水生生物保全環境基準類型指定専門委員会(第32回) 議事録

日時

平成29年3月30日(木)

開会

議題

 (1)前回指摘事項とその対応について
 (2)有明海に関する水生生物保全に係る水域類型指定について
 (3)その他

閉会

議事

                                      午前10時00分 開会

○林課長補佐 定刻となりましたので、ただいまから中央環境審議会水環境部会第32回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を開催いたします。

 委員の皆様には年度末のご多忙のところご参集いただきまして、誠にありがとうございます。

 本日は委員総数8名中5名のご出席が予定されておりますけれども、ただいまのところ4名のご出席をいただいておりますので、ご報告いたします。

 なお、本日はオブザーバーとして関係県の方々にもご臨席いただいております。

 それでは、議事に先立ちまして、審議官の早水からご挨拶を申し上げます。

○早水審議官 おはようございます。水・大気環境局担当の早水でございます。

 今日の水生生物保全環境基準類型指定専門委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

 今日はお忙しい中、大変、年度末でございますけれども、お集まりいただきましてありがとうございました。

 この委員会でございますけれども、前回は瀬戸内海の3海域、播磨灘北西部、それから広島湾西部、響灘及び周防灘につきまして、水生生物の保全の環境基準類型指定ということで、ご審議をいただきました。これにつきましては、第8次報告書を取りまとめていただいて、昨年11月2日付で中央環境審議会の答申を得ることができました。ここに厚くお礼を申し上げます。

 それで、国が類型指定を行う水域でございますが、今まで、順次、先生方のご尽力により進めてまいりましたけれども、いよいよ最後の水域となりまして、今日は有明海につきまして、水生生物保全に係る環境基準の類型指定(案)についてご審議をいただきたいと考えております。委員の皆様方には、専門的な見地から幅広い意見をお聞かせいただきますようお願いいたしまして、私からのご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○林課長補佐 ありがとうございました。

 続きまして、お手元の配付資料について確認をさせていただきます。

 議事次第に配付資料一覧がございます。資料1が、委員名簿です。資料2、前回指摘事項とその対応案について、こちらは別紙の1から4としまして、別綴じになったものが四つございます。資料3、有明海における類型指定を行うために必要な情報の整理について。資料4、有明海における類型指定について(案)。

 参考資料1、有明海における類型指定検討のための水生生物調査結果について、参考資料2、国が類型指定する水域について、参考資料3、水生生物保全環境基準の水域類型指定の考え方についてでございます。

 資料に不足等ございましたら、随時、事務局までお申しつけいただければと思います。

 なお、マスコミの皆さんにおかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

 それでは、これ以降の進行は須藤委員長にお願いいたします

○須藤委員長 かしこまりました。それでは、一言ご挨拶を申し上げた後、議事進行に入りたいと思います。

 類型指定の専門委員会というのは、今回が32回目で、全部で47水域やることになっておりまして、有明海が最後でございます。委員の先生方には、ご多用の中、早朝から、また年度末、それから関係4県の皆さんにも同じようにご出席をいただきまして、どうもありがとうございます。

 それでは、有明海ということでございまして、本日は、事務局から類型指定の考え方をお示ししますので、先生方のご意見が概ねそれでいいということになれば、次回ぐらいには報告書案ができるような進行で行きたいと思います。どうぞよろしくご審議のほど、お願い申し上げたいと思います。

 それでは、議題の1から参ります。議題の1、前回指摘事項とその対応についてでございますが、前回の専門委員会において、本日、ご審議をいただく有明海の概略についてご説明があり、それについてご指摘をいただいたところでございます。その対応について事務局に案を作っていただいております。それについて審議をいただきたい。

 それでは、中島専門官、資料2について説明ください。

○中島専門官 それでは資料2、前回指摘事項とその対応案についてをご覧ください。

 左側が委員指摘事項、前回の専門委員会において頂戴したご指摘です。右側がそれに対する対応案となっております。

 まず1番目の指摘ですが、固有種が多いことが有明海の特徴のひとつである。このため、漁獲対象種以外の水生生物も、主要魚介類として選定すべきという意見を頂戴しております。山室委員、それから須藤委員長から頂戴しました。これにつきましては、資料2、別紙の1をご覧いただきながら、説明させていただきます。

 まず、有明海の固有種についてですが、別紙1の表-1、それからめくっていただいた表-2に、文献から、特産種と準特産種の一覧を載せてございます。特産種というのは、1ページの表-1の下に、ちょっと細かいのですが注釈がありまして、国内での分布記録が有明海に限られる種。ただし、一部の種は、八代海北部にも分布する。これを特産種としております。

 それから、準特産種は、めくっていただいた表-2の下の注記の1)ですが、国内での分 布(記録地)が有明海以外では一部の海域に限られるもの。ただし、云々ということになってございます。

 なお、この文献には、絶滅のおそれという欄がございますが、お手元の資料につきましては、文献の情報に加えまして、最新の2012年のレッドデータブックの情報を追記させていただいております。具体的には、表-2の絶滅のおそれのところに、右上に小さくfと書かれているものが、文献にはないのですけれども、最新の環境省の情報ということで、レッドデータブックの情報を載せたものです。

 次に、資料3でまた説明をしますが、有明海における主要魚介類の選定結果を3ページの表-3に載せてございます。この表にありますように、文献等により抽出された主な魚介類が①に並べてありまして、主要魚介類はこの主な魚介類をベースに、②以降にありますように、周年定住種、有明海にずっといるということですね。それから、漁獲量が上位50位以内の種であったり、保護水面が設定されている種であったり、それから産卵場・生育場が藻場・干潟等の特定域に依存する種であったりといった項目について、該当種にマルをつけております。また、表の右側に特産種と準特産種の欄がございまして、ここにマルがついておりますのは、先ほどの表-1と表-2に記載の特産種・準特産種ということになります。

 以上のように、この選定方法そのものについては、前回の瀬戸内海までと変わっておりませんが、漁獲対象種以外の観点も含めて選定しておりますので、結果としましては、特産種としてムツゴロウ1種が、それから準特産種としては、スズキ、コウライアカシタビラメ、アゲマキガイの3種が主要魚介類として選定されております。

 それから、これは有明海の特性の表れかと思いますが、これまで類型指定を行ってきました東京湾から瀬戸内海と比べて、⑤番の欄にマルのつく種が非常に多く、結果としては全部で18種ですが、他の海域の2倍から3倍の種が有明海では主要魚介類として選定されております。

 次、資料2に戻っていただきまして、2点目の指摘です。固有種であるタイラギ等の漁業データはないかということで、こちらは資料2の別紙の2です。まず、タイラギですが、こちらは1ページから2ページに、先週開催されました第41回有明海・八代海等総合調査評価委員会の資料の中から、漁獲量の推移を抜粋して載せてございます。1ページは、農林水産統計をもとに環境省が作成したもので、こちらは1970年から2014年の推移。めくっていただいて、図-2。こちらはタイラギの貝柱漁獲量とCPUEということで、こちらは佐賀県有明海漁業協同組合の大浦支所のデータを佐賀県より提供いただいたもので、こちらは1980年から2015年までの推移を示してございます。いずれも、ご覧のとおり、近年は漁獲量の低迷が続いているという状況です。

 次、3ページ、アゲマキガイです。別紙1では、有明海の準特産種とされておりましたアゲマキガイですが、図-3は、佐賀県水産試験所が農林統計をベースに整備したもので、こちらは1901年から1983年の経年変化となります。めくっていただきまして、4ページの図-4は、図-3のデータと佐賀県有明水産振興センターが整理した漁獲量を統合して作成した推移図となります。また、下にあります図-5には、1980年代の漁場等がまとめてございます。アゲマキガイにつきましては、1992年以降は統計上に漁獲量が現れておりません。

 なお、先ほどの1番、それから2番の指摘につきましては、ご指摘いただいた山室委員から本日ご欠席との連絡がありましたので、資料を事前に確認いただいております。指摘の背景としましては、タイラギやアゲマキガイのように、かつて有明海に数多く生息していた種にとって重要な水域が特別域として指定されるか否かといった点に特に配慮が必要であり、そのような観点から指摘をしたということでした。なお、主要魚介類の選定結果ですとか、この後説明します類型指定(案)をあわせてご覧いただいたところ、山室委員からは概ね妥当な結果ではないかとの回答を頂戴しておりますので、ここに報告させていただきます。

 次に、3番目の指摘です。こちらは、これまでに水域類型を指定してきた水域では、底質が泥質である状況を魚介類の産卵や生育に適していないと整理をしてきたが、有明海ではこれまでの水域とは異なり、泥質であることを前提とした水生生物が多数存在しているため、考慮が必要ではないかということで、木幡委員よりご意見を頂戴してございます。

 これにつきましては、別紙の3をご覧ください。ここに、日本全国沿岸海洋誌から引用しておりますが、有明海の生物環境を大きく4水域に区分して、その概説を行っております。四つの区分というのは、下のほうの右側にあります図-1になります。このうち、Aと書かれている湾奥部の水域については、湾奥浅海型に属して河川水の流入が多く、外海水の影響は極めて少ない。水深は20メートル以浅で、沿岸部には広大な干潟が発達しているとしております。めくっていただきますと、2ページの上に表-1というものがございまして、ここに有明海のAからDの各水域区分の特徴が並べてあるんですが、Aの海域の一番下の底質のところをご覧いただきますと、大部分が泥質であると。それから、干潟部は軟泥から砂泥質であると、こちらの文献ではまとめてございます。この文献に、この資料を作成する際に下線を追加してありますが、この下線部には、Aの海域については、有明海特産魚の主な分布域であるとともに、それらの産卵場であり仔稚魚の成育場となっていると記載されております。また、干潟域から浅海域にかけては、一部の沖合種を除いて有明海生息種のほとんどが見られるが、コイチ、シログチ、サッパ、コノシロ、ヒラ、クロダイ、キチヌなど多くの種類の産卵場になっているとも記載されております。それから、有明海・八代海総合調査評価委員会の委員会報告によりましても、やはりこの湾奥部の底質のほとんどはシルト等の泥質になっており、有明海の特徴である広大な泥干潟の分布域であるとされています。

 このことから、資料2の1枚紙に戻っていただきまして、有明海においては湾奥浅海水域の支配的な底質であるシルトが魚類の生育に悪影響をもたらしておらず、むしろそれに適応した生活様式を有する魚類が生息し、多くの魚種にとって生活の重要な時期である仔稚期の生育場ともなっていることから、底質が泥質であることを理由にこの水域の魚介類の産卵や生育に適した水域から除外しないこととしました、という対応案を記載させていただいております。

 ここで、これまでの特別域の考え方というものを簡単に振り返っていただきたいと思います。参考資料3をご覧ください。水生生物保全環境基準の類型指定については本専門委員会のご審議を踏まえまして、平成18年から順次当てはめをしておりました。海域については、東京湾が初めて平成21年に指定されておりますが、その当時の審議において、参考資料3の1ページにあります、2.海域における特別域指定の考え方、これが整理されております。

 下にあります①から③、この水域を基本的に特別域に指定しようということで、具体的な設定方法は、おめくりいただいた2ページに記載のフローに基づいて行われております。まず一番上のボックスですが、保護水面等の設定状況ということで、①の水産資源保護法に基づき保護水面に指定されている水域。それから、②の漁業関係者によって①と同等以上に産卵場又は幼稚仔の生育場として保護が図られている水域、これらについては特別域に設定するとしております。

 次に、また1ページに戻っていただきまして、考え方の一番下の③番です。地形、水質、底質及び藻などの沿岸の植生などが当該魚類の産卵場等として適した条件にあり今後ともその条件が保たれうる水域。この水域についても、特別域として考えていこうということです。この水域につきましては、2ページの破線で囲まれている、必要な情報を整理して判断をするということになっております。破線内には、四つボックスがありますが、まず、地形等の状況ということで、藻場、干潟、浅場があるか。それから底質の状況はどうかといった情報を整理しているのですけれども、この2番目のポツですね、これまでは底質の状況の括弧内にあるとおり、泥質は魚介類の産卵や生育に適するとはしないというふうに、整理をしておりました。これを今回、指摘を受けた対応として、有明海に限ってなんですけれども、資料2の別紙3でご覧いただいたような状況等を勘案しまして、泥質であっても、有明海については除外をしないということにしてはどうかということでございます。

 引き続き、参考資料3のフローを簡単に説明します。次に水質の状況というボックスがございまして、ここでは下層DO、これが概ね3mg/L以上であることを好適な水域の条件としております。ただし、すぐに回復が期待できる水域。例えば干潟等については、この条件を当てはめないといったことが定められております。以上の地形と水質から、産卵場等として好適と考えられる場所というものをまず抽出します。

 次に、その下の主要魚介類の選定を行います。更に、その下の産卵等の状況、ここは実際に魚介類がそういった場を産卵等で利用しているかどうかを調べるということで、具体的には漁獲量のデータですとか、現地調査の結果、ヒアリング等から確認しまして、それぞれの情報を重ね合わせて、特別域を検討するといったルールで海域の類型指定をこれまでやってまいりました。今回は底質の部分について少しルールを変更して、有明海に限っては、泥質の部分もやはり特別域としていくべきであろうということでございます。

 また、前回の専門委員会でも有明海の概要について少し紹介したのですが、やはり潮流の強さ等、他の海域とは異なる点が幾つか挙げられておりましたので、そのようなことからも、今回はこのような扱いにしてはどうかという対応案となってございます。

 最後の4番目のご指摘、これは田中委員より頂戴しております。有明海は干満が非常に大きい水域なので、河口部の塩分濃度といった物理環境の情報を集めて欲しいということで、こちらは資料2の別紙4をご覧ください。有明海の塩分変化ということで、まず日本全国沿岸海洋誌からの引用ですが、有明海の塩分濃度について、他の海湾の塩分量を塩分換算した濃度との比較を行っております。比較時期は、陸水の影響の大きい夏季、8月または7月としまして、水域区分は湾奥、湾央、湾口の三つに分けました。なお、閉鎖系海域以外の一般的な海域と比較いただけるように、一番下に参考として黒潮の塩分濃度を載せてございます。陸水の影響を強く受ける湾奥部におきまして、有明海は東京湾と同程度の塩分濃度になっているということがわかります。2ページから4ページにかけての図は、表-1の塩分濃度のもととなった各水域の水平分布です。

 次に5ページ、有明海の塩分の変化ですけれども、こちらも引用ですが、内湾の塩分は河川水の影響を直接受けるため、短期間内の変化だけではなく、季節や年によって異なった変化を示すと。また大きな潮汐のために潮時による変化も著しいということです。

 それから中ほどの、「さて」から始まる段落なんですけれども、このように変化が大きいということですけれども、湾全体としての大まかな変化傾向としては、低塩分域は年間を通じて、湾奥から東部の福岡、熊本両県の沿岸寄りに見られて、その原因としては、後背地から注ぎ込む大きな河川が有明海の西部より東部に多いためではないかとされております。

 指摘事項とその対応についての説明は以上です。

○須藤委員長 どうも、中島専門官、ご丁寧にご説明をいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、特に重要なことは、従来と違うことは、泥質は非常に有明海では多く存在するのですが、それに適している魚介類がいること、また、泥質が産卵の場、生育の場にもなっているので、従来は泥質の部分はそういう生育や産卵に好適な場としていなかったのだけれども。ご承知のとおり、有明海というのは特殊な海域でございますので、好適な場とすることは妥当ではないかということで、ご説明をいただきました。

 委員の先生方、ただいまの前回指摘事項とその対応案について、ご質問、ご意見があれば、どうぞ。

 山室先生には見ていただいたのですね。これは、先程おっしゃったように、山室先生も有明海は詳しいので、それでよろしいとおっしゃっているので、いいと思います。

 ほかの先生方、いかがでしょうか。前回の指摘事項は4点挙げられているわけですが…、どうぞ。

○木幡委員 申し訳ない、細かい点なんだけれども。資料2の別紙4で、これは表層の値ですかね。

○須藤委員長 専門官、どうぞ。

○中島専門官 はい。ちょっとお待ちください。有明海につきましては、5メートル深となっておりまして、東京湾、伊勢湾については、ちょっと水深が載っておりませんが、表層ということで、水深5メートルと表層の値で比較をしているということです。

○須藤委員長 概ね同じ深さで比較しているなら、よろしいんじゃないでしょうか。いいですか、木幡先生。

○木幡委員 ちょっとだけ気になって、表層と5メートルって、少し違うかなと思って。

○中島専門官 そうですね、はい。

○須藤委員長 一応、そこまでを含めて……。

○木幡委員 特別に関係ないことなので。

○須藤委員長 そこまでを含めて表層として比較したということで、よろしいですか。

○木幡委員 はい。

○須藤委員長 他の委員の先生方、いいですか。

(「はい」の声あり)

○須藤委員長 それでは、今日の本題に入りたいと思います。議題の2ですが、有明海に関する水生生物保全に係る水域類型指定について、ということで、有明海に関する類型指定の考え方をご説明いただきたいと思います。

 この問題については、もしご質問があれば、関係4県の方でも、お気づきになることがあればご意見をいただいても結構でございます。

 それじゃ、まずは資料3から4、参考資料1から3について、中島専門官、少し時間がかかるかもしれませんが、ご説明をいただきたいと思います。

○中島専門官 それでは説明させていただきます。まず資料3ですが、こちらが類型指定を行うために必要な情報を整理したものになります。資料4は、その整理を踏まえた、現段階での類型指定の案ということになってございます。

 それでは、まず資料3から説明させていただきます。1ページをご覧ください。まず(1)水域の概況ですが、有明海は、北側を佐賀県・福岡県、東側・南側を熊本県、西側を長崎県から東シナ海に囲まれた水域であり、筑後川・六角川・緑川等の河川が流入する海域ということを記載してございます。それから、3行目に記載の括弧書きの政令、これは国が類型指定を行う水域を定めた政令になりますが、その政令で、3行目以降に記載のとおり、その範囲が定められております。ちなみに、熊本県側につながっております八代海は含みません。面積は、東京湾よりやや大きい海域です。

 次に(2)魚介類の生息状況。ここでは、日本の有用魚介類の生息状況や有明海における主な漁獲対象種を示してございます。

 (3)水質については、7ページと8ページをご覧いただきたいんですが、こちらの図1にCOD等、それから全窒素及び全燐の類型指定の状況を示してございます。

 続いて、9ページから12ページには、それぞれ公共用水域の水質測定結果を示しております。色をつけているところが、基準値を超過しているところで、CODにつきましては、A類型で27地点中20地点、B類型で14地点中1地点で基準値を超過しております。C類型は全ての基準点で基準値を満足しております。続いて、全窒素ですが、全窒素はⅡ類型では21地点中7地点、Ⅲ類型では29地点中6地点で基準値を超過。全燐につきましては、Ⅱ類型で21地点中11地点、Ⅲ類型では29地点中19地点で基準値を超過しているといった状況でございます。続いて、13ページの表、それから14ページの図、こちらは全亜鉛の状況でございます。青く着色しているところが、生物特A類型の基準値を超過しておりますが、生物A類型の基準値以下というところで、湾奥部の、14ページを見ますと、佐賀県の沿岸に2カ所超過した地点がございますが、平成27年度は両地点とも満足しているというような状況です。15ページの図がノニルフェノール、こちらについては超過している地点はございません。それから、16ページにLASについて記載してございます。湾央部のSt.5’という地点ですけれども、ここで冬季の測定結果が生物特A類型の基準値を超過しておりましたが、夏季について調査をしたところ、生物特A類型の基準値を満足しているといった状況です。以上が、水質の状況ということになります。

 続きまして、2ページのほうに戻りまして、(4)番、ここからが産卵・産仔場及び幼稚仔の生育場の状況ということで、2ページから3ページにかけて記載があります。まず①番として一般的環境条件、それから②番として有明海における環境の状況、それから3ページの下ですが、③有明海における魚介類の生息状況というふうに分けてあります。①の一般的環境条件につきましては、藻場、干潟、もしくは浅場が重要だといったこと。それから、水質条件につきましては、DOが概ね3mg/L以上あれば魚介類は生息できるといった、一般的なことを記載してございます。②には、有明海における環境の状況としまして、まず、先ほども出てきましたが、底質の状況について述べてあります。こちらは17ページをご覧ください。17ページの図3に底質の分布状況を示してございます。先ほど資料2の説明で申し上げましたとおり、湾奥部、特に西側から諫早湾にかけて、粘土、シルトといった泥質が広がってございます。

 続きまして、めくっていただいた18ページ、こちらの図4には、水産資源保護法に基づく保護水面に指定されている水域が載っております。熊本県の沿岸にアサリを保護対象とする保護水面が存在しております。それから、次の19ページには、規則・条例に基づく保護水面ということで、湾奥部に佐賀県有明海区漁業調整委員会が定めましたムツゴロウ、それからタイラギ、アゲマキガイを保全対象とする保護水面の図を載せております。

 めくっていただきまして、干潟及び藻場の存在状況ということで、20ページには主要な干潟の、21ページには主要な藻場の分布状況を示してございます。干潟については、ご覧のとおり、湾奥部から湾口部にかけて密に分布し、100ヘクタールを超える規模の大きい干潟も数多く存在しております。藻場につきましては、湾口部の長崎県や熊本県の沿岸部に広く分布しているといった状況でございます。それから、干潟と藻場、それぞれの概況につきましては、22ページ以降の表にまとめてございます。

 進みまして、27ページです。こちらは浅場の状況ということで、水深30メートル以浅の水域を浅場とこれまで呼んでおりましたが、それについて示した図でございます。有明海は、非常に潮差、満潮時と干潮時の水面の高さの差が大きな海域ですが、凡例の下に記載のありますとおり、最低水面、これを水深0メートルとしております。したがって、沿岸寄りに緑色の低潮線があるのですが、ちょっと見にくくて恐縮なんですが、この低潮線が最低水面を表しますので、この線よりも陸側の範囲、これが干潟ということになります。ご覧のとおり、有明海は湾奥部に干潟と浅場が広がっている状況でございます。

 次に、28ページ、29ページに水質の状況として、平成22年から平成28年の有明海一斉観測時における底層溶存酸素量の分布状況を示してあります。ご覧のとおり、平成22年から24年、それから平成28年には、湾奥部の北西側、諫早湾に3mg/L、水色から紫が3mg/L以下なのですけれども、これを下回る低濃度の水域がある程度存在するということです。ただ、ある程度の面積でそういった水域がある年はある一方、そのような水域がほとんど、例えば平成25年ですとか、平成26年ですが、存在しない年もございます。それから、底層溶存酸素量、いわゆる底層DOについては、このほかにも幾つかデータを収集して、掲載しております。

 ちょっとページが飛んで恐縮ですけれども、80ページをご覧ください。80ページでは、右上の地図に示しております湾奥部の北西にある3カ所の底層DO等の経時変化を載せてございます。なお、グラフ上の赤い線は、3mg/Lのラインです。いずれの地点も3mg/Lを下回りますが、低濃度の状況は潮流が強い大潮時に緩和、あるいは解消されていることがわかります。次の81ページには底層DOの経年変化ということで、調査地点は上の図のとおり、諫早湾ですけれども、月1回のモニタリング調査の結果を10年間分グラフにしたものです。このグラフから、低酸素化は例年夏季に生じていること、また3mg/Lを下回る年もあれば、下回らない年もあるということがわかります。めくっていただいて、82ページには同じ4地点の連続測定結果を載せてございます。隣の83ページには、8月の中旬から9月末までのデータですけれども、より最近の測定結果を載せてございます。これを見ますと、概ね3mg/Lを上回って、推移をしております。ただ、28ページの同じ年、2010年ですね、同じ年の8月4日の分布図を見ますと、3mg/Lを下回る水域が広がっておりますので、今ご覧になっていただいた連続データは、ある程度貧酸素水塊が緩和した時点からの連続データというふうに見ることも可能かと思っております。

 以上のことから、これらの水域における底層DOの連続測定結果からも、有明海につきましては、低濃度域が特定の地域に長時間継続して毎年発生するといった傾向はないという状況と整理してございます。ここまでが地形と、それから水質の条件でございます。

 次に、有明海における魚介類の生育状況ということで、これまでの水域と同様、主要魚介類を選定し、それらの主要魚介類の生態特性を踏まえて、産卵・生育に好適と考えられる場所を抽出しております。

 まず、主要魚介類の選定結果ですが、30ページをご覧ください。先ほど資料2の説明でも出てきましたが、こちらの表4に選定結果を示させていただいております。有明海では、6選定結果の欄に二重マルの付いている、スズキ、ムツゴロウ、ヒラメ、イヌノシタ、コウライアカシタビラメ、アカシタビラメ、マコガレイ、ホシガレイ、マダイ、クロダイ、クルマエビ、ガザミ、アサリ、サルボウ、ハマグリ、タイラギ、マテガイ、アゲマキガイの全部で18種を選定しております。

 それぞれ32ページから34ページに18種の種ごとの生態特性を整理してありまして、36ページ以降に図が何枚か出てきますが、先ほど整理した地形、水質条件等と生態特性を重ね合わせることにより、主要魚介類の産卵及び生育に好適と考えられる水域を水色とオレンジ色の線で囲ってそれぞれ示してございます。なお、36ページのスズキの好適と思われる水域の中央部に楕円を曲げたような産卵場の範囲があります。それから40ページのコウライアカシタビラメ、これについても同じような範囲が産卵場として図示されているのですが、これは下の注釈にありますとおり、既存文献に産卵場に関係する確度の高い情報がありましたので、この情報を盛り込んで図示させていただいております。

 それから、55ページ以降にメッシュ図が並んでおります。これは平成13年度の統計資料ということで、ちょっと古いのですが、主要魚種の漁場分布図です。ご覧のように、スズキにように有明海全体で漁獲されている種もあれば、実際に獲れる場所が一部に限られている種もあるといった状況でございます。

 続きまして、71ページ以降は、産卵・生育に好適と考えられる場所が、実際に利用されているかを把握するために環境省が行いました魚卵・稚仔魚調査の結果を示してございます。調査地点は、以前専門委員会でも説明させていただいたとおり、20地点を選定しております。調査は冬場、夏場それぞれ行いまして、結果を見ますと、有明海全体で魚卵及び稚仔魚が採取されており、それぞれ沖合よりは干潟、藻場といった潮間帯で多くの種類及び個体数の魚卵、それから幼仔魚が採取されているといった状況でございます。

 なお、調査の詳細につきましては、資料が飛んで恐縮ですが、参考資料の1にまとめてございます。2ページに調査を行った年月日、3ページに調査地点の緯度・経度、それから5ページ以降に調査結果の概要ということで、こちらには主要魚介類に限らず、実際に確認された主要魚介類以外の種についても同定できたものについてまとめてあります。詳細については、時間の関係で割愛させていただきます。

 続いて、資料4に参ります。以上のような情報の整理の結果、現段階での整理をもとに類型指定(案)を考えたものが、資料4になります。

 まず1ページ、有明海における類型指定についてということで、産卵場・生育場として好適な水域の状況を記載しています。1枚めくっていただいて、3ページの図1、これが産卵場、または幼稚仔の生育場として好適と考えられる水域ということで、先ほどご覧いただきました資料3で整理した情報をもとに、地形条件から産卵場、生育場として好適と想定される浅場、これは水深30メートルを示す赤い線で囲まれたエリア。それから干潟、藻場を、それぞれ青色、緑色で着色して示しております。これをもとに好適と考えられる水域を機械的に特別域に設定した場合の図が、めくっていただいた4ページの図2でございます。この濃く青く塗ってあるところが、特別域、つまり生物特A類型に相当すると考えられる水域でございます。

 有明海には、干潟、藻場、浅場が広がっておりますので、湾奥部全体、それから湾央部、湾口部の沿岸部のほとんどが、ご覧のとおり特別域となっています。なお、資料3で整理しました水産資源保護法等に基づく保護水面、この保護水面については、全て特別域に包含されるという結果になっております。

 なお、湾央部から湾口部の沖合に、ちょっと見づらいところもあるのですけれども、浅場が点在しておりますので、濃い青色、特別域が薄い水色の中にポツポツと飛び地として存在する結果になりました。このように水域を細分して類型指定することは、実際の水質管理上に混乱が生じるおそれがありますので、隣の5ページをご覧ください。5ページの図3の黄色い吹き出しに記載してありますが。この吹き出しに記載のとおり、点在する特別域の飛び地を周辺の水域とまとめて設定したものを類型指定(案)としております。

 ただし、この特別域の具体的なまとめ方につきましては、類型指定(案)を取りまとめる段階で、実際にモニタリングを行う沿岸の関係県、熊本県と長崎県さんになるかと思いますが、関係県の意見も踏まえて、最終的に設定していくということを考えております。

 なお、凡例にありますとおり、赤丸で既存の環境基準点を、緑色に赤の縁取りの丸で補助点を図示しております。それから特別域の中にあります黄色い四角ですが、これは港湾・漁港の存在を示しております。これらの港湾・漁港については、これまでの海域と同様に、堤防等で囲まれた水域を特別域から除外して、生物特A類型ではなく生物A類型とする予定としております。

 説明は、以上です。

○須藤委員長 どうも簡潔にご説明いただきまして、ありがとうございました。

 特別な水域でございますので、今までの海域と若干分け方も違うし、大部分が生物特Aというか、仔魚の生育、産卵を促すというような、そういう水域に大部分がなってしまうというような結論にはなるわけですが、今のような経緯で、とりあえずの案を示していただきました。

 委員の先生方から、今日は時間もまだ随分ありますので、木幡先生から順番に、今日は少しゆっくり伺います、人数も少ないので。どうぞお気づきの点があったら。

○木幡委員 はい、わかりました。質問と、あとコメントを少し述べさせていただきます。

 質問は非常に簡単なんですが、先ほどの説明で、亜鉛の超えているのがあって。

○須藤委員長 ええ、超えているのがあったね。

○木幡委員 これの原因。それから27年の値が、随分またよくなっているんです。この何かはっきりした理由が、もしあればと思いお聞きします。

 それからコメントですけれども、資料3の3ページ、下から二つ目の段落で、水質の状況の一番最後のところで、理由なんですけれども、低濃度域が特定の地域に長時間継続して発生する傾向はないという、この記述そのものは問題ないと思うんですが、ただ背景として、閉鎖性海域対策室のほうで実施しているいろんな調査では貧酸素水塊が出る出ると、こう言っているわけなので。ただ、それは同じ場所で継続ではないと思いますが、その辺も少し情報を入れてもらって、書きぶりに齟齬がないようにというか、後で困らないように。

○須藤委員長 矛盾しないようにしなきゃいけないね。

○木幡委員 そういうことですね。その辺ちょっと気をつけていただきたいなと思います。そんなところで。

○須藤委員長 とりあえず、それでいいですか。

○木幡委員 とりあえず、はい。

○須藤委員長 じゃあ、何回か回るから、またお願いしますね。

 じゃあ、谷田先生どうぞ。

○谷田委員 気になったのは二つほどあるのですが。漁場調査のデータが、平成13年ですよね。ちょっと古いので、最近のものはないのですかということが1点です。

 それからもう1点は、スズキとかコウライアカシタビラメの産卵場を見ますと、これは逆に深場のところが産卵場になっていますよね、資料3の例えば40ページであるとか、その前の36ページです。そうすると、今回、特Aに入れてないところが、スズキ、コウライアカシタの産卵場が特Aの中に入ってないということですね、これはいいのかなということです。

 この2点です。資料は、多分ないのですよね、漁場も。それから環境省の調査も13年までで終わっているんです、藻場も。

○須藤委員長 何かあれば、今の。後でまた回答いただいてもいいんだけれども、どうぞ。

○中島専門官 では、これまでのご指摘について回答をさせていただきます。

 まず、木幡委員から頂戴しました、全亜鉛の…。

○須藤委員長 佐賀県のデータね。

○中島専門官 はい。14ページの図にあります2地点で超過をしているということで…。

○谷田委員 特Aを超過しているが、Aは満足しているということですね。

○中島専門官 はい。ちょっと説明が足りなくて恐縮だったのですけれども、生物特A類型の基準値は超過しているのですけれども、生物A類型の基準値は超過をしていないということで、実際にどちらが当てはめられるのかというのは…。

○須藤委員長 それによって違うよね。

○中島専門官 はい。この専門委員会の審議を経た上で、最終的に類型指定された後に基準値が決まるのですけれども。仮に特Aであった場合は、超過をしているというような状況になっております。

 原因のほうについては、ちょっとそこまで調べてはおりませんので、また次回までに調べまして、何かありましたらご報告をさせていただくということで、よろしいでしょうか。

○谷田委員 はい。

○中島専門官 それから3ページの水質の状況の記載、低層溶存酸素量の関係ですが、新しく環境基準となった底層溶存酸素量が環境基準の基準値は2、3、4mg/Lと、類型毎に3段階なのですけれども。こちらの水生生物保全環境基準の類型指定においては、概ね3mg/L以上あれば魚介類が生息できるだろうということで、3のみで切っております。そういった背景も含めまして、有明海・八代海の委員会報告書が年度内にまとまると聞いておりますので、次回の専門委員会には、冒頭、委員長がおっしゃいましたように、専門委員会報告(案)をお示しできればと思っておりますので、その辺りの表現のすり合わせ等はしっかりやってまいりたいと思っております。

 それから、谷田委員からご指摘いただきました漁場分布図ですが、平成13年ということでかなり古いものになっておりますが。近年のものになりますと、種を細かく分けず、かなり大ざっぱに分類した図になってしまっていますので。選定された18種の主要魚介類毎の分布図としては、多少は古いのですが、この平成13年度のものが直近のデータということでございます。

 藻場、干潟についても、直近の自然環境局でやっております調査としては、この年度のものが新しいものとなります。

○須藤委員長 より新しい、直近のものがないんですよね。

○中島専門官 はい。ありません。

 それから、スズキとコウライアカシタビラメの生育場についてのご指摘については、実際に好適と考えられる場所であっても、魚卵や幼稚仔が採取されていないと、そこは特別域には含めないというような整理をこれまでの水域でしておりますので。もう少し情報を集めて、次回の専門委員会報告書(案)でお示ししたいなと思っております。

○谷田委員 今、36ページを見ているのですけど、この真ん中にあるコの字型というかコンマ型になった水域は、産卵場を示しているのではないのですか。

○谷田委員 今、36ページを見ているのですけど、この真ん中にあるコの字型というかコンマ型になった水域は、産卵場を示しているのではないのですか。

○中島専門官 すみません。そうです。生育場ではなくて、産卵場でした。

○谷田委員 だからコウライ等は、その深いところが産卵場になっているという図示ですよね。

○中島専門官 はい。おっしゃるとおりです。

○谷田委員 そうすると、産卵場になっているとすると、基本的には特Aを当てはめる。

○須藤委員長 特Aを当てはめないといけないですよね、なっていれば。

○中島専門官 そうですね。実際に産卵場として利用されていれば…。

○須藤委員長 その考え方からすると…。

○中島専門官 はい。水生生物の調査結果で実際に産卵実態があれば、ここは特別域に盛り込むような形で見直しをさせていただきたいと思います。

○須藤委員長 そこは、もう一回検討したほうがいいですよね。

○中島専門官 はい。

○谷田委員 そうするとですね、先ほどつながれたところのちょうど真ん中のこの部分が、ほとんど特Aになっちゃうんですよね。

○中島専門官 はい。

○谷田委員 そうすると、全域が特Aになる可能性があるのでは。

○須藤委員長 なったらなったで、先生、この場所はいいよね。私は、そう思いますけどね。

○谷田委員 ご検討ください。

○中島専門官 はい、わかりました。ありがとうございます。

○須藤委員長 藤田先生、何かご質問があったらどうぞ。

○藤田委員 教えて欲しいのですけども、水深方向のいろいろな水質です。魚が卵を産み稚魚が棲むときは、海底に近いところがいいと思うので、溶存酸素は海底から0.1メートルとか0.2メートル、1メートル以内ですが、ノニルフェノールおよびLASは、海面から0.5メートルで測っていますね。下のほうで測らなくてもいいのでしょうかということと、リン、窒素、亜鉛関係の水質はどの部分で測ってらっしゃるのでしょうか。また、冬場になると、表面で測っているLASの量が増えます。DOの場合には、今度は逆に夏に低くなります。以上、どういう理由かを教えて欲しいです。

○須藤委員長 水深と測定項目の関係ですね。

○藤田委員 そうですね。

○中島専門官 幾つかの環境基準項目については、資料の中に水深を記載してありますが、載っていないものについては、元のデータを細かく調べて、次回までに整理したいと思います。

○藤田委員 魚の稚魚は海底下に棲むので、底の値ほうが正しいのかなと思います。どうでしょうか。

○中島専門官 表層からの採水が基本になってくるかと思います。底層DOについては、環境基準項目として測定方法そのものに、海底から1メートル以内で測定すると記載されておりますが。それ以外の項目については、水質調査方法という通知で、測定水深も含めた実際の採水時の大まかな考え方、原則的な方法を都道府県に示しています。

○藤田委員 一般的な項目はいいのですけれど、魚の場合、ちょっと違うと思いますが、どうなのでしょうか。

○中島専門官 そうですね。鉛直方向の水質分布というのは、これまでも、そこまで細かくは分析してなかったと思いますが。そうですね、測定されてた水深ですとか、それから生態特性は取りまとめておりますので、次回までに可能な範囲で分析をしたいと思います。

○須藤委員長 それでいいですか、先生、とりあえずは。

○藤田委員 ほかに、LASが冬に多くて、DOが夏に低くなるというのは、なぜでしょうか。

○中島専門官 16ページ、先ほど説明しましたが、St.5’という沿岸域の1か所で0.0092という特A類型の基準値を超える結果が得られたのも冬季ですし、原因はよくわからないのですが。確かにおっしゃるとおり、全域で冬季のほうが濃度が高いので。少し検討というか、原因を探ってはみたいと思います。

○須藤委員長 まずは値ですよね。LASですよね。

○中島専門官 そうです。ただ、やはり類型指定が、今回の専門委員会を経て類型指定が決まらないと、環境基準としての評価ができないので、なかなかデータありません。そこで、ノニルフェノールとLASは、今回の検討のために必要だということで、冬季と夏季の2回、ほぼ同時に面的に調査した結果は、おそらくこれしかありません。ほかに何かデータがあれば、そういったデータを盛り込んで、少し考察させていただければと思います。

○須藤委員長 私は座長ですから、あまり意見を言ってはいけないんだと思うけれども。若干今までのところについて、発言しておいたほうがいいと思いますので、させていただきますが。LASは界面活性剤ですから、生物学的分解も比較的、今のLASは容易なんですが。やはり水温の高いときのほうが分解が高いので、当然、低くなりますよね。冬は、逆に残存するから高くなるというようなことは、当然あると思うんで。別に有明海じゃなくていいので、他の水域のデータを見ていただくと、川だって同じだし、東京湾でも同じだから、そういうことをしていただいたほうがいいということが一つ。

 それから、今の環境基準点というのは、先ほどから亜鉛のこともおっしゃっているんだけども、有明海の場合は、まだ各県で水生生物保全の環境基準点を決めてくださってないわけですから、これはCODの環境基準点ですよね、公共水域の、そうですよね。この環境基準点で測ってとおっしゃっているのは、そういうことですよね、ですよね。

○中島専門官 はい。

○須藤委員長 なので、その値なので、今後は特に特Aが多くなってくると、そこに各県が、各県じゃなく国がやるのか、それは。国で決めるなら国でやるのか、あるいは周囲のところは各県がやるところもあるんでしょうけども。そうすると、そこで環境基準点を設置しなくてはいけなくなるわけですよね、水生生物の類型についても。水生生物の類型指定のための環境基準点が必要ですよね、特にこの水域はそうだろうと思うんです。

 今までのは、川だとか何かは、水質も似たようなものでいいと僕は思うんだけども。ここは生物がたくさんいるし、生物が豊富だし、藻場や干潟が多くてこういうことになってくると、ちょっと環境基準点を少し考えないといけないんだろうなと、このように私は思いますということ、それが2点目。それは別に、今、ご回答いただかなくてもいいんです。

 3点目は、私も総合調査、有明海の総合調査評価委員会のお手伝いをずっと長くしていたんですけれども、先ほど説明があったと言いましたよね、有明海のことについて。同じ環境省の水・大気局から出る報告書で、言っていることとか、同じぐらいの時期に例えばさっきのDOが上がったり下がったりとか、亜鉛が上がったり下がったりといった話で、整合性をとらせておかないと、同じ時期に同じところから違うことを言っているというのは、私、まずいと思うんで、今、ちょっと気がつかなかったんだけど、多分そこは整合性、総合調査結果の評価と整合させておいてください。そうしないと、こちらのほうが全体を見ていると思うんです、類型指定ですから。あっちは、有明海の堤防から出たところの開ける閉めるから始まって、どちらかというと佐賀、長崎側のほうが主だけども、こちら側は熊本とか、それから全域を見るので。違うことは違うでいいんだけども、同じ海域をやっているのに評価が違うのは、ちょっとまずいと思うんで。そこだけは、ちょっと最後によく点検していただきたいと、これ3点です。

○中島専門官 コメント、どうもありがとうございます。

 まず1点目のLASにつきましては、藤田委員から頂戴した夏場と冬場の違いについては、委員長がおっしゃったとおり、他の海域、既存の他のデータとも比較した上で解析をしたいと思っております。

 それから2点目の環境基準点、まだ水生生物の類型指定は終わっていないのですが、基本的に水生生物の類型指定が終わった後、環境基準点でモニタリングをするのは、都道府県さんになります。

○須藤委員長 そうですよね。

○中島専門官 はい。ですので、今日、オブザーバーとしてご参加いただいた関係県の皆さんが、実際に測定をされます。新しい環境基準点というお話もありましたが、まずは既存のCODですとか、窒素、リンを測定されている地点、これが活用できるのであれば、まずはその既存の環境基準点を使っていただくということですので、この資料4の5ページには、既存の環境基準点等を載せております。

 ただ、国が出しています処理基準という通知の中でも、おっしゃるとおり、水生生物の環境基準、実際に類型指定で当てはめられた各水域の範囲が決まった段階で、その水域の状況を把握するのに必要があれば、新たな基準点等を設けることもできます。ただ、各県においては、おそらく予算と労力の制約といった面も、当然、ありますので、どのように有明海全体のモニタリングを効率的にするのかということも考えた上で、基準点を考えていただければと思っております。

 それから3番目の有明海・八代海の評価結果、こちらもちょうど同じ時期に、今年度中には固まりますので、記載の整合については十分注意して、専門委員会……。

○須藤委員長 こっちは公開だったけど、全然違うことが書いてあるというのは、あまりよろしくないね。

○中島専門官 はい。そこは注意して、専門委員会報告案を取りまとめていきたいと考えております。

○須藤委員長 ありがとうございます。そのほか、何かありますでしょうか。よろしいかな。

 木幡先生、まだいいですか、もうこれで十分、いいですか。まだちょっとあるんだよ、時間が。

○木幡委員 今、須藤先生がおっしゃったところが、ちょっと気になっていたので。資料4の5ページですよね、これで赤丸とか枠がありますが、これ何度も今まで議論されたことですけれども、既存の環境基準点というのは陸域からの負荷を見つけるためにあるので、河川の出口とか工場の前とかにあるんですが、湾全体の環境をモニタリングするようにはできていないと。今回やっているようなのは、例えばここで言っている有明海全体の環境を守っていくにはどうしたらいいか、どういうふうに見ていったらいいかということなので、それは全く先生のおっしゃるとおりで、ある程度基準点の見直しというか、そういうのもぜひ考えていただきたい。

 この図でいうと、湾口のほうは、今まであまり汚染がないものだから、基準点が少ないんですよね。そういったところも、ぜひ県の方々には配慮していただいて、湾全体をどういうふうにモニタリングしていくかという計画の中で考えていただきたいなと思います。これは要望です。

○須藤委員長 そのことについて言うと、県の環境モニタリングというのは4県でやられるけど、それぞれみんな忙しくて大変で、これ以上環境基準点を増やされて、全部測れなんていうのは、たまったものじゃないと、こう言われるだろうと思うんで、多分そういうこともあるので、やはり環境基準点は合理的に決めていったほうがいいんで、どうしても重要なところは、CODの環境基準点も少なくしてこの水生生物に集中するとか、そういうふうにしたほうがいいと思います。恐らく佐賀県だとか、長崎県だとか、熊本県だとか、環境基準点は結構多くなるだろうと思う、やればですよ、やれば多くなるだろうと思うので、そこは、CODとはちょっと意味が違うんで。CODを決めたときも、私、お手伝いしたと思うんですが。あれはCODが外部から入ってきて、どういうふうに拡散して、CODが幾つぐらいになるから、大体概ねA類型でいいだろうとか、そのようにやった記憶が、あるんで、湾奥みたいなところはBだとかというのがあったと思うんだけど、有明海全体としてはほとんどAですよね、CODはA類型だったでしょう。

○木幡委員 そうです。かなりの部分は。

○須藤委員長 そうでしょう、大部分そうでしょう、有明海(15)というのは。

○木幡委員 ただ……。

○中島専門官 CODにつきましては、資料3の7ページ。ご指摘のとおり、ほとんどがA類型となっておりまして、河口部ですかね、この辺りにB類型、C類型がちょこちょこあるというような分布です。

○須藤委員長 今議論している水生生物の類型指定案とあわせると、ちょっと整合性がとれないかもしれないので。もともとは、全然インディペンデントに設定していいものだけども、沿岸県の方々が調査へ行くときに、今日はCODの調査です、今日は水生生物の調査ですというのは、私も地方環境研の責任者ということもあるので、そんな余分にたくさんやらされたらたまったものじゃないから、船で行ったら、同じ地点をずっと回ってくるわけでしょうから、そのような時には基準点が同じほうが、木幡先生、いいよね。そうしないと、調査員が可哀そうだよね。

○木幡委員 ええ、経費ばっかりかかってしまいます。

○須藤委員長 そうでしょう、そうですよね。だから調査する立場の人のことも考えてあげないといけないんで、ぜひそこは学問的に、あるいは環境学的にここがいいというのも大切なんだけども、調査する立場の人にも考慮してあげないと、基準点というのはそういう意味があるので、どうぞよろしく、そこはご配慮ください。

○谷田委員 私、海が素人なので、全然わからないのですけれども、有明海は、やっぱり日本で最大の潮位差がありますよね。そうすると、同じ調査地点でも、潮の状態によってかなり水質が変わりますよね。今回、LASとノニルフェノールを測定いただいたのは直営の調査なので、大体潮のどういうタイミングかというのは、レポートとしてはあるんですよね、きっと。

○須藤委員長 どうぞ、何か今ので。

○中島専門官 はい。これらの調査の元データをたどってみまして、その辺りを分析してみたいと思います。

○須藤委員長 ほか、よろしいでしょうか。

○木幡委員 今ので、ちょっとコメントだけなんですけども。どういう潮目の時に測れって指示するのは、かなり酷なんだと思います。船をどういうふうに回すかというのがありますから、朝出ていって、どういう潮目の時になったら、実際には潮流が物凄く早いですから。大潮の時の上げ潮とか下げ潮では絶対できないので、多分、もう小潮の時のいいタイミングを選んでいるんだと思います。ただ、それをいつもそうやれと言ってしまうと、これは調査をする船を出す都合がありますので、結構厳しいのかなというふうに思います。

○中島専門官 先ほどのご指摘等もあわせまして、今回資料に載せてあるデータについて、その背景も調べて、次回紹介したいというふうに思っております。

○須藤委員長 ほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 特になければ、何か専門官のほうからご意見ありますか。

○中島専門官 コメント、それからご指摘ありがとうございます。特にご意見ということではないのですけれども、今回は必要な情報の整理をもとに類型指定をすると、資料4のような案になるということをお示ししました。

 次回に向け、いただいた意見も踏まえまして、欠席の先生にも資料をご確認いただいた上で頂戴した意見をもとに専門委員会の報告案を作っていきますので。また何か気づいた点等ありましたら、事務局にメール等でお知らせいただければ、可能な範囲で対応してまいりたいと思いますので、次年度になってしまいますけれども、次回に向けての作業を進めさせていただきたいと思います。

 以上です。

○須藤委員長 それじゃあ、概ね意見は、今、ご出席の委員の方の意見は出尽くしていると思いますので、今回は決定する委員会ではございませんので、意見をお互いに出し合って、疑問点を解決していくという意味での専門委員会でございます。人数が少ないけれども、今日の議論は成立いたしておりますので、議事録を欠席の委員に見ていただいて、それで概ね合意を得られるとは思います。次回には全てまとめて先生方の総括的な意見をいただいて、結論していきたいと思いますので、ご了承いただきたいと思います。

○木幡委員 関係県の方……。

○須藤委員長 ということで。お聞きしましょうか。せっかくご出席いただいているので県の方の意見を順番に、それじゃあ佐賀県から、今の議論で何かご疑問なり、それからさっきの環境基準点なり、分け方についてご要望があれば、順番に行きましょう。

○佐賀県 佐賀県でございます。本日は、いろいろなご意見を聞かせていただきながら、勉強をしているところなんですけれども、やはり今回見せていただいた限り、特別のAの区域に指定されるところが多いということもありまして、佐賀県域もかなり県に近いほうの基準点が多いということもありますので、ご意見を頂戴しながら、そちらの見直し等を進めていければというふうに思っているところではございます。

 以上でございます。

○須藤委員長 大変だなと思われましたか。こんなにたくさんあっては大変かなと。

○佐賀県 そうですね。率直に基準点の取り扱いをいろいろと検討できればというところでは……。

○須藤委員長 今からでも、どうぞ始めてください。

 では、次の長崎県、どうぞ。

○長崎県 長崎県です。今日は貴重な専門委員会としてのご議論を聞かせていただきまして、ありがとうございました。

 私どもといたしましては、平成29年度から、本年の10月から、この有明海については、この3項目の調査を環境基準点で行うようにしております。あと湾口部のところが、環境基準点が少ないということですけども。長崎県におきましては、その早崎瀬戸ということで、一番湾口部のところを測るようにもしておりますので、その辺のデータも今後みていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。次が熊本県かな。

○熊本県 熊本県です。発言の機会をいただき、ありがとうございます。

 海域の類型指定については、本県はまだまだ勉強不足の面がありまして、今日初めて聞かせていただきました。委員長や各委員の方からも意見がありましたが、有明海と八代海は、総合調査評価委員会で、膨大なデータが取りまとめられていますので、その確認は必要だろうと思います。

 それから環境基準点について、委員長から調査主体となる自治体にも配慮するようにとのありがたいコメントもいただいたところですが、やはりどうしてもここは必要だというところは新たな基準点の設定を検討することになるだろうと考えておりますので、東京湾や瀬戸内海といった他の海域の状況なども情報収集し、参考にしながら今後検討していければと考えています。

 以上です。

○須藤委員長 ありがとうございました。それじゃあ、福岡県どうぞ。

○福岡県 福岡県です。今日は貴重な場に出席させていただいて、ありがとうございました。

 福岡県では、海域における「水生生物の保全に係る環境基準」の類型指定については、今後検討を進める予定としております。最後のほうに既存の生活環境項目の環境基準点で影響を見るだけではなく、水生生物に係る環境基準を類型指定するに当たっては、有明海全体をモニタリングする観点から新たな基準点を設けるべきだという意見があったかと思います。類型指定の状況によっては、新たな環境基準点の設定を検討する必要性が生じる場合があることから、事前に常時監視を行う関係県と協議していただければ幸いと考えます。今日は、貴重な場で出席させていただいて、ありがとうございました。

○須藤委員長 どうも4県の皆さん、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、最後にまとめて審議官のほうからお答えというのも何ですが、ご要望も随分あったので、座長でご要望に応えちゃうとまずいから、審議官のほうからお願いいたします。

○早水審議官 いろいろご指摘いただきまして、ありがとうございました。

 特に、まず有明海・八代海のもう一つの評価委員会の報告との整合につきましては、これは当然でございますので、きちっと中身の整合がとれたものにしたいと思っております。

 それからご指摘のいろいろありました環境基準点との関係につきましては、項目毎に調査の観点は違いますけれども、他方、効率的に調査をするという観点もございますので、これについては事務処理基準というのも我々のほうでも作ってはおりますけれども、他の水域のことも考慮しつつ、この水域でどうしたらいいかというのも両方考えながら、各県のご意見も伺いながら整理をしたいと思います。類型指定をする際にある程度基準点がどんな形になるのかなという想定もしながら検討していますが、この時点では、まだ多分確定的にはできないと思いますので、基準点をつくるのは後になると思いますけども、ある程度想定をしながら検討していくということになろうかと思います。

 なお、さっき須藤先生からもお話がありましたが、専門委員会につきましては、特段、規定上は定足数の規定はございませんし、また今日の委員会は、いずれにしてもご議論いただくもので、取りまとめは次回でございますので、この委員会としては成立しております。いただいたご意見はきちっと反映させますし、先ほどご指摘のあったように、ご欠席の委員の方々にも当然ご意見を伺った上で次回に向けて報告案を取りまとめて、次回の委員会に提示をしたいと思いますので、よろしくお願い致します。

○須藤委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、大体の審議が終了いたしましたので、これまでいただいた先生方のご意見、あるいは県のご意見を踏まえまして、事務局で資料の修正を行うとともに、次回は、今、審議官からもお話がございましたように、有明海における類型指定の専門委員会報告案について審議を行いたいと思いますので、事務局で、あらかじめ準備を進めてください。お願いいたします。

 では、その他として何か他の委員の先生方、あるいは事務局、ございますでしょうか。特にないですか、いいですか。

○林課長補佐 はい、ございません。

○須藤委員長 それでは、これをもちまして、あと、総括からまとめをいただきたいと思いますので、私の座長としての任務は、これで終わらせていただきます。事務局に後、お任せいたします。どうぞ。

○林課長補佐 本日は熱心なご議論ありがとうございました。今後の予定でございますけれども、次回、第33回の本専門委員会では、先ほど委員長からご発言がありましたとおり、有明海における類型指定の報告案についてご審議いただければと存じます。

 日程につきましては、また調整をさせていただければと思います。

 それから、本日の議事録でございますけれども、事務局で案を作成し、後日お送りいたしますので、ご確認いただいた後、公表してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

○須藤委員長 ありがとうございました。それでは、事務局からの最後のまとめもいただきましたので、以上をもちまして第32回水生生物保全環境基準類型指定専門委員会を終了させていただきたいと思います。

 委員の皆様には、大変ご熱心なご討論をいただき、ご協力いただきましたことをお礼申し上げます。本日は、どうもお疲れさまでございました。ありがとうございました。

                                       午前11時20分 閉会

ページ先頭へ