸などですが、概ね低いレベルで横ばいで推移している。一番下のグラフですけれども、特に豊後水道では近年、増加傾向にある。湾・灘ごとに見るとそのような状況も見てとれるということであります。

 瀬戸内海については赤潮による漁業被害も報告されておりまして、41ページの下のほうに赤潮発生件数と漁業被害件数の推移を整理しております。ピーク時には年間29件報告されておりましたけれども、近年は概ね10件程度で推移しているということであります。ただ、平成20年には19件、平成24年には18件の漁業被害も発生しているという状況であります。

 図表集の42ページ、こちらも瀬戸内海でありますが、瀬戸内海では近年、栄養塩類の取り込み量の多い大型珪藻、ユーカンピアなどを主構成種とする赤潮の発生及びノリの色落ち被害が報告されています。

 本文13ページ、(2)貧酸素水塊についても整理しております。

 図表の44ページ以降でありますが、東京湾、伊勢湾、大阪湾では、夏季を中心に大規模な貧酸素水塊が数カ月にわたって存在していることが確認されております。こちらは都府県さんの調査等によって整理されているような状況であります。

 本文(3)青潮についてもデータを整理しております。

 図表の49ページに東京湾と伊勢湾のグラフを整理しておりますけれども、東京湾では、増減を繰り返しつつも長期的には減少傾向が見られる、伊勢湾では減少傾向にあるということを整理しております。

 本文の14ページ、2-4、干潟・藻場の状況であります。

 図表の50ページから面積の推移を整理しております。

 東京湾の干潟の面積ですけれども、過去から大幅に減少し、1996年、97年の調査では約1,700ヘクタールとなっている。藻場についても1978年から79年の約1,400ヘクタールから大きな変化はないといった状況になっております。なお、近年では、例えば干潟4.4ヘクタール、浅場4.9ヘクタールが造成されたといった報告もなされております。

 伊勢湾の状況でありますけれども、干潟については徐々に減少し、1996年から97年の調査では約2,900ヘクタールとなっている。藻場の面積は、同様の調査で2,300ヘクタールとなっております。こちらも近年の状況といたしまして、伊勢湾で干潟59ヘクタールが造成されているといった報告もございます。

 図表の52ページ、瀬戸内海の状況でありますが、干潟が大幅に減少してきておりまして、1989年から90年の1万2,000ヘクタールからは大きな変化なく推移している。藻場につきましてはアマモ場が大幅に減少しまして、1989年から90年には約6,400ヘクタール、ガラモ場は同様の調査で5,500ヘクタールとなっている状況であります。こちらも2004年度以降の近年の状況でありますが、干潟が229ヘクタール、藻場146ヘクタール、浅場2ヘクタールが造成されているといった報告もなされております。

 2章の最後でありますが、2-5、栄養塩類等の状況を整理しております。

 図表の53ページからそれぞれの状況を整理しておりますが、栄養塩類、こちらでは態別ということで、T-N、T-P、DIN、DIPの濃度、それからクロロフィルaの濃度、水温の推移を整理しております。クロロフィルaの濃度といいますのは基礎生産力を示す目安として用いられる一方で、赤潮発生の判定の目安としても用いられているものであります。

 まず図表の53ページ、東京湾でありますけれども、栄養塩類の濃度はやや低下~低下傾向が見られる。クロロフィルa濃度については年による増減は大きいものの、ほぼ横ばいで推移している状況であります。

 図表の54ページ、三河湾を除く伊勢湾の状況でありますが、窒素濃度がやや低下~低下傾向が見られ、りんについてはほぼ横ばいで推移している。クロロフィルa濃度はやや低下傾向が見られる。

 図表55ページには三河湾の状況を整理しておりますが、三河湾では栄養塩類の濃度はやや低下~低下傾向、クロロフィルa濃度は、年による増減は大きいもののほぼ横ばいで推移しているといった状況であります。

 図表集の55ページは大阪湾の状況であります。大阪湾については栄養塩類、クロロフィルa濃度、いずれも低下傾向が見られます。

 大阪湾を除く瀬戸内海では、湾・灘ごとに57ページから67ページに整理しておりますけれども、湾・灘ごとに栄養塩濃度とクロロフィルa濃度に傾向の違いが見られております。

 以上が第2章の説明になります。

【岡田委員長】 ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたら承りたいと思います。

【松田委員】 図表集52ページの図39、瀬戸内海の干潟・藻場面積の推移で、アマモ場、ガラモ場以外にその他という青いバーがあって、これがアマモ場とガラモ場を足したより大きいぐらいの値で近年増えていますが、実際これは何でしたかわかりますか。この緑と茶色っぽい色の図は今までもよく紹介されたと思うんですが、この青いのが何だったか、もしわかったら教えてください。

【石川室長補佐】 これは自然環境保全基礎調査で各府県さんに調査をお願いしているもので、その結果を集計しているものですが、アマモ場とガラモ場に属さないものを青い「その他」と整理しております。どこまで詳細にアマモとガラモ以外のものが整理されているのかは確認してみないとわからないんですけれども、アマモ場、ガラモ場以外の藻場として各都府県さんから情報があったというものであります。

 その内訳についてはまた整理してご報告したいと思いますが、伸びているのは、1978年の調査と1989年から90年に行われた調査の精度が少し違うこともありまして、単純に比較はできないのではないかといったことも報告書の中では述べられています。

【岡田委員長】 では、事務局のほうでよろしくお願いいたします。

 他にございますか。

 よろしければ、次に第3章、指定水域における水環境に係る分析の部分、事務局からご説明をお願いいたします。

【石川室長補佐】 本文の15ページ、第3章、指定水域における水環境に係る分析についてご説明いたします。

 こちらは特に前回ご議論いただいたところでありますけれども、そのご議論を踏まえて整理したところであります。

 まず(1)水質汚濁に影響を与える要因といたしましては、図表集68ページの上の図に、水質汚濁に影響を与える要因ということで整理させていただいております。

 本文(2)負荷削減と水質改善の関係につきましては、グラフを3つほど整理しております。こちらは図表集68ページ、69ページでありますけれども、68ページにはCODの状況、69ページ上の図にはT-Nの状況、下の図でT-Pの状況を整理しております。こちらを見ますと、COD、窒素、りんいずれも、水域面積当たりの汚濁負荷量が大きい海域ほどその濃度が高くなっている。また、水域面積当たりの汚濁負荷量の削減量が大きい海域ほど水質濃度の低下傾向が見られるといった状況になっております。この横軸が水域面積当たりの負荷量、縦軸が海域での水質濃度となっております。過去からの変遷を示しておりまして、右から左に行くと汚濁負荷量が下がって、縦軸は上から下に行くに従って水質濃度が改善する。要は、このグラフの右上から左下に向かって矢印が伸びている、全体的な傾向としてはそういう傾向である。

 ただ、68ページのCODにつきましては、近年、必ずしも左下のほうには行っていないというご議論がこの委員会でもございまして、本文の(3)COD寄与率の状況を整理しております。CODの起源別の内訳に着目しまして、COD寄与率の状況をシミュレーションモデル、それからΔCOD法によって把握したということであります。

 シミュレーションモデルを用いた推定については、図表集の70、71ページに東京湾、伊勢湾、大阪湾の状況を示しております。これを見ますと、東京湾では内部生産の寄与が最も大きくて、伊勢湾と大阪湾ではともにバックグラウンドの寄与が最も大きくなっております。

 ΔCOD法による推定でありますが、こちらは図表集72、73ページであります。昭和56年度から58年度と近年の状況を比較しておりますけれども、いずれの海域においても陸域負荷の割合が低下してきていて、それに伴って内部生産ですとかバックグラウンドの比率が相対的に高まっているという状況が確認されております。

 それぞれの手法による結果を総合的に勘案しますと、近年のCOD寄与率の状況といたしましては、内部生産やバックグラウンドの割合が比較的大きく、一方で、陸域負荷の割合も一定程度を占めているといった傾向を見てとることができると整理しております。

 本文(4)窒素・りんが内部生産に及ぼす影響につきましては、図表73ページの下のほうに整理しております。負荷条件を変更した場合の内部生産量の変化ということで、東京湾を対象に、シミュレーションモデルによって窒素・りんの負荷量に係る条件をそれぞれゼロにした場合の内部生産量を算出しています。そのそれぞれの条件といいますのが、陸域からの流入負荷やバックグラウンドの濃度、底質からの溶出、そういったものをゼロにした場合に内部生産量がどうなるかということで、算出したものであります。

 その結果、東京湾では特に陸域負荷が内部生産量に大きな影響を及ぼしている。このグラフで見ますと、現況では347という値が載っていますが、窒素、りんそれぞれ陸からの負荷をゼロにした場合、152と133と書いてありますが、このぐらい低減されるということで、特に陸域負荷が内部生産量に大きな影響を及ぼしているということを整理しております。

 (5)外海のCOD濃度の状況でございますが、近年、寄与率が高まっているということで、外海の濃度を整理したものであります。こちらは図表の74ページになります。上のグラフは太平洋沿岸62地点、下のグラフは瀬戸内海の太平洋沿岸23地点のCOD濃度を整理したものであります。いずれもやや上昇傾向を示しておりまして、太平洋沿岸62地点では、平成11年度以降は1.3ミリグラム/リットルで推移しているといった状況になってございます。

 本文の16ページ、3-2、干潟・藻場の機能であります。

 こちらも前回ご議論いただきました。

 (1)干潟・藻場の水質浄化能でございますが、図表の76ページに関係の表を整理しております。

 まず、干潟・藻場の水質浄化能に着目して試算するということで、干潟・藻場全体の水質浄化能が報告されている文献をもとに、それぞれの水質浄化能を算出しております。それが表21、干潟・藻場の水質浄化能で、干潟では窒素が90.1、りんが15.4、藻場では16.3、りんが1.3といったことで水質浄化能を設定しております。

 本文(2)指定水域における干潟・藻場の水質浄化能の試算ですが、今回整理した浄化能に干潟、藻場それぞれの面積を乗じて指定水域での水質浄化能を整理してみました。なお、干潟については、今回の試算においては既存の知見を踏まえまして、干潟前面に広がる浅場、ここでは水深3メートル以浅としておりますけれども─においても干潟と同程度の水質浄化能が期待できると仮定しております。

 その結果、算出された浄化能が表23と表24、干潟、藻場それぞれの値を出しております。表の上の数字はそれぞれの海域における浄化能、キログラム/日となっております。それぞれの表の下の欄には、平成21年度における流入負荷量に対する割合を整理しております。総合的に見ますと、干潟では窒素2~9%、りんが6~20%、藻場では窒素0.1~1%、りんも0.1~1%という結果になっております。

 なお、委員会の中でもご意見いただきましたけれども、水質浄化能の程度といいますのは、干潟・藻場の状態や規模、生物の現存量、水質汚濁の程度などによって異なるため、留意が必要であるということも記載しております。

 3-3、水質将来予測であります。

 18ページの(2)水質将来予測結果をご覧ください。

 図表集の81ページから東京湾の結果などを整理しておりますけれども、こちらは前回ご議論いただきました。水質将来予測の結果といたしまして、平成31年度を目標年度として予測しておりますが、東京湾、伊勢湾、大阪湾では特に湾奥部において水質の改善傾向が見られた。大阪湾を除く瀬戸内海では大きな変化は見られないという結果になっております。

 第3章の説明を終わります。

【岡田委員長】 ただいまの部分でご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

 よろしいですか。

 では、とりあえず最後まで進ませていただきます。

 第4章について、事務局からご説明をお願いいたします。

【石川室長補佐】 第4章、第8次水質総量削減の在り方について、本文でご説明したいと思います。

 4-1、4-2とありますが、こちらについては前回お示しし、ご議論いただいたところであります。4-1からご説明させていただきます。

 4-1、指定水域における水環境改善の必要性につきましては、各水域での改善の必要性を整理しております。

 大きく3つに区分しておりまして、(1)東京湾と伊勢湾においては、環境基準達成率が低く、大規模な貧酸素水塊も発生しているため、今後も水環境改善を進める必要があると考えられる。

 (2)大阪湾においては、窒素及びりんについて、平成22年度から環境基準の達成が100%を維持しているという状況を踏まえまして、窒素、りんの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から、水環境改善を進める必要があると考えられる。

 (3)大阪湾を除く瀬戸内海においては、他の指定水域に比較して水質が良好な状態であり、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じることが妥当と考えられる。

 このように整理しております。

 4-2、対策の在り方につきましては、前段で、特に今回の諮問で「豊かな海」というものを入れたこともありまして、水質浄化機能に加えて生物多様性、生物生産性の確保といったところに触れていますのと、2段落目には、先ほど挨拶の中にもございましたが、瀬戸内海環境保全基本計画の変更が本年2月に閣議決定されておりまして、特に湾・灘ごとや季節ごとの課題に対応する必要があるといった考え方を踏まえる必要があるということを入れております。

 (1)汚濁負荷削減対策でありますけれども、アでは、東京湾、伊勢湾、大阪湾においては、(ア)から20ページの(オ)までの具体的対策に取り組んでいく必要があるということで整理しております。ただ、アの2段落目「なお、」以下に書いておりますけれども、大阪湾においては、窒素及びりんの環境基準の達成状況を勘案しつつ、特に有機汚濁解消の観点から必要な対策を推進することが必要であると整理しております。

 (ア)については生活系汚濁負荷量の削減対策、(イ)については産業系の負荷量削減対策、(ウ)についても産業系ですけれども、小規模事業場などに対する取組を書いております。(エ)については農業での対策、取組の状況などで整理したところでありますけれども、エコファーマーですとか家畜の適正な管理、そういったところを推進していく旨を書いております。(オ)養殖業については、魚類養殖の環境負荷を低減する取組などを整理しております。

 イは、大阪湾を除く瀬戸内海においては従来の取組を進めるほか、「また、」以降で整理しておりますが、生物多様性・生物生産性の確保の重要性にかんがみて、地域における海域利用の実情を踏まえた取組、例えば栄養塩類に着目した下水処理場における季節別運転管理など、そういった湾・灘ごと、季節ごとの状況に応じたきめ細やかな水質管理について、その影響や実行可能性を十分検討しつつ、順応的な取組を推進していく必要があると整理しております。

 (2)干潟・藻場の保全・再生、底質環境の改善等であります。

 こちらはそれぞれの海域ということではなくて、全ての海域に共通の事項として(ア)から(キ)まで整理しております。こちらも前回ご説明を差し上げましたとおり、(ア)から(エ)については概ね第7次の在り方に書いてあったような内容であります。ただ、(ア)で「干潟・藻場の分布状況把握など基礎情報の整備を進めつつ、」というところを新たに追加しております。

 (オ)からが今回、第8次で新しく追加したところでありますが、(オ)については、新たな護岸の整備や補修・更新時には生物共生型護岸の採用に努める必要がある。

 (カ)につきましては、海の再生プロジェクト、対策の取組の状況でご説明しましたが、そういったところも踏まえまして、国や地方公共団体等の関係行政機関、NPO、漁業者、企業など地域の多様な主体が有機的に連携して、総合的に取り組んでいくことが重要であり、そのような取組を進めていくための仕組みづくりなどを進めていく必要があることを整理しております。

 (キ)につきましては、そのような対策を実施する者、NPO、漁業者、企業などに対し、その活動が促進されるような支援に努める必要があると整理しております。

 (3)目標年度であります。

 こちらについても前回ご説明のとおり、平成31年度を目標年度とすることが適当であると整理しております。

 4-3、今後の課題でございます。

 こちらについては前回の委員会では提示しておりませんでした。今回、初めて提示させていただきますが、2つ記載しています。

 (1)は、調査・研究の推進等であります。

 これまで水環境の現状などで整理してきた状況を見ますと、指定水域における水環境を取り巻く要因はそれぞれ変化してきております。そのため、その状況の把握ですとか対策の検討などを行う際には、水質の保全ですとか生物の多様性、生産性の確保といった複合的な観点から、科学的に裏付けられたデータの蓄積等を進めることが不可欠である。このため、これ以降には観点を書いておりますけれども、水質汚濁に影響を及ぼす要因といたしまして陸からの汚濁負荷、内部生産、底質からの溶出等、それから水質の状況、貧酸素水塊や赤潮の発生状況、干潟・藻場の状況、栄養塩類の円滑な循環、植物プランクトンや水生生物の動態及び気候変動による影響等に着目して、科学的な見地からまずは各種調査・研究を推進する必要がある。また、そのような調査に関する知見の充実を踏まえ、指定水域における総合的な水環境改善対策について検討を行う必要があると整理しております。

 (2)につきましては、情報発信及び普及・啓発の充実であります。

 前回の委員会の中で、海に親しみを持つことが重要であるといったご意見もいただきましたので、こちらで整理しております。指定水域における総合的な水環境改善を推進するためには、地域住民を含めた関係者がそれぞれの立場で実施可能な取組を進めることが重要である。そのため、幅広い関係者が海に親しみを持ち、指定水域の水環境に関する状況を把握することができるよう、水環境に関する情報発信及び普及啓発を充実させる必要があると整理しております。

 以上が第4章の説明になります。

【岡田委員長】 第4章に関しまして、ご意見、ご質問等がございましたら承りたいと思います。

【木幡委員】 膨大な資料の説明、ありがとうございました。

 1つだけ気になったのは、資料2-1の10ページ、(3)その他の取組の一番最後に「順応的管理の考え方」とあります。それから今、ご説明いただいた20ページのイの中に、やはり「順応的な取組を推進」とあるんですけれども、この順応的な取組というのは、何となくわかるような気もするんですが、具体的にどのようにイメージすればよろしいんでしょうか。

【石川室長補佐】 順応的な管理というのは、環境省の中では、例えば自然再生推進法などが施行された頃から使われているんですけれども、基本的には、何か対策をするときに科学的な知見に基づいて、要は調査に基づいて対策を進める、また、その検討に当たっては科学的な知見を利用することが前提であるということです。そのために、ある施策を進めていくためには「このようなことをすると将来こういう結果が得られる」という仮定を置いた上で、ただ、その仮定が正しいかどうかモニタリングし、その結果を踏まえて、その仮定が少し方向が違うようであれば適宜見直して、科学的なモニタリングの結果に基づいて適宜計画なども柔軟に見直しながら対策を検討し、進めていくといった考え方を、ここでは「順応的な管理」として使っております。

【木幡委員】 施策を打ちながらモニタリングをきちんと続けるということですよね。そういうことで、この委員会の報告としては「必要がある」と言いっ放しなんですが、具体的に、例えば「環境省のほうでこんな施策がある」といったものがあったら教えていただきたいんですが。

【石川室長補佐】 例えば季節別運転管理、瀬戸内海で行われておりますけれども、こちらにつきましては、例えば府県さん等の事業主体が水質の状況ですとか排水の状況についてモニタリングしていく、そして、一部その結果に基づいてシミュレーションなどでその効果や影響なども評価されているようなことがありますので、そういったところは引き続きデータの蓄積を進めていく、それに基づいて評価していくということであります。

 環境省といたしましても、どちらかというと、4-3、今後の課題に通じる部分があると思いますが、それぞれ要因が変化してきておりますので、さまざまな観点からの調査で、まず海域はどういう状況なのか、今回は環境省のデータをもとに整理しておりますけれども、それぞれの主体が取得されている調査結果などもありますので、そういった結果なども適宜活用しながら、各海域で今、水環境がどういう状況であって、どういう対策が必要かを整理していきたいと考えております。

【岡田委員長】 他にございますでしょうか。

 第4章だけではなくて、第1章から含めて何かご指摘ございますでしょうか。

【松田委員】 本文7ページの上のほう3分の2ぐらいに発生負荷量や水質の推移について書いてあります。その中で、例えば上から5行目とか7行目に「平均水質も大きく低下している」「平均水質も低下している」という書き方があります。このページには7カ所ぐらいあるんですが。特に説明なしに「水質が低下」と言うと、普通の日本語では水質が悪くなったというイメージを持たれる可能性があるのではないかと思うんですが、事実関係は、図表の9ページを見ればわかるように、CODや何かの数値が低下したということですよね。9ページの表7や8には平均水質(mg/L)と書いてあるので問題ないんですけれども、本文7ページの表現はちょっとご検討いただきたいと思います。

 関連して10ページには、例えば2-1に「水質濃度」とか、その(1)CODでは「CODの濃度レベル」という言葉も使われているんですよね。ですから、その辺りを含めてちょっとご検討いただいたほうがいいのかなと思うんですけれども。

【石川室長補佐】 ご指摘のとおりだと思いますので、表現など工夫させていただきます。

【岡田委員長】 ご指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。これは事務局のほうで修正してください。

 他にございますか。

【古米委員】 今、ちょうど平均水質濃度の話が出たので、関連して確認したいと思います。資料2-2の現状を把握する際に使われている17ページ、18ページ辺りを見ますと、昭和57~59年度の広域総合水質調査の測点は平成21~24年度の測点とは異なっています。要は平均をとっている地点が違うのですが、それを平均したこと自体がその海域の代表性を持っているという担保があると、その水質平均濃度を経時的に見ることによって評価できることになろうかと思います。今回は、シミュレーションを行うことによって東京湾、大阪湾でも湾奥部で非常に水質改善が見られるというように、調査データの測点の話とともに、将来の水質予測において重要性の高い地点がある程度わかってきたときに、どんなところを測定点とするか、どういった点を対象に平均した値で水質改善が行われているかを捉えるかなどを考えないといけない時期になっているのではないかと思います。

 そうしますと、最後の一般的な研究調査の推進が必要であるといった記述の中に、やはり水質の将来予測シミュレーションの充実と、それに対応した形での水質調査によって現状を正しく把握し、将来の対策効果を評価していくといった言葉があってもいいのかなと思います。

 2つ目は、幾つか閣議決定されたものだとか、あるいは瀬戸内海の法律等があって、それを踏まえながら将来の閉鎖性水域の話をしておりますが、1つ閣議決定したものとして水循環基本計画があって、その基本計画では湾全体ではないものの、沿岸部までは対象として捉えています。やはりこの取りまとめにおいても流域的な観点でしっかりやるんだというような表現が出てきてもいいのかなと思います。また、当初この総量削減が定義されたときの資料2-2の1ページにある「指定水域」と「指定地域」というものについて、東京湾の場合には埼玉、東京だけが入っていますが─千葉も神奈川も入っていますけれども─上流域の栃木県、群馬県からも汚濁負荷の一部が入ってきているわけです。流域管理という観点からすると、やはり従来型の指定地域のとらえ方についても、すぐに変えるべきということではないですが、考え方を一応整理する時が来ているのではないかと思います。今後の課題の中に上手に入れていただくといいかと思います。

【石川室長補佐】 ご指摘を踏まえて、特に今後の課題の部分、(1)の部分が主だと思いますけれども、その辺りと、あと水循環基本計画の話もいただきましたので、表現もあろうかと思いますが、特に流域管理という部分が重要だというご指摘だと思いますので、その辺り工夫をさせていただいて、整理したいと思います。

【岡田委員長】 では、そのようにお願いいたします。

 他にございますか。

【長屋委員】 報告書の内容につきましては、異論はございません。

 私ども、海を生活の場にしている漁業者の立場から、前回の第7次の検討の段階から、いろいろな管理が行われている中で海の現場で何が起きているか訴えをさせていただきました。

 第7次の報告書の取りまとめのときにも、基準を達成した瀬戸内海等における、今後の管理の在り方をご検討いただく、そのための調査・研究を進めていただくということが前回の取りまとめの中にあったわけですが、それに基づきまして、新たに「きれいで、かつ豊かな海」という概念を入れていただいた中で、藻場・干潟、こういうものの再生等を含めた総合的な対策を打っていただく、また、瀬戸内海については季節ごと、そして湾・灘ごとのきめ細かな管理の方法を入れていただいているところでございます。

 私どもとしては、今後もこのようなさまざまな管理をご検討いただくときに、漁業者サイドから現場、現場で何が起きているか、いろいろな形でまた訴えをさせていただきたいと思いますので、ぜひこの辺を受け止めていただいて、今後の管理に生かしていただきたい、そんなことをご要望申し上げさせていただきます。

【岡田委員長】 これは事務局よろしいですね、当然。

 他にございますか。

【中村委員】 第4章で2点ほどお願いがあるんですけれども、まず、20ページの(2)干潟・藻場の保全・再生、底質環境の改善等で(ア)に「干潟・藻場の分布状況把握など基礎情報の整備を進めつつ、」と書いてございまして、ぜひこれを進めていただきたいのですが、関連して、第2章の2-2、図表でいきますと50~52ページに最近の干潟・藻場面積の推移が載っているわけですけれども、残念ながら、ほとんどのところで1996~97年でデータが止まっておりまして、これはぜひ環境省のほうで継続して、まず自ら過去の調査と同じような調査を進めていただきたいと思います。これが1つの要望です。

 もう一点、第4章に関連して21ページ、4-3、今後の課題の(1)調査・研究の推進等で「科学的に裏付けられたデータの蓄積」あるいは「各種調査・研究を推進する」という言葉がありまして、これはそのとおりだと思うんですが、これだけ見ますと、何か新しいことをするような感じにも受け取れるわけで、やはり従来蓄積されたさまざまな環境調査を継続して、比較推移を見るという視点が非常に重要ではないかと思いますので、ぜひモニタリングの継続であるとか、そのような関連の言葉をこの中に入れていただければありがたいと思います。

【根木閉鎖性海域対策室長】 ご指摘ありがとうございます。

 1点目について、今年度から瀬戸内海において藻場・干潟の分布を把握するといったことに取り組んでおりますが、ご指摘のところは瀬戸内海だけでなくということかと思いますので、受け止めさせていただきたいと思います。

 また、2点目の調査・研究の推進のところについても、少し書きぶりを検討したいと思います。

【中村委員】 関連して、最初の点ですけれども、さまざまな努力で干潟を、自然の干潟ではないけれども造成して増やしていたり、あるいは藻場についても、これは私の感覚的な印象なので実態はどうかわかりませんけれども、ここ5~10年程度で藻場が増えているような印象があるんですよね。これは総量削減とどういう関係があるかはともかくとして、やはり生態系の保全・修復に向けていろいろな努力、あるいはその結果として自然の藻場が増えているのであれば、それをぜひ基礎資料として入れていただければ、みんななお元気が出るのではないかと思います。

【岡田委員長】 ありがとうございました。

 他にございますか。

 特段ないようでしたら、今、幾つか追加・修正のご意見をいただいております。このご意見につきましては、恐れ入りますが、私と事務局で整理させていただきたいと思います。それを本委員会報告案としてパブリックコメントにかけるという手順をとりたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なし)

【岡田委員長】 どうもありがとうございました。

 それでは、この件はお認めいただいたということで、事務局は必要な作業を進めていただきたいと思います。

 その他、事務局から連絡事項等ございますでしょうか。

【山田係長】 ありがとうございました。

 それでは、本委員会報告案のパブリックコメントに向けた準備を進めていきたいと思います。

 パブリックコメントの開始の際には、委員の皆様には改めてご連絡いたします。

 また、パブリックコメントの終了時には再度、本専門委員会を開催いたしまして、ご意見への対応についてご審議いただいた上で、委員会報告として取りまとめていただければと思っております。

 次回の専門委員会の日程につきましては、事務局といたしましては11月頃に開催させていただきたいと思っております。後日日程調整いたしますので、よろしくお願いいたします。

 また、最後ですけれども、議事録につきましては速記がまとまり次第、皆様にお送りいたしますので、ご確認をお願いいたします。全員にご確認いただいたものを環境省ウェブサイトにて公開する予定です。

【岡田委員長】 それでは、以上をもちまして第8回総量削減専門委員会を閉会とさせていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

午前11時13分 閉会

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