中央環境審議会水環境部会地下水汚染未然防止小委員会(第3回)議事録

1.日時

平成22年11月10日(水)10:00~12:12

2.場所

環境省 第1会議室(22階)

3.出席委員

委員長 須藤 隆一
委員 浅野 直人
臨時委員 稲垣 隆司 太田 信介
岡崎 徹 中杉 修身
中野 璋代 藤井 絢子
細見 正明 森田 昌敏
専門委員 及川 勝 奥村 彰
笠松 正広 岸川 敏朗
巣山 廣美 古米 弘明
   (敬称略)

(欠席は、大久保規子委員、平田健正委員)

4.委員以外の出席者

鷺坂水・大気環境局長、関水環境審議官、石飛総務課長、吉田水環境課長、
柴垣土壌環境課長、宇仁菅地下水地盤環境室長、唐沢補佐、遠藤補佐、永濵補佐、
辻係長

5.議題

  1. (1)地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について
  2. (2)その他

6.配布資料

資料1 水環境部会 地下水汚染未然防止小委員会委員名簿
資料2 地下水汚染未然防止小委員会(第2回)議事録(案)(委員限り)
資料3 条例における構造及び点検・管理に関する規定の概要(追加)
資料4 漏洩の防止等に関する規定を有する関係法令について
資料5 地下水汚染事例における汚染の実態について(追加)
資料6 地下水汚染経路と対応の概念図
資料7 地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について(骨子素案)

7.議事

(唐沢補佐)
 おはようございます。
 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会第3回地下水汚染未然防止小委員会を開催いたします。
 本日は、委員及び臨時委員10名、専門委員6名の合計16名にご出席していただいております。本小委員会は成立していることをご報告いたします。
 それでは、議事に先立ちまして、環境省の水・大気環境局長の鷺坂よりごあいさつを申し上げます。

(水・大気環境局長)
 おはようございます。
 先生方、本日は大変お忙しいところを第3回の地下水未然防止小委員会にご出席いただきましてありがとうございます。また、日頃より水環境行政につきまして、皆様方、様々ご指導、ご協力いただいておりますことを、この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。
 本日は、地下水の汚染の効果的な未然防止対策のあり方につきまして、前回、委員の皆様方からご指摘いただいた点につきましてご説明申し上げ、さらには「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方」につきまして、今までご審議いただきました内容を踏まえた骨子素案、こういったものにつきましてご審議をお願いできればと、このように考えているところでございます。
 地下水汚染の効果的な未然防止対策につきましては、国会の附帯決議にもありますように、いわば政府として、そういった対策をとることが一つの宿題ということになっておりますことから、何卒皆様方の様々な観点からのご議論、ご指導をいただきまして、その取りまとめに向けご協力いただきますようよろしくお願い申し上げまして、簡単でございますけれども、私からのごあいさつとさせていただきます。
 本日はどうかよろしくお願いします。

(唐沢補佐)
 ありがとうございました。
 それでは、ここで、前回までの小委員会にご都合でご出席できなかった委員で、本日お越しいただいている委員をご紹介させていただきます。
 太田委員でございます。

(太田委員)
 よろしくお願いします。

(唐沢補佐)
 続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第の下に配布資料一覧をつけておりますが、クリップを外していただくと資料ナンバーが右肩に1~7までございますので、ご確認していただきたいと思います。
 もし不足等がございましたら事務局にお申しつけ下さい。
 よろしいでしょうか。
 それでは、カメラ撮りの方はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、これからの議事進行につきましては須藤委員長にお願いいたします。
 委員長、お願いします。

(須藤委員長)
 委員の皆様、おはようございます。
 ただいまから第3回の地下水汚染未然防止小委員会を開かせていただきますが、最初に一言だけごあいさつを申し上げた後、議事進行に移らせていただきます。
 本日、第3回ということで、前回は業界のヒアリング等もやらせていただきまして、本日は、できれば骨子の素案を大体固めていきたいと考えているところでございます。どうぞよろしくご審議をお願いしたいと思います。
 それから、本日も大変ご多用の中をお集まりいただきましたこと、最初にお礼を申し上げておきますと同時に、本日も傍聴の方にもたくさんおいでいただきましたことにお礼申し上げます。
 それでは、これから議事に入りたいと思いますが、前回議事録の整理からまいりたいと思います。
 前回議事録といたしまして資料2が準備されています。どうぞご覧になってください。この資料は、委員の先生方にご確認をいただいた後、事務局で修正をいたしまして、再度、各委員の先生方に送付させていただいた資料でございます。前回は、ご出席の先生方はご記憶のとおり、前半に業界の代表者からの聞き取り調査をいたしましたが、その議事録につきましては運用方針に基づきまして非公開とさせていただきますので、この場で、その残りの第2部の前回議事録をご承認いただきたいと思います。
 前回の議事録、いかがでございます。よろしいでしょうか。
 特にご異議がないようでございますので、第2回の議事録はこのとおりにさせていただきます。
 事務局におきましては、聞き取り調査の議事録を除き、公表の手続をとってください。お願いをいたします。
 それでは、本来の議事に移らせていただきたいと思います。
 議題1の「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」でございますが、前回の小委員会で各委員の方々からいろいろご指摘をいただきました。地下水汚染の効果的な未然防止対策のあり方の素案についてもご意見をいただきましたので、事務局から一括で説明をお願いしたいと思います。辻係長、永濵補佐、遠藤補佐、宇仁菅室長という順番で、資料は一括でお願いをしたいと思います。
 それでは、順番に辻係長からよろしいですか。

(辻係長)
 座って失礼いたします。
 資料3として、条例における構造及び点検・管理に関する規定の概要について、追加資料を提出させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 提出理由ですが、第2回の小委員会において、各委員より該当条文が規定された日に関しての質問があったこと、ほかにも該当条例があるのではないかという指摘があったこと、また、許可・申請に関しての手続についてご意見があったことを踏まえまして、都道府県及び水濁法上の政令指定都市155自治体を対象といたしまして再調査いたしました。
 資料の主な追加点でございますが、1点目が構造基準及び管理・点検等に関する基準が制定された日を調査対象に加えたこと。
 2点目は、その条例に関連しまして、許可・届出等に関する規定の有無並びにその内容を調査対象に加えたこと。
 3点目は、これに関して、主に許可・届出に関して、罰則規定の有無とその内容を調査対象に加えたことです。
 以上です。よろしくお願いいたします。

(須藤委員長)
 続いて、お願いします。

(永濵補佐)
 続いて説明いたします。資料4をご覧ください。
 こちらの資料に関しましては、前回の小委員会におきまして委員より、その他法令との重複関係について調べるべきとのご意見があったことを踏まえ、関係法令につきまして調査をいたしました。タイトルは「漏洩の防止等に関する規定」しておりますけれども、その他法令との重複の調査とお考えください。前回の小委員会におきまして、化学工場に関する法令というご指摘がありましたので、消防法、高圧ガス保安法等々、化学工場に関する法令をピックアップいたしまして、全部で9法令に関して調査いたしました。1ページ目がその表を代表しているものでして、2ページ目以降が各法令の条文を掲示しております。
 1ページ目につきまして説明をさせていただきます。
 1ページ目で、1の行では、各法律に基づきまして、設置の規制、許可から届出まで幅広く規制されているものに丸をつけております。
 設置の規制があるものにつきまして、構造の基準があるものに丸をつけているのが2の行になります。
 さらに、物質等の取り扱いの基準が定められているもの、これは構造の基準ではなくて取り扱いの基準に定められているものについて、3の行で丸をつけております。
 4の行のところでは、それらの基準につきまして、基準の維持・遵守の義務を定めている法令に丸をつけております。
 基準の維持・遵守の義務がなされていない場合の都道府県知事等の命令措置が定められている法令につきましては、5の行のところで丸をつけております。
 6の行のところでは、「施設の点検義務」としておりますけれども、設置の規制がかかっている施設に関しまして、それぞれ点検の義務が設けられているものにつきまして丸をつけております。
 さらに、点検のルール、定期的に点検するようにというようなルールが定められているものにつきまして7の行のところで丸をつけております。
 それぞれ、6の行のところで施設の点検義務が六つほどの法令でかけられておりますけれども、それぞれ水濁法との関わり合いがあるものといたしましては、消防法で言うベンゼン等、あと毒物及び劇物取締法で、こちらは点検義務はありませんけれども、水銀、パラチオン、アンモニア等、あと化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律で、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等がございます。実際のところ、前回委員からも御指摘がありましたけれども、施設の点検義務というところで、消防法の製造所等で水質汚濁防止法との物質の重複があるベンゼン等というものが、重複がありそうなところというふうに考えておりまして、調べた結果では、その他の法律との水濁法の重なり合いはなかったということになろうかと考えております。
 以上でございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございます。
 続いてお願いします。

(遠藤補佐)
 続きまして、資料5についてご説明したいと思います。
 これまでの小委員会の中で、下水道法に基づく届出状況、それから規模はどうなのかという議論がございましたので、地下水汚染事例に係る工場、事業場の下水道法に基づく届出状況及び会社の規模について自治体にアンケート調査を実施いたしました。その結果を示してございます。
 まず、下水道法等に基づく届出状況でございますが、この244事業場分につきまして回答がありました。これを集計したものでございます。
 この表の見方でございますが、まず上段に「下水道法第12条の3に基づく届出状況」で「届出あり」「届出なし」「不明」というのがございまして、この中の「届出あり」の合計については、下の欄にあるように80となります。
 それから、「水質汚濁防止法第5条に基づく届出状況」で「届出あり」「届出なし」「不明」がありまして、「届出あり」の計を見ますと179となっております。
 水質汚濁防止法の届出がなくて、下水道法のみ届出がしてあるものにつきましては、こちらの表の中では20という数値になって、これが下水道のみの届出ということで把握されているものでございます。
 それから、会社の規模でございますが、従業員数で集計しております。この中で、比較的多いのは20人未満と1,000人以上となっておりますが、いずれの規模のところでも汚染事例は認められているという状況になってございます。
 以上です。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 続いて、宇仁菅室長からお願いします。

(宇仁菅室長)
 資料6をまず説明させていただきます。
 お手元にカラー刷りのタイトルが「地下水汚染経路と対応の概念図」というものがございますが、ご覧いただければと思います。これは、前回、第2回小委員会、その前の第1回小委員会において汚染事例の実態についての調査結果を報告させていただきましたが、それらをもとに、どういう経路で地下水汚染に至っているかを示した図でございます。
 まず、一番上に「地上の施設・設備等から漏洩」というのがございますが、この区分としまして「生産設備」「貯蔵設備」「貯蔵場所・作業場所」「排水系統」が挙げられます。
 縦の欄にまいりますが、それぞれ「施設・設備本体に係る原因」によるもの、「付帯する配管等に係る原因」によるもの、「作業等に係る原因」によるものが見受けられます。
 さらに、その下にまいりまして、そういう地上の施設・設備から漏えいをして、地下に浸透する経路として、床を経由して地下に浸透している例がございます。これは、その下に書いていますように、コンクリートの床の亀裂等から浸透したり、あるいは土間等の浸透性のある床から浸透したりといった事例が見受けられます。そういった床を通して最終的には地下水汚染に至っているというものでございます。
 右の方にまいりまして「排水系統」というのがございますが、排水系統につきましては、排水系統から地下に浸透して、そのまま地下水汚染に至っているという事例が見られます。
 最後、一番右ですが、「地中の設備からの漏洩」というものがございまして、これは地下貯蔵設備からの漏えいですが、これも同じように、施設・設備の劣化・破損等による漏えいをして、それがそのまま地中に浸透して地下水汚染に至っているという例が見受けられます。
 それで、そういったいろんな汚染経路がございますが、一番下に、「構造に関する措置の検討」、それから「点検・管理に関する措置の検討」というのを示しておりまして、それぞれ緑、青で示しておりますが、これから説明させていただきます未然防止対策につきまして、どういった範囲をカバーしているかということを示しております。
 例えば「構造に関する措置の検討」につきましては、地上の施設・設備につきまして、「付帯する配管等に係る原因」に対して、こういった措置を検討してはどうかということでございます。さらには、その下の方の「地下への浸透」の部分、直接の浸透場所であります床の部分ですが、ここに対して構造に関する措置を検討してはどうか。それから、左の方の「排水系統」「地下貯蔵設備」につきましても、それぞれ構造に関する措置を検討してはどうかということでございます。
 青い部分ですが、こちらは点検・管理に関する措置を検討してはどうかということですが、地上の施設・設備につきましては、「本体」、「付帯する配管等」、それから「作業」に係る部分、こういったものに対して検討してはどうかということでございます。それから、その下の「床」の部分、「排水系統」「地下貯蔵設備」につきましても、同様に点検・管理に関する措置を検討してはどうかということを示した図でございます。
 それで、このようないろんな汚染の経路に対しまして、資料の7にまいりますが、ご覧いただければと思います。「地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」の報告、「骨子素案」というタイトルでございます。
 まず「はじめに」、それから2番の「工場・事業場が汚染原因と推定される地下水汚染の現状」、3番にまいりまして「対策・取組の現状」というのがございますが、これらは、本日の時点では項目のみとさせていただいておりますが、これまで2回の検討会でいろいろ資料をお出ししたり、ご意見、ご議論をしていただきましたので、そういったものをもとに内容を今後入れていきたいと考えます。
 それから、4番でございますが、「今後の地下水汚染の効果的な未然防止対策の在り方について」でございます。本日ここを中心にご議論いただこうということで用意をしております。
 先ほど申しました汚染経路に対応する形で、それぞれの汚染を防止するための対応措置というものはこういうものではないかと考えたものでございます。
 (1)は「基本的な方針」ですが、地下水汚染の実態調査結果から「有害物質の漏洩原因として、施設・設備の劣化・破損等による漏洩等の施設・設備に係るものと、不適切な作業や操作」に係るものを確認しております。
 さらに、漏えいの場所ですとか原因を調べた結果から、「生産設備や貯蔵設備の本体に付帯する配管等、貯蔵場所・作業場所等から有害物質の漏洩が起こり、床面が地下浸透を防止できる構造になっていないために地下に浸透しているということを確認」しております。「また、生産設備本体、貯蔵設備本体からの有害物質の漏洩につきましても、まれに確認」をしております。
 さらに、「地下の貯蔵設備や地下配管から有害物質の漏洩が起こりまして、そのまま地中に浸透していることを確認」しております。
 これらを踏まえますと、「地下水汚染を未然に防止するためには、現行の水濁法に基づく地下浸透規制に加え、有害物質を取り扱う施設・設備や作業において漏洩を防止するための措置を実施するとともに、施設・設備や作業において漏洩が生じたとしても地下への浸透を最小限にとどめ地下水の汚染に至ることのないようにする措置が必要」ではないかということであります。
 一部の事業者においては、これらの地下水汚染を未然に防止するための措置を自主的に実施されておりますが、全国的に発生している地下水汚染を未然に防止するためには、法令に基づく制度として位置づけることが必要ではないかということでございます。
 (2)にまいりまして、まず[1]の「施設設置場所等の構造に関する措置」でございますが、1つ目の丸の「有害物質を取り扱う施設の設備本体に付帯する配管等における漏洩防止」でございます。
 1点目が「施設の生産設備や貯蔵設備の本体に付帯する配管部の継ぎ目や地下貯蔵設備から漏洩し、地下へ浸透して地下水汚染に至った事例が認められる」ということでございますので「有害物質を取り扱う施設の設備本体に付帯する配管や地下貯蔵設備等は、床面から離して設置する等、漏洩があった場合に漏洩を容易に確認できる構造とすること」。
 2点目が「有害物質を取り扱う地下貯蔵設備や地下配管から漏洩し、地中へ直接浸透」している事例が認められます。これらは地下に設置されておりますので、「一たび劣化・破損して漏洩すると直ちに地下水の汚染」につながりますので、これらの「地下貯蔵設備等は、有害物質の漏洩を防止できる材質及び構造とすること」。
 次の2つ目の丸でございますが、「有害物質を取り扱う施設設置場所の床面、周囲等における地下浸透防止」についてでございます。
 同様に「有害物質を取り扱う生産設備や貯蔵設備の本体に付帯する配管等や貯蔵場所・作業場所において有害物質が漏洩・流出し、その場所の床面の亀裂等から地下へ浸透し地下水汚染に至った事例」が認められますので「有害物質を取り扱う施設設置場所の床面は、有害物質の地下浸透を防止できる材質及び構造とすること」。
 2点目が、「施設設置場所の周囲」に関するものですが、「有害物質が漏洩した場合でも流出しないよう、有害物質の地下浸透を防止できる構造とすること」。
 それから、3つ目の点ですが、排水溝、排水貯留設備の亀裂等から地下に浸透しておりますので「排水溝等は、有害物質の地下浸透を防止できる材質及び構造すること」。
 続きまして、[2]にまいりますが、「点検・管理に関する措置」です。
 まず、1つ目が「点検の実施」です。「設備本体に付帯する配管等の劣化、破損等による有害物質の漏洩、保管容器の亀裂等からの漏洩、床面の亀裂等からの浸透」により地下水汚染に至っておりますので、これらの「設備本体及びそれに付帯する配管等や設置場所、貯蔵場所・作業場所の床の破損状況、有害物質の漏洩状況、地下浸透の状況について、定期的な点検及び検査を実施し、その記録を一定期間保存する。点検等により異常が確認された場合には、直ちに補修等の必要な措置を講ずる」としております。
 2つ目の丸ですが、「適正な作業・運転の実施」につきまして、「不適切な作業や設備の操作、有害物質の不適切な取り扱いによる漏洩等により地下水汚染に至った事例」がありますので「作業や施設・設備の運転は、有害物質が地下に浸透したり、周囲に飛散したり、流出したりしないような方法で行う」としております。
 これらは、これまでの審議会での聞き取り調査等から、多くの事業者において既に取り組んでおられる内容と想定しております。
 (3)にまいりますが、「対象施設等」でございます。
 「地下水汚染の発生事例を踏まえれば、既に水濁法に規定されている有害物質使用特定施設を上記(2)の措置の対象施設とすることが適当」ではないか。
 また、それに加えて「有害物質の貯蔵設備からの漏洩・地下浸透の事例」が見られますので「それらについても対象とすべき」である。
 3点目として、「さらには、有害物質の貯蔵場所や作業場所についても漏洩・浸透事例」が見られますが、この点については対象に含めるかどうかというのは疑問形にしております。消防法の適用を受けるガソリンタンク等の貯蔵設備につきましても対象施設に含めるかどうか。この2つの点につきましては、特にご意見、ご議論をいただければと考えます。
 「(4)その他」ですが、(2)の措置の対象となる施設につきまして、必要な届出義務を課すとともに、実態を把握することが必要である。
 あわせて、構造に関する措置を担保するために、その遵守を義務づけ、満たしていない施設に対しては、地下水汚染を未然に防止する観点から改善命令をできるように措置する。従わない施設に対しては罰則を設けることで、実効性を担保すべきであると考えております。
 既存の施設に対する(2)の[1]の構造に関する措置の適用に関してですが、地下水汚染の「汚染」が抜けておりますが、「地下水汚染の未然防止のための取組は新規施設・既存施設問わず取り組むべきもの」でございますが、「既存施設における対応には一定の期間が必要である」、「先行する地方公共団体の条例でも猶予期間を設けた例」がありますので、一定の猶予期間を設けた上で適用すべきではないかということであります。
 なお、これもご意見があったと思いますが、既存の施設について、構造に関する措置を適用するまでの間、上記(2)の[2]の定期点検の実施等によって、構造に関する措置に代替するという措置も講じてはどうかと考えております。
 以上、簡単でございますが、説明とさせていただきます。

(須藤委員長)
 事務局の4人の方々、大変簡潔にご説明をいただきまして、どうもありがとうございました。
 これから、ただいまの資料に基づいて、委員の先生方からのご意見あるいはご質問をいただこうと思っておりますが、特に資料2、3、4は、前回の宿題といいましょうか、委員の先生方のご疑問に対して、条例で抜けているのがあるのではないかとか、それから消防法との関係で、消防法以外の法令との関係もあるのではないかとか、いろいろご疑問が出されまして、それについて回答していただいた部分でございます。
 本日の主要な議題は、資料6を踏まえて、要するにこれは汚染経路でございますが、それを踏まえて、未然防止をするためにはどういう防止対策があるのかということについての骨格を資料7で示していただきました。本日は資料7を概ね固めておかないと、次回までの文章化の作業ができませんので、委員の先生方から、残った時間、かなりございますので、1時間半ほどありますから、これで骨格だけはせめて決めていきたいと、こういうふうに考えております。
 議論の進め方でございますが、多くの委員の皆様にご発言をいただきたいので、一通り最初にご質問なりご意見いただいて、相互の討論の時間が今まで十分でなかったので、半分の時間は、そこで出た意見で、相反するご意見も多分あるだろうと思いますので少し議論をしていきたいと、こういうふうに考えております。

(浅野委員)
 確認の質問をさせていただいていいですか。

(須藤委員長)
 はい、どうぞ。

(浅野委員)
 資料の3、追加と書いてあるのですが、こういう理解でよろしいですか。要するに、以前に提出された資料を改訂したという意味ですね。追加と書いてあると、前の資料とこれをあわせて見なくてはいけないような印象を受けるのですが、この資料だけを見れば、いいんですね。

(宇仁菅室長)
 はい、そうです。

(浅野委員)
 だったら、むしろこれは改訂と書いてあるほうが誤解をうけにくいですね。

(須藤委員長)
 追加ではない。これは、改訂版でいいんですね。

(浅野委員)
 改訂版の方が正確に理解できますね。

(須藤委員長)
 資料については、改訂版ということでございます。

(藤井委員)
 委員長、すみません。

(須藤委員長)
 資料についての質問ですね。
 では、藤井委員、どうぞ。

(藤井委員)
 資料4についてちょっと伺いたいんですが、各法律の制定時の年号が入っていますが、この9法、いずれも法改正があったのかないのか、そこについて触れられていませんので、今ということではないんですが、そのことについて伺っておきます。

(須藤委員長)
 現状に至るまででどうなっているかということですね。

(藤井委員)
 そうです。

(須藤委員長)
 それはそこに記載をすればよろしいですね。

(藤井委員)
 はい、結構です。

(奥村委員)
 ちょっとよろしいですか、資料4について。

(須藤委員長)
 奥村委員、どうぞ。

(奥村委員)
 資料4、うまくまとめていただいているとは思っておるんですが、その各法律、現実、いろんな政省令と言ったらいいでしょうか、それでもって対応していますので、例えばそれを積み上げたらどれぐらいの量があるのかというようなことをちょっと皆さんわかるような提示の仕方をいただけたら非常にありがたいです。
 以上です。

(須藤委員長)
 わかりました。
 事務局、どうでしょう、今の。これでは少しまとめ過ぎちゃっていて。

(奥村委員)
 これは物すごく簡単なことをやっているように思われると。

(須藤委員長)
 かなり複雑に入り組んだ、いろんなことが実際には行われているんだと思います。
 浅野委員どうぞ。

(浅野委員)
 いろいろな意味があってのご発言であることはわかるのですが、要は水濁法を何とかしなくてはいけないという場合に、どこが他の法令とバッティングするのかということをはっきりさせればいいわけですから、その目的ということからいえばこれでいいんだろうと思いますし、改正過程については、もちろんあってもいいけれども、大変な数があります。大体どの法律であれ、インターネットを調べたら、附則のところに本体よりもはるかに倍以上の規定があり大変なことになることが多々ありますから、事務局にそこまでかわいそうな宿題を課すことは勘弁してあげていいような気がいたします。

(須藤委員長)
 この目的に合う部分のところだけはやらなくてはいけませんね。

(浅野委員)
 現在どうなっているかということがとりあえず一番問題なのだと思います。
 ただし、今言われた政省令については、資料にも部分的には政省令が入っているようです。コア部分で、この部分は政省令を読まなくてはどうにもわからないという箇所には政省令の条文内容が入っています。まだほかにも政省令で入れておかなきゃいけない部分があれば、一度調べていただいて、その点をご指摘いただいた方がいいと思います。

(奥村委員)
 私の意図だけ念のために申し上げますと……

(浅野委員)
 意図は大体わかっています。

(奥村委員)
 既にいろいろな膨大な作業がありまして、これ、民間にさらにこの負担をかけるという話ですから、皆さん、その負担に耐え得るのかどうかが非常に気になるものですから……

(浅野委員)
 ええ、それはよくわかっています。

(須藤委員長)
 おっしゃっていられる意味はわかりますので、その辺のところの部分が抜けないようにということでよろしいですね。

(奥村委員)
 はい。

(浅野委員)
 端的に言えば、各法令に基づいて、このテーマに関連して、どの程度の届出義務が課されているのかということを明らかにしておく必要があろうというご意見ですから、そういうことだと理解いたします。

(須藤委員長)
 わかりました。
 では、中杉委員。

(中杉委員)
 資料4でもう一つだけ。
 水濁法との重複の部分なんですが、これは、重複があるかないかというのは、もう一つの要素があって、法律の中で物質を指定しているか、指定していないかというところがあるんですね。それをなしに、物質を指定しなければ重なりがないと言ってしまうと、これは逆なんですね、本来の趣旨と。我々が今考えている趣旨とは逆なので、そこら辺のところ、少し整理をしていただく必要があるかなと。ほかの法律でやっているから、ここはやらなくてもいいよという話かどうかということで、指定がなければ逆に全部にかかると考えると、重複していると解釈すべきだろうと思うんですね。多分そういう発想で書かれているんじゃないんじゃないかなと思ったものですから、少しそこを確かめていただければと思います。

(須藤委員長)
 わかりました。そこはちゃんと対象物質の問題のところで少し議論した方がいいかもしれませんので、委員の方からまたそこは意見をいただいきたいと思います。
 では、森田委員から順番に。
 最初は一通りいただいた上で、先ほど言いましたように、今のも討論があったわけですが、少し討論をさせていただきたいと思います。

(森田委員)
 資料を作っていただきましてありがとうございました。
 先ほどからいろんな指摘があったことと関係するんですが、どういう物質を指定するかということと関係しまして、若干の作業を見守っておったんですが、それは、1つはすべての法律にひっかかっているやつを全部水濁法に統合できないかと。わかりますか。これ、物すごくたくさんの多様な法律が、みんな網をかけていて虫食い状態になっているので、だからそれを全部一元化したらどうなるだろうという若干のシミュレーションを含めて考えてみたんですが、その結果は、やっぱり何千種類と物質の情報をとにかくコントロールしなきゃいけないという状況になります。少なくとも、主要な物質だけでもほぼ2,000ぐらいの物質があると、これがまず第1ですね。
 第2は、資料6にありますように、従来から割合丁寧にそういったものから漏れないようにということをやられてきた。水濁法の非常時対応の規定みたいなある運用実態というのが存在をして、それは相当きちんとケアする、これは自治体を含めての政策としてやっていくんだと思うんですが。この資料6を見ていただくとよくわかると思うんですが、例えば「地下配管の腐食部からの漏洩」という、こういうことは現実に起こるんだろうと思うんですね。そうすると、配管が腐食しないような材質できちんとつくってなきゃいけないとか、そういう設備面にも少しはね返ってくる。そういうことがありますので、したがって、今後の議論に多分なると思いますが、どこまでをケアするかということの守備範囲は、やっぱり相当きちんと議論をしておかなきゃいけないと。したがって、非常にコンサバティブには、今までこの手法を使って、そして着実に項目を増やして、危険性を少しでも減らしていくと、そういう方向に進むというのが1つですし、それから化学物質の対策全体から見ますと、各役所が、何か例えば事故があったとか、そういうことのたびに小さい増設で物質を指定してきたというその歴史を全部ばらばらに拾っているわけですけれども、目標としているところは基本的には同じような内容で、人の健康被害を防止するという意味で、どの役所もやられているという傾向は共通してあるだろうと思うんですが、そういう意味で、私の感想としては、全部を水濁法の対策の物質の指定をやりということは、ひょっとしたらやりにくくて、主要なものをやりながら、かつこういう物質については気をつけてこぼさないようにしてくださいという、そういうのを少し企業側の自主的な取組を含めて強化していくのかなという感想を持ちました。
 以上です。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 それでは、細見委員、どうぞ。

(細見委員)
 私自身、この施設というか、今までの汚染経路の幾つかの事例を直接関わってきたりしていますと、その面から見ると、既存の施設が最も考慮すべきかなということは思っています。
 それから、ほかの法律との関係もありますけれども、実際には、地下の配管とか、あるいは排水系統、特に地下の例えばコンクリートのピットだとか、そういうところからの漏れというのが非常に経験としては多いかなと思っておりまして、実際に資料7とも関係するんですけれども、骨子の素案の考え方はこのとおりだと私は思うんですけれども、例えば点検といったときに、何をどこまでどのようにするのかという具体的なところになると、かなり実現可能性も含めて議論しないといけないことが多いのではないか。考え方は、恐らく未然防止という大きな目標に立てば、こういう考え方が僕は妥当だと思うんですけれども、具体的なやり方、手順、そういうものについては少し議論が必要なのではないかと思っています。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 それでは、古米委員、どうぞ。

(古米委員)
 前回の委員会でも、有害物質を扱っている大きな企業とそうではない小さい企業の取り扱いについてどう考えるのかというところが議論になったと思います。そういう意味においては、資料7の3ページ目の対象施設として、まずは対象としては大きくくくった上で、実際上点検をするとか、あるいは構造上の措置だとかという適用に対してどこまで一律にやるのか。あるいは、対象施設のそれぞれのレベルに対応した形で、資料の後ろの方にも書いてありますけれども、点検で当面は代替するのかといったところの仕分けをある程度具体的に書き込んでおかないと、一応あり方の方針を出したけれども、じゃ実効性のあるものをどうするのかというところに非常に懸念される点があると思います。
 そういう意味においては、細見委員から意見が出ましたように、その点検と一言書いたとしても、その検査をするとか監視するのかといったことが、技術的にあったとしても、それを実際上視察して、その監視をしたことを届けられる施設と、そうではない、現実的には難しい施設もあるかもしれないということを、ちゃんとまとめておかないと混乱しそうだなというのを意見として申し上げたいと思います。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、藤井委員、どうぞ。

(藤井委員)
 たまたま昨日、滋賀県の彦根で、大阪ガスの工場からシアンの問題が起きていて、もう既に昭和63年にそこの工場自体はとまっているんですが、つまり88年から操業していないんですが、石炭ガスの精製設備の故障によりというふうにありました。
 ガソリンスタンドのとき申し上げましたが、もう既に使っていない設備で、そこがたまたま今回の場合は建てかえの中で、土壌汚染から地下水汚染ということでシアンの事案が出てきたわけですが、そのあたりのところは、ここのフローの中でどういうふうにチェックできるのかなということを、市民の健康と安心という視点で、見えやすい仕組みがこの中に盛り込まれているかどうか。ちょっとそこまで私は判断できないものですから、具体的な事例をご紹介する中で、ここで議論の対象にしていただけたらと思います。
 以上です。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 中野委員、どうぞ。

(中野委員)
 未然防止ということからは、先に汚染してから調べるのは大変だと思いますので、その建てたときの施設の構造等をちゃんと図で提出して、そしてそれをチェックしてもらう、時々チェックするということも大切ではないかなと、このように思います。
 ありがとうございます。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございます。
 それでは、中杉委員、どうぞ。

(中杉委員)
 今までのご発言あった委員のご意見を伺っていると、1つは、これが何を目的としているかという範囲が少し同床異夢的なところがあるので、それを明確にする必要があると思うんですね。多分、今考えているのは、地下水環境基準がある項目について汚染の未然防止をしよう、修復ではなくて未然防止をしようというところで、どういうふうにしたらいいかということを考えているんだろうと私は解釈しています。
 その後で、この資料を見せていただいて少し疑問点が幾つかあります。基本的な考え方はこれで結構だと思うんですが、資料6で「貯蔵場所・作業場所」で「付帯する配管等に係る原因」で「ドラム缶が腐食して廃液が漏洩」というところは、なぜ点検がかからないんだろうか。ここだけ白地にしてあるのはどういう意味合いがあるのかなというのはちょっと疑問に感じました。
 それから、資料7の、この基本的な考え方はこれで結構なので、文言のところに入ってしまいますけれども、2ページ目の最初のポツのところで、ここでは3行目、「施設・設備や作業において漏洩を防止するための措置を実施するとともに」と書いてあります。ここでは、施設・設備というのをすべて対象にして、これをやらなきゃいけないねという基本的な考え方にしてしまっているので、例えば資料6のところで設備本体は点検のところだけだよということと少し矛盾がありそうな感じがします。
 それと、その下の5行目のところで「地下への浸透を最小限にとどめ」という表現がいいかどうかですね。実質上、ゼロというのはできないということは誰もがわかっている話なんですけれども、これは、それを止めるということでなぜいけないのか。止めると言っても、誰もそれは完全にゼロにしろという解釈ではないということを理解してもらえると思いますので、「最小限にとどめ」という言葉を使うと何か要らぬ議論を呼びそうな感じがします。
 それから、その下の(2)の[1]の最初の丸の1番目のポツの下から2行目、「漏洩を容易に確認できる構造」、これ、「容易に」というのが重要なのか、迅速にということなのか。ここも言葉を「漏洩を確認できる構造」というぐらいにしてもいいのかなという感じがしています。
 それから、次の丸のところの3行目で「その場所の床面の亀裂等」からと書いてあるんですが、「その場所の」というのは少し明確ではなくて、これも要るのかなと。それから、「亀裂等」だけではなくて、床面そのものの材質をどうしようこうしようという話をするので、だったら「床面からの」でいいんじゃないかと。
 それから、次のポツですが、「有害物質を取り扱う施設設置場所の周囲は、有害物質が漏洩した場合でも流出しないよう」にというのは、しないように地下浸透を防止できる構造とするというのは何を言っているのかよくわからん。これは、周囲へ流出しても、そこで地下浸透しないようにという意味だろうと思うんですね。そうすると、周囲へ流出した後に地下浸透して地下水汚染を起こすことがないように、有害物質が周辺に拡散しないように、多分そういう趣旨だろうと解釈するんですけれども、そこら辺をもう少し正確に書かないとこれはよくわからないなという感じがします。
 それから、「点検」のところですけれども、これは今後の話かとも思うんですが、「有害物質が地下に浸透したり、周囲に飛散したり、流出したりしないような方法で行うこと」、この報告書の段階ではこのレベルでいいのかと思うんですけれども、具体的に書き込んでいかないといけないんだろうと、何となくこのままでは済まないんだろうな、指針みたいなものができるのかもしれませんけれども。
 それから、(3)のところでは、どう判断するかというところがあるんですが、3番目で、有害物質の貯蔵場所や作業場所、貯蔵設備と貯蔵場所というのはどういう区別なのかというのはもう少し明確にする必要があると思うんですが、資料6でありますように、設備の構造基準を貯蔵場所や作業場所に設けるのかどうかという話が1つと、それから点検をするという話があります。これは、点検の対象として、少なくともこういうものが入ってくるだろうと思われます。
 最後のガソリンタンク等の貯蔵施設で消防法の適用を受けるもの、これ、ガソリンタンクを考えた場合に、水濁法の地下水環境基準のある項目というのはベンゼンだけであろうと。ガソリンタンクについて、消防法の規定があって、構造基準があって、その基準でベンゼンが地下浸透するのを防ぐことができるかできないかという観点だと思うんです。これは、油が漏れるということを多分防いでいる規定だろうと思います。そうすると、油が漏れなくてベンゼンが漏れるということは、これは事実上あり得ないので、そうすると消防法の規定をやっておけば、この部分については対応できるという判断があれば、これは対象にしなくてもいいんではないかと、そういう整理ができるのではないかと思います。
 それから、先ほど多くの委員からご指摘があった部分ですけれども、中小の事業者をどう考えるかというところですけれども、これは、地下水汚染というのは、小規模な事業所だから、大きなところだから、どっちが汚染の可能性が高いかということは言えないわけですよね。小規模な事業所もやっていただく必要はあるんだけれども、当然その実行可能性を考えるときに、小規模の事業者の負担を少し配慮するということをほかのこういうものについても何か書き込んであるので、その他のところで何か書き込めれば書き込んだ方がいいのではないかと思います。
 それと、「その他」の一番下のなお書きですけれども、これについては、当然、維持管理についてはここであえて規定しなくても、既存の施設についてもすぐにやってもらうべきだろうと。施設の構造を変えなさいという話は、すぐにはできないので、先々にやっていく話だけれども、具体的にどういうことまでやってもらうかという話では少し差をつけてもいいかもしれませんけれども、基本的には何らかの形のものを、法律が施行されたら即時に、既存の施設についても点検はやっていただくのではないかと私は解釈しています。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、巣山委員、どうぞ。

(巣山委員)
 中杉委員にいろいろお話ししていただいて、私の言いたいことも大分話していただいたんですが、先ほどからガソリンタンクという名前が出ていますが、私のいる業界というのは消防法でほとんど規定されておりまして、今回のいただいた資料4で言えば、こちらの左側のすべての項目にわたっていろんな規制が書かれているというものでございます。そういうところにいる人間から見ると、今回のこの議論といただいた資料7は、平たく言えばいろいろ足りないところがあると考えます。
 具体的に申し上げますと、例えば法規制にするというのが出ておりますけれども、このままですと、例えばVOCの管理と亜硝酸性窒素、特定有害物質にありますけれども、そこの管理の仕方で多分差が出てくると思うんですね。物質とか施設によって公平じゃなくなると思うんですよ。例えば肥料なんか土にそのまままくというものとベンゼンみたいに二重殻タンクの中に入れなきゃいけないよとかというようなものとで公平性が変わってしまうと思いますし、いただきました資料3の条例につきましても、入れているところと入れていないところが自治体さんにあって、入れているところは入れているなりの理由があって、入れていない、作っていないところは作っていないなりの理由があると思うんですが、作らなかったところに対しても一律で法で規制をかけてしまうというのは、これもまた何か問題が生じるのではないかと思います。
 あと、中小企業関係の影響については中杉委員からも指摘されておりますので、割愛させていただきます。それから施設についてですが、特定施設以外のところに持ってくるかという議論がございますけれども、これに関しては、施設の構造、消防法ですと完全に構造が把握されておりまして、どういう条件で壊れるとか漏えいが起きるとかというのは想定されております。それに対して未然防止の方法がすべて考えられているんですが、そういうところまで詰めずに、構造がわからないのに一律で漏れない構造という書き方は、実際に実行可能性上問題が出てくるのではないかと思います。
 物質に関しても、例えば貯蔵という施設の概念ですと、消防法ですと、移動タンク貯蔵所といったローリーに載っかっているようなものも貯蔵施設として考えられているんですが、有害物質を含む液体、固体、例えば弗素なんかは基準値を超える量が海の水に入ったりするものがございまして、海の水を使って魚を運ぶのは一体どうするんだとかと、そういう細かいところの疑問も出てくる可能性がありますので、その辺のところも考慮に入れて考えないといけないと思います。
 それと、他法令と重複するところについてはこの資料の4でいただきましたけれども、我々、実際にこれらの法令に、消防法等に沿ってやっておりますと、法の中での齟齬というものが出てくると、実際に法を遵守して活動を行わなきゃいけない事業者としては非常に困る。その辺のところがつぶされていない限りは、やはり法にするというのはちょっと時期尚早ではないかと考えております。
 こういうことを考えますと、法規制という形ではなくて、ガイドラインとか指針とかいう、形の上ではやることというのは明確になっているけれども、罰則とか無理やりやらされるということではなく、企業とか自治体とかが自主的に行えるような余地を持ったような未然防止の考え方の出し方を考えるのも一つの方法ではないかと私は考えます。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、岸川委員、どうぞ。

(岸川委員)
 資料7のあり方については、基本的にはこれで結構だと思います。細かい点はいろいろ皆さんから出ているとおりと思いますので、基本的にこれを進めていただく方向はよろしいのではないかと思います。
 それで、二、三私の方で気づいた点がありますのでご紹介したいと思います。
 3ページの「点検・管理に関する措置」のところですけれども、点検・管理、やっていくんですけれども、これは、有害物質を取り扱う設備等の劣化等の点検になるんですけれども、今後、土壌地下水汚染問題を考えた場合に、有害物質の使用状況を含めて、これらの記録がやはり必要になってくるのではないかと。通常のこの点検はよろしいんですけれども、どんな有害物質をどんな形で使っているという情報が記録されて、その記録が保管をされ、それからその特定事業場が廃止をされた場合に、土壌汚染対策法に移るんですけれども、そこに引き継ぐような形のものがあった方が、水濁法と土壌汚染対策法の連携という点ではどうしても必要になってくるんではないかと考えます。
 もう一つは、対象施設のところですけれども、有害物質使用特定施設だけではなくて、汚染の実態を見てまいりますと、特定施設以外からも出てまいりますので、当然それら以外のもの、ここに出ております貯蔵施設とか作業場所についてもやはり含めていただきたいと思っております。
 ガソリンタンクですけれども、消防法の適用は受けるんですが、受けるということでここの対象施設から外しますと、仮に地下水汚染が起こった場合に、環境サイドでは何も手を出せないということになりますので、基準的には消防法等の基準をそのまま使うような形でよろしいかと思うんですけれども、やはり施設としては含める必要があるのではないかと考えます。
 それから、「その他」のところの「届出義務」の関係ですけれども、先ほど資料の5で下水道法の届出と水濁法の届出の関係の説明がございましたけれども、この届出を水濁法の5条で出すということになりますと、下水道区域では特定施設の設置届が出ない場合があると。合流式の場合はもちろん出ませんけれども、分流式の場合は雨水を公共用水域に流している場合は届出があるわけなんですけれども、自治体によっては、その場合でも届出をとっていない自治体がございます。したがいまして、合流式の場合と、届出をとっていない自治体の場合には届出が出てこないということになりますので、5条でやるのかどうかということも含めて、全部出ていただくことが必要ではないかと思います。
 とりあえず以上でございます。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、どうぞ、笠松委員。

(笠松委員)
 私から大きく2つ。今回、水濁法の概念を拡大というか拡張を考えています。従来の特定施設から公共用水域への汚染を監視しましょうという制度を、地下水汚染に着目して汚染源の概念を広げようとするわけですが、じゃこの広げた施設というのは、何か事故を起こしたときに公共用水域に悪影響を及ぼさないという前提に立っておられるのかどうか。つまり、地下に漏れる以外に、そのままずっと排水溝から川へ汚染物が出ちゃうことの方が確率が高いわけですよね。それをやっぱり公共用水域の汚染源ととらえるとしたら、先ほど岸川委員からありましたように、水濁法の5条の特定施設と同じレベルに持ってこなきゃならない。どっちがいいのかというのはよくわからないという意味です。
 それから、もう一つ、資料の7の「その他」で「届出義務を課す」とありますが、この届出は2種類あるんですよね。今現在どうなっていますかというのを全部出してくださいよという現況届出と、今後何かそういう施設をつくるのであれば事前に届出てくださいという設置届出。事前だから行政が見て、これじゃ監視ができないから計画を変えてねという、従来の水濁法の届け出、特定施設の設置届と同じ考え方でもって処理をする、そういうスキームを考えておられるのだろうなと思っているんですがそれでいいですか。でないと一遍つくってあるものを、これはだめだから、もう一遍ちゃんとかさ上げしてよなんて言えませんから。そういう改善を命じる以上は、これは事前の届出なんだろうと思っています。その理解でいいか、事務局でどう考えているのか確認をしたいところです。
 あと、今、意見を伺っていて気になったんですけれども、確かに今回、地下水汚染に着目していろんな施設を対象にしていこうと思っています。私の理解は、まずは地下水汚染を起こしたら、あるいは土壌汚染につながったら、それに対する対策措置の費用というのがべらぼうになりますよと、だから企業としても事前にこういうところはちゃんとしてくださいよというのを知ってもらう。それのターゲットはどこだというと、こういうまず施設があるでしょう、これは今までこんな事例があって汚染を出しているでしょうと。だから影響の大きい施設をやっぱり押さえる必要があるのかなと。
 逆に、作業場というのは、この資料をもらっていろんな工場を私の頭の中でシミュレーションしてみたんですけれども、やっぱり小さい汚染源は対応できにくい。つまり、その施設にあたる貯蔵場所というのはドラム缶を置いているところなんですよね。そこからフォークリフトでもってずっとあちこち連れて回ってやっている、そこが全部作業場所になっちゃうわけで、そこを何か漏れても流れ出さないようにする、ガード壁など床面にでこぼこをつけなきゃならないとなると、多分どっちかが動かなくなる。つまり、きっちりすればフォークリフトが動かなくなりますし、フォークリフトを動かせるようにすると、その敷地全部を漏れないようにしなきゃならない。大がかりなことになるので大変だと思います。
 要は、ここは漏れる可能性がある。つまり、工場がやめたときは何らかの、特に土対法に移行したときに重点的に調査しなければならない場所ですよという情報を企業と行政とが共有しておけばある意味それでいいのかなと私は思っています。だから、今回、作業場所とか貯蔵場所を対象にというのは、その対象という概念がよくわからないんですけれども、何らかの設備構造をつくってこういうふうにしなさいよというところまでは必要ないのかなと。ただ、企業としてはそれだけのリスクがありますよ、ここは放っておくと、漏れたらこういうことになりますよというのを知ってもらうだけでいいのかなと思っています。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 奥村委員、どうぞ。

(奥村委員)
 地下水汚染の効果的な未然防止対策と言われれば、これ、誰もがノーと言わないと思うんですが、全く必要やとは思っております。
 一方、最近、はやりの言葉で言うたら、CSRと言うたらいいんでしょうか、片仮名、私、嫌いなもので、平たく言えば、これはあきんどの道徳やないかと思っているんですが、その道徳に従ってやっていることをお上が法律で決めると言われたら若干反発を感じざるを得ない。それを念頭に置いてちょっと聞いていただきたいんですが、確か報告では、年間50件程度やったと、そういう事故事例が発見されておると。しかしながら、そのリスクがどれぐらいやったかいうような話はなかったと思います。何件、何件と言うだけで、例えば地下水の飲用を止めたというのが何件とかありましたけれども、大体どれぐらいの人間が関与しているのかはさっぱりわかりません。したがって、印象としましては、何か「鶏を割くに牛刀をもってす」というのが正直な印象なんですが、まして罰則ということを目にしますと、ええっという感じがします。
 いま一つわからんのは、この案ではその対象となる事業所の数がどれぐらいなのか。先ほどから貯蔵所とか言われていますけれども、これは数が見当がつかない。そういう意味から言うと、これではコストパフォーマンスといいますか、事業者はもちろん行政コストも含めてですが、それだけのコストをかけて、どれぐらいパフォーマンスを、50件とか言うてるのが改善されるのかというのがよくわからない。地下水汚染の未然防止というその大義といいますか、これはもっともな話で、これにノーとは決して言えないと思うんですが、その大義のために、昔言うとった「死を鴻毛の軽きにおく」とかいう民に物すごい負担がかかったら少々問題ではないかと思います。
 ちなみに、土対法改正の議論のとき、これ、嘘か本当か私は確かめていませんが、土壌汚染で死んだ人は1人もいないと、だけど土対法のおかげで首をつった人が何人かおると。これ、土壌汚染と密接に関係していますから、そういうことが起こらないようにご配慮願いたいと思います。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 それでは、岡崎委員、どうぞお願いいたします。

(岡崎委員)
 奥村委員が企業あるいは事業体の道徳論に触れられましたので、私もその切り口には賛成です。ただ、中身、趣旨が、きっと立場が違うんだと思いますが、およそ人の生活・営みに関わる化学物質・有害物質の管理、これに関しては、皆さんもご承知のように、国際的にはPRTR制度やGHS表示等々で、いわば企業・生産者・事業者の自主管理あるいは社会的な公正・安全・安心ということの責務というのが問われているというのが国際水準なんですね。その意味では、今日提示された資料7の中で「基本的な方針」の項で、例えば一部事業者においては未然に防止する措置を自主的に実施されているという事実も指摘をされているわけですから、およそ企業あるいは事業者・生産者の側の道徳も大きく分岐してきているのかなというところは押さえておかなきゃいかんと思います。
 私は、そういう意味では、改めて具体論に入りますけれども、今日提示された資料の中で「基本的な方針」の最後のところ、先ほど触れましたけれども、自主的に一部事業者が努力されている、これを法令に、あるいは条例にどういうふうに生かしていくのかというところは、積極面としてしっかり受け止めなきゃならんだろうと。この具体的なノウハウを以下展開されていて、これの問題点、たたき台点がポイント的に提示されているというふうに受け止めました。具体論は、委員皆さんがるるご指摘のように、例えば点検のありようだとか具体的な手法、ノウハウ、そこらの検討については、検討を要すと思いますけれども、このたたき台をもとに検討に入りたいなと思います。
 それから、実は前回、松尾部会長がまとめの中で、毎日のメンテナンス、管理運営、その手法を含めてこれが大事なんだろうと触れられまして、その上で、業界と自治体サポート、これがちゃんと有効にリンクしていくというところを目指さないといけないことに触れられたと思うんですね。
 そういう意味では、私は、前回提示された資料の中で、地下水汚染防止制度の概要について、前回の資料6ですが、この中の4ページで、事業者の責務、地下水の常時監視、このところが、法14条、15条に関連して指摘されています。簡単に言いますと、都道府県による地下水の常時監視とその結果公表については、ここで提示をされているわけですから、それに対して事業者側の責務、ここのところがやっぱりどうしても折り合いつかないところで不十分に来ているのかなと。もう端的に表現させてもらいましたけれども、ここのところをどう担保していくのか。もっと言えば、事業者の責務と都道府県等によるサポート、ここのところを有効にどうかみ合わせていくのか、この目的意識を持って具体的な法に反映させていくという姿勢、ここのところが大事じゃないかということを意見として申し上げます。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 太田委員、どうぞ。

(太田委員)
 初めて参加させていただきますが、1、2回目の議論については皆さんの議事録で確認させていただきまして、この小委員会ができるときの部会で私が当初疑問に思ったことをまさにこの2回でしっかりご議論いただいたような気がしております。
 ただ、1つだけ今日の議論で言いますと、本当にリスクがどれぐらいあるのかというところについては、もう少し何かそれに関するデータなり、そういったものがないものかなという感じがしないでもございません。ともあれ、2点あるいは3点になるかもわかりませんけれども、意見を申し上げたいと思います。
 まず1点目は、検討されている法制度と他の法律との関係です。実効性の視点から見ると、確かに他のところにかなりいろんなことが規定されている。これは、実行される側とすれば屋上屋じゃないかという議論も当然あるわけです。ただこの新しい法制度は、他の法律と目的が当然異なるわけですから、その目的を達成するために必要な対応は、一応網羅的に述べておくべきじゃないかというのが私の考え方です。ただ、述べておくけれども、実際の対応上は、それが他の法律で定められているいろんなルール、例えば構造の問題一つとってもそうですけれども、そういうものでこの法律における目的が達成されるということであれば、それを準用するなり、あるいはそのときに提出した添付資料をつければいいとか、あるいはいっそのこと省略してしまうとか、いろんな方法があると思います。何かそういう簡素化、簡略化に努める必要がある。そうしたほうがかえって実効性を高めることになるんじゃないかと思います。
 それから、2つ目ですけれども、罰則的な話ばかりになっているんですけれども、そういうことが可能かわかりませんが、インセンティブをつけるというのはできないんでしょうか。というのは、例えば運転手で言えば、優良運転をやっていれば期間が長くなりますね。何かそういうようなやっぱり自主的に対応していこうということで、自らの責任で必要な措置をとられたところには特典といいましょうか、そういうものを与えるというようなことも、これからの行政には必要じゃないかと思います。罰則型の北風も必要でしょうけれども、太陽も少し考える必要があるんじゃないかというのが私の意見です。
 3つ目です。
 私もインフラ関係の仕事をずっとしてきていまして、やはりまだこの法律体系の思想自体は、新しい施設をつくるということから始まっているような感じがするんです。そうではなくて、おそらくこれから新しいものをつくるよりも、つくり直すとか、あるいは今のものをできるだけ直して使っていくとか、そういう時代になってきますので、今はそういう問題は出ていないけれども、今後問題は出るかもしれないという視点で、現在の状況を点検することが非常に重要だと思います。逆に言うと、この検討には時間概念が十分考慮されていないんですね。例えば地下貯蔵設備等はこれこれの材質及び構造とすることと書いてあるんですけれども、どれだけもてばいいのかとか、それは点検でチェックするんだということかもしれませんけれども、耐用年数の目安なり、そういう発想も必要ではないでしょうか。つまり時間軸でとらえて、これをずっと機能させていくという発想がどこかにやっぱり思想として盛り込まれる必要があるのではないか。言うのは簡単ですけれども、自分でもこの問題についてはほかの分野で同じ悩みを抱えていますので、すぐに答えが出るとは思いませんけれども、やはりむしろこれから安定社会になってくる中での対応の仕方というのを考えていく必要があるんじゃないかという意見です。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 及川委員、どうぞ。

(及川委員)
 まず、資料5です。
 資料の5のところで、下の表で「会社の規模」というのがございます。確かに、この表を見ますと、20人未満が36ということで、この区分けからしますと大変多い。一見、20人以下が大変問題があるように見えるのですが、実は日本の企業の87%はこの20人以下の事業所です。すなわち、400万事業所の内の87%でございますので、そういったボリュームから見ると、この36件というのがすごく少ないという結果になりますので、この表の意味が、むしろ誤解を招くことになるのを大変恐れています。そうではないと申し上げたいと思います。中杉委員がおっしゃったように、小規模だからということで一律ご判断はこの表をもってしないでいただきたいと思っております。
 資料7でございますけれども、したがってそのボリュームゾーンである小規模事業者が、今回の命題でもあります地下水汚染の効果的な未然防止ができるかどうかという観点がすごく重要になってくると思います。この資料7の1ページに「はじめに」と、あるいは「業界における地下浸透防止の取組」ということが、今回は割愛されていますけれども、実はここはすごく重要だと思っておりまして、中小企業の効果的な未然防止をどうするのかといった、今、業界ごとに個別にかなりディテールの部分がポイントになってくると思います。そこが明らかになって、どのぐらいのリスクがあって、効果がどうなんだと。費用が多くて、小規模事業者が倒産して廃業になって、雇用が喪失されては元も子もございませんので、事業を継続できる上で、ボリュームゾーンである小規模事業者が、効果的な未然防止ができるかどうかという観点をお示しいただくことをぜひお願い申し上げます。
 最後に、3ページにガソリンスタンドの問題がありますけれども、やはり消防法と水濁法で二重にかかってしまう。この業界にとってもろに二重に規制がかかってしまうと私は思っています。少なくとも今取り組んでいただいている消防法の効果をきちんと見てからご判断をしていただくことがよろしいと思っております。
 以上です。

(須藤委員長)
 どうもありがとうございました。
 稲垣委員、どうぞ。

(稲垣委員)
 大変いい資料をつくっていただきましてありがとうございました。
 業界の巣山委員、あるいは奥村委員からいろんな意見をいただきました。こういう規制をやっていくときには、指摘をいただいた課題というのは、私は解決しなければいけないと考えております。
 私も40年近い役人をやってきた中で、今、一県民となって40年間を反省しておりますが、40年間の間にいろんな規制をやってきましたけれども、この地下水汚染というのは非可逆的な現象です。一度汚染してしまったらなかなか改善できません。これは大きな課題であります。ですから、これについては、やはり私は、未然防止、現に今それぞれの自治体の大きな課題になっているわけですから、こういうものについては、この資料7の方針に基づいてきちっとした対応というのは必要じゃないかなと思います。
 ただ、その中で、資料7について何点かご指摘はさせていただきたいなと思います。
 先ほど来、多くの委員の先生が言われましたけれども、資料7の書き方では、こういう構造だとか維持管理基準というのはなかなか具体的にどういうふうにやるんだというのが全く見えないわけですね。それに伴って、業界の委員も言ってみえますけれども、この規制が適用されたら中小企業は成り立っていくのかどうかということ、それが対応できる規制かどうかということも全くわからない。ですから、ここは、やはり今後これをパブコメへかけたり、諸手続をいろいろしていく段階で多くの方々から意見をいただくためにも、ある程度の具体的な内容を盛り込んでいかないと、これが中小企業にどういう負担になってくるかというのはわからないんじゃないかなと思っております。ですから、是非その辺をもう少し踏み込んだ記述というのが必要と思います。
 それと、資料7の2ページの一番下の段落の丸のところ、ポツが3つありますが、考え方を少し変えていかないといけないのかなという気がしております。有害物質がいろいろ床面に漏れたりして、それを地下浸透させないような材質だとか構造にするというのは、これは当然であります。その漏れたものをどう処理するか、このままの記述ですと、一番下のポツのところに記述されているように洗い流して排水の方で処理するような感じになりますので、漏れたものについては別経路できちっと処理するというような、そういうような維持管理基準が必要じゃないのかなというふうに思っております。ですから、ここは少し書き方を変えないといけないのではないかと思っておりますし、その上のポツは、中杉委員が言われたとおりでちょっと文章がわからんなという気がしております。
 それと、一番後ろのところ、猶予期間を設けるというのは私は当然だと思います。特に中小企業の方々に一定の猶予期間を設けないと、対応は不可能でありますので、こういうことはやっていただきたいと思いますが、一番最後のポツについては、これはやはり維持管理ですので、直ちに、法律が出て明日からというわけにはいかないかもしれませんが、大体、法律は施行まで少しの間は猶予があります。こういうので対応できると思いますので、こういうものについてはやっていただくことが必要かなと思います。
 以上であります。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 それでは、浅野委員、どうぞお願いします。

(浅野委員)
 いろいろなご意見が出たのですが、大きく対立しているというか意見が分かれている点は、直ちに法規制をするのがいいのかどうかということだったと思います。これについては、私としては、どういう規制をするかということをきちっと議論をしないで規制がいいか悪いかの総論的な議論をやることは、またまた温暖化と同じで神学論争になるだけで、全然話は先へ進まないと思っています。
 少なくとも模範的にきちっとやっておられる事業者は新たに何にもしなくてもいい。これは今までの規制の常識です。それをその模範的にやっておられるところは何もしなくていいレベルにするのか、模範的よりもちょっと下のB′ぐらいのところまではまあそのままでいいということにするかどうするかということは、これはテクニックの問題だと思われますし、あるいは政策判断の問題ということになるだろうと思いますが、言われているように、リスクの程度との関係でその辺をどこで手を打つかという話は、あり得ることだろうと思います。つまり大体今まででも規制というのは、7割は何もしなくてもいいというような水準で規制をやってきているわけで、何もやらない3割の人がひっかかるというのが大体今までの規制基準策定での常識だったわけです。今回はこれまでの事例とは若干違うとしても、少なくともきちっと管理ができていれば、つまり監視、モニタリングがきちんとできていれば土壌汚染が防げる。であるならば設備構造が完璧なものでなくても、それに対応して総体的にちゃんとしたモニタリングが行われればいいという面があることは事実なのでしょう。この問題に関して言うと、そういうことをどのように上手に組み合わせるかということになるわけであって、とにかく時期尚早であるとかというようなお話にはなかなか組し難いと考えます。
 それから、法の二重の規制がよくないというご意見には全く現場を見ているとよく理解できるわけですし、特に技術者の人たちが、何かちょっとでも起こると書類づくりに1週間ほど追われて、ほかの仕事は何もできませんなどという事態をさらに助長するということになるのはぞっとしますから、それを防がなきゃいけない。そこで、他法令で規制をやっていて、それでカバーできるならそれでいいんでしょう。しかしここは見極めの問題ですから、他法令でカバーできていない部分をどうするのか。あるいは、届出事務については、他法令の届出がある程度きちっとできているなら、その届出書類のコピーをもらえばよろしいという逃げ道は幾らでもあるわけですから、そういう形でまた新たな書類をつくらなきゃいけないような事態は極力防ぐようにすることができないかということを考えるのも一つの方法でしょう。
 猶予期間に関しては、私は資料7を最初に見たときに、これは当然そうだろうなと思ったわけですが、先ほどご意見があったのですけれども、その場合には点検による代替と書かれています。これに、当たり前だから要らないんじゃないかというご意見がありました。しかし私はこのご意見には反対です。むしろ、猶予するなら点検期間をもっと短くして頻繁に点検してくださいとしておいて、しっかり設備があるなら年に1回見ればいいですよというような、そういうめり張りがあるわけでしょうから、そういうことを考えてこういうことが書かれたのだろうと私は勝手に理解していました。年に1回の点検だけやっておけば設備も何もしなくていいというのでは、これはもうどうにもならないと思いますから、ここはやっぱり中身の問題だろうと考えます。
 対立点に関しては、まだこれからご意見、ご議論があろうかと思いますけれども、もう一つ気になりましたのは、こういうことを決めるという条例があり、こういうことを決める条例が、それぞれの地域の特性によって条例があるのだから、それをむしろ尊重すべきであって、国法レベルで一律にやるのはおかしいというご意見があったのですが、もともと条例であることを決めるかどうかと考える場合にも2つあるわけです。規制対象となるような事象がその地域には全くないから当面条例では考える必要がないという場合と、それから条例であるがゆえに若干遠慮が働いていて条例規制はやっていないという場合と2つがあります。前者の方は、法令をつくったからといったって、どうせ対象がないなら同じことになるわけですし、後者の方は、だからこそやっぱり法令が必要だということになりますから、条例でやっているのだから法律は要らないというご議論はちょっとどうかと思います。
 ただし、条例の方がはるかに厳しいことを言っていて、法律が緩々であったらいいのかという議論はあると思いますけれども、これは場合によっては、少し上乗せ的なものとか、あるいは法の定めていない事項についての条例もこれありというようなことはありそうです。
 例えば、先ほど神奈川県の岸川委員がおっしゃいましたけれども、どういう物質を使っているかの管理をきっちりさせる必要があるということは、おっしゃるとおりだと思いますけれども、水濁法フレームの中でそこまで義務づけていくということは、多分また奥村委員から怒られそうな気がするし、それはまた別の法律の話かもしれないので、それを特にこれとの関連でやりたいなら条例でおやりくださいと、既に条例がやっておられるなら、その条例は何もつぶすことはないんだからそのまま条例をお使いくださればよかろうと思います。水濁法は水濁法の世界の論理でとにかく考えさせていただきますので、そこまで広げることは当面はちょっと勘弁してくださいということではないでしょうか。でも確かに自治体の条例や土対法の世界に入って考えたときには、情報がちゃんとあった方がいいというのはおっしゃるとおりです。
 ですから、今回は、水濁法の枠内だけで何とかうまくおさめようという事務局の苦心の作ですから、これ以上あまりいじめる気はないので、しようがないかなと思ってはいますけれども、実は水濁法の世界と土対法の世界のブリッジがないねというのが話の発端なんですから、その点では岸川委員の言われていることは何かの方法で考えなくてはいけないし、それから藤井委員のご指摘も私は全く同じように思っていて、要するに廃止後の施設については水濁法の世界では手が出せない。土地の形状変更の場合に初めて土対法が顔を出すわけだから、その間は何にもないというこの構造をどうするかですね。これはもう水濁法の世界ではどうにもならないなら、もう一回またしようがないから土対法の世界でやるかなんていうような話になるかもしれませんけれども、ガソリンスタンドにしてみても、廃止時に完璧にクリーンにして廃止ができている保証があるなら、これ以上うるさく言う気はないのですが、ひょっとするとやっぱりその後の問題を起こしているとか、あるいはタンクだけじゃなくて、石油の精製施設のようなものの跡地が結構問題を起こしているということがあるわけですね。現実に私の知っているのでは、それで訴訟になって、最終的には和解で片づけたという例がありますけれども、結構ひどい汚染を起こしているという場合がありますから、そういったようなことを考えますと、やっぱり水濁法の世界の中の特定施設と有害物質だけで本当はいいのかという議論がありそうな気がする。でも、ここはあまり話しを広げてしまうと混乱も起こるでしょうから、とりあえずは事務局案の線で議論していかなくてはいけないかなと思います。結論的には概ねこの骨子素案というのはいい内容だと思います。
 最後に申し上げたいのですが、私はあまり本音で言うとこういう考え方に賛成ではないのですが、しかし環境法の世界ではしばしば見られるのが、法律の本体ではそんなに詳しく書けないという実態がある場合には、法律にはふわっとした書き方をしておいて、あとは、ガイドラインなり、政省令なり、基準なり、告示なりということで、個々のケース、業種別の問題をきちっと押さえていくためにはそっちの方に譲るという技術があります。
 今回の課題も、ここで恐らく徹底的に細かく議論しても、すべての業種に対応できるようなマニュアルを法律の段階では書けっこないわけでしょうし、この法律改正は、恐らく、そういう意味で言えば、改正をしたとしても施行令をつくるまでに1年かかるだろうと思っていますけれども、そのときに、しっかりした業種の中でのコントロールができている場合には、それをうまく活用して細かい政省令的細則というものをつくる余地があるし、それがうまくいかないようなところについては、検討の上できちっとした細則をつくるというようなめり張りをつけるということがあり得るだろうと思いますから、この審議会小委員会の報告としては、例示的に細かく書くことはあるにしても、徹底的に細かく書けと中杉委員が言っているとは思いませんけれども、しょせん無理な面がある。だから、疑問を抱かれない程度に書いておく、あるいは、業種ごとに違うということはよくわかっているから、その点についてはさらに詳細に検討して必要な対応をするのだということを明示してパブコメをとるとか、そういうことになるのではないかと考えて聞いておりましたけれども、多分これからまたご議論が始まるだろうと思いますのでこのぐらいにしておきます。

(須藤委員長)
 浅野委員、どうもありがとうございました。
 それでは、幾つか質問があって、事務局にお答えしていただく部分が残っていますよね。特に笠松委員と、それから藤井委員からもありましたかね。
 質問の部分はいいですか。ご意見も含まれているような気がしたんですけれども、事務局でお答えすることがあればどうぞ。ほかのところは委員の先生方の議論にしたいと思いますのでご質問のところだけでいいです。

(宇仁菅室長)
 気づいた点だけで申し訳ないんですけれども、資料7の2ページで下から2つ目のポツがありまして、意味がわからないということだったんですが、これは、周囲を防液堤とかで囲んで、こぼれた場合でも伝わって周りに出ていかない、あふれたり流出したりしないようにできるような防液堤とか、そういうものをつくってくださいという意味で書いております。

(須藤委員長)
 今度は、そこはそういうふうに表現はもう少しわかりやすくなるように書いていただかなくちゃいけませんね。3人ぐらい同じ質問がございました。

(宇仁菅室長)
 それから、届出の関係ですが、同じく資料7の「(4)その他」「届出を課す」ということですけれども、事前に届出てもらうことを考えていますが、ここはもう少し法制的に検討が必要だと思っています。

(須藤委員長)
 そのぐらいかな、今のご質問で答えていただくのはその程度で
 それでは、あと30分ほどありますし、多少今日は、昼休みの部分は、後ろが詰まっていませんので、もし議論が白熱化しましたら若干の超過はあってもいいかなとも思いますので、これから相互に討論をしていきたいと思います。
 とりあえず、とにかく地下水の汚染未然防止は効率的にやっていくということ自身の理念は皆さんみんな認めていただいているし、それをいろいろ提案していただいたような技術あるいは管理、そういうものをやるのもいいわけですが、それを厳しく規制していくのか、それとも自主的に既にやっているんだから、それはそれで業界の自主的取組に任せるというか、そこに重きを置いていいのではないかとか、若干のやり方についての幅が私はあったように思います。その辺のことを埋めるためにも、この報告書は、最終的には大体の委員の方の意見をまとめて次の回にはお示ししていきたいと考えておりますので、今、浅野委員からも論点については整理をしていただきましたので、あとは私から指名いたしませんので、立て札をどうぞお立てになって、ここはこうだということの議論をしていただきたいと思います。
 浅野委員、どうぞ。

(浅野委員)
 ちょっとよろしいですか。巣山委員にお尋ねしたい。
 この中に、地下に貯蔵施設を設けるときは、配管はいいとしても、地下貯蔵施設は床面から外して設置する等と書いてあります。「等」だからいろいろあるのでしょうが、実際に、かなり重いものを入れるような場合に、こんなことが技術的にできるのか、どうなんですか。

(巣山委員)
 私も、ここのところは後でまた質問しようかと思っていたんですけれども、地下タンクなんかは、周りにピットで部屋があるわけじゃなくて、直に二重殻タンクも埋めておりますので、それを床面から上げるということ自体、想定できない構造なんですね。そういうようなものをこういうところに書いていくと、実際に実行可能性が非常に低くなるので、そういうわけで、先ほど私がガイドラインという形にした方がいいと言ったのはそういうところでございまして、できないようなものがそのまま文章化されて法律になってしまうと、実際に実施する者はとても困るものですから、そこのところはもう少し別のところで、義務化だとか規制をぐっとかける形ではなくて、例えば自主的な対応をするのに、こんなような事例とか、こういうふうにやると効果的だとかというのが別に出されるものであれば、それなりに考えられると思うんですね。

(浅野委員)
 わかりました。
 それで、これ、有害物質をほんのちょっとだけ入れているような場合だったらできるのだろうなと思ったのですが、多分、原油みたいなものを入れるでかい設備とかといった場合には無理だろうと思ったのでお聞きしたのですけれども、代替的に漏えいを検出する技術的手法というのはどんなものがあるのでしょうか。まず、あるはずの内容物の分量が極端に減っていればということはあるでしょうけれども。

(巣山委員)
 今、私どもで行っているのは、1つは、今、浅野委員もおっしゃいましたけれども、日々の在庫の管理ですね。増減管理をして、その増減の仕方がある異常値以上のものになっている場合はまずチェックをすると。
 それから、地下タンクは難しいですけれども、地上にあるものに関しては、全部点検、日々、オペレーターが見て、目視をするというのと、時々たたいて、どこか腐食していないかとか壊れていないかというのを確認するというようなことをやっております。
 地下の施設に関しては、これも増減の管理はやっておりますが、地下タンクの周りに、地下水に油が漏れていないかというのを確認するための井戸、漏えい検知管とかという名前で呼んでおりますけれども、それを埋めてありまして、それを1週間に1遍、目視でチェックをして、そこの中に油膜、油臭等が発見された場合については消防に報告する。もしくは、管理をしている、ガソリンスタンドを経営している特約店さんだとか、そのマークを掲げている私ども元売とかに相談をされて、どんな対応をとるかという指示を仰ぐと、そういう形になっております。

(浅野委員)
 ありがとうございました。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 先ほどの笠松委員の質問の中に、公共用水域に同時に行く可能性があるという質問があって、まだ答えていただいていなかったですよね。そこも必要ですよね。
 それはこの前の水濁法の改正の中の部分で全部読み込めるんですね。土壌だけに、例えばさっきの亀裂でも何でもそうですけれども、公共用水域にも行きますよね。それはそちらで対応はできるんですね。難しいんですか。
 浅野委員、どうぞ。

(浅野委員)
 笠松委員の言われたのは、それと違うのではありませんか。

(中杉委員)
 私も、先ほどの周辺に出てくる堤を設けるというような話をしたときに、それを設けさせることを、別な形で事故時の措置として今検討しています。これは届出だけだけど、将来、事故時の措置でやはり同じようなことを考える可能性があるんですね、こういうものを設けなさいという。そうすると、水濁法での規定と、同じ水濁法ですけれども、地下水の汚染の防止の規定とダブってしまうのではないかということで少し懸念をしました。だから、その周り、公共用水域という話はそちらで議論する話だろうと。この中で一緒に議論をしてしまうと……

(須藤委員長)
 しないんですよね。しないんだけれども……

(中杉委員)
 ただ、実際問題としては……

(須藤委員長)
 起こるんですよ。

(中杉委員)
 同じことをやらせてしまう可能性があるので、そこは十分留意をしなきゃいけない。こっちもある意味では事故時の措置なんですよね。

(須藤委員長)
 そうです、本来は。

(中杉委員)
 だから、そこのところで、水濁法の事故時の措置として、まだそこまでの議論に入っていないんですよね、今。届出して、事故が起こったときにどう対応するか。事故が起こったときに、例えばそれが周辺に拡散しないようにするためにどういう措置をするかというような、届出をするとか、そういう措置は議論していますけれども、それについてはもう少し別なところで議論があるんじゃないか。ただ、そうはいいながら、そこでの議論とここでの議論が……

(須藤委員長)
 分けるわけにはいかないよ、本当はね。

(中杉委員)
 重なってくるのでどうするのかというのは環境省で考えていただく必要がある。

(須藤委員長)
 それは質問だったと思うので、もう一度、笠松委員。

(笠松委員)
 私の質問の一番の趣旨は、例えば貯蔵所の貯蔵場所を汚染原因にするのであれば、そこで何か液漏れや小事故が起こったら、その下に、排水溝を置いておけばそのまますっと流れていくと。そうすると、絶対、地下水汚染は起きないわけです。それでいいんですかということですね。

(須藤委員長)
 そういう意味なんですか。

(笠松委員)
 一番単純な話はそうです。だから、これは地下水汚染の未然防止を考えるんだから、それぐらいの漏れだったら、何かの形で、見える形で流れていくようにしていくのも、それで公共用水域が守れるんだったら、それはそれで一つの解決策であるんですが、本当にそれでいいのということです。

(須藤委員長)
 そういう意味ですか。

(笠松委員)
 これを職場で議論しているときに、じゃ実際に現場でどう指導するんですかと、こういう場所まで特定して、貯蔵施設を規制対象にしたときに、どんな指導ができるかなと言ったら、真っ先に出てきた答えがそういうのがあったんですね。
 そもそもの発想が、水濁法というのは、極論ですけれども、多少は流れても公共用水域に影響しない量であればいいと考えれば、ピットか何かにとめておいて、そこで後で何か液体をほうり込んで処理して流せばいいという割り切りもあると思うんです。今回の施設で加えようとしているのは、地下水汚染という、起こってしまったら後で大変な手間がかかるものを防止する。だけど、それは、液漏れ程度であれば、地下水汚染になると取り返しがつかないけれども、公共用水域という大量の水で希釈されるということで一時的にその事故の影響がしのげるのであれば、そういうのもあり得るんですと考え方が現場にはあったんですね、それが本当にいいのかどうかというのはありますけれども。

(須藤委員長)
 ただ、その場合は、今度は水濁法の事故時の措置で新たに、この間改正されましたよね、それで今度は届出なり規制にしなくちゃいけませんよね。

(笠松委員)
 事故はそれで届出にする。

(須藤委員長)
 だから、法の枠組みに入ったわけですよね、今のようなことをやれば。それはそれでいいんですよね。
 関審議官、どうぞ。

(関審議官)
 ご指摘どおり、今年の通常国会で事故時の措置というのが新たに導入されまして、指定施設ということで、特定施設以外の、特に届出も何もないんですけれども、そういう概念を導入して、事故が起こったときにはいろんな対応をして、事故が起こったと、どういう措置をとったかについて報告をしていただくと、こういう制度ができまして、どういう物質について対象にするのかということで、有害物質、二十数物質は当然ですけれども、プラスアルファということで、今、別の委員会でご議論いただいておるところでございます。
 それで、笠松委員ご指摘の、タンクは事故を起こして、地下水に行ってもまずいし、公共用水域に行ってもまずい、どちらに行けばいいのかということでは恐らくないんだと思うんですけれども、今日、私どもが取りまとめて素案で出させていただいたのは、地下に行かないためにフェールセーフで、床は浸透しないように是非してくださいと、いかがでしょうかと。じゃ、床に行かなくても横に流れていったら困るので、防液堤のようなもので防いでください。ただ、大量の一気に流れるような事故が起こったときには恐らくその防液堤も越えて流れていってしまいますので、それはいいわけではありませんけれども、そういうことが絶対にないかというと、タンクの分を全部受け止めるだけの防液堤なんかつくったら、恐らくそういうのは現実的ではないと思いますので程度問題なのかなということでありますが、困難さからいうと、当然ご指摘のとおり、地下水を汚染してしまった方が回復するのにお金も影響も全く大きなものがございますので、そういうことも考えつつ、妥当な範囲でどの程度にするかということではないかなと考えております。

(須藤委員長)
 中杉委員、どうぞ。

(中杉委員)
 今のご説明ですが、私が事故時の措置で公共用水域に流れているのどうのこうのの議論に関係するとお話をしたのは、スイスのバーゼルで、化学工場、化学倉庫の火災があって、その消火水を流して、消火水が全部ライン川に流れ込んでしまって、上流から下流まで全部水銀等で汚染したんですね。だから、これは公共用水域に流せばいいという話じゃなくて、物によってはそちらの方が問題かもしれない。どっちが問題ということでないんですよね。
 そういう意味で、例えば消火水ということになると、大きな工場はそういうものを持っておられると思いますけれども、場内に貯水槽といいますか池みたいなのを持っていて、そこに水が流れ込むような仕組みをつくっておく、そういうことも必要なわけですよ。
 そこまで、そういうものをつくりなさいと言うまでやるかどうかというのは今の段階では別な話として、そういうこともあったので、逆にこういうものをつくって議論するのと今私が申し上げたような話を議論したときとどう整合させるかが将来問題として出てくる可能性があるので、考えておいていただく必要があるだろう。
 だから、審議官が公共用水域の方がと言われたけれども、必ずしもそういう場合だけではないということだけ認識しておいてください。

(須藤委員長)
 どっちにしても、ケミカルな未然防止をしなくちゃいけませんよね。
 どうぞほかにご意見がある場合札を立ててください。
 中杉委員、どうぞ。

(中杉委員)
 さっき浅野委員から、具体的には書けないよねと、そんなことを要求していないよねというお話がありましたけれども、多分、今回規制をするとどんなことが求められるのかという話が1つ大きくあると思うんですね。過度な、またこれからやると大きなお金をかけなきゃいけないのかどうかというのはどういうことを求めるかによって決まってくるわけです。
 前にこの委員会でも発言しましたように、基本的には、今しっかりやっておられるところはそのままで結構ですよと。これは具体的にどう組み込んでいくかというところが見えていないから、今やっておられるところも全部何かやらなきゃいけないという話になるんだと思うんですけれども、前回ヒアリングをさせていただいた結果を私の感想として申し上げたと思うんですが、あそこでご説明いただいた部分については、もうやっていただければそれで十分だと。だから、現状で私は大部分の事業者の方は大丈夫なんだろうと理解をしていて、そういうレベルで、管理の方法と、維持管理とか設備の基準というのはつくられていくんだろうなという理解をしています。

(浅野委員)
 それで、さっきの議論、それとの関係で言うとややこしくなってしまうのですが、やっぱり突発的なすごい事故が起こった場合をここで想定しているということになると話は混乱してしまうのではありませんか。

(須藤委員長)
 それは別でしょう。

(浅野委員)
 やっぱりルーチンの漏れみたいなもので、知らない間にじわじわしみ込んでいて汚染が起こっているというようなことをまず一義的には対象にしますということですね。
 大きな事故、すぐわかってすぐ対応できるような場合は事故時の措置の世界だからここが違う。タンクがある日に突然全部壊れてしまって一斉に中のものが流れ出しましたみたいな話を、それまで防止する、そのことによる地下水汚染を防止するというような話ではございませんということがはっきりしていれば、かなりの点でこれを言われた側の警戒心が解けるのだろうと思われます。
 その意味では、中杉委員が先程指摘された、何を目的にするのか、何をターゲットにするのかという点はとても大事なことで、それがはっきりわかるように書いておかないといけないのだろうと思います。

(中杉委員)
 私が申し上げたのも、先ほど、事故時の措置で火災で云々という話をしたのはここで当然議論する話じゃない。だけど、そういうところで何か対応を考えるとすると同じことをこちらでもやることになるので、そこら辺の整理が必要ですよということを申し上げた。
 先ほどの話の続きですけれども、前回のお話を伺っていて私はそういう印象を持ちました。結局は、そういうところでやっていただけない人たちがやはり問題を起こすんだろうと思うんですね。先ほど及川さんが、全部のこれだけの数の中のこれだけの数ですよと、ごく一部ですよ。確かに一部の人ですけれども、実際に同じ人が問題を起こす。そういう人たちのことをどうするかということがこの今回の規制の目的だろうと思っています。
 ただ、そうはいいながら、中小の事業者の方というのはそれでもなかなか難しい部分があるだろうと。そこをどう配慮していくかということが1つ実行可能性という意味では重要な問題だろうと認識しているということで、先ほどの私の発言になるわけです。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 浅野委員からも言われているように、例えば大きな地震とか大きな水害だとか爆発だとか、そういうものによって化学物質が、大量に流出して地下に浸透したり、あるいは公共用水域に同時に流れる、そういう特殊というか特例のことを、大規模なことを想定しているのではなくて、日常的な工場の業務の中でわからないうちに出てしまう程度の、そういう問題について対応しているんだという前提に立たないと、特例のことを言っていますともう莫大な施設になりますので、日常的にやっている業務の中での作業あるいは貯蔵であるということを前提として書いていただくということは、ここで合意を得ておきたいと思います。
 それと、細見委員に私は伺いたかったんだけれども、細見委員は排水基準等専門委員会の委員長でしたよね。先ほどの関審議官からの説明にもあったんだけれども、有害物質二十何項目だけでなく、それ以外の物質も事故時の措置では対象にするので、その対象物質を決めるんだったですよね。その議論を始めていますよね。これと別に合わせる必要はないんだけれども、その辺のお考えがあれば、この対象物質はどういうもの、何を、先ほど森田委員は2,000ぐらいあるんじゃないかとおっしゃられたんだけども、そこまではいかないにしてもどういう状況なんですか。もし参考になれば教えてください。

(細見委員)
 従来の有害物質や特定施設の概念とは別に、事故時ということで議論しておりまして、実は1回、既に排水基準等専門委員会で事故時の措置とその対象物質について議論させていただいています。
 そのときに、指定物質としての化学物質としては確かに数百種類もあり得るんですけれども、基本的には、従来、事故時で起こってきた物質を全部列挙して、その可能性として、まず第一段階としては、今までに水質事故として報告されているような物質を中心にターゲットにして、これがまず取り組むべき物質ではないかと委員会の中では概ね理解が得られているかなと思います。ただ、もう一度最終的に、いつだったか、来月だったかと思いますけれども、委員会で最終的に指定物質を決めていきたいと思っています。
 だから、基本的には先ほどの事故時の問題については、そちらで扱っているということです。
(須藤委員長)
 この地下水についても、どうですか、細見委員のご意見としては物質は大体それと似通っているようにしておいた方がいいかなとも私は思っていたんだけれども、全然違いますか。

(細見委員)
 地下水についてはまた別の観点が必要かと思います。

(須藤委員長)
 わかりました。どうぞほかに。
 奥村委員、どうぞ。

(奥村委員)
 すみません、細見委員にお伺いしたいんですけれども、今おっしゃっている事故時の件ですけれども、対象物質云々というのは、それは急性毒性に基づいた話なんですか、あるいは慢性毒性に基づいた話なんですか、それとも無関係に事故実績のある話なんですか。

(細見委員)
 水質事故として報告された案件で、そのうち物質が明らかになっているものを中心に取り上げているのが今現在です。そのほかにも、今の視点として慢性影響だとか急性影響だとか、いろんなのを含めるべきだという意見もありましたけれども、とりあえず第一段階としては、明らかに、事故による有害性や人の健康影響の他に、本当に事故として起こったものが一体何で、それについてはやっぱり注意すべきではないかというのは基本的な考え方だと思います。

(奥村委員)
 化学屋から言いましたら、事故と聞いたら、水質とか地下水以前に、従業員とか付近の住民とか、その健康被害とか、それがまず一番に来るんですけれども、そういう話とは全然関係ないですね。水質の話なんですね、今おっしゃっている事故は。

(細見委員)
 水質の話です。

(奥村委員)
 わかりました。

(細見委員)
 水質事故というのは、例えば川に魚が死んだと、じゃこれは物質はどうだったかとか……

(須藤委員長)
 人の事故じゃございません。

(細見委員)
 ええ、そういう感じです。

(奥村委員)
 わかりました。

(須藤委員長)
 意見があったらどうぞ。

(奥村委員)
 さっき、コストパフォーマンスという観点から見たら、どうなるんやろうかということを申し上げたつもりなんですが、これは何らかの格好で検討いただけるんでしょうか。つまり、リスクといろんなコストですね。それでどれだけそのリスクが減るのかという兼ね合いで何か要るのではないかと。とにかく何か大げさなことになったらいかんなと思うんですが、そうはいいながら、浅野委員のお話聞いておったら、何か浅野委員は本当は催眠術の専門家と違うかと思うぐらいで、ああ、そうやな、そうやなと思うんで、何かいつも、うーんと思ってしまうんですけれども、若干気になるものですから。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 森田委員、どうぞ。

(森田委員)
 一体何が有害物質なのかという議論は実は非常に根本的な問題でありながら、なかなか解けないんですね。
 それと同時に、リスクアセスメントというのは、あれは科学なのか、それとも政策なのかよくわからんところがあって、実は誰も正確にリスクアセスメントができたケースはほとんどない。
 簡単な例を申し上げますとアスベストなんですね。アスベストはリスクがあるという議論と、しかしアスベストを、学校で白いアスベストの金網を使ったねとか、あんなもの危険なことはないよという議論との間が交錯する過程でほっておかれまして、それである種のリスク計算をやるとある程度危険だということがあり、しかしそれは実感と合わないんじゃないかという議論があって、しかもどの程度本当に死んでいる人がいるのかねとかいう議論があって、それで対策は遅れてきたんです。特に日本は遅れてきたんですね。しかし、今、今度はある種、裁判的にこれはもうアスベストで死んだんだというふうな、そういう決まり方をし始めますと、中皮腫は全部もうアスベストのせいにしちゃおうとか、さらにはある種のアスベスト肺とか、そういうやつは、もちろん職業病は存在したんですが、肺がんの原因にもなっておるとか、そんな話がぼくぼくとかかってきて、それで約40年たってやっとアスベストのリスクアセスメントが、何か正しいのかどうかはよくわかりませんけれども、非常にリスクが大きかったということがわかってきたという、そういう歴史があります。アスベストのケースは極めて特殊なケースで、中皮腫という特殊ながんが急速に増えてきて、それは何となくアスベストですよねというある種の感想があって、それは全部がアスベストじゃないとは思うんですが、その過程で今の状態になってきて、そして今になって今度は、いや、アスベストのがんで死ぬ人は多分これから20万人ぐらい出るだろうとか、日本で、そういうようになっている。
 この種の議論は、実は化学物質の慢性的な影響というのは、評価が極めて難しく、しかも少量を非常に長期に浴びた影響というのは完全な予測をするのは非常に難しい。難しいので我々はどちらかというと比較的に安全サイドに立った議論をしているという側面があります。
 そういう意味で、おっしゃることはよくわかるんです。つまり、コストパフォーマンスを考えろと、人は何らかの原因で必ず死ぬと、どういう死に方をしようと、どこまでが誰かがどう負担してという議論は当然あり得る。一方、この種のやつは、例えば、たばこの肺がんのリスク、結構高いんですけれども、たばこの場合は吸わないという選択があると。ところが、この種の環境の汚染の問題というのは、環境の中というのは、もう全体ですので、吸わないで生きていくというのも不可能だったり、水を飲まないで生きていくのは不可能だから、したがってやや重みのレギュレーションがかかってしまうという構造を持っています。ややきつ目になってくると。
 それからもう一つ、化学産業自身は、多くの化学物質というのは有害でないという、そういう前提を持ちつつ、あるいはそういう既得権を持って産業が発達してきた、そういう歴史もあります。だから、それも一つの考え方かもしれません。リスクアセスメントをやりながらというのは、実は政策決定の中であうんに含まれてくるというもので、明確に数値化して含めるのはそんなに簡単じゃない。比較的やりやすいのはコンパラティブ・リスクアセスメントのように、相互にある物質間で、こちらの方が相対的にリスクが高いですよなんて、そういう決め方はあるんですが、そういうリスクアセスメントというのもそれ自身が結構難しい問題を持っているということを理解しておく必要があります。そもそも、何なのかという問題も残っています。
 それから、先ほどお話しいただきました事故時の対応の議論というのは基本的には急性的な影響というものを前提にしております。そのようなものと、それと一方で水濁法は93年に改正したところから、発がん物質のような非常に長期的な慢性影響みたいなものを組み込んでいます。飲み水の安全の面から今回どちらかというとそういう物質が中心になってしまうという側面があるんですが、それが地下水のように非常に滞留時間の長い環境媒体については、あるいはそれでいいのかもしれません。
 ちょっとそんな感想を持ちましたということで。

(須藤委員長)
 どうもコメントをありがとうございました。
 及川委員、どうぞ。

(及川委員)
 骨子の素案ですけれども、企業の大多数を占める中小企業からしますと、効果的な未然防止ということを考えるためにも、骨子の中に現状というのがあると、現状を見て今後のあり方ということがわかるんでしょうけれども。是非今ある現状の課題、どういう問題があって、どういう要因になっているのかというその問題が明らかになれば、次にあり方というのが自ずと出てくるんだと思います。中小企業の効果的な未然防止の取組のためにも、この現状の中には、何が問題で、どういう要因分析がされるのかという観点もぜひお含みをいただきますようお願い申し上げます。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。ほかの委員、何かございますか。
 どうぞ、岸川委員。

(岸川委員)
 先ほど、どなたかからインセンティブということで、優良事業所制度のようなものも考えてはどうかということなんですけれども、国の法律は、地下水、大気、水質というようにそれぞれ環境質を対象として個別の法律になっているため、個別法で優良事業所制度みたいなものはなかなか難しいのではないか。
 自治体でいくと、公害防止条例ですとか環境保全条例ということで、事業所をトータルとして規制あるいは指導していることが多いですので、そういったインセンティブについてはやはり条例の中で見ていくのかなと。恐らく東京都だとか幾つかの自治体で先進的にやっておりますし、神奈川でも今後考えなきゃいけないなと思っております、今回のこの地下水汚染未然防止のあり方の中ではなかなか難しいかなという気はいたします。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 巣山委員、どうぞ。

(巣山委員)
 すみません、お願いなんですけれども、先ほど浅野委員からもご発言していただきました既に未然防止をちゃんとやっているところについては、上乗せの規制がかかるということがないような形の書き込みをしていただきたい。
 もう一つ、現状のところなんですが、ガソリンスタンドの漏えい、たしか49件ぐらいあって、規制がかかっていない施設の中の3分の1ぐらいを占めていて、非常に高いという話がなされていましたが、実際にはあの49件というのは平成元年から今までの間の延べのガソリンスタンドの件数の中の49件なんですね。実際に計算してみると108万ぐらいあるんですよ、延べ件数が。108万のうちの49件なので、消防法のような未然防止の施設だとか規制だとかをちゃんとやっていけば、100万、108万で49ぐらいしか出てこないと、そういう効果が非常にあるよというのには使っていただきたいんですが、規制対象になっていないから漏えいが起きていますよという形の使い方をこの現状のところで書かれるというのはちょっと考えていただきたいなと思います。
 以上です。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。ほかの委員の方はよろしいですか。
 どうぞ、笠松委員、奥村委員でお願いします。

(笠松委員)
 資料4にも書かれているんですが、その関係法令いろいろ、こういうところで網羅されていますよということなんですけれども、私ども、地下水汚染とか土壌汚染を所管している者からすると、水濁法で施設が廃止されたという情報、あるいは3,000平米以上の開発がありますよという情報は入ってくるんですが、他の法令で所管している工場等が廃止していますよというのが、スムーズに地下水汚染あるいは土壌汚染を監視あるいは指導している部署に来るような制度というのをあわせて、水濁法を改正するときに、何かそういうのをルール化していただけないかなと思います。
 今は市町村なり関係しているところに、工場等の廃止や工場等の動きについて何かあったら教えてくださいというのは個別には依頼はしているわけなんですが、そういうのが制度的にできればいいなと思いますので考えていただきたいと思います。

(須藤委員長)
 ありがとうございます。
 奥村委員、どうぞお願いします。

(奥村委員)
 森田委員のおっしゃったことに若干異議があるんですけれども、それは2人だけで話したほうがいいか、ここで言うてもいいか気になるけれども、とりあえず化学産業全体の名誉のために申し上げます。
 森田委員、化学産業というのは天然物を人工的につくるところから始まったんですわ。つくっていたものは天然物なんです。したがって、心配は要らんと思っていたんですね。今、世界中、およそ普通の国で、新規物質をつくったら、何の評価もなしにつくってよろしいという国はありません。これはヨーロッパも日本もアメリカもね。
 それからもう一点、気になったんですけれども、アスベストの例を出されましたけれども、世の中あるものすべて化学物質ですが、あれ、化学物質と発がん性との関係と言えますか。あれは、鉱物であり天然物質であり、その構造は結晶構造であります。アスベストは幾つか種類あるんですね、その結晶構造によるせいやと、私、理解しているんですよ。だから、一概に化学物質云々と言われたらちょっと何か違和感を感じます。
 もう一つ、リスクアセスメントは政策ツールやと私は思っています。したがって、どこまでのリスクを世の中がアクセプトするか。例えば数字で10のマイナス何乗と出しても、それでは足らんというところもあれば、いや、それはやり過ぎだということもあるでしょうし、およそすべてそのバランス感覚の問題じゃないかと思うんですね、社会の必要性と、それとリスクの社会的受容性というふうに私は思っています。
 すみません、余計なことを言って。

(須藤委員長)
 この議論はお二人でまた後ほど。
 太田委員、どうぞ。

(太田委員)
 1つ、先ほどからの議論で廃止される施設のことが出ておりました。これに関する質問ですが、消防法はじめ既存の法律が列記されていますけれども、廃止規定のようなものは大体どれにもあるんでしょうか。

(浅野委員)
 規制はないです。それが問題になっていることは、すでに指摘を受けています。

(太田委員)
 だとすれば、先ほども私は、あまり新しいものをつくっていく時代ではなくなったと申し上げましたが、廃止されるなどの事態が出てきたときの措置、例えば、何らかの形で廃止を報告するとか、何かそんなことを法制度に盛り込んでいく必要があるんじゃないかなということを今日の議論の中で感じました。その内容などについてまた皆さんの意見を集約いただければと思います。

(須藤委員長)
 ありがとうございました。
 巣山委員、どうぞ。

(巣山委員)
 廃止届のところだけよろしいですか。

(須藤委員長)
 廃止届、どうぞ。

(巣山委員)
 すみません、先ほどの廃止届の件なんですけれども、消防法には廃止届というのがございまして、これは前々回の委員会のときにお話しさせていただきましたけれども、それをちゃんと出して、その前に油等を全部撤去して廃止すると、そういう形になっております。
 自治体によっては、その廃止届と同時に、今はガソリンスタンドであれば土壌汚染の調査をしろというところも多うございます。

(須藤委員長)
 よろしいですか。

(笠松委員)
 それをしてくれればいいんですが、休止で終わっている方が多いので。

(須藤委員長)
 一当たり議論をいただきましたし、それから相互に、今日は少し時間も延ばしまして議論をしていただきました。すべての議論が一致を見ているわけでは当然ございませんが、未然防止をやっていくという方向性についてはよろしいし、基本的にはこの資料7の骨子案というのはそれなりにお認めをいただいているわけですが、それを具体化していく中ではいろんなご要望をいただきました。
 実際に、例えば中小事業者が対応できない厳しい法的な規制ということだと、これはやっていけないというご意見もいただきましたし、もう模範的にやっている事業者もあるわけなので、そういう事業者に対してはさらに上乗せにならないようにとか、それから消防法等の二重規制の問題等がないようにという議論をいただきました。
 それから、化学物質については、対象物質はどうすべきかというのはまだ十分な議論をしておりませんが、一方では水質事故の方では議論も進んでおります。
 そういうこともありまして、もう少し議論が必要かなと委員長としては思いますが、一応予定しているのは、第4回もございますので、これは今日の資料7は文章化が不十分な部分も当然ございますし、今のようなことを入れて、先ほどの意味がわからんというところもありましたので書き直していただいて、今度は骨子じゃなくて、あり方の素案を次回までに整理をして出していただいて、それで再度議論をしていきたいと、こういうふうに思っております。
 ということで、今日のまとめはそこまでにさせていただくということで、どうしてもまだいろいろご議論なりお願いなりご要望なりがございましたら、私というよりも事務局に直接お話ししてくださっても結構でございます。ということで、今日の議論はここまでにとどめておきたいと思います。熱心なご討論、どうもありがとうございました。
 事務局で、その他として何かありますか。

(唐沢補佐)
 どうもありがとうございます。
 事務局から3点申し上げます。
 本日の資料につきましては、委員の皆様のお手元の資料と一緒にお配りしています封筒に送付先とお名前をお書きいただければ後ほどご郵送いたします。
 2点目としては、本日の会議録についてですが、速記がまとまり次第、委員の皆様には送らせていただきますので、ご確認をよろしくお願いいたします。
 3点目ですが、次回の小委員会の日程についてです。
 次回は12月8日水曜日午前10時から、ここと同じ場所です。環境省の22階の第1会議室を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

(須藤委員長)
 それでよろしいですね。
 それでは、以上をもちまして、第3回の地下水汚染未然防止小委員会を終了させていただきます。お疲れさまでございました。