中央環境審議会水環境部会 総量削減専門委員会(第5回) 議事録

日時

平成21年11月26日

場所

環境省水・大気環境局

1.開会

2.議題

(1) 産業系における汚濁負荷削減対策について
(2) 中長期シナリオと将来予測計算について
(3) その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1  総量削減専門委員会委員名簿
資料2  前回指摘事項
資料3-1  鉄鋼業における総量削減への取組み
資料3-2  閉鎖性海域における水質総量削減の実施状況調査について
資料3-3  閉鎖性海域における水質総量削減の実施状況調査について
資料4-1  中長期シナリオ(東京湾・伊勢湾・瀬戸内海)について
資料4-2  東京湾の将来予測計算結果(中間報告)
資料4-3  伊勢湾の将来予測計算結果(中間報告)
資料4-4  瀬戸内海の将来予測計算結果(中間報告)
資料4-参考  現状の水質分布との比較

総量削減専門委員会委員名簿

委員長  岡田 光正  広島大学大学院工学研究科教授
臨時委員  細見 正明  東京農工大学大学院共生科学技術研究院教授
 松田 治  広島大学名誉教授
専門委員  河村 清史  埼玉大学大学院理工学研究科教授
 木幡 邦男  国立環境研究所水土壌圏環境研究領域長
 清水 俊明  国土交通省国土技術政策総合研究所下水道研究部長
 菅原 和夫  (独)農業環境技術研究所物質循環領域長
 田中 康男  (独)農業・食品産業技術総合研究機構畜産草地研究所浄化システム研究チームチーム長
 中田 薫  (独)水産総合研究センター 中央水産研究所海洋生産部部長
 中村 由行  (独)港湾空港技術研究所研究主監
 平沢 泉  早稲田大学理工学術院応用化学専攻教授
 古米 弘明  東京大学大学院工学系研究科教授

午後 3時01分 開会

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、おそろいでございますので……。
 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして大変ありがとうございます。第5回の総量削減専門委員会を開催いたしたいと思います。
 なお、本日の会議につきましては公開とさせていただいております。
 本日委員のご出欠の状況でございますが、12名中4名ご欠席と、河村先生、中田先生、古米先生、松田先生からはご連絡をいただいております。ということで、8名ご出席ということで、今回開催させていただきたいと思います。
 それから、今日は産業界の方々から対策の状況をご発表いただくということで、オブザーバーとしてご出席いただいておりますのでご紹介をいたしたいと思います。
 まず、日本経済団体連合会環境管理ワーキンググループの村上座長代理様でございます。

○村上日本経団連環境安全委員会環境管理WG座長代理 村上でございます。よろしくお願いいたします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それから日本鉄鋼連盟の正保様でございます。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 正保でございます。よろしくお願いします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それから日本化学工業協会環境安全部の石崎部長様でございます。

○石崎(社)日本化学工業協会環境安全部部長 石崎でございます。

○室石閉鎖性海域対策室長 日本製紙連合会水質対策小委員会の湯浅委員長様です。

○湯浅日本製紙連合会水質対策小委員会委員長 湯浅でございます。どうぞよろしくお願いします。

○室石閉鎖性海域対策室長 加えまして、水質予測モデルの開発実行の業務委託先であります慶應義塾大学から渡辺教授にオブザーバーとしてご出席いただいております。

○渡辺慶應義塾大学環境情報学部教授 渡辺でございます。よろしくお願いします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、議事に入ります前に、本日の会議資料についてご確認をお願いいたします。お配りしている資料の一番上に議事次第がございますが、その中に配付資料一覧と書いてございますが、順次読み上げますが、資料1が総量削減専門委員会の委員名簿、資料2が前回指摘事項ということでカラー刷りのもの。それから、資料3-1が鉄鋼業における総量削減への取組、資料3-2、閉鎖性海域における水質総量削減の実施状況調査について、資料3-3が製紙業界の水質総量削減への対応状況ということで、ちょっとここで目次と製紙連合会さんのほうからのタイトルが、規制と削減ということで言葉がずれておりますけれども、ちょっとだけ説明させていただきますが、私ども、今まで制度全体を水質総量規制制度というふうに一般的に呼称しておりましたが、本来は面源負荷対策であるとか、海域の直接浄化等、いろいろな対策、規制以外の対策を含めて、全体を水質総量削減制度というふうに呼び慣わしておりまして、水質汚濁防止法でも、総量削減基本方針という言い方を法律でもとっております。そういった関係で、本専門委員会が開催されるときから、そういった表現を規制だけという雰囲気を改めるためにも、総量削減という言い方を、できるだけ心がけておったのですが、ちょっと事務局側のPR不足で大変申し訳ありません。まだ余り世の中に広まっていないようでございまして、そういう関係でちょっと平仄が、今回間に合わなかったという点で、私どもからお詫びしたいと思います。
 それから、資料4-1が中長期シナリオ、それから、資料4-2が東京湾における将来予測計算結果、4-3が伊勢湾の将来予測結果、4-4が瀬戸内海の将来予測結果で、資料4-参考と書いてありますのが、現況水質との現状シミュレーションの比較ということになっております。以上、もし欠落しておるような資料がありましたら、事務局のほうにお申し出いただければというふうに思います。
 それでは、以降の議事進行については、岡田委員長にお願いいたします。

○岡田委員長 本日は皆様方お忙しいところ、委員の先生方、オブザーバーの皆様方ご出席いただきましてありがとうございました。それから、傍聴の方々もおいでいただいたことを歓迎いたします。
 それでは、早速議事を進めさせていただきたいと思います。
 まず、第4回委員会における指摘事項について、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 失礼いたします。
 資料2をご覧ください。こちらは、前回、木幡委員から養殖や給餌から収穫量や負荷量、そういった関係のデータがありますかというご質問がありまして、それに答えるものとして、水産庁に作っていただいた資料になります。
 まず、上が、愛媛県宇和島市における一例の図になります。下が模式図などのブリ養殖における給餌と環境負荷との関係についての絵になります。
 めくっていただいて、こちらも木幡委員から、革新的な管理システムということで、自発性給餌機、そういった例というものがあれば紹介いただきたいという意見がありまして、それに答えて、こちらも水産庁に作っていただいた資料になります。革新的管理システムの例ということで紹介させていただいております。
 以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それではただいまのご説明に関しまして、何か追加のご質問、どうぞ。

○平沢委員 早速なんですけれども、素人なのでよくわからないんですけれども、AVS-Sって何でしょうか。教えていただきたいです。全然意味がわからないです。

○木幡委員 Acid Volatile sulfidesの略で、酸揮発性硫化物のことです。底泥の汚濁の指標になります。

○平沢委員 どういう意味かわからない。

○木幡委員 貧酸素状態になったときに、海水中の硫酸根を使って、硫酸還元菌が硫化物イオンを遊離します。だから、底泥の汚濁の指標になると思います。貧酸素の状態がどれほど進んでいるかということで、その状態が進めば遊離の硫黄が増えてくる。

○平沢委員 例えば、この上のグラフでは何を言いたいんですか。配合飼料を使うとどうなるのですか。これは何を意味しているのか、よくわからない。

○木幡委員 この資料を私がつくったわけではないので確かなことは言えませんが。

○平沢委員 あ、すみません。ごめんなさい。

○木幡委員 関連のことで申し上げれば、恐らく有機物負荷が減ったので、底泥の環境がよくなったと、こういうことを示しているのだと思います。

○平沢委員 なるほど、そういうことを言っているんですか。ありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。ほかの先生方、よろしいですか。ほかによろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、議題に移りたいと思います。最初に産業系における汚濁負荷削減対策について、日本経済団体連合会の村上座長代理からご説明をお願いしたいと思います。

○村上日本経団連環境安全委員会環境管理WG座長代理 岡田委員長、どうもありがとうございます。本日は産業界からの説明の時間をおとりいただきましてどうもありがとうございます。
 さて、前回の第6次の専門委員会でも産業界のほうからご説明をさせていただきまして、その際に「閉鎖性海域における水質環境保全対策についての要望」と題しました資料を提出させていただきました。その中では、これまで数次にわたって実施してきました取組について、まず総合的な評価を実施していただきたいということ、例えばCODの着実な削減にもかかわらず、環境基準達成率には明らかな改善が認められない、このような原因の解明が必要ではないかと。また、この総合評価に基づいて、どのような環境を目指すのか、長期ビジョンをご検討いただきたいというようなことなどお願いしたところでございます。
 今回の第7次の総量削減専門委員会では、このようなことも念頭にいただきながら、ご検討をいただいていると理解しておりまして、ご配慮に感謝いたします。
 今後の第7次の水質総量削減のあり方の検討過程においては、ぜひともCODの低下と環境基準の達成状況を解析いただくなど、総合的な評価結果を明示していただくとともに、評価結果に基づく今後の施策目標ですとか、さらにその目標を達成するための効果的で実現可能な施策を描いていただきたいと考えております。
 それでは、これから鉄鋼・化学・製紙の順にそれぞれの業界の取組をご説明させていただきたいと思います。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 鉄鋼連盟、鉄鋼連盟の土壌・水質分科会の主査をやらせていただいております住友金属の正保と申します。
 では、説明をさせていただきます。3-1の資料ご覧いただきながら、説明を聞いていただきたいと思います。
 こちらに示していますのは、鉄鋼業のプロセスフロー例で、弊社の環境報告書のプロセスフローを張りつけてきました。鉄鋼業のプロセスと申しますのは、原料として鉄鉱石、石炭、あるいはその他の原料を高炉や転炉で約1,500度から1,600度くらいの温度で製錬します。ここで溶融物を使うということ、非常に高温であるということ、さらにその下流では、徐々に溶けた鉄をかため製品のとしていくのですけれども、そこでも、製品冷却に水を使いますし、設備自体の間接冷却というところでも水を使っております。さらに最終的に製品を酸洗し清浄化することもありますので、いろいろなところで水使っているということでます。
 この資料の右端、鋼材として、1,287万トンと書いていますが、これは弊社の2008年度の生産量、粗鋼量です。鉄鋼業全体の粗鋼量が1億550万トンということでございますから、若干10分の1を超えておりますものの鉄鋼業の10分の1のスケールと見ていただいたらよいと思います。
 高温融体を扱うということ、直接、間接冷却として海水、淡水を大量に使うというプロセスフローです。鉄鋼製品からデスケーリングのための淡水による直接洗浄や、酸洗なども実施しており、この絵の一番下に89%とありこれは水循環率です。どれだけの新水を使っているかというと年間約2億トンですが、約20億トンの水を使っていて、そのうちの9割を循環使用しているということを表しています。非常に大量の水を使ってその水が排水されますので、水の処理も非常に大規模になってくるということで。
 次に鉄鋼業の、CODの削減対策の推移を示します。従来から凝集沈殿や含油排水処理の増強などが実施されておりますけれども、5次以降では、連続分析計導入等が進められております。さらに6次以降では、引き続き連続測定装置の導入が進められて、含油排水2次処理施設の導入なども、進められています。
 次ページが含油排水2次処理の増強ということで、当初はこの絵の上半分の1次加圧浮上と2次加圧浮上という2つの装置で含油処理を実施していたのですが、それに加え下段の、点線でカバーしている活性汚泥処理装置を追加し活性汚泥装置からの排水をろ過して、さらに活性炭で吸着する処理をする、という対策を実施している事業所もございます。
 次に、今、申しました鉄鋼業の3海域のCOD対策の投資の推移でございます。東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の合計ですが、先ほど申しましたように設備投資を推進していくということで、6次までに通算で650億、1次規制以降ということで合計しますと、約100億程度の投資をしておりまして、6次以降だけ見ても27億という投資規模になっています。ここは水の処理の量が多いというところが一番効いてきているのではないかなと思っております。
 次のページが3海域の窒素の削減対策ということで、まず、廃酸の回収、生物脱窒処理、あるいはアルカリストリッピング導入とを進めてございまして、5次以降ではCODも同様なんですけれども、連続分析計の導入を推進しています。さらに6次では高効率脱窒の導入ですとか、アルカリストリッピングの設備増強等の対策を施した事業所がございます。
 こちらは、高効率脱窒装置でございますけれども、これは微生物にメタノールを利用いたしまして水素を供与し、廃酸中の硝酸性窒素を窒素ガスまで還元して脱窒するという装置です。
 この図の左側に、供給メタノールの添加量とCODの濃度の関係を示してございます。供給メタノールに適正範囲がございまして、ある濃度まで来るところではCODが下がっていくんですが、それを超えるとCODが増えてしまいます。適正量を超える過剰メタノールはそのまま排出されてCOD源になり、適正量に少な過ぎても亜硝酸イオンが残って、これがCOD源になります。適正量へのコントロールが難しいんですが、COD分析の連続分析とメタノール添加量が自動制御となっていくというような設備でございます。
 さらに次のページに示していますのが、アルカリスリッピング設備の増強の内容です。コークス炉で発生しますコークス炉ガスは非常にメタンあるいは揮発分が豊富に含まれておりますので燃料で使われますが、アンモニア分も結構含まれています。このガスを冷却した際に、排水中に含まれてしまい、それを除去するプロセスで。安水と呼んでいるんですけれども、安水中のアンモニアはアンモニアストリッパで分離された後、中和されて活性汚泥処理が実施されて、従来排水されておりました。これに水酸化ナトリウムを添加することでアンモニアイオンのアンモニア化を促進し、反応促進のための高温蒸気の注入装置であるとか、真空ポンプの増強などを実施して、設備増強を図ったという処理改善でございます。
 このような設備対策を行っておりまして、窒素の投資推移の合計は約84億の投資を業界全体で行っております。5次以降6次までの投資の累計も、56億という金額になっています。1次から6次までの、先ほどのCODの対策が500億であったというふうに考えますと、窒素は2次だけで56億ですから、かなり大きな投資になっております。6次だけ見ますと、約40億の投資額が行われています。
 続いて、今度は海域ごとの投資額と排出実績の推移ですけれども、左側のグラフは、CODに関して棒グラフが累積の投資額の推移、折れ線グラフがCODの実績値です。1次、2次、3次と左から右に見ていきますと投資額としては3次以降急激に増えておりまして、約10億くらい、この期間に投資がされております。CODの実績としても若干右下がりという結果が得られております。
 右のグラフは窒素でございます。棒グラフが投資ですが、5次、6次と拡大しており5次以降で約40億の投資、ここも窒素が右下がりという傾向が認められます。
 次が伊勢湾で、同じく左側がCOD、右側が窒素です。CODは1次から6次までで、投資額は約20億ぐらいとなっています。CODの傾向も若干、右下がりの傾向です。窒素は、投資も7億くらいの差で投資をしていますが、若干増加したように見えますが、ほぼ横ばいと考えています。
 最後に瀬戸内海で、ここも同じくCODと窒素ですが、縦軸が非常に大きくて、左側のCODのほうは、この全期間で約70億の投資になっており、鉄鋼業のCOD全体で100ですから、そのうちの7割が瀬戸内海に投資されたということになり、CODも着実に右下がりの傾向が認められます。窒素については約10億の投資が行われ、右下がりの傾向が認められています。
 最後に、鉄鋼業の懸念ということで、3点書かせていただきました1つは鉄鋼業は使用水量が非常に多いということでございまして、規制強化がなされた場合に、対策の設備投資が非常に大きなものになってくるという点。2つ目は、法規制より一段厳しいレベルで条例規制値が定められるということが、一般的であり、法規制値が強化された場合に、それに伴って条例値をさらに厳しく見直すということが一般的に行われています。法規制を十分に守っておりながら、さらに困難な対応を求められることが多いというのが2つ目の懸念。3つ目は規制が強化された場合は、水処理のためのエネルギーも必要になってまいりますし、水処理によって発生する廃棄物の量も増加してしまうということで、当然なのかどうかわかりませんけれども、それ側の対応も必要になってくるという懸念を持ってす。
 鉄鋼業の説明は以上でございます。

○石崎(社)日本化学工業協会環境安全部部長 日本化学工業協会の石崎でございます。
 資料3-2、横長になっております。私どもの工業協会は、ここの経緯にも書いてございますように、つくっている製品が非常に多い。それから、素材から加工、一般消費者までという格好で非常に長いサプライチェーンを持っておりますので、基本的には、この手の作業というのは集計が非常に難しいというのが従来からの特徴でございました。
 実は、第5次、第6次のときにも、私はこのテーマを引き続いてまいりまして、第6次のときにも、岡田委員長にいろいろとご説明させていただいて、難しいんですよというお話を申し上げたんですが、実は第6次と今回の部分を変えましたのは、6次のときは大手の素材の会社だけでございました。たしか9事業所くらい、4つか5つ。問題は、今回は全体の部分だというお話でございますので、相当、いわゆるサプライチェーンの広いところまでやらないと、本当のところは、小さいところはすり抜けているのではないか、というご懸念があるやに思いましたので、今回は、私がこの部分をずっと率いてまいりましたので、いわゆる2番目のフレーズ、今回、照会のあった産業界の、という部分は、私のほうで調査票を作成しまして、閉鎖性海域のCOD、窒素・燐についてのアンケート、要は本当の姿、要は本当の削減及び排出量がどうだったのかというのと、対策の部分も記載してもらうことにしました。
 ただ、基本的に1次から6次というのは30年分ですよね。30年のものを持っている会社というのはほとんどない。さすがに5次、6次まではデータでも出てきますけれども、それ以前になると、もう既に先代はお亡くなりになったという方がいっぱいいらっしゃいまして、実はデータが出てきません。それがあったものですから、とにかくわかっている範囲で記入してくれという格好で、若い者をいじめるのも我々の仕事でもありませんので、そういう格好で調査をしました。
 ここの2.にありますように、まとめ方につきましては、4区分、第6次で大阪湾が入ってきたという格好で4区分になりましたので、従来の3区分に分けて4区分という格好にして調査を依頼しました結果、20社。ただ、この20社というのは中堅どころと言えども、かなりの大手です。いわゆるこの総量規制の場合は、ほとんどの事業所は、その事業所の中にある子会社も孫会社も水は一体運営するというのが普通の考え方でありまして、小さな所を1個ずつ小分けにするのではなくて、水は1本で管理するという形です。したがって、かなりの中堅所も一工場という格好で、合計37の事業所が出てきたという格好でございます。
 ただ、非常に回答の欄が、3ページ以降、実際に見ていただくと、総量規制以前から、1次から6次、結果予想という格好で、要は欄が1、2、3、4、5、6、7つあるわけですね。ということは、合計35年プラス・アルファという格好のデータですから、かなりの部分、お金を出すということは非常に至難です。ただ何をやったのかということと、排出量がその5年の平均1日当たり幾らなのかというのをずっと書かせるという格好で、余り若い人間に負担をかけるのも、いわゆる老人が子供をいじめるという格好になるものですから、結構空欄の部分がありますけれども、これだけのデータが集まったのは、今回、私、5次、6次も見てきましたけれども、今回初めてでございます。
 答えを見ていただきますと、ずうっと1つずつ、欄を左のほうから右のほうへ見ていただきますと、ちょこちょこ、でこぼこはあります。景気の変動は受けています。ただ、全体に下がっているところ、それから一方ではこれくらいでいいんだろうというふうに、ある程度考えているところと、いろいろな格好もありますが、少なくとも対策を打つと、きちっと下がってきている。特に、5次、6次のところは窒素・燐が入りましたので、その関係で工程内の改善、新設の設備を随分入れるというのを、かなり詳細にデータが出てまいりました。
 ただ、ここでお断り申し上げないといけないのは、6次のところに対策技術がなくて、実は4次、5次のところに対策技術があるというのは、ここのところに、1年前倒しで対策をしたために5次のところの、いわゆる排出量は4次の終わりのころに排出量が下がっているという部分が現実に見られます。ですから、6次は何も対策していないけれども、4次、5次のところに対策技術がある。T-NとT-Pのところ、黄色の部分は、本来規制がかかっていない面です。そのときに、4次のところに数値が上がって、5次、6次がどうなったかというのを見ていただくと、大体何を狙って下げてきたかというのが、かなりの部分で見えてくると思います。
 ということで、全体部分はそういう総括なんですが、先ほど正保様のほうからのご説明ありましたように、アンモニア態のところでかなり苦労されたというお話がありますが、ちょっと2ページのところに戻っていただきますと、化学の場合は有機物の塊を多く扱いますので、排水に出る前に廃液というものの処理をするのがが非常に難しい。この廃液の処理という部分では、[1]非常に高濃度の廃液、とてもじゃないけれども、活性汚泥にかけられない。活性汚泥が死んじまうというのがありまして、そういう部分に対して、化学独特の部分が、一番最後にある湿式酸化と液中燃焼というやり方があります。これは非常にエネルギーを食います。大体1次から3次の間に、かなり大量に使われた技術でありますが、基本的に湿式酸化というのは、いわゆる高温高圧に廃液をして、その熱でもって有機物を強烈に分解するという技術です。一方、液中燃焼も酸素中バーナーで燃料を燃やして、液を高温のガスでもって撹拌するという、これでまた有機物を取るという独特のやり方です。この2つがかなりの部分、1次、2次で本来終わっておかなければいけないんだけれども、5次、6次の中にもこれが見えるというところが結構あります。
 あとは、[2]にありますように、既存の活性汚泥を強化する。これは、かなりの部分、活性汚泥というのが、規模が大きくて散気がうまくいっていないというのが、よくあります。それで散気管を改造するという例、あらゆる凝集沈殿をもっと強化する、それから、最後は活性炭で除去をする、こういう技術も随分出ておりますし、[3]でいう新規設備をつくる。これは先ほどの正保さんのお話の中にある加圧浮上、あるいは脱N、脱Pという部分、それから嫌気発酵も出ておりますし、散水濾床やら、ディープシャフト、この辺はディープウエルという表現もあるでしょうが、こういう技術もあったりして、大体[1]、[4]の形の中にかなりの事例が散らばっているというのが化学の特徴でございます。
 ただ、これは、基本的に言いますと、エンドオブパイプの技術であります。ですから、本当は一番よくないわけですね。本当は製造工程にさかのぼって、脱Nや、Nがないものを使うとか、Pがないものを使う。これが本当はいいんですけれども、化学の場合はNがないと製品ができないという物質がすごくあるものですから、なかなか難しいというのが現実の姿でございます。
 あとは、つらつらと見ていただいて、ご判断いただきたいと思います。
 私のほうからは、ざっと以上の説明でございます。

○湯浅日本製紙連合会水質対策小委員会委員長 それでは、続きまして、日本製紙連合会の環境関係、水質対策小委員長をやっております湯浅と申します。所属は王子製紙でございます。資料3-3でご説明させていただきます。製紙業界の水質総量規制削減の対応状況ということでございます。
 まず初めに、製紙業界というところは、鉄鋼さんと同様に、非常に大量の水を使用しておりまして、そのほとんどが、鉄鋼とは違いまして、冷却水というものではなくて、原料とともに流れるとか、洗浄されるとかいった直接脱水させて排水となるものでございまして、非常にCODの汚濁負荷が高いものとなっております。CODに関しましては、全産業の中でも非常に多く排出している産業であります。また、ここで、紙製品1トンをつくるのに、どれくらい水を使っているかといいますと、製紙産業の平均で、現在、約86トン程度まで減らしてきておりますけれども、まだまだ大量に水を使用しているということには変わりはございません。
 では、資料に基づいていきます。まず、CODの排出状況でございますが、ここは環境省の集計のデータをそのまま抜粋させていただきました。閉鎖性3海域の合計の排出量を見てみますと、基点となる1979年対比では、約43%の削減となっております。
 主な削減対策としましては、まず発生源の対策として、CODの発生負荷を下げるように、パルプの製造方法の見直しであるとか、あるいはパルプは白く晒しますので、漂白方法の変更、これによりまして、CODの回収率を上げたりするとか、また洗浄水の、いろいろ使い回しをする。カスケード洗浄等を取り入れまして、排水のクローズド化によりまして、CODの回収率を上げる。さらに系外処理、排水処理でございますが、これは一般的な凝集沈殿、あるいは活性汚泥の組み合わせ、さらに最近では嫌気性処理を一部の工場で導入し始めております。これについては、後の添付資料のほうで詳しくご説明させていただきます。
 続いて窒素・燐でございますが、これは前回のときも言っているんですけれども、製紙工場におきましては、排水処理における活性汚泥の栄養剤として窒素・燐を使用しております。その汚泥によって消化し切れない部分が排水されるということで、良好な処理が維持できる範囲で、この栄養剤の添加量を減らすということで、下の表にありますように、窒素で約38%、燐で約22%の削減となっております。
 続いて、2枚目、3枚目をセットでご覧いただきたいと思います。まず3枚目のほうに紙パルプ製造の一般的な製造工程及び排水工程を示しておりますので、ご存じかとは思いますけれども、ちょっと簡単に、最初にご説明させていただきます。
 左側のほうが原料、右の上のほうが紙をつくる工程、下がそこから出て来ました排水を処理する工程という構成になっておりまして、青の太線で書いてあるのが、排水の流れるラインということになります。ここではパルプ工程から出てくる、パルプをつくる工程からの排水が最もCODの負荷が高いということで、これらの排水は、活性汚泥処理の後に、クラリファイヤーで凝集沈殿処理を行っているということ。それから、比較的負荷の低い紙をつくる抄紙工程からの排水につきましては、クラリファイヤーのみの処理となっているということです。
 一般的な話として、紙の原料の60%は、今、古紙パルプでございまして、残りの40%のうち9割以上が木材チップからの化学パルプでございます。この工程図にも一部載せておりますけれども、機械パルプというのも一部使用しております。それから木材からパルプをつくる方法というのはいろいろございましたが、発生源対策としまして、先ほど言いましたようにパルプの製造方法の見直しを行ってきているということで、過去にありましたCOD発生負荷の高いプロセス、例えばサルフィトパルプとか、セミケミカルパルプ等は、もう既になくなっておりまして、現在ではクラフトパルプ法というのが残っております。クラフトパルプ法の特徴といいますのは、木材チップを苛性ソーダ等の薬品で高温、高圧で煮ることで、木材中に半分含まれておりますセルロース、パルプ繊維を取り出して、残り50%の廃液は濃縮して燃やしてエネルギーとして使う、あわせて薬品も回収できるという利点がある方法でございます。
 このパルプをつくる工程の後の漂白の工程が、最もCODの発生負荷が高いということで、ここではこの図に、酸素晒装置というのがありますけれども、酸素漂白、いわゆる酸素による脱リグニンを行いまして、ここの排水は前工程の蒸解といっていますけれども、チップから繊維を取り出した残りの廃液と一緒に濃縮して燃やすということで、CODの発生削減をやっている。それから、漂白のところで、先ほど言いましたけれども、カスケード洗浄などを使いまして、水をどんどん使うのを減らすということで、CODの回収につなげたり、排水を減らしているということでございます。
 上の2ページのほうに戻っていただいて、ここには閉鎖性3海域の主たる工場ということで、東京湾のA工場、伊勢湾のB工場、瀬戸内海のC工場ということでピックアップしました。、この資料につきましては、前回のときにもご説明しましたものをアップデートさせていただきました。
 まず、東京湾A工場でございますが、ここはもともとCOD負荷の高いケミグラウンドパルプというのを使っておりましたけれども、94年度のところを見ていただきたいと思うんですが、ここはケミグラウンドパルプの製造をやめまして、首都圏から発生する古紙を原料とする工場に生まれ変わってきている。総量規制が導入された以降、CODとしましては、88年の発生最大時から比べますと、直近では88%削減している。水質改善設備全体のトータルの投資としては約26億円です。そのうち直近の5年間で見ますと、ここでは2億円かけまして、活性汚泥施設、沈殿槽の改造、効率改善の工事をやっているということです。それから排水処理全般にかかるランニングコストとしましては、年間約5億円と聞いています。
 続いて、B工場ですが、パルプから紙まで製造する一貫の非常に大型な工場でございます。このB工場におきましても、総量規制導入以降、順次、一般的な排水処理施設の増強を行ってきております。その結果、88年当時のCODが最大出るときに比べまして、直近では35%削減できております。設備投資全体としては152億です。
 ここで、2000年のところに記載しておりますクラフトパルプのECF化というのがありますが、これは前にもご説明しましたけれども、塩素を使用しない漂白方法に変更するということで、主たる目的は大気あるいは排水へのクロロホルム、ダイオキシンの排出削減でございますけれども、排水におきましてはCODの排出も、これによって減少できております。
 また、B工場におきましては、90年頃、大幅な設備増強、これは生産整備のほうですけれども、増強を行っておりまして、生産量は大幅に実際は増えておるんですが、CODの排出量を増やすことなく、現在に至っているという状況です。なお、B工場では、現在1日約17万立米の排水を処理しておりまして、ランニングコストとしましては、年間約十数億円と聞いております。
 続いてC工場、ここも非常に大型なパルプ、紙の一貫工場でございます。この工場の場合、COD31.5と、高い時期があったということですが、これは非常に排水の処理がしにくいサルファイトパルプの生産設備がございまして、このパルプを順次、現状のクラフトパルプのほうへ切り替えを進めてきました。90年以降にパルプ設備の更新。これは古い設備の統合と更新で、より環境型の設備へ変更をあわせて行ってきたということです。この工場でも04年から漂白設備のECF化、また最近では嫌気性の排水処理設備を導入しております。嫌気性処理はビール業界等で非常に一般的なものなんですけれども、紙パではCODの汚濁負荷が高いパルプ工程の中でも、黒液を濃縮するところ出てくる臭気を伴った臭気排水というのがCOD負荷が高いですけれども、それの処理を活性汚泥の前処理として導入しているということです。C工場の場合、全体で最大時のときからCODとしては55%削減できております。
 なお、ここでちょっと14.2の星印をつけておりますけれども、08年の排出実績では、実際、生産調整停止が非常にありまして、長期休転時があったということで、その時期を除いて算出しております。
 C工場におきましては、パルプ設備、漂白設備等、大型の更新も含んでおるために、その設備投資も335億と、非常に高額となっているということです。排水処理にかかるランニングコストも、B工場と同様、年間十数億円ということを聞いております。
 以上でございます。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。それぞれの業界でお忙しい中、たくさんの調査、それからデータの整理をしていただき、ご発表いただいたことを感謝いたします。どうもありがとうございました。
 それでは、せっかくの今のご報告でございますので、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。

○中村委員 鉄鋼連盟の方と製紙連合会の方に共通した質問なんですが、基本的なデータとして、瀬戸内海のデータが、多分、大阪湾を含んだデータになっているんだろうと思うんですが、さきの第6次の答申で、大阪湾については東京湾と同様、引き続き削減が適当であるけれども、大阪湾を除く瀬戸内海につきましては、特にNPについては、現状を悪化させない程度に、と方針が変わったような認識でおります。
 そういう面で、例えば鉄鋼連盟の方ですと、資料の11番の瀬戸内海のくくりで整理されているところで、大阪湾がどうなっているかという情報をお持ちであれば教えていただきたいということと、同様に製紙連合会のほうでも、COD、あるいは窒素・燐の排出状況のデータが、瀬戸内海全体のくくりになっているんですが、製紙工業が大阪はあるかどうか、よく知りませんけれども、何か区別がわかりましたら教えていただきたいと思いまして。

○岡田委員長 今、わかる範囲で。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 申しわけありませんが……。

○岡田委員長 では、後ほどということで、可能な限り、よろしくお願いします。
 製紙業界さんも……。

○湯浅日本製紙連合会水質対策小委員会委員長 製紙は実際のところ、大阪湾にあるのはに比較的規模の小さい工場が多く、ほとんどが公共下水を使っているという状況でございます。

○中村委員 わかりました。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですね。
 ほかにございますでしょうか。
 私のほうから、ちょっと確認させていただきたいんですが、鉄鋼連盟さんの資料の最後のところ、12枚目のところに、第7次規制による懸念という、2.目ですが、「条例値をさらに厳しくする」というのは、これは、C値の範囲を超えて規制している例があるということですか。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 C値の中で下限が下がる……

○岡田委員長 わかりました。一応それは法規制の範囲内ですね。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 そうです。

○岡田委員長 このあれだと、何か法規制を超えているようにとれるので、それで今、質問させていただいたんですが、一応C値の下限ということですね。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 はい。

○岡田委員長 わかりました。それは多分多いだろうと、私も認識しています。
 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○田中委員 化学工業会さんの資料で、一覧表でT-N、T-Pの変化が出されていますが、T-Nについて見ますと、事例によっては第5次に比べて第6次は、ほとんどの場合減っているか同程度なんですが、場合によっては増えているところも意外に多くあります。T-Nが増えるというのは、生産量が増えたからというような、そういうようなことに伴うものなのか、それ以外に何か理由があるのか、そこら辺の実情を教えていただければと思うんですけれども。

○石崎(社)日本化学工業協会環境安全部部長 そもそも規制はかかっているわけなので、多分、4次、5次の間で、この辺で、すごい景気が上がって、この5年間くらい、特に5次のあたりは非常に日本全体がバブルになりましたよね。したがって、これは生産量が上がったというふうに、私は思っています。というのは、各社にそのことを一々言うと、枠内なのに、何で一々がたがた言われるのかと、事務局はがたがた言うなと、こういうふうに言われるものですから、そこのところは深くは聞いておりませんけれども、少なくとも間違いなく、そういう時代の流れは受けていると、そういうふうに思っております。

○岡田委員長 どうぞ。○菅原委員 日本鉄鋼連盟さんの一番最後の12枚目のスライドですけれども、一番最後の部分に、規制が強化された場合にはエネルギーや廃棄物が増加する、つまり全体として環境負荷が増えてしまうとあります。環境問題というのはえてしてトレードオフということが考えられるんですけれども、これについては、例えばLCAインベントリー分析とか、そういう評価をされた上で、そのデータに基づいて言われていることですか。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 そのデータの分析はしていません。傾向的にこうなるということでございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 まだあるかもしれませんが、ちょっと時間が押していますので、一応以上にさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして議題の2、中長期シナリオと将来予測計算についてということのうちの、中長期シナリオについて、事務局から資料4-1になると思いますが、ご説明をお願いいたします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、資料4-1、中長期シナリオについてご説明いたします。
 こちらについて、別途作業を進めておるものでございますけれども、1枚開いていただきますと、目次がございますが、目次のほうの前半の部分、最初のほうについては、既に専門委員会でもご紹介いたしておるような内容ですので、前半については割と簡単に説明をしていきます。
 それでは、まず1ページ目ですけれども、中長期シナリオの作成方法とありますが、これについては、先ほどの繰り返しになりますけれども、以前説明をしておりますが、そこにありますように基本条件として、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海を対象にいたしまして、平成16年までは現況ということで、目標年度は30年分ということで、平成46年と置きましてやっております。
 それから、2ページをおめくりをいただきますと、シナリオの作成手順でございますが、3ページのフローシートとあわせてご覧いただきたいと思いますけれども、シナリオ原案を作成いたしまして、それに基づいて、将来予測計算の実施をいたしまして、問題があるかどうかを見て、なければ、それでシナリオが完成していくという流れになっております。
 それから、4ページのほうでございますけれども、対策シナリオを作成する際にベースとなっているものでありまして、それが紹介されております。
 5ページのほうに、そのベースになっている各種の計画の名前、例えば東京湾の流域別下水道整備総合計画などなど、あるいは東京湾の再生行動計画などなど、そういったベースになった計画が明示されております。
 7ページのほうをご覧ください。これには対策の実施対象として、発生源、それから排出源であるとか、供給源をどういうものに分類したか、その区分をお示ししておりまして、ページ9のほうには、それらの3つの関係が図として示されております。
 それから、11ページのほうですけれども、対策シナリオの中で施策として見込んでいる対策を明らかにしております。この辺は、もうご存じだと思いますけれども、排出削減対策、直接浄化対策、浄化能力向上対策、その他といったものであります。
 13ページですが、それについて、対策シナリオができれば、将来予測モデルへ適用していくということになるんですか、今日は、後ほどまた、今日の次のところで、予測結果についても10年分ご説明をいたしますけれども、そのモデルの適用方法としまして、入力データの設定について各種条件を示しておりますが、ここは非常に細かいデータ設定になりますので、こういったやり方をしているというふうにご理解いただいて、20ページまで飛ばしていただきたいと思います。
 20ページのほうで、先ほど申し上げたシナリオづくりといった、対策シナリオとしてどう考えていくかということが表になってございます。そこに区分とありますけれども、下水については流総をもとにして、各種の既存の県の計画も参考にしながら、排出負荷量を設定したということ。
 それから、雨水吐の改善については、きちっと将来まで考えて盛り込んでいくということ。
 それから、合併浄化槽については、県にあります汚水処理構想を活用して数字を入れていったということ。ただし、浄化槽の水質については、現状の水質で将来も同じというふうに考えました。
 それから、単独浄化槽であるとか、あと、くみ取りのほうについては、下水と合併浄化槽の設定をした後に残った人口について、現在の普及状況の案分で単独の浄化槽とし尿くみ取りがあるというふうに設定しております。
 それから、単独浄化槽とくみ取り分の生活雑排水というものがありますので、その辺については、原単位等は現状から変化ないものとしております。
 それから、工場、事業場の小規模未規制という部分については、下水道が、上にありますように、流総等計画がございますが、その普及によって、一部の工場、事業場が取り込まれていく。これについては現在の流総等で、一般の家庭などの取込状況が書いてありますので、それと同じような割合で取り込まれていくというふうに仮定して入れております。
 それから、畜舎の50立米以上であるとか、そういったいろいろなものについては、これについても取込効果を考慮しております。
 それから、農地については、環境保全型農業というのが将来にわたって拡大、普及していくというふうに考えて計算しております。
 それから、廃棄物最終処分場については、これについては現状のままということで、残余年数のデータなどご存じの方もいらっしゃると思いますけれども、埋まっていけば新しいものができて閉鎖もされて、結果としてあまり変わりがないわけで、これは現状どおりということで設定しております。
 それから、山林についても、これも現状より悪化しないということで、今と同じというふうに考えました。
 それから、市街地の面源ですけれども、雨水浸透施設を設置することによって、公共用水域に流出する負荷が削減するということで、設置面積比率とか、設置時の負荷削減率を想定して負荷を計算しております。
 それから内水面の養殖場についても、これは現況より悪化しないという仮定において組み込んでおります。
 それから、河川直接浄化については、これも現状のままということで仮定しております。
 それから、海域のほうでも対策シナリオについては、それぞれ既に各省からヒアリングしたりしておりますけれども、覆砂であるとか、浚渫であるとか、浄化能力の向上といった対策がなされるんですが、養殖場については海水面についても、現状の負荷より悪化しないという形で考えております。
 その他の条件については、基本的には地形であるとか、諸々のその他条件ですけれども、基本は気象条件を除きまして、現況と同一というふうに考えておりまして、気象条件については、また後ほど詳しく出てまいりますけれども、その他、海岸線の様子であるとか、外洋との境界であるとか、そういったここに書いてあるようなものが同一にしております。
 それからSSについては、陸域からのSSについては、気象に大きく影響される部分が大きいということもありますので、削減効果はないものというふうに考えて、値についてはL-Q形式により計算してくるということで、これは気象条件に左右されるという入れ方をしております。
 それから、22ページで、将来人口の設定方法の考え方がありますが、これは、人口問題研究所のほうで出しております、いわゆる将来人口推計を使っておりまして、ご覧いただくとわかりますように、ちょっと棒グラフのスケールがゼロから始まっていないというか、途中ではしょって3,200と3,000となっておりますので、一見急激に下がるようですけれども、それほど下がらないんですが、一応日本全体が減少に向かっているので、東京湾、伊勢湾、瀬戸内それぞれ減少になるんですが、瀬戸内はさすがにエリアが広いこともありまして、人口的にも大体500万人くらい減るというようなことで、もちろん3,000万人という大きな数字の中ではありますけれども、かなり人口自体の負荷というか、人口が減ってくるというのを込みにしているということになります。
 それから、先ほど申し上げた将来の気象のほうの話ですけれども、23ページですが、文科省の予算でやられております21世紀気候変動予測革新プログラムに基づきまして、将来の温暖化の傾向も含めて、予測したものを使わせていただいております。
 24ページのほうに、さらに具体的に挙がっておりますけれども、そこに参考として書かれているような要素などで構成されておりまして、図2.9にありますように、20キロメッシュでデータが得られます。それで、この20キロメッシュの中で、時間分解能としては1時間値として出力可能ということになっております。ただ、東京湾のところを見ていただきますと、グリッドが1つか2つくらい入るくらいということでありますが、このグリッドの中では同一の気象というふうに考えたということでございます。
 それから、25ページは、先ほどの、例えば対策シナリオというものを用いて排出負荷量を算出した表でございますけれども、例えば表3.1にありますように、CODであれば16年実績で210トン/日ということですけれども、そちらが46年、30年後には122、6割程度に、先ほど20ページで申し上げたような、それぞれの対策をとっていくと、これくらい減っていく。それがT-N、T-P、それから各湾について算出した値を示しております。これは排出負荷量です。
 これをちょっと視覚的に見ていただきたいので、26、27ページのほうに棒グラフにしておりますが、例えば東京湾が、26ページの一番上、CODについて書かれておりますけれども、昭和54年、59年等は、これは総量削減が始まってからの、それぞれの節目の年での実績値がありますので、それが棒グラフで挙がっております。減らしてきた中で、平成6年、11年と緩くなって16年につながるという感じかと思います。それで平成16年までは実績なんですが、平成21年、6次総量の目標部分については、これは目標値として入れております。そこから対策シナリオということで、何となく連続的に坂が来ているかなと。あるいは21から、またもうちょっと来ているかなというところが、視覚的には読み取れるかと思います。
 それから、T-NとT-Pについては、NとPについての規制が行われる以前のところの棒グラフについては「……」で囲んでありますが、これについては都道府県の推計値ということになっております。規制がかかっておりませんでしたので、推計した値ということになります。
 同じように、伊勢湾、それから瀬戸内海とありますが、CODで見ると、伊勢湾がもう少し下がっているかなと、CODの下げ方というか、排出負荷量の下がり方が東京湾に比べれば、もう少しあるかなと。
 その一方で、28ページの瀬戸内海を見ますと、CODもそうですけれども、T-N、T-Pも、まあまあ、かなり下がってきているというか、対策シナリオに沿ってきても、残りの2湾ほど下がるような感じがないという印象を、受けるかなと思います。
 それから、29ページのほうで、陸域で排出したものが、今度は流入する負荷量を計算するということになります。諸条件が29ページにありますが、では、その結果ということで、31ページのところに、先ほどのような排出負荷量を受け止める側の湾のほうで、どういう流入負荷になって現れるかということをグラフ化しております。ご覧いただいてわかりますように、例えば31ページの図4.1、CODの東京湾というところで見ますと、平成39年とか、平成41年で、ぽんと飛び出ているようなように見えますけれども、折れ線グラフが流量になっておりまして、棒グラフが負荷量ということでありますので、先ほどの使った気象データで、39年はかなり雨がたくさん降る、台風でも来るのかもしれませんけれども、たくさん降るということに負荷量も引きずられているというふうに見えます。
 という意味で、例えば、SSなんか、本当にそういう意味では、流量変動に割と影響を受けるというのがわかるかなと思います。
 それから、残り、伊勢湾、それから瀬戸内海、それぞれについても結果を出させていただいております。
 それから、34ページのほうに、これはまた後ほど説明する計算結果の、シミュレーション結果のほうでのことにつながる部分でございまして、シナリオというにはちょっと異質の部分で、別紙を1枚つくるのもあれでしたので、5番ということでくっつけさせていただいておりますが、一応、先ほど申し上げた対策シナリオというのをケース1というふうにして考えることにいたしました。それで、名称としてはそう呼んでいるだけですけれども、それからそれに対して6次総量のときにもお示しいたしておりますので、ご記憶の方もあろうかと思いますが、それぞれCOD、T-N、T-Pを一律30%削減したというのを対象ケースとしてケース2としてシミュレーションでは計算するというふうにすることにしております。
 ということで、まとめたのが箱の中にありますが、ケース1は対策シナリオを組み込んでやる。ケース2については3割削減する。3割削減するという意味は、図5.1にありますように、16年から46年まで、3割下がるのを直線補間していくという、そういう下げ方をしていくという条件を与えて計算してみようということで、これは次のシミュレーション結果につながるものでございます。
 以上、対策シナリオの説明です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのシナリオにつきましては、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。どうぞ。

○平沢委員 シミュレーション、大変1つの方向性を出すのに、いいやり方だと思うんですけれども、先ほど、産業界の方で削減ということで、かなり削減してきたというお話をされてきたんですけれども、過去からのところの、平成16年からとおっしゃいましたけれども、それ以前のところのことも当然、シミュレートできれば、何で対策を強化しても余りCODが改善しないとか、そういうことがわかってくると思うんですけれども、その辺のところのシミュレーションの妥当性も含めまして、そういう評価はされないんでしょうか。過去の、要するに実際にあった結果を予測するというのが、私は一番シミュレーションで正しいかどうかというのを説明するのにいいのではないかなと思います。平成16からというと、かなり対策的にCODが改善されない以降の話のような気がするんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 まず、シミュレーション結果の妥当性ということを、まず検証しなければいけないということがありますものですから、これ自体、実際、作業はもう、3年くらいやっておりまして、それが最初にずうっと時間をかけてやっておりましたが、まさに現況再現ができるかどうかというところで苦労いたしておりまして、それがようやく最近、今年の春くらいに、何とか専門家の方々から、大体いいんじゃないかというふうなご見解があったので、将来推計を始めたということで、今日の資料4-参考というのが、現状の水質分布と、今回使ったシミュレーションが傾向が合うかどうかというのを参考的にご覧いただくためにつくったものでありまして、例えば1枚あけていただきますと、これはちょっと大変申しわけないんですが、色使いが左右で違っております。同じ黄色でも、例えば計算と書いてあるほうの黄色は3から4のCOD75%値に対して、現況のほうの黄色は、4から4.5を示していたりして、色だけご覧いただくと、ちょっと誤解があるんですが、例えばCODであれば、こういった傾向を示す、T-Nであれば、割と東京湾の湾奥、湾央の西側の部分が濃度が高くなって、東側が薄い感じが出るとか、あるいは次のページでの底層利用などについては、湾奥について貧酸素の塊が現れて、湾奥最奥部については、またちょっと高い値が出てくるとか、湾口のほうは、もちろんいい値が出るとか、そういうかなり現況再現性がいいというのを確認していますが、かつて行った対策強度をシミュレーションして次の作業に入ったということではありません。

○平沢委員 それは平成16年のデータに基づいて17、18を計算したという意味ですよね。

○岡田委員長 渡辺先生、ちょっと……。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 作業の話ではなく、実際の計算の話でしょうか。

○平沢委員 計算もそうだし、私、さっきも言いましたように、過去の例ですけれども、削減されて、それがかどうなってきたのかというのは事実としてあるわけで、そこが計算できるかどうかという意味なんです。だから、16年のデータを現状値として17、18を計算する。それは近い値になるような気が、私はするんですけれども、もっと過去から、16、17、18はそんなに削減されていないと思うんですけれども、過去は5割くらい削減されているわけで、それが読み取れるかどうかということです。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 まず現況再現につきましては、過去2年半、この委員会にもお出しをしてきまして、検証年度は湾によって違ってはいるんですが、ほぼ2001年から2005年の間のデータがとれている年度について、2年間、場合によっては1年間の検証を2年半やってきて、その検証に基づいて、モデルの検証については、ほぼそれで問題ないだろうということが、ワーキンググループにおいても、また専門委員会においても一応ご議論をいただいたというふうに理解しております。それをもとにして、この計算につきましては、過去の再現の結果、要するに、削減を始めてから以降の現在に至るまで、東京湾に関しては出されているということであります。
 したがいまして、16年のこの計算は、これを初期値として与えているというのではなくて、過去からの計算を続けて、それを続けて将来30年を行ったということでございます。

○平沢委員 だから、それはわかるんですけれども、現実に負荷が下げてもCODが下がっていないということをそれで説明されるんですか。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 今日の資料でそれは入っておりません。

○平沢委員 それを、私、見たかな。余り記憶にないんですけれども。ここでは出ないんですか、それは。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 今日の予定では入っていない。

○平沢委員 今日はわかりますけれども、過去は本当にそうやって説明すれば、下げたのに下がらないというのは納得される方が多いような気がするんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 過去の計算もやって、その分布図を出してみたらどうかという、そういうご提案……。

○平沢委員 分布は、だから、DOだとかだったら、それはデータはないかもしれない。CODだったら、さんざん測っていますよね。CODが余り下がらないという3次以降は、環境省さんのデータ見ても余り下がっていないですよね、現実に、水域の。それはちゃんと、再現できるのかということです、下げても。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 やっていますから、それを整理してお出しいただけますか。大丈夫だと思います。やっていますから。

○平沢委員 すみません。ありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 では、細見先生、どうぞ。

○細見委員 ちょっと細かい質問かもしれませんが、20ページのシナリオのところで、1つ、工場・事業場で、「50m3/日以上及び未満」についてです。これはすべての事業場という意味で、こう書いてあるんでしょうか。
 それが1つと、畜舎で、これも「以上、未満及び特定施設を有さないもの」と書いてあって、恐らくこれから、多分、未規制だとか、特に小規模の事業場のところをどういうふうに見込んでいくのかというのは、結構負荷量としては多くなってくると思われますので、このように一律に下水道の普及率でやってしまうのは、何かちょっと粗っぽいかなという気がしたんですけれども、何かほかにかわるアイデアはあるのかと言われると、ちょっと考えさせていただきたいと思いますけれども、今後、対策、削減方策を考えていく上でも、1つの大きな話題になると思いますので、ここの部分のシナリオの考え方が、ちょっと工夫はできないものかという質問です。

○室石閉鎖性海域対策室長 小規模の規制については、確かに下水に頼るだけでいいのかという議論もあるかと思いますので、そこも含めて、もう一度、シナリオについては、よく考えさせていただきたいと思います。

○細見委員 特に畜舎で小規模な排水は、下水道と多分関係ないというか、大きな事業場であれば下水道と関係があるかもしれませんけれども、畜舎の場合は随分距離感があるかなと思います。そこを一緒にしてしまうのは、ちょっとまずいと思います。

○室石閉鎖性海域対策室長 わかりました。

○岡田委員長 ありがとうございました。ほかにございますか。どうぞ、清水先生。

○清水委員 25ページでもよろしいんですが、排出負荷量の予測値が各水域ごとに出されておって、経年的に今後、減少していくという形なんですが、実際には対策シナリオに基づいて推定ということですけれども、人口減少していくとフレーム自体も変わっていくという要素が加味されていると思うんですけれども、実際に対策分と人口減少分はどれくらいの割合といいますか、効き方がどうなのか、その辺の感触が、もしわかればお教えいただければと思うんですけれども。

○室石閉鎖性海域対策室長 ちょっとこの場ではありませんので、宿題にさせていただき、特に瀬戸内なんか、かなり大きく人口が減少しますので、ちょっとデータをつくりたいと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。よろしいですか。ちょっと時間が……。どうぞ。

○菅原委員 細かいことですみません。20ページ、「農地の環境保全型農業が将来にわたり普及・拡大すると想定し」とありますが、これはいわゆるエコファーマーの数をベースにするのか、エコファーマーが、実際耕作している面積をベースにするのかというのが一つ目の質問です。
 それから、エコファーマーがそういうことに努力したとして、モデルで発生負荷量から排出負荷量に換算するときに、具体的にどんなデータを使われるたのか。実際に排出負荷量が減ったという実証例は少ないと思いますが。

○岡田委員長 では、事務局。

○小川係員 一応エコファーマーの、面積まで考慮して作っていたはずです。ただ、それがどれだけ効果があるのかというところについては、一応原単位という形でやっておりますので、それの厳密性というところは、ちょっと、既存のものを使っているという状況ですので、大体それぐらいというところです。

○岡田委員長 では、そのデータはあるわけですから、次回に整理して、見ていただいたほうがいいかと思いますから、お願いいたします。
 まだあるかもしれませんが、この後、実際の将来予測計算結果がございます。それを見ていただいてから、もう一度、シナリオについてもひょっとしたらご質問が出るだろう、むしろ、そっちのほうが素直かと思いますので、それをご報告いただいてから、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。
 では、資料4-2、3、4の部分をお願いいたします。

○室石閉鎖性海域対策室長 それでは、資料4-2からご覧ください。まず、東京湾の将来予測計算結果で、(中間報告)とありますのは、先ほど申し上げましたように、本来30年分をやるべきなんですが、ちょっとまだ、計算機を回し切っておりませんものですから、とりあえず10年分を今回出させていただいて、そのかわり、多分、傾向は見れるだろうということで、ご理解いただければというふうに思います。
 まず、めくっていただきまして1ページ目ですが、一応3湾とも同じような構成といいますか、つくり方をしておりますので、まず東京湾からですけれども、1ページ目のところにありますように、赤の点々とポチで四角く囲んである部分が、今回、10年分のシミュレーションということを示しております。図1.1が排出負荷量、図1.2のほうが流入負荷量になりますが、左が対策シナリオを表すケース1、それから、右が平成46年まで3割単純に一律に下げていくという、直線的に下げていくという場合のケース2ということになります。その場合の流入負荷量が、その下にあります。
 そのやり方で回した結果、CODについては、2ページにございますように、これは左がケース1、右がケース2ということになります。上の段2枚が16年度、真ん中の段2枚が21年度、それから、下の段が25年度ということで、CODの75%、つまり環境基準を評価するときの計算のやり方にのっとって塗っているわけです。16年度については湾奥のほうで、橙色、つまり4から6のような値が見える。それから、湾央については黄色で、湾口に行くに従って緑、青というふうに変わっていく、よくなっているという感じの、現在、16年度現況ですが、21年度においては、湾奥部における橙色の部分が消えてきている。それから、湾央部での緑色の面積が増えているといったようなことが、真ん中の段のほうから読み取れるかと思います。
 図1.5、下の段になりますと、それが緑が少しだけですけれども、湾央部のほうに着目していただくと、緑の面積が若干増えているというような感じで読み取れるのではないかと思います。
 それから、トータル窒素ですが、これは4ページに図がございます。これも同じように並べてありますけれども、図2.3、一番上の段で、とにかく東側が悪いという、赤い状況だということがおわかりかと思いますが、一応21、25と順次、だんだん改善されていくように見えるというふうに思われます。
 それから、トータルりんについてですが、6ページ、これについても東側が悪いという感じが、湾奥の東が悪いという感じがあると思いますけれども、真ん中の段になって、それがやや改善される。例えば黄色の分布が、ずっと西に寄っていって、橙色の分布が狭く、西のほうにずうっと圧縮されるような形に見えると思います。
 それから、下の段、25年度では余り変わりがないかなという感じもしますけれども、黄色い面積が増えてきているように見えますので、そういう意味では、少しよくなっているかな、ちょっと同じくらいかなという感じがします。
 それから、底層DOが7ページにあります。底層DOについては、現況は湾奥部が赤く貧酸素な状態がある。これは一番濃いところが0から0.5という切り方なので、湾奥部というのは貧酸素状態がある。これは年最低値ですので、年間の中の一番低い値ということでプロットしていますけれども、21になると、ちょっと残念ですけれども、一旦悪化するという形。つまり、どうしても底質の影響、今までの汚染の蓄積といいますか、底質の影響を受けるというふうな解釈だと思いますが、一旦悪化する。ただ25年度を見ると、わずかながらというか、0から0.5の一番赤い部分については、面積がちょっと減ってきているように見えるということで、恐らく電算をこれ以上回していくと、ここから減っていくような感じが表れるのではないかというふうに思っております。
 それから、8ページ、9ページ、10ページの、少し底層DOについは濃度の見方を変えまして、8ページについては2ミリグラム未満の発生日数、9ページについては3ミリグラム未満の発生日数ということで、例えば東京湾再生会議などでは、貧酸素の値は3.2だったかと思いますが設定して、目標にしていたかと思いますけれども、例えば3というふうに切ったときに、3未満になるような発生日数をて見るとどうなるかという感じで、その値によって分布を見てみたということですけれども、2未満のところをご覧いただくと、16の状態に比べると、21はやや悪化するという感じ。21に対して、今度25になると、少し一番悪いところ、90日の部分、多く発生していたところが若干減るのかなと。例えば千葉沖辺り、その辺で赤のところが少しピンク色に変わっているという傾向があるかと思います。
 ただ、3とか、4というふうに切っていくと、現況よりやや悪化するかなというところは一緒ですが、25と21の違いはほとんど、まだ見られない。4未満のほうもあまり見られない。ただ、最悪部分のほうが改善傾向を見せてきているということは、あと20年分回している中では、こういうところも少しよくなってくる期待があるんじゃないかということで、11ページのほうは、さらにそれを棒グラフが見やすくして見ているんですけれども、これをどう見るかというのはなかなか難しいところかもしれませんが、貧酸素の延べ日数についてケース1、ケース2と棒グラフで上下に並べましたけれども、21辺りまでは、どうも現況から上昇して、そこからは横ばい、あるいはちょっと下がる、赤い部分ですね。底層DO2ミリ未満みたいな、非常に悪いところについては若干下がっている。ただ、3とか4という切り方をすると、ちょっと横ばいという感じかなというふうに思います。
 それから、13ページ、透明度ですけれども、透明度については、夏季と冬季と分けてシミュレーションしておりますけれども、13ページは夏季のほうですが、16年度の現況では、これは羽田沖とかそういった辺りでしょうけれども、透明度平均値が1から2といったような状態であるというものですけれども、それが21年度においては悪いところがちょっと拡大するように見える。5.3、25になると、それがまた小さくなっていくというような状態が見えます。
 それから、14ページですけれども、冬場のほうは、21に上がらずに、21によくなって、さらに25には、もう少しよくなるというような形になっております。ちょっと視覚的な見方だけでは、なかなか大きい小さいという感じになるので、見にくいものですから、16ページ、17ページのところには、ブロック別の水質遷移図ということで、一応15ページにあるような湾央、湾奥、湾口と3つに分けた中での平均ということでとってみたものを折れ線グラフにしたものを出しました。
 例えば16ページの一番上のCODについては、湾口の、もともといい外海に面しているところはいいんですけれども、一番水質がよくない湾奥部なんかについては改善していっているなという傾向が読み取れる。先ほど、ちょっと視覚的に広がりを持った色分けのでも何となくわかりましたけれども、折れ線でが平均をとると、そういう傾向がよりわかりやすくなったかと思います。
 それから、T-N、T-Pについても、同じようにだんだんよくなってきているという感じが表れているかと思います。
 それから、底層DOについても、17ページのほうですけれども、湾口部はもともと高い値、つまりいいということです。底層DOはいいわけですけれども、例えば湾央であるとか、湾口であるとかを見ると、湾央はだんだん下がっているかなという気がしますし、湾奥についても、ちょっと25は、これは雨の影響かもしれませんけれども、ちょっと上がりましたけれども、全体としては下がっているように見える。
 それから、透明度は大きければ大きいほどいいということになるわけですけれども、東京湾について見ますと、夏季については湾口はいいとして、冬季、夏季とも16年から見ると、冬季のほうは何となくよくなってきている、というような上昇傾向にあるという感じが見られるのではないかというふうに思います。
 それから、18、19はご参考ということで、フラックスの経年変化というのをつけさせていただきました。
 それで、この棒グラフを細かく見るよりは、22ページ、23ページの溶出量と沈降量の推移を見ていただいたほうがいいのかなと思うんですけれども、この22ページでいくと、一番下のグラフというのが溶出量マイナス沈降量という、差し引きしたものになるわけですけれども、湾口はいいので、ちょっと除外すると、一番悪いと言われる湾奥部で何が起きようとしているのかというので、赤い折れ線グラフがだんだん減っていっているように見えるわけですね。つまり、差し引きのものがどんどん大きくというか、マイナスで大きくなってきている。ただし、先ほどのシミュレーション結果からもわかりますように、減るんだけれども、平成20年とか、21年くらいまでは水質が悪化する場合もあるけれども、それ以上、収支の差がマイナス側に振れると、そこからようやくよくなり出すというのは、そういうことではないかというふうに思われます。
 それから、資料4-3、これは伊勢湾について同じようにお示ししたものです。ですので、ちょっと途中からですが、2ページがCODの75%値の分布ですが、ちょっと色が緑と黄色しかないというあれですけれども、平成21年におきまして、三河湾で黄色が減っているように見えます。黄色が減って緑になるということは、いいほうに変わるということですけれども、黄色が減って緑になるというような状態が、25でも続いているように思います。
 それから、4ページ目がトータル窒素ですけれども、こちらは、現況16に比べて、真ん中の段21は、やはり青い部分が北上しているというんですか、北に広がっているというか、つまり青い部分が広がるということは、低くなってきているということが読み取れるかと思います。
 それから、6ページがトータル燐ですけれども、これについても、青い部分、それからより濃い青い部分、紫のような濃い青い部分が出てきておりますので、よくなってきているというふうに思われます。
 底層DOについては、伊勢湾の場合は、21を見ると、16に比べると、一番濃い赤い色がちょっと増えているような感じがありますが、21に比べて25は、やや濃い赤が少し減っているかなというような感じがあります。
 それから、8ページが、さっきと同じ2、3、4未満の日数ということで出しておりまして、こちらも2くらいまで、つまり低い値のところで切れば、21と25は、見れば、21は増えるんだけれども、25はやや減少するという感じがあるかなと。3と4は変わらないという感じが見えるかと思います。
 それで、棒グラフにしたのが11ページですが、貧酸素の発生を見ると、赤い棒グラフで見れば、途中まで増えるんだけれども、21から25にかけては横ばいに行くように見えるけれども、切り方を3とか4というふうにとってみれば、横ばいという感じかなというふうになります。
 それから透明度が13ページですけれども、13ページの21年度については、16よりは濃い橙色が増えておりますので、よくなってきているんですが、ちょっと25になると、黄色が橙に変わるようなところもありますので、やや悪化しているのかなと。この辺は、伊勢湾の場合にちょっとほかのやつより流量が、この辺で伸びているという部分があるのかなという気もしております。
 それから、冬季のほうについても、残念ながら現場より悪化しているということですが、これについては、後ほど補足もあるかもしれませんけれども、透明度は結局、SSとクロロフィルのほうで決まってくるという関係もありますので、そういう意味で、流量の話と、あとはクロロフィルが増えるという部分で、まだ悪化するところがあるのかなと思います。それを先ほどの東京湾と同じように折れ線グラフで視覚化したのが16ページ、17ページでありまして、平均をとってしまうと、こういう形で、COD、T-N、T-Pとも何となく減ってきているような傾向に見えるということかと思います。
 それから、底層DOについては、横ばいという感じでしょうか。
 それから、透明度については、夏季は改善傾向で、冬季はちょっと悪化。先ほどの図示化したやつと同じように、折れ線グラフのほうでも、ちょっと悪化している感じがあります。
 それから、4-4ですが、瀬戸内海であります。こちらはちょっと図がでかくなるので、1ページにまとまらずに、2ページ、3ページという感じで、見開きで、左がケース1、右がケース2ということでご覧いただきたいと思います。
 2ページのほうのケース1のCODで解説いたしますと、16年度に対して21年度で、濃い青い部分が広がっているということが見えますので、CODについて、かなり改善というか、もう21ですぐに改善、25はさらに改善していくというのが見えるかなというふうに思いますし、それから、大阪湾のほうでも黄色い部分が減って、緑の部分がより奥に近づいて、というような形で、大阪湾についても改善傾向に行くのではないかというふうに出ております。ただ、もともと瀬戸内自体は、現況でも青い部分がかなり西側は広がっているということは申し上げておきたいと思います。
 それから、6ページ、7ページがトータル窒素でありますが、これはもう、0から0.2という低い部分が、もとから現況になっておりますので、そういう意味で、やはり大阪湾を除く瀬戸内の現況、あるいは予測とも非常に青いということがおわかりかと思います。
 それから、トータルりんについても、同じように10ページですけれども、現況でも0.00から0.02という濃い青い色が広がってきておるのが、大阪湾以外の瀬戸内の状況になってきているようですので、シミュレーション結果でも、少し大阪湾なんかはよくなってきているということかと思いますけれども、改善は改善ですけれども、よい中での改善ということかと思います。
 それから、底層DOですけれども、12ページですが、底層DOについては、現況でもちょっとシミュレーション上、貧酸素なところが少しあります。ただ、現実はここまで低いわけではなくて、もう少し高い……高いという言い方は変ですね、貧酸素というほどではない酸素濃度の低いところが、分布としては大体似たようなところに表れているということかと思いますけれども、それで、大阪湾についてはかなり赤いという状態ですけれども、それが21年になりますと、結構青い部分が薄緑であるとか、黄色を侵食して青い部分が広がっているというふうに見えるかと思います。
 それから、2ミリ、3ミリ、4ミリというふうに分けたのも、同じように14ページ、15ページ、16ページというふうに書かせております。これがずうっと続いておりますので、20ページで棒グラフで、また傾向を改めてご覧いただければと思いますけれども、貧酸素のほうの棒グラフについては、先ほど東京湾、伊勢湾などは、赤い2のところをとれば、途中から減少するかなという感じがありましたけれども、これは青いところをとってみても、4未満で見ても、延べ日数なんかのものを見ると、現況からだんだんよくなってきているという傾向が最初から見て取れるんじゃないかなと。差があるのかなというか、そういう気がいたします。
 それから、22ページで、透明度ですけれども、図5.1のほうは夏季のものですけれども、それが図5.2では、21年度で、これも西側から青くなっているという感じですけれども、よくなっていく。25は降雨の影響かもしれませんけれども、ちょっと戻る感じもありますが、基本的には下がっていく傾向というふうに思っております。
 それから、24ページ、25ページが冬季の透明度ですけれども、これについても21、25と、よくなっているという感じが視覚的に表れているかと思います。
 これらについて、26、27にあるような水域の分け方をした上で、その水域内での平均をとった折れ線グラフをつくったのが28ページでありまして、28ページのほうでは、ちょっと水域によってばらつき、いい水域もあれば悪い水域もあるということで、ちょっと個別に見ればよくなったり悪くなったりという水域もあるんですが、大きく全般的に見れば、それぞれの水質資料はどれも改善傾向にあるのではないかというふうに読み取れるかと思います。
 駆け足でしたけれども、以上です。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの将来予測計算、必要に応じてシナリオにつきましても、ご質問、ご意見ございましたらお願いいたします。細見先生、どうぞ。

○細見委員 大変な計算をされたと思います。全体的な傾向は大体理解できるんですが、窒素・燐、それからCODはそれなりの効果が何となく見受けられる。しかし、今後、基準とかも考えている底層DOに関して、明確な改善傾向があまり得られていない結果になっています。この理由として、先ほど室石室長は、底層の過去の経緯が蓄積されていて、というなお考えをご披露いただきましたけれども、私も以前、こういうモデルをつくったときに、各年度に気候とかによって、水の安定度というのでしょうか、成層のでき方が窒素と燐の削減とは別に、天候によって、あるいは温暖化というか、水温も多少上がると思うんですけれども、それによって安定度がすごく増すとか増さないとかによって、鉛直方向の酸素の移動が、それらの影響で制限されてしまうのではないかと考えています。以前、湯ノ湖という小さな湖沼でシミュレーション計算をやったことがあるんですけれども、気象条件などで結果はかわりました。こういうことは、もちろんモデルの中では各気象条件によって、上下方向の混合動も計算できるようになっていると思いますので、そういうのはいかがでしょうか。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 非常に広範なご質問の内容を含んでいるかと思いますが、一つ一つ気のついたところから。まず、鉛直の混合度につきましては、このモデルで、前回もお話しをしたかと思いますが、乱流モデルを基本的には使っておりますので、各格子ごとの乱流を計算して、その乱流が基づくエディビスコシティ、それから拡散係数、これに汎用させるということになりますので、当然気象条件として、風が吹けば、その表面剪断力によって、どれだけ乱流が発生するかということが逐次計算をされておりますので、今、先生がご指摘になりました気象条件の変動に伴う鉛直の拡散混合については、一応、東京湾につきましては、連続の観測結果が出てありますので、それによって、過去2年半で検証を行ってきているということで、そこは基本的には再現をある程度されているのではないというふうに考えております。
 それから、第2番目のご指摘で、流動の効果がどれくらい、この水質に反映してくるかというご質問でありますけれども、このモデルでは、例えば東京湾の1ページ目をご覧になりますと、河川流量が年によってかなり変動しております。それで、平成16年はこの中で比較的水量の多い年に当たっております。このモデルでは河川水量が多いということは、1つはプラスの面とマイナスの面があって、マイナス面からいきますと、当然、ノンポイントソースからの負荷がL-Q式で決定されてきますので、栄養塩の負荷が増える傾向に出てくるというのが1つありますが、一方でプラスの効果としては、いわゆる淡水と塩水の、今、先生がおっしゃった成層の効果が強く表れてきて、一方では海水交換が促進されるという効果が出てまいります。その2つの効果が、当然ネットとしてどちらか効いてくるかという問題が出てくる。
 もう一点が、内部生産がその湾の中にどれたけとどまって、したがって沈降のフラックスが増えるかどうかということになります。したがって、海水の交換が増えるということは、その分だけ沈降量が減ってくるということになりますので、結果として底泥に、それが沈降するフラックスが、より小さくなってくるという結果になります。
 それが、例えば22ページのグラフに表れておりまして、右も左も同じことなんですが、真ん中のグラフが、例えばT-Nで見たときの沈降量であります。これが平成16年は海水交換が進めるといことから沈降量が比較的少ない目に出ている。その効果が、流量が変動することによって当然変わってくるわけですが、同時に東京湾の場合には窒素の削減も行っておりますので、全体としては減ってきているんですが、しかし、流量の効果というのも当然出てきますので、結果として、ここは平成16年から19年、20年に向けては、わずかでありますが、やはり沈降量が増えるという形になっているわけです。
 しかし、この20年以降、ほぼプラトーといいますか、一定の値に落ちついて、それ以降は、平成24年からは、それが減少し始めるということにシステムとしては挙動しているようであります。
 一方で、この溶出量というところでありますが、これは結果として、どれだけ窒素が出てくるかということでありますが、この窒素と溶出量と沈降量の差額がマイナスであるということは、沈降量のほうが多いということでありますので、結果としてシステムは沈降と溶出との差だけ、やはり蓄積過程に依然としてあるということでありますので、その蓄積過程がこの結果でいきますと、ほぼ平成21年度でピークを打って、それ以降は減少に転じることがうかがえるということで、この差がどんどん小さくなっていくということは、結果として沈降する量も減ってくるということで、分解される量がその分だけ減ることによって、溶存酸素の消費が少なくなるということで、溶出量がその分だけ減ってくるという、願わくば、ポジティブなフィードバックにシステムが行くということが期待をされているということであります。
 したがいまして、先生、ご指摘のように、物理的な閉鎖度といったものも、システムには非常に大きく効いてきているわけでありますが、それがこの限られた10年間の計算ではございますが、ほぼその説明ができるような形に結果としては示しているのではないかというふうに思っております。
 一方、瀬戸内海に関しましては、これは全般的に、もうトータルキャッチメントの、汚濁負荷の量に対する面積もしくはボリュームというのが圧倒的に大きいということから、ほぼ一方的に負荷が削減する方向に、したがって、溶存酸素が改善する方向にシステムとしては到達しているのではないかというふうに考えられるということであります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 平沢先生、どうぞ。

○平沢委員 あまり一杯言ってはいけないので、できるだけ絞ります。
 シミュレーションの結果の、当然やってくれるんじゃないかなと思っているんですけれども、貧酸素水塊の発生面積とかというデータが、16年からシミュレーションで出ていると思うんですけれども、実態をもちろんとっていると思うので、それと本当に合っているのかな。何かちょっと違和感があるような、実際とかなり違うような気がしたので、ぜひお願いしたいと思うんです。
 それともう一つは、だんだん減少傾向から、どこかで窒素がちょっと悪くなって、その後、よくなるというようなお話なんですけれども、そういうシミュレーションでそうなるのかなとも思うんですが、私の間違いかもしれませんが、泥がある限り底層DOは絶対低くて、それが冬場は循環があるから解消され、夏場は残るということで、それを削減していくと、だんだんよくなるという理解、底泥がある限り、私はそれは無理なんじゃないかなと思っているんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 基本的には、今、先生のおっしゃったことはそのとおりだろうと思います。要するに、この計算結果でもわかるように、平成21年度までは依然として沈降のフラックスのほうが溶出よりも大きいということは、ネットとしては底泥に蓄積をしていくというプロセスであった。それは、総量規制を、一番最初にCODの削減をしたときからそうであったということで、ずうっと今まで、実は蓄積過程であったということが言えると思います。それは先生のおっしゃるとおりだと思います。
 しかし、そのピークを超えると、今度は沈降と溶出が、ほぼバランスする方向にシステムが動くということは、底泥の有機物がそのままずうっと変わらずに行くということになります。かつ、削減をしておりますので、入ってくる沈降量はどんどん減っていくということは、消費される酸素の量は少なくなっていくので、溶存酸素の条件が向上してくる。そうすると、溶存酸素の条件が向上してくると、溶出量が減ってくる。結果として底泥からの窒素・燐の供給が減ってくる。願わくば、この沈降量と溶出量が均衡しながらゼロに近づくと、底泥の量は変わらないけれども、溶出量はゼロになっていくので、結果として削減の効果が出てくる。
 もう一つ、これは非常にタイムスケールが長い話ではございますけれども、まさしく、先ほど先生がおっしゃったふうに、削減しているにもかかわらず、なぜ改善しないかということの答えがそこにあるわけでありまして、そのポイントを超えるまで削減を続けない限り、底泥にある有機物が増えるということをとめない限り、改善の方向はないということでありまして、やっとそこの点に、今、我々は来たのかなということを考えているところであります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ちょっと補足させていただきますと、ここの、今までのシミュレーションはある意味で解説の部分がない。ないのは、これはあくまでも、これは中間報告でありまして、今、渡辺先生がおっしゃったような解説というか説明の資料はつくっていただくことになっていまして、渡辺先生、大変申しわけないですが、そういうお約束になっておりますので、次以降のときに、それを見ていただければ、もう少し明快な、わかりやすい議論ができるかと思いますのでよろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。せっかくの機会ですので、産業界の方も、もしご質問、ご要望等がございましたら、ご遠慮なくどうぞ。

○村上(社)日本経済団体連合会環境安全委員会環境管理WG座長代理 先ほど平沢先生もおっしゃっていましたけれども、シミュレーションの検証というのは、きっちりとしていただきたいと思っておりまして、いろいろなファタクーが多数入っているかと思いますので、それをもってこうなるという結果が導き出せるかどうかというのは、過去のデータの実際の値とシミュレーションがどう一致するか。
 例えば、今回の第1回のときに示された資料6ですけれども、今ここにはないですけれども、そのときに、実際にCODの推移等を書かれてありました。そのときの推移と今回の推移を見ますと、ちょっと違うようにも見えますので、その辺も含めたご説明がいただけるとよろしいかなと思います。

○岡田委員長 ありがとうございました。それはまた、次回以降、これはあくまでも中間報告ということで、最終報告の段階では整理されますよね、事務局で、大丈夫だと思います。
 ほかにございますでしょうか。細見先生、どうぞ。

○細見委員 私も底泥にたまる量と、溶出量というのは随分調査研究やったつもりですけれども、もう一つ考えないといけないのは、窒素やリンを多く含まないSSが、流域側から入ってきてたまってくる。結果的に、例えば見かけ上、植物プラントが沈降した量は同じであっても、流域から入ってくるSSは、割ときれいなのが入ってくるので、そういう土砂の部分が、多分実際の堆積速度みたいなものを決めている例が多いので、濃度的には薄まるわけですね。例えば雨が多ければ、SSがたくさん入ってきて、このSSの中には、窒素・燐が比較的少なくて、植物プランクトンはある一定量沈降しているとしても底質の濃度は大きく影響される。こういう混ざった状態が我々が観測する底質になっております。
 ですから、長期的にみると、恐らく堆積速度が再現できるかどうかわかりませんけれども、少し流域側からSSの影響も、かなり底質の濃度に寄与しているのではないか。

○渡辺慶應義塾大学環情報学部教授 ご指摘ありがとうございます。このSSのモデルにつきましては、東京理科大学の二瓶先生のほうが、長年、河川での観測をなさっておられまして、流量とSSの、かつそれは粒径分布を絶えずおとりになっているといことで、かつ強熱原料等も含めて、有機物含量がどれだけあるかということも押さえておられるということで、今回のシミュレーションに関しましては、全面的にご協力をいただきまして、そのデータをもとにして、二瓶先生のほうでL-Q式をつくっていただきました。それは、4つの粒径分画で作成をしております。したがって、このモデルには4つの粒径分画の沈降速度が異なる粒径が同時に計算をされておりますので、連続方程式の中に4つそれが入ってくるということになっております。
 結果でありますけれども、そのほとんど3つの分画、要するに、大きいほうの3つの分画は、ほとんどが流入河川のほとんど前庭の、前面のところの、一切のところでほとんどが落ちてしまうということで、実際に湾の中に入ってくるのは最も小さな、したがって、沈降は非常にしにくい分画のものだけが浮遊するということで、それの、いわゆる有機物含量についても、先生の式の中で考慮されたものを使っておりますので、したがいまして、希釈という感じではないということであります。それは当然、すべて考慮した形で計算をしております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○正保住友金属工業(株)環境部環境室 4-1の中長期シナリオについてのところの20ページ、21ページに、陸域と海域の前提があるんですが、陸域については、それぞれの項目ごとにどれだけの改善を見込んでいるのかという、清水先生からもあったかと思いますが、それぞれの項目でどれだけ削減されたのかというところがクリアにわかるようにしていただきたいというのが1つ。
 海域についても、いろいろな想定やを前提とするというところがあるんですが、ここも具体的に、どういう面積の深掘れが埋め立てられたとか、その辺がわかるようにしていただけたらありがたい思います。

○岡田委員長 これはよろしいですね。もう実際には、それは計算されているはずですから。
 どうぞ、事務局。

○室石閉鎖性海域対策室長 出し方はいろいろ工夫いたしますけれども、もともと、例えば既存の計画とかで出来ているやつがほとんどですので、わかるようにいたします。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、大体予定の時間になりましたので、以上で議論を終了させていただいて、事務局からの連絡事項をお願いいたします。

○室石閉鎖性海域対策室長 2点ございまして、1点目はいつものごとくですけれども、議事録について速記がまとまり次第、皆様方に送らせていただきますので、ご確認をお願いいたしたいと思います。ご確認できますれば、ウェブサイトのほうで公開いたしたいたいと思います。
 それから、次回の委員会ですが、以前の予告では、約2週間ちょっと後の12月15日に次回というふうにご連絡申し上げておりましたけれども、ちょっと日程等が、資料等の準備の都合等もございまして、できますれば、12月下旬のほうで、もう一度日程調整させていただければと。大変お忙しい中で申し訳ないんですけれども、できればメールなりで、もう一度、日程調整のご連絡を事務局から皆様方に差し上げますので、ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

○岡田委員長 ということですので、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上をもちまして第5回の総量削減の専門委員会を閉会とさせていただきます。
 本日はお忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございました。

午後 4時59分 閉会

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