中央環境審議会水環境部会生活環境項目環境基準専門委員会(第1回)議事録

午前9時56分 開会

○宮崎課長 定刻よりまだ少し早い時間ではございますが、委員の先生方、皆様おそろいですので、これから第1回の中央環境審議会水環境部会生活環境項目環境基準専門委員会を開会させていただきたいと思います。
 委員の皆様方には、ご多忙中にもかかわりませずご参集賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日はこの専門委員会の委員総数11名の先生にお願いしておりまして、皆様のご出席をいただいておりますので、開会させていただきます。
 それでは、議事に先立ちまして、環境省の平岡審議官からご挨拶を申し上げます。

平岡審議官 環境省の大臣官房審議官をしております平岡と申します。水環境を担当させていただいております。第1回目の専門委員会開催ということでございまして、一言、ご挨拶を申し上げたいと思います。
 本日は、委員の皆様方には、大変ご多忙のところをご参集いただきまして、ありがとうございます。また、日ごろから水環境行政に対しまして大変ご指導をいただいておりますことに、お礼を改めて申し上げたいと思います。
 水質汚濁に係ります生活環境の保全に関する環境基準でございますが、これは遡りますけども、昭和46年にCOD等の環境基準が設定されまして、また、その後、昭和57年には湖沼、平成5年には海域のそれぞれ窒素及びリンの環境基準項目が追加されたという歴史がございまして、これまで、そういったものに基づきまして、行政や事業者等で水質改善の取組というものが行われてきているところでございます。
 ただ、閉鎖性海域・湖沼におきましては、COD等の有機汚濁の環境基準の達成率というのが低いという状況が続いてございますし、また、水域によりましては、夏季を中心に貧酸素水塊の発生といったようなこともありまして、水生生物への影響等も依然として問題になっておるというふうに認識をしておりまして、こういった状況を踏まえて、より適切な指標というものの設定が必要ではないかということで、良好な水環境の実現に向けた施策を効果的に実施していくために、平成25年8月30日付で、環境大臣から中央環境審議会に対しまして、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の見直しについてということで諮問をさせていただいておるところでございます。
 この諮問に関しましては、本日は第1回目の専門委員会ということでございます。今後の水環境行政の目標となるような、また、国民の実感にも合ったような指標ということで、下層溶存酸素及び透明度ということに着目をしてご議論をいただこうということで考えておるところでございまして、忌憚なくご議論いただければというふうに考えておる次第でございます。
 本日は、よろしくお願い申し上げます。

宮崎課長 それでは、本日が第1回の専門委員会でございますので、初めにご出席の委員の先生方をご紹介したいと思います。
 まず、座席の順にご紹介させていただきます。
 私の左のほうから、大久保委員でございます。
 続きまして、鈴木委員でございます。
 鈴村委員でございます。
 田中委員でございます。
 樽谷委員でございます。
 岡田委員でございます。
 中村委員でございます。
 西村委員でございます。
 花里委員でございます。
 福島委員でございます。
 古米委員でございます。
 続きまして、事務局もご紹介させていただきたいと思います。
 先ほどご挨拶申し上げました平岡審議官でございます。
 私、水環境課長の宮崎と申します。よろしくお願いします。
 それと、課長補佐の根木でございます。
 専門官の松浦でございます。
 係長の岡島でございます。
 以上でございます。
 続きまして、お手元の配付資料についてご確認をしていただきたいと思いますが、議事次第にありますように、本日は、配付資料、資料1から8ということと、参考資料1と2ということでお配りしております。過不足等ございましたら、事務局まで言っていただければと思います。
 この専門委員会、第1回ということもございますけれども、本専門委員会の委員長を決める必要がございました。本日、参考資料1におつけしておりますけれども、中央環境審議会の議事運営規則第9条第2項に基づきまして、専門委員会の委員長につきましては、部会長が指名するという規定になってございます。部会長にご相談したところ、部会長ご自身がこの専門委員会の委員長を務めていただけるというお話になりましたので、岡田先生に、この専門委員会の委員長をお願いしたいというふうに考えております。したがいまして、以下の進行につきましては、岡田委員長にお願いしたいと思います。

岡田委員長 本日は、ご多忙の中、朝早くからお集まりいただきまして本当にありがとうございます。
 今、宮崎課長からお話ございましたが、水環境部会長として、この専門委員会の委員長を務めるべきかというのは若干迷いもございました。ただ、この環境基準、特に生活環境基準を検討するというのは、先ほどの平岡審議官のお話にもございましたように、水環境行政というか、水環境を守るための目標を決めるという意味で極めて重要なものであるということ、それから、あと一つ、実は溶存酸素とか透明度、これからご議論いただくようなことにつきましては、もう既に20年以上前に、環境省内で小さな委員会というか、会がございまして、そこで議論した、その議論に私自身も加わったことがございます。当然のことながら、このような議論を進める上で、ここにみんなが初めて集まって「さあ、どうしましょう」というのは、あまりに膨大な検討内容が含まれています。
 そういう意味におきまして、今までもいろんな形で予備的な検討、私もメンバーとして参加させていただきました。ここにいらっしゃる先生方の多くも、その中でいろんなご意見をいただいてきて、いよいよ専門委員会としてきちんと最終的に決めるという段階になりました。というような理由で、これは大変僭越ではございますが、私自身が委員長を務めさせていただくということにさせていただきました。
 これまでの検討の経緯もご存じの先生、それからご存じない先生も多少いらっしゃるかもしれませんが、これが最終段階、もちろん水環境部会がございますが、事実上、専門的にご検討いただく最終段階でございます。ぜひ忌憚のないご意見をいただいて、今までは予備的な検討で、パーフェクトでなかった部分も多分あるかと思います。その辺のところは、きちんと洗い直して、いいものになれば大変ありがたいと思います。
 ぜひ、よろしくご指導、ご協力のほどをお願いして、私のご挨拶にかえさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、本専門委員会の運営方針でございますが、中央環境審議会の運営方針等により、部会長が設定するということになっており、既に定められたものがございます。これにつきましては、事務局よりご説明を、じゃあ、お願いいたします。

根木課長補佐 取材のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
 それでは、資料2をご覧ください。専門委員会の運営方針についてご説明いたします。
 Ⅰのところに部会の運営方針ということで書いてございますが、資料の下を見ていただくと、専門委員会の運営方針は上記の部会の運営方針に準ずるものとするというふうになっております。
 部会、専門委員会は、原則公開でございますが、会議を非公開とするときは、部会長はその理由を明らかにするものとするということであります。
 また、会議録につきましては、その調製に当たっては、会議に出席した委員等から明示の了承を得ると。その上に、原則として、次回の会議において公開するということになっております。長期にわたり次回の会議が開催されないことが予想される場合は、次回の会議の開催を待たずに、明示の了解を得た後に公開するということになっております。また、会議録を公開する場合には、発言者の氏名を記載するということでございます。
 また、資料の公開についてでございますが、資料は原則公開ということでございますが、関係者と調整中の資料、その他の公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある資料については、部会長は、「委員会限り」である旨を明記した上で、非公開とすることができると。それ以外は、部会終了後公開ということになっております。
 専門委員会の運営方針については、中央環境審議会の議事運営規則によるほか、総会の決定の1番、2番、そして今説明申し上げた部会の運営方針に準ずるということになっております。
 中央環境審議会の議事運営の基本的な資料につきましては、参考資料1として添付しております。
 以上でございます。

岡田委員長 ありがとうございました。
 本専門委員会の運営方針については、ただいま事務局からご説明のあったとおりでございます。各委員におかれましては、ご理解いただいて、よろしくご協力のほどをお願いいたします。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 議事1の諮問について、事務局からご説明をお願いいたします。

根木課長補佐 資料3をご覧ください。資料3は、平成25年8月30日付で、石原環境大臣より中央環境審議会の会長に、生活環境の保全に関する環境基準の見直しについてということで諮問されたものでございます。
 環境基本法の規定に基づきまして、「水質汚濁に係る環境基準について」と昭和46年の環境省告示がございますが、これの生活環境の保全に関する環境基準の見直しについて、審議会の意見を求めるという諮問でございます。
 諮問理由についてですが、水質汚濁に係る環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準が昭和46年に制定されておりまして、その後に全窒素や全リンが追加されております。また、平成15年からは、水生生物の保全に係る環境基準の追加もされているところでございます。
 有機汚濁などの生活環境項目の環境基準につきましては、特に湖沼や閉鎖性海域において達成率が低いと。また、水域によっては、水生生物などの生育及び生息に障害となる貧酸素水塊が発生するなどの課題を抱えているということでございます。国民の実感に合ったわかりやすい指標について求められており、環境基本計画におきましても、底層における水生生物の生息、水生植物の生育への影響、新たな衛生微生物指標などに着目した環境基準等の目標について調査検討を行って、指標の充実を図るというふうにされております。
 このため、下層溶存酸素及び透明度などにつきまして、より国民の実感に合ったわかりやすい指標により、望ましい水環境の状態を表わすということにより、良好な水環境の実現に向けた施策を効果的に実施する必要があるということでございます。
 本諮問は、こうした観点から、生活環境項目環境基準の追加等について審議会の意見を求めるという、そんな諮問理由になっております。
 裏面をご覧ください。同じ8月30日付で、中央環境審議会の会長から水環境部会長に、中央環境審議会議事運営の規則第5条に基づきまして、付議をするということになっております。
 続きまして、資料4をご覧ください。
 水環境部会の専門委員会の設置についてでございますが、9月5日に開催されました水環境部会におきまして、資料4の1番の(6)、生活環境項目の環境基準の専門委員会の設置が了承をされております。
 7.をご覧いただきますと、その際に、設置されております生活環境項目環境基準専門委員会においては、水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準の設定及び改訂に関する専門事項を調査するということになっております。
 続きまして、資料5をご覧ください。資料5は、今回審議いただきたい事項について、背景や審議事項、スケジュールなどをまとめたものでございます。
 まず、諮問に至る背景についてでございますが、一番最初のパラのところは、先ほど説明いたしましたとおり、環境基本計画においても、下層DOや透明度などの指標の充実を図るということになっておるということでございます。また、平成25年の水環境部会において、環境基本計画の水環境保全に関する点検を実施していただきました。この点検の水環境保全の部分の報告というものを既に水環境部会としてまとめていただいておりますが、この報告の今後の課題におきまして、下層DO及び透明度について、関係者の意見も聞きつつ、環境基準化に向けた具体的な検討を進める必要があるというように明記をされたということでございます。こちらの点検内容につきましては、総合政策部会の審議がまだ残っておりますが、25年度末に閣議報告をされるという予定になっております。これを踏まえて、先ほど申し上げた諮問がなされて、専門委員会が設置されたということでございます。
 次に、2番の審議事項でございますが、下層DO及び透明度の環境基準について、水環境の現状を踏まえて、現在得られる科学的知見の集積を図り、環境基準についての告示の改正に係る審議を行っていただきたいということでございます。想定される主な審議事項というものを箇条書きさせていただきました。環境基準値、測定方法、測定値の環境基準適合可否の判断方法、また水域の類型指定適用の必要性ということで、箇条書きをさせていただいております。
 参考資料2で、現在の環境基準を用意させていただいておりますが、イメージということでご紹介させていただきますと、参考2の3ページをご覧ください。こちらにですね、これは河川の生活環境項目の基準でございますが、表になっておりますが、基準値というものがございまして、これがいわゆる環境基準値の例でございます。この表の一番下に、測定方法というものが入っております。測定方法の基本的な内容も、環境基準の一部として告示に定めるというようなことかと思います。また、備考のところに、「基準値は、日間平均値とする」ということで書いております。これが先ほど申し上げた測定値の環境基準適合の可否の判断方法のイメージということでございます。
 同じ参考資料の6ページをご覧ください。こちらは湖沼の環境基準で、全窒素と全リンに関わるものでございますが、こちらの備考欄、2番ですとか、3番を見ていただきますと、「水域類型の指定は、湖沼植物プランクトンの著しい増殖を生ずるおそれがある湖沼について行うもの」とするですとか、「農業用水については、全リンの項目の基準値を適用しない」というような、基本的な水域類型指定の適用の必要性について、備考で規定しているということでございます。
 それでは、資料5にお戻りいただきまして、「なお」ということで記載しておりますが、水域類型指定の具体的な方法ですとか、測定の具体的な方法(頻度、地点、水深など)ですとか、水域としての環境基準の達成の評価方法など、具体的な環境基準の運用方法については、水域の類型指定の際に検討を行うことを想定しているということでございます。
 次に、審議の進め方でございますが、裏面をご覧いただければと思います。本日が12月3日、第1回の専門委員会でございますが、年度内には第2回の専門委員会を開催したいということで考えております。その際には、下層DO、透明度に直接関係するような、関係者へのヒアリングを行いたいというふうに考えております。また、あわせて環境基準に関する検討も行っていただきたいと考えております。第3回の専門委員会を平成26年度(来年度)の6月ごろには開催したいなと。そこで報告(案)についてご審議いただくということでいかがというふうに考えております。その後、パブリックコメントなどを開催して、平成26年度の上半期には報告書(案)の取りまとめというような、スケジュールを設定させていただいたということでございます。
 以上でございます。

岡田委員長 ありがとうございました。
 この度諮問が行われたということで、それに基づいて、本専門委員会で今後検討すると。資料5の後ろのほうには、平成26年8月という目標も一応書かれております。それまでに検討しなさいということになっておりますが、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 特段よろしいですか。それでは、8月までという目標で検討をするということで、よろしくお願いいたします。
 それでは、続きまして、議事の2、下層溶存酸素及び透明度環境基準設定の考え方について、まずは資料6と7について、事務局よりご説明をお願いいたします。

根木課長補佐 それでは、資料6をご覧ください。資料6につきましては、下層DO、そして透明度のですね、それぞれ低下することによる影響ですとか、現在の状況、また過去からの推移といったところについてまとめております。
 それでは、まず下層DOでございますが、下層DOの低下による影響等ということでまとめております。
 魚介類を中心とした水生生物の生息が健全に保たれるためには、さまざまな環境要素が適切に保たれることが重要ですが、このうち下層の溶存酸素(下層DO)については、生物にとって特に重要な要素の一つであると考えております。
 海域におきましては、下層DOの低下は、それ自体が水生生物の生息を困難にさせるということがまず1点。これに加えて、生物にとって有害な硫化水素を発生させて、水生生物の大量へい死を引き起こすことがあるということでございます。
 また、下層DOの低下は、底質からのリンが溶出して、海域の富栄養化を促進させるということであります。この結果、プランクトンの異常増殖(赤潮)の発生のリスクを高めるということでございます。
 さらに、硫化水素などを含む下層の無酸素の水塊あるいは貧酸素の水塊が沿岸域の表層に湧昇する現象(青潮)については、とりわけ移動性に乏しい魚介類のへい死を引き起こすということで、大きな被害を与えているということでございます。
 湖沼においても、下層DOの低下は、それ自体が水生生物の生息を困難にさせると。また、下層DOが低下すると、底質からリンが溶出しまして、湖沼も富栄養化を促進させてしまうということでございます。
 これにより、微細藻類、いわゆるアオコが大量発生するリスクが高まると。アオコが大量発生しますと、浄水過程におけるろ過障害ですとか、水道水におけるカビ臭などの障害を生じさせるおそれがあるということでございます。
 また、下層DOの低下は、鉄ですとかマンガンなどの溶出も促進すると。これによって、湖沼の水が着色されてしまうおそれが高まるということでございます。
 次に、下層DOの現在の状況ということで、例示的にデータをご紹介させていただきます。
 まず、海域についてでございますが、海域における近年の下層DOの状況を見ますと、次のページ、2ページをご覧いただければというふうに思いますが、例えば平成18年度から20年度の東京湾における夏季の下層DOの水平分布については、東京湾の奥部において貧酸素の傾向が強いと。分布には、年により違いはございますが、いずれの年も湾奥部の下層DOが2㎎/Lを下回る海域が広く存在しているということがおわかりいただけるかと思います。
 また図2、3ページでございますが、東京湾の関係自治体における調査によれば、大規模な貧酸素水塊が数カ月にわたって存在しているということが明らかになっております。この図3でありますと、5月から11月ぐらいにかけて、赤い部分が示しているように下層DOが低下している状況になっているということでございます。
 次に、4ページをご覧ください。湖沼の現在の状況の例でございますが、例えば諏訪湖では、4月から9月にかけて、湖の下層において貧酸素水塊が確認されているということでございます。下のグラフが、図4ということで、諏訪湖の湖心の7月から11月上旬の下層DOを表わしたものでございます。この赤い線で波打っているものが下層DOの状況でございます。
 また、5ページは、諏訪湖について、4ページにありますAの断面とBの断面で切って見てみたというものでございますが、こちらにおいても、7月から10月ぐらいにかけまして、下層DOが3㎎/Lと、灰色のようなことになっているような区間ですとか、濃い青の区間などが見られるということでございます。
 次に、6ページをご覧ください。下層DOの過去の状況のデータの例でございます。まず、海域についてでございますが、例えばということで、東京湾の内湾のですね、この図6で言いますと、右側の図のStn.3というところの測定点の過去からの推移でございます。この図6の右側のコンターのものの下のものが下層DOを表わしているものでありまして、横軸が時系列、縦軸は下から4月・5月・6月というふうに、毎月のデータをとってコンターにしたというものでございます。これを見ていただきますと、昭和30年(1955年)時点においては、そのころにおきましては、夏季を中心に2.5ml/Lと。単位がですね、換算しますと、これは3.6㎎/L程度でございますが、以上の状況が大部分を占めていたということがおわかりいただけるかと思います。その後、このコンターを見ていただきますと、1960年ぐらいから、1.0㎎/Lを切るような地点が出てきているということがおわかりいただけるかと思います。
 また、ほかの東京湾の調査結果といたしましては、図7をご覧いただければというふうに思います。7ページでございますが、図7で、図のグラフの下層DOの最低値を見ていただきますと、昭和30年(1955年)までは、最低値のところを見ても2.0ml/Lと、2.9㎎/L程度であったところでありますが、昭和42年以降ぐらいから1.0ml/Lと、1.4㎎/Lを下回る頻度の地点が多くなっているということがおわかりいただけるかと思います。図7の測定ポイントは、6ページのと若干場所が違いまして、図7の示したポイント、船橋の辺りというようなことでございます。図7の上のグラフは、データが途中までになっておりますが、若干ポイントはずれるんですけど、同じ図7の下の折れ線グラフ、東京湾3と船橋2ということで2ポイント、データを掲載しておりますが、下層DOが低い状態のまま推移しているというようなことがおわかりいただけるかと思います。
 次に、8ページの図8をご覧ください。こちらについては、環境省の広域総合水質調査のデータどりが始まってからのデータについて整理しておるものでございます。昭和50年代から現在に至るまで、夏季の下層DOを海域別の平均値で見ますと、東京湾については3㎎/L台、三河湾ですとか大阪湾については4㎎/L前後で、昭和50年代以降は横ばい傾向であるということでございます。
 次に、8ページの2、湖沼についてご紹介させていただきます。湖沼における過去の下層DOの状況の例示でございますが、図9は琵琶湖の北湖の水深80m及び90mのところについて、古くからのデータがとられておりますので、ご紹介させていただきます。琵琶湖の水深80m及び90mにおける年の最低の溶存酸素濃度につきましては、1950年以降、徐々に低下していると。1985年ぐらいからは、2.0㎎/Lを下回るデータも見られているというようなことでございます。文章に少し変な㎎が残っておりますが、誤記でございますので、削除いただければと思います。
 次に、透明度でございます。
 まず、2-1として、透明度の低下による影響等ということでございますが、海域(特に閉鎖性海域)や湖沼での浅い水域の特徴は、高い生産性にあるということでございます。海藻草類の生育によって形成される藻場及び湖沼に生育する沈水植物は、基礎生産ですとか、水生生物の産卵・保育・採餌ですとか、さまざまな機能を有しているということでございます。海域では、藻場につきましては、流れ藻の供給源にもなっておるということでございます。湖沼においても、沈水植物につきましては、水生生物の保全等の関係から重要ではないかということでございます。海域及び湖沼で透明度が低ければ、水中の光量が少なくなるということでありまして、海藻草類等及び沈水植物の光合成が妨げられると。その結果、生物の生育や生息機能などが働かなくなりまして、生態系の劣化につながるのではないかというふうに考えております。また、透明度につきましては、親水利用の観点に大きく関わっておるものというふうに理解しております。水の濁りにより透明度が低下しますと、例えば水浴などの水辺の親水機能が低下してしまうということだと理解しております。
 次に、透明度につきましても、データを少し紹介いたします。
 まず、現在の状況について、海域からでございますが、図10、10ページをご覧ください。海域における近年の透明度の状況を見ますと、例えば平成18年から20年度の東京湾における透明度の水平分布を見ますと、東京港の奥部では2mを下回っていると。また、三番瀬及び東京港から横浜港付近にかけては、3mを下回る海域が広がっているという現状でございます。
 次に、10ページの下の図11は、湖沼の現在の透明度の事例でございます。例えば琵琶湖では、北湖の中央部から北西部では6m以上のところが多いと。一方、南湖になりますと、3m以下となっているというところが現状の例でございます。
 次に、11ページをご覧ください。透明度の過去の状況でございますが、まず、海域についてでありますけれども、海域における過去からの透明度の状況を見ますと、例えば東京湾では、先ほどと同じStn.3の地点のデータでございますが、これが夏季において昭和30年代以降に1.5m以下の海域が表れているということが、このコンター図からおわかりいただけるかと思います。
 また、図13でございますが、こちらも環境省の広域総合水質調査のデータを取り出した以降のものをまとめておりますが、昭和50年代から現在までのデータについて、夏季の透明度を海域別の平均値で見ますと、大阪湾では上昇傾向が見られますが、東京湾、三河湾及び瀬戸内海では、横ばい傾向にあるということでございます。
 それでは、12ページをご覧ください。湖沼の透明度の過去からの推移でございますが、例えば琵琶湖の北湖におきましては、1970年代までは透明度が低下してきていると。1980年代に入って横ばいになりまして、近年は少し上昇傾向にあるということでございます。南湖については、1965年ごろからデータが存在するということでございます。
 また諏訪湖、下のグラフ、図15でございますが、1900年初頭から全体的に富栄養化の傾向が始まり出したと。徐々に濁りが増加しつつあったということでございます。外見的な変化が目につくようになったのは1960年以降だということで、文献で記載されています。その状況は、下の図の左側のグラフをご覧いただければというふうに思います。諏訪湖に環境基準が設定されて以降の透明度の推移については、右側のグラフになりますが、1972年以降は透明度が0.5から2.0mを推移しているということでございます。
 以上、資料6でございました。
 続きまして、資料7についてご説明をさせていただきます。資料7は、下層DOと水生生物の関係を示している既往の文献・調査ですとか、透明度と水生植物の関係を示している既往の文献などについて、幾つか例示として本日ご紹介させていただければという趣旨でございます。
 それでは、まず1-1ということで、魚類の低溶存酸素濃度の急性影響試験というものを実施したものがございますので、こちらについて紹介いたします。
 昨年度、環境省におきまして、湖沼に生息する淡水魚3種について、溶存酸素の24時間致死濃度を求めるということを目的として試験を実施いたしました。ここでは例としましてモツゴの例を紹介いたします。
 試験方法でありますが、原則としてOECDのテストガイドラインに準拠して実施したということであります。
 使った魚ですけれども、ここではモツゴの例であります。これは別名クチボソともいいまして、日本に広く分布すると。また、湖沼などの下層にも生息するということで、選定をしておるということであります。
 試験用水については、水道水を活性炭処理しまして塩素を除去したと。その後に水温を25度±1度に調温したものを使用しております。
 本番の試験の前に、じゅん化というような作業を行っております。こちらは少なくとも7日間以上じゅん化するというようなことで行っております。これによって、目的としましては、試験の水温、25度±1度という水温にまさにじゅん化させるということもありますし、選んだ個体が試験を実施して問題ない個体かどうかというのを判別すると。じゅん化の途中で5%以上死んでしまうような場合は、やり直しするというようなことになっておりますが、この試験においては、死亡率は低かったということでございます。
 次に、おめくりいただきまして、試験条件でございますが、夏の自然界における水温を想定しまして、これが水生生物にとって少し厳し目の水温だというようなこともありまして、25度±1度ということで設定しておるということでございます。一つの試験区における使ったモツゴの数は25尾ということでございます。試験条件は、表に掲げておるとおりでございます。
 溶存酸素の濃度の調整については、3ページの図をご覧いただければと思いますが、3ページの図が試験装置の概略図でありますが、試験用水を試験の容器(水槽)とそれに併設された濃度調整容器の間でポンプにより常時循環させたということであります。このポンプにおきまして、窒素ガスまたは空気を連続的に曝気するということにより、溶存酸素の濃度を安定的に調整したということでございます。また、この試験においては対照区というものを設定しておりますが、この対照区においては、溶存酸素濃度を飽和状態に保つために空気のみで曝気したということでございます。
 その結果についてが3ページから4ページにかけてということでございまして、各観察時間における生存尾数及び生存率を表3に示しております。対照区がありまして、これは概ね飽和の溶存酸素濃度でございますが、試験区1から試験区6まで設定した溶存酸素濃度は表のとおりでございますが、これを24時間試験を続けまして、生存率をこの表のとおり整理しております。
 また、4ページには、表をグラフ化したものでございますが、24時間経過時におけるモツゴの溶存酸素濃度と生存率について、曲線として記したものでございます。このような実験のデータが得られているという事例でございます。
 次に、魚介類の再生産に関する知見についてご紹介いたします。
 米国のEPAにおきまして、魚介類等の貧酸素耐性について、知見の集積が行われております。このEPAが2000年度に集めておるデータから、全魚類のうちの致死が50%というような溶存酸素濃度が求められているデータを、発育段階別に卵・仔魚・稚魚・未成魚・成魚という発育段階別に抽出しまして、整理をしたということでございます。
 ばく露時間が24時間以下の結果を抽出しております。それが図3でございます。この結果では、仔魚のLC50の最大値が2.8mg/Lであったと。一方、未成魚の最大値は2.1mg/Lであったということです。ですので、LC50というもので、卵・仔魚のグループと成魚・未成魚などのグループを比べますと、最大値の差が0.7mg/Lだということでございます。
 次に、5ページをご覧ください。下層DOと底生生物の関係についてグラフ化したものでありますが、環境省の広域総合水質調査の結果で、夏季の下層DOが低下した海域では、底生生物の個体数及び種類数が少なくなるという状況が確認されております。これが貧酸素水塊の発生が底生生物の生息に影響を及ぼしているものというふうに考えられるということでございます。
 次に、6ページをご覧ください。透明度と水生植物の関係でございますが、水生植物の生育に必要な光量の文献で、アマモに関する文献の一つの例をご紹介いたします。この文献は、瀬戸内海、山口県岩国市の地先で行われております。調査方法でありますが、調査期間が2000年の12月から2001年の10月から2011年と書かれてしまっておりますが、誤記でございまして、2011年を2001年に訂正いただきたいと思います。この間で実施されております。調査頻度が、1~2カ月ごとに水中の光量を観測したと。1回について2~3週間観測したということでございます。光量子計は、アマモ場の外縁から2m程度離れた場所に設置しておるということにより、アマモの分布下限水深の日積算光量を算出したということでございます。この文献においては、日積算光量の年間平均が3.3mol/㎡/dayという結果が得られておるということでございます。
 次に、7ページをご覧ください。水生生物の生育に必要な光量と透明度の関係について、一般的な関係がありますので、少しご紹介させていただきますと、Lambert-Beerの法則というもので、(1)の式でございますが、これで水深zにおける必要光量とか水面直下における垂直光量のデータから、水深ごとの減衰係数というのが出せるというようなことになっております。(1)の式をただ変形させたものが(2)でございますが、先ほど説明させていただいたような既往の知見から、水生植物の生育に最低限必要な光量Aというのを求めて、また、水面直下を透過する光強度のBというデータも得られれば、水生生物の生育を確保すべき分布下限水深zごとの光の減衰係数kが求められるということでございます。また、減衰係数kと透明度の関係については、式(3)というようなものに従うということがわかっておりまして、水域、水の特性などから決まる定数Dというものを設定することができれば、得られた光の減衰係数kをもとに、確保すべき分布下限水深zにおける必要透明度Trを算定することができるということでございます。
 最後に、透明度と藻場の関係について一つの文献を紹介させていただきますと、瀬戸内海の味野湾、瀬戸大橋のかかっている辺りで、倉敷市でございますが、1924年における味野湾のアマモ場は1,047haであったということです。この面積が1977年には161haに減少したと。1991年には710haにやや回復したということでございます。このときの味野湾近傍の透明度についてでございますが、1921年から1955年までが6m以上ございましたが、1976年には最低値を記録して、1992年にはやや回復したということでございます。
 グラフについては、8ページのとおりでございます。
 以上でございます。

岡田委員長 ありがとうございました。
 資料6では、溶存酸素と透明度の現況並びに過去の状況。それから、資料7は、それを環境基準化するのに必要な文献調査のごく一部の事例ですね、例えばということでご紹介いただきました。これについて、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

大久保委員 すみません、今後、いろいろとご説明があるのかもしれませんが、教えていただきたいのが、基本的に、今のご説明では、下層DOと透明度がどのように重要であるのかということと現状について、大変わかりやすく説明いただいたんですが、基本的に、現状は50年代から割と横ばい傾向にあるということで、そのときから横ばい傾向にあるものが、なぜ今基準の設定なのかという点のご説明をもう少しいただければと思います。
 ということは、一つは知見が上がってきて、どの程度だとリスクが高まるのかということがわかってきたという事情があるのか、それとも、もともともうリスクの高い状況であることはわかっていたんだけれども、何らかの要因で設定ができなかったのか。
 それから、その要因としまして考えられることは、他方では、これ、環境政策の目標ですから、とれる対策というものがはっきりしてきたということが一つあるのかどうか。つまり設定をしても対策ができないということではしようがありませんので、どのようなものが念頭に置かれているのかということを、特に透明度との関係で、透明度が下がると困るということはわかったんですが、なぜ透明度が下がるのかということで、従来の窒素とかリンとか、そこら辺の対策が徹底されれば、同時に下がってくるものなのかということも含めて、ちょっとご説明いただければと思います。

岡田委員長 じゃあ、事務局からお願いいたします。

根木課長補佐 まず、なぜ今検討するかということにつきましては、従来から、例えばCODですとか、窒素とかリンとかいうような指標もあったところでございますが、CODについて、なかなかデータとして回復しないというようなところもありまして、やはり近年、特に国民の実感に合ったわかりやすい手法というものが必要じゃないかというような声が大きくなってきているということかというふうに思っております。
 例えば、環境省の検討においても、例えば、閉鎖性海域の中長期ビジョンですとか、今後の水環境保全のあり方についてといったところでも、そのようなことを指摘いただいているということで理解しております。
 また、本日は、データについて、例示として紹介させていただきましたが、知見についてもだんだん蓄積されてきているということかというふうに考えておりまして、この機会に、下層DO、そして、透明度のご議論をしていただきたいということでございます。

大久保委員 すみません、これが必要だということは、もう長年にわたる懸案課題であったわけですので、そこに全く異存があるわけではございませんで、私が気にしているのは、今度、環境基準を具体的に値を設定しなければいけないわけで、どの程 であれば問題ないのかという知見がやはり上がってきたので、今、ここでできるということなのかどうかという点と、それから、対策でどういう対策が一体考えられるのかという点が2点目。
 それから、3点目といたしましては、透明度に関しましては、基本的に従来の基準が全部達成できるようになれば、それにあわせて改善されるものなのだけれども、国民にわかりやすい指標として、何ていうんですか、副次的に表、裏でそういうものを設定しようということでという理解なのか、それとも独自の基準としての何か意味があるのかという、その辺りをお聞きしたいと思います。

根木課長補佐 対策につきましては、環境省としましても、並行して勉強などを開始させていただいているというところでございます。有機汚濁に関連する部分がありますので、従来からの有機汚濁対策に共通するような対策ということもあるかもしれませんし、また、水域、水域に応じた対策というものもあるかもしれませんが、その辺りについては、勉強などを開始させていただいているというところでございます。

鈴木委員 今の大久保先生のご質問に関連して、私も少し気になる書き方だなと思ったのは、例えば、6ページに、東京湾以外の海面について……。

岡田委員長 資料は6のほうですね。

鈴木委員 資料6ですね、資料6の6ページに、図の8の説明がありまして、ここでは昭和50年代の後半から現在に至るまでの下層DOが横ばいだと。横ばいだから、なぜというお話だったんですけども、これは海域によって違いますけれども、私がある程度承知しております三河湾では、1970年、昭和45年から1980年、昭和55年にかけての、この整理される前の10年間の間に急激に貧酸素化が進行しているという事実がございます。それから、現在までは比較的横ばい傾向ということです。これは全湾の公共用水域の公共用水域じゃなしに、これは広域総合の下層の平均値だと思いますけども、海域ごとにこういった公開されたデータで整理され、いろいろ文献も出ております。その結果、三河湾では貧酸素水域が拡大傾向にあるとされています。
 その対策として先ほど環境省さんのほうからご説明があったように、平成5年から、T-N、T-Pといった有機物の海域での生産の指標となる元素を減らしてきています。かなりこれらについては減じてきていると報告されているんですけれども、しかしながら、海域の貧酸素や、関連する赤潮の発生日数なんかは逆に増加傾向にあるという事実があります。こういう状況の中で、三河湾とか伊勢湾については、底層の溶存酸素を確保するために、先ほど対策の話も言われましたが、従来からの水質総量規制にかわって、どういう有効な手だてがあるのかというようなことが検討されています。そのためのベースとして、底層DOを環境基準化する必要があると、こういうふうに私は理解しております。

岡田委員長 ありがとうございました。
 はい。では、どうぞ。

田中委員 どうもありがとうございます。この溶存酸素の問題と、それから、当初の問題というのは、3年ほど前の今後の水質・水環境保全のあり方のところで大分議論されて、その必要性は非常に理解されていると思います。だから、当然これは当たり前だと思います。
 ちょっと幾つか先ほどの、多分これからの議論の中で出てくるので、多分そこで議論になるんだろうと思うんですけど、今の話とちょっとリンクしてくるんですが、資料6の最初のほうの、多分、溶存酸素の話で書いてあることで、何のためにそういうことをやるかというところが幾つか複数書いてあるんですよね。特に類型指定でずっとやる表の説明も最初はされたんですが、こういうものを決める視点というのがどういうところから決めるのかというのをちょっともう一回確認したいんですけども、例えば、底層DOは、この説明上は生物保全、それから、途中で利水障害の話が出るんですよ。マンガン、鉄の着色、これは水道ではやっぱり問題なんですよね。こういう視点からも含むのか、あるいは透明度は、これは多分水生生物保全と、先ほどの説明にあった親水という視点、これらの視点でいいのか、それから、その中のキーワードの生物保全というのが、これは生活環境項目でやっているんですよね。これまで水生生物基準というのは、化学物質のほうが実は先行していて、ここでの議論の中で、水生生物保全のあり方というのは、生態系の保全ではないんですよね。有用生物についての保全なんですよ。その流れで来ていたんですよね。
 今回、先ほどの魚は重要だし、それから、水産業についての問題はあるんですが、同時に底生動物のデータが出てきたんですよ。これは必ずしも有用生物ではなくて、生物の多様性まで含めた議論をされる意思があるのか、この辺がちょっと私、混乱していて、どういう考え方で、今、議論なり、こういうデータを出されようとしているのかをちょっともう一回教えていただきたいと思います。

根木課長補佐 今、ご質問いただいた点は、少し次の資料8に絡むところかもしれませんが、まず、下層DOにつきましては、資料6の1-1でいろいろ書かせていただいておりますが、特にデータとして下層DOとの関係がはっきりある程度するのではないかというような、水生生物の保全、そして、そこは水生生物、魚などの餌生物も含みということで、そこにターゲットを置いてはどうかということで考えております。赤潮、青潮ですとか、アオコとか、鉄、マンガンの話も記載しておりますが、このような観点も底層DO、貧酸素の状態が改善すれば、このようなものの問題の解決にも資するということではないかというふうに考えております。この辺り、資料8に、繰り返しになりますが、関連するところでもありますので、またいろいろご意見をいただければというふうにも考えております。
 透明度につきましては、水生生物の生息などの観点でも重要な海藻草類とか、沈水植物の生息の観点、そして、少し観点は違いますが、水浴等の親水利用という観点が重要ではないかというふうに考えております。

田中委員 ちょっと確認ですけども、そうすると、多分8のところで議論をしていただけると思うんですが、溶存酸素の話というのは、利水上、特に水道障害、これは書いてあるけど、これは関係ないんですね。

根木課長補佐 そうですね。そういう意味では、資料8のほうにまとめている考え方では、この鉄、マンガンの溶出の抑制にも資するということではないかというふうに考えております。

田中委員 結果的にということですね。

根木課長補佐 はい。

田中委員 それから、もう1点、水生生物保全の中で、先ほど言われた餌生物の話をされましたけど、餌生物に当たる多様性みたいなものは関与されるんですか。

根木課長補佐 その間に資料8のところで、ご意見などをいろいろいただければというふうに思っておりますが、水生生物保全の観点で、餌生物も含んで、健全な水環境により、健全な形で水生生物を保全するということが特に重要じゃないかなというふうに考えております。

田中委員 じゃあ、後でもう一度その議論をお願いします。

岡田委員長 じゃあ、そうしましょう。
 ほかにございますか。
 じゃあ、どうぞ古米先生。

古米委員 今の水生生物保全の関連で私もちょっと。次の議題での話なのかもわかりませんけども、確認をしたいと思うのは、人の生活に関わる生物の保全も生活環境項目として扱うんだということで、魚だとか、そういったものも生活環境項目として関わってきていると。平成15年の段階で生活環境の保全のうちで、水生生物の保全に係る項目として全亜鉛、その後、ノニルフェノールとか、直鎖アルキルベンゼンスルフォン酸が追加されております。用語としては、利用目的の適応性ではなく、水生生物の生息状況の適用性とされています。従来の項目は水利用用途ということで、水道用水、水産用水だとか農業用水だとか、そういった用水などの観点で基準が設定されています。今回の場合は、それがちょうど微妙に関わっているので、最終的に基準値として設定することになり、値を示す表も必要になると思います。今回の設定項目は、どういった位置づけで、基準の表のうち、ア、イ、ウのうち水生生物の保全に関するウに含めるのか、富栄養化に関わる底層DOとしてイの中にうまく入れ込むのか、そこら辺が非常に難しいと思います。そこら辺のこともしっかり考えておかないと困るなというのを改めて感じましたので、発言させていただきました。

岡田委員長 ありがとうございました。今のお話も次に関わることですので、もし……。
 どうぞ、鈴村委員。

鈴村委員 初めに岡田先生が20年の積み重ねと仰られましたが、私は新参者なので、今さらながらのことをお伺いしてしまうかもしれません。国民にわかりやすいということで、沈水生物、そういったものが出てくる。ただ、沿岸海域の生態系を見た場合に、いわゆる底生生態系をベースにする豊かな海というものもあれば、浮遊生態系をベースとする食物連鎖で水産的に豊かな海というものもある。そういった中で、今回示された指標は、完全に底生生態系のみに偏ってしまっている。なぜ国民にわかりやすい、イコール、底生生態系なのかということが、ちょっと理解できないというのが1点。
 それから、先ほどご質問にもあった対策はどうなるのかというところに関わりますが、例えば、貧酸素、低酸素に関しては、水質、特に有機的な汚濁の程度だけではなく、例えば東京湾ですと、夏場の成層という上下の水が混ざらない、水塊の物理的構造の持続期間の長さや、その厚みなど、その年の水温あるいは外洋水の流入過程、そういった、ある意味、人間では制御できない部分の寄与が非常に大きい。そういった中で、ここで設定する基準と、その対策というものをどう結びつけることが可能なのかという2点が私のほうからの疑問です。

岡田委員長 はい。じゃあ、どうぞ。

根木課長補佐 1点目につきましては、底生、より下層のほうに着目しているということについてのご質問でございますが、まず、やはり昨今のデータを見ましても、下層の、特に閉鎖性水域の下層のDOが低くなっていると。ここがデータとして問題があるということではないかというふうに思います。
 また、国民にわかりやすいという観点でということでご質問をいただきましたが、水生生物が人の生活に密着に関連するものを含めて、住みやすいと、健全に水生生物が生育できるということが重要なことかなというふうに感じておりまして、その観点、そして、データとして底生のDOがやはり低いという観点から、下層DOというものをご議論いただくということでいかがかというふうに考えているところでございます。
 また、2点目のところで、夏場の成層の話をコメントいただきましたが、その辺りも含めて、専門家の方々がお集まりいただいておりますので、環境基準の設定云々のために、その辺りの科学的なところをどう考えるかということも含めて、ご議論をいただければというふうにも考えております。この専門委員会は、環境基準の専門委員会でございますので、対策の専門委員会ではないということをご理解いただければ幸いでございます。

岡田委員長 いいですか。

鈴木委員 私、環境省の職員ではございませんけれども、少し私なりに今の鈴村委員のお話にお答えするというか、私の考え方なんですけども、今、対象としている内湾は、閉鎖性水域という言葉が使われますが、その生態系の特徴というのは、浮遊系と底生系がコンバインした系だということなんです。内湾では外洋域のような大水深海域と違って、底生生態系が湾全体の物質循環ですとか、生態系の機能に大変重要な役割を持っていると思います。例えば、今も底層の貧酸素水塊が風等で湧昇して、東京湾では青潮とか、伊勢・三河湾では苦潮と言いますけども、これは浮遊生態系にも重大な影響を与えたり、通常の酸素が十分にあるような浅場でも大量の生物へい死が起こり、多様性もなくなり、漁業被害も、例えば、三河湾なんかですと、1回の苦潮で12億円というような被害も出ておるわけで、そういう面でやはりこの閉鎖性海域における底層のDOを維持するということは、浮遊系も含め、全体の生態系の健全な物質循環を維持するということにとって必須だろうと。私はそういうふうに確信をしております。
 それから、もう一つご意見があった、いわゆる物理的な構造で、そもそも湾全体の酸素収支というのは決まっているから、人間のインパクトをどれだけ抑え込めるかという部分をどう考えるのかと、多分こういうご質問だと思うんですが、これは今までの中長期ビジョンというか、この委員会に先立つこと3年前程度から実施されている、中長期の底層DO基準の考え方の中でも論議されておるわけです。長期的なスケールで1970年代ぐらいから以降の状況を見ると、多分全ての海湾でDOの状況は悪化していると思います。DOを規定する要因の中で大きな要素としては、湾全体固有の物理状況があるということは事実なんですけども、人的影響も大きい。その中で、少なくとも1970年代以前の健全な水生生物の環境条件を維持するということは、これはもう間違いなく重要であると思います。ここら辺をどう仕分けるかは、基準値の設定だけではなくて、基準達成度の評価の仕方等にも関わってくる重要な問題だと思っていますので、そういったところでぜひ、環境省の考え方も含めて、私自身も検討をしていきたいと思っております。

岡田委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

花里委員 生態系というのは、生物がいて、それらがお互いにいろいろ関わり合っているんですよね。ですから、いろいろいじくると、予想外のことがあるかもしれないんですけれども、一つ、さっき魚のことについても、餌生物も考えるということなんですけれども、諏訪湖の例なんですけれども、ワカサギが最近減っているんですけども、ワカサギは、餌生物としてユスリカを食べているんですよね。ユスリカというのは、迷惑害虫で困っているんですよ。だから、場合によっては、餌生物を守ると、それが別な観点で問題が持ち上がるという、そういうことがあり得るので、そういったことについても事前に検討しておく必要があると思います。

岡田委員長 ありがとうございました。
 だんだん環境基準の設定に関わる基本的な考え方に関わることの議論が出てきておりますので、ここで一旦、資料8をご説明いただいて、再度、今ご説明いただいた6、7も含めてご議論をいただいたほうがよろしいかと思います。
 じゃあ、資料8のご説明をお願いいたします。

根木課長補佐 資料8をご覧ください。「環境基準設定に関する基本的な考え方」というペーパーでございますが、事務局として考え得る素案みたいなものを今回ご提示させていただくということでございます。これについて、いろいろとご意見をいただければというふうに考えております。
 まず、「新たな環境基準の必要性について」でございますが、環境基準における「生活環境」とは、人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境の保全も含まれるということでございます。公共用水域における水質改善の取組については、これまで、COD、全窒素、全リンを用いてきたと。これらの指標をもとに排水規制を中心とした対策を講じてきたということであります。
 一方で、水環境の実態を表すには、水質または水質汚濁の状況を示すだけでなく、「生物にとってのすみやすさ」、「水の清らかさ、利用のしやすさ」といった視点に焦点を当てた指標が必要であるというような指摘を過去にいただいております。これらのことから、良好な水環境の実現に向けた施策を効率的に推進していくためには、水環境に直接関係のある因子を、望ましい水環境の状態を表す指標として新たな環境基準を設定する必要があるのではないかということであります。
 「新たな環境基準の種類について」でございますが、まず、一つ目が下層DOでございます。下層DOは魚介類を中心とした水生生物の生息を健全に保つための重要な要素であると。近年においても閉鎖性水域では下層DOの低下または低い状態にとどまっているということによって、水域環境への悪影響が生じていると理解しております。
 以上のことから、水生生物の保全、ひいては健全な水環境保全の観点から、下層DOの環境基準を設定する必要があるのではないかということです。
 次に、透明度でございますが、海藻草類及び沈水植物等の生育及び生息に影響を及ぼす環境要因は、さまざまございますが、さまざまな中で、水中光量は、植物である海藻草類及び沈水植物の生育にとって重要な環境要因であるということです。
 また、透明度は、水の透明さを表す国民にわかりやすい指標でございます。水環境については、水浴などの親水機能が発揮されることが望ましいということです。
 以上のことから、水生植物の保全及び親水利用の観点から、透明度の環境基準を設定する必要があるのではないかということでございます。
 おめくりいただきまして、まず、下層DOの環境基準設定について、以下のような基本的な方向性が考えられるのではないかということで示させていただいております。
 まず、「環境基準の保全対象」でございますが、保全の対象は、下層を利用する水生生物の個体群の維持と。一番弱いものまでも守るというよりも、個体群の維持を可能とすることを目標とすべきではないかということでございます。また、全ての魚介類を対象にするということではなくて、「生活史のいずれかの段階で水域の下層を利用する魚介類」をターゲットとするということでいかがかと。また、魚介類の餌となる生物の生育も確保される必要があるのではないかと。このため、これも対象に含めるべきではないかということでございます。
 魚介類は、未成魚や成魚の段階と比べまして、卵ですとか仔魚といった段階のほうが、貧酸素の影響を受けやすいと、デリケートなのではないかということですので、卵とか仔魚といった段階については、成魚と比較しましてDOの耐性が小さいと、弱いということを踏まえた目標とすることが望ましいのではないかということでございます。
 また、生息域の確保については、先ほども申し上げましたが、魚介類の個体群が維持できる目標を設定して、その魚介類が生息する水域に適用するということでいかがかと。
 また、その再生産のほうの場の確保についてでございますが、こちらについては、繁殖期から発育段階初期に至るまでの再生産の目標を設定して、その魚介類が生息する水域のうち、繁殖期から発育段階初期に利用する水域にその基準を適用するということでいかがかということでございます。
 「環境基準設定の考え方」でございますが、まず、低酸素が魚介類に与える影響の多くは、貧酸素水塊の発生に伴うへい死などの突発的な影響であるということから、急性影響を考慮した目標を設定することでいかがかと。また、個体群の維持を目標にするということであれば、特に感受性の高い個体の保護までは考慮しないということでいかがかということであります。
 次のページになりまして、「類型の考え方」でございますが、下層DOについては、それぞれの水域でまず保全対象種の設定を行うと。そして、その保全対象種の貧酸素耐性値に応じた基準設定、類型指定を行うということではいかがかということであります。
 次に、「透明度の環境基準設定の考え方」でございますが、透明度の環境基準設定については、以下のような基本的方向性が考えられるのではないかということで記載させていただきました。
 まず、一つは「水生植物の保全の観点」であります。これについて、「環境基準の保全対象」につきましては、海藻草類の生息によって形成される藻場及び湖沼に生育する沈水植物としまして、この海藻草類・沈水植物の生息について、継続的な維持を可能とする目標を設定することでいかがかということであります。
 また、「環境基準設定の考え方」でございますが、海藻草類・沈水植物の生息に及ぼす影響については、さまざまな要因がございますが、必要最低光量を確保するということは必要不可欠な因子なものですから、必要最低光量をデータから求めまして、水生植物の分布下限水深ごとに透明度の目標を設定するという考え方でいかがかということであります。
 「類型の考え方」につきましては、透明度は、それぞれの水域において、まず保全対象植物の設定を行いまして、当該対象種の必要光量に応じた類型指定を行うということでいかがかと。とにかくできる限り透明なほうがよいということでは必ずしもなくて、その水域、水域に応じた適切な目標を設定することでいかがかというような考え方でございます。
 次に、「親水利用の観点」でございますが、まず基準で保全する対象でありますけれども、透明度が必要となる水浴などの親水利用について、支障なく行うことができる目標を設定するということでいかがかということであります。
 また、「環境基準設定の考え方」につきましては、保全の対象とする親水利用として、水浴などが考えられるのではないかと。これらに際する必要な透明度について、既往の知見を踏まえて基準値を設定するということでいかがかということであります。
 「類型の考え方」については、親水利用が行われる水域に、その利用に応じた類型指定を行うということであります。
 以上です。

岡田委員長 ありがとうございました。
 今、資料8までご説明いただきました。先ほどから関連する議論が出ておりますが、資料6、7、8を踏まえまして、ご質問、ご意見がございましたら、お願いしたいと思います。

田中委員 大分明らかにしていただいたんですが、まず、溶存酸素の問題については、そうすると、やっぱり生物保全というところで、ちょっとイメージがもう一つわからないところがあるんですけども、これまで環境省の言われている魚介類、有用生物、これがやっぱりベースになっていて、それを食べる餌生物もある程度考慮しますと。そのときに、「ただし、特に感受性の高い個体の保護までは考慮しない」と書いてあるんですが、生物って、いろいろな生物がいますよね、魚介類にしても。海はよくわからないですけど、陸水側だったら、コイみたいなものから、イワナ、サケ、マスみたいなものまでいますよね。必要とする溶存酸素レベルは違うんですよね。この辺について、どう考えられていますか。類型のものを考えるときにも、どんな生物がどこに住んでいて、それで、必要な溶存酸素レベルがどのぐらいかと、こういうイメージなのか。もしそうだとしたら、その生物は現在のレベルなのか、あるいは昔からいたようなレベルを想定しているのか、ちょっとその辺のイメージがこの説明ではよくわからなかった。そこをまず教えていただけますか。

根木課長補佐 この今回の資料でも、3ページの「類型の考え方」というところがよろしいかもしれませんが、下層DOについては、それぞれの水域で保全対象種の設定を行うということでありますので、本日はモツゴのデータを例示としてご紹介させていただきましたが、守るべき魚介種などがどの程度の下層DOの値が必要なのかという、そのバックのまずデータがありまして、それで、それに応じて、その水域、水域でどの魚介種を守るのかということを設定していただくと。その守るべき魚介種が複数種ある場合は、その弱いほうということかもしれませんが、それで、その水域、水域で守るべき魚介種については、では、どの程度の基準を設定すればいいのかということで設定していただくというようなことを基本的に想定しておりまして、それをここに書かせていただいたということでございます。

田中委員 もう1点いいですか。あと、溶存酸素が全ての、それでも類型で常に設定されるという形になると思うんですが、ちょっとややこしいのが、先ほどからちらっと出ていた話にも関わってくるんですけど、汽水部分なんですよね。特に汽水の湖辺りは、人の活動によらず、溶存酸素がないような湖が底層部分ででき上がるケースがあるんですよね。例えば、網走湖、これは今は人の影響を受けているので、大分溶存酸素がめちゃめちゃ低くなっているんですけど、どうももともと海水がある程度の深さで入ってきて、成層しっ放し。こういうところがあるんですよ。そうすると、これをもし無理に設定しちゃうと、もともと酸素がない環境が普通なのに、設定しちゃうと、あるのが望ましい姿だという変な姿になってしまうので、その辺をどう考えるか。
 それから、これも似たようなケースなんですけど、これは人工的に環境をつくってきたケースですけども、陸水域の場合だとダム湖のようなケース。これはもともと川なんですよね。人工的に湖をつくって、部分的な湖から見ると、底層部分はもう酸素がもともと下がってもある程度はしようがないと、そこに生物はもともといないのだからと。こういう運用をされていて、利水上の問題がなければいいよと、こういうエリアもあるわけです。そうすると、理想的な湖とか、あるいは海域とかのイメージがあるんでしょうけど、実態的には、いや、そんな設定をしたってあまり意味ないよというエリアが出てくるケースがあるんですが、その辺はかなりフレキシブルに、今までのようなものよりも、よりフレキシブルに対応する必要があるような気がするんですが、その辺は何か今、考え方はありますでしょうか。

根木課長補佐 今、ご指摘いただいた点につきましては、資料5で、想定される主な事項ということで、一つのポツとして、水域類型指定適用の必要性というようなところに絡むご意見かなということでお伺いいたしました。この点について、本日は事務局のほうから資料のほうは用意できておりませんが、この専門委員会の場でもいろいろとご意見をいただければありがたいというふうに思っております。

岡田委員長 いいですか、これからの議論ということで。
 では、福島委員。

福島委員 
ただいまの田中委員のご指摘は、この会議の前のいろいろな会議でも、話題になったことかなと思っています。湖沼に関しては、ご指摘のように、汽水湖とかダム湖等もあって、それぞれ利水の目的も違っているので、従来、CODを中心とした環境基準では、全水域に基準を当てはめて、それで運用されてきたんじゃないかなと思うんですが、今回の基準の適用に当たっては、それぞれの水域を管轄している方々の意見を聞きながら、どのような格好で適用するのかということを詰めたほうがいいのではないか。そういう意見が、あったかと思っています。
 もう1点、違う視点ですが、今回、資料6のほうでは、水生生物以外にも、ほかの水利用、陸水においては上水関係への影響というのがかなり書かれていて、資料8のほうでは、その部分が消えています。私も前の検討に参加させていただいて、クライテリアに当たるような科学的知見で、このぐらいの水質にしたら、底層DOにしたら上水のほうの影響はなくなるかどうかというような検討を行いましたが、あまりうまいデータが出てこなくて、現段階ではそうしたものを含めたような提案にはなっていません。私の意見としましては、陸水域ではやはり上水利用等が非常に重要な水利用ですので、その辺に関する新たな知見が出てくれば、それを今後どういう格好で含めるのかは別としても、また考えるというのが、適当かなと。現状では水生生物に関してかなりしっかりとしたデータが出てきたので、今回はそれをベースに、まず先行する形でこういった基準案をつくって、その後、また新たな科学的知見が出てくれば、それをもとにほかの水利用に対しても何か適用できるようなものを考えていくというのがいいのかなというふうに、私の個人的な意見ですが、そういうふうに思っております。

田中委員 ちょっといいですか。私も今の利用の問題、特に利水のほうは非常に賛成なんですけど、ご存じのように、当然そういうところというのは、大体貯水池で取っているところが多くて、その場合、底層で取っているとは限らないですよね。だから、本来は取水点、もう1個多分進んだ考え方だと思うんですが、取水点での状況を評価すべきであって、常に底層利用で利水を判断するという考え方は多分おかしいだろうと思います。そういうところまで含めて発展させるべきかなと思います。

岡田委員長 ありがとうございました。
 今の議論は、多分次回以降、今、福島先生がこれまでこういう検討をされてきたという話をしまして、先ほど鈴木先生も似たようなことをおっしゃっていただきました。田中先生のご質問にきちんと答えられるような資料は、それなりには議論をしてある。ただし、もちろん完璧ではない部分があるかと思いますが、それはここに次回以降、出される予定だと思いますので、出していただいた上で、再度ここで確認するということで、ひっくり返るというのは適切ではないかもしれませんが、違う結論になっても全然一向に構わないと思いますので、ぜひよろしくお願いします。事務局のほうで準備のほうを、今回は、例えば、こういうデータがあるという段階でとどまっておるというか、そういうことでやっておりますので、次回以降、ぜひご検討いただければありがたいというふうに思います。
 今、というような、次回につながるようないろいろなご意見をぜひ今のうちにいただいておいたほうが、事務局としてもよろしいかと思いますので、あればどうぞ。
 はい、どうぞ、大久保先生。

大久保委員 生物のお話が出たんですが、もう一つ、透明度のほうでは、親水利用の観点というのが4-2ということで一つの柱になっていて、これをどのように設定するのかということなんですが、(2)では、必要な透明度について、既往知見を踏まえてということになっていて、親水利用としては「水浴等」というふうに「等」がついているんですが、これ、大変親水利用というのは重要な点だと思うんですが、例えば、海水浴ということを考えますと、既往の考え方ということになると、例えば、海水浴場の適否が、50センチメートル以下だったら不適であるとか、そういうことになってくるかと思うんですが、「等」の中にはもうちょっといろいろな、さまざまな要素が入り得ると考えていいのかというところも含めて、ちょっとお聞かせいただきたい。

岡田委員長 では、事務局、どうぞ。これも次回以降に出せるというか、いいデータが本当は出るかということ。どうぞ。

根木課長補佐 まさに今、先生がおっしゃられたとおりというか、親水利用の一つの代表例として、水浴というのが考えられるのではないかということであります。親水利用というのが、どういうものが考えられるか、または、例えば、どういうような基準が適切かということについては、事務局としても何らかの資料を次回以降用意したいと思いますし、ご意見をいただければというふうに思っております。

岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかに。では、鈴村先生。

鈴村委員 類型に関して、多少イレギュラーな話だと思いますが、例えば、三河湾、東京湾で、底層の貧酸素化や青潮の根源とも言える深掘り跡のような局地的なものを、海域の下層全体の中でどう考えていくのかという点についての議論が、今後必要かと考えます。

岡田委員長 これは、事務局よろしいですね、次回に含めて。
 ほかにございますでしょうか。
 じゃあ、古米先生、どうぞ。

古米委員 先ほどちょっと発言したように、具体的に従来のBODなどの生活環境項目の利用目的とは別の考え方として、水域における保全対象種を決めると。それに対するDO耐性値を参考に下層DOの基準値を決めるということなので、例えば、湖沼と海域で与えられているア、イ、ウの表とは違う新しい枠ができてくるようにも感じます。表ごとにそれぞれに類型が出てくると。例えば、湖沼に関しては、人工湖については滞留時間であるとか、貯水容量であるとかで湖沼の定義を拡大して、表イの場合は、富栄養化対策のために窒素とリンの関係を考慮して、類型や値を設定されたと理解しております。同様に新しい枠組みの中で類型の考え方が提示されて、下層DOを決めていくのでしょうか。
 同様に、透明度についても類似していて、海藻類などの水生植物に関しては、さきほどと近い形で整理をされるけれども、4-2のほうの親水利用になると、それは従来型の水利用用途である水浴と一部オーバーラップしているところがあります。水浴という利用目的は従来型のところに入っていて、CODの基準値などを示している表のアにも入っています。実は、窒素、リンの基準値を示している表のイにも入っています。さらに、新しい透明度というのが、新たな枠組みで定義されるというところがなかなか悩ましいと思います。そこら辺は、我々としても何か知恵を絞らないといけないところです。そのためにも、次回の委員会では新たな項目に関しての位置づけのための議論の材料を用意していただくといいかなと思います。

岡田委員長 いいですね。おっしゃるとおり、準備していただくようにしたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 はい。どうぞ。

田中委員 多分、最初のほうで補佐が言われていたんですが、どうやって達成するかは、これはあまりここでは直接議論の対象外だということなんですが、例えば、今設定されている栄養塩レベルの類型と、このあるべき、これから定められようとする底質のDOとの関係はどんな関係にありそうなのか。この辺についての情報を、やはりわかっている範囲の中で少し整理しておくことが必要かなという気がします。

根木課長補佐 その辺りも次回以降に用意させていただければというふうに思います。

岡田委員長 過去、随分データを整理してきているはずですので、じゃあ、それは今、補佐がおっしゃったように、次回以降、用意してください。
 ほかにございますか。特段よろしければ、一番最初の資料から始まって、全体を通じて何かご意見、ご質問があれば、再確認させていただきたいと思いますが、よろしいですね。

古米委員 1点、細かいようですけども、言葉遣いです。資料8の2ページ目の下層DOの記述の一番最後のところで、先ほど田中委員も指摘のあった「特に感受性の高い個体の保護までは」と書いてあるところ文章です。「保全」ではない「保護」が使われています。若干「保護」と「保全」とのイメージは異なるもので、私自身は、保全というのは、相手として魚などを食べるとか、そういった利用を想定した対象物に対する用語であり、保護というのは、比較的アンタッチャブルな、そのままの状態、自然の状態を維持するというイメージがあります。細かいようですが、この「保護」という言葉は何か意味があって使われているのかどうかを確認したいと思います。

根木課長補佐 そこにつきましては、用語の精査は必ずしもということかと思いますので、今いただいたご指摘を踏まえまして、次回以降、またご提示させていただければというふうに思います。

岡田委員長 ありがとうございます。
 言葉の使い方等、よく読むと、えっと思うところが、多分委員の皆様方はお気づきの点があるかと思います。この場でそれを言うのは若干遠慮されているかもしれませんが、最終的にはこの文書が環境基準をつくっていくための基本的な文書になります。そういう意味で、今、古米先生がご指摘いただいたように、細かいとおっしゃっていますが、やはり最終的にあまりわかりにくいというか、科学的に妥当でない、それから、大久保さん、法律の専門家もいらっしゃいますから、法律的にも妥当でない言葉が残っているというのは、やはりよくないと思いますので、お気づきの点は、これから後でもぜひ事務局のほうに疑問という形でお寄せいただければと思います。事務局で精査して、この言葉自身もやはりブラッシュアップしていくことが必要だと思います。ぜひよろしくご協力ほどをお願いしたいと思います。
 はい。どうぞ。

福島委員 ちょっと言葉の話で続きなんですが、資料8の1ページ目は「水生生物」という言葉が非常に多く用いられていて、2ページ目のほうに入りますと「魚介類」という言葉が中心に記載されています。ちょっと違和感があるような気もいたしますし、先ほど来の「有用生物」とかいう言葉との関係とか、今回、何のためにつくるのかということにも関連しますので、その辺の整理をしていただけないかと思います。

岡田委員長 おっしゃるとおりで、ありがとうございます。これも、事務局もこれからやっていく予定のところですので、今のご指摘、よろしいですね。検討してくださいということでございます。哲学に関わることですので、ぜひ慎重に検討していただいて、次の委員会等で、直したところはやはりご確認いただくというプロセスをとらせていただければというふうに思います。
 ほかに。
 はい。どうぞ、鈴村先生。

鈴村委員 スケジュールにある、ヒヤリングの対象とする関係者というのは、どういったステークホルダーを考えていらっしゃるのか。これに関して、お願いします。

根木課長補佐 今、資料5に関するご質問かと思います。ここでは、具体的にこういう方々というものが、今、ほぼ決めているとか、そういうことは全くございませんが、意味としましては、透明度、下層DOがよくなる、悪くなることによって、直接的に影響を受けるような代表的な方に何名か、次回お越しいただくということを想定しております。

岡田委員長 よろしいですね。じゃあ、もし何かご希望、ご意見がございましたら、事務局にお寄せいただければと思います。
 ほかにございますか。

田中委員 多分、今回は想定外だと思うんですけど、海と川のつながり部分、今、溶存酸素がないところが問題になっているんですよね。海は当然問題になっているんですが、実は汽水部分が一番、魚介類の大きさとか、あるいは変化のところも大きいところで、川の類型になった途端に、溶存酸素がない ころも評価の対象になっちゃうんですよ。ここの部分は、いや、もうほったらかしなのか、あるいは将来的にはというようなことを考えるのか、あるいは特別、今度、何か入れようという考え方があるのか、何かそこら辺は、今、考え方は何かありますか。

岡田委員長 河口堰みたいなものですか。

田中委員 河口堰もそうですし、大阪湾だと、大阪湾から淀川の支流のとかに入ってくるときに、酸素がなくて困っているんですよ。そこでやっぱり問題が起こるんですよね。あるいは言われたような江戸川の河口部分も同じようなことが起こっていますので、つなぎの部分で、海は海、いや、川に入った途端に関係ないですよというのは、やっぱりある意味ではちょっとおかしいんですよね。だから、そういうところは、今回、間に合わなければ、何かのときにまたちょっと考える必要があるのかなという気がします。

岡田委員長 皆さん、困った顔をされているようですので、次回以降の検討にしましょう。ありがとうございました。今までのいろいろな予備的な検討では、必ずしも先生のおっしゃる点は明確に議論してこなかったかと思います。ありがとうございます。じゃあ、それはどうするか、また考える。
 事務局から何かあれば、どうぞ。いいですか。検討してどうするかというのは、ここでご議論いただけると思います。ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 それでは、最後に、その他、事務局から連絡事項はございますでしょうか。

根木課長補佐 本日はありがとうございました。次回の専門委員会でございますが、年度内にということで、先ほど説明させていただきましたが、具体的には、後日、事務局より日程調整等をさせていただきたいということで、よろしくお願いいたします。
 また、先ほど岡田委員長にご提案いただきました、何か言葉の話も含めて、ご意見、ご指摘などございましたら、一応、目処があったほうがいいかと思いますので、1週間を目途に事務局のほうにメールなりなんなりでお寄せいただけると幸いでございます。
 以上です。

岡田委員長 ありがとうございました。じゃあ、くどいようですけれども、事務局からのお願い、お気づきの点はよろしくご連絡のほどをお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして、第1回の専門委員会を終了させていただきます。委員の皆様方には、大変ご熱心に討議していただき、ご協力いただいたことを深く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

午前11時47分 閉会

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