中央環境審議会水環境部会 総量削減専門委員会(第9回) 議事録

日時

平成22年3月24日

場所

環境省水・大気環境局

1.開会

2.議題

(1) 第7次水質総量削減の在り方について
(2) その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1 総量削減専門委員会委員名簿
資料2 「第7次水質総量削減の在り方について」(中央環境審議会水環境部会総量削減専門委員会報告案)に対する意見募集結果について
資料3 「第7次水質総量削減の在り方について」(総量削減専門委員会報告案)

午前9時58分 開会

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、定刻よりちょっと早いですけれども、一応全員おそろいのようですので、第9回の中央環境審議会水環境部会総量削減専門委員会を開催いたします。
 本日の会議については、中央環境審議会の運営方針に基づきまして、公開でございます。委員のご出欠状況ですが、菅原委員と古米委員からご欠席というご連絡をいただいております。
 それから、細見委員のほうから、先ほど急遽ですけれども、電話をいただきまして、ご欠席ということですので、12名中9名のご出席という状況でございます。
 それでは、最初に会議の資料の確認をさせていただきます。まず、お配りしている一番上に1枚紙で議事次第がございまして、議事次第のほうに配付資料一覧というのが書いてございます。資料1、2、3と3つあります。1は名簿でございまして、2がパブコメの回答案です。それから、資料3が「第7次水質総量削減の在り方について」の報告案ということで、ホチキスで閉じてあるちょっと分厚い感じのものになっておると思います。もし不足資料がございましたら、事務局までお申しつけくださるようお願いいたします。
 それでは、この後の議事進行については、岡田委員長にお願いいたします。

○岡田委員長 おはようございます。
 雨の中、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。また、傍聴の皆様方もおいでいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、早速始めたいと思います。まず、「第7次水質総量削減の在り方について」、すなわち総量削減専門委員会、本委員会の報告案に対する意見募集結果について、事務局からご説明をお願いいたします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、資料2をご覧ください。
 資料2の左上の隅のほうに、意見提出件数と総意見数という言葉がございます。意見提出件数は12件、これは個人の方と団体の方と区別せずにカウントしておりますので、12件ということです。それから、総意見数として28件ということでございます。
 それでは、その下から説明をさせていただきます。まず、見方ですけれども、一番左のカラムが番号で、これは単に整理番号です。次の欄がページと行になっておりまして、本体、今日は資料3としてお配りしております、在り方のほうのページと対応する行が書いてございます。次の欄に、いただいたご意見の概要、それに対しての見解(案)ということで、ご意見に対して、このように返してはどうかという案でございます。
 それでは、まず1番からご説明いたしますが、まず、全体に対してというご意見で、場所、箇所がどうというわけではなくて、全対に対するご意見として、閉鎖性海域の中長期ビジョンと今回の在り方の違いというか、位置づけはどう違うんでしょうというような意見でございまして、見解(案)といたしましては、そもそも前者、中長期ビジョンは懇談会のほうでございますし、後者のほうは中環審の専門委員会でやっておるというもので、その位置づけというものがはっきりそこで違っているということで、どちらが上位、下位というわけでもありませんと。ただ、中味的には、中長期ビジョンというものも参考にしながら、こちらのほうの在り方というのは検討させていただいているという内容にしております。
 それから、2番でございますが、6次までに産業界では莫大な費用を使って取り組んできたにもかかわらず、その努力の記述があまり書いていないのではないかと。国民に対して、産業界があまり何もやっていないような印象を与えてしまう。もっと、金額なども含めて、十分記述すべきというご意見です。8ページの25行目辺りということですが、これについては、各対策の内容を紹介しているという部分でありまして、対策についてはさらに1-3の(2)のところで、さまざまな処理方法について細々と詳細に記載しているということで、この欄については、特に自主的な取組というような書き方をして、産業界のご努力を書いているという部分であります。
 金額については、ここだけを書くというわけにもいかず、書き出すと、下水道なり、何なり、全部数字を入れないとバランスも悪いということになって、そういった書き方は今までもしてきておりませんので、ここでは金額等は特に書かないということにしたいと思います。
 また、専門委員会の場でのヒアリングでも、きちっとした金額がなかなか出ないというような検討状況であったと思いますので、そういうことにさせていただければと思います。
 それから、3番目ですが、9ページの4行目辺りということで、その他系のところについて、あまり削減が進んでいない部門について、プランというか計画が書いてあるというので、はっきりとそういったものに今まで実績がないと、きちっと書くべきだというご意見ですが、一応今までの負荷削減量の実績について、1-2の汚濁負荷量の状況でもう記載しておりますので、改めて明示しなくても、そういう負荷削減の実績量ということで、おのずと読み取れるようになっているのではないかと。数字は客観的なものですので、それをどう主観的にとらえるかは見た方にお任せするということで、そういった記載にしております。
 4番目ですが、9ページの12行目で、有機農業に関する記述において、具体的な効果を追加で記述していただきたいということですが、この辺、効果はあるから書いているということでありまして、各対策の紹介の部分ですので、これも書き出すとほかのやつも全部細々とどういう効果ということを書くことになりますので、効果のあるものは列記されているという意味で、特段そういった必要、各、個々に記述していないということです。
 それから、次のページに参りまして、5番目、13ページの8行目というところですが、赤潮の発生について書かれているところですけれども、特に人間活動がなくても自然に発生する赤潮もあるということを記述していただきたいと。
 それから、図35の漁業被害件数について、赤潮の発生による漁業被害というふうに明記していただきたいというご意見です。これについては、なるほどというか、そういう自然発生というか、特段害のない赤潮というのも区別するというご意見というふうにとらえまして、ご意見を踏まえて、3-1-(2)の赤潮の発生機構の冒頭のところで、「赤潮は自然条件下でも発生するが、」という追加の記述をいたしたいと思います。また、図35の図のほうも、「うち漁業被害件数」という形で記述をいたしたいというふうに考えております。
 それから、6番目、13ページの31行目ですが、「東京湾の干潟面積というのが減少していたが」と書いてある部分ですが、減少幅がわかるように記載すべきというのと、瀬戸内海についても同様な記載ということで、ここについて、ご意見のとおり修正ということで、すみません、ちょっと先走ってしまいますが、資料3もお開きいただいているとは思いますが、13ページの下のほうをご覧いただくと、朱書き訂正で、9,400ヘクタールから、1978から79年の約1,000ヘクタールへと大幅に減少したという書き方、それから、14ページのほうで瀬戸内海について、2万2,600ヘクタールから5,600ヘクタールへ大幅に減少したといったような書き方を追加させていただいております。
 それから、7番目ですが、15ページの16行辺りの部分ですけれども、過去のシミュレーションで、何度も水質改善がなされるということを示しながら、規制を続けてきたと、強化してきたが、多分これは環境基準達成率ということだと思いますけれども、現実にはそうなっていないと。今回は、今後30年の長きにわたる施策の基本となるものとも思えることから、信頼性を担保する必要があると。ちょっとわかりにくい日本語かもしれませんが、これに関して、前回のシミュレーションとは大きく今回のシミュレーションが異なっている部分、対象海域の数とか、そういったこともありますし、そういう意味で、説明として技術の向上や知見の集積等を踏まえ、今後もシミュレーションモデルについては検討を重ね、よりよいものにしていきたいというふうに考えておりますというような意見回答案にしてはどうかと。信頼性を担保する必要があるということですので、今後もそういうことをしていきたいということを書いておけばどうかなという案です。
 それから、8番目ですが、15ページの20行辺りで、30年の長きにわたって環境基準が未達成であり、さらなる削減が必要と繰り返して規制を強化して、第5次からは窒素、りんを入れてきたということを考えると、今回の案は不適当ではないかと。一つ、7番目のほうとちょっと違って、8番目のほうは恐らくもっともっと規制をするべきだろうというようなことかなというふうにとらえられますが、ちょっと趣旨がよくわからない部分、不適当というのはどっちの意味かよくわからない部分があるんですけれども、何となく流れ的にはもっとというふうにも読めるかなということですが、ちょっと趣旨がよくわからない面もありますけれども、見解としては、陸域からの負荷削減というのが直ちに水質に反映されなかったのは、底質に蓄積されてきた栄養塩の影響が大きいと。これまでの負荷削減により、底質の状況は改善方向に向かっており、これからは水質も改善されていくと考えておりますということで、ご意見のほうの考え方のほうのところに対する見解を述べさせていただいております。
 9番目として、15ページの21行目ですが、汚濁負荷が削減されているにもかかわらず、各水質項目の平均値が横ばいになっているとして、底質からの栄養塩溶出が指摘されているけれども、検証がなされていないということで、これは委員会の場でもご説明しておりますけれども、底質シミュレーションモデルについての検証については、してきているということで、調査研究の推進と対策の検討において、底質からの栄養塩類の溶出に関して、調査研究を推進する必要があるということで、検証については今後もしていくと。モデルとしての検証はしているし、実地検証という意味では、これからもやっていきますというような回答にしております。
 それから、10番目、16ページの14行ですが、もはや瀬戸内海では窒素・りん規制は必要ないと思われると。近年、特に無機態窒素の減少が著しく、プランクトン相が変化して、珪藻赤潮は出現するけれども、渦鞭毛などの有害赤潮は激減していると。栄養塩が少なくて、動物性プランクトンなど餌が沸かないために、魚が棲まずに、海苔がとれない海になってしまったのではないかというご意見ですが、それに対して、大阪湾を除く瀬戸内については、現在の水質が悪化しないように必要な対策を講じつつ、目標とすべき適切な水質を検討することが妥当と考えられると記載しておりますということで、そういった状況も踏まえた書き方を既にしているという見解(案)でございます。
 それから、11番目といたしまして、16ページの15行辺りですが、先ほどとは逆にということだと思いますけれども、富栄養化しているところは、大阪湾とか広島湾などの限定的な港湾部に限られているようなので、瀬戸内海をもっと区域分けをして、地域地域で必要に応じた対策を行っていくべきではないかというご意見ですが、これも専門委員会でご意見を既にいただいておるところですので、記述的には「場所や季節を考えたきめ細かな対応について引き続き検討していく必要がある」という記載をしております。
 それから、12番目のところで、16ページの36行ですが、大阪湾を除く瀬戸内の水質は、これまでの取組の結果、目標とすべき水質をほぼ達成しているので、一律規制の必然性がないことから、大阪湾を除く瀬戸内の水質は、他の指定水域に比較して、良好な状態であり、一律規制することなく、現在の水質が悪化しないように、必要に応じて対策を講じることが妥当と考えられるとすべきであるということで、既にそういった記述をしているということでございます。
 それから、「瀬戸内海と大阪湾を分け」ということで、今回、かなり前回の専門委員会での瀬戸内海と大阪湾を切り分けて改めて記述し直すということに対して、今回かなり変えておりますので、そういった意味から、単に文章としてちょこっとそういうことを書いてあったという形からはかなり取り扱い的にもはっきり分かれるように書かせていただいておりますので、ご趣旨に沿っているのではないかというふうに思っております。
 13番目として、17ページの1行目ですが、指定海域では窒素負荷量、りん負荷量は削減されてきているが、それとともに海域内では冬季に海苔の色落ちが頻繁に発生して、漁期の早期切り上げにより海苔の生産量、生産金額が減少していると。海苔養殖に必要な栄養塩水準を下回る状況がたびたび生じているので、漁業、養殖業の生産性との関係や時期等も勘案して、目標とすべきということで、下線部を追加していただきたいということなんですが、なかなか現象から数値化をするというのは難しいということであろうと思っておりまして、見解の案としては、調査研究の推進と対策の検討のところで、「安定した漁業生産の実現まで考慮した水生生物の生育環境を確保することも含めた富栄養化が解消された閉鎖性海域における栄養塩類の管理の在り方などに関して、調査研究を推進する必要がある」ということで、もう少しよくよく調査研究していった上でということかと思っておりまして、将来課題のところでそういったことを記載しているという見解(案)にしております。
 次に15番目ですが、17ページの19行です。汚濁負荷量が着実に減少している中にあっても、環境基準達成率が低迷している状況に対する抜本的な対策について論述されていないと。環境基準の評価でCODで行うことの限界や基準見直しの可能性についても記載すべきではないかというご意見で、達成率が低迷しているということについては、底質の影響が大きかったと。これについては、これから改善に向かっていくということをまず書いた上で、新たな水質評価項目として、底層DO、透明度について、今後さらなる検討が進められた後に、中環審のほうでまた審議されるものと考えておりますということで、4-3-(1)辺りに、そういったことがまた書いてあるということが見解(案)としております。
 16番目の、17ページ、19行目で、愛知県海域で、冬季の栄養塩の極度な低下で、海苔の色落ち被害が発生しており、従前に比較して、海苔養殖の終了が1カ月前後早まっていると。大きな影響を及ぼしていると。近年、冬季から春季にかけて、アサリの実入りが悪いと。このような漁業生産の現状から、現在の削減量は過大で、これ以上の流入負荷削減には反対であるというご意見ですが、ここもその漁獲に対しての関係、これについては専門委員会のほうでもグラフ化して、図を入れたりしておりますけれども、そこがここに書いてあるようなことがすぐ言えるかどうかというところについては、まだもう少し検討が必要だろうというような感じできておったと思いますので、これも調査研究の推進と対策の検討という、将来課題のところでそういったものの調査研究をやる必要があるというふうに記載しているという書き方にしております。
 それから、17番目ですが、下水処理場での高度処理はもう必要ないということ。それから、一般企業を対象にした、上乗せ基準も必要ないと。削減一方の行政というのは、その地域性や地域住民を無視した画一的なものであると。住民が納得できないというご意見ですが、これについても、先ほどと同様の、その辺りの安定した漁業生産実現まで考慮した富栄養化の解消については、さらに調査研究を進めていく必要があるということで、受けたいというふうに考えております。
 18番目のところでは、18ページ、17行目で、海面養殖業の餌が、現在は大半ペレットになっていて、残渣物が出ないようになっていると。環境への負荷もほとんどないと。それによって、播磨灘、香川等における海苔の色落ちの原因になっていると。残渣物がないことが、そういう原因になっているというふうに書かれておりまして、海苔を初めとした漁業が続けられる海が本来の海だと信じているということです。これも因果関係がどうというよりは、そういったものを含めて将来課題としてよく研究していくべきというような見解(案)にしております。
 19番目ですが、18ページ、22行目で、干潟・藻場の保全・再生について、できるだけ早期に具体案を提示して、実行につないでいきたいと。この辺りについては、専門委員会からの見解ということだとすると、環境省と関係省庁が連携して施策に取り組んでいくものと考えておりますと。委員会としての期待を見解として書くのがふさわしいのではないかというふうに思いました。
 それから、20番目ですが、18ページの28行で、「栄養塩の抑制という文言は、削除すべきと思う」ということなんですけれども、18ページの28行なので、これは、干潟・藻場の保全・再生、底質環境の改善等というところなので、文言的には、「また、末端底質からの栄養塩類の溶出を抑制するため、浚渫や覆砂等の底質改善対策を推進していく必要がある」ということで、浚渫とか覆砂の底質改善対策の理由を書いてあるだけのところなんですよね。
 だから、これがなくなると、単に浚渫や覆砂を進めていくということだけが残ることになるので、ちょっと何か場所的におかしいような気もするんですが、そういうふうに言っても、あまりわかっていただけないような気がするので、ここのところもそういう栄養塩関係のことはいろいろと調査研究を推進する必要があると考えているという記載がありますということを言うだけでどうかなというふうに考えました。
 それから、21番目、19ページ、6行目ですが、底層DOの早急な環境基準化を実施されたいということで、あと設定に当たっては、漁業生産回復が期待できるような値となるよう配慮されたいということで、これについては今後さらなる検討が進められた後に、中環審で審議されるものと考えておりますということであります。
 それから、ちょっと同じようなシリーズが続きますが、22番目、過去の総合的な評価結果が示されていない段階で、さらに新たな水質目標の導入を拙速に提案するのは問題であるということで、提案自体が問題ということなんですけれども、実際に基準化されるというのはまだまだ検討審議があるという意味で、先ほどと同じような、見解(案)でよいのではないかと思いました。
 それから、23番目ですが、制御指標であるCOD、T-N、T-Pの汚濁負荷量を削減しても改善が進まない透明度を新たな水質目標に設定すべきではないということですけれども、一応これも専門委員会の中で説明をされていたと思いますけれども、これについても、実際に環境基準になるまでに、まだ検討の期間がかかるということで受けてはどうかということです。
 それから、24番目、底層DOや透明度は、COD、窒素、りんと異なって、産業系や生活系、畜産・農業系由来の汚濁負荷が与える影響は明確に定量できない。環境基準化するに当たっては、施策はどんなものが例示されるのかということなんですが、一応これについては、COD、T-N、T-Pにより制御されて、よくなっていくと。透明度はちょっと温暖化によって、濁質が増えるというのに影響されてしまいますけれども、そうでない部分については、やはり従来の制御項目で制御できるというようなシミュレーションの内容でございますので、そういった見解(案)でいかがかなというふうに思いました。
 それから、25番目、19ページ、6行目ですが、底層DO透明度の環境基準化を行うならば、必要以上の値を決めるべきではないということで、これについてもそういった話については、これからの検討課題として、中環審でまた審議されていくであろうということです。
 それから、26番目、COD、T-P、T-Nに従属する指標については、環境基準化を見据えた議論をすることは問題であるということで、これも安易にすべきではないというようなご意見かと思いますか、これも同様の回答ぶりです。
 それから、27番目、19ページ、21行ですが、海苔の生産にとって、窒素、りん濃度がある水準を割り込むと、支障を来すと。管理の対象を明確にするために、「栄養塩類の管理の在り方」とあるところを、「窒素、りん等の」ということで、明示をしてはどうかと。ちょっとアンダーラインが窒素まで入ったアンダーラインのはずですけれども、下線部を追加していただきたいということです。
 一応これについては特段否定する理由もないので、19ページのほうで「窒素、りん等の」と、「等」まで入れるかどうかというのもあると思うんですけれども、硫黄とか、マグネシウムとか、鉄とかいろいろあると思いますので、一応、「等」というのも入れた上で、栄養塩類の管理の在り方に関して、調査研究を推進する必要があるということで書いてはどうかなと。将来課題のところですので、特段記述を増やしてもいいのではないかというふうに思いました。
 28番目ですが、総量削減制度に係るPDCAサイクルを適切に回すため、効果確認と検証を言及されたいということで、その調査研究課題のところで、こういったものを推進する必要があるというふうに書かれているということをとりあえずお答えにしてはどうかなということであります。
 以上、28項目です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。
 どうぞ。

○平沢委員 パブコメを読んでみて、いろんな意味での懸念というか、ご心配が提示されているような気がいたしますけれども、一番最後のところのPDCAというところがやっぱり一番キーワードだなと思うんですけれども、水環境の在り方の委員会でもこういうキーワードがあったと思うんですけれども、要するに、何かこういう手続するときに、きちっと検証、あるいは、特にCですね、チェックの部分、これをやっぱりやっていかないと、なかなか説得力がないということだと思うので、環境省さんにお聞きしたいんですが、このチェックはどうやっていくのかと何かお考え、後々のことかもしれませんけれども、調査研究という、ある意味あいまいな言い方よりは、もうちょっと踏み込んだ形で、例えば第三者委員会とか、監査とか、そんなことをしたら大変かもしれないですけれども、そういうようなことをお考えになっているかどうか、ちょっとお聞きしたかったんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 このPDCAの話を読んで、反射的に思ったのは、まさにこういう場で、5年ごとにやってきているということで、規制をしたらしっぱなしで総量削減規制をほったらかしにしているのではなくて、まさに5年というタームに限定して、しかも次のタームに移るときにはきちっと審議をしながら来ているというところが、もう該当しているので、実は30年前から、総量削減に関してはPDCAサイクルが回っていたのではないかというふうに反射的には思ったんですが、ただ、ちょっとそれを書くのも口はばったい感じがあったものですから、ちょっとあいまいな感じの書き方になっています。

○平沢委員 わかります。そういうようなところもあると思うんですけれども、こういうふうに意見が出てくると、ちょっと物足りないなとやっぱり思われている方もおるので、もう少し踏み込んだ形で後々は議論していただきたいなというコメントというか、意見です。
 ありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 どうぞ、木幡先生。

○木幡委員 もう大体取りまとまったし、パブコメもきちんと出てきて、見解も出ているので、細かい点だけなんですけれども、例えば……

○岡田委員長 最後ですので、細かい点もぜひお願いいたします。

○木幡委員 先ほどの対応で、資料2の4ページ、一番下のところの「削除すべき」という意見に対して、こんなような書き方なんですが、私、読んでみて、これは結局、ほかのところではすべてのところにこういう対処をするという書き方なんだけれども、底泥についてはすべてということではないので、ひょっとしたら、この前に「必要があれば」とか「必要に応じ」のような言葉があれば、それでいいのかなという気がちょっとしたのが1点です。
 それから、もう一つは、次の5ページの24番目の意見ですけれども、底層DOは多分COD、T-N、T-Pでいいんでしょうが、透明度については、細かいことを言えば、SSも少し効くので、SSという文言があったほうがいいのかなという気がいたしました。
 以上です。

○室石閉鎖性海域対策室長 もしそれで、ほかの先生方もよろしければ、「必要に応じて」というのをちょっと修正で加えさせて、18ページの下から8行目です。「また、底質からの栄養塩類の溶出を抑制するため」というところの部分で、「また、必要に応じて」というのを、「また、」の次につけるという修正を。

○岡田委員長 それはいいんですが、もともとのご質問の趣旨がよくわからないんですけれども。何とも。多分、事務局も困ったと思うんですが、質問の趣旨がなかなかわからないのが結構一杯あって。

○室石閉鎖性海域対策室長 今、原文を見ましたけれども、確かにちょっとわからないですね。

○岡田委員長 何かわからないから、仕方ないですね。今の「必要に応じて」は入れるのはもちろん問題はないと思いますから、ただ、質問の趣旨と違うんじゃないかなと。一応、ではそうしましょう。
 23番、24番の話はどうしましょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 SSを制御項目で必要だということを書けばということです。

○岡田委員長 今回はそこまで要りますかね。特に、どうしてもなければ困るというわけではないですよね。じゃあやめておきましょう。
 ちょっと私も気になったのは、23番と24番の、これは答えが逆転しているんじゃないですか。何かそういう気がするんですけれども。違いますか。

○室石閉鎖性海域対策室長 そうですね。ちょっとすみません、私もさっき、読みながら、23番の答えも24の答え的なもののような、制御指標の話です。

○岡田委員長 だから、23と24の見解(案)をひっくり返したほうがわかりやすいのではないかという気がしたんですけれども。違いますか。そうでもないんですか。
 まず、23番の「制御指標であるCOD、T-N、T-Pの汚濁負荷量を削減しても改善は進まない透明度を新たな水質目標に設定すべきではない」と、ところが、実際には底層DOを透明度はCOD、T-N、T-Pにより制御されると、今のところこちらでは考えていますよね。だから、23番の答えは、24番の答えでも合うような気がしますし、それから、24番のほうは施策も例示されるのかということですから、これはむしろ今後の……

○室石閉鎖性海域対策室長 環境基準化するに当たってはと書いてありますので。

○岡田委員長 今後、さらなる検討だというほうが、逆のほうが合うような、たまたまどこかでひっくり返ったのかもしれない。いいですか、委員の先生方。

○木幡委員 足しちゃったらいいんじゃないですか。

○岡田委員長 足す。

○木幡委員 24のほうに足してしまえば。

○岡田委員長 はい。では、そうしてください。両方にしてください。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、では足した形で。

○岡田委員長 では、どうぞ河村先生。

○河村委員 ちょっとしばらく休んでおったこともありまして、実際には議論されたかもしれませんけれども、4ページの見解(案)のところで、安定した漁業生産を云々ということで、ほとんどそれで答えておられるわけですけれども、それが4-3の今後の調査研究の推進での記述との関連で、具体的にはどの程度、今、世の中でなされているかということとか、あるいは、実際に、これはどういう形で本当に推進していくのかというその辺りのことを少しご説明いただければと思うんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 まず、委員会での状況ということでいきますと、資料3の、例えば46ページ、47ページ辺りにCOD負荷量とCODの変化のものがあって、それから、これは載せておりませんけれども、同時に漁獲量とCODとか、T-N、T-Pの負荷量というやつも似たような推移グラフが専門委員会でご提示したというのがございましたけれども、漁獲量との関係については、結局、あまり原因がいろいろあるということで、漁獲量の増減についてはいろいろ要素が複雑になるということで、結果的にははっきりと因果関係を言うためにはまだまだいろいろな調査が要るでしょうねということで、こういった調査研究の推進と対策の検討を膨らますような形になっていたというのが検討の推移かなと思います。
 具体的な話としては、私ども、今、来年度といってももうすぐ来月から来年度ですけれども、ヘルシープランの策定事業というのを始めようとしておりまして、その栄養塩管理の在り方自体をちょっと今までと違うとらえ方でとらえた沿岸の管理計画的なものをつくっていこうという、そういう事業を実施しようとしているというのが環境省としてのやり方ですし、水産庁等でもいろいろとおやりになろうとしているのではないかというふうに思っております。
 以上です。

○岡田委員長 よろしいですか。
 では、松田委員。

○松田委員 資料2の4ページの整理番号17番ですけれども、このパブリックコメントの後段で、「削減一方の行政で、瀬戸内海という地域や地域住民を無視した画一的な法体系では納得できない」と書いてあります。これに対する回答案では、今議論になりました調査研究の推進ということで対応しているわけですけれども、このコメントの後段の部分には、少し事実誤認があります。ご存じのように、瀬戸内海の大阪湾を除く部分については、第6次の総量規制のときから、既に、削減一方ではなくて、簡単に言えば減らさなくていいということになっているわけです。ですから、そのことも書いた方が良いような気がします。そうすると、それがコメントの前段のほうの、例えば、高度処理をどのぐらいやるかとか、あるいは都道府県がどれだけ上乗せ基準を課するかというようなことにも関係してくるのかと思いますので、そのことも書いたほうが良いと思います。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、ナンバー10のほうの見解(案)の文章がまさにそれだと思いますので、これをこちらにも持って、追加するという。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 そのようにお願いいたします。
 では、中村委員、どうぞ。

○中村委員 先ほどから4-3の(2)に関連したところでいろいろ議論が続いていると思うんですが、資料3のほうの19ページ、問題になっている、4-3の(2)の文章を読ませていただきますと、6行にわたって1つの文になっていまして、これはなかなか理解するのに難しいなと。前回休んでおりましたので、ちょっと議論があったら申し訳ないんですが、前半のほうは、閉鎖性海域の水質汚濁メカニズムに関して云々という話があるんですが、水質メカニズムに関して議論されているところは実は、4行目の海水交換に及ぼす影響までではないかなと。その後の話は、水生生物の生育環境を確保する観点で、管理の在り方に関してという管理のほうですよね。切れているんですよね。その2つに関して調査研究を推進するという、それはいいんだろうと思うんですが、ちょっとこれはこのままだとあまりにもわかりづらい文になっているので、前半と後半を2つの文に例えば分けるとかというふうに修正されたほうが、通りがいいかなと思いました。

○室石閉鎖性海域対策室長 提案でございますけれども、真ん中の海水効果に及ぼす影響のところで一度切って、そういった調査研究を推進する必要があると書いた上で、「また」で「安定した」というのをつなげて、その2段落目の「また」は「さらに」ということでいかがでしょう。

○岡田委員長 おっしゃるとおりだと思います。そのようにお願いいたします。
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ。

○田中委員 ナンバーの5番、2ページの5番なんですけれども、赤潮の発生ということで、「赤潮は自然条件下でも発生するが」という文章を加えるという提案がされていますが、「自然条件下でも」というと、あまりにも抽象的で、すべてが自然条件といえば自然条件ということですので、こういう文章を加えることが意味があるのかどうかということと、もし加えるのであれば、「人為的影響の少ない自然条件下でも」とか言葉を補足しないと、意味が不十分のような感じを受けました。

○岡田委員長 よろしいですね。では、そうしてください。おっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 では、どうぞ。清水先生。

○清水委員 少し手続的なところを確認したいんですが、この見解(案)は、それぞれ意見をいただいた方に個々にお返しをするのか、あるいはこういう一覧表の形で整理をして示されるのかなんですけれども、何が言いたいかというと、こうやって全体を見渡すと、それぞれの見解が補足され合って、全体像が非常によく見えるんですけれども、個々に返されると、ちょっと舌足らずな部分がやはりあるかなと、先ほど来、出ているようにですね。ほかの部分と合わせて読むと、非常に全体の見解がよくわかるんですけれども、その辺はどのように打ち返されるんでしょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 パブコメに対する通常のやり方に添いましてになりますが、全体をホームページにアップするという形でご回答ということになります。

○岡田委員長 よろしいですか。
 どうぞ。

○中田委員 このパブコメではないんですけれども、資料3の7ページ、瀬戸内海というところの、「下水処理場は普及率の向上にもかかわらず、負荷量・1事業場当たりの負荷量・平均水質とも改善傾向にある」、という文章の「にもかかわらず」という接続詞が適切ではない。

○岡田委員長 ありがとうございます。

○室石閉鎖性海域対策室長 これは並列していないとおかしいですね。「かかわらず」だと逆説なので。「向上し」ぐらいで。

○中田委員 そうですね。自然に流したほうが。

○室石閉鎖性海域対策室長 普及率が向上し……

○岡田委員長 では、ここは事実を淡々と述べる部分だと思いますので、「にもかかわらず」、確かにおっしゃるとおりです。ありがとうございます。では、直しておいてください。
 どうぞ。

○河村委員 「下水処理場は普及率」というのはどういうことなんですか。ちょっとこれもおかしい。

○室石閉鎖性海域対策室長 そうですね。

○岡田委員長 言葉が抜けているんだ。

○室石閉鎖性海域対策室長 これは処理場ではないですね。下水道普及率と言わないとおかしいという。そうですね。

○岡田委員長 東京湾は、「下水道普及率の高い東京湾において」となっていますが、伊勢湾と瀬戸内海がご指摘のとおり。直しましょう。ありがとうございます。申し訳ございません。ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 どうぞ。

○中村委員 今の点に関連して、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海と、同じような記述がされていて、どうやら「1事業当たりの負荷量が」というのは、下水処理場を通した負荷量という、そういう意味で、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海というものが統一して書かれているのかなというふうに理解しておりますけれども、その点を念頭に置いてわかるような、統一した修正をされればと思いました。

○室石閉鎖性海域対策室長 申し訳ありません。6次の平仄も多分これと同じはずなので、変だなと思っていたんですが、今、河村先生からのご指摘で直すべきかと思ったんですが、今のご指摘で、まさに終末処理場がどうかという意味だととらえればそのとおりなので、はい、直すというか、修正が必要であるのであれば修正したいと思います。

○田中委員 下水処理場のキーワードが出てきたついで申し上げますが、資料3の5ページの赤字で書いてある点とか、ほかの所にも同じ文言がありますけれども、表現の中に下水(生活系)と下水(産業系)、それから、下水処理場(その他)と、下水関係で3つの表現が出てきます。なぜ上が下水処理場(生活系)ではいけないのかとか、なぜ下水と下水処理場を分けて記載しているのかとか、下水処理場の(その他)というのは何を意味しているかという、そこら辺について、何か定義に関する説明が必要じゃないかなということを感じます。探してみたのですが、詳しい定義についてはどこにも触れていないので、表4の辺りとか、適当なところに、それぞれどういう意味かということをちょっと補足していただければ、素人にもわかりやすいという感じがするんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 24ページの表4あるいは図の4辺りということでございますね。

○岡田委員長 どうしましょう、24ページ。多分これは伝統的にこういう表現を使っているんですよね。
 どうぞ。

○小川係員 すみません、6次まではその他系を分けていなかったので、下水(生活系)と産業系に下水(産業系)とあるだけだったんですね。今回、その他系を詳しくというのに合わせて、その他系の中の下水も見えるようにしたんですけれども、その時に下水(その他)ではなく、下水処理場(その他)としてしまったせいで、合っていないということになります。
 それぞれ意味としては、下水処理場がすべて生活系、産業系、その他系に渡っているので、それを分けた値として表しているということです。すべて下水処理場からの負荷ということは変わらないということ……

○岡田委員長 そうすると、下水(その他)にするということですか。どういう意味ですか。

○小川係員 合わせるなら、その他系にある下水処理場(その他)を下水(その他)に合わせるという形でいいかなと思いますけれども。

○岡田委員長 そのほうが抵抗感が少ないですかね。その他の下水、生活系、産業系以外の下水と、こういうことですね。
 どうぞ。

○清水委員 今回から合流改善が入りますよね。そうすると、下水処理場じゃなくて、途中の環境のはけ口からも出るので、厳密には下水道施設と言ってもらったほうが全体が包含されるかと思いますけれども。産業系、その他系は多分処理場なのかもしれませんが、いわゆる合流改善を考えたときは、下水道施設のほうが正確な言い方ではないかと思います。

○岡田委員長 どう表現しましょう。

○清水委員 下水処理場というのは、法的な用語でもないんですよね。終末処理施設なんですよね、水濁法上は。下水道施設なりのほうが、あるいは下水道と書いてもらうか、そちらのほうがわかりやすいかと思います。下水というと、何か水そのものという感じが確かにしますので。

○室石閉鎖性海域対策室長 それは確かに今は、ほかのところも合併処理浄化槽とか、し尿処理場という書き方をしているので、下水というと、何か水そのもののようなので、下水道なら下水道という……

○岡田委員長 下水道にしましょうか。いいですか、清水先生。では下水道に変えてください。

○室石閉鎖性海域対策室長 では統一して、下水道(何々)という。

○岡田委員長 では、そういうことで決着させてください。ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 それでは、一旦次に進ませていただきたいと思います。次に、今回の意見募集に関わるもの以外の変更点がございます。これにつきまして、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 それでは、資料3を使って説明させていただきます。
 意見募集以外の変更点としては、意見募集も一部関わるのですが、大阪湾を瀬戸内海から分離するという作業がほとんどになります。まず、資料3、5ページになりますが、ウ、大阪湾、エ、大阪湾を除く瀬戸内海という形でしっかり分ける記述にしています。今まで瀬戸内海の中にそれぞれ記述があったものを特出ししたという形の修正になります。
 その次が、8ページになりますが、ここも大阪湾を分けて記述するという形で、数字とか全て、分けられるものは分けてみましたということで、表1になるんですけれども、21ページになります。
 今まで表1は大阪湾を分けていなかったんですけれども、分けるということで、分けられるものを分けました。ただ、指定地域内製造品出荷額等だけは、県の合計値しかわからなかったもので、県の中で大阪湾だけを分けるということができませんでしたので、兵庫県、奈良県については、県の全体の額を瀬戸内海の方に書くということで、大阪湾の方はハイフンにせざるを得なかったという形になっております。
 その結果、大阪湾の全国値に対する割合や瀬戸内海の全国値に対する割合もそれに引きずられてハイフンにせざるを得なかったという形です。あと、注書きの3番の所に、その辺の説明をしております。表としてはあまりきれいではないんですけれども、分けられない以上、こういう書き方しかできなかったということです。
 その次が、10ページからになります。水質の話になりますが、ここも大阪湾を全て分ける形にしております。対応する図表なんですが、32ページからのコンター図になりますが、大阪湾を分ける形で瀬戸内海から大阪湾を切り出して図を設けております。説明としては、このコンター図の説明をしていく形で記述しています。
 その次が、13ページになるんですけれども、赤潮のところ、瀬戸内海と大阪湾を分けるという記述をするということで、特に図の39なんですけれども、49ページになります。ここは今まで瀬戸内海を三角印だけで表してきたんですが、バツ印で瀬戸内海のうち大阪湾という形で特出ししました。大阪湾以外の瀬戸内海という形で三角も修正したら良いかなと思ったんですが、昭和53年以前について、大阪湾の数値が無かったもので、大阪湾を除く瀬戸内海としての数値は昭和54年以降でないと示せないことになり、昭和53年以前の値はグラフから削除せざるを得なくなります。そうすると、昭和53年以前の赤潮が多かったというところが見えなくなってしまいますので、ここは大阪湾を除く瀬戸内海ではなく、瀬戸内海全体の数字と、そのうち大阪湾という、今までの分け方とは違う分け方になるんですけれども、そういった分け方しかできないかなと考えて、こう分けさせていただいております。
 あとは図のところで、本文にはないんですけれども、61ページのところ、シミュレーション結果なんですが、これも大阪湾を今まで出していなかったんですけれども、瀬戸内海から大阪湾を抜き出した形で1ページ使って、その他の湾と同じように新たに付け加えております。
 変更点としては以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ただいまのご説明に関しまして、何かご質問、ご意見等、ございますでしょうか。
 これでやっとなんて言うとしかられますが、やっと大阪湾を除く瀬戸内海というのがきちっと分けられたかと思います。それに応じて若干よくわからないところも出てきたのですが、これはもうしようがないですね。次に積み残しになるかと思いますが。
 どうぞ。

○河村委員 今のところで、やむを得ないところがあるのかもしれませんが、表現が、瀬戸内海(大阪湾を除く場合)という場合と、大阪湾を除く瀬戸内海というのと両方使われているんですよね。それは文章上やむを得ないところがあるのかもしれませんけれども、何かこれ、ある種のほかの伊勢湾とか、東京湾と同じような意味でのある種の用語というか、言葉ですので、何か統一されたほうがいいのかなというような気がするんですけれども。まだ混在があるような。

○岡田委員長 法律上の瀬戸内海には当然―瀬戸内法ですか―入っているわけですよね、大阪湾。では、これはおいおい検討するということで。

○室石閉鎖性海域対策室長 統一は……

○岡田委員長 統一はしてください。
 ほかに何かご指摘ございますか。全体を通じてお気づきの点がございましたら、細かい点でも結構ですので。
 どうぞ、松田先生。

○松田委員 19ページのこの今後の課題の中の、新たな水質目標の導入ということで、簡単に言えば底層DOと透明度をこの専門委員会では入れましょうというスタンスで、これは今回の新しいところだと思いますけれども、先ほどのパブリックコメントなんかでも、かなり議論があるところですよね。それで、ただ、この専門委員会としてはこれをなるべく入れましょうということですので、この資料の3の56ページの上に、閉鎖性海域の水質汚濁メカニズムという、このフローチャートの図がありまして、この図はずっと昔から使われている図だと思いますけれども、この中で、左のほうの上から下におりてくるラインが窒素、りんですよね。それから、右のほうの下におりていくのが有機物ということで、具体的にはCOD濃度と、量れる形になっていて、真ん中から下の表に、この表の中で具体的に量れるパラメーターとして、DOの低下と透明度の低下というのが、ここに書いてあるわけですけれども、今までそれは具体的な指標の対象になっていなかったわけですが、この中に、例えば透明度の低下の下を見ると、親水機能とか、あるいは景観に関わるようなもの、それから、DOの低下もこの右のほうに行くと、点線ですけれども、魚介類とか漁場とか、先ほど議論したようなところが書いてあるので、できればこの19ページの4の3の(1)の、新たな水質目標の導入という、これの検討が行うことが必要であるというところで、この図もちょっと何か参考に引用できないですかね。このメカニズムのところでは、この図の48が引用されているんですけれども。
 簡単に言うと、図48に透明度とDOは、COD、窒素、りんと並んで、既に書き込まれているので、それもこの入れる理由にしてはどうかなということなんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 「必要である」の後ろに(図48)というふうに……

○松田委員 どういうふうにしたらいいか、ちょっとそこはわからないのですが、もし可能な形であれば、参考資料にはなると思うんですけれども。

○岡田委員長 松田先生がおっしゃったように、引用しておいたほうが多分わかりやすいと思いますので、お願いいたします。
 どうぞ。

○中田委員 では、今の図に関してなんですけれども、その真ん中の辺の、透明度の低下の下に、親水環境の悪化というのがありますよね。これにプラス、19ページの、もう一つありますよね。効能というか、そこの部分も入れておいたらどうでしょうか。

○岡田委員長 中長期ビジョンの透明度の目標は、親水機能というか、むしろ最初が水生植物が……

○中田委員 水生植物の生育。

○岡田委員長 生育が多分最初の理由で、その次が親水機能ですから、せっかくですから入れておいてください。まだ直ると思いますので。
 ありがとうございました。
 ほかにございますか。
 特段よろしければ、本日ご議論いただいた資料3のこの案文、もちろんこれを修正した上で、31日、今月の31日に開催する、水環境部会において、総量削減専門委員会からの報告とさせていただきたいというふうに思います。今、本日も幾つかのご意見をいただきましたので、この案文については本日いただいた意見を踏まえた修正について、委員長の私にご一任させていただければありがたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、ご了解いただけましたので、資料3を私と事務局のほうで修正した後に水環境部会に報告させていただくということにさせていただきます。
 ありがとうございました。
 では、あと事務局から連絡事項はございますでしょうか。

○室石閉鎖性海域対策室長 3つございまして、1点目は今委員長からご紹介いただきましたように、修正したものについては、3月31日の水環境部会で報告させていただくという予定でございます。
 2点目は、いつものことでございますが、議事録については速記がまとまり次第、お送りさせていただきますので、ご確認をお願いいたします。確認後にウェブサイトで公開をする予定です。3点目ですが、今後のことですけれども、今回で第9回で総量削減専門委員会自体はおしまいということになりますので、来年度はこの在り方、つまり方向性を受けて、総量規制の基準専門委員会というのを新たに起こしまして、総量規制基準自体について、ご議論をいただきたいということを考えております。そこでまたご協力をいろいろお願いすることになるかと思いますので、その際は何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後でございますので、伊藤審議官のほうから一言ごあいさつをいただきます。

○伊藤水環境担当審議官 水担当審議官の伊藤でございます。
 昨年の5月から9回にわたり、非常にご熱心なご議論を賜りまして、誠にありがとうございました。岡田委員長初め各委員の皆様、また、関係省庁などご協力をいただいた皆様に対し、感謝申し上げたいと思います。
 今、事務局からお話し申し上げましたとおりでございますけれども、31日にこの専門委員会報告をもって、中央環境審議会の答申という格好でまとめていただきたいというふうに考えている次第でございます。
 来年度からは引き続き、今度は総量規制基準の検討ということになります。その点についてもいろいろご協力を賜ればというふうに考えております。
 水環境政策全般につきましては、別途今後の水環境保全に関する検討会というのを設けて検討しております。その中には岡田先生、それから、細見先生、木幡先生、平沢先生にもご参加賜って検討をいただいておりまして、昨年の12月に中間取りまとめをいただき、また、今年の秋を目途に最終報告取りまとめをいただきたいということで、精力的にご検討いただいております。
 この中間取りまとめ、昨年12月にいただきまして、その中でいろいろご指摘を受けたわけでございますけれども、直ちに実施するべき事項ということで、いろいろ企業サイドで見られます不適正事案、具体的には虚偽記載等について、厳格に措置をしろという点、それから、事故時の措置について、もっとしっかり拡充しろということをご指摘いただきまして、この2点につきましては、中央環境審議会の大気部会、水部会の合同部会の議論を経まして、今国会に大防法、水濁法の一部を改正する法律案ということで、国会に先般提出したところでございます。水濁法にとりましては、実に14年ぶりの改正ということでございます。
 また、この水環境保全に関する検討会のご議論も踏まえながら、法律改正を要することについても、含めていろいろ果敢な手を打っていかなければならないというふうに思っております。
 水問題、国内的にも国際的にも非常に重要な課題になりつつあるということで、これはまさに重要性を表しているというふうに考えておる次第でございます。
 先生方におかれましては、水環境政策全般につきましても、今後ともより一層のご協力、ご支援を賜りますことをお願い申し上げて、私からのあいさつとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、委員長に進行をお返しいたします。

○岡田委員長 それでは、以上をもちまして、第9回の総量削減専門委員会を閉会とさせていただきます。9回にわたり先生方からさまざまなご意見、ご指導をいただきまして、今日おまとめいただけたことを深く感謝いたします。
 どうもありがとうございました。

午前11時05分 閉会