中央環境審議会水環境部会 排水規制等専門委員会(第6回) 議事録

1.開会

2.議事

(1)
第5回専門委員会における指摘事項への対応
(2)
水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について(第1次報告案)
(3)
第5回専門委員会における指摘事項等への対応(事故時措置のみ)
(4)
水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について(報告案)
(5)
今後の予定
(6)
その他

3.閉会

配付資料

資料1 中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会委員名簿
資料2 中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会(第5回)議事録案(委員限り)
資料3 第5回専門委員会における指摘事項等への対応
資料4 水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について(第1次報告案)
資料5 第5回専門委員会における指摘事項等への対応(事故時措置のみ)
資料6 水質汚濁防止法に基づく事故時措置及びその対象物質について(報告案)
資料7 今後の予定
参考資料1 検討対象物質に関する情報(塩化ビニルモノマー、1.2-ジクロロエチレン、1.1-ジクロロエチレン)
参考資料2 事故時の措置及びその対象物質に関する情報

午後3時30分 開会

【水原課長補佐】 定刻となりましたので、ただいまから第6回中央環境審議会水環境部会排水規制等専門委員会を開会いたします。
 なお、本日は、委員総数11名中10名のご出席が予定されています。大塚委員はしばらく遅れてご出席いただく予定になっております。今のところ9名のご出席をいただいておりますので、既に専門委員会開催の定足数6名を満たしております。
 続きまして、お手元の配付資料についてご確認いただきたいと思います。
 一番最初に、議事次第にあります資料及び参考資料をお配りしております。
 資料1が委員名簿、資料2が、委員限りですが、議事録、資料3が第5回専門委員会における指摘事項への対応、資料4が、水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目追加等について(第1次報告案)になります。資料4の参考資料として前回からの修正部分がわかるような形のものをつけております。資料5が第5回専門委員会の指摘事項等への対応(事故時措置のみ)、資料6が水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について(報告案)をつけております。資料7が今後の予定になりまして、あとは参考資料をつけております。
 不足等ございましたらお申しつけいただければと思います。
 それでは、以下の進行は細見委員長にお願いいたします。

【細見委員長】 本日は、ご多忙の中、委員の皆様におかれましてはご出席いただきましてありがとうございます。
 本日の本専門委員会におきましては、パブリックコメントにかける2つの報告案がございます。それについて審議をしてまいりたいと思います。
 1つは、昨年のたしか12月だったと思いますが、1年前ぐらいから議論しております塩ビモノマー等の物質項目についての報告書、それからもう一つは、事故時の措置の拡大に伴って、その対象物質をどうするのかという議論でございます。
 委員の皆様におかれましては、引き続き活発な議論をお願いしたいと思います。
 まず、議題に入る前に前回の議事録の扱いですけれども、資料2として、前回の議事録(案)を各委員の皆様にお配りして修正していただいたものですが、もう一度ご確認いただきまして修正等がございませんでしたら、この場で前回議事録というふうにさせていただきたいと思います。いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
 そうしたら、この資料でもって議事録というふうにさせていただきたいと思います。
 それでは、議事に沿って進めてまいりたいと思いますが、前回、第5回の専門委員会で指摘をいただいた事項に対して、その対応の結果について事務局よりまず説明をしていただいて、後で議論をしていきたいと思います。
 では、事務局、水原さんからお願いします。

【水原課長補佐】 資料3に基づきましてご説明いたします。
 まず、1つ目は、1.4-ジオキサン関係、1点ご指摘いただいております。有価で買ってきてリサイクルする施設は廃掃法の対象外なので、このような施設については、水濁法の規制になっている場合はよいが、なっていないようであれば検討する必要がというご指摘をいただいております。
 対応につきましては、以前もご紹介させていただきましたが、1.4-ジオキサンを含むような廃棄物については、焼却をされているとか中和処理されているとか堆肥化とか、こういったものがありまして、リサイクルという観点ではセメント燃料とか堆肥材料として利用されているということが考えられています。
 こういったところからは、ヒアリングの結果、排水がない状態であるということは確認しておりますが、ただ21年度の調査で有機溶剤の蒸留リサイクルをしている事業場からの排水で、高濃度の1.4-ジオキサンが検出されているということがありましたので、今後の特定施設の追加の検討に当たっては、このような施設についてもどのように考えていくのかというところでご審議いただければと考えております。

【遠藤室長補佐】 それでは、2番の排水規制等専門委員会(第1次報告素案)関係についてご説明いたします。
 これにつきましては、後ほど報告書の案文に基づきまして、再度ご確認をいただきたいというふうに考えておりますが、ここで簡単にご説明したいと思います。
 まず、1番、物質の特性と人の健康ということで、この塩ビモノマーと1.2-ジクロロエチレンの中で、「表層」とか「表流」とか、そういった文言の書き方がいろいろあったということで、これについて統一した書き方をしたらどうかというふうなご指摘がございましたので、出典の用語を確認しまして、両物質とも「水域」という統一した表現に修正するとともに、文章全体を修正するということといたしました。
 それから、2ページ目にまいりますが、[5]の中で、塩化ビニルモノマー等が分解物として検出されているものが多いことを強調したほうがよいというご指摘がございましたので、まず、今まで分解施設については一つの段落の中に埋もれた形の基準になっておりましたので、これを別の段落として独立させるとともに、トリクロロエチレン等で汚染された地下水から検出されることがあるということを記述してございます。
 それから、[6]でございますが、「環境中では、ほぼ完全に蒸気相で存在し」ということで、ここの辺についての書き方についてのご指摘がございましたけれども、この部分の記述につきましては、大気中の挙動に関するものであることから削除いたしました。
 それから、塩化ビニルモノマーはガスなので「地面に放出」ではちょっとおかしいのではないかというふうなご指摘がございましたので、ご指摘を踏まえまして「塩化ビニルモノマーを含んだ水が土壌に排出」というふうに修正しております。
 それから、用途、排出量のところでございますが、トランス1.2-ジクロロエチレンについて、諸外国では溶剤として使っている例もあるということで、使用の状況を監視するといったことを一部入れたほうがいいというご指摘がございまして、ご指摘を踏まえまして「諸外国では溶剤として使用されている実態があるため、我が国においても、生産、使用の状況について注視していく必要がある。」という一文を追加してございます。
 それから、[9]でございますが、塩化ビニルモノマー・1.2-ジクロロエチレンという表現についてご指摘がありましたので、これを「及び」ということで、ご指摘を踏まえまして修正いたしております。
 以上でございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 前回の指摘事項に対する対応でございますけれども、特に2番目の塩ビモノマー以降に関しましては、次の議題の報告書案の説明がありますのでそこで議論していくことにして、まず1.4-ジオキサンについて、中杉先生のほうから質問があったんですが、本日ご欠席ということなので、ほかにこの対応方針でよろしいかどうかということにつきましていかがでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。
 では、こういう方針で対応していくということで、次の議題に移りたいと思います。
 議題の(2)で、水濁法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に関する項目追加という第1次報告案でございますが、この塩ビモノマー等につきましては、前回、先ほど言いましたように、指摘事項があって、それに対して対応したものを踏まえて報告案としておりますので、まずこの報告案につきまして事務局から説明をしていただいた後、議論に移りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

【遠藤室長補佐】 それでは、ご説明いたします。
 ご用意いたしましたのは、資料4というものと、それから資料4(参考資料)ということで、参考資料のほうは見え消しの形になってございます。
 こちらをご覧になりながら見ていただければと思うんですが、まず最初に2ページ目のところ、先ほども申し上げましたけれども、「表層水」「表流水」、そういった表現が混同して使われているということで、その辺を統一した書き方ということで、こちらにつきましては資料4の2ページ目の上から2行目のところで、塩化ビニルモノマーを含んだ水が水域に排出されるということで、「表流水」「表層水」については「水域」という文言にかえてございます。
 それから、ちょっとその上のところの1行目から2行目の間には、大気中の挙動に関する記述があったんですが、それについては削除していると。
 それから、土壌に排出のところも「塩化ビニルモノマーを含んだ水が土壌に排出」という表現にしてございます。
 次のところの3段落目のところで「塩化ビニルモノマーはトリクロロエチレン等が地下の嫌気性条件下で分解して生成することがあり、」というところにつきましては、今までは段落の中に埋もれていた形になっていたんですが、一つの独立した段落ということにしております。
 それから、ここの段落に「このためトリクロロエチレン等で汚染された地下水から検出されることがある。」という文言を入れてございます。
 1.2-ジクロロエチレンにつきましても、塩化ビニルモノマーと同じような表現ということで「1.2-ジクロロエチレンを含んだ水が水域に」ということの形で修正してございます。
 それから、同じように「トリクロロエチレン等で汚染された地下水から検出される」と、そういった文言を追加してございます。
 それから、次に資料4の5ページ目の「[2]1.2-ジクロロエチレン(シス体及びトランス体)」のところの第2段落目の最後の3行のところですが、ここに「また、諸外国では溶剤として使用されている実態があるため、我が国においても、生産、使用の状況について注視していく必要がある。」ということで、この一文を追加してございます。
 それから、資料4の6ページ目でございますが、「(2)特定事業場に係る地下浸透規制及び地下水の水質の浄化装置」のところの1行目、「塩化ビニルモノマー及び1.2-ジクロロエチレン」ということで「・」のところを「及び」ということに修正してございます。
 それから、第2段落目の上から6行目のところで「下記「(3)検定方法」」というところですが、前の表現が「検出方法について」という表現なので、これについても正しい文言に修正してございます。
 それから、同じ段落の最後のところで「0.004mg/1以上検出される場合とすることが適当である。」ここについてもほかのところと同じような文言に修正してございます。
 以上でございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 議論の進め方として、まず事務局のほうで修正された点についてまず議論した上で、なければそのほかのところに移ってまいりたいと思いますが、まず事務局のほうで修正された点としては、この物質の特性と人の健康影響というところで、塩ビモノマーとか1.2-ジクロロエチレンの表現方法あるいは水域というふうに修正された点、さらにはトリクロロエチレン等の汚染された地下水から検出されるというような表現をされた点とか、それから1.2-ジクロロエチレンにおきましては、基本的な考え方の中で、今回、排水基準にはせずに生産状況を見て注視していこうという点を記述された点と、それから5ページの特定事業場に係る措置についての修正をされたところとか、文言上の中点を及びにされたところとかございますが、まずこの辺についてご意見を賜りたいと思います。いかがでしょうか。特に水域というような表現で多くの委員の方から前回はちょっと議論があった点でございますけれども、いかがでしょうか。

【平沢委員】 それじゃないところでもいいですか、水域じゃなくて。

【細見委員長】 まず、修正したところで。

【平沢委員】 塩ビモノマーなんですけれども、前回の委員会で浅見委員からの指摘に対するお答えということで回答がございました。その表現だと、要するに何か生成が認められることもあるような表現になっているんですけれども、浅見先生の表現で、非常に多いと、要するに塩ビモノマーや1.2-ジクロロエチレンは、環境水中でトリクロロエチレンの分解物が検出されることが多いと先生がおっしゃっていたので、私はそうしたほうがいいんじゃないかと思うんですけど、表現。

【細見委員長】 それは何行目になりますか。

【平沢委員】 何行目というか。

【細見委員長】 浅見委員にもちょっと確認していただきたいですが、「物質の特性と人の健康影響」のところの塩ビモノマーの終わりから2段落目のところですね。

【平沢委員】 「ことがある。」というやつですね。

【細見委員長】 「分解して生成することがあり」。

【平沢委員】 大分違うと思うんですけど、多いのと「ことがある。」のと表現が違うような気がするんですけど。多いというのは、浅見委員がこの前指摘した、そういうことが多いんだということに対する答えは「こともある。」と大分違うような気がするんですが、いかがでございましょうか。

【細見委員長】 どうでしょうか。

【浅見委員】 すみません。大分直していただいたので理想に近くなっているかなと思っているんですけれども、やはりここで「ことがある。」というのをもしもう少し踏み込んでいただけるのであれば、分解して環境中で検出される塩化ビニルモノマーはというのを最初につけていただいて、最後のところで、汚染された地下水から検出される、それが多いというのをこの文の最後のほうにつけていただければと思うんですが、ちょっとそこは本当に多いかどうかというところは、客観的にどなたか、私としては多いかなと思っているんですけれども、そこも主観的な部分は若干入りますので、そこはほかの方のご意見もいただきたいと思います。

【細見委員長】 少し参考までに、先日、開催されました審議会の水部会でもこの点を指摘されまして、意見としては、たしか私が記憶しているのは、このような塩ビモノマーはトリクロロエチレン等の物質が嫌気性条件下で分解して生成されたものであると、こう100%というような言い方をされたので、私としては100%という確証はないと。ただ、多いというのは、多分それにつながる、そういう表現でいいのではないかという、たしかその後、中杉先生もそういう多分サポートの意見があったと思いますが、ですからここのところは、もし可能であれば、生成することが多いと、どういうふうに直したらいいでしょうかね。事務局、何かいい案がありますでしょうか、多いというのを、今のままだと、生成することがありというと、やや……

【平沢委員】 弱い感じがするんですけれども……

【細見委員長】 それに関連して。

【原田委員】 ちょっと私の理解で、もっと進んでいるのかもしれないんですけれども、まず客観的事実としてはっきりしているのは、嫌気性条件下で分解物としてトリクロロエチレンが生成するということは、これは客観的事実だと思うんです。それが、いわゆる環境中で、今の地下水でトリクロロエチレンがすべてそうかどうかという客観的事実があるのかどうかというのは、ちょっと私にはわからないんですよ。
 ですから、事実としては、ここの文章の一つの案としては、1.2-ジクロロエチレンは、トリクロロエチレン等が嫌気性条件下で分解して生成することが認められているというのがまず客観的事実なのではないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。

【平沢委員】 でも、地下水の話をしているんですよね。ということは嫌気的ですよね。だって、表層の水には、だから塩ビモノマーは検出されないんじゃないですか。事実として、多分分解しないと検出されないんじゃないですか、地下水も。だって、おかしいんじゃないですか、相当にも塩ビモノがあればわかりますけど。

【細見委員長】 これ、どうしましょうか。何かここは事務局としては……

【宇仁菅室長】 検出状況につきましては、3ページの3番、「公共用水域及び地下水における検出状況」というところがありまして、ここに記載をしています。
 したがって、2ページ目のほうでは物性について書きたいなということで最初の案をつくった次第でございます。

【遠藤室長補佐】 すみません。ちょっと追加説明させていただきたいんですが、今日の参考資料1という資料がございます。参考資料1の中で「検討対象物質に関する情報」というのがございまして、そちらの8ページをご覧いただきたいんですが、8ページのところに「(2)地下水における基準値超過事例」というのがございまして、現在、6自治体で基準を超過しているというのがございまして、そして1)として「前駆物質検出又は周辺で前駆物質の汚染が確認」というものについては、山形県、兵庫県、川崎市、名古屋市、高槻市というところで検出が確認、それから前駆物質未検出というのが、静岡市、高槻市というふうなことで載っております。
 したがいまして、この中でこういった状況を見ますと「多く」という表現を使ってもいいのではないのかなというふうに感じて考えておりますけれども、いかがでしょうか。

【細見委員長】 基本的には、多分「多く」という表現を入れたほうがいいという、その生成することが多くありという、そういう表現でよろしいでしょうか、そうすると。それでよろしいでしょうか。どっちに入れたほうがいいですかね、3ページ。

(~相談~)

【細見委員長】 だから、これはなくてもいいの。

【宇仁菅室長】 すみません。ちょっと途中で申し訳ないんですけども、ここは物性のことを言っておりまして、多いかどうかという実態については、やはり3番で記載をしたいというふうなことです。
 したがって、2ページのほうはこの程度の記載でよいのではないかというふうに思うんですけれども。

【細見委員長】 2ページ、このまま残す。ちょっと今趣旨がよくわからなかったんですが、2ページの塩ビモノマーにしても1.2-ジクロロエチレンにしても、この文章そのものをとりましょうか、この段落を。それでいいでしょうか。

【森田委員】 ここの段落はどうなっているかというと、1番のところの物性と人の健康影響、物性はもちろん揮発性だという物性があるんですが、同時に成分解性を含めて、そういう物性も書かれていると。
 したがって、塩化ビニルモノマーというのは揮発性があるということ、あるいは分解するということがあると同時に、トリクロロエタンが地下で分解してこういったものになることがあると、そういう性質をここで記載していると。
 実際の検出状況は3のところに書かれていますから、それはそれでいいと。したがって、このまま残しておいて別に差し支えないのでないかと思うんですけれども。

【細見委員長】 ほかにご意見ございますか。

【古米委員】 基本的に、私もこの文章を少しかえることで残せばいいかなと思っています。
 というのは、生成することがありという響きが、問題視していないようなイメージもあるので、単純に分解して生成されるという文章を一回聞いて、そういった物性があるので、このためトリクロロエチレン等で汚染された地下水からもという表現をすると、別のものなんだけれども、出てきますよという意味となります。ここはあくまでも「多い」「少ない」はやめて現象を示した後、そうすると後ろでそういったところでも検出される例が多いですよと、そうすれば理解しやすいかなと思います。

【細見委員長】 じゃ、もう一度確認ですけれども、これは塩ビモノマーとその下の1.2-ジクロロエチレンも同じ文章になりますね。塩ビモノマーはトリクロロエチレン等が地下の嫌気性条件下で分解して生成される、生成する、されるにしますか。このため、トリクロロエチレン等で汚染された地下水からも検出されることがあると、それでよろしいでしょうか。
 森田先生は、どうですか、このままでいい。

【森田委員】 このままでいいような気がしますけどね。というのは、議論の一つは、ここを検出された、例えばいろんな水の中で検出されたものが地下水である等は全部断定できないというのがもう一つの背景にあって、したがってここが少しあいまいな表現なんですが、生成することがありというやややわらかい表現になっていると。
 要するに、すべてのものがトリクロロエチレンからの分解でできているのであれば、そのことをきちんとしてもいいんだけれども、ここが少し緩みがあるのはそのせいであるので、したがってそのままのほうが、もとのほうが、読みにくいことは読みにくいんだけれども、包括的である感じはしますけどね。

【細見委員長】 2つ意見、趣旨は100%こうだと皆さん思っておらずに、ほとんどが多分この生成経路だという文章が後で記載されているので、ここは物質の特性というところで、この最初の文案でいいのではないかという意見がございますが、古米先生、何か。
 ほとんどそうだというふうに、例えば見え消しの4ページの2段落目の最後に「これらのほとんどが、嫌気性条件下でのトリクロロエチレン等の分解による生成したと考えられている。」というふうに書いてありますので、ちょっと議論があちこちいってしまいましたけれども、これを読めば趣旨としてはほとんどがそうだというのでわかるので、この「物質の特性と人の健康影響」のところはこの原文でいってもどうかと思いますが、よろしいでしょうか。

【浅見委員】 古米先生が言ってくださった「も」というのを入れるというのは入らないですか。もし「ことがある。」というのがあまりにもまれな事象というのを表しているのかもというのであれば、「も」を入れて、下水からも検出されると切ってしまえば、ちょうど客観的に……

【細見委員長】 地下水からも検出されると。

【浅見委員】 はい。どちらとも、「多い」とも「少ない」ともないんですけれども、ちょうど真ん中ぐらいで事実があるよというところで終わりになるかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【細見委員長】 わかりました。今の趣旨でいきたいと思います。
 したがいまして、塩ビモノマーのところと1.2-ジクロロエチレンに関しては、この段落の最後の地下水から「も」を入れるということで、両方の意味を含んでいるのではないかということで、そのように修正をさせていただきたいと思います。
 ほかのところではいかがでしょうか。
 よろしければ、この第1次報告案そのものについていかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、先ほどの2ページのところは「も」というところを加えると、地下水からも検出されることがあるというふうに「も」を加えたいということでございます。
 それでは、それを踏まえてパブリックコメントにかけておきたいと思いますが、ただ事務局から何か一言、私のほうから言っていいでしょうかね。
 もし、多分「も」だけの修正であれば、このままパブリックコメントにかけさせていただくということでよろしゅうございますでしょうか、よろしいでしょうか。
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 それでは、次の議題で、前回、第5回の専門委員会におきまして事故時の措置についての検討をした折にいろいろ指摘事項を受けております。
 多くの意見、委員の方から意見をいただいております。これについて、まず資料5、多くの意見をいただいておりますので、それについてまず事務局のほうからご説明をしていただいて、対応方針あるいは状況についてご説明していただいた後に議論をさせていただきたいと思います。この資料5についてお願いいたします。

【富坂課長補佐】 それでは、資料5に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
 前回、専門委員会において意見をいただいた事項、それから専門委員会の場において、後ほどご意見を伺いたいということで委員の先生方にご依頼いたしまして、延べ51項目についてのご意見をいただいております。そちらについて、資料5に基づいてご説明させていただきます。
 まず、1ページ目、表の1ということで、こちら、専門委員会のほうでご意見をいただいた事項でございます。表5「選定の視点」について、各項目が関連している旨わかるように記載してほしい。後ほど、報告案にて修正した旨ご説明させていただきたいと思っています。
 それから、B、C、Dの意見でございまして、生活環境の保全をどこまで入れるか、あるいは水生生物の影響といったようなものを含めるべきであるというご意見をいただいておりまして、こちらについて観点として追加させていただいております。
 それから、EからIまでについて、個別の物質について追加すべき、あるいは入らないのではというご意見でございました。後ほど物質リストとしてご説明したいと思っておりますけれども、原則、水質の汚濁のおそれがある物質、あるいは事故事例がある物質ということで整理をさせていただいております。
 Jの意見でございます。「指定施設は相当数になると思うが自治体は把握しているのか。」ということで、同様の意見、後ほどもいただいておりますけれども、こちらにつきまして参考資料2-1をご覧いただければと思います。
 今回、指定物質に関する対象施設数としてどの程度考えられるのかということで目安として示したものでございます。2ページ、3ページにPRTRで届け出があった事業所数ということで、こちらが概ね指定施設というものの該当になり得るのかということで考えております。
 表1の中で、水濁法上の有害物質、それから指定物質候補という形で上げておりまして、こちらは(a)に該当する有害物質の部分が水濁法で言うところの特定施設に該当し得るということで、こちらが大体2万5,000事業所程度ということでございます。
 それから、指定物質候補、それから指定物質候補のみということで(b)としております。(b)というところが、今回、新たに事故時措置の義務というのが課される可能性が高いということでございまして、こちらのほうが約9,000事業所という形になっております。
 法律上は、特定施設と指定施設というのは別物の概念として整理してございますので、そういう意味では、指定物質に関する影響ということからいいますと、有害物質を扱っている事業場で指定物質を扱っているものというのも概念的には入ってきますので、その場合には、真ん中の欄3万2,000程度ということになりますけれども、概ねこのような数になるということでございます。
 資料5に戻っていただきましてKの事項でございます。化学品工業や医薬品メーカーで扱っている物質というのが多数であって、その物質リストだけでは対応できないのではということでございます。こちらにつきまして、改正水濁法におきまして、こちら、ちょっと物質を特定して指定物質を指定するというような枠組みになっておりまして、そういう意味で、ちょっと構造上の問題もあり、今後の検討課題という整理をさせていただきたいと考えております。
 2ページ目以降、委員による事後の指摘事項ということでございます。
 まず、2ページでございます。1番、2番、それから4番、5番の意見でございます。主に事故の定義ということで、どこまでを事故とするのか、あるいはどういう場面で事故時の措置というのが規定されるのかというご指摘でございました。こちらにつきましては、既に有害物質、それから油に関して事故時の措置ということで既に規定がございまして、この事故の扱いということにつきましては、これまでの対象としてきた事故と同じであるという旨を整理させていただいております。
 その中で、意図的な放流でございますとか、あるいは自然災害か人為災害かというところの整理はされておりまして、自然災害についても、これは事故として含めるという従前からの整理をしておるところでございます。
 それから、3番のご意見でございます。「対象となる国民、組織がどのように行動すれば良いのか、理解できるように改善すべき。」こちらについては、法の施行に当たって関係者に十分な周知を行ってまいりたいと考えております。
 3ページでございます。指定物質の定義ということで、どのようなところまで含まれるかという点でございます。毒性が高く、少量の排出が問題となるようなものは有害物質として管理するのか、それ以外のものを指定物質とするのかということでございますけれども、有害物質につきましては、法律上の定義として、カドミウムその他人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質ということになっておりまして、今回、指定物質の定義でございます公共用水域に多量に排出されることにより人の健康もしくは生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質というもので、毒性でもってここの2つの物質を分けているものではらないということがございますので、こちらについてはそういう毒性の多寡をもって切り分けるという考えはとっていないということでございます。
 7番のご意見でございます。油に係る事故時の措置の適用ということでございますけれども、こちらにつきましては、既に水濁法の中で油に対する事故時措置ということで整理してございます。
 ただ、法律上、事故時措置ということで、特定物質に対しての有害物質、それから指定施設に対しての指定物質、それから油の貯油施設等に対しての油の施設というような形で、今回、法律を書き分けているという関係もございます。そういった点、誤解を招かないような記述に修正をさせていただいております。
 それから、8番、10番については、先ほど参考資料2-1でご説明したとおりでございます。
 9番のご意見、「ある一定期間固定して存在する工事現場は指定施設とすることも意味があるものと思われる。」というご指摘でございました。こちらについては、工場、事業場という概念自体が水質汚濁防止法上で決まっているものでございまして、今回、事故時措置に限ってここを変更するというのは非常に困難なところがございますので、今後の課題として整理させていただきたいと考えております。
 11番の意見、廃棄物処理施設についての扱いでございます。こちらについては答申案にて記載の対応をさせていただきたいと考えております。
 12番、「指定施設と特定施設はだぶって指定することが出来るのか。」というご意見でございましたけれども、こちら、法律の中で指定施設と特定施設というのが別の概念ということで整理させていただいておりますので、それぞれの規定が適用になるという形になります。
 4ページ、13番のご意見でございます。こちら、1ページ冒頭のご意見と同様でございまして、選定の視点について答申案にて対応をさせていただきました。
 14番、環境基準として地下水の環境基準項目も入れるべきではというご指摘でございました。こちら、地下水環境基準項目について追加するという案とさせていただいております。
 同様に、水生生物保全に関する要監視項目についても対応させていただいております。
 16番、揮発性の物質は水系に排出されても直ちに揮発して大気に侵入する可能性が高いが、大気汚染を通じての人の健康被害、生活環境の悪化は想定の中に入っているのかというご指摘でございました。こちらについて、現時点では考慮していないということでございまして、法目的との整合も含めて今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
 同じく悪臭についても同様でございまして、悪臭と水質事故と直接関連するものではございませんが、この悪臭の関連の物質ということについて、物質特定として指定するということ、可能ではございますけれども、事故時措置の実効性の担保を最優先とさせていただきましたため、今回の指定対象物質からは外すという整理とさせていただきました。
 18番でございます。水生生物保全、水産用水などの面からの物質の洗い出しも必要なのではないかという点について、ご意見を踏まえて修正させていただいております。
 19番、生活環境項目についてのコンセンサスをとるべきというご指摘でございました。今回の法律改正で、特定施設については生活環境項目に係る水の性状というものについては、事故時措置の対象となっておりますけれども、指定物質として生活環境項目をどのように扱うかという問題については、引き続き議論をさせていただきたいと考えております。
 20番以降、個別の物質群に関してのご意見でございました。20番は包括的でございますけれども、物質を限らず、すべて連絡、応急対応をいただきたいというご指摘でございまして、ご指摘の趣旨は非常にごもっともだと考えておりますけれども、実際の実効性の確保という観点から、すべてというのは対応としては困難ではないかと、今後の課題とさせていただきたいと考えております。
 21番、異臭味物質について、こちら、物質の特定の仕方を含めて検討課題としたいと考えております。
 22番、pHを大きく変える物質についてでございます。pHについては事故事例等非常に多く上がってきておりますので、こちらのほうの対応というのを考えておったところでございますけれども、水素イオン濃度というものが、物質として特定が非常に困難であるということがございます。
 後ほど参考資料2-2で、今回、除外した物質についてご説明申し上げたいと思っておりますけれども、事故事例からpHを大きく変える物質として特定できるものというものを対応することとしたいと考えております。
 23番、要検討項目についてでございますけれども、こちら、実効性の確保という観点から要検討項目について対象外とさせていただいております。
 24番、環境基準、水質基準等の改善に伴って、物質リストが自動的に改正されることが望ましいというご意見でございますけれども、環境基準の設定と今回ご議論いただいております指定物質の指定、これが完全に一致するかどうかと、それは環境基準なりの徹底の議論と事故時措置をとるべきかという議論は全く一致するものではございませんので、そういったルールをつくることはしないと。ただ、今回の報告案については、当然尊重しつつ議論を行うということになろうかと考えております。
 25番、農薬についての扱いでございますけれども、農薬の個別指定という意味でいきますと非常に実効性の確保というのは困難であると。一方で、「農薬」というワードで定義できるかということについて、これは一方で「指定物質」として指定することが困難であるという事情がございます。こちらについても今後の検討課題とさせていただきたいと考えております。
 26番、異臭味物質ということで、記述を変えるべきではないかというご意見、修正をさせていただいております。
 27番、事故事例の着色や濁水の扱いについてということでございまして、技術的な問題、物質を特定ができないという問題もございまして、今回、指定物質には含めないとしております。
 28番でございます。環境中に放出されると有害な化学物質に変化するものというものの扱いというものでございます。こちら、例えば化管法の扱いでは、有害なものが放出される、あるいは放出された後に環境中で変化するもの、いずれも物質の対象としているところではございますけれども、今回、改正水濁法の中でそこまでの定義としていないということもございまして、こちらは今後の検討課題と整理させていただきたいと考えております。
 29番、トリハロメタンの生成ということで、ヒート的な生成というものでございます。
 今回、指定物質の定義としまして、その物質を目的とした「製造、貯蔵、使用若しくは処理」というものを行っているわけではないということでございますので、今回は指定物質としては指定しないという整理としております。
 30番、生活環境項目関連についての今後の検討課題としてどう扱うのかということについて、水素イオン濃度については一定の整理をさせていただいております。その他の項目については今後の検討課題と考えております。
 31番、事故事例が確認された物質について、事故事例の多い物質の中に対象外の農地からの排出によるものが含まれる可能性があるというご指摘でございました。
 今回、参考資料2-3に事故事例ということで改めて整理させていただきましたが、こちらのほうからは、工場、事業場に該当するものからの事故事例ということで、限定して整理をさせていただいております。
 32番は前述でございます。
 33番、記述としまして、指定物質の指定が困難である理由として機能を表す名称については困難であるということで、前回お出しさせていただきましたけれども、物質群、こちらについての記述の仕方を整理していただきたいというご意見でございました。こちらについて答申案で対応させていただいております。
 34番は採用しているということでございます。
 35番、36番、物質としてナトリウム金属あるいはアルミニウムについての扱いということでございまして、今回、ナトリウム金属単体については指定物質候補からの除外、アルミニウムについては通常どおりといいますか、物質に応じて対応するという整理をさせていただいております。
 以下、37番以降、物質の採否ということでございまして、メチルブチルエーテル、38番、トリクロロシラン、ホスフィン、39番、ヒドラジン一水和物、40番、メタノール、41番、硫酸ジメチルといったような物質について整理の意見が出てきております。それぞれについて、物質のどこまでを含めるのか、あるいは事故が起こった場合に何らかの影響があるのかという観点から、物質の採否を行って案を作成させていただいているところでございます。
 42番、ホスゲン、ホスゲンについては事故事例があるということで案に含めるという形にしております。
 それから、43番、金属化合物ということでございますけれども、金属化合物以外の塩素酸塩、臭素酸塩、こちらも物質群として規定しておりますので、あった形の記述に修正をさせていただいております。
 44番、「少量でも環境中に漏洩した場合は事故時の措置をとるとあるが、これは「人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるとき」と同じ意味を持つのではないか。」ということでございましたが、こちらは、指定物質として指定する場合の考慮すべき事項ということで、濃度等によるすそ切りをしないという方針を示したものでございまして、実際に事故が発生した段階で、それが報告すべき案件かどうかというところの濃度によるすそ切りというものとは異なるということでございますので、資料において修正をさせていただいております。
 金属化合物についての扱いについては今後の検討課題とさせていただいております。
 「指定物質と事故事例の因果関係について明確にすべき。」というご意見がございましたが、先ほど参考資料2-3にて事故事例を列記させていただいております。
 47番、48番でございます。化学物質という用語の使い方について、もうちょっと慎重にした方がいいのではないかというご意見でございまして、今回、対象としている物質、金属化合物等含めまして「化学物質等」という形で表記するのはちょっと慎重さに欠けると判断をさせていただきまして「水質汚濁の防止に係る項目」もしくは「物質」といった表現あるいは生活環境項目を含む場合には「汚水等の流出」というような表現とさせていただいております。
 「指定物質」や「指定施設」はどこで定義されているか、あるいは「油」や「貯油施設等」の定義というものについては、今回、改正水濁法の中で法律上で定義をされているというところでございます。
 51番、いつ時点の改正なのかという明記をすべきというご意見でございました。
 前回、指摘事項、それから委員会終了後にいただいた意見についての対応は以上でございます。

【細見委員長】 ご説明、どうもありがとうございました。
 ただいまのご説明にあったことを踏まえて、事務局としては報告案として資料6という形で作成されておりますので、続けて報告案を説明していただいた後に、各委員のほうからのご質問、ご意見を伺いたいと思いますので、今までのご指摘対応も含めた形で報告案に反映されておりますので、それをまず説明していただきたいと思います。よろしくお願いします。

【富坂課長補佐】 それでは、資料6に基づきましてご説明させていただきたいと思います。
 報告案としまして「水質汚濁防止法に基づく事故時の措置及びその対象物質について(報告案)」でございます。
 1枚めくっていただきまして、まず目次の構成でございます。2の「検討事項」としまして、今回(1)として「「事故時の措置」の対象の考え方」、それから(2)として「選定の考え方」という形で整理をさせていただいております。その結果としての指定すべき物質ということで、3章、それから別表の指定物質リストという形で整理をさせていただいております。
 続きまして、本文でございます。1ページ、「はじめに」ということでございまして、本年1月の中央環境審議会の答申、それから水質汚濁防止法及び大気汚染防止法の改正法案の成立経緯について述べさせていただきまして、その上で、本検討事項についての諮問、報告を取りまとめたという記述とさせていただいております。
 2ページでございます。「検討事項」としまして「「事故時の措置」の対象の考え方」ということで整理をさせていただいております。
 まず、1番、「事故の考え方」ということでございまして「水質汚濁防止法第14条の2各項」となっております。第1項から第3項までございまして、それぞれ有害物質、指定物質、油の事故時の対応ということで規定しておりますが、いずれも事故については共通しておりまして、この場合は「指定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は指定物質を含む水が当該指定事業場から公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるとき」ということにしております。この場合に、指定施設を設置する工場または事業場の設置者は届け出をするということになっておりまして、この事故というものについて、従来の水濁法において対象としてきた事故と同じということでございます。その解釈としまして、人為的な事故に限らず、天災を含む不可抗力による事故を含み、例えば、老朽化や自然災害等が原因で起きる施設の破損等による漏えいに続く放流、人為的な操作ミス等による放流及び爆発や火災による物質の飛散、引火等が含まれております。また、意図的な放流については事故の対象外ということにさせていただいています。
 それから、2番の「指定施設」でございます。こちらも施設の概念については従来の水濁法と同じ概念でございます。
 特定施設以外で、例えば有害物質を貯蔵のみしている施設でございますとか、指定物質のみを製造している施設というものが、今回、新たに指定施設に該当することになりまして、この施設の概念に該当しない農耕地でございますとか土木工事現場、道路を移動中のタンクローリーというものについては指定施設には該当しないという整理としております。
 3番、「対象項目」でございます。従来の水質汚濁防止法において、有害物質、油については排出規制や事故時の措置が適用されていると。それから、生活環境項目については、特定施設から排出されるものについて排出規制等が適用されているということでございます。
 今回の改正法におきまして、特定施設から排出される生活環境項目については、排出規制等に加え事故時の措置の義務も適用されることになっております。
 今回の指定物質につきましては、排出規制は適用されず、指定施設を設置した指定事業場に対して事故の措置の義務のみが適用されるということでございます。
 以上が法律に基づく概念の整理でございまして、続きまして(2)番、「選定の考え方」でございます。
 今回、水濁法の改正によりまして、指定事業場における事故時において応急措置と届け出の義務が課せられることになったわけでございます。
 「指定事業場に対しては、事故時の措置に関して新たに特定事業場と同等の義務が課せられることから、指定事業場の設置者が当該事務に認識を持つなど、その実効性が確保されることが重要であると考えられる。また、指定物質に選定することで、事業者に注意を促す効果もあることから、事故を起こしやすい物質として、過去の事故事例も参考とすることが適切であると考えられる。以上のことから、水環境において、人の健康の保護や生活環境の保全(水生物の保全を含む)の観点より有害性や存在状況から規制の対象となってきた物質や、水道水において水質の管理対象となっている物質に加えて、事故の起こりやすさという観点から、近年において発生した水質事故の原因となっている物質を対象とすることとした。具体的な選定の視点、選定の考え方及び選定にあたって留意すべき事項は以下のとおりである。」としております。
 まず、1)番の「選定の視点」ということでございます。
 事故により懸念される事項として以下の4つとしたということでございまして、前回の案と同じ4つの整理をさせていただいております。
 ただ、概念の整理としまして、例えば[2]番、「水道水質への悪影響」というものにつきましては人の健康被害にも関連すると。
 また、[4]番、「生活環境への悪影響」、こちらの概念としまして、主に、水浴、沿岸の散歩、自然探勝、水産物、農産物等への被害を含むとしておりまして、こちらは「水道水質への悪影響」あるいは「水生生物への悪影響」にも関連するという形で概念の整理をさせていただいております。
 次に、「選定の考え方」でございまして、1)番の選定の視点より選定する物質についてa)からh)までの整理をさせていただいております。
 順番にご紹介いたします。
 4ページ、「a)排水基準」ということで、有害物質以外の物質については「物質として特定できるものは全て指定物質として選定する。」としております。この中で、水素イオン濃度につきましては、物質として特定できるという条件にちょっとなじみにくいものではございますけれども、「事故事例が顕著に見られることから、水質汚濁防止法で現在対応していない特定施設外から排出される酸及び塩基等の物質について、事故事例から選定した。」としております。
 「b)環境基準」でございます。「(環境基準健康項目及び地下水環境基準項目)」につきまして「全て指定物質として選定する。」ということに整理させていただいております。
 「c)環境基準(生活環境項目のうち、水生生物の保全に関するもの)」というものにつきましては「全て指定物質として選定する。」と考え方で整理しております。
 「d)環境基準(生活環境項目のうち、水生生物の保全に関するもの以外)」のものということでございまして、物質として特定できるものは指定物質として選定するという考え方でございます。
 「e)要監視項目」でございますけれども、こちら、[1]番、人の健康に関するもの、[3]番、水生生物に関するもの、いずれも条件に該当するということで指定物質として選定すると整理しております。
 「f)水道水質基準」でございます。こちら、水道に関連する項目であるということから、物質として特定できるものは指定物質として選定すると整理しております。
 「g)水質管理目標設定項目」、こちらもf)と同じく特定できるものは選定するとしております。
 「h)事故事例(主に水質事故)」としまして確認された物質ということにつきましては、上記、選定の考え方[1]から[4]に関連する項目であり、過去に製造業等の事故時措置の対象となる施設において水質事故等が発生した物質については、ほかの物質よりも相対的に事故発生確率、水環境におきましては、暴露性のリスクが高い可能性があるということから、今回、指定物質として追加するという整理をさせていただいております。
 今回の事故事例に関しましては、全国における過去の水質の事故事例のほか、「毒物・劇物に関する流出・漏洩事故の届出」などの届け出情報も活用しております。
 ただ、この事故の中で、爆発性、引火性という物質上の特性については考慮していないという整理でございます。
 「3)選定にあたって留意すべき事項」ということで4点整理しております。
 「濃度の規定について」ということで、こちらについては、第1パラは前回同様の整理でございます。
 第2パラ、廃棄物についての扱いを前回の委員会で指摘を受けまして書いてございまして、「廃棄物処理施設の破損等で漏洩事故が発生した場合は、指定物質の濃度把握等に優先して事故時措置等を講ずることが必要であると考えられる。」という整理をさせていただいております。
 [2]番、「溶解性の規定について」でございますけれども、今回、溶解性の規定については考慮しないと整理しております。
 [3]番でございます。「金属化合物等について」という形で、金属化合物、その他の塩素酸塩等を扱いを整理させていただいております。「当該元素を含む全ての化合物をまとめて一つの項目として指定する。」という整理でございます。
 [4]番、「混合物としての指定について」ということでございまして、今回、濃度の規定を設けないということがございますので、混合物、2種類以上の物質が同時に存在するということでございますので「混合物としての指定は行わず、含有される個別物質単位での指定を基本とする。」と整理させていただいております。その結果としまして「指定すべき物質」ということで表に整理させていただいております。
 a)からh)までの条件に基づき、重複したものを除外しまして、合計の欄を見ていただいて59項目について指定物質として指定することが適当ではないかということにしております。
 8ページ以降に指定物質ということで整理をさせていただいております。こちら、1番から59番までということで、個別の物質として特定できるものについては、CASナンバーをあわせて入れております。
 戻っていだきまして7ページでございます。
 「今後の課題」ということでございまして、こちら、読み上げさせていただきます。
 「指定物質の選定に当たって検討した項目のうち、臭気や味、BOD等の性状を表す項目や、水中で分解または生成等されるために、有害性の判断や原因物質の指定が困難な項目、成分により有害性が異なる又は構成成分が明らかでない項目等については、指定物質としての指定が困難であることから、今後の新たな科学的知見に基づき、それらの項目について検討を行っていくべきである。また、水質事故の発生情報には注意をはらい、必要に応じて指定物質の追加を行っていくべきである。」としております。
 5番、「おわりに」ということで、水濁水法に基づく事故時の措置及びその対象物質について、結論を得たところである。
 「今後、周知にあたっては自治体やNPO等の関係団体と連携を図りつつ、周知方法等について検討することとする。」としております。
 続きまして、参考資料2-2をご覧ください。
 今回、報告案をまとめるに当たりまして、前回、専門委員会でもご議論いただきましたが、指定物質として選定しなかった、あるいは選定が困難であったという項目について、その考え方をこちらで整理させていただいております。
 まず、「選定が困難と考えられる項目」ということで、1)番、「性状を表す指標である場合」、例えば、臭気、味、BOD、硬度等々というものでございます。
 それから、2)番でございます。「水中で分解・生成等される水質測定項目である場合」ということで、こちら、判断方法ですとか原因物質の指定可能性、指定方法についての検討が必要であるということでございます。例としまして「残留塩素、遊離炭酸、トリハロメタン」などでございます。
 3)番として、成分により有害性が異なる、または構成成分が明らかでないというものがございまして「陰イオン界面活性剤」ですとか「セメント灰汁」ですとか、そういったものが該当されます。
 2ページ以降、表の1-1としまして、前回、専門委員会においてリストとして上げました物質のうち選定することが困難と考えられる物質というものについて、一覧として整理をさせていただいております。
 続きまして、4ページでございます。前回以降、事務局において再度精査した上で項目を削除した項目というものでございます。
 委員指摘により削除した項目ということで、ナトリウム、トリクロロシラン、燐火水素(ホスフィン)、ヘキサメチレンジイソシアナート、メタノールの5項目です。
 それから、事務局として事故事例の精査により削除した項目ということで、以下の項目を上げてございます。
 また、物質の対象として名称を変更した項目ということで、ヒドラジン一水和物をヒドラジンと整理をさせていただいております。
 「削除等の理由」ということで、ナトリウムについては、ナトリウム金属単体が水に漏えいするという事態が想定しがたく、積極的に取り上げる必然性は高くないと考えられるのではないか。
 トリクロロシランについては、水と反応して分解し、塩化水素を発生させるとしており、トリクロロシラン自体が水質汚濁を通じて被害を生じることは考えられないと。
 ホスフィンについては、河川等の流出による水質事故とみなされるものは確認できない。また、高圧ガスとして扱われるというものでございます。
 ヘキサメチレンジイソシアナートについては、分解性が高いため、候補から削除したとしております。
 メタノールでございますけれども、流出事故が起きているけれども、メタノールによる水質の汚濁を通じた被害を生じていないため、物質候補から削除しております。
 6)番、「事故事例の精査により削除した項目」ということでございますけれども、前回、専門委員会後、事例を精査しましたところ、爆発事故でございますとか輸送中に生じた事故、意図的な放流に関する事故等といったような今回、検討対象とはならない事例というものから生じた事故というものが含まれていましたので、それらの物質については指定物質候補から削除しております。
 ヒドラジン一水和物につきましては、ヒドラジンそのものが生態毒性が高いということで、一水和物に限らず全体を指定するとしております。
 6ページでございます。
 「水素イオン濃度」につきましては、本文中にも記述させていただきましたけれども、物質の性状を表す項目であるため、このままの形では指定できないと。ただ、事故事例として顕著に見られるということから、現在、事故として確認できる酸及び塩基等の物質について選定するとさせていただいております。
 「変化させる物質について」ということで、以下、説明してございます。
 あと、排出量ということで、表3においてどの程度排出されているかという情報について整理をさせていただいております。
 「表4 GHS分類対象リスト」ということで、どのような事故事例というものを対象にするのかということで提示をさせていただいております。
 説明は以上でございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 それでは、今から1時間ぐらいかけてこの報告案を議論させていただきますが、ちょっと順番を追って議論したいので、大きくはこの報告書にありますように「「事故時の措置」の対象の考え方」についてまず議論して、次に「選定の考え方」ということにしたいと思います。最後にすべてということにしますが、まず「事故時の措置」の考え方等について、ご意見、ご議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

【平沢委員】 幾つかあるんですが、特に気になっているところは事故の判断でございまして、定義、大分明確になってきたんですけど、これ、事故かどうかというのはだれが判断するのかということなんですけど、やっぱりそれは使っている人でしょうね。だけど、使っている人によって、結局この事故の規定は、最終的に人の健康や被害、被害が出ると想定されたおそれがあった場合ですよね。おそれがないと想定しちゃったら報告しなくていいということですよね、当然。例えば少量だったとか、少量というか、要するに環境水域に逃げなかったとか、あるいは漏れていてもすぐ閉めてやったと、それは対象外になるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

【富坂課長補佐】 こちら、現行の水濁法の中でも特定施設あるいは油について同じ構造の規定になっておりましてやはり事業者判断で行うと。
 実際の事故事例を見ていても、やはりそれは公共用水域に出てしまいましたとかいう形のものの報告が上がってきておりまして、事業場の中でとめたものというものは特に報告に上がってきていない。そこは事業者の中で適切に事故かどうかというのを判断して報告を上げる上げないということを決めているのではないかと。

【平沢委員】 具体的に運用するときに多分困るというか悩むだろうなというのは、やっぱり今回、濃度とか量とかという規定がないので、ごく微量に含まれているものとか、それがばあっと流れちゃって、判断がつかないとか、水濁法はいいですよね、規制値があるから。あと、水量とかというのがあるから。それがないので、量の大小によらず、濃度によらずというところがあるので、これ、対象としては、例えば自分の研究室でビーカーを割ってごく微量でも流しちゃって側溝に流れてというか、報告しなければならないことになるんですよね、そういうふうに判断したら。
 だから、そういうことが、いや、何を言いたいかというと、事業者とか、それから自治体とか絡む人たちによって判断が変わっちゃいけないと思うんです。本当にそういうことなら、どういうものでもやっぱり報告しなきゃいけないし、危険なものは報告しなきゃいけないしということで、その判断が人によって結構変わっちゃうような気がするんですよね。そこを何かうまく、これからの課題かもしれないんですけれども、法律としては大事な法律だと思うので、それがあまりどこかはオーケーで、どこかはオーケーじゃないということになるとやっぱり困るので、その辺は明らかにしていただいきたいな、それが1点でございます。

【大塚委員】 ちょっと私もだからお伺いしておきたいんですけど、ちょっと今、条文を持ってないのであれですが、事故時かどうかの判断は事業者さんにもちろん第一次的にはしていただくと思うんですけど、その判断が間違っていたときはどういうふうになりますか、最終的には何か罰則のほうまでいくんじゃなかったかと思うんですけども。
 今のご質問との関係でちょっとお伺いしたいのは、そういうことになってくると、明確にしていただくことは非常に重要になってくるものですから、今ので足りるかどうかというのは、ちょっと私、今、条文がないので判断できませんけれども、その辺はいかがでしょうか。すみません。

【富坂課長補佐】 まず、法律の構造についてご説明させていただきますと、まず事業者がとるべき措置ということで、事故時、公共用水域なり地下水が汚染されて被害を生ずるおそれが生じた場合には、事故時の届け出をしてくださいとなっております。
 同じ第14条の3第4項におきまして、有害物質あるいは油も含めて、都道府県知事は、前3項の応急の措置を講じていないと認めるときは、これらの者に対し、これらの規定に定める応急の措置を講ずべきことを命ずることができるとなっております。この命令に従わなかったという場合において罰則がかかると、法律の構造としてはこのようになっております。
 実際に、そういう事業者の判断が誤っていた場合にはどうなるかということでございます。報告すべきものを報告していなかったという意味での間違いということになろうかと思いますけれども、その場合には、そういう実際の被害を、何らかの水質保全上の問題が生じたということが、各自治体なり、あるいは住民なりによって確認されるということになりますので、それで原因を追いかけていって自治体のほうが対応すると。必要に応じて応急の措置と、流れてしまった、空っぽになったというところで応急の措置というのも、そういう話もごさいますけれども、法律の構造上は、そのような形で後から追いかけて自治体のほうが命令をするという形になっております。

【大塚委員】 わかりました。そういうことでしたら、その最初のところに関しては若干不明確なところが残っていても、とりあえずあまり問題はないかなと……

【平沢委員】 すみません。次、いいですか。
 次の質問は、今回、指定物質というのができるので、指定施設とか指定事業場とか、前の特定物質、特定事業場とありますが、すごく混乱するような気がするんだけど、その辺は、例えば一つの事業場の中でも、指定事業場でもあるし特定事業場でもあったり、その中に指定施設もあったり特定施設もあったりということで、そういうことなんでしょうけど、その辺は、無理がないようにというか、やっぱり実施する人たちが理解しやすいようにきっちりしてほしいなと要望でございます。
 今のところ前段はそれだけです。

【細見委員長】 事故時の措置の考え方、特に事故の定義についていろいろ議論されておりますけれども、今回、今の問答集というか、やりとりをして大体非常に明確になったのではないかと思いますけれども。

【森田委員】 ここの入り口の「事故時の措置」の考え方というのは、一番これが原点になって、前回の中央環境審議会のときに、浅野先生だったかな、要するに物質にこだわる必要はないんだという発言をされたと思うんです。それはどういうことかというと、この法律というのは、要するに事業者が判断をして、そしてやるものであるから、したがって極端に言えば、事業者がどういう判断をしてということに依存しているので、物質がどうであれ、事業者がある意味では考えればいい話ではないかという旨の発言をされまして、法律はそういう構造になっておるというのを彼がおっしゃって、その一方で、現実にはこの法律に基づいて指定などを、今までの水質汚濁防止法に基づいた環境基準項目については既にでき上がっていて既に走っているというのがあります。この辺りの考え方は、ひょっとしたら、だから浅野先生のお考えが間違っていて、個別物質の指定というのはやっぱり重要なのか、それともそうでないのかというのは一度もんでおく必要がある。
 浅見先生もちょっとおっしゃっている発言の中には、要するにそれと同じようなコンテクストの発言が少しあるんです。それはどういうことかというと、要するに当人が、排出者がこれはちょっとやばいことをやっちゃったなということがあれば、それはもうとりあえず申告してもらうというふうなアプローチがいいんじゃないかというふうな内容のことをちらっとおっしゃっているんですが、それを含めて今のこのアプローチでよろしいということであれば物質の指定のほうに走るんですが、そこはちょっと再確認をしておいたほうがいいかなという感じがするんです、その環境省のほうも含めまして。

【細見委員長】 はい、どうぞ。

【吉田課長】 今の森田委員のお話の中で、浅野委員が中環審のときにお話しになった話につきましては、ちょっと議事録がないのですが、その物質を定義しなくていいのではないかということではなくて……

【森田委員】 決めることに一生懸命やる必要はないんじゃないか……

【吉田課長】 いえいえ、事故時の定義を詰める必要はないのではないかと、そうおっしゃったように記憶しています。

【大塚委員】 私もそう思いました。

【細見委員長】 だから、浅見さん、気楽にやっていいよという、言ってはいけないけど、そこの厳密性はもう既に担保されているので、改めてこの専門委員会でそれを非常にごつごつ議論する必要はないんじゃないかというようなご意見だったと私は思いましたけど。

【吉田課長】 すみません。先日の中環審の、まだご本人に確認がとれていませんので、暫定の議事録が出てきました。浅野委員の発言は、どういうものを事故として取り扱うかというのは、これは運用の問題ですから、事務局がきちっと考えて最終的にマニュアルという役割でと、こうおっしゃっておられました。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。
 ほかにございますでしょうか。
 では、とりあえずなければまた最初に戻りますけれども、まず次の「選定に当たっての考え方」について、このところでご議論をお願いしたいと思います。

【平沢委員】 「選定の考え方」のところで(2)のところで「過去の事例も参考とすることが適切である」という表現があって、今回も「過去の事故の事例に基づいて指定物質を決めた」という表現があるんですけども、どういう選定理由で指定物質として選んだのかというのをやっぱり書いておいてあげないとよくないんじゃないかと。
 理由はあまり、例えばここで言う1番、2番、3番、4番と、それの項目をきちっと書いてあげて選定したとか、何か選定理由を、指定物質を出すときに選定の理由を明確にしたほうがいいんじゃないかというのが1点です。

【細見委員長】 ちょっと確認で。

【吉田課長】 今の平沢委員のご意見は、その物質ごとにこの物質は何に基づいているのかということを明確にと、こういうご意見でよろしいでしょうか。

【平沢委員】 そうです。

【吉田課長】 わかりました。ありがとうございます。

【富坂課長補佐】 事故の事例につきまして、まず参考資料2-3でちょっと事故事例ということで資料の本体だけの紹介をさせていただいたんですけれども、すみません、ちょっとご説明いたしておりませんでしたが、本体の報告案の別添2としまして、検討対象物質の背景情報一覧(個票)……

【平沢委員】 あるんですか。

【富坂課長補佐】 はい。

【平沢委員】 すみません。じゃ結構です。

【富坂課長補佐】 こちらの中で選定条件の該当状況ということで、事故の事例報告という形で該当するものについては記述をさせていただいております。

【平沢委員】 どうもありがとうございます。
 それから、今度、1)のところの「選定の視点」なんですが、これはちょっと言いがかりみたいな表現で申し訳ないんですけど、「生活環境への悪影響」の文章なんですけど、「汚水等の流出による生活環境に係る被害」で、水浴は何となくわかる、飲んでしまうというのがあり得るかもしれない。ちょっと気になるのは、沿岸の散歩というのがすごく気になって、これは何で汚水の流出と沿岸の散歩がどうやってリンクするんだろうと、ちょっと理解ができないんです。例えば、散歩していて水が飲みたくなって飲んじゃったとか、そういう意味ですか。ちょっと何か違和感があるんです。

【富坂課長補佐】 生活環境の被害というこちらの記述については、現在の水質汚濁における一般的な生活環境というものを記述として使っておりまして、そういう意味では、ここで言う沿岸の散歩というものの中には、今回ちょっと悪臭防止法のものは入れていませんですけれども、川辺を歩いていたら何となく臭いとか、そういったようなものも生活環境の被害ということで、水濁法あるいは環境基本法の中で概念として入れているという意味で記載をさせていただきました。

【平沢委員】 あっ、そうなんですか、においも入っているんですか。
 以上でございます。ありがとうございました。

【細見委員長】 今のこの別添の資料はつくんですよね。どう考えたらいいでしょう、この平沢先生の物質ごとに何が対応するかというような表というのは。

【富坂課長補佐】 別添については、報告案の中に含めて部会のほうに報告するということで考えております。

【細見委員長】 よろしいですか。

【平沢委員】 いや、結構です。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【森田委員】 少しやっぱりいろんなこのことについて心配される方もおりますので、したがってある意味ではクリアにしておいたほうがいいような記述が少なからずあるような気がするんです。
 例えば「事故事例」と書いてありまして「主に水質事故」と書いてあるんですが、水質事故でないような事例もここでは含んでいるというふうに読めてしまうんだけれども、それは一体何だろうなと。いや、聞かれたときにそれを答える必要が多分ありますよね。
 それで、これと反面の関係にあるんですが、水質事故があって、例えば魚が大量に浮いたりする、でもこの魚が大量に浮く原因の半分は原因不明のまま処理されているんです。何かが起こっているんだけれど、原因がわからない。よく出てくるのは、例えばpHが酸性に傾き過ぎて、それで死んでいるというのは、非常に簡単に測定ができるからわかるとか、あるいは溶存酸素がすごく少なくなって死んだと。それはDOメーターがあるから、とにかく現場に行ってすぐにその場でチェックできるから、そういうのはわかっている。それ以外の要因で魚が浮いたりしていても、それが原因物質にたどり着くケースはかなり少ないというのが、実はもう一つ裏の背景にはあって、それを一体どうするのかというのは、ちょっと実は今回の議論の中に少し弱いところではあるんですが、いずれにしましても、まず最初に「主に水質事後」というのは、水を経由して何らかの被害を受けたケースが存在して、その原因がこういう物質のある場合がそうですよいうことになってきたときに、この表の中の事故に対応してというところに丸をつけられている物質は、そういう意見が出たときに十分に例示的にできるものだろうかというところをちょっと心配しているんですけども。

【細見委員長】 どうでしょうか。「主に」という……

【富坂課長補佐】 まず、「主に」というところについては、今回、水質事故のみを対象として整理させていただきましたので、本文中タイトルの4ページ、h)でございますけれども、「事故事例」「主に」を削除させていただきたいと思います。

【細見委員長】 そういうのは厳密、クリアでありがとうございます。

【森田委員】 それで、先ほどの、これは後の個別の表のところにちょっと出てくるのかもしれません。一覧表の中に、これは別添2というやつで入っているところに、事故事例というところで丸がついている物質が約20ぐらいありますか。それは間違いなくそう言えるのかという確認をどこかの段階でしておかなきゃいけないと。

【細見委員長】 確認できているかどうだと思いますが。

【富坂課長補佐】 こちらについては、前回の専門委員会以降、再度精査をさせていただきまして、確認のとれたものというふうに上げさせていただいております。
 事故事例のみで選定されているもの24物質程度ございますけれども、それ以外にその他の排水記入項目、その他の項目で該当しているもので事故事例があったものというものも整理をさせていただいております。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。
 恐らく半分はわかっていないとするならば、半分に関しては、また多分今後の検討課題というか、いろいろ事故の事例をこれから、この最後に書き足されておりますように、事故に対しては十分注意をして、それをさらに問題があれば物質を加えていくということになると思いますので、現時点で明らかに水質事故があって、物質がわかったものについては、この表で拾ってあるということでございます。

【森田委員】 全部拾えているかどうかの議論はちょっと残るんだけれども、とりあえず、いや、全部拾うのは結構難しいんですよ、すべて。しかも、原因がどの程度わかっているかという、どの程度というのも実は絡んでくるの。そこがいわく言いがたいところがあるんだけど、だけど一応かなり明確なやつは拾われていると、そういう認識ですね。
 それから、これからもう一つちょっと難しいことを投げかけたいんですが、実は既に今まで環境基準とか、そういった項目で動いてしまっている部分が既にあるんですが、果たしてどうかなという議論が起こるのは金属のところなんですが、いろんな金属が出てきます。金属と化合物というふうな形の表記がされていて、まず疑問が出てくるのは、金属なんてそんな水に溶けるんだろうかと、事故に遭うという具体的なシチュエーションが本当に金属の塊であるのかという議論がちょっと残りますね。
 これは、でも今まではそうやって動かしてきているのですが、そのまま続けてよいかどうかも含めての議論がちょっと残る。例えば亜鉛と亜鉛化合物といったときに、亜鉛の金属をどぼっと落としてしまったら、たちまちそれは通報しなきゃいけないものなのかというちょっとややこしいのが少し残っています。
 それから、もう一つは、この種の考え方を詰めていったときに、意識されているのは、本当は水に溶けるような解溶性の塩というのが強く意識されるんだろうと思うんですが、そういった例えば亜鉛の化合物の解溶性塩というふうに限定するのも難しいところがないわけではないし、一方で非常に大量に使われている亜鉛の加工物を入れるのか、それとも毒性の強いやつ、そういうものを選ぶのか、ちょっと丁寧なフォローが必要な要素もあるということではあると思いますね。

【細見委員長】 溶けているものが、溶けているものはすべて大体今回の場合理解できると思うんですが、恐らく先ほどの溶けていない塊、例えば私が経験したのは、例えば鉛の玉とかというのは、これは溶けていないものですけれども、これによって水鳥とかなんとかが影響を受けるという、水域に入ってですね。
 これは、溶けていないけれども、鉛そのもので影響をもたらすので加えておくということが、多分、合理的ではないかと思いますので、これはすべてにわたってちょっと私もよく理解していませんけれども、例えば鉛なんかは、明らかに単に水に溶けるもの以外の、そのものでも起こり得ると思いますので、今のこの書き方で確かにすべて100%証明されているかどうかというのはわかりませんけれども、可能性としてそういう塊が水生生物とか何かに影響をもたらすことは十分考えられると思いますので。

【森田委員】 だから、したがって例えば金属の塊をどぼっと落としたと、しかしながらそれをやった工場のほうは、しかしそれで水生生物に影響を及ぼす心配はないという判断をして、それでよろしいというふうになっていく。実際はなっていくんだろうと一方で思うんだけれど、先ほどの鉛の話のように結構難しい要素が全然ないわけじゃない。例えば鉛は、確かに環境中で溶けていって、そして影響を及ぼすことは一方である。
 その一方で、例えば釣りをするときに鉛の重りをどぼんと投げ込んでいるというか、これは大丈夫ですか、それは本人は大丈夫ですと言って、だから鉛の玉だからといって悪いわけでもなさそうだという、ちょっとその辺の改善命令にいかないものはいいというある種の運用で何かしのげるものだろうかというのがちょっと心配なところがあるんだけど、何とかなりますかね。

【細見委員長】 ちょっと僕、事故時ですので、釣りの話はちょっと違うのかなと私は思うんですけど。

【森田委員】 釣りは、ただ例示的なんですよ。釣りでこんなふうにやっているじゃないかと、だから大丈夫だろうというふうに……

【細見委員長】 事業者が判断しちゃうということですか。

【森田委員】 それは判断しても……

【細見委員長】 だから、これは事業者が判断するということ。

【吉田課長】 今回の場合、物質を指定いたしますので、その物質であるならば、ぎりぎり言えば、塊であっても、その物質を落としてしまうと、やはりそこには義務が発生いたします。
 ただ、もちろん境界領域あるいは物質等々の境界領域の中でどうかという部分はありますし、先ほど量の問題等もありますので、状況次第ですが、その塊を落としてしまうと、それは事故時になる確率が高いのであろうという気がします。
 ただ、おっしゃるように、これからそれぞれの自治体でどのように運用していくかということについては、我々としても各自治体の意見も聞きながら、より望ましい形で運用していきたいと思いますし、その運用の過程の中で改善すべきところは改善していくということで進めていきたいと考えています。

【細見委員長】 ほかにございますか。
 はい、どうぞ。

【古米委員】 今回の全体の目次の構成を見ながら、まず最初に「「事故時の措置」の対象の考え方」があって、1)、2)、3)とあると。2番目は「選定の考え方」ということで、視点と、ちょっと気になるのは「選定の考え方」の中にまた「選定の考え方」があるのはどうかなと思うんです。それと「選定にあたって考慮すべき事項」という構造になっていると。
 さっきからずっと読んでいると、指定施設があって、指定物質を決めるんだけど、それは選定という言葉を使っていいわけで、指定物質として選定するために選定候補者を選ぶために選定の視点があるようです。混乱しているのは、まず候補者を選ぶという選定という言葉と、これが指定物質だということのときに使っている選定とが何か若干混在しているように思うんです。
 そこら辺が、「選定の考え方」の上から七、八行目に「指定物質に選定すること」と、この選定はもう明らかにこれが指定物質ですよという議論ですよね。だけど、選定の視点というのは、おそれがあるような物質があるので、まずは対象を見つけましょうと、その選定のイメージがあるのかなと。次の「選定の考え方」まで来ると、これは絶対「指定物質に選定する」という言葉があって、私自身が、選定という言葉の定義が2段階にあるのかないのかというのを確認したほうがいいかなと思いました。
 そして、4ページ目の上のところの「排水基準」のところは、何々をから選定したという過去形であって、bからgの辺りは「選定する。」という言葉で、hになってくると「追加する。」というように、最後の語尾のとらえ方が、それぞれバランスが意味があるのかどうかなというのも気になり始めたと。
 そうすると、3番目の「選定にあたっての考慮すべき事項」というのは、この選定もどっちの選定なのかなと改めて気になります。整理できていないんですけれども、最初のほうの「選定の視点」の選定は、対象を、候補者を選ぶための選定のようにも読み取れるので、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。

【細見委員長】 いかがでしょうか。

【吉田課長】 ご指摘ありがとうございます。1)の「選定の視点」というのは、今、古米委員がおっしゃったように、こういう候補を考えようという意味の選定の視点です。
 2)は、この視点を踏まえると、こういう項目に含まれる物質から選びますというほとんど決めに近い形になっています。
 3)の「選定にあたっての考量すべき事項」というのは、物質を決める上での配慮事項、つまり[2]、[3]、[4]は物質を決める上でなんですが、[1]の濃度は規定しませんよということをここで言っているだけですので、選定とは少し違うかもしれません。という流れになっておりまして、少し言い換えますと、1)の視点は候補です。候補としてこういうものを選びたいということです。
 2)は、その候補が決まると、その候補からこういう物質を選びますと。
 3)は、表現といいますか、表記の仕方についての事柄と、こういうことになっております。

【古米委員】 どう整理したらいいかわからないんです。
 最後は3番目に来ると「指定すべき物質」になるわけですよね。これは、指定すべき物質というのはこれが指定物質だと言っていると、指定すべき物質と前の2の段階で言う選定された物質は一緒なんですよね。
 選定されたから指定されると、いやいや、言葉遊びをしているわけじゃないんですけど、何か一番気になっているのは、一番最初に網をかける、選ぶプロセスと最終的に決めますよいうプロセスのことが混乱していないような形で表現されるといいのかなというところが、それが、私だけが気になっているのか。

【吉田課長】 選定というのは、やはり決めるというか選び出すという意味合いだと思います。

【古米委員】 ですよね。

【吉田課長】 ですから、その1)の「選定の視点」を……

【古米委員】 最終的に決めるための視点だと……

【吉田課長】 選定に当たっての視点に変えます。2)は選定の項目と、3)が「選定にあたって」というよりは、そこは省きまして単に考慮すべき事項と、そういう整理にさせていただきたいと思います。

【古米委員】 少しわかってきました。

【細見委員長】 じゃ、法律的視点から。

【大塚委員】 私も実は気になっていたんですけど、どういうふうに話したらいいかなと思っていたので、今ご質問いただいてありがたかったんですけど、私がちょっと別の観点から多少気になっているのは、3ページの「2)選定の考え方」というときに、何の選定かがちょっとわからないので、中を見れば指定物質のことだとわかるんですけど、ただ「選定の考え方」の3ページの最初のところは指定事業場の話等もちょっと書いてあるものですから、本当は指定物質の選定の考え方じゃないかと思っているんですけど、ちょっと別のことも入っているので、その辺をどういうふうにしたらいいのかなとちょっと考えて質問しそびれていたんですけど、ちょっとそこが1つ気になったのと、そもそもこの報告書のタイトルは「事故時の措置及びその対象物質について」という「対象物質」というまた別の言葉も使っておられるので、対象物質は恐らく指定物質だと思うんですけれども、ちょっとそこも、皆さんわかると思いますけれども、わかりやすくしていただくとありがたいかなと思いました。

【吉田課長】 よろしいでしょうか。

【細見委員長】 どうぞ。

【吉田課長】 まず、表題の「対象物質について」と言っておりますのは、つまりここの報告の中で指定物質の報告案ができるわけですので、言ってみれば指定物質(案)になるわけです。それを「対象物質」と表現をしているという意味合いでして、指定物質(案)とはなかなか書けませんので、そういう表現を使っています。
 もちろん、よろしければ指定物質案という形でも構わないとは思っているんですが、それはやはり委員会に対して大変失礼という感じもございまして、こういう形にさせていただいております。
 それから、(2)の「選定の考え方」、これについては、まさに指定物質の選定の考え方ということでよろしいかと思います。

【細見委員長】 その指定物質の選定の考え方というふうに直していただいて、報告案のタイトルはこのまま現状維持かなということでもよろしいでしょうか。ちょっとほかにご意見がなければと思いますが、古米先生のほうのやつを整理しておきますと、1)は選定にあたってということですね。1)選定にあたっての視点ということにさせていただきます。
 2)は、選定の項目あるいは選定項目、「の」を入れたほうがいいですかね、選定の項目。
 それから、3)番は考慮すべき事項というふうにさせていただければ、目次を見たときに流れが伝わるかなという、私もそう思いましたので、古米先生、どうもありがとうございました。
 はい、どうぞ。

【富坂課長補佐】 あともう一点、古米委員からご指摘がありました4ページ、a)の「選定した。」「選定する。」あるいは「追加する。」という表現がございましたが、これはすべて「選定する。」という形で修正させていただきたいと思います。

【細見委員長】 それのほうがいいですね、特に意味合いはないということですので。
 ほかにございますでしょうか。
 はい、どうぞ。

【堀江委員】 先程、運用の話が少し出かけたので、今、各自治体もいろんな財政状況とか人員とか厳しいかと思うのですけども、今の時点で事故対象物質に関連してそれぞれの規制部局の皆さんは、実際どういうことを普段はやられていて、この物質が増えることでどういうふうにされるかということを、幾らか状況がわかるようなら教えていただけますでしょうか。
 それから、もう一つですけれども、過去の経緯を調べなくて質問して申し訳ないのですが、例えば水道の関係の項目であれば、場合によっては水源のところについてそれを当てはめるという考え方もあるのですけれども、そういうことについて何かこれまで議論があったでしょうか、教えていただければと思います。

【富坂課長補佐】 まず、1点目のご質問でございますけれども、自治体のほうで対応している事故対応件数みたいな話で申しますと、これは水濁法の改正のときの資料ではございますけれども、事故件数として、この10年程度で、2倍、3倍に増えているというようなものがございまして、そういう意味では、現場を確認して対応しているというような件数が増えているのであろうと考えております。
 現場で何をやっているかといいますと、結局、何が起こっているのか、水質の情報を確認したり、あるいは発生源の確認、事故が起こった、影響が起こったところの上流側の事業所の立入検査を含めた対応と。そこは事案の大きさ、あるいは必要性に応じて対応していると思いますけれども、今回、指定施設追加ということになったときに、恐らく対応する中身としてはそんなに変わらないのであろうと。
 ただ、事例として事業者から報告が上がってくれば、もちろんその情報をもとに対応することになりますので、そういう意味では自治体の負担というのは多少減る部分というのはあるんだろうと。
 一方で、こういった事故事例というのが、指定物質のリストが出てきますので、こういったものにねらいをつけて分析をかけるという意味での、そこは負担増かもしれませんし、事故事例が整理されたということで、ちょっとねらいを絞りやすいと、そこは正直ちょっと影響としてはどっちに転ぶかというのはちょっとわからないという状況かとは思います。
 それから、2点目でございます。
 浅見委員のほうがご承知のところかもしれませんけれども、水道の原水のほうで、そういう事故物質が流れてきたら、やはり水道の取水が取水として水をとるのをやめるべきかどうかという判断が必要になってきますので、そこは水道水質項目については調べているという実態があろうかと思いますけれども。

【細見委員長】 何か浅見委員のほうで、水源のことに関して議論をしてきたのかということですが。

【浅見委員】 今回のこの委員会の中では、水道の水源だから事故が起こってどうという特別な配慮は、今のところお話は出ていないかなと思うんですが、すべての地点で水道の水質基準に関係する項目で、指定のできそうなものは入れていただけるというふうに理解をしております。
 ちょっと今、事故事例を整理していただいた中で、これがどういう期間にどういう手段で集められた事故事例なのかわからないんですけれども、水道の事故事例ですべてが入っているわけではないような感じがいたしまして、例えば界面活性剤で大きな事故があって、蛇口からぶくぶく泡が出たような事例ですとか、水道の明らかな事故というのは毎年100件以上あると思うんですけれども、そういう事故について、今後、今回はもう大体こういう落としどころかなと思っているんですけれども、今後どういうふうに集めて、例えばこういう事故があったら定期的に情報を収集して追加していくというようなことを考えていただけるとありがたいなと思います。

【細見委員長】 いかがでしょう。例えば7ページの「今後の課題」というところに「また、」以降に「水質事故の発生情報には注意をはらい、」云々というようなことが書いてあって、ここの部分に少し水道の事故をもうちょっと強調して書くかどうかというぐらいかなと思うんですけど、そのほかに何か今の事務局で答えるべきことがございますか。
 要は、水道の事故は、すべては上がっていないのではないかと言われれば……

【富坂課長補佐】 もちろん、事故事例の中で物質が特定できなかったものとか、そういったところはちょっと外していただいているというような状況がございますので、そこは物質の特定をしていって対象に加えるのかどうかという検討でございますとか、もちろん事故事例について、森田委員からのご指摘もございましたように、すべて拾い切れているというところでは必ずしもございませんので、現状、整理できているものということで確実なものを拾っているという状況でございます。
 こちらについて、文章として「発生情報に注意をはらい、必要に応じて指定物質の追加を行っていく」ということ……。
 ここの発生情報のところ、ちょっとご提案でございますけれども、関係機関との連携により発生情報等を収集するとか、そういった文言をつけるというような形での整理はいかがでしょうか。

【細見委員長】 いかがでしょうか。少しここはより具体的にというか、上がってくる事故の情報を待っているのではなくて、関係機関と協議しながらというか、その情報を集めて、より積極的に情報を集めましょうということで、そういう文章にさせていただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。
 じゃ。

【森田委員】 指定物質の最後に書き込みがあるんですが、この種の書き込みをどういうふうに分類して入れるかというのは幾つかの選択肢があって、それでこれがもうちょっと書き方に工夫していただきたい要素があるという、そういう話です。
 例えば、亜鉛のところに燐火亜鉛なんていうのが書いてありまして、燐火亜鉛は、ご存じのように、毒性の本体は燐火水素なんですね。これは、毒物にも指定されているような物質が説明としてはあり得ると、これは入っていないのかな。
 後のほうに出てくる部分ですね、きっと。別添2のほうに出てくる。

【細見委員長】 別添2の表3でしょうか。

【森田委員】 ですね。これはつけられないのかな、別添2は外へ。つけることになるんですよね。だから、つけるときに受け取る方が違和感を抱かない程度には少ししておいて。
 例えば、先ほど言いました燐火亜鉛というのは、非常に毒性の強い物質では一方でありますが、毒性の本体は燐火水素なんですね。毒物指定もありますから毒物でもあるんですが、それを亜鉛のところに置いておくのがいいかどうかという異論がちょっとあると。
 例えば、後で燐火アルミニウムが出てくるんですが、それも同じ原理で、実は毒性の本体はそちら側にあると。それから、もうちょっと細かい例で、これは後で工夫していただければいいと思うんですが、例えば弗素系の化合物で、そしてケイフッ酸か何か、弗素系の化合物が書いているけど、そちらは弗素のほうで読むこともできるし、元素側で読むこともできる構造があるんですが、毒性の本体は弗素側にあるというときには、ちょっとそういう分類のほうが落ちつきやすいかなと。これはちょっと工夫の問題ですか。

【細見委員長】 間違いということがあるんでしょうか。

【森田委員】 難しい質問ですね。もしそういうことを正面から議論し始めると、そもそも亜鉛の化合物の中でなぜこの物質が選ばれて、銅の化合物の中でなぜそれが選ばれているという、そういう議論が起こり得る。それは、バランスよくできているかという議論もある。そこまで今日の時点では詰め切らないので。

【細見委員長】 これは例示だと思うんですけれども、そうじゃないの。

【富坂課長補佐】 今、別添2で物質番号に枝番がついているものは、すべて今回、指定物質として指定しようとするものの例示として示しているものでございまして、物質自体が、これが指定物質になるというものではございません。

【細見委員長】 例示ですね。例示だということは、ほかの物質もやっぱり入ると。

【富坂課長補佐】 そういうことでございます。

【細見委員長】 よろしいでしょうか。

【森田委員】 いいです。

【細見委員長】 全体を通じての議論に入っていますけれども、もし全体を通じて指定された物質についてもご議論いただければと思います。この物質はおかしいとかという意見が……

【平沢委員】 また意見を出しても……

【細見委員長】 はい、どうぞ。

【平沢委員】 今じゃなくて遅れてというか、今すぐ考えると厳しい、もう間に合わないですか。

【細見委員長】 パブコメで出していただくのが……

【平沢委員】 方向性は別にいいと思うんです。

【吉田課長】 後ほど、予定の話をさせていただきますが、この報告案に基づきましてパブリックコメントをさせていただいて、その結果といいますか、皆さん方からいただいたご意見も踏まえて、もう一度これの議論がございます。

【細見委員長】 はい。

【古米委員】 また、言葉尻をとらえているのかもわかりませんけども、(1)の「「事故時の措置」の対象の考え方」という対象は、指定施設というのはどういうものですよという対象と、指定物質はどういうものが対象になりますよという対象の二つがあると理解すると、2)のところが「指定施設」の話で、3)の「対象項目」というのは、指定物質の項目のことについて記述しようとされていると思います。確か、上のほうには今までのものとは違う指定の対象になっているものではないですよという文章が書いてあるわけですけれども、ここでの文章で言うと、対象項目なんだから「加えて「指定物質」については排出規制は適用されず、指定施設を設置した」何とか何とか書いてあって「義務のみが適用されることとなった。」というのはその状況を言っているだけで、どういうものを指定項目にするんですよという書き方ではありません。その項目自身は2つの排出と地下の浸透にも適用されますよという対象となる項目について説明しているという表現にしたほうがいいのかなと思いますけども、いかがでしょうか。

【細見委員長】 ちょっと理解できなかった。申し訳ない。

【古米委員】 2番は、指定施設はこうですよと、対象外としているものはこういうものですという指定施設として対象になるものを明確に書いたと。
 その次に、指定物質がどういうものなのかの対象を書いておられるわけですよね。それはどこで書いているかというと、「指定物質」という言葉が出てくるのは「加えて」というところで初めて出てきているんですよね。ほかのところは有害物質と油も指定物質だしということになるんですか、違いますよね。

【細見委員長】 違います。

【古米委員】 違うものでしょう。

【細見委員長】 だから、事故時のときに対象となる項目ですかね。その中には、有害物質、油、指定物質があると。

【古米委員】 指定物質はどういうものですよと書いてある。

【吉田課長】 いえ、ここで言っていますのは、これまでも事故時の措置はあったわけです。有害物質と油については事故時の措置の対象になっていたわけです。それに加えて、今回、指定物質も対象になるんですが、施設としては、特定施設、それから指定施設という施設も入ります。また、今まで有害物質だけだったのが、生活環境項目についても特定施設については事故時のときには対象になりますので、ここでは、今回の法改正による事故時の措置というものとして、対象となる項目はこういうものですということを書いています。
 ですから、「事故時の措置の対象」は、もう少し丁寧に言うと、「事故時において措置すべき対象となる項目」となります。

【細見委員長】 内容はそうですね。どうでしょうか、そういう事故時の……

【吉田課長】 ですから、「事故時において措置すべき対象となる項目」。

【細見委員長】 要は、今は3)番で「対象項目」と書いてありますけれども、それにもう少し丁寧に説明を加えるとすると「事故時における措置」。

【吉田課長】 「事故時において措置すべき対象となる項目」。

【細見委員長】 対象となる項目というふうに修文したらいかがか、もしくは……

【古米委員】 上のタイトルが「「事故時の措置」の対象の考え方」だから、それに対する対象であれば……

【細見委員長】 項目であれば、このままでいいですかね。

【古米委員】 ただ、私は指定物質のことをここで説明するのかなと。

【吉田課長】 そうではございません。

【古米委員】 ではないんですね。

【細見委員長】 よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ちょっと時間が過ぎておりますけれども、いろいろご意見いただきました。多少文章のところに少しつけ加えたりするところが若干あると思いますけれども、大体確認したと思いますので、パブリックコメントにかける案の作成についてはどうでしょうか。最後の、もう一度パブリックコメントをかけて、その後2月に次回の専門委員会が予定されていますので、そのときにパブリックコメントに基づいて、またこれを修正すべきところは修正するということになります。
 したがいまして、本日はパブリックコメントにかける案を作成しなければいけないということで、全体を通じて大きな修正はなかったというふうに思います。

【浅見委員】 パブリックコメントにかけていただくときに、委員でも結構わかりにくかった有害物質、油とか、既に事故時の措置に入っているもののリストと、それから特定施設と指定施設のマトリックスみたいなので、もともとここは入っていたんだけど、今回はここが対象ですよいうのをつけていただかないと、多分、委員でも混乱しているから、一般の方々からは多分何でこれが入らないんだろうという物質がいっぱいぼろぼろ出てくるんじゃないかなと思いますので、そこをちょっとご考慮いただけるとありがたいと思います。

【細見委員長】 それは、宿題、ポンチ絵というか、作成していただくということでよろしいでしょうか。

【吉田課長】 ちょっと工夫させていただきます。やはりわかりやすいようにというのは一番大事なことだと思います。

【細見委員長】 一番大事だと思います。
 できましたら、その修正、わかりやすい表現と図化というか、今回、対象となる範囲、これまでの範囲、そういうのがわかるようなものをつけ加えてパブリックコメントにかけたいというふうに思いますので、その部分に関して、ちょっとそれを具体的にどう書くかということに関しては、ちょっと事務局と相談させていただいて、パブリックコメントにかける案に関しては、ちょっと委員長のほうで確認させていただいてパブリックコメントにかけたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 ご了解いただきましたので、今、浅見委員から言われた趣旨を反映させたような説明文か、あるいは資料をつけた形で、本日の報告案で若干修正すべき点がございましたので、それを確認した上でパブリックコメントのほうでかけたい、案とさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に議題の5番で今後の予定というところのご説明をお願いしたいと思います。

【磯部係長】 資料7で、今後の予定をつけさせていただいております。
 本日、ご議論いただきました塩化ビニルモノマーと1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、それと事故時の措置及びその対象物質の2つのパブリックコメントの案につきましては、ご指摘を踏まえ修正させていただきまして、委員長に確認いただき、その後、パブリックコメントにかけたいと思います。
 その後、次回第7回を2月10日に予定しておりますけれども、そこでパブリックコメントで出ました意見を踏まえながら、専門委員会としての報告をまとめていただければと考えております。
 一方、1,4-ジオキサンにつきましては、その後、特定施設の追加、暫定排水基準の設定をどうするか、あるのかないのかも含めまして、御審議いただきたいと考えております。
 以上でございます。

【細見委員長】 どうもありがとうございました。
 本日、審議していただきました2つの報告案をパブリックコメントとして出したいということで、次回にはその結果を議論していただきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後に何かその他というところはございますでしょうか。

【磯部係長】 本日の議事録につきましては、後日、各委員に送付させていただきますので、ご確認をよろしくお願いいたします。
 また、本日の資料につきましては、お手元に封筒を配らせていただいておりますので、お名前を記載していただければ、後ほどこちらのほうから郵送させていただきますので、もしご希望がございましたらそのようにお願いいたします。
 以上です。

【細見委員長】 それでは、必要であれば封筒に名前を書いていただいてということで。
 それでは、ちょっと時間が超過してしまいまして申し訳ございませんでした。
 本日の議事をこれで終了にしたいと思います。どうもありがとうございました。

午後5時43分 閉会