中央環境審議会水環境部会 総量削減専門委員会(第2回) 議事録

日時

平成21年7月9日

場所

環境省水・大気環境局

1.開会

2.議題

(1) 指定水域の水質汚濁のメカニズムについて
(2) 水質予測モデルについて
(3) その他

3.閉会

配付資料一覧

資料1  委員名簿
資料2  第1回委員会における指摘事項
資料3  水質汚濁メカニズム
資料4  水質改善メカニズム
資料5  水質現状分析
資料6  負荷削減と水質改善の関係
資料7  干潟・藻場の現状
資料8  水質予測モデルの概要
資料9  現況再現結果
資料10  今後の作業予定

午後2時58分 開会

○尾川室長 本日は、お忙しい中お集まりいただいてありがとうございます。
 定刻になりましたので、第2回総量削減専門委員会を開催させていただきます。
 なお、本日の会議は、中央環境審議会の運営方針に基づきまして公開とさせていただいております。
 本日の委員のご出欠の状況でございますけれども、古米委員と松田委員からご欠席というご連絡をいただいております。また、平沢委員、細見委員が少し遅れてご到着ということでございます。その他の委員の方々は既におそろいでございます。
 また、本日の議題で水質予測モデルについて議題にしておりますので、そのモデルの開発及び実行の環境省からの業務委託先でございます慶應義塾大学の渡辺正孝教授にオブザーバーとしてご出席をいただいております。
 それでは、議事に入ります前に、本日の会議資料のご確認をお願いしたいと思います。机の上にクリップでとめてございますけれども、外してごらんください。
 傍らに座席表がございますけれども、クリップどめ資料の一番上に議事次第がございまして、下に配付資料の目次がついてございます。資料1は委員名簿でございます。資料2が第1回委員会における指摘事項でございます。資料3が水質汚濁メカニズム、資料4が水質改善メカニズム、資料5が水質現状分析、資料6が負荷削減と水質改善の関係、資料7が干潟・藻場の現状、資料8が水質予測モデルの概要、資料9が現況再現結果、それから資料10が今後の作業予定となってございます。
 過不足等ございましたら事務局のほうへお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、この後の議事につきましては岡田委員長にお願いいたします。

○岡田委員長 たいへんお暑い中、委員の皆様方、それから傍聴者の皆様方、お集まりいただきまして本当にありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 最初に、第1回委員会における指摘事項について、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 失礼いたします。資料2になります。
 前回の委員会において委員の先生方からご指摘いただいた部分の、全てではないのですけれども、用意できたところについて説明させていただきます。
 まず、一番初めですけれども、これは海域別・発生源別のCOD負荷量の推移ということで、表5-1、2、3に当たっていたものです。指摘としては、負荷量と負荷量比率のところの端数ですね、一番下の小数点以下の位のところが他の図と値が違うという指摘をいただいて、トンで計算していた場合とキログラムで計算していたという相違がありましたので、全部キログラムで計算し直した結果、端数も一緒になっております。これを今回、表2-1、2-2、2-3として差し替えをお願いいたします。
 次に、2番として生活系処理人口の推移と汚濁負荷量との関係の図になります。こちら、示した方が良いという委員のご指摘がありましたので、示させていただきます。上から東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の順になっておりますけれども、下水道利用人口、このグラフの灰色の部分が多くなるにつれて、生活系のCOD負荷量、緑色の線ですが、これが減少していっているのがわかるかと思います。
 資料2については以上です。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ただいまのご説明に関しまして、何かご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。追加のお願いもあれば。よろしいですか。
 それでは、議題に進みたいと思います。
 最初の議題が、指定水域の水質汚濁のメカニズムについてということです。
 まず、事務局から水質汚濁メカニズムについて、資料3になるかと思いますが、ご説明をお願いいたします。

○小川係員 資料3になります。
 水質汚濁メカニズムですけれども、図3-1が閉鎖性海域の水質汚濁メカニズムの図になります。閉鎖性海域における水質汚濁に影響する主な要因には、陸域からの有機汚濁物質及び栄養塩類の流入、河川からの淡水の流入、有機物の内部生産、沈降・堆積及び分解、底泥からの栄養塩類の溶出、外海との海水交換、潮流による海水の移動・攪拌などがあります。
 次が、1枚めくっていただいて図3-2になります。これが赤潮の発生機構になります。内湾における赤潮は、海水が成層化し、海水の上下混合が起こりにくい状態において、プランクトンの増殖に必要な十分な日照と窒素・りん等の栄養塩類の供給があるという基礎的要因がまずあった上で、様々な誘発要因が加わると発生すると考えられております。
 次に、1枚めくっていただいて、図3-3と3-4になります。
 初めに図3-3ですが、こちらが、東海大学の中田喜三郎先生が作成しました図を改変したものになります。貧酸素水塊の発生機構として、堆積した有機物はバクテリアにより無機化されていきますが、このとき酸素が消費され、酸素の供給が消費に追いつかなくなると、貧酸素水塊を発生させるということになります。
 次に、図3-4になりますけれども、これは千葉県の水産総合研究センターで作っている図になりますが、千葉県の水産総合研究センターでは貧酸素分布の予測をしておりまして、そのシステムの概念図になります。
 その次に、めくっていただいて、図3-5からになりますが、水産資源への影響ということになります。こちらは中田委員からご提供いただいた図になります。
 簡単に説明させていただきますと、まず図3-5の左側ですが、三河湾における貧酸素水域の7月から9月、夏ですね、平均面積と、知多湾におけるアサリ漁獲量の関係になります。夏季の貧酸素水塊面積が大きい時にはアサリの漁獲量が少ない傾向が見られます。次に、図3-5右側ですけれども、10月から3月の知多湾における赤潮の延べ日数と黒ノリ生産枚数の関係になります。赤潮の延べ日数が増加すると黒ノリの生産枚数が減る傾向にあります。
 次に、図3-6が河川負荷の変動と流域・海域の応答の図になります。
 そして、図3-7が流域開発・ダムの河川負荷、海域への影響の図になります。
 資料3の説明は以上となります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 中田委員におかれましては、資料をご提供いただきまして本当にありがとうございました。何かつけ加えることがあればお願いいたします。

○中田委員 気をつけていただきたいのが図3-5の右図のほうです。これは赤潮の延べ日数と黒ノリの生産枚数の関係を示しておりますけれども、これを単純に見ますと、水がきれいになって赤潮が出なければ黒ノリは生産されるみたいに一見見えます。けれどもこれは大きい違いでございまして、近年、特に1980年代後半以降、ユーカンピア・ゾディアクスという大型の珪藻の赤潮が冬季に大量に見られるようになりました。この種類の特徴というのは、窒素の取り込み速度が非常に大きい。それから、低水温下でも取り込み速度があまり落ちない。それから、休眠胞子をつくらないために低温・低栄養塩下でも栄養細胞として存在する。このような特性の結果として、近年の栄養環境がよくなってきているという状況で、ますます栄養分を取り尽くして黒ノリの生産が落ちてきている。
 これは2000年代初めまでの結果ですけれども、瀬戸内海のほうでは、もうほとんど冬場生産できなくなってしまうというような状況も起こってきておりまして、単純に栄養塩を減らせばいいという議論では、漁業生産あるいは水産の現場ではなかなか理解が得られないという状況です。

○岡田委員長 ありがとうございました。そういうことを注意して見てくださいと、こういうことですね。
 それでは、今までのメカニズムに関するご説明のところで、何かご質問、それからご意見等がございましたら承りたいと思います。
 どうぞ。

○平沢委員 すみません。後から来て全然わかっていないかもしれませんが、今の図でちょっと気になった点がございまして、図3-5の左なんですけれども、私は数学の授業をやっていまして、統計的にR2=0.44というのは相関はほとんどないんじゃないかと私は思うんですが、これを線を引いて、面積が増えるとアサリがとれないと言えるんだろかというのがちょっと気になりました。

○中田委員 ありがとうございます。非常に限られたデータでこのような処理をしてということがございます。経験的な話が水産の世界では多いので、こういう実例を示すということが限られた例しかないということで、弁解させていただきます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 他にございますか。どうぞ。

○菅原委員 黒ノリのほうのご説明で、栄養環境がよくなってきたために生産が落ちてきているということですが、それはアサリにも同じようなことが言えるんではないでしょうか。アサリはきれいになればなるほど獲れるのかどうか。

○中田委員 いえ、アサリの場合は、えさの生産、それから夏場の貧酸素の状況、そういったものが大きく影響してきます。ノリの場合は冬の状況が影響します。したがって、季節性というものを考慮しなければいけないということでございます。

○岡田委員長 他にございますか。
 それでは、一応ご了解いただいたということで、次に進めさせていただきます。もちろん後で関連するところでもう一度ご質問、それからご意見等がございましたら承りたいという前提で進ませていただきます。
 次は、水質改善のメカニズムでございます。資料4になると思いますが、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 水質改善メカニズムの説明に入らせていただきます。
 まず、図4-1ですが、これは水質改善のメカニズムとして示させていただきました。
 まず、一番上ですが、対策を実施することにより、海域への有機物、栄養塩等の流入量が減少してきて、その結果水質が改善していくことになります。水質・底質の改善や浅海域の生物による水質浄化機能の向上によってさらに相乗効果がもたらされ、最終的に一番下の生物に好適な物質循環が回復・向上することにより、さらに水質・底質の改善が進むという好循環が生じていきます。
 次にめくっていただいて、表4-1になりますけれども、これが水質改善をもたらすための対策をまとめたものになります。
 主な対策のところを見ていただきますと、陸域汚濁負荷削減対策と海域汚濁負荷削減対策、これが窒素・りんの流入量の減少や有機物の流入量の減少につながります。次に底質環境改善対策があり、他に水質浄化機能向上対策があります。
 次に、図4-2になりますけれども、これが陸域汚濁負荷削減対策の図になります。陸域における対策としては、発生負荷を抑制する発生段階対策、次に処理等により負荷を削減する処理段階の対策、それから降雨に伴う表面流出等を抑制する流出抑制対策というものがあり、さらにその後で、河川流下段階における対策の4段階の対策がございます。
 次に、表4-2になりますけれども、これが先ほどの図を表にしたものになります。それぞれの段階においていろいろな対策があるというものを示させていただきました。
 次に、図4-3になりますけれども、これが海域汚濁負荷削減対策として、給餌による直接負荷を削減するというものを考えました。
 その次に、図4-4に底質環境改善対策として、覆砂、底泥の除去、大規模な窪地の埋め戻し等による溶出抑制対策などが考えられます。
 それから最後に、海域の水質浄化能力向上対策として、干潟や藻場の再生などが考えられます。
 水質改善メカニズムについては以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料に関しましてご質問、ご意見等がございましたら、お願いいたします。特段、よろしいですか。
 ちょっと確認ですが、給餌のようなものは、海域汚濁負荷削減対策という名前で従来呼んでいたんでしたっけ。陸域汚濁負荷削減対策と海域汚濁負荷削減対策、意味はわかるんですが、こういう名前で今後呼ぶと。少なくともこの委員会ではこの形で進もうと、こういう理解でよろしいですか。

○尾川室長 特にご異論なければ、こういうことにさせていただければと思いますが、何かございますでしょうか。

○岡田委員長 そういうふうに呼ぶならいいと思います。あと、直接負荷とかいろんな言葉がありますが、どれも同じようなもだと思いますので。
 どうぞ。

○菅原委員 対策2.3と2.4で、2.3の方は底泥を取り除きますとあり、2.4の方は干潟を造成しますということですが、両者に違いはあるのでしょうか。同じ海の底なのに異なった対策を講じる必要があるのであれば、これは何か定義されているんでしょうか。同じ海の底であっても、明確に区別できるということでしょうか。

○尾川室長 この底質改善では、ここで大きく3つございますけれども、覆砂の場合には、底質が嫌気状態になったときに溶出する栄養塩を抑えようという記述でございますけれども、その覆砂の効果といたしまして、覆砂をした上に二枚貝などが増殖するという効果もございますので、一つ一つの工法をとりますと、底質環境改善にも海域の水質浄化能力向上にも資する対策・技術があろうかと思います。
 ここでは、概念として、底質からの溶出を抑えるということと、あと底にすむ生物が水中の汚濁物を除去すると、それはそれぞれ別々の効果ではないかということで、別の表にさせていただいております。

○田中委員 表4-2なんですけれども、ちょっと確認ということでお聞きしたいんですが、2番目のカラムの汚濁原因物質の直接除去の具体例として家畜排せつ物が出ているんですけれども、直接除去という意味では、工場排水とか、かなり一般的な話だと思うんですけれども、家畜排せつ物だけ出てきているというのは、どのような背景があるのかお聞きしたい。

○尾川室長 ここでは、右にございますけれども、発生、処理、流出抑制、河川流下ということで4つの段階で考えておりました。家畜排せつ物を例にとりますと、家畜排せつ物を堆肥化するだとか、系外に持ち出すという技術もございますし、畜産業者のところで水処理施設を持っていて、その処理を高度化したり適正管理するということもあろうかと思います。河川を介した海域への家畜排せつ物由来の負荷を抑制しようと思った場合に、それは排せつ物そのものを取り除くという有効利用するというものと、それが水に溶けたものを処理するというのは技術的に異なるだろうということで、両方書かせていただいております。
 もちろん、家畜排せつ物だけを出しているというのは、たまたま具体例として非常にわかりやすいのでこのようにいたしておりますけれども、他にも、水処理技術ということではなく、発生する、例えば家庭系の生ごみをコンポスト化するような技術であれば、ここの汚濁原因物質の直接除去に入ろうかと思います。ちょっと具体例が不足していたようでございます。申しわけございません。

○岡田委員長 ありがとうございました。では、その辺はちょっと検討いただくということでよろしいですね。例だから、いいと言えばいいんですが、ご指摘のとおり若干気になる面があるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 他にございますか。
 それでは、次の資料5になるかと思います。水質現状分析について、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 資料5、水質の現状分析になります。
 まず経年変化を示させていただきました。指定水域における海域別・湾灘別の水質濃度の経年変化になります。
 まず、図5-1が海域別のCODの図になります。
 次に、1枚めくっていただいて図5-2、これが湾灘別のCODの変化になります。まず、上が伊勢湾を分割したものですが、三河湾の方が高いということがわかります。その下側が瀬戸内海を湾灘ごとに分けたものですが、広島湾が最も高く、さらに上昇傾向が見られるという結果になっております。
 次に、窒素になりますけれども、図5-3が海域別の窒素濃度の推移になります。これを湾灘別に見たのが図5-4になります。これについては、あまりはっきりとした傾向は見られないかと思います。
 次に、りんになります。図5-5が海域別のりん濃度の推移、これを湾灘別に分けまして図5-6になります。伊勢湾については、やはり三河湾の方が高いという結果になっておりまして、瀬戸内海につきましては、備讃瀬戸が最も高いという結果になっております。ただ、推移の傾向としては、はっきりした傾向は見られないかと思われます。
 次に、底層DOの結果になります。図5-7が海域別、図5-8が湾灘別の結果になります。これについては、伊勢湾と瀬戸内海、両方とも特徴のある湾灘は特に無く、はっきりとした傾向は見られないと思われます。
 次が透明度になります。図5-9が海域別の夏季の透明度、図5-10が湾灘別の夏季の透明度になります。これについても底層DOと同じく、特徴のある傾向があるものは認められないと思います。
 次が季節変動になります。広域総合水質調査が1年間に4回、春、夏、秋、冬にやりますもので、それについて昭和56年から平成20年までを季節ごとに分けてみるとどうなるかを示したものになります。
 まず、図5-11がCODになりますが、概ね夏季に高く冬季に低いということがわかるかと思います。
 次に、図5-12が窒素になりますが、こちらについては季節的な変動はあまり見られないかと思います。
 次が図5-13、りんの季節変動ですけれども、夏季に高くなる傾向が見られるかと思います。
 その次が底層DOになりますが、やはり夏季に低くなる傾向が見られるかと思います。
 次に、透明度になりますけれども、やはりこちらも夏季に低くなる傾向が見られるかと思います。
 その次の2枚の地図ですけれども、これは今回海域を湾灘に分けるときに、こういった分け方で分けましたというものを示させていただきました。参考として付けさせていただきました。
 資料5の説明としては以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料5に関しまして、ご質問、ご意見等がございましたらお願いいたします。
 どうぞ。

○河村委員 季節変動なんですけれども、約20年間のデータをそのまま全部平均しているだけですよね。その辺のところで、大体の傾向はいいと思うんですけれども、丸め込んでいいものかどうか、ご検討は何かされていますか。例えば5年ごとやってみるとか。それはせずにすとんと出た数字ですか。

○尾川室長 そのままです。

○河村委員 わかりませんけれども、もうちょっと短い期間で見られて、その変化を見たほうがいいのかなという気がしました。

○岡田委員長 ただ、20年間であまり変化していない水質項目も前のほうのページにありますから、その場合はまあいいかなという面もあると思うんですけれども、ただ気になるのは、私のほうから、りんとか窒素は平均をとってもいいんですが、底層DOのようなもの、とりあえずは平均をとるというのは一つの方法ですが、正解というか、こうしてほしいという案は必ずしもないんです。最低を現すのも一つの方法ですし、そこは今後どうするかご検討いただけませんでしょうか。十分ご承知のDOの性格ですから、平均値は必ずしも意味がないと。
 ただ、ずっと変動を見たら、平均値をとっても十分だということだったら構わないと思いますが、それだけ、今の河村先生のご質問と結果的には同じようなことになると思いますが、ご確認いただければというふうに思います。
 それからついでに、各湾の値も全部平均ですね。窒素・りんは平均値の平均でよかったんですよね。CODはもともと75%だから、関係なく平均をとったと、こういうふうに考えていいですね。

○尾川室長 はい。

○岡田委員長 わかりました。それもまた、DOも難しいんですが、やめておきましょう。可能だったらご検討いただければというふうに思います。
 他にございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次は負荷削減と水質改善の関係になります。資料6、事務局からご説明をお願いいたします。

○小川係員 負荷削減と水質改善の関係になります。
 まず、図6-1ですけれども、これがCODの負荷削減と水質改善になります。水域面積当たりの汚濁負荷量の大きい海域、特に東京湾や大阪湾ですけれども、大きい海域ほど、COD負荷量が低下していくと水質も改善していくということがわかるかと思います。
 これを湾灘別にしたのが図6-2になります。まず、図6-2(1)は伊勢湾になりますけれども、もともと負荷がそれほど大きくなかったこともあり、負荷削減が進んでいっていても、COD濃度はそれほど改善していないというのが見られるかと思います。その次、図6-2(2)が瀬戸内海を分けたものですけれども、こちらについてももともと負荷が大きくなかったことから、負荷削減の結果が必ずしも水質には結びついていないという傾向が見られるかと思います。
 次に、窒素になりますが、図6-3が全海域の図になります。やはりこちらも、削減量が大きい海域ほど窒素濃度の低下傾向が見られるかと思います。
 これを湾灘ごとに分けたものが図6-4になりますが、まず伊勢湾ですけれども、こちらは若干低下傾向が見られるかと思います。次に、瀬戸内海を湾灘ごとに分けたものですけれども、こちらについては、はっきりした傾向は見られないかと思います。
 次に、りんの図になりますけれども、まず図6-5ですが、こちらもやはり、削減が大きい海域ほどりん濃度の低下傾向が見られるかと思います。
 これを湾灘別に分けた図6-6になりますが、こちらについては、やはり削減量が水質のほうには直接は結びついていないように見受けられます。瀬戸内海については、こちらははっきりした傾向は見られないかなと思います。
 資料6の説明は以上になります。

○岡田委員長 どうもありがとうございました。
 いかがでしょう。何ご質問、ご意見等ございますでしょうか。
 ちなみに、この図は第6次からつくり始めた図ですね。ですから、データが1つ増えて、6次のときつくったものの傾向がある意味で延長した形で出ているというふうに考えられるかと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○木幡委員 今ご説明いただいた資料の3ページ、CODに関してなんですが、確か第6次のときに、外洋で少しCODが上がっている傾向が近年見られると。その補正をするとこんなですよというような議論をしたと思うんですが、この場合には、これはどういうふうに考えられているんでしょうか。

○尾川室長 これはまだ生のデータでございます。

○岡田委員長 よろしいですか。補正したけれどもそんなには変わらなかった。もちろん少しは変わりますけれども、傾向が変わるほどは、確か変わらなかったというふうに記憶していますが、どうでしたっけ。

○木幡委員 豊後水道、伊予灘ぐらいのところがちょっと上がったように見えるけれども、実際は横ばいなのかなというような。

○岡田委員長 なるほど。では、それは今後の作業の中でお願いいたします。
 田中先生。

○田中委員 2ページの図6-2なんですけれども、CODの負荷が減ってもCODの上層の濃度が減らないということなんですけれども、これは上層だけではなくて、深層まで含めて積算値をとってもやっぱり同じような傾向になるため、上層だけ見れば把握可能ということなんでしょうか。この辺についてあまり詳しくないもので教えていただきたい。

○尾川室長 CODは環境基準項目でございますが、広域総合水質調査では上層と底層、底層は原則、底から1メートルの数字を使ってございます。環境基準の判定では表層及び中層を使用している関係もございまして、全層を平均するのではなくて、上層だけでグラフを書いたということでございます。

○岡田委員長 よろしいですか。
 他にございますでしょうか。
 どうぞ。

○平沢委員 今のCODの削減と削減効果というか、流入負荷と削減効果ということで見せていただいて、全体的には下がっているように見えるんですけれども、個々の中で見るとあまり下がっていないということで、逆に言えば、これから貧酸素水塊の議論をしていくんでしょうけれども、そのときに、先ほどのメカニズムの話がありましたけれども、有機物が増えて富栄養化が増えて、そうすると有機物量が増えて結果として貧酸素水塊になるという図式そのものが、かなり難しいことになるんじゃないか。要するに流入する負荷を下げてもCODが下がらないということになると、そんな単純ではないと思いますけれども、単純に貧酸素水塊の防止につながるのかなと、このデータを見ると思ったんですけれども。

○尾川室長 このデータ自体が非常に限られておりますので、そこで見える傾向として、高濃度といいましょうか、非常に負荷が多くて濃度が高いところについては傾向が出るんですが、そうでもないと。今、湾灘別にごらんいただいているんですけれども、もともとこれが、伊勢湾についても瀬戸内海についても、湾全体であまり傾向が見えないところなので、ただもしかすると湾全体で団子なんだけれども、個別の湾によっては上がったり下がったりするところがあるかなと考えまして、湾灘別に見たものでございます。
 お断りといたしましては、そういうこともありましたのでスケールをかなり変えております。団子をそのまま団子にしても何も見えないので、多少縦横を拡大して見たんですけれども、それは湾全体の傾向と個別の湾灘というのは特に差はなく、海域全体の傾向がそのまま見えているということでございます。

○平沢委員 やっぱり貧酸素水塊とか議論するときに、先ほど岡田先生もおっしゃっていたんですけれども、やっぱり局所のところですね、むしろ。全体で平均しちゃうとなかなか見えないですけれども、局所値と有機物量というんですか、その辺のところはリンクがあると思うんですけれども、それと流入負荷とそこをどうやってつなげるのか難しいところはあると思うんですけれども、ご検討をよろしくお願いします。

○尾川室長 先ほど中田委員からご提供の資料の中にもあったんですけれども、過剰な負荷というのがよろしくないんだろうと考えております。ただ、何をもって過剰とするのかというところが、海の消費量と陸なりからの供給量とのバランスが崩れたときが過剰かと思いますので、そこはなかなか、繰り返しになりますが、限られたデータでは難しいかと思います。
 そこで、本日、後半で説明させていただきますモデルを使いまして、その仮定なりが合っているかどうかを検証して、委員の先生方にもごらんいただきたいと考えております。

○平沢委員 ありがとうございました。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 何か他にございますか。
 どうぞ、細見先生。

○細見委員 全域でみても、各水域を並べてみるとCODだとか窒素・りんについて、非常に明確になっているかなと感じました。要は、負荷量が削減すれば、どんな海域でも一定の割合でCODや窒素、りん濃度が減少することが示されました。湖沼で言うボーレンワイダーの式に近い形が得られているので、私は、負荷量を下げれば濃度を下げることができるということが言えるかと思いますが、ただ7ページのりんのところを見たときも、数値は、横軸の目盛りはどうなっているんですか。何か変なような気がして。

○岡田委員長 これはミスプリじゃないですか。0.01が2つあって。

○細見委員 切り上げすればいいのかな。

○尾川室長 申しわけありません。もう1桁なければいけないのが0.01が2つありますので、0.005、0.01ということで、すみません、5が切り上がってしまっております。

○岡田委員長 よろしいですか。

○細見委員 じゃ、とりあえずこれは正しいと。正しいというか、目盛りの単なる切り上げだということで。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 他にございますか。
 どうぞ。

○河村委員 逆に言うと、この絵から見ますと、ゼロのところへ外挿して持っていけばそれ以上行かないと。負荷的には行かないというふうに判断してもいいと解釈していいんですかね。

○岡田委員長 事務局としても答えにくいところだろうと思いますが。

○尾川室長 まず数字のお断りをしないといけないと思うんですけれども、ここの横軸は発生負荷量ということでございまして、今の水質総量削減制度の中では、公共用水域に入った段階、つまり海というよりは、川に落ちたところの数字を単純に足し合わせたものでございます。ただ、発生現場での発生といいましょうか、川に出てきた、あるいは海に直接出てきたものを、単純に足し合わせたものとの相関を見るということで、ごらんをいただきたいと思っております。
 あと、私から申し上げるのは釈迦に説法でございますけれども、海であれば、陸域だけではなく外洋からも入ってきたり、あるいは内部生産分というのもございますので、陸域だけで引っ張って、それでもって何かの結論をというのは難しいのではないかと思っております。

○河村委員 ただ、陸域を仮にゼロにした場合にも、どうしても残るものがあるというところはあると思うんですね。それが様々あると思うんですけれども、ですから大体の雰囲気をわからすようなものかもしれませんね、これは。

○岡田委員長 外洋のCODはいくつでしたっけ。ちょっと忘れましたが、そこの部分だけは少なくとも下駄を履くはずですから。希釈されれば別か。いいです。あまり細かい議論はやめましょう。
 どうぞ。

○菅原委員 確認なんですけれども、横軸は発生負荷量ですか。

○尾川室長 発生負荷量です。

○岡田委員長 流入でしょう。

○菅原委員 発生負荷量、流入負荷量、どちらですか。

○尾川室長 私どもが毎年調査している発生負荷量でございます。

○菅原委員 土地の上に発生した負荷量ということでしょうか。

○尾川室長 ここで申し上げている発生負荷量は、点源については、事業場から川なりに放るものでございまして、あと、面源については原単位法などで推計している数字でございます。

○菅原委員 りんの場合、土地の上に発生した負荷量は、それがすぐ川には行きませんので。例えば川の水質調査もされていますので、川を点と考えて流入負荷量を計算されているのか。それとも、例えば農地だったら肥料をどのぐらい撒くかというものを積み上げて発生負荷量を計算されているのか。すなわち、土地にどのぐらいりんが入るかということを積み上げておられるのか、それとも河川のところで拾ったデータを積み上げておられるのか、ちょっとよくわからなかったので。

○岡田委員長 これは公共用水域に排出された負荷量を積算しているのかなと思っていたんですが、今のご説明だとそういう感じですよね。

○尾川室長 負荷量の算定方法については、前回、第1回の委員会の資料5でご説明をしておりまして、面源系に関して申し上げると、原単位といいましょうか、投入量ではなく、土地当たりどれぐらい出てくるかというものを用いて、それが公共用水域に出るだろうという数字を足し上げてございます。

○岡田委員長 点源も処理された後の排出された分ですね。

○尾川室長 はい、そうです。処理された後でございます。ちょっと言葉があれなんですが、法律上、発生負荷量というふうに言っておるんですけれども、その数字は河川に出たところでございます。

○岡田委員長 よろしいですか、菅原先生。

○菅原委員 はい。

○岡田委員長 ありがとうございます。
 よろしければ次に進みたいと思います。

○尾川室長 すみません。先ほどの外洋の、太平洋沿岸の平均CODでございますけれども、これは前回の答申でも出ておるんですが、昭和60年前後は、グラフで見ますと1.0から1.1の間ぐらいで、それが平成10年ぐらいになりますと、1.2から1.4ぐらいまで上がっておるというデータでございます。年間平均値でございます。

○岡田委員長 そうすると、線を引くとかなり底にいきますね。それほど単純じゃないでしょうけれども、イメージととしては大体合っていると。ありがとうございました。
 では次にまいりたいと思います。資料7、干潟・藻場の現状について、ご説明をお願いいたします。

○小川係員 干潟・藻場の現状になります。
 まず、図7-1になりますが、これが東京湾における干潟・藻場の面積の推移になります。干潟の面積は1945年から1978年まで大幅に減少しましたが、それ以降は徐々に増加してきております。藻場の面積については、大きな変化はないという状況になっております。
 次に、伊勢湾ですけれども、こちらも干潟について、1955年は大きかったものが、2000年までに大幅に減少しております。藻場については減少傾向にあるという結果になっております。
 次が瀬戸内海になりますけれども、干潟の面積は徐々に減少してきていたんですが、2006年では少し回復して増加しております。藻場につきましては、アマモ場に限りますけれども、大幅に減少してきていますが、また近年回復傾向にあります。という結果になります。
 次に、干潟・藻場の機能について、少し図のほうで示させていただきました。まず、右側の干潟が海域において果たす機能としては、窒素やりんの吸収及び脱窒による窒素の除去、ろ過食性動物による有機物の除去などが考えられております。左側、藻場につきましては、窒素やりんの吸収、酸素の供給といった水質浄化の機能があると考えられております。
 以上になります。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 この現状について、何かご質問等ございますでしょうか。
 どうぞ。

○田中委員 1ページの東京湾の干潟面積が若干増えつつあるということなんですけれども、これは人工干潟の造成で増えているんでしょうか。それとも自然要因により変化したのか、その辺について確認させていただきたい。

○小川係員 すみません。そこについては詳しくわかっておりませんので、後日確認したいと思います。

○岡田委員長 ではお願いいたします。
 他にご質問等ございますか。
 どうぞ。

○中村委員 干潟や藻場の面積の変化を資料を使って説明されているんですけれども、これはできるだけ古いデータを持ってこられると大分印象が違うかなというふうに思いまして、例えば2ページの伊勢湾の藻場の変化がありますけれども、伊勢湾の場合には、実は1976年、この場合に一番古いのが1976年から1979年ですか、実はこの前にドラスティックに減っておりますので、それを入れると1けた、もっと大きい藻場の大きい面積になります。
 こういうデータは、例えば国交省の中部地方整備局が取りまとめておりますので、ご利用いただけるというふうに思います。他の箇所もそういうものがありますので、できるだけ古いものが、もし利用可能なものがあれば、整理していただいたほうが環境の変化がわかるかなというふうに思いました。

○岡田委員長 ありがとうございました。これはよろしいですね。では、事務局のほうでもう一度ご確認いただければというふうに思います。
 他にございますか。
 それでは、今までのところ、資料3から資料7までの全体を通じて何かご質問、ご注意ございますでしょうか。
 どうぞ。

○中村委員 資料5、6、7を通しまして気がついたことは、前回の第6次の答申に向けた委員会の中でいろんな作業をされて、関係のある図表を出されて、また議論された結果が出ているというふうに思います。例えば、答申のコピーだけでも大分役立つのではないかと思うんですけれども、そこのせっかくやった議論があまり生かされていなくて、また蒸し返しの議論が多いなというような気がしますので、答申の資料だけでもコピーを手元に配付いただければ、これを見れば、こういうときはこういう議論をしたねということがわかるんじゃないかというふうに思いましたので、よろしくお願いしたいと思います。

○岡田委員長 事務局としては、前回のものと今回がどう違うかというのをお示ししたいということで、これを用意されたんですよね。だから、前があればもっとよくわかると、そういうことですね。

○中村委員 ええ。CODの切片がどうかとか、外洋からの負荷がどうかというのは、第6次の答申のときの議論の結論として出ておりますので、そういうものは土台にして次のステップに進むほうがいいかなと思いまして。

○中田委員 資料7の(3)で瀬戸内海の干潟面積の推移があります。1978年以降、あまり面積は変わっていないんですけれども、例えばアサリとかそういう水産物は大幅に減ってきております。例えば干潟の浄化機能等々を考えた場合、そういう質の変化というものをもっと丹念に見ていく必要があるのではないかと思っております。

○岡田委員長 これはどうなっていましたでしょうか。

○尾川室長 少し何か作業はしたいんですけれども、その干潟の質を表現するような指標というのは、例えばアサリの漁獲等を重ねるということでございましょうか。

○岡田委員長 アサリの漁獲、中田先生がおっしゃるように激減しているというグラフは、確かどこかにあるはずですね。前にお示ししたんでしたっけ。どうなっていましたか。

○尾川室長 このシリーズでお示ししておりませんので、少し作業をしてみます。

○岡田委員長 わかりました。では探してきていただくか、見つからないことはないと思いますが、万が一たいへんだったら、もう一度、中田先生に、すみません、よろしくお願いします。あちこちにあるはずですから、よろしくお願いいたします。
 重要なご指摘ありがとうございました。
 他にございますか。
 それでは、2番目の議題の水質予測モデルについて、ご議論をいただければと思います。
 それでは、資料8、9、10を使いまして事務局から、これはまとめてご説明をお願いいたします。

○尾川室長 それではご説明いたします。ちょっとお時間をいただいて、モデルについて概要と行った現況、再現結果、それから今後のモデルを使った作業予定について、それぞれ資料8、9、10で説明させていただきます。
 まず、このモデルでございますけれども、先の委員会でも申し上げましたが、私どもで行っております閉鎖性海域の中長期ビジョン作成の過程におきまして、過去の再現と、それから将来を予測しようということで開発しておるモデルでございます。
 資料8の表をごらんいただきますと、このモデルは流動モデルと水質モデルの組み合わせになってございまして、流動モデルにつきましては、これは非定常な計算になりますけれども、海に対する淡水の供給ですとか、あるいは外海との物質のやりとり、あとそれぞれの海域の中での流動などを再現いたしまして、鉛直混合の過程までパラメータ化していると、そういうモデルでございます。
 水質モデルでございますけれども、流動が固まりますと、陸域からの淡水の流入に伴って汚濁負荷も入ってまいります。中での内部生産や分解・沈降過程などを再現することによりまして、プランクトンなりが吸収し、捕食をし、また沈降して底質から溶出していくという過程を再現することができます。なお、底質につきましては、物質のやりとりを再現できるような溶出サブモデルを構築してございます。図はその概念図を示したものでございます。
 おめくりいただきまして、2ページ目でございますけれども、ここからは、モデルの基本構造についてお話をいたします。
 まず、モデルがカバーしておる範囲を図8-2に示してございますけれども、湾口のやや外側までを、潮汐条件を与えられる範囲までを基本的な計算範囲としてございます。メッシュのサイズでございますけれども、まず鉛直方向ですが、これはメッシュの平均水深を10層に均等に分けてございます。例えで申しますと、水深20メートルであれば2メートルごとで、もしそれが潮位が上がりますと、1メートル上がりますと2メートルがそれぞれ2メートル10センチになる。均等に膨らんでいくような、鉛直方向は均等区分でございます。
 水平でございますが、東京湾、瀬戸内海につきましては、1キロメートルごとの正方のメッシュでございますが、伊勢湾は三河湾の奥のところ、図でごらんいただきますとおわかりかと思いますけれども、250メートルから1キロメートルの可変メッシュでございます。
 それで、3ページへまいりまして計算方法でございますけれども、先ほども少し申し上げましたが、流動と水質を非定常で現すというモデルでございます。
 2.4の計算対象項目は示したとおりでございます。このモデルの中で、モデル化しておる事象でございますけれども、この海域の中での炭素循環と、ここに書いてあるとおりでございますが、プランクトンが炭素同化いたしまして、動物プランクトンが食べてという、こういう炭素の循環、あるいはりん、窒素についての循環を再現してございます。
 4ページへまいりまして、溶存酸素でございますけれども、中に生きております植物プランクトンは光合成で供給すると。あと、呼吸に伴って酸素を消費するということについても、モデル化をしてございます。酸素は表面から、あるいは外洋から、表流水から供給されてまいります。
 シリカもこの中ではモデル化をしてございまして、利用可能なシリカと生物由来シリカ、それぞれ分けて表現してございます。
 懸濁物質SSでございますけれども、これは無機を中心とした陸域からのSS、それから内部生産で生成する生物系のSSについて、それが浮遊して拡散して沈降していくという過程を現わしてございます。
 底質環境につきましては、先ほど申し上げましたサブモデルを設けてございまして、底泥の好気・嫌気の層が変わりますと、底泥から水へのやりとりが変わるということを表現したものでございます。
 5ページにまいりまして、干潟・藻場に関しましては、先ほどごらんいただいた統計資料を使いまして、メッシュは1キロでございますので、ある程度の割り切りをいたしまして、メッシュ単位で干潟とするかしないかというふうに与えてございます。
 漁獲による効果でございますが、物質循環の中で漁獲によって窒素・りんが海中から取り上げられるというのは、これは除去という効果になりますので、これについて表現してございます。ただ、魚という形ではございませんで、動物プランクトンという形になってございますので、その動物プランクトンを取り上げるということを漁獲による効果というふうにみなして計算しました。魚の形をした動物プランクトンがいなくなるような、そういうモデルを組んでございます。
 そして、6ページにまいりまして計算条件ですけれども、地形、水深、潮汐、それぞれこれは私は詳しいご説明はできません。文章に書いてあるとおりでございまして、それぞれこのデータを用いてモデルに組み込んでいるということでございます。
 7ページへまいりまして、境界条件、河川との境界、大気との境界、海底との境界等々の境界条件に関しましても、7ページに書いたとおりでございます。
 最後でございますけれども、8ページには湾口の境界条件が記されてございまして、以上が資料8のご説明でございます。
 資料9は、今、私が概要を説明したモデルの検証といいましょうか、現況再現ができるかどうかということを確認した作業の結果について記録をしたものでございます。作業のフローは1ページに示しているとおりでございますけれども、通常のシミュレーションモデルの現況再現のプロセスをとってございます。
 2ページへまいりまして、今回の条件でございますけれども、東京湾は、昭和54年度から平成15年度までの長期再現計算を行ってございますけれども、伊勢湾については2か年間、瀬戸内海については平成16年度の1年間について計算機を回しております。
 比較対象項目でございますが、2つモデルがあると申し上げましたが、流動の再現につきましては、塩分と水温を比較対象項目といたしております。また、水質についてはCOD、全窒素、全りん、それからDOというものを項目といたしました。
 比較の対象、計算の結果と比べる相手は、広域総合水質調査結果を用いたものでございます。
 3ページにまいりまして、現況再現性の確認方法について説明しております。3ページの図は、計算結果を広域総合水質調査の観測値で割ったものでございます。これは100%であれば、観測値と計算値が一致しているということになります。この平均値と標準偏差を1つのグラフにしておりますので、真ん中の黒い四角が100%に乗っているかどうか、あるいは上のほうに行っていないか、下のほうに行き過ぎていないかということ。それから、ひげの部分がどれぐらい、これは狭ければ狭いほどよいわけですけれども、この標準偏差のひげのところをあわせて見るようにしております。
 4ページには、これは絶対値で合わせてみようということでございまして、特に全体の平均で見た場合に、散らばっておったときに、低濃度あるいは高濃度によって再現性が異なるかということを検証するために、絶対値についてもグラフ化をしてございます。黒が観測値、赤が計算値でございまして、その2つの平均、最大・最小のひげがございますけれども、これを、文章にも書いてございますが、右から2つ目の01、04というところは、赤いものが黒よりも完全に上に行ってしまっている、ずれているということでございまして、それは再現性としては問題ではなかろうかと。逆に、黒と赤が重なっていれば、それぞれの範囲に入っているということを見るものでございます。このように計算値の比と絶対値、それぞれをグラフ化してございます。
 それから、5ページ以降は、現況再現に用いたデータの作成方法について書いてございます。再現計算を行うときの初期値、計算機を回す初期値については2.1に示してございまして、ページで言うと5から6ページの半ばまででございます。
 それから、6ページへまいりまして、現況再現の期間での負荷量をどういうふうに与えるかということにつきましては、表9-3にそれぞれ示してございます。L-Q式と、それから発生負荷量からの換算値と申しますか、発生負荷量を直接用いるものとL-Q式を用いるもの、2つございます。
 それから、7ページが大気からの負荷の与え方でございまして、特に窒素については、大気からも参りますので、酸性雨のデータなども使いまして、大気からの負荷についても考慮するようにしております。
 潮汐条件につきましては、2.4に書いたとおりでございます。
 そして、8ページへまいります。気象条件は、その際のアメダスなどのデータを用いておりまして、計算のタイムステップについては、湾ごとに書いてあるとおりでございますが、東京湾は流動に関する推移については3秒ごとに、そして流速などについては2分、120秒ごとに計算機を回したということでございます。
 そして、9ページにまいりますと、先ほども広域総合水質調査と比べるということを申し上げたわけでございますが、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海ごとに中をブロックに示してございます。特にブロックで交差しているということではないんですけれども、後でごらんいただいたときにわかりやすいように、地点にブロックの名前をつけて表現してございますので、必要に応じ10ページ、11ページ、12ページをごらんいただければと思います。
 そして、13ページは計算結果の加工方法ということでございまして、観測値と言っております広域総合水質調査は、現地に船を出して水をくむわけでございますが、計算機の結果というのは、何とでもできるんですけれども、比較相手はあくまでもメッシュごとの24時間の平均値と1回の採水のデータを比べているということ。そして、表層と底層でそれぞれ調べておりますけれども、表層については一律に10層に分けた一番上の層を使い、底層については深度ごとに、第9層と第10層を使い分けるようにしてございます。つまり、点と直方体というんでしょうか、このような形で比べておるということでございます。
 それでは、14ページ以降が再現確認の結果でございますので、そちらのほうで具体のデータをごらんいただきたいと思います。
 湾ごとでございますが、最初に14ページが東京湾で、流動のための塩分についてお示しをしてございます。14ページの図9-9が表層でございまして、図9-10が底層でございます。表層は上が比のものでございます。100%に乗っておるということ。ほとんどひげも出ていないということがおわかりかと思います。図9-9の下のほうをごらんいただきますと、赤と黒を横に並べてみても、非常によく合っているということがご確認いただけるかと思います。
 15ページは差をとったものでございます。差と申しますのは、表層と底層の差でございまして、つまり、成層が形成されているかどうかということが貧酸素の場合に非常に大きく影響しておりますので、絶対値だけではなくて、同じ地点の上の層と下の層でギャップがちゃんと再現できているかどうかということを確認するために差をとったものでございまして、これもおおむねいい感じではないかというふうに判断をしておるところでございます。
 同様に、16ページ、17ページは水温でございまして、塩分と同じような傾向になります。このように、東京湾に関しましては、地点ごとに見た塩分についても水温についても、再現性については問題ないのではないかと、このように考えておる次第でございます。
 18ページ以降は、水質の再現性についてグラフ化してございます。18ページがCOD、19ページが全窒素ということで、多少上下に行っている部分もございますけれども、例えば18ページで申し上げますと、一番右側の湾口部が底層の部分で少し上のほうにはねている傾向が見えるかと思います。同じく全窒素、19ページについても、右側の3点、湾口部に関しては多少離れているような傾向も見受けられますけれども、湾口部はもともとのデータが非常に少ない部分でもございますので、それを除けばおおむねよろしいのではないかと、かように考えられます。
 20ページの全りん、それから21ページのDOに関しても、非常によく合っていると考えられます。
 22ページに東京湾のまとめを書いてございます。先ほど申し上げました流動に関して、塩分、水温を見ましたけれども、再現性が非常に高いということかと思います。水質についても、COD、DOはおおむね100%で、標準偏差も小さくなってございまして、全窒素、全りんも平均値が、よろしいんですけれども、実は図でやや低めに出ているかなとは考えますが、全体的に見れば再現性については問題ないものと考えられます。
 23ページから先が伊勢湾でございまして、伊勢湾に関しましても、一部の地点を除きまして、再現性についてはおおむね問題ないと考えられます。
 ずっと飛ばしまして、伊勢湾に関して、25、26ページが水温でございます。27ページからCOD、全窒素、全りんということで、全りんのデータが少し暴れているような傾向は見受けられます。
 31ページに伊勢湾に関してのまとめを記してございまして、流動性に関してはよろしいのではないか。ただ、水質について多少、CODに関する再現性はよろしいのではないか。そして、全りんがやや高め、全窒素がやや低めということですけれども、全体的に見れば、再現性について問題ないのではないかということでございます。
 32ページ以降が瀬戸内海でございまして、非常に点が多いので、横に長く、かつべちゃっとしたようなグラフでございますけれども、32ページをごらんいただければ、塩分についてはおおむねよろしいのではないか。そして、34ページは水温でございますが、かなり合っていると思われます。
 36ページからが水質でございまして、CODで見ますと、一番左が紀伊水道で、一番右が響灘でございますけれども、計算範囲の一番外側にありますところでは、あまり再現性がよろしくないんですけれども、中のほう、瀬戸内海の中ほどになりますと、おおむね合っているのではないかと考えられます。
 37ページの全窒素に関しましても、一番右の響灘がちょっとよろしくないのですが、あといくつかの地点で高く出ているものもございますけれども、おおむね合っていると思われます。
 全りんも、響灘があまりよろしくないという以外は問題ないのではないか。DOに関しても同じような傾向でございます。
 40ページに瀬戸内海のまとめを書いてございまして、私が今申し上げたことを文字にしておるところでございます。
 資料10が今後の予定ということで、再現が確認されたという前提で書いてございますけれども、現況再現が確認できれば、モデルを使いますと非常に幅広い解析を行うことができると思います。分布図を書いてみたり、時系列の図を書くと。数秒から数分単位で計算機を回してございますので、非常に多くの情報を得ることができます。
 1ページの下は、6次の答申のときの目次を拾ったものでございますけれども、前回は負荷量と水質濃度の関係等々について要点を取りまとめているところでございますので、今回もモデルを使うことによりまして、これらの項目を解析できるのではないかということですが、裏を返していただきますと、2ページの上のところにフラックスの表が書いてございますが、1つは、これらのメカニズムを解明・解析する上で、フラックスを押さえるというのが基本的であろうと。つまり、各境界面から海域に入ってくるフラックス、あるいは中で生産される内部生産量と、これらを計算機によって把握することができます。表にあるようなフラックスを今回は念頭に置いてございます。
 また、フラックスは求められるわけでございますけれども、それ以外に、湾の中の現存量といいましょうか、積分値を求めることもできますので、湾の中の現存量と、それからフラックスを組み合わせることによりまして、下に示すようなフラックスの整理を行い、あるいは内部生産量の割合というものも出すことができますので、湾全体の水質メカニズムについてかなり詳細な検討ができるのではないかと考えてございます。
 なお、ここで東京湾と書いてございますけれども、湾によって大きさが全く異なりますので、多少濃淡が出てこようかと思います。重点的には東京湾で検討いたしますけれども、必要に応じて多少項目を簡略化するなどによりまして、瀬戸内海についてもデータをつくることはできるかと思いますが、まずは東京湾を中心に具体の検討を行うという予定でございます。
 以上でございます。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 ただいまの資料8から10までのご説明に関しまして、ご質問、それからご意見をいただきたいと思います。
 どうぞ。

○平沢委員 モデルの中身かよくわかっていないんで質問します。私もよくシミュレーションをやるんですけれども、大きな装置で50トンくらいでもなかなか合わないのに、こんな大きなところでよく合うなと、本当にすごいなと思うんですけれども、ちょっと気になるのは、数値を合わせているというか、いろんなパラメータがあって、それを合うように、合わせているところがあるのかなと、それがちょっと心配で、きちっとしたデータをされているのかもしれないですけれども、その辺のところをきちっとやっていただきたいと思うのと、やっぱり過去にあったこと、今回はそうですけれども、あったことを説明するのはいいと思うんですが、予測するのは非常に慎重にやるべきだと、私はいつもそう思っておりまして、これにあまり頼り過ぎるのはどうか。一つの参考というか、重要な知見は出てくると思うんですけれども、そういうふうにしてほしいと思いました。
 もう一つ、意見なんですけれども、これは、例えば100%合っているという赤い線があって、観測データがあるんですけれども、観測データ自身は地点のデータでして、それも何年かの間の全部の最大・最小のデータのバーを示しておりますけれども、ある年の、今問題になっているのは季節変動だと思うんです。要するに夏場にCODが上がってDOが下がる、それはこの計算で再現できているんでしょうかというのが、これからやるのかもしれませんけれども、そういうデータはもちろんあるのかもしれません。その辺をお聞きしたかったんです。

○尾川室長 再現性の100%云々のつくり方でございますけれども、これは地点ごとで、1地点において年4回ずつデータがございまして、それが東京湾であれば30年近くにわたるデータがございます。そのすべてのデータについて、その日の計算結果、24時間のものを全部集めたものでございますので、平均値と比べているのではなく、それぞれの採水結果の生データとその日の24時間値を比較しているものだということをご理解いただければと思います。

○平沢委員 わかりました。

○渡辺慶應義塾大学教授 今の尾川室長のお答えに対して補足をさせていただければと思います。
 まず、使っておりますパラメータにつきましては、すべて文献値、すなわち3湾についてのそれぞれの文献値の、ある意味では平均的な値を使っているということが1点と、もう一つは、3湾それぞれに対して違うパラメータを与えたわけではないと。統一的な値を使っているという意味で、もちろんモデルでございますので、ある種簡略化したところがあるかとは思いますが、少なくとも一般性をできるだけ持たせる形でモデルをつくっているということでございます。
 第2番目が、既にもう室長のほうでお話をいただきましたので、観測日と計算された日の日平均データという形の比較でありますので、ある意味では、年にたとえ4回であったとしてもそれなりの、逆に言うと時間的な変動をきちっと日にちで合わせているという意味では、そこが狂ってしまうと決して合わないということであります。
 ただ、もう一つご指摘になったところは、年4回の値だけではなくて、連続データで合わせているかどうかというご質問だったと思いますが、それは別途、今までの作業の中で連続的に観測されている東京湾の、例えばDOであるとか水温、塩分、そういったものの瞬時の連続観測について、このモデルをキャリブレートしておりますので、その詳細な変動についても再現をされているものだというふうには思っております。
 ただ、実際にモデルを動かしてみますと、例えば響灘のようなところは、少し再現性が得られないようなところが見られますけれども、これは放流するような、例えば負荷の非常に近いようなところで測定点があるというような場合には、どうしてもそこの変動が大きく出てしまうという傾向がございますので、モデルそのものは1キロの平均的な結果を示しているのに対して、河川に非常に近いところであるとか、ポイントソースに非常に近いところといったようなところの局所的な現象が極端に強く出てしまうような点というのが、瀬戸内海はこれだけ観測点が多いとどうしても出てしまうということで、響灘の場合にはどうしてもそういうのが出てしまったということで、これは具体的には、そういったものがもう少し詳細にデータが得られれば、また改善することもできるかと思いますが、一応、最善のゼネラリティと努力でこれぐらいの結果が得られているということでございます。

○平沢委員 今のご発言で、要するにいろんな湾があって、それを平均的なとおっしゃったんですけれども、私は湾ごとに違う値を使っているかと思っていたんです。それぞれ結構違うのかなと思って。それはそういうふうに、要するに平均的にそういう特性を出すためにやったとおっしゃいましたけれども、結構違うような気がするんですが、その辺のパラメータは……

○渡辺慶應義塾大学教授 パラメータはすべて3湾同じ値を使っているということでありますので……

○平沢委員 違ったデータを使ったほうがいいんじゃないかと思ったんですけれども、そうでもないんですね。

○渡辺慶應義塾大学教授 必ずしもそうではない。例えば素過程というのは、有機物が分解される速度といったようなものは、温度と、そういったものをファンクションで記述をしておりますが、それはどこの湾であったとしても、同じようにきちっと一般則に則って分解していくという、一応化学式に則っているという形で、大体それが再現性をきちっと示しているということがわかってきておりますので、それについてはいいのではないかというふうに思っております。

○岡田委員長 ありがとうございました。
 他にございますか。
 どうぞ、細見先生。

○細見委員 非常に大型な煩雑な計算をやられたんだと思いますけれども、細かいことで言うと、まず窒素に関しては、少し計算値が全体的に全部低めに出ているので、これは何らか、3湾共通のパラメータが、どこかが多分低めに出ている可能性があるので、ちょっと検証してほしいなと思います。
 それから、最後の資料10で、フラックスを求めていろいろ検討されようとしていて、それは非常に大事なことだと思っています。そのときに、例えば資料6のような図が今回あって、今回計算していただいた面積負荷と上層部の濃度がこの曲線に計算値が乗っているのか乗っていないのか非常に興味があって、もし乗っているとすれば、非常にシンプルなモデルで結構予測できるのかなと思いました。ざっと見てみると、負荷量に対して上層の濃度というのは、湖沼の中で得られているような濃度に近いかなと思いながら、このモデルでもそういうことが実際に計算できるのかどうか、というのは、お手数というか、でも負荷量との関係というのは非常にポイントなので、そこが押さえられるようにしていただきたいなというふうに思います。
 それから、私も底質のことをずっとやってきたので、興味があるのは、十何年も東京湾のモデル計算を動かしていくと、底質の中の濃度というのは一体、どんどん上がっていくものなのか、多少フラクチュエーションしながら常に一定の値をとるようなものなんでしょうか。それはいかがでしたでしょうか。

○渡辺慶應義塾大学教授 それでは、まず最初の窒素の値が少し低めに出ているというご指摘でございまして、当方としては、ベストアベイラブルな推定された負荷量をインプットとしているということから、窒素が少し低めに出ているということについての理由はさまざま、パラメータ側にあるのか、それともそれ以外のものにあるのかというのは、今後とも検討していきたいということで、今のところは何とも、一応これが現在得られている値と言うしかお答えがありませんので、そこでお答えにさせていただきたいと思います。
 第2番目が、図に従って低下していくかどうかというご指摘でありまして、これにつきましては、結果、東京湾に関しては約30年間の計算がございますので、可能と言えば可能ではありますが、かなり膨大な作業が伴います。

○細見委員 たいへんですか。

○渡辺慶應義塾大学教授 いやいや、そんなことはないです。委員の皆様方がおっしゃればやらねばならないということだとは思うんですが、やはりプライオリティがあるということで、順次できるところからやらせていただければということで、ご理解いただければと思います。
 3番目の点につきまして、底泥において30年間の計算結果と比較した観測結果がどうであるかということでございますが、これについても、観測された底泥の有機物の含有量との比較ができてございまして、ある程度の分布、それから時間的な変化についても、それなりの再現性が得られているというふうに思っております。これは今回の資料にはお出しはしておりませんけれども。
 以上であります。

○岡田委員長 よろしいですか。

○細見委員 はい。

○岡田委員長 渡辺先生がおっしゃったように、そういうデータはありますので、次の時か何かに出していただければ、細見先生は興味があると思いますから。
 それと、2番目の図6のようなデータ、これは大体できているんじゃなかったでしたか。これからやることになっていたような気がしていたんですが、たいへんですか。

○渡辺慶應義塾大学教授 やるというような話は全く出てなくて、今回初めて細見先生がご指摘になったので、また改めて。

○岡田委員長 では、これはここで何かをお約束するというよりも、ご検討いただければと思います。これに近い検討はすることに確かなっていたと思いますから、そんなにたいへんじゃないかなと思うんですが、これはここでぎりぎりやることは避けましょう。少なくとも細見先生のご指摘、ご要望は渡辺先生のほうでも十分ご理解いただいていると思いますので、よろしくお願いいたします。
 他にございますでしょうか。
 これはモデルですから、どうするかというのはなかなか難しいところで、例えばT-Nが多少低めに出るとすれば、これを無理に合わせるという戦略もあると思いますが、むしろそれを承知の上で最終的な結果の判断を、こういう傾向であるということを前提にしてモデルの出力結果を判断していこうと、こういうお考えと考えてよろしいですか、どちらかと言えば今のところは。

○渡辺慶應義塾大学教授 そうですね。際限もなくパラメータをいじるということになりますと、現実的な問題が出てまいりますので、ある程度時間を区切って、そういう前提のもとに、モデルというのはあくまでも手段でございますので、サイエンスとは別のレベルでそれをどう使っていくかということにご審議をいただいたほうが現実的かなというふうに思います。

○岡田委員長 このモデルの出力の特性を踏まえた上で最終的な判断をしていこうと、こういうことが渡辺先生のほうからのご提案と考えてよろしいですね。

○渡辺慶應義塾大学教授 現状ではそうでございます。

○岡田委員長 わかりました。

○渡辺慶應義塾大学教授 ただ、他にご意見がもしあれば賜りたいと思います。

○岡田委員長 わかりました。ということですが、よろしいですか。私はそのほうがいいかなというふうに思っておりますので、モデル開発者である渡辺先生のご提案というか、それから結果も踏まえて、今後の議論をしていけばというふうに思います。
 他にございますでしょうか。
 どうぞ。

○細見委員 資料10で、例えば図10-3ですけれども、単位がなくて、どういう意味なんでしょうか。比率ですよね、円グラフだから。これは多分計算されているはずですから、数値が1個1個入るんでしょうかね。

○渡辺慶應義塾大学教授 まだ計算はしておりませんので、あくまでも想像図であります。

○細見委員 なるほど。これからやろうという。

○岡田委員長 モデルに基づいて、フラックス、それからこういうものを定量的にしましょうということは、確か前に細見先生からもご指摘いただいていると思いますので。これは今後の予定ですので、イメージ図というふうにお考えいただければと。

○細見委員 失礼しました。これはイメージ図ですね。

○岡田委員長 もっと簡単に言えば、例えば本日の資料3に水質汚濁メカニズムというのがありますが、これがもう少し定量的に現せるようになるということで、今日あえて資料3をしつこく議論するよりも、モデルの結果が出てきてからもう一度再確認いただくということになるかと思いますので、よろしいですね、そういうことで。
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○清水委員 今日の資料4の関係なんですけれども、資料4と今のシミュレーションの関係ですが、水質改善の対策、いろいろと列記されていますけれども、こういうものが具体にモデルの中でどのように組み込まれていくのか、少しお教えいただければと思うんです。
 例えば底質環境の改善というのがあるんですけれども、東京湾の再現の中で、覆土なり底泥の除却で、その辺がどういうふうにシミュレーションの中で扱われているのかとか、あと、漁獲の関係は対策はないんですが、ここでは魚を取り上げるというのがあるんですけれども、例えば3海域ともノリは養殖量として非常に多いんですが、そういう植物の形で取り出されるものが今回入っていないんですが、それは効果が少ないということなのか、あるいはデータが少ないのかということなんですが、魚だけとり得たのはなぜなのか、お伺いできればと思うんです。

○渡辺慶應義塾大学教授 まず、底質環境の改善の対策の方法のところでございますけれども、覆砂のようなものを想定したときに、投入する砂が全く何も有機物を含まない場合には、一つの改善策としてモデル上では、現在ある有機物を含んだ泥の上に、それが10センチとか何とか覆砂が投入されるという形で、モデル上では表層の好気層と嫌気層の間での有機物含量が当然変わるという形に設定をいたします。また、投入する砂が新しい砂ではなくて、どこかで浚渫をしたということで、そこに有機物が含まれる場合には、その層厚にプラス負荷された有機物がそこに入ってくるという形で溶出モデルが計算されるという、そういう形になっております。
 それから、捕食といいますか、漁獲によって取り除かれるものということなんですが、これは実際にどれだけ魚が漁獲で取り除かれるかということについての細かいデータが湾全体として、しかも地域別で果たしてどれぐらいあるかという推計はなかなか難しかったものですから、やり方としては、第6次の総量規制のときに使われた一つの推定として、発生負荷量に見合ってどれぐらいのパーセンテージが漁獲としてとられているかということが、各湾にとって異なる値が出ているということから、1つの方法として、その分を動物プランクトンから差し引くという形の扱いをモデル上でやったということで、必ずしも魚がすべてそこで食べたかどうかということとか、ノリがとったかどうかということの区別は一切なしに、取り上げられるものがどうであるかということをモデルに組み込んだということでありますので、マクロにそこは扱っているということであります。

○岡田委員長 よろしいですか。清水先生のご指摘で、ノリみたいなものはどうするかという、魚が動物プランクトンを捕食するという過程、そうでないものもありますが、基本的にいいと思うんですが、ノリみたいなものはどう扱うかというご質問ですが。

○渡辺慶應義塾大学教授 私の理解では、取り上げる窒素、外海から取り上げる窒素・りんというのが、要するに漁獲というのが、それも全部含んだものとしてパーセンテージを設定しているというふうに考えておりますが、ノリというのが冬の間に生育するという季節的なものがそこにあるとするならば、当然それは湾のローカリティにおいては確かに議論しなければならないかもしれないですが、あくまでもここは、年平均的にどれだけ取り上げているかという形のパラメータとしてこれを組み込んだということであります。

○中田委員 ただ、ノリの部分は季節性がかなり大きいというのと、動物プランクトンを食べる魚とは違って食段階が違いますよね。やっぱりそこは水産サイドとしては見てみたいなというところはありますので、よろしくお願いします。

○渡辺慶應義塾大学教授 モデル上は、そういった大型の藻類を組み込むということも当然可能であろうとは思いますけれども、いずれにしても、漁獲高もしくはノリといったようなことについて、細かい地域的な分布をどのように入れていくべきかとなりますと、かなり煩雑な処理が必要になってくるということで、当方も当然、ノリが動物プランクトンを食べるということではないということは理解した上で、要するに系からどのようにそれを除外するかということの一つの方法として、マクロにそれを全部集約させてそこを、そういう意味ではフィッティングをしているというか、効果としてマクロにそこに埋め込んだ形でやっているということですので、当然、ご指摘のとおり、大型の藻類という形で、それの増殖のようなものを別途入れれば、当然そこは珪藻と鞭毛藻を入れているというプロセスが入っておりますので、それにもう一つ同様の大型の藻類を入れれば、それは当然できることなんですが、次回出てくると思いますが、これにまだSSが入ってきて、いろいろと計算項目が次々と乗ってまいりまして、しかもそうなりますと、SSについては1つのパラメータではいかなくて、4つの粒径分布に分けた連立方程式を解いていくということになってまいりますと、システムそのものがフリーズしそうなぐらい、連立方程式の数が大きくなってしまっておりますので、そこまで行くとほとんどサイエンスの世界に入ってしまいますので、ここは1つのエンジニアリング・ジャッジメントとして、マネジメントとしてそれをどう扱うかということをある程度議論させていただく必要があるということで、私はあえてそこは、現状はわかった上で、動物プランクトンからマクロにこれだけ系から取り除くということで、代替したいというふうに考えております。ご理解いただければありがたいですが。

○岡田委員長 よろしいでしょうか。これはまた進みながら、必要に応じて議論するということのほうがよろしいかと思います。
 どうぞ。

○河村委員 負荷に関しては、恐らく年間データをベースにして、365日同じにしているのではないんですか。雨なんかは変わりますよね、当然。それと同じような形の変化があるわけですか、インプットで。

○尾川室長 負荷の与え方は、資料9の6ページの表9-3をごらんいただければと思いますけれども、河川は水質を測定している地点の負荷量がございますので、L-Qを使っております。したがって既に季節変動は入っていると。
 あと、海に直接入る点源に関しましては、発生負荷量調査の中で月ごとのデータがございますので、それを反映するようにしております。これは発生負荷量から流達率1といいますか、100%そのまま海に入るというような考え方をとっております。
 その他の小河川につきましては、そのようなデータはございませんので、発生負荷量でございますけれども、事業場については月単位のデータを使うと、こういう形でデータを組み立てております。

○河村委員 それでは、海に直接入らないものについては、いろんなところからできた発生を河川に置き換えてインプットさせたということですね。わかりました。

○岡田委員長 他によろしいでしょうか。
 多分、モデルについてはそれぞれの専門に応じてそれぞれご要望もあるかと思います。もちろんそれを全部取り入れたらモデルとしてはパンクするというのは、先ほど渡辺先生がおっしゃったとおりだと思います。いずれにしても、これはやりながら、どこまで取り入れて、どこで簡略化するかというのは、使い方も含めて議論しなきゃいけないところだと思いますので、ご要望はご遠慮なく言っていただいて、そのとおりするかどうかはまた事務局と議論しながらやっていくということにさせていただければと思います。ご要望を言うなと、こういうことだけは言いたくないし、モデルをつくる立場、事務局もそういうことをおっしゃっているわけではないと思いますので、ご遠慮なくおっしゃってください。使い方も含めて議論していきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
 モデルは非常に複雑ですから、いくらでも出てくるかと思います。また後で思いついたことがありましたら、これは事務局のほうにご指摘、ご要望をいただいて、最後に使う上で問題なく、いいモデル、いい使い方になればありがたいというふうに思います。
 よろしいですか。全体を通じて何かございますでしょうか。
 どうぞ。

○菅原委員 今の負荷の与え方で、小河川の流入負荷量なんですけれども、L-Q式でやるということなんですが、平水時と降雨時で異なる式を用いるのでしょうか。例えばSSの問題がさっき出ていましたが、平水時と降雨時ではかなりL-Q式が違ってくるのではないかと思うんですけれども、その辺のデータは整理されているんでしょうか。

○渡辺慶應義塾大学教授 次回にSSについてはお話が出てくると思いますが、ご指摘のとおりで、平水時と洪水時の値については異なる、要するに傾きが違った式が与えられているということでございます。

○菅原委員 傾きが2段になる。

○岡田委員長 そういう意味でね。わかりました。よろしいですね。ありがとうございました。
 他にございますか。
 それでは、以上をもちまして、本日ご用意いただいたすべての資料についてのご議論をいただきました。
 全体を通じて何か追加のご意見、ご注文等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 よろしければ、事務局からの連絡事項、何かございますでしょうか。

○尾川室長 では2点申し上げます。
 本日の議事録でございますが、速記が入ってございます。前回と同様、速記がまとまり次第、先生方にお送りさせていただいて、全員のご確認が終わったものをウェブサイトで公開する予定でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 もう1点、次回の委員会でございますけれども、お盆明けの月曜日、8月17日、既にご案内申し上げているとおりでございます。どうぞお繰り合わせいただけますようにお願いします。会場など決まりましたら、また正式な開催通知書を送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○岡田委員長 本日は活発なご議論、本当にありがとうございました。
 以上をもちまして、第2回総量削減専門委員会を閉会させていただきます。
 どうもありがとうございました。

午後4時45分 閉会

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